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43回国会衆議院1963/07/04

本会議 第48号

発言数
98
登壇者
30
会派数
4
開催日
1963/07/04

会議録

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  懲罰委員長の選挙

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 懲罰委員長の選挙を行ないます。

草野一郎平自由民主党

○草野一郎平君 懲罰委員長の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されんことを望みます。

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 草野一郎平君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。  議長は、懲罰委員長に濱地文平君を指名いたします。(拍手)      ————◇—————  日程第一 国立大学総長の任免、   給与等の特例に関する法律案   (内閣提出)            (前会の続)

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 日程第一、国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案を議題とし、前会の議事を継続いたします。  山中吾郎君の質疑を許します。山中吾郎君。   〔山中吾郎君登壇〕

山中吾郎日本社会党

○山中吾郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、去る一日より議題になっております国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案につき、御質問いたしたいと存じます。  去る二月二十二日、この法案が本会議において趣旨説明された際にも、私は、池田総理大臣並びに荒木文部大臣に質疑を行なったのでありますが・その後文教常任委員会に付託になり、審議を進めたところ、私のこの法案に対する疑問はますます深まるばかりであったのでございます。しかし、文教委員会の審議ぶりは、無軌道な内閣委員会と違いまして、きわめて模範的な審議を行なってまいったのでございます。ただ、残念なことには、荒木文相のがんこな答弁と、模範審議の対象であった法案が模範法案ではなく悪法であったことでありまして、との委員会における法解釈のままでは、総長認証官法案を認承するわけにはまいらないのでございます。(拍手)  さて、まず池田総理大臣に御質問をいたしたいと存じます。  去る二月二十二日の本会議における私の質問に対して、首相は、七つの旧制大学の学長だけを認証官総長にするのは、七つの大学の学長の職責が非常に重いからであるとの御答弁がございました。首相の言うごとく、認証官総長と他の大学の学長の職責を異にするとお考えになるならば、現行大学制度をなしくずしに上級大学と下級大学の二本立てにする思想が前提であるように思うのでございますが、この点を明らかにしていただきたいと思うのであります。文教委員会の政府委員の答弁では、認証官総長もその他の大学の学長も、職責には変わりはないと答えております。しかし、大学院が付設されているので仕事の量が多いからだとの趣旨の説明があり、明確ではございません。ただ現行一本立ての大学制度を堅持する答弁があったのであり、首相の本会議における答弁と食い違いがあるので、正確な御答弁をお聞きいたしたいと存じます。  第二に、同じく二月二十二日の本会議において、私の質問に対して、この法案をよすがとして、大学の学長、また教授、助教授の地位の向上、待遇改善を行なうことを明言されたのでありますが、文教常任委員会での質疑応答においては、人事院総裁は白紙であると答え、荒木文部大臣は人事院の処置に期待すると、他人ごとのように答えられておるのであって、大学人の待遇改善についての具体的計画を裏づけとした責任ある答弁はなかったのであります。また、かりに大学人の待遇改善が実現しても、認証官総長の給与を手がかりとするときは、十八万円の東大、京大総長の給与を頂点として、絶対多数の若き学者の低い給与をすそ野とする、富士のすそ野型の格差拡大給与体系にならざるを得ないのであり、このような給与改善は、学問の振興のために百害あって一利ないと考えるのでございます。若き教授、助教授、助手こそ学問研究の第一線に活躍し、その職責においては、研究能力を失った古参教授と差別をつけることのできないのが学問の府の特殊性であり、その他の行政機関の給与とは本質的に相異なるものであると思うのでございますが、池田総理大臣の御所見をお聞きいたしたいと存じます。  第三に、政府提出の法案がおのおのその該当常任委員会に付託になり、審議を進める中で、どうしても池田総理大臣その他の関係大臣の答弁を得なければ疑点が解明しない場合がしばしばあるのでございます。この法案も例外ではなかったのでございますが、幸か不幸か、今回はしなくもこの数日、本会議においていろいろの法案につき質疑応答、討論の機会を得て、文教委員会における疑問点を総理大臣並びに各大臣に聞くことができることになったことは、私は不幸中の幸いであると思うのでございます。われわれ法案を審議する議員一般の立場からいたしましても、他の委員会に付託されている法案に対してはつんぼさじきに置かれていて、その長短を知る由もないのが通常でありましたが、たとえば、数日前の本会議の質疑、討論を通じて、金鵄勲章関係の法案が違憲の疑いがある悪法であることも初めて知った次第でございます。このように考えてまいりますと、この数日の本会議の運営こそ模範的審議とも言うことができるのであって、わが社会党の国会正常化の努力によって追い詰められた清瀬議長のけがの功名とも言うべく、与野党ともに御同慶の至りでございます。(拍手)  この際、毎国会幾多の法案を提案してわれわれ議員に迷惑をかけている政府の責任者としての池田総理大臣にお聞きいたしたいのございます。との数日の本会議における法案審議のあり方については、賛否両論の批判はあるにいたしましても、政府の法案提出のあり方にも大きな責任があると信ずるのでございます。今後憲法に背を向ける法案の提出を自粛するとか、一たん提出した法案にしてもすなおに修正に応ずるとか、この総長認証官法案に関連して、今後の法案提出の態度につき御所信をお聞きいたしたいのでございます。  次に、文教委員会において見解を明らかにされた荒木文部大臣を除いて、その他の出席の全閣僚にお聞きいたしたいと存じます。  御承知のように、学長任免についての現行制度は、教育公務員特例法によって、大学の学長は大学管理機関の申し出により、文部大臣が形式的に任免することになっております。しかるに、常任委員会の審議の過程において、私の質問に答えて荒木文部大臣は、現行法の解釈としても文部大臣は学長の任命に拒否権があると答え、人事権に関する大学の自治を軽視する態度を公然と明らかにされております。さらにこの法律の施行によって、認証官総長の任免権が内閣に移行すれば、当然拒否権は内閣にあると答えられ、さらに閣議決定は、全員一致によることもつけ加えておるのであります。したがって、一人の閣僚が反対しても総長の任命が不可能になり、実質的にはすべての国務大臣に大学総長任命の拒否権があることが明らかにされたのであります。したがって、国立大学を所管し教育基本法を守ることを職責とする文部大臣を前提としてこそ、学長の任免につき最小限度の実質的権限があるとの学説も、いままで関係者の間で論議の対象になってきたのであります。しかし、この法案の施行によって、総長の任命権が特定政党の領袖十数名をもって構成する内閣に移り、おのおのの大臣に拒否権があるとすれば、憲法二十三条の学問の自由の裏づけとしての大学の自治は破壊され、政党政治の支配下に完全に埋没する結果となるのでございます。(拍手)したがってまた、この法案は、やがて総長の地位向上の美名に隠れた大学の自治破壊法と変質し、この法案と憲法との関係をあらためて再吟味しなければならなくなると思うのでございます。この点については他の内閣任命による認証官とは異質の憲法問題であり、かつ、この法律成立後直ちに七大学総長の任命が現在の閣僚の顔ぶれによって行なわれる現実の問題でもあるのでございます。このゆえに、私はぜひ七大学総長の任命に参画する全閣僚の皆さんにお聞きしなければならなかったのでございます。すなわち、この法案に基づく認証官総長の内閣任命権は形式的任命権であり、閣僚としての国務大臣には認証官総長の任命につき拒否権があると考えられるのか、ないと考えられるのか、御所信を承らなければならないのでございます。(拍手)  この際、特に法務大臣並びに外務大臣にお答えを願うときにつけ加えていただきたいことは、そのもとに認証官公務員があるのでございますが、人事権についての大学自治を保障されている大学総長の内閣任命権と同一であるかいなか、この点をつけ加えてお答え願いたいと存じます。  さらに川島行政管理庁長官にお聞きいたしたいのでございますが、あなたの責任において設置されておる臨時行政調査会第一専門部第一班中間報告の中に、教育の関係について「教育の中立性維持、教育行政方針の安定、教育行政の民主的統制確保のため、中央教育委員会(委員長は国務大臣とする。)の管理の下に文部庁をおくことが考えられる。」こういう報告が出ておるのであります。この趣旨は、現在の文部省は政治権力に直結することをおそれて、国家公安委員会のごとく中立性を保持せんとする意図にあると思うのでございますが、こういう考え方に御賛同になる限り、最も政治権力から独立すべき大学の総長が、政党政治の中心である内閣の任命に移った場合、拒否権ありとお考えになることはできないと思うのでありますが、つけ加えてお答えを願いたいと思うのでございます。  このゆえに、この問題については、前例をおそれて出席を渋ったとのうわさがありますが、私は、このような同一事例の質問をせねばならぬ議題は、きわめてまれであると思うのであります。また、内閣は、他の合議機関と違って、総理大臣より罷免にならない限り、すべての国務大臣は、おのおの独立の発言権と責任を有する地位にありますので、全閣僚の皆さんの御意見をただすことのほかに解決の道がないのであります。したがって、何らかの理由によって本日御欠席の大臣におかれては、他日何らかの形で、七大学総長の任命されるまでに所信を表明されるべきであり、また、池田総理大臣は、この法案の成立以前に閣議で統一解釈を決定し、天下に表明ざるべきであると思うが、池田総理大臣の御所信を承りたいと思うのであります。  最後に、少数意見の報告をされた三木喜夫君にお聞きいたします。  この法案の成立によって、大学の助手、助教授、中堅教授の諸君に対する合理的な給与の改善が保障されているのかいなかについて、常任委員会における審議の過程と照合しつつ、御所見を承っておきたいと存じます。  以上、日本社会党を代表いたしまして、御質疑を申し上げる次第でございます。(拍手)   〔三木喜夫君登壇〕

三木喜夫日本社会党

○三木喜夫君 山中吾郎君の質問の要旨は、この法律にうたってあります北海道大学以下七国立大学の学長の職務と職責の特に重要であることにかんがみ、その地位と待遇の改善をはかり、ひいては大学教官、さらには教育者全体の地位の向上に資する、このようになっておりますので、したがいまして、この法律が通りますれば、大学の教授、助教授、助手の待遇がよくなり、また教育者全体の待遇がよくなる、そういうよすがになるという、こういう提案がなされておるわけでございますけれども、私も、なお審議に参加した者も、全般的に非常に心配しておりますことは、そのようなよすがになるととろの要素がないということでございます。  それはまず第一に考えられますことは、東京大学、京都大学が十八万円、他の大学が十六万円の給与になられるということは、私たちはもとより反対するものでなくして、むしろおそきに失し、また少なきに失しておるということは基本的に考えておる問題でございまして、この点待遇が改善されますことは非常にけっこうなのでございますけれども、この待遇の改善のしかたが、俸給は他の認証官の例による、いわゆる一般職の給与の例で申しますと、検事等がこの例でございます。また暫定手当は特別職の例にならい、期末手当は一般職の例にならうというような、大学総長を認証官にすることによって、その給与はまちまちな形でよくなる、こういう例が一般職の中に持ってきて当てはまるかどうかということが非常に疑問なのであります。この点につきましては、給与の問題を研究しておる学者にいたしましても非常に疑問視しておりまして、こういうところに、政府が言いのがれしておるところに、非常なインチキ性があるということでございます。  それから第二点として私たちが考えますことは、この審議の過程で、いま山中議員が申されましたように、人事院総裁にこの問題について、大学総長の給与が改定になって改善され、よくなるために、普通の教授、助教授あるいは助手の俸給が改善されるのであるかどうかということを尋ねましたところ、人事院総裁もその点については何ら関連性もなく、白紙である。ただし、荒木文部大臣が言っておられるように、これは検討しなければならない課題である。このことには間違いないのでございますけれども、一向白紙であるという、この点でございます。なお、人事院の給与局長等に聞いてみますと、こういう問題は政治的に次元の高い問題である、だから人事院の手に合わない問題だということを委員会の席上で言明しております。ということは、この認証官にすることに非常にせかれて、言いかえますなれば、大学の権力支配の確立を念願するということが主体であって、その俸給のことには考えが及んでいない。したがいまして、このような答弁が出てきたんだと私たちは思うわけであります。  したがいまして、私たちは何といたしましても、大学のトップ・クラスの給与を上げることは、これはさか立ちの給与改定であって、決して下々の給与をよくするよすがにならないということでございまして、こういうことをやるなれば、大学の教員がいままで乏しい給与の中で、日本の学問の向上と教育をしっかり進めてまいりましたこの労苦に報いるためには、どういたしましても、研究費とかその研究施設を充実することこそ喫緊の問題ではないかと思うわけであります。したがいまして、ただいま山中議員が言われましたこのことをよすがにして、大学の教員の給与をよくし、それがひいて教員全体に及んでくるというととは、望むべくしてこの法律からは望み得られない要素があることを申し上げまして、審議の過程においてどのような意見が出、あるいはどんな考えがあるのかという問題点につきまして、お答え申し上げる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣池田勇人君登壇〕

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問の第一点は、今回大学に認証官制度を置いたので、大学の学長の職責が二本立てになるのではないかという御質問でございますが、決してそうではございません。今回置きました大学におきましては、その構成、規模等が非常に膨大でございまして、質に変化はございませんけれども、規模が違いますからこういうふうにいたしたのでございます。  しこうして、第二の御質問の今回の措置は、他の大学の学長あるいは教授、あるいは教職員にも及ぶかという御質問でございますが、御承知のとおり、私は人つくりということを政策の根本としております。しこうして、人つくりの直接のにない手である教育者の地位の向上をはかり、国家的、社会的評価を高めようと日ごろから考えておったのであります。私は、この意味におきまして、まず、規模の非常に膨大な大学から認証官制度を置き、そうして各大学は規模が大きくなるにつれてこの制度を拡充し、学長のみならず、教授、職員に対しましても待遇改善をはかっていきたいと考えております。  なお、学長の任免権につきましての拒否権の問題でございますが、現行教育公務員特例法によりますると、法律的には任免権があり、したがって拒否権がございます。しかし、大学の自治が尊重され、大学の管理機関の申し出によっていままで任免しでおるのであります。このことにつきましては従来と何ら変わりがないのであります。しこうして、文部大臣の任免権が内閣に移りましたからといって、決して教育の中立性を阻害するものではございません。われわれは、内閣がこれを任命するのでございまして、内閣全体として慎重に考えていきたい、個々の閣僚の意見によって左右されるべきものではございません。内閣全体としてきめるのでございます。  また、各国務大臣に所見をお聞きになったようでございますが、内閣を代表して、私は以上のようにお答えいたします。(拍手)   〔国務大臣中垣國男君登壇〕

中垣國男自由民主党法務大臣

○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。  拒否権の問題につきましては、ただいま内閣総理大臣のお答えのとおりであります。  次に、国立大学総長の認証官の場合と他の認証官との性格は同じかどうかというお尋ねでありますが、天皇の認証は、すべてその職責の重要性にかんがみまして、その任命を荘重に行なうためのものでありますので、国立大学総長の任免につきましての認証官の性格は全く同じであります。(拍手)   〔国務大臣大平正芳君登壇〕

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 大学総長の任命についての拒否権の問題は、ただいま総理大臣からお話がありましたとおりと心得ております。  それから、私どもが管轄いたしておりまする大公使の任命と国立大学の総長の任命に何か相違がないかというお尋ねでございますが、認証行為そのものには変わりはないと思いますけれども、いま御指摘がありましたように、管理機関からの申し出を待たなければならないというような事情を考えますと、おのずからそこに相違があると心得ます。(拍手)   〔国務大臣田中角榮君登壇〕

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 学長の内閣任命につきましては、総理大臣からお答えをしたとおりであります。(拍手)   〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇〕

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  総長の任命に関しますお答えは、内閣総理大臣お答えと同じでございます。  なお、総理の御答弁申し上げましたことに関連しましてちょっと申し添えさせていただきますならば、この大学総長の認証官扱いというものの、その当該学長以外の学長以下教授、助教授等あるいは一般教職員に対する待遇の問題についての関連は、三木さんからもお話しになりましたが、人事院から申し上げるべき事柄ではございますが、私どもとしましては、人事院の持っておる権限について申し上げる自由を持ちませんので、期待するとお答えを申し上げております。期待しますがゆえに、すでに文部大臣名及び文部次官名で人事院あてに、それに関連しまする一般教職員の待遇改善について要望書を提出しておるわけでございまして、その意味で期待しておると申し上げたことを申し添えさせていただきます。(拍手)   〔国務大臣重政誠之君登壇〕

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 学長の認命権等について、すでに内閣総理大臣が御答弁になりましたが、全くそのとおりに私考えております。(拍手)   〔国務大臣大橋武夫君登壇〕

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 拒否権の問題は総理大臣の申し上げたとおりでございます。(拍手)   〔国務大臣河野一郎君登壇〕

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 私も全く同様でございます。(拍手)   〔国務大臣川島正次郎君登壇〕

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 臨時行政調査会の下部機構でありまする専門委員会におきましては、教育行政につきましていろいろの角度からただいま検討しておりますが、まだ結論は出ておりませんし、行政調査会にも答申をいたしておりませんし、政府も全然内容を知っておりません。したがいまして、今日はこれに対して政府の意見を申し上げる段階ではございません。  また、拒否権につきましては総理大臣のとおりでございます。(拍手)   〔国務大臣志賀健次郎君登壇〕

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(志賀健次郎君) 大学の学長の任命権問題につきましては、先ほど内閣総理大臣からお答えしたとおりでございます。(拍手)

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 他の大臣の答弁は適当な機会に願うことといたします。  これにて質疑は終了いたしました。     —————————————

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。高津正道君。   〔高津正道君登壇〕

高津正道日本社会党

○高津正道君 私は、日本社会党を代表して、ただいま上程されている内閣提出、国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案に対して、反対討論をいたします。(拍手)  この法案は、政府の説明によれば、国づくりの根幹である人つくりのにない手である教育者の地位向上をはかる目的のために七つの国立大学の学長を認証官とするととにより、総長としての新しい官職名を設け、内閣が任命権を握り、給与は特別職の職員の給与の例によって、東京大学、京都大学の学長にはおのおの十八万円、その他の五大学は十六万円の俸給を支給するというものであります。  さて、この法案の第一の欠点は、これが通過して法律となりますと、七十二ある国立大学のうち、いわゆる七つの旧帝国大学と他の六十五の新制大学との間の格差をますます拡大することとなる点であるます。だれにも一見明瞭です。これこそ旧帝大の事実上の復活であって、そこから容易ならぬもろもろの問題が生じてくることは想像に余りある実情であり、このことは文部事務当局にはわかり過ぎるほどわかっているはずなのに、ずいぶん無理をするものです。  第二の欠点は、この法案を見るに、それら七つの旧帝大部内の実情から申しましても、教授以下の一般職員と総長の間の現に見られる格差が不当に拡大されますし、その上総長の権限強化を伴っている点であります。われわれは、学問を通じて真偽を明らかにし、国民のために奉仕し、日本民族の将来に対して学問の成果を与える学者、研究者に敬意を表するのみでなく、給与改善を行なうことを緊急の課題であると考えております。特に大学における学問、研究の推進者である助教授、講師、助手など若手学者に対する待遇改善を急がないならば、学問の専門的後継者の不足という、どうにもならない憂うべき事態を招くことは間違いないと見通しております。(拍手)すでに優秀なる人材が、大学畑から民間の会社に引き抜かれ、また、わが国の若き頭脳がアメリカからの引き抜きにかかって、次々と太平洋を渡りつつある状態を憂える識者の警世の叫びが聞こえます。これは文部当局を叱責し、政治家を鞭撻する天の声と受け取るべきでありましょう。国立大学の学長、教官の待遇を改善するというのであるならば、学長、教授、助教授、講師、助手等の教職員の全体的な給与体系を改善して、検察官の俸給等に関する法律のごとく、一般職の職員の給与に関する法律の特例措置を講ずべきであります。なぜこの常道を踏もうとしないのでありましょうか。文部大臣、人事院総裁等の説明では、このように七人の学長の待遇を改善すれば、これが突破口となり、他の学長、一般教官等々には、その均衡的効果として待遇改善の利益が及ぶことになると言うのですが、突破口、均衡的効果などの単語は、下をそのままにして、さきに上を上げることの不公平と不合理を包み隠そうとするもので、医者が苦い薬を飲ませるときに使うオブラートのように私には感じられました。(拍手)  第三の欠点は、旧帝大の七人の学長——この法律により、今後の呼称は総長となりますが、その総長の任命権を内閣が握ることになる点であります。私は、この点はひどくおそろしいことだと思います。三木喜夫君、山中吾郎君によってその点は詳しく述べられました。御承知のごとく、大学の自治なるものは、真理を探求する学問、研究の自由、教授の自由を保障するため、先人が官憲の弾圧に抗して、多くのとうとい犠牲を払いつつ、歴史的に確立してきた大学の慣習であります。そしてこれを憲法第二十三条に、「学問の自由は、これを保障する。」と明記し、国民の権利として認めるに至ったのであります。また、先般、東大ポポロ事件を取り扱った最高裁の判決主文は、一そう具体的です。すなわち、学問、研究の自由を保障するため、大学の自治、すなわち、教員の人事権は大学に認められなければならないと明快に示しております。しかるに、池田内閣と荒木文相とは、大学の持つ任命権を内閣に移すこの法案によって、興亡常なき政治権力に、学問の自由を、大学の自治を従属せしめるのでありますが、しかもそれを、憲法第十五条に、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」とあるから、その国民の基本的権利を政府が代行するという、こういう奇妙な論理を展開するのであります。卑俗な、月並みの形容語の、盗人たけだけしいということばがございますが、それが、この場合には最もよく該当すると思われます。これこそ、教育と学園に対する池田内閣のおそるべき権力介入の突破口でありまして、やがてまた、第二段階として全日本の国立大学学長の官選制への道を開くことに進むと認められます。そのようなねらいはない、それは杞憂だという荒木文相の答弁を私も承りましたが、読みの深い社会党政策審議会と文教委員(複数)の目に狂いはありません。  第四の欠点は、この法案は、いわゆる有名校の試験地獄にさらに拍車をかけるという強烈な副作用をも持っているのであります。(拍手)理由は省略いたしましょう。  第五、第六、第七と、欠点は幾つでも数えられますが、それらも、惜しいけれども省略いたします。しかし、本法案は、池田内閣の、したがって荒木文相の文教行政から出てきており、あまりにも逆コース、あまりにも高姿勢でありますので、前に指摘した四つの欠点の総括的補足説明ということで、荒木文教行政そのものについて若干私の見解を申し述べる必要を感じます。  荒木文相は、ついにこの法案において、大学の自治、学問の自由に向かって攻撃をかけてきたのだと私は主張してまいりましたが、現に最近、すでに手回しよく、事務当局に、大学管理法案の検討を命じています。この人には何かひどくあせりあわてる事情があるように見えるのです。(拍手)荒木文相は日教組攻撃をもってひどく有名であります。ある評論家は、好意的に、荒木萬壽夫マイナス日教組征伐イコール、ゼロと評しております。(拍手)いや、りっぱな専門を持っておられるのであります。  その日教組攻撃ですが、それは昭和三十五年七月、第一次池田内閣の成立から、三十八年の七月、すなわち今月まで、三ヵ年の長期にわたっている点と、その攻撃用語が悪口雑言、ばりざんぼうをきわめている点とが特徴的であります。昨年、文相が新潟県における教育関係者の大集会に臨み、有名な、「日教組はばかである」という演題を書いた大きい張り紙の前で……

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 高津君、時間制限の約束は生きておりますから、すみやかに結論に入ってください。

高津正道日本社会党

○高津正道君(続) そういう驚くべき演題の紙のぶら下がっている前で講演をなさいましたが、それを録音機が初めから終わりまで正確に録音してくれました。私の党の文教部会でその録音を取り寄せ、私は同僚議員十数名とともに全部を拝聴いたしました。時の文部大臣の一時間に及ぶ講演が全部日教組攻撃で、しかも、これでもか、これでもかと、たたみかけるような構成——コンストラクションの扇動的なものなので、私たちは、聞き終わると、すぐに、感想を語り合う形で検討したのですが、その最大公約数は、一、この人は、教育行政の最高の責任者であるのに、教師にも、教育にも、ごく微量の愛情をさえ持たないで、ただ教師を憎んでいるということ、一、この人が各地で行なう講演は、教師に対する児童、生徒の信頼感を打ち砕いて、教師への不信感をつくり上げているということ、一、荒木文相の文教行政のもとに置かれている教師は、迫害受難の時代に生きているということ、この三つでありました。  しかし、攻撃され、圧迫される対象である日教組の反応はどらであったでしょうか。このインテリの最大の組織は、いやしくも団結をくずすことなく、けなげにも五十万人の大組織を維持して、日教組健在なりということを天下に実証しておるのであります。(拍手)もちろんわれわれは、第二組合的な小さい小さい団体が生まれている事実を承知していますが、これは文部当局の期待にそむくことはなはだしく、典型的な発育不良児で、一向に育ちません。権力をかさに着る文部大臣三ヵ年の日教組攻撃はも五十万人の教師への児童、学生の信頼感をひどく破砕したことのほかに、五十万人の本家は栄え、第二組合は発育不良という事実が招来されただけでありまして、何と強弁なさろうと、これは荒木文相、荒木文部行政に対する明快な判決であり、勤務評定であります。(拍手)勝負はついたのです。教育、学問に対し国家権力をもって臨むことは、断固中止されたいというのが私の考え方でありまして……(発言する者あり)質問ではありません。考え方でありまして、それには、区切りのいい三年目の今月は最高のチャンスとまで思っておるのであります。まさにあつらえ向きの例がございます。十二年前、わが国の大学の領域にイールズ旋風が荒れ狂ったことがあるのを各位は御記憶だと存じます。連合軍総司令部民間情報教育局顧問イールズ博士が、あらゆるところで講演をし、新潟大学の新設開校式に行って、そこで大反対を食い、東北大学でも大反対を食い、ついにいまの全学連の祖父あるいは曾祖父に当たる学生たちがイールズ旋風を迫り払ったのでありますが、いま全学連は、この闘争題目に今度飛びついてきて、ことしはたいへんなことが起こるだろうと憂えられるのであります。池田総理と自民党は、この三ヵ年の教育界の大混乱、大闘争をさらにもう一年、二年と延ばされるのであるかどうか。私は、この混乱を……

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 高津君、時間がまいりました。

高津正道日本社会党

○高津正道君(続) とめるということがわれわれの任務であると考えるもの  であります。  以上をもって、はなはだ残念ながら、国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案に対して、反対討論をいたしました。(拍手)

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 稲富稜人君。   〔稲富稜人君登壇〕

稲富稜人民主社会党

○稲富稜人君 私は、ただいま議題となっております国立大学総長の免任、給与等の特例に関する法律案に対し、民主社会党を代表して反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手)  本法案は、北海道大学外六国立大学に学長として国立大学総長を置き、その任免は内閣が行なうこと、あわせて天皇がこれを認証することとし、さらにその給与についての特例を定めたものであります。わが党は、これに対し、次の理由により強く反対の意思を表明いたすものであります。(拍手)その第一の理由は、まず、本法案にあげる特定の七大学の総長のみを優遇することが、政府の言うがごとく、決して教育の尊重という効果をもたらすことには相ならないからであります。戦後において民主国家、文化国家建設のための基盤として、六・三・三・四制の学制改革を断行し、各府県にすべて国立大学を設置して、いずれの地域においても最高の学問を修得するの道を開き、青年学徒をして躍如として学につかしめてきたすばらしい体制は、本法案に示すごく限られた一部の大学の最高責任者のみを優遇する措置によって、かえって残された大学の教職員、学生たちに著しい不満を与えるとともに、大学差をつけることになり、その結果、国民大衆に及ぼす教育的悪影響は容易ならぬものがあると存ずるのであります。教育を尊重するという政府の意図とは相反して、逆に教育界に巻き起こされる悪気流の展開に憂慮すべきところはないのであるか、私はあえて提言いたしたいのであります。すなわち、直ちに大学教育の振興を期するの目的を達せんとするならば、すべての国立大学の学長の処遇をあわせ検討するとともに、著述や講演によるささやかな別途収入にささえられてその薄給を補いつつある真摯な大学教授たちに、安心して研修に没頭できる給与と研修手当の思い切った増額措置をとることこそ、緊急の要務であるといわなければならないのであります。この意味におきまして、今回の政府案そのものは、教育の中央集権化の一つの具体的なあらわれであり、大学教育尊重という美名のもとに、限られた一部の特権者を盛り立てる、最も非民主的な施策といわざるを得ないのであります。  第二の理由は、一般職の国家公務員と特別職の国家公務員の給与体系の上に、著しい変調を来たさしめることであります。すなわち、一般職に身分を取り残したまま、給与は完全に特別職に移行せしめております。大学総長と他の国立大学学長との給与差は、あまりにも格差があり過ぎるのであります。また、本法案に明記されておりますように、俸給は一般職の体系に、暫定手当は特別職の体系に属することとなっていて、これでは全く給与体系は混乱そのものであります。このことは、公務員擁護の独立行政機関たる人事院に対し、文部省からの強力な圧力のもたらした奇形的給与の出現という嘆かわしい現象といわざるを得ないのであります。大学教職員の給与優遇策の好ましい姿は、一般職の職員の給与に関する法律の別表に示す三本の教育職俸給表の上に、大学総長、学長の俸給表を一本加えるか、または、大学教育職の一等級号俸を延長するか、いずれかの方法でその体系を整備するとともに、原則的にその俸給表が人事院の給与勧告の対象になるように限定すべきであると思うからであります。  第三の理由としましては、大学総長の認証官たることは、教育公務員特例法に一項を設けて、教育者としての認証官であることを明らかにすべきでありまして、決して特別法という異例の措置はとるべきではないのであります。大公使の認証官たることは外務公務員法に、検察官の中の認証官は検察庁法に、官房長官は内閣法に、人事官は国家公務員法というがごとく、それぞれ、その身分の属する法律に明記されておるのであります。すなわち、本法案の任免の項と給与の項を分離して、本法の中に厳然と規定すべきものであって、ここにこれらの法体系の秩序を乱し、不自然の形態をもって提出したことは、断じて許されないところでありまして、このことは、すなわち、政府が企図する人事院権限縮小、人事局設置の構想をすでに実行に移したものといっても過言ではないと思うのであります。(拍手)  最後に指摘いたしたい点は、今回の改正によって当然優遇される学長の側も、決してこれを喜んでいないということであります。すべからく、国立大学学長としての同行者の立場を考え、その任免と給与の改善については総合的検討を加えることによって、教育尊重と教師優遇の基本的対策を樹立すべきであると思うのであります。しかるにもかかわらず、前に申しましたごとく、まず七総長を実現させることによって次善の策は当然考慮せられるというばく然とした理由のもとに、法案の内容において、またその形式において、いかにも独断的な本法案の提出は、まことに遺憾の至りであります。  よって、ここにわが党の反対の理由を明らかにいたしまして、私の討論を終わる次第であります。(拍手)

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) これにて討論は終局いたしました。  よって、採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 日本国とビルマ連邦との間の経済及び技術協力に関する協定及び千九百五十四年十一月五日にラングーンで署名された日本国とビルマ連邦との間の平和条約第五条1(a)(III)の規定に基づくビルマ連邦の要求に関する議定書の締結について承認を求めるの件  日程第三 通商に関する一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の協定を改正する議定書及び一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の貿易関係に関する議定書の締結について承認を求めるの件  日程第四 通商に関する日本国とフランス共和国との間の協定及び関連議定書の締結について承認を求めるの件  日本国とフィリピン共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)  日本国政府とニュー・ジーランド政府との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)  日本国と南アフリカ共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)

草野一郎平自由民主党

○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  この際、日程第二ないし第四とともに、参議院送付、日本国とフィリピン共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件、日本国政府とニュー・ジーランド政府との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件、日本国と南アフリカ共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件を追加して六件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 草野一郎平君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第二、日本国とビルマ連邦との間の経済及び技術協力に関する協定及び千九百五十四年十一月五日にラングーンで署名された日本国とビルマ連邦との間の平和条約第五条1(a)(III)の規定に基づくビルマ連邦の要求に関する議定書の締結について承認を求めるの件、日程第三、通商に関する一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の協定を改正する議定書及び一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の貿易関係に関する議定書の締結について承認を求めるの件、日程第四、通商に関する日本国とフランス共和国との間の協定及び関連議定書の締結について承認を求めるの件、日本国とフィリピン共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件、日本国政府とニュー・ジーランド政府との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件、日本国と南アフリカ共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件、右六件を一括して議題といたします。     —————————————  日本国とビルマ連邦との間の経済及び技術協力に関する協定及び千九百五十四年十一月五日にラングーンで署名された日本国とビルマ連邦との間の平和条約第五条1(a)(III)の規定に基づくビルマ連邦の要求に関する議定書の締結について承認を求めるの件  通商に関する一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との問の協定を改正する議定書及び一方日本国と他方オランダ王国及びベルギー=ルクセンブルグ経済同盟との間の貿易関係に関する議定書の締結について承認を求めるの件  通商に関する日本国とフランス共和国との間の協定及び関連議定書の締結について承認を求めるの件  日本国とフィリピン共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件  日本国政府とニュー・ジーランド政府との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件  日本国と南アフリカ共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件   〔本号(その二)に掲載〕     —————————————

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。外務委員長野田武夫君。   〔野田武夫君登壇〕

野田武夫自由民主党

○野田武夫君 ただいま議題となりました六案件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、ビルマ連邦との経済及び技術協力協定について申し上げます。  わが国は昭和二十九年に署名されたビルマ連邦との間の平和条約、及び賠償及び経済協力に関する協定によりまして、賠償支払いを実施してきましたが、ビルマは平和条約第五条の規定に基づき、賠償の再検討を要求してまいりましたので、両国間で交渉を行ない、本年三月、ラングーンにおいて、本協定及び本議定書が署名されました。本協定により、わが国は現行の賠償及び経済協力に関する協定が終了する昭和四十年四月から十二年間に、一億四千万ドルにひとしい日本国の生産物及び日本人の役務からなる無償の経済援助を供与することになっております。また議定書によりまして、今後ビルマは前掲の平和条約第五条に基づく賠償再検討の要求を提起しないことを約束しております。  次に、通商に関する二案件について申し上げます。  オヲンダ、ベルギー、ルクセンブルグのベネルックス三国及びフランスは、わが国に対し、ガット第三十五条を援用しておりましたが、政府はこれらの国々と援用撤回の交渉を行なった結果、本年四月三十日にベネルックス三国との間に、現行の通商に関する協定の改正議定書及び貿易関係に関する議定書、五月十四日にフランスとの間に、通商に関する協定及び関連議定書の調印を行なったのであります。  ベネルックスとの議定書は、ガット第三十五条援用撤回に関連して、昭和三十五年に締結した通商協定に所要の改正を加えたものであります。  フランスとの通商協定は、両国の貿易を発展させることを目的として、輸出入に関連して課されるすべての種類の関税及び課徴金、内国税その他の内国課徴金等について、相互に最恵国待遇を与え、輸出入の禁止、制限について、相互に無差別待遇を与えることを規定しております。  ベネルックス及びフランスとの間の貿易関係に関する各議定書は、貿易に関する最恵国待遇の例外措置を規定しております。また、フランス議定書、ベネルックスは交換公文により、それぞれわが国に対し、ガット第三十五条の援用を撤回することになっております。  次に、小包郵便約定の三案件について申し上げます。  わが国とフィリピン、ニュー・ジーランド、南アフリカとの間の小包郵便業務は、右三国が万国郵便連合の小包郵便物に関する約定に参加していなかったためも政府はこれら三国政府とそれぞれ交渉を行なっておりましたが、これが妥結を見ましたので、本三約定の署名を行ないました。  本三約定は、いずれもわが国とこれらの三国との問で交換する小包の種類、料金等、小包について行なう業務の種類及び処理方法等の小包の交換を行なうために必要な基本的事項を規定しております。  ビルマ連邦との協定は五月一日、通商に関する二案件は五月三十日、本委員会に付託され、郵便約定の二案件は参議院において承認された後、フィリピンとの約定は三月二十日、ニュー・ジーランド及び南アフリカとの二約定は六月七日、それぞれ本委員会に付託されましたので、政府から提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録によって御了承を願います。  かくて、質疑を終了し、ビルマ連邦との協定及び通商に関する二案件は六月二十六日、郵便約定の二案件は七月四日、討論を省略して採決を行ないましたところ、いずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) これより採決に入ります。  まず、六件中、日程第三及び第四の両件を一括して採決いたします。  両件は委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、両件は委員長報告のとおり承認するに決しました。  次に、日程第二及び日本国とフィリピン共和国との間の小包郵便約定の締結について承認を求めるの件外二件を一括して採決いたします。  四件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、四件は委員長報告のとおり承認するに決しました。      ————◇—————  日程第五 積雪寒冷特別地域にお   ける道路交通の確保に関する特   別措置法の一部を改正する法律   案(内閣提出)  日程第六 天災による被害農林漁   業者等に対する資金の融通に関   する暫定措置法の一部を改正す   る法律案(内閣提出)  日程第七 豪雪に際して地方公共   団体が行なう公共の施設の除雪   事業に要する費用の補助に関す   る特別措置法案(内閣提出)  日程第八 昭和三十八年四月から   六月までの長雨についての天災   による被害農林漁業者等に対す   る資金の融通に関する暫定措置   法の適用の特例に関する法律案   (内閣提出)

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 日程第五、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案、日程第六、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、日程第七、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法案、日程第八、昭和三十八年四月から六月までの長雨についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案、右四案を一括して議題といたします。     —————————————

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長稻葉修君。   〔稻葉修君登壇〕

稻葉修自由民主党

○稻葉修君 ただいま議題となりました積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案外三案につきまして、災害対策特別委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。  まず、積寒道路法の一部改正案は、本年一月から二月までの豪雪による災害の実態にかんがみ、建設大臣が道路交通五ヵ年計画に基づいて実施する指定区間内の一級国道についての除雪、防雪または凍雪害の防止のため行なう事業に要する経費につき、国の負担割合、現行二分の一を三分の二に引き上げようとするものであります。  次に、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法案について申し上げます。  本案は、本年の豪雪に際して、公共施設の除雪事業に関し、地方公共団体において、多額の費用を要したことにかんがみ、道路以外の公共施設についても、新たにその除雪費の二分の一以内の補助をすることができるようにするものであります。なお、道路につきましては、政府から、積寒道路法による指定路線及び指定対象路線の拡充をはかり、道路の除雪に遺憾なきを期する旨明らかにされたのであります。これらによって、地方負担の軽減をはかり、地域差是正の一助ともなれば幸いであります。  次に、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、本年一月から二月までの豪雪及び低温により、果樹や茶や桑のような永年性植物の枝折れ、落葉等による樹木そのものの被害が広範囲に発生したことにかんがみまして、これら果樹などの木の被害を天災融資法上の損失額として取り扱い得るようにするものであります。すなわち、天災による果樹等の被害率が百分の三十以上の農業者を、経営資金を借り入れることのできる被害農業者とし、また、樹体被害率が百分の五十、開拓者にあっては百分の四十以上の農業者を特別被害農業者とし、三分五厘以内の経営資金を借り入れることができるように改めるものであります。  次に、昭和三十八年四月から六月までの長雨についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案について申し上げます。  本案は、本年四月から六月にかけて関東以西の各地においてまれに見る長雨が続き、麦その他の農作物に壊滅的な被害を与え、かつ被災地域も広範囲に及んでいる実態にかんがみ、天災融資法の適用に特例を設けようとするものであります。麦等の主要な裏作物の収入が八割以上失われる場合に、被害金額の限度を設けずに、これを特別被害農業者として取り扱い、三分五厘の資金を融通することができるようにするとともに、この資金については、特に六カ月以上一年以内の据え置き期間を設けることとするものであります。最低被害金額の限度を設けないのは、特に零細農家の救済に遺憾なきを期した次第であります。この特別立法と、先般本院において決議されましたところの諸般の行政措置と相まって、被害農業者の再生産意欲の減退をいささかでも除去し得ればと思うものでございます。  次に、審議の経過について申し上げます。  本特別委員会におきましては、豪雪、突風、降ひょう及び長雨等の災害に対し、豪雪等による災害対策に関する件、また、長雨等による農作物等の被害に対する緊急措置に関する件の決議を行ない、被災各地に委員を派遣するとともに、それぞれの小委員会を設ける等、鋭意災害対策の樹立に当たり、長期間詳細にわたり慎重な審議を続けてまいったところ、政府から四案の提出を見るに至った次第であります。その詳細につきましては会議録に譲ることにいたします。  かくて、去る六月二十六日、雪害関係の積寒道路法の一部改正案外二案に対し、質疑を終了し、採決の結果、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決し、また、天災融資法特例法案は、同月二十七日、質疑を終了し、討論の後、採決の結果、これまた全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第でございます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 四案を一括して採決いたします。  四案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、四案は委員長報告のとおり全会一致をもって可決いたしました。      ————◇—————  日程第九 河川法案(内閣提出)  関越自動車道建設法案(堀内一雄   君 外十四名提出)

草野一郎平自由民主党

○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  この際、日程第九とともに、堀内一雄君外十四名提出、関越自動車道建設法案を追加して両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんととを望みます。

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 草野一郎平君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第九、河川法案、関越自動車道建設法案、右両案を一括して議題といたします。

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。建設委員長福永一臣君。   〔議長退席、副議長着席〕   〔福永一臣君登壇〕

福永一臣自由民主党

○福永一臣君 ただいま議題となりました河川法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  現行河川法は、明治二十九年に制定せられ、現在に至る約七十年の間ほとんど改正を加えられることなく存続してまいったのでありますが、社会経済の進展に即応するため、治水、利水の両面にわたり総合的に整備を推進する必要がありますので、今回その全面的改正の要に迫られた次第であります。  その要点は次のとおりであります。  第一に、河川管理の適正を期するため、河川を水系別に一級河川及び二級河川に区分し、一級河川は建設大臣、二級河川は都道府県知事がそれぞれ管理することとしたことであり、第二に、河川の管理に要する費用については、原則として、一級河川は国、二級河川は都道府県が負担することとし、河川から生ずる収入についてはすべて従来どおり都道府県の収入としたことであります。第三に、一定規模以上のダムについては、防災上の見地から必要な規定を設けたこと、第四に、河川に関する重要事項を調査審議するため、建設省に河川審議会を設置するとともに、都道府県に都道府県河川審議会を設置することができることとしたこと、第五に、河川の台帳を整備することとし、慣行水利権者等権原に基づいて河川を使用する者は河川管理者に届け出なければならないものとしたこと、以上のほか、河川の区域、流水の占用、河川に関する調査工事等のための土地への立ち入りの手続等について、所要の規定を整備いたしております。  本法案は、去る五月三十一日本委員会に付託され、六月五日提案理由の説明を聴取し、自来、参考人の意見を徴するとともに、地方行政、農林水産委員会と連合審査会を開く等、慎重に審議を進めてまいったのでありますが、審査の詳細は会議録に譲ることといたします。  かくて、六月二十六日、質疑を終了いたしましたが、日本社会党を代表して岡本隆一君より修正案が提出せられました。修正案の内容は、河川の認定、管理に要する費用、河川管理計画、河川審議会、遊水地域の指定、洪水常襲地帯の指定、ダム群の操作、罰則等に関して修正せんとするものであります。修正案は、採決の結果、少数をもって否決せられました。  次いで、自由民主党を代表して二階堂進君より修正案が提出せられました。修正案の内容は、工事実施基本事項、ダムの操作、河川審議会等に関して修正せんとするものであります。討論を省略して採決の結果、修正案は多数をもって可決され、修正部分を除く原案について採決いたしましたところ、多数をもって可決、もって本案は、修正議決すべきものと決した次第でございます。  なお、本法案には、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して瀬戸山三男君より附帯決議を付すべしとの動議が提出せられ、全会一致をもって可決せられました。附帯決議の内容は、洪水の頻発する地域の治水対策、河川保全区域における免税措置、流水の占用に対する許可基準、罰則規定等に関するものでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。  以上、御報告申し上げます。  次に、ただいま議題となりました堀内一雄君外十四名提出、関越自動車道建設法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  本案は、首都圏と日本海沿岸との交通の迅速化並びに産業経済の緊密化をはかるとともに、沿線地域の開発を強力に推進するために、東京都を起点とし、主たる経過地を川越市付近、前橋市付近として終点新潟市に達する自動車道を建設しようとするものであります。  本案は、去る六月二十九日本委員会に付託され、七月四日提案理由の説明を聴取いたしたのでありますが、質疑の詳細は会議録に譲ることといたします。  かくて、同四日、討論を省略して直ちに採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 日程第九につき、討論の通告があります。これを許します。岡本隆一君。   〔岡本隆一君登壇〕

岡本隆一日本社会党

○岡本隆一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております河川法案に対しまして、反対の討論を行なおうとするものであります。(拍手)  反対の第一の理由は、本法案におきましては、河川法改正の本来の目的が見失われているというところにあります。  河川法改正の必要が叫ばれましてよりすでに久しいものがございます。その理由といたしましては、従来の河川管理が府県別に分かれたこま切れ管理であり、上下流に一貫した統一性に乏しく、上流、下流の利害の衝突によりまして流量調節施設や利水施設の設置にしばしば著しい困難を来たし、治水上、利水上大きな障害となっているところにありました。したがって、従来の府県別のこま切れ管理を排しまして、水系ごとの一貫した管理体系をもって治水を行ない、大河川については国が、中小河川については府県が治水の責任を負い、あわせて利水の効率を高めるというのが今回の河川法改正の理由でありました。  ところが、いよいよ政府が改正に手をつけますと、各省の間のなわ張り争いで、改正案は川の流れのごとく蛇行して、当初の改正の目的とはおよそかけ離れたところにたどりつき、今回の改正案となっておるのであります。これを本年二月建設省が最初に示しました改正要綱と比較いたしてみますと、まず第一に目につくことは、水系別管理の一元化という一番大きな柱がくずれ去っているということであります。知事や自治省の攻勢の前に、管理の水系別一元化の線がくずれて知事管理区間が設けられ、治水管理が従来どおりこま切れ管理となっておるのであります。さらに大蔵省の抵抗にあいまして、財政面における国の責任体制が大きく後退し、最初の案のうち残されておりますのは利水の一元化のみであります。かくては利水権の一元化、中央集権化のみが改正案の柱となりまして、治水、利水の総合的一元的管理ということは全く骨抜きにされているというよりほかありません。これこそまさに政府の思うつぼだったとも考えることができるのであります。本改正案策定の最終段階で総理の裁断がこの案決定のかぎとなったと聞いておりますが、本案は足して二で割るというよりも、足して五で割ったともいうべき全く無原則な妥協案であります。河川法改正の必要が叫ばれるに至りました改正本来の目的を完全に見失ったところの利水一元化案であります。これが反対の第一の理由であります。  第二にわれわれが本改正案に反対するゆえんのものは、本案におきましては、国が治水の責任を明らかにしておらないというところにあります。  もとより、河川法の改正は水利用の合理化をその目的の一つといたしておりますが、あくまでもそれは治水を第一義的な目的としていることは言うまでもありません。治水の完ぺきを期するとともに、無効放流されておる水をたくわえて水利用の効率を高めるという考え方に立った河川管理が行なわれなくてはなりません。ただいたずらに水不足に悩む産業界の要望にこたえて利水をはかることにのみ急であってはならないのであります。したがって、大河川の管理権を国の手に一元化せよという声は、治水について国があくまで責任を負うとともに、総合的な利水計画を国の手で立てるということであります。しかるに、本案におきましては、国は利水権をその手に一本化しておきながら、治水については国が最後まで責任をとるといった態度をどこにも見ることができません。  そこで日本社会党は、本法律案に対する修正案の中で、洪水常襲地帯の指定を行ない、連年洪水に見舞われる地域については水害防除のための措置を優先的にとることを国に義務づけようといたしたのであります。  川は生きているということばのとおり、われわれが利水のために河川にいろいろな施設を行ないますと、川はそれにさまざまな形で反応してまいります。ことに、最近の膨大な利水施設は、河道に著しい変化を起こさせまして、上流には土砂の堆積による水害を、下流には河道の掘さくによる干害をもたらしてまいりました。また、河川の改修による疎通の改善は狭窄部における洪水となってあらわれてまいりました。こうしてわれわれの生活の河川への接近は、一部に第二次的な水害常襲地帯をつくり、こうして人工的につくられた洪水常襲地帯は、毎年毎年大雨ごとにどっぷり水につかりまして非常な犠牲を払わされ、その悲運に住民は泣いておるのであります。いまやその地方の住民の嘆きは政府の無策に対する怒りの声と変わってきておるのであります。したがいまして、これらの洪水常襲地帯を水禍から解放するための治水施設は、他の治水、利水施設に優先すべきであるにかかわらず、利水を目的とする施設が常にこれに優先しているのであります。  そこで私どもは、このような地域を洪水常襲地帯として指定いたしまして、この地域に対する治水施設を他の地域に優先して行なうことを政府に義務づけようとしたのであります。このわれわれの修正は水禍に悩む住民の声であります。また、政治の当然あらねばならない姿であります。本法案の取り扱いをめぐるところの自社両党の話し合いの中で、罹災住民の立場に立って私はこの修正をねばりにねばったのであります。しかるに、政府並びに与党の理事諸君は頑強にこれを拒否したのであります。そして委員会におきましては、われわれの修正案は否決されたのであります。それでは、利水権は国の手に、水は自由におれたちに使わせろ、ただし、そのためにどこにどんな水害が起ころうともおれたちの知ったことではない、こういうことになりまして、今度の河川法改正は利水オンリーの改正であるといわれてもしかたがないのであります。これでは地域住民の犠牲において、水を求める産業資本に奉仕するための改正であるとのそしりを免れることはできません。(拍手)これが本改正に反対する第二の理由であります。  第三には、本改正案におきましては、災害防止のための緊急措置に対しましてきわめて憶病であるということであります。  旧河川法におきましては、流水は私権の対象となすことを得ずと規定されておりましたが、今回の改正案ではそれが著しくぼやがされております。河川は公共のものである、公共の安全を保持し、公共の福祉を増進するように管理すべきであると規定いたしておるにすぎません。従来発電ダムは、洪水に際しましてしばしば予備放流を怠り、あるいは急激な放流を行ないまして、下流住民の生命を奪うような事故を起こしてまいりました。かかる経緯にこりまして、今回の改正ではダム操作に関する詳しい規定を設け、ダムの安全性のために特段の配慮を払わんといたしております。ところが、流水に対する私権の排除の規定がなくなり、法案の底を流れる基本的な考え方の中に、利水権を物権とみなし、私権の対象と見るという考え方がありますので、災害防除に対するダム操作の統一的管理にきわめて憶病になっております。政府原案では、災害を防止するため緊急の場合には河川管理者はダム設置者に対して必要な措置をとるべきことを「勧告」することができるとありましたが、委員会におきましてその不徹底なことが追及され、「指示」できると修正されております。  流水は確かに公共のものであります。ダム設置者は施設を設けることによってダム使用権を持ちますが、それは権利として流水を事業の目的に使うことができるのではなく、資格として流水を使用することができるのであると私たちは理解しておるのであります。したがって、公共の安全に重大な影響ありと懸念される場合には、進んで災害防止のために協力する義務がダム設置者にあるものと私たちは考えております。そして河川管理者は、各水系ごとに洪水管理本部を設けて、これらの幾つかのダム群を科学的に統一的に管理し、指揮し、災害の防止につとめるべきであります。そのためには、河川管理者は、緊急の際にダム設置者に対して命令権を持たなければならないのであります。ところが、流水の使用権を利権と見て、これが損失に対しては国の補償義務ありやに見られる本案は、災害防止についての緊急措置に対しきわめて消極的であります。レーダや電子計算機の発達した今日では、ダム群の科学的操作によりまして完全な洪水管理ができるはずでありますが、命令権のない河川管理者は、刀を持たずして敵を切れと言われておるにひとしいのであります。魂なき洪水管理では災害を防ぐことはできません。これ、私が本案に反対する第三の理由であります。  さらに、最近、河川の遊水地帯が、土地の効率的利用の名のもとにどんどんと取りくずされ、それが干拓されて農場となり、地上げをされて宅地となっております。そのために河川は一そう堤防を高くしなければなりませんが、それとともに洪水の破壊力は一そう大きなものとなってまいります。それは自然の力にさからってはならないといろ治水の原則に反するものでありまして、まことに愚かな人間の自然への反抗であります。  一昨年、私は、北海道の災害調査に際しまして、石狩川流域で非常に広大な地域にわたって遊水地帯の中に農地が造成されつつあるのを見ました。また最近、利根川の遊水地帯である印旛沼または霞ケ浦を埋め立てまして、ことに国際空港をつくろうという計画が立てられております。これらの湖沼は、利根の遊水地帯として、利根の洪水調節に非常に大きな役割を果たしておりますので、その埋め立てについては当然これに見かわる調節施設を設けなければなりません。社会党の修正案は、これらの治水上必要ある地域を遊水地帯として指定し、この遊水地帯は、これにかわるべき洪水調節機能を有する施設をつくるまでは、遊水の状態に影響を及ぼすような行為を禁じようとしたものであります。  狭い国土は、あるいは台風に、あるいは集中豪雨に、至るところ河川のはんらんに苦しめられております。したがって、既存の遊水地帯の取りこぼちには厳重な規制を行なわなければなりませんが、原案はこれに対してきわめてあいまいな態度をとっておるのであります。これが私の政府原案に反対する第四の理由であります。  明治二十九年に制定されました河川法は、いま、時代の進運に伴って画期的な改正が行なわれようといたしております。それだけに、われわれは、その改正にあたっては本来の目的を見失ってはなりません。政府部内のなわ張り争いでゆがめられたところは、国会の手でそれを正しい姿に戻さなければなりません。そして、国民の生命と財産を守るための治水を何よりも重要なものとしなくてはなりません。しかるに、政府原案はその重大なる使命を忘れているのであります。いわば魂を置き忘れた河川法とも言うべきであります。これに魂を入れようとしたのが社会党の修正案であります。(拍手)委員会におきましてそれが否決されましたことはまことに残念というほかありません。ただし、本案は、本日衆議院を通過いたしましても、参議院ではおそらく継続審査になると思うのであります。(拍手)その場合には、政府並びに与党の諸君は、次期国会において、この点を十分に考慮されまして、われわれの修正に応じられんことを切望いたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手)

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、日程第九につき採決いたします。  本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。  次に、関越自動車道建設法案につき採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第十 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とタイとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案(内閣提出)  日程第十一 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案(内閣提出)  日程第十二 明治三十二年発行の英貨公債を償還する等のため発行ずる外貨公債に関する特別措置法案(内閣提出)  日程第十三 関税暫定措置法及び砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提出)

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 日程第十、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とタイとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、日程第十一、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、日程第十二、明治三十二年発行の英貨公債を償還する等のため発行する外貨公債に関する特別措置法案、日程第十三、関税暫定措置法及び砂糖消費税法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。     —————————————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長臼井莊一君。   〔臼井莊一君登壇〕

臼井莊一自由民主党

○臼井莊一君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とタイとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案について申し上げます。  政府におきましては、このたび、タイ並びにマラヤ連邦との間に、所得税及び法人税に関する二重課税の回避等のための条約を締結し、その承認を求めるため、別途今国会にそれぞれ提案がなされたのでありますが、この両法律案の趣旨は、これらの条約に規定されております事項のうち、特に法律の規定を要するものについて、それぞれ所要の立法措置を講じようとするものであります。  まず第一に、わが国の税法によりますと、外国人または外国の法人で、日本国内に事業を有していない者が取得する配当、利子、工業所有権の使用料等の所得に対しましては、原則として二〇%の税率で源泉徴収所得税が課されることになっておりますが、この税率を一定の基準のもとに軽減することといたしております。  第二に、外国人または外国の法人が、わが国に支店等を有して一定の事業を行なっている場合におきまして、配当等の所得のある場合には、わが国内法により、それらの所得を事業上の所得等と合算して申告納税しなければならないことになっておりますが、この場合における配当所得等に見合う所得税または法人税について、一定の基準のもとに所要の軽減措置を講ずることといたしております。  次に、明治三十二年発行の英貨公債を償還する等のため発行する外貨公債に関する特別措置法案について申し上げます。  本年十二月三十一日に満期の到来する明治三十二年発行の英貨公債の借りかえにつきまして、このほど英国当局との間で合意に達したのでありますが、この法律案は、この借りかえに伴い発行する外貨公債について、その利子等を非課税とする等、所要の措置を講ずるため、さきに成立した外貨公債の発行に関する法律の一部を準用しようとするものであります。  すなわち、まず第一に、政府は、外貨公債を失った者に対して交付するため必要があるときは、外貨公債を発行することができること、第二に、外貨公債の利子及び償還差益に対しては、原則として租税その他の公課を課さないこと、第三に、発行地の法令または慣習が国債に関する法律の規定と異なるため、同法の規定によりがたい場合には、大蔵省令の定めるところによること、及び、その他外貨公債に関して必要な事項は、大蔵大臣が定めることとするものであります。  以上三法律案は大蔵委員会に付託せられて以来、慎重に審議の後、去る六月二十七日、採決いたしましたところ、全会一致をもっていずれも原案のとおり可決となりました。  最後に、関税暫定措置法及び砂糖消費税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず、この法律案の内容の概要は、第一に、暫定措置としての粗糖関税の減免措置についてであります。すなわち、粗糖の国際価格の上昇により、輸入粗糖から製造される精製糖の卸売り価格が著しく上昇し、その卸売り価格が国産てん菜糖の適当と認められる卸売り価格をこえ、かつ、そのこえる期間が相当継続することを要件といたしまして、粗糖に対する関税を、期間を指定して、政府限りで減免することができることといたしております。また、この減免措置をとった後におきまして、輸入粗糖から製造される精製糖の卸売り価格が、国産てん菜糖の適当と認められる卸売り価格を相当期間継続して下回るときは、すみやかに減免措置を修正または廃止することといたしております。なお、以上の措置をとったときは、遅滞なくその内容を国会に報告することといたしております。  第二に、当分の間、輸入粗糖について関税割り当て制度を採用することとし、一次税率を四十一円五十銭、二次税率を五十一円五十銭とすることといたしております。  第三に、砂糖消費税の税率を軽減し、すなわち、精製糖について現行一キログラムにつき二十一円を十六円に、再製糖については七円を三円に、黒糖については五円を一円に、それぞれ引き下げる等の改正を行なうことといたしております。  本案は、審議の結果、去る六月二十八日、質疑を終了し、直ちに討論に入りましたところ、日本社会党を代表して有馬輝武委員より反対の旨の意見が述べられました。次いで、採決いたしましたところ、起立多数をもって原案のとおり可決となりました。  なお、本案に対しましては、全会一致をもって附帯決議を付することに決しました。  附帯決議の内容は次のとおりであります。すなわち、政府は次の諸点につき遺憾なきを期すべきである。  一 今回の粗糖関税並びに砂糖消費   税の引下げ額が砂糖の卸売価格の   引下げはもちろん、末端小売価格   の引下げに有効かつ速やかに反映   するよう特段の措置を講ずるこ   と。  二 粗糖関税の減免税にあたって基   準となる国内産糖の適当と認めら   れる卸売価格については、国内甘   味資源の保護育成の方針に沿って   関係者の納得を得られるよう、こ   れを決定すること。  三 関税割当制度の運用について   は、糖価安定及び国内甘味資源の   保護育成に資するよう十分に配慮   すること。  四 砂糖消費税体系の整備によって   大幅な減税が可能となるよう十分   検討すること。  五 国内産糖の自給度の向上をはか   るための対策を一段と強化するこ   と。というものであります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 四案中、日程第十三につき、討論の通告があります。これを許します。平岡忠次郎君。   〔平岡忠次郎君登壇〕

平岡忠次郎日本社会党

○平岡忠次郎君 ただいま議題となりました関税暫定措置法及び砂糖消費税法め一部を改正する法律案につきまして、私は、日本社会党を代表して、反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手)  改正法案は、当面、関税及び砂糖消費税についてキロ当たりそれぞれ五円当てを引き下げ、消費者に対し計十円を軽減することをもって趣旨といたしております。昨年十月以来、キューバ事変に端を発し、国内糖価はキロ当たり二十円ほどの急騰を演じました。すなわち、それまでは卸売り百十八円、小売り百四十五円程度で、おおむね定着いたしておりましたところの砂糖相場は急上昇に転じまして、昨今、卸百三十五円、小売り百六十五円をつける状況となったので、六月の初め、池田首相の叱吃激励によりまして、政府は物価問題と関連いたし、基本方針といたしまして砂糖の自由化と関税の引き下げをきめたのであります。その後、国内産甘味資源との競合を考えまして、関税の引き下げよりは、むしろ国内消費税を引き下げるべしとの議論が台頭し、結局足して二で割る政府・自民党のお家芸で、関税及び砂糖消費税で、キロ当たりおのおの五円当て、計十円を消費者に対し軽減する趣旨で本法の提案となったのであります。  しかしながら、紆余曲折を経てきめられたこの十円引き下げ案は、現今の世界の砂糖相場の急上昇の中で、物価対策としてどれほどの意味を持ち得るでありましょうか。委員長報告にもありましたように、私どもは附帯決議の一つとして、粗糖関税並びに砂糖消費税の引き下げ額が、砂糖の卸売り価格の引き下げはもちろん、末端小売り価格の引き下げに有効かつすみやかに反映するよう特段の措置を講ずべしとの注文をつけましたが、実情を検討すると、現在の砂糖相場卸百三十五円が百二十五円に、小売り百六十五円が百五十五円に下がり得るようななまやさしい状態にはないのであります。高いとされておりまするところの現在の卸相場百三十五円は、実はキューバ船側渡し五・〇四セント・パー・ポンドの粗糖相場に見合っているものでありまするが、今日現在は、キューバ相場は九・七〇セントと約七割高になっておりますため、もしこの高い相場が当分値下がりしないことになりますと、これに見合う精製糖卸相場は百七十四円と計算されますので、小売りで二百円以上となる可能性濃厚ですから、まことにたいへんなことであります。十円下げの政府案など、まさに焼け石に水のたぐいであります。われわれがこの際砂糖関税に大斧鉞を加え、抜本塞源的な問題解決を政府に迫る理由がここに存します。  そもそも政府は、今日まで、砂糖において大衆収奪の限りを尽くしてまいりました。現在の小売り百六十五円のうち、四〇%が政府のピンはね額であります。精糖ベースに換算いたしまして、まず関税が四十三円六十八銭、消費税が二十一円、供出金が一円三十二銭、合計六十六円が政府のピンはね分であります。キューバ事変以来世界相場が上がっていることも事実ですが、わが国では一応それと関係はなく、つとに世界一高い砂糖を国民になめさせてきたという事実をこそ、まずもってここに指摘しないわけにはまいりません。(拍手)いま政府は、これを改むべき時期に際会しているというべきであります。酒にたばこに、また砂糖に、政府はことごとく重税を課し、国民の消費生活に脅威を与えてまいりました。政府の大衆収奪シリーズは完ぺきであります。税金は一がいに搾取とは言えませんが、わが国の砂糖に見るがごとき度が過ぎると、搾取といっても過言でございません。ここで六十六円という世界一の高率をわずか十円くずすことで、有効な物価対策となり得るはずがないのであります。よろしく砂糖関税及び消費税に大斧鉞を加えるべきであって、政府提案の当法案の示す微々たる引き下げのごときは、次元が違うというのが反対の最大の理由であります。(拍手)  次に、自由化対処法案としての関税割り当て制度について、反対の理由を申し述べます。六月の初頭、閣議で、砂糖の自由化と関税の引き下げの方針をきめたものの、与党政調会などで議論すればするほど、池田首相御叱咤の趣旨が後退し、当然のことですが、砂糖の自由化は難航し、まず関税割り当て制の採用により、百三十万トンをこえる部分の輸入粗糖は第二次高税率で、チェックされるに至り、関税の引き下げ率も、国内消費税に半分をしょわせるということで、徹底を欠いてまいりました。この両面のブレーキは、もちろん主としてビート、甘蔗、精製ぶどう糖等の国内甘味資源との競合度合いの論議から招来されたものであります。動機が消費者物価の引き下げにありながら、政策として論議をしていくうちに、選択的拡大対象であるビートの保護育成論と激突して、政府は自縄自縛におちいり、改正法案は国民の期待からはるかに遠い、小幅、不徹底なものとなり終わったのであります。  顧みるに、わがビート丸がたくさんの農民を乗せまして、政府のかじとりで自給自足の島を目ざして大海に乗り出してから、すでに年久しいものがあります。いまさら途中で引き返すべくもないところに来ております。途中でビートつくりの農民をとほうにくれさせることのできない責任が政府にあります。国際事情変更を理由に、自由化半島に針路変更、これに向かって驀直前進を指令するわけにいかない、これが政府の置かれた立場であります。(拍手)一体、国内産糖の生産を振興しつつ自給度を高めることと自由化とは、相反するものであります。消費者を考え、自由化に忠ならんとすれば、ビート農民に孝たり得ず、ビート農民に誠実を尽くして孝を全うせんと欲すれば、高関税となり、自由化の本旨にもとり、消費者に忠たり得ず、政府の進退きわまって、ここに一時を糊塗する無定見法案の登場となったのであります。(拍手)国内甘味資源に対する長期の展望と確固とした具体化政策に裏づけされざるごまかし法案に、まじめに関心を持てといっても、無理というものであります。  わが党は、この矛盾を止揚する立場として管理方式を提唱し、関税及び消費税を廃止し、輸入糖はすべて食管特別会計で買い入れ、消費者に低位標準価格で売り渡す一方、国産糖長期培養資金をこの食管プールに求める方式を策定いたしておるのであります。先週、甘味資源特別措置法案上程の際に、同僚片島港君からかなり具体的に論述されておりますので、ここに繰り返しはいたしませんが、このような国家管理方式をとることによってのみ、初めて国内産糖の自給度を、国際価格に近づけつつ、これを高めることもできると同時に、世界一高い砂糖を押しつけられている消費者にも、安い価格でこれを購入せしめることができるものと信じます。以上申し述べました理由で、物価対策としても、自由化対策としても、不徹底にして無性格な政府提案の本法案に断固反対をいたすものであります。  以上で、私の反対討論を終わります。(拍手)

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、日程第十ないし第十二の三案を一括して採決いたします。  三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長の報告のとおり決するに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、三案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)  次に、日程第十三につき採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)      ————◇—————  日程第十四 開拓者資金融通法の   一部を改正する法律案(内閣   提出、参議院送付)

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 日程第十四、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案を議題といたします。     —————————————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員長長谷川四郎君。   〔長谷川四郎君登壇〕

長谷川四郎自由民主党

○長谷川四郎君 ただいま議題となりました内閣提出、参議院送付、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  政府案は、開拓営農振興審議会の答申に基づき、いまなお営農の基礎が確立していない開拓者に対し、その振興に資するため、昭和三十八年度から新たに利率年五分、償還期間、据え置き期間六年以内を含む二十一年以内の資金を開拓者資金融通特別会計から融通しようとして提出せられたものでありますが、参議院において、利率は年四分とすることに修正を加え、六月五日、本院に送付してまいったものであります。  農林水産委員会におきましては、政府から二月五日、提案理由の説明を聴取し、六月二十七日、審査を終了したところ、日本社会党から修正案が提出され、国会法に基づき内閣の意見を聴取した後、修正案は少数をもって否決し、多数をもって参議院送付案どおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、自由民主党及び民主社会党共同提案により、政府は、既入植者の営農振興をはかるため、抜本的な対策を確立すべきである等の附帯決議が付されました。  以上、御報告を終わります。(拍手)     —————————————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 討論の通告があります。これを許します。稻村隆一君。   〔稻村隆一君登壇〕

稻村隆一日本社会党

○稻村隆一君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました開拓者資金融通法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手)  そもそも、日本農業の発展と近代化を妨げ、そして農民の貧困をもたらすものは、実に日本農業の過小農経営にありと断ずるも決して過言ではないのであります。しこうして、過小農経営を克服するの道は、もし政府にして確固たる農業政策の樹立があるならば、不可能ではないのであります。いな、客観的条件は十分に実在しているのであります。すなわち、昭和三十八年の農林省統計調査部編の農林水産統計によれば、わが国の総面積三千七百二十七万余ヘクタールに対し、耕地面積わずか六百万余ヘクタールであって、総面積の一六・五%にすぎないのであります。スイスのごとき山国よりも、総面積に対する耕地面積のパーセンテージははるかに少ないのであります。専門家の言によれば、さらに六百万ヘクタールの耕地面積を増加することは可能なのであります。そのためには、われわれ日本社会党が農業基本法の制定の以前より今日までしばしば問題にしたるごとく、国費をもって耕地を開拓し、近代的機械化農業を開拓地において実現することが急務であります。何となれば、開拓地こそは、日本農業の発展をはばむ種々なる習慣、伝統が存在しないからであります。それはあたかもフロンティア時代のアメリカ農業のごとく、現在のソ連のシベリア開発のごとく、そこには人間の反対と抵抗なく、自由に現代的農業政策を遂行し得る絶好の場所であるからであります。  開拓の歴史に徴するに、開拓の最も進展した時代は、第一は明治における北海道の開拓であり、第二は今次大戦後の戦災者、海外引き揚げ者等による入植開拓であります。持に戦後入植した人々の手によって約三十五万四千ヘクタールの耕地が開墾されたのは、政府当局説明のとおりであります。開拓なる難事業は、決して、金のある人、資本主義的利潤を追求する人によってなされるものではありません。開拓なる事業は、生死の関頭に立たされた人々が生きんがために真剣な戦いをなすことによって成就されたものであることは、歴史がこれを証明しているのであります。すなわち、最初のアメリカの開拓は、プロテスタントの人々によって行なわれたのであります。またシベリアの開発は、政治的流刑者によって始められたのであります。そしてわが北海道開拓者も、ほとんど無資本で入植したのであります。入植者が百万円以上の資本を持っているならば、万事スムーズにいくという研究が現在出ているのであります。だから大蔵省あたりでは、金のある者を入植させるべきだという意見が出ていたのであります。しかしながら、金のある者で不便な、娯楽のない、近代文化に浴することのできない開拓地などに入る者はありません。もしもさような者がありとするならば、それは金持ちの別荘の道楽仕事であります。今日の開拓は資本主義的な企業者による、資本主義的な方式に基づいた開拓ではありません。ゆえに開拓事業に対しては、国家が長期低利の金融政策をとっていることは、世界各国の開拓政策を見ても明らかであります。一般農業金融においても、日本の農業金融は高利、短期であることは、世界の文明国家中第一に位するものであります。すなわち、デンマークにおいて農業金融は最低六十カ年、最高百ヵ年年賦償還であり、オランダにおいては百ヵ年年賦償還が普通であり、他のヨーロッパの国々においては大体三十ヵ年年賦償還が通例であり、利息はどこもおおむね三分五厘以下であります。  これは当然のことであって、農業は商工業に比較して利益少なく、しかも商工業のごとく一ヵ月ないし三ヵ月で資金の回収ができるものではない。一年一回の回収が普通であります。したがって、自由競争のままに放置しておくならば、農業は必然に滅亡の道をたどるを得ないのであるから、各国とも保護政策をとっていることは世界の大勢であります。すなわち、工業と農業が同一水準である近代機械化農業、加工農業に発展し、農民が原料生産者として交換過程において搾取されない段階に達するまで、国家は農業に対し特殊なる金融保護政策をとるのはあたりまえのことでなければなりません。わが国においても、かかる意味において農林中央金庫、農林漁業金融公庫等、その他農民のための特殊金融機関は存在しているのであるが、わが国より農業収益のはるかに多い諸外国と比較して金利高く、しかも短期にして、とうてい農民を救済し、わが国農業を発展させるがごときものではなく、年六分から七分の高利が普通であって、はなはだしきは年一割に達するものすらあるのであります。かくのごときは国家資本による高利貸し的収奪であると非難されてもやむを得ない点があるのであります。(拍手)  かかる意味におきまして、今回政府より提案されました開拓者資金融通法の一部を改正する法律案のごときは、わずか五厘だけ利子を引き下げて、入植者の熱心なる要求にこたえるようなゼスチュアだけを示していることは、農民を欺瞞するもはなはだしいものであるといわなければなりません。参議院において四分に修正議決されたけれども、われわれ社会党は、すでに開拓者資金融通法の中において、長期資金の利息三分六厘五毛をうたっていることにかんがみ、今回の改正には当然利子年三分六厘五毛に修正すべきものと信ずるものであります。しかしながら、わが国の農業金融にはおのずから、農業金融の歴史と伝統があるのであります。しかしてわれわれはその歴史を無視して農業金融の急激な改革を主張し、金融体系を混乱におとしいれんとするものではありません。政治的改革は、往々にして急激な改革を必要とする場合があるけれども、経済上の改革は、水の自然に流るるがごとく徐々たるものでなければならないのであります。しかしながら、今日のわが国の農業金融体系は、いまや現実に即せざる多くの欠陥を露呈し、すでに天災融資法において、また農業構造改善事業等において、三分五厘の金融を行なう改正が最近実行されているのであります。いわんや開拓事業のごとき特殊なる範疇に属する農業においては、すべてを三分五厘程度としても決して無理ではないのであります。現行のような利息では返済不能であり、いつかは差し押えと競売の運命がきたることは間違いありません。したがって、私は、  内閣提出、参議院送付の本案に対し、据え置き六年、期限二十一年ということばがまんするといたしましても、利子は三分六厘五毛とすべきことが理論的であり、妥当であると強く主張し、諸君が私の意見に御同意くださらんことを切望いたしまして、私の討論を終わる次第であります。(拍手)

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長永田亮一君。   〔永田亮一君登壇〕

永田亮一自由民主党

○永田亮一君 ただいま議題となりました地方公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、恩給法の改正に伴い、地方公務員の退職年金制度についても同様の措置を講じようとするものでありまして、その要旨は、第一に、旧南満州鉄道株式会社等の外国特殊職員期間について、外国政府職員期間と同様に、地方公務員共済組合の組合員期間に通算すること、第二に、公務による廃疾年金の最低保障額に付加される扶養加給額のうち、組合員の退職後に出生した子にかかるものを、一人につき二千四百円から四千八百円に引き上げること、第三に、地方職員共済組合等が支給する国の新法の規定による長期給付等について、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の一部を改正する法律による国の措置と同様の措置を講ずるものとすること、第四に、旧恩給組合条例の規定による退隠料等の受給者及び旧恩給組合条例にかかる年金条例職員であった者について、恩給法の改正に準じ同様の措置を講ずること等であります。  本案は、参議院先議のため、当委員会に予備付託され、三月二十七日本付託となり、五月七日篠田自治大臣より提案理由の説明を聞き、審査を進めてまいったのでありますが、その詳細は会議録によって御承知いただきたいと存じます。  七月四日、質疑を終了し、討論の通告もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  右、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。法務委員会理事上村千一郎君。   〔上村千一郎君登壇〕

上村千一郎自由民主党

○上村千一郎君 ただいま議題となりました両法案について、法務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、商業登記法案は、商業登記制度の運用の実際にかんがみ、登記の申請人の利便をはかるとともに、手続を合理化し、あわせて商業登記に関する規定を非訟事件手続法から分離して、独立の法律として規定を整備しようとするものでありまして、そのおもな内容は次のとおりであります。  第一に、一般的事項として、受付帳、申請書等の受領証及び登記の順序に関する規定を設け、登記申請の却下事由を個別的に列挙して手続を明確にしたことであります。  第二に、商号の登記について登記事項を法定し、その変更等の場合における手続規定を明確にし、また会社が本店を移転しようとする場合における商号の仮登記の制度を設けたことであります。  第三に、未成年者、後見人及び支配人の登記について、登記事項を法定し、申請書の添付書面に関する規定を整備したことであります。  第四に、会社登記の申請は、原則として会社の代表者がするものとし、また、会社の支店所在地における登記、会社の本店移転に関する登記、会社の合併に伴う登記の手続を簡素化したことであります。  第五に、登記の抹消について、その事由を個別的に列挙して手続を明確化したことであります。  次に、商業登記法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案は、商業登記法の施行に伴い、民事訴訟法外四十五関係法令について整理等を行なうとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。  さて、法務委員会におきましては、両案が去る五月二十九日参議院より送付、同日当委員会に付託され、本日、一括して質疑を行なった後、討論なく、採決に付しましたところ、多数をもって両法律案はそれぞれ政府原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  国民年金法及び児童扶養手当法の   一部を改正する法律案(内閣提   出)  船員保険法の一部を改正する法律   案(内閣提出)  政府に対する不正手段による支払   請求の防止等に関する法律を廃   止する法律の一部を改正する法   律案(内閣提出)  戦傷病者特別援護法案(社会労働   委員長提出)  ばい煙の排出の規制等に関する法   律の一部を改正する法律案(内   閣提出、参議院送付)  薬事法の一部を改正する法律案   (参議院提出)

草野一郎平自由民主党

○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  この際、社会労働委員長提出、戦傷病者特別援護法案は委員会の審査を省略し、内閣提出、国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案、船員保険法の一部を改正する法律案、政府に対する不正手段による支払請求の防止等に関する法律を廃止する法律の一部を改正する法律案、社会労働委員長提出、戦傷病者特別援護法案、内閣提出、参議院送付、ばい煙の排出の規制等に関する法律の一部を改正する法律案、参議院提出、薬事法の一部を改正する法律案、右六案を一括議題となし、委員長の報告及び趣旨弁明を求め、その審議を進められんことを望みます。

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 草野一郎平君の動議に御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案、船員保険法の一部を改正する法律案、政府に対する不正手段による支払請求の防止等に関する法律を廃止する法律の一部を改正する法律案、戦傷病者特別援護法案、ばい煙の排出の規制等に関する法律の一部を改正する法律案、薬事法の一部を改正する法律案、右六案を一括して議題といたします。

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。社会労働委員長秋田大助君。   〔秋田大助君登壇〕

秋田大助自由民主党

○秋田大助君 ただいま議題となりました諸法案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げますとともに、戦傷病者特別援護法案の趣旨弁明を申し上げます。  まず、国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案について申し上げます。  国民年金法は、昭和三十四年の第三十一回国会において制定され、二回にわたり改正が行なわれましたが、最近の国民生活の動向等にかんがみ、なお一そうの改善をはかろうとするものであります。  本案のおもな内容は、まず第一に、老齢福祉年金につきましては、現在の年金額一万二千円から一万三千二百円に、障害福祉年金額を一万八千円から二万一千六百円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金の基本額を一万二千円から一万五千六百円にそれぞれ引き上げること。第二に、支給制限の緩和をはかることでありますが、その第一点は、受給権者本人の所得による支給制限の基準額を十五万円から十八万円に引き上げること、第二点は、受給権者の扶養義務者の所得による支給制限の基準額を五十万円から六十万円に引き上げること、第三に、母子福祉年金の支給の対象となる子は義務教育終了前の子に限っておりますが、これを重度の廃疾の状態にある子については二十歳まで延長いたしますとともに、準母子福祉年金における孫または弟妹についての年齢制限も、これと同様の改正を行なうことであります。  次に、児童扶養手当法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、今回の福祉年金の場合と同様の改善を行なおうとするものであり、そのおもな内容は、まず第一に、手当額の引き上げにつきましては、児童一人の場合は月額八百円を千円に、二人の場合は千四百円を千七百円に引き上げることとし、三人以上の場合は千七百円に三人以上の児童一人につき四百円を加算した額に引き上げること。第二に、支給制限の緩和及び年齢制限の緩和につきましては、国民年金の場合と同様の改正を行なうことであります。  本案は、二月八日本委員会に付託され、本日、質疑を終了し、採決の結果、全会一致原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案については、自由民主、社会、民主社会の三党共同提案をもって附帯決議を付することに決したのであります。これらの内容については会議録で御承知願いたいと思います。  次に、船員保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、陸上における失業保険法の改正案と同様に、船員保険における失業保険金の内容を改善いたしますとともに、海上労働に従事いたしております船員の特殊事情にかんがみ、行方不明手当金を新設しようとするものであります。  本案は、去る二月二十日本委員会に付託され、本日の委員会において、質疑を終了したのでありますが、施行期日についての修正案が自民、社会、民社の三党共同によって提出され、採決の結果、本案は全会一致修正議決すべきものと議決した次第であります。  次に、政府に対する不正手段による支払請求の防止等に関する法律を廃止する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、一般職種別賃金の算定の基礎となる民間建設業務労働者の賃金が大幅に変動する実勢にあること等の情勢にかんがみ、政府に対する不正手段による支払請求の防止等に関する法律を廃止する法律の本則ただし書きを削除し、国の直轄、直営の公共事業の労働者の賃金について適用される一般職種別賃金の制度を廃止しようとするものであります。  本案は、去る三月三十日本委員会に付託となり、本日、採決に入りましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  次に、戦傷病者特別援護法案の趣旨弁明を申し上げます。  戦傷病者に対しましては、戦傷病者戦没者遺族等援護法、未帰還者留守家族等援護法、戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律等によってそれぞれの援護措置が講ぜられておりますが、これらの法律は制定の趣旨、経緯、対象となる戦傷病者の範囲等において異なる点があるため、これら戦傷病者の援護に関する法制を統合整備するとともに、援護措置が国家補償の精神に基づいて行なわれることを明確にしようとするもので、そのおもなる内容は次のとおりであります。  第一に、対象でありますが、との法律の対象となる戦傷病者は、軍人、準軍人、軍属、準軍属等であって、公務上負傷し、または疾病にかかり、恩給法に規定する款症程度以上の障害を有するもの、または療養を要するものといたしました。ただし、軍人または準軍人につきましては、これらの者に対してとられてきた処遇等の事情も勘案いたしまして、第一目症または第二目症程度の障害を有する者についても戦傷病者として扱うことにいたしました。しかして、これらの戦傷病者に対しましては、戦傷病者手帳を交付することといたしました。  第二に、援護の内容でありますが、まず未帰還者留守家族等援護法に規定されている療養の給付並びに療養手当及び葬祭費の支給に関する制度と、戦傷病者戦没者遺族等援護法に規定されている更生医療、補装具の支給及び国立保養所への収容に関する制度、並びに戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律に規定されている国鉄無賃乗車船の取り扱いの制度を本法に移しかえ、これを統合しております。なお、本法に取り入れた援護の各条項の適用については、さしあたりはすべてこれまでの制度のとおりといたしておりますため、残された問題も若干あるわけでありますが、これらの点については将来善処いたすようにいたしたい考えであります。  以上が、この法律案の大要であります。追って、援護の種類の拡充、援護水準の向上等についても今後とも検討を加え、その改善をはかるようにいたしたいと存ずるものであります。各位におかれましては、これら諸般の事情を了とせられ、慎重審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。  次に、ばい煙の排出の規制等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案は、さきに第四十回国会で制定されました、ばい煙の排出の規制等に関する法律が近く指定区域の指定を行なうこととなっておりますが、この法律の規制対象となっていない小規模の施設から発生するばい煙についても、公害を生ずるおそれがあるので、指定区域内におけるばい煙の排出を規制する地方公共団体の条例の設定の根拠を明らかにいたそうとするものであります。  本法案は、去る五月二十九日本委員会に付託となり、本日、採決に入りましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  最後に、薬事法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案は、医薬品の調剤または供給の業務が、国民の疾病治療及び予防上重要な使命をになっておりますが、最近における医薬品関係の実情にかんがみ、次のように改めようとするものであります。  第一に、薬剤師による業務管理が十分に行なわれるために、薬局の規模に応じて薬剤師の所要の員数を定めてこれを開設許可の要件とすること、第二に、薬局、医薬品の一般販売業及び薬種商について、配置の適正を期するために配置基準を都道府県ごとに条例により定めて開設許可の要件とすることができることといたし、その基準に該当するかどうかの判定には、地方薬事審議会の意見を聞かなければならないこととしております。ただし、医薬品の一般販売業、または薬種商で卸業のみを行なう者は除いております。  本法案は、去る三月二十九日本委員会に付託となり、本日、採決に入りましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本法案に三党共同の附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) これより採決に入ります。  国民年金法及び児童扶養手当法の一部を改正する法律案、船員保険法の一部を改正する法律案、政府に対する不正手段による支払請求の防止等に関する法律を廃止する法律の一部を改正する法律案、ばい煙の排出の規制等に関する法律の一部を改正する法律案、薬事法の一部を改正する法律案、右五案を一括して採決いたします。  五案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、五案は委員長報告のとおり決しました。  次に、戦傷病者特別援護法案につき採決いたします。  本案を可決するに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。(拍手)      ————◇—————  高圧ガス取締法の一部を改正する   法律案(内閣提出、参議院送付)

草野一郎平自由民主党

○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  この際、内閣提出、参議院送付、高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審査を進められんことを望みます。

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 草野一郎平君の動議に御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。     —————————————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。商工委員長逢澤寛君。   〔逢澤寛君登壇〕

逢澤寛自由民主党

○逢澤寛君 ただいま議題となりました高圧ガス取締法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  高圧ガスの取り締まりは、人命、財産の保護及び産業の発展の見地からきわめて重要な問題でありますが、最近の石油化学工業をはじめとする各種化学工業の急速な発展と技術革新は、従来の保安体制を格段に整備充実すべき必要を招来しております。さらに液化石油ガスの家庭用燃料としての需要の伸びは、最近特に著しいものがあり、これに対する保安上の取り締まりを一段と強化すべきことが要請されているのであります。  本案は、以上の理由に基づき、所要の改正を行なう目的をもって提出されたものでありまして、そのおもな内容は、第一に、特殊法人高圧ガス保安協会を設立し、これに技術基準についての調査研究等を行なわせるとともに、検査の一部代行を認めることによって民間の自主的保安活動を促進すること、第二に、液化石油ガスの販売業者の許可基準の整備を行なうとともに、家庭用設備の設置についての技術基準を示し、その順守を義務づけ、また一定の資格を有する販売主任者に保安上の責任を負わしめること、第三に、現行法制定以来十年以上を経過した間において生じてきた新しい事態に対処するため、関係規定の整備を行なうこと、以上であります。  本案は、去る三月二十七日参議院より送付され、同日当委員会に付託され、七月四日、質疑を終了し、直ちに採決に付しましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対する質疑の中で、高圧ガス保安協会に対する指導監督行政の適正化、プロパンタクシーに対する監督、取り締まりの強化、都市ガスの施設に対する規制の強化、LPガス事業に対する監督の適正化、以上四点について、特に要望がありましたことを申し添えます。  以上で、御報告を終わります。(拍手)     —————————————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  簡易生命保険及び郵便年金の積立   金の運用に関する法律の一部を   改正する法律案(内閣提出、参   議院送付)

草野一郎平自由民主党

○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  この際、内閣提出、参議院送付、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 草野一郎平君の動議に御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。     —————————————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。逓信委員長本名武君。   〔本名武君登壇〕

本名武自由民主党

○本名武君 ただいま議題となりました簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に関し、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案の趣旨は、簡易生命保険及び郵便年金契約者の福祉を増進し、かつ両事業の発展をはかるため、その積み立て金の運用範囲等を改正しようとするものでありまして、その内容は、一般の需用に応ずる電気供給事業会社の発行する一定の電力債を積み立て金の運用範囲に加えるとともに、積み立て金を電力債に運用する場合には、その積み立て金の額は、積み立て金総額の百分の五に相当する額をこえてはならないこと等の保有限度及びその他買い入れ条件等の規定を設けたものであります。  本案は、去る六月十九日本委員会に付託され、七月四日、質疑を終了、直ちに採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決されましたが、採決の後、保険金の最高制限額及び積み立て金の運用範囲を一そう拡張すべき等の附帯決議を付した次第であります。  以上をもって、御報告を終わります。(拍手)     —————————————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後五時十三分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  池田 勇人君         法 務 大 臣 中垣 國男君         外 務 大 臣 大平 正芳君         大 蔵 大 臣 田中 角榮君         文 部 大 臣 荒木萬壽夫君         厚 生 大 臣 西村 英一君         農 林 大 臣 重政 誠之君         通商産業大臣  福田  一君         郵 政 大 臣 小沢久太郎君         労 働 大 臣 大橋 武夫君         建 設 大 臣 河野 一郎君         自 治 大 臣 篠田 弘作君         国 務 大 臣 川島正次郎君         国 務 大 臣 志賀健次郎君  出席政府委員         内閣法制局長官 林  修三君         内閣法制局第四         部長      関  道雄君         法務大臣官房司         法法制調査部長 津田  實君         郵政省簡易保険         局長      田中 鎭雄君      ————◇—————

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