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43回国会衆議院1963/03/20

文教委員会 第12号

発言数
158
登壇者
7
会派数
2
開催日
1963/03/20

会議録

床次徳二自由民主党

○床次委員長 これより会議を開きます。  日本学校給食会法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。野原覺君。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 学校給食について二、三お尋ねをしたいと思うのであります。  学校給食が子供の体位向上なりその他いろいろな面において教育上の成果を上げておるということは、これは申すまでもないことでございまして、私はある意味では児童憲章の実践を果たしておるとも言えようかと思うのであります。そこで、この学校給食を充実させるために文部省もかなりの努力はされておるようでありますけれども、しかし私どもの目から見ますと、少なからざる不満があるわけです。そこで私は二、三その点を指摘しながらお尋ねをしたいと思うのですが、まず第一は学校給食調理員の問題であります。学校給食調理員というのは文部省の設置基準によって定められておるのでございますが、この文部省の給食調理員の定員についての設置基準ははたして十分であるかどうか。文部省としてはどう考えておりますか。これは局長からでけっこうですからお尋ねいたします。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 調理員につきましては、現在九百人規模の学校で小学校三・五人でございます。それから中学校につきましては七百五十人規模で、これはことしから予算に計上いたしますが、中学校一人、そういうことで交付税で積算をいたしております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 いや設置基準の説明ではございませんで、それではたして十分なのか、一体その設置基準はいつつくったものであるのか、今日その設置基準でいけるとお考えになっておるかということをお尋ねしておる。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 小学校につきまして従来四人くらい何とかほしいという考え方は持って参っております。現在のところで三・五人でございますので、幾分足りないのじゃないかというようなことも考えられますが、今後も努力をいたしたいと思います。なお、中学校につきましては、ことしから一人ということでございまして、一人ではもう少しこれから努力をすべき点があるのじゃないかということを考えておるような状況でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 設置基準の説明としてもきわめてばく然たることしか申されていないのですが、児童生徒数が百人以下の場合には一体何名の給食調理員を必要とするのか、もう少し詳しく設置基準を申して下さい。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 私どもの方で考えております基準は、百人以下でございますと一人で、百人から三百人で二人、五百人から九百人で四人、九百人から千三官人で五人、千三百人以上六人、大体そういうような考え方で進んでおります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 それでは二千五百人の学校は何名になりますか。千三百人以上は六人、こう申されますが、二千五百人の小学校でございますと、何人の調理員を置くことになるわけですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 千三百人以上につきましては、五百人を増すごとに大体一人を加えるということになりますので、九人程度、かように考えます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 それはいつの設置基準ですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 三十五年の末でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 たしか去年の四月でございましたね、栄養量の基準改訂を行なったのは。そして食品等の構成表もたしか改訂されておる。イモ類、野菜、果実が増量されている。その増量は、昨年昭和三十七年の四月、三二・一%になったかと思うのですが、この設置基準が三十五年のものであるとすれば、二年後にはそういった中身の改訂を行なっておるわけですね。その点から考えてみて、はたしてこの設置基準が十分なものであるかということは疑わしい。これは文部大臣、あなたはどう考えますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 あまり詳しく申し上げる能力はございませんが、まだ前進途上にございますので、御指摘のように十全とは言い得ないと私も考えます。今後の努力に待たしていただきます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 局長はどうですか。あなたは専門家として、この定数基準は当然改善さるべきだと思う。昭和三十五年まででもこれは足らなかったのです。中身を改訂したのだからね。ところが、定数基準については何も手を触れない。これははなはだ怠慢だと思うのです。事務当局の怠慢です。これはあなたは局長としてどう思いますか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 お話の通り、三十七年の四月に栄養基準の改正をいたしまして、調理員の増員をする必要があるというようなことは、学校方面からの御要望等もございまして、実は現在全国で十五ばかりの学校におきましてその必要な度合等を煮詰めまして調査をいたしております。なお、おっしゃる通り、私どもとしては、元来全体の交付税の積算が三・五人でございますので、これをもう少し順次上げたいということに努力いたしておるのでございますので、今後ともその点については努力いたしたいと考えます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 いや、あなたのその御答弁は去年の通常国会でおっしゃらなければいけない。三十七年の四月に栄養量の改訂をしたのですからね。去年の通常国会ならば、これから科学的な調査をやりまして、データーを集めまして、一体どうしたらよいか検討するということでよかろうと思いますけれども、昨年の四月に改訂してから一年たっているのですよ。三十八年の四月を迎えて、今度はミルクの増配をやって、学校給食には全力をあげますといって荒木文部大臣はお答えになっている。提案説明をしているのです。学校給食に全力をあげますと言いながら、なるほどミルクの増配はしたかもわかりませんけれども、運営の面において、人の面において一向学校給食の実が上がらない。一体それはいつできますか。科学的データを集めて検討された結果、この設置基準ではたして十分であるかどうかという結論はいつまでに出されますか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 三十八年度初めにはできるのではないかと思っております。これは実は研究調査の中へ入れておりまして、研究調査でやっておりますので、はっきりいつ幾日ということを申し上げかねるのでございますが、できるだけ早くつくりたいと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 いささかスローですね。いささかスローモーの感がこれはありますね。  そこで、この定員の問題でもう一点お尋ねしておきますが、代替要員について、定員は九百人で四名、それから千三百人で六名という設置基準でございますけれども、たとえば調理員が病気をしますね。それから不時の疾病があるし、女の方がほとんどでございますから、産前産後の休暇というものもとらなければならない。やはりなま身のからだですから病気もする。時には休まなければならぬ。こういう場合の代替要員については、文部省としてはどういう考え方を持っておるか、これをお尋ねしたい。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 代替要員は臨時に雇うわけでございまして、そういう費用は、特に文部省として予算の上での積算はしているわけではございませんが、非常に少ない。しょっちゅう起きますわけではございませんので、そういう人をあらかじめきめておくということは非常にむずかしいことでもございます。しかしそういう点についての代替はやるように、代替の人を考えておくようにというような指導はいたしておるわけでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 代替の要員については考えておるというけれども、指導しておるとあなたは申されますが、具体的にはどういうようにやるのだというようなことをも指導してやらないと、私は指導にならぬと思うのです。これは現実に市町村がその要員を確保した場合に、その要員は平常は一体どうするのか、そういう点についての配慮が足らないように私は思う。これは代替要員は絶対に必要です。たとえば大阪市でございますと、小学校が三百校ある。三百校ある場合にはやはり大体の科学的な調査をやって、どのくらいの者が平常においては事故を起こす、病気で休むというくらいの調査をされて、その代替要員というものをその市において確保して、確保された者の平常の仕事はこういう仕事をやらせるとか、そういったような具体的なこまかな指導というものを私はしてもらいたいと思うのですが、こういう点については全然なされていない。この点は一つ十分気をつけてやってもらいたいと思うのであります。  給食調理員の第二点として待遇の問題についてお尋ねをいたします。これは私も若干調査をしてみました。私は国会のあるたびに、給食が問題になるたびに触れてきたのでございますが、いまだにPTAの負担によって調理員が雇われておる事例がなくなっておりません。そこでこの調理員の身分は一体どういうことになっておるのかということです。はたして本務の調理員になっておるのか、あるいは月給制になっておるのか、日給制になっておるのか、それからPTAの雇いということになっておるのか、その辺の調査はどのようになっておるか、一つこれは詳細に御答弁を願いたい。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 給食を始めました当時におきましては、相当数のPTA負担の調理従事員がございまして、これはよろしくないわけでございますので、私どもといたしましては速急になくするような指導をして参ったのでございますが、現在の事情で申しますと、三十四年の五月の際には調理職員、公費による職員が二万六千六百六人でございまして、私費による職員が六千八百九十人ございました。それが三十六年に至りまして三万一千六百三十三人に対しまして四千四百九十四人になって、さらに三十七年の九月に至りましては三万八千六百十八人に対しまして二千百十一人、現在最終の調査によりますと、私費による負担職員、いわゆるPTA職員が二千人でございまして、公費の方が三万八千六百十八人、だんだん減って参る。私どももこれについては特に地方に対しまして交付税でも積算しておるわけでございまして、そういうふうなことのないように努めているわけでございます。なお今後とも全然なくなるようにいたしたいと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 これは指導しておるけれどもなくならないのですね。地財法の違反なんですね。文部大臣はどう考えますか。地方財政法の違反だと私は思いますが、PTAで給食調理員を雇っておるというようなことは違反です。これはどうお考えになりますか、文部大臣の見解をお尋ねします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 御指摘の通り地方財政法の第二十七条の三の趣旨に反する事態だと思います。ただちょっと弁解さしていただきますれば、従来そういう事実がありましたものを、順を追うてなくしたいという努力の途中でもあるわけでございます。従って残っておるものがあるわけですけれども、そういう経過を申し上げて免れようとはむろん思いませんが、その残ったものをなくべく早く地方財政法の趣旨にきっちり乗せるような努力をし続けてもおりますし、今後一そうの努力をいたしたいと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 そういう御答弁は三年も五年も前から歴代の文部大臣がやってきたんです。そういう御答弁をしながらなくならぬじゃありませんか。これはどこに原因があるのでしょう。文部大臣はどう思いますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 これはそれぞれ関係者の努力が不足しておる点だと思います。さらにさかのぼれば、地方交付税法に基づく財源手当なるものがひもつきでないために当該公共団体の当局のそれぞれの、たとえばここならば学校給食に関する課題についての取り組み方の濃淡の度合いにもよることと思います。これまたそういうことをもって免るべきじゃございませんのですけれども、実情はそういう場合もあり得る。従って、指導助言等を通じてなくしていく努力もあわせ行なう必要があろうと思っております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 関係者の努力が足らない、なるほどそうかもわからない。関係者の努力とはどんなことでしょうか。文部大臣は努力してきたのでしょう。努力してきませんでしたか。あなたの方は通達を出して、そういうことは地財法の違反だといって警告を発しておるはずだ。努力しておるはずだね。一体関係者の努力が足らぬというその努力の中身はどういうことでしょうか。どういう点に努力をすればこれはなくなるのでございましょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今申し上げましたように、文部省の立場におきましては、建前としては交付税の積算によって手当をしておるつもりでございますが、末端においては御指摘のようなことがあるわけであります。そのことは、今も申し上げました通り完全なひもつき——という言葉もどうかと思いますが、具体的に仕分けをして、相互流用を許さないという建前のものでないために、時あってか、その自治体における緩急軽重の課題で、ついあと回しになるということもあり得るかと思います。それは通牒その他のやり方で会議等を通じまして指導助言をしながら、そういうことのないように努力をするという課題であろうかと思っております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 給食調理員は、地方交付税法に算定されるはずだ。文部大臣も今御答弁になられましたように、地方交付税の算定の説明を見ますとこうなっておるのですね。昭和三十八年度は私ちょっと資料が手元にございませんが、三十七年度においては、当該市町村内の全児童数に三百十八円七十銭をかけて、それにプラスするの、当該市町村内小学校学級数に一万六百二十三円四十四銭をかけて、それに補正係数倍する、それが学校給食調理員に対する交付税の交付金ということになっておるのです。そうすると、地方交付税に給食調理員分としてもらっておりながら、地方自治体がこれを給食調理員にはたして用いておるかどうか。私は疑問の点が少なからずあると思う。この点は局長どう思いますか。当たってみたことがありますか。そういう違反をしてないかどうか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 実際の数字で申しまして、交付税で申しますと、お話の本年度につきましては、三人についてはこれはそれぞれの俸給月額に十二カ月かけて出してあって、そのほかに、さっき三・五人と申しましたのは、八千円の賃金になっておるわけでございますが、実際問題といたしましてもちろんこれに足りない町村もございますと思いますが、しかし十分やっている町村もある、そういうふうに聞いております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 行政指導するならば、ただ一片の通牒の出しっぱなしではいけませんね。通牒を出せば行政指導ができたなんという考えを文部大臣が持っておったら、私はとんでもないことだと思うのです。行政指導するならば、一人当たり八千円近いこの給料になるにかかわらず、三千円か三千五百円しかもらっていない市町村があるじゃありませんか。ありませんか。局長、調べたことございませんか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 この調理員は町村の職員になりますので、人によって、学歴、勤務年数、そういうような問題で俸給はきめておるはずだと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 いや、一カ月三千円から三千五百円でこの学校給食の勤務に携われるわけがないです。ところが、そういうところが現実にあるように私は聞くのですが、ありますか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 町村によってはそういうものもあるかもしれませんが、ただ私どもの考えておりますのは、学校給食にA型、B型、C型という型をつくっておりますが、五日やるのと、四日やるのと、三日やるのとあるわけでございます。たとえば四日の場合で考えますと、一週間の七日のうち四日しか出ない。そういうことになりますと、完全な常勤職員というわけには参らない場合があるのではないか。そういう場合になりますと、どうしても残りの三日はほかに仕事をしておられて、そして給食のある日だけ学校へ参って給食をする。そういうような関係で、場合によっては低い場合もあるのではないかというように考えるのでございますが、一般的に申しますと、いわゆる完全給食は五日が基本でございますので、そういう場合は常勤的にやっておると見ております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 一週間は七日です。いいですか、一週間は七日、日曜日を除けば六日。そうして、あなたは一般的に五日だ、こういう考え方を持ちますけれども、学校給食の現場をあなた見たことがありますか。文部大臣は学校給食を見に行くというと、子供がおいしそうに食べるところだけ見ておられるのではないかと私は思うのだ。勤務の実態というものを見ておりますか。これは五日間、朝の七時ごろから出ていって、晩の四時、五時まで跡片づけしていくと、最後の土曜日というのは次の週の準備に充てないとできない仕事の量なんです。これは事実上はやはり完全に六日間出勤です。もちろん七日間出る必要はない。それは局長も七日出てないはずだ。みんな給料取りというのは一週間は六日勤務だ。事実上六日出なければならない仕事の量なんですよ。それを五日に押えて、お前たちは五日だから安い給料でがまんしろといったようなやり方というものは、これは決して学校給食を充実させる指導でも何でもないと私は思う。こういう指導の仕方というものは、めちゃくちゃです。  そこで待遇の問題に入りますが。PTAが雇っておるのが局長の先ほどの答弁でも相当あるわけです。これは完全に公費でまかなわれなければならないということを文部大臣も認めておる。そうしてその指導及び関係者が努力をしなければならぬということも認めておるが、依然としてなくならない。これをなくするためには、給食調理員というものを法的に規制すべきではないかと思うのです。もう幾ら言っても、現実になくなりません。ひどい市町村になると、地方交付税をごまかしております。給食調理員にきた地方交付税を給食調理員に使わないで、橋をかけたり、いろいろな会合の費用に流用しておりますよ。そういうことがあるかないかという調査も文部省はやってない。そういう調査もしないで行政指導なんだと言ったって徹底しますか。徹底しないですよ。文部大臣は、そういう点で毎年々々同じ答弁を繰り返してきたわけで、幾ら指導してもこれは実が上がらぬのでありますから、この際思い切って学校給食法に手をつけて、学校給食従事員については、法的に公費をもって負担するという規制を文部省としてはすべきであると私は思う。そうして自治省にも話し、大蔵省とも相談をすべきだと思うが、文部大臣はどう考えますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 学校給食の児童生徒に対する体位向上の効果、教育的見地からする効果から考えましても、お説は傾聴に値いするお説だと思います。将来の研究課題にさせていただきますが、現実当面の問題といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、交付税の交付によって裏づけをしておるという建前でやっておりますので、これは他の交付税を財源といたします地方財政計画上の手当の課題と同じことだろうと思います。要は、今の制度でいきます限りは、ひもつきではないけれども、積算はされておるということ、財源はあるということを念頭に置いて、公共団体自体、自治体自体で、この学校給食なら学校給食の重要さを考えて、あたかもひもつきであるがごとく実施してもらうという方向に指導していくということが当面なし得る最大限度のことだと思います。もとより積算基礎それ自体の再検討も必要な場合もあり得るとは思いますが、そういう行政指導をやる以上のことはちょっと——一々の市町村ないしは学校に対しましては、それぞれの教育委員会を通じて指導する、また都道府県それ自体につきましても、さっきも申し上げたように通牒ももちろんでありますが、会議等の席で具体的にそういう示唆を与えることによってまじめに実施してもらうような努力をするということだろうと思います。御指摘の点は、将来の研究課題として理解いたすのでありまして、検討してみたいと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 行政指導で徹底したらそれはそれでいいんですよ。これは徹底しないですよ。徹底しないから、私は繰り返しこの点をやかましく言っておるわけだ。徹底しないとすればやはり法的に規制するなり何なり抜本的なその方策を考えなければならぬと思う。文部大臣は検討するということでございますから期待いたします。来年またこういう質問が蒸し返されないことを私は期待しておきたいと思うのです。  ここに長野県の給食調理員の実態が報告されておりますが、給食調理員の総数は二千四十四名。これは長野県の教育委員会に当たった数字です。二千四十四名のうち、PTA雇用及び類似雇用の者、それが九十一名。その内訳は、飯田市のごときは十三名もPTA雇用になっておる。佐久市が二名。伊那が七名。中川村、これは村でございますが、二名。喬木村が二名。その他若干町村にありまして、長野県では九十一名もPTA雇用ということになっておるのです。こういう実情を、数字の上で都道府県から報告をさして、はたして地方交付税がこれは使われておるか使われていないか検討をして、びしびし摘発すべきなんです。きょうは自治省が見えておりませんがね。これは摘発すべきです、自治省と相談して。そのくらいなことをやった行政指導なら私どももがまんしますよ。行政指導というのは口先だけじゃありませんか。局長を集めて一ぺん注意したって、そんなことじゃ、なかなか徹底しませんよ。だから私は言っておる。  それから局長にお尋ねしますが、大分県竹田市はA型ですか、B型ですか、C型ですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 ただいま資料を持って参っておりませんので、ちょっとお答えいたしかねます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 ここに大分県竹田市の現行給料表というのが手元に来ておるのです。これを見ると、給料が三千円と三千五百円ですが、これはひどいと私は思うのですよ。竹田市は一体どれだけの地方交付税の交付金をもらっているんだ。これは各学校ごとに人間の名前まで書いております。竹田小学校、中野孝子さんが三千五百円、得丸ミチコさんが三千五百円、一人々々書いております。がまんができないのです。こういうようなことを文部省は見のがしておる。見のがしておって、学校給食が体位の向上に必要だ、栄養の改善に必要だ。それはその通りかもしれませんけれども、それだけ教育上重要な学校給食ならば、この給食調理員のこういった身分上の問題、待遇の問題についても、あるいは労務管理の問題についても、十分な配慮をしなければ、私は効果が期して得られないと思う。重ねて文部大臣の所見を承っておきます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 御指摘の御趣旨はよくわかります。努力します。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 それから第三点は健康管理の問題ですが、局長の方で、給食調理員の健康管理の問題についてはどのような行政指導をやってこられましたか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 給食調理員の健康管理の問題で、特に私ども平素講習会等あらゆる機会を利用いたしまして指導いたしております点は、給食調理員が伝染病の保菌者であったり、あるいは寄生虫病にかかっておるというようなことによって子供が伝染してはならない、これはもう基本の問題と思いますが、その点について特に注意し、私どもといたしましては通牒も出し、また平素ただいま申しましたような指導もいたしております。なお、従事員の清潔の点につきまして、白衣を着るとか、あるいは頭からよごれたものが落ちないようにずきんをかぶせるとか、そういうようなことまでこまごまと指導をいたしておるのであります。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 それは子供の大事な食物を扱う方々ですから必要なことですね。同時に考えなければならぬことは、あの給食調理場の職場の中の温度、湿度というものがどうなっておるかということです。その点から考えつくことは、一体あの調理室の構造についても指導しておるかどうかということです。私はここにデータを持ってきましたが、昭和三十三年の七月に労働科学研究所が川崎市立の各学校について調査をしたデータがここにあるわけです。それを見ますと、外が摂氏二十九度、湿度六三%という日に、学校の給食室では、てんぷらの油の煮沸熱でかまから離れた地点で摂氏三十九度、湿度八五%なんです。これは労働科学研究所が詳しいデータを出しております。午前十時、十一時、午後四時の三段階に分けて、煮もの、いりものをした場合には温度が幾らで湿度が幾らだ、それからあげものをした場合には温度が幾らで湿度が幾らだというのが出ておりますが、一番ひどいのが午前十一時の場合もあれば、午後四時の場合もあります。いずれにしても摂氏三十九度で湿度が八五%なんというのはもう不快指数もはなはだしい。そこでこの従事員の方は八時間働いておる。これはもう大へんな激労ですね。それで給料を一月三千五百円しかやらない。それは一銭でもほしいから勤めておるといえばそれまでですけれども、児童の大事な給食を扱う従事員ですから、これは学校教育法の教育関係職員です。そして健康保険ももらっていないのがたくさんある。こういう点で私はこの健康管理の問題というのは単に寄生虫やそれから頭に手ぬぐいをかぶせるといった指導だけじゃない。従事員の健康をどのように管理するかといった指導の面についても私は配慮してもらわなければならぬと思います。あなたはどう思いますか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 そういう学校給食の運営の問題にも関係があると思うのでございますが、そういう点につきましては私ども学校給食の指導の手引きをただいま作成中でございますが、これは去年の栄養改善からかかっておる仕事でございまして、まだ配付いたしますところまでいっておりませんが、そういうこともやる。  それから、ただいまのお話の湿度のことでございますが、大体日本の調理室というのは、御承知の通り、下を水を流してきれいにするという方式をとっているのでございますが、これがよくなくて、ヨーロッパ等におきましては下を水で全然ぬらさないようにするということが調理室の一つの方針だというふうに聞いておりますが、そういうように湿度が多くなるというのは水を流し過ぎるという点もあるのじゃないかと思うのでございます。そういう点についての指導は、先日私は実際にもそういう点の指導をやってみたのでございますが、日本の集団給食の調理室の施設設備、いわゆる水を流すというような運営の面につきましてもまだ足りない点がございますから、私どももそういう点については専門家等の意見をただいまも聞いておるわけでございますが、ますます指導をいたして健康上悪いというようなことにならないように努力いたしたいと思っております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 調理室の構造については、これはひな型を示すなり何なりして、たとえば換気孔をうんとつくるとか、あるいは今あなたが言った水はけの問題、そういったようなことでほんとうに指導しておりますか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 施設設備のひな型もつくっておりまして、指導はいたしております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 これは十分指導してもらいたい。  その次にお尋ねしたいことは給食の普及率です。これは私のデータが古いので、ごく新しいデータでお答えを願いたい。小、中、高に分けて、パーセンテージでけっこうです。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 普及率につきましては、小学校は学校数におきまして五六・二%、児童数におきまして七三%、中学校につきましては、学校数におきまして一八・二%、生徒数におきまして一二・七%でございます。夜間定時制高等学校につきましては、学校数におきまして五三・一%、生徒数におきまして五四・七%でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 なかなかほど遠いですね。学校給食は教育上大事だ、こう言いながら、昭和二十九年に学校給食法の法律ができましてから今日まで、ちょっと十年たつのですけれども、なかなかほど遠い。中学校のごときはわずかに一三%。これは文部大臣は、この普及率をどのようにして一〇〇%に近からしめようと考えておりますか。あなたは学校給食は非常にいいことだ、こう自画自賛し、またこれは国民も認めておるわけですから、国民の聞きたいところですが、どうしたらこれが一〇〇%に近づくか、どういう努力をしなければならぬと文部大臣は考えておりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 ただいまのところ、希望校、希望地域につきまして、その求めに応ずるという消極的な態度と申しましょうか、そういうことで参っておるのであります。このことは半ば強制的にやるという筋合いのものではなかろうという考えに立つものと思います。私もそれが当面適当であると思います。もとより助成費等を獲得する努力もあわせ行ないながら、希望と慫慂とをあわせ行ないながら前進していくという考えに立っております。従いまして何年までに完全給食を実施するという具体的な、たとえば生徒急増対策に対して、あるいはすし詰め解消に対して五カ年計画というがごとき具体性を持ったものはございません。ですけれども、御承知の昨年の調査会の答申に基づきまして、小中学校については五年ないし十年で完全給食を完了するという心がまえではおります。さらに従来の消極的態度と申し上げました態度を積極的に切りかえるという心準備は、今事務当局の段階におきましてもやりつつあるところでございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 そういたしますと、文部大臣としては、市町村がやらなければもうそれでよろしい、これは設置者が実施すべきものだからそれでいいのだ、こういうお考えですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 まあ非常に遠慮深く申し上げたのでありますが、むろん慫慂はいたしております。完全給食へ向かって年次割を定めて地域ごとに、あるいは学校別に毎年々々これだけは必ずやるという具体性のある年次計画を持っておりませんので、以上のごとくお答えしたわけであります。もちろん調査会の答申の線に沿って完了する努力は懸命にいたさねばならぬと思っております。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 荒木さんは昭和二十九年は国会に席を占めておられましたか。昭和二十九年にこの学校給食法ができたときに、衆議院が附帯決議をあげたんです。御承知ですか。あなたの今の御答弁は、衆議院の決議を侵犯していますよ。これは大へんです。院の決議をあなたは無視したお考えを持っていらっしゃる。たしかここに同席しておる坂田さん、私も当時文教委員であった。私どもは坂田さんたちと一緒に、この学校給食法というものを審議したのです。たしか坂田さんではなかったかと思うのですが、学校給食を義務教育諸学校及び夜間の定時制高等学校の児童生徒全体に対して行なわなければならぬという附帯決議をあげたんです。だから昭和二十九年は、この給食法ができて発足間もないから、これは奨励法にするけれども、しかし可及的すみやかに全国の義務教育諸学校と夜間の定時制高校の児童生徒にはこれを普及させなければならぬというのが院の方針、院の決議だ。これは昭和二十九年の六月実施した学校給食法の附帯決議ですよ。これは怠慢じゃありませんか。あなたはこの附帯決議になぜ沿わないのです。市町村がやればそれに従うというようなことは私はどうもなまぬるいと思うのですよ。やはりもっと強力な積極的な指導と申しますか、努力が必要ではないかと思う。給食の普及していないところを見ると山村僻地でしょう。ところが保健所の身体検査なりいろいろな学者の意見によると、山村僻地の子供は遺憾なことに栄養失調が多いということになっておる。病気にかかる率が高いということになっておる。子供の病気にかかる率と給食の普及率が今日は逆比例をしておる。給食普及率の高いところは有症率は低い。有症率の高いところは給食普及率が低い。子供の教育、子供の健康管理については文部大臣が責任を持っておられるはずですね。どうも設置義務者に強制すべきではないとか、御答弁を承りますと、いまだに年次計画を持たない。少なくとも衆議院のこの附帯決議は、年次計画くらい立てて文部省は努力せいということなんです。この点文部大臣どう考えますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 決議をはっきり念頭にございませんで恐縮でしたが、しかしこの趣旨に立って文部省は努力し続けております。義務的な制度がございませんので、強制的にやらせるわけに参らない気持を申し上げたのでありますが、先刻も触れましたように、昨年、特に学校給食に関する調査会までも設けまして、御答申をいただいております。従って、五年、十年の年限を限った答申でもありますから、その線に沿うべく努力はいたしておりますが、先刻申し上げたように、年次計画を、完全給食に向かって具体的に、今申し上げるような案までは到達していませんことを率直に申し上げたのであります。お話の通り、この決議の趣旨はもちろんのこと、前向きに努力をしていくべきことは当然であると心得ます。今度のミルク給食にいたしましても、完全給食でございませんので、残念でございますが、しかし、一部給食でありましょうとも、決議の趣旨に沿った一つのケースではあろうかと思います。今後も努力をいたします。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 ちょっと補足させていただきますが、大臣のおっしゃった点につきまして、私の方といたしましては、もちろん、大臣がおっしゃいましたように義務制でございません。従って、行政指導をするということが、どうしても重点になるかと思うのでございますが、県教育委員会に対しては、普及の年次計画を立てるように非常に慫慂をしておりまして、たとえば鹿児島県等におきましては、相当しっかりと年次計画を立てておやりになっております。なお、施設設備につきましては、ただいま御指摘の通り、必要なところがおくれておって、必要性の少ないという言葉は語弊がございますが、栄養の割合いい都会地等が割合発達している、こういうようなことがございますのて、そういう僻地等に十分普及するようにいたさなければならないのでございますが、昭和三十六年度から、私どもとしては僻地のミルク給食の施設設備のために、わずかでございますが、特に予算的措置を講じまして、補助金をいたしております。また、実際のこの施設設備の補助の場合でも、できるだけ農山村を優先させるような、これは実際問題としての努力をいたしておる次第でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 文部大臣にお尋ねしますが、一体給食実施の責任者はだれですか。国ですか、都道府県ですか、市町村ですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 制度上のことを申し上げれば、市町村でございます。しかし、実質的には市町村及び国、都道府県といえども、これに協力をしながら、実施を推進するという問題と心得ます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 ミルクは、市町村が受け入れようと入れまいと、国がやるのでしょう。いかがですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 ミルクの配給は、従来通りの考え方でございますので、国としては、予算的措置は全国全部やれるような措置をしたわけでございますが、どうしてもいやだという問題になるわけでございますが、そういうことのないように、もうすでに四月から、できるだけ実施できますように、各府県並びに市町村に対しての指導をやっておる状態でございます。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 国がやるというのに、いやだと言う市町村がありますか。君の町の子供にミルクを飲ませてやろうというのに、いやけっこうです、そんな市町村が日本のどこにありますか。国が給食をやれば、体位の向上にも役立つし、栄養も十分補給できる。教育上も、これが効果があるのは明らかだ。みんな市町村はやりたいのだ。そうでしょう。だから問題は、文部大臣なり国の取り組みの問題ですよ。衆議院の附帯決議を生かすところの問題は、取り組みの問題ですよ。あなた方は、大蔵大臣から予算が取れぬものだから、そういうような消極的な考え方を持っていらっしゃる。私は、これはとんでもないことだと思うのです。こういういいことは、国民がみな期待しておるのです。国民の体位が向上するということは、けっこうなことです。足立正さんが最近答申ですか、何かを出しておりますね。学校給食について、オリンピックを機会に、国民の体位を向上しなければならぬというので、文部大臣に対する進言ですか、答申ですかを出しておるようだ。それから給食制度調査会の答申は、三十六年の八月三十一日に、文部大臣から先ほどもお話があったように、学校給食の国民に及ぼす重要性から、一日も早く完全給食にすべきである、義務法にすべきである、昭和二十九年の学校給食法は奨励法で、強制されない法律ですが、これを義務法にすべきだ、たしかこう給食制度調査会は答申をしたはずです。それからまた、衆議院が二十九年にこの法律をつくったときに、衆議院の総意で、十年たってもなおかつ奨励法、そして市町村の出方を待つといった、なまぬるいことを私どもは予想しておりませんでした。ところが、残念ながらいまだになまぬるい。そしてミルクはやるのです。これは、私は前後撞着、矛盾があると思うのです。ですから、一つすみやかに義務法にするための検討をやってもらいたい。文部大臣の御答弁では、年次計画もないというようなことは怠慢です。完全実施するための年次計画を持たぬというのは何事ですか。文部大臣、この点一体どう思いますか。その日まかせですか。いいことだから、ちょっとでも伸びたらいいわいというようなことですか。私は、少なくとも五カ年ないし三カ年といったような、年次計画を立てるべきじゃないかと思う。だから、義務法にするということになると、これはいろいろ問題があるというので、政府としても、法律を義務的なものにして、完全実施されない場合には困るというので、いろいろ考えられているのだろうとは思いますけれども、かりに今小学校は七三%だ、これが八〇%に達する。中学校の二三%が五〇%に達する、そこまで達する努力は、三年の年次計画でやる、そして八〇%と五〇%に達したそのときには、この学校給食法を義務法にして、全国の児童生徒に実施をする、こういうような考え方を持つなら、まだ話はわかるのです。文部大臣、きょうは私の言うことは決してむちゃは言っておりませんね。きょうは、あなたが共鳴されるようなことしか私は言っていないつもりです。あなたの所見を一つお尋ねします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 仰せの通り、あまり無理をおっしゃっておるとは思いません。ただ、義務法にするにつきましては、野原さん御自身言われましたように、おのずからある時期を選びませんと、法律だけできて実際がそぐわないことをおそれることは当然であります。だんだんと慫慂し、自発的な希望も受け、普及率がだんだん高まるに従って、ある時期を選んで義務制にしてがっちりやっていくべきだ、そういう問題であることは私も同感でございます。ところで、計画がないのをしかられましたが、しかられる実情であるので、やむを得ないから申し上げておるのであります。それは、将来の努力をしないではむろんございません。事務当局は、一応の具体計画を持っているようでございますけれども、予算の裏づけ等をきちんとして、財政当局とも十分に話し合いができて、さて五カ年計画、十カ年計画という意味での計画をまだ持ちませんので、そのことを率直に申し上げておるわけであります。そのことは、いいかげんに放任しようということではむろんございません。今後一そうの努力を積み重ねることによって、裏づけのある年次計画も持ちたい、さらには、いくいくは義務制にするという考えで取り組んでいきたいと思います。

野原覺日本社会党

○野原(覺)委員 これで私は質問を終わりますが、給食従事員の身分上きわめて不安定、それから待遇がきわめてよくないという問題、同時に奨励法の学校給食法というのは義務法にすべき  ではないか、今義務法にできないならば義務法にするための努力を年次計画を持ってやるべきではないか、このことを要望したのであります。来年の通常国会で同じことを私に発言させないように、文部当局に一つ格段の御努力を要請いたしまして質疑を終わります。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 午後は一時半より再開することとし、この際暫時休憩いたします。    午後零時二十一分休憩      ————◇—————    午後二時十四分開議

床次徳二自由民主党

○床次委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山委員 これは局長にお尋ねをいたしますが、学校給食の現在の実態を見てみますと、地域的に非常に差があるようであります。たとえば愛知県であるとか長野県、香川県、京都、岡山、こういうようなところは九〇%以上の学校給食の完全給食が実施されておる。それに比べて青森県は一三・八%という、これはちょっと数字が古いかもしれませんが、そういう数字であります。そういうような財政的に富裕県といわれる府県は学校給食が実施をされる率がよくて、非常に経済的に貧困なところほど給食の普及率が悪い、こういうような地域差がまず第一にあるということ。  それから今度は都市の周辺を調べてみますと、住宅地はほとんど一〇〇%実施をされておる。ところがスラム街といわれる地帯は学校給食の普及が低いということ。これはやはり貧しさというものが背後にあると思うのですが、この地域、生活、こういうような問題を取り上げて、今後学校給食の普及を推進をしていくために、どういうような対策を講じていこうというお考えをお持ちであるのか、この点についてお答えを願いたいわけであります。これはやはり局長の答弁と大臣の答弁を求めたいのでございます。  それと中学校の学校給食の普及率は、先ほど一二・七%だ、こういう数字をお話しになりましたが、これも見て見ますと、長野県は七一・二%ある。ところが東京の場合は〇・四%、それから大阪が二・一%、青森は三・一%、こういうような数字に相なっているようであります。とするならば、中学校の学校給食という問題は、小学校とは違って東京とか大阪というような大都市でこれがなされていない。一体これはどこに原因があるのかという問題は、今後学校給食の普及という問題を考えていく場合において、小学校、中学校別にそれぞれ対策を考えていかなければならないのではないか。だからこの問題を考えていく場合においては、なぜ中学校の学校給食の普及率は悪いのかということになりますと、これは現在の中学校の教育というものは、高等学校に入学をさせなければならないという、そういうような一つの予備校的な色彩に陥っている。なお、オーバーワークで働いている教職員が学校給食までは手が回らない、こういう実態をこの数字というものは表わしているのではないかと思うのですが、そういうような上から考えて、今後の学校給食の普及の方法というものをどのように計画を立ててやっていらっしゃるかを伺いたいのであります。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 普及率の問題の原因がまず第一に考えられるわけでございますが、県によって非常にアンバランスになっておるという問題これにつきましては、これは元来学校給食が戦後始まりましたときに、いわゆる都市が非常に食糧事情が悪かったために都市に集中しようとしたわけではございませんが、必然的にそういう結果になった。その一つの伝統と申しますか、週間と申しますか、そういうものによって都市の方が早く発達したということも一つの理由ではないかと思いますし、その他いろいろな原因があろうと思うのでございます。  なお、中学校と小学校のアンバランスの問題でございますが、これはやはり当初小学校に重点が置かれたために、早くから発達したということが原因ではなかろうか。なおそのほかの原因として一応考えられますことは、町村においていろいろ財源を考えながらおやりになるわけでございますが、一般的に小学校が先におりますので、それで小学校を一応考えて、それができたら中学校へ移るというような町村のお考えもあるようでございます。  また学校の内部の事情につきましてはすでにお述べになりましたような点もあると思いますが、その他考えられますことは小学校は全科担任制であります。中学校は教科担任制でございますので、何と申しますか先生の立場から申しますとやりやすいと申しますか、そういうふうな観点があるのではないかというように私ども推察をいたしておるのでございます。  そこでこれに対して全部普及するためにはそういう原因を考慮してやらなければならないのでございますが、まず第一に考えられます点は、先生の負担をなるべく軽くする。このためには人を雇えばいいとすぐ右、左一応考えられる点はもちろんございますけれども、その他の点で共同調理するというような点もあるのではないか。共同調理いたしますとまた中毒とか伝染病とか、そういうような問題に対する配慮をいたさなければならないのでございますが、しかしともかく何らかのそういう方法を講ずる。あるいは来年度やりますミルクについても、そういうような何か非常にやりにくいような町におきましては、一緒にどこかで還元乳をつくるというようなことも一つの方法ではないかというように考えまして方法を考え、さらに予算的に申しまして、現在やっておりますのは僻地が少ないわけでございますので、特に僻地の学校向けのミルク給食の施設設備の補助金を、ことしはわずか二百校でございますが、一般の補助金のほかにそういうものを一応考えておりまして、何とかうまく必要なところへよくいくような方法については指導等についても特に考えたいと思うのでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 大都会と農村地帯の地域差をどのようにして是正していくか、この問題について大臣から、どういうような方策をお持ちになっていらっしゃるか、一つ構想をお聞かせ願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 あらたまってお尋ねに応じて検討をし尽しました構想というものは今持ち合わせておりません。先ほど政府委員から申し上げましたような事柄をとらえながら、今後に対してもっと緻密な考慮のもとの方策があってしかるべきものと思います。そういう努力をいたしたいと思います。  ただ考えますことは、何としても自治体で積極的な意欲を持ってもらえませんければ、普及のテンポを早めることは実際問題としてなかなか困難かと思います。午前中の野原さんの御質問にもございましたが、財源措置は一応名目的にできておるけれども、それを活用しての実現が困難な実情にありますことは否定できないと思います。それは基本的には設置者が学校給食が単に食糧不足のときの応急的な対策でなくして、将来永遠にわたって整備され振興されていくべき課題であるという具体的認識と熱意を持ってもらうということが先決であろうかと思います。それと相呼応する文部省の努力も必ずしも十分とはいいかねると思いますけれども、基本的にはそういう考え方を文部省、都道府県、市町村、この三者が同じレベルに立って受けとめて、先ほど来御指摘のような事柄を初めとして、実体把握を十分にいたしての改善方策が必要かと思います。

村山喜一日本社会党

○村山委員 完全な学校給食が普及しない原因がどこにあるとお考えになっていらっしゃるのか。いろいろな要素があるでありましょうが、どこに原因があり、その隘路をどういうふうにして打開していくのだとお考えになっていらっしゃるわけですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 国の立場で申し上げれば、学校給食の完全な実施という課題として考えますれば、今のいわゆる一円補助の立て方そのものも、完全給食を年次計画まで定めて整備していくのだという体制にはいまだしと申し上げざるを得ない体制かと思います。そのことからしてもっと基本的に考え直すべき問題をはらんでおると思うのであります。地域的な格差は先ほど政府委員から申し上げましたことが沿革的には大勢をなしておるのではないかと私も想像するわけでございまして、そのことは先ほど申し上げましたような学校給食の何たるやについて、国会で取り上げられる角度から将来の見通しのもとの効果を十分に把握しておるとも必ずしもいい切れない。そういうことからして姿勢をただしていくという問題が基本的には残っておると私は推察するのでございます。従ってもろもろの地域差あるいは学校差ということもあり得ましょうが、それらの原因あるいは小学校、中学校の学校の種別の間の格差等の原因も、もっと突っ込んで実体を掌握しながら考えねばならない課題があるであろう、そういうふうに想像するわけでございますが、それら一連のものを十分に掌握いたしまして、総合的な企画がなされる必要があるのではないか、かように考えます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 どうも大臣の答弁はピンぼけしているのです。私はどこに最大の原因があるかということを聞いている。これは現在の学校給食法の第七条の「国の補助」に関係がある。これは予算の範囲内で経費の一部を補助することができるという建前になっている。従ってこの学校給食法に定めるところの施設設備、これに対するところの十分な手当がないからそういうようなものを父兄の負担にたよらなければならない。この設置者であるところの市町村が、それらのものを全額出すわけにはいかぬ、こういうことに相なっておりますので、実質的には四分の一程度の補助しかない。そこに父兄負担という問題が伴うので、かねて要るところの一食二十八円程度の学校給食の基準給食費というものが父兄負担になる以前の問題があるわけです。その問題を解決しない限り大都会と農村地帯の格差は是正できない。そういうような経費をもっと地方財政計画の中で見てもらうようにあなたの方では主張をされるべきだ、私はそういうふうに考えるわけです。  そこで学校給食の普及状態を見てみますと、先ほど前田局長もお話しになったように、僻地ほど学校給食の普及はおくれている。とするならば、現在三十八年度の市町村の小中学校の標準経費、単位費用の計算基礎の中でいろいろと改善の措置を講じたという話でありますが、標準規模は小学校九百人、十八学級、中学校の場合には七百五十人の十五学級、こういうことで押えて算定がしてあります。ところが僻地になればなるほど全校を合わせて五十人とかあるいは百人、小規模学校ではこのような基準で人員が割り出されて参りますると、学校給食を本格的な完全給食に持っていこうという気持は持っておっても、現実的には施設は四坪ぐらいしか与えられない、あるいは五坪程度、あるいは人件費は一人あるいは一人半、こういうような程度にしか見られない。とするならば、ほんとうに学校給食を遂行していく場合においては、僻地の実態というものが忘れられていっているのではないか。なるほど補食給食の場合には二分の一の施設費については僻地の場合には補助があります。しかしながら、完全給食に持っていくための方法というものはどのようにお考えになっているのか、具体的な計画というものがまだわれわれの前には示されていない。その僻地におけるところの給食をどうやって今後持っていくのだというお考えでありますか、これをお聞かせ願いたい。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 僻地を取り立てまして予算的な考え方といたしましては、ちょっと先ほども申し上げましたように、僻地分としての施設、設備費を特に考えてあるのでございます。一般的な普及をどうやってやっていくかという問題でございますが、一つには私は基本的な問題として、日本人の栄養が従来のわれわれの生活でよいかどうか、その辺の問題にもからむわけではないかと思うのでございます。もちろんそれに対しまして、ミルクは安くて栄養があるということを実際に知らせること、それからそれを飲むこと、ミルクを今まで学校給食をやってきましても、なかなか飲まないような子供もなきにしもあらずというようなことなんでございます。これは特に僻地方面に割合多いのでございますが、PRと申しますか、そういうようなことも一つの重要な要素ではないか、やはりやる気になってもらうということがまず第一じゃないかと思うのであります。これは実際問題として、貧乏な土地の学校に給食をやるということでございますが、これは僻地だけでなしに、やはり全体から見ますと、都市においても場所によっては相当に経費の上で困難があるためにできないというような例も聞くのでございます。かような意味から申しまして、特に僻地だけを取り立ててということの方法としては、今後とも十分研究しながらやっていったらどうかというふうに考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 じゃ重ねてお尋ねしますが、中学校のミルク給食実施のための交付税の算定基礎の中で、一人の常勤職員の経費が認められたわけですね。そういたしますと、ほとんど全部の学校にミルク給食だけは行なわれるという勘定に相なってくる。ところがこの計算の基礎としては七百五十人の中学校の十五学級の標準規模の団体において、これで給食従業員の職員の数の算定は一・五人になっていますね。そうすると、七百五十人で一・五人ですから、小規模の中学校の場合ミルク給食は始めるが、この交付税の算定基礎からいうならば、そのような小規模学校をたくさんかかえているような僻地は一校に一人もそういうようなミルク給食の常勤の職員は配属をされないということになりますが、その点はどうですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 いろいろ実態の問題になりますと非常にむずかしい問題があるかと思うのでございますが、そういう学校をたくさんかかえておるととろでミルクをやるというような場合につきましては、やはり村に一人あるいは二人というようなことになった場合には、これはパート・タイムの職員で一応やっていくということをせざるを得ないかと思うのであります。なお、この中学校の一名の交付税の算定については、今後ともますます努力しまして増加させるようにいたさなければならないと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 実際問題として私の選挙区なんかを考えてみますと、そういうような僻地をかかえておるわけですが、僻地の場合にはミルク給食を行なう。ところがその給食の従業員というものは、市町村の交付税の単位費用の計算の基礎には七百五十人について一・五人というふうに見られている。全村合わせて七百五十人くらいしか中学生はいない。ところが学校は六つくらいある。そして小学校が八つくらいある、こういうような実情のところがあるわけです。そうなりますと、施設、設備は交付税の算定基礎の中で施設費が十一万七千円ですか、設備費が四万三千八百円見られて建物ができた。中にそういうようなミルクの撹拌器くらい備えつけてやろうということになった。ところが実際は小使さんがやらなければならないし、あるいは学校の先生がやらなければならない、こういう結果が出てくるのではないかと私は思うのです。そういうような面を考えた場合に、今日普及がおくれているところは僻地ほど普及がおくれている。しかも僻地ほど学校の子供たちの体位は悪い。このようなところにやはりあなた方が地方交付税を算定していく基準単位費用算定の場合には、この標準団体の抑え方というものは、やはり従来の小学校九百人、中学校七百五十人という抑え方ではない別なものを学校給食に関しては主張をされなければならなかったのではなかろうかと思うのですが、そういうような点は自治省と交渉をされ、あるいは大蔵省と交渉をされる中ではどういうふうになさったのですか。ただ通達だけを各都道府県の教育委員会に流して、交付税の中でこれだけは、九十七億円ですか、百億近いものが措置してあるから、それがほかの選挙用のものに食われないように、道路とかあるいは橋梁とかいうようなものに食われないように、ちゃんと学校給食をやっていくだけの経費は確保しなさいという指示だけは流される。ところが現実にそれを取り扱う市町村で僻地をかかえておるととろは、にっちもさっちもいかないというのが実情だと私は思うのですが、それに対する行政指導は、今お話しになったように、パート・タイム式のやり方以外にはないのですか。一食について補助金が幾ら、一食について児童、生徒の負担金が六十一銭とか八十二銭とかなっておりますが、パート・タイムでやりますと、それだけ今度は一口おきくらいにあるいは二日おきに、一週間に二回、一週間に三回、こういうような式になってくるじゃありませんか。そうなると、僻地になればなるほど国の補助金の恩恵も少ないという結果になるでしょう。それはどうですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 私がパート・タイムという言葉を申し上げましたのは、ミルク給食の問題で申し上げたわけでございますが、朝から晩まででなくて、時間的に短いという意味で申し上げたわけでございます。もちろんじゃもうそれで完全かということになるわけでございますが、その点につきましては、ただいま申しましたように、自治省と交渉の途上におきましても、人数の点ではなかなか折り合いがつかなかったのでございますが、今後の努力の問題といたしたいと思って、現在から実態を十分に調査し、それに基づいて、来年度においては十分な資料を持って折衝をいたしたい、かように考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そうしますと、この学校給食従業員、調理員の一人当たりの交付税の中で見られる経費はどのようになっていますか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 一人当たりの積算の仕方は、本俸月に九千九百円で十二カ月分、それに暫定手当、期末手当、共済負担金等を合算いたしまして、一人について十六万八千五百二十七円という積算をいたしております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 従来、この学校給食従業員の三・五人、小学校は前からあったわけですが、この三・五人の中の〇・五人は、これを給食関係に使ってもいいしあるいは学校図書の司書補ですか、そういうようなものに使ってもいいのだ。そして三名分と〇・五人分の経費については、昨年の経費は差がありましたけれども、それがことしは三・五人、一人について十六万八千五百何がし、これで算定がしてあるわけですか。そうすると、三・五人という、この「学校給食従業員等」と書いてありましたね。給食従業員じゃなくて給食従業員等となっている。その「等」の内容は、従来の解釈と変わりませんか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 変わりません。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そうするならば、やはりこの中で市町村の自主性によって学校給食従業員だけでなくて、司書補佐員というようなものに使ってもいい経費ですね。そうなってきますと、大体ミルク給食をやることを考えた場合に、七百五十人規模の中学校の場合に、一・五人で計算してありますが、そのうちの〇・五人分の経費は図書館の司書補あたりに使われるということになると、一人で七百五十人を処理していくところの科学的な根拠というものはどこにありますか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 一人でそれだけの仕事をいたしますのは、相当苦しいのじゃないかというように思っております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 苦しいのじゃないかと思いますではなくて、これだけの仕事がある、食器を洗うのにはどれだけかかるし、どういうふうななにはやるんだというその内容のところまで今後においては指導されるわけでしょう。基準勤務量というものがなければならないはずです。そうしなければ、超過勤務手当を、設置者であるところの市町村に請求をするという権利が出てきます。だから、八時間の実働勤務の中においてそれは十分やっていけるはずだという何かそこに労働基準法上の基準壁というものが示されなければ、これはおかしなことになると思うのです。やっていけないようだったら、市町村の方で単独経費として持ちなさいという行政指導をされるわけですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 もちろん小学校においても中学校においてもそうでございますが、この学校給食という事柄につきましては、これは特に中学校においては年令的に相当大きくなって参っておりますので、学校給食が学校行事の一環として行なわれておるのでございますから、学校の授業等に支障のない限りにおいてのことでありますが、中学校の子供についてはそういうような特別の地方、特別な場合には授業に支障を来たさない範囲内においては一部お手伝いと申しますか、あるいは実習と申しますか、そういうような教育的な配慮の上に立って子供自体でミルクを配給するような仕事はいたしてもらおうというようなことで、何とかしてやっていきたいというような考え方でおります。

村山喜一日本社会党

○村山委員 何とかしてやっていくというのは、これは精神主義なんです。現実には実際の給食という繁雑な仕事が残っておるわけです。それを解決していくためには、やはり科学的に合理的に、教育的に推進ができるような状態を想定をした上で予算の積算をしていただかなければいかぬと私は思う。これは今後の問題としてぜひ解決願いたいと思うのです。  ここで、私は大臣に大きな問題ですからお尋ねをしておきたいと思うのは、日本学校給食会法の一部を改正する法律案としてこの法案をおつくりになって出された。ところが、内容的にこれを見てみると、学校給食法を改正をして提案をすべきものではないか。なぜかなれば、現在第十条によって小麦等の売り渡しの価格等については、農林大臣が定める価格によってやれるようになっておる。これは百グラムについて一円の補助金がある、そういうようなことから特別な価格指定が第十条において規定がされておる。ところが、今回の粉ミルクについては百グラム四円という国の補助があるんだとすれば、この学校給食法の中において明確に、粉ミルクというものを小学校の児童、生徒に飲ませるようにするんだ、それに対して国の方では補助をやるんだから、第六条の経費の負担のところにおいて「保護者の負担とする。」というその条項はこれを改正して、堂々と学校給食法の改正案という形でお出しになるべきだ。学校給食はわれわれとしては今後こういうふうに積極的に推進をしていくんだぞという大義名分を国民の前に明らかにしていく道は、やはり学校給食法それ自体を改正して、四十億円も予算がついたのですから、お出しになるのが当然ではないか。そうでなくて、日本学校給食会法の一部を改正するという形で法律をお出しになった理由は一体どこにあるのかということをお尋ねしたいのです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 この法案をつくります過程において、お説のようなことも内部で論議されておったことを思い出しますが、お説も一理あると私も思います。ただ今回は給食会法の改正で参りましたのは、給食会に対し立法上の措置を講ずれば足れりとする立場に立って、本法の改正によらずして給食会法の改正によったわけでございます。完全給食の方向をたどらせる意味合いにおいて、完全給食の一環としての有機性を念頭に置きながら改正するとなれば、御指摘のような態度であるべきであろうと思いますが、今申し上げたような立場に立って、給食会法の改正でこの際としては一応足りる、こういう考えでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そうしますと、大臣が今言われたように、学校給食はやはり粉ミルクでやっていくというのが本筋ではなくて、完全給食を目ざしてやっていくのだ、現在の四十億の、粉ミルクの百グラム四円の支給ということ、国の補助というものは、これは便宜的な段階的な措置なんだ、だから今後学校給食は完全給食を推進をしていく上からいったら、学校給食法を改正する場合にはするし、そういうような本則的なものではないのだから、日本学校給食会法の一部改正という線で進めた方が便宜的であり、妥当であるという考え方に立たれたわけですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 おおむね今お説の通りでございます。現に昨年の調査会の答申にもございますように、パン食だけじゃなしに、米食のこともあわせ考うべきことが示唆されているのであります。国会の論議を通じましても、そういう立場からのお説もあるぐらいでございまして、完全給食の立場に立ちます限りまだ未完成な状態にある。従って先ほど来の御質問に出ておりますように、今後義務制にでもするということを念頭に置きながら、完全給食の段階を十分に検討し、これでよしと安定した姿を確認します場合に、総合的に本法の整備をなすべき時期が当然くるものと思うものでございますが、それまでの間、いわば便宜措置、現実問題として立法論としても一応支障なかろう、こういう立場に立っておるわけであります。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、そのことはよくわかりますが、今学校給食制度調査会の答申の中で、米の使用の問題について大臣が触れられて、これは学校給食が今行なわれておりますように、牛乳の過剰生産のいわゆる調整弁的な役割を果たす、そういうような考え方は私は好ましいとは思わない。学校給食本来の任務というものは、日本人の食生活の改善をやるのだという大義名分がはっきりあったのじゃないかと思うのです。この食生活の改善という問題、食生活の構造を変えていくのだという基本的な考え方というものは、これはぐらつき始めたわけですか、そしてそういうような問題から農業構造の改善の問題にまで発展をさせていくのだという基本的なかまえというものは、学校給食の始まった当時においては、私はそのような大きな目標というものがあったと思うのですが、今大臣がおっしゃる話を聞いていますと、米の使用の問題は、これは学校給食の中に取り入れてしかるべきものである。こういうようにお考えになっていらっしゃるわけですか、この点ははっきりしておいていただきたいと思うのです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 基本線がぐらついたわけではむろんございません。ぐらついておるとすれば、当初から明確なことがすべて読み通された立場に必ずしも立ったわけでもないと私は理解するわけであります。むろん学校給食法の目ざすところは、児童生徒の体位向上という純粋な教育的な立場からすることも当然でありますが、同時に日本の農業を念頭に置きましての、主食は一体米麦中心でいくのかいかないのかという、基本的な食糧政策上の問題ともからみ合わせての、国全体から見た、政府全体から見た総合的具体的判断と見通しの上に立って学校給食が始まったというふうにも、必ずしも理解しにくい点があろうかと私は思うのであります。そういう考えも一部念頭にあってのことと私は推察いたしますが、調査会は米食のこともあわせ考える課題であるということを示唆しておりますので、それらのこともあわせ考え、総合判断の上に立って、義務制までのコースを念頭に置きながら、あらためて本法の再検討をなさるべき機会があるべきはずだ、問題といたしましては私はそういうように思うということを申し上げたのでございます。学校給食が一定のカロリーを念頭に置きながら児童生徒の体位向上をはかるという目的、その目的の基本線がぐらついた気持で申し上げておるのではむろんございません。

村山喜一日本社会党

○村山委員 この問題は、やはり米食中心の日本人の現在の体位が私は必ずしもよいとは思わない。特に米食を中心にする地帯というものは高血圧が多かったり、その他いろいろな障害が出ておるようであります。そういうようなところほど学校給食の正しい給食思想を普及していく地帯ではなかろうか。だから米の過剰生産の調整弁としての役割を学校給食に持ち込んでもらうという考え方は、やはり筋道を通して、正しいものを推進していくような腹がまえというものを持っていただかなければならぬと思っておるわけです。その点一つ要望として申し上げておきます。  次に基準給食費の問題についてであります。これは三十六年はたしか四百二十円、一食が二十四円三十二銭という単価であったようでありますが、三十七年は一体どれくらいの基準給食費になりますか。これは大体五百円くらいだと聞いておりますが、一食二十八円くらいでやった場合、最近非常に物価が上がっておる、そのためにカロリー数から計算して、必要なカロリーがとられないじゃないか。そういうようなことからしてみそ汁を水で割ったようなものを出して、単価を制限すればするほど栄養価値のないものが出されて、栄養失調の状態が出ておるというような状況でもあります。こうなりますと、やはりこれはこれだけは要るのだということで押えていかなければならないと思うのですが、必要なカロリーを保持していくための基準給食費というものは、一体今日物価上界のこの時代にあって幾らで計算をされているのか、この点はどうですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 給食費は三十七年度につきましては小学校十九円七十五銭、中学校二十五円三十四銭、三十八年度につきましては小学校二十円六十銭、中学校が二十六円二十一銭でございます。そこで物価上昇との関係でございますが、パン、ミルクにつきましては、おおむねこれは材料が主体でございますので、物価上昇と必ずしも一致をいたしておりませんのでございます。おかずの点が最も市場価格と関係が深いのでございますが、昨年は小学校十一円八十一銭、中学校十四円六十二銭でございます。来年度は、三十八年度は小学校十三円七十一銭、中学校が十六円九十七銭で、おおむね一六%程度の増を見込んでいるのでございます。従いまして物価上昇に伴うのは、これは家計調査から出したのでございますが、大体見合うのではないかと思っております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、これは給食費を持ってこられない生活保護の児童、あるいは準要保護世帯の児童、これの保護措置費、これは単価で計算をしておりますか。——その返事を聞いてからでもいいのですが、実際東京とか大阪、こういうようなところは、文部省が基準給食費というものをお示しになっても、それ以上に高いというのが実態じゃございませんか。そこのいわゆる六大都市、あるいは地域的な差がどういうふうになっているのか、それを御説明願いたい。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 ただいま私が申したのは準要保護児童の基準でございます。実態は今おっしゃった通り、東京、大阪等は非常に高く、それから地方の、特にいなかの方に参りますと、一般的に安いという現象は起きております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、たとえば東京のあたりは生活保護の単価は高いわけですが、児童の給食費についてもそれだけ単価は高く措置されておりますか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 この給食費の準要保護児童の単価でございますが、これは実質単価、そういうわけでございますので、東京では高くなり、安いところに行けば低くなる、そういうことになっております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、この基準給食費のカロリーというものは、何カロリーくらいになりますか。それで私はお尋ねをするのは、そういうふうに完全給食をやっている学校も、やはり今度の政府計画によりますと、ミルク給食を行なうことになっておりますね。それとのかね合いで、まあミルク給食だけを行なうところと、これは補食給食ですが、それと完全給食を行なうところの児童のカロリー、これは一体どういうふうになりますか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 ミルク給食だけを行なう学校は、これはもちろんカロリー量としては、もう数字的には弁当を持ってくるわけでございますので、一応別計算でございまして、一般的に完全給食をやっておりますところでは、六才から八才までが六百カロリー、九才から十一才までが七百カロリー、平均しまして六百五十カロリーというふうに考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そうしますと、大体八百カロリーぐらい昼食の場合になければ、今日非常に日本の児童先徒の体位が向上しているのですが、それの健康を保持できない、栄養失調になるということがよくいわれるわけですが、やなり六百五十カロリー平均というものが、これは基準だというふうにお考えになっていらっしゃるわけですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 ただいま私は中学校を申し落としましたのですが、中学校は八百五十カロリーでございまして、小学校の下学年は六百カロリー、上学年が七百、中学校が八百五十カロリーということでございまして、この栄養基準量につきましては、私ども基準量としてお示しがしてあるのでございまして、これをつくるにはもちろん私の方の審議会によって、答申に基づいてやっておりますし、なお厚生省とも十分御連絡の上でこの基準量を出しておるわけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そこで小中学校の栄養指導職員ということで、ことし交付税の中で十万人以上の市においては三十校に一人当たりの割合で栄養士が配属されるようになりましたね。ところが、実際問題といたしまして十万人以上の大都市の場合、三十校に一人の割合でいいわけでしょうが、十万人以下の小都市あるいは町村、こういうようなところには栄養士が配属されておりません。そこで給食担当の学校の先生が、給食材料の献立表をつくる、カロリー計算をしてやる作業で、もうてんてこ舞いをしておるという実情にあるのですが、こういうような栄養士の配属というのはもうここら辺で何らかの処置がとられなければ、中学校まで学校給食のミルク給食が行なわれるようになる、将来は完全給食の方向に進むのだといっても、それを指導する職員というものがいない。県の教育委員会あたりに一人か二人おってみたって実際問題としてはものの役にも立たない。やはり少なくとも各市町村に一名くらいの栄養士というものを配属をしてやらなければならないのではないかと思うのですが、そういうような面について、どのように今日まで財政当局との間には交渉なさったのですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 学校栄養士につきましての交付税の積算につきましては、お話の通りでございまして、私どもといたしましては自治省との交渉によりまして、もっとずっと多く要求いたしましたのでございますが、なかなか話がまとまりませんで、現在こういう結果になったのでございますが、今後この点については、ぜひ増すようにいたさなければならないと思っております。  なお、学校自体に栄養士を置くということがもちろん必要でございまして、私どももそれは地方に対しまして置くように指導いたしておりますが、現在のところではおおむね三千人程度でございまして、まだまだ足りない状況でございます。従って、この学校自体に置く栄養士についても努力をいたさなければならないと存じております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 終わりました。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 さきがた野原委員の質問の中にございましたが、私は、学校給食が実施されて十五年たちまして、なおその間にいろんな隘路があって、学校給食というものが順調に伸びない、こういうことにつきまして、文部省はかなり意欲的にこの問題と真正面に取り組んで、学校給食が重要な教育施策の柱であるという考え方で今日まで進めて参られました。その努力、熱意には敬意を表しますし、なお、このたびミルク給食をめぐって体育局で大へん御配慮になっておる。この配慮のほども私は敬意を表するものですが、しかしながらここで私たちはどうしても考えなければならぬ問題が一、二点やはりつかえてくるのです。その問題について前向きの姿勢で私たちは解決つけていきたいし、文部省の方としてもこの問題を早急に解決つけてもらいたい、このように思うのです。それはよくいわれております給食の調理婦さんの待遇の問題、いわゆる給食室の保健衛生の配慮、これは町原委員から言われました通り、これも早急に解決つけてもらわなかったら、一番下積みでやっておる人を非常に苦しい立場に置いておきながら、給食だけをどんどん進めていこうとしても問題になります。これは野原委員から出ましたから、私は触れないでおこうと思います。しかし私はこれは根本的な問題だと思うわけなんです。それから第二点の問題としましては、この前松山委員の方から出ておりましたうまくない給食をどう解決づけるかという問題です。それから設備の問題です。今度ミルク給食をやる場合に、現場を回ってみますと、今どのように設備をしていくかということについてかなり考えておるようです。それで具体的な問題を提起したいと思うのですが、それも、解決つけなければならない問題だと思います。それから四番目に、昨年度給食の問題を提起しましたときに私も指摘しておいたわけなんですが、要保護家庭の子供、それから準要保護児童につきましては、給食費の問題は一応国の方で考えておられますので、問題ありませんけれども、その次に続く、いわばボーダー・ライン層の家庭の子供が給食費を払えない、この問題をどう対処するかということを昨年度も提起したのですが、これについてこのたびも多少考えておかなければならない問題じゃないかと思います。私は以上四点につきまして具体的に一つ指摘いたしまして、文部省の考えをお聞きしたいと思います。  まず学校給食が非常に重要視されまして、児童、生徒の半数が学校給食を今受けておる重要な教育問題であるということは冒頭に申し上げました。今お聞きいたしますと、三十六年の政府の統計では、完全給食を受けておる児童が小学校で六四・二、中学校で八・九、三十七年度の説明だったと思うのですが、小学校で七二%、中学校で一二%、こうなって、かなり伸びを示しておりながら、まず学校給食の責任の所在が明らかでない。さっき大臣も答弁されておりましたけれども、「学校給食の現状とその課題」という文部省の出しておりますこの中にも指摘されておりますように、学校給食の責任の所在が明らかでない。その一つは、学校給食を実施する主体が法的に不明確である。従って学校給食法それ自体を手直しをする意図があるかどうか。これを直さなかったならば、先ほど町原委員の質問に対する文部大臣の答弁のようになると思うのです。まずここから一つお聞きしておきたい。そうせぬと、非常に学校給食の実施主体があいまいなまま今過ごされておることが、学校給食がここまで来て伸びない一つの原因になると思いますので、お尋ねするわけです。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 学校給食の主体は、学校給食法第四条にあります、義務教育諸学校については、義務教育諸学校の設置者ということで、設置者と私ども考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そうしますと、これは文部省から出たものですが、「もっと端的な例をあげると、学校給食を実施する主体がだれであるのかが法的に不明確で、運営体制が制度的に整備されていないため、年間四百億円からの給食費が学校で私会計的に処理され、」ている。こう書いてある。文部省の出したこれに、法的に不明確だということはどこをさしているのでありますか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 私実は昨年局長になりましたので、中身については一応読んではおりますが、詳しいことはわかりません。しかし学校給食の主体は学校設置者でございまして、実際に学校給食をやりますのは学校でございます。さらに今お話しになりました学校給食を実施する主体がだれであるか、法的に不明確で、また学校の先生が私的にやっているというようなことが書いてあるようでございますが、これは学校が行なうわけでございますので、そのお金の経理につきましては、これは学校がやるということになった以上、学校の仕事であって、校務であると私は考えるのでございます。ただ費用が私的な費用で、公の国の施設といいますか、市町村の費用に入るような事業と同じようにいかないというところに問題があるのではないかと思うのでございますが、これは学校給食が始まった当初から一つの問題点ではあったと思うのでございます。  しかし実際問題といたしまして、現実のわれわれの家庭の食事と同じように、費用が相当上がったり下がったり、それから物を買いますにも、市場で買う場合もあれば、個人から野菜を買う場合もあれば、いろいろ実際問題としてやりますので、家庭と同じようにむずかしい問題でございます。これを校費でもってやるということになりますと、相当な手数なり骨なり折れるというようなことで、当初私的にやって参ったのが、沿革的にそういうことが行なわれておると思うのでございます。しかしいよいよ学校がやるということになりました以上は、その仕事そのものは公の仕事としてやっていくということになるかと思います。従いまして実際問題として校費として扱い、校費として収入し、支出することになりますと、これはそう簡単に参らない実情があるのではないか。そこで毎年毎年続けて参って、学校給食は一日も休むわけに参りませんので、急速にこれを変えるということは困難がありまして、現状になっておると思うのであります。将来の問題として、私どもとしては検討はいたそうと思っている問題でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 検討をしていただきたいと思います。私は文部省がとっておられる法的に不備な点につきましては、もう少し合理的に考えて進めていきたいというこの考え方に賛成しているわけです。しかし今のように局長が言われますと、あえて私たちは言いたくなるのですが、一つ遠慮なさらぬと、学校給食というものが国の教育施策の大きな柱になってきつつあるときに、学校給食を今までのような仮小屋的な考え方の中に置いておくこと自体に問題があるので、今荒木文部大臣も、この学校給食の責任は国だと言われたと思うのです。私は国の責任をここに明確にしておかなかったならば、学校給食に便乗して、あるときは米食を言ってみたり、豚肉が余ったら豚肉を持っていくのだということを言ったりしてその考え方が消えてしまう。そうして酪農振興の立場からまた学校給食が切りかわるので、どうしても酪農振興よりも学校給食それ自体が大事だという立場に立って、酪農の方と関係づけていくというのならいいのですね。こういうことが主客転倒しているものが文部省の考え方の中にまだ消えておらぬはずです。人づくりといいながら、これは重要な人づくりですから、もっと大手を振って前に進んでいただきたいと思う。この四ページを見ますと、「これは学校給食の発足当時には、ある程度やむを得なかったのでありますが、ここまで来たならば、はっきり法制的にもけじめをつけて、設置者の責任を明確にし、設置者の手に余るものは国が助成するということで父兄負担を経減し、運営の合理化、能率化を図ることが学校給食の質的改善のためにも普及のためにも必要と思われます。」ということをはっきりいわれておるのですから、今これを明確に一つここで検討するのじゃなくて、しっかりやりますということを表明してもらいたいのです。先ほどの荒木文部大臣の考え方の中にもあったと思うのですが、そういう思想がぐらぐらしておりますと、ほかからいろいろなちゃちゃが入るので、どうぞ一つその点はお願いいたしたいと思うのです。  それから二番目に費用の問題です。ここにも書いてありますように、年間四百億の給食費が学校で私会計で支払われておる。それから給食費の徴収、設備費、調理員の給料というようなものがPTAの責任でやられておる、こういうことが何とか解決つかなかったら学校給食も前進をしないと思うのです。きょうは調理婦さんの問題が出ておりましたけれども、これをやはり総合的に考えてもらわなければ、この問題は解決つかない問題だと思うのです。ここにもそれが書いてありますからして、こういう点についてどのようにお考えになっておるか、一つ明らかにしていただきたいと思うのです。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 ここにも書いてあるわけでございまして、平素私どもの論議の種でございますので、十分努力いたしたいと思います。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 二番目の問題に入りたいと思います。うまくない給食の問題です。松山委員が先般の委員会で指摘いたしましたように、埼玉県の川越では七〇%の者が給食のパンを食べない、このように言っておられますが、私もこれは確かに問題があろうと思うのです。それはどこに原因があるかといいますと、これだけ市販のパンがおいしくなってきたときに学校給食のあのパンの粉が、栄養的には考えてあるのかもしれませんけれども、分子が荒い、そうして非常にごつごつで子供たちが市販のパンを食べつけたら食べられないのです。そこで分子を小さくするとかいうような加工の方法を考えなかったら、このパンは七〇%も残されるというようなことでは、カロリーの端々まで幾ら計算してわれわれが文句を言っておっても、現実に子供が捨ててしまったら何にもなりませんから、一つそういう配慮をしてもらわなかったらこのパンは残されます。これは先ほど野原委員が言っておりましたように、現場を見て下さい。子供はほんとうに捨てる量が多いのです。その点はどうですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 学校給食のパンがまずいというお話でございますが、まず最初に残量の点を私ども調べたところで申しますと、残量は、パンにつきましては三%、ミルクにつきましては二・五%となっておりまして、先般松山先生からのお話がございましたので、さっそく川越市中央小学校につきまして調査をいたしたのでございます。この学校で残量を調べましたところ、一年生では一四・六%、三年生では六・四%、六年生では三・一%、全体を平均いたしまして八・二%の残量がございました。従って下の方の学年ほど残量が多かったわけでございます。そこで私どもといたしまして申し上げたいと思いますことは、実はこのパンの質でございます。パンの粉の大部分は、実は輸入した小麦粉が多いのでありますが、輸入小麦粉のうちでアメリカの小麦は悪いのでありまして、カナダから来る小麦はよろしいのでございます。ところが値段はアメリカが安くてカナダは高い、そこで私どもはどの辺で一体調合したらよろしいかということについて従来とも十分研究をして参ったのでございますが、ここの学校は五〇%五〇%になっておりまして、普通よりも実は悪いのでございます。同時に安いということがいえるわけであります。なおパンを焼く加工賃でございますが、それをできるだけ安くということで、いろいろ科学的な計算をいたしますと、どうしても私どもの出したので業者がやった場合に、電気を少し強くして時間を短くするとか、そういうような技術上の問題に欠陥があったりいたしまして、またこの学校は不幸にしてちょうど粉が悪くて、パンの焼き方が悪い学校でございまして、実際問題として先ほども申し上げましたように七〇%も残ったというのは私どもにはどうも解せないのでございますが、私どもの調査の結果は八・二%残って、確かに全体の平均よりはよけい残っている学校です。それからさらに私ども指導いたしているのでありますが、実際の場合うまくいっていないような学校——この学校が不幸にしてそういう学校でございまして、それはどういうことかと申しますと、上級生と下級生でパンの大きさを幾分ずつ変えるようにしております。それからなお学校によりましては一つの大きいテーブルで給食をするのでございますが、幾つかに切ってそれを大きいさらに盛り合わせておいて、自由にとって、自分のその日の調子とその子供の平素の食事量、そういうようなものが自然に調節されて、全体としてうまくいくような指導をいたしておるのであります。この学校はそういうことでなく、上級生も下級生も同じ大きさの八十五グラムのパンでございます。従って一年生等においては残量も多かった、こういうような実情でございます。従って私どもこういう残量の出ないように指導いたしますには、やはりそういう実態に即していろいろやらなくちゃならないのでございますが、まあ事実はやっておりますけれども、それが全部完全にうまくいっていないような学校もたまにございまして、そういうような結果になった次第でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 小さい問題を取り上げておるようで恐縮なんですが、まずいパンができる原因の除去を私はお願いしたい。その言いわけを別に聞こうとは思わぬわけなんです。それは数量的には、統計的にはこうだったということではなく、統計的に出せといえば、パンを捨てるということになれば大へんですから、統計を要請されたら今のような統計が出ると思うのです。私は松山委員がオーバーに言っておられるとは思わない。なぜかといいますと、私の現場における体験でも、なるほど自分で食べてみておいしくない。あるいは子供が食べて残しておるのをまのあたり見て、そう思うのです。今おっしゃる統計でも、学校がとった統計は、食べましたか、はい食べましたというくらいのことですけれども、その実は、かん袋の中に入れて子供が持って帰る場合がある。残滓の中にほうり込んでしまう子供はまだ表へ出た子供であって、その実は突っ込んでしまう子供があるのです。そういうことと、それからこういうこともあるのです。たとえばきょうはパンの抜き打ち検査だということになりますと、焼き工合、水分というものを調整しなければならぬ。目方が減っておればそのパン会社に対しましては警告を発したり指定店を取り消すというようなことがありますから、その抜き打ち検査が事前にみな漏れるわけなんです。だからその日は皆さん行かれたらりっぱなパンが並ぶかもしれません。しかしながら平生は目方を減量しないで非常に水気の多いパンが出てきたり、焼きの悪いパンが並べられたりすることもあるのです。これも原因です。そこで公式的に表からだけ見られたのでは私は問題が残ると思う。抜本的な解決は、そんな抜き打ち的に、人が七〇%というのをもう一ぺん調べてみて、それが一〇%そこそこだったというようなそういう逃げ口上でなくて、ほんとにパン食をおいしくするためにはどうしたらいいかという問題を根本的に解決をつけていかなかったらいけないんじゃないか、私はそう思うのです。それで公式的に皆さんが求められたパンの調査あるいはパンを食べておる調査というものは必ずしも実態が出ていないと私は思います。しかしそれは川越のその学校を疑うわけではございませんから、そうばかりは言えないかもしれません。しかしその原因は今言うたところの焼き工合、それから根本的にはその粉に問題があります。市販の粉は非常にきめがこまかくなっておるのに、依然として——玄米パンを食べさせられておった時代あるいはイモの茎を入れておった時分のパン、それから伸びたところの今の学校給食、当時はおいしかったのですが、そういう当時を考えておられたのでは困る。こういうように一つ根本的な問題を検討していただきたいと思います。  それから松山委員の質問のときに、私はミルクの問題を提起いたしました。このミルクも今度は全国的に普及する一番中心課題です。このミルクもバケツに一ぱい残す組がたくさんできるのです。飲んだような格好をしておって窓から流すとか、これについては現場では非常に苦心をしております。甘味料を入れたり香料を入れたり、バターをまた逆に入れたりしていろいろ苦労しておりますけれども、この脱脂粉乳は一種のにおいがある。次官にお飲みになりましたかと、ちょっと失礼なことを言いましたが、むっとするのです。そして飲めないというようなことになるので、これも根本的にやはり研究する必要がある。そうするのでなかったら、問題だけ先へ行ってしまって、先がた野原委員の質問で、飲まないところも飲ますのかというような話もありましたが、こういう強硬な施策になってしまうわけです。その点どうですか。私は問題があると思うのです。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 ミルクをどうやって飲ますかという問題になるかと思うのでありますが、ミルクをおいしく飲ます根本的な問題は、今お話しの通り、ミルクの溶解をうまく完全にやれるかどうか、こういうことがまず第一の問題じゃないかと思います。従ってそれに対するやり方といたしましては、ミルクの攪拌機を使い、時間をどの程度やったらいいか、そういう問題が第一にあろうかと思います。それから第二の問題は、ミルクを飲む時間の問題があると思うのです。この問題につきましては、現在も検討いたしておりますが、ミルク給食だけをやる学校について、お弁当の時間に飲むか、あるいは十時なり三時なりそういう時間に飲むかというような問題が相当大きいのではないかと思います。さらにその方法としてミルクの飲む温度とか、今お話がございましたように、甘味料、香辛料を添加するかしないか、そういうような問題等もございます。これらについては現在も十分検討をしつつあり、すでに一部学校等に対しては、従来とも指導をいたしておりますが、さらに一段と検討いたしまして指導いたしたいと思います。  さらに、最後に、問題は先生にこのミルクを飲むことについての効果と申しますか、そういう点について十分指導をいたす必要があるのではないか。ある学校におきまして、先生がミルクの栄養的価値を生徒に教育をいたしましたら、ミルクの残量がたちまちに減ってしまったという実例もございますので、その辺の問題も相当考えるべきではないかと思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 最後に言われた言葉がまた何かつかえるのですが、ミルク食の必要とかいうようなことは、学校給食が始まって以来、これは脳細胞を強化するとかいうことでずいぶんと児童、生徒には強調してあるのですが、私が言えるのは、そういう問題でなくて、抜本的にこれは全国の問題になるのですから、そういったような隘路があって、子供が気持の上にも食欲的にもつかえておるのですから、脱脂粉乳のにおいとかなんとかいうものについての全国的な施策を考えなかったらたくさん残されるのです。四十億お金をかけて半分残されたら二十億捨てることになるのですから、これは大きいですから、根本的な問題として考えてもらいたい。教育的な問題としては、もうすでに取り組んで十分やっております。それから攪拌の問題あるいはミルクを溶く問題につきましては、各学校では攪拌機を買って、なお二重がまに最近はしております。一重がまは捨てたんです。相当の費用がかかっておりますが、二重がまにしたならば焼けたり焦げたりしないわけです。そういうことで、十分の設備の配慮はしておるのですけれども、根本的に問題がある。これを直していただきたい、これを研究してもらいたいということなんです。  次に施設の問題へ入りたいのですが、今度四十億をかけて全国にミルク給食を実施するということになりますが、こういう施設のないところに対しましては、今も話が出ておるように、攪拌機、それから二重がま、これをどうしても備えつけなければならないのですが、その六億円の中でどういう配慮をして、一校にどれくらいの補助ができるのか。私は今のところだったら攪拌機も買えないのではないか。大体六億円くらい使って、どれくらいを具体的に設備費として出そうとしておられるか、これを明らかにしてもらいたい。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 一校当たり設備費として八万七千六百円をお話の通り一応計上いたしておりまして、その内容は、かま、流し、作業台、ミキサー、それからはかり、ポット、食器かご、コップ等、そういうものを一応組んでおるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 一校当たりのものはわかりましたが、そうすると、全体ということになりますと、やはり地方の持ち出しがだいぶ出てくるわけですね。この点はもう示達されておるのですか。各市町村では、ミルク給食ということですでに予算を組んでおるわけです。幾らほどもらえて、市町村の独自の財源で持ち出しをしなければならないか、今計数的に設計をしておる時期なんですね。これは小さい学校も大きい学校もあるわけですね。それで五百人の学校も大体この通り、平均のことになるのですか。それは配分の実施細則というようなものをきめておられるのですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 私どもの配分の基準の案でございますが、たとえて申し上げますと、五十人の学校でございますと、二十五リットルのかま二つ、それから流し一つ、作業台一つ、それから自動ばかり一つ、ミルク攪拌機一つ、そういうふうにいたしまして、大きい方で一例を申し上げますと、九百人におきまして百三十五リットル二つのかま、それから流し等は同じ量、こういうふうにいたしておりまして、一応これでできるのではないかと思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そうしますと、それは現物支給ですか、ミキサーでも大体現場で設計しておるのが、購入予定が大体六万円くらいあるのです。そうすると、そんなにたくさん、五十人の学校でこれだけ設備ができるということはまことにありがたいのですが、現物支給するのですか。一括購入したら安くなるのですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 これは補助金でございまして、町村に補助金として出すのでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 次に昨年度も提示いたしました問題で、今度一つ政府の方から基本的な考え、対策をお聞きしたいのですが、このようにして、ミルク給食を全国的にやられ、昨年度でも給食を受けられない子供、いわゆる生活保護家庭、準要保護児童をのけて、なお給食を受けられない欠食児童が、これは昨年の統計ですが、大阪では三十二万学童のうちで、一万二千八百人、東京都では約三万人といわれておる。全国的に見ると、この欠食児童が二十万をくだらないだろう、このように推定されております。青少年の不良化の問題とか、非行青少年のことが問題になっておりますが、この二十万の児童生徒が給食が食べられないということになれば、私は青少年問題はなお複雑になってくるんじゃないか、問題の根源がここにもあると思うのです。さらにこれを全国的に今度はミルク給食をする場合に、二十万がさらにふえると思うのです。これは完全給食の場合の数ですね。A型、B型、C型のけじめはありますけれども、そういう現在の給食のやり方でも全国的に二十万が推定される給食を受けられない欠食児童の問題が出てきておるわけです。これは昨年度提示された問題ですが、今度これに対する対策も考えておいていただかなかったら、ただ四十億円のミルク給食をやることだけにとらわれて、その地ならしがされていないということになり、青少年非行の問題がさらに深刻化するというととが考えられる。それについて文部省としてはどういう対策を考えられているか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 私からお答えいたしますが、私どもの調査で申し上げますと、これは三十六年三月の調査でございますが、七十三万四千人について調べたものでございますが、そのうちで生活保護を受けておる者及び文部省の準要保護の補助を受けておる者を除きまして四千二百六十三人ございます。そこで全体の数から申しますと、〇・五八%になるわけでございます。この時代におきましては準要保護児童が四%あった時代でございます。昨年の五%から今年度七%にいたしましたので、相当数救われるものと一応考えております。物価の値上がり等の問題があって、そういう問題は一応別といたしまして、現在の数では五%から七%まで引き上げましたので、大体何とかなるのではないかと思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大体国と自治体がこのことについてもう少し考えていくということになれば、大体十億円ほどの金があれば、これは解決つくのじゃないかということが言われております。私も具体的に検討したのではありませんけれども、昨年度の有力な新聞で大阪の様子とそれから東京の様子を知ったわけなんですが、今文部省の方で調べられておる分につきましては非常に数が違っておるわけです。しかしながらこれがうそだとは思われないのですがね。大阪三十二万人のうち一万二千八百人です。八百人のところまで調査されているわけなんです。大阪の分だけでも違ってくるということになりますね。東京の三万人、それも違ってくるということになります。計数的にはお互い立場によって数字が違ってくるわけなんですね。しかしながら欠食児童があるということは事実なんです。これも具体的にやはり押えていただきたいと思うのです。私は大体新聞の社説に載ったこれが事実であれば大へんだと思うので、あえてお聞きしようと思っているわけです。二十万ということになればこれは大へんですから、さらに今度十二、三円、二十円ほどミルク給食をやる場合には児童負担が出てくるわけでしょう。そうしますと、さらにまた全国的にかわいそうな子供がふえてくる。問題を広げることになるのです。これも推定しながら対策を立ててもらいたい。現実に昨年度までの分ですと十億あればよい。大阪のある石油会社が大体年間三百万円これについてお金を出して、そしてこうした気の毒な子供に対する救済をしたそうですか、これは大へんけっこうなことです。私も現場の教師をしておりましたが、現場の教師をしておりましたときに、実際に持ってこられぬ子供をどんどんせんじ詰めて家庭訪問もやり、それから育英会からも行ってもらいましたが、どうしても払えない。これは地域にもよります。工場地帯とか、あるいは住宅街とか、いろいろそれによりますけれども、どうしても払えない、どう努力しても金が出てこない家がトータルで一校で十万円くらいありました。そうすると全国的に見ればこれまた私の体験からすれば大したことになると思うのです。従って今の統計の数字は疑うわけではありませんけれども、やはり問題が残っておると思うのです。そういう問題も解決つけながら全国的にミルク給食をやってもらうのであればけっこうです。そしてしかもミルクの質もよくし、それに対する研究もし、配慮もして、施設、父兄の負担ということも考えてミルク給食というものを、いや学校給食というものを大きな国策として、もうふらふらせぬで取り組んでもらいたいものだと思うのです。体育局長、荒木文部大臣、それから次官もおられますから、一つ強く要請をしておきたいと思います。いい機会ですから一つがんばってもらいたいと思うのです。私は激励の質問をしておるのでありますから、どうぞよろしく……。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 小林信一君。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 これは学校給食が整備の緒につくために非常に意義のある法案でございますので、この際十分審議をして、将来の充実を期するために委員会は努力をすべきだと思うのでございますが、諸般の事情がありまして、急速に法案を可決することを迫られておりますので、きわめて簡単でありますが、私の最も大事だと思う点を二、三申し上げまして政府の所信をお聞きしたいと思うわけでございます。  まず第一番に、私はパンフレットを見たのでございますが、この中にこういうことが書いてあります。「この予算の実現には当の文部省はもとより給食関係者も正直のところ意表をつかれたといってもよく、」云々と書いてあるわけですが、というのは、文部省というのは文部大臣も含めてでございますが、予期しない予算である。従って予期しない法案であるというふうなことにもなるわけですが、もしこれが事実とすれば、きわめて準備が不十分なままこの給食会法は進められるわけでありまして、非常に憂慮にたえないものでありますが、はたしてこれが真実であるかどうか。これは学校給食という本でございますが、これには以下非常に詳細にその経過が書いてございます。ごらんになっておるとすれば、これは真実のものでないとおっしゃるのか、あるいはその通りであるとおっしゃるのか、まずここからお聞きして参りたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 今お示しのパンフレットは、私は読んでおりませんが、私はたなからぼたもちみたいなものだと省内で申したことがございます。そのことは、大蔵当局との折衝がなかなか難航をきわめまして、容易に成果を上げる期待は薄くなりつつあったときでありますから、与党の政務調査会を中心に学校給食の重要さを強調されまして、バック・アップしてもらいまして、その与党、政府の折衝の段階において、今御審議を願っております内容の学校給食が急速に結論に到達したような次第であります。おそらくそういうふうなことはパンフレットに書いてあるのじゃないかと想像するわけでありますが、実情は以上の通りでございます。  ただ文部省といたしましては、多年学校給食をもっと完全給食に向かって前進させたいという希望は持ち続けておったわけであります。三十八年度予算の要求にいたしましても、相当大きな要求を掲げておりましたが、今申し上げた通りの経過を経ながら最終の段階に参りました。それが今申し上げた通りの経過を経て予算案としては結論づけられたような次第でございます。さりとて、量的には今申し上げたようなことが言えるかと思いますが、内容的には、すでに完全給食の段階におきまして、ミルク給食については相当の経験も現場では積んでおりますし、文部省自体としても経験を積んでおると申し上げてよろしいかと思います。分量的に膨大になります点について、先般来御質問にも出ておりますように、現実にそれだけのものが小、中学校全体を通じて効果的に、これだけの施策をするに値するような成果が上がるようにというお立場からの激励なり御支持なりがございましたことは、ありがたく存じております。万全を期しまして完全給食に向かっての大きなワン・ステップとなるように心がけて参りたいと思っておる次第であります。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 どういう形で出ましょうとも、よいものが出ることにつきましては私たちは異議がないわけでありますが、しかし文部省にそういう意欲がなく、そういう準備が何らなく、ほんとうに意図しないところに予算が計上されたたなぼた式のものであるとすれば、非常に心配であるわけでありますが、大臣の今おっしゃるところでは、文部省ではこういう方向に進みたいのだということで予算要求もし、いろいろ準備もしておった、しかしなかなか大蔵省との折衝が困難で見通しが困難であった中に急速に予算が可決されたというならば、私はそんなに心配しないわけでありますが、もうこんな膨大な予算を確保することは困難である、従ってそういうふうな計画も準備もしないところにそうしたとっぴな案が出されて、それがこの予算を生んだとするならば、私は文部省に今後十分な態勢を整えていただかなければ、せっかくのものが生きてこないというふうなことを心配したわけでございます。これは全然文部省等はこんなことは夢にも思っておらなかった、ところが有力な人が偉大な構想を持ち、すぐれた識見を持っておったからこういうものができてきたんだ、文部省等は今まで全然こんな予想もしなかった、そういうところに生まれたものだというふうに、まことしやかに書いてあるわけでございますが、これはもちろんここに書いてある人がこういうことを初めて言ったわけじゃない。長い間学校の教師が給食というものに携わっておる以上、その中からもこういう声は出てきておるし、また昨年この委員会にわれわれ社会党の方ではこの人の当初の構想、パンとミルクを無償で出せというような法案が事実出ておるわけなんです。しかし、そういうふうなものをすべて無視されてこういう人が一人浮かび上がって、そうして給食会法というものが出てきたのだというような印象づけをされて、私はそのことにすら一応遺憾なものを感ずるわけでありまするが、それ以上に心配するものは、そういうたなぼた式の予算あるいは構想であるとすれば、まことに情ないような気がして一応お尋ねをしたわけでございます。  そこで、今のような考えもあって私はこういうことを心配するわけでございますが、もしほんとうに政府自体においても一日も早くこういう学校給食をなさりたいという計画、構想があったとするならば、先ほど来問題になっておりますように、全国一律に同じような給食制度なり給食方法なりが講ぜられるんでなくて、やはり地方の事情によって、そこにいろいろな差別をつけた構想というものが計画されなければならぬと思うのです。未設置のところは何の理由で設置できないか、それから僻地の子供は都会地の子供と違って、食生活というものはきわめて恵まれない状況にある。この文章の中に取り上げられておるこの人間の構想というものは、「子供たちはスタートラインでは同じ環境を持たねばならない。学校給食無償はそのために実施されるべきだ。」こういう言葉が書いてあります。この人が言う言葉でなく、これはもう国民全体にひとしく言われておる言葉でございます。そういう場合に、同じスタートラインに立たせるというならば、学校給食というようなものはことさら僻地は僻地、未設置のようなところはその土地の事情に適した構想がなされていなければならない。今回はミルクでございますので、一様でも差しつかえないけれども、将来においては各地域について特別な扱いをするという構想もなされなければならぬ。また今三木委員からお話がありましたが、たといミルクを給付するにつきましても、簡単にかまでもって沸かして飲ませるというようなことでは済まないと思うのです。いろいろな設備が必要でございますが、そういうものが一切万端整ってすぐに実施できるようになるかどうかということも心配でございますが、そういう計画は十分になされておるかどうか。一応最初に申し上げましたような、この文章から受けた印象からこれは大へんだという心配のあまりお尋ねするのですが、いかがですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 まだ御審議いただいておるのでございますが、私ども一応この予算は通るものと考えまして、一月以来各地方に対しては教育委員会の教育長会議、課長会議、地方の給食会長会議、そういうような会議を次々開きまして、来年度の方針並びに実施の方針等もお話いたしまして、極力できるだけ早く実施できるようにただいま準備を進めております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 最初に申しましたよしに、地域の特性に応じて考えるというようなことは別にしておりませんか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 地域の特性と申しますと、ミルクに関しましては特別な考え方を持っておりません。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 もちろんミルクについてはそういう差別をつけることは必要ないと思うが、将来この仕事を進展させていく上で何か構想を持っておるかということを私はお聞きしたわけです。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 地域に即した方向と申しますのは、結局給食用物資を、どうして十分かつそれに適したようなものを買うかという問題になるかと思うのでございますが、農村地帯においての野菜等は、特に考えなくても学校で十分考えられると思うのでございますが、蛋白給源のないようなところ、ミルクだけでなく、なおかつ蛋白給源を入れるわけでありますが、そういうなまの魚のないような土地に対しましてはカン詰の魚肉と申しますか、魚を入れる必要があると思うのであります。こういうのを安く入れるためには日本学校給食会において共同購入をするというような方法もその一つかと思うのであります。それからその他の添加物等についても地方の非常に不便なところで自由に買うことができないような場合には、共同購入というような形式を考えて学校給食会でやろうというようなことを考えておる次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 やはり私が最初心配しましたように、予期しなかった予算を獲得したためにこんなことが実施されるのかというところから、あまり深い計画がないようにうかがえてならないわけでございますが、ここで論議しても仕方がないわけで、今学校給食の問題は、いかにしてそういう物資の供給を円滑にするかという問題でなくて、学校給食どころではなくて、欠食児童、こういうようなものがございますが、経済的なものをどういう方法でもって平等にすることができるかということも、私は今後の重大な問題になってくるのではないかと思うのです。今どれくらい小学校が実施され、中学校が実施されておるか。全国的なトータル、さらにそれを地域別に検討して、どういうところ未設置校が多いか。先ほど来お話を聞いておれば小学校の方が早くから実施したからパーセンテージが高い、中学校はおそく始めたからパーセンテージが低いのだということで、先ほど局長は答弁をされておりましたが、私はそんな簡単なものではないと思うのです。いろいろな問題を検討していかなければこの問題は解決しないと思うのです。とにかくどこの学校へ行きましても、どこの町村に参りましても、給食に対して理解を持っておることは当然のことだと思うのです。しかしその理解を持っておるものに実施させようとする場合に、何が障害になっておるか、やはり財政問題だと思うのです。それを放置しておけば、学校給食というものは依然として僻地においては、山間地においてはきわめて形式的な学校給食で終わり、ほんとうに心身の発達を期する学校給食というものは都会地だけ実施されるという形になっていくわけで、そういう点をどういうふうに考慮しておるか。幾ら蛋白質を送っても買ってくれなければ何もならない、こういうことが今後の計画の中でどういうふうに計画されていくかという点を、私はこれほどの仕事をするならば考えておいてくれそうなものだというところで聞いたわけですが、それで終わります。  それからこの学校給食が目的とするもの、これを達成していくためにはいろいろ構想があると思うのですが、まず第一の段階としては、欠食児童、学校給食をしておらないところ、こういうところに欠食児童があるわけですが、全国で何十万というふうな数も聞くわけですが、そういうものがはたしてあるのかどうか。あったとするならば、文部省としては学校給食ということ以上に、こういう問題の解消のために考えておらなければならぬことがあると思うのですが、これはどうですか。  その次の問題としては、まず同じように食べていかれる、欠食なんかないという状態に入ったら、今度はカロリーの摂取量、これを妥当なものにしていかなければならない。これなんかも、きょうこういうところでほんとうに文部省の意見を聞きたいと思うのです。学校の先生がきょうの給食は何カロリーでございますと出します。先生を信用しないわけじゃございませんが、こんなものがほんとうに正しいカロリーになっているかどうか。どこでそのカロリーが正しいかどうかということを検討するのか。一切先生におまかせしておるのですが、しかし金銭上の問題あるいは物価の値上がり等の問題があって、表示されているようなカロリーがはたして正しくとられておるかどうか。これも、今後ほんとうに学校給食をやっていこうとするならば、どこでそういうものを指導するかというふうなことが問題になってくるわけです。これらに対する計画というものは、おそらくこれだけのものが文部省自体として用意されるとするならば、なければならぬはずです。そうして今度は、今話し合いをされておるような食生活の改善という段階に進んでいくべきものであって、今簡単に食生活の改善というふうなことを口にしておりますが、それ以下の問題がまだ解決されておらないわけです。そういう段階があると思うのですが、これらに対して構想を持っておいでになりますかどうか、お尋ねいたします。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 学校給食をやっていない学校の学校給食についてどう考えるかということで第一の御質問があったように伺っておりますが、学校給食をやっていない学校の学校給食という問題は、今日私どもやっております学校給食以外でございますので、一応問題が別と思っております。むしろその問題は要保護児童というふうな問題で解決をしていく筋合いのものではないだろうかというような考え方を持っております。  それからカロリーを学校でどう表示等をしておるか。これがその日の物価等の関係において、実際その通り上手にとれるかどうか、こういう問題については疑問があるので、そういう疑問をチェックする方法というようなお尋ねだと思うのでございますが、これは私どもといたしましては、学校給食新聞を学校給食会から発行しておりますが、これは随時できます。なお私どもの文部省からの直接御通牒等もあるわけでございますが、やはり物価問題と関連してカロリーを算出していくというような問題は、これは時々刻々変わるものでございますので、そういう学校給食新聞のような、あるいはさらにいろいろな文部省から発行しております雑誌、そういうようなものでできるだけ現実の事態に即して指導をいたすようなことを考えたいと思います。  なお一般的に申しまして、そういう全体の単位というような問題になるかと思うのでございますが、そういうものと栄養との関係、そういうような関係の指導につきましては、現在学校給食が学校教育の一環として認められております。私どもの方といたしましても学校給食の手引きというようなものを出しております。今後運営の手引きとかあるいは学校給食の物の扱い方に関する手引きとか、そういうようなものを目下計画いたしておりまして、できるだけそれの普及に努めまして、各学校の先生方に十分御理解を得、その御理解によって子供に十分教育もできるように努力いたしたいと思っております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 四十億の予算がとれたからそれがもう何よりの手柄でもって、あとのことは考える必要はないというような答弁にしか受け取れません。生活保護児童、これは当然のことです。準要保護、これも扱っておるわけです。しかしボーダー・ラインの子供というものが全国でもって何十万あるということを、新聞等に盛んに書かれておるわけです。こういう問題をどういうふうに考えるかということは、これはあるいは局長の責任じゃないかもしれませんが、この給食法に書いてある第一条等にのっとってこういう問題を考えるとすれば、やはりそういう根本的な問題を考えなければ私はうそだと思う。「児童及び生徒の心身の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活の改善に寄与する」こういう大眼目を持ったところに出発する給食会法であるとするならば、単に食える子供の食生活を改善するというようなことでなくて、それから要保護児童あるいは準要保護児童というようなものは、それなりの法律の適用でもって救われておるというふうな簡単な問題でなく、もっと現実の問題を見て、弁当を持ってくる子供たちが教室でもって喜々として昼食の時間を楽しんでおる、ところが自分は弁当を持ってこれない、だから運動場のすみでもってぶらぶらしているというような子供たちがたくさんいるはずなんです。こういうものをどうするか、こういう問題を、せめてこの仕事を扱う立場であるならば調査し、これらに対しましても将来どうしたらいいかということを考えておるかということを聞いたわけなんです。——いいですよ。答えなくてもいいですよ。だからこの法律というものはほんとうにたなぼただと私は言いたいわけです。  それからカロリーの摂取量とか、ほんとうに食生活の改善とかいうことで現在行なわれておる学校給食の充実をはかっていくためには、何か新聞を出しておるとか、パンフレットを出していくとかいうようなことで事が済むというならば、これもまたほんとうにお役所仕事です。何ら生徒児童の心身の発達を期するというような忠実なものから出ておるのじゃないと思う。私の質問の仕方も悪かったかもしれませんが、私はそういう短い時間を要求されておりますので、申し上げたいのですが、もっと何ならゆっくり一つ一つ残らず申し上げて参りたいと思います。  「アメリカのケネディ大統領は、今年二月就任にあたっての経済演説のなかで、国力の充実向上のために教育への“投資”がいかに重要であるかを指摘し「私は、また学童の家庭や、学校の地域の経済状態に関係なく、」」——いいですか。ここですよ、私が一番先に聞いたのは。何もケネディから教わったわけではない。そういうことがもう痛切に感ぜられておる、現場の先生や父兄には。「すべての学童にたいして有益な最上の栄養を与えるため学校給食を改善し、進展させるよう勧告することを農務長官に要求した。」就任当初こういうことを要求した。世界各国が、子供のただ知識を充実するだけでなく、こういう身体方面のことについて研究していることは、これは私が申し上げるまでもないわけなんです。四十億もらったといってうれしがって、そうしてその金をどう使うかということだけでもって考えておるようでは、その四十億も、これはむだ金になるわけだ。従って、学校で給食を行なう場合に、私は、それをよりよく充実させるためにはどうするか、ただ単にカロリーの問題だけを申し上げたんですが、少なくとも学校給食の機構というふうなものを、運営機構というようなものを文部省でもって考えておるかどうかということを実は聞きたかったわけなんです。諸外国の例を見ても、少なくとも学校給食に対する指導主事くらいみな持っている。こういうものを持っていないから、日本の給食というものはあるところまで行ってとまっちゃってそれ以上発展しない、発展しないのは理解がないからじゃない。理解は十分持っているけれども、経済的な事情等でもってこれが壁になっておるわけなんです。その壁をぶち破っていくためには、もう一歩父兄の方たちが——今のような国がただ文書をつくって、そして施設者の責任でもって施設をつくらして、給食の金はみんな父兄の負担にさせておくというような無責任な形でもって学校給食を進めているから、なかなかその壁が破れないのです。それをもう一歩破るためには、きょうのような制度の中で破っていくためには、学校給食の指導主事くらい置いて、そうしてそういう学校なりあるいは社会教育の中でもってその必要を勧め、実施したところはこういうふうに子供たちが身長が伸びております。体重がふえております。こういうふうにすれば、この法案の中にも、学校教育法の中にもありますように、社会性を明るくする、明るい社交性を養うことができる。——脱脂ミルクくらいくれたんでは明るい社会性なんか伸びませんよ。私はそういう点を考えておるかどうかということを聞いたわけですが、何かこういう点で構想がそれならばあるというならばおっしゃっていただきたい。今のようなパンフレットを配ります、新聞も出します、そんなことでもっていろいろな事情で窮屈な学校給食をやっている現状というものは決して発展しませんよ。何かあったらお聞かせ願いたいと思う。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 現在学校給食主事を置くということについては考えておりません。現在最も緊急の問題は、栄養士によっての学校給食指導という問題が緊急なる問題であろうかと思います。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 やはり四十億は自力でもってもらった予算じゃないんだ。四十億くらい出すのが当然だという態度が文部省にあれば——まず最初栄養士から出発して、順次これから学校給食の指導主事をつくるのだというような、そういうしみったれた考えになってしまう。栄養士もつくったり、それから学校給食の指導主事もつくったり……。栄養士だけにまかせておったのではだめですよ。(「だんだん、いくさ」と呼ぶ者あり)だんだんいくさというのは、これはますます文部省を消極的にしてしまって、何か一人特別な人間が出なければ、学校給食というものは進展しないことになってしまう。栄養管理の面、こういうふうな面についてもたくさん問題があると思うのです。こういうふうなことについて私は何もここでもってやれとは言わない。構想があるか聞いておる。四十億の金を使うというなら、これは大きな画期的な仕事なんです。だから、これだけのものをもらえるならば、これだけのものを使うならば、将来にこういうふうに発展していく、進展していく計画があるのだというものが私はあるかどうか聞いたわけなんです。決して今やれとか何とかいうのじゃない。やることは逐次やる。これを言っているわけですよ。大臣、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、少なくとも義務教育小、中学校に対する全面的な完全給食へ向かって着々とその実現に努力を積み重ねていきたいと思っております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 そういうことについて、今のような具体的の問題について、この法案を提出する場合に省内でもって御検討なさったことを聞いたことがあるか、聞いたとすれば、こういうふうな具体的な問題でもって進んでいくとか、そういう点を大臣がお答え願えるならば聞きたいわけですが、今のような抽象的なもので、だんだん順次なんという言葉では私は承知できないわけですけれども、まあ、なければ仕方がないですが……。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 午前中の御質問に対してお答えを申し上げたわけでございますが、本来年次計画が、昨年の調査会の答申に沿って具体性を持ったものがあるべきはずであります。ですけれども、国会でお答え申し上げるような具体的な予算措置等の裏づけのある年次計画等がまだございませんから、そのことを野原さんにも率直に申し上げたわけであります。事務当局で一応検討しつつある案はあると承知しておりますが、御披露申し上げる段階ではないと理解いたしております。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 ちっとも明瞭じゃない。やはり私が最初申し上げましたようにどうも綿密な計画を持ってこの仕事に臨んでおらない。実は、こんなことは、言ったからといって別に損をするわけでもあげ足をとられるわけでもないのですよ。かえって国民にこういう構想でございますということを言うことの方が忠実であって、決してそこに疑念を差しはさむ必要はないわけです。もしそんな気持で大臣初め当局がおるとするならば、まことに文部省というところはけしからぬところだということになるわけです。別に私は学校給食に対して非難をしているわけではない。子供たちが望むところ、父兄が希望するところを率直に申し上げて、そして一日も早く今回のような大英断的な措置が次回にもとられることを期待しているわけです。従って、こういう構想でございます。こういう具体的な段階を経て参りたい、こういうことが言われるならば、こんなうれしいことはないわけです。しかし、ないというならばないでよろしいし、言えないというなら言えないでよろしゅうございますが、まあ私の質問しようとするところはそこなのです。四十億という金をもらった、ところが世にいわれるように、これがほんとうに自分たちの予期しない金だったというふうなことで計画がまことにずさんで、今後に対するところの構想というものもないというようなことでは遺憾だ。この際十分な準備と構想を描いて、そしてこの進展をはかってもらいたいというのが私の第一の念願なんです。それが残念にも、今のような局長の御答弁もほんとうにこれは遺憾でございますが、まことにずさんなものである。大臣の御答弁も、きわめて抽象的な言葉から考えれば、一段と御勉強願いたい、こう思うわけです。  その次の問題としては、私はかつてこの学校給食会法の審議に入る前に、ここでこの学校給食会法をこの法案のように直すならば、その基本法である、親法である学校給食法を直すべきだ、つまり給食は父兄の負担とするという条項を、父兄の負担とするでもいい、それにやっぱり国が補助する、こういう建前をつくらなければ、法律そのものが体裁をなさないじゃないかという質問をしましたときに、局長はその必要はない、確かに法律作成の点では差しつかえないようです。しかし大臣は時期尚早だとおっしゃる。時間がないから私はそのときに聞き流しておったのですが、時期尚早ということは私理解がいかないわけなんです。それから局長の答弁もその必要ないという答弁ですが、つくってもいい、学校給食法の方で国が給食そのものにも援助をするということを書いても差しつかえないと思うのですが、この二つの面から御両所の意向をお聞きしたいと思うのです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 これはどなたでしたか、野原さんの御質問にお答えしたように思いましたが、午前中お答え申しました通り、給食法本法を改正すべき課題があることは御指摘の通りでございます。これは根本的に義務制と申しますか、全面的に完全給食を実施するという具体的な目的を掲げて、それにふさわしい諸般の立法措置が改正案として講ぜらるべき課題だと思うわけでございます。今度のミルク給食は完全給食に一歩近づく課題であることは当然でございますが、御指摘のように本法を改正せんとならば、今申し上げましたような角度からほかにもいろいろ検討さるべき課題があって、それと総合されまして、初めて今度の問題もそれに包括された姿で立法措置が講ぜらるべきものと私は理解するものでございまして、その意味で時期尚早と申し上げたのでございます。さしあたりミルク食給を実施するにつきましては、むしろ食給会法の手直しが当面の措置として便宜的である。便宜的であるということは、御指摘のような立場からの本法の改正を必要としないというのじゃむろんございません。他のもろもろの要素とあわせまして、本法の改正らしき姿にする時期にあわせ考えて、本法の改正に手を染むべきであろう、こういう理解のもとに時期尚早と申し上げているわけでございます。本来の筋から申せば、御指摘の方向で改正さるべき内容の一部ではむろんございますけれども、それはいずれか時期を見てあわせ考えての改正措置がしかるべきじゃなかろうか、こう思いましたから、お答え申し上げました。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 私はそんな下手な答弁をしてごまかす必要はないと思うのです。もっと率直に、何かあるならあるとおっしゃった方がいいと思うのです。もうそれは施設に対してこう、それから給食そのものは父兄の負担、施設に対して一部国が補助する、経費の一部を補助すると書いてあるのですから、その条項の中に、給食そのものにも国が補助することができるというふうなことを加えて整理した方がいいと私は思う。そうして完全給食が全部に実施される段階に入ったら、やはりこの法律そのものはいろいろなところに問題があります。もちろん整備する必要があると思うのですが、四十億円の金を支出するならば、当然私は本法にその条項を加えていく必要があると思うのです。私が心配するところは、このミルク給食に文部省は自信がしっかりないのじゃないか、ことによるとこれは中途でもってまた放棄しなければならぬようなことも予想されるというふうな自信のないところから本法の改正がないのじゃないか、あるいはもっと極端に批判すれば、地方選挙を前にして学校給食をこのようにしましたというふうな宣伝をするために一時これはつくる法律であるというようなことだったら大へんだから私は申し上げたのですが、それほどでもないと思うのです。とにかく文部大臣の御意見も十分私は納得できませんが、これでおきます。  最後に、きょうこういう資料を配られましたが、その資料の一番最後の不適品の処分による差額金の問題ですが、「その全額を計画的に児童生徒の脱脂粉乳購入費に充てこるととしている。」つまり不適格品を処分して多少もうかる、そのもうかった金は自後児童生徒の脱脂粉乳購入費に充てる、ここもちょっと説明を聞かなければわかりませんので、お伺いしたいと思うのです。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 ここに書いてあります言葉の意味でございますが、脱脂粉乳購入費、輸入のための費用に充てるということでございますので、結局児童が出す費用の一部分がこれによってまかなわれる、従って児童の出す費用は少なくなる、こういう意味でございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 私は最初こういうふうにこれを読んだわけです。差額金というもうかった金はどういうふうに処理するか、もし次の年の脱脂ミルク購入費にこれが充てられるとするならば、次の年の購入費はちゃんと予算でもって不足ないように計上されるはずなんです。その購入費に充てるというだけではその処分方法がまことに妥当でないと思うのです。やはりそれだけ残っていくわけなんです。その残っていくものは次年度へ繰り越すとかあるいは次年度の購入費に充てるとかということでは私は納得ができないのです。今局長の御答弁ではその分だけは安くする。こういうふうに確答なされたわけですが、それは事実ですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 その分だけ安くなるということで間違いございません。ただしその不良品を配るのは農林省ですべて指示をいたしておりますので、その指示に従いますから、その年のたとえば二月ごろに入ってきて、すぐ配給したもので不良品が出た場合には、すぐどうすることもできませんので、それは次年度の分で安くする、そういうことになるわけであります。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 そうすると一人当たりの補助金というものが多くなる、一円何銭かがよけいになる、こういうことがあるわけですね。不適格品がこの程度のものが統計上出てくるとするならば、毎年々々政府の補助金が多くなっていく、こういうふうに解釈していいわけですか。

前田充明文部事務官(体育局長)

○前田(充)政府委員 補助金ではございませんけれども、要するに、こちらで学校給食会の出す方の経費がそれだけ多くなって、子供の方が減る、そういう勘定でございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 大体わかりました。とにかくこれは、ただこの言葉だけを取り上げたのじゃなくて、今までも学校給食会とすれば、私たちは全くびっくりしたわけですが、三十何億すでに使っておったわけです。今回四十億を使うとすれば、今の給食会としてはそんなに驚いたことはないと思うんです。ただ、今までは一般から金を集め、物品も購入をしたのですから、そう大したことはないと思うんですが、とにかく今度は国の金ということになるわけですね。そして今のような不適格品の問題もあるわけだし、あるいはいろいろ物価の値上がり、値下げというふうなものもあると思うんです。こういう給食の問題には今までもいろいろ問題も起きているわけです。だから経理面ではなかなか困難なものがあると思うんですが、それがいろいろ疑惑を持たれたり、あるいは誤解を持たれるようなことになりますと、子供のことでございますので、まことに問題が大きくなると思うし、それがかえって学校給食の発展のために支障になるようなこともございますので、こういう点はできるだけ明確に知らしていただき、また文部省としてもその点は責任を持って指導に当たっていかなければならぬと思うわけであります。  いろいろお聞きしたいことがたくさんございますが、何にしても給食という問題はほんとうに一般の人たちの希望するところでございまして、指導の責任に当たる文部省が相当な計画、構想をもって当たっていただかなければならないという点を御注文申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 他に質疑もないようでありますので、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————

床次徳二自由民主党

○床次委員長 引き続き討論に入るのでありますが、別段討論の通告もありませんので、直ちに採決いたします。  本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————

床次徳二自由民主党

○床次委員長 この際、小林信一君より自由民主党及び日本社会党共同提案による日本学校給食会法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者よりその趣旨説明を求めます。小林信一君。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 私は、自由民主党、日本社会党を代表いたしまして、ただいま可決されました日本学校給食会法の一部を改正する法律案に対しまして、附帯決議を付すべしとの動議を提出するものでございます。  決議文を朗読します。    日本学校給食会法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、完全給食を全面的に推進するとともに、国内産の牛乳、乳製品の利用を計画的に進めるよう万全の対策を講ずべきである。 右決議する。  この問題は、この法案の審議にあたりまして、終始論議され、熱心な討議のかわされたところでございまして、政府も学校給食につきましては非常な努力をしておりますが、もっと計画を密にし、指導性を発揮いたしまして、完全給食が全面的に実施されるように努力をしなければならぬということは、委員会を通して痛感されたことでございます。ことに、これから一千九百万という生徒、児童に給食をするということになりますと、これは非常に大きな消費地が生まれるわけでございます。この大消費地に潤沢に供給するよう計画するということは、これは非常に大事なことでございまして、単に文部省だけでなく、政府をあげて、この点は十分な計画をいたしまして、できるだけ国産品をもってこれに充てるような方法を購ずべきだと思うわけでございます。ことに政府の施策の一面には酪農振興というようなものが強調されておるわけでございまして、これと並行して、学童に脱脂粉乳でなく、なま牛乳を飲むことができるように配慮するよう委員会全体の要望が強くなされておりましたので、ぜひともこのように政府も御考慮されたい、これが本決議案を提出する趣旨でございます。どうか皆さんの御賛同を得たいと思います。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  これより採決いたします。小林信一君の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 起立総員。よって、日本学校給食会法の一部を改正する法律案に附帯決議を付することに決しました。  政府より発言があれば、この際これを許します。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 ただいまの御決議の趣旨につきましては、政府全体の問題として、関係各省協力の上、対策の樹立に努力したいと存じます。     —————————————

床次徳二自由民主党

○床次委員長 ただいまの議決に伴う委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十八分散会      ————◇—————

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