文教委員会 第5号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/25
会議録
○床次委員長 これより会議を開きます。 学校教育に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので順次これを許します。太田一夫君。
○太田委員 特に高校進学が非常に困難であるという現状にかんがみまして、文部省当局のお考えを一そう具体的に承りたいと思うのでありますが、まず第一に、本年度の六一・八%の進学率をお定めになりましたことに関連をしまして、今後昭和四十五年までにはどのような進学率の推移を見ると想定をなさっていらっしゃるか、昭和四十五年までの各年別進学率見込みの大よその数字をこの際お示しをいただきたいと思うのです。
○杉江政府委員 三十八年度の進学率を六一・八%に改定いたしましたが、三十九年、四十年はこの進学者の数をそのままにして進学率を引き上げる、こういう計画をいたしておるわけであります。と申しますのは、中学卒業者の数は三十八年度をピークとして年々減少して参るのでありますが、しかしそれだけの収容力、三十八年度の収容力を維持するということは、その入学者を同じように見るということにもなります。そのように計算いたしますと、三十八年度が六一・八%、三十九年度が六三・五%、四十年度が六五・四%、こういうふうになるわけであります。計画としてはそのような数字を見込んでおるわけでございます。
○太田委員 従って今のあなたのお考えから承りますと、これは昭和三十八年度の御計画が基礎になるわけですね。今の計画が基礎になって、その絶対数、大体百五十五万というところを中心に置いて、今後数年間というものは百五十五万だけを収容していこう、こういうことになるわけですね。従って昭和三十八年度入学者が今後の基準になるとすれば、昭和三十八年度の進学率の査定並びにその収容計画というのは、今後数年間に影響を持つということになれば重大問題ですね。従って三十八年度においては、先回文部大臣一の御答弁でも、六一・%八で終わるとは考えられない、これではやはり数万、七万か八万の中学浪人が出る、従ってその中学浪人の中にはやむを得ず学校をあきらめて職業戦線につかなければならぬものも出てくるであろう、少々無理でも学校に入れる者もあるであろう、いわゆる学校当局の善意によって、少々無理な進学をすることもあるだろう、そうなれば六一・八%が不動のものとは思わない、若干これは向上するであろうけれども、これは私の方でいかんともしがたいというお話があった。従って今の局長のお話からいいましても、六一・八%の百五十五万が今後数年間の基礎になるというのは重大問題だと思います。そうするとことしの六一・八%の進学率の見込みは、今日募集定員がきまり、そうして各校の実態がわかった後においても、これは大体正しかったとお考えになっていらっしゃるでありましょうか。
○福田政府委員 ただいま三十八年度の進学率について政府委員から申し上げましたが、私ども各府県の実情を調査して参りますと、大体先ほど申されました募集定員百五十五万人に対しまして、進学希望者の推定でございますけれども、これは百六十二万程度でございます。それで各都道府県の募集定員は百五十五万程度でございますので、私どもが計画いたしました六一・八%の進学率による計画と大体そごはない、大体一致しているというように考えておるわけでございます。
○太田委員 ここで一つ大臣のお考えを承りたいのでありますが、今のお話から類推をいたしまして、百五十五万の募集定員であるから政府の六一・八%というこの進学率というのは正しかったというような証明がありました。証明がありましたけれども、私どもはそういうふうにはどうも考えられない。六一・八%に合わせて募集定員が組まれておるのが実情でしょう。あなたの方の計画は昨年と同じように六四・八%ということであるならば、同じように六四・八%の募集定員がなされると私は思う。従って別の言葉で言うならば、進学率は科学的なものだけじゃないいわゆる先立つもの、予算がないから、従って昭和三十七年度のすでに予算にもこれは関連をしておるわけでありますけれども、ことしは予算がないから従って六一・八%程度しか入学を許すことができないのだ、やむを得ないことだ、お金がなかったから、お金を振り向けておらなかったから、予算を割り当てておらなかったから、六一・八%に押えざるを得なくなったんだ、こういうふうに金というものが募集定員を左右しておる、国家の予算が募集定員を左右しておる、生徒の進学率じゃない、学問を求めたいという希望から出たわけじゃない、こういうふうに私は考えるのですが、大臣、その点はいかがでございますか。
○荒木国務大臣 六一・八%という進学率は、何度も申し上げたことですけれども、当初昨年の一月二十六日の閣議決定の際に考えました基礎は、当時一番手近に正確に結果の知り得る年次は三十五年の実績でございます。三十五年では六〇%の進学率でございました。そこで六〇%の進学率を確保できるならば、すなわち国及び地方公共団体で財源措置をして、責任を持って整備するという計画内容を進学率六〇%に合わせるならば、九六%ぐらいの入学率を確保できるという全国的なめどを立てまして、それに応じて起債なりあるいは交付税の対策ないしは敷地買収の起債計画等をはじきまして、仕事量を考え、それに応じて国及び公共団体のそれぞれ担当すべき対策を立てたわけでございます。 ところで、進学率は年々向上する傾向にあることは御指摘の通りでございます。しからばそれを何で再検討するかと申せば、都道府県が現実に三十七年度において計画する、当該都道府県の進学率をその後の状況調査に基づいてそれぞれの計画を立てまして、前向き姿勢を整える、その実際的な施策を都道府県について確かめるほかにないわけでございまして、そういうことから自治省及び文部省、及び都道府県知事会議と連絡をとりながら、その後の推移をしさいに検討を加えまして、三者話し合いがついた、これならば大体いけるという見当をつけましたのが、六一・八%の進学見込み率の訂正ということであります。そういうことになりましたので、御案内のごとく三十七年度において起債の補正六十億近いものをいたしますと同時に、それと見合いまして三十八年度の計画数字をはじきました結論が、当初の予定を増額いたしまして、仕事量を金額で申せば二百十二億円ということにいたして、それぞれ起債及び交付税の財源措置をいたして今日に至っておるような次第でありまして、そのことは全国的に見ますれば大体九六%見当の入学率を確保できる。このことは文部省だけの独断にあらずして、先ほど申しましたように都道府県知事会議とも具体的な連絡をしました結論を押えて、以上のような計画に変更をしたわけでございますから、実績が結果的にどうなるかということの見比べはまだできませんけれども、今政府委員から申し上げましたように、おおよそ計画変更の線によって九六%見当の国公私立を通じての入学率は確保できる、こう見込んでおるような次第であります。
○太田委員 従って、大臣、あなたのお考えでは、何とか間に合うという結論になるわけでありますけれども、それじゃ進学希望者の数の見込みがあなたたちと私たちと違っておるじゃありませんか。私たちが考えております。現在つかんでおる進学者の数で言いますと、百七十五万になるわけであります。百七十五万程度の者があるといたしますと、あなたの九六%というパーセントを使いましても、今あなたのおっしゃった六一・八%の百五十一万九千人では間に合わぬことになるわけです。ですから、進学者の数というのがあなたの方は少し何か数字がおくれておるんじゃないでしょうか。もう少しあるんだ、百七十五万程度あるということをいまだに文部当局はつかんでいらっしゃらないのか。これは局長でよろしいから、進学希望者の数は、現在つかんでいらっしゃるのはどれくらいですか。
○福田政府委員 進学希望者は、先ほど申し上げましたように、私どもはこれは教育委員会を通じて調査したところによりますと、大体百六十二万人程度でございます。おっしゃるように、かりにそれが若干の増ということがございましても、都道府県としてはそれは大幅の増でない限りにおきましては、それに対する対策は考えておるようでございます。と申しますのは、東京都でも新聞に出たことと思いますが、若干この募集定員は募集定員といたしましても、収容力に余裕を持たせるというか、そういう伸縮を考えておりますので、若干その入学志願者の増がございましても、私はそんな大きな狂いはなかろうというように考えております。
○太田委員 それは局長さん、若干の進学者の見込み違いがあっても、実際にはそんなに困らないということは、東京都の例のように、何らか特別の措置をされるところが各地に出てくるであろう。従って、その特別の何であるかは千差万様でありましょうけれども、特別の措置によって何とか急場をしのいでいける見通しがある、こういうことでございますか。
○福田政府委員 その通りでございまが、その前提として百六十二万の進学希望者というものは、これは各府県で各学校において具体的にとらえた数字でございます。従って私どもは、この各府県から報告のありました百六十二万という希望数については、大体間違いないものと考えるわけです。先ほど申し上げましたように、それとの比率をとりますと、計画数におきまして約九六%になるということでございます。
○太田委員 だからもうちょっと先のことを言っていただかなければ困るのです。百六十二万と見て九六%になる、それは算術でしよう。私のお尋ねをいたしておるのは、百六十二万と百五十五万とは七万近い差があるわけです。その約七万の人を、今あなたの前段の説明によりますと、大体において東京都の考えましたようなプラス・アルファ入学方式によって何とか収容する見込みがありそうだと考えているんだ、そういうことであるように思うのですが、七万人はどうにもならないものなら、はっきりとそれはならないのだ、東京都の例ということをお引きになりましたから、その七万人は解消し得る見通しがありますということを考えていらっしゃるならば、ありますとお答えをいただきたい。
○福田政府委員 もちろん数字でもって申し上げたわけでございますが、百五十五万人と百六十二万人との差の七万人が直ちに浪人になると申し上げているわけではございません。これはこの前の分科会でも申し上げた通りに、それらの七万人の中には就職するものもございましょうし、それから高等学校の教育に必ずしも適当でないという者も志願者の中にはおると思います。そういうことでございますので、これが全部もう一ぺん全日制の高等学校を受けてくる、いわゆる浪人というようには私ども考えておりません。
○太田委員 木で鼻をくくった答弁といいますか、またいささかもあとになって責任を問われない答弁といいますか、そういう答弁を言っていただいても、これは国民は何らそれに対して意義を認めないでしょう。志望者と入学し得る収容し得る見通しの数は七万人の差がある、その七万人は就職する人が一部出てくるでありましょう。それからもう一つ、その中には進学を適当と認めないような、いわゆる学力の低い者もあると思うから、それくらいは当たりまえだというふうに聞こえる話は、国民にとってはあまりいい話ではない。文部省は、学問が不定しているなら学問を与えるという方針でなくちゃならないでしょう。その人が進学に適当でないとはどんな人ですか。そんな子供がおりますか。高校へ行きたい行きたいというのに、進学するのは不適当だなどという子供がありますか。どういう子供ですか。
○福田政府委員 これは具体的に申しますと、従来、中学の生徒におきましても、学業不振の生徒というものが三%程度はございます。従って、そういう者の中から志願者がありましても、高等学校の教育にたえ得ない者として、従来はこういう者は入ってないのでございます。従って、九六%という過去の実績も、いわゆる学力の劣っている者、そういう者については高等学校に入ってこないということでございます。従って、九六%という過去の実績も、そういう事情等から一〇〇%まででなくて九六%になっているというように私は思っております。
○太田委員 そうすると、四%程度は、常に入学を許可しても入学してこない者がある、だから気にする必要はない、こういうことですが、そんなとんでもないことになっておるのですか。三%ないし四%も入学を許可しても来ないような生従がある、過去の実例だ、少し残酷な話だと思いますが、ほんとうですか。
○福田政府委員 許可しても来ないということを申し上げたわけではございませんで、高等学校にはやはり高等学校の教育の課程なり内容に応ずる適正なる者を入れるというのが従来の建前でございます。従って、この選抜にあたりましては、校長が入学者を許可するという建前をとっておりますので、そういういろんな者が志願をいたしましても、それぞれの高等学校の具体的な課程なり教育の内容、そういうものに応じまして校長が判定をいたしまして、これが適当でないという者は入学の許可をいたしていないのでございます。そういった者が三%ないし四%はいるということを申し上げたわけでございます。
○太田委員 昨年の実際の入学許可数は何%でございますか。
○福田政府委員 高等学校の入学者は百二十三万人くらいでございます。これは全日制、定時制を合わせてございます。入学率は九五・九%という率になっております。
○太田委員 昨年高校に入れなかった人は、その三%の中にみな入るような印象を与えます。しかし、昨年は当初の計画よりも三%ですか、数%ふやした人数にいたしまして、七万三千人、予定よりも修正したはずでありますが、昨年は当初の計画がそれだけ進歩した理由というのは、やはり志願者が多かったからやった。志願者の中には三%ないし四%は特殊な生徒として除外しておる、だから実際に志望する者の大体九六%か九七%収容できれば、大体文部省としては一番妥当である、こう考えていらっしゃるわけでしょうか。
○福田政府委員 昨年進学率を訂正したとおっしゃいますけれども、三十七年度は私の方は進学率の計画を財源措置と一緒にきめたことはございません。ただ、見通しとして申し上げたことはあると思いますけれども、六四%になっております。三十七年度で入学数が非常にふえましたのは、いろいろ理由がございますけれども、私ども見るところでは、三十六年度に入学希望者が非常に少なかった関係から、私立学校等におきましては、この際に入学者を相当確保する意味で大量の入学許可をしたということも一面理由になると思います。そのほかには、高校急増対策として前向きに整備いたしました施設等につきましては、三十八年を待たずに三十七年からこれをある程度入れるというような措置を各府県で講じましたことも事実でございます。そういった意味で現実の問題としては進学率は六四%程度になっております。そのこと自体は何も否定はいたしませんけれども、私どもとして進学率を訂正したというようなことはございません。
○太田委員 まあ訂正されなかったとしまして、昨年は六四%、ことしは絶対数がふえたから六一・八%に下げた。下げても数そのものはふえるのであります。ことしはピークでありますからたくさんの人を収容しなければならぬ、そのお気持があることはわかるのです。数字そのものを減らしておるわけじゃない、入学する許可数を減らしていらっしゃるわけではなく、ふやそうとしておることはわかる。だが、どう考えても納得できないのは、先ほどから出ております志願者数と入学見込数との七万人の差を、どうもあなた方の考え方からいうと、就職する者とそれから不適格者があるという。この不適格者に重点が置かれておるのですね。先回の分科会におきまして私が大臣にお尋ねいたしましたときには、大臣の方からは、いわゆる向学心に燃える少年にもう少し勉学の機会を与えてやりたいという気持が現われていましたから、私は了解いたしました。けれども、今の局長さんの話というのは、早くいうならば、三%くらいはそんな高校なんかに入るのはなまいきだ、そんな者なんかとるわけにいかない、そういう者は初めから志望者の中から三%や四%は除外して数字を考えるべきだという先入観がおありのように考えられる。これは容易ならざることではありませんか。彼らは何かたわむれに高校を受けるのですか、たわむれに高校を受けようというのが七万人もあるのですか、一つからかってやろう、そんなような不適格なふまじめな受験者が七万人もあるのでしょうか。これは大臣、いかがですか。そんなふまじめな者がいるということになると大へんだと思いますが、荒木さんとしてそんなふうにお考えでしょうか。私はあなたのお考えは少し違うような気がするのですが……。
○荒木国務大臣 進学希望者が全部高校進学の適正能力ありという前提に立ってものを考えることは、気持としては私はわかります。そういう気持であるべきだと思います。ただ国なり公共団体としまして、入学してくるであろう児童生徒を受け入れるその受け入れ計画を責任を持ってやるというめどは、一面においてはまた納税者たる住民ないしは国民の立場に立って考える必要があろうかと思います。そういう場合に何を一体基準に置いて計画するかといいますと、先ほどもお答え申し上げましたように、統計なり実績なり全国的な視野に立って信憑すべき資料に基づいて計画することが当然の措置だと心得るわけであります。そこで、従来高等学校に対する計画としましては、最も身近な、時期的に近い実績なり統計を資料といたしまして、それに基づいて国及び公共団体の財政措置に対する責任態勢を整える、こういう考え方でずっときているわけですが、その考え方は、私は、以上申し上げるような対策を立てる場合にはやむを得ざることであり、かつまた当然な態度ではなかろうかと思うのであります。多年にわたって一〇〇%必ず進学希望者は入れるという建前をとっておるわけではありませず、とらないについては、義務でございませんので、いたし仕方のないことだと思うのであります。それは今政府委員もお話申し上げましたように、ある程度の結果的な不適格者があることは事実であります。そのパーセンテージが現実とあわせてみてぴたっとあっているかどうかということは別問題として検討しなければなりませんが、従来の実績、今御説明した政府委員の御説明とうらはらなるような要素があることは確かであります。だとするならば、毎年々々の希望者の中で何のだれそれが適格者でないということは事前にはわからない道理でございますので、従来の実績が物語るところの入学率をめどにいたしまして計画を立てる。そうしてもし実際の選考の結果一〇〇%が適格者であった場合、その場合には応急措置を講じても、現実にそれを入学させる努力を都道府県がやる。こういうやり方以外には、現実の方法としてはなかろうと推察するのでございまして、そういう意味合いから、計画としましては、考え方にそごはないものと私は心得ます。
○太田委員 局長さん、今、大臣が最後の方におっしゃったことでよろしいですね。あなたもそのことを言って下さい。かりに一〇〇%全部入れなければならないということは、いささか暴言のそしりがあるから、中にはどうしてもとれない人もある。だからそれはやむを得ない現実として認めてくれ。しかし一〇〇%適格者のある場合においては、各県が今までそれぞれの実情に応じて応急策をとって、入学を許可しておるという実例がある。この考え方は文部当局としては指示をし、そういうふうにあるべきだと考える。これは大臣のおっしゃったことが一番正しいと思うのです。あなたの言質をつかまえてとやかく言うわけではありませんが、三%やそこらは不適格者や不まじめな者があるから、そういうのは当然はねのけるのがあたりまえだということをおっしゃっては、国民としてははなはなだ心外だと思う。あなたの責任じゃない国民に対するあなたの文教政策の適格性を私は今お尋ねしておるわけで、今、大臣のおっしゃった通り、一〇〇%適格者であるならば、応急措置を講じても入らせるのだ、応急措置を講じても今まで入らせておるのだ、このことは今回も否定しておらないのだ。そうなんだけれども、それなら各府県、各地方の人たちは六一・八%であるとか、入学率は九六%幾らだ、いわゆる三%何がしはどうしてもはねのけられるのだということを頭から信じ込まずに、みんなまじめに勉強して、まじめに希望に燃えて、まじめに高校を志願しておる人であって、適格者である。そういう適格者であるならば、その子弟を無理に除外するつもりはない。応急措置を講ずる、応急措置というところに言外の妙味があるのであって、さすがに荒木さんは長年文教政策をやっていらっしゃって、私はそれを初めて聞いて感心しました。そういうことは、あなたとしてもおっしゃらねばいかぬ。その点はそれでよろしいですね。そのことをおっしゃらなかったけれども、その応急措置のことに関しては、あなたは別に否定していらっしゃらない、肯定していらっしゃるのですね。
○福田政府委員 誤解のないように申し上げておきますが、私は何も高等学校進学希望者が不まじめだということを申し上げておることは一つもございません。そういう気持で申し上げておるわけではございませんが、過去の実績から申しまして、高等学校教育に適格でなかった者が何%かおるということを申し上げたわけであります。従って財政計画として考えます場合には、やはり過去の実績というものを基礎にして当然考えるわけであります。それがすなわち六一・八%でありまた九六%という入学率を一応基礎にして私ども考えたわけでございます。その範囲内は財政計画として政府は裏打ちをしてやるという趣旨でございます。ただ都道府県のそれぞれの回答はいろんな事情がございますから、ただいま大臣がおっしゃいましたように、またただいま御指摘になりましたように、県としては若干の余裕を持った応急措置と申しますか、含みの措置がとれるようなかまえはしているということを申し上げたのでございます。
○太田委員 平たく言えば、大臣の最後におっしゃった応急措置を講ずることにも当然あなたの思想の中にある、そういう御表現だと私も理解いたしますから、その点はそれでとめおきましよう。 それからもう一つ、これは局長さんにお尋ねします。先回もちょっと少し触れたのでありますけれども、非行少年とかいう広い意味でなくして、たとえば犯罪者の統計を見ましても、どうも中学生というのが非常に犯罪が多い。それから十六から十八、十九まで、二十才未満の者が非常に年令別にも多い。こういう点から見まして、やはり学問というものが、今の日本の国民の実情からいいましたならば、高校程度の学問を等しく少年が受けることが、極力受けさせることが日本の国民の犯罪率を低下させ、日本の国民の良識を高めるゆえんだと思うのですが、こういう点はどうですか。そういう犯罪対策、犯罪実績から見て教育のあり方いうのは。
○福田政府委員 御指摘のように最近中学生のいわゆる非行がふえておりますことは御指摘の通りでございます。私どもとしてもいろいろその対策を考えておるわけでございますが、やはり生徒に対する指導というものが、学校の現場でもう少し徹底してなされる必要があるということは、これは私どもそれが一番大事な問題だと考えているわけであります。ただ高等学校にこれを送り込んで云々という話がございますが、この非行青少年の対策としては、これはもちろん教育の場として扱う以上はいろんな考え方があるわけでございますが、必ずしも高等学校でこれをやるということでなくして、やはり中学校の段階において、義務教育の段階において、そういう子供のしつけなり考え方というものをもう少し徹底させる必要があるんじゃないかというふうに私どもは考えております。また高等学校の段階は義務教育ではございませんので、少数のそういうものがまたいろいろ入ることによりまして、全般にもかなり影響を及ぼすというような過去の事例も、いろいろ教育者から指摘されております。こういった点で必ずしも高等学校に受け入れて、そうしてそれをやらなければならぬとは考えておりませんが、それに対する対策としてはやはり学校教育だけでなく、社会教育も家庭も、全般からこれを考えていく必要があるのじゃないかというふうに考えます。
○太田委員 中学校の学校教育においてなるべく非行少年を少なくする、虞犯少年を減らすということについては、何か教育のあり方にも関連があるでしょう。家庭教育にも関連がある。しかし、統計を見ますると、必ずしもそう言えないのです。たとえば触法少年を含めて少年犯罪は中学生の数というのが、昭和三十五年度の統計しかありませんが、中学生が一番学生の中で多い。二万五千四百七十六人。その次に多いのが小学生で一万二千二百六十九人。高校生になりますと小学生の半分くらいの七千六百四十人となる。有職者、職を持つ少年ということになりますと、これが中学生の二万五千よりも多い三万三千八百五十二人、これが有職者、職のある少年ですよ。これがあるし、また犯罪者の合計というのがありますが、千人当たりの割合を見ますと、昭和三十四年、三十五年も大して違いませんが、昭和三十四年のときは、中学生が四・三人、まあ四人ですね。高校生がほとんど統計に入りません。小学生が一人あって、仕事を持つ有職少年というのが五人余あるのです。こういう点から見ましても、私は、今のあなたのお考えの中学校において何か学校教育を刷新をして少年犯罪を防ごうとか、家庭の教育を云々ということになりますと、これは社会教育というと、非常に広範なことでありますし、なかなか大へんなことだと思うのです。さらにそれ以上にもう一つ目を注いでいただかなければならないのが、この職を持つ少年の犯罪です。この職を持つ少年の犯罪というのはわれわれが見ても、社会の現象から見て一番大問題だと痛感をし、国民もまたこれを非常に心配している。きょう警察庁の方がいらっしゃるかどうか知りませんが、警察庁の取り締まりの中でも、地方において何が一番大へんだといったら、それは実は中学を卒業してどっかの工場へ行った、そういう有職少年のこの動向が大へんなんだ、これが一番あぶない、こういうことを言っておる。してみますると、中学校とか家庭というところに根源を求めることもさることながら、職場という点にも一つの根源を求めなくてはならぬと思います。何かかりに利潤追求だとかなんとかいうことで、たくさんがりがり働かせて、もうけて、安い給料で使って、あとのことは勝手にしなさいということで、年端もいかない十五才か十六才の少年を夕方から夜、町の中にはうり出すということが、そもそも私は犯罪の原因じゃないかと思うのです。従って、これからの少年対策を考え、日本の国の、最も皆さんのよくお使いになります人つくりという言葉などから考えてみましても、りっぱな日本人をつくるという立場から見ましても、職を持つ少年をいかに教育するか、正しい人間に育て上げるかという問題が一つある。それは文部省当局のお仕事の中に入ると私は思いますがね。 そこで、中学を卒業した七万人の中には、中学を卒業して高校を受けたいけれども、すべってしまってやむを得ず職業につくという人が相当数、今の実情からあります。これは当然だといってはいけない。雨が天から地に降るように、高校を受けてすべった者は、これは職につくべきだ、こういうことは少々理屈にならない。何とかしてその人たちのやはり向学心にこたえてやる施設を制度をつくらなければならないと思うのです。そこで、そういう中学卒業者を雇用した雇用主に対する何らかの教育義務を課す方法というのがえられてしかるべきじゃないかと思いますが、それはことしは考えていらっしゃいませんか。もうそろそろお考えにならないと大へんなことだと思うのです。
○福田政府委員 御指摘になりましたように、職場で働く青少年の教育の問題は、非常に私ども重要と考えております。現在、まだ、定時制高等学校等に入っておる者はごく少数でございます。全く放置されているというか、大企業におきましては、自分のところで教養施設を持って、そこでやっておるところも相当ございますが、いわゆる中小企業の場合におきましては、そういう施設がほとんどございませんので、そういった面で、御指摘のように、これは非常に重要な問題でございます。諸外国におきましても、そういう職場で働く青少年の教養のために、一定時間あるいは週に何日というようなものを義務制にしている国もございますが、私どもとしても、将来の方向としてそういう方向に行くべきではなかろうかというような気持も持っておりまして、事務的にはいろいろな検討もいたしておりますが、まだそこに手が届いていないのははなはだ残念に思っております。
○太田委員 大臣にお尋ねしますがまあきまっておることではございませんが、将来の計画になるわけでありますが、たとえば週四十時間労働制というのを考えますと、日本の国では、今日のILO勧告から考えてみましても、週四十時間の労働というのは、十五、六才、十七、八才くらいの少年たちに対しましてはしごくあたりまえなことだと思うのです。決して短い時間じゃない。そして週四十時間制を実施いたしますと、週休二日制というのができるわけですね。週二日休日制というのが可能になるわけです。そうした場合に一日は休ませる。一日は朝から晩まで学校に行かせる。それを雇用主の義務として、働きつつ学ぶという体制をつくることはいかがなものでしょうか。私はそういうときは、今の局長さんからのお話からもきておると思いますし。現在の中学卒業者が非常に多いときにこそ、この対策を急がなければならないときだと思いますが、大臣の御所見はいかがなものでございましょうか。
○荒木国務大臣 私もお説ごもっともと思います。今政府委員から申し上げましたことを私も伝え聞いておりますが、特に西ドイツのやり方が非常に熟しておるように聞いております。そのことは今後具体的に検討する値打ちのある——値打ちのあるというか、具体的検討に着手する時期が到来しつつあると受け取っております。それと同時に青少年の犯罪ないしは非行事件につきましては、一般的に見物人的な気持が先に立って、批評だけが先行するうらみがあるような気持がいたします。もっと大人が、学校であれ一般社会職場であれ、青少年に対して非行事件その他に踏み入らないように親切気を持ってあたたかく迎え入れる。職場におきましてもそういう気持を含めて、青少年には対してもらう気分が出てきますれば、ずいぶん違ってくるのではなかろうか。そういう大前提があって、プラス今の御指摘のようなことが行なわれますならば、ほとんど将来に向かっては青少年犯罪と、いまわしい課題として口の端に上ることは絶滅し得るのではないかと思うくらいでありまして、具体的日程に上せて検討すべき課題になりつつあると心得ます。
○太田委員 働少年にさらに学問をというこういう立場をおとになることができれば寸そしてその学ぶ場合も雇用者の義務として学校に一日は通学をさせるということにかりになるといたしましても、私は一つの進歩であると思う。そういうことをお考えにならなければ、少年対策としては非常に将来日本国のあり方としていかがなものと思いますが、ぜひそれは一つ真剣に外国の例もありましょうから、日本の国の独自の実態から立案をしてほしいものと思うのですが、先ほど局長がお答えになりましたように、高校入学者の絶対数というのを常に百五十四万九千人に押えるというこの将来計画から見まして、私は別にそういう職につくことがやむを得ざるもの、不可避にされておる少年対策というものは、真剣に考えていただきたい。単に夜間制、定時制高校があるからそれでよかろうということではだめです。すでに夜間制の定時制高校というものは各地において衰微の様を見せておりますから、これに期待を寄せることはなかなかむずかしい。働きつつ一日だけは学校に通わせる、朝から晩まで一日は必ず行かせる。仕事をやって眠たい、眠たいというのではだめなんで、そういうことを考えていただくことは私は非常にけっこうなことだと思うのです。 それは今御意見がありましたから、次に自治省当局にお伺いをいたしますが、先ほど来の文部省当局のお話からいきましても、三十八年度六一・八%の入学率というのは、大体これをそのままにしておいて適格者が非常に多くて、そして募集定員をオーバーするところは応急の措置を講じて入れてもらうように期待をいたしている、こうおっしゃっております。それから先ほど来年度以降常に百五十四万九千人ということは大体において現行施設をもって、新しい施設をつくっていかないというお考えのように承るのであります。そこでことしの対策は一番大問題になる。私はそれに対して満足するわけにはいかないけれども、かりにことしの諸施設というものが基準になるということならば、ことしはよほど地方の実情に即した財政計画を立てていただかなければならなかったのですが、実は自治省当局も文部省と似たりよったり、政府の考え方と同じでありまして、国庫補助も求めない。知事会自身がまあ国庫補助なんかとても期待してもだめなんだから、あと起債一本やりでございます。これは普通高校のことです。工業高校のことは論外にしますよ。起債一本に立てこもらざるを得ないような立場におくということに対して、自治省は起債で何とか応じましょうなんてことを簡単に言ってもらっては困る。知事会が、国の補助は期待できないから、あとは起債一本でやるんだということを言うておるのでありますが、地方の要望に対して起債一本で必ず応じられる決意がありますか。それに対して文部省が補助は出さない、しかし応急対策は何とか考えるべく期待をいたしておる、こういう事情にあるときに、その施設の整備費は地方の団体に負担させておる。この中には赤字団体もあれば・非常に窮屈なる地方の住民の福祉を犠牲にしたところの上に建てられておる学校もある。従って普通高校などを完備しようとすることは、地方の団体にとって、特に都道府県の財政にとっては大へんなものだ。それを一切起債一本で、知事会あたりは期待をいたしておるのでありますが、それに応ぜられる覚悟というのはできておるのでありますか。これは財政当局、自治省からお答えを願いたい。
○松島説明員 ただいまお尋ねのございました高等学校急増対策の財源措置の問題でございますが、私どもは、六 一・八%なら六一・八%という計画に即して全体としての財源所要額がどれだけであるかということを十分ならしめることが先決問題であると考えておるのでございます。その中身について国庫裁助金をどうするか、あるいは起債をどうするかという問題につきましては、国庫補助金制度のあるものにつきましては、その制度の趣旨に沿って適正な国庫補助金が交付されるべきであるというふうに考えております。残りました地方負担につきましては起債でやるかというお話でございますが、私どもとしては地方団体の負担に属しますものは、その地方団体ができれば起債以外の一般財源の充足によって処理することが望ましいと考えております。ただ急激に大きな事業を実施いた しますわけでございますから、その分を全部当該年度の財源で処理すること は困難でございます。そういう意味で補完的に起債を考えていく、こういうふうに考えております。従いまして、今お話しの問題につきましても、何でも起債で処理をするという考え方はとっておりません。
○太田委員 松島さん、それでは何でやるのですか。起債でやらなかったら何でやるのですか。一般財源、一般財源と言うが、一般財源でやるだけのゆとりが地方の都道府県にあるものですか。東京都だって何も富裕団体じゃありませんよ。富裕団体じゃないからふん詰まりになっているじゃありませんか。
○松島説明員 三十八年度は御承知の通り二百十億ばかりの計画になっておりますが、そのうち三十億余は国の補助金でございます。あとの財源につきましては起債九十億、交付税の基準財政需要額に九十一億算入する、こういうような措置を考えておるわけでございます。
○太田委員 そんなスズメの涙みたいな金で高校ができますか、それはできませんよ。あなたは高校進学適齢期にあるむすこさんかお嬢さんをお持ちになっておりませんか。子供さんがなければ実感がわかりませんよ。寄付をとろうがどんなことになろうが、そんなことはちっともきめられないですよ。さて、勝ってくるぞと勇ましくうちを出ていったけれども、競争率は二倍だ、三倍だということでむなしく引き揚げてきた。みずからは、中学の時代には先生にも、君はあの高校は大丈夫だと言われていた。従って他の私立学校を受けなかった。さあ私立学校の方はなかなか入れない、こういうのが幾らも出てきますよ、選に漏れてむなしく一年間ほんとうに悩んで暮らさなければならない例は幾らでもあるじゃありませんか、悲惨なる中学浪人の実例が。九十億やそこらの起債で、交付税で九十一億出す、補助金は三十一億ありますということだが、補助金は今の一般の高校の対象にはなっておらない。しかも土地の問題が解決されておらない。高校の増設の場合、あるいは教室を増築する場合、土地がらち外になっておる。私は和歌山県の例を聞いたのでありますが、高校へ入ろうというので、それは工業高校でありますけれども、入学者が一人一万円出す。その入学者を持っている市町村が九万円を負担する、それを合わせて十万円、こんな例もあるやに承っておる。そういう税外負担に一切の財源根拠を求めるなんということはあまりりっぱな方針じゃないと思うのですが、どうですか。今の財源措置二百十二億で十分だという根拠をもう一ぺん示してもらいたい。
○松島説明員 先ほど申しましたように、全体の計画をどうするかということが問題であります。全体計画は、さきに立てました計画を今回改定いたしまして、三十八年度で申しますと、二百十億円見当になっておるわけであります。問題は、生徒の数を六一・八%といたしました場合に、それに必要な建設費は幾らかという問題であります。それは単価におきましても、構造比率におきましても、全体の計画に比較いたしましたならば相当の改善をいたすわけであります。従って現実に各県でいろいろな考え方もおありでしょうし、それを私どもが一律に統制をするわけでもありませんので、実際に事業をやります場合に、全体の集計は必ずしも政府の計画通り実施していくというわけにはいかない場合もあろうかと思います。これはそれぞれ自治団体としての判断により行なうことでございます。従いまして政府といたしましても、一応現在の六一・八%を基礎といたしました今日の状況において推定をいたしました事業費に対して財源措置をいたしておるわけであります。従いまして、土地の問題につきましてもまたお尋ねがございましたが、本年度は四十六億円を起債の対象といたしております。明年度においても必要が生じて参りますならばこれも考えて参りたい、かように考えておる次第でございますが、全体としては私は財源措置ができておるものと、こういうふうに考えております。
○太田委員 財源措置ができておるというところから、そうあなたもおっしゃらなければ困るのでしょうが、どうも私は不審な点が多々あるのであります。きょうは大蔵省はいらっしゃいますか。
○床次委員長 おります。
○太田委員 それでは大蔵省の主計局の方にお尋ねいたしますが、たとえば三分の一の補助ということになりました場合に、鉄筋の単価は坪当たり七万一千四百円でありますが、その七万一千四百円の三分の一は幾らでありますか。
○谷川説明員 私どもは単価については、これは実際に建築単価そのままではもちろんございません。全体の平均でございますが、校舎だけでもございませんし、公営住宅とかいろいろな補助単価との関連も考慮いたしまして、これならばできるという単価をきめた次第でございます。 なお、これだけごらんいただきますとなんでありますが、構造比率の方をごらんいただきますとわかるように、各方面の御要望の通り、新築校舎については全部鉄筋でお願いしておるわけでありまして、高校急増に遺憾なきを期しておる次第でございます。
○太田委員 大蔵省では、何兆円という予算は間違いないようにおはじきになりますが、七万一千四百円の三分の一がはじけないというのはちょっとおかしいですね。ところが七万一千四百円の三分の一というものは二万一千何百円だというわけではない。大体補助対象率というものがあるのですから、七七%をかけたものの三分の一ということになれば、おそらくこれは四分の一じゃありませんか。いわゆる大蔵省の三分の一ということは、四分の一ということである。こんなところに財政上の地方負担がふえる理由があるのである。三分の一というのは四分の一ですか、ちょっとこれを答えて下さい。
○松島説明員 従来から国庫補助対象事業にどれだけを取り上げ、どれだけをそれに対応する単独事業と見るかという見方の問題でございます。従来は七割が国庫補助対象事業であって、三割が単独事業であるというような見方が行なわれてきたわけでございます。この点につきましてはいろいろ私どもとしても考えがございまして、同じものであるならば一〇〇%国庫補助の対象とすべきではないかというようなこともいろいろ政府部内では検討して参ったわけでございます。さしあたり明年度は従来の七〇%からその率を引き上げまして、今先生の御指摘のような結果になったわけでございますが、私どもといたしましては、なお今後ともその点において努力して参りたいと考えております。
○太田委員 だから松島さん、自治省としても起債で十分だ、補助金で十分だ、今度の場合高校急増対策の諸施設もいろいろ手当はできておるんだとおっしゃってもらっては困る。実は大へんなんだ、全部あとのものは交付税を出せの、あるいは起債を認めようなんということになると、自治省としてはしりぬぐいを全部やらなければならない。それは大蔵省が渋ければ渋いほど自治省は最後のひもを締めなければならない。最後はどうしても校舎は建てなければならない。七割建てたからもうこれで完成したものと認めますというわけにはいかない。七割の校舎ができたから、それで十割できたと認めますと幾ら主計局がおっしゃっても、大蔵大臣がおっしゃっても、それはいけない。屋根のないところで授業はできません。そういうことは私はいかがなものかと思うのです。これは文部大臣の荒木さんも、悪い習慣があって、三分の一補助するとおっしゃるが、実は四分の一だ。昔から小学校だろうが中学校だろうが、三分の一を四分の一と教えた数学の先生はあまり聞いたことがありません。そういうことを言っていますと財政上のしわ寄せがどうしても父兄の方にいきます。もう一つは非常に財政力の貧弱な市町村にいくわけです。市町村が相当土地など持たなければいけない。ところが市町村というのは八、九割近いところが住民税などでもただし書き方式というものをやって、そして農山村から大へんな税金を取り上げておるのです。このただし書き方式の住民税というのはひどいもので、東京に住んでおればさほど感じませんけれども、一つの実例を申し上げますと、年間三十万円くらいの月給取りが奥さん一人持っておりますと、約三千円の市町村民税を出すのです。ところがそれが東京などの本文方式になりますと、千円で済む、大体三分の一なんです。こういうことでありますので、そういう農民や漁民などに非常に高い税金をかけておるところが、またいろんな学校施設などに対して無理やり取る。こういうことになりますので、三分の一補助するならほんとうに全額の三分の一にしてほしいし、極力補助の対象にすべきものは補助の対象にする、しないものはやむを得ぬから直ちに府県の独立財源でやって下さい、こういうふうにすっきりしたものにしなければならぬと思うのです。こういうことは将来の学校のすべてのあり方にも関連しますが、今の補助率の不適正なもの、あるいは単価そのものに問題がありますが、単価の適正化については文部省としてさらに大蔵省に積極的に是正を求めるという御決意がおありだろうと思いますが、念のために一つお答えをいただきたいと思います。
○荒木国務大臣 今のお話と同じ気持でおります。努力はしておるつもりですけれども、なかなか成果は思うように上がりません。上がりませんが、毎年ちっとずつでも一〇〇%に起債の対象金額も近づけていくということをやらねばならぬ、こう思っておるわけであります。一面大蔵省の気持もわからぬじゃありませんので、今までの数十年の戦後でも十数年の沿革を経て今日にたどりついておるわけですから、それ自体何かの意味があったろうと思われる。ことに官庁内部では前例主義が当然のことのように通用する習慣性がございまして、それをぶち破るのは容易じゃございません。そこで徐々に近づかざるを得ない。もし一挙にお説の通りにするとすれば、大蔵省の立場としては具体的には困る場合が出てくると思います。文部省だけではない。各省に関係する類似の問題は山積しておるわけですから、一挙に一〇〇%にするということをよしんば内心賛成しましても、一挙にやりかねる具体的な困難性があることもわかります。従っておのずから妥協せざるを得ない線に追い込められるわけです。これまたやむなしと思います。ただあきらめて一〇〇%へ到達する努力を放棄するかいなかというところに問題があるのです。放棄してはいけない。少しずつでもいいから、国会でどんなにしかられても漸進主義をとっていって一〇〇%まで到達したいものだ、こう思っております。
○太田委員 これは御返事、御意見を承りまして私も意を強うしましたが、荒木さんの世の中に与えておるムードというのはいわゆる猪突一本やりだ。早く言うならばまっしぐらに驀進型に、世人があなたに対する信望を寄せておると言われております。大蔵省に対してはやり先が曲がったということになっては、後世あなたの人物伝を書くときに少々支障がありますから、大蔵省にもそのままほこ先を曲げずに勇気を起こして進んで下さい。こういう低い単価の問題並びに補助率の三分の一は四分の一なんという方程式を出されては、国民はまどうばかりです。ぜひ一つ勇気を持ってさらに前進されますようお願いいたします。 大へん長い時間になりましたので、これで私は終わります。
○床次委員長 村山喜一君。
○村山委員 大臣にお尋ねいたしますが、先ほど大臣は応急措置を講ずる場合もあり得るということを言われた。これは熊本県の例でございますが、熊本県の教育委員会はそれぞれ各学校から出されました入学願書を練りに練って調整をして、そうして一回は進学の希望の変更も認めて調整を加えた結果、それでもなお二倍をこえるところの学校が六校ほど出てきた。だからその六校については緊急な措置としてその学校だけ六学級の増を認めることを措置した、こういうようなことが出ているようでございまして、その結果大体入学競争率というものが一・五二から一・四九倍に下がることになった。このように措置がされたわけでありますが、そういうように、いわゆる地域的に見て非常に競争が激烈になっている。そのようなことに対する応急措置を講じた場合は、そういうようなものを認めるという考え方であるのか、その点についてまず承りたいのであります。
○荒木国務大臣 このどうするかという課題にお答えする内容は、財源措置、起債であれ、交付税であれ、財源措置としてそれを改定して直ちにどうするかというふうな意味合いでのお尋ねだとしますと、直ちにどうするということは現実問題としてできないと思います。これは何度も申し上げる通りに都道府県が設置の責任者であるという立場に立って、文部省、自治省ともここ一年十分相談いたしまして、全国平均としては六一・八%ならば何とかいけるというめどを立てて今進行中であります。ところがいよいよ選考時期に入りまして、現実の進学希望者、入学希望者というのは、たとえば今御指摘の熊本県であれば、熊本県としてここ一年間相談しながら検討を続けてきたことと予想が違って多かったという場面に直面したときのお話をやっておられると思いますが、そういう場合に設置責任者たる当該県は、応急措置を講ずることはこれは当然のことでありまして、応急措置を講じた結果、その熊本県という公共団体において、その県財政が結果的にどうなったか。それをあとでどんなふうにめんどうを見るのか見ないのかということは、これは自治省のお立場からの検討をしなければいかぬと思いますが、想像しまするに、今申し上げましたように、応急措置を講じたから直ちに交付税をどうするの起債ワクをどんなふうにするのということは、直ちには出てこないだろう、やり方がないだろうと想像いたします。起債の問題につきましては、私もよくわかりませんから、自治省当局からのお答えに待ちますけれども、あくまでも、先刻もお話がありましたように、国の立場では全都道府県を通じて大勢はどうなるだろう、その全体の大勢に応じて総合的な財源措置を講ずる、それを具体的に配分するのは自治省の立場で配分される、配分された結果、今申したような予測せざるケースが出てきましたときには、応急措置をもって応ずべきことは当然のこと、その結末はしばらく様子を見て、当該県とも相談して、国の立場で処置すべきはする、こういうことになろうかと思います。想像を交えたお答えで恐縮でございますが、自治省プロパーの問題は自治省当局からのお答えによって補足してもらいたいと思います。
○村山委員 私が大臣にお尋ねしているのは、そういうような緊急な措置を講じなければならないのが各府県によってもう出てきている実態があるわけなんです。これは私の鹿児島県の例でございますが、女子高校の場合にその比率を求めてみますと三・五四倍という競争率であります。こういうような事態が出てきたというのは、やはり女子の高等学校の収容施設というものが非常に少なくて、そうしてこういうような面からその競争が激しくなってきたという例が出ているわけなんです。こういうような三倍も四倍も競争率があるようなところにおいては、何らかの措置を講じなければ非常に大きな社会問題が出てくる、こういうような実態から何かの措置を講ずるということが考えられるわけですが、そうなって参りますと、当然六一・八%という押え方にも若干の狂いが出て参ると思う。そういう緊急的な措置、応急的な措置というものは都道府県が当然講ずべきであるという考え方を文部大臣が言われた以上は、教育という立場において文部省がその考え方を貫いていかなければならない。ところが今日まで、それは今の大臣の答弁を聞いておりますと、地方財政の問題に関するので、財源的な措置は自治省の方から聞かなければわからない、こういうような話でございますが、この前も全入協の代表の人たちが大臣に会見を求めました。荒木文部大臣は、これは会見をなさろうとしない。自治省の篠田大臣は、皆さん方の布望を十分に承ろうということで快く会ってもらえた。田中大蔵大臣も、皆さん方の要望はどういうのか承ろう、こういうような態度であるわけなんです。そうして自治大臣は、そういうような状態が今後において生まれてくるならば、当然それは地方の実情というものを十分われわれが参酌して考え方をきめていかなければならない問題だという態度であります。ところが今の荒木大臣の答弁を聞いておりますと、どうも六一・八%という率にこだわって、それ以上の財源的な措置は文部省として必要生まれてきた場合でも、そういうような関係各省と強く協議をして、文部省のそういう教育の立場から自分たちの主張というものを貫徹をしていくんだ、こういうような考え方は何ら誠意として示されていないように思うのであります。大臣は先ほど応急的な措置を講ずる場合は当然あり得るのだ、こういうことを言われたのですが、そういうような措置を講じた場合には、当然六一・八%の率が若干引き上がっても、それに基づいてやるんだという決意をお持ちかどうかをこの際明らかにしていただきたいのであります。
○荒木国務大臣 先ほど現実の問題に即したつもりでお答えしたわけであります。御指摘のような事例が、たとえば熊本県で、県下全部について高校学校の学校区等を考え合わせてもなおかつ二倍、三倍であったかどうか。もし二倍も三倍もあったとするならば、文部省、自治省、県知事なんかと相談しましたときに、熊本県当局の見通しが悪かったということを意味するのであって、それ自体は責めらるべきことと思います。おそらくそうでなしに、ある顕著な高等学校だけを引例されれば二倍、三倍であったというのであって、これから国公私立を合わせて、最終段階においてはそうではなしに落ちつく先に落ちついたという、結果を見ないと判断ができない要素もあろうかと思います。従って、御指摘の具体的事例そのものにずばりお答えするのは時期尚早だと思います。もっと実態を把握した後に申し上ぐべき筋合いかと思いますが、それらを想像しまして先刻お答えしたわけであります。応急措置をなすべきことは高等学校の責任者たる知事として当の処置だと思います。その結果県財政にいかなる影響がくるか、県自体の独自の財源でまかなえるかどうか、まかなえないならばどうするかとは、あとで国との関係において調整さるべき課題として残るであろう、しかしながら応急措置をすることは、見込みがそんなにはなはだしく狂った場合には当然の措置として当該県はやるべき責任があるということを申し上げたわけであります。 高校全入運動の全国協議会の代表者に私が会いませんでしたのは事実であります。今でも会おと措いません。それは会長そのものが務台理作という人であることにどうも疑いを抱く。ある人は、教師の使命は、いわば共産革命の有能なにない手を育て上げることが教師の使命だというようなことを書いて与えた人でありますから、そういう人が会長になっておる運動は一体何を目標にしているのだろうという疑念を持ちますから、私はお目にかからない方がいいと思ってお目にかかっておりません。
○村山委員 務台理作先生の話を特別にお出しになったが、そういうような本が、どういうようなところに書いてあるのか私は知りません。大臣はそういうようなことを言明される以上は、その本を後日この委員会にお出しを願いたいと要求をしておきます。 そこで、都道府県がそういうような問題について応急的な措置を請ずるのは当然である。とするならば、そういうような応急措置を講じた場合においては、文部省が都道府県の教育委員会の立場に立って、あるいは知事当局の立場に立って財源的な措置を講じていかなければならないのだという、やはりそういうような方向というものだけははっきりお持ちを願わなければ、今の発言を聞いておりますと、それは都道府県が勝手にやったんだから、あとの財源的な措置については、文部省としては自治省と話をする場合でも、そういうようなことについて積極的に味方をするのだというような気持は持たないのだ、こういうような気持のように受け取れるわけですが、その点は大臣が後日の問題に譲っておられますので、今後の問題として取り上げて参りますが、ここで大臣にお尋ねをしておきたいのは、この前われわれの方に示されました三十八年度の公私立高等学校の募集定員調査、これは正確なものでございますか。三十八年一月末現在ということでお出しになっている。この公立だけを見てみましても百七万名というものが出ております。この内訳は全日制が九十万、それから定時制が十七万ということでございます。この数字をずっと拾い上げてみますと、全国的には全部はわかりませんが、私が今まで知ったところでは相当な食い違いがあるようですが、これははっきりした数字として自信を持ってお出しになっていらっしゃるのかどうか。なお、それと、もう二月二十日ごろで公立高校の場合には募集人員を締め切るわけです。現在、全国的に公立の高等学校に対する応募者数がどういうふうになっているのか、こういうような実態を踏まえておいでになるだろうと思うのでありますが、それはどのようになっているのか、なお時事通信の調べによりますと、大体全日制の高等学校、公立高校に希望をしている者の中で、はみ出る数は三十五万ないし四十万人ということがいわれて、数字として示されております。そういうようなものは、これは私立にも若干は行くでありましょう、あるいは定時制の方に回る者もおるかもしれません。しかし、全体のワクが百五十五万しかないわけですから、百六十二万名ということで推定をされておりますが、この百六十二万名というものを上回って、私たちの見方では相当上回る。大体十一、二万名は上回るのではなかろうか、こういうように推定をいたしておりますが、百六十二万名というのは、そういうような応募状況や、私立学校の応募状況、公立学校の応状況を見て、間違いないというふうに自信をお持ちになっておいでになるかどうか、この点はいかがでございますか。
○福田政府委員 高等学校の応募者については、まだ各都道府県で全部締め切っておりませんので、その数は現在まだ全体をつかみにくいわけでございます。ただし、申し上げました百六十二万という数は、各都道府県から調査の結果を報告して参りました数字でございますので、文部省としては、現在のところこれ以上の数字は持ち合わせておりません。また募集定員につきましても、一月末現在におきましてはこれは間違いのない数字と思っております。ただ、その後におきましては若干、先ほど大臣も申し上げましたが、県によりましては調整と申しますか、多少のゆとりをもって募集したいというようなところも少しは出ております。従いまして、それらの数字は確定的に申し上げられませんけれども、この募集定員を実際には少し上回るということは考えられるわけでございます。
○村山委員 上回っているところはいいのですが、下回っているところがある。たとえば広島県ですが、二万七千七百八十名と出ておりますが、これが新聞で募集の定員をずっと調べてみると、二万二千五百九十人というふうになっております。五千名ぐらいの開きがある。これは鹿児島の場合なんか、二万九百六十名と出ておりますが、これの確定した数字は二万三千五百八十七名、こういうふうに、まだそのほかに熊本県もありますし、東京都その他、ずっと調べてみますと、食い違いが相当あるわけなんです。こういうような数字をもとにして打ち出していった場合に狂いがあるのではないか。その狂いが出てきた場合において、どういうふうに措置するんだという態度が示されなければ、この問題についての安心感が出てこないわけです。百六十二万名というのは、これはずっと前はどれくらいの入学見込み数があるのかということで調査をされた数字であります。その後やはり経済状態の推移とかあるいはことしは二百五十万名も中学校の卒業生が出るので、勢い、これから先は高等学校教育を受けなくちゃならぬということで、高等学校に入りたいという者がふえてくる。そういうようなもののほんとうの見積もりが十分でなかった場合には、具体的に計画をされた基礎数字が狂った場合には、それを修正される御用意があるかどうかという点だけを承っておきたい。
○福田政府委員 これは締め切ってみなければわかりませんけれども、また締め切りましても、御承知のように何校かかけ持ちで受験するということもございますので、それらの確定数字はなかなかつかみにくいところでございます。しかしながら、県の教育委員会を通じまして、各学校について個々に高等学校に進学する者はどのくらいあるかという調査をいたしました結果が、百六十二万という数になっております。従いまして私どもはこれが非常に大きく狂うということはまずなかろうと思っております。ただ、昨年の調査とことしの二月末でこれがどのくらいになるかというこの結果は、ふたをあけてみなければわかりませんけれども、やはり個々人についての調査でございますので、私どもはそれを基本にするほか方法はないかと考えておるわけでございます。
○村山委員 だから、大きく狂った場合にはそれ相当の措置を講ぜられる御用意があるかどうかをお聞きしたい。
○福田政府委員 大きく狂うということはないと思いますが、先ほど大臣からも申し上げましたように、各それぞれの県内の事情によりまして希望者が若干見込みよりも上回ったという場合においては、若干の余裕をもった対策というものを各県とも考えるということは申し上げた通りであります。従いまして、その範囲において入学を許可するというようなことになると思います。その数もあまり多くはないと思いますが、各県の実情に応じてそういうかまえをもってこの急増対策として処置していくということは、各県ともやっておるようでございます。
○村山委員 そこで、政府の計画が初め六〇%だった、全国知事会での計画は六三%だった、それを三者で話し合いになって六一・八%という数字で一応全国知事会が折れたような格好になっている。だけれども、その間における弾力的な数値というものはこれは認めようじゃないかという話し合いが、すでに当時においても行なわれたやに聞いておるのであります。そうなって参りますと、そこに一・二%とかあるいは二%程度の見込み数というものの食い違いはあってもそれは財源的に措置が可能である、こういうような考え方も出て参るわけでありますが、その点については、自治省の方はそういうようないわゆる余裕というものをお持ちになっていらっしゃるかどうかをこの際承っておきたい。
○松島説明員 六一%にするかあるいは六〇%がいいかあるいは六三%がいいか、いろいろ論議がされたことは御指摘の通りでございます。いろいろ文部省でも検討されました結果、全国的に見て六一・八%で計画を立てようということになったわけでございます。従いまして、私どもといたしましては、全国的に見てこれで適当であるという判断のもとに財源措置をいたすわけでございまして、個々の団体におきましては、それぞれその団体の考え方の問題もございます。私どもが、すべての団体について、こういう考え方で何人でなければならぬということを、一々団体ごとに指示をいたすわけでもございません。従いまして、その団体の判断によってあるいはそれを上回りあるいはそれを下回ることがありましても、それは財源措置としてはおのずから別個の問題ではなかろうかと考えております。
○村山委員 そういうようなものの言い方というのは、私は大臣がわれわれに答弁をされたこととちょっと違うと思う。自治大臣は、そういうような地方の自主的な存在というものはもちろん認められる。だけれども、その地域の実情によって、それが全国的に集計された場合において若干の食い違いがあった場合には、それを直すのにやぶさかでないということを大臣みずから言われて、それに対して、自治省の松島参事官は、そういうようなことはありませんというような紋切り型の答弁をなさっていらっしゃるのですが、その点はどうですか。
○松島説明員 大臣に皆さんがお話しになったときは六〇%という政府の計画を是正すべきかどうかという問題の起こっていた当時のお話であろうと思います。私どもといたしましては、今申し上げましたように、一応全体の計画を立てて、その計画のもとに財源措置をいたすわけでございます。先ほども申し上げましたように、個々の団体におきましてはそれぞれ事情も考え方も違うと思いますので、場合によって政府の計画を上回ることもございますでしょうし、また下回ることもございますでしょう。その場合すべてその団体の言う通りと申しますか、その通りでなければならないということはないのではないか。やはりそこには直接仕事を担当いたしますものと、それからそれに対して財源措置をするものとの間に、やはり意思の主体と言いますか、それが違うわけでございますので、全部仕事をなされるところの御決定通りにしていかなければならないということは、必ずしもないのではないかというふうに考えております。
○村山委員 あなたのそういうような機械的な答弁を聞いているのではなくて、大臣はそういうような実情というものが修正をしなければならないようになれば、修正をするのにやぶさかでないということを言われた。それに対して事務当局のあなた方はやはり六一・八%という数字が最も正確であって、これにこだわってやるのだ。その範囲の中で上回ったり下回ったりしたって、それは各地方団体の自主性である、こういうようなことで、あくまでもこの計画を固執されるわけでございますか。それとも地方の実情がそういうふうに変わってきたら、そういう地方の実態というものをよく見て、国の財政的な措置、いろいろな考え方というものを考えてやるのだ、こういうことなのか。自治省としては地方公共団体のそういうような世話活動をされる立場にあるわけじゃないのですか。
○荒木国務大臣 自治省の事務当局としては、ああいう答えをすることは正しいと思います。と申しますのは、先刻来るる申し上げましたように、もともと三十五年度の実績に基づいて六〇%と予定し、さらに知事側と相談をいたしまして、その後の現実の見込みがコンクリートになるに従って六一・八%に修正することが適切であろうというのが、今の見込みの段階でございます。これはあくまでも見込みでございまして、財源措置をするために前向きの姿勢で準備している以上は、見込みたらざるを得ない。そして三十八年度のピークを迎えようじゃないかというような準備態勢は六一・八%で整ったものとして今日を迎えておるわけであります。ところでいよいよ締め切りも全国的に期日が到来しまして、それぞれ選考試験等が行なわれ、公立にどれだけ入った、私立ですべりどめしておったところで、踏みとどまって私立にどれだけ入ったかというような最終的な結果が出てくることと思います。その段階において、今村山さん御指摘のように、たとえば熊本ではかくかくであった、どこそこではかくかくであったということで、くしの歯を引くがごとく情報が集まって、締めくくってみればこうだということになろうと思います。そうなりましたときに、六一・八%を改めるという課題はすでに過去のことであって、現にそうなったら、ある学校のごときはまるですし詰め教室になった、そこではたして教育効果があるかどうかという課題が新たに登場してきた。またあるところでは適正な状態で応急整備をしたものの、県財政は火の車だ、そのほかの県独自の仕事はできないぐらいに窮迫したということも起こるでありましょう。起こり得ると思うのでありますが、そういう現実をとらえて、一つは教育目的上の立場に立って目的が果たせるかどうかという見地、あるいは、また地方公共団体の財政がそのままでいいかという財政的な見地、いろんな要素が出てくると思いますが、六一・八%で是なりと信じたけれども、結果は以上申し上げるようなもろもろの観点から見て是正を必要とするという事態が出てくることはあり得ると思います。それを改めて、いわば事後措置として何らかの考慮を国としてなすべきかいなかの課題が登場してくる。そういうときには、今御指摘の通り、自治大臣も考えるにやぶさかでない。私どもとしましても、特に教育的見地からこのままで放置できないという事態が現に出て参りました場合、あらゆる努力をして是正するという課題に取り組まざるを得ない。その責任は当然あると思います。そういうことも含めまして、先刻お答えしたつもりであります。
○村山委員 だいぶ前向きの話をしていただきまして、この問題につきましては、これ以上触れませんが、あと一点だけ、今大臣がすし詰めという問題に触れられましたので、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の内容について、考え方をお尋ねいたしたいと思うのであります。 御承知のように、この法律が、今度の四月一日から完全に施行されるようになりました。今度の地方財政計画の中でもこの法律の施行に伴う増加人員が計上されておるわけであります。そうなって参りますと、この附則の第六項によりましていわゆる生徒数に対する補正を用意いたしております。九%減によるところの補正ということで、すし詰め学級の問題がずっと出て参るわけであります。そうなって参りますと、普通科の場合には一学級が五十五名、実業課程の場合には四十四名、こういうようなことになるわけであります。考えてみますと、今度小中学校の場合には、定数法の法律通りの施行によりまして、小学校も中学校も五十名ずつということになります。高等学校の場合には、急増期にあるがゆえに五十五名あるいは四十四名ということで教育がされなければならない、こういうような格好の中で、今後の公立学校の運営、学校教育の内容の問題が当然今後論議をされなければならないと思うのでありますが、これについて一割のすし詰めばやむを得ないのだ、この法律が現にある以上は、やはり教育効果が下がってもやむを得ないのだという考え方で文部大臣はおられるのか。それともそういうようなすし詰めの状態というものが出てくることは明らかだ、それに対するところの教育上の効果というものを減殺しないために何らかの法律の改正を考えていかなければならないとお考えになっておるのか。その点について大臣の決意のほどを承りたいのであります。 それからこれは局長でもよろしいのでございますが、御承知のように、最低の基準が第九条で掲げてございました。八に達しない場合は八名を、百名以上の定時制の場合には置くように相なっておるのであります。従いまして最低の基準は当然高等学校の定時制の場合で参りましても八名の専属の先生がおいでになる、こういうことになっておりますが、新しい教育課程の実施に伴いまして、それぞれ高等学校の教育の内容は充実されていくということに相なります。そうなって参りますと、現在高等学校の設置基準に掲げてございますように、十二名というものは、これは教科の担当の上からずっと見て参りますと、どうしても最低置かなければならない先生の数ではないかというふうに考えられるわけであります。その設置基準は、そういうような線を示しておりながら、法律では最低八名しか確保されていないということは、これは前にありますところの設置基準よりもはるかに下回っている。だからこの設置基準まで法律の最低保障を高めていかなければならないのだという考え方が、出てこなければならないと思うのでありますが、それに対するところの担当局長の見解と今後の対策をお尋ねしておきたいと思うのであります。
○荒木国務大臣 この一割のすし詰めを、ピークを乗り切りますために法律上お認めを願っておるわけであります。認められておるから、そのままでまっしぐらにいくのだ、心がまえとしてはそうは思っておりません。おりませんけれども、いわば終戦によって起こりました民族的な重荷を背負わざるを得ない、その場合に理想に近いような姿で学校教育をすることが願わしくはございますけれども、また一面納税者たる生徒の父兄の立場に立ってそんたくします場合に、税金は幾らちょうだいしてでも整備するのだという考え方でいくのもいかがであろうか。従って生徒にも気の毒でございますけれども、親も一緒になってごかんべん願いたい、また先生方もそれだけ仕事量がふえ、めんどうがふえることは重々わかりますが、やむを得ざる全国民的なむずかしい課題を乗り切るために、一割だけふやしていただいて御協力をいただこう、そういう気持で不本意ながら一割のすし詰めということでスタートしておるわけであります。この状態はなるべくすみやかに解消されねばならない、そしてさらに前進する態勢に移らざるを得ない、このことは教育的に見まして当然のことかと思います。しからば何年度からそうするんだ、具体的な計画を、考えを言ってみろとおっしゃいましても、それはございません。ございませんが、心がまえとしてはそういう気持でこのピークに対処すべきであろう、現実問題としましては三十九年度、四十年度と、七、八万ないしは十四、五万ずつ、生徒数というかピークは低下のカーブをたどって、四十、四十一、四十二とたどりますればずいぶん激減するわけでございます。それを何も当て込んでおるわけでもむろんございませんけれども、そういう傾向を念頭に置きながら、できるだけすみやかに一割のすし詰めを解消する努力をしたいという気持だけは文部省としては持っております。
○福田政府委員 高等学校の定数法の問題についての御質問でございますがこれはすでに御承知のように協賛を得まして成立したものが八人ということになっております。従いまして私どもは、これは最低として八人あれば高等学校の教育としてはやれるという計画のもとにこういうものをやっているわけでございます。ただ設置基準の問題につきましては、いろいろな場合を考えまして、この定数法よりも若干上回った数字をきめていることは事実でございます。しかしこれらの問題は将来の検討問題であるかもわかりませんけれども、現在の時点におきましては定数法の定数で差しつかえない、こういうように私どもは考えております。
○村山委員 教科が八教科であれば八名でやっていけるのです。ところが教科の数はそれと合わない。そうなりますと八名でやるということは無理なんです。だから当然専属でない、いわゆる講師であるとか、非常勤講師であるとか、そういうようなものを用意しなければやっていくわけにいかぬ。だから、八名でやっていけるはずだとおっしゃるその根拠を、これはきょうでなくてもけっこうですが、示してもらいたい。免許法との関係やら、どういうような受け持ち時数を——十八時間以内で法律は押えてある、それを標準にしているわけですから、そうなった場合には、どういうような組み合わせをやった場合に職員構成は八名でよろしいという結論が出るのか、その科学的な根拠を、いろいろな例について持ってきてわれわれにも示してもらいたい。その点は後日に取り上げて参りたいと思います。 大臣が言われましたその気持は、大臣もわれわれももちろん持っているわけですが、その気持だけを持っておりましても、具体的に実現されない限り、父兄はすし詰めでもいいから入れてくれということで、すし詰めもやむを得ないという気持になりましょう。しかしながら学校の先生は、一割もすし詰めされたらそれだけ労働時間が長くなるし、実際上無理なんです。そして超過勤務手当があるかというと超過勤務手当はない。今までも超過勤務のそういう重労働をやって、また一割のすし詰めのために君たちもがんばってくれということでは、教師の場合に困るわけです。そういうような場合には、ことしはとにかくこれでいくんだ、しかし来年はそういうように百五十五万人という生徒数を基礎に考えているんだから、こういうものについてはもっと人員を増加するなり、何らかの配慮をしなければならない、そういうような具体的な計画を立ててやっていくんだという決意までは表明できませんか。
○荒木国務大臣 もちろん具体的計画を検討せねばならぬと思います。今具体的案がございませんから、今はないと申し上げたのであります。さっき申し上げたような心がまえでこの問題と取っ組んでいくべきだ、かように思っておるわけであります。
○村山委員 時間の関係がありますので、これでやめます。
○床次委員長 山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 ただいまお二人からいろいろ質問がありまして、大臣のお答えがございましたが、地方にいる一般の父兄の気持というものを大臣はどうもわかっていないような気がするのです。先ほど村山さんが数字をあげましたけれども、公立高校の全日制の募集人員が九十万ですね。これに対して、報道機関等の調査したところによりますと、全日制高校の希望者の数が百三十万ないしは百三十五万人くらいに達している。それだけを計算いたしますと、競争率でいえば当然一・四倍ないしは一・五倍に近づいているわけです。私も最近宮城県その他の県へいろいろ行って参りました。宮城県のごときはちょうどこれと同じようなわけで、公立高校の全日制に対する競争率は一・五倍から一・六倍くらいになっておるように見てきました。普通の収入しかない家庭の父母の願いからすれば、入学金を多額にとられ、あるいは授業料を多額にとられる私立の高等学校よりは、できれば負担の少ない公立の全日制の高等学校に子供をやりたいというのが当然だろうと思うのです。そのほかに定時制があるじゃないかといいますが、初めから定時制を志望していく子供はそんなに数はいないと思うのです。そうなってくれば、今高等学校の入学難という声が父兄の間から上がっているということは、今申し上げたように、公立の全日制の高等学校の募集人員に対して希望者が一体どれだけあるか、これが実際の問題となって父兄の大きな要望になっていると私は思うのです。大臣はこのような点は十分御存じだろうと思うのでありますが、そういった父母の素朴な願いから見て、現在の高等学校入学難緩和の対策が十分であるとお考えでありますかどうか、この点をまずお聞かせいただきたいと思うのです。
○荒木国務大臣 計画としては十分というのはちょっと言いかねるかとも思いますけれども、少なくとも戦後最近に至りますまでの実情に即して対策は立てられたものだ、この意味においては一応十分と心得ております。むろん先刻来お答え申し上げているように、従来は前向き姿勢でなしに、その年の入学希望者を確かめてから、その年度に対策を立てるというやり方できておったようでありますが、それではいわゆる生徒急増時期に無用の混乱と不可能に近い仕事量を引き受ける難問題に直面するおそれを多分に感じましたので、昭和三十六年度の予算以来、六年度、七年度でもってできるだけ前向き姿勢で完備したいという考え方から今日に参っております。その最終段階の前向きの予測が六・一八%の修正によって三十八年度の最大のピークに直面する、こういうことになったわけでございます。そこで実際のふたをあけてみまして——と申しますのは、入学希望の締め切り時期も終わって、選考も終わって、現実に国公私立にどう落ちついたかという結果を見た場合に、村山さん先刻来御指摘のように、各都道府県によって実態は、程度の差はございましょうけれども、がまんできる程度か、できない程度にまでいっておるのかということが初めてわかると申し上げざるを得ないと思うのであります。従って、その現実の結果に照らしてどうであるかという場合に、十分であり得るとまでは断言いたしかねる気持もしないではございませんが、今までの前向きに予測をして推定をした数字に基づいて事業量を推計し、それに応じて都道府県なり、あるいは国の立場で相協力してこのピークを迎える態勢という予算的な考慮からいきますれば一応十分であった、かように思っておるのであります。
○山口(鶴)委員 私は昨日私の知り合いの中学校の教師に会いました。その教師は、私が一体どこへ行ったのだと聞きましたら、私立の高等学校の入学試験に自分の学校の子供を引率して行ってきた、こういう話でありました。そのときの事情を私に話したのでありますが、結局ことしは高等学校の入学難がきびしいわけです。ですから子供も心理的に非常に動揺しているわけです。その教師の引率していきました子供の中に、試験場に入ったら緊張の余り嘔吐をした子供が二人おったそうであります。私はその話を聞きまして、その生徒は多分公立学校も受けるんでしょう、しかし公立学校の競争率はきびしい、従って私立学校も受けなければならない、私立学校を受けるについても、もしこれですべったら公立がどうなるかわからぬ、そういった緊張感が今言ったような状態に子供を追い込めたのではないかと思うのです。先ほども大臣の数字のお話をいろいろ聞いておりましたが、その資料は全国の知事会なり教育委員会を通じていろいろ数字をあげて、そうして足して二で割ったかどうか知りませんが、六一・八という数字が出、それに伴って云々と言っておりますが、大臣、私が今申し上げたような、それほど緊張している、追い込まれている子供の心情というものをどうお考えですか。私は大臣の気持を聞いてみたいような気がするわけです。
○荒木国務大臣 私も子供を持っておりまして、受験期に際会して胸の迫るような気持がいたします。感情的に、人情話的には遺憾なことであると思い、何とか必要以上のといいますか、不当の緊張にかり立てないで済むような手はないものか、そういうことを文教当局としては考えねばなるまいという一つの課題のあることは意識いたします。ですけれども、先刻来申し上げるような国の立場で全国的にどうするかということになりますと、申し上げたような根処に立って対策を立てるほかにどうもより賢明な、ぴたりといくような方法も見つかりませんので、ベストを尽くして六一・八%にたどりついた、こういうふうな気持でおるわけであります。もとより、先刻来たびたび触れますように、結果に基づいて見込みが違ったかどうか、違ったならばそれに対していかなる対策を講ずべきかという課題は残ると思いますけれども、少なくとも今までの前向き姿勢の考慮からいたしますとほかに考えようがなかったのじゃなかろうか、口幅ったいようですが、関係者、関係省ベストを尽くしたつもりでおるわけであります。
○山口(鶴)委員 六一・八%の問題については、すでにお二人の方からいろいろ議論がございましたから、省略をいたしましょう。問題は、大臣はベストを尽くされた、こういうわけであります。しかし公立の高校の入学難解消の問題に対する経費として計上されました額は、昨年度当初百五十四億、その後五十八億ばかりのいわゆるワク外債がつきまして、計二百十二億、昭和三十八年度は前向きの姿勢ということでありますならば、少なくともこの二百十二億は相当額増加をすべきだろうと私は思うのでありますが、残念ながら補助金について三十一億、起債九十億、交付税については昨年同額の九十億、起債のごときは十八億減っておるわけでありますが、合計で昨年度と全く同額の二百十二億であります。これでは前向きの姿勢とはいえぬじゃないですか。
○杉江政府委員 前向きの姿勢の前向きの意味がちょっと問題でありますけれども、財源措置を前向きにする、一年前に、入ってくる生徒のために校舎をつくって用意をしておく、そういう意味においては三十七年が一番のピークになるわけでございます。それから順次そのあとを追いまして整備されていくわけですから、そういう意味におきまして、今年度の総経費が三十七年度と同額である、しかしこれは、もちろん三十七年度改定いたしまして、引き上げたわけです、その引き上げた額と同額であるということは、全体を前向きに整備しており、全体計画を充実するという意味においては正しいと考えております。
○山口(鶴)委員 そういうのは前向きでなくて、足踏みですよ。極端にいえば、三十八年がピークになるというならば、結局三十七年度で、局長さんが言われる通りだとするならば、三十七年度の財源措置が全くなっていなかってから、今日私が先ほど例をあげたような問題が起きている、こういうふうに反省すべきではないですか。
○杉江政府委員 その点、前の計画が不十分でありましたから改定いたしまして、先ほどお話がありましたように、起債措置として五十八億、そのほか用地費として約六億、これだけの補正をして、従来の計画の足らざるところを補ったわけでございます。
○山口(鶴)委員 昭和三十七年に各都道府県が高等学校急増対策に対してどの程度の新設、増設の坪数を予算に計上し、事業費としてどのくらいの予算を計上されたか、この資料はございますか。
○杉江政府委員 まだその数字の結果の詳細な資料はございません。ただ都道府県計画として前からやりたいと考えられた数字はございます。それは知事会で一応出されているあの資料に基づく数字でございますが、それによれば現在の政府計画よりもやや上回っておる数字が出ておりますけれども、実際にどうなったかということはまだつかんでおりません。
○山口(鶴)委員 少し怠慢じゃないですか。昭和三十七年度の各都道府県の当初予算の事業費総額でも四百億円をこえておったことは、局長も御存じだろうと思うのです。その後各都道府県が大幅な追加補正を組むところの九月ないし十月、それからその後十二月、これらの段階の補正予算をどのくらい組んだかという調査ぐらいやってないことは、私は怠慢だと思うのです。そういうのをやってないのですか、当初予算ぐらいわかっているでしょう。
○杉江政府委員 知事会の出されている数字はつかんでおりますが、その後いろいろ国の財源措置も修正されております。それによってある程度の計画変更も行なわれております。そういったごく最近の結果の数字はまだつかんでおりません。都道府県計画では、御存じの通り知事会の方で考えられている数字を申し上げますと、一般校舎で二十七万七千坪、それから屋内運場で一万八千坪、こういう数字を考えられておるわけでございまして、ほぼこれに近い実施が行なわれているかと存じます。
○山口(鶴)委員 六一・八%に改定をいたしました昭和三十七年度の事業量、坪数では新設の坪数が十一万二千八百坪でしょう。そうですね。屋内体操場が別に一万三千八百坪、合計いたしまして十三万坪程度ではないですか。
○杉江政府委員 今おっしゃった数字は実際の改定した計画ですか、政府計画の方の数字でございますか。
○山口(鶴)委員 政府計画。
○杉江政府委員 大体そういうことです。新設で十一万三千坪、屋内運動場で一万四千坪でございます。そのほかに既設の坪数がございますが、ただいま御指摘の数字は大体その程度でございます。
○山口(鶴)委員 既設の坪数なんというのは、すし詰めだということでしょう。既設のいろいろな建物を直して、要するに教室に転用して使える、こういうことなんでしょう。
○杉江政府委員 そうではなくして、既設の学校に増設する分がございます。新設というのは、新しく学校をつくる場合でございます。
○山口(鶴)委員 それでは都道府県でいわゆる増設分の坪数は一体幾らですか。それから政府計画の増設の坪数は今お話を聞きましたが、約十二万六千坪ですね。都道府県の計画はどのくらいですか。
○杉江政府委員 都道府県の計画は十三万四千坪ということになっております。
○山口(鶴)委員 そうすると増設分は大体合っているといいますか、あまり違わぬようでございますが、新設におきまして片や二十八万坪に対して政府計画では十一万三千坪しか組んでいないということになれば、そこでもって十六万坪からの相違が出ているわけですね。
○杉江政府委員 ちょっと私増設と新設とを混同してお答えしたかと思いますが、なお繰り返して全体を申し上げますと、一般校舎で都道府県側で調べられた計画数字、それは二十七万七千坪、そのうち学校を新しくつくるという計画の坪数が十三万四千坪、それから既設学校に増設する坪数が十四万三千坪でございます。これに照応する政府計画を申し上げますと、一般校舎で二十三万九千坪、その内訳としまして新設で十一万三千坪、既設で十二万六千坪、こういうことでございます。
○山口(鶴)委員 しかし事業費はずいぶん違うでしょう。
○杉江政府委員 これは単価、構造比率等においても違っておりますのでやはり事業費も相当違っております。知事会の方で計算された数字は一般校舎二百十三億、その内訳といたしまして新設百十一億、既設百二億でございます。これに照応する政府計画は一般校舎で百六十億、内訳として新設八十一億、既設七十九億、こういう数字になっております。
○山口(鶴)委員 そのように坪数において約四万坪金額におきまして実に五十億円程度の負担を都道府県に実質的には背負わせておきながら、なおかつ先ほどお二人の方や私が指摘いたしましたような悲惨な状態を生み出しているというところに、私は政府計画の昭和三十七年度におけるこの予算措置がいかに不徹底であったか、それが現在の入学難を招来している、そういう文部大臣に十分反省をしていただかなければならぬだろうと思うのです。結局昭和三十七年度におきましては、これからすでに追加をしろとかいうようなことは現実的でありませんから、問題は昭和三十七年度において五十億円以上に上るところの、都道府県に対する財政的なしわ寄せを生じさせて、なおかつ昭和三十八年度を迎えた、こういう現状だろうと思うのです。しからば昭和三十八年度の二百十二億、これが構造比率等についても、あるいは建築単価等についても十分なものでないということだけは文部省よく御存じだろうと思うのです。当初文部省は建築単価については約二割ぐらいふやさなければどうにもならないという要求をされたのではないですか。
○杉江政府委員 その通りでございます。
○山口(鶴)委員 しかるに昭和三十七年度の建築単価の是正はどうかというのを私も見てみたのでありますが、鉄筋において九・三%、鉄骨において八・二%、木造において一六・二%でありますが、現在の高等学校の建築がほとんど鉄筋、鉄骨に集中しているということを考えるならば、昭和三十八年度においても都道府県に大きなやはりしわ寄せを来たすということは文部省も当然考えられたと思うのです。 自治省の方にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、地方制度調査会は財政秩序に関する答申をなされたことを私は聞いているのでありますが、あれには国の補助金がきわめて不適切なために、地方自治団体の財政に大きな影響を与えている。これをすみやかに訂正をしなければならないということを言っているわけであります。自治省としては高等学校の増改築について坪数自体にも非常に問題があるし、同時に建築単位自体において地方財政を非常に圧迫して昨年においてすでに明瞭になった分だけでも五十億、その後自治体、都道都県で努力した分を加えればさらにふえるでありましょうが、こういった地方財政に大きな圧迫を加えているという事実に対して一体どうお考えですか。
○松島説明員 御指摘の通り地方制度調査会におかれましては国庫補助の基準になる単価の問題でありますとか、あるいは時代の進展に伴います建物の恒久化の問題でありますとか、そういった問題について適切な措置を講ずべきであるという意味の御答申がなされております。それで高等学校の急増対策の問題につきましてもそういった答申の趣旨もございますので、文部省におかれましてもまたわれわれもいろいろ相談をいたしまして努力を続けて参っておるわけでございまして、先ほど来文部省から御説明のございましたように、単価におきましても相当額の引き上げが行なわれておりますし、また構造比率におきましても新設校等におきましては一〇〇%鉄筋にするというような改善も進められてきているわけでございます。先ほど文部大臣からもお話しがございましたように、なかなか一挙に理想に近づくことも困難ではございますけれども、今後とも努力をいたして参りたい、かように考えております。
○山口(鶴)委員 大臣忙しいそうですから、大臣にそれではこの問題だけを聞いておきたいと思うのですが、今、文部省当局の方では努力をされるというお答えがありました。しかし私の考えておるところでは、文部省は地方自治団体に対して財政的に圧迫を加えるということについて不感症になっておるのではないかと思うのです。たとえば具体的には国立高専の敷地の問題ですね、大臣も御存じだと思うのでありますが、昭和三十七年度の開設をせられました十二校の国立高専の敷地について、期成会より国に対して寄付をするという、そういう予定の学校は幾つありますか。九校あるじゃないのですか。完全に国有地だけで措置をするというのはたった三校であります。これは確かに、国の施設に対して当該自治体が寄付をするということになりますと、財政法違反になります。これは大臣も御存じの通りであります。しかし実際に期成会というのは一体何ですか。私の住んでおります群馬高専についても同様であります。結局はこの期成会というのが群馬県、それから当該の前橋市、高崎市、この市がいわゆる公費を期成会なるものに出して、その期成会が国に対して寄付するといういわゆるトンネルをつくっておるだけの話なんであります。現実には、自治体が明らかに寄付を強制されておるという実態なんです。これで大臣、文部省は自治体に対して財政的なしわ寄せを来たさないと言い切れますか、しかもそういったトンネル団体をつくることが地方財政違反ではない、こういうようなことを言い切れますか、その点どうですか。
○荒木国務大臣 形式的には一応言えようかと思いますが、実質的には御指摘の通りでどうも望ましくないことがあり得ようかと思います。もともと敷地の問題をどうするかにつきまして数回答おえしたことがございますけれども、相当の悩みを感じたのであります。一面において科学技術者の養成、教育ということが焦慮の問題として迫られる、しかも一方におきましては国立学校をつくりますときに国が敷地を講入する経費を予算上盛るということは、戦後においてもその事例がないようであります。そのことは批評は別としまして、一種の慣行みたいにしてやってきているものでございますから、いわば安易にそういうやり方に立脚しましてスタートをした、好まし間ことではございませんけれども、地元もことさら強制割当をしてどうという感じでなしに、いわば気持よく敷地の提供につきましては協力をしていただいておると考えておるわけでございます。そのことによって、国と現地の浄財とによって協力されて国立高専の設置がスピード・アップされますことを期待します立場から御指摘のようなやり方でやっておるわけでありま。その間、努めて国有地を使うということも慫慂はしておりますものの、たまたま置かれます当該市にそういう具体的な対象となるような国有地がないところも相当ございます。結果としまして今御指摘のようなやり方で協力をしてもらう、こういうことに相なっております。百パーセントけっこうなやり方であるともむろん思っておりませんけれども、やむを得ざる措置として、地元の気持もことさら強制されたという気持でなく協力されておるかと思いますので、三十八年度もそのやり方を踏襲してやろうとしておるわけであります。
○山口(鶴)委員 大臣、喜んで寄付したなんということは、私は少なくとも取り消していただきたいと思います。そういう誤った認識は困ります。しかも昭和三十八年度でまたぞろそうじゃないですか。十二校今度建設されるうち、半数以上が県の公社——公社といったってこれは県が公社に金を出すわけですから、一般会計から公社といういわゆるトンネル団体が土地を購入して国に寄付する、あるいは期成会というような団体が寄付する、これも県費であることに間違いありません。あるいは当該の市町村の公費であることはい違いありません。そういうことを昭和三十八年度においても全く反省なしにやっておっておるじゃないですか。喜んでという点については一つ訂正いただきたいと思います。 それからついでに自治省に聞きますけれども、自治省としてはどうなんですか、一般会計の方から公社あるいは期成会といういわゆるトンネル団体を通じて国に寄付するということについて、それはけっこうだと思っているのですか、少なくとも自治省は文部省に対して寄付を強要することについては遺憾であるという意思表示をされておりますね、自治省の見解もあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
○荒木国務大臣 喜んでと申すことが少し表現過剰の意味もございましょうが、少なくとも強制するという意思を持ち、あるいは強制されたという感じはなかりそうに考えておるということであります。
○松島説明員 自治省といたしましては国有地との交換等を強力に進めていただいて、実質的に地方団体の負担にならないような措置を講ぜられるよう文部省にお願いし、またその具体的な取り扱いについて検討をお願いしておる次第でございます。
○山口(鶴)委員 そうすると、今私が指摘したような公社が寄付する、あるいは期成会が寄付するというのは望ましくない、少なくとも財政法違反の疑いがある、こういう見解ですね。
○松島説明員 実質的に同じことになるようなことでございますならば、法律の趣旨からいって適当でないと考えておりますので、そういうことにならないようお願いを申し上げておる次第でございます。
○山口(鶴)委員 文部省はどうですか、自治省はそう言っているのですが、文部省はこの公社、期成会方式というものをどんどんやるつもりですか。
○杉江政府委員 これについては大臣が前から繰り返し申されておることで尽きておると思いますけれども、現実に必ずしも望ましいということではないかもしれませんが、先ほど大臣が申されたように一応強制するという形でなく、そのような申し出もあるという現実でもございますし、また従来の取り扱い例等から考えましても、この際国立高専を多く設置するという国の課題と地方の強い御要望にこたえるために、現状においてはやむを得ない措置かと考えておるわけであります。
○山口(鶴)委員 とにかく公社、期成会というようなトンネル団体をつくって実費的に地方財政を圧迫しておるという事実だけは、これはどんなに強弁しようとも事実だと思います。そういうところでも文部省は自治団体に圧迫を加えておる。それからまた私が先ほど指摘いたしましたように、高等学校の入学難解消という問題についても五十億円以上に上る犠牲を都道府県にしいておる。結局文部省の計画がずさんであり、無理であるからこういう結果になるのだろうと思います。この点を文部省の方で十分措置をしておりますならば、自治体としてもさらに意欲的に増改築に取り組んで、あるいは本年度のような入学難が少しでも緩和できるというような措置を講ぜられたかもしれぬと思うのです。私はこの点は十分反省をいただきたいのです。 そこでお尋ねをいたします。昭和三十七年度の坪数、それから財源措置はお聞きいたしましたが、昭和三十八年度の坪数、それから財源措置、これは幾らですか。
○杉江政府委員 昭和三十八年度におきましては坪数の合計は二十七万三千坪、それから事業費としては先ほど申し上げましたように二百十二億、こういう計画でございます。
○山口(鶴)委員 そうしますと、今年度は二十三万九千坪で、これに対する予想が百六十億だったのがその後起債なんかでふえました、ふえましたけれども、当初計画はそうだったというわけですね。そういたしますと、坪数で伸びて金額も若干伸びているわけでありますが、この坪当たりの単価というのは構造比率なり建築単価なりの伸びによってこういう数字の違いが出てきた、こういうように理解していいのですか。
○杉江政府委員 坪数においても伸びておりますし、単価においても先ほど御説明申し上げましたように高等学校について申し上げるならば鉄筋で九%、鉄骨で八%、それから木造で一六%上げておりますし、ま構造比率においても、これも先ほどお話のありましたように新設は要望通り一〇〇%鉄骨で見る、こういうふうにいたして改善いたしております。ただなおこれで十分とは私ども考えておりません。私たちの努力不足もございましょうけれども、このような改善を見ておることは事実であります。
○山口(鶴)委員 国庫補助の分についてこういった建築単価を是正したのは承知しているのですが、補助以外の一般普通高校の建築単価についてもこれだけの伸びでもって見ているのですか。
○杉江政府委員 その通りでございます。
○山口(鶴)委員 そこで問題になりますのは、自治省にお尋ねをするのですが、地方財政法の一部を、昭和三十九年実施を目ざして、今まで非常に問題になっておる高等学校建築の市町村負担、それから住民負担を禁示する、こういう考えがあるようですけれども、これは自治省としては実施をするお考えですね。実施の時期は昭和三十九年から。これでいいわけですか。
○松島説明員 ただいまそういう方向で法案を検討、各省と御相談いたしております。
○山口(鶴)委員 文部省はこれについてどうお考えですか。
○杉江政府委員 その点についてただいま検討中でございます。教育長協議会におきましてもそのような措置が法的になされることについては多大の疑念も抱いており、いろいろ心配している状況でございます。その辺のことをよく見きわめてこの問題を考えたい、こういうふうに考えております。
○山口(鶴)委員 教育長協議会がどうだというよりは、文部省当局としてそういった住民負担を軽減する、それから都道府県の財政の窮乏を市町村にしわ寄せをする、こういう問題について一体どうお考えなんですか。相談をされて検討中というのですが、現時点で一体賛成なのか反対なのか、それを明らかにしてもらいたいと思うのです。
○杉江政府委員 全体の趣旨においてはもちろん賛成でございます。都道府県立高等学校についてその設置者が経費を負担するということは、これは学校教育法にも示されておりますし、また一般に地方財政の基本原則でもあろうと思います。ただ実情につきましてはいろいろ複雑な事情があるわけでありまして、これが改善にはやはり財源措置を十分にするということが先行しないといろいろ実際上困った問題を起こしてくる、たとえば定時制等については、この設置者負担の形式的原則を画一的に適用することはかなり問題がある、そのような事情も考えて、いろいろ現場の方々が心配されるのも文部省としてはうなづける点があるわけでございます。その他各般の事情をよく検討してそういった方向にほんとうに持っていく、単に形式的に規制するということではなくて、実質をその方に持っていくという努力と実際の措置をされることが重要と考え、その点については今後慎重に検討すべき問題がある、かように考えておる次第であります。
○山口(鶴)委員 地方財政法の改正については文部省と大蔵省が非常に反対しているということを聞きましたが、今の文部省当局の御答弁を聞きましてなるほどそれは事実であったということがよくわかったような気がいたします。しかし今のような御態度はさか立ちではないですか。少なくとも文部省におきましても父兄負担の軽減をはかる、それからまた義務制の学校教育というものが都道府県の責任である高等学校の建築費のしわ寄せを食って、本来市町村の基本的な義務であるべき義務制の教育について非常な差しつかえを生じているということを文部省は知っているはずですよ。そうでしょう。そういう事実を文部省は知っていながら、今のようなあいまいたる態度をとっているということは非常に遺憾だと思うのです。結局問題はこの二百十二億の予算措置をもってしては、もし地方財政法か改正をされ——これは自治省にお聞きしたいと思いますが、かって義務制学校に対する父兄負担の軽減をいたしました際には、実施年以前におきましても父兄負担の軽減の経費を地方財政計画に織り込んで、そしてできるだけ法律の施行以前においても軽減するようなことが望ましいといって指導をされたんですね。そうなってくれば昭和三十九年に地方財政法の改正がもし実現をするといたします、そうなれば昭和三十八年の年度におきましても当然今全国で高等学校の建築については大体県が持っている部分が六割から七割で、三割から四割というものを市町村にかぶせているという現状であります、それができにくくなれば、現実の事業量としては縮小せざるを得ない、そうなっては困る、当然財源措置はしなければいかぬがその自信がない、そういうことで渋っているんではないですか。自治省の方はどうですか、そういうものをつくろうとするならば昭和三十八年ころから市町村父兄負担の軽減をするような指導をする義務があるだろうと思うのです。その点をお聞きしたいのですが、文部省としてはそうなると困るから、しかも財源措置をするのに非常に自信がないから、財政法の改正に反対している、こういうことではないのですか。お二人に聞きたいと思う。
○松島説明員 税外負担の問題につきましては今日始まったことでなく、すでに先生御指摘の通り数年前からそういう方向で地方団体において努力をお願いしてきているわけでございます。高等学校の問題に限らず一般公共事業等につきましてはそういう方向をすでにとってきているわけであります。従って今高等学校について急激にそういう法的な規制をするというわけではなく、行政指導と申しますか、そういった面においてはすでに前から県にもお願いをし、県の中ではすでに急増対策については寄付金等をとらないという方向で進んできているところもあるわけでございます。従いまして残りました団体についてもこの際はっきりした方途をとっていただく方が適当ではなかろうか、かように考えて法的規制の問題についても検討を進めてきておる、こういうような実情でございます。
○杉江政府委員 ただいま自治省のお話のように、そのような方向で各般の措置をとって、実際上そのようなことのなくなるような方向に持っていくということについては、何ら異論はございません。ただ法的に規制するということになりましたときに、実際上十分な財源措置がなされるかどうか。あるいは先ほど申し上げましたように定時制の問題もあり、また地方の特殊な事情もある。いろいろな事情がありますから、これを法的に規制するということについては、十分それらの事情を検討し、安心してそれらの措置が講ぜられるようにいたしたい、こういうふうな考え方から、ただいま慎重に検討しているところでございます。
○山口(鶴)委員 ではお尋ねいたしますが、とにかく文部省としても、父母負担を軽減しなければいかぬ、そういう一般的な原則だけは十分御存じのようです。そういたしますと、六一・八%が、先ほどの大臣の言明によって、これは応急措置として変わってくるかもしらぬ、その場合については当然財源措置も将来において考えざるを得ない、こういうことを言われておるわけでありますが、同じような意味において、この父兄負担の軽減、それから都道府県と市町村との財政秩序が確立をしていく、これは当然のことであります。そういう中で、当然また私はこの二百十二億のいわゆる財政措置というものが変わってこなければ、昭和三十八年に文部省が考えている事業量自体もこなせぬということになるではないですか。この点はどうですか。あるべき地方自治団体間の財政秩序の確立なり、父母負担の軽減という原則の上に立って、必要な場合には、やはり昭和三十八年においてもこの財源措置の変更というものを考える気持が一体あるのですか。この点を一つお聞かせいただきたいと思います。
○杉江政府委員 まず進学率が、現実にこの計画とどのようにそごを来たしてくるかということは、これは結果を見なければわからないことでありますが、先ほど来初中局長から、そう大きくそごしないだろうという見通しは持たれたわけでありますが、しかしある程度現実の進学率はあるいは高まるかと思います。ただ、そうなったらこの計画を改定し、必要な財源措置の補正をするかという問題については、私は、国として一体どこまでを、これだけは保障するという意味で財源措置を講ずるかどうかという基本問題と関連するかと思います。この点は、地方財政計画全般の問題の中でこの問題を見る必要がある。だから基本的には、その点の判断は自治省の地方財政計画の問題になろうと考えます。ただ先ほども大臣が申されましたように、この推計が著しく異なる結果ができたときには、やはり国としてももう一ぺん考慮すべき問題があろうかと思いますが、しかしその際も、地方財政計画全体のあり方との関連においてこれを改定するかどうかの問題が吟味されると思います。 それから単価、構造比率の問題につきまして、私は、現実の実施の状況が、今回の改定された単価、構造比率で十分だとは必ずしも考えません。これを上回るような実施の状況が相当見られるだろうと思います。ただその際も、国として措置すべきものとしてどの程度考えるか、これは高等学校の問題だけではなくて、義務制の校舎改築の問題、その場合の単価、構造比率との関係も考えまして、国として保障する単価、構造比率としてどう考えるか、こういうふうなことで考える以外にないと思うわけでございます。だから単価、構造比率については、義務制の場合にも、この高等学校の場合と同様な考え方で今回予算措置をいたしておりますので、これを改定することは本年度においては困難である、かように考えております。
○山口(鶴)委員 文部省は、しからば地方財政の現状というものは一体どう見ておるのですか。昭和三十八年度の地方財政計画によれば、地方財政計画全体の伸びは一五・四%。ところが地方自治団体のいわゆる単独事業の伸びは一三・たしか八%ぐらいだったろうと思うのです。というのは、結局昭和三十八年度の地方財政は、地方税の伸びが鈍化をして、従来と違って非常に苦しい状況立ち至っているということなんです。ですから国がどの辺まで見るべきかという議論になれば、残りは都道府県の単独事業でやったらいいじゃないかという議論になるわけですね。そうでしょう。ところが地方財政計画上の単独事業の伸びというのは非常に圧縮をされているのです。結局、幾ら見ようたって、地方財政全体が圧迫されているから、伸びが見られぬという現状なんですね。そういう中で、国立高専についても都道府県、市町村にしりぬぐいをさせる。それから構造比率なり建築単価もしりぬぐいさせる。それから坪数の見込み違いも、これは都道府県にしわ寄せする。こういうことで一体どうして急増対策が完全にできますか。私はこの点の認識は、文部省は十分持っていただかなくちゃならぬと思う。 そこでお尋ねをいたしますが、今都道府県、市町村の起債の総額は一兆五千億に達しています。国が急増対策で措置いたしましたのは、補助金、それから交付税、起債でありますが、特に三十七年におきましては起債が非常に大きな割合を占めています。これらの起債の償還費は一体どうするつもりですか。
○松島説明員 起債の償還につきましては、御承知の通り昭和二十九年度、三十年度当時の地方財政が非常に窮迫した時代には、地方財政の上において元利償還金が占める比重が非常に高く、それが地方財政圧迫の一つの原因であるといわれてきたわけでございます。その後一般会計に属します起債の発行を極力抑制いたしまして、交付税その他の一般財源の増強をはかって参りました結果、最近におきましては若干ずつの伸びはもちろんございますけれども、元利償還金の消化率はきわめて鈍化してきているということが言えると考えております。従いまして今ここで今年度九十億円、前年度百数十億円の起債を発行いたしましたからといって、直ちにそれが地方財政全体の上に非常に大きな圧迫になるものとは必ずしも言えないのではないかというように考えておりますが、なお起債の元利償還の問題は、結局将来における地方財政の伸びとの相関的な問題でございますので、私どもといたしましてはできるだけ地方財源の充実をはかりつつ、元利償還金のために地方財政が再び圧迫されることのないよう配慮して参りたいと考えております。
○山口(鶴)委員 これでやめますが、自治省自体がそういうことを言っておられるのでは困ると思うのです。文部省は、国の予算措置の足らぬところは一つ市町村の単独事業でやってくれ、こう言っています。昭和三十七年におきましては計画の改定等もありましたが、用地、それから計画の改定は起債の増額である程度見たのですね。自治省にお尋ねしたいのでありますが、今後、昭和三十八年、いろいろ国の計画が狂ってくる要素がたくさんあることは、私申し上げましてから繰り返しません。しかも文部省の態度でいいますと、狂った分はできるだけ単独事業で、こういうことでありますが、そういう単独事業をやらせるのには、起債がふえることはいい方法ではないと思いますけれども、昭和三十七年で措置したと同じように昭和三十八年においてもワク外債を考慮する、こういう気持はございますか。
○松島説明員 私どもは、急増対策につきましては、全体計画を基礎にいたしまして、その年次割に従って財源措置を考えておりますので、年次割もしくは全体のものが改められない限りは、特別にワク外で起債の増額をはかるということをただいま考えておりません。ただ。土地につきましては現在計画外となっておりますので、これにつきましては、実情に応じまして必要な措置を講じて参りたい、かように存じております。
○山口(鶴)委員 大体二十四億土地についても見るというような御計画のようですね。奧野財政局長ともいろいろこの問題につい議論をいたしました。昭和三十七年において起債をああいう形で見たのだから、もちろんそれは計画変更という手続をとるかとらぬかは別でありますが、三十八年でも一切われわれは見ぬというわけではないのだ、こういうお話をされておりました。また先ほど村山委員も指摘されましたが、予算委員会分科会において、篠田自治大臣も当然計画等が食い違った場合においては考慮をすると言っておられるわけです。そういった形で文部大臣も同じようなことを言われたのでありますが、六一・八%の問題についてもきわめて疑義があるし、それから建築単価の問題についても問題が残っているし、さらに私が先ほど指摘もいたしましたが、地方財政法がどう改正をされていくかといういろいろな不確定の要素があるわけであります。そうした場合におきましては、ぜひとも一つ、自治大臣、文部大臣も言明されている通りでありまするから、これに即応した財源措置をとらなければ私はいかぬと思うんです。そうでなければ、昭和三十七年においても大きな財政上の負担を都道府県に、現にしわ寄せをしているわけですから、こういうことでは私は地方自治団体の財政は決してよくならぬと思うのです。こういう観点から一つ御善処をいただきたいと思う。大臣でありませんから、またお役人的な固い答弁をされますと困りますから、答弁はしいて求めませんけれども、少なくとも本日文部大臣、自治大臣の言明はきわめて十分であるとは言えませんけれども、その上に立って、地方自治体を圧迫し、そしてまた子供たちを泣かせるようなことのないように、十分な対処をお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○床次委員長 次会は明後二十七日、水曜日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十四分散会