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43回国会衆議院1963/06/04

法務委員会 第19号

発言数
61
登壇者
6
会派数
2
開催日
1963/06/04

会議録

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 これより会議を開きます。  刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。坪野米男君。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 いわゆる第三者所有物没収の手続に関する応急措置法案について、同僚議員の上村委員から簡単な質疑があったわけでありますが、要点を限って少しお尋ねしたいということで、勉強家の上村委員がこの法案についてごく簡単に要点だけをお尋ねをしておるようでございます。私も、この法案の意図するところは、政府の提案説明その他で大体承知はいたしておるわけでざいますが、この手続法と関連して、刑法なりあるいは刑法の特別法における没収の法的な性格、あるいは第三者没収というものについてもう少し詳しく、質疑をするというよりも、むしろ質問して教えてもらいたいという点もありまして、少しお尋ねをしたいと思います。  最初に刑事局長にお尋ねしたいのですが、この法案を提出された動機になった昨年十一月の最高裁大法廷における判定、この判決で、いわゆる違憲の決判が出されたわけでございますが、この憲法三十一条違反というこの判断の根拠を、私十分理解ができないのでありますが、最高裁の判決で憲法三十一条違反だという多数説といいますか、これの理由をもう少し具体的に説明を願いたいと思います。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 憲法三十一条の解釈は、御承知のように、はたしてアメリカのデュー・プロセス条項に全くぴったり合う性質の憲法の規定であるかどうかということにつきましては、争いの存するところでございますけれども、最高裁の今回の判決で示されました三十一条の解釈の背景をなしておりますものは、アメリカのデュー・プロセス条項に近いものとして理解されておるようでございます。私ども、そういう趣旨でこの判決を読んだわけでございますが、第三者没収との関係におきましては、多数説の意見の中にもございますように、実体法の規定につきましては違憲とかなんとかいうことは申しておらない。それはむしろ違憲ではなくて合憲であるということを前提としながら、没収手続に関する規定が欠けておるために、それがすなわち三十一条に違反する、こういう考え方を示しておるように私は読んでおるわけでございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 その説明は前回も伺ったのですが、私のお尋ねしているのは、憲法三十一条の条文を見て、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」法定の手続によらなければ刑罰を科せられないというのが三十一条の規定でございますね。いまの第三者没収の原審判決が、この法定の手続によらない刑罰だということになるのだろうと思うのですが、刑罰というのは何かということが、だれに対する刑罰なのかということを私疑問に思うわけなのです。没収は付加刑だということで刑事事件の被告人に対する主刑であり、そして付加刑である没収刑がなされたということはわかるのですが、第三者の所有物を没収するその第三者に対しては、これは刑罰であるのか、単なるそれこそ第三者、いわゆる刑事被告人の刑罰に付随して、第三者が自分の所有財産を侵されるということであって、第三者に対する刑罰と言えるのかどうか、その点ちょっと最高裁の判決それ自体が、私疑問に思うのです。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 三十一条の「その他の刑罰」というその刑罰でございますが、これは刑法の刑という中に書いてあります刑罰をそっくりそのままさすのではなくして、それよりも広い概念でございまして、不利益な制裁、そういうものも入るというふうに、これは私通説だと思うのでございますが、この場合には被告人の刑罰、もちろん付加刑となっておりますので、付加刑という刑を受けますのは被告人であって、第三者ではございませんが、この場合に制裁的な不利益な処分を受けますのは第三者でありまして、この第三者の不利益な制裁に準ずるような処分を受けますこの第三者が、ここに「その他の刑罰」を受ける人に当たるわけだと私は思います。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 私は憲法をあまりで——少なくとも新憲法は学問的に研究したわけでないのですが、いまの法定手続の保障というその刑罰ですが、刑法に規定された刑罰というように限定することは、必ずしも必要ないかと思いますけれども、しかしやはり何らかの法律で「生命若しくは自由を奪は」れという刑罰、これも刑罰を意味しておるのだろうと思いますが、「その他の刑罰」というのも罰金刑、没収、そういったいわゆる広義における刑法上の刑罰、処罰ということだけの保障じゃないのかと思うのですが、むしろ不利益を受けるという言い方であれば、憲法十八条の「奴隷的拘束及び苦役からの自由」という条文の規定の中からは、そういった身体的な拘束を受けない。「犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」こういうのも入っておりますが、この三十一条の法定手続の保障の規定は、やはり英米法のデュー・プロセスですが、それの保障であるというように理解すれば、やはり刑罰というものは、広義における刑法上の刑罰というものに限定されているんじゃないかと思うのですが、その点どうですか。竹内(寿)政府委員 広義の刑罰という中に、私が先ほど申しました制裁をも含むということになりますれば全く私もそのように解するわけでございますが、普通刑罰と言いますと、刑法に書いてあります刑の種類、その中の形式的な刑と、すぐそれを考えるわけでございますが、それだけではなくて、やはりもう少し広い制裁的な不利益、そういうものも含む、それを含むので、そういうものを科せられる場合には法律の定めた手続によってやらなければならぬ。これが三十一条のデュー・プロセスの保障条項だと思うのでございます。これを一部の学者は罪刑法定主義を定めた規定だというふうに解釈しておりますが、それではやや狭いのであって、もう少し範囲を広く解釈するのが通説だと思いますし、最高裁の今回の判決も、一番狭い罪刑法定主義の考え方よりもさらに出た、アメリカ的な意味のデュー・プロセスというところまでははっきり考えておらないようでございますけれども、さらに一歩出た、形式的な制裁刑罰ではないけれども、制裁を科せられるような場合をも法律で定めた手続によってやらなければならぬ。これが適正条項の三十一条の保障の範囲だ、こういうふうに見ておるように私は理解しております。そう読まないと、この判決がわかりにくいというふうに思います。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 大体わかったのですが、そういたしますと、最高裁の判決は、没収を受けた第三者である所有者が、その財産権を法定の手続によらずに侵された、その第三者に対する違憲だ、こういう見解になるわけですね。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 そのとおりでございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 わかりました。まあ、そういう最高裁の判決が出て、その法定の手続をここで立法化しようという意図のようでございますが、刑法に規定してある没収の法的な性格ですね。没収が付加刑だというのが通説のようでございますが、それに対して保安処分的性格を持たせる準備草案の段階になりますと、現在の刑法体系ではやはり付加刑だということになるのでしょうか、それとも現在の刑法体系あるいは刑法以外の特別法の中で没収の規定がございますが、そういうものを総合して没収の法的性格をどういうように理解すればよいのかということについてひとつ伺いたいと思います。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 刑法は、没収というのは付加刑である。そしてそれは被告人に対して科せられるものであるという考えでございます。しかし、それはそういうふうに法律で定めてございますが、そう刑法に書いてあるからといって、没収そのものの性格は、また別に考えてしかるべきであろうと思います。  昭和十六年の改正以前におきましては、被告人の所有に属するものが、被告人以外の——ことばをかえて言うならば、被告人以外の者の所有に属しない場合だけが没収の対象になる、こういうことでございましたのが、昭和十六年の改正で、所有者が第三者であるものについても没収の効力が及んでいくという改正、つまりいわゆる第三者没収の制度が導入されたわけでございます。それと符節を合わせるがごとく、特別法の分野におきましては、かなり広く第三者没収が認められておるわけで、この第三者没収と被告人の所有物の没収とは、所有者が違うことによって没収の性格がどう違うかというふうに、すぐ結論をつけることはむずかしいかと思いますが、所有者のものを没収するということでありますと、非常に刑罰の罰という性格が強いと思います。ところが、第三者の所有物を被告人の事件で没収しなければならぬということになりますと、それは犯罪を組成する物件であるとか、犯罪に供用した物件であるとかということであってしかもその刑罰、被告人の裁判を通じて没収しなければならぬということの意味は、これはやはり保安処分的な性格が非常に強いと思うのでございます。没収の性格の中には二つの考え方があるのじゃないか、現行法のもとでもそういう二つの考え方の理解の上に立っていると私は思います。そういう理解があるにかかわらず、実体法において付加刑だということになっておりますので、手続と実体との間に食い違いがあるわけでございます。そこでこの没収制度というものを実体法の面からも考えなければなりませんし、手続面としましても、今度の応急措置法のように被告人の付加刑という形で、つまり当事者は被告人だけであって、第三者は当事者ではないという訴訟構造でいかざるを得ないのでございますが、これがもし手続としましても、対物的な没収の手続ということになりますと、当事者という被告人の立場とは別のもう一つの訴訟構造をつくりまして、そうして没収問題をいずれの性格の場合かによって区別しながら、没収は没収として手続を進めていくという制度にするのが諸外国の最近の傾向でございますし、準備草案もそういう観点に立って規定をいたしておるわけでございます。没収は、現在の法制のもとにおいてなるほど付加刑という刑罰にはなっておりますが、没収そのものの性格は刑罰的なものと保安処分的なものと両方が入っておるというふうに考えるわけでございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 そうしますと、刑法の中にある没収の規定は付加刑とありますが、そうしてしかも十九条に没収することができるという要件、それから第三者没収の場合も非常に限定的に、非常に制限された第三者没収を認めているにすぎないわけでありますが、特別法の中では、関税法その他で第三者の所有物を相当強力に没収できるような、範囲を広げた規定になっておりますが、観念としては、刑法上のこの没収の要件その他非常に限定された——これはもっぱら付加刑的な性格と理解できるのか、あるいは刑法総則の中における没収の規定も、その性質上付加刑的なものと保安処分的なものと両面がある、一方特別法の場合には、どちらかといえば保安処分的な性格を多く持っておる、こういうように理解していいのか、そこのところひとつ……。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 仰せの通りでございまして、刑法の場合におきましても保安処分的な性格を持った没収がございます。それから特別法の場合には一そう広くそういうふうに理解しなければならぬ場合が多い。特別法の中にも、もちろん刑罰的な規定もございますが、保安処分的な性格というふうに見た方が理解しやすい没収制度が広範に制度として実体法としては存在する、こういうことでございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 刑法の十九条の没収の規定は、非常に狭く限定的に解されておるし、特に昭和十六年の改正で追加された第二項でも、「犯罪ノ後犯人以外ノ者情ヲ知リテ其物ヲ取得シタルトキ」と、その犯罪行為を組成したる物その他の物を犯罪後に取得した場合だけの規定のようでございます。ですから第三者没収といっても、関税法その他の特別法に規定された第三者没収と実体法上性格はうんと違うと思うのですが、刑法は、一般法がこういう第三者没収を非常にきびしく制限的に認めておるのに反して、特別法の場合は、非常にゆるやかに、特に関税法その他専売とか、大蔵省関係の法案にそういった第三者の物を没収できるという規定が非常に多いと思うのですが、これはどういうところに理由があるのか。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 刑法におきましては、これはもちろんお説のように一般刑罰の基本的な総則でございますので、きわめて一般的な原則を示しておると思うのでございますが、お説のように十九条第二項のただし書きは、非常に制限された形で取り入れられておるわけでございます。これに反しまして特別法におきましては、非常に保安処分的な傾向が強い法令について認められておるわけであります。刑法では裁量没収で、十九条の関係では必ず没収しなければならぬということにはなっておりませんが、特別法におきましては、その取り締まり目的に従って、あるものは必要没収になっておりますし、あるものは裁量没収になっております。その辺にアンバランスがございまして、私どもとしましては、刑法のほうで体系的に整えなければならないと同時に、特別法の分野におきましても、この没収の規定の整理、調整、アンバランスの是正というようなことをいたさなければならぬというふうに考えております。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 ただいまの局長の答弁は私も同感でありまして、刑法が一般法として相当第三者没収を制限的に規定しておる一方、特別法の中でも関税法だとかたばこ専売法あるいは酒税法とか、大蔵省関係の特別法は非常に強権的にと言いますか、第三者の物の没収を相当広く認めておる法があって、非常にアンバランスがある。これは大蔵官僚が非常に強力な権力を持っておって、刑法体系から税法だけは別だ、あるいは大蔵関係の特殊な行政目的からこれは別なんだという考え方が非常に強く出過ぎておるような感じを受けるわけなのであります。特に関税法関係なんか、もちろん密輸入の取り締まりの必要はわかるわけでありますけれども、その犯罪行為の用に供した船舶もしくは航空機等々の没収ができるというような非常に強力な規定があるようであります。これは刑法の中にもございますが、犯罪行為の用に供するということを非常に無制限に理解すると、主刑以上に没収刑の付加刑のほうが過酷な刑罰になる場合が生じてくるのじゃないか。刑法総則の十九条の規定にしましても、犯罪の用に供するということは常識的にわかるでありますけれども、しかしいま言いましたように、密輸入をした数量、金額に比して、それが禁制品でないというような場合、一方それの運搬に供した船舶、これも密輸専門にやっておるようなちゃちな木造船舶ならともかく、相当な高価な鋼鉄船が没収されるというようなことになれば、これは付加刑、保安処分とはいいながらも、主刑以上に過酷な制裁になり得ると思うわけでありますが、この犯罪行為の用に供するというと解釈、これは私も不勉強ですが、刑法の教科書なんかを見てもあまり詳しく書いてない。教えられるようなことがほとんどないのでありますが、判例その他でこれがどの程度まで制限的に解釈されるか。あるいは裁判官の裁量なり判断で非常に拡大解釈される危険があるかどうかという点について少し伺ってみたいと思います。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 供用物件という考え方は、もう昔からある規定でございまして、判例で無制限に広がっていくものではございませんし、もう条文ができていると同じくらい文字どおり犯罪の用に供したものでありまして、その縁由となったとか動機となったとかいうものが入らないことは当然でございます。この点はほとんどの学説があまり詳しく書いてないくらい明白なことと私ども考えております。ただ、わずかな密輸貨物を運搬したのに船舶までも時には没収しなければならない、あるいはすることができるといったような強力な保安処分的な効果を持たしておりますものについては、理論的なものもありますが、やはり国と国との、あるいは公海の場における漁業の問題とか、そういったような歴史的な背景のもとに各国の規定ができておりまして、それがお互いの国に影響し合ってこういうような法制がだんだん成立してきたと思うのでございまして、これは没収制度につきましてもそうでございますが、麻薬の分野におきましても、漁業の分野におきましても、国連が中心になって、もう少し国と国との関係においての従来の考え方を是正していこうといったような機運も最近は見られるわけでございまして、そういったようなものと対応しながらこういう法制をやはり直していくということが必要じゃないかと考えております。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 麻薬の取り締まりとか、あるいはまた一般刑法犯でも殺人の用に供した凶器といったものの没収ということはわかるのですが、特に関税法の百十八条の中にある規定で「第百九条から第百十一条まで(禁制品を輸入する罪・関税を免かれる等の罪・許可を受けないで輸出入する罪)の犯罪に係る貨物、その犯罪行為の用に供した船舶若しくは航空機又は第百十二条(密輸貨物の運搬等をする罪)の犯罪に係る貨物は、没収する。」裁量没収でなしに必要的な強行規定になっておるようであります。禁制品というものと、脱税というものあるいは許可を受けないで輸出入する、情状によって段階があるようでございますが、その犯罪の用に供した船舶というものもいろいろあるわけでありまして、しかもそれがいわゆる第三者の場合「犯罪貨物等が犯人以外の者の所有に係り、且つ、その者が左の各号に一に該当する場合は、この限りでない。」という規定がございまして、第三者没収の場合は若干の制限規定があるようであります。この百十八条の一号の規定の意味は、読んでもよくわからないのですが、もう少し具体的に御説明願えませんか。

臼井滋夫検事(刑事局参事官)

○臼井説明員 現行関税法第百十八条でございますけれども、第一項におきましては、原則としてただいま御指摘のように密輸その他の犯罪行為に供した船舶あるいは密輸貨物等を没収することといたしておりますけれども、一項の一号、二号でその除外例を定めておりまして、第一号は、第三者がたとえば密輸に供された船舶を犯罪行為のときから裁判のときまで引き続いて善意で所有していた場合、具体的に申し上げますと、密輸犯人が第三者の船舶を無断使用して、それを密輸の用に供したというような場合、第三者にはそれが犯行に使われることにつきまして全く非難すべき点がないわけでございますから、これを没収できないこととしたのが第一号の趣旨でございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 私も、一言でいえば第三者の所有者が善意である場合ということだろうと思うのですが、これはどうも大蔵関係の法案は読んでもわからない法が多い。関税法もそうですが、あらゆる税法の規定が実に悪文で読んでもよくわからないのですが、この場合も「あらかじめ知らないでその犯罪が行われた時から引き続き犯罪貨物等を所有していると認められるとき。」というふうに、頭の悪いわれわれには、いわんや一般国民はなおさらですが、読んでもちょっと理解できないように思う。むしろ刑法なり民法なり、司法のほうの分野では学者が練りに練った法案であるということもありまして、もちろん意味、内容まではわかりにくくあっても一応何か文章としては理解ができるのですが、大蔵関係の法案は、文章自体をどんなに読んでみても、よほど頭を整理しておかないと読み切れぬというか、理解し切れぬという場合が非常に多いと思うのですが、法律家である局長どうお考えですか。この法律だけではございません。私も大蔵委員会におって、大蔵関係の法案を読んでさっぱりわからぬのです。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 仰せのように私も全く同感でございまして、わかりにくいので、実はこれは非常にわかりやすくしようと思って書いたもののようでございます。ところが、私ども法律をかじっております者のほうから見ますと、そのために概念が何が晦冥といいますか、むしろかえってわかりにくいようなことになっておる点が、この関税法はもちろんのこと、その他の法律にも税法関係は非常に難解な法律になっておるのは事実でございますが、私の年来の希望でございますけれども、行政罰則につきましては、刑法のほかに行政罰則だけの体系をやはりつくるべきではないか、それには総則もつくるべきである、それから各論は各法律の中にできるわけでございますが、その総論を踏んまえた各論ということで、罰則につきましては相当整理統合をしていかなければならぬのであって、このことは私の年来の希望でございますし、部内におきましても若干のそういう作業に着手しながら今日まで至っておりますが、何さま関係部局が多いものですから、国会にこの種の法案を各省でお出しになります場合に、法制局の審議を受けます前に、私のほうでもこの罰則関係につきましてはあらかじめ御協議を願って、できるだけ複雑な中にも筋を通していきたいという努力を続けておるのでございますが、この種の法律の先例にこういう罰則があるということになって、今度それと同種の法律をつくるので、前の先例となっておる罰則をそのまま持っていきたい、こういうことになりますと、どうも前のときは認められておるのに今度は認めぬというわけにいかないので、ずるずるべったり複雑なものがそのまま現存するというような形が依然として残っております。これを何とかしてバランスのとれた体系的な罰則にしていきたいということで考えております。  ただ、関税法につきましては、先ほどもちょっと触れましたように、諸外国の立法例を参考にしてできておりますのでこういうふうにきびしいのでございますが、その背景をなしておりますのは、やはり財政、経済といったような面からの一種の国防的な考え方が各国にあるのだろうと思います。したがいまして、対外的な問題として理解する場合に、その面から国を守っていこう、国の経済を守っていこう、国の法律秩序を守っていこう、物価を守っていこう、いろいろな守っていこうという面がたくさんあるわけです。そういう面から、各国ともに関税法につきましてはきびしい態度で、自国の利益を守ることにつとめておるようでございます。その結果としてこういうきびしい規定ができておる。それはそれとしまして、仰せのようにわかりやすいものにしませんと、なかなか読みにくいし、概念があいまいになって、そのために不測の権利の侵害が起こるようなことがあってはならないというふうに思っております。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 そうしますと、この関税法百十八条の一項一号の規定は、犯罪時に善意であった場合に、犯罪時から判決時まで善意で所有している者の所有物を没収しないという意味ですか。

臼井滋夫検事(刑事局参事官)

○臼井説明員 御趣旨のとおりでございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 関税法に限らず、その他の特別法にもそういうことがあると思いますので、この没収という規定と関連しまして、没取という概念が別にあるようですが、参考までに、没収と没取の法的な性格の違いをちょっと説明願っておきたいと思います。

臼井滋夫検事(刑事局参事官)

○臼井説明員 御指摘の没収と没取の差異でございますけれども、没収は刑法にその総則的規定がございまして、各特別法に特別の規定がございますように、これは刑事事件におきまして、刑事裁判の言渡しの際に付加刑として言い渡されるのが没収でございますが、これに対しまして没取は、各特別法におきまして、それぞれの行政目的達成のために、一定の物件を行政処分として所有者、権利者から取り上げまして国庫に帰属させる処分、これが没取でございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 一応その点はそれで了解いたしました。  それから第三者所有物没収の事例が、もらった資料の中に相当出ておるようでございますが、関税法、酒税法、たばこ専売法、漁業法、麻薬取締法、この五法についての違反事件で第三者所有物が没収された事例ですね、これがずっと資料の中に出ておるわけでございますが、この氏名不詳ですね、第三者の所有らしい、あるいは第三者に所有権があるが、第三者の氏名不詳という場合が相当あるようです。が、これは今度の本法案の場合に、こういう氏名の不詳の場合についても、やはり告知その他の機会を与えるということになっておりますか。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 そのとおりでございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 それからこの悪意という規定が随所に書いてあるのと、それら善意、悪意不明という場合、それから共犯者、逃走中の共犯者、こういうような推定を受けるわけでございますが、ここにある幾つかの法案は、悪意の場合に第三者没収をするという実体の規定になっておるのか、私、一々酒税法、たばこ専売法を読んだわけではないのですが、竹内局長の御説明を参考のために伺いたい。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 これは憲法二十九条との関係で財産権の保障がございますが、善意のものの場合は没収の対象外に置かれておるのが原則でございます。ただ保安処分という考え方を徹底してまいりますと、善意のものであっても保安処分上どうしてもこれを没収しなければならぬという場合があるわけでございまして、そういうものにつきましては、補償の制度によってその保安処分と善意の方との調整をとる、こういう考え方でございます。この考え方は、諸外国もそういう方向に向かっておると思うのです。世界でも、法律論としましては、財産権の保障の規定との関係上、原則としましては、善意の者を除外して、悪意の第三者について一応没収の対象にする、こういうように考えていただいて差しつかえないと思います。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 その善意の第三者の物を没収する場合に、一応保安処分的性格、保安上から没収して補償する。補償による救済ということは、特別法に補償の義務があるのでしょうか。それとも善意の第三者が憲法上の保障のある財産権の侵害を受けた場合、いまの国家賠償法あたりで請求ができることになるのでしょうか。その特別法の規定があるのかどうか、ちょっとお伺いしたい。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 現行法におきましては、そういう場合は補償の規定を置いているというのではございません。将来の保安処分という性格をはっきりさした場合に、善意の者までも含めるような没収制度を考えざるを得ないかもしれぬ。その場合にはそういう制度でいくのが相当だということを申したわけでございます。現行法のもとでは、善意の者はほとんどの法律で、刑法はもちろんのこと、特別法におきましても、先ほどお話しのありました関税法の規定を見ましても、善意の者は除外されておる、こういうことでございます。  ただ、あやまって善意の者が悪意と見られて没収された、それについてはどうなるかという問題は、依然として現行法のもとでもございます。これは、ただいまのところでは、行政訴訟によってその損害賠償を求めるとかということもありますので、今度の応急措置法をつくりましても、依然としてそういう問題が残っているわけです。それを解決しようというので、附則の規定を設けまして、あるいは十三条の規定を設けまして、その解決をはかったつもりでございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 そうすると、もう一度お尋ねしますが、現行法の中で、特別法も含めて、悪意の場合は別にして、善意の第三者の所有物が付加刑として没収を受ける規定は絶対ないと、こう言われるわけですか。あるいは現行法のもとでも保安処分的な性格もあり、犯罪の用に供した物件ではなくて、犯罪を組成する物件とかその他の物件の中で、善意の第三者の物件が没収されるような例は、少ないかもしれません、けれども、現行法のもとにあるのじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 それは条文のていさいから言いますと、善意の第三者の場合も入るんじゃないかと読めるような規定も、おっしゃるとおりあると思いますが、これに対して最高裁の判例がございまして、そういうものは入らぬのだ、形の上では何か善意の者も没収されるように書いてあっても、その実体は、そういう場合はその規定は、そう読んではいけないんだということで、憲法二十九条との関係からそう読めないんだという判例がございます。そこで、実務の上ではもちろんその判例の趣旨に従って取り扱っておりますが、それでは先ほど私が立法論として申し上げた、時代の要求に合わない場面ができてくるのではないだろうか、外国ではそこまで——最高裁の判例が読んでいるような読み方に徹底してしまうことは、外国の立法例の方向とも違いますし、やや厳格に解し過ぎておるのではないかという批判法務も実は学者の間にもございますし、部内にもあるわけでございますが、ただいまでは最高裁の判例が出ておりますために、現行法のもとにおいてはそういうものは解釈上あり得ないということで、確立していると申しますか、そういうふうに申し上げるほうがいいと思います。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 その最高裁の判例は昭和何年の判例ですか。

臼井滋夫検事(刑事局参事官)

○臼井説明員 ただいま刑事局長から申し上げました判例は、昭和三十二年十一月二十七日の最高裁大法廷判決でございまして、旧関税法八十三条に関する判例でございますが、この旧関税法八十三条は善意のものを保護するという規定ではなく、一般的に犯人の占有するものを没収することができるというような解釈をされる規定でございます。しかし、この場合でも、最高裁大法廷の判例は、ただいま局長から申し上げましたように、その場合第三者が犯行時から悪意であるという場合でなければ没収してはいけないのだ、そう解釈することによって初めて憲法第二十九条に適合する、こう解釈しております。その判決は、その後幾つかの小法廷判決でも踏襲されておりますが、判例は確立されておりますので、他の第三者の没収規定についてもこういう解釈がなされるだろう、こう思われるわけであります。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 その点はわかりました。  そこで、もらった資料の中で、いまの具体的事例集の中で最後の表に昭和三十七年一月から六月までの「没収言渡件数調これは検察庁が調査された資料なのでございますが、関税法で没収の言い渡しのあった件数、これは東京、横浜あるいは神戸といったところによくあるのですが、酒税法違反では数は少ないのですが、青森県が判決言い渡し十四件、没収十四件と全国の最高になっていますが、これは青森県において酒の密造が全国で一番多いというのか、あるいは検挙の取り締まりがきびしいというのか、どういうことなのでしょうか。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 その正確な実態はちょっと御説明いたしかねるのでございますが、御承知のようにあちらは密造酒の非常に多いところでございまして、密造酒は、全国的に見ますと、何も青森に限定されたわけではございませんが、非常に多いところであるということは顕著な事実でございます。この酒税法違反で没収になっておりますのは密造酒でございます。しかも密造酒の場合には、畑のまん中にそういうような密造の場所があって、そこにたくわえてあるというようなことで発見される場合が東北地方の密造酒の事件ではしばしば見受けるのでございますが、その畑の所有者が必ずしも密造酒の所有者ではないわけで、所有者は全然知らぬふりをしてしまいますために、その所有者が分明でない場合も多いわけでございます。おそらく青森が全国一になっておるのは、検挙が熱心であるためか、やはり事件が多いから検挙もそれに従って多くなっておるというふうに、一般的に統計を読むときには、私どもはそういう読み方を実はいたしておるわけでございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 本法案の中で、上村委員も指摘をしておられたわけですが、第三者の所有物に他の権利が設定されておった場合の、その第三者といいますか、第四者の権利救済なりあるいはその手続に参加の規定、この点は十分検討されて、この応急措置法からはずしておられるのか、あるいは近い将来その問題の解決をはかろうということではずされておるかどうか、この点をお聞きしたい。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 この点は十分私どもも立案の過程におきまして検討をいたしたのでございます。この前に上村委員にお答え申し上げたわけでありましたが、もちろんこの第三者の権利、物権がそのものの上に存在いたします場合に、その権利者が何らの意見、弁解、防御の機会を与えられることなくしてその物とともに没収されてしまうということは許されないことでございますので、そういう場合には、その没収がこの応急措置法をもっていたしましてもできないことになります。しかし、そういう場合は不都合でございます。その不都合を直しますためにどうしたらよいかということで検討いたしました結果によりますと、まず、そういう場合の実体法が整備されなければならぬということが一つ、それからその実体法を整備しますためには、これは私ども事務当局の研究でございますが、十数条の条文を新たに設けませんとぐあいが悪いのでございます。そうして実体法を直すということになってまいりますと、法制審議会を経由せずして出すということは、私ども事務当局としてはいたしかねるわけでございます。そうなりますと、今国会に提案することも不可能になってまいりますので、さらにひるがえりまして、それではそういう物権を背負った第三者の所有物がそれほど検挙の対象になるものであろうかという実態を調査してみましたところが、そのような事例はもう五年間に一件しかないといったようなきわめて希有な例でございましたので、その程度の漏れが起こることは応急措置法のもとではやむを得ないだろうということで実は割愛をすることに踏み切ったわけでございますが、今後没収制度が根本的に検討されます場合には、もちろんその問題も含めまして措置をしなければならぬというふうに考えております。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 そうしますと、現在そういう担保物権あるいは用益物権等のある第三者の所有する物を没収する場合には、最高裁の判例等もあって没収できないということで、当分は見合わすということなんですね。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 そのとおりでございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 そこでお尋ねいたしますが、最高裁の判例が出てから今日まで、関税法その他の刑事事件がまだ係属中の事件があると思いますが、そういった場合の各種の判決は、おそらく最高裁の判例に従って、没収刑を言い渡さずに判決する場合も相当あるかと思いますが、その実務上の障害、支障がどういう形でいまあらわれているか、これを参考に聞かしてもらいたい。

臼井滋夫検事(刑事局参事官)

○臼井説明員 ただいま御指摘の点でございますけれども、結局今回の違憲判決がございましたために、従来、各種の裁判で行なわれておりました第三者没収、特に第三者没収が主として行なわれておりましたのは、事例集にもございますように、麻薬取締法の麻薬とかあるいは関税法の密輸貨物等が多いわけでございますが、これらの物件について没収ができなくなったわけでございます。それと同時に、またそういう不都合が出てまいりましたために、実際には被告人である犯人の所有のものでありましても、第三者のものであるというような弁解をする風潮も徐々に見受けられるようになってまいったわけでございまして、本来犯人のものであるものも没収できなくなるという危険性も存在するわけで、そういう点で非常に不都合が生じてくるわけでございます。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 そういう不都合があって、この国会でこの法案の成立を急いでおるというように伺っているわけですが、そのために判決の言い渡しを延ばす、あるいは訴訟の終結を差し控えるというようなことを検察当局が、あるいは裁判所当局がやっているのかどうか、それの実情はどうでしょうか。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内(寿)政府委員 それは、ただいま私どもの調査しておる範囲ではございません。また事件もあまりないわけでございまして、そういう意味でこの法案待ちで裁判を待っているということは、私どもとしてはさせたくないわけでございますから、もうすでにどんどん進行すべきものは進行してもらうようにむしろ指示をいたしております。

坪野米男日本社会党

○坪野委員 私のこの法案に対する質問、まだ勉強も足りませんが、いまの本法案自体についての質問を続けたいと思います。しかし、大臣がお見えになりましたので、本日は私はこの程度で留保して、次回にもう一度お尋ねしたいと思います。      ————◇—————

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 次に法務行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますのでこれを許します。猪俣浩三君。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 東京地方検察庁の検事の安倍治夫氏が函館に転勤になったということにつきまして、世上いろいろのうわさが出ておるわけであります。この際大臣からはっきりしたそれに対する御意見を承りたい。と申しますのは、安倍治夫氏も検事であり、行政官ですから、どこへ転出させられても、これは当然のことでありますけれども、いま函館に行かれたということは何かそこに割り切れない感情が残るわけであります。函館にどういう地位でおいではなったのであるか、それを第お一尋ねいたします。

中垣國男自由民主党法務大臣

○中垣国務大臣 安倍検事の北海道函館地検への転出につきましては、ただいまお尋ねのとおりに辞令をもうすでに交付したわけでありますが、地位といたしましては、地検の三席の地位で向こうに赴任するわけであります。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 大臣も御存じのように、安倍検事は当衆議院の再審制度調査小委員会へ参考人として御出席願い、いろいろ再審制度についての御意見を承った。そのときに何かわれわれが予定した期日には、法務省のほうから故障が出て出られないということで、それでまた小委員長と法務省と交渉されたのでありますが、了解がついて、次回に出てこられたといういきさつがあるわけであります。これは国会の再審制度調査小委員会というのは非常にまじめに研究をやっておりますので、この安倍さんもこれに対しては非常に造詣のある人でありますから、私ども日弁連の弁護士会長になっている方も同じように意見を承りにきたのですが、その際に、国会に出ることについて何か法務省のほうでやめたらよかろうというような一体動きがあったのですか、ないのですか、ざっくばらんにお話しをいたださたいと思います。

中垣國男自由民主党法務大臣

○中垣国務大臣 再審制度につきましては、本委員会における再審制度調査小委員会の結論につきましては、私は非常に期待を持っている一人であります。でありますから、再審制度の参考人として出席するということ自体に反対したことは、これは一ぺんもございません。当時の交渉のいきさつも御承知のとおりでありまして、法務省におきまして再審制度のことについても検討中であるから、そういう考え方も知ってもらって、参考人として出ていただいたほうが、大臣としては適当である、こういうふうに私が考えまして、次回に延ばしてもらったらどうかということを申し入れをいたしました。そして小委員長と委員長と私との話し合いによりまして、あのとさはまことに唐突でありまして、御承知のとおり二日前に安倍君のところに通知があったそうでありますが、正式な参考人としての出頭状は当日朝本人の手元に渡ったというような状況でありました。そこで、せっかく国会の再審制度調査小委員会に参考人として出席をするのであるならば、現に法務大臣の命を受けまして、そういう再審制度小委員会で再審制度についての検討をしておるやさきであるから、法務省側の考えも、法務省の職員たる安倍検事が知っておって、そしてみずからの責任で参考人としての意見を述べられる。こういう形のほうが私は非常に望ましい、法務省の職員はそういう形であるべきだというふうに実は考えまして、初回のときには、次回に延ばしなさいということを申したわけであります。しかし本人は、御承知のとおり私の意見を無視いたしまして出てまいりましたので、小委員長からお電話がありまして、どうしたものだろうかということでありましたから、それは本人の責任で参考人として意見を述べさせてはどうかということを申し上げました。自分としては次の委員会まで延ばしてもらいたいけれども、そういうことになっておるならば、とめることもないでしょうと申し上げたのでありますが、その後は、本人が自発的たにしか当日は意見を述べずに参考人をお断わりになったと思います。そしてその次の委員会には出席をされまして意見を述べられたのでありまして、そのことにつきましては、何も私のほうから出ないほうがいいというような、本人に意見を述べたり圧力をかけたりしたようなことは、これはございません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 なお、これは法務省の考え方ですが、検事同一体の原則というのがあるわけです。しかし、これは法律の特別の技術的な意味で言っているのであって検事がみな同じ意見を持っていなければいけないという言論抑圧の理由にしてはいかぬと思うのであります。ところが、吉田石松といういわゆるがんくつ王の事件について、これは名古屋の裁判所で立ち会い検事は有罪を主張された。判決は無罪になったのでありますが、そのときにこの安倍検事は心から喜んだと新聞に報道されております。そうすると検事同一体の原則で、名古屋において検事が有罪を主張したにかかわらず、無罪になったといって、それが当然であり、そうあるべきだというような意見を発表することは不都合であるということが検察庁、法務省内に起こったと聞いているのでありまますが、さようなことはありますか。

中垣國男自由民主党法務大臣

○中垣国務大臣 安倍検事が吉田事件に対しまして、その冤罪を晴らすために人間として努力をなさったということにつきましては、これは、ほかの人の意見は私は聞いておりませんが、法務大臣としましては非常にけっこうなことだと思います。ただしかし、法務省の職員といたしましては、彼は検事ではありましても現職の検事の仕事をしておったわけではないわけでありまして、法務省の法務総会研究所の教官であり、また国連のアジア極東犯罪防止研修所の教官も兼ねておる。これは率直に申しまして総粋の法務省の職員であります。その行動を起こしますときに、私はこのことは本本には申し上げなかったけれども、お尋ねでありますから私の考え方を述べますが、こういう訴訟事件等につきまして検察を代表する機関というのは、地区におきましては検事正であり検事長であります。そういう人々の了解を得ることなく単独でおやりになったということは、事柄の内容の問題ではなく、私は好ましいものではないと思います。しかし、一人の人間の冤罪をそそぐために非常に良心的な考えに基づいた言動があったということそのこと自体につきましては、私はこれを何らとがめたり忌避すべきものではなくして、私の内心を申し上げますと、実にりっぱなことをやってくれたと考えております。まあ、できるだけ将来といえども、安倍君に限らず、このような問題はやはり検察庁の行政の中における機構の問題等もありますので、こういう意見を述べるというような場合には、その地区の検事正もしくは検事長の同意を得られて堂々たる言動を示されることが望ましい、このように今日といえども考えておる次第でございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そうすると、結局あなたの話をさっきから聞いていますと、第一、国会に出席するについても一応十分研究した上でということであったのを自分自身で出かけてきた。そのときに安倍検事の言うことは、国会が自分を呼んでいる、それを取り消しもしないのに私が出ないということはどういうことになるか、行政府ではとめておるけれども、国会と法務省と考えれば、やはり憲法の規定からしても国会が最高機関だ、その国会が正式に呼び出しているのに私が出ないということになると困ると思ってきょうは出てきたというふうな意味を申しておりました。そこで小委員会といたしましても、いたずらなる摩擦を起こしてもいけないので、それでは国会といたしましてきょうはあなたに引き取ってもらうことにして、あらためてまた交渉して再度来ていただくということで帰られたのであります。これもいま大臣の話を聞くと、大臣の本心にはどうも従わなかった態度であるというふうに見受けられる。  それから吉田石松のことにつきましても、彼が人間的に個人として世話をしたり、また無罪を喜んだ。しかしいま大臣の話によるならば、これは検事長なり検事正の同意を得てから発言すべきものだというようなことであるとすれば、これも法務当局の忌諱に触れた行動であったと申さなければならぬと思う。安倍検事が中央公論の五月号に「新検察官論」というのを発表している。この中に彼はこう言っている。いろいろのことを言っておりますが、「同じようなことがまたあった。」 という書き出しで「わたしが吉田石松翁を支持する目的で発表した「再審理由としての証拠の新規性と明白性」という論文が先輩検事諸公を激怒させた。ある大官検事は某新聞記者にむかって、こんなのはいそがしい現場にでもとばして苦労させた方がよいという旨を洩されたといわれる。もしこれが事実とすれば、一つには現場検事に対する軽侮を含み、一つには公器としての人事権を私怨をはらすに用いようとする態度を含むがゆえに許しがたい。こうした出事ごとはあげればかぎりがない。」 こう書いてある。これは五月号ですから四月十日に発行されたと思うから、三月じゃうに書いたものじゃないか。だからもうすでに予感が安倍検事にあったのじゃなかろうか。「再審理由としての証拠の新規性と明白性」はりっぱな書物であります。私も読みました。しかもいまわが国の刑事法の大家である団藤重光氏の「解釈論としても立法論としても、また、実務の面にも理論の面にも、本書の寄与するところは、きわめて大きいのである。」という推賞の言葉が序文に出ておる。実に示唆するところ多大なる本であります。ところが、これのどこが先輩検事諸公を激怒させたのかわれわれはわからぬが、とにかくこんな本を書くやつは忙しい現場に飛ばして苦労させた方がいい、こう言うたということをすでに中央公論の五月号に書いてある。また、こういうことを発表したことが法務省をおこらしたのじゃないか。そこで一体、いま優秀な検事で、総合研究所あたりで研究させるには最も適任者であるこの人を、北海道函館にやられたということはどういう意味があるのであるか。あなたが先ほど言うたように、どうも検事としての立場から少しはずれているというようなお考えがあるやに思うのですが、そういう理由でこれは函館に赴任させたのであるか、それをお聞きいたします。

中垣國男自由民主党法務大臣

○中垣国務大臣 お答えいたします。安倍君が検事として軌道をはずれておるというふうには申し上げておりません。そういうことは全然考えておりません。その中央公論等も私も見ましたし、彼の出した諸論文につきましてもたいがい目を通しておりますが、安倍君の検事としての過去の経歴等から見ましても、なるほど研修所に入りまして非常に優秀な検事でありましたので、留学等もいたしまして、また帰ってまいりまして、法務省のいわゆる本省づとめをずっとやってまいりまして、検事としてはほんのわずかの経験しかない検事であります。私といたしましては、本人安倍個人の問題をとやかく言う考え方はございませんが、人事管理の面で申し上げますと、やはり検事は、もちろん当て検として行政面に携わることもりっぱな幹部をつくっていくという一つの方法でもありましょうし、また実際の検事として検察行政に現地で携わることも私は非常に大事なことであると考えておりまして、少し本省づとめが長過ぎる、この際本人のためにもなることであろうから移そう、たまたま彼のよき先輩が函館の検事正におります。大学の先輩でもあり、またかつては何とか事件というのを一緒にやったこともある人だそうでありますが、次席の人も彼のよき先輩であります。むしろ、そういうところは彼のために気分的にもいいであろう、この際ひとつそういう現場の事務をみっちりみがいていただくことは、私は、彼のためばかりでなく、やはり検察行政全般のためにもそういう人事こそ必要である。こういうふうに考えまして、私の責任で彼を転出させた。  これが真相でありまして、ただいまおっしゃったような吉田事件であるとか、あるいは国会の参考人出頭の問題であるとか、そういうことにつきましてまことに度しがたい、許しがたい、そういうこと等でやったのではないのであります。むしろ参考人として出る問題でも、私は私が良心に従って申し上げますと、法務省の職員としては、法務省で検討しておる再審制度等の大体の概要を知って出るほうがむしろ正しい。なぜかといいますと、個人として参考人にお呼びになったと思うのでありますが、一たび口に出ますことばは、安倍検事であります。そうしますと、安倍検事の考え方が法務省を代表するような再審制度であるということでありますと、やはり法務省も、彼の同僚や先輩が真剣にそのようなことを検討しておるのでありますから、むしろ私は内部の和の上から見ましても、また法務大臣としての職責の上から見ても適当ではない。それよりも法務省の再審制度に対する考え方も知ってもらって、なお自分の責任において自分の良心に従ってここで開陳していただくことが適当だ。こういうことでありまして、そのことに対しては何も私は不満を持っておりません。出たことに対しましては少しもとがめる等の意図はございません。  吉田老人に対しましても同じようなことでありまして、やはり既決因に対しまして、それが無実であると一人の検事が良心的に考えまして、資料を集めまして、そういう議論を展開したりすることは、これをもし悪いと言うような法務大臣でありましたならば、そういう法務大臣は私はないほうがいいと思うのでありまして、やはり検事といえども犯人を製造するための行政ではなくて、真実を追求するための検事である以上、自分がそういうふうに信じまして行なう言動につきましては、これをとめたりあるいは排斥したりするような考えはいまでも持っておりません。しかし、現職の検事がそういうことをする場合には、やはり機構の中の一人であるという立場に立ちまして、たとえば私よりも猪俣先生は専門家であられますが、吉田翁事件のときに、もし検事長が彼を公式に忌避した、安倍君にそういう発言をしてもらいたくないと、もしこういうことをした場合にどうなったであろうかということをお考えいただきたいと思うのです。担当の検事がそのことに不服を唱えるようなことがあったらどういうことになったかということもお考えいただきますと、当時検事正も検事長もそういうことを申しておらないのでありまして、やはりすべての検察官というものは安倍君の行動について黙認を与えておったことは事実であります。その二つの事柄をとらえまして本人が、先輩がおこっておるとかなんとか書いておるようでありますが、これは先輩と言いましてもいろいろありますので、すべての人の意見を代表するわけではございませんけれども、法務省内におきまして、そういうことで彼を転勤すべきだということを私に意見を述べた人は実はありません。むしろ、私のほうが老婆心と申しますか、心配をいたしまして、馬でいったらあれはたいへんな優秀な駿馬である、こういう人は指導のしかた、人事管理がよければ相当伸びる人であるから、伸びる人を大いにす伸ばようにみんなして愛情を込めてひとつ指導してもらいたいというようなことを、私は研究所の所長等にもたびたび申し上げたくらいでありまして、いま猪俣先生が言われましたように、その二つの問題をとらえて懲罰的にどういう考え方はないのです。このことは私も法務省の職員の幹部の人にも申しております。が、いかに優秀な考た方でありましても、いかにそれがヒューマニズムを貫いている考え方でありましても、やはり公務員であるとか、あるいは検察官であるとかいう者が外に向かってそれを言動にあらわすときには、紳士的に善意に満ちた手順を踏みまして、できるだけ全体の和の中でそのようなことが行なわれることが正しいと思います。もしいかに正しいからといって、いかにそれが絶対のものであるからといいましても、やはり全体の和を無視するような考え方の言動というものは、安倍君に限らず、そういうあり方をしてはいただきたくないと考えております。  そういうふうに考えておりますけれども、しかし、そういう私の考えに基づいて転出させたのではないのでありまして、四十三才という非常に優秀な若い検事が、法務省の当て検のような、また検事という名前だけで実際は法務省の研究所の職員であって、検察庁の中に彼は入っていない。法務省の職員としてのそういう仕事だけをやらされている。このことがはたして彼の持つ優秀なものを全部伸ばすために真に役立っだろうか、こういうことも考えまして、かつて彼は一番最初に、研修所を出たとたんに、わずかでありましたけれども北海道にいたこともありますし、知人、先輩等も多いことであろうから、この際そこに行って実地を学んでいただきたい、これは正直に申し上げまして私が善意に満ちた措置としてやったのでございまして、決して敵意など持ってやっていないことを御了解いただきたいと思います。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 大臣の説明はどうも少し矛盾しておると思うのです。安倍君の行動については非常におもしろからぬ考えをお持ちのようであります。そして検察庁内の人の和を相当阻害したように考えておられるようであります。しかし、今回函館へ移したのは彼の大成のためだ、こういうふうに言われる。私はどうもそこに一つのつながりがないと思うのであります。中央公論の五月号、これは四月十日に発行されております。この中に彼は「新検察官論」といたしまして、内部の事情につきましても批判すべきものは勇敢に批判し、これからの検察官のあり方について切々たる訴えをしている。私ども同感するところ多大であります。しかもその中に、いま読みましたように自分はいま某大官からどこかへ左遷されようとしておるということも書いてある。なおまた「わたしが、吉田石松翁の再審を助けたことで検察庁の一部の人々が硬化したり、わたしが衆議院の再審制度小委員会に参考人として呼ばれたときに法務省の一部がストップをかけたりしたことは、すでに周知の事実となりつつある。最近ではわたしがある死刑囚に会うことをさしとめる動きも見られた。」 こういうふうなことも書いてある。「これはわたしに対する個人的な敵意によるというよりは、検察は国民に奉仕するものであるという若い世代の検察官の考え方に対する根本的な無理解によるものであろう。」こういうふうに書いてあるわけです。こういう雑誌が広く世間に出ておる。また新聞にも、国会に呼ばれたときにストップをかけられたようなことが相当出た。そういう際に、彼の前途の栄進のために現場にやったのだというふうな御説明をされても、それはぴんとこないのです。それならもっと時期があったと思う。当委員会といたしましても、わざわざ数時間にわたりまして委員会に出席してもらってうんちくを傾けていただいた。それがかえって左遷の原因になったということになりますと、これはまことにお気の毒なことになるわけであるし、また国会の国政調査と行政府との関係にも発展するかと思う。安倍検事は国会というものを非常に尊重して、国会の呼び出しがあるなら自分は来なければならぬと思って来たというふうに言っておられる。そのために行政府からはにらまれて北海道にやられる。北海道も、札幌には相当優秀な人をやって、そこで数年間つとめて東京地検に戻すというようなことをやっているのです。そうしないと、北海道に行き手がない。私が数年前北海道の検事正に会ったときにも、早く東京に帰りたいと非常にこぼしておった。そこで今度はそれを防ぐために優秀な者を札幌に連れて行って、そのかわり数年後必ず中央へ連れ戻すというやり方を検察庁ではやっているわけです。安倍君は昭和二十六年には札幌地検に行って、もう十分現場をやっている。それを今度は札幌地検よりも下であります函館地検の、それも部長級ででも行くのならいざ知らず、平検事でもってやられるということは、どう考えたってこれは左遷であります。本人に実務修習の機会を与えるならば、そしてそれが左遷という意味を含まぬならば、幾らも方法はあると思う。東京もあれば横浜もある。わざわざ函館まで飛ばす必要はない。しかも北海道では一度現場の検事をつとめてきている人です。どうされても、結局、あんまり法務省の意に沿わぬにかかわらず、参考人として国会に出て陳述したり、あるいに「刑事訴訟法における均衡と調和」というような本を書いて、吉田石松を助けるような理論的な格拠をつくったり、なお中央公論という公の雑誌にあけすけに検察官のあり方を批判したり、そういうことが相当法務省なり検察庁の上層部の忌諱に触れて左遷されたものであると理解せざるを得ない。現場で修習させるなら函館までやる必要もないし、こういう一時問題になったときにわざわざ函館へ送るという、いまあなたが言うたことが正しいなら、全く痛くもない腹を探られる行動をどうしておとりになったのであるか。なぜ急いで函館へやらなければならないか。私は、実務を修習させるのが目的であるならば、まだ時期があったろうと思うし、場所もあったろうと思う。北海道へやられるのは左遷ですよ。所長か部長検事にでもなって行ったというなら別だけれども……。

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 猪俣君、五分か十分の約束が三十分以上になっておりますから……。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 世人はそういうふうに理解するわけです。国会なんかに出たり、そうして雑誌に論文なんか書いたり、そのために飛ばされた、法務省というところは何と個人の自由意思を圧迫するところだろうかというふうに理解されることは、私は法務省のためにも検察庁のためにもとらぬことだ。その時期及び場所についてあなたはどうお考えになりますか。

中垣國男自由民主党法務大臣

○中垣国務大臣 私は、場所につきましても適当なところにやったつもりでございます。時期につきましても、あなたは断定をしておられまして、国会に出たこと、吉田がんくつ老人等で努力したこと、そういうことが原因だというふうにきめてかかっておられますからそういうことになるかと思うのでありますが、安倍君の同期の人、たとえば安倍君と同時に研修所を出まして検事になった人等から比べまして、絶対に左遷ではございません。いま東京なり横浜なり、ほかにあるじゃないかということでございますが、これはやはり人事管理の問題等もありますので、私が最も適当だと考えたところにやっただけのことでありまして、このことにつきましては、猪俣先生のような、そういう批判のしかたもあるでしょうけれども、私は良心的に、少しもそういう懲罰的な左遷人事をやったとは考あてはおらない。ある人と同期の検事の四十二、三歳といいましたら、猪俣先生よく御承知でありますが、函館地検の三席といいましたら決して低い地位ではいのでございまして、たとえば同期の人でもっと上席の人がたくさんおるとか、そういうことはないのであります。そういうことにつきましては、私も意見を聞き、十分慎重に考慮をいたしたつもりであります。

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 だいぶ約束の時間も過ぎたことですし問答をやっても同じようなことですから……。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 最後です。ただ、中垣大臣に申しておきますが、安倍治夫氏はいわゆる進歩的な検事という、赤がかった検事なんという立場の人じゃない。これは私は別に安倍民に頼まれたわけでありませんで、彼の砂川事件の第一審判決に対する論文なんというのは「判例時報」に書いてありますが、われわれは砂川事件の伊達判決は、実にわれわれの言わんと欲するところを言って、安保条約は違憲であるというふうな論断を下したことについてかっさいを博したのでありますが、この安倍検事は、これに対して反対でありまして、やはり最高裁判所の判例のように、統治行為という議論によって、統治行為の内容にまでわたって裁判所が判断することは間違いであるという、われわれにとってはなはだ不満な論文を発表されておるような人でありますので、私は結局は、そういう意味で函館にやられたとは考あられませんから、ただいま申し上げましたような再審に関する問題、あるいは国会に出席したような問題、あるいは中央公論の論文というようなものが原因をなしたのじゃないかと考えられるのでありますが、しかしこれは押し問答になりますからこれでとどめておきますが、どうか法務大臣も、中央公論に書いてあります安倍検事の新検察官論をよくお読みいただきまして——相当検察庁の内部には封建的にしてがんこなかたまりがある。それが長所をなしておりますが、また短所をなしまして、いま臨時司法制度調査会で問題になっておりますように、検事になり手がない。新しい修習生は一番弁護士になりたがる、その次は裁判官。検事は、年々検事のなり手が減ってきて、何ともこれはしかたがないということで、いま臨時司法制度調査会でその対策を検討しているのでありますが、その原因は、検事の職が若い法曾に魅力がないからであります。その魅力のない原因はどこにあるのか、それには、この安倍検事の新検察官論などお読みいただくと、思い当たるところが出ていくのじゃなかろうか、かように考えまして、これは私の意見として大臣だけに申し上げておくわけであります。  終わりました。

高橋英吉自由民主党

○高橋委員長 次会は来たる六日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて、散会いたします。    午後零時三十二分散会

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