文教委員会 第13号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/08
会議録
○床次委員長 これより会議を開きます。 学校教育に関する件等について調査を進めます。 質疑の通告がありますのでこれを許します。村山喜一君。
○村山委員 私は、大臣に二、三の点について重要な問題だけ御質問を申し上げたいと思います。 それは、毎回選挙があるたびに、文部省は非常に御丁寧にも教職員の選挙運動についての通達というのをお出しになっていらっしゃるわけです。今度も四月十七日及び三十日に地方選挙がございました。それを控えて都道府県教育委員会に次のような通達文を出されておる。その内容は、地位利用は違法であるということがはっきり打ち出されておるわけでありまして、この点は、文部省の通達を待つまでもなく、公職選挙法あるいは教育公務員特例法等によりましてその違法性は十分に認識されておるところであります。「文部広報」を見ましてもそういうような教職員に対するところの選挙運動をしてはならないという注意は絶えずなされておるようにうかがわれるのでございます。ところが肝心かなめの都道府県の教育委員会なりあるいは市町村の教育委員会、こういうようなものに対するところのいわゆる行政指導というものは、あなた方のほうではどの程度なされているのかということでございます。きょう、きのうあたりの新聞にも大きく報道されておりますように、東京都の教育委員会人事部福利課福祉係長を現にやっておる飯田新太郎という人物が、にせ証紙偽造の首謀者であるということですでに逮捕されており、しかもそれは自民党本部の組織委員会の事務主任である松崎長策という人と共謀をしてにせ証紙を発行し、それをえり分け、しかもそれを三沢という人に渡して、違法にもポスターに貼付しておる、こういう事実が歴然として出てきておるわけです。公務員の地位利用はまことに限りないあくどさを持った一事例として指摘をされておる。そこで、こういう悪質なる選挙法違反を犯しておる職員が都道府県の教育委員会の中におる、そういう者に対するあなた方の指導というものはどういうような立場においてなされているのか。それと、お伺いいたしたいのは、教職員の選挙運動についての通達をお出しになっていらっしゃるのですか、この通達はどの法律のどの条項に基づいてこういうようなことを事前に指導をなされているか、その根拠法について承りたい。 それと、こういうような都道府県の教育委員会の職員あるいは教育委員は政治活動をしてはならないというのが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の中で明示されておりますが、こういうようなものに対する、あなた方はそういうようないわゆる行政機構というものは中立であるのだという確信の上に立って、教職員だけが選挙運動の違反をやっているのだ、こういうような事案認識から出発されるところに今日のこのような大きな汚職の問題に発展するような、汚点を残すような問題が出ているのじゃないか。これに対するところのどういうような御判断をなさって今日まで御指導されておいでになったかをお伺いしたいのであります。
○福田政府委員 御指摘の選挙の問題につきまして、いろいろ地位利用のようなことが過去においても再々ございました。したがって、特に末端の教職員におきましては、法規の改正あるいは改正にならなくても、その内容につきまして非常に内容を熟知しないというような関係がございました。したがいまして、特に一般の教職員につきましては、公務員という立場において、選挙に関する活動については、これはあくまで中立的に公平に、国民としての義務を果たすべきだというような立場から、少なくとも法規に関する内容を十分知ってもらうという意味におきまして、文部省としては毎年、選挙の際には通達を出しております。もちろんこれは教職員だけでなく、教育委員会の職員につきましても同様でございますが、これはもう言うまでもなく、教職員の場合と比較いたしまして、教育委員会の職員としては、当然にこれは地方自治体の機関そのものの職員でございますから、そういった意味において、言うまでもなくそういうことは守られていなければならないという前提におきまして、必要な指導をいたしてまいっておるわけであります。したがいまして、都道府県の教育委員会の関係におきましても、教育長の会合あるいは主管課長会議におきましても、そういう趣旨は教職員に対する通達と同じような趣旨を繰り返し申して、助言をしているわけでございます。これをやりますのは、そういう見地から、選挙等におきまして違反するようなことが行なわれないように、文部省としては、地方の教職員あるいは教育委員会の職員が知らず知らずそういう違反をするようなことにならないように、指導、助言をする責任がございますので、そういった意味から、教育委員会なりあるいは現場の学校に対してそういう指導を行なうように、教育委員会に対して要望をしてまいったわけでございます。
○村山委員 だから、こういうような通達を都道府県教育委員会にあなた方が出され、都道府県教育委員会は依命通達によって次のように移牒するというようなかっこうで市町村の教育委員会にその通達を出す。市町村の教育委員会はそれを学校に流す、こういうようなかっこうがいままでとられてまいったわけですね。教職員の場合は、それによって学校長を通じて教職員にこういうような通達が来たというようなことが知らされる。ところが都道府県の教育委員会の場合には、あなた方は教育委員会に対して、事務局職員に対してはこういうふうな指導をしなさいということを言われたことがありますか、その点を私は聞いている。
○福田政府委員 先ほど申し上げましたように、教育長会議の際にあるいは主管課長会議の際には、一般の教職員に対すると同じような考え方でもってやるべきだということは、常に指導いたしております。
○村山委員 この問題について主管課長会議をいつおやりになりました。
○福田政府委員 この問題のみを扱う主管課長会議はございませんが、主管課長会議の際には、そういうことを従前必ず例として話しております。
○村山委員 私は従来のことを聞いているのではないのです。この具体的な事実、こういうような通達を出され——教職員にはこういうような通達を出されてもよろしいでしょう。だが、都道府県の教育委員会の職員に対する指導監督は厳正よろしきを得なさいという通達をいつ出したかというのです。
○福田政府委員 別に通達は出しておりません。
○村山委員 だからそこに、文部省は、都道府県の教育委員会の事務局職員なり市町村の教育委員会の職員というものは法律を守る立場にあるのだ、教職員は法律を犯すおそれがある、そういうような偏在したところの偏向的な考え方というものを持っているがゆえに、あなた方の指導が足らないがために、こういうようなにせ証紙事件の首謀者まで出している。このような問題が出てきて、あなた方はどういうような手を打たれたのですか。それを初中局長にお尋ねをしたい。
○福田政府委員 新聞等で承知したのでございますが、この問題について私どもとして別に対策をとっておりません。これはもちろん刑法上の問題であると思いますので、そのほうの処理を適当にお願いしたいと考えております。
○村山委員 公職選挙法違反の刑法上の問題にも発展をします。しかしながら地方公務員法違反であることは明らかなんです。公務員法違反でしょう。そういうような具体的な事例が出て、新聞にでかでかと書かれて、それについて今日まで何らの指導もなさっておいでにならない。これは片手落ちではないですか。大臣、従来から教育行政当局が行なってきたそういうような指導というものに対して、あなたは、教職員と同様に教育委員会の職員に対しても、そのようなあたたかい親心があるとして、法律の条項に詳しくない教職員がたくさんおるから、法律を周知徹底せしめるために通達を流すのだというのだったら、そういうような都道府県の教育委員会の職員等にも、教育長なり当該都道府県教育委員会をして指導に当たらしめる、そういうような注意をなさるお考え方はございませんか。大臣にお尋ねをします。
○荒木国務大臣 おっしゃるような意味では特別に通牒を出す必要はないと思います。特別に教職員に対して選挙違反等が起こらないように注意を喚起するという喚起します根源は、御質問にもありましたように、お答えもしましたように、一般的な指導監督の立場にある文部省、さらに教育委員会というものが、現場の教職員に対して注意を喚起するという意味における通達でございますから、管理監督の立場にある者は言わずもがな、当然のことである。したがって、文部省の役人連中にも特別に省内で通達的なことをやりませんし、教育委員会に通達が行けば、教育委員会たるものは当然、念を押すまでもなく、監督される側に対して注意を喚起するほどですから、職務上当然に注意しておるべきものという立場に立って考えても支障ないものと思います。 いま御指摘の問題は、地位利用ということよりも、どろぼうや何かと同じ種類のものであって、地位を利用してどうしたという課題ではなかろうかとも思います。いずれにいたしましても、これは起訴され、刑事事件として係属中の問題でございますから、その司直のさばきにまつということが当面としてはとるべき態度だ、かように思うのでございます。 教職員に対して特に注意を喚起するようなことをいままでやってきておりますことは、日教組が選挙のたびごとに集団として選挙対策等を大っぴらに論議もしておりますし、具体的な選挙違反行動もいままでなきにしもあらず。そういうことに立脚して万に一つも教職にある者が選挙違反等を犯さないようにという注意を喚起しますことは、管理監督の立場にある者として当然のことだというにすぎないのであります。そういう懸念が全然ないならば、教職員に注意を喚起することも無用だというがごとき性質のものかと私は思います。
○村山委員 大臣がこの通達をお出しになったのは、どういうような権限に基づいてお出しになったのですか。あなたは末端の教職員に対して、あなた自身が監督権をお持ちになっているはずはないのです。都道府県の教育委員会にそういうようなことを指導しなさいというようなことは言えるでしょうが、その点どうですか。
○荒木国務大臣 文部大臣に与えられております指導監督の権限に基づいて通達を出した、こういうことと心得ます。
○村山委員 文部大臣に与えられている指導監督権というのはどこに書いてありますか。末端の学校——国立の学校の職員じゃなく、公立のそういうようなものに対する指導監督権というものがございますか。
○荒木国務大臣 教育委員会に対する指導助言の権限は与えられておると思います。その指導助言の機能の一つとして注意を喚起する通達を発する、これは当然のことだと思います。
○村山委員 だから教育委員会に対するあなたの指導あるいは監督、そういうようなものは私は現在の法律の上でも認められておると思うのです。あなたが末端のことまで言われるから、それはあなたが直接責任を負われることではなかろう。都道府県の教育委員会に対して教育行政上必要と認めることについて、地方自治法あるいは教育行政の運営組織の法律に基づいてあなたがお出しになるならかまわない。だがその対象は学校職員だけですか。
○荒木国務大臣 むろん学校職員だけでなしに、教育委員会所属の職員についても同じことが言える立場にあると思います。しかしながら先刻もお話し申し上げたとおり、教育委員会そのものは教職員に対しまして指導監督の立場にある。その機能を通じて注意を喚起するという意味における指導助言をいたしたつもりでありまして、教育委員会の職員といえども同じような意味における対象にはなり得ると思いますが、しかしそれは第一次的な直接の指導監督の立場にある機関の構成員でありますから、言わずもがなのことだ、こういうことで今日まで特別の通達は委員会の職員には出していない、そういうことであります。
○村山委員 教育者は教育委員会の委任を受けて仕事をやります。今度は教育長の委任なり職務命令等によってそれぞれ分掌事務を取り扱う事務局職員というのがおるわけです。それの指揮系統ははっきりしております。それは教育長によって指揮がされる、こういうような仕組になっておるわけですから、教育長を通じて当該都道府県の事務局職員に対しては指導をさせるというのがたてまえでなければならぬ。ところが片一方の教職員にだけはそういうような指導をして、その事務局職員は指導監督すべき立場にあるのだからそういうような間違いはなかろう、こういうようなところにこういうような大きな問題が発しておるのじゃないですか。やはりこれは一つの事例だと思う。そういうような点をお考えになりましたら——しかもやることが非常に悪どい。にせ証紙まで発行して、某参議院議員の秘書なりと自称して、そちらのほうには絶えず出入りをする。こういうようなかっこうの中で、かねての勤務態度その他についてどういうような状況であったのか。小尾教育長はこういうような職員をかかえてどのような指導をしてきたのか、これくらいはお聞きになって調査されるのがあたりまえじゃございませんか。その点はどうですか。
○福田政府委員 私も、新聞で拝見しました範囲におきましては、そういういろいろ不都合な行為があったということにつきまして、まだ容疑の段階ではないかと考えるのであります。したがって私どもとして徹底的に教育長に対してそれを調べろとかというようなことは適当ではない、これは検察当局の措置におまかせするのが当然だ、こういうように考えておるわけでございます。
○村山委員 現在は警察から調べられておるから容疑で、起訴されて判決が下らなければ刑は確定しないわけでありますから、そういうようなことはわかっていますが、そういうような新聞をにぎわすような大々的な問題が教育委員会の事務局職員によって起こされているという事実はあなたは肯定をされるでしょう。そうするならば、教職員に対しては親心か何か知らないけれども、地位利用をしてはいけませんよというような指導をなさりながら、片方においては、そういうような事務局、教育行政を行なう者に対しては指導しないというのは、私は文部省の片手落ちだと思うのですが、どうですか。
○福田政府委員 今後の推移を見まして必要なことにつきましてはできる限り指導して参りたいと考えます。
○村山委員 いま文部大臣、局長のほうから言われたように、今後の推移いかんによって、都道府県の教育委員会の職員あるいはその他市町村の教育委員会の職員等に対しましても、学校の教職員に対してあなた方がかねがね親心をもって指導をされておるような立場と同様に指導をされるお考え方というものがおありかどうかをはっきりお尋ねしておきます。
○荒木国務大臣 さっきも申し上げましたように、言わずもがなのことと思います。法律を守れということを注意するにひとしいことでございます。いま新聞をにぎわしている問題は、地位利用によるものと必ずしも言えないじゃなかろうか。教師が児童生徒を預かっておるというその地位を利用することは、親に対しましての影響力というものはたいへんなものだということがおそれられる。また事実いままでそういう疑惑があったということに立脚して選挙のつど念のために注意を換起する、そういうことが行なわれきたっておるものと思います。また今度通達を出しましたのもそういう懸念を感じますから、念のために一人でも選挙違反が先生という立場の人から出ないようにということをおもんばかりまして通達を出したのであります。教育委員会の職員がその地位を利用して選挙に違法の行為をやったとするならば、たとえばその権限に属する立場において現場の学校の教職員等に対して指導監督の立場にある地位を利用して何らかの働きかけをするなどというがごときことが一番典型的なものだと思いますが、そういう懸念は現実にはいままでにはなかったということから特別の通達を出していない。いわんやさっき申し上げましたように、指導監督の立場にある責任者の地位にある職員でございますから、文部省の役人に特に念を押さないと同様の意味においてもちろん当然のことだ、こう考えて従来はやってきたものと考えるのであります。今度もそうでございました。 そこでいまの御指摘の問題について、判決が確定いたしまして、事実そういうことがあったとすれば、地位利用でないにいたしましても、神聖なるべき選挙のときに、特に教職員にまで通達を出すぐらいの命令系統の監督の立場にあるその職員の一人でも、地位利用でないにしましても間違ったことをやったということが確定しますれば、今後に向かって注意を喚起するという時期があるべきことは当然と思います。
○村山委員 この通達を文部大臣はお読みになっていらっしゃらないと私は思うのですよ。教員の地位利用だけじゃないのです。ほかの地方公務員法上のもろもろの問題がずっと列記されているのですから。ですから、こういうような状況の中において引き起こされている事実は、今大臣が最後にお話をされたように、やはりそういうような指導監督をすべき立場にある——私は必ずし本事務局職員が教育長と同じような指導監督の立場にあるとは思いません。がしかし、そういうような教育委員会の行政当局が違法な行為を、一個人であってもやっている事実がはっきり出てきているとするならば、ただ教職員に対するところの注意、指導だけでなくて、教育委員会事務当局においてもしっかりしなさいということくらいは文部省としてはしなければ、これは行政の偏向だと言われても私はしかたがないと思う。だから、大臣が最後に言われた点を了承いたしますが、そういうような立場から今後は御指導を願いたいということを要望申し上げておきたいと思います。 次に、もう一点だけお尋ねをしておきますが、五月五日の日は子供の日でございます。そこで、日本の児童憲章も十二条にわたって憲章がはっきり定められておるし、国連の児童の権利宣言も国連憲章の中で明確にしようということにもなりつつありますが、いわゆる子供の日を迎えて文部大臣は何か談話なりあるいは今後の児童政策といいますか、児童の一つの今後の国の政策の中で取り上げられるような問題をこの際お考えになり、そして児童憲章の方向に従って教育行政を進めるべきだという立場から都道府県の教育委員会なりに対しまして、行政指導をなさった事実がありますかどうかをお尋ねします。
○荒木国務大臣 特別にございません。
○村山委員 そういたしますと、子供の日が来た。これに対しては、五月三日の憲法と同じように——憲法記念日にも何にも政府はしておりません。五月五日はただ子供の日だということで、休みだ、こういうようなことくらいで放置されているわけですか。これは社会教育局の所管になりますか。大臣は何か社会教育局長からこういうようなことをやりましたということを御報告を聞いておられますか。
○荒木国務大臣 お話のような意味で特別に文部省の立場でやったということはないと存じております。
○村山委員 社会教育局長がまだ見えておりませんので、私は後日でもこの問題を取り上げて論議してみたいと思っております。というのは、やはり児童憲章の児童の対象というのが児童福祉法なりあるいは少年法のいろいろな中身からいきますと、学校に出ない子供だけでなくて、学齢期にあります児童ももちろん入っておりますし、学校を卒業しましてからのいわゆる青少年に相当する者も入っておるわけです。それらの問題は今日青少年の不良化の問題等とも当然結びついておりますし、学齢児に対するところの保育というような問題が新しい今日の問題点として出てきておりますので、そういうような問題をやはり考えなければならない段階に私は来ていると思いますから、この児童憲章をめぐる問題、子供の日をめぐって今後の文教政策をどういうように進めていくのかという一つの決意くらいは大臣談話としてお出しになるのが、私は子供の日を迎えた全国の一千八百万くらいの子供たちに対する文部大臣のあたたかいはなむけのことばではなかろうかと思いましたのでそういうようなことをあえてきょう申し上げたわけですが、そういうようなことをことしも何らおやりにならなかったという点は、まことに残念でございます。この問題は、また後日取り上げさしていただきたい。 それから、ここに東京都の高等学校の入学問題をめぐりまして、非常に学校長が内申書の行き過ぎをやったという事件が読売新聞にも大きく報道をされました。それは北区の王子中学校のPTAの会員の娘さんが私立学校を受けたところが、校長がそこの私立学校の校長あてに親展の手紙を出した。その親御さんというのは、中学校の卒業の記念になるPTAからの寄付金を出さなかった人である。そういう寄付金を出さないような運動をするような人の子供を高等学校に入れないようにという親展書を出した。この事件を新聞が報道しておりましたが、これは承りますと、文部省の方におきましても、その中学校の校長さんに出てこいということで調査をされたやに聞いております。また法務省の人権擁護局の係長が、法務委員会でも取り上げられましたので、この問題について調査をしたという事実もあるやに聞いておるわけですが、初中局長はその内容について、担当の課長から、こういうようなことでございましたという報告を聞いておいでになりますか。
○福田政府委員 その問題につきまして、私も新聞でそのようなことを聞きましたので、もしそういう行き過ぎのことがあれば、これはやはりいろいろ問題になる点だと考えまして、私どもの方から東京都の教育委員会に対して、そういう問題があるのかないのかというようなことを聞き合わしたことはございます。しかし文部省が直接その校長さんを呼んで何か調査したというようなことは私は聞いておりません。おそらくないだろうと考えております。
○村山委員 東京都の教育委員会から、こういうようなふうになりましたというてんまつ報告書か何かそういうようなものは参りましたか。
○福田政府委員 まだてんまつ報告書は来てないと思っております。私はまだそれを知りません。
○村山委員 問題が出たのは、ことしの一月の末に、王子中学の校長先生が親展書を出して、そして三月の二十日に読売新聞で大々的に報道をされて、それから三月の下旬からもうすでに大きな世論の問題となって、そして区民大会あたりまで開かれている。これは大きな教育上の問題として出てきておるわけです。それで私は今ここで即答を願いたいということを申し上げるのではなくて、今後調査を進めておいでになるようでありますから、そのてんまつがわかりましたら適当な機会に御報告を願いたい、こういうように考えておるわけです。 以上で一般の質問は終わります。 ————◇—————
○床次委員長 次に義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案を議題といたします。 質疑の通告がありますので、これを許します。三木喜夫君。
○三木(喜)委員 義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案が出されたわけですが、義務教育諸学校の児童生徒に対して教科書が無償で給与されるということは非常に喜ばしいことですが、これに付随しましてあまりにも他の規制がきびしいような感じがし、またいろいろな点が改悪されておるという点で、私たちは納得がいかない点が多々あると思うのです。したがってその点について以下質問をしたいと思います。 まずその一点は、教科書無償と引きかえに教育の国家統制強化がなされるのじゃないか、二点は、教科書国定化への道行きを示しているように思うこと、三番目、検定強化、発行者の指定制、発行者への立ち入り検査等、発行二者への締めつけがきついように思います。四番目は、採択権の所在、採択地域が広領域になり、ますます過当競争を起こしすいように思います。五番目、児童、教師の教育道具としての教科書、その研究や展示会が有名無実化しつつあるということ、国家の思うままに鋳型にはめた教科書を出して、教師は採択権をなくし、上から与えられた教科書を教える、こういうかっこうになりつつあることは、私は逆行したところの教科書行政だと思うのです。しかしながら池田総理は二月二十八日、憲法二十六条の義務教育無償の精神を実現するために踏み切った、国定化は考えていない、将来この無償を学用品に及ぼすと言っておるわけです。ここで今私が心配しました以上五点について荒木文部大臣に最初に総括的に質問をしておきたいのですが、あなたは今の教科書というものは事実上国定だと言われたように聞くのですが、どう思われるか、大臣の総括的な御意見を承っておきたい、こう思います。
○荒木国務大臣 国定化とおっしゃる意味がよく理解しかねる気がいたします。いつか、一昨年ぐらいのことかと記憶しますが、いまお話しのような意味合いのことを申し上げた記憶はございます。と申しますのは、学校教育法制定以来、第二十条に小学校における教科に関することは文部大臣がこれを定めるという責任と権限が与えられ続けて今日にきておるわけであります。それに基づいて学習指導要領の形で具体的にその責任を果たし、権限を行使した結果が出ておる。第二十一条に、小学校においての教科書は文部大臣の検定をしたものもしくは文部省が著作権を持つもの以外は使ってはならないということが明記されておる。その検定をします場合には、指導要領の趣旨にしたがって文部省が検定をし、検定教科書なるものが、そこに生まれ出るという制度になっておることは申し上げるまでもなく、三木さんも御承知のところであります。そのことを国の立場で、文部大臣という立場で内容を定めねばならないとなっておることが、一種の内容的国定だという意味合いならば、現行法そのものがその範囲では国定みたいなものでありますということを申し上げた記憶がございます。それは私の感じというよりも、学校教育法それ自体が物語っておることをそのまま申し上げたつもりであります。そのことには私の考えで変化があるはずもございませず、その意味であるならば実質的な国定みたいなものでございますと、いまでも申し上げねばならないと思います。
○三木(喜)委員 池田総理は、将来制度的にも国定化をやらない、こういう考えを述べておられますが、文部大臣その点はどうですか。
○荒木国務大臣 今申し上げました現行法に手を加えようという意思は全然ございません。
○三木(喜)委員 諸沢教科書課長にお伺いしますが、あなたは三十七年の六月十五日に「教科書無償と外国の教科書事情」という中で貸与制の問題を取り上げられております。それから教科書が主たる教材であるというような解釈をされておるのですが、貸与制はなぜ今度とらなかったか、それから教科書というものはあなたの考えでは主たる教材ですかどうか、お聞きしたい。
○荒木国務大臣 教科書は主たる教材だと思います。それから貸与制度をとりませんでしたのは、一応文部省内でも事務的に検討した段階はございますが、貸与制度にしようとするならば経費が膨大なものになるであろう、さらには今日までの日本人の児童生徒の習慣性と申しますか、学校備えつけの貸与制度の教科書にはなじまないであろう、うちに持って帰ってまくら元にちゃんとそろえて寝るという習慣はほとんど例外なしに各家庭に行なわれておるという実情に根拠を持ちますと、日本では児童生徒に対します場合は貸与制度は適当でないであろう、さらにまた衛生的な見地からもいかがであろうか、そういうことが事務的段階で論議せられまして、貸与制度よりもむしろ給与制度しかるべしという結論に到達したように存じております。 なおその論議の内容等について私の申し上げ方が足りませんところがあれば、政府委員から補足して申し上げます。
○福田政府委員 大臣がお述べになりましたような趣旨で、今回の無償措置につきましては貸与制度でなくて給与制度を採用することになったわけでございますが、その点につきましては、昨年四月に臨時義務教育教科用図書無償制度調査会が設けられまして、その調査会の中での一つの大きな論議の問題でございました。いま大臣が申されましたように、かりに貸与制度をとった場合におきましては、現在のような装丁その他弱いものでなくて、もっと堅牢なものにしなければならぬ、あるいは紙質もさらに上等なものにしなければならぬというようなことから考えますと、かえってコストが高くつくというような問題も一面ございます。それからまた貸与制度にいたしますと、諸外国でやっております実情を見ますと、消毒に完璧を期するというか、その消毒方法がかなり完備しておりませんと、貸与制度の実施上非常に困る問題がございます。したがいまして貸与制度をとる以上はその消毒方法等につきまして十分措置ができるかどうかというような点も検討いたしましたが、やはりなかなかめんどうな問題がございます。学校でもこれは非常に困る問題ではないかということもございます。それからまた教科書に対する子供の伝統的な考え方と申しますか、教科書を非常に大事にするという点から考えますと、貸与でなくて子供にそのままやってしまった方が適当だ、こういうような考え方が出て参りまして、日本の場合におきましては、アメリカなどは貸与制度をとっておりますけれども、給与制度をとるのが適当だ、こういうような結論を調査会で出したわけでございます。したがいまして文部省としては貸与制度か給与制度かという問題については、調査会の結論に従いまして給与制度をとっていくということで、予算措置等もそれに応じた予算を組んだわけであります。
○三木(喜)委員 諸沢教科書課長にお聞きしたいのですが、あなたの三十七年六月十五日の所説には、貸与制度をとるということは日本の国情に合わない、またその中で、教科書を主たる教材として用いている指導法などの点から見て——こういうことをあげておるのですが、主たる教材としておるからという考え方を諸沢教科書課長は持っておられますか。
○福田政府委員 その点は諸沢課長より私から申し上げたいと存じますが、これは教科書に関する臨時措置法の規定から申しましても、教科書自体は主たる教材というたてまえをとっております。したがいまして、主たる教材以外の有効適切な教材があれば、それは教育委員会の承認を得て学校で使用することができる道が開かれておりますけれども、教科書自体は主たる教材というたてまえをとっておりますので、したがって貸与か給与かという問題に関連いたしましても、調査会でもその点を相当研究いたしました。アメリカなどの場合は、これが主たる教材という地位にはないわけでございまして、いわば参考書的な地位しか持っておりませんので、そういう場合においては相当りっぱな教科書をつくりまして、それを二年あるいは数年継続して学校に備えて使用するということも可能でありますけれども、主たる教材という立場をとりますと、やはり子供はうちに持って帰って勉強する、そういう学習方法が行なわれておりますので、もし貸与制度にいたしました場合には、学校に備えておいて使うというだけでなく、もう一つ家庭でも一冊買わなければならぬというような不便も起こるのではないかという点も検討されまして、その結果給与制度のほうがよろしい、こういう結論になったわけでございます。
○三木(喜)委員 立場はそれでわかりましたが、主たる教材ということは、いままで教科書というものは参考書程度に考えるように、新しい指導要領が出た当時はそういう指示がされていた。いまはそういう考えにはっきり文部省は立ったわけですね。その点は一番根拠ですから……。前にそういうような指導をしておったのが改正になったのですか。
○荒木国務大臣 先刻申し上げましたような趣旨から申しましても、主たる教材であることは学校教育法上明確であると思います。蛇足を添えますならば、文部大臣が検定した教科書もしくは文部省が著作権を持っておる教科書以外は使ってはならぬというのが本則でありまして、その本則に矛盾しない限り有効と思われるものは教育委員会の承認を受けて使うことができるということでありまして、主たる教材であるべきことは学校教育法上きわめて明確であり、以前にそうでない指導をしておったとすれば、そのときの文部省の指導が間違っておると思います。
○三木(喜)委員 次に、教科書無償制度調査会につきまして、四、五、六年の教科書についてはまだ未決定であります。そこで調査会の審議の過程において、教科書無償の範囲を私立を含めるあるいは含めないということが論議されたと思うのです。この無償の範囲についてどういうような過程を経ましたか、お聞かせいただきたい。 それから問題は、給与か貸与か、あるいはまたそういう点ですっきりしていないものがまだ残っておるのじゃないかという感じがします。 三番目には、全額国庫負担か、国と地方で分担するのか、この問題。 四番目に、教科書発行企業及び供給機構のあり方、教科書の価格について。これはまだ残っておるようであります。 五番目に、現行採択方法について改める点はないか。そういう点について調査会はどのような結論を出して政府に答申したか。 この五項目にわたってお聞きいたしたいと思います。
○荒木国務大臣 五項目のうちの一、二について私から一応お答え申し上げたいと思います。 無償か貸与かという問題は疑問の点はございません。いま御審議願っております法律案そのものの題名も、教科用図書の無償ということはもう確定的なこととしまして、それを実行するに必要な手段方法をきめる法律案として御審議願うというたてまえでございます。 それから、全部国費で持つか、地方費も分担させるかの問題は疑問点が残っております。無償そのものは国民側から見た場合であることは言うまでもないのでございまして、無償そのものに変動があるはずはございませんが、大蔵当局としますれば、国費を出し渋る習慣性がありますから、何かしらん地方費でちっと持ってもらいたいという希望はまだ持っておるようであります。けれども文部省自体としましては、義務教育無償の基本的な考え方に立ちまして、国費で全部持つことが妥当だという考えで今日まで来ております。ただし、いま申し上げましたように、三十九年度、四十年度以降それがどうなるかという点までは、政府全体としての最終的なことをはっきり申し上げる段階ではございません。
○福田政府委員 まず私立学校を教科書無償の範囲に含めるかどうかという問題につきましては、調査会でいろいろな議論が出ました。無償措置の範囲を国立または公立の学校の子供に限定すべきであるという意見と、そうでなく私立学校も全部含めるべきだという意見と両方ございます。特に私立学校を除くべきだという意見のおもな考え方というものは、現在義務教育無償と申しましても、私立学校は授業料を小学校、中学におきましても徴収いたしております。私立学校に入るのは父兄のむしろ自由意思によって入るのであるから、そういう点から考えますと、教科書無償という問題についても特に私立学校の子供を含める考え方はとるべきでない、こういう国公立学校と私立学校の性格上の差異からくる議論でございます。これに対して全部含めるべきだというのは、授業料は徴収いたしますけれども、これは学校経営上許された事柄でありまして、したがって子供自体にそれがいくというものではございません。教科書自体は子供に直接給与あるいは貸与するものでございますから、したがってそういう学校経営に充てられる経費とは別個に考えるべきじゃないかという観点から、父兄側あるいは子供の立場に立って考えると、私立学校に入学していようと、国公立の学校へ入学していようと、それは差別すべきじゃない、こういう議論が圧倒的に強かったのであります。したがって私立学校を含めるべきじゃないという議論は少数意見として出たにすぎなかったのであります。しかし今回のこの法案におきましては、私立学校も当然対象にするという多数意見にたがって提案をされておるわけでございます。 その次の問題でございますが、給与、貸与の問題は、先ほど大臣もお述べになりましたとおりに、この点は日本の場合におきましては給与制度がよろしいということで、これは結論的に申しますと、もう議論の余地はないと考えております。 それから全額負担か半額負担かという問題につきましては、これは経費の負担は、一般的に義務教育学校の施設の問題あるいは教員給与の問題等を考えますと、従来義務教育につきまして国が半分持って地方が半分持つといういわゆる責任体制がはっきりいたしております。そういう従来の例にならってこの教科書無償についても国が半分でいいのではないか、あとはしかるべき財源措置をしてやればいいではないかというような、これも少数意見でございますが、こういう意見がございます。これに対して多数意見はそうでなくて、義務教育無償というからには国が全額負担をしてやるべきだ、こういうような意見が強かったのでございます。ところがいろいろ制度的な問題、あるいは将来の経費の負担等について総合的に検討いたしました結果、この調査会としては当面この全額負担で出発するのがよろしいけれども、将来また地方の税制あるいは財政等の問題を根本的に検討するというようなことになったときには、これをさらに再検討する必要があるのではないか、再検討するのも一つの問題だ、こういうような意味合いからいたしまして、その点は多少将来に問題を残したような答申になっております。しかし当面この全額国庫負担で出発すべきだという答申を出しております。したがいまして、半額負担にすべきだというのはこの調査会では少数意見でございます。 それから発行企業あるいは供給のあり方という問題につきましては、特に発行企業につきましては、現在のように八十六社の会社があって、そこにかつてありましたようないろいろな過当競争が起きるというようなことはあくまで防止すべきである。そういう観点から将来新しくできる会社については一定の資格というものを設けて、その資格に適合するものを認めていくというようなやり方をいたしまして、基礎の堅実なしかも教科書を製造供給するについてふさわしい会社を認めていくべきではないか、こういうような意見になっております。したがって、それに関する答申もそのようなことになっておりますが、特に供給機構におきましては、これは現在発行会社が末端の学校まで供給するという義務を負っております。したがって発行会社が一定の供給機構を使って供給する責任があるわけでございます。ところが従来供給機構と発行会社との関係はいろいろむずかしい問題があったのでありますが、今後無償措置を実施するという場合におきましては、やはり経費の合理化という点を考えますと、いままでの供給のマージンというものは、はたして適当であるかどうかというような点は十分検討して、さらによりよき改善の方法があればこれを改善すべきではないか、こういうような意味の議論が行なわれまして、そのような答申になっております。しかしながら、これを直ちに他に供給機構を使って、現在の供給機構をやめてしまうというようなことは適当ではない。またそれに伴って混乱を生じることが予想されますので、そういうことをせないで、現在の供給機構を使うにいたしましても、できる限り合理的な改善をはかっていくべきであろう、将来また必要なときにはこれは再検討する道も当然にあるべきだ、こういうような内容の答申になっております。 それから採択方法でございますが、この問題についてはやはり現在の教科書の採択は、御承知のように大体全国の八二、三%の市町村がある程度の広域採択を実施いたしております。それは、あまり小さな単位において違った教科書を使っていくということはいろいろな場合に不便でございますので、そういった点からできる限り同じ教科書を使っていくという方向で共同採択が行なわれておりますが、いまの郡市単位の共同採択という問題を一応基礎にいたしまして、そして今後の無償措置を実施する上においてもできる限り円滑な実施ができるように、供給の面から申しましてもできる限り迅速的確に学校に教科書が供給できますように、またコストの面におきましてもむだが省かれて、ある程度合理的な定価というものが今後考えられますように、そういった意味で大体現在の郡市単位の採択区域というものを基本にいたしますけれども、若干教育事務所単位くらいまでにはこれを広げるというほうが適当だ、こういうような議論が調査会で強かったのであります。したがいまして、大体現状を基礎としながら、合理化しながら、若干のそういう教育事務所単位ぐらいにはこれを広げて、そうして同一の教科書を使っていくということが今後の無償措置を実施する上において必要なことであるというような意味の答申になっております。この点については、これは少数説も多数説もございません。全部が一致した意見でございました。
○三木(喜)委員 教科書無償制度調査会の今後の存続の意味は、いまお聞きしましたように全額国庫負担か、あるいはまた国と地方で分担するかというところに問題が残っておる。それから供給機構、教科書の価格というところに問題が残っておる、こういうようにお聞きしたのですが、そういたしますと教科書無償制度調査会というものはまた再開されてこの問題について検討する。なおそのほかの問題についても再開する議題をほかに持っておると思うが、そういう点、将来の教科書調査会のあり方、そういう問題についてお聞きしておきたい。
○荒木国務大臣 教科書調査会はすでにもう廃止されておりまして、現在ございません。しからばいま懸案として残っておる問題について、新たに教科書に関する審議会、調査会等のものを法律に基づいて創設する意思ありやいなやというお尋ねであるとしますれば、その考えはございません。すでに廃止されました調査会の意図も、政府側の関係省の相談にまかせてもよろしいという感覚であったろうと推察されるのでございまして、特別にいまのところ調査会を新たに設けて審議せねばならないほどの問題ではない。先刻お答え申し上げましたように、たとえば国費、地方費の分担の問題にいたしましても、慎重審議することが必要であるとしましても、方向としては国費一本でやるということで、文部省としては少なくとも将来にわたって永久に押していきたい、こういうような考えでおりますし、その実現をはかりたいと思っておるのでございます。 価格につきましては、現在教科書に関係します審議会がございまして、分科会が設けられておりますが、その分科会の機能にまって十分ではなかろうか、かように考えておるわけであります。
○三木(喜)委員 教科書無償制度調査会の問題についてはもう一問で終わりたいと思いますが、そうしますと、教科書無償制度調査会というものは、結局国費か地方費かという問題については解決がつかなかった。それから教科書発行会社は現在のままであり、供給機構も現在のままである。価格も何ら決定されず、教科書の分科会でこれを審議する。それから無償の範囲も、先がた私立の問題を含めるということで論議されたのですが、四、五、六年についてはまだ決定されていない。半分決定されていませんし、中学校もまだ決定していない。選択科目や何かをどうするかというような問題も審議されたように聞くわけなんですが、そういう問題も残っておる。ただ目的を達したのは、現行の採択方法を、八二%いままで広領域採択に指導しておったことを教科書制度調査会にこれをかぶせて、そうしてこれで決定した、その効果しかなかった、このように判断していいのですか。また、調査会を置いて効果があった点がございましたらひとつ聞いておきたいと思います。
○福田政府委員 先ほど大臣から申し上げましたように、調査会自体は使命を一応終わりまして、三月末でこれは廃止になっております。ところで、この調査会自体としては結論を全部にわたって出したわけでございます。今後の問題として研究すべきことがあればそのときに研究するという課題は残っております。それは半額か全額かの問題は、この答申では当面国が全額負担して発足することが妥当だという結論を出しまして、将来また地方財政等の点で事情が変わってくればそのときに検討すればよろしい、こういうふうな内容になっておるわけでございます。したがって、この問題についても一応結論は済んでおる。それからまた供給等につきましても、これは現在の供給機構を利用して円滑、的確な配給をしていくということについては結論が出ておるわけであります。将来また非常に変わってきた場合には、この調査会が予想しないような問題が出てくれば、これは将来の問題として残るということでございます。それから選択教科の問題でございますが、これは先ほど申し上げなかったわけでございますが、必修教科だけでなくて選択教科も含めて無償措置の対象にするということは当然だという答申が出ております。したがいまして、私どもの無償措置の範囲の中に今後選択教科も入れる方針でおるわけでございます。
○三木(喜)委員 今度出たのが無償給付法案かと思っておったわけですが、そうしたら措置法案、措置に関する法案である。この教科書無償という問題は奇妙な進展をしてきておる。三十八年度は教科書をただで与えるというかっこうで一年生だけ七億円予算計上した。三十九年度に備えて教科書調査会法案が出て教科書調査会をつくった。そうしていよいよ教科書無償法としてすっきり出てくるという期待を持っておったのですが、それが措置法案になってしまった。この三転しておる教科書無償法の出し方というものにわれわれとしては非常に珍妙な感じを持つわけなんです。ここに今度の教科書無償というものがやはり非常に問題を含んでおる証拠だと私は思うので、以下選定と採択、展示会の問題、教科書供給ルートの問題、それから採択と過当競争についての問題、いろいろお聞きしたいのですが、大体予定されておる時間が一時間ですから、あとの二十五分間でこの前の教科書汚職の問題についてお聞きしたいと思いますので、いま申しました問題は後日に譲りたいと思います。 そこで、いま公正取引委員会の方から見えておりますので、公取の方に御質問いたしまして御答弁を承りたい、このように思います。昭和三十七年の三月十九日、わが党の村山委員の方から公正取引委員会の事務局長に対してお尋ねをいたしております。当時はまだ審決が出ていなかったので非常に答弁にあいまいな点もありましたのですが、聞くところによりますと、いよいよ審決決定を見たように思うのです。したがいましてその状況についてこれはやはり国民ひとしく注目するところですが、どのような審決になったかお聞かせをいただきたいと思います。
○牧説明員 教科書発行会社に対しまして公正取引委員会は、東京書籍株式会社、教育出版株式会社、大日本図書株式会社、それから大阪書籍株式会社、株式会社教育芸術社、それから学校図書株式会社、この六社に対しまして審判開始決定をいたしたのでありますが、そのうちで東京書籍株式会社に対しましては本年の二月十三日、審決をいたしております。それは法律で申しますと同意審決でございまして、これはこの会社に対しましては第一回の審判を行なったのでございますが、その後同社から同意審決の申し立てがございまして、それを公取で受けまして、審判開始決定の事実及び法の適用、それと同趣旨の審決をいたしました。それから続いて教育出版株式会社と大阪書籍株式会社でございますが、この二社に対しましてはこのうち教育出版社に対しましては審判を十回、それから大阪書籍に対しましては七回審判が行なわれましたが、その後同意審決を受けたいという旨の申し出がありまして、委員会はこれを受けまして教育出版、それから、大阪書籍両社に対しまして四月十三日同じく同意審決がなされたのでございます。それからそのほかの三社につきましては、そのうち学校図書株式会社に対しましては同意審決の申し立てが出ております。そして担当のほうにおきまして目下検討中でございます。 それから大日本図書株式会社及び株式会社教育芸術社のこの二社につきましては近く同意審決の申し立てがあるのではないか、こういうように考えております。 いま申しましたように、すでに審決が行なわれたのは三社でございますが、これに対しましては審判開始決定と事実及び法の適用も全く同じような趣旨の審決がなされております。その内容につきましては、それぞれの社が学校の教科書の採択に関与する者に対しまして現金とかあるいは物品の供与をしあるいは酒食の供応をしたという事実をあげまして、そしてそういう事実は公正取引委員会告示の五号、これは昭和三十一年の告示でございますが、教科書業における特定の不公正取引方法の一の前段に該当し、独禁法第十九条に違反する、こういう内容のものでございます。簡単でございますが、以上御説明申し上げました。
○三木(喜)委員 審決書が三社について出されておるようですが、あとの三社についてなぜそのようにおくれたかということについて、同意がなかったというふうに言われておりますけれども、それが主たる原因ですか。
○牧説明員 審判は、通常公正取引委員会におきましては、審判が係属いたしますと、審判官がこれで結審して差しつかえないという心証が持たれるまで審判を回を重ねるわけでございますが、さっき申し上げました教育出版とそれから大阪書籍、これにつきましては十回あるいは七回の審判を行なっておりましたのでございますが、なおさらに審判をする必要もあるということで結審になっていなかったのでございます。被審人側から同意審決の申し出があり、委員会がその申し出が適当だ——なお審判開始決定書にあげられております事実と法の適用を認めるということ、さらにみずからとるべき排除措置を掲げまして、申し立てるわけでございます。いま申しました三社につきましては、その申し出が適当と認めて同意審決がなされたのでございますが、その他の三社につきましては三社のうち、学校図書につきましては御承知のとおり同意審決の申し出がありましたので、これは同意審決を受けるかどうか、受けて同意審決を行なうかどうかということについては目下検討中でございます。その他の三社につきましてはまだ申し出の正式なものがございませんので、おそらく近く同意審決の申し立てがあるというように推測しておりますが、審判はまだ結審の段階になっておりませんので、今後何回開かれるかということは審査部長といたしましては申し上げられないのでございます。 なお大日本図書とそれから教育美術社につきましては、今まで審判は六回ずつ開かれております。この点を申し添えておきます。
○三木(喜)委員 そうしますと、まだ審決を下すのには材料が不足であるということと同意がないということと二つになると思いますが、そこで取引委員会のほうにお開きしたいのですが、すでに一方では——これは私は裁判に付せられた判決書を持っておるわけでありますが、こういう公正取引の上での違反ということで審決をされたわけでございますが、それと、刑法上の裁判を受けておるのですが、これとの関連はなしに進められたのですか、それとも関連しつつ進められたのですか、その点どうですか。
○牧説明員 公正取引委員会におきましては、独占禁止法違反という関係だけから事件を処理いたしております。刑法上の問題は、場合によりましてはその経過は見ておりますが、それによって公取の扱いがどうなるという影響は考えておりません。
○三木(喜)委員 たとえば、判決書ですね、これは三十七年十二月二十一日神戸で行なわれた判決書ですが、これと、それから三十八年二月十三日、二カ月おくれて公取の審決が出ておるわけなんですが、この間に差異があるというようなことを検討されてもみておりませんか。
○牧説明員 別に公取は、判決が三十七年十二月二十一日に行なわれたということにつきましては、それを別段頭に入れて処理はいたしておりません。
○三木(喜)委員 そうしますと、文部省にお聞きしたいのですが、公取のほうは結局こういうような審決を出して、「被審人は、その発行する教科書の選択を勧誘する手段として、選択に関与する者に対し、金銭、物品、きょう応その他これらに類似する経済上の利益を供与し、または供与することを申し出てはならない。」二番目に「被審人は、今後三年間、毎年決算期後二か月以内に、その年の宣伝費の使用状況を、当委員会に報告しなければならない。」これだけで終わっているわけですか。はい、そうですか、けっこうですと言えば、それで長くかかった公取の審判というものがこの文章だけで終わってしまうのか。一方では刑法上の罪として、これは一社の例ですけれども三名の者が刑法上処罰されている、こういうことになっておるのですが、こういうことで、公取の審判に付して、そうして今後効果がある、このように公取のほうでもお考えになりますか、あるいは文部省はどうお考えになっておりますか、この審判を見て。それをお聞かせいただきたいと思います。
○福田政府委員 過去において起こりました事柄は、まことに遺憾な事柄でございますが、長い間公正取引委員会のほうで審判を続けて参りまして、そういう、同意審決でございますけれども結論が出たわけでございますので、したがって、その結論にしたがって今後発行会社が行動することが一番望ましいわけでございます。したがって、過去において起こりましたような忌まわしいそういう採択に関連した不正行為というものはこれによって絶無となり、会社側も今後の宣伝あるいは採択に関しまして非常に自粛措置をとるということは必要なわけでございまして、これが出てそれでおしまいだということではもちろんないと思います。私ども行政上の問題として考えました際には、これはたまたま、いま出ましたものは三社の問題でございますけれども、昨年以来教科書業界でこういう問題が起きて、さらに一そう自粛措置をとりたいということで、昨年は非常な自粛をやって参りました。さらにこういう審決が出ましてから、これを一つの契機としまして、今後はさらに自粛の措置を強化し、広範囲にやろうというようなことを申し合わせをいたしまして先般来やっておりますので、したがって、こういうことが一つのいわば薬になって、全般が非常に公正な採択が行なわれるようにみんな協力していくということに私どもとしては意義を見出すわけでございます。したがって、審決があってそれでもうおしまいということではなくて、これがやはり将来に生かされていくということが絶対に必要であろうと思っております。そういう意味におきまして、一応これが出ましたことは、私どもとしては今後のあり方に非常に参考になると考えております。
○牧説明員 審決の主文といたしましてはきわめて簡単なものでございますが、公正取引委員会の違反に対する排除措置といたしましては、必要最小限度であるべきだ、こういうように考えております。非常に簡単なようでございますが、私どもとしてはこれで必要な限度のものにはなっていると思います。なお、審決が出ましても、これは不公正な取引方法でございますので、これ自体には罰則はございません。しかし審決違反ということになりますと、罰則もございますし、また審査部の所掌事務の中にも事後の監査ということがございまして、はたして審決違反があるかどうかということは、審査部におきましても十分監視をいたしまして、もしも審決違反がありますというような確証を得た場合におきましては、検事総長に告発するなり適当な措置をとるべきだ、こういうように考えております。
○三木(喜)委員 私も独占禁止法関係の法律を見たのですが、いま罰則として言われたとおりですが、しかし審決違反をやった場合に、将来これを告発するというような手続が残されておるようにいまお聞きしたのですが、現在これは独禁法違反として三十万円の罰金というような、こういう事項はございませんか。
○牧説明員 罰則の規定といたしましては、最高は「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」こういうのがございます。これは私的独占とか不当な取引制限というのがこういうようになっております。審決違反といたしましては、「五万円以下の過料」、独禁法の九十七条にございますが、こういうことになっておるのでございます。
○三木(喜)委員 十九条の違反としてこれだけに終わるということになれば、私は問題だと思うのです。しかしそれも法の上でそうした適当な罰則が見当たらないからいたし方ないといたしまして、ただ文部省の初中局長にお聞きしたいのですが、あなたのほうではこの審決書を三社について——さっきあなたは、これを一つの契機にして将来自粛する方向に持っていきたい、こういうような抽象的な、きわめて儀礼的なことばがあったのですが、これはごらんになっていますか。
○福田政府委員 拝見をいたしました。
○三木(喜)委員 そうしますと、私のほうでひとつ読んでみますが、「被審人は、同社の発行する教科書の選択を勧誘する手段として、宣伝費のうちの資料費、土産物費および社員出張経費を宣伝業務を担当する者に割りあて、このうちから営業担当取締役または支社長の裁量のもとに、教科書の選択に関与する者に対し、金銭、物品その他を供与し、または酒食をきょう応した。その事例は、つぎのとおりである。」ということで、すでにはっきりしておることは、会社側で宣伝費その他の名前でそれを割り当てて、そうしてそれをやらしておるという事実が出ておるわけです。私の現地でつかまえましたのは、処罰をされた人がこの前からずっと言っておるように、出先の社員、それから現場の教師がこうして傷ついておるわけです。そうしてこの審決にもあるように、そういうように持っていった人は公正取引委員会の方からも何らの処罰はない、それから、それにさかのぼって刑事的な処罰もない、こういうことになると、これは片手落ちじゃないのですか。そういうことをほっておいて、そうして今後自粛云々というようなことを言っても、はっきりと解決に出ておるじゃないですか。そこで私は読んでいただいたかということを言っておるわけですが、その点どうですか。
○福田政府委員 そういう事実につきましては私どもお説のように考えるわけでございますが、しかしながら現在の刑法あるいはそういう事実に対する処罰の方法としては、これはやはり限界がございますので、独禁法等によって直接処罰の対象にしない限りにおきましては、一般の刑法における贈賄、収賄等の関係の法規で処罰する以外にないと思います。したがいまして、そういう点から申しましてある限度があるということは、これは認めざるを得ないと思うのでございます。
○三木(喜)委員 私は、そういう逃げ口上でなくて、文部省が、むしろ現場の教師なり、あるいはまたその末端の業者というものだけが処罰されて、そうして中心部が処罰されないということについて、むしろ公憤をもってそういうところにメスを入れるという意味において、こういう事実が出ておるのですから、むしろ告発されたらどうかというような問題ではないかと思うのです。先がたから選挙違反の問題で、教師の選挙違反云々で親心を持ってこれをやった、こういうように言われておるような文部省ですから、結局こういう問題が起これば、現場に被害が起こった、それはもらい根性があって、そうしてそういうところからきたので、現場の教師が悪いのだ、このように一がいに片づけてしまうのでなくて、そういうところに被害を及ぼした帳本人があるのじゃないかということで、そういう態度に出られるのがむしろ至当じゃないかと思うのです。ただそれだけで文部省として言いのがれをされておるだけでは、私はこの問題は将来も解決がつかないのじゃないか、このように思うんです。
○福田政府委員 言いのがれではなくして、その刑罰法規によって処罰すべきものはその方で当然処罰すべき問題とも言えますが、文部省としてやはり将来の問題を考えます場合には、そういう不正な行為が起こされないように、起きないようにということをあらかじめやはり業界に自粛措置を講じてもらうということが一番大事な点でございまして、これは文部省が教科書行政を担当いたしております限りにおいて、できる限りそういう方面に努力する、こういうことでございます。
○三木(喜)委員 もう時間がありませんから、この問題についてはまた後ほどもっと詳しくお聞きしたいのですが、要点だけひとつ申し上げておきたいと思うのです。裁判になりまして、そうして判決が出たわけですが、この教科書採択委員、いわゆる選定委員会というものがありますが、その選定委員会の下部機関であるものが責任を負わされておる、これは法的にどうかと思いますし、考えてみなければならない問題ではないかと思うのです。それから教科書の採択の責任がどこにあるかということで、まず市の教育委員会にその責任が持たされておるか、あるいはまたその委員会に持たされておるかということによって、私はその責任の所在がはっきりしなければいかぬと思うのです。まず委員会に持たされておるとなれば、それは団体の一つの責任じゃないかと思うのです。それを末端の個人が収賄して、そのことを常時させようとしても、選定委員会、教育委員会、こういうところの責任ですから、個人が幾らそういうような示唆を受けたり、あるいは誘惑を受けても、決定しかねる問題だと思うのです。それからもう一つは、そういうような人を出したということは、火事を出した場合を考えたらわかるのですが、火事を出した場合に火事を出した宿直の先生というものも当然行政罰の対象になります。しかしながらそれを受けたところの校長にも責任を着せる。そうしてその学校の校舎の管理責任者である市町村長には何らの影響が及ばない、こういう仕組みから考えたら、校長がそういう部下を出したからして校長にも責任がきたのだ、こういう解釈をとると、これだけ三十人も四十人も違反をずらっと出して、この審決を見ただけでも相当の教師が傷ついておるわけですが、その決定機関である教育委員会とかあるいはその団体が何ら処罰の対象にならない、これは私はおかしいと思うのです。そういう点について責任をどういうぐあいに考えるかということです。ただもらったからその者を処罰するというだけでなく、私はもう少し責任を上の者にさかのぼって考えてみる必要があるのではないか、このように思うのです。それから贈賄したほうも、先ほどからずっと言っておるように、ただ手先の人がやった、その人だけを処罰の対象にしないで、やはりそれをやらしたところの中心幹部——これらにも私は問題があろうと思うのです。こういう点について、また私はお聞きし、あるいは今後の対策として考えていかなければならぬのではないか、このように思うのです。 そこで教科書協会の方の自粛の状況ですが、教科書協会としては今後相当自粛していくということで、最近そういう動きがあるわけでありますが、文部省としてはさきに各教委に監視員を置いて、こういう問題について指導監督を強化するというような方向をとられたわけですが、その成果について、あるいはまたその監視員制度というものがどういうような問題点をとらえてきたか、ただこれだけ置いたって私は意味がないと思うのです。そういう点について一つお伺いしたいと思います。
○福田政府委員 これは業界の自粛措置でございますので、業界自体がはっきりした考え方でもって自粛措置をとっていただくことが、まず先決でございます。しかしながらいろいろ地方の事情によりますと、教科書会社自体がいろいろ考えておりますことがまだ末端に十分伝わらぬということもございますし、そういった意味で不都合なことがないか、もしあればそれは事前に十分指導できるものは指導するという立場で、昨年そういう教育委員会の主事などに委嘱いたしまして、できる限りそういう指導を行なってもらうようにいたしたわけでございます。ことしもこれはやるつもりでございますが、昨年いろいろ指導はしてもらったつもりでございます。まあ成果と申しますと、何か非違、欠点を摘発したかということになるわけですが、それは自粛措置がかなり昨年は行き届いておったとみえまして、ほとんどございませんでした。しかしながら一、二、軽い事柄でありますけれども、やはり教科書の採択に関して行き過ぎた宣伝がございまして——これは具体的に申し上げることを省略いたしますけれども、たとえば教科書の売り込みの際に、何かおまけをつけてやるというようなことが、これはそう悪意でなかったと思いますけれども、一、二の会社でそういう事態がございました。それは委嘱いたしました係員がそういう事態を見つけまして、こういうことだけはどうもやってはいけないということで事前に話し合いをやりまして取りやめさしたわけでございます。成果といたしましては、そういうようなことが昨年は一、二件ございます。したがいまして、いろいろ業界の宣伝あるいは教育委員会の採択に関しまして、ある程度は成果を昨年はあげたのではないかというように私は考えております。
○三木(喜)委員 ここに非常に大きく、「教科書公正採択に新手」「各教委の監視」というような見出しがあって、指導員の監視事項を四つほどあげて、期間は十月三十一日までに文部省へ報告するということになっている。これはただこの一、二点だけで終わったのですか。今の仕組みでは報告までもさすようなことになっておるのですか。一、二だけ、そういう問題にぶつかった、こういうことですか。
○福田政府委員 そういう融れそうな問題としては一、二しかございませんでしたが、一般的にその管内の状況は、もちろんそのあとになりまして、そういう関係の者から報告を受けております。したがって、その報告を受けました内容は、全部不都合なことばかりではございません。いいこともございますし、また今後採択についてのいろいろな対策を講じます場合に、参考となるような意見等ももちろん報告してまいっております。そういうことでございますので、成果というと、いろいろ考え方によって違ってくると思いますが、私申し上げましたのは、昨年そういう事例が一、二件あったということを申し上げたわけでございます。
○三木(喜)委員 教科書協会が自粛宣言をやっておりますが、その自粛宣言について文部省はこれに関知されましたか。
○福田政府委員 関知ということでございますが、何かきめる場合には必ず私のほうにも御報告を願っております。そうしていろいろとこういう点はどうだろうか、ああいう点はどうだろうかというようなことも今まで御相談もあったわけでございますが、しかし私どもとしては、一応協会で論議をされ、しかもこれからとろうとする対策については十分知っておかなければなりませんので、そういった意味においていろいろ御報告を願っているわけでございます。
○三木(喜)委員 御報告を受けて、それで聞いておられるということですね、今のお話では……。その点ひとつお聞きしておきます。 それから次に、これは初中局長にお伺いしたいのですが、検定委員というものは今もその検定委員の資格で存続されておるか、検定委員会というものは常時開かれるかどうかということについてお聞きしたい。
○福田政府委員 教科書の検定審議会は常時開いております。
○三木(喜)委員 そうしますと、教科書の中に誤りがあるというようなことは、この検定審議会の委員、検定委員のほうには責任はあるのですか、ないのですか。
○福田政府委員 その責任の問題でございますが、もし審議会で委員が調査する際にそういうものを見落としたということであれば、それはその方の責任の問題もあろうかと思いますが、これは諮問機関でございますので、この教科書の誤りにつきましては、私どもとしてそれを見つけ次第できる限り教科書会社にそれを話して間違いは訂正してもらう、こういう措置をとっております。これは文部省としてそういうふうに責任を持って処置をする、こういうことにいたしております。
○三木(喜)委員 この間新聞に出ておって、私ども調べてみたのですが、自主的に教科書の間違いを訂正された会社があるわけなんです。清水書房ですか、ここは自分の力であえて教科書の間違いのところを訂正されて、そして良心的に進められた。このことはその会社には非常に不利なような新聞の記事として出ましたけれども、私は決してそういう立場でなくて、良心的だと思うのです。その後そのほかの教科書を調べてみますと、清水書房の教科書と同じようなところが間違ったまま放置されておるのです。自分で気がついて清水書房がなされたのか、あるいは文部省の指導でなされたのか、その辺はどうですか。
○福田政府委員 私は文部省の指示でそれを直されたというようなことかどうかは確認いたしておりませんので、お答えを後日にさしていただきたいと思います。
○三木(喜)委員 その点ひとつ調べていただきたいと思うのですが、検定委員があって、そうして常時そういう機能を発揮しておりながら、こういう問題を民間から多数に指摘された、あるいはまた教科書を使用しておる教師によって指摘をされておる、こういうことになれば、検定委員の考え方は国定化に持っていくお手助けだけをしてきた、あるいはまた非常に教科書の内容が反動的な問題に触れておりますが、そういう問題だけに力を入れてきた、こういうことになると思うのです。こういう点も私は検定の立場に立って気をつけてもらいたいと思う。間違いが相当あります。これは今度一つ一つの教科書について申し上げてみたい。そういう点についても調査されてこの次に御答弁いただきたい、そういうように思います。 以上です。
○床次委員長 この際村山喜一君より発言を求められておりますので、これを許します。村山喜一君。
○村山委員 大臣に一言だけお尋ねをしてお答えを願いたいと思いますのは、きょうも全国都市教育長協議会の方から公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の改善についての陳情書が手元に届けられております。文部省はこの義務教育諸学校の定数法については、連休明けの国会に提案をするということで準備を進めておいでになったはずでありますが、この法案は非常に重要な法案でありますので、いつお出しになるのか、この際大臣の見通しを明らかにしていただきたいと思います。
○荒木国務大臣 何日に御提案申し上げるということをはっきり今申しかねますけれども、大体数日中に提案したいものだと思ってせっかく努力中でございます。
○村山委員 数日中に提案をされるように大臣の格別の御努力を要望申し上げておきます。
○床次委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十日金曜日開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時四十五分散会