農林水産委員会 第45号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/06/27
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。内閣提出、参議院送付にかかる開拓者資金融通法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案中、既入植者に対する貸し付け金の利率につきましては、参議院において四分に修正された上、本院に送付されております。右、念のため申し上げておきます。
○長谷川委員長 なお、本案につきましては、予備審査の際に提案理由の説明を聴取しておりますので、その趣旨につきましては御承知のことであります。この際これを省略するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。角屋堅次郎君。
○角屋委員 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案について、大臣に数点御質問を申し上げたいと思います。 本来この法案は、参議院で与野党の話が、われわれの主張どおり三分六厘五毛ということでまとまっておればもっと早く本委員会にかかったはずでありますけれども、途中非常に長期にわたる空白がございまして、国会のこういうあわただしい時期にこちらへまいったわけでありまして、その点たいへん残念だと思います。 申し上げるまでもなく戦後の緊急開拓政策以降今日十七年を経過しておりますが、その間開拓農家として今日農業に従事しておる諸君というのは十五万に近い農家対象を持っておるわけです。しかも既入植者の安定対策の問題についてはかねて本委員会においてもしばしば基本的な問題としてこれが議論されて、そのつど対策が講ぜられてまいりましたが、なおかつ既入植者の安定対策については多くの問題を今日残しておる。そこで政府といたしましても、開拓営農振興審議会の答申の議を経て、今回開拓者資金融通法の一部を改正する法律案を提示し、三十八年度から五カ年計画でもって新しい振興計画の推進をしようという態勢にきておるわけであります。もともと私は開拓とは関係が非常に深くて、学生時代の論文にも開拓を取り上げ、あるいは満州で開拓総局で開拓の問題を取り扱ったし、内地に帰ってもすぐに開拓問題を取り扱うというような関係で、この問題には非常に関係が深いわけでありますが、きょうは大臣は参議院の沿振法の審議のほうにも行かなければならぬということで、手持ちの時間は大体一時間程度で向こうに行かなければならぬということでございます。しかも開拓に非常に対象戸数の多い北海道の安井君のほうからも特に大臣に対してはいろいろ質問を控えておるわけでありますので、私は数点簡単に触れて安井君にバトンを渡したいと思います。 開拓営農振興審議会は、既入植者の安定対策としていわゆる卒業生といわれる第一類の農家、あるいは今後適切なる措置を講ずれば当然卒業生になれると目される第二類の農家、あるいは第三類として場合によっては離農その他を考えなければならぬ対象の農家というふうに三つの分数に分けて、第二類の農家について今後新振興対策でやろうという形になっておるわけですが、この新しい振興計画を立てるにあたって、政府としては、単に開拓者資金融通法の一部改正を通じて——第二条の第二項、ここの改正、並びにそれに伴う第二条第五項の据え置き期間の収正等を通じてやる法案の修正以外に、抜本的に開拓営農振興臨時措置法の根本的な改正というものも並行しながら、この際もう、既入植者の安定対束についてはあらゆる必要な法制的、財政的措置を講じて、これですべて処理できるという本腰を入れた体制になぜ踏み切れなかったか。今回の開拓者資金融通法の一部改正をもって新しい振興計画を立て、実施することによって、再びさらに手を打たなければならぬという問題ができなくていけるという確信があるのかどうか。私どもとしては、関係の諸君も言っておるごとく、開拓営農振興臨時措置法の所要の改正も並行して行ないながらこの問題を処理するというのが正しい道筋じゃないかと思うのですけれども、まずその点から大臣の御所信を承りたいと思います。
○重政国務大臣 大体、開拓営農振興審議会の御答申の線に沿ってやっていこうと考えておるわけであります。何と申しましても、その主力は融資を円滑にして潤沢に融資をできるだけいたして、これによって第一類の農家にできるだけ早く近寄らす、こういう基本的な考えでおるわけであります。
○角屋委員 開拓営農振興臨時措置法の所要改正という問題については、農林省としてはどういう検討をされたのか。
○丹羽政府委員 開拓営農振興臨時措置法は、内容といたしまして、過去の旧債を借りかえるとか利子補給をするとか、そういう法律要件、法律でなければできないことが内容になっておりましたので、特に法律を三十二年に提出いたしたわけでございます。それで審議会で答申をいただきましていろいろ検討いたしました問題としての中心点は、要するに開拓者を区分して育ち得る人間に集中的に育てたらどうか、こういう内容でございますので、いわゆる二類農家に実質的に集中的に追加融資をするということを対策の本質と考えますならば、開拓者資金の二条二項を変えることによって目的を達成できる、かように判断をいたしまして、特に振興法を出すことを目下のところ考えておらないわけであります。
○角屋委員 政府が考えておる法改正に伴う新振興対策の実施にあたっては、私どもいただいておる資料等によりますと、少なくとも追加融資額として五百二十億は必要であろう、政府としてもこれらの問題については五百億ぐらいの資金確保をしなければならぬということを想定しておるように判断をいたしておるわけですが、今後のこれら新振興計画の推進にあたっての資金確保という問題について、大臣はどういうふうに進められようとしておるのか、お伺いいたしたいと思います。
○重政国務大臣 ただいま申し上げましたように、資金の融通ということが主力になっておるわけでありますから、これは全力をあげてその必要な資金の確保に努力いたす所存でおります。
○角屋委員 参議院の段階で——特にこれは政府としても今度の既入植者の安定対策として開拓者資金融通法の一部改正を行ない、新振興対策の推進をやろうというのは、いわば既入植者対策としては最終的な対策をこの機会にやるのだという心がまえだと思うわけでありますけれども、そうだといたしますると、特に資金融通を通じてやろうというのを基本にしておるわけですから、なるべく長期低利、こういうことが基本でなければならぬ。そういう前提から三分六厘五毛ということが強く主張され、参議院段階では、政府原案の五分のやつが四分という段階までは修正されたわけでありますけれども、今度やろうとする新振興対策の精神から申しますと、長期低利というのが大原則になる。この際さらにそういう点を勘案をして利子をさらに軽減をする、こういうふうな方向が特に必要ではないかと思うのですけれども、特に大臣、この点は政府原案さらに修正された参議院の修正、こういうことをもってして十分だというふうにお考えかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○重政国務大臣 三分六厘五毛という金利は、入植当初におきまして営農の基礎を確立するに必要なるいろいろな設備等に対しては、前例を見ない三分六厘五毛という低利の金でいったのでありますが、今回の追加融資になりますと、それから以後少なくとも五年くらい経過した後における融資でございますから、当初のとおりの三分六厘五毛でなければならぬというふうには私どもは考えておらない。政府がもともと金利を五分でいこうと考えましたのは、やはり今回の構造改善事業としてやっていきます中におきまして、あるいは畜産の拡大資金でありますとか、あるいは果樹園の造成育成資金でありますとか、そういうようなものの平均の金利が五分少々よけいであった、五分四厘くらいの平均の利率になると思うのであります。そこで、この開拓者の営農についての資金は、それらよりかさらに金利を低下いたしまして、五分の程度ならこういうようなその他の事業との均衡のとれた金利である、こういうように考えて五分といたしたわけでありますが、参議院におきましてさらにこれを四分に低下する修正案が出たのであります。政府といたしましては、院議を尊重をいたす意味におきまして、その修正案が成立いたしますればその四分ということでいきたい、こういう趣旨を、政府の考えを明らかにいたしておる次第であります。 金利は安いほどいいのであります。これはもう申し上げるまでもない。けれども、これもある程度の均衡はやはり保っていかなければならない。四分では第二類の農家が第一類の農家になれない、三分六厘五毛なら二類の開拓営農の農家が一類の農家になれるというわけのものでもあるまいと私は思うのでありまして、四分の程度ならいろいろの政府融資のうちでも最も安い金利になっておるのであるから、これなら私はこれでやっていかなければならない、こういうふうに考えております。
○角屋委員 私、長雨の災害対策特別委員会の関係もありまして十分お聞きすることができませんが、新年度の場合、大臣の非常な努力で創設されました農林漁業経営構造改善資金融通制度というものでも、三分五厘の低利のものを新しくつくった。つまり経済の高度成長あるいは産業経済の発展の中で、どうしても通常のノルマルな状態では、われわれの承知しておるように他産業の発展に比べて農林漁業の均衡ある発展というのはなかなかむずかしいということがわれわれの体験の中でもはっきりしておるわけであります。したがいまして農林金融の場合における金融ベースというものは、産業政策として合理的に判断をされる金融べースとは違った性格としてやはり考えなければならぬ特性を私は持っておると思う。その意味で農林漁業経営構造改善資金融通制度の創設等でも三分五厘ということは出たのでありますし、特に開拓の問題については戦後の緊急開拓以降既入植者の安定対策というような問題をかかえ、そのときそのときに手を打ってきたけれども、なおかつ今日十七年を経過して、さらに第二類の農家に対して新しく振興計画を立ててやらなければならぬという情勢、そういう情勢等から考えましても、この機会にあまり対策の出し惜しみをするのでなしに、必要な対策については法制的にも財政的にも思い切った措置を講じて、これですべて対策は終われりというくらいの熱意を持ってやる必要があるだろうと思う。その点ではさらに金利の問題については、後ほどの質問でもそういう観点からの議論がいろいろ出るだろうと思いますが、私はこの点さらに深く触れることは避けたいと思います。 この際、大臣に、従来から開拓農家の十五万近くの農家について第一類、第二類、第三類というふうな分類がなされてきておるのですけれども、現実にそういうことで対策についての濃度の差があるというふうなことに相なっているわけです。したがってその後の経過を見ますと、第一類、第二類、第三類間のいわば階層間の格差的なものが拡大をする傾向が内容を検討すれば具体的に出てきておるかと私は思う。この機会に、この新振興計画を進めるにあたって開拓農家全般としての、分類的にいえば第一類、第二類、第三類というものに重点的にどういう施策をやろうとするのかを簡潔に御所信を承りたいと思う。
○丹羽政府委員 簡潔に申し上げますれば、十四万全部を育て上げようとすることは無理である。したがって伸び得るものを第二類として重点的に融資をし、精力的に育て上げたい。第三類農家につきましては、立地条件その他で、そもそもそこで営農を行なうことが無理なところでありますから、これらの方々に対しては過剰入植対策として三十万円のお金を差し上げるとか、その他の地域に入っていただく。要するに立地として営農の伸び得るところに入っていただくか、二次産業、三次産業のほうに転進をしていただくか、そういう考え方で再起をはかっていただきたい。なお、どうしてもそこに残っておりたい、御主人が農外収入等で出ておられて御家族が残っておる、そういう方々に対しての生活環境整備等は、三類農家に対しましても重点的に親切にやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○角屋委員 冒頭に申しましたように長雨の特別委員会の関係もありますので、大臣に対する質問はこの程度にいたしまして、あと安井君にお譲りいたします。
○長谷川委員長 安井吉典君。
○安井委員 いま角屋君からもお尋ねがございましたが、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案は、私の見るところでは、いわゆる新振興対策の一環として立法の運びになったものであると思うのでありますが、この法律案の内容は、金利や償還年限の一部をちょっと手を加えるというふうな程度でありまして、その問題ももちろんただいまの質疑の中でも金利の引き下げ等の措置が十分でないのではないかというふうな角屋議員のお話もあったわけでございますが、その背後にある、いわゆる新しい営農振興対策の方向というようなものを私ははっきり見きわめるということがこの際非常に大切なことではないかと思うのです。そのような考え方に立ってこの法案の内容についてはもちろんのこと、それを越えて全体的な振興対策の問題につきましてひとつお尋ねをいたしたいと考えるわけであります。昭和三十六年の十一月に開拓営農振興審議会の答申が行なわれ、昨三十七年度はその実態調査に費やされたわけで、昨年のたしか一月でしたか二月でしたかのこの委員会での私の質問に対しましても、一年間かかった実態調査の結果で新しい構想を打ち出して、それによって進めていくのだという御答弁があったと記憶をいたしております。その結果というのが開拓営農振興対策の構想というふうな形で出されているのではないかと思うのでありますが、私も、農林省の正式の文書かどうか知りませんが、それを拝見いたしてみますと、三十六年の答申と、いわゆる構想とでは相当相違点があるように思うわけであります。つまり審議会の答申にしたがって新しい営農振興計画を進めていくのだという御答弁であったのが、何か若干変わったような形でいまの政府の方針は進みつつあるのではないか、あるいは進もうとしておるのではないか、このような印象を受けるわけでございますが、その点につきましてひとつまず初めに伺っておきたいと思います。
○丹羽政府委員 私この審議会の発足から答申までの間全部事務責任者として参与いたしております。いま私どもが構想として考えておりますことは、この答申の線に十分沿っているものと、かように確信をいたしております。
○安井委員 それではその具体的な内容についてこれからお尋ねをしてまいりたいと思うのでありますが、きょうは国会全体がちょうど異常な空気の中にありますので、そういう突っ込んだ質問はできないのではないかと私は思いますが、特に要点だけには詳しくお尋ねをしたいと思うのであります。ただ、いまの農地局長の御答弁によりますと、方向としては全く変わりがないと言われるのでありますが、その答申と構想と見比べてみますと、何かニュアンスの差といいますか、答申では相当気負い込んであくまでもこうしなければいけないという意欲的なものがあったのが、構想の段階では何か後退しているような印象があるのですが、その両方の中できわ立って変わっておる点はないですか、全然同じですか、いかがですか。
○丹羽政府委員 先ほど申し上げましたとおり、そのようには感じておりません。
○安井委員 農地局長たいへん自信を持っておられるようでありますが、ひとつあとで具体的な面で伺ってまいりたいと思うのであります。大臣がおられるうちにどうしてもお聞きしたい問題もありますが、それはあとにいたしまして、まず初めに私伺いたいのは、今度の営農振興対策という大きなかまえの中で、国会の議決が必要だという形で出てまいりましたのは、この短い改正法案たった一つしかないというふうな感じでありますが、私は、あの答申の方向をがっちりと、あの表現をそのまま実現に移すには、もっともっと多くの立法措置が必要ではないかと思うのです。ただ単に融通法の金利や償還の年限をちょっといじくっただけで、このような新しい対策が私は進むとは思えないのです。この前の改正の段階では、開拓三法というふうな形で相当意欲的な方向を政府はお出しになっている。今回はただこの法案だけでよろしいわけですか。全体的なかまえとして、もっと大幅な立法措置が必要ではないかと思うのですが、いかがですか。
○重政国務大臣 私はいま御審議をわずらわしておるこの資金融通法の改正でやれると思っております。あとは開拓地の営農指導でありますとか、あるいはその環境の整備であるとか、現に私どもが実行いたしております土地改良とかいういろいろな問題をそこに集中的にやっていけばだいじょうぶである、こういうふうに私は考えております。
○安井委員 それは、これでも私はできないことはないと思う。しかしながら、ほんとうに意欲的な振興の方向を進めようとするならば、特別な立法も必要だし、あるいはまた既存の開拓営農振興臨時措置法の改正というふうな問題も当然必要になってくるだろうし、旧債の整理について特別な立法を持つとか、とにかく真剣な取り組みの方向が出れば、私はもっともっと国会と相談をして積極的な推進の方策を打ち立てていくということでなければならないと思う。だから、ただこれくらいでやろうということは、結局、一応看板は掲げているけれども、適当なところでお茶を濁しておこう、こういうような政府の御方針ではないかというふうに、私は印象を受けるわけであります。いま大臣から、すでに行政措置として進めるものをさらに進めていくのだというようなお話がありましたが、それでは今度の振興対策全体の推進の中で、きわ立ってこういうふうな方向を推し進めているのだと言われる点はどういう点ですか。
○重政国務大臣 きわ立ってどれだけはやる、こういうのは何かということでありますが、これは何と申しましても基本的なものは今回の資金融通の条件であります。結局、これが緩和をせられなければ、現在いろいろなことをやっておりますけれども、それらがとうてい十分な効果をあらわすことができない。でありますから、これが基本のものであります。これがきまりますれば、あとのものは、農林省が土地改良をはじめ、営農指導その他についてやっておりますことをここに集中的にやっていけば、御答申にありますように、第二類の農家を第一類の開拓農家にまで引き上げることができる、私はこういうふうに考えております。
○安井委員 これだけの法律措置で日本の開拓が生まれ変わったようにりっぱになるというふうな大臣の自信のある御答弁のようでありますが、私はそうは思わないのです。まだまだ問題は残っていると思うわけです。今回の新振興対策と現行の開拓営農振興臨時措置法とは、これは全く関係のないものなんですか。この新振興対策を進める上には、臨時措置法についても重大な改正を加えて、法律的な裏づけによって進めていく、こういうようなことが私は必要でないかと思うのですが、その点いかがですか。
○丹羽政府委員 現在の臨時措置法は、御承知のとおり、内容をごらん願いますと、過去におきまして災害を受けました資金を新しい条件の資金に借りかえさせる。そうしてそのために知事に損失補償の義務を負わせる、そのためには国が利子補給をするというような、いわば都道府県知事に対します権利義務の関係、それからたとえば農地をいつまでに仕上げなければ国が買い戻すというような規定に対しまして、それを猶予するというような法律事項がございましたので、あの中に書かれておりますものは法律事項にかかわる部分が非常に多いためにあの法律を出した次第でございます。 法律についてのお考えでございますが、ある考え方を法律で法律効果いかんにかかわらず書いてまいるという考え方も確かに一つのお考えだと存じますが、構想振興対策そのものはそれが全部法律に書かれなければ実行できないのだとか、あるいは姿勢が足らないのだということにはならないのではなかろうかと私どもは考えておるわけであります。
○安井委員 私はそれではどうも納得ができないのですが、時間の関係もありますから、具体的に重要な点と思われる点を拾いながらお尋ねを進めたいと思います。 まず初めに農家の類別区分の問題でありますが、各都道府県の段階におきましても市町村の段階におきましても、どうも今日まで農林省が一体どういうふうな方向で類別区分をやろうとしておるのか、さっぱりわからない。特に中央の段階では一類、二類、三類のごくあいまいな文章だけでいいのかもしれませんが、具体的に市町村の段階までまいりましたら、そこの町や村の中にある開拓農家に全部レッテルを張るわけなのですから、これはなかなか簡単な作業ではないわけであります。それだけに農林省としてもこの農家区分の問題につきましては、はっきりした体制をおつくりになっていただかなければいけないのではないか、そう思うのですが、いかがですか。
○丹羽政府委員 安井先生のおっしゃるとおり非常にむずかしく、かつ重要な問題でございましたので、一年間ある考えのもとにかりにやってみたらどういうことになるかということを、三十七年一年間かかりましてやってみたわけでございます。そうして大体この考え方でいけるという結論を得ましたので、それではその線で細部をさらに固めまして実行に移してまいりたい、こういう基本的な考えをとった次第でございます。三十七年度にとりました考え方といたしましては、実は答申で二つのことをいっておられるわけでございます。それは農家を一類、二類、三類に区分をいたしまして、その二類の農家を育てていく場合に過去の振興対策のように単純に金を貸していくというのではなくて、その地域で標準となるべき営農の姿を一応示して、その標準の姿に団地としてまとまって伸びていくという考えを取り入れたらどうかという御指示が一つ入っております。そこで御承知のとおり、いまここに対象として取り上げております方々は終戦以来長い間に入植いたしましてそれぞれの形で営農いたしておる方々でございまして、新規入植者のように直ちに入れるわけではございませんので、そういうことが可能かどうかということが第一点の問題点であったわけでございます。そこで、まずそれぞれの地区にこういう形で将来伸びていったらいいのではないかという標準設計というものを一つ考えておるわけであります。それから、そういう形で、その地区の方々はいくといたしましたならば、それらの方々がそういう設計のもとで近傍の中庸の農家の家計費水準を確保し得るためにはどのくらいの融資が要るかということを洗ったわけでございます。どのくらいの資本の装備が要るか、また現在どの程度資本を持っているか、そういう形を洗ったわけでございます。そういうことを試験的に数十の地区におきまして実行をいたしたわけでございます。そして考え方といたしましては、そのような追加投資をやっても立地の条件あるいは主体的条件、その他からどうしても目標の所得に達し得ないという判断ができる場合には、遺憾ながらその方は三類と考えざるを得ない。それから当てはめてみたときに、すでにその地区におきましては目標以上に達しておるという方々があれば、これを一類とレッテルを張る、ということばは穏当でございませんが、認定をしたい、そしてそのまん中に入る方々に対しまして追加融資をいたす。そのまん中に入る方々は二類として認定をしたい。こういう考え方で現在一類、二類、三類の区分をいたしたい、かように考えているわけであります。
○安井委員 その区分はいつごろ完成するわけですか。もうすでにできておるわけですか。それとも作業中ですか。
○丹羽政府委員 何しろ十四万戸につきまして、それから答申の御趣旨に従えば、その地区でこれでいけるんだという標準設計をきめて、ということでありますから、これを一挙に全部やるというわけにはまいらない。そこで私どもの考え方では、三年間の間に順次そういう地区ごとにそういう区分をやってまいりたい。そしてそれに即応いたしまして順次地区がきまり、区分がきまって追加融資すべき対象がきまったところに順次融資をしてまいりたい、こういうことでございます。したがって毎年の年次計画をもってやるということで、一応三十八年度におきましては六百地区を予定をいたしておるわけでございますが、まだ細部的にいろいろ検討すべき点がございますので、その六百地区についてもまだ具体的に実行の段階としての作業には入っておりません。
○安井委員 末端にまいりますと、この農家区分の問題について常に大きな疑問が出されるわけです。一体私はどうなるのでしょう、ということです。この区分いかんによりましては、その人の営農だけではなしに、人生の将来までが決せられるわけです。これは実に重大な問題であるわけです。それだけに私ども関心を持たざるを得ないわけでありますが、農地局長に、いまのお話がありましたけれども、農林省が実際具体的にはこういう基礎でやるんだという具体的なものをおまとめになった資料をひとつ御提出いただきたいと思います。 なお、標準設計の問題についていまお話がございましたが、その標準設計につきまして開拓農家の農業所得の目標が昭和三十五年度の一般専業農家のそれを採用しているということを聞くのでありますが、三十五年といいますともうすでに現在では三年もたっている。しかもこの三年というのは、国民的な所得水準のほうも上がっておるが、物価の値上がりというのもこれはもう大臣もその中に関係があります所得倍増政策の関係で、相当大幅の値上がりが起きておるような実態であります。しかもいま示されるべき標準設計の目標は、これからさらに五年後の目標だということになれば、三十五年のものをこれから八年後に目標として示すということになれば、一般農家からすれば八年のズレというのは普通の時代においても大きいわけでありますが、特に近ごろの貯金の金利よりも物価の値上がりのほうが大きいというふうな段階においては、これはたいへんなことになるのではないかと私は思うわけであります。もしそうだとすれば、全体の計画で総融資額を五百億円に押えるとかなんとかいろいろな御計画があるようでございますけれども、計画そのものも全面的な変更に迫られるのではないか、この点いかがですか。
○丹羽政府委員 三十五年のデータを使いましたことの問題でございますが、実は答申でどこまで持っていくことをもって振興対策のゴールと考えるかという点に関しましては、非常に御議論がございました。しかしいろいろ御議論がありましたのですが、ともかくあまりりっぱなことばかり言っていていつまでたっても実を結ばないのでは意味がない、したがって、ともかくも専業農家の生活水準、家計費水準が確保できるくらいまでに持っていくことをもって実行可能な目標と考えて精力を集中してやるべしという御議論でございましたので、三十七年におきます予備調査におきましては、データといたしまして三十七年のときには三十五年の農家経済調査しかございませんでしたものですから、データとして三十五年のデータを便宜使いまして、それでいろいろと設計を組んでみてどうなるかという一種の応用試験をやったわけでございます。そこでことし実行いたします場合に利用し得る問題といたしましては、当然三十六年が利用できるわけでございますから、実行の問題といたしましてはできるだけ近い年次におきますデータを使うように考えたい、かように考えております。 ただ見込みを入れるかどうかという問題につきましては、私どもは見込みを入れたくないと存じております。日本の一般農家におきます家計費水準が今後三年間でどの程度上がるかというような問題は、国民経済の発展いかんによっても左右されるわけでございます。恣意がいろいろ入ってもまいりますので、見込みは今後の実行の過程におきましては入れたくないと考えております。 それからもう一つ、先ほどの資料要求の件でございますが、どういう考え方で三十七年度の調査をやったかという趣旨の資料要求でございますれば、そのものとしては整理いたして御提出できると存じますが、さように心得えてよろしいかどうか、もう一度……。
○安井委員 三十七年度の分もお聞かせ願いたいし、三十七年度のもので全体を律するわけにも——それはそれでそのままいかれるというわけですか。そのままでいかれるならそれでもよろしいですが、さらにまた将来に向けてはそれをもっと検討して変えていくというふうなお考えがおありなら、どの点を検討しようと思っておるのか。また将来に向けてのものができておれば、それはそれで差しつかえありませんが、もしまだできてないということであれば、三十七年のやり方に対して将来の方向はその中にどういう点を考慮に入れていくのか、そういう点をひとつ明らかにしていただいて、将来のものがないならば、それをお願いするよりしようがないと思うのですが、その点いかがですか。
○丹羽政府委員 三十七年度にあの予備調査をやりまして、いろいろ問題がございますが、かりにそれを機械的に使ってどのくらいの金が要るかという試算等をやりましたものが五百億、非常にいろいろとまだ問題が残っておりますので、五百億を確定してあるわけではもちろんございません。したがって、そういう点もお含みの上、三十七年度、どういう考え方でどのようなことをやったかということについては、後刻資料としてお出しいたしたいと思います。
○安井委員 そういたしますと、三十七年のやつは全体の見通しをお立てになったのでしょう。だけれども、実際の今後の農家区分については、もう少しそれと違ったものでやるというお考えですか。
○丹羽政府委員 農家区分をいたします場合に、実は先ほど申しました目標に達しているものは一類、それから達し得るものが二類、それからとても達し得られないと考えられるものが三類でございますから、目標というものは非常に大事でございます。その目標につきましては、実は答申である一つのお考えが示されておるわけでございます。それを数字で翻訳いたします場合に、先ほど申しましたとおり、三十五年の農家経済調査を使ったわけでございます。したがって、そういう数字、あるいは具体的にこまかいことに相なりますが、融資をいたします場合の資本の効率の問題とかいろいろな角度から可能性を吟味するわけでございますので、それらの因子についてはなお検討をして変わることがあろうかと存じますが、基本的な抽象的な考え方はきまっておるわけでございます。その際に、三十七年度に一応その抽象的な考え方につきましてきめました数字はお示しできる、しかしこれで五年間全部やるのかといえば、そうではございません、かように申し上げたのでございます。
○安井委員 では、それを一応いただいて、さらにもう少し詳細なものが必要ならまたお願いすることにいたします。 大臣、いまの所得目標ですね、この問題は、やはり事務当局にだけおまかせになっていていいという問題でもないのではないかと私は思うのです。三十五年の一般農家の資料をこしらえてもう三年たって、これから五年後の将来の、つまり八年間のズレのある、将来においてそれを若干手を入れる、そういうようなことでは私は困ると思いますし、特に将来の見込みというものを全然考えてないと言われるのですが、池田内閣は所得倍増政策というりっぱな政策をお持ちですし、その中では、農業所得の十年後のあり方などというのも、あまり伸びは大きくはないけれども、一応見込んでおられるはずです。生計費の伸びや追加投資というような問題も加味された目標をしっかり掲げておやりになるということが、私は正しいのではないかと思うのですが、大臣のお考えをひとつ伺います。
○重政国務大臣 私、御意見まことにごもっともだと思うのでありますが、ただいま局長から申しましたのは、将来の所得目標等については全然考えないというわけではないと思うのでありまして、抽象的な原則と申しますか、そういうものは、三十五年度を基準にし、あるいは三十六年度を基準にしていく、それよりほかはしようがないということであろうと思うのであります。一方において、農家の所得の向上をはかることは、これは農政の基本の問題でありまして、私どもはこれに努力をいたしておるわけでありますが、それと、いまの二類の農家というものの間には一応の格差がある。この格差がもちろん三年後、五年後も同じ格差であってはいけないのであって、これが五年なら五年後においては格差がなくなるということに持っていかなければならぬというのが、三十五年あるいは三十六年の基準で一応計画を立てるということであろうと思うのであります。もちろん現実とその数年後の計画というものの間に必ずしも一致しない点が出てくるであろうということは、当然のことであろうと思うのです。そのときに至って重大な計画上の欠陥とまではいかなくても、考え落としがあったとかなんとかいうことによって、これが目標までいかないというようなことであれば、当然これは修正をせられ、将来変更せられていくべきものであろう、私はこういうふうに考えるわけであります。
○安井委員 大臣はだいぶ弾力的なお考えを持っておられるようでありますが、やはりずっと古い資料で固定させるということは、これはいけないと思います。そういうようなことで、もう少し御検討願いたいと思うのでありますが、大臣の参議院へ行かれる時間が近づいているそうでございますから、私、きょうは特に大臣に伺っておきたい点についてひとつお尋ねをしたいのであります。 それは開拓農家の旧債の整理の問題です。私は、新しい前向きの資金を開拓者に安い金利でできるだけ多量に準備をしてあげるということは、これはもう一番大切なことだと思います。しかしながら過去の負債が非常に大きな重圧になっていて、たとえ一類農家というふうなことでランクされる農民にとっても、あるいはまた開拓農家としての対策が強力に講ぜられる二類農家にとっても、あるいはまた農業外に出ていく三類農家にとっても、いずれの農家にとっても私は旧債の問題というものが重大だと思うのです。この問題につきましてひとつ大臣のお考えを伺いたいわけです。
○重政国務大臣 これは御承知のとおりに三十五年に旧債の借りかえをやりまして、昨年の三月までかかってようやく完了したばかりでありますから、それで今度またこの条件緩和をやるということもいかがなものかと思うわけであります。もちろんこれは将来の状況によりましては、さらに条件緩和という措置をしなければならぬという事態になるかもしれませんが、現在のところは条件緩和をやったばかりでありますから、いま直ちに条件をさらに緩和するということは考えておりません。
○安井委員 大臣は、ことし何か対策を講ぜられるんじゃないですか。
○丹羽政府委員 ちょっと補足さしていただきます。 実は、三十五年に特別会計の金の条件緩和に関する特別措置法を国会の御審議をいただきまして、二年がかりでやったわけでございますが、その内容は、当時、その整理する時点におきまして、一定の条件で返せない者には五年据え置きをして、十五年間に過去の借金を引き直して払えばいい、それからBクラスの者は新しく十五年間で払えばいいようにいたしたわけであります。そこでそれをすべての方々にやったわけでございまして、大体借金の八割がみんな五年据え置き、十五年償還の整理にひっかかったわけであります。
○安井委員 ちょっと局長、大臣は急がれるから、それはあとでもう少し伺います。 私、大臣に特に伺いたいのは、ことしの二月一日、この農林水産委員会の私の質問に対して大臣はやりますと答えておられるわけですよ。これを読んでみますと、私はそのときに「旧債の整理の問題が何といいましてもどの分類をされました開拓農家の人たちにも一番重大な問題だと私は思うわけです。その重荷に耐えかねているというのが実際の姿じゃないでしょうか。その問題について適切な御方策をお持ちですか。」と伺いましたら、重政農林大臣は「それは償還年限の延長と申しますか、それから利子を、今五分五厘になっておるのを五分にする、それで五厘利子を軽減しよう、年限も九年のものを二十一年にするというふうに、償還年限と利率について改善を加えてやっていくように考えております。」これは大臣、この農林水産委員会ではっきりこういうふうにお答えになっております。いかがですか。
○重政国務大臣 それはただいま申しました条件緩和のことといま御審議願っておる条件緩和の金利五分のと少し私は混淆しておったのではないかと思いますが、これはもう少し検討します。
○安井委員 これは、大臣はこのときにはあまり御存じなかったのですが、そばに農地局長がいて耳打ちして、大臣はそれをお聞きになって立って御答弁になったのです。大臣はよくお間違いになるのかもしれませんが、それはちょうど石炭の本会議において、これもやはり農地局の御答弁で大臣ははっきりあの本会議の席上でおっしゃった。しかも予算委員会のあとの質問とそれが食い違いをしたという前科をお持ちなわけです。私は当時は旧債の問題について農林省はあまり積極的な関心を持っていなかったというふうに聞いていたのですが、それでお尋ねをしたところが、大臣は、まあその内容はとにかくといたしまして、それはこういたしますと、あのときは堂々とした御答弁ではなかったかと思いますけれども、そうお聞きをしたわけです。ですからこれは、あのときは間違ったのだというふうなことでは私は済まされないと思うのです。やはりこの委員会で、二月一日ですから、いまはまさに七月が近ずいておりますが、その間において取り消されるという発言を私は聞いたことがないし、きょう初めて何か困ったような答えをされたのでありますが、いつの段階でも、一たん言っておいて、あと間違ったから取り消します、これじゃ私は困ると思うわけです。特にこれは事務当局の御答弁ならともかく、大臣という立場ではっきりお答えになっているわけですから、当時二月一日は新年度の農政の施策全体についての代表質問だったわけです。ここでおっしゃっております答弁の内容はとにかくといたしまして、旧債の整理の問題に対しまして、私はさらにまた事務当局と詰めたお尋ねをいたしたいと考えているわけでありますけれども、もう少し積極的な態度を農林省はやはりお示しになるべきだと思うのです。大臣の答弁のことばじりをつかまえて私は言うわけではありませんけれども、どうでしょう、その点はっきり大臣のお気持ちを伺っておきたいのです。
○重政国務大臣 まさに御指摘のとおりでありまして、私はその内容について十分なる知識を持っていなかったのでありまして、事務当局の指図で言ったわけでありますが、旧債につきましては、実際これは真剣に考えなければならない問題であります。そこで本年の三月までかかって一応先ほど申し上げたようにやったわけであります。ここで新しい方面は、いまの修正案が成立しますれば四分でやる、これで旧債についても条件緩和が三月で一応完了したわけでありますから、その模様を見まして、その条件緩和の必要があるものにつきましては、さらにこれは考えて条件緩和の措置を講ずるということをいたさなければならぬことは当然であると私は考えるのであります。私の心持ちは安井さんのお考えと同じような心持ちでおるわけであります。これは少し模様を見まして、必要に応じて措置をいたしたい、こう考えております。
○安井委員 大臣、それではちょっと困るのです。私は意地の悪い質問をきょうしたいとは思いません。むしろ真剣に日本の開拓農家の将来を考える立場からお尋ねをしたいのですが、開拓農家の一番多い北海道では総洗いの調査が行なわれております。全開拓農家についての調査が行なわれたその結果の報告によりましても、個人負債を含めた開拓農家の総負債額は百四十九億、二戸当たり五十八万九千円である、いま農家所得の一〇%を償還引き当て額と見れば、現在の所得水準では二十数年を要することになり、現在の所得規模に比してバランスがとれない負債の大きさであるとも言える、したがって今後所得水準が大幅に増加しないと、相変わらず償還困難な事態は続くであろう。こういうふうな報告がなされております。しかも今日プリテストその他農林省でいろいろ調査が進んでいるようでありますが、ただ事旧債処理という問題については、どうも積極的な資料収集というような御努力をなさっていないのではないか。大臣、ほんとうですよ。前向きの資金については御熱心かもしらぬが、しかしながらいままでのあらゆる答申において、あるいはまた国会も、衆議院において参議院において、再三再四この旧債の整理の問題について強く言及をしているわけです。ところがいつもこれらの勧告や答申や、そういうものは無視されているというのが実際の姿であります。大臣は二月の御答弁でとにもかくにもやろうというような御意向をお示しになったこの際でありますので、きょうはあと時間がおありで、またほかの質問者がおありだそうでございますので、その他の問題に移る前に、この問題についてだけ大臣のお考えを私ははっきりさせておかなくてはならないと思うのでありますが、どうでしょう。ことしはやれと言っても間に合いませんが、来年度の予算に少なくとも間に合うような方向でこの旧債処理の問題について結論を出していただけませんか。
○重政国務大臣 問題は二類、三類の問題であろうと思うのでありますが、三類は、これは当然あと始末と申しますか、そういうことによって旧債の整理ということは行なわなければならないと思います。結局二類の問題、こういうことになるのでありますが、これは私も誠意をもって、少し実情がはっきりしたところで、とうていそれでは第一類農家になれないということになりますれば、当然にそのことを考えます。来年の予算で考えるようなことができるように、ある程度事態が明らかになりますれば、当然考えていくととは差しつかえない、また考えなければならない問題と考えております。
○長谷川委員長 玉置一徳君。
○玉置委員 農林大臣も御存じのとおり、先般営農類型の分類をされたわけでありますが、営農類型の分類をされて直ちに手を打っていただかなければ、一般の在来の農家すらが非常に困難な農業経営の事態になってまいりました。ましていわんや根の浅い開拓農民につきましてはもちろんのことと思いますが、私どもが存じております様子によりますとかなりのところまで伸びてまいった。たとえば乳牛なら乳牛に切りかえなければいかぬというので、大体一人当たり六頭ないし八頭あたりまではやってきた、そうすると一頭ずつのときは本人が病気しようが適当にこなし得た、隣近所であるいは家族労働でやれたが、いよいよ共同畜舎をこしらえなければやれぬところまで成長してきたわけであります。そういう成長してきたところが、——在来の畜舎もお金を借りてやっておった、だからこれを取り払って早く一つの新しいものに持っていかなければならないのだけれども、前の金が払えないのにまたお金を借りてやるということでは、その利子負担にたえ得ないというようなものが非常に多いと思うのです。そういうようなときに新しくやっていくやつが、しかもそれが成長するという見通しがつき得るような場合は、前のやつに関してはある程度モラトリアムというか元利合計をかなり長いやつのうしろのほうへというようなことを考えなければ、せっかくそこまで伸びていってもう一息だというやつが伸びにくいのじゃないか。御承知のとおり、現在農林省のお考えいただいております営農改善のやり方も開拓の方々には一番やりやすいのじゃないか、というのは先祖代々というような旧家にとらわれることがございませんので、合理的な経営を政府からお示しいただいたときに、そのやり方によっては一番ついていきやすいのは開拓の方々じゃないか。こういう観点から言いましても、特に営農類型の一類の方々ももう一つ伸ばすために、二類、三類の方々についてはなおそれで離農じゃなくて、これでもって最後までやり遂げようという意欲の非常に旺盛な方々には、必要に応じて一分ずつ下げておるような金利の下げ方じゃなしに、成り立つだけの何をどうしたらいいか、したがって在来の借金をある限度においてはうしろに回してあげるというように、利子をしばらく停止して、新しく導入した資金によりまして営農計画を立てて、それが終わるまでの間、そういう点も考える段階にきたのじゃないかというように思いますが、大臣の御所見はいかがでございましょう。
○重政国務大臣 これは具体的にいろいろな場合があろうと私は思うのでありますが、そういうふうな計画を立てる際に具体的な事態に即応して方法を考えていかなければならぬのであろうと思うのであります。お話しのような事態がある場合に、これをおしなべてそういうものをモラトリアムを施行するような形がいいのかどうか、これは問題だろうと思うのであります。要するに振興計画を推進する上においても前のことを考えないでやるわけにはいかないのであります。これは一緒にして考えるというたてまえでいくべきものだろうと私は考えます。
○玉置委員 具体的な問題にあたって具体的に考えるしかしようがないことは事実でありますが、戦後入植を政府がさせた時分と現在の農業経営は非常に変わっておりますがゆえに、従来のいろいろな考え方ではとうていやっていけぬわけでありますので、それまでにできましたうまく返せなかったやつが、次の新しい構造改善に非常に無理があると思います。というようなときに、ひとつ具体的に御考慮をいただかなければならないのじゃないか。 そこでもう一つ、簡単に一言だけお伺いするのは、政府の農政の主眼になっております構造改善でありますが、これこそ、私が先ほど申しましたように、開拓者の方々には合理的な農業経営というものに対する理解が一般の方々よりは非常にわかりやすいし、実行していただきやすいのじゃないか。こういう点につきまして開拓者の方々への農業構造改善はできるだけひとつ力を入れて、日本の農業構造改善のモデルをつくるのだというような意欲を持ってお進めいただきたいのですが、御所見いかがでございますか。
○重政国務大臣 私は常に申しておるのでありますが、構造改善はやはり意欲に燃えた地域でなければうまくいかない。したがってただいまのお話のように非常に意欲に燃えて、そうして合理的な計画が樹立せられるということになれば、これはもう何をおいてもそういうところは先へやらなければならないと考えております。
○玉置委員 開拓営農者の方々の自立並びに自立に至るような努力に対し、具体的な問題につきましてあらゆる施策を講じていただきますことを特にお願い申し上げたい、こう思います。
○安井委員 いま大臣の御答弁のうちでは、旧債の整理の問題についてはさらに誠意をもって調査を進めて、その結果必要に応じて明年度の予算にも考慮する、というふうな御答弁であったと思うのでございますが、私はこの問題については、大臣は大局に立っての判断をされますが、実際担当されている事務当局がもっと真剣に旧債の問題にどう取り組んでいくかというかまえをやはりお持ちになっていただかないと、問題の解決には進まないと思うわけです。去年プリテストで二百地区もおやりになったわけでありますが、その中で旧債の問題について何とでも解決をしなければいけないという結果は出てないのですか。
○丹羽政府委員 旧債の問題と追加投資の問題は、実は委員会でも非常に問題に相なった点でございます。それから旧債の問題に対しまして事務当局が少し熱意が足らないのではないかという御批判でございますが、実は私ども考えております問題といたしましてひとつ御了承願いたい問題といたしましては、先ほどちょっと説明をしかけた問題なのでございますが、昨年の三月まで二年がかりで個々の農家につきまして旧債の整理を完了いたしたわけであります。そして、先ほども申し上げましたように、政府の貸しております金の八割近いものに新たに据え置き期間なり十五年の償還期間の設定をいたしたわけでございます。そこでその設定いたしました結果と今度一類、二類、三類に分類いたした際にどういう関係になるかというのが実は目下のところ不明なのでございます。それで達観をいたしますれば、過去の借金が払えない方々はやはり非常に事情が悪かった方々である、したがってそういう方々のほうに総体的に三類の方々が多くなるのではないだろうか、逆に申しますと、二類の方々は、総体的に過去の借金の負担というものを乗り越えて先に伸びていく力を持つ方々が二類になり得るのではないか、この相関関係が率直に申しまして、昨年のプリテストでは不十分でございましてわからないのでございます。したがいまして、私どもの考え方といたしましては、今後におきます一類、二類の分類の過程におきましてこの関係をつかみたい、そう考えまして三十五年に出しました法律の結果では不十分であるということであれば是正を考えたい、こういう基本的な考え方をとっておるわけであります。そのために要すれば法律も出したい、かように考えておるわけでございます。私どもが非常に苦慮いたしております問題は、片方におきまして追加投資を何十万とやる、またそのための努力を最大にいたさなければならないわけでございますが、同時にその人の借金はモラトリアムをやるということの主張というものはなかなか通りにくい話なのでございます。一方三類のような方々に対しまして、過去の借金をどうするか、二類の方には追加投資を優先的に考える、こういうような問題の位置づけを考えますと、これは一応筋の通った話としてわれわれも対外的にも主張し得る主張にもなり得るわけです。実態はおそらく二類農家におきます旧債の圧力と、三類農家におきます旧債の圧力とは相当総体的には違うのではないか。したがって三類に対します旧債の条件緩和の問題を、極端に申しますれば重点的に取り上げ、二類農家に対しては逆に追加投資のほうを重点的に考える、こういうような位置づけが可能であるかどうか。これは一類、二類、三類の分類を通じまして判断をさせていただきたい、かように私どもは基本的には考えておるわけであります。
○安井委員 いま御答弁がございましたが、旧債の問題についていろいろと苦心をしておられるというふうなお話でございますが、しかしただ去年もプリテストをおやりになっても、その中で旧債の問題について全体の中でどういう位置づけがなされるかということがあまり浮き上がったような、資料にならなかった、そういうような御答弁でありますが、今日までいろいろな機関から、旧債整理というものは重大な問題なんだというようなことがしばしば言われているのですから、プリテストの段階でも旧債の問題に一つの焦点を当てた御調査の方向もぜひやっていただきたかった、そういうふうな感じがするわけであります。ただ全体を通ずる問題であると同時に、また各類別でニュアンスが出てくるということもこれはわかりますが、ひとつ十分な御調査を、大臣の言明もございますので、お進めたいただきまして、納得のできる対策を打ち出していただきたい、そういうことを要望しておきたいと思います。 なお一、二点伺って、時間も過ぎておりますので終わりたいと思いますが、建設事業の促進の問題であります。建設事業の進んだところからやっていくというふうなお考え方が示されているようでありますが、その建設事業の進捗の度合いというのは実は国の責任であるわけです。国の責任でおくれている地域が今度の新しい対策もおくれてしまう、こういうようなことであっては、関係の開拓農民の人も浮かばれないことだと思うのでありますが、全体的な構想をお立てになっているところからすれば、建設工事全体の急速な促進というようなことについても政府は十分決意を持っておられると思うのでありますが、この振興対策計画をお進めになるのと相並んで建設計画も進んでいって完全に歩調のそろったかっこうで有終の美を飾ることができるというそこまでお見込みを持っておられるのかどうか、その点ひとつ伺います。
○丹羽政府委員 御承知のとおり新規開拓を開拓。パイロット方式に切りかえました、そのために農林省といたしましても大蔵省といたしましても旧制度によります開拓事業は早くあげてしまおうということについては、完全に了解が一致しておるわけでございまして、最近数年間におきましては、開墾建設工事、あるいは開墾に伴う補助工事につきましての予算は飛躍的に増大をいたしておるわけであります。したがって現状におきます相当の可能性を持った判断といたしまして、現在残っております開墾建設工事というようなものは、おそくとも四十二年度には完了させたい、またこれは十分可能性がある、かように判断いたしております。
○安井委員 その建設事業を促進するという意味にも関係があるわけでありますが、開墾補助率の引き上げの問題が所得水準の低い開拓農家からの希望として常に出ているわけでございますが、これについてどういうようにお考えですか。
○丹羽政府委員 御承知のとおり、毎年補助率の引き上げについては全事業を通じましていろいろ持ち込むわけでございますが、最近の実情におきましてはほとんど実現を見ておらないわけでございます。ただ離島関係及び開拓関係につきましては、わずかずつではございますが、補助率の引き上げを見ておる、こういうのが実情でございます。三十六年度から補助率のみでなく、たとえば開墾作業をいたしますのに、在来は面積の八割しかやらなかったものも一〇〇見る。それから開墾の建設付帯工事等でも三十六年が二分の一でございましたのを、三十七年からは新築は三分の二に上がるというふうな形におきまして現在補助率の是正を見ておりますのは、離島及び開墾、開拓関係でございます。十分ではございませんが、今後とも努力は続けてまいりたい、かように思っております。
○安井委員 経営規模の拡大というのが今後非常に大きな要請になっていくわけでありますが、やはり現行開拓補助率が比較的低過ぎるということが資力の少ない開拓農家に規模拡大の実現の期待を妨げておるというような実態は十分考慮されなければいけないと思うのです。それによって開墾地区の補助面積を拡大していくということも同時に必要なわけで、地方庁からは毎年のように強い引き上げの要望が出ているのは御承知のとおりだと思うのでありますが、明年度の予算編成に際しまして、どういうふうな決意で臨まれるか、その点をひとつ伺っておきます。
○丹羽政府委員 明年度の予算編成に関しましては、現在地方農政局が各現地におきます地元の希望を聴取いたしておりまして、今月末から私ども地方農政局を通じます地元の各種の要望を承るのが一つと、それから毎年予算編成期に相なりますと関係の団体の方々等からも希望を承るのでございます。その結果によりまして、三十九年度の開墾建設関係の補助率等につきましては、あるいは開墾作業関係の補助率その他一般的にこういう問題につきましての態度をこれからきめてまいりたい、かような段階でございます。
○安井委員 補助率の引き上げの問題につきましては、ひとつ真剣なお取り組みをあわせて要望しておきます。 もう時間がまいりましたので終わりにしたいと思いますが、最後に、中心になります二数農家の対策ももちろん一番大切なことでありますが、一類、三類の農家に対する対策もあわせて慎重でなくてはならないわけで、特に第一類の農家に対しては、今日までのそこの開拓地帯の指導的な立場にあった人が多いでしょうし、しかも一類になったからといって、決してどこか別なところに行くわけじゃないわけです。同じ地域の中にあって、ただ一般的な開拓行政のあれからはずれてしまう、こういうようなことになって、その地域における中心的な指導農家が指導能力を失うというふうなことになっては、私はこれは困ると思うのです。だから、一類農家にとっても、第二類農家の模範となって指導的な役割りを果たすように、公庫資金の別ワクを設けるとか、あるいはまた近代化資金の利用についても特別な扱いをしてあげるとか、こういうふうな措置が必要ではないか。それから第三類の農家につきましては、この第三類農家の場合は、私は第二類農家に対する対策よりも先に行なわれなくてはならない——第三類農家が特に負債をよけい持っているということも明らかでありますし、それからまた三類農家の土地を処分することを前提として二類の営農改善をはかろうというふうな考え方があるとすれば、二類よりも三類農家のほうの対策を積極的に進めていく、そういうようなことが非常に大切なことではないかと思うのです。ところがどうも政府の構想によりますと、従来からありましたところの過剰入植地の対策だとか、そういうふうな従来からの措置を今度の場合も当てはめるような形で、ただそれくらいの程度で三類農家の問題を処理されようとしておるように見受けられるわけです。私はこの三類農家の問題は、ちょうど石炭の離職者の問題に政府が真剣に取り組んだと同じように、あれと同じようなかまえで処理されないと、農民首切りということに明らかになってしまうと思うのです。だから従来からあるような措置をただ手を加えるくらいのことでやるのではなしに、三類対策はこうやるのだという、真剣なかまえをやはりお出しになる必要があるのではないか。特に三類対策がまずくいきますと、借金だけが開拓農協に残って、今日の開拓農協はただでさえ非常に若しい立場にありますのが、この三類農家の対策というものを誤れば、もうそれこそたいへんな状態におとしいれられるのではないか、こういうようなことも心配されるわけであります。たとえば離農補助金も現在三十万円ですか、これをぜひ五十万円くらいに引き上げてもらいたいという要望も、私ども地元で幾度も聞くわけでありますが、この問題もどうされるか、地元の市町村では、三十万円くらいの目くされ金ではどうにもならないので、なけなしの市町村のさいふをはたいて市町村費を上乗せをして出しておる、こういうようなことも聞くわけであります。こういうところは戦後の開拓行政、政府の政策の犠牲者です。牛や馬みたいに都市から山へ追い上げられた、そういうような形の人たちが多いわけですから、三類農家の問題については真剣な取り組みをしてもらわなければいけないし、それからもう一つ、ついでに、開拓農協の問題に、きょうはもう時間がありませんので触れることはよしますが、今日の段階では、市町村ももちろん開拓行政の末端を担当する立場で、今度の地区計画の策定等重要な立場にあるわけでありますが、しかし開拓農協自体も国の政策の末端組織というふうな役割りを負わされておるわけです。それを、末端組織がまずくなれば、国が今日までせっかく投資をしてまいりました資金の回収もできないし、それを有効に使うという道も閉ざされてしまうし、こういうようなことを考えれば、開拓農協に対する国の対策というようなものも今日特に慎重でなくてはならない、こういうようなことも考えられるわけであります。具体的な問題もたくさんございますけれども、一類農家の問題、三類農家の問題、それから開拓農協の問題についてひとつまとめて局長の御答弁を願いたいと思います。
○丹羽政府委員 一類農家につきましては、私どもの基本的な考えは、何と申しましても国の財政で開拓行政に投入できるものは限度がある、そうなれば、一類農家の方々は、いままで一緒にやってこられた方を助けるという意味において一般の世界に突入して、原資はあげて二類のほうに投入できるという意味において一般の農政に移っていただきたい、それが同志を助けることになるだろう、そのことは、現地におりまして一緒になっておる方々の御相談なり御指導をされることを一向妨げるものではないわけであります。日々の生活としてそういうことは当然のことで、むしろ金を共食いしないで、より困っておる方々のほうに回すという角度から御協力願いたい、こういう気持ちを持っておるわけでございます。 三類農家の問題につきましては全く先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも非常に慎重に頭を痛めておる問題でありますが、御趣旨の点も十分考えに入れて今後なおいろいろと努力させていただきたいと存じます。 開拓農協の問題はいろいろの問題を含んでおりますが、何といたしましても現実に今日までいろいろの仕事をしてまいりました第一線でもあります。かつ現実に一つの力として仕事をいたしておるわけでありますから、その立場を尊重しつつ、今後の開拓農協のあり方についても十分考えさせていただきたい、かように存じておるわけであります。
○長谷川委員長 本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。 —————————————
○長谷川委員長 この際、安井吉典君から本案に対する修正案が提出されております。 —————————————
○長谷川委員長 趣旨説明を求めます。安井吉典君。
○安井委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案に対する修正案を提出いたしたいと思います。 先ほど来、角屋君の質問、さらに私も若干触れたわけでございますが、今回の開拓者資金融通法の一部改正法案は、新開拓制度をこれから積極的に展開していかなければならないという段階におきまして政府が提出をいたしました唯一の法案であります。これから始まる日本の開拓制度を、革命的なといいますか、大きな改革をしようという段階におきまして、ただこれだけしか立法措置をいたさないというのが政府の今日の態度であります。私は、きわめて多くの問題が残されており、それらについても当然国会にはかって、立法措置をもって真剣な取り組みをなすべきだと思うのでありますが、残念ながらそれが果たされておりません。そしてまた、この資金融通法の改正案自体につきましても、従来の金利を若干引き下げる、五厘程度の引き下げというのが原案でございまして、その後これが参議院段階で審議が行なわれるに際しましては、他の開拓に対する金利水準三分六厘五毛といったようなところまで当然下げるべきだというような点で、与野党の意見が一致しそうになっていたのにもかかわらず、なかなかそれの解決の方向に政府が積極的にならないで、結論が長引き、ようやく最終的に、実に長い空白期間を経た後に四分として決定をし、修正が行なわれたという経過を持っているわけであります。しかし私どもは、他の一般農家に対する農業構造改善事業等に対する政府の金融施策は、より低利な三分五厘等の金利を出すというかまえにいたしていることと思い合わせますと、日本の戦後の政策の犠牲者であります開拓農家の人たち、さらに新しい農業構造改善のにない手として進め得る無限の可能性を持っております開拓農民の人たちに希望を与えていくためにも、やはり開拓制度における他の金利水準にふさわしいものに引き下げるべきだ、かように考えるわけであります。その意味におきまして修正案を提出いたす次第でございます。 よろしく御審議、御可決あらんことをお願いいたします。(拍手) —————————————
○長谷川委員長 修正案に対する質疑はないようであります。 本修正案は国会法五十七条の三の規定に該当するものでありますので、この際内閣に対し、意見を述べる機会を与えます。津島農林政務次官。
○津島政府委員 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案に対する委員修正案につきましての内閣の意見でございますが、利率を三分六厘五毛に引き下げる修正案につきましては、賛成いたしがたいのでございます。 —————————————
○長谷川委員長 引き続き討論に入るのでありますが、申し出もないようでありますので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、参議院送付にかかる開拓者資金融通法の一部を改正する法律案について採決を行ないます。 まず、安井吉典君提出の修正案について採決をいたします。 本修正案に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○長谷川委員長 起立少数。よって、安井吉典君提出の修正案は否決をいたしました。 次に、原案について採決をいたします。 本案に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○長谷川委員長 起立多数。よって、本案は参議院送付原案のとおり可決すべきものと決しました。 安井吉典君。
○安井委員 ただいま本案は原案のとおり可決されましたが、さきに修正案を提出いたしましたように、われわれは本案を修正すべしとの意見であります。よってこの際、修正の少数意見を保留いたしたいと思います。(拍手) —————————————
○長谷川委員長 この際、玉置一徳君外一名から、本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 趣旨弁明を許します。玉置一徳君。
○玉置委員 ただいま可決されました開拓者資金融通法の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党並びに民主社会党を代表いたしまして、附帯決議を付したいと存じます。 案文を朗読いたします。 ————————————— 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 政府は、既入植者の営農振興を図るため、開拓営農振興審議会の答申を尊重して、抜本的な対策を確立すするとともに、特に左記各項の措置を図るべきである。 記 一、振興対策の実施に当つては、開拓農家の経営の確立が図られるよう合理的な標準設計を設定するとともに、計画どおり完了されるよう予算の確保に努めること。 二、開拓農家の営農の現状にかんがみ、各種旧債については、その経営段階に応じ、償還期限の延長、制度金融への借替等の措置に努めること。 三、第三類農家については、離農奨励金を増額して離農を円滑にするとともに、離農できないものについてはその生活が保護されるよう措置すること。 四、振興対策の円滑な推進を期するため、開拓金融制度の整備、開拓営農指導体制の強化等を図ること。 右決議する。 ————————————— 以上であります。 以上の附帯決議につきまして、御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○長谷川委員長 採決をいたします。 玉置君の動議のとおり、本案に附帯決議を付するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○長谷川委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議に対する政府の所見を求めます。津島農林政務次官。
○津島政府委員 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案につきまして、ただいま御決議をいただいたのでございますが、御決議の点につきましては十分に検討いたしまして、できる限り御趣旨に沿うよう努力いたす所存でございます。 —————————————
○長谷川委員長 なお、本案に対する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 次会は公報をもってお知らせすることにし、これにて散会いたします。 午後零時十三分散会 ————◇—————