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43回国会衆議院1963/05/31

本会議 第28号

発言数
33
登壇者
13
会派数
3
開催日
1963/05/31

会議録

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  埼玉、群馬、栃木県下における突風及びひよう害に関する緊急質問(荒舩清十郎君提出)

草野一郎平自由民主党

○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  この際、荒舩清十郎君提出、埼玉、群馬、栃木県下における突風及びひよう害に関する緊急質問、及び高田富之君提出、埼玉、群馬、栃木県下における突風及びひよう害に関する緊急質問を順次許可されんことを望みます。

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 草野一郎平君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  まず、荒舩清十郎君提出、埼玉、群馬、栃木県下における突風及びひよう害に関する緊急質問を許可いたします。荒舩清十郎君。   〔荒舩清十郎君登壇〕

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩清十郎君 私は、自由民主党を代表して、今次埼玉県、群馬県、栃木県を襲った旋風、雷雨を伴う豪ひょうの災害対策について、政府に対し質問を行なうものでございます。(拍手)  去る五月二十二日午後四時、突如として埼玉県深谷市を中心とする東北部地帯、群馬県においては新田郡を中心とした東毛地帯及び栃木県中南部地帯が大災害をこうむり、この被災農業者等は物心両面に深刻なる打撃を受け、ぼう然自失の状態にあると申し上げても過言でありません。  これらの各県の調査するところによりますと、死者八名、重軽傷者百八十二名の人的被害をはじめとして、全壊・半壊住家七百七戸、非住家の被害は千五百八十八戸であり、なお、農作物の被害は、麦類の被害面積といたしまして二万六千六百七ヘクタール、大麻九百五十七ヘクタール、蔬菜二千六百六十三ヘクタール、果樹百二十一ヘクタール、桑畑千九百六十五ヘクタール、苗しろその他有二十九ヘクタール、合計実に三万二千九百四十七ヘクタールの農作物に壊滅的な打撃を与え、これら農作物の被害総額は、実に概算三十一億五千万円余にのぼり、農業用施設では蚕室、農舎、畜舎、ビニールハウス等に多大の被害を受けております。今後の調査によってさらにこの被害は増大されるものと推定されるのであります。  また、被害地は、埼玉、群馬両県ともに養蚕地帯でありまして、桑園に大打撃を与えたために、繭約七百トンの減収を見る見込みでございます。繭価の好況を反映しております最近において、桑園の手入れに、肥料の増施に、飼育面に懸命の努力を傾け、大増産に期待をかけておりましたやさきに唯一の現金収入の源を断たれ、その経済的、精神的な打撃は想像に絶するものがあります。上簇を目前に控えた四眠中の蚕を涙ながらに打ち捨て、あるいは川に流すというような悲惨な実情であるのでございます。  このたびのこのような被害は、八十歳をこえる老人もかつて経験したことのない未曾有の被害でありまして、しかも地域的には局部的ではありますが、その深度は非常に激甚であるのであります。  このような被害の実情にかんがみ、政府におかれては、すみやかに災害対策を樹立せられ、農業再生産及び破壊住宅等の災害復旧にあたたかい手を差し伸べることが目下の緊要事であると思うのでございます。(拍手)しかるに、県及び被害市町村は多数の被害者をかかえ、その上に財政的にも非常な困難であるため、政府は、すみやかに民生を安定し、被害者の生産意欲を高揚し、将来に希望を持たせて復旧に専心できるよう万全の対策を講ずべきであると思いますが、これに対しいかなる方策を講ぜんとするか、政府の所信をお伺いしたいと存ずる次第でございます。  まず、農林大臣にお尋ねをいたしますが、この際一刻もすみやかに被害調査を完了せられまして——過去においては天災は忘れたときに起こって、補償金は忘れた時分でなければこないというような実例が多いのでございます。農林大臣は、こうした災害につきましては非常に深い体験者であり、農政の大家でもございますので、これらの調査が基礎であるから、すみやかに調査を完了し、直ちに天災融資法を発動する等の措置を講ずるとともに、特に災害のはなはだしい地域には同法の規定する激甚地指定を行ない、最低利率の資金融資を行なうべきであると信じますが、この点農林大臣はいかにお考えか、明確な御答弁をお願いしたいのでございます。(拍手)  また、農林漁業金融公庫の融資、あるいは自作農維持創設資金のワクも当然増額すべきであると思うが、この点もいかに考えておられますか、重ねて御答弁願いたいと思います。  特に今回の被災地は、大東京への野菜の供給地である関係上、その急速な復旧のためにも特別な措置を考うべきであると思うが、この措置に対しまして、農林大臣はいかなる考えを持っておるか、この点もお尋ねしたいのでございます。  なお、農業協同組合は農家に対し肥料等の貸し付けを行なっており、これを農作物の収穫によって回収しておるが、収穫皆無のため回収は不可能となり、その上に他の農家も大小にかかわらず被害をこうむっておるために、ますます農協から預金を引き出す傾向にあることを考えるときに、農協の経営等につきましては特段の御配慮を農林大臣に願わなければならないと思いますが、これらにつきましても御見解を承りたいと思うのでございます。  次いで厚生大臣にお尋ねをいたしますが、被災者中には、現金収入の道を断たれまして、今後生活の困窮を来たし、暮らしの立たないような者が続出すると思われますが、これに対し厚生大臣はいかなる救済措置を講ずる用意を持っておるか承りたいのでございます。  次に建設大臣にお伺いいたしますが、倒壊家屋等の災害に対し第二種公営住宅の建設及び住宅金融公庫資金等の簡易迅速な貸し出し等を行なう必要があると思いまするが、河野建設大臣は、この住宅問題に対処して、すみやかにこれの復旧をはかるためにいかなるお考えを持ち、あるいは第二種公営住宅の建設等にも、あるいは住宅金融公庫資金等にも、いかに迅速果敢な救済方法を講じるか、お伺いしたいと思うのでございます。(拍手)  さらに自治大臣及び大蔵大臣にお伺いいたしますが、被災市町村は災害によって歳入は減少し、支出の増加は免れないところでございます。そこで財政は非常に窮乏すると思われますが、これに対し、普通交付税の繰り上げ交付はもちろん、特別交付税交付金の増額、つなぎ融資等の措置が必要であると考えますが、自治省及び大蔵省はどのような措置を講ぜんとするか、この点もお伺いをしたいのでございます。  以上をもって、質問を終わりたいと思いますが、私はここに、自衛隊の災害地に出動せられたことに対しまして心からの感謝を申し上げたいと思う次第でございます。  今回の三県下の旋風、雷雨を伴う豪ひょうに際しましては、自衛隊はいち早く延べ人員千六百七十名を出動され、災害復旧に即効的な貢献をされたのであります。(拍手)また、先般の全国的な豪雪害に対しましては、実に延べ人員三万七千二百名という多数の出動を見、除雪その他の災害対策に決定的な役割りを果たしたのでございます。(拍手)これは関係地方民の絶大な感謝を受けていたことは周知のとおりでございます。  私は、自衛隊が災害復旧と民生の安定に寄与した大なる功績に対し、国民の諸君とともに重ねて感謝の意を表し、政府におかれましても、自衛隊諸君の労に対し十分報いられるよう配慮を願いたいということをつけ加えてお願いをし、以上をもって、私の質問を終わりたいと思う次第でございます。(拍手)   〔国務大臣重政誠之君登壇〕

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 御質問の第一点は、天災融資法の適用についてであったと思うのでありますが、ただいま統計調査部におきまして災害の調査を実行しております。来月の初旬にはその結果がまとまると思うのでありますが、その結果によりまして天災融資法の適用につきましては善処をいたしたいと考えておる次第であります。  なお、自作農維持資金につきましてもそのワクの拡大をはかるべきであるという御質疑でございましたが、これは統計調査部の災害調査を待ちまして、天災融資法の運用とも相まちましてそのワクをできるだけ広げてまいりたい、こういうふうに考えておる次第であります。  さらに、農業協同組合等の肥料代金あるいは貸し付け金等が、災害によりまして支払いあるいは償還が困難になる事情がある、これに対してはどうするかという御質疑でございますが、これは、災害の状況によりまして、償還の期間を延期するとか、あるいは肥料代金の支払いの時期を延期するとか、その他融資、貸し付け条件の緩和等について、それぞれ、農林中央金庫でありますとか、あるいは関係の信連等に要請をいたして、善処をいたすつもりである次第であります。(拍手)   〔国務大臣田中角榮君登壇〕

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 荒舩さんにお答えいたします。  天災融資法の問題、激甚災の指定の問題等につきましては、農林大臣からお答えがございましたが、いずれにいたしましても、降ひょう、突風の災害につきましては、これが復旧に遺憾なき処置をとってまいりたいと考えます。  地方公共団体の問題について、特別交付税の繰り上げ支給等を考えることができないかということでございますが、御承知のとおり、法律によりまして、三十八年度の特別交付税は三十九年二月になってこれを決定することになっておるわけでございます。しかし、六月には普通交付税の繰り上げ概算交付も考えておりまして、地方公共団体の財政に支障のないように格段の措置をとってまいる予定でございます。  公共事業の災害の問題につきましても、現在調査中でございますが、災害量が判明いたしましたら、予備費の支出等をもって処置してまいりたいと考えます。(拍手)   〔国務大臣河野一郎君登壇〕

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 公営住宅をすみやかにというお話でございますが、地元から御要請がございませんので、このほうは考慮いたしておりません。  次に、住宅金融公庫の貸し付けを急げということでございますが、これは災害特別貸し付けをもって地元の御相談に応じておる次第でございます。なお、緊急を要するものにつきましては、本年度から決定いたしました住宅の改修融資という制度をつくっておりますので、この改修融資の制度によって緊急におこたえ申し上げたいと考えておる次第であります。(拍手)   〔国務大臣西村英一君登壇〕

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) 罹災者の方にはまことに御同情にたえないものがございます。罹災者の救済につきましては、第一次的には、今回の最もひどかった群馬県の尾島町には災害救助法を適用いたしております。災害救助法によって応急的な救済はいたしておりますが、さらに、今後の自力更生につきましては、本年度は世帯更生資金も昨年度よりは相当大幅に増額されております。また、母子世帯資金等の貸し付けの活用によりまして、なるべく生活保護者を出さないように注意をいたしたいと思います。しかし、なおかつ不幸な方々がございましたならば、生活保護法で十分な救済をしたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣篠田弘作君登壇〕

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) 去る五月二十二日、群馬、埼玉、栃木三県に発生をいたしました突風及び降ひょうによる人家並びに農作物に対する被害に伴いまして、地方団体が行なう災害諸対策及び災害復旧費等につきまして、地方団体の財政需要の増高につきましては、国庫補助金のほか、適債事業につきましては、地方債の発行を認め、また、状況に応じましては、特別交付税の増額配分を考慮してまいりたいと思います。とりあえずの問題といたしまして、応急措置といたしまして、六月三日に、群馬県に対しまして、二十六億七千五百万円、埼玉県に対しまして、二十四億一千八百万円、栃木県に対しまして、二十四億五千四百万円の地方交付税の概算交付をいたすことに決定をいたしております。(拍手)     —————————————  埼玉、群馬、栃木県下における突   風及びひよう害に関する緊急質   問(高田富之君提出)

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 次に、高田富之君提出、埼玉、群馬、栃木県下における突風及びひよう害に関する緊急質問を許可いたします。高田富之君。   〔高田富之君登壇〕

高田富之日本社会党

○高田富之君 私は、日本社会党を代表して、このたび埼玉、群馬、栃木の三県下を襲った突風、降ひょう災害に関しまして、政府にその対策をただしたいと思うのであります。(拍手)  この際、災害をこうむった皆さんに対して深く御同情を申し上げますとともに、特にとうとい生命を奪われた方々と、その御遺族に対し、衷心より弔意を表するものであります。(拍手)  さて、今次の災害は、例年見られます台風災害などとはいささか趣を異にするものでありまして、なるほど、関係地域の広さとか、損害金額などの外見だけからしますれば、全国的な視野から見て、必ずしもさほど大きいものとは言い得ないかもしれませんけれども、しかし、その激烈凄惨な様相は全く前古未曾有の異常災害と申すべきものであったのであります。  去る五月二十二日午後四時三十分、突如として埼玉県北部の山ろく地帯に異様な黒雲が発生すると同時に、ものすごい旋風が巻き起こり、これがすさまじい雷鳴と豪雨を呼びまして、次いで鶏卵大の降ひょうを伴い、最大風速五、六十メートルの暴風と一体となって荒れ狂ったのであります。そのため、幅約二キロないし四キロの帯状の通過地帯は、わずか二、三十分という、まさに瞬時にして豊かな緑野は一変してむざんな荒野と化し去ったのでありまして、その惨状はとうてい筆舌に尽くしがたいものがあります。  現在までに判明した被害は、農作物だけで三十億円余り、死者八、負傷二百四十、建物の被害は、軽微なものをも含めますれば、七千四百棟に及んでおります。この被害地域は、埼玉県におきましては、深谷ネギ、埼玉イチゴなどで知られている東京都近郊の最も重要な蔬菜の特産地であり、また、群馬、埼玉両県のこの地域は、わが国最大の養蚕地帯であります。なお、栃木県においては、これまた麻、すなわち大麻の特産地でもありまして、いずれもわが国国民経済の上に特有の重要な地位を占める地域でありますことを特に指摘いたしたいと思います。  申すまでもなく、国家は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有することは災害対策基本法に明記されているとおりでありますが、もとよりこの種特殊災害にあっては、人力をもって予防措置を講ずることは全く不可能のことでありまして、問題は、事後における罹災者の救援復興に万遺憾なきを期する以外にないこととなりますが、まずもって、今次災害対策に取り組む政府の基本的態度と方針を、総理から罹災者国民の前に明らかにされたいと思うのであります。  さて、今次災害が主として農業災害でありますので、最初、農林大臣に対策の要点についてお尋ねをいたします。  ここであらためて申すまでもありませんが、近年農業は一般的にますます苦境に追い詰められ、窮迫の末、農業に希望を失って離農する者が多く、今日全国農家のおよそ七割五分が兼業農家となっておる状況にありますが、このたびの災害地帯は今日なお比較的専業農家の多い地帯でありまして、蔬菜、養蚕、果樹、酪農、麻、たばこ、米麦など、商品性の高い農作物の効率的な経営によって、一家の総力を傾けて、新しい農業への希望を持って努力を続けておる典型的な農業地帯であります。中でも蔬菜地帯におきましては、見渡す限りみごとなビニール畑となっておりましたが、これには少なくとも反当十万円以上の資材費を投じ、給水に、温度調節に、物心ともに文字どおり全精魂を傾けて、ひたすら生育を待っていたのであります。果樹、麻、麦、いずれも収穫期直前の災害でありまして、特に上簇期を間近に控えた蚕をあるいは川に流し、あるいは土中に埋める農民の心情はまことに察するにあまりあるものがあります。あらゆる農作物が一瞬にして収穫皆無となったその打撃は、単に物質的に甚大であったばかりでなく、農業への夢と希望を打ち砕かれた精神的打撃もまた重大であると申さねばなりません。数日間ぼう然自失、なすところを知らなかった農民は、すでに、私の耳にするところによりますれば、農地の売却が始まっておる模様であります。これら物心両面の深刻な打撃を受けた災害地農民諸君をして再び再起復興の熱意を取り戻させることができるかどうか、これは単に災害地農民だけの問題ではなく、やがて日本農業と農民の運命に通ずる問題として、政府施策のいかんを全国農民が厳に見守っておるのであります。(拍手)  そこで第一に要望いたしたいことは、被災農民に主食、特に収穫皆無となった麦の特配を行なうことであります。かつて食糧不足の時代に強権供出をもって食糧難に対処した過去を再び想起して、この際、私は、少なくとも二戸三儀程度の麦の無償配給を即時実施するよう要請するものでありますが、農相の意見を承りたいのであります。(拍手)  第二は、低利、長期の営農資金のすみやかなる融資であります。この点については、天災融資法の適用すら、今日なお正式に決定を見ていないということは、はなはだしい政府の怠慢でありまして、直ちにこの制度を適用していただきたいのであります。(拍手)この点につきましては、農相と、特に蔵相からも、両大臣からはっきりとした御言明を願いたいのであります。  次に、自作農維持資金の貸し出しワクの大幅な拡大をはからなければなりませんことはもちろん、また、すでに自創資金、近代化資金その他の融資を受けておる者に対しましては、との際少なくとも二ヵ年間程度の償還延期の措置をとっていただきたいのであります。なお、系統資金の利用に遺憾なからしめるために、単位農協の資金手当てなどについて、関係団体と緊密に連絡をとって、指導、援助を強力に実施していただきたいと思います。  第三は、各種補助金のすみやかにして十分なる支出を要請いたしたいことであります。すなわち、種、苗、農薬、肥料などの購入費並びにビニールハウスその他すべての営農諸施設の補修費であります。政府は、近ごろ補助金制度から融資制度に切りかえる方針をとっておりますが、災害に際してまで、貸すならばいいけれども補助はしないというような無慈悲な態度は、この際絶対におとりにならないようお願いいたしたいのであります。(拍手)  私は、この際、補助金について特に要望いたしたいことがあります。それは、農業災害補償制度の適用をいまだ得られない蔬菜、果樹、大麻などについては、反当幾らという適当額の災害補償金を出してほしいことであります。農林大臣は、それは無理だとおっしゃいます。しかし私は、無理ではない、当然だと考えるのであります。特に促成栽培の蔬菜作のごときは、反当十万から二十万の経費をかけた高級作物であって、特に政府が奨励する成長農産物の花形であります。大体政府は、選択的拡大などと称しまして、畜産、果樹、蔬菜などの奨励をしておりますけれども、価格の保証もせず、災害の補償もしないのでは、あまりにも無責任に過ぎるのではないでしょうか。(拍手)政府は、これを奨励した責任においても、また、農業共済制度のさらに進んだ抜本改正までの経過措置という意味においても、少なくとも反当一、二万円程度の補償金をこの際支払うことが至当であると考えますが、農相の御所見を承りたいのであります。(拍手)もちろん、共済制度の適用のある麦や養蚕などにつきましては、すみやかに概算払いを行なっていただきたいのであります。  次に、住宅復旧についても、同様に長期低利融資並びに補助金等によってすみやかな復旧ができますよう、万全の対策をとられたいのでありますが、この点につきましては建設大臣の御答弁をお願いいたしたいと思います。  罹災農民の多くは、当分の間、全くの無収入状態が続くと考えられますので、これが対策として、第一に、所得税並びに地方税の減免、第二に、救農土木事業を起こすこと、第三に、生活保護法の弾力的な適用、世帯更生資金の貸し付けワクの拡大などがぜひとも必要と考えられます。また、地方自治体が適切な復興対策をどしどし進めていくことのできますように、つなぎ融資、起債、また、すべての災害復興関係費の完全な補てんのための特別交付税の交付については特段の配慮と明確な方針をお示し願いたいのであります。これらの諸対策につきましては、大蔵、自治、厚生各大臣の御答弁をお願いいたします。  最後に、災害対策の完全なる実施を期するためにも、この際すみやかに補正予算を編成し、財政的裏づけに万遺憾なきを期する必要があると考えますが、蔵相の御見解を承りたいと思います。  以上申し述べましたことは、当面緊急を要する罹災者の切なる要望でありますので、懇切、詳細なる御答弁を特にお願いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔国務大臣重政誠之君登壇〕

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) お答えを申し上げます。  質疑の第一点は、激甚災害をこうむられた方々に麦の特配を無償でやったらどうかという御質疑でありますが、現在の農林省の所管になっております食糧管理法は、ただいまお述べになりましたような無償で配給をするということは、法律上困難であるかと思うのであります。いずれにいたしましても、県から現在報告のありますのは、農業関係で約三十億でございますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、目下統計調査部において災害の調査をいたしております。その結果を待って検討をいたしたいと考えます。  第二の御質疑は、営農資金の融資について万全を期するようにという御質疑でございます。その第一点は、天災融資法の適用についてでありますが、これは先ほども荒舩議員に御答弁をいたしましたとおり、災害の調査を待ちまして、検討の上善処をいたしたいと考えております。  それから、第二の自作農維持資金のワクの拡大をはかるべきであるという点でございますが、これも天災融資法の適用等とも見合いまして、そのワクをできるだけ拡大をいたしたいと考えております。  さらに、現在まですでに被災農家が借り受けております融資についての条件の緩和をはかるべきではないかという御質疑でありますが、これは災害の実情に応じまして融資条件の緩和をはかりたい、償還の延期等の条件緩和をはかりたい、こういうふうに考えております。  さらに農協からの融資についても考えるべきではないかということでありますが、これは先ほどもお答え申し上げましたとおりに、すでに農林中金、信連、単位農協等にそれぞれの手を打ちまして、同様に、償還の延期、その他の条件緩和をいたすように指示もいたしており、さらにまたつなぎ融資等につきましても、中金の資金を出しまして万全を期するようにいたしております。  それから第三の補助金の問題でございますが、これは御質疑のうちにもありましたとおりに、種苗でありますとか、あるいは農薬でありますとか、肥料というようなものにつきましては、往年は補助金を出したこともあるのでありますが、ここ数年は、こういう補助金はできるだけやめまして、低利融資の方向でやるという方針になっておることを御承知願いたいと思います。  第四の農業共済の制度の対象となっております麦あるいは養蚕というようなものについて、共済金の仮払いをしたらどうかということでありますが、それはそのように考えております。必要に応じまして、再保険金の概算払いを政府はいたす所存でございます。  さらに、麦、養蚕等のごとく共済の対象になっておらない野菜等について補償金を支払う、共済に加入しておると同様な取り扱いをしたらどうかという御意見でありますが、これはちょっとそう簡単には参らないと思うのであります。ただ、農業共済の制度は、今後におきまして新しい農政の方向、農業近代化に即しまして、その対象の件物等も拡大をしてまいりたい、そういう調査もいたして、その制度の拡充をいたしたいということを考えておるわけであります。  ビニールハウス等につきましては、これは、やはり融資の対象として考えたい、こういうふうに考えておる次第であります。(拍手)   〔国務大臣田中角榮君登壇〕

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 高田さんにお答えいたします。  第一は、災害復旧に対して補正予算を編成する必要はないかということでございますが、御承知のとおり年度当初でございますし、二百億円の予備費も三十八年度予算に計上せられておりますので、現在の段階において補正予算を組む必要はないと考えます。  それから第二の問題につきましては、農業災害復旧のための制度融資のワクとか、予算に対して万全を期せということでございますが、農林大臣お答えをいたしたような基本的な線に沿いまして、災害復旧に万全を期してまいるつもりでございます。なお、農林漁業金融公庫の資金等でまかなえないものにつきましては、他の費目から流用いたしましたり、予備費の使用等をもって十分まかなえると考えます。  第三は、特別交付税の問題でございますが、特別交付税の問題については、先ほど荒舩議員にお答えをいたしたとおりでございます。これは地方公共団体の財源処置につきましては、普通交付税の繰り上げ等によって十分考慮してまいりたいと存じます。  第四点は、罹災者に対する税制上の問題でございます。御承知のとおり、所得税の制度の中に、救済措置としては、所得税法の雑損控除、減税措置としては軽減または免除、それから徴収猶予というような制度がございますので、これらを活用をしまして、罹災者の皆さんに迷惑がかかることがないように十分な処置をいたしたいと考えております。  第五点は、天災融資法の問題でございまして、この問題については、農林大臣お答えしたとおりでありますが、五月二十八日現在の農業災害は三十億円という報告を受けております。御承知のとおり、過去における天災融資法の発動の基準は、農産物災害五十億円以上ということがおおむね基準になっておりますが、例外等もありますし、十分政府部内で意見をまとめ、期待に沿いたい、このように考えます。(拍手)   〔国務大臣河野一郎君登壇〕

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) お答えをいたしますが、先ほどお答えを申し上げたとおりであります。別にほかに御質問なかったと思います。(拍手)   〔国務大臣篠田弘作君登壇〕

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) 三県下に発生をいたしました突風及び降ひょうによる被害に伴う地方団体が行なう災害諸対策及び災害復旧費についての地方団体の財政の需要の増高に伴う自治省の措置といたしまして、起債、特交、あるいは地方交付税の概算払いということにつきましては、先ほど荒舩議員にお答えしたとおりであります。  高田議員から、この際地方税の減免及び徴収猶予を行なうべきであるという御意見でありますが、水害、冷害あるいは凍害等に対しまして、従来とも地方税の減免措置等につきまして、自治省から地方団体に対して通達をし、指導をしてまいっております。各地方団体におきましても、それぞれの状況に応じまして、地方税法の定めるところによって税の減免、徴収の猶予等の措置を講ずることにいたしておりますが、今回の災害につきましても、従来同様の措置を行なうことにいたす考えでございます。(拍手)   〔国務大臣西村英一君登壇〕

西村英一自由民主党厚生大臣

○国務大臣(西村英一君) お答えいたします。  世帯更生資金のワクを罹災者のために拡大すべきだという御説でございまするが、今年度は、実は世帯更生資金はだいぶふえまして八億円——昨年は六億でありましたが八億円、しこうして、ただいまのところ、各都道府県の申請に基づいて交付をいたしておるのでございまするが、災害県の群馬県、埼玉県はまだその申請がございませんが、ひとつ申請がございましたら、十分それに応ずるワクを持っておる次第でございます。  それから生活保護法の弾力的活用というお話がございましたが、これは基準を変えるというようなわけにもいきませんが、私のほうでも十分に調査をいたしまして、生活にほんとうに困っておる人はあまねくこの生活保護法を適用したい、かように考えておる次第であります。(拍手)

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 以上をもちまして緊急質問並びにこれに対する答弁を終わりました。      ————◇—————  河川法案(内閣提出)の趣旨説明

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 議院運営委員会の決定によりまして、内閣提出、河川法案の趣旨の説明を求めます。建設大臣河野一郎君。   〔国務大臣河野一郎君登壇〕

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 河川法案の趣旨を御説明申し上げます。  現行河川法は、明治二十九年に制定され、その後部分的改正は数回行なわれましたが、根本的な政正はなく今日に至っているのであります。しかるに、現行河川法制定後約七十年の歳月が経過し、当時の社会経済情勢並びに国情を背景として制定された現行河川法については、今日においては、種々の面において検討を加え、整備、改善をはからなければならない点が少なくないのであります。  まず第一に、現行憲法の制定に伴い、国の行政及び地方制度に大幅な変革が加えられましたが、このために従来の制度を前提とした河川の管理制度について、また、国民の権利義務に関連する河川管理方式の近代化について法制上検討を加え、整備をはかる必要が生じてまいりました。  第二に、各水系における沿岸流域の開発に伴い、かつ、最近の災害発生の状況にかんがみ、水系を一貫した全体計画に基づいて、財政負担の面も十分考慮しつつ、治水事業を計画的に実施する緊要性が一段と強くなってまいりました。また、近時における産業の発展と人口の増加に伴い、各種用水の需要が著しく増大しておりますが、これらの需要を満たすためには各水系について広域的な見地に立ち、合理的な水の利用を確保する制度を確立し、水資源の総合的な利用と開発をはかることが現下の急務として要請されているのであります。そこで、国土の保全と開発に寄与するため、河川を水系ごとに一貫して総合的に管理する制度を樹立することが必要となってまいったのであります。  第三に、各河川には、治水利水の両面の要請から、また、近時における科学技術の発達に伴い、大規模なダムその他の施設が数多く建設されてきておりますが、現行法においてはこれらの施設の設置または管理に関する規定が必ずしも十分ではなく、その設置または管理の万全を期するため、所要の規定を整備する必要があるのであります。  以上の諸要請にこたえ、現在の国情に最もよく適合した新しい河川管理制度を樹立することは、現下の急務でありますので、ここに現行河川法を全面的に改正することといたしたのであります。  次に、この法律案の主要な点を御説明申し上げます。  第一に、河川管理の適正を期するため、河川管理制度について現行制度を次のように改めることといたしました。  まず、従来の適用河川、準用河川の制度を廃止して、河川を水系別に一級河川及び二級河川に区分し、一級河川は、国土保全上または国民経済上特に重要な水系について、河川審議会及び関係都道府県知事の意見を聞いた上、政令で指定し、二級河川は、一級河川以外の水系にかかる河川で公共の利害に重要な関係があるものについて、関係市町村長の意見を聞いた上、都道府県知事が指定することといたしております。  河川の管理につきましては、一級河川は建設大臣、二級河川は都道府県知事がそれぞれ管理することとし、河川管理の責任を明確にすることといたしました。なお、一級河川の管理につきましては、建設大臣は、一定の区間を定め、都道府県知事にその管理の一部を行なわせることとしております。  次に、河川の管理に要する費用につきましては、原則として一級河川は国、二級河川は都道府県が負担することとしております。このうち一級河川の改良工事に要する費用につきましては、建設大臣が施行する場合はもちろん、都道府県知事が委任を受けて施行する場合もすべて国がその三分の二、都道府県がその三分の一を負担することといたしました。これにより、従来同一の水系における工事であっても、建設大臣と都道府県知事が施行する場合には国と都道府県の負担の割合が異なっていたため、必ずしもその治水効果が十分でなかった一級河川の工事が、一貫した計画のもとに施行することができることとなります。また、二級河川の改良工事につきましては、国がその二分の一以内を負担することといたしました。  なお、治水事業十ヵ年計画の最終年度である昭和四十四年度までは、国は、一級河川の改良工事につきましては四分の三を、二級河川の改良工事につきましては、この法律施行時において現行河川法に基づいて直轄で施行中の工事につきまして従前どおり三分の二を負担して行なうことといたし、治水事業の円滑な施行をはかることといたしました。  流水占用料その他河川から生ずる収入につきましては、すべて従来どおり都道府県の収入としております。  次に、都道府県知事が行なう河川管理行政に対する監督につきましては、一級河川においては都道府県知事に委任した事項のうち重要なものについて、また二級河川においてはその管理に関する重要事項について建設大臣の認可を要することといたしました。  以上のほか、一級河川または二級河川以外の河川につきましては、市町村長が指定したものについて、この法律を準用して、市町村長が必要な管理を行なうことができることとしております。  第二に、河川区域につきましては、現行法においては地方行政庁が認定することとなっておりますが、この法案におきましては、河川の現状に即して、一定の要件に該当する区域は法律上当然に河川区域となり、その他の区域は河川管理者の指定によってこれを定めることとし、河川管理の適正を期することといたしました。  第三に、流水の占用、工作物の設置等につきましては、地元の意見を十分尊重して、河川が適正に、かつ、合理的に使用されるよう規定を整備し、水利使用の許可に際しては、既得の水利権を保護するとともに、新規利水事業が円滑に施行されるよう水利使用関係の調整をはかる規定を設けました。  第四に、河川管理者の許可を受けて設置する一定規模以上のダムにつきましては、防災上の見地から、その設置及び操作について必要な規定を設けました。  第五に、建設大臣の諮問に応じ一級河川の指定、水利調整その他河川に関する重要事項を調査審議するため、建設省に河川審議会を設置するとともに、都道府県知事の諮問に応じ二級河川に関する重要事項を調査審議するため、都道府県に都道府県河川審議会を設置することができることといたしました。  第六に、河川の現況、水利の現況を把握して、河川管理の適正を期するため、河川現況台帳及び水利台帳を整備することとし、現行水利権者等の権原に基づいて河川を使用する者は、必要な事項を河川管理者に届け出なければならないものといたしました。  その他、河川に関する調査、工事等のための土地への立ち入りの手続、河川予定地における規制等に伴う損害の補償等につきまして、所要の規定を整備いたしました。  以上が、この法律案の要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)      ————◇—————  河川法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) ただいまの趣旨の説明に対しまして、質疑が通告されております。これを許します。石川次夫君。   〔石川次夫君登壇〕

石川次夫日本社会党

○石川次夫君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました新河川法案に対し、質疑をしようとするものであります。  現河川法は明治二十九年に制定されたものでございまして、水と太陽は無限であるとたたえられた時代につくられたものでありまして、異常な経済の発展、水の必要を叫ばれておる今日の要請にはそぐわないものであります。同時に、災害に対応いたしまして、個々ばらばらの調整等を行なうことによって、はからざる人災を大きくしておった事実等が続出したことにかんがみましても、河川法の抜本的改定というものは久しく叫ばれておったところであります。しかし、政治の生まれる以前から川は流れていたのであります。それだけに種々の慣行もあり、ふくそうした利害もからみ、地域の特殊事情もあります。抜本的改正を行なおうとすれば、当然相当の抵抗を予想されるところで、この際あえて新河川法案を提案したというそのこと自体の決断に対しましては、賛意を表するものであります。  問題は改定の方向、内容であります。今日の課題である利水を重視しようとするその意図は一応了といたしますけれども、本来治水があって初めて利水があるわけであります。どうも今度の改定は、財界の要望するところの工業用水の開発促進を急ぐことでこの要望にこたえようとする意図を、ことさらに地域開発という名前にすりかえたような感じが非常に強く、そのほかの事情というものがことさらに軽視されておるように感ぜられることは、きわめて残念でございます。  また、たとえば災害防止のためには、ダム操作を含めて流量調整等を一元的に管理することがきわめて重要であることは言うまでもありません。少なくとも、特に重要な河川につきましては、この監視所を一ヵ所に集中をいたしまして、総合的な指揮を下す責任を持つべきでございます。ところが、政府案では、重要な管理権は一手に集中しようとしておるけれども、非常の際の流量調整等につきましては、単に勧告することができるという程度でございますから、権限だけは収奪したけれども責任は回避をするという態度でございまして、これでは国民のとうてい納得のできがたいところではないでしょうか。(拍手)また、これだけで河川法改正の一半の意義は失われてしまったと言っても過言ではないのであります。  ところで、総理大臣にお伺いをいたしたいと思うのでございますけれども、国民がひとしく望んでおりますのは、何といっても治水を強化するということであります。治水を一貫して総合管理して、これを強化するということが、ひいては水資源を涵養することに通じるわけであります。したがって、本法の基本精神は、治水を一貫して総合管理をするということに置かれ、あわせて不離一体の関係にある利水面の開発に及ぼすということでなければならないと考えておるわけであります。この点で総理大臣は基本的な考え方を一体どこに置こうとしておられるのか、お伺いをいたしたいと思うのであります。  なお、水を制するものは国を制するといういにしえのことばは、現在も今日的な意味で生きております。産業開発、地域開発は、水によって制約をされるわけであります。道路もまた重要な意義は持っておりますけれども、いわばこれは線の意味をなすものであります。ところが河川は、地域の広い範囲にさまざまな形で影響を与えておりまして、いわば面としてこの性格を持っておるのであります。この重要で複雑な利害をあわせ持っております困難な河川の問題を一挙に解決しようとする新河川法案というものは、それだけに十分の審議を尽くさなければならぬと思うのであります。  ところで、本案は政府部内のいろいろな折衝にひまがとれまして、今日初めて提案の運びになったものでありまして、審議期間は残すところわずかに一ヵ月しかございません。本案の審議にあたりましては、当然地域住民の声も聞かなければなりません。学識経験者の意見も徴すべきでございます。現地の実態も知らなければなりません。熱心な審議を行なうことで十分国民の負託にこたえることは、かかる重要な法案でありますだけに国会の責任上当然のことといわなければならぬと思うのであります。(拍手)それにしては、いまごろ提案されるようでは、政府としては本法案は今国会で成立をさせる意図はないものと判断せざるを得ないのでございますけれども、総理はどう考えておるか、この点を念のためにお伺いしたいと思うのであります。  なお、本法案は、重要な点及びささいな点、ことごとく政令にゆだねられております。これはうるさい国会審議を避けようとするところの官僚独善の態度といわなければなりません。(拍手)したがって、内容をつまびらかにすることのできないことは、まことに残念でございます。ここでは特に重要と思われる点の二、三についてだけお伺いをいたしまして、残余は委員会に譲るほかありませんけれども、委員会審議にあたりましては、政令、省令の内容が明らかにならない限り、審議が不可能であるということをあらかじめ申し上げておきたいと思うのであります。  全国知事会は、この法案に強い反対の態度を表明しておりますことは周知のとおりであります。しかし、この反対が、河川に関する管理の責任、権限がもともと地方自治体にありとするところから出発するとすれば、にわかに賛成することはできません。明治二十九年制定以来、河川法は官選知事によって運営をされてきたのであります。すなわち、中央の出先機関としての知事に委任されたものにすぎないことを想起していただけば、このことは御理解いただけると思うのであります。しかしながら、現実の問題として、知事会の意見には傾聴に値するものがきわめて多いのであります。中央官庁よりは地方自治体のほうが住民に身近に接しております。地方の事情もつまびらかに理解をしておることは言うまでもございません。したがって、わが党は、今次統一地方選挙におきましても、地方自治の強化こそが民主主義政治の本体であると信じまして、住民に直結する地方政治をスローガンとして戦ったのであります。自民党のいう中央に直結する政治こそは、戦前の中央集権政治の復元を意図するものであるとわれわれは信じておるわけであります。(拍手)たとえば下筌ダムの蜂之巣城による反対運動のごときも、もとをただせば、地方の事情にうとい中央の出先官庁が強権的な態度を示したということが、問題をこじらした大きな原因の一つであるということを思い起こしていただけるならば、御理解がしやすいと思うのでございますけれども、これらの例は枚挙にいとまがないわけであります。  したがって、一級河川に指定された水利権のうちで、たとえば土地改良その他の農業水利、または漁業権等の許可を、はたして地方事情に暗い建設省の出先機関で円満に処理できるかどうか、多くの血みどろの紛争の的となっておる水争いを、はたして畑違いの人たちが解決できるかどうか、はなはだ疑問なきを得ないのであります。そのほか砂利採取の問題とか水面使用の問題、土地占有の問題、工作物設置等々、きわめて複雑多岐であります。子供の水遊びの飛び込み台もありましょう。仕掛け花火の台をつくるという問題もありましょうし、ボート遊びという問題もございます。件数もばく大な数にのぼることは言うまでもありません。地方の複雑な因襲もこれにからんでくるわけであります。いままで地方民に身近に接触をして総合行政を行なっている地方自治体であって初めて深刻な水争いの調停もはかれるわけであります。たとえば、一つを取り上げても、他の一つを与えるというようなことで、総合行政をやっておる立場から初めて解決することが可能な問題となってくるわけであります。また、砂利採取を取り上げてみましても、砂利トラの暴走というものは地方住民の悩みの種でございまして、現在は辞可権を持っておる知事がかろうじてこの取り締まりに当たっておるという状態でありますことは御案内のとおりであります。許可権を失った知事で、はたしてこの取り締まりができるかどうかというような点は、きわめてささいなようではございますけれども、一つの例としてお考えをいただきたいと思うのであります。その他多くの問題があります。  これらの点は、自治省、農林省等も合意を与えた以上は、十分考慮の上でなされたものと思うのでありますけれども、それにしては職務怠慢のそしりを免れることができないと思うのでございます。当然予想される多くの紛争、これは中央に移管することによって激増こそすれ、減少することはないと信じますけれども、いかなる見通しで、あるいはいかなる見解で同意をされたのか、自治大臣、農林大臣の所見を伺いたいと思うのであります。  また、水資源県の多くは後進県でございまして、この格差を縮めるかぎは水にあります。この総合行政のきわめて重要な一環である水の行政を、無慈悲にも強引にもぎ取ったような印象を与えておるわけでございます。自治大臣はこの切実な批判にどうこたえるつもりか、お伺いをしたい。したがって、一級河川の大規模利水は別といたしましても、ある限度内で地方自治体に許可権を残すほうが紛争の種を少なくするものであり、また、ゆえなく自治権を収奪をしたという批判にこたえるゆえんであると思うのでございますけれども、この点、自治大臣、農林大臣の御見解を伺いたいと思うのでございます。  次に、建設大臣にお伺いいたします。建設省の最初の案としては、現在の直轄工事河川の九十八を含めまして、大体百程度の河川を一級河川とするつもりのようでございましたけれども、折衝の過程で四十程度で合意に達したごとく伝えられておりますけれども、事実かどうかをまずお伺いをいたしたいと思います。もし四十程度に削ることが事実とすれば、収拾のつかない混乱が起こりまして、実施不可能になるおそれが多分にあります。なぜならば、現在三分の二の国庫負担で行なわれておりました直轄河川のうちの多くが知事に移管されることによって、国庫負担は二分の一以内ということに大幅に減額をされるわけであります。したがいまして、これによって生ずる地元の急激な負担増というものは地方財政に大きな影響を与えますから、この負担を軽減するために、何とか二級を一級に上げてくれという陳情が激烈をきわめることは見え透いております。また、現在直轄工事に携わっておる人は建設省の出先官庁の人々でございますけれども、これがその多くは、二級河川、すなわち知事管理に移管をされるという結果、大幅な所管がえをしなければならぬということになりまして、このようなことがはたして可能でありましょうか。いずれにいたしましても、収拾のつかない混乱が生ずることは明らかでございます。この点、建設大臣はどういうふうにお考えになり、どういうふうに対処されようとしておりますか、お伺いをいたしたいと思うのであります。(拍手)  また、水系別に支派流を含めて一級河川の指定を行なうこととなりますけれども、支派流の多くは事実上知事への委任区間になると予想がされるわけであります。ところで、二級河川は、一級河川の支派流に比較いたしましてはるかに重要な場合が多いのであります。特に一級河川の数をいま申し上げたように四十に減らす、あるいはそれ以下に減らすということになればなるほど、この点が明らかになってまいるわけであります。ところが、一級河川の支派流と二級河川は同じ知事が工事をすることになるわけでございますけれども、一級河川の支派流は国庫負担が三分の二であります。二級河川はこれよりはるかに重要な河川であるにもかかわらず、国庫負担はこれより低い二分の一以内になるというのは、一体どこにどういう根拠があるのでございましょうか。このままでは一級河川と二級河川の格差がますます開いていくばかりでございますし、一級河川なるがゆえに国庫負担を多くするという考え方それ自体が、一級河川は大都市あるいは大企業の工業用水として効用が高いからという考え方で、明らかに利水偏重といわなければならないと思うのであります。(拍手)一級河川の知事委任区間の支派流と二級河川とは、当然少なくとも同一国庫負担率にすべきものでありますけれども、大蔵大臣は国庫膨張を理由にいたしまして、幹線河川工事の全額国庫負担も拒否したというふうに新聞では伝えられておりますが、この点についても、すなわち、一級河川の知事委任区間の支派流と二級河川の負担率を同額にすべきであるという当然の要求に対してましも、これまた拒否するというおつもりかどうかということをお伺いをしたいと思うのであります。  最後に、総理大理にお伺いをいたしたいと思います。最初の案は、たとえば河川監視員を設けて警察権を行使させるとか、地方の声を聞くための審議会の設置も考えられておらないとか、きわめて強権主義のにおいの濃い、いわゆる中央に直結する政治の端的なあらわれであったように思いますけれども、最後の案はややこれらの点は考慮されまして、河川審議会も設けられるようになったわけであります。しかし、この審議会は、単なる建設大臣の諮問機関として意見を聞くという程度のものにすぎないのであります。これだけ重要で、かつ、各方面の深刻な利害の錯綜する問題でありますから、やはり当然内閣任命の権威のあるものとする必要がございます。また、治山計画は農林省でやり、治水計画は建設省で行なう、水資開発計画は経済企画庁の所管であるという、ばらばらな所管で行なわれておるわけでございますけれども、やはり特に重要な河川につきましては、これらの総合計画が考慮されるのが当然といわなければなりません。すなわち、特に重要な河川につきましては、森林計画の樹立、保安林管理等の治山行政、砂防工事、地すべり対策等も含めた総合計画がなされておらないということは、重大な失政といっても過言ではないと思うのであります。(拍手)したがって、特に重要な水系につきましては、それぞれ河川審議会を設けて、学識経験者だけではなく、地方の声を十分反映させる考慮を払って、総合計画を立ててこそ、この新河川法を前向きの姿勢にするものと思い、この点をぜひ考慮願いたいと思うのでありますけれども、総理大臣の所信を伺いたいと思うのであります。  世界の先進国でも、水の行政はきわめて深刻かつ重要なものになってまいっております。それで、水に関しては憲法でまず規定をする。かつ水法として、地表水だけでなくて、地下水までも含めた総合的な立法が行なわれておるわけであります。たとえば連邦制度のアメリカ、ドイツ等の水法は、非常に模範とすべきものがあります。各州にまたがった水の行政というものは、各州の衆知を集めて総合計画を立案をする。もちろん連邦政府、すなわち中央政府もこの委員会に参加をいたしますけれども、これは単に司会をすると  いうだけであって、裁決権を持たないという制度のもとに行なわれておるということなども大いに他山の石としなければならぬと思うのであります。日本では水といえばほとんど河川法で律せられようとしておりますことは、災害の多い日本の特殊事情でもありますけれども、同時に水の総合行政がきわめて立ちおくれておるということの明らかな証左でもあるわけであります。(拍手)  われわれは、この法案を国民の福祉の立場に立ちまして、抜本的改正の目的に沿うようによりよき法案にしたいと念願をしておるわけであります。法案は、最終案が今日決定を見るまでにかなりの転変、修正が行なわれてきたようでありまするし、今後もともに協力をして大幅な修正に応じ、国民の期待にこたえさせようとする決意があるかどうかということを、最後に総理大臣にお伺いをしたいと思うのであります。現在の案を固執する限り改善にはなりません。いたずらに紛争を多くし、また一方では広域行政に籍口いたしまして、中央集権を強めるねらいであるという非難を与えるだけであることを最後に強く強調いたしまして、私の質問を終わりたいと思うのであります。(拍手)   〔国務大臣池田勇人君登壇〕

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問の前にもございましたように、現行河川法は明治二十九年の制定でございまして、その後における社会経済の進展、また法律制度の非常な変革によりまして、従来から根本的改正を叫ばれておったのでございます。私は、最近の事情から申しまして、河川を総合的に管理する必要を感じまして提案いたしたのでございます。  お話は、これは利水が主であって、治水は従になりはしないか、こういう御疑問でございますが、法律の第一条に書いておりますごとく、河川について洪水、高潮による災害発生が防止され、そしてまた後段に、国土の保全と開発に寄与し、公共の安全を保持し、公共の福祉を増進すると書いてあるのでございます。決して利水を主にし、治水を従にするというようなことは考えておりません。とにかく水を治めてからこそ、初めて利水ということが考えられるのである。これは古今から一貫した考え方であるのであります。(拍手)  なお、法案の作成がおくれたというお話でございまするが、御承知のとおり画期的の改正でございまして、河川審議会に諮問し、あるいは知事会等の意見を調整いたしたためにおくれましたが、しかしお話のように、治水の必要、また最近の利水の緊急性等から考えて、すみやかに御可決あらんことを希望いたす次第でございます。  なお、河川につきまして、総合的考え方が足りないのではないか、また河川の審議会が建設省ではどうか、こういうお話でございますが、この点は専門的のこともありますので、私は委員の任命につきましては、各界の最高権威者を入れ、また、この河川審議会と国土保全及び開発に関する総合計画とは常に調整をはかっていかなければならぬことは、非常に重大な国務であることから当然出てくることであると御承知願いたいと思います。(拍手)   〔国務大臣河野一郎君登壇〕

河野一郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) お答えをいたします。  法案の御説明が事前に十分でありませんでしたために、御質問をなさるときに多少誤解の点があるのではないかと思うのであります。率直に申し上げまして、現行の河川法を運用いたしておりまする補助金、助成、その他には一切手をつける意思はございません。一級といい、二級といい、いまの準用河川、主要河川等をどういうふうに仕訳が変わりましても、いま出しておりまするそれに必要な工事は、それが二級河川になりましても、現行どおり補助率は、示しますとおり十ヵ年計画の完了までは同様でこれを続けてまいるということにいたしておりまするから、決してそれによって経費を節約しようとか治水をどうしようとかいうことは考えていないのであります。基本的にその十ヵ年計画において一応わが国の河川を整備する、その整備に必要な経費は、一級河川においてはこれこれにいたします。二級河川は一応こういうふうにいたしますが、現にやっておるところは従来どおりの補助率をもって一それが二級河川になりましても、従来直轄河川として指定しておりますものは、そのとおりの補助率で地方長官に仕事をしていただくということにいたしておりますから、そこに混乱もなければ、何らの問題が起こるはずはございません。  次に……(「四十五年以降はどうだ」と呼ぶ者あり)四十五年以降につきましては、またあらためてそのときに当然考えられることでございまして、ここにわれわれが想定いたしておりまする治水十ヵ年計画のその間はこの方式でいく、その間にこれだけの全国で必要な河川の治水は整えるということがわが党の方針でございます。(「わが党とは何だ、政府じゃないのか」と呼ぶ者あり)われわれは、御無礼でございますが、党と政府が一体になって計画を進めておりますから、さよう御了承いただきます。(拍手)  次に申し上げますが、一級河川を、九十幾つのものを五十前後にしたとか、三十程度にしたとか、そういう事実があるかどうかということでございますが、そういう事実はございません。これらは、この法案が成立いたしましたならば、あらためて河川審議会の議を経て、所要の河川を指定してやるつもりでございます。したがって厳にそういうことはございません。  政令につきましては、委員会において当然要綱を皆さまに御説明申し上げまして、御審議をいただく所存でございます。  どこまでもわれわれは一応の考えといたしまして、現在やっておりまする仕事を現在どおり進めてまいるにいたしましても、年額百億以上の新たな経費を必要とするだろう。それをさらに明年度から新五ヵ年計画を考えるつもりでございますから、そうなりますと、相当画期的な治水事業をわれわれは展開してまいりたい。治水の完ぺきを期して、しかる後に利水の問題が起こってまいります。ただいまも総理からお話がありましたとおりに、決して利水が先で治水があとになるようなことはあり得べきはずはない。水は、流れてしまいますれば利用したくも水がないのでございますから、あくまでも治水が先でございます。(拍手)  その他、委員会において詳細は御説明を申し上げることにいたしたいと思います。  なお、念のために申し上げておきますが、先ほど花火台だとか飛び込み台とか、いろいろお話がありましたが、所要のものはいずれも地方長官にお願いをして監督をしていただく、認可等の事務は譲るということが当然だと考えております。   〔国務大臣重政誠之岩登壇〕

重政誠之自由民主党農林大臣

○国務大臣(重政誠之君) 農林省といたしましては、今回の新河川法案の作成にあたりましては、御指摘の漁業、農業水利、砂利採取等に関する事項について、農林漁業者等の立場に支障の免ずることのないよう、建設省と慎重な協議をし、官行水利権と農業水利の保護、農林漁業者の利益の確保に十分意を用いたつもりであります。新河川法案では、一級河川について建設大臣が河川の使用に関する処分をするときは関係行政機関の長に協議することになっているので、御懸念の事態は避け得るものと考えるのでありますが、法の運営にあたりましては、今回新たに発足をいたしました地方農政局の機構を積極的に活用いたしまして、地元の意向が十分に反映されるよう対処してまいりたいと考えております。(拍手)   〔国務大臣篠田弘作君登壇〕

篠田弘作自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(篠田弘作君) 今回の河川法の改正の趣旨は、主要な河川の治水、利水を広域的見地から、国の責任のもとにおいて行なうということにあるのでありますが、小規模な水利につきましてはむしろ地方的に処理することが適当でございますので、一級河川のうち指定区間につきましては、その管理権の一部を政令の定むるところにより知事が行使できるようにしております。したがいまして、当該区間における小規模の水利権の許可は知事の権限としたいという考え方であります。なお、大規模な水利権についても建設大臣がこれを許可する場合には、関係知事の意見を聞かなければならないものとし、国家的利害と地方の実情との調和をはかることといたしておるのでございます。(拍手)   〔国務大臣田中角榮君登壇〕

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 石川さんにお答えいたします。  私に対する質問は二つでございまして、その一つは、新河川法の原案策定の過程において全額国庫負担という議論があったが、なぜ現行のようにしたかということでございます。御審議を願っております改正案によりましては、一級河川につきましては三分の二、昭和四十四年まで四分の三、こういうことでございます。一般の公共事業につきましても、御承知のとおり、受益のあるところでは受益負担をするというのが公共事業の原則でございまして、河川の改修に対してもこの例外たり得ないわけでございます。しかも、現行の河川法よりも改正する河川法はどのように国庫負担がふえるだろうかといいますと、当然全体的にして相当額国庫負担がふえていくという方向にあることは御承知願えると思うわけでございます。それから一、二級国道の例をとって申し上げるとおわかりだと思うのでございますが、一級国道につきましても、直轄工事においては三分の二が法定でございますが、緊急五ヵ年計画の施行の過程において、昭和四十年までは四分の三国庫負担であるわけであります。  それから第二の問題は、一級河川と二級河川の国庫負担の率が違うことによって、しかも水系別に指定をいたしますので、二級河川に落ちるもの等に対して府県負担、地方公共団体の負担が非常にふえるのではないかというようなお話でございますが、先ほど建設大臣がお答え申し上げたとおり、現在一級河川から二級河川に落とす、いままで直轄工事をやっておるものが二級河川に落ちるなどという原案をきめておらないのでございまして、本法の改正の趣旨から考えれば、そのようなことはないと考えております。  それからなお、現在直轄でやりておりますものが二級河川になりましても、その部分に対しては直轄工事を進めてまいり、しかも、現行どおりの国の補助率で工事を施行するわけでございます。  なお、地方負担につきましては、地方が負担をする単独財源というだけではなく、御承知のとおり、補助金、負担金、なお地方交付税等によって十分調整をせられるのでございますから、改正河川法による負担を考えますと、現行法より国の負担がより多くふえる、こう申し上げてよろしいと思います。(拍手)

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 以上をもちまして質疑とこれに対する答弁を終了しました。      ————◇—————  日程第一 農業災害補償法の一部   を改正する法律案(内閣提出)

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) これより本日の日程に入ります。  日程第一、農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。     —————————————  農業災害補償法の一部を改正する法律案   〔本号(その二)に掲載〕     —————————————

清瀬一郎無所属議長

○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事丹羽兵助君。   〔議長退席、副議長着席〕     —————————————   〔報告書は本号(その二)に掲載〕     —————————————   〔丹羽兵助君登壇〕

丹羽兵助自由民主党

○丹羽兵助君 ただいま議題となりました内閣提出、農業災害補償法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  農業災害補償制度は創設以来すでに十数年を経過し、その間災害対策として農業経営の安定に寄与した役割は見るべきものがあったのであります。しかしながら、最近における農業技術の進歩、生産基盤の整備等によって農業災害の発生の態様も著しく変化し、現行制度は農村の実情に合わない面が多くなり、農家負担に比し、いわゆる掛け捨てが多いこと、共済掛け金率が被害の実態に即応していないこと、病虫害を共済事故とすることに問題があること、共済金の支払い額が損害に比して少ないこと、あるいは無事戻し制度の実効があがっていないこと等が問題として指摘され、各方面からその改正が強く要望されてまいりました。  そこで政府は、この要望にこたえるため、鋭意検討の末、第三十八回通常国会に農作物共済を中心とした抜本的な改正案を提出したのでありますが、これは審査未了となり、続く第三十九回臨時国会に同じ内容の改正案を再提出したのであります。しかしながら同案も、第四十回通常国会への継続審査案件となり、その国会においても、衆議院においては修正議決されましたが、参議院において再び審査未了となったのであります。かくて、衆議院修正後の案を基礎にし、それに懸案の任意共済に関する制度改正を加えた本改正案が、あらためてここに再提出されることになったのであります。  以上、本案提出に至る経緯について申し上げましたが、本案の内容は、前述した現行制度に対する諸般の問題にこたえることをねらいとし、まず第一に、制度を農家に密着したものにするため、農業共済組合等の農作物の共済責任の拡充をはかることにしたこと、第二に、とかく評判の悪い画一的強制加入方式を緩和して、任意的要素を取り入れることにしたこと。第三に、制度が真に災害対策として実効をあげるため、農作物共済の損害補てん内容の充実をはかることにしたこと、第四に、農作物共済の共済掛け金率の設定と、共済掛け金の国庫負担方式の合理化をはかることにしたこと、第五に、新しい方向として、事故の予防的な意味をも加味し、水稲の病虫害については、特別のものを除きこれを共済事故から除外することができることとし、これに対応した共済掛け金の割引制度を取り入れることにしたこと、その他任意共済に関する制度の改正として、連合会は、その行なう任意共済について手持ち責任の一部を全国共済農業協同組合連合会の共済に付することができる旨の規定を新たに設けたこと等をその骨子といたしております。  本案は、三月五日提出され、農林水産委員会におきましては、三月六日政府から提案理由と補足説明を聴取し、次いで、三月二十八日から五月二十八日に至る間九回にわたり審査を進め、その間、五月二十二日には元農業災害補償制度協議会議長清井正君外三名の学識経験者から参考意見を聴取し、また委員会の定例日外を利用し、五月十七、十八日の両日、長野県下で制度改正に対する意見等について現地調査を行なう等、審査に慎重を期し、五月二十八日、一切の質疑を終了したところ、日本社会党から本案に対し、組合等は、共済責任のうち通常標準被害率に対応する部分は原則として手持ち責任とし、事情により三割の範囲内で都道府県連合会に付保することができるものとすること、組合等は、その支払い不足額につき、農業共済基金より融資または債務保証を受けることができること等を内容とする修正案が提出され、次いで、討論に入り、日本社会党を代表して足鹿覺君から原案に反対、修正案に賛成の、また、自由民主党を代表して倉成正君から原案に賛成、修正案に反対の意見が述べられ、さらに国会法第五十七条の三の規定に基づき、重政農林大臣から修正案に対する政府の意見を聴取した後、採決に入り、修正案は少数をもって否決し、結局のところ、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  以上、報告を終わります。(拍手)     —————————————

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) 討論の通告があります。これを許します。山田長司君。   〔発言する者あり〕

原健三郎自由民主党副議長

○副議長(原健三郎君) この際、暫時休憩いたします。    午後四時十一分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  池田 勇人君         大 蔵 大 臣 田中 角榮君         厚 生 大 臣 西村 英一君         農 林 大 臣 重政 誠之君         郵 政 大 臣 小沢久太郎君         建 設 大 臣 河野 一郎君         自 治 大 臣 篠田 弘作君  出席政府委員         内閣法制次長  高辻 正巳君         内閣法制局第二         部長      真田 秀夫君         厚生省社会局長 大山  正君      ————◇—————

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