本会議 第17号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/03/26
会議録
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。 ————◇————— 韓国の軍政延長と日韓会談に関する緊急質問(松本七郎君提出)
○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 この際、松木七郎君提出、韓国の軍政延長と日韓会談に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 草野一郎平君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 韓国の軍政延長と日韓会談に関する緊急質問を許可いたします。松本七郎君。 〔松本七郎君登壇〕
○松本七郎君 私は、日本社会党を代表し、最近の韓国政情の急変に関連して、政府の日韓会談に対する見解をただし、その重大な責任を追及せんとするものであります。(拍手) 今からちょうど一カ月前に、同僚岡田春夫議員は、本会議におきまして、日韓会談について論じ、政府、特に大平外相の政治責任をきびしく糾弾いたしました。その後わずか一カ月の間に、韓国の政情はさらに動揺と混乱を深め、もはや収拾不可能というべき事態に陥っております。しかも重大なことは、朴軍事独裁政権が、三月十六日、軍政をさらに四年間延長することをはかるという暴挙をあえてしたことによりまして、韓国国民大衆の激しい抵抗に直面しているという事実であります。大平外相は、外交上の見通しを誤ったことにつき、岡田議員初めわが党議員からきびしく批判された当時すら、なお、「韓国政情が予想通りいかなかったことは認める。しかし、この韓国の動きは、朴政権が大きく内外に約束した民主化への生みの苦しみであると考える。」と強弁していたのであります。 朴正煕は、二月二十七自、みずから音頭をとって民政移管を目ざす宣誓式を行ないながら、二週間後には、平然と民政への国民の熱望を踏みにじり、政治活動弾圧のもとで、四年間の独裁、ファッショ政治の白紙委任状を取りつけようとした。かくのごとき朴政権、これがどうして民主化を目ざす政権などと一声えるか。この一点だけをもってしても、政府は直ちに日韓会談を打ち切るべきであると思うが、どうか、池田首相の率直な意見の表明を求めるものであります。(拍手) 次に、私は、朴軍事政権に対する政府・自民党内のきわめて危険な評価の傾向について警告し、首相の見解をただしたい。 政府・自民党内には、日韓会談を進めてきた朴政権とよほど利害関係でもあるのか、朴政権の軍政を謳歌し、これに抵抗する韓国大衆の動きを非難するがごとき言動が見られます。汚職の疑惑に包まれ、責任追及の手をのがれて、亡命同様の姿で来日した問題の人物金鍾泌と、何の必要があって、自民党の副総裁、前総理大臣、前副総裁、さらには現職の大臣面でが、食事をともにして慰めねばならないのか。本日の報道によりますと、米国務省も、軍政延長反対の意思を公式に表明したとのことであります。しかるに、自民党の大野副総裁は、さらに進んで、朴政権の軍政延長を歓迎する言動を行ない、軍政の方が、国民の反対を押えて日韓会談をまとめやすいなどと放言していると伝えられております。このことは、何も今私がここで初めて紹介するわけではない。韓国政界の大立者であり、新政党の指導者である許政元首相が、去る二十一日、特に日本人記者団と会見しました際に、「議会政治の長い歴史を持つ日本の政界人の一人が最近軍政延長歓迎を公言したことは、意外かつ遺憾である。日本政界人は、韓国政界人が自由主義、民主主義のため戦うことに支持と同情を寄せるべきではないか。」と憤慨し、かつ非難をしているではありませんか。(拍手)韓国国民の口を封じ、軍事独裁政権との間に強行する日韓会談が、日韓両国国民の間の真の友好協力とはおよそ無縁のものであることは、あまりにも明らかではないでしょうか。韓国内の民主政治家の動きを非難し、軍政を賛美するがごときは、日本の民主政治そのものを侮辱し、かつての二・二六事件のようなファッショヘの道を歩むことであって、みずからの首を締める言動ではないか。自民党総裁である池田首相が、与党有力者のこのような危険な言動をどう考えられ、責任をとられるのか、伺いたいのであります。 さらに、私は、たとえ軍政延長の強行方針が多少緩和され、形だけの民政移管が約束されたとしても、それで信用できる事態ではないことを、この際強調したいのであります。 現在の大混乱を通じて浮き彫りされ、明らかになったことは、今日の韓国には全く自主性がなく、すべて米国の出先当局の顔色をうかがわずしては物事が進行しないというみじめな実情にあるということであります。朴政権当局も、これに反対する野党指導者も、すべてバーガー駐韓米国大使あるいは在韓米軍当局の意向を打診せずしては行動できない。また、たとえ一時これを無視してみても、やがては政策の修正を余儀なくされるという従属的実態を露呈いたしているのであります。これでは、外に向かって責任ある外交交渉をする能力も資格も欠除しているといわざるを得ません。(拍手) このことに関連して、私は、池田首相にお尋ねしたいことがあります。 朝海駐米大使は、三月十一日、ラスク米国務長官に対して、日韓交渉の現状に関する説明書を提出したといわれまするが、その内容は一体いかなるものか、ここで明らかにしていただきたい。朝日新聞の報ずるところによれば、朝海大使はこれについてわざわざ次のように弁解をしております。「日韓両国の問題を第三者である米国に伝えるのは、決して指示を仰いだり、韓国側への圧力を期待するためではない。両国と密接な利害関係にある米国が、これに重大な関心を持つことは当然である。」と、こう言っておるのであります。私は、この弁解そのものが、最も雄弁に日韓会談の本質を告白しているものだと思うのであります。(拍手)日韓会談が、実は米国の極東反共軍事政策に奉仕する日米韓三国交渉であるという私たちのかねての判断が、この朝海大使の言動であざやかに実証されているではありませんか。その米国は、二年前に最後の切り札としてかつぎ出した朴政権が、腐敗と無能ぶりを暴露して崩壊し始めた今、どう事態を収拾すればよいか、考えあぐねているようであります。その米国の意向と方針が明らかにならない限り、日本政府もまたどう対処してよいのかわからぬで、依然として、会談はこちらから打ち切る気はないとの一点張りでごまかすほかはない醜態をさらけ出しているのであります。(拍手)私は、池田首相が世界の大国をもって任じられるのであるならば、米国の顔色をうかがうことなく、きぜんとして米国の対韓国政策の誤りを指摘し、日韓会談の即時打ち切りを今こそ内外に宣明さるべきだと思うが、どうか、首相の明確な決意を伺いたいのであります。(拍手) 最後に、私は、それでもなお政府が会談の続行を固執するというのであれば、重大な疑惑を提起せずにはおれないのであります。 韓国の各新聞の報道によりますると、韓国政情の目をおおう大混乱の中にも、日本財界の対韓経済進出は着々と進んでいると伝えられております。たとえば金鍾泌と日本政界人を結ぶ。パイプとなったといわれる在日某韓国人は、韓国の永登浦にありました紡績施設を、朴軍事政権から前例のない特権的条件で払い下げを受け、昨年末の大野訪韓と前後して、日本から技術、施設を持ち込み、また、管理職員約四十名の日本人まで引き連れて乗り込んでおります。この紡績工場は本年二月に操業を開始したのでありまするが、幹部はすべて日本人で占められ、工場における常用語は日本語でやっているという。かくて韓国内では、これこそ日本の経済侵略の見本であるとの批判が高まって参り、今、韓国人工員のストライキが起こっていると報ぜられています。また、日本商社の進出も目ざましいものがあり、これら業者の圧力に押されて、政府は今延べ払いなど実質上の経済援助をどんどん進めているではありませんか。 一体、韓国の経済事情は今どうなっているのか。軍事政権下にあって、悪性インフレはいよいよ高進し、外貨準備はほとんど底をつき、春の端境期には絶糧農家の続出は火を見るより明らかであります。ほとんど近代国家としての経済の形をなしていないというほかはありません。このような破魔同様の韓国に対して、そろばんにさとい商社、業界の人たちが、なぜ先を争って経済進出を行なっているのか。当面の利益収奪を急ぎ、その元が取れないとなれば、すべて日本政府が朴軍事政権との間にやみ取引した五億ドルで帳じりを見てもらえるという安易な気持に立っているのではないか。いわば韓国国民大衆と日本国民大衆の犠牲において五億ドルという国民の血税を食いつぶそうというからくりではないのか。(拍手)そうであればこそ、朴軍事政権が、いかにその反民主的、非合法的、ファッショ的様相を露骨にしようと、また、韓国がいかに政治的、経済的崩壊の道をたどろうとも、大平・金密約の五億ドルにしがみつかざるを得ないのではありますまいか。一体、この五億ドルがどぶに捨てる金にならないという保障がどこにあるのか。また、朴軍事政権を否定する新しい韓国の支配勢力が確立したときに、この五億ドルの約束はなお有効であるのか。どんな事態になっても、五億ドルだけは既成事実として残り、もしこの約束に変更ありとすれば、それは増額される変更ばかりということになるのではないか。池田首相の明快な説明を願いたいのであります。 日韓会談は、今や、私どもが再三にわたりて警告した通り、民主主義と国民的利益を犠牲にして、ひたすら反共軍事体制の強化と、これに便乗した日本の経済進出以外の何ものでもないことが明らかになりました。 私は、重ねてここに、会談の即時打ち切りを要求するとともに、もし大平外相に、真に日韓両国民の友好親善を求める誠意と一片の政治的良心ありとするならば、いさぎよくみずから進んで引責辞職すべきことを勧告して、質問を終わるものであります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。 日韓両国の国交正常化は、日韓両国民大多数の熱望するところでございます。従いまして、政府は、この民意に沿うべく、できるだけ早い機会に正常化の実現に向かって邁進いたしておるのであります。およそ外交交渉は、そのときどきの合法政府を相手として話し合いを行なうべきでございまして、その合法政権が軍事政権なりやいなや、あるいは面接国民より選出された政府なりやいなやということは問うべきところではございません。私はこの意味におきまして交渉を進めておるのであります。また、従来日本政府は、今年の夏に軍政が民政に移管することを条件として交渉しているのではありません。これははっきり申し上げておきます。従って、今庫裏政権が延長云々の問題があったから交渉を中絶する、やめるという考えは毛頭ございません。 第二の御質問の、軍政に関する批判につきまして、いろいろ御質問がございまするが、これは各自の自由でございます。民政移管の方向に向かっていかなるいき方をもって進んでいくかということは、韓国自体の問題でございます。われわれは韓国の事態を見守る必要がございまするが、このことによって一喜一憂すべきではないと考えております。 また、朝海大使と米国政府との話し合いにつきましては、外務大臣よりお答えきすことといたしますが、私は、日本政府独自の考えで日韓交渉を進めておるということをはっきり申し上げておきます。 なお、経済協力につきましての御質問でございまするが、民間におきまして両国の経済人が貿易交渉をしておるということは、通常の民間経済協力でございます。従って、今問題になっておりまする請求権の解決方策として有償無償の供与をなすこととは全然関係がございません。われわれは、韓国のみに経済協力をしないというべき筋合いのものでなしに、どこの国ともできるだけ経済協力をすることが、日本の置かれた立場から当然のことと考えております。(拍手) 〔国務大臣大平正芳君登壇〕
○国務大臣(大平正芳君) 朝海大使が国務省に対して手交いたしましたものは、通常外交関係にある国々が関心を持っておる問題につきましての情報の交換でございまして、その一環にすぎないわけでございまして、アメリカ側の指示を求めたというような性質のものでは絶対ございません。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 以上で緊急質問並びにこれに対する答弁は終わりました。 ————◇————— 甘味資源特別措置法案(内閣提出) 及び甘味資源の生産の振興及び 砂糖類の管理に関する法律案 (芳賀貢君外二十六名提出)の趣 旨説明
○議長(清瀬一郎君) 議院運営委員会の決定によりまして、内閣提出、甘味資源特別措置法案、及び、芳賀貢君外二十六名提出、甘味資源の生産の振興及び砂糖類の管理に関する法律案の趣旨の説明を順次求めます。農林大臣重政誠之君。 〔国務大臣重政誠之君登壇〕
○国務大臣(重政誠之君) 甘味資源特別措置法案につきまして、その提案趣旨を御説明申し上げます。 甘味資源の生産の振興につきましては、昭和二十八年以来てん菜生産振興臨時措置法に基づき、寒地におけるてん菜の生産振興のための措置を講じてきたところであり、また、昭和三十四年には甘味資源自給力強化総合対策として、国内産糖製造事業の自立基盤を確立するため、砂糖の関税及び消費税の振りかえを行なうとともに、日本てん菜振興会を設立して試験研究の拡充強化をはかる等の諸般の措置を講じてきたところであります。 寒地てん菜につきましては、近年天候その他の理由によって若干停滞の気味にあるものの、今後の伸長を期待し得るものがあり、西南諸島における甘しゃ及び甘しゃ糖、でん粉を原料とするぶどう糖についても急速な生産の伸長があり、さらに暖地にあってもてん菜作の導入の試みがなされてきているところであります。 この間にあって甘味資源作物の導入がその農業経営の改善と農家所得の安定に果たした役割は、寒地てん菜にあってはその耐寒性作物であることと畜産との有機的結合による輪作体系の合理化によって、また、さとうきびにあっては他に対比すべきものがない主要な商品作物として、それぞれまことに大なるものがあったと考えられるのであります。 従って、今後におきましても、農業経営の改善と農家所得の安定のために、その地域における生産を振興することが必要とされる適地におきまして、これら甘味資源作物の生産を振興して参ることが必要であり、また、これとあわせてその甘味資源作物を原料とする砂糖類製造事業につきましても、その健全な発展をはかるべきことは言うを待たないところであります。 他方、農産物についても今後国内生産保護のための所要の措置を講じて可能なものについては、できる限りすみやかに輸入自由化を行なうことが要請されておりますし、また、消費者の立場を十分考慮することも必要であると考えられるのであります。 以上の諸点を十分配慮し、今後における甘味資源対策の基本として、本法案を制定いたしまして適地におけるてん菜及びさとうきびの生産を振興するとともに、てん菜糖工業、甘しゃ糖工業及びぶどう糖工業の健全な発展をはかるため、所要の生産奨励、政府買い入れ等の措置を講ずることにより、農業経営の改善と農家所得の安定及び国内甘味資源の国際競争力の強化に資するよう措置する所存であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、政府は、砂糖類並びにてん菜及びきとうきびについて農業基本法第八条の重要な農産物として、同条の規定によりその需要及び生産の長期見通しを立て、これを公表することといたしております。 第二に、適地においててん菜及びさとうきびの重点的な生産の振興をはかることとし、その区域内の農業経営の改善をはかるため甘味資源作物の生産を計画的に振興することが特に必要と認められる一定の区域をてん菜生産振興地域またはさとうきび生産振興地域として農林大臣が指定し、指定を受けた地域を管轄する都道府県知事は毎年生産振興計画を立て、農林大臣の承認を受けなければならないものとし、国は、その計画の実施に要する経費等につき必要な助成を行なうこととしております。 なお、農林大臣が生産振興地域の指定を行なうにあたっては、関係都道府県知事の意見を聞き、また、都道府県知事からも指定の申し出をすることができることといたしております。 第三に、生産振興地域の区域内における甘味資源作物の生産振興とてん菜糖工業及び甘しゃ糖工業の健全な発展を確保するため、その地域内における製造施設の設置及び変更につき、農林大臣の承認制をとることとしております。 第四に、政府は、砂糖の価格が著しく低落した場合において必要があるときは、てん菜糖製造事業者及び甘しゃ糖製造事業者から、農林大臣が定める最低生産者価格を下らない価格で生産者から買い入れたてん菜またはさとうきびを原料として製造されたてん菜糖または甘しゃ糖を買い入れることができる制度を設けております。 なお、当分の間は、糖価の低落以外の特別の事由がある場合にあっても特に必要があると認めるときは、所要の政府買い入れを行なうことができることといたしております。 第五に、甘しょ及び馬鈴しょの需要の確保をはかるため、砂糖の価格が著しく低落した場合において必要があるときは、ぶどう糖製造事業者からぶどう糖の政府買い入れを行なう制度を設けております。 ぶどう糖の政府買い入れにつきましても、当分の間は、糖価の低落以外の場合においても、ぶどう糖工業の合理化を促進するため特に必要があるときは、所要の政府買い入れを行なうことができることといたしております。 第六に、甘味資源に関する重要事項を調査、審議するため、農林省に甘味資源審議会を設置することといたしております。 第七に、本法の附則によりまして、食糧管理特別会計法の一部を改正し、同会計に砂糖類勘定を設けて損益の明確化をはかることといたしております。 以上がこの法律案の主要な内容でございます。 以上をもちまして甘味資源特別措置法案の趣旨説明といたす次第であります。(拍手) —————————————
○議長(清瀬一郎君) 法律案提出者芳賀貢君。 〔芳賀貢君登壇〕
○芳賀貢君 甘味資源の生産の振興及び砂糖類の管理に関する法律案につき、提出者を代表して提案の趣旨を御説明申し上げます。 わが国における甘味資源といたしましては、てん菜を原料として製造したてん菜糖、甘しゃを原料として製造した甘しゃ糖及び甘しょ、馬鈴しょを原料とするでん粉から製造したぶどう糖等でありますが、その生産量は、昭和三十七年度において、てん菜糖十六万トン、甘しゃ糖六万トン、ぶどう糖六万トンで、合計二十八万トンであり、これに沖繩で生産された甘しゃ糖十四万トンを加えても四十二万トンであり、国内需要量百六十五万トンの二五%にすぎず、毎年百二十万トン以上を輸入に依存している状態であります。 これら甘味資源のうち、てん菜糖については、北海道における寒地農業の重要作物として昭和初年から奨励せられ、砂糖の自給化政策の一環として、昭和二十七年にはてん菜生産振興臨時措置法が制定され、今日に至っているわけであります。次に、甘しゃの生産につきましても、奄美諸島及び沖繩における重要な作物であり、その農家所得の中に占める比重はきわめて大きいものがあります。さらに、ぶどう糖の生産につきましては、甘しょ、馬鈴しょ生産農家の所得の安定のため、でん粉需要の確保の見地からも大いに振興する必要があることは論を待たないところであります。 政府は、昭和三十四年に甘味資源自給力総合対策を決定し、十カ年後の昭和四十三年度における砂糖類の総需要量を百五十二万トンと推定し、てん菜糖については北海道三十万トン、府県十万トンで四十万トン、甘しゃ糖については、奄美諸島六万トン、沖繩十四万トンで二十万トン、ぶどう糖については十五万トンで、合計七十五万トンの生産目標を立て、自給度五〇%の達成を指向したのであります。 しかるに、その後、この長期計画の実施状況は不振をきわめ、すなわち、北海道のてん菜については、昭和三十七年度の計画面積五万三千ヘクタールに対し、作付面積は八三%の四万四千ヘクタールであり、てん菜糖の生産目標二十万トンに対し七〇%の十四万トンと大きく下回っている実情であります。また、府県のてん菜糖については、三十七年度の生産目標十万トンに対し、一三%の一万三千トンという状況であります。しかるに、国内における砂糖類の需要の増加は著しく、三十七年度においては百六十五万トンに達し、長期計画による四十三年度の需要見込みの百五十二万トンをすでに大きく上回っている現状であり、今や長期計画そのものを全面的に改定すべき事態に直面しているのであります。 このような甘味資源の生産不振につきましては、政府の長期計画の策定がずさんであったことはもちろんでございますが、この計画達成のための施策に積極性を欠き、ことに畑地改良等の生産基盤の整備の立ちおくれ、てん菜生産者価格の低価格、さらには国内糖業対策の不徹底等、政府の無為無策に基因するものと指摘せざるを得ないのであります。現に北海道においては、原料の生産振興を度外視して、政治的な工場の過剰誘致が行なわれ、結果的には、製造業者は、原料不足による砂糖のコスト高で経営難に陥り、生産農家は、原料価格が安いため生産意欲が減殺されている実情であります。また、府県においても、政府の呼びかけにこたえててん菜糖製造に乗り出した民間会社も、原料不足により、大分のてん菜工場のごときは操業中止のやむなきに至り、生産農民及び会社の損失はもちろんのこと、暖地てん菜生産の前途に暗影を投じている状態であり、かかる結果を招来した政府の施策の失敗に国民の批判は痛烈であります。政府としては十分反省せられるべきであります。 しかるに、最近における政府の甘味資源対策を見ると、輸入砂糖については、現行の外貨割当制を廃して自由化の実施を急いでいる模様であります。砂糖の自由化について、政府の方針には明確な根拠がなく、単に自由化率九〇%達成のため、甘味資源の保護対策を犠牲にするかの態度が濃厚であります。しかも、わが国の砂糖価格は世界最高の価格であり、その主たる原因は税の過重によるものであります。すなわち、砂糖一キログラム当たり関税が四十一円五十銭、消費税二十一円を合わせて六十二円五十銭であり、このような国民食生活の安定を無視した政府の砂糖政策の誤りこそ、自由化以前に解決すべき重要な課題であります。 翻って、欧米諸国における砂糖政策の現状を見ると、輸入を自由化している実例は全く少なく、あるいは政府輸入の制度をとり、あるいは輸入割当制、高率関税等の措置を講じ、国内甘味資源の生産の振興に対し強力な保護政策をもって、国内自給度の向上に努めている実情であります。ことにイタリアにおいては、第二次世界大戦直後の一九四六年のてん菜糖の生産量が二十七万トンであったのを、十カ年後の一九五四年には百四十万トンの生産量に躍進させ、砂糖の自給化を完成した事績に徴しても、その国における政府の政策実行に取り組む熱意こそが生産発展の成否を制することが実証されるのであります。 これに反して、政府の態度は、池田首相を初め、甘味資源生産振興についての対策及び砂糖価格の安定についての明確な対策もなく、国内体制未整備のままで、いたずらに自由化だけを強行せんとする意図については、国民大衆の立場からも理解に苦しむところであります。わが党としましては、甘味資源の生産振興と糖業の発展を国の施策として積極的に進めるためには、砂糖の自由化は行なうべきでない旨を、ここに明らかにしておくものであります。 以上申し述べた現状と観点に立ち、今後の甘味資源対策を強力に進めるために、すなわち、砂糖類の需給及び価格を安定させるために、政府が砂糖の輸入を行なうとともに砂糖類を管理することとし、国内のてん菜及び甘しゃの生産の振興、並びに糖業経営の健全化に必要な措置を講じ、もって農業経営の改善と農家所得の安定をはかり、あわせて砂糖の自給度の向上と国民の食生活の安定に資するために、この法案を提出することとした次第であります。 次に、この法案の内容について概要を御説明申し上げます。 第一は、砂糖類需給計画の策定でありますが、農林大臣は、砂糖審議会に諮り、砂糖類の需給見通し、砂糖類の生産目標、てん菜、甘しゃ及びぶどう糖原料のでん粉の生産目標、砂糖類の輸入見通し等の重要事項について、毎五カ年を一期とする長期需給計画を定め、これに基づく毎年度の需給計画を具体的に定めて、施策の方向を明らかにして、これを公表することといたしております。 第二は、てん菜及び甘しゃの生産振興についてでありますが、その生産条件が、てん菜または甘しゃの栽培に適しており、農業経営の改善により生産が増大する見込みが確実であり、さらに製糖企業が成り立つだけの生産量を確保し得る見込みのあること等を考慮し、農林大臣は、都道府県の区域につき生産振興地域の指定を行なうものであります。次に、生産振興地域の指定を受けた都道府県知事は、甘味資源生産振興審議会に諮り、生産振興計画を定め、農林大臣の承認を求めることとしております。 第三は、砂糖類の製造施設の承認制でありますが、現在の製糖工場は、原料不足等の理由から不安定な経営に陥っている状態であり、これら製造施設の合理化はもちろんでありますが、設備が過剰とならないよう、原料の生産に即応し、施設の設置または変更につき、農林大臣の承認を要することといたしたのであります。なお、ぶどう糖の製造施設について毛、同様の承認を要することといたしたのであります。 第四は、生産振興地域内において生産されたてん菜または甘しゃの集荷及び販売については、生産者団体を通じて一元的に行なわれるよういたし、また生産者団体及び製造業者はこれらの事項につき契約を締結するようにいたしたのであります。 第五は、砂糖類の政府買い入れの措置についてでありますが、国内産てん菜糖及び甘しゃ糖にあっては、砂糖製造業者の申し込みに応じて政府買い入れを行なうことといたしております。またぶどう糖については、市価が低落してぶどう糖の生産の確保と価格安定のため、必要と認める場合には政府買い入れを行なうこととしております。 第六は、てん菜及び甘しゃの生産者価格及び砂糖類の政府買い入れ価格についてでありますが、まず、てん菜及び甘しゃの生産者価格については、農業基本法に基づく選択的拡大の重要作物とみなして、生産者米価の算定と同様に生産費・所得補償方式に基づき生産者価格を定めて告示することといたしました。 次に、てん菜糖及び甘しゃ糖の政府買い入れ価格については、てん菜または甘しゃの生産者価格に、砂糖の製造経費及び政府への売り渡しに要する経費を加えた額を基準として定めることとしております。なお、ぶどう糖の買い入れ価格については、農産物価格安定法に基づく甘しょ、馬鈴しょでん粉の政府買い入れ基準価格に所要の経費を加えた額を基準として定めることといたしております。 第七は、砂糖の政府輸入についてでありますが、政府は、毎年需給計画に基づき必要量の砂糖を輸入することとし、政府以外の輸入は認めないことといたし、また関税については、政府輸入の立場からこれを免除することといたしております。 第八は、砂糖類の標準販売価格についてでありますが、砂糖の販売価格が国民食生活に及ぼす影響等を配慮して、標準販売価格の算定については、国産砂糖の生産費、家計費、物価事情等を参酌して価格を定め、告示することといたしました。なお、農林大臣は、糖価安定のために必要な勧告を行なうことができることといたしております。 第九は、砂糖類の政府売り渡しについてでありますが、政府は、需給計画に基づいて、その所有する砂糖類を売り渡すものとし、売り渡し予定価格については、標準販売価格を基準としてそれぞれの砂糖について定めることといたしております。 第十は、助成措置についてでありますが、国は毎年、予算の範囲内で生産振興地域の都道府県に対し、生産振興計画の実施に要する経費の助成を行なうこととし、また、砂糖類の製造施設の設置につきましても、必要な資金の融通のあっせんを行なうものといたしました。 第十一は、砂糖審議会等の組織についてでありますが、甘味資源の生産振興及び砂糖類の需給計画に関し、てん菜等の生産者価格、砂糖類の政府買い入れ価格及び砂糖の標準価格の決定等に関する重要事項を調査、審議するため、農林省に砂糖審議会を設置することといたしております。また、甘味資源の生産の振興対策及び原料の集荷、販売等に関する重要事項について調査、審議するため、生産振興地域の都道府県に甘味資源生産振興審議会を設置することといたしました。 第十二は、行政機構等についてでありますが、本法案の円滑な運用をはかるため、食糧庁に砂糖所管部の新設及びこれに伴う定員の確保を行なうための農林省設置法の改正、砂糖類の政府管理に伴い砂糖類管理勘定を設けるための食糧管理特別会計法の改正、政府が砂糖の輸入を行なうため関税免除のための関税定率法の改正その他諸規定の整備を行なうことといたしております。 第十三は、この法律は昭和三十八年四月一日から施行することといたしております。 以上、本法律案の提案の趣旨とその内容の概略を申し述べた次第でございます。(拍手) ————◇————— 甘味資源特別措置法案(内閣提出) 及び甘味資源の生産の振興及び 砂糖類の管理に関する法律案 (芳賀貢君外二十六名提出)の趣 旨説明に対する質疑
○議長(清瀬一郎君) ただいまの趣旨の説明に対しまして、質疑の通告がありますから、これを許します。東海林稔君。 〔東海林稔君登壇〕
○東海林稔君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案説明のありました内閣提出、甘味資源特別措置法案について、総理並びに関係大臣に対し、若干の質疑をいたさんとするものであります。 まず、総理にお伺いします。 第一に、貿易の自由化についてでありますが、甘味資源振興対策がいまだ確定せず、さらには、その振興のめどもつかないままに砂糖の自由化を行なおうとする、その真意はどこにあるのか、まずこの点を伺いたいのであります、わが党といたしましては、ただ単なる自由化率九〇%の達成のための犠牲として砂糖の自由化をする、このようにしか今の政府の態度からは考えられないのでございます。砂糖の自由化による利益をいかに政府は考えておるのでありますか。消費者に対し低廉な砂糖を供給するということは、現在の世界糖価の現状ではなかなか期待し得ないのではないかと考えるのであります。すなわち、昨年初めまでポンド二セント六十ないし七十であったものが、生産の減少で七セントにも高騰しておるのであります。かかる現実を見るとき、野放しに自由化するよりは、国内産糖の育成をはかり糖価の安定をはかることこそ、消費者、国民大衆へのサービスではないかと考えられるのであります。これに対する総理の所信をまずお伺いいたします。 次に、自由化の前提として、国内甘味資源の生産振興対策を確立することを政府はたびたび言明して参っておりまするが、今後における砂糖の需要星をいかように考え、また、これに対する国内生産をどこまで持っていこうとする考えであるのか、この点も明らかにしていただきたいのであります。巷聞伝えるところでは、自民党では、三十八年度を初年度として、十年後の四十七年度において国内甘味資源の半分を自給する、こういうつもりであるように聞いておるわけでございます。はたしてそうでございましょうか。現在の国内自給度を見ますると、総需要量百六十五万トン、国内産糖四十二万トンで、自給度率は二五%にも達していないわけでございます。農業基本法に基づく政府の農産物の需要と生産の長期見通しによりますと、北海道てん菜の生産量は、昭和四十六年度で二百十六万トンと見込まれ、歩どまり一四%として産糖高が三十万トン。これに、三十四年の長期計画通りにいくといたしまして、府県てん菜十万トン、ぶどう糖十五万トン、甘しゃ糖二十万トンを加えた国内の総生産は七十五万トンであります。他方、需要の見通しは、四十六年度で二百二万ないし二百二十六万トン、こうなっておるわけであります。国内生産で半分を確保するとするならば、約百万トンの生産を要するわけでありまするが、これに対する政府の具体的な施策はどのように考えておられるのでありますか。単に机上計画は一応りっぱでありましても、その実行はなかなか容易でないのでありまして、これまでの実績を見ましても、たとえば昭和三十四年度にきめた甘味資源総合対策の今日までの経過を見ましても、実績が何ら上がっておらぬということがはっきりといたしておるわけでございます。 さらに、最も哀れな例は暖地ビートでございます。政府はやたらに奨励の太鼓をたたいたわけでありますが、その施策がきわめて不徹底であり、かつ間違っておりましたために、御承知のように、昨秋は大分のてん菜工場は操業を中止するのやむなきに至っております。てん菜耕作農民はこのために非常に迷惑をこうむったことは御承知の通りでございます。しかも、このような農民の困惑を目の前にしながらも、政府は何らこれに対しての善後措置を講じておらないのでございます。私どもをして言わしむれば、このような政府の態度は、拱手傍観して暖地てん菜の自然消滅を待っておるかのごとくに思われてならないのであります。この点でも、まきに農民の農政に対する不信はますます高まっておるのでございます。 第三にお伺いいたしたいのは、産甘味資源振興対策についての財源措置についてでございます。わが党は、輸入砂糖を国家管理とし、その際関税を免除し、その財源を生産振興に充当するというような考え方のもとに、先ほど提案説明にもありましたようなわが党の案を出しておるわけでありまするが、政府は一体いかなる財源措置を講ずるつもりであるのでありますか。新聞紙等によりますと、消費税の一部、つまりキロ当たり五円、総額七十五億円を充当する、こういうように政府と与党との間で了解があるというようなふうにも伝えられておりますが、これは事実でありますかどうか。また、法案にはこれらの点については明確にされておらないのでありますが、将来いかなる形でこれを保証するつもりでありますか、そういう点も伺いたいのであります。また、特にこの際明らかにしていただきたいのは、もしこの七十五億を充てるといたします場合に、この財源の使途は、甘味資源の生産振興に充当するのか、また糖価安定の財源にも充当されるのか、それらの点を明らかにしていただきたいと思うのであります。 第四に、現在国際糖価は非常に高騰いたしておりますが、政府は、今後における国際糖価をいかに考え、そうして消費者家計の安定のために国内における糖価水準をどの程度に置く考えでありますか、この点を明らかにしていただきたいと思います。わが党としては、生産振興対策財源の伴わない、中身のない空手形の法案には期待ができないのでございまして、以上の四点を総理からまず明らかにしていただきたいと思います。 次に、農林大臣にお伺いいたしますが、第一点は、北海道におけるビートの生産計画並びに工場の新設計画についてでございます。政府は、いろいろと世間に批判がありますような経過をもって、新設工場をつくらせました。しかし、今日までの経過を見ますると、工場はできたが、原料はない。そして、経営者は赤字で悩むし、生産農民はビートの価格がきわめて低いために生産費を償えない、非常に困っておるというような現状がはっきりと出ておるわけでございます。今後この工場と所要原料とをマッチした計画を進めて、生産の安定と同時に工場経営の安定を期するという点においてどのように考えておるのか。さらに、今後の新設工場の認可についてはどういう態度で望まれようとするのか、この点を明らかにしていただきたいと思うのであります。 第二の点は、今回ぶどう糖を重要農産物として指定しておるわけでございまするが、この原料である甘しょ、馬鈴しょの生産対策、さらにはでん粉製造工場の合理化等についての対策が明確でないのでございます。この点は、今後農民にとりましてもきわめて重要な問題でございますので、この際その考え方を明らかにしていただきたいと思うのでございます。 最後にお伺いいたしたいのでございますが、それは、この法案の提出がどうしてこのように遅延したのか、この点でございます。現行てん菜生産振興臨時措置法は、昨年三月三十一日で一応期限切れとなって、政府はその恒久立法の準備が間に合わないというので、一年間の単純延長を行なったのでございますが、しかも今回また再び、まきに三月末も数日に迫った今日になってようやくこの法案を提案しておるのであります。このようなことでは、実際に四月二十日にてん菜の生産者価格を告示することは事実上できない、こういうふうにいわざるを得ないのでございます。一体これに対して政府はどのように処置しようとするのか。また、こういうような、きわめて農民その他関係者に不安を来たすような法案の提出遅延を来たしたその責任に対して、どのように考えておるのか、この点を明らかにしていただきたいと思うのでございます。 以上、明確な御答弁を期待しまして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) 御質問の第一点は、砂糖の自由化の根拠、こういうお話でございますが、われわれ自由主義経済を建前としている者にとりましては、砂糖といわず、あらゆるものを国内的に、また、国際的に自由化していくことが経済の原則と考えております。砂糖だけ例外で置くべきではございません。しかも、今の現状から見まして、甘味作物を導入することは、農業経世の改善と農家所得の増大に寄与するところが多いのでございます。従いまして、私は、この際、一つには国民の食生活に低廉な砂糖を供給すると同時に、国内甘味資源の保護をして、農家の経営の安定と改善をはかりたい、これがその理由であるのであります。 次に、これを自由化したなら非常に問題が起こるであろう、こういうことでございますが、私は、自由化することによって、今までいろいろ非難されておりました精糖会社の特別利益の問題、そしてまた、非常な設備を持っておりながら割当制度によって精製糖工業の合理化ができなかったことを合理化することになりますし、またいろいろな問題は、関税政策の適切な方法によりましていろいろな不便なところを除き得ると確信いたしておるのであります。 なお、お話しの通り、今原糖の価格は非常に上がって一おります。二年くらい前に対しまして三倍になっておるのであります。しかし、この原因は、キューバの問題と、あるいは昨年のヨーロッパにおけるてん菜糖の不作の関係であったと思います。しかし、これはそう長くは続かないと考えております。 なお、今回の改正案によりまして、今後の国内糖についてどういう措置をとるかという問題のお話でございます一が、何も七十五億円出すときまっておりません。私は、砂糖価格の低廉安定と農家の所得確保、こういう点から適当な金額をそのつど食管会計に入れまして、そうしててん菜糖の売り払いによる損、その他の補てんに充てたい。これを農民の保護に充てるか、砂糖の損に充てるか、こういうことは、これは問題は一つでございます。いわゆるてん菜の買入値段によりましてよほど違うのでございますから、製糖業あるいは農民の方々の損失にいかないように、喜んでてん菜糖をつくり、てん菜糖工業の発達のために使う考えでおるのであります。(拍手) 〔国務大臣重政誠之君登壇〕
○国務大臣(重政誠之君) お答え申し上げます。 第一点は、北海道のビート製造工場の新設を認可する方針はどうか、こういう話でございます。御指摘の通り、現在北海道のビート工場は九工場ございますが、どの工場も十分なる原料ビートを供給ができておらない。その九つの工場の中には原料不足の工場が二、三あるわけであります。そこで、私どもといたしましては、何と申しましても、ビートの生産数量をふやすという方向に向かって、あるいは土 地改良をやりますとか、あるいはペーパーポットの使用を奨励いたしますとか、あらゆる方法を講じましてその生産量をふやして、十分に工場に原料が供給できるようにいたしたいと考えております。そういたしまして、現在の工場に十分なる原料を供給してなおその余りがあるというような場合において、初めて新設の工場を認可をいたしたい、こういうふうに考えております。 それから、第二は、甘しょ、馬鈴しょ、でん粉等についての生産計画、この生産計画はどうかというお話でございますが、これは、甘しょにいたしましても、馬鈴しょにいたしましても、でん粉の含有率の多い品種を急速に普及をせしめるつもりであります。それからまた、でん粉につきましては、でん粉工場を合理化いたしまして、そうしてこの生産を振興せしめたい、こういうふうに考えております。 それから第三には、法案の提出が非常におくれたではないか、こういうお話でございますが、これはわれわれ、党との十分なる連絡、協議を遂げるために若干提出がおくれたのでございますが、御指摘の北海道のビート価格をきめる問題につきましては、できるだけ農家に不便を与えないようにいたしたい、ある程度の話を農家にもいたしたい、私はこういうふうに考えておる次第であります。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 質疑は終了いたしました。 ————◇————— 地方選挙の公明を期する決議案 (青木正君外二十六名提出) (委員会審査省略要求案件)
○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 すなわち、青木正君外二十六名提出、地方選挙の公明を期する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 草野一郎平君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 地方選挙の公明を期する決議案を議題といたします。 ————————————— 地方選挙の公明を期する決議案 右の議案を提出する。 昭和三十八年三月二十六日 提出者 青木 正外二十六名 賛成者 安倍晋太郎外三百八十三名 ————————————— 地方選挙の公明を期する決議案 公明な地方選挙は、地方自治発展の前提であるばかりでなく民主政治確立の基礎である。 よつて政府は、今回の地方選挙に際し、いつそう選挙の公明を期するよう万全の措置を講ずるとともに、買収、饗応等の悪質選挙違反に対しては、きびしくこれを取締り、選挙粛正の実をあげるべきである。 右決議する。 —————————————
○議長(清瀬一郎君) 提出者の趣旨弁明を許します。青木正君。 〔青木正君登壇〕
○青木正君 私は、ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、民主社会党共同提案にかかる地方選挙の公明を期する決議案につき、提案者を代表いたしまして、提案の理由を申し述べたいと存じます。 まず、決議案文を朗読いたします。 地方選挙の公明を期する決議案 公明な地方選挙は、地方自治発展の前提であるばかりでなく民主政治確立の基礎である。 よつて政府は、今回の地方選挙に際し、いつそう選挙の公明を期するよう万全の措置を講ずるとともに、買収、饗応等の悪質選挙違反に対しては、きびしくこれを取締り、選挙粛正の実をあげるべきである。 右決議する。 〔拍手〕 申し上げるまでもなく、地方選挙が公明に行なわれることは、地方自治発展の前提であるばかりでなく、わが国民主政治確立の基礎であります。公明な選挙により、住民の真実の意思が自由に表明されることによって真の地方自治が実現されるものと存じます。 今回の統一地方選挙につきましては、都道府県知事の選挙がすでに去る三月二十三日告示されて選挙に突入し、引き続いて都道府県議会議員、市町村長、さらには市区町村議会議員の選挙が行なわれることになっております。これにより全国で約四万八千の公職者が選ばれ、今後四カ年間にわたるわが国地方自治のにない手が決定されるのでありまして、まことに重要な選挙といわなければなりません。しかして、今回と同様な統一地方選挙は、今回をもって三たび行なわれることになります。選挙の規模は、前々回、すなわち、昭和三十年の統一選挙の改選者は五万八千余、前回、すなわち、昭和三十四年の改選者は四万六千余でありますが、これらの選挙における違反件数は、前々回二万三千八百余件、関係人員三万六千九百余名、前回三万一千七百余件、人員五万六千百余名となっており、前回は前々回に比し、件数において三割三分増、人員において七割七分増と、著しく違反の増加を示しているのであります。なかんずく市町村長選挙においては、二倍半の増加を示したのであります。 わが国に選挙制度が採用されてからすでに七十年余となります。選挙の公明化は長い間の国民の念願でありまして、各方面においてこれが実現にあらゆる努力が続けられておりますが、以上の数字が示すごとく、選挙の実態は今なお公明選挙の理想に遠いものがあり、まことに遺憾に存ずる次第であります。もとより、公明選挙の実現は一朝一夕になし遂げられるものではありません。政府を初め関係各方面のたゆまざる努力と国民の試練の積み重ねに待たねばならぬことは言うまでもありません。 本院におきましても、前回の衆議院総選挙が行なわれる直前、すなわち、昭和三十五年十月、全会一致をもって選挙の粛正に関する決議を行なったのでありますが、今回もまた統一地方選挙に際し、重ねて選挙公明化の決議を行なわんとするゆえんであります。 すなわち、ここに、われわれは統一地方選挙に際し、各党各派一致して公明化の実をあぐるに最善を尽くさんとするのでありますが、国民の各位もまた主権者たる自覚を新たにし、清く、正しく、明るい選挙が行なわれるよう強く期待するものであります。同時に、政府におきましても、今回の地方選挙が公明に行なわれるよう、有権者はもとより、候補者、運動員に対して公明選挙の趣旨の徹底をはかるとともに、選挙違反については厳正公平に取り締まりを行ない、選挙公明化の実効を期し、万全の措置を講ぜられんことを要望するものであります。 なお、選挙法は選挙のルールを定めたものであります。従って、一般には、それ自体社会悪でないことも、選挙運動では罰せられることがあり得るのであります。このため、往々にして不用意のうちに違反に陥るおそれもなしとしないのであります。よって、取り締まり当局においては、単に事後における事犯の摘発にのみ重きを置くことなく、事前においても違反を犯さぬよう警告を発する等、注意を喚起するほどの親切さがなければならぬと存じます。 以上、簡単に本決議案の趣旨を御説明申し上げました。何とぞ全会一致御賛同賜わらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 討論の通告があります。これを許します。太田一夫君。 〔太田一夫君登壇〕
○太田一夫君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案になりました地方選挙の公明を期する決議案について、賛成の意見を申し述べたいと思います。 〔「三党代表じゃないか」と呼び、 その他発言する者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 太田君、三党代表との声があります。
○太田一夫君(続) 私は、自由民主党、日本社会党並びに民主社会党、三党を代表いたしまして、賛成の意見を申し述べたいと存じます。(拍手) 民主政治発展の歴史は、選挙の公明化発展の歴史であり、国民の選挙に対する期待の大小とともに、国家、国民の盛衰、興亡の歴史ともなるものであります。国民が選挙を期待し、それに大いなる希望をかけ得ることはしあわせでありましたが、選挙が支配者の権力のための儀式であったり、国民の失望と悪徳のばっこを誘発するがごときものであるときは、国民にとっては救いがたい不幸が訪れたこととなったのであります。 政治が正常であるためには、選挙が正しく行われ、政治上の争いはすべて選挙に向かって公明に集中されることが必要であります。また、世論は率直に選挙に反映し、選挙の結果はそのまま民意を公正に代表するということになるべきであります。しかるに、累年の願望にもかかわらず、国民の選挙に寄せる期待はなお大きく育つに至らず、無関心に沈澱する多数の脱落者や、腐敗堕落の上に跳梁する多くの悪徳者を輩出しておることは、まことに残念千万と申さなければなりません。(拍手) 今日このときにあたり、私たちは目前に統一地方選挙の実施を控え、地方自治の発展と地方住民の繁栄、幸福のために腐敗選挙の断固たる粛正決議を行ない、積極的なる公明選挙推進の決意と覚悟とを固めますことは、わが国民主政治発展のために大いなる意義と価値とを認むべきことであると信じます。この際、われわれは、虚心たんかい、過去の選挙のたびごとに数を増してきた悪質違反の種々相を反省し、国民の負託と期待とにそむいたこれらの恥ずべき事例をきびしく追及し、もって天地の間何ものにも恥じぬ公明正大なる選挙の行なわれ得る方策を立てるべきであります。 世上、買収、供応、公務員現職者の地位利用等、悪質きわまる事前運動のうわさしきりであり、まことに目に余るものがあるにかかわらず、選挙管理委員会も取り締まり当局も、いたずらに奔命に疲れ、手の出しようもないと評されておることなど、国家の不面目、国民の不幸、これに過ぐるものはないというべきでありましょう。 それにつけても、われわれは、先国会において、選挙制度審議会の重要な答申、すなわち、政治資金の規正、連座制強化、高級公務員立候補制限等々を旧辞を設けて骨抜きとしてしまったことを、反省とざんげの建前において思い出さねばなりません。いたずらに罰則を強化したり、選挙を暗くすることは排さねばなりませんが、選挙を明るく公正に行たうという大目的をそらしては相ならぬのであります。すなわち、事前の運動ますます激しく、その性質一段と悪質化して、買収供応等の事例跡を断たないのは、われわれが選挙資金についてきびしい規正を行なわず、その運動のあり方について究明を怠り、後援会活動を野放し同様にしたあやまちに基づくことを悟るべきだと思います。(拍手) さらにまた、公務員等の地位利用の選挙運動の禁止をせっかく規定しながら、その趣旨、目的に徹底し得ず、過ぐる参議院選挙のたった一度の実施のみにて、にわかにその威力におそれをなし、たちまちに法の解釈に大きな幅を持たせんとするがごとき動きを生じ、その禁止の効果を半減せしめるがごとき解釈を行ない、地位利用の規制の内容という通達の中において、禁止除外行為を列挙したというがごときは、無用の蛇足であるばかりでなく、かえって法の精神を曇らせるものであり、時節柄、公明選挙推進の見地から見るも当を得ざるものであったのではないか、この際、率直に考え直してみるべき必要があるのではないかと思うのでございます。 人間の欲望はいつの時代にも変わりはない。選挙はまさに食うか食われるかの一本勝負であることから、選挙に勝たんがために手段を選ばぬ悪らつな行為が繰り返されてきた現実を顧みるとき、英断もって選挙の理想を高く掲げ、それに支障あるものは一切芟除するという決意と対策を確立すべきであります。 進歩する人間と社会は、選挙の公明化を願う切なる心を抱いておるのであります。この正しく、すぐれた世論とその背景をなす国民の期待を、またしても破るような愚を繰り返したくはありません。民主政治に対する信用を高める道は、候補者と政党とが真に選挙の意義に目ざめ、進んで違反絶滅に努力を傾注し、国民大衆の信頼にこたえる選挙を行なうことであります。法がそれを許すがごときであっても、良心が許さぬ道はとらず、ましてや、合法、非合法すれすれのごとき選挙運動は断固として行なおず、また、行なわしめず、厳に戒めるの決意を固めるべきであります。そのためにも、選挙管理委員会は、より一そうに活発な活動を展開しなければなりません。抽象的にして具体性を欠くスローガンの発表や、単なる棄権防止運動などにとどまるがごときことあっては、選挙管理委員会はその使命を忘却したといわれても抗弁の余地はないでありましょう。国民や選挙運動関係者にそれぞれそのつど具体的な事例について善悪、可否の判断、指導を行なう気がまえと用意をなすべきであります。選挙管理委員会が公明選挙推進の中心母体となることを特に強く要請いたしたいのであります。 すでに統一地方選挙の期間に突入をいたしました。お互いのこの選挙の公明化に寄せる熱意と決意が、日本の民主政治の発展と地方住民のしあわせに大きく寄与することを願って、私の賛成討論といたす次第であります。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 討論は終局いたしました。 採決いたします。 本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は全会一致可決いたしました。(拍手) この際、篠田自治大臣から発言を求められております。これを許します。自治大臣篠田弘作君。 〔国務大臣篠田弘作君登壇〕
○国務大臣(篠田弘作君) 政府といたしましては、ただいま本院において議決されました決議を尊重いたしまして、このたびの地方選挙が公明に行なわれるよう、一そうの努力をいたす所存でございます。(拍手) ————◇————— 日程第一 地方自治法第百五十六 条第六項の規定に基づき、鉱山 保安監督署の設置に関し承認を 求めるの件
○議長(清瀬一郎君) 日程に入ります。 日程第一、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、鉱山保安監督署の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。 —————————————
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員長上林山榮吉君。 〔議長退席、副議長着席〕 ————————————— 〔報告書は本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔上林山榮吉君登壇〕 —————————————
○上林山榮吉君 ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、鉱山保安監督署の設置に関し承認を求めるの件につきまして、石炭対策特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 御承知の通り、石炭鉱山の保安を確保し、災害を防止するためには、現地監督組織を整備拡充することが最も効果的であると従来から指摘されていたのであります。よって、今回、札幌鉱山保安監督局管内の夕張、岩見沢、滝川及び釧路に、福岡鉱山保安監督局管内の飯塚、田川、直方、佐賀及び佐世保にそれぞれ鉱山保安監督署を設置し、鉱山保安の万全を期そうとするものであります。 本件は、去る三月十六日当委員会に付託され、三月二十三日政府委員より提案理由の説明を聴取し、引き続き質疑を行ない、同日、採決に付しましたところ、全会一致をもって承認すべきものと決した次第でございます。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。 本件は委員長報告の通り承認するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○副議長(原健三郎君)起立多数。よって、本件は委員長報告の通り承認するに決しました。 ————◇————— 道路交通法の一部を改正する法律 案(内閣提出、参議院送付) 消防組織法及び消防団員等公務災 害補償責任共済基金法の一部を 改正する法律案(内閣提出、参 議院送付)
○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 この際、内閣提出、参議院送付、道路交通法の一部を改正する法律案、消防組織法及び消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(原健三郎君) 草野一郎平君の動議に御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 道路交通法の一部を改正する法律案、消防組織法及び消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 —————————————
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長永田亮一君 ————————————— 〔報告書は会議録追録に掲載〕 ————————————— 〔永田亮一君登壇〕
○永田亮一君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 初めに、道路交通法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案の要旨は、高速自動車国道法に基づく高速自動車国道として名神高速道路の一部が近く供用を開始されることに伴い、高速自動車国道における自動車の交通方法等の特例について定めること、最近の道路交通事情の変化にかんがみ、歩行者の保護について一そうの徹底をはかること、並びに消防用車両の優先通行、装置不良車両の運転の禁止等に関する規定を整備すること等により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑をはかろうとするものであります。 本案は、参議院先議で、三月十一日当委員会に本付託となり、三月十二日篠田国務大臣より提案理由の説明を聴取し、自来熱心に審査を進め、特に昨二十五日は、審査の万全を期するため、直接現地におもむき、名神高速自動車国道の実情をもつぶさに調査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知いただきたいと存じます。 本日、質疑を終了し、討論の通告もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、消防組織法及び消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案の内容は、 第一には、消防組織法の改正であります。その大要は、防災の重要性にかんがみ、災害の防除を消防の任務として明確に規定するとともに、災害対策基本法に基づく地方公共団体の消防事務について、国、地方を通ずる連絡を緊密にするなど、消防庁の所掌事務について補足を行ない、また、市町村の消防体制の充実強化をはかるため、一定規模以上の市町村には消防本部及び消防署の設置を義務づけることとしたほか、都道府県は、市町村との連絡及び市町村相互間の連絡協調をはかることを明らかにするなど、都道府県の消防に関する所掌事務について規定の整備をはかるものであります。 第二には、消防団員等公務災害補償責任共済基金法の改正であります。すなわち、災害対策基本法の規定に基づき、市町村長等が災害に対する応急措置を実施するため、市町村の住民等をその業務に従事させた場合における死亡その他の事故に対しても、同基金法によって損害補償を行なうこととするものであります。 本案は、参議院先議でございまして、三月二十日本委員会に本付託となり、三月二十二日篠田自治大臣より提案理由の説明を聴取し、慎重に審査をいたしましたが、その詳細は会議録に譲ります。 本二十六日、質疑を終了、討論を省略して採決を行ないましたところ、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 両案を一括して採決いたします。 両案は委員長報告の通り決するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇————— 日本国とグレート・ブリテン及び 北部アイルランド連合王国との 間の通商、居住及び航海条約及 び関連議定書の締結について承 認を求めるの件
○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 この際、日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の通商、居住及び航海条約及び関連議定書の締結について承認を求めるの件を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(原健三郎君) 草野一郎平君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の通商、居住及び航海条約及び関連議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。外務委員長野田武夫君。 ————————————— 〔報告書は会議録追録に掲載〕 ————————————— 〔野田武夫君登壇〕
○野田武夫君 ただいま議題となりました日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の通商、居住及び航海条約及び関連議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。 わが国と連合王国との間の通商関係は、毎年更新される貿易取りきめによって規制されておりましたが、両国間にガット関係を設定し、相互に最恵国待遇を保障することの重要性にかんがみ、政府は、昭和三十一年以来七カ年間、引き続き連合王国と通商航海条約を締結するための交渉を行なって参りました。ようやく連合王国からガット第三十五条の援用を撤回する用意がある旨の表明もあり、案文について合意を見ましたので、昨年十一月十四日、ロンドンで本条約及びこれと不可分の一体をなす署名議定書並びに貿易関係に関する第一議定書及び第二議定書の署名調印を行ないました。 本条約は、両国間の友好関係を強化し、通商関係を発展させることを目的とするもので、出入国、個人及び会社の事業活動、財産の取得、資本、技術の導入、輸出入等について最恵国待遇を与え、身体及び財産の保護及び保障、租税、海運等の事項について内国民及び最恵国待遇を規定し、議定群において貿易に関する最恵国待遇の例外措置を規定しております。 また、別に交換公文により、連合王国がわが国に対しガット第三十五条の援用を撤回することを約束しております。 この条約は、一月三十一日本委員会に付託されましたので、政府から提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録により御了承を願います。 かくて、三月二十六日、本条約についての質疑を終了し、討論を省略して採決を行ないましたところ、本件は多数をもって承認すべきものと議決いたしました。 右、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。 本件は委員長報告の通り承認するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本件は委員長報告の通り承認するに決しました。 ————◇————— 外貨公債の発行に関する法律案 (内閣提出) 関税定率法等の一部を改正する法 律案(内閣提出) 国立病院特別会計法の一部を改正 する法律案(内閣提出) 中小企業高度化資金融通特別会計 法案(内閣提出)
○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 この際、内閣提出、外貨公債の発行に関する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、国立病院特別会計法の一部を改正する法律案、中小企業高度化資金融通特別会計法案、右四案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(原健三郎君) 草野一郎平君の動議に御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 外貨公債の発行に関する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、国立病院特別会計法の一部を改正する法律案、中小企業高度化資金融通特別会計法案、右四案を一括して議題といたします。 —————————————
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長臼井莊一君。 ————————————— 〔報告書は会議録追録に掲載〕 ————————————— 〔臼井莊一君登壇〕
○臼井莊一君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、外貨公債の発行に関する法律案について申し上げます。 この法律案は、産業投資特別会計の貸付の財源に充てるために、予算をもって国会の議決を経た金額の限度内において政府は外貨公債を発行することができることといたそうとするものであります。また、本公債の消化を円滑にするため、その利子及び償還差益に対する租税その他の公課につきましては、非課税措置を講ずるとともに、木公債の発行による収入金を産業投資特別会計の歳入に受け入れることとする等の措置を講ずることとしております。 なお、この法律に基づきまして昭和三十八年度において六千万ドルの外貨公債の発行が予定されておりますが、この発行収入金は産業投資特別会計から日本開発銀行及び日本道路公団に対して貸し付けられることとなっております。 この法案は、当委員会において審議の後、本日、質疑を終了し、討論に入りましたが、日本社会党を代表して坪野米男委員は本案に反対の旨を述べられ、また、自由民主党を代表して伊藤五郎委員は本案に賛成の旨を述べられました。続いて、採決に入りましたところ、起立多数をもって本案は原案の通り可決となりました。 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について申し上げます。 この法律案は、最近における経済情勢の変化に対応する等のため、関税法、関税定率法及び関税暫定措置法の一部について、おおむね次のような改正を行なうことといたしております。 まず第一に、御承知の通り、わが国の現行関税率表は、一昨年全面改正が行なわれ、昨年再び貿易自由化の繰り上げ等に伴い、その一部について改正が行なわれたものでありますが、今回さらにその後の経済情勢等の変化に伴い、関税率の調整を必要とされる三十八品目について、税率の引き上げまたは引き下げを行なうほか、関税割当制度適用品目の変更等を行なうことといたしております。 また、これらのうち、石油の関税率につきましては、国内石炭対策の一環として向こう二年間に限り次のような暫定措置を講ずることといたしております。すなわち、原油につきましては、基本税率を一キロリットル当たり五百三十円から六百四十円に引き上げますとともに、重油につきましても、これに準じて従価換算二%相当額を引き上げることといたしております。 なお、ただいま申し上げました通り、この税率の引き上げは、石油と競合するエネルギー源としての石炭産業の保護をはかることを目的といたしておりますので、本年四月一日から一年間に限り、石炭の長期引き取りを行なっている電力業及び鉄鋼業が消費する重油につきましては、従来から行なっている還付制度のほか、今回の引き上げ分に相当する額についても、負担増加の額を限度として特別に還付することとし、実質的に税率引き上げの影響が及ばないようにすることといたしております。 第二に、ガットの締約国である外国が、国内産業の保護等をはかるため、わが国の輸出品に対して関税率を引き上げる等の緊急措置をとった場合には、わが国においてもこれに対抗する措置をとることができることといたしております。この場合にその対抗措置は緊急に行なう必要がありますので、法律の定める要件に従い、政府限りで措置することができることとするとともに、この対抗措置をとった場合には、内閣はすみやかにその内容を国会に報告しなければならないことといたしております。 第三に、スポーツを通じての国際親善に資するため、オリンピックを初めとして国際的規模で催される一定の運動競技会において使用される物品につきましては、再輸出免税制度を適用することといたしております。 第四に、本年三月末に期限が到来する重要機械類等の暫定免税規定の適用期限をさらに一年間延長するとともに、市町村の設置いたしますごみ焼却設備用物品のうち、日本での製作が困難なものについて免税措置を講ずるほか、現在暫定税率が適用されている物品のうち一部について、その適用期限をさらに一定期間延長することといたしております。 第五に、特定の用途に供することを条件に、特に関税を減免されている原料物品を使用して製造した製品の検査方法を実態に即して若干緩和する反面、その用途外使用を禁止する規定を設ける等、所要の規定の整備を行なうことといたしております。 本案につきましては、審議の結果、本二十六日、質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して武藤山治君より反対の旨の意見が述べられました。次いで、採決を行ないましたところ、起立多数をもって原案の通り可決となりました。 次に、国立病院特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。 この法律案は、国立病院の施設の整備を促進するため、これに必要な資金をこの会計の負担において借り入れることができることとするとともに、その限度額については、予算をもって国会の議決を経なければならないこととしようとするものであります。 従来、国立病院は、毎年度一般会計からの繰り入れにより、その整備拡充を行なって参りましたが、これだけでは必ずしも十分とは言いがたいので、一般会計からの繰り入れのほか、借入金の道を開き、もって、近代的、能率的施設の整備を促進しようとするものであります。 本案は、当委員会において審議の後、本日、質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、起立多数をもって原案の通り可決となりました。 最後に、中小企業高度化資金融通特別会計法案について申し上げます。 中小企業近代化資金助成法第三条により、中小企業高度化資金の貸付事業を行なう都道府県に対しまして、政府はその事業に必要な資金の一部を貸し付けることといたしておりますが、この法律案は、その貸付に関する経理を一般会計と区分して明確にするため、新たに特別会計を設け、特別会計の運営上必要な会計の手続を定めることといたしております。この会計は、通商産業大臣が管理することといたしておりますが、昭和三十八年度における高度化資金貸付金として二十三億円を計上いたしております。 本案は、当委員会において審議の後、本日、質疑を終了し、直ちに採決に入りましたところ、全会一致をもって原案の通り可決となりました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 四案中、外貨公債の発行に関する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案につき、討論の通告があります。これを許します。坪野米男君。 〔坪野米男君登壇〕
○坪野米男君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました外貨公債の発行に関する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案について反対討論を行なわんとするものであります。(拍手) まず最初に、外貨公債の発行に関する法律案について反対の理由を述べます。 政府は、さきに昭和三十三年度において生産投資特別会計の貸付の財源に充てるため、戦後最初の米貨公債三千万ドルを発行したのであるが、今後は毎年度ある程度外貨公債を発行し得る見通しを得たので、今回本法律案によって、昭和三十八年度だけの単年度法とせず、今後産投会計の貸付財源に充てるために、予算をもって国会の議決を経た金額の限度内で外貨公債を発行することができることとしようとするものでありまして、昭和三十八年度特別会計予算においては、すでに六千万ドルの外貨債の発行を予定しており、その発行手取金二百三億円は、これを開発銀行へ百十八億円、道路公団へ八十五億円貸し付けることにしているのであります。 そこで、われわれ社会党が本法案に反対する第一の理由は、今回の外貨債の発行が、池田内閣のいわゆる金づくり政策の手段、すなわち借金政策であり、事実上の国債発行に道を開いたものであり、従来堅持してきた健全財政の線を突きくずして、インフレによる大衆収奪の懸念が濃厚に出てきたからであります。 池田内閣は、党内派閥の実力者や財界を初めとする党外の圧力団体に突き上げられて、二兆八千五百億円という超大型予算をでっち上げたのでありますが、昭和三十七年度の税の自然増収分をほとんど食いつぶして第二次補正予算を組み、使途不明の産投会計の資金に三百五十億円を繰り入れ、また昭和三十八年度においても、一般会計から産投会計の歳入に四百九十七億円を繰り入れ、さらには財政投融資計画一兆一千九十七億円を計上して、社会資本充実の美名のもとに、公共投資に最重点を置く施策を立て、大資本、大企業に奉仕する経済政策を強行せんとしておりますが、その財源捻出のため、一方では、消費者物価の高騰により実質上の増税になる勤労大衆のため、ささやかな所得税減税を答申した税制調査会の意見を無視して一般減税をちびり、高額利子所得者の利子減税等を気前よくやってのけ、他方では、三十八年度の自然増収を目一ぱい見積もってその財源をほとんど食いつぶし、なお財政投融資計画の原資不足に詰まって、産投会計の財源として二百二億円を外貨公債によってまかなおうとしておるのであります。 およそ外貨公債の発行は、内国債と異なり、国民経済的には純債務となるものでありますが、かかる借金政策は、一時的にはともかく、長期的には元利金支払いの負担となって国際収支を圧迫する要因となるものでありますから、相当慎重を要するところでありますし、また、入手された資金が浪費されないで、生産力を上げる部門に利用されることが大切でありますから、一般経費に用いることは断じて許されないのであります。ところが、今回の外貨債発行は、さきに述べたように、一般会計に目一ぱいの費用を充てたしりが産投会計の財源難となり、さらにはガリオア・エロア対米債務の支払いを産投会計から行なうために、産投会計の資金不足となり、これを外債で補おうとするものでありますから、事実上の国債発行となっているのでありまして、インフレ要因をはらんだ危険な借金政策、公債政策といわざるを得ないのであります。(拍手) ところで、大蔵省では、昭和三十六年度末までは、将来の償還を考慮して年間五千万ドルが限度だと言っていたのでありますが、昭和三十七年八月には、三十八年度以降年一億ドルの目標に引き上げているのでありまして、田中大蔵大臣も、一億ドル程度の外債発行は可能であり、インフレの懸念はないと言明いたしておりますが、これは三十八年度に償還期限の来るものが六千万ドルにも上るので、借りかえあるいは新規の外貨債収入をふやしてこれに応じなければならなくなったためでありまして、このようなマラソン金融による雪だるま式借金政策が、インフレの懸念がないどころか、まさにインフレを助長する公債政策そのものであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手) また、池田総理は、三十九年度も内国債の発行はいたしませんと言明いたしておりながらも、国債の発行をおそれるのは古い考え方でありまして、日本の成長した経済力のもとではインフレのおそれはありませんと、強気の放言をしておりますが、これはまさに、衣のそでからよろいがちらついているものでありまして、昭和三十九年度以降の公債政策を暗に示唆したものと言えましょう。自民党内外の圧力団体からの強要で、三十九年度以降の財政需要はさらに膨張するであろうことは火を見るよりも明らかでありまして、その財源捻出のためには、大幅大衆増税と公債政策の強行以外には道がないからであります。 われわれ社会党は、今回の外貨債発行が大企業に奉仕する産投会計の財源確保のための借金政策であり、しかも、今後年々外貨債が増発されていく傾向は、大衆収奪のインフレ要因となり、さらには、内国債発行政策へ通ずるものとして、国民大衆の生活を守る立場から強く反対せざるを得ないのであります。 なお、われわれは、外貨債発行の相手国が主としてアメリカであることを考えるとき、日本経済がアメリカ経済との結びつきをますます強化しつつ、結局はアメリカ経済に従属させられるのではないかをおそれるものであります。一般貿易は国と国との友だちづき合いであるが、資本取引はいわば親類づき合いだといわれておりますが、米貨債発行が継続的に際限なく繰り返されることになれば、本家の言いなりになって頭の上がらない親類の端くれになり下がらぬとも限らないのであります。(拍手) 次に、社会党が本法案に反対する第二の理由は、外貨債発行の手続として、その限度額を予算に計上して国会の承認を得ることは当然であるとしても、発行の要件その他を法律で定めるに際して、これを単年度法とせず、予算で発行限度額が承認されると自動的に外債発行ができることとして、これを恒常化しようとしていることであります。 これは産業投資特別会計法の一部改正法案についても言えることでありますが、政府は、国民経済に重要な影響を及ぼす外貨公債の発行にあたっては、慎重の上にも慎重を要するのでありまして、従来通り、予算案審議と法案審議の両面から国会の審議を十分尽くして、しかる後にこれを執行すべきものであるにもかかわらず、予算審議だけで直ちに執行できるように手続を簡易化しようとしておりますが、これはまさに行政権優位の思想の表われであり、国会軽視にほかならないのでありまして、われわれの断じて認めることのできないところであります。財政の民主主義、予算法定主義の建前からしても、予算で承認された外貨債発行額について、具体的にその発行の要件、手続を法律案の審議を通じて検討することが外債発行の手続を慎重にすることであり、国民の要請にこたえるゆえんであります。 要するに、政府は、本法案の通過によって、今後の外債発行にあたっては、膨大な予算案審議の中で発行額の限度の承認を求め、詳細な法案審議から免れようと意図するものでありまして、われわれはこの点についても強く反対せざるを得ないのであります。 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について反対の理由を述べます。 政府の貿易政策は、先進資本主義国とのみ密着し、アジアの地理的環境を無視して、中国、ソ連、朝鮮などとの貿易に力を入れようとせず、いたずらに貿易自由化政策を急ぎ、国内産業に多大の不安と恐怖を与えておりますが、特に自由化に対処する政府の方策は何ら確固たるものがなく、そのつど、そのつどおざなりの対策に終始しております。 今回の改正案にあるバナナの関税率はそのよい例証であります。昨年の法改正で税率を五〇%にし、本年九月末日までの期限としたにもかかわらず、今回、突然バナナを自由化して税率を七〇%に引き上げ、四月一日から実施するというのであります。これでは自由化に対処する準備もできず、国内の果樹生産者や輸入業者の不安動揺を激化するばかりであります。しかも、関税率を七〇%に引き上げれば、はたして輸入量が減少するのかどうか、国内の業者がつぶされないかどうか、また、消費者価格は幾らくらい安くなるのかは、政府の説明では明確でありません。 政府の施策はまことに無責任であり、確信を欠くものでありまして、われわれは、国内産業の保護体制が確立された後に措置してもおそくはないと考えるものでありまして、今回の改正案には断じて反対せざるを得ないのであります。 以上の理由によって、私は、政府が両法案をすみやかに撤回されんことを要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○副議長(原健三郎君) 金玉一平君。 〔金子一平君登壇〕
○金子一平君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました外貨公債の発行に関する法律案並びに関税定率法等の一部を改正する法律案に対して、賛成の意を表明せんとするものであります。(拍手) まず、外貨公債の発行に関する法律案について申し述べます。 この法律案の骨子は、産業投資特別会計の貸付の財源に充てるために、あらかじめ予算をもって国会の議決を得た限度内で随時外貨公債を発行する権限を政府に与えようとするものでありまして、私は、次に申し述べる理由により、きわめて適切妥当な措置と考えるものであります。 そもそも、資本蓄積の不足しておる日本経済の安定成長をはかるためには、国の内外にわたって資金を調達することが必要であります。すなわち、国内資本の不足を補うという観点に立った場合には、現在の日本は、道路、港湾等の整備等、社会資本の充実や電力等の基幹産業の強化を早急にはかることが必要でありまして、これに要する資金の一部を長期安定した外資によって調達することは、最も望ましいところであります。(拍手)また、経済成長のささえとなる国際収支の改善を考えまする場合にも、長期安定した資本を海外から導入することは、この国際収支改善に寄与するところ大なるものがあると考えられます。さらには、国際経済社会の一員として、国際経済交流を促進するためにも、外資の導入は望ましいところであります。従いまして、社会資本の充実、基幹産業の強化が強く要請されておりまする今日、また、貿易の自由化、為替の自由化を推進している現在、はたまたOECD加盟を目標として、国際経済社会の一員として活躍せんとしている今日の日本におきまして、外資の導入を一そう促進せんとすることは、きわめて時宜を得た政策といわなければなりません。(拍手) このような外資導入の一環としての外債発行につきましては、昭和三十四年、米国市場で産業投資特別会計負担で戦後最初の外貨公債が発行されて以来今日まで、日本電電公社債及び日本開発銀行債の政府保証外貨債が、すでに五回にわたって発行されております。すなわち、昭和三十四年には三千万ドルの産投会計外貨公債が発行されましたが、三十六年度には日本電電公社債並びに日本開発銀行債、合わせて四千万ドル、三十七年度には開銀債、電電債、合わせて五千七百五十万ドルを発行しておりまして、外貨債の一回の発行額は、当初の長期債発行額から最近に至るに従って着実な増加を示しており、また、発行条件も回を重ねるごとに徐々に向上しておるのであります。この間、民間企業による米国市場での発行も徐々に増加している現状にあります。また、昭和三十七年一月には、西独市場で発行された大阪府市マルク債は、欧州市場における日本の外貨債発行の道を開いたものでありまして、今後西欧市場におきましても次第に日本の外債発行を期待し得る状況にあるかと考えられるのであります。 かように、日本の外債が世界の各市場で発行され、また、その発行額が徐々に増大しつつありますことは、国際経済社会、特に海外資本市場における日本の信用が向上し、今やゆるぎなきものになりつつあることを示す確たる証左でありまして、日本にとってまことに喜ばしいことといわなければなりません。(拍手)今後も海外資本市場における日本の信用をますます高めながら、海外起債市場に進出して外債を発行し、国内資本の充実をはかり、国際収支の変動に対処することは、わが国経済運営上きわめて肝要と存ずるのであります。(拍手)ことに、今回の外貨公債の発行によって得られた資金は、産業投資特別会計の原資として、開発銀行や道路公団に対する貸付等、現下の日本の産業経済の飛躍的発展のために、最も緊要な方面に有効に使用されることになっておるのでありますから、この法律案に反対する理由はごうもないのであります。(拍手) しかるに、もしそれ、この外貨公債がアメリカにおいて発行を予定されておるゆえをもって、日本の対米資本従属の強化と曲解するがごとき論者ありといたしますならば、国際金融経済の実情に全く通ぜざる無知の議論か、あえて現実に目をおおう曲論と断ぜざるを得ないのであります。(拍手)また、外貨公債の発行は健全財政主義に反し、インフレに通ずる内国債発行の前提となるとの見解もありますが、外貨公債の発行は、内国債の発行と全くその性格を異にし、その発行額は、起債市場の消化力によっておのずから限度が置かれ、発行が放漫となるおそれもなく、また、外貨公債の発行によって現実に外貨資産が調達されるのでありますから、この意味でも内国債の発行とはその性格を異にし、健全財政主義に反するおそれはないのであります。以上の論旨によって、社会党の主張は必ずしも当を得たものでないことは明らかであると思います。(拍手) 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案についてでございますが、この法律案の内容は、第一に、経済情勢の変化に即応する三十八品目の関税率の改正、第二に、特に石炭対策のための還付制度の拡充等、第三に、本年三月末日で適用期限の切れる重要機械類、給食用脱脂粉乳等の暫定免税その他の措置の延長、第四に、外国がわが国の輸出品に対して緊急関税を設けた際の対抗措置等を規定するものでありまして、いずれも国民経済的観点から見て緊要かつ適切なる措置であります。しかるに、社会党は、貿易自由化対策としての関税措置が、行き当たりばったりであるという理由でこの法案に反対しておりますが、これは関税率改正の従来の経緯を全く知らざる者の議論であります。(拍手) 御承知の通り、関税率の改正は、一昨年の大改正、昨年の改正によって基本的な改正を終え、今回はその後の情勢変化に即応する少数品目の手直しを行なおうとするものであります。このように、内外の情勢の変化に適切に即して機動的に改正を行なうことは、まことに妥当な措置であることは言を待たざるところであります。(拍手) さらに、バナナの関税率改正についても、一方において消費者の利益を考えて、四月から自由化するとともに、他方、果実生産者への影響を考慮して、関税の引き下げを漸進的に行なうこととしておりまして、また、必要な事態が生すれば、政府は、緊急関税の発動も考慮しておることはもちろんであります。 今回の措置によって、差益納付といった変則な方法も不必要となりますし、また、今回の措置は、消費者、生産者双方の利益を勘案し、かつ、世界の大勢である自由化の線にも沿うものでありまして、まことに適切妥当な措置と考えるものであります。 以上の観点から、私は、両法律案に対して満腔の賛意を表するものであります。 これをもって、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○副議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。 まず、外貨公債の発行に関する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り可決いたしました。 次に、国立病院特別会計法の一部を改正する法律案につき採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。 次に、中小企業高度化資金融通特別会計法案につき採決いたします。 本案は委員長報告の通り決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇————— 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の 一部を改正する法律案(内閣提 出) 戦没者等の妻に対する特別給付金 支給法案(内閣提出)
○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。 この際、内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(原健三郎君) 草野一郎平君の動議に御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。 —————————————
○副議長(原健三郎君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員会理事井村重雄君。 ————————————— 〔報告書は会議録追録に掲載〕 ————————————— 〔井村亜雄君登壇〕
○井村重雄君 ただいま議題となりました二法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について申し上げます。 戦傷病者戦没者遺族等に対し、従来講ぜられて参りました各般の援護施策についての不均衡、不十分な点を改めて、遺族等の処遇の改善をはかろうとするのが本案の目的であります。 まず第一に、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正についてでありますが、その第一点は、徴用工、動員学徒等の準軍属に対する処遇の改善でありまして、準軍属の父母に対する遺族給与金の支給要件を緩和すること、遺族給与金の五年の支給期間を撤廃いたしまして年金化するほか、準軍属の障害年金、遺族給与金等の支給事由にかかる戦時災害の要件を撤廃して、軍人軍属と準軍属との間の著しい不均衡を是正することといたしたのでございます。第二点は、軍の指揮監督のもとに、事実上軍と同様の勤務に従事していた南満州鉄道株式会社の職員等を軍属として、障害年金、遺族年金等を支給することにしたことであります。第三点は、内地等に勤務していたもとの陸海軍の有給軍属のうち、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法により年金を受けられないものを本法の対象に加えたことでございます。第四点は、特別弔慰金の支給要件について、退職後死亡の場合の年限を二年以内、結核等によるときは六年以内に延長いたしております。 第二に、未帰還者留守家族等援護法については、現在、引き続き一年以上入院して療養の給付を受けている患者で、増加恩給等を受けられない者に対し、療養手当として月頭二千円を支給することにいたしたのであります。 第三に、未帰還者に関する特別措置法については、外地において今次戦争に起因して消息不明となった一般邦人のうち、現在法の対象とされていない者を新たに法の対象に加え、厚生大臣が戦時死亡宣告の申して立てを行なうことができることといたしておるのであります。 次に、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法案について申し上げます。 本案は、戦没者等の妻の置かれている特別の事情にかんがみまして、今回特別給付金を支給しようとするものでございます。 そのおもな内容の第一は、昭和十二年七月七日に勃発した日華事変以後に公務上負傷し、または疾病にかかり、これにより死亡した者の妻であったことにより、本年四月一日において旧軍人、旧準軍人または旧軍属にかかる公務扶助料、特例扶助料、遺族年金、特例遺族年金、遺族給与金、もとの陸海軍の雇用人等にかかる旧令共済殉職年金等を受ける権利を有する者に特別給付金を支給することであります。 第二に、特別給付金の額は二十万円とし、十年以内に償還すべき記名国債をもって交付することとし、この国債は無利子としております。 第三に、特別給付金を受ける権利は譲渡を禁止しておりますが、相続についてはこれを無条件に認めるとともに、国債についても、民法の原則により相続人が受継することといたしております。 その他、特別給付金についての時効、差し押えの禁止、非課税、実施機関等、所要の事項について規定を設けております。 両法案は、二月十三日及び本月七日それぞれ本委員会に付託となり、本日、質疑を終了し、直ちに採決に入りましたところ、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。(拍手) なお、両法案については、自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党共同提案をもって、それぞれ附帯決議を付することに決しました。詳細は会議録に譲ります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○副議長(原健三郎君) 両案を一括して採決いたします。 両案は委員長報告の通り決するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇—————
○副議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十九分散会 出席国務大臣 内閣総理大臣 池田 勇人君 外 務 大 臣 大平 正芳君 大 蔵 大 臣 田中 角榮君 厚 生 大 臣 西村 英一君 農 林 大 臣 重政 誠之君 自 治 大 臣 篠田 弘作君 出席政府委員 内閣法制局長官 林 修三君 外務省アジア局長 後宮 虎朗君 通商産業政務次官 廣瀬 正雄君 ————◇—————