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43回国会衆議院1963/02/16

予算委員会第四分科会 第1号

発言数
210
登壇者
16
会派数
2
開催日
1963/02/16

会議録

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  私が本分科会の主査の職務を行なうことになりましたので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  本分科会は、昭和三十八年度一般会計予算中、運輸省、郵政省、建設省及び自治省所管、昭和三十八年度特別会計予算中、運輸省、郵政省、建設省及び自治省所管、並びに昭和三十八年度政府関係機関予算中、日本国有鉄道関係及び日本電信電話公社関係につきまして、本日より来たる二十五日まで、日曜日を除いて八日間審査を行ないます。審議の順序につきましては、今十六日及び来たる二十五日は運輸省所管、十八日及び十九日は郵政省所管、二十日及び二十一日は建設省所管、二十二日及び二十三日は自治省所管とし、それぞれ審査を行なうことといたします。なお、各省所管事項の説明は、各省の審査の第一日の冒頭に聴取することにいたします。以上につきましてあらかじめ御了承を願っておきます。  それでは、昭和三十八年度一般会計予算、昭和三十八年度特別会計予算及び昭和三十八年度政府関係機関予算中、運輸省所管を議題といたします。  まず、運輸省所管につきまして説明を求めます。綾部国務大臣。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 昭和三十八年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。  まず、予算の規模でありますが、一般会計の歳入予算総額は十四億七千四百八万二千円、歳出予算総額は他省所管分七十四億二千三百十五万七千円を含んで八百十四億七千五百七十三万一千円でありまして、この歳出予算総額を前年度予算額と比較いたしますと、百十一億四千七百三万六千円の増加で、約一六%の増加率になっております。この増加額の内訳を見ますと、行政部費では三十七億九千八百二十八万六千円、公共事業費では七十三億四千八百七十五万円の増加であります。  特別会計につきましては、まず、木船再保険特別会計の歳入歳出予定額は三億四千四十四万九千円で、前年度に比較して約四千六百万円の増加となっております。自動車損害賠償責任再保険特別会計の歳入歳出予定額は、付保自動車数の増加に対応して、前年度より約三十三億七千四百万円を増額し、九十六億八千七百三十四万九千円といたしております。港湾整備特別会計の歳入歳出予定総額は四百二十九億六千二百十五万四千円で、前年度より約七十三億三千四百万円の増加となっております。なお、以上の経費のうちには定員百八十八名の純増に伴う経費を含んでおり、また、このほか、昭和三十八年度財政投融資計画中には、当省関係分として約二千百六十八億円を予定されております。  昭和三十八年度予算におきましては、当省は、貿易外収支の改善、輸出の振興、輸送力の増強、大都市交通施設の緊急整備、交通安全対策の強化、海上治安の確保、防災体制の強化、科学技術の振興、基本的運輸施策の推進等の諸施策に重点を置き、これらを積極的に推進したい所存であります。  以下、部門別に重点施策の要旨を御説明申し上げます。  まず、海運関係では、第一に、海運業の再建整備に必要な経費として七十万四千円を計上しております。わが国海運が国民経済の進展に対応するためには、企業規模を拡大して、その基盤を強化し、国際競争力のある船腹を拡充していくことが必要でありますので、海運企業の集約及び関係市中金融機関の協力を前提といたしまして、運輸大臣の推薦したものにつき、十七次船以前の日本開発銀行融資残高の全額に対する利子を五カ年間徴収猶予することとし、この措置を実施いたしますため、海運企業整備計画審議会の適切な運営をはかろうとするものであります。  第二に、外航船舶建造融資利子補給に必要な経費として、市中金融機関分八億五百九万三千円、日本開発銀行分四億七千九百八十四万九千円を計上しております。これは外航船舶建造融資にかかる海運企業の金利負担を軽減し、わが国外航海運の国際競争力を強化するため、市中金融機関及び日本開発銀行に対し利子補給を行なおうとするものであります。また、十八次船及び十九次船の利子補給について新たな契約限度額として、市中金融機関分二十九億一千三百四十六万一千円、日本開発銀行分八十億六千百七十一万四千円を計上しております。十八次船及び十九次船については、船主負担が、日本開発銀行からの融資分については年四分、市中金融機関からの融資分については年六分となるよう補給率を引き上げるとともに、補給期間を日本開発銀行については十年、市中金融機関については七年に延長いたしております。  第三に、外航船舶の建造に必要な資金として日本開発銀行からの融資二百億円を予定しております。これによりまして、昭和三十八年度において約五十万総トンの建造を行なう予定であります。  第四に、戦時標準船処理対策に必要な資金として財政融資六十九億円を予定しております。これによりまして、堪航性が著しく低下している戦時標準船の代替建造を前年度に引き続き実施しようとするものであります。  第五に、移住船運航費補助に必要な経費として三億一千三百十六万五千円を計上しております。これは、国の移住計画に基づく移住者輸送の円滑な遂行をはかるため、昭和三十七年度における移住船運航によって生じた欠損を補助しようとするものであります。  第六に、三国間輸送助成に必要な経費として四億六千万円を計上しております。これによりまして、前年度に引き続き三国間輸送を促進して、わが国海運の発展と国際収支の改善をはかろうとするものであります。  第七に、離島航路整備費補助に必要な経費として五千二十五万円を計上しております。これは離島住民に対する交通を確保するため、航路の性質上経営が困難な離島航路事業者に対して、その航路を維持させるために補助金を交付しようとするものであります。  第八に、特定船舶整備公団の国内旅客船建造に必要な資金として財政融資七億円を予定しております。これによりまして、昭和三十八年度において約四千四百総トンの建造を実施する予定であります。  次に、船舶関係につきましては、第一に、船舶の経済性向上対策に必要な経費として千四百七十六万三千円を計上しております。これは、船舶の自動化、船体構造の合理化等船舶の経済性の向上をはかり、わが国海運、造船の国際競争力を強化するため、高経済性船舶の試設計等を行なうものであります。  第二に、原子力船の開発に必要な経費として百二十八万一千円を計上し、これによりまして、原子力船の開発業務及び安全基準の作成を実施するものであります。  なお、原子力実験船の建造運航を中心とする原子力船の開発を推進するため、特殊法人日本原子力船開発事業団を設立して、第一船の基本設計を実施することとし、別途、総理府所管原子力予算として、同事業団に対する政府出資一億円が計上されております。  第三に、中小型鋼船造船業及び木船造船業の合理化に必要な経費として六百八十六万一千円を計上しております。これによりまして、前年度に引き続き標準設計の作成等を行ない、これら造船業の技術の向上、経営の合理化を推進するものであります。  次に、船員関係につきましては、第一に、船員厚生施設の整備増強に必要な経費として二千五百万円を計上しております。これは、船員の福祉厚生を増進するため、国内における船員厚生施設を整備する公益法人に対して施設費の一部を補助するものであります。  第二に、海技審議会の設置運営に必要な経費として八十九万六千円を計上しております。これは船舶の自動化と船舶運航技術の革新に伴い、船員の技能及び資格に関する制度、海技に関する国家試験制度、船員教育制度、その他海技制度全般にわたる基本的事項について総合的な調査審議を行なうため、海技審議会を設けるものであります。なお、この審議会においては、船員教育に関する重要事項についても調査審議することとし、従来の船員教育審議会は廃止する予定であります。  次に、港湾関係について申し上げます。  第一に、港湾整備五ヵ年計画に基づく港湾整備事業を実施するため、前に申し上げましたように、港湾整備特別会計の歳入歳出予定額として四百二十九億六千二百十五万四千円を計上しております。このうちには、一般会計から港湾整備特別会計への繰入金三百三億九千五百八十一万円が含まれております。昭和三十六年度以降港湾整備五カ年計画の実施に努めておりますが、最近の海上輸送需要は急激に増大しており、同計画において推定した昭和四十年の港湾貨物取扱量は昭和三十九年に達成される公算が大きくなっておりますので、既定の五ヵ年計画を一部繰り上げて実施しようとするものであります。  これを勘定別に見ますと、港湾整備勘定においては、歳入歳出予定額三百九十億三千五百三十五万円の規模をもちまして、横浜港外三十三港の整備を行なう予定であり、特定港湾施設工事勘定においては、歳入歳出予定額三十九億二千六百八十万四千円の規模をもちまして、輸出港湾として下関港、石油港湾として室蘭港外五港、鉄鋼港湾として室蘭港外四港及び石炭港湾として苫小牧港外一港について港湾施設の整備を行なう予定であります。  第二に、港湾都市防災事業の推進に必要な経費として百三十九億七千二百十九万八千円を一般会計に計上しております。これによりまして、港湾都市を高潮、地盤沈下等の災害から防護するため、東京等緊急整備高潮対策事業、危険港湾都市の海岸事業、チリ地震津波対策事業、伊勢湾高潮対策事業、地盤変動対策等災害関連及び災害復旧事業を計画的に推進する所存であります。  第三に、特定船舶整備公団と港湾運送事業者との共有方式により、前年度に引き続き、港湾運送事業者の事業の用に供するはしけ及び引き船を整備するための資金として財政融資三億円を予定し、港湾機能の向上をはかることとしております。  次に、鉄道関係につきましては、第一に、国鉄新五カ年計画の推進に必要な資金として財政融資一千五十億円を予定しております。  第二に、日本国有鉄道新線建設費補助に必要な経費として六億一千七百十九万七千円を計上しております。これは、昭和三十五年度から昭和三十七年度までにおける新線建設費の一部を日本国有鉄道に対して補助するための経費であります。  第三に、国土の総合開発、地方産業の振興、地域格差の是正等のため、産業基盤たる鉄道網を緊急に整備する必要がありますので、日本鉄道建設公団を設立して鉄道新線の建設を推進することとし、産業投資特別会計による政府出資五億円を計上し、財政融資五億円を予定しております。  第四に、地下高速鉄道網の整備をはかるため、建設所要資金として財政融資及び地方債の起債のあっせん三百二十億円を予定するとともに、地下高速鉄道建設費補助に必要な経費として二億二千七百八十八万九千円を計上しております。この経費は、地下鉄の建設費が巨額に上り、その利子負担が経営の重圧となっている現状にかんがみ、東京都、名古屋市、大阪市及び帝都高速度交通営団に対し、昭和三十七年度の建設費の一部を補助しようとするものであります。  第五に、踏切保安設備整備費、補助に必要な経費として五千二百五十八万九千円を計上しております。これは、踏切道改良促進法に基づき、踏切道の改良を促進するため、保安施設の整備を行なう赤字またはこれに準ずる私鉄に対し、その費用の一部を補助するものであります。  第六に、臨時鉄道法制調査会の設置に必要な経費として八十九万九千円を計上しております。これは、鉄道に関する法制に関する重要事項について調査審議するため、臨時鉄道法制調査会を設置するものであります。  次に、自動車関係につきましては、第一に、首都における自動車輸送調査に必要な経費として六百四十万円を計上しております。これは、東京における自動車輸送需要の激増に対処して、自動車輸送力の増強と輸送の合理化をはかり、あわせて路面交通の混雑緩和に資するため、交通系路上の基本事項並びにターミナル等の輸送施設について調査を行なうものであります。  第二に、自動車事故防止対策を推進するため二億九千二百五十七万六千円を計上しております。これによりまして、愛知第二車検場の新設、福島外三カ所の車検場の移設拡張、事務の機械化等により車両検査及び登録業務の円滑な実施をはかるとともに、自動車運送事業の労務管理、運行管理等の監査、運転者実態調査、自動車分解整備事業の監査指導、整備士技能検定等を行なうものであります。  第三に、自動車の激増傾向にかんがみ、自動車行政を円滑に処理するため、車検登録関係で五十名、自動車損害賠償保障関係で三名、計五十三名の増員を行なうこととしております。  次に、航空関係につきましては、第一に、日本航空株式会社に対する出資金として、産業投資特別会計において十二億円を計上しております。これによりまして、機材の増強、資本構成の健全化をはかり、同社の国際競争力を強化しようとするものであります。なお、これとともに、同社の発行する社債三十億円、借入金十億円について債務保証を行なうことにしております。  第二に、国際空港の整備に必要な経費として三十億三千百六十四万円を計上しております。このうち、東京国際空港につきましては十四億八千七百二十三万円を計上しておりまして、これに上り新滑走路の整備、ターミナル周辺の整備等を実施するものでありますが、昭和三十八年度をもって同空港の整備は一応完了する予定であります。大阪国際空港につきましては十五億四千四百四十一万円を計上しておりまして、滑走路の新設、現有施設の改良を実施するものであります。なお、別途一千万円を計上し、東京第二国際空港の新設のための調査を実施することにしております。  第三に、国内空港の整備に必要な経費として十六億二千五百五十六万円、ほかに国庫債務負担行為額四千八百八十六万円を計上しております。これによりまして、名古屋空港外十八空港の整備を続行するとともに、新規空港として出雲外六空港の整備に着手し、松山外四空港の追加改良整備を行なう予定であります。  第四に、航空大学校の整備強化に必要な経費として一億三千百万九千円を計上しております。これは、航空機の特別修繕等既存施設の整備強化及び同校の維持運営に必要な経費であります。  第五に、航空の安全強化に必要な経費として三億四千六百八十四万三千円、国庫債務負担行為額七億五千百三十二万二千円を計上しております。これによりまして、九州地区管制所の整備、国際通信施設の整備及び航空保安施設の整備を実施するほか、YS−11型機を購入し、飛行検査業務の強化をはかることにしております。  次に、観光関係につきましては、第一に、日本観光協会に対する政府出資として五千万円を計上しております。これは、来訪外客に対する旅行案内機能を強化するため、京都総合観光案内所及び東京総合観光案内所羽田出張所を設置するための資金として、同協会に政府出資を行なうものであります。  第二に、日本観光協会に対する補助に必要な経費として四億八千八百四十八万六千円を計上しております。これは、国際観光の振興をはかるため、香港及びサンパウロの海外事務所の新設その他海外宣伝網の充実強化、宣伝資料の作成、総合観光案内所の運営等に必要な費用及び管理費の一部を同協会に対して補助するものであります。  第三に、ユース・ホステル整備費補助に必要な経費として五千二百八十六万四千円を計上しております。これによりまして、昭和三十八年度は、特にオリンピック東京大会時の宿泊対策の一躍とするため東京周辺に重点を置き、六カ所の公営ユース・ホステルの建設を行なう予定であります。  第四に、国際観光施設整備費補助に必要な経費として三千万円を計上しております。これは、来訪外客のわが国内における旅行を便宜快適ならしめるため、主要な国際観光地に休憩施設等を設備することとし、その費用の一部を地方公共団体に対して補助するものであります。  次に、海上保安関係につきましては、第一に、海難救助体制と海上治安体制の強化をはかるため十二億五千四百十一万円、国庫債務負担行為額四億五百三十万四千円を計上しております。これによりまして、老朽巡視船艇七隻を代替建造するとともに、海上保安組織の強化、通信施設の整備、海上警備力の強化等を行なう予定であります。  第二に、船舶航行の安全確保に関する体制の整備をはかるため、航路標識整備費十一億五千万円、水路業務の整備拡充に必要な経費二億三千六十五万円を計上しております。これによりまして、港湾標識、沿岸標識等の整備、既存航路標識の改良改修、集約管理体制の促進をはかるとともに、臨海工業地帯の開発に伴い、港湾測量、海図刊行能力等を強化し、測量船一隻の代替建造を実施する予定であります。  次に、気象関係につきましては、第一に、防災気象業務の整備に必要な経費として七億六千二百四十五万一千円、国庫債務負担行為額二億一千二十九万三千円を計上しております。これによりまして、富士山に気象用レーダーの設置、大阪湾地域に自動応答式無線ロボット装置の設置、水害、地震及び火山観測施設の整備等を実施して、台風豪雨雪対策及び地震火山対策の強化充実をはかるとともに、防災気象官二十二名増員、農業気象業務及び航空気象業務の拡充強化を実施する予定であります。  第二に、防災基礎業務の整備に必要な経費として七億八千九百八十万九千円を計上しております。これによりまして、気象観測船一隻の代替建造、無線模写放送及び気象官署間通信施設の整備、気象資料の整備を実施するとともに、気象に関する研究、研修の強化等のほか、国際協力として太陽活動極小期国際観測年への参加を行なう予定であります。  次に、大臣官房関係につきましては、第一に、運輸関係統計調査の充実強化をはかるとともに、大臣官房の総合調整機能を強化するため、大臣官房に統計調査部等を置いて組織の充実強化をはかることとしております。  第二に、運輸本省及び付属機関を収容する運輸本省庁舎を霞ヶ関団地に建設するため、初年度調査費として五百万円を建設省予算に計上しております。  次に、科学技術関係につきましては、第一に、科学技術応用研究費補助に必要な経費として六千五百万円を計上しております。これによりまして試験研究機関における試験研究と相待って、民間が分担する試験研究を促進し、運輸に関する科学技術の振興をはかる所存であります。  第二に、船舶技術研究所の設立に必要な特別経費として二億九千五百二十四万二千円、国庫債務負担行為額六億五千六存四十一万八千円を計上しております。これによりまして、現在の運輸技術研究所を船舶技術研究所とし、その船舶部門を拡大整備するとともに、電子航法に関する試験機構の強化をはかる予定であります。なお、同研究所、において、鉄道、自動車及び航空の安全、保安に関する試験をもあわせ行なうことにいたしております。  第三に、港湾技術研究所の整備拡充に必要な経費として二千四百七十七万五千円を計上しております。これによりまして、設計基準部の新設等、同研究所の整備拡充をはかる所存であります。  以上をもちまして、昭和三十八年度の運輸省関係の予算についての御説明を終わりますが、何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。  次に、引き続きまして昭和三十八年度日本国有鉄道予算の概況につきまして御説明申し上げます。  昭和三十八年度の予算の編成にあたりまして、まず、三十八年度におけるわが国経済の見通し及び国鉄輸送需要の動向から収入を見積もるとともに、国鉄の輸送力の増強及び輸送の近代化並びに保安対策の強化に重点を置いて支出予算を組んだ次第であります。  以下、収入支出予算につきまして、損益、資本及び工事の各勘定別に御説明申し上げます。  まず、損益勘定について申し上げます。収入といたしましては、鉄道旅客輸送人員を五十八億六千二百万人、輸送人キロを対前年度八・九%増の一千四百九十一億人キロと想定いたしまして、旅客収入三千二百九十一億円を見込み、また、鉄道貨物輸送トン数を二億一千五百万トン、輸送トンキロを対前年度二・五%増の六百億トンキロと想定いたしまして、貨物収入二千百六十一億円を見込んでおります。以上の旅客及び貨物収入のほかに、雑収入等を見込みまして、収入合計五千六百五十三億円を計上いたしております。  他方、支出といたしましては、経営費のうち人件費につきましては三十八年度の昇給と期末・奨励手当三・五カ月分を見込みまして、給与の総額を一千九百八十六億円といたしております。物件費につきましては、節約に特段の努力を払わせることにいたしておりますが、おもなものといたしまして動力費四百十五億円、修繕費七百三十二億円を見込んでおります。これらを合わせまして経営費総額は三千九百九十八億円となっております。以上の経営費のほかに、受託工事費四十億円、利子及債務取扱諸費二百五十五億円、減価償却費六百五十三億円、資本勘定へ繰入六百四十二億円、予備費六十五億円を見込みまして、支出合計五千六百五十三億円を計上いたしております。  次に、資本勘定について申し上げます。  収入といたしましては、先ほど申し上げました減価償却引当金六百五十三億円、損益勘定からの受入六百四十二億円に、資産充当三十億円、鉄道債券八百三十億円、資金運用部等からの借入金四百六十八億円を加えまして、収入合計二千六百二十三億円を計上いたしております。  他方、支出といたしましては、このうち二千三百二十億円を工事勘定に繰り入れるほか、借入金等の償還に二百九十二億円、帝都高速度交通営団等への出資に十一億円を予定いたしております。  最後に、工事勘定について申し上げます。  三十八年度は輸送力の増強及び輸送の近代化並びに保安対策の強化に重点を置き、東海道幹線増設工事を推進するとともに、主要幹線の複線化、電化・電車化、ディーゼル化、さらには通勤輸送の混雑緩和、踏切及び信号保安施設の改良等をはかるために、前年度に比べて二百八十五億円増の二千三百二十億円を計上いたしております。  以下、工事勘定の内容について御説明申し上げます。  まず、新線建設につきましては、前年度と同額の七十五億円を計上いたしました。なお、この新線建設費につきましては、昭和三十八年度におきまして日本鉄道建設公団の設立が予定されておりますので、この場合には同公団への出資金として処理する予定であります。  次に、東海道幹線増設につきましては、昭和三十四年度に着工してから五年目を迎え、工事も最終段階に入りますので、前年度より二百七十五億円増額いたしまして八百八十五億円を計上し、工事の促進をはかって予定の工期内に完成できるよう配慮いたしました。  次に、通勤輸送対策につきましては、東京付近六十四億円、大阪付近十二億円、電車増備百九十両、三十七億円、計百十三億円を計上し、輸送需要の増大に対処するとともに混雑緩和をはかることにいたしました。  次に、幹線輸送力増強につきましては、前年度より六億円増額いたしまして四百九十六億円を計上し、輸送能力の限界近くまで利用されているために輸送需要の増大に応じ切れなくなっている東北本線、常磐線、上信越線、中央本線、北陸本線等の輸送力の増強をはかり、これらの線区における輸送の隘路をできるだけすみやかに解消することにいたしました。  次に、電化・電車化につきましては、工事費五十三億円、車両費七十五億円、計百二十八億円を計上し、現在工事中の東北本線、常磐線、信越本線、北陸本線及び山陽本線の電化を促進いたしますとともに、既電化区間の電車化を積極的に行ないまして列車回数を増加し、サービスの改善と経営の合理化をはかることにいたしました。  次に、ディーゼル化につきましては、施設費八億円、車両費百三億円、計百十一億円を計上し、電化されない区間のディーゼル化を促進することにいたしました。  次に、諸施設の取りかえ及び改良につきましては、前年度より百三十五億円増額いたしまして四百十七億円を計上し、踏切及び信号保安施設の改良を初めとして諸施設及び車両の取りかえ及び改良をはかることにいたしました。  以上のほかに、総係費九十五億円を加えまして、支出合計二千三百二十億円を計上いたしております。これらに要する財源といたしましては、資本勘定から受け入れます二千三百二十億円を充てることにいたしております。  以上御説明申し上げました日本国有鉄道の予算につきましては、予定されました収入をあげ、予定されました工事計画を完遂するために特段の努力が必要であろうと考えられますので、公共企業体としていま一そうの経営合理化をはかり、もってわが国経済の発展に資するよう指導監督して参りたい考えであります。  以上、昭和三十八年度日本国有鉄道の予算につきまして概略御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上、御賛成下さいますようお願いいたします。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 以上をもちまして運輸大臣の説明は終わりました。     —————————————

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 これより質疑に入りますが、この際念のため申し上げます。質疑を希望する方が相当多数になる見込みであります。つきましては、山口丈太郎分科員と協議いたしましたところ、一応お一人の持ち時間は約三十分以内とすることにいたしました。何とぞ各位の御協力を特にお願いを申し上げます。  川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 三十分とか一時間で限られたのでは、予算の内容にわたって審議することは不可能だと思います。主査自体がこれを読むだけでも三十分はかかります。三十分で質問はできませんよ。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 非常に数が多いものだからね。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 多いといっても審議することが……。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 八日間の期限があるので……。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 どうかその意味で必ずしも八日というふうにきめられては……。審議することを委員会に付託されておるのでありますから、そのおつもりで一つ審議せられることを望みます。  きょうは運輸本省予算並びに国鉄以外の特別会計予算につきましてはあとに譲りまして、日本国有鉄道関係だけについてお尋ねいたしたいと思います。  まず、基本を一つお尋ねしたいのですが、国有財産法第三条第四項の規定が適用されておると思われますかどうか、その点をお伺いしたいと思います。国の企業財産として運営されておるかどうか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 日本国有鉄道法によって日本国有鉄道の財産は管理されておると思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 もちろん国有財産法に規定されておる特別の法律がある場合は、この規定に必ずしも束縛されるわけではないでしょうけれども、本体はやはり国有財産法の三条四項の規定に基づいて運営されなければならない、こう思います私の意見に対してもしも反駁できるならば、反駁の根拠をお示し願いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 ただいま私が申し上げましたように、国有財産法と別個の日本国有鉄道法によって管理されておるものと考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大蔵省は来ておりますか。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 今、熊田主計官が来ておるだけです。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 主計官、もし答えられたらお答え願います。

熊田淳一郎大蔵事務官(主計官)

○熊田説明員 お答え申し上げます。国有鉄道法の六十三条によりまして、日本国有鉄道につきまして国有財産法がそのまま適用されおります。それで、その場合に、国有財産法によります国を日本国有鉄道というふうにみなして適用をすることになっております。従いまして国有財産法の第三条第四項によりまして、政令でこれを定めるという条項は、日本国有鉄道につきましては適用がない。このように解釈いたしております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それでは、今の説明によりますと、国有財産法七条は適用されますかどうか。

熊田淳一郎大蔵事務官(主計官)

○熊田説明員 ただいま私申し上げましたのは誤りでございまして、日本国有鉄道法六十三条では国有財産法の適用を排除しております。私の誤りでございます。従いまして第七条につきましても、これは適用はございません。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それで間違いないかどうか、一つ帰ってお調べの上、あらためて御回答願いたいと思います。そうでないと、この国有財産の処分が、企業財産として見た場合は、国鉄総裁なり運輸大臣は、これは企業財産として管理するわけでありますけれども、単なる私的な財産ではないと思いますので、やはり国有財産法が適用されるものと私は理解をします。  そこでそのことは第二にいたしまして、運輸大臣、道路敷地と鉄道敷地とになぜ区別をしなければならないのか、運輸省は通運業法もやる、それからその他道路運送法等も運輸大臣の所管になっております。鉄道敷地と道路敷地とを区別しなければならない、なぜ区別しなければならないでしょうか。私は同じだと思うのです。どうですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 ただいまの御質問は、道路と国鉄の敷地の法律上の相違といいますか、それがどうなっておるかということですか。——それは申すまでもなく、国有鉄道の敷地は国有鉄道の法によって定められた鉄道の線路の通っている敷地でありまして、道路敷設は一般公共の用に供するための国の、何と申しますか、財産と申しますか、土地であると考えておりまして、一般に料金を払って通る鉄道と普通に無料を原則とする道路敷地との差異は、一般公共用ということと、それを有料か無料かということによる違いと私は思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 それじゃおかしいじゃないですか。日本道路公団は有料道路ですよ。だから有料か無料かによって区別されるということはない。しかも、いずれにしたって、交通用の公共性を持つ交通路であることには間違いない。従ってあなたの所管も、道路運送法あるいは通運業法ということで物資の輸送等も管理しておるわけです。道路を使用しようと鉄道を使用しようと、まあ道路を使用する方が道路運送法である、鉄道を使用する方が通運業法であろうけれども、いずれも本質は同じです。区別しなければならないという理由はどこにあるか。区別されておるのです。あとでだんだん申し上げますが……。そこで、なぜ区別をしなければならぬか。私は、区別する必要はないのではないか、こう思うのですが、有料、無料で区別なんて、道路は無料だから公共性がある、有料だから鉄道は公共性が薄いということにはならないと思うのです。運輸大臣、どうですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 普通の概念といたしましては、無料が道路は原則です。たまたま有料もあるのでありますが、概念としては道路は無料が原則であらねばならないと思います。鉄道は一定の区域を鉄道の敷設によってこれを公共の用に供しておるのが鉄道と考えております。  なお川俣委員の質問の要旨が私にはちょっとのみ込めないのですが、非常にむずかしくて……。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 いや、むずかしくないのです。道路は無料だというのは、最近だんだん有料になってきておる。山間部でも、最近できまする林道なども、関連林道または基幹林道と称しまして、使用料をとってきておる。森林公団の道路等は使用料を取っておるわけです。従って、道路だから無料だ、鉄道だから有料だというように区別はできなくなってきておる。その本質はいずれも同じものだろうと思います。ただ私は、なぜこの問題を提起したかというと、道路整備法及び日本道路公団では国有財産を無料で貸付を受けたり譲渡を受ける規定があるわけです。いいですか。有料である道路公団が国有財産を無償で貸与を受けたり譲渡を受ける規定があるわけです。国鉄ができないという理由はどこにありますか、こういうことを聞きたいのです、具体的にいうと。そこまで聞いたらわかるでしょう。なぜできないのです。国鉄は料金を取るから、無償で貸付を受けたりすることができない、あるいは無償譲与はできない、こう言われるなら、道路公団はどうですか。あれは全部有料道路です。道路公団は国有財産を無償で譲渡を受けることもできるし、無償貸付もできる。御説明しまし、ようか、もう少し詳しく。それでいいでしょう、条文まで読まないでも。国鉄がなぜできないのです。公共性が薄いのですか。全くの企業であって、公共性が薄い、こういう考え方で国鉄を管理されておるかどうか、これは大臣の責任なんです。どうなんですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 今の、国の財産を有償または無償で道路公団が受けておるのに、国有鉄道はなぜ受けられぬかというお話でございますが、これは非常にむずかしい問題で、普通の社会観念と申しますか、それから国鉄の発達、発展してきた歴史と申しますかによっておのずから慣行ができておって、その慣行に従ってやっておるものと私は思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 慣行は尊重しなければならないということは、別に異なことはないでしょう。しかし、あなたの説明の中で今後国鉄は合理化させなければいけないといっているのですよ。これは合理化の対象にならないのですか。無料道路というが、最近有料道路が非常に多くなってきた。これと国鉄を区別しなければならない根拠はないでしょう。一方は慣行だからといって、今後新線等の計画がますます進んで参るでしょうし、あるいは国鉄は割合に山間地を通らないような計画もあるようですけれども、本質からいって区別さるべきものではないと思う。地方開発の役目を果たすことは、もちろん交通網の完備のために公共性を発揮していかなければならないでしょう。道路であろうと、鉄道であろうと、その使命は同じなんですね。国から受ける待遇も同じでなければならぬと思う。待遇を区別しなければならないというのはどこにあるか、こう言うのです。公共性が薄いために国有財産を無償で貸し付ける、そんなことはできないのだ、こう言うならそれはわかりますよ。慣行だけだ。慣行というものは改めればいい。合理性がなければ改めたらいい、新しくできるものは待遇できるけれども、古いものは待遇できないのだという根拠はないでしょう。その辺どうなんですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 この問題は、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、主として慣行によるものだと思います。そこで、仰せのように、これを改めたらいいじゃないかというふうなお話でございますけれども、しかし国有財産の処分につきましては、これを主管しております大蔵省の方針がございまして、特に最近の傾向といたしましては、できるだけ有償で処分する、こういう方針であるようでございますので、いずれ事務的には検討さしていただきたいと思いますが、きわめて困難ではないかと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 主として慣行に基づく——国鉄は前から相当利益を上げておった、あるいは公共性がだんだん薄らいでくる、そのために差別待遇を受けるということなら、これは甘んじて受けなければならぬでしょう。しかしますます公共性を発揮しなければならない、こう説明されておるのに、差別待遇を受けなければならないということはないはずです。私から問題を出されないうちにすでに検討されていなければならなかったと私は思うのですよ。十分検討されていなければならないであろうと思うのです。国鉄総裁、どういうふうにお考えになっておられますか。あなたは公共性が薄いんだというような判断を受けるような差別を受けておるわけですが、これをどうお考えになりますか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 運輸大臣からお答えがありましたように、伝統的にそういうことになっておりますが、だんだん今お話しのように、道路公団のような事業も進みますし、国鉄も財政がいろいろ困難になつてきております。われわれの方でもいろいろ検討はいたしておりますが、まだ結論としてこういうふうにしてもらいたいというところまでは参っておりません。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 どういう検討をされたんです。これはむずかしい検討じゃないですよ。国有財産の管理をめぐって、むずかしい検討じゃないのです。差別をつけなければならないという説明は、大蔵大臣でもできないと思うのです。できるならば、公共性が薄いんだということで区別できることはできると思います。従って国鉄総裁は、わが経営しておる国有鉄道は公共性が非常に薄いのだ、こう自認されるならば、これは主張ができないですよ。ますます公共性が高まってきたと説明していながら、みずから卑下する必要はないじゃないですか。運輸大臣どうですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は、原則といたしまして、道路は無料にすべきものであると思います。たまたま例外的に有料にしておるのだと私は思います。そこで、例外はなるべくきびしくやるのがいわゆる例外でございます。一般的にいえば無償にする。有料にするというのは、私は道路公団としては建設費が近時高くなったから、そういうことをするのであろうと思いますが、あれも御承知のように、ある年限が来まして、償却が済んだ場合には、無料で国家へ提供するのです。そういう規定になっておりますから、私は例外的にあれを有料でやっているのであろう、かように感じております。その違いであると思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 だんだんふえてきているのですよ。今度は農林省が基幹林道というのをつくります。今までは木材の搬出だけでありますから、山から下るだけです。峰越しで隣の方へ行くことはなかった林道なんです。基幹林道として普通の産業道路的な道路をつくるわけです。そういうものに対しても同じ待遇を与えられる。有料道路ですからね。あるいは森林公団が経営するのだって有料道路です。これにも待遇が与えられる、国有財産法からいうと同じ待遇を受けておる。そこで国鉄がこれを受けられないというわけはないじゃないか、そう思うのです。検討するということですが、今ごろ検討する問題じゃないじゃないですか。国鉄というものが古い伝統から脱し切れない姿がここにも出ているのじゃないかと思うのです。慣行だからというので、脱し切れない姿がある。頭だけが近代化とかなんとか空転しているのではないかと思うのです。まあこれはこれだけにとどめておきます。  そこで、次の問題に入りますが、東海道新幹線が既定通り、説明によりますると八百八十五億円をかけまして年度内に完成できるよう配慮いたします、予算がほしいので配慮したのか、これはほんとうに八百八十五億を計上したことによって完成できるのかどうか、私はあやしいと思っております。国鉄の人はできるつもりで計画しているでしょうが、これは政治的になかなか完成できないようなことが往々今まであったのです。これは大臣の責任ですよ。計画をいたしました計画から、だんだん政治的な運動の結果、予定を変えてわざわざ高い土地を買収しなければならない。しかも交通の繁雑した、しかも能率の上がらない工事を無理にやらなければならないようなことが過去にあったわけです。たとえば京都駅がそうです。あそこへ無理に鉄道の新幹線を持っていくなんということは、今後の交通事情から申しまするならば、交通関係者からいうならば、無謀な計画であるとさえ批判をされております。あれは国鉄が計画したのではないのです。運輸省が京都市の陳情やその他政治家の陳情によって、わざわざ高い経費をかけ、しかも工事が期限内にできないような無理なところに突っ込んでいる。これはだれの責任なんです。国鉄の責任ですか、運輸省の責任ですか。この陳情を受けたのは主として国鉄じゃない、運輸省なんです。運輸省の指図なんです。国鉄はおそらくそういうことは言わないでしょう。言わないでしょうけれども、運輸省の圧力です。運輸省でなければ、政府の圧力です。あるいは自民党の圧力なんです。あるいは政治家の圧力なんです。圧力で工事費がかさむような、竣工がおくれるようなことを黙認しておるのが運輸大臣だといわなければならぬ。幾ら予算をつぎ込んだってむだですよ。一部の利益のために、一部の運動のためにそれが曲がるようであるならば、これは予算上十分考慮しなければならぬ。足りなくなれば——私どもは新幹線を見てこれは不足しておるということが実際わかった。わかったので、第二次補正についても御協力申し上げたつもりなんですが、これは国鉄の責任ではなくして——私は決して国鉄を弁護するわけではない。総裁、ちょっとお聞きなさい。弁護する意味じゃないのですよ。そういうだらしのないことでやっておったのでは、工事期間内に完成できないし、予算も足りなくなるのではないかという不安を持ちますから、この際大臣にお聞きしたいのです。もしもそういう運動をされるならば、一般会計で一つおやりなさいよ。これはいずれにしても乗客その他の者が負担しなければならない結果に現われてくるんですからね。どうですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私はそういう陳情を受けたこともなければ、そういうようなことによって国鉄が計画を曲げたとも思いません。しかし国鉄は、やはり大衆の利便になるようにということと、用地の買収については団体交渉をしておるという現実がございまして、そうしてその利便をほかるためにはこういう設計でこういうようにやるという、なるべく民衆の利便になるようにやることが一つ。同時に早く用地問題を解決するために、あらかじめ設計その他をある程度明らかにして用地買収をやって、その結果計画がいけば、ここを通るのをこっちへ通してもらいたいという両君対立があるのは、これは物事で当然でございます、川俣君御存じのように、どんな問題で毛反対と賛成があるのは、これは通例です。しかし国鉄は国鉄自身として善なりと信じたものをやりまして、政治家の圧力でもなければ、地元の圧力と申しますか、それでもない、私は、良心に命じておかしくないという信念のもとに国鉄が設計して、もし前設計を変更したということがあるならば、それ相当の理由があるからやったのだろうと私は確信いたしております。また同時に、私はそういうことは、私の前大臣の時代のことは知りませんが、私の時代に至りましては、さようなることは、少なくともそれだけは私は自信を持ってお答えができますが、あらゆる圧力には屈しないつもりでございます。どうぞ一つその点御了承願いたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 綾部運輸大臣になってからの問題じゃないのですね。しかしあなたがやはり運輸大臣を引き受けられておるのですから・前任者のときでおれの責任じゃないということは言えないのですね。そこで少しきついけれども、あなたに言わざるを得ない。今京都へ行ってごらんなさい。あんなところへ新幹線の鉄道を持ってくべきではなかったという議論が起こっているのです。旧京都駅と新幹線とをあそこに持ってきたならば、今後の都市計画というものは全く変更しなければならないという事態に陥るであろう、ああいう運動をしたことが誤りであったという批判がみずから起こってきておるのです。あんなに金をかけてあんな運動をして、あとどうするだろう、都市計画が全く立たないという状態になっているじゃないですか。そんなところになぜ持っていかなきゃならぬか。初めからの計画じゃないのですよ。もっと京都の駅から離れるところに通る計画なんです。国鉄は割合に有能だということで、経済地理的にも、土質的にも、地質学的にも、相当の権威者がおられるはずなんです。将来ここへ鉄道駅をつくることによって、どれだけの交通が繁雑を来たすか、この都市計画でいいかどうかということが、もはや検討されなければならないときになってきておると思うのです。鉄道屋だからといって、レールを敷けばいいんだということではないはずである。レールを敷くんだったら、別に国有鉄道なんて要らない、土方に請け負わせたってできる。どこへ駅をつくって、どこを通すことによって、短距離で、しかも地質学的には一番可能であるし、安上がりであるし、効果のあがるところを選ぶという陣容ができているはずだと思うのです。できていないならば別ですが、できておると信頼していいと思う。それをなぜ曲げられなければならぬか。曲げた責任をだれが負うかということです。そういうことでありますならば、私どもは完成させたいために補正予算についてもせっかく御協力申し上げたのだが、しりぬぐいは全部国会が負わなきゃならぬようでしたら、もうごめんこうむりたい、こういうわけでお尋ねをしているのですよ。どうですか。国鉄及び運輸大臣にお答え願いたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は、前大臣がやったからおれは知らぬなんという卑怯なことは申しません。責任はあくまで負いますが、しかし、あなたのおっしゃるような議論もあると同時に、国鉄内部では、あなたが指摘されたように、すべての点においてあなたが信頼するような優秀なる技術者、優秀なる経営者がこの方がよりよいということでやったものと私は確信いたします。そのために予算が増額いたしたのは遺憾でございますが、大体本年度を契機といたしまして、予定通り新幹線は開通することと私は信じております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 大臣、それは私はだめだと思うのです。そごされたのが設計者なのか、圧力なのか、こうお聞きしている。私は設計者は忠実であったと思うのです。あえて設計変更しなければならなかった事情が内部にあったのではないのですよ。内部の決定が変わったんだから、技術屋が変えたのではないのですよ。設計者が変えたのではないのですよ。そういう設計を改めてしなければならない事情に追い込まれた。従って予算がふえた、こういうこともある、その他の事情もありますけれども、大きな原因はやはりそこにある。この責任を一つ綾部さんにとってもらわなければならない。

十河信二日本国有鉄道総裁

○十河説明員 その責任は一切私にあります。京都の駅について、運輸大臣から御命令であるとか、こうしろ、ああしろという御意見を伺ったことは何ら私はありません。お話のように新幹線を現在の駅のところに持ってくるか、あるいは少し離したところに持っていく方がいいかということは、いろいろ前説にも利益がありますし、害もありますし、後の離した方がいいということにも利害があります。どちらにも利害がありまして、いろいろ比較検討して、そうして最後に決定したところへ落ちついたのであります。土地の問題につきましても、これは所有権のある人とわれわれは交渉して譲り受けなければならない。われわれがこう思ったからといって、すぐそれを通すわけにもいかない。たとえば、私の方は土盛りをして、その上にレールを敷こう、こういうつもりでおりましても、ここは洪水のおそれがあるから、この土地を売るから、売るかわりにここは橋にしてくれというふうな御要望が方々でたくさん起こって参りまして、これらの御要望に対しては、われわれとしてはできるだけ国民の御要望に沿うてやることが必要じゃないか、こう考えまして、実はこちらの方の利益も考えましょう、あちらの方の事情も考慮いたしまして、そうしてほどのいいところに落ちつけた、こういうことであります。それらの事情はもちろん初めからわかっておるのであります。御承知のように、土地の値段の騰貴ということが最近急速に始まった。急速に値段が高くなって、土地の売買は非常に困難になってきた。そういうために、当初予定していなかった設計をどうしてもやらなければならぬというふうな事情に立ち至ったところもたくさんあります。それらの見通しが悪かったじゃないかといえば、それは全部私の責任であります。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 総裁はおれの責任だと言われるが、国有鉄道法じゃ総裁の責任になっていないですよ。ほかは大てい総裁の責任になっておりますが、これは総裁はおれの責任だなんて言ったって、あなたの責任じゃないですよ。国有鉄道法のどこにあなたの責任ということがありますか。理事会の決定を得なければ、総裁はレールを敷くことはできないじゃないですか。そうでしょう。普通の株式会社は、株主総会または取締役会の決定に基づいて会社を運営する、ほかの公団などはみなそうじゃないのです。総裁の指揮のもとに理事会が運営されることになる。国鉄は違うでしょう。理事会の決定を経なければならない。総裁はおれの責任だなんて言うが、理事会が決定しないことを総裁は行なえないじゃないか。全部おれの責任だなんて言いますけれども、あなたは国有鉄道法を知らないのじゃないですか。(「ワンマンだからやれるんだ」と呼ぶ者あり)ワンマンだって、鉄道法自体が、理事会の決定を待たたければ、総裁は執行できない形になっている。それを全部おれの責任だなんて——予算審議ですから、予算の範囲内において設計変更を行なうようなことは、これは国鉄にまかされておると見てもいいでしょう。しかし予算を超過するようなことは、国の援助を仰がなければならない。私の責任で変更しましたなんということは言えないはずなのです。国会答弁ですよ、あなた。予算の範囲内において、設計の範囲内においてやりました、こっちの方がいいと思いましたというならこれは別です。総裁、今予算審議中なんですよ。そんなこと、当てにならないじゃないですか。また変更するかもしれない。あなたの説明を聞くと、総裁を信用してくれというが、また変更するかもしれぬ、こう言われるならば、予算審議ができないですよ。それはあなたがさむらい気質を持って、いやおれの責任だというけれども、国会はそういうわけにはいかないのですよ。この予算でできるのかできないのかとお聞きしておるのです。できないこともあり得るならば、これは予算は変更しなければならぬ。修正しなければならぬ。いや、完成はできる見込みだ、いいでしょう。しかし、いろいろな事情を参酌してくると、またこれで足りなくなるかもしらぬ、そのときはまたお願いをいたしますでは、この予算が十分審議されたことになりませんので、くどいようですけれども、この点をお聞きしたい。過去のことは責めていないのです、すでにちゃんと予算の裏づけをしたから。またこういうことがあってはいけませんよ、こういうことなのです。悪かったらほんとうは補正のときにこれは削るのですけれども、もっともだと思って、やむを得なかったと思って承認をしたのだが、昨日第二次補正が参議院も終わったから、承認されたわけなのです。こういう甘いことが再びも三たびもできませんよということを念を押しているのです。運輸大臣、どうですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 三十八年度の予算はこの予算でやれると、私は監督上の立場から確信いたしております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 三十七年度も、大臣の答弁は、速記録を見てごらんなさい、これでやれますと言っている。それじゃどうして第二次補正を組まなければならなかったのですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は、三十七年度にそういう言明をしたことはないのです。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 速記録を見てごらんなさい。今度もそうでしょう。いやそのころは私もやめてしまうからおれの責任ではないというならあれですが、これは運輸大臣の責任なんです。私は冗談に言っているのじゃない。だから必要なものは予算措置をしてすみやかに完成させなければならない。しかし、いろいろな事情によって変更されるんだということになると、この予算の提出というものは不十分だ、もう一ぺん出直しておいでなさいと言わざるを得なくなる。これをすみやかに御賛同願いたいというからには、それだけの確信がなければならぬから、一応そう言われるでしょう。しかし、また変更しなければならぬ。——おそらく新幹線に限ってはこれ以上変更はないと思います。それで、すみやかなる完成を期待するままにお尋ねをしておるのですが、他の線につきましても同様なことが起こるだろうと思います。土地の評価でも、国鉄ぐらい甘い評価はないのです。すでに自分の取得しておる土地の評価などについても十分じゃないのです。時間がないからきょうはやりません、あらためてまたやりますけれども、持っておられる土地の評価などについても、これは再評価も何も行なわれていないのですよ。どうして一体土地の再評価が行なわれていないかということを、今度は例をもって一つお尋ねいたしますが、きょうはこれはやめておきます。大体国鉄は取得価格をもって試算をしておられるようでございます。すでに三十年前から寄付を受けた鉄道の敷地あるいは停車場等の敷地があるわけです。これは寄付を受けたのだから取得価格がないのです。こういうものに対する管理が必ずしも十分じゃないのですよ。国鉄は、乗客に対しては規則だ、規則だということをやかましく言いますけれども、みずから国有財産に対する管理が十分じゃないということが言える。国鉄自体で法令を犯すような予算をあえて要求されておるのじゃないかという懸念があります。法律違反の予算要求があるのではないかと思います。これは運輸大臣ではちょっと無理かと思いますが、ラッシュ時における通勤電車のうしろから押す経費はどこから出ていますか。学生のアルバイトにこっちから押すのがありますね。あれは人件費ですか、何ですか。

山田明吉日本国有鉄道常務理事

○山田説明員 おっしゃるのは、決算の個所は、いわゆる予算書上の人件費ではございせん。役務費として各駅の管理に必要なもろもろの経費がございますが、その中で決算をいたしております。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 国鉄の経費には間違いない。けつを押すやつは経費です。あれは、定員以上乗せてはならないという規定があるにもかかわらず、無理に乗せるということ、これは違反でしょう。法律違反の費用が人件費で組まれておるわけです。これは定員以上乗せてはならないのですから、間違いじゃないですか。定員をオーバー、するどころじゃない。うしろから押してまで乗せなければならないという違反を、あえて、二重にも三重にも予算に組んでおる。人にはずいぶんやかましい規定を適用しますけれども、この点について、予算審議の上からも、幾らかわかりませんが、これは明細がほしいのです。法律違反の予算は削除して下さい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 法律違反とおっしゃいますのは、鉄道営業法の違反であろうと思いますが、しかしこれは鉄道係員が強制的に定員以上乗せた場合の規定でございまして、今は自主的に皆さん方が何とかして規定の通勤時間に間に合わせようとして無理にお乗りになっている、その無理にお乗りになっているのを手助けをする、こういう考え方でございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 運輸大臣に対して一つお聞きしたいのですが、タクシーなど一人多く乗っておったって処罰されます。これはあなたの所管ですよ。定員を非常に厳格にやっておられる。今タクシーが足りないで困っておるときに、一人よりも二人乗せた方がいいじゃないか。これは二台わざわざそろえなければならぬ。しかも六人おるのに二台そろえなければならぬ。それだけでも道路を一時使わなければならない。待っていなければいけない。一方においてそういうことはいけないんだ、一方においては乗客に大いにサービスをしているのだという。サービスするなら、タクシーだってサービスさしたっていいじゃないですか。国鉄だけどうしてサービスしなければならないか。運輸省の立場ですよ、これは国鉄じゃない。運輸省の立場からこれを一つ答弁して下さい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 通常、定員と申します場合は、これはやはりサービス定員であろうと思います。国鉄とかそういったものは、サービス定員と解釈しまして、必ずしも保安定員ではない。保安上に心配がなければある程度定員をオーバーして乗せても差しつかえない、こういう判断をいたしております。しかしバスとかあるいはタクシー、こういったものはやはり保安定員的な考え方が強いのでございまして、そういう見地からやかましく申しておるのでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 バスだって満員になって弱っているじゃないですか。あれは保安定員以上越えています。それを黙認している。バス会社のバスは定員をオーバーしても保安上差しつかえない、そうじゃないんですよ。私の言うのは、取り締まって悪いとか押して悪いとかいうことではなく、そういう事態は運輸省及び国鉄の責任ではないか。あえて法律違反を犯してまで無理に乗せなければならないという事態は、国鉄の使命を十分果たしていない結果起こってくる問題ではないか、そうお考えになりませんか。押すのはサービスではなくて、本来の輸送の機能を十分達成できないためにサービスという言葉でごまかしておる、こう見ていいんじゃないですか。十分な交通網が完備されて輸送力が十分であれば、そんなに押さなくたっていいじゃないですか。安全運転できるような定員である。あなたら安全運転だというけれども、あれだけの重量の動揺があるために急停車した場合に起こってくる死傷——死まではいかないでしょうけれども、負傷者がときどき出るじゃないですか。あれで安全運転ですか。おそらく安全運転とは言えない。何かの障害があって急停車しないという規定はないんですよ。危険を防止するために急停車することがあり得るんです。安全定員ということになれば、そういうことも含めた安全定員でなければならない。問題は、要するに運輸省ばかりではないでしょうけれども、やはり運輸機関としてそういうことのないような輸送を十分確保することが必要なのであろうし、そういう点で勇敢に自分の責任を果たすために国会に予算を要求されることがあってしかるべきではないか。それがサービスだからといって予算要求をするということは誤っておる。そうお考えになりませんか。そういう運営の仕方をするのが運輸省の責任だと思う。国鉄として誤りない円滑なる輸送を確保してやることが運輸省の責任だと思う。それでなければ運輸省なんか要らないですよ。高級役人ばかりおって何をしているんです。ほかの省と比べてごらんなさい。あなたの省だけですよ、三級職以上が多いのは。比率を見てごらんなさい。何をしておられますか。指揮者ばかりおって、何をしておられるんで。反省の上に一つ御答弁願いたい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 仰せの通りでございまして、根本的には輸送力がなかなか追っつかない、こういうことであろうと思います。そこで運輸省といたしましても、国鉄を初めあるいは私鉄あるいは地下鉄、そういった機関の輸送力の整備増強に努めておるつもりでございますが、なかなか人口の伸び方というものは激しいものでございますので、思うように追っついていきませんが、できるだけのことを、先生の御趣旨を体しましてやっていきたいというつもりでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣分科員 人口の増加が激しいなんということは、運輸省がかなり古くから歴史を持っておるのですよ。そういう見通しを立てるのが運輸省の責任なんです。国鉄は営業上立てなければならぬでしょうが、運輸省は早く言えば計画官庁でしょう。計画官庁がその責任を負わなければならぬ。実務機関じゃないのですから、計画を誤らしめないように、そういう人口あるいは今後の発展動向というようなものを見きわめるために必要な行政庁なんです。その行政がやれなければならぬ。大臣、そうじゃないですか。もう一度反省していただきたいということを申し上げて、私の質問を一応これで終わって、あと保留しておきます。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 次に、渡辺惣蔵君。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 ただいま川俣さんの質問を伺っておりますと、運輸大臣及び国鉄の総裁の答弁は、非常にたよりない答弁をしているようですが、私はきわめて簡単に、しかも具体的な問題で二、三質問したいと思うので、明確に答えていただきたいと思います。  大臣にお尋ねするのですが、大臣も池田内閣の大臣なんですから、池田内閣の政策にのっとって運輸行政をやっていらっしゃるのだと思うのですが、運輸省は池田内閣の高度経済成長政策に見合う輸送計画というものを持っておりますか。持っておるとすれば、その概要を承りたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私どもといたしましては、所得倍増計画、池田内閣の経済成長に伴う交通政策は持っております。たとえば今回私どもがいたしました日本鉄道建設公団なんかは、私は格差を是正する唯一の手段であって、多年、池田内閣以前から考えておったことをこの池田内閣が実現したものと思います。そのほか東海道新幹線の構想も、最も交通の隘路となっておるのは東海道線だから、これに何とか対処してやらなければならぬとか等々、具体的にいろいろな施策を持っております。北海道につきましても、早急に基礎調査をやるべく、青函隧道なんかも一応格差を是正する唯一無二と申してもいい政策だと私どもは考えております。そのほか、いろいろな政策がございますが、大きな構想のもとのものは、そういうような種類の政策であると思っております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 池田内閣の高度経済成長政策の特徴は、所得が増大する可能の地域に力を入れて、そういう経済効率の少ないところはあと回しにして、プール計算で所得が倍増になるやり方を推進しておることは天下間違いない問題ですが、今大臣自身がここではっきりおっしゃっておる東海道新幹線等は、その代表的なものだと特に発言をされております。そうしてみますと、ここで東海道新幹線は三千億円前後の金を投じて、五ヵ年で、しかも三十八年度は八百八十五億円というものを投じて完成する、非常に力を入れられておることは特徴的にわかる。しかし、同じ予算の説明を承りますと、幹線輸送といわれております東北とか常磐とか北陸とか、その他の幹線地帯については半分の四百九十六無目ということですが、これで一体どの程度やれると思うのですか。政府は低開発地域の工業開発促進法をつくったり、新産業都市建設促進法をつくったり、地方に工業を移して、太平洋ベルト・ラインと、それ以外の後進地域との産業格差や所得格差、地域格差を埋めるという政策を積極的にとっておるのだが、運輸省の輸送計画というものは、そういうような新たな政策に対してどう対処しておるのか。この幹線輸送と称される四百九十六億円というものは、そういう政策に十分たえられ得る条件を持っておるのかどうか、承りたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 予算、それから計画というものは、そのときの財政と勘案してやらなければいかぬと思っております。現在の財政の状態においては、私は四百数十億円の幹線輸送強化ということで本年は足りるものと確信いたしております。詳細は所管局長から説明いたさせます。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 御承知のように、新五ヵ年計画の眼目は、ただいま仰せのように、経済成長の伸びに対応いたしますところの主要幹線の複線化がその眼目として立っております。東海道新幹線といえども、これは主要幹線の複線化の一環でございまして、いわば東海道線の複々線化というふうな観点から把握することができると思いますが、東海道新幹線は一応別といたしまして、はたしてこの四百九十六億の幹線輸送力の増強費はこれで足りるのか、こういうお尋ねでございます。  当初、新五ヵ年計画を出発いたしました際に立てました構想は、東海道新幹線の完成を主要幹線の増強の一番大きな目標といたしまして、これを先に完成する必要がある。そこで五ヵ年計画で一兆円の放出でございますが、前三ヵ年計画は東海道新幹線に重点を置いてこれをやっていこう、そうして、あと三十九年度、四十年度でその他の主要幹線の複線化あるいは電化等の工事を増強していこう、こういう考え方でございます。そこで御心配のように、前三ヵ年は割合主要幹線の複線化も御期待のように早急に、テンポが早くなってもおりません。三十九年度、四十年度になりますと、東海道新幹線の予算的な圧迫が除かれますので、主要幹線の複線化に大いに馬力をかけていこう、こういう構想でございます。従って、この四百九十六億は必ずしも十分ではございませんが、三十九年度、四十年度に大いに回復するということで御期待に沿えるというように確信いたしております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 今度の北陸の豪雪による被害状況から見ましても、わずか三、四百キロ、五百キロに足りない地点に五日間もかかっておるという状態が出ております。しかもそれは、豪雪常襲地帯ですから、当然そういう後進地域における地域住民や産業が大打撃を与えられることは、よくおわかりのことだと思うのです。また北海道と本州とを結ぶ青函連絡船などの場合におきましても、かつて昭和二十九年の洞爺丸事件を想起するまでもなく、きわめてそういう災害に見舞われる、いつでも危険に露呈されておる部面であると思うのです。この本州とそれから北海道とを結ぶ青函連絡船輸送の増強問題を今取り上げられておられるようですが、それはどういうようになっておりますか、承りたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 お答え申し上げます。青函連絡船の輸送力につきましては、御承知の国鉄五ヵ年計画で貨物輸送量を、これは所得倍増計画に合わせまして想定いたしておるわけでありますが、その想定に基づきまして、大体昭和五十年まで伸びて参ります輸送量に対応いたしますだけの輸送力を設定するように計画をいたしております。大体現在の船舶でもって三百万トン程度までは輸送需要に対応できますので、三十六年度、三十七年度の輸送実績等から考えまして、当分これで間に合うというふうに想定いたしております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 政府は所得倍増計画と見合った北海道、本州との輸送力を計画しておるとおっしゃいますが、大体今の船舶は旅客運送用が四隻で貨物輸送が十隻と承っております。その通りですか。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 現在の船舶は十和田型、羊蹄型と二つの型で四隻、これが客船でございます。多少の貨車は積みますけれども、旅客の船でございます。それから青函丸といいますのは、これは貨車を主といたしまして、お客の少数も乗り得る船でございます。それから渡島型というのは七隻でございまして、これは貨物専用船でございます。従いまして、主としてお客を運ぶ船が四隻、それから貨物を主とする船が十隻、合わせて十四隻であります。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 それで、今年度の輸送力はこれでどれだけできるのですか。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 今年度は、二百九十六万トン推定いたしております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 大体昨年の八月に政府が初めて閣議で決定した第二期北海道総合開発計画というものは、これは閣議の正式決定になるものです。従って、ここで閣議が正式に決定した北海道第二期開発計画というものが、昭和四十五年度に見通される経済展望というものが出ておるのですが、これによると、旅客は五二%増で四百三十八万人、それから貨物は六〇%増で七百万トン、こう推算されておるのですが、この推算に見合う青函の輸送力増強対策をやっておるかどうか。あなた方が現に着手しておる方向であればこの目的は達成できるのであるかどうか、その点について明らかにしてもらいたい。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 先ほど副総裁から説明しましたように、われわれも所得倍増計画に見合います輸送力の増強を推定いたしまして、それに必要な船舶を竣造する計画でございまして、昨年の秋に貨物船一隻の注文をしたわけでございます。われわれがただいま予想しておりますトン数は、今先生が申されたトン数には達していないわけであります。それは北海道内の現在の生産増強の進行状態、あるいは過去の実績、それに対します船舶で運ばれる貨物と鉄道で運ばれる貨物との分類等をいたしまして、大体われわれといたしましては、現在の状態ではこの程度でいけるということで、船の取りかえ——大型化するわけでございますが、大型化しまして、その運航時間を短縮しまして、船の数の割合には運航回数をふやすということで計画をいたしまして、目下われわれが予想しておりますところの輸送要請に対しましては、十分対処できると考えております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 池田内閣の所得倍増計画に見合うのだと基本的な態度を明らかにしておりながら、その池田内閣の所得倍増計画による積み上げの推算とマッチしない造船計画だとおっしゃるのは、理解に苦しむのです。特に新造船々々々とおっしゃいますけれども、このままでいきますと廃船、今まで使っているやつを、たとえば昭和四十一年から四十二年に新造船を二隻つくると二隻を廃船する、四十二年から四十四年に新しいのを二隻つくると三隻廃船する、こういう計画があるのですか。一つ新船をつくって大型化していけば、片一方の腐朽している船を廃船していくのです。そうすると新造船ができたからといって、今までの客船四隻それから貨物十隻にプラス新造船ということではないでしょう。新造船をすると片っ端から古いやつを廃船していくのじゃないですか。そうすると、どこで一体どれだけ強化されるのか、この輸送力の展望についてはっきりしてもらいたい。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 御指摘のように古い船は廃船いたしますが、古い船と新しくつくります船との能力は非常に違うわけでございます。その能力差によりまして、隻数は増加いたしませんが、全体の輸送力としては非常にふえる計算になっております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 輸送力がふえても、今の倍増計画による推算と合わないことになると、どっちが間違いを起こすのですか。政府の倍増計画がでたらめだから、それに間に合わせる必要はないという現実的な推計を立てておるのですか。あるいは絵にかいたぼたもちで、池田さんがそんなことを言ったってその通りになるものじゃないから、もっと減らして輸送計画を立てておけばいいのだ、北海道第二次計画の四十五年度までの八ヵ年計画というものもでたらめなもので、その通りはいかないのだ。だから、いかないのに無理にそれにマッチした造船計画を立てる必要はないから、大体あれは政治的発言だから、この程度にしておけば実際上やれるのだ、ざっくばらんに言うとそういうことで、運輸省及び国鉄側は、この造船計画というものを低めて、そして実施計画を立てているのかどうか、その点は何で一体そういう食い違いがあるかということを明らかにしてほしい。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 政府のお立てになりました北海道内の増産計画も、実際内地に送られます場合には、船によるか、鉄道によりますか、その区分をよく検討しなければならないわけでございます。私どもといたしましては、鉄道に乗るという希望、要請に対しましては、この現在計画中の数字で足りる。しかしながら、これはただいまの計画でございますから、今後北海道内の生産の増強工合あるいは貨物の内容等を見まして、鉄道に来る貨物がもっと多いということになりますれば、船の新造計画をふやしまして対処する必要があると思っております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 青函連絡については、たとえば室蘭もあるいは新しくできる苫小牧港毛それぞれ貨物輸送を増強しましょうけれども、ここで推算ができておるのは、青函連絡船の貨物が上がるのだ、こう政府が第二次八ヵ年計画で推算しておるのですがね。これは政府が推算して、青函の輸送力で言っておるのですよ。北海道の全体の貨物がどこの港から出るというようなことを言っておるのではないのですよ。青函の取り扱いを言っておるのですが、この点はどうなんですか。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 その七百万トン鉄道に乗るという計算でございますが、私実はまだ中身を承っておりませんので、調べまして御返答申し上げます。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 わからないということになると、大へんえらいことになってくるのです。あなたの方は、池田内閣の主張する唯一の金看板である所得倍増計画による四十五年度の日本経済の現実のあり方というものはどういうふうになるのかということを、交通計画の上できちっと推算しておらないわけですね。先ほど大臣が答弁された、池田内閣の所得倍増計画に見合う輸送計画を実施をするのだ、こういうのとはおよそ違う形になりますね。これは肝心な青函連絡ですよ。片一方、今申し上げたように、これだけの数字を推計して、これが基礎になって問題が出てくるのです。それがはっきりしないと、この数字がインチキだ、旅客で五二%増、貨物で六〇%増というのが四十五年度の推算であるということがはっきりしなければ、その計画に見合わなければ、所得倍増計画にならないですね。運輸省や国鉄は一体何を土台にして、青函の輸送力増強を、何のデータを基礎にして対策しておるのですか。当てずっぽうでやっておるのですか。何か根拠があるのでしょう。金がこれしかないから、これしかやれないのだというなら、それもまた一つの説明です。しかし、今やそういう政府の計画の柱が立っておるので、そうしてその政府の柱に見合って北海道第二次八ヵ年計画も策定されておるわけです。そうすると、その橋をここでかけなければだめですね。金がないからこうやっているのだとか、今の国鉄の実力はこれしかないからこれでやるのだ、あるいは必要がないからそうするのだという何か根拠がなければだめですね。この点はっきりして下さい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 もろちん国鉄の輸送力増強も、仰せのように所得倍増計画の一環として立てたものでございます。倍増計画で計画しました輸送数量の推定を申し上げますと、昭和四十五年を目標年次といたしまして、国鉄の旅客輸送は二千三十九億人キロ、貨物輸送は八百十五億トンキロといたしております。これからすべての輸送力増強計画を発足さしておりますので、仰せのように全然計画なしにやっておるというのではございません。ただ、今御指摘の北海道の総合開発計画に照応いたしまして、はたして具体的にその計画が適正であるかどうかということにつきましては、ただいま遠藤常務理事が申し上げましたように、まだその作業ができておりませんので、いましばらく御猶予をいただきまして、至急検討させたいと存じます。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 私はちっとも政府の経済計画がいいと言っておるのではないのですよ。しかし、あなた方は政府の関係機関なんだから、政府の言っておることを実施するのだと思うから言っておるのです。従って、池田内閣の所得倍増計画を書き写して北海道版にした北海道第二次計画というものを政府は閣議で決定したのです。ですから、それを土台にして判断してもらわなければ判断のものさしがないのです。大臣、そうでしょう。それを土台に予算の論議をする以外に論議をする対象がないのですよ、けじめをつけるのに。そのことは昭和三十六年度から出発しているのに、二年もたって、局長は、まだそれはよくわかりません、これから検討するのですと言ったら、それは今の鉄道新五ヵ年計画というものは、何を基礎にしてやっているのですか、それは何なんです。何か国の経済計画と別個に経済計画が政府以外にあるのですか。どこを基礎にして、鉄道新五ヵ年計画とかなんとかという計画は策定しているのですか。その策定の根拠を一つ明らかにしてもらいたい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 昭和三十五年当初以来、所得倍増十ヵ年計画の作業が発足いたしまして、御承知の通り、経済企画庁が中心になりまして、経済審議会で御審議に相なりまして、いろいろ計画をお立てになったわけでございます。その一環として、運輸省としても作業いたしまして、生産量の伸びに対応する計画を立てたわけでございます。この交通体系小委員会というものが、この経済審議会にございまして、そこでいろいろ輸送数量の算定をされました結果、国鉄に対する輸送数量はこのぐらいになるであろうというふうにお立てになったわけでございまして、これを基礎といたしておるのでございます。従いまして、先ほど遠藤常務理事が申し上げましたのは、この輸送数量を基礎といたしておりますが、しかし現実には、目標数量に若干のずれが出て参っておるのでございます。たとえば四十五年では、先ほど申し上げましたような数字でございますが、その中間年次の四十年の数量を一応はじいております。たとえば、貨物で申し上げますと、昭和四十年において六百億トンキロというふうな予想を立てておりましたのが、すでに昭和三十七年度にこの六百億トンキロというのに達しておりますので、運輸省といたしましても、実はこの新五ヵ年計画の再検討を命じておったのでございます。そういうわけで、北海道の総合開発計画も、この当時の作業として出された数字ではなくて、その後北海道独自の計画をいろいろ練られた結果、そういった数字が出てきたものと思いますので、やはりこの新五ヵ年計画の基礎になりました数字をはじいたときとはだいぶ事情が違うのではないかと思っておるのでございます。そこでいましばらく余裕をいただきまして、十分その点の再検討をいたしていきたい、こう申し上げる次第でございますので、御了承いただきたいと思います。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 北海道の鉄道の輸送力の問題について、北海道開発庁とかあるいは北海道庁とかいうものが勝手に数字を出しておるとは考えられない。やはりそれぞれの現地機関、国鉄の道支社なり、あるいは鉄道局なり、そういうところで十分資料を受けて、その資料に基づいてやっているはずだと思うのです。そうでなければ、資料の信憑性はないのです。そうすると、運輸省と現地と、あなたは全国計画を言っているが、たとえば今私が一つのものを取り上げておる青函輸送力というような、あの部分についての問題の検討がなされていない。この点についてわからないのですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 この点につきましては、先ほど遠藤常務理事からお答え申し上げました通りでございまして、先生御指摘の昭和三十六年度から発足いたしました新五ヵ年計画の基礎になっております輸送力算定の作業と時期的に若干ずれがあるということでございまして、この点あらかじめ国鉄の立てました青函輸送計画について再検討させたい、こういうことを申し上げたつもりでございます。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 そうすると、問題になって参りますのは、今の閣議決定の北海道第二次開発計画というものを土台にして、新しく今具体的に取り上げられておるのが青函隧道建設計画と称する問題です。この青函隧道計画は、ただいまあげた四十五年度に四百三十八万人の輸送力、それから貨物は六0%で七百万トンになるという高度経済成長に耐え得る本州と北海道を結ぶ輸送効率を高めるために、将来計画に備えてこの隧道計画を立てる、こういうことになっておるのです。そうしますと、この隧道計画を企画をする基礎的な輸送力その他に対する見解の統一がはっきりしないのですが、その輸送力とつながって青函トンネルというものが出てくるのですからね。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 青函連絡隧道の問題は、国家的に見まして、あるいは北海道総合開発から見ましても、非常に大きな問題であることは申し上げるまでもございません。特に技術的な問題は差しおきまして、いつ着工すべきであるかということは、仰せのように明らかに総合開発計画に基づく輸送数量の伸びというものを想定いたしまして、いつ完成しなければならぬかということに相なるかと存じますが、しかし目下のところでは、御承知のように技術的にはたしてこれが可能であるかどうかというふうなことのために本格的な溝工をやっているという段階でありまして、遺憾ながらいつまでにこれを完成しなければならないとか、あるいは完成できるかというめどは目下ついていないのが率直な事態であろうと考えます。もちろん国家といたしまして、政府といたしまして、これはやるということに本格的にきまる場合には、そういった前提的な資料その他につきましての十分な検討を進めていくことはもちろんであります。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 これは大へんな御意見を承ったのですが、大臣に質問いたしますが、青函隧道の問題については閣議で何か決定しておりますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私が閣僚になってからは、そういう何か発言がなく決定いたしておりません。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 そうするとここで明らかになりましたのは、国鉄当局では青函隧道を建設するかどうかということの技術上の面と経済効率の面については多くの検討を要する問題なんで、いつから着工するか、あるいはいつまで完成し得るのかという展望は今日立っておらないということがはっきりしたことと、それから閣議では一度もその問題については触れていないということでありますが、しかし青函隧道計画というものは、立坑開さくを北海道側は松前郡福島町吉岡、それから本州側の方は津軽郡三厩村竜飛崎、それぞれ立坑を百五十メートルもしくは二百メートル、その直径は六メートルの立坑を近くやるというのですが、その立坑というのは、私しろうとですから承りたいのですが、たしか深度の地層を調査するのであって、立坑自身はこれは隧道それ自身ではないですね、隧道には関係ないこれは地層調査や岩盤、断層等を調査するために立坑を一ぺんおろす。それから将来的にはそこが換気孔その他に利用される場合があり得るが、それ自体は隧道ではない。隧道の部分ではなく別個なものだ、こういうように私は承っておるのですが、技術的にどうなるか、この立坑をおろしたことは即、隧道建設の着工とつながっているのか、それとも全然別個な、いわゆる試掘なのか、この点の技術的な解釈を明らかにしてもらいたいと思うのです。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○大石説明員 お答えいたします。ただいまのお話のように、今回国鉄が着工いたします立坑は、調査用の立坑でございます。何を調査するかと申しますと、今お話しのように、地質、おもに断層、地下水の状況を調べるために掘る立坑でございますので、調査のために一番好都合である地点を選んで立坑をおろしておるのであります。その立坑で調査をいたします。もちろん立坑と申しましてもまっすぐこうやるだけでなくて、所要なところでは横に穴をあけて、所要の調査をいたしますが、そういうことの最も適当な場所に立坑をおろすという計画を立てております。今度ほんとうのトンネルを掘るときには、一番適当なところに立坑なり、またズリを搬出いたしましたり、材料を搬入いたします穴を掘らなければならぬというふうに考えておりますけれども、その場所等はおのずから違ってくるのが原則でございます。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 そうすると、この立坑というのは、今常務理事からお話しのように、全然別個なものだという説明ですが、そうすると、隧道をつくるときには別個のところに立坑をおろさなければならぬわけですね、今の説明によれば。そうすると、立坑は何本もできるわけですね、これからも。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○大石説明員 ただいま御説明申し上げましたように、今回掘りますのは調査のための立坑でございます。それからこれは今後の想像でございますのでわかりませんが、その調査の結果によりまして私たちが想像をしておりますことを申し上げますので、将来あるいは違うかも存じませんが、ただいままでの調査の結果で想像されますことは、やはり本坑を掘りますときにも立坑をおろすということでございますので、何本もというお話でございましたが、まず今掘ります立坑ともう一本——両方にそれぞれ二本ずつ掘るというようなことに相なるのではないかというように想像しております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 この立坑は二本で三億円、大体工費はそのうち二億四千万円だと伝えられておりますが、この立坑を掘った結果でなければ、青函隧道をつくれるかどうかということも、その結果いかんによってはわからないわけですか。こういう意味の地質調査でありますから、その結果によって計画変更あるいは計画打ち切り、あるいはいろいろな事態が出てくるのか出てこないのか、どういうことです。膨大な国費を投じておりますが、それとこれの関係はどうなりますか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○大石説明員 今お話のございましたように、立坑一本、これは今までは地上からだけの調査でございますので、はっきりした予算は立てられないのが原則でございますけれども、われわれの今までの体験と今まで得られました資料によりまして、まず立坑一本が一億円から一億二、三千万円で掘れるのではないかという見当をつけておるわけでございます。これは非常な湧水なり非常な悪地質に遭遇いたしますと、予算の点においても確たることはわかりませんので調査をするわけでございますが、その結果どうかということでございますけれども、ただいままでの調査によりますと、多少の困難はあるけれども、本隧道の掘さくはできるのではないかという結論を得ております。しかしながら、これはあくまで地表からの想像でございますので、正確には先ほど申し上げましたような性質の調査坑を掘りまして、その結果によりまして、本トンネルの期限、工費というものを確認、確定をしたい、かような目的を持って立坑をおろしておるわけでございます。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 そうすると、立坑を二本つくるということは、工事とは直接には関係ありませんね。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○大石説明員 直接に関係ないかというと、私たちただいま直接関係ないことをやっているわけではないので、直接関係があるかというお言葉の意味はちょっと非常にむずかしいのでございますけれども、ただいま国鉄といたしましては、建設審議会から、御承知のように、あの路線について調査をして、調査の結果を報告しなければならないということに相なっておりますので、私たちといたしましては、その的確な資料を得まして、最後の御決断をいただきますための調査をやっておりますので、関係がないことをやっておるわけではないのですが、この工事をやっていってずるずると本工事に行ってしまうのだということではないので、私たちといたしましては、調査線というカテゴリーに入っておりますのを着工線にしていただくかいただかないかという非常なけじめはございます。そういう意味で立坑をおろしているわけでございます。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 ではまだ調査線から着工線に入るか入らないかというのが、この立坑の結果できまるわけですね。  それからもう一つ、立坑はいつから工事にかかって、いつごろ大体でき上がるという見通しですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○大石説明員 これは国鉄部内に全国のトンネルの技術陣を総動員いたしました委員会がございまして、そこでいろいろ私たちの調査結果を御審議願い、またいろいろなお知恵を拝借しておるのでございますけれども、そこの委員会の決定が、昨年末、今までの程度の調査では最後の結論が得られないから、立坑を至急掘ってみたらどうだというような結論が出まして、また私たちといたしましても調査をしなければならぬ。またこのトンネルに対します調査費も予算でちょうだいをしておりますので、いろいろ勘案いたしましたところ、先ほどのお話のような立坑でございますと、ただいまちょうだいしております調査費の中で掘さくが可能であるというような結論を得ましたので、この立坑の調査にかかったのであります。今私たちといたしましては、技術的な準備——技術的な準備と申しますと、たとえば専門家をこれに集結いたしましたり、また掘ります地点の用地を確保いたしましたり、また穴から出て参りますどろを捨てます場所、土捨て場を準備いたしましたりというような、着手と申しましてもそういった意味のことは今ぼつぼつ始めておりまして、先般私現地に参りましたときにも地元の町長さんとそういうようなお話し合いをして参りましたようなわけでございますので、そういう意味の差手は、ただいましておる次第でございます。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 いつできる見通しなんですか。

大石重成日本国有鉄道常務理事

○大石説明員 これは、私たちといたしましては、できるだけ早く結論を出したいと思っておりますが、順調に参りましたら一年半くらいでその結論が出るというふうに見込みをつけております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 立坑だけで順調にいって一年半というわけですね。そうすると、昨年の八月に私どもは北海道開発審議会で、政府側から提案の説明を聞いたときには、大体この隧道計画は八年間ぐらいの建設の見通しであって、経費は六百億円程度だ、こういう推算で、実は政府当局から開発審議会で説明を承ったのです。それで私どもは開発審議会を代表して運輸大臣のところへその要請に行っております。ところが、十一月に建設期成会ができて、その建設期成会というもののデータによりますと、今度は十年間もかかって、経費は八百億円という推算に、活字になったら変わってきておる。ごく最近川島長官が北海道へ参りまして、この十二日に記者会見しておりますが、どうも十年間以上はかかるだろうし、一千億ないし一千二有徳くらいかかるだろう、こういう発言をしておるのです。一体こういう大計画を立てて、すでに立坑までおろして、三億円からの国費を費やしていくということになりますと、これだけのことをやる場合は、当然次は、可能であるかどうか、予算措置はどうなるのだ、どこでこれをやるのだ、国鉄自身が責任を持ってやるのか、あるいは一説によると、隧道建設公社というものをつくるという宣伝をしておる人もありますし、あるいは鉄道建設公団がやるのだということもいわれている。一体どこがこれを実施するのか、実施するとすれげ、どういう予算が見通されるのか、その財源はどうするのか、そういう点について、運輸大臣は、これだけの現に三億円もかけてやっているのだが、一体そういう計画については具体的に固まっておるのですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 非常に重大な計画であり、同時に巨費を要するものでありますからして、万遺憾なきを期するために、まず立坑を掘って、そして調査をして、その結果上質その他について設計ができて、それによって経費がきまって、そして年数が逆に算出されます。かりに一千億円かかるといたしましたならば、わが国の財政がその一千億をどういうように負担するかということが、まずさらに論議されなければならぬと私は考えております。そのすべての基礎をなすものが、さっき大石常務理事が言われたように、立坑によって非常に地盤がよければあるいは六百億でできるかもわかりません。あるいは非常に悪くてとても不可能だという結論が出るかもわかりません。しかし、そういう重大な工事であるからして、今のような三億円も四億円もかけて、科学的な衆知を集めて検査をやる、こういうのが立坑の性質であると私は考えております。そうしてその結果によって設計もでき、その設計に基づいて予算ができ、その予算をいかように実行するかは、時の政府の財政の模様と見合いまして、そうしてまた今一番日本で開発する可能性のある北海道をどういうようにして早く開発していって、そうしてわが党内閣の所得倍増計画に合わすようにするか、地域格差を是正するように努力するかが政府の責任であり、運輸大臣の責任であると私は考えております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 そうすると、その立坑の調査の結果を待って初めて閣議に正式に取り計らう場合が出てくるので、その前はまだあくまで全く調査段階だ、調査が必要だから立坑をつくったということですね。ただ私は不思議に思うのは、こういう席でこういうことを申し上げるのは本来いやなんですけれども、どうも聞いてみればみますほど、不確定な状態なのにもかかわりませず、現地の北海道へ参りまして私も驚いたのですが、池田総理の名前で、函館から根室の果てまで、「青函トンネル着工を祝す」というビラが全道くまなく張られているのです。だから多分閣議決定しているのだと、北海道の道民はそう思っているのです。もう一つ、これは大石さんが来られた日、飛行機で、青森の知事と北海道の知事の名前でこういうものをやっておる。ところが、青森の知事は辞職して現職にいないのです。こんなことは自治大臣に言うことであって、運輸大臣に言うことではないので、私はこういういやなことは委員会で申し上げたくないのですが、こういう世紀の、国をあげて取り組まなければならぬ重大な問題を、今聞けば立坑というのはこれは別個なもので、立坑の結果一体隧道ができるのかどうかということが判定をされて、それから設計ができ、それから実施計画ができて、予算措置が講ぜられるのだという。立坑というものはそれにつながるものだけれども、立坑自身は隧道じゃない。しかし宣伝は青函トンネル着工式、大石さんは行ったはずです。青函トンネル立坑着工式ならいいのですよ。一体どういう心境でここへ出ていってあいさつをされたのですか。看板に偽りありです。国民を誤るものですよ。政府の人たちが行って、そうして立坑の着工なのに青函トンネル着工、こういう無責任なでたらめなことをやって何ですか。一体こういうやり方、これはあなた方の責任でないですよ。しかし大臣は責任があると思うのですよ。閣内で発言もしていないで、計画も何もないことを、池田総理の名前でポスターを全道に張りめぐらして、やめた知事まで相手にして飛行機からビラをまいておる。こんな無責任な軽率な行動があるか。この大事な世紀の、世界じゅうかつてない、これから初めてやろうという大計画に対しては、もっともっと慎重でなければならぬと思うのです。大臣の所見を伺いたいと思うのです。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 ただいま申し上げましたように、私は責任あるがゆえにそういう調査をやろうと言っておるのです。広義の意味におきまして、この調査をやることは着工と解せられないこともありません。というのは、これをやらなければすべてのものがきまらないのだから、広い意味においての着工なら着工と言い得るでしょう。しかし即これが青函トンネルの着工かというならば着工でない。こういう見解を私はとっております。そういうビラをまかれたりポスターを張られたりしたのは、どういう理由でやられたか私の関知するところでありませんが、私の責任に関する限りにおきましては、今申しましたような経路でやるのが当然だと考えておるのであります。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 最後に一つの問題を質問したいと思います。それは青函の輸送力の増強の問題。青函トンネルの建設の問題が非常に不確定な問題になっておるということになりますと、今青函の輸送でとられております運賃、これは私どもは擬制キロと呼んでおりますが、鉄道の方では営業キロと呼んでおるそうですね。特に青函の航路は、実キロは百十三キロしかないのに、今百十三キロのキロ数に対して、現実には運賃は三百キロ計算で取っておるわけです。そうすると二・六五倍の運賃を取っておる。私はこれは略奪運賃だと思う。貨車の積みおろしをしておるのじゃないのですからね。貨車はそのまま、連絡船の中にレールを敷いてすべり込んでいくのですから、貨物の積みかえをしているのではないのです。にもかかわらず、ここでは二重の運賃を取っているのではなくて、倍率二・六倍もの擬制キロをつくって運賃を取っておる。そうすると、所得倍増が進行して貨物輸送力がどんどん七百万トンまで上がれば上がるほど、国鉄は不当な略奪運賃を徴収するということになる。しかもこの擬制キロというものは実際は戦時体制の残りです。遠い昔のことは別としても、昭和十五年二月に運賃改正をやったときに、この百十三キロしかないのに、戦争中船舶が不足して、貨物輸送が輻湊してくるので、これを三百五十キロに組みかえた。三百五十キロ分の運賃を百十三キロの分で取ったのが戦争中です。十八年の十一月には船舶が不足して積みかえ制をとった。ここで三百五十キロから四百五十キロになっているのです。国鉄は、運輸省の人たちはおわかりでしょう。そうして三十二年の四月に積みかえ輸送を廃止したことによって、三百キロに戻ってきたわけです。しかし三十六年の四月には運賃改正がストップして、現況のままになっている。こういうことが後進地域の産業開発をおくらせ、そして地域の住民の経済を圧迫し、そして僻地における物価高を招いているわけです。往復びんたの、輸送運賃が倍とられているのですから、この点につきましては一つすみやかに擬制キロをやめて、営業キロというものをやめて、そしてこの実キロ、百十三キロには百十三キロの金を払うようにしたらどうか。不当なる金を取って、しかも数十年にわたって運搬していないものを運搬しているということになっているのですから、大臣いかがですか、これも運搬していないのにこれも運搬したということにして金を取っているのですよ。先ほどの川俣君の違法行為ではありませんが、しかも擬制キロというのは法令ではなくて、かってにつくるのですよ、皆さんの方で。一つ大臣は善政を施すために、しかも池田内閣の所得倍増計画を推進するために、すみやかにこの擬制キロ廃止をこの席で明らかにしていただきたいと思います。御答弁を願います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私その実情をつまびらかにいたしませんから、調査の上お答えいたします。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 それじゃわかる人、はっきりして下さい。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 青函の航路の運賃でございますが、この間は海の上を通るわけであります。レールの上を通るわけではございません。従いまして、この航路運賃は一般の鉄道の原則とは多少変わりまして、航路の経費に見合う船舶の特定運賃によるということが建前でございます。この点につきましては、国鉄の運賃制度調査会においても、この趣旨の答申も出されております。旅客運賃につきましては、この建前によりまして一般の鉄道の、何キロだから幾らだという運賃ではございません。船の部分は二百九十円である、こういうふうに実額をきめてある。そういたしまして前後の鉄道運賃は通算いたしますけれども、船舶の部分は実額をきめましていくわけであります。それでございますので、私どもは建前はこれでいいんで、これを変える意思はないわけでございます。  それから貨物の運賃につきましては、考え方といたしましては同じわけでございまして、やはり貨車が海の上を通るわけでございますから、従いましてこれはかっては青函間の運賃が幾ら、船に乗る運賃なんだからその船の部分は幾らということをきめまして、前後のレール運賃を通算いたしまして、それを合わせて足しまして、それを荷主からいただいていたこともあるわけでございますけれども、それでは実務的な計算もいろいろ厄介でございます。そういうようなことから、だいぶ以前から形式的には鉄道が通じていると同様な運賃を通算するという計算方式、さようにいたしたのでございますけれども、この中身はやはり船舶の運航費を償うという意味がございますので、航路運賃が極端に割引いたしておらないように、海の距離は百十三キロ、しかしこれは鉄道のレールを乗る場合のキロに相当する運賃に直しまして、この部分を三百キロであるという計算にいたしまして、現在は全部を通じまして運賃計算がしやすいように、こういう制度をとっているのでございますが、もともとこれは船の運賃の対象になるわけでございまして、さような考え方で正当であると私どもは考えておるわけであります。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 今のお話ですと、一方的なお話ですが、問題は将来とも考える余地がないですか、こういう問題について。これは重大問題なのです。たとえば今私が申し上げたのも歴史的に四百五十キロになった場合もあるし三百五十キロになった場合もあるし、三百キロと三つを事実出しておるのです。それぞれどれが正しいかという根拠はないんですよ。それぞれそのとき、そのときの経済状態、あるいは国鉄の輸送力、あるいは国鉄の赤字を克服するために、こういうことで、船舶を増強するために収入をあげようという、そのとき、そのときの考え方で、四百五十キロの場合おったし三百五十キロの場合もあったし、三百キロの場合もあった。しかし三百キロというのは固定的に百十三キロになってない。何ぼか水の上を通るんだから船賃を見てくれ、レールを走っているんじゃないんだから、その点を認めてくれということがあったにしても、三百キロというのは一つの考え方で、検討の余地がありましょう。三百キロが絶対だという理由はどこにもない。歴史的にも移動しているんですから……。そこはどうなんです。将来検討の用意があるでしょう。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 かつて四百五十キロとして計算した時代もございます。現在は三百キロで計算いたしております。その根拠は、現在のいろいろなコストの関係から見ますと、三百キロという計算をいたしますと、船舶の運航費にちょうど見合っておるわけであります。収支がちょうどとんとんという状態のところになっておるわけでございます。しかし、これは将来とも絶対に三百キロが正しいのか、それが二百五十キロがいいのか、三百五十キロがいいのか、それはそのときのいろいろなコストの関係あるいは他の船舶運賃との比較もございますので、絶対に三百キロが永久に変わらぬものではございませんけれども、これは研究の必要がございますけれども、現状におきましては三百キロが正当である、かように考えております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)分科員 あとの問題につきましては、いずれ当該委員会で資料を求めて質問いたします。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 楯兼次郎君。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 主として国鉄の問題について、予算総会で頭だけしか質問いたしておりませんので、与えられました時間、具体的に質問いたしたいと思います。  まず第一は、今国鉄の労使で大きな紛争になっておりまするベースアップの問題にからんだ昇給問題でありますが、予算総会で二回、きわめて短時間触れましたので、ちょっとここであとこの問題について補足質問をいたしたいと思います。  私どもは、まあ昇給の財源は欠格者を除く全員はある、他の公社はその取り扱い方がどうであれ、百パーセント昇給をしておる、三公社五現業といわれる親戚づき合いでありますから、理屈はあっても大体同じ歩調でいくことが国鉄の経営を円満に遂行していく道ではないか、こういう観点に立って質問をいたしたのでありますが、国鉄当局の答弁は、私どものどうしても納得のいかない答えしか出ておりません。私どもは、何も組合の立場に百パーセント立ってこれをこの国会の委員会で主張いたしておるわけではございません。今国鉄当局のとっております態度というのは、簡単に結論を申し上げますと、平地に波乱を起こす一つの原因である、こういうふうにも考えます。われわれ国会議員は、こういう問題を議論する前に、むしろ管理者としてまずこの問題を考慮すべきではないか、こういうふうにも考えておるわけであります。当局は、欠格者を除く全員に対して、こういう事柄を留保しておくことは管理上必要であるということを非常に主張されておるようでありますが、たとい百歩譲って、そういうやり方が良薬であるとしても、現段階においてはこれは毒にしかならぬ、こういうことを私どもは基本において主張をいたしておるわけであります。まあ、これは抽象論でありまするから、こんな議論をいたしておりましても仕方がございませんので、具体例を申し上げたいと思います。  これは、組合と当局とが合意の上、北陸地方、たとえば金沢管理局あるいは新潟管理局でありますか、共同調査をした結果でありまするから、詳細にわたっては私議論の対象にはいたしませんが、社会労働委員会の調査資料として出されております当局、組合の資料を見ましても、国労、つまりあまり好きでない国労の組合員の昇給率というものは、第二組合の人たちと比べて非常に悪い。それから特に昇格の問題については極端に悪い。これは組合と当局が今後解決される問題であろうと思いますが、これはたまたま調査したから、こういう結果が出てきたのであって、これは日本全国同じだと思います。従って、たとい良薬であると百歩譲りましても、今日の段階においては毒にしかならぬ。従って、われわれ国会議員が主張するよりも、管理者として平地にできるだけ波乱を起こさないように考えるべきではないか、こういうのが、まあ時間がございませんから、私一人の演説になってしまいましたが、私どもの主張なんです。だから、賢明な国鉄当局は、こんなことを私が申し上げなくても、十分おわかりと思いますので、簡単に、ただいま私が申し上げました意図をくんで、一つ御答弁をいただきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のございました通り、労務管理と申しますか、人事管理の問題は非常にむずかしいことでございまして、それゆえに、私どもといたしましても、昇給の制度にいたしましても、またただいま言及されました昇格のことにいたしましても、それがいろいろもんちゃくの種になったり論議の種になったりしないように、十分注意をしなければならないことであるということは、常々考えておる次第でございます。従いまして、制度の運用ということについてはいろいろ注意もいたしておるわけでございますが、それにもかかわらず、時によっていろいろ問題が起こることがございます。まことに残念に存じておりますけれども、そういう点は、そういうことが起こらないように、なお一そう指導面において注意をいたして参りたいというふうに考えておる次第でございます。  それから、ただいまお話のございました昇給率のことにつきましては、これは先生がよく御存じの通り、国鉄ではある程度の勤務評定ということを昇給制度と結びつけて行なうようなやり方を、ここ数年来と申しますか、ずっと前からとっておるわけでございまするが、この現在のあり方というものが、唯一絶対の、これ以外に方法がないんだというふうに考えておるわけでもございませんので、実はこの問題については何回か組合側との間て交渉を重ねておりますが、私どもといたしましては、これにかわる方法として、たとえば昇給は全員昇給させるようにするけれども、その際に昇給の額に差等を付すというような方法も一つの方法として考えられるんじゃなかろうか。そういうふうな昇給制度を実施しておる民間企業等の例もたくさんございますので、そういうことも一つの方法ではなかろうか。あるいはまた、昔の賞与制度に見合う期末手当とか業績手当とかいうようなものを支給いたします際に、そこに勤務評定の考えを取り込むというようなことも、これにかわるべき一つの方法ではなかろうかというふうにも思いまして、そういうようなことを組合との間でもいろいろ話し合っているような次第でございます。しかし、なお、どんな制度をとりまして毛、大ぜいの昇給なり昇格なりの際には、やはり問題が出てくることは避け得られませんので、できるだけそういうことのないように努力もいたしておりまするし、今後もなお一そうそういう面の努力を強めていくつもりでございますが、   〔主査退席、田澤主査代理着席〕  なお起こって参ります問題の処理につきましては、部内に苦情処理共同調整会議というような苦情処理制度をつくっておりまして、その苦情処理機関に問題をかけて、個々の問題について適当でなかったような処置があれば、それを是正するという例も開いておりまするし、また現にその機関を利用いたしまして、是正いたしたこともあるようなわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、この昇給、昇格の問題は、労務管理の上において、また労使の関係を正常化いたして参りまする上において、非常に大切なことであると考えておりますので、今後ともその辺に十分意を用いて参りたい、かように存じております。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 私は、時間がありませんから、この問題で多くをとろうとは思いませんが、あまりに実情を知らなさ過ぎるのじゃないか、こういうふうに私は考えるわけです。俗に貧すれば鈍する、苦しくなると、これは家庭不和のもとになる、こういうことわざがありますが、私は全く的中しておると思う。だから、今表に現われた金沢、新潟ははっきり出てきたわけでありますけれども、これは全国にわたってその通りだと思います。私ども鉄道の現場を歩いてみますと、いや試験に行ったところが、こっちの組合では工合が悪い、やれ昇給は切られた、こういうことをしょっちゅう聞いておるわけです。だから、組合運動の面から、労使対立という面からいけば、ほかの面から解決さるべき問題であって、このような昇給あるいは昇格等を材料にして労働運動を是正していくというような——是正といいますか、変えていくというような態度は、これはあなたの方にも言い分はあるでしょうけれども、われわれが見た場合には、百パーセントそうとしかとれないのです。だからそういう点はいけないと思うわけです。  それから、繰り返すようでありますが、たとい百歩譲って、そうしたやり方が良薬であるとしても、現段階においては、この表に現われたように毒にしかならぬ、こういうことを私は特に強調をしておきたいと思います。従って、これは労使の団交の問題でありまするから、ここで私が出すか出さぬかどうかというようなことも、どうかと思いますので、その組合との感情的あるいはその他の事情を離れて、国鉄の善良なる管理者としてこの問題を将来真剣に考えていただきたい、こう思います。  次にお伺いをいたしたいのは、これもまた予算委員会で時間がなかったので、総理初め国鉄当局の意見は十分聞くことができなかったわけでありますが、先ほども質問にありましたように、新幹線の予算が大幅に追加をされた。従って、これと並行して行なわれておりまする現行五カ年計画は、当局の資料によれば、千七百三十七億円の追加修正が必要である、こういう資料も出されておるわけでありますが、当然これは大幅な修正が行なわるべきものであるというふうに私どもは考えておるのでありますが、資金のあるだけやって終わり、また新たに考えるというのか、早急に五ヵ年計画を修正して資金を補てんして完成をさせるつもりか、このどちらかということをお伺いいたしたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 先ほど御要望のございました、労務管理について適正を期するということにつきましては、今後とも十分意を用いまして、問題を引き起こすことのないように注意して参りたいと存じます。  それから、今お尋ねのございました、五ヵ年計画に関連して、特に東海道新幹線工事費の増額に関連しての御質問でございますが、この点は、東海道新幹線について予算の増額をお願いしなければならなくなりましたのと同様の事情は、程度の差こそあれ、新幹線以外の一般の改良工事等につきましても同じような問題が起こっておりますので、それらの点も、国鉄としては、今後——今第二次五ヵ年計画が三十八年度から第三年目に入るわけでございますが、この第三年度以降において修正しなければならぬ点はやはり修正をお願いいたしたい、かように考えておるわけでございます。  それで、当面、三十八年度の予算をお願いいたします際に私どもが検討いたしました点は、おもなる点を申し上げますと、まず現在の五ヵ年計画発足当時に想定いたしておりましたよりも、現実の経済の伸びの方は予想以上に急激でございまして、輸送量等も計画を相当上回ってくる実績を示しておりますので、それらの点を考えまして、輸送力の増強、特に幹線の輸送力増強というようなことにつきましては、当初の計画をさらに繰り上げ、あるいはまた補うようにいたしまして、輸送力増強の面で相当の修正を加えるように考えた次第でございまするし、また特に運転、保安という面におきまして、やはり国鉄の現状から考えまして早急に補強しなければならない点があるというようなことも問題にせざるを得ませんので、それらの輸送力の増強あるいは保安対策の確立というような点を中心に、五ヵ年計画の緊急補正ということで、当初の五ヵ年計画の修正を見込みまして、それらの内容を盛り込んだものを三十八年度においても実施できますように、予算編成に際しては政府御当局の御考慮を願ったような次第でございまして、今後輸送情勢、経済情勢等の変転に対応いたしまして、そのつどやはり適切な補正を行なっていかなければならぬことは今後もあるかと思いまするが、当面の三十八年度の予算といたしましては、特に幹線輸送力の増強、保安対策の充実というような点に重点を置きまして、予算を編成させていただいたような次第でございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 そこで、次にお伺いしたいのは、これは新幹線あるいは五ヵ年計画をひっくるめまして、この間総会でも質問いたしましたが、的確な回答をいただかなかったわけですが、当局の資料によりますると、自己資金は望み得ない。借入金の増加については収支均衡の点から限度がある。しからば一体この資金をどこに求めるか。総理大臣は、わかったようなわからぬような答弁をいたしておりましたが、国鉄あるいは運輸大臣からは的確な答弁をいただいておりません。こういう方針に対して将来どこで資金の調達を行なうのか。私は、簡単でけっこうでありますから、国鉄当局あるいは運輸大臣から、資金の金つくりについての、あり場所、やり方を簡単にお答え願いたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 国鉄といたしましては、当然のことでございまするが、今後ともなお一そう業務能率の向上というようなことに努力いたしまして、収入の増加のためにいろいろ努力をいたしますと同時に、支出面の合理化というようなことについても、従前も努力はしておりましたが、なお一そうの検討を加えまして、御指摘のございました自己資金を少しでもふやすということのために、まず努力をいたしたいと思います。それで、自己資金調達の面でなおどうしても間に合わない面につきましては、やはり当面の措置といたしましては、借入金の増額ということで、借り入れ資本によって足りない面を補っていかなければ、国の経済成長に対応するだけの整備改善ができませんので、そういう面につきましては、今までもいろいろと政府の御助力をいただいておるわけでございまするが、今後なお一そう不足の分につきましては借入金を増額できますようにお取り計らいいただきたいと考える次第でございます。なお、根本的な問題がいろいろ国鉄のあり方についてはあると存じますが、それらの点についても、関係各方面の権威ある方々の御検討もいただき、それらの御意見も拝聴いたしまして、国鉄の経営を健全なものにいたさねばならない、またぜひそういうふうにして参りたいと考えておる次第でございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 私の質問は違うのです。今吾孫子副総裁の言われたのは、国鉄が資金かき集めに今日までたどってきた苦労をあなたは言われておる。これから将来の問題は、職員の共済組合の金まで借りておるというようなことで、もうかき集められない。しかも増収は、はたして池田さんの所得倍増がほんとうに進むかどうか。世界は大きく変わってきておりますので、あまり当てにならぬと私は思うわけです。しかし、何だか知らないが、輸送需要は毎年々々膨大にふえていく。そういう前提に立って、あなたの方は、自己資金はあまり望み得ない、借入金も返さなくてはならぬ、収支均衡上これを多額に借り入れるということは困るから、将来は何とか別の方法で資金の調達をやらなくてはならないということを言っておるわけです。だから、今あなたのおっしゃるのは、今日まで、三十八年度予算を編成するまでの苦労の方が大半なんです。将来全くこれは議論の余地はないと思う。これは立場は違うが、自由民主党でも、社会党でも、運輸省でも、国鉄当局でも、全くその通りである、国鉄の状態というものはその通りだと、だれしも是認をしておるわけであります。だから、財源調達をぼかしてあるのだが、一体どうして将来は行なうのであるかということを聞いておるわけです。財源調達上どういう方法をとるのか。私は、いろいろ当局の資料を見て、そういうことは言っておりませんけれども、総合勘案をすると、これは運賃の是正あるいは運賃の値上げにたよらざるを得ない。池田総理も、本会議の成田君の質問に対する答弁で、私鉄はまあいいのだけれども、ほかの鉄道は、こう言って言葉を濁しておる。だから政府の資料と総理大臣の答弁とがぴったりと符合一致するわけです。そこを聞いておるのです。国鉄は将来五ヵ年計画を修正して、三千億円くらいの資金投入をやらなければ、輸送需要をまかなうことはできない。これは堂々と発表されておるのです。それではどこでまかなおうとされておるのか。簡単でけっこうです。運賃値上げか。その他に方法があるのか。運輸大臣は、最高の監督者として、いつまでやられるかわかりませんけれども、とにかくどこでその金をまかなって、激増する輸送需要を円滑に処理し、解消されようとするのか。簡単でけっこうですから、この点だけお答え願いたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 ただいまの御質問に対するお答えを具体的に申し上げるということは、なかなかむずかしいのでございますが、先ほどちょっと言及いたしましたように、国鉄の経営ということが率直に申し上げまして非常にむずかしい段階に当面しておるということは、お言葉の通りでございます。そのために、私どもといたしまして、将来一体国鉄はどうしたらいいのかということを、たとえばかつての国会の御決議に基づきまして設置されました国鉄の諮問委員会等の御意見もいろいろと伺っておる途中でございますが、今までいろいろお話のございました論議の中で、中心になっておったと思われます点は、もう少し国鉄が企業体として努力をなし得るような、いわゆる企業性をもっと発揮できるような企業の自主性というものを国鉄に持たせるようにすべきではなかろうか。また、私どもといたしましても、率直に申し上げまして、いろいろこうもしたら、ああもしたらということを考えましても、いろいろな制度上の束縛その他がありまして、やろうと思ってできないこともあるわけでございます。そういうような点で、企業性の発揮がもう少し幅のあるものになるように変えさせていただきたいというようなことを希望もいたしておりますし、そういうような御指摘も受けておるわけでございます。  それからまた、これも政府の御検討を仰がなければならないことでございますが、諸外国の国有鉄道その他がやはり日本の国鉄とよく似たような窮状に置かれておりますために、諸外国の政府等も、国鉄に対して、何と申しますか、一口に申せばいろいろな保護政策のようなものをとっております。たとえば政府の国鉄に対する出資額をお考え願うとか、あるいは国鉄の俗に言ういわゆる公共機関というようなものに対して、政府から何らかの補てんをしていただくとか、いろいろな例が外国の鉄道等についてございますので、そういうようなことについても、日本の国鉄についてもそういうことを考えたらいいじゃないのかというような御意見も出ております。それらの貴重な御意見を私どもとしてはよく承りまして、また政府御当局にもそれらの問題を御検討いただきまして、何とか国鉄というものが、一つの企業体として成り立ち、かつ公共の目的にも奉仕できますような根本的な打解策を見出して参りたいものである、またそのことをぜひ政府にもお助け願いたいものである、かように存じておるわけでございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 いろいろむずかしい答弁をなさいますが、これは簡単です。政府出資かあるいは運賃値上げしかないのです。この間、池田総理は、一兆四千億出資しておるように錯覚しておいでになったのですが、将来とも政府が出資するか——新幹線くらいの建設費はなぜ出資しないかと思うのですが、出資するか、運賃値上げの二者択一しか幾ら聞いておってもないと思うのです。運輸大臣はどちらが適当だとお考えになりますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は、やはりでき得ることなら、財政が許すならば、政府出資が一番いいと思います。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 この議論をやっておりますと、主査の方も時間の心配がありますし、まだたくさんありますから簡単にお答え願いたいと思いますが、これは遠い将来の問題ではないと私は思う。もう半年や一年すぐですし、問題が大きくなってくるのですから、われわれとしては、ぜひ一つ政府出資を運輸大臣は力の限り骨を折ってもらいたい。これだけ申し上げまして、次に移りたいと思います。  そこで、これまた国鉄当局から言わせれば、いろいろ長い御答弁があるかと思いますが、私は、どう考えても、資金不足からこれを捻出する対策としては、目に見えない保安設備、それから要員合理化という看板を掲げて、できるだけ縮小して、財源捻出の方向にここ数年国鉄はいかざるを得なかった、やっておった、こう思います。  それで、たびたび申し上げますが、事故防止という点から見たならば、運転車掌を廃止するというようなことは、多少とも国鉄の実態を知っておる者にとっては危険きわまりないのです。何百人も乗っておる列車が事故を起こしたときに、われわれが乗っておっても、気が動転をして、適切冷静な、第三者が考え得るような措置はなかなかとり得ないと思う。まあ無事であればけっこうです。一緒につぶれる場合もあり得るのです。従って三名、四名というわけにはいかないのだが、十五人くらい乗っておるバスでも運転手と車掌がいるのです。だから運転車掌の廃止というようなことは時代逆行である。それから踏切も、これは組合側の資料によりますと、過去五年間に六百五十一名も減らしておる。今踏切事故が一番多いでしょう。それなのにこういうことをやっておる。それから最近は線路工手を数千名減らす。これは運輸委員会で議論をたびたびされたことだと思いますが、これは幾ら理屈を言って毛事故防止対策に対する逆行措置だと思うのですこれらをどう見ておるか、運輸大臣に伺いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は、そういうことを人力でやるという場合には、あなたの言う通り正しいと思いますが、だんだん機械力を利用するという点と調和をしてやるべきだと思っておりまして、人力がおもな要因になる場合には、あなたの言うことが正しいと思います。しかし、だんだん機械が発達して参りますと、やはり人間二人が働くより機械の方がよくできるような場合があり得る、このように思います。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 私は安全に対する機械なり、合理化が完備をされれば、これは話は別だと思うのです。しかし、その度合いが食い違っておるのです。国鉄当局どうですか。あなた方は、要員削減について、これが万全なり、それに見合って削減をしたとおっしゃるでしょう。おっしゃるでしょうけれども、私はそうじゃないと思う。これはほかの理由によって、まあ大した金ではないでしょうけれども、資金捻出というウェートが非常に多くかかって、こういう無理をしておる、私はこういうふうに考えるのですが、国鉄当局どうですか。

吾孫子豊日本国有鉄道副総裁

○吾孫子説明員 国鉄の人件費の問題につきましては、国鉄の監査委員から、ここ数年来繰り返し、経営上人件費の合理化ということが最大の問題だという御指摘を重ねて受けておりまするし、私ども自身もそういうふうに考えますので、業務の遂行に支障ない限り合理化できるだけは合理化していく。しかし、そのために運転の保安とか安全とかいうような面に支障を来たすようなことがあっては、これは大へんなことでございますから、そういう面の人員を減らしたために穴があくような点は、十分機械的な設備なり施設なりその他を完備していくことによって、その支障のないようにやって参るよう努力を重ねて参りましたし、今後もその方針で進みたいと思っております。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 だから、なぜ私はこういう主張をしておるかと申しますと、問題は、踏切事故なり列車事故が少なくならなければ、幾ら合理化をやり幾ら機械設備をやったって、それは何にもならぬと思うのです。今副総裁は抽象的な答弁をなさいましたが、これは言いわけにならぬと思う。人員を減らして、合理化をどれだけやられたか知りませんが、やったとおっしゃっても、現実に事故は激増しておるのです。問題は、やったやらぬの議論ではない。そういうことをやって事故が少なくなれば、私はこんなところでこんな質問はいたしません。事故はますます累加しておる。従って、当局の言いわけにはならぬと私は思う。だから人を減らしたということは、多少の他の原因はあるでしょうけれども、それだけ人力によって未然に防げた事故が発生してしまった、こういう結果にしかならないと思うわけです。他の踏切対策あるいは保安、車内警報装置、あるいは信号機の不良対策、いろいろ私はあると思う。まあ今度は、百億円保安対策におそまきながら反省をされて追加をされておる。この事実を見ても、私の今主張しておることが明らかである、こういうふうに思います。何でもないようでありますが、たとえば名古屋なら名古屋——東京はそういうのはないのですが、少し大きい駅は信号が横にずっと並んでいますね。それなら夜間、そのどちらかの両端の信号灯が消えておった場合に、運転者はどうするのか。横に信号が並んでおります。その両端のどっちかが夜間消灯をしておった。遠方から見た場合にはどうなるのですか。誤認も何もあったものじゃないでしよう。現在の取り扱い方としては、消えておった次のやつが、右のやつが消えておれば、第二番目のやつが最右端だと機関手として思わざるを得ぬでしょう。当然です、そういう何でもないところで非常に常識上考えられないような施設というものが、国鉄にはごろごろしておるわけです。だから、金がないからできないということでは、国民は承知しないと思う。だから、国鉄当局も一つからを破って、そうして自分がからを閉じるのじゃなくて、前の方へ前進の姿勢で、足りない資金はあくまでも政府に要求すればいいと思う。金なんか幾らでもあるじゃないですか。産投会計に金を二百五十億もほうり込んで何かに使おうなんという、そんなばかげたような考えでなく、やろうと思えば幾らでも金は出ると思う。だからこういう点を一つ検討していただきたいと思う。   〔田澤主査代理退席、主査着席〕  それから次に、時間もありませんので、簡単にお聞きしたいと思いますのは、最近やかましくいわれております日本鉄道建設公団というのでありますが、これは多少とも国鉄の実態を知るわれわれにとってはどうしても理解できぬのですが、これは一体どういう原因でこういうものをおつくりになったのか、一つ運輸大臣お聞かせ願いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 先ほども申しましたように、私どもといたしましては、現在の国鉄におきまして、いわゆる未着手線になっておるものが多数あります。これが着手、完成がおくれますので、そのこと自体が日本の経済の格差の是正を妨げておるという感じから、何とかしてこの建設を促進いたしたいという念願にほかなりません。これによりまして、鉄道建設が、しかも不経済線であるかもわかりませんが、その鉄道建設が進むことに私どもは主眼を置いて、この考え方をいたしたわけでございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 今の運輸大臣の御答弁なら、何もわざわざ国有鉄道の建設局だけちぎったような、そんな公団をつくらなくても、幾らでもやれるじゃないですか。なぜやれないか。そこが理解できないのです。なぜこの問題だけ国鉄と別にしてやらなくてはならないか。別にしたら金がぼこぼこと出てきた、こういうなら別ですよ。金が出るなら別に二つにしないでも、鉄道網の必要が今日において世論から要請されて、そうして保守党内閣としてこれは実施しなければいけないということになれば、それは建設するように金を出しさえすれば、わざわざ公団をつくって、費用を余分にかけぬでも、公団に関する限り二重投資をしないでも十分やれると思う。なぜ別にしなければできないか。公団のものなら能率が倍上がるが、国鉄の建設局では半分しか能率が上がらぬ、こういうのなら話は別ですよ。そこがどうしてもわからない。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 御承知のように日本国有鉄道は新五ヵ年計画の遂行中でございまして、資金的にもあるいは人間の面におきましても非常に窮屈でございます。そこで、新線建設は、鉄道敷設法で御承知のように日本国有鉄道の責任になっておりますけれども、この新線建設に関する公共負担につきましてある程度の制約を与えまして、それ以上はできる限り国の負担においてやっていこう、こういうのがこの公団設立の構想でございます。昨年五月の鉄道建設審議会の建議に基づきましてこの案を採用したのでございまして、この日本国有鉄道の新線建設についての公共負担は、今までやっております年々七十五億円程度の出資と、それからでき上がったものの運営を引き受ける、こういう程度にとどめて、それ以上はでき得る限り国の責任においてやっていこう、こういう新線建設についての国の姿勢といいますか、そういった態勢をとるということが主眼でございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 どうも監督局長の答弁を聞いてもわからないのです。なぜ二つに分けたら工事が促進するか。つまりこれから大いにやろうというのですから、要するに公団をつくることにおいて、今までの工事量よりも二倍、三倍とどんどん発展していくということが基本でなければならない。なぜ公団をつくって二つに分けたら、その工事が進んでいくのか。一緒におったら進んでいかないのか。国鉄は、先ほど議論したように、資金面から新線建設が進行しないと見ておるのか。これまた事実でしょう。それなら、分けたらなぜどんどん進むのかという点がわからない。ただ利用負担という項目があるように新聞等で拝見いたしておりますが、もしその必要があれば、今日だって利用債の拡大その他いろいろやって、そんな公団をつくってわざわざしちめんどうくさくひねらないでも、十分国鉄のやっている建設局の拡大で間に合うはずです。なぜ二つに分けたか。しかもこれは正式決定かどうか知りませんが、内容を見てみますと、やれ計画をしたときには国鉄に見てもらう、計画は国鉄と相談して出す。何のことはない。この公団というのは看板と陣容だけで、この内容を見てみますと、あとやはり国鉄がほとんどこれをやるのじゃないですか。急所というものは国鉄の方にやらしておいて、ただ看板だけぶら下げて人が集団しておるというのがこの公団の内容としかとれないですよ。それから、国鉄を知る者にとっては、今計算のやり方もあるでしょうけれども、大体国鉄が企業性の面から黒字といわれるのは東海道、山陽、あるいは東北、北陸ですか、そういう四、五本しか黒字といわれるものはないわけです。だから、現在建設中の三十五線なり、これから建設をしようという路線、先ほど議論になりました海底トンネル等は、これは私は別だと思うのですけれども、そういうところでまず経営上黒字と思われるような線は一つもないのですよ。それを公団をつくって、そうして有償か無償か譲渡か、そんなばかげたあほくさい議論をやって、最終的に、貸付のうらでも有償と無償がある、譲渡もある、これは何というていたらくだと、多少とも鉄道をかじっておる者は思わざるを得ない。これは何ですか。自民党の選挙対策ですか。さっき言った関門の立坑立坑——私の名前が出てひやひやしておったんだが、あれと同じで、今に候補者の名前でも入れて全国にばらまくのですか。こういう意図じゃないですか。運輸大臣、ほんとうにどうでしょうか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 さような意味では決してありません。ただただ、先ほど楯委員もおっしゃったように、国鉄の財政はだんだんきびしくなる。それは、今言ったような負担が重いから、そのもうからない線をやって、そうして国鉄の内容を一面においてはよくし、同時に池田内閣の政策である地方格差の是正に努力する、かつまた社会党の代表者もお入りになっておる鉄道建設審議会の意見に従って、何かいい方法はないかというので考えたのが本案でございまして、これをもって直ちに党勢の拡張を考える、そういうようなことはいたしません。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 今運輸大臣のおっしゃった答弁は、国鉄を全然知らぬ人に言う答弁なんですよ。国鉄の財政が逼迫しておる、だから公団をつくって——まず諸経費だけでも私は余分に要ると思うのです、同じ国の費用で。ただわれわれに簡単に想定されるのは、国鉄が一銭も出さぬわけじゃないでしょう。将来幾らになるか知りませんけれども、現状は七十五億円の毎年の会計に載っておるものは踏襲せよといっておるのです。政府が出すのですよ。利用負担をやるのでしょう。だから、財政的に余裕ができるといえば、政府は五億円出した、それから利用地の負担が何らかの形によって——これは公債ということになると思うのですが、吸収できる、これだけでしょう。それなら、国鉄にあったって、政府が五億円出すなら国鉄は吸収すればいいじゃないですか。建設費として国鉄へ五億円出資する。それから今利用債をやっていますね。駅をつくったり車両をつくったり——これはまあ車両をつくるのに利用債というのはおかしい話ですが、利用債をやっている。それを買ってもらえばいいじゃないですか。一体どこが違うのか。何も違わぬですよ。そして有償か無償か、貸与か譲渡か、これは看板だけじゃないですか。看板だけ掲げて、そうして人がふえるだけじゃないですか。しかも、事務的打ち合わせ、工事の実施は、この内容によるとやはり国鉄がこれを検討をし、認可権は運輸大臣にありますが、大体国鉄が中心になって建設をする。あとをやる。時間がありませんから、別の機会にわれわれ社会党は一つ反対をいたしたいと思いますが、これはおかしいですよ。それでこの貸付のうちには有償と無償とある、さらにそれとは別に譲渡があるというのは、区別はどういうふうに理解したらいいのですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 貸付の場合に、仰せのように有償と無償と両方ございます。間もなく国会に御提出すると思いますが、その法案の中には、無償貸付は後進地域の開発等のため建設した鉄道神路を貸し付けるというような場合には無償貸付をしてもいい、こういうことが書いてございまして、これは運輸大臣が大蔵大臣と協議して指定することに相なっております。結局、後進地域の開発のために建設されます路線というのは、御承知のように当然に赤字路線が多い。だから、この貸付を受けて経営を引き受ける国鉄側にとっての負担も考慮いたしまして、無償貸付し得る道を開いたわけでございます。従いまして、比較的採算に乗りやすいようなもの、当面はともかくといたしまして、四、五年たてばそういう採算に乗るというようなものであれば、これは有償貸付いたしましても、培養線ともなりまして、既設線への輸送数量がふえてくるという寄与の面もございますので、有償貸付ということも考えられる。あるいはその中で特にまたいいものは思い切って国鉄の方へ譲渡ということを考えてもいいじゃないかという判断でございまして、根底的な考え方としては、国鉄の財政負担の面を考慮いたしまして、極力その負担が大きくならないように考えてやるべきが妥当であると目下のところ考えております。

楯兼次郎日本社会党

○楯分科員 別の機会に議論をいたしますが、もちはもち屋で、金が足らなかったら、政府が惜しみなく必要なら出資しておけばいいんです。それから、この内容を見ますと、新線の建設と災害復旧工事までやるといっておりますが、これは将来国鉄が二つになるわけです。鉄道公団と二つになるという形を将来生むと私は思うのです。  それはそれとして、時間もありませんから、次に国鉄自動車の将来のあり方について見解を承りたいと思いますが、国鉄の自動車の方では、現在あるんだから将来幹線輸送もということで、盛んに答申を出したり運動をされておるようであります。だから、民間の方は、これはわれわれの企業圧迫であるというので、反対されることも私は当然であると思うわけです。国鉄の中では比較的  時間が正確かとうかは知りませんが、地方へ行くと国鉄自動車は評判がいいわけです。それで民間と国鉄で対立をしている。何らかの調整を行なわなければ、将来この禍根はだんだん大きくなっていくと私は思う。私も民間圧迫による国鉄自動車の進出ということは考えておりません。しかし、現在何百名か何千名か知りませんが、必要によって生まれた国鉄の自動車でありますから、今直ちに石炭のように首切ってなくしてしまうということもできぬでしょう。従ってどういうふうに調節をして民間と国鉄を併存発展させていくか、この方針についで承っておきたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 楯さんも御承知のように、国鉄の自動車というものが、初めは先行の国鉄ができないようなところへ道路がある場合にやった。それから短絡、小さい横の連絡をするために国鉄が自動車を始めたのは御承知の通りでございます。ところが、だんだん道路網が完成するし、同時にそういうことだけでは国鉄の自動車それ自体が採算が困難になりますものでございますから、やはりそれを育成と申しますか、自立態勢に持っていくために、いろいろな路線を延長したというのが現状であると思います。私どもはこれはこのまま野放しにするというわけには参らぬと思いますので、一定の点をよく考慮いたしまして、御趣旨のように併存ができるような点まで持っていきたい、かように考えております。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 太田一夫君。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 だいぶ時間がおそくなっておるようでありますが、私はレギュラーではありませんので、一応具体的な問題について二、三お尋ねをして、なるべく早い時間に終わります。できれば四十分くらいで終わりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  ます第一に、今お話が楯さんからもありましたが、日本鉄道建設公団法に関することですが、先ほど来楯さんのお話の中には利用債を肯定した議論がありましたね。あなたの方からそれに対する反駁はありませんでしたけれども、この利用債というのは今後もあなたの方としては地方団体に求めていらっしゃるのかどうか、大臣からお答えをいただきたい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 昨年五月の鉄道建設審議会の御建議によりますと、今後の新線建設の財源の調達については、一般会計からの、つまり政府からの出資とそれから国鉄と地方公共団体からの出資といいますか負担と申しますか、こういった三者の協力による財源調達をはかって建設規模の拡大を行ない、地域格差是正のために早急に鉄道網を整備すべきである、こういう御建議でございまして、その御建議の趣旨にのっとりまして、われわれといたしましては、地方公共団体の関係は、公団は関係地方公共団体に対して受益負担金を求めることができるというような原案をつくっておったわけでございますけれども、これはいろいろ問題がございまして、目下将来の問題としてその解決を先に延ばしております。  それから今お尋ねの利用債の件でございますが、間もなくお目にかけることができると思います法案の中には鉄道債券を発行することができるように相なっておりますので、債券を発行いたしました場合にあるいはその引き受けについてお願いするというような場合も出てくるかと存じますが、これについては目下のところ政府部内でせっかく折衝中でございますので、今ここで明確なお答えをするわけには参りません。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 なるべく簡単にお答えをいただけばけっこうです。  今のお話ですと、地方公共団体の負担金の問題は何かちょっと先に問題を延ばしてあるというお話ですが、法案の中にはそれは出ておりませんね。出ておりませんからこれはやらない、負担金はとらない、ただし利用債をお願いすることはある、こういう方針ですね。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 後段のお尋ねの利用債の引き受けにつきましては、政府部内で意見が統一しておりませんので目下ここでお答えするわけにはいかない、こう申し上げたのでございます。  前段は、法案には出ておりませんです。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 負担金をとらないという点は進歩した法案だと思います。最初新聞で流布されたときは、岡本さん、これがずいぶん地方団体の反撃を受けてお困りになったということは想像できますね。しかし、利用債の問題も検討中だ、調整中だというお話がありますけれども、利用債は利息はなんぼですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 実はそこまでまだ考えておりませんです。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 今までの前例でよろしいです。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 前例ということになりますと国鉄の発行いたしております利用債でございますが、これは応募者利回りで六分九厘、五年据え置きの十年償還でございます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 その実例を御存じでしょうか。六分九厘で実際は利用債を向こうにお願いしていらっしゃる。ところが実際六分九厘を払える力は地方団体にはないですね。それで地方団体はどうするかというと、それを市中銀行に肩がわりしていただく。そうすると八分五厘ないし九分五厘という金利がかかりますから、その差額を地方団体が肩がわりして納めておる。こういうのが実情でございます。この実情は御存じですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 存じております。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 そういうことはいいことでありますか、悪いことであるとお考えですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 いい悪いにつきましてはいろいろ批判はございますけれども、国鉄の現在の財政状態あるいは輸送力の増強をすみやかにやらなければいかぬという観点から申しまして、やむを得ない措置であると考えております。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 やむを得ないという点にだいぶ問題がありまして、その議論はほんとうは少し深めたいのでありますが、時間がありません。ただし、私は申し上げておきますけれども、六分九厘と八分以上といえば、少なくとも一分以上の金利を地方団体が負担する、ところが新線を建設します場合には、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、後進地域の開発がねらいでおやりになる。後進地域というところは非常に地方の財政力の弱いところである。その弱いところに期成同盟会をつくらして、その期成同盟会の名によって利用債を引き受けさせて、その利子を低いからといってさらに銀行との金利の差額を負担するという非常に二重三重の責め苦を地方は負わなければならない。これを皆さんはやむを得ない悪だとおっしゃいますけれども、この際地方の貧弱な団体のためを思ったり、非常に生産性の低いところの住民のことを考えていただくなら、利用債の制度は根本的に改善をしてほしいと思いますね。大臣、これは少しお考えになる必要があるのじゃありませんか。必要悪としてそういう後進地域の貧弱な赤字町村に利用債を押しつけたり、住民の負担によってその市中金利と利用債の低い金利の差額を負担したりすることはあまり好ましいことではないと思いますが、大臣いかがですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 もちろん好ましいことではございませんが、その鉄道をつけることによってその地域が開発され、少なくともその地方の地主その他は相当な財産上の利益を得ると思います。そういうことがあるから、私はそういう人が皆やってくれといって言ってくるのだろうと思います。そういうことは好ましいことではありませんが、現実には、そういうことがやられておって、その世上の批判にはなっていないと私は思う。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 だからあなたたちは下情に通じていらっしゃらない。大臣、水戸黄門になって下さい。もう少しわらじをはいてそういう町村のすみずみを歩いて下さい。鉄道が敷けるその土地を出すのに市町村は協力しなければならない。何をやるか、まず第一に耕地整理組合をつくる、そうして土地を一割か二割出すのですよ。それを今度は敷地に提供する。その上で利用債を引き受けなければならない。金利は差額を引き受けなければならない。何が一般の住民がそれによって潤うといえますか。非常な負担ですよ。この点を一つ十分考えていただきたい。そのために住民税というのが——今は日本全国の何千とある町村の中で、住民税というのは市町村民税ですが、市町村民税が大体倍高い。市町村がただし書きという例外方式をとっている。その例外方式をとっているところに皆さんの新線が建設される、予定線が入っている。普通ならばまあ千円ぐらい払っておけばいいところの住民税を三千円払っているという例外方式ですね。これはただし書き方式といいますが、そういう町村に今の鉄道がいくというと大へんな負担をしなければならない。だから公団法をおつくりになるのはけっこうですが、後進地域の開発をされるなら、なるべく国費をもって地方の開発に当たるという気がまえでしていただきたいと思う。このことについては大臣、別にあなたにも御異存があるわけではないでしょうね。同感でしょうね。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 もちろんさような考えでやるつもりです。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 それではその問題はその程度にしておきまして、ぜひ一つ公団ができましても、これは岡本さん、あなたたちの方は金を調達するためには利用債という手を使わなければならぬでしょうけれども、なるべく国の負担でやりたいというところからこの公団法ができたと先ほどお答えもありましたことですから、基本線を貫いて、後進地域開発のためには、後進地域の住民や地方団体に負担をさせない、この原則をなるべく確認をして貫いていただきますようお願いをしたいと思う。  あわせて国鉄に関係することをもう少しお尋ねしますが、それは国鉄自動車問題調査会です。先ほどちょっと楯さんからもお話がありましたが、国鉄バスと民営バスとの調節をどうするかということに対しては、なるべく野放しにはしたくない、大臣はそうおっしゃった。なるべく企業性も発揮するということが大切だとおっしゃった吾孫子副総裁の言葉を受けて、何か自主体制の確立を求めておるというようなお話でございましたが、国鉄バスが民営バス圧迫のような分野に進出する原動力をなしたのは、国鉄自動車問題調査会ですね。国鉄自動車問題調査会のメンバーはどんな人で、どんな経歴のある人が中に入っているか、ちょっと一ぺん事務当局でもいいから言って下さい。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 学識経験者の方におもにお願いいたしたわけでございますが、新聞の論説委員の方、大学の教授、産業計画会議の方、町村会の副会長、総評の方、それから自動車業界の代表の方もお願いしておるわけでございます。以上でございます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 満場一致制をとっておりますか。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 答申は、皆さんの御賛意によりまして結論が出ておるわけでございます。そして一部少数意見がそれにプラスされて付記されておるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 従って、少数意見が出ておる以上は満場一致ではなかったわけですね。世の中には、国鉄自動車問題調査会というのは八百長会議だといわれておる向きもありますので、私はお尋ねをしたわけですけれども、だんだんと日本国有鉄道法第一条の目的から逸脱するように国鉄自動車のあり方が変化をしている。これは私は大へんなことだと思います。そうしてだんだんと幹線道路に進出をして参りまして、従って、交通量の多いところに入り、交通量の多いところから収益の向上をはかり、早く言うと、先ほどの大臣の言葉で言うならば自主体制確立ということに持っていく、吾孫子さんのお言葉ならば企業性を発揮するように持っていく、こういうことになるわけです。こういう必要が一体国鉄バスにあるのですか。元来国鉄法第三条には、業務の内容の中に、自動車運送事業は鉄道事業に関連をするとしておる。主は鉄道であり、従がバスである。だからそのバスがどんどんと幹線道路に進出をし、既存の民営のバスの路線に入ってくるということは、輸送秩序を少々乱すような気もしますが、国家経済からいっても何か不経済ではありませんか。損害があると思いますが、遠藤さんいかがですか。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 自動車問題調査会の答申は、昨年の冬にいただいたわけでございます。国鉄自動車の経営方針を将来どういうように持っていくかにつきましては、まだいろいろ議論があるわけでございます。しかしながら、この答申に盛られております国鉄自動車の性格は、ただいま御指摘の国有鉄道と関連する自動車運送事業の範囲にとどまっておるわけでございまして、法律以上の動きはございません。われわれといたしましては、その関連する範囲内におきまして、従来の自動車運送と、多少自動車運送の長距離輸送等も最近ふえて参りまして、その関係で従来の姿だけでもいいというふうに思っておるわけでもございません。今後研究いたしたいと思います。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 大臣、そこでちょっとお尋ねしますが、先ほどあなたは企業性の発揮ということをおっしゃいましたね。国鉄バスが企業性を発揮する必要をほんとうに心から考えていらっしゃいますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私の申しましたのは、自動車事業をやる以上、企業が成り立つことをやらなければならぬというふうに考えております。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 それでは大臣にお尋ねします。どれくらいのキロ当たり収入をもってあなたの方は企業が成り立つのですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 それはいろいろ見方がありますが、大体キロ五十円以上あれば企業が成り立つと考えております。また今までの融資を得る銀行の貸付標準なんかも、大体キロ五十円ということで融資の対象になっておるやに聞いておりますから、大体そうであると思います。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 大臣、五十円でよろしいということは、民間とはだいぶ違いますね。民間はどのくらいあればいわゆる採算が成り立つと考えていらっしゃいますか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 大体七十円と思っております。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 七十円と五十円の差はいかなる原因によって出ておるのですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 それは民間におきましては、やはり大体株式会社の形式をとっておりますから、配当その他をやらなければいけません。国鉄においては配当は必要がないから、私はそのくらい違うのは当然だと思っております。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 配当ならば一割配当として、一割の差があればよろしい。三割の差がありますね。それはどういうわけですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 一割配当をせんとする場合には、三割ぐらいの利益がないと、租税その他負担がありますからできません。だから、私はそのくらいの差があるのは当然だと考えております。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 三割なくても一割の配当をやっておる会社は幾らでもあります。あなたのおっしゃることは、税金の問題に全然触れておりませんね。法人税、事業税などはどうしているのですか。住民税も固定資産税もありますが、こういう税金を全部、電気税のほかは——電気はバスにはないですから、バスの場合は電気にはほとんど非課税特典なしにやっておる。国鉄バスはノータックスとは言いませんけれども事業税も法人税も払っていらっしゃらない。その差がありませんか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 それだから、私鉄のバスは大体七十円なければいかぬと言っているのです。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 それでは、そこで一緒に企業性を発揮しようとすると、国鉄バスは五十円でいいのだ、五十円でいいということになれば、国鉄はそんなに乗らなくてもやっていけるということでございますね。そんなに乗らなくてもやっていける、そういうわずかな人が乗っているだけで成り立つ事業と、たくさん乗らなければ成り立たない事業とが一緒に併存をしていく方法は、国鉄バスに企業性の追及を求めていくという方針からは出てこないじゃないか。  逆に言うならば、戦後営々として築いてきた民営バス、そこに働いているたくさんの労働者のことを考えていったならば、国鉄バスはあくまでも鉄道業に関連をする自動車運送という限界にとどまるべきだ。それが幹線道路へどんどん出なさいというのは、少々行き過ぎだと思うのですが、どうですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私が申し上げているのは、どんどん出ていけとは申しておらぬのです。ただ、今言ったように、企業ですから国鉄の本体に迷惑をかけるようなことがあってはいけないから、適当の利潤をキロ当たりたとえば五十円と申したのですが、四十円でもそれはかまいませんが、その自動車をやるために本体に負担をかけるようなことのないように企業性を確立していきたい、かように申しておるのです。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 その辺の呼吸を誤りますと、大へんなことになります。民業圧迫にならないように十分配慮をしてほしいと思います。  今、主査から、あと十分にして下さい、きょうは土曜日で、他の委員会は散会ですというお話がありましたので、そんなによその方が散会されたのなら、私も簡単にやります。  それではあと一つの問題をお尋ねしますが、それは自動車損害賠償保障法の件でありますが、先回来、私ども、今の日本の自動車交通の実情から見まして、今の死亡五十万は大へん安いということを考えるわけです。そこで、この引き上げをすべきではないかと考えておりましたが、運輸省においては、二百万から三百万くらいの程度まで、死亡の場合は引き上げたいということを考えていらっしゃるという、これは何か新聞に伝えられたものがありましたが、そういうことを実際に考えていらっしゃるのかどうか、これをお尋ねします。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 二百万円、三百万円ということを考えておるかおらぬかは別にいたしまして、現在の五十万円では非常に少額過ぎる。そこで大蔵省にあります保険審議会に諮問いたしまして、死亡者に対する補償はいかにするがいいか、負傷者に対するなにはどうするがいいかを今諮問中であります。なお、各国の実例その他は、事務当局をして説明いたさせます。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 各国の実例なんかいいです。聞いてみたところで、そんな二百万、三百万というような低いところはありませんよ。ですから、日本の国は道路が狭くて自動車が多くて、その自動車のナンバーを出すのはあなたの方の仕事だ。登録を認可されるのはあなたの方の仕事だ。だから、そういう中で歩行者が非常にひどい目にあっている。死んでたった五十万とは何事ですか。しかも、平均すれば、これは三十六年の統計でありますが、死亡の場合の実際に保険を出した実績は二十九万円、重傷六万円、軽傷一万一千円というふうに、非常に低いのです。これは人命を軽視するもはなはだしいと思いますけれども、自動車事故というのは特殊な性格を持つから、これを民法の損害賠償に持っていけということは、はなはだ不親切な話だ。だから、運輸省としては五十万を二百万から三百万に引き上げる、あるいはまた重傷の場合でも、今十万円というのを五十万円なら五十万円に引き上げる、三万円を十万円、二十万円に引き上げるというような大幅引き上げの決意を持たれなければ、自動車行政としては少々いかがなものかと思いますがね。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は、今の制度がよいとは言っていないのです。あなたと同様ですよ。五十万円ではいかにも少な過ぎる。重傷十万円ではいかにも少ない。ただいかにするかということ、二百万円が適当か、三百万円が適当か、国家がやる方がいいのか、民間にまかせておくのがいいのか、さようなこと一切を、そういう制度調査会というのがあるのですから、そこへ諮問して適当なところできめたい、かように考えております。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 それは調査会などに聞かなくたって、専門家はすぐわかっているのですよ。なぜ国営でこの保険をやらないか。まず国営でやる意思があるかのどうか。あなたの方は再保険の予算も計上されておるようなお話が先ほどありましたが、そんなことならば、国営でやったらいいじゃないですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 あなたは、先ほど、自動車については民業を圧迫するから国営でやってはいかぬという御議論だった。私も、既存の保険業者というのが多数ありまして、とにかくやっておるのですから、やはり官営、いわゆる国営でやるということには、にわかに同意しがたいのです。そういう点も、ただいま申しましたように、制度調査会に聞いて、それからやろうと思っております。そうすると、私の言うことは趣旨一貫していると思います。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 国営バスが出てきて、民営バスを圧迫するのと、自動車の賠償保険を国営でやるということとは、全然問題が違うでしょう。あなた、それでは今損保会社は何と言っているか、赤字だ、赤字だ、困る、困ると言っておるじゃないですか。赤字でもうかっていないじゃないか。だから、国営でやったら、保険料をそう高めなくて、国民も喜べば保険会社も喜び、みんな喜ぶという法をつくれるじゃありませんか。だから、国営が一番いいということを申し上げておるわけです。  ついでにもう一つ、大臣、専門家のようですからお尋ねしますが、自動車損害賠償保障法は物というもの、財産に言及しておりませんね。財産を対象になさるか。  それからもう一つ、小さなスクーター、原動機付自転車、百二十五CC以下のものが対象になっておりませんが、今度はそれも対象にすることを望んでいらっしゃるかどうか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 今、その点については問題点でございまして、さようなことをも、私は、今度審議会で一つ意見を聞きたい、かように考えております。

太田一夫日本社会党

○太田分科員 聞きたいではなくて、大臣としてはどうお考えになりますか。なるべくそれは対象にすべきだとお考えになるのか、白紙であるのか、どちらか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は対象とすべきだと考えておりますが、その利害について私の独断だけではいけませんから、そういうことを諮問しよう、かように考えております。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 田原春次君。

田原春次日本社会党

○田原分科員 私は自動車サービス、それから列車乗客サービス、この二点をお尋ねしたいと思います。  第一に、自動車関係でお伺いいたしますが、大臣は就任前または就任後におきまして、東京から大阪、岡山、福岡、大分にぶっ続けで自動車に乗っていかれた経験があるかどうか。そして大臣はどういう印象があったか。なければ、自動車局長等でそういう旅行された例があるか。どういう不便があったか。それを一つお伺いします。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は、東京から大阪までは乗ったことがあります。それから先は、広島−下関間は乗ったことがあります。それから小倉−大分間は、もう数回乗ったことがあります。

田原春次日本社会党

○田原分科員 どういう印象ですか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 印象は、ちょっと表現がむずかしいですが……。

田原春次日本社会党

○田原分科員 快適であったか、不便であったか。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 あまり快適とは申されません。汽車、電車の方が快適だと思います。

田原春次日本社会党

○田原分科員 自動車局長は乗ったことがあるかないか。どういう印象か。とりあえず九州までの線を……。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 全国乗って歩いたことはございませんが、おもだったところは自動車で通っておりますが、所見を申せとおっしゃいますと、まだ道路が不完全のために快適さが低いとか、あるいは道路の標識が不十分で地図をよく調べていかなければいかぬとか、そういうような不便を感じております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 次は、大臣並びに自動車局長にお尋ねしますが、あなたたちは過去においてアメリカもしくは南米、あるいはソ連、ヨーロッパ等を自動車で旅行したことがあるかどうか。その印象はどうか。御両君にそれぞれ別々にお尋ねいたします。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 残念ながら、私はいわゆる自動車旅行というのはしたことがございません。ただ田原君も御存じのように、南米におきましては、若干の自動車旅行——旅行と申せば旅行ですが、自動車に乗ったことはございます。ソ連では皆無です。アメリカでも若干です。

田原春次日本社会党

○田原分科員 印象を。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 印象は、いずれも感じですから、おのおの違いますが、私はあまり快適な感じはいたしませんでした。

田原春次日本社会党

○田原分科員 自動車局長はどうですか。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 私はあまり経験がございません。市内を自動車で乗った程度でございます。印象といたしましては、道路は日本よりよほどよろしいというふうに感じております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 私は東京から九州まで最近二ヵ年に四回自動車で旅行しております。それから、私は過去二十六回外国を旅行しておりまして、そのうち大半は自動車で旅行しております。ソ連地域もそうであるし、ヨーロッパもそうである。中近東、アメリカもそうです。比べてみまして、東京から福岡までの間で、豊橋付近で一回迷いました。京都市内で迷った。それから岡山付近で迷いました。次は山口県の下松付近で迷ったのです。全然サインがないのです。なるほどサインはありますが、そのサインは、スピードを出すなとか、そういう取り締まりのサインはあるのです。何々警察署とか書いてある。あと何キロ行ったら何町に着くという、初めて国道を旅行する者に対するサービスのサインはありません。しかるに、あなたはあまりアメリカへ行ったことはないというから、これはやむを得ぬですけれども、欧米各国では、まず一つの町に入るときは、英語でいえばウエルカム・カンサスシティーだとか、それから帰るときは、今お前は何町を去りつつあるが、感謝しますというような、それぞれの国の言葉で大きく、こう二間か三間平方ぐらいなものが出してある。日本は今でも国道に一とか二とか三とかいうようなのがちょっとあるだけで、少しぼやっとしておるとわかりません。これはどういう点からきておるか。運輸省は何だけをやるのか。道路は建設省であり、スピード違反は警察庁である。運輸省はタクシーの免許だとか、バスのようなものだとかいうことだけでありますか。そうすると、通行客のサービスは何省になるのですか。あなたたちの方でやってはいけないのですか。それから予算がないからいかぬというなら、私は名案を持っておるのだが、サービス精神というものは一体どこに持ってきておるのか。これは一つ自動車局長にお尋ねして、そのあと運輸大臣にも答弁していただきたい。このままでいいのかどうですかということですね。今年十月にはブレ・オリンピックで相当外人が来ます。来年も相当きますね。そうすると、飛行機に乗ったり列車に乗るお客——列車の問題もあとで聞きますけれども、オリンピックのお客というものは、大体中産階級及び学生のOBくらいなものが多い。簡単に考えても自動車くらい持ってくると思う。まず陸揚げの問題からある。この間大蔵委員会でやったのでありますが、これは第二といたしまして、その外国人に対する、あるいは初めて旅行する者に対するサービスが全然ない。私は四回旅行して知っております。一体運輸省というものは、自動車局長というのは何をやっておるのかよくわからぬくらい実は非常に憤慨して——二時間、三時間損をするのですよ。予定を狂わして途中でガソリンが切れたり、それから一体どこにパンクの修理場があるか、さっぱりわからぬ。これはこのままでいいのですか。少しでも直す考えはないのか。何が一体ネックになっておるのか。そういうことは運輸省の所管でないということになるのか。これを明らかにしていただきたいと思うのです。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 私も外国で見まして、今先生のおっしゃるような指導標等が非常によく発達しておることを痛感いたしております。わが国におきましては、道路の通行上自動車使用者に対しまして快適に、安全に、しかも方向を誤らないようにいくための道路のためのいろいろな標識でございますが、二通りございまして、一つは道路管理の面から出す標識でございます。それから、一つは道路上の交通の安全をはかる意味から出す標識でございまして、道路管理の立場から出します標識は、建設省の方で所管いたしております。それから道路交通安全の見地から出しますいろいろな標識は、これは国家公安委員会・地方でいいますと地方の公安委員会、そこの所管になっております。しかし、輸送行政を預かっております運輸省といたしましても非常に大きな関心事でございますので、これが関係各省の協議会的なものが内閣に設置されておりまして、ひんぱんに会議を開いております。  そこで、私は自動車局長の立場におきまして、自動車、通行者の便宜のために、これらを所管しております建設あるいは警察当局に対しまして、もっとりっぱな、わかりいい標識を考えるようにという要望は常にやっておりますし、またそれらの各省もそういう方向で今後措置をする考えは持っております。特にオリンピックを前にいたしまして、この必要は内外ともに強いわけでございますので、そういう方向に協力していってやりたい、かように考えております。  なお、自動車につきましては、自動車のユーザー、自動車のメーカー等でもって、やはり使ってくれます自動車の使用者のために便利であるようにということのために、現在こういった関係者が集まりまして、日本自動車連盟というようなものをつくって、そうして、そこでそういった民間機関による大々的なサービスに乗り出そうというふうな企画もございまして、最近そういった団体も結成され、これが、世界のそういった同じ連盟協会がございますので、それとも連絡をとりながら、国際的にもこういったサービスの向上をはかろうという方向に今向きかけておりますので、この方は私の方でよく指導をいたしたい、かように考えております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 お話聞きますと、各省間の協議会がある、それから自動車メーカーですか、そういうものの安全協会があるというお話、それは実行はしていないのですね。要するに開業しているだけであって、ある種の結論に達したからといっても実際実行せねば何もならぬ。私も知っておりますが、スピード違反に対する警戒のサインとか、それから何トン以上の大型車は通っちゃならぬというような重さの制限とか、そういうものはわかるのです。そうでなくて、私の言うのは、旅行者の便宜のためのサインがないというのです。なるほど最近はところどころに日産とかトヨペットが大きな広告を出して、お義理に下の方に何キロなんていうことが書いてありますが、広告に見とれておると下の方の何キロというのがわからぬ。親切というか、商売でやっておるのですからサービスになってないのです。また、ありましても比較的自動車の売れそうな地区にそういう看板が多い。人里離れたところにはないということで、サービスにはなってないと思うのです。お話のように、そういうせっかく各省間の協議機関なり、それから民間の業者のがあれば、問題は実行に移してもらわなければならぬ。今、私が考えておるのは、全くの思いつきだけれども、各小学校のPTAが財源に苦しんでいますから、そこで各小学校ごとに、国道沿線のある地区を限って看板のあっせん権を与えたらどうかと思うのです。そうして、その地区における広告を出してくれそうな業者も多いと思います。あるいはホテル等もありましょう。そうして次に何キロ行ったら昼食をするところがある、それから何キロ行ったら修理工場があるというような旅行者のほんとうのあれがやってもらいたい。京都市内に入りますと、途中からぐるっと国道が曲がるところがあります。ところが曲がるところに何もサインがないのです。四、五軒聞かなければならない。どこでも聞けばわかるようでありますけれども、農村の方なんかこれからこう行ってああ行ったらいいというような自分だけ心得た答弁で、さっぱりわからないことが多いのです。どうしても目で見て一目瞭然わかるようなものをさせる、おそらく、それは予算がないということになるだろうと思うけれども、それだから私は中学単位か小学校単位のPTAの財源にするように、その付近だけの看板の供給権といいますか、あっせんをさせて、そうして至急に整備をしてもらいたい。あわせて鉄道沿線等で見られますような乱雑きわまる看板、これは自動車局でなくて観光局というかもしれませんけれども、何局であろうともきたないものはきたないのですから、国道と鉄道の沿線の看板を合理化していって、全然ないということにもいかぬでしょうけれども、そういう通行者の便宜、目で見てよくて、そうして実際上安全に行けるような工夫をしてもらいたい。今ちょっと思いついただけですから、それだけ希望しておきますが、これに対するわが尊敬する綾部運輸大臣の所見いかん。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 非常に豊富な経験を基礎に、田原委員の御発言、私もしごく同感です。建設省、国家公安委員会、運輸省の交通に関する合同委員会にさっそく持ち出しまして、そういうように何らかの処置をとるように努力いたしたい。ことにオリンピックが来年にはあるのですから、オリンピックまでにそれを普及するようなふうに努力いたしたいと考えております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 次に警察庁の方にお尋ねしたいのです。  警察庁ではしきりに交通安全の意味からでございましょうが、速度を落とせ、あるいはスピードを出すなというような看板を出していることは、よく目につきます。その割にスピードも落ちず、事故も多いのでありますが、この機会に、今申し上げましたように、速度に対する指令と、それから交通旅行者のサービスとあわしたような看板ならば必ずしも警察庁の金でなくてもできることじゃないか。もう一歩進めてほんとうのサービスをしていただく。おそらく八十ヵ国以上から、特に南米あたりは一世、二世、三世等も本国を見に来ますが、交通はなっちゃいないじゃないかということになった場合、おれの方はスピードだけ取り締まっておればいいのだということになりませんから、この際至急に旅行者サービスの積極的な実行をやってもらいたい。担当の方で御意見があれば伺っておきたい。

片岡誠警視長(警察庁交通局交通指導課長)

○片岡説明員 先ほどから自動車局長のお話がありましたように、サービスの部門の方の案内標識と危険であるという危険標識は、道路管理者の方で所管しております。私どもの公安委員会の方で所管しておりますのは、指定標識と申しますか、それの指示に反すると罰金がついているという関係の方の標識でございます。しかしこの方も、運転している方が見てよくわからなければ、やはり罰金を取られるものでございますから、それだけ慎重によく整備していきたい。  なお、お話がございましたように、現在の標識が見にくかったり、わかりにくい点もございますので、現在標識の全面改正を検討いたしております。できますれば、来年度当初くらいには、新しい標識に変えていきたい。その場合に国連で勧告いたしておりますインターナショナルな標識の案もございますので、それを参考にいたしまして、それと同時に、今まで日本人になじんできた標識のいいところも生かしていくというところで成案を現在急いでおります。近くでき上がる予定になっておりますので、もうしばらくごしんぼう願いたいと思います。

田原春次日本社会党

○田原分科員 次はタクシーの免許に関連する問題、これもおそらく自動車局の所管だと思いますが、最近東京駅でおもに見かけるのですが、各駅にもありますが、黄色い色を塗って、上の方に東京駅なんて書いてあるのがありますね。まことに便利で、僕らよくあれを利用するのであります。しかるにほかのタクシーに乗りますと、ミツワタクシーだとか、ひのでタクシーだとか、名前がみな違うのです。所有者の好みの名前がみなつけてあるわけです。忙しいわれわれとしては、物を忘れても、何タクシーであったか、思い出すのに大へんです。それもあるし、それから第二点は小さな二十台、三十台持った業者のところに働いております運転手さんの待遇がまことに悪い。あなたたちは行ってみたかどうか知らぬけれども、仮泊所なんというのは、シラミのわくようなふとんでごろ寝しているような状態です。給料は少ない、歩合制度なんかを合わせてやっております。私いろいろ乗りながら考えることは、二十台、三十台、五十台程度のものを地域的に合併させて、百台標準くらい——これは東京都内に限った場合の話です。あわせてタクシー名を、いろいろな文学的な表現じゃなくて、地域を表現させてみてはどうかと思うのです。もちろん駅ごとのタクシー名が一番望ましいのでありますが、駅のないところはバスの終点、あるいは有名な名前、鈴ヶ森なら鈴ヶ森というものをつけるのもいいと思います。物を忘れた場合とか、乗る場合に乗客の便利になっていないのです。あれは営業者の好みで名をつけておりますが、乱雑でありまして、似たような名前が非常に多い。それからデザインも非常に似たようなのが多いのであります。一歩進んで、中小自動車業の合同のあっせん、それを機会にタクシー名称を地区別、四谷なら四谷といった工合にしておいてもらえないものかどうか。これは希望なんだが、あなたたちは何も考えておらぬかどうか。それに対するあなたの考えを聞かしていただきたい。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 大へん参考になる御意見を拝聴いたしたのでございますが、現在タクシーと申しますのはいわゆる流しでございますので、営業所なり本社というものは一定の地域にございますが、東京二十三区全域、どこを流してもいいという制度のもとにタクシー事業というものを免許いたしておりますので、お話しの第一点の地域を表わせとおっしゃる点が、その車の営業所の所属を表わせというお話であるとすればお話はわかるのでございますが、二十三区どこでも流せるという形になっておりますので、その点ちょっと問題があるように感じております。  それから、タクシーを合同させてもう少し数を少なくし、あるいは大規模なものにするようにというお話だと思いますが、これもタクシー事業——これは都市によって違いますが、東京だけを前提に申し上げましても、一体何両程度の規模が一番合理的な経営ができ、サービスもよろしいか、いろいろわれわれ研究はいたしておりますが、はっきりこれというきめ手の数字がなかなか見つかりにくいという状況でございます。また実情を見ましても、現在千両の規模の会社もあれば、二十両の規模の会社もありますが、経営の内容あるいはサービスのいい悪いを見ましても、必ずしも規模の大きさに比例してそういう点のいい悪いが順序立っておりません。大きいタクシー会社でも非常に悪いところもあれば、また小さいところでも悪いのがあるというように、その点では千差万別でございますので、そういう点も一体どの程度の規模があらゆる角度から見てよろしいかという判定がなかなかしにくいのでございますが、できるだけ規模は大きくなることが、一般的に言って好ましいと思っております。そういうふうな状況でございますが、現在あります事業者の合併を強制的にやるということは、今の時代ではちょっと無理かと思いますが、できるだけ合理的な経営ができるように自主的に集約できれば、それは非常に望ましい形である、かように考えております。  それからタクシーの名前がいろいろあって、表示等がどうもわかりにくいというお話でございますが、あのタクシーの上にあります帽子のようになっておりますのは、本来危険予防のためにつけてあるのでございまして、たとえば運転手が自動車強盗にあったというような場合には、あの上の帽子の中に赤いランプがありまして、その赤いランプがつくことになっております。あれはそのための危険信号の装置でございますが、普通は普通のあかりがあそこに入っておるために、会社の名前を入れて宣伝広告に使っておるということでございます。それで車に乗られた場合に、忘れものその他の場合等のこともございますので、車の中の運転台の上のところに、あるいは旅客が見やすいところに、その車のナンバーとそれから運転者の名前を入れることになっておりますが、私も実際に見てみますと、車両のナンバーは入っておりますが、運転者の名前をどういうものか、いやがるのか入っていない場合が多いのでございます。この二つを客の見やすいところに張り出すことによって、忘れ物その他のときにそれを覚えてもらって、照会してもらうというようなことにはいたしておりますが、申し上げましたように名札の点につきましてはやや徹底を欠いておりますので、その点はさらに厳重に督励をいたしたい、かように考えております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 今のお話の中で意見を出せば二つ三つあります。たとえば地名のタクシーにした場合、流しに困るのじゃないかと言われますが、これはきまった地区以外に行ってやってもいいのですから、そう困難なことはないと思います。やはり私は地名本位のタクシーにしてもらいたいと思います。また合併を言うたゆえんのものは、アメリカへ行きましても、イエロー・キャップならイエロー・キャップというものが全米にありまして、番号が大きく出ております。日本ではいろいろ種類が違いまして、忘れものを中心として考えるわけではないけれども、とにかく貧弱であり、第一待遇が悪い。あなたたち御承知と思いますけれども、タクシー業の免許をとりますと、一台を他に権利を得る場合、二百万か二百五十万くらいに売れるようであって、二十台持っておりますと、ちょっとしたボスは飯が食える。従って従業員の待遇なんかより、いかにすみやかにもうけて他に転売するかというようなことがほとんど公然の秘密になっております。でありますがゆえに、私は合併させる——確かに東京でも千台以上を持った大きいところが数社あるようでございます。大体労働組合もあり、ほぼ服装などもそろっておりまして、車の中でいろいろ聞いてみても、そう特別に不満というようなものもないようでございます。これはやはり大規模の商業経営でやっておるだけに、いろいろな共済制度とか住宅というようなものが配慮できると思うのですが、小さな二十五台、三十台のところの全自交の人々がよくストライキを起こしまして、私ども応援に行って見ておりますと、全くもう、そんなことを言うならやめてしまうぞというようなことで、まるでごろつきみたいな会社側がおって、どうにも話にならぬ。これはまことに困ったことだと思うのです。ですから私が言うのは、何台という標準は、大都会と小都会とがありますからむずかしいと思います。しかしながら、なるべく株式の増資あるいは合併をさして、従業員の待遇とお客の待遇をよくする。商業経営ですからもうけなければならぬでしょうけれども、合理的にやっていくためには、経営の合理化とか経理の公開というものを伴なわせるには、そうしたらいいんじゃないか。同じく人命を預かるのでありますから、鉄道や飛行機の問題などに対してと同じことです。よくぶつかって死んだりしました場合に、小さな会社のタクシーでは運転手もその能力なし、死んだ者は死んだ損ということになるのであります。その意味において、大会社に吸収、合併しろと言うのではありません。小率業者を地域的に、江戸川なら江戸川、三鷹なら三鷹というように分けてやらした方が監督もできるし、従業員も待遇がよくなるし、お客も安心して乗れるじゃないかという意味なんですが、そういう方角に進んでもらいたいと思うがどうでしょう。局長から一つもう一度、そういうことに対しての考えを聞かしてもらいたい。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 御意見につきましては私も同感でございます。ただ地区を指定することによってお話のような効果が上がるかどうかという点は十分研究さしていただきたいと思いますが、今後車をふやすというような場合にも、なるべく一つの単位の規模が大きくなるように心がけていきたいと思います。  なお従業員の待遇その他につきまして、特に労務管理につきましては、当局といたしましても指導の重点をここに置いておりまして、いろいろな観点から労務管理あるいは従業員の厚生施設等の充実には努力をいたしております。かりに車をふやします場合でも、そういった施設が十分にできておるかというふうなことを採点いたしまして、そういう従業員の施設等のいいものにはいい点をやって割当を多くするというような報償的な意味においてこれを奨励するという方法も考えておりますが、今後御指摘のような線に沿って自動車行政をやって参りたい、かように思っております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 ついでにもう一つ、タクシー関係の新たに免許を受ける場合の各陸運局ごとの扱い方が必ずしも同一でないのを最近知ったのであります。ある陸運局管内では、タクシーの新免許出願をしますと、よく書類を調べて、これは一字、字が違うから書き直してきなさいとか、許可、不許可の前に懇談みたいな機会があるのです。他のある陸運局を見ると、一切そういうことは秘密で、イエスかノーかになるだけです。ノーになった場合、開業しようとする人は非常に迷惑をします。だから指導されて、こういう条件なら許可を出すとか、あるいは新規に付近の会社と合併したらどうかというようなことまでされることがよくはないか。正しくやらぬと、変に自動車局の人が金でももらって逆のことをやられちゃ困るけれども、陸運局ごとに、何か審査会か審議会のような民間の公平な判断機関でもつくって、どうせ人口は年に百万ふえておるのですから、毎年多少はタクシーはふえなければならぬでしょうが、ふえ方について既存業者だけを尊重することなく、新しい業者にも許すが、そのかわり親切に指導するというような行政上のサービスの改善を考えておるのですが、これはどうでしょう。今ので満足しておりますか。そういうような不平が出てきませんか。

木村睦男運輸事務官(自動車局長)

○木村(睦)政府委員 各地方におきましてタクシーの輸送力をふやします場合に、現状がどうであるか、あるいは増車する場合に新しい業者をふやして増車するか、あるいは現在の業者に増車をして、新しい申請は認めないか、あるいはまた個人タクシーを認めるかどうか、これは各地方の実情によっていろいろ違いますので、その判断は各陸運局長の自主的の判断にまかせておりますが、ただ今お話しのように、免許申請をします場合に、字が一字違うからどうこうというようなことがもしあったとすれば、これはきわめて不適切なやり方だと思います。ただしこれは法律に基づく申請でございますので、申請書を受け付けました場合には、内容の審査に立ち入ります前に、形式的にこれがそろっておるかどうかという審査は必ずして、形式的にそろっていなければ、これは形式上の決缺があるということで差し戻すということはいたしますが、形式上が完備しておれば、内容の審査につきましては、これは道路運送法の中に免許の基準ということがございまして、それにはかって免許するか却下するかをきめるわけでございますので、その点につきましては全国各地とも違いはない、こういうふうに指導いたしております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 次は、列車における乗客サービスの問題であります。  まず順序として綾部大臣にお尋ねいたしますが、貴下は東京より大分まで汽車に乗る場合、どういう便利、不便利を感じられたか。今までのでいいと思うかどうか。長年乗っていると思うので、何も印象がなくて眠っていられるかどうか知りませんが、一つお聞かせ願いたい。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 私は大体「あさかぜ」を利用いたしております。またそれが門司その他で乗りかえなければならぬので不便でありますからして、少なくとも大分まで直通の特急列車を通してもらうように努力いたして参りまして、本年八月ごろにはそれが実現するやに聞いております。感想といたしましては「あさかぜ」は、私も外国では鉄道にずいぶん乗りましたが、外国の鉄道に比較いたしまして、デラックスな点においてはやはり世界で冠たるものと思って、非常にいい感じを、少なくとも「あさかぜ」に乗った場合には持っております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 まことに質問の仕方も悪かったかもしれぬけれども、大分県特急乗り入れ問題になってしまったのですが、そうでなくて、私の聞こうとしたのは、結論から申し上げますれば、東京から九州までの急行は、夜の九時三十分の「筑紫号」を最終として、翌朝の十一時までは急行はない。従って、一日二十四時間のうち十三時間は交通遮断になっているわけですね。これが第一。  第二は、特急は四時半と六時半の「さくら」と「あさかぜ」ですか、それから「みずほ」、「はやぶさ」と夕方の四本だけですね。およそ特急なるものは、先に普通急行が行って、あとで追っかける場合に特急があって私はいいと思う。早目に特急が出てしまって、九時半に普通急行が出る。そうすると、九時三十一分に東京駅に着いた場合には、もう翌朝まで中国、四国、九州へ行くのには汽車はない。そうすると、宿賃のない者は東京駅に泊まらなければならぬということになる。私の言いたいのはそういうことです。長年「あさかぜ」ばかりに乗って、不便を感じられないから、そうなことを言われるが、そうではなくて、朝かりに東京を立ってその晩あなたの大分市に着く方法はないか、ないのです。大阪で乗りかえれば博多まではありますね。それならば私の意見を出しますけれども、特急を夕方四本も出さずに、夜中の十一時ごろに出してもらえぬかということです。そうして「筑紫」なら「筑紫」の九時半に乗っていったものを追っかけるにも、これなら間に合う。  それから諸外国の例を出しますと、あなたも行っておるが、ロスアンゼルスからメキシコまでは午前一時というのがあるのです。午後十一時ごろ行って寝ておればいい、汽車は一時になったらいつの間にか出るのです。それからモスクワからリガあたりに行くのが夜中の十二時ごろ出る。少し早目に行って寝ておればいいのです。その他あちこちにたくさんあります、今思い出しませんが。そういうことですから、特急を四本出すならば分割して六時間おきぐらいに分けて出す、こういうことをやってもらいたいと思う。あなた、いつまで運輸大臣をやっておるか知りませんが、通常国会が終わるころ御退任になるか知りませんけれども、いずれにいたしましてもみやげに一つぐらいやってくれたらどうですか。つまり大都会から九州へ行く場合は、夜中でも汽車があるようにしてもらいたい。逆に言いますと今度四国、九州から東京へ来るのには、最終の特急は大阪から出る四時三十分の「第二こだま」が午後十一時に東京に着くだけで、十二時にはない、午前一時にもない、午前六時にもない。ということは、東京駅が十一時から六時までひまになっておるということにしか逆にならない。反面、それじゃ深夜に汽車が着かないか、広島は午前三時に清くのがあります。近ごろは大阪に夜中の二時に着くのもあります。ですから四六時中汽車が出ることによって、国民のサービスになると思う。また人口がふえておりますから、分散したからといって必ずしもお客が少ないということにはならないと思います。数年前には午後十一時の急行がありました。翌朝午前八時の熊本行きというのがありました。それがいつの間にか午後十一時というのはなくなり、午後九時半で九州は打ち切っておる。それから午前八時の鹿児島行きは午前十一時発になっておるのです。それは鉄道の時刻編成をする人の一種のマンネリズムじゃないかと思うのです。便宜主義じゃないか、サービス精神じゃない。どっかで貨物か何かと入れかえて、何とか一本組みかえたらできることです。さしあたり新幹線は東京——大阪間でありますから、これは問題にしません、そのときのことでありますから。ただいまは、せっかく特急制度をつくった以上は、四六時中出すように、列車の時刻ダイヤ編成の時期がありましょうから、十月か十一月が、従って一般乗客の代表者などを加えた列車時刻編成審議会みたいなものを、せめて綾部さんの時代に置きみやげにしたらどうか、少なくとも私のような者はその審議会委員に適人であると考えます。あわせて意見をお聞かせ願いたいと思います。

綾部健太郎自由民主党運輸大臣

○綾部国務大臣 今の田原君の意見、傾聴に値しますが、そういう列車編成が、なかなかそう簡単にできぬやに聞いておりますから、専門家の国鉄当局者をして答弁いたさせます。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 列車の回数をふやしまして二十四時間いつでもといいますと問題があるかもしれませんが、利用者のある地帯に特急が出れば、それは非常に御便利だと思いますけれども、現在の東海道線や山陽線の、技術的に申しますと線路容度といいますか、列車を入れ得る回数が非常に制限されておりまして、今ではほとんどあと一本も入らぬという状態で、従いまして、東海道新幹線の建設をお願いしておるわけでございます。従いまして、われわれは特恵列車をつくります際には、なるべくお客様の利用度の多い地帯を選んで特急を設定するわけでございます。現在の「あさかぜ」、「さくら」等は、九州から東京へ上京されるお客様は、東京に午前中着いて十時からの会議に間に合うとか、あるいは午後一ぱい利用できる、こういうようにつくってあるわけでございます。下りも同様でございまして、一日の仕事を済まして夕刻乗っていただきますれば、北九州に午前中に到着できる。つまり夜中寝る時間を旅行に使えるわけであります。こういう希望が多いので、こういうふうに設定をしておるわけです。  それからお話のございました、たとえば東京を夜おそく二十三時、午後十一時ごろ出る九州行きの特急を出したらどうか、こういうお話でございますが、こういう列車を出しますと、翌日の日中ずっと汽車に乗っていなければならない、こういうことで、御利用の希望が少ないわけでございます。われわれはなるべく多くの方に利用していただきますように、列車を設定する際には国鉄が独断でやるわけではございません。各管理局、支社、それから発と着の両方の駅、あるいは乗客一般の御意見を承りますためにいろいろアンケートを行なう、あるいは管理局も支社もそれぞれモニターという制度がございまして、毎年相当の人数のなるべく旅行される方、そういう人にお願いいたしまして、一年間絶えずそういう御希望をいただくとか、あるいは各支社には評議員会というようなものもつくりまして、その評議員会の席上を利用してこういう御意見を拝聴するとか、いろいろな手段を尽くしましてなるべく多数のお客様が御利用できるような時間を選びまして、特急を——特急のみではなく、すべての列車でありますが、設定をしておるわけでございます。  それから、今お話しの、夜の十一時ごろ出て九州へ行く特急がない、こういうことでございますが、これは今はございませんですが、普通の急行を利用していただきまして、夜行で大阪ないし京都に朝青いていただきまして「かもめ」とか「みどり」とか、こういう特急を御利用いただきますれば、これは接続がございますから、東京を夜の十一時に出て九州へ翌日荒くという乗りかえのコースもあるわけでございまして、御指摘のように今後ともいろいろ御利用者の最も便利な時間に汽車を設定するように努力いたしたいと考えております。

田原春次日本社会党

○田原分科員 今のは、直接私の質問に答えてないのですが、つまり特急をふやせと僕は言っておるのじゃないのです。現在四本ある特急を配分してはどうか、二本を。それから、なるほど十時前後の急行で大阪へ行って、乗りか、えればあります。しかしそれは議員だとか、会社の社用族というものは、特急券が要らなかったり、また自由に買えますけれども、一般旅客が途中で乗りかえということは、費用の点で不可能です。ですから一枚の特急券で遠距離まで行くには、やはり特急そのものがそこまで運んでくれなければいかぬわけです。私は、先ほど最初に申し上げましたように「さくら」、「はやぶさ」、「あさかぜ」、「みずほ」とありますから、その一本を十一時発にしたらどうか、他の一本を早朝発にしたらどうかと言っておるのでありまして、やってみてもお客がないと言うが、やってないじゃないですか。やってみないでお客がないと言っても始まらぬ。やってみて利用者があればそれでいいわけですから、早朝発の長距離特急に一本を組みかえる、それから深夜発の長距離特急に一本を繰り下げるということにしたら何も増発の必要はない。その意味で申し上げておる。増発論ではないのです。しかしこれは議論だからどうにもならぬけれども、あらためてモニターを調べてみるとか、あるいは各地のあれを調べてみるとかいたしまして、特急が四本ならば六時間置きくらいに出すというふうにして、たとえば「はやぶさ」は鹿児島、「さくら」は長崎ですが、門司ないし福岡まで一緒だから、あそこで切り離していけると思う。ですから一本で行けぬことはない。そういう工夫をし、サービスをしてやっていただけないかと思うのですが、どうですか。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 時間も大へんおくれましたので、答弁はごく簡潔に願います。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 御指摘のように四本が時間がかたまっておりますが、私どもかような列車が最もお客さんに便利だと思って設定しているわけでございますけれども、御指摘のような事情も十分調査いたしまして、列車の次の時刻改正の際に研究いたしたいと思っております。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田主査 本日の質疑はこの程度にとどめます。  運輸省所管に対する質疑は来たる二十五日に続行することにいたします。  なお、次会は来たる十八日午前十時より開会し、郵政省所管の審査を行ないます。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時五十分散会

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