農林水産委員会 第44号
- 発言数
- 157 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/25
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 本委員会はさきに長雨による九州、四国、中国地方の麦作等の減収状況調査のため、議長の承認を得て、現地に委員を派遣いたしたのでありますが、この際派遣委員より調査の報告を求めます。小山長規君。
○小山委員 私は、九州、四国及び中国地方の長雨による麦作等の減収について現地調査を行ないました派遣委員を代表して、調査の概要を御報告申し上げます。 本調査に参加された委員は湯山委員、稲富委員と私の三人でありました。調査いたしました県は九州は全県、四国及び中国は愛媛、香川、徳島及び岡山の各県であり、調査期間は六月七日から十三日までの七日間であります。 今回の長雨被害は非常に珍しいケースの被害でありまして、本来ならば災害来襲と同時に被害が発生するのが常識でありますが、本回の災害は、被害発生の原因となった長雨が四月中旬から降りだし、それから二カ月余を経た後において被害を発見したというように、その被害発生の時期が判明しなかったことであり、また、災害発生の地域が広範囲で西日本全域を完全におおい、その地域のいずれの場所も被害を免れることができなかったことであります。したがいまして、被害発生が感知された後においても防災の方法はもちろん、その対策の施しようがないといった特殊なものであったようであります。 この災害の特殊性についての気象状況を概観いたしますと、天災の性質はつゆと同種の気象状態でありまして、つゆが一カ月早く西日本上空をおおい、二カ月間動かなかったというのであります。しかも、降雨量は平年度をはるかにこえ、多いところは二、三倍を記録しております。また、日照時間は極端に短く、農作物にとって最も大切な結実の時期において特にひどく、ところにより平年度の二分の一から三分の一程度の日照時間であります。 以上のような気象状況でありましたため、調査各県の麦の減収量は七割から九割の減となり、このわずかに収穫された麦も食糧となり得るものはさらにその一、二割にすぎない状況であります。なたねも全く同様の被害を受けておりまして、油としての原料となるものは平年度の二割を割るのではないかといわれております。降雨はいまだに続いておりますので、わずかの日照を見て収穫し、乾燥した麦もそのほとんどが赤カビ病にかかっておりますが、この赤カビ病にかかるとヒヨリン、リゾレチンという毒素が発生し、これを牛馬に飼料として与えれば下痢症状を起し倒れるという始末であります。 このように食糧は言うに及ばず、飼料にさえならない麦であるとわかっているにかかわらず、農民の心情としましては半年間営々辛苦の結晶であるだけに簡単には捨て切れないと見え、一度は脱穀機にかけ、乾燥してみなければ気が済まないといった切実な姿が行く先々の農家の庭に見られたのであります。 また、田畑にありましては、収穫皆無の麦を刈り集め焼却する白煙が方々に上がっておりました。この麦の焼却でありますが、立ったままでは自衛隊の火焔放射器をもってしても燃えないので、やむなく刈り集めて油をかけ焼却しておるのでありまして、その経費も軽視できないものがあるようであります。さらに次の水稲などの植えつけを控えて麦の刈り取りを急がなければならないのですが、農家にとって頭痛の種となっておりますことは、人手不足を補うための臨時手伝いが容易に見つからず、たとえ見つかったとしても一日千円以上というのが通り相場で、その上に現物給が必要であるとのことであります。 かくのごとく、この長雨は農家から麦を奪い、現金収入を断ったばかりでなく、さらに麦わらの焼却の手数、その油代、その上に手伝いの異常な高値という二重三重の重圧を与えているのでありまして、被害農民に対し、調査団一行は心から同情し、その救済にあらゆる協力を惜しまない決意をしてまいったのであります。 次に、その被害を各県別に見ますと、福岡県は六月五日現在で総額七十七億円、そのうちおもなものは三麦で四十五億円、うち小麦三十六億円で被害率八〇%、裸麦六億円で八九・七%、大麦三億円で九〇%、なたね七億円、蔬菜九億円、果樹五億円、果樹苗木が四割被害を受け二億円となっております。佐賀県は六月一日現在で三十七億円、うちおもなものは麦類二十六億円で九四%、なたね四億円で七一%、果樹二億円及び蔬菜二億円となっております。長崎県は六月十日現在で五十億円に達し、そのうちおもなものは裸麦が二十四億円で八八・一%、小麦十二億円で九〇・三%、蔬菜七億円、なたね、たばこ、果樹がおのおの一億円であります。熊本県は六月一日現在で総額六十一億円、そのうち小麦が三十億円で八三・九%、裸麦が十五億円で八八・七%、蔬菜五億円、果樹三億円、なたね二億円がおもなものであります。鹿児島県は六月十日現在で総額六十五億円、そのうちなたねが十九億円で八七%、麦類二十億円で七七%、蔬菜、桑がおのおの一億円等となっております。そのほか鹿児島県は二つの災害を受けているのであります。その一つは、離島の干ばつ被害であります。四月からの干ばつで水稲に三億円、カンショ一億円、サトウキビに一億五壬万円等六億円の被害、さらにもう一つの災害は桜島の噴火による鹿児島市周辺の降灰の害であります。桜島は五月二十一日から六月三日までの間に多い日は一日九回もの爆発を起こし、連日灰を降らしたため養蚕に被害を受け、その額は千五百万円にのぼっているのであります。宮崎県の被害は六月十二日現在で総額二十七億円で、裸麦七億円、大麦一億円、なたね四億円で六二%の被害率、蔬菜二億円等であります。大分県は六月一日現在で総額五十億円、そのうち麦額が四十四億円、うち裸麦が十八億円で八五%の被害率、小麦二十億円で七六%、その他果樹二億円等であります。愛媛県は六月八日現在で総額五十五億円、そのうち裸麦二十一億円、小麦五億円、果樹十五億円、工芸作物五億円であります。香川県は六月十日現在で総額五十八億円、そのうち裸麦が十九億円で被害率九五%、小麦十五億円で八九%、果樹九億円、蔬菜八億円、飼料作物は三億円等がおもなものであります。徳島県は六月十日現在総額二十九億円、そのうちおもなものは裸麦十二億円で八三・一%の被害率、小麦七億円で八九・九%、蔬菜四億円、特用作物四億円であります。岡山県は六月五日現在で総額三十三億円、そのうちおもなものは小麦十六億円で五九・三%、裸麦七億円で七三・七%、大麦六億円で同じく七三・六%の被害率、岡山特産のイグサが十億円、桃二億円、ブドウ一億円であります。 現地調査をいたしました各県の被害状況は以上でありますが、岡山県庁に参り陳情された山口県の代表の方々の御説明によりますと、山口県の被害は六月五日現在で二十九億円にのぼり、うち麦類十九億円で八〇%の被害率、中でも裸麦は十億円で九三%、小麦五億円で七一%、ビール麦三億円で六二%であり、そのほか蔬菜、果樹、たばこ等にも相当の被害を受けているようであります。 以上が調査各県別被害の概要でありますが、この長雨による農作物被害は全国で六月二十五日現在実に一千億円に達する大被害となっているのであります。 ただいま申し上げました麦類及びなたねの被害の率を見ますと、各県ともに激甚被害は受けているものの、なお幾ぶんの収穫があるやに見えるのでありますが、これらの数字は刈り取り前のものであり、刈り取りが進むにつれて被害はさらに増大し、平均九〇%をこえる被害が最終的に出るのではないかと憂うるのであります。このことは現地を見れば直ちにわかることでありますが、まだ田畑にある麦の穂はその実が水分を含んでいるため、その形からは容易に被害の程度が判別し得ないものが多いのであります。この点農林省の地方機関である九州農政局及び四国中国農政局または食糧事務所の活躍は目ざましく、常に県、市町村、農業団体等の報告よりも一歩先んじ被害の実態を把握し、また麦の種子対策についても細心の注意と万全の措置を講じつつあり、新設機関としての農政局等の活動について地元民も信頼の念を深めていたのでありまして、われわれもこの適切な措置と熱意について高く評価してまいったのであります。 次に調査した地区を日順を追って申し上げたいのでありますが、これは省略いたします。 最後に災害の対策について申し上げたいのでありますが、本災害の実態は各県共通のものが多く、したがってその要望事項もほぼ類似のものがありますので、ここに一括いたしまして調査委員の意見を対して申し上げたいと存じます。 第一の要望は、天災融資法の早期適用と融資条件の緩和であります。天災融資法の適用につきましては、被害総額からして当然適用されると思いますので、この点は解決できるものと考えられますが、本長雨の特殊性にかんがみまして、その主要農産物である麦類及びなたねの被害が、県全体をとらえても、また市町村全体をとらえても、さらに農民個人をとらえても、八〇%をこえる地域となる見込みの九州、四国、中国の各県に対しましては、たとえ今回の農産物の被害総額が年間農業収入の五〇%をこえることがない農家に対しても、天災資金の貸し付け条件を大幅に緩和した貸し付けを行なうことが必要であると思うのであります。 第二の要望は、自作農維持資金の個人貸し付け限度の引き上げ及び貸し付けワクの拡大であります。今回の長雨は施設被害を伴っていないがゆえに、被害農民は救農土木事業等の実施による現金収入の道がないため、自作農維持資金の借り入れに対する期待が非常に大きいのでありますので、この際貸し付け限度額の引き上げと貸し付けワクの増大を行なう必要があると思うのであります。 第三の要望は、天災資金、農業近代化資金、農林漁業金融公庫資金、開拓者資金、その他制度資金の既貸し付け金についての償還期間の延長であります。特に農業及び漁業構造改善資金の貸し付け分については、構造改善事業の計画的実施推進に支障を来たさないよう、据え置き期間の延長及び再貸し付け措置について検討するとともに、特段の優遇をはかることが肝要であろうと思うのであります。 第四の要望は、米の予約概算金の早期支払いと額の引き上げであります。前述のように農家は一日も早い現金支払いを要望しており、概算金の額の引き上げによる支給を希望しておりますが、もし引き上げのための手続に手間どり、支給がおくれるようであるならば、遅延を避け、たとえ定額であっても早急な支払いを行なうべきであり、その時期は少なくとも六月中に支払うべきであると思うのであります。 第五の要望は、農業共済金の概算払いの早期支払いであります。被害は日を追って激甚の度を深めつつありますが、被害額はすでに概算払いを行なう基準をはるかに超過していると思われますので、政府は各関係機関を総動員し、この支払い金が六月中に支払いできるよう特段の努力を願うものであります。 第六の要望は、麦類の種子確保対策であります。九州、四国、中国とも、この地方で耕作されている小麦、裸麦はその地域特有の品種であり、各県別に、また各地方別に異なり、種子の確保は困難をきわめているのであります。それがため各県は地方農政局を中心に懸命の努力を続けておりますが、思うにまかせず、現状では各地域別に農家が保有している三十七年度産麦を探し出すことに全力を尽くしております。この種子も発芽率が悪く、五割を割るのではないかとの懸念があり、もしそうであるとすれば種子を平年度の倍量確保せねばならず、その経費についても国の助成が必要となるのではないかと思うのであります。 第七の要望は、政府手持ち食糧麦と飼料用麦の払い下げであります。これは買い入れ価格よりも払い下げ価格は安いのでありますから、払い下げ数量と払い下げを受ける者の指定で解決する問題でありますので、ぜひ早急実施を願うものであります。 第八の要望は、福岡県田主丸における果樹苗木及び山林苗木の被害に見られるように、各種苗木の生産者に対し相当の被害があると考えられるので、これが対策についてであります。長雨のため各種苗木の接木作業が順調に行なわれず、行なったものも活着歩合が悪く、その被害は前述のように四割被害を受けているのでありまして、苗木の確保の意味からいたしまして、再生産について各種助成をいたす必要があると思うのであります。 第九の要望は、鹿児島県における干ばつ、噴火灰の被害についても天災融資法の指定災害とすることはもちろん、長雨と同様の救済措置を講ずるようにすべきであると思うのであります。 第十の要望は、果樹の被害を天災融資法にいう被害額の算定の基礎に加えるべきであるということであります。これは被害果樹から直ちに被害額が的確に把握できにくい点がありますが、現実問題として、被害を受けた果樹は平年作の収穫を得るまでには、その翌年から数年間を要し、その間の減収が明白でありますので、天災融資法の農作物の減収に果樹被害による減収予想量を加えるようにされたいというのでありまして、一考を要するものと思うのであります。 以上、報告を終わります。(拍手) ————◇—————
○長谷川委員長 それでは引き続いて農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 なたね交付金問題について質疑の通告がありますので、順次これを許します。安井吉典君。
○安井委員 大豆なたね交付金暫定措置法の第二条第二項による基準価格の決定の期限が、たしか六月三十日だったと思いますが、目前に迫ってきた段階におきまして、政府のこれに対する態度をきょうはひとつ伺いたいと思います。 初めになたねの作付状況は、ことしは例の長雨被害等もあり、例年と違う様相を呈しているように聞くわけでありますが、ことしの作付面積の状況、推定実収高の状況、特にそれらを平年と比較した形において反収の問題にも当然触れていただかなくちゃいけないと思いますが、それらの生産の状況について、まず政府の御調査の結果をひとつ伺いたいと思います。
○酒折政府委員 御質問のなたねの生産状況につきましてお答え申し上げます。 本年のなたねの作付面積は約十五万町歩であります。これは御参考のために三十七年度を申し上げますと、十七万四千町歩、これに対しまして収穫予想高は本年が約十三万トン、昨年三十七年度が二十四万六千トンという状況でありまして、この数字をごらん願いましてもおわかりだと思いますけれども、本年は大減収でございます。いろいろ今後問題が多かろうと思っております。
○安井委員 計算すればわかりますけれども、反収がどれくらいになりますか。それから反収の指数はどれくらいになりますか。
○酒折政府委員 反収平均が九十キログラムでございます。昨況指数で申しますと、六五%ということになっております。
○安井委員 これはおそるべき数字をいまお聞きしたわけでありますが、二十九年以来の私の手元にある数字と比べましても、ちょっと例のない作況状態になっておるようであります。まず作付面積が大幅に減っているという事実、それから作況が非常に悪いというこの二つの中から、推定実収高の数字も出てくるわけでありますが、農林省としてはこの点どういうふうにつかんでおられますか。どうして面積が減ったのか。反収がはなはだしい減り方をしている。この二つの原因についてどういうふうにお考えになりますか。
○酒折政府委員 面積の減につきましては、御承知のとおり、なたねは田の裏作と畑とございますが、畑のほうの面積は、年によって多少上下がございますが、そんなに減っているとは言えない状況であります。田の裏作の面積が減っておりまして、たとえば三十一年には田の裏作のほうのなたねの面積が十三万五千町歩であるといわれております。それが三十六年を見ますと、八万六千町歩というふうな大幅の減少の数字が統計上出ております。これはやはり労力不足——他にも相当原因があるかと思いますが、主たる原因は労力不足にあるのではないかというふうに見ておるわけであります。 反収の点は、いまこまかい数字は持っておりませんけれども、これもやはり作況によって多少上下がございますが、百五十キログラム前後を上下しているような状況であります。
○安井委員 反収については災害だと思うのですが、その作付面積の減り方が、これは私はだいぶ問題があると思うのです。いま園芸局長は、田の裏作のほうが減って、主として労力不足だというふうな言い方をされたんですが、私はなたねの最近における基準価格があまりにも低過ぎるという事実があると思うのです。基準価格の問題は、これは園芸局長のお仕事でないはずでありますが、ひとつその点は同じ農林省の中でも遠慮なしに言ってもらわなければいけないと思うのです。これは食糧庁の所管だからなるべく触れないでおこうというふうな態度じゃなしに、これはやはり私は、こんなようないまの政府の基準価格のきめ方では、それによる交付金の交付のやり方では、田の裏作なたねなどをやっても間に合わなくなったんだ、そういうようなことで農民の不満感がこの面積の減少の中に大いに加わっていると思うのですが、その点は、生産のほうを担当されております立場の園芸局長、いかがお考えでございますか。
○酒折政府委員 生産を担当しておる者といたしまして、やはりなたねのような重要な原料たる作物につきましては、できるだけ増産をしていきたいという考えでございますので、したがって価格もできるだけよいほうがわれわれとしては望ましいことは当然だと思います。しかしながら、これはやはり全般的な立場から、農林省として価格が従来のように決定されたわけでありますので、これはわれわれとしてもやむを得ないというふうに考えておりますが、将来の問題といたしましては、できるだけそういった点につきましては、生産面からの意見の反映も生かしていきたい、こういうように考えておるわけであります。
○安井委員 この作付面積の増減の中から、私、くみ取れるような気がいたしますことは、大体二十九年から三十五、六年ごろまでは、三十年ごろから二十万ヘクタールにのぼっているわけです。三十二年のごときは、二十六万ヘクタールをオーバーしております。ところが、その後若干減ってまいりましたが、三十六年においても減ってまいっておりましても、三十六年では十九万六千五百町歩くらいの数字が出ております。この年からたしか自由化されたのではなかったかと思うのですが、この三十六年段階では、たとえ自由化されても、この交付金法というのができて、しっかり大豆、なたねを守ってくれるのだという、そういう期待があって、大体十九万町歩台を私は確保できたと思うのです。ところが三十七年からあとになりますと、今度は、せっかく法律ができて期待はしたけれども、これはさっぱりだということで、十七万四千町歩台に落ちてくる。三十七年は十七万四千町歩だったのが、ことしは実に十五万町歩というおそろしい減り方になってきておる。これは私は、政府の自由化後の対策というものに対する農民の期待が全く裏切られて、その不平や不満が、はっきりこういう数字になってあらわれたものである、こういうふうに見ざるを得ないと思います。その上に、ことしは、先ほどの御説明の中でも、反収が指数において六五という驚くべき減り方を示しているということで、つまりことしのなたねの国内総供給量は非常に減っておるし、言いかえれば、なたね作付農家の労働に対する報酬というものも、これはもうおそろしい減り方を示す年ではないか、こういうふうに考えられるわけであります。こういう背景の中から、近く政府は基準価格の決定をするという段階にいまきていると思うのでありますが、現在の段階におけるその作業は、どういうふうな進み方を示しておりますか。
○筒井説明員 お話しのとおりに、今年の基準価格の決定は、六月末までにしなければならないことになっております。したがいまして、私どもは、従来のやり方等を考えまして、現在作業中でございますが、大体の作業の考え方といたしましては、従来のとおりにパリティ、三十一年から三十三年までの年の手取り価格、これをベースにいたしまして、その後のパリティの上昇状態、それからその後いろいろと生産性の上がってきておる状態等を勘案いたしまして、現在検討中でございます。概略の点はそういうことでございます。
○安井委員 告示はいつに予定しているわけですか。
○筒井説明員 月末になっておりますので、できるだけ間に合うように、まだ日は確定いたしておりませけれども、それに間に合うように告示いたしたいというつもりで作業いたしております。
○安井委員 きょうは二十五日ですから、三十日といいますともう相当程度作業ができて、決裁直前といったくらいのところまで私はいっているのではないかと想像するわけでありますが、去年のやり方にならっていろいろ計算を進めているというお話でございますけれども、去年もたしか三方式を示されて、それらの勘案の中から数字をはじかれたというふうな御説明を私どもは聞いていたわけでありますすが、去年と同じといいますか、去年の方式に準ずるやり方で計算をされた場合に、ことしの場合はどうなるか。その資料は、もうそれくらいの計算はおできになっておると思いますが、きょうその点お話し願えますか。
○筒井説明員 先ほどお話ありましたように、今年は特になたねにつきまして災害が大きかったわけでありまして、作況指数も六五%ということでありまして、九十キロというような反収でございます。したがいまして、従来とっておりました反収のとり方につきまして、こういう災害の年の生産性の向上のメルクマールがありまして、反収をどういうようにとったらいいかというような点につきましては、相当問題があるんじゃなかろうかというように考えております。しかしパリティの状態をちょっと申し上げますと、大体この五月で一四四・七一というパリティ指数が出ております。これは麦などに使っておるものでございます。五月でございます。その指数を使いますと、たとえば基準年次の価格に対しましてさような指数をとりますと、パリティだけでやりますと大体三千七百五十円くらいのところになります。それから今年のたとえば従来といいますか、問題はございますけれども、本年のその九十キロというような反収をとりますと、やはり五千円近い価格になります。従来のやり方をとりますと、試算といいますか、計算からいたしますれば、そういうような数字になります。
○安井委員 従来方式の柱になっておりましたのは、いま言われたパリティの方式、それから生産性の向上を織り込んだ価格方式といいますか、それについての大まかな数字をいまお漏らしになったわけでありますが、こう考えますと、去年は三千百八十円、これよりも三十八年度の基準価格は当然大幅な価格の決定に迫られているということを、ただいまのお話の中から私どもうかがうわけでありますが、ただ私、気にかかりますのは、いまの総務部長の御答弁の中で、九十キロというふうな非常に低い反収を見た現在において、反収のとり方をどうしたらいいのか、その点いろいろ考えておるのだというお話でありますが、まあいろいろお考えになるのは私はけっこうだと思いますけれども、しかし今日までも反収の非常に高い年には農林省はむしろちゅうちょなくそれらの数字をおとりになる。ところが反収の減った年にはそれをそのままに使ったらあまり数字が高くなり過ぎて困るのだ、だから反収をかげんしなければいかぬというふうなお考えであるというのは、私はどうも筋が通らないような気がするわけです。つまり、去年は反収の見込みが百三十九キロで計算すると三千百一円ですか、ことしの生産でやれば四千九百円をこえて五千円近くになる。それから去年の場合には当然高い反収で計算することによって、基準価格の引き下げの要素に政府は実際にお使いになったわけです。生産性の向上の分を農民に返さないで政府が取り上げるというふうな形で、生産性の向上を織り込んだ価格で基準価格を低く決定されたわけです。ことしは不可抗力的な理由で反収が下がった、反収が下がれば当然基準価格が上がるべきであるのに、あまり上がり過ぎて困るから反収を少しかげんしなければいかぬ、こういうようなことではいつまでたってもこの基準価格に対して農民の信頼を受けられないじゃないですか、その点どうお考えですか。
○筒井説明員 この基準価格の使い方は、御存じのとおりに、全販連なりあるいは全集連なりの集荷いたしますところのなたねの販売価格、標準販売価格との差を交付金として交付するということを一つの基準といたしまして基準価格を設けておる次第であります。したがいまして、どちらかといえば物についての価格の後払い的な措置であることは御存じのことであると思います。そういう場合におきまして、本年のような異常な災害に対処しまして、そのような災害による減収をこういう交付金制度なり価格制度でカバーしていくことが適切であるかどうかということにつきまして、私どもは問題が相当あるんじゃなかろうかというような観点からいたしまして、災害の要素を基準価格なり交付金制度においてすべてカバーしていくのがいいかどうかという点について、かなり制度といたしまして問題があるんじゃなかろうか、こういう考えからいたしまして、先ほど申しましたように、六五%の九十キロというような数字をそのまますぐに使うのはいかがであろうか、こういうふうに考えておる次第であります。
○安井委員 いまお伺いをしておりますと、どうもことしの基準価格の決定に際しましての一番の焦点は、災害反収をどう評価するか、計算の中にどう織り込んでいくかということが最大の焦点になるような気がしてまいりました。ところでいまの総務部長の御答弁によりますと、交付金制度という仕組みの中では、このような異常な災害による減収をこの中で消化するということはどうかというふうなことで、検討が進んでいるということでありますが、それならことしのような減収になった農民の所得補償といいますか、そういうような問題は一体何がしてくれるわけです。大豆、なたねについてはかつて農安法の対象であり、それから自由化に伴って、いまこの交付金法の対象として問題をすべて消化するという形で私はこの制度ができたというふうに記憶をしているわけでありますが、災害による減収を政府の支持価格の中に入れてもらえない農民は、一体それをどこへ持っていけばいいのです。その点私は価格政策の担当者であります食糧庁の十分な御検討が必要な問題でないかと思うのです。いまのような御答弁では私は困ると思うのですが、いかがですか。
○大澤(融)政府委員 災害で減収になった分を価格の中に織り込むかどうかという問題、やはり価格というのは全国一本一律のものでございますから、鹿児島のほうで非常に減収になっているけれども、青森ではそれほどでない。普通以上の作柄であるというようなことを、減収があったからというので価格で操作するということは、これはやはりとるべき方法じゃないんじゃないだろうかということは、総務部長からいろいろお話があったと思いますが、そこでそういう災害による減収というようなことは、やはり災害対策一般の問題として、個別的な問題として解決をしていかなければいけない。したがいまして天災融資法でありますとか、その他のいろいろ先生方もお考えいただいているああいう対策の一環として解決をしていくということだと思います。
○安井委員 災害は麦だとか米等においても当然出てくることで、それらについては御承知のように災害補償制度もあるし、一般的な災害対策も同時に行なわれているわけであります。だから私は、一般的な災害対策があるからこの問題についての処理は全く要らないというのでは、そういう面からいっても筋が通らないと思います。それも、災害についてもいろいろな程度があるわけですね。なたねの災害についても非常に深刻な災害の人もあるし、それから中くらいの人もあるし、あまりない人もあるということになると思います。それからこれは異常な年だけについて私言っているわけですが、通常の年にあっても何か大水害があってなたね畑が全滅をしたというふうな事態もあるわけです。だから普通の年においては、去年なんかわりあいにいい年であったわけですが、それでもやはり水害の被害を受けたという農家もあるわけです。しかし去年は国全体の平均反収が高いから、その高いところで基準価格がきめられて交付されているという実態があるわけです。ことしの場合は被害を受けた農家が比較的多いからといって——比較的じゃない、これはずいぶん多いということでしょうが、多いから去年の場合には平均反収で計算することができたが、ことしはそれではだめだというのは、私はこれも筋が通らない理由の一つではないかと思います。いかがですか。
○大澤(融)政府委員 そういう災害というのは個別的なものですから、価格で見るということじゃなくて、災害対策として個別的に処理をするということでなくちゃいかぬと思うのです。昨年のように全国的に豊作だったというような場合には、そういう豊作が基礎になって生産性の上がりというようなことでディスカウントされるということの問題の御指摘だと思いますけれども、これはこの制度の考え方の問題だと思うのです。この制度本来は、自由化するということで、自由化によってなたね作農家が非常な影響を受けるというようなことがあっては困るので、自由化以前の、自由化の影響のないときの所得水準は維持しましょうという考え方だと思うのです。ですから、そういう場合に豊作によって生産性も上がった、大いにたくさんとれたというようなものまでもこの制度によって見ていくというようなことは必要じゃないじゃないか。それはひとつプラス・アルファとして見たらいいじゃないかという御議論はあると思いますけれども、私どもは制度のたてまえからしてそういうものは何もここで考える必要はないんじゃないかというふうな見解をとっておるわけです。
○安井委員 豊作の年には生産性の向上を織り込んだ価格という一つの要素をつくって基準価格を下げようとする。生産性を見込めば、去年のような場合は豊作の年ですから下がるわけです。しかしことしのような場合は生産性の向上ということばがいいかどうかは別として、去年と同じ方式で計算をすれば猛烈に値段が上がる。だから、去年は下がるんだから適用したけれども、ことしは値段が上がるんだから適用しない、農民はどう考えてもそうしかとらないですよ。作がいいときには作がいいから値段を安くしてがまんしなさいと言って、作の悪い年はその被害までを織り込むわけにもいかぬから、ことしの作況指数は別な数字に少し変えなさい、これでは農民は、豊作の年には豊作でたたかれ、作の悪いときには悪いでまたこづかれ、どうやったってたまらないと思うのです。だからほかにその被害のためにそれを補う具体的な施策を政府がお持ちなら別ですよ。大豆の減収をした農家は基準価格の交付金の問題ではこれだけ見てやる、あとの減収の部分については別な方法でこれだけ見てやる、具体的になたねの生産農家について何かあるのですか。おそらくないでしょう。だから私はいまの長官の御答弁では納得できないのです。いかがですか。
○大澤(融)政府委員 それはこの制度の考え方の問題だということを先ほど申し上げましたけれども、豊作の年は基準価格が多少低くても全体として自由化以前の所得の水準が維持されるということですから、よけいとれた分だけを基準価格にマイナスの要素として響かせるというようなことがあっても、この制度のたてまえとしては何ら間違ったことじゃないというふうに思います。しかし今度は減収の場合はどうかということになりますと、先ほど申し上げたように、個々の農家によって、あるいは地方によって個別的に違うわけです。そういう個別的に違うものを一律に価格で処置をするというようなことは、別の制度をつくれば別ですけれども、この制度でやるというわけにはいかないと思います。したがいまして、ほかの災害対策一般の問題として処置をしなければいかぬ、こういうことです。
○安井委員 それは個々ばらばらなものを一つ一つ分けて処理せよというふうに私は申し上げておるわけではないので、個々ばらばらの問題はことしに始まったわけではない。毎年全部いろいろ反収のあれがあるわけです。反当たりの生産費もみんな違うわけです。そういうような中で一つのメルクマールとしてその年の予想反収というようなものを一つ掲げて毎年やっておるわけです。それをことしに限ってやめるということの不合理を私は言っているわけです。個々の農家の違いというものは毎年あるわけです。いずれの年にもあることだと思います。 そこでちょっとお聞きいたしておきたいわけですが、パリティ指数について、三十八年の五月の指数が一四四・七一ですか。三十一年の六月から三十四年五月の指数、それから三十七年六月から三十八年五月の指数、これはどうなっておりますか。
○筒井説明員 三十一年から三十三年のパリティ、三十一年の六月から三十四年の五月まででありますが、一二二・六六でございます。
○安井委員 三十七年の六月から三十八年の五月の指数は。——あとでひとつ去年一年間の、去年の六月からことしの五月までの指数をちょっとお調べ願いたいと思います。 いずれにいたしましても、私は、ことしの算式をいろいろとる場合に、作況指数、反収をどうもっていくかということに最大の問題点を感ずるわけでありますが、先ほどの総務部長の御答弁によれば、例年やっております。パリティ方式でいきましても三千七百五十何円というふうな、昨年よりも非常に大幅な引き上げになるし、特に作況指数をそのまま使った場合には、五千円近い数字になる、こういうふうなことでありますが、これは長官に伺いたいのですが、こういうようなことからすれば、昭和三十八年産の基準価格というものは去年よりも相当高いところに決定されなくてはならない、どういうふうな考慮のもとにもそうならざるを得ないと私は思うのですが、長官いかがですか。
○大澤(融)政府委員 いま言ったような数字は、先ほど私が申し上げたことから、とるべきでないと私は思います。ただ去年より上げていいかあるいは据え置きでいいのかというようなことは、もう少し研究をして最終的な結論を出したい、こういうふうに考えております。
○安井委員 最終的な結論は、それはもちろんあとだと思うのですが、しかしどのような計算をしても、私は上がっていくのがあたりまえだと思うわけです。作況指数についても、九十キロというやつをどういうふうにかげんしてお出しになるのか知らないが、いつもの方式によりますと、いろいろな方式で計算をしてみて、あれこれ勘案しているうちに去年と同額になってしまうというのが食糧庁のいつものやり方です。ずいぶんいろいろ資料を出して、いろいろ計算すると、ことしやってみたらまた去年と同額になるし、その次の年やってみても、いろいろ計算して勘案したらまた偶然同額になってしまう。これは大豆でもなたねでも同じことを繰り返している。でん粉でもそうです。だから私はこの基準価格に関する規定というものは、そんなでたらめな法律やでたらめな運営はほかにないのではないかと思うのです。農業以外にそんな問題があったら大問題です。農業の中でそういうような問題が隠されていて、法律の規定もへったくれも何もなしに、何から最後的な結論を出すのか知りませんけれども、前年同額に偶然なりましたというふうな口上で押しつけられてしまうというこういう実態は、私はことしのような災害のひどい年にはっきりと改らめてもらわなければいかぬ、そう思うのですが、その点いかがでしょうか。
○大澤(融)政府委員 いつも私申し上げるように、不足払い制度と申しますか、そういうような形、非常に新しい制度、外国にもありますけれども、日本での農業経営のあり方とか、その他だいぶ外国と事情が違うというようなことで、新しい制度だけにいろいろ問題はあると思うのです。そういう意味で今後そういう問題は解明していかなければならぬと思いますけれども、現状ではいまのやり方でやっていくということだと思います。
○安井委員 いまのやり方でおやりになっても、私はことしは相当高目な数字がはじかれてこなければ全く筋が通らぬと思うのです。生産反収をあれこれいじっているうちにまた去年と同額になったという告示をなさる気ですか。長官どうですか。
○大澤(融)政府委員 まだその最終的な結論を得ていないことは先ほどから申し上げておるとおりであります。
○安井委員 その点はいつの年も、論議をしても最後の結論というのは前年どおりという、そういうばかげたことでは、ことしはどんなことがあっても引っ込みがつかぬという段階にきておるということだけはひとつ強く指摘しておきます。 なお銘柄等級別の価格の決定の方法についてはことしはどうされますか。
○大澤(融)政府委員 平均か各銘柄別とかということは、御承知のように全販等の専門家とも御一緒に研究会を持っております。まだどうやるべきかという結論を得ておりませんが、その研究会の結論を待って処置をしていきたい。こう思うのであります。したがいまして今回は従来と同じような、いわゆる談合方式でやっていきたい、こう思っております。
○安井委員 この問題も、いつもいつも大豆となたねでは論議をするところでありますが、相変わらず前進をした解決方法をお考えになっていないということを私はほんとうに遺憾なことだと思うのです。もう二年目、三年目という段階ですから、新しい問題にぶつかったときとは違った結論が出てもいい時期だと思うのです。その点強くこれもあわせて要望しておきます。 なお生産者団体は三千七百八十円くらいの要求をしているようでありますが、生産者団体の意見聴取はどういうふうになりますか。
○大澤(融)政府委員 すでにいろいろの機会にも御意見を拝聴しておりますが、最終的な結論を出すまでにはなお今後も御意見を聞いてまいりたい、こう思っております。
○安井委員 いつもの例によりますと、告示をする寸前において、こうきまったのだからどうだと言って、手紙一本突きつけて、それで終わりというふうな処置をされている由に私聞くわけでありますが、そういうことであってはこの法令の規定が泣くと思うのです。やはりもっと真剣に生産者団体の意見を聞いていただく。特にことしはかつてない大減収を来たしていて、農民の所得が大幅に減るという重大な段階にあるわけです。それだけに特に話し合いをしてもらうということを私は強く訴えたいわけでありますが、いかがですか。
○大澤(融)政府委員 よく御意見を拝聴したいと思います。
○安井委員 ことしの場合、外国産の輸入を相当ふやさなければ間に合わないというふうな状態にきているようでありますが、そういうことになりますと、国内の自給度が減ることで、貴重な外貨をまた失わなければいけない。この間うちは甘味資源の問題もずいぶん論議をいたしましたが、あれもビートの耕作等も、十勝、北見の風害の被害というものはおそろしい数字にのぼるようです。今日まで私どもが聞いておる数字でも十五万トンくらい減るんじゃないかということで、一工場分減ってしまうわけです。そういう災害というふうな事態も日本の外貨事情に大きく響いてくるわけです。ことしはなたねの場合、作付面積が減り、しかも災害というような事態で、国内の需給対策を忘れた農政の見せしめとでもいうような形で問題があらわれているのではないかと私は思うのです。こういうような国内の需給対策というものを忘れた農政のあり方、価格対策においても生産対策においても、そういうようなものが続いておれば、これはいつの日にか重大な事態が日本の農政の中に起きてくるのじゃないか、それは農政だけではなしに、日本の経済全体の中に大きな影響を持ってくることになりはしないかということを強く心配するわけであります。国内需給の生産対策というような面について、園芸局長いかがですか。
○酒折政府委員 いわゆる国内需給の問題でありますが、これもやはりてん菜のときに議論されましたように、われわれといたしましては、まず第一番目に農家が農作物を喜んでつくり得るようなことでなければならない。無理やりにつくらせるようなことでは結果において決してよくないという観点から、自給度向上が直接の目的ではなくて、農家がつくりやすいようにして増産にいそしむという結果として自給度が増すということが最も望ましい形態であと考えております。
○安井委員 価格の問題については、食糧庁長官、今年の最大の問題は、やはり反収の見方だと思います。先ほど来指摘いたしましたような方向で、ただ単にいろいろな事情から去年のままに据え置いたらよいのだというような安易な考え方ではなしに、ひとつ真剣な取り組みを強く要望しておきます。
○長谷川委員長 楢崎君。
○楢崎委員 あとに足鹿委員なり芳賀委員なり専門家が控えておられますから、私は率直に疑問に思う点を安井委員の質問に引き続いて行ないたいと思うわけであります。 先ほどの長官のお答えを聞いておっても、やはり安井委員が指摘されたように、豊作のときには価格を下げる要因にそれをして、そうして凶作のときには今度は価格を上げないためにそれを考慮に入れないというやり方は、何としても納得できないわけです。そこでまず私は、交付金法の趣旨について、法文に書いてあることはわかりますから、もう少し具体的に、あなた方はどういうふうにこの交付金法のねらいを考えておられるのか、卒直に承りたいと思います。
○大澤(融)政府委員 自由化と申しますか、外貨割り当てをいたしませんで、自由に大豆が輸入されるというようなことになりますと、それと競合する国内の油の資源であります。なたねは、外国の大豆の値段が安いだけに本来の価格が維持できないで下がる。下がることは、なたねをいままでつくっておった農家には所得上に大きな影響を及ぼすことになるわけです。したがいまして、自由化しますときに、そういう手放しでやって大きな打撃を与えるということは避けるのがこの制度のねらいだというふうに考えております。
○楢崎委員 要するに基準年次における反当の粗収入を実質的に維持するということですね。
○大澤(融)政府委員 基準年次と申しますか、自由化の影響のなかったころの所得水準を維持する、こういうことでございます。
○楢崎委員 交付金法の審議の際にいろいろ問題になって、附帯決議もつけたわけですけれども、先ほど安井委員が指摘されたとおり、やはり作付面積が減っておるというこの現状、その原因はやはりすなおに反省してみる必要があるのではなかろうかと思うわけです。 そこで私は先ほどの問題をもう一ぺん明確にしたいと思うわけですが、豊作のときにはその反収を使いながら、凶作のきにとその反収を使えぬという理由は、先ほどあなたは全国的でないから価格決定の要因にするのはどうかと思う、こういう答弁でしたが、私はそれでは納得できないです。そういうことじゃだめです。そういう答弁だけではだめです。それは価格決定は去年のやり方をそのまま行なって、そして災害のところはそれに別にプラスしたらいいじゃないですか。そういうことじゃ、そうですかといって引き下がるわけにはいかないのです。こういうことじゃ農民は納得しないのです。それじゃ昨年のやり方は間違っておったんですか。昨年豊作であった。それを使ってやるようにしたらどうなんですか。
○大澤(融)政府委員 先ほども申し上げますように考え方の問題、自由化以前の所得水準の維持という場合に、それ以上どれだけのものについて維持をするかというようなこともあるかと思いますけれども、そういう意味で、豊作であるならば豊作だけよけい所得になるというようなことはこの基準価格の中に考えないで、プラス・アルファとして考えたらいいじゃないかというような考え方もあると思いますけれども、きびしい国際競争の中でわが国の農業も伸びていくということのためには、やはりぎりぎり一ぱいのところで基準価格も考える、所得水準の維持も考えるというような考え方からいえば、豊作のときは天気による生産性の向上というようなものも基準価格の中に織り込んでいいじゃないかいう考え方をとっておるわけです。
○楢崎委員 去年と同じ方式でどうしてことしやられぬのですか。
○大澤(融)政府委員 先ほどから私申し上げておりますように、個々別々のいろいろな形の災害があるものを全国一律の価格というようなもので解決するというようなことは適当でない。この制度のワクの範囲外の問題であるというふうなことを考えおるわけであります。
○楢崎委員 それから先のあなたの構想がわからないわけですね。結局、先ほども安井委員に答弁があったのですけれども、災害地が片寄っておる。それで災害が少ないところもあるからそこに不公平なあれが出てくるのじゃないかという答弁をなさいましたね。しかし作付面積なりあるいは実収の点から考えて、ことし九州に非常に災害が多かったのですが、九州自体は全然皆無にはなっていないわけですね、やっぱり販売量はあるし。しかし全国的に考えると九州はやっぱり多いのです。面積からいっても。だからほかのところは上がってそう不公平はない、実際問題として考えても。長官、さっきのお答えはその点からも私はなかなか納得いかない実際面があるのではなかろうかと思うのですが、どうでしょう。
○大澤(融)政府委員 繰り返し申し上げますけれども、個々別々にいろいろな形の災害がある。それを一本の価格で措置をするということじゃないと思います。すべきじゃないと思います。この制度で価格を通じてやるということは本筋じゃないということを繰り返して申し上げておる。そういう個々具体的なことは個別的な措置としての災害対策ということで論議すべき問題だと思います。
○楢崎委員 そうするとことしはどうなんですか。全国的には九州は抜かして豊作なんですか、どうでしょう。
○大澤(融)政府委員 全国的に見ますと、約三割五分くらいの平年からの減ということになっておりますが、これは地方的にはいろいろ差がある。たとえば九州はひどいけれども東北は平年作を越えておるというように、災害の程度は地域によって非常に差があるわけです。おそらくこれは個別農家について見ればさらに大きな差があるというようなことじゃないかと思います。
○楢崎委員 それだったら九州でやっていいじゃないですか。全国的に見たら平年作以下でしょう。そうしてそう災害を受けてないところは少ないんだから、災害を受けているところが大部分であれば、去年のやり方でやっていいじゃないか。ことしが凶作だからそれは使えないというのは、どうも…。
○大澤(融)政府委員 私が申し上げたのは、たとえば東北は一〇八というような指数でございますけれども、九州は四一というように非常に差があるわけでございます。
○楢崎委員 しかし、その面積からいったらそう大したことがないんじゃないでしょうか、青森は別として。だから矛盾はそうないんじゃないですか。
○大澤(融)政府委員 現実にそういったとれたところはよけい金を支払われる、とれないところはさほどのことはないというような不公平がありますが、それだけでなくてこういうことを一律の価格制度で、価格というようなものを通じてこの制度で措置をするということは本筋でない。
○楢崎委員 それは先ほどの安井委員の質問の中にもありましたが、それじゃ生産性向上の指数をどういうふうに大体お考えなのですか。去年とことしで考え方をそういうふうに変えられるということはどういうことなんでしょう。今後どうされるのですか。
○大澤(融)政府委員 先ほどから申し上げますように、本年度の措置についてどういう考え方で最終的に価格をきめるかということは、まだ結論を得ておりません。
○楢崎委員 それでは答弁にならぬじゃないですか。ではどうするかということは、全然まだ考えておりません。しないということだけははっきりしております。それじゃ答弁にならぬじゃないですか。要するにいまの長官の御答弁では、生産性向上のメルクマールとして豊作とか凶作とか、そういうふれをなくするというのでしょう。そうですか、どうなんですか。いまのお答えはそういうふうに聞こえるけれども。
○大澤(融)政府委員 農業災害のときに、その災害の減収そのものを生産性のどうのというようなことに織り込むことが本筋でないということは、しばしば私繰り返して申し上げるようなことでありますが、しからばこうした場合に、パリティのほかに生産事情の反映というようなことはどういうものをとるべきかというようなことは、いろいろな考え方があり得ると思いますけれども、その点については私どもまだ最終的な結論を得ていない。しかし減収というようなことを去年と同じような方式で価格の中に織り込むというようなことはとるべきでないというふうには考えておるということを、繰り返して申し上げておる次第でございます。
○楢崎委員 それだけでは納得できないということを、私も繰り返して言っておるわけですね。何ですか結局凶作と災害の違いで、どういうところに実際問題としては出てくるのでしょうか。あなた方のお考えとしては実収の面ではどういう区別をつけられるのですか。
○大澤(融)政府委員 災害と凶作の区別というのがちょっと私はわかりませんが……。
○楢崎委員 豊作のときには値段を下げる材料に使っているわけでしょう、去年だって。ことしは、災害で、つまり実収が少ないということで、それは災害であるからそれを価格決定のメルクマールにするのはどうかと思うとおっしゃっておるわけでしょう。そうすると、それは災害によって実収が少ないということでしょう。凶作によっても実収は少ないのでしょう。普通いろいろな実収が下がった場合、あなた方は実収がこれぐらい下がったときには価格決定のメルクマールには使えないというその基準はあるのですか。
○酒折政府委員 ただいまの凶作と災害の問題、生産面の問題だと思いますから、私からちょっと御説明申し上げたいと思います。たとえばことしの長雨の結果として非常に作柄が悪くなった、これは災害と申しておりますけれども、いわば天候不順ということで、その結果として作柄が悪くなった、その結果として凶作の状態になった。凶作というのは一種の状態を申し上げるわけでございまして、災害というのはその起こった原因でございます。それにつきまして申し上げておるというわけでありまして、特に凶作と災害というものを区別する必要はこの際ないのではないか、こう思っております。
○楢崎委員 それだったら、できが悪いときには価格決定の要素にしないというあなた方のお考えが私にはわからぬのですが、わからぬ私が悪いのでしょうかね。豊作のときには下げるのに使っていらっしゃるでしょう。生産性向上の問題として指数に使う。しかし悪いときにはそういう方式は価格決定の要素にはなり得ないのですか。それが私にはどうしてもわからないのですが、どうなんでしょう。
○大澤(融)政府委員 これはしばしば繰り返し先ほどから申し上げておりますように、この制度が自由化以前のなたね農家の所得水準を維持しましょうということでございますから、豊作の場合には豊作というようなことによって所得がふえるわけであります。それだけのふえる分を基準価格のワクの外に置いて、プラス・アルファとして見るか、そうでなくてそれだけふえるんだから基準価格はもう少し低くてよかろうというふうに見るかの差だと思いますけれども、先ほどから申し上げているように、国際競争力をつけて太刀打ちできるようにというので、それまでの間にひとつこういう保護措置をするんだというたてまえからいえば、あとのような考え方をとるのがしかるべきじゃないかということを申し上げておるわけでございます。
○楢崎委員 そうすると、何回も繰り返して言うようですけれども、豊作のときは値段を下げて、できが悪い場合は値段を上げない、これじゃ全く片手落ちになるんじゃないでしょうか。どうしても私はその辺の納得がいかないのですが、どうして去年のやり方と同じようなやり方ができないのですか。
○大澤(融)政府委員 それが申し上げているように、非常な災害というものでの減収による所得の減というのは、ほかの対策で見るものであって、この制度で価格を通じて全国一律に見るというようなことはとるべきことでないというふうに考えておるわけでございます。
○楢崎委員 何度も同じような質問になって恐縮なんですが、そうすると減収というのは何を大体基準にしておられるのですか、減収の場合はほかの災害対策で見るとおっしゃいますけれども。
○酒折政府委員 減収を見る見方といたしましては、その原因が、たとえば特別の今回のような天候の不順あるいは長雨というような場合あるいは風水害、それぞれの特別の原因による減収を減収としているわけであります。年々によりまして若干の天候の状態等によって差はあるわけでありますけれども、その結果がつかみ得ないような状態のものならば、これは特に減収としては拾おうと思っても拾えないわけでありまして、それは減収としてあらわれないわけであります。したがいまして、そのけじめの点は、これは厳密にどこまでがいわゆる災害による減収であり、どこまでがそうでないのかということは必ずしも明瞭でないのでありますけれども、通常常識的に、これは災害であるというふうな判定に基づきましてその減収を算定しておると思います。
○楢崎委員 そうすると、あなた方が考えてこれは通常災害による減収ではないというときには価格決定の要素になるのですか。
○酒折政府委員 その際には、おそらく減収と申しましても、いわば多少の作柄のよしあしの問題でございまして、特に具体的なある特定の理由に基づく減収というふうには考えられない場合ではなかろうかと考えます。
○楢崎委員 さっぱりそれもわからないのですが、そうすると、たとえば三十一年から三十三年の実収反収百十八キロというのが出ておりますね。それが三千百八十円の一つのメルクマールになっておるのでしょうが、この年の、特に三十二年、三十三年は災害の年でしょう。そうでしょう。そういう年を含んだ三十一年から三十三年の実収反収にそれを採用してありますね。だからこれは異常に少なくなっておるというふうな感じがする。だからそれ以降普通の状態に反収があったときには、それは差が大きくなるから、必要以上に生産性向上の面としてそれが大きくメルクマールに取り上げられて価格を下げる一つの要素になってきたでしょう。そうでしょう。三十二年、三十三年はそういう災害の年のあれを使ってあるじゃないですか。
○大澤(融)政府委員 それは三十一年三十三年を基準にとりましたのは、自由化の影響のない年ということでとったのだと思いますけれども、その場合にたまたま災害と申しますか、反収が普通よりは低いというようなことは、逆に価格と結びついてそういう反収が出ているということでございますので、価格と反収ということはやはり一体にとって考えていいんじゃないかと思います。たとえばその年に非常に豊作だったというようなことならば、基準年次の価格、たしか三千百八十五円だったかと思いますけれども、それが三千円を割っておったというようなことであったかもしれない。それはやはり三千百八十五円と百十八キロというのは結びついたものとしてお考えをいただきたい、こう思います。
○楢崎委員 この三千百八十円というのは百十八キロの反収から直接きた値段でないということははっきりしておりますね。いろいろなほかの要素が入っておりますでしょう。輸入の問題だってあるし。しかしやはり災害の年の三十二年、三十三年も一つの要素として含まれておりますね。これは間違いないと思います。そういうときにはそういう災害のあれを使っておりながら、それがすべてではないとしても、そのために、百十八キロを使っているからその後の実収反収では差が必要以上に大きくなっておりますから、生産性向上が異常にあったというような形になるわけでしょう。それがその後の価格に影響しておりますね。だから私が言いたいのは、政府は都合のいいときにはそういうことでほおかぶりをしておって、そうして基準の年収としては、そういう三十二年−三十三年、災害の年のやつもほおかぶりをして使いながら、今度は災害があったから、しかもいま御説明を聞きますと、災害による減収と普通の減収の差を、どこで筋を引くかきまってりませんが常識的にきめますというようなことでは、全くこれはもう政策的に価格は左右されるということになるではありませんか。どうしても私はこの辺が納得いかないのです。そして、じゃあどうするのですかと聞いたら、まだ考えておりません、これでは答えにならぬではないですか。では一体、もう少し突き進めると、三十八年産のなたね基準価格について、生産性向上のメルクマールとして、どのような反収を考えておられるわけですか。もう大体いろいろ試算ができておると思います。それはいろいろ理論的に出された反収なんでしょう。どういう反収を考えておられるか。
○大澤(融)政府委員 まことに申しわけございませんが、まだ申し上げるまでの結論を得ておりません。
○楢崎委員 どれにしたいということは申されないかもしれないが、ちょっと先ほど一、二例を出されましたけれども、どういう反収を幾つぐらい考えておられるか、それも言えませんか。
○大澤(融)政府委員 最終的に詰めた数字でございませんから、誤解を招いても何ですから申し上げるのを差し控えさせていただきたいと思います。もう少し研究さしていただきたいと思います。
○楢崎委員 もう言われないということをどうしても言えというわけにいかぬでしょうが、そうするとあなた方はいろいろの場合を考えておられますが、どのような反収をとられた場合でも少なくとも三千百八十円よりは上がるというように結果は出ておるのでしょうか。
○大澤(融)政府委員 まあいろいろの数字が出てまいりますけれども、まだひとつがまんさせていただきます。
○楢崎委員 がまんさせていただきますというのはどういうことですか。あなた方ががまんするということですか。私どもにがまんせいとおっしゃっているのですか。
○大澤(融)政府委員 申し上げるのを差し控えさせていただきます。
○楢崎委員 いつごろになるのですか。大体まあきょうもいろいろ、与党のほうとお話し合いをやっていると聞きましたが……。
○大澤(融)政府委員 御承知のように今月中にきめなければならぬ問題ですから、その前に生産者の方の御意見も聞くということもやらなければいけませんので、早くきめたいと思っております。
○楢崎委員 どうも何回やっても押し問答になって、もう全然納得がいかぬわけです。重ねて言いますが、豊作のときはなるたけいろいろ理屈つけて下げて、そうして今度はできが悪いときは大体上げにやならぬのに、そのときはまたそれを使わずに、上げる要素に考えない。そういう矛盾したやり方は、私どもどうしても納得できないわけです。最終的には価格となってあらわれるでしょうから……。とにかく相当私は上がるべきである、大体去年のとおりしてもらいたい。もし長官、そういうふうに豊作とか凶作とか、その収穫によっていろいろあなた方が悩まれるのだったら、もう農業パリティ一本でされたらどうなんです。そんなに苦心されて、いろいろ苦しい理屈をつけて、なるたけ値段を上げないようにされておるようですがね。都合のいい、いろいろ反収をそうして考えられるのでしょう。あなた方の都合のいい結論を先に出して、経過はあとで理屈つけるというようなやり方でしょう。それだったら、むしろそういう経過を省いて、農業パリティ一本に——あの交付金のときに問題になったように、いらぬこと言わずに、農業パリティ一本になされたらすっきりする、このように私は思うわけです。最後にこれだけ聞いておきたい。
○大澤(融)政府委員 自由化前の手取り水準の維持という考え方から言えば、パリティだけでやるという場合には、その後の生産性が上がるということを考慮すれば、所得を自由化以前の水準以前のものを維持するというような結果になりますので、パリティだけでやるということは、この制度としてはとるべきじゃないのではないかというふうに考えます。
○楢崎委員 食糧庁長官、もう少ししっかりしてくださいよ。農民の、特になたねの耕作農民の立場を考えて、本年は納得のいくような価格を出していただくようにと要望して、私の質問を終わります。
○長谷川委員長 芳賀貢君。
○芳賀委員 問題になる点だけをお尋ねしますが、農林省としては、大豆もそうですがなたねについても、これは生産をだんだん減退さして、将来は日本の国内ではなたねのごときものは生産する必要はない、こういうことで進んでいるように思いますが、間違いはないですか。
○大澤(融)政府委員 そういうことは決してございません。生産性を上げながら、国際的な競争をできるような力を持って、大豆もなたねも生産を上げていくということだと思います。
○芳賀委員 それでは生産性がどうなっておるか、生産性といっても、単位当たりの生産性ももちろんありますが、国全体としてのなたねあるいは大豆の生産性というものは、総体にどういう傾向にあるか、これが国としての立場から見て一番大事な点だと思うのです。
○大澤(融)政府委員 反収も上がっておりますし、それからおそらく生産費調査、これは戸数は少ないですけれども、労働時間も減ってきている。ことになたねについては田でつくるというのが非常に労力がかかりますので、むしろ畑がふえて田が減るというようなことで、生産性はぐんぐん上がっている、こう思います。
○芳賀委員 生産性というのは、あなたは委員長といま何か話していたけれども、私の言っているのは、国内におけるなたねの生産あるいは大豆の生産というものは極端に減少しているでしょう。ですからそれは政府の責任において放任してあるわけです。放任しておるということは、これは政策的に減少の方向を誘導しておるということになるでしょう。誘導政策としてなたね、大豆を減少の方向に持っていっておる、これは否定できないでしょう。反論の根拠があれば明らかにしてもらいたい。
○大澤(融)政府委員 農業基本法でもいっておりますように、生産性を上げる、それから総生産の拡大をするということがねらいでありまして、そういう意味からはもちろんなたね自体の作付面積、あるいは大豆は多少減っておりますけれども、農業生産全体としては御承知のように非常にふえてきているわけです。しかも個々の作物をとってみても生産性は向上しているということで、あの考え方の線で農業は動いておるというふうに考えていいんじゃないか、こう思います。
○芳賀委員 それでは最近十年間ですね、たとえば昭和二十八年からことしの作況も統計調査部の「速報」に出ておる。二十八年からということになれば十一年間と思いますが、これについて作付面積それから総生産ですね、単位生産、反収、これはどういうことになっておりますか。これは数字をあげれば明らかですけれども……。
○大澤(融)政府委員 国としてなたねの面積はおそらく減っていると思います。しかし、私が申し上げたことはそういうことではなくて、国全体の農業生産額としてはふえておるということを申し上げたわけでございます。その中でいろいろな作物が減ったりふえたりということはございます。なたねはそういう意味では減ったほうということかと思います。
○芳賀委員 だからなたねだけに限定して、昭和二十八年以降毎年度の作付の実績、それからその年度の平均の反収、総生産、それを一応読み上げてください。
○大澤(融)政府委員 昭和二十八年からでよろしゅうございますか。二十八年からずっと作付面積を申し上げますと……
○芳賀委員 面積、反収、生産量…。
○大澤(融)政府委員 初めに面積をずっと縦に読みます。
○芳賀委員 一年ずつのほうがいいです。
○大澤(融)政府委員 二十八年は二十四万六千町歩で百十七キロで二十八万八千トン、二十九年は十七万五千町歩で百二十五キロで二十一万九千トン、三七年が二十万九千町歩で百二十九キロ、二十六万九千トン、三十一年が二十五万四千町歩で百二十六キロで三十二万トン、三十二年が二十六万町歩で百十キロで二十八万六千トン、三十三年が二十二万七千ヲ歩で百十八キロで二十六万六千トン、三十四年が十八万九千町歩で百三十八キロで二十六万一千トン、三十五年が十九万三千町歩で百三十七キロで二十六万三千トン、三十六年が十九万五千町歩で百三十九キロで二十七万三千トン、三十七年が十七万四千町歩で百四十一キロで二十四万六千トン、こういうことです。
○芳賀委員 ですからいま読まれたとおり、たとえばここ十一年間で作付面積のピークは三十二年の二十六万町歩ですね。それが三十二年当時は、もうすでに貿易自由化が大豆、なたね等について行なわれるのじゃないかという気配が出た当時です。そういう不安感というものが非常に作用して三十三年以降は毎年激減して、すでに三十二年の二十六万町歩から見ると、ここ六年間に十万ヘクタール以上作付が減っているでしょう。ところが減ったことはやはり理由があると思うのです。減ったということは、国の施策から見れば減らしたということになるのですね。だからこれはいわゆる誘導政策を通じて、六年間に十一万町歩なたねの作付を減少せしめておる。そのかわり国内の需要が減少して、それにこたえて作付が減少したわけじゃないでしょう。国内の生産が減るだけ輸入量が増加しておるということに当然なるわけですね。需要総量は毎年のように上昇しておる。国内の生産量は政府の誤った誘導政策によって激減しておる。それだけ外国依存の度合いというものが高まっておるということになれば、これはやはりいまの自民党政府が意図的にこういうような政策をやっておるということに当然なるじゃないですか。だからこの傾向でいけば、あとまた五年くらいたてば七万町歩くらいになってしまう、十年たてばこれは当然ゼロになりますよ。だから、いわゆる農業基本法の長期見通しからいった場合、これは一体どうなるのですか。所得倍増計画の最終年次の昭和四十五年度には、なたねの作付あるいは生産というものはどういうことになるのですか、この趨勢でいった場合ですね。そういうものがいわゆる農業基本法でいうところの長期見通しじゃないのですか。すでにこれは選択的拡大を指向しておるわけじゃないですね。その長期見通しの確たるものをこの際明らかにしておいてもらいたい。昭和四十五年には一体どうなるか、倍増計画の最終年次ですね。さらにことしから十年先にはゼロになるかならぬか、どうですか。
○大澤(融)政府委員 長期見通しをやった当時は、面積は大体横ばいではなかろうか、また反収は二割くらいの増加というような見通しをいたしまして、生産量としては基準年次の約三割近い増加に十年後はなるのじゃないかという見通しをしておりますが、その後いまのような減少状態を見ますと、当時の見通しそのままにいくかどうかということは疑問があると思いますけれども、御承知のように園芸局のほうでも、ことになたねの減少ということは、水田でよけい労力がかかるということが非常に大きな原因でありまして、そういう労力をかけるというような生産方式をだんだん改めていく。構造改善をするとか、機械化をするとか、大規模経営をするとかいうような方向でいろいろやっておりますので、労力源からの減少というようなことも今後はそうした方法で解決を見ていくというようなこともできるかと思います。現状では二、三年前にやりました生産見通し、あれを道しるべにしてものを考えるということだと思っております。
○芳賀委員 ですから、たとえば交付金法が出てからことしで三年目の基準価格をきめることになるわけですが、法律の精神に照らした場合、毎年基準価格は同一額でなければならぬという根拠はどこにあるのですか
○大澤(融)政府委員 毎年同一でなければならぬという根拠は別にございませんが、むしろ実質的には徐々に基準価格は下がっていくというのが、あの法律のねらっている精神だと思います。またそれで日本農業がたえられるということになっていかなければならないじゃないかと思っております。
○芳賀委員 だから同一にしなければならぬという根拠はないでしょう。毎年算定方式を変えなければならぬという根拠は何かあるのですか。
○大澤(融)政府委員 法律政令に書いてあります原則に従って価格をきめるということでございまして、その原則を毎年変えなければならぬというようなことはないと思います。
○芳賀委員 ないでしょう。毎年毎年変えなければならぬという原則もないでしょう。毎年基準価格は同一価格でなければならぬという原則もないでしょう。ないのにもかかわらず、毎年基準価格は動かさないでしょう。算定方式は毎年変えているじゃありませんか。法律の精神にも原則にもないものを、どうして役人の小手先だけで、価格は変えない、方式は毎年変えるという、そういう方法をとっておるわけですが、その根拠はどこにあるのですか。
○大澤(融)政府委員 すでに御説明申し上げたと、おり、毎年毎年法律政令の原則に従って、最も適正に価格をきめていかなければならぬ、きめてきたつもりでおりますし、これからもそういうふうにしていきたい、こういうふうに思っております。
○芳賀委員 適正というのは何ですか。農家の立場から見た場合の適正価格、法律の立場から見た場合の適正価格、法律執行のいわゆる行政の立場から見た場合の適正と三色あるでしょう。これは全部同じですか。同じであれば同じである理由、違えば違う三者の立場と理由というものをここで明らかにしてもらいたいと思います。
○大澤(融)政府委員 御質問の趣旨に沿ったお答えになるかどうかわかりませんけれども、この法律の目的、それに従ってこういうきめ方をするという原則があるわけですね、そういう原則に従ってきめていく、こういうことだと思います。それが最も適正なやり方である。実際にやります場合、私どもがやることですから、いろいろ御批判はあってしかるべきだと思います。
○芳賀委員 そういう批判を聞いているのじゃないのです。生産者の場合の立場と、法律の精神に基づいた立脚点と、それからあなた方行政庁としてかってな解釈をしてやる場合の立場と三色あるじゃないですか。これは三者が全く同一であるといえば一番理想的なことだが、現実にいうとそうではないのだからして、生産者の立場から見た場合にはこうしなければならぬとか、法律の基準に照らした場合にはこうしなければならぬとか、それから大蔵省ににらまれてあなた方苦心の作でやる場合の立場というものはこういうものだ、当然三色あるのです。これはここで正直に解明されたほうがいいのじゃないですか。そうでないと毎年毎年同じ議論を国会で繰り返すわけですから、その点を明快にしてもらいたい。
○大澤(融)政府委員 法律命令で定められたところに従ってやるということが、この法律のたてまえから農民のためでもあるというふうに理解いたしております。
○芳賀委員 これはあなたと押し問答しても時間を空費するばかりですが、これは問題として残りますよ。あなたが長官をやめてほかの者がかわっても、根本的な解決をしない限りこの問題はいつまでも残るのですから……。そこで具体的な問題になると、一昨年は三十一、二、三の三カ年の各年次の販売価格というものを平均して、それを基礎にして六十キロ三千百八十円ですか、そういう価格をきめたわけです。去年は今度は生産性が向上したということを理由にして、生産性の向上した分はすべてこれはコスト低減の要素になるということで、生産性向上分というものは、いわゆる労働の生産性も全部これを無視して、価格引き下げの要素に全部使ってしまったわけです。そういうことでまた前年同様三千百八十円ということにきめた。先ほど楢崎君からも率直な指摘がありましたが、基準年に比べて収穫がふえた——基準年のとり方にも問題があるのですよ。基準年はおそらくこの平均反収とみなすべき年次をとっていないのです。ただ大豆、なたねについては三十一−三年をとる、そういうことになっているから、その中にはやはり平年度より減収の年もこれは入っているわけです。それを基礎にして、その後各当該年において生産された平均反収というものがその基準年の反収よりも上昇している場合は、それを価格引き下げの大きな要素に用いておる。だから生産性が向上したという美名に隠れて価格を下げて、三千百八十円に押えるという、そういうやり方をしているわけですね。大豆の場合は去年は材料がほとんどなくなって、結局これは全国一本の算定を使うべきであるにかかわらず、今度は北海道と内地府県というものを区分して、そして北海道及び内地府県のそれぞれの商品化率、そういうものを持ち出して、それを加重平均する形でまた価格引き下げをした。だからいつも私が指摘しているように、これはあなたのやり方かあるいは食糧庁の頭の回転の早い諸君のやり方か知らぬが、これは全く知能犯的なやり方じゃないですか。どうしてそういうような知能犯的なことをやるわけですか。まっ向から、これは安くしなければならぬならしなければならぬということを明らかにして、過酷なやり方をやるならば、これは一つの方法として認めます。そういう冷血性というものを表面に打ち出さないで、いかにももっともらしいやり方をするというのはけしからぬじゃないですか。農林省の伝統というものはそういうものじゃないでしょう。人間が素朴で粗野であるということで、野人的な性格が従来伝統になっておるが、最近は小手先だけうまくやれば何か優秀な官僚とか特権官僚のコースである、そういう何か自己保身とか出世街道だけねらって、何か方法を案出すればうまくいくというような、そういう考え方に堕落していると思いますが、大沢さんとしてはどうお考えになりますか。
○大澤(融)政府委員 いろいろお教えを願ったのですが、私としては誠心誠意、法律の精神に沿ってこれを動かしていきたいという気持ちでやっております。
○芳賀委員 生産性指数を使うということは、私は当初から全面的に否定しておったわけですが、実際は去年使われたわけです。だから、今年はこの生産性が基準年に比べればこれは減収で、低下していることは明らかなわけですが、生産性が低下した場合には生産性指数を用いることができないというのはどういうわけですか。プラスになる場合には使うが、マイナスになる場合にもそれは用いることができるでしょう。しかし極端な災害等の異常現象の場合においてそれをそのまま一〇〇%用いるということは妥当を欠くかもしれませんが、しかし生産性が向上したという場合には、それが平年をこえた何年に一度の豊作の場合においても、そのまま修正しないで用いておるんだからして、収穫が減少した場合もそれと同じようにやはり生産者指数ということで、結果は、価格面においては、生産者の側から見れば、当然価格上昇という結果が出るし、あなたのほうから見れば、価格が高くなってマイナスということになるかもしれぬが、これはどうして使えないのですか。算定方式上こういうものを用いる用いないということは、やはり理論的な科学的な根拠がなければいかないと思うのですよ。単に政治的なそういう判断だけで用いるということは、これは全く誤りじゃないですか。先ほど聞いておると、減収した場合には使うわけにはいかない。一体理論的にどこに根拠があるんですか。
○大澤(融)政府委員 先ほどから申し上げましたように、この制度のたてまえを考えてみますと、自由化前の所得水準の維持ということで増産した場合には、その増産分によって大きく所得が維持されるということで、先ほどから申しますように、それは基準価格のワクの外へ置いてやるという考え方もございますけれども、きびしい国際競争の中で農業が立ち行くようにしていこうという意味からは、そういうものは基準価格の中で考えてしかるべきじゃないかということで、去年もああいう方式をとったわけですが、減産、しかも通常の減産、たとえば趨勢からそうはずれてないような減産というような場合には、おそらく算定の場合にそのままとられるということになろうと思いますけれども、ことしのような非常な災害というようなものは、むしろ価格の中に一本に織り込んでやるべきものでなくて、しかもこの制度の中のそういうものに織り込んでやるということじゃなくて、別個の個別的な災害対策として処理すべきだというふうに申し上げているわけでございます。
○芳賀委員 それは農家の立場から見れば、価格面において確保されない所得の不足、あるいは収入上の損失というものが別の道で講ぜられるということが明らかになれば、これはまだその理屈というものは承服できるかもしれぬが、いいですか、あなたは評論者の立場じゃないですからね。あなたは農林省の役人でしょう。農林省として考えた場合、価格の面ではまた去年どおり三千百八十円しか出さぬが、凶作による損失の補てんについてはどういう方法で完全補てんしますという、その策があるのですか。農林省としてですよ。具体的に聞かしてもらいたいのですが。
○大澤(融)政府委員 それはおそらく全部の補てんをどこからかするというようなことにはならないと思いますけれども、一般的な災害対策として生活に支障のないように、あるいはその次の農業経営に支障のないように、天災融資法その他の災害対策を講じて措置をするものだというふうに申し上げておるわけであります。
○芳賀委員 だから、具体的になたねの生産者に対してはこれこれの面でこういうことになる、その対策によって総額においてどの程度所得上の損失が補てんされるか、数字をあげて説明してください。
○大澤(融)政府委員 それはなたね作農家だけではなく、麦その他も災害を受けているわけですから、そういう災害が統計調査部の推定によれば七百億近いものがある。そういうものは天災融資法その他一般的な対策で処置をしていく。その七百五十億の全部穴埋めをするということはおそらく私は不可能だと思いますけれども、生活に支障のないように、さらに農業の次の再生産に支障のないようにということで、全体の問題として処置をしていくということだと思います。そういうことで一体なたね農家にどれだけの所得の補てんができたかというようなことは、ちょっとここで累算を私が申し上げるわけにはいかないと思います。
○芳賀委員 だから、無責任じゃないですか。少なくとも長官でしょう。長官といえば局長と同じですからね。農林省全体の中でこれは価格面で損失補てんができない、じゃ、どういう方法をやるかということくらいは、わかりませんというのはおかしいじゃないですか。わからぬならば、もう少しわかるのを呼んできなさい。あなたがわからぬければ、一体だれがわかるんですか。
○酒折政府委員 災害対策につきましては、現在融資額をどのくらいにするかとか、種子に対する補助をどのくらいにするかとか、いろいろ算定をしているわけでございまして、まだ結論は得ておりません。
○芳賀委員 そういうことをあなたに聞いているんじゃないですよ。災害の関係でなたねが極端に減収しているわけですね。価格算定の面でこれは全然考慮されないということを大沢君が言ったんです。しかもこれは別途の方法で講ずべきであるということを言っておるわけです。それでは別途の方法とは何ぞやということを私は具体的に聞いておるわけです。あなたの答弁では、内容がないじゃないですか。別途の方法として一体何が講ぜられるのか。
○酒折政府委員 大沢長官が答弁いたしましたのは、この法律の目的は、そういう災害のための対策を立てるためにある法律じゃないということを申し上げまして、それに関連いたしまして、災害対策は一般的に他の災害対策を講ずべきであるというふうに御説明したわけであります。したがいまして私はそれを受けまして、その金額等はまだ算定されておらないということを申し上げたわけであります。
○芳賀委員 それじゃその場限りの答弁じゃないですか。あなたは何も立ち上がる必要はなかったんじゃないですか。具体策がなければ、何も答弁する必要はないですよ。
○酒折政府委員 先ほどちょっと別の話をされておりましたので、私の説明がお聞き取り願えなかったかと思いますが、大沢長官が申し上げましたのは、この交付金法の目的と災害対策とは別の目的でございまして、災害対策のほうはこの交付金法以外の一般的な災害対策として考える、この法律は従前の自由化前の農家所得の維持という観点からするべきものである、そういうふうに御説明申し上げたわけであります。
○芳賀委員 そういうことはわかっておるんですよ。だから私は聞いたでしょう。交付金法というものは三千百八十円を変えてはならぬということを原則規定としてうたっておるかどうかということについては、そういうことはうたっておりませんということを言っておるじゃないですか。算定方式については、毎年算定方式を変えなければならぬということを法律が示しているかどうかということについては、いやそういうことは何もありません—しかし、本来は食管法に基づく米麦の価格決定についても、農安法によるいわゆる別表附録算式の場合においても、そうみだりに基準価格になるものを毎年毎年全く根本要素を変えて、ただ三千百八十円に落ちつかせるために、大豆については三千二百円にするために、そういう間違った算定方式というものはとるべきじゃないということを指摘しておるじゃないですか。 大臣が来ましたから、これはあと回しにして、一応足鹿委員に……。
○長谷川委員長 足鹿覺君。
○足鹿委員 大臣の時間がないようでありますから、要約して私からお尋ねをいたしますが、なたねの基準価格の告示が今月末に迫っておるわけであります。そこで当委員会は本日この問題を取り上げまして、農林省当局の考え方をただしておるわけであります。二時間以上の質疑がかわされましたが、何ら得るところがないというと語弊がありますが、質疑を通じて前進の形が見えないわけであります。そこで大臣の御出席をいただきまして、この問題にいかに対処されるかを、大臣の立場からひとつ伺いたい、こういう趣旨で御出席を願ったわけでありますが、現時点における事務当局は、まだ具体的な案がないと申しておりますが、しかし、農業団体、特に生産者団体からは、昨年の算式に基づきまして、農業パリティ指数を基礎としてはじいたものを謙虚に、生産性の向上を抜きにして、パリティ指数のみではじいた数字、すなわち三千七百三十八円以上という数字を謙虚に要望しているわけでありますけれども、このものに対してどのようにお考えになっておるのか、全販連その他とも研究会を持ってやっておるというだけで、妥当かいなかということについて、長官の御明言がないわけです。この点について、大臣としてはまだ裁断を下される段階に達しておらないと思いますが、本日の公報を見れば、自民党の農産物価格対策特別委員会の議題にもなっているようで、何しろ三十日という期日がありますので、当委員会はこれを重視して取り上げた趣旨にかんがみて、この際、大臣の御所見があれば、この災害対策とは別途に、基準価格はいかにあるべきかということについての御所見をひとつ承っておきたいと思います。
○重政国務大臣 実は、私は、まだ事務当局から何らの報告も受けておらぬし、相談もしておらないのです。(「それはけしからぬじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、まだ日にちがあるのでありますから、これからやろうというので、けさも、早くこれをきめにゃいかぬかというような話がありましたが、国会その他でみんなが引っぱり出されて、いまもってその機会がないのであります。でありますから、至急にこれはひとつ相談をいたしてきめたいと思っておりますが、現在のところは、ほんとうに何もまだ相談をいたしておりませんから、全く白紙の状態ですね、いまのところはそういうわけであります。
○足鹿委員 そこで、先ほどから同僚委員から種々お尋ねがあったわけであります。園芸局の答弁によりましても、本年の作付は約十五万町歩、反収は九十キログラム、こういうたいへんな不作でありますが、しかし平年作程度のものがごく一部にある、こういう事実は聞いてはおりますが、しかし全体といたしましては平年作の六五%、こういう大減収を見ておるわけであります。生産性向上の指数というものを昨年の算式どおりいたしますと、大体四千九百二十七円という数字が出る。あなた方が昨年お示しになった方式をことしに当てはめますとそういう数字になるが、しかし実際において生産者団体は、その災害指数というものを抜きにいたしまして、パリティ指数を乗じた価格でもって三千百八十五円をはじき出しますと、一四四・七一というパリティが本年の五月に出ておりますので、これを基準といたしますと、先ほど述べたような数字になる。ですからこれは筋の通った話ではないかと思うのです。まるまる四千九百二十七円をよこせというのではないわけです。ですから無理な要望ではないと私は思うのです。それがなかなか長官が言を左右にしておられて、委員の憤激を買っておるわけでありますが要するに法のたてまえというものは、自由化以前の価格水準を維持するというたてまえになっておるから、この生産性向上指数を織り込んだ五千円近くの価格を、これで処理するということは私どもは当然だと思いますが、しかし百歩を譲ったといたしましても、これは農業団体の要求しております三千七百三十八円以上というパリティ指数から出てくる謙虚な数字でありますから、このものの実現のためには当然努力されてしかるべきではないか。しかも本法実施以来三カ年間を経過しておるわけでありますから、その間にパリティ指数にあらわれておるように、指数も上がり、物価、労賃その他も上がっております。ですからその自由化以前の水準そのものを目標としていくという、交付金法の解釈をそのまま硬直した姿勢において答弁をされるということは、長官の答弁はいささか政治としては妥当ではないと私は思うのです。しかし事務当局としてはやはり法律に従ってそういう御答弁になっておるわけでありますが、これは当然大臣として、交付金法の示すところによって一応出る数字、また昨年あなた方が示された算式というものを準用していった場合のパリティのものを中心として考えておる農業団体の要求というものは、無理な要求ではないと私は思うのですね。一応妥当だと思うのです。きわめて謙虚だと思うのです。この点について大臣はいかようにお考えになりますか。交付金法は自由化以前の価格水準を目標としたものであるから、これ以上は上げてはならぬ、こういう判断に立って裁断を下されますか。それとも自由化されてから今日までの物価、労賃等の推移も考え、そして本年の災害という周囲の情勢というものも考え、そして少なくとも最小限度生産者団体が要望しておる数字を目途として検討される用意があるかどうか。この点を、いきなりおいでになって、まだ白紙だということでありますが、あなた方の与党の部会にもかかっておるわけでありますし、しょせんはあなたなりが大蔵省と折衝されまして、そしてこれに対するところの政府の態度をきめられなければならぬ、もう二、三日のうちにきめられなければならぬ。私どもは、明後日でも大臣の出席を求めてという委員長のおとりなしがありましたが、それではおそ過ぎる。同じことを取り上げるなら、本日大臣にこの実情をよく認識してもらって、そして対処してもらいたいというので御出席を願ったわけでありますが、その点いかがでありますか。
○長谷川委員長 大臣、答弁の前に私から……。いろいろお話を承ったのですが、大臣もまだ額などきまっておらないことは御承知のとおりなんで、大臣も、皆さんの要求どおりなかなかいかぬでしょうが、努力をしてもらうということだけは、ひとつお言葉をいただきたい、こういうことだと思うのですが、私もお願いをしたいと思うのです。御答弁をお願いします。
○重政国務大臣 各方面でいろいろ御意見があることと思うのであります。党側の御意見も実は私も承知しておりません。ただいま足鹿さんの御意見は大体伺いましたが、十分にひとつ相談をいたしまして、よく検討いたします。
○足鹿委員 重ねて申し上げることは重複いたしますから、これ以上申し上げませんが、十分御検討になって、少なくとも生産者団体から切実な声が出ておるわけでありますから、それを無理やりに術策を弄し、取ったり切ったり捨てたり、都合のいいような方式を用いて昨年どおりにこれを落ちつけよう、そういう意図ではなしに、少なくとも去年あなた方がお示しになったところのパリティ指数からいきますならば、いま述べたような数字が出るわけです。麦の場合も、この間の米価審議会においては減収加算はあなた方も認めない、委員会も減収加算をもってしては当然救済の余地がない、こういうのでパリティの上昇部分についてあなた方の諮問をあっさりのんでおるわけです。災害対策は災害対策として別途に講じよう、こういうことで近来まれに見る審議会の経過という結果があるわけであります。ですから、少なくともあなたの場合は交付金法というものの示しておる、自由化前の水準に落ちつけるのだというような、大沢長官のまるで板壁のように弾力のない考え方では私は政治とは言えないと思うのですよ。その点をよく考えられていかないと、交付金法の第一条でうたっておりますように、「生産の確保と農家所得の安定とに資する」こういう趣旨にも合致しないと思うのです。もう農家がつくらなくてもいい、外国産は工場渡し三千円で入るのだからそれに依存するのだ、こういう御量見では何をか言わんやであります。少なくとも交付金法で第一条において生産の確保と農家所得の安定に資する旨を明記しておる以上は、政治は生きておるわけでありますから、それを大臣の政治的判断によって、この麦の場合においてもパリティに基づいてぴしっとそれが一応出ておるわけです。ですから、こういう場合に私どもは、本来を言うならば、生産性が上がったときには下がる要素にこれを使う、凶作のときには都合が悪いからこれを除くという考え方ではなしに、少なくとも本年においては生産性が向上しておらぬのですから、災害なかりせばという場合には、じゃ本年は生産性がどの程度まで上がったかという判定はだれもつかぬでしょう、これは事実上つきませんよ、そうでしょう。ですから、そういう不可能なことを想定していく根拠はどこにもありません。でありますから、少なくともこの三千七百三十八円以上というパリティ指数の上昇によって昨年の基準価格からはじき出したこの数字というものは、私はそう無理な要求ではないと思います。十分この点を御勘案になって対処してもらいたいと思います。御検討もけっこうでありますが、先ほども委員長からおことばがありましたように、この問題について全力をあげて善処する旨をひとつこの際御明言をいただきたいと思います。
○重政国務大臣 御趣旨は十分わかりましたから、十分事務当局の意見も聴取いたしまして善処いたします。
○芳賀委員 もう二、三問。統計調査部長来ておられますね。三十八年産のなたねについてもうすでに作況の概況が判明しておるわけですので、今年度の作況の結果等について御説明願いたい。
○久我説明員 作況の指数その他につきましては、先ほど園芸局長からすでにお話が出ておるとおりでありますので、予想反応は先ほどお話がございましたが、したがって作況指数といたしましては前年対比が六四%になっております。平年反応対比六五%でございます。予想収穫高にいたしますと、面積も約二万九千町歩ばかり減っておりますから、前年と比べて十一万七千減りまして、指数では五三ということになります。予想収穫高は十二万九千八百トンでございます。
○芳賀委員 作付は何ぼです。
○久我説明員 作付面積は、町歩で申し上げますと十四万四千七百町歩でございます。
○芳賀委員 そこで、統計調査部でも毎年生産費調査をやっておられるわけですが、三十六年度分については、これはなたねの基準価格の昨年度の決定の場合に、参考資料として採用したかどうかということは全くわからぬのですが、一応参考資料としては取り上げておるわけですが、三十七年度の農林省としてのなたねの生産費の調査の結果というのはどういうふうになっておりますか。要点だけでいいです。
○久我説明員 実は本年は災害その他がございまして多少おくれたのでありますが、明日午後に公表をする予定で進めております。そこで、手元にこまかい材料はございませんが、大体このことを申し上げますと、昨年対比で申の上げまして反当生産費で一〇九・八%という程度になるかと思います。すなわち約一割上がっておるかと思います。そのおもな原因は農具費と労賃の値上げが一番中心になっておるようであります。
○芳賀委員 三十六年度に比較して一〇九・八%ということになると、その指数を使った場合六十キロ当たりの生産費というのは幾らになりますか。
○久我説明員 大体三十六年度が計算いたしますと三千七百八十一円、それが三千九百三十三円ということになります。ただ御承知のようにこの生産費調査をやっておりますのは米や麦と違いまして、きわめてわずかなものでございまして、価格をきめられる資料というようなものでなしに、本年の場合の参考資料になる程度でございます。そういう点をお含さの上、ごらんをいただきたいと思います。
○芳賀委員 三十七年度に用いた反収は幾らになっておりりますか。
○久我説明員 反収は多少三十六年より上がっておりまして、一六二・七三キログラムでございます。
○芳賀委員 そこで明らかにしてもらいたいのは、この統計調査部で生産費を調査する場合は、これは対象農家の生産の実態というものを把握するのですからして、その対象農家の平均反収ということになりますね。それが全国的な生産の結果における平均反収とは非常に大きな懸隔があるわけです。だから生産費が昭和何年は幾らであるということにはそのまま当てはめるわけにはいかないわけです。たとえば昭和三十六年の統計調査部の用いた反収は一六四・一キロということになっておるが、これは三十六年度は一五四・六一キロですね。それが実収推定高からいくと百三十九キロということになるわけです。したがって、反当についても大体十五キロくらいに反収においての差があるわけですから、これを全国的な反当収量というふうに修正しては生産費の動向を把握しないと、対象農家の反収が非常に高いので、それをもっけの幸いにして、たとえば昭和三十七年の生産費はどうであるということになると実情に沿わないような結果が出ると思うわけですが、そういう点については食糧庁等においてそれぞれの農産物あるいは畜産物の価格算定にこれを使う場合には、やはり実情に合致するようにして活用すべきであるという意見は常に述べられておるわけですか。
○久我説明員 ただいまの御質問でございますが、生産費調査をいたします場合に、調査の技術上のいろいろな制約がございまして、たとえば全国で申しますれば、なたねをごくわずか生産している農家がたくさんあるわけでございますが、この調査をいたします場合には、なたねをある程度商品生産しておるようなものに、これはそれだけをわざわざとっておるわけではございませんが、どうしても片寄ります。そういたしませんと調査ができにくいというようなことがございます。ために、反収は全体の平均から見ますと、どうしても高い農家に片寄るわけであります。したがって、これは反収も片寄りますが、同時に生産費も片寄る、こう見ざるを得ないと存じます。そこでこの問題はすべての生産費調査の一つの欠点ではございますけれども、米だけは全体の平均を確実にあらわしますような設計ができるわけであります。一つは基幹的な作物でございますからできやすいのでありますが、ほかのものは経営の中への入り方が千差万別でございますから、どうしても米のようにはまいらない。そういうことからわれわれのほうといたしましては全国の平均を出す代表性があると申しますが、そういう調査は仕組めないということで、当初からこれはあきらめておるわけでございます。先生の御指摘はわかりますが、実はこう出ましたものをそれじゃ全国的な平均をあらわすように換算する方法があるかと申しますと、これはちょっとないわけであります。そういう意味で、調査いたしました農家の生産費の、たとえば全国対比の上がり方がこのようになっておりますよということを一つの参考資料としてお使いいただく程度のものであります。この点はひとつ御了承いただきたいと存じます。
○芳賀委員 それでは最後に長官に尋ねたいと思いますが、その前に統計調査部長に参考までに聞いておきたいのですが、大豆、なたねの価格算定の場合の基準年における平均収量というものを基準収量として採用しておるわけですが、その場合、昭和三十一年、三十二年、三十三年の三カ年におけるそれぞれの平均反収というものを平均したものをいわゆる基準年における平均反収ということにしてあるわけです。ところがその前年の、たとえば昭和二十九年の場合には平均反収が百二十五キロ、昭和三十年は百二十九キロであって、三十一年からはだんだん反収が減っておるわけです。すなわち三十一年は百二十六キロ、三十二年は百十キロ、三十三年は百十八キロ、したがって昭和二十九年、三十年に比べて、三十一年、三十二年、三十三年の三年間というものは平均反収がずっと低下しておるわけですね。そしてそれがまた三十四年から回復して三十四年には百三十八キロということになっておるわけです。ですから基準年の平均反収というものは、必ずしも過去十カ年なら十カ年を通じての平均的な基礎となる反収ということには当然ならないと思うのです。したがってこういう反収の低い年次を押えて、これをあたかも平均反収であるかのごとき論拠を加えて、そうしてそれ以降の各年における平均反収というものは上昇しておりますから、それはすべて生産性の向上であるというような理論が、今日大豆の価格決定の場合には行なわれておりまして、われわれとしては全く邪道のやり方であるということを指摘しておるわけなんですが、こういう点は統計調査部の立場から見た場合、純粋に価格決定のしかも基準価格としての要素としてこれを用いるということについては、しかも生産性向上を名目として、基準年の反収よりも上がった反収の部分はすべて価格引き下げの要素に悪用しておるわけです。こういう点はやはり統計調査部は政策的な問題に関与はしておらぬが、せっかくあなたのようにまじめにいろいろな仕事をやられた結果というものが悪い面だけに用いられておる。いい面には全然用いられておらぬというところに非常に問題があるわけです。そういう場合には、食糧庁なんかにはこういう資料は用いさせないというようなことにしたほうがいいと思うが、その点はどうですか。
○久我説明員 統計は、これは調査いたしました結果を万人に御利用いただくわけでございますから、これはその利用のしかたをどのようにするかということにつきましては統計関係者の関与すべきことではない。それをいたしますと、統計自体も堕落してしまう、こう思っておるわけでございます。そういう意味で、これはそれぞれの方々にいろいろ御利用いただくのがまことに望ましい、かように考えております。
○芳賀委員 長官にお尋ねしますが、あなたは大臣をないがしろにして、まだなたねの価格についてどうしたらいいでしょうということを言っておらぬようです。それは七月になれば重政さんはやめる人だからどうでもかまわぬということでいけば、それはまああるいはいいかもしれぬ。しかし、ああいう無能な大臣に言ってみたって始まらぬということであれば、これはいたし方ない点でありますが、しかしもう時日が切迫しておるでしょう。昨年のでん粉の価格等については、官報にあなたがかつてに記載して、あとから大臣の承認を得たなんていうそういう離れわざをやったこともありますが、少なくともことしのなたね価格の決定については、生産農民も、またわれわれも、大臣は一体どうやるかということを注意しておるわけです。おそらく三千百八十円を動かさぬだろうということは既定の事実のようなことをあなたは言っておりますが、その場合どういうような算定方式を使ってことしもまた三千百八十円にするかということは興味しんしんたる問題なんです。いいですか。ことしまた小手先を使ってやるということになれば、重大問題ですよ。なかなか大沢は器用な男なんと言ってだれもほめないですから、いいですか、数日中に判明することなんだが、この際やはり政府の官僚としての良心というものを喚起して、まじめな作業をひとつやってもらいたいと思うのです。結果は数日後にわかるわけですから、ここでうまくやるとかやらぬとかいう答弁を聞く必要はないが、少なくともいま統計調査部長が言ったように、前年に比べると作況指数は六四%である。平年反収に比べると六五%である、こういうことになっておるわけです。そうして価格決定は災害対策と切り離すということを言っても、それではどういう災害対策の方途を講じて、この大きな激甚な被害、損失というものを補てんするかというそういう具体策は何も持ち合わせないでしょう。そういう事情の上に立ってことしは、まじめな良心的な算定というものを起こして、それを大蔵省が認めぬとか大臣が判こを押さぬということになれば、当委員会に言ってくれれば、すぐそういう連中を呼び出して、姿勢を正すことはできるわけです。われわれはそういう力を持っているのだ。ところがあなた方が変な小手先の算出をして持ち出すと、これはなかなか問題が複雑になるからして、私が言うまでもないことであるが、もう交付金法ができてから三年目を迎えるわけですからして、国際競争力を強化するために安くさえあればいいというような、そういう間違った考え方を捨てて、三年に一度くらいは少しまじめな仕事というものを見せてもらいたい。善政にもなにもあたりまえのことをやってくれということをわれわれは言っているわけです。
○大澤(融)政府委員 法律制度の趣旨に従って公正にやってまいりたい、こう思っております。
○長谷川委員長 次会は公報をもってお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会