予算委員会第一分科会 第5号
- 発言数
- 272 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/02/21
会議録
○櫻内主査 ただいまより、予算委員会第一分科会を開会いたします。 本日は、昭和三十八年度一般会計予算中、内閣、総理府及び大蔵省所管、同特別会計予算中、大蔵省所管、同政府関係機関予算中、大蔵省所管について質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。楯兼次郎君。
○楯分科員 毎年、死亡者が一万三千から一万四千、負傷者が三十万から四十万、交通事故によって災難を受けておるわけでありますが、この交通事故防止に対します行政指導につきまして、関係の方にお伺いをいたしたいと思います。 まず最初、総理府の中に交通対策本部、それから交通閣僚懇談会、交通基本問題調査会、このように交通に関します対策本部なり、あるいは調査会が三つあるのでありますが、これらの三つの機関というのは、それぞれどのようなお仕事をなさるのか、最初にお聞きをしたいと思います。
○徳安政府委員 お答えをいたします。ただいまの交通関係でございますが、その重要性にかんがみまして、政府では閣僚懇談会を設けまして、事務的にすみやかに解決の困難であるものにつきましては、閣僚間で話し合いをいたしまして、各省間の壁などをできるだけ破って、そして話し合いで、下の方に案件の解決をするようにおろしております。 最近のいろいろな業績を申し上げますと、昨年、自動車の保管場所に関する法律をつくりますのにも、この閣僚懇談会が主になりまして推進をいたしております。あるいはまた、大型自動車等に対する運転手の年令の引き上げ、こういうような問題も議題になりまして、これもすみやかに解決いたしました。あるいは公共駐車場の促進、あるいは東京都内におきます道路整備の促進、あるいはまた車種別の時間別交通規制の実施、こういうような問題を随時取り上げまして、話し合いのうちに困難な問題も解決いたしまして、下部に流しておるわけであります。 この閣僚懇談会の決議を受けまして、交通対策本部を総理府に置きまして、その推進に協力しておるわけでございまして、最近の例を申し上げますと、これらの点につきまして、先ほど申し上げましたような閣僚懇談会の決定に基づきまして、その実施を容易ならしめるように推進すること、あるいはまたダンプカー、砂利トラックなど非常に世間を騒がしました問題等につきましても取っ組みまして、根本的な解決ではございませんが、急務の問題については解決をいたしました。あるいはまた、時差出勤を勧奨いたしますとか、交通安全運動に協力いたしますとか、そういうような問題と取っ組んでやっておるわけでありますが、おおむね総理府にあります本部は、各省間の事務的な事柄を統制、調整いたしまして、そして仲立ちになって推進をするというような役割を果たしておるわけでございます。 交通基本問題調査会がございますが、これは総理大臣の諮問機関でございますが、道路でありますとか、交通、住宅、輸送、経済関係、あるいはまた大学の先生だとか言論界の諸君だとか、そういう方を委嘱いたしまして、ただいま基本問題について御研究を願っております。その調査が間もなくできてくると思いますが、その調査の対象は相当広範囲にわたっているようでございまして、その御答申を得まして政府の方針もさらに強化し、決定いたしたいと考えております。 なお、交通行政の一元化等につきましては、ただいま臨時行政制度調査会で議題になりまして、論議を尽くされておるようでございまして、これも遠からずその方から答申が参ると思います。 そうしたような関係で、各機関ともそれぞれの受け持ちによりまして活動しておるという状態でございます。
○楯分科員 総理府の中に交通対策本部、交通閣僚懇談会、それから交通基本問題調査会というものがあり、今長官からその分担の仕事をお聞きしたわけでありますが、実際、市内あるいは地方には、毎日々々交通による死傷者、負傷者が激増しておる。ところがこれに対する防止策、これは複雑多岐でありますから、一カ所にまとめてどうこういうことは言えないかもしれませんが、国会で防止対策の論議をするにも私ども非常に困っておるわけです。今長官の言われましたこういう問題に対する一元化というのは、もう過去十年来の問題であろうと思うわけです。ところがいまだに、交通基本問題調査会の答申を待ってから措置をしますというような答弁では、死傷者に対して私はまことに申しわけないと思う。数年来われわれ社会党も、あるいは政府の資料を見ましても、交通省の設置というようなことで、その大部分を包括をしていく省を考えるということが一番いいのでありますが、もしそれが早急にできなければ、たとえば交通管理庁あるいは、それも困難であるとするならば、たとえば運輸省に便宜的にその総括的な権限を移譲をして、そこから交通問題に対する一元化した指令が行なわれる、こういうことが最も妥当であろうというふうに私どもは考えておったわけであります。今長官のお話では、なかなかそうした一元化の具体的な実現というものが早急に望まれないと思うのですが、構想はあるけれども、一元化は実施困難である、こういうことなんですか。
○徳安政府委員 お答えいたします。交通事故に対しましては、これはもちろん関係省が協力いたしまして、その少なくなるように努力しておりますることは御承知の通りでありまして、交通事故に対しまする担当の役所は総理府ではございませんから、他の役所からお答えすると思いますが、これは国民あげての問題でございますから、一生懸命その事故防止に朝野をあげて努力していることは、御承知の通りでございます。ただ今の行政一元化とか、交通問題に対する画期的な構想等につきましては、先ほど申し上げましたように臨時行政調査会等が取っ組んでおりまして、来年三月までにはすべてのそうした結論が出ることになっておりますし、交通基本問題調査会もつい昨年設置しただけでございまして、ほんとうに一生懸命になって勉強されて、いろいろな調査を進められておるようでございますが、これもそう長くないうちに結論が出てくると思います。決してその結論が出るまで手をむなしゅうしているわけではございませんで、臨機の処置はいろいろと手を打っているわけでありますが、都市交通問題等につきましてはなかなか容易ならぬ複雑怪奇なものがございまして、一朝一夕の解決は非常に困難なものがあって、実は政府でも困っているような状態であります。楯分科員のごときは専門家でございますから、もしいい御腹案でもございましたら、示唆をして下さることがあれば、こういうことはどうだ、ああいうことはどうだとおっしゃっていただきますれば、私どもも十分参考にさしていただいて努力したいと考えております。決して手をむなしゅうして、いるわけではございません。
○楯分科員 私が長官に質問をしておりますのは、最近新聞に、今あなたのおっしゃる臨時行政調査会ですか、これの決定ではないにしたところで、試案というようなものが発表されたわけです。それを見ましたところが、今あなた方やわれわれが非常に苦しんでおりまする乱脈した交通行政に対する締めくくり的な機構というものは織り込まれておらないのです。だから、そのことを私は頭に置きながら、毎年々々交通行政の一元化であるとか従ってそれによって事故防止対策というようなものも恒久的なものができる、少なくなる、そういって論議はしておっても、せっかく長官が期待をされておる臨時行政調査会にそういう結果というものが出てきておらぬから、これではだめじゃないか、こういって質問を申し上げておるわけです。この臨時行政調査会に一元化的な機構の確立を要請されたようなことがありますか。
○徳安政府委員 最近臨時行政調査会の案としていろいろなものが漏れておるようでございますけれども、まだ何も決定はいたしていないのが事実だそうでございまして、特にこの交通関係等につきましては、私ども注意深く見守っておるわけでありますが、もし世間に漏れておるといたしますれば、それはほんの一部のものがどこかで漏れておるわけでございまして、総合的な根本的な問題等は全然まだ漏れていないと私ども考えておるわけでございます。もちろん私も責任者ではございませんから、内容等につきましてはつまびらかにいたしておりませんが、会長その他の各位のお話を聞きますと、相当に意気込んでかかっておられますから、なまはんかな案は出ないと私どもは考えておりますので、調査会に大きな期待を持って今見守っているという状態でございます。
○楯分科員 いや、そうではなくて、今長官と私が質疑をやっておりまするような意向を、これは申達をするとか、要請をするということが適当かどうかは知りませんが、毎年この問題では質疑が行なわれ、何とか何とかというので今日まできておるわけなんです。従ってそういう、あなたが担当をしておいでになる苦痛といいますか、そういう一元化的なものが必要であるというような要請が行なわれておるのか、あるいは話し合いが今までに委員とあなた方とかわされておるのか。そういうことをお聞きしておるわけです。
○徳安政府委員 御承知の通りに、あの調査会はきわめて権威のある調査会として期待いたしております関係から、ただいまのところ政府の方で、あれとかこれとかいう注文がましいことはいたしておりません。しかし調査会それ自体が大きな組織を持っておりまして、国会等で論議されました問題等につきましてもつまびらかに調査をし、そうしてそれに謙虚な気持で耳を傾けて立案しておるという話をしばしば事務当局からも、会長からも承知いたしておりますので、おそらく交通問題等につきましても、国会で論議されたようなことが無視されるようなことはなかろうか、かように考えております。
○楯分科員 今総理府で交通問題を中心にしていろいろやられておる点については敬意を表しますが、実際一カ所に固めなくても、少なくとも交通問題に対する基本的な責任を負うところはどこか、こういうところがなければ、いい対策というものは生まれてこないと思うのです。私はあなたも御承知のように、交通問題に頭を突っ込んでおりますので、最近の激増する交通による事故の対策についてちょっとお聞きしょうと思いましても、どこの官庁でも、……それは厚い薄いはありますが、交通問題はほとんど関係官庁が同じような厚さで責任を負っておる。従って、一つのことをお聞きをしようと思いましても、まず建設省、運輸省、それから通産省、警察庁、それから労働省、文部省、金の面では大蔵省、自治省、それから救急措置に対することはこの間の分科会で厚生大臣にお聞きしましたが、これくらい同じ比重で分けて話をせぬことには、政府の意図がどこにあるかわからないわけですよ。従って恒久的な臨時行政調査会の結論、あるいは基本問題調査会の結論の出る前に、少なくとも中心となってやる省はどこか。あなた方で相当予算を持ってやるということならいいですが、お話を聞くと、ただ話し合った、閣僚懇談会の決定事項を、お前のところはこれをやれ、あれをやれということらしいのですが、何とか責任を持ったところをつくる必要があると思うのですが、この点はどうですか。
○徳安政府委員 お話のように各省にまたがっておりますが、しかし現在の行政組織の上におきまして、その責任はおのおのが示されるところによって分担をして処理しているわけでありまして、これを一本化するためには、先ほど申し上げましたような強力な調査会等の答申に基づいて、国会等とも御相談をして決定するということになると思いますが、現段階におきましては、なまはんかな処置をいたしましてもなかなか収拾にも困るわけでございますので、やはりその分担々々、運輸省は運輸省、あるいはまた警察庁は警察庁と、おのおの行政組織の上において分担しております仕事を忠実にやっていただく、しかしそれがときどき、壁がある場合もございますし、意思の疎通しない場合もありますから、そういう方は民生の立場からいって放任しておくわけにいきませんので、閣僚懇談会や推進本部におきまして、そこで統制をとり協力し合って推進をしていくという現在の姿でございます。いましばらくはこの姿が続くと思います。しかし今申し上げましたように、基本問題調査会も熱心に取り組んでおりますし、また現在のこうした交通行政の統一というような問題につきまして、多年の問題でございますので、臨時行政調査会の結果を大きな期待を持って待っておるわけでございますから、もうそう遠からずその結論を得まして、処置が講ぜられることを私どもは信じておるわけでございます。
○楯分科員 それでは長官のその努力に期待して、一刻も早く一元化できるように期待をして待っております。 そこで今度は警察庁の方にお伺いしたいと思いますが、政府の資料、あるいはあなたの方のお出しになった資料を見ましても、いろいろ交通事故対策については問題があります。ありますが、警察の関係にしぼって私はお伺いするわけです。そういう資料によりますと、運転者の交通法規を守る意識が低い、こういうことがどの資料を見ましても強調されておりますし、私どももそうだろうと思います。特に運輸者のスピード違反というものが一番多い、こういう点について毎日努力されておる姿はわかるのでありますが、何とかさらに一そうのこういう違反に対する対策を考えなくてはいけないと思うのですが、これに対する対策をどのようにお考えになっておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○橋本説明員 お答えいたします。事故が非常にふえておりますことは、私たちも全く同憂にたえない次第でござけれども、万能薬というのは実はございませんので、結局第一は安全教育の徹底ということになるわけでございます。安全教育を十分徹底すると同時に、もう一つはやはり教育をしてもだめな人は強い取り締まりをもってやるということになろうと思うのでございます。大体そういったことが私たちの考えている方法でございます。
○楯分科員 こういう問題について、私は次の二点が考えられると思うのです。それは一昨年中の事故の統計を見てみますと、免許後二年以下が四五%事故を起こしておる、こういうことがあなた方の資料に載っております。そういたしますと、免許を与えるについての取り扱い方といいますが、試験科目といいますか、そういうところに不備もあるし、そのときにこうした違反をしないように徹底をされる一つのチャンスがあると思うのです。こういう点どうですか。
○橋本説明員 免許行政につきましては、私の方もいろいろ問題があろうかと思っておるのでございますが、それにつきまして私の方も今検討を加えておるわけでございます。一番いいことは、適性検査をしっかりやられまして、ほんとうに不適格な者が排除できるようなメンタル・テストができれば一番よろしいというふうに考えておるわけでございますけれども、実はそういった正確なメンタル・テストをやる検査というものが今のところございませんので、非常に苦慮しておる次第でございますが、そのほかいろいろ検討を加えまして、免許行政というものを考えていきたいと思っております。
○楯分科員 妙案がないようでありますが、以下二、三点お聞きしたいと思います。 最近あなたの方でも、取り締まりをやらなくてはいけない、こういって宣伝をしておられるようであります。自動車学校の指導教科とそれから採点方法の統一化ということが、まずわれわれの考えられることでは必要ではないかと思うのです。私も免許証は持っておりますけれども、県ごとではないんですよ。県のうちにおいても、技能試験は全部コースが違うのです。法令試験等は全国統一というわけには、漏洩その他においていかぬと思う。これはむずかしくといいますか、精通をするように試験のとき手加減をすればいいのですが、技能試験は全部県ごとでコースが違う。県ごとくらいならばまだいい方です。同じ県で、東京都なら東京都、あるいは神奈川県、愛知県、県ごとに試験場が幾つあるか知りませんが、試験場でコースが全部違うわけです。だから、あなた方実情を御存じかどうか知りませんが、あそこの試験場は非常にコースがむずかしい、あそこの試験場のコースは運転がしやすいからあそこへ行けというので、容易な技能試験の試験場は受験者が殺到する。事故防止対策はいろいろあると思いますが、当然やるべきことをなぜあなた方監督者は早く統一をしてやらないのかという点が、不可解で仕方がない。この点お考えになったことはありますか。
○橋本説明員 各県におきましても、試験場が幾つか実はございます。というのは、運転免許を受ける人の便宜をはかりまして、各地につくっておるわけでございますが、古いものに確かにそういうむずかしいところ、やさしいところもあるようでございますが、最近つくっておりますものにつきましては、統一をはかって、どこも大体同じレベルに持っていこうというふうに指導をやっております。
○楯分科員 古いものはそういうところがあるんだが、最近は同一のものをとおっしゃいますが、ただあなたの方の通達か訓示だけでは直りませんよ。はっきりと技能試験場はこれこれの様式でなければいかぬ、これこれのコースでなくてはいかぬ、カーバはこれこれだ、勾配はこれこれだという的確な規格をきめなければ、何年たっても同一にはなりませんよ。この点どうですか。
○橋本説明員 そういう基準は一応は定めてありますけれども、そう基本がもう少し具体的であればもっと正確を期することができると思いますので、その点につきましてはいろいろ研究して参りまいと思います。
○楯分科員 それでは追っつかないですよ。私は、事故防止対策はいろいろありますけれども、まずその基本から直していかなくちゃだめだ、それにはまず技能試験の全国的統一徹底ということが一番いいだろう、これが出発点であるだろう、こう思うわけです。あなたの方の法令には今のところ、一定の面積があって、一定の直線コースがどれだけあって、あるいはUターンがあって、何々があって、これだけを備えておればよろしいという規定なんですよ。それでは、実際運転をしてみて、具体的詳細に見れば様式が全部違ってくるわけなんですよ。たとえば、何々は十メートルあればよろしいといえば、十メートルのところもあるし、二十メートルのところもあるでしょう。だから、全国の技能試験場というものはまちまちでやっている。従って、あそこが一番容易であるからというので、向こうでは受からぬからそこへ行けというので殺到してくる、こういうことになるわけです。これは検討をし、将来考えますということではいけないと思うのです。これはできるのです。一定の広さを持っていますから、多少の費用はかかりますけれども、中を少し変えれば全国統一した規格にすぐなるんですよ。どうですか。この点それほど緊急の必要性を感じませんか。
○橋本説明員 御存じのように、運転免許試験というのは、各府県の公安委員が各府県ごとに行なっているわけでございまして、確かに不統一な面の出てきている点があるわけでございます。それについても考えまして、ことしの四月から本庁の交通局に免許課をつくりまして、そういった指導をやっていきたいというふうに考えているわけでございます。
○楯分科員 それから、一昨日の新聞にも出ておりましたように、免許試験で、千葉県で数百名ですかの人に暗号で——試験場へ入っておって、せき払い一つすると一にまるをつける、二つだと二番にまるをつけるというので、暗号で解答コーチをしておったというのが、新聞にでかでか出ているんです。だから、日本語を知らない人で、そのコーチを受けて合格をした人が、何十人か何百人いるというのが明るみに出たわけです。学科試験の試験場というようなものも、これは検討する要があると思うのです。あなた方は、人手が足らない、費用が足らない、殺到する受験者に対して整理のしようがない、こうおっしゃるだろうと思うのです、答弁を求めなくても。しかし、間違えば人を死傷する運転者ですからそれだけでは済まないと私は思う。何らかこういう不正が行なわないような措置を考えておみえになりますか。このことはあなた方も十分御存じでしょう。この対策を一つお聞かせ願いたいと思う。
○橋本説明員 新聞にも試験の不正受験が出ておりましたけれども、われわれもこの点につきましては非常に苦心しているわけでございまして、どうも問題が大体何種類か何百種類かにきまってしまう傾向にあるのです。これはマルチョイ式でありますので、結局問題がきまりますと、この問題は三番なら三番が正解であるというようなことで、受験者が棒暗記をする癖が非常に多いわけです。この問題の正解が一番である、あるいはこの問題の解答は五番であるというふうに棒暗記をされる傾向がありますので、問題の組み合わせをいろいろ考えまして、同じ問題を出しましても、順列を組みかえる、つまり今まで三番のものが正解であったのに、きょうは一番の答えが正解であるというふうに、順列を組みかえてやってみましたり、いろいろ工夫をやります。それから問題が漏れないように内部で印刷をしておるというようなことで、不正防止につきましてはいろいろ考えておるわけでございますが、しかし十全の策ということは、——私たちも一応予想はしておりますけれども、せき払いなどということは、実は私たちの予想外のことでございまして、やはり上回ることが出てきますので、対策が少しおくれるということはございます。
○楯分科員 一週に二回か三回か試験をやっておるのですから、……毎日やっておるところもあるでしょう、問題の組み合わせを変えるなんといったって、これはきりがあると思うのです。道路運送法は大したことはありませんからね。そういうことではなくて、試験場の係官の増員とか、そういう監視といいますか、試験のやり方を考えなくちゃいかぬと思う。何百人も受験者がおって、答案を配る者が一人では、タバコでも吸って横を向いておったら、カンニングされてしまいますよ。そういうやり方ではまともなものはできないのじゃないか、こういうことを言っておるのですよ。あなた方は金がないから人はふやせないとおっしゃるかもしれませんが、しかし、それだけではこれは済みませんと言っておるのです。こういう対策をどうお考えになるか。試験問題の組み合わせなんということはきりがありますよ。道路運送法全部覚えたって大したことはないですからね。
○橋本説明員 おっしゃる通りに、受験人員が急増しておるものでございますから、確かに試験場の方は手不足でございます。それで予算を各県ともそれぞれ交渉はしておるわけでございますが、なかなかおっしゃるように思うように人員がとれないというのが現状でございます。しかし、私の方といたしましても、事務を合理化いたしまして、機械を使って能率化をはかるとか、あるいはなるべく事務の近代化ということを考えまして人手を生むようにするというふうなことで、なるべく余剰人員をつくりまして、そういった手不足を解消していきたいと考えておるわけでございます。よろしく御協力のほどをお願いしたいと思います。
○楯分科員 どうも答弁があたりまえのようなことになってしまうのですが、これは一つ間違うと、町へ出て死傷事故を起こすんですよ。だから、人が足らないとか、あるいは合理化をやって云々なんということでは解決できませんよ。これはもっと深刻に考えてくれなくちゃいかぬということを言っておるのです。だから、あなた試験場に行かれたかどうか知りませんが、私は全国を歩いたわけじゃありませんが、今の試験場に行ってみましたら、何でもできますよ。せき払いじゃなくても、あるところは幼稚園のような机に三人も四人も並んでやるのですから、ちょいと隣を見ればわかるのですよ。そういうことでは、人命を預かる仕事をやる運転者の試験にしては、あまりにもずさんである。これでは運転事故は絶えない、こういうことを言っておるわけです。しかし、あなたと私とここで質疑をやっておっても、同じような答弁しか出てこないと思うのです。長官も、こういう点十分考えて、自動車学校の行政指導、採点方法あるいは技能試験場におけるコース等については、一つ真剣に考えていただきたいと思います。 次にお伺いしたいのは、交通事故でもひき逃げが非常に多い。毎日これは出ております。私はひき逃げの運転者に対しては、厳罰をもって臨むべきだと思うのですが、この点どうお考えになりますか。
○橋本説明員 全くおっしゃる通りでございまして、ひき逃げは十分厳罰をもって臨まなければならないというふうにわれわれも考えております。
○楯分科員 日本の今のひき逃げの罰則と諸外国の罰則とを比較してみた場合に、どのくらい違いますか。
○片岡説明員 具体的に各国の法制をまだこの席でつまびらかにお答えできないと思いますが、法の立て方が国によって違うと思います。たとえばアメリカの場合には、ヒット・アンド・ランといったように、それ自身を刑法典の中に含んで考えていっているような国もありますし、日本の場合には、御承知のように、道交法の世界で、現場におけるそういう救護措置義務を果さなかった、こういう形で法条をとらえております。しかしながら、御承知のように、刑法典の業務上過失致死傷というのが原則でございますが、過失ではなくして、未必の故意で犯意がとらえられます場合には、傷害罪なり、あるいは場合によりましては殺人罪という形で相当重く罰せられておる事例もございます。そういう点につきましては、私どもも法務省の方といろいろ御相談しながら今後研究を深めていきたいと思っております。
○楯分科員 最後にお聞きしたいのは、東京都の自動車交通ですが、先日の新聞によると、七年後には東京都の交通量は二倍になる、こういうふうに警視庁の推定で出ております。今でも、時によると、ラッシュ時には車に乗るよりも歩いて行った方が早いといわれておる。ところが一方、道路の改修は、きのうも建設委員会で聞いてみましたのですが、オリンピックのときでも、道路率は今と変わらない。多少、四号線とか何号線ができるだけれども、変わらない。しかし自動車の方は毎年々々どんどん激増をして二倍になる、こういうことをいわれておるわけです。これに対して長官は、どういうお考えを持っておるか。これは、ただ、そうか、そうなるのか、こういうことでは私は解決しないと思うのです。警視庁の七年後における推定の、二倍の交通量に対して、何かお考えがありますか。
○徳安政府委員 その前にちょっと申し上げますが、先ほど交通事故を少なくするために、試験制度あるいはその試験の状態等について改善を加える必要はないかというようなお話がございましたが、これは非常にごもっともな御意見だと思いますので、閣僚懇談会等にもそうした問題を一ぺん話をいたしまして、処置を考えてみたいと思います。 それから今の、倍になるというな問題につきましては、私どもも心を痛めておるわけでありますが、結局これは今の政府の対策といたしましては、衛星都市を早くつくりますとか、あるいは東京都内に置かなくてもいいような官庁は都外に再配置をいたしますとか、過度の東京都内の人口集中を防止いたしますとか、さらに、うしろ向きになるかもしれませんが、今の東京都内におきます空地の利用、あるいは住宅、商店等の立体的な構造の改造、何か大きな手を打ちまして、そうして交通緩和をはかるという以外には、現在のところ考えられないのでありまして、もちろん交通機関の整備拡充等も必要だと思いますが、この対応策につきましてはほんとうに苦心いたしておりますけれども、これならば絶対にそうした事態に対しても間違いなかろうというような妙手は、今持っておりませんが、しかしそうした事態の来たることは予期せねばならぬことでございますから、あらゆる機関を動員いたしまして、政府の方でも熱心にこの問題に取り組みたい、かように考えておるわけであります。
○楯分科員 だから私は、この問題は一番大きい問題でありながら、一番等閑視されると言っては語弊がありますが、やや等閑視的待遇に置かれておる、こう思うのです。今長官がおっしゃったように、対策がないのですよ。しかも一方では自動車は二倍になるだろう、こういうことをいわれておる。だから私は、建設省、運輸省、あるいは労働省、そういうところに事故防止対策について質問をしなければならぬのですが、あなたの方の関係だけを質問しておるわけなんです。とにかくどこへ聞いても、まあふえるには違いないが、仕方がない、やむを得ぬじゃないか、努力するより仕方がない、どういう努力をするか、どうもしょうがないのです。自動車の生産をストップでもすれば別です。ところが、そういうことはできないでしょう。一番大きい問題でありながら——閣僚懇談会だとか、徳安さんがやられておる対策本部というようなものが一番力があるのだろうと私は思うのです。ところが基本問題調査会は、もう二年くらいになるのでしょう、何も出さぬじゃないですか。ことし出されるか知りませんが、そのうちにもどんどん自動車はふえる、交通は麻痺して困っておるのですが、対策をいつお出しになるか知りませんが、少なくも一年半以上はたっていると私は思う。一年以上はたっているでしょう。何も出ないでしょう。だから、非常に重要な問題でありながら、非常に軽く見られておる。これは私はいかぬと思うのです。だからこういう点について、徳安さんばかり責めても、これは解決しないと思うのですが、当面あなたが総元締ですから、一つ何らか解決策を早急に立てていただきたい、こう思います。 これで私の質問を終わります。
○櫻内主査 滝井義高君。
○滝井分科員 先日、私は予算の一般質問で沖繩の問題をいろいろ御質問いたしました。その際、特に予算に関連する問題について大事な二、三の問題点が残っておるので、あらためてその残った二、三の問題について政府の見解をただしたいと思うわけでございます。それは、われわれが沖繩援助をやる場合に、当然沖繩自身の問題と、それからアメリカの援助の状態、それらのものを十分把握して、日本の予算は組まれなければならぬと思うのです。 そこで政府にお尋ねをいたしたいのは——外務省はいらっしゃっていませんか、では徳安さんの方でおわかりになれば、徳安さんの方でお答えになってけっこうでございますが、まず一九六二年、一九六三年、一九六四年、この三会計年度におけるアメリカの沖繩に対する援助金とそれから行政費というものが、どういう工合に組まれておるか、まずもって御説明願いたいと思います。
○徳安政府委員 私の方でわかっておると思いますから、特連局長から今お答えいたします。
○大竹政府委員 沖繩の援助費でアメリカが出しておるものでございますが、アメリカはいろいろな形で出しておりますので、少し内訳をつけて申し上げますが、アメリカの国会で援助費として決議をされて出しておるものがございます。一九六〇年は六百九十六万六千ドルでございます。六一年は九百六十二万九千ドル、六二年は八百九十二万五千ドル、六三年は千六十万ドルでございます。六四年は、ことしの七月から始まる会計年度でございますが、これはまだ決定いたしておりません。
○滝井分科員 要求は。
○大竹政府委員 要求は、私の記憶では千四百万ドルから千五百万ドルの間であったと記憶いたしております。大統領教書に出ておりました数字でございます。 ただいま申し上げました数字は、アメリカの国会で決議されました援助金でございますが、申しました中にはアメリカ側の機関が使う管理費が含まれておりますので、その管理費を落として申し上げますと、六〇年が五百三十三万五千ドル、六一年が七百九十九万六千ドル、六二年は七百二十万三千ドル、六三年は九百六十五万ドル、こういう数字になります。以上申し上げましたのが、アメリカの国会の議決を経た援助金の関係でございます。 そのほか、現地の高等弁務官府が資金を持っておりまして、それから支出されるものがございます。それを申し上げますと、六〇年が二百九十七万五千、六一年が二百八十七万六千、六二年が百五十七万五千、六三年が百五十万ドル、こういう形になっております。それらの支出のうち、琉球政府の一般会計に組み込まれておるという金額を申し上げますと、六〇年が二百四十五万六千ドルでございます。六一年が三百十万五千、六二年が五百二十二万七千、六三年が六百五十六万五千ドル、こういうことになっております。
○滝井分科員 今アメリカの会計の状態、それから高等弁務官の資金等の御説明をいただきました。これはあとでなお質問をいたしますが、そうしますと、三十七年度の日本の予算で十億七千五百九十五万五千円を計上をいたして、そして七億一千二百九十万九千円の繰り越し明許をつけたわけです。この繰り越し明許の理由としては、アメリカの会計年度と日本の会計年度が違っておる、だからこれはどうしてもこういう繰り越し明許をつけざるを得ない、こういう御説明があったわけです。そのほか、いろいろ計画上の問題その他の御説明もありましたけれども、主たる説明は、繰り越し明許をつけなければならないのは会計年度が違うのだ、幾分向こうの準備の不足もある、こういうことだったのです。ところが、この三十七年度の補正予算でつけた繰り越し明許の要求書の理由を見ますと、五つばかりの理由をあげておるわけですね。それをちょっと読んでみますと、「上記の経費は、事業の性質上その実施に相当の期間を要し、かつ、事業が本年度内に終わらない場合にも引き続いて実施する必要があるものであるが、相手側との交渉の関係、計画又は設計に関する諸条件、気象又は用地の関係、事業遂行に伴う補償処理の必要、資材の入手難その他のやむを得ない事由により、年度内に支出を完了することが期し難い場合もあるので、本年度の支出残額を翌年度に繰り越して使用できることとする必要がある。」こういうのが繰り越し明許費補正要求書の総理府所管沖繩関係の理由になっておるわけです。問題は、相手側との交渉の関係というのは、一体どういうことなんですか。
○徳安政府委員 先般予算委員会でもちょっと申し上げましたが、三十七年度の予算につきましては、昨年の六月に、アメリカ側と覚書に対します交渉を開始いたしまして、調印が済みましたのは十二月の七日であったと思います。三十六年度までは、援助費は出ておりますが、大体向こうに学校の教員をやりますとか、あるいは医者をやりますとか、あるいはものを買って与えますとか、そういうような援助でございまして、日本の金を向こうの予算に入れて向こうで仕事をさせるというようなことはしていなかったのでありますが、三十七年度の予算から、初めて七億一千幾らという金を沖繩の政府の予算の中に計上して施行させることになったわけでありまして、従って、新しい事態が生じたものでありますから、このことに対する覚書に対しては、将来もございますので、向こうの言いなりになりますればあるいはもっと早く話し合いがついたかと思いますけれども、日本には日本としての立場もございますし、また日本の税金を向こうに持っていくことでありますから、たとい一銭一厘といえども、その使用につきましては厳正に、そして会計検査なども十分なし得るようにというような私どもの考え方から、沖繩琉球政府あるいは民政府との間の意見の調整にひまどりまして、とうとう十二月までかかったわけでございます。いよいよ覚書が交換されまして、事務的の手続を開始したわけでございますが、また、これにつきましても、やはり日本人同土の話ならば非常に簡単に話がつくのでありますが、先方が民政府でございますために、日本から参りましたものは全部向こうには翻訳をして解釈をされ、また向こうから来ましたものも、こちらの方ではそうした手続をとるというような関係から、いろいろないきさつで仕事が手間どりまして、送金して向こうの予算に組み入れて仕事をするというような事態に至らなかったわけであります。ようやく最近になりまして軌道に乗りかけたわけでありまして、三十八年度からは、この覚書、この形式、この手続が、よほどの大きな不満と双方に失態がない限りは、継続して更新するという考え方で組んでございますから、三十八年度からはやや順調に参ると思いますが、三十七年度はそういうような関係から予算が繰り越しをせざるを得なくなりましたということが実態でございます。そのほかの五カ条に対やる説明等につきましては、特連局長から御説明申し上げたいと思います。
○滝井分科員 そうしますと、三十七年度の予算をお組みになるときにそういうことはもうわかっておるはずなんです。というのは、岸・アイク声明、あるいは池田・ケネディ声明、あるいは沖繩の新政策に対するケネディ声明、これらのものによって——日本の予算というものは、昭和二十七年以来徐々に積極的になってきて、それらの声明を契機として三十六、七、八と、ずっとなってきたわけで、特に三十六年以降においてはそういう傾向が強くなってきた。それは大蔵省から出しておる三十八年度予算の説明書、三十七年度予算の説明書、三十六年度予算の説明書を見ても、全部沖繩の援助に対する書き方が違ってきていますよ。六年は五年よりか非常に積極的な書き方になっておるし、それから六年よりか七年は積極的になってきているのです。それは、そういう岸・アイク、池田・ケネディ、あるいは新政策と、こういう一連のものとつながってずっとなってきておるわけですね。ですから、当然恒久的な、人間の交流とか、物をやるという以外に、いろいろな建設的な予算を組もうとするならば、予算を組むときにやっておかなければならぬと思うのです。そういうときに一体何をしておったかということです。一体大蔵省は、この沖繩の予算を組むときに、特連局からいってきたのをまるのみにしておったかどうかということです。大体一月になってから繰り越し明許をやらなければならぬという、こういう不見識な予算の組み方はないと思うのです。もう年度が三月三十一日に終わろうとするときに、しかも、ようやくまあ参議院を通りましたけれども、二月にならなければ参議院を通らないという段階になって、何億という金の繰り越し明許をするような予算の組み方というものが一体いいのかということですね。三十七年度の予算を組むときにはわかっておるはずです。御存じの通り、昭和二十七年から三十六年までに百八十一億のわれわれのとうとい血税を沖繩にやっておるわけでしょう。今まで百八十一億やっておるのですよ。それだけのものをやっておるのですから、沖繩との間には十分意思の疎通ができ、あるいはアメリカの民政府との間にも意思の疎通ができておらなければならぬ。ところが、それを今ごろになって繰り越し明許をつけて、そうしてようやく去年になったら交渉がまとまりました、しかしその金は全部使わわれません、七億何がしの金は全部繰り越して昭和三十八年度になってから使うのだ、しかもその上に、三十八年度の予算については、ほとんど全項目について繰り越し明許をおつけになっておるわけでしょう。こういう予算の管み方は、大蔵省の今までの内地の予算の組み方に比べて私は非常にずさんだと思うのです。大蔵省は一体予算の査定をするときにそういうのを十分調査しておるのですか。それだけの予算を出す根拠を十分把握してこれだけのものを組んだのですか。
○赤羽説明員 お答えをいたします。 御質問の前段の方でございますが、なぜ昨年の十二月押し迫ってから補正を出したかというお話でございます。これは総理府の方からも御説明申し上げたかと存じますが、三十七年度は約十億の予算でございました。これを、予算を計上いたします当初におきましては、事業費にいたしまして大体七億程度の実態でございますが、それぐらいの程度の消化能力等は十分勘案して実は計上いたしたつもりであるわけでございます。ところが、執行に関しまして、こまかな細目でございますとか方法につきましてアメリカ側との折衝が意外に手間取ったために、年度押し詰まってから繰り越し明許をお願いするということのやむなきに至ったわけでございます。なお、繰り越し明許の補正におきましては、相手方との折衝の関係その他、いろいろ設計の変更でございますとか、用地の取得難というようなことが書いてあるわけでございますが、これを要すれば、結局その折衝に手間取りまして、それからただいま申し上げましたような設計の変更の問題でございますとか、用地の問題が起こって参りましたために、どちらかというと、そちらの方の理由は付随的な理由といういうようなことに相なっておるわけでございます。 それから三十八年度予算でございまが、三十八年度予算におきましてなぜ今度は最初からとっておるか、こういうお話でございます。三十八年度につきましては、三十七年度におきまして御説明申し上げました、相手方との折衝のために覚書をつくるのに非常に時間がかかるというようなことは、来年度も覚書の必要はあるわけでございますけれども、大体の方法ないし細目はきまっておるわけでございまして、ごつちの方の関係はあまり時日を要しないという見通しでございますしかしながら、予算の関係におきましては、十億から約十九億、やや倍増いたしておるわけでございますが、なかんずく、この倍増いたしました援助の中では、公共事業的な性格のものが従来に比して非常に大幅に増額されておるわけでございます。その種類も前年度に比較いたしまして非常に多岐にわたっておりまして、事業の性質上、年度内に全額の支出を完了しないということも見込まれますので、当初から繰り越し明許をお願いいたしておる次第でございます。
○滝井分科員 どうも今の説明では、結局アメリカとの交渉が長引いてうまくいかなかったということなんですよね。あと、土地の交渉がうまくいかなかったとかなんとかいういろいろつけたしの理由があるけれども、そんなことは、言われる通りつけたしです。こういうようにアメリカと日本とがお互いにパートナーシップをもって今後は対等の立場でやるのだなんということを言うのだけれども、沖繩の民生を日本の県並みに上げますということをお互いに言っておるくせに——これはケネディ声明でも言っておるわけですが、実際に金を出そうというのに、その金を出すことについてアメリカ当局が抵抗を示しておるわけでしょう。結果的にいえば、無理に日本は今出そうとしておるわけでしょう、繰り越し明許までつけておるのですから。しかも日本のこの予算のやり方について 一つの制限をつけられておる。先日私が要求をして出していただいた「琉球諸島に対する援助金に関する覚書」のC項を見ると、まさか大蔵省はこれでそうだということにはいかぬと思うのですが、C項を見ると、「これらの援助金が昭和三十八会計年度中に使用されることができるよう日本の関係法令に基づいて必要措置がとられるものとする。」こうなっておるのです。これは十二月の七日に調印をされたのですよ。補正予算が通ったのは二月ですよ。だから日本政府はアメリカの民政府からがっちりと、繰り越し明許をやらなければだめだぞというワクをはめられておるじゃないですか。こういう国内の予算の審議外の外交交渉でワクをはめられるなんというばかなことはないのです。そうでしょう。予算が通ってからこれが調印されておるというのならまだいいのです。ところが、あなたの方は、これは十二月七日に多分大竹さんは判を押しているはずです。そうすると、何ということはない、こういう繰り越し明許というものは、向こうからたがをはめられて、日本政府は泣く泣くやっているということですよ。そうでしょう、覚書の方が先行しているのですから。この点は大蔵省あたりは一体どう考えておるのか。
○大竹政府委員 援助費がだんだんふえて参りまして、日本側が相手がいやがるのを無理に押しつけておる、こういう印象が、この援助金の実際の交付が延びておりますために起こって参ったということもあろうかと思いますが、実際は、三十七年度におきまして援助金をきめます際も、アメリカ側あるいは琉球側とは十分に相談をいたしてきめたものでございまして、先方もまた、ケネディ大統領の声明と申しますが、アメリカの国全体の方針はよく了解しておられ、またわれわれもそのつもりで十分に話し合いをつけたものでございまして、日本から金を出すことをいやがっておるというふうに私どもは考えておらないわけでございます。ただしかし、先ほど総務長官からも御説明申し上げましたように、金として琉球政府に実際に交付をいたしまして、琉球政府がその金を自分の歳入に繰り入れて、自分の責任でこの事業を実施するというやり方は、三十七年度から初めて始まったと言っても大体過言でないような方法でございます。そこで私どもといたしましても、従来国会でいろいろ論議をされておる点がございます。たとえば会計検査をぜひやって、むだに使われないように、目的通りに使われるように十分に折衝をすべきであるというふうな御意見もございました。こういうことは私どもとしても当然であるというふうに考えたのでございまして、この覚書にきめましたようないろいろな事項を、むしろ日本側から積極的に、こういう方法でやりたいのだ——金をやりますについてはいろいろなややり方があると思いますが、今の考えは、予算でおきめいただきました通りに一つ一つ事項を特定いたしまして、その金がその通りに使われるようにそういう方法でやろうということでございまして、これを相手方に十分了解いたしてもらいまして、それに伴ういろいろな細部の取りきめをした、そのために時間が経過して参ったということでございまで、全体といたしまして、向こうがいやがるものを無理に押しつけておるというふうないきさつではない点を御了承いただきたいと思うのでございます。 それから二番目に繰り越しの点について、覚書で、御指摘になりましたように、「会計年度中に使用されることができるよう日本の関係法令に基づいて必要措置がとられるものとする。」こういう表現がございまして、日本政府は当然繰り越し措置をしなければならぬように押しつけられているじゃないかという問題でございます。これは私どもといたしましてアメリカにも十分話してあるのでございますが、あくまでも日本の関係法令に基づいてその範囲で措置をとるのであって、国会の議決も必要とするわけでございます。そういういろいろな国内関係の制限がございますから、われわれとしては、当然そういう制限のもとにできる限りの必要な措置をするという意味である、また本来から申しますと、繰り越し措置をするというふうなことはいわば変則でございまして、本来の筋ではないわけでございます。こういう点につきましては将来の先例として考えてもらっては困るというふうな点もアメリカ側に十分話してあるわけでございます。
○滝井分科員 先例としては困ると言うけれども、とにかくまだ国会で予算が通る前に、繰り越し明許の承認を得られないうちに、繰り越し明許をする覚書に日本政府は判を押しているのですが、こんなことが一体外交交渉でできるのですか。もし国会で否決されたら、これはだめになるでしょう。そうしたら国際的信義にはずれるじゃないですか。条約局長は来ておりますか。一体こういうことが日本の外交でできるのですか。国会でまだ承認を受けないうちに、先に日本政府がアメリカ政府と調印をしてしまう、こういう覚書ができるのですか。外務省にお尋ねいたします。
○小木曾説明員 今の問題についてお答えいたします。 現在問題になっております覚書は、国内法上の権限の範囲内で国内官庁同士で結びました了解のような性質のものでございまして、もちろん、そういった了解という範囲内でその効力を持っておるのでございます。それで、われわれといたしましては、今の覚書が国際的な取りきめであるという考え方はとっておりません。
○滝井分科員 国際的な取りきめでなくたって何だって、これは日本とアメリカとの間の外交文書であることには間違いない。そうでしょう。まさかこれは国内的なものではないですよ。日本の予算を拘束することになるのだから。拘束することになるから、政府は一生懸命にならざるを得ない。国会を予算が通る前に、繰り越し明許の承認が得られる前に調印する、こういうばかなことがありますか。この前私はこれをやらなければならなかったのですが、時間がなかったからやらなかったのですが、実際予算が通っていなかったら、こういうことは大問題ですよ。これはあなたを責めてもしょうがない。だが、あなたも調印者の一人——あなたに調印せしめるについては、総務長官が許可を与えなければならないわけです。こういう勝手なことを予算も通らないうちにやるというのはけしからぬですよ。だから、今後こういうことのないようにしておいてもらわなければいかぬです。 次は、日本の予算は三十七年度において十億組んで、七億一千二百九十万九千、援助金の全部が繰り越し明許になってきたわけです。それならば、アメリカの予算は、今御説明を受けましたが、一体どういうような繰り越しの状態、どういうように使い残しの状態があるかということです。これは六二年、六三年を説明して下さい。
○大竹政府委員 琉球政府全体といたしまして、六二年から六三年への繰り越しが大体三百万ドル程度でございます。それからその前年の六一年から二年への繰り越しが約二百万ドル、それからその前年の繰り越しが大体百万ドルという規模でございます。六三年から六四年への繰り越しは、まだ現年度でありますからわかりませんけれども、大体琉球政府全体の予算規模からいたしますと八%ないし一一、二%程度に当たっております。これは内容的には、やはり琉球政府の自巳財源でやっております事業でなしに、アメリカ側から援助してもらっております事業の繰り越しがほとんど大部分でございます。そういう状況になっております。
○滝井分科員 沖繩の予算の中の八%ないしは一一%を占めるかどうか知りませんけれども、とにかく六一年で二百万ドル、六二年で三百万ドル、それ以前に百万ドル、これで六百万ドル、六三年が六百万以上、約七百万ドルくらいありますよ。そうしますと、これは千二百万ドル以上繰り越しですよ。千二百万以上の繰り越しというと、ことしアメリカが、いわゆるケネディが予算教書で要求をしておるのは、さいぜんあなたの御説明にありました通り、千四百万から千五百万の間です。私の調べたところによりますと、これは行政費と援助費合わせて——援助費はプライス法を満額要求をしております。千二百万ドルですから。あと行政費が二百三十六万五千ドル、千四百三十六万五千ドル要求していますよ。そうすると、プライス法の千二百万ドルの満額にひとしいものが繰り越してきているのです。従って、どういう結果がアメリカの議会に出てくるかというと、ことしもまた大斧鉞を加えられますよ。沖繩に千二百万ドルの繰り越しがあるのに、何でまた千二百万ドルの金を沖繩につぎ込まなければならないかという議論が必ず出てくる。これは去年のアメリカの議会に出たのだから。そうすると、日本だけはまじめに、今度はアメリカの言う通りになって、かわいい沖繩のわれわれの同胞のために、十億円を倍程度の十九億円にした。ところが、それらのものが使われるか使われぬかわからないんです。アメリカも千二百万ドルまだ余っておるのだから。その上に、今度は日本も七億の繰り越し明許をつけて、さらに今度は、三十八年度の予算の十八億程度の中から、十三億ぐらいの繰り越し明許をつけてしまうのですよ。一体こういうような予算の組み方がいいのかということですよ。アメリカも援助するが、アメリカの方もどんどん繰り越していっておる。貧しい日本も、同胞を日本の内地並みの県にするために、なけなしの財布の中から血のにじむものを出している。しかし、これは繰り越しである。繰り越しするならば、必要なときにどんどん補正予算を組んで出していったらどうですか。何も先取りする必要はない。そういう金があったら、まず沖繩に金の必要なときにはいつでも出してやりますということで、その金を内地の貧しい階層なり、炭鉱政策なり、あるいは非鉄金属の政策に使ったらいいのです。そういうところには金をしびって、そして使わぬ金をたな上げする必要はちっともないと私は思う。これは一体大蔵省、どういう考え方ですか。今言うように、アメリカ自身の繰り越しも千二百万ドルぐらいあるのですよ。
○大竹政府委員 私の御説明がちょっとまずかったかと思いますので、もう一ぺん訂正させていただきますが、六〇年から六一年に繰り越したのは百万ドル、その次の年度が二百万ドル、その次の年度が約三百万ドルというふうに私記憶いたしておりますが、六三年度は、現会計年度でございますから……(滝井分科員「それがまた余る」と呼ぶ)あるいはそういうことになるかもしれませんが、申し上げましたのは、現在の繰り越しの状況は、滝井先生が今おっしゃいましたように、それらの数字の合計という意味ではないわけでございまして、六〇年から六一年に繰り越しました場合には、百万ドルの繰り越しが決算上出たわけでございますけれども、それらはまた六一年度において消化されまして、六一年度から六二年度に移る際の繰り越しは二百万ドルになっておった、六二年から六三年に移ります際には約三百万ドルになっておったということでございますので、現在の繰り越しは、前年度から繰り越された事業といたしましては約三百万ドル、琉球政府の予算にとってみますと、約一一%になっておると思いますが、それが現在前年度から繰り越されておるものでございまして、繰り越しがそれらのものの総計であるという意味ではございません。先ほどの御説明を間違えたかと思いますので、あらためて申し上げます。
○滝井分科員 それなら、マキューン民政官が書簡を出した、この書簡にどう書いてありますか。書簡を出したでしょう。琉球政府の行政機構に非常に不信感を表明して、マキューン書簡というものを出しておりますよ。たとえば三十八年一月十一日の毎日新聞や朝日新聞等に報道されている、このマキューン書簡を読みますと、「一、六二年六月末現在」(六二会計年度末)で債務負担行為をしていながら未出になっている前年度資金の繰越し総額は三百二十万ドルであった。これに六三会計年度(現在年度)の米沖繩援助費六百九十五万ドルを加えると一千万ドルを越え何らかの積極的な措置をとらないかぎり六三会計年度末(本年六月末)には五百万ドルあるいはそれ以上の未出額を繰り越すことになるおそれがある。米議会歳出委員会は新年度予算を検討する際、消化されない前年度資金に特に関心を寄せる。予測される多額の未消化金が生まれると六四会計年度の援助額に悪影響を及ぼし、援助割当額が減額される恐れがある。二、米国の沖繩援助計画事業の遂行がこのように不振なのは、援助費割当ての通達前に琉球政府が事業遂行に必要な設計や技術面の準備を完了していないことがあげられる。米国の援助による」云々、こう書いてあるわけです。だから、こういう意味の指摘をマキューン書簡でやられているわけでしょう。アメリカ自身がしているのですよ。そうすると、一体日本は予算を組むときに、沖繩の設計とか事業遂行の技術的な能力とかいうようなものを十分検討してお組みになっていないのですか。さいぜんの繰り越し明許の理由の中にもいろいろなものがあげられておりましたが、主たる理由は、会計年度の食い違いと、実施上の細目が結局うまく把握されていないということでしょう。だから、これは私は大蔵省にお聞きするのですが、一体沖繩の予算を組むときには、大蔵省はどういう方針で査定をしているのか、どういう基礎的な資料をもって査定をしているのか、ただ特連局から出てきたものにめくら判を押しているのですか。
○赤羽説明員 沖繩の琉球政府におきます執行能力、行政能力の点でございますが、ただいま御指摘のございました通り、琉球政府の予算は、八%から一一、二%の繰り越しがございますのは事実でございます。沖繩の技術能力、予算消化能力でございますが、いわゆる公共事業関係を中心といたします建築土木関係は、これは長年の基地建設の経験などございまして、かなりの技術能力を保有しているのではないかという工合に考えておるわけでございます。しかしながら、他方、船舶でございますとか、こちら側から援助費を出しております気象関係、そういったものにつきましては、技術能力、設計能力というものは非常に劣っておるのじゃないかというような事実がございます。しかしながら、若干考慮に入れなければなりませんのは、沖繩の財政法におきましては——沖繩の財政法は大体日本の財政法をまねしてつくってあるようでございますが、ただ一点だけ日本の財政法と違いまして、アメリカ式な財政法の規定があるわけでございます。それは繰り越しでございます。繰り越しが日本のものに比べまして若干自由になっているような事情もございます。今回三十八年度予算計上におきましては、御存じの通り、調査団を数回にわたりまして現地に派遣いたしておりますし、琉球政府の消化能力といったようなことは、大蔵省といたしましても非常に気を使って見て参ったところでございまして、今回お願いいたしてございますところの約十九億というもののうち、繰り越し関係の金は約十億でございますが、十億程度の金は使えるであろうという見込みのもとに計上いたした次第でございます。
○滝井分科員 十九億のうち十億くらい繰り越して、そのくらいは使えるだろう、こういうことでございます。あとでそれに返ってきますが、その前に厚生省来ていただいていますか。三十七年度の予算で二千二百二十一万五千円の沖繩の医師の派遣の経費が計上されておるわけです。今年は八千五百八十七万七千円になっておるのですが、一体沖繩の医師派遣の状態というものはうまくいっておるのかどうかということです。
○大竹政府委員 三十七年度には、無医村に派遣をいたしました医者が十五人おります。これは一年通しまして向こうにおったわけでございますが、そのほかに、歯医者でございますが、四人ずつ一班といたしまして、三回にわけて年間を通して派遣をいたしております。そのほかに、一般の技術援助といたしまして、肺外科の専門医でありますとか、あるいはらいの専門医でありますとか、そういうものを必要に応じて随時派遣をするというやり方をやっております。三十八年度におきましては、ただいま申しましたようなことを継続いたしますほかに、さらに長期間派遣をする医師の数をふやして考えております。その予算がふえておりますのは、人員がふえます関係と、それから向こうに派遣いたします医師の単価を上げていきたい、今まで長期派遣の医師は月額二百ドル余りでございましたが、これではなかなか適当な人選もできませんので、今回は四百ドル程度に引き上げたい、こういうふうな考えを持っておりますので、それらに伴いまして予算がふえておるわけでございます。実施の状況は、これはもう沖繩側で最も喜ばれておる事業の一つであるというふうに考えております。最初に無医村に十五名の医者を派遣いたしました場合には、若干の摩擦と申しますか、そういうものがあったことは事実でございます。向こうの受け入れ準備が十分でなかった点もございますし、あるいはこちらから行かれる方が十分に事情をのみ込んでおられなかったというふうな事情も若干手伝いまして、最初の何カ月かは若干摩擦を生じたというふうなこともございますが、その後におきましては大体順調にいっておるというふうに考えております。
○滝井分科員 最近沖繩の米民政府から、一年や二年の短期の医師の派遣は問題にならぬ、もう少し長期のものを派遣せい、こういう要請があったわけでしょう。そうすると、三十八年度は今二百ドルの給料を四百ドルに上げる、だから予算が二千二百十一万から八千五百八十七万七千円程度になったのだ、こういうお話があったのですが、その根本的な取りきめは一体どうなっているのですか。これは医務局は全然関係しないのですか。
○大竹政府委員 私どもが仲立ちをいたしまして、外務省を通じてアメリカ側と交渉するという仕組みでございますが、実際の人選あるいは医者につきましての内地側でのいろいろなごあっせんは、すべて厚生省にお願いをいたしておるわけでございまして、私どもといたしましては厚生省の御意見も十分取り入れまして、それを外務省からアメリカ側に話してもらっておる、こういう格好になっております。
○滝井分科員 ことしもうまくいきますか。
○大竹政府委員 ただいまアメリカ側から、短期の医者よりも長期の医者にしてもらいたいという希望が出ておることは事実でございまして、また厚生省側としても、その点につきましては全く同様な考を持っておられるわけでございまして、歯医者などは短期間でもけっこうだ、しかし、そのほかの一般の内科等のお医者は、やはり長期にわたって行かないと、なかなかうまくいかない、この点は厚生省も全然同様な感じを持っておられます。それで、相互に十分理解がいっておるというふうに考えております。
○滝井分科員 そうしますと、わが方の予算は短期の予算の組み方しかしていないわけです。派遣するだけですからね。四百ドルの給料だけしかないわけでしょう。そうすると、向こうに長期で行くとなれば、長期で行くような予算の組み方をしなければならない。だからこういう点が問題なのです。当初予算を組むときは、われわれ議員はこういう細目の予算の検討をやらぬままですっと通ってしまう。そうすると、あとからアメリカ側から、短期の医者ではだめだ、長期の者を持ってこい、こういうことでしょう。たとえば教科書だって、わが方は三十八年度に、四月に入学する一年生だけしかやるようにしてなかった。向こうは、それはだめだ、一年生から六年生まで出せ、こういうことになるのですよ。こういうところを、日米対等なんだから、わが方の予算は短期二年しか組んでおりません。アメリカはだめだ、これでいきます、このくらいのことが言い切れなくてはだめですよ。それは向こうが、短期なものはだめだと言ってきても、だめだと一撃のもとにやらなければだめです。キャラウエーやマキューンから言われると、そうでございますかと言って大竹さんさがってきちゃだめですよ。もう少しふんどしを締め直して、予算はこうなっておるから、それは来年のことじや、こう言ってしっかりおやりなさいよ。一体日本は自主性があるのですか。韓国の朴やなんかばかりが自主性があると思っておって、その自主性のあるやつがころころといくし、日本はもっと自主性を持たなきゃだめですよ。だから、まずアメリカとの対等の立場をとろうとするならば、沖繩問題で対等の立場をとることが大事です。どうですか、今年度の予算は長期のものですか、それとも、この八千五百八十六万は、今まで通り短期で行く予算ですか、これだけ簡単に言明して下さい。あなたの説明は非常にくどいから時間がかかる。
○大竹政府委員 長期のものとして考えております。
○滝井分科員 大蔵省、長期のもので間違いありませんね。派遣医師が一年か二年で帰ってくるんでなく、長期にこの予算でずっとまかなっていく。
○赤羽説明員 予算は一年分組んでございます。長期短期は何年くらいでございますか……。
○滝井分科員 今までは二年行ったら帰ってくるでしょう。
○赤羽説明員 二年交代と承知しております。
○滝井分科員 だからそれではだめだと言っておるのでしょう。そうすると、日本の予算の組み方も、長期体制の予算を組むとすれば、四百ドルだけの給料だけじゃだめでしょう。向こうにおける、たとえば退職して帰る手当とかなんとかいうものを日本政府としてはきちっとしてやらなきゃならぬ。そういう問題が出てくるわけです。予算が長期と短期とは組み方が違うのです。これは、沖繩で一生これから骨を埋めるような人をやる場合に、短期の今までの予算の組み方、ちょっと出張みたいな組み方と長期で行くのは、予算の体制が違うわけです。今こういうところが違っておるじゃないですか。片方は長期だと言い、片っ方は一年限りのものでございますと言う。予算は一年ですけれども、その組み方が長期のものか短期のものかでずいぶん違ってくる。
○赤羽説明員 予算は、一般の医師でございますが、一年度分組んでございますが、契約といたしましては二カ年の契約という工合に承知いたしております。
○滝井分科員 これで食い違いました。これは予算委員会に残しておきます。いいです。 次にらいの関係でお尋ねします。このらい対策援助金というのは、三十七年度に二千九百三十八万八千円組んでおるのです。これはプロミンなどの薬をやる経費だとわれわれは理解しておったが、そういうことで理解してさしつかえありませんか。
○大竹政府委員 ただいまの長期派遣、短期派遣の意味合いでございますが、実は私が長期と申しましたのは、二年契約の医者のことをさしておるわけでございまして、アメリカ側の希望いたしておりますのも、その意味の長期派遣でございます。今回若干問題になっておりました短期派追といいますのは、実は過去二年間継続して向こうに派遣した医師がこの一月に帰って参りまして、政府といたしましては、四月からあらためてまた同じような形態のものを派遣したいというふうに予定しておったわけでありますが、一月から四月までの間をどうするか、ここでこの二、三カ月の間のつなぎの医者を出すか出さぬかという問題があったわけでございまして、この二、三カ月くらいのつなぎの期間ならば十分な効果を上げ得ないのじゃないかという意見が、アメリカ側からも厚生側からもございました。こういういきさつでございまして、私が長期というふうに申し上げましたのは、これはアメリカ側が言っておりますのも、二年契約の医師と申しますか、予算としてはもちろん単年度々々々で組まれるわけでございますけれども、二年契約の医者のことをさしておるわけでございます。 それから、らいの対策の経費でございますけれども、これはプロミンを贈与いたします経費も一部に含まれております。しかし、ただいま先生が御指摘になりました数字は、これは沖繩のらい療養所、二カ所ございますが、その一カ所にアフター・ケアの施設をつくろう、この経費に充てる分であると思います。
○滝井分科員 そうしますと、これは薬品の関係が幾らで、そういう建設費が幾らかかるのですか。 それから、前の医者のことをもう一ペン確認しておきますが、アメリカが言っているのは、二年契約の医者をよこせ、こう言っているのであって、二年して帰る医者——われわれは、長期というのは、二年契約でなくて、ずっと、少なくとも沖繩に十年、十五年、骨を埋めるためにおる医者だ、こう理解しておったのですが、あなたの長期というのは二年契約だ、アメリカもそれを要望しているのだ。そうすると今までと変わらぬじゃないですか。今までと同じじゃないですか。それで間違いありませんね。
○大竹政府委員 長期、短期のことは、ただいま滝井先生がおっしゃいました通りでございます。 それから、三十七年度予算のうちでプロミンの関係が幾らかということでございますが、らい患者の医薬品は二百五十二万円でございます。それから療養所を建てます費用は二千九百三十八万八千円でございます。
○滝井分科員 予算費目が、らい対策援助金が二千九百三十八万八千円なんです。そうすると、プロミンの経費はどこか別に入っているわけですか。
○大竹政府委員 プロミンの経費は、南方同胞援護会を通じまして向こうのらい予防協会に送っております。
○滝井分科員 こういうような人道的な、レプラ患者の経費さえ、アメリカは繰り越し明許をさしてしまうのですからね。土地が何だとか、気象の関係がどうだとか、細目の交渉ができぬとかというけれども、こういうレプラ患者の二千九百三十八万円は、あなた方の覚書によると、身体障害者に対する職業補導訓練所の建設ですね。療養所でなくて、アフター・ケア施設ですね。こういうものさえ繰り越し明許で、建てさせないわけでしょう。一体こういうものがどうして建てられないのですか。もう去年の三月に予算が通ってしまっておるのに、それからまた一年もたつけれども、なおこのらい患者のアフター・ケアの施設ができずに、これをまた三十八年度に繰り越し明許をするのですよ。こういう人道的な問題でさえも繰り延べられておるじゃないですか。こういうところをどうしてもう少しあなた方はふんどしを締め直してアメリカに強硬に要求しないのですか。
○徳安政府委員 お話ごもっともです。私どもも実際歯がゆくてしょうがないので、外務省を通じまして——これは外交折衝ですから、外務省を通じて一生懸命に交渉してもらっておるわけなんですが、なかなか思うように参りませんので、私も昨年十一月に参りまして、向こうの高等弁務官にも会いまして強く要請いたしまして、とにかく十二月に覚書が調印できたというような工合でございまして、一切がっさい向こうに——そうした処置によってやりますものには基本的な覚書が必要だったものですから、延び延びになってほんとうに私どもは残念に存じておりますけれども、来年からはそういうことはないと思いますから、第一年目でございますから、一つ御了承いただきたいと思います。
○滝井分科員 歯ぎしりばかりしよっても外交は進まないのです。これは結局徳安さんが悪いのではなくて、大平外交が軟弱外交であるということを今あなたが物語っておるようなものです。外務省はどうしてこういうことをもうちょっと積極的にやらないのですか。その理由は一体どこにあるのですか。——外務省の条約局長は来ていないのですか。(「法規課長が来ている」と呼ぶ者あり)法規課長じゃだめだろう、こういう外交上の問題は。
○櫻内主査 番参事官が……。
○滝井分科員 ちょっと沖繩担当の参事官を呼んでくれぬかね。もう少し責任のある人が来て——分科会だからといって、そんなばかなことはないですよ。こういう人道的な問題さえもやれないのですから——じゃ呼んで下さい、先に進みますから。 こういうようにらい患者のアフター・ケアさえ建てさせぬような状態では納得できないのです。徳安さん、うんと歯ぎしりしておって脳溢血でも起こしたらいかぬから、あまり歯ぎしりはせぬように一つ……。 次に、もう一つ、沖繩関係の一番核心に入っていきます。このケネディ声明を見てみますと、「昨年の池田総理大臣のワシントン訪問に際し同総理大臣と私が討議した通り、琉球住民の安寧と福祉及び琉球の経済開発を増進するための援助供与について、米国と日本との協力関係実施に関する明確な取りきめを作成するため日本政府と討議を開始する。」こう述べておるわけですね。この討議を開始するためには、お互いに具体的な調査をしなければならぬと思うのです。一体この米国と日本との協力関係実施に関する明確な取りきめというものがまずできておるかどうかということです。
○大竹政府委員 昨年の三月に大統領の声明が出ましたあと、政府側といたしましては、必要に応じまして沖繩の調査をやったわけでございますか。その大統領声明を、四項でございます、三十八年度の予算をきめますにつきましても、アメリカ側と密接な話し合いをいたしました。今日その取りきめとして予定されておりますのは、今後沖繩問題について話し合っていく土俵をお互いにつくっていこうではないかということでございまして、アメリカ側からも日米協議委員会あるいは日米琉の技術委員会でございますか、こういうものを提案しております。あるいは日本側からも、そういうものはぜひ必要であるということを、あらかじめ同意見で申しておるわけでございまして、いずれそういうものができて、その土俵でお互いに毎年話し合っていくという形になるのではないかというように考えております。
○滝井分科員 そうしますと、まだ取りきめができていないわけですね。いわゆる話し合いの土俵が、日米協議委員会なり日米琉技術委員会ができないから、まだその取りきめは何にもできていないのですね。覚書以外は何にもできていないわけですね。
○大竹政府委員 形としてはただいまおっしゃる通りで、今協議会の問題を外務省で検討中と承知いたしております。
○滝井分科員 結局何にもできていないということです。何かぼそぼそっとおっしゃるけれども、できていないならできていないと、男らしくはっきりと、明瞭に勇気をもって答えて下さいよ。一体外務省は何をしておるのですか。ケネディ声明は昨年の三月十九日に出たのですよ。これもちょっと外務省が来るまで保留ですな。 そうしますと、何も取りきめができていない。一年間何をしておったか知らぬけれども、日韓問題ばかりにかかって、そして日韓で背負い投げを食うなんという醜態を演じておるわけなんですが、それならば、昨年度の予算で、七百四十万八千円の沖繩調査団派遣費という予算を組んでおるわけです。この予算は一体具体的にどう使われたか、これをまず御説明願いたい。
○大竹政府委員 ほとんど各省から数名の調査団を派遣いたしまして、それの所要経費に使われております。
○滝井分科員 そうすると、その調査団は、何か聞くところによると、三回くらい行ったらしいんですが、いつといつ、どういう構成で行ったかを、簡単に要領よく一つ御説明願いたいと思います。
○大竹政府委員 若干記憶に間違いがあるかもしれませんが、最初は六月の十五日ごろだったと思います。当時の総務長官が団長になりまして、総理府、外務省、自治省、経済企画庁、大蔵省、こういう編成でございました。それが帰りましてから、引き続き厚生省、農林省、通産省であったと思います。その次に建設省、運輸省、文部省でございますか、それらの省が参っております。
○滝井分科員 そうしますと、沖繩関係の重要な各省はほとんど全部調査に参ったわけですね。調査に行きましてどういうことをやったかを聞きたいわけですが、七百四十万八千円を計上する理由を読んでみますと、どういうことになっておるかというと、こういうことを書いておるんですね。三十七年度は三十六年六月の日米共同声明などを勘案して沖繩援助などの経費を大幅に増額しているのであるが、今後の沖繩援助に関する基本方針、援助方式などについては、沖繩の現状も詳細に調査し、日米琉の協議も経て合理的計画的なものとする必要が認められるため、調査団の沖繩派遣などの経費を計上したものである——七百四十万八千円と、こうなっておるわけです。当然、これは沖繩援助に関する基本方針と援助方式を、現状を見てきめるために行ったんだと思うのですね。そういう沖繩援助の方式について、現地においでになってどういう具体的な協議をしましたか。
○大竹政府委員 アメリカ側、それから琉球政府、日本の調査団と、これが集まりまして、琉球側のいろいろな、当時持っておりました計画、アメリカ側の計画を聞きましたり、あるいはまた、必要があります場合には沖繩島内の各地に現地視察をするというような方法で調査をいたしました。
○滝井分科員 そうしますと、計画は沖繩の計画を聞いたんですか、アメリカの計画を聞いたんですか、どちらの計画を聞いたんですか。
○大竹政府委員 いずれの側の計画も確定したものはございませんでした。これはもちろん、アメリカ側と琉球政府側と、最後的には調整いたしまして一本になる筋合のものでございますけれども、お互いにまだ研究中でございましたので、それらの素案を全面的に聞いて参ったわけでございます。
○滝井分科員 そうしますと、これはおそらくまず沖繩の経済安定五カ年計画だと思うのですが、この経済安定五カ年計画の所要資金は、アメリカ側のものは幾らで、沖繩の側のものは幾らだったのですか。
○大竹政府委員 これはただいまも申しましたように、アメリカ側の案と申しますのも、現地限りの高等弁務官府で立案中のものにすぎなかったわけでございます。アメリカの本国政府の了解を得たとか、あるいは本国の国会の了解を得たというふうな段階のものではなかったわけでございます。琉球政府がつくっておりましたのもまたアメリカ側と調整をいたします前のものでございまして、アメリカ側といたしましてもそういう状況でございますから、ただ日本の調査団が参りました際の一つの参考として提供するのだという態度でございました。アメリカ側自身もこれはまだ公表しておらないものでございます。また、そういう事情でございますから、すべて詳細について数字をつけてアメリカ側が説明したというふうなものではないわけでございます。従いまして、琉球側の負担幾ら、アメリカ側の負担幾ら、日本側の負担幾らというような比率をアメリカ側からわれわれに説明を受けたというような事実はございません。
○滝井分科員 国会ですから、何もこんな数字、秘密にする必要はないのですよ。だから、あなた方が、七百四十万八千円といえば、われわれの血のにじむ税金ですから、これを使って各省が、昨年の六月十五日以来三回調査に行った、従って、沖繩の開発のために、沖繩の民主を安定せしめるために、沖繩の経済を安定させて日本の県並みにするために幾らの援助が要るかということを知らずして、一体予算の審議ができますか。できやしない。そういうことを秘密にしておるから大蔵省もみんな間違っちゃうんです。さらけ出せばいいのですよ。秘密はないのです。沖繩に潜在主権も持っておるし、秘密は何もないのですよ。軍事基地の、核兵器を持っておるところは秘密かもしれぬけれども、あとは秘密はない。だから、そういう経済開発五カ年計画は一体どのくらい所要資金が要るのか、それによって日本の援助がきまってくるのですからね。それは御存じの通り、出す金は、さいぜんからいろいろ御説明があった通り、重要な項目というのは、土地改良とか、あるいは土地の調査の資金とか、治山治水の事業の援助金とか、護岸の資金とか、都市計画の資金とか、こういうような建設的なものがたくさん要るわけですからね。だから、こういう点もう少しはっきりさせる必要があると思うのです。こういう点をはっきりしないと、沖繩予算は審議できませんよ。私はストップをかけますよ。あなた方が言わなければ、大蔵省に言ってもらいますよ、大蔵省も行っておるのですから。あなたの方が言えなければ、行った各省の者に聞く必要がある。幾ら一体要るのですか。沖繩開発の五カ年計画、それによって日本の予算がついていくのですよ。
○大竹政府委員 私は隠しだてをして申し上げておるわけではないわけでありまして、調査団として参りまして説明を受けました事実をそのままに申しておるわけでございます。当時大蔵省も一緒に行っていただきましたので、大蔵省に隠しだてをしておるというようなことも全然ございません。私どもが三十八年度の予算をきめましたのは向こうで調査いたしましたときに向こうの考えも聞いたわけでございまして、こういう事業をやっていきたいというふうな考えはございました。そういうものをもちろん参考にはいたしております。また私どもといたしましては、沖繩の財政や経済をできるだけ内地の基準に引き上げたいという一つのねらいを持っておるわけでございまして、こういう点も考えております。あるいはまた、琉球政府の消化能力というふうなことも勘案しております。別にアメリカ側とたとえば長期経済の振興計画につきまして協定を結んで、その協定に基づいて援助をしておるという形ではないわけでございまして、ただいま申しましたようないろいろな立場、資料を勘案いたしまして三十八年度の予算はきめておるということでございます。
○滝井分科員 納得できません。それはあなた方が三回にわたって沖繩に調査に行ったわけです。行った理由は一体どういうところにあるかというと、沖繩援助に関する基本方針と援助方式等について、現地を見て方針を立てるために行かれたのでしょう。そうして沖繩の計画とアメリカの計画を聞いた、こうおっしゃった。聞いたその沖繩の計画は、一体総金額はどの程度でございましたか、アメリカの金額はどの程度でございましたか、それをここで言って下さいと言っておるのです。その金額が言えぬはずはないでしょう。
○大竹政府委員 計画は聞きましたが、ただいま申しましたように、全般につきまして数学を入れて聞いたという状態ではないわけでございまして、将来こういう事業を取り上げていきたいというふうな意味合いの計画を聞いたわけでございます。その際に高等弁務官も重ね重ね、これはアメリカ側としましても、アメリカの政府として決定した国の考えであるというふうなものではない、将来アメリカ側自身としてもこれがどういう取り運びになるか全然まだきまっておらないものであるから、そういう条件のもとで日本政府も参考にしてもらいたい、こういう形で聞いて参ったわけでございます。
○滝井分科員 大竹さん、子供じゃないからね。われわれだって内地で五カ年計画をつくった場合に、たとえばこの山を切り開いてここに湖をつくりたい、ここの山はこうトンネルをつくって向こうに通したいというような場合に、すぐに聞くのは何か。一体このトンネルをつくるのに幾ら金がかかりますか、この山を宅地にするのには幾ら金がかかりますかと、すぐ聞きますよ。それをあなた方が聞いてこないで、ただアメリカが、ここの山にトンネルをつくりたい、ここの山をくずして宅地をつくりたい、ここの港をよくしたいという、それだけしか聞いてこなかったというならば、税金を返して下さい。七百四十万八千円返して下さい。そんな官吏なら官吏としての役割を果たしていないじゃないですか。どうしてそれが言えないのですか。これはあなたではだめです。総務長官、あなた言って下さい。これが言えないなら私は言うまでがんばりますよ。
○徳安政府委員 先ほど特連局長が申し上げましたような関係で、私はもちろん向こうにも参っておらないわけでありますが、行った者が向こうの方の素案と申しますか、アメリカ側の未確定の案そのものを参考にいろいろ説明を受けたというだけだったそうでありまして、正式に総理府の方にもこういうものというような数字をあげた書類は何も参っておりません。そういう関係でございますから、私自身にはそういう書類は持ち合わせていないということは事実でございます。
○滝井分科員 それならお尋ねしますが、三十六年度から三十七年度に建設関係の経費がたくさん出ていくわけです。こういう建設関係の経費が沖繩の経済五カ年計画と何ら無関係に出ていくというなら、こういう経費は出してはいかぬですよ。できるまで待っべきです。私は党に帰ってそう申しますよ。何もわからぬでやみくもに金を、一文といえども、幾ら沖繩がわれわれの同胞といったってつぎ込むことはできぬです。しかも七百四十万八千円出して、現地に調査に行って、向こうから計画を見せられたけれども、その金額は聞かずに帰ってきました、しかしこれだけのものは必要だと思いますから、三十七年度分は繰り越し明許をつけ、三十八度も同じように繰り越し明許をつけてやりました、こういうなら五カ年計画と予算とは何の関係もないことになるから、この金は五カ年計画ができるまで、金額がわかるまで待たなければならぬ。そうでしょう。だからこの点は、まあ徳安さんが言わなければ、わが方に持ち帰って、いずれ総括質問でもう一ぺんどうせやってもらいますよ。どうしてあなた方は金を使って行っておって、秘密にしなければならぬですか。示されたのですよ。新聞にも内容は出ておるでしょう。およその金額は新聞等にも発表されておるでしょう。それをここになってどうして口を減して語らないのですか。もうこれは政治的判断ですから、あなたが幾らここで立ったって言えぬでしょう。徳安さんが言うか、徳安さんが総理とでも相談してきて、それを言ってもらうか、外務大臣が言うか。もし役人が行って、そして何にもあなたに報告をしなかった。沖繩の現地を見に行って——たとえば西表島港湾施設援助金として、白浜港、舟浮港調査に二百五十万、こういうように三十七年度はみんなそれぞれの固有名詞が出て、建設の金が計上されているのですからね。三十八年度も当然そうなっておるわけです。そうしますと、そのことは同時に沖繩の経済安定五カ年計画とどういう関係があるかということを、あなた方が行って全然やみくもに、こんな予算を組むはずはないです。やはりそれとの関連で、向こうが計画を出したら、それとこれと合わせてくることが、当然役人としての義務ですよ。それは予算執行の忠実なる公務員としての任務ですよ。ところが、そんなものは全然数字も何も聞きませんでした、ただ向こうがいろいろのものを建てたりつくったりするというそのことだけ聞いてきました、金額は何にも言いませんでした。そんなばかなことはないです。これは沖繩独自の琉球政府のつくっておる案と、アメリカの民政府のつくっておる案と二つの案があるということは、天下周知の事実なんです。一体その沖繩の案ならば幾らで、アメリカの案ならば幾らなんだ、そうすると日本政府はその案に対して一体どう対処しようとするのか、これが大事なところなんです。それをここの国会で何にも知らせぬで、つんぼさじきでこの予算が通せると思ったら、あなたたち言わなくたってけっこうです。そんなことではわれわれは通さぬです。
○大竹政府委員 私は事実を申し上げておるわけでございまして、この経済計画のアメリカ側が素案として検討しておりましたものの全貌を私どもがすべて聞いた、あるいは全体的な金額を聞いたという事実はないわけでございます。ただ当時、どういう関係でございますか、新聞に出ておりました数字は、私どもも控えて参っております。これは別にアメリカ側から私どもが直接聞いたということではございません。そういう点でお聞き取りいただきたいと思いますが、五カ年計画、一九六四年度から六八年度までの計画でございますが、千四百四十五億円になっております。それから項目といたしましては十三項目に部門を分けまして、各部門につきまして計画をいたしておるようでございます。
○櫻内主査 滝井君に申し上げますが、外務省が見えております。 それから時間が相当経過しておりますので、お取りまとめを願います。
○滝井分科員 そうしますと、当然これは分担が必要になってくるわけですね、これはまだ取りきめの問題が出てきませんけれども、沖繩の住民の安寧と福祉及び琉球の経済開発を増進するため、援助供与について日本とアメリカとが話し合うのですからね。これは私は何も架空のことを言っっおるのじゃない。ケネディ声明を基礎にして、池田総理とケネディとが握手をしながら話し合ったことを言っておるのですからね。それは書いてあるのだから、秘密にする必要はないわけですよ。そうするとこれは、日本の負担とアメリカの負担と琉球政府の負担との関係は一体どういうことになるのですか。
○大竹政府委員 これもお断わり申し上げますが、アメリカの高等弁務官府から私どもが直接聞いた数字ではございませんから、やはり新聞に出ておりました数字を記録したものでございますので、そういうお含みでお聞き取りいただきたいと思いますが、琉球政府の負担分が八百六十五億円、それからアメリカ側の負担が四百三十四億円、日本側の負担が百四十五億円、こういう形のようでございました。
○滝井分科員 ようやく新聞報道にかこつけながら言ったわけです。こんなものは早く言ったらいいのですよ。そう隠す必要はないのです。 そうしますと、百四十五億、これは率にするとどういう割合になるのですか。
○大竹政府委員 その数字を比率に直しますと、琉球政府が六、アメリカが三、日本が一、こういう割合になると思います。
○滝井分科員 そうしますと、おのずから日本政府のやるべき項目というものがきまってくることになるわけですね。どういう点できまってくるかというと、これは日本が潜在主権を持っている。しかしアメリカとしては、日本がアメリカの施政権の中に食い入るということについては頑強に拒否してくるわけですね。そこで日本のやる項目についてはおのずから限界が出てくるのですがね。日本がやるとすれば一体どういう項目が中心になりますか。
○大竹政府委員 ただいま申しましたのは、新聞に発表されたものを私ども記録して参ったわけでございます。三十八年度の予算をきめます際にも、アメリカ側と、ただいま出ましたような数字、たとえば三対一の比率で援助をしようというような約束は何もいたしておりません。あるいは日本側がこういう部門を援助して、アメリカ側がこういう部門を援助するのだ、援助事項の分担はこういうふうに截然と分けようじゃないかというようなことも何もきめておりません。私どもといたしましては、当時聞きましたことも、もちろん参考にいたしております。沖繩全体として見ますならば、御案内のように、基地経済と申しますか、こういうものの特色が非常に多いのでございまして、第一次産業あるいは第二次産業の方が非常におくれておると申しますか、こういう点を考えまして、私どもは、三十八年度の予算につきましては、主として重点を経済振興、産業開発という方面の経費に置いたわけでございまして、今後ともこういう方面に重点を置いていくか、あるいは教育あるいは厚生というふうな方面もさらに充実していくか、これは今後設置されます日米協議会、こういうふうなもので、お互いの援助政策を毎年調整しながら、無計画になりませんように進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○滝井分科員 時間がないからこれでやめます。 最後にちょっと外務省がいらっしゃったですから、さいぜん保留しておったところだけやりますが、らい患者のアフター・ケアの施設、いわゆる職業訓練施設の建設さえもはかどっていないわけですね。これについて徳安長官の方は歯ぎしりをしてくやしがっておる、こういうわけです。外務省は一体こういう点何をしておるのかということです。これが一つ。 それからいま一つは、三月十九日の沖繩新政策に関連するケネディ声明においても、米国と日本との協力関係実施に関する明確な取りきめをやることになっておるわけですが、この取りきめがまだ何もできていません。こういうことなんです。取りきめができなければ、沖繩の民生を日本の水準に向上せしめるという具体的な方式も何も立たないわけです。沖繩に三回にわたって、国民の税金を使って行ったけれども、どうも詳細なものは聞いてきませんでした、こういう答弁なんです。一にかかって責任は外務大臣にあるわけです。外交が進まないために、沖繩の国民生活水準を日本内地並みに上げようとしてもそれができない、こういう事態の一切の責任は外務省にあるのだが、外務省は一体そういう二点についてどういう交渉をしたのか。その交渉の経過と、そして向こうがどういう理由でそういうものを拒否し続けてきておるのか、これを一つ明白にしておいてもらいたい。
○番説明員 お答えさせていただきます。 今の御質問には二点ございます。最初の一点は、覚書及び覚書の細目に関することであると考えます。二十七年度の覚書は昨年の十二月に日米合意に達しておりますので、これは問題がございません。現在は、先般特連の方からの御要請によりまして、実施細目のことにつきましてアメリカ側と協議中でございます。これは三十七年度の予算に関することでございますので、できるだけ早く合意に達しようと思いまして、目下努力中でございますので、御了解をお願いいたしたいと思います。 それからもう一点の、ケネディ声明の経済技術援助の実施方法のことでございますが、これは昨年の十一月二日に外務大臣とアメリカの大使と会合されまして、経済協力の実施方法についてどういう方法をとったらいいかということを協議されました。先般も外務大臣から予算委員会で説明がありましたが、東京に委員会を設置し、そして沖繩の方に技術委員会を設置する、そういうことについて大体原則的な了解に達しておるのですが、これをどういうように実施するかということにつきまして目下検討中でございます。これは何分いろいろ広範な問題を含んでおりますので、よく検討して、将来問題が起こらないようにと考えております。ちょうど例を申しますと、鉄道を敷くに際しましてレールを敷くというような基礎工事になりますので、私たちもできるだけ早くこれを実現させたいと努力いたしておるのでございますが、近く成案を見て日米の協議に入ると思います。これは最大の努力を払っておりますので、御了解していただきたいと存じます。
○滝井分科員 結局、来てもらったけれども何もないということです。交渉中でございます、急がなければなりませんというだけのことです。こういう対米外交というのは、特に沖繩に関しては、実にだらしがないのですね。もう少し外務省ふんどしを締め直して大平さんのしりをたたいて、日韓関係はああいう状態でしばらくだめですから、今度は一つアメリカに向かって、綿製品の問題もあるし、沖繩の問題ももっと積極的にやらなければだめです。 これで終わりますが、最後にもう一点だけ尋ねたいのですが、この沖繩に援助した金が日本の援助の目的の通りに使われなかったときには、その金は取り返すことになっておる。これは一体取り返すことができますか。今言ったように鉄道を敷くためにした。ところがぐずぐずしてどうも鉄道を敷く計画ができないものだから、今度はほかのものに沖繩が使ってしまったとか、あるいは沖繩にいった金がほかの方にいってしまったということは、実地に行って検査することはできないでしょう。覚書にはこう書いてあるのです。「援助金の誤用」として「援助金が事業の本来の目的に従って使用されていない場合、又はこの覚書の条件に違反して使用された場合は、総理府は、高等弁務官を通じ琉球政府に対し、その誤用の是正を勧告し、又は援助金の一部若しくは全部の返還を求めることができる。」こうなっています。こんなことが一体可能ですか、使ってしまった金を……。しかも会計検査をやるときは、高等弁務官が許した場合でなければ現地に行ってみることはできない。しかもできてしまっている。これはそうなっています。
○徳安政府委員 外交上の問題や法律のことは私あまり詳しくは知らないのですけれども、しかし、今申されました覚書につきましては、日本政府も了承をし、アメリカ側も了承をして覚書に調印しているわけでありますから、もし、その施行あるいは使用にあたりまして、その覚書に反するような処置に出ましたときには、アメリカ側も、琉球政府を監督している建前からいって、その間違えました金額等につきましては、覚書に書いてあります通りに忠実に実行してくれるものと私どもは信じております。
○滝井分科員 そうすると、具体的にはどういう方法で日本に金を返しますか。鉄道を敷く金を出した、ところがその鉄道を敷くのにAという地区を通らなければならぬのにBという地区の方向に向かって鉄道を敷いておった。これは鉄道が完了してしまってから、今度は日本政府に通知してくるんですよね。そうすると、会計検査をしたいと思ったら、総理府は高等弁務官と琉球政府の同意を得て初めて現地に派遣していくわけです。ところがつくってしまったら違っておった、金を返せ、どういう方法で一体——たとえば日本政府が一億なら一億の金を沖繩に補助しておった、それを今度取り返すときには、三十七年度の予算の執行が間違っておったら三十八年度の予算を支出することを一億だけ停止しますか。それで日本の政府が日本の会計の中に入れることになるのですか。
○徳安政府委員 手続のことにつきましては私は詳しくは存じませんが、会計検査官を向こうにやって検査させることができるように了解もついておりますし、向こうでも一応条文の上では許可を受けて行くことになっておりますが、その監査に参りますときにはそれほどむずかしい手続を要しなくて、日本の方で入れました金につきましては、向こうの方で会計検査には応ずるという含みは十分ある条約でございまして、これは拒否されたりあるいはいかぬというようなことはあり得ないと思います。また、向こうの琉球政府におきましても、あれだけの政府でございますから、日本で投じましたものに対してもし違反するようなことがありましたら、その違反したものに対してこれを弁済し返済しあるいは弁償するというくらいの程度の負担力はあると思いますから、御心配の点もあろうかと思いますが、そういうときにはうやむやにしないように、必ず覚書通りに実行するつもりでございます。
○滝井分科員 外務省に要望しておきますが、今のような事態がありますから、よほどあなたの方は——これは徳安さんが幾らそうすると言ったって、今度大平さんとライシャワーとの間の話し合いができなければだめなんですからね。だから、そういう場合については、必ずその金は返すような方法を外交交渉できちっときめておかなければ、幾らここであなたがそう言明したって、また歯ぎしりすることになってしまう。だから外務省は一つしっかり、今のような点をできると言明しているのだからできるように、徳安さんの心配ないように、大平・ライシャワー会談できちっとしておいてもらいたいと思います。以上です。
○櫻内主査 午後一時十分より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 ————◇————— 午後一時十七分開議
○櫻内主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣、総理府及び大蔵省関係の質疑を続行いたします。佐々木良作君。
○佐々木(良)分科員 私は、川島長官に対しまして、主として行政機構の改革の問題について質問いたしたいと思うのでありますが、あらかじめ長官にお断わりいたしておきますけれども私はきょうの貸間でそう詰問的な質問をしようとするものではありません。御承知のように、行政機構の抜本的改革という問題はずいぶん以前から、またすべての人がその必要性を認めているものでありまして、この問題は、とは言いながらなかなか難事中の難事であると考えます。しかしながら、今度の臨時行政調査会の設置法の条文から見ましても、国会もこれにむしろ力を十分にかしながら協力的な関係においてこの難事中の難事の行事を行なうべき建前になっておると思います。従いまして、まだ調査会自身は活動中でありますから、おそらく長官としては、総理大臣としても、その結論を待っていろいろ検討したいということが中心になろうかと思います。しかし、御承知のように、臨時調査会というのは、まだ来年の三月ごろにならなければ結論が出ない、少なくとも来年の三月ごろまでを目途に仕事が進められていくということになっている。しかしこれを取り上げてやっておる最中に、二年も三年もこの国会で少しも中心的な論議も行なわれず、その間にまた関係の長官等も次々にかわられておるようなことでは、本格的にはなかなか取り組みがたい問題だと思います。従って、ようやく中間案なるものも提示されようとしておる状態でもありますから、お断わり申し上げましたように決して詰問しようというのではありませんから、一つ率直に川島長官からの御答弁をいただき、御所見の披瀝をいただきたいと思います。 順序でありますので、まず臨時行政調査会が発足して約一年たっておりますが、そして今申し上げましたように、新聞の伝えるところによりますと、大体三月ごろには各専門部会から行政機構改革の答申の骨子になるような中間報告がなされる予定だと聞いております。従いまして、現在の各部門の作業状況につきまして、簡単に事務局の井原次長からでもまず御説明願いまして、そして質問に入りたいと思います。
○井原説明員 お答え申し上げます。昨年二月十五日に初会合をいたしまして、委員会は昨日で四十三回、毎週定例開いております。その下に御承知のように三つの専門部会を置きまして第一専門部会は行政の総合調整の問題、予算会計の問題、第二専門部会が行政事務の合理的配分の問題、第三部会が行政の運営の問題と公務員に関する問題、中が四つの分科会に分かれております。それからその三つの専門部会のほかに、特別部会を昨年十月に設置いたしまして、七人委員の中の一人であります蝋山委員が部会長になりまして、首都圏の行政の問題について調査、審議をいたしまして、先月二十三日に特別部会報告なるものを七人委員会に提示いたしました。七人委員会としまして、目下その特別部会の報告並びに意見を検討の最中でございます。 先ほど佐々木先生からおっしゃいましたように、三つの部会各項目ともこの三月の下旬から四月の上旬にかけまして中間報告を七人委員会にする段取りにいたしております。中間報告と申しますけれども、大体過去一年調査審議をいたしました問題のあらかたの整理を終わりまして、それによって出てきます意見の骨子というようなものは、大体荒削りながらまとまったものが、中間報告という段階で出てくるのじゃないかと考えております。それをいたしまして、七人委員会の審議に乗せまして、一応中間報告の処理が終わりました段階で、全国大体七地方に分かれまして公聴会をやりまして、各界の行政改革に対するなまの意見を七人の委員が手を分けまして出向きましてじかに承る。それを改革意見の中に盛り込んでいくという作業を考えております。そうして大体三つの専門部会の作業は、八月一ぱいで完了いたしまして、あと調査、審議の重点が七人委員会の審議の方に移ってくるかと思っております。そういうことで時限立法であります三十八年度一ぱいに一応臨時行政調査会といたしまして、与えられた全部の日程を終わる予定で、その心組みで、会長以下鋭意調査、検討のまっ最中でございます。
○佐々木(良)分科員 状況は大体わかりましたが、長官にお伺いいたしたいのでありますが、佐藤喜一郎会長等がちょいちょい漏らされております話を承りますと、せっかく異常な決意を持って発足した調査会ではありますけれども、現状は各省、各官庁部局の権限の強化ないしは権限削限を防止するためのいろいろな暗躍活動が行なわれておって、従って調査会として作業はある程度進むとしても、なかなかほんとうの検討がやりにくい、こういうふうな状況がちらちら仄聞されるわけであります。御承知のように、元来行政機構改革の必要性は 言うならば、あまりにも強大化したところの官僚機構と、いわゆる官僚主義と称せられる形式官僚行政の非を早正しまして、そして政党責任内閣制のもとにおける忠実なる政策遂行を円滑ならしめるとともに、また、国民へのサービス行政を全からしめるものであると存じます。このような目的を達成しようとする調査会が、実際には事実上非常に強く官僚によって牛耳られるということは、これは自巳撞着もはなはだしいものだと私は考えるわけでありまして、その辺に長官もずいぶん苦心をしておられるところだろうと思いますが、率直なる一つ感じを御披瀝願いたいと思います。
○川島国務大臣 行政機構の改革につきましては、戦前戦後を通じまして幾回か計画されたのでありますが、そのつど成功はいたしておりません。ごく若干の手直しはありましても、根本的に行政機構の体質改善までは行なわれておらないのであります。一方これは経済の伸長、国運の伸展にもよりますが、行政機構というものは膨大化する一方であります。公務員の数も事務量がふえるに従って増すというようなやり方でありまして、官庁事務の簡素能率化もできておりません。これに対しましては、国民からもいろいろな批判がありますし、議会でもいろいろ御論議になりましたので、議会の御協賛を経まして、昨年から臨時行政調査会を設けて御検討を願っておるわけであります。どういう案ができますか、まだ私は報告を受けておりませんけれども、いずれにいたしましても、臨時行政調査会のできました案については、おそらく一部には非常な抵抗があろうと思うのであります。しかし、臨時行政調査会をつくりますときの内閣の決意は、すべての抵抗を排して行政調査会の意思を尊重してその実現に努力するということを国会でも申し上げてあるわけでありまして、私どもは日本の現在の状況に照らしまして、行政機構の改革は絶対必要だと考えておるのであります。ただ、これをやるにつきましては、ひとり政府だけでありませんで、国会議員の方々、一般の国民の御了解、御支援を得たいと考えて、こういう方面にもこれから順次一つ手段を尽くしていきたい、こう考えております。
○佐々木(良)分科員 設置法の三条におきましても、普通の設置法とは違った条文がのっけてありまして、そしてもし調査会でもって総理大臣に対して国会に報告をしてくれ、こういうような報告がなされるならば、総理大臣はその報告を尊重して国会へも報告して、そして十分に国会の協力を求めながら、同時にそのことは国民の納得の上に立って行政機構改革を進める、こういうことだろうと思います。従いまして、いろいろな困難があろうかと存じますが、今の川島長官の決意を承りながら、一そう一つ御努力を願いたいと思います。現状におきましてもいろいろなうわさが飛んでおりますが、格別第二専門部会等になりますと、具体的な権限事項が非常にあるものですから、むしろ膨大化、それを縮小、調整しようとするよりも、おのおの各省官庁の主張が多過ぎて、かえって逆の傾向さえたどろうとしておるような動きがちらちら聞こえるわけであります。従いまして、一つ十分関係の人々を督励されまして所期の目的を達成されるように御努力を願いたいと思います。 今お話のように、調査会はまだ活動中でありますし、中間報告もなされておらない状況でありますが、しかしながら、すでに数日前に一部新聞報道は、第一部会の中間報告の大綱、骨子になろうかと思われるようなものを発表いたしております。従いまして、このこと自身をすぐこの委員会の州上にのせまして、審議するということは早計であろうかと存じます。しかしながら、この骨子とするところについては、長官としてもいろいろお考えがあろうかと思いますので、一つ問題は微妙ではありましょうけれども、先ほど申しましたような趣旨に従いまして、長官の個人的な意見でもけっこうでございますから、承らしていただきたいと思います。いろいろ柱はございますが、まず大きな柱は三本ぐらいだと思いますので、その第一に国務大臣と行政長官との関係の問題について一つ承りたいと思います。 この国務大臣と行政長官との問題は、法上でもいろいろ問題がありましようし、歴史的にもいろいろ問題のあるところでありますけれども、帝国憲法時代と違いまして、新しい民主主義の憲法のもとに、議会制民主主義と申しますか、議院内閣制の建前に立って内閣が組織される場合に、この国務大臣と行政長官との問題というのは、この辺でやはりすっきりとした線を出すのが妥当ではなかろうか。格別政党内閣制の場合には、政党が国民に公約をしたところの政策を実施する機関としての行政府という意味で、それと、独特にずっと継続的にある官僚制度、官僚機構自身が政策を樹立してやっていくという従来の建前とはここに相当の開きがあろうかと思います。よい悪いは別にいたしまして、議院内閣制の建前からは、これはむずかしい問題であっても、どうしても触れなければならぬ問題だと存じます。大臣の数をどうのこうのということではなくて、むしろ国務大臣としての仕事と行政長官としての仕事とこれを区別して筋を立てていくのが妥当ではなかろうかと思いますが、せんだっての中間報告等によりますと、おそらくこれらが出ますとむしろ党側において問題は重大化するのではなかろうかと思います。しかし、今のような建前から、すっきりとした結論を私は出さなければならぬと思いますが、中間報告はこれに対しまして相当に思い切った案を出しそうな様子を示しておるわけであります。まずこの問題につきまして一つ率直な御意見を承りたいと思います。
○川島国務大臣 国務大臣と行政長官との関係につきましては、従来もいろいろ論議されておりまして、これを分離すべしという意見も相当にあるのであります。現在は国務大臣が行政府長官を兼ねておりまするが、閣議の形はむろん国務大臣として参加し発言をいたしておるのであります。しかし、実際を見ますると、国務大臣は自分の所管している行政府の長官としての発言が多いというのは、これは事実であります。しかし閣議そのものはそういう制度ではありませんで、国務大臣が集まって国策の大本をきめるというのが建前なのであります。そこで、一体これを分離するがいいか悪いかということは、学問上の議論と政治の実際上の議論と両面から検討しなければならぬのでありますが、むろん政府としてこれに結論を得ているわけではございません。また臨時行政調査会もまだそれに踏み切っておらないので、大体そういう調査をしているという程度に私は聞いておるのでありまして、私が国務大臣と行政長官は分離すべしということをたとい個人の意見としてもこれを打ち出すということは、臨時行政調査会の今後の調査活動にも多少の影響力を与えるということを考えまして、大体の結論が出たときに政府としての意見をきめたい、こう考えておるわけでありまして、この場合に個人的の意見を申し上げるのは、かえってあとにしこりが残るのではないかということを御了解願っておきます。
○佐々木(良)分科員 おそらくそういうことだろうと思います。しかし、御承知のように、閣議というのも、私どもも大体想像はいたしておりますが、長官が十分御承知のように、出てくる政策というのは、大臣が党の政策を持ち出すということよりは、むしろ逆に次官以下の各省でまとまった政策を、それを閣僚会議の形で持ち上げてくる場合の方が大体多い。今度出ておる法案にいたしましても、今問題の一番中心のような国際競争力何とか法にいたしましても、こんなものは別に自民党の政党としての政策の中に何もなかった。しかしながら現状にということでむしろ官僚機構の中でつくられた政策である。こういう官僚機構の中でつくられる政策というものが私は悪いというのではありませんで、それもいいところがたくさんあろうと思います。しかしながら、議院内閣制という建前からするならば、本来筋道が少しおかしい。その意味からいきましても、今度の行政機構改革の第一の柱として、この問題に対しまして十分徹底的な論議を尽くされて、妥当なる結論を得られるよう御努力を願いたいと存じます。 第二の問題は、予算編成に関する機構の問題でありますが、これは第一部会の中間報告らしいものの骨子になるものから想像いたしましても、総務院の中に政策局を置こうという構想のようであります。内閣の政策を統一調整してこれを予算化する、こういう方針にのっとりまして、従来から、大蔵省から予算編成権限をはずして内閣直属の独立機関に持っていこうという試みは、いうならば、歴代内閣がやろうとした懸案のものであったというふうに私ども考えております。それからそういう問題についての公聴会等におきまする意見も、ほとんどもうそのような方向を支持いたしておると思います。これも結論が出る前ということではありますが、これはいうならば、自民党政権の行政機構改革の基本方針ともいうべき状態で歴史的に取り扱われておる問題であります。従いまして、何らかの御意見はあろうと思いますので、長官の御意見を承りたいと思います。
○川島国務大臣 予算の編成権を大蔵省に置くか、内閣に置くかという問題につきましては、自民党でも、従来からいろいろな意見がありまして、大体内閣に置くべきだという意見が多いように私は承知いたしおります。臨時行政調査会でこれをどう扱うか、まだ聞いておりませんが、憲法七十三条の規定によりましても、予算は内閣で編成し国会に提出する、こう明記してありまして、予算の編成権そのものは内閣にあるわけでありまして、事務を大蔵省にやらせておることが建前であります。しかしその事務が行き過ぎまして、予算編成全部を今大蔵省がやっておるというようなことなんでありまして、この姿がいいか悪いかということは、まさに検討の余地ある問題だと思います。これは国務大臣と行政長官との権限と関連をいたしまして、当然行政機構の体質改善の場合に取り上げて、真剣に取り組んで考える問題だ、かように思っております。
○佐々木(良)分科員 先ほど申し上げましたように歴代の自由民主党内閣はこれに取り組んだともいっていい状態だと思います。第三次吉田内閣の行政制度審議会が、二十五年の四月の答申によって、主計局の事務などを総理府に移管しようというのをまず発表しまして以来、今申し上げましたごとくに、ほとんど歴代の自由民主党内閣はこの問題を取り上げておられ、特に第三次鳩山内閣のときには、いうならば、選挙公約ともいうべき方針を打ち出された行政機構改革の中の大きな柱になっておりまして、当時の河野行政管理庁長官は、非常に強気で、新聞発表等もずいぶんされながら取り組まれた問題であります。そうしていろいろ折衝はありましたがごとくでありますけれども、とにもかくにも、ついに多分三十一年の四月であったかと思いますが、財政法の一部改正法案の形で、いわゆる予算閣僚会議の設置法案が国会に提案をせられて、そうしてそれが事実は継続審議になって流れたという実情もあるわけであります。不幸にしてこれは流れたのではありますけれども、しかしながら繰り返して申し上げまするように、自由民主党が機構改革に取り組もうとするときには、常にこの問題は柱になっておった。従って、いうならば、各歴代内閣が思いつきでやっておるというのではなくて、政党責任内閣制という建前からするならば、自由民主党自身がほんとうは踏み切っておる問題だというふうにさえ私どもは理解をしたい状態だと思います。しかしながら、なかなかこれが困難であるというのは、これは言うまでもなく、大蔵官僚を中心とした非常に強い抵抗があることは、私どもよく知っておりますけれども、十数年にわたって日本の政権を完全に掌握されておるような強大なる政党が、歴代内閣がそれに取り組みながら、これに対して結論を本格的につけ得ないということは、むしろ政党政治自身を非常に私は危うくするものであるとさえも思うわけであります。私はこの際、特に奮起を要望いたしまして、重ねて一つ長官の御善処をお願いして御所見を承りたいと思います。
○川島国務大臣 お話のように、自由民主党でもこの問題真剣に考えておるわけです。それが反映いたしまして臨時行政調査会において取り上げて検討しておりまして、臨時行政調査会の結論が出ますれば、その実現については、政府は絶大な努力を払うべき義務もありますし、責任もあるわけであります。実は今度の臨時行政調査会につきましては、池田総理以下各閣僚とも、成案が出れば必ず実現するという決意のもとに法案を提出して御協賛を願って発足したのであります。ひとり予算編成権の問題だけではございません。すべての行政機構の改革につきましては、これを実現するという非常な熱意を持って池田総理以下当たっているということだけは、御了解願っておきたいと思うのであります。
○佐々木(良)分科員 広範な行政機構改革を行なうわけでありますから、広範になればなるほど具体的なさまつの問題の方がたくさん出てき過ぎる状態だと思います。今の作業状態を聞きのぞいてみましても、非常にこまかい問題がたくさん出てくるのであります。むしろ基本的な問題に対する取り組み方に対して、私はほんとうは政府の熱意が足りないと思います。これまで審議会等、そういうものを設ける際に、全然白紙で委任をして何かいい知恵があったら出してくれというのが建前でありまして、それが同時に、あとで質問申し上げますような審議会の墜落ともなって私は現われておると思う。本来の政党責任内閣制でありまするならば、基本的に大体こういう点とこういう点についてこういう考え方をしたいと思うが、具体的、技術的にどうだろうか、こういう諮問をなされるのが筋道ではなかろうかと思うのであります。今度の臨時行政調査会の設置法は、純粋に白紙の状態で検討するという建前になっておりますから、そのことはあるいは出過ぎになるかもしれません。しかしながら、長官自身が本気に取り組まれようとするならば、今申し上げたような柱としての国務大臣の問題があるとか、それから予算編成権限の所在の問題であるとか、その辺については、私はそうびくびくされずに、勇気を持って一つリードされるような、おれはこういう考え方を持っておるんだがどうかというような形で強力に諮問され、推進されるようにお願いをいたしたいと思います。 あわせて、これは質問でございますが、予算の関係でいつでもいろいろな角度から問題になっておりまするのに会計制度の問題があります。この会計制度改正に関する問題は、今度のこの臨時行政調査会でも検討の対象に今なっておりましょうか、承りたいと思います。
○井原説明員 ただいまお尋ねの件は、臨時行政調査会でも目下検討中でございます。ただ御参考までに申し上げますけれども、大蔵省の財政制度審議会の方でもやはり検討されておる模様のように伺っております。
○佐々木(良)分科員 設置法の目的は、行政を改善し、行政の国民に対する奉仕の向上をはかることをもって目的とすると、非常に大幅な目的が掲げられてあるわけであります。専門的に会計制度自身を会計、財政の部面からだけ取り上げることではなくて、実質的に検討をされることを私は強く要望いたしておきたいと思います。 御承知のように、現在の予算の実施状況から見ますと、四月一日から施行される予算が実際に仕事に回ってくるのは七月ごろになってしまう。この冬のまっ最中に道をほじくり返したりするような仕事が至るところにあるわけでありまして、このことは根本的に会計制度の問題と結びつくわけでありますので、私は十分なる検討をむしろ大蔵省の所管における委員会ではなしに、もっと大所高所から国政全般にわたる検討の建前からしていただきたい。大体次々に改正をされまして、世界的に見ましても、御承知のように、イギリスとか西ドイツとかいうのは同じように四月一日をとっておりますけれどもアメリカを初めとする諸外国が七月一日から始まっており、むしろヨーロッパの大勢は大体暦年の一月一日。フランスにいたしましてもベルギーにいたしましてもオランダにいたしましても、さらに共産圏の合理主義の国であるソビエト、それらも一月一日説をとっておるわけであります。これは鉄道の狭軌を広軌に直すのと同じほど、なかなか困難な問題ではあろうかと思いますが、予算施行の上から見まして、一つこの調査会において編成権限の所在を明確にするのと同じ並行的な建前で大幅な検討をされることを強く要望いたしておきたいと思います。 第三番目にお伺いをいたしたいのは、いわゆる審議会、調査会等の整理の問題であります。御承知のように、世論は、戦後行政民主化の名のもとに、雨後のタケノコのごとくに芽ばえ育ち繁茂したものに審議会という名のジャングルがある、相当突っ込んだ漫画化されたような意味でこういう文句が出ておりまして、いただきました統計資料によりますと、二百足らずでありますけれども、これはどういう基準の調査か知りませんが、私どもが議運や決算委員会等で伺ったところによりますと、現在でも大体三百近くも審議会、調査会みたいなものがあり、人数はまた三千人をこえんとするものであるといわれ、あるいは経費を合計すると四億円になんなんとするともいわれておる。そして行管に伺いましてもまた官房長官に伺いましても、どうもそれらの問題が的確に把握されておらない。これでは幾ら私どもが各委員会その他におきましてこの問題を取り上げましても、なかなか筋の立ちにくいのは当然と思います。従いまして私はこの際、これは川島長官が十分にこの問題について検討されんことを望むわけであります。もちろん審議会にはいろいろ種類もございまして、現実に資格得失のための審議会だとかあるいは訴願裁定のための審議会というような特殊な行政上欠くべからざるものもございますけれども、まあまあ大部分はむしろ政治や行政の当時者が当面の責任を回避しながら時をかせぎ、民意尊重という名のもとに大体自分の考えておることをオーソライズするという、むしろ害悪の方が多いような形で運営されている面の方が多かろうと私どもは推測いたしておるわけであります。従いましてこの問題については、申し上げましたごとくに、本院におきましても各委員会でずいぶん検討され強く要望されながら、この改善というものは一向その実があがっておらないわけであります。聞くところによりますと、川島長官も昨年の九月の何日かの閣議の席上で、審議会が多過ぎること、手当とかそういうものもばらばらであることなどを指摘されまして、行政管理庁で今後きびしく抑制整理していく方針だということを述べられて閣議の了承を得られたと承っておりますが、どうもその後も大して実があがっておらないように存じまするけれども、この辺の事情、御所見を承りたいと思います。
○川島国務大臣 佐々木さんが前にお話しになりました暦年制度、会計制度の問題とか予算編成権の所在等につきましては、国会でこういう御議論のあることは当然臨時行政調査会に反映いたしますからして、さらに臨時行政調査会でもって熱心に御検討願うことになろうと思っております。非常にいい御質問を願ったと思って、私としては感謝いたしておるわけであります。 それから審議会、調査会等は全くお話の通りでありまして、その相当の部分は責任のがれに審議会を設けるということがあることは、私も認めております。それでこそ行政管理庁長官になりまして以来、その整理をしようと思っていろいろやっておるのであります。整理は多少しましたが、一方また新しいものが出てきまして、総数で減らぬというのが事実は現状なのであります。最近もそれぜれの官庁に通達しまして、現在遊休的審議会がありますから、そういうものは一切整理しろということを通達して、今回答を求めている最中であります。むろん審議会の中には必要なものもありますが、私ども見まして、あまり必要ないというものはこれから積極的に整理をしたい、かように考えております。
○佐々木(良)分科員 議院運営委員会の観点からも、せんだっての議運の席上におきまして官房長官を通じて私どもも、必要なものとあまり実のあがっておらないものとをはっきり種別しろという要望を強く出しておるわけであります。ところが、御承知のように、これは各省がむしろ自前の形でやっておられるために、申し上げましたごとく、内閣で統一的な調査あるいは統一的な決断を下すことに非常にちゅうちょをされているように見えまするので、一つ川島長官の格別の御奮起をお願いをいたしたいと思います。 それからあわせて、今度は委員会の委員の任命の問題でありまするけれども、これも権限は行管にあるのではなくて、各省長官でありまするから、従いまして、これは川島長官にお聞きするのは無理ではないかと思いますけれども、しかしながら、これも内閣として一つの方針を持たないと非常にごちゃごちゃした結果に相なろうと私は存じます。大体現在の委員の選任方法というものは、いうならば非常に片寄っておって、特に私がここに指摘したいのは、いわゆる勇退官吏の待遇として取り上げられておることであります。私は必ずしも官僚を登用することを非難するものではありますけれども、いかにもそのやり方が便宜的、救済的であることは、少しお調べになればよくおかりになると思います。学識経験者という名のもとに看板がつけられたり、あるいはいろいろな形でつけられておりまするけれども、いうならば、済まぬけれどお前ここをもう勇退してもらいたい、ついてはあとはこういう口がちゃんとあるからこいつに、といわんごとき状態で委員の任命が行なわれておりますることは、大体長官も御承知だろうと思います。このような委員の任命の仕方が、むしろ委員会自身の機能を低下し、委員会の制度自身を冒涜する結果にさえなっているというふうに私は思うわけであります。格別一つ長官に御了承を願っておきたいと思いますのは、同じ役人登用にいたしましても、現業官庁の卒業官吏をその関係の委員会の委員に任命すること、これは例でありますが、たとえば運輸省の出身者を運輸省関係の審議会の委員に任命すること、それは理屈は学識経験者として十分役立つということになりましょう。しかしまた一方の理屈から言うと、そういう者の学識経験がまだ運輸省なら運輸省に必要だとするならば、勇退を迫る必要はないのでありまして、現役として十分にその有能なる能力を使ってもらえばよろしい、しかしながら、あとがつかえているからとっとと上がってくれといって上げておいて、使うところがないから審議会の委員に、という式のものがずいぶんにあるように拝見をいたします。私どもこれは議院運営委員会で了承を与えるときの問題としてたびたびこの問題は出ている問題でありまするので、特に長官の委員任命に関してのお考えを承りながら、今後の方針についての御努力をお願いいたしたいと思います。
○川島国務大臣 一般の審議会、調査会等の委員は、報酬の点からいってきわめて低額でありまして、それに任命したといって必ずしも優遇したという形じゃなかろうと思います。もっとも行政委員会になりますとこれは別でありますけれども、一般の審議会、調査会の方は優遇という意味じゃないのであります。ただ問題は、一つ人があまりたくさんの審議会、調査会の委員として任命されておるところにあろうかと思います。これはしばしば私ども問題にいたしまして、なるべく重複を避けてやりたいのですが、たくさんある委員会でありまして、民間から適任者を得るということは困難という事情もありまして、つい安易な道をとって頼みやすい人に頼んでおるということも事実であると思います。一つ人が十も二十もの委員会の委員をしないようにということは常に考えておるわけであります。役人がよして天下って審議会、調査会の委員になるのはいかぬというお話でありますが、それよりも問題は、最近できる公社、公団、事業団などに対して関係官庁の役人が天下ることでありまして、これはつい先ごろの閣議におきましても、近くできるその種の政府機関に対しましては、一切当該役所からは採用しないということを決定いたしております。もっとも技術的にどうしても必要があればこれは別でありますけれども、きわめて少数の例外を除いては、そういうことはしないということを閣議ではっきり最近に決定をいたしておりまして、政府といたしましては、常にそういう点には意を用いておるわけであります。
○佐々木(良)分科員 審議会のあり方につきまして十分御検討願い、善処を願いたいことは今申し上げた通りでありまするが、同時に、その委員の任命につきましても、申し上げましたごとく十分なる御配慮を願いたいと思います。 さらに、今長官からお話のありましたところの公団、公社あるいは特殊会社等に対わる官僚の天下りの問題でありますが、今私もその問題にほんとうは次に触れようと思っておったわけであります。御承知のように、公団、公社、特殊会社というようなものが最近次々に出てきまする傾向は、一つの流行みたいなものでありまするし、同時に、経済界なりその他の変り目の一つの現われだと思います。従いまして、私はこの傾向自身がそれほど悪いと思うものではありません。問題はその運用にかかっておると思うわけであります。従いまして、せっかくつくった公社、公団、特殊会社等が、今お話のありましたような天下り人事によりまして、官庁と同じような運営がされるのでありまするならば、こんなものを生む必要はないのでありまして、行政責任と企業責任というものを区別をして責任限界を明確にすることが目下最も必要な状況だと思います。私の関係する電気の問題を引っぱり出して恐縮でありますが、たとえば石炭政策の建前から、電力に石炭をなるべくたかせなければならぬという行政的あるいは政治的な政策がきまる。それは私はけっこうだと思うのです。しかしながらそのことを、一方におきましては完全な私企業の建前にあるところに押しつけ、そして押しつける前提として特殊な機関を、公団、公社みたいなものをこしらえていって、そこに官僚さんが巣くって、そして事実上、いうならば、これは悪いことでありますけれども、行政的な報復手段みたいなものを裏づけにして、その内容の政策遂行を私企業者に迫っていく、そうなりますと、これは私企業というものの建前をとっておられる、格別自由民主党の場合には自由主義経済の建前をとっておられながら、そこの経営というもの、またそこに働いておる労働者というもののどこに文句を持っていったらいいのか、責任の分界点が全然はっきりしなくなる。わが社がかくのごとく収支の悪くなっていくのは経営が悪いからだ、こういうふうに経営を変えていくならばいいではないかと労働組合から突き上げてくる。しかしながらこれは行政官庁からこうこうこういうルートを通じてほんとうはこういうふうに強制されておるということになると、それはそっち向きにわれわれの攻撃も行かざるを得なくなってくる。最近における無責任時代の標本みたいに、行政の責任、政策の責任遂行者、企業者なり労働者の責任、その責任の分界点が明確でなくて、ますますこの分界点がごちゃごちゃになりつつある傾向は、非常に私は憂慮すべきものだと存じます。従いまして、今お話しのごとく、公団、公社、あるいは特殊会社等の設立自身にも問題はありましょう。従って、これを内閣として規制するための何らかの手段があるのかないのか、あるいはあるとするならば、どういう方針で今度規制されようとするのか、同時に、天下り自身をどういう方法でチェックされようとするのか、御見解を承りたいと思います。
○川島国務大臣 公社、公団、事業団については、いろいろ問題があろうかと思います。私どもの方で官庁機構の膨張を押えておりますからして、その変形として公社、公団、事業団をつくろうというものもなくはないのであります。そういうようなものは断然押えるべきものだと考えておりますが、官庁でどうしてもできなくて、これを公社、公団もしくは事業団にやらすのがよいのだといって設立した場合におきましては、少なくともその首脳者というものは、民間の知識経験の豊富な人を充てまして、官僚ではできないような運営をすることに重点があるわけであります。従いまして、先ほどお話したように、そうした役員を得る場合には、天下り人事を一切排除しまして、民間から有能者をとろうということに方針はきめておるのでありますが、いよいよ民間からとるときに、はたして適任者があるかどうかということも、これは問題でありまして、民間の第一線で働いている人は、そうした政府機関の役人になりたがりません。これは収入も少ないし、その上に政府と国会の監督を受けるのですから、だれも進んでこないし、もう月経のあがった人では困るというのでもってああいう団体の首脳部を得ることには、政府といたしましても、常に苦心をいたしておるところであります。これが目的を達成するためには町ぜひ適格な人を得ることが必要でありますからして、今後ともそういう努力を続けたいと思います。ああいう政府機関が無責任になっているということは、制度の問題もありますけれども、人の問題にもよるのでありまして、りっぱな適格者を役員に選びますれば、佐々木さん御心配のことはなしに、事業がスムーズにいくのではないと、こうも考えて、それにも努力を払うつもりであります。
○佐々木(良)分科員 これは法律や制度でそう簡単にできる問題ではないと思います。あくまでもこれは政治の問題として解決をされなければ法律、制度でいこうとすると、かえってぎくしゃくして結果が悪くなることにもなろうかと思いますので、その意味での政治的な十分なる御配慮をお願い申し上げたいと思っております。 〔主査退席、正示主査代理着席〕 念のために伺いますが、国家公務員法第百三条第二項の規定は、いわゆる公務員の営業、企業、就職の禁止の規定でありまして、そうして第三項は人事院の承認によってこの禁止を解除する規定と相なっております。今のは公団、公社、特殊会社等でありますが、公団、公社、特殊会社という特別な機構ではなしに、あるいはそれも含めまして、一般会社に対します官僚の天下り的な動きもまた最近における一つの傾向かと存じます。従いまして、これは、人事院総裁がおいでになりますから、ちょっと念のためにお伺いいたしますが、最近における人事院の承認を得た件数つまり国家公務員法第百三条第三項によって人事院の承認を求めてきて、それに承認を与えた件数というのは、大体どれくらいになっておりますか。傾向をお伺いいたしたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 ちょうど表を持ち合わせておりますので、昭和三十五年、三十六年、三十七年について申し上げます。 大体でこぼこはございませんが、三十五年の申請受理件数は百二十一件、三十六年が百六十件、三十七年が百六十四件その中で不承認になったものは、比較的に少のうございます。一件あるいは五件あるいは二件、最大五件という程度であります。たただし、これは各省で事前に、これはどうだうということで下打ち合わせに持ってこられるのがずいぶんありまして、これはとてもいかぬぞということで話し合いで取り下げられるものがこの裏にだいぶ隠れておりますから、この数字だけでは正確なお答えになりかねると存じます。
○佐々木(良)分科員 基本的に、この問題は憲法の就職自由の原則と関連をいたしまして、なかなか困難な問題かと存じます。しかしながら、官僚制度自身を最も純粋にするためには、この問題は非常に重要にして必要な問題であろうかと存じます。 長官、今お聞きのごとくに、本来二年間は、関係のある会社企業活動に従事してはならないという法の精神である。しかしながら憲法の建前もあるし、同時に必要な人はやむを得ないという意味で、人事院の承認を得て、二年間以内でも就職をさせている状態である。ところが、今御報告がありましたように、三十五年からの三年間を見ましても、三十五年が百二十一件、三十六年が百六十件、三十七年が百六十四件、漸増の傾向をたどっておる。しかも、これを不許可にしたものは、今お話にありましたごとくに、ほんの数件にしかすぎない。いうならば、言うてくれば大体通さなければならぬという実情かと思います。これも制度として見る場合には一長一短はありましょうけれども、先ほどの公団、公社、特殊会社等の問題と関連をしまして、一つ十分に吟味をしていただきたいと思います。 時間がございませんので、内容の詳しい問題には触れがたいのでありますが、最後に私は、川島長官に対しまして、いろいろ要望を申し上げましたけれども、官吏はそれ自体が崇高な職務でありまして、再就職のための足場ではないはずであります。しかしながら現実には、幾らおそくとも大体四十四、五才なり五十才になれば勇退しなければならないという現在の公務員制度自身にも非常に大きな問題があろう。従いまして、より根本的には、現在出世街道を歩かれる秀才官僚にとりましては、おのおのの職場は出世競争の試験場でありまして、職場本来の任務に落ちついて挺身し得る状態になっていないところにあろうかと思います。従って、これらの官吏の基本的な問題について十分に検討されんことを私は望みたい。行政改革ということは、ややもすれば機構改革ということが中心になりがちでありまして、従って行政改革といえば行政機構の改革、同時にまた職務権限の調整というものが表面に出過ぎる傾向があると思いますが、今度の臨時行政調査会の設置法が明示しておりまするごとくに、行政自身を改善して、行政の国民に対する奉仕の向上をはかることが調査会の目的であり、同時に行政改革自身の根本的な目標であろうと存じます。従って私はこの際、そのような公務員制度自身の抜本的な検討を強く進められることをあわせてお願い申し上げて質問を終わりたいと思いますが、御所見を承っておきます。
○川島国務大臣 行政改革の問題は、機構以外に、運営の問題、人事管理の問題、いろいろございまして、今佐々木さんの仰せのようなことも、当然機構の改革と同時に並行して検討しなければ、終局の目的を達しないわけでありますから、その点にも十分これから留意をいたしまして、行政機構全体の改革がうまいくようにいたしたい、かように考えております。
○佐々木(良)分科員 次に、大体人事院総裁中心に二、三お伺いをいたしたいと思います。 今長官との間にお話をいたしておりました行政の改革問題は、目下調査段階で活動中でありまするが、この中間報告の骨子となるべきものの中におきましても、行政委員会は内閣から独立性を目下は与えられているけれども、他の行政官庁と同様に、内閣の指導監督に服するように、そういう方針で検討したというような形で、中間報告の骨子らしいものの中に、人事院を含めた行政委員会の性格変更の方向がちらりと見えております。同時に、今国会の重要問題でありまするところのILO八十七号条約批准の問題と関連するところの国内法整備の問題について、人事院の改組問題が爼上に上っておることは御承知の通りだと思います。私は、人事院というのは、公務員の、いうならば団結権を取り上げてそれの引きかえで、むしろその代償として設置されたような性格と経緯を持っておるものでありますから、当然に政府から独立性を強力に持たなければ本来の任務は行ないがたいと思う。それが逆に、今の調査会の検討の方向も、今の内閣でILO八十七号条約の批准問題と関連をして爼上に上っておるという方向も、むしろ私が期待するような人事院の独立性を強化し、人事院の任務を十分に行なわしめるような方向ではなくて、これまでの人事院はいうならばあまり役に立っていないからというのではなかろうかと思いますが、逆に人事院の権限を弱め、そして行政監督指導が十分行なえるような方向に持っていかれようとしておるわけであります。私自身の考え方は、それは逆行的な方向であると考えるのでありまするが、人事院総裁のこの問題の方向についての御所見を承りたいと思います。なお、ILO問題との関連につきましては後に質問をいたしますから、基本的な考え方を承りたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 ただいまお示しのように、この行政委員会というものの始末についてはかねて問題になっておりましたことは私も承知しておりますが、これは行政委員会と申しましてもいろいろな種類がございますが、その中で少なくともこの人事院は、その性質、任務から申しまして強い独立性を与えて当然しかるべき存在である。このことは釈迦に説法でございますけれども、明治憲法の古い官僚制度の時代でさえも、高等試験、普通試験の試験委員というものは独立性を認められておりましたし、あるいは文官懲戒委員会あるいは文官分限委員会、これはみな独立機関として認められておったわけでありますから、沿革的に見ましても、この独立性というものの必要な点につきましては問題のないことと私どもは考えております。とりあえずお答え申し上げます。
○佐々木(良)分科員 それにもかかわらず、今度の議会に提案をされようとするILOとの関係におきましても、それから今のような調査会の方向にいたしましても、なぜそのような逆行的な改組が話題となっておるのか、原因はどこにあるとお考えになりますか。私どもがちょっと見ましても、それはむしろ予算編成のやり方や各省権限の問題やまた人事院内部の人事官の構成の問題やいろいろあろうかと思いますが、率直にいってあまり仕事になっておらぬということが一般世間の話題になっておるということではないかと思いますが、仕事になっておらぬとするならば、仕事にするためどこが今工合が悪いのかという点が中心にならざるを得ないと思います。理屈としても、それからわれわれが考えても、方向は独立性強化のはずであるのに、なぜ今のような逆行的な方向が現実の議会でも、普通の行政調査会等でも問題になるのか。その辺に対して吟味をされておりますかどうか伺いたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 先ほど行政調査会のお話——ただいまも出たのですが、この人事院を目ざしてまさかそういうことを行政調査会がお考えになっているとは、実は夢にも私は思っておりません。先ほど私の申しましたような考えは、当然常識的に結論が出ることだと思っております。従って、人事院に対するいろいろな見方というものはございましょうが、私は就任以来あまり間もありませんけれども、独立性、中立性あるいは公平性というような本質から申しまして、どうもえてして派手な活動というものはなじまないというような必然的な宿命があるように思います。従ってあるいはPRが足りないということもございましょう。そういう点もあると思いますが、そう深く思い当たるところは私にはございません。
○佐々木(良)分科員 人事院の外的要件でありますところの予算の編成の仕方の問題でありますとか、各省権限の問題とかいうことにつきましては、別の機会に譲りましょうが、しかし人事院内部の問題におきましても、たとえば人事官の構成について労働代表を加えるべしとか、その権威を高めるためのいろいろな意見が出ているように思いまするが、人事院の内部の権限を高めるための措置として、人事官の構成等の問題について検討されておりますかどうか、承りたいと存じます。
○佐藤(達)政府委員 率直に申しましてこれをどう改めていくかという面までは検討しておりません。ただいまの体制をどう活用していくかという方面に重点を置いて考えております。
○佐々木(良)分科員 それではその問題はまたに譲ることといたしますが、私どもが率直に考えてみましても、人事院の本来の目的から見まして、大体普通の構成のごとくに、政府と公務員側の代表と学識経験者という形、大体この三本の足に立つような人事官構成を考えられてはどうかという問題、並びに各官庁におきまして、たとえば人事協議会のようなものを設置をされて、そうして人事協議会の中に似たような三本立ての人を配して、そして人事院の方向なり運営なりと各省の中における当局側と組合側といいますか、公務員側との問題の具体的な調整をはかられてはどうか、こう思うのでありますが、一つ十分に御検討をお願いいたしたいと存じます。 次に、先ほどちょっと触れましたごとくに、ILO八十七号条約との関連におきまして、総裁の、率直な御意見を承りたいと存じます。 私はILO八十七号条約は、労使の自由な団結とその活動を保障するための一般原則を定めたものでありまして、人事院の、おそらく御承知の二分割案を中心とするような人事院自身の改組というような問題は、条約の趣旨とは別に何にも関係のないものだというふうに考えまするが、八十七号条約と人事院の改組という問題がどうして結びつくのか、私にはどうにもわからぬのでありますけれども、総裁の率直な御意見を承りたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 法律でかちかちに固まっておりますせいか存じませんけれども、私にはただいまのお尋ね通りに、必然的の結びつき、すなわち人事院の改組とILO条約との必然的な結びつきはどうもはっきりわかりません。
○佐々木(良)分科員 わからぬということは、おそらく総裁のこれまでの経歴から見まするならば、法律的なことはむしろ十分わかり過ぎるほどわかるので、関係をくっつける趣旨がわからぬということだろうと私は了解いたします。従いまして、これはくっつきがたいという感じで、ILO八十七号条約の批准とこの問題をなぜ関係させなければならぬのかわからぬ、こういうふうに私は了解をいたしたいと思います。そしてむしろ人事院の改組を含む人事行政機構の改編という問題は、公務員制度全般に適するところの問題でありますから、今度のようなILO八十七号条約批准というような部分的な問題とは切り離して、別途に広範な問題として基本的に検討すべきである、そして検討すべき時期であると私は考えるのでありますが、総裁の御意見を承りたいと存じます。
○佐藤(達)政府委員 ただいま御指摘のような問題は、実はもう数年前からございまして、そのつど大体同じような方向の案が準備されておったように思いますが、これらの法案の内容を拝見いたしますると、どうも公務員制度の上で相当重大な問題に触れておるという点においてわれわれとして納得できないものもあるということから、従来人事院といたしましては、今ちょうどお話がありましたように、もっと根本的に広い視野で一つ再検討をしていただく、これなら別であるけれどもというような態度を表明して参っておるわけであります。
○佐々木(良)分科員 重ねて先ほどの問題をもう一点伺いたいのでありますが、今のお話のように、ILO問題とはむしろ切り離して、根本的、基本的な問題として、人事行政機構全般の問題として取り組むべきではなかろうかという御意見、私は賛成でありますが、今度爼上に上りそうな、ILO八十七号条約との関連においてなされようとする人事院の、いわゆる分割案なるものは、これは独立機関である人事院の権限を縮小することでありまして、むしろ労使関係というのは、労働条件を労使が対等な関係できめていくということであるのに、人事院というものが事実上はずされて参りますと、現在団結権も何も持っておりませんから、政府が一方的にそのような労働条件を、公務員に押しつける結果になるというふうに私は心配いたしておるのでありますが、この方向に対しまして、そのような危険性があるとお考えになるか、人事院総裁のお考えを承りたい。
○佐藤(達)政府委員 先ほど幾多の根本問題があると申しました、その一つが、ただいま御指摘の問題であろうと思います。団交権を否認されておるという、その代償として人事院の勧告権があるというようなことを、簡単にいわれておりますけれども、実は勧告権イコール団交権の代償ということではないのでありまして、現在の公務員法、給与法の建前から申しますと、勧告をいたしまして、そのあとそれに基づく立法ができますと、今度はその立法の実施、すなわち給与の基準的事項は、人事院でおあずかりしてきめておるわけであります。そしてこの給与の基準にかかるような事項と申しますのは、普通の団交の場合においては、団体交渉権の内容になる事柄であるということになりますと、その部分が、人事院からはずれるかはずれないかということは、これは相当深刻な問題になろうと思います。そういう点では非常に心配をしておるわけであります。
○佐々木(良)分科員 大体給与制度のみを人事院に残しましても、今お話のように、勧告制度だけでは、団体協約にかわって公務員を保障する結果にはなりがたいという点を苦慮されておると私は思います。私も同感であります。従いまして、そのような方針に従って、一つ十分に御検討と御活動をお願いいたすわけであります。 時間が参りましたので、これで質問を終わりたいと思いますが、特別この際に、私は人事院総裁に対しまして、その独立性を強化し、人事院の設置目的を十分に果たし得るための積極的な改正こそ必要であれ、それを逆行させるような方向はまことに遺憾であって、これはとるべき道ではないことを強く主張するとともに、むしろこの際、積極的に、改組を必要とするような措置について、具体的に現行制度上の矛盾を指摘されて、改正案を提示され、政府、国会並びに一般国民に対して、強く訴えられることを私は希望するものであります。そして、断じて逆行的な改組などは行なわさせないという決意を固めて善処されんことを望みます。人事院自身、これまでややもするとだんだんと、何だか妙な、じゃま者扱いをされてくるゆえんのものは、人事院自身が果たさなければならない役割を、結果として十分に果たしていないところにあると思います。たびたび他の委員会におきましても、たとえば勧告の時期等の問題に関連をして問題が出ましたが、その勧告の時期一つをとらえてみましても、人事院側には、おのおの調査等の必要上から、夏という時期が選ばれるのでありましょうけれども、予算関係から見ると、奇妙なときに提示されることになる。従って、もし人事院がそのような時期を選ぶことが、当然に必要であるという前提に立たれるならば、内閣側に対して、当初予算の際に、このような方向で大体見積もりの見当をつけたという予算案を当初予算に組まれて、そしてあとで調整するための財源としてのみ補正を組めばいいというふうな立場から、予算編成についてはもっと強力なる発言をされなければならない。それが、政府の予算編成の方は従来通りにいっている。人事院の方は人事院の方で、人事院の必要に応じて、仕方がないというので、適当なときに勧告を出される。従って、結果としては人事院勧告というものがタイムリーに消化されておらない。要するに、人事院は高い目的を掲げて、その方向を指向しながら、結果として実があがっておらない、効果が上がっておらないというところにあると思います。人事院がその目的を達成されんとするならば、今最も必要なときでありますから、先に申し上げましたような強い決意を固められて、積極的な方向に対して世論喚起の行動をとられんことを強く要望いたしまして、質問を終わります。
○正示主査代理 続いて角屋堅次郎君。
○角屋分科員 私は、佐々木委員に引き続きまして、ほぼ同じ行政機構改革の問題、あるいは今審議を進められておる臨時行政調査会の今後の問題等、当初予定しておりました点では、相当前者と重なる点もありますので、それらの点はできるだけ省略をいたしまして、お尋ねをいたしたいと思いますが、その前に、せっかく川島長官がおいででありますので、オリンピック担当大臣として一つだけお伺いいたしたいと思います。 けさの新聞によりますと、御承知の通りアラブ連盟のノファル事務次長が、二十日の日に、加盟十二カ国に対して書簡を送りまして、もしIOCの方からインドネシアの除名を取り消さない場合においては、来年の東京オリンピックをボイコットする要請の文書を出したと伝えられております。これは、私ども待望のオリンピックを明年わが国に迎える側といたしまして、まことに心配になる点でありまして、特に、かねてからオリンピック担当大臣として、これが体制の整備のために鋭意御尽力願って参られました川島大臣としても、非常に憂慮しておられる事態だと思うのであります。きのうきょうでありますからいかがかと思うのでありますけれども、しかし、新聞紙上では、高石さんなりその他の方の御見解等も出ておりますが、国民もけさの新聞あたりを見て、来年のオリンピックを前にして、非常に心配しておられるという時期でもありますので、この際川島長官として、この問題に対して、政府としてどういうふうに御処置なされようとするのであるか。これは若干政治的な問題がからんでおる感じもございますけれども、しかし、本来オリンピックは、言うまでもなく政治を越えたスポーツの祭典でありまして、そういう立場から、政府の今後の御善処を願わなければならぬかと思いますが、この機会に、オリンピック担当大臣としての川島さんの御見解を承っておきたいと思います。
○川島国務大臣 明年のオリンピックには、IOC加盟国が、全部参加することを、衷心私は希望いたしております。インドネシアの問題が起こりました後に、東京オリンピック組織委員会で、ローザンヌで開かれたIOCの理事会にオブザーバーとして出席した與謝野事務総長から、当時の状況を詳細に聞きまして、これに対する善処方法を相談いたしたのでありますが、この問題はJOCで扱う問題で、東京オリンピック組織委員会で扱う問題ではなし、また、むろん政府の容喙する問題ではありませんので、JOCにおいて一つ適当にやってもらいたいということに、東京オリンピック組織委員会としては決定しておるわけであります。JOCの考え方は、関係各国いろいろ働きかけまして、ぜひ円満に妥結するようにという方向で、これから進むことに相なろうかと思うのでありまして、私どもはJOCの活動に期待をいたしておるわけでございます。
○角屋分科員 本論に入りまして、行政機構改革、あるいは今日審議の進行しておる臨時行政調査会の問題を中心に、御質問申し上げたいと思います。 先ほど来お話が出ましたように、臨時行政調査会は、第三十九臨時国会において、衆参両院とも数項目の附帯決議を付して発足を見たわけでありまして、その後、三十七年の二月の九日には七人の委員が任命されて発足をする、さらに二十一人の専門委員あるいは七十人の調査員、さらにこの種調査会としては相当充実した事務局等も設けられて、昨年の半ばにはさらに数十名の参与等の任命もされながら、今、鋭意審議が進められておるわけであります。しかも先ほどお話がありましたように、ことしの三月には、第一専門部会、第二専門部会、第三専門部会から中間の報告がなされるという段階に来ておるわけでありますし、先ほど調査会の事務局次長からもお話しのように、八月末までにはさらに各専門部会の最終報告がなされて、自後七人委員会が中心になって、内閣総理大臣に対する最終的な答申を来年の三月三十一日までを目途としてまとめるという、いよいよこれから、臨時行政調査会としては本格的な活動が開始されるという段階にあることは御承知の通りであります。 そこで、この臨時行政調査会が発足した趣旨なるものは、アメリカのフーバー委員会に匹敵するといわれておりますけれども、要するに臨時行政調査会が各行政官庁その他に対しての調査権限を持つ、あるいは報告されたものについては内閣としてはこれを尊重しなければならない、あるいは先ほどもお話が出ましたように、さらに臨時行政調査会の方から要請がある場合においては、国会にもその報告書が提示されるという、この種審議会なり調査会として強力な法的根拠を持った性格を抱いておるわけであります。今までの審議の過程を見て参りますと、それぞれ関係者からもいろいろお聞きをしたのでありますけれども、七人委員会にいたしましても、あるいは専門部会にいたしましても、実に熱心にこの重要問題に取り組んでおられるようでありまして、その点では深く敬意を表するにやぶさかではございませんが、ただこの種問題が客観的に見て、国民の要望に沿う正しい結論を出すためには、この調査過程において、特に行政機構あるいはこの種問題の中心的な役割を従来果たしてきておられる行政管理庁が緊密な連携をとってやっていく必要があるだろう、こういうふうに私自身は判断をしておるのであります。いかに自由な立場で客観的に正しいと思うような答えを出そうとして努力され、その方針が出て参りましても、現実に立脚して考える場合には、いわゆる理想図が描かれても、現実に必ずしも即応しないということがあっては、せっかくの努力も十分には発揮できないということにも相なろうと思うのでありまして、これは何も行政管理庁が臨時行政調査会のお仕事に関与するということではなしに、むしろ今までその方面に専念されてきた立場から、積極的にこの調査会の仕事に支援態勢をとる、こういう気持でいくことが必要だろうと思うのです。各省の場合には、やはり各省のセクショナリズムあるいは各省の張り、こういうふうな気持があって、必ずしも臨時行政調査会が求めておるような方向の形のものが出てくるかどうかという点には、いささか疑問はあろうかと思いますけれども、行政管理庁の場合には、むしろそういう点の弊害は全然ないのでありまして、従って今までもそういう気持でやってこられたろうと思いますし、今後本格的な審議仕上げの段階に入って参ります以上、行政管理庁としては積極的にこの方面の仕事に支援態勢をとる、こういうお気持が必要ではなかろうかと思うのであります。なおまた今後、来年の三月三十一日を目途に答申が出されました場合に、具体的にこれを行政機構改革として、あるいはその他の法的根拠を持って措置しようという場合には、重要な問題については、ある程度の検討期間を置くというふうな実際の筋道に相なるんではないか。従って、答申が出されるのは三月でありますから、その年の通常国会には大部分は間に合わずに、検討の上に立って次の通常国会に関係法案が出されてくる、こういうふうな段取りに相なるんじゃないかと思いますが、今申しましたような二つの点について、行政管理庁長官としてのお考えを承っておきたいと思います。
○川島国務大臣 臨時行政調査会発足以来、委員並びに専門委員の方が非常な熱意を持って仕事に当たっておられまして、この種の審議会、調査会としては実にまれに見るほどの熱心さでありまして、私ども非常に感謝をいたしております。ただ、政府として行政調査会の答申の内容に干渉することは、これは極力避けております。支持態勢というのは、むろんいたしますが、支持態勢の内容でありますが、資料の提出その他に対してはできるだけの努力をして、臨時行政調査会の要求に応じております。私も、時間の許す限り委員会にオブザーバーとして出席して、話を聞いております。ただ、内容を政府の思う通りに持っていくという指示は、これは絶対いたさぬという建前になっておりますし、また今後もいたす気はありません。できたものを政府がどう扱うかということは、これは国会との関係その他これから検討いたすつもりでおります。
○角屋分科員 先ほど佐々木分科員の方から、第一専門部会、第二専門部会等の重要な点について数点お尋ねがありましたが、私は、先ほども次長から話のありましたうちの、特に特別部会として緊急の問題についていろいろ論議をし、最近臨時行政調査会の特別部会として答申が委員会に出されて参りました首都行政に関する問題について、まずお尋ねをいたしたいと思います。この点については、最近、蝋山私案あるいはそれらの論議を経て、特別部会の会長名をもって佐藤会長に対する報告がなされたわけでありまして、きのうの七人委員会においても、この問題のうちで首都圏の機構の問題についての論議がなされ、さらに次の機会には評議会の運営等の問題についても論議を進めるというふうな段取りのように承っておるわけであります。これは事務局次長の方からまず事務的にお伺いしたいのでありますが、七人委員会としてこの特別部会の報告を受けて、七人委員会の最終的な結論というのは大体いつごろ出されるというふうにお考えでございましょうか。
○井原説明員 お専ねの点は今審議の最中でございますが、私ども見ておりまして、非常に重要な点で委員の間に意見にニュアンスの違いがあるようでありますので、先ほどお話し申し上げましたように、三月の下旬には各部会の中間の報告が出ますので、希望といたしましては、それが出る前の段階で調査会としての意見をまとめていただきたいと思っておりますし、その方向で私ども事務的にも動いておりますが、まだかなりの曲折があるのではないかというふうに横から見ておる次第でございます。
○角屋分科員 そこで、川島長官にお尋ねしたいのであります。これからお尋ねする点についても、臨時行政調査会の性格から見て、今の時点でなかなかむずかしい御回答ということで御苦心なされるのじゃないかと思いますが、過去の首都圏整備委員会の行政委員会の行政委員会組織でやって参りました運用の経過に基づきまして、首都圏庁あるいは評議会による運営というふうな機構運営の問題についての特別部会の報告書が出ておるわけでありますけれども、この問題について、特に関係が深いわけでありますが、御所見を承れたら明らかにしてもらいたいと思うわけであります。
○川島国務大臣 臨時行政調査会で検討しております内容は、私はまだ聞いておりませんから、それに対する意見は申し上げかねるのでありますが、現在首都圏行政というものは行き詰まっておりまして、何とか解決しなければならぬということは当然でありますので、数年前に首都圏委員会ができまして、国務大臣を委員長にしてこの問題の解決に当たっておるわけであります。東京都を中心とした首都圏内の広域行政をどうするかということは、重大であり、かつ、差し迫った問題でございます。これに対する個人的な意見は差し控えますが、臨時行政調査会で、他の行政改革の意見に先だってこの答申がありますれば、政府としてはまっ先にこれを取り上げて検討いたしたい、かように考えております。
○角屋分科員 この首都圏の問題を考える場合に、考え方としては、いわゆる政治の中心を東京に置くという固定した立場に立ってものを考えるのか、いろいろ議論がありますように、そういう前提に立ちながらも、たとえば東京湾の埋め立てであるとか、衛星都市への分散であるとか、あるいは富士方面へのさらに分散であるとかいうふうな考え方等もあるわけですけれども、これは非常に重要な問題でありまして、東京都を政治中心から他のところにという議論をここでいたそうとは思いませんが、ただこの報告書でも明らかにしておりますように、しかも長官自身も端的に述べられましたように、首都圏の今日の行政というものは行き詰まりの状態にきておることは明らかであります。また、東京都あたりで、昭和三十六年を初年度としての長期計画の試案等を出しておりますけれども、これを見ましても、四兆四千億円から行政計画に対する財政が要るのだというふうな前提に立ち、従来の国庫支出に対して少なくとも三・五倍のベースを考えなければならないとか、あるいは起債の場合には年度平均で現在の十五倍を予定しなければならないとかいうふうなプランが出されておるのを見ても、今後これが抜本的解決のためには、いかに大きな問題を含んでおるかという一端が出ていようかと思うのであります。そこで、そういう根本的な問題を具体的にどうするかということももちろん機構運営の問題以外にありますけれども、さしあたって、たとえば東京都に必要としない官庁の分散であるとか、いろんな問題等、やはりそういう先行して進めるべき問題が幾つかあるのじゃないかと思うわけでありますが、それらの問題については今後具体的にどういう方針で進まれようとするのか、その辺のところをお伺いいたしたいと思います。
○川島国務大臣 政府といたしましては、東京に首都を置くということを根本の方針として考えております。最近経済の成長に従いまして、産業と人口が東京に集中いたしまして、年々三十万以上の人口増を見ておるのでありまして、これをいかにして食いとめるかということ、むしろ縮小するかということに一つ問題がございます。そこで、政府としてもいろいろ意見として発表しておるのですが、東京に必要のない末端の行政機関、研究所、試験場等の政府機関並びに官立学校等を東京首都圏外、もしくは首都圏内におきましても東京都から相当距離の離れたところに置こうという計画を進めておるわけでありまして、東京都そのもの、首都を越すという考えでやっておるのではございません。
○角屋分科員 首都圏の問題についてはさらにお尋ねしたい点もありますが、今大臣の方から、報告書が出されたならば他のものに先行して十分検討の上善処するというお答えでありましたので、この問題はこの程度にして、次に移りたいと思います。 先ほど議院内閣制その他予算編成権等の問題についてお話がありましたので、それは再度触れることを避けます。 そこで、これは臨時行政調査会の事務局次長の方に相なるわけですが、これはいかに世論を吸い上げるかという問題になるわけでありますが、たとえば委員会の構成メンバーを見ましても、最近では参与等も入れられて、相当幅広い視野から意見を収集する、あるいは各団体関係その他いろいろなところにレポートを求める、さらに、近く七カ所にわたって公聴会をやろうとする、さらに広報、宣伝のため若干の予算をとってPR等もやろうとする、さらに佐藤会長の名前で国民に訴える、アピールを出されまして、数千にわたる投書等も集まっておるというようなことで、世論の吸い上げ方についてもいろいろ御努力を願っておるわけです。ただ、先ほど佐々木分科員の触れられたのと別な角度でありますけれども、今日任命されております、たとえば七人委員あるいは二十一人の専門委員、あるいは七十人の調査員、こういうものを見ましても、この中に女の人で入っているのはわずかに二名ということになっておる。そう言っては何ですけれども、やはり半数を占めておる女性、窓口の一元化等いろいろな問題については、やはりそういうことに触れる機会の多い御婦人の関係、先ほど川島長官が何か表現を使われましたけれども、そういう意味では、女性関係の適当なメンバーをもう少し加えるということも一つの配慮であろうと思いますし、また同時に、今後持たれる公聴会の問題であります。これは全国七カ所で、大体十人くらいの人を選んで意見を聞くというような形をとるそうでありますけれども、これは憲法調査会のように賛成、反対というふうなことでやる公聴会ではありません。そういう点では、せっかく地方に行かれる機会でありますので、なるべくたくさんの方々から率直な意見を吸い上げていく。七カ所の問題についても、これは予算の点等ではそう大きな金がかかるわけではありませんから、やはり個所数等についてももっとふやして、たくさんの方々から適切な意見を十分聞く。この四月という意味は、おそらくそれぞれの専門部会から中間報告が出ると思うので、そういうものを提示しながら、そういう提示の内容にも触れて率直な意見を聞きたい、こういことであろうかと思うのでありますが、そういう公聴会の人の選び方、人数、固所という面についても、せっかく調査会が、国民の声を背景として行政の体質改善をやるというモットーからいたしましたならば、今まで予定をした考え方を再検討されて善処される必要があるだろう。 また、こまかい問題でありますけれども、今年の予算書を見て参りますと、去年は外国に行かれる予算がたしか四人組んであったと思うのであります。ことしはそれがゼロに相なっておるように予算書では承りました。私は、何も憲法調査会が重要な問題について外国の事情等を調べるという先例があったからということで言うのではありません。これはやはり日本のグラウンドに適した行政機構改革をやるというのが本筋でありますけれども、その点について、先進諸国の実態に触れて、そういうもののよき点は日本の今度の場合においてもこれを取り上げていくという気持が必要だろうと思うのです。もちろん、この七人委員会あるいは専門委員会の中には、これまでに外遊された方々も相当あろうと思いますけれども、特定の目的を持って外国の実態を調べるというところにやはり意味があるのでありまして、そういう点から申しますと、相当な調査会の陣容にはなっておりますけれども、この種重要問題を調査会に自主的な立場で報告を出してもらいたいという姿勢から申しますと、必ずしも私は十分とは言えない、こういう感じ等も持つわけであります。これらの問題について、事務局次長からは事務的な問題で、川島大臣からは今後の運営の問題としてお考えを承りたいと思います。
○川島国務大臣 三十八年度の予算が必ずしも十分とは言えないと思うのであります。外国旅費の問題は、大体外国の調査は三十七年度で打ち切って、三十八年度は案をつくるのに入るのでありますから、三十八年度はよそうということになったわけであります。 PRその他につきまして、私は必ずしも十分とは言えませんが、これはきわめて大きな問題でありまして、政府としても運命をかけてやるぐらいな重大な問題でありますからして、予算が不足しますれば、これは予備費その他を思い切って取り得るということを、臨時行政調査会の会長に私から特に言ってございます。今後とも、国民の了解を求める点につきましては、臨時行政調査会に協力いたしまして、行政管理庁としてもできるだけの方途をとりたい、かように考えております。
○井原説明員 婦人の委員、専門委員、さらには参与に婦人が少ないというお話でございますが、委員、専門委員は実は定数がございまして、全部満ぱいになっておりますので、運用で実行いたしております。参与は、私の今の記憶では四十名でございます。これは今仰せのような御意見を十分体しまして、これは決して定員があるわけではございませんので、さらに婦人の声を入れるという配慮で、御趣旨のようなことは会長にも報告いたしまして善処したいと考えます。 それから公聴会の問題でございますが、これも今ごくかいつまんだことがお耳に入っておると思いますけれども、御趣旨のようなことを織り込みまして、具体的な実施計画のときには、十分そういう面でも御期待に沿うように努力いたしたいと考えております。
○角屋分科員 今の広報の問題とも関連して、次の質問に入る前に、若干私の率直な感じを申し上げたいのでありますが、これは佐藤会長のアピールを見てもそうでありますし、また臨時行政調査会から出されておる資料等を見てもそうでありますが、先ほど佐々木委員なりあるいは川島大臣から端的な表現として触れられた内容と、そう食い違いはないわけでありますけれども、たとえば「臨時行政調査会のあゆみ」ということで事務局から出されたものを見ますと、今まで幾たびかいろいろやってきたけれども、なされなかったのは、官僚の抵抗や組合の反対が原因のように思われるとか、あるいは臨時行政調査会の役割は、国民世論に聞いて、真に国民のための改革案をつくることであるとかいうふうなことで、内容等に、佐藤さんのアピールを見ますと、さらに張り切りまして、何か今の行政機構あるいは官吏の服務状態というのは必要以上に国民の目から見てなっていないかのような表現をことさらに使われるという点は、これは必ずしも本意ではなかろうと思うのです。そういう感じを私は、資料をいただき、いろいろ事前に勉強する際に、端的に感じたわけです。もちろん臨時行政調査会はプロパーな組織でありますし、その立場に立って思い切った行政機構改革をやりたいということで熱心に今日努力しておられる、その点については何も問題を持っているわけではありませんけれども、あまり言い余って、必要以上にという気持があるとするならば、もう少しその点はすなおに考えられていいのではないか。ただすべきはただし、そしてまた当然にそういう方向でいいというものについては、そういう方向でやはり把握していくという気持が私は必要だろうと思うのです。これは私の、率直に資料等をいただいて感じた点を申し上げたのでありますけれども、第二専門部会で取り上げております問題の中にももちろん重要な問題がございまして、各省間の問題をどういうふうにするか、あるいは中央と地方の機構関係の仕事を、あるいは機構関係の配分をどうするか、そういう点でここに注目される点では、広域行政の問題が一つの大きな第二専門部会の問題の検討の中心の一つになっておるようであります。そこでこの際、まず第一に事務局次長の方から、広域行政機構の問題として今論議されている、そういう意味合いで若干経過をお話し願いたいと思います。
○井原説明員 第二部会は、御承知のように行政事務の合理的再配分を課題としている部分でございますが、中心に考えました広域行政の問題は——その前に、これはまずお断わりいたさなければならないのですけれども、委員会に上がる前の段階の第二専門部会の段階で現在ももんでいる最中でございますので、その点は御了承いただきたいと思いますが、行政の合理的再配分をやりますについて、まず中央各官庁と国の出先との関係、それから国と地方公共団体の関係、さらには横の関係で各省間の再配分の関係というふうに問題があるわけでございますが、第二部会が第一着手としてやっております考え方としましては、現在の行政運営が、やや中央が権限を保留し過ぎているのではないか。大小にかかわらず東京に陳情して、本省に問題を持ち込まなければけりがつかないような現状は、国民の行政を考える場合にいかがなものか。一方では交通、通信が発達いたしまして、従来の府県の行政区域というものがやや狭くなっておりまして、もっと広い範囲で利害関係を調整していかなければならぬというような要素も出ておるわけでございます。一方では、中央権限をなるべく出先におろして、しかもそれを地域的に一元化して、国民に対する窓口としては極力一つの窓口で事が運ぶようにという配慮が、今の広域行政の考え方でございます。この問題は、決して事新しい問題でも何でもないのでありまして、戦争前から、すでに昭和の初めごろから論議になっておる問題でございまして、それを今回第二部会が正面から取り上げてやっておるわけでございます。作業の最中でございますので、全国の広域をどのくらいな数の地方に分けるのか、その段階に各省はどういう権限をおろすのか、また広域の段階で統合される各省機関というものがどういうものがあり得るのかというような問題は、今調査しておる最中でございます。
○角屋分科員 おそらく第二専門部会が出される中間報告、あるいは八月末に出される最終報告の場合でもそうでありましょうけれども、行政機構として、中央の行政機構をどう改善をしていくのか、あるいは中央、地方を通じての業務の再配分をどうしていくのか、あるいは従来から論議になったことがあります府県の道州制の問題なり、そうでなくとも府県統合の問題等について事務局にお尋ねしますと、府県の段階の統合問題なりあるいはその他の問題についてはこれから論議する段階であって、まだ今までには入っていないということでありますけれども、そういう問題等は第二専門部会の場合には具体的に従来でも、なかなか取り扱いにくい、しかも今後論議する場合でも実にむずかしい問題だと思います。ただ私は今の機構の中で、社会党の立場からいうならば、いわゆる今日の国家行政機構というもの、あるいは地方の行政機構を含めて、平和的な民主的な行政機構に切りかえるという点から見て、それに該当しない問題の機構というものに調査会が事務的な立場からメスを大胆に加えるかどうかということについては、一つの期待を持つわけでありますけれども、それはそこまで踏み切れるかどうかということについては、今後の動向に待たざるを得ません。今、広域行政機構の問題については、古くから論議されている問題だというふうに言われましたけれども、この言葉は、少なくとも私が今まで行政機構の問題を取り扱う場合には、必ずしもなじんだ言葉ではございません。ただ私は臨時行政調査会でいろいろ論議をします場合に、ややともしますと、しろうと論議といってはあるいは失礼にあたるかもしれませんけれども、たとえば港湾行政の一元化あるいは統計の一元化とか、今ある各行政機構の中で所在しておるものの一元化という言葉のもとに、単純に物事を取り上げやすい、そういう傾向が現実に即しておるかどうかという点の検討は十分なされなければならぬと思いますし、広域行政機構の問題にいたしましても、いわゆる地域段階における各省の出先機関を統廃合するという問題一つをとらまえてみても、国民の立場から見て、一つのすぐれたアイデアではありますけれども、それが即実際の行政運営の長きにわたっての適切な方向であるかどうかという点についても、やはり十分な検討が加えられなければならない、それゆえにこそ臨時行政調査会では一つの仮説を立てて、いろいろ検討を科学的にやっておられるようでありますけれども、それらの問題については今後の問題に属すると思いますし、また今の段階で府県の単位をどうやっていこうというのか、各省別の問題をどうやっていこうというのかという問題について、大臣に御所信を承りましても、それはなかなか言えないことだろうと思う。ただ中央官庁の場合には、従来ややともすれば建設、農林省等の国土省の問題とか、いろいろなことが出て参りましたけれども、むしろ今の現状から見ますと、やおよろずを集めた総理府の現状というものが一体これでいいのかという問題がやはり一つの問題だろうと思いますし、同時に総合官庁としての経済企画庁というもののあり方が、今日のような状態でいいのかという点も、一つの問題だろうという感じがする。予算編成権その他の問題とも関係をして、経済企画庁のあり方という問題が、やはり今後の論議の対象になるべきであろうというふうな感じを持つわけでございます。対国民の関係から見て、やはりアンケート等でも多数上がって参っております。認許可等の事務の合理化の問題というのが相当アンケートでも上がってきているようであります。私はこれは必ずしも十分検討して意見を申し上げるという意味ではありませんけれども、これはやはり煩瑣にたえないという実感を持っておられる一つの大きな問題だろうと思う。従ってここに合理的な答申が出されてくれば、即そのまま受けて立って、実施に移すべきものだろうと思う。報告書の資料等を見ますと、今日のこの種法律は千五百をこえておるといわれておるわけです。私は行政管理庁自身としても、認可等の問題については、法律の全体的な——これは一つの案でありますけれども、認許可等に対する単独立法を一つきちっとつくってしまって、すべてそういう問題については、一つの新しい法律ができる場合にはこの法律によるという形にして、その法律さえあれば認許可等については、一つの手続方式というものは数種に分かれるでしょうけれども、そういうものの統合的な形での単独立法というような形でも考えられないかという感じがするわけです。これは非常に熟した考え方で申しておるわけではありませんが、これは国民の側から見て、今後の事務の合理化あるいは能率化のために、サービスの面から見て、非常に待望されておる点だと思いますが、まあ当面の段階で川島大臣として、こういう問題をどう行政管理庁として考えられるか。これは何も意見を言われたからだといって行政調査会の方から、これは制限を加えるという種類のものでないと思いますが、御所見を承りたいと思います。
○川島国務大臣 行政機構の問題についていろいろ御意見を承りましたが、私は日本の公務員というものは、ごく少数を除いては、みなりっぱな勉強家だと思うのです。ただそれが官庁の機構の中に入りますると非能率になって正しい行政の姿でなくなるのであります。今日の日本の行政の一番の欠陥は、総合行政のないことでありまして、各官庁みなセクショナリズムでもって、自分の領分を侵されないように一生懸命死守するというようなところに行政の姿の悪い点があります。行政一元化の問題を取り上げるのもそういう点でありまして、交通行政一つを取り上げましても各官庁に分かれて、これが交通問題解決の一つの隘路になっておることは事実であります。総理府並びに経済企画庁というのは総理大臣のプレーンとして、そうした総合調整をやる役になっておるわけでありまして、私はやはり必要だと思いますし、なお閣内にいろいろ関係閣僚懇談会を開いております。経済閣僚懇談会、いろいろあります。これも現在の行政の姿が一本化しないので連絡調整に関することをやっておるわけでありまして、私はやはり一本化することが必要だ、こう考えておるわけであります。 認可許可の問題は、これはもう少し民間にまかしたらいいじゃないか、あまり役所で握り過ぎてはいないか。中には、必要以上に役人の権限を振り回すために認可許可を依然として握っているところもなくはないのでありまして、認可許可事項を整理することは先般来検討いたしております。 それから広域行政の問題でありまするが、現在農林省、建設省などは大部分地方の出先機関に仕事をまかすようにやっておりまして、今後とも各省ともそういう方向に向くようになりつつあるわけであります。
○角屋分科員 第三専門部会の方では、先ほども人事院の問題に触れられましたが、これは行政事務の合理化あるいは自律機能の強化というふうな問題もありますし、同時にまた人事行政機構のあり方、国家公務員の性格、範囲、種別等の問題あるいは公務員の政治活動、国家公務員法との関係の問題あるいは職員団体等に対する問題等、多くの基本的な問題がありまして、これはまだ第三専門部会の関係の中でも、これからの論議が本格的になっていくだろうと思うわけです。ただ私は人事院の問題について、先ほど佐々木委員と人事院側との間でやりとりがありましたけれども、今日の時点で人事院が果たしておる役割は、これはそれなりに評価するのにやぶさかではありませんけれども、本来やはり国家公務員の場合でも地方公務員の場合でも、三公社五現業が今日持っているように、少なくとも団結権からさらに団体交渉権にまで前進をする。そして今後のそういう推移の中で、労働三権の問題にまで発展をしていく、そういう方向であるべきものだと思う。従って、そういう中で人事院をどうするかという関連で考えるべき筋合いのものであろうと私は思うわけでありますが、この点ではむしろ臨時行政調査会は国際的ないろいろな事情等も十分精査されて、いわゆる日本のグラウンドにももちろん勘案をしなければならぬかと思いますが、そういう難題については、本来自主的な立場で、いわゆる今後の近代的なそういう方面の方向というものを私は出してもらうことを期待したいわけなのです。これはまだ議論としてはそこまでいってないかと思うのでありまするけれども、事務局次長の方からこの種問題についての第三専門部会の議論があるならば、この際御説明を願いたいと思います。
○井原説明員 第三部会の中に四つ分科会が置かれておりまして、公務員に関する問題を第四分科会というのでやっております。今いろいろとお話がございましたが、第四分科会として一番中心に置いておりますのは、人事管理の適正化という問題と公務能率の増進策という問題を中心にいたしまして、角屋先生も十分御承知のように、非常に広がりの多い問題でございますので、限られた時間に公務員制度万般に論及することができるかどうか、ちょっと問題でございます。しかも一方では公務員制度調査会等の、既往において相当りっぱな答申も出ておるわけでございます。そこで、調査会といたしましては、今の人事管理の適正化の問題と公務員の士気の向上策としてどういうふうなことがあるか、特に昇格昇給——従来ややエスカレーター人事といいますか、考課というような要素があまり入っておらぬというようなことも重点的な項目に考えております。 それから、今、各省セクショナリズムということがよくいわれるわけでありますが、これは権限がそういうふうに分配されておるという組織からくる対立感情というものもさることでありますが、御承知のように、公務員はそれぞれ各省大臣の任命にかかるわけでございまして、また、多少話が飛びますけれども、公務員が、いずれも第二の出発を考えなければならぬというのが、現在の実情でございます。そうしますと、お世話になりますのは、それぞれ採用された親元の役所のお世話に第二の出発がかかっておるわけであります。公務員として、役人というものを畢生の仕事として打ち込んで、ある時点に退職いたしますと、その後の生活が共済年金等で保障されるというような体制では必ずしもないわけであります。そういうところに根本的な問題があるわけでありますが、これとても言うはやすいのでありますけれども、非常に困難な根の深い問題であります。しかし、セクショナリズムというものは、そういう各省に採用されておる役人が、各省ひもつきという立場になっておるというところに、非常に深い根があると考えられますので、あるポジション以上の役職については、あるいは内閣人事にするとか、そういう一省一党に偏しない公務の遂行ができるような身分関係というものもあり得るのではないか。また各省間の人事の交流、これも常に言われることでありますけれども、なかなか十分に行なわておらぬわけでありますが、そういう意味で、なるべく各省の人間の面から、対立といいますか、なわ張り根性を排除する方向を出したいというのが、第四分科会のねらいのように聞いております。
○角屋分科員 話を変えまして、この際、行政管理庁の事務当局の方から、昭和三十八年度、新年度の定員増減の状況の問題これは法律定員、政令定員等詳細に申してもらう心要はなく、概観でけっこうであります。 それから昭和三十八年度における機構の新設及び廃止の状況等についても、事務的に一つお話し願いたいと思います。
○山口(一)政府委員 お答え申し上げます。 まず定員の関係につきましては、この際、膨張を抑制いたしますために、原則として新しい増加を認めず、ただ現業その他真にやむを得ないものにつきまして、厳重な審査をいたしましてその増加を認めたのでございます。その結果は、法律で規定いたします職員並びに政令によって規定いたします職員、さらに地方自治法の附則によりまして規定いたします職員の三つに分かれるわけでございます。 結果を申し上げますと、法律によって規定いたします定員が、総理府以下各省を通じまして、合計、昭和三十八年度におきまして、新しく六千九百八十二人の増、さらに新しく減じますもの二百八十六人、差引いたしまして、増六千六百九十六人ということになっております。政令関係の定員におきましては、新しく増加いたしますもの九千二十六人、減じますもの二千百二人、差引増六千九百二十四人、さらに地方自治法附則第八条によります定員、その他これに準じますものが新しく三百九十五人の増、減なしということで、以上三つを合計いたしまして、新規の増が一万四千五という数字になっております。これによりまして、改正後の定員は、法律、政令並びに地方自治法関係すべてを総計いたしまして百九万九千三百六人ということになっております。 次に、機構の関係でございますが、機構の新設につきましても、この際、抑制の方針によりまして審査をいたしたのでございます。その結果、新しく昭和三十八年度において機構として認めましたものが、現在までの段階におきまして、部の関係におきまして三つでございます。すなわち、宮内庁臨時皇居造営、外務省大臣官房に国際資科、運輸省大臣官房に統計調査、以上の三つを部として、新しく認めました。なおこのほか、総理府人事局並びに総理府賞勲局等につきましては、今後の情勢によりまして審査をいたしたいと考えております。審議会の関係におきましては、これまた抑制の方針によりまして、新しく認めましたものは八でございます。同時に、三十八年度において廃止を予定いたしておりますものが六で、差引二つの増ということになっております。おもなる機構の状況は以上の通りでございます。
○角屋分科員 定員の関係では、従来欠員不補充という原則をずっととってきておるわけですが、これはそれぞれの役所の実態の場合にはやはり仕事の関係で不合理等も生じておる点が相当に出て参っておると思うのです。しかし政府の方針としては、公務員関係の人員を極力押えていきたいという方針で、今日そういう方針をとっておるようでありますけれども、ただこの際、人員の増減の問題とも関連して、去る臨時国会でも一つの大きな問題の焦点でありました石炭関係からの離職者等で公務員関係等への積極的な採用の問題というようなことが当然政府としても配慮の中にあることだろうと思うわけですが、これは直接は川島大臣でなくて、労働大臣の方が担当かと思いますけれども、特に出席要求をしておりませんでしたので、これは閣議等でもそういう話は出て十分承知だと思いますが、そういう点の配慮をどういうふうに政府としてやっていかれる予定であるのか、お伺いしたいと思います。
○川島国務大臣 先般予算委員会でも御質問があって、それぞれの大臣から答弁したかと存じまするが、たとえば郵政関係の定員増、郵政大臣と相談しまして、炭鉱離職者を相当その方へ吸収し得るのではないか、こう考えております。その他個々の問題につきまして私ここに承知いたしておりませんが、これはしばしば閣議でも問題になりまして、増加する定員には可能の限り炭鉱離職者を吸収しようという方針で、それぞれの省庁でこれを検討しておるわけでございます。
○角屋分科員 臨時行政調査会の問題につきましては、先ほど来の佐々木委員あるいは私の質問の中でも触れましたように、いよいよこれから本格的な論議の段階に入るわけでありまして、私どもも中間報告、あるいは専門部会の八月ごろに行なわれる最終報告、さらに七人委員会の来年の三月末を目途にした最終的な内閣に対する報告、こういうものの成果に大きな期待を寄せておる一人であります。またその限りにおいて、先ほど来若干申し上げましたように、単なる白紙戦術的な考え方ではなくて、グラウンドである従来の歴史的な経過、あるいは地域の特性、産業経済、いろいろな各般の問題について十分科学的な分析をされて、改むべきを改め、さらに伸ばすべき点は積極的に伸ばす、こういう点で、今後さらに検討の上に立って結論を出されるようにお願いしたいと思うわけです。なおまた私の布望としては、各省の関係についてはやはり各省の立場があって、求められて意見を言う、そういう場合が多かろうと思いますけれども、行政管理庁の場合には、調査会が設けられなければ、本来行政管理庁でこの種問題を検討し、取り扱うという立場でもありますし、長きにわたってその方面のベラランでもあるわけでありまするから、調査会の調査を拘束するとか、あるいはそれに介入するとかいうような立場ではなくて、積極的に正しい方向の結論を得るために支援をするという点について、今後努力してもらいたいということを希望として申し上げて、私の質問を終わります。
○正示主査代理 それでは、続いて藤井勝志君。
○藤井分科員 私はこの委員会におきまして、総務長官に対して農地被買収者問題につきまして若干の質問をいたしたいと思うのでございます。 〔正示主査代理退席、主査着席〕 この問題の性質上、最終的には総理の高い政治的判断のもとに結論をお出しにならなければならぬ問題ではないかと思いますけれども、このたびの昭和三十八年度予算において、農地等被収者に関すす調査に必要な経費が一億八千数百万円計上されておりまして、それが総理府の所管に相なっておるというふうに心得ておりますので、一応調査をやられる心がまえにおきましても、農地被買収問題に対する考え方というものに対して、はっきりとこの場で確認をしておきたいと思うのでございます。と申しますのは、農地被買収者問題に対する一般の受け取り方が、いわゆる豊かな地主階級に対して、国民の税負担においてこれをまかなわなければならないのではないか。同時に、このような問題が次々に展開されていくならば、戦時犠牲者に対して、いわゆる戦時補償的な問題が次々に出てきて際限がないのではないか、片や農地改革は農村民主化のいわゆる進歩的な一つの礎石として大いに役立っておるという、こういう面が強調されまして、その中に含まれておるいろいろな問題点に対して十分な認識が足らない、ないしは誤解があり、場合によっては一部反感があるのではないかというふうに思うのであります。 そこで私は第一点といたしまして長官にお尋ねをして確認をしておきたいと思いますことは、いわゆる占領軍司令官の指示によりまして、日本政府の法律によって、二百五十万戸の農地所有者が強制買い上げをされて、そのうち二百万戸というものが大体一町未満の農地所有者ありで、その平均耕作反別が三反程度であったというふうに、われわれは資料を通じて承知いたしておるわけでございますが、この点について数字的に間違いはございませんか、一応確認いたしたいと思うのであります。
○徳安政府委員 お答えいたします。 私の手元にあります数字も絶対に間違いなしとは断言できませんが、大体農林省その他の方から集めました資料によりますれば、あの農地改革によりまして解放せられまして自作農に移りました反別は、百八十九万九千二百六十八町歩ということになっておるようでございます。それに対する地主が百七十六万一千人くらいでございます。この地主からこの農地が四百七十四万七千五百四十一人に移動いたしまして、そこで自作農が創設されたというような数字になっておるようでございます。
○藤井分科員 数字的にいささか私の手元にある数字には相違いたしておりますが、これは後ほど検討するといたしまして、この全部が昭和二十年十一月を基点として、そのときの不在地主、ないしはそのとき自作によってこれが耕作できないという認定のもとに、強制買い上げをされた。そのとき反当平均七百五十円、最低三百数十円、最高で九百数十円、こういったことで買い上げをされた。ところが当時は昭和二十年八月十五日の終戦日から浅いときでありますから、多くの農村におきましては、まだ主たる労働力の大半が海外にあったというような事情で、帰ってみて初めて自分の土地が取り上げられておるというふうな事情であった。これがすべて不在地主として一律に取り上げられたという問題が一つあろうと思うのでありまして、この問題と関連して一つ確認をいたしておきたいと思いますことは、なるほどあの当時農地改革によって農村民主化の土台がつくられた。その進歩的な半面をわれわれは否定するものではございません。高く評価しなければならぬと思うのでございますけれども、同時にこの制度の改革が含む矛盾、不合理も忘れてはならない、指摘せなければならぬ。 第一点は、今申しましたような事情にある一町未満の、当時労働力がなかったということによって不在地主扱いをされて、強制買い上げをされた。この零細視模である地主も、数カ町村にまたがるような大地主も一律に取り扱われたという点、同時にまた、あの当時よく言われたことでございますけれども、山を持っておる山林所有者は何ら解放されなかった。平地を持っておる、たんぼの所有者が解放になったいうことは片手落ちではないか、こういう不合理な点があると思うのでございますが、この点どのようにお考えでございましょうか。
○徳安政府委員 先ほど申し上げました、たんぼが自作農創設という法律によって解放せられた、これは民主化のために非常にけっこうなことであったというようなことにつきましては、私どもただいまお話のように考えております。ただお話のように、出征しておりまして、終戦になって帰ってみたら、不在地主としてたんぼがほとんどとられておった、就職もできねば、また自分の田を耕作することもできないというような非常にふしあわせな方がたくさんあったことも事実のようでございます。政府としましての考え方はこの際私は差し控えたいと思いまするし、またこれに対する考え方等も政府で統一されておるわけではございませんから、その問題をどう考え、どう解決するかということは後の機会に譲っていただきたいと思います。 最後にお話しになりました、たんぼだけがとられて山はそのままになった、あるいは都会における住宅等もそのままになったというような不合理をどう考えるかということでございますが、私は、総務長官という立場からはそういうことは言えぬと思いますけれども、こういう地位につく以前の私個人の考えを申しますと、たんぼだけとったということは少し不合理ではなかったか、とるなら山も再分配させ、都市における大きな宅地を持っておる者にもやはり同様な取り扱いをせねばならなかったのではなかろうかという疑念を持っておりました。そういう考え方を持っておる者は相当多数あるのではないかと思います。しかしこれは政府の今の見解ではございませんので、誤解のないようにしていただきたいと思います。
○藤井分科員 私は与党でございますので、あえて食い下がった御質問を申し上げようとは考えませんけれども、一応総務長官として、この委員会におけるお答えは、一つその立場における御見解として発表をお願い申し上げたい、このようにお願いを申し上げる次第であります。 そこで今私が申し上げたことに重複をいたしますが、当時、日本の国情というもののわからない占領軍の占領政策によって、今申しましたような平均反別三反足らず、しかも事実上は当時子弟がおり、労働力がありせば自作であったようなものが大半である。この人たちに対して、いわゆる搾取階級という形式論のもとに、一旬に大地主も中小地主も扱ったというところに一つの大きな矛盾があり、不合理があるということをわれわれは確認しなければならぬと思うのであります。同時に、今申し上げましたような事情の人もあるかと思いますと、当時は、戦前でございますから社会保障制度が十分行なわれておらない、従って老後の保障のために、長年勤めた会社あるいは学校から退職金をもらったその金を、農地の取得にあてがっておった。これがたまたま不在地主の扱いを受けて、三反、五反が取り上げられてしまった、こういう事情にある地主の生い立ちなり経済的、社会的な背景に対する認識が十分ない占領軍の占領政策によって一律に行なわれたというこの事実は、われわれは確認をしなけければならぬのではないかというふうに思うのであります。 そこで問題を次に移してみたいと思うのでございますが、当時、今申しましたようなわずか反当たり平均七百五十円程度で強制買い上げをされましたときは、農地以外には転用をしないというはっきりした前提のもとに、ともかく農地は耕す者が所有すべきである、こういう考え方に徹して強制買い上げがされたわけでございますが、その後昭和二十七年の法律改正によりまして、農地の転用が次々に行なわれてきたことは御承知の通りであります。昭和二十七年以来そういった状態がどんどん続きまして、昭和三十年ごろの農林統計を見ますと、毎年大体一万五千町歩というものが転用をされておる。しかもその転用される農地の価格というものは、平均いたしまして約七十五万円、強制買い上げされた当時よりも一千倍の高価な価格でこれが取引をされておる。高いのは三百数十万円というような状態にその後相なっておるわけでございまして、ここに非常に不均衡と申しましょうか、不合理な点が、この同じ日本の国の政治において、法律において行なわれておるというこの事実に対して、総務長官はどのような御見解を持っておられますか。
○徳安政府委員 先ほどお話がございましたように、もしそこに、自分の住居に住んでおりましたならば、当然自作農としてたんぼの解放をしなくても済んだであろう方が相当多数ありますことは、先ほど申し上げた通りでございまして、あるいは出征しておった人でございますとか、あるいは交通の関係で他に居を移して学校の先生をしておりましたとか、そういうような方は、自分の家から通って、当然片手間で三反、四反は耕作できておったと思います。それが交通関係その他の関係で他に住居を移しておった、たまたまそういう法律が出たために全部不在地主としての待遇を受けてしまったというような者が、相当数に上っておることも事実でございます。こういうことは今のお話の通りでございます。 さらに自作農創設という大名分によって、非常に格安な、その当時から見ますと、あれは正当な価格であったと言われておりますけれども、いずれにいたしましても、あまり高くない、非常に安い金額で強制的にとられた。それがどこまでも稲を植えて、食糧増産をするという自作農創設の意義にかなっておりますものならば、おそらくは世の中にもそう議論はなかろうと思いますが、お話しのように、最近は農地がある程度まで他に転用できるような法律に改められまして、あるいは工場となり、あるいは宅地となり、いろんなことに化けつつあります。しかも、それが非常に高い価格で移りつつあります実態を見せられますと、旧地主諸君がいい気持のしないことも、あるいは事実ではないかと思います。これは事実問題として私どもさように考えます。
○藤井分科員 今お話しの通り、国民大衆の感情といいますか、素朴な感覚から考えまして、まことに不均衡きわまるものであり、いわゆるひとしから、ざるを憂うという政治の前提に立てば、何とかこのひずみは直さなければならぬと私は考えるものでございます。 これと同じような趣旨で、もう一点お尋ねをしてみたいと思いますことは、先般の農業基本法の成立とともに、農地法の改正がされました。農地法の一部改正によって、御承知の通り、農地の信託制度が創設されたわけでございますが、これの実態を静かに考えてみますと、いわゆる不在地主を法律上認めるという制度に事実上ほかならぬと思うのでございます。これまた、同じ日本の法律制度のもとにおいて、不在地主を認めないという前提のもとに強制買い上げをしたものが、同時にまた、同じ継続した日本の政府において、不在地主を認めるということに変革されるようなことに相なっておるわけでございますので、このような時代の変化の趨勢に応じて、やはり適切に不公平を是正することが政治の要諦ではないかというふうに考えるわけでございまして、この点に対する長官の御見解を承りたいと思うのであります。
○徳安政府委員 ただいまの農地の信託制度、こういう法律の大きな転換と申しますか、改廃が行なわれました。こういうことから世間で騒がれておるようないろんな問題が芽ばえてきたのだろうということは、先般大蔵大臣もこの席で御答弁になっております。私どももそういう点につきましては、現実だけは認めなくちゃならぬと思います。しかしその後に至りまする今の御所論に対しまして、じゃ、こうすることが適当でありますとか、こういたしましょうとかいうことは、これは高度の政治に関することでありまして、総理並びに閣議決定することでございますから、まだその決定していない以前に私がお答えすることはいかがと考えますので、これは差し控えたいと思います。
○藤井分科員 冒頭に触れました問題でございますが、なるほど一歩譲ると申しますか、一般的に誤解された方も了解するとして、それではそういう戦争ないし戦争後の占領政策につきまとう犠牲に対していろいろ補償をしていくということになれば、これが無限に拡大をしてくる、限られた財源でそういったことはなかなかむずかしい、こういう議論も一応考えられると思うのでございますが、私は常日ごろこういうことを考えておるわけでございます。やはり政治の意思によって、すなわち政策によっていろいろ変革が加えられた、その変革が不適当である、でこぼこの調整をすべきである、こういふうなことが現実に確認されるといたしますならば、これまた政治の意思によって、すなわち政策によってこれが是正をはからなければならない。たとえ気の毒な被害であっても、偶発的事情によって、自然的な事情によって行なわれた被害に対しては、また別途処置を考えなければならない、こういうふうに私は思いますがゆえに、ここに補償の拡大に対しては、はたしてこれが政策によって、政治の意思によって惹起されたものであるかどうかということによってけじめがつくのではないかというふうに考えるわけでございまして、このような考えからいたしますならば、先ほども申し上げましたように、日本国内の社会的、経済的いろんな事情のわからない占領軍の占領政策によっていわゆるゆがめられたこの問題については、やはり政策によってひずみを直していくことが当然ではないかというふうに考えられるわけでございまして、決してこの問題を処理することによって他の問題に波及することはない、このように私は考えていいんではないかと思うのでありますが、これに対する御見解を承りたいと思うのであります。
○徳安政府委員 私は、ただいまの点につきまして、国務大臣という立場ではもちろんございませんので、国政に対して責任のある答弁は私にはできないのが、現在の限界でございます。従って、この報償問題についてあれこれと論議されまして、それに対して私が受け答えを申し上げる段階にはただいま達しておらぬのでありまして閣議が決定をし、総理の腹がきまりまして、私どもにさしずがありましてから初めて論議すべきことになると思いますから、私はこれは控えたいと思いますが、この農地報償というような問題はさておきまして、一般のことから考えますれば、もちろん占領政策の行き過ぎや悪かった点は逐次是正さるべきだという見解は持っております。
○藤井分科員 これまた冒頭で触れたわけでございますが、一般的な受け取り方として、地主階級という豊かな生活層に対して、国民の税負担においてこれが対策をしなければならない、措置しなければならない、こういうことがどうも映りが悪いと申しますか、受け取りがたいというふうな意見も聞くのでございますけれども、私の調べたところによりますと、あの当時、強制買い上げをして政府が手持ちをしておる。——これはちょっと古い資料でございますので正確を期しがたいと思うのでございますけれども、しかしそのときの時点に立っては、これは農林省の資料でございますから間違いがない。当時、昭和二十五年でございますが、政府が売り渡し未済地として所有しておりました反別が三万二千三百七十町歩ということに相なっておる。これが推定をいたします数字として、約二千八百数十億円ということに相なるわけでございます。この推定はむしろ非常に内輪に見た積算になっておるように私は承知いたしておるわけでございますが、このように当時とりあえず農地解放、農地改革によって不在地主と認め、あるいは自家労力によって耕作できないというふうに認めて、これが強制買い上げをされた土地で、政府の持っておる土地の時価だけ考えてみても、その程度になるとするならば、むしろ国民の税負担においてこれが財源措置を考えなくても、十分旧地主に対する補償問題については、財源的には見通しがつくのではないかというふうに考えられるのでございまして、こういう点に対して、お手元にどのような資料がありますか。同時に、御見解をお持ちであればお伺いしたいと思うのであります。
○徳安政府委員 政府が農地解放のために法律をきめて農村から取り上げたわけでありますが、そのときに、零細な農地であるから、これを今つくっている者にやりましても自作農創設にはならぬというような考え方、あるいは土地を与えても、市街の近郊でございますから、すぐに宅地に化けるだろう、あるいは工場地帯になるだろうというような見解等によりまして、自作農創設のワク外に置いて、政府が国有として持っておりました農地があるそうでございます。ただいま数字を示されましたが、これは私の農林省からちょうだいしております数字の方が最近では正しいかと思いますが、かってはもっと多かったと思いますけれども、現在三十六年度末として私どもがちょうだいしております数字では一万一千五百七十三町四反歩、こういう数字をちょうだいいたしております。
○藤井分科員 もう一つ農地補償問題にからんで、ある学者からこのような意見を私は聞いたのであります。そのようなことに対して補償することは、狭い日本の国土において土地の所有権絶対ということは公共の福祉のために不適当であるから、適当な制約もまた必要がある場合がある。すなわち土地に対する私有権絶対の思想は古い時代の思想であって、このような考え方に通ずるいわゆる保守的な、いわば反動的な考えであるというふうな意見を耳にいたしたのであります。私は、私自身、土地に対して、特に日本という狭い国土の国柄に対しては、土地を国家の経済全体のためにいかに有効に使うか、そのためには制約をしていく、いわゆる所有権万能に是正すべきであるという考え方を持っておる一人であります、ところがこの農地補償に対する今のような考え方は、個人から個人に農地の転用がされたのであって、公共の福祉という面においては——全般的には農村民主化という一つの土台は敷けたけれども、われわれがこの問題を取り上げる問題の取り上げ方は、でこぼこを調整しなければならぬ。甲という個人から乙へ移る、ある自作が次の自作へものを移していく、こういう実質が大部分であるとわれわれが認めるならば、こういう考え方は不適当である、私有権絶対の思想に逆流するものではないか、このように考えるのでありまして、この点に対しては一つ長官として、これは別になんではございませんから、御見解を承っておきたいと思うのです。
○徳安政府委員 ただいまの御意見をつつしんで拝聴しておきます。
○藤井分科員 どのようにこれからお尋ねしていいやら、ちょっと拍子抜けしましたが、最後に私は、結論としてこの場でまた総理府の長官にお尋ねするのは、いささか筋違いだとは心得るわけでございますけれども、閣内において問題をお考えいただく一つの意見としてお聞き取りを賜わりたいと思うのであります。 私は、やはり旧地主の農地補償の問題が起きた直接の最近の理由は、当時のわずか七百五十円の金が三百万円、五百万円にも売り飛ばされる。こういうふうな社会的な大きな変革というものが、大きく不合理として、大衆の素朴な気持として痛感せざるを得ない。政治は、私はそのような素朴な大衆の気持にこたえていかなければならぬと思うのであります。従って、そういうことのなぜ起きたかということのよって来たる原因は、やはり日本の土地政策の貧困にあろうかと思うのであります。昔われわれが手放した土地が、そうべらぼうな金で取引されなければがまんできる、ところがあまりにもひどいではないかというようなことで、泣くに泣かれず、現在の地主が十数年この問題をめぐっての努力を涙ぐましくもされておる事実をわれわれは考えなければならない。従って私はこれを前向きに対処する方法としては、最近建設省において宅地債券の制度ができました。これもやらぬよりはいい、一歩前進でありますけれども、やはり根本は私は土地価格の暴騰に対する抑制対策——税制の面において、あるいはそのほかいろいろの面において手の打ち方はあろうと思うのでありまして、こういう面に対する施策というものが行なわれなければ、農業構造の改善ということも最近言われ、きょうの新聞を見ますと、土地改良法の改正をやって農地の集団化をはかろう、そうしていわゆる農業の選択的生産の拡大、こういうようなことをやって草地の改良をやろう、こういった問題に対しても、土地の問題に対してどのような考え方を打ち立てるかということが基本でなければならない。私はそういう考えの前提に立って処理する場合に、やはり土地に対する所有権絶対の考えではないけれども、あまりにも不合理だから、旧地主の問題はある程度こうやる、同時に前向きに、土地政策に対しては総合的な立法措置を講じて、いわば土地基本法と申しましょうか、そういったことをもやって押える。周囲にいろいろな都市計画が行なわれたために土地が値上がりをする、そういったところの莫大な値上がりするために受ける利益を、これを個人に所有させるよりも国家に吸収することの適切なことは、だれしも認めておることだと思うのであります。こういう点に対する対策を兼ね備えるならば、一般大衆の人たちも、なるほど適切なる処置であるというふうに考えるに違いない、このように思いますから、その点は一つ答弁は要りませんから、長官としても大いに総理の方に御進言を願いたい。この場を通じ、公の場を通じてもの申した次第であります。 以上をもって終わります。
○櫻内主査 受田新吉君。
○受田分科員 私は当分科会の審査の対象になっている総理府所管事項に関係し、同時に、続いて総理府の外局である宮内庁に関係して、皇室の関連事項等をお尋ねさしていただきたいと思います。 総務長官、あなたは総務長官に就任されて間もなく、昨年三月のケネディ大統領の例の声明に対して、いわゆるケネディ覚書交渉なるものを、沖繩キャラウエイの形をどう取り運んでいくかという大事な交渉を御担当になられた当面の責任者ですね。特に大平外務大臣がアメリカに渡られる前に、昨年三月のケネディ声明に対する、沖繩に対する経済援助に関係した日本側の責任者としてお動きになって、大平外相渡米前に、結論を出す前に努力したいという御意見が、私がお尋ねしたときにもあったわけですが、あの覚書交渉の経緯を、一つ現状における経緯を御答弁願いたいと思います。
○徳安政府委員 私は、昨年の七月の下旬というか、中旬と申しますか、就任いたしまして以来、沖繩の問題に取っ組んでおるわけでございます。もちろん全般にわたりましての総理府所管に関する事柄は、責任者でございますから、全部責任があるわけでございますが、事外交に関することにつきましては、すべて外務省を通じて処置をしていただいておりますので、もしそういう問題につきまして誤りがあってはいけませんから、外交上の問題等につきましてはそちらの方に御質問をいただくことがいいのではないか、私ども、ただ御依頼をして御返事をいただくというような形に現在なっておるわけでございまして、アメリカとの大筋の代表的な折衝は外務省を通じて行なっておる、こういうことでございます。
○受田分科員 しかし、あなたは総理府長官でございますね。従って、この覚書交渉の具体的な折衝の責任者の一人ではありませんか、
○徳安政府委員 今のお話、私ちょっと誤解しておったかもしれませんが、日本政府とアメリカとあるいは琉球政府との予算施行に対します覚書に対しましては、もちろん私でございます。
○受田分科員 私は今、経済援助に対する具体的な交渉の経緯をここで御報告願いたいことをまずお願いしたわけです。
○徳安政府委員 私はあるいは誤解しておったかもしれません。昨年の六月、アメリカに対しまして、予算施行に対するいろんな取りきめ方の交渉を外務省を通じてしていただきまして、六月に書類を整えて折衝に入っていただいたわけでありますが、なかなか話がまとまりませんで——私どもから申しますと、できることなら、日本の今の政府が各府県に予算を流してあげるような形において、会計検査もあるいは仕事の指導等もできるだけ平易な形でやりたいという気持がございまして、そういう点について折衝をしたのでございますけれども、言葉の通じない点もありましょうし、あるいはまた翻訳等の関係もございまして、私どもの意思が十二分に向こうに徹底しなかったものもあったかと思います。数度にわたりまして外務省を通じて折衝をいたしましたが、一つ一つ解決はしましたけれども、結局全般的にこれでよかろうという最後の手続が済みましたのが十一月の末でございます。私は十一月に向こうに参りまして高等弁務官に会いまして、至急に態度をきめてほしいと力強く要請したのでありますが、できるだけ早く覚書に対する承認の通知をいたしましょうという話を受けて、十一月の末に帰って参りました。十二月の七日ごろだったと思いますが、外務省を通じて、覚書に対して了承したという通知が参りましたので、自来正式の文書をこしらえまして、外務省を通して琉球政府並びにアメリカ側に示しまして、向こうの調印を求め、日本の方でもこれを調印いたしまして、ようやく十二月に、覚書に対する文書の交換だけは完了したわけでございます。大筋の覚書はできましたが、その後に至りまして、今度はいよいよ作業に取りかかることになりましたら、現在各府県からあるいは建設省にあるいは農林省に予算の請求をいたしますような形式、書面上の手続、そういうようなものにつきましても、アメリカは非常に簡単に考えておられたようでございますし、日本側は、今申し上げましたように、将来問題が起きた場合にいけませんし、また会計検査等のときにおきましてもその書類が利用できるようにせねばならぬという考え方から、手続等についてこっちの方は相当に突っぱったわけでございますが、向こうは、よこす金ならばそれほどやかましく言わなくてもいいじゃないかというような、きわめてざっくばらんの考えもあったと見えまして、なかなかまとまりませんで、ずいぶん日を費しまして、ようやく先般ごろそういう手続にも話し合いがつきまして、第一回分の処置が軌道に乗りかけたという状態でありまして、これはまことに残念だと思っております。何でもっと早く話がつかぬかと思ってやきもきするのでありますけれども、事外交に関する関係上、大使を通じましたり、あるいは私も向こうにに参りましたついでに高等弁務官等に話しかけて早くしていただこうと、交渉は怠らずやったわけでございますが、外交というものはなかなかむずかしいものであり、また長くかかるものだと見えまして、六月に書類を出しましてから十二月までかかったというのが実際の状況でございます。
○受田分科員 総務長官、あなたの努力された経緯を今一応伺ったのですが、もちろん日本の外務省とアメリカ大使館の外交交渉の過程の問題でもあるわけですけれども、具体的な経済援助の予算の実行交渉というものは、あなたが責任者の一人としてやっておられるわけです。特に本三十七年度予算に十億をこえる沖繩関係の予算が計上されて、その中に琉球政府に繰り入れるお金が七億一千二百万円ある。その金の具体的な実行をどうするかは、あなたの責任の一つでありますね。
○徳安政府委員 その通りでございます。
○受田分科員 ところが、この前の予算委員会ではこれが議題に供せられないで、まことにおかしな話ですけれども、すらすらっと第二次の補正予算が通ってしまった。その第二次補正予算の案を見ますと、三十七年度総理府所管の中で、繰越明許費の補正要求書がここに出ておるのです。今の琉球政府に対して繰り入れる分については、これが何一つ実行されておらぬ。大事な沖繩の水産練習船建造援助金の問題から道路の問題、土地調査の問題、農林漁業資金援助の問題、港湾施設の問題、消防施設の問題、これらが全然仕事をやらないで予算をお返しするような形になっておるというぶざまな結果は、政府に重大な責任を痛感していただかなければならぬと思うのです。あなたは国務大臣をもって充てる総務長官ですから、どうぞあまり遠慮をされないで……。
○徳安政府委員 ごもっともな御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、向こうに金をやります、そうして向こうの予算にそれを計上する、そうして日本政府もこれに関与し、また会計検査等もする、そういうような取りきめをいたしますための覚書を、六月向こうにやりまして、十二月までかかっておるわけでございます。その覚書の調印ができませんと、向こうに金をやるわけに参りません。そのために日にちがかかったということでございます。そこで私どもは、その覚書ができましたら、調印が両方済みましたら、すぐあくる日にでも処置ができるものと実は考えておりました。ところが、また内部手続の上におきましていろいろな問題が起きまして、やはりアメリカ側の了承を得なければならぬような状況もございましたために、とうとう事務上の手続がおくれた、それで向こうの方に金をやることができない、こういう事態が長く続いたということでございます。この覚書さえ早くできまして手続ができておったならば、いろいろな行政指導もできましょうし、あるいはまたこちらの方からも、もちろん予算で金があるわけでありますから、すぐ送ってやれたわけでありますけれども、金をやりとりする覚書の調印が進まなかったために、そういうことができなかったということでございます。
○受田分科員 交渉がそんなに長引くというのは、どこに原因があるのですか。特連局長がおいでになっておりますので、交渉の責任者として特連局長の御答弁を願います。交渉が長引いた事情を御説明願いたい。
○大竹政府委員 ただいまの覚書でございますが、どういう点をきわめておるか、一、二申し上げてみますと、こちらから琉球政府に交付する金でございます。ドルでやるか円でやるかというふうな問題、私どもといたしましては、一括して資金を琉球政府に交付するというのではなくて、やはり指定されましたような一つ一つの事業目的に沿って使ってもらいたい。個別的に一つ一つ審査をしていきたい。従って向こうから申請書も出してもらわなければならぬというふうなこともございます。それから金を支払う時期でございますが、これも一括して金をやるのか、あるいは精算払い、概算払い、どういうふうにしていくのかというふうな問題もございます。それから仕事をしていくのにつきまして、だんだん報告ももらいたい。どういう時期にどういうふうにして報告をもらうかというふうな問題、それから沖繩で技術が十分にございませんものは、技術の援助もそれに伴ってしていかなければならぬ、そういう点についての取りきめ、あるいは会計検査もしたい、あるいは目的通りに資金が使われませんでした場合に、どういうふうな処置をするかというふうな点を、実は覚書できめたわけでございます。どの点と申しますよりは、全体としてやはり琉球政府に金を交付して、琉球政府で事業をやってもらうということでございます。ただいま私が御説明申し上げましたような点は、大体日本の国内においては常識的な問題でございますが、必ずしもアメリカ側の法制などとは同じ取り扱いになっておりません。全般的に理解を求めるのに時間がかかったといういきさつになっております。
○受田分科員 ケネディ声明は三月ですね。そして交渉に入ったのは六月、時間的にはもう相当な余裕があるわけです。しかも三十七年度予算の中にはちゃんと七億一千二百万円という、琉球政府に対する繰入資金までも用意してある。その予算の実行ができなくて明許事項の中に入れてしまって、また三十八年度に十九億という予算を計上されて、この委員会にもお出しになっておるのです。このぶざまなやり方というものは、やはり日本政府のどこかにも欠陥があり、またアメリカの対日政策、琉球対策にもどこかに何か意図するものがあるのじゃないかというのが非常に不安なんです。予算が計上されて、実行できないような事態に立ち至ったというのは、一体どこに原因があるのですか。それなら初めから予算を計上しなかったらよかったでしょう。実行できないような予算を見通しなく計上するという、そのこと自身が政府の責任ということになりはしませんか。
○徳安政府委員 御承知のように、予算が三月に成立いたしまして、政府の方で案をつくって、六月からアメリカと折衝をしたわけでございますが、政府の方の考え方は、おそらくあれほど折衝に手間取るとは考えていなかったと思いますし、私もこうした問題の解決に、そんなに半年も時日を要するとは考えていませんでした。でありますから、機会あるたびに、何をしておるのだろうか、早くしてもらいたいということを、外務省の方にもお願いをしたわけでございますけれども、とうとうその最後の結論を得るまでに半年かかったわけでございます。過去の三十五年、三十六年等の援助は、教員をやりましたとか、あるいはお医者さんをやりましたとか、物を買ってやりましたとか、そういうような援助費でございました。しかし三十七年度から初めて向こうの予算に入れまして、向こうで仕事をするというようなことに改めたわけでございますので、今度の覚書が一番最初の覚書でございます。その関係でアメリカに私も折衝したのでありますが、向こうでもここで念に念を入れておけば、日本側も困らないようになるし、アメリカにも行き違いがないようになるから、最初のことだから、十分念を入れて、あとにいざこざのないようにしておきたいということを、高等弁務官も言っておられました。今度の覚書については、おそらく将来ごたごたの起きるようなことはなかろう、これは一年限りの覚書にはなっておりますが、大体これだけ念を入れてやったのでありますから、三十八年度、三十九年度続いて、更新はいたしますけれども、そう内容にわたってまで審議することはなかろう。やってみて両方がお互いに、これは非常に不満だというような問題が出ましたらこれは別でございますけれども、そういうようなことはおそらくなかろう。だから三十七年度は非常に済まなかったけれども、三十八年度からはなめらかにいくと思うから、がまんしてもらいたいというような答弁もございまして、私どもも、せっかく国会で決定していただいておるのでありますから、また沖繩にも参りますれば非常に待望しておるお金でもありますから、一日も早くやりたいと思いまして努力はいたしたのでございますが、何しろ相手が内地の人でない。しかもアメリカであり、さらに琉球政府と三者の形になっておりますために、了解事項にも相当の日にちがかかったというようなことで、これはほんとうにぶざまであることは仰せの通りでございますが、事実はやむを得なかったというように考えておるわけであります。
○受田分科員 ぶざまであることを十分自覚しておられるようでございます。まことに私たちも残念です。ただ日本政府に善意のあることを私は認める。ところが日本政府の善意が実現できないじゃないですか。ケネディ大統領は、はっきりと施政権の返還の前提的な言質まで与えておるのです。そういう米首脳部の見解と、第一線の交渉に、なぜこういうふうに大きな開きができておるか。沖繩住民にしてみれば、日本の援助を旱天の滋雨のごとく待っておるのです。あの不幸な住民は、この七億一千二百万がお使い願えないような形で、一年間もほうって、予算に計上したものが実行できないというこ占事態はまことに私は残念です。沖繩住民の不幸を一日も早く解消するために、どこかで妥結する努力をすれば、お金の支払い方法をどうするか、時期をどうするか、そういうきわめて事務的な問題は解決できないはずはないんじゃないですか。大きな外交問題じゃない。基本線はきまっておるのです。具体的な交渉する段階で譲り合うことは幾らでもできる。交渉は何回されたのですか。そして向こうが難点をつけておるのは一体何ですか。高等弁務官の意見というものはどこにあるのか。ケネディ方針と違って、施政権を返還することを阻止しようという動きがあるんじゃないですか。国防省と国務省の見解の相違なども手伝って、そういう施政権返還の阻止努力をしようという意図が高等弁務官の意見の中にあるとするならば、これは外交上の努力もさることながら、あなた方も交渉の過程で十分その非を鳴らして、沖繩住民を救うというわれわれの熱意を受け入れないのかとたんかを切って、向こうを説得したらどうですか。事務的にがらがらしておったのでは、いつまでたっても解決できません。
○徳安政府委員 お説の通りに、私どもも全く気持は同じことでございます。そこで、ときによりますというと、満面赤くなって向こうにも話をした場合もございますが、しかし事柄は外交でございますので、私どもはわき役を勤めたという程度でございます。正式の折衝は、あくまでも外務省が正式のルートでやっておられます。そのわき役を私どもは勤めた。さらにその内容に対しまして、個々の問題につきまして、どういう点がどういう工合になったか、あるいは了解点に達するのに暇がかかったかということは、あるいは特連局長が承知しておると思いますから、そちらの方からお答えいたしたいと思います。
○大竹政府委員 何回くらい交渉したかということ、あるいはどういう点が難点になったかということ、これは、特にこの問題でひっかかったというようなことも実はないのでございます。たとえば私どもといたしましては、こちらから援助する金で、なるべく日本の品物を買ってもらいたいというようなことを、一つの話題として持ち出しておったわけでございます。アメリカも援助をしているわけでございまして、そういうことになるとアメリカもまた、アメリカ品優先という問題も出てくるいう点などもございました。しかし、とりわけ相互に譲り合えないというような、そういう意味での交渉上の難点というものは、私はなかったと思うのでございます。ただ一般的に申しまして、予算を組みます場合にはもちろんアメリカ側と沖繩側とも十分に連絡をいたしまして、相互の了解に達した上で三十七年度の予算が計上されたわけでございます。向こうも実は、いざとなってみますと初めての事態でございまして、私がただいま申しましたような比較的簡単なことでも、先方としてはいわば初めて日本の法制に接してみるというようなことで若干理解をするまでに時間がかかった、こういう状態だと思います。高等弁務官の方で、本国では日米一体というふうにきめておるのに、現地ではそれに反対しておるような空気がありはせぬかというようなことでございますが、ただいま申しましたように、全体的に事務レベルの問題でございまして、私どもとしては、そういう感じを直接に感じてはおりませんでした。ただ長くなりましたことは、まことに申しわけないと思っております。
○受田分科員 アメリカの首脳部と日本の首脳部とは一体という形で沖繩の援助を話し合い、どういう数字で援助するかの比率までもきまっておるわけですね。そして今度はその具体的な細目をどうするかという交渉で、何ら高等弁務官の考えの中にも、首脳部の一体の考え方と違った動きがないということになるならば、予算がすでに計上されて実行を待つばかりの七億一千二百万円という金が、沖繩を助けたいと泣いておる。泣いておる金を、なぜ泣き寝かしておくのですか。これを少しでも早く実行しようとするならば、交渉の過程の細目の議論などはお預けにしてでも、ずばりと交渉の結論が出るはずなんです。これはあやしいですよ。どこかに何か意図する者があるとしか思えません。われわれは日本人である沖繩住民に対して、何とか早くお手伝いしようと、これだけ一ページにわたってあなた方の繰越明許費の補正要求書の中に書いてある。これだけ努力されてきたということになるのですが、この大事な仕事を一日も早く実現しようとするならば、もうちょっと努力して、話をすぱっと解決する道があると思うのです。事務当局の交渉がそんなに難渋するとは思えません。これはあやしいですね。持連局長、交渉の過程で、何か向こうは難くせをつけているということを思われなかったか。思われないとするならば、こちらもちょっと譲歩して、ずばりと解決する努力をこっちがしなければいけないのじゃないですか。ここに金があるのですから、ないものの相談ではないのです。お答えを願います。
○大竹政府委員 全体を通じまして、そういうスムーズに政策が実施できないような空気というふうなものを、私自身は感じておりませんでした。ただしかし、先ほど申しましたように、突然こちらからこういういろいろな提案をいたしまして、どういう考えで日本が提案をしたのか、日本の国内のやり方はどうなっておるのだろうというふうな点で全然理解がいかないというな点で、全然理解がいかないというふうな状態でございまして、私向こうに参りました際も促進いたしたわけでございますけれども、大体質問の中心は、問題を理解するという点に集中していたように感じております。
○受田分科員 先ほど私がお尋ねしました交渉は何回されたか。それからアメリカが負担し、日本が負担し、琉球が負担する援助の比率、これももう一ぺん私、正確を期するために当局からお答えしていただきたいと思ます。
○大竹政府委員 覚書の交渉でございますが、長官が申されましたように、外務省と大使館の間で正式には行なわれておったわけでございまして、私どもはわき役として促進をしたということでございます。逐条的にいろいろその間やりとりがあったように思われますので、正式に一体何回やっておるかということを今こここではっきり申し上げかねるわけでございます。ずっと引き続いてその期間やっておったように思います。 それから日米間の援助の比率が何かきまっておるかということでございます。これは午前中も実はお答え申し上げたのでございますが、私ども昨年沖繩調査団として参りました際に、いろいろ現地の話を聞きました。その際に、向こうで検討しております沖繩の振興計画というふうなものを、私どもの参考までにというので、全般的にではございませんが、その一部を説明を受けたわけでございます。心ずしも数字が入ったような計画でもなかったわけでございまして、アメリカ側から、たとえば三対一の割合で負担してもらいたいというふうな話は全然受けておりません。当時の新聞を見ますと、日本とアメリカが三対一の割合になっておるというふうな記事が出ておりました。しかしながら私どもの間で、三対一に負担しようというふうな何らの取りきめは今日行なっておりません。
○受田分科員 私は、これがいつ解決できるかということもまだ疑義があるのです。あちらのケネディ大統領の見解と違うような、高等弁務官というがんこな存在がある。どこかに壁があるのですね。この壁を打ち破るのには、今までのような調子では容易でないと思うのです。何とか早くこれを解決するような外交努力と事務折衝というものをあわせて実行せられることを希望しておきます。外交交渉に責任をかけるような御発言は、総務長官、あなたもやはり閣議に出席され、発言する権利があるのです。決して遠慮されないように。あなたの発言の答えがどうなるかの議決権はないが、発言権はあなたはお持ちなんですから。国務大臣をもって充てることができる職種というように、非常に重要なポストにあなたはおられるのです。一つせいぜい御努力されんことを希望しております。この問題は早急に答えを出していただくように御注文しておきます。総理府に対する質問は一応終わります。どなたもおいでにならぬようですから、外務大臣の御出席を待って次の機会にします。 ではこれから宮内庁に対するお尋ねをさしていただきたいと思います。総務長官に関連することがときどき出ますから、長官だけは御苦労を願います。 私はこの機会に、総理府の外局としての宮内庁の所管事項に関しお尋ねをさしていただきます。きょうは宇佐美長官が御出席をいただくということでございましたが、別の御用件ができて出席不能であるからということで、瓜生次長に御苦労願ったわけです。瓜生さん、宮内庁の最高責任者の一人として一つはっきりとお答え願いたいことが、今から次の数点にわたってございますので、次々にお答えを願いたいと思います。 私たちは憲法の第一条によって、象徴天皇の御一家を大いに尊敬し、また天皇御一家を中心に平和な祖国を大いに繁栄させようという気持を持っている国民の一人であります。従ってその気持から、私のはなはだふに落ちないような宮内庁のあり方について、まずお尋ねをしたいのであります。 宮内庁の当局は天皇御一家に対して、国民と直結する姿に切りかえるための御努力をされていることは、私にはある程度了解できるのでありますが、今日、問題は、この天皇御一家が国民に直接する姿の過程において、天皇御一家及び皇族であるがゆえに逆に憲法の第三章、第十条から第四十条まである国民の権利及び義務、この事項が逆に天皇御一家、皇族の皆さんに対して非常な陥没をさせておる事態が起こっておると私は思うのです。最近いろいろな週刊誌を拝見しますると、天皇御一家、皇族の皆さんに対して、いろいろと興味ある表現をもってその御生活を描写しております。たとえば義宮殿下が近くおきさきを迎えられるであろう、こういうことに関しても、すでにうわさの人々がたくさん週刊誌の上に名前が出て、その名前の出された御家庭においては非常な迷惑を感じておるという表現もされております。これは義宮さんの御結婚についていろいろとあっせんの努力をされる宮内庁の責任においてお答えを願うべき性質のものであると思いますのでお尋ねをしているわけでございます。義宮さんの妃殿下をいろいろとごあっせんをされる宮内庁として、そういう巷間にいろいろと記事が出されていることを御存じでございますかどうか、これをまずお答え願いたいと思います。
○瓜生政府委員 雑誌の上に、特に週刊雑誌の記事の上に、義宮様のおきさきの候補らしい人はこういう人だというふうにいろい写真入りに書き、揣摩憶測した記事がございますのは、われわれも拝見して承知いたしております。
○受田分科員 皇太子の御結婚のときは、その対象になる立場の人に対する配慮から、報道陣に対して一応の話し合いで、決定されるまで伏せておられたという宮内庁の努力を私は承っておるわけです。義宮さんの場合はそのことが配慮されないような方針が宮内庁で決定されておるのかどうか、お答え願います。
○瓜生政府委員 義宮様のおきさきのことに関連する記事についても、そう無責任なことを書かれることは、非常に書かれた方も御迷惑されるし、この話を円滑に進める上においても感心しないとは思っておるのでございますが、現在、言論、出版の自由がございましこの関係の方々が自主的にそういう発表までは書かないでおこうという申し合わせができますれば非常にけっこうなのでございますが、それがだきていない。この前皇太子殿下の場合におきましては、これはちょうど御婚約の発表が十一月ですが、その年の四、五月ごろから、いろいろ各社の方でも、これはやはり協定をして、発表まで書かない方がいいんじゃなかろうかという御意向が強くありまして、それを受けて、その当時小泉信三さんがいろいろ各社とも話をされて、そして自主的な、そういう記事は発表まで書かないという協定ができたのであります。これは新聞社の方であります。その当時は、いわゆる雑誌社の方は現在ほどはその取材網というものも有力なものだなかったのであります。週刊誌につきましても今のような取材網を持っていなかったので、雑誌社の方に対しましてはやはり一応の声をかけまして、協定はできましたような形ですが、これはゆるいことでございました。しかしその当時はこれで守られた。いよいよ近くなってからある週刊誌が書きましたが、それくらいで済んだのですが、現在の情勢ですと、新聞社の方の関係もそうですが、雑誌社も非常な取材網を持っておられまして、雑誌によりましてはなかなかそれに力を入れておられるので、この前のように円滑に協定ができますかどうか、その点は相当むずかしい点もあるかと思いまするが、宮内庁としてはやはり協定ができることを希望しておるのであります。それでは具体的に働きかけたかということになりますと、個々には話しておることはございます。しかし正式にはまだ話をしておりません。というのは、まだそれほど切迫してないという点もあり、もう一つは、皇太子殿下の場合と義宮様の場合になりますと、妃殿下にどういう方がおきまりになるかということに対する国家的な比重というものもだいぶ違うわけでございますね。皇太子殿下の妃殿下ですと将来皇后様におなりになる方、義宮様の妃殿下とだいぶ違うものですから、新聞雑誌の方のお考えもだいぶ違う点もありまするし、われわれの方もそういう点を考慮しておる点もございまして、個々にはちょっと話したことがございますが、まだ正式に——正式にという言葉は悪いのですけれども、まだこの前小泉信三さんがなさったようなやり方はやってないわけであります。
○受田分科員 私は、皇太子と義宮さんとの比重の点についても、これは皇位継承順位からもあなたの御答弁は理解できるわけです。ただ問題は、皇族であるがゆえにそういうことを書き立てられ、また、その対象になる人が非常に迷惑をする、こういうことを思いますと、そこに何らかの配慮が必要ではないか。報道の自由、言論の自由ということは、憲法で保障されていることです。同時に象徴天皇の尊厳という立場も考えていくと、人権の侵害ですね。この人権の侵害と報道の自由とをどう調節していくかということを、やはり宮内庁の責任のあるお立場としては当然お考えになっておく必要はないか。これは法律的に見ても一つの問題があると思うのです。 それで皇太子妃美智子殿下のいろいろな記事も、小説とか写真とかでうかがうことができる。宮内庁は皇太子御夫妻のそういう日常生活に対するいろいろな描写された記事が雑誌等にも出ていることを、これも御承知でございますかどうか、そしてそれに対して、何らこれは人権を侵害するような内容ではないと御判断をされておるかどうか、これもお答え願いたいと思います。
○瓜生政府委員 特にお尋ねの点は、皇太子殿下、妃殿下の関連の記事のことだと思いまするが、いろいろの雑誌の記事の中には相当無責任な揣摩憶測をしまして実際と違うようなことを興味本位に書いておられるものがあるわけであります。記事はによりまして、これはどうも感心しない、実際とも違うしというような場合には、その雑誌社に対して、われわれの方は、これは困るじゃないかという意味のこちらからの警告をいたしております。問題によりますと記事の訂正の要求もいたしておるわけであります。現状がよいとは思いません。ただ一部の雑誌でございます。しかも特に一部の週刊誌でございまして、一般の新聞ですとか、それから心ある雑誌は相当注意しておられるわけで、その全体が悪いとは思いません。そういう一部のものがあるのを非常に遺憾に思いまして、そういうような注意をそのたびごとにいたしておる次第で、場合によりますと、雑誌協会というのがありますから、そこへも——私の方のその方の担当は総務課長というのがやっておりますが、そういう協会にも出ていきまして、こういうようなことは非常におもしろくないじゃないか。協会には協会報というのがございまして、協会としては、協会員に対して、こういうことは注意しようじゃないかというような回状を回しておられるので、こういうふうにしておきました、今後われわれもお互いに注意するようにするというようなことを言っておられますが、しかし一部のどうかと思うような点は、依然としてちょいちょい出て参ります。先生もごらんになっておかしく思われるようなものが出て参ります。これは非常に遺憾でありますが、今後とも今申しましたような努力は続けていきたいと思っております。
○受田分科員 長官及び次長は、この巷間の雑誌等の関係記事は一応くまなく目を通しておられるかどうか、お答え願います。
○瓜生政府委員 現在われわれは、皇室に関連する記事は一応全部見る建前にいたしております。私の方に書陵部といって図書を扱っている担当の部局がございますが、そこで、皇室に関する記事のあったものは一応まとめまして、われわれのところへ回して参ります。特に週刊誌とか雑誌の類になりますと、おくれたのじゃいけないものですから、出ますと、なるべく早目にわれわれのところに回って参ります。そうすると、たとえば私の場合ですと、役所におりますとなかなか忙しいものですから、役所で読み切れないときには、そういうものはうちへ持って帰って読んでおります。時によりますと十冊も十二、三冊もある場合があります。
○受田分科員 そこで、一々関係記事の登載された雑誌を指摘するまでもないと思うでございます。宮内庁がよく御存じである。非常に綿密な調査をされておるということ、その答えは、先ほど申されたような注意を申し上げておるということでございました。 私はここで、皇太子であり、皇太子妃であり、皇子であるという立場から、そうしたいろいろなことを書かれても訴えるところもない、間違いを是正してもらうこともないということになると、一般国民よりももっともっと人権の侵害をされるつらい立場に、またこれが深刻な記事でも出たら、非常につらい立場に立たれると思うのです。これはここに法制局の方が来ておられるので、この点を法的にお伺いしたいのですが、天皇を除く皇族の方の法的地位は、憲法の国民の権利義務関係の十条から四十条までの規定が完全に適用されておるかどうか、お答えを願います。
○山内(一夫)政府委員 お答えいたします。御質問に対しては、憲法の基本的人権の保障は、私はあると思います。ただ、皇族の御身分の点からいたしまして、現在の法律あるいは法律の解釈からいって、すべての点について国民と同じようにお取り扱い申し上げているというわけではなく、若干の例外がありますが、憲法の基本的人権の保障の規定はあるというふうに私は考えております。
○受田分科員 若干の問題の点があるということは非常に気にかかるのですが、それはどこでしょうか。
○山内(一夫)政府委員 たとえば、皇室典範で規定してあります点につきましては、普通の国民の身分関係に対する取り扱いと違う点がありますし、それからあるいはまた選挙権、被選挙権についても、現在の解釈としては御行使なさらないようなお取り扱いになっておる、そういうような点が違うというふうに私は心得ております。
○受田分科員 選挙権、被選挙権を行使していない、それが違うという程度、これは皇子みずからが立候補されるということはなかなかむずかしい点がある、こういう意味が含まれておると思うのです。そうしますと一般的には国民の権利義務関係に立っておる、基本的人権が擁護されておる皇族の身分に対して、どこからか侵害があったというときには、皇族であるがゆえになかなか訴えるところもない。また、象徴御一家であるがゆえに、影響するところが大きいということになると、その人権擁護はどういう姿で配慮されるべきであるか、お答え願いたい。
○山内(一夫)政府委員 今まで御質問がありました皇族の私生活の御自由と申しますか、そういう面については私は皇族も国民と同じ保護を、現在の法制のもとにおいては受けているというふうに考えているわけです。ことに私生活の自由という非常に消極的な意味で他人から干渉されたくないという考え方というものは万人共通の考え方でありまして、この点からいって皇族のそういう面の権利が侵害されるといたしますれば、それはやはりしいて申せば法律上違法という問題に相なると思います。この違法をどういうふうに是正するかということでありますが、これは問題によって、ある場合には刑法の問題になり、あるいは民法の問題になって、民事訴訟でその是正をはかるということに相なると思いますが、そういった実体的な保障の規定、あるいはそれを実現する訴訟法上の手続というのは、皇族も国民も同じように現在相なっておる、かように私は思います。
○受田分科員 瓜生次長にここでお尋ね申し上げておきたいのですが、今次長は御答弁の中で、義宮さんの場合は差し迫っておらぬという御答弁があった。事実差し迫った問題になっていないのでありますか。
○瓜生政府委員 差し迫ったという用語のとり方だと思いますけれども、現在はまだ調査中でございまして、よく聞かれるのです、もうだれかにしぼってそこに何か交渉でも始めているのかと聞かれますけれども、そういうことは全然ございませんので、現在はまだいろいろ調査をいたしております段階であります。しかし義宮様はもうお年もこの暮れで二十八になられますし、お年とすればもう御結婚になられてよいお年だと思うので、いい方がないだろうかと、現在盛んに調査をいたしておるということでございます。
○受田分科員 現時点においてはまだ調査段階であって、具体的な候補がしぼられる段階ではない、こういうお答えと了解してよろしゅうございますね。
○瓜生政府委員 さようでございます。
○受田分科員 そこでさらに質問を進めて参りますが、皇族のお立場にある人が、人権を侵害されてきたという場合に、皇族みずからがその侵害に対する告訴、告発というようなことはなかなかむずかしいということになると、一体どういう取り扱いがされることになりますか。これも一つ法律的に、また現実の問題として御答弁を願います。
○山内(一夫)政府委員 現在の法制で考えまする限りは、そういった皇族の私生活去り基本的人権が侵害された場合におきましては、刑法の名誉棄損罪の場合はちょっと別でありますが、それ以外の場合は御自分で是正をおはかりになるという以外に方法は私はないと思います。これを将来制度としてどういうふうに持っていくかということは、立法政策の問題に相なるかと存じます。
○受田分科員 こういう問題は政府みずからも配慮し、宮内庁が特に責任を持って配慮されて、そうでないと、不敬罪を設けようなどという動きさえも起っているわけなんです。こういうことになると、また新しい人権侵害ということが起こるわけなんで、現実の問題として、宮内庁事務当局が、総理府を中心の連絡調整係にあられる総務長官などもそこにつながりを持って、極端な象徴天皇御一家に対する誹謗的な記事、曲解的な記事が書かれないように、良識の記事が書かれるような注意を促し、また、それを善導していくというような言論界の良識が十分生き返るような配慮をされる必要があるのではないかと存じまま。いかがでしょうか。
○瓜生政府委員 御説の通りでございます。しかし幸い、ちょっと前に風流夢譚事件というようなのもございましたが、あのような極端なものは最近は出なくなっております。しかし先ほども申し上げたように、どうかないというようなもの、もう少し程度の軽いものはあります。それについては、先ほど申したようなことを私どもの方としてもいたしております。問題は、これは一般国民の良識がどの程度に高まっていくかという一般の問題だと思いまして、良識の高まるようにあらゆる分野の人が努力しなければ、宮内庁だけがやりましてもなかなか効果の上がらないものかと思っております。しかし一そう努力いたすつもりでおります。
○受田分科員 いま一つ、宮内庁のなさっておられる国民と天皇御一家とのつながりの仕方についてのわれわれとしての御注文を申し上げたいと思います。瓜生次長、資料をお持ちであればお答えを願いたいのですが、天皇陛下が一般の国民の中から代表者としての立場の人に陪食を命ぜられる。あるいは陪食を御一緒にしようという立場で参加する人があるわけですね。これは外交官とかあるいは政府の要路の人とか。この陪食というのはどういう形で行なわれておりますか、お尋ねを申し上げます。
○瓜生政府委員 この陛下が一緒に御食事をなさるやり方の問題でありまするが、回数は外交関係が一番多いと思います。これは、外国から先に申しますると、大使、公使、そういう人が信任をされる、それから任務を終わって帰られるというような機会に午餐会がございます。その一人々々じゃなくて、少しためておきまして、まあ三、四組の方を一緒になさっている。これが年に、そのときによって多いときもあり少ないときもありまするが。毎月一回くらいあります。ただし夏とか、そういうときは避けておられます。それからそのほか国賓が見えます。これは元首級の方が見えますときには晩餐会がありますし、その他の国賓の総理級の方が見えますと、そういう場合は午餐会がございます。それも国賓の数によって年によって違います。国内の方の関係は、これは総理以下閣僚の方とか、議長、副議長、最高裁の長官、長官代行の判事の方、そういう方については毎年年の暮れにお招きになって昼食をともにされる催しがございます。そのほかに、内閣がかわられたような場合にも、時によるとたくさんの方がかわられたような場合にはあることがございます。それから文化勲章を受けられた人とかあるいは芸術院の会員になられた人、それから学士院の会員あるいは芸術院、学士院で表彰されたような方、そういう方のための御陪食もごいざます。なお午餐とまでいきませんが、お茶の会というのもときどきあります。ごく最近、きのうは国会の議長、副議長、常任委員長、特別委員長の方がそろっておいでになって四時にお茶の会というのがございましたが、実はこの国会の役員の方のお茶の会というのも去年から始まりましたんです。その前はなかったのです。だんだんそういう会合をふやすように、陛下の方の御都会もございますけれども、われわれの方で陛下の御都合がつけばいろいろ考慮したいと思ってやっておるわけです。
○受田分科員 今のような費用は宮廷費の招宴費の中から出るわけですね。
○瓜生政府委員 こういう費用は、宮廷費の中に予算内訳というのが十一項目書いてございまするが、その中の招宴費という中に入っておるわけであります。
○受田分科員 私は今次長がお答えになった中で一つ考えていただきたいことがあるのです。今いろいろと例をあげられた招宴の対象になられる皆さんの顔ぶれを見ますと、やはり高位高官の皆さんであるということになっている。ここで一つ国民の中で非常に苦労して努力をした人などに対しても、一般社会的な立場で地位的な問題を抜きにした、人間として尊重すべき尊敬すべき人の代表者というような者にも、適当に陛下と御一緒にお食事をされるような空気をつくるということは、これは天皇御一家と国民の親和をはかっていく上に非常に大事なことじゃないかと思うのですが、宮内庁次長としての御所見と総理府外局の連絡調整係の総務長官、国務大臣をもって充てる地位にあられる徳安さんとお二人から御所見を伺います。
○瓜生政府委員 一般の民間の功労者の方を特に召されて午餐の催しがあるということはございません。しかし、園遊会の際にはそういう功労者の方というのは、最近ですと六百人、御夫妻ですとその倍になりますけれども、六百人を招かれております。そして園遊会の際にはずっと皆さんのおいでのところを両陛下お回りになりますけれども、そういう場合にはそこに来ておられる一般功労者の方には努めて言葉をかけていろいろお話をなさっておるわけで、一昨年に比較いたしまして昨年の園遊会はその時間もずっとたくさんかけておられます。予定以上にかけておられますが、昨年おいでになった方々は、非常によく皆さんとお話しになっておりましたねというようなことを言っておられました。そういう点でわれわれ事務的に準備する方も、いろいろそういうふうになさりやすく取り計らうようにいたしておりますが、陛下も努めておいでになります。
○徳安政府委員 宮内庁関係におきましても、国民と皇室との関係をできるだけ密接にするように最近はいろいろ御配慮をされておるようでございます。ただいまのお話承りましたので、私どもといたしましては、総理にも一ぺんよく趣旨をお伝えいたしまして意見を徴しかつまた善処したいと思います。
○受田分科員 なお皇室の関係で問題は、皇太子の御進講をされる講師、先生、こういうことについても格式ばった形でなく、大衆的な人の中からよき指導者を得られるようなことであるならば、国民全体の象徴としての天皇御一家を民主的に大いに繁栄していただくという意味からは、あらゆる点で、皇太子あるいは皇子などの進講に当たる先生として大衆的な代表者もお呼びになる、あるいは特に皇居を参観する人々の希望にも応じて、適当にあの通路にお茶や水を飲む場所もつくっておくとか、こういうふうな国民と直結するための配慮を宮内庁としても十分努力せられるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○瓜生政府委員 皇太子殿下は、御進講というような意味で、かた苦しく学校の先生のお話も実は聞いておられます、これも語学とか歴史だとかいろいろな関係がありますから。そのほかにいろいろな産業、それから社会事業、そういうような面の適当な方のお話もよく聞いておられます。それから文士あたりの方も来られてゆっくりいろいろ話されたのを新聞や雑誌にも載ったこともございますので、御存じかと思いますが、そういうようなこともなさっておりますし、それから特に若い方で外国へいろいろ行って勉強してこられた人、そういうような、何か皇太子殿下の御結婚記念で外国へ若い人が勉強に行かれるような制度もありますが、そういう方が帰ってこられますと、そういう人に東宮御所に来ていただきまして、相当ゆっくりお話をなさっております。そういう方は、あんなによく話されるとは思わなかったということを言っておられます。それから地方にお出かけの際に、地方の、時によりますと青年、その中には男女含みますけれども、青年の方の座談会のような会合をされて——時間がない場合はやむを得ませんが、時間がある場合には、そういうようなこともなさっておられるので、われわれとしても、そういうようなことによって、広く一般の国民の方と従前以上に接していただくように努めていきたいと思っております。
○受田分科員 宮内庁として配慮していただくべきことは、まだ私幾つもあると思うのです。人間的な差別観念をもって処遇する部門が相当に残っておる。たとえば文化勲章の受章者に対して、奥さんと御一緒に招宴——勲章を授けられるときには御主人さんだけでいいでしょうが、一緒にごはんをいただくときなどは、やはり奥さんと一緒に多年の苦労が実を結ばれた、御苦労さんであったという、女房に対する受章者の気持なども、一緒に食事ができるような姿に持っていくとか、いろいろな点で配慮すべき点があるんじゃないか。特にオリンピックを契機として、皇居の中の開放部分、東側、北側の開放部分なども、できればオリンピックが開催されるまでに一般市民の利便に供していくような配慮をされるとか、いろいろな点で御努力をしていただく点があるんじゃないかと思いますが、今私が指摘した点についての御意向を伺っておきます。
○瓜生政府委員 特に具体的なのは、東側地区の整備なんかも、オリンピックに間に合わしたらどうかというようなことでございますが、東側地区の庭園化のことは現在進めておるのでございまするが、オリンピックまでにはあそこはまだ完成いたさないのでございます。それはあそこの馬場のところ、それに伴う一部の馬小屋、これはオリンピックの準備のためにそのままにしておいてほしい。やはり東京の近くにはそういう馬の施設というのがあまりないのでございます。外国からも人が来られて、なかなか練習をするような場所も少ないものですから、それはオリンピックが済むまではそのままにしておいてほしいということで、その部分はオリンピックが済むまではそのままになっております。ほんとうはそこは一番大事な緑地の中心になるわけでございますけれども、完成する時期としましては、オリンピックが済んでから大急ぎでずっとそういう建物をこわしたりして完成する。従って、オリンピックの翌年の四十年度ということになるのでございます。これは先生の御意見に合わないんですが、オリンピックのために延びるというおかしなことになるわけでございます。
○受田分科員 いま一つ、皇族費という費目があって、これに予算が計上されているのですが、皇族の身分にある方に、国民の全体とのつながりを持つ意味で、何らかの公職を持ってもらってはどうか。皇族費の計上等に対して国民の負担で皇族のお立場を尊重してあるわけですから、いろいろな外部の公職におつきになって、国民とともにある皇族というお立場をとってもらいたい、大いに公職におつきになり、民衆の中へ溶け込まれることを私は宮内庁としてはお進めになってはどうかと思いますが、いかがでございましょうか。
○瓜生政府委員 皇族の方が何か他の公職を持たれるというようなことは、戦前ですと、主として軍務についておられたということがございますが、戦後はもちろんそういうことはないわけであります。何か適当なお仕事につかれるかという問題ですが、これはなかなかむずかしいものですから、実際問題としては、特別の職務にはついておられませんが、しかし、いろいろな協会の総裁ですとか、そういうようなことは各宮様がなさっております。あるいは三笠宮様はオリエント史の研究をしておられますから、女子大学でその講義をなさっております。しかしながら、総裁というのは名誉職ですから、その協会の催しがあって地方へおいでになる場合の経費はその協会が持ちますという程度で、これは報酬のある仕事ではございません。学校の先生と申しましても、講師ということで、これも収入としてはわずかであります。結局、現在皇族さんの数は昔から見ればそう多くありませんので、その皇族様方に、こういうところへ来ていただきたい、こういうようなことをやっていただきたいというようなことは相当ひんぱんに申して参ります。そういうところへお出かけになることが公務、皇族としてのお務めで、それが相当お忙しいですから、そういうように皇族として活動されることが公務というふうに考えていいのじゃないだろうかというふうにも私は考えております。
○受田分科員 皇族の地位にある方に非常勤的な公的立場に立ってもらう、こういうことは、私、非常にいいことだと思うのです。別に常時勤務されるお仕事におつきになることを私は申し上げておるわけじゃないのですが、いろいろな協会とか、いろいろなそうじた団体の責任者になられて、常に国民とともにある、主権在民の新憲法下の皇族というお立場で動いていただくならば、予算上に皇族費が計上されておっても、象徴御一家の権威において国民も十分納得することなのでありますから、そういうふうに公的立場にお立ちになられることを、宮内庁としてはむしろお勧めになる方がいいのではないか。国民との間をつないでいく意味で、そういうことを私、希望申し上げておきます。 最後に、国民とつながりを持つ意味で、新聞等でちょっと小さくは書かれておりますけれども、いろいろな立場の人がなくなられたときに、天皇陛下より金一封という下しものがされるわけですが、これはどういう形で出され、どういう人々を対象にし、また、これに対する予算措置はどうされておるか、及び私たちとしては、そういう金一封は、金額は少なくとも、広く国民に均霑する方がいいと思う。特定の人に金一封という意味ではなくて、もっと幅を広げるという意味であるならば、その必要経費は増額しても、国民と皇室をつないでいくのには大事な要素であると思いますが、この点について、直接事務処理をされている宮内庁の瓜生さんにお答え願います。
○瓜生政府委員 国家社会に功績のあった方に対しまして、なくなられた場合に、天皇陛下から祭祀料といっておりますけれども、金一封をお出しになっております。その範囲は、国家、社会に功労のあった人ということで、行政方面でいえば総理とか閣僚、国会議長、副議長、議員の方とか、最高裁の長官とか判事とか、認証官というのもあります。それから次官クラスのいろいろな方もあります。また県知事、市町村長もございます。しかしそういうようないわゆる公的な地位でない方も、あるいは体育の巧労者ですとか、あるいは産業の巧労者ですとか、その他学界の功労者とかいうような方に対してもなさっておりますが、これはどういう方が功労者かというのも一々全部調べているのはむずかしいものですから、結局これは関係の各省からこういう方がこうだったからというので、宮内庁の方へ書面を出してこられますから、それに基づいてなさっておられるわけであります。 この予算は、祭祀料につきましては官廷費から出ているわけでありますが、その金額については、いただいてあけてみたところが、あまり多くないというようなことの御批評もちょっとありましたものですから、これはお気持を表わす、こういってはなんでございますが、香典のようなものでありますから、しかし世間一般から見てあまり低くてもいけないというので、昨年からそれを約倍くらいにはふやしました。しかし世間のいろいろな基準から見て、もっとふやしたらいいのじゃないかというような御意見もあるかと思いますが、こういう点はさらに検討いたしたいと思っています。
○受田分科員 その中身が、何か今あけてみたら大したことはなかったと失望した人もある、そういうことじゃなかったですか。
○瓜生政府委員 失望というようなことではなくて、中身が少なかった、もう少しふやしたらどうだろうというようなことをその遺族の方というよりも、ああいう場合いろいろな方がお世話なさいますから、お世話なさった方から忠告のあったことがあります。
○受田分科員 その金額の中身は大よそ見当がつきます。けれども私たちは、国家、社会に功労があったということが、特定の限られた人でなくして、社会事業的にも、人間的に尊敬すべき仕事をしたような人にも及ぶというふうに、これはなかなか限界がむずかしいと思いますが、十分に配慮されて、われわれの象徴御一家への親近感を国民が感ずるように努力される必要がある。国民と皇室とをつなぐ大役を果たされる宮内庁として、皇室の大衆的な立場を十分生かしていくように配慮されていくことを希望を申上げまして、私の宮内庁に対する質問を終わらせていただきます。 これで一応終わります。
○櫻内主査 田中織之進君。
○田中(織)分科員 特連局長見えていますか——。だいぶ時間もおそくなっておりますし、私もあすの本会議の質問の準備もしなければなりませんので、簡単に一、二お伺いをいたしたいのであります。 先年、私予算委員会あるいは外務委員会で取り上げた例の小笠原島民に対する六百万ドルの見舞金でございますが、その後その配分の問題をめぐって、一般島民、あるいは小笠原における旧地主の関係の諸君が、あの見舞金が土地所有権に対する補償を中心としたものであるからということで、その配分について単なる見舞金として一律配分は困る、こういうような主張をされて、なかなか特連局長骨が折れたことと思うのでありますが、本件につきましては、その後自民党で福田篤泰君、元の総務長官、それから楢橋渡君、その後私どもの方の党の加藤勘十氏にそれぞれ引揚団体の方からの要請がございまして、三人の方々がいろいろ引揚者の間の意見を調整しながら、大体配分についてのめどがついたということを昨年末に聞いておるのでありますけれども、年内にこの配分が終わったのか、終わっていないといたしますならば、現在の進行状況がどういうことになっておるか。また問題になりました点については、ここで発表することは差しつかえなかろうと思いますので、話し合いのついた内容についてお聞かせいただきたいと思う。
○徳安政府委員 ただいま御質問のございました小笠原関係諸君に対するアメリカから参りました金の配分の問題でございますが、私が就任いたしましてから後、今お話がございましたように、福田篤泰先生、楢橋渡先生、加藤勘十先生、この三人の方に大へん御心配を受けまして、各団体の方々もそちらに委任状を差し上げられて、異論は非常にございましたけれども、御三人の方の最後の御裁定によりまして話がまとまりまして、大へんお困りになっておる方もございますので、年越しをすることはいけないということで非常に急ぎました結果、昨年の末からまとまりました分だけからどんどん払い出しをやっておりまして、現在すでに八億三千百八十八万五千百八十一円、総金額が二十一億円ぐらいと思いますから、三分の一強になりますか、とにかく八億三千万円ぐらいただいま払い出しまして、その間各団体があるようでございますけれども、きわめて円満友好のうちに進行いたしております。なるべく早く全部に行き渡るようにいたしまして、あるいは新聞その他におきましても告示などをいたしまして、早く皆さんのお手元に届くように配慮いたしております。
○田中(織)分科員 問題の土地所有権者に対する補償の問題と、一般的に小笠原から引き揚げざるを得なくなった方の見舞金的なものとの間の意見の対立の調整は、具体的にどういうように処理されたのですか。また未払いの約十五億円については、どういう部分が問題で未払いになっておるかという点についてお聞かせ願いたいと思います。
○徳安政府委員 数字的なことは特連局長をしてお答えいたすようにいたします。
○大竹政府委員 最初土地の所有者は全額土地にもらったのだということを主張しておりまして、その他の人はそうじゃない、みなに分けてほしいというような主張がございましたが、先ほどの話のように、三先生初め各団体の御協力をいただきまして、相互に譲歩してそれぞれの金額をきめたということでございます。 それからまたあとまだ払い出してないものは何か難点があって払い出さないのかということでございますが、昨年の暮れから払い出しをいたしておりますが、これはやはり正確を期します上に、正確な書面や証拠資料をそろえて出していただくということになっておりますので、まだ全部請求書もそろっておらない、ちようだいした分から払っておるということでございまして、特別な支障はございません。
○田中(織)分科員 この金の配分が、私が問題を取り上げたそのときには、まだアメリカから受け取っていないときから、私この問題を急いでやるようにということで推進をしてきた一人であります。金を受け取ってからも、銀行預金にいたしましてもたしか一日二十数万円の利子がつく金でございますので、日銀へただ預託していると利子がつかないので、民間の金融機関に預け入れて——関係者がこれを実現するまでの間に、相当なやはり、平たい言葉で言えば運動費というか経費もかかっておるから、そういうようなものの支弁に充てるようにということで預託をお勧めいたしました。これは後に防衛庁長官になられました藤枝泉介君が、法規の許す限り実利のあるように考えたいということでございました。現在、延びるということになりましても、無利子ではないわけなのですが、一面これを実現するまでの間に東京都から、たしか一億四千万円くらいであったかと思うのでありますか、こういう見舞金がくるということを見越した意味における特別融資をしたものがございました。これは見舞金がくれば返すという約束であったように思うのでありますけれども、この問題は実際的にはどういうように処理をされたのかということ。それから関係四体の中で、小笠原水産会社をこしらえた関係の中では、若干その会社の漁船の権利を二重売買するとかいうような刑事事件も起こったような関係でございますので、一日二十万円以上であったと思うのでありますが、金利ということになりますと、配分までの間でも相当な金額に達しておると思うので、そういうようなものはやはりこれを獲得するまでの運動費ということで、まるっきり渡しっぱなしにするわけにいかない。そういう点については、ほんとうは引揚者団体が三つも四つにもなっていなければ、当然それらの人たちに直接渡されるべきもので、これの窓口になった政府としては迷惑な話であったと思うのでありますが、現実にはやはりそういう確執があったことは事実だと思うのでございます。その点の利息金の処理というようなものがどういうようになっているか、あわせてお答えをいただきたいと思う。東京都からの融資を受けた部分とその点であります。
○徳安政府委員 東京都から融資を受けましたものにつきましては特連局長からお答えいたすようにいたしますが、金利の点につきましては、全部精算いたしまして元金に加えて、そしてそれを基礎にいたしまして各団体ごとに御相談願って、公平にこれでよろしいという配分率をきめたわけでございます。
○大竹政府委員 金利や団体の経費の問題でございますが、金利は、銀行に預けまして生じましたものを、ただいまのように元金に加えまして配分の総額をきめております。団体の経費は、おっしゃいましたように非常に団体としても努力をいたしたわけでございまして、必要な経費は当然処理しなければならぬわけでございます。団体といたしましては、アメリカからもらうことを予想いたしまして、あらかじめあちこちから借りて処理しておったといういきさつになっております。しかしこれを政府が、アメリカから預かりました金のうちから直接に団体に払うということはいろいろ問題があるわけでございまして、アメリカとしては関係者に分けてもらいたい、金の帰属は小笠原の関係者に帰属するということでございますので、私どもといたしましては、関係者に支払いをする、ただしかし、本来団体が使いました経費は、会費のようにして関係者からちょうだいするというふうな性質のものでございますから、関係者が自分で受領する金の一部の受け取り方を団体に委任する、こういう形で、団体に委任された分は団体に対して支払っていこう。これは三つ、四つの団体がございますけれども、私どもといたしましては、どの団体というふうに差別はしておらぬのでございまして、そういう関係になりましたものは団体に、委任状に基づいて金を支払うという措置をいたしております。 それから東京都から金を払ったという問題でございますが、これは昭和二十九年、三十年ころに東京都から別途の助成金を出しております。これは東京都からくれた金でございまして、そのまま現在では取り返しておらない、当時もらったときのままでございます。ただいまお話にございました返す金というのは、実は政府が三十、三十一年度、二回にわたりまして約一億四千万円でございますが、これはやはりアメリカから補償、見舞いなどをもらう前の一つの前払い金、立てかえ金、そういう意味で小笠原関係者に支払ったわけでございます。当時からの約束でございまして、アメリカから金がきたら、そのうちから返してもらうという約束になっております。今回六百万ドルの中から、皆様方の御同意を得まして、当然返すべき金だという皆様方の御意見でもございましたので、政府として返していただいた、こういういきさつになっております。
○田中(織)分科員 その政府から出した金も、もちろんそれは出すときから、貸すということ、アメリカから見舞金が取れたらということでありますけれども、この見舞金そのものについても、これは見舞金ぽっきりのものであるか、過去のそういうようなものに対する補償金で、今後の分がもらえるかどうかということについても実は議論が分かれた問題でございます。出した方と受け取った日本側との間に、実は微妙な食い違いがある形で受け取った金でございますので、関係者が返そうということになったから政府は返してもらったということで、おそらく返却を受けた以上は、そういう意味で雑収入で予算にも出ておるのだろうと思いますから、それ以上追及いたしませんけれども、一億四千万円というものは一たん出した金でありますから、もし彼らの方から返すということになれば、この金を、今後島民が復帰のときまでまだ何年内地に在住しなければならぬかわからないのでありますから、そういう共同の施設というようなもののために向ける、そういう処置を講ぜられるだけの親切がほしかったと私は思うのであります。受け取った金は当然国庫へ入っておることと思いますので、もうすでに納入の手続をとっておるということであれば何をか言わんやでありますけれども、まだ十何億というものは返してもらうということに話がついておるという段階であるならば、約束だから返したので、これが国庫の収入になるのだというようなことではなくて、やはり帰るまでの間のこれら島民の苦労という観点から見て、せっかく出した金でありますから、彼らが返したとしても、その金を有効に彼らの福祉のために使うというような配慮がほしいと思うのでありますが、その点はいかがですか。
○徳安政府委員 お説の通り、私どもも現実の問題といたしまして、そういう金を今さら取り返すのはどうかというような気持もございましたし、また福田、楢橋、加藤、三先生からも、この際そういうことはやめた方がいいのじゃないかというお話もございましたが、何しろ当時の証文が入っておりまして、一応必ず返しますという手形が入って、大蔵省にそれがあったものでありますから、それをとにかく回収しておこうということで御了解を得て、その証書のために一応払ってもらったということでありますが、こうした問題につきましては、私も閣議等で一応話はしておりますし、今後にも多少問題が残されるのではなかろうか、かように考えております。一応とにかくその証書を皆さんがお書きになったものでありますから、それをうやむやにはできないということで、正しいルートでお返し願ったという形にはなっているわけでございます。
○田中(織)分科員 東京都は世界二番目の大都市だということで、小笠原島民約七千人の引揚者の諸君は、東京都民であります。引き揚げを余儀なくされましてから、東京都庁が彼らの町役場というか村役場になっているわけです。しかし小笠原島民のたまりである部屋すらもないというのが、現在の東京都政の中におけるこれら小笠原島民の位置だと私は思うのです。東京都知事選も近づいておるわけでありますけれども、一体東京都民のすべてに公平な政治が行なわれているかどうかということについては、これはやはり東京都民諸君が批判する問題でありますけれども、小笠原島民の問題も、東京都民であるという考え方の上に立ちますならば、しかもこの問題は国会の関係を通じて、こういうものが彼らの渡されたというこの機会を通じて、一応証文の入っているものでありましょうけれども、東京都内におけるこれら島民諸君はそれぞれの団体をこしらえて、あるいは弁護士事務所に寄食をしたり、そういうような金を相当使っておるわけでありますから、私は、できるならば政府と東京都が一体になって、これら島民諸君の集合場所くらいはつくってやってもらいたい。約二十一億円でありますから、頭割りにすると三十万円くらいのものです。みんな困っておりますから、現金がほしいと思うのですけれども、三十万円くらいの現金をもらったところで、月二万五千円ずつ使えば一年間で消えてしまう金なんです。これが毎年それくらいずつの金をアメリカからもらえるものなら、これはまた別でありますけれども、そうではないのでありますから、ほんとうは政府が親心を持つならば、そういう先々まで考えてやらなければならぬと思う。この点は特に総務長官に閣議等の席上でお考えをいただきたいと思う。 それに関連して、これで見舞金ももらって、アメリカの方はいつ返すか、アメリカが返すまでの間支払いが済んだのだという気休めもあるかもしれませんけれども、私は当時も申し上げたのでありますが、潜水艦基地くらいにどこから島を使うくらいの必要はあるかもわかりませんけれども、軍事的な関係から見ますならば、大した利用価値はないわけなんです。今日別の委員会でも申し上げたのですが、韓国ですら、アメリカのアジアにおける防衛体制の上から大した意義はないので、足手まといになっているという段階に、小笠原島をアメリカ自身がいつまでも占領しておくという軍事的な効用も薄らいでいるのではないかということを私は聞いておるのであります。そういう点から見て、何か金をもらうだけもらっておいて、配分が終わったころに、今度はいつ返すのだということを切り出すことはばつが悪いと、あるいはお考えになるかもしれませんけれども、その点は遠慮は要らないのであります。やはり小笠原の返還の問題を政府が絶えずアメリカに要求しなければ、これら島民の帰島という希望に沿えないことになると思うのでありますが、その点については政府部内でお考えになっておるのかどうか、この際、総務長官に伺います。
○徳安政府委員 沖繩と同様な関係に今ありますので、沖繩に対する施政権の返還等はしばしば叫ばれておりますし、また政府といたしましても、できるだけすみやかにそうした時期の来たることを望んでおるわけでございまして、やはり小笠原に対しても同様な考え方でございます。ただ、最近聞きますと、まだ向こうに墓参にもいけないような立場でもあるようでもございますので、とりあえずそうしたことからでも糸口をつけまして、自由に行ったり来たりするくらいのことだけでも取り計らいたいものだというような気持でおりまして、適当な機会にはアメリカ側と交渉してみたい、かように考えております。
○田中(織)分科員 あと二点ばかりで終ります。 小笠原の問題に関連して沖繩の問題も出ました。政府の最近の沖繩の施政権の返還等の問題については、どうも私はいささか熱意を疑うのです。一九五六年の日米共同声明でありますか、そういうものに従って、本年度の予算においても、アメリカと並んでというか、沖繩に対する経済援助を初めとする各方面の援助が行なわれていますけれども、あたかも第三国に対する援助のような気持で、沖繩に対する経済援助なり、あるいはそういう面で、教科書の無償配布の問題もアメリカは最初反対しておったけれども、ようやく受け入れることになったということでありまして、そういう経済的な援助を沖繩に与えればいいのだということでは私はないと思うのです。ほんとうは、施政権を持っている限りにおいて、島民が苦しい状態におるなら、あそこに施政権を持っているアメリカ自体が沖繩の県民の生活を引き上げるためのめんどうを見るべきなんです。潜在主権をたてに、本国の日本の沖繩に対する援助というものをアメリカが要求するなら、一日も早く沖繩を返すべきです。最近沖繩に対して、前の服部官房副長官であるとか——徳安総務長官が行かれたかどうかわかりませんけれども、去年などは内閣から二回も三回も、あるいは自民党からも向こうへ行かれておりますが、そういう形で経済的に援助をやる、金さえくれてやれば沖繩はそれでいいのではない。施政権を持ち、軍事的に押えている限りは、島民に満足な生活をさせる責任は当然アメリカにあるのですから、われわれの沖繩に対する援助というものは、アメリカのやるものとは本質的には別個のものなんです。そういう観点に立って、沖繩の問題についても、どうも最近の政府は施政権返還を忘れてしまった、それと同時に小笠原の問題につきましても、見舞金の配分が終わったら、これからはまた見舞金というような形で島民のためにとってやる金も、あの協定のなにから見れば、われわれは当然な権利として残っているという考え方ですけれども、現在アメリカの利用価値というものはほとんどないのですから、なかなかむずかしい現状になります。またかりにそういうような基地をつくるということになっても、われわれが反対しておる安保条約というものがある限りにおいては、小笠原島につくることは、また現につくっているなら、それを日本が返還を受けても、まさかアメリカの承諾なしにぶちこわすわけにもいかないのですから、やはり返還させるものは返還させる。大体国際条約を見たところで、敗戦国が持っておった前からの領土を取り上げたという例は、アメリカとソ連以外にありませんよ。ソ連に対しては皆さんは強く要求するかもしれぬけれども、アメリカに対してはまるっきり腰がないじゃないですか。小笠原問題はそういう問題を含んでおるということについて、特段の考慮を願いたい。こういう議論は、あまり外務委員会でもなされないと思う。この間の外務委員会での論議では、もちろんわれわれが返還を要求することで、アメリカが返還をいつしなければならぬという義務はないことはわかっておる。そういうところに、講和条約の中でこういうような結果になることがわかっておるから、私ら反対しておったのですが、あなた方は多数で押し切って成立させた。しかし、今日こういう事態になれば、沖繩の軍事的な価値ですら、もううんと減ってきたという段階のもとにおいては、これはやはりそういう時期をつかまえて返還を要求するということは、沖繩島民のためであり、日本のためだと思うので、この点をやっていただかなければならないと思うのでありますが、総務長官、いかがでありますか。
○徳安政府委員 いろいろと御高見拝聴いたしまして、御同感の点が多いわけでございますが、私がこうした問題に対して正式にお答えすることも、いかにも僣越に思いますので、いずれこれは、外務大臣とか総理からお答えした方がいいと思います。お話の次第は十分承りまして、総理にも伝えまして、できるだけ善処するようにいたしたいと思います。
○田中(織)分科員 それでは、最後に一問だけ伺いたいのですが、ことしも調査室の予算は、前年度よりふえておるのでありますけれども、どうも調査室の活動の成果というか、外に出る部分というものがあまり目立たない。私どもは調査室の性質というものを、そういうものだということに見ておりますけれども、国民はやはり、何億という予算をもって調査月報でありますか、言うてみれば、新聞か雑誌の切り抜きを集めたようなものが出ておる程度で、一体何億という金を何で使うだろう、こういうことを国民が見ておるので、その意味から、本年度の予算の増額に伴って、調査質の機能がどういうように強化されるのか、あるいは機能の上で、従来と変わった新味を出していかれようと考えておられるのか、別途調査室から、いろいろやっておる事業の内容については、私も資料をもらっておるわけでございますが、この機会に、国民の調査室に対する疑惑を解く意味において、明らかにしていただきたいと思います。
○石岡説明員 お答え申し上げます。内閣調査室は、私から申し上げるまでもなく、法律にきまった筋に従いまして、内閣の重要政策に関する情報を収集いたしておるわけであります。集収いたしましたもろもろの結果は、官房長官を通じていろいろ報告をいたしまして、政府の政策の資料となっておると存じます。いろいろの資料をつくっておりますけれども、現在は、その資料をできるだけ有効に活用しようというつもりでおります。ただ内容その他で、残念ながら十分活用できない点はあります。本年は内外情報の調査機能の強化と、マスコミの論調調査の強化と、資料収集の強化等のために、予算を増額されましたら使用いたしたいと存じておるのでございます。
○田中(織)分科員 内閣に直属するところの資料、情報の収集機関ということであります。もちろんそのすべてというわけには参らないのでありますけれども、時の政府にだけ——政府に直属するのでありますから、それが主体でありますけれども、とにかく全然秘密主義で参るますと、これがやはり、戦前にとやかくいわれた諜報機関的な役割に転落すると私は思うのであります。そこで、もちろん公式に出ているもので、私どもの手元にもいただいているものもございますけれども、たとえば、重要な国際的な動きの問題であるとか、そういうようなものにつきましては、これはただ単に政府に出すだけではなくて、これは、もちろん立法考査局というような、国会にも付属のものがございますので、そういうものの横の連絡もつきかねるかと思うのでありますが、せめてわれわれ国会議員にはそういう、たとえば、国際問題で大きなみなの関心を持っているような問題について、調査室で調査した資料あるいは情報の整理したようなものも、やはり提供してもらうことができれば、何かこれが内閣直属の秘密機関だというような印象を払拭することができるのではないか。これは、あるいは内閣に直属する機関であるという意味で、ある程度の秘密保持をやらなければならぬという性格は、戦前ジャーナリストとして籍を置いた私らも、今日の民主主義はあけっぱなしの世の中だからといって、全然秘密はないとは私は考えられませんので、そこまではなにしませんけれども、少なくともある限度というか、ほとんど大部分のものについては、やはりそういうことができることになれば、調査室に対するいたずらなる国民の疑惑というものを払拭することになるのではないかと思うのでありますが、この点は、調査室長としてお考えになったことがあるか、あるいは就任まだ日も浅いと聞いておりますが、今後そういう面で、調査室が全く世の中から、何かうとんぜられるというか、暗い目で見られる存在でなくなすという観点から、考えなければならぬ点ではないかと思うのでありますが、その点はいかがですか。
○石岡説明員 今のお話は全く同感でございます。最近、そういうふうな意味合いで、できるだけ持っておりますところの資料を公表することに努力いたしております。国会の先生方から御要求がありますれば、できるだけ提出することにいたしております。ただ、予算の関係その他で、全先生にお配りするだけの資料を整えておらないこともあります。今度の予算の中にも、若干はそういう意味で印刷費なども入りましたので、できるだけ今の御趣旨に沿うように努力したいと思います。
○櫻内主査 以上をもって、本日予定の内閣及び総理府所管関係の質疑は一応終了いたしました。 明二十二日は午前十時より開会、大蔵省及び法務省関係について質疑を行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十九分散会