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43回国会衆議院1963/02/25

予算委員会第四分科会 第8号

発言数
385
登壇者
27
会派数
3
開催日
1963/02/25

会議録

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  昭和三十八年度一般会計予算、昭和三十八年度特別会計予算及び昭和三十八年度政府関係機関予算中、運輸省所管及び日本国有鉄道関係を議題といたします。運輸省関係につきましては、去る十六日説明を聴取し質疑を行ないましたので、本日は十六日に引き続き質疑を行ないます。  なお、この際各位に申し上げておきますが、運輸省関係に対する質疑の通告者はきわめて多数であります。つきましては、一人当たりの質疑の持ち時間は、先般山口丈太郎分科員と協議いたしました三十分以内を厳守されるよう、特に御協力をお願い申し上げます。  なお、この際政府当局に申し上げます。質疑時間が三十分に限られておりますので、答弁は簡潔にしかも要領よく行なわれますよう、特に御注意を申し上げます。  これより質疑に入ります。山口丈太郎君。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 私は、主として、まず最初に運輸省の組織及び機構の問題についてお尋ねいたします。  現在の特に自動車交通の非常に脅威的な発展に伴いまして、運輸省関係の行政事務は繁多をきわめておる状態であります。そこで、自動車局長にお尋ねをいたしますが、現在東京陸運局が取り扱っております管内の陸運関係の行政状況はどういうことになっておりますか。一つ概略でよろしいから御説明を願います。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 東京陸運局は、御承知と思いますが、関東地方一都七県を管轄いたしておりまして、業務量につきましても、全国にあります九つの陸運局の中で一番多数を占めております。車の数から申しましても、全国で自動車が五百四十万両ほどありますが、その中で東京陸運局管内の車が大体百五十万両くらいを占めております。約三割近くは東京陸運局の管内であります。東京陸運局で処理いたしております免許申請事案を件数で申し上げますと、大体年間七千件近くの免許あるいは認可の申請件数を扱っております。相当膨大な業務量を持っております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 さらにお伺いをいたしますが、今日各都道府県に陸運事務所というのが設けられております。これの行政、指導は、もちろん運輸省の所管に属すると思われるのですが、この現状は一体どういうことになっておるのでしょうか。非常に大きな県等におきましては、その陸運事務所の所在の不適性等による地方民への非常な不便を訴える向きもありまするし、また職員の監督権等につきましても、戦後のいわゆる占領政策当時の残滓ともいえるような監督行政になっておる、言いかえますと、国家公務員としての陸運局の職員でありながら、その監督権が地方官庁にゆだねられるというような不合理性がある。これは、さなきだに、繁忙をきわめる陸運行政に対して、私は非常な支障を与えているのではないかと思われますが、これらの現況について事務当局から御答弁願いたい。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 陸運事務所は運輸行政のうち自動車行政の一部を担当いたしておりまして、現在の機構は、ただいまお話しのように、占領中、中央の権限の地方移譲という線に沿いまして、現在都道府県知事の指揮下に入っております。しかしながら、やっております仕事の内容が自動車行政の一部でございまして、主として車両検査、登録の仕事、さらに自動車行政の管理行政の一部をつかさどっておりまして、これが人事権あるいは予算すべて運輸省の所管となっております。従いまして、職員ももとより従来の運輸省の職員がそのまま陸運事務所の職員として都道府県知事の指揮下に入っておりますので、業務の能率の点あるいは職員の士気、そういう点から考えましても、あまりよろしくない状況下にあるわけでございます。われわれといたしましても、つとに自動車行政の一元化ということで、直接運輸大臣の監督下に入って、機構も陸運局の下部機構ということにするべく努力いたして参っておりましたが、たまたま昨年から行政制度調査会が設けられまして、政府の行政機構全般にわたって再検討いたしておりますので、この行政制度調査会に対しましても、運輸省のただいま申し上げましたような意向は、十分に説明をいたしております。この行政制度調査会の結論を待ちまして善処いたしたい、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 そこで運輸大臣にお伺いをいたしますが、今行政制度調査会によって、いろいろと運輸省の組織機構の問題についても審議をされておるようでございますが、しかし、今申し上げましたごとく、事務当局からの答弁によりますと、東京の陸運局におきましては、年間この車両数が百五十万両、許認可の件数は七千件をこえるといわれます。このような膨大なものが一局でもって処理できるとは、これは常識から考えても今日できない相談ではないか。特にこれだけの多数の案件を処理する職員の数はきわめて少ないのであります。従って、運輸行政の円滑化については、非常な非難さえ起きておる状態であります。また、陸運行政の一貫性を保ち、事務の迅速な処理をはかりますためには、今日のようないわゆる陸運事務所なるものがそのまま放置されていいものではないと思うのであります。いかに行政指令権を一本にいたしましても、その人事監督権というようなものが他にあるというのでは、これはいわば動脈硬化を来たしているのと同じことであります。従って、これらの職員の監督指導の権限も、同時に運輸行政を一貫させるという意味において、なぜもっと早く処理ができないのか、私はこれを不思議に思うのです。特にまた、たとえば兵庫県のごとき非常に地域の拡大しておるところにおいて、経済的には兵庫県であれば神戸が中心でありますけれども、実質的には、日本海側から見れば、きわめてへんぴなところと言わざるを得ません。しかし、今日の経済の発展によりますと、この陸運行政というものは、一刻もゆるがせにできない重大問題であります。従って、やはりこういうようなところにおきましては、あるいは出張所を設けるなり、いろいろの方法をもって、もっと陸運行政を円滑化するための処置をとることが行政の責任だと思うのです。行政調査会が今いろいろ検討しておると言われますが、運輸省としては、その諮問にあたって、これでよろしいかどうかという原案をお持ちになって、行政調査会に諮問されておると思いますが、これに対する運輸大臣の所見はどうなんですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 陸運行政の地方のあり方につきまして、御趣旨のように非常に不便を感じておりますので、いわゆるあなたのおっしゃる一元化につきまして、歴代の運輸大臣も強く行政調査会に要請をしております。私もこれについて強く行政管理庁長官その他に要請しております。また、東京陸運事務所の専務が非常にたくさんありまして、人員の不足ということは私も痛感いたしておりますので、本年度の予算に相当大幅な人員増加の要求をいたしたのでございますけれども、いれられなくて、本年五十人の定員増を認められたものでございますから、おそらく今後は若干の改善は期待し得られると考えております。なお、御趣旨に従って、強く臨時行政調査会にも要望いたす所存であります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 行政調査会に要望なさる、けっこうでありますが、しかし、これは運輸大臣の決断にもよるのじゃないかと私は思う。歴代の運輸大臣がいつまでも煮え切らない態度でいるから、こういう占領政策で、中央集権を極力排して地方に置く。私も別に、中央集権に持っていって、強権を中央が発動せよと言うのではありません。しかし、理論の通らない、筋の通らないものは、やはりこの性格に合うようにやるのが当然だと思う。その点についてもう少し強い態度をお持ちになることが当然ではないかと思われるのですが、これについて大臣どうお考えですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 お説ごもっともで、微力ではございますが、強く要望いたすつもりでございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 意を強くいたしました。あの東京の陸運局などは、行ってみるとめちゃくちゃです。東京なんというところは日本の人口の一割も持っておる大都市だ。これは閑散なところの一地方くらいの人口と、それ以上のあれを持っている。ですから、もっと行政の円滑化をやって、やはり陸運局などは一つ二局にするなりして、適切なところにもう一局設けて、そうして地方の行政を促進してもらいたいと思うのです。大へん迷惑です。僕らは困ります。強く要望いたします。  それから、自動車の検車機構についてでありますが、これと関連をいたしまして、免許などの許認可の問題等につきましては、地方行政、陸運局の機構を強化して、そこでしかるべく中央にお持ちになるような機構を設けて、少なくとも二府県にまたがらないような許認可については、ある程度それに権限を移譲する、こういうことが私は望ましいことではないかと思うのですけれども、これはどうですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 いろいろな角度から検討いたしました結果、地方陸運局に権限を移譲することがよりベターだというものにつきましては、順次権限を移譲しております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 どうも誤解があるといけませんが……。(発言する者あり)不規則発言ですから答弁するなにじゃありませんが、そういうようなことじゃないのです。要はもっと合理的にやれということです。ですから、これは一つ考えてもらいたいと思います。  それから、一つ、この車両制限令に伴う対策について、自動車局長からお答え願えませんか。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 お答えいたします。  車両制限令は御承知のように昨年の二月から実施しておりますが、その際に、現在運行しております路線バスにつきましては、三年間の猶予期間が認められておったのであります。これは車両制限令が直ちに適用になりますと、従来通っておりますバス路線が通れなくなるということで、利用者に非常に不便をかけますので、三年間の猶予期間を置きまして、その間に道路の整備拡充をやるか、あるいは一方通行ないしは迂回道路によって、できるだけ利用者に迷惑のかからないようにということで、三年間の猶予を持ったわけでございます。特にこの点につきまして、東京都内を例にとってバス路線を調査いたしてみますと、この車両制限令に抵触する個所が二百二十五カ所もございます。この二百二十五カ所のうち七十四カ所というものにつきましては、いろいろな対策が講ぜられたのでありますが、百五十カ所ばかりについては、いまだ具体的の解決策がないというふうな状況でございます。従って、このままで来年の七月が参りますと、東京都内にバス系統が約一千ほどございますが、その中で二百系統以上のバス路線はやめなければいけないというふうな事態にならざるを得ない。これによりまして迷惑のかかる利用者というものは、六十万人をこえるというふうな状況でございます。  そこで、これの対策といたしまして、いろいろな条件が整い次第、経路の変更あるいは路線の一部廃止等考えてはおりますが、全部が思う通りに解決できるということは非常に困難だと思います。こういうことのために、実は先般来道路管理者それから警察当局と三者の協議会を持ちまして、期限内に何とかこの不便が克服できるように要請をいたしておるのでございますが、具体的の個所の調査ができておりますので、道路管理者それから警察の方で現在検討してもらっております。なお、全国的に見ましても、かなり車両制限令の適用を受けまして利用者に不便をかけるところが相当ございます。これらにつきましても、各地、各県におきまして、運輸当局、建設当局、それから警察当局と県の方の当局と協議会を設けまして、解決策を立ててやっております。運輸省といたしましては、この期限内に極力利用者に迷惑にならないように善処いたしたい、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 これはよほど慎重にやってもらわなければならない。ただあの制限令に基づいて画一的にやるということは、これは私はよほど考えなければならぬと思うのです。路線の変更もけっこうですけれども、路線を変更すればその基幹路線というものはますます混雑をするという結果になる。それのみならず、それによって、今言われますように、現在でも六十数万の人々が不便を感ずるようになるということでありますから、従って、建設省がこういうものを出す限りにおいては、私はやはり建設省は責任を持つべきだと思う。そうして不便をかけないようにする。また、今後新たに設けるところは、そういう制限令にいう条件を満たさぬところは許可しないんだということなら話はわかるけれども、既設の路線を廃止するなどというめちゃなやり方は無責任です。これは行政の責任を問われることになります。従って、これは運輸大臣においても慎重に一つやってもらいたいと思います。  それから、もう一つは、これは自動車ばかりでまことに失礼ですが、最近だいぶ傾向がよくなったといっても、いわゆる白タクと称する不法営業が随所に見受けられます。地域によってはそれが暴力化しておる。営業車も所定のところに近寄れない。こういうような状態がだんだんと取り締まりのきつい都心部から郊外の方に移っておる。そしてそれが一つは暴力の温床にもなっておる、こういうことであります。ところが、取り締まりを頼みますと、警察の方では、これは運輸省の何かがなければできない、運輸省の方へ行くと、警察の方でも取り締まってもらわなければ……、道路交通法があるんだから、それでやるんだと言うし、さっぱりわからぬ。そして、袋だたきにあうような事件が関西方面においても非常に多いのです。私も、自動車に乗っていって駅に待たしておくと、乗客は、自動車とあれば何でもかまわぬ、行けと言う。私の名前を聞いて逃げていくような状態です。こんなことは、私は運輸行政としてはなっていないと思います。困ります。それで私の運転手までが暴力を加えられる。私らは何も営業しておるわけではないです。そうすると、君らは何だ、こういうところへは近寄れないんだ、そういう状態で暴行を加える、これは一体どういうことなんです。許可問題については、さっきああいう不規則発言があるように、誤解されるくらい強いんですが、こういう不法行為に対しては一向に弱い。これはどういうことなんですか。どうも私は合点がいかない。こういうものにこそもっと強い態度をとり、合法的にやっているものについてはもっと温情のある行政をやれないものか。何だお前らの許認可はおれが判こを押さない限りできないんだ、既設のものには非常にえらそうに言っておって、そういう不法なものにはさっぱり手がない。これは私はまことに不合理千万だと思う。一体これはどうなんですか。運輸大臣どう思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 御趣旨のように、私どももまことに不都合と考えまして、非常に苦心をいたしまして、その取り締まりを厳重にするよう努力いたしておるのですが、結果の上がらぬことはまことに遺憾に存じます。今後十分注意いたします。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 私はこれで質問を終わりますが、くれぐれも申しておきますけれども、これは鉄監局長も聞いておいてほしいのですが、今不規則発言にもありますように、認可を受けてやっておるところへ監査なんかにお越しになります。大へんけっこうです。業務上きびしく監査をしてもらうことは当然の話なんですけれども、しかし、どうも逸脱をして権限を振り回すようなことがあって、関西でも非常に問題を起こしたことがあるのです。これは非常に困るのです。まあ言いかえると、いかほど低姿勢で臨んでも、決してばかにしているわけではないのですよ。それをおれは許認可の主権者だからというような調子でやったり、おれは国民から委託された官吏だからなどという、とんでもないことを言う者もある。こんな官僚的な昔からの精神でやっておったら、これは大へんなことになりますよ。はなはだ失礼な言い分かもしらぬけれども、何も国民から委嘱して官庁の人を頼んでいるのではない。官庁の人は、国民の皆さんに仕えますから使って下さいといって、試験を受けてきているのです。いわば国民が主権者なんです。憤慨されるかどうかわかりませんけれども、それにはそれ相当の態度を持って臨んでやってもらいたい。そうでないと、今日の行政というものはうまくいきません。昔のように、おれは国民から委託されている官吏だからなんていばったのでは、どうにもならぬ。そんなことでは行政はできませんよ。ですから、一つその点は十分注意して、そういうことのないように私はしてもらいたいし、英知ある幹部の方々は、部下をそういう誤った観念に基づいてやらないように御指導を願いたいと思います。これは綱紀の問題にも関連をいたしますが、運輸大臣の所見を一つ承って、質問を終わりたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 常平生、私どもは、また歴代の運輸大臣は、そういう御趣旨のように終始しておるのです。また、御承知のように、国家公務員は国家のなにに奉仕するということが建前でありますから、それを逸脱することのないように、今後とも十分注意をいたしたいと思います。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 肥田次郎君。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 私は、まず運輸省の予算全体についての質問を行ないたいと思います。  今政府が立てておる経済成長政策を成功させるのには、交通と輸送の面で万全を期する。これが先決条件であろうと思うのです。従って運輸省が所管をしておるところの陸運、海運、航空、気象、海上保安、さらにこうした重要任務が達成されるために継続をされた事業あるいは新規計画、こういうものが非常にたくさんあったと思うのです。ところがそういう継続計画、新規計画に対する今度の予算の内容を見てみると、まことに不足をしておるのではないか、不十分きわまるものがあると思います。この点について大臣としてこれでやっていけるのかどうか。やっていけるのかということをお聞きすれば、これは何とかしてやっていくというお答えがあると思いますけれども、根本的に足らないものを一体どうするのか、こういう点についてまず概念的なお答えをいただきたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 国家財政の許す範囲内におきまして、その国家財政と調和のとれたすべての行政をやっていかねばならぬということを私は痛感いたしておりまして、私どもといたしましても、そのうち最も重要なるもの、しこうして国家財政でまかない得るという点につきまして、今回の三十八年度の予算は要求したつもりでございます。しかし、国家財政は御承知のようになかなか楽ではありません。そこでまあこの程度でやっていかねばならぬ最大限であり、また最小限かもわかりませんが、その考えで今回の予算を要求して、そしてこの乏しき予算の中から、いかにすれば国民の要望にこたえ、また国家の、池田内閣の使命である所得倍増計画にマッチしていくかということに日夜苦慮いたしているような次第でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 まず海運対策から見ても、海運対策ではなるほど画期的な対策だといわれる法案が今出ています。しかしこれはいわゆる大企業の外航船の対策ということになろうと思います。先般も關谷委員から強い要望があったと思いますが、内航船の実情についてはその実情さえも把握されておらないというような、いわゆる全く放置されておるような実情になっておる。それから航空関係についても、先般来いろいろな注文を予算編成前に出しておりました。ところが、これらも具体的にはなかなか数字の上に現われておらない。要するに今のところ、いわゆる交通戦は地上にあるけれども、近い将来というよりも、もうすぐ目の前に航空においても同じ状態が起こるのではないかという、そういう非常に差し迫った事情にあると考えておる。しかし、いわゆる航空空港の整備あるいはその他の施設の整備、こういうものについても予算が格別新しく獲得された——獲得というよりも、予算が盛られておるという面がない。それから海上の問題にしても、ここではいわゆる近代化された設備がない限り海上保安の任務というものは達成されない。けれども、海上保安庁の方で要求しておるところの、いわゆる高速巡視艇あるいは救援用の船舶あるいは火災消火用の船舶、こういう機械化について、これもごく微々たるものです。いわゆる前年を踏襲しておるという程度のものにしかなっていないと思う。気象庁の関係でももうすべて同じことが言える。こういう消極的なといいますか、こちら側の方で見れば、非常に消極的な運輸省の予算の内容を見たときに、私が冒頭に申し上げましたように、経済成長政策というものを成功させるには、この交通と輸送という先決条件を解決せなければ不可能だろうというこの点が、どうも理屈通りいっておらない。こういう点は一体どうなっておるのか、これで一体いいのかということをまず考えるわけです。これについてはそれぞれ関係の各局の問題もあると思います。私はこういう問題については、そのたびごとに必ずいろいろな人から話が出ておったと思うんですけれども、特に取り上げたい問題をやはりこの際取り上げておく必要があるだろうと思います。これはささいな問題ですけれども、ささいな問題を取り上げることによって、その質的要求というものが強まってくる。今までのようにただ予算というものは何かあてがい扶持のようなつもりで関係局長がおるならば、予算の獲得という二とはなかなかむずかしい。予算の獲得というものは、本質的にはそれぞれの任務を完全に達成するための金ですから、それなしにやれるはずはない、こういうことを考えるのです。  先般も、御承知のように、私たちは例の、今山口先輩が質問いたしておりましたが、車検などの問題について陸運局の調査をしました。そのときにこれだけふえてくる車両の検査を一体どうしてうまくはかしているんだろうかという気がしたわけです。職場関係というものもまことに不十分きわまるものであるし、人員が不足しておることは申すまでもない。ところが、ことしの人員増はこれもたった五十名、こういうことで実際激増するところの車検という仕事がほんとうにできるのかどうか。職場では人をふやしてくれ、いろいろな施設が足らないからその面を充実してくれ、こういう要求が出ておるのにもかかわらず、それが実際には予算の上に現われておらない、こういう問題もあります。  航空事務所の問題についても、これは航空局長によく聞いておいていただかなければならぬと思いますが、管制という重大な任務をつかさどる管制官というものが、実際には待遇が悪いためにこれが充足できない。こういう状態がつぶさに感じられた。それからもっと大切なことは、われわれが見てきた中の通信施設といいますか、この職場の環境が非常に悪い。聞いたところでは、室内の温度が百三十度をこすこともあるんだということを言っておりました。窓をあけようとすればほこりも入ってくるし、いわゆる機械の障害が起きるから窓をあけるわけにもいかない。まるで溶鉱炉の風が吹きつけるような暑い中で事務をとらなければならぬ。これでほんとうに仕事ができるんだろうかという心配もありますし、それからこんな暑さの中ではいわゆる精密な機械である通信機の故障が起きるのではないかという心配をわれわれはしました。こういうところでは、いわゆる冷房設備をして、そうして機械の機能が完全に果たせるような対策が立てられなければならぬ。なぜこの重要な任務を持つ航空管制の諸施設がこんな状態でほうっておかれるのだろうかという気がしたのです。それから、機械の血も当然ですけれども、人の面にもまだずいぶん無理がありました。一つの例を申し上げてみても、すみっこにおんボロのソファーがあった。こんなものは外へ捨ててしまったらいいじゃないかということを言いましたところ、とんでもないことです。これは私たちがちょっとした余暇を腰をかけて休むのです。こう言う。ところが形はソファーだけれども、上のシートが破れて中からスプリングが飛び出してきて、全くそこらにほうり捨ててあるソファーと同じ程度のものです。そういうものが二つ、三つ置いてあって、そこで休憩をするんだ、こう言っておる。ほとんどの人がもう一日じゅう立ったままで仕事をしておるという実情のように見受けました。  それから海上保安庁関係で、例の川崎のタンカーのまる焼けの現状を視察いたしました。ここでもわれわれが聞いたことは、こういうふうに言っておるのです。いわゆる監視所だとかあるいはいろいろなところで働いておる人々が、限られた人数でとにかくもうほんとうにそこに居切りというのですか、もうそこへひっついたままで仕事をしておる。ほんとうに食事も便所も何もかも一緒くたのところでやっておるんだということでした。人の交代もなかなか思うようにはいかない、五人の定員のところで三人くらいで仕事をしておるんだ、こういう話もありました。人間的にこういう感情も出てくると思うのです。片一方では海上自衛隊の諸君は、所定の時間の演習が終わればさっさと服を着かえて、もう町へ遊びに出ていく姿が見られる。ところが海上保安庁の監視員やその他の勤務の人人は、そういうものを見ながら窮屈な職場の環境の中で終日仕事をしておる、こういう話でした。この姿はちょうどわれわれが戦争で体験したところの正規の軍人と軍属ほどの大きな差がある。まことにこういう待遇というものは今日われわれが想像もできないことだと思うのです。  それから気象観測所の問題でも、私は同じことが言えるんじゃないかと思います。御承知のように、海上保安庁の灯台の関係あるいは気象庁の観測所、こういうような関係については、これははたで見る目とはずいぶん違っておる。テレビや新聞の写真なんかで見せてくれる状況というものはない、これはまるで詩か夢のような姿しかわれわれの目には映らない。けれどもそこで働いておる人々の苦労というものは、これは大へんなものなんです。実際人間の社会に大きな関係を持つところの仕事をしておるのに、その人たちの職場環境というものは人間とは全くかけ離れたところで仕事をしておる。こういう問題を解決する道は、私はその人たちの職場環境、処遇あるいは施設のいろいろな問題を、これを特別な扱い方をもって充実をしていく以外に、この人たちの恵まれない職場の運命的な点を解決する道はないだろうというふうに考えるのです。それで予算の問題で本質的に考えなければならぬことは、施設の関係を無視していわゆる本質的な予算を要求するということはむずかしいだろうと思う。要するに施設というものを無視された場合に、これくらいならしんぼうできるだろうといういわゆるあてがい扶持の予算がそこに立てられる。けれども施設というものを基底にして、どうしてもこれだけなければ任務が果たせないのだということになれば、あてがい扶持はいけないはずなんです。こういう点について、予算獲得という立場では、予算化する各省の計画という立場では、それぞれの局長がそうした気持を、そうした実情をよく把握をして予算を立てる、そうすればその姿が運輸大臣の強力な運動となって現われてくる、こういうふうに思うのです。要するにこれを簡潔に言うと、えらい失礼だけれども、局長は少しものの考え方が甘過ぎるんじゃないか。予算というものは大臣が取ってきてくれる、だから要求をして、要求しておるだけ出なければ、仕方がないからあてがい扶持でがまんする、こういう考え方が習慣的になっておるとするならば、これは大へんな問題だと思うのです。この点で各局長が予算を要求する上において、自分のこの関係の予算を立てる上においてどの程度の決心を持っておられるか、簡単でよろしいからお答えをいただいておきたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 先ほど申しましたように、国家財政の認められる範囲内においては最善を尽くしたつもりであり、肥田委員が発言されましたことは、そこの職場におる人間の士気を高揚する点において非常に有益であると思いますが、同時に一番私がこの間の予算の折衝を通じて感じたことは、航空管制員の待遇がいかにも悪く、施設がいかにも悪いということに思いをいたしまして、それを中心に、いろいろな問題もありましたが、最後まで交渉に残ったのは航空管制員の手当増額の問題であったのでございます。諸種の事情でこれがいれられないことを私もはなはだ遺憾に思い、今後一そう努力をいたしたいと考えております。  以下局長にその状況をお答えいたさせます。

今井榮文運輸事務官(航空局長)

○今井(榮)政府委員 肥田先生のおっしゃる点については、私どもも十分反省いたさなければならない点があると思います。しかしながら予算の面につきましては、私どもといたしましても、局自体の最も重点的な施策の一環として管制官の調整額の問題について、昨年の九月以来関係方面と折衝を続けて、予算の段階に入ったのでございます。大臣までお願いして折衝していただいたのですが、来年度はやむを得ずこれを予算化し得なかったという状況であります。しかしながら先般の運輸委員会におきましても、それぞれ関係の方の御出席を願って、自民党、社会党からもそれぞれの管制官についての手当増額の御意見が出されまして、私どもといたしましてはそのうしろだてに力を得まして、でき得る限り早い時期にこれを実現するということを関係者の間で申し合わせをしておりますので、御趣旨に沿うように今後できるだけ努力をいたしたいと思います。  なお先生から先ほど通信関係職員の職場環境についてお話があったのでございますが、これは羽田の現在の国際・国内通信所の状況でございます。私どもとしても、職場環境の改善あるいはまた職員の住宅問題というものについては、でき得る限りの努力を払っておるのでございますが、何分にも全般的に十分なことが実現できないという状況ではございますけれども、今後とも努力していきたいと思います。  なお、羽田につきましては、御承知のように現在ターミナル・ビルディングの増改築工事が行なわれておりまして、本年の八月あるいは本年秋ごろには大体において工事が完成する予定でおります。その際に私どもの羽田の航空保安事務所の事務室等の関係につきましては、御趣旨を十分に体しまして、でき得る限り、そういう毎日苦労しておる職員の環境の改善を今度の増築計画とともに進めていきたい、かように考えております。  なお管制本部の現在の職場環境は、御承知のように、入間のジョンソン基地にございまして、地下壕の中で管制をやっておるわけでございますが、これは先生方の非常な御協力によりまして、一昨年の予算で東久留米に新しい誇り得る管制本部の庁舎を現在建築中でございます。本年度の三月末には完成いたしまして、四月から新しい施設に移り得る。これは地上のりっぱな、世界的にも誇り得る施設だと私どもは思いますが、そういうところに移り得るし、その近所にこれもまた大蔵省にお願いして、住宅につきましても近代的なアパートを建てる。これは全員を収容することはできませんが、七、八十名の職員につきましてはそこに住居もあわせて完成する、こういう状況でございます。できる限り御趣旨に沿いまして、今後とも努力していきたいと思います。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 今の航空局長の話を聞きますと、とにかく相当改善の方策があるようでございます。特に私は今の航空局長の答弁は、ただ言葉ではなしに、これが実際に予算の上に現われてくるように努力をしていただきたいと思います。  それからその次にやはり予算化の問題で、大臣が昨年就任をされたときに、たしかその直後であったと思うのですが、都市交通対策として都市高架鉄道の建設公団をつくって、そうして民営鉄道の都市乗り入れ線あるいはまた新線なんかの場合に、これらを高架鉄道の公団のようなものをつくって、そうしてこれを長期年賦で償還させるという考え方を明らかにされました。それから岡本鉄監局長も、都市交通対策というものは、地下鉄網と高架鉄道網とのコンビの必要性ということについていろいろと御意見があったようです。こういう点については、われわれも都市交通対策は全くそれ以外に解決する道はないだろう、こう思っておるのですが、これには非常に莫大な建設資金が要るわけです。そういうことを前提にした大臣と鉄監局長との考え方が、格別この予算書を見ても、これが予算化の上に現われておらないわけです。片一方では鉄道建設公団をつくって国鉄に——将来どうなるかは知りません。また賛成、反対ということは今ここでは申しませんけれども、とにかく鉄道建設公団をつくろうという予算と法案がもうすでに明らかになりました。それから海運対策についても一応の考え方というものが出されました。あとに残っておるのは、この重大な問題であるところの都市交通対策だろうと私は思うのです。なぜこれだけがそのままの姿で残っておるのか、この点についての、予算化されなかったという点についてのお答えを一ついただきたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は今あなたがおっしゃったようなことを就任早々考えております。またその高架線の建設に非常に膨大な資金を要することは言うを待たないので、それに要する費用を何か別個の形においてやりたいという念願を持ちまして、運輸省といたしましては高架線の建設公団、それから最も重要なるバスのターミナルの問題、それから新線建設の問題、この三つを陸上の交通機関については私の大きな施策として考えてやったのでございますが、毎々申すように、国家財政の都合上そういうことが予算化せられなかったことは、私どもの微力のいたすところでざんきにたえませんが、今後ともそれはいつの機会か必ず実現するように努力いたしたいと考えております。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 そこで、今大臣もそのようなお考え方だと思いますので、一つ私も考え方を聞いておきたいと思うのですが、私の考えておるところは、もう今日の都市交通の事情は、道路の整備をどんなに急いだとしても、なかなかそう簡単に片づかないと思うのです。要するに道路の整備という問題と都市の集中制限という問題とは、おのずから問題が別になってきますから、こういう点についてとてもうまく事が運ばない。そうしてくると、いわゆるバスのターミナルというような問題も緊急なものとして一応の対策は立てられましたけれども、しかしおのずから明らかなことは、自動車の輸送には限界があるということが言えるだろうと思うのです。いわゆる自動車の路面輸送については限界がある。だからこれは岡本鉄監局長も言われておるように、人の面だけではなしに、高架鉄道と地下高速鉄道、この二つのコンビによって都市交通難を緩和する以外には道はないのではないか。そうしてくると、一番確実な条件であるところの大量の人及び物資を安全に、正確に時間通り運べるというこの条件は、これはもう鉄道以外にはない。これは地下であろうと高架であろうと、同じ条件ですから、これ以外にはないと思うのです。今都市の交通難を緩和する対策として最も必要なのは、大量の人と物資をすみやかに、安全に、どうすれば運べるかという問題が残っておるわけなんです。そうすると、これは鉄道にたよる以外にはない、こういうことに私はなると思うのです。ですから、そうなってくると、なるほど地下鉄の対策として立てられておる東京都の地下鉄、それから高速度営団の地下鉄、それから名古屋と大阪にあるところの地下鉄、こういうものに対する対策は立てられておるようですけれども、その他において問題になるいわゆる私企業、民営企業におけるところの対策というものが欠けておる、こういうふうに思うのです。なぜこういう点が欠けたのでしょうか、一つこれは鉄監局長に聞いておきたいと思います。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 私企業に対する政府の助成というものは非常におくれておるという御指摘でございますけれども、今までは私企業の能力というものは相当ございまして、必ずしも積極的な政府の助成を待たないでも、みずからの力である程度の整備はできて参ったわけでございます。政府といたしましては、結局税制の面あるいは金融の面で若干の応援はいたしておりますけれども、原則としてはみずからの力でやって参ったわけでございます。しかしながら、御承知のように大都市における人口の集中はますます激しくなって参りましたし、これに対応する輸送力の整備増強は非常に重大な問題になって参りまして、公営企業といいますか、あるいはまた営団と申しますか、そういった政府関係機関あるいは地方公共団体の力だけでは大都市の交通難の解決は期待できない。こういう状況になって参りまして、大都市における私企業に対する協力も非常に大きな意味を持って参りましたので、政府といたしましても、昨今は積極的にこれを助成しなければいけない、こういう考え方になりまして、すでに御承知のように、大都市における輸送力増強のおもなるものにつきましては、開発銀行の融資の対象にいたしておるような次第でございます。漸次こういった助成の道は拡大していきたい、かように考えております。  そこで考えましたのが、先ほど話題になりましたたとえば都市鉄道を高架にするといったような場合に、政府みずからが低利長期の資金を引き出しまして、みずからが建設して、それを長期年賦で譲渡するというふうな方法を考えましたり、あるいはもっと進歩した行き方ということになりますと、政府みずからがたとえば地下鉄なら地下鉄を掘りまして、それを私企業に貸し渡すというような方法もあるいは将来の問題としては考えられるかと存じますが、そういったふうに助成の道は強力に拡大していきたい、かように考えております。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 話を聞いていますと、わかるような気がします。ただ鉄監局長の言われるように、自己能力があるからということは、まあ自己能力があるからほっておいても何とかかんとかやっておった、こういうことだろうと思うのです。ところがいわゆる民営鉄道の公共性というものは、都市においては、これはもう鉄監局長もおっしゃったように、国鉄もそれから公営も同じ高度ないわゆる公共性というものを要求されておるのです。だからこの間に、民営とそれから国営あるいは公営のこの交通企業に対する格差というものはないのです。けれども、私が今まで考えておったのは、どうもそういう格差の考え方が、古い習慣性のようなもので運輸省に残っておるのじゃないか、いわゆる近代的な一般大衆の要求というものが理解されておらぬのじゃないかという懸念があったわけです。そういうことがないということならそれでいいのですが、そうすると、そういう格差をつけてものを考えるべきじゃないという前提の上に立って私は簡単に質問したいのです。——主査、実はこの十時三十八分から十一時八分までというのは、これは何ですか、前にあらかじめ設定された時間ですか。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 あらかじめ言うてあります時間です。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 ところが前質問者から時間がずれていますから、もうちょっともらわないと——実は十一時二十八分まであると思った。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 ずれておりません。ちょうど三十八分で山口君は終わっております。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 私は時間の認識が少し悪かったのか、見るのが悪かったのか、もうちょっともらわないと足りませんので、しばらく一つ……。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 できるだけ御協力願います。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 そこで私は、ここで簡単にいわゆる民営鉄道におけるところの最近の経営状態というものについてちょっと聞いてもらいたいことがあります。それは、今度運輸省で踏切道の改良法案を出されて、それによって踏切道の改良の指定を行なわれました。その結果大体こういうことを言ってきております。これからいわゆる改良設備をやらなければならないものが、これは数は必要はないと思うのですけれども、所要工費というものが大体十四億円ぐらいかかる。この十四億円かかるものに対する運輸省のいわゆる融資その他の措置というものは、これはきわめて微々たるものです。こういう点も、一体こういうことでほんとうに必要な緊急を要するところの踏切道の設備改良というものができるだろうか。聞くところによると、運輸省では第二次ですか、昨年の秋ごろに出される指定は一時待ってやらなければ仕方がないだろうという状態になったようですね。従前のものができないから、資金の問題もあるし、そういうふうなこともあったようです。そういうことが前提になっておるとするならば、これらに対しても積極的な融資の対策を立ててやらなければならないだろう、こういうふうに思います。  それから先ほど問題にしましたところの都市の高架あるいは地下鉄、こういうことに対する、これは乗り入れも含んでですが、それぞれの民営鉄道が計画を立てておりまして、大体これの対象になるのは十九社ぐらいが対象になると思います。いわゆる大手十四社とその他のものを含めてですが、これらが立てておる通勤難の緩和対策の資金はざっと八百十六億円要るだろう、こういうふうにいっております。三十六年度までの現在におけるところの大体今言った数字の大手筋の年間の金利は一体どれくらい払っておるかと言いますと、大手私鉄で大体百億くらい、中小私鉄で二十七億、営団で二十六億、合計百五十六億の金利を払っておる、こういっております。ところがこの百五十六億の金利というものは、これは非常に高い金利を払っているのです。要するに開銀だとか、あるいは海運の関係のように国の補助を受けておりませんから、非常に高い金利を払っておる。こういうものの金利というものは、私企業で何とかかんとか自給自足をやってきたからといって、これはこのままほうっておいていいものかどうか。今日の状態からすれば、先ほど言いましたような都市におけるところの交通難緩和という面に、それぞれ民営鉄道であっても全力を集中しなければならないような実情に置かれておる、そういう際に、格差の考え方がないとするならば、これらに対してはもっと積極的な融資の道を考えてやる、あるいはまた利息軽減の方法を考えてやる、こういう考え方というものが当然生まれてこなければならないと思うわけです。この点について大臣のお考え方を一つ聞いておきたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私が先ほど申しましたように、財政の許す範囲内においてそれをやるべく、本年度はたしか五千九百万円ばかりの補助の予算を組んでおるはずであります。それから地下鉄に対しましては、別途の方途で援助いたしておりますが、何分にも国家財政が、また国鉄といたしましても国鉄の財政がなかなか余裕がないので、残念ながら本年度はその程度しか予算が取れなかったのであります。都市の交通の緩和は、さっきあなたがおっしゃったように、高架線でやるか地下線でやるかしかないのでありますから、これにつきましてはさらに決意を新たにいたしまして、来年度には相当の要求をしょう。一応新幹線もめどがつきましたし、それから海運対策につきましても、十分ではないが、とにかくめどがつきましたから、来年はその方面に向かって主力を注ぎたいと考えております。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 私らの方では先般来公共負担法という法案を出して、運輸委員会においてそれの審議をやってもらったわけです。ところがこれは十分の審議を尽くされないままに今日まできております。今そういう問題については公共負担法を適用するという形が私は一番いいと思う。けれどもこれが法案化されていない以上、これは不可能なことですから、大臣の言われたように、一面では当面都市に集中するところの交通問題を解決する道としては、積極的ないわゆる低金利融資対策というものを考えてやらなければ、私企業といえども、今日まで自分自身で、自己の力でまかなってきたとはいうても、先ほど申しましたように百五十億以上の金利を払っておる私企業の実情というものは、これはなかなか重大な場面に直面しておると、思うのです。ですから、大臣が今言われたように、われわれこの点については大きな期待をかけておる。これは次の予算には実現するように、積極的な運動をぜひ起こしていただく必要があるだろうと思います。  それからもう一つ、これは緊急な問題として、時間がなくなりましたが、聞いておきたいと思います。御承知のように政府の重要事業の一環として、堺及び泉北の沿岸に巨大な臨海工業地区が造成されました。これはもうすでに具体的な計画が出て、ここに多数の工場が今建設をされ、すでに生産に入っておるところもある。ところがこれらの輸送に対して何らの対策というものが示されておらないわけです。この膨大な六百万坪に及ぶところの輸送対策というものは、一体政府はどう考えておられるか。それからまた当面その直接の関係にあるところの国鉄としても何らかの対策というものがこれになくちゃならぬ、こう思うわけです。大阪府の案で見ると、百四十億をもって、そうしてこれは国鉄にもうんと一つ金を出してもらって、貨物線、それから将来にわたるところの人員輸送の面を考えておるという案が出ております。南海電鉄の考え方でも、約六十億を出して堺の浜からこれを国鉄の八尾まで持っていこうという考え方も出ておる。ところが、そういう考え方を地方で今持っておるけれども、肝心の運輸省としてあるいは国鉄としてのこれらに対する考え方というものが何ら示されておらない。これでは、これらが一たん生産が始まると、四十五年度の目標では三百五十万トンの陸上輸送を必要とするのだ、——これは今の数字ですから、正確なものではないと思うけれども、そういう計画が出されておる。一体どうするんだろうかという声が地元からあがっております。それから関西支社あたりでも、何とかしなければなりませんといっておりますけれども、なかなかこれは計画も発表できない、こういう実情にあります。一体どうするんですかということをまず聞きたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 御指摘の堺につきましては、この地区に進出して参ります各工場の建設する専門埠頭によって大部分処理されますが、なお一般の貨物のためには、公共の埠頭をこしらえたりあるいは四千トン級の岸壁に三つくらいのバースをすでに建設されており、さらに将来必要があれば一万トン岸壁に二バースくらいを建設するような計画を予定しております。それから鉄道輸送につきましては、梅田地区より国鉄の阪和貨物線に至る臨港鉄道の建設を計画しておりますが、その営業形態等は今検討中でございます。道路輸送につきましては、一級国道二十六号線に合する臨海道路を建設しておりますが、貨物自動車の運送事業の免許あるいは増車の認可等をも適切に行なって、輸送力を確保いたしたい所存でございます。  なお詳細なことは国鉄にお答えいたさせます。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 堺工業地帯の鉄道輸送計画につきまして御説明申し上げます。  ただいまお話もございましたように、昭和四十五年度には三百二十万トン程度の輸送量が、発着合わせてでありますが、あろうという予想になっております。従いまして、これはトラック輸送だけでは充足できませんので、どうしても鉄道をつけなければならないというふうに考えます。本年度の予算には、この地区の鉄道敷設に要する予算は計上してございません。三十八年度の予算には、川崎の工業地帯が具体化いたしまして、輸送がすぐ始まりますので、この分につきましては計上いたしましたのですが、この堺の臨港線につきましては、ただいま地元とどういう鉄道を敷くかという、ルート、扱い方の問題を現地で協議中でございまして、その協議がととのい、将来の見通しがはっきりいたしますれば、当然国有鉄道といたしましても、この地区の鉄道建設に協力しなければならない。ただその場合に、千葉で行ない、あるいは今度川崎でやりますような、国鉄も出資し、地元の自治体も出資し、それから関係の進出企業も出資するというような格好のものがいいのではないかということで考えておりまして、そういう点を地元とただいま折衝しておる段階でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 地元と折衝しているということを言われたが、なるほど折衝には幾通りもありますから、それは確かにやっておられるだろうと思うのです。ところが、私はそういうことには聞いていないんですよ。とにかくいわゆるこの百四十億の中で国鉄に半分負担してくれないかということなんですから、七十億くらいになるでしょうね。そういう莫大な経費を国鉄としては負担ができないということで、この話がもたついている。それから大和川の北岸にすれば、いろいろな関係で工事がなかなか困難だというような関係でもたついている。要するに、工事の具体化についていろいろと話が出ているということが私はほんとうだろうと思うのです。ですから今あなたの言葉を聞くと、ただ簡単に、いろいろと折衝中だと言われますけれども、折衝という段階は、そういう突き詰めた問題に入っているんでしょう。だから私らの方では、このままでぐずぐずしていると、実際生産を開始したら間に合わないようになるのではないか、こういう声が地元にある、国鉄当局の中にもある。ですから、もっと積極的な対策というものがあるべきではないか、われわれはこういう考え方を持っているわけですが、どうでしょうか。たとえば、もっと具体的なことが現地でやられているんですから、それをどうするかというような考え方について、ここでは答えてもらえませんか。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 現地の話し合いは、資金面のことももちろん相談に乗っていると思いまするけれども、設計そのものが実はまだ未確定の部分が多いのでございます。従いまして、設計がはっきりいたしまして、それから資金が幾ら、国鉄はそのうち幾らを負担するかというような相談になるかと思います。いずれにいたしましても、どう設計しても相当大きな金額がかかるわけでございます。しかもこれはそう簡単にペイするといいますか、それ自体発足早々営業が成り立つというわけにはいかない事業でございまして、その点国有鉄道も応分の負担はしなければならないと思っておりますけれども、それじゃ何分の一、何億かということを今申し上げられる段階になっていないわけでございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 これも聞くところによると、とにかく関西支社ではいろいろと計画を立てておるようですね。ところが本社の方では、てんで鼻であしらって取り上げてくれぬということも言われておるようです。もちろん金の要ることですから、そう簡単に本社の方でうんうんと言っておられぬだろうけれども、少なくとも輸送計画を立てる前提の問題については、本社も親身になって相談すべきだろうと私は思う。金の要ることははなもひっかけぬというような調子で置いておくということは、いささか不親切じゃないか。これは山田さん、関西におられて何か引き継ぎがあるだろうと私は思いますが、その点は何も話はいっておりませんか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 今、肥田先生の御指摘がありましたが、遠藤理事が答えられた通りでございますけれども、ルートにつきましてはいろいろと比較検討する余地はたくさんあるわけであります。今考えられておりますのは、阪和線の杉本町から大和川の北岸に沿いまして埋立地の終わりまで延ばすという案でございますけれども、その中には送電線があり、住宅地がございます。また堤防もありますので、どういうルートをとったらいいかというようなことをしさいに検討し、関西支社においてもいろいろと資料を整備いたしまして、本社と近く打ち合わせようというところまで来ておりますけれども、本社としましても、問題は非常に重要でございますので、慎重に検討して、国鉄の措置をきめたいということでございますので、決しておろそかにしているというわけではございません。いろいろ技術的な指導なり相談には乗っておる次第でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田分科員 その程度にしておきたいと思いますが、ただ私の方で注文があるというのは、もし言われるように国鉄が六十億も七十億も金を出すのは今大へんだ、それからなかなかペイもしない、こういうことで逡巡をしておられるなら、これはまた運輸大臣の方へ参りますけれども、あの膨大な地域に臨海工業地帯を造成をして、そうして陸上の輸送、海上の輸送、それから鉄道輸送によるその輸送上の基本計画は、これはおのずからあるのですから、造成地帯はもうすでに完成をして、あと工場がどんどんできておって、生産も再開されておるところがある、それをこのままほっておく手はないと思う。ですからもし国鉄の方で——今のような実情ですから、私らも国鉄にあまり赤字路線を背負わすということは賛成できません。この結果は必ず国鉄の労働者の方へしわ寄せされるのですから、そういう腕ききの連中がみなずらっとおるのですから、私らが幾らここで皆さんの約束をとっても、国鉄の労働者がそのしわを受けるのはわかり切ったことだと思っておるのです。ですから、そういう立場でわれわれが考えることは、国鉄が七十億の金を出すということが困難なら、千葉方式をとるとか、とにかく地域によるところのいわゆる合作で輸送鉄道の計画を立てさせる、こういう積極的な指導というものが私は必要だと思うのです。今では大阪府は大阪府でやっておる、それから競争路線があるというので、意地からやっておるようなところも出てくる。結局は根本的な輸送計画というものは何らの指導のないままに放置されておるという印象を地元には与えておるのです。ですから運輸省あるいは国鉄、ここらが積極的な指導をやらなければ、いざというときに、仏をつくって魂が入らない。いわゆる輸送ができないという状態が出てくるだろうと私は思うのです。ですから、はなをひっかけるか、ひっかけないかは別にして、もう少し親切な指導、ほんとうに国鉄が持っておるところの輸送の総本山という立場に立つところの指導、それから運輸省がこの造成地におけるところの、臨海工業地におけるところの輸送計画というものの指導態勢、こういうものを明らかにしてもらわなければいけないと思うのです。私がいつでも心配しておるのは、和歌山の和歌山港の沿岸、このあたりからいわゆる泉北の海岸、このあたりはもうのべていわゆる臨海工業地帯として発展をしておるのです。ところが先ほど大臣も言われたように、なるほど二十六号線の国道が一本あるだけ、やっとこれから第二阪和国道をつくろうかという状態、鉄道も南海電鉄の線と、それから国鉄線は関西線が向こうに入っておるだけなんです。こういう状態では、とうてい発展したところのいわゆる臨海工業地帯の交通輸送の重責というものは全うできないだろうと思う。積極的な私は指導が必要であるということを痛感しておるのです。ですから、繰り返しますけれども、国鉄でできないことなら、積極的な指導をやって、そうしてこれが具体的な計画が一日も早く明らかになって、これなら将来の輸送計画は大丈夫だという安心感を与える必要があるだろうと思います。  だいぶ時間も超過しておりますので、特にその点を強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 田口誠治君

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 二、三点にわたって御質問を申し上げたいと思います。  私が申し上げるまでもなく、国有鉄道が日本経済の動脈であって、日本経済の発展に大きな寄与をいたしておるばかりでなく、国民の公共福祉にも非常な大きな役割をいたしておる、また期待をかけられておることは、事実であるわけです。ところが、実際的にその運営あるいは予算内容を見て参りますると、国鉄があまりにも独立採算制にとらわれ過ぎて、必要なところの現代的な機械、器具の設備に要する予算が少ないような感がするわけであります。従って、私はその点についてまずお伺いをいたしたいと思いまするが、ごく最近、私どもが、小さなことでございますけれども、痛感をいたしましたことは、北陸、新潟方面の豪雪に対しましての除雪の状態を見て参りますと、ふだん要らないという関係もございまするが、除雪に必要なところの機械、器具、あるいは申し上げますなれば、ロータリーとか、キマロキとか、マックレーとかというものが、十分に準備されておらなかった。そのことがやはり今度の除雪にも大きく手間取った原因だということが説明員の説明にもあったわけでございまするが、私は、これはただ一つの問題を取り上げただけでございまするが、国鉄職員の定員は減らかしていくわ、機械の近代化は十分にはかられていかぬわということになりますると、そのしわ寄せというものは、やはり国民の不便と、それからもう一つは国鉄職員の労働過重にしわ寄せされてきておるわけでございまするので、まず、今年度の予算の内容を見ましても、こういう方面への予算は、具体的に仕分けてどういうようになっておるのか、大綱は金額的にはわかりまするけれども、内容的に御説明をいただきたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 今回の豪雪は、御承知のように、史上未曾有と言われておるのでございまして、この豪雪に対する対策といたしましては、あるいは十分でなかったという考え方はありますが、現在行なわれておりますラッセル車その他の状況等につきましては、今国鉄当局より具体的に説明をいたさせます。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 特に雪の関係だけについて申し上げますと、ただいま実施いたしております五カ年計画で、五カ年間で大体百二億を投じまして、雪害対策工事を進める計画をいたしておったのでございます。率直に申しまして、残念ながらこの百二億円で対処できます雪の量が、ことしの一月の豪雪よりも少ない雪に対する対策と、結果的には考えざるを得なかったわけでございまして、これを今後さらに改定をする必要があろうかと考えて、目下検討いたしておるところでございますが、最近の災害復旧を含めまして投入いたしました工事経費は、大体年間で約五十億円でございます。百二億円と申しますのは、これは積極的に改良いたします計画でございまして、被害が起こりまして、それに対して事後で復旧をいたしました額が加算されて参りますので、それらにつきまして、大体年間五十億円程度を投入して参ったのでございますが、今後この五カ年計画の改定については、ただいま検討中という次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 ただいま、災害関係には年間五十億円ずつは予算を取ってきた、そこで百二億円ぐらいの予算を取って万全を期したいという考え方であったけれども、十分ではなかったということでございまするが、私の今申し上げておりますることは、いわゆる災害対策ということだけでなしに、災害対策といえば、予算のこの五十億なら五十億の分析をしてみなければわかりませんけれども、少なくとも今度の豪雪の場合の除雪にあたりましていろいろといわれておりますることは、もう少し国鉄がこうした方面への除雪機械をふだん準備しておいて、すぐ作業にかかったなれば、まだ除雪作業が早くスムーズにいったのではないか、国民に迷惑をかけておる面も少なかったんではないか。特にこのような場合に一番たよるのは、せめて鉄道沿線だけは、こういうことはだれしも言っておることでございまして、国有鉄道にかけられておる期待というものは非常に大きいわけなんでございまするので、そういう面から、私は、特に機械、器具の近代化をはかって、常時そうした必要なものを備えておく必要があるという考え方からの質問でございまするから、仕分けをして一つ御答弁をいただきたいと思います。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 今の御質問のうち、雪害の対策について申し上げますと、御指摘の通り、現地においてもう少し除雪機械が整備されておったらという声があったことは、事実でございます。しかし、原則といたしまして、現在の国鉄の除雪のやり方は、今列車が走っておりますその合間に、運転中にできればラッセルを運転して雪を排除する、こういう建前になっております。今お話がございましたロータリーとかマックレーとかキマロキというものは、北海道のように雪の常時降りまして列車回数の少ないようなところ、あるいは時間的に列車を思い切って減らせるようなところは、平素使っておりますけれども、北陸本線のようなところは、平素ロータリー、マックレーは使っておらないわけであります。しかし、今回のように非常に無理をいたしまして、また予想以上の長期に雪が降りましたために、両側に壁になって平常の除雪ができなくなりましたので、やむを得ずロータリー、キマロキを全国から動員したわけでございますが、今後につきましては、私どもは、やはりできるだけ早い機会に北陸線を複線化いたしまして、常時列車の合間にラッセルが走れるようにいたしたい。しかし、その場合にどういう性能がいいかということにつきましては、今回の豪雪にかんがみまして、改良を加えたいと思います。しかし、今御指摘の内容につきましては、目下検討中でありまして、できるだけ今回の経験を生かして善処いたしたいと考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 もちろん、今度の豪雪に対する除雪作業に対しての経験から、いろいろ検討されておると思いますが、ふだん北陸、新潟、北海道は、必要なものは常時備え付けておく必要もあると思いますので、そういうことも考え合わせて、万全を期するようにお願いをいたしたいと思います。  近代化のことに入ってきておりますので、ついでにここで若干お聞きをしておきたいと思いますことは、五カ年計画で電化、複線化、あるいは電車化、ディーゼル化というようなことが進められておるわけなんですが、その中で、電化の状態は、計画とどういうような経緯で進められておるのか、その進捗状況を一つお聞かせいただきたいと思います。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 電化につきましては、大体五カ年計画の線に沿いまして順調に進んで参りました。三十八年度におきましては、北陸線の金沢電化が、四月下旬に完成いたします。常磐線の平電化が、この秋には完成いたす予定になっております。また信越線につきまして、長野までの電化が同様にこの上期には完成することになっておるのであります。その他われわれが非常に重点を置いております山陽線の電化につきましては、三十九年度の秋の全通を目標といたしまして進めております。また、北陸の電化につきましては、先ほど申し上げました金沢電化の完成に引き続きまして、富山電化を目標といたしまして、同じく三十九年の秋に完成する予定で進んでおります。なお、東北線の電化につきましては、複線化と申しますか、線増がまず電化よりも先であるというような現地の意見、また、われわれといたしましても、それを正しい意見と考えまして、線増の方に重点を置きました結果、若干おくれぎみでございますが、盛岡までの電化は、五カ年計画内で完成させるべく努力中でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 大方わかりました。  そこで、今、私がしろうととして危惧しておりますことは、ただいまの予定計画は、三十八年度、三十九年度の計画を御答弁いただいたわけでございますが、この冬の豪雪によって予定通り進められるものかどうかという点が、しろうとが考えて心配があるわけなんですが、そういう点については、ただいま御回答のありましたように、完全にでき得るというように受け取っておいてよろしいのですか。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 実は御指摘の点、若干危惧すべき面もございます。現に、私が先ほど申し上げました金沢電化は、実は三月末に完成する予定でありましたが、豪雪のために一月弱おくれる結果になりました。従いまして、先生のおっしゃるような危惧が全くないとは決して申せませんが、しかし、支障がございましても、大体その程度のものであるというふうにお考え下すってけっこうと存じます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 東北線の複線と電化の関係ですが、これは並行工事でおやりになるのですか。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 電化が線増工事より若干おくれる形で、並行しながら進んでいく、複線が終わりまして、ほとんど同時に電化を完成するという形で進んでおります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 御回答によって内容はわかりました。従って、五カ年計画によってそれぞれ進めておるものが、五カ年計画または五カ年かからずに完全に目的通り完成されるように努力していただきたいことは、その他支線であるところの高山線とか、そういう幾つかの支線の電化ということが、やはり本線の電化に伴って当然必要が起こってきておりまするので、また次に計画を当ててもらう必要がございまするので、その促進方を特にお願いを申し上げておきたいと思います。  それから、これはちょっとかけ離れた質問になるかもしれませんが、今年度も原子力の開発関係、特に原子力船を建造するということを目標に、政府から事業団に対して出資一億円が計上されておりまするが、原子力船といいますると、大体目標といたしましては、まあ研究の段階にはございましょうけれども、一応何年ころに原子力船が建造でき得るというようなことの目標はあろうと思うのですが、その目標に向かって徐々に研究と作業が進められておるのかどうか。この点について一つこの際お答えをいただきたいと思います。

藤野淳運輸技官(船舶局長)

○藤野政府委員 原子力船が商業目的の実用船として建造されますのは、欧米の方面におきましては約十年先であろうというふうにいわれておりますが、一部には一九七〇年ごろには実用化するという意見もございます。それに向かいまして、科学技術庁並びに運輸省は、共同で原子力船の実用化の開発のために、従来研究をして参った次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 欧米のお話がございましたが、大体日本の場合にも、それにマッチして計画が進められておるのか、大体目標はその辺に置かれておるのか、その点についてお伺いいたします。

藤野淳運輸技官(船舶局長)

○藤野政府委員 今後、原子力船の実用化のキー・ポイントと申しますか、それは、原子炉の進歩の速度、原子燃料、核燃料の値段の低下という二つがきめ手でございます。私どもといたしましては、欧米でいわれております実用化の時期をめどといたしまして、研究をいたしておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 まあこの問題は、これ以上お聞きしてもむずかしいと思いますので、終わります。  それから次に、通運事業の免許の関係についてお伺いをいたしたいと思いますが、既往の新免店のできた個所をいろいろ検討いたしてみますると、輸送量が既往の通運免許店で十分にこなし得る能力の範囲内の中において新免店の免許をいたしたために、新免許店はどうかといえば、安い賃金の労働者を使って、そうして労働基準法にも違反させるような、労働者を酷使しておることにおいて輸送コストが少なくて済むというようなことから、まあいいますなればダンピングを行ないまして、そうして輸送量の確保をするということから、既往の免許店の労働者が非常に苦境に陥って、そうして、大きな企業の合理化というような建前から、強制的な退職を勧告されたり、いろいろな形で労働者が犠牲になっておるということは、相当方々にあり得るわけなんです。聞き得るわけなんです。従って、私は、あくまでこの通運事業法に基づいて免許をされる場合には、免許基準の第六条の内容に十分合致したところでなければならないと思うわけです。特に許免基準の第六条の二号でございまするが、「当該申請に係る事業を適確に遂行するに足る能力を有するものであること。」というこのことは、安い労働者を使って、そうして基準法にも違反するような労働過重をさせなければ輸送量が維持していけないような、そういう資本力と申しまするか、態勢のところへ免許を下すということは、これは考えなくてはならないのじゃないか、私はかように考えておるわけなんです。おそらく今日も、幾つかの免許申請というものが出て、審議会等でもいろいろ検討されておると思いまするが、この考え方について一つ承りたいと思います。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 通運事業の免許につきましては、お話の通りでございまして、通運事業法に基づく免許基準に従って免許をしておるわけですが、終戦後通運事業の複数化が実施されまして、現在約五百に近い業者がおりますが、それらの免許につきましては、ただいま御指摘のように、免許基準の内容につきましても、もちろん労働基準法等に違反しないこと、あるいは事業者の能力、さらには需要供給の関係等を十分勘案いたしまして、と同時に、国有鉄道との輸送の関係でございますので、国有鉄道の作業量、作業状況その他の点につきまして、国有鉄道の意見も徴しまして、適切公正に免許をいたしておるわけであります。  免許の申請がなお続いておるであろうというお話でございますが、その通りでございまして、三十六年度におきましても、約七十件の申請が出ております。これらの申請事案の中で、現在検討中のものも約その半数が残っておりますが、これらにつきましても、ただいま御指摘のような趣旨を十分くみまして、免許基準に照らし合わせて処理いたしたい、かように考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 今までも免許基準に照らして公平適切な結論を出して免許をしたという御答弁でございまするか、私の申し上げておるのは、そういうようなお考え方で、また公平に免許されておりまするけれども、今日までのものにつきましては、全部というような工合には言いませんけれども、相当数の中には、労働者の労働条件を確保していき得ないような状態のところもございまするし、もちろん中小企業のそうした免許事業業者は、そこにはまだ労働組合もできておらぬというようなことから——労働組合かできておりましても、これは全く幼稚な労働組合でありまして、御用組合式な組合であるために、安い賃金と非常に悪い労働条件下に働かされておるというのが実態であるわけなんです。従って、経営者の面からいきますと、こうした労働者の労務対策をとっておりますために、認可料金はございましても、そんな認可料金なんかは頭に置かないで、どんどんと料金をダンピングして、そうして荷物を取ってくるというような、悪らつということが該当するかどうか知りませんけれども、そういうようなことをして事業を行なっておるというのか、相当にあるわけなんです。従って、運輸省の方で十分にこの免許基準に基づいて公平的確に審査をされて、そうして免許をされたものであるとするなれば、私はそうしたことはあり得ないと思うわけでございます。今池田内閣が、太平洋沿い、特にこのベルト地帯におきましての輸送密度というものが飽和状態になっておるということから、都市の分散化とかあるいは工業の分散化というようなことを考えつつ、日本の産業を発展させるために新産業都市の指定あるいは低開発地域の指定、こういうようなことを、法案を成立させて今徐々にその方向に向かって進められておるわけなんです。従って、これにマッチしたところの輸送量というものは、鉄道と路面で確保していかなくてはならないのでございますか、今申しましたように、そういうことになりますれば、やはり荷動きというものが五割も六割も年々増加していくことになろうと思います。そうしますと、そういう場合に必要に応じて免許されることは、これは私は適当だと思いますけれども、実際に既往の免許者だけで、まだまだ従業員をかかえていくに荷物が足りないというようなところへ、また新たに免許をするということになりますと、既往の事業場の労働者が犠牲になるということでございますので、法文にはなかなかそうしたことまでは書けないと思いますけれども、少なくとも免許基準の第三号にある事業を適確に遂行するに足り得る能力を有するものであることというこのことは、やはり労働基準法に基づいて労働者を使い、そうして労働者に対しましては、常識的な今の労働相場の賃金を支払って、それで事業が遂行できるようなところでなければならないと思うわけなんでございまして、法文上には具体的には載っておりませんけれども、やはり免許をさす場合には、そうしたことも考慮をして免許をしなければ、現地で非常に混乱を来たすということがあり得るわけでございますので、そういう面からの質問であるわけです。しかし、当局の力ではきわめて的確に公平にこの免許基準に基づいて今日までは認可をした、こういうことでございますが、そこに実際起きておる現象と食い違いができておりますので、私はお伺いをいたしておるのでございますから、もう一度この点について当局のお考え方をお示しいただきたいと思います。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 免許を受けて事業をやっておりますその後の状況におきまして、労務管理が十分でない、労働基準法等に違反しておる事実、あるいは運賃ダンピングの事実について御指摘がありましたが、運賃ダンピングにつきましては、通運料金が確定運賃になっておりますので、これに違反してダンピングすることはいけないことでございますが、特にトラックあるいは通運の輸送事業につきましては、事業者数が相当ありまして、公正な輸送をわれわれ指導はいたしておりますが、そのときの経済状況あるいは需給のバランスの状況等によりまして、まま確定された運賃を厳守しないという事実のあることも認めざるを得ません。これにつきましては、当局といたしましては常に十分な監査と指導をいたしまして、運賃ダンピングの起こらないように注意はいたしております。通運事業につきましても、一年ばかり前まではややダンピングが行なわれておるというふうなこともありましたが、その後、通運事業者の反省とわれわれの指導と相待ちまして、最近ではかなり改まったというふうにわれわれは見ております。それから労務管理につきましては、これも自動車運送事業一般について、特に最近では、労務管理の徹底ということに指導の目標も置いて参っております。従いまして、自動車運送事業は、通運事業も含めまして、これらがただ単に労働基準法に違反しない程度に労務管理をやっておればいいとは決して考えておりません。労働基準法に違反することはもちろんいけないことでございますが、これに違反しない程度では、まだ私は不十分だと思っております。それ以上に、特に近来の自動車運送事業者というものは、労務管理の徹底をなさなければ、事業の健全な発達も期せられないということで、これも監査、指導に極力注意をいたしております。免許のときに、十分免許基準と照らして公正妥当に免許はしておりますが、その後の経済情勢、あるいは事業者の無反省と申しますか、そういうことによって、御指摘のような事態が間々ありますので、この点につきましては、今後とも監督、指導をさらに厳重にやっていきたい、かように考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)分科員 あと社会党の質問者——田中さんあたりが見えますので、私はまだお聞きしたいことはございますけれども、そういう面も勘案しまして、主査の方からお示しになった時間通りでやめます。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 栗原俊夫君。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 私も、二、三の点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  まず、国有鉄道が産業文化の動脈であることは明らかでありますが、産業文化の進展につれてスピード・アップ、そうして輸送量の贈強、こういうことが強く要請されるわけでありますが、いかに輸送の増強が要請されても、それにどうしても先行しなければならぬものがある。その絶対不可欠なものはやはり安全である、こう考えるわけです。この点について、まず大臣の所見を承りたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 栗原さんのお説の通りでございまして、輸送確保の面以前の問題といたしまして、どうしても輸送の安全ということが考えられなければなりません。これなくしては、いかに輸送を確保しても意味をなさぬと思うので、私は、国鉄当局その他に、このことば始終注意をいたしておるつもりでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 国有鉄道監督、指導の立場にある大臣から、ただいまのようなお答えがあったわけですが、直接運営の衝に当たる総裁は、もちろんこれは企業という立場にも立っておるので、いろいろ苦しい面もありましょうが、やはり安全というものを第一に考えなければならぬ、こう思いますが、総裁の御意見を承りたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 ただいま大臣からお話がありましたように、大臣からも絶えずそういう御注意を受けております。私たちも、安全第一に運営をしていかなければならぬと考えまして、安全のことには最も力を注いでおるところでございます。不幸にして屡次いろいろな事故を起こしておりますことは、まことに申しわけないことと存じます。今後一そう努力いたしたいと存じます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 大臣からも、総裁からも、ただいま安全第一というお答えをいただいたわけですが、ただいま総裁の発言の中にもありました通り、そういう配慮の中にも、鉄道自身からかなり大きな事故が次々に起こる、このことは、やはりそういうことに配慮しながらも、一方において設備、機材、さらには人的要件、労働過重、こういうことについて心にかけながらも、実際には心に思っているだけの行き届きがないのだ、そういう中から——それたけで起こるのではないけれども、やはり事故の場合には、機材、設備のまだまだ不行き届き、あるいはまた人的要件としての労働過重、こういうことが原因の一つなのだという、こういうような御批判、御反省というものはございませんでしょうか。総裁に一つ伺いたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 そういう面につきましても、十分注意しておるつもりでございますけれども、ときどき今お話しのように、あるいはレールにひびが入ったとか、あるいは車輪が砕けた、その他過失等によって思わぬ事故を引き起こしておるということは、まことに申しわけないと存じます。そういう方面に一段の努力を傾倒いたしておる次第でございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 そういうお話を伺って、次に具体的な問題に入りたいのですが、輸送の増強が要請される国有鉄道が、表日本と裏日本の幹線である信越線の碓氷トンネルのアプト式でネックになっておった八十年の歴史を捨てて、いよいよこれがアプト式を捨てた遺伝ができる、しかも長野までは電化する、こういうことで、まことに御同慶にたえない次第でありますが、これはいつごろ具体的な運行が行なわれる御予定になっておるのか、これを明らかにしていただきたい、かように考えます。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 お答え申し上げます。  今御指摘の信越線につきましては、お話しの通りアプト式で、輸送力がこの点で大きなネックになっておったということも事実でございますが、別の点から申し上げますと、すでに隧道が相当古くなって、老朽化しておる。それからまた、今使っております電気機関車の寿命も、だんだんと尽きんとしておりますので、これに対する対策としていろいろ検討いたしました結果、輸送力の増強も兼ね、また後ほど専門的な面については宮地常務理事から御説明していただきますけれども、総合判断いたしまして、従来の線に沿いまして、一線増設するということになったわけでございます。この決定いたしましたのは三十六年の初めでございまして、三十六年の四月から着工いたしております。今年の五月の中旬には線路がこの部分はでき上がりまして、あと試運転の後に、従来員の訓練を終えましたら、この新しい部分を使うことになっておりますが、そのあと引き続きまして、従来線の部分は、御承知のようにサード・レールで、地面のそばで架線をとっております。この断面が小そうございますし、先ほど申しましたように老朽化しておりますので、この隧道を改築いたしまして、この竣工を待ちまして、四十一年の予定でございますが、複線使用にして画期的な輸送力をつけたい、こういう計画でございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 今まで八十年の歴史を持つアプト式がいよいよなくなる、こういうことになりますと——あそこで一般の貨車がアプトの機関車をつけて上下をしておった。そのアプトがなくなる、こういう関係で、長い歴史を持つ横川の機関区が不必要になるのではないかというようなことが言われておるわけでございますが、具体的にアプトがなくなって新トンネルが運行される、さらに電化される、こういう展望の上に立ったとき、この横川機関区の将来というものは、どんな御予定になっておるのでございましょう。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 お答えいたします。  横川の機関区がなくなるのではないかというお話でございますが、実は今回行ないますこの勾配区間の粘着運転には、上野から長野まで通して運転いたします電気機関車と、それからやはり横川におきまして補助機関車をそれに重連いたしまして、軽井沢までの間上ったりおりたりする、こういう計画になっております。旅客列車では補助機関車が一両必要でございますし、貨物列車では二両必要である、こういうことで、その補助機関車はやはり横川に基地を置く予定にいたしております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 そういたしますと、本来の貨車を索引する機関車は、他のどこぞの機関区から発車するけれども、横川のあの急勾配を上下するために必要な補助機関車は、やはり横川機関区を置いて、そこでこれに追加する、こういう構想でございますか。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 そうでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 聞くところによりますと、今度のこの補助機関車というものは、アプト式と変わった方式でやるけれども、その本来の、本務の機関車というのですか、本務の機関車と補助機関車との連絡等がなかなか大へんなので、無線通信とかいろいろな方法でやる、日本では初めての方式だとか聞いておりますけれども、そういうような関係のものが、たまたま地方から索引してくる機関車と、当該地区でもって補助的につけられる機関車とのあうんの呼吸といいますか、こういうようなこと等について、なかなか心配があるようでございますが、これらについての御感想はいかがでございますか。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 今回のこの通しの機関車も、補助の機関車も、全部新たに設計いたしまして製作いたすものでございます。と申しますのは、結局この両方の機関車の性能をそろえまして、全く今おっしゃるあうんの呼吸の合う機関車の組になるように設計いたした次第でございます。これは最近方々で行なわれております新しい技術でございますが、総括重連運転と申しまして、一人の機関士によりまして何台も——この場合は最高三台でございますが、三台の機関車が全然同じ能力を出しますような運転が自動的にできる、そういうやり方をとっております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 地元へ行っていろいろ聞いてみますと、なるほど確かに技術的にはそういうものが可能かもしれぬけれども、この勾配を上り下りする、そうした運転はほんとうにあうんの呼吸が合うという立場で、少なくともこのトンネル、勾配だけは地元の本務、補機、こういう運転でないとなかなか容易でないのではないか、こういう心配が多分にあります。先ほど冒頭に聞いた安全運転ということとから見まして、もちろんおそらく技術陣の方は、間違いないのだ、こうおっしゃるかもしれませんが、そこでお聞きしたいのは、今日まで試験した試験の結果は、どんな工合に出ておるでございましょうか。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 そうした御心配は全然ないのでございますが、勾配運転につきましての保安上の問題点は、一つは、レールの上を車輪がすべらないでころがるということでございます。言いかえますれば、勾配を上りますときの力行運転中の空転度というふうな事柄、また勾配を下りますときはブレーキをかげながら下るのでございますが、そのブレーキをかげながら下りますときの滑走というふうな事柄、こういうことが起きないということが一つの条件でございます。この点につきましては、最近交流電化の技術が非常に進みまして、この面から車輪とタイヤとの間の粘着力が非常に強くなって参ったのでございまして、これらの技術をそのままこの場合の機関車運転に取り入れてございまして、最大限まですべらないというふうな技術が取り入れてございます。また万が一何らかの悪条件によりましてすべりましても、すべったことによりまして自動的に再粘着するというふうな装置が発達しておりまして、この装置も取り入れてございますので、かりにすべったとしても、再び粘着するというふうなことが可能になっております。もう一つは、御承知の通り、急な勾配でございますので、ブレーキがききませんと大へんなことになるわけでございます。従いまして、そのブレーキにつきましては、従来は空気ブレーキだけでございましたものを、電気機械その他二重、三重にも安全なように各種のブレーキを取り入れております。そういたしまして、ある危険と思われます速度に万が一にも達したような場合には、自動的に非常ブレーキがかかりまして、安全に停止するというような装置を備えております。また、異常時がいろいろ予想されるわけであります。たとえば停電いたしました場合はどうするか、あるいはもしかして線路の上に岩石でも落ちてきて線路をふさいだときに、長い間勾配中に停止したときにはどうしたらいいかというふうな、いろいろな場合が考えられるのでありますが、そういった予想され得るあらゆる場合につきましての取り扱い方というものをきめた次第でございまして、昨年の春以来、ただいまお話がございました上野からの通しの本務機関車並びに勾配区間の専用補助機関車を一両ずつ試作いたしまして、約十カ月間、実際に六十六・七ミリの勾配区間を試験的につくりまして、その上を試運転をやってきたわけでございます。その実績は、最も危険と思われる下り勾配におきます滑走並びにブレーキにつきましては、全然問題がございません。上りの力行運転の場合に、非常に牽引トン数をふやしまして、予定設計上きめました値の現在一割二分増しくらいで試験をやっておりますが、その程度の状態におきまして、ときどき空転することがございますが、先ほど申し上げましたように、再粘着装置によりましてすぐ粘着するということで、上りでも、そういった悪条件でも、予定の三十五キロのスピードを上回る三十八キロというふうな値を出しております。どこから見ましても、自信の持てる安全な機関車だというふうに考えております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 私は、ここに一つの資料を持っているわけなんですが、一月二十五日に施行したブレーキ試験その他いろいろあるのですが、私には、実はこの資料があまりよく読めないのです。読めないのですが、ブレーキをかけてとめるのには、非常制動というのがほとんどである、こういうこと、あるいはただいまは心配はないのだとおっしゃっていますけれども、一月三十一日の上り、下り等の試験の結果によると、空転散発、空転、空転、空転連続、こういうこと、下りには下りで、やはり滑走大、滑走、滑走大、こういうことで、どうもわれわれしろうとが見ると、これはあぶなくて乗せらやもらえぬ、こういう感じがしますし、また地元の機関車を扱っている人たちに聞いても、これではとてもわれわれは責任と自信を持っては乗り込めぬということを言うわけです。もちろん、地元の人たちはお客の命、他人の財産、こういうものを乗せると同時に、自分の命を乗せているわけです。他人の命、他人の財産だけでなくて、自分の命を乗せているのですから、大へんなんで、簡単に技術的に心配はないのだ、こうおっしゃっておりますけれども、今まで世界中でこういう方式で——モンブランとかああいうところにはあるのだそうですが、まだこれは観光で牽引する重量で、こういうものは、普通のいわゆる輸送鉄道としてのものではないだろうと思いますが、すでに先進国で、大体六十六・七ミリというような急勾配のところで、同一方式で具体的に国鉄に相当するような輸送運転を行なっているところがあるのですか。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 もとよりわれわれ人命につきまして、最も新しい設計をいたします場合に、慎重に考えながらやっておることは御承知の通りでございまして、試験のデータに、お話のような非常ブレーキ、あるいは滑走、空転というふうなことが、これは事実出ておると思います。おりますが、先ほど私が申し上げましたように、結局すべるということ、空転するということは、牽引しておる重量がどの程度大きいかということと関連がございます。実際に試験いたします場合は、試験でございますから、できるだけたくさんの牽引トン数をかけまして試験しておりますので、ぎりぎりの線を見出そう、こういう意味でやっておりますので、そういう事態が起きるわけでございます。私が確信を持てると申しますのは、設計の際にきめました牽引トン数、また、それ以内の牽引トン数でございますれば、そういう問題はないということを申した次第でございます。  なお、世界の例でございますが、この粘着運転によりまして急勾配を上ったりおりたりしております例は、お話のように九十ミリというフランスの例を初め、六十ミリ以上のものをとりますと、私どもが数えましただけで十三カ所あります。ただし、この運転方式は、われわれが現在設計いたしておりますものとは、必ずしも同じではございません。電車の運転、その他軽い運転であるだろうと思うのであります。結局、われわれの横川−軽井沢間で考えております粘着運転は、できるだけ軽い機関車で、できるだけ重い荷物を引っぱるというには、その限度は一体どうであろうかということをはっきりいたしまして、それ以内の安全な点で運転するという、ぎりぎりのところを探しておるわけでございます。そういう意味では、異例のものとも言えるかと思います。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 これはあまりにも技術的なことで、しろうとの私にはとても食い下がることなどは困難なんですが、しろうと考えとして、試験ですから、荷重についてはぎりぎりでやっているから、実際運行するときよりもずいぶん無理な結果が出ておるのだろうとは思います。思いますけれども、やはりこういう点はよほど考えてもらわぬと、一ぺん起こったら、これはちょっと脱線しましたくらいでは済みませんよ。これは勾配が一つあって、あと平坦になるならいいけれども、とにかくあれだけの長距離が、ほとんど同じ勾配をもってずっと続いておるわけですから、これはおそらくどうにもならぬような事件が起こる危険性があると思うのであります。それからもう一つ、これは笑い話に出るのでありますけれども、今の皇太子様と美智子妃殿下が、今後軽井沢へたびたび出かけるだろう。そういうようなお方を乗せて、国鉄がほんとうに安心してこれでもって引っぱれるのか、こういうことを話したわけですが、どうですか。これは、それこそ総裁がやめたくらいでは追っつかぬことが起こる危険性があるのですよ。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 結局勾配が、六十六・七というふうな非常に急な勾配であるということと、それから普通使われておりますのは、二十五ミリ勾配というのが普通の場合の一番急な勾配でございますが、どっちが一体安全なんだということは、その勾配に対しまして、それぞれ比例いたします保安度をどう持っておるかということによるものでございます。何度も申し上げるようでありますが、このたびの碓氷峠の勾配につきましては、われわれ技術陣が、数年前から十分な準備をいたしまして設計し、技術研究所を使いまして種々研究いたしました結果、絶対大丈夫であるという確信を持ちました上で始めた仕事でございます。お話のございました皇室の方々も、安心してお乗り下さることと確信いたしております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 技術のことは技術陣にまかす以外に道はないのですが、冒頭に大臣にもお答えいただき、また国鉄総裁にもお答えいただいたように、何といっても大前提は安全である、こういうことでございますから、それは三十両つなぐつもりで輸送計画を立て、そしてこの運行を考えて始めたにしても、三十両ではあぶないんだという危険が少しでもあるならば、これは計画を変えて、絶対安全だという両数に下げて、とにかく安全過ぎるということはないわけですから、もちろん輸送増強という要請は強くあっても、やはりまず安全を確保するのが大事だ、こういう建前でこの碓氷トンネルの運行をしていただきたい、こういうことを特に要望いたします。大臣にまず所見を伺いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は、世界に誇る国鉄技術陣を信頼いたします。さっき申しましたように、輸送の確保もさることながら、安全ということは至上命令でございますから、十分注意いたす考えでございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 関連して一点だけお伺いします。  技術的に見てちょっと不安なんです。特殊の機関単をお使いになり、列車も特殊の装置を持っておられることと思うのですが、ブレーキはやはりシューのブレーキですね。そういたしますと、しろうと考えでは、こすっておるからとにかくブレーキがかかるんだ。それは単純に考えればそれでいいのですけれども、シューによるブレーキというのは、いわゆる外壁に軟鉄をくっつける、それによって熱を発する、その熱にかえていくことによってブレーキがかかる、こういうことになるわけですね。こんなことは説明せぬでもいいわけです。それからもう一つは、それにはいわゆる耐熱限度があるわけです。その限度を越すと、これはブレーキがかからぬのです。いかに力を加えても、そのブレーキ・シューの持ついわゆる吸収熱量、これを超過しますと、ブレーキは全然かかりません。ですから、その点はどういうように考えておられるのかということです。それからもう一つは、電気ブレーキを御使用になっておる制御回路が全部だめになった、そういう場合の試験をなさっておるかということ、停電時においてもこれは同じ現象になるわけですから、そういう場合、これは平時においても、電気ブレーキをかけると、坂道など上がる場合には、オーバーロードいたしまして、制御回路が断落することがある。あるいは加熱によって燃え出すことがある。そうして遮断することがある。機械を安全にするためには、いわゆるライン・ブレーカーなどいろいろ遮断装置がありますから、機械の方は防護できますけれども、そういった場合に、自動装置が働かなくなるような危険性が十分ある。逆行するような場合があります。そういう場合に、あらゆる試験をなさっておると思いますけれども、どうもさっきからの答弁では、技術的に見て多少の不安がないとは言えない。こういう点について、どういう試験をなさっておるか、明らかにしてもらいたいと思います。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 ブレーキにつきましては、おっしゃる通りシューを使います空気ブレーキと、それから発電ブレーキと申しますか、おっしゃる電気ブレーキ、これが主体になっておるのでございます。勾配を下ります際は、これは電気ブレーキによって下るのが定理でございます。それから先ほど、危険速度に達した場合に自動的にかかりますブレーキと申し上げましたのは、空気ブレーキでございます。もし万が一、この点ブレーキの制御回路に故障でもありますれば、空気ブレーキによって安全にとまれる、そういうことになるわけであります。また一方、連続して勾配を下ります場合には、シューを使わずに電気ブレーキで下りますから、シューとタイヤとの間の熱の問題はないということになる次第であります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 これは平常状態においてそうだと思うのです。ところが、制御回路が全部だめになってしまった。途中で、半分ほど上がったところで制御回路が全部だめになってしまった、そういう場合空気制動が発動するといわれますけれども、その空気制動装置はどういうふうになっていますか。単式、複式、加圧式、減圧式、いろいろあります。しかし、加圧式にしても減圧式にしても、空気ブレーキというのは、限度がありまして、ある程度減圧されたときにはききますけれども、空気だめがからになってしまう、そういう場合にはもうすでにブレーキ機能をなくしてしまうので、長時間に耐え得るかどうかというのは疑問なんです。そういう場合には、どういう試験をなさっておりますか。今のその答弁では、どうも私は不安です。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 空気だめがからになれば、これは当然ブレーキがきかなくなるわけであります。この機関車におきましては、非常に大きな容量の蓄電池を持っておりまして、あらかじめそういう場合を予想いたしまして、これはちょうど峠のてっぺんから横川まで空気ブレーキだけで下り得るキャパシティを持ちました蓄電池によりまして、空気ブレーキ用のコンプレッサーを働かせながら下ってくるというようなことが可能にし得る程度の容量のものを持っております。これによりまして、勾配のどこかで停止しなければならぬようなことが起き、またそこから例の、先ほどもお話のございました無線によりまして、駅と連絡をとりつつ下の駅へ下るというような場合も、安全に下り得るようにできておりまして、そういう異常時の訓練を平常時の訓練に織り合わせながら、毎日訓練いたしておる次第であります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 そのバッテリーは、これは平常の場合にも働くことになっているのですか。有事の場合は、自動的に切りかえ装置ができて、それに切りかえられるのですか、どうですか。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 これは非常時だけ自動的に切りかわって働くようになっています。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)分科員 わかりました。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 だんだん御質問してきたわけですが、この問題に対して最後に総裁にとくとお願いしたい。今お聞きのようなことで、技術陣では、技術の最高水準を使って、日本では珍しい急勾配のところを運転するわけですが、これを運転する諸君も、これは必死になってけいこもするでしょう、努めもするでしょう。しかし、いろいろと今技術的な質問もあったように、いろいろ心配事もあるようです。従って、これに携わる人たちも、これが具体的な運転にあたっては、いろいろと希望等が出るだろうと思うのですけれども、これは日ごろの理事者と労働組合という立場で、労働組合のやつらなまいき言うな、わがまま言うなという立場でなくて、ほんとう真剣にこれは取り上げて、万が一にも間違いの起こらないようなための万全の措置を講じていただきたい、このように思います。そういう意味で、ほんとうに現場に働く人たちの意見はすなおに取り入れて、そうして間違いのない方策を講じてもらいたい。特にお願い申し上げますが、一つ総裁から決意を承りたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 先ほどから申し上げますように、私ども、安全確保ということには最も重きを置いております。ただいまも担当の技術者から説明のありましたように、二重、三重に安全を確保する設備を備え付けております。なお、お話のように、従事員の意見も十分、取り入れまして、できる限りのことをいたしたいと存じております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 最後に、技術担当の理事にこれまたお願いいたします。  今総裁からああいうお話があったわけですが、あなたは技術的に万間違いないのだ、こう言い切ってくれております。われわれもそれを信頼しますけれども、結局最後を支配するものは人間です。従って、機械設備がいかにりっぱにできておっても、やはりこれを運転する、操作する人間、こういうものが機械と呼吸が合わなければいかぬのであって、そういう意味において重ねてお願いしますけれども、これに携わる人たちの希望なり要求なりは、すなおに聞き入れてやっていただきたい。あなたのこれに対する御所見を承っておきます。

宮地健次郎日本国有鉄道常務理事

○宮地説明員 訓練につきましては、先ほど申し上げましたように、昨年の春からずっと続いてきておりますが、ただしかし、全部の勾配が完成いたしますのは五月になりますので、全部の勾配を通しての訓練は五月以降になるのでありまして、従いまして、全部の勾配を通しましての運転を十二分にやりまして、もしそれでも不十分であれば、営業予定の時期を延ばしましても、十二分に従事員の気持をくみまして、訓練を積んだ上で始めたい。  なお、先ほど御指摘がございましたが、最初の営業運転の間は、牽引トン数を一割ぐらい減らしまして、安全の側に持っていきまして、十分それで大丈夫であるという見きわめの上に、設計の牽引トン数で引っぱるというような手だてを講じたい、こういうふうに考えております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 碓氷新トンネルについては以上でとどめまして、いま一つ、やはり安全確保について、輸送の増強が要求され、これに伴ってスピードアップあるいは運転の回数増強というようなことから、線路補強、そしてこれの保守というようなことから、新保守体制五カ年計画、こういうものがあるやに聞いておりますが、ことしはその三年目に当たるのでございますか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 お答え申し上げます。  国鉄の経営をよくしますために、また、輸送能率を上げ、安全をはかりますために、各方面において近代化を取り上げております。今御指摘の線路につきましても、通過トン数もふえますし、速度も上かりますし、また職員の環境をよくするために、軌道を強化いたしまして、機械を、取り入れた姿に持っていく、これが軌道近代化でございます。私どもは、今度の現行第二次五カ年計画におきまして、約三百八十億くらいの金を入れまして、毎年六十億くらいの投資をいたしまして、線路の強化並びに機械化を進めております。これに見合いまして、従来の保守体制というものは、線路が弱かったときに、しかも労働賃金が安かったときに、労働を主体とした体制の保守をやっておりました。わかりやすく言えば、軍隊で言えば歩兵のやり方でありまして、線路工夫の労働力を中心とした保守でありますが、今申し上げましたような新しい構造、新しい機械を使った保守のやり方としては適当でないということから、新しい体制、いわゆる新体制の組織を考えておるわけでございます。こういう考え方は、ほかのものとも共通がありますが、線路が強くなりましたので、ある程度技術的に点検するグループと、それから周期的に線路を集約いたしまして、機械を使って直していくグループに分けるわけでございますが、こういう新しい体制に全面的に切りかえる時期というのは、軌道の強化か終わった時期でございますけれども、しかし、部分的には、今それぞれの線路にある程度重点的に金も入れ、機械も入れておりますので、新体制の施行という問題を取り上げようということで、実は組合側もこの軌道の近代化については反対ではないわけでございます。しかし、一挙に切りかえることについてはいろいろと不安があるということで、昨年来いろいろ団体交渉を持ちまして、ようやく施行の点については意見の一致をみたのでございますから、一部の線区から今度施行に踏み切るということに相なったわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 ただいまの説明によると、保線関係三百八十億、毎年六十億入れておる、こういうお話でございますが、今まで組合といろいろ話し合った中では、大体四百七十億円使って、それは主として大体七線区というようなことを明らかにしておったように聞いておりますが、いつ二百八十億に減額されたのですか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 お答え申し上げます。  今の四百七十という数字は、施設局側としての一応の希望という案でございますが、今私が三百六十と申し上げましたのは、現行のペースで参りますと、若干今スタートがおくれておりますし、それから今五カ年計画の補正をお願いしておりますので、そういう観点からその程度のものではないかということを申し上げたのでありますが、目標としては、五カ年計画は、施設側の原案としては四百七十になっております。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 組合側でも、安全を確保するために軌条を新しくしたり、施設を新しくする、このことにはもちろん異議はないだろうと思うのですが、ただこれと見合って、ただいま言った歩兵組織みたいなものから新しい作業班とか何とかいうものをつくるとか、そういうものが、具体的な路線の軌条の交換その他そういうものができ上がったあとでそういう方向が出るなら、またその時点で議論も出るのだろうと思いますが、そうしたことがちぐはぐに行なわれてみたり、いろいろなことをするので、いろいろな問題があるのだと思いますか、実際には第一年、第二年、第二年とこうやってきて、今日軌条というものにどのくらい資本が投下され、これと見合ったその保守体制というものの改変に手がつけられたのか、つけられないのか、この辺はどうなっておるのですか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 機能の強化と保守の新体制の持っていき方は、今先生の御質問の通りでありますが、先ほど申し上げましたように、三十六年度から発足いたしまして、毎年六十億程度の金はすでに入っているのでございますが、新しい体制の切りかえを今までやっておらないわけでございます。そこで重点的に入っております線区から施行しようということになりまして、施行につきましては、組合との話がつきまして、今年の四月一日を目途に今準備を進めておるわけでございます。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 これまた安全確保、軌条を直すことも先決条件であるか、やはりいかにりっぱな路線を敷いてみても、これは永久不変なものでたく、常に保守をしていかなければならない。こういう意味において、そのやり方等について、一方ではいろいろ資本も投下したのだし、機械化もしたのだから、頭数を減らす、こういうことを主張なさるのだと思うのですが、実際の現場には現場なりの、いろいろと当局のおえら方にもわかりかねるようないい場面もやはりあろうかと思うのであります。そういうことで、これまた現場の意見も十分聞きながら、基本的には、企業の経営第一主義に陥ることなしに、輸送の安全確保第一主義という立場に立って、いろいろと働く者との話し合いを持っていっていただきたい、こういうことを強く要望を申し上げておきます。  最後にいま一点だけ、これは少し質問の方向が変わっておるのですが、今年豪雪が降りまして、富山、あるいは福井、あるいは長野、こういう方面でいろいろと国鉄でもこれの排除にお骨折りになっておるわけですが、長野が、管理局として中部支社の管轄下にある。なかなか一手に引き受けて大へんであったということや、あるいは今度碓氷新トンネルができ、しかも長野まで電化される、中央線も電化される、こういうことを考えてみると、長野地方は、言うならば、東京都の奥座敷である。こういうような立場に立って、働く者も、利用する地域住民も、聞くところによれば、管理局自身の首脳の方々も、できれば一つこの際長野管理局を東京支社の管轄下に移してもらったらどうか、移してもらいたい、こういう希望が強くあるやに聞いておるわけですが、これに対する総裁の御所見を一つ。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 私は、長野支社というようなお話をまだ聞いておりませんし、そういうことをただいま考えておりません。今の支社の管轄は、いろんなことを考え合わせまして、いろいろ検討をした結果、ああいうふうにきまっておるのでありますから、ただいまのところは、私は変えるという考えは持っておりません。今後また新しい事情でも起こりましたら、十分検討いたしたいと思います。

栗原俊夫日本社会党

○栗原分科員 一応総裁のただいまの時点における気持はわかりました。しかし、今も申し上げます通りに、信越線も新面目を発揮するような事態になり、中央線も電化される。そうして地元の人たちも東京に連らなりたい、こういう希望が強くなってきた場合には——そうして現になりつつある、こういうことなんですから、こういう素朴なといいますか、気持が吹き上がってきた場合には、一つこの気持を取り上げて、単に国鉄経営という立場に立ってのみの行き方ではなくて、一つ地元住民の気持、こういうものも大きく取り上げた施薬を打ち出していただきたい。こういうことを強く要望申し上げまして、私の質問を終わります。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 なお、山口委員より資料の要求がございます。  すなわち、信越線使用列車の機関車構造説明書をあしたまでに山口委員、栗原委員、井村委員並びに私、主査でございますが、この四人に一つ国鉄からいただきたいと存じます。田中織之進君。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 私はきょうは予算に関連して、特に公団関係のことに限定して実は質問したいと思っておったのですが、一昨々日、日本鉄道建設公団法案が本会議で趣旨説明が行なわれましたので、私、党を代表して質問を申し上げたのであります。事前に政府委員の諸君が見えまして、私の質問の趣旨を申し上げておいたのでありますが、私の尊敬しておる綾部運輸大臣の答弁としては、私はきわめて不満なんです。幸い国鉄の十河総裁もおいでになるので、これは国鉄の名誉に関することでもあろうかと思いますから、一、二お伺いをいたしたいと思います。  そこでまず最初に国鉄総裁に伺うのでありますが、国鉄総裁は、従来鉄道の新線建設を、現在もそうでありますけれども、国鉄で分担されて参りました。今度新線建設の部分を新しい公団に引き渡すことに相なったわけです。総裁は、新線建設が今日まで遅々として進まないということについて、一体隘路がどこにあるとお考えになっているか、まずその点を伺いたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 いろいろな点にあるかと思いますが、たとえば電源開発でダムをつくっておる、そこを新線が通ることになっておる、あるいは地方的に線路をこちらへ回せあちらへ回せというふうなこともありますし、また地質等の関係で設計を変更しなければならぬというふうなこともあります。そういういろいろな原因があって、おくれておることがいろいろ出てきたことがあったと思います。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 総裁、一番重要な問題をあなた忘れているのと違いますか。ことしの国鉄関係の予算の中でも、新線建設に振り向けられるものはわずかに八十億でしょう。問題は、根本的には、新線建設ということで、総裁もお答えになったように、全部で着工線四十七、調査線十八、予定線を入れますと二百三十一線という線が地方の政治家々使ってのいわゆる政治路線ということで、採算を無視したような形のものをつけるという大きな圧力が加わっていること、これが一つ。しかしそれにも増して、やはり国鉄が独立採算制を公社になってから建前として貫かなければならぬという点から、国鉄のたとえば現在の既設の経営線においても赤字線も多い。そういう中から収益を出したものの中で新線建設に振り向けていく金がないということが、新線建設が期待の通りいかない最大の原因ではございませんか。総裁はその点をお忘れになっておるのと違いますか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 その点は、私は建設審議会でも絶えずお願いをして、政府の方にも始終お願いをいたしております。私は新線建設の必要を否定するものではありませんが、国鉄財政の現状から見ますると、先ほどからいろいろとお話のありましたように、安全確保にもたくさん金が要りますし、今度の雪害等から、また新しく安全確保の必要も増して参っておりますし、それから輸送力は至るところで欠行いたしております。国鉄としてはそういうやらなければならぬことがたくさんある。金が足りませんから、しばらく新線建設を延ばしていただきたいということをお願いいたしまして、その結果、前には九十億の予算でありましたが、今度は七十五億ということに相なっております。政府出資をお願いしておりましたが、利子の補給だけを認められたので、そういうことに相なっておるのであります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 総裁、もっと率直にお答えになったらいかがですか。私がきょうの冒頭にこの問題をお伺いする点は、本会議でも私は申し上げましたが、国鉄の新線建設が予定通りいかないということについて、大きな問題は二つある。一つは資金の問題、一つはあまりにも政治路線が多過ぎる。そういう意味で思い切った再検討を加えない限りは、幾ら資金をつぎ込むといっても、これはできないことだ。第一資金をつぎ込むという問題についても、今度の建設公団では政府出資が五億、それに本年度財政投融資で五億入れます。それから今総裁がお述べになりました国鉄の予算の中の新線建設費七十五億を入れましても、八十五億しかないわけなんです。ところが建設審議会から出しましたものは、初年度から五百億も金はかからないと思いまするけれども、着工線、予定線の仕上げをしていく、さらに千葉であるとか堺であるとかというような新しい臨海工業地帯等の建設を含めるということになれば、どうしても五千億の金が要る。しかもそれを十カ年間でやりとげるという計画にすれば、年間五百億という金が要るのに対して、さしあたりの資金量が百億未満であれば、五百億の事業をやろうということになれば、残り四百億というものは借入金または建設債券の発行というような形で、いわゆる受益者負担の名において地方住民はこの建設債券の強制引き受けというようなことにもなるということを心配して、実は私は質問を申し上げたんです。まだ速記録が出て参りませんから正確なことはわかりませんけれども、運輸大臣は、国鉄にはいわば新線建設の能力がないんだ、それだから今度建設公団にやらさざるを得なくなったんだと言われるが、私の考え方から見れば、国鉄にはその能力がないことはないと思うのです。私は、今申し上げた二つの問題が除去せられるならば、国鉄で国鉄の施設を中心にして十分やれる技術陣も持っているし、陣容も持っていると思うのです。もちろん今言うように、東海道新幹線と改良のための五カ年計画というものは国鉄自体でもやられる。それ以外のいわゆる新線建設というものを今度新しい公団に持っていくというアイデアのようでありますけれども、私は、根本的にはその二つの隘路が是正されれば、これは国鉄でやるべきだ、こういう考え方の上で、運輸大臣に質問を申し上げたんですけれども、運輸大臣は頭から、国鉄にはその能力がないんだと言って答弁をされているんです。運輸大臣から、そういうように国鉄は能力がないと言われても、あなたはこの際新線建設は建設公団におまかせするんだという態度をおとりになるんですか、どうですか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 能力もいろいろありますが、先ほど申し上げましたように、国鉄は財政的に見れば全く能力がないという、大臣からそうおっしゃったというなら、その通りだと思います。それが今度新しい一つの建設公団を提案せられたゆえんだと思います。その意味においては、私は国鉄に新線建設を毎年五百億するというような能力は全くないと思うのです。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 それは国鉄が現在の赤字線、政治路線というようなものを強行させられた関係からなんです。それと国鉄の資産内容というようなものも、私も検討しています。私は本会議でも申し上げましたが、二兆円に達する帳簿価格をなにしていながら、資本金は一体幾らですか、借入金は大体五、六千億円でしょう。全額政府出資ということになっておるわけなんですけれども、普通の民間企業であれば、帳簿価格は一兆八千億近いものがありまして、資本金と借入金との比率というようなものを考えて参りますれば、この資本構成というものを変える道も残されているんですけれども、それは政府は許さないわけです。それと同時に、私どもが多年主張しておりまするように、踏切の問題一つ取り上げて参りましても、あるいは公共運賃の割引の問題についてのいわゆる国庫負担の問題にいたしましても、政府が幾らでも、名目のつく限りは日本の産業の動脈としての国鉄を強化するという考え方の上に立てば、今あなたたちに強要しておる独立採算制の建前にこだわることなく、かりに一歩独立採算制を立てておいても、やる方法は私はあると思うのです。そういうことをやらないで、今度やはりまた——それは、国鉄の理事諸君の退任された人が、あるいは総裁が近く退任せられるというようなことになると、また建設公団の総裁になられるのかもしれませんけれども、そういう形で官僚の古手のうば捨て山のようなそういうものをつくるならば、あなたは、国鉄とともにとにかく自分の生産を捧げたいと、過去たびたびの問題で責任問題が持ち上がるたびに、あなたが言われるならば、むしろこの際、新幹線建設についてもそういう積極的な政策を打ち出すべき立場なんです。財政的な能力はありませんという、能力がないのは、いわゆる独立採算制というものを強行しているからなんです。今度建設公団について、政府が、場合によれば鉄道敷設税を新設する、あるいは受益者負担について考えるというようなことになりますれば、国鉄でもできないことはないでしょうと私は申し上げているのですが、その点はいかがですか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 もちろん国鉄でやれといえば、八十億の予算では八十億の工事をやりますし、それが百億になれば、百億に必要な陣容を整えて工事はやれると思います。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 あなた、そういうのんきなことを言っていますけれども、この公団ができると、国鉄の施設関係は二分されるのですね。そうでしょう。新公団ができるといっても、やはり技術陣はほとんど国鉄から振り向けられるのでしょう。だから、たとえばそういう人が新しい建設公団からまた国鉄へ戻る場合の共済年金の継続の問題についてまで、附則の中で規定をしなければならぬということにもなるのです。現実には、やはり東海道新幹線計画、いわゆる五カ年計画というものはあなたたちが責任を持ってやらなければいかぬから、少なくとも建設関係の部門は、改良も勢い建設になるわけですから、そういうものが二分されるというような結果になるので、やはりあなたたちの傘下の国鉄の労働組合の諸君だって、この公団の成立するかどうかというようなことについては真剣な問題として考えているから、私はこの質問を申し上げているのです。そんなことでは、国鉄の労働者からはあなたは不信任を食いますよ。  そこで、本論の港湾行政に入りたいと思いますが、運輸大臣、あなた、一昨々日、私の質問に対して、建設幕議会の答申というものをあなたは取り違いをして、まるきり国鉄に新線建設の能力がないからやったような答弁をあなたはされておりますが、この際、訂正されますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私が申しましたのは、ただいま国鉄総裁の言われたように、現在の状況におきましてはなかなか困難である。そこへもっていきまして、鉄道審議会は何か別個の方式でやったらよかろうという答申でございましたので、その説をいろいろ考慮した結果採用したのであって、現在の状況においてはよりベターであるということを申し上げて、さように御了承願います。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 私の質問は、前段に今十河総裁にお聞きしたように、国鉄で新線建設が思うようにいかないことについて二つの隘路をあげているのです。その隘路を除去するということであれば、国鉄でやるにしても同じことじゃないか、こういう意味で私は質問をしているのです。それだからその点をやはりあなたはふまえてなにしなければいけませんし、それから建設審議会の最終の案は、今大蔵大臣をやっている田中角榮君の小委員長案というものを取り上げています。しかし、その前の前段の鉄道建設審議会の答申の中においては、やはり必ずしも小委員会案のような、分離してやれとは書いてないのです。少なくとも国鉄においても会計を独立させる。そういう点をやはり明らかにしておるわけなんです。そういう前提の上で質問を申し上げたことに対して、あなたは今現状においてはということで逃げていますけれども、よく速記録をごらんになって、いずれ運輸委員会でみっしり、とにかくあなたと議論いたしますから、調べていただきたい。  そこで総裁にもう一点、これは別の問題でありますけれども、神奈川県と東京都にまたがったところに、田野という火薬庫がありました。多摩川の上流です。そこへ一昨年あたりから皇太子の結婚記念だということで、子供の国という子供の遊び場をつくったようです。これも皇太子の結婚記念ということでありますけれども、寄付金がわずか二千万足らずで、残りの大部分を児童施設ということで厚生省の予算に組んでいるので、私は一昨年厚生省に対して質問をいたしたことがあるのであります。そのことについては別にいたしまして、そのときに田野の火薬庫へ入ります横浜線の引込線がたしか五キロばかりあるように聞いていたのです。従って子供の国が完成すれば、輸送等の関係がありますから、貨物の引込線と火薬庫の引込線をそのまま使うわけには参りませんけれども、国鉄で子供の国への旅客輸送のために活用されることを実は期待いたしておる。ところがこの付近には京王線であるとかあるいは東横線であるとかいうような施設も入っております関係で、この線をそれぞれ払い下げを受けたい、こういうような運動がなされているということを当時私は伺ったのであります。その点この田野線はその後どうなったのでありましょうか。現在子供の国の問題として活用されているのでありますか。払い下げをされたとすれば、どこへ払い下げをされたのか、そういうようなことについてお聞きをしたいと思うのです。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 今先生のお話の点、具体的なことは私どもは承知しておりません。実は兵器廠二線というのは国有になっておりまして、大蔵省の財産でありまして、終戦後国鉄の財産ではございませんから、国鉄から払い下げるということはないわけでございます。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 ちょっと申し上げますが、十河総裁はいいですか。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 これが終わりましたら……。火薬庫への引込線ですが、私どもの調べたところでは、まだ国鉄の管轄になっているように思うのですけれども、その点、常務理事、お調べを願えますか。すぐわからなければ、次の運輸委員会にでもお答えをいただいていいと思うのです。私どもの調べたところでは、まだ国鉄の所管になっておる、そういうことを聞いておりますので、私鉄へ払い下げたのか、国鉄で活用しているのか、お調べを願って、次の機会でもいいからお答えを願いたいと思います。——総裁けっこうです。  それでは一つ本論の港湾整備計画の問題についてお伺いをいたしたいのであります。これは昨年も私は取り上げておるのでありますが、三十六年度からことしは三年目になるわけであります。五カ年計画というものは、私はやかましく言って、一昨年の五月か六月ころようやく運輸委員会にも報告をされたのですが、その点には資金計画とか事業量の計画についての細部の計画がない。単なる作文であったように私はおぼろげながら理解をしておるのであります。もう三年目にも入って参ったし、特に本年度の予算提出にあたりましては、実際の貨物取り扱い量は、この五カ年計画の完成する四十年の取り扱い量が三十九年にはもうそれたけの取り扱い量に達するというような関係がありますので、一部繰り上げて整備計画を遂行する、こういう説明がついております。その点から見て、三十六年度にさかのぼりまするけれども、この五カ年計画の資金計画というものは一体どういうようになっておるんでしょうか。それから、この五カ年計画で当初予定した進行状況を示しているのかどうか。現在の五カ年計画の進行状況についてまず伺いたいと思います。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 港湾整備計画につきましては、今お話しのように、三十六年から四十年度までにやることになっております。この総体の計画は総額二千五百億でございまして、その一部には地方が単独でいたします事業が含まれておりまして、それを差し引きますと、二千三百三十億円というのがこの五カ年計画の本格的な仕事でございます。これは閣議で決定をいたしまして、ただいま実施の三年目になっております。そこで、これは大部分が公共事業でございますので、国の補助がございます。この二千三百三十億円に対します国の費用は約一千四百億円、こういうことになっております。   〔主査退席、井村主査代理着席〕 三十六年度及び三十七年度につきましては、ただいま申し上げました国費千四百億円のうち、合計いたしまして両年度で四百四十三億を支出しております。また三十八年度には同じく国費が三百十二億でございまして、この三カ年を合わせますと七百五十五億円になっております。これに見合いますところの事業費は一千二百七十三億というのが三十八年度までの経過でございます。ここまで参りますと、全体の計画が五五%完成いたしたことになるわけでございます。全体計画とただいままでの進捗率はこのような状況になっております。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 その点は昨年伺った数字とちょっと違うように思うのです。三十六年度国の補助はかれこれ三百億あったのではございませんでしょうか。三十七年度と三十六年度と合わして四百四十三億というのは、ちょっと金額が違うように思うのですけれども、私の持っておる三十六年度三百八十億というのは、これは事業計画全体の資金ですか、そのうちで補助が何%か占めておる、こういうことになるんでしょうか、いかがでしょうか。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 私どもで担当いたしております港湾関係の事業には、ただいま申し上げました港湾整備五カ年計画のほかに、災害復旧とか、災害を未然に防ぎます防災計画がございます。これを長期の五カ年計画とか十カ年計画とか、まだ公式には認められておりませんが、私どもの事務当局では一応五カ年くらいのものは持っております。その予算を毎年これに含んで参りまして、予算折衝いたしますときには防災と海岸分と、それから港湾整備計画と二本建になっております。ただいまの数字は、私ちょっとここに持っておりませんが、何なら後刻調査いたしますけれども、あるいはそれは両方含んだ分の国庫というような形になるかもしれません。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 その点はお調べを願って、お聞かせをいただきたいと思うのであります。  たしか、私も去年の資料をそのまま持ってきているのですけれども、三十六年度三百八十億となっておりまして、全体の資金量であるか、そのうちの補助金が幾らになっておるのか。——それでは、ついでですからお伺いいたしますが、今伺いました三十六年、三十七年合わせて国の補助四百四十三億の内訳はどうなっておりましょうか。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 内訳と申します御趣旨がよくわかりません。非常にこまかい内訳がございますが、どの程度……。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 三十六年度分は幾ら、三十七年度分は幾らという大まかなものでけっこうですが、それもあとでもけっこうですから、お調べをいただきたいと思います。  そこで、本年度三百十二億の国の補助を加えまして、事業量が三十八年度末に参りますならば大体五五%達成できるということでありますが、予算説明にあります貨物取り扱い量の急増に伴いまして、四十年に予定していた数量を三十九年度に処理しなければならぬ、取り扱わなければならぬというような趨勢にある点から、若干繰り上げるということでございますが、その点は三十八年度においてやられるつもりなんですか、三十九年度においてやられるつもりなんですか。結局繰り上げということになりますと、時間的な圧縮と資金量の増額という面から出てこなければならぬと思うのでありますが、具体的に繰り上げという点はどういう形で実行されようとしておりますか。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 私どもが予算を作成いたしまして、昨年予算を決定いたしますときの要求といたしましては、ただいま御指摘のように、できれば一年間繰り上げたいという趣旨で参ったのでございますが、国家財政にはいろいろございまして、大体大ざっぱには半年分くらいは繰り上がったのが実績でございます。それから、それで残りました問題でございますが、私どもの計画は基本計画を十カ年に置きまして、ただいま施行しておりますのは前期の五カ年計画ということに相なっておりますので、もうあと二年しか残りませんので、早晩あとの計画を立てませんとうまくつながらなくなるわけでございます。そこで、三十九年度の予算を要求いたしますときに、その準備はことしの春からいたしますが、その準備といたしましては、三十八年を入れれば八年計画、あるいは三十九年度から勘定すれば七年計画といたしまして、昭和四十五年までのを全部一応積み上げまして、また巨視的にも、大まかな勘定をいたしまして、後期の五カ年計画と合わせまして、前期の五カ年計画の四年度、五年度を考えていきたい。それによりまして私どもの希望する線まで持ち上げたいというふうに考えます。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 これは私も十カ年計画でやったということも承知いたしております。そのうちの前半でありますが、運輸省の方ではじき出した前半の五カ年計画の資金量が三千百四十二億であったというふうに私は聞いております。大蔵省はそれを二千億でやれという形で、足して二で割るような勘定で二千五百億ということになったわけです。実際の事業の関係から見まして、また経済基盤強化という観点から見て繰り上げられるということになりますと、資金計画の面においてもやはり改定を加えるべきだと思いますので、今、港湾局長からお答えのように、できれば十カ年計画を七年、おそくとも八年くらいで仕上げるつもりであるという趣旨には非常に賛成いたしますので、積極的にやっていただきたいと思うのであります。  そこで、次にお伺いをいたしますが、特別会計の港湾整備勘定の歳出三百九十億三千五百万円で横浜港外三十三港の各整備を行なうというのですが、横浜港以外の三十三港は大体どこどこでしょうか。まだ大まかなことで、具体的な三十三の数字は出てこないのでしょうか。いかがでしょうか。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 予算が配分になりまして、ただいま検討中でございますけれども、三十三港の名前はただいま非常に数が多いものですから、また後刻お知らせいたしたいと思いますが、きまっております。それでその中で国のやります直轄事業については、すでに内訳がおおむね決定いたしております。それから国が補助を与えまして、地方の公共団体がいたします仕事につきましては、ただいまいろいろ配分の再調査をいたしまして、三月中ごろあるいは下旬ごろまでには、年度内には決定いたしたい、かように考えております。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 国で直轄でやりますのは例の特定重要港湾に限定されるのでしょうか、現在の十二港ですか。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 国で直轄でいたすことができますことになっておりますのは、重要港湾以上ということになっております。従いまして、重要港湾の中に特定重要港湾が含まれておりますから、逆に申しますと、特定重要港湾だけでなくて、重要港湾も必要とあれば国がやれることになっております。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 実はその数字をいただきたいのでありますが、数が多くなるということでありますから、後ほど資料でちょうだいいたしたいと思います。  それから次に特定港湾の関係で、石油港は室蘭外五港、鉄鋼港として室蘭外四港ですか、石炭港には苫小牧外一港、これを本年度重点的に施策を進められるように出ておるのであります。これは数は少のうございますが、石油港の室蘭外の五港と鉄鋼関係の室蘭外の四港、石炭港苫小牧外の一港というのはどこどこでございましょうか。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 まず鉄鋼の港湾につきましては、室蘭港、横浜港、大阪港、尼ケ崎港、福山港、この五港でございます。その一部分には一般の公共用の施設もダブってやっているところもございます。  それから石油の港湾につきましては、室蘭、新潟、四日市、大阪、姫路、水島、以上六港でございます。  石炭港につきましては、苫小牧と神戸の二港でございまして、神戸はほとんど終わりかけておりまして、苫小牧がある程度残っている、こういう状態でございます。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 それでは次に質問を進めますが、予算によりますと、次に港湾機能施設等の整備拡充ということを入れております。民間業者の荷役機械、上屋、倉庫、港湾工事用船舶等のための整備に伴いまする資金は大体幾らで、それに対して、これは民間がやるものですから政府から補助をいたしますか、それと本融資だけでございますか。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 ただいまの港湾の機能を助成いたします荷役機械とか、そういうような施設につきましては、二通りの手段を講じております。一つは公共団体に資金のあっせんをいたします。これは起債の形でございます。それからもう一つの方は民間のものでございますが、民間は特に必要なものに限定いたしまして、融資のあっせんをいたすという程度でございます。最終的な、民間の方の決定的な数字はただいままだ出ておりません。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 それでは、前年度十六億八千万円、これは財政融資であったと思うのでありますが、これは本年度はどのくらいになるかまだわからないとおっしゃるわけですか。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 その数字は出ているはずでございますが、ただいまの御質問でございますが、説明に時間がかかりますので、あとで御説明申し上げたいと思います。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 このいただいた「重要事項の概要」の十三ページに、「(2)港湾機能施設等の整備拡充」で前年度予算額、財政融資十六億八千万円とありますが、三十八年度はまだその金額がございませんので伺ったわけなんですが、まだ未確定なんでしょう。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 それは開銀融資その他のあっせんでありまして、ただいままだきまっておりません。本年度の分につきましては、まだ、本年三月までございますので、残りの分がございまして、最終的の決定はいたしておりませんが、ただいまきまっておるものの数字は別途調べて申し上げます。ただいまちょっと持ち合わせておりません。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 大体三十八年度においてふえる見込みですか、いかがですか。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 私どもといたしましては、できるだけふやしたいと思って、いろいろ民間の業者からの希望額を調整いたしておりますけれども、開銀の融資等がなかなかむずかしゅうございまして、大規模にふえるとは予想しがたいと思います。できれば多少なりともふやしたいと考えております。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 この点は、港湾の整備、——言うてみればこまかい部分のようでありますけれども、これができないと機能が発揮できなくなるのじゃないかと思いますので、特に大臣は一つ力を入れて、所要資金の確保のために努力をしていただきたいと思います。  それでは私の時間もすでに過ぎておりますので質問を急ぎますが、特に三十八年度においては、やはりこの港湾機能施設の拡充のために、荷役機械、上屋、埠頭用地、引船、貯木場、船舶給水施設等の整備拡充に力を入れるということで、ここに起債のあっせんが五十八億、前年度より十七億ふえて三十八年度要求額として五十八億出されておるわけであります。この分については、これは公共団体による施設の整備を期待しているだけで、国が直接補助とかいうようなことは考えていないのでしょうか、その点はいかがでしょう。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 ただいまお話がございました五十八億というのは、起債のワクの中で準公営企業というワクがありまして、そのさらに細分いたしましたもので港湾整備となっております。その内訳は、今お話のように、荷役機械、上屋、埠頭用地、引船等でございますが、これらは大なり小なり収益を伴うものでございまして、国の補助は、港湾の基本施設、たとえば防波堤とか船だまりをつくるとか、こういうようなものには補助を出しますけれども、これは港湾管理者である公共団体の責任においてやるという形になっておりますので、起債はこの額だけ大体ワクがきまっております。これができますと、大体先ほどお話いたしました本年の公共事業のワクと大体見合う形になっております。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 そこで、私の郷里の和歌山下津港ですが、和歌山下津港のいわゆる和歌山北港が、御承知のように住友金属側にあるわけです。今度南港という計画ですが、特に和歌山港は鉄鋼港であると同時に、木材港であります。ソ連材等の輸入、米材等の輸入を、少し山をかけていえば半分は和歌山へ揚げているというような関係にありますので、今、私が申し上げた貯木場も含めまして南港整備計画というものをお願いをしておると思うのであります。   〔井村主査代理退席、主査着席〕 貯木場の関係につきましては、所要資金のいわゆる起債引き受けについての関係木材業者でありますけれども、割当の引き受け予定額にすでに達したという明るい報告を受けておるのであります。これに関連して、南港整備計画を本年度において取り上げていただく予定でございますか。その点はいかがでしょうか。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 ただいまお話がございましたように、和歌山の木材は非常に多うございまして、私どもの方で調査いたしました結果は、昭和四十年には約百十万トンに達するということになっております。そこでこの木材を取り扱いますために、ただいま申し上げました五カ年計画の中に総事業二十二億というものが載っております。ただしこの事業の中で公共事業費は五億円でございまして、残りは起債関係の仕事になるわけでございます。その五億円の公共事業のうち、昨年からもう一部手をつけておりまして、三十七年にはごく着手でございますので三千五百万円、三十八年は、先ほど内訳はきまっておりますと申し上げましたが、ただいま予定いたしております——これは予定額としていただきたいのですが、約一億六千万円ぐらいのものを予算に組みたいというふうに検討いたしております。またこの起債の中で、先ほど五十八億のワクの御質問がございましたが、そのとき申し上げましたように、土地造成、埠頭用地というようなものは先ほど申しましたワクの中に入っております。法律によって入っておりますけれども、漏れているのがございます。それは貯木場の、外側の方はいいのですが、内側の方の材木が流れないような係留さくとか囲い堤というようなものは、ただいまの法律では一般の起債でありまして、港湾整備の分の起債としては取り上げることができないのでございます。そこで、今国会にその法律の改定をしていただきたいということになって提案いたしております。名前は港湾整備促進法で、その一部を改定いたしまして、その中に貯木場という字を入れていただきますと、和歌山の例によりますと和歌山の外側は全部公共事業費でできる。それから土地造成等は従来の起債のワクでできる。それから今度法律を改正していただきますと、中側の設備も完全にできる、こういう段階でございます。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 あと二点ほどで私の質問を終わりますが、そこで鉄鋼港、いわゆる特定海湾としての整備も進めていただいておりますし、また下津の同じ港域でありますけれども、丸善、東燃等の石油の関係、これは港が深い関係にありますので、施設に新規にはあまり金をかける必要はないわけでありますが、木材港という一面を持っておりますので、その点は今度貯木場もできるというような形で整備が進むわけですが、実は私もうここ十年近くこの和歌山下津港の特定重要港湾としての格上げの問題を要望いたしておるわけなんです。しかしなかなか進みません。運輸省に参りますと、どうも大蔵省の方がむずかしく言うのでという、あるいは外国貿易の実績がどうだとか、あるいは定期船が入るかどうかとか、いろいろものさしがあるようでございますけれども、私どもが手元に持っておる関係から見ますと、現在の特定港湾十の次にあります港湾の中で、和歌山下津港は、室蘭、函館、小樽、津久見、新潟、坂出、こういうようなのがあとに控えておるわけなんですけれども、そういうものよりもはるかに特定重要海湾としての、従来のものさしに比べますれば、いずれもそのものさしにかなう条件にあるわけです。しかし運輸省の方に参りますと、それは大蔵省の方の了解がなければという、大蔵省の方に行くと、これはやはり運輸省の所管だから運輸省をくどいてくれ、こういう形で、両方ともはねかけ合いで、この十年同じ質問を続けなければならぬという苦しい立場に実は私はあるわけなんです。実質的には先ほどから伺ったような整備計画に基づいて漸次強化されてきておるわけなんでございますが、特定重要港湾という制度がある限りにおいては、私どもの和歌山下津港だけでなく、室蘭にしても函館あるいは新潟にいたしましても、そういう条件を急速に整えて、港湾としての指定を受けたい。そういうことになりますと、先ほどの港湾局長の答弁のように、国が直轄で仕事を進めてもらえるというような面もありますので、この点については基準を全面的に改正される、そういうことでうんと高い条件をつけられるということになると、あるいは和歌山も合格はできないかもしれませんけれども、従来の基準で参りますと、当然パスするものだということ、これは事務当局もお認めいただいているわけなんです。何かこういうことについて、重要港湾整備計画の中で当然重点的な位置づけは行なうけれども、あまり意味はないのだということであれば、そういうことで地元を納得させる道もあろうかと思うのでありますが、現にこれがあるということになりますと、やはりこういう表を持ち出して、小倉や清水よりも和歌山の方がはるかに条件がいいのに、小倉や清水が特定重要港湾になって、和歌山は何にもならない。これは率直な話を申し上げると、われわれの政治力の問題にも響いてくるので、この際はっきりとしたお返事をいただきたいと思います。運輸大臣いかがでしょう。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 われわれは、海外貿易ということが国策の要請として非常にきついものでございますから、和歌山の下津港の問題も考えてしかるべきじゃないかと思いますが、これは港湾審議会がありまして、そこへ一ぺん諮問をしまして、それから何しなければいかぬというので、ここで私が政治力旺盛の田中君の何だからすぐ聞くというわけにはちょっと参らないのでございます。どうぞ御了承願います。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 港湾審議会でありますか、それにかけなければならぬということでございますれば、できるだけ早い機会に一つかけていただいて、もうこういうことで今度の整備計画の中から見て、特定の重要港湾というものについては、歴史的な意味はあっても新しい意味はないのだということであれば、それなりに納得できると思うのですが、こういう制度がある以上、やはりその制度にはめてもらいたいという要請が出るのは、私人情のしからしめるところだと思うので、その点は綾部さんの時代にぜひ一つ確定していただくように、審議会には急速に一つかけていだたきたいということを重ねてお願いいたします。  そこで最後にもう一点伺うのでありますが、この点は県当局からもかねて事務当局にお願いを申し上げておると思うのでありますが、和歌山の北部臨海工業地帯がずっと南の方へ伸びまして、現在は右田市までそれが伸びておるわけであります。ことに東亜燃料の工場のある初島町が昨年有田市に合併をされまして、この東亜燃料は御承知のように下津で実際に油を揚げて、パイプ・ラインで輸送しておるわけなのです。そういう関係から見て、東亜燃料としてもやはり工場拡張をやりたい、これは日本における石油精製工場としてはトップにある工場だと私らも見ておるのであります。そういう関係から、勢い現在東亜燃料の工場敷地の外に約三十万坪ばかりの埋め立て計画がすでに進捗をいたしております。そういう関係から、ここに、できればやはり下津からという長いパイプ・ラインではなしに、タンカーをつける、船が入る港もつくりたい、こういうような考え方もございます。和歌山下津港というのは、全国的に類例のない非常に広大な海域を含めたもので、これも昭和二十五年に貿易港として指定を受けるときの苦心の策なんですが、この際できますれば海域を有田川の河口まで広げていただくというようなことにして参りますると、やはり今度の港湾整備計画の一部分として均霑することができるのではないか、こういう考え方から、地元及び関係会社と——また大局的に考えてもその必要を認めるのでありますけれども、当局としてのお考えを伺いたいと思います。

比田正運輸技官(港湾局長)

○比田政府委員 有田地区をこの港湾の区域に編入いたしますことにつきましては、地元当局からもすでにいろいろ相談に参っております。私どもは前向きの姿勢でそれを何とか入れてやりたいという方向で、ただいま検討しております。ただ先生の御指摘のごとく、もともと和歌山港というのは紀ノ川にあったのが、その河口が大きくなりまして、それが少し南の方へ参りまして、ただいまの南港ができました。それから海南が入りまして、それから下津まで入ってしまって、また下津のあとに有田を合併しようというような状態であります。日本一大きな水域を持っておりまして、あまり広大ではないかというような議論も出ておりますけれども、ただいまお話しになりましたような現在の発展の段階では、むしろ一緒にするのがいいのではないかというようなことで、私どもは検討しております。  それからもう一つ、前のところで特定港湾と重要港湾の関係でございますが、重要港湾の中で特定重要港湾をきめるわけでございますから、ただいま重要港湾の規定を大蔵当局と詰め合っております。これがやがてきまります。それがきまりましたら、この中で特定という字をつけるのはどれにしようかということになるわけでございます。非常に時間をとっておりますが、やがて解決する問題だと思います。  それから特定重要港湾になりましたときに、重要港湾よりも恩典があるかという問題でございますが、これは港湾法に国の補助をいたします分担が書いてございまして、それの上の方の制限は非常にいいわけでございますが、幅がございます。一例をあげますと、こういう種類の工事は特定重要港湾だと七割五分から五割まで補助をするんだ、こういう書き方をしてあります。そこで現行によりますと、先ほど歴史的というお話がありましたが、港湾法が十年前に変わりましたときに、前の一種重要港湾というのが特定重要港湾にそのままなりまして、二極重要港湾が今の重要港湾にそのままなりまして、数もそのままできめたわけでございます。従いまして、従来の第一種重要港湾、今の特定重要港湾の中でも補助率が幅があります。幅がある港湾の法律になっておりますので、予算折衝になりますと、最低の方でやりますと、重要港湾と同じ率のものが多いのでございます。ただ全般的には一番上に持っていけという現地の御要望が非常に多いわけでございますが、仕事をたくさん早くやりたいということになりますと、むしろ補助率を今のままで進めた方がいいじゃないかという議論もこれに出てきまして、毎年その議論のところでめぐっております。補助率を上げたいのか、それとも補助率を今までに置いて事業全体を伸ばすのかということになりますと、最後の詰めではやはり仕事を早くしたいというのが先に立ちますので、その議論が同時に行なわれるので、私どもの折衝がなかなかうまくいかない、こういう現況でございます。特定重要港湾になりますと、名目的地位は上がりますけれども、実質的の地位は、従来の例でいきますと、重要港湾と同じものが多うございます。この点だけ追加して、ちょっと御説明申し上げます。

田中織之進日本社会党

○田中(織)分科員 以上で私の質問を終わりますが、実は港湾関係ではなおいわゆる全国総合開発計画に基づく埋め立てその他の臨海工業地帯の整備等の関係で、外債によっている部分があります。しかもそれが三十七年度九十億から、明年度は百六十二億に外債がふえる見込みだという関係の問題についても若干伺いたい問題点があるわけですけれども、いずれそれは運輸委員会ででもお伺いすることにして、私の質問を終わります。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 午後二時半より再開して、運輸省関係に対する質疑を続行することとし、これにて休憩いたします。    午後一時五十七分休憩      ————◇————−    午後二時三十八分開議

井村重雄自由民主党

○井村主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和三十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、運輸省所管及び日本国有鉄道関係に対する質疑を続行いたします。勝澤芳雄君。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 時間の制約をされておりますので、私はそのものずばりで一つ質問いたします。  鉄監局長にお尋ねいたしますが、運輸省の予算の中で、臨時鉄道法制調査会の予算事務経費として八十九万九千円出ておりますが、この積算基礎について御説明願いたいと思います。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 積算の基礎と申しますと、われわれ普通に予算専務としてやっております積算のやり方でございますが、これは、御承知のように委員の数と、大体委員会の開催日数、それから委員の手当、こういったものを勘案して出したわけでございます。委員の手当が四十万一千円でございます。それから職員の旅費が八万円、委員の旅費が十万円、あと庁費が三十一万八千円、こういったことに予算書では相なっております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そこで、私は、委員が何名で月何回開くかということをお尋ねしたいのです。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 ただいま積算の基礎を持ち合わしておりませんので、後ほど資料としてお届けする、それでよろしゅうございますか。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 それでは、このやる目的は、鉄道に関する法制に関する重要事項と、こうなっておりますが、鉄道に関する法制に関する重要事項とは、具体的にどういうことなんでしょうか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 主として鉄道営業法の全面改正についていろいろ調査審議していただきたい、こういうことでございますが、場合によりましては、現行の鉄道営業法の全面改正を調査審議して参ります過程におきまして、地方鉄道法とかあるいは軌道法、こういった関係の改正ということも考えていただかなければならない、こういうことになるかと存じます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 主として鉄道営業法というと、それ以外には——鉄道営業法を中心にして審議をして、そしてその中から出てくれば、地方鉄道法、軌道法、こういう意味なんでしょうか、それともそれ以外の法律もあるのですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 御承知のように、鉄道営業法は、ただ単に鉄道の営業関係だけでなしに、施設法あるいは保安法の基本法的な関係の法律にもなっておりますので、そういった面は鉄道営業法からむしろ除きまして、別の法律体系に吸収した方がいいんではないか。従って、鉄道営業法は、純然たる鉄道の利用者と事業者の関係を律する、主として運送を中心とする法体系に改むべきではないか、こういう御意見があるものですから、あるいは地方鉄道法、あるいは軌道法、そういった関係も出てくるかもしれない、かように存じておるわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そうすると、臨時鉄道法制調査会というのは、とにかく鉄道営業法を検討するのだ、そして鉄道営業法を検討した結果出てくれば、その法律もやる、こういうことなんでしょうか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 さようでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そうしますと、それはいつからどういう構成で始めて、いつごろまでに結論を出すという目標なんでしょうか。   〔井村主査代理退席、主査着席〕

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 臨時と名称にありますように、昭和三十八年度と三十九年度の二カ年間を予定いたしておりまして、この二カ年間で審議してもらいまして、一応結論が出ましたならば、全面改正の作業にとりかかりたい、かように考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 これは、設置法の方では、三十九年末までなんですか。どうなっておりますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 三十九年度末でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そうしますと、ここで今年度は委員の人数と会合の回数というのをお聞きしておきたいのですが、あれはどういう構成で審議をしておるのですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 この三十八年度の予算の概算要求をいたしました際には、国有鉄道関係とか、あるいは営業法関係であるとか、あるいは地方鉄道法、軌道法関係、こういったような三つの部門に分けまして、いろいろやりたいというふうに考えておりましたけれども、目下のところでは、先ほど申しましたように、鉄道営業法を中心といたしまして、その関連において地方鉄道法、軌道法が出てきた場合に、審議していただくということでございまして、別にこの調査会の中に部会を設けるというようなことは考えておりませんで、単一の組織にいたしまして、委員は大体二十名前後を考えております。それで、開催日数でございますけれども、これはやはり、事務当局といたしましては、月に一回であるとかいうふうに考えておりますが、委員を任命いたしまして、調査会の方々の御意見もございましょうから、またそのときになって詳細打ち合わせまして、しかるべく措置したい、かように考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そこで、私は先ほど積算の基礎をお聞きしたのですが、先ほど言いました四十万一千円、これの積算にあたっては、何名で月何回開いてどうだという計算があるはずだと思うのですが、構想が今のお話を聞いておると、まだ幅があるというようなことなんでしょうけれども、つかみ金じゃないのでしょうね。つかみ金でなくて、相当こまかい計算をして、委員手当が幾ら、こうやってやられておると思うのですが、いかがですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 仰せの通りでございます。しかし、実行にあたりましては、また違った姿になることもしばしばあるのが例でございます。積算の基礎通りにやらねばならないということはないと思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そこで、その積算の基礎はわかりませんか。——すぐわかりますか。あとになりますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 あとから……。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そこで、鉄道営業法をここで二カ年かかってやるのだということになりますと、これはなかなかその関係のところでは大へん重要な問題になると思うのです。で、委員の人選についてはどのようにお考えになっておりますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 この臨時鉄道法制調査会を置きますゆえんのものは、主として学識経験者の専門的な意見を聞きたいというのが趣旨でございますので、従いまして、どうしてもおのずから学者と申しますか、そういった範疇の専門家ということに相なるかと存じます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 学識経験者というのがとかくいろいろ問題になるわけであります。専門家というのが問題になるわけです。このときには、やはり人選にあたっては、あらゆる階層の人たちを入れなければいけない、こういうふうに私は思うのですが、その点いかがでしょうか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 一般的に申しまして、調査会の人選というような場合には、おっしゃるようなことが当然考慮さるべきだと思いますが、この調査会は、繰り返して申し上げますが、主として専門的な意見を聞きたい、こういうことでございますので、一般の場合と若干ニュアンスを異にするのではないかというふうに考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 専門家でもいろいろあるでしょう。ですから、そのいろいろある専門家を結局そっちからもこっちからも選ぶのかと、こう言うのです。あなたの方針に従った専門家だけしか選ばないのか、それではいけない、ですから、広い層から専門家を選ぶべきだ、こう私は言っておるのですが、どうでしょうか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 結局私も先生も同じ気持でおるのが、表現があるいは一致してないのかもしれませんけれども、もちろん広い視野から選ぶべきだと存じております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 臨時行政調査会なんか見てみますと、変わった人たちが入っておるようであります。一つの調査会なり審議会のあり方としては、私はああいうふうな形のものがいいんじゃないかと思うのです。この鉄業営業法というようなものも、確かにあなたがおっしゃったように専門的ですから、専門的な人たちでけっこうです。専門的な人でけっこうですけれども、しかし、刑法学者にいたしましても、民法学者にいたしましても、商法学者にいたしましても、その中でもいろいろ議論があるわけでありますから、やはりいろいろな議論のある人たちを入れてやっていただきたい。そうしないと、できたものについて、あなたの方は都合のいいところは全部尊重する、都合の悪いところは半分尊重するということになるわけでありますから、やはり二年間もかけてやるわけでありますから、その中で十分淘汰されてやらなければならぬ、こう思うので、私は、専門的な人でけっこうですけれども、専門的な中でもやはりいろいろな階層を含めてやっていただきたいということを、特にこの予算にあたって申し上げておるわけです。大臣、その点一つよろしゅうございますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 常識に従いまして、あなたのおっしゃるような広い意味の専門家を入れたいと思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 時間がありませんから、次に進みます。  次は、国鉄の関係で、国鉄の予算の中の経営費で役職員の給与というのが出ておりますが、この中でベースアップの財源とかあるいは昇給の資金というのは、どういうようになっておりますか。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 昇給の財源としましては、三公社同じ歩調で昇給原資三・八%を見ております。それから、いわゆるベースアップの財源としましては、三十八年度以降の御質問かと思いますが、それは見込んでおりません。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そこで、三十八年以降、今これは労使の間で話し合いが進められておるようでありますが、あるいはまたこの結果仲裁裁定というものになるかどうかわかりませんが、そういう形でかりにきまったとするならば、ベースアップの財源はどういうところから出てくるのですか。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 まだ先のことでございますので、私ども的確な判断を下しかねると思いますが、かりに——かりにでございます。公務員について現に行なわれようとしている程度のものを実施せざるを得ないということになりますならば、概算で二百億をこえる額になるかと思います。従いまして、それを捻出する自己資金の財源がございません。従って、その際には、これはまだ財務担当の私の個人的な考え方でございますが、補正予算をお願いせざるを得ないのではないかと考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そこで、昇給の資金は他の公社と同じだという話でありますから、あとでまた少しお尋ねするといたしまして、次に、諸手当及び負担金の中で、期末手当はどういう形になっておりますか。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 三十八年度の期末手当は、予算上は三・五カ月分を見込んでおります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 公務員との差はどうなっておりますか。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 公務員は三・七カ月でございますから、〇・二カ月分少ない額を予算上は計上しております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 この予算上少ないということは、支給の上で少なくなるのですか。支給をする場合、公務員とはどういうようになりますか。勤務形態から見ましても、国鉄が三・七カ月の公務員より少なく支給されるということは、私は理論的には納得できないわけでありますが、予算的には〇・二減らしているが、実際に支給されるときにはどうなるか。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 公務員との差がございますのは、三十七年度予算でもございました。過去そういうことがございまして、それを、増収の場合あるいは経費を節約した場合には、業績手当という制度が認められておりまして、それで現実に過去公務員並みあるいは時には公務員以上に実質的に支払ったことがございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そうしますと、国鉄としては、予算の上では公務員より〇・三差がある、差があることは、増収さしたり節約したりして、せめて公務員並みあるいは公務員以上に出したい、こういう考え方をもってその予算が組まれている、こういうことなんですか。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 予算総則にございますように、業績手当という制度がございますので、その幅は持たれていると私どもは解釈いたしております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 前年度は公務員との差が〇・一五しかなかった。今度は〇・二差がついた。その差が広くなったということは、今度は、裏返して言うならば、その差をちぢめるために、あなたは予算総則の中に業績手当という制度があると言うから、予算総則の中でそれをやり繰りする財源といいますか、予算の運用といいますか、この幅が広くなった。広くならなければ〇・二の穴は埋められないわけです。どうですか。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 かりに〇・二をまるまる埋めるという意味の幅が広くなったという意味で弾力性が広くなったということなら、その通りでございますけれども、予算規模が大きくなっておりますし、また給与の単価も大きくなっておりますので、その差を埋める弾力を使う努力は、またそれに比例して大きくなっておると思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 収入について私は大へん見積もり増が多いと思うのです。国鉄で積算したよりも、最終的に大蔵省から査定されたのから言うならば、相当水増し収入があると私は思う。水増し収入があるところへもってきて、待遇は公務員との差が〇・一五であったのが〇・二にされた。それだったら、初めから国鉄と全公務員との差が〇・二つくということは、一体どこに理由があるのですか。私はよくわからないわけです。国家公務員の勤務形態と国鉄の勤務形態、仕事の内容を比べて、差をつけなければならぬということはよくわからないのですけれども、国鉄当局は、差がついているということについては、どういうお考えを持っているんですか。公務員と差がついていていいと思っているんですか。それじゃ困ると思っているんですか。困るから、どうしようと思っているんですか。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 私の聞いておりますところでは、過去においては公務員と同等という意見が非常に強くて、また本実その通り実施されたこともございます。しかしながら、非常に業務が多忙である、その結果収入がふえるというときには、公務員以上に出してもいいじゃないかという議論が、過去においてあったそうでございまして、そのときから業績手当という制度ができた。従って、その逆のことを考えますと、非常に輸送が低調で、従って収入も上がらないというときには、公務員よりも下回っていいじゃないかという、まあうらはらの理論構想で業績手当がスタートしたというふうに聞いております。従って、その考え方が、三十八年度にも考え方として出ておるのだろうと私は解しておりますし、従いまして、公務員に全部右へならへという制度が必ずしも妥当であるとは、私自身は考えておりません。  なお、給与のことでございますので、給与担当の河村理事からも、あるいは必要があれば補足させていただきます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 業績が上がったという判断は、一体具体的にどういう状態になったときに業績が上がったとして判断をして、支出をするのでしょうか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 具体的には、予定以上の収入の増加があった場合、または予定以上の節約があった場合、そういうことです。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 予定以上の収入があったとき、業績手当が出される。そうしますと、三十七年末、昨年ですね、昨年のときに予定以上の増収になっているじゃありませんか。決算の点から見るならば、黒字になっているわけですね。そのときの業績手当は幾ら出されたのですか。業績に見合うほど出されているのですか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 昨年度の業績手当は〇・四でございます。これは、昨年度の増収と、それからそれ以外にいろいろな関連で支出増もございますので、そういうものを考慮に入れれば、おおむね妥当な数字であろうというように考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 予定以上の収入があった、予定以上の節約があった、そのときには、具体的にどの割合だけ出すということになっておるのですか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 そのつど、労働組合との団体交渉によって決定をいたします。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 私はそういうことを聞いているのではない。初めから三・五と三・七の差がついております。〇・二の差がついているのは、業績の上がったときに——公務員より少ないときもある、多いときもあると言っている。ですから、業績が上がったときというのはどういう状態ですか。業績が上がったという状態は、あなたの言うように増収になったとき、それから節約が多かったときだ。それだったら、増収になったとき、節約が多かったときには、どれだけ支給することになっているのですか、こう言っておるのです。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 これは、国鉄としましては、組合との話をまとめなければ問題になりませんが、手続的には運輸大臣の承認を得、それから国としては大蔵大臣と御協議することになって、それできまるわけでございます。それで、それを一本でつなぐ考え方は、大体増収の場合には、増収経費としては三分の一くらいが過去の比率で、たとえば百億増収があったとしますると、その三分の一は増収の百億を上げるための経費であるというのが、大体過去の例になっております。従いまして、その増収経費は当然考慮の外になるわけでございます。それから、途中におきましてあるいはベース・アップがある、あるいは大きな災害があるというときには、やはりその財源を増収でまかなわなければなりませんので、これはある程度国民に還元すると申しますか、災害の経費なんかに充当する場合、そういう考えで、三分の一は国民にお返しする。私どもは、大体三分の一は国鉄職員に戻してもらいたい、そういう考え方でスタートはいたしております。しかしながら、結局きまる際にいろいろ紆余曲折がございますので、その通りきまることは過去においてもございません。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 私は、吾孫子さん、なぜこういうことを聞いているかといいますと、今国鉄の職場へ行きますと、駅長さんたちが、とにかく来年度は国鉄予算が苦しいのだ、だからみんなで節約する、みんなで一生懸命増収しようじゃないか、そのかわり、増収になって節約になったら、君たちにやはり報いにゃならぬ、こう言っているというのです。そうなっているかどうか私は聞きたいのです。私は、残念ながら、わずかな経験ですけれども、そうなっていないと思うのです。今の話を聞いておっても、具体的にそうなっているなら、私はけっこうだ。ですから、具体的にそうなっているから君たちこれだけ節約しなさい、これだけ増収になったらこれだけやりましょう、こういう話をきっちりしておいてやらせるならやりなさい、国鉄の公共企業性はそうなっていないじゃないか、そこに問題があるのですよということを、私は今解明しょうとしているのですよ。どうも今の常務の話を聞いていますと、かりに百億増収になった、三分の一は経費だ、あと三分の一は国民に返さなければならぬ、あと三分の一だ。しかし、それも聞いてみると、別に増収には関係のない災害があったとか何かあれば、それで埋まってしまうということになる。国家公務員の方は三・七というのはきっちりきまっておるのです。いかなる事態がきても三・七もらえるわけです。国鉄の方はとにかく天災地変がきたら三・五だ。初めから〇・二差がついておるのは、国鉄の職員の労働の密度なり中身なりと国家公務員のそれとは違うのか。違わないでしょう。労働時間を比べてみても違わないところに、なぜ〇・二の差がついておるのかというところが問題になるわけでありまして、大臣この点はやはり何回も申し上げておりますけれども、やはり一生懸命働いて増収になった、たまたま天災地変、事故があって、それが目に見えないけれども、やはり報いるのは報いてやって働かせにやならぬ、あるいは節約した分については節約した部分の中でやはり張り合いを持たせてやる、こういうことにしないとやはりいけないと思うのです。いや、それは大臣の許可がなければいかぬ、こう言われておるわけですから、一つ心がまえをお聞かせ願って、現場で、駅長さんが、一生懸命働け、働いて増収になれば、節約すれば君たちの待遇がよくなる。これが一つ具体的に現われるような御答弁を願いたいと思う。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 国鉄当事者の、ことに担当理事の言う通りのことを私は一番いいものと思いまして、そして運輸大臣としては、その結論が出たときに判断すべきものだと思っております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 今大臣が言われた通り、国鉄の当局が持ってくれば、それがいいと思ってやるというのですから、無理に気ばって、運輸大臣がええ、ええというやつを抑える必要はないわけでありますから、一つその点は十分検討していただきたい。  そこで、次に私は業務費の関係に入りたいわけでありますけれども、この業務費の内容がわからないわけであります。ちょっとこまかく説明していただきたいと思います。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 業務費とおっしゃいますと、いわゆる経営費のことでありますか。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 経営費の中の業務費です。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 経営費には給与その他諸費があります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 経営費の中の業務費を説明してもらいたい。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 業務費のうちのおもなるものは賃金、それから職員の旅費、それから備消品費でございまして、備消品費には、職員に貸与いたします被服でございますとか、あるいはいわゆる切符といわれております乗車券類の印刷、それから貨物を輸送する場合の証券帳表、あるいは貨車に使いますシート・ロープの代金、あるいはほんとうの備消品費では病院で使います薬、それから修養体育費と申しましてレクリエーションの費用、そういうものが大きなものでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 この業務費の中で、新しい内容として、在外事務所をアメリカに設置をするとか、あるいはまた役務費、それから業務委託費、こういうものがあるようでありますが、これはどれくらいの金額ですか。そしてその中身はどうなんですか。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 役務費から申しますと、役務費が、三十八年度の予定額、概算で申しますが、百億ございます。それから業務委託費が八十八億ございます。それから、在外事務所としましては、これは役務費の百億の中の一項でございますが、これが二千四百万円ございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 それじゃ、時間がありませんから、今私が申し上げました内訳の資料を一つあとで出していただきたいと思いますが、それはよろしゅうございますか。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 調製して提出いたします。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 それでは最後に、私は昇給の問題についてもう一度お伺いしたいと思うのですが、三十八年の一月一日に実施すべき昇給がまだ国鉄においては行なわれていないということでありますが、これは大体いつごろ実施になりますか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 なるべく早く実施したいというつもりで考えておりますけれども、何分現在団体交渉継続中でございまして、相手のあることでございますので、いつ結論を出すかということは、私としてもお答えいたしかねるような次第であります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 それは、この前私が御質問いたしましたら、予算の上で支障がないのだ、こういうお話を聞いておったのですけれども、来年度の予算を見てみますと、来年度も三・八%だと予算に出ておりますが、来年度の三・八%の予算というのは、具体的に実際に当てはめてみると、ことしの今昇給で話し合っている事項と関連して、どういうことになるのですか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 予算的には、資格者全員を昇給させましても間に合う予算でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 予算委員会の本会議の方でも御質問があったかと思うのですが、予算的には支障がないけれども、国鉄の内部的な組合の考え方できまらないのだというお話がありました。予算的に支障がないならば、円満な話をつけるためには、やはり執行したらどうなんですか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 前々から申し上げます通り、われわれとしましては、成績のいい者も悪い者も全員一律に昇給させるという方式は、よい制度とは考えておりませんので、九五%昇給ということで、五%の人間が昇給に落ちるというわけでございます。そういった方法によりまして勤務評定を行なうことか正しいやり方であるというふうに信じておりますので、そういうことで現在組合側に納得していただくべく交渉中でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そうすると、その余った予算はどうなるのですか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 これは給与総額の一部でございますので、その他の給与改善等に使うわけであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そこで、この給与総額以外のところとの給与の弾力性というのはどうなっておるのですか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 他の費目からは給与総額に流用できないことになっております。これは例外はもちろんございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 例外というのは具体的にどういう場合ですか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 業務量が著しくふえまして、そのためにそれに伴って必要な人件費がふえるような場合には、これは予算総則に書いてあることに従いまして、運輸大垣の承認を得て流用することができることになっております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そうすると、先ほど三・五と三・七の差が〇・三ある。この場合の〇・二というのは例外に入るのですか。それとも、先ほど言いました、経費が節約になった、あるいは増収になった場合はどうなるのですか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 業績手当につきましては、その例外に入ります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 そこで、先ほどの三・八という予算があるけれども、国鉄の考え方としてということであるわけでありますけれども、私も、河村理事のように、成績のいい人を落とせと言っているのじゃないのです。一生懸命やる人は上げなさい。しかし、無断で休んだりあるいは長い間休んでおる人については、それは当然昇給させないこともいいでしょう。しかし、朝出て晩帰って、その人の能力が十あった、いやある人は能力は十五だ、こういう判定によって差をつけるということは、いまだ国鉄の中では、そういう判定をするような勤務評定をする態勢になっていないといいますか、そういうことは困難だといいますか、そうなっている。ですから、そうあなた無理をせぬで、まあこの辺で——予算で差しつかえかないということになるならば、これは英断じゃないですよ。あたりまえなんですね。初めからそうしようとして予算を組んでいるのですから、一つ話し合いを成立させて、もう一月一日が過ぎたわけですから、おやりになったらどうでしょうか。

河村勝日本国有鉄道常務理事

○河村説明員 九五%昇給と申しましても、これは有資格者に対する九五%でございますので、その中から懲戒処分を受けた者あるいは長期欠勤者というようないわゆる欠格者というものを除きますと、大体九七%程度になるわけでございます。従いまして、百人のうち一つの職場で二人か三人程度が昇給から落ちるということでございまして、その程度の人間が、通常常識的に見ましても、落としてしかるべき人間がおるわけでございまして、その程度の勤務評定は十分に現在の組織でもできるというふうに確信しております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤分科員 河村さん、それはむちゃだ。一審最初は、公務員と国鉄とは手当においては予算的には同じでありました。その次に変わったことは、差が〇・一五つきました、そう言って——初めからウサギとカメのかけ比べじゃないけれども差をつけて、そしてこれ以上働いたら出しましょう、こういうことなんです。今度はその差をますます拡大をしていく。そうして差がついている。勤務形態は国家公務員と国鉄の現業とを比べてみてどうでしょう。同じじゃないでしょう。一緒にしておいて、そうして能率が上がったときは出しましょう、こうなるのなら話はわかる。ここにこうやって大蔵省から差をつけられたら、今度は国鉄の中でも差をつけにゃいかないというような根性が、私はいけないと思うのですよ。そんな根性で、ここで大蔵省から差をつけたから、国鉄の中で差をつけようと言う。じゃ一生懸命働きなさい、働いたらよくなりますよと言う、現場長が。公共企業体にいつなったのでしょうか。これから、ずっとやってきたのだけれども、残念ながらそういううまみが国鉄の企業の中にはないといって、みんな慨嘆しておるのです。これじゃやっぱしいけないと思うのです。これじゃ働く態勢に私はなっていないと思うのです。働く態勢になっていないから、国鉄の中で権力に迎合して出世をしよう、権力に迎合して人よりも一倍よくなろう、こうなっている。全体的な和の中で、共同で協力し合って仕事をしようという態勢じゃないのです。私はよく言うのですが、機関士がこっちの組合で、機関助士がこっちの組合で、汽車を走らせている。そして艇を振っている人がほかの組合で、ポイントを返している人がまた組合が違う。またそれに乗っている連結手が違う。車掌が違う。十幾つかの組合に分割されているということは、何かというと、自分だけが権力に迎合して、人よりよくなろう。これじゃ私は共同で仕事をしていく——国会議員のように五人区で六人も七人も出て競争されるならけっこうでしょう。しかし共同で仕事をしているのです。そしてみんな分業なんです。与えられた仕事の中でみんなまじめにやってくれなければ困るわけです。こういう仕事の中で、おれだけはこっちのしりについてよくなろう、こういうやはり考え方を起こさしたらいけないのです。おれはその職のエキスパートなんだ、この職をおれはやるんだと、一生懸命やらせる。それは朝出て晩帰る中でも、十の能力しかない人も、あるいは十五の人もあるでしょう。あるいは八の能力しかない人もあるでしょう。しかしこれはやはり無理なんです。これをもしもああしろと言っても、これはなかなか、それは別の形で積み重ねてやるというものの考え方をすべきなんだ。こういうふうにものの管理をやっていかなければ、私はいけないと思うのです。ですから、これで二回ですか三回ですか、何回でもお聞きしますけれども、私はそれは労務管理のやり方としては万全じゃない。あなたはそれでいいと思っているかもしれないけれども、今の国鉄のあり方というものは、私は正常な形になっていないと思うのです。もし私が汽車に乗っておって、これは乗務員が別々の組合員だ、あるいは入れかえをやって、事故が起きた、別々だ、こういうことになったら、私は不安で不安でたまらないわけです。やはりその中に働いている人たちが、前に乗っている車掌も、うしろに乗っている車掌も、お客を案内している車掌も、みんな同じ仲間で、同じ組合に入っておって、同じ国鉄に勤めておりながらみんな別々だ。ものも言わぬ。話もせぬ。お客は大へん迷惑なものです。貨車でもそうなんです。入れかえをやっておったって、旗を振る信号と、それからポイントを返す転轍と、それから貨車へ飛び乗っていく連結と、ほんとうに一心同体で仕事をしておればいいけれども、それがみんな背中合わせになっている。これじゃ困ると思う。世界の鉄道の例にもないことです。また日本の鉄道の中でも国鉄だけでしょう。これはほんとうのことを私は言っているのです。困るのです。こういうようにほんのちょっぴり差をつけることによって、権力に迎合して、おれはそれに乗りおくれる、それだったら上の人にばかりぺこぺこ頭を下げて——これでは仕事はできないと思うのです。仕事に自身を持って、だれが見ていようがおれがこの仕事を一生懸命やっていくのだ、という態勢に私はしてやらなければいかぬと思うのです。大臣、これはこの前も運輸委員会で言いましたが、くどいような話です。もっとも大臣は国鉄のやっていることはいいとおっしゃるので、これは大胆でしょうから、ここでは言えないと思う。しかし、これは研究していただいて、あなたも事業をやられたわけでありますから、一つ屋根の下で仕事をしている人たちが、十も十五も組合が分かれておって、そうしてそれが思想的に対立し、感情的に対立し、上に向かってごちゃごちゃになっているというのは、よくないことだと思うのです。しかし、支配する方の立場から見れば、分割して支配するというのは徳川家康以来のならわしですから、それはけっこうです。しかし、事業をやる上からいって、私はこういう事業家のやり方というものは間違いだと思う。間違いでないというなら、きょうは時間がありませんから仕方がありませんが、また別の機会にこの問題は片づくまで質問することにいたします。大臣一つこれはぜひ研究をしていただいて、何とかやはりこの辺で——私は私の言っていることが間違いないと思うのです。譲るべきところは譲って、これは話し合いを一つこの際大臣に出てしていただいて——大臣だってまだ組合の幹部と会ったこともないと思うのですよ。総裁だって団体交渉の席上へ今まで一月から一回出ているかいないかもよくわからないわけです。きょう総裁がおれば、何回出ておるか聞きたいと思ったのですが、もちろんそんなことを聞いても仕方がないのですけれども、やはり総裁も一生懸命話をしてみる、大臣もその気になって国鉄の中をうまくやっていく、こういう心がまえだけは持っていただいて、今の問題については、私の意見にとらわれずに、あるいは河村理事の意見にとらわれずに、あなたが事業をやってきた立場からお考えになっていただいて、一つ英断をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 内海清君。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 私は、主として海運造船の問題につきまして、少しお伺いいたしたいと思います。  すでに御承知のように、海運の再建整備の法案は、四十国会の末期に提出されまして、これは四十一国会に廃案になった。そこで、私当時大臣に強く要望いたしましたのは、造船と鉄鋼の関係から十八次を早急に実施していただきたいということでございました。大臣並びに当局の非常なお骨折りによりまして、十八次が昨年末において大体決定いたしたわけでございます。その後十八次の建造の状況と申しますか、これはどのようになっておるか、この際一つお伺いいたします。

辻章男運輸事務官(海運局長)

○辻政府委員 当初いわゆる十八次船につきましては、当時の金融情勢その他を勘案いたしまして、当初の計画を変更したわけでございます。それで、開発銀行の融資比率を引き上げまして、大体三十七万トン程度ということで出発したのでございますが、最近の開発銀行が融資決定いたしましたものが約二十九万トンでございます。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 そういたしますと、もちろんこれは融資比率が引き上げられたというふうなことで、当時建造トン数の少なくなりますことは私ども承知いたしておる。大体三十七、八万トンだろうということでございましたが、これが今日なお二十九万程度であって、あとがまだきまっていない。この状況、これはどういうことでございますか。

辻章男運輸事務官(海運局長)

○辻政府委員 いわゆる十八次船から、雨だれ方式と申しますか、従来一括決定というふうなやり方をやっておったのでございますが、それよりも準備のできたものから順次審査をいたしまして、審査が済み次第一隻々々融資を決定していくという方法に変えたわけでございます。現在約二十九万トンがそういう方式によりまして融資が決定しているのでございまして、なお開発銀行の方には現在三隻程度融資の申し込みがございまして、開発銀行においてなおそれを審査しているという段階でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 それでは、今開発銀行に申請されております三隻程度が、大体これが許可になるならば、予定トン数に達するわけでございますか。

辻章男運輸事務官(海運局長)

○辻政府委員 予定トン数に十分達すると考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 そこで、次に私がお尋ねいたしたいのは、御承知のように、今度あらためていわゆるうしろ向きの基盤強化の開発銀行の金利が全額たな上げという、さらに前向きの問題の開発銀行、市中銀行に対する利子補給を強化された、こういう問題が出てきておるわけであります。従って、次に参ります十九次としては、このうしろ向き前向きの助成措置に並行して、企業の集約による自立体制を確立しなければならぬ。これがきわめて重要な問題でございます。この問題につきましては私は運輸委員会等で十分解明したいと思うのでありますが、これに対しまして、一方では、三十八年度の財政投融資計画によりまして、年間五十万総トンの船腹拡充、こういうことがきめられておるのであります。この五十万トンの船腹の拡充ということを進めていかなければならぬ、こういうことなのであります。ところが、これは世間でいろいろな批判もあるようでございますが、このことは、今後の日本の海運界が十分自立体制を整えて国際競争力に打ち勝つ、このためにはどうしても最も優秀な能率的な経済船、これに切りかえていって、そうして集約化されたものをさらに体質改善していかなければ、今後の国際競争力に打ち勝てない、そうなったときにほんとうの自立体制ができるんだというように考えておるのであります。しかし、世間ではなかなかそうばかりは言っておりませんで、一方では集約、一方では船腹拡充という、この二律背反的な要素が含まれておるんじゃないかというふうなことを批判しておる人もあるわけでありますが、いずれにいたしましても、この集約化体制を整えることと、それから船腹を拡充するということ、これはどうしても今後に課せられた重要な課題だと思う。その調整がきわめて私は重要な問題と思うのであります。このことはまた造船界にもきわめて重要な影響を持つものであります。この点につきましていかに考えられておるか、いかなる調整によってこれを進めていこうと考えられておるか、以上に対してお答え願いたい。

辻章男運輸事務官(海運局長)

○辻政府委員 今御指摘がございましたように、企業基盤の脆弱な企業に対しまして、利子補給等の措置によって企業基盤を強化するということと、新しく多量の船舶をつくって参りますいわゆる設備投資を続けていくという点につきましては、御指摘の通り二律背反的な要素があるわけでございます。しかし、今も御意見がございましたように、今後つくりまする新船につきましては、利子補給を強化いたしまして、十分国際競争力のある船舶が建造されるわけでございます。企業から見ますればいわゆる収益性のある船舶でございまして、収益性の面におきましては、企業基盤を再び悪化させるというふうなおそれはないと考えております。ただ、設備を拡充して参りまして、しかもその大部分が借入金ということになって参りますと、現在でも悪い資本構成がある程度悪化するというおそれがあるわけであります。この点につきましては、利子猶予によりまして借入金の減少をはかると同時に、いわゆる自立体制を確立いたしまして、増資等の方法によって資本構成の是正をはかり、真に健全な企業体に持っていきたい、かように考えておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 ただいま御答弁がありました問題は、私どもも全く同感でございます。ところが、今度の政府法案なりあるいは利子補給の問題は、いわゆるオペレーターの企業合併が一つの前提であり、これで五十万重量トン、さらに扱い船を含めて百万重量トン以上という制約があるわけでございます。そういたしますと、この問題は、集約化は大体一年以内、こういうことに考えられておるようであります。そうすると、この集約が前提である以上、集約が完了しなければ計画造船には入れないということでございますか。その点いかがですか。

辻章男運輸事務官(海運局長)

○辻政府委員 今御指摘のございましたように、大体集約を一年以内と考えておるのでございますが、実際は一年ぎりぎりというふうなところにたるような予想もされるわけでございます。その間財政資金によります来年度の船舶の建造をストップさせるということは、造船界にとりましても大きな問題でございますし、また海運界としても好ましくないと考えております。現在集約についていろいろ金融機関なりあるいは荷主方面等の意見を聞きながら、集約化が漸次具体化しつつある段階でございまして、ある程度のめどをつけまして、その集約が必ずできるであろうという確信が得られますならば、それが完了以前におきましても財政資金による船舶の建造は考慮していきたい、私どもとしてはかように考えておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 ただいまの御答弁によりますと、大体のめどがつけばこれをやっていこう、計画造船に移りたいということであると思うのであります。この問題はきわめて重要な問題でございまして、現在においては、金融機関中心、あるいは荷主、さらに造船関係者もあるかもしれませんか、こういう集約の方向についてもいろいろ批判のあるところであります。従って、この問題はかなり論議をされる問題だと私は考えておるのでございますが、かりにこれが集約されたといたしましても、一年以内の集約ということが前提になっておる以上、法が施行されましても、整備計画の提出もそう簡単にできない。これも少なくとも五、六カ月あるいは六、七カ月かかるのではないか。さらにまたこれが審査も二、三カ月かかるのではないか。さらにまた、それが審査されましても、いろいろ合併の登録の手続等、こういうものをやっておると一年たってしまう。これでは、せっかく造船あるいは鉄鋼対策として、十八次を非常に強く要望してお骨折り願ったけれども、また十八次と十九次との間に空間ができる。このことは、十八次と同様に、造船、鉄鋼、ことに鉄鋼は最近非常に不況であります。造船にいたしましても、今日輸出船の問題もいろいろありますけれども、輸出船の問題にいたしましても、やはり国内船が基盤でありますので、国内船がなければ輸出船は非常にたたかれるという船価の面、国内船がありますときに初めて輸出船も有利な条件で受注できるという建前もございますし、どうしても十九次船というものは、十八次船との間に空間ができないように、早期にこれを着工するということでなければならぬと思うのでありますが、しかし、今の局長の御答弁によりますると、大体集約の見通しがつかなければということでありますが、その時期はいつごろにお考えになっておりますか。

辻章男運輸事務官(海運局長)

○辻政府委員 集約の問題は個々の会社ごとに事情が多少異なる点があるかと考えておるのでございます。まあ私ども一年以内の集約ということを考えまして、いわゆる整備計画の運輸大臣への提出は、法律施行後半年程度に提出をお願いしたいというふうに考えておる次第でございます。そういたしますと、これはいろいろ計算とかあるいは調書の作成等の日数もございますから、整備計画提出三月くらい前には、集約の話し合いが、ほぼ大綱がまとまっておりませんと、整備計画の提出が困難かと考えられますので、逆算して参りますと、法律施行後二、三カ月すれば大体集約の方向はほぼ内定するもの、かように考えておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 大体法案が通りまして、二、三カ月たてば集約の方向が見通しがつく、そうすれば直ちにこの十九次の計画造船に移行できるように手続を進めたい。かように承知してよろしゅうございますか。

辻章男運輸事務官(海運局長)

○辻政府委員 さように考えておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 この点一つ大臣にはっきりお伺いしたいのでありますが、この問題は私は大臣に十八次船の早期着工を強く要望して御苦労願ったわけでありますが、今回の問題につきましても同様でありまして、特に造船業界におきましては、この点が今非常に関心が深いところであります。同時に、輸出船の受注にいたしましても、大体この国内船の十九次の計画造船というものを基礎に考えて、この受注計画を立てなければならぬという、きわめて今重大な時期だと思います。ただいま海運局長からああいう御答弁がありましたが、この点につきまして大臣からいま一度はっきり伺いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は、もうすでに大体案の内容も発表してありますし、よりより主たる関係者である債権者、銀行も協議しておるやに聞いておりますから、私は二カ月を待たずしてもう見通しがつくんではないか、かように考えて、今内海委員のおっしゃる造船界、それから海外の受注の模様等も考慮に入れまして、速急に十九次造船をきめたいと考えております。   〔主査退席、井村主査代理着席〕

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 ただいま大臣からもはっきりした御答弁がございました。この点は一つ早急に御考慮願いまして、昨年の十八次のごとく非常に遅延すると、そのことが非常に大きな影響を及ぼしております。及ぼすことのないように一つ万全の措置をお願い申し上げたい。重ねて強く要望いたしておきます。  それから、この整備計画等に関連いたしまして、内航海運の問題が非常にやかましくなっておりますことは、すでに御承知の通りであります。それで一つお伺いしておきたいのは、この間からいろいろ御質問がございまして、これに対するいろいろ内航対策の審議会等を設けようというような大臣の御答弁もあったわけであります。この問題はこれまた実に重要な問題でありまして、今日石炭問題を中心にいたしまして内航海運のいろいろの問題が起きておることは、すでに申し上げるまでもないのであります。特にこの集約化ということによりまして、さらに一そうの問題があるということは、今度の助成措置によって、いわゆるオペレーターというものが国家助成を非常に受けるのであります。ところが、この内航部門を見ますると、オペレーターの持っておるものはきわめてわずかであって、あとはほとんどこの内航業者の船というものを用船しておる。これはあるいは二十隻なら二十隻程度になっておりましょう。そこで、この内航業者というものがますます困窮の度が増してくるということでありますので、これはできれば内航というものと外航というものを分離することである。それが不可能であるならば、経理的にはっきりこれを分離することである。まあいろいろ問題がありましょうが、それはいずれ論議をいたすといたしまして、この審議会というものを設けようという先般の御答弁でございましたが、これは三十八年度においてこの審議会というものができるかどうか。もしできないとすれば、それにかわるものを早急につくりまして、この問題を解明していかなければならぬと思いますが、その点につきまして一つ……。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 去日も御説明申し上げましたが、私どもの考えといたしましては、審議会という法律上の問題は別といたしまして、通産、運輸、大蔵等の事務当局の間に、行政上の権限でできる協議会をつくりまして、そうして各方面から検討せしめ、さらに船舶造船審議会の中に外航部門に対する内航部門を一つこしらえていただいて、そしてそれに諮問いたしまして、どうすれば一番いいか。要は経営の基盤を強化することが目的でございますから、それに合うような施策について、今ある審議会の中へ内航の部門を一つこしらえて、そしてそれで一つ検討して、その案に沿って、何か名案があればやるし、名案がなくても何とか措置を講じたい、かように考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 ただいまの御答弁によりますと、海造審の内部に内航部会を設けて、ここで早急に検討するということでございます。これは予算の関係などがあって、審議会ということは確かになかなか困難だと思いますが、しかしそれが審議会のような強力な働きができないのでは、せっかくつくってもこれは意味がないと思うのでありまして、審議会にかわるだけの強力な活動のできるものをつくっていただいて、この内航海運の問題につきましては、早急にこれを解明していただきたい。これらにつきましては、いずれまた運輸委員会でいろいろ御意見を伺いたいと思いますが、時間がございませんので、きょうはその程度にしておきたいと思います。  それから、次にお伺いいたしたいのは、海運の集約化というものがだんだん進んで参ります。そうすると、今日まで海運企業に対しまして、造船所が新造船あるいは修繕船、こういうふうな売掛金と申しますか、未回収金というものが相当あるのであります。私はこれはすでに一千億をかなりこえておると承知いたしておるのでありますが、この数字がわかりましたらお知らせ願いたいと思います。

藤野淳運輸技官(船舶局長)

○藤野政府委員 正確な数字はただいま手元にございませんが、約一千億の売掛金のうちで約七百億が延べ払い契約による新造船並びに改造船でございます。約三百億が新造船の延べ払い契約のものの延滞並びに修繕船の未払い分というふうに承知いたしております。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 いずれにいたしましても、海運会社に対しまする造船業者からの売掛金というものは、こういう一千億をこすような実に膨大な金額になっておるのであります。このことはもちろん造船業者といえども自己資金があり余ってやっておるのではないのであって、従来からの商習慣もあるし、さらにまたこの海運界が今日思い切った助成措置をしなければならないという状態でありますために、造船業者の方も今日までともに生きる意味においてできるだけの努力を払ってきたというのが、実情であるのであります。ところが、海運業が今度集約化されるわけでありまして、まして市中銀行にいたしましても、この十七次以前のものが、開銀に見習うて、あるいは二分の一程度の利息のたな上げなどもやられる状態であります。従って、もしこの一千億というものがたな上げされるような措置になりますと、これは造船界にとりましてはまた大きな痛手だと思うのであります。今日まで非常にこの弱い海運業というものが無理をして累積してきた金額でありますから、この未収金というものがもし今申しましたような事態になるならば、造船界の打撃はこれまたはかり知れぬものだと思うのであります。これらの点につきましてはどのようになりますか、一つお伺いいたしたいと思います。

辻章男運輸事務官(海運局長)

○辻政府委員 今回の金利猶予の措置は、開発銀行とそれから一般市中金融機関の協力を考えておるのでございまして、それ以外の債権につきましては何ら触れておりません。従いまして、私どもとしましてそういう造船所に対しまする——造船所からいえば売掛金の問題、あるいは延べ払いの問題につきましては、現在のところ特にどういうふうに処置すべきであるとか、あるいは処置をしろとかいうふうな指示をする考えは全然ございません。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 この問題は、これについては何ら考えていないということでありますけれども、この問題をこのままに推移していって、それではたして日本の海運、造船の立場から見て過ごされるものか、どうか。この点につきましては船舶局長さんは、どうお考えになりますか。

藤野淳運輸技官(船舶局長)

○藤野政府委員 海運集約化に伴いまして、造船所が海運会社との間で延べ払いの契約によって持っております債権につきましては、これは当然その債権はそこなわれることはないというふうに考えております。ただ、延滞しておりますのが先ほど申しましたように三百億くらいございますが、それは集約のあるなしにかかわらず、当然解消するように努力しなければならぬというふうに考えております。業界におきましても集約化の混乱期にこのような債権が非常に負担になることをおそれまして、解消に努力いたしたいと考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 今の船舶局長の御答弁で少し安心いたしましたが、この債権はそこなわれることはない。ことに延滞の問題でありますが、今回の助成措置によって開銀あるいは市銀に対してもこれらが同時解決されようといたしておるときであります。ただひとりそういうふうなものが造船所のみの犠牲によって行なわれるということは、公平の原則から申しましても、これはきわめて片手落ちであると思うのであります。ですから、これらに対しましては、造船業者にも、さらにそういう点については何ら心配する要なし、迷惑はかけない。このときに初めて、造船業者も、優秀な船をできるだけ安く、いわゆる船価を安くして、日本海運の国際競争力をつけようというような決意もまた生まれてくると思うのであります。この点はきわめて重要な点でございます。大臣の御所見を一つお伺いしたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は、集約の結果経理の内容は順次よくなることを期持し、またなると思います。従って、そのよくなった内容の集約会社が負っておる造船所に対する債務につきましては、その支払いその他の話し合い等に好転を見るようなことを私は期待いたしまして、また集約した船舶運輸業者にそういうように指導していきたいと思っております。ただ、造船所の債務なるがゆえに、別個に何か救済措置を講じたらどうかという、別に造船業者に対する債務の保証的なこと、あるいは償還的なことを今考えておらないのは、海運局長が申した通りでありますが、親会社すなわち注文主が自然によくなりますからして、私は、支払い条件も支払いも若干は好転するのじゃないかと考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 ただいま大臣の御答弁でございますが、結局今日まで日本の海運業というものが立ち直った一翼は、経理的にも造船所がその一半をになっておるということです。従って、これは造船所を救済するためにのみ御処置願いたいというのではない。これは金融方面も同様であります。これと同じ立場において御考慮願いたい。片手落ちなことでは相ならぬと思うのです。その点を私は大臣の御所見をお伺いしておるのであって、特別にここに何か機関を設けてそれをやれということを私は申しておるのじゃない。金融業者と同じ立場において——むしろ金融業者から金を借りてこの海運企業に出しておるのが実情であります。二重の負担になる。この点もお考えいただきたいということが私の趣旨でございます。その点についてもう一度一つ……。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 お話の御趣旨はよく了承いたしております。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 それでは、その点は、ただいまの御答弁を十分一つ期待いたしまして、金融業者と造船所の間において、それらの債権債務の処置というものが片手落ちにならないように十分考えて、業界の御指導を願いたい、こういうことを重ねて要望いたしておきます。  それから、次に一つお伺いいたしたいと思いますのは、先ほど来申しますような海運の集約化といいますか、うしろ向き、前向きの助成措置というようなことが行なわれまして、内航海運の問題とともに今問題になりつつあるのは、やはり中小造船の問題であります。なるほど大手造船というものは、この集約化の一翼をになうと申しまするか、金融あるいは荷主関係とともに、一つの集約化の方向にある程度のつながりができるだろうと思うのです。ところが、中小造船というものは、すでに大阪の川筋におきましても、この六、七月になれば、ほとんどすでに仕事がないという状況のように私は承っておるのであります。ところが、御承知のように、三十四年に中小型鋼造船業の合理化臨時措置法というものができまして、そのためにいろいろ中小造船というものが合理化され指導されて非常によくなったということは、私ども承知いたしておるのであります。ところが、今度の集約化を前提といたしまして、これがまた不況に陥ろうかという状態になりつつある、しかし、運輸省当局の三十八年度におきまする指導としても、過当競争の排除とかあるいは共同化の促進とかいうようなことで、いろいろ指導方針を出しておられるようでありまして、これはまことに実情の正しい認識の上に立っての御指導だと私は考えておるのであります。ところが、結局いかに指導して見ても、作業量の絶対量がありませんと、これはどうにもならないものであります。私が承知いたしておるところによりますると、運輸省当局の三十八年度におきまする中小造船に対する新造計画というものは三十七、八万トンである。そうすると、これは三十六年度に比べますと、一〇%ぐらい低いわけです。そういうふうな大体の見通しを立てておられるようであります。ところが中小企業の現在の能力から見ますると、この程度ではかなり受注競争というものが激しくなってくるのではないか、仕事のないところは勢い人員整員というような社会問題までも起こしかねない、かように私は考えるのであります。このわが国の経済の高度成長から申しまして、やはりこの内航海運というものも、年々これは増加しておるわけでございます。その辺のところを十分お考えいただいて、少なくとも三十八年度においても三十六年度並み程度は新造を進めるように、御処置願わなければならぬと思うのですが、それらの点につきまして、一つお伺いいたしたいと思います。

藤野淳運輸技官(船舶局長)

○藤野政府委員 中小造船所がここ数年間非常に好調に生産を伸ばして参りました原因の一つは、ただいま先生の御指摘のような、三十四年の中小型造船業に関する合理化臨時措置法の効果も相当私どもはあったと考えておる次第でございまするが、需要のにおきまして、機帆船、木船の鋼船化が盛んに行なわれたということと、それから漁船の大型化、近代化の面で需要が相当出てきた。    〔井村主査代理退席、主査着席〕 それから、最近は戦標船のスクラップ・ビルドに中小造船所がうまく乗ったという原因があろうかと思います。今後、さしあたり三十八年度の中小造船所の建造量は、私どもの希望といたしましては、むろん昨年の四十万総トンくらいなところまでいってもらいたいということを願っておる次第でございますが、この需要の造成の面で、私どもの方では船を近代化し、専門化し、専用化し、船価を安くして経済的な船型をどんどんつくらせまして、そうしてこの面で需要を呼び起こすということがさしあたって必要ではなかろうかと考えまして、昨年に引き続いてことしは予算を盛って、鋼材運搬船の専用船の標準船型を設計さしております。また別途石炭専用船の標準船の設計をほとんど完成いたしました。このような処置で、中小造船所を経営面、技術面、いろいろな面で援助してやり、十分需要を呼び起こすだけの力をつけてやることが必要ではないか、かように考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 これは非常にむずかしい問題だと思うのでありますが、先ほど申しましたように、三十四年の合理化臨時措置法でだんだんと中小の業績も上がってくる。さらに経営面におきましてもいろいろな御指導があった。これはまことにけっこうでありまするが、今日までの状況を見ますると、これは一部の工場に局限されておるようにも考えるのであります。従って、これは法に対する経営者の理解の不徹底ということもあると思いますが、今後は法の実施方向といたしましては、適用範囲を一つ拡大してその方向に持っていき、さらにこの合理化臨時措置法の適用の資格におきましても、選考資格におきましても一つお考えいただいて、これを十分御指導願いたいというふうに考えるのであります。時間がありませんので、今後のこの中小造船に対するいろいろな問題はまた時を変えたいと思うのでありますが、この点一つ十分お考えいただきたい。  それから、いま一つは、この中小造船の合理化臨時措置法は、いわゆる時限立法でありまして、三十九年で一応切れることになっております。この中小造船の問題を解決いたしますのには、この法律は私はきわめて重要だと思うのであります。これをさらに延長するように、今から一つお考えおきいただいたらけっこうだというふうに考えるのでありますが、この点いかがでございますか。

藤野淳運輸技官(船舶局長)

○藤野政府委員 事務当局といたしましては、限時法の企図いたしました目標がいまだ達成されませんので、ぜひこれは延長すべきである、かように考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 大臣に申し上げますが、この中小型鋼造船業の合理化の臨時措置法でありますが、これは今申しましたように時限立法であります。船舶局長も、現在の日本の中小造船の状況からいえば、その目的は達成していないので、一つ延長したい、こういう考えでありますが、この点は大臣におきましてもお考えいただいて、これが延長されるように御考慮願いたいと思いますが、いかがでしょうか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 ただいま船舶局長が申しましたように、中小造船主にとっては非常に重要な関係がありますから、来年三十八年度一ぱいは有効ですから、来年度において延長その他の適当な処置をとりたいと考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 この点は、わが国の中小造船業の現状から申しまして、きわめて重要なことと考えるのであります。さらにこれを延長されると同時に、これの適用の範囲を拡大していただいて、一そう健全なものにしていただきたい、かように考えるのであります。  それから、時間がかなり過ぎましたので、いま一つ、すでに御承知のように、今回政府のいろいろな助成措置が行なわれて参るわけでありますが、この際やはり問題になりますのは、中古船あるいは老朽船あるいは高船価船あるいは非能率船ということであります。この問題は、スクラップにするか、ないしは後進国と言うては工合悪いでしょうけれども、他に輸出するかということであります。するのには、どうせ東南アジア等の、海運の面から申しますれば後進国ということに相なると思うのでありますが、しかし、これを輸出するということに相なりますと、この問題につきましては、延べ払い等政府において相当な考慮がなければ、むずかしい問題であるというふうに考えるのであります。ところが、従来は、商談がありましても、これがなかなかまとまっていないということは御承知の通りだと思うのであります。その点は、こういう後進国はすべてやはりドルも足りませんし、経済的にきわめて弱い国でありますから、そういう面からいたしまして、どうしても延べ払いの問題なども十分に考えなければ、この問題は解決しない、こういうふうに私は考えておるのでありますが、その点に対する大臣の御所見を伺いたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は、そういう声を従来耳にいたしましたので、去日の閣議におきまして、その支払い条件の緩和について、大蔵当局としては、海運対策の一環として、同時にまた外貨獲得の手段の一環として、ぜひ一つ考慮してもらいたいということを大蔵大臣に閣議の席上で申し出まして、各閣僚もそれに賛成せられまして、大蔵大臣も、具体的な話になれば具体的に相談に応ずる、こういうふうな発言があって、それをみな閣議でも了承しておりますから、能率の悪い船あるいは高価船等を海外へ輸出する場合は、従来よりは伸展するんじゃないかというような考えを私はいたしております。現にインドネシアの方から私にあっせん方を頼んできております。相当な人から頼んできておりますし、あるいは船主側の三井船舶なんかにもそういうことを申し込んできたやに聞いておりますので、そういうことにすると、一石二鳥どころか、非常に国のためになり、また世界のためにもなると考えて、そういう方面に力を注ぎたいと考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 ただいまの大臣の御答弁で私も非常に富んでおるのでありますが、このことは、輸出いたしますことによって、ただいまお話しのようないわゆる国際収支にも寄与いたしまするし、さらにこれによっていわゆる基盤強化、自立態勢も固まってくる問題であります。いわゆる一石二鳥という形に相なると思うのであります。ところが、従来はとかくこれがなおざりにされたために、商談がありましても成立しないのが今日までの状況でありますので、これは主としてやはり経済的に弱い国が相手でありますから、これに対しては思い切った処置を一つとっていただく。そのことによってさらに日本のその国に対する貿易面もまた伸長していくことでございますので、ぜひ御考慮願いたい。  いま一つ、最後にお願い申し上げたいのでございます。時間がありませんので、議論がきわめて上すべりになることはお許しいただきたいと思いますが、この輸出船の延べ払いの問題であります。この問題は従来から非常に問題になっております。しかし、その基礎になります輸銀金利の問題は、四十一国会でございましたか、私政府当局に強く要望いたしまして、運輸省当局においても、この点についてはあくまでも従来の方針でこの金利を守っていくという決意を伺ったのでありますが、幸いにこの点は従来通りに相なりまして、まことにけっこうだと思うのであります。しかし、今日輸出船につきましては、共産圏あるいは自由諸国におきましても、だんだん延べ払い条件が緩和されてきておるということであります。わが国におきましても、自由諸国家群におきましては大体八〇%八年というふうな線が出ておりますので、これはまことにけっこうだと思います。ただ共産圏に対しましては、御承知のような、昨年度にソ連の大量受注がきまりましたときは、七〇%六年、こういうことで決定いたしたわけであります。従って、その後の共産圏との引き合いから見ますと、やはりこの線が一つのベースに相なっておるのであります。ところが、その後−もちろんケースによって違いますけれども、それではいけない、七〇%五年だというふうな政府の考え方もございまして、非常に受注に困難を来たしておる面が多いのであります。やはりこれは一つの商売であって、ことに延べ払いの問題は、これは貿易に対する一つの国の助成の形である、国が手助けをする形でありますので、どうしても、他の諸外国と受注競争をする場合に、これに対抗できるだけの処置はとらなければ、商売は成り立たぬわけであります。ところが、とかくどうもこの共産圏に対しましては、従来の線をさらにシビアにしようというふうな行き方もあるのでありますか、これにつきましての当局の御所見を一つお伺いいたしたいと思います。

藤野淳運輸技官(船舶局長)

○藤野政府委員 ソ連圏に対しまして昨年夏結ばれました商談においては、御指摘のように延べ払い契約は七割六年ということにきまりましたが、ただいま大量の船舶をソ連との間で商談折衝中でございまして、この折衝におきまして、七割六年を七割五年にすべしという意見が政府の一部にもあるようでありますが、延べ払いの条件は世界の各国との競争の一つの手段でございまして、相手国よりも悪い条件で競争することは絶対に不利でございますので、相手国以上の条件において競争すべきであるというふうに考えております。現在、現地において各商社、造船所が折衝いたしておりまして、その模様によりまして、強く向こうにわれわれの主張を申し述べたい、かように存じておる次第でございます。ただいま折衝を続けておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 ただいまの局長の御答弁で、非常に御努力されておることは、私よくわかるのであります。これは、ソ連以外の共産圏におきまして、すでにそういう問題が出て、昨年の夏そういう共産圏のソ連に対する延べ払い条件であったから、それで政府は承知するものだということで、チェコスロバキアに七割、六年ということで商談を進めておったところが、それはまかりならぬというふうなことが出て、非常に業者の方では困難を感じておった、いろいろ折衝して、他の条件などもいろいろございましたが、結局五年で成約したというような例もあるわけであります。これは一たんそれでやろうということをきめて、そういうふうなことがあとから出るので、業者の方が非常に苦しい立場になったと思うのでありますけれども、そういう点につきましては、政府におきまして確固たる方針を立てて、それがそのときどきによっていろいろ変わるということでは——なかなか商談というものはむずかしい問題である。しかも、一たん共産圏に対するそういう例ができますと、それ以下で成約ということは困難なことは、十分皆さんおわかりだと思います。どうしても、競争相手があることでございますから、その他の国の条件に負けないような条件によらなければ、成約はむずかしいということは明らかであります。ことに今日貿易につきましては、政府におきましてもこれの振興に非常に力を入れておるときであります。この点については、今後格段の慎重な御配慮を願いたいというふうに考えておるのであります。この点につきまして、一つ大臣の御所見を承りたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 申すまでもなく、競争相手のある国でございますから、なるべく相手方に有利な条件にしてやることが貿易伸長の促進の一つの方法であることは、御承知の通りでございますから、日本貿易を造船の面において振興せしむべく、最善の努力をいたしたいと考えております。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 内海君、もうちょうど一時間近くかかっておりますから……。

内海清民主社会党

○内海(清)分科員 ただいま大臣の御所見を伺いまして、ぜひその線で実現さしていただきたいと強く期待いたします。いずれこれらの問題につきましても、海運の法案の問題審議に関連いたしまして、運輸委員会等で十分尋ねさせていただきたいと思うのであります。  以上で私の質問は終わります。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 大臣とは、本会議でヤジで激励する以外、委員会では初めてでございます。今後ともよろしくお願いいたします。  大体昨年度で、私どもがいろいろ関心を持っておりました国鉄が、法の改正によって、運輸以外に基盤を確立するために関係する事業を行なってもよろしいということに法の改正ができ上がりました。昨年はターミナルや上屋その他で、別段それ以外の方針は示しませんでしたが、本年三十八年度以降、国鉄としては、大臣は、今のいろいろなお考えの中にあったように、その経営基盤の確立と独立採算制のために、どのような関連事業をこれから強力に行なっていこうとするものであるか、大体その御意見を伺いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 根本の方針は、国鉄の財政が御承知の通りあまり楽じゃないですから、幾らかでも国鉄の利益になるということが一つの考え方のポイントであると思います。それから第二には、世上でよく言われるのですが、民業を圧迫せざるという点、この二つの点がかなえられる事業であるならば、国鉄がやることに私どもは賛成していきたい、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 わかりました。民業の圧迫というような点、その点は法を改正するときに十分前の大臣も注意しておったはずであります。今後たとえば倉庫業界に進出したり、デパート界に進出することがあるかもしれません。民業の圧迫という点は十分考えた上で採算を考えていくようにしてもらいたい。これがまず第一番の要請でございます。  次に移りまして、大体最近国鉄がやっておる大きい事業、こう思われますのは、大臣も御承知のように、東海道新幹線の問題です。これは現実にやっている問題、これは東京以西の東京から大阪まででございます。  それからもう一つ、今度は北の方へ参りますと青函間のトンネル、これはもう着工したのかしないのかまだわかりませんが、一応は着工式なるものをあげたようでございます。こういうような計画の内容というものに対しては、ばく然としておってまだ全然わからぬのでございます。この際でございますので、この事業計画、資金計画をあわしたところの計画内容の御発表を賜わりたい、こういうふうに思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 去日、この運輸委員会で渡辺惣蔵君からも御質問がありましたが、新幹線は御承知の通りで、本年ほとんどでき上がる程度にいきまして、来年度予定の通りに参るということは御承知の通りでございます。  青函線につきましては、そういう計画を立てる前提条件である地質の調査に本年度着手いたしましたのであります。広義の意味におきまして——その調査ができなければ青函トンネルには着手できないからして、その意味において青函線の着手と申してもいいでしょう。その結果によりまして、設計ができ、その設計に基づいて資金がどのくらい要るかということが出るわけです。その出た資金について、何年計画でやるか、いかなる資金でやるか、そういうのもきまるので、まずその地質の調査という基本調査を今日急いでおる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そうすると、この地質の調査に重点を置くとすると、これは着工というと、調査から始めて今度実現していくように始めるのか、調査だけでとどまることもあり得るのかあり得ないのか、この点はっきりお聞かせ願いたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 それは、その調査の結果によりまして、非常に金がかかって、北海道を開発することに、あるいはまた北海道と本島との連絡の功罪、利害得失を考えなければ、やるべきかやるべからざるかということはただいま申し上げかねると思います。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 大体において、今まで予備調査もあったはずですが、これは地質の調査即着工と大体見てもよろしいかどうか、もう一度その辺の予想を承りたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 先ほど申しました通り、着工と言えば着工、調査と言えば調査でございまして、それ以上は今ちょっと申し上げることを差し控えたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 道民は重大な関心を持っております。しかしながら、それが着工と言えば着工、調査と言えば調査とばく然として、雲の上の要求のようなものであって、さっぱりわがものになるか、現実的なものになるかわからない、こういうような段階なのか、それとももう少し具体的に進めれるというような意向でやっているのか。これはやはり日本のうちの四分の一ほどの地域を占める北海道の重大問題でもあり、一つは地域格差の是正とい、池田内閣の眼目の一つの着工にもなるわけで、これは重大な関心を持っておるわけです。どうもそういうあいまいな答弁だけでは大臣らしくない。大臣らしくすっきりした特急を走らせてもらいたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 幾たび申し上げても同じことでございまして、その結果を見なければ、ここで軽々に何月何日から着工して、何年何月にでき上がって、幾らの金が要るというようなことは、私は申し上げかねます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そうすると、くどいようですが、経済効果は十分考えられて、着工する上にその実現を期したい、こういう御意見のようですが、経済効果の点は十分考えておりますね。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 もちろん考えております。それからいろいろな技術上の点、あらゆる面から考えまして、しこうして国鉄の現状の財政においてやり得るやいなや、日本の財政上において何年間にやるのが適当であるかというようなことを考える前提が、すなわち地質調査であります。従来のと違いまして、今度のはほんとうに設計の資料にすべくやることであります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 その調査が、ある場合には八年の見通しで六百億であるとか、ある場合には十年の見通しで一千二百億または一千億であるとか、いろいろそういうような予備資料なるものが国鉄当局から出されておりますけれども、やはりある程度の見通しは立てておられると思うのです。こういうような計画年次はどれほどを見ておりますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は国鉄がどういう見通しを立てておるか、つまびらかにいたしませんが、ただいま申しましたように、その結果を待って初めて正確なるなにが立つものと考えて、その結果を待ちたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 どなたかわかりませんが、国鉄から常務理事の人が行って、くわ入れ式を入念にやって、道民にも重大なくわを入れてきた。新聞報道によりますと、くわ入れ式のやり直しを二回か三回やって、特に入念にやってきたように報告をされておるわけです。そういたしますと、今の大臣の答弁のようなくわ入れ式では、道民を欺瞞するようなことになるのではないかと思うのです。やはり国鉄当局では、はっきりした見通しが立っておるものとわれわれの方では想定しております。カメラマンの要請かもしれませんが、見通しのないままにくわ入れ式を入念に二回も三回もやってきたということになると、権威を疑われることになると思うのですが、今の大臣の答弁とあわせて、国鉄当局のこの計画性に基づいたところのお考えを承りたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 ただいまここにくわ入れ式に行きました常務が出ておりませんけれども、先ほど大臣から御答弁がございましたように、縦坑の試掘に着工することになって、その着工式に参列をするということで大石常務理事が出たのでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 その程度より出てこないとすると、あまりこれについて長引かせないで先に行きます。  大臣に伺います。これはやはりあくまでも一つの格差の是正という意味で、産業開発の面からの重大な決意であろうと思います。調査であろうと思います。そうだとすると、これを今後どういうような事業団でやるのか、または国鉄当局、建設当局が国営で直接これをやるのか、また将来これを有料で使用させるようにするのか、その経営形態によって今後のコストの問題にも相当影響してくるのではないかと思うのです。大臣はこれが成功して、今度掘さくを始めてやるようになったならば、どういう形態でこの事業を行なわせようとしておりますか、このやり方を一つ伺いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 ただいま御審議を願っておる鉄道建設公団の中の仕事と考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 予算を要求する当時、運輸省から三十八年度の予算重要施策を出してくるときに、この青函トンネルの問題については、建設のため海峡連絡交通公団を別に設けることも意図しておるというように報道されておる向きがございますが、現在の公団、いわゆる国会に提案されたあの公団ですか、またはこの公団のほかに海峡連絡交通公団というのを別に設けるような意図なんですか、これはどっちの公団でございましょう。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 さっき申しましたように、ただいまは鉄道建設公団でやるつもりでございまして、別の公団をこしらえる意思はございません。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 これはやはり格差の是正であり、産業の振興に連なる重大な問題ですから、この場合には特に私どもの方としては、経費の点やコストを重大に考えております。そのため二時間時間が詰まっても、それによって運ぶ料金が高くなって、それによって北海道の産業にとって、二時間詰まっただけで、別に連絡船で運ぶのと変わりはない、こういうことであるとすれば、大きな見地から見たならば、ほんとうに微々たる成果しか期せられないのじゃないか。この場合にはほんとうにその鉄道を有利に利用して、それによってほんとうに格差を是正して、それによってほんとうに北海道の開拓をする、こういう強い決意で進めてもらいたい。まだこれは海のものとも山のものとも、公団案が通るか通らぬかわかりませんけれども、大臣の意向だけは聞いておいて、またこの問題に対しましてはゆっくり日をあらためて御答弁を願いたい。それまで大臣は現職におって大いにがんばってもらいたい、こういうように思う次第であります。どうぞその点よろしくお願いいたします。  それと同時に、もう一つ聞いておきたいことがございます。それは最近やはり今のような状態からして、連絡船が相当輻湊しております。いろいろと御存じだと思うのですが、連絡船としては擬制キロを使用しております。その問題に対してはいろいろ論議がありましたから、ここでは省略します。あの擬制キロは早く改正して、正規の運賃でやるのが正しいのですから、正しいように早く改正してもらいたいと思うのです。この擬制キロの改正については、大臣はどのようなお考えを持っておりますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 あれができましたのは、この間もここで御説明申し上げましたように、いろいろな経過がございましてできたので、私も十分検討いたしまして、国民大衆、さらに地域格差の是正に貢献するようにいたしたいと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 それは大いにやってもらわぬといけない。ところが大臣、そういうなら、今度現在ある連絡船ではまだ不十分なんです。従って、四十一年から四十二年までの間に二隻建造して二隻配船するのでしょう、四十三年から四十四年までの間に二隻建造して三隻配船するのでしょう。そういうふうにやっておったのでは、現有能力とさっぱり変わらない。現在能力とさっぱり変わらないままにしておいて、これは新造船でつくるんだ、つくるんだと言ったって、実質的には何も浮いてこないのじゃないか。だからこれは相当性能のいいものにするか、何かりっぱな技術的革新を入れたところの、一隻でも二隻分に相当するような優秀な船でないと、今のような計画だったら、逆に船が減ってしまう一方じゃないですか。トンネルもそのような状態のままに放置される、一方連絡船は減るばかりの計画だったら、とんでもないことになる。これでは困るのじゃないかと思うのです。従って、われわれの方としては、就航する連絡船のいろいろな機能については重大関心を持っているわけです。これに対して大臣の見通しを伺いたいと思うのです。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 国鉄当局をして説明いたさせます。

青木秀夫日本国有鉄道参与(船舶局長)

○青木説明員 性能は、今度つくっております船は、今までの船よりは飛躍的に性能がよくなりました。現在の船でありますと四時間三十分かかっておるわけでございますが、それが三時間五十分で行くようになりまして、現在の最大限一日二往復しかできないのが一日二・五往復できるようになります。現在の船は十四ノット弱でありますが、今度のは十八・二ノットでございます。今のところはそういうことでございます。それから貨車の積載能力も、現在のところは十八両ないし貨物だけを積みます船の最大は四十三両でございますけれども、この四十三両の船は将来とも残りますが、今取りかえの船は全部四十八両になりますので、輸送力は現在よりも相当大きくなります。私どもの計画では、輸送力が四十五年度に三百六十万トンの計画を今持っておりますけれども、最大に動かしますれば、現在の取りかえ計画が四十二年度に全部完了するように予定いたしております。これができますれば、最大限四百二十万トンの輸送力を持ち得ると考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 この建造中のトン数はどれほどになるのですか。

青木秀夫日本国有鉄道参与(船舶局長)

○青木説明員 今度の船は七千八百トン……。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そうすると、現在の船は何トンでございますか。

青木秀夫日本国有鉄道参与(船舶局長)

○青木説明員 現在の船は大体三千トンから五千トンどまりでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そうすると、現在の岸壁でそのような二倍以上あるような大きい船をつけるのに、そのままで差しつかえないのですか。

青木秀夫日本国有鉄道参与(船舶局長)

○青木説明員 私どもの現在の計画では、現有岸壁のもので考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 現有岸壁のままでこれを利用するのに差しつかえない構造ですか。

青木秀夫日本国有鉄道参与(船舶局長)

○青木説明員 さようでございます。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そのための経費はなんぼ計上していますか。

青木秀夫日本国有鉄道参与(船舶局長)

○青木説明員 昨年第一船を建造いたしましたので、その価格から見まして、大体百六十数億あればいいのではないかと考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 なかなか有望なものです。早くそれをやってもらいたいと思うのです。私も船の関係は若干知っておるのですが、船が二倍以上になって、そのまま大きくなっても、現在の岸壁につけられるなどというのはちょっとわからないのです。高くなるのじゃないですか。そうじゃないと間に合わないことになるのじゃないですか。それで安全性があるというならば、別に考えられると思うのですが、しろうとでありますのでよくわかりませんが、あの岸壁なんかは手直し改造をする必要は現在では全然なくても、七千八百排水トンの船で利用できるということですか。

青木秀夫日本国有鉄道参与(船舶局長)

○青木説明員 現在の岸壁は非常に長うございますので、現在の岸壁の長さで十分できるつもりでおります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 高さはそれじゃ直すのでしょう。

青木秀夫日本国有鉄道参与(船舶局長)

○青木説明員 舷門その他の高さにつきましては、若干直す予定です。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 舷門というのは何ですか。

青木秀夫日本国有鉄道参与(船舶局長)

○青木説明員 船の出入口です。たとえば一等客なり二等客の出入口の門です。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 その舷門を直すのに、現在どれほどの予算を計上してございますか。

青木秀夫日本国有鉄道参与(船舶局長)

○青木説明員 これは現在関係の個所等は、大体一億二、三千万円のお話をしております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 私ども一生懸命になっておって、北海道を差別待遇するのじゃないかと思って聞いてみたのですが、舷門その他新しい言葉なども覚えました。そのほか、一億数千万円の予算を組んであるとするとけっこうです。こういうのは当然工事設計などできてからするのでしょうが、なお設計図その他はできておりますね。

青木秀夫日本国有鉄道参与(船舶局長)

○青木説明員 現在それにつきましては関係各省と折衝中でございまして、具体的にどういうふうになるかということは、船が竣工しますときまでにできるというので、今いろいろ折衝しております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 これはこれで終わります。  次に、一昨年、去年と二回にわたって、予算委員会、それも第四分科会ですが、大臣はかわりまして今度あなたになりましたが、その間いろいろ問題がありまして、ことに現在オリンピック大会を東京でやることになって、障害になっておるのは道路、この道路計画を今急いでおる最中です。過日の衆議院の本会議、参議院の本会議で今度冬季オリンピックの誘致もはっきりきまった。最有力候補地が札幌ということになりました。その札幌の表玄関であるところの駅は、現在乗降客も十分さばき切れない。またさばいておりましても、不便この上もないような構造であり、それに対する昇降口の設定を前から呼びかけられておった。幸いにして三月十六日に今度着工式を行なうようになったということを聞いて同慶にたえない。しかし、どういうような規模でどれくらいの予算でやるのであるか、これも一つはっきり御発表願いたいと思うのです。

好井宏海日本国有鉄道参与(建設局長)

○好井説明員 現在駅前広場はほぼ完了いたしました。それで駅本屋と跨線橋を裏口までつくりますと、総額約四千万円程度の規模であります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 その経費の内訳はどうですか。

好井宏海日本国有鉄道参与(建設局長)

○好井説明員 経費の内訳は、駅本屋が約千五百万、それから跨線橋が二千五百万、このうち、原則としては地元負担でございますが、国鉄の方もかなり応援したい。これは例外的な措置でございますが、岡に非常にヤードがある。それから裏口の方に国鉄の業務機関がございまして、この通路として国鉄側もかなりその必要性がございますので、例外措置として国鉄も若干の支援をしてやりたいというふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 地元負担と国鉄の負担との割合は幾らになりますか。

好井宏海日本国有鉄道参与(建設局長)

○好井説明員 これは目下支社長と札幌市と交渉中でございます。ちょっとはっきり申し上げられないのですが、折半ということに考えております。これは支社長の方の権限になっておりますので、支社長に交渉をおまかせしてあります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 大体わかりました。早く建てた方がいい。ただ前に、この問題をこの第四分科会で取り上げて推進をした際に、これは国鉄の施設であって、国鉄はこれを自己負担で、n己費用でやるつもりですと常務理事の人が答えておる。今聞いたら折半だ。折半のこの考え方は、去年のときに自己負担だけではやれない、何か考えたいと言っていたが、今折半になったようです。自己負担から折半になった。また地元に三分の二くらい負担させるようにだんだんやるのじゃないですか。ここでそういうことを言って、あまりやったならば今度決算委員会にかかりますよ。これは重大なんです。あまりそういうふうな変わってばかりいることはうまくない。そういうような点、大臣も十分問いているのですから、笑わないで、ほんとうに答弁して下さい。

好井宏海日本国有鉄道参与(建設局長)

○好井説明員 この内容につきましては支社長権限で、まだわれわれとしてははっきり聞いておるわけではございません。そういうふうな折衝の経過になるであろうという情報は聞いております。これはただ普通の常識におきましては、裏口施設ということは、市街地におきましては、ことに裏口付近の地価の高騰その他がありまして、受益が非常に大きいわけであります。これは元来がそういう人がかなり負担すべき性質のものと考えられますので、原則的には国鉄は持たないことが原則なんであります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 国鉄の駅をつけるのに国鉄が費用を負担しないということなんですか、これは。そうするとつくったものはどこが管理するのですか。

好井宏海日本国有鉄道参与(建設局長)

○好井説明員 つくったものはこちらで全部管理するのであります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そうすると、国有財産を市民につくらせて、でき上がったものは国鉄がちょうだいして、そのままで管理していくということですか。

好井宏海日本国有鉄道参与(建設局長)

○好井説明員 そういうことになります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 そういう商売だったら、それはやめられないですよ。赤字を出してくるのはおかしいですよ。そういうふうにして全部住民負担でやらせて、国鉄はなおかつ赤字なんですか。それ、たったら黙っていてももうかるでしょう。必要な経費は全部向こうに出させておいて自分で管理したら、これは損するような要素は一つもない。よほど下手な商売をやらなかったら、もうけほうだいです。

好井宏海日本国有鉄道参与(建設局長)

○好井説明員 管理の費用というのはなかなか大へんな費用でございまして、特に人件費その他を考えると、非常に莫大な負担になっております。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 どうもそういうようなことは私わかりません。こういうような点は、もう少し具体的に日をあらためてやりますが、どうも私にはわかりません。なおかつこれは当局でも大臣でもいいのですが、冬季オリンピックをやるようにきまったその場所で、現在でも裏口をつくらないとだめだ、裏口をつくってようやく二割ほどの人をそっちへやって、それでこの繁雑を現在少しは緩和できょうかという段階にすぎません。そういうふうになってしまうと、そういうふうにして場当たり的につぎはぎ工事だけをしていって、残月は住民に負担させるなんて、とんでもないことをやっています。それだって国鉄の財産なんです。そういうことをしていって、つぎはぎ工事だけで間に合うのか間に合わないか。むしろこれからあと数年後に行なわれる冬季オリンピックに間に合わす、そこを十分考えないとまたとんでもないことになるじゃないか。この際全面的に、こういう問題に対しての改築案というものが必要な段階じゃないかと思うのですが、これに対して必要はございませんか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 国鉄といたしましては、やらなければならぬことがたくさんあるわけでございます。その中で最優先に考えておりますことは、再々御説明申し上げておりますように、幹線の輸送力の増強ということを中心に、まずそれをやるという建前でおりますので、駅舎その他の整備もむろん必要であるとは考えておりますけれども、それらのものは第二義的に考えて、輸送力増強をまずやる。一般的にはそういう方針で考えております。各場所々々でいろいろ事情がございますので、地元で相当費用を負担していただけるというような場合には、そういうようなところにも手をつけるということもやりますけれども、方針といたしましては、輸送力増強最重点でやる、こういう考えであります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 その基本方針は絶対に曲げないものであるかどうか。むしろこれから五年後のそういうような繁雑、混雑を予知心できるならば、今のうちに考えておいた方がりこうだということになる。もうすでにそれ以上やらないということだったら、別な意味で追及しなければなりません。私どもの方としては、これは将来計画としてどなたか、どこかにあるのじゃないかと思うのは、この冬季オリンピックをやったあと、それまでの間に当然、現在の東京のようにならないまでも、相当程度の狭隘を感ずるようになる。従って、あの機械をやっている苗穂、それから貨物駅の桑園、この間・札幌はさんで三キロほどの間を全部高架にして自由にやれるようにしたらいい計画じゃないかと考えられておる人もあると聞いておる。こういうような問題だったら、オリンピックという一つの目標もある、それから貨物駅の整備にもなる、自由に通れるから都市計画の点で何ら関係しない、そうなれば裏口なんか黙っていたって、下を通るのですから、皆さんの方で自由自在に計画できる、三キロほど高架にすることによってそれが可能になる、こういうことでないかと思う。こういうことは五年もあれば十分やっていけるじゃないか。そういうようなお考えはないか。その場になってつぎはぎたけでやっていくのが日本人の得意かもしれませんが、もうすでにそういうことを計画してもよろしい、こういうような考えは全然ないのか。もしないの、だったら、考えておいてもらいたい。これはどうなんです。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 先ほどお答え申し上げましたのは、全般的な原則方針を申し上げたわけでございます。むろんそれにあわせまして、財政状態その他諸般の事情を考えまして、原則は原則でございますけれども、必要なものはやっていくという考え方で検討をいたすつもりであります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 重大な問題については検討するという答弁です。大臣もそこをよく考えて、あなたも日本を代表する立場から、オリンピックを最優秀な成果をあげさせるためにも、今からこういうような札幌駅高架の点は考えてもらいたい。当局は十分考えて善処すると言いますが、大臣もこの点は十分それに対処するように御決意願いたいと思います。よろしゅうございますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 了承いたしました。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 これで大体終わります。私としては時間ちょうどでございまして、一分も超過しないで、五時になったら終わればちょうど時間で、あと五時に二分ありますから、二分の間だけ聞きますか、現在実施中であるけれども、工事一がはかどらないと聞いておるのですが、小樽の立体交差の問題については、工時は順調でございますか。

好井宏海日本国有鉄道参与(建設局長)

○好井説明員 現在順調に進んでおります。

島本虎三日本社会党

○島本分科員 終わります。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 御苦労さん。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 私は、時間もございませんので、国鉄の自動車の関係についてお伺いいたしたいと思います。  国鉄自動車が大正年代にできまして以来、いろいろな困難な条件を克服しながら、今日まで輸送における大きな使命を果たしてきたわけでありますが、この発展の過程というものは、やはり日本における経済力、それにマッチする交通事情といいますか、そういうようなものとの関連において、時代々々の要請、経過をたどって発展してきたと思うのであります。最近高度経済成長政策というようなものとの関連において、道路政策の非常に飛躍的な発展というものが計画されるに至ったわけであります。道路十カ年計画というものが四兆九千億円からの予算で施行されるというようなことがあり、現に非常に急テンポでここ一、二年来道路整備か進んで参りました。こういう中において、いわゆる鉄道、こういうものに付帯した形で、いわゆる昭和二十七年運輸大臣答弁以来国鉄自動車のあり方というものが先行、代行、短絡、培養という四原則のもとに運営されるのが正しいのだという一つの性格とワク、こういうものが設定されてきたわけであります。今日の道路網の整備、さらに輸送形態というものがそれに従って変わってくるということになりまして、鉄道が国の交通の大部分を占めておった時代と著しく事情を異にしてきている、こういうような背景があるわけであります。そういう中において国鉄自動車の輸送分野というものを一体どうするのかということが非常に問題になり、この問題は、地元の要請という形から見て、国鉄にぜひやってもらいたいという要請が非常に強いだろうし、また民間のバス業者から見ればあまりやってもらいたくない、民業圧迫だというような問題があるわけであります。これからの輸送需要、非常に変化しつつある鉄道と道路輸送というようなものとの関係といいますか、相互補完といいますか、そういうものが今非常に流動的に動いておるわけでありますが、それは新しい一つの事態だと思うのです。そういう中で、国鉄当局は国鉄自動車問題調査会というものを設置いたしまして、そういう今日の時点、今日の状態、交通事情というもの、交通政策というものを背景としながら、適正な国鉄輸送分野のあるべき姿について諮問をいたしたわけであります。この委員に選ばれた人たちの顔ぶれを見ましても、各界各層を網羅した人たちであると思うのでありますが、その答申が昨年の十二月十五日でありますか、出されておるわけであります。この答申に対して国鉄当局の態度はどういうものであるか。さらに輸送情勢というものの変化、こういうものに対して国鉄自動車のあるべき姿というものがこの答申にも示されたわけでありますが、この答申を受けて、国鉄当局はこの答申に対してどういう見解を持っておられるのか、これらの点についてまず伺ってみたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 ただいま御質問の際に御指摘がございましたように、この自動車問題調査会の委員として御委嘱申し上げた方々は、斯界の権威であられるわけであります。それらの方々から国鉄自動車のあり方について、これまた御指摘のございました通り、国鉄の自動車というものは、国鉄の鉄道線路と組み合わせて、幹線交通網の一環をなすような路線、並びに地域開発上必要と認められるような路線、そういうものは国鉄バスか当然責任を持って運営すべきものである、こういう御意見を答申されております。この御意見に対し、これを国鉄の理事会といたしましては、この線に沿うて、国鉄自動車の今後の運営方針を確立していこうという考え方で、今後政府御当局その他関係のところに御了解を得て、この線で進みたい、さように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 経過的に見てみますと、国鉄の考え方、国鉄自動車のあるべき姿に対しては、すでに数年前からこの問題は論議の対象になって参りました。国会における大臣の答弁、あるいは経営調査会、これは多分三十四年か五年かと思いましたが、その中でも今度の答申とほぼ軌を一にするような答申が出されておる。あるいはまた監査報告等においても、連年同じような思想に従って、国鉄自動車も今までのいわゆる四原則から飛躍して一歩前進をして、中小距離というようなものにも、鉄道の関連ということだけが至上の要素として残されてはおりますが、そういう方向で逸脱しない限りにおいては、どんどんそういうものもやるべきであるという思想も出されておった。従ってそれに歩調を合わすように、中小長距離バスあるいは新路線の獲得というようなものについて相当申請をするというような努力を重ねてこられたと思うのですが、現在それらの状況というものはどういう状態になっておりますか。今度の方針もちょうど今までのそういう国鉄側の考え方というものを裏打ちするような答申が出たわけであります。そういうようなことで、現在の国鉄自動車の輸送分野をこの答申の線に従って確保する計画というものを立てておられるのであろうか、また今までの経緯から見て、そういう方向で申請をされてきたというようなおもだった計画について、一つ聞かせていただきたい。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 御質問の通り、今回の答申案におきましては、鉄道と自動車との機能補完の活用によって、輸送の合理化を推進すべきであるということを強く主張しておられます。私どもは、先ほど申しましたように、理事会でこの御答申は尊重すべきものであるということを承認いたしておりますので、その線に沿って、実際の国鉄バスの営業範囲もこの精神を体して政府にお願いをしようということで、たとえば名神高速道路のバスでございますとか、博多−長崎間でございますとか、仙台−東京間でありますとか、こういうような路線のバスの運営をただいま申請中でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 運輸大臣にお伺いいたしますが、今、国鉄側の態度として、この国鉄自動車問題調査会の答申は非常に時宜に適したものであり、長年国鉄が考えておった立場というものをほぼ支持するような形で出た。この答申の内容は、大臣も十分御承知であろうと思いますが、一応読み上げてみますと、「国鉄自動車の輸送分野を鉄道と関連する範囲に限定するとともに、国鉄の役割を鉄道と自動車との補完的な機能結合による全国統一輸送網の形成にあるとして、その輸送分野を次のように区画した。」「国鉄バスの経営すべき輸送分野としては、国鉄の鉄道線との並行道路上の路線及びこれとともに鉄道と組合わされて幹線交通網の一環をなすべき路線並びに地域開発上必要とみとめられる路線である。」結論的には、こういうことなんです。しかし、ここに至るまでの討議の経過、それから最近の交通事情に照らして、自動車問題調査会の考えておるこれからの交通行政というもののあり方、こういうようなものは、いわば理由書のようなものも十分重視してもらいたいということが加わっておるわけでありますが、要するに、結論的には今申し上げたようなこと、この答申に対して、これは運輸大臣にもおそらく参考資料としてとうに国鉄から出されておると思いますが、運輸大国は妥当なもの、こう思われておるかどうか、この点について伺いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 妥当なものと考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 運輸大臣も、国鉄自動車問題調査会の答申が妥当なものだとお考えでございます。そのことを一つ確認をいたしたいと思いますが、今までに名神高速道路あるいは特に昭和三十五年の十二月二十一日に、博多−長崎町の百六十八キロのバス路線の申請がすでに出されておるわけであります。いまだにこういう問題について運輸省の態度がはっきりしてないように思うのでありますが、今おっしゃった国鉄のこの答申が妥当であるとするならば、これはやはりより一そう早く認可をされるというような立場が当然出てきていいんじゃないかと思います。この事情は一体どうなっておりますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 もちろん前提条件である民業の圧迫ということのない範囲において、審議会の結論は十分考えておるものでありますからして、そういう関連におきましていろいろ研究調査を進めなければならぬ点がございます。ことに名神国道においてはまだ未完成でございまして、目下根本方針について運輸当局といたしましては検討中でございます。博多−長崎についても、まだ結論に達しない状態であります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 この答申の中でも、やはり民業に対する圧迫になってそれらの中で民業圧迫になるというような考えというものが今相当強い、こういうお考えですか。それらの事情というものがまだよく運輸大臣としてはつかめていないということなんですか。具体的に民業圧迫というものはどういうものなのかということをあわせてお答えをいただきたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 民業圧迫と申しますことは、既存の既投下資金がその使命を果たすことができないような、いわゆる二重投資の弊になりはせぬかということと、名神国道につきましては、民間業者も非常に出願をいたしておりまして、私の記憶では十社以上の出願がございます。そういういろいろな点を考慮して、また福岡−長崎の間におきましては、輸送する貨物がはたして現在ではまかないきれぬものであるか、いろいろな点から考慮いたしまして、今検討しておるというのが実情でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 民業圧迫になるかならないかという問題が、やはり申請に対する認可の一つのきめ手になるかと思います。最後のところでは、他の要因というものがたくさんあるわけでございますが、最後のところではそういうことがあるかもしれませんけれども、やはり大臣がおっしゃったように、現実に博多−長崎等においても、国鉄以外に三つか四つの会社が申請を出しているというようなことがある。今の答弁によりますと、名神高速道路につきましても十社以上が共願をしている。こういう形があるとすれば、より一そう早くそういう問題についてのけじめ、判断というものをちゃんとつけて、そうして明確なものを出してやらないと、それこそ十社と国鉄と一緒にそれぞれつまらぬ費用を使っていく、こういうような結果になるのじゃないかと思うのです。その引っぱって長引いているということ自体が、むしろそれらの人たちに達し得ない期待を抱かしている。どこもここもみな自分のところに認可されるのじゃないかということで、経費もそれぞれに使うというようなことがあるのじゃないかと思いますが、調査等も必要ならば、早く検討されて、こういうような不安、それから達せられることのない期待というようなことにばかげた金を使うような事態を早くなくすのが当然だろうと思います。そういう点について、まだどういうところが一体引っかかりになって早められていないのか。まだ名神高速道路の完成はしておりませんが、もうかなりの部分は完成に近づいているわけでありますから、これらの点についてお答えをいただきたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 さっき申し上げましたように、名神国道はまだ完成いたしておりません。そこで、完成後の状態、それにそのときにおける諸般の事情を考えまして、なるべく早く結論に到達するように、目下努力中でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 事務当局からその事情について。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 名神高速道路について申し上げます。今大臣からお答え申し上げましたように、ことしの七月に京都−栗東間約三十キロが開通いたします。名神全体は二百キロ以上ございますので、そのごく一部が開通するということでございます。現在この名神高速道路に対して約十件くらいの申請が出ております。この道路は従来の道路と違いまして、自動車専用の高速道路でございます。従いまして、そこで運営いたしますバス事業も、従来の短距離の、ローカル的なバス事業からやや範囲を広げまして、中距離ないしは長距離、むしろ長距離になると思いますが、そういったバス卒業の運営になると思います。  そういうふうな状況でございますので、この名神高速道路のバス事業のあり方はどうあるべきかということを、個々の申請の一つ一つについて甲乙を論ずる前に、運輸省としては一つの考え方あるいは方針を出したい、かように考えまして、いろいろ研究いたしております。国鉄バスにつきましても、名神高速道路について申請が出ておりますが、国鉄バスにつきましても、名神高速道路のバス事業のあり方がどうあるべきかということとやはり関係がありますので、これにつきましても一つの基本的な考え方を確立いたしたい、かように考えまして、現在検討を進めております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 非常に事務的なことをこの際聞いておきたいんですが、いわゆる答申にもありますように、長距離、中距離というこの長距離、中距離の区別は、大体どのくらいの線で引いているんですか。運輸省の考えはどんなところですか。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 別にこれは定義があるわけではございませんが、大体われわれが仕事の上で常識的にいっておりますのは、五十キロをこえますと大体中距離、それから百キロをこしますと長距離というふうにものをいっておりますが、将来は、特に高速道路等が完成いたしますと、長距離の観念もこれより長くなりますし、また中距離の観念も、現在われわれが使っておるよりもずっと延びるようになると思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 今仙台−東京間に東北急行バスというのが認可されて、昨年の八月ころから、あるいはそれより前かもしれませんが、大体七、八月ころから営業を開始して、ずっとやっておるわけであります。この問題につきましても、国鉄も競願をしている。国鉄の場合には、現在のものではなくて、何年先になるかわかりませんが、将来できるであろう国土縦貫道路法ですが、これに従って計画されているいわゆる東北縦貫道路、新しくこれからできるもの、これに向かっての請願ですか。その点明らかにしていただきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 今申請いたしておりますのは、現在の道路に対する長距離バスというものの申請でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 その場合、現在国鉄の場合は認可をされておりません。そのうちに東北自動車道が十年先くらいには仙台まで行くか、あるいは青森まで予定通り行くか、これは別といたしまして、完成した暁には、それは現在のものをそのまま移していくというような考えなのか、あるいはまた別途それはそれとして申請をされるのか、ここらの関連についてお伺いをしたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 その時期のことまで今あまり明確な考えを持っておるわけではございませんで、鉄道網と国鉄の自動車網とが合わさって、総合的な輸送網をつくるという必要があるというふうな答申の御意見もありますし、そういうような考え方で将来も考えて参りたい、そう思っております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 それは将来のことでもありますので、また別途審議するときがあると思いますが、現在の東北、これはバス路線としてはおそらく日本で一番長い路線だと思うのですが、営業開始後の状況、営業の成績といいますか、いわゆる利用度、こういうようなものの現状というものは大体どういうことになっておりますか。たとえば先ほど運輸大臣が、答申はおおむね妥当だと言われたようなことになりますと、やはり国鉄に対してもあるいは認可をするというような事態もあるかもわからないわけですが、今のすでに発足をしたものの営業の状況、今東北は国鉄の場合はレール一本でありますが、国鉄がそこに入り得る余地というものがあるのかないのか、そういう判断について、これは運輸省でも国鉄側でもけっこうですから、わかっている方からお聞かせをいただきたい。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 ただいま東京−仙台をやっております東北急行バスは、たしか昨年の七月でございましたか、開通いたしまして、まだまる一年たっておりませんので、現在までの状況から推してどうこう言うことは、まだ時期が早いと思います。半年くらいになりますこの間の成績を見てみますと、やはり行楽のシーズンのときにはかなりいいようでございますが、シーズン・オフになりますと、あまり芳しい成績ではないというふうに聞いております。  なお同じ距離に国鉄から申請が出ておるのでございますが、ただいま大臣からも御答弁申し上げましたように、国鉄のバスのあり方というものにつきまして、いろいろ国鉄の力でも調査会の答申等が出ておりますが、わが国におきます鉄道とそれからバスの今日までの発達の過程、片方は国有で出発し、片方は民業で出発しておるというふうな形から考えまして、いろいろそこに問題があるわけです。特に民間のバス事業との関連で相当大きな問題もございますし、また従来国鉄バスというものが国有鉄道を中心にして補充的な使命を持って参ったのでございますが、今後長距離に伸びるというような問題になりますと、法律上にもいろいろ検討すべき問題があろうかと思いますので、その点につきまして現在検討を続けておるという状況でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 国鉄側に聞きますが、たとえば現在国道四号線を東京から仙台まで認可をされたといたしましたときの収支の見通しというものは、どういうところに置いておられますか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 収支の見通しの計算をしたものがあるのでございますけれども、今ちょっと見つからないのでございますが、大体十回線くらい運転するということで、収支はむろん成り立つという計算が出してございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 東北自動車道の問題はそのくらいにいたしまして、博多−長崎間の問題に戻りますが、すでにもう昭和三十七年四月に国道三十四号線が完全舗装されている。これは完成されているわけであります。しかもこのルートはほとんど国鉄が並行をしている。約百四十キロ以上並行して、残りの二十八キロが現在の国鉄の路線である、こういうことになっておるようであります。こういうような事態において、しかもあそこの付近は災害が非常に多いところであります。鉄道なんかも災害で支障がある場合も当然予想される。そういう場合における補完的な立場等において輸送を確保する、こういう立場からも、これなんかは非常に急がれてしかるべきだと思うのでありますが、いまだに認可されていない。三十五年の十二月といいますともう完全に二年三カ月からの日月がたっている。非常に認可するスピードがおそいわけです。そういうことでありますから、申請もまたあとからあとから民間業者が各社こぞって出してくる、こういうようなことにもなるのでありまして、そういう災害の場合等についての国鉄の優位性というような問題等もあるわけであります。もちろん私どもも国鉄だけがそこを独占しろというようなことを言っているのではない。また答申でもそういうところにおいても公正な競争がなされてしかるべきであると言っている。しかも民間業者に言わせると、税の問題やら道路交通法の問題等について特恵的なものがあるじゃないかというようなことがありますが、国鉄はその場合には大臣もよく御承知のように、赤字路線があるというようなこともあるわけでありますし、あるいは営業キロにいたしましても、総体的に現在八%くらいのシェアしか持っていない、こういう微々たるものだ。しかも非常に古く申請をされて必要度が高いし、あるいはまた答申の線が妥当だとされるならば、これは鉄道に完全に関連をしておる路線である。しかも地元の利用者の非常に強い要請というようなものもそこに入っている。こういうようなことを考えますならば、こういうものについてはいち早く一番先に申請した者に対してもうそろそろ許可をされて、認可をされるような段取りに持っていかれることが当然であろうと思うのです。その点について先ほども伺いましたが、あまりに抽象的で、特に博多−長崎の問題について大臣は詳しく答えられなかったわけでありますが、この点についての大臣の率直なお考えを一つ聞きたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 目下事務当局において検討中でございますから、事務当局から詳細説明させます。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 先ほど申し上げましたように、博多−長崎も、従来の国鉄のバスのあり方というものから見ますと、異例に属する申請であるとわれわれは考えております。従いまして、その申請自体がよろしいかどうかという問題を検討いたします前に、まず国鉄のバスというものは今後どうあるべきかということをやはり運輸省としてきめるべきではないか、かように考えまして、先ほど申しましたような検討を現在進めておるのでありまして、法律上の問題、あるいは行政方針の問題として運輸大臣がどう決定いたしますか、これが大きな仕事になっておるわけでございますので、目下事務当局といたしましては、運輸大臣のこの方針をきめる前提といたしまして、いろいろ検討しておるような状況でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 今、自動車局長はおかしな答弁をしたと私は思うのです。国鉄自動車としては非常に異例のことだというわけでありますが、先ほど大臣も言われましたが、こういうようなものに国鉄自動車が進出することについて、別に公正な競争を阻害するものでもないし、あるいはまた現在の交通事情というようなものからいっても、これは決して四原則というようなものにこだわるべきではないのだ、もう線増というような意味は非常に薄れておる、あるいは代行ということもほとんど意味がなくなっている、まあ短絡ということくらいが四原則の中で残るだろうということも、この答申の中ではっきり言っておるわけであります。そして大臣は、この答申全体の結論について、私が冒頭ただしましたところによって、 これは妥当なものであるという結論をすでに出しておられるわけであります。そうだとするならば、民業を特に圧迫するというような積極的な理由、具体的な理由というようなものがない限り、これはやはり申請の順序に従って、しかもこの中におきましても鉄道の幹線輸送と関連をして、それの補完的な立場での機能というものが、答申の中身にも十分述べられているように、非常に典型的な形で博多−長崎間の百六十八キロというものが私は出ていると思う。特に民業圧迫というような点でも、具体的、積極的なそういうものになるのだという証明でもない限り、そういうことで手間どっていないで、もっと認可してしかるべきじゃないか、こういう見解に立つわけでありますが、大臣の御答弁と自動車局長の答弁との間に非常なずれがあるように私は思うわけであります。慎重を期するということもけっこうでありますけれども、もはや特にこの場合における国鉄の申請というものは、この答申の結論だけではなしに、その理由書の中に非常にこまかく書いておられるものと全く相反していないものである、こういうような認識に立つわけであります。こういう点で私は若干おかしいんじゃないかと思うのですが、もう少しわれわれが納得できるように、また現地の人たちが納得できるような答えをもう一度していただきたいと思うのです。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 先ほど申し上げました通りでございまして、国鉄の調査会の答申は総裁に対する答申でございまして、これに基づいて国鉄がどういうふうな方針をきめるかということになるわけであります。で、運輸大臣といたしましては、監督官庁といたしましての行政方針を立てる必要があると思うのでございますので、その点につきまして、先ほど、事務当局として、運輸大臣が行政方針をきめる基礎となるべきいろいろな事柄を検討しております。こういうふうに申し上げました。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 時間がありませんからなんですが、一体それではいつごろその検討が終わり、これらの問題について——これらの問題といっても、限定をいたしますが、この博多−長崎間の問題について結論を出される、そういう見通し、これについてはいかがでございましょうか。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 事務当局といたしましては、できるだけ早く成案を得たいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 もう少し具体的に——できるだけ早くといっても、できるだけ早いは、一年の場合もあるし、あるいは半年の場合もあるし、あるいはもっとなのか、大体おおよそのところ、もう少し具体的につかめるような御答弁はできないですか。それともう一つは、先ほどの東京−仙台間の競願についての見通しも、国鉄バスを認可されるつもりなのかされないのか、この点の見通しもあわせて伺いたい。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 できるだけ早くという気持でやっておりますので、いつごろまでということはちょっと申し上げかねると思います。また東北地方に出しております申請も、それから九州の申請も、すべてそういった問題が長距離の申請でございますので、方針的なものがきまり次第、認可なり却下なり処分するように、できるだけ早くやりたい、かように考えます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 できるだけ早くということにこだわるようでありますが、大体本年中なのか、これくらい一つ答えて下さい。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 バス事案の処理の促進は、昨年来非常に急いでおりますので、できる限り早く処理いたしたいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)分科員 以上で終わります。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 本日の質疑はこの程度にとどめますが、本分科会は、さきの予算委員会の理事会の協議によりまして、明二十六日も午前中開会することになりました。  明二十六日は午前十時より開会し、運輸省所管及び日本国有鉄道に対する質疑を続行いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十七分散会

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