本会議 第29号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/06/04
会議録
○副議長(原健三郎君) これより会議を開きます。 ————◇————— 日程第一 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出) (前会の続) ○副議長(原健三郎君)日程第一、農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、前会の議事を継続いたします。 山田長司君の討論を許します。山田長司君。 〔山田長司君登壇〕
○山田長司君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました農業災害補償法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手) 農業災害補償制度は昭和二十二年十二月に発足して以来今日まで、不慮の災害から農民を守る制度といたしまして、とにもかくにも農業経営の安定に寄与してきたのであります。最近における農業技術の進歩、生産基盤の整備等によって農業災害の発生する態様も著しく変化をしてきたのでありますが、そればかりでなしに、農業も多種多様になってまいりまして、都市周辺におきますところの蔬菜をはじめ果樹、畜産、酪農等に至るまで、かなりの大きな変化が起こってきているわけであります。これらの関係から、この制度につきまして、市町村の段階では共済だといい、都道府県、国の段階におきましてはこの制度に対して保険だという。こんなことで、農村の実情に即応しない面が多々ありますので、農業の共済組合に対しまする解散決議をするとか、あるいはまた事業停止の運動が激発すること等が起こってきているわけであります。 かくて各方面から、本制度を農業近代化に即応して抜本的に改正すべきだという要請が高まり、政府は、昭和三十五年四月、農林省に衆参両院議員を含む四十四名の委員からなる農業災害補償制度協議会を設置したのであります。そして協議会は、制度改正について鋭意検討の末、三十五年十月、それぞれ立場の異なる右委員が小異を捨てて大同をとるという立場に立って意見の調整をはかり、制度の改正に対する答申を行なったのであります。わが党は協議会の答申については必ずしも満足ではなかったのでありますが、現段階において制度の数歩前進であるといたしまして、その答申の線で制度がすみやかに改正されることを要望いたしたのであります。しかるところ、その後与党の内部にこれを画策する者がありまして、三十八国会に政府から提出された改正案は、協議会の答申を全く無視いたしまして、現行制度よりもはるかに後退した内容となってしまったのであります。 大体多数を持つ保守党というものがいかに横暴なものであるかということは、この法律を一つ検討しても私はわかるんじゃないかと思うのであります。衆議院の決議というものは何年たつと大体特効になるのかわからないが、とにかくきめられた以上は政治的に重大な意義のあるものとして、当然尊重されなければならないものであります。すなわち、農業災害補償制度に関する決議として、昭和二十二年十一月に決議されたその内容の中には、政府は農業共済団体の所要経費の全額を負担することと書かれているほかに、数項目にわたりまして決議が与野党一致でなされ、災害の救済に関して遺憾なきを期すると規定してあるのであります。それからすでに十六年たった今日に至りましても、決議は日の目を見ないで、この決議はそのままにして、いま改正がなされようとしているわけは、一体どういうわけなのか。当時の決議者の中に、いまを時めく議運の委員長である佐々木秀世氏も入っておる。さらにまた、農民の生活に理解のあるといわれる山村新治郎氏も、さらにまた、もとの議長であった益谷秀次氏もその決議の中に名前を連ねているということは、まことに皮肉な現象じゃないかと私は思うのであります。(拍手) そればかりでなしに、政府・自民党は、みずからつくった協議会に代表の委員を送りながら、さらにその答申を一方的に無視するという方途をとったことは、公党としての信義に反する行為であり、われわれは断じてこれを許すことができないのであります。(拍手)また、こうした不信行為に対し、世論の反撃を受けたことは当然であり、同案はついに審査未了のうき目を受けることとなったのであります。それにもかかわらず、政府は次の三十九国会に同一内容の改正案を再提出したのでありますが、これも第四十国会に継続されて、衆議院においてはわが党が反対をしたにもかかわらず、強引に通過をさせ、参議院において自民党の内部の反対があって、再び審査未了になったという大醜態を演じたのは、まだわれわれの記憶に新たなところであります。 しかるに、政府は、今国会におくめんもなく、さきの衆議院における修正後の案を基礎といたしまして改正案を提出したのであります。もとよりわが党は、本制度を廃止するとか、あるいは瓦解させようというような意図ではなく、制度を、心から農民の喜ぶ、歓迎されるようなものにしようという以外の何ものでもないのであります。 わが党は、以上の見地に立って、本案につきましては、真に全国農民の負託にこたえるために、慎重審査を行なうべしとの方針を固め、農林水産委員会の審査にあたりましては、参考人から意見の聴取及び現地調査を行なうなど、真摯かつ慎重なる審査を進め、政府案の問題点の解明につとめたのでありますが、結論として、今回の改正措置をもってしては、とうてい農民の期待にこたえることができないという結論に到達し、この際大幅に修正を加えるとともに、運用等については、政府に対して附帯決議をもって注文をつけるべしとし、与党の諸君に対し協議をいたしたのであります。 ここに、修正事項及び附帯決議事項を申し上げます。 まず、修正事項としては、 第一に、共済事業の一部廃止についてであります。 一、農業共済組合等は、共済目的ごとにその共済目的について現に共済関係が成立している組合員の三分の二以上の同意がある場合には、その共済事業を廃止することができるものとすること。 二、組合等は、共済事業を廃止した場合において、その共済目的である農作物を一定規模以上耕作している農業者の三分の二以上の同意により、その共済目的について、新たに共済事業を実施することができるものとすること。 第二に、組合等の共済責任の拡大についてであります。 一、組合等は、共済責任のうち通常標準被害率に対応する部分は、原則として手持ち責任とし、事情により三割の範囲内で都道府県連合会に付保することができるものとすること。 二、組合等は、その支払い不足額につき、農業共済基金より融資または債務保証等を受けることができるものとすること。 第三に、農家負担の軽減についてであります。 一、改正により農家の掛け金負担が現在より増加することのないようにするため、農家の掛け金負担増に見合う金額を必ず国が補てんしなければならないようにすること。 二、農家の組合等に対する賦課金の重圧を除くため、組合等の事務費及び人件費等に要する経費の実額についてその全額を国が負担すること。 第四に、無事戻し制の強化についてであります。 組合等は、無事戻しに充てるため、一定の準備金の積み立てをしなければならないものとすること。 第五に、職員の待遇改善等についてであります。 一、職員の待遇については、地方公務員ベースに引き上げるよう措置すること。 二、組合に参事及び会計主任を置くことができるものとすること。 次に、附帯決議事項についてでありますが、これは農林委員会の会議録をごらん願いたいと思うのであります。 以上が、本案を成立させるにあたって、わが党がとるべしとした方針であります。 何ゆえにわれわれが改正案を強く主張したのかと申し上げますならば、それはとりもなおさず、政府・自民党が鳴りもの入りで、これが日本農業を救う道であると宣伝した農業基本法は、ヤマブキの花のようなものであって、実は実のない条文であって、いまやあらしの自由化を前にいたしまして、日本農業はすでに右往左往しているのであります。いわゆる米や麦に依存しておった日本の農業から、野菜、果樹、畜産、酪農の新しい農業に進めと政府が奨励はしても、農民を災害の不安や流通過程の不安から取り除こうとしないのでは、農民の不安は拡大するばかりであります。 農業共済に対する国庫負担は、三十六年に三億七千六百万円、三十七年に四億三千六百三十万円、三十八年に四億九千三百三十万円。一方農家は掛け金のほかに、三十六年に賦課金を四億六十万円、三十七年も三十八年も大体同じであります。掛け金と賦課金が、全国農家二戸平均当たり、三十五年の掛け金が七百八十三円、賦課金が八百十五円、計千五百九十八円、三十六年の掛け金が八百六十五円、賦課金が八百二十六円、計千六百九十一円であって、これでは掛け金のほかに別の掛け金をとられているというような状態が今日の姿ではないかと思うのであります。よく考えてもらいたいのであります。最近よく落ちる戦闘機、すなわちジェット機四、五機分の経費があるならば、四十億余の経費が浮くことになり、この四十億が農災のために使われるとするならば、農民の負担は軽くなり、そうすればほんとうに安心して農業に農民は精力を注入することができるのであります。(拍手) 真に農民の立場に立って制度改正に取り組もうとする意欲に欠けている与党の諸君は、われわれの要請を受け入れるような誠意は毛頭見受けられず、圧力団体から圧力でもかけられているかのごとく、今度は、内容のいかんを問わずただ法案の早期成立のみを主張されたのでありまして、このことは真に農民のためになる抜本的な改正を希望するわれわれの主張と相いれざるところであります。(拍手)また、制度改正に対する全国農民の長年の期待に反することであります。 われわれは、この程度の改正措置では、農民の不満はなお空くすぶり続けて、近い将来において、制度は根本的からくつがえされるであろうことを深く憂慮するものであります。そのような事態が生じた場合、その責任はすべて制度改正に対する無責任きわまる態度をとり続けてきた政府・自民党にあると断ぜざるを得ないのであります。しかして、必ずこのような事態が招来するであろうことを私ははっきり予言いたしまして、政府案に対する反対の討論を終わる次第であります。(拍手)
○副議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手) ————◇————— 日程 昭和三十七年度 第二 般会計予備費使用 総調書(その一) 昭和三十七年度特 別会計予備費使用 総調書(その一) 昭和三十七年度特 別会計予算総則第 (承諾を 十二条に基づく使 求める 用総調書(その一)の件)
○副議長(原健三郎君) 日程第二、昭和三十七年度一般会計予備費使用総調書(その一)外二件(承諾を求めるの件)、右三件を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。決算委員長津雲國利君。 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ————————————— 〔津雲國利君登壇〕
○津雲國利君 ただいま議題となりました昭和三十七年度一般会計予備費使用総調書(その一)外二件の事後承諾を求めるの件について、決算委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。 今回の予備費は昭和三十七年五月から十二月までの間に使用を決定した分であります。 各件はいずれも本年二月十五日本委員会に付託せられ、五月十四日大蔵省当局より説明を聴取した後、審議に入り、去る五月三十日質疑を終了いたしました。 その詳細は、会議録によって御承知願うことにいたしたいと思いますが、ただ、本委員会において論議が行なわれました交通警察官増員に必要なる経費の予備費支出に関しましては、政府からは、今回の措置は緊急やむを得ずとった措置であって、今後はこれを前例としない旨の答弁がありましたので、特に申し添えておく次第であります。 同日、採決の結果、全会一致をもって承諾を与うべきものと議決いたしました。 以上、御報告申し上げます(拍手)。
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。 三件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、三件とも委員長報告のとおり承諾を与えるに決しました。 ————◇————— 日程第三 国家公務員法の一部を改正する法律案(内閣委員長提出) 日程第四 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○副議長(原健三郎君) 日程第三は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。 日程第三、国家公務員法の一部を改正する法律案、日程第四、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 ————————————— 国家公務員法の一部を改正する法律案 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号(その二)に掲載〕
○副議長(原健三郎君) 委員長の趣旨弁明及び報告を求めます。内閣委員長永山忠則君。 ————————————— 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ————————————— 〔永山忠則君登壇〕
○永山忠則君 ただいま議題となりました二法案のうち、まず、国家公務員法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会を代表いたしまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。 申し上げるまでもなく、国家公務員法は、第百三条におきまして、特に私企業からの隔離の条項を設けまして、官職一般の公正性を確保すべく国家公務員は、離職後二カ年間は、その離職前五年間に在職していた国の機関と密接な関係にあった営利企業の地位につくことは、特に人事院の承認があった場合のほか禁止されているのでございます。 しかるに、近時の状態を見ますと、高級公務員であって、その在職中に密接な関係があったと思わざるを得ないような営利企業に天下り的に就職する者が増加して、この第百三条の条項が設けられている根本精神が軽視されている傾向にありますことは、まことに遺憾に存じておることでございます。 かかる状況にかんがみまして、本法案は、営利企業への就職を制限している規定の運用の適正化に資するため、国家公務員法に所要の改正をなさんとするものでございます。 その内容の要旨は、第百三条の条項に「人事院は、前年中に就職を承認したものについて、その承認の理由等を、毎年遅滞なく国会及び内閣に対し報告しなければならない」とする旨の一項を加えまして、人事院に報告の義務を課そうとするものでございます。 本案は、五月三十日、内閣委員会におきまして検討の結果、全会一致をもって成案を得たものでございます。何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案は、公正取引委員会委員長の俸給月額を四万円増額しまして、十八万円に改め、本年四月一日から実施しようとするものでございます。 本案は、三月二十八日本委員会に付託され、三月二十九日政府より提案理由の説明を聴取いたしまして、五月三十日、質疑を終了し、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定した次第でございます。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(原健三郎君) これより採決に入ります。 まず、日程第三につき採決いたします。本案を可決するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。 次に、日程第四につき採決いたします。 本案は、委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第五 日本放送協会昭和三十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書
○副議長(原健三郎君) 日程第五、日本放送協会昭和三十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題といたします。 ————————————— 日本放送協会昭和三十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書 〔本号(その二)に掲載〕 —————————————
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。逓信委員長本名武君。 ————————————— 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ————————————— 〔本名武君登壇〕
○本名武君 ただいま議題となりました日本放送協会昭和三十六年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書に関し、逓信委員会における審査の経過と結果とを御報告いたします。 この日本放送協会決算書類の要点を申し上げますと、昭和三十六年度末現在における協会の資本総額は、百七十四億九千六百八十二万余円、これに照応する資産は三百七十一億三千八百三十九万余円、負債は百九十六億四千百五十六万余円であり、また損益では、事業収入四百八億六千四百一万余円、事業支出三百五十六億九千九百六十六万余円でありまして、差し引き当期剰余金は五十一億六千四百三十四万余円となっております。 なお、本件には、会計検査院においては、記述すべき意見はない旨の検査結果が添付されております。 本件は、去る二月八日国会に提出、逓信委員会に付託されたのでありますが、委員会においては、五月三十日の会議において、政府並びにNHK当局に対して質疑を行なった後、討論を省略して採決の結果、全会一致をもって本議案については異議がないと議決すべきものと決した次第であります。 これをもって報告を終わります。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。 本件の委員長の報告は異議がないと決したものであります。本件は委員長の報告のとおり決するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり決しました。 日程第六 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出、院送付)
○副議長(原健三郎君) 日程第六、地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。 ————————————— 地方自治法の一部を改正する法律案 〔本号(その二)に掲載〕
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長永田亮一君。 ————————————— 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ————————————— 〔永田亮一君登壇〕
○永田亮一君 ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 改正案の内容を簡潔に申し上げますと、第一に、財務会計制度の改正に伴い、地方公共団体の議会の議決事項、長の担任する事務、出納長及び収入役の職務権限の整備をはかるとともに、監査委員を市町村に必置する等、監査委員制度の強化をはかること、第二に、地方財務に関しては、予算、収入、支出、決算、契約、現金及び有価証券、時効並びに財産等の制度につき、おおむね国の制度に準じてその整備をはかるとともに住民監査請求及び職員の賠償責任の明確化、合理化をはかること、第三に、営造物を「公の施設」に改め、その設置、管理及び廃止に関する規定を整備すること、第四に、地方公共団体は、最近における地域開発の進展に伴い、新産業都市に指定される区域をはじめ、一定の地域の総合的な開発計画に基づく諸事業を総合的かつ能率的に実施するため、他の地方公共団体と共同して、これらの事業の実施を委託すべき特別地方公共団体としての地方開発事業団を設置すること、第五に、地方公共団体の長及び議会の議長の連合組織に関する規定を設けるとともに、次期国勢調査までの間、町村を市とする処分の要件としての人口の特例を設けること等であります。 本案は、参議院先議のため当委員会に予備付託され、五月二十二日本付託となり、翌二十三日篠田自治大臣より提案理由の説明を聞き、自来熱心に審査を続けてまいりましたが、その詳細は会議録によって御承知いただきたいと存じます。 五月三十一日、質疑を終了し、討論を省略して採決いたしましたところ、全会一致をもって政府原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本案に対して、自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党共同提案により、分担金徴収条例の制定、改正にあたっては、公聴会制度を活用すること、地方開発事業団の新設に伴い、現存する地方公社の性格に再検討を加え、適当なものについては事業団に吸収すること、及び地方開発事業団の職員の身分取り扱いにつき、十分の配意を加えること等につき、政府は適切な指導を講ずべきであるとする旨の附帯決議案が提出されたのでありますが、これまた全会一致をもって附帯決議を付することに決定いたしました。 以上、御報告を申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————————————— 日程第七 輸出硫安売掛金経理臨 時措置法案(内閣提出)
○副議長(原健三郎君) 日程第七、輸出硫安売掛金経理臨時措置法案を議題といたします。 ————————————— 輸出硫安売掛金経理臨時措置法案 〔本号(その二)に掲載〕 —————————————
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。商工委員長逢澤寛君。 ————————————— 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ————————————— 〔逢澤寛君登壇〕
○逢澤寛君 ただいま議題となりました輸出硫安売掛金経理臨時措置法案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 硫安につきましては、昭和二十九年以来、肥料二法によって国内価格の公定を行なうとともに、これと輸出価格との差額、いわゆる輸出赤字は、運用上、硫安生産業者の日本硫安輸出株式会社に対する売り掛け金として処理してまいったのでありまするが、国際競争の激化に伴い、輸出赤字は年々累増し、昨年末において二百十五億円の巨額に達しております。 この問題の解決を進めるため、政府においては、硫安工業の合理化と体質改善について財政措置を講ずるとともに、過去の輸出売り掛け金につきましては、これを硫安生産業者に償却させる方針を決定したのであります。しかし、この場合、一期に償却させることにいたしますると、硫安生産業者の経営上過大な負担となり、その再建に支障を生ずるおそれがありますので、特に繰り延べ償却の特例を認めようとする趣旨をもって本案が提出されたのであります。 次に、本案の内容を申し上げます。 第一に、日本硫安輸出株式会社に対して輸出硫安売り掛け金を有する生産業者は、売り掛け金のうちの取り立て不能見込み額については、輸出硫安繰り延べ損失という名称を用いて、これを貸借対照表の資産の部に計上し、十年以内に繰り延べ償却することができることであります。 第二に、繰り延べ償却をする者が行なう配当について適正な限度を規定することであります。 第三に、本法は施行の日から十年以内に廃止することであります。 本案は、三月二十七日当委員会に付託され、五月七日提案理由の説明を聴取し、二十一日より質疑に入り、三十一日に至って、質疑を終了いたしましたので、引き続き採決に付しましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決しました。 なお、本案に対し、第一に、肥料の輸出赤字の国内転嫁により現行国内肥料価格を上昇させないこと、第二に、ア系肥料の輸出振興についてさらに横板的な対策を講ずること、第三に、今後の肥料政策は肥料全般にわたるものとし、特にその合理化計画を明確にすること、以上を基調としてすみやかに総合的肥料政策を確立するよう配慮すべき皆の附帯決議を付した次第であります。 以上、御報告を終わります。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第八 港域法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送 付) 日程第九 殊湾整備促進法の一部を改正する法律案(内剛提出、参議院送付)
○副議長(原健三郎君) 日程第八、港域法の一部を改正する法律案、日程第九、港湾整備促進法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 ————————————— 港域法の一部を改正する法律案港湾整備促進法の一部を改正する法律案 〔本号(その二)に掲載〕 —————————————
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。運輸委員会理事細田吉藏君。 ————————————— 〔報告書は本号(その二)に掲載〕 ————————————— 〔細田吉藏君登壇〕
○細田吉藏君 ただいま議題となりました両法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、港域法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、最近における港湾事情の変化に伴いまして、港の区域の変更をはかるとともに、町村合併等に対応して港の名称を改めようとするものでありまして、改正の第一点は、天売港ほか五港について港域を変更し、また江名港の一部を分離して、中之作港を設けようとするものであります。 〔副議長退席、議長着席〕 第二点は、日立港ほか二港の港名を改めようとするものであります。 本案は、三月七日当委員会に予備付託、同月二十日本付託となり、五月十七日政府より提案理由の説明を聴取し、同月三十一日質疑を行ないましたが、内容は会議録により御承知願います。 かくて、同日、討論を省略し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。 次に、港湾整備促進法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、輸入木材の増大に対応して、港湾における木材の処理を円滑にするために、新たに貯木場の建設、改良または復旧工事を特定港湾整備事業の対象に加えて、貯木場の整備を促進しようとするものであります。 本法案は、二月十六日半委員会に予備付託、三月十一日本付託となり、五月十七日政府より提案理由の説明を聴取し、同月三十一日質疑を行ないましたが、内容は会議録により御承知願います。 かくて、同日、自由民主党細田吉藏委員より自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して、施行期日を「公布の日」に改めようとする修正動議が提出され、討論を省略して採決の結果、本法案は全会一致をもって修正議決すべきものと決しました。 右、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 両案を一括して採決いたします。 両案中、日程第八の委員長の報告は可決、日程第九の委員長の報告は修正であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告のとおり決しました。 ————◇————— 日本電信電話公社経営委員会委員任命につき同意を求めるの件 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を求めるの件
○議長(清瀬一郎君) おはかりいたします。 内閣から、日本電信電話公社経営委員会委員に芦原義重君、高田元三郎君を、また、中央社会保険医療協議会委員に有澤廣巳君、磯部喜一君、寺尾琢磨君、三好重夫君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。 ————◇————— 日、米、加漁業交渉に関する緊急質問(角屋堅次郎君提出)
○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 この際、角屋堅次郎君提出、 日、米、加漁業交渉に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 藤野一郎平君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 日、米、加漁業交渉に関する緊急質問、これを許可いたします。角屋堅次郎君。 〔角屋堅次郎君登壇〕
○角屋堅次郎君 私は、日本社会党を代表し、今月六日よりワシントンにおいて行なわれる日米加漁業交渉に関連し、池田総理はじめ関係大臣に対し、率直に政府の御所信を承りたいと存じます。(拍手) まず第一は、国際漁業に対する政府の基本方針についてであります。 わが国は四面海に囲まれ、古くより水産日本として発展してまいりました。単に漁業生産量だけについて見れば、戦前最盛期において年間四百三十万トンを示し、第二次世界大戦直後は百八十二万四千トンまで激減いたしましたが、その後昭和二十七年、戦前の最高水準を突破し、一九六一年のFAOの年報によれば、鯨を除いた世界の総漁獲量四千百十六万トンのうち、日本の生産量は六百七十一万トンで世界第一位、次いで中国、ソ連、アメリカがこれに続いているのであります。しかしながら、世界第一位の漁獲高を誇る水産日本も、日本漁業の内部構造を分析すれば、沿岸、沖合い、遠洋漁業とも、幾多改革すべき問題を持っており、また、国際漁業をめぐる日本の経済外交面でも必ずしも十分の成果を見ていないのはまことに遺憾であります。日米加漁業条約では自発的抑止の原則の重荷を背負い、日ソ漁業条約では例年の漁業交渉に神経を使い、日韓問題では李ライン海域における公海操業の不当な制約を受けるなど、日本漁業をめぐる国際的な環境は、従来からもイバラの道であったし、今後とも多くの難関が横たわっていると存ずるのであります。私は、わが国が名実ともに水産日本として正しく発展するためには、国際漁業法の動向を洞察し、不平等条約の是正に努力する反面、わが国漁業の国際的信頼を高め、海洋資源の総合的な調査と研究の分野で国際漁業の発展に積極的な貢献をする等、新しい感覚と姿勢で国際漁業に対処すべき段階がきておると確信するのでありますが、この際池田総理より、幾多難問題をかかえている国際漁業にいかなる基本方針で臨まれる御所信であるか、確信のある御答弁をいただきたいと思うのであります。 なお、本問題に関連して、関係大臣より国際漁業関係当面の問題として、次の諸点について簡潔にお答え願います。 一、大陸だな宣誓に対するわが国の態度、二、調印間近い貝殻島におけるコンブの安全操業についての政府の見解と今後の方針、三、日韓漁業交渉の見通し、四、本年二月の平塚団長の訪中により進展を期待される日中漁業協定についての政府の方針。 第二は、本論に入りまして、日米加漁業交渉に臨む政府の基本方針と具体策について率直にお伺いいたします。 現行条約たる北太平洋の公海漁業に関する国際条約は、サンフランシスコ平和条約第九条に基づき、いまだ連合国の占領時代に、東京で昭和二十六年十一月五日から十二月十四日まで三国漁業会議が開催され、翌年五月九日調印、昭和二十八年六月十二日より発効した世界でもまれな不平等条約であります。この条約についていかにアメリカがその正当性を主張しようとも、そのねらいが北太平洋の公海漁業、特にサケ・マス漁業に対する日本漁業の締め出しにあったことは、おおうべくもない事実であります。しかも、それはいわばアメリカの伝統的政策ともいうべきであって、古くは明治三十七年に日本の漁船がアラスカ沖でサケ・マスをとったことに端を発し、その後も紛争が絶えず、特に昭和十一、十二年にわたるブリストル湾におけるサケ・マスの試験操業がいたくアメリカを刺激し、日本の敗戦を契機に、トルーマン大統領は、昭和二十年九月いわゆるトルーマン宣言といわれる沖合い漁業の保護に関する宣言を発したのであります。そして講和条約取りきめの過程で、日本政府は、昭和二十六年二月吉田・ダレス書簡の形で、「日本政府は昭和十五年に操業していなかった漁場では、自発的措置としてかつ日本の有する国際的権利の放棄を意味することなしに、漁業の操業を禁止する」旨約束させられたのであります。私は、そこに何ら日米対等、相互協力の精神を見出すことができず、歴史的に勝者の前に屈した敗者の姿を想起するのであります。(拍手)かくて現行条約が不平等で屈辱的な内容となったことは、けだし当然の推移でありました。さればこそ、この条約が昭和二十七年の第十三回国会で審議されるや、賛成は政府与党たる自由党のみで、当時の改進、社会、労農、共産の各党はこぞってこれに反対し、十一年前の六月十七日本議場において野党の反対討論が次々に行なわれたのであります。私は当時の先輩諸君の烱眼と信念に深く敬意を表するとともに、来たる十一日期間満了を控える現行条約の取り扱いに誤りなきを期さなければならないと信ずるものであります。 現行条約も、十年前と今日では、条約内容の基本的な考え方についての国際的及び国内的評価、条約に基づく漁業資源に関する科学的調査研究の進展、及びその後における日ソ漁業条約の締結等、本条約をめぐる内外の情勢及び環境は著しく変貌しております。したがって、今回の日米加漁業交渉に臨む政府の態度は、歴史的にも国際的にも十分国民の期待と信頼にこたえるため、不退転の決意をもって当たられる御所信であろうと存じますが、この際池田総理より日米加漁業交渉に対する基本方針について明快な答弁を、国会を通じて国民の前に明らかにされたいのであります。特に次の諸点について、池田総理並びに関係大臣の御所信を率直にお聞かせ願いたいと存じます。 まず第一は、条約締結の方式についてであります。 われわれはっとに、現行条約は期間満了を契機にこれを廃棄して、新条約を締結すべきであると主張しておるのでありますが、政府はこの点についていかなる条約締結の方式を考えておられるか、その御見解を承りたいのであります。伝えられるところによりますと、先月三十日午前、院内で政府の基本方針を協議の結果、わが国の廃棄通告をとり得る権限を留保しつつ、自発的抑止の原則を撤廃したいとの強硬態度を決定されたと承っておりますが、この際端的にこれらの点についてお答え願いたいのであります。 第二点は、自発的抑止原則の撤廃についてであります。 現行条約の最大難点は、資源保存のためとうたいながら、本質的に資源保存に何の関連性もない日本漁業を締め出すだけの効果をねらっている自発的抑止の原則の上に組み立てられていることであります。しかも、この原則は、さきの国際海洋法会議において、アメリカの必死の努力にもかかわらず、日本、イギリス、フランス、ノルウェー、スウェーデン、ソ連等各国の批判の前に否決のうき目を見たのであって、海洋国際法の一般原則から除外されていることをこの際銘記しなければなりません。実際上これがあるばかりに、日本は韓国との交渉はもちろんのこと、ソ連等との交渉でも著しく苦しい立場に立たされてきたことを思うのであります。昭和二十六、七年当時ならば、まだ連合国の占領下という条件で、若干国際的にも同情があったといたしましても、今回の場合は独立国として十分自主性を持った交渉が可能であり、最終的には条約廃棄の方法も正式に認められているのであります。政府は、自発的抑止の原則の撤廃に関する限り、断じて妥協はあり得ないと明言ができるか、率直な御答弁を承りたいのであります。(拍手) 第三点は、自発的抑止の原則にかわる新しい資源保護の規制措置の考え方についてであります。 われわれは、アメリカのケネディ大統領がすでに自発的抑止の原則の存続を言明していることから見て、交渉は相当難航し、長期にわたることも予想しております。その際、問題打開の重要なかぎは、自発的抑止の原則にかわる新しい提案が日本側からなされ、米加両国が国際的良識に基づいて承認するかどうかにかかってくるのではないかと判断しているのでありますが、新提案の用意ありとすれば、その構想をこの際明らかにされたいのであります。 第四点は、日米加漁業条約にソ連を含めるのかどうかという点についてであります。 今回の日米加漁業交渉にあたり、一部に、アメリカ側の提案で、ソ連を含めた四カ国条約締結の問題が論議の対象になるのではないかと観測されております。このことは、ここ数年ベーリング海東部海域へ相当ソ連漁業船団が進出し、タラバガニ、オヒョウなどの漁獲を行なっていること、また、北太平洋のサケ・マス研究のため、米ソ両国間の生物学者の交換が三十五年から開始されていることを契機として、米国内にも、北太平洋漁業資源保存のため四カ国条約を締結すべしという意見が出されていると聞いているのであります。これについて日本側は反対の意向と伝えられておりますが、この際明確にお答え願いたいのであります。 最後に第五点として、今回の日米加漁業交渉に臨む日本側代表団の構成と権限についてお伺いいたします。 今回の日米加漁業交渉は、日本側にとっては、事実上新条約の締結を目ざして、自発的抑止の原則を撤廃するというきわめて困難にして難航を予想される重大な会議であります。したがって、今回の代表団は、重政農林大臣もしくは大平外務大臣を首席代表として構成されるであろうと私自身予想していたのでありますが、何ゆえに国務大臣を充当されなかったのであるか。米加両国の伝えられる代表団構成から見て、伊東農林次官以下の政府代表では、ある意味であまりにも重任ではないかとの危惧を持つのであります。政府は、今回の日本側代表団に交渉妥結までの一切の権限と裁量を与えておられるのであるか、それとも交渉の経過いかんによって国務大臣の派遣による政治折衝を行なう等、日本の主張を最大限貫くために最善を尽くされる御決意であるか、特にこの点、池田総理より明快に御答弁願いたいのであります。 以上、私は、日本漁業の発展を願う真摯な気持ちから、特に国際漁業の新しいあり方をただし、日米加漁業条約についても歴史的な批判を加えつつ、建設的な立場から国民の問わんとする要点をお尋ねいたしたつもりであります。 条約は常に歴史的にも国際的にも批判の矢面に立たされるものであります。時まさに貝殻島におけるコンブの安全操業は、難航の末、十八年ぶりに零細漁民の悲願が達成されんとしております。こいねがわくは、日米加漁業交渉においても十年ぶりに不平等条約是正の宿願が達成されるよう、政府の粘り強い努力を強く要請いたしまして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。 角屋さんのお話のとおり、漁業問題は最近国際間の重要な問題としてクローズ・アップしたのであります。ことにわが国は、世界各地の漁場で世界一の漁獲をあげておりまする関係上、この問題はわれわれにとって最も重要な問題でございます。したがいまして、御質問の国際漁業に関する基本方針につきましては、私はここではっきり申し上げまするが、海洋自由の原則を前提といたしまして、公海における資源の確保が必要であります場合におきましては、関係国といわゆる科学的基礎に基づき平等の立場を守りつつ協議していきたい、こういうのが基本方針でございます。(拍手) したがいまして、いまお話の北太平洋における問題につきましても、十年前のそれとは異なりまして、私は、結論から申しますれば、いわゆる抑止方式は廃止する方針のもとに交渉に当たるつもりでございます。(拍手)すなわち、資源の確保と同時にわれわれの漁業の合理的発展をはかるために、海洋自由の原則にのっとり、平等の立場で話し合いを進めていく、その方針を堅持してまいりたいと思います。 しこうして、代表団の構成につきましての御議論がございまするが、私は、農林次官のような非常な専門家を出しまして、そしてこの問題はこの前の日加閣僚会議でも話をしております。いまの代表団でけっこうだと思います。もちろん政府間の協定でございまするから政府の代表を出しましたが、事具体的の問題あるいは専門の問題もございますので、漁業会社の社長を顧問として出しておるのであります。 なお、お話のうちにありました日米加のこの漁業問題に、ソ連を入れて四国の交渉ということは、私はとらぬほうがわが国のためにいいと考えております。 他の問題につきましては、関係大臣よりお答えさせます。(拍手) 〔国務大臣大平正芳君登壇〕
○国務大臣(大平正芳君) 総理から基本的な問題の御答弁がございましたので、残余の問題につきましてお答えいたします。 大陸だな宣言の問題は、動植物、鉱物等に主権を行使する問題でございまして、各般の角度から検討すべき問題だと思いますので、ただいままで日本政府として態度はきめておりませんが、しかし、一応海洋自由の原則から見まして、われわれはこういう宣言には消極的な態度で終始してまいったわけでございます。なお今後検討を要する問題と心得ております。 それから、 コンブの安全操業の協定——民間協定でございまするが、おかげさまで先方の委員会と当方の水産会の間におきましてあらかた話がつきまして、ただ操業船の隻数の問題だけがいま残っておるわけでございますが、近くこの問題も解決できると考えております。 それから日韓の漁業問題でございまするが、これはたびたび申し上げておりますように、先方からの御提案をいま待っておるわけでございます。先方では、いろいろ日本に提案すべき協定案につきまして詮議が進んでおるようでございますので、それを待っておる段階でございます。 それから日中漁業協定の問題は、御案内のように、平塚氏が参りまして、一応の話ができておるように承知いたしておりますので、これが円満に解決するように政府としても希望いたしております。 それから、今度の日米加漁業条約の方式でございますが、私どもとしてはこの条約を改定するという方向で処置してまいりたいと考えております。(拍手) 〔国務大臣重政誠之君登壇〕
○国務大臣(重政誠之君) 総理大臣、外務大臣からそれぞれ御答弁がございましたので、これにつけ加えるものは何ものもないわけであります。ただ日米加漁業条約の改定の問題に関しましては、総理大臣の御答弁にもございましたとおりに、抑止原則を廃止するという原則に立ちまして交渉を進めることと相なっておるわけであります。その形式がどうだとか、いろいろその内容についての御意見もあったようでありますが、何ぶんこれは交渉中のことでございますから、その詳細につきましてはしばらく御遠慮さしていただきたいと思うのであります。 それから、これは私に対する御質問ではなかったのでありますが、私なり外務大臣が代表団になぜ加わらなかったかということにつきましては、総理から御答弁がございましたが、重要法案をたくさんかかえておる私といたしましては、なかなかそういうわけにもまいりません。農林次官は非常な専門家でありますから、これが首席代表として参りますれば、十分に交渉はできると思うのであります。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 以上で緊急質問並びにこれに対する答弁を終わりました。 ————◇————— 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(清瀬一郎君) 議院運営委員会の決定によりまして、内閣提出、郵便貯金法の一部を改正する法律案の趣旨の説明を求めます。郵政大臣小沢久太郎君。 〔国務大臣小沢久太郎君登壇〕
○国務大臣(小沢久太郎君) 郵便貯金法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 この法律案は、郵便貯金の利率を政令で定めるように改めること等をおもな内容とするものであります。 以下、その改正の要点について御説明申し上げます。 第一点は、金利政策の弾力的な運用に支障を来たさないようにするとともに、適時適切に一般金融情勢に相応することができるようにするため、現在法律で定められている郵便貯金の利率を政令で定めるように改めようとするものであります。この政令委任にあたりましては、国民大衆の零細な貯蓄手段である郵便貯金の預金者の利益の保護に遺憾のないようにするため、利率の決定または変更の場合には預金者の利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払う旨の原則を法律に明記するとともに、郵政大臣は利率に関する政令の制定または改正の立案にあたっては、郵政審議会に諮問しなければならないこととしようとするものであります。 第二点は、団体取り扱いをする郵便貯金は、現在は法律で通常郵便貯金に限定されているのでありますが、目的貯金等をする団体が増加している現状にかんがみまして、利用の実情に適合させるため、団体取り扱いをする郵便貯金の種類等について省令で定めるように改めまして、利用者の利便をはかろうとするものであります。 第三点は、貯金総額の制限規定の適用を受けない法人その他の団体は、現在は法律に個別に列挙されているのでありますが、この列挙されたもののほかに、各種の公団、事業団等、貯金総額の制限規定を適用する必要がないと認められる法人が多数ありますので、これらの法人その他の団体につきましては個別に列挙しないで、包括的に規定するように改めようとするものであります。 以上、郵便貯金法の一部を改正する法律案の趣旨につきまして御説明申し上げた次第であります。(拍手) ————◇————— 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(清瀬一郎君) ただいまの趣旨の説明に対しまして、質疑の通告がありますから、順次これを許します。大高康君 〔大高康君登壇〕
○大高康君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました郵便貯金法の一部を改正する法律案に関し、若干の質疑を行なわんとするものであります。(拍手) わが国経済は、まさに驚異的な成長発展を遂げて今日に至っておりますけれども、その体質はいまだ十分ではないと存じております。日本経済の安定発展を期するためには、適時適切な調節作用のきわめて必要であることは申すまでもありません。しかし、現在の経済体制下、金融政策はその最も有効な調節手段であり、金利政策はその金融政策の核心をなすものであることは、日本経済の実態に多少とも知識を有する者はひとしくこれを認めるところであります。 今回、政府が金利政策の弾力的運用をはかるために、その主要な一環である郵便貯金の利率を、現在法律事項であるのを政令によってきめ得るよう本改正案を提案した趣旨は十分了とするにやぶさかではありません。(拍手)しかしながら、今日郵便貯金ほど零細、広範な大衆に利用される真の庶民貯蓄はないと思うのであります。広く国民大衆に親しまれ、老若を問わず、小学生から家庭の主婦に至るまで、国民各層のすべてが利用する、まさに大衆貯蓄の名そのものでありまして、その貯蓄のほとんどが、日々の汗の結晶の中より血のにじむような思いをもって営々としてたくわえ来たったものであります。郵便貯金必ずしも一般金融機関預金に比して有利だということはできません。しかし、平生親しみ来たった郵便局なるがゆえに、そしてまた、国家は自分たちにいかなることがあっても不利を来たさないであろうとの信頼感のもとに集まり来たっておるのであります。現在貯蓄総額が一兆五千億円に達し、資金運用部資金総額約三兆円の五〇%を占めておりまして、日本経済今日の発展に大きく寄与してきた財政投融資原資の中に、最も重要な役割りを果たしてきておるのであります。今後さらに急速に展開する日本経済の構造変革に伴い、財政投融資の規模はますます拡大さるべく、郵便貯金増強の要請はいよいよ強まってくると思うのであります。 かかる郵便貯金の特質とその国家的経済的使命にかんがみますとき、本法案の趣意は了としながらも、その審議はきわめて慎重を要するものと考えるのでありますが、審議に先立ち、あらかじめ次の諸点につき、政府の見解を明らかにしておきたいと考えるものでございます。 最初にお伺いいたしたいことは、一部の人たちの間に、本改正案は、政府が金利政策の弾力的運用のためとの名目のもとに、金融資本、産業資本の前に零細な郵便貯金預金者の大衆を犠牲に供するものであるという言辞をなす者があることでございます。はたしてそうでございましょうか。この言辞はきわめて大衆の耳に入りやすく、かつ、おそるべき誤解を誘発することばであります。命に次いで大事なとらの子をかかえた預金者大衆の心は、いささかの風説にも不安動揺を来たしやすいものであります。ましてひたすらな国家への信頼がその心を安んぜしめておるのでありまして、私はこの際、池田総理大臣みずからの口より、本改正案がわが国経済の運営にいかなる意義、重要性を持っておるものであるか、御説明を承っておきたいと思うのであります。同時に、郵便貯金預金者大衆の立場の保護に関し、総理自身今後いかなる基本的な考えをもってお臨みになるか、御所信のほどを伺っておきたいと思うのであります。 第二点をいたしまして、本改正案をこの時点において提出される必要性についてであります。 今日、経済の趨勢は調整期を脱し、確実な上昇過程をたどりつつあり、一部にはすでに警戒論を生じて、金利引き下げその他の景気刺激策はこれ以上避くべきであるといわれております。もとより、政府の意図する国際競争力強化のための国際金利へのさや寄せは、一途に金利低下の道をたどるものではなく、経済状態に応じてあるいは引き上げあるいは引き下げて、その調節機能を果たしつつ、漸次低下せしめんとするものでありましょうけれども、現時点においては何ら預金金利変更の事情を見出し得ないと思われるにかかわらず、何ゆえこの改正案を提出されたのであるのか、大蔵大臣、郵政大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。 第三点は、郵便貯金利率の決定を政令にゆだねることになった場合、事実上政府はその独断的な考え方によって改定するにあらずやとの懸念が持たれることであります。 特に国際金利へのさや寄せがわが国経済政策の主命題となっておる現在、この低金利政策に郵便貯金預金者大衆が犠牲とされるにあらずやとの不安を生ずるおそれがあることは前に述べたとおりでありますが、政府は零細性、大衆性を特質とする郵便貯金の利率決定にあたり、かかる不安、懸念を一掃する預金者保護のためのいかなる考慮を払わんとするものであるか。利率決定にあたり、郵政審議会に諮問する制度を設けんとするが、はたしてそれにより郵便貯金利用者の声を十二分に反映し、その立場を擁護できるやいなや、郵政大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。 なお、金利引き下げ決定の場合、期間の定めある既契約預金者の保護については万全の措置をとるよう、強く要望いたしておきます。 第四点といたしましては、現在の郵便貯金の利率は、はたして一般金融機関預金の利率と均衡が保たれているかどうかということであります。 かつては郵便貯金のみ免税の特典に浴しましたが、今日、一般金融機関の預金また厳密に一人一種類に限定しているとはいえ、五十万円以下は利子非課税であることを考えまするとき、かかる利率決定の制度を改めんとするこの際、郵便貯金の持つ特質にかんがみ、あらためて郵便貯金利率と一般金融機関のそれとの均衡を再検討すべきであると考えますが、大蔵大臣、郵政大臣の所見を伺っておきたいと思うのであります。 最後に、今日、郵便貯金は一応政府の予期するごとき増勢をたどっております。これはもとより経済の成長、国民所得の向上に基づくものであることは言うまでもありませんが、ただ単にそれのみによってこの増加が実現しているがごとき安易感を持つことは非常なる誤りであります。郵便貯金は一般金融機関の預金に比して決して魅力あるものではありません。加えて、今日一般銀行のほか信用金庫、信用組合、農協等各般の金融機関が、いかなる辺境の地にも網をめぐらしてきておるのであります。にもかかわらず、大衆が郵便貯金を利用いたしますのは、一つには国への信頼感、郵便局に対する身近な親しみからでもありましょうが、それより以上に、貯金募集に当たる郵便局従事員の頭の下がるような努力の結果でありまして、全く局外者に想像できない涙の出るような、なみなみならぬ努力を払っておるのであります。かかる郵便局従事員の非常な努力と熱意に打たれて預入する者の貯金が、少なからざる部分を占めておると思うのであります。これを理解せずして、郵便貯金は自然に増加するもののように考え、預金者大衆へのより利便の供与を考えることなく、ただ現制度のまま放任するときは、郵便貯金の増勢は鈍化し、ますます増大するところの財政投融資の要請に沿い得ないと考えるものであります。私はこの際、もっと大衆に魅力を感ぜしめる方途を講じて、より積極的に貯蓄の増強に邁進すべきであると考えますが、郵政大臣はこのことに関しましていかなる考えを持ち、また、いかなる構想をお持ちになっておりますか、お伺いをしたいと存ずるのでございます。 以上をもちまして私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。 経済の安定的成長をはかるためには、いろいろな前提また必要条件が要るのであります。いま唱えられておりまする金融の正常化また弾力的運用ということも、その経済の安定成長の前提要件であるのであります。しこうして、一般の預貯金につきましては、法律に基づかずにできておりまするが、郵便貯金につきましては、御存じのとおり法律によることになっておるのであります。戦前はそうではなかったのでございます。しこうして、この弾力的運用、しかも、金融情勢によって適時適切に一般金融界の状況を見ながら変えることが、ただいまの状態として必要であると私は考えて提案いたしたのであります。 もちろん郵便貯金は、お話のとおり、大衆の零細預金でございます。しかも、これが簡易保険等を合わせまして三兆円になんなんとし、わが国戦後の経済の発展の原動力をなしたものは、この郵便貯金、簡易保険のおかげであると言っても過言ではないのであります。(拍手)御承知のとおり、一切一般会計で国債を発行しないわが国の財政が今日までかくも発展したことは、私は郵便貯金、簡易保険の増加があずかって力があると考えるのであります。(拍手)しこうして、過去の例を見ますると、一般銀行預金、一般定期預金と郵便貯金の利ざやを比較して見ますると、昨年下げましたときに三分九厘五毛からいま三分六厘に下がっております。しこうして、一年の定期預金は五分五厘、その差は一分九厘になっております。この一分九厘の差というものは、明治、大正、昭和を通じて相当格差の多い年になっておるのであります。したがいまして、銀行預金の利子を下げるという考えは、いま直ちに持ってはおりません。しかし、今後金融情勢の変化によって銀行預金の利子が下がった場合に、銀行預金と郵便貯金の利ざやをどうするかという問題は、いま国債の発行等々とかみ合わせて考えなければならぬ重要な問題でございます。しかも、私は、この郵便貯金の増加が日本の財政経済の発展に寄与し、零細資金である関係上、今後とも郵便貯金の預金者に対しまする保護は万全を尽くしたいことをここで申し上げてお答えといたします。(拍手) 〔国務大臣田中角榮君登壇〕
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。 私に対する第一点は、利率を政令に委任した理由でありますが、いま総理大臣から申されたとおり、貿易・為替の自由化に対抗しまして国際競争力を強化していきますためには、金利政策を弾力的にかつ機動的に行なわなければならないということは御承知いただけると思います。市中金融機関の預金金利を弾力的に行なうという考え方に立ちますと、この金利政策の中の一環としての郵便貯金の金利につきましても、法定事項から政令に委任をしていただきまして、適時権衡をはかってまいりたい、このような考え方に立つものであります。 第二の問題は、既設の定額郵便貯金、積立郵便貯金等の契約者が、新しく利息が下がった場合、不利益になる場合にどう考えるかということでございますが、当然慎重に検討しなければならない問題でございます。これは将来金利が下がった場合を仮定しての御質問でございますが、既契約者の利益保護という問題に対しては十分尊重して考えてまいりたいと考えます。 第三の問題は、郵便貯金と民間金利との関連について再考する必要がないかということでございますが、これは、本件に対しては一番大きな問題でございます。総理大臣がただいま御答弁になりましたように、戦後の日本の経済復興にいかに郵便貯金が寄与したかということを考え、もう一つ、在来は民間金融機関と郵便貯金との金利の権衡をはかります場合には、郵便貯金は国家が預かっておるから信用度が非常に高いということで、常に民間金融機関の金利よりも一定の額下回っておったのでございますが、新しい立場から考えまして、郵便貯金が非常に零細な大衆の預金であるということと、もう一つは、これが日本の財政経済に大きく寄与しておるということと、三つ目には資金運用部資金として欠くことのできない新しい使命を持っておりますので、在来のように政府の預かっておるものであるから、絶えず民間金利よりも低くあらねばならないというような考え方は持っておりません。新しい視野に立って民間金利との権衡をはかってまいるという考えでございます。(拍手) 〔国務大臣小沢久太郎君登壇〕
○国務大臣(小沢久太郎君) 大高議員の御質問にお答えいたします。 私に対する質問は、まず第一に、現時点において何ら預金金利の変更の事情がないと思われるにかかわらず、なぜこの改正案を提出したかということでございますけれども、これは先ほど総理大臣、大蔵大臣が申し上げましたように、今後金融情勢の変動に応じて適時適切に利率を改定することができるようにするわけでありまして、しかしながら、利率を政令に委任いたしましても、利率の決定には慎重に対処いたしまして、預金者大衆の利益の保護には十分な考慮を払う所存でございます。 第二の御質問は、郵便貯金の利率を政令に委任した場合に、政府は預金者保護のためにいかなる考慮を払わんとするかということでございますが、郵政審議会に諮問することによって預金者の声を反映し、その立場を擁護することができるということでございます。郵便貯金の利率を政令に委任いたしたといたしましても、郵便貯金の利率に変更を加える場合には、郵政審議会に諮問することといたしまして預金者の利益保護に遺憾なきを期しておる次第でございます。なお、この場合に、現在の郵政審議会では必ずしも十分とは申し上げられませんので、預金者の利益を代表する者を加えまして、その声が十分反映できるよう運営していくつもりでございます。 次に第三の御質問は、郵便貯金の利率と一般金融機関の金利との間の不均衡があるのではないかというお話でございましたが、これも総理大臣、大蔵大臣からいろいろお話がございましたが、現在の郵便貯金の利率は、一般金融機関の利率に比べまして、おおむね均衡がとれているものとは存じますけれども、多少均衡を失している点もあるように思われます。この点につきましては、御趣旨の線に沿って今後十分検討してまいる所存であります。 最後の御質問は、郵便貯金を大衆に魅力あるものにして、積極的に貯蓄の増強に資するべきではないかということでございますけれども、郵便貯金の預金者の利便を増進することにつきましては、われわれは、日々配慮をしているところでありまして、制度の面あるいはサービスの改善につきまして、従来から時宜に適した施策を実行してきたものでございますが、なお今後とも、一そう預金者に喜ばれるものとするため、十分検討を重ね努力してまいる所存でございます。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 安宅常彦君。 〔安宅常彦君登壇〕
○安宅常彦君 私は、ただいま趣旨説明のありました郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、日本社会党を代表し、総理並びに関係各大臣に質疑をいたしたいと存じます。(拍手) 私は、まず第一に、預貯金者保護の立場から池田総理にその所信をただしたいのであります。 総理も御承知のとおり、郵便貯金の利子につきましては、昭和二十二年十一月までは、郵便貯金法の中で、命令をもってこれを定める旨の規定があったのでありますが、新しい憲法の制定に伴い、その要請する国民の権利尊重の理念に従って、同年十二月からは、郵便貯金の利子は法律をもって定めることに改正されたのであります。このことによって、戦時中から戦後にかけての、あのインフレによる塗炭の苦しみをなめさせられ、国の預貯金制度に大きな不安を抱いていた国民大衆は、郵便貯金制度に対する信頼と親しみを取り戻してきた、こういうふうに言っても過言ではないのであります。 しかるに、政府は、今回単に金利の調整機能を高めるための金融政策的の理由だけで、郵便貯金の利子規定を政令に移譲することは、現行憲法が基盤とする国民の権利保護の精神を没却するのみならず、民主主義の要請にも逆行し、旧憲法下の軍国ファッショ政治へ逆戻りするものといわざるを得ないのであります。申すまでもなく、郵便貯金は零細な大衆貯蓄でありますが、国民のほとんど全部がこれを利用し、親しんでおるのであります。それだけに、一片の金利調整機能を高めるという政府の一方的な口実でもって預貯金者の権利が踏みにじられてはならないと考えるものでありますが、総理は、その保護のためにいかなる見解を持っておられるのか、明確に御答弁をお願いしたいのであります。 特に、最近数年間におけるあなたの失政からくる消費者物価の高騰は、糸の切れたやっこだこのように手に負えないものがありまして、強く低所得階層の生活を圧迫しているのでありますが、一年間の物価値上がり分の半分ほどの利子をつけておいて、国民の皆さん貯金をしてください、こういうことでは、どうしても理屈が通らないではありませんか。(拍手)その上さらに、国際的な独占金融資本の圧力に屈した池田内閣の失政を国民に目隠ししながら、低金利政策を口実として、国会の議決によらず、政令で安易に利子の引き下げが行なわれるとするならば、国民はあなたをさらに強く恨むでありましょう。池田さんの言うことを聞いていたらたいへんだ、貨幣価値の下がらぬうちに使ったほうが得だ、こういうふうに素朴に考えるでありましょう。小学校における子供貯金の会の学童までが、池田という人は、かねがね聞いていたが、なるほど悪いおじさんだと言いだすに違いありません。貯蓄奨励を口にし、国民の協力を口にしている総理は、こうした国民の不信感をどう見ておられるのか。素朴な国民の声に正しく答える義務があると私は思うのであります。 ことに、本日の各新聞は、物価上昇に預金利子が追いつかないのは高度成長政策が原因であって、貯蓄意欲にブレーキがかかっておる、したがって、低金利政策は修正すべきであるとの見解が、あなた方が味方だと思っている財界筋からも出ていることが報ぜられておるのでありますが、財界はもちろんのこと、全国津々浦々からの人民の怨嗟の声に対して、正しい政治家ならば、もっとおそれなければならないと思うのであります。この事態を直視して、政策を転換する意思があるかどうか、お伺いいたします。 次に、私は、田中大蔵大臣にお伺いいたします。 本改正案の趣旨は、いろいろ提案されておりますが、従来法律事項となっていた郵便貯金の利子規定を政令にゆだね、将来安易に利率の改定が行なえるよう、その道を開こうとするのが主たる内容であります。 ところで、郵便貯金と民間金融機関との預金比較を見ますと、最近数年間の構成比は、民間の約九〇%に対し、郵便貯金は約一〇%にすぎないのであります。このような割合における郵便貯金の実態から見て、かりに金融政策上、その利子改定の必要が生じたとしても、その緊急度はきわめて低いと考えるのであります。一方、今日、国会はその会期がきわめて長く、数九月も閉会しているようなことはきわめてまれなのであります。このように、預貯金全体から見た郵便貯金の占める割合と国会会期の現状から見まして、利率改定が若干の遅延を来たしたといたしましても、わが国の財政投融資計画の根本をくつがえすようなものでないことはもちろん、金利政策の遂行にも障害を来たすようなことは考えられません。逆に、一昨年のごときは、郵便貯金の利子をまっ先に下げておいて、そうして、銀行預金の利子は下げなかったではありませんか。法律事項の時代におきましてもこういうことができるのであります。そうして、一年間に二十数億もの損害というものをこの零細な人々に与えておるのであります。何が弾力条項でありますか。こういう考え方では、私はいけないと思うのであります。あなたはどうお考えなのでしょう。 要するに、本案は、常に独占資本の要求にこたえて、大衆貯蓄である郵便貯金をいつまでもその犠牲下に置こうとするために、あえて国民の負託にこたえるべき国会の審議権の剥奪をねらったものであり、私どもの絶対容認できないところであります。国営であるこの郵便貯金事業を信頼し、ささやかな生活のささえを求めて貯金を続けているいじらしいまでにまじめな零細貯金者の利益を一片の行政命令によって左右し、犠牲をしいることは断じて許されません。経済危機をもたらし、金融調整の必要性を生み出した場合の責任者は明らかに政府と独占資本であります。零細預金者ではないのであります。 さらに、一体利子改定が法律事項になってからこの十五年余りの間に、緊急に郵便貯金の利子変更を迫られたことがあったのかどうか。あったとすれば、それはいついかなる時期であったか。私は過去の経過を調べてみて、その緊急性はなかったと思うのでありますが、大蔵大臣から、その緊急度につきまして、また、先ほど申しました国会の審議権との関連について、御説明をいただきたいのであります。 次に、私は、郵政大臣にお尋ねいたします。 郵便貯金につきましては、預金者の利便をはかり、貯蓄奨励を一そう容易ならしめるために、郵便貯金の貸し付け制度をとることがきわめて有効適切であることは、郵政大臣もつとにお気づきの点であろうと思うのであります。第四十回国会において郵便貯金法の改正案が審議された際、逓信委員会においては、貸し付け制度の実施方を検討するよう附帯決議までつけられているのでありますが、こういうこともこうした国民的要望が取り上げられたからであると思うのであります。しかるに、今回、預金者の権利を不安定にするばかりか、貯蓄の低下を来たすおそれのある法案を提案しながら、一方、この貸し付け制度を提案しなかったのは、私にとってきわめて理解に苦しむところであります。確かに、先般の資金運用審議会の答申によれば、本貸し付け制度は国家資金の一元的運用に反するとか、長期安定財源を不安ならしめるなどの批判をしているのでありますが、これは運用のいかんで十分解決される問題であり、本質的に制度そのものが容認できないといったものではないのであります。一兆円以上の財政投融資計画のうち、その二割近くが郵便貯金を原資として、預金者の意思とは無関係の大資本にのみ投下されながら、肝心の預金者には還元の道を講じないのは明らかに不当であります。さらに、今日独占本位の財投の原資を集めるために、郵政職員は日夜努力させられているという遺憾な姿があるのでありますが、もしこうした貸し付け制度があれば、全逓の労働者も単なる働きバチに終わることなく、国民の貯蓄心を高めるために貢献することができるでありましよう。 私は、国営事業にこのような思いやりのある制度を確立することが今日きわめて大切であると存ずるのでありますが、本制度について郵政大臣は大蔵大臣といかなる具体的な協議をなされたか。その協議の中で、貸し付け制度も当初は郵政省の案に含んでいたのでありますが、その案はいつどんなところで消えてしまったのか、そういうことについて詳細にお答えを願いたいのであります。(拍手) さらに、この際伺っておきますが、日本国じゅうの預貯金を扱っているそういう機関の中で、金を利用者に貸さないという金融機関がどこにあるのか。私は寡聞にしてそういう機関を存じておりません。あったらひとつ親切に何とぞ教えていただきたいのであります。郵便貯金制度だけであります。そういう郵便貯金制度というものは、単なる独占への金の吸い上げ機関にすぎないではありませんか。また、利率決定その他重要なことは、郵政審議会によく諮問をいたします。こういうことを先ほどおっしゃいましたけれども、これらの機関はいわば民主主義のベールをかぶった隠れみのにすぎないのでありまして、郵便貯金に対してはもちろん、郵政事業全般について、国民の側を向いた建設的な意見をまとめることはとうていできないというのが、今日の識者の大方の定説になっておるのでありますが、あなたの御見解をお伺いいたします。(拍手) 最後に、私は以上のような理由並びに提案までのいきさつから見て、この法案は、少なくとも郵政大臣の発想によるものではなくて、大蔵大臣、大蔵官僚の圧力でこのような形の法案ができ上がったとしか考えられませんが、ほんとうのところを明確にひとつ御答弁をお願いしたいと存じます。なぜかならば、自民党の中の良識ある諸君でさえも、個人的には、これでは大蔵省の言いなりではないか、こういうことをおっしゃっている方が多いから申し上げるのであります。(拍手)ほんとうです。歴代の逓信大臣、郵政大臣は、国民の貯蓄といわれるこの郵便貯金に対する資本側の攻撃からこれを守るために、断固として抵抗してきた輝ける伝統があるのでありますが、あなたの代になって、田中さんの鼻の下の若干のひげぐらいにおそれをなして屈服して、そうしてやられたというようなささやきが各所で聞かれる今日、私は小沢さんの名誉のために惜しむものであります。いまこそ、ひとつ勇気を出して、この法案をいさぎよく撤回し、勤労大衆の立場を擁護されるのがあなたの任務だと心得ますが、御見解をお伺いするとともに、本法案の撤回をまじめに強く要求いたしまして、私の質疑を終わりたいと思います。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。 御質問の点は二つに分かれておると思います。第一の点はこういう御質問でございます。法律で利率をきめるのを政令できめたら預金者の保護にならぬとおっしゃるのですが、これは私は理論に合わないと思う。利子を法律できめようが、法律に基づく政令できめようが、預金者の保護には何ら関係はございません。上げるとか下げるとかいうことが問題でございます。金融的には問題になりません。 次に、また、金利を法律で定めることを政令で定めることによって、これがインフレにつながるという金融論には賛成できません。これはこの国会を通じて私ははっきり申し上げます。法律と政令というものは、直接インフレにつながる問題ではないのです。それは金融一般の政策の問題からくることでございます。 なお、質問の第二の点は、貯蓄の増強が鈍るとか、非常にふえないとか言っておられますが、昭和三十六年、三十七年、また三十八年度において、貯蓄がいかにふえたか、郵便貯金がいかにふえたかという実績をごらんになったなら、あなたの理屈は通らぬと思います。(拍手)したがいまして、私はいままでの経済財政政策を変更する気持ちはございません。(拍手) 〔国務大臣田中角榮君登壇〕
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。 私に対する御質問は、政令委任と法定の問題でございますが、私もこの問題に対しては真剣に考えたのでございまして、政府がこの改正案を提案した真意というものを、すなおに御理解いただきたいと思います。先ほども申し上げましたように、貿易・為替の自由化という大きな状態を目睫にしておるのでありまして、日本の経済に国際競争力をつけていくという、非常に重要な段階に立っておりますし、特に非常にテンポの早いときでありますから、金利政策に弾力性を持たせ、機動性を持たせるということは、これはもう理論上も絶対的必要な条件でありますことは、御承知のとおりでございます。でありますから、民間の金利に対しても弾力的に機動的に運用しなければならない、と同時に権衡上からも、政府の所管するものだけは法定事項にしておくということ自体が権衡を失するのであります。しかも、私も郵政大臣の経験者でありまして、国民の零細な資金を集め、これが日本の経済発展に寄与したという事実を十分認めておるのでありまして、今度の改正案が即利率を下げるものだというふうにお考えになられる反対意見に対しては、もう少し御理解を賜わりたいと思います。(拍手)それから先ほども総理大臣が申された通り、これは金利の弾力的、機動的な運用をするということが前提になりますと、下げるときも上げるときもあるのでありまして、こういう問題をそろえておかないと、経済に対する基本的な体制ができないのでありますから、どうぞひとつ御理解を賜わりたいと存じます。 それから先ほども申し上げましたように、郵便貯金の金利というものに対しては、新しい視野に立って、新しい角度で十分慎重に検討をし、国民大衆の利益を確保するように考えますということを先ほどから申し上げておるとおりでございます。 それから郵政省との間に問題がございました窓口直接貸し付けの問題につきましては、種々問題がありますので、本件については両省の間で引き続き検討をいたしておるのでございます。 以上、申し上げます。(拍手) 〔国務大臣小沢久太郎君登壇〕
○国務大臣(小沢久太郎君) 安宅議員の御質問にお答えいたします。 預金者貸し付け制度をなぜ設けないかということでございましたが、この制度の創設につきましては、解約の防止をはかり、そうして預金者の利便に役立たせるように、われわれはこれまで慎重に検討を重ねてまいりました。しかし、なおいろいろな角度から考究を要する点が多々ありますので、今後も引き続き検討を続けてまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。なお、金融機関であって貸し付けをしていないものはほかにはないではないかというお話でございましたが、私どもは、貸し付け制度を考えてまいりますのは、解約を防止して預金者の利便をはかろうというのが目的でありまして、いわゆる一般市中銀行の行なう金融とはその制度が異なるということを御銘記願いたいと思うのであります。 それから審議会についてでございます。郵便貯金の利率を改定する場合に、われわれはこれを郵政審議会にかけるわけでございますが、その場合、預金者の代表を加えまして審議会に諮問することにいたしまして、預金者の保護には十分な考慮を払うつもりでございます。郵政審議会につきましても強化いたしまして、現在の郵政審議会では必ずしも十分とは思えませんので、増員をいたしまして、御趣旨の線に沿ってやりたいと思っております。 最後に、今回の改正は、金融情勢の変動に適時適切に相応じて、預金者の利益保護について十分配慮してやったものでございまして、これを撤回する意思はございません。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 以上をもちまして質疑並びにこれに対する政府の答弁は終わりました。 ————◇—————
○議長(清瀬一郎君) 本日は、これをもって散会いたします。 午後四時九分散会 ————◇————— 出席国務大臣 内閣総理大臣 池田 勇人君 外 務 大 臣 大平 正芳君 大 蔵 大 臣 田中 角榮君 農 林 大 臣 重政 誠之君 通商産業大臣 福田 一君 運 輸 大 臣 綾部健太郎君 郵 政 大 臣 小沢久太郎君 自 治 大 臣 篠田 弘作君 出席政府委員 内閣法制局長官 林 修三君 内閣法制局第一 部長 山内 一夫君 総理府総務長官 徳安 實藏君 郵政大臣官房長 武田 功君 郵政省貯金局長 金澤 平藏君 ————◇—————