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43回国会衆議院1963/02/08

予算委員会 第9号

発言数
131
登壇者
8
会派数
2
開催日
1963/02/08

会議録

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 これより会議を開きます。  昭和三十八年度一般会計予算、昭和三十八年度特別会計予算、昭和三十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、審査を進めます。  これより一般質疑に入ります。  中村三之丞君。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 私は、大蔵大臣に対しまして、国際収支の問題、その改善、均衡、八条国移行の問題、為替自由化、これに対する対策、それから財政のあり方、均衡予算というものはどういうふうに——変わるのじゃないか、すなわち経済の変動に従って変えていかなければならない。それから公共投資の問題、政府資金と民間収支、ことに国庫余裕金の市中預託制度というものを考えておられるかどうか、こういうことをお伺いいたしますが、その前に一言お尋ねいたしたいのは、目下深刻なる雪害によって産業が打撃を受けておる。同時に、商業取引の決済が混乱、中断しておる情勢であります。それは豪雪地帯ばかりか、豪雪地帯と取引関係がある平穏な地帯との間の貸借関係も乱れておるようであります。貸したものが返らない、また払うものも払えないということもあるように考えます。すなわち、豪雪対策のうち金の問題、金融の問題、こういうことについていかなるお考え、対策があるか、いかに金融機関を行政的に指導せられるのであるか、大蔵大臣の御所見を承りたいのであります。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 お答え申し上げます。  豪雪地帯の政策に対しましては、政府は鋭意配慮いたしておるわけでございますが、しかし、豪雪対策というのは雪をのけるとか、また融雪災害に対するものとか、なだれに対して対処するとか、公共事業的な面にだけ目を奪われやすく、その豪雪期間における産業の萎靡沈滞、豪雪が及ぼす経済的な影響等に対しては、非常に深刻であるにもかかわらず、黙過する率が過去に多かったのでありますが、私も豪雪地帯新潟の出身でありますから、これらの実情に対しては十分承知をいたしておるつもりでありますので、いち早くこれらに対する対策は、政府部内においても意思の統一をはかって着々と行なっております。  今まで行ないましたものにつきまして要約して申し上げますと、県市町村に対して地方交付税の繰り上げ支給を行なっておりますのと、地元市町村の資金が非常に困っておるものに対しては、郵政省から短期の資金を市町村別に貸し付けるというような措置もとっておりますし、交付金の繰り上げ支給も行なっております。なお、中小企業に対しましては、昨年度御承知の通り約七百億の資金措置を行なったわけでございますが、それに加えて、このたび百億の中小三公庫に対する追加出資を行なうとともに、この百億の中で、できる限り豪雪地帯のめんどうを見るように、また、窓口事務の煩瑣等によって時期を失することのないようにということで、関係三機関の責任者を現地に派遣をしまして、現地の代理店及び直接窓口等との間に事務の円滑化をはかっております。現在三機関の代表及び日銀の代表を現地に派遣して調整促進をはかっておるわけでございます。同時に、市中銀行、信用金庫、相互銀行その他に対しましても、できる限りの配慮をするように、なお、その資金的、財源的な問題に対しては、政府もできる限りの手当をいたすので、資金が来て、計画が立たなければ貸し出さないというようなことではなく、臨機応変の措置をとってもらうように懇請をいたしております。  なお、今日の閣議において、百億の追加に加えまして、緊急融資として二十億円の追加を決定いたしまして措置をいたしました。これは中小企業金融公庫に五億円、それから国民金融公庫に五億円、商工中金に対して十億円、計二十億円を緊急に追加をして送金をいたす措置を閣議できめたわけでございます。  なお、手形決済ができないとか、またこれによって四角定木に不渡り処分を行なうとかいうことは、大へんな混乱を来たしますので、豪雪が始まった直後に、これらの決済その他に対しましては、地元の財務局等とも十分連絡をとらせて、これが適切な措置を講ずるように指示をいたしてございますので、金融機関をあげて豪雪対策に対して、特に産業金融面において犠牲が起こらないような細心の配慮をいたしておるわけでございます。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 要するに、私の善処願いたいのは、大蔵省は金の面におけるその役割を果たしてもらいたい、こういうことであります。  次は、国際収支の改善、均衡の問題をお尋ねいたします。  大蔵大臣の財政演説、それから総理の施政演説、いずれも国際収支について非常に注意と努力をしておられることを表明していられることを多とするものであり、また事実改善してきました。ことに六日の国際通貨基金理事会が日本に対して勧告した文章の中にも、日本の国際収支のポジションは改善された、こういうことを言っております。従って、わが国経済財政の中心は、国際収支の改善にありと申してもよろしいと考えるのであります。そこで大蔵大臣は、常に演説の中にも外貨準備は十八億ドルあると言っておられる。その通り、最近は十八億八千万ドルということを新聞では伝えられております。しかし、これでは国民にはわからない。外貨準備十八億だけでは国民にわからない。私は、こういう内容を示して、日本の国際収支はこういうふうに改善されてきた、これから日本の経済がよくなっていく、景気調整も順調になっていくということを示されることが、政府の態度であり、大蔵大臣の態度でなければならないと考えるのであります。  そこで、項目をあげてお聞きをいたします。これは一々お答えを願いたいのです。  わが国の外国に対する資産、負債のバランスはどうかということです。資産の部におきまして、外貨準備が十八億ドル以上になったということは、これはわかっておる。うち金は幾らお持ちですか、保有証券はどういうものであるか、その金額。第二は、為替銀行の資産がどれだけあるか、うち輸出ユーザンスは幾らか、これによって貿易の状態を知ることができるのでありますから、この資産の部の三つの項目に対して数字を示していただきたいのであります。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 お答えいたします。  国際収支の改善につきましては、大ざっぱに申し上げますと、十四億ドル台になりましたときに、国際収支改善対策を始めたわけでありますが、自後一年余にわたってこれが改善対策の実施をいたした結果、特にこれは国民各位の非常な努力と精進によるものでありまして、輸出も順調に伸び、輸入も鎮静をいたしました結果、先ほど申された通り、十八億八千万ドル余の手持ち外貨を持つに至ったわけでございます。昨年五月の参議院選挙当時、三十七年度の期末、すなわちこの三月三十一日ごろには、一体十五億ドル持てるのかどうかということを心配し、各方面で議論を呼んだわけでございますが、先ほど申し上げた通り、現在の状態において十九億ドル近い外貨じりでございます。しかも当時IMFからの借り入れ予定、すなわちスタンド・バイ取りきめ三億五百万ドルがあったわけでございますが、これは一月十八日だと思いましたが、期限の前日、これを借り入れをせず終息をいたしたわけでございます。なお、その後年度末までに返済をする予定でございますアメリカ三行からの借り入れ分二億ドルがございましたが、十一月五千万ドル、十二月五千万ドル、一月五千万ドル、手持ち外貨のうちで一億五千万ドル返済をいたした結果、なお現在の外貨じりになっておるわけでございます。二月、三月では、七行借款の今年度分の返済三千三百万ドルを加えまして、あと二カ月で八千三百万ドルの返済が予定されておるわけでございますが、これを返済してなお十八億ドル余の手持ち外貨で年度を越せるのではないかというふうに今考えておるわけでございます。でありますから、国際収支の改善は、IMFのきのうの判定にもありましたように、相当実をあげておるということは、国際的にも認められ、また、私たちもそのように感じておるわけでございます。  先ほど、外貨資産及び負債の問題についての御質問がございましたから、数字をあげて申し上げますと、三十七年十二月末の短期資産、負債のバランスは、資産の部をまず申し上げますと、外貨準備高十八億四千百万ドルでございます。それから為銀資産が十三億七千六百万ドルでございますので、資産の部は計三十二億一千七百万ドルでございます。負債の部について申し上げますと、ユーロダラーが三億九千二百万ドルであります。自由円が二億四千五百万ドル、その他の預金が一億九百万ドルございます。輸入ユーザンスが十億九千二百万ドル、無担保借り入れが二億七千九百万ドル、特別借款が二億二千五百万ドル、計二十三億四千二百万ドルでございます。でありますから、差引資産超は八億七千五百万ドルということでございます。しかし、ここでもって国民各位が非常に間違ったお考えを持つと悪いと思いますので、一言つけ加えて申し上げますと、では差引すると八億七千万ドルしかないじゃないかというふうなことであると、非常に思わざる結果になることをおそれまして申し上げますと、御承知の通り銀行と同じことでありまして、負債と資産のバランスは今申し上げた通りでありますが、この負債も一時にこれが全部出るというようなことではないのでありまして、日本が使い得る外貨というものは、動き得るものはユーロダラーその他に局限をせられるものでありまして、二十三億四千二百万ドルの負債のうち、動く可能性のあるものはごく少ないということだけを申し上げておきます。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 そこでユーロダラーの問題、これは自由円となって現われておるようですが、元来このユーロダラーというものは放浪性のある金なんです。アメリカからロンドンに逃げていく。なぜ逃げていったかというと、金利をかせぐことができる。それをロンドンにおける日本の為替銀行の支店がつかみ取っておるのです。何がゆえにつかめたかといえば、日本は金利が高いからです。われわれはよく日本は金利が高い、低金利政策をやらなければならぬということを、政府からも御努力なすっておられることを聞いておりますが、この事実だけ見ても、ユーロダラーが日本へ入ってくるということは、これは一つの運用としていいのですけれども、金利が高いということを如実に私は示しておると思うのです。ロンドンにおけるユーロダラーの総額は、大体推定幾らと大蔵省はお考えですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 これはあまりわかる数字ではありませんですし、正確なものではありませんが、推定をしておおむね十億ドル程度だというふうに考えております。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 私も、かねて聞きましたところでは大体そういうふうに思います。十億ドルないし十五億ドルといわれておるのです。これはその後変わっておるかもしれませんが、これが日本へつかみ取られておる。そこで、こういう短期のマネーというものは、金利の割高のために為替銀行がつかみ取ったのですが、もっと進めて、今後こういうものを日本につかみ取っておるというのは、国際収支、資産、負債のバランスにおいていいことか悪いことか。私は、こういうものにたよっておるということが国際収支の勘定の中にあるということは決していいとは思わぬのですが、どういうふうにお考えですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 お説のような議論に対しては、十分配意をいたしております。御承知の通り、ユーロダラーはホットマネー的な性格が多分にございますので、これに対しては慎重な配慮をいたしてございます。先ほど申しました通り、資産三十二億ドルに対してユーロダラーは三億九千二百万ドルでございますから、これが比率はさして大きいものではございません。しかし、御承知の通り、国際金利にさや寄せをするということをしばしば申し上げてはおりますが、国際的に金利が高いというのが日本の実情でありますので、イギリスが公定歩合を大幅に下げたりいたしますと、そういうとき日本に非常に流入をするというような傾向にあることは御承知の通りでありまして、ホットマネーの流入ということにつきましては、日本がただ信用があるからとかという単純なものの考え方ではなく、これが流入を全然しないということを前提にし、原則にするわけにはいきませんが、これが日本の外貨事情をかき乱す、また日本がこのユーロダラーの残にたよって間違った認識を行なうようなことのないように、これが流入に対しては十分な配慮を行なって、適正なもの以外の流入を防ぐような体制をとっております。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 そこでお伺いいたしたいのは、今後中期、長期の外資の流入ということをむしろ考えたらよいと思うのです。今までの政策を見ますると、短期のものには非常に寛大なんです。しかし、今後それについて善処するとおっしゃいました。ところが、長期のものについてはなかなか厳重、しかし時代が変わってきたのです。このゆがみを是正する必要があるのではないか、大蔵大臣はどうお考えになりますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 長短期外資に対しては、私も就任以後非常に慎重に処しておるわけでございますが、アメリカの状態を申し上げても、一時キューバ問題等において非常に強い金融市場の状態であったと思いましたが、その後の安定化によりまして、一面においてドルの海外流出を押えておる政策をとっておるにもかかわらず、投資家はある意味において海外投資を相当積極的にやっております。その対象として日本が一番大きく取り上げられておりますことは、御承知の通りでございます。その意味で、一、二月になってから発行する予定でございました開発銀行債などというものに対しては、消化が困難だといわれておったものにつきましても、一億七千五百ドルの予定をはるかにこして、二億五百万ドルが直ちに消化できたというような事実をもってしてもおわかりになる通りでございます。なお、その後の政府保証債、転換社債、その他民間の私募、公募を問わず、非常にアメリカ市場において長期の投資が円滑に行なわれておりまして、日本からの外資獲得ということに対しては円満に消化がせられておるという事実を見てもおわかりでございます。なお、西ドイツは、昨年六十億ドルの外貨を持ちながら、一時引き締め政策をとらざるを得ないような状態もありましたが、その後大阪府市債の一億マルク、すなわち二千五百万ドルにつきましても、二月の初めこれが発行できるような状態になっております。そういう意味で、日本は、自由化に対応してこれからの産業形態を建て直していくためにも、また対外競争力をつけていくためにも、社会資本の不足を補わなければならない状態でありますので、安定的長期良質の外資に対しましては門戸を開いて参りたいという姿勢をとっております。同時に、先ほど申し上げましたように、日本の金融市場が、また株式市場等が混乱をしないように、短期ホットマネー的なものに対しては適切な管理体制をとっていくという両建の考えでございます。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 次にお伺いいたしたいのは、貿易外収支は赤字で非常によくない。たとえば三十四年は一億四千万ドル、三十五年は三億四千万ドル、三十六、七年は幾らです。私は数字を持っておらぬのですが、政府委員からお示しを願いたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 年次別の問題に対しては、政府委員をしてお答えせしめますが、三十七年度の現在の状況としては、二億二、三千万ドルの赤字ではないかというふうに考えております。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 この赤字のうち、私どもの注意すべきは運賃、保険料の赤字なんです。これは幾らですか。私は、この赤字を克服しなければ、日本の国際収支は一つのガンができるとさえ考えるのでありますが、この運賃、保険料の赤字を克服する対策、これは運輸大臣も責任があるのでしょうが、大蔵大臣としてどういうふうに認められますか。これをやらぬと、国際収支ポジションが改善とは大きく言い切れないと思いますが、いかがでございましょう。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 先ほどに補足して申し上げますと、三十四年度は運賃・保険収支一億八千百万ドルの赤字でございますし、三十五年度は二億三千三百万ドル、三十六年度は二億四千八百万ドル、三十七年の四月から十二月までの期間を申し上げますと一億七千五百万ドルでございます。これは当初よりも多少よくなっておることもございますが、いずれにしても、貿易外収支赤字の一番大きいものが保険料及び海運収入等の面でございますので、これを解決するためにお互い非常に努力をしてきたわけでありますが、結局、海運に対しては国際競争力をつけなければいかぬということであります。でありますので、戦前のように、海国日本としてほんとうに一番大きな取引が行なわれるようなことはむずかしいにいたしましても、貿易外収支の一億ドル、三億ドル、これから貿易の総額が五十億ドル、六十億ドル、七十億ドル、百億ドルとなるときを考えますと、今の状態から言いまして、貿易外収支が十億ドルも赤字になるじゃないかということも推定せられ、また識者の間では議論をせられておるわけでございますので、これが根本的な対策として、御承知の通り三十八年度の予算編成に際して、海運業界の再建に対して抜本的な対策をとって立法を行ない、この国会で御審議をわずらわしておるわけでございます。でありますから、国内海運業界の再建整備を行ないまして、国内産業としての海運だけを整備強化するというのではなくて、国際競争力をつけながら、これが外に向かっては貿易外収支の赤字を黒字に転換せしめるのだというところに焦点を置いて措置を行なっておるわけでございます。  なお、日米貿易経済閣僚会議の段階におきましても、太平洋岸等におけるバイ・アメリカン、シップ・アメリカンという政策の中で、日米間はもっとお互いに話し合いをしながら、場合によれば太平洋岸等に対しては、バイ・アメリカン政策をとっておる、シップ・アメリカン政策をとっておるからといって、日本の海運収入が減ったものがアメリカに全部プラスになっておるかというと、そうじゃない。案外第三国の収入がふえておるという数字的な事実に立って考える場合には、もっとお互いが協力態勢をとる必要はないか。そのためには、日本とアメリカとの間に協定を結び、その他のことを行ないながら、お互いに連帯運輸勘定の制度をつくっても協力し合おうじゃないかということを私から強く申し入れたわけであります。でありますので、これらに対しては、アメリカ政府側も、また海運界も、お互いに意地を張っておるために第三者にトビに油あげをさらわれておるというような事実に対しては、もっと前向きで事実を基礎にして考えなければいかぬという大勢でありますので、これらをあわせて貿易外収支の改善にも寄与して参らなければならないという基本的な態度をとっておるわけであります。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 米船優先主義に対する大蔵大臣のお考えはわかりました。これは日本としては何もアメリカに遠慮する必要はないでしょう。正しいことを主張するということは独立国日本の態度でなきゃならぬと思う。どうぞこの点、今後別に勇み足でおやり下さいとは言いませんが、正当な交渉を一つやってもらいたい。  次は国際通貨基金における八条国移行と関税貿易一般協定の輸入制限の撤廃、十一条国移行の大きな問題についていかなる用意があるかをお伺い申し上げます。政府、すなわち大蔵省は、IMF理事会の決議を受諾せられたようであります。従って、大蔵大臣は、これに関して声明まで発表しておられるわけです。いつ宣言せられますか、多少その間に私は時間があってもいいと思います。といって、あまり延ばすとまた向こうから攻撃せられるでしょう。これをお伺いします。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 きのうの日本時間午前三時にIMFの対日年次協議の理事会が終わりまして、御承知の通り八条国移行が至当であるという判定を受けたわけでございます。これに対して政府は、しばしば国会の議場を通じて申し上げておりますように、基本的な態度が明らかになっておりますので、これが受諾の方向を宣言いたしたわけでございます。がしかし、この問題は直ちに受諾の意思を表明したものでございまして、実際の八条国移行の問題に対しては、今御説にございましたように、国内体制の整備その他立法措置もございますし、あらゆる問題がございますし、なお国際諸国間の状況も十分勘案をしなければなりませんので、これが実際的な移行の時期に関しましては相当慎重な配慮が必要であることは言うを待たないわけでございます。御承知の通り、今月の十八日だと思いますが、ガットの理事会が開かれます。第二回目が五月に開かれるわけでございます。IMFの理事会の決定は、当然ガットに自動的に通告をせられるわけでございますが、この十八日の会議に、日本の八条国移行に対する基本的な問題は宣言をしなければならないと思います。これは五月がいいのか、二月十八日がいいのかという議論はございますが、前向きの考えからいって、二月の十八日の理事会で基本的な態度宣言になると存じます。しかし、実際八条国に移行するということは、IMFやガットの要求によってやるのではなく、日本政府の自主的判断に基づきまして、国内体制の整備等が行なわれるということを前提にして宣言が事実行なわれて、実際的移行がなされるわけでございます。西ドイツ等は三年間ぐらいかかったのじゃないかと思いますし、フランスも一年半か二年だと思いますが、これらは、五年前、七年前というような、現在の国際情勢とは相当違う時期において行なわれたものでございますし、今のような国際情勢、自由化に対してすべての国々が前向きで行かなければならないという時期を考えますと、三年も四年も延ばすということ、西ドイツであってさえもそうではないかというようなことをすることが、日本のためになるかならないかといえば、私は、少なくともできるだけ早い機会ということが常識的でないかと思うのです。めどを申し上げますと、来年の九月の初めに東京でIMF及び世銀の総会が開かれると思いますので、この時期を中心にしまして、政府、業界、また日本人自体が民族の運命を決するほどの重大な問題でありますので、慎重に意見調整を行なった結果、また、諸般の準備を整えて、この時期をめどに事実上の移行決定がなされるものだと、現在の段階においてそのように思量いたしておるわけでございます。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 次に、為替自由化の問題に対して、二、三の重要な点をお伺いいたします。  日本の為替管理制度というものは、全面的制限であって、委任立法の形をとっておると私は見ております。でありますから、今まで大蔵省は三十四年以来、政令または省令をもって部分的自由化はやっておられたにすぎない。従って、この時期においては、為替管理という法律があるようですが、これをどう取り扱われるか、どう処置せられるか。自由の原則に立っていかなければなりますまいと思いますが、この問題をお伺いいたします。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 自由の原則に立つということは、もう当然のことでございます。具体的な処置につきましては、ドイツは別法をつくりまして、対外経済法でございますか、つくりまして、これに準拠して行なっておるわけでございますが、その他の国々はおおむね日本と同じような状態で、現行法の運用、改正その他をもって対処いたしておるわけでございますが、新しい法律をつくるべきか、また現行法の運用によって措置すべきかは、政府部内において慎重に検討いたしております。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 外貨予算制度は、事実無意味になっておるのじゃないか。外貨資金割当、自動承認、自動割当、これは吹き飛んでしまうのじゃないですか。吹き飛ぶというとおかしゅうございますが、無意味な存在になって、盲腸的存在になっておる。これは廃止されるのじゃないですか。いつおやりになるのですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 先ほども申し上げました通り、八条国というものが、自由を前提にいたしておりますから、外貨予算制度等があるのがおかしいのでありまして、原則的には全く自由だということは事実でございます。しかし、いろいろな国々の例もありますし、これは先ほど御質問にありました通り、日本の国際収支の問題、外貨の問題等に重大な関係がございますので、順を追い、段階を追いながら、実際的には緩和をしていくということになります。でありますので、法制上は、現在の法律の適用部分を削除するとか、だんだんと少なくしていきますが、最終的に、外国も認め、日本も必要であるというような条文に対しては、残すこともできるだろうと思いますし、また、残り得る可能性も現行法ではあるわけでございます。しかし、外貨予算制度というようなものは、これは対外的にも理論の上でも存在しなくなるということは事実でございまして、これをいつ廃止をするか、来年度からは外貨予算制度というものを大っぴらにということではないと思うのでございまして、少なくとも財政の責任者である私の胸の中で一応の試算をし、一応のめどを立てるというようなことが常識的ではないか、かように考えます。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 貿易外取引の自由によれば、今度海外旅行は自由にできるでしょう。また、やったってさしつかえないが、海外旅行の名において資本の逃避が行われやせぬかということは、警戒する必要があると思うのであります。どういうふうなお考えと対策がございますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 資本の自由化につきましては、これは貿易の自由化とは違いまして、ある程度の管理調整が必要であることは、どこの国でも同じことでありますので、制度や口の上では八条国に移行したといいながら、現在の状態をそのまま続けるなんということはできませんが、資本の管理に対しては適切な処置をとり得ることは、御承知の通りでございます。しかし、海外旅行というものに対して制限する理由は何もございません。ございませんからといって、日本のように舶来品に非常に強い執着を持ったり、死ぬまでに一回外国へ行ってきたいというような気持もございますし、このごろは非常に目を海外に向けよ、視野を広げろというようなムードで、これが相当長い期間抑制せられておりましたので、一ぺんに自由化されるために外貨危機が訪れるというようなことがあっては困りますので、これは国民各位の間に大いに——政府との間に、日本は自由化に向かってこのような体制にあるのです、でありますから、利息を払っても海外から長期安定した資金を得なければならないのです、貿易依存の日本はよほどお互いが自覚していなければ大へんなことになる、元も子もなくしては困りますということを、やはり国民各位の良識に待ちながら、政府も実情を訴えながら、これらの問題に対しては法律上は制限をしませんが、やはり自由な海外渡航ということが乱に流れることがないように、あらゆる角度からPRもしていきたいと思います。同時に、それよりもなお一歩進めて、海外旅行の名において資本の流出がなされると、これは大へんなことであります。でありますから、これらに対しても、できる限りそのような事態が起こらないような調整を考えていきたいと思います。資本の海外流出の問題に対しましては、今アメリカがとっておりますバイ・アメリカン、シップ・アメリカン、またその資本のドル防衛という——これはドル防衛といっても、海外投資を行なってはならない、こういうことにはなりません。法制上こういう措置をとるということになれば、自由化に逆行することでありますので、国内的にお互いの良識の範囲で、しかも国内法規や制度、行政の運用によって、むやみに資本が流出しないような対策は十分考慮すべきだと考えます。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 国際通貨基金協定第四条に、為替の安定の義務というのがある。今後自由化に進むにつれて、為替が乱高下したり、為替が暴落したら困るでしょう。そこで、今後重大な問題は、何といっても為替安定措置です。これは為替相場変動幅の拡大をせられるのか、為替平衡操作をどういうふうにやっていかれるか、これを伺います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 非常に重要な御発言でありますし、しかも、これは国際的な影響が非常にありますので、正面からお答えできないかもわかりませんが、常識的な政府の考え方を申し上げますと、為替幅をどうするかというような考え方よりも、安定ということに対しては日本も当然大いに意を注いで参り、各般の施策を行なわなければならないわけでございます。常識的に考えてどういうことかというと、言うまでもなく、健全財政主義をとりながら、輸出を振興できるような体制になり、日本の国力を増大するということになって参りますれば、安定的方向をたどることは事実でございます。同時に、中村さんも十分御承知の通り、IMFそのものが、今までのようにどうにもならない国々ができた場合に協力をするということだけではなく、国際通貨の安定というものに対して、IMFという全機能をあげてこういうものに対処していくというのが、新しい国際機関の使命であるということを強調しておるわけであります。しかし、八十八九国、百カ国がお互いに同じ状態にあるわけではありませんから、一面においては後進国の援助も続けなければなりませんし、IMF設立の目的事項に対しては忠実でなければなりませんが、新しい事態、特に国際通貨の安定、為替の安定というようなものに対しては、主要十カ国が中心になりながら、お互いに財政金融政策に対しても意見を言い合い、お互いに国際的な経済市場が混乱しないような体制をとったり、場合によって、八条国に移行する日本のようなものに対しての対日差別待遇の撤廃に対して強く働きかけたり、またスワップ協定を拡大していくことによりまして、各国の中央銀行間において預金をし合いながら、お互いの共同責任で安定化の方向をたどろうというような、非常に新しい方向を続けておりますので、これら国の内外の情勢を的確に把握しながら、適切な施策をとっていくということになると思います。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 これは大蔵大臣もお答えになった重大な問題です。一つ全力をあげてこれをおやりになられるように……。ことに為替の安定ということは、ブレトン・ウッズ体制の生命なんです。これは一つ希望いたしておきます。  次に、方面を変えまして、大蔵大臣の御演説を読んでみますと、第一に、社会資本の充実、産業基盤の強化、第二に、国内産業の体制整備、第三に、文教、社会保障等の重要施策、こうあります。全くこの通りですが、社会資本という言葉が、大蔵大臣の演説に出てきた。社会資本という言葉は、最近アメリカの学者も日本の学者も使っておるのですが、新しい言葉といわれております。社会資本ということはどういうことを意味するのですか。どういう範囲にこれが進んでいくのか。私の意見によれば、大蔵大臣の御演説の「第一に、社会資本の充実、産業基盤の強化」これは書き方がまずいのです。どういうふうに変えたらいいかというと、私の考えでは、社会資本の充実対直接生産活動という意味に変えたらいい——変えたらいいとは言いませんが、そういう意味だと私は解釈するのです。社会資本という言葉をお使いになる以上は、そういうふうにせぬと意味をなさぬのですから、これはちょっとえらい理論的になりますが、社会資本という言葉が御演説に出たものですから、ちょっと念のためにお伺いをいたしておきます。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 私の演説は日本人的な演説で、直訳するにはなかなかむずかしい表現であるかもわかりませんが、まあ私の言わんとするところを十分御理解賜わっておりますから、ありがたいことだと思います。  社会資本というのは、御説の通り、確かに新しくどこでも使われておるものであります。私たちも演説その他で絶えず使っておりますが、財政演説の中で正規にこれを取り上げて言うのでございますから、大蔵省で社会資本というものに対して一つ学説的にきめようじゃないかということをやってみたのですが、あなたが今言われたことと——新語というものは、時代の要請に沿ってぴたりくるというような状態からつくられるものでありまして、私が今申し上げる社会資本の定義というものは、あまり的確ではございませんが、一応申し上げておきます。社会資本とは、個人または民間企業をもってはその形成が困難または不可能なものであって、国民経済における生産の基盤となり、あるいは国民生活の福祉厚生のために役立つことを本旨とするものを国及び地方公共団体が主体となって形成する資本である。何を言っているかよくわかりませんが、(笑声)そういうふうに、これが新しい辞典に載るか載らぬかわかりませんが、いずれにしても、そういうことを表わすのが社会資本なり、こういうことで演説申し上げたわけでございます。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 私の解釈はもっと簡単なんですが、社会資本だけじゃ足らない。社会経常費的資本という文字を入れれば簡単明瞭です。今までの御説明ではなかなか時間がかかると思いますが、いずれにいたしましても、大蔵大臣が社会資本という文字をお使いになったということは新しみがあるということを、私は敬意を表しますが、ただ、一応念のためその解釈を承ったのです。  そこで、私どもの考えますのは、これが予算に現われてきた。どういうわけかというと、私たち戦前の予算委員会において議論いたしたのは、一般会計と特別会計、そしてその重複を見て、出入りを見て、純計幾らという質問をよくしたものです。しかし、今日はこの中にどういうものが出てきたかというと、われわれのいただいております財政投融資というものが出てきた。しかも、これは一兆円をこえている。その中に、今までのことはわかりますが、私学振興会というのに金が出ている。そのほか新しいものが出ているようであります。私学振興会、おそらく債券を発行するのでしょうが、これは教育投資です。人的資源を培養するという新しい行貴方です。私はこれはいいと思いますが、この財政投融資をどういうふうにして今日伸ばしていくか、これが今後の予算編成の根本のようになってきたのであります。つまり、公共投資の問題についてどういう見通し、またどういうふうに予算に盛り込んでいくのか、これを明らかにしていただきたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 ただいま御審議をいただいております昭和三十八年度財政投融資の区分を申し上げますと、国民生活に直結しておる部分、すなわち、住宅とか生活環境整備とか厚生福祉、文教、中小企業、農林漁業というようなものに対して四九・一%、それから国民生活の基盤をつくるという国土保全、災害、道路、運輸通信、地域開発というようなものに三三・五%、合わせて八二・六%という比率で計上いたしておるわけでございます。その他、基幹産業、輸出等が残余のものであり、計一兆一千九十七億円ということでございます。この私学振興会に対しての財政資金の援助ということに対しては、相当長いこと議論になっておった問題でございまして、三十七年度は、十二億円だと思いますが、政府から直接出資を行なっておるわけでございます。今年度は、政府からの出資は、前年同額十二億でございますが、そのほかに、二十億円の財政資金による援助を考えたわけでございます。これは戦後の教育の根本に触れなければ解決ならない問題でございますが、日本は御承知の通り、戦前官学中心主義ということで長い歴史を持ってきたわけでございますが、戦後は急速に私立学校が整備をせられて参ったわけでございます。しかも、私立学校に対しては、これは金融の対象ということになりますと、学校法人が金融の対象にならないということで、今まで十七年間、私学が今日のいんしんをきわめるまでには大へんな努力をされたと思うわけでございます。でありますが、憲法上の制約その他いろんなものもありまして、議論のあるところでありましたので、私学に対する直接援助というものに対しては、政府は慎重な態度をとって参ったわけでございます。ところが、今日の段階では、ここまで私学が発達した場合、医学とか工学とか非常に設備もかかるし、国が行なわなければならないような部面を除いては、私学に移した方がいいというような有力な御意見もございますが、明治から今日までの日本の官学、公立学校の世に稗益した功績も非常に大きいので、いずれにウエートを置くかということは大へんにむずかしい問題であり、民族の将来にも関係する問題でもありますので、有識者の意見にまかせておるわけであります。といいまして、官学に対して膨大な国の資金を提供しておるわけでありますが、私学に対して何もしないでいいのだという議論にはならないわけでございます。私学振興会は相当膨大な、百九十数億だと思いますが、要求がございましたが、初年度でございますし、財政投融資の原資の問題もありますので、二十億の投資を行なったわけでございます。これは将来の方向としては、官学と私学との調整問題の方向がきまれば、相当程度資金的な援助を行なうというような方向でいかなければならないのではないかというふうに考えます。しかし、これは直接資金的な援助というよりも、税制上の問題もございますし、その他各般の国有地の提供その他の問題がございますので、これらの問題に対しては慎重に対処をして参りたいというふうに考えております。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 教育投資まで公共投資が前進してきた。またそのほかに、住宅債券というものもこの中に入っておる。住宅を促進する、ことに中産階級に対してそういう政策、アイデアはいいのです。ただ、今後その債券がどういうふうになっていくか、だれが買うか、はたして売れるかどうか問題ですが、アイデアはよろしいと思います。そこで、財政投融資がどんどんどんどん進んでくる。今民間投資を押えておられるのでございましょう。私はこういう投資がおくれておる事実は認める。しかし、これが進み過ぎたら、財政投融資そのものをまた行き過ぎだといって押えなければならぬというおそれも出てくるのじゃないかと思うのです。それですから、この点は私は十分お考えを願っておきたい、処置を願っておきたいと思うのでありまするが、私は、公共投資の財源として道路公債を出すということは時代の要求である思うのです。公共投資の財源としての建設公債の発行は、財源を生むと思うのであります。税金を主食とすれば、こういう公共投資の財源としての公債は栄養高き副食物であると思う。私はビフテキかすき焼のような味のするものだと思う。これは一つ来年あたりはどうしてもやらなければならぬのじゃないか、やってもいいのじゃないかと私は思うのでありますが、これにつきましては、総理と社会党の議員の間に質問があったやに新聞で私は見ましたけれども、私としてまた伺っておきたいのであります。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 道路財源につきまして、建設公債式なものを発行してはどうか、またいいのではないかという議論は、長いこと行なわれている議論であります。戦後の状況を見ますと、昭和二十七年に現行道路法が新しく制定をせられたわけでございます。そのときに、道路整備費の財源等に関する法律、あわせて有料道路法のいわゆる道路三法というものが制定をせられ、今日まで約十年の実績を見ておるわけでございます。昭和八年制定の道路法をなぜ二十七年に抜本改正をしたかといいますと、これは産業経済の基幹は道路にありという定義がなされたわけであります。御承知の古い道路法においては、師団司令部と師団司令部を結ぶもの、師団司令部と県庁の所在地を結ぶものというような定義が、国道についてございました。こういう意味で、軍事的な要請というものが道路法の根幹であったわけでございますが、新道路法の百何条かと思いますが、新しい道路法には、太政官布告で北海道だけが特例を認められておりますように、産業経済上必要なものについては、国は全額負担で行なうことができるという、画期的な条文をつけ加えたわけでございます。その条文のように、新しい道路法は、新しい日本の産業基盤強化のために必要やむを得ざるもの、また、それなくして産業経済の発達はないという認定のもとに、新道路三法が国会の審議を経て現行法として生まれたわけでございます。当時の一般会計内における道路費の総予算は八十七億円だと承知いたしておりますが、今日二兆一千億五カ年計画、この二兆一千億も、三十九年度においては、時代の要請に即応するには三兆円ないし三兆数千億に改定をしなければならないということが、世上常識になっていることも御承知の通りでございます。二十七年の道路三法の制定に対して画期的な財源処置がとられましたのは、憲法の条章に触れないで、しかも財政法による大蔵省の予算編成権というものを拘束しないで、何らかの財源処置をとり得るという方向をきめたのが、当該年度のガソリン税収入と同相当額を道路整備の財源に盛らなければならないという法律になったわけでございます。そのために、先ほど申し上げたような、十年間で八十七億の道路費予算が今日二兆一千億五カ年間という膨大もないものになって、なおそれが不足である。不足であるから、新しい建設公債論を考えるべし、これは当然その当時から検討せられておった問題でございまして、現在のように、一級国道一万キロのものが昭和四十年まで、二級国道、また道路法の改正によって三級国道に格上げをしなければならないと審議中に言われた指定重要地方道の問題に対しても、現在なお十数年を要しなければ改良舗装ができないという現状に対して、建設公債を発行せよ、しかも、この建設公債は、御承知の通り、ガソリン税という財源があります。十年間見通しをすれば、当然二十年のものを十年間で工事をやってしまえば、経済効果としては出てくるのであって、もちろん、一般会計から償還をしなくとも、その後のガソリン税収入をもって、当然道路がよくなれば車が多くなるのですから、ガソリン消費量も多くなる、当然返せるのではないかという議論であります。これは大蔵省でも十分考えた議論でございますが、三十八年度に対しては、これがいわゆる赤字公債に通ずるというようなことにはならないと思いますし、総理もその意味で申されていることでありますが、しかし、国際収支の状況もございますし、ちょうどあつものにこりてなますを吹くわけではありませんが、これからの一、二年の日本の財政の基本的態度というものは非常に重要でありますので、これらすべての懸案はより深刻に検討するということにして、五カ年計画の改定も三十九年以降に見送ったわけです。といって、そのままにほうり出しておくわけにいかないということで、世銀に対して七千五百万ドルの大型借款を申し込み、同時に、外債二千万ドルもこれに充て、財政投融資計画においては、前年度に比べて七〇%もの大幅道路費の増額をはかっているわけでありまして、建設公債の発行の是非論については、これから三十九年度の予算編成までに慎重に考慮すべき問題であるというふうに考えているわけでございます。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 慎重じゃない。これは必要に迫られているのではないかと思うのです。  次に、大蔵省からわれわれの手元に配付せられました昭和三十八年度予算に関する参考資料、これは予算に基づく財政資金対民間収支の見込みです。この財政資金対民間収支は散超になっておるのですが、やはり季節によって揚げ超になる。そうすると、民間金融を逼迫せしめる。現に昨年の末はそうだったのです。そこで、こういう国庫余裕金は幾らほど出るのですか。一つ計算を示していただきたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 内容的な問題に対しては政府委員をして答弁せしめますが、来年度年間を通じて三千四、五百億の散超になるというふうに考えております。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 季節によって引き揚げ超過というものが出てくるのです。これは年度全体でございましょう。ですから、それを活用したらいかがでございましょう、国庫余裕金が昼寝してぐうぐう高いびきをかいておる。民間の金融は引き締めでぎゅうぎゅう言わなければならない。これはどうもおかしいと私は思うのでございます。  そこで、国庫金の市中預託制度というようなものも、これを租税収入に限って活用するというようなことは、この際お考えになる必要があるのではないか。これに対する大蔵大臣の御所見を示していただきたいのです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 国庫余裕金の市中預託の問題は、これも絶えず議論をせられておる問題でございますし、当時、池田大蔵大臣のときだと思いますが、中小企業金融の資金源を確保するために、政府余裕金を預託したことがございます。しかし、その後、金融の二元化になってはいかぬとか、いろいろな議論がございまして、国庫預託金の運用については慎重に考えると同時に、法律上の建前をくずさないような状態で余裕金の活用を行なって、金融政策に稗益をいたしておるわけでございます。  国庫余裕金の預託問題、活用に対しては、原則的に申し上げますと、これは長期的に運用するならば、当然財政投融資の中に繰り込みましてやらなければなりませんし、現在あるものは中期資金もしくは短期資金ということで利用ができるわけでございます。特に揚げ超幅が非常に大きいようなときに、この議論が起きてくるのでありまして、今度相当配慮したつもりでございます。  国庫余裕金によって直接株式、公社債買い入れをやったらいいとか、市中金融機関に預託をやったらいいとかいう問題がありましたが、今まで行なっておりますものは、中小企業関係三公庫に対して資金の追加を行なったり、興長銀債に対する中期運用を行ないましたり、日銀窓口を通じての買いオペレーションを行なったりということで、弾力的運用をやっていますことは、先ほどから申し上げている通りでございます。それだけでは困るというので、日銀が、去る十一月だと思いますが、買いオペレーション制度をとったわけでございます。年末までに約二千億だと思いますし、今度一−三月に千億ないし千五百億、場合によっては二千億というようなことも考えておるわけでございまして、こういうような状態によって、金融の二元化論というような複雑にならないことを前提にしながら、可能な限り金融情勢に対処して余裕金の活用をはかろうということを考えておるのでありまして、今度は直接前のように、市中金融機関にも、また中小企業向けにもどんどん出して、信用金庫や相互銀行にも出す方がいいのじゃないかというのですが、これは日銀の買いオペレーション制度によりまして、これらの機関の窓口を設定し、必要な場合には資金量の供給もし、日銀との取引も開始する。そうして買いオペレーションにつきましては十分配慮をしながら、合理的な買いオペレーションを行なうということになっておりますので、今までとは違って、相当弾力的な運用がはかられ、一般会計財政投融資に合わせて、民間資金も合理的な運用がはかれるという問題になっておりますことをつけ加えて申し上げます。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 買いオペも一つの政策でしょうが、この預託制度というものは、議論を今までされておるから新味はないかもしれませんが、世論でやかましくいわれて熟したものは、これは当局として採用してよろしいのです。新規の奇をてらうような意見ならば、これは慎重にお考えになってもよろしいけれども、こういうような国庫余裕金の市中預託制度というものは、先進国でやっておるのです。アメリカでやっているようです。その指定された銀行は銀行の八割くらいに及ぶ、こういう。これは一つ実行せられたらどうですか。この三十九年度予算を編成なさる前までにおやりになるのがいいじゃないかということを私は考えるのです。大蔵大臣に対する質問はこれで終わります。  企画庁長官がおいででございますから、お伺いいたします。  三十七年六月二十三日付、全国総合開発計画案、経済企画庁というのがあるのです。これはおそらく閣議を通ったのじゃないかと思います。これについてお伺いいたしますのは、これはなかなか理想の開発計画でありまして、これが実行できればけっこうだと思いまするが、一体こういうのをお書きになって、これは公共投資でやるのでございましょうが、財源あるいはその配分、こういうようなことに何か裏付の計画があるのでございますか。これは紙ばかりだということを思うのでございます。もっとも、財政投融資の中に国土開発というのがある。こういうふうなのをどうしてだんだん進めていかれるか。これを実行すれば、私は膨大なる金が要ると思う。また場合によっては、金が要ったって勇気を持ってやるべきだと思いまするが、その点をまずお伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 ただいま御指摘の計画は、昨年の十月に閣議決定をいたしました。基本法が実は昭和二十五年にできておりましたわけでございますが、その後十年間具体的な計画というものができないままに昨年に及んだわけでございます。本来、基本法ができましたのは昭和二十五年でございますから、やはり当時の情勢を反映いたしまして、食糧増産とか電源開発とか、そういうことにかなりのウエートが置かれておりました。しかし、その後そういう意味での食糧増産という要請は、非常に姿を変えて参りましたわけです。従って、法律制定当時考えられておったものとは多少違ったような姿で、総合開発計画が十年余りして生まれたわけでございます。しかも、その間に各地方の特定開発でありますとか、あるいは四国、九州等々のいわゆる開発関係の法律案が国会を通っていきましたために、昨年できました総合開発計画そのものは、母法のキー・プランの方が現実のプランよりあとにできるという、非常におかしな結果になったわけでございます。ただいまの問題は、従いまして、とにかくできましたキー・プランに、これから将来行なわれるであろう各地方の具体的な計画を当てはめて、調整をしていくというような問題になるというふうに考えておるわけでございます。新産業都市などもその一つでございますが、そこで、この総合開発計画そのものの実施は、やはり財源措置は各省におのおの分かれておるというのが実情でございまして、経済企画庁といたしましては、その各省の具体的な施策を調整するという意味で、調整費を持っております。三十八年度には二十二億円の調整費を持っておるわけでございます。なおまた、金融面につきましては、日本開発銀行、北海道東北開発公庫等が金融面で地方開発を担当しておるというのが実情でございます。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 今長官のお答えの中に、新産業都市という言葉がありました。これは法律でありますから実行せられなければならぬですが、今どれくらい申請があるのでございますか。おそらくこんな法律ができますと、わっしょわっしょとだれもかれも申請してくる。もとより、これには基準があるのでございましょうが、これに対してはよほど慎重におやりにならぬと、いわゆる広域都市というものはなかなかむずかしいものです。現に岡山県で一頓挫を来たしておるようでありますが、たとえば海岸を埋め立てをして、そこへ臨海工業都市をつくって、石油化学コンビナートなどを迎えるといったところで、一体こういう大企業がやすやすと行きますか。大企業が集中した都会からそういう地方へ参りますのは、間接費を節約するためです。やれ地方の発展をはかるとかどうとかいう考えよりも、それの方が強いのでございますよ。さて法律でやってみた、企業が出てこない、立ちぐされになってしまったらどうなさるか。これはよほど慎重にお考えを願いたい。  それから、大都会の付近に新しい町をつくる町づくりというようなことが、このごろ行なわれておる。ところが、これはベッド・タウンにすぎないのです。そこで晩寝て、大都会へ通う、昼間人口がふえる、交通が複雑になる、同じことです。そこで、企画庁長官に、私は、お考えになっておるかどうか、お考え願いたいのですが、大都会の付近のそういう新しい町というものは、イギリスのやり方が私は非常に成功しておると思うのです。それは人口がわずかなものは一万五千、多くて五万くらいです。そしてその建前は、その新しい都市で家庭があり、仕事があるということです。家と雇用がその町にある。何も大都会へ出ていかなくてもよろしい。しかも、その工場は従業員百人ないし三百人。住宅ばかりか、商店街もある。小学校もある。中には専門学校もあるという。これが小じんまりして発展しておると私は思う。しかも、その工場というものは精密工業。今の日本で百万都市、これは勢いはなかなかよろしい。しかし、これは結局田園都市か、たんぼの多い、イノシシが出てくるような町をつくるだけだ。それよりも十万、二十万程度の堅実な、そこには自分の家がある、仕事があり、雇用があるという、こういう町づくりをせられることがいいのじゃないかと思うのでありますが、一つ長官の御所見を承ると同時に、もう一つ、このパンフレットの中に書いてある点に、私が一つ申し上げたいのは、三十一ページ、「都市発展の方向」というところで、こういうことが書いてある。「過大都市については、その弊害の程度に応じて既存の諸施設をできるだけ分散させるほか、産業および人口の集中を極力防止するために必要な制限を行ない、」これは、大都会の人口集中は弊害もありますけれども、歴史的であり、近代工業が、また近代商業が、ことに農業の発展に伴うて発展してきたものであります。それを過大だから人口の集中を防止する——大鵬は人間として大き過ぎるから手足をちょん切れというみたいなものです。そんなことできますか。私は、大都会はその施設をもっと充実すれば、私の言う大都市再発展、これをはかっていけば、人口は集中できる、それを受け継ぐことができる、吸収することもできると私は思うのです。産業及び人口の集中を防止する、これはどういうふうな手段でやるのか。まさか暴力をふるわれるわけではありますまい。これはよほどよくお考えにならぬと、いかにも何かいいようなことに書いてあるのですが、これは私はむずかしいことを書くだけだと思う。この二点をお伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 新産業都市につきましては、ただいままだ正式な申請を受け付けておる段階ではございませんのですが、申請の前提になりますところの必要なデータを私どもの方で決定をいたしまして、そういう資料を希望のあるところから目下とっておるわけでございます。そうして、そういう資料を寄せてこられた地区が四十三地区ございます。従って、そういう四十三地区が新産業都市の指定を将来受ける希望を持っておられるものというふうに考えるわけでございます。  新産業都市建設促進法が成立いたしますまでに、御承知のように、非常に複雑な経緯がございました。自治省、建設省、通産省、その他おのおのの構想を持っておりましたために、それを調整だけをいたしましたようなものが、結局新産業都市建設促進法になったわけでございます。そこで、これは関係大臣が数大臣要請大臣としておりますので、その間の十分な意思の統一をまだいたしておりませんけれども、私どもといたしましては、新産業都市というものの考え方を、一つは、やはり地域格差の是正という考え方を重点といたしております。もう一つは、申し上げるまでもなく、それと経済性、先ほど御指摘のありましたような企業側から見た経済性、この二つのことをどういうふうに調整していくかということが、運用の基本の考え方であろうと考えております。私どもといたしましては、大都市における産業の集中の結果、すでに大都市において新たに企業を興すということが、経済性から見て相当困難になりつつある。しかしながら、さりとて、どこの地方へ行ってもすぐに工場を興せるというわけではございませんから、ただいまから五年ないし七年先を考えまして、そのころになって企業がどこかに進出をしたい。しかも、そういうところにある程度の社会資本と申しますか、先ほど御指摘のことでございましたが、公共投資ができておる。そういう入れものがある程度完成をしておって、そうして、その上で、それならば企業も経済性に基づいてそちらへ行ける、そういう準備をいたしたい。新産業都市というものを、そういうものとして私どもは認識をいたしておるわけでございます。従って、それによって地域格差を是正するための地方開発の拠点もまたできるであろうと考えるわけでございますから、新産業都市を考えます上に、一つは、そういう地域格差の是正の問題、もう一つは、どこへでも企業が行けるというわけではございませんから、ある程度、現在から考えて、そういうきざしなり可能性を備えているもの、かりに熟度という言葉で呼んでおりますが、熟度がある程度あるもの、こういう二つのものさしから判断をいたしておるわけでございます。  それから、ただいま御指摘の点でございますが、過大都市について産業及び人口の集中を極力防止するという点につきましては、私ども、過大都市、——東京、大阪、及びやがて名古屋がそうなると思いますが、その再開発ということを考えておるわけでございます。具体的な方法といたしましては、現実に経済性が下がっていくということになれば自然に企業もよそに地点を求めるでございましょうが、それと同時に、たとえば、このたび国会に提案をいたしております租税措置法の改正などに見られますように、大都市から所有の土地なり工場なりを売り払って地方に出ていきますときに、従来は、御案内のように、相当高い譲渡取得税がかかるわけでございますが、その譲渡取得税を課税しない。すなわち、大都市にありますところの土地、工場施設を売り払いましたその差益をもって地方に土地を買い工場を建てることができる、その間課税を伴わないような措置を今度提案をいたしておるわけでございますが、そういうような考え方、及び、開発銀行、北海道東北公庫等によります地方開発資金のワクからの融資、こういったような面からそういう動きを促進していこうというふうに考えております。

中村三之丞自由民主党

○中村(三)委員 時間の関係でもう終わりますが、一言申し上げておきたい。あなたのお考えは、私は非常にけっこうだと思う。しかし、役人諸君が、法律ができたから、こういう計画ができたからすぐできるという考えは、これはあまりにも軽率である。もっと熟慮して、まず第一に資金を獲得することです。あなたの方の局長のある人は、新産業都市三十万を建設する場合には五千億円の金が要るということをある雑誌に書いておる。僕はきょう持っておりませんが、書いておられる。非常によく研究しておられると思いますが、それだけ金がかかる。だから、金なくしてはできない。譲渡取得もけっこうですが、それはわずかなものです。まず第一に金を与えよ、そうでなければいかぬじゃないかと申し上げまして、私の質問を終わります。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 川村継義君。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 私は地方財政の問題について質問いたしたいと思います。お尋ねいたしたい主題は、第一に地方財政の現状と今後の見通し、第二には地方財政を確立する方法、第三に地域開発の問題、このような三点で大体御質問申し上げたいと思います。時間の制約もありまして、委員長からいただいた時間が一時間半でありますから、十分でない場合は、あとで分科会なり他の委員会でお尋ねいたしたいと考えますので、前もってお断わりをいたしておきます。大臣の方でも、簡潔明瞭に御答弁を願いたいとお願いをいたします。  まず初めに大蔵大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、大臣の予算の提案理由の説明を拝見いたしますと、地方財政の項に少しばかり触れておられますが、その中で、全部読むことを省略いたしますが、「地方財政は、ここ数年来、地方税及び地方交付税の増収並びに国及び地方を通ずる財政健全化の努力によりまして、その内容は著しく改善されてきております。」そして、三十八年度に電気ガス税を減税したその穴埋めにたばこ消費税を引き上げたということを述べられて、「地方税及び地方交付税の増収並びに生活環境施設の整備と産業基盤の拡充を中心とする地方債の増額と相まちまして、地方における行政内容と住民福祉は引き続き向上することが期待される次第であります。」このように述べておられますが、はたして行政の内容と住民福祉の向上が期待される財政状況にあるかどうか、私といたしましては少し不安を持っているのでありますが、大蔵大臣の御説明によりますと、大へん大臣は楽観的に見ておられるのじゃないかというように思えるのでありますが、どのようにお考えになっておるか、その点からお聞かせ願いたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 地方財政が健全化されて参りましたことについては、御説明申し上げておる通りでございます。地方分権制度がとられましてからもうすでに戦後久しいわけでございますが、これが、昭和二十八、九年までは地方財政も非常に窮屈でありまして、予算編成時においては常に議論を呼んだわけでございます。三十年、三十一年ころから漸次地方の産業も復興をいたして参りましたので、過去に比べて地方財政が非常によくなりつつあるということは、数字の上において認められるわけでございます。しかし、人口も産業も大都市に過度集中が行なわれておる現状にかんがみまして、地方開発を進めなければならない、人口を地方により多く定着をせしめなければならない、なお、大都市に過度に集中しております産業の地方分散等も積極的にこれを推進しなければならないという状態から考えまして、一般会計及び財政投融資等においても、地方産業の開発に相当程度の配慮をいたしておるわけでございまして、これが投資が行なわれた結果、地方の産業もよりよく発展をしながら、地方財政収入の増大がはかれるというふうに考えておるわけでございます。しかし、政府は熱意を持っておりますけれども、これからの地方財政の確立及び地方開発に対しては、より積極的な財政的な施策を行なっていかなければならないということは、御説の通りでございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 ただいま大蔵大臣のお話しのように、昭和二十九年度、三十年度非常に財政危機に陥った地方団体が、一応あらゆる施策によってその危機を脱却いたしまして、ここ数年来、財政全般から見れば、今お話しのようなことになっておるということは、私も認めるわけであります。しかし、今日、いろいろ産業体制の整備その他の諸施策に対応するために、富裕団体と言われる地方団体はそれなりに、まして、財政力の弱い団体においては、特に赤字団体に転落しないようにとの努力で支えられている状態ではないかと私は考えるわけであります。今日、地方団体は、その行政、財政におきまして国の下請機関化しておる、民主制度の基盤であります地方団体がその機能を喪失しつつある、こういうようなことを権威ある専門家の諸君の中にも指摘する人が多くなりました。政党的つながりを求めて、総理に言わせると顔見知りということになるそうでありますけれども、各種各様の補助金獲得を陳情せればならないという、そういうことも、財政力のない、一銭でも多く補助金をもらいたいというようなことがその要素であろうかと考えているわけでありまして、こういうような状態は、民主政治の基盤であります地方団体を健全にするためには大へん残念な状態だと私は思っております。  そこで、今大臣がおっしゃいましたように、これから地方財政の財政力を伸ばしていくというようなことは非常に重要でありますけれども、今回の予算を拝見いたしますと、国家の予算に対して大臣が思い切り施策ができるように配慮されましたそれに比べて、地方財政の面についての配慮が少し乏しいのではないかという印象を私は受けているわけであります。その点についての大臣のお考えを簡単に一つお聞かせいただきたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 地方財政の整備というのは、地方の産業を発達せしめていき、財源の確保をはかっていくということ以外にないわけであります。御説の通り、地方財政全般は、確かに和歌山県を除いては、全府県が黒字県に転換をしたとはいいながら、先ほども申し上げたように、東京や大阪というような大きな地方団体を除きますと、必ずしもこれからの要請にこたえていけるほど財政力が強化しているかというと、疑問のところはございます。でありますから、大体、十七年前に、地方自治の確立、地方財政の確立ということが占領軍メモによって出され、新しい地方自治体がつくられたわけでありますが、日本のような、明治からの行政区画そのままでずっと府県制度が行なわれておるということで考えますと、一体このままでいいのか、広域運営というようなものをどう考えなければならぬかというので、二十五年に国土開発法を制定して、その後新産業都市建設促進法をつくるまでの間に、この種の立法が、十数件かと思いますが、一部は議員立法、一部は政府提案によって行なわれて、大体法制上の建前としては、地方産業の発達ということがはかられる体制になっておりますが、これが資金の確保、財源的な処置というものに対して万全であるとは考えておりません。しかし、ちょうど昭和三十五年、三十六年、三十七年ですね、経済は伸び過ぎた。同時に地域格差が非常に大きくなったじゃないか。逆に、日本の経済の伸び率に比べて、北海道や東北や裏日本や、その他宮崎県、四国のように、地方財政力の弱い県は一体よくなったのか。逆に人口も流出しているじゃないか。こういうような事実があるのでありますが、ちょうど国際収支改善という問題がありましたので、今度は自由化に対応しまして、新しく日本の地方産業というものをどうするか。これは、地方財政の整備とか、地方の産業の発展ということよりも、国の産業分布図を変えなければいかぬという基本的な観点に立って、人口と産業との均衡ある分散をはかっていくということでありますので、姿勢としては前向きであり、これからお互いが話し合いをしながら、地方財政の確立、地方産業の発達というものに対しては積極的に国の施策としてもやっていかなければならぬという考えでございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 一応承っておきたいと思いますが、さらに、先ほど申し上げました大蔵大臣の提案理由の言葉の中に、地方財政はかくかくの努力によってその内容は著しく改善されてきておりますとあなたはおっしゃっておられますが、著しく改善されたとお考えになっておりますその内容というのは、大蔵大臣はどういう点をさしておられるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 先ほどからも申し上げておりますように、戦後の十年に比べて、後半の五年は、財政規模においても相当の拡大をいたしておりますし、なおその上に、赤字という再建県も非常に少なくなりまして、あと一年たてば、和歌山県を除いて全部の県が、数字の上では、財政規模の拡大に加えてバランスのとり得る状態になったということは、過去の実績に比べて大幅な改善が行なわれておるということでございます。  なお、数字の上だけではなく、これからの地方財政というものは、長期的に安定するのかということが前提になるわけでありますが、先ほどからもるる申し上げておりますように、国の施策として、国が地方に対してというのではなく、より大きな産業施策、人口政策として将来地方開発を行ない、産業基盤の強化をし、財源確保を当然はかって参るという姿勢でありますので、比較して非常によくなり、将来よりよくしなければならないという観点に立っておるわけでございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 一応のお考えでございますから、それはそれなりとして認めるといたしますけれども、私は、内容の改善と言われる以上は、地方財政の構造がどのように改善されたかというような点がやはり明らかでないと、問題は残ると思います。ただ財政規模が大きくなったから内容が改善された、こういう単純にものを考えるわけにはいかないと思います。歳入・歳出がどういう構造を示しておるが、その歳入の中に国庫支出金等の比率は一体どういう形になっておるか、歳出の場合の一般行政費であるとか、そういうようなものがどういうような構造比率をなしておるかとかいう点が十分分析されて参りませんと、ほんとうの内容改善の指摘にはならないと思うのであります。  そこで、私は、今日の地方財政の状態がどうあるか、あるいはそういう点について自治大臣はどうお考えになっておりますか、自治大臣からちょっと見解を承りたいと思います。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 お答えいたします。  地方財政の今後の見通しいかんという問題でありますが、昭和三十八年度の地方財政計画は今作成中でございまして、来週の月曜日までにこれをつくり上げるということで、今一生懸命やっておりますから、一つ御了承願いたいと思います。  明年度の地方財政の見通しにおきましては、給与関係の経費が約千三百八十億円増加いたします。そのほか、義務的な経費の増高が相当多額に上りますほかに、公共投資の増大、社会保障の拡充等による地方負担の増加約一千四百二十億円が見込まれ、歳出全体といたしましては約三千四百八十億円の増加となるわけでございます。  一方、歳入の面におきまして、地方税、地方譲与税及び地方交付税で約二千二百四十億円程度の増加、国庫支出金と合わせまして、歳入全体として三千四百八十億円の増加見込みとなりまして、大体健全均衡財政を保持することができる見込みであります。  そこで、歳入の面について御説明申し上げますと、地方税が千二百七十億円、それから地方譲与税が四十六億円、地方交付税が九百二十二億円、これは増でございます。国庫支出金が千三十九億円、地方債が二百六億円、合計三千四百八十三億円増でございます。  歳出の方で申しますと、給与関係が千三百八十億円、国庫補助を伴う経費が千四百二十二億円、この内わけは事業費八百九億円、その他六百十三億円でございます。単独普通建設事業費五百二十一億円、その他百五十九億円でありまして、大体、多少のズレはあるかもしれませんが、三千四百八十億円、歳出・歳入とも合うようになっておるわけであります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 今のはまたあとで聞きます。私がお聞きしておるのは、今日の昭和三十七年度、昭和三十八年度の地方財政の大まかな見通しは、一体非常に豊かであるか、あるいは楽であるか、窮屈になるのか、そういうことについて自治大臣がどういう見通しを持っておられるかという考え方をお聞きしたかったわけであります。  そこで、私はその点についてちょっとあなたの方の資料によって申し上げてみたいと思います。それはなぜかというと、私は、どうも三十八年度、三十九年度の地方財政の運営は大へん窮屈になる、これはよほど考えていかなければ大へんなことになりはしないかという、一人よがりかもしれませんけれども、心配を持っておるわけであります。だからお聞きするわけです。  あなたの方から出ておりますところの三十六年度の地方財政の決算を見てみると、実質収支で三十五年度に比べて十六億円の黒字は出ておる。しかし、これは、いろいろの繰越額等を引き去りますと、実質収支の黒字は六百六十四億円でありますけれども、実は五百二十八億円の黒字しか出ていないわけであります。この状態は、三十六年は三十五年に比べて必ずしも大きな好転を実質収支の上から見てしていない。なお、単年度の収支を見て参りますと、単純な単年度収支額は、県において十七億円の赤字を出しておる。市町村は三十二億の黒字が出ておりますから、合計いたしまして十六億の黒字でございますけれども、府県が単年度収支で十七億の赤字を出しておる。これはよほど考えなければならぬ問題だと思うのであります。このことは、昭和三十五年度に府県において百九十二億の黒字があったということを考えると、これは実に大きな問題であります。しかもこの府県及び市町村の黒字団体あるいは赤字団体、黒字団体の黒字額、赤字団体の赤字額、こういうのを比較して参りますと、昭和三十五年に比べて三十六年は非常に悪化をしておる。これが三十六年度の決算に明らかに現われてきているわけであります。自治大臣、この三十六年度の決算のこのような一つの事項を考えてみて、三十七年度はまだ決算は出ておりませんけれども、三十七年度は三十六年度よりもこういう内容がよくなっているとあなたはお考えでございますかどうですか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 三十五年度に比べて三十六年度は、今おっしゃった通り、全体として黒字になっておるが、赤字を出した県がある、これはその通りであります。災害を受けた県もあるし、あるいは仕事をやり過ぎた県もあるし、そういうような関係上そういうようになっておるということは事実であります。非常によくなっているとか、豊かであるというふうには、私は考えてもいないし、言ってもおりませんが、漸次改善されつつあるというふうには考えております。ただし、三十六年度よりも三十七年度はどうか、こういうお話でございますが、これは、全体といたしましては、私は改善されつつあるものと思いますけれども、御承知の通り、産炭地の問題等がありますので、部分的には非常な赤字を出しておる自治団体あるいは府県というものが出てくるのじゃないか、こういうふうに考えております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 三十七年度は三十六年度に比べて必ずしも楽観を許さない、こういう結果が出るだろう、こういうことでございますか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 全体といたしましては、私はやはり黒字が出ると思います。ただ、産炭地等の特別な県あるいは地方におきましての自治団体におきましては、相当の赤字が出るものと考えております。私は、部分的には相当な赤字が出るだろう、しかし、国全体としての地方財政という面から見れば、相当の黒字が出るものと考えております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 そうすると、三十八年度の見通しは、三十七年度に比べてどうお考えでありますか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 三十八年度は、ただいま申し上げましたように、漸次改善されていくもの、こういうふうに考えておる次第であります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 大へん大ざっぱな、たよりない見通しのようでありますけれども、私は、やはり、三十八年度は、全体としてあなたが言うようにそれは財政規模は大きくなるでございましょうけれども、今日の景気調整その他の影響を受けて、必ずしも必要な税収の伸びがない、そうなると、三十八年度は三十七年度に比べて非常にきゅうくつな状態になるのじゃないか、このように見ているわけであります。  そこで、先ほどあなたがおっしゃったその数字をちょっとこまかに聞きたいのでありますけれども、実は一々やっておりますと時間がかかりますから、大ざっぱにお聞きいたしますけれども、歳入・歳出、あなたは三千四百八十億程度の増加を見込んでつじつまを合わせているわけでありますが、財政計画はまだできていない。実は、財政計画ができておりませんから、この点については、あなたの見通し、考え方を聞くについて非常に不便であります。しかし、大ざっぱに一つ大急ぎで申し上げてお答えいただきたいのでありますが、地方税だけの収入はどれくらい見込んでおられますか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 一兆五百七十九億円見込んでおります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 増加分だけを一つ言って下さい。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 増加分は千二百七十億円見ております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 それから、国庫支出金の増加分。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 国庫支出金の増加分は千三十九億円見ております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 歳出において給与関係費の増加分。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 給与関係費の増加分は千三百八十一億円見ておるわけであります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 一般行政費の増加分。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 七百五十五億円見ております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 投資的経費の増加分。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 千九十六億円見ております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 今あなたから大ざっぱな見込みをお聞きいたしましたが、千二百七十億円という地方税の増収見込は、これは、昭和三十七年度が前年度に比べて千六百八十九億円の増加を見込んでおるのに比べると、その伸びが非常に少ない。だからして、私が先ほどから、こういう状態になるのではないか、こう申し上げたわけであります。地方交付税は、あなたは九百二十億増加しておると言う。大臣の説明書にもそう書いてある。しかし、これは  一番初めの計画と今度の計画を比べられた数であって、予算書には七百何十億しか実は増加は見ていないわけです。それが実質の伸びであります。実質の伸びはそういうことであるということを念頭に入れて考えていかねばならぬと思います。今度の第二次補正がプラスをされてあるいは大体九百億程度のことになりましょうか、そういうことではないかと思うわけであります。給与関係費の歳出を千三百八十億、これは今度の給与改定の平年度化あるいはその他の給与の必要経費として十分であるかどうかは、私はこまかなところはまだ資料を持っておりませんから十分に批判はできません。ただ、一般行政費の七百五十五億というのは、昭和三十七年度は、前年度に比べて八百二億、八百億以上も考えたのに、どうして今度は一般行政費が七百五十五億の増でとどまったかということであります。投資的経費にいたしましても、昭和三十七年度は前年度に比べて千六百九十七億の増加を必要と見込んでやっておる。ところが、今回は千百九十六億であれば、非常に少ない見込みしか立ててない。ところが、一般に国の公共投資等は伸びておるからして、地方負担分というものを考えると、これはもっと大きなものでなければならぬのではないかと考えられる。  しかし、こういう細部についてはまたいずれこまかに資料を検討して一つ十分論議をしたいと思いますが、この際急ぎますから一言今の点についてお伺いをしておきますけれども、自治大臣は、この地方財政計画見通しを立てられる上において、単独事業分は一体どれくらいの増加を見込んでおられるか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 単独事業、普通建設事業費五百二十一億の増を見込んでおります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 詳しくはいずれまた論議することにして、大臣、あなたに一言申し上げておきます。普通建設事業の増加を五百億余り見込んで単独事業を計画に盛り込むということは、まことにずさんじゃないかと私は思うのです。というのは、この建設省の道路予算の中に、地方公共団体道路費所要額及び財源内訳額というのがある。この地方公共団体道路費所要額の中に、地方単独事業費分として、三十八年度七百六億円を計上しておる。そうなりますと、直轄事業負担金、補助事業負担金、あるいは地方公共団体の出資金、それらは八百二十一億七千万。地方単独事業費として七百六億、そうなりますと、これは道路の費用だけでもあなたの言う単独事業費では足らぬじゃありませんか。そういう計画というのが一体実になりますか、ちょっとお答え願いたい。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 私が申し上げましたのは増加の額でありまして、あなたの今おっしゃっておるのは基礎の数字も入っておるのではないか、こういうふうに考えます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 昨年度、単独事業の計画として、単独事業費は普通建設事業の六百八十三億を含めて一千億余り実は予定をしておる。普通建設だけでも六百八十三億昨年は考えておる。今年は五百何十億といったら、この点から言っても大へん低い見積もりだということを言わざるを得ません。  そこで、実は、この昭和三十六年度の決算に現われた状況から見ても、あなたのようなそういう考え方で計画を立てられて地方財政運営の指針を与えられようということになるとすると、地方団体は実に大きな問題に遭遇するといわざるを得ません。たとえば、大急ぎで申し上げますが、昭和三十六年度の決算を見て参りますと、歳出において、給与関係費が八千三百二十六億出ておる。これはその三十六年度の計画額七千二百二十七億を一千九十九億も上回っておる。一般行政費において、決算は五千百四十六億、計画は三千八百五十九億、一千二百八十七億上回っておる。投資的経費においても、八千三百六十一億の決算、計画の六千二百四十七億を二千百十四億も上回っておる。しかも、この三十六年度の決算額は三十七年度の計画額とほとんど大同小異である。歳入においても相当の大きな異動があります。こういうような決算と計画を見てくると、私は必ずしも一致せよとは言いませんけれども、非常に大きなズレがある、これで地方の財政の運営が指導できるかという問題を考えねばならぬと思うわけであります。従って、今のように単独事業の計画を押えていく、一般行政費を低く見積もる、投資的経費の負担分を小に見るというようなことがあったらば、歳入面において何でカバーするか。三十六年度の決算に明らかなように、その多くは地方税によってこれがカバーされる。三十六年度の地方税は九千六十五億円決算が出ておる。ところが、計画額は七千六百二十億でありますから、実に一千四百四十五億の多額の増収によってこの補てんがなされておる、こう考えねばなりません。そうすると、今日三十八年度の財政の計画を立てる場合に、そういう点を配慮して、地方自治団体が真に必要とするところの財源というものを見てやる努力をしなければならぬと私は思うのであります。自治大臣、私が今申し上げたような点についてどうお考えになっておりますか、ちょっとお考えを述べていただきたいと思います。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 三十六年度の計画と決算が違っておるじゃないかというお話でありますが、あなたも御存じのように、ベースアップ等が途中でありました。そのほか、これはまあ毎年計画と決算というものは多少違っておるということは、あなたも御存じの通りであります。これを何で補ったかと申しますと、補正予算を途中で組んでおりますし、地方税の増額あるいは交付税の増額、国庫負担金の増額等においてこれを補ったということであります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 それはその通りですよ。それは交付税の増もあったでしょう。国庫負担金の増もあったでしょう。しかし、多くは地方税の大きな増収によってまかなわれておるという結果が見受けられるじゃありませんか。そういうところがやはり地方財政の問題として残っておるということを指摘したいのであります。要するに、そのように、地方団体のやるべき事業、行政水準の維持、これに見合うところの国庫負担金、補助金が十分でないので、計画を策定するときに無理が生じておる、こう言われるわけであります。計画は地方団体の行政の実態にそぐわないものになってしまうのじゃないか。そうなると、地方財政計画の目標、ねらいというものがなくなってしまう。そこでそういう点を考えると、必要な財源を確保してやるというようなことがぜひ努力をされねばならぬ、そういういろいろな問題がここから考えられるわけであります。実は、いろいろとそういう点についてもう少し大臣にお聞きしたいのでありますけれども、時間を急ぎますので、一応、見通しについてあまり甘く考えてはいけない、こういうことを指摘をしておきたいと思うのでございます。  そこで、私は、その次に大臣にお聞きしたいのでありますが、今日の、また昭和三十八年度あるいは昭和三十九年度というところの年度の地方財政が非常に窮屈になるのじゃないか。よほど注意しなければいけない。財源確保にも全力を尽くさなければいかぬ。こういうことを考えてみると、やはり、地方財政の確立をやる場合にどういうことをわれわれは考えねばならぬかということが大きな問題になるかと思うのであります。そこで、まず、昭和三十八年度地方財政計画を策定するにあたって、今後地方財政を運営していかれる責任を負うておられます自治大臣として、地方財政の健全なる運営を確保するための基本的な考え方あるいはその措置、こういうことについてお伺いをいたしたいと思います。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 地方財政の健全な運営に対する考え方はどうかという御質問でありますが、地方制度調査会の答申におきまして、地方財政の健全な運営を確保するためということで、一つは、国・地方団体間の財政秩序の適正化、二に、国庫負担基本額の改善、三に、公共施設の近代化のための改善措置、四に、数年にわたる大規模な公共事業にかかわる国庫負担金の継続費的な運用、次に、地方団体相互間の財政秩序の適正化、こういう五項目を指摘しておるのであります。政府としましては、この地方制度調査会の答申の趣旨を尊重いたしまして、明年度予算におきましても、できる限りその趣旨を生かすように努力し、たとえば、公営住宅の建設費や公立学校施設建設費の国庫負担額にかかわる建設単価や用地費の単価を一〇%から一五%程度引き上げを行なったり、また、これらの施設の構造につきましても、木造の割合を減らしまして、鉄骨、鉄筋の比率を増加させるなどの措置を講じ、国庫負担基本額の改善、公共施設の近代化の促進をはかったのであります。国の施設の建設費の地方団体への負担の転嫁につきましては関係省にその改善方の申し入れを行なうなど、国と地方団体間の財政秩序の適正化に努めているのであります。また、地方団体間及びその地方団体と住民との間における財政秩序の適正化を確保することにつきましては、都道府県立高等学校の建設費の市町村または住民への負担転嫁等を規制するため、現在立法措置を講じておるわけであります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 けっこうでございましょうが、中身は全然それにそぐわないものではないかと心配されてなりません。  そこで、文部大臣おられますね。文部大臣にちょっとお聞きしたいのでございますけれども、今年度の文部省の予算に国立文教施設費として百八十七億計上してございます。この中に、国立高等工業専門学校、国立高専の施設費が大よそ二十八億含まれていると聞いておりますが、その通りでございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 大体その通りでございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 その中で、昭和三十八年度、ことし新設されようとしておる十二校分は幾らでございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 正確な数字を記憶しておりませんけれども、大体一校分二億円見当と御理解いただければ大同小異の数字かと思います。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 私が聞いているところでは、新設の十二校分は、施設費は十三億九千万円と聞いております。それでよろしゅうございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 その通りでございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 そうしますと、一校当たりの建設費というものは、これはその学校によって少し差があると思いますが、十三億九千万円を十二校分考えますと、平均をして一校一億一千六百万円、一体これで国立高専は建つのでございますか、大臣。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 御承知の通り、国立高専は五年制度の学校でございまして、その初年度分、一学年分に必要な施設費でございまして、十分まかなえると考えております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 それでは、先ほど申し上げました国立高専の施設費二十八億の中に、敷地買収費は幾ら見ておられます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 敷地買収費はゼロでございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 それはどうしたわけでございますか。なぜ敷地買収費を計上してありません。  それでは、これは問題だと思うのでありますけれども、今の、去年十二校つくられた、ことし十二校つくられた、来年五校つくられた。一体この五校の敷地は、あるいは国有地を使われた場合もありましょうが、(発言する者あり)今うしろで言っているように、だれかから寄付されたのもあるでしょう。その内訳をちょっと知らしてくれませんか、三十八年度に国有地を使ったところは何校か。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今お話しの通り国有地を使い、あるいは国有地がございません場合は、公有地と国有地の等価交換を行なう、その他は有志の浄財によって寄付を受けるということに期待しておりますので、土地買収費はゼロでございます。具体的には政府委員からお答え申し上げます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 国有地を使ったのを何校、今あなたが二番目に言ったように、交換したのは何校、もらったのは何校、これをちょっと言って下さい。

安嶋彌文部事務官(大臣官房会計課長)

○安嶋政府委員 三十八年度についてお答えいたしますと、国有地を予定いたしておりますのが二校でございます。それから国有地と府県有地の交換を予定いたしておりますのが三校でございます。それから有志の浄財等に期待いたしておりますものが七校でございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 この国立学校をおつくりになるのは、国有地を使われるということはわかりますけれども、有志の寄付というようなことを——これはわれわれは、有志の寄付ということで言われますけれども、市町村が相当負担をしていると実は聞いております。こういうことを一体なぜおやりになったのか。これはまことにけしからぬやり方ではありませんか。これは法律違反じゃないですか、文部大臣。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 お答え申し上げます。  あまり感心した方法ではないと思います。ただそのお話しのように、地方財政法違反であるときめつけられることは必ずしも当たらない、かように思っておるのであります。それは、三十七年度分につきましても、当時自治大臣から、地方財政を圧迫しないように、公共団体に現金であろうと現物であろうと負担をかけないようにという要望もございますし、それより以前に、御指摘の地方財政法に違反すべからずということはむろん心得ておりまして、方々から設置誘致方のお話がございましても、そのことを文部省としては常に現地に申し上げて、御協力をいただいておるわけであります。あまり感心しないと申し上げますのは、もちろん国立の学校施設をつくりますときに、敷地までも国費でもって支弁する建前でいくことは、望ましい方法であることはよくわかりますけれども、変なことを申し上げておそれ入りますが、明治以来の慣行と申しますか、国立の学校をつくります場合に、敷地は現地で一つまかなってもらうといういわば慣行がございまして、ほとんど今までそういうやり方でやってきております。その安易な方法をとったところは感心しないかと内心思いながら、必要の場合にやむを得ずそういうやり方にいたしております。ただし、さっき申し上げましたように、地方財政の負担にならないようにということは、極力考慮に置いて善処をいたしておるつもりでございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 昨年も何かそういうような言いわけをしておられるようでありますけれども、住民に負担をかけない、住民から寄付をもらう、あるいは会社から寄付をもらう、それでいいじゃないか。そういうような言いわけは私は成り立たないと思うのです。大臣も御存じの通りに、そういうような規定は、地方自治法を開いてみても、行政法を見てみても、地方財政法を見てみても、私はその精神ははっきり書いてあると思う。私は読むまでもないと思いますが、国は地方公共団体またはその住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、寄付金、これに相当する物品等を含む、を割り当てて強制的に徴収するようなことをしてはならない。こう言うと割当をしなかった、強制的ではない、こう言われるかもしれませんが、実際の実情は、あなたがいみじくも言われましたように、あなたの方から誘致運動を、言うならば助成をする。各地の誘致がある、そういうようなことで財政法に違反しないよう値体裁をつくっているもの、こういうようなことになるわけであります。  次に、地方団体に負担をさせないとおっしゃいますけれども、あなたは、昨年問題になった宇部市の国立高専の問題を御存じでございましょう。返上運動を起こした。数千万、一億近くの金を宇部市が負担しなければならぬというようなことになったので、大へんだということになった。あなたの地元の、いわゆる今度できますところの有明高専、こういうところのあれでも、土地はあなたが注意をされたかしれませんけれども、会社が寄付した形になっているけれども、このほか水道工事、土地買収、敷地など、この一億七千万円程度の負担が関係市町村、その他の商工会等でまかなうことになっているとちゃんと地元は言っている。これは新聞に書いてある。そういうようなことは許されないと私は思うのであります。これは言うまでもなく、時間がありますと一々あなたの御見解を聞きたいのでありますけれども、またいずれお聞きすることにいたしますが、地方財政再建特別措置法によりましても、その点は明らかであると思うのです。それを一体明治以来の慣習だから——とんでもない考え方でやるということは、私はけしからぬと思うのです。これはあなたのお考えをもう一ぺん聞かしていただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 地方財政法等の趣旨に立って開き直っておっしゃられれば、おしかりは甘んじて受けざるを得ないと思います。ただ現実問題としますと、一種の高校生急増対策の意味合いもございますために、住民としては非常に食指が動くということもございます。弱身につけ込む意思はございませんけれども、一方において、技術者を養成するという課題が国家全体の立場に立って要請されますことにかんがみましても、なるべくすみやかに学校施設を整備していきたいという希望が私どもはございます。そういうことからいたしまして、おのずから国の予算の新規財源には限度がございます。文部省に割り当てらるべき一応のワクも限度があるわけでありまして、その中から、さらに技術者養成となりますと、早くやりたいと思いながら、なかなかテンポがおそいという悩みを持つわけでありまして、その場合に、たまたま地元の誘致したいという熱意と文部省のそういう焦燥感とが一致しまして、きわめて平和裏によかろうということになりました場合、人情話としてはごかんべんいただけるんじゃなかろうか。ある種の安易な気持も手伝っておるとお叱りを受けるか知れませんが、そういう現実に立ちまして、なるべくテンポを速めて、住民も希望される学校の施設を整備して参りたい、こういうことから実施いたしておるのであります。制度論に立っておっしゃられれば、まさしく仰せの通りと思いますけれども、また一面、現実問題を考えますれば、一時の敷地の費用——浄財とは申しても、それぞれ苦心されることとは思いますが、それで将来永久にその住民のための進学希望をかなえ得る施設ができるわけでして、公共団体の立場におきましても、もしみずから公立の高専をつくるとならば、あるいは工業高校をつくるとならば、経常費毎年少なくとも二億円かそこら、三億円に近いものが要るかと思いますが、それが永遠に助かるという気持も手伝っておると推察されるわけであります。それは理由になりませんけれども、いわば人情話として御理解をいただきたい、こういう願いを込めておる次第であります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 人情話ならそれはいいんですよ。こんな言いわけは成り立ちませんよ。どこですか、ここは。これは困る。まことにそういう弁解はけしからぬと思う。それならそれで、なぜ地元に負担させる。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 まあ形式的に申し上げれば、地方財政法違反はいたしていない。ただし、その限られた府県の住民に、法人、個人を問わず実質上の負担をかげる意味においでは、先刻来申し上げるようなことを申し上げる以外にはないわけでございます。しかし、一面においてそのことが、住民全体に、先刻申した通りの意味合いで便益をもたらすということで考えれば、おのずからそこに理解してもらえることもあろうかとも思います。同時に学校施設等に寄付を仰ぐことは、法律もつくっていただいて、税制上も便宜の措置を講ずるぐらいに国としては奨励をし、お願いをしておるわけであります。ですから、本来そういう一般的な全国を対象とした、プールに寄付するというふうなやり方で、一般論として措置し得れば、一番便宜であり、形も整うわけでございますけれども、当面焦眉の問題でありますがゆえに、国全体の地域に浄財を仰ぐということでなくて、限られた地域の方々に浄財を仰ぐ意味において、ある程度の無理があろうかとは思いますが、事柄としては悪をなしているという考えはございません。形式的には地方財政の負担になるということには、第一義的にはなっていないかと心得ておるわけであります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 財政法違反ですよ。そういう見解では私は納得できません。大蔵大臣、これは、あなたの方では文部省から予算要求がなかったから計上されなかったのですか、あったのですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 土地の買収費及び借地料等に対しての概算要求はございません。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 なぜ要求しない。要求をしないでおいて、そういうような理屈にならぬような理屈を並べて、国立の工専を建てていこうなんということはもってのほかだとわれわれは考えます。実は、いろいろとあなたのおっしゃったことについては問題があるわけでありますが、時間の関係上、いろいろと一つ一つの法律解釈をここに論議している時間はないと思いますが、この際、自治大臣に聞いておきたいと思いますが、自治大臣、それでいいですか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 実際問題として、ただいま文部大臣が申しましたように、長い間それをやってきておるし、地元におきまして、また誘致運動をやるというようなことも事実でございますが、自治大臣として見ましたときには、やはり国の仕事において地方負担をかけるということはよくないことだから、何とか一つ文部省において、大蔵省にいわゆる土地の費用とういものを要求してもらいたいということは、しばしば文部大臣に通告もし、また文部事務当局に対してもそういう要求をいたしておるわけでありますが、今文部大臣の言われましたような実情もあり、また文部大臣自身としても幾らか遠慮をされておるのじゃないかというようなことも私は考えますので、今後自治省と文部省と大蔵省とよく相談をいたしまして善処するようにしたい、こう考えます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 今、自治大臣がおっしゃったように、先ほど私が地方財政確立の問題に対してお聞きしたときに、あなたは第一項の、国、地方団体の財政秩序の適正化に努める、こうおっしゃった。これは御承知の通り、地方制度調査会の答申にある言葉であります。その答申の中にもちゃんとそういうようなことが指摘をしてある。これは、もう私がここで読むまでもないと思います。読めば時間がかかりますから……。ところが、その中で国立高専の問題をはっきりうたってある。そして文部大臣じゃないけれども、特定の地域に恩恵を与えるものであるという旧来の考え方に支配をされて、国民から負託された任務を国家的視野に立って適正に執行するという配慮に欠けている、そういうことをやってはならぬ。こういうことははっきり答申されておる。そうなると、自治大臣としてはこの答申を十分尊重しなければならぬ。財政秩序をただすという意味からも一番大事な問題だと考える。そうなると、国立高専で市町村等の地方自治団体に、まあ会社が土地を寄付したことは一応見のがすとしても、市町村にもしもこういうお金を負担させるということになると、あなたとしてはそれを差しとめる意思がありますか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 市町村に対しましては、法律上国が寄付を仰ぐということはできないことになっておりますから、そういうことはないと思います。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 ないと思う……。あったらどうします。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 国立高専につきましては、大蔵省の考え方としては、国有地を提供しようという原則的な考えを持っております。また適切なところに国有地のない場合には、県有地と国有地とを等価交換をしようという考え方を原則的に持っておりますので、予算に計上しないから、概算要求がなかったからといって、これを初めから地元の期成同盟会等の拠出に待つというような他動的な考えではありませんから、その間の事情は一つ御了解を賜わりたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 これはもう大蔵大臣及び自治大臣の考え方が大へん私は納得できる。文部大臣のようなああいう釈明は許されぬ。文部大臣、もう一つお聞きしますけれども、こういう官公庁等に対する寄付金の抑制に関する閣議決定があるのを御存じでございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 存じております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 じゃ、ちょっと内容を言って下さい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 趣旨はわかっておりますが、正確には記憶しておりません。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 その閣議決定はいつの閣議決定ですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 時期ははっきり記憶しておりません。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 ということは、よく理解をしておられないと言わざるを得ません。私は今ここで、実はこれをあなたに全部読んで聞かせてあげたい。しかし、時間の都合上読みませんけれども、昭和二十三年決定されたもの、二十四年にさらに再確認されたこの閣議決定を、はっきり一つあとで読んでおいてもらいたい。そうすると、あなたの考え方が間違いであるということを確かめていただけると思うのです。  文部大臣、もう一つお聞きしますけれども、行政監察局からあなたの方に、こういう問題について勧告が出ているはずです。御存じですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 ちょっと記憶しておりません。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 文部大臣、行政監察局が勧告をしたその勧告にあなたの方は回答しているはずだ。それも御存じない。これまた読むと時間をとって、私の先の質問に影響するから大へんだと思いますが、勧告のおもなる点を一つ私が指摘します。これは「法令外負担金・寄付金等に関する行政監察」の結果報告で、勧告のおもなる点でありますが、「法令外負担金・寄付金等の受納抑制の趣旨徹底を国の出先機関の末端にまで行なうこと。法令外負担金・寄付金等の受納の経緯をみると、寄付者側の自発的なものもあるが、国の機関が予算不足のため、あるいは予算以上の事業を行なおうとするため、地方公共団体に何らかの形で懇請したものが多い、必要な経費は、予算措置を講じ、地方公共団体に負担をかけないようにすること。土地・建物などの賃借料は適正価格を下回るものが多いので改定すること。人権擁護委員協議会や保護司会の経費の大部分は市町村等の負担で賄われているが、これらの事業については、国と地方公共団体の経費負担区分を明確にする必要があること。」こういうことであります。そうして、文部省にもかくかくの通りだという勧告がなされて、そして説明まで付して、あなたが今言われたようなことが強く、特に国立の付属小学校、中学校の膨大なる寄付について、やめさせろというようなことが言ってある。こういう勧告、あるいは閣議決定、これから考えても、形式的には地方財政法違反じゃありません。そんなことがぬけぬけ言えますか。自治大臣、これがもしも地方負担にかかるようなことがあったら、たとい国立高専ができなくても待たせるべきであります。でなければ国と地方団体、あるいは地方団体相互間の財政秩序の維持はできません。自治大臣、どのようにお考えでございますか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 とにかく、そういう国立高専といったような国の教育施設の問題で地方民に負担をかけるということは、これは理論的には決してよいことでもないし、また地方の立場から申しましても、自治省の立場から申しましても、好ましいことではございません。ただ、今文部大臣が言われましたように、財政法違反であるかどうかという問題になりますと、財政法違反は犯しておられないということでありますが、しかし、その精神につきましては、必ずしもそういう精神に沿っておるということは考えられないので、ただいまも申しましたように、何回か文部当局に対しても注意を促しております。これは、しかし私自身の考えでありますが、いつまでもこういう問題はそのままにしておくことはできないと思いますので、先ほど申しましたように、大蔵大臣並びに文部大臣等とも協議をいたしまして、やはり交換されるものは交換をする、あるいはまた、どうしても交換するような場所がないとか、どうしても住民の寄付に仰がなければならぬというようなものについては、しかるべく予算措置をした方がいいじゃないかということが私の考えであります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 一々の十二校について、特に寄付を受けている七校について、実は一つ一つ実態を調べてみるとはっきりすると思いますけれども、先ほど申し上げましたように、昨年問題になった宇部高専の問題、それから荒木大臣の地元の有明高専の問題、これは、どんなにあなたが財政法違反を犯していないとはっきり言われても、地方市町村が割前を受け持つようになっておるのだから、これは何とも仕方がないと思う。だからして、こんなものはストップさせるべきだと思います。  文部大臣にお尋ねしましたように、この大事な行政監察、これの精神も踏みにじり、閣議決定、これも無視して、こういうことをやるということは許されない。あなたは、よく答弁などを聞いておりますと、法律に従ってやるとか、法の秩序を正すとか、あるいは合理的に措置するとか常に答弁せられる。そんな言葉は、一つ文部大臣、やめていただかなければならぬことになる。こういう点を、一つ十分配慮していただかなければならぬと思うのであります。  もう一言文部大臣に申し上げますけれども、国立高専だけの問題ではないわけでありまして、今当面の問題として高校急増の問題が、あるいは一般国民から、あるいは市町村の団体から、何とかしてくれという強い要望が出されておる。なるほどあなたの方でもある程度の予算措置はなさったのでありますけれども、今日の高校急増対策の問題を見ると、これまた、今度は県が市町村に大きな負担をぶっかぶせている。あるいは一般の父兄の寄付を集めている。これは枚挙にいとまがないほどであります。これは、あなたも実例はよく知っておられると思うのであります。この実例を、今ここで私は一々申し上げません。またいずれ別の機会に申し上げたいと思いますが、こういうようなことを、いわゆる父兄の要望だとか、それに沿うために仕方がないのだとか、そういう考え方では絶対に許せないわけであります。近ごろの新聞を見ても、文部大臣、和歌山県の県立工高の問題をごらんになったでしょう。大体新設工業高校へ入学する者は、一人で十万円出せ、一人で十万円というのは、入学する生徒が一人で一万円、その生徒を出した市町村が九万円、そういうことが出ているわけです。とんでもないことですね。だから、文部行政はそういう点からもう少し考えていただかなければ、ただ大臣が、日教組のやり方がどうだこうだと非常に攻撃しておられますが、そんなことだけではわが国の教育というものはよくならぬ。この点は、はっきり考えておっていただきたい。さらには、自治大臣に申し上げたいことは、今の高校急増の問題にいたしましても、財政秩序を正す、これからいったら、めちゃめちゃな実態でございます。この点、一つ十分指導をしていただきたい、そのように考えるわけであります。  あなたの財政運営についての国庫負担基本額の問題、これは実はいろいろと指摘をしなければならない問題点がたくさんございますが、時間がございませんから、こういう点については、これは大蔵大臣、一つ思い切って考えていただかなければならぬと思います。先ほど大蔵大臣は、非常に配慮したというような御意見もありましたけれども、こういう国庫負担の基本額が実は非常に悪うございますから、地方の財政を乱しておる、いわゆる内容の改善には役立っていないということを私は指摘をしておきたいと思うのであります。そのほかいろいろと自治大臣も述べましたように、または答申にも示してありますように、地方の財政を確立し、健全なる運営を確保するために重要な問題が指摘されておりますので、十分一つこの点は御配慮願わねばならぬと思うのであります。  そこで、時間の都合上具体的な問題をこれからお伺いいたしますけれども、自治大臣、地方税の中の住民税、これを軽減するお考えはございませんか。昨年度から実施されました地方税の改正によりまして、地方の住民の中に非常に大きな不満が爆発しておるということは、御存じの通りであります。県民税の比例税率引き上げ、あるいは市町村民税の本文方式とただし書き方式に分かれた場合の負担増、こういう点について考えなければならぬ大問題がございますが、自治大臣、何とか住民税をもう少し軽減して、住民の負担を軽からしめるというお考えはございませんか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 住民税が非常に高いという世論、あるいはそういう声があるということは事実であります。そこで住民税につきましては、従来から数次にわたってその負担の軽減、合理化をはかってきたのでありますが、昭和三十八年度におきまして市町村民税所得割について、所得七十万円以下の者に適用される税率を引き下げ、約百三十億円の減税を行なうべく、すでに昨年度において措置済みであるということは御承知の通りであります。住民税の負担の合理化の問題につきましては、税制調査会におきましても基本問題の一つとして検討が続けられておるわけでありまして、政府におきましても、市町村の実態を十分に考慮いたしまして、その合理化について至急結論を出したい、こういう考えであります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 私が指摘するまでもなく、市町村民税のいわゆる所得割についても、御存じの通り法律に従わないような勝手な準拠税率をつくっておるところが膨大な数に上っており、本文方式とただし書き方式とございますけれども、ただし書き方式を採用しているのが実に八二%ある。ただし書き方式と本文方式がどれだけ税負担が違うかということは御存じの通りであります。そのただし書き方式の中で、さらには準拠税率通りでなくて、準拠税率を上回って大きな負担をしておるところがこれまた非常に多い。半分以上、五三%程度になっておる。こういうような負担は、これは貧弱なる市町村におればおるほど大きいのでございますよ。これは御存じの通りであります。こういうような状況を続けて参りますと、これはものの考え方として、そういうところには人は住みつかなくなります。人がおらなくなる。安いところに集まるということにもなる。そうすると、大蔵大臣が地域格差の是正だとか、あるいは経済の均等なる発展だとかおっしゃっても、その辺のところからくずれていくという考え方が一つ出てくる。こういう点を十分考えていただかなければなりません。私は、この問題につきましては、さらに委員会等で確かめてみたいと思います。  そこで、時間も非常に迫っておりますから、次に急ぎますが、もう一つ、地方交付税の税率を増額するお考えはないか、これは大蔵大臣と自治大臣から一つ簡明率直に聞かしていただきたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 地方交付税率は、交付税の率は国税三税の二八・九%ということになっておりますが、この制度の建前は、地方交付税法第六条の三に規定しております通り、普通交付税の額が、地方団体ごとに積み上げた財源不足額の合算額にして、引き続き著しく異なるときに、初めて地方財政制度の改正ないし交付税率の変更を行なうということを規定せられておるわけでございまして、先ほども申し上げた通り、現在の状態では、二八・九%という現行率でよろしいと考えておりますが、先ほどの地域格差の問題、地方開発の問題、その他新しい施策等がきまりました場合、これが国として地方財政の確立だけでなく、国の施策として大きなウエートを持って参りますので、これらの新しい事態が来た場合、真剣に検討せらるべき問題だ、こういうふうに考えておるわけであります。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 せっかくのお話でございますけれども、私は、今年あたりはその時期ではないかと思う。これは、いずれまたいろいろと詳しくお考えを聞き、お尋ねをしたいと思いますが、先ほども三十八年度の財政計画策定、その見通しについて一、二指摘いたしましたけれども、一般財源の伸びは鈍化すると考えざるを得ない。そういうことを考えますと、今日のこの八百億程度、九百億程度の伸びでは、どうしても一般財源のまかないがつかない結果になるのじゃないか。それを押えておりますと、これまた住民税の増徴ということになる。Aの村に住んでおれば千円、Bの村におれば三千円、こういうような不均衡な税負担がある。しかも、そういうのがだんだんよくはならないで強化されていくというような結果になりまして、地方税の増徴で一般財源を充実しなければならぬという結果にもなりかねないわけであります。それから今年の予算書にありますように、国税の減収等が考えられると、これはやはり総額がどうしても低下する。投資的経費等の地方負担分が増額をする。災害も大へん大きな災害が起こっておりますが、災害が起こらぬとも限らぬ。それに対するところの地方の力というものを立てておかなければならぬ。一般行政費も、先ほど自治大臣が言いましたように、非常に増額を低く見積もっておると私は見ております。そういうのも、やはり財源が不足しておるからそういう結果になると思います。さらに新産業都市、低開発工業地域開発の法律、こういうようなものが動き出していくと、条例で、減収したところは補てんをする、そういう財源も考えられる。また農林大臣は、農業構造改善について県からも少しめんどうを見ろ、めんどうを見た分は交付税で持っていく、交付税がどれだけでもあるような格好でものを言っておるわけでしょう。こういう農業構造改善のような場合に、政策的なものにいきなり交付税でやります、こういうものの考え方というものには、私は賛成いたしませんけれども、こういうような理由がたくさんある。さらには自治省で策定いたしますところの基準財政需要額の単位費用の策定等においても、その積算基礎において問題が非常に多うございます。学校経費、これはこの中を見ればわかるように、学校に電信電話の費用が一日に切手一枚だ、こういうような費用が出てくる。こういう単位費用の積算基礎に問題が山ほどある。こういうものをぴちっと合理的にするということになると、財政需要というものはもっと高く見積らなければならぬ。そういう点からいたしますと、この際地方交付税の増額ということは、一般財源充実の意味から考えてもぜひなすべきだと私は思っておるわけです。  意見ばかり申し上げて大へん恐縮でございますけれども、さらにまたこまかにお聞きすることにいたします。  あとわずかの時間でございますから、取り急いで、次に、一、二点お考えを聞いておきたいと思います。  それは地域開発の問題でございますけれども、実は経済企画庁長官においでいただいて、地域開発計画についてのいろいろ基本的な考え方、総合開発計画と所得倍増計画との関係等お聞きしたいと思っておりましたけれども、時間がございませんで、まことに申しわけなく思っております。そこで、地域開発の目的やその他のことは申し上げる必要はないと思いますが、ただ、具体的な問題をお聞きいたしておきたいと思います。  経済企画庁長官にお聞きいたしますが、新産業都市建設促進法ができましたときに、国会で附帯決議がなされております。その附帯決議は十一項目あるわけでございますけれども、「政府は、本法による新産業都市の建設を円滑且つ効率的にするため、次の諸事項に関する措置等を速やかに実施又は整備し、次期通常国会に提出又は報告すべきである。」こうなされておりますが、長官、この十一項目についての具体的な措置、そういうものは今度の国会に提出されますか。あなたの方でできないやつは、関係各省を督励してやっていただかなければならぬと思いますが、これは用意がございましょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 一部は提出をする準備をいたしております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 実は一つ一つ項目についてお伺いしたいのでございますけれども、その点省略いたします。  自治大臣、いろいろお聞きしたいのでございますが、この新産業都市の法律を見ても、低開発の法律を見ても、または地域開発という問題から考えても、工業開発が中心になっておると私は思います。地方団体から見た場合に、工業開発についてよほど注意をしなければならぬ問題点があると思うが、あなたはどういうようにお考えになって、どのような指導をなさっておるか、その骨組みだけ聞いておきましょう。具体的なことはまたこの次聞きますから……。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 地域開発、特に新産業都市の問題は、工業開発を主眼としていることは御指摘の通りであります。しかしながら、相当広い範囲の中に、農業であるとかあるいは中小企業が存在しておるということも事実でございます。工業開発を急ぐあまり、それらの従来の農業であるとかあるいは中小企業というものに非常な打撃を与えるとか、あるいはまたその進歩をとめるということは、地域開発の目的ではありませんから、それらの諸産業の間に調和をとりまして、従来の農業あるいは中小企業も、新産業都市の中に、新しい工場と伍して発展していけるように調和をすることが、われわれの大切な心がけであると考えております。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 今の御答弁は、企画庁長官の御答弁みたいでございましたが、さらにまた機会を改めてお聞きいたします。  私は、臨時国会のときに、自治大臣に問題点を一つ指摘して、岡山の水島開発の場合の県費負担の問題を聞いたことがあります。あなたは知らぬ、調べておくとおっしゃったが、調査できましたか。

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○篠田国務大臣 調査いたしました。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 そうしましたならば、岡山の水島開発についての県費負担の問題、それから千葉の問題、北海道の問題、あるいは細島、八戸、富士の旭化成の誘致の問題、こういう点につきましても、ぜひ一つ調べておいてもらいたい。そうして、それらの資料についてあなたはどうお考えでございますか、それは後日十分お聞きをし、地方財政についてあなたはどう指導なさろうとしているか、見解を聞きたいと思います。これは一つ宿題にいたしておきたいと思います。  最後に、大蔵大臣にお聞きしたいと思います。この地域開発については、地方行政、地方財政の面から考えて、大きな問題があると思います。実は日本開発銀行の昨年の業務報告書を見て、開発銀行が地方開発のために相当資金を出して貢献をしているということは認めますけれども、この運用につきましてどうかと思われるところがあるわけであります。一つ一つお聞きしていけば非常によいと思いますけれども、一括御質問申し上げます。  地域開発に対する開発銀行の融資をことしは二百三十億組んでもらったようでありますけれども、設備資金の融資だけであります。そうでしょう。そこで、私といたしましては、今までるる申し上げたような経済発展を土台として考えるならば、土地造成に対しても融資をさせるようにすべきではないか。さらには、運転資金等の融資も見てやるべきではないか。事によっては、地域開発のために開発銀行は債券発行もでき、保証もできる、こういうように業務内容を拡大すべきではないか。でなければ十分なる地方開発の手助けはできないと私は考えておるわけでございますが、大蔵大臣のお考えをちょっとお聞かせいただきたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 お答えいたします。  開発銀行は、御承知の通り、設立をせられてから、時代の要請に即応しまして、だんだん業務を拡張して参ったわけでございます。地域開発につきましては、北海道東北開発公庫が一番はっきりした性格、使命をもってつくられております。その後、四国、九州、中国その他の地域特別開発法の制定に際しまして、北海道東北開発公庫のごときものをつくったらどうかという有力な意見が院の内外にありましたけれども、そのときに、残余の問題に対しては、日本開発銀行の地方開発資金ワクを設けるということで一応対処したわけでございます。これが将来地方開発公庫というようなものに統合せらるべきか、また開発銀行の融資ワクに対して開発銀行法を改正してあなたが今言われるようにすべきかは、自後の問題として、これからの新産業都市の計画、年次的な実施の見通し、地方開発そのものに対する計画等によりまして、随時新事態に対処していくべきだと考えます。しかし、開発銀行の融資そのものを、土地造成までは何らか考えられるにしても、運転資金までということになると、開発銀行の性格そのものが変わってくるわけでございます。でありますので、これらの問題は、これからの問題として慎重に検討しながら参らなければならないというふうに考えます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 そうすると、土地造成に対しては融資をやる、そういうお考えでございますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 現行法でできますものは、自分で使うものに対しては、設備費として土地の分も全部認めておるわけでございます。しかし、今仰せられておるようなものにつきましては、県、市町村その他が工業用地として造成をするもの、特に公社その他で、県と民間の資金を合わせて活用するような団体で行なう大規模な土地造成、苫小牧で行なわれておるようなもの、新工業港の周辺において行なわれておるもの、水島地区の問題その他例はたくさんございますが、こういうものに対して、現行法ではできませんが、この問題に対しては、開発銀行でやることができるようにすることがいいのか、別な機関の中でそのようなものが考慮されるべきかは、現在すぐ即答できる段階にはございませんが、何らかの問題として検討すべきだと考えます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 もう少し聞きたいのでございますけれども、実は時間がありませんから……。  北海道東北開発公庫も——これはまあ公庫と開発銀行でございまして、おっしゃるように、ずいぶん性格が違うものであります。しかし、目ざすところは、開発銀行の地方開発資金も、地方開発の勘定も、東北開発のこの公庫も、これは同じであります。同等に考えるべきであると私は思っております。北海道東北開発公庫の中には出資もできるようにちゃんとできておる。また貸し付けもできるようにできておる。債務の保証もできるようになっておる。これはやっておるかどうか知りませんが、債券の発行もできておる。しかも、債券の発行は、御承知の通りに、全国の銀行からちゃんとこれが消化されるような数字が、あなたの統計でも出ておる。北海道東北開発公庫は債券を発行して全国の銀行から金を集めて、そうしてやっている。出資もやっている。出資は各県に幾らずつ出ておるか。これもあなたの資料でわかっておる。そういうようなことができるのに、なぜ北陸、中国、四国あるいは九州、こういうような開発をやる場合に、開発銀行がその資金ワクを持っておってやるというのに、ただ設備資金だけでいいか、こういうような大きな疑問を持つわけです。今までだったら、これはそれでいいかもしれません。しかし、あなたがたびたび言っておられるように、これから日本の経済をさらに伸ばしていく、地域の均衡ある発展をはかる、新しい産業基盤を整備していく、こういうような考え方に立つならば、開発銀行のこの資金ワクというものも、やはり北海道東北開発公庫並みに広げてやることこそが大事じゃないか。そうなると、全国総合開発計画の基本的な施策の推進という、その第一項にも該当する措置ではないかと私は考えておる。いかがでしょう。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 非常に重要な御発言でありますから、明らかにいたしておきますが、開発銀行当局においても、御説のような法改正を求めたいという意見が省当局に申し述べられてもおります。しかし、これらの問題は、今までの事例に徴しますと、どうも先行き投資という問題でありますので、各地方公共団体は府県債を発行したいというような強い希望を持っておりますし、また、大阪、東京、千葉その他新工業港や十分ペイするというような工業立地条件の整っておるところは、外債をもってやりたいということでもって、意向がたくさん表明せられております。しかし、それを野放しにすることによって、設備投資を非常にまた過熱せしめるというようなものもありますので、大蔵当局としては、これが合理的な開発計画と相待って万遺憾なきを期したい、こういう慎重な態度をとっておるわけです。各地方銀行も、開発銀行の融資と同じように、地方銀行そのもの、特に市中十二行ではなく、六十四行でありますが、これらの機関は、これから当然地域開発の資金を分担していかなければいかぬ。まあ無制限に各行別でもってやるわけにもいかぬというので、新しい観点に立ち、特に準拠法をつくってもらって、民間も地方公共団体も、また地方の金融機関も出資をして、しかも計画的な地方開発が行なわれるように特別な銀行をつくりたいという非常に強い意思の表明もあるわけであります。これらの問題は、ただ行き当たりばったりに過渡的な現象だけにとらわれて踏み切るわけにもいきませんので、早急な問題ではありますが、いかに合理的なものをつくるかということが今検討いたしておるのでありまして、全然考えておらぬとか、また開発銀行に対しても、これを押えていくのだとかいうような固定した考えではなく、いずれが一番いいのか。同じようなものをたくさんつくっていってばらばらな地方開発が行なわれるということでも困りますので、ここらで相当長期見通しを立てた地域開発、地方開発というものに対処できる金融機関に対しては、慎重に検討中でございます。

川村継義日本社会党

○川村(継)委員 私、時間が参りましたので、一つ強く大蔵大臣に要望いたしまして終わりたいと思いますが、もういろいろ理屈は申し上げません。開発銀行の地方開発の資金ワク、業務内容、北海道東北開発公庫の資金、業務内容、こういうものをやはり同等にする。しかし、二つ違った機関であるから、性格上不可能ということになれば、やはりこれは何か開発銀行の地方開発の部面を引き抜いて北海道東北開発公庫を一緒にする。そうして全国的な開発公庫と申しますか、そういうものをやはりつくってもらう。そういうところで考えてもらえないか、一つはそういうことであります。そうして私が先ほどちょっと指摘しましたように、業務内容としても拡大的な考え方で進めていく、こういうことが一つ考えられるのではないかと思います。それがどうも不可能ということになりますと、これは北海道東北開発公庫と同じようなものを、もう一つ日本の西の方を担当するところの開発公庫をつくる、こういうような考え方も成り立つと思う。その点を一つ十分お考えを願いたい。ぜひ実現するように進めてもらいたい。自治省の方では、地方開発について事業団構想を持っております。この事業団構想の資金繰りは、やはり地方団体の出資であるとか、あるいは債券発行であるとかいうことを考えておるようでありますけれども、これらと結びつけて、そうして地方開発事業団の仕事を進めていくには、やはりそういう大もとに大きな開発公庫というものとの結びつきと資金の融通、こういうことが考えられてしかるべきじゃないか、こういうことも思っておるわけであります。この点は十分お考えおき願いたい。またいずれ大蔵大臣のうんちくのあるお考えを一つ聞かせていただきたいと思います。  私は、きょうは、いろいろと具体的な地方財政の問題について当局のお考えを聞く予定をいたしておりましたけれども、時間の制約上十分意を尽くしませんでした。後日分科会あるいは委員会等で、またさらに関係の大臣のお考えを聞きたいと思っておるわけであります。経済企画庁長官にまことに申しわけございませんでした。これで終わります。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 次会は明九日午前十時より開会することといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十九分散会

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