P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
43回国会衆議院1963/03/15

文教委員会 第11号

発言数
130
登壇者
12
会派数
3
開催日
1963/03/15

会議録

床次徳二自由民主党

○床次委員長 これより会議を開きます。  この際、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。  理事各位と協議の結果、小委員九名よりなる私立学校に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、先例によりまして委員長より指名いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、小委員並びに小委員長は追って公報をもってお知らせすることにいたします。  次に、委員の異動等に伴う小委員の補欠選任並びに参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、その期日、人選その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

床次徳二自由民主党

○床次委員長 学校教育に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 都道府県の基準財政需要額の決定にあたりまして、義務教育諸学校の教職員の定数の算定は実学級でやるのだ、二月二十日の予算委員会第二分科会で山口分科員の質問に対しまして、福田初中局長はこのように明言されたのであります。しかし、一日おきまして二月二十二日の予算委員会第四分科会で、同じく山口分科員の自治大臣及び政府委員に対するところの再度の質問に対しましては、自治省の見解と大きく食い違ったわけであります。そこで山口委員の方から質問を続けまして、自治省の奥野局長にその食い違いをただしましたところ、地方交付税法の改正につきましては、十分文部省と連絡しておる、たまたま答弁された方が地方交付税法の改正について十分の御理解がなかったのではないか、従来は実学級によってこれを算定したが、今は理論学級によってやるのだ、このような答弁であったわけであります。山口委員の方では、福田初中局長の出席を求めましてこのことをただしておるわけであります。そうしますと、局長の方からは、勘違いをしておった、実学級でなくて、標準法によって理論学級でこれを算定するのだ、このように訂正をされております。私は今さらこうした間違いを追及しようとは思わないわけでありまして、この違いからくる影響という問題について文部省当局のお考えをただしたい、このように思うわけであります。なぜ自治省がこのような改正案を提起しておるのに、文部省はこれに対して拒否されるとか反対をされなかったかということに一つ問題があると思います。第二は、実学級数でやるのと理論学級でやるのとどのような影響があるとお考えになっておるか。最初にこの二点をお聞きいたしたいと思います。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 まずお答えを申し上げます前に、その経過を少し申し上げないと、御理解願えないと思いますので申し上げますが、私、第二分科会のときに申し上げました趣旨は、従来、三十七年度の算定方法におきましても、基準財政需要額の算定方式は、毎年五月一日現在の実学級数を押えまして、それを基礎にしてやるという方式をとっておりましたことは御承知の通りであります。ただし、国が標準としてきめました一学級の児童生徒数を下回る基準で定めております場合におきましては、たとえば五十人のものを五十人以下、あるいは政令の五十五人を五十五人以下というように、そういうような下回る基準においてこれをきめておりました場合には、従来密度補正ということをやりまして、補正減を加えておるわけであります。そういうことによりまして、密度補正をいたしまして、理論的に算出した学級数が基礎になるわけでございます。そういうことによって、従来標準法に基づく交付税の算定方法をとっておったわけでございます。その点につきまして、私どもも、従来一般的に五月一日現在の実学級数を基礎にして算定しておりましたことを、適当なやり方だと考えております。三十八年度におきましても、そういうことを期待いたしまして、そのようになっていくものと私は多少誤認をいたしまして、申し上げたわけでございます。従ってその次の山口委員の御質問につきまして、誤認は誤認として訂正いたしたのでございますが、三十八年度においては、この密度補正をやらないかわりに、標準法にきめました学級編制基準の通りに、すべて標準法通りに、理論学級で計算をいたしまして教職員数を算出する、こういうような方式に改めております。従いまして、三十八年度に算定の方式をかえましたいきさつにつきまして、私はよくその当時承知をいたしておりませんでしたので、さようなことを申し上げたのですが、あとで聞いてみますと、日教組の諸君が自治省に再々陳情に行って、密度補正はやめてもらいたいというような陳情があったそうでありまして、自治省の方でも、今回三十八年度おいては五十四人、五十二人を五十人という従来の計画通りに標準法を訂正するわけでありますから、この機会に密度補正はやめるかわりに、それでは標準法通りに理論学級で今後交付税は計算するがよろしいというようなことであったそうでありまして、それを再々の話し合いの際に、そういうようにかえたというようにあとで聞いたわけであります。従ってその間の事情は、御質問になりました山口委員は、百も御承知のわけであったわけであります。従いまして、山口委員にも、そういういきさつは私は存じませんでしたけれども、あとでそういう事実を聞いたことを申し上げたわけでございます。経過はその通りでございます。  従って、今お尋ねの点にお答えいたしますと、それではどういう影響があるかということでございますが、これは一がいに私は言えないのではないかというように思うわけでございます。今度五十人に一クラスを編制するということから、理論学級を計算いたしましても、まだ府県間には多少の出入りはあると思います。若干交付税の減るところもございましょうし、またそのために有利なところも出てくるかもしれないと思っているわけであります。従って財政計画全般として、どっちが有利か不利かということを今直ちに申し上げるわけには参りませんが、今後小中学校の生徒数が確定いたしまして、そして実際の学級数が計算されて参りますとこれは具体的に出て参ります。現在のところで、その影響がどうだとお尋ねをいただきますと、私どもまだ詳細はわかりませんので、今後の各府県の実情というものをよく見てみたいと思うのでございます。ただ申し上げておきたいと思いますのは、全部が不利になるということじゃなくて、有利になる県もございましょうし、あるいはまたそのために若干交付税等の財源措置が従来より減るというところもあり得るかと思います。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そういうことで話がぼやかされるということになると、非常に不本意なんですが、この間の二月二十日の分科会におきまして論議されたのは、実学級でやる場合にはかなり有利である。山口分科長の質問の要点は、各府県に首切りが多く出ないかという心配でこの問題を提起したわけです。従って実学級数でやる場合には理論学級でやるよりも、実際に各府県においては、教職員の定数は多くはじき出される、こういう観点で終始論議しておったと思うのです。そのときに初中局長は、絶対に実学級でやるんだ、従って各府県において心配しておる理論学級でやるということになれば、人数が減ってくる、これは避けられる、このように言われておったわけです。従って今の御答弁は、出ず入らずで差し引きないかもしれない、これはやってみなければわからないということで、そのような言葉があるかもしれませんけれども、しかし現実はそういう予想のもとに論議がなされて、それを局長は二十日には保証されたわけです。しかしながら二十二日には、これは勘違いだったということで、分科会では山口委員としては非常に大騒ぎしたわけです。そこでこれでは困るじゃないか、現実にその面からくるところの首切りがやってくるじゃないかということを申し上げたわけでありまして、全般的に見ましたときには、実学級でやる方が非常に有利になるわけです。このことはお認めになりますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 もちろん実学級で計算した方がベターだと私は現在でも思っております。しかしながら実学級で計算するか、理論学級で計算するかということは、これは従来のように五十人以上の学級編制が相当ある場合におきましては違ってくると思いますけれども、今度は五十人で全部学級編制するという前提のもとにやっておる限りにおいては、これは個々のケースは検討しなければなりませんけれども、どのくらいの違いが出てくるかということは、私どもまだ見当がつかないわけであります。従いまして山口委員の御質問に対しましても、特に理論学級で計算しようと、実学級で計算しようと、現実の問題として首切りが起きないということは、私確信しておりますということを申し上げたわけであります。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 首切りの問題は、あなたが分科会で言われておるように、あるいは別個の観点から論議しなければならないと思います。ここは、いわゆる市町村におけるところの、基準財政需要額の算定の基礎としての計数の上でどう出てくるかということについて考えていきたいと思うので、この問題は別の機会にあとで申し上げたいのです。  そこで、あなたがそういうように非常に軽く見られておったというか、誤認せられておったというか、勘違いであったというか、その点はいずれでもけっこうです。そういうように考えておられたくらいですから、自治省がこのたびの法改正を考えておったということについては、文部省は何らこれに関知せずして、あるいは異議申し立ても別にされなかった、こういうように考えていいわけですか。あるいは何か相談があって、これについていろいろ御検討になって、文部省としての意見も申された、こういうことなんですか。その辺一つ聞きたいと思うのです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 その点につきましては、私ども明確に自治省からそういう方式に変更したという最後的な話を事前に受けていなかったのであります。従ってそういう点から申しまして、私どもは従来の算出方式を変えるということについては、あとで知ったということでございます。しかしながらあとで知りましても、従来自治省とはいろいろ協力してやっておりますので、たとえば先ほど申し上げました密度補正等につきましても、実情はなかなか密度補正によって補正減をいたしますと困るようなところがたくさんあるわけであります。従って、きまりはきまりといたしましても、実情に応じた対策を自治省と私どもと相談をしながら従来やってきたというのが実情でございます。従って、かりに理論学級で計算するような方式をとるにいたしましても、今後どういうケースが出てくるかわかりませんけれども、具体的なケースが出た場合にはやはり従来と同じように私どもは十分相談をしていこう、また自治省もそれには十分応じようというようなかまえでございましたので、その点はそのままにいたしたわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 含みのある言葉が出てきましたので、やや安心する向きもあるわけなんですが、この点はまたあとで申し上げたいと思います。  そこで現実初中局長として、あるいは文部省として府県を御指導になる場合に、実学級でやるんだということを御指導になっておるような向きもあるのですね。こういう事実はございますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 三十八年度につきましてはそういう指導はいたしておりません。従来は実学級方式でやって参りましたことは先ほど申し上げた通りでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そうすると、その逆の理論学級でやるということの指導もされていないわけですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 これは交付税法が成立いたしましてから私どもはやりたいと考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そういうことでなくて、現実現場では、府県の教育委員会の段階では、もう計数をはじき出しておると思うのですよ。それを交付税法が通ってから——そういうことについては文部省に対してそういう心配を現場では持っておりますから伺いを立てておると思うのです。そういうことに対する指導を言っておるわけなんで、何も基礎にせぬと、はじき出しておっても、あとで変われば府県としては財政当局に対しても非常に面目の立たないことですし、そういう不見識な計数のはじき出し方はしないと思うのですね。そこでそういうことは尋ねておると思うのです。指導していただいたのかあるいはいただかなかったのかということが問題になってくるわけです。どちらもなさらなかったわけですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私どもは三十八年度の予算としては、国庫負担金の場合をさしておりますが、標準法通りにやるという建前に予算が計上されております。その意味におきましては、標準法通りにやるということは会議等で申しておりますけれども、特に個々の県から非常に今困るという苦情はまだ受けておりません。そういうことでございますから、何か具体的な問題が起きて相談に参れば、これは当然一緒に御相談申し上げてやっていきたいと思います。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 あなたは府県には標準法でやるというように指示をされて、そして二十日の分科会では実学級でやる、国会ではそういうふうに答弁をされている。それはおかしいじゃないですか。何かその辺私割り切れないような気がするのですがね。そういうように指導なさっておるのだったら、国会で実学級というような線が出ないと思うのです。何かそこも間違うておりませんか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私ども会議などやりましたのはそれ以後の問題でございますので、その以後におきましては今の標準法通りということを申したつもりでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 二十二日以後ですか、それ以前の問題を私は聞いておるわけです。計数をはじき出すにはそれ以後では間に合わないのです。それ以前にみなはじぎ出しておるわけなのです。その辺どうですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私前には先ほど申しましたように特に特別な指導はいたしておりません。それ以前には私は三十八年度も実学級が基礎になるであろうということは考えておったわけですけれども、そうなっていない、それは先ほど申し上げたいきさつでございます。従って特別な指導はしておりませんが、個々の県で大体そういう関係の事務を処理しておる者はたんのうな者が多うございますので、何か困ることがあれば直ちに相談に来るわけでございまして、今のところまだ具体的な意向は聞いておりません。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そうしますと、その問題は実際に行き当たってきてから各府県としては困る問題が起こってくるので、それから相談に来るだろう、それについては適当に処理できる、このようなお考えに聞いていいわけですね。しかしながら、現実に今あなたが言われるどちらの指導もしてない。しかしながら現場では実学級によって、また政令一条を適用せずして計数をはじいておるというような県が文部省としては具体的にどれほどある、このようにお考えになりますか。その見通しも全然ありませんか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 まだ詳細なことは私聞いておりません。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 私の方で調べたもの、いわゆるもうすでに一次査定に入っておるものについて見ますと、全国各府県かなり実学級によってはじき出しておる県がございます。それから政令一条を適用せずしてやっておる県も、数県と言いたいですけれども、過半数あるわけなのです。このようにかなり現場に混乱が起きておる。すでに岡山県等、まだほかに県をあげれば例もあげられると思うのですが、非常に数が違ってきますので騒いでおるように思うのです。こういう現実ができて参ったのは、やはり文部省の中の理論学級にするのか、実学級にするのかというところのもたつきが現場にこういう影響を与えておる、このように思います。従って先がたから影響はどのようであるかということをお聞きしたわけです。こういう影響が起こってきておるわけなのです。そういう点は今何も来てない、このように言われておりますが、私たちの方では影響を現実に聞いておるわけなのです。局長の耳には入っていだければ、その他係の方としてお聞きになっておるかどうか、それも一つ聞かしていただきたいと思う。だだその場のがれで答弁されるのではなくて、私は現場に混乱を起こさせるようなことであっては困るし、また現場としてはそういうことを期待しておったと思うのです。そういう期待も裏切ることになると思いますので、答弁だけに終始するのでなくて、まじめに現場の問題として把握していただいてお答えいただきたいと思います。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私はただいまその問題で非常な波乱が起きているとは思っておりませんが、個々の県で、先ほど申しましたように具体的にこの点はこういう支障があるということがわかった暁には、これは自治省と十分相談して個々のケースとして処理したいと考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 係の方では何も聞いておられませんか。

岩間英太郎文部事務官(初等中等教育局財務課長)

○岩間説明員 まだ正式には聞いておりません。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そうすると、首切りの問題ですが、なるほど首切りの問題について初中局長は山口委員の質問に対しまして、現実に首切り問題とこの問題とは切り離して考えなければならない、このように言われておるわけですが、実際の首切りは起きないだろうと考えます、文部省の算定の根拠は間違っていたけれども、現実には都道府県でそういう首切りという事態は起きないと思う、その通りですね、基準財政需要額で特殊学級九百九十七人増という計画は、理論学級という計算の方式を使っても、その増は完全に基準財政需要額の中に見込まれるかという問題を例として提起しております。この問題に対する誓えもはっきりしていなかったように私は思うのですが、これはどうですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 はっきりしないとおっしゃいますが、私は、そのときの記憶では、特殊学級の教員増も当然対象として含まれているというように申し上げたはずでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そこで二つに分けて、首切りの問題ですが、現実にはこういうことをやることは、首切りになるかならないかはさっき言われたようですが、首切りの要因になる、人数が理論学級よりも実学級でやる方が多いという判定で大体論議されておったのですが、そういう要因になるということはお認めになりますか。さらにまた、この首切りを阻止する方法として先般来よくいわれているように、高等学校に移動する、転任という格好をとるという方法、それから退職者がある、従って新規採用も可能だというような現状は、これはまた別個の問題ですけれども、実際の上で首切りの一つの要因になるというこのことはお認めですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私どもは全般的な立場で申し上げたわけでございますが、個々の県におきましても一部高等学校の教員に吸収することも相当行なわれておりますし、また毎年の自然退職等も相当出ておりますので、それらの数を勘案して参りますと、各府県ごとに見ましても、それぞれの定数の範囲内において、特にそのために首切りが現実に起こるということは考えていない、こういうような意味合いで申し上げたわけでございます。従って首切りが起こるか起こらないかということから申しますと、私はそういう特殊学級等の教員につきましてそれが要因になるというようには考えないわけでございまして、全般的に申しますと、それらを含めても実際の首切りは起こらないであろうということを申し上げたわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 特殊学級の問題はあとでちょっとお聞きしたいと思いますが、別の角度から申し上げたいと思うのですが、文部省、それから大蔵省、自治省におきまして、父兄負担の軽減といいますか、税外負担をやらさない、これを禁止しようというような動きがあるわけです。自治省としてはこれをきっぱりうたいたい、大蔵省は、それをうたわれると、現実に府県の財政が貧弱であるから、新設校あるいはその他の学校において敷地等は地方に負担をしてもらわなければ困るじゃないか、こういうような意向が出まして三者の意見が調整できない。先般も新聞によりますと、文部省としてはこれは反対である、大っぴら切って税外負担を禁止するというような措置は反対であるということがいわれておる、こういうことを承るのです。これと関連して大蔵省は、今度の基準財政需要額の中に標準法によって児童や教員の定数を算定するか、実学級によって算定するかという問題を取り上げて、もしそういう税外負担というものを文部省も自治省と一緒になって禁止する方向をとるなれば、現実に標準法によってこの算定をして、今までの実学級の算定方式を改めるというようなことを審議の経過の中に含まれておる、このように聞くのです。いうなれば、こういう問題が関連して今度は標準法によってやるんだということが割り出された、このように聞くのですが、それはどうですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 どうもお話の筋が私にはよく理解できませんが、税外負担等についての父兄負担の禁止をしたい、地元負担をなくしていきたいということは、高等学校の建設事業において今自治省がお考えのようでございます。これにつきまして文部省は何も反対しているわけじゃございません。趣旨としては市町村に負担をかけないようにすべきであるということはもちろんでございますが、しかしながらこの前提としては、高等学校の建設事業には都道府県もいろいろ財源措置に困っているような事情がございますので、従って建築単価の引き上げとか構造比率の引き上げとか、その他財源措置を十分してやって、それの上のことであれば高等学校の建設事業のために市町村に無理やりに負担をかけるということはやめてもけっこうだと思いますが、しかしながら現状はまだそういう不十分な点もいろいろ考えられます。また都道府県側としてはいろいろな希望がございます。そういった希望をある程度満足させてやっての上でそういうことを措置するということは、これは私どもとしても必ずしも反対ということではございません。ただしまた一面においては、地元の負担と申しますけれども、教育事業については非常に建設的な積極的ないわゆる受益者負担と申しますか、積極的な寄付等がございますので、それらを一緒くたに抑えてしまうのは適当でない場合もございます。そういう点を十分調整していただくならば文部省は反対ではないと考えているわけでございます。これはしかし高等学校の場合でございまして、今の小中学校の定数問題とは何ら関係はございません。そのことを申し上げておきます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それはそれでいいわけなんですが、いわゆる税外負担というものにつきましては、自治省は抑えたいという立場、税外負担をやられては困るという立場をとるのはわかります。それから大蔵省としては、税外負担というものをある程度やってもらわなかったら今全部しりを見ることはできない、従って税外負担をかけることはやむなしという考え方です。それは小中学校の問題であろうが、高等学校の問題であろうが、大学の問題であろうが、地方に負担をかけるということについての問題です。今の話を聞けば、その間に処して文部省は右するか左するかちゅうちょしておるということも事実です。従って大蔵省が自治省に対するところの圧力として、基準財政需要額の中に義務教育諸学校の教職員の定数問題を、これからそういうことを言うのなれば実学級でやるのを理論学級でやるようにするかというような話は、もう二、三カ月前に聞いたわけなんです。だから全然問題は別なんです。別の問題をそれと引きかえに話がされたような節がある、それを御存じですか。あるいはそういうことは文部省としては全然知らない、こういうことなればそれでけっこうです。そういうことをお聞きしておるわけです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私は大蔵省が実学級算出方式を理論学級算出方式に変えるために圧力をかけたということは全然知りません。ただ三十八年度の予算の編成の過程にきまして、義務教育諸学校の教員定数につきましては、国庫負担制度といたしまして、半額は実績負担ということに建前はなっております。従ってこの標準法で計算してもそれを上回る過員をかかえている県が相当ございます。そういう過員をかかえている県については、これはオーバーした分を負担金を打ち切ったらどうかということはございました。その問題ではなかろうかと推測したわけでございますが、それにつきましては私どもは予算編成の過程におきまして、それは無理だということで大蔵省の主張を引っ込めてもらったいきさつがございます。従いまして、大蔵省の考えるような定員実績主義でなくて、現在の負担法は実員実額主義という建前をとっているわけであります。そのことでございますとまた別個の問題であると思います。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 義務教育国庫負担法に関連して今度の基準財政需要額というものを考える一つの要素とすることはこれは別問題だと思うのです。だから二分の一の国庫負担という問題は別に置いておいて、私が言うておるのは、基準財政需要額の積算基礎の中でそのことが論議されたかどうか。そういううわさが出ておるのですが、私はそれではけしからぬと思うのです。あなたのお話では、二分の一国庫負担の場合それよりもオーバーするところの過員をかかえておるものを打ち切ろうという話が出た、こういうように把握されておるようですが、それならそれでけっこうなんですけれども、私は大事な教育の問題に対しましてそういうことが原因になって、それを打ち切ろう、いや標準法にしようという論議がなされ、しかもその論議を二十日の分科会、二十二日の分科会に文部省の当局がその一番骨子になるところをお知りにならなかったということをまず遺憾に思うのです。言い直しますと、当初そういうことから出てきたということが一つけしからぬ、第二はそのことをそれまで言われておるのに把握されておらなかったということについても遺憾の意を表するわけです。しかしそういうことだけ追及しておっても問題の解決にならないと思います。従って今初中局長が言われましたように、私は好意的に考えて、まあお知りにならないくらいだから、これから来るところの悪い影響があってもこれは文部省と自治省の間で何とかやりくりがつく、だからむしろこんな問題はつつかんでおいてくれというくらいに善意に解釈してもいいのじゃないか、こうも思うたりするんです。今の御答弁の中にもそうした節が私はうかがえる。具体的に困った問題があれば、従来からも処理しておるんだから処理ができる、このようなお話がありましたが、これを総括的に考えてみまして私たちの方はそういうように考えていいですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 この問題について私冒頭に申し上げましたのは、その間の経過を申し上げたわけでございますが、私どもとしてはいろいろ関係者がさような点について陳情されるということが筋がおかしいのじゃないかと考えておるわけであります。従いまして実学級主義を変えるというようなことについて、了承したかしないかは知りませんけれども、関係当局はさような意味に解しているようでございます。そういうことが自体私は非常におかしいのじゃなかろうかと考えるわけでございます。しかしながら今おっしゃいましたように、それから起こってくる具体的な問題があればもちろん私どもとしては県の財政当局が困らないように自治省と十分相談をしてやっていきたいと思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 小さな問題ですけれども、二十二日の自治省側の答弁について多少疑義がありますので、ここで確認しておきたいのです。「基準財政需要額で特殊学級は九百九十七人でしたか、増というような計画ですね。これは自治省の出しておる地方財政計画に載っている数字ですね。これは理論学級という計算の方式を使っても、その増は完全に基準財政需要額に見込まれますか。」という問に対しまして、松島説明員は「現在の標準法におきましても、特殊学級を設けました場合は、標準が十五人増としかなっていないのであります。従いまして、その範囲内において設けられた特殊学級に基づいて計算ができるようにいたしたいと考えております。」このように答えられております。そうすると九百九十七人増というのは、自治省の見解からいえばどうなんですか。また文部省はそれをどう把握されますか。

山本悟自治事務官(財政局交付税課長)

○山本説明員 ただいま御質問のございました特殊学級の点でございますが、今お読みいただきました中の十五人と申しますのは、標準法に規定いたしております学級編制の標準が、特殊学級につきましては十五人ということになっております。この点を申し上げていたことであろうと思います。従いまして十五人編制の特殊学級が現実に設置をされました際には、これを一学級として実学級で計算をして参る。従いましてそれに応じます標準法で教員数が当然増加して参る、そういう説明でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それはわかるのです。そうすると今から計算し直さなければ九百何ぼというものはできないのですか。逆算して九百何ぼを十五人で割って、そして学級数を各府県に割り当てるのですか。その辺があいまいになっているのじゃないですか。

山本悟自治事務官(財政局交付税課長)

○山本説明員 九百九十数名の人数が財政計画上にこの程度増加するものであろうという予測のもとに計上をいたしたものでございます。これは義務教育負担法等でも同様であろうと思います。ただ、交付税は五月一日現在の児童生徒数、及び特殊学級で申せば、そのときに設置されておりました特殊学級の実際の数に基づきまして、特定単位の数字というものを算定をいたすことになります。これは実際に出て参りませんと、具体的な数が幾らになるかということには交付税上は出て参らないのでございます。ただし、総体の地方財政のバランスを見ます際の計画としては、その程度の数のものはふえるのではないだろうか、こういうような計算をいたしたわけであります。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それは静的な数字の計算はそれでけっこうなのです。しかし動的に教育をとらえる場合に、あなた方はこれだけの人数をちゃんと置かれたら、それに見合うところの学級数をここにこしらえて、五月一日までにそれだけの人数を実際につくっていけば、教育というものは動いてくるわけなのです。じっとしておけば数はふえないですよ。五月一日までにその努力をする一つの目安がこれなのですから、そうすると、これが現実に今いうように十五人で割って、そして各府県に学級数を割り当てて、その学級数が現実に出てくる余地はあるかどうかということなのですね。生きてこなかったらいかぬわけです。教育計画というものは、静的に、飾りものみたいにじっと置いておく必要はないわけなんです。これは死んでしまう意味になれば、あなた方首切りしない人数の中にこれも入れておるじゃないですか。これは死んでしまえば、実際に九百というものは生きてこなければ首切りになってくる、こういう勘定が出てくるのですね。

山本悟自治事務官(財政局交付税課長)

○山本説明員 この数字は先ほど申し上げましたように、負担法の基礎等にもなっておる数字でございまして、こういうような結果になるように文部省としては御指導になっておるものと存じます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 もう一つお聞きしたいのですが、今度地方交付税法等の一部を改正する法律案の中で「第十三条第五項の表道府県の項中、1、小学校費、教職員数、密度補正、態容補正及び寒冷補正」を今度は「1小学校費、教職員数、態容補正及び寒冷補正に改める。」このようになっております。このことはやはり先般の分科会でも論議されて、初中局長は盛んに密度補正をやるということを言われた。しかし今度の改正ではその密度補正がとれておる。態容補正と寒冷補正にかわってくる。だから密度補正がとれたということは、現場にはどのような影響を与えるか、どのように把握されておるか、文部省は一つそれをお答えいただきたいと思います。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 その点につきましては、私最初に申し上げましたように、密度補正をやめるかわりに理論学級で計算をするというような方式になったわけでございます。従って、密度補正をやめるこの限りにおきましては、影響としてはむしろいい方の影響であろうと私は思います。しかし具体的にどこがどうなるということは、これはよくわかりかねますけれども、むしろ従来から教職員組合等では、密度補正は不合理だからやめてくれということが非常に強い要求であったと考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 あなたは、自治省の方で教職員組合が要請したということを言われておりますけれども、文部省としてはどう考えるかということなんです。今の御答弁では、この密度補正をとったことによってよくなる、このように理解していいわけなんですね。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 理論的にはそうなると思いますけれども、先ほど申し上げましたように、実際の建前は建前でございましても、やはり実際の実情をつかんでいろいろの対策を考えていくのが実際の行政でございますので、密度補正をやるという建前をとりながらも、従来やはり自治省の方も交付税の算定の場合にはいろいろな考慮を払ってくれております。従って、私は現実の問題としては変わらないのではないかというように考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 やや私たちが心配をしておりました点が、今のお含みのあるお言葉の中で解消されていくような気もするわけです。  最後に、大臣にお聞きをいたしたいと思います。分科会において、山口委員とのやりとりの中でいろいろ論議されたことは、荒木文部大臣も御出席になっておりましたから御承知だと思います。要は、こういう地方税法の改正によって、現実にこの国会の冒頭から心配しておりました教職員の首切り、そうしてそれによるところの教育力の低下という問題を考え合わしまして、この際人づくり等を言っておるときでありますからして、一学級の学級定員の減で、実際に個々に及ぶところの教育が進展をするように努力する機会ではないか、このように言っておったわけであります。しかしながら今言われましたような改正がなされて、具体的にこの首切りにつながるというようなことになれば、これは文部省としては重大な関心を払っていただき、なおこれに対しての措置をやはりとっていただきたい、こう思うのです。言葉をかえて言いますと、現場には不便を与えない、できるだけ善処するという態度を私たちは望むわけなんであります。そういう御決意を持ってこのことに対処していただくお考えがあるかどうか、最後にお聞きしておきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 小中学校での生徒が漸減していきます大勢において将来のことを申し上げれば、昨年来申し上げておりますように、一応の目標は学級編制は四十五名、それを三十九年度以降五カ年間くらいで実現するという目安のもとに関係省とも相談しつつありますが、そういう純教育的な立場に立って四十五名編制ということを実現したいという前提から申せば、三十八年度ようやくすし詰め解消の五カ年計画の最終年度を迎えて、五十名という基準に到達をいたしまして、その三十八年度に関する限りの具体的な各県ごとのいろいろな実情はございましょうが、戦後の小中学校におけるベビー・ブーム対策がようやく五十名までたどりついた、そのことは現場及び関係各方面の努力の成果として高く評価されるものと思いますが、具体的な出入りにつきまして、それからはみ出した者を首を切るという現象が起こりますことは、四十五名まで学級編制を少なくとも引き下げて教育効果を上げたいとする立場からすれば、望ましいことでないことは言わずもがなでございます。せっかくたんのうな先生が現にあるのに、たまたま沿革的な理由によってはみ出すために首を切られねばならないということは、今申し上げる意味においてはもったいない。だからそのことは都道府県みずからの立場においても、将来に備えて温存する全努力を傾くべき課題であり、それに対して国の立場からもあらゆる協力をしながら、現実にそういうことの起こらないようにするという立場は当然のことと思いまして、努力しつつあるわけであります。今後も努力をいたします。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大臣から努力するという決意を表明されましたので、私はこの御答弁に対しまして信頼をおきまして質問を終わりたいと思います。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 村山喜一君。

村山喜一日本社会党

○村山委員 福田局長にお尋ねをいたします。前にあなたの方から一月末現在の公立、私立高等学校の募集定員の調査表をいただきまして、百五十五万二千四百九十五人という数字をいただいたわけですが、その後この数字はどういうふうになってきたか。もう公立の場合には募集定員もきまっているし、今度応募者も数がきまり、試験もあって、いよいよ合格発表を待つばかりということになっておりますし、私立の場合には、その前に試験があり、もうほとんど試験だけは終わってあとは発表を待つというような情勢にあるようであります。私も各地を回って、ことしの私立高校の入学試験の結果等を見てみますと、例年に見られないほど私立学校に優秀な生徒が押しかけて、そのために例年であれば一中学校から三十名くらい行った場合には一人か二人くらいがはねられてあとは合格するという状態にあるのですが、ことしは三分の一くらいしか合格をしていないで、三分の二は振い落とされている、こういうような現象が出てきて、さあ公立の方をもう一回受けるのだがはたして公立に合格するだろうかどうだろうかということで、子を持つ親は非常に苦しんでいるという状態を見かけるわけであります。そういうような状況が出てきておりますけれども、その後確定した数字はどのような数字になったかを発表願いたいのであります。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私ども各府県に照会いたしましていろいろと数字を調べておるところでございますが、この前お目にかけました数字以後に大きく変わった要素はございません。ただいまのところ私どもの持っておりますのは、お目にかけました数字でございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 文部省の方は調査をされておりますか。変わったものはございませんというのですが、では公立と私立の応募者数は何ぼになりますか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 公立の数字を今私手元に持っておったと思ったのですけれども、ちょっと見当たりませんが、公私立を含めての応募者数は全体としてはまだ報告がそろっておりません。私立におきましては第二次校の試験も済んでおりませんので、そういった意味での全体の集計がまだ私どもの方ではできておりません。

村山喜一日本社会党

○村山委員 あなたの方で、公立の応募者数が全日制については幾らそれから定時制については幾らあった、なお私立については募集定員に対してどういうふうになった、こういう数字をわれわれの方にお示し願うのは、いつになったらできましょうか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 今月末になれば公立は全部出そろうと思いますが、私立につきましては四月の初旬になりませんと確定しないと思います。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういたしますと、私立の募集定員は、これはこの前いただいた数字が正しいものですか、どうですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私どもは、私立につきましては一応都道府県の教育委員会等を通じまして調査いたしました数字でございますので、現在の段階におきましては正しいと考えております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 ところがこの公立の募集定員の数でさえも、これは私の府県のことは私が一番よく知っておりますので申し上げますが、あなたの方から二万九百六十名という数字を一月末でいただいたのですが、これを私の方で調べてみますと公立の全日制の場合だけで二万一千七百十七名、それに定時制の千九百二十名を加えますとこの鹿児島県でさえも二万三千名からという数字になるのです。あなたの方の数字と二千名も食い違いがあるのですが、こういうように、いわゆる一月末現在の数字と募集定員を発表された教育委員会の公表の数字というものとの間に食い違いがある、これはどうしたことでしょうか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 その点は聞いてみますと、鹿児島県の教育委員会が私どもに報告しますときに、市立の高等学校の募集定員を忘れておったということらしいのでございます。鹿児島県につきましてはその後市立の数字を入れまして募集定員は公立の全日制でございますが、二万一千七百十七という数字が入っております。

村山喜一日本社会党

○村山委員 そういうのがほかの府県にはございませんか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 間違えて落としたのは鹿児島県だけでございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 この数字を見てみますと、だいぶ文部省の発表した数字と食い違いがあるのが多いのです。それで私は質問をしていく場合において、はっきりした数字を抑えていかないと、一体どういうふうになっていくのかという全体がつかめないと思うんです。そこで私の方で手元に押えた数字はございますが、それを発表してもいいんですけれども、文部省自体の方で的確な数字を押えて、早急にこれらの資料を完備してもらわなければ、質疑をやろうと思っても行なえない。従いまして、一月末現在の募集定員だけをわれわれの方にお示しを願っても論議できませんので、もう公立の場合の応募者の数とか定員の数は、全日制と定時制に分けまして、はっきりした数字かあるはずですから、それに対して何ぼ応募者があって、どういうようなふうになるのだという、一つの見通しを各府県ごとに計画を立てさせなければならないと思うし、それを指導されるのが文部省だと思います。そういうようなのを近日中に取りそろえていただきたい。どうですかその点……。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 先ほど申し上げましたように、公立学校につきましては、定時制も含めまして、今月末までに確定数を報告するように目下照会をやっている最中でございます。

村山喜一日本社会党

○村山委員 私の質問はこれ以上できませんので、資料が文部省の方から出て参りませんから、きょうはこれで打ち切りますが、三月末といいましても、もう試験の結果はそろそろ発表になるころなんです。文部省はそんなに集計能力というものがないのですか。もっとこの委員会がある間にやはり出してもらわないと、四月になったら自然休会のような格好になって、あとは野となれ山となれというように考えておられるのじゃないかと疑われるようなスロー・モーぶりですが、一つ早急に電話で督促するなりして、三月末でなくて、もっと前の方に資料をお出し願いたい。どうでしょう。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私どもも事務上必要でございますので、極力急いでおるわけでございます。電報その他によって照会をしておりますが、大体出そろってくるのは、定時制を含めまして月末と考えております。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 高校問題とも関連するわけですが、聞くところによると、最近の閣議で、定時制の差別待遇は非常によろしくないから、これを是正すべきであるということが議題になったと聞いておるのですが、これはもっともなことなので、こういう問題を解決しないと、高校問題も、文部大臣が九六%は全日制、定時制、私学を含めて入るだけの措置ができておるという、このこと自体が何の意味もないと前々から思っておりたので、この問題を政治の責任において対策を立てるということは緊急の問題だと私は思っておるわけなんです。その点について閣議でそういう問題が出たかどうか、それをここで事実を一応大臣から報告していただきたいと思う。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 池田総理から発言がありまして、けさラジオで私たちの言葉という番組があるのを聞いたらば、関西では定時制の卒業生を全日制と同じような立場で、就職をする機会を同じように与えるということに経済界の発議でそうなった、全般的にそういうふうになることを希望するという趣旨の、そしてまた定時制についてもっと力を入れてほしいという意味の意見発表があったことに非常に動かされたという立場からの発言がございました。そこで私も、総理からそういうことが発言されることはまことに喜ばしいことでもありますし、関西のみならず、全国的にそういうふうな風潮になることを期待し、かつそうするための文部省としての措置もよく相談していきたいということも話したわけであります。同時に、定時制の一般的な最近の傾向は、聞くところによれば、希望者がだんだん減る方向にある、都道府県においてもこれを全日制に切りかえるという動きもかなり出ておるということを聞いておる、その原因が一体何にあるか、所得倍増政策が効果を上げて、定時制に行かないで全日制に行くという傾向を現わしてきたためであるのか、あるいは定時制そのものに青少年が魅力を感じない何らかの理由があるか、そういうことでは、今まで文部省としても考えをめぐらして努力しているつもりではあるが、さらにあらためて文部省の立場で考えることもあるであろうから、検討してみたい、同時に職場訓練所との関連、通信教育の問題、おしなべて後期中等教育の問題を全般的に特に考えねばならないという課題もありますから、検討をし、かつ実施に移すべきものは移すという建前でやりたいという意見を表明いたしました。各閣僚からも、たとえば大蔵大臣からも、その問題については積極的な賛成の趣旨の意向が述べられましたし、自治大臣からも、自分がかつて働きながら学んだ体験に立脚した賛成の積極的意見も出ましたし、通産大臣からも、定時制を出た人を雇う側の行政を主としてやっている意味において関心を持つという発言もございましたし、だから官房長音も、十分考える、単に閣議の座談の一こまとして見過ごすことなしに、政府として総合的な立場において真剣に取っ組んでいくべきものだ、ということが話の落ちでございますが、全体を通じまして、私は非常にありがたいことだと思って、直ちに事務当局にもそのことを話しまして、文部省自体としても、もっと組織的にじっくりと検討し、かつ実施に移すべきものは移していくという態度で臨みたいと思った次第でありました。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 文部大臣が発言しないで、総理大臣から発言をされて気がついたというのは、まことに文部大臣として識見がないと私は思うんですが、しかし、それは聞き流しをしないで、だれから言った問題にしても、これは現在のあらゆる教育問題のしわ寄せがこういうところにあるのであって、緊急に対策を立てるべきだと思うんです。今まで文部大臣は、高校全入については、九六%みな収容する施設があるのだ、そうしてそれを一つの答弁の資料として数回言われたが、きょう閣議で問題になったことを考えれば、定時制に入ったところで就職できない、差別待遇されておるというならば、そこに収容されたからといって、進学希望者に対して、これで公共団体、国の施設として十分だということは出てこないことが明確になったと思う。どうもあの九六%というのは私は気に食わないのです。ああいうことで文教行政を糊塗されて、われわれの質疑に適当に言いのがれすれば終わりだという空気になっては一歩も進歩しないので、この点は、きょうの閣議の話を通じて、九六%についての大臣の考え方を——今まで言われておった考え方ではいけないんだということを大体認識されたと思うので、念のために大臣の心境をお聞きしておきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 心境は別に変化ございません。ただいまの閣議の話は、全日制と定時制の社会一般の受け入れ側のへんぱさを嘆いたことから始まった課題であり、その問題を中心としての課題でございます。後期中等教育を全般的にいかにするかという問題があることは、いつか山中さんに指摘されまして、むろん文部省としても同感であり、今後に向かっての努力を誓ったつもりでおります。それはそれでありまして、九六%の入学率は確保できそうだというのは、全国的に見ました一つの見通しであり、地方財政計画に乗っけまして、国の産振法に基づく補助金等を合わせまして、起債財源ないしは交付税の措置をとって、前向きの高校急増対策として立てましたその計画の見通しに立って申し上げておるのでありまして、そのことにうそはございません。現実もほぼそれに近い結果が期待できるであろうということを考えておるわけであります。ただし、これはあらかじめ立てねばならない一定の時期に、そのとき入手し得る資料に基づいて全国的な見通しを申し上げたわけですから、いわば一種の予算みたいなものであります。予算が予算通りに行なわれない現実面はすでに御案内の通りでありまして、九六%の見通しが実はそうでなかったという結果として現われることもあり得ると思います。あるいはぴたり当たるかもしれない。いろいろと結果は出てきましょうが、その結果が出てきたことに応じて具体的にいかなる措置を講ずるかということは、これまた別個の問題として責任が免れるわけではない。そういう意味合いの九六%の見通しでございますから、そのこと自身にインチキがあろうはずがない。大まじめに国の立場において推定します数字としては間違っていない、かように考えますから、そのことについての心境の変化はございません。高校急増対策もむろん中身に入りますけれども、後期中等教育をいかに改善するかという問題としてはいろいろ問題も残っておりましょうから、これには今後に対して真剣に取り組んでいきたい、かように思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私も最初から九六%がうそだとかインチキだとかいうことを言っていない、その通りである。しかし、それがこの問題の解決に何の意味もないということ、定時制に入学すると就職も拒否されるというような現実の中において、九六%収容できるから高校問題はこれでよいのだという心境でこの数字を悪用されるのでは問題の解決にはならない、この点について大臣はどういう考えでおるのかということを聞いたので、九六%がたとえば九三%になっても、九〇%でも、これは見通しの間違いですから、そんなことを問題にする興味は私はないわけです。そうでなくて、定時制と全日制の資格を社会も差別する、文部省も定時制の施設はほとんどやらない、勤労青年に対する文教政策というものをしないで、九六%を持ってきて、これでわがこと終われり、任務を十分してあるのだというそのことが問題なのです。そういう九六%の事実を善用するのではなくて、悪用する材料になってしまっているのではないか、それを申し上げるわけであります。  そこで、きょうの閣議の問題になったのは、実業界の方で差別をするので向こうさんの問題だというふうな言い方をされたが、私はそうは思わないのです。実業界を責めるということはできないじゃないか。定時制にはほとんど施設、設備がない、会社の方で採用するだけの十分な教育内容を国及び公共団体が行なっていない結果、能力が低下をするというふうなことを含んでこういう事実が現われているので、これはあくまでも国の文教政策の問題だと思うのです。教員の素質についても、全日制と定時制の関係において格差がある。施設、設備はほとんどやっていない。魅力のない教育と魅力のない学校という中にこの問題がひそんでおると思う。文部大臣が真剣にこれと取り組んで、勤労青年の後期中等教育について、親のすねかじりで昼だけ通っている生徒と同じような教育の機会均等を与えるようすべきである。きょうの問題をそういうふうに受け取るべきだと思いますが、いかがでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 九六%のことを引き合いに出されたものですからつい弁解がましく申し上げましたが、今御指摘の点はまさにその通りと思います。きょうの話が出ましてから特に感じたことでもありますが、以前から私自身も私なりに疑問を持っておりました。定時制というものが、全日制か定時制かという時間制の違いだけであって、実質的には結果を同じレベルまで持っていく目的で設けられたはずなのに、それがだんだんと減っていくというのはなぜだろうか。その原因は、いろいろ実地について克明に調べないことには即断ができませんけれども、私きょう記者会見でこのことを話します際にも、従来文部省としては事務当局が終戦以来の課題として懸命な努力をしてきたことを一つも疑いませんしいたしますが、それでもなおかつ何か魅力がないといわれる話も聞かないわけじゃない。今山中さんが御指摘のように、施設、設備等もはたして十分なりやという確信は私もまだ具体的にはつかめていませんので、事務当局にはちょっと義理が悪いような問題がいろいろあるのじゃなかろうか、そういうことを前提とした話もしたわけなので、内心恐縮しておりますが……。お説の通り、全日制卒業生と同じような角度から定時制卒業生を受けとめない一般社会がけしからぬというわけじゃむろんございません。それだけの評価をしてない誤った評価であるならば、むろん責めらるべきですけれども、長年にわたってそういう実情が続いていることは、何かそこに、教育の立場から見まして努力の足りない部分がある結果がしからしめておるのじゃなかろうかという反省は、当然文部省としてもすべき問題である。そういう意味合いから、もっと具体的に総合的な見地に立って実態を把握して、今後のあり方について問題ありせば、片っ端からそれを解決するていの検討が必要であろう、こういう意味で意見を述べたような次第でございまして、山中さんからいきなりおしかりを受けるような心境じゃございません。今までの努力が不十分なりということありせば、それをしかられることは恐縮な気持で受けとめますけれども、それをさらに改めて、本日を期して、思いを新たにして再検討を加えつつ問題の解決に当たっていく、こういうことでなければなるまい、こういうことを申し上げたわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 局長にお伺いしますが、希望者がだんだん減っておる理由は——大臣はそういうところまで気がついていないと思うが、事務当局はずっと調査をしておられると思うのです。文教政策の立場から、定時制の希望者がだんだん減っておるという原因はどういうところにあるか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 これは山中委員御承知と思いますが、夜間定時制についてはむしろふえてきつつあると思いますが、昼間定時制が減っておるわけでございます。これはいろいろ原因が考えられますけれども、私どもとしては、やはり昼間定時制そのものが、いわゆる勤労青少年の実態に即した教育がうまくいっていないというふうに率直に思うわけでございます。そういった点で、特に昼間定時制は、全日制に入れなかった者が従来多く農村地帯等で行っているというケースも相当ございます。そういった意味で、せっかく昼間定時制を維持する以上は、やはり農村の青少年の実態に合うような教育をしていくということが必要ではないか、私どもはこういうように考えております。いろいろな点からも原因は考えられると思いますが、大きな点はそういう点ではなかろうかと思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 農村の昼間定時制の問題、これは実態は調査されておられると思うのですが、結局は何もないですからね。施設、設備もない、先生が二、三人。十数年たって、何かこれに手を打つということをお考えになっておるべきだと思うのですが、結局青年学級のようなものだ。そこに問題が一つあることと、それから文教政策の問題として、昼間の学校と夜の学校と先生を別々にしないで、夜も昼も一つの機構の中で、ある先生は三日間昼間の生徒を教え、二日間夜の生徒を教えるとか、そういうふうにして、先生というものが、夜間の先生は素質があまりよくない、そういうものはいけないと講評しては悪いが、区別するというところにすでに一つの教育の施設の格差をつくっておる。だから、免状にしても何にしても一本にして、定時制と全日制というものが、一つの学校の機構の中にある高等学校の卒業生という、対外的な差別が何らないような対策を立てる必要があると思うのですが、いかがでしょうか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 もちろん御指摘のような点も確かにあろうと思います。従いまして、先先のいわゆる指導力の問題もございますし、それから施設設備の点もございます。それからまた、そういう勤労青少年が行きやすいような学校の運営というものも考える必要があろうと思います。そういった面で、御指摘のように定時制の教育につきましてはいろいろ問題点がございますので、私どもは、そういう制度的な問題を含めまして、この改善についていろいろと検討いたしておるわけでございますが、成案を得ますれば、だんだんそういう方向に改善していきたい、魅力のある教育に改善していきたい、こういうように考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 閣議で問題になったから、この機会に建設的な質問をして参考にしていただきたいと思うのですが、これは確かに制度的に手を入れるということを含んでやらないと定時制問題は解決しない、私もそう思います。  そこで、入学した者が卒業するまでには、夜間の重労働であるから、卒業するまでに忍耐力を持続することができなくて、卒業できないで終わる者、いわゆる入学したときの数と卒業のときの歩どまりというものは、夜間の場合は相当全日制と違って退学する者が多い。いわゆる歩どまりというものを検討する必要があると思う。それの資料がございますか。その資料を前提として——なければいいです。そういうものを出してもらわなければいかぬ。この機会だから、あればお聞きします。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 今詳細な資料を持っておりませんけれども、大体申し上げますと、毎年の入学する者が十五、六万でございます。卒業するのは大体十万くらいですから、五、六万は卒業までにやはり減っている。これは夜間だけではございません。昼間も合わせてそういう数字になっております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 こういう調査をして対策を立ててもらう必要があるのです。最近、定時制の子供のために、週一日または二日、有給休暇というか、有給通学といいますか、雇用者が昼の間学校に行かして、あと残りは夜間行かせる。そうして青年の健康を守る、あるいは卒業するまでにエネルギーがすり切れないようにしてやるというような、ある意味においては別な義務概念といいますか、保護者に義務を負わすという義務教育ではなくて、雇用者がそこの従業員に対して一日あるいは二日昼間有給通学をやらせる。そういう希望のある者には、いわゆる中等後期の職業教育ですか、そういうようなことも論議をされてきている。西ドイツではそういう行き方がすでに行なわれているわけですが、そういうことまで考えてこの問題は解決すべき問題だと思うのですが、大臣は、私が今局長と話をしている中で、そういう問題を含んで一つ検討してもらいたいと思うのです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 実は、閣議でこの問題が出ましたときに、西ドイツの例は山中さんの洋行みやげの話でも聞きましたし、そのほかの人からも西ドイツの例を二、三度聞かされたことがありましたので、その例を引きながら、一週何日かの有給休暇を与えるような形で学校に通わせることを義務づけるということも外国にはあるやに聞いておるんだが、それらも含めて検討さるべきものだと思うという意見は一応述べておきました。ただし、そのことについては、いきなり賛成という積極的な発言はございませんでした。閣議の模様をそう逐一報告することは禁じられておりますからやめますけれども、そこで、これは何も閣議の問題だけではなしに、日本の雇用主の心境の変化を前提といたしませんと、現実問題としては非常にやりにくい課題でもございましょう。しかし、だからといってほうっておいてよいという心境で申し上げているのじゃない。御説のごとく、制度そのものをもう一ぺん考え直して、そうして現状把握を十分にいたしまして、原因を探求しながら、その欠陥のよってきたるところにメスを入れるという考え方で腰を据えて、再出発的な検討を加えたい、そういう気持であります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そういう制度的に検討される御心境であるというので、敬意を表して、これは今後の問題として一つ御検討を願いたいと思います。  当面の処理として私は意見を述べるので、それについての賛否の御意見をお聞きしたいと思うのですが、実業界に対して、採用試験をして、その能力において——企業の立場だから優秀な者をとりたいでしょうが、定時制をできるだけ優先的にとれというようなことは言えないと思うのです。ところが、全国の会社の中では、定時制の者は最初から採用試験を受けさせないところがあるのです。拒否しているのですね。それで定時制の卒業生は慨嘆をして——何回か私は新聞の「声」の欄で見ているのですが、せめて全日制の者と採用試験を平等に受ける機会を与えてほしい、会社においては、ある意味においては採用する資格を剥奪している、堂々と平等にそういう採用試験を受けられるならば、それで自分の能力がないならばやむを得ない、受ける機会を与えてくれない、こう言うのです。そういう会社があるという。これは少なくとも、法のもとに平等であるという憲法の精神から言ってもまことにけしからぬ処置だと私は思う。そこまで差別待遇をやっているのはもってのほかだ。そこで、文部省においては、全日制、定時制の卒業生については、少なくとも同じように採用試験を受ける機会を与えるべく処置をしてもらいたいという通牒はお出しになるべきではないか、これは文教政策の任務だと思うのです。学校教育法において、常々と、四年制の定時制は、三年制の全日制を一年延長して同じような内容のものを教育するということを制度で確立しているわけですから、それに対して能力を見せる機会までとってしまうというような現実は、これは文部大臣として当然通牒で警告という言葉はいけないですけれども、協力方の通知は出すべきだと思いますが、そういうことをお出しになる御意思はございませんか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 従来寄り寄りそういうお説のようなことをやってはおるようですが、通牒的なことで事済みというわけでもございますまいから、実質的に経済界の総括的な団体の責任者等にゆっくり話し込みまして、関西に一つならってもらうということが今から時期的に間に合うとすればことしも、間に合わないとすれば将来に向かってそういう風潮を盛り上げる努力はいたしたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 すでに就職の時期が迫っておるわけですから、本年度の卒業見込者のために、そういう団体を通じて、少なくとも試験を受ける機会を奪うというようなことはしないように、大臣はあらゆる努力を払ってもらいたいと思う。  それからこれも現実の問題として局長の方にお聞きしたいのですが、各県の予算の出し方で、高等学校費の中に全日制と定時制を区別して出す、これは文部省の指導の内容かどうかはわからない。従って予算の立て方の中にもう差別があって、そこで先生も定時制の先生と全日制の先生とではどうしても素質の低下が出る。高等学校費としては全部もう一本に何もわからないようにするというふうな、何か行政指導というふうなことも一つ研究してもらって——外からすでに差別をするようなあらゆる行政的な仕組みの仕方というものがあるので、それらは全国の教育長会議その他の中で、全然同じ一つの学校として、行政上のいろいろの方法について平等に社会が考えるような仕組み、そういうことの研究をしてもらいたいと思いますが、そういうことはどうですか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 私その点は具体的な事実をよく知りませんけれども、差別待遇する意味において予算の項なり事項が違うようになっているという趣旨ではなかろうと思いますが、もし分けているとすれば、逆に定時制高等学校の分については、そのワクを確保するという意味もありはしないかというように私今考えるわけであります。しかしそういうワクを別にすることが非常に運営上困るということであれば、これは御趣旨のように検討してみたいと思います。実情をよく知りませんのでこの点はよく調べまして検討いたしたいと思います。  ただ先ほど大臣からいろいろ定時制卒業者の就職の問題についてお述べになりましたことについて、ちょっと補足さしていただきますと、文部省もかつては通牒等も出したこともあると思いますが、日経連その他の経済団体に対しまして、就職問題等の懇談会の際には、毎回必ずこの問題を出しまして、そして少なくとも受験する機会を奪わないようにということは要望して参ったところでございます。昨年日経連で調査してもらいましたところ、大体六百二、三十社であったと思いますが、その四割までが大体定時制卒業者に就職の際に機会を与えているというような実情になっております。昨年私大阪に参りまして大阪の日経連の方々と——日経連以外の方もおりましたが、財界の方々と就職問題で懇談いたしました際に、やはりこの問題を重ねて強調いたしまして、いろいろと陳情もいたしたわけでございますが、今後は十分検討してみようというような機運が生まれておりました。幸いに新聞等によりますと、最近関西の日経連自体に就職の際には全部機会を与えるように、何か申し合わせをしたというふうなことも聞いておりますので、先ほど大臣がお答えになりましたように、これは全般的にそういうような運びになることを私どもは希望しております。従って事務当局といたしましてもこの点については、できる限りの努力をして参りたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 局長のお答えで同じように採用試験を受けさしているのは四割ですか、六〇%は受けさせないということですね。大へんな問題だと思うんですよ。定時制の卒業生を最初から門戸を閉ざして受けさせない会社が六側もあるというのは大へんな問題です。これは文教政策としては黙って見ておれない問題だと思うのです。能力の差というものによって入れる、入れないなら干渉はできないけれども、受けさせないということは学校教育法において制度的に定時制高等学校をちゃんと認めて、そうして卒業生は全日制の高等学校と同じ学力があると認定して免状をやっているわけですから、これは期待する程度でなくて、全部平等に受けさすということの何らかの措置を、責任を持って御努力なさる必要があるのじゃないですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 これは先刻山中さん御指摘の通り、制度そのものにも一つの問題があると思います。たとえば大学卒業生を採用する場合、当該会社団体等で、たくさんある大学の中で名ざしをしてそこの大学以外の者には就職の機会を与えないということも、これまた自由であるという考え方に立って理解されていると思います。高等学校卒業生にいたしましても、全日制と定時制とが制度的に一応区別されておる。努力不足か何かいろいろ原因もあるにいたしましても、その実体が世間的には差別ありとするムードなきにしもあらずという状態そのままのときに、もってのほかだというふうにはちょっと言いにくいのじゃないかというふうに思います。言いにくい実体そのものはそのままでよろしいということじゃむろんございませんで、先ほど来お答えしておるような努力を重ねて、全日制も定時制も同じように取り扱わざるを得ないようにするということを目標にわれわれはやるべきだという課題が、むろん厳然として残りますので、その努力はいたします。今直ちに、今おっしゃるような教育の機会均等、差別観なしにやるべきだということだけで、いきなり直接法でも言いにくいことが現実にはあると思います。しかし先刻申し上げたような、今事務当局からもお話し申し上げたような心がまえで、極力そういう差別をなくする努力を現実にもしていきたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大体わかりました。大学の場合は大した心理的影響はないが、高等学校の場合は、いわゆる一番劣等感を感じたり、心理的な影響を受ける年ごろの生徒なんですから、文教政策の立場から会社が最初から締め出すということは、大学の学生と違った教育問題だと思うので、その点は認識をしてもらって、速急に当面の対策と恒久的な対策を——こういう問題について閣議で問題になったいい機会ですから、ぜひ対策を立ててもらいたいと思います。  あと一点だけ、施設のことについてお聞きしたいのですが、簡単に聞きますから要点だけをぴしゃっとお答え願いたい。小中学校の補助のために、施設についての基準が定められております。今暫定基準一人当たり〇・八五坪なんですが、この暫定基準というものはあくまでも暫定なのですか。本来の基準に引き上げるという計画はございますか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 そういう努力をいたしております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大蔵省の方ではどうですか。それについて何か御異議があるのでしょうか。あるいはもっともだとお考えになりますか。

谷川寛三大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 検討しなければならぬ問題だと思っておりますが、何さま文教施設の予算額が幾らにふえるか、ただいま文部省で御検討なさっておる基準をもとにいたしますと、こういうことが見当がついておりませんので、三十八年度の予算が参議院で御検討いただいておる段階でございますので、三十八年度の問題といたしましては、なかなか問題があろうと思います。ただいまのところ、私どもといたしましては三十九年度の予算の編成と並行いたしまして検討いたしておる段階でございます。文部省のただいまのお考えでは、ことしの五月一日現在におきまして、ただいまお考えになっております改定案をもとにいたしますとどれだけ予算がふえるかというようなことも御調査なさる御計画がおありで、その予算がついておる、こういうことでございますので、そういったことも実態調査をなされました結果も見せていただきましてから慎重に検討すべき問題だと思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 主計官にもう一度お聞きしますが、現在の一人当たりの〇・八五坪の算定基準によりますと、たとえば小学校十二学級のときには、一般教室のほかに理科が二十八坪、音楽が十坪、図画工作とか家庭というものは一つもとれない。ゼロです。中学校の場合も、特別教室というのは非常に不十分であって、中学校の場合を見ると、私はこれでは教育条件が整わないと思うんです。従って財政的な立場というものを越えて、小中学校の教育にはこれだけはどうしても必要だという観点に立って文部省との話し合いを進めてもらって、やはり必要な最低の特別教室が与えられるような坪数にしなければならぬ、こういう思想に立ってもらわなければいかぬと思うんですが、谷川主計官はどうですか。金のことはわかりますが……。

谷川寛三大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 十分御趣旨の点も参考にいたしまして文部省の御案を見、実態調査の結果等を待ちまして槙重に検討させていただきたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 中学校では十二学級の中学校が一番いい規模のところですね。そしてまずかりに一・二三坪という改定案によってやるとして、ようやく理科三十坪、音楽教室二十四坪とか、こういうふうなものが出てくる。そういうふうな関係を見ると、教育的に最低の坪数としては現在の算定坪数では私は無理だと思う。十二、三学級の一番いいところを例として考えても足らぬと思うんですよ。それをあまり財政的なことばかり頭にいって、政策的に最低の政策もできないということのないように努力してもらいたいと思います。  それから、これも率直にお聞きしますが、一学級五十名、さらに一名ずつ減らしていく計画が文部省ではあるわけですが、だんだん一学級の生徒数を減らしていきますと、一人当たりの坪数でいくと教室が足らなくなる。非常に不利になると思うんです。一学級あてでこの基準坪数を定めるということが必要になってくる。そうでないと実質的に坪数が減ってくると思うので、ここまで学級改定をやろうというときになってくると、生徒児童一人当りの基準によらないで、一学級で何坪、何学級の場合には特別教室これこれの場合は何坪、こういうふうな行き方の方が私は教育政策からいって妥当だと思うのですが、その点はいかがでしょう。これは主計官の方にお聞きします。

谷川寛三大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 そういう点も含めましていろいろ問題があろうと思います。文部省ではただいま学級編制の基準を、五十人を五年後に四十五人に引き下げてもらいたいという御案を検討中のようでございますが、ただいまお話しのような点も、今の標準法の改正と関連いたしましてあろうと思います。従いましてそういった純粋教育効果の面と、先ほどの財政面のことは第二段階において考えるべきではないかというお話もございましたが、何さま相当巨額の施設費でございますことと、それが幾らにふえるかということもただいまの段階ではわからぬものでございますから、何ともお答えを申し上げる段階に至っておりませんが、慎重に検討いたしてみたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 局長は学級基準の坪数がいいとお考えになっておりますか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 私どもは学級単位基準でやるべきだと考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大蔵省の思想は——金のことはわかります。金があるかないかということは、それは大蔵省の任務ですからわかるのですが、学級によって坪数をきめるということの方が合理的だという考え方は持ってもらう必要があると思いますが、それは反対だ、不合理だと考えておるのでは話にならぬのですが、その点の考え方だけ念を押してお聞きしておきたいと思います。

谷川寛三大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 先ほど申し上げましたように、検討いたして見たいということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 検討じゃわからぬですよ。学級単位にした方が合理的でしょう。だから学級単位にして、金がなければそれはその次の問題として、それをどうするかという問題はあると思います。しかし教育的に見てどちらが合理的かという判断だけは、大蔵省の査定の場合に思想統一をしておいてもらわなければいかぬと思うのです。その点をもう少し明確に言って下されば、私はこれで終わります。

谷川寛三大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 個人的な意見を申し上げるわけにいきませんのでなんでございますが、そういった問題、検討すべき問題であると考えておる次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 あまりこだわらないで、一つ合理的にそういう教育政策の立場を含んで、大蔵省もこういう現実に即して考え方も前進していただきたいと私は切望いたしておきます。  それから学級も五十名でいいんじゃないか、それ以下にすることは反対だという厚い大蔵省の壁があるという悪評を聞いておるわけでありますが、これはほんとうは四十名ぐらいでなければ教育はできないと思うのです。日本の場合はその点を少しも考えないけれども、教壇に立った者からいいますと、五十名の場合と四十名の場合では、どれだけ教育効果が違うか、大へんな差だと思うのです。一人々々の個性から何からとらえて、進学指導その他をやっていく場合に、四十名で学級を持つのと、五十名で持つのとでは雲泥の差が出てくると思います。私はヨーロッパ水準までにとは言いません。三十名とかなんとかいうようなことは別にしても、四十名ぐらいには何としても持っていかなければならない。私は近代ことに大量生産のような現代の学校教育においては、学級編制は四十名ぐらいにするということが必要だというが理解されないと、一歩も進まないと思うのです。五十名でいいんじゃないかということの論議はもう撤回してもらいたい。先生が多くふえるからお金で困るのだ、だからもう少し漸進的にというような意見の論議ならいい。五十名でいいんだという論議は私はもう忘れていただきたいと思います。これもこの機会に聞いておきたいと思います。

谷川寛三大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 大蔵省といたしましては、五十人のただいまの学級編制の基準を押し通すつもりは毛頭ございません。ただ先般も予算分科会の際に申し上げましたように、これまた来年度以降の予算を縛る問題でございますから、予算編成が終わりましたただいまといたしましては相当問題があろう、こう考えておる次第でございます。それからまた学力テストをせっかくおやりになっておられることでございますから、その際に今の学級編制の実際のあり方との関連でどういう成果が違っておるかというような点も私どもは十分研究をいたして参りたい。外国のことはもちろんでありますが、そういったことも含めまして、予算の問題とも関連がございますので、慎重に扱いたいと考えておる次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 学力テストの関係というのは意味がわからないのですがね。四十名の場合と五十名の場合とどっちが教育効果が上がるかというのは、まだ四十名実現していないので、そいつはわからないのじゃないですか。どういう意味ですか。  それから定数法案を文部省が出したいけれども、そういう関係があって大蔵省でなかなか話がつかないので、この通常国会に出せるか出せないか見当つかないというふうに聞いているのですが、そういうことでこの法案が出されないわけですか。

谷川寛三大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 学力テストの関係は、御案内の通り五十人の編制、中学は五十二人、小学は五十四人の編制でございますが、具体的には、実際には小規模の学校におきましては四十人のクラスもありましょうし、御案内の通り全国平均で申しますと小学校が三十八人くらいでございますか、逆でございましたか、五十四人、五十二人よりもずっと下の平均のレベルになっております。学力テスト等の際にもそういった実際の学級編制との比較におきましていろいろな教育効果の検討ができるのじゃないかという意味でございます。  それから法案につきましてはただいま御相談をいただいておりますが、先ほど申し上げましたような三十九年度の予算との関係におきましていろいろ問題があるということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 あなたの方で法案を押さえているのですか。出す話はまだつかないのですか。局長、どうです、出せるのですか。審議の心がまえがあるのであなたに聞いておきたい。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 標準法の改正につきましては目下関係省と相談をしておりますが、話がまとまれば出したいと考えております。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 関連して小林委員より質疑の申し出がありますのでこれを許します。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 時間がありませんからこれまた一つあとでゆっくりお聞きしようと思うのですが、やはり地方の教育に対する問題とすれば施設の問題が一番大きな問題だと思うのです。ところが今回は給食とかあるいは教科書の問題、非常な金が教育財政の中から出たというようなことで、国会そのものが施設の問題を軽視した感があるのですが、やはりこれはもっと重大な問題として取り上げて政府の意向も聞き、これからこの問題をもっと充実するように考えていただかなければならぬと思うのですが、今問題になった点だけでも、私はこの際相当資料等も文部省の方で用意をしてもらって、一つ勉強の参考にさしてもらいたいと思うのです。と申しますのは、今問題の中心になりました今までの施設が生徒児童の一人当たり坪数という問題できたわけですが、これはもう現実に絶対にそぐわないものであって、もっと他の角度から検討していかなければならぬじゃないか。今のお話にありましたように学級単位の形でもって校舎というものは考えていくべきだ。これはおそらく文部省としても考えておられるでしょうし、大蔵省としても検討されておる問題だと思うのです。そこで、私たちが地方から聞きますものは、生徒数が非常に減少してくる。保有坪数というものは相当ある。ところが今の一人当たり坪数でもって資格坪数というものを勘定して参りますと、そこに非常に差が出てくる。従って危険校舎というふうな場合に、改築する場合等は全然補助がもらえない。しかし校舎の使用状況からすればどうしても改築をしなければならぬ。こういう点から、今の生徒数の現状からすれば、わずかの補助をもらうことができるか、あるいは全然もう補助をもらうことができなくて、ほんとうに地方自治体の力だけでもってやっていかなければならぬということになる。せっかく危険校舎に対するところの補助制度があっても、これが活用できないというようなことから、ここで十分な実態に即した検討をしていかなければならぬと思うのです。そこで、少なくとも今お話しになりましたように、大体その平均のところの姿でいいですから、十二学級というふうなものを中心として保有坪数、最高のものがどれくらいの状態であって、しかもそれが危険校舎になるという状態もすでに調査されておると思うのですが、そういうふうなものもその中に含めて調査され、そうして実際これから改築等をする場合には補助金がほしくてももらえないものがあるとか、もらってもこれくらいしかないとか、その全国的な平均というものは私は出るのではないかと思うのです。そういうふうなものを大蔵省に要求することは困難でしょうが、文部省当局で調査をされて、私たちに一つ資料として出してもらいたい。これを今の話の中から私は要求するものですが、どうですか、局長さんそういうふうなものはいただけますか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 その実態は各学校別に見ないと出て参らないわけでございますので、全国的にその点を調査したものはすぐには調製できないと思いますが、これをある県等についてその点だけに着目して具体的な数字を出し結果を示すこと、現状を示すことはできます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 そういうものはいただけますか。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 調製して差し上げたいと存じます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 別に全国的な全体を網羅した調査の結果というふうなものでなくて、実際に今申し上げましたような生徒の多かった時代の保有坪数、それからそれが危険校舎の状態に入っておる状況、それから資格坪数というふうなものと対照したものをほしいと思うのです。そうしてもし学級単位でいくならばこういうふうな方法がよろしいというふうな案があって、それが私たちに示されるものならば示していただきたい。もちろん私はそのときに従来のようなものでなく、特別教室というふうなものを十分考慮された計画というものが必要だと思うのですが、そういうふうなものもできたら一つお示し願いたいと思うのです。どうしても私たちはそういうふうなものは勉強できませんから一応の案としてお示しになっていただきたいと思うのです。そうしてそういうふうなものをきっかけにして私はもう少し地方の要求というものと現状というものを文部省にいろいろとお願いをして参りたいと思っております。  それからそれにつけ加えまして、構造比率の問題、どこへ参りましても木造建築は、財政事情困難ではございまんが、許さないような状態になっておるし、それから坪単価の問題、これは長い間叫ばれてきた問題でございますが、私たちもこれを今回示されたような予算内容でなく、もっと実際に即したものを持って参りたいと思うのですが、ちょうど文部省それから大蔵省おそろいでございますので、この際一つ問題になっておった点をお聞きしたいのです。それは屋体の問題でございますが、ずいぶん長い。今福田局長が管理局長時代にもそのことはここでかなり約束までされたようなものでありましたが、小学校にまで及ぶようにしたい、こう文部省の方は言っておられたのですが、来年はなるか来年はなるかと思っておったのですが、まだ依然としてそこまで及ばない。しかもことしの屋内運動場の予算というものは、構造比率やあるいは坪単価の値上がりというふうなものは当然考えられておったのでしょうが、かえって予算が減ってきておる。この問題は何とも納得できないのですが、ここの事情を御両者からお聞きしたいと思うのです。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 小学校の屋体を一般補助の対象にしたいということはかねてからの私どもの念願でございました。また全国からの強い御要望であったわけでございます。しかしこの小学校の屋体につきましては、その多年の念願が三十八年度予算において実現できないことを、これはひとえに私どもの力不足の問題として残念に存じ、おわび申し上げたいと存じます。今後一つ十分努力いたしたいと考えます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 ことし減ったのは。

杉江清文部事務官(管理局長)

○杉江政府委員 ことしは小学校の屋体は一応なくなったわけでございます。中学校は残る。これは増額されております。小学校については、戦災復旧の部分がわずかでありましたけれども、それも含めまして、本年度は補助の対象にいたすことができなかったわけでございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 大蔵省一つ。

谷川寛三大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 ただいま管理局長さんからお話がありましたように、小学校の屋内体操場につきましては従来、戦災復旧のための、建築の補助を計画的に計上して参っておったのでございますが、三十七年度をもってその計画が完了いたしましたので、一応本年度は補助の対象にいたさなかった次第でございます。つまりその他の学校統合とかそれから危険校舎の改築とかいろいろ予算がふえる点がございましたので、一応計画が終わりましたものにつきましてはなくそうというような立場をとった次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 文部省の方の答弁と、大蔵省の方の答弁とは、全然性格が違った観点で話をされておるように思います。片方は力及ばずまことに実情にそぐわない予算であるということを言われているし、大蔵省の方では、戦災復旧がなくなったのだから当然だ。しいていえば、ほかに予算が必要だからというふうなことで、小学校の屋体というものに対する補助金が必要であるか必要でないかという見解の相違にまでなっておると思うのですが、大蔵省の方では実際地方の実情というものを御承知になっておるかどうか疑いたいわけです。時間もございませんので申し上げませんが、今大体都会地でない地方の小学校を歩きますと、いわゆる公民館式の建物を建て、そして屋体に間に合わしておるような状態なんですね。それほど要求はしておるわけです。しかし成規の補助というものがないために、いろんな形でもって屋体らしいものをつくっておる。僻地集会所にひとしいようなものであって、決して屋体の役目はしておらない。もちろん小学校といえどもいろいろな集会は持たなければならぬから、屋体には使用できないけれども、そういう形でもって公民館的なものでもって間に合わしておる。これも地方財政の中では非常に苦しいわけなんです。だが何らかそういうふうなものがなければ、実際学校教育がなっていかないですよ。このことは私が申し上げるまでもないと思うのです。それは積雪寒冷地の屋体というふうな概念で考えれば、ほかの所は必要ないというかもしれませんが、今の教育事情からすれば、そういうふうなものでなく、やはり集会させるというふうなものも必要だし、またこれが一般地方住民のいろいろな集会等にも必要であるわけなんです。だったらそういうふうなものをつくらせればいいのではないかというのですが、そこはやはり地方自治体の立場からすれば、兼用するというような形でつくっていくわけなんです。そういう実態を考えれば、当然小学校に対するところの屋体補助というものは、たとい今まで戦災復旧の形であっても、それを形を変えて残すような努力が大蔵省に私はほしいと思うのですが、いかがですか。

谷川寛三大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 一般的には、ただいま申し上げましたように、屋内体操場の現にない学校につきましては従来とも補助の対象にしておりませんでした。ただ戦災にあいました小学校につきまして屋内体操場を復活します場合には補助の対象にいたしておったのでありますが、それの計画が終わった、ただし学校統合とか危険改築に伴いまして、屋内体操場を建て直さなければならぬというものにつきましては、確かに事業量を三十七年度に比べまして一五%ふやしておる次第でございまして、ただいま申し上げましたような配慮をいたしておる次第でございます。

小林信一日本社会党

○小林(信)委員 戦災復旧の問題は、今地方の実際問題というものをもっと掌握してものを考えてもらいたいと思うのですよ。たとえば私の県の甲府市、あれは戦災都市ですが、戦災復旧の日を待って小学校の屋内体操場をつくろうと計画をしたのですが、父兄の立場からすれば、わずかな補助金を待っておったのではことし一つ建ち、また一年たつと一つ建つ、こんなことで待っておられない。しかしその必要性というものは同じなんだ。市民全体が均等の立場に置かれたいというところから、もう戦災復旧の該当者であっても、それを待たずに自分の費用でもってやろうじゃないかというような、最近の甲府市という一つの市ですから、別に新しく市に含まれたところもございます。町村合併等で統合されて参りますと、そういう形までできて、そして地方財政で、あるいは父兄の負担でもって間に合わしていこうというところまでいっておるわけなんです。そういうような父兄の教育に対する関心、地方財政が犠牲を払っても教育を満足させようという熱意、これを考えたら、もっと大蔵省が積極的に、ただ小学校の屋体の問題だけでなくて、これから考えられるだろうところの学校単位の施設というふうな問題にも、私は十分御理解が願えるのではないかと思うのです。  きょうは時間がありませんので、またいずれ施設の問題は大蔵省に十分御理解いくように私たちはお願いをしたいと思うので、きょうはこの辺で終わりたいと思います。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 谷口善太郎君。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 私は三つほどの問題について大臣に御所見を伺いたいと思って用意をしていたのですが、時間がありませんので、簡単なことを一つだけお伺いいたします。  炭鉱離職者の問題ですが、離職しまして転業した場合に住居が変わる、その場合に、特にこれは高等学校に現われておるのでありますが、離職者の子弟の高校生が転校するとき、新しく移った所の学校へはなかなか入りがたいという実情が起こっているのであります。この実情について文部省御存じでしたら最初にお答えを伺いたい。これは担当の局長さんでけっこうです。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 炭鉱などの離職者の場合に、転職いたしました場合の子弟の転校等で困るというようなことも若干は聞いておりますが、まだ集団的にその地区の高等学校にどうしても転校しなければならぬというような事例はあまり聞いておりません。従いまして私どもとしては、今までのところでは個々の教育委員会なり、あるいは学校当局と十分連携を保って、この転学等について希望する場合におきましては、相談の上でやるようになっております。そういう一般的な例に従って従来はやっております。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 今の御答弁でもけっこうのようでありますけれども、私どもの方へいろいろ陳情がきている。実情を見ますと、かなり今日までに高等学校の生徒の転校が困難だということが出ている。同県内での移動の場合もそうでありますが、他の府県へ行く場合でもそういう問題が起こっている。特に今度の炭鉱合理化案によりますと、ここ数年の間に約七万人くらいの人たちが離職する。この人たちは新しい職を求めて移動するわけでありまして、現に山口県あるいは福岡県あるいは北海道の——そういう場合に転校が非常に困難な状況にあると訴えている。しかも今申しましたように将来を見通しますと、相当数の世帯が新しい職を求めて転職するわけであります。また場所を変わる。ところがちょうど高校急増の時期でありまして、一クラスの余裕なんかもないような状況で新しく学級が編制される状況でありますから、大へん父兄としてはその点を心配しておる。一般的に住居が変わったというような場合とも違っておりまして、国の施策によってこういう大量の人たちが職を失って新しい場所に移るという事態でありますから、特に文部省としては炭鉱離職者に対する子弟の転校問題について、都道府県の教育委員会に、何らか合理的に解決できるように、それを受け入れられるような点に善処するような通達か何か出していただくようにできないか、これは大臣いかがです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○荒木国務大臣 個人々々が便宜的に移動しました場合、もしくは勤め人にいたしましても、会社からの命令で転任した場合等、現実問題として今政府委員が申し上げましたようなことで、それぞれの都道府県で善処してもらっておるわけですが、御指摘の通り何といいましょうか、社会的な必然性を持って国の施策としても集団就職のあっせんもするというような事態でございますから、今まで通りの感覚で放任しておけばよろしい問題とは思いません。さりとて義務教育でないものでございますから、制度上命令的にどうするという点もないかと心得ます。ただ問題の緩急軽重が、従来そういう機会がある場合とはおのずから趣を異にすることはよくわかります。そういう意味で都道府県に対してどういうふうな具体的な措置を事務的にとったらば、今私が申し上げる気持が具体的に透徹するかということは、今すぐ申し上げかねますけれども、気持としては事務当局を督励しながら善処いたすべき課題だ、かように心得ます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 善処していただくということでありますからそれでけっこうでありますが、実際上たとえば山口県の例なんか見ますと、炭鉱が閉山するような場合、これはどこでもそうだと思うのですが、いろいろなやり方がありまして、その企業主が責任を持ってどこかへ集団的に仕事を見つけてやって世話をするというような例もありますし、それから職業安定所その他を通じまして他府県へ出ていくというような場合も、個々の場合もありますし、集団の場合もあるということなんですが、ただ七万世帯の移転ですから、数といたしましてもかなりあるのじゃないか。それを私どもつかんでないわけですけれども、これは国の施策でやむを得ずよそへ行くというような場合でありますから、特別にこれは命令とか何とかはないといたしましても、合理的に解決するようなそういう態度で一つ善処していただきたいと思います。そして離職者諸君が子供たちのことを安心して国の施策に応じて——不幸な立場に立っておられるわけでありますから、新しい人生が切り開けるように、そういう勇気が持てるような、そういう方策を立てて、通達という名前では強いかもしれませんが、特にこのことについて都道府県の教育委員会に文部省としてお話し合いを願うということをここで確約いしてただくことはできませんか。

福田繁文部事務官(初等中等教育局長)

○福田政府委員 お話しのようにまとまってある地区の高等学校に入りたいというような場合に、これは困るわけでございますが、ばらばらに分散する場合にはそれほど大きな支障はなかろうと思います。従って個々の当該の学校にまかせても差しつかえないと思いますが、何かまとまって特定の地区の高等学校に入らなければならぬというような必要が生じて参りますならば、そういう事態に応じて、お気の毒な立場の方々ですからも私どもできる限り支障のないようにする、受け入れるというような意味におきまして、関係の都道府県の教育長などにそういう趣旨を十分伝えまして善処して参りたいと考えます。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる二十日水曜日開会することとし、これにて散会いたします。    午後一時二十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗