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43回国会衆議院1963/06/05

文教委員会 第21号

発言数
63
登壇者
5
会派数
2
開催日
1963/06/05

会議録

床次徳二自由民主党

○床次委員長 これより会議を開きます。  義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案を議題といたします。質疑の通告がありますのでこれを許します。村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山委員 第二条に義務教育諸学校の定義がございますが、この中で義務教育諸学校の中には私立の小中学校がもちろん入っておるわけであります。そこで十一条との関係でございますが、私立の学校でありましても、今度は都道府県の教育委員会が数種選定をしたものの中から私立の学校も採択を学校長が行なう、こういうような仕組みに相なっておるようであります。そこでいま法律上の根拠は、公立の小中学校の場合は都道府県の教育委員会が所管をするということになりますが、私立の学校の場合には御承知のように都道府県知事がこれを管理をするという立場になっておることは、私立学校法の定めるところであります。そこでこういうような状態の中に出ていった場合に、私立学校の特殊性というものが非常に阻害をされる点が出てくるのではなかろうかという点が危惧をされておりますが、すでに御承知かと思いますけれども、全国の私学小中学校連合会におきましては、こういうような私学の特殊性を無視するような法案に対しては賛成できない、場合によってはわれわれは無償を断わるということを考えているのだ、こういうような声明まで発表をいたしているようであります。そうなった場合に、この私立学校法の定めるところのいわゆる監督官庁というのは都道府県の知事であって、教育委員会ではないという問題点がございますが、そういうような点はどういうふうにこの教科書法案の中で考えておられるのか、その私学の独自性という立場をどういうふうにお考えになっているのかをお答えを願いたいと思います。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 御指摘の点でございますが、御承知のように私立学校は都道府県知事の所轄のもとにある学校でございます。したがって一般的に私立学校行政は都道府県知事の部局で行なわれるわけでございますが、教科書の需給あるいは採択に関することは、従来から特別に臨時措置法に基づきまして教育委員会の系統を使いまして、そうして各学校において使用する教科書の需要数の取りまとめ、それに対する文部大臣に対する集計報告といったようなものは、教育委員会を通じて行なっております。したがいましてその点は従来と少しも変わらないわけでございます。  特に第二の点につきまして、御指摘になりました私立学校の自主性の問題は、これは私ども非常に重要な問題と考えるわけでございまして、私立学校の教育の独自性、自主性ということを十分尊重していく立場において考えなければならない、そういうふうに考えるのでございます。この法案では公立の小中学校におきましては、これは都道府県の教育委員会であらかじめ選定したものの中からそれぞれの採択地区の教育委員会が一種類を採択するというたてまえをとっておりますが、私立学校の場合におきましてはある程度私立学校の自主性を認めるという観点から、公立の学校の場合と違いまして、私立学校は個々に、都道府県の選定したもののワクの中から採択をする、こういうような仕組みを考えているわけでございます。その点は一般の公立学校と違ったたてまえをとっておるわけでございます。  以上でございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 限界の示された自主性ということになるという解釈ですね。というのは都通府県の教育委員会が五種あるいは六種選定する、数種ですから、これはあとでまたお尋ねいたしますが、二種数しか選定をしない場合もあります。これは数種の解釈の幅というものはあり得るわけです。そういたしますと、その二種類の中から選ばなければならないという事態も一応考えられる。その場合に、私学の自主性というものは、採択地区を県一本にしぼろうが、あるいは市あるいは郡というものを一つの採択地区にいたそうが、それはまあ別問題といたしまして、その選定されたものの中から選ばなければならないということになったら、私学としては、その自主性を踏みにじるものだ、こういうふうに考えざるを得ないじゃないかというのが私学側の言い分でありますが、それは十分御検討をされたわけですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 もちろん御指摘のように、都道府県の教育委員会で選定したものの中から私立学校は個々に採択をしてもらうわけでございます。二種類という場合もあり得るというお話でございますが、私どもとしては、大体府県の選定の種類は五種類ないし六種類というように考えております。したがって、私立学校の非常に多いところにおいては特に私立学校の問題を選定の際に考慮しなければなりませんので、東京、大阪、その他の五大市等におきまして私立の学校のあるところにおきましては、特に選定委員の中にも私立の学校の関係者を入れるというような配慮もするようにいたしております。そういうような配慮をいたしまして選定したものの中から私立学校が個々に採択するというたてまえをとっておりますが、これはもちろん義務教育でございますから、私立の学校におきましても公立の学校におきましても、ある程度、教科書そのものについてはそれほど違ったものはないと思います。したがって、現在の検定教科書を使っておる限りにおいては、私立学校といえどもそれほど特異なものを使用しておることはございません。そういう実態に基づきまして、私どもはこのやり方を研究してまいります過程においては、私立学校の小学校の団体、そういうものと十分連携をとってまいったのでございまして、先ほど、団体のほうで反対をしているような御指摘もございましたけれども、私のほうにはさような反対はございません。私立学校の小学校の連合会におきましてはこれに全面的に賛成をしております。そういう状況でございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 全面的に賛成をしているのであれば、私学連合会の会長の談話というもので私学の独自性を踏みにじるおそれがあるというような発表はしない。それが新聞記事に出ている。そういう実態から考えますと、この問題については非常に危惧の念を抱いているというのが私は実情ではなかろうかと思う。  そこで重ねてお尋ねをいたしますが、私立の学校長がいままでは臨時措置法によりまして書類の届け出をする。需要数を把握するためにやりました。そういうものは事務的な問題でありますから別に問題とするわけではございませんが、この場合に、では私の学校はこれを使いますということで、県の選定委員会が選定したもの以外を使った場合にはどういうような措置をとられますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私立学校の場合におきましては、この法案によりますと都道府県の教育委員会で選定したものの中から採択をしなければならないというようになっておりますので、それ以外のものは採択するわけにはいかないと思います。

村山喜一日本社会党

○村山委員 採択するわけにはいかないけれども、私立の学校が有償で、自分の学校はこの教科書でなければやっていけない、これは学校経営の方針でございますということで一つの教科書を、そういうような選定以外のものを採択をする、これは拒否できますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 このたてまえは、私立学校も公立学校も一様に無償給与するというたてまえでございます。したがって、そういう拒否するということを前提に考えていないのでございます。私どもはそういう拒否する学校があろうとは思いませんけれども、この法律のたてまえとしては、あくまでそれは都道府県の選定したものの中から選んでいただく。そして採択したものを給与する、こういうたてまえで書いておるのでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 法律はそういうようになっておることは知っております。しかしながら私のところは無償の教科書はそういうことならいただきましょう。しかし私のところのほんとうの方針は、県の選定委員会で選定をした教科書とは違います。だから別に有償でかまわないから——教科書というものは大体主たる教材でございますから、いろいろな教科書がある中から、自分の学校で使いたいものを使って、それを利用していけばよろしい、そういうような立場から有償で別な教科書を採択する、こういうような措置をとることは、法律のどこで禁止してございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 政府委員からもお答えはするかとは思いますが、一種のたてまえの問題であろうかと思いますので、私の考えを申し上げたいと思います。  私立の義務教育諸学校において、仰せのとおりこの法律のたてまえとして規定しております県の段階で数極数にしぼった場合、これまた御指摘のように概念論としましては二極数ということもあり得ることはむろんと思います。したがっていままでに比べれば採択する範囲、対象が狭くなるということは私学の立場も教育委員会の立場もたてまえとしては同じことだと思うのであります。それ以前に私学といえども学校教育法に基づいて文部大臣が検定した教科書以外は使ってならないことは同断でございますので、選定の制度あるいは採択を、いままでよりは制度上比較的広い採択区域にするというようなことは、私学の独自性を制限するしないという概念とは違う立場において、むしろもっと高い憲法それ自身の無償の趣旨を敷衍しようとするところにねらいがあり、それの実施上の問題でございますから、私学が私学の独自性を狭める、制限するという角度から受け取らるべきものではなかろう、私はさように思うのであります。したがってすでにして文部大臣が検定しました教科書でありそうしてまた教育的立場に立って都道府県段階で数種類にしぼるということが教育政策上、教育的立場において必要なりとする前提に立ちます限りは、その趣旨には私学といえども従ってもらう、そのことは私学の独自性、自主性等を制約したという概念として受け取るべき課題ではないものではなかろうか、そういうふうに理解いたしまして、先ほど来政府委員がお答え申し上げたような趣旨で御理解はいただけるものと思うわけであります。

村山喜一日本社会党

○村山委員 理解はしないわけなんです。というのは、そういう声があがってきているから私は申し上げて具体的な事例を聞いているのです。一般論を大臣から聞いているのではありません。県の方で選定をしていただいた教科書も、これは副読本的な立場から使いましょう。しかし私のところは、文部大臣が検定をした日本の教科書の中で一番いいものを自主的な立場からやらせたいと思って、別な教科書を実は使いたいのだ。そっちの方は父兄の人たちにそういうように話をして、そちらの方で有償で買ってもらいました。しかしながら無償の方はもらわなければ都合が悪いでしょうから、そちらももらいましょう。両方を突きまぜながら、私のところは教育のレベルも高うございますから、教科書を自由に活用して教育をやっていきます。こういうような立場をとった場合に、それを拒否する権限はどこにあるのか、法律の上で明らかにしていただきたいということを言ったのです。ないでしょう、それは。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 その点にもお答えするつもりで申し上げたわけでありますが、教科書無償ということがもっと高い次元の課題として、法律によってその趣旨が宣明される。その場合に私学の独自性ということが働く分野ではないであろうということで先ほど来御説明申し上げましたが、それに従わない場合に、しからばどうするか、従わないということは許さないと言えるかどうかというお尋ねのようでございますが、従わないということは許されない課題だという角度からの行政指導というものは当然なさるべきものと思うのであります。それ以上押して、数種類にしぼりましたもの以外を現実に使った場合、何ら制裁規定というものは本法からは当然出てこない。義務教育の無償措置の一端としての必要からこの法律が制定されるわけでございますから、その趣旨には私学といえども協力すべき責務が生ずるものと私は思います。

村山喜一日本社会党

○村山委員 責務は道義的な意味の責務であって、法律的な意味の責務はここには何ら書いてないわけです。だから教育の効果をより高くしていくためには、その無償措置でくれる教科書はもちろんいただきましょう、しかしながら私のところはまだほかの教科書にも目を通さして、そちらのほうでも自分のうちで勉強さしたり、あるいは学校でそちらのほうの教科書を主としてやりたいんだ、教科書というのは教材ですから。そういうような立場から学校でカリキュラムをつくりまして、それにしたがって私学独特の教育をやっていく、これは私は許されていくべき私学の自主性の問題だと思う。それを、県の教育委員会が選定をして、その中に入っている教科書でなければ使えない、そういうようなおかしな法律は、日本の憲法の上から見ても、これはおかしいと思う。ですから、そういうようなことを行政指導をされるされないはかってでありましょうが、それに従わなければならないという法律上の責任もありませんし、自分たちが預かっている子供たちをもっとよりよくしていくんだという教育的な立場からした場合には、これを排除する規定はないわけですから、片一方において無償の教科書をもらい、片一方において有償の教科書を使う、こういうようなことはあり得るはずだと私は思うのですが、その点は法律の上では確かに禁止規定はないわけですね。その点だけを明らかにしておきたい。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 趣旨は、先ほど大臣が申し上げたとおりでございます。法律上禁止規定はございませんが、もちろん制裁規定もございません。そういう場合においては無償の対象にしないというだけだろうと思います。これは法律上の問題だと思います。

村山喜一日本社会党

○村山委員 次に、問題になります点を明らかにしてまいりたいと思いますが、この前参考人も呼びまして、貴重な意見をわれわれは伺ったわけであります。その中で、現実に教科書を出版をしている大阪書籍の前田社長も見えました。この方は前文部省に関係のある方でありますが、その中で前田さんがおっしゃるには、よい教科書をつくっていこうというためには、やはり四万から五万くらいの採択の程度のものも生き残るようにしてもらわなければよい教科書は止まれない、こういうような説明をされました。  そこで、私は教科書の定価の問題をめぐって大臣からお答えを願っておきたいと思うのでありますが、今度の教科書の無償措置法案は、これは教育的な見解と、国家財政の立場からの、そういうような立場に立った二つの両極を代表するものがミックスされた形で出されている法律案だと思うので、そうなった場合に、いわゆる財政的な見地に立って考えていったら、採択部数が多ければ多いほど、一種類について十七万とか、あるいは三十万とかいう話も漏れ聞いておりますが、そういうようなところにラインを引いていくということになりますと、なるほど財政的には、国家財政の上からは教科書の定価を下げることに役立つと思います。しかしながら、よい教科書というものはやはり前田さんの説によるならば、県庁所在地のような都市部を中心にして熱心な先生たちがそこからいろいろ研究した結果のものが地方に順次広まっていく。これはそういうような自然な、川の流れのようなものがあると思います。そういうようなところから出発して、よい教科書という教育的な立場に立ちますと、そこには初めの新しい教科書というものは四万から五万くらいの採択というところから出発しなければならない現実が確かにあるようであります。そうなってまいりますと、教育的によい教科書を使うということになると、採択部数の限界が四万とか五万というところに下がってくる。ところが一方国家財政の上からいった場合には、定価を低く抑えなければならないというジレンマに立たなければならないと思うのですが、そういう場合の定価の定め方は、これは大臣が決定をされることに相なっておりますので、どのような立場から大臣は価格を決定しようとお考えになるのか、その点をこの際明らかにしていただきたいと考えるわけでございます。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 ただいまの御質問でございますが、大臣がお答えになります前に実情を少し申し上げたいと思います。  現在の建て部数は大体十万程度でございます。十万程度で算定されておりますが、実際の平均部数は十七万ないし十八万部ぐらいになっております。したがって現在は採択地区も区々でございますので、非常に小さい採択部数のものもございます。したがって四かないし五万という御意見でございますが、私は、四万、五万という部数でなければならないかどうかということは、これは少し検討の余地があろうかと思います。なぜかならば、今後、法案に書かれておりますような、こういう採択地区というものを考えました場合には、少なくとも一地区において三、四万の採択は容易であろうと思います。したがいまして一地区ということでなく、少なくとも三地区あるいは四地区というようなものが採択されたということになりますと、すでにそれによって十数万部数になるわけであります。今後、質のいいものが出てくるということは当然望ましいわけであります。したがってその余地は残さなければなりませんが、いままでのような二万とか三万あるいは四万というような小さなものを考えなくても、いいものが出れば、ある程度今後の採択地区の設定によりまして、従来よりも当初から採択される部数はもう少し多く見込めるというように私どもは考えております。したがってそういった点から考えますと、現実の問題と将来の行き方を考えますと、必ずしも四、五万でなく、もう少し大きい部数で、あるいは十万以上とかいうような方向で考えても十分質のいいものは伸びる機会に恵まれるというように私どもは考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 いま十万部以上ということを言われました。そこで私の問題にするのは、そういうように観念論的に文部省が考えるのではなくて、現在教科書を発行している会社は教科書会社なのです。その教科書会社が創意くふうをこらして、検定の教科書のいいものをつくっていかなければならない。そのときにほんとうに——大阪書籍というのは一千万円の資本金の会社ですから、あまり大きな会社ではありません。発行部数もそう高いところにはない。まあ中くらいだと私たちは見ております。そういうような会社がやはり今後も生きのびていくんだということも考えますと、その会社の実態から、やはり四万ないし五万という採択部数を残してもらわなければよい教科書はつくれません、それはやはり限界線として定価を押える場合には考えてもらわなければ困りますということを、われわれに参考人の立場から意見を切々と訴えているわけです。それに対しまして自民党のほうから呼びました学者の安藤先生も、検定というものは残さなければならない、やはりそこに定価のきめ方をめぐって検定が生きるか生きないかという問題が出てくる、そうするならばそのラインをどこに引くかということが大きな問題になってくる。こういう立場から、文部省は頭の中で考えるのではなくて、やはりそういうような教科書を現実に発行する業者の立場というものを中心にして考えていかれないと、いまのような考え方であなた方が進められたら、今度は大蔵省のほうはもっと、国家財政の立場から、それは二十万部以上でなくてはだめだ、もう今年は三十万部以上でなければだめだ、こういうようなところにラインを引いていきましたら、もう中小企業の会社は採択部数がそれだけそろえられませんからつぶれていかなければならないという事態が出てくる。ですから、この問題は大事な問題でございますから、文部大臣そのことをはっきりと、よい教科書を残していくのか国家財政の立場からその問題を中心に考えていくのか、この際委員会で明確に国民の前に明らかにしていただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 発行会社の実態を具体的に承知していない立場では、いまのお尋ねにぴったり合ったお答えは困難な気持ちもいたします。ですけれども、同じ値段ならばいい教科書が採択さるべきことは当然であります。現実問題として、いい教科書を育成していくという立場からどのくらいの建て部数が妥当であるかということを具体的にお答えすることは、いまとしては困難でございますが、それは教科書無償調査会の答申もそれに触れた個所があります。また当委員会で参考人をお呼びになって専門的な立場から述べられた意見もございます。文部省自体がいままで教科書発行会社との関連において最高価格を定め、無償ではたいにいたしましても今日までやってきました体験、それらを通じましてほんとうの具体的な、お説のような検討が生まれ出るものと思います。私はそれに期待いたします。しかしながら、無償でやっていくとしますれば、これに対する財政措置については、その担当省たる大蔵省と折衝して毎年きめられる、あるいは毎年教科書の定価を最高価格をきめる現行制度が生きていきますから、その場合にも、政府部内においても経済企画庁等とも、あるいは大蔵省とも相談しながら、先ほど来申し上げました現実に即し、かつ教育目的上の要望もミックスされながら、適切な結論が出されつつ前進していく、こういうことだと思うのであります。具体的にそれが何だということに対しましてはちょっとお答えいたしかねますが、心がまえとしてはいま申し上げたような心がまえで、なるべくいい教科書が生きのびるというか、新たに生まれ出ることを欲しながら、本来の無償措置の目的達成に努力する、こういうことであろうかと思います。

村山喜一日本社会党

○村山委員 大臣の答弁は私の質問に端的にお答えにならない。聞いておりますとどこに重点があるのか、よい教科書が生まれるように建て部数の問題もやはり考えなくらゃならぬ、また国家財政の立場からも考えなくちゃならぬ。だから一体どこに基準を置いていくのか、あなたの話を聞いておったらさっぱりそれがわからない。教科書の発行に関する臨時措置法の第十一条で、教科書の価格は文部大臣がきめるようになっている。だからあなたの権限なんです。現に教科書をつくっている会社が、国会に参考人として呼び出された中企業の代表の人が、自分の会社では四万ないし五万なければよい教科書をつくって出せません、そういうような限界線を一応示しているわけです。それに対してあなたの部下の諸沢課長は、これから先は十七万五千冊以上でなければだめだと言っている。初中局長は十万と言っている。そして将来は三十万くらいにならなければならないだろうと言っておるわけなんです。そこに業界としては非常に不安がある。そしてまたよい教科書が生まれないで、あなたが理想としている——国定教科書は理想だということをどこかで言ったことを新聞で私は見たのですが、四国で言われたそうでありますが、そういうような考え方に持っていく方向につながっているのじゃないか。とするならば、これは教科書の検定を実質的に国定化の方向に進めていくことに、その値段の定め方のいかんによってはなる。医者のさじかげんではありませんが、これは大臣のさじかげんで分量を誤ってしまえば国民を殺してしまうという結果になります。そういうような状態から考えて、ほんとにあなたはどういうような立場に文部大臣として立たれるのかということを明らかにしてもらわなければ、文部大臣たる資格がないじゃないかと私は思う。そういうような点をもっと明らかにしていただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 発行部数の問題は、県段階で選定し、郡市単位で一種類にしぼるというたてまえの法案でありますが、それにいたしましても、その選定され採択された結果に基づいて部数というものはそのつどきまるものであって、あらかじめ何部でなければならぬというふうな課題では、私はないと思います。なるべくいい教科書が、一面納税者の側に立った立場からならば、安くて一番いいものが一番よろしいと思います。なるべく安からんとする努力は、財政当局はするかもしれません。さりとてそれが本位になって安かろう悪かろうになることは、教育的立場から許されないということのかね合いで、具体的には定まるべきものと思うのであります。そしてよかれあしかれ御指摘のとおり文部大臣が最高価格を定める権限を持ち、責任を国民に負うわけでございますから、その結果について国民的なお立場で国会も御批判がありましょうし、関係の業界からも意見がありましょうし、また一般の民間からもいろいろと意見が出るかもしれない。ということも年々歳々それを虚心たんかいに考慮に入れながら、反省しながら、よりよきものへの努力をしていくというのが、現実のコースだろうと思うのであります。したがって担当の課長等が何十万部とかなんとか言いますことそれ自体は、そういうこともあり得る一種の予測ではありましょうけれども、そうしなければならないという課題では私はないと思います。ちょっと聞いてみました事柄でも、たとえば音楽の教科書のごときは、小さい会社がより優秀なものをつくっておるということも聞きます。しかもよきがゆえに発行部数も非常に多いともまた聞いております。そういうことで、会社、企業体の大中小によって部数が当然きまる筋合いのものでもなかろう。問題は教科書の中身の、あるいはすべてを総合しました判断のよき教科帯が採択された、発行部数に応じてだんだんとよくなっていくような方向をたどるように、どうすればいいかということを、文部省としては考えねばならぬ、そういうことだと思うのであります。

村山喜一日本社会党

○村山委員 一番最後だけよかった。その前は何を言っているのか、大臣の言うことはわからぬ。やはり問題は、そのよい教科書がまれるように私としては教育的な立場からがんばるということを言ってもらいたいのですよ。最後はそういうふうに聞き取れましたので、そうだろうと思いますが、まだその点は不安が残ります。その点諸沢教科書課長が業者を集めて、十七万五千冊以上でないとむずかしいぞ、将来は三十万冊以上でなければならないようになるだろう、こういうように言われたことは、これは事実であるとすれば取り消してもらわなければいかぬと思うのですが、どうですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 先ほど私が申し上げました、現在の建て部数は十万を基準にいたします。したがって、今後の三十九年度以降の価格の決定にあたりましては、これから教科用図書分科審議会において定価を再検討することになっております。業界においてもこの事実は十分よく承知されております。したがって、その際に、現在の平均部数が大体十七万くらいになっておりますので、そういうところにいくのではなかろうかというようなことを業界においても考えております。また、文部省におきましても、その点は検討すべき問題だというようには一応考えております。しかしながら、十七万にするとかあるいは二十万にするとかいうようなことを申し上げたはずはございません。いわんや三十万になるだろうというようなことを業界に対して私も申し上げたことはございませんし、諸沢課長もないはずだと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 局長は十万ということですし、十七万五千というのは平均だから、そういうことはいまから審議をするのだということですし、三十万というようなことは言ったはずもないだろう、こういうことでございますが、しかしながら、現実にわれわれの耳に入るのは、諸沢課長のほうからそういうふうな話がありましたというようなことで、そういうのが外から入ってくるのです。入ってくることは、やはり煙が立っていると私は見なければならない。ですから、そういうような財政的な配慮ばかり考えておりますと、いい教科書は止まれない。ましてや今度この法案が通りますと、選定ということでしぼります。しぼったら、なぜしぼるのかということを考えたら、それはできるだけある程度の部数をまとめたいというところからしぼるに違いないのです。そういうような点を考えますと、それが、しぼり過ぎてしまうと、教育を殺すということになる。いい教科書が生まれないということは、これからの国民に対して申しわけないことですから、そういうような点は、文部大臣が定価の認可権を握っているのですから、大臣の心がまえとしてぜひその点は教育的な配慮に立って考えてもらわなければならぬ。こういうようなことを私は意見として申し上げておきたいと思う。  そこで、大臣にもう一つ尋ねておきたいのは、この法律の第二条でありますが、第二条の第二項に、教科用図書というのは「学校教育法第二十一条第一項及び第百七条に規定する教科用図書をいう。」とあります。「百七条に規定する教科用図書」というのは、いわゆる盲ろう学校、養護学校、そういうようなところの学校にあっては検定を経ないものを、文部大臣が検定をしなくてもいいものを教科書として使うことができるという規定であります。そこでこの問題が、そういうように供給ルートにどういうふうにして乗せていくのかという点は、これは初中局長からお答えを願ってけっこうでありますが、この際そういうような教科用図書を使う、文部大臣が検定をしていない教科書を使う、これはいまはだれが採択権を持っているわけですか。学校長がこういうような教科書を使うということで届けをすればよろしいということになっておると思いますが、その問題はどういうふうに考えられておるか。  それと同時に、ここでお尋ねをしておきたいのは、中学校の場合にはいわゆる選択教科というものがございます。今度の教科書法案はそういうような選択教科まで対象になっているわけであります。そうなりますと、自分の生徒に対して、生徒の特性とか地域の実情とかいろいろ考えて、あなたはいわゆる進学コースとか職業コースとかいうものを選びなさいということでいろいろきめていきますが、その場合に、あなたは進学コースだ、あなたは職業社会コースだというふうにきめるのはだれがきめるか、そのきめる権限はだれが持っておるかということであります。というのは、そういうような将来の進路指導という問題に関連をして選択教科というものを許していくことになりますと、やはり教育活動の一環として、親に相談をして、あなたの子供はこういうふうにしたほうがいいじゃないですか、だから進学コースに入れなさい、あるいは就職コースに入れたほうがいいでしょう、こういうような指導をなして、そうして地域の実情が農業を主体にするところであれば、選択教科としては農業の課程を履修させる、あるいは商業地帯であれば商業を履修させる、そういうような形になってくると思います。その場合に、そういうような地域に合わせた進学コースをきめる場合においては、当然それにふさわしいところの選択教科の教科書は、その実情に合ったものを選定をして、それを採択していくというのが、当然学校の教育をつかさどる学校長なり教師の立場としては認められなければ、そういうような指導はできないはずであります。したがいまして、そういうようなものは市町村の教育委員会という行政機関が取り扱うべきではなくて、やはり学校長なりあるいはその学校が責任をもっていくべきだというふうに考えなければならないと思うのですが、選択教科の問題並びに百七条に定めるところの文部大臣の検定を要しない教科書を使う場合の措置はどのように考えておいでになるのか、明らかにしていただきたい。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 まず百七条の盲ろう養護学校等の教育に使われますものについて申し上げますが、これは御承知のように、現在まだ文部省の著作教科書も非常に少ないわけでございまして、また検定教科書も十分でございません。したがって、百七条においてそういう特殊なものを暫定的に認めておるわけであります。したがって、その実態に応じて、こういう盲ろう養護学校につきましても、使っておる教科書を無償給与の対象にしていくというたてまえをとっておるわけでございますが、その際に、御指摘になりましたように、これは特殊なものでありますので、もちろん学校側においても十分その教科書の選定については意見を言って、そうして教育委員会においてそれを適当と認めたものを決定するというようなたてまえにおきまして、一般の小学校あるいは中学校におけるこの特殊教育以外の教科用図書の場合と同様なたてまえにおきましてこれは採択をするわけでございます。しかしながら、特殊なものでありますので、学校側の選定と申しますか、事実上のそういう選択については、十分意向を尊重してこれを採択する、それを無償給与の対象にする、こういうようにいたしておるわけでございます。ことし三十八年の一年生につきましても、同じようなたてまえでこれを無償給与いたしました。  それから中学校の選択教科でございます。御指摘になりましたような点は、私どもも今後数年先のことでございますので、なお十分検討してまいりたいと考えております。しかしながら、たてまえといたしましては、いま特殊学校の問題について申し上げたのと同じような関係にあろうかと思います。御指摘になりました御趣旨もまた同じような観点から御指摘になったかと考えますが、これはやはり生徒のいわゆる選択の問題でありますので、生徒父兄のそういうコースの選択というものは十分尊重してきめなければならぬ。その結果どの教科書を使うかということは、それはもちろん教師あるいは学校の指導によってきまってくる問題でございますが、しかしながら、英語のような一般的に広く使われるものは別といたしまして、特殊な職業教科の教科書につきましては、やはり学校側の意見というものを十分尊重してまいることは当然でありますが、しかし最終的な採択というものは、これは教育委員会において決定するというたてまえのものでございます。ただ中学校の選択教科につきましては、非常にいろいろなケースがございます。したがって私どもはいまのたてまえのもとに、今後いかにすれば十分円滑にこれが実施できるかということは、もちろん検討してまいりたいと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 だから私がこの前から申し上げておりますように、教科書の採択権というものは、実質的には学校にある。そしてそれは形式的に行政的に、文部大臣が教科書の検定をしたものについて責任を負うと同様な立場において、教育委員会が一般住民に対して行政的に責任を負う。こういう立場に現在あるのだから、採択権はやはりそういうような意味において、実質上学校にあるのじゃないかということを言っているのですが、その点はいまの選択教科の問題なり、あるいは青ろう学校のような、そういうような文部大臣の検定を要しないところの教科書でさえも使っておる今日の状態の中では、その事実をお認めにならなければならないと思うのですが、その点はどうですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 もちろん学校側において十分研究して、この教科書がよろしいというような、そういう事実上の選定と申しますか、選択については、これは学校側において十分意見を述べていいわけでございます。しかしながら村山先生も御指摘になりますように、これは最終的にどの教科書を使用するということをきめる権限は、これは教育委員会にあるものと考えております。したがってその採択権を行使するにあたって学校側の意見、あるいは実情というものを十分尊重して決定するという仕組みには、変わりはないと思います。

村山喜一日本社会党

○村山委員 この教科書法案の中に選択教科まで入るのだ。英語とか数学とか職業とかいうような教科が入ってくる。これは学校において選択教科を指導、助言に基づいて決定をする権限がある。そうするならば、それに基づいた教育方針のもとに教科書を選定し、採択をする権限が与えられなければ、都道府県の教育委員会はスタッフをそろえておりますけれども、町村の教育委員会にいってごらんなさい。これはまことにお粗末なものであります。教育委員会の委員の中から教育長が選任をされるのですから、教育行政についてはしろうとなんです。そういうようなしろうとの人たちに教育の内容に関係のあるものを選定をさせ、採択権を持たせるといったって、それは実質上持ち得ないじゃないですか。だからそれは当然学校に採択権を与えて、そして責任を全うするほうが正しいのです。  そこでその問題については見解が分かれるところでございますが、私がもう一点明らかにしておきたいのは、一六ページの経過規定の中の第三項ですが、「昭和三十九年度に義務教育諸学校において使用される教科用図書の購入については、」云々とありますが、「「当該義務教育諸学校について採択されたもの」とする。」だからこの場合は、この法律の解釈論といたしましては、いわゆる「「当該義務教育諸学校について採択されたもの」」、これを昭和三十九年度の場合には採択をするということになると、学校に採択権があるという法律の内容じゃないですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 この文言は、ごらんいただきますとわかりますように、「「当該義務教育諸学校について」」と書いてあります。義務教育諸学校においてではないのです。したがって義務教育諸学校について採択権者であるこの市町村の教育委員会、あるいは私立学校でありますと学校法人が採択したもの、こういうように解釈するわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、それは主体は別にある。既存の法令によるのだということですね。それではこの問題は客体として考えた場合にはどうなりますか。というのは、地教委には採択権がありというふうにあなた方は考えておられますが、「「義務教育諸学校について採択されたもの」」とは、同一の教育委員会の中にありましても、複数以上の採択をやっているところがあるわけです。そういうような場合には、当然実質的に教科書の採択は学校において行なわれておるが、形式的な論議として、地教委で事務処理をしている、こういうふうに解釈されるのじゃないですか。客体論としてこの問題を論議したらどうなりますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 御指摘になります点が、私ちょっと趣旨をとり違えているかもしれませんが、これは採択権者について規定している規定ではなくて、三十九年度において使用される教科用図書について経過措置を規定しておるのでございますが、この意味は、十三条から十六条までの、いわゆる採択方法による規定を読みかえて、当該義務教育諸学校について、当然現在の採択権者が採択されたものについて云々、こういうような読みかえをいたしております。したがって実態も、村山委員の御指摘になります客体という意味かと思いますが、変わりはないわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 この法律の中では主体は書いてないわけなんですよ。だから法律をそのとおりに読みますと、「「当該義務教育諸学校について採択されたもの」」、だから東京都の場合のように、学校ごとに採択が違う、複数の存在がある。Aの学校とBの学校、Cの学校、おのおのみな教科書は違う。しかしそれを管轄するのは区ではなくして、東京都の教育委員会になりますね。その場合に、そういうような実質的にA、B、Cの学校について異なる教科書が採択されている場合もあり得る、そういうような実例が東京都の場合にあるのですから、これはやはり実質的に採択権というものは学校に、客体としてこの法律をながめてみてもあるのだということになりませんか。なぜかなれば、全部統一をして、Aの学校も、Bの学校も、Cの学校も同じだというのであれば、それはなるほど統一的に地教委あるいは都の教育委員会が採択しているということになりましょうけれども、現実に異なる教科書を採択した、そういうふうになった場合には、「「当該義務教育諸学校について採択されたもの」」、ですから、実質的には採択権が学校にあって、形式的にはそれを報告して、そこで処理をしている、こういうふうな実情を認めるんだということになりますね。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 村山委員の御指摘になります点もわからないわけではございませんが、この趣旨は、三十九年度に使用される教科書の購入については、第三条の中で規定しております十三条から十六条までの規定により採択されたもの云々というのは、これはまだ新しい採択制度にこの場合はなっていないわけでございます。したがって「「義務教育諸学校について採択されたもの」」というのは、これは実態はあるいは複数のいろいろ違ったものがあるかもしれません。しかしながら採択権者自体は、これは他の法律によってはっきり規定されております。したがって他の法律によってきまっております採択権行使によって採択された教科書を使うのだ、購入するのだ、こういう趣旨でございますので、実態を認めておるじゃないかという御指摘でございますが、それはその意味においては実態を認めておるかもしれませんが、採択権者自身を変更するという問題ではないのです。したがって現状のままで採択されたものを購入する、こういうことであります。

村山喜一日本社会党

○村山委員 だから、Aの学校もBの学校もCの学校も、地教委で、あるいは都の教育委員会で全部統一的に採択されて、これだ、こういうようにしておれば、これは採択権は地教委なりあるいは府県の教育委員会にある、こういうことになりますが、実際はAの学校もBの学校もCの学校も違う。そしてそれを集約していくのが仕事だということになりますと、それは当然実質上は学校に採択権は委譲して、そして形式的に事務的な処理をしているにすぎない。法律の解釈論としてはそういうような場合もこの中に含まれ得る。その点はやはりはっきりしておかないと困りますので明らかにしていただきたいというのが一つ。  それからもう一つは、三十九年度についてはというような経過規定を設けられたのはどういうような意味であるのか。これはまあ、小学校の三年生までやるからそういうようなことになるのか、そうすると文部大臣がこの前言われました五カ年計画、五カ年間に小中学校全部やるんだ、その全部が済むまではこういうような方式でやっていくんだというような考え方との間にはどれだけの開きがありますか。三十九年度だけについてなぜこういうような経過規定をきめたか、この点を明らかにしていただきたい。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 三十九年度に使用いたします教科書は三十八年度に採択をするわけでございます。したがってこの法案が通りましても三十八年度の採択には十分な準備の期間がございません。そういった意味で私どもとしては、この新しい採択方式は三十九年度の採択から実施するという関係からこういう経過規定を設けたのでございます。  それからもう一つの点でございますが、東京都は各学校において採択しているじゃないかというようなおことばでございますが、それは現在地方自治法の条文の解釈から申しましても東京都の教育委員会が採択権を持っている。そして事実上の選定あるいは選択について各学校においてやっている向きも相当ございます。これは事実として私どもこの前認めて申し上げた点でございますが、それと実際の採択権というものとの関係は、これは別個に考えていただきたいと思います。したがって、ただ事務を処理しているだけじゃないかとおっしゃいますけれども、東京都の教育委員会としては法律上の権限を持って、採択について都においてこれを行使している、こういうたてまえを貫いておることは、これはもちろんでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 私たちが参考人から承ったのでは、幾らあなた方がそういうような説明をされても、学校においてきめられたものがそのとおり認められているというような事実を聞いているわけです。ですから、なるほど推薦をしたり、いろいろこういうのがよろしいという指導助言はありましょう。しかし、学校においてそれを選定した、そうしてその結果は学校ごとに違っている、そういうような事実が生まれている以上は、その実質上の採択権は学校にあるといっても、これは言い過ぎではないと思う。だから採択権の所在の問題は、自分たちが使う教科書は自分たちで選ぶのだというのであるならば、その学校が実質上採択権を持っているのであって、かりに都の教育委員会に採択権があるとしましても、それは学校に委任をしているという形にならざるを得ないのじゃないですか。だからその問題については明らかにしていただきたいのですが、それよりも、三十九年度に使う教科書はもちろん三十八年度に採択を行ないます。ですが採択が決定するのは七月でしょう。法律が通過するなにを見込んで、非常におくれるという考え方でことしは経過規定をつくったのですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 そうではなくして、私どもとしては各都道府県において採択地区を設け、そうして採択地区に応じていろいろな準備をいたしますには相当な期間が必要だと思っております。したがってこの法律が四月一日から施行になりましても、本年の採択にこれを適用するのは少し無理じゃないか、こういう観点から一年そういう経過措置を設けたわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 十八ページの七項文部省設置法の一部改正で、「第五条第一項第十二号の二の次に次の二号を加える。」十二の四として「義務教育諸学校において使用する教科用図書の購入、無償給付及び給与を行なうこと。」これは文部省の権限であるということに文部省設置法を改正されてお出しになっていらっしゃいます。そうするならばこれは国の事務である。その前のほうの法律の関係は、第六条、第五条、第三条ですが、国の機関委任事務を、第六条に定める都道府県の教育委員会において政令で定めるところによって必要な仕事をさせる、そういう専務をさせるんだ、こういうように解釈をされるのです。それから第三条で採択を国の責任というのは、設置者に無償で給付する、そこまで示されておるようであります。そういたしますとこれは国の事務として今後処理されるのか、それともやはり地方自治団体もそういう責任をどこまで持たなければならないのか、その権利と義務の関係は明白にしておかないと困りますので、その点を明らかにしていただきたいと思います。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 この法律に基づきまして国で行ないます事務あるいは都道府県教育委員会、市町村の教育委員会等において行ないます事務はそれぞれの規定に掲げられておりますが、御指摘になりました文部省設置法の一部改正に関連いたしまして、この権限として申し上げますと、私どもとしては教科用図書の購入、無償給付及び給与を行なうという一連の仕事は、もちろん国が責任を持ってやるべき仕事だと考えております。しかしながら、いわゆる国の事務か地方の事務かという区別から申しますと、全部が国の事務とは言いがたいものがございます。たとえば市町村の教育委員会から学校長、あるいは学校に対して教科書を給与、配付、あるいはまた需要数を取りまとめていくというような、本来義務教育の運営について付随したような教育委員会自体の事務として考えられるものも相当あるわけであります。したがってそういうものについては国の事務ではなくして、市町村の教育委員会の事務として考えておるわけでございます。国の場合におきましては、やはり市町村の義務教育の学校の設置者というものに対して給与する。それまでの義務、あるいはまた文部大臣が無償給与するについていろいろ調査その他を命ずる、あるいは報告を命ずる、そういう限りにおいてはこれは国の事務とも言えると思います。しかしながら、いま申しましたように、これに関する一切の事務が国の事務というような考え方ではないわけでございます。やはり義務教育は、現在国と地方公共団体とが相協力してこれを運営しております限りにおいては地方の団体の事務も当然にある、こういうような解釈をとっております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういうような法律の解釈の筋論ではおかしいですよ。というのは、第三条で国は設置者に対して無償で給付するのでしょう。国の責任が第三条には書いてある。だからそれを受けてあなた方は文部省設置法の一部改正をされた。そうなりますと、当然これは文部省の専決的な事務であって、国の事務であれば、それを機関委任事務としてなされることは、その手続上妥当であれば正しいでありましょう。そういうような関係において、これは自治団体の固有の事務であるのか、それとも政府の機関委任事務であるのか、この点は財政論として筋を立てておかなければ将来困るのです。ですから、この際、そういうような法律が定めておりますのは、国は設置者に給付するのですから、そこまでは国の事務である、そういうようなものを設置者に給付するための手続その他については、これは機関委任事務なのだということを明白にしておかなければ、費用の分担等の問題が将来出てまいります。その点はどうですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 その点は、私は否定はいたしておりません。おっしゃる趣旨だと思います。しかしながら、それに基づいて市町村の教育委員会が、学校に対して、あるいは児童に対してこの無償給与に関する事務を扱うという範囲のそういう事務の中には、いま申しましたように、市町村の教育委員会自体が、と申しますよりも地方自治団体が、義務教育についていろいろと協力、あるいはまた運営のための事務を行なっている、それと同じような事務だ、こういうように私は申し上げたわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういうようなあいまいな解釈ではだめなんです。というのは、教育は地方住民のものでなければならないという立場からするならば、それは当然教科書だって同じようなことで考えられなければならない。ですから、その問題は、ほかの施設費であるとか、あるいはその他の助成金は、補助、国庫負担金、こういう形でなされているのであって、教科書については地方の事務ではないのだという筋を立てておかないと、あとで大蔵省のほうから、問題として、経費は地方団体も持たなければならない、こういうようなことを言われるにきまっておりますよ。ですから、いままでの義務教育諸学校の建物や、その他人件費、そういうようなものとは筋が違うのだ。これは明らかに憲法に定める義務教育無償という次元のもとに定めた法律なのだから、国が国の行政的な意思として行なうところの法律なんです。したがって、そういうような機関委任事務をやってもらうためには、国としては費用を見ていきますという立場に立たなければおかしいのじゃないですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 教科書無償ということについては、おっしゃるように、私は否定いたしておりません。それに関連する仕事については、いわゆるその無償給与に付随する事務というものについては、従来の義務教育の運営上の問題から考えましても、市町村あるいは都道府県等で相分担し合う事務がございます。そういうものについては固有の事務というか、むしろ国の事務だというような観点から考えられない事務があるということを申し上げたのであります。

村山喜一日本社会党

○村山委員 自治体固有の事務であるならば、地方自治法の改正案はどこに出ておりますか。地方自治法の改正案はこの附則には出ていないでしょう。ですから私はこれは機関委任事務だと言うのです。その点は明らかにしていただかないと困ります。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 いまの、御指摘になりました半額負担か全額国が負担するかということは、私たちは全額負担だと考えております。その限りにおいては、教科書無償は当然に国の責任においてやるべきことだと考えるのでございます。ただそれに関連する事務の問題としては、いろいろな考え方がございます。地方自治法の改正等は、従来から自治省において、必要な場合には一括これをやるというようなたてまえになっております。したがっていま申しました市町村の教育委員会、これに関連する事務についてのみ考えますと、機関委任事務もあるかもしれませんし、あるいはまた従来から義務教育の運営についていろいろ実施をいたしておりますが、そういうものとの関係においては、やはり市町村の事務がある、こういうように私は解釈をいたしております。そのことを申し上げております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 いまの局長の答弁はわからない。まだあいまいもことしている。これが市町村の地方自治団体が行なわなければならない自治体固有の事務であるとするならば、地方自治法の改正をしなければならない。そういうようなあいまいな解釈で国の仕事を押しつけていって、財政的な負担はどうするのですか。  あなた方は、この前の小学校の一年生のは交付税の中で見ましたね。今度は二十七億一千二十七万三千円、この予算で解決をされました。そういうような機関委任事務があるということになれば、当然これは財源的な措置が違うのですね。やはり交付税の中で見るという考え方ですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 この解釈の問題ももちろんあると思いますが、地方の事務費についでこれを措置する場合におきましては、補助金かあるいは交付税で見るということしかないと思います。私どもはいままでの義務教育の運営について、一般の場合に考えます場合と同じように、この問題につきましても交付税で財源措置をして差しつかえないというように思っているわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 それは違いますよ。これはやはり委託費でなければだめだ。国の機関委任事務なんだ。市町村は無償でやるというのを拒否できますか。市町村が住民の意思に基づいてやった行為ではないでしょう。これは国の機関委任事務として国が無償で設置者に給付する。それまでの手続については政令の定めるところによって都道府県にもそういうような仕事をさせるのでしょう。法律にちゃんと書いてある。ですから、財政論の筋はあくまでもただしておかなければ、将来市町村あるいは府県というようなものが、財源的な負担ということから問題が出てくる。その場合に困る。あなたがあくまでも両方またをかけたところのものであるとおっしゃるのであれば、この問題については納得ができません。したがいましてはっきり自治省の方も呼んできてもらいまして、この点についての見解を示してもらわなければ、今後の問題が処理できない。大臣どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 三十八年度にすでに無償給与いたしましたものは、いま村山さん御指摘のように、地方交付税でこれらの関連事務費を所弁ずることにいたしております。そのことはそのことだけに関連して申し上げれば、固有事務だと理解した立場に立った措置だと考えられると思います。ただ現実問題は、将来完成年度までを見通して、御指摘のような地方財政と国の財政との相関関係において厳密な検討を加える時期もあろうかとは思いますが、当面固有事務というたてまえでスタートをしております。三十九年度については、まだこれからの問題ではございますが、一応固有事務だという理解のもとに、交付税でスタートをしておる、こういうふうにお答えさしていただきます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 ことしの一年生に入った子供たちに対しましては、前の法律でやったのですよ。現在ある法律においてなされた。今度は違うのです。今度の法律はちゃんと文部省設置法の一部改正まであるのですから。それは文部大臣の権限としてこういうようなことをやりますということが明らかになる以上は、その前のやっと今度のやっとは、はっきり区別をつけてもらわなければ困る。前のは、前の法律で、交付税で措置していいです。今度は国の事務なんだから、委託費という形で処置されなければならない。この前の交付税の見積もりだって非常に少な過ぎて、こんなに膨大な経費がかかるのかということで、そういうような仕事をいたしましたところは、市町村の教育委員会にいたしましても、指定都市にしても、県にしても、非常に事務的に困った。こういうようなことが参考人から意見として述べられました。やはりこの点は、大臣、明らかにしていただきたい。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私の申し上げたのが御理解いただけないようでございますが、ことしの一年生につきましても、法律の根拠は違いますけれども、政令で実施をいたしております。この法律と同じようなたてまえで規定をいたしております。この法律におきましては、三条でおわかりのように、国が買い上げまして、そして市町村に無償で給付をするのでございます。設置者に給付する。したがって給付に関連する仕事については、あるいは御指摘のように、都道府県の教育委員会に対して、その給付までに必要な事務を機関委任する、こういう解釈になろうかと思います。市町村に対して無償で給付して以後の問題は、これは地方自治体、すなわち設置者が自分の仕事として、自分の事務として、実施をするわけでございます。したがってその二通りあるということを私は申し上げたのでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 「地方公共団体が処理する権限を有しない事務を行うために要する経費については、法律又は政令で定めるものを除く外、国は、地方公共団体に対し、その経費を負担させるような措置をしてはならない。」というのが地方財政法に書いてあります。そこで、この法律が通りましたら、私のところはそんな無償の教科書は要りませんと断わるわけにはいかぬでしょう。断わったら、あなた方は措置要求をされるでしょう。これは大臣のことばをかりるわけではないですが、いわゆる憲法に定める高い次元の立場から、義務教育無償ということを第一の出発点として今度の法律はできた。この前の法律はそこまでいっておりません。今度の場合にはその他の法令を整備いたしまして、文部省設置法等を整備し、他の関係法、教科書の発行の臨時措置法等も整備をして、そうして出されたのです。そして第三条においては、教科書の無償給付というのは国がやるのだということが、明らかに、高らかにうたってある。ですから、これは国の仕事なんです。そうでなくて両方にかかる仕事だったら、文部省設置法の一部改正だけではだめでしょう。都道府県の教育委員会の事務内容の中にも、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の中にも、そういうような規定を加えなければならないでしょう。そういうようなものがなくて政令で定めるということになっているのですから。この点を明らかにしてもらわないと、法案を提出なさったあなた方のせっかくの気持ちが、その解釈のいかんによって将来金を市町村から出させるというような妙な方向に行ったら、法律の期待もできないでしょう。そういうような点は、私はいまの大臣と初中局長の答弁からはどうも納得ができません。ひとつこの点はわかるように——そうであれば文部省設置法の一部改正を、この附則にあるやつを引っ込めなさいよ。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 この教科書無償について、その実施する趣旨はもちろん憲法の趣旨に基づくわけでございまして、御指摘になりましたように非常に商い次元のものでございます。したがって、今後国が全額負担をしてやるかどうかという問題は、これは全額負担していくほうが望ましいと私どもは考えております。しかしながら、そのこととこの法案に書いております二段階の問題とは少し違うのではなかろうかというように私は解釈いたしております。と申しますのは、三条で、この無償給付をいたします際に、国は一括買い上げましてそれを義務教育諸学校の設置者に対して無償で給付する、そこまでは少なくとも国の事務でございます。ところで、それを受けました市町村の団体は、今度はそれをもらいまして、それから先は自分の仕事としてこれを学校あるいは子供に給与するわけでございます。その給与する仕事は、これは市町村の事務だというように私どもは解釈いたしております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 文部省設置法の第一条「この法律は、文部省の所掌事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とする。」だから、文部省の権限として、あなた方が国家行政組織法及び文部省設置法に基づいてこういうようなものをわれわれはやるのだ、無償給与並びに給付に関する事務だ、そこまで明確にお出しになる以上は、これは国の事務であって、都道府県市町村というところには、国の意思としてこの法律を通過させますから、機関の委任事務として委託費を出しますから、ひとつ御協力をください、こういう立場に立たなければ法律の筋が通らぬじゃありませんか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 この問題は、御指摘のように文部省設置法第五条に、文部大臣の権限として、文部省の権限としてこれは書くわけでございます。その点は変わりはないわけであります。

村山喜一日本社会党

○村山委員 文部省の権限として法令で定めたら、その文部省の仕事を、国の仕事を文部省がやっていくのでしょう。それをやらせるのに交付税ということはありませんじゃないですか。やはり委託費でないとおかしいですよ。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 その財源措置の問題につきましては、いろいろなやり方があると思います。交付税で見る場合もございます。あるいは補助金で見る場合もあり得ると思います。あるいは御指摘のように委託費を出すという場合もあり得ると思いますが、私、先ほどから御説明申し上げておりますように、市町村の団体が受けてそれ以後の事務を処理する問題は、これは義務教育の運営上、従来からも、教科書だけの問題ではなく、国と地方公共団体と協力してやっておるのが実情でございます。したがって、この無償給与に関する仕事につきましても、無償給付を受けてその後に学校に配付する、あるいは子供に給与する、こういう事務は市町村の事務と考えてもいいじゃないか、そういう意味においてこれは交付税で財源措置をした、こういうことでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 他の都道府県教育委員会あるいは市町村の教育委員会と文部省との関係は、それぞれの法律に基づいてなされている行為なんです。これには義務教育費国庫負担法あるいは施設費の負担法、補助法、いろいろなものがあります。それはそれぞれの法律に基づいてなされている行為です。教科書を無償でこういうような仕組みでやりますというのが今度出てきている法律なんです。だから、そういうような義務教育というものは設置者の責任だという考え方に立つならば、この教科書だけ全額無償ということはおかしいじゃないですか。国が補助するのだというのだったら、市町村になぜ半額持たせないのです。これはやはり国の意思として国の子供を養成していくのだということで、あなた方はそういうような立場からこの法律をお出しになったということを聞いている。義務教育無償の立場に立って……。そういうような第一歩であるということをおっしゃった。それは国がやるのだということになるのでしょう。そうして文部省設置法の一部改正までしておって、いままでと変わりがありませんじゃ、それは筋が通りませんよ。ですからこの問題は委員長に要請をいたしますが、これはもっと研究して、みんなが納得できるようにしてもらいたいと思う。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 この点はひとつの政府委員におきましても御検討いただきまして、明瞭な御答弁をお願いします。私どもは理解しておるつもりですが……。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 村山委員の質問については、将来地方負担に移る可能性があるかどうかということも含めながら、この法案が施行された後に、あとで解釈論議がまた相当出てくるのじゃないか。無償給与の調査会の中においても、大蔵省、文部省の関係にいろいろな論議があった。そういう経過もあるわけですから、この点についてはここで簡単に割り切ってどうだということは、また非常に軽率な結果が出るのじゃないか。戦前の行政思想からいっても、戦前においては教育そのものは国の義務だ、そうして学校の管理は市町村、財政負担の主体は県だというふうな三通りの解釈もあった。戦後の新憲法における行政概念も相当移行してきておることもあって、ここで、こう思う、こっちはこうだということで論議をすれば、私は結論が出ないと思うので、われわれしろうとですから、やはり文部省内で次の金曜日くらいまでに統一解釈をして、私どもにわかるような答弁をしてください。そうしたら、村山委員も次の金曜日までにあなた方の統一解釈をされるというならば、これで論議を終わると思いますけれども、いまのようなことでは十二時までにもなりますよ。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 一応先刻お答えしたことが私のいまお答えする内容でありますが、それを幾分補足して申し上げるとすれば、地方教育行政の法律第二十三条の列記事項の中の教育委員会の所掌事務として、第六号の「教科書その他の教材の取扱に関すること。」ということは、無償給与になりました場合の教科書——御指摘のとおりこの法律に具体的に書いております国がやるんだということは、もちろん国の責任においてすべてをやるべきでありましょうが、それに関連すること、先刻政府委員から申し上げましたような関連するそれ以下のことについては、二十三条の第六号に根拠を置いて固有事務なりということが言えるのではなかろうか、そのことを根拠にいたしまして交付税で見るというたてまえだ、こういうことが一応言えようかと思います。ただし相当デリケートな法律解釈の関連のことでもありますから、いま山中さんも御指摘のような疑義なしとしない、こう思います。したがって政府側として、法制局等にも十分話をいたしまして、統一解釈をこの次に申し上げる、そういうことにいたしたいと思います。

村山喜一日本社会党

○村山委員 私は以上できょうは終わります。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる七日金曜日開会することとし、これにて散会いたします。    午後五時三十五分散会

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