農林水産委員会 第41号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/13
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求の件についておはかりをいたします。 生鮮食料品の流通機構に関する問題について調査のため、参考人の出頭を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の選定及び日時につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○長谷川委員長 内閣提出、甘味資源特別措置法案及び沖繩産糖の政府買入れに関する特別措置法案並びに芳賀貢君外二十六名提出、甘味資源の生産の振興及び砂糖類の管理に関する法律案、右各案を一括議題とし、審査を進めます。 質疑を行ないます。安井吉典君。
○安井委員 私はこの間大臣に、ただいま提案されております法案審議の前提として、甘味資源に関するいろいろな問題についてお尋ねを続けていたわけでございますが、それらの問題についてもなお伺っておかなければならない事項がたくさんあるわけですけれども、それはあとにいたしまして、きょうは政府から御提案になっております甘味資源特別措置法案の内容にわたりまして、若干のお尋ねをいたしたいと思います。 政府は昭和三十四年に甘味資源自給力強化総合対策を発表し、昭和四十三年の国内の甘味資源総需要量を百五十二万トンと押え、その半分の七十五万トンを国内糖でまかなう計画を立て、これを基礎に糖価水準を立て、関税、消費税の基礎を見定め、ビート生産の工場増設の方向を今日まで推し進めてきたわけであります。しかし政府のこの見通しは根こそぎ倒れてしまいまして、砂糖の消費量は四十三年を待たずに現在すでに百五十二万トンをこえ、他方ビートの作付は、暖地ビートは完全に失敗の状態であり、北海道においてすら全く伸び悩んでおります。そういうことで、三十四年に政府が発表されましたその対策によって得たところは、輸入粗糖を扱う精糖会社のみが、国内産糖保護の陰で膨大な超過利潤をあげることにとどまったというふうな、非常に変態的な事態を今日まで生じてきたように思うわけです。ここでいま新しい事態に立ってこの法案を政府はお出しになっているわけでありますが、私どもはこの法案の内容を拝見するにつけましても、甘味資源の需給の見通しとしての昭和三十四年のあの御発表をどういうふうにいま改定なさろうとするのか。特にその中において国内産の砂糖のいわゆる自給対策をどういうふうに位置づけようとされているのか。そういうようなことがわからないと内容に入っての審議が進んでいかないように思うわけでございますが、この点農林大臣の御意見をひとつお伺いいたします。
○重政国務大臣 三十四年の農林省で発表せられ今日まで実行してまいりましたこの国内の甘味資源開発の政策要綱というものは、ただいまの安井さんの話では、何のことはない、精糖業者を保護したにすぎないというようなお話でありましたが、それはそうではないと私は思っております。今日のごときでん粉が足らなくなるほどでん粉の需要を増大いたしましたのは、やはりあの政策要綱によりましてブドウ糖の開発をしたということであります。これは農村に対してもあの要綱というものは非常な功績があったものと私は思うのであります。そうして、なるほどお話のとおりに、あの当時の消費量百五十万トンはすでに今日においてそれをこえておるということはお話のとおりでありまして、消費の飛躍的な増加というものは、これは何と申しましても国民の所得がふえて、生活の内容が豊富になったからそういうことになって、われわれの当時の計画をすでに上回っておるようになった、こういうふうに考えておるのであります。古くから言っておりますように、砂糖の消費量によって文明の度合いを知るということを言われたことがあるが、これは必ずしもそうでもあるまいと思いますけれども、一面の真理は私はあると思うのであります。そうして生産の面についてはずいぶん一生懸命にやっておるのでありますが、これはたとえばビートの増産のごときは、この当時樹立いたしました計画のとおりにまいっておりません。これは増産の施策について十分反省するところがなければならぬと考えて、現在におきましては大いに反省をいたしまして、三十八年度予算に生産対策に基づく予算を計上いたしておることは御承知のとおりであろうと思うのであります。そこで私どもはあの当時の生産の計画を、たとえば北海道ビートのごとき、生産計画を直ちに改定するということは考えておらないのであります。あの計画をいかにしてすみやかに達成するかということで全力をあげておるような次第であります。これはもちろん私どもだけではできません。北海道庁においても十分に力を入れて、その増産をやってもらわなければならぬと考えて、道庁とも連絡を緊密にいたしまして、その目的を達するように努力をいたすつもりで現在のところはおるわけであります。 それから自給度の向上についてのお話がございましたが、これは先般私も御答弁を申し上げましたように、無理をして砂糖の自給をやろうという考えは現在持っておりません。何といたしましてもこれは一面におきましては、消費者に低廉な糖分を供給するという使命もございますので、無理をしてやろうという考えはないのでありますが、しかしすでにビートでありますとか甘蔗その他の国内原料資源も、これは農政そのものの中に深く食い込んでおるのでありますから、その意味におきましてこれは大いに努力をいたしてその増産を進め、しかもそのコストもできるだけ安くいくような方向で、あるいは経営のやり方、技術についての改善をはかり、あるいは品質の改良をやるというようなことによりまして、低廉なコストでたくさんのものがつくれるような方向に持っていきたい、そういうことで結局増産がはかられますというと、自給度が向上する、こういうことに私はなると思うのであります。いまここで需給計画を申し上げる段階になっておらないのでありまして、これはいずれ本法案を御協賛を得まして成立をいたしましたら、この審議会等にも十分御相談をいたしまして、さらにその需給計画も立ててやって参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○安井委員 そういたしますと、三十四年に政府がお定めになりましたこの長期目標をいずれにしても改定なさるというお考えなんですか。
○重政国務大臣 これはただいま消費百五十万トンということにあのときもなっておりますが、十年先の見通しを立てるということは、社会経済情勢の変遷によりまして、なかなかそう簡単なことではないと私は思うのであります。これは一応どういう見通しになるであろうかということを検討をして見通しを立てるということであって、計画を立ててそれをどうするというわけにはなかなかまいらないのではないか。もしも計画を立てるといたしましても、それは実際と相当の隔たりが出てくる。でありますから十年先のことをいまから計画的にどうするというわけにはなかなかまいらない。これはやはりある程度の見通しを立てて、その見通しのもとに来年はどうする、その次の年はどうするというふうなことでやってまいりたい、それがまた事実に合うのではないか、こういうふうに考えております。
○安井委員 私、十年先をどうするかというお尋ねをいましているのではなしに、昭和三十四年から十年後の昭和四十三年に百五十二万トンの総需要量に見積もって供給量も百五十二万トン、しかしいまの国内産の供給量はぐっと低いし、しかも総需要量はこれよりオーバーしていることははっきりしているわけです。現実にオーバーしているわけです。だから先の見通しはわからぬというふうに大臣おっしゃるけれども、現実にこれはすっかり変わってきちゃってるわけですね。いま十年後の目標をどう置くかというお尋ねをする前に、私はまずこの対策要綱の目標その他の数字を改定なさるのかどうか。大臣のさっきの御答弁によりますと、審議会で相談をして改定をする、そういうふうに私は受け取れたわけでありますが、その点もう一度はっきり伺いたい。
○重政国務大臣 現在のところでは、先ほど申しましたように、生産の計画というものは現在の計画がそのとおりにいっておらないのであります。ことにビートについてはそうであります。ブドウ糖及び甘蔗についてはやや計画に近く進んでおりますけれども、ビートについては進んでおりません。そこで、これは現在の計画をまず達成することができるようにここで努力をいたすことが先決問題である、こういうふうに考えておるのでありまして、法律に定める審議会において計画を変更するということについては、まだどういうふうに変更するという案を私は現在のところ持っておりません。審議会において十分に相談を願って、そして変更する必要のあるものは変更する、こういう行き方に考えておるわけであります。
○安井委員 とにかくいま総需要量は百六十五万トンになって、昭和四十三年度百五十二万トンですから、もうはっきりしているのですよ。ビートの増産のためにいろいろ努力なさるという考え方はまたあとで伺います。努力されるのはけっこうですけれども、いますでに総需要量において大きな変更を迫られている。だからいまの御答弁からいうと、この計画は審議会ができたら、その中で検討して変えざるを得ないだろう、そういうふうな御理解を持っていらっしゃる、こういうふうにとってよろしいのですね。
○重政国務大臣 そういうふうに変えざるを得なくなるかどうか、実際わからないのでありますが、私の考えでは、無理をしないで増産ができることを欲しているわけなんです。でありますから、そういうことを詰めてみて一体どうなるかということを審議会で相談をする、こういうことになるだろうと思うのであります。
○安井委員 さきにきっちりした計画があるものですから、いまこれをどうするというはっきりした御答弁ができないという農林大臣の苦衷のほどがいまの御答弁の中からも察せられるわけでありますが、ただ甘味資源特別措置法案というようなことで、貿易の自由化という新しい問題を政府が設定されて、それを前提としてこの法律をつくるのだ、こういうふうな段階において政府として、それでは将来における国内の全体的な甘味資源量を考慮されて、その中で国内自給量はこうするんだ、それ以外のどうしても足りない分については輸入でこれだけまかなわざるを得ないのだ、こういうふうな計画をきちっとして国会にお出しになって、そうして、それだからこの法案を審議してくれ、それだから関税の問題を審議してくれ、こう出ていただくのが筋道だろうと私は思うのです。しかしいまの問答の中からそういうふうな態勢にどうしてもできなかったというふうなお話でございますので、もうそういう現実のところへいっておるので、幾ら責めてもこれはしようがないと思いますが、とにかくそういうふうなことをまず私は指摘申し上げておかなくてはならないと思うのです。 ところで国内自給度をどうするかということについて、先ほどの大臣の御答弁では、できるだけ自給をするようにやるのだ、このくらいのしごくあいまいなお話であります。三十四年のときはきわめて大胆に全需要量の半分は国内でできるだけまかなうんだ、だからこういう目標を置いて、たとえば国内産のてん菜糖なら四十万トンを目標にするんだ、それでもあらゆる努力を払ってやるという気がまえ、意気込みというものがあったと思うのです。しかし今度の新しい法案の審議にあたっての大臣のお気持ちというものはできるだけ自給をやるんだ、こういうふうなかまえでは私どもどうも先行き非常な不安を覚えざるを得ないと思うのですが、その点いかがですか。自給という問題について私はもう少し農林大臣としてはっきりしたかまえをこの際打ち出すべきではないか。特に最近は砂糖の国際価格が非常に上がってきている。特に年間の原糖の輸入量も百二十万トンをこえる。外貨の支出も現在までの段階でも年間一億ドル、しかしこれはいまのような国際糖価水準からいえば、もっと日本のドルを失うことになるのではないかと思うわけです。そういうようなことからいっても、国内における自給度を向上するという問題は従来でも一つの大きな課題でありましたが、いま国際価格が上がって、しかも全世界的な供給量というものは最近あまりふえそうもないという見通しもある際ですから、もっと自給の強化に対するかまえをお示しになるべきではないか、だから政府案の第一条の目的のところにも自給度の向上といったようなことばもはっきりお入れになって、自給力を引き上げるということに対する意気込みをお示しなさるべき段階ではないか、こういうふうに思うわけです。いかがですか。
○重政国務大臣 御承知のとおりに、国内甘味原料作物というものが全国的にどこでもできるようなものであればいいのでありますが、そうでなしに、現在のところでは地方的にその産地が限定をせられておると考えられるのであります。そこで、おのずからその限界がある、その限界を越えれば非常な高い原料につく、したがってその製品が非常に高くなる、こういうことになりますので、私といたしましては手放しで自給度の向上をはかるんだということをなかなか言いにくいのであります。この適地におきましてできるだけの増産をはかりたいという熱意に燃えておることは、もう安井さんも御了承をいただけると思うのでありますが、そういう関係がございますので、ひとつ御了承を願いたいと思います。
○安井委員 今日まで政府はある程度自給を強化するという方向で生産の問題にも努力をされてまいりましたことは私も認めることは認めます。しかしながら、その努力が足りなくて、大臣はずいぶんやったというふうにおっしゃいますが、実際のところはそういうふうな生産対策が十分でなかった、あるいは価格対策が十分でなかった、そういうふうな糖業政策の誤り、そういうような結果として国内産の自給がおくれているのではないか、私はこういうふうな理解のしかたをするわけでありますが、それだけに、今後の自給力を高めるということは結局政府の心がまえ、政府の打ち込み方いかんによって決するのではないか、こういうふうに私は考えるわけです。だからそれだけに、まあ大臣はいまのような御答弁をなさいますが、しからば国内産のコストが上がり過ぎて、その考え方を加えていけばそうあまり自給を向上していくわけにはいかないのだ、こういうふうな御答弁でございますが、それならそれといたしましても、やはりいまこの法案をお出しになる段階でこういうふうな事情があるんだから、自給力はこの程度で押えるんだ、やはりそういうふうなお考え方をお示しいただきませんと、できるだけ自給するんだ、しかしながらあまり自給を向上させ過ぎるわけにはいかぬのだ、これぐらいな御答弁では、私どもは、それじゃ一体何のためにこの法案に取り組んでいかなければいかぬのか、そういうようなことに疑問をすら覚えるわけです。やはり法案をお出しになる場合には——総供給量の問題について非常にあいまいな御答弁でございましたが、自給の問題についてもやはり確固たるお考えがいままでの御答弁の中からは私どもどうしても読み取るわけにいかないのです。だいぶ押し問答をしておって、話が進まないようでありますが、その点も非常に不満な点だということを私もこの際申し上げておくわけであります。 そこで需給の見通しといいますか、長期需給計画につきまして、社会党案の第三条ではしっかりした長期計画を持っているわけでありますが、その点は政府案にはありませんで、政府案のほうは第三条で需要及び生産の長期見通しを立てるのだ、そういうふうな一種の予測といいますか、そういうようなものだけで問題を糊塗しようとしているわけであります。しかし私どもは、私が最初言いましたような社会党案にありますような長期需給計画という形でお出しになるということでなくては、国内の人たちも生産を増強していく、設備を合理化していく、そういうようなかまえにおいて十分でない状態が必ずできると思うのです。工場をどんどん建てていく、設備ができていく、しかし一体これは先行きどうなるのか、農民でもビートは輪作の作物で、輪作形態の中に入れるわけですが、長期のはっきりした計画が示されなくては私はなかなかついていけないということになって、結局悪循環の結果国内の自給力は落ちる一方になってしまう、こういうことを心配するわけです。どうでしょう、この単なる見通しから、計画というふうにはっきり踏み切った規定のされ方をするべきだと思うのですが、いかがですか。
○大澤(融)政府委員 これは農業基本法の御審議の際にもいろいろ御議論があったところでございますが、社会党で考えておりました農業基本法はある意味ではコントロール、計画経済、これを基本にしてものを考えられるし、政府案のいま成立しております農業基本法はそういうことではなくて、社会党がコントロールなら政府案はまあいわばイントロデュースというような意味での政策の進め方を考えておるわけであります。そういう思想がここにもあらわれておるのだと思いますけれども、政府案の考え方は見通しを立てて、それを道しるべにして農民も生産を行ない、政府も施策を進めていく、こういうことでございますから、いついつまでにどれだけの数量にするとかいうようなことではなくて、いま言ったような見通しを立てろ、それに従っていろいろな施策もし、農民も対応したやり方をやっていく、そういう意味でこの三条の農業基本法による長期見通しを立ててやっていく、こういうことでございます。
○安井委員 ただ単に見通しということになりますと、これは学者か研究所がすぽっと言うだけであって、政府がどれだけそこに責任を持つのかという、そういうかまえは少しもそこに見取れないわけです。これはもう客観的な立場でこうであろう、これは研究所でやることであって、農政の責任を負う農林省がそれだけのかまえでは、農民を引きずっていくということはできないのではないか、私はこういうふうに思うわけです。これは農基法で論議したことだというふうに長官は言われますが、どうしてもその点私どもは納得できないわけです。 ところで、これはいつも問題になるわけでありますが、先ほどの大臣の御答弁の中でも、三十四年に政府がお立てになった長期需給計画は甘味資源審議会ですか、新しく審議会が発足をいたしましたら、その中で相談をしてというふうに言われたわけでありますが、そこで相談をなされれば、いまの目標そのものが間違っているのですから、これはおそらく変えようという話になると思うのです。ですからそういうことになりますと、北海道などで立てておりますビートの長期生産計画、そういったようなものも当然それに伴って変更せざるを得ないということになるのではないか、そういうふうに考えられますが、いかがですか。
○重政国務大臣 私が先ほど申しましたとおりに、これは全国どこでもいけるものじゃないのでありまして、おのずからその地域が限定をせられておる。もちろんこれは絶対的のものではございません。現在の段階においてはおのずから、たとえばビートについて申しますれば、北海道は何といっても一番いい。でありますから、北海道のビートというものはできるだけ増産をやりたいという意欲に燃えておるわけなのであります。さらには青森、岩手とか、秋田の一部とか、さらには九州南部の方面における暖地ビートの問題、これはおのずからその地域が現在の段階においては限定をされると言っても私は差しつかえないと思うのであります。でありますから、そういうところでできるだけその増産をやる。そのためにはおのずから政府としてつくったビートについての最低価格の保障というような制度も考えなければいかぬというので、いろいろ内地の生産された甘味の原料というものを保護するという意味において、この法案を提案いたしておるわけであります。そういうふうに保護を一方において政策的にせられ、そうしてまた生産の面において、たとえば北海道のビートにつきましても、御指摘のとおりに、これはやり方についても大いに反省する必要があると私は考えて、本年度からはいままでの誤りをおかさないようにやっていく、こういうふうな考えで、両々相まってまいりますれば、さらに一段のビートの増産ができるのではないか、こういうふうな考えで進めておるわけであります。
○安井委員 ずいぶん長々と御答弁があったわけでありますが、私はしぼって、北海道てん菜長期生産計画、例の八カ年計画ですか、これはいまの段階で変更するのかしないのか、イエスかノーかということでひとつ伺いたいと思うのです。
○重政国務大臣 現在の時点におきましては、変更するつもりはございません。
○安井委員 審議会の段階では、審議会で審議をする段階においては、変更することはあり得るわけですね。
○重政国務大臣 それは当然に委員各位の御意見も伺いますし、私どもももっと道庁とも相談いたしまして話を詰めて、実行が可能な、大いに努力をすれば実行のできるような案で、しかも目標は増産、こういう目標で考えてまいりますので、審議会において十分相談をして、それを変更する必要があれば変更してまいりたい、こう考えております。
○安井委員 この生産計画の問題や、あるいは需給の計画の問題につきましては、まだまだ詰めてお尋ねをしなければいけない部分があると思いますが、別な機会に譲ることにいたしまして、次にひとつ伺いたいのは、この法律で対象にしております甘味資源の問題であります。この法律の中ではブドウ糖については限定があるわけでありますが、この法律の目的としてはカンショやバレイショのでん粉を保護するというところから、ブドウ糖の問題を導き出しておられるわけでありますけれども、そうだとすればでん粉消費の大宗を占めている甘味資源製品は、たとえば普通ブドウ糖、水あめ、粉末水あめ等、もう少し幅が広くて、むしろそちらのほうのいわゆる甘味資源製品のほうが全体の中に占めるウエートは高くて、またそれらはたいていの場合は中小企業で、砂糖自由化というようなものの圧力に対してもきわめて弱い立場にあるが、そういうようなものを入れるべきではなかったか。あるいはまた甘味としての一連した体系をお立てになる場合にも、これらのものを全体的な計画あるいは見通しの中に込めるべきではなかったか、こういうふうな意見があるわけでございますが、これについてはいかがお考えですか。
○重政国務大臣 水あめその他のものは、実際これは企業としてはなかなか御承知のとおりに把握しがたいものであります。中小企業と言われますけれども、大部分のものは家内工業みたようなものでありまして、なかなか把握はむずかしい点が一つ。それからブドウ糖についての価格維持ということをやりますれば、大体その系統に属するものでありますから、その値段によって大体左右をせられていっておるのが実情だと考えるのであります。そういう意味からいたしまして、この法案には、御指摘のとおりに、それも一つの甘味の製品ではありますけれども、ブドウ糖というものをつかまえて、それについての政策を実行してまいればおのずからそれに従っていくであろう、こういうふうな考えからそれらのものは一応この法案の対象といたさなかった次第であります。
○安井委員 まあ、その問題につきましてはさらにあとでブドウ糖の問題が出てまいりますから、そのときにでもお尋ねしたいと思いますが、なお若干範疇は違うと思うのですが、木材化学工業として、それによって結晶ブドウ糖の生産が進むという施設が、これは北海道の旭川市で現に進みつつあるのは大臣もお聞きと思うのですが、これとこれとがすぐに結びつくというふうに申し上げるのじゃありませんけれども、しかし甘味資源の全体的な見通しを立てるというふうな場合におきましては、こういうようなものにも一応の関心を農林省は払っておられると思うのでありますが、何かそういうことにつきましてどういうふうな検討をなさっておりますか。
○大澤(融)政府委員 もちろん私どもとしては非常に関心を持たなければならない点だと思いますが、ただこの法律ではブドウ糖企業そのものを保護するというのではなくて、ブドウ糖企業が農民の生産いたしますイモ、そういうものからとれたでん粉を原料とするということで、ブドウ糖企業の保護といいますか、ブドウ糖を買い上げるということによって農民を保護するということが大きな使命でございますので、木材からブドウ糖をとるという工業については私ども関心を持たなければなりませんけれども、この法律の問題として取り扱うことではないというふうに考えております。
○安井委員 私これから主としてビートの生産振興対策の問題について伺いたいと思うのであります。 先ほども大臣は北海道のビート農業の問題につきましてお触れになっているわけでありますが、この法案が決定されるまでの経過の中では、農業基本法による重要農産物と指定をして長期見通しも立てて、それを公表し、重要農産物なんだから当然のこととして国は力を入れていくんだ、こういうかまえだけが強調されているように思うわけであります。しかしながら、いま北海道でもビート作物が伸び悩んでいる実態からすれば、農業基本法の重要農産物と指定しておるんだから、さあ一生懸命やりなさい、そういうふうなかけ声だけではもう農民はだまされないと思います。そういうようなことでいままでずいぶんだましてきておりますから、やはり重厚な生産対策の裏づけというものが必要だと思います。それはせんじ詰めていけば生産政策と価格政策です。現に与党であります自民党の中でも、ただかけ声だけではだめじゃないか、消費税を目的税として財源確保に充ててやるべきだというふうな御議論があったということも私ども聞くわけであります。これは農民だけの心配じゃなしに、与党の中にもそういうかけ声だけではいかぬじゃないか、そういう声があるということが私は率直に示していることだと思うのです。 ここで、話がそこへいきましたから私ひとつ伺いたいのでありますが、この法律の施行にあたりまして、政府と与党との間で裏づけの財源を確保しなければいけないというふうなことで、たとえば七十五億をどうするとか、そういうふうな話があったりして最後的に政府と与党との間で申し合わせが行なわれて財源確保をおきめになっていらっしゃる、こういうふうなことも私聞くわけでありますが、これらの生産政策あるいは価格政策等の裏打ちとして財源的な対策を政府はどういうふうにお考えになっているか。特に与党と政府との間の話し合いの結果、こういうようなことについてひとつ伺いたいと思います。
○重政国務大臣 特にビートのためにどれだけの確定財源を用意して、その中でやっていくというようなことは考えておりません。必要なるものは政府としては予算に計上する、こういうことは誠意をもって考えておる次第であります。御承知のとおり三十八年度予算におきましては、食管会計において百五十億の予備費を計上いたしたのでありますが、これはもうその買い上げをする場合に必要かもわからぬというので、その一端を予算にあらわしたわけであります。これは買い上げの必要があります場合には、何百億でも政府が金は出してやろう、こういう決心をいたしておる次第であります。
○安井委員 いまのお答えの中に、大蔵大臣、農林大臣あるいは政調会長等が話し合いで一定の確認をなさっておるということについて私伺ったわけでありますが、それについてのお答えがありませんが、いかがですか。はっきりした党と政府との間の話し合い、取りきめ、そういうものがあるわけですか。
○重政国務大臣 特に文書によって取りきめるとかなんとかいうことはございませんが、政府と党との間のお話も十分いたしまして、その結果政府側といたしましては、ただいま申しますような必要財源については予算にそれぞれ計上をいたす、そして食管会計の中に砂糖勘定という一項目を設けてやる、必要なものは誠意をもって計上をしていく、こういうことに話し合いをいたした次第であります。
○安井委員 三月二十二日に大蔵大臣と農林大臣と政務調査会長とが甘味資源特別措置法の施行にあたり、特に重要なる左の諸施策につき政府は責任を持って対策に当たることを確認するという四項目の確認事項があったと聞くのですが、これはどうなんですか。
○重政国務大臣 これはそういうふうに言われますと確かにございます。
○安井委員 ちょっと大臣お忘れになっていたと思いますが、文書を取りかわしたか取りかわさないかということはお忘れになっても中身まで——これはビートだけではなしに甘蔗からでん粉によるブドウ糖をはじめ全体的な問題でございますが、この際にそれでは財源を幾ら幾ら回すというふうな、そういう具体的なお話にはならなかったわけですか。
○重政国務大臣 そうでございます。具体的にどういう年度計画でどうというようなあれはございません。
○安井委員 そういうような経過があるだけに、そういうふうな経過をたどることがいいか悪いかということは別として、そういう経過をたどりながら数字の確認もなされていないというところに、私たちは一そうの不安感を覚えるわけであります。 そこで伺いたいことは、この法律案によりますと生産振興地域の指定という規定が第四条にございます。この生産振興地域というのは一体どれくらいの地域をお考えになっておるのか。県単位なのか、あるいはもっと小さな工場別の仕組みでおやりになるのですか、あるいはまたビート・ゾーンというような考え方がこの中に含まれておるのか、さらにはまた集荷区域というふうな問題もこの中に含めてお考えになっているのか。特に北海道の場合には増産担当区域というような複雑なものまで介在しているわけでありますが、そういうような問題も含めまして、生産振興地域はどういうふうな考え方でこれに臨もうとしておるのか、これをこの際明らかにしていただきたいと思います。
○酒折政府委員 生産振興地域の考え方につきましては、必ずしも行政地域にはこだわらないで、大体気象条件あるいは生産条件あるいは経済条件、そういった点を考えまして、場合によっては数県にまたがる、あるいは県の一部がそれに入ってくる、そういうこともあり得るわけでございます。 それからもう一つ工場との関係につきましては、生産振興地域の大体の広さとしましては、少なくともそこに工場が一工場は建ち得るというようなことが一つの考え方の基礎的な条件だろうと思います。
○安井委員 暖地ビートや甘蔗の場合においてはそれほど問題がない、いまの御答弁でいけるような場合もあると思うのですが、たとえば北海道のような場合ですね、工場が七工場の上に新設工場ができて、さらにまた農林大臣は今後四工場の増設を一応言明しておられる、こういうふうな複雑な事情の中にあって、いまのようなお考え方で、これは北海道に限定して私申し上げるわけでございますが、うまくいくでしょうか。北海道全域を一つの生産区域というふうな指定のされ方も一案でございますが、そういうような点についてもう少し具体的にお考え方をお聞かせいただきたいのです。
○酒折政府委員 北海道につきましては大体北海道全域を指定したい考えでおります。そこで工場との関係の問題でございますけれども、これはすでにある工場につきまして、これを生産との関係でどう調整するかというならば、結局のところ生産の増産をはかりまして、そうしてその間の原料と工場との調整をはかっていくということが必要であろうと思います。
○安井委員 その全域というお考え方は、北海道は一生産区域に指定するということですね。——単一の北海道という島を一つの生産振興区域ということで指定するのかということです。
○酒折政府委員 そうでございます。
○安井委員 先ほど私、財源の問題についてお尋ねをしたわけでありますが、政府の施策の重点——やはり重点の置き方についてもいろいろ慎重な御配慮というものが私は必要でないかと思うわけでありますが、今日の段階において、生産の問題について重点をどういうところに入れていくお考えか、その点もひとつちょっと伺っておきます。
○酒折政府委員 生産増強のための重点といたしましては、何といいましても第一番には土地条件の整備なり土地の生産力の増強ということであろうと思います。そういう意味から申しまして、土層改良とか土壌改良、そういう点に力を入れていきたいと思います。 それからもう一つは、現在てん菜の生産の伸びが思うようにいかないということは労働力の問題が相当関係しておると思うのです。そういう意味から申しまして、機械化の問題につきましては今後十分に力を入れていきたいと考えております。
○安井委員 きょうは大臣に特にお尋ねをして、こまかい問題を抜くことにいたしますが、しかしこれは大事なことだと思いますので、大臣、これはちょっとお考えを聞かせていただきたいのですが、ビートの種子の問題です。今日までのやり方は各メーカーに自給体制をとらせる方式で今日までやってきておるわけです。しかしながらメーカーは何といったって利潤追求というのが本来の経営の、会社の目的になっているわけですから、まあ種子コストの引き下げというふうなことで品種の改良、増収というような方向に、それによって自分の会社にも利益が間接的にはくるわけでありますが、それほど積極的に行なわれない。やはり種子の問題は、諸外国でもそうですけれども、国やあるいは地方公共団体が責任を持って品種の改良をしていく、採種事業をやっていく、こういうふうなことでなくては増産もおぼつかないと思うわけです。いまのような仕組みをやはり根本的に考え直す必要があるのではないか、こういうふうに思うわけですが、いかがですか。
○重政国務大臣 これは安井さんもよく御承知のとおりに、てん菜振興会で研究所をたしか設けて、品種の改良でありますとかあるいはその土地にどういう種子が適合するかというようなことは、北海道にその試験の圃場があると同時に九州方面にも置いて具体的にこれは研究をいたしております。そして相当の成果を私はあげておると思うのであります。これは企業家のほうも糖度の高いもので増収をせられるもので病害虫に耐え得るものが一番いいのだろうと私は思うのであります。その他は、先ほどの園芸局長が申しましたとおりに、あるいは労力省力栽培の方法を取り入れるとか、さらには生産条件つまり土地改良、これが従来——私が先ほども反省をしておると申しましたのは、ただ土地改良は土地改良だけでやっていったのでは、土地改良をしてみてもビートはつくらないということになります。同時にこれは酸性土壌を中和するために石灰をまくとかあるいは重粘土地帯においてはその土塊を破砕することも行なっていかなければならぬ、こういう点について従来欠くる点が私はあったと思うのであります。さらに畜産とのローテーションの問題も考えていくというようなことによって、私は北海道においては相当の生産の増強が期待できるのではないか、こういうふうに考えておる次第であります。
○安井委員 振興会のお話もありましたけれども、これも財源的にいろいろ問題があるわけです。これはあとでその点にも触れたいと思っておりますが、だから私は種子の問題についてもう少し農林省に御検討を願いたいと思うのです。国が責任を負うという体制が私は望ましいのじゃないかと思うのです。 あと生産計画の問題などずいぶんこまかな問題が一ぱいありますが、これはあとで長官にまた伺うことにいたしまして、この法律案の第三章には国内産糖製造事業についての各種の規定等の案がここで相当の分量を占めて載せられているわけでありますが、全体的に原料不足による操業短縮、原料輸送の不合理性によるコスト高、こういうふうな状態がビート糖業の中に起きていると思うのです。原料がないのに工場が乱設される、こういうようなことも大きな影響があるわけでありますが、ビート糖業の最大の問題点は私はそういうところにしぼられるのじゃないかと思うわけであります。この国内産糖製造事業についてのいろいろな規制は、この内容をずっと読んでみますと、農林省はまさにビート糖業者の生殺与奪の権をここで全く握るのだ、こういうふうなことになるわけで、非常にその運用については慎重さが必要であろうと思います。ですから糖業者の側からいえば薬にもなるし、運用のしかたによってはたいへんな毒にもなる、こういうようなことになるのではないかと思うのでありますが、特に第十九条におきまして、地域内国内産糖製造事業の合理化を促進するために、必要な場合にはその事業の経営改善、事業の休止、経営の共同化、その施設の譲渡その他の措置を講ずべき旨を勧告することができるという重大な規定がございます。私はこの運用が一番問題になってくると思うのでありますが、単たる制限や圧迫ではなしに長期的な、安定的な経営ができるような指導をしていくという積極的な態度で臨むべきではないかと私は思うのです。その点いかがですか。
○重政国務大臣 御指摘のとおりに現在のビート糖業におきましては、原料が足らないということが一番の問題であると私は思うのであります。そこで先ほど来御答弁申し上げておりますように何としても生産の増強をやりたい。そうして現在設立をされている工場に経済的に引き合う程度の原料はどうしても提供をしなければならぬ。そうしてこれらの工場に対して十分なる原料が供給できるように生産の状況がなり、さらにその上にまた生産の増強を大いにやらなければならぬ。そういうことになって、具体的な生産増強の見通しがついたところで事業の必要に応じて工場の増設も考えていきたい、大体こういう態度で現在おるわけであります。何としてもそれが第一義でございますが、しかしいろいろ国際情勢その他の変化によりまして砂糖の値段が非常に下がるというようなことがあると、それがビート糖に影響するというようなことも当然考えられるわけであります。そういう際には——まあそういう際に限ったことではないのでありますが、できるだけ製造過程においても合理化を進めて生産のコストを下げるということでいかなければならぬと私は思うのであります。 そこで、原料が足らなかった場合とかあるいは輸入原糖が非常に下がって糖価が下がるとか、いろいろな場合があるわけでありますが、そういうような場合に処するためにはどうしても工場を合理化してそのコストを下げる必要がある。そういう場合においてはいまお読みになりましたこの条文もまた活用をいたす必要がある場合も起こってくるのではないかというふうに考えておるわけであります。
○安井委員 いまの御答弁ではどうも具体的な内容が明らかでないのでありますが、これは非常に大きな問題だと思いますので、この際詰めて伺いたいのですが、この法律の中には合理化を促進するために必要があると認めるときというような書き方をしておりますが、そのことは工場そのものの規模が相当大きいものであるということを想定しているのではないかというふうな気が私はするわけです。そういうことになりますと、一体処理能力はどれくらいから上ぐらいのものでなければいけないというふうにお考えになっているのかということが一つと、それからもう一つは、御承知のように北海道では原料が非常に足りなくて、新しくできた工場では六万トン程度の原料しか積んでないというような工場ができているわけです。そういうような際においてここで今度の法律をおつくりになって、いまの段階でこの法文を適用して休廃止というふうな措置を当面発動しようというお考えがあるのかどうか。この二点を伺いたいのです。合理化の工場というが、その内容についてはどうお考えか、さらにまた当面発動するお気持ちがあるのかどうかという点です。
○大澤(融)政府委員 これは第十三条の二項の四号に、その施設でやる原料処理能力に見合う当該甘味資源作物の数量をその化産地域で確保する見込みが確実であることということとも相関連すると思いますが、私ども当面は大体一工場十五万トンくらいのことを考えております。それから見込みがあるときにそういう施設をつくるのであって、現実にまだそこまではいっていないというような場合もあろうかと思いますが、北海道の場合は予定どおりなかなか原料の生産が伸びないというような問題もございますから、当然この法律が通りましたときに審議会でいろいろ御検討いただく。生産が伸びれば生産工場をふやすことができるようになろうかと思います。そうでなければもうこれ以上ふやさないということにもなろうかと思います。そういうことを十九条にありますように、企業の合理化という見地から十分審議会で御検討いただいて処置をしていきたい、こういうふうに思っております。
○安井委員 法律の条文審議としてはいまのようなことでいいと思うのですが、現実の問題として、審議会におはかりになるにいたしましても、農林省としてはどうお考えなんですか。いまのような生産のための原料が不足で非常に困っている工場があって、しかも原料の伸びが少ない、こういうような事態に対して一体どう処理されるわけですか。こういうような法律までおつくりになるわけでありますが、この点はみなの非常に大きな関心事だと思いますので、もう少し現状における問題点を率直にひとつお答えいただきたいと思います。
○重政国務大臣 現状におきましては、何としてもこの生産の増強をいたしまして、各工場が経済的な採算がとれるように持っていくことが第一である、こういうふうに考えておるわけであります。いま直ちにこの条文に基づいて勧告を発しようというようなことは現在のところ考えておりません。
○安井委員 大臣のおっしゃる現状が、ことしは二百ヘクタールか三百ヘクタールかせいぜいそれくらいしか伸びていないわけです。その現状においてというが、そういう現状にいま直面しているから私はお尋ねするわけでありますが、きょうのところはっきりしたお答えは、詰めてもいただけないと思いますからこれでやめますが、いずれにいたしましても、この製造業に対する規制の問題はなくてはならない規定でありながら、運用においては十分慎重に扱いをいただかなければならない問題だと私は思うわけです。 そこで、この第十九条ではこういうふうな休廃止という重大な措置を当該工場に命ずる、その代償として第十九条第二項の規定があると思うのですが、これを読んでみますと、これだけ重大な規制を一つの民間企業に加えておきながら、ここにはこう書いてあります。「農林大臣は、前項の規定による勧告に従い必要な措置を講ずる者に対し、資金の融通のあっせんその他必要な援助を行なうよう努めるものとする。」保証をするというわけでもないし、ただ「資金の融通のあっせんその他必要な援助を行なうよう努めるものとする。」これは非常に弱いですね。だからこういうようなあとづけではたして所要の効果が得られるものでしょうか、この点どうお考えですか。
○重政国務大臣 これは運用といたしましては、そういう際に資金の融資の道を講ずるというようなことは当然のことでありまして、「努めるものとする。」ということでやらぬかもしらぬというふうにとられることは、実際に合わないのじゃないかと思うのであります。ただそこを政府が義務を負うというふうにしておらないことは、どういうことがあるやらわからぬから、そこで将来ずっと長く適用せられる法律に政府が義務を負うようなことを書くより、「努めるものとする。」というふうにしたほうが穏やかだということでそういうことになったのだろうと思うのでありますが、いずれにしてもそういう場合は、必要があれば金融的措置を講ずるということにならなければ、私は合理化は進まないと思うのであります。
○安井委員 金融のあっせんをやらなければいけないと書いてあるのなら、いま大臣がおっしゃったくらいの御答弁で済むと思うのですけれども、ここにはあっせんについてもつとめるものとする、これは会社のほうがつとめるんじゃないですよ、農林省がそれだけ重大な勧告をしておきながら、ただ単にまあまあ勧告をしたんだから何かしてやらにゃいかぬだろうといったくらいなことでは、おそらくこんなような重大な措置がうまくいくとは私は思えないのです。この点も問題点として申し上げておくわけであります。 次に、原料ビートの価格の問題について、ちょっと当面の重大な問題になっておりますので、この法律の条文とも関連をしながらひとつお聞きをいたしたいと思うのでありますが、ことしのビートの最低価格についてはいつごろ告示されますか。
○大澤(融)政府委員 この法律が通りまして施行をされましたら、非常に早い期間にきめて告示をしたい、こう思っております。
○安井委員 この法律はいつごろ施行されるおつもりですか。これはあとで六カ月以内ですか、附則の規定があったと思いますが、告示等の手続は、施行期日の問題につきましてどういうふうにお考えになっておりますか。
○大澤(融)政府委員 法律が通りましたらなるべく早くやりたいと思っております。政令あるいは省令の公布の手続がございますし、そういうものも大体案文をつくっておりますから、通りさえすれば早くやりたい、こう思っております。
○安井委員 私なぜそんなことをお聞きしたかといえば、この法律の附則の施行期日の点は、「公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日」というふうに、施行期日が非常にのんびりしているわけですね。それでお聞きしたのですが、いまのような御答弁より政府のほうとしてはしかたがないのじゃないかと思うのです。 ところで、ビートの価格についてでありますが、一番この法案の中で問題になります第二十二条の最低生産者価格の問題です。この規定を読んでみますと、「政令で定めるところにより、」とあって、大事なところは政令にみんなゆだねてしまうのではないか。さらにまた、「農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準とし、物価その他の経済事情を参酌して定めるものとする。」というふうなことで、こういうようなことでは生産費を補うこともできないし、それからビートの耕作農民の所得を保障することもできないし、大臣はビートの増産を進めていくのだ、できるだけ自給力を高めていくのだ、こういうふうにさっきからおっしゃっていますが、こういうような規定では生産農民を納得させることができないと私は思うのです。どういうふうに御判断なさっていますか。
○大澤(融)政府委員 この点はこの前の機会にもいろいろ御議論があったところでありますが、いざという場合の最低の支持価格でございます。実際の取引はこれ以上で、去年の価格も一昨年の価格もそうでありましたが、動くのでありまして、最低に落ちるというときにこれ以上落ちてはいけないというぎりぎり価格でございますから、そういうことで差しつかえがないというふうに考えます。
○安井委員 大臣の時間があるそうでございますから、大臣に特にお答えをいただきたい点だけ伺っておきたいわけでありますが、この最低生産者価格の問題は、内容に入れば非常に複雑なものがあるもんですから、やはりほんとうは大臣と長官と両方いていただいてお聞きしなければ、ちょっと解明できない問題がだいぶあるわけであります。しかし、そういうことだといたしますと、これは詰めて大臣に伺いたいのは、この最低生産者価格の問題は、私はいま長官のお答えになったようなことでは通らないのではないかと思うのです。国会を通過するという場合においても、おそらくこれが一つの一番重大な焦点になると私は思うのです。だから私はこの際、大臣はビート自給力を高めていくというお気持ちがあるなら、この最低生産者価格の問題につきまして、もう少し誠意あるお考えを国会にお示しを願わなければならぬのではないかと思います。生産者所得補償方式に改めるとか、大臣のそういうふうな積極的なお気持ちをこの際伺っておきたいと思います。
○重政国務大臣 これは安井さん少し誤解と言ってははなはだ失礼なんですが、私はこういうふうに考えておるのです。現在ビートの最低価格をきめて、それを維持して、それの製品でなければ政府が買い入れないというふうな、そういう保護の規定は御承知のとおりないわけです。実際実行しておりますのは、新しい工場ができたらその一年か二年というものは、工場のコストを参考にし、一般のコストを参考にして買い入れる、こういうことを実際はやっておる。今度はそうでなしに、それはそれとして、一般に最低のビートの値段を維持しようというつもりでやっておるので、普通はそれより以上のビートの値段であることは、これはもう普通の場合においてはそうあるべきでありますから、最後のかんぬきをこれへ入れる、こういうのでありますから、生産者所得補償方式といいますが、米はそういうふうにやっておりますが、あれは最低生産費でも何でもない、そんなものじゃない。あれは政府の買い入れ値段なんですから、それ並みにこれをお考えになるとちょっと話が違うのです。(「実際はそうなりがちだ」と呼ぶ者あり)それはそうはならない。それはそういう運用にはならぬと私は思います。
○安井委員 政府が直接買うのじゃないですから、かんぬきだということにあるいはなるかもしれません。しかしながらこれは、つくられた砂糖は幾らでも政府は買うのだといま大臣は言われました。しかし売ったお金はビート会社に入るわけです。ビート会社は生産者に支払うわけです。だからビート会社は、いまの自由主義経済の中において自分の利潤度を高めようとすれば、生産者に対する原料の支払いを幾らかでも安くするという経済法則が当然ここに働きます。だから大臣が、かんぬきだとすれば、そのかんぬきを幾らかでも生産者に有利なかんぬきにされることが、農林大臣としての重大な任務だと私は思うのです。現在そのかんぬきである生産者価格と、上に甘味資源の例の管理会から出て、あるいはまた会社が別に奨励費というような形で上置きしておる、実際のところはそれで売買されているわけです。原料価格の取引はされているわけです。その現実の姿に目をつぶって、そのかんぬきをできるだけ低いところに押えて、まさに最低生産者価格ですよ。その最低というのは農林省の気持ちで最低にしているのじゃないか。だからそのかんぬきを上げていく。生産者と会社とが取引している現実の価格、それで農民は暮らしているのです。現実の払いで暮らしている。いまのようにきわめて低い生産者価格では生活の維持なんてできっこないですよ。生産費は実に七千円をこえているのじゃないでしょうか。長官、去年の生産費はそうでしょう。
○大澤(融)政府委員 昨年の生産費は五千三百六十四円、支持価格が五千四百円ですから、それよりはちょっと低いということになります。
○安井委員 私、いまここに資料がありませんので、その点あとでもっと伺いますが、いずれにしても現実の取引はそこでなされているのです。そのなされている事実に目をつぶって、取引をしている額のそれをさらに大値切りに値切った低いところで実際の取引がされておるのは、農林省ではおわかりですよ。現に去年だっておととしだって農林省が間に入って、これくらいで取引しなければいけませんよとおきめになったじゃないですか。これでなければ農民の生産は間に合いませんよといって農林省が入っておきめになっておる。その自分でおきめになっておる額をさらにまた引き下げたようなかっこうで最低生産者価格だというふうにいわれるから、これは農民は困るわけです。どうでしょう。
○重政国務大臣 どうも少しお考えが違いやしないかと思うのですが、いまの最低生産費というのは、政府がビート糖を買い入れる場合に、その最低生産費以上の値段で原料を仕入れて製造したビート糖でなければ買わないということをこの法案ではいっておるわけです。現在では工場へ供給する値段は、生産費は五千三百円であっても、それより上の値段でやることが至当であるということを農林省は指導しておるわけです。その指導をやめるというのじゃないのですが、政府が買い入れるのは何もビート工場の利益のために買い入れるのではなくして、最低生産費の補償を農家にしなければならぬから、それ以上で買ったやつでなければ買わぬぞ、こういうことをいっておるわけでありますから、そこのところをちょっと分けてお考えをいただかぬと、どうも混線しておるように思うのですが。
○安井委員 混線しているのは大臣のほうでないかと思うのです。つまりこの法律の中には、大臣がいまおっしゃったように最低生産者価格以上で買った場合と書いてある。会社は最低生産者価格で買ってもいいわけです。それに文句を言うことはできないでしょう。ということになると、農林省は、その最低生産費でビートをつくる農民が、それによって生産意欲が出て、それで生産費が償われて、それによって生活の向上ができるような価格でなくても、何でもいいからとにかくきめればいいというふうに農林大臣はお考えですか。そうじゃないでしょう。ビートをつくっておる農民の生活がそれで確保されて、喜んで来年もビートをつくろう、ことしは一町歩つくったから来年は一町五反つくろうという意欲を増していくようにするのが、先ほど来自給度を増していきたいという農林大臣のお気持ちだと思う。そういうことになると、できるだけ生産者価格の最低価格なるものを上げた形でおきめになるという姿勢が私は農林大臣として必要だと思う。ところがいまのこの法案によれば最低生産者価格で、これ以上で買えばいいのですから、会社はその低い価格で買ってもいいのです。現実にはその上に幾らか足して取引されておりますが、それで買ってもいいのです。この法律に買ってもいいと書いてあるのだから。だから農林大臣は、買ってもいいという数字はほんとうに農民が喜んで生産ができるような、そういう数字のところに高めた形で法律自体をおつくりになっておくことが大事なことではないか。そういう意味で私は申し上げているのです。
○重政国務大臣 これはどうも安井さんの御質問を聞いておりますと、根本が違っておるのです。安井さんのお考えは、おそらく政府が全部、専売でもやろうというような根本があるからだ、それだから何でもいい、買おう、こういうことであろうと思うのですが、私どもの考えは専売も何もやるつもりはない。糖価が異常に下落して、糖価が異常に下落すれば原料を安く買わなければビート糖会社は立ち行かない、それでは困るから、いかに糖価が下落しても最低の生産費を維持しなければいかぬ。それで政府はそれ以上で買った分は買ってやるというから、製造会社はその最低生産費を割って買えば、買って製造したものは政府は買い入れないからそれ以上で買わざるを得ぬということになる。これは糖価が異常に下落した場合をいっておるのであって、普通の場合は何もそのビート糖を政府が買い入れるなどということは考えておらないのです。だから普通の場合におきましてはこの条文の適用はないわけでず。だから端的に言えば本年のような場合、この条文が適用せられて政府がそのビート糖を買い上げるというようなことはおそらく起こらぬだろうと私は思うのです。だからそこのところをよく混線しないようにお考えを願わないと、根本の腹が、これは製品を全部政府が一手に買い入れて配給するんだ、売りさばくんだというような、米のような頭でこれを考えられると、それは私どもの真意を非常に誤解をされるというか、私どもの考えが届かぬことになるわけでありますから、御了承を賜わりたいと思います。
○安井委員 大臣の真意はそうかもしれませんが、その真意は決して農民を大切にする真意には通じないと思うのです。と言いますのは、政府が直接買うんならこれはまだ考えようもあるわけですよ。しかし政府が買うんでなしに、会社が買うんですよ。営利企業である会社が買うんだから、できるだけ高くしておいたほうが、会社はその自分で買った砂糖を政府に買ってもらうわけですから、会社ができるだけ農民に支払いをよけいにすることができるという姿勢を法律はやはりつくらなければいけないと思う。会社が喜んで農民によけい払うということができる姿勢を、これは政府が直接買うんなら法律で幾らというふうにきめることができると思いますが、会社というものが間接的に間に入るわけです。再生産価格をよけい上げておいたほうが、上げた値段で政府は買ってくれるわけですから、会社はよけい支払いができるわけです。そういうかまえをつくることが大事だと思うわけです。時間がきたようでありますが、この点は水かけ論になってまだ平行線のようですから、もう少し主張したいと思います。 もう一点伺っておきたいのは、先ほど来大臣は、政府はいまのように最低価格以上でつくったビート糖は、今度幾らでも買うんだ、こういうふうにお話があるわけでありますが、そうですか。無制限に買うんですか。
○大澤(融)政府委員 二十条にも書いてございますように、糖価が著しく低落した場合に、どのくらいのものをどういうふうに買うかということは、行政庁の判断できめてやりたい、こういうふうに思っております。
○安井委員 私はそれだから心配になってくるわけですよ。この間の第一日目の論議のときも、大臣は与党の松浦委員の質問に対しても、あなたはそういう文句を言うけれども政府は無制限に買うんですよ、そればかり強調されるわけです。だから私は非常に大臣は気が大きくなって幾らでもお買いになると思ったのですが、いま長官が言われたように、第二十条にはこう書いてあるわけです。「政府は、砂糖の価格が著しく低落した場合において、」という一つの条件を入れてしかも「必要があるときは、」農林大臣が必要と認めなければいけないわけですね。「農林省令で定めるところ」というのは、これは手続かもしれませんが、「地域内国内産糖製造事業者から、その製造する国内産糖の買入れをすることができる。」と書いてあるわけです。糖価が「著しく低落した場合」で、しかも「必要がある」と認めて、最後に「することができる。」と書いてある。それでこの間うちから大臣は無制限、無制限と一つ覚えのように強調されておるわけです。私はこの法文の解釈は大臣のおことばで十分だし、むしろ多くの人に安心を与えるためには、大臣のおっしゃるように、「買入れをすることができる。」という規定でなしに、申し出があったら買うんだ、そういうふうな修正を行なうとか、はっきりすべきだと思います。いかがですか。
○重政国務大臣 私が必要がある場合には無制限で買うと申しましたのは、運用上そうやりたい、こういうことを私は言っておるわけです。砂糖が非常に下落して、最低生産費以上の原料を仕入れて製造したもので損がいく、そういうものをある程度数量で限定するというようなことはなるべくやりたくない。しかし会社によっては非常に力のある会社とそうでない会社がある。そういう場合に多少差別をつけるとかなんとかということを言われるのだろうと思うのですが、運用上はそういうような損のいくような場合で、しかも原料を最低生産費以上で買っておるものはなるべく買いたい。運用上そうやりたいというのが私の考えであります。
○安井委員 だから大臣が言ってもらわなければ困るというんです。だんだん話が変わってきて、この前は大きな声を張り上げて、幾らでも無制限に買います、きょう言われたのは、なるべく買いますと小さな声でおっしゃるように変わってしまっておる。これじゃ私は困ると思うのです。この点についてそのくらいのお気持ちならもう少し詰めて伺いたいのです。 それでは農林省がこのような規定によってメーカーのほうから買ってくれという申し出があった場合に、大蔵省は農林省が要求する予算は食管会計の中で幾らでも出して幾らでも買うということにはっきりなっておるわけですね。
○重政国務大臣 これは必要に応じては予算的の措置はやる、どういうことになると思います。
○安井委員 それはだれの必要によってですか。
○重政国務大臣 それは栽培農家の最低価格を維持するために必要な場合のことであります。
○安井委員 約束の時間がまいりましたから、大臣はこれで一応解放いたしますが、お話を伺っておりますと、いよいよもって内容があいまいになってきたような気がするわけです。国内の自給度を高めて、国内の農民や、またそれを生産する過程においても安心して営めるような姿をつくり上げるのには、いまのようなあいまいな御答弁ではどうにもならないような感じを受けるわけです。この点に関しては今まで何にも進んでないじゃないですか。甘味資源の問題に真剣に取り組む姿勢をただいままでの御答弁の中では見出すことができないと思うのです。その点法案の内容についてこれからもう少し事務的に長官からも話を伺いながら明らかにしてまいりたいと思いますけれども、大臣、どうでしょう、これはもう少し、国会でも慎重な審議の結果社会党も法案を出しているわけでございますので、この内容をもっと効果のあがるものにするように検討をし直す、こういうような考え方を私ども持っておりますが、いかがですか。
○重政国務大臣 私はこの法案で大いに効果があがると思っておるのです。安井さんの御意見も私もわからぬではないのです。わからぬではないのですが、ただいまの問題は大体御了解いただいたと思うのですが、この前の問題が一番の問題だろうと思うのです。安井さんの御意見では、やはり砂糖の国際価格がどうあろうと、国内の価格がどうあろうと、ビート糖だけはそれと飛び離れた高い値段でも政府が買い入れろということになるわけだ。それは売るときにはビート糖をほかの砂糖より高く売れないのはあたりまえの話なんだ。だからそういうところがやはり根本的に違うと思うのです。だからこれをよくお考えを願いたいと思います。なかなかおっしゃるとおりには、これはむずかしい、こう私は考えております。
○長谷川委員長 この際休憩いたします。 午後一時十二分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らな かった〕