予算委員会第三分科会 第8号
- 発言数
- 286 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/25
会議録
○中村主査 これより会議を開きます。 本日は、昭和三十八年度一般会計予算中経済企画庁、農林省及び通商産業省所管、昭和三十八年度特別会計予算中農林省及び通商産業省所管を議題といたします。 質疑の通告がありますのでこれを許します。武藤山治君。
○武藤分科員 きょうは二、三点につきまして通産大臣に少しお尋ねをしてみたいと思いますが、第一分科会でこのあと質問を予定しておりますので、できるだけ短かい簡潔な答弁をお願いしたいと思います。 最初に、中小企業育成という立場からの税制問題でございますが、現在租税特別措置法による減収額というものがどのくらいあるかということは、大臣もよく認識だろうと思いますが、国税、地方税合わせて三十八年度の租税特別措置法による減収額というものは、大体どのくらいあるとお考えですか。大体でけっこうですが、大臣の認識をまず聞きたいのです。——通産大臣は直接の管轄ではございませんから、あるいは御無理かと思いますが、私が大蔵省並びに自治省から取り寄せました資料によりますと、三千百億円の租税特別措置による減収が見込まれるわけであります。そういたしますと、国の一般税収入の一割四分に該当する膨大な租税特別措置が三十八年度に行なわれるわけであります。その中で特に中小企業に租税特別措置の恩恵のいくものがどの程度占めておるか、そういうことについて中小企業庁長官なりあるいは部長でもけっこうですが、特に中小企業の設備近代化という立場からこの問題を取り上げようとしておるわけですが、どの程度のパーセントで中小企業が恩恵を受けておるとお考えになっておりますか。
○樋詰政府委員 租税特別措置法の今の全体の額は、私、つまびらかにいたしませんが、先生のおっしゃる通りだと思っております。さしあたり三十八年度で今まで以上に減税になるというふうに考えておりますものが、今度新しい法律でお願いしたいと思っております中小企業の近代化の割増し償却で十五億円、同族会社の留保所得課税で三十億円、それから合併協業化の促進等で三十億円、それから家族専従者の控除引き上げで六億円ということで、このほかに小規模事業者の税の負担の軽減の措置で最も大きなものとして基礎控除、配偶者控除、それから扶養控除といったものがございますが、これはここで中小企業、大企業と分けてございませんで、全部ひっくるめますと、これが三百十四億円ということになります。これは三十七年度に比べてさらにこれだけふえるということでございまして、三十七年度の数字をここに今持っておりませんので、あとから至急調べてお返事申し上げます。
○武藤分科員 現在全国に企業の数というものがかなりの数ございますが、ちょっと私の記録は古いのですが、六十数万ですか、その中で証券市場に株を出しておる会社、その会社の資本金別の階層別ですね。一応会社を拾い分けてみますと、大体市場に出しておる会社がこの特別措置の恩恵を受ける金額、それ以下の中小企業の恩恵を受ける金額、そういうようなものを中小企業庁としては、中小企業育成という立場から検討したことはないですか。——検討したことがなければよろしいのでございますが、現在一億円以上の資本金会社は全国に幾つございますか。
○樋詰政府委員 大体二千ちょっとじゃないかと思います。今至急資料を取り寄せます。
○武藤分科員 昭和三十六年の統計によりますと、一億円以上は千七百五ありますね。おそらくその後何ぼかふえておりますから、あるいは二千近くなるかもしれませんが、そういう大会社が、私に言わしむるならば大会社が、租税特別措置の何パーセントを占めておるかということを、おもしろいと思って調べたことがあるんです。しかし、私の調べはすでにもう二年前の調べでありますから、少々古くなっておりますから、中小企業庁としてもぜひこれを一つ検討してもらいたいのです。というのは、この三千百億円以上の租税特別措置のおそらく六割が大企業で占めております。これは間違いありません。今日はもっとそのトータルは上がっておるかもしれません。七割くらいは大企業がこの恩恵を受けております。そうだといたしますと、中小企業振興だ、やれ機械設備近代化だと鳴りもの入りで新しいものには取っつくけれども、既存のこういう不公平な税制というものを、どう零細企業や中小企業に振り向けていくか、こういう内部における操作というものにもっと目を向けないと、不公平というものはますます拡大をされる傾向にあるように私は感ずるのです。従って、一つそういう点を、委員会を通じなくともけっこうですから、あとで資料を作成をして、資本金別のランクを出してみて、さらにそれがどの程度租税特別措置の恩恵を受けておるか、それを金額を出し、パーセントで出してみて、これから力を入れなければならない中小、零細企業というものは、どの程度の層を重点的に税の方面で近代化の方向を進めていこう、これからはそういう具体的な内部の問題にもうちょっと目を向けないと、新規事業ばかりどんどんふやしていっても、その経済効率は非常に低下をする。こういう点を心配するので、ぜひ一つそういう点を通産省としても中小企業を守るという立場から十分なる御検討を希望したいと思いますが、大臣の御意見いかがですか。
○福田国務大臣 ごもっともなあれでございまして、私の方としましては、ただいまのような数字等も、これは当然調べておくべきものだと思っております。数字も、今ここに持っておらないだけで、調べてはおると思いますが、お説のような趣旨に基づいて、実際に中小企業を助けるという建前から施策をするということでなければ意味がないと思いますから、十分今後注意をいたしたいと思います。
○武藤分科員 大臣が率直に今後十分検討するという御意見でございますから、租税特別措置全体についての質問は、これ以上進めないことにいたしまして、特に具体的にこまかい個々の問題にわたるのでありますが、御承知のように租税特別措置法四十三条によって、特に中小企業の機械設備の耐用年数、特別償却を三分の一認める。従って、取得価額の三分の一を償却として認めるのでありますから、これは中小企業にとっては非常に大きな減税恩恵であります。 ところが、その機械を指定する際に、どうも小企業、零細企業には当てはまらないような基準で機械の指定がされておるうらみがあるような気がするのです。具体的には別表の方を見ますと、別表の三十九番、さらに耐用年数に関する省令別表の百四十六番、ここにメリヤス機械の規矩がございますが、特にトリコット機の下にあるラッセル機の問題です。御承知のように、このラッセル機はごく新しい企業で購入をし、特にドイツ、アメリカからの輸入機械が非常に多うございます。そのラッセル機の適用が働き幅が二・五五メートル以上のものという、二メートル五十五の幅のあるものでなければ適用にならないということになっております。ところが、この指定が行なわれる三十六年四月一日以前は二・五五以下の機械も特別償却を認められたわけです。ところが、三十六年四月一日から非常に厳重になったのですか、それとも小企業、零細企業に冷淡になったのですか、とにかくこういう形に変更されたわけです。これは一体通産省側からこの幅が適当なんだという形で大蔵省の方と折衝したのか、それとも、もっと幅の狭いものまで適用させようとしたのだが、大蔵省当局が承知をしないので、こういう幅になったのか、その辺の経緯はいかがなものでしょう。
○樋詰政府委員 御指摘のように、三十六年の四月から、それまで幅の制限のなかったものが二・五五メートル以上のものということになったわけでございます。これはその経緯はいろいろございますが、しかし、一応通産、大蔵両省で、御承知のように、製造工程の短縮とか、単位時間における生産高の増加または品質の向上とかいった一般的な指定基準に合致するものはどれかということを両者で検討した結果、これから指定するなら二・五五メートル以上のものにした方がよいじゃないかということで、最終的にはそういう結論になったわけでございます。しかし、実際問題といたしまして、その後二年たったわけでございますが、業界の実情等を見てみますと、二・五五メートルというふうな制限を置いたということが、必ずしも租税特別措置を置いた本来の趣旨に合わないんじゃないかといったようなこともございますので、この七月に指定がえになるわけでございますが、その際には、両省でさらによく検討いたしまして、もし現在のあれが先生今御指摘のようなことで実情に合ってないじゃないかというようなことでありますれば、これはその際に善処したいということで、今、両省の問で検討を始めたところでございますので、御了承をいただきたいと思います。
○武藤分科員 ちょっとお尋ねいたしますが、全国でラッセル機で二・五五メートル以上のものの台数はどのくらいで、それ以下から一・九メートルぐらいまで、その二つに分類した場合の台数は、どのくらいございますか。
○樋詰政府委員 二・五五メートルの今の恩典の対象になりますものが、ことしの二月二十日現在で二十七台であります。それから二・九メートル以上で二・五五メートルまでのものが二十一台、それから一・九メートル未満のものが六百八十六台です。
○武藤分科員 大臣、今の数字を聞いていただきましても、一・九までおろしてもほんのわずかな台数ですね。ラッセル機は、まだ日本の企業としてはこく新しい、これから伸びていく、特に輸出関係に伸びていく製造機械なのです。そういうことを考えてみますると、あと二十一台幅を広げても、条件をゆるめてもその程度しかふえないのですから、そういう点は実態をよく把握するならば、直ちにこういうものは変更して、できることなら三十七年度にさかのぼって一・九まで広げてやる、そのくらいなことは私はやるべきだと思うのですが、そういう点についてのお考えはいかがですか。
○樋詰政府委員 この指定につきましては、毎年実情に沿っているかどうかということを検討して指定いたすことになっておりますが、さかのぼるということは、今までの実例等から申しましても非常にむずかしいのじゃないかと思いますので、今後、将来に向かってできるだけ合理的な方向で是正するということをいたしたいと考えております。
○福田国務大臣 今御説明をいただきましたラッセル機の問題もありますが、実は私は、耐用年数の問題はもっと根本的に考えてみていいんじゃないか、特に中小企業向けにおいてその感を深くしておりまして、御説もございましたから、一つ今回のそういうような改定にあたっては十分一つ話し合いを進めてみたい。大蔵省とよく研究した上でもっと徹底してやるべきではないかというふうに私は考えておるわけであります。今あなたからメリヤスのお話が出ましたが、私は織機の問題でこれに触れたのでありますが、木製の織機を十五年で償却していかなければならぬ、これは実にめちゃくちゃな話なんで、私からそういうことを言ってはいかがかと思いますが、私は少なくともこんな木製なんというものは、十年くらいで償却するくらいにしてやらなければいけないと思っておるのであります。こういうことは、確かに中小企業を基本的にどうしていくという問題と深く関係をしておりますので、今後一つ大いに研究した上で大蔵省と折衝していきたい、かように考えておるわけであります。
○武藤分科員 特に福田通産大臣に私は敬意を表しておりますし、実力を期待しておるのでありますから、ただいまの答弁が単なる言葉でなく、一つ中小企業の階層別対策、特に小零細企業というものに対する耐用年数の短縮、そういうような角度から、一つそこにずらりと並ぶ大臣補佐役の皆さんも真剣になって小企業や零細企業向けの近代化をどうするか、こういう点を一つ遠慮なく租税特別措置で三千百億円も減税をしておるのですから、それをできるだけ、だれに恩恵を与えるかという内部の問題を転換をさせなければいかぬ、こういう角度から私は要望しておるのですから、十分一つ今後推進してもらいたい。 もう一つこれに関連して、さかのぼることは無理だろう——ごもっともです。しかしながら、今度は業者の立場になって考えてみますると、三十六年までの人たちはみな特別償却がずっと認められて、この通達一本で、この指定されたことによって、その二ヵ月後なり三ヵ月後に機械を買った者は、もう同じ機械を買っても入らぬわけですよ。三分の一償却ですからえらい差がつくわけですね。これはけしからぬ、何とか一・九メートル以上くらいは適用さしてくれ、こういう要求で——実は東京通産局が従来はその現物の調査をしたわけです。通産局の場合は非常に中小企業に対して思いやりがあったのです。ものさしを持っていって、機械をはかる場合に、これはこの程度あるからよかろうといって、この規定があっても、少しの違いは大目に見て証明書を出したのです。ところが去年の六月からですか、五月から、その権限を一切県庁に譲ってしまったのです。各県の商工部にそれを委託したものですから、商工部の役人は、ものさしできちっとはかって、これは二・五五メートルから大へん差があるといって、わずか五センチか六センチの幅の違いすらも全く認めないのです。この証明書を出す機構の権限委譲によって、業者はえらい迷惑を受けておるわけですね。商工部長に私も会って、どうしてそういうことをするんだ、今までは通産局は認めておるじゃないか、ところがこういう通達で、文書を読んでみると、どうしてもこうせざるを得ないのですと言って、ぴしゃりとものさしでもって厳格にやられてしまう。どうもそこらが役所仕事というのは、従来の、前年あるいは半年前の業者とのバランスというものを全く考えていないような気がするわけです。そういう点で、確かに東京通産局まで業者が一々証明害をもらいにくるのは大へんだからという思いやりから各県にまかせたのだろうと思いますが、どうも各県のやり方というものは画一的で、少しも業者の気持をくんでくれない。こういう点も一つ考慮に入れて、今後の六月改定期には零細、小企業の耐用年数というものを根本的に変えるくらいな案を通産省としてはつくってもらいたい。大臣もそういう覚悟だとおっしゃいますからその程度にいたしますが、たとえばトリコットの機械などもそういううらみがございまするから、検討の際には一つ中小以下の零細企業にも及ぶような耐用年数の変更を推進をしてもらいたい、こういうことを強く要望しておきます。 次に、大臣にちょっとお尋ねをしておきたいのでありますが、大臣は、過般この部屋で横山議員から質問のあった今度の中小企業育成会社の問題で、名古屋にもつくり全国三ヵ所にするということを、さっそく翌日の閣議で了承を得るという実力者ぶりを発揮したわけでありますが、私は、それの是非を今ここで尋ねようとするのではないのです。それに関連をして、特に要綱を読んで見ますると、育成会社が資金を借りる場合に中小企業金融公庫が貸付をするように発表されております。そこで、中小企業金融公庫から育成会社に資金を流した際に、従来の借り入れをしておった業体に資金の不足を来たさないか。本年百五十六億円の中小企業金融公庫への融資、政府出資あるいは預金部からの融資等がございますが、そのうち六億円はすでに育成会社の方へ出資をすることになっております。従って、百五十億円が前年増になっておるわけでありますが、大体この育成会社が三十八年度に必要とする資金量、中小企業金融公庫から借りようとする計画金額、これは大体どの程度を一応想定しておるわけですか。
○福田国務大臣 中小企業金融公庫からの借り入れば、今のところ予定をいたしておりません。従って、今まで御説明をしております通り、融資ワクは中小企業金融公庫の千百三十五億円そのまま使えるわけでございます。
○武藤分科員 将来育成会社が必要とする場合には中小企業金融公庫から借り受けすることができるという、そういう規定になるわけですね。
○福田国務大臣 将来の問題はお説の通りでございますが、今年は出発早々と言いますか、設立早々のことでもございしますので、予定をいたしておらぬわけでございます。
○武藤分科員 大臣のお考えで、中小企業金融公庫の現在の資金需要から見て、大体資金は足りるとお考えですか。十分とはおそらく言えないでしょうが、足りるという程度の御判断でしょうか。
○福田国務大臣 大体まあ金融も、いささかあなたも御存じのようにゆるんでくる傾向もありますし、大体まかなえるのじゃないかと思いますが、しかし必要があれば、やはり年度の途中においてでも適当な措置をとる必要が起きる可能性はあると思っております。
○武藤分科員 従来の中小企業金融公庫への申し込み受理件数、金額、それと実際に貸付を実行した件数と金額の比率を、ここ三年くらいの経過をちょっとお尋ねしたいのです。
○秋本説明員 ただいま手元に古くからの資料がございませんので、直ちに御返事を申し上げるわけにいかないと思いますが、一応現在こちらにありますのは、金額別の数字はございますが、件数別のものはこざいませんので、金額別で御返事さしていただきたいと思います。
○武藤分科員 金額別の問題は国の予算に全部出ておりますから、答弁の必要はありませんが、それをパーセントで出した場合です。申し込み件数がこれだけあった、それを実行して実際に貸し付けたのはこれだけの件数だ。申し込みに対して実際には何ぼ貸付をしておるかというパーセントが聞きたいのであります。それはわかりませんか。
○秋本説明員 ただいまの金額別のもので数字がございますが、それで申し上げますと、大体三十四年、三十五年、三十六年とも充足率は六〇%になっております。それから最近の三十七年におきましては、年間でははっきりしておりませんが、四月から十一月の実績では六六%になっております。
○武藤分科員 大臣、中小企業金融公庫への申し込みというものは非常に多うございますね。今の数字を見ましても多いということはうなずけると思うのです。三十五年、六年、七年と、ここに数字がございますが、申し込み件数が、おそらく件数でいきますと五四、五%しか満たされてないわけです。特に金額でいっても、申し込みの六割しか借りられないわけであります。もちろん借りられない業者の中には、債権があぶなっかしいとか、内容がどうとかという答弁をおそらくすると思いますが、しかし、申し込みに対して、件数では五割ちょっと、金額で六割しか借りられないということは、申込人の側から考えれば、中小企業金融公庫というものはずいふん冷淡だ、あるいは厳格だ、われわれに貸してくれぬという不満を持つことは、私はこういう数字から見ても当然うなずけるのです。この程度の貸付実行率しかないということで、一体資金量は足りるのでしょうか。大臣、そこらはどうお考えでございましょう。
○福田国務大臣 私は実務自身の内容を詳しく解剖しておりませんから、お答えがあるいははずれておるかもしれませんが、しかし、やはり中小企業金融公庫といえども、一応いわゆる平常な意味でいう金融ベースに乗っておるかどうかということを調査するだろうと思う。そこにもってきて金利が安いし、中小企業金融公庫で借りれば便利だというような意味で、どうしてもみんなそこに殺到してくるということもあろうかと思うのであります。そこで問題は、ベースに乗っておるのに貸さなかったということになると、これは非常に資金量が足りないということになるわけでありますが、ベースに乗っておるのかおらないのか、ベースに乗っておるけれども資金量が足りぬからこれだけは貸せなかったというような調査をいたしまして、そしてその足りない分は、今度は何としてもこれは予算で要求する、こういうふうな考え方で処置をしていってはどうかと考えておるわけであります。
○武藤分科員 そういたしますと、申し込みに対して六割しか貸付ができない、その原因はこれから検討する、従来そのいう点は中身を検討した資料というものは金融課長、ありませんか。
○秋本説明員 現在のところ資料としては持ち合わせておりませんが、帰ればあると思いますので、至急検討さしていただきたいと思います。
○武藤分科員 そこで課長、四〇%の借りられない人の大部分というものは、金融ベースに乗らぬほど企業内容が貧弱だというあなたの記憶ですか。その調べた結果はどう記憶していますか。それとももっと資金があれば、このパーセントは六〇から七五くらいまではいってもいいのじゃなかろうかという程度の認識ですか。それをあなたは現状をどう把握されておりますか。
○秋本説明員 私の精密に検査いたしました判断ではございませんが、中小企業者の申し込みというのは、大体ある程度実際に出る率から見ますと、個別のケースで見ますと、政府機関に依存するという形で申し込みが出てきておりますので、中小公庫側におきまして他の民間の金融機関といろいろ相談をした点等をあわせ考えまするならば、充足率が六割だから非常に低いのだということには決してならないのではないかというふうに考えておるのであります。
○武藤分科員 それはちょっとおかしいのですよ。公庫から漏れた人は市中銀行から、あるいは信用金庫から、相互銀行等おそらくほかの何かの機関で借りているだろうから、そのパーセントをそのまま見るという議論はおかしい。中小企業金融公庫というのは有利だから業者は殺到してくる。歩積み、両建もなければ、うるさいことを言わない。それが今度代理貸しになって、ほかの銀行から申し込みますと、公庫から借りた金の二割は定期で組んでくれ、三割はうちの銀行へ預けてくれという形で天引きされてしまうのです。だから、できるだけ公庫から有利に資金を回そうという零細企業、中小企業の気持を理解してやらなければいかぬと思うのです。 そこで、その話はこれから十分検討してもらうことにして、大臣、資金量が国の財政事情から制約をされて、なかなか業者の思う通りの資金が確保できないのだ、おそらくそういう気持が大臣の気持の中にあると思うのです。そこで資金を見つける方法の一つとして、提案なんですが、大臣のお考えをお聞かせ願いたい点は、生命保険会社や損保の資金ですね。今生命保険会社というのはどの程度株を保有しているか、あるいは現金、貸付金を大企業にどのくらいしているか、大体の数字を大臣認識しておりますか。おわかりになりませんか。私の調べでは、三月になる寸前の現在で、生命保険会社の株保有額は五千億円を突破しております。現金で貸付をしておる大企業向けの融資が二千七百億円、約三千億円あります。生命保険会社というのは、私はもっと社会性を持っていいと思うのです。幾ら資本主義の自由競争で、金もうけの競争の世の中とはいえ、生命保険会社に従来税金をとらないという恩典を与えたり、国のいろいろな指導というものを受けて、今日まで大きくのし上がってきたのでありますから、こういう保険会社の集めた金というものは、もっと国家的立場で社会性を持たせていいような気がするのですが、そういう点に対して大臣は間違いだとお考えですか、社会性を持たせるという考え方はどうでしょうか、伺いたいと思います。
○福田国務大臣 金融の問題は、銀行、保険会社あるいはその他のいろいろな機関を通じてなされておりまして、これは総合的にやはり判断をしていかなければならない問題かと考えます。しかし、あなたの御提案になったようなことは、私は、実は金融の問題はあまり詳しくありませんから間違うかもしれませんが、一つの考え方になるとは思います。
○武藤分科員 これは大蔵大臣に当然反省をさせるべきであります。実は過般大蔵委員会でも、私はちょっとこれを取り上げたのですが、ことしの産投会計を見ると、保険会社から二百九十億円原資として調達をいたします。しかし、二百九十億円程度の原資を保険会社から国が借りても、保険会社の全資金量から見るならばほんの微々たる金額なんですね。ですから私は、日本の国際競争力を強める立場に立っても、あるいは中小企業近代化や合理化という立場に立って考えてみても、この資金をもっと国民金融公庫や中小企業金融公庫の原資にしていいじゃないか。大体中小企業金融公庫は年九分ですから、保険会社から五分五厘か六分でもって金を調達をして、これを中小企業金融公庫の資金にする、あるいは国民金融公庫に回す。こういうことをもっと積極的にやって保険会社の資金に社会性を持たせるということは、資本主義の社会であってもやり得る当然のことだろうと思うのです。そして大企業中心の今日の経済運営というものに修正を加えていくというのが、現代の資本主義の当然の立場じゃなかろうかと思うのです。そういうことをやれない資本主義というのは、幾ら口でわれわれは現代資本主義だ、修正資本主義だ、いや混合経済だと言っても、やっていることが、やはり一部少数の大企業中心向けの金融や税制やその他の国の保護というものが行なわれておったのでは、政府与党の主張しておる言葉と実体というものが一致しておらない、こう私は考えるのです。ことに資本主義を奉ずる政党から出ておる大臣でありますから、そういう無謀な荒れ狂う資本主義のあり方というものをどこかでチェックしていく。それにはやはり今のようなことを一つ大胆にやってもらうような主張を大臣は大いにやるべきだと思うのです。そういう点について、大臣、もう一度あなたの御見解をお聞かせ願います。
○福田国務大臣 考え方としては、私はそれは決して反対ではないのでありますが、実際の処置の仕方として見ると、直接に中小企業金融公庫へ保険会社から金を出させるというやり方、この種のやり方をしていくのは、金融全般を一応コントロールしていくという上でいいかどうかということはあり得ると思う。しかし、保険会社を調べて、たとえば中小企業を今度三百人以下五千万円と押えていくのだから、その五千万円、三百人以下といういわゆる中小企業者がどれくらいの保険をかけているかという比率などを見てみるのもおもしろい問題だと思います。そして、そういうところがかけておる資金ワク等も見ながら、もっと国に対する貸付というか、協力を積極的に行なわせる。たとえば今二百八十億なら今度は三百五十億にして、そのうちの七十億を、あるいはまたもっとふやしてもいいかもしれませんが、そういうものを中小企業金融公庫の原資ワクにして貸していくというようなことは、一つの考え方として成り立つかと思っております。
○武藤分科員 これも大臣の専門でないから、あるいは答弁がむずかしいと思いますが、現在の中小企業金融公庫の運営から見て、原資として借り入れる場合の最高利率は、どの程度までの原資を借りたならば赤字にならずに運営がつくか。現在の政府からの産投から入ってくるものや何かを基礎にして、さらに新たに原資を産投からふやす場合に、今よりも高い金利の原資を利用する場合に、最高限どの程度まで商い金利でも運営がつきますか。採算が合いますか。
○樋詰政府委員 現在出資以外に国から借りる場合は、御承知のように六分五厘の金を借りておりますが、若干御承知のように利益と申しますかを上げておりますけれども、しかし、ここで厳格にはじいたことはございませんが、あまり六分五厘から上には上げ得ないのじゃないかと考えております。
○武藤分科員 先ほどの生命保険会社の資金二百九十億円を産投会計で原資として借りておる。その生命保険会社から国が借りておる利息は多分七分二厘だと思うのです。そこで七分二厘の金利の原資では中小企業金融公庫へ回してもちょっと運営がベースに乗らぬのだ、そこでそういう運営はしないのだというなら別です。現在の二百九十億円の原資は何に使っておるかというと住宅公団です。住宅公団ではまあ七分二厘の金利でもやっていけるということなのでしょう。私はそれだけではなくて、特に中小企業の近代化という立場に立って考えた場合、原資が足らぬというのですから、私の判断は中小企業の資金はもっとふやすべきだという考えですから、そういう立場に立って生命保険、損害保険の資金を使うという場合、向こうの相手が七分二厘以下ではいやだ、どうしても出せぬというなら、現在の七分二厘でもいいじゃないか、この場合に公庫の方が高過ぎてだめだというのかどうかということを聞いているのです。
○樋詰政府委員 ちょっとお答えがそれるようでございますが、商工中金が、御承知のように、預金のほかに債券を発行いたしまして資金を調達いたしておりますが、利付債、割引債町方総合いたしましたときの応募者利回りが大体六分八厘、これを発行者利回りにしますと七分ちょっとこえるのではないか、こう思いますが、御承知のように、商工中金は大体中小公庫の九分に対して九分三厘で、三厘高いということでしょっちゅう問題になっておりまして、その問題になっている一番大きな理由は、やはり七分にもつくような債券にたよっているからだということがいつも指摘されるわけでございます。従いまして、今先生御指摘のような、生命保険あたりから余裕金をこちらに借りてくるといった場合にも、七分以上につくような金を借りるということになりますと、現在商工中金に起こっていると同じようなあれで、中小企業者に対する金利を下げたいと思っているが下げ得なくなるということになりはしないか、一応六分五厘からあまり高いところには出得ないのではないかというふうに考えております。
○武藤分科員 生命保険会社から原資を調達する際の金利は政府との相対でもってきまるものですから、現在は七分二厘という高い利率ですけれども、これはとにかく大臣が大蔵省とほんとうに腹を打ち割って相談をするなら六分五厘だって可能なんですから、一つこういう資金を今後十分検討してもらう。大臣は検討するという先ほどの答弁でありますから、この点はまた次の国会でその後の検討状況をお聞きいたしますから、十分一つ御検討願いたいと思います。 次に、中小企業金融公庫の支店、出張町が、現在支店は十九、出張所は二ございますが、三十八年度には支店を幾つふやして出張所を幾つふやそうという御計画ですか。その点はいかがでしょう。
○樋詰政府委員 今の御質問にお答えする前に、その前の先生からの御要望がございました点、念のために申し上げておきます。 先ほどの二百九十億借りているとおっしゃいましたのは住宅公団であろうかと思っておりますが、中小企業金融公庫、直接の政府機関そのものが民間から金を借りるということは、今まで例もこざいませんし、また制度として政府機関が民間から金を借りる、これは財政資金そのものを活用するという場合は別でございますが、公団あるいは公社といったような債券を発行いたしまして広く民間からも資金を集めるという仕組みになっているところは、そういう民間の金を利用するという向きもあろうかと思いますけれども、ただいまの公庫の組織そのもので直ちにそういう生保あたりに金が余っているから利用できるかということにつきましては、組織の問題もございますから、その点もあわせて検討した上でお答えいたしたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
○武藤分科員 皆さんは役人ですから、今きまっている法律の範囲内で仕事をやる、それが任務なんです。ところが、今われわれの論議しておるのは、法をつくり、法をぶちこわし、従来ある法律を新しくつくり直そうという政治の場ですから、われわれは、そのいう角度から、不備の点やあるいは不満な点を直していこうという前向きの姿勢で議論している。あなた、そんなことをつけ加えて答弁しなくてもいいです。そういう点はできるかどうか十分検討するということでけっこうなんです。 支店の問題は……。
○樋詰政府委員 現在支店が十九ヵ所、出張所が二ヵ所ございます。三十八年度では支店を四ヵ所増設する予定になっております。
○武藤分科員 四ヵ所増設予定の場所は、大体何県あたりを予定しておりますか。
○樋詰政府委員 群馬県と、それから福島県、山口県、大分県、この四つの個所に支店を設置したいと思っております。
○武藤分科員 栃木県の宇都宮からも、長いこと商工会議所や両毛線沿線の都市から、かなり強く通産省あるいは公庫等にお願いをしておると思うんです。県会でも決議をし、あるいは知事を先頭にして要求をいたしておるわけですが、これは何年後くらいになりましょうか。
○福田国務大臣 御承知のように、支店をふやすといっても、やはり人の問題がかなり大きな要素を占めております。従いまして、できるだけこれは順次貸付規模に応じてふやしていきたいと思っておるわけでありますが、全国で非常な要望がありまして、これはちょっと私が申し上げるのもどうかと思いますが、福井、富山あたりも非常に要望いたしております。そのほかたくさんあります。しかし、なかなか充足できないので弱っておるという段階でありますが、しかし、栃木の場合は比較的早い時期に——三十八年度はきまってしまいましたから、そのあとでありますが、比較的早い時期に設置されるのではないかと私は考えております。
○武藤分科員 設置されるんじゃないかと考えているというと、あまり自信がないようですが、設置するかしないかは大臣の腹できまるんですから、今からだって、別に来年度は四ヵ所、あとはふやさぬというわけではない。あなたがやろうと思えばできるんですから、将来できるだろうなんという情ない答弁じゃなくて、もっと確信にあふれた答弁をもう一度聞かしてもらいたいと思います。
○福田国務大臣 お説ではございますが、御承知のように、こういうものをふやす場合、やはり予算折衝というものがございまして、予算で私ががんばるということならば、ここではっきり申し上げられますけれども、必ずとれるかどうかということになると、ここで申し上げる段階じゃないので、少し遠慮をして申し上げました。御了承を願いたいと思います。
○武藤分科員 群馬県と栃木県は距離的には同じくらいですね。それから首都圏の範囲内で、産業の構造、構成、数からいきますと、栃木県の方が多うございますね。金融取引の量などからいきましても、群馬県より栃木県の方が多うございますね。これははっきりしております。そういう点から見て、群馬を優先したという根拠は何でしょう。先に陳情を受けたからですか、それとも大物の政治家がおったからですか。
○樋詰政府委員 これは非常にいろいろな資料を総合いたしまして、総合順位を一応つけたということでございますが、中小企業者の事業者数でありますとか、あるいは付加価値の額でありますとか、あるいは民間の金融機関の貸付残高、あるいは公庫の貸付残高というようなものをいろいろと勘案し、さらに、今後、将来の各産業がどういうように伸びるかというようなことの予想というようなことも入れまして、一応総合的にやったということでございます。
○武藤分科員 優先順位でいきますと、栃木県は何番くらいになりますか、そこに表があるようですが……。
○樋詰政府委員 ことし四つきめたのは、大体みなで各省相談いたしましてきめたわけでございまして、栃木県も、大体グループといたしましてはそれに次ぐ程度の非常な重要性を持っておるというふうには考えております。それでは来年二つか三つ入ったら必ず入るかということは、このあたりではまだそこまではっきりしたものではございません。とりあえずわれわれ四つきめる、四つまで認めようという、大蔵省の人員査定その他の関係できめたときに、今のようなことで拾ったわけでございますが、栃木県も確かにそれに次ぐ程度の相当重要性のあるものであって、われわれといたしましても、早く支店を設置するということにしたいと考えておるところであることは、間違いないのであります。今後さらによく検討させていただきたいと思います。
○武藤分科員 どうもあまり意地の悪い質問をしても気の毒だと思って、遠慮しておるのですが、その優先順位は、おそらく栃木県もかなりいいところにあるのだろうと思いますが、各省と折衝した結果四つに区切ったというのですが、来年は何支店くらいふやすという年次計画にあるのですか。
○樋詰政府委員 大体、最近一年間に三つくらいずつの割でふやして、今度は四つふやすということになっておりますが、われわれといたしましては、来年も少なくともやはり四つ程度ふやしていただきたいというふうに考えております。これはやはりわれわれの希望でありまして、相手のあることでございますので、大蔵省とよく相談いたしまして……。
○武藤分科員 来年も引き続き四つくらいふやしたいという希望のようでありますが、特に栃木県は県下の商工会議所や県会などもあげてお願いし、決議をして、陳情しておりまして、首都圏の、特に産業の活発な県になりつつあるわけでありますから、そういう点十分勘案をして、次の計画にはせひとも栃木県を入れるような御配慮を強くお願いをしておきたいわけでありますが、このお願いは御迷惑と感じましょうか、どうでしょう。
○樋詰政府委員 ここで先生の御要望に必ず沿いますように申し上げかねますけれども、あらゆる面から検討いたしまして、最も合理的な結論を出すように努めたいと思います。
○武藤分科員 次に、現在の中小企業金融公庫の予算定員、三十七年度が千百四十五名ですか、これは完全に埋め合わせておりますか。欠員を生じておりますか。——定員一ぱい充足しておるかおらないかというくらいは、すぐわかるのじゃないですか。何人欠員になっておるから、ことしはどうしようかという人事の問題なんかすぐわかるのじゃないですか。官房は来てないのですか。
○樋詰政府委員 今のところ、定員は全部充足して、欠員はございません。
○武藤分科員 ますます需要がふえ、仕事量が拡大をされていく現況から見て、本年、三十八年度はどのくらい増員を計画しておりますか。
○樋詰政府委員 百五十二名の増員を計画いたしております。
○武藤分科員 中小企業金融公庫の定教あるいは仕事、オーバーワーク等、十分考えていただいて、今後とも業者の期待に十分沿えるように、事務上の整備を大臣に強く要望しておきます。 次に、公共事業で立ちのきをさせられる中小企業で、特に河川改修などでかなり大規模な立ちのきをさせられる地域があるわけです。私どもの県でも、二百五十六戸にわたる立ちのきをしなければならぬ渡良瀬川の大改修があるわけでありますが、そういうところで事業をやっておった零細企業者は、他に移る立ちのき資金をもらいましても、ほんの土地代金くらいにしか今日は該当しない。特に政府は三年も前に契約を結んで内金を打っておいて、いよいよ着工する寸前になってから立ちのきをさせるわけですから、もらった金では、土地が騰貴してしまって、どこにも越せないというようなものが出てきておるわけです。そこで、そういう立ちのきをさせられる中小企業が、他の地域に工場を建設する、機械を運搬し、あるいはある程度増設をする、そういう際の資金というのは、公共事業に協力をしたものでありますから、特別優先融資というような考え方は公庫としては持っていないでしょうか、どうでしょうか。
○福田国務大臣 制度としてはそのような制度はありませんが、実際の運用面においては、できるだけそれを優先順位でとるように運営さしておるわけであります。
○武藤分科員 そういう公共事業に協力をした立ちのきや何かの際には、公庫としても特別に考慮するように強く要望しておきます。そういう点も、今後何か制度ができるならば、閣議で大蔵省とも相談をして、国民金融公庫あるいは商工中金、そういうところでも協力ができるような、公共事業に付帯をした金融のあり方という点を検討してもらいたいと思いますが、大臣の御見解はいかがですか。そういう点も閣議であなたから発言をして、十分検討してもらいたいと思うのです。
○福田国務大臣 まだお話を承っただけで、よく内容をつまびらかにしていませんから、今後十分検討して参りたいと思います。
○武藤分科員 時間も一時間になんなんとしておりますし、約束の時間もございますから、もう一点だけお尋ねをしてやめたいと思います。 今度通産省が新たに中小企業高度化資金というものを設けまして、共同施設あるいは工場及び店舗の集団化、こういうものに力を注こうということで、新たに法律の中身が変わるわけでありますが、三十八年度に通産省が考えておる中小企業の共同化として指定する個数あるいは場所数は、どのくらいを予定しておるわけですか。
○樋詰政府委員 ただいまお話のございました高度化資金融通特別会計では、御承知のように、工場の団地と卸商の団地、工業関係の共同施設、それから今度新しく法律で御審議をお願いいたします合併、あるいはみんなで共同出資のような会社の設立、これに伴う資金、それから商業関係の協業化、寄り合い百質店、スーパーマーケット、そういうものに金を出したいと思っておりますが、その中で件数の一応はっきりいたしておりますのは、工場団地につきましては二十五ヵ所を三十八年度で予定いたしております。それから卸商業の団地につきましては、これは新しい試みでございますので、三十八年度はとりあえず初年度として五団地をつくりたいと考えております。
○武藤分科員 工場の方の共同の場合二十五ヵ所ですね。平均しても実態はわからぬでしょうが、平均すると大体一ヵ所どのくらいになりましょうか。
○樋詰政府委員 大体一年間に、工業の団地は、国からの金が三千万円、それと同額が県から出ますので六千万円、それから商業関係では、国から二十万、県から二千万で、一団地四千万円ということでございまして、これは普通大体三年計画で援助する、資金を貸し付けるということになっております。
○武藤分科員 この資金は従来通り無利息でございますね。
○樋詰政府委員 さようでございます。
○武藤分科員 従来県に補助金として流しておったのを、今度は政府は一応特別会計で、補助金じゃなくて、貸付金という形で各県に置くわけですね。それは国の方へは吸い上げないのですね。県は返済の義務があるのですか。
○樋詰政府委員 これからのものは、今の団地というようなものは、県によりまして計画のあるところもございますれば、ないところもあるわけでございます。従いまして、一度その目的を達しましたものは、いつまでもその県に滞留させておく必要は必ずしもないというふうに考えましたので、その目的を達しましたならば、一応国の特別会計に返していただきまして、そして、それを今度、ほかの県に御要望があると思いますのでお回しする。資金のより効率的な活用をはかりたいということで、特別会計を設けて回転させていきたいと考えておるわけでございます。
○武藤分科員 私もかつて県会議員をいたしておりましたとき、この制度を各業者にずいぶん要望をされた。高度化資金ではございませんが、従来の制度で、個人の設備近代化のために、無利子でありますから、殺倒するわけですね。そうすると、県は何百件という中からほんのわずかの人たちに貸し付けるということで 非常に政治的に流れる危険があるわけです。どうしても、いわゆる顔役が顔を出して運動をしたものが有利になっていく、こういう傾向を私どもは事実として県会当時かなりいやというほど見せつけられた場面もあるわけであります。従って、こういう無利息の金を流す際には、選考基準というものを、一つ十分公平に、乱に流れないような基準というものをつくらなければならぬと思うのです。今度新たにこういう高度化資金を加えるのでありますから、一そう乱に流れないような基準、準則というものを定めてもらいたい、かように考えますが、現在そういう準備はどんな程度に検討いたしておりますか。
○樋詰政府委員 今先生御指摘のような点、これはもう絶対に起こしてはいかないというふうにわれわれは考えまして、ことに団地につきましては、あらかじめ県を通じて申請していただきまして、一件々々中央でヒアリングいたしまして、これは県内におきます個々の企業に対する設備近代化資金と異なりまして、全国でもそう数はないわけでございまして、一応通産当局なりあるいは本省、本庁なりで相当目が届くと思われますので、今回の高度化資金につきましては、今御指摘のような点特に戒心いたしまして、いやしくも政治的な要素で左右されるといったことのないようにいたしたいと、基準をさらに精密につくる準備をいたしております。
○武藤分科員 約束の時間も大へん経過いたしましたから、質問は一応この程度で終わりますが、一つ大臣に、先ほどの質問を通じて要望いたしました数々の点につきましては、十分御検討いただきますように、強く要望いたしておきます。よろしくどうぞ。
○中村主査 山中吾郎君。
○山中(吾)分科員 私は、農業教育を主として、農林大臣と文部省にお聞きしたい。そのお聞きしたい理由は、一昨年できました農業基本法の第十九条に、国が農業に関する教育、研究、普及の責任があると明示されているわけです。その基本法に基づいて設置されたあと、どういう具体的な計画をお立てになっているか、それをまずお聞きいたしたいと思います。それと同時に、農業基本法の執行の全体の責任は農林大臣にあると思うのですが、それも御意見な聞いておきてたいと思います。
○重政国務大臣 農業教育の問題は、御指摘の通り、きわめて重要な問題であると考えておるのでありますが、学校教育につきましては、これは文部省の方と十分なる連絡をとりまして、農業基本法の趣旨に従って従来も農業教育の改善を加えていただいておるわけであります。 農林省が学校教育以外に重視してやっておりますことは、経営伝習農場の設置及びその内容の充実であります。近代化農業の経営に要する知識、農業機械の管理運営というようなものについての知識の伝習を与えること、あるいはまた畜産なり、あるいは果樹園の造成、経営について具体的な知識を与え、研究をする、こういう方面に力を入れてやっておるわけであります。その他いろいろ従来からも農業教育団体と申しますか、そういうようなものがありますが、これらのものを互いに連絡をとらせまして、青壮年諸君の農業についての希望と熱意を持たすようにやっておる次第であります。
○山中(吾)分科員 農林大臣は第十九条はお読み願っておるでしょうね。なってなければ、今ちょっと読んで下さい。——農業基本法を設定されるときから、農林大臣、あるいは文部大臣にも実は縁があるのですけれども、そういう教育という関係は、ほとんど論議しないままにこの法案ができ、そして法律が成立するまでにおける過程においても、一応飾りのように規定されたという感じが残っておるので、できた限りにおいては、この法律について、まず明文を確認したあと、具体的な計画を立てるべきだ、こういう論議の中で、ある程度の認識を深めてもらわないと、結局空文に終わる危険があるので、申し上げておるのです。十九条によりますと、「国は、近代的な農業経営を担当するのにふさわしい者の養成及び確保並びに農業経営の近代化及び農業従事者の生活改善を図るため、教育、研究及び普及の事業の充実等必要な施策を講ずるものとする。」、これは国の義務として規定されておると思うのですね。従って、この十九条によれば、農業経営の近代化のための教育計画、それから農業従事者の生活改善のための教育研究計画がなければならぬ。そして大臣が抽象的に常識的に言われましたけれども、今言われたことは、この法律ができる前から農林省のやっておったことで、この法律ができたあとにおいて、この趣旨に従って具体的な計画をお立てになり、予算化されたもの、あるいは予算化するべく努力をしてまだ計上されていないものを含んで、そういう具体的計画をお持ちになっておるようには、私には今の御答弁では響かないわけです。その点、こういう農業基本法によって義務づけられた農村及び農業教育計画を意識してお立てになられておると聞こえないのですが、それはいかがですか。
○重政国務大臣 それは、私が口不調法だから、そういうふうにお聞き取りになったのか知りませんが、私は、当初農林委員会においてもこの点を重視して、そうして農林大臣としての所信表明のときに、この点は相当申し上げておるのであります。ただ、従来そういうことがあったのを、やり来たりに従ってそのままにしておるというわけではございません。計数約にはあるいは十分にいっておらぬかもしれませんが、三十八年度予算においても、その内容の充実をはかるという意味において若干の予算を計上いたしておる次第であります。これは政府委員からまた説明をさせたいと思うのであります。 なお、学校教育の面につきましては、文部省政務次官がおいでになっておりますから、お聞き取りを願いたいと思います。
○田中(啓)政府委員 この農業基本法第九条に、「教育、研究及び普及の事業の充実等必要な施策を講ずる」とございまして、このうち、普及の事業というところが、まず農林省の所管であり、教育、研究というところは文部省の所管するところであろうと私どもは考えております。そこで、農業基本法成立は、御承知の通り三十六年六月でございますが、その前後から、文部省といたしましては、中央産業教育審議会並びに大学教育の協議会、この両諮問機関と相談をいたしまして、いずれも建議あるいは答申の形で、十九条前段に書いてありますような内容を含んだ教育、研究に発展をしなければならぬということで、答申または建議を求めました。その結果、実は中学校から高等学校、大学いずれも前段に書いてあるような教育を展開させるために計画を立て、また予算化も、もちろん十分であるとは私は思っておりませんが、進めておりますので、その点は、ちょうど今から申せば、現在の農業高等学校を中心とした教育の現状、こういうことになります。もちろん、その現状も私は十分と思っておりませんので、さらに検討を加えて、徹底的に十九条の目的が達せられるようにしなければならぬと、目下鋭意検討中でございますが、現状につきましては、一応職業教育課長から、予算等を中心としましてお聞き取り願えれば幸いと存じます。
○齋藤(誠)政府委員 農業基本法の第十九条関係の施策につきまして、大臣から一般的なお話がございましたので、私から多少具体的な事項に触れまして申し上げたいと思います。 まず第一に、普及事業につきまして、近代的な農業経営の強化あるいは生活改善の推進という面におきまして、特に普及事業の活動を強化する必要があろうというように考えまして、農業改良普及員につきましては、来年度は本年度の研修施設の約倍額の六千八百万円を計上することにいたしまして、近代的な農業経営あるいは生活改善に必要な普及活動の強化ができますように、研修の強化をはかって参りたい。特にその研修の一部といたしましては、普及員を地方の農業大学の農学部に一年間留学させるというような措置もとって、研修の強化、資質の向上をはかって参りたいという措置を考えておるわけでございます。なお、普及員の人材を確保し、さらにまた、今の勤務内容に適応するような職務の手当を支給するということで、改良普及員手当を三十八年度からつけるということにいたしまして、約一億九千万円の経費を計上いたしました。これらに関連いたしまして、今回農業改良助長法の改正法案を今国会に提案いたしておるような次第でございます。なお、生活改善につきましては、百七十名の増員を行なうことにいたしまして、この面の強化もはかっておるわけでございます。 次に、青少年の養成確保についての施策でございますが、この面につきましても、先ほど農林大臣からお話がありましたように、今後、次代をになうべき青少年の教育については、特に農林省としても意を用いるべきである、こういう見地に立ちまして、二つの方法によって、現在農林省としては施策を進めておるわけでございます。その一つは、施設を整備拡充することによって、これに次代をになうべき青少年の農業実務の実習、研修を行なわせるということを考えておりまして、これには経営伝習農場あるいは農村青年研修館の施設を各府県に設けておりますが、この施設の内容につきましては、昨年度基本法ができまして以来、特に農業経営の近代化ということに即した実習、研修を行なう必要があろうということで、全国に経営伝習農場は五十三ございますが、地域々々におきまして、畜産なり、あるいは機械化なり、あるいは果樹なり、これらを中心として近代化の施設を設けようということにいたしまして、昨年度は十一ヵ所、本年度は十七ヵ所について、特に近代化の研修施設を伝習農場に設けるということにいたしまして、これに必要な経費といたしまして四千八百万円を計上し、全体といたしまして経営伝習農業では七千万円の予算を計上いたしておる次第でございます。 このような施設についての拡充をはかりますほかに、農村青少年みずからが次代をになうべき心がまえ、そのために必要な自主的な活動の促進を大いにはかっていきたいということで、青少年みずからが農業についての各種の研修会あるいは技術交換会を行なうようなことに対する助成、あるいは先進地の農業経営のきわめて合理化された農家の実情を視察するという意味で、先進地農家に留学を促進するような助成であるとか、こういった青少年活動の促進をはかるための助成を講ずることによりまして、第十九条にありますような、次代の青少年の養成あるいはそれに必要な技術研修を進めて参りたい、こういうことで予算を計上いたしておる次第でございます。
○河上説明員 文部省のただいままでとりました施策の要を御説明申し上げます。 三十六年に農業基本法が制定されまして、直ちに中央産業教育審議会におきまして、自営者の養成ということに重点を置きまして建議がなされております。内容は、将来自営者となるべき者には、農業高校卒業程度以上の学力が必要であるということと、そのためには、一体教育内容をどういうふうに持っていかなければならないか、それから方法と改善の問題、教員の資質の問題、学科の配置適正化の問題等々を述べられておるわけでございます。大学教育につきましても、三十七年に、先ほど政務次官から実情を述べられましたように、農学部の体質改善ということについて建議をいただいたわけでございまして、その趣旨に沿いまして、昭和三十七年度予算といたしまして、農業高校を中心といたしまして体質改善の所要経費、三分の一補助額でございますが、一億七百万円の経費を計上いたしまして、とりあえず九十七学科に対する体質改善をいたすことに相なりまして、現在進行中でございます。三十八年度予算案におきましては、一億九千二百万用、八十八学科の体質改善をなす予定でございます。そのほか、教員の研修あるいは現職教育等におきましては、約三百四十四万円の経費を計上いたしまして、三十八年度から教員の現職教育を実施いたしたいと思いますし、また、産学協同の線に沿いまして、実技講習を百三十万円計上いたしまして、この方に充てていきたいと存じておるわけであります。また同時に、教員の内地留学生の制度を継続いたしまして、これをなお助長して参りたいと存じております。高等学校の方は大体そのような方向でございますが、大学におきましては、三十八年度予算案におきまして、大学農学系学部の体質改善で、そのために四千七百七十一万二千円を計上さしていただいておりますし、また付属農場の施設の近代化のために、五千二百五十二万八千円を計上さしていただいております。なお、同時に、社会に出ております青少年のために、青年学級の運営費といたしまして、一億二千六百万円が計上されておりますが、この中の重点項目といたしまして、農村青少年の青年学級の振興をはかる予定でございます。また、青年の国内研修費の補助を一億八千万円ばかり計上いたしまして、これにつきましても、勤労青少年を県外または県内の他地域に派遣いたしまして、その知識、技術の修得あるいはその向上に役立たせることの費用に対しまして、二分の一の補助率でもって補助をいたしまして、その振興をはかって参りたい、このような措置をとっているわけでございます。
○山中(吾)分科員 大体の全貌はわかりました。そこで、具体的にお聞きしたいのですけれども、その前に、農業基本法全体の執行の責任者、主管省は農林省だと思うのですが、その農林省の具体化をはかる責任のある農林大臣が、十九条の教育部面については、学校教育については文部省、その他の農民の再教育というか、そういうことは農林省、こういうふうにされておられるように思いますけれども、とにかく執行の責任者は農林大臣であると思うのですが、執行の運営についてはどうなりますか。
○重政国務大臣 農業基本法に定めておりますところは、農林大臣だけでできることだけではないわけであります。環境の整備とか、その他関係各省にわたる事項があるわけであります。でありますから、一応の責任と申しますか、これは農林大臣が持つということにあるいはなるのだろうと思いますが、しかし、政府全体としてこの農業基本法に定められておる事項は実現をはかる、こういうことになると私は思うのであります。
○山中(吾)分科員 もう少し具体的にお聞きしますが、そうすると、たとえば農業基本法第十九条に基づいて、農村教育振興法とか、農業教育振興に関する特別措置法だとか、そういうものをもし提案をする場合には、中身は農業高等学校の規定も入ってくる、研修その他のことについては農林省の事業計画に入って、国の責任を明らかにするには、法案を、たとえば議員立法にしても政府提案にしても、出すとすれば、どちらによりますか。両方の御意見を聞いておきたい。私は将来参考にしたいのだから……。
○重政国務大臣 それは中身によると思いますが、教育に関することは文部大臣において一応主管をするということになっておりますから、両省においてこれは十分打ち合わせをいたしまして、あるいは共同の提案にするか、あるいは中身によっては文部大臣だけの提案ということにいたしますか、いずれにいたしましても、政府部内においては十分なる連絡協議をとげた上で、政府としては提案をする、こういうことになるのだろうと思います。
○田中(啓)政府委員 今農林大臣のお話の通りに考えております。実は本日は大へんいい御質問を願っておるわけでありまして、従って、両省で今一生懸命改善策を検討いたしております。ことに私のような両またまたいでおるような人間がおるときには大へん都合がいいだろうということで、これは全く便宜のことでございますけれども、文部、農林両方一緒になって、一体になって十九条の実現を期そう、ここにあります「必要な施策」というものを生み出そう、こういうことで今やっておる最中でございます。
○山中(吾)分科員 まだ十分のみ込めないのですが、とにかく両省に管轄が分れておるために、十九条に基づいて具体化する立法措置でもとろうというときに、どちらかわからぬから、お互いにしり込みするとか、牽制し合うとか、消極的になるようなことのないようにというつもりで、質問しておるわけです。他の条項に基づいた立法はどんどん出ておるけれども、われわれが刺激をしないと、これだけは必ず空文に終わるのじゃないか。終わらないように、きょう文部次官もそういう意気込みを説明されるし、農林大臣も十分積極的ななにがあるようでありますから、そういう方向で一つ御検討願いたいと思います。池田内閣人づくりの強調は、科学技術だけの人つくり強調じゃないと思う。ことに農業基本法ができて、自由経済で非常に不利な農村青年の離村傾向がどんどん出てくる、残った後継者が農業に興味を持たないで、やむを得ず農業につく、そういう現実にあるので、私は、農業振興については、まず教育計画というものを立法措置においてするということをやらなければ、補助金をある程度ふやし、金利を少し減らしたからといって、農業振興はできない、こう思っておるのです。その点一つ具体的に実現するようなことを決心を願いたい、そういうように御希望申し上げておきたいと思う。 今も御計画をいただいたので、農林省関係及び文部省関係で、疑問の点をお聞きしておきたいと思います。まず、農業基本法の主管は農林省だから、順序を追って農林省の方からお聞きいたしますが、今御説明ございました農林省の計画で、経営伝習農場、青年研修館、これの充実計画をはかられておるということですが、経営伝習農場というのは、現在全国的にどういうふうな配置済みになっておるのか、農林省に具体的年次計画が多分あるのでしょうが、年次計画に基づいて何パーセント実現しておるのかどうか、そういう資料はございますか。
○齋藤(誠)政府委員 経営伝習農場は、すでに現在五十三ございまして、一県に三ヵ所も置かれておるところがあります反面、東京、富山、和歌山、徳島の県を除きましては、各県ともにあるわけでございます。従って、われわれといたしましては、この施設の整備拡充を今後はかっていきたい、こう考えておるわけであります。
○山中(吾)分科員 それは寄宿舎などに置いて、全寮制でやっておるわけですね。
○齋藤(誠)政府委員 全寮制度になっておりまして、一年ないし二年そこで農場長とともに農業の実習について伝習を行なう、こういうシステムでございます。
○山中(吾)分科員 次に、青年研修館についてお聞きしたいと思います。なお、経営伝習農場の実態は私はあまり知らないので、効果が上がっておるかどうかわからぬが、これはまたあとで別の機会に聞きたいと思うが、青年研修館というのは、伝習場に付設をしてそれで農村の青少年の再教育をするわけですが、これも現在の普及率を同時に答弁願いたいと思うのですが、たとえば農業改善事業を今計画されて、一定の地域を指定される。指定をされたなら、事業に着手する前に一年間は教育期間にして、そうしてこういう指定をしたところには必ず研修館を建てて、農業改善事業というものに飛びついているだけの能力付与、そういうものを現在の経営者及び青年に与えて、二年目から着工せしめるというふうなことでないと、これも補助を少しふやしたとかいうふうなことでは私は成功しないように思う。全国の農業改善事業において指定をすると、すぐ最初から計画を立てさす。そうしてすぐ着手してしりをたたくというふうに思うのですが、農業基本法の十九条の教育の重要性を考えたときに、事業計画の中に教育期間を置くべきだ、そうしてまずこういう研修施設の費用を計上してやるというふうなことがなければできないと思うのです。それはなぜかといいますと、私岩手ですが、たとえば岩手の矢巾は指定地区になっている。そうして行って懇談会で聞いてみますと、一般の農政通が行きますと教育の話をしない。私が行くと、村長以下、補助金はいただいても、この計画では村民とともに進んでいく自信はないのだ、何とか研修施設をまずもらって、一年間ぐらい研究できる、あるいは月に一回でも集まって内容を高めていくような施設をぜひもらいたい、そうすると自信を持ってやれる、こういうふうに訴えるわけですね。そういう着意が、農林省の事業計画の中における教育観で、教育計画が欠けているのじゃないかと思うので、その点、今までの実施の状況と、それから今後そういうことを研究してみるというような考えがあれば大田からもお聞きしておきたいと思います。
○齋藤(誠)政府委員 青年研修館は現在二十六ヵ所でございまして、来年度さらに五ヵ所ふえて三十一ヵ所にふやしたいと考えております。大体は経営伝習農場に付設されまして、主としてそこで実習をさせながら短期の講習をやるための施設としてこの研修館を設けたわけでございます。大体三十日ぐらいの短期の講習を行なっておるわけでございます。機械の研修とか畜産の研修とか、あるいは経営の研修とか、大体一年間二万名程度をこの研修館で短期の講習をいたしております。経営伝習農場の方は、先ほど申し上げたように一年ないし二年になっておりますので、約四千名を一年間に収容してやっておるわけでございます。今お話しになりました構造改善事業などをやる場合に、まずその農村のそれに対する十分なる知識あるいは研修を行なって実行すべきじゃないか、こういうお話でございまして、確かにそういうふうな要望もあるということも十分承知しております。われわれといたしましては、計画期間につきましては相当長い期間を置いても事業実施までには余裕があるというような考え方で、たとえば、御承知のように構造改善で指定した計画町村といたしましてはすでに八百あるわけでございます。その中から昨年度は二百を選んだわけでございます。また来年度におきましてはさらに四百計画市町村をそれに追加いたしまして、合計いたしますると千二百になります。その中からことしの二百と、来年度三百を選ぶわけでありますので、この間におきまして、このような事業についての啓発宣伝を行なう期間は十分あろうかと考えておるわけでありますが、一面村における推進の中核となるべき人の養成、研修ということも必要でございますので、町村の中核となるべき人につきましても、当然短期の講習を行なうということは今後いたして参りたいと考えております。なお、町村におきましてはすでにずっと以前から行なっておりますが、農村青少年の建設班というようなものを設けまして、三十日くらい町村限りでいわば晴耕雨読式の農業講習と実務を兼ねて研修を行なっております。来年度も五千名程度の研修を予定いたしておりますが、そういう施設とあわせてこの事業を進めていったら効果が上がるのではなかろうか、こう考えておるわけでございます。
○山中(吾)分科員 その計画町村の中に、文部省関係の公民館がある。その公民館に付設をして研修所を置いて、そして事業を貫徹するまで絶えず教育をしつつ事業を進めるというふうな施設が地方の要望だと思うのです。伝習場施設というものは、結局、その中核者を呼んで、一定の期間合宿さして村に帰すということでしょうから、そういう計画町村のすべてにそれを置いてやるという計画でないと、農村に対する政策はいつも指導者だけを考えることは私は愚民政策だと思う。指導者だけを養成して、農民についてこいというのではなくて、先ほど文部省の計画では、経営者は全部農業高校卒業者程度であるとかいう答申があったが、そこにいくのがほんとうだと思うので、それをやらなければ日本の農政は全部愚民政策だ。だから指導者養成ということでなしに、農村全体を上げるという着眼に立てば、ああいう大きい改善事業が出れば計画町村に一つずつ研修施設をして、全部を足並みそろえて出発せしめるというような着眼が出るはずだということを私は希望いたしたいわけです。これは学校教育というのではなくて、現実に経営者をそこまで引き上げていく、そういう具体的な計画をお考え願いたいと思う。
○重政国務大臣 御指摘の点まことにごもっともでありますが、要するに内容の問題が非常に大切であろうと思うのです。各計画をする町村に完備した研修場とか伝習農場というものを——これは事実問題としてはなかなかつくりがたい。と申しますのは、実習をしなければいけないわけですから、そのためには農業機械の近代化したものを実際に完備し、あるいはこれを利用するという知識をおさめさすためには、やはりそれだけの施設が必要である。畜産についてもあるいは果樹についても同様であります。やはり相当の果樹園を設けて、現実に機械なりあるいは裁培の高度の技術を伝習をしようと思えば、どうしてもすべての計画町村にそういうものを設けるということは事実不可能なことである。ことに経営伝習農場にいたしましても、これはそれぞれ分化をする傾向に私はあると思う。あるAのところの経営伝習農場というのは、これは米作を主としての近代化農業、Bのところは果樹園についての伝習農場、Cのところは畜産の経営を主としての伝習農場、こういうことにそれぞれその特色を生かした伝習農場ができる、従ってそれに従ってのできるだけの近代化施設もやり、実験農場もそれに付属してやる、ということに私はなると思うのです。 そこで、その計画町村で研修をせしめるのには、おのずからいろいろな点で事業の制限、制約というものがあるのは、これは、どうもやむを得ぬのじゃないかと私は思うのでありますが、御指摘のような考え方は私は非常にけっこうだろうと思う。でありますから、できるだけそういう考え方を取り入れまして、その計画町村もそれぞれまた特色があるわけでありますから、その特色にマッチした面にできるだけの青壮年の伝習なり、あるいは研修ができるような方向に持っていく、必ずしも計画町村においてやらなければならぬということでなしに、できるだけそういったような考えを入れて、青壮年の近代化農業に対する知識あるいは経営についての実習というものをせしめていかなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えます。
○山中(吾)分科員 大臣は少し誤解しておられると思う。学校のことは今度文部次官に聞くつもりですが、計画町村で構造改革完成何ヵ年計画でしたか、ずいぶん長い。従って果樹を中心とした計画の場合には果樹を目的とした研修施設を、畜産なら畜産の研修施設を、どこにも大体公民館がありますから、そこにさらに独立の家屋を建てるまでもなく、隣接に一部増築するということで、農協の指導者であるとか普及員が行って、そしてその事業に即した学修をしていく、もちろんそれは働きながらやるわけですから、そういう能力付与を兼ねながら事業を推進していく、十ヵ年計画なら十ヵ年計画、それくらいの期間はあるのですから、当然目的に応じた各地区々々ごとの、学校でいえば定時制のような、また学級様式といいますか、そういうものをやっていかなければ、聖業は成功しないのじゃないか。それが大体百万か二百万でやれるわけです。数千万の補助をするのですから、その点の能力付与というための施設は、考え方としては賛成だが、実際はできないという今農林大臣のお考えのようですが、そういうことじゃないのじゃないですか。
○重政国務大臣 よくお考えはわかりました。そういうことなら、それは考えられることであろうと思うのですが、私が申しますのは、家屋とかなんとかということでなしに、今申しましたのは、まず、第一に米作について機械化農業をやるといたしましても、相当の面積の農場が必要になる、果樹にいたしましても相当の面積の果樹園が必要になってくる、畜産も同様であります。そういうことでありますから、それを一つ一つ持っていくということは不可能なことである、ただそういうことではなしに、今のお話の程度の研修というようなことについては、これはできないことじゃないと思いますが、そういう点は十分考慮いたします。
○山中(吾)分科員 文部次官の方に質問しておると農林大臣も相当理解を深められると思いますから、次官にお聞きします。とにかく現在の補助金の中にそういう教育目的ごとの畜産なら畜産、果樹なら果樹に応じた知識、技術を授ける予算がないので、そういうものを入れて、それで現実に農家経営者ですから自分の田畑が農場であり、自分の農機具が実験機具ですから、それは講師と指導者と一つの教室さえあれば、週に一回ずつあるいは農閑期を利用して能力を賦与するということが二、三百万でもできる。それがない。たった少しの金でやれるものがないので、替及員だけを高めるとか、そういう指導者だけを高める事業計画でやることは、金をかけながら——実は農民自体を引き上げていかないとそれはついてこない。そうして事業がうまくいった時分には、いわゆる価格支持政策がないため、今度は事業は計画したけれども、収入が減るというようなことも出て、政府の責任を問われるようなことがあると思うのです。そういう意味において農民の人つくりに応じた、その地区ごとに応じた行き方は、絶対にとるべきじゃないか。それが政府に欠けておるので、その点申し上げたのです。 文部次官にお聞きします。これも課長から大体の計画をお聞きしたのでありますけれども、今の考え方を思い切って飛躍をしていただきたいために質問をいたしたいと思うのです。大学の方でお聞きしますが、たとえば岩手大学の教育充実計画の中で、これはおそらく文部省にはいっていないと思うのですが、農学部付設で農業定時制短期学部を置きたい、そうして思い切って県内の農閑期に集中授業をする、そして忙しいときは帰して、三ヵ年で農学部、短期大学卒業にしてやっていきたいという計画を発表しておるわけです。これはおそらく文部省で認めたのではなくて——これを認めるくらいなら文部省に敬意を表するのですが、定時制の農学部短期学部の三ヵ年、これはおもしろい着想だ。農閑期と農繁期という農業形態とうまくマッチした学校教育というのは、日本では着想は非常に少ないわけです。私はそういう一つの計画があるのはなかなかいい、こういう農業基本法ができたのですから、それくらいの飛躍したいわゆる学習形態といいますか、認められるというようなことでないと、今次官、課長がお答えになった構想はただ構想に過ぎなくなるのじゃないかと思うのですが、この点次官の考えを聞きたいと思う。
○田中(啓)政府委員 実は岩手大学の農学部の教育改善は、まだ聞いておらないのであります。実はまだ手が回らない。隣の東北大学の方はこの間からやっておりまして、たまたまあそこの農場が、もとの軍馬補充部の敷地を二千町歩も持っておるということから、それを中心にして、全く東北地方の農業開発の教育研究の中心的な面に改造を加えよう、こういうことで、これは大学の自発的なものでありますが。それを一つ取り入れていきたいというように思っておるわけであります。現実の大学がそれで進む計画に予算等をつけたい、こういうふうに思っておるわけであります。 今の岩手大学の農業短期大学、ことに定時制の御構想もなかなかおもしろいと私も思っております。実は、今度の農業教育の改善は、やはり高等学校を中心に考えるのがこの十九条の近代的な農業経営を担当するにふさわしい者の養成確保ということには基盤になるであろうと思いますから、これを中心に考えるつもりでおりますが、最初に申し上げましたように、やはり大学というものもその方向に沿うて教育、研究を変えてもらわないとうまくいかぬというように思っておりますから、その中で一つ十分前向きで検討をし、実現をしていきたいというように考えます。
○山中(吾)分科員 この計画を見ますと、季節定時制というのですか、定時制短期大学として農閑期に集中的に講義を行ない、入学資格は高校卒で、農業経営に一年以上の経験があり、将来も引き続き農業企業者になる者に限定する、そうしてここを卒業した者を農業改良普及員とかにする、そういうなかなかいい着眼と思うので、具体的にきまったら文部省で協力をして、一つ予算が必要なら出して、おもしろい着想ですから協力願いたいと思います。 そこで高等学校の関係も、日本の農業のあり方の中においておもしろいと思うのですが、それは例の富山県立の富山産業高校、これは御存じですか。
○田中(啓)政府委員 承知しております。
○山中(吾)分科員 これも農閑期を利用し集中授業をして、そうして農繁期には家で働いておるのを先生が出張授業をして、四年で卒業する、あれは高等学校の資格を与えることになっておりますか。
○田中(啓)政府委員 そうです。
○山中(吾)分科員 こういうふうな形態を進めていけば、農民全体の知識、技能が向上して、いわゆる機械化に耐えられるような農民もできるし、一応流通経済についての知識も持つし、ある程度自由経済の中でも耐えられる農民ができると思うので、こういうふうな点も含んで、農業高校等を抜本的に改革されて、そういう案を出されることがこの農業基本法の十九条からいったら、責任だと私は思うのです。 そこで農林大臣の方は、これは文部省のことだからといって傍観するというふうなことにもなりかねないわけですから、基本法自体は文部省の責任ではないのだからこの機会に申し上げておきたいのですが、少なくともこの農業高校だけは町村及び父兄の証明があれば、その後継者に予定している子供は全部無試験で——能力に応じてなんという、全入運動に反対なんということはここでは通用しないので、能力のあるないにかかわらず、土地をもらって百姓をしなければならぬのですから、また能力がなければないほど教育してやる義務が国にむしろ出てくるわけですから、無試験で、授業料を免除して、そのかわり今の富山産業高校のように、農繁期は家で働くことが実習とみなされて、先生が出張して指導する、そして農閑期に集中授業するような、そういう農業高校に抜本的な改革をして、そして国の責任において農業経営者は高等学校までは教育をする。だから別な概念の義務教育ですね。保護者が子供を通学せしめる義務という概念が今の義務教育だが、そうでなしに、これは全然異なった意味のそういう準義務教育というふうな方向に持っていくべきだと思うのですが、思想としては賛成だというような答弁では何にもならぬので、具体的に文部省が政策としてそういうものを考案をして、立法措置でもしてやりたいという意気込みはございますか。
○田中(啓)政府委員 これは立法措置並びに予算措置、しかも予算の立て方も従来のような会計制度では運営できないようなものになるかと思いますから、そういう点も改善を要する。従来のからにとらわれて考えれば農業高校、いわゆる高等学校だが、農林省の持っておられる伝習場だか青年研修館だかわからないようなものになってきて、両方が非常に接近をすると考えておるのであります。従って、従来の形にとらわれない弾力的な農業高等学校をつくらなければなるまい。それが真に近代的な農業経営のにない手としてふさわしい人間を養成するゆえんであろう。従って今おっしゃったような、みずから農業の跡を継いで近代的農業を経営する意気込みに燃えておる、そういう精神の確立しておる者は、あまりもうほかに条件をつけないがよかろうというようにも思いますし、また高等学校の年令を考えますと、十五から十八に至る、農業としてもなかなかいい働き手である人間を、一応教育ということで、生産の面から見れば非常に非能率的な時代を三ヵ年送らすわけでありますから、農家としては相当大きなマイナスの負担を受けるわけでありまして、授業料の免除等も当然考えなければならぬのじゃないかというように考えております。
○山中(吾)分科員 時間がないので、問題を出しておくから、また文教委員会で御答弁願ってけっこうですが、一つ、地方の教育学部には付設高等学校、中学校、小学校があるわけですが、国立大学の農学部付設の国立農業高校を一ヵ所でいいからおつくりになる、そういうことをやってもらうと——県立ということになるとなかなか今までの形態は変えられない。国立で一ヵ所、岩手大学あたりにでもつくるぐらいの意気込みがあるのか、あればそれをお答え願いたい。それから大学の農学部なんというのは、東京のまん中などに置かないで、地方に分散する。岩手のいなかのものが東京の農学部に入る。これもどうもわけがわからない。東京の銀座あたりの知識だけ持って帰って、農村で農業指導者だと言ったところでこれは何でもない。だから大学の都市集中ということを、全面的にどうこう言うことはできないが、農学部くらいはお手をつけられたらどうかという感じがするんですが、そういうこともお聞きしておきたい。 それから現在産業教育振興法に基づいて、産業設備は文部省のきめられた一定の設置基準によって三分の一の補助を出されておるが、農業設備は何%基準に達しておるか。これは課長持っておると思うのですが、これを基準に達するまで何ヵ年計画で実現するつもりか、農業基本法ができて、ある程度スピード・アップしたかどうか、前の通りかということです。もし産業教育振興法に基づいてスピード・アップすることが他の関係によってできないならば、やはり私は別の特別立法をすべきだと思うのです。それに関連して実習農場の補助を計上されて、それから農場は、何ですか十町歩以上くらいの坪数を持っておるものでなければ補助をしないとか、そういう基準があるのですか。少ないほど補助すべきであるのに、一定の坪数を持ったものでないと補助をしないということになると、貧乏県の農学校はほとんど補助対象からはずれるから、その点についても今答えられるなら答えてもらって——次でもけっこうです。 それから全国の農業高等学校の定員募集の関係と希望者の関係。最近農業高校の希望者が減っておるはずなので、定員に満たない、なかなか希望者がないというふうな統計が出ておるんじゃないか、いわゆる募集定員と希望者の関係、それから農業高校を卒業した者で農業経営者になった者は何%か、いま一つ正確に知らしてもらいたい。聞くところによると三六%くらいしか農業経営者にならないで、農学校を出てからほかのことをやっている。そういうふうなことも再調査をして、多角的な計画を立ててもらうべきである。 それから青少年が少なくなるばかりでなく、男が農協の職員をしたり、役場の吏員になったりして、実際はお嫁さんが農業をやっている。女の農業になっている。そういうことを前提として、農村における女子に対する特別な教育とか何かを考える必要があるのじゃないかと思うので、男だけの農村教育でなくて、女子の農村教育をどういうふうに考えておられるか、そういうことをお聞きしておきたいと思います。 全部お聞きしなくてもけっこうですが、そのうち現在答えられることだけを聞いて、文教委員会に譲りたいと思うのです。
○田中(啓)政府委員 せっかくのお尋ねでありますし、時間もございませんので、そのうちの二、三、方針にわたる点について、今考えておるところを申し上げたいと思います。 大学を、この十九条の目的を達成するように、やはり農学教育、農学部の改善をやらなければなりませんが、その際東京大学なんというのはやめておいて地方の大学をというお話でありますが、これは大学でありますと、農学部設置の目的がいろいろございますので、東京は東京としてふさわしいような限定された目的を達成するようにしていき、実際日本の近代農業経営というものを大学として教育、研究していくというような面は、主として地方の大学の方でやってもらうということにせざるを得ないというように思っております。従って東京大学の学生数は、どんどんふえるというようなことはおそらくないことになろう、こういうように思います。 それから女子教育の問題は、御説の通りでございまして、近代農業経営のにない手は男女二人であります、夫婦でありますから、これはどうしても男の数と女の数はほぼ同じにつくらないといかぬというように思っておりまして、そのような目的達成にふさわしいような改善をいたしたいという考えであります。
○山中(吾)分科員 これで質問を終わりたいと思いますが、要するにもう少し農民教育を具体的に進めてもらわないと、科学技術ブームばかりで肝心のものは忘れられておるので、文部省と農林省で農業教育の連絡協議会とかそういうものを持たないと、農業基本法を見ていると、おそらく平生忘れられてしまって、予算期になるとまた思い出してというような格好になると思うのですが、そういうものを両省においてお持ち願って、一般に各省の縄張り根性だ、セクショナリズムだと非難をされておるのだから、幸いに農業基本法ができたんだから、その辺で農民教育のために、一つ新しいあり方を天下に示していただくことを希望して、質問を終わりたいと思います。
○中村主査 午後は二時から再開することといたします。 暫時休憩いたします。 午後、零時三十六分休憩 ————◇————— 午後二時八分開議
○中村主査 休憩前に引き続きまして会議を開きます。 昭和三十八年度一般会計予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省所管、昭和三十八年度特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管についての質疑を続行いたします。 川俣清音君。
○川俣分科員 主査に御了解を得ておきたいのですが、経済企画庁長官の都合によりまして、先に企画庁に対する質問を三十分、農林省に対する質問をあとで約一時間の予定でいたしたいと思います。農林大臣、その問もしあれでしたらどうぞ……。 時間がありませんので、端的にいたします。 企画庁が立案をいたしまして水資源公団をつくられたわけですが、企画庁といたしましては、工業用水にいたしましても、上水道にいたしましても、あるいは水力発電の水源にいたしましても、最近需要に応ぜられないような体制でありますので、何とかしなければならないとお考えになっておるだろうと思います。水力発電につきましては、先般通産省にもお尋ねをいたしておるのでありますが、せっかく同定資産を膨大にかけながら、その有効貯水量を確保できないような堆石・堆砂・堆土・堆泥がふえて参りまして、特に関西電力の庄川、黒部川の調査がございますが、年々堆砂がふえて参りまして、かなりの発電力が低下いたしました。そのために電力料金等の値上げの問題も起こるわけでして、設備費に対して発電量が少ないためにコスト高になっておるということも見られるわけでございます。ほとんどのダムがそうです。ただ、最も効率の上がっておるのは、大臣御存じのように、木曽の奥の三浦湖と申しますか、牧尾ダムの上にあるもの、これが日本でも一番安定した湖水になっております。ここだけが堆砂の比率が一番低いと申しますか、堆砂の量が少ないわけであります。このような状態でおれば、既定計画に基づく発電量を発揮することができて、コストも計画通りのコストということになるだろう。もう詳しくは申しませんけれども、いずれも、水源地における、あるいは水源地から貯水池に至るまでの崩壊あるいは土砂の流出が貯水池にたまってしまっての被害であります。これを洪水時にその堆砂を抜きますと、下流に水害を及ぼすということになって参りますが、いずれにしても、水資源を上流地において確保しなければならないと思うのです。これについて施策が立てられなければならぬと思うのです。企画庁としては、実務官庁ではございませんけれども、計画がなければならないんじゃないか。最近、上水道が不足する、あるいは工業用水が不足して参るということで、政府の期待するような経済の成長をはばむ原因が各地に起こっておるわけです。そこで、水を豊富に供給をするということが計画されなければならないと思う。元来日本は水が割合裕福でありましたために、水に対する対策というものは洪水以外はあまり講ぜられていなかった欠陥がある。外国のように非常に水が不足の場合は、最初から工業用水につきましても上水道につきましても相当の手当をいたしまして計画を立てられるのですが、従来、日本というものは水は非常に豊富なものだという観念で、しかも水が比較的良質という考え方に立って水対策をやってこられた。従来はそれでよかったと思いますが、最近では化学工業を初めとして、繊維工業にいたしましても、装置工業にいたしましても、水の使用量が非常にふえて参ったわけであります。あるいは、冷却用水にいたしましても、そのものずばりの水にいたしましても、ボイラーにいたしましても、水の使用量が非常にふえて参っておるわけでございます。これは拡張に伴うふえ方もありますが、設備の改善に伴う増量もあるわけであります。従って、水資源対策については特段の配慮をしなければならないというところに追い込まれておると思いますが、何か手はないでしょうか。何か考えておられますならば一つそのお考えをこの際述べてほしいと思うし、なければ、私の方から、こういうことをやってはどうかと質疑を進めて参りますが、企画庁の現在の考え方をお聞かせ願いたい。
○宮澤国務大臣 御承知のように、わが国は年間の降水量が相当ございますし、従って、河川の総流出量も本来かなり豊富にありましたために、私ども国民全体として水というものについて比較的のんきな考え方をもって従来参ったことは、御指摘の通りだと思います。そうして、飲料水にいたしましても、農業用水にいたしましても、工業用水にいたしましても、これから先を見通したときに、水資源の利用の仕方が従来粗であった、どうかしなければならないということが比較的最近になってやっと認識をされるに至っておる。しかも、そのときになって、かなり差し迫って需給が窮屈になりそうであるというのが昨今の現状でございますから、その点は川俣委員御指摘の通りであると思います。水資源公団、あるいは水資源の開発等のものの考え方はきわめて最近の施策でありまして、歴史は新しいわけでありますが、しかし、この際、全国の国土総合開発計画、あるいは水資源の開発計画などに基づいて、河川の水の供給量をいかにして最大にするかということを考えなければならないと思います。また、ダムにいたしましても、砂防堰堤にいたしましても、あるいは湖沼の水利調節にいたしましても、導水路にいたしましても、そういうようなものについての水資源の開発利用のための総合的な計画及びその実施がきわめて肝要である。従来のんきにしておりましたために、ここへ来てにわかにそういうことを感ずる場合が多いわけでございます。ただいま申しましたような施策を推し進めることが肝であると思いますが、何分にも国民的な関心事でございますから、これについては、もしお教えを受けることがあれば、ぜひともまた聞かしてもいただきたいというように考えます。
○川俣分科員 長官非常にすなおでよろしいと思う。ただ、企画庁にいたしましても通産省にいたしましても、流れてくる水をどこかで一部とめて、その水を利用すればいいのだ、それが水資源の利用だ、こういうようにお考えになっておるようです。ところが、御承知のように、最近は降雨量も非常に変わって参ってきておりまするし、集中豪雨等も出て参りまするし、山腹に対する降雨量が非常に変化してきております。山相の状態にも応じまして降雨量が非常に変化してきております。従って、ほんとうの水源いわゆる降り注いだところで、できるだけ降り注いだものを近くにおいてキャッチして、できるだけ流出量を徐々にするというやり方を講じていく。途中に流水が起こって参りましてからの貯水よりも、もっと上流地において、山腹の段階においてこれを適切に流出していくという方法を講じていかなければならぬと思うのです。そういう意味で、農林省では、水源涵養林等を保安林に指定いたしまして、経済的利用よりもむしろ国土保全の意味において水源涵養林を培養しておるわけですけれども、これも、従来水源涵養林であったから今もそうあるであろうという気休めでありまして、水源涵養林が涵養の役目を果たしておるかどうか。ただ、乱伐しないという保護はしておるようですけれども、積極的にこれを活用するという道が講ぜられておるかと言えば、必ずしもそうではない。かなり大切に保護しておることは明らかですけれども、積極的な面が足りないと私は思うのです。 そこで、外国でもやっておるような拡水法という設備をすることによって、水の急激な流出をどうして防止するか、山腹において、山岳においてどうして押えるか、そして渓流に入るまでになるべく長く地中にとどめておいて、流出量を減らして徐々に流出さしていくということになると、途中のダムから溢水するというようなことが起きないで、全部が利用できるという道が開けるだろう。その方法は外国としてもやっておるわけです。溝渠式であるとか、立て穴式であるとか、冠水式ということをやっておる。日本でもわずかに試験的にはやっておりますけれども、それほど本がかりにはやっておりません。今後水の需要にたえなければならないということになりますと、そこまで踏み切らなければならぬのじゃないか。それが、経済企画庁として、これは実施官庁ではございませんけれども、計画として持たれるべき時代に来たのではないか。こういう予算についても経済企画庁としては積極的にこの道を開くことが必要ではないか。これは個所が非常にふえますから、総体的な金の量、投資量はふえるかもしれませんけれども、一ヵ所にそう大してかかるわけじゃない。もっと水源涵養の役目を果たすような施設を保安林の中でも行なわせるということを一つ考えられてはどうだろうか。農林省は惰性でなかなか踏み切れないのです。実施官庁というものはそういうものだと思うのです。新規なことはなかなか踏み切れないのでありましょうが、そこは企画庁でございますから、踏み切られることが可能ではないかと思うのですが、長官、どういうふうにお考えですか。
○宮澤国務大臣 その方面の知識がございませんので、こういう方法でということは申し上げられないわけでございますけれども、確かに、総合的な見地から申しますれば、わが国の降水量が推定年間に六千億立法メートルくらいあると言われておるそうでありまして、そのうちでわずかに三分の一が有効河川への流出量である。その流出量も必ずしも合理的に利用されておるわけでばございませんで、おそらくそのうちの一割とかなんとかいうものが利用されておるにすぎないといたしますと、そもそも総量、これは蒸発をいたします分が約二千億トンくらいあるのでございましょうが、そこらのところに非常に大きなロスがあって、六千億トンというような降水量のうちで現実に利用されておるものはその何十分の一かになっておるわけでありますから、確かにそういうことが考えられなければならないのではないかということは、しろうとながらよくわかるように思います。
○川俣分科員 長官、しろうとの考え方が今大切なんですよ。くろうになると、おっかなびっくりで、なかなかやれないのですね。外国の例をおそらく企画庁では持っておられると思います。また現に科学技術庁でも日本の水資源というようなことでかなり統計も出しておられますから、これらを活用することによって、実施官庁と相談されますならば、やれないということはないと思うのです。日本の国有林の歴史も相当古いのです。みな専門家がおるのです。技術屋もおります。試験場も持っておられます。これらを新しい角度から検討させるということは、これは企画庁の責任だと思う。私はあなたに実施を迫っているわけではないのです。計画を立てられることをお願いしよう、こういうことなんです。 これはあとで農林省のところで十分質疑をしていきたいのですが、とかく、農林省におきましても、従来の農業用水については非常に神経質にこれを確保することに努めて参りましたけれども、事、上水道、工業用水については、所管外だというようなことでもありましょうが、それほど熱心じゃないのです。むしろ、非常に競合するやっかいなものが入ってきたというような、——露骨な表現で言えばですよ。そうは表向きは言わぬでしょうけれども、内容的には、せっかくの長年の慣習を持っている農業用水が他の工業用水あるいは上水道のために侵されるというような考え方を持っておる。これは、水の量というものはこれだけしかないのだという頭です。今大胆のお話のような降雨量六千億トンといような頭でなしに、現に今まで流れてきたものを使うというだけの考え方ですから、こういうように偏狭になると思うのです。しかしながら、山元において十分それらをこなし得るだけの設備ができまするならば、あるいは農業用水と工業用水と争わなければならぬ、あるいは上水道とも争わなければならぬというようなことはなくなると思うのです。あるいは、電力会社に対しましても、過大な農業用水の賠償を要求されるというようなこともなくなるだろうと思う。少ないであろうと予想するために奪い合いが出てくる、補償の問題も出てくるということになるのだろうと思う。 そこで、上流地においてこれを確保するという施策を講ずることが、各省にまたがっているところの水の利用を円滑ならしめるゆえんだと思う。そこに調整の責任者である企画庁の責任が出てくる。こう理解して、あなたにこの問題の解決を迫っているわけなんです。あなた方は調整しなければならぬ。起きた問題を調整することはなかなかやっかいです。もっと豊富にすることによって、調整するということが楽になるわけですから、どうぞこの点についてもう一段の御考えを願いたいと思うのですが、御答弁を願いたい。
○宮澤国務大臣 確かに、現在年間六千億トンの降雨量の中で利用しておりますのは四百億とか五百億トンということでありますと、実は、供給余力というものは、やりようによっては十何倍もあるわけでありますから、ただいま仰せになりましたような総合的な利水措置、源泉における拡大措置というものが非常に必要だということはよくわかりますので、水資源開発計画等においても、そういうことを基本的に考えてみる必要があると存じます。
○川俣分科員 次に、林野庁長官がおいでになっておりまするので、大臣についてはあとでおいでになってからお尋ねをいたすことにいたしまして、質問を進めて参りたいと存じます。 農業基本法に基づいて農業構造改善事業が進行しつつあるわけでありますが、これと足並みをそろえて、林業の基本法をつくるべきであろうと思うのです。しかしながら、いろいろな問題を含んでおるために、はかばかしく進んでおらないようでありますが、少なくとも構想だけはできていなければならないと思うのです。できているかいないかということを今聞くのですけれども、時間を節約する意味において、なぜ必要であるかということを一つここで強調したいと思うのです。 今経済企画庁にお尋ねしたように、林業に新しい任務が加重されてきておるわけで、水資源の培養については特に強く要請されるべきであろうと思うわけであります。すなわち、それは水資源の源泉である供給地の役目を森林が果たさなければならないというところからであります。水資源涵養保安林の重責を深く認識いたしまして新たなる対策を講じなければならぬことは言うを待ちません。これと同時に、そうした任務が新しく林業の上に加わってきたのと、さらにまた、国土全体の総合高度利用の立場からいたしまして、従来の林地、従来の林分について再考慮しなければならなくなってくるのではないであろうか。農業構造改善事業が成長農業へ切りかえていくという、あるいは酪農にいたしましても畜産振興にいたしましても、結局土地の利用というものに入らざるを得ない。あるいは果樹園にいたしましても、平坦地から幾らか傾斜地へ上らざるを得ないというように、国土の利用について、林業と同じ農業の中における畜産業あるいは果樹園芸とが競争し合わなければならない、奪い合いをしなければならないという事態が起こってくるわけです。これを林分である、あるいは林地であるということによって拒み切れるかというと、必ずしも拒み切れない問題が起こってくるのではないか。そうすると、今にして、林分の利用、林地の利用、あるいは畜産の利用、あるいは果樹園の利用等については、土地利用の区分についての大京かな計画がなければ、いたずらに競合いたしまして両方ともブレーキをかけ合うような結果になりまして、農業構造改善事業をむしろ農林省の中で阻止する結果に陥るというおそれもあると思うわけです。従って、農業構造改善事業とどのように歩調を合わせていくか、ここで林業基本法を定めなければならない。林業プロパーの問題でなくて、他の農業の面から言って、やはり林業としての建前をはっきりしなければならないところへ来ておるのではないか。これは単に競合と見るのではなくて、土地の奪い合いとして排他的に考えるのでなくして、どうしてお互いが提携し協力していくかという形の基本法が生まれてこなければ、農業基本法にとりましても林業基本法にとりましても、阻害にこそなれ前進にはならないと思いまするので、農業構造改善事業と真剣に取り組んでいくからには、それと歩調を合わせる林業基本法というものがなければならないと思うのです。この点については、私がこれだけ述べましたから、反対はないと思うのです。理由はもう明らかなんです。どの程度林業基本法と取り組んで、一体いつごろ提出できるという構想でありますか。その内容についても承りたいのですが、時間がありませんから、内容は別にいたしまして、いつごろまでに基本法の構想ができ上がるか、それだけは一つこの際お伺いしておきたいと思います。
○吉村政府委員 まず、林業基本法のスケジュール、私どもが提案ができるようになりまするスケジュールについてのお尋ねでございますが、それに先だちまして、先生のお言葉の中の大きな二つの問題、水資源の確保という問題、これは、先ほど来先生が企画庁の長官と問答をされましたあの通り、非常に重要な問題だと私どもも考えております。それから、もう一つの土地の利用の高度化の問題も、私もまさしくその通りであると存ずるのでございます。この狭い国土をより一そう高度に利用をして参るということが非常に重要な時期に立ち至っているということも申すまでもないことかと思うのでございます。ただ、この二つの問題のうち、前者におきましては、私どもといたしましても森林の使命、森林政策の使命といたしまして率先して大いにいたさなければならぬ、また、私どもがやらないとなかなかほかでできない仕事だというようにも考えておるのでございます。土地の利用区分の問題になりますと、御趣旨はまことにその通りでございまして、仰せのところに何も差しはさむ余地はないのでありますが、しからば、はたしてこれは林業の問題として処理ができるかというところを翻って検討をいたしてみますと、私ども、そういう点について従来から検討を続けて参ったところでございます。この土地の利用区分が十分に立てられなければならぬということは、私どももまことに賛成でございます。ところが、この問題に至りますと、私どもといたしましては、国土の水資源の確保、それから林産物の経済的な供給また保全、それをめぐる林業を経営をして参ります林業の従事者の地位の向上と申しますか、そういう観点に立ちまして林業の基本問題を検討をいたして参りますと、必ずしもこれを林業の分野で解決ができるという自信が遺憾ながら出てこないわけでございます。と申しますのは、端的に平易な言葉で申しますと、林業の適地、より林業に適したところというものは、現在の林野の中では農業にも最も適したところだと言わざるを得ないと思うのでございます。そうなって参りますと、木材の供給をまず担当しなければならない私どもといたしましては、それではどこまでの木材の供給の責任を持つべきかという議論になるかと思うのでございますが、そういう点からいたしまして、先生の御意見には全く同感でございますが、これを林業基本問題の中で解決をして参るというふうなことは非常にむずかしいわけです。従いまして、こういった問題、先ほどから私も御説明をした問題を中心にいたしましてこの林業の基本対策というものの構想をただいま描いて、せっかく作業をいたしておるのでございます。そういう点でなかなか十分に御審議をいただくような案がまとまって参っておらないので、ただいますぐに提案もできないという状態でございます。まことに遺憾でございますが、そういう非常にむずかしい問題点もあるということを御了承願いたいと思います。
○川俣分科員 今長官の述べられるように、非常にむずかしい問題です。従って、農業構造改善事業というものが進行していくならば、あなたが守らなければならない林分というものを侵されるということになる。現に、各地に、国有林を払い下げろ、しかも立木地を払い下げろという運動が熾烈に起こってきている。林業の建前というものをはっきりして、応じられるのか応じられないのか、ところによっては応じられる、そういう体制を、国有林野ばかりでなくして民有林もあわせて、林分についてはどの程度一体守っていかなければならないか、総面積ではどの程度、傾斜地ではどの程度というような方針が出なければ、押されてしまって、解決は困難だから困難だからということで一歩延ばしておけば、むしろ侵略されてくるであろう、無計画に進行していくであろうということになる。そのことをおそれておる。別に林分を全部開放して構造改善事業に買わせなさい、こういう意味ではない。そこはお互いに協力し、お互いに助け合いをしていかなければならないのであるからして、そこに基本的な考え方というものを、農業基本法と林業基本法とを出してそこで調和点を見出していかなければ、今後は目鼻が立たない結果になるのじゃないか、こう指摘しただけあって、林分を侵してもいいんだなんということはちっとも質問はしておらないつもりです。お互い調整をしなければならぬ。今調整のものさしがないのですね。森林法があるとか言いますけれども、調整のものさしがない。片一方は近代的な基本法ができたのだから、それと林業基本法ができて、そこで初めて調整をするという役割が果たせることになる。そういう意味なんです。 それからまた、私はこういう考え方も持つのです。大体林野をやっておる人々は資源尊重論であって、農業構造改善事業に非常に理解がないのだ、こう酷評する人もあるのです。従って、資源尊重論を打ち破らなければ農業構造改善は進められないのだ、こう極端な表現をする人もありますが、私はこれも誤りだと思う。別に資源だけに偏重して農業はどうなってもいいのだという考え方ではなしに、やはり将来の農業のことを考えるがゆえに資源を尊重していくのだという建前をとっているのだと、私はそう善意に理解をしている。従って、林業の持つところの固有の問題を否定をいたしましたり、過小評価してはならないことはもちろんでありますけれども、やはり、林業の実態を見ますと、農業問題の視野からこれを解明していかなければならぬ問題が多々あると思います。日本林業の問題はまた一面農業の問題である、こう私どもは理解をしておる。そこで、林業基本法というものを早く方針を立てられなければならぬじゃないか、一日のがれ、一ヵ月のがれするわけにはいかないだろう、ものは進行しているのだ、その進行の目安を与えてやるために林業基本法というものは必要なんじゃないか、林業自体としても必要だし、また農業の内部の問題としても必要だ、こういう意味で促進が望ましいというふうに申し上げたのでございますが、これに対する御意見をお伺いいたします。
○吉村政府委員 全く、御意見、その通りでございまして、農業の問題の視野から林業を見、また、実態といたしましても、山林の所有者の九〇何%が農家であるというような実態から見ましても、その点は非常に重要なことではないかと思います。と同時に、従来、御指摘のように、私どもといたしましては、そういう観点に立たずに、資源政策的な面をかなり強調をいたして参ったわけでございますが、これはその時代々々の要請に応じましてそういう変遷を経て参ったのでございます。最近の情勢は、全く御指摘の通り、林業の振興と申しますか、そのためには農業の問題を離れては議論はできないというように、私どもも御指摘のように信じておるわけでございます。私どもそういう観点に立ちまして検討をして参りますと、先ほど申し上げましたように、森林の所有者の九〇%以上が農家であり、また、所有規模から申し上げましても、九割以上は零細な五町歩未満のような所有地で占められているという実態を見詰めまして、山村と申しますか、農山村地帯の農業と林業の関連を検討いたして参りまして、ただいまの山村におきます農業の方向と申しますか、構造改善が進められております段階における山村の農業の方向、こういうものもやはり、その点に至りますと、まだ私どもにはっきりつかめてこないということは申し上げられるかと思うのでございます。そういう情勢の中に立ちまして、この零細な林業をどういうように持っていくかということが、私どもの基本的な問題の柱の一つになると思うのでございます。そういう問題につきましても、ただいま私ども鋭意この問題の方向の結論を得べく勉強をいたしておるところでございます。
○川俣分科員 従来資源を尊重してきましたがゆえに今日資源が残されておる。これは決して誤ったと見べきじゃないだろう。それはそう思うのですよ。その点は、資源をもしも尊重しなかったなら今どんなようになっておったかということを憂えるのでありますけれども、新しい視野で林業の今後の動向を見きわめる基礎的なものを打ち出すべきであろう、こう言うだけでございますから、すみやかに検討に入られることを望むのでございます。 次に、国有林野の経営規程及び管理規定がございますが、経営規程は林野の憲法だとも言われまして、各職員の採用の場合であるとか、あるいは担当者の養成の場合におきましては、これが試験問題の中心になっておるわけです。従って、現在林野に勤めておられる人々はこれを全部知っていなければ勤まらないということになっておるのです。局長初め、署長であろうと監督であろうと、これを知らなければ林野の役人にはなれない。この試験を全部通っている。試験を通ったからみんな覚えているかどうかということは疑問ですが、一応とにかく勉強をしてきたことは間違いなのです。ところが、これは訓令という形で出ておるのです。法律じゃなくて、訓令なわけなんです。少し軽く扱われておる。しかし、林野では軽く扱っていませんよ。林野の憲法として、これは法律以上に尊重して取り扱っておりますけれども、対外的には訓令だということで軽視されるおそれが多分にあるわけです。林政部長首を振っているけれども、林政部長は試験を受けなかったから首を振るのだけれども、林野庁のほかの職員は全部これは知っておる。だいぶん古くなって忘れておる人もあるかもしれませんが、部内的にこれほど重要に扱っておきながら、対外的には訓令ということで軽視される傾きがありますし、特に林政部長のように事務官で来ると、あんなものはよく見なかったというような、——林政部長はそうじゃないけれども、とかくそういうこともありがちなんです。そういうことは言い過ぎかどうか知りませんけれども、ありがちなんです。そこで、これをもう少し制度化する必要があるのじゃないか。私はこれはりっぱな規程だと思うのです。あまりこまかすぎてはおりますけれども、大本だと思う。この管理規程なりあるいは経営規程というものをむしろ法制化する必要があるのじゃないか、こう思うのですが、長官はどのようにお考えになっておりますか。この点は大臣にもお聞きしたい点なんです。
○吉村政府委員 ただいまの国有林野管理規程及び経常規程を法制化すべきであるという御意見でございますが、この管理規定ないし経営規程、特に経営規程に至りましては、先生の御指摘の通り、われわれ職員が非常に重要にこれを勉強をいたしておるところでございます。これが法制化してないということについて御指摘のありますこともごもっともかと存ずるのでございますが、これは、それぞれの規程の最初にもしるしてございますように、関係の法令あるいは訓令、政令等に定めるほかはこの規程によるということで、こまかい内部的な規程を定めたものでございまして、今直ちにこれを法制化するということは、私どもとしてはいかがかと存ずる次第でございまして、この国有林の経営全般にわたりまして、先生の先ほど来いろいろ御意見のございましたように、国有林の内部はもちろんでございますが、外部にわたりましていろいろな要請が強まって参っておるわけでございます。こういう国有林全体の問題をこの際十分に慎重に検討して参らなければならないというように考えておるのでございます。国有林野全般の問題も森林審議会等において検討をお願いいたしまして、そういう段階にあたりまして、この経営をどういう方向に持っていくべきか、また管理をどういう方向でやっていくべきかというような問題も出てくるかと思っておるのでございます。そういう段階に立ちまして、私どももその方向をきめたいと思うのでございます。そういう段階で必要があるということになれば、私どももその検討をいたしたいと思っております。先ほど申し上げましたように、今にわかにこれを法制化するというような考えは持っておらない次第でございます。
○川俣分科員 改正森林法におきましても、森林の特性から申しまして、これらの計画というものは長期の計画、長期の展望を要するものでございます。従って、常に動揺するような形で運営されてはならない。あるいはその訓令等は常に変わり得る性質を持っておる。林野の内部から言えば林野の憲法だと言われるものでありますから、基本的なものだけはこれを法制化しておく必要があるのではないか、何人もこれに制約を受けるという基本的な考え方を打ち出しておくべきじゃなかろうか、こう思うのです。ですから、今直ちにはとおっしゃるかもしれませんが、今現に動揺の形が出てきているわけです。そこで、この考え方がこのままでいいかどうかは別問題として、こういう基本的な観念というものは、小さな点はいずれ政令によるとか訓令によってもよろしゅうございますが、この経営規程なり管理規程の基本になるものだけは法制化しておいて、何人もこれに制約を受けるという、制約の中で運営をしていくのだという大方針がなければならないのではないか。来年になって取りかえられるようなものではないのです。林業計画というものは、森林法に従って、三十年、四十年の長期見通しを立てて許可・認可をするという態度をとっているのですから、やはり基本的な考え方を中心に持っていなければならぬだろう。それには訓令では弱過ぎるのではないか。これは長官では無理かもしれませんから、この点は大臣が見えてからあらためて聞きたいと思います。 次に移りまして、それでは一体なぜ基本法的なものをつくらなければならぬかということなんですが、これが憲法だ、基本的な考え方だと言っておられながら、国有林の特別会計は必ずしもこの基本的な考え方にのっとった会計制度ではないですね。もっとわかりやすく俗な表現で言うならば、国の予算であるとか公共予算というものは国民の税金によってまかなわれるものであるし、国民の直接の負担によってまかなわれるものでありますだけに、できるだけ苛斂誅求にならないように歳出を押えるということ、一般会計として、あるいは国の会計にしても府県の財政にしてもそういう建前をとっておる。しかしながら、いろんな事業をしなければならぬから、やむなくこれを税金として取り上げるということにはなるでしょうけれども、基本的には極力歳出を押えるという建前をとるべきだと思います。ところが、企業会計になると、そうでなくして、歳出を押えるのではなくして、どうして収益をあげていくか、こういうところに企業会計の目的があると思うのです。そこで、合理化であるとか近代設備であるとかいうようなことを言われるのも、歳出を押えるのではなくて、どうして最大の収益をおさめるかということにあるのだと思う。ところが、この特別会計法というのは一般会計の方に右へならえをしておりまして、できるだけ歳出を押えるという考え方が出ておるし、大蔵省もまたこの会計法によりましてできるだけ歳出を押えていこうとする方向をとっております。もちろん、むだな金を使っていいなんという意味で言うのではない。そういう意味で歳出を自由にせよという意味ではありませんけれども、企業会計であるからには収益をおさめなければならぬ。大蔵省のような金に渋いところでも、大蔵省の役人が行ってやっておる専売公社を見てごらんなさい。広告費に何億もかけている。あれはなぜかというと、たばこの収益を上げるために、広告しなければたばこの売り上げが減る。専売公社でありますからほかに競争相手がないから広告の必要はなさそうなものだけれども、ちょうど仁丹と同じように、広告しなければ売り上げが低下するのだというので、勇ましく歳出をしておるのです。あまり大蔵省も文句は言わないようだ。広告ですらやかましく言わないのに、林野が経営しております造林であるとか水源林についてはなかなか渋いじゃないですか。大蔵省が渋いのか林野庁が思い切りが悪いのか、どっちかわかりませんが、予算面に現われる点は、予算課長もおいでになりますけれども、なかなか渋いのです。収入の方にかけましては、少しくらい多く切れというような格好ですよ。特に歳入歳出のバランスをはかるために、木材価格が下がってくると、収入を確保するために増伐しなければならない。値段が安くなったのに、さらに増伐してもっと値を下げるという、企業会計としておかしなことを平気でやっておられます。平気じゃないかもしれないけれども、やっておられるのです。収入を上げるためにさらに増伐しなければならない。この増伐も、木材価格が上がってきて、国民生活に不安を与えるから、林野の規程としては利益を度外視して増伐するということで、価格調整の意味で増伐をするということなら、私はあってもいいと思う。それは行なわなければならぬことだと思います。しかし、木材価格が下がってきて、林野がさらに多く伐採をすればもっと下がるかもしらぬというときに、林野の会計のために、収入を上げなければならぬためにさらに増伐をするというようなことが望ましいような特別会計というものは、この管理規程からいけば反対なことなのです。それじゃ法律と訓令とどっちに従うかというと、法律に従わなければならないという結果になる。対抗していく面からいけば、訓令でなくて、同等な法律でなければならぬだろうということを主張し、これに対する長官の意見を聞きたい。これは大臣について聞きたいのですが、お見えになってからにいたします。
○吉村政府委員 この歳入と増伐、主としてその問題についてでございます。増伐、それからその他造林問題、林道事業、もちろん関連のあるところでございますが、先生あまりに詳しく御承知でございまして、かつてはそういうふうにこの価格、市況の低い場合には収支を合わせる努力をいたしまして、増伐というようなことがあった経験がありますことは、これは否定しませんが、現状におきましてはさような考えを持っておりませんし、また私どももそういうことをいたさないつもりでおります。 御案内のように、一昨年の非常な価格高騰によります価格の安定対策、ああいうような緊急な措置を要します時期におきましては、なるほど先生御指摘のように、そういう増伐をいたしまして、需給の安定をはかり、価格の安定をはかるということは、これは国有林の非常に大きな使命の一つだと存じますので、ああいう点については大いに積極的にやらなければならぬと思いますし、やるというつもりであります。そういう画の弾力性というものは持って参らなければならないと思うのでございます。そういう点で、この特別会計の制度におきましては、伐採ばかりでなしに、その他の林道の先行投資でございますとか、その他の設備投資の先行的な事業につきまして、なかなかむずかしいじゃないかというような御意見もおありでございますが、そういうような点につきましても、これは一つには専売公社あるいは国鉄のような公社と、また私どもの現業の制度とでは違うわけでございます。その制度上の差からも出ておるわけでございますが、逐次大蔵省におけるそういった認識というものも深くなって参っておりまして、私どももさらに努力いたしまして、先生の御指摘のような方向に進めて参りたいという考えでございます。
○川俣分科員 こういうことですね。林野事業というのは、一面において国土保全、あるいは水資源培養等の公共的な使命も大いに果たさなければならないし、その上に林野に持っている特質として、民間林業を育成する建前からしても、日本の国民経済に寄与する面からいっても、間接統制的な需給調節をしなければならない、価格調節をしなければならないという幾多の任務を負っていることは、その通りです。ところが、従来やられてきたのは、木材価格が高騰したときに、国民経済に寄与するために増伐をするということは悪いことでなく、やっておられます。ところが、市況が悪くなってきたときに、それでは、切り惜しみをするというわけじゃありませんけれども、伐採量を減らして、民間林業育成のために幾らかでも寄与したことがあるかといえば、これは一回もない。一方において民間林業を大いに育成すると言いながら、その阻害となっておるようなことは、これは林野特別会計の持つ建前なんだからやむを得ないんだということで逃げてきている。大いに弾力性を発揮しなければならない使命を持ちながら、弾力性が発揮できないで硬直しておる。その硬直の原因はどこにあるかというと、特別会計の仕組みの中でそれができないということで、弾力的な運営ができないでおるでしょう。閣議決定等によって、国民経済に寄与しなければならぬようなときには積極的な発動があって、増伐をするということはあり得ましても、木材市況が悪くなれば民間造林の意欲も衰える。そういうとぎに、いや、計画伐採をしなければならぬ、バランスシートの上から、計画された伐採量は保持していかなければならないというのはどこからくるかというと、長官個人の考え方じゃない、林野全部の考え方じゃないのです。この特別会計に支配されてそうやらざるを得ないのでしょう。それがいいと思ってやっているのじゃないのですよ。特別会計の命ずるところによって仕方なし——仕方なしというか、本旨じゃないにしても、これを順法しなければならないということで、林業政策というものはチェックされるのじゃないか。もっと企業的にも弾力的に、あるいはこの管理規程の示すように、地方住民の、あるいは他の林業に協力をする、助長をさせるということが、この管理規程の中にある。りっぱなものです。経営規程の中にある。自分だけ商売やっていればいいんだという脅え方をしていない。山村の福祉にまで寄与しようということですから、こんな勝手に運用するということになっていない。もうけていればいいんだというような規定になっておりませんし、非常に広範な使命を果たそうという管理規程になっている。なかなかりっぱなものです。これはみんなに見せてみたいようなものです。農林省の役人全部にこれを知らさなければならぬぐらいに思っているのですが、そのことは別にしても、みんなそういうことを知りながらなぜやれないかというと、特別会計があって、それがネックになって実際やれないのだということだと思うのです。説明のときには、いつでも弾力的な運営をする、こう言われる。あるいは独立採算的に、企業的に運営するんだ、こう言われますけれども、伐採だけやって、跡地についてはこの経営規程通りなかなかやれない。やれないということは、一つ具体的に示しましょうか、こういうことになっておるのですね。造林の小屋と伐採の小屋と、行ってごらんなさい。一見していいのは伐木の宿泊所、悪いのは造林の宿泊所。聞かなくても、見たらすぐわかる。別に札をさげていないけれども、悪いのは造林の宿舎、いいのは伐木の宿舎、こう見ていいですよ。最近基準局がだいぶやかましくなりまして。だいぶ改良されてきておりますけれども、伐木の作業員の宿舎などは、大体基準局の検査も通るくらいです。造林夫の小屋を見てごらんなさい。これは宿泊所なんて説明できない、休泊所だと逃げております。宿泊、泊まるのではない、休泊する小屋だ、こう弁解をしておる。住宅じゃないのです。これは現に長官以下みな御存じの通りなんです。造林のことになると、出費だ、歳出だ、とんでもないことだ。これは支出ではありません。林野は財産をつくるのですから、長期資本投下なんです。財産を造成する、自分の事業を造成する基本になっていなければならぬはずです。大体作業員の手当だって違うでしょう。一人当たり全国平均でいくと、造林は六百円くらい、伐採になると、もちろん請負もありますけれども、手取り額千二百円くらい。木は切りそこなうことによって価値の低下を来たしますけれども、造林の方は植え方が悪いために生長量を阻害し、将来の生長に大きな影響を与えるのです。種もみが影響を与えると同様に、植栽が非常に影響を与える。地こしらえ等についても、従来一ヘクタール当たり五人、四人を三人、四人に減らしていく。もちろん機械が入ったでありましょうけれども、減らしていく。地ごしらえが十分でなければ植栽は十分にいきません。植栽が終わりましても、保育が十分でなければ期待した生長量が得られない。これは林野の基本でしょう。予算的には基本の方を軽視するということ、収入だけを考えて歳出というものを——たばこの広告ですら必要だというのに、地ごしらえ、植栽あるいは保育という基本的なものに歳出をちゅうちょするようなことでは、将来の林業経営はできないし、他の民間の林業家に対して指導などということはできません。自分でやれもしないで民間だけおやりなさいといっても、これはだれも信頼しません。指導能力を欠くという結果になると思うのです。長官、どうですか。
○吉村政府委員 まず造林と伐採事業、私どもが申します製品事業等に対する考え方でございますが、御指摘の通りでございまして、造林こそ将来の財産づくり、資産の造成をはかって参るもとでございますので、最も慎重を要する仕事だと私どもも考えております。ただ、従来におきまして、造林事業というのは非常に季節的に制限のある仕事でございます。その季節も非常に短い季節に仕事を終えるというような関係、それから作業員になりますと、伐木の方は比較的年間を通じられるような仕事であると同時に専業のものがあったというようなことからいたしまして、賃金自体にも先生の御指摘のような大きな開きがまだまだあったわけでございます。私ども最近の情勢、あるいは御指摘のようないろいろな情勢を考えまして、やはりこういった点で国有林が率先して改善をすべきであるというような考え方から、この賃金問題につきましても、造林と伐木との格差につきましては、かなり縮めて参っておるわけでございます。そのことは、造林が上がって参ってきておるということになるわけであります。もちろん、この造林と伐木の作業自体に質的な差もございます関係で、賃金が全く同じでよいということにはならぬと思いますが、さらにこの格差を減少さすべきだという御意見につきましては、私どもはそういうように考えております。 また、設備等につきましても、造林の従業員の宿舎が非常にお粗末だというような御指摘でございます。確かに従来季節的に制限を受けます仮の小屋というような点があったわけでございますが、最近造林をさらに拡大いたしまして進める、同時に、その季節性というものを極力技術的な解決によりまして排除をして参る、それから、その他の作業との組み合わせによりましてさらに雇用の安定をはかって参るというような観点から労務の管理を進めて参っておるのでございます。厚生施設、御指摘の宿舎等につきましても、基準法に従いまして、造林と伐木の差があるからということでそこに差をつけることのないように経費の支出、事業も行なっておるつもりでございますが、中の不十分な点につきましては大いに改めて参りたいと存じておる次第でございます。歳出につきまして、造林に対してはちゅうちょし、伐木にはできる限りと言いますか、むしろゆっくり支出をするというような考え方は現在私ども持っておらないのでございまして、そういう点については、さらに十分現地を見まして改善をして参らなければならないと考えております。
○川俣分科員 少し答弁の中にあったわけで、私は大体了承したいのですけれども、季節的に必要な造林の作業員であるために、ある期間だけ雇用するので安いのもやむを得ないというか、これは逆です。その季節をはずすならば効果の全くないもの、従って、従来のように労力が潤沢なときにはその中から適者を選ぶということも簡単にできたでありましょうが、短期間に完了しなければ効果の上がらない植栽であるために、やはり相当経験ある者を採用していかなければ、帳簿上中央に上がってくる報告はある期間に上げたということになっているかもしれませんが、実態は、造林はみな期間が延びておるわけです。これは天候にもよりましょう。だから無理な点もあります。天候に支配される点もありますから、必ずしも一定期間内に終わるということのできない点もあるかもしれません。また、地方によりましては、二、三日延びましても、気候からいって必ずしも延びたということにはならないかもしれませんが、ある一定期間内に植栽をしなければならぬということはお説の通りです。それだけに、その期間に植栽をすみやかに終わって、根つきをよくして生長に入るような植栽の仕方でなければならぬのです。伐採の方は、各営林署ともそうなんですけれども、何といっても収入が目の前にあるものですから、少しくらい経費をかけてもいいであろうというふうになりますし、造林の方は、経費からいえばすべてが歳出なために、とかくこれを惜しむと言いますか、切り詰めると申しましょうか、範囲内でという制約を受けがちです。伐採の方は、少しくらい歳出が伸びましても、これは従来の取り扱いの慣例上歳入になるものですから、比較的局におきましても、林野庁におきましても大目に見ておるという格好です。ところが、造林の歳出につきましては非常に厳格なのです。余裕を持たせない。ある期間内に完了しなければならないものでありながら、予算的措置、歳出の措置が十分でないために、むしろ期間がおくれて活着が悪いという結果を示しておる。苗木にしても、十分人を得られないために一週間とか、あるいは五日とかいうものを放置しておくというようなことも現にあるわけです。それは労務の手当が十分でなかったという点にもよりましょう。つくるということがはっきりわかっているならいいけれども、おくれるかもしれぬ。それには早く雇用しておくことは歳出の増になるということで手控えたり、非常にそごがきておることは造林全般に言えることなのです。それは、造林という歳出についての考え方をこの経営規程のように頭を切りかえなさい。試験を通ったといっても、実際行なえなければ何にもならない。試験の答案ならおそらくこの通りりっぱに書くでしょう。ところが実行になると、造林については歳出の節約をできるだけはかろうということが現に行なわれておる。経営規程の三条の(二)ですか、「伐採跡地及び未立木地に対する植栽、林相の改良、林分の保育、その他により、森林資源の培養及び森林生産力の向上をはかること」こうなっている。これに基づいて植栽をしなければならぬ。この効果のあるように植栽をしなければならぬでしょう。これは基本でしょう。ところが予算で制約を受け、歳出で制約を受けるということになれば、この経営規定というものが基本で事業をやらなければならぬのが、いわゆる特別会計の歳出で押えられていくという弾力性がないことで、どうして生きたものを取り扱うんですか。人間も生きていると同時に、苗木というものも生きておるんですよ。生きておるものを、取り扱うときに、帳簿上の、あるいは歳出上の規約に縛られたのでは生きた運営ができないということを私は指摘しているのです。従って、前に戻るけれども、この規定というものは会計と同一の力を持つものにしなければならぬじゃないか。これによって、歳出の変更は、企業会計であるがゆえに、むしろこれを基本にした歳出の運営をしていかなければならぬではないか。もちろん金額は大きいものじゃないんですよ。苗木が到着したら、それを仮植してもいいんです。そういう弾力的なことが一日おくれ、二日おくれるということがあり得る。伐採の方になると、そういうことが割合にない。そこで今の問題を提起したわけです。もう一度御答弁願いたいと思います。長官は実務に携わっていたので十分知っておられる。知らないでやらないのならこれはいいのですが、知っておりながらやらないと、これは責任が重いんですよ。
○吉村政府委員 ちょっと私の御説明で言葉が足らなかったところがありますので、訂正をいたしましてからお答え申し上げますが、季節的な、臨時的なものだから安くていいのだということではなしに、従来造林の労務というものは季節的でありままして、農業との関連が非常に強かったわけでございます。作業員の賃金は、これはあるいは先生は御反対かもしれませんが、地場賃金というものに非常に強く引かれるというふうな関係で、農業との賃金の均衡と申しますか、関連でそういうような状態があったということを御説明申し上げたわけでございます。 重ねて御質問の造林に対する歳出が少な過ぎるという点でございます。私ども、現状におきまして計画的に造林をしております段階におきましては、あるいはまた御指示を受けるかもしれませんが、それほどちゅうちょしておるつもりはないのでございます。むしろ造林については、最近私どもといたしましては、より積極的に必要のある画につきましては歳出を強化して参るという方針で実行をしておるつもりでございますが、いろいろな点でそういう考え方が十分に徹底をしておらぬ面につきましては、私どもも努力の足りないところがあったかと思いますので、今後はさらに御指摘のような点につきましては十分慎重に指導をいたしまして、さようなことのないように改善をして参りたいと存じます。
○川俣分科員 私は特に強調いたしまするが、従来のようになかなか雇用が楽でなくなって参りました。臨時に比較的経験のない者を集めるということであればまだ困難でないかもしれない。やはり熟練度の高い者を年々雇用するということで熟練度の高まった者が必要になってきたのではないか。それとやはり合理化が——合理化というのは人に強要するだけが合理化と思っているのは間違いだ、みずからの合理化もはかっていかなければならない。だれでもいいから集めるという時代ではなくて、やはり熟練度の高い者を集める。熟練度の高い者を集めるということになれば、やはり年々熟練を生かしてやるという制度をとってこなければならないと思うのです。一体雇用が不安定ならば、だんだん就労する人が少なくなってくるのではないか。特に地方の安定所あたりは期間就労というものを最近は拒否している。たとい国有林であろうとも、民有林であろうと、期間労働で失業保険を払うようなものについては、できるだけ方針として拒否しておるような格好です。林野は幸いにして従来の縁故がありまして、安定所を通じないでも雇用関係が結ばれていっておるわけですね。今後縁故関係がなくなればそれは大きな事業上のネックになると私は思う。今は幸い従来の慣行、従来の縁故によって雇用条件が満たされておるわけです。これはほかではなかなかこんなわけにはいかない。かつて農山村に比較的過剰人口があって就労人口があったときに結んだ縁故ではありますが、その縁故が生きておることは非常にしあわせなことです。一面から言うと、事業計画、企業計画をする上からいって、こんなに安泰なところはないというほど安定所からはうらやましがられ、失業手当なんかもらわないでもいいような将来の安定した事業がたくさんあるときに、なぜそんな不安定なところに行くかというそしりさえ受けるところがある。それにもかかわらず、従来のように縁故というものは、いつまでも続くと思いましても、最近の経済情勢あるいは最近の国民生活の情勢からいって、なかなか縁故をつなぐことが困難だという考え方を持たなければならぬのではないか。ある営林署によりましては、全くこの道が閉ざされて、相当手当をして歩かなければ一定の雇用契約をすることができないという窮地に陥っているところがある。幸いにして全体的にはそれほどまでに至っておりませんけれども、今のうちに特に造林等について特別な縁故関係を結んでおきませんと、あとが絶えるおそれがあるのではないか。従来は、御承知の通り親が造林に出て行ったら子供も行くというような、歴代の縁故を持っておった。これは急激にできるわざじゃないのです。一ぺん断ち切れますと、再び結ぼうといたしましても容易に結べない問題であります。それだけに伐木は一つの季節労働として、かなり移動性を持ってでもできる問題で、最近はそれも熟練度が高まって参りましたから、一年間を通じまして必ずしも国有林野に結ばれなければならないというわけではなくして、ところによっては非常に浮動性が強くなって参りましたけれども、そこへいきますと、造林手は地元雇用でありますために、縁故のいかんが雇用を確保することができるかできないのかの境目になるわけです。あえて私がこの点を強調したのは、将来の林業政策の上重要であるということを再認識しなければならないからで、もしも今の長官の時代に、次の長官の時代に失敗しますと、これは取り返しのつかないことになると思うのです。そういう意味で、長官の誠実なる答弁で了承してよろしいのですが、もう一ぺんどうしても強調しておきたいと思うのです。
○吉村政府委員 確かに御指摘の通りでございまして、伐木の作業員に比較いたしまして、造林の労働と申しますか、造林作業員の確保が非常に従来と異なりましてむずかしくなって参るであろうということは想像にかたくないところでございます。今にしてその対策を講じておらなければ、確かに将来に非常に問題を残すであろうということもお説の通りでございます。私どもといたしましては、この造林というものは、再々御指摘のように生きものを扱う仕事でございますから、ただ人が来ればいいということではないのでございます。熟練度を高めるという意味合いと同時に、労働力を省くという点、やはり若い労働力が山村で非常に得られなくなるということになれば、かなり年令が上がって参りましても山の仕事にたえられるような作業を考えて参らなければならないというように考えるのでございます。そこでやはり造林の機械化を進めまして、それもかなり年令の高い者でも使いこなせるような機械化を進めまして、この造林労働の確保ということに努めて参りたいということで、そういう点につきましては、作業員の訓練と同時に機械化——この機械化も植え穴を掘る機械化等につきまして、盛んにただいま改良をいたしておるところでございますが、そういったあらゆる面からこの造林の作業の力を省いて、重労働からさらに軽い労働に変えて参る。しかも良質な労働力を得られるという方向に安定のできるような季節性の配慮という点で、造林事業の季節性、期間を長期にするということの検討も進めて、一部そういうこともぼつぼつ実現をし出しておるところでございます。さらに努力をいたしたいと思います。
○川俣分科員 理事会が開かれるそうで迎えに参りましたし、農林大臣が見えておりませんので、大体この程度で打ち切りまして、あと留保しておきたいと思いますが、一言だけ。機械化ということはもちろん賛成です。しかし、機械にふなれな者がやったのでは機械の役目をなさない。してみますと、最終的に整備して清掃をいたしまして、来年の能率が上がるように整備していかなければならぬというのですが、造林の期限が来たからということでさっさと期限を切ってしまうということは、機械の能率を低下さすことであって、また決して熟練度が上がるものではない。むしろお互いに整備させることによって機械の本質を理解し、性能を理解し、そして機械に対する愛着を持たせるようにしなければ、機械化のほんとうの役割を果たさないと思う。ところが、雇用の期間はもうなくなったからこれで帰してしまう、問題はそこなんです。弾力性を持ってやっていかなければならぬのに、全く弾力性を柔なっておる。民間企業というものは弾力性を持たなければ成り立たない。役所だからこそ弾力性を持たないでも権力の上にすわっておってできそうに見えますけれども、民間企業だったらとうてい成り立たない。機械化はけっこうでしょうが、その機械と人間とをなじまして、能率が上がるようにしていかなければならぬ。機械を入れたから能率が上がるのじゃない。機械の利用度を高めることに機械化の意義があるのであって、従って、これを整備する等については、おのおのに整備させまして、専門のやつは別にいたしましても、大体の整備を完了さして帰してやるというようなことになると、機械に対する愛着あるいは機械の性能に対する理解というものは深まっていくだろうと思う。そうでなければ来年もまた新しく機械を持たせなければならないという結果になる。やはり雇用が継続されて来年も行なわれるという言質を与えると同時に、機械になじませるような、機械に対する理解を深めるようなことをしていかなければ、造林の機械化も不可能だろうと思います。これは十分御存じの通りなんです。ところが予算がないものですから、製造会社のところに人をやって、一週間か十日泊めてそれで習わして帰す、そんなことはありませんよ。結局、それが機械屋の販売のコストに入ってくるわけでしょう。そういうことですから、造林のことになると、すべて予算を切るという考え方がこういうところに来ておるのだという一例を私は言ったのです。別に機械メーカーのところに研修にやったから、それが悪いということを言うわけじゃないのです。すべて歳出を削られるものですから、そこでそういう結果になるのだということを指摘して、あとはわざわざお迎えに来られましたから保留をいたします。
○中村主査 川俣君に申し上げますが、あなたの御質問は相当長時間に及んでおりますから、一応打ち切りということに御了承を願いたいと思います。ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○中村主査 速記を始めて下さい。 加藤清二君。
○加藤(清)分科員 この際、せっかく経企庁長官がいらっしゃいましたので、まず長官にお尋ねしたいと存じますが、目下の農産物の価格から考えてみまして、営農をする場合に、農産物のコストに対する水は、どの程度であれば営農が成り立つのでございましょうか、ということでございます。水の値段、つまり御承知のバルク・ライン方式とかあるいはパリティ方式とか、いろいろ米価を設定する方式がございますね、農産物価格を設定する方式がございますね。その中に占める水の価格、これがオール・コストに占める率はどの程度なら労農が成り立つと換算していらっしゃいまするかということです。
○宮澤国務大臣 突然のお尋ねでありますので、私、しかと御返事申すだけの知識がございませんが、ただ、従来わが国の農業をやる人たちが、水というものは、場合によっていろいろ争いはございましても、通例ほとんどただというように観念をして農業をやっておられたと思うのでありますが、これから先、先ほど川俣委員の御指摘もございましたような水の需給状況でございますので、これがただであると観念するわけにはだんだん参らぬだろうということまでは確かだと思います。ただそれが、コストとしてどの程度なら農業の経営がペイするであろうかということにつきましては、一般的な平均的な数字を申せとおっしゃるのかと思いますが、私それだけの知識を持ち合わせておりません。
○加藤(清)分科員 それでは一体、農業を営む場合に、一立米に換算したらどの程度ならいいでしょう。あなたのおっしゃる通り、日本は非常に水に恵まれておりました関係上、ただに考えて、ぜいたくに使うことを湯水のごとく使う、こういわれたものでございます。従って、昔の観念で言えば当然ただでよかったのですが、お宅の方で水資源開発公団なるものを設営されていらっしゃるはずでございます。すでにこれは発足しておるはずでございます。それに対して、長官としては、水のコストをどの程度に押えるようにしていらっしゃいまするか。お宅で経営なさいまする。ダムあるいは水路というものは、多目的ダムと承っておるわけでございます。これは前の藤山長官のおりにも論議になった問題でございます。すでに水資源開発公団ができまするおりに、長時間にわたって論議をかわした問題でございます。従って、あなたにお尋ねするのは、それでは水資源開発公団に対して、どの程度になるように指示していらっしゃるのか。ただ、でき合いで、出たとこ勝負で買ったろ、こういう調子でこざいましょうか。基本計画を立てていらっしゃると存じまするが……。
○宮澤国務大臣 水資源開発公団がダムその他の仕事を引き継ぎましたときに、そのコストが農業に対してトン当たりどのくらいでなければいけないだろうという計算をしておりましたかどうか、寡聞でございますが、おそらくは、そういうところから計算を起こしてはおらないだろうというふうに私は想像をいたしますけれども、たとえば愛知用水公団などが仕事をいたしましたときには、一応事実上トン八円というようなことを考えておったそうでございます。しかし、それでは実際上供給できなかったのではないかと思いますので、多少の目安はございましても、土地その他によりましてそれも違うでございましょうし、私十分な知識を持ち合わせておりません。
○加藤(清)分科員 では、事務当局としてはどう考えていらっしゃるか。何にも考えなしに、当てずっぽうに、さあつくれ、こういうことでございましょうか、無計画でこざいましょうか。
○崎谷政府委員 ただいまの農業用水のコストの問題でございますが、このダムをつくりますときの建設費を農業がどのくらい分担するか、これはほかの、先生今お話しの多目的ダムをつくりますときに、アロケーションその他につきまして十分に各省突き合って、相当な議論の結果まとまった。農業につきましては、特に農林省その他従来の農業水利の関係もございまして、農民負担を適正といいますか、むしろできるだけ軽くする方向で考えているわけでございます。ただいま長官からお答えいたしましたように、愛知用水公団の場合のような、農業のためだけの工事というわけにも今度の公団の場合参りませんので、さしあたり農業用水の農業の負担、一トン当たり幾らというふうな目安でというところまでは参っておりませんが、今公団が手がけております各ダム、それぞれ不特定あるいは特定で農業灌漑が目的に入っておりまして、それらにつきましては各省十分にアロケーションの段階で検討いたしまして、農業負担の適正なところをねらってやっていくつもりでございます。
○加藤(清)分科員 適正なという言葉はどっちでもいいですから、幾らぐらいだと——たとえば農産物のコストに対して水の占めるあれは何パーセントくらいか。あるいはもっと言えば、米価設定の場合に、たとえば石当たり一万円ときまった、その際には何パーセントくらい水のコストが加算されているか、あるいは将来加算しようとしていらっしゃるか。過去はただであった。しかし今後つくっていくのでしょう。そうするとこれは値段身払わなければいけないですね。それがどのくらいなら最も妥当な線であると考えていらっしゃるか。それを適正でやりましょう、前向きでやりましょうという、そんな言葉じゃもうてんでだめなんですよ、百姓は実際払わなければならないのですから。
○崎谷政府委員 御注意のございますように、確かにトン当たり幾らという数字をめどにしなければならぬと思いますけれども、今トン当たり幾らということは、各省十分に負担の話をしていくときにおのずときまって参るわけでございまして、適正という言葉は大へん工合が悪い言葉かもしれませんが、いずれにいたしましても、今トン当たり幾らとずばりとお答えいたしにくい問題でございます。
○加藤(清)分科員 適正という言葉はあるけれども、数字はないということですね。 委員長、きょう中におさめよとおっしゃるのでしょう。だから私も協力して、短かい時間で討論を進めていきたいと思います。だから、やれるかやれないか、イエスかノーか、それは知らぬとか知るとか、ちょうど今長官がお答えなさったように、さっさとやれば早くいくのですから、きれいごとなんか聞いていたくないのです。 そこで、水資源の方では、農業用水に対してコストはどの程度が妥当であるかという数字が目下のところない。目下のところなければ、将来それをつくる予定があるかないか、試算する勇気があるかないかということを承りたい。
○崎谷政府委員 将来は、公団がやって参ります事業の中では農業関係はずいぶん出て参りますので、おのずと出て参ります。おのずとといってはなんですが、努力してそういう目安をつくっていくようにしなければならないものと考えております。
○加藤(清)分科員 去年の所得倍増計画は、あれは選挙用のスローガンだと私は心得ておる。だからいいようなものの、藤山さんは選挙用のスローガンじゃない、決して絵にかいたもちではございません、具体的事実でございます、味のいいもちでございます、こう答えているのです。さすれば将来の——十年計画でしょう。だからこの水の値段が幾らくらいになるかということくらいは計算しておかないと工合が悪いわけです。ですから、そこのところを一つ至急によく研究しておいていただきたい。 重工業局長に承りますが、日本の工業生産のうちで、一体工業用水の値段はどの程度なら妥当でございますか。
○中村主査 重工業局関係はだれも見えていないようです。
○加藤(清)分科員 こちらがとぎれとぎれではなくして、答弁の準備万端不行き届きのゆえに質問があちらこちら飛び飛びになります。 そこで、経済企画と繊維の関係についてお尋ねしますが、貿易の自由化を前にして、繊維の産業構造というものが非常な妙な格好になっているのですね。材料の綿が自由になりました。原毛、原綿は自由に入手することができるようになりました。外貨割当が自由になりました。ところで、今度製品の綿も、これまた自由でございます。先般イギリスからは、七百万ポンドに上る膨大な毛製品の輸入が許可されました。ワクは残したという美名のもとに、実質においては自由化になった以上の大ワクが外割されているわけです。称して自由化の準備だ、こういうことです。綿製品またしかり。いわんや合成繊維の製品は、みな自由でございます。ところが繊維局長さん、あなたのところで、御存じでございましょうが、今日日本の繊維の生産設備はいかように相なっておりましょうか。
○磯野政府委員 現在繊維の生産設備につきましては、御承知かと思いますけれども、繊維工業設備臨時措置法というものがございまして、これは三十一年にできた法律でございますけれども、この法律によりまして全部、精紡機でございますが、これは法律によって登録に相なっております。大体精紡機につきましては、現在のところ約千六百万錘程度あるということでございます。
○加藤(清)分科員 紡織いずれの面も全部制限、こういうことになっていますね。それは紡織は、綿の場合も毛の場合もいわゆる繊維工業設備臨時措置法、名前はそうですが、実際はそれは制限法なんですね。それが施行されている、そういう状態ですね。よろしゅうございますか。日本の設備は制限しておいて、外国からの輸入品は自由に買いましょう、材料も自由に買いましょう、こういう経済がはたして正常でございましょうか。企画庁ではどのようにお考えでございますか。
○宮澤国務大臣 それはむしろ加藤委員の方が御専門で、御存じかもしれませんが、私はいろいろな経緯があったと思います。それは国内的な経緯もありますし、また対外的な経緯もあったと思うのでありまして、対外的な問題についていえば、たとえばいわゆるオーダリー・マーケッテングをどうやってやるかという問題でもあったと思いますし、対内的にもまた一定のある意味での規格、品質維持という問題でもあったようでございます。
○磯野政府委員 ただいま御指摘の通り、多少妙な格好に相なっております。設備につきましては、今御指摘の通り紡績の関係は大体使用制限、それから織布の関係は設置制限というふうにいわば規定されたような格好に相なっております。それから、その材料の原綿、原毛につきましては自由になっております。それからまた製品につきましては、これも先生よく御承知かと思いますけれども、流毛関係、毛製品でございますとか、麻の関係でございますとか、ごく特殊なものを除いては大体自由化されております。製品の中の特定の重要製品については自由化されておりなせんけれども、そういうような格好になっておりまして、まあ私見をもって申し上げますと、戦争中及び戦後を通じまして、軍需あるいは国民生活の確保という面で繊維につきましては相当こまかい統制をやっておりました。そういう格好がただいま設備の面では残っております。その残っておるところへ貿易の自由化といいますか、そういう政策で材料の原綿、原毛が自由化されておる。そういうことで、ただいまのところは、統制的な面と自由的な面があまり渾然一体となっていない格好で残っておるのが繊維工業の現在の姿と承知しております。
○加藤(清)分科員 繊維局長の言われた通り、新しきものと古きものが一カ所に雑居しておるのがその姿であって、これをものにたとうれば、私はヒョウタン経済だというておる。材料の面は自由になって幾らでも大きくふくらむことができる、製品の場合も自由だから幾らでもこれを買うことができる、ところが内地の生産設備だけはぎゅっと締められておる。ここだけはどうにもならない。この制度を検討しなければならない時期にもはや到達しておるんではないかと思われる。さればこそ質問をするわけなんです。すでに、私は先年藤山長官の場合にもこのことの矛盾を指摘しました。以後これに関する論評ないしは論説等々が、新聞にも経済誌にもたくさん出ました。げにヒョウタン経済であるということで、以来一年有余たっておりますが、今日これに対して何ら策が施されていない。一体どのような策をもって今後臨まれようとするのか。経企庁の長にまず質問すると同時に、時間の関係上引き続いて繊維局長に質問しますが、はたして今日の繊維設備制限は確実に実行されておりまするか。私の見るところ正直者がばかをみるという格好があちらにもこちらにも散見されているように思われてなりません。なぜかならば、稼働する場合は夜、行なっても電気をつけてやるのですから、こそどろができないのですね。だからわかっちゃうのですよ。で、正直者がばかをみているという格好があちらにもこちらにも行なわれておる、かように存じます。それがやがて市販に流れて、繊維設備を制限すれば生産制限ができる、そこでコストの安定を保つことができると思われていたが、市場は決して安定していない、こういう結果になっておると思いますが、繊維局長さんはどうお考えでございましょうか。
○宮澤国務大臣 先ほど申し上げましたような対内、対外的な考慮並びに沿革から、私は現在そういう制限をしておりますことが無意味だとは考えおりませんけれども、問題は、むしろそういう制限がしっかり守られておるかどうかというところにあると思うのでございますから、そういう制度そのものの持つメリットはともかくといたしまして、現実にそれを実行しておる姿が今のようであった場合に問題があるだろうと思います。それをいかにすべきかということについては、実は私がお答え々すべきことの範囲を多少逸脱しておるかと思いますので、通産当局からお聞き取りを、願いたいと思います。
○磯野政府委員 これは、加藤先生よく御承知でございますけれども、ただいまの繊維工業設備臨時措置法は、第一条におきまして、秩序ある輸出に貢献するために、設備に関する規制を行なうことによって繊維工業の合理化をはかるというように規定されております。よく御承知の通り、たとえば綿紡について申し上げますと、現在の九百万錘ございますが、そのうち三百三十八万錘は休止いたしております。休止しておりますが、これは全体の三分の一程度に相なるのでありますけれども、これが全部フル稼働いたしますと生産過剰になり、生産過剰の結果は価格が下がり、価格が下がるとフラクチュエーションを生ずるということで、御承知のように輸出の契約が途絶るわけでございます。そういうようなことで法律にございますように、輸出価格の安定をはかって輸出を促進するために、そういうような統制といいますか、調整をやっておる次第でございますが、こういう点はいろいろの経緯がございますけれども、私どもとしては非常にいい仕組みであるとか、非常にいい制度であるとは思いません。従いまして、よく御承知かと思いますけれども、ただいま繊維工業設備審議会の中に小委員会を設けまして、昨年の一月以来——措置法は四十年六月に失効いたしますけれども、その失効を前にして、もし改正をするとすればどう改正すべきか、新しい法律をつくるとすればどういう法律をつくるべきかということについて、目下慎重に検討中でございます。 それからなお後段のお尋ねでございますけれども、これも御指摘の通り、ただいま全体の正当な登録設備による生産調整に対して、無登録の設備が撹乱的な行動をしております。こういうものについては、私どもといたしましても一生懸命取り締まり、あるいはその他間接的な指導を通じまして取り締まりをやっておる次第でございますが、なかなか御期待に沿うところまでいっておりませんことは深くおわびをいたします。
○加藤(清)分科員 実は長官も御存じでございましょうけれども、ただいま日米間に繊維の問題である程度のトラブルが起きております。しかしこれはアメリカたけの問題じゃございません。これが済みますと、すぐカナダヘ影響して参ります。カナダヘ影響しまするとEEC諸国へ影響いたしまして、すでにイタリアその他では第三次布帛製品等々の制限をもうもくろんでいるようでございます。また同じアメリカ国内におきましてもさようでございまするが、綿が済みますと必ず毛と、こういうことになる。これは季節的に来る台風と一結でございまして、綿が済めば必ず毛と、こうくる。そこでまた問題が起きる。そういうやさきに、政府としては大へんな弱腰、逃げ腰で、大平君なんかは、もうこんなことにはさわらぬでくれ、さわらぬでくれという。さわらぬでくれというなら、こっちの姿勢をまず直してかかるべきだと思う。ただいまのような状況でございますると、これはどんなに抗磯を申し込んでも、どんなにうまくやってもまた来年あらしが来る。そこで姿勢を正すべきだと思いまするが、そのうちの一つに、設備制限を行なうならそれの徹底を期するということがます第一番にあると思うのですね。ところが、私は今逆な現象が起きつつあると思うのです。なぜかならば、ほんとうに今のあれで徹底できますか、できないでしょう、これはできないですね。なぜできぬか、原料が制限されて、無登録のものには材料がもらえないという時期でさえも、無登録、いわゆる幽霊織機、幽霊紡機が——紡機だけで八十万錘もあったでしょう。それをまた糸屋さんは流しているんだから、通産省も中に関係があるんじゃなかろうか、関係する人までが流すんじゃからたまったもんじゃないですよ。いわんや材料が、自由になったら、設備の封緘だの格納だのというたって、別な場所へ持っていってチャカチャカやっておったら、ガチャ万コラ千ですよ、これは。そうでしょう。登録人口でなければ配給米はやらぬぞよというときでさえ、幽霊が夜な夜な出てガチャガチャ音を立てたんですから、いわんや材料が自由になった今日、設備制限くらいで姿勢が正せるなどとはおこがましい言い方だ。やれますか。姿勢を正すことが必要だけれども、それがやれますか。私は通産大臣に聞きたいから、あと、ここから先は通産大臣に譲るといたします。繊維局長では無理ですよ。が、局長の考えとしてはどうです。
○磯野政府委員 今御指摘の通りでございまして、非常にむずかしい問題でございますが、私どもとしては、これはいろいろ御承知のような行政的な取り締まり——封印だとか格納だとか、あるいは行政代執行だとか、いろいろございますが、もちろんそういう点をやることも一つでございますし、現にそういうようにやっております。ただ問題は、そういうことだけでは解決いたしませんので、たとえばそれと経済的な関係を持っておる面に対して、そういうことがないように要請するとか、それからまたただいま御指摘のように、今後繊維につきまして法律が改正される場合には、現在の仕組みが最上のものであるかどうかというような点につきましても十分検討いたしまして、できるだけの努力をいたしたいと考えております。
○加藤(清)分科員 繊維局長としては誠意ある答弁でございますので先へ進みたいと思いますが、幸い今、国会には商工委員会の中に繊維特別小委員会というものが設けられております。ここで姿勢を正して、そうして相手国にも好かれるような輸出振興策を樹立すべきであると同時に、繊維審議会においても、制限をしたいのはやまやまではあるけれども、腹を割ってみたら制限したいのはよその工場の設備であって、おれのところの機械だけはないしょで伸ばしたい、こういう考え方をすっかり改めていただくようにせんければいけないではないか。いずれ審議会及び繊維特別小委員会の方で詳細を論ずることにしたいと存じまするが、こういう困難な矢先にぶっかられた繊維局長としては、大へん御苦労と思いまするけれども、自由化の前夜、やむを得ない問題でございまするので、ぜひ一つ、あなたの御努力、長官の御指示と申しましょうか御指導と申しましょうかを、ぜひ期待してやまないものでございます。繊維関係の方はまだありまするけれども、幸い農林大臣が見えましたので、今度はさきの質問に返ります。 大田、先ほど私は水についてお尋ねをしていたわけでございます。農林省におきましては毎年米価設定、麦価設定を行なわれますね。その際にコストに占める水の量というものは一体どの程度積算の中へ入れていられるか、あるいはゼロであるか、起算しておるとすれば、一体一万円米価であったならばいかほどに見積もっていらっしゃるか、その点を一つ。
○重政国務大臣 米価算定の際は、水利費用として若干のものはやはり実績に従って加えてあります。
○加藤(清)分科員 何%で、たとえば一万円米価だったら水の値段は幾らくらいに見積もっておりますか。
○重政国務大臣 一石に対し、三十六年の計算では、水利費は百九十四円であります。
○加藤(清)分科員 百九十四円というと一万円に対して一・九四%ですね。
○重政国務大臣 大ざっぱにいってそういうことになるわけです。
○加藤(清)分科員 それでは重工業局長さんいらっしゃいましたか、まだですか。——それでは第の片方だけ回しましよう。 それでは一・九四%程度、こうごらんになりましたが、今後農業基本法がだんだんと完成いたしまして、果樹とかあるいは畜産とかという場合には、一万円のコストにしたならば、今日の農産物価について水はどの程度に見積もっていらっしゃいますか。
○重政国務大臣 ちょっと資料を持ってきておりませんからわかりませんが、後ほど調べてお知らせいたします。
○加藤(清)分科員 私は、大臣、あなたを突っ込んで困らせようという考えでやっているのではありません。問題えられたからといって心配ないのです。この間の予算委員会のようなことはありません。ただそういうことが計算されているかいないか、将来に向かって水をどの程度尊重して計算されるかということが聞きたいだけなんです。その点どうです。将来に向かってはどうです。答えが出ますか、出ればけっこうです。
○重政国務大臣 御承知の通りに、畜産については畜安法があり、農産物についての支持価格は農安法があって、大体その算定の方式というものがきまっておりますから、その中で水を、水プロパーとしてどれだけをやっておりますか、これは資料を十分調べてみないとわかりません。
○加藤(清)分科員 それでは調べて、予算委員会が終わるまでに、きょうでなく、けっこうですよ、ぜひ御提出願いたいと存じます。書面でけっこうでございます。 次に、重工業局長さんがいらしたようでありますのでお尋ねしまするが、今日では工業を推進するにあたって、エネルギーとともに大切なのが水であると心得ております。その水の単価でございまするが、一体一立米いかほどならばよろしゅうございますか。それとも、生産される工業製品、特に鉄などの一万円単価にして、水の占める率はどの程度ならよろしゅうございましょうか。いずれの答えでもけっこうですから……。
○島田政府委員 実は用意しておりません。はなはだ恐縮でございますが、その数字を持ち合わせておりませんので……。
○加藤(清)分科員 では、現行工業用水法によって設定されておりまする水の値段は、一立米どこどまりでございますか。——わからなければこっちが申し上げます。現行工業用水法に……。
○島田政府委員 所管がちょっと違いますので、はなはだ恐縮でございますが……。
○加藤(清)分科員 あえて私は重工業局長さんにお尋ねしている。もちろん企業の問題でもございましょう。しかし、鉄をつくるの、鋼材をつくるのということは、これはあなたのところの所管だ。そのコストが一体幾らくらいかかるというようなことは、当然のこととして知っておっていただかなければなりませんし、工業用水法のごときは、これはきのう、きょうの問題じゃございませんので、毎年のように論議されておる問題でございますから、なんでございますが……。それでは通産省の方、どなたでもいいから、現行幾らということを答えて下さい。どなたでもいいですよ。局長さん、大ぜい見えるのだから……。
○島田政府委員 正確にはちょっと持ち合わせございませんが、一立米当たり四円五十銭から五円五十銭くらいだと思います。
○加藤(清)分科員 その通りです。一立米四円、それから改定されて最高五円六十銭どまり、それ以上はいただけない、こういうことになっておるわけでございます。 さて、そこで、次にお尋ねせんければならぬことは、去年水資源公団にこれを吸収するかしないかで論争になりました愛知用水公団、すでに行なわれておりまする愛知用水、やがて行なわれるであろう豊川用水、特に木曽、良、揖斐の木曽三川につきましては、経企庁の方で利根、淀の水系は先に手をつけられましたが、本件に関する限りは、農林省が引き受けて行なうというのが今日の実態でございます。そこで、お尋ねせんければならぬことは、一体愛知用水公団の建設費及び災害復旧費の徴収はいつから行なわれますか。
○重政国務大臣 三十七年に、御承知の通り、一応これは国で大部分を負担して、それから県でも負担する。それから地元負担というのがございますが、その地元負担の額がきまりましたのが三十七年、たしか六十六億だと思いますが、それから三十七年にどれだけずつ負担するということをきめて微収しよう、こういうことにいたしたわけであります。
○加藤(清)分科員 その通り。あなたのおっしゃいます通りですね。愛知用水公団法第十八条の第一項第一号の卒業に要した費用、すなわち、建設費の賦課については、三十七年度から徴収される。ところが、それは金利であって、実際行なわれるのは三十八年三月、もうすぐです。すぐ行なわれようというわけでございます。金額はちょっと数字がわかってますか。五十八億七千九百五十五力二千五百二十九円、こうなっておりますね。そうでしょう。これは間違いないですね。それが徴収される、こういうことなんです。ところが、その徴収されますものについての賦課の方法でございます。これが問題でございます。地元と申しましょうか、受益者としては、とてもじゃないがえらくてかなわぬ、こういう声でございます。口を開けば、負担が重過ぎるからかんべんしてくれ、中には、よっしゃ、おれにまかしとけというりっぱな議長さんも見える。一ぺんもここで発言なさらぬくせに——それはどちらでもいいとして、私自身も、これではちょっと聞きに失するのではないかと思われる。だから計画があるかないか、聞いてみた。計画がないと、こういう思わざる結果になる。反当四万二千円を丁十五カ年間に払うのですが、先の十年は二、最後の五年は一という振り合いの支払いの仕方だ。そうしますと、どう考えても、反当三千四百円以上になりますが、これはパーセンテージにすると、石当たり一万円米価にいたしまして一割三分の余になるわけだ。あなたのあれじゃ一・九四%なんだ。十何倍になるわけだ。これではちょっとえらいでしょう。ところが、これはまだいい方なんですよ。入植されて開墾したところは、土地改良区の費用だとか農協の費用だとか等々で、反当毎年大体一万円前後納めなければならぬ結果が生じてくる。はたして今日の営農と農産物価で、反当たり一万円ずつの水のための費用をとられて、これで担税能力が出てきますか。来年の再生産にいそしむようなコストがつくれますか。いかがですか。
○重政国務大臣 それはお言葉でありますが、加藤さんの計算の仕方はどういうものですかね。改良費の負担ですから、今米価をきめます際には、百九十四円が平均の水利費でありますが、これはそれを管理運営をしていく上において出す、その経費を百九十四円平均で計算をしておるわけであります。今加藤さんの言われるのは、改良の投資額になるわけでありますから、ちょっとこれはどういうものですかね。
○加藤(清)分科員 私が質問を二つ重ねて言ったから、大臣あなたは二つ混同して答えておるじゃないでしょうか。いいですか。普通のたんぼで反当四万二千円から四万五千円、これが今言った愛知用水公団法によって徴収される金なんだ。それを十五カ年間に割り当ててみますと、初年度は三千四百円くらいになる、こう言っておる。それが一つ。それだけでもってそれでは一体、石当たりどれくらいのパーセンテージになるか、反当たりどれくらいのパーセンテージになるかといえば、七俵とれて二石八斗たとして計算してみると、一割三分の余になる、こういうことを言っておる。それともう一つ、新開地を開墾した場合には、それが三千四百円程度のものが逆に一万円の余になる、こういうことを二つ言っておる。普通の営農の場合で、なお反当四万二千円から五千円を十五カ年間に払う、そのことは、一万円米価にしてみると、一割三分から四分になる。それはあなたが最初に言われました一・九四%と比べると、十倍の余になるではないか、これではたして営農ができますかと聞いておる。
○重政国務大臣 考え方は、百九十四円に当たる水利費というのは、改良費として投資した額と比べるわけにはいかないと思うのです。その改良費は四万なんぼになるか三万なんぼになるか、私は今ちょっとわかりませんが、これは安い方がいいので、それはもうきまっている。けれども、これは国も巨額の費用を負担してやり、県も負担してやっておるのでありますから、その耕地の改良そのものが十分に効果があれば、若干の改良費を出すのはあたりまえのことじゃないかと思うのです。これの多い少ないはありましょう。しかも、これは御承知の通り、償還利子については三分六厘五毛から六分五厘くらいの低利の制度も設けてやっておるわけであります。
○加藤(清)分科員 大臣は熟練工でいらっしゃるのだから、私のようなひ若い者の質問に対してはすれ違いせぬで、まっ正面から四つに組んでもらわなければいかぬ。それでできるかできぬか、簡単に答えてくれたらいい。現にあなたは、コストに占める水の値段はせいぜい一・九四%、二%程度たとおっしゃった。ところが、今新しくできたこの用水で計算してみると、それは一割なんぼになる、それで営農ができますかと聞いておる。その際に、あなたの方は、米価設定のときにこういうことを加算すれば営農ができると言ったって——これはできますね。ところが、米価設定のとぎに加算しないということになると、ちょっと営農は困難だということになる。それを聞いておるのであって、低金利の金が貸してあるからそれでいいのだなんて、金を借りて税金を払うのですか。冗談じゃないですよ。その点どうです。
○任田政府委員 米価算定のときの百九十四円といいますのは、いわゆる水に対する米価と申しますか、いわゆる組合費その他のものでございます。それはそれだけの理由があるわけであります。それから、一般に今先生の御指摘の事業に対する償還の問題は、これはいろいろの考え方もございましょうが、新しくつくる施設の耐用年数から割り出しますところの減価償却をやっていく方法もありますし、また、ただいまのお話の愛知用水のごとき、それぞれ土地改良区の設立を見て、それによりまして費用の負担額が出て参りまして、それに対して負担をして参る、いわゆる農民から一般にやりますところの土地改良区が徴収しますところのやり方によってやっていく、このようになっておるのでございまして、それぞれその内容が違っておるわけでございます。
○加藤(清)分科員 主査、質問に答えるように言って下さい。そうでなかったら、私一時間でやめませんよ。できるかできぬか、聞いておる。そんな余分なことを言う必要はないのです。あなたがこの場でどんなに言いのが証しようとどうしようと、農民は金を払わなければならぬのです。都合が悪かったら、あなたたらやめたら、大臣はそれで済むのです。しかし、農民は逃げてよそにかわるわけにばいかぬのです。真剣に考えてもらわなければならぬ。この場で言いのがれしたらそれでよろしい、官僚はそこで通っていくでしょうけれども、しかし、実際事業を十一地についてやっている農民はそれはできないのだから、それを救ってやる、大所高所に立って話してもらわないと——どうしたらこの場で言いのがれができるだろうか、どうやったらうまく逃げられるだろうか、そんなことを考えてもらっては困る。 なぜ私がこういうことを言うかというと、去年すでに河野さんと藤山さんとここに並んでもらって、これは話がついている。ところが、はたしてことしの予算に何か救う方途ができましたか。確かに高過ぎる、これでは営農ができない、だから何とかせんければいかぬと答えてくれたが、何にもやっていないじゃないか。周東農林大臣のときも話が出ているが、何もやっていないじゃないか。それだから私は聞いている。もう一ぺん復習やっているだけのことなんです。大臣、適正な建設費は負担するのはあたりまえでしょう。けれども、要は、適正な経費負担によって営農ができるようにしてもらわなければ困るわけです。それを制度化すると言うておられた。予算をつぎ込めばできることです。農業と他産業との格差に対して可及的すみやかに処置をすると言うておられた。それができているかどうか。確かに愛知用水は高い。これはあなたの試算からいっても高い。もう一つ高いところを見せましょうか。飲料水にこれを使いますと、県が売るのが二十一円から八円、いいですか、末端の設備をしたので、市町村がまたある程度負担しなければならぬ。そこで一立米四十二円ぐらいになりますよ。一ぱい水飲みますと四十二円。問題はどこにあるかというと、簡易水道法によって水を吸い上げます一カ月の負担額は百円から二百円で済んでいる。ところが、一立米四十円ということになると、どうです。加算したら月に千円近いものが要ることになるでしょう。今まで簡易水道だったら二百円から三百円でよかった。ところが、愛知用水を引いたら千円の余になった。そこで今までの既得権とどう競合したらいいかということで、各市町村がみんな困っている。ここらあたりをどうしたらいいのか。それは去年この委員会でも、ごもっともだから、可及的すみやかにいたしますとお答えになっている。ところが、ことし愛知用水に対して負担を軽減するところの予算措置は幾らできているか。
○任田政府委員 本来土地改良区が設立せられまして、当初の計画につきまして土地改良区の同意を得られましたときが四万二千円程度のものであったのでありまして、その後受益面積が減って参っておりますが、その点、農家に対して、当初の四万三千三百円というものを上回るようなことでは困るわけでありますので、そういう点で、県の協力を得まして、極力その範囲におさめようということに話を進めているわけであります。
○加藤(清)分科員 予算をどれだけ組みなさったか、聞いている。
○任田政府委員 そういう意味の予算は組んではございません。
○加藤(清)分科員 それじゃ去年言うたことがうそだということになる。河野農林大臣も、藤山企画庁長官も、努力すると言われたが、から手形だ。そういうととが毎年々々繰り返されるから、おとなしく質問しようと思うことが、ついつい声を荒立てなければならぬことになる。国会不正常化の川はそっちの行為にあると言わなければならない。去年の約束が全然実行に移されていないじゃないか。ここで約束したことが行なわれぬということになれば、それは国会軽視でしょう。こゝはうそを言うてのがれればそれでいいのですか、どうなんです。
○重政国務大臣 ここで、どういうお約束があったか、私はよく存じませんが、問題は、四が二千何ぼという当初の計画よりふやさないようにすることが農林省において努力をいたしておる点であろうと思うのであります。これを負担するのに、その他の事情の変化によって負担をいたしますのに、国が負担するものもあるかもしれぬし、あるいは県が負担することもあるかもしれぬ、あるいは県で全部負担することになるかもしれぬ。そこで、県の方と今交渉を進めておる、こういう段階でありますから、予算も三十八年度に直ちに計上する、こういう段取りになっていなかったかと思うのであります。問題は、農家に負担をふやさないような措置を講ずるという点が私は問題であろうと思います。その方向に向かって私も努力をいたします。
○加藤(清)分科員 さすれば、その予算上の責任は県におっかぶせていく、こういうことでございますか。本省ではことしは予算を見ぬ、県とよく相談をして、農家に負担をこれ以上重くしないようにする、そうすると、予算の出どこは県、こういうことですか。
○重政国務大臣 これは加藤さん、地元であられるの、だから、いろいろ事情々よく御承知のことと思うのでありますが、関係面積が当初の計画より減っておる。これは、そこに工場があちこちできたりなどするわけでございます。そういう関係で、その工場自体も負担をするという条件のもとに工場を建設いたしておるのでありますから、それらの点も考慮しなければならぬ問題であるわけでありまして、県の方と十分に協議を遂げて、できるだけ負担が当初の計画より多くならぬようにいたしたい、こういう考えで農林省としては努力をいたしておるわけであります。
○加藤(清)分科員 御両所とも、受益面積が減った減ったとおっしゃる。そんなことを善うと、やぶへびになるんです。受益面積は今日では二十一万六千六百九十五ヘクタール、なぜ減ったと言うんです。それはあまりにも負担が大き過ぎるので、もう受益者はかんべんしてくれ、こういう声なんです。そんなとても営農ができませんと言うんです。もともと池の水で、天水でやっておって、うちらは困らなかった、川の水で困らなかった、ところが、そこへ愛知用水がきたら、とたんにその負担をさせられる、かなわぬ、こう言う。今あなたがおっしゃったように、工業用適地として農地転用が行なわれていった。それは事実です。しかし、これは関係ない。なぜ関係ないかといったら、反当四万五千円ずつちゃんと召し上げているんです。一挙に召し上げているんですから。四万五千円ずつですよ。四万二千円じゃございません。農地転用する場合には、四万五千円ずつ先に懲収しちゃうのですから、全部懲収したらおしまいになるでしょう。一挙にできるはずです。だから、工場ができたから、それでその受益地が減ったから、負担が重くなる、そんなばかなことを計っておったらだめですよ。調べてかかりない。逃げ口上に余分なことを使うと、幾らでもやぶへびになる。そうでしょう。うそじゃない。通産省も来ておられますから、聞いてごらんなさい。簡単に答えてもらいたい。
○任田政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、農民が負担する場合の四万二千円でございます。ただいま御指摘の点は、土地改良区が農地を転用した場合に工業者側からとる分が四万五千円だと思います。
○加藤(清)分科員 だから、その分は、受益地が減っても関係ないということを言っておる、余分にとっておるのだから。そうでしょう。十五年先にもらうものを今もらう。保険金を先にもらったようなものだ。だから、工業については因縁をつけるわけにいかぬということだ。ただ、つけるとするならば、よう考えて下さいよ、飲用水は四十二円から四十五円もかかる。村が補助して、安いところで三十八円、これをわしは商過ぎると言うのだ。なぜ高過ぎるか。これは名古屋と比べて高過ぎるということです。同じ木曽川の水を飲みながら、名古屋だったら一立米十円前後だ。これは高過ぎると言ったら、新しくつくったから、投資がよけいかかって、金利がよけいかかる、そんなことは経済の専門家の加藤さん、よくおわかりだろうと、こう藤山さんが去年言われた。それは、その点だけはその通りでしょう。しかし、私ば言った。それじゃ承るが、同じ時期につくった愛知用水から水をいただきながら、お百姓が使うというと四万二千円、お百姓が飲み水に使うと四十三円。ところが、すぐお隣の東海製鉄で使うと、幾らになるとお思いですか。四円ですよ。東海製鉄は四円。第二期工事をやって五円。よろしゅうございますか。同じ水ですよ。同じ時期ですよ。これはどうなんです。同じ愛知用水です。同じ時期です。金利やら何やら関係ないでよう。どうなんです。
○任田政府委員 農業用水、工業用水、あるいは上水道の割り振りの問題は、これは当時電源開発促進法に基づきまするところの政令によって、身がわり妥当建設費から割り出したものでありまして、それによって実行しておるわけであります。それを現在の名古屋の市の水道あるいはその他と比較した場合に、このような差が出て参るのはやむを得ないのではないか。何とか県全般といたしなしての調整が必要であろうと思います。
○加藤(清)分科員 私は陳情しておるのじゃないのですよ。予算の審議をしておるのです。あなたは、陳情団に対しては、そういう答弁で通るでございましょう。しかし、同じ水を飲みながら、工業用水は四円でいける、農業用水は四万二千円もかかる。同じ農民が水一ぱい飲んだら四十円の余かかる。矛盾を感じませんか、あなた。それは努力のいかん——なるほど、あなたたちは法律通りと、こうおっしゃるでしょう。幸い、大臣が見えておりますから、これは努力のいかんである、経企庁の長官も見えておりますが、それでよろしいかと聞きたい。そんなアンバランスがあって、長官、いかがです。
○宮澤国務大臣 いろいろ深い事情、沿革があるようでございますが、私それをよく存じておりませんので、御趣旨を聞きましてから御返事いたします。
○加藤(清)分科員 じゃ農林大臣。
○重政国務大臣 これは私も事情をはっきりつまびらかにいたしませんけれども、やはり県が管理をしておる部分が、上水道とかなんとかいうことがあるので、県においても相当調整する必要があるのではないかと思うのですが、これは一つよく検討をいたしまして、できるだけ調整のとれるようにいたしたいと考えます。
○加藤(清)分科員 できるだけ調整のできるようにしたい、それは農林大臣の農民を愛する静思でしょう。いつ行なわれますか、それが問題です。善意はわかりましたが、期日です。十年先ですか。
○重政国務大臣 これは、しかし何月何日までというわけにも、相手のある話ですから……。できるだけ誠意を持ってすみやかにその調整をいたすべく、県当局とも折衝いたします。
○加藤(清)分科員 それはあなたが在任中に行なわれますか。それとも在任中ではないですか。河野さんのような実力者でさえも食い逃げしてしまったのですから、念を押しておかぬといかぬ。
○重政国務大臣 これも、農林大臣をいつやめるやらわからないわけでありますから、どうも在任中に必ずやると言うと、また食い逃げしたと、こう言われるから、これはちょっと在任中に必ずやるということはお引き受けできませんが、誠意を持ってできるだけすみやかにいたします。これくらいのことはお約束できるわけです。
○加藤(清)分科員 去年のお約束で、もう一つ不履行な問題がございます。それは人家密集地帯に危険防止のゆえをもってさくを結うてもらいたいということです。オープンのところにはさくを結うてもらいたい。すでにこの中へ落っこちて死んだ人がたくさんある。だから至急にやってもらいたい。御存じの通り、毎秒三十トンの水が流れるのですよ。しかも、人間の背たけの三倍の余も深いところを流れていくのです。設備の構造からいって、つかまるものが何もないのです。落っこちたら最後なんです。だから、せめて人家密集地帯にはさくを結うてもらいたい。はい、よろしゅうございます、ごもっとも、人命にかかわる問題ですから、可及的すみやかに善処いたします、こう言うた。読んでごらんなさい、古証文にそうなっているから。ところが、今日に至るもただ行なわれていない。つい先日、鳴海で子供がまた落っこちて死んだ。子供だけではございませんよ。おとなが落ちるのです。新婚夫婦が、お嫁さんの在所へおよばれに行って、帰ってくるとき、夫婦もろとも風に吹き飛ばされてごっとんと落ちて死んじゃったのです。そういう事実がある。だから、山の中はいざ知らず、せめて人家密集地帯にさくを結うくらいの金は大したことではないはずです。地元ではどうしているか。子供がかわいそうだというので、みんな醵金して、そして周囲に、このはたへ寄るべからずという立て札をずっと立てた。学校の先生あたりは、そこへ寄っちゃいけないということで、学校管理の上からいっても大へん苦労しておられる。だからと、こう言うたのに——これは大平君がまだ官房長官の時代からの問題なんです。できていない。これはどうなんです。予算はどれだけ盛ってあるのですか。
○任田政府委員 この問題は、まことにどうもお気の毒で、何とも申し上げようがないわけでございますが、昭和三十六年までに約七千メートルのガード・レールをやったり、また金網のフェンスをつくったりしたわけでございますが、三十七年におきましても、さらに先ほど御指摘のような問題があるわけでございますので、約九千五百メートルの追加をいたしまして、それによって実施したわけでございます。全部で二千五百万円程度の施設をいたしておるわけであります。
○加藤(清)分科員 三十八年度は。
○任田政府委員 三十八年度は、まだ私としては聞いておりません。
○加藤(清)分科員 大臣、どうなんです。ことしはどうするつもりなんです。私は全部やれなんてぜいたくなことは言いません。人家密集地帯、がはたを通るところ、人が通るところ、それだけでけっこうです。
○任田政府委員 ことしは公団の総体のワクがきまっておりますが、その内容については、これから検討して予算編成するわけでございます。
○加藤(清)分科員 総体のワクは幾らですか。
○大場説明員 私は愛知用水の監理官でございますが、かわって御説明いたします。 ただいま局長が御説明いたしましたように、三十八年度の公団予算はきまっておりません。もし加藤先生のおっしゃるような施設をいたしますと、愛知用水事業勘定ということで実施することになると思いますけれども、大体今までの予定は、愛知用水事業勘定の予算規模といたしましては、歳入歳出とも九十六、七億ということになっております。その中で、加藤先生のおっしゃった事項についても、これから編成を検討いたしたいと思います。
○加藤(清)分科員 愛知用水の予算が農林省の方へ提出されているでしょう。その中にちゃんとあるはずですよ。
○大場説明員 三十八年度の予算編成は、まだ公団側から提出されておりませんので、これから至急三月の中旬くらいまでに予算編成を終わりたいと思っております。
○加藤(清)分科員 本件は、人の命にかかわる問題である。子供の命にかかわる問題です。ですから、これこそは、私は可及的すみやかにやっていたたきたいと存じます。特に農林大臣にわかっていただきたいことは、水資源開発公団ができますおりに、経企庁当局といろいろな問題が起きまして、ほんとうは水資源公町の中へ吸収してもらいたい、その方が大所高所の予算だから、運営がうまくいくではないかということで、そういう希望が特に多かったのです。ところが、去年は御承知の通り大物大臣ばかりなものでございますから、わが田に水を引きたい、愛知用水も引きたければ、わが田に水もよけい引きたいと見えて、ついついこれは農林省所管で行なう、こういうことになったわけです。私は、所管がどっちへころぼうと、そんなことはかまったことじゃないと思う。要は、受益者がほんとうに喜んで営農にいそしめるという問題、これに何らかかわりのない方々が命を失うような危険は、すみやかに防止すべきである。それができないとおっしゃるならば、これは木曽三川の利水問題から考えてみて、もう度経企庁とあわせて考慮をしなければならぬ問題だと思うわけでございます。ぜひ一つ一段の御努力が願いたいわけです。その予算も、はっきりしましたら、あとで書面でいいですから、御報告願いたい。 次に、通産大臣来られましたか。——それでは重工業局長にお尋ねいたします。主として機械工業振興法にかかわるところの特別融資、これについてお尋ねをいたします。 電子工業振興法、機械工業振興法、これによって日本の産業構造をより前進させるために、特別予算が組まれるわけでございます。去年は大体百億あったはずでございます。ことしは一体幾らになりましたか。
○島田政府委員 三十六年度が百億だったと思います。三十七年度は百二十五億であります。
○加藤(清)分科員 それからことしは……。
○島田政府委員 三十八年度は同じ百二十五億です。
○加藤(清)分科員 そのものをあなたのところで厳重な審査をなさいまして、指示なさるわけですね。大蔵省と相談の結果、指示をなさる。つまり、たとえば加藤工場があなたのところへ申請を出しますと、あなたのところで審査をして、これはいいとか悪いとか、おきめをいただくわけです。きめられます金額と予算とに相当の開きがございますか。
○島田政府委員 そう大した違いはないと思います。
○加藤(清)分科員 たとえば百億の場合に、あなたのところで、これはよろしいといって御許可なさいました場合のトータルですが、それは百億をどのくらいこえますか。
○島田政府委員 考え方としましては、こえることもあり、場合によっては引っ込むこともあります。ただ、おそらく数パーセントの違いじゃないかと思います。百億ときまっておった、予算がついておった、その場合にかりにふえた場合を想定しますと、数パーセントの違いじゃなかろうかと思います。
○加藤(清)分科員 おそらくそうあってしかるべきだと思います。そうなりますと、この金融措置を金融面からながめてみますと、間接統制ではなくして直接統制と考えてよろしゅうございますね。つまり、窓口規制の間接でなくして、本省の意向がそのまま伝わっていくもの、そう解釈すべきですね。金融論からいきますと、御承知の間接統制と直接統制がある。長官が見えておりますが、よく御存じの通り、日本の金融は大体間接統制ということになって、窓口に規制をする権限をほとんど委譲してある。窓口規制が行なわれる。ただし、政府が特別に取り立てて予算を組んだもの、しかも会社名、銘柄までもきめて行なわれたものは、産業構造の立場から言っても、それを推進しそれを立案するのは通産省にあるわけたから、従って、それに沿って産業構造の改編に従った融資が行なわれるわけですから、これは直接統制と心得えて間違いありませんね。
○島田政府委員 間接統制か面接統制かというようなむずかしいことはちょっとよくわかりませんが、ただ一つ、ここで実態を申し上げますと、先生のおっしゃる産業構造上重要な業種につきまして開銀融資をいたしておりますのは、本来から言えば民間の市中銀行によってまかなうものでありますが、そういう金融行政によって政府は補完的な役割をいたしております。従いまして、やはり政策的な面と、それから市中金融自体に一体乗るかどうかという問題とからみ合わせまして、この問題は通産省の立場から言いますと開銀に推薦をいたす、こういうことになっております。
○加藤(清)分科員 もちろん形態としては推薦でございますが、あなたがよく御存じの通り、これは機械工業の合理化を促進することによりその振興をはかるということが主眼になっておるわけであります。従って、通産省において機械工業振興法の基本計画が立てられ、その基本計画によって実施計画が生まれる、その計画の変更をする場合はこれまた通産省が審議会等を経て行なうということになっておるわけです。そこでお尋ねしなければならぬ問題が出てくるわけです。通産省や大蔵省はいつの間に開銀に規制ないしは変更をする権能を与えられたのですか。
○島田政府委員 私、振興法の条文を持って参りませんのであれですが…。
○加藤(清)分科員 では、これをお貸ししましよう。
○島田政府委員 振興法で今先生のお読みになりました面というのは、御承知のように、民間の企業の自主的活動だけでは融資全体として合理化が進まぬ、こういう立場に立ちまして、全体の基本業種についての基本計画、合理化目標を実は立てますが、この計画をつくることと開銀の補完的な融資をすることとは必ずしも全部一致しておりません。ですから、そういう計画はつくりましても、今度は金を全部つけるかどうかは、財政との関係もございまして、必ずしもこれは一致しておりません。できるだけそういう合理化目標を達成するために補完的役割を果たす開銀融資をいたしたい、こういうふうに私たちは努力いたしておりますが、その点は、そういう振興法の中でそれぞれの項目によって違います。
○加藤(清)分科員 私は、銀行が預金として集めた金を自由にお貸しになることについてとやかく言うのではございません。また、一般開銀融資がどのように行なわれるか、つまり、窓口に選定の権限があるくらいのことはよく承知いたしております。しかし、本件に関する限りは、通産省がこの予算が通りますと直ちに審査を開始して、言うなれば審査部の役は重工業局で行なわれるわけでございます。さればこそ、八月までかかって、これでいいのかと何べんも呼びつけてヒヤリングや何やらやって、そして、あなたのところはよろしいとか、あなたのところはこれだけに削りなさいとか、これは産業計画の立案をなさる直接官庁ですから御無理もございません。おそらくは、そのことは経企庁ともよく相談して、日本の産業構造という立場から行なっていらっしゃるのでしょう。だから、これはごもっともということになりましょう。ところで、あなたのところで私がかりに一億なら一億融資を許可していただいた。これが開銀の窓口へ行った。そうしたら、君のところにはこんな金は貸すことはできぬといって、けられてしまった。そういう例がたくさんあるのです。具体的実例を私は持っております。としますと、お宅の方で決定なさった計画というものはくずれていくことになる。しかも、先ほど私がお尋ねしたのですが、百億あるところへあなたの方の許可が百五十億とか百二十億あれば、これは削られてもやむを得ぬでしょう。二割とか五割は削られるでしょう。ところが、はとんど違わぬ、一%か二%だ、こうおっしゃった。今度私が一億許可を受けて借りる、それが八千万とか六千万に削られるということなら、まだこれは話がわかる。金融引き締めがここまで及んだかなと、こういうあきらめもまだつくでございましょうが、全部だめにされたということになると、計画の変更という問題が出てくるわけなのです。その金の行方はどこであろうかと尋ねてみたくもなるわけです。そうなれば、開銀が産業計画を立案していらっしゃるのかとお尋ねしたくなるわけです。生殺与奪の権と言いましょうか、決定権が完全に窓口に移行していると言わなければならぬ。もしそうだとするならば、何がゆえにあなたのところで長い時間かかって、忙しいのに業者を呼びつけてヒヤリングなさるのですか。その必要はなくなってくるでしょう。どうなのです。これはそういう具体的事実があるのです。
○島田政府委員 先ほど御説明を申し上げましたように、開銀の融資をいたします対象企業に、御承知のように開銀融資は百パーセントするのではございませんので、それぞれのあれによりまして、たとえば三分の一とか五分の一とか、それぞれ実態に沿いましてこの開銀の融資をいだすわけでございます。ところが、御承知のように、の情勢その他によりまして、たとえば開銀から融資を受けるといたしましても、市中金融が受けられなくなる、あるいは設備投資をやめようじゃないかということで、実は辞退も出て参ります。それから、もう一つは、私どもの方も政策的にはいろいろ判断をいたしておりますが、いわゆる市中金融になっておりますから、市中金融に乗るか乗らぬかという判断も、経済情勢なりいろいろ審査をしている各時点においても違って参ります。やはり銀行は銀行としての金融ベースに乗るか乗らぬかという問題も実は出て参るわけでございます。従って、そういう問題については、開銀に推薦をいたすと同時に話し合いをいたしておりまして、その過程において、多少情勢の変化もあれば意見の違いもありますが、最終的には調整をいたして決定する、こういうことでございます。
○加藤(清)分科員 あなたのところで最初に指定したものが途中で窓口の意向によって変更させられているということをあなたは御存じなんですね。これはますますおかしなことですよ。
○島田政府委員 その過程においては、それぞれ意見を調整しまして、候補がたくさん上がってくるわけですから、そういう面では、正式に推薦をする前に、実は開銀とも事前に話し合いをしていることもあるわけです。
○加藤(清)分科員 事前には、それはもう打ち合わせなさるでしょうね。ところが、これとこれとがいうなれば入学が決定した、お宅で決定したものが窓口に行ってけっちん食らわされる、こういうことについての御相談はどうなんですか。つまり、お宅の方で立案された計画が最終決定で変更される場合の相談は、あなたのところは受けておりますか。
○島田政府委員 今先生のお話は、こちらが推薦をしたものが、開銀融資から辞退をしたということで最終的には融資を受けなかったものが多少はあるようです。そこで、その点の事情は、ちょっと私も今その詳細を承知しておりませんので……。
○加藤(清)分科員 それなんです。経企庁の長官もこれはよく聞いて下さいよ。今はしなくも言われた。辞退したから、それで変更した、こうおっしゃった。あたかも、通産省へ申し出て許可をとったものが、自分の意思によって断わったかのことき印象を受けるわけなんです。ところが、具体的事実はさにあらずなんです。入学試験は受けて入っちゃった。ところが、先生たちが、お前はだめなんだから要らぬ、もう学校はやめますという一札を持ってこい、こう言われる。お前のところは要らぬと言え、その一札を持ってこい、こう言われる。そこで、あとでとられるかたきがこわいので、やむなく一札書いて持っていくのです。それが証拠物件となって、借りたい人が辞退した、こういうことになる。冗談じゃございませんですよ。半年もかかって、通産省へ何べんも何べんもヒヤリングで呼び出されて、そこできまったものを、半年もたたぬうちに要らぬということになりましょうか。今日、資金の要らぬような、そんな中小企業がどこにあります。それは官僚の悲しさで、自分らの責任をあとで問われては困るので、責任回避の条件をちゃんとつくっておいて、そうして自分の意思を実行に移しておく、こういうことなんです。大臣、ここをよく考えていただきたい。金融正常化が叫ばれているやさきに、系列強化が盛んに行なわれている。自分の系列のものに対しては含み貸し出しまで行なわれている。さればこそ、総理は、含み貸し出しは今後姿勢を直しますと言われた。片や中小企業に対してはどうか。歩積み、両建、担保は三倍、四倍、なおかつ本省で許可をとったものまでもけっちんを食らわされる。そのけっちんを食らわされるときに、要らぬと言いなさい、その証拠に書類を書いていらっしゃいと、こうやられるのだ。そこで、ここの答弁はどうかというたら、要らぬと言うたからこうなった、こういうことになるわけだ。そういうことがはたして金融の正常化でございましょうか。今や一萬田さんの時代ではないけれども、日銀は法王的存在、本省の通産省や経企庁やあるいは農林省で指定したそれでさえも窓口が規制する、そういうことはあり得てよろしいでございましょうか。その結果どうです。銀行にまかせる結果は、系列だけが競争して、つくらぬでもいい製鉄会社をあっちでもこっちでもつくって、今や設備がストップでしょう。そのおかげで投資がむだになっている。回転してこない。片や過剰投資。片やどうかといったら、中小企業は設備が老朽化している。資金がないからなんだ。せっかく通産省の許可をいただいたものが、またけっちんを食らわされては、一体どこからいただくことができるか。先般私は中小企業金融公庫資金の歩積み、両建についてお尋ねしたわけでございますが、ここにもそういうことが行なわれている。きょうは大蔵大臣はこれについて姿勢を直すと言われた。ぜひ通産大臣に来ておっていただきたかった。農林関係の費用もまたそれに似たことがある。農村から集まってきた金が中央へ中央へと集まって、そうしてその金は農村以外のところで使われる。経企長官、こんなことでどうして金融の正常化ができるでございましょう。どうして計画通りの設備投資、特に中小企業の老朽化した設備が直っていくでございましょう。これでは親心子知らずで、本省の権力というものが銀行の窓口によって支配されておるじゃございませんか。まるで主客転倒ではありませんか。金融万能とはいうものの、計画をくずすようなことを行なわれては、本省として黙っておるわけにはいかないでございましょう。大蔵大臣は、本日第一分科会の方において、必ずこれは直しますと確言をされました。電子工業振興法、機械工業振興法にかかわる政府予算でございます。窓口に計画変更の実権を握らしておってよろしいでございましょうか。それについて経企庁の長官と担当の重工業局長にお勢ねする。
○宮澤国務大臣 具体的な話を存じませんので、それにつきまして批評いたすことはただいま差し控えます。 ただ、一般論として二つの場合があると思います。 一つの場合には、一応協調銀行の、市中銀行の内意を聞きました上でそういう申し入れを通産省、開発銀行に対してする場合が多いのであります。その後何らかの事情によって市中銀行がつき合う意思を変更をする場合がございます。その場合にもまた二つございまして、一つは、その後に生じた事情によって市中銀行がその融資をつき合うことを適当と考えない場合、もう一つの場合には、ただいまちょっとお触れになりましたが、融資を受ける側がいわゆる歩積み、両建等、市中銀行のいう条件を納得しない場合、この後者の場合は、私ははなはだ銀行行政としてはよろしくないことだと思います。 それから、大きく分けましたもう一つの場合は、開発銀行等において、その融資の保証その他について、系列と思われるより信用のある企業の保証その他の関与を求める場合がございます。この場合には、自然に系列ができておって、金を借りる側がそれを望むのならよろしゅうございますけれども、まれには、ややそれによって系列化を事実上強制するような結果になる場合がございます。この場合も私は適当な場合でないと考えます。 ただ、最初申し上げましたように、今問題になっております具体的なケースにつきましては私存じませんので、具体的な批評は差し控えたいと存じます。
○島田政府委員 開銀に推薦いたしまして、最終的にはそういう形になるのはきわめてケースは少ないということをここで申し上げておきます。 それから、もう一つは、今長官からもお話がございましたように、具体的には今存じておりませんが、何度も重ねて申し上げますが、市中金融がまず前提になりますので、一つは、金融ベースに乗るか乗らぬかという、融資を受ける企業の実態につきまして、私ども通産省は銀行ではございませんので、いろいろ判断はありますけれども、そういう問題についても一つポイントがある。それから、ただいまの事情変更の関係というようなことで、事前になるべく打ち合わしておりますが、相当各企業にとっては審査が重要な問題でございますので、ここにタイミングがございます。そういう面から今言ったような点が出て参るかと思いますが、こういうケースは非常に少ない、こういうことをここで申し上げておきたいと思います。 それから、もう一つは、通産省といたしましては、制度として開銀に推薦という形を実はとっておりますから、これは市中金融が一つの前提になっている、こういう点でございます。重ねて……。
○加藤(清)分科員 お説の通りです。お説ごもっともですが、私の言うていることは決して一つや二つの問題じゃない。しかも、これはことし起きた問題じゃない。去年の委員会において持ち出して、すでに警告を発しておいた問題です。それがいまだに始末がついていない。しかも、それは、金融べースに乗るか乗らぬか、そんなことはあたりまえな話なんです。そんなことを言われると、それじゃ通産省の審査がずさんであったかということになる。通産省の審査はきわめて丁重で、きわめて親切で、間違いはない。金融べースに当然乗るものなんた。それをやらぬでいらっしゃらない。だから、通産省に落ち度はないわけです。通産省の決定、大蔵省との決定を、窓口の開銀がこれをきかなかったというだけのことなんです。そういうケースがある。それは金融正常化の立場から言って是正さるべきではないかということを申し上げているわけなんです。決して通産省を責めているわけじゃないのです。通産省が決定された通りにいけば何にも文句はないわけなんです。その通りいっていない。いっていない原因がどこにあるか。百億のところへ百二十億やられては無理だ、二割はそういうものが出てくるであろうということは申し上げている。が、百億に対しては大体百億を指定しているとおっしゃれば、大体そのままでいくのが普通なんです。私が心配をするのは、開銀は金利を払わなければならない。そこへ貸さなかった金をどこへ貸すのですか。ここに問題が生じてくるわけなんです。そうでしょう。開銀にストックしておいたらどうするのです。これは金利を払わなければならないのですよ。開銀が自分で自己弁償するのですか。どこかへ貸すに違いない。浮き貸しということになる。だから、私は、すでに予算委員会において、あなたの方の決定した先と開銀が貸した先のトータル、データを出してもらいたいと要求しておいた。そういう問題があるわけなんです。私は何も開銀を疑うわけではございませんが、寝かしておるわけではございませんでしょう。どっかに浮かして回転さしておるでしょう。すると、通産省とは違った場所に貸されておる。それが先ほど長官が言ったところの系列強化の材料に使われておるではないか、好きなところに貸されておるではないか、そこに問題が生じてくるということを申し上げているわけなんです。 もう時間ですから、最後に、これも去年の予算委員会で約束されておって行なわれない問題を一つ提起いたします。通商局長、まことに恐れ入りますが、課税につきましてお尋ねしたいのですが、同じ物件に対して一時に二重に税金がかけられたとしたら、通商局長はどうなさいます。
○松村(敬)政府委員 今のお尋ねは、何か非常に特殊のケースについてのお尋ねかと存じますが、原則といたしましては、そういうことはあるべきではないと思います。
○加藤(清)分科員 あなたは佐藤通産大臣か今井通商局長から引き継ぎは受けていらっしゃらないですか、本件に関して。
○松村(敬)政府委員 具体的なケース、事件については聞いております。
○加藤(清)分科員 これ一件ではないのです。ほんとうは五件あるのです。ただ、あまりにもひどいというのが一件なんです。御承知でございましょうが、これはぜひ通産大臣に聞いてもらいたいと思ったことですが、これも大蔵大臣も通産大臣も去年この席で至急善処すると言われた問題なんです。それが今日に至るも何ら音さたがない。しかもその責任は一にかかってこの特定物資法を移行させるときの怠慢にあるわけなんです。私はそこまで言いたくないのだけれども、去年はそれを言いませんでしたが、今年は処理されないから言わざるを得ないわけなんです。具体的にかいつまんで申し上げますと、ウォッチの輸入の自由化、これだけは輸入の自由化に先んじて行なおうというので、今から言うと一昨年の十月一日から自由化になったわけです。ところが、特定物資でございますから、この中に入っておるわけです。御承知の通り、特定物資なれば許可を得たと同時に銀行に特定物資の税金は納めるわけなんです。品物が通関したときに効力を発生して、自然に必然的に取り上げられることになっているわけなんです。ところが、バナナその他は抜きにして、時計だけは一昨年の十月一日テスト・ケースでやりましょうということになった。経過措置が行なわれていないものですから、その結果どうなったか。十月一日午前二時羽田着、税関は、ちょっと待った、きょうから法律は変わっています、こういうわけです。これは納めていただきましょうということなんです。いやさっき納めてあります、いやそんなことはわしらは知らぬこっちゃ、こういうことです。ところが、年末に要るこれなんです。業界としては、たまったものではないから、やむなく二重に税金を払って、あとで始末をしてもらうと税関でも言うて、それで荷物をもらってきた。しかも一カ月有余は保税倉庫に入ったままであった。二重に納税させられた。なぜ二重になったかといえば、特定物資でとった差益金の分を新しく関税定率法によってそのままこちらに移行させたのですから、完全に二重課税になったわけなんです。すぐに時の関税部長稲益君にもお話をし、今井通商局長にも話をして、これはいけないのではないかといった。どこがいけないかというたら、さっきのあれは通産省がよくって末端が悪かった。今度は末端はよいのだ。当然だ。法律が変わったのだから、とるのはあたりまえなんだ。ところが、移行措置が行なわれていない。つまり、納めた以上は効力があるわけなんです。この効力が期日とともに消滅するということは、納税の場合はあり得ない。その移行措置が附則に書いていないものだから、ついに二重課税になってしまった。大臣は、ごもっともだから善処しますということを言うておりながら、今日に至るもなおそのままなんです。大臣も局長もやめていけばそれで済むんです。ところが、これで倒産していく業者はどうするんです。貿易業は指導育成強化をするというのがあなたの方の任務である。余分に税金をとって、そのままほうっておく。滞納したら滞納金利までとられるのですよ。とるときにそれだけ過酷でありながら、自分が間違えてとった場合ぐらいは早く解決したらどうです。
○松村(敬)政府委員 ただいまの件につきまして、その後いろいろ研究いたしました結果について申し上げたいと存じます。実は、この件は、時計に関しまして差益を廃して関税をかえる場合の非常に不幸な事件として起こったわけでございますが、結局、その便がおくれましたがために、あとの高い税金を課せられて、差益と合わさって課される、こういうことでございます。それをどういうふうにして救済するかということにつきまして、いろいろ研究をいたした結果は、大蔵省の方とも相談いたしましたら、結局この一件だけのために新しく法律を変えるということをいたしませんと、どうしても救済の方法がないのでございます。この件につきまして、時計の輸入関係には半年前に予告をいたしまして、そういう形になっておるので、開花規定にもないのでその期間までにぜひ間違いなく入れるようにというような話し合いがあらかじめあったそうでございまして、輸入側の方もそういう事態にならないようにということは十分考えておったと思いますが、不幸にしてこういうケースになりたわけでございます。従って、今加藤先生御指摘のように、本来そういうことに経過的な措置を置かなかったのは政府としては非常に遺憾ではないか、こういうお話でございますけれども、まことにごもっともなのでございますが、当時、そのことについて、そういう制度が変わりますときに、半年前の予告で十分業界の方に納得してもらっておるので、よもやそういうケースは起こらないだろうというふうに思ってきめました措置だそうでございます。結局、その救済につきまして、本件一件だけのために新しく法律を改正するかどうか、その点につきまして、そこまでまだ踏み切っておりませんために、善後措置がまだとられていない、こういうことでございます。
○加藤(清)分科員 あなたがおとなしくおっしゃるから、私もおとなしく言います。あなたは毛並みのいい人ですけれども、それは言いのがれにすぎないのです。あなたはそういうふうに受け継いでいらっしゃったとするならば、私はもっと言わなければならない。すでにこれは大蔵大臣も通産大臣も納得しているのですよ。特に、佐藤大臣が、これは私が引き受ける、だからかんべんしてくれ、こう言うていらっしゃる問題なんです。それを、救済のために立法措置をせんければならぬからいけないとおっしゃるならば、何を救済するのです。救済してもらう必要はない。裁判に訴えるだけですから。今もここへ来ておったでしょう。決算委員の方から、決算委員会でやれ、こう言うのです。二重に税金をとってそれでいいのか、決算委員会でやれと言うのだけれども、私は、そう事を荒立てる必要はない、おとなしくやればいいというので、ここでやっている。(「返せばいいじゃないか」と呼ぶ者あり)——そうですよ。それを返せばいい。立法措置を云々、こう言われまするが、とんでもない話なんです。しかも、あなたは、半年前に云々ということで言いのがれようとして、あたかもそれを行なった具体的事実に罪があるようにおっしゃいまするが、それこそは言いのがれというものなんです。経過措置は要らぬと思ったという。冗談じゃない。要らぬと思ったら、その次のときになぜ経過措置をつけたんです。私は委員会で警告を発した。そうしたら、次のやつは約十カ月つけたじゃありませんか。要らぬというなら、なぜあとのやつをつけたんです。あとのほんとうに法律の改正をするときの分だけはつけた。これが立法措置であるならば、それは審議したときの議員が悪いということになるでしょう。あのときは立法措置でやったのじゃないのです。あなたの方の行政措置でやったのです。 次に、もう一つ、これはいずれ最後は裁判で争うことになるでしょうから、申し上げておきまするが、法律上の立場から言っても、これはあなたの方が負けです。なぜ負けになるか。それは、あなたはかって繊維局長をやってみえたからよう御存じです。きょうはこれだけで結論にします。アメリカへ日本の毛製品を輸出するときにどういう勘定になっています。アメリカはオール生産の五%以上オーバーした場合には二〇%の従価税がつくでしょう。そこで、どうするんでしょう。イタリアは飛行機で運びます。日本はどこへ運びますか。サンフランシスコやニューヨークではございませんよ。アメリカ国内ならどこでもいい。そこで、ハワイへ着けるでしょう。あなたは御存じでしょう。それは、アメリカの領域内で、領海の中へ船が届いたその時間が合格なんです。ちょうど締切り云々という二とで言えば、十日の日付があればこれは有効ということなんです。それが世間の常識というものなんです。本件はどうなんです。私は五件は言いません。たった二時間だけおくれた。飛行機事故でしょう。証明書もついている。飛行機だったら二時間くらいおくれますよ。大臣、そうでしょう。特急でさえ二時間もおくれることがあるのだから、飛行機、それもスイスから来る飛行機が二時間違っただけでそんな罰則が行なわれたら、おかしいじゃないですか。その飛行機は規定の時間までに日本の領空内に入っていますよ。沖繩から勘定してごらんなさい。合法ですよ。それを、末端の人が、——それは無理ですよ。末端のそれだけを言いつけられている門番では、二時間おくれたといって処置した。それはその通りだ。これは成績優秀でほめてやってしかるべきだ。ところが、その政治的解決をようしない。両方とものがれることばかり考えていて、わしの責任じゃない、わしの責任じゃないと、責任回避のことばかり言うて、それでもって正常な貿易が行なわれますか。これでもってスイス国に与えた印象はどう思っています。あなた外交官ですからよう御存じでしょう。そういうことが行なわれてよろしいのですか。毛並みがよくて、外交のことをよく御存じのあなたに、あなたの本心を聞きたい。
○松村(敬)政府委員 この関税の解釈の問題は、主として大蔵省の方の問題でございますが、実際のケースといたしましては、今加藤先生のおっしゃるように、少しぐらいおくれたからといって高い方の関税をとられるというのは、半年前に予告したということは別といたしまして、まことに気の善なことでございますし、何とか返す方法がないかということで、大蔵省の方ともいろいろ折衝をいたして参りましたけれども、今までのところでは、さっきお答えいたしましたように、法律を変えないと返すわけにいかない、こういう見解でございます。しかし、なお今先生の御指摘の点もございますし、あらためて大蔵省の方と折衝をいたしてみたいと思っております。それから、初めに御指摘のございました、経過措置をこれのときにつけないで、なぜあとでつけたかというお話でございますが、特にバナナ等の農産物につきましては、輸出国側の作柄とか、あるいは出荷の事情とか、いろいろな変化が工業製品以上に起こり得ますので、特につけたわけでございます。さっき申し上げましたように、よもやこういうことはあるまいということで考えました制度が、先生御指摘のように、非常に不幸なケースを起こしましたので、今後そういうことがないようにという考慮も払いまして、その後新しく制度を改めた次第でございます。
○加藤(清)分科員 かりに立法措置が必要であったとしても、あなたたちは、外人に対してはきわめて丁重で、内国人に対してはこれと同等の待遇を与えていないということを、言いのがれをおっしゃるなら私は言いたい。なぜかならば、蓄積円の場合はどうなんです。保留しておかなければならなかったものまでがいつの間にやら行っちゃっている。七〇%までのものは五〇%以上、六〇%以下のものは四〇%以上、いつの間にやら行っちゃっている。そういうことをしておきながら、内国人に対すると、とたんに行政措置たの、いや立法措置が必要だのとおっしゃるが、これは構いのがれなんです。やる気があったらやれるのです。これはあなたを責めるんじゃありませんよ。あなたは跡を襲われた局長さんだから、無理からぬことでございますけれども、通産大臣の佐藤さんが、必ず私の顔にかけてやるから、まあかんべんしてくれと言った。それで私は、議事進行の関係もあって、この前はやめた。じゃ、あなたの誠意を期待して、私はきょうの質問を終わります、こう言っている。今度は田中大蔵大臣は、お役人がやったことだから、さあ大へんというわけだ。そこで、絶対やります、こう言われた。通産省としてはどうなんですか。今あなたがおっしゃった通り、取り上げたものは返せばいいのです。何もむずかしいことはないでしょう。
○松村(敬)政府委員 先ほど申し上げました通り、通産省といたしましては、ぜひ返したい、また返してほしいということで、従来大蔵省と折衝しておりましたが、法律を変えなければどうしても返せない、こういう話でございました。しかし、今加藤先生お話しのように、大蔵大臣がそういうおつもりでございますれば、その件がわれわれの希望いたしますように解決するということを期待しております。
○中村主査 淡谷悠藏君。
○淡谷分科員 豪雪の問題では、これまで各委員会でだいぶ問題になったようでございますから、重複は避けますが、今年の雪の害というのは異常中の異常なものとされております。従って、従来雪害などのなかった方面にもだいぶ大きく雪害が現われましたり、特殊な災害の形をなしておるのであります。特に私、本日は果樹の災害について、特異中の特典な災害の問題をお聞きしたいと思うのですが、果樹災害の区域的な分布は一体どこからどこにわたっておりますか、お尋ねしたい。
○富谷政府委員 果樹は全国に広がっておりますので、今回の豪雪及び西日本の寒波に関係いたします被害といたしましても、北は青森県から南は鹿児島県まで、関係県が三十県ばかりに及んでおります。
○淡谷分科員 北海道、青森から関西、四国までに至っておる。従来豪雪のあった北海道、東北地方で果樹に及ぼした災害と、今年の全く異常な天候で不音心に雪の害を受けました四国あるいは九州、中国、具体的に申しますと、広島あるいは鳥取の果樹の災害に何か特別な現象が現われているかどうか、聞きたいと思います。
○富谷政府委員 北の方の本来雪のある地帯でございましても、たとえばナシでございますとかブドウでございますとか、こういったような果樹を植えておりますところも、雪が果樹の背を越すような深い地帯はございません。それが果樹の棚を越すような雪に見舞われたというのが特徴でございます。それから西日本の方は、本来温暖で常時果樹があるわけでございますが、これが寒波あるいは雪に見舞われまして、本来温暖であるべきところが異常な寒さのために被害を受けたというような事情がございます。
○淡谷分科員 四国あるいは九州などの果樹、特にミカンなどの場合は、温度がどれくらいで落葉を始めますか。
○富谷政府委員 従来こういう経験があまりございませんものですから、はっきりしたことはわからないのでありますが、定説といたしましては、マイナス五度となりますと被害が出て、マイナス七度になるとさらにこれがはっきり出る。もちろん、このマイナス温度は持続時間との関係もございますので、どこまで行った場合に枯死するといったはっきりした、定説はないようであります。
○淡谷分科員 具体的に今年の寒冷温度というのは何度までいきましたか。持続時間はどのくらいございましたか。これによって果樹の受けた、特にミカンに限定してよいのですが、愛媛県あたりのミカンはどの程度の被害を受けたかお聞きしたい。
○富谷政府委員 地帯によって違いますが、ミカンの産地で申し上げますと、マイナス七度くらいに下がりまして、翌日日中の温度がプラス十度、それからまた夜マイナス七度に下がる、こういうような繰り返しが一月十五日から二十五日くらいの間に二へんばかりに及んでおります。従って、相当な被害を受けているということが推定できるわけであります。御指摘の柑橘の具体的な被害でございますが、現在実がなっておりますのは御承知のように夏ミカンでございまして、夏ミカンはいずれも寒害のために腐敗いたしましたり、あるいは落果したということがございます。ミカンの場合には、これは木の葉が寒波のために弱りまして、若木だけは落葉いたしました。成木の場合には枯れて、からからになりまして、この被害というのはおそらく今後三年くらい実のなり方、結果に相当な影響があるではなかろうかというふうな推定をいたしております。
○淡谷分科員 その場合に、落果の夏カンですね。これは従来ほとんど加工等の用には役立たぬようになっておりますが、今回もやはりそのような状態が見えておりますか。何か落果の特別な処分の方法を、お考えになっておりますか。
○富谷政府委員 こういう寒害にやられました夏ミカンは、苦みが非常に出て参りますので、その苦みの処理が問題でございします。現在苦みを酵素によりましてなくするような薬ができておりますけれども、はたしてこれがどこまで実用化できるかまだ疑問があるわけであります。ただ、山口県あるいは愛媛県等のこういう果実を集荷いたしております農業協同組合におきましては、極力原料用に回すようにあっせんその飽いたしておるようでございます。
○淡谷分科員 何かあっせんするとしましても、どうも加工用にするような産業があるのですか。もうかなりの量にわたって落果しているようですが、これを全部損害として見るかどうかという問題です。
○富谷政府委員 加工用と申しましても、これはジュース原料でございますが、このジュース原料が、ただいま申し上げましたように、それに向けられるものと、それにも向けられないものがあるようでございます。なお、かりに向けられるといたしましても、本来ジュース用の需要というのは量が限定されておりますので、今回のように総生産額の何割というような被害が出ますと、ジュース用としても消化し切れないおそれが十分あるわけでございます。
○淡谷分科員 ほとんどこれは実用にはならぬと思います。そこで、柑橘類にも現われておりますけれども、果樹の災害と果実の災害とはっきり分けて考えないと、対策が立たぬと思います。これは、企画庁の長官、恒久策を成長部門としての果樹についてはお考えだろうと思いますけれども、この果樹の受けた災害を何年くらいで回復するものとして対策をお立てになりますか。
○宮澤国務大臣 先ほど政府委員から答弁のございましたように、果樹がこのたびのような冷害によっていたんだという実例が実は乏しいようでございますので、私、いわんやかねてあまり知識がございませんもので、はっきりしたことを存じませんが、しかし、たとえばミカンにつきましては、関係者が私に申しますことは、少なくとも二年くらいは結実しないであろう、それからあとはどうだろうかということについては、自分たちにも経験がないのではっきりしたことは言えない、こういうことを申しております。しかし、それがどの程度の確証に基づきまして、どの程度の自信を持って申しましたか、私はつまびらかにする方法はございません。そのように聞いております。
○淡谷分科員 これは、企画庁長官に果樹災害をはっきり言えといっても無理かもしれません。 それでは農林大臣にお聞きします。大体果樹の災害がもとに回復するためには何年くらいの年限を必要とするか。特に今長官からお話がございましたが、果樹の災害について経験がないというのは、これは非常にうかつだったと思うのです。さっき申しましたけれども、従来豪雪の災害にしばしば見舞われておりました新潟あるいは東北各地は、そのたびに果樹の災害があったのです。これは山形県でも秋田県でも、青森県はむろんございます。この際にはっきりした果樹災害対策の線が出なかった。これははなはだおかしい話ですけれども、ついこの間の閣議決定で、青森県は除外されておりましたね。あとで青森県全域が入ったのでございます。私も、しばしばこの豪雪が問題になりますので、県に一体災害があったか聞いてみますと、ないと言うんです。つまり、他の地方がことし新しく受けました豪雪の害というものは、毎年受けながら豪雪の害と思わないぐらいに常習的になっておるのが北陸から東北についての大体の傾向だろうと思うのです。ですから、この果樹の災害は経験がないことはない、あるんです。それを具体的にこれまで調査されなかったところに今度の豪雪災害対策の大きな欠陥があると私は思うんです。今からでもおそくはありませんから、今まで雪が降らなかった地方の雪害に対する新しい認識、国全体の今度の認識というものを一つ契機にしまして、徹底的に 私はきょうは果樹に対してだけ申し上げたいと思いますけれども、豪雪対策をお立てになっていただきたいと思うのです。そこで、果樹の災害は今申しました、これは果実の災害と果樹そのものの災害と二つに分けて考えなければなりません。柑橘類の場合には、果実の災害もあったようですが、ナシ、ブドウあるいはリンゴというような果樹は、今のところは果樹の災害なんですね。これは何年ぐらいで回復をさせるのか、その対策を一つはっきり農林大臣に伺っておきたいと思います。
○重政国務大臣 実ははっきりいえば、今まであまり経験がないので、はっきり何年で必ず回復できるとも申しかねるのじゃないかと思うのです。やはり豪雪の災害で木が折れた分は、今までも台風で木が折れたり落果したりした経験はあるわけでありますが、今回のように非常に温度が下がって、柑橘の果実はもちろん葉まで落ちてしまったというようなことになりますと、木そのものがどの程度まで枯死するか、その温度の低下の工合及びその継続の工合によっていろいろあるのだろうと思うのですが、柑橘等については、そういう経験は私は覚えていないわけであります。それから東北地方の寒冷による災害というのも、あまり今まで聞いていなかったわけなのでありますが、木そのものが折れることは、これは台風でもしばしばあるわけなのです。そういうわけで、はっきり何年でどうということは、現在のところではわからないわけでありますが、先ほども企画庁長官お話しのように、中国地方のミカンなら、三年もすればこれは復活するのじゃないかというようなことが技術者の間では相場になっている。これも自信があってのことではないということであるわけであります。とにかく、いずれにしましても、これはできるだけすみやかにその回復をはからなければなりませんので、樹勢の回復をはかることがまず第一である。だから病害の予防をやる、あるいは速効肥料を使って樹勢の回復をやる、そういう方面に現在のところは力を入れてやるという考えでおるわけであります。
○淡谷分科員 果樹の災害がつかまえどころがないように考えるのは大へんな間違いだと思う。これは園芸局長、おわかりでしょう。大体その年に出ました新しい枝に実がなるか、去年の枝、二年枝に実がなるか、一昨年の三年枝に実がなるか、これは果樹の特性としてみなある。従って三年枝まで養わなければならぬ場合、新梢に実がなるか、二年枝に実がなるか、三年枝に実がなるかということは科学的に立証できる。リンゴ、ナシ、ミカン、ブトウについて、結果枝の年度は何年度は何年枝になるか、このお調べをおやりになったことがありますか。
○富谷政府委員 あるいは調査してあるかもしれませんが、私まだ存じません。
○淡谷分科員 これは、やはり企画庁長官や農林大臣には無理でしょう。園芸局長はそれくらいの常識はお持ちになってもいいだろうと思う。従ってリンゴの場合とナシの場合とブドウの場合、ミカンの場合、木の回復する年限が変わってくる。そこまでお考えにならないで、ただ木が弱っているから肥料をやったらよろしい。肥料といってもいろいろありますが、花が咲いた場合に、花に勢いをつけるために速効肥料をやる場合もありましょうし、木そのものに勢いをつけるために遅効肥料をやる場合もある。こういうこともよくお考えにならないと、非常に広い範囲にわたる果樹災害の場合に誤ると思う。枝の場合もその通りです。枝が折れてくるうちはまだいい。これは暫定等によって比較的回復が早くできる。しかし幹が割れますと根まで割れてしまう。木の剪定の形としましては、両方にバランスをとりますから、両方から引っ張られた場合、まん中から翻れてしまう。そうすると、幹が割れると根まで割れます。これは木全体が枯死してしまうことがある。こういう果樹そのものの災害についてもさまざまなケースがこれまであったのです。このお調べなどもないだろうと思う。樹幹そのものの害、枝が折れた場合の害、これは正確に考えますと違うのです。麦とか米などの災害についてはかなり正確に調査してありますけれども、新しい栽培の対象物である果樹については、その点は実に政策的にはお粗末なんですね。技術的にははっきりわかっておるのですよ。ところがその政策がとられてない。これは成長部門として本格的にお取り組みたなって、この豪雪の不幸を幸いにする意味で、この際はっきりした対策を立てる必要があると思いますが、農林大臣いかがでございましょう。
○重政国務大臣 私もただいま御指摘になりましたようないろいろなケースをつまびらかにしておるわけではありませんが、いろいろの被害の状態もあるだろうと思いまして、現在はその状態の調査をするために、実は二回目の技術者を全国に派遣しておるわけです。全国を何地区かに分けまして、そして詳細な被害の調査をやるために専門家を派遣しておるわけです。そうして試験場等とも十分連絡をとりまして、まずその実態を明らかにするということに努めておるわけでありますが、その状態によりましては、ただいまお述べになりましたように、これは農業経営としてはきわめて重要な部門でありますので、十分一つできるだけの措置を講じ、指導もいたしたい、こういうように考えております。
○淡谷分科員 実態の調査はまとまっているのですか。まとまっていましたらその分だけでも御報告願いたいと思います。
○富谷政府委員 全国を東北、北陸、近畿、中国・四国、九州と五班に分けまして、先週の火曜日に出発いたしまして、大体今週の火曜日には全部帰って来るかと思います。帰って参りましたらさっそく報告を徴しまして、試験場の関係者等も集めまして対策を講じたいと思います。それ以前に、西日本の山口県、北九州の数県の分は一月の末に出しまして、二月の初めに帰りまして、二月十五日に技術者と合同会議をいたしました。
○淡谷分科員 果樹はそろそろ雪の下から活動を始めておりますから、肥料の助成をするにつきましても、あるいはまた薬剤の助成をするにいたしましても、やはり時期を失しないようにやっていただきたいと思う。これは時期を失しましたら、本年のうちにだめになりますから、その点は十分御配慮を願いたい。 それから、特に場所によりましては、災害が終わったというところもございましょうが、北陸並びに東北のまだ七尺、八尺という雪が積んでおる地帯では災害が終わっていないのです。これからがこわいのです。御承知の通り、雪は下から解けます。私もこの間ちょっと国へ帰ってきましたけれども、七尺、八尺という果樹をおおっている雪が、そのまままだ積もっているのです。今のところは木の枝を埋めている程度でありましても、早く除雪しませんと、枝を中に突っ込んだままに雪が凍ってしまう。解けてはすぐ凍り、離れません。従って、両方から枝が引っ張られる。さっき言ったように、幹まで割ってしまうという非常に大きな災害をこれから起こすのです。融雪期が非常に大事です。従って、現在積んでおります雪に対して除雪その他で御配慮をされるおつもりかどうか。雪をのけるとのけないとでは非常に違うのです。現に災害が進行している。静かな災害かもしれませんけれども、あのままで災害が進行していると思わなければならない。その点は農林大臣、何か御配慮はございますか。
○富谷政府委員 ただいま御指摘の融雪の促進等の対策でございますが、これは去る二十日付で農林事務官命で全国にこまかい技術上の指示をいたしてございます。
○淡谷分科員 さらに鳥取県のナシ、あるいは新潟、公傷等のナシもそうでございますけれども、果樹だなの問題です。これは果樹振興法などでも規定されておりますけれども、新植などにかかわらず、この災害にあたっては、果樹だなの補給をしてやることが喫緊の要務であろうと思います。特にナシ、ブトウ等は、水平にたなをやるものですから、ほとんど用いられないくらいに参ってしまっておるでしょう。さらにもっと北へ上りまして、リンゴなどの場合は、春先に幾ら除雪しましても、大きな枝が幹から三分の二ぐらいまで落ちる易くがあります。これをすみやかに持ち上げてやりますと、ある程度まで果樹に対する災害が防げる。この支柱が非常に大きな経費を要する。果樹だな、あるいは支柱に対するお手配はいかがですか。
○重政国務大臣 これは農林漁業金融公庫から必要な資金は融資をしよう、こういうように考えております。
○淡谷分科員 融資をされるのはけっこうですが、この支柱は一本の木に何本ぐらい使うと思いますか。大体その見積もりがございませんと、実際お出しになっても、とても実情に合わない形になると思います。
○富谷政府委員 大体災害復旧の果樹だなの場合、反当たり二万五千円か六千円でございましたか、その程度の費用を見ております。
○淡谷分科員 これは果樹によりまして、また果樹の樹齢によりましてみな違うと思いまするが、十分に災害を防ぐような形にしてやっていただきたいと思う。特に各県から出ております豪雪による果樹の災害に対する要求を見ますと、当面の樹勢回復の肥料、薬剤あるいは支柱等の要求は出てきているようでございますが、ことしのこの災害によって起こる収穫期における果実の損害に対する認識が非常に少ない。これは、今の災害でことしの収穫期の収穫は大体どれくらい減る見込みでございますか。まあ大きな例で申しまして、柑橘とリンゴだけでよろしい。どれくらいの減収を見込まれておりますか。
○重政国務大臣 これは、まだ被害の調査をいたしておるようなわけでありまして、ちょっと推定もいたしかねるのですが、しばらく御猶予を願わなければならぬと思います。
○淡谷分科員 これは、損害の査定が非常にむずかしいだろうと思うのです。果樹の災害そのものを何によってつかまえるかというと、平均の収穫に対して、災害によって減った率で見る以外に方法がないと思う。大体柑橘は三割出しております。青森県のリンゴも三割出しております。三割出しますと、青森県のリンゴなどは一千万箱ほど違う。一箱三百円に見ましても、これは莫大なものになってしまう。これを見ないと、果樹災害というものは非常に少ないものに見る。たきぎみたいにして果樹の災害を見ますとしようがありませんので、今後調査がそろいましたならば、この点なども十分注意されまして、この災害によって受ける果実そのものの損害なども十分配慮されて融資あるいは助成の方法を講じませんと、果樹は伸びません。中には新植する必要もあるでしょう。この際、場合によっては振興法を改正しましても、この果樹部門のために万全の策を立てるという気がまえがございますかどうか、農林大臣に伺っておきたい。
○重政国務大臣 現在のところはまだそこまで考えておりません。
○淡谷分科員 もし必要があったら、これはおやりになるでしょうね。私は、どうしても今の窓口を開いただけの果樹振興法では十分な果樹振興の政策は貫けないと思う。だから、この災害を転じて幸いとするためには、一つ何とか果樹行政の方で抜本的な策を立ててもらいたいと思いますが、気がまえだけでも一つお聞かせいただきたい。
○富谷政府委員 なるべく早い機会に、この被害報告のまとまり次第、果樹振興審議会のメンバーの方々にお集まりいただきまして、その被害の御報告、今後の対策等につきまして御懇談申し上げたい、かような予定をいたしております。
○淡谷分科員 さっきの壁頭の質問にも私言っておきましたけれども、従来豪雪になれた地方となれない地方では非常に違うという点が一点、さらに、この豪雪被害というものを今新しく身に感じた地方の体験をもとにしまして、これまでその災害を受けながら災害とも気づかなかった方に対しても、やはり抜本的な措置をとっていただきたい。これは企画庁の長官にもついでながら申し上げますが、雪によって家がつぶれたというケースはございますが、あまり多くはないですね。一メートルぐらいの雪でしたら大したことはありますまいけれども、おそらく秋田、青森、新潟等の豪雪が関東周辺、あるいは今度の中国、四国等に降りましたならば、家は一軒残らずに倒れただろうと思います。やはり寒い方の家屋というものは、暖かい方の家灘よりも太い柱で建ててる。むな木も太いのです。ところが、これは根本的な問題になりますけれども、最近住宅公団等の家屋建築の対象が都会だけに限られている。農村では、古い家をあちこら補綴をしてかろうじて形を保たしている例が多いのです。大雪が降りますと、まったくはらはらして中に入っている。住宅公団当たりで、農村に対してこれまで住宅をつくってやった例がございますか。
○宮澤国務大臣 寡聞にして存じませんが、ほとんどないのではなかろうかと思います。ただいまお話の点は、そもそも災害救助法そのものが、実は雪というものを正直を申しますとあまり考えておらなかったぐらいに、いろいろなことがこのたびの豪雪に対しては不準備であった、無経験であった。少なくとも従来そういう雪害があまりございません地方では不準備だったというふうには思います。
○淡谷分科員 何かそれを事務的にお調べになっているのがございましたらお聞きしたいのですが、実は私は三年前から言っているのです。もし大きな雪でもありますと思わざる災害を起こしますよということを私はしばしば言っている。これがさっぱり進行していないから私は申し上げたい。公団、公庫の予算等も相当組んでおりますが、都会の大ビルディングが建ちましても、雪の下に押しつぶされそうになっている農村の住宅はほとんど立ち直らない。これは、一晩に何メートルも降るような晩に、家がつぶれやしないかと思って入っている者のことを考えてやったならば、もう三年前から私は言っているのですから、この豪雪を契機に、何とか新しい農村住宅の構想があってもよかりそうに思う。果樹の損害に関連さすのはおかしいですけれども、果樹には自然倉庫がつきまとう。貯蔵する倉庫がつきまとう。住宅そのものは作業場です。農村における家屋というものは、やはり、作業場、倉庫の意味を含むものとして、この際やはり考えてやる必要があると思いますが、その点いかがですか。
○林田政府委員 三十八年度におきまして、住宅金融公庫によりまする農山漁村向けに五千戸を予定いたしております。予算といたしましては二十三億八千万円程度であります。
○淡谷分科員 非常に少ない戸数ですが、やらないよりはいいと思います。すみやかにその点は一つおはからいを願いたいと思うのです。 また果樹に返りますけれども、輸送その他流通面における豪雪の被害は非常に大きい。一たん鉄道がとまりますと、これはまさに魚とか、そんなものと同じような性質を持っておりますから、何日も輸送が詰まりますと、おそらく北陸でも東北でも、輸送の問題で非常に悩んだと思います。これに対する対策が何か立っておりますか。これは生鮮食料品みたいなものです。特に寒い駅なんかに荷積みをしたままほうって置きますと、直ちに凍結する。これに対する考え方は何かございませんか。
○富谷政府委員 今回の北陸の豪雪に対しまして、愛知県から生鮮野菜を緊急出荷いたしました例がございます。それが実は唯一の例でございまして、そのほか、たとえば産地を振りかえまして、出荷地を振りかえまして輸送しようという計画をいたしましたけれども、荷受機関側との話し合いがうまくつきませんのでそのままに終わりました。 なお、この北陸の豪雪によりまして、東北方面から東京へ向かっての貨車の輸送がかなり窮屈になりまして、従って、北海道のタマネギ、バレイショ、リンゴ、青森のリンゴ等、それから秋田県の方におきましても多大の積みおくれが出ております。この善後措置は、今月早々に関係者を集めまして協議いたしまして、国鉄の方へ増車の申請を出しております。
○淡谷分科員 まだ質問する方も残っておりますし、安藤委員もだいぶ時間を気にしていらっしゃるようでありますから、私はきょうは簡単に切り上げますけれども、一つ果樹の災害というものも、あなた方がお考えになるようにばく然としてつかみどころがないものではないということだけは繰り返して申し上げたいと思うわけです。 果樹そのものの性格を各果樹の品種に応じてしさいに触れてみますと、現在の栽培技術、現在の果樹学でわかっているだけでももっとはっきりした災害対策が立つはずです。園芸局もできましたし、これは私たちもお手伝いをするのにやぶさかではございませんから、長い間農業の上においても放置されて参りまして神秘化されております果樹栽培、特に果樹行政の上においては、この豪雪を契機にいたしまして、やはり新しい出発をしてもらいたい。 さしあたり私は集約して申し上げますと、まず早急に活動を始めました木のために肥料、薬剤等の手当をしていただくこと、さらに融雪期に対する対策としまして、除雪あるいは支柱等の方法をできるだけ早く——これはもう時期をはずしたらだめです。しかも、肥料、薬剤等も、果樹そのものによりましては、一年分に限らず、二年、三年は収穫がないのを見越しまして助成の方法をとりませんと、せっかく伸びた果樹がさらに切られてしまうという形になります。一たん切ったら、これは十年、十五年だめになってしまう永年作物です。こういう点を、ただの農作物とはまた別な観点からはっきり見はからってやっていただきたい。 それから被害の調査にあたりましても、果樹そのものがいたんだだけではなくて、いたんだ果樹によって今年度の収穫に与える影響、これも的確につかみませんと、これはやはり全体の生鮮食料の需給の上にも非常な影響を与えると思いますので、わからぬと言っていないで、この際科学的に明確な線で対処せられんことをくれぐれもお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○中村主査 本日はこの程度にとどめます。先刻開かれました予算委員会理事会の経緯もありますので、明二十六日も午前十時から分科会を開会することといたします。これにて散会いたします。 午後六時十八分散会