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43回国会衆議院1963/06/11

農林水産委員会 第39号

発言数
43
登壇者
15
会派数
2
開催日
1963/06/11

会議録

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 これより会議を開きます。  沖繩産糖の政府買入れに関する特別措置法案を議題とし、審査に入ります。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 まず提案理由の説明を求めます。大澤食糧庁長官。

大澤融食糧庁長官

○大沢(融)政府委員 沖縄産産の政府買入れに関する特別措置法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  沖縄は、御承知のとおり、約三百年のサトウキビ栽培の歴史を持つ日本糖業発祥の地であり、戦前の昭和十四年には約十二万トンの砂糖を生産した記録を有しておりますが、戦後は激甚な戦災のためほとんど壊滅に近い状態となっていたのであります。しかし、琉球政府、サトウキビ生産者及び製糖業者の努力によって焦土の中から徐々に復興が進み、昭和二十七年に関税免除の特恵措置を受け、次いで昭和二十八年沖縄からの輸入が自動承認制となるに及んで、沖縄糖業は目ざましい復興を遂げ、さらに昭和三十四年国内産糖保護のための関税、消費税の大幅振りかえによる利益を享受して、その生産量は飛躍的な増大を見せたのであります。その結果、昭和三十八年においては史上最高の十六万八千トンの生産をあげ、そのほとんどが本土に輸出されて、沖縄経済の最大の支柱となるとともに、わが国の砂糖の重要な供給源の一となっているのであります。  今日までの経過から申しますと、沖縄産糖について特段の保護措置を必要としなかったといえますし、当面の国際糖価は高水準に推移するものと推測されるのみならず、沖縄の自然条件の優位性等から沖縄産糖のコストは現在でも奄美諸島等に比しかなり低廉であり、コスト引き下げの余地がある実情であると考えられるのでありますが、御承知のとおり国際糖価の動向には予断を許さないものがあり、内外の情勢の変化によって糖価低落の事態が生じた場合には、沖縄におけるサトウキビ生産農家の受ける影響には著しいものがあると考えられるのであります。  このような事態が生じた場合には、サトウキビ及び砂糖が沖縄における農業及び経済に占める高い地位とその自然的条件による制約等を考慮しますとき、看過し得ないものがあると考えられるのであります。  そこで、政府といたしましては、沖縄に対する援助措置の一部として、そのような場合に対処して、サトウキビの生産者の農業経営の改善と農家所得の安定に資するため、沖縄産糖につき、国内産糖に準じ、政府が買い入れる道を開いておくこととした次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、政府は、当分の間、砂糖の価格が著しく低落した場合において、必要があるときは、沖縄産糖の製造事業者またはその者からの委託を受けてその者が製造した沖縄産糖を本邦に輸入した者から、その者が製造した沖縄産糖で本邦に輸入されたものの買い入れをすることができるものとしております。  第二に、その場合の沖縄産糖の政府買い入れの価格は、甘味資源特別措置法本則の規定により定められている国内産甘庶糖の政府買い入れの価格及び沖縄産のサトウキビの生産事情、沖縄産糖の製造事情その他の経済事情を参酌して農林大臣が定めることとしております。  第三に、沖縄産糖の政府買い入れは、食糧管理特別会計において行なうことといたしております。  以上がこの法律案の主要な内容でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決くださいますようお願いする次第でございます。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 質疑は後日に譲ります。      ――――◇―――――

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 内閣提出、甘味資源特別措置法案並びに芳賀貢君外二十六名提出、甘味資源の生産の振興及び砂糖類の管理に関する法律案、右両案を一括して議題とし、参考人の御意見を聴取することといたします。  御出席の参考人を御紹介申し上げます。農政調査委員会事務局長東畑四郎君、日本てん菜振興会理事長永野正二君、日本てん菜振興会てん菜研究所支所長嵐嘉一君、北海道副知事斎藤斉君、日本ビート糖業協会会長長野善三君、新日本ビートシュガー協会理事鈴木曻君、日本甘蔗糖工業会会長長島正久君、日本ぶどう糖工業会専務理事首藤哲君、日本精糖工業会会長藤山勝彦君、ほかに北海道農業協同組合中央会参事の鈴木善一さんがおいでになることになっておりますが、飛行機の都合で少しおくれてくるそうでございます。以上十名の方々でございます。  参考人各位には、非常にお忙しいところを当委員会に御出席をくださいまして、まことにありがとうございます。それぞれの皆さんのお立場から率直な御意見をお聞かせいただきたいと存じます。  なお、はなはだかってでございますが、時間等の都合もございますので、御意見開陳の時間は大体お一人約十分程度お願いいたしたいと存じます。  議事の順序は、まず参考人各位から御意見をお述べいただき、しかる後、委員各位から、参考人の御意見に対し質疑をしていただくことにいたします。  それでは東畑参考人からお願いをいたします。

東畑四郎農政調査委員会事務局長

○東畑参考人 政府提案の法律案、社会党提案の法律案につきまして御意見を申し上げます。  時間がございませんので、非常に簡単に要点だけを申し上げたいと思います。  農産物の価格水準を農民の均衡所得を維持するためにどうするか、こういう問題と、その農産物価格が国際価格の影響あるいは国内のいろいろな条件によって非常に不安定である、この価格水準を一定に維持し、かつ不安定な農産物価格を安定化するということをどういう価格政策でやるかという問題は、多年実は農政の非常にむずかしい問題でございます。今回提案されました政府案及び社会党案いずれも、砂糖、てん菜糖そのものを必要によって買う、あるいは申し込みによって買うということを通して、農民の原料のてん菜の価格安定、所得維持ということをはかろうとしておられるようでございます。これも確かに一つの案であることは、私間違いないと思います。ただ、こういうてん菜というような商品は、完全な商品生産であり、自給的なものではない。しかも特定の地域にできる生産物でございますので、こういう価格水準の維持と非常に不安定な農産物の価格、しかもそれは大衆の食料品であるというところから考えまして、私といたしましては、こういう農産物については、やはり価格と所得補てんというものを分離して考えていったほうがもっとすっきりするのではないか。ある保護をいたします場合にも、それは企業のための保護もありましょうし、農民の生産的な保護というものもありましょう。これを一本で考えますと、非常に動揺している価格の中で問題が非常に不明確になりますので、こういうものにつきましては価格政策と所得政策をひとつ分離してみてはどうか。これは、簡単に申し上げますと、ある農民のための価格水準ですか、標準価格というものを一つつくる。これは実際の市場における価格ではありませんが、各方面の要因というものからあるべき一つの価格水準をつくって、それと毎年毎期におけるてん菜の価格が食い違う、その水準よりてん菜の価格が安い場合は、それだけのものを一般財政から個々の農民に所得補てんをする、こういう制度によって農家のてん菜生産者の所得維持をはかっていく、価格というものは市場における価格のメカニズムによって動かしていく、こういう考え方のほうが、消費者の立場、一般経済の立場その他から見てはっきりするのじゃないか。しかもその関係の農業者というものが、一般の農産物から比べますと非常に少ない。たしか十一万戸ぐらいかと思っておるのでありますが、そういう農家に、しかも個々にはっきりする商品でありますので、そういう形においてこの際価格政策と所得政策を分離してやったほうがいいじゃないか。そうしてできた製品の砂糖その他を政府特別会計が買ったり、あるいは売ったりということ自体、これはやめたほうがいい。そういうむずかしい商品を取り扱うということは、自由の市場におけるメカニズムにまかしたほうがもっと合理的にいくのではないかというのが、実は私の考え方でありまして、技術的になかなかむずかしい問題もございますが、そういう一つの考え方で今後考えていったほうがいいのではないかというように思うのであります。こういう考え方と今回の政府が出されました特別措置法案あるいは社会党のお出しになっております法案とはだいぶ違っておるということが第一点でございます。  それから、これはその地域地域がいろいろ指定を受けるということになっております。このこと自体は、私はこういう商品作物でありますから賛成をいたしますが、今日率直に申し上げまして、企業自体の能力と日本のてん菜の生産というものとがマッチしない、そのこと自体稼働率が非常に低いあるいは大きな設備投資のための償却費、金利等が非常に高い、こういうことが、集荷そのものに金がかかる以外に、日本のてん菜糖企業あるいは砂糖そのものの流通コストというものを高からしめている原因であろうと思います。したがいまして、こういう集荷特定地域ができました場合においては、ある程度地域を一企業等に独占させるということもやむを得ない。しかしそれが独占をいたします以上、やはり政府の監督というものが必要であることは申すまでもありません。したがいまして、今日非常な稼働能力の悪い多くの設備につきましては、将来のてん菜の生産の見通しというものをもっときわめまして、それに適応したような企業に整備をするということが、日本全体のためであるし、農民のためではなかろうか、こういうふうに考えるのでございます。そういうことにつきましては、両法案とも一部そういうことが見えておりまして、そういうことをどういう形において実行するかということが問題でなかろうかと思います。  こういう国際的な商品でございまして、絶えず価格が不安定なものについて政府がこれに関与いたします場合は、何ゆえにこれに関与するか、しかもそれをどういう形で実行するかということについて、私はこういうむずかしい商品について政府官吏がこれにタッチしますことは、いろいろな商機の問題、商売の問題等に触れる、あるいは標準コストをどう出すかというようなむずかしい問題等に触れますので、なるだけそういう問題は避けて、農民の保護を、価格を通さずに所得補てんという形を通してはっきりする、企業自体の問題についてこれをどう育成し、あるいは整備するかという問題は、別個に考えていくというほうがもっと問題ははっきりするのではないか。企業の保護というものと農民の保護というものが、一つの考え方によって行なわれますと、それは一体どちらのことをいっているのかということについてなかなかむずかしい論議が起こると思います。そういうことをこの際はっきりしたほうがいいのではないかというのが私の個人の意見でございます。  その他申し上げることはございますが、時間がございませんので、簡単にその点だけに問題をしぼりましてお話を申し上げまして、私の意見といたします。(拍手)

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 永野正二君。

永野正二日本ビート糖業協会会長

○永野参考人 ただいま議題となっております甘味資源特別措置法案並びに甘味資源の生産の振興及び砂糖類の管理に関する法律案、この法案の審議にあたりまして、また砂糖についての、たとえば輸入糖に対する措置あるいは砂糖の価格水準をどうするかというような、これと関連いたします砂糖政策の御審議をいただきます上に参考になりますればと思いまして申し上げるのでございます。  まず申し上げます要点を要約いたしますと、第一は、現在非常に生産が停滞しておりますてん菜、これを急速に飛躍的に生産性を高めることができるかどうか。これは私は、多少の時間をかしますれば、相当飛躍的な生産性の向上ができるということでございます。第二に、ただそれには多少の時間が必要でございますので、そういう技術的な革新ができますまでの間、国内のてん菜をつくっております農家、あるいはこれを原料としててん菜糖を製造しております企業、こういうものに対する措置を誤らないようにする必要があると思うのでございます。現在貿易の問題あるいは砂糖の消費者価格が高いという問題、いろいろな問題についてそれぞれ高い立場からいろいろな適切な措置が講ぜられるような運びに相なっておるのでございますが、これらの際には、ぜひとも日本の農業の一つのホープであるてん菜というものの、いまやっておりますこの振興措置の芽を枯らさないように、十分な御考慮が必要であるということでございます。  まず、もう皆さまよく御承知のとおり、最近は政府の立てましたてん菜の計画が計画どおりいっておらない。あるいはいわゆる暖地ビート、中国や九州に建てられましたてん菜糖の工場が原料が足りなくて仕事がうまくいっておらない、こういうような現状になっておるのでございます。目をもう少し前に転じてまいりますと、昭和二十八年ごろから、ちょうどアメリカのGWという品種が北海道に入りましてから四、五年の間、急速にてん菜の反収も上がり、てん菜の作付面積も伸びておったことは、よく数字をごらんになるとおわかりいただけると思うのでございます。単にアメリカの一つの品種が導入されただけで、てん菜の生産性は数学的に見まして約七割見当高まってまいっておる。もちろん当時の肥料の事情、労力の事情等もかみ合わされての結果でございますから、このうちの品種の果たしたウエートはどのくらいかということには問題がございますけれども、ただ褐斑病という一つの病気に強い品種ができただけでも、非常に飛躍的に北海道のてん菜生産は向上された。世界でいろいろ使用されております有利な品種を日本の土になじませ、あるいはそういう技術を日本の育種技術に取り入れていくことによりまして、同様の生産性の飛躍的な向上が期待できるのでございます。  簡単に申し上げますが、その育種の問題といたしましては三つございます。  一つは、もう少しわせの品種をつくるということでございます。いま一番入っております品種は、先ほど申し上げましたように、病気に強い点は非常な特徴でございますが、おくてでございます。したがいまして、日照の積算温度の不足な地方あるいは暖地ビートのごとく、秋にまきまして、晩春、初夏のころには畑をあける関係でどうしても取り入れなければならない、そういう形のビートをつくります場合には、もっとわせのものを入れる必要がございます。これを入れることだけでも二割見当の反収の増加は十分期待できると思うのでございます。  第二は、単胚種子と申しますが、普通のビートの場合は一つの種から三つも四つも芽が出るのでございます。これがやっかいで、非常に間引きに手間がかかる。間引きを少しでもおくらすと非常に収量が落ちる。そのころは、ちょうど労力的にピークであるということでございますが、単胚種子を導入することによりましていまの労力的な問題は非常に緩和されます。植物の生理の上からいたしましても、反収が向上することは明瞭でございます。これはすでに世界各国で相当実用化されておる品種でございます。  それから第三は、倍数体の種を使うことでございます。これもほかの作物、たとえば種なしスイカとか、いろんなものに使われておりますが、ヨーロッパでは、すでに半分以上が倍数体の種子になっております。染色体の数が普通のビートよりも多いのでございます。普通のビートの種は二倍体と申しますが、その二倍体と、四倍体の染色体の数が倍ある品種をかけ合わせまして、三倍体の種を使いますと、耕作の上からは最も収量が上がって容易であるという点がはっきりいたしております。ただ、この三倍体の品種をつくります際には、普通のやり方でやりますと、二倍体と三倍体と四倍体とまぜこぜになった種ができるのでございます。それではふぞろいになりまして収量が上がりませんので、ここに一つ道具立てが要るのでございますが、それは雄性不稔と申しまして、花粉のほうは全然かけ合わせ能力のない種類のビートを使うことによりまして、一〇〇%三倍体の種子ができるのでございます。これのおぜん立てもすでに私のところで整えておるのであります。したがいまして、以上の三つの世界じゅうの農業技術が研究しました成果を日本に取り入れてくるということだけで、相当飛躍的な生産性の向上が期待できるのでございます。  ただ、残念ながら、ビートというものは花を咲かして種を取りますのになかなか時間がかかるのでございまして、ここに一握りの元種がございまして、これを農家が実際に使う分量にふやしますには、おそらく二代かかってふやさなければならぬと思います。その二代のうちの一代が二年間かかるのでございます。したがいまして、普通のやり方でいきますと、四年たたなければ最初にできた元種を農家の栽培用に供することができないというふうに、時間が必要なのでございます。したがいまして、私どもがいまいろいろおぜん立てをいたしております各種の品種について、すでに相当数多くの場所での試験成績も出ておるのでございまして、その結果、どういう地帯ではどういう植え方をすれば一番収量が上がるというような研究も、すでに大体の目鼻がついておるのでございます。この点は私のあとで御意見を申し上げます嵐君が直接そのほうを担当いたしておりますので、現在非常に問題になっております暖地ビートの生産性の低さを背景にして、将来いかなるところにどういう適地があるかというお話を申し上げるかと思うのでございます。  こういう諸般の準備が進行しておりますので、これが実を結ぶまでの国産糖の保護ということにつきましては、性急でなく、こういう事情を十分考慮に入れて、あたたかい保護を考えていただきたいと思うのでございます。このために、本日提案されておりますようなビートにつきましての特別措置法案というようなものは、すみやかに御審議の上御可決をいただきたいのでございまして、またあわせて、たとえば輸入糖に対する措置あるいは現在問題になっております砂糖の価格をどうやってもう少し引き下げるかというような問題について、将来の国内の農業生産の一つのホープになるビートの芽が枯れないような御措置を十分考えていただきたいのでございます。  特に私申し上げたいのは、現在人工甘味料に対する対策というものは全然放置されておるのでございます。人工甘味料が甘味の需要の中で相当な分を占めておる現状でございます。これに対する適切な政策をおとりになれば砂糖の日本全体の消費量は相当ふえるはずでございます。そうすれば現在の砂糖から入っております税金――関税、消費税を含めまして、こういう財政収入は砂糖自体の消費が大きくふえることによりまして、単価を下げましても絶対額の財政収入は十分可能であるという状態が出てまいると私は思うのでございます。また砂糖の消費をふやしますことによって、砂糖工場の回転率、稼働率というものが非常に高まるという点を考慮に入れまして、砂糖の価格をより低く安定させるためには、砂糖というものの消費の競争になっておるものについての政策ももう少しお考えいただかなければならぬのではないかということを申し上げたいのでございます。  時間が参りましたので、私の意見の陳述はこの程度にとどめたいと思います。(拍手)

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 次に嵐嘉一君。

嵐嘉一日本てん菜振興会てん菜研究所支所長

○嵐参考人 私は参考人といたしましてやや的をはずれた意見を申し上げるかもしれないと思うのでございますが、これから暖地におけるてん菜作の現状並びに今後の考え方の一端と申しますか、そういう点につきまして、特に栽培技術面を主体といたしまして、それに農業経営的な観点を加えまして、間接的なお答えになるかもしれないと思いますが、私見を述べさせていただきたいと思うのでございます。  まず初めに、くどいようでございますが、そういうことでございますので、私は、ビートの作期型つまりいつ種をまいていっとるか、その作期型というものと地帯という観念を明らかにさせていただきたいと思っております。北海道でございますと、春まきして、夏を越えて、ただ単純な形のビート栽培が行なわれておるわけでございますが、南のほうにおきましてはそれがたいへん複雑な形で地帯的に区分されてくるわけでございます。それを簡単に申し上げますと、ことばの上から申しますと、まず初夏まき、夏の初めにまきます。これはつゆあとまきあるいは七月の上旬、そういうときの初夏まきというのがございます。それから次は、もう少しおくれました夏の一番盛りにまく盛夏まきという形があります。それから次は、夏の終わりになります晩夏まき、あるいは秋の初めにまきますところの初秋まきという形、それから特に一部の温暖なところにおきましては、九月の終わりから十月の初めにかけましての秋まき、こういうぐあいにたいへん段階が多いのでございまして、このうち晩夏まき以降というものがいずれも冬を越しまして春の収穫期にぶつかるわけでございます。これの詳しい特徴を申し上げておりますと時間がございませんので省かしていただきますが、これはそれぞれ特異性というものがあるわけでございまして、われわれいろいろないままでの研究の結果によりますと、さしあたりといたしましてはそのうちの最も重点的な形と申しますのが晩夏まき並びに初秋まきという形でございます。それに次ぎましては、初夏まきというのが次にくるかと思うのでございまして、盛夏まき、一番夏の盛りにまきます形が現在のところではその中では一番不安定な栽培型ということになっておるのでございます。こういういろいろな作期型というものは気候その他地帯によりましてそれぞれ特徴があるわけでございまして、ちょっと小さくて見にくうございますけれども、あそこに図を掲げておるのでございますが、この点々で囲まれておりますこれが大体初夏まきの地帯でございます。それから白い部分にありますのが盛夏まき、それから赤い部分に入っておりますのが晩夏以降のまき型ということでございます。なお初夏まきに該当しますこの部分というものは、中国、四国の図を持ってまいりませんでしたので恐縮でありますが、こういう形というのは中国の岡山県、鳥取県、それからもう少し夏まきの形、一部の赤い晩夏まき、初秋まきという形が四国の一部にも見られるということでございます。ここに特に地帯的にこういうぐあいに区切ってありますのは、いままでいろいろやられました成績を検討して、おおむねこういうところが将来のてん菜の可能地になるという考え方でございます。ごく大まかでございますが、作期型というものと地帯というものは相当明確にして考えていくということがビートを安定させる一つの大事な要素になっておるわけであります。そうしてこういう作期型というのがかなり広い工場圏と申しますか、そういうところではある程度組み合わさりまして、それによって必要な工場の操業日数というものを期待していくというような考え方になっておるわけでございます。  それで一方現在までの暖地ビートの栽培の経過というのを少し振り返らせていただきたいと思いますが、一口に申し上げますと、一時的にビートブーム熱が異常に高揚いたしたわけでございますが、そのために研究つまり一番もとになるところの技術の基礎になる研究というものと普及というものが、どちらかというと同時にスタートのようなかっこうに置かれておったわけであります。政府におかれましてもこの点はよほど慎重な態度で臨んでおられたのでございますけれども、実際にあらわれてきました結果といたしましては、堅実な基礎に立っての考え方からいたしますと、地帯によりましてはやや――と申しますか、あるいはもっとかなりと申しますか、行き過ぎの感があったことはこれはいなめない事実であろうと思っておるのでございます。もっとも普及の当初におきましては、その前段階といたしまして試験研究もある程度できておりました。その研究の結果から試作並びに普及のほうに進められたことは事実でありますけれども、何ぶん研究規模も十分でないのに一般の栽培に移すということになりますと、そこにいろいろ経営の問題あるいはそのほかを通じまして問題点が相互に出てまいっておるのでございまして、一方は研究なりあるいは農家へのそういう指導なりもできる限界のところではやられたと思うのでございますけれども、当時のビートブームの早さというものにやや追いつけなかったということが私は実情ではなかったかというぐあいに考える次第でございます。  それと、もう少し技術的に立ち入るわけでありますが、一番初めに暖地ビートの作期型は、先ほど申しておりますあの白いところでありますが、いわゆる盛夏まき、夏の一番盛りにまくという形で起こったものでございます。これはあとでいろいろ試験をやってみますと、それが一番不安定な作期型であったというような不幸もある程度含んでおるかと思うのでありまして、現在の段階においては盛夏まきというのがずっと落ちてまいりまして、これはよくやれるという範囲のものにとどまりまして、一方つゆあとまき、それから逆に晩夏あるいは初秋という方向に分化をいたしてまいっておるわけでございます。  それで私は結論的に申し上げまして、現時点の栽培技術の段階から申しまして、地帯的に見まして技術的に相当安定していける、したがいまして企業のほうに対してもかなりのめどのつき得るような地帯というものと、それからまだもっと試験研究の段階を経まして、確実な、堅実な手だてをもって進めていくところと、大きく見ますとそういうものに分かれてくるというような感じもいたしておるわけでございまして、その前者に属するところというのが、ごく大まかに申しまして南九州地方であろうかと思うのでございます。それ以外の地帯におきましては、部分的にはたいへんよくやられて、酪農ともよく結びついて、もう私は絶対に放さないというようなところも点々とございます。それからまたつゆあとまきなんかで、わりあい安定して成績のあがっているというところも点々と出ておるのでございますが、やはり一番の重点は南にあるのであろうと思うわけでございます。その以外の地帯というのは、いまのような点というものは点々と方々に出ておるわけでございまして、これにつきましては将来の工場とかいろいろな地帯想定といいますか、それとの関連のもとにおきましてはそういう拠点というものを、これは細々でいいわけでございますが、将来伸びる一つの橋頭堡として育成していく必要があるのではないかというぐあいに私は考えておる次第でございます。  なお、南九州のことにつきましては、時間が十分ございませんので、それならなぜそういうところに特に最重点を置くかということの技術的根拠を、いろいろございますが、重要なところだけちょっと申し上げてみたいと思うのであります。  いま一番中心になっております晩夏もしくは初秋まき、こういう形のわりあい安定したものでございますと、当然冬を越して春にとるという形になりますので、気候的に見ますとなるべく温暖なところが都合がよろしいということでございまして、大体南に参りますほど根もよく太りますし、糖分もよく上がるというような状況になっておるわけでございます。それからもう一つ申し上げたいと思いますのは、そういう地帯で過去に暖地ビートとしてだいぶ試験が行なわれておるのでございますが、そういう結果をいろいろみますと、現時点におきましても現在の品種から少なくとも二割くらいの増収をはっきり期待できるものがもうすでに出ておるわけでございまして、そういうものにつきましては、早急なあとの増殖なり使用するほうの手順に進めたいというぐあいに思っておるわけでございます。  そういうことで、特に南九州につきましてはいま申しますように技術的にはわれわれとしても大体確信が置けるという段階でございますけれども、これにつきましてはその背後にきますと  ころの農政的ないろいろな措置と申しますか、そういうものが実に重大にかかってきている。技術的に申しましてもそういうものの強い協力ということがそういう地帯の今後のビート作の伸展を強く左右するんだということを申し上げることができるのでありまして、これはひとり南九州に限ったことでございませんけれども、特にその点を私ははっきり申し上げさせていただきたいと思うのであります。  そこで私は、一昨年でございますか幸いに南イタリアのほうへ実際に見せてもらいに参ったのでございますが、そのときに私が最も強く感じましたことをここで申し上げたいと思うのでございます。それはやはり国というものが、農家の農業経営の背後をなしておりますところのいろんな基盤、条件の整備を、いろんな点でかなりよく打っている。そういうものを打った上で、そういう基盤の上に立って、農家のほうは自立経営をなさいという線で打ってきておるわけでございます。技術的によくいっていることもわかっているのでございますけれども、その点が特に南イタリアにおいてビートがこれから大丈夫伸びるんだという確信を持った一番大事な点でございますが、やはりそういう点がこの際といたしましても強く望みたい線だと思うのでございます。私は法律のことはよくわかりませんので申し上げられませんけれども、あのうちにも、いま言ったようなところ、特に農政的ないろんな面の指示、そういうものが強く打ち出されることが何より望ましいのではないかというぐあいに考えておる次第でございます。  最後に、私、技術者の一人として申し上げたいのでございますけれども、ビートのような新作物と申しますか、これは単なる砂糖原料としての意味ではない。暖地の農業はかなり停滞しているわけでございますが、その暖地の停滞農業の改善の重大なてこ入れの一つの具体的道具だというぐあいに解釈いたしておるのでございます。したがいましてこういうものの導入にあたりましては、あまり短視野的な見方というものはいろいろむずかしいのでございまして、周囲からもう少し長い目で見ていただく、そういうお考え方、見ていただき方というものを特に御要望申し上げたい次第でございます。これはアメリカに例もございますし、イタリアなんかの南のああいう冬づくりのビートの開発の経過を見ましても、やはり研究がスタートいたしましてから十五年ないしそれ以上の年月でやっとあそこまでにしたという事実ははっきりいたしておると思うのでございます。そういう意味で、われわれもそうでございますが、とかくたいへんせっかちな考えになるわけでございますが、そこのところを私は特にお願い申し上げておきたいと思うのでございます。  もう一つ、暖地ビートというのは、現在の段階においては全部借りものでございます。北海道あるいはヨーロッパの借りもので、それを一通りの試験研究で暖地でもこうやっていけるじゃないかという、現在のところではまだ借りものの域を脱していないというぐあいに考えておるわけでございます。したがいまして暖地独特のビート栽培技術というものが当然生まれねばならないし、またわれわれがいろいろやっておりますことから見まして、そういうものはかなり余地が大きいという見方をいたしておるわけでございます。ちょっと恐縮でございますが、たとえば私のほうでいま北海道とかヨーロッパの品種をより分けまして、よりいいものをいまつくりつつあるのでございますが、その成績なんか見ましても、収量につきましては約三割あるいはそれ以上の増収、そういうものの系統も幾つかずつ出してきているわけでございます。これはほんの一例でございますけれども、全然手のつけていないところにそういう暖地向きのものをつくることは、私はきわめて大きな余地を持つものであろうというように思っておるわけでございます。研究者と申しますか技術者の立場から見ましても、その点を特にてこ入れをお願いいたしたいという考えでございます。  これで終わらしていただきます。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 斎藤斉君。

斎藤斉北海道副知事

○斎藤参考人 北海道の畑作振興上きわめて重要な地位を占めておりますてん菜の生産振興につきましては、かねてから多大の御配慮をいただいており、また今回わが国における甘味資源の現状と将来に対処いたしまして、てん菜生産振興臨時措置法の失効とも関連いたしまして、新たな甘味資源に関する法律案が本国会において審議されるに至りましたことは、北海道といたしましてもまことに喜びにたえないところでございまして、同時に、法律案の審議に至りますまでの関係者の方々の御努力に対しまして、心から敬意を表するものでございます。  北海道といたしましては、かねてからてん菜の生産振興をはかるべき新法律案につきましては、これに盛り込むべき内容と、その早期成立の要望を続けてまいったところでございますが、この際、私は政府案につきまして若干の意見を申し述べさせていただきたいと存じます。  まず第一に、政府案の第一条の目的におきまして、農業経営の改善と農家所得の安定及び甘味資源の国際競争力の強化がうたわれておりますが、このことは、北海道における畑作農業及び国内てん菜糖業の現状から見まして、まことに適切であると考えられるのでございますが、国内におきましては、国民所得の着実な伸長に伴いまして、砂糖の消費量が急速に高まっていく見通しにございます。そして、他面、現在の国内糖価の状況でも明らかなとおりに、国際相場の影響によって国内糖価の変動がきわめて大きいのでございます。したがいまして、国内において砂糖の自給度を高めて、そうして国内糖価の安定をはかることは、単に畑作振興のみならず、消費者保護の立場からもきわめて重要な問題であると考えられるのでございます。よって、第一条の目的の中に、国内産糖の自給度の向上をはかるということをはっきり明記する必要があると考えられるのでございます。  第二は、第三条の需要及び生産の長期見通しに関することでございますが、てん菜の生産振興を期するためには、一定の目標を定めて、これを達成するように努力する必要があると考えられますので、てん菜生産の長期見通しにつきましても、これは市純予測的な見通しとすることではなくして、国内産糖の自給度の向上を期した計画予測的なものとする必要があると考えるのでございます。  第三は、第十一条の生産振興計画の実施にかかる助成に関することでございますが、政府案の国会提出の過程におきまして、積極的な予算の計上につき配慮されることとなったように聞き及んでおるのでございますが、第三条の生産の長期見通し達成のために必要な国の助成規模を定めるよう措置していただきたい。そして、特にてん菜を基幹作物とする農業経営の合理化をはかるための予算をその中に大幅に計上すべきである、こういうふうに考えるわけでございます。  第四は、第二十条の国内産糖の政府買い入れをする場合に関することでございますが、第一条の目的を達成するためには、国内糖価が第二十三条の政府買い入れ価格より低落した場合には、てん菜糖製造業者からの売り渡しの申し出によって、てん菜糖を買い入れるように措置をする必要があると考えます。  第五番目には、第二十二条の最低生産者価格の問題でございますが、第三条の生産の長期見通しの達成のためには、生産費を償い、再生産を確保し、かつ農家所得の安定をはかり得るような価格水準を支持し得る措置を講じてほしい、こういうことでございます。  以上、政府案につきまして若干の意見を申し上げたのでございますが、この甘味資源に関する法律といたしましては、日本社会党からも新しい法律案が本国会に提案されまして、政府案と並行審議が行なわれておるのでございます。この案につきましては、砂糖の政府輸入、砂糖の標準販売価格の設定、てん菜の集荷販売方式など、非常に注目すべき内容が盛られているのでございます。これらの点につきましては、国としてより高い立場から論議さるべきものと考えられますので、私といたしましては、この際特に意見を申し述べることを差し控えさせていただきたいと存じます。  最後に、甘味資源に関する新法律が本国会において十分に審議され、すみやかに成立の運びとなりますよう期待をいたしまして、私の意見の開陳を終わります。(拍手)

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 次は長野善三君。

長野善三日本ビート糖業協会会長

○長野参考人 私は日本ビート糖業協会の会長といたしまして、北海道、青森及び岩手県等の寒地てん菜製糖企業者の立場から、政府及び社会党から提案されております国内甘味資源振興の関連法案について意見を申し述べますので、参考にしていただきたいのでございます。  まず、法案に触れます前に、総括的な意見を述べさせていただきたいと思います。  本邦の農業経営の改善と砂糖類の需給事情から見まして、現在及び将来とも、てん菜を農業基本法の選択的拡大農産物として増産を推進し、国内における砂糖の自給度を積極的に向上せしめなければならないと思うのでございますが、政府提出法案を拝見いたしますと、これに対しますところの前向きの方針とかあるいは施策が、どうも十分織り込まれていないように思われるのでございます。もう少しこの点をしっかり筋を通しまして、育成途上にあるてん菜農業、てん菜糖業が確立いたしますように、もう少し愛情を持ったお取りきめを願いたいと存ずるのであります。  これに関連いたしまして、最近問題になっておりますところの砂糖の相場を下げるために関税を下げたらよかろうというようなことが、すでに関税率審議会でも取り上げられ、あるいは政調会等でも取り上げられようとしておるように拝聴いたしておりますが、これらもまだてん菜糖業そのものが育成途上にあるのだということを十分にお考え願えれば、おのずからまた変わった方向が出てくるのじゃないかと思います。率直に申し上げますと、関税の引き下げによって糖価を引き下げるということでなしに、幸いに日本は関税と消費税とが二本立てになっておりますので、国産糖保護のためには、まず消費税を――キロ二十一円ございますので、この範囲内で十分目的が達せられると思いますので、関税ということでなしに、消費税の調整によって当面の糖価高を是正していくほうがいいのじゃないか。これは国産糖に対する弊害もございませんし、また私どものほうがとやかく申すこともどうかと思いますが、財政的見地から申しましても、国税でも消費税でも、どちらでも影響するところは同じわけでございますので、産業保護、また助成という面からいきましたならば、まず消費税をぜひ下げて、なお将来世界的に糖価が高い、そのために国内の消費相場が高いときには関税も考慮していただくということでぜひお願いしたいとこの機会を利用させていただきまして申し上げさせていただきます。  それから寒地てん菜糖の三十九年度以降における生産振興計画の樹立達成につきまして、三月二十二日の政府と自民党の間においてお取りきめがありましたところの事項でございますが、政府は責任を持って甘味資源作物の生産奨励、助成対策に必要な経費の計上について極力努力するという覚え書きがございますので、これはぜひ十分に生かしていただきまして、政府及び国会におかれましても、三十九年度以降毎年重厚な予算措置を講じて、ビート増産をはかっていただきたいのでございます。  なお企業者といたしましても、寒地てん菜製糖業者の私どもとしましては、今後の国内糖価の推移いかんによって、もし大幅な増収益が生ずるというような場合は、各社はそれぞれ自主的に各地帯の実情に応じたてん菜増産奨励施設に対する支出に対しまして、従来以上に積極的な協力をいたす所存でありますので、この点も御了承おき願いたいのでございます。  次に法案についての改正希望事項を申し上げます。これは政府法案について申し上げますので、御了承願いたいと思います。  てん菜糖を政府が買い入れをする場合のことでございますが、第二十条の規定は、「政府は、砂糖の価格が著しく低落した場合において、必要があるときは、」てん菜糖の買い入れをすることができるというように、政府の自由裁量の範囲があまりに広過ぎるばかりでなく、砂糖の価格が著しく低落したかどうか、その認定基準が不明確でございます。したがって私ども業者といたしましては、政府が買い入れを発動する場合の基準がぼかされていることはまことに不安定でありますので、第二十条の規定を、政府は地域内国内産糖製造事業者から、その製造する国内産糖について、第二十一二条の規定により農林大臣の定める政府買い入れ価格による政府買い入れの申し込みがある場合は、政府はその申し込みに応ずるというように、政府が買い入れをする場合を制度的に明確に規定していただきたいのでございます。  次に、てん菜糖の政府買い入れ価格算定のことについてでございますが、第二十三条第一項の規定によりますと、てん菜糖の政府買い入れ価格は、農林大臣が告示する最低生産者価格に標準的な加工販売経費等を加えた額を基準として定める、こういうことになっておりまして、この中の告示する最低生産者価格は、ほかの条文によりましてパリティ計算によることになっております。ところが昨年来政府の指示によりまして、このほかに企業者は、工場側は均一的な奨励費を上積み額として農家に支払っておるのでございます。この上積みする額を幾らにするか、生産者側との話し合いで取りきめることはなかなか容易じゃございません。したがって告示価格は最低価格という取り扱いではなく、適正な取引基準価格であるという方針をきめていただきまして、てん菜製糖業者の支払う原料代は、その全額を政府買い入れ価格の原価に算入していただくのが当然かと思うのでございます。なお第二十三条の規定は、農林大臣が第十八条の規定に基づき、地域内国内産糖製造事業者に対し、生産者からの買い入れ価格を指示した場合は、その価格の全額を政府は必ず第二十三条の政府買い入れ価格に算入するというように修正していただきまして、適正な生産者販売価格が円滑に維持されるように考慮していただきたいのでございます。  次に、てん菜糖の政府売り渡しのことについてでありますが、最近ビート糖は製糖業者各自のブランドによりまして、自由販売により、需要面は安定拡大の方向にあるのでありますが、自由化への移行で、国際糖価の変動に応じ、あるときは全面的な政府買い入れの事態であったり、あるときは自由販売でも採算が可能な事態も起こったりすることが予測されますが、この不安定な事態はてん菜糖の国内流通体系を混乱させまして、需要の減退を来たすばかりでなく、従来のてん菜糖取引業者の営業分野が縮小されるなど、いろいろな問題を引き起こすことが必至と思われるのでございます。したがって、てん菜糖の政府売り渡しについては、ブドウ糖と同様に、政府はてん菜製糖業者との随意契約によって払い下げができるような法案修正をお願いしたいのでございます。この点は、先ほど開会前に流通部門からの陳情があったとおりでございまして、しごくもっともなことでございますので、ぜひそのように取り計らい願いたいと思います。  なお、本法案成立後の運用につきましては、いささか希望意見を述べさせていただきたいのでございます。  本法の運用に関する希望事項としましては、まずてん菜の生産者価格のことでございますが、政府法案によりますと、てん菜の生産者販売価格と政府が支持する最低生産者価格、いわゆる告示価格とは区別されておるのでございますが、前に述べましたように、告示価格と取引基準価格とは一致させることがむしろ妥当でないかと思うのでございますので、政府におかれましても、農業基本法の趣旨にのっとって、常にてん菜の再生産を可能ならしめるに足る適正なてん菜の生産者価格を保障する方針で本法の運用をはかっていただきたいのでございます。  次に、てん菜の生産振興計画の樹立についてでございますが、第三条の規定に基づく砂糖類及びてん菜の需要及び生産の長期見通しの策定にあたりましては、単純予測的な見通しではなく、砂糖の自給度の向上を織り込んだ計画性のある具体的なものを樹立していただきたいのでございます。次に、第四条の規定に基づく生産振興地域の指定にあたりましては、北海道全域及び青森、岩手県の主要地域を指定するよう措置していただきたいのでございます。なお、寒地てん菜の生産振興計画の実施、達成については、総括的意見として最初に申し述べましたように、国の積極的財政投融資をはかっていただきたいのでございます。  以上希望意見を申し上げたわけでございまして、主として政府案に対する修正を申し述べたわけでありますが、社会党案につきましても、私がいまいろいろ申し上げました希望事項を満たしているような点もございますので、両方のいいところをとられまして、一日も早くてん菜糖業の育成が安定の線に沿ってできますように、この法案を一日も早くお通し願うようにお願いする次第でございます。ありがとうございました。(拍手)

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 次に長島正久君。

長島正久日本甘蔗糖工業会会長

○長島参考人 私は日本甘蔗糖工業会会長の長島でございます。本日、国内甘味資源振興に関連いたしました法案につきまして意見を申し述べる機会を与えられましたことをまことにありがたく存ずる次第でございます。  私ども甘蔗糖企業者の立場から二、三意見を申し述べさせていただきますが、これが御参考にしていただければ幸甚に存ずる次第でございます。  甘蔗糖業振興のための一般的な意見といたしまして、このたび本法案が提出されましたことはわが国の農業経営の改善と農家所得の安定及び国内甘味資源の国際競争力強化のためまことに時宜を得たものであると思いまして、生産者並びに企業者ともども喜びにたえないところでございます。申し上げるまでもなく、熊毛、大島両群島の甘蔗糖業は、その生産量並びに生産コストの面におきましても著しく立ちおくれておるのであります。甘蔗作のほかには換金安定作物がない低開発地域の実情からいたしまして、国家による手厚い保護育成が必要と存ずる次第であります。また、先ほど参考人からお話があったのでございますが、最近の国内糖価は、国際砂糖相場の高騰により高水準にありますが、政府におかれましては、物価安定策の一環としての糖価引き下げ策としまして、砂糖の関税引き下げを企図しておられる模様でございますが、関税の引き下げは国内甘味資源振興の上から見まして、甘味資源が国際競争力に打ち勝てるところまで成長していない現在でございますので、これは障害となるものと思われます。これに対しては消費税の減免措置によられたく、御考慮いただくようお願いを申し上げます。  政府法案に関する希望事項といたしまして、ただいま前参考人から申し上げたことと重複するような点もございますが、甘蔗糖の政府の買い入れにつきまして、法案第二十条に、「政府は、砂糖の価格が著しく低落した場合において、必要があるときは、……国内産糖の買入れをすることができる。」と規定してありますが、政府忍足の範囲が広く、また糖価低落の基準も明確でありませんので、私どもも企業者の立場といたしまして不安を感じますので、政府買い入れの場合の基準をより明確にしていただきたいと存じます。  甘蔗生産者価格につきまして、政府告示価格が即取引価格であるよう御配慮をお願いしたいと存じます。  甘蔗糖の政府買い入れ価格算定についてでございますが、これも先ほど前参考人からお話がありましたように、法案第二十三条第一項の規定によりますと、政府買い入れ価格は最低生産者価格に標準的な費用を加えた額を基準とするとなっておりますが、原料価格の実態が最低生産者価格を上回るものである場合は、原料代金の全額を政府買い入れ価格の原価に算入すべきが妥当かと存じますので、この点再度御検討をいただければ幸甚に存じます。  甘蔗糖の政府売り渡しにつきましては、甘蔗糖におきましては流通体系の確立の意味から、随意契約により払い下げができますよう御配慮を希望いたします。  甘蔗の生産振興計画につきまして、最後にお願い申し上げたいことは、法案第三条の規定に基づく甘味資源作物の需要及び生産の長期見通しの策定には、積極的に自給度の向上を目ざしたものにしていただきたい、かように存する次第でございます。  以上はなはだかってなことを申し上げましたが、国内甘蔗糖業振興のため申し述べた点につきまして重ねて、御検討をお願い申し上げる次第でございます。  終わりに、私どもの企業は、わが国の最南端の品々が主なところでございまして、経済事情が内地と非常にかけ離れておりますので、法の執行にあたりましては諸先生の格段の御支援をいただかなければ立ち行かないと存じますので、よろしくお願いいたします。(拍手)

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 鈴木昇君。

鈴木昇新日本ビートシュガー協会理事

○鈴木(昇)参考人 私は、浅い経験ではありますが、ここ数年来、暖地におきまするビート糖業に従事いたしてまいりました者の立場から愚見を申し述べさしていただきたいと存じます。  御承知のように、暖地におきまするところのビート糖業は、去る昭和三十四年政府の策定されました甘味資源自給力強化総合対策の線に沿って発足いたしたものでありまして、新日本ビートシュガー協会の会員の各社がそれぞれの県に進出の意を決しましたのも、実はこの政府の施策に協力しようとしたからにほかなりません。自来数年、各社は県と協力して懸命の努力を重ねてまいったのであります。この間のいきさつを振り返ってみますと、過去においていろいろの新規作物が味わったのと同じように、ビートも導入段階での多くの悩みに遭遇したのであります。そして、それらの問題のほとんどは一私企業や一府県のみにて解決さるべき性格や大きさのものではないのであります。国家的立場から解決されなければならないものであったと考えられるのであります。  この間におきまして、私どもは、暖地ビートが法律の上からも野放しとなっているのに対し、すみやかに立法措置を応じていただくよう繰り返し要望してまいったのでありますが、いまようやくその希望がかなえられまして、新たにこの甘味資源特別措置法が制定されるにつきましては、多大の関心を持つと同時に、感謝の念をもって期待いたしておるものであります。特に本法案の附則におきまして、府県ビート糖業の実態に即し、政府の買い入れ措置に関連して特段の配慮をわずらわしておることに対しましては、この際深甚の謝意を表したいと思います。  この法律の制定によってわれわれも勇気百倍、こん身の努力を続ける覚悟でありますし、また農家の方々もおそらく安心してビートの生産に励んでくれることを信じておりますが、要は、政府が従前にも増して法律の運営について格段の積極性をもって指導、奨励に当たり、実際の効果をあげてくださるかどうかによって暖地ビートの運命は決定づけられるものと思います。したがってこの際、具体的な施策取り扱いについて時期を失せず処置していただきたいと存ずるのであります。たとえば地域指定にあたりましても、あまり極端に限定することなく、府県の実情をよく勘案してきめていただきたい。また各県の行なう試験研究に対しましては、政府の指導援助を強化していただきたいと存じます。  次に、この機会に私は希望意見を申し上げたいと存じます。  それは関税、消費税の問題についてでございます。最近の国内糖価は、海外の砂糖相場の異常な暴騰に影響され、高価を示しておりますが、これがため政府は、砂糖関税の引き下げを行なって消費者価格を安くするという方針で検討を進めておられるようにうかがっております。このたびの海外砂糖の相場は四十年来の高騰でありまして、わずか半年余りの間にニューヨーク相場一ポンド当たり三セント四十五であったものが五月二十四日には十二セント六十と約四倍に高騰しております。六月七日現在では九セント六十五に下落いたしている実情でございます。砂糖の海外相場の高騰の期間は、過去の歴史が示しておりますようにわずかの期間でありまして、この短期間の現象をもって直ちに関税を引き下げることは、私ども国内糖生産に従事いたしております者にとってまことに不安を感ずる次第でございます。この際消費者価格の引き下げをぜひ実行されるお考えであるならば、消費税を廃止していただきたく御要望申し上げる次第でございます。なお外糖相場の見通しはなかなかむずかしい問題と思いますが、アメリカにおいても近い将来に大体七セント程度に落ちつくものと見ておりまして、私どもも同感でございます。その場合の精糖採算としてはキログラム当たり約百五十六円くらいと思います。したがって消費税二十一円を廃止していただけますれば、国内糖は百三十五円程度で売れるというような見込みでございます。  以上、簡単ではありますが、暖地ビート問題その他に対してお願いを申し上げた次第でございますが、事情御賢察の上、何ぶんよろしくお願いを申し上げます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 次に首藤哲君。

首藤哲日本ぶどう糖工業会専務理事

○首藤参考人 首藤哲でございます。本日、この委員会におきまして、ブドウ糖工業の基本的な問題につきまして意見を申し上げる機会を得ましたことはまことにありがたく、厚く御礼申し上げます。  ブドウ糖工業が甘味資源特別措置法案並びに社会党の甘味資源の生産の振興及び砂糖類の管理に関する法律案にお取り上げいただきましてこれを御審議いただきますことに、業界一同まことに感謝申し上げております。両法案ともに御親切ないろいろの御考慮をいただいておりまして、ただ感激しておりますが、ここにブドウ糖工業の現状と将来につきまして所懐の一端を申し述べ御批判を賜わりますとともに、御賢察によりまして本工業が適正に伸展いたしますように御配慮を賜わりたいと切にお願いをいたすのでございます。  ブドウ糖の特性、また畑作農業におけるイモ作の必要性、国内甘味資源の確保増強による外貨の節約など、これらの見地からいたしまして、ブドウ糖工業は将来はわが国の甘味資源工業の本命とも言うべき要素となる使命をになっておると存じまして、言うなれば必須の産業であるとわれわれは信じまして、本工業の使命達成のために業界一同努力をいたしております。ブドウ糖が薬品でなくて、食品として量産をされ始めましたのが昭和三十四年でありまして、まだわずかに四年をけみしておりまして日も浅く、また従来の砂糖になれました舌に対しましては甘味が低いのでありまして、種々業界といたしましては努力をいたしておりますし、またいろいろ御配慮いただいて消費の促進をはかっておりますが、消費が必ずしもこれに伴ってまいりません。設備能力に比しましてはるかに少ない操業という状態で、採算上からも不利でありまして、一定量の製造販売を行なわないと市場性もないのでありますが、反面製造すれば市価が下がるという苦境にありまして、製造いたしまして非常に苦境にあったのでございます。幸いにして政府におかれましては、消費促進の方策といたしまして、ブドウ糖育成のための粗糖外貨割り当て制度を実施せられましたので、これにささえられまして、政府の甘味資源自給増強計画の目標に即応した製造ができてまいりましたような次第でございます。その結果滞貨でん粉を一掃して、ようやくブドウ糖の使命の一部を達成することができまして、本工業の将来性についての曙光を見出すことができましたのは、ひとえに本委員会並びに政府の多大なる御配慮のたまものでありまして、業界一同深謝申し上げております。  私ども業界といたしましては、この経験と実績にかんがみまして、さらに進んで、生産性はありますが、流通性の少なかったイモ作農業のより安定した振興と国内甘味資源の増強とに努力を傾注いたしていきたいと存じております。  ブドウ糖の効用、特性について多くを述べますことは遠慮いたしますが、国民保健上からも、物理化学的な特性からも、またなれれば親しまれる持ち味からももっともっとPRをいたし、かつ新規用途の開拓をいたしていけば、ブドウ糖の消費はさらに拡大されて、でん粉ひいてはイモの需要に健全なる増進を与え、畑作農業のため、外貨節約のため前進的な貢献ができるものと信じます。製造設備につきましては、ただいまでは年間約三十万トンの製品をつくる能力を持っておりますので、当業界では過当競争を防止するため、新増設を自粛いたしておりますが、これは国の法的規制によらなければ、真の効果は望まれないと思います。  次に原料でん粉に関しまして申し上げますと、ブドウ糖工業は原価の大部分をでん粉代金で占めておる工業であり、特に国内でん粉の適切なる消費を使命として発達いたしました企業でありますので、国内でん粉の需給安定が主要な課題であると存じます。昭和三十七年産のでん粉の需給は、北海道のバレイショの不作と、でん粉を原料といたします工業の消費増とによりまして、政府手持ちでん粉の全量を払い下げしていただいても、なお約五万トンの不足を見込まれる次第でありまして、数年前のでん粉過剰に比し隔世の感があります。わが国のカンショ作は、御承知のとおり反当収入、反当カロリー収量の面で有利であるばかりでなく、地形、風土、災害年あるいは省力農業等あらゆる点において欠くことのできない作物でありますが、生産性に比して消費性の非常に少なかった作物であるだけに、これが改善についてはいま一歩足りないものがあったのであります。このようなことも、今後はブドウ糖工業の安定をはかることとイモ作農業の安定をはかることが、不可分の表裏一体の関係にあるかと存じます。われわれ業界といたしましては、この重要性を痛感いたしまして、高でん粉多収穫品種の昇期出現とその普及を期し、御当局及び生産者の方々に要請をいたしてまいりましたし、また今後もお願いしたいと存じますが、なおわれわれといたしましても、普及事業の一端にも関連いたしまして、お願いをいたしておるような次第でございます。  このような事情でありますので、今回の法案には、政府原案におきます法第二十六条中に、でん粉の市価を勘案してブドウ糖の買い入れ価格をきめるなど、でん粉事情に有機的な関連のある施策を織り込んでいただきたいとともに、まだ生まれて間もない企業でありますので、当分の間は従来と同様ないろいろな育成策を続けていただきたいのでございます。  要約いたしますと、われわれブドウ糖業界といたしましては、砂糖にまさる栄養甘味として規格ブドウ糖の品質を確保し、その消費拡大によって、畑作農業の振興と外貨の節約及び国民保健に貢献いたしたく存じておりますので、次の点につき重ねて諸先生方の御配慮をお願いいたします次第でございます。  一、過剰ともいうべき現有設備能力の稼働率の増進をはかり、かつ過当競争を防止し、本工業の自立促進のため、本工業の新増設について許可制とせられたいこと。  二番目といたしまして、でん粉需給の安定をはかるとともに、政府原案第二十六条中に、でん粉の市価を勘案することを追加するなど、でん粉事情に応じた法の運用ができますように規定せられたいこと。  三といたしまして、ブドウ糖の消費の安定及び新規用途の拡大のため、適切な措置が行なえるよう規定せられたいこと。  以上、何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 次に藤山勝彦君。

藤山勝彦日本精糖工業会会長

○藤山参考人 私は、本委員会で御審議中の砂糖関係法案に関連いたしまして、日本精糖工業会会長の立場から、主として精製糖業の面からする御意見を申し述べまして、御参考に供したいと思います。  まず私は、糖業対策の基盤であり、また背景となっているところの糖業の実態を申し上げたいと存じます。  御案内のごとく、わが国の砂糖の消費はブドウ糖を砂糖に換算したものを含めて、年間百六十数万トンにまで増加してまいっております。これに対して、国内産砂糖類の供給は、その全需要量の二割から二割五分程度でありますので、残りの八割から七割五分くらいのものは、海外から原料を入れて精製した砂糖でまかなっているわけでありまして、砂糖につきましては、わが国は輸入依存度はきわめて高いというのが現状であります。  したがいまして、砂糖の需要に対する供給の計画を立てますには、まず国内の生産の見込みを立てまして、それを差し引いた量に見合う原料砂糖を輸入するという計画を立てるわけでありますが、その際、世界の砂糖の需給及び価格関係、言いかえますれば、世界の砂糖相場の動きが問題となるのでございます。  もちろん、国内の消費に必要な量を十分に満たすための数量は必ず輸入するのでございますが、その輸入価格は国際相場に従わなければならぬ現状でございます。よって、国内市場の価格も必然的に世界の砂糖相場によって動かされるような実情でございます。これに対して、国産の砂糖類を生産費の割り安な海外の砂糖との競争からある程度守るために、相当高い関税率が設けられているわけでありますが、しかしそれでも大勢的には、国内の市価は国際相場に追随せざるを得ぬ状態でございます。また国際相場にスライドすべきものと考える次第でございます。そのために、市価が低落して、国内産糖の生産者がやっていけないような事態が生ずることも当然考えられることでありますので、このような事態に対処するために、国産の砂糖類に対して、政府が適正なる価格による買い入れ等の保護措置をとられるよう制度として法律で定められますことはぜひ必要であると考えられます。  ここで砂糖の価格問題について触れてみたいと思いますが、いま申し上げたような事情からしまして、国内糖価は輸入糖を原料とする精製糖の価格によってきまり、その精製糖の価格は原料の輸入価格すなわち砂糖の国際相場によって支配せられるのであります。最近の世界の砂糖相場は異常な高値を現出しておりまして、そのために国内の砂糖価格も相当に高くなっておりますことは、御承知のことと思います。われわれはこの国内及び海外の糖価高には最も苦慮しているのでございまして、この国内糖価は国内市場での供給が少ないため値上がりしたのであればわれわれの努力でもっと輸入をふやせばよいのでありますが、そうでなく、原料糖が世界のどこでも高くなったためにその高い原料でつくる砂糖の原価が高くなったことが原因でありますだけに、これをわれわれの企業努力によって解決することははなはだ困難でございます。したがいまして、やはりこの際は砂糖に直接かかります税金すなわち消費税、またやむなければ関税についてその減税をお願いするほかないのでありまして、このことはかねてから関係の筋には御陳情申し上げている次第でございますが、この機会にあらためて減税の措置のなるべく早急な実施をお願い申し上げたい次第でございます。  次に今後の糖業対策につきまして希望意見を申し述べさせていただきたいと存じます。  わが国はいわゆる八条国への移行がきまりまして、これに伴い為替制限が原則として廃止せられることになると思うのであります。これにより世界の貿易自由化の大勢に沿った経済政策が着々進められようとしておりますが、わが国の砂糖につきましてもやはりそうした方向での施策がとられることと思います。そこで私の希望を申し上げたいのは、その際業界の実情を無視するような性急な手段をとられますと、不必要な混乱を招き、われわれ精製糖業者のみならず国内産糖業にも非常な打撃を与えることになりますので、なるべく業界の自主性を尊重し、その企業努力を生かすことを根本方針とされまして、統制的なことは避けていただきたいと思うのであります。  これをいま少し具体的に申しますと、砂糖の供給は国内で生産されるものにつきましては、その生産の振興については農業基本法の精神にのっとり、国の適切な援助により農家も企業者も将来の国際競争にたえ得るような基盤をつちかうことにつとめ、また輸入糖の精製事業にしましても、こうした国内糖業と調和をはかりつつ企業者の自主的な努力によってより一そう能率的経営が行なわれるようその体制の整備または体質の改善を行なうこととし、これを側面的に政府が助けていくという行き方が望ましいのであります。このことによってほんとうに足が地についた経営の合理化が進められるものと考えますが、そのためには期間的に十分な余裕を見ていただくことが必要であろうと考えます。急がずに、しかし着実に前進することが最も大切なことかと思うのであります。要するに、糖業対策は単に当面の現象の処理だけでなく、今後の糖業の進むべき方向をしっかり見定め、基本的なものを確立する必要があると思うのでありますが、それには国内及び世界の糖業の実情を十分に認識し、その実態に即した堅実な施策の進め方をするということをぜひともお考え願いたいのであります。  以上をもって私の陳述を終わりますが、何とぞ意のあるところをおくみ取りくださいまして、よろしくお願い申し上げる次第でございます。(拍手)

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 次に鈴木善一君。

鈴木善一北海道農業協同組合中央会参事

○鈴木(善)参考人 私、北海道のてん菜原料生産者を代表しまして参考人として指名された北海道農協中央会の鈴木でございます。非常に生産者の意見が多いので与えられた時間を多少超過するような場合があろうと思いますが、その点を前もって御了承願いたいと思います。  本日、本農林水産委員会におきまして、政府がこのたび国会に提案された甘味資源特別措置法案に対し、北海道生産者を代表しまして意見を申し述べる機会を得ましたことを深くお礼を申し上げる次第であります。  さて、北海道寒地畑作経営改善のための重要作物として古くからてん菜生産の振興に努力してまいりました本道生産者は、本法案に対しひとしく重大な関心を寄せているものでありまして、すでに一昨年来新立法に具備すべき基本事項といたしまして、第一点はてん菜生産及び糖業振興計画の確立、第二点はてん菜生産振興対策の確立、第三点はてん菜糖業安定対策の確立、以上の三点につきまして政府に対し強く要請をしてまいってきたのであります。しかしながらこのたびの政府案を検討するとき、法案の内容は糖業の合理化に最重点が置かれ、しかも甘味資源の振興と安定という課題に対しては政府の責任と積極的な施策について何らの基本的な裏づけが見られず、すべて生産者の責任と努力に帰せられていることは北海道の生産者にとって所期の期待を大幅に裏切られたものといわざるを得ません。現在わが国の輸入糖依存率が約八〇%近くに及んでいるとはいえ、二〇%の国内産糖をささえる甘味資源作物は北海道におけるてん菜のようにこの地域の農業経営にとって欠くべからざる作物である以上、国の糖業政策はまずこれら甘味作物の生産振興とこれを基盤とする国内糖業の健全な発展をはかることに最重点を置くべきものと考える次第であります。  かかる見地から本法案は次に述べる事項につき根本的な検討と適正な運用が行なわれるようお願い申し上げる次第であります。   〔委員長退席、 秋山委員長代理着   席〕  まず第一に、本法案における基本的な検討事項として次の三つの点について申し上げます。  その第一点は、国内甘味自給度の向上と甘味資源作物生産振興計画の問題であります。現在国内資源の最も重要にしてかつ基本的な課題は、国内甘味自給度をいかなる水準に置くか、このために国内甘味資源作物の振興をいかなる目標に指向するか、次はこの目標を達成するための振興計画と諸施策をいかに樹立推進するか、さらにこの水準、目標、計画、施策を原料生産、加工、消費の関連において一貫した体系としていかに確立するかという点であります。この点について何ら基本的な筋が通されてない。単に法案第三条において砂糖類の需要及び生産の単純予測的見通しを公表するにとどまっていることは本法案が単なる糖業の合理化法案に堕していることを端的に物語っていると言えましょう。したがって国民経済と農業経営にきわめて重要な意義を持つ砂糖類の需要と生産の長期見通しはあくまで原料生産、加工、消費の過程を体系づけた国の責任ある甘味自給計画を基礎となすべきであることを要望する次第であります。  その第二点は、甘味作物生産農家所得向上と原料価格の問題であります。本法案は第一条(目的)において、適地における甘味作物生産振興と糖業の健全な発展のため必要な措置を講じ、農業経営の改善と農家所得の安定をはかることをうたいながら、その前提となる甘味資源自給計画については政府の積極的な責任体制が示されていないことは、すでに前項で述べたところであります。生産者が最も関心を有する農家所得の安定についても同様であります。すなわち法案は農家所得の安定を掲げながら、あえて農家所得の向上を期していないことは、法案第四章における最低生産者価格に関する条文に照らして明らかであります。政府は生産性の向上によってその所得の向上を期することができると答えるでありましょう。しかしながら作物の生産性向上による振興のためには、まずその前提として、生産費を償い、再生産を保障し、あわせて経済成長に即応して農家所得の向上を期することのできる適正な価格水準が長期にわたって支持されることが必要であることは言うまでもありません。しかるに本法案においては、第四章第二十一条、第二十二条、第二十三条において政府の国産糖買い入れ価格の基準として、パリティ計算による最低生産者価格の告示を行ない、これをもって生産者と糖業者との原料取引価格、すなわち生産者販売価格の最低基準を示すこととなっていますが、この措置は過去数カ年にわたり本道生産者が直面してきた経験に照らし、容易に納得しがたい点であります。すなわち、パリティ計算による価格算定は、基準年次における価格の内容と、当該年度における予想反収のとり方がきわめて重要な要素となるものでありまして、政府は昭和二十九年度てん菜年産振興臨時措置法に基づき、てん菜原料価格をトン当たり五千二百五十円と決定して以来、その後今日まで物価の上昇、パリティ指数の上昇にかかわらず、毎年度諸勘案要素を織り込んで、昭和三十六年度まで五千二百五十円に据え置き、昭和三十七年度にようやく五千四百円に修正したにすぎません。これは常に不当に据え置かれた毎年度の価格を基準にして当該年度の価格を算定した結果でありまして、問題はパリティ計算そのものにあるのではなく、その運用方法そのものが生産者の立場を無視して行なわれているからであります。しかも政府は価格算定において常に生産性の向上を予測して、しかもこれを生産者の努力による受益とせず、逆に価格抑制の要素としてきたことは生産者の大いなる不満とするところであります。たとえば昭和三十六年度、政府算定反対は二・七トンでありますが、実績は二・四二トンであります。昭和三十七年度は、政府算定二・七三トンに対し、実績は二・四三トンにすぎません。すなわち政府はパリティ算定をすら不当に運用してきたといわざるを得ません。また、政府は、政府告示価格とは別に、さきに述べた生産者販売価格については、生産者と糖業者との間にとりきめられるものとしています。もちろん自由取引農産物の価格は、売り人と買い人との間に自主的にきめられるべきでありましょう。しかし、この場合はあくまでも集荷販売権が売り人たる生産者の側に確立されていて初めて自主的な決定が可能となるものであります。しかるに従来の方式は行政措置による集荷販売方式が決定されており、行政的な規制の上に立った話し合いであるため、結果的には政府の告示する最低生産価格がそのまま販売価格とならざるを得なかったものであります。したがって、今後の砂糖類の貿易自由化に対処すべき甘味資源の生産振興をはかる最も重要な前提として、生産者価格については政府は順に最低の保障を示すにとどまることなく、生産費及び所得補償の見地に立った適正価格を設定して適正な保障を行なうとともに、さらに当該年度における生産性の向上、糖価事情等化基づき合理的な販売価格支払い方軒を確立、支持するよう強く要望する次第であります。  その第三点は、国内産糖業安定対策の問題でありますが、原料生産と国内産糖業とはまさに車の両輪であり、もしてん菜糖業の安定措置として低い原料価格が設定され、生産者にしわ寄せされるときは、当然てん菜生産は停帯衰微し、その結果、てん菜糖業が大きく後退することは言うまでもありません。またこの逆も当然なことであります。北海道におけるてん菜生産及び糖業の振興安定は、本道農業振興上きわめて有意義な課題であり、てん菜糖工場を中心とするその地域の農業、産業経済、さらには社会環境に及ぼす影響もきわめて大なるものがあります。したがって本道生産者は、政府の糖業安定対策が適正な生産者価格の実現のみならず、北海道開発につながる措置として重大な関心を有するものであります。かかる意味において、本法案第三章及び第四章が糖業の単なる合理化と最低保障にとどまり、ひいては生産振興の基盤をきわめて不安定なものとしていることに対し、まことに遺憾と存ずるものであります。よって政府は、てん菜生産とてん菜糖業の合理的発展により、国内甘味自給度が一定の水準に到達安定し、国際競争力にたえ得る体制が確立するに至るまで、適正な生産者価格と合理的な販売価格設定方式を基礎とした国産糖業の安定保障措置につき、すでに諸外国において事例を見ている諸制度を十分に勘案し、適切な方式の採用を要望するものであります。  さて本法案に対し、基本的要望事項として、以上三点につき申し述べたのでありますが、最近の国際糖価事情は著しい変動にさらされ、これを反映して国内糖価の暴騰をもたらしており、いまや甘味資源は国際的にも不足現象を示し、しかも長期的なものと伝えられ、国民消費者に大きな不安を与えております。したがって外糖に大きく依存せざるを得ないわが国においては、逆に国産糖が国内の甘味需給調整に大きな役割りを果たしてきていると言えましょう。よって政府は、生産者及び糖業者に対するのみならず、国民経済的にも国内甘味自給度の向上を前提とした生産振興と糖業安定のための抜本的な措置を講ずべき段階であり、ここにこそ国の責任を果たすべきものと考える次第であります。  したがって政府は、以上申し述べた三つの基本点を十分に検討配慮の上、本法案第一条(目的)、第三条(需要及び生産の長期見通し)、第四章国産糖買い入れ、及び関連する附則条項につき適切な修正を行ない、本法案が真の振興措置法としての性格を確立し、制定運用されるよう強く要望する次第であります。  次に本法案の運用に関する若干の問題について申し述べます。  第一点は、法案第二章第四条(生産振興地域の指定)についてであります。本道生産者は、かねてより新立法においては、北海道をてん菜振興特別地域として指定し、国の重厚な施策を講ずる措置を強く要望してきたところであります。したがって生産振興地域の指定にあたっては、北海道全域を対象とするよう要望いたします。  第二点は、法案第二章第九条(生産振興計画の樹立)に含まれる集荷及び販売に関する事項についてでありますが、原料てん菜の集荷及び販売のあり方は、てん菜生産及び糖業の今後の振興安定にとって重要な役割りを果たすものであります。従来の原料集荷販売方式は、行政措置により製糖工場ごとに集荷区域を定め、糖業者の集荷を規制し、生産者の販売行為には何らの規制はないが、生産者が区域外工場に出荷しようとしても、糖業者はその規制によって区域外の生産者の原料を引き取ることのできない方式となっておるのであります。しかし原料の販売行為そのものは商行為による取引となっているので、生産者は所属する農業協同組合を通じ、その区域内における糖業者と毎年度原料てん菜耕作並びに売買契約を締結し、集荷売買行為を裏づけてきたのが実態であり、その契約はあくまで行政措置の規制のワク内の行為であります。その結果毎年度の価格及び耕作条件の協定においては、すでに基本的検討事項において申し上げたとおり、生産者に自主性のない形の協定となり、生産者は常に最低の条件、最低生産者価格、すなわち販売価格として原料を供給せざるを得なかったことは当然の結果でありまして、昭和三十六年度、三十七年度の例を見てもわかるとおり、多少の奨励金のプラスといえども長期間の交渉を必要とし、しかも政府の指示なしには実現し得なかったのであります。この結果、生産者の集荷販売権の確立に関する要望も急速に高まり、本年度新立法運用においてこれを実現するよう決議するに至っております。特に、本年度の集荷区域は、行政的に全く空白を生ずるに至ったため、生産者は無契約のまま生産に入っており、その集荷販売権を所属農協に委任、集約しつつある現況にあります。したがって、新立法の運用にあたっては、かかる実態を十分に認識され、原料の集荷販売方式については、従来のような原料販売価格を生産者、糖業者の自由取引方式にゆだね、しかも原料の集荷販売方式は行政機関の権限行使による決定、規制を行なうやり方をやめて、まず集荷販売の主体を生産者に置き、後述する生産振興審議機関の審議、勧告、指導等を通じ、生産者、糖業者の合意による協定契約により円滑に運営されるよう要望いたす次第であります。第三点は、本法案第二章第十一条(生産振興計画の実施に係る助成)について。甘味作物生産振興、特にてん菜の生産性向上のためには政府の重厚な助成措置が長期かつ計画的に実現されることが強く期待されるものであります。そのためには、政府は本法案国会提出にあたり、すでに大蔵、農林、与党との間においてその方針の決定を見ているとのことでありますが、政府は必ずこの方針に沿うて大幅の助成措置を講ずることを要望いたします。  第四点、本法案第三章(生産振興地域における国内産糖製造事業)について。政府は本章において国内産糖業の合理化につき、その方針と施策を掲げておりますが、原料生産と糖業施設のアンバランスが多くの混乱と停滞を生み、しかもその結果が生産者にしわ寄せされることは、北海道におけるてん菜問題を見ればきわめて明らかなところであります。したがって、本道生産者として糖業の合理化そのことに対して何ら異議をはさむものではありませんが、その運用において、もし単なる現状の合理化策の強行に片寄るときは、むしろてん菜生産と糖業を大幅に後退させるおそれがあります。したがって、その運用は振興と安定を目途にして、あくまで長期的、科学的視点に立つ適切な合理化方策を確立するよう要望いたします。  第五点は、本法案第四章第二十二条(最低生産者価格)に含まれる価格告示期日についてでありますが、毎年度生産者は年度当初早くから適正な営農計画を樹立し、経営改善に努力しており、行政機関、農協組織におきましても、全面的にこれを指導しているのが現状であります。したがって、てん菜価格の決定は、少なくとも営農計画樹立時期までにその見通しを得ることが望ましい措置であります。昨年度のてん菜価格は、播種期はおろか収獲期に至ってようやく決定を見ており、近年における本道のてん菜生産停滞の一因をなしていることも否定できない事実であります。よって価格公示の期日は、年度生産振興計画策定の期日とも関連をいたしまして、年度開始前少なくとも一月末までには公示するよう要望いたします。  第六番目は法案第六章(甘味資源審議会)についてでありますが、本道生産者はすでに昭和三十四年国内甘味資源自給力強化総合対策の樹立当初より、甘味資源問題について、かかる審議機構の設置の必要性を強調してきたところであります。今般政府がようやくこの法的措置をとろうとしていることは当然の措置と考えられます。しかし、かかる審議機構は中央のみならず都道府県段階においてもきわめて必要な施策でありますが、特に地方段階においては生産振興を目途とする振興審議機構の設置をはかるべきであります。また、中央地方を通じその構成に相当数の生産者代表を参加せしめ、生産及び糖業に関する重要事項の決定にあたっては、その意思を十分に反映せしめ、その合意のもとに積極的な協力を求めるべきであって、これら審議機構が単に政府の意に従う形式的な機構にとどまることなく、中央・地方を通じ、民主的な審議と合意協力体制確立のため適正な運用が行なわれるときは、生産者もまた積極的な協力を惜しむものではありません。  以上、本法案に対して基本的な検討事項として三つの問題点、また法案運用に関し六つの要望事項を申し述べた次第でありますが、最近における本道てん菜生産の現状を見るとき、生産計画と生産実績との開きの拡大、糖業施設と原料生産のアンバランス、原料価格とてん菜糖価との矛盾、原料集荷販売方式の不合理性、北海道農業振興と糖業合理化の調整等きわめて深刻な問題の中でいま貿易の自由化に直面しているのであります。本道生産者は、いたずらに混乱と紛争を好み、また諸条件を無視した自己主張のみを行なうものではありません。現状の深刻な認識と反省に立つとき、これらの問題解決は、質的、量的にも生産者の努力の限界を越えているものであります。したがってここに、生産者の積極的な生産拡大と生産性向上への努力、糖業者の合理化への熱意及び生産者とともに受益する態度に立った努力、これを支持助長する国、道の積極的かつ計画的施策、この三者一体となった対策の樹立展開により、本道のてん菜地産及び糖業の停滞混迷した現状を打開し、振興と安定の道を切り開くことを提唱するものであります。  次に社会党提案の法案につきまして、二、三意見を申し上げます。  まず第一に、生産者の要望する三つの基本点より見るとき、第一点は、国内甘味自給度の向上と需給計画については、第一条目的、第二章及び第三章を通じて政府の責任を明確にされております。次に第二点は、甘味作物生産農家所得の向上と原料価格については、第三章第十四条において、生産費及び所得補償の見地に立った設定を明確に規定されております。第三点は、国内産糖業の安定対策については、同じく第四章において、定められた原料価格を基礎とした国産糖の買い上げ措置を明確に規定していることであります。第四点は、集荷販売方式については、農協法の趣旨に即し、第三章第十二条において、その主体を生産者に置き、当事者間の契約によることを規定しており、また甘味資源の審議機構については、第九章において中央・地方段階における機構を明確にされていることであります。以上申し上げた諸点は、政府案に対する意見で詳しく要望したところでありますが、今後の甘味資源振興問題の基本的な柱となるものでありまして、社会党案の考え方については全面的に賛意を表するものであります。  次に第二の問題でありますが、砂糖類の管理方式について申し上げます。社会党案の理念及び甘味資源振興の基本路線についてはさきに賛意を表したところでありますが、本案をささえる柱は、砂糖類につき、国産糖及び輸入糖をあわせて国が管理する方式と理解されます。しかし、その理念を貫徹するためには、かかる方式が最善の方途であるかどうか、その立場立場によって多くの議論があることと考えられます。したがって砂糖類の管理方式の是非については、社会経済的に、また政策的に、あらゆる角度からの検討、審議の結論をまたなければならないものと考えられ、生産者の立場からの意見はこの際差し控えたいと存ずるのであります。  さらに、本法案をめぐって砂糖類の関税、消費税の問題が目下問題になっておるようでありますが、甘味新立法に関連いたしまして、砂糖類の関税、消費税に関する今後の取り扱いいかんは、国内における砂糖類の需給調整、国内甘味資源の生産振興、国内産糖業の安定等に対し重大なる影響を持つものと考えられます。政府は砂糖類の貿易自由化、糖価の抑制の見地から関税の引き下げを意図され、また社会党は砂糖消費税法を廃止する法律案を本国会に提案されておりますが、生産者の立場より見るときは、国内甘味資源振興と消費者に対し安定した砂糖類の供給のためには、まず消費税の軽減、廃止は先決であると考えられます。よって甘味新立法とあわせましてこれが実現を期されるよう要望するものであるます。  以上、生産者を代表いたしました意見でございます。(拍手)

秋山利恭自由民主党

○秋山委員長代理 これにて参考人の意見陳述は終わりました。     ―――――――――――――

秋山利恭自由民主党

○秋山委員長代理 これより質疑に入ります。順次これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 参考人の皆さんからそれぞれの立場で非常に貴重な御意見を述べていただいて、われわれ今後法案の審議に非常に参考になりましたことを、お礼を申し上げる次第であります。  時間が限定されておりますので、特に法案に関係のある参考人の皆さん方に、数点にわたってお尋ねしたいと思います。  まず最初に北海道知事を代理して来られた斎藤参考人にお尋ねしますが、問題点だけを私が述べますから、それに対して適切な意見を聞かしてもらいたいと思うわけであります。  第一の点は、国の甘味資源十カ年計画に対応して、北海道においては八カ年計画が立てられておるわけでございますが、国の計画は三十四年から四十三年の十カ年、北海道は三十五年から四十二年の八カ年ということになっておるわけでありますが、その方向というものは、これはあくまでも十カ年計画の一環であるということは言うまでもないわけでございます。すでに国の十カ年計画というものはその存在の意義を失いまして、たとえば四十三年に百五十二万トンの需要計画についても、すでに昨年国内の消費実績は百六十万トンをこえておるわけでありまして、全くこれは役に立たない十カ年計画ということになっておるわけであります。また北海道におきましても計画と実績を過去三カ年間比較した場合においてはこの計画というものは全く用をなさないということは、これは各方面から指摘をされておる点であります。したがって、もちろん国の計画の一環でありますけれども、その裏づけは北海道庁が責任を持って提出したのですが、国の方針として定められておるわけでございますので、この際、この八カ年計画の存在意義が失われた今日、これをすみやかに改定して、北海道における現状に立った適切なる計画の選定というものが必要であると思いますが、この点について率直な意見を聞かしてもらいたいわけでございます。  さらに、これは重要な問題ですから数字にわたってあらかじめ指摘しておきますが、北海道の場合にはてん菜糖八カ年計画の到達年次においては三十万トンの産糖をめどにしておるわけであります。これが三十五年度の当初においては実績を基礎にした計画でありますのでここに狂いはないわけであります。第一年目の三十五年は作付面積において四万三千二百ヘクタール、実績において四万三千八百ヘクタールでありまして、収量の面においては計画が百十五万五千トンに対して実績は百万トンということになっておるわけであります。これを出発点にいたしまして、昨年の昭和三十七年の計画と実績を対応いたしますと、計画においては五万三千ヘクタールでありますが、実績は四万四千二百ヘクタールでありまして、三十五年当初に比べていささかの進展も示していないわけであります。収量につきましては、計画は百四十五万八千トンでありますが、実績は百八万トンでありまして、これまた初年度の実績百万トンに比べまして何ら前進を示しておらない、こういう実情であります。これをこのまま放任しますと、昭和四十二年には計画が七万一千九百ヘクタールに対して反当収量がヘクタール当たり二九・九トン、大体三十トンにいたしまして、収量が二百十四万七千トン、これに対する産糖歩どまりを一四・五%と定めて、三十万トンの砂糖の生産ということになっておるわけでございますが、三カ年間全然実績が伸びないという理由は幾多あるわけでございますけれども、これを北海道における確実な判断の上に立った場合において、このまま将来にこの計画を移行させるということは全く不可能だと思うわけでございます。したがってこの際、北海道の知事としての責任においてこの計画というものをどういうふうに扱って、国の計画というものの誤りを是正させるべきかという点についてお尋ねしたいわけでございます。  第二点は、今年度の作付状態でございます。すでに北海道においては五月上旬において作付が終了しておるわけでございますが、五月下旬に近来にないような風害がありまして、特に増産地域である網走支庁管内あるいは十勝支庁管内においては大体ビートの被害面積は反別において九千ヘクタールに及ぶということをわれわれは承知いたしておるわけでございます。その後道庁においては適切な指導を講じて再播の措置等を講じておるとしましても、一カ月もおくれて再播をした場合においてもその収量というものは平年の大体五割ないし六割しか期待することができないということになれば、これは遺憾ながら三十八年度の生産というものはこの災害等によって昨年よりも減退することが八日より見て明らかになっておるわけです。したがって、こういうような見通しの上に立った場合、これからの北海道のてん菜の生産あるいは砂糖の生産等の方向についても具体的なお考えがあると思うわけでございますが、特にこれに関連して昭和三十六年にちょうど周東農林大臣が河野農林大臣にバトンタッチをしました直後に、北海道においては二工場の増設が政府より許可になりまして、そしてそれが、昨年二工場は新規操業を行なったわけでございます。さらにその付帯的な条件といたしまして、三十九年度操業を目途にして四工場の新設を認める、その前提条件としてはこの指定された四工場の所有会社に対しては、増産担当区域というものを道の方針において策定いたしまして、これは農林大臣の承認するところとなって、工場建設の許可が発せられたわけでございまして、一体今日のような状態の中において三十九年度の建設はこれは全く不可能でありますが、ただ見通しのないところに特定の会社に増産担当区域なるものを与えて、その会社は当然その増産担当区域内において増産に対する基盤の整備、あるいは増産態勢の確保のために相当な費用を支弁しておるということもわれわれは承知しておるわけでございます。ですからこういう問題についても適当な時期に明らかな方針をきめないと将来にわたって取り返しのつかないような禍根を残すということを私は特に心配しておるわけでございます。したがって今後の長期的な展望に立った場合に、明らかにこれが障害になっておる増産担当地域の問題等の解消については、これは当然国の責任もありますけれども、道において方針を立てて、それを農林大臣に認めさせたわけでございますから、その発端である道においてこの問題になる、障害になる増産担当地域というものをこの際すみやかに解消し、迷惑をかけた会社等に対しては何らかの補てん措置を講ずるということは当然道義的にも至当であるとわれわれは考えておりますので、この点に対する率直な道としての見解を述べていただきたいと思うわけでございます。いろいろ問題はありますけれども、この二点についてまず斎藤参考人から御意見を聞きたいと思います。   〔秋山委員長代理退席、 委員長着席〕

斎藤斉北海道副知事

○斎藤参考人 ただいまの北海道のビートの八カ年計画を改定する用意があるかどうかというまず第一点でございますが、北海道のこの計画の策定にあたりましては、まず当時の生産の状況から判断をいたしまして、北海道の農業経営に大きくビートが指導的な影響を与えて、北海道の農業経営を合理化させているというこの実績から判断して、これを伸ばしながら北海道の農業経営の安定をはかっていくという一つの問題点、それからもう一つは、ただいまお話がありまして十カ年計画による国の自給度の向上という三十万トンを目標にしたその二点によって計画が立てられてまいったわけでございます。当時の生産の伸びの状態、あるいはまたこの計画が町村からの希望をいれた実際の畑作面積から見た面積の積み上げであるという問題から見まして、この目標である面積、数量というものについては大きな矛盾はない、こういうふうに見ておるわけでございます。しかし初めからこの計画は国の大きな重厚なる政策を期待して立てたという上向きの前提条件があるわけでございます。したがってその後におきますいろいろな援助の問題、こういう問題が道が考えていたほどの援助がなかったというような問題、あるいはまた御承知のような毎年の天候、これは長雨湿潤であるとかあるいは洪水であるとか、あるいは風害であるとか、こういうような影響によって反収が比較的上がらなかった。そういうことによる農民の心理的影響、こういうようなものに支配をされまして、面積が思うように計画どおりには伸びなかったというような観点がございまして、御指摘のような現在の実績と計画にズレが出てまいったわけでございます。そこでこの年次別のズレというものは、これを私どもといたしましても、将来の問題を考え、現在の問題を考え合わせて、将来の三十九年度以降におきます増産担当区域の問題とも関連をいたしまして考えていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいましてこの年次別の問題につきましては、ただいま御指摘の風害等もあり、また面積の策定、実態調査といいますか、そういう確定がもう少しで行なわれるような状態にもございますので、その面積の確定把握をいたしまして、そしてこの法律の進行状態で条件を一応具備させてそれらの諸条件をあわせ考えて、この問題についてさらに十分に検討してまいりたい、こういうふうに私ども考えておる次第でございます。生産計画並びに年次別計画、こういうものと四工場の問題については、それらの状態をよくつかんで、同時に考えを立ててまいりたい、こういうふうに考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 別に参考人と議論をする考えはありませんが、先ほど言ったとおり国の十カ年計画もだめになって、政府もそれを顧みていないわけです。だから北海道だけがその八カ年計画の亡霊にしがみついてがんばってみても、これは全くナンセンスに終わると私は考えておるわけです。当然これらの問題は、当委員会が中心になって、今後のこの法案の審議を通じて、国の現状に即した甘味の長期計画あるいは見通し等については確固たるものを策定したいというふうに考えておるその事前ですから、できれば率直な意見を聞かしてもらいたいのでございますが、慎重を期されておるようですから、別にこれ以上深くお尋ねはしません。ただ今年の見通しから言っても、昨年よりも風害等によって原料の生産は低下する。たとえば百万トンの原料が確保されたといたしましても、現在九工場ということになれば、平均的に原料を配分いたしましても、一工場十一万トン程度しか配分ができないということになるわけです。特にこの原料の確保と原料価格との相関性というものは斎藤さんも御承知のとおりでありまして、工場に将来とも非常に適正企業のできないような過小の原料しか与えることができないというような状態を今後施策の上で続けた場合においては、結果がどうなるかということは、これはすでに考えておられる点であると思いますし、またこの確実性のない増産担当地域というものを四カ所きめたということが、現在操業しておる会社にとりましても、あるいはそれを予定しておる会社にとりましても、これが最大のガンをなしておるということは否定できない事実でありますので、私たちのほうで今後この問題については、政府の責任を追及して解明したいと考えておるわけでございます。  その次に、生産者代表ただ一人の鈴木参考人にお尋ねしますが、砂糖の全体の管理方式については非常に次元が高過ぎるから、生産者としては意見の言いようがないというようなことでございます。しかしビート生産農民もやはり国民の一人であり主権者であることに間違いがないことは御承知のとおりですから、こういう国の政策あるいは制度をどうするかというような点についてこそ、むしろ大胆率直に意見を述べてもらわないと問題の解明は進まないのではないかと実は考えるわけでございます。一つお尋ねしたい点は、先ほども言ったとおり北海道においてせっかく八カ年計画が策定しておりながら、三カ年間全然実績がどうして伸びないかということにはいろいろ理由があると思いますけれども、私の判断から言うと、最近北海道における農業部面の労働力が非常に不足になりまして、農業の経営の面においてもできるだけ労力のかからない単純な経営方針というものがとられておるわけであります。これは不可避的にそういう経営をとらざるを得ないというのが今日の北海道の畑作農業の実態であります。それで今日のビートの栽培というのは非常に労力がかかる、あるいは単位当たりの労働力が非常に費やされるというようなことがあって、単純な経営のほうに移行する場合にはどうしてもこれを避けるというようなきらいがあるわけです。もう一つは、経済作物としてビートの作付というものが農民に対して増産意欲を刺激しておらない、これはやはり価格の問題にあると思うわけでございます。ですから、経営面については今後機械化を導入するようなことも一つの方途でありますが、価格面を通じて農家所得を向上させるということの一番の早道はやはり原料価格を適正なものにするということは言うまでもないわけであります。それで生産者の側からもトン当たり七千六十円の強い要望が出ておりますが、昨年の価格である六千百五十円とこの七千六十円を比較した場合に、もしも七千円の原料価格というものが国の施策の中で実現した場合において、それでは生産面に対する好影響というものはどうなるかということについて参考までに聞かせてもらいたいと思うわけです。七千円になった場合はこうなるという確固たる見通しがあるとすれば、この際述べてもらいたいわけです。  第二点は、北海道においては九工場ありますが、そのうちの二工場は農協方式によるホクレンの経営ということになっておるわけです。農民が原料を生産し、農民の資本で製品をつくるという一つのシステムでこれが建設され期待されておるわけでざいます。ホクレン工場というものが実現して操業を続けておるわけでございますが、一体この成果、北海道におけるビートのそれぞれの問題についてどの程度貢献したかということは非常に大事な点であります。やはり独自の性格を持ってやっておるのであろうか、あるいは民間資本に巻き込まれてその中で同調してやっておるのであろうか、こういうことはわれわれの心配の種でありまして、いまの資本主義経済の中において筋道を立てた企業というものがなかなか成り立ちづらいものということはわかっておりますけれども、この点について生産者の立場からホクレン工場があるということに対する利点あるいはこれが障害になるというような点があれば、率直に聞かせてもらいたいわけです。特に企業利益の分配の方式ですが、株式会社の場合には利益があれば社内留保とか株式配当をやるわけでございますが、農協方式の場合にはそういうことはしないわけです。ただ問題は、出資者は北海道全道の単協が出資者になっておるわけでございますから、この出資に対する利益の適正な配分も必要であるとしても、利潤をあげた源泉である、それに貢献した生産者に対してどのような利潤の配分がホクレンの企業面からなされておるかということが一番大事な点だと思うわけです。この点に対しては別に触れられておらぬようでございますので、われわれの判断の資料としてひとつ述べてもらいたいと思うわけでございます。  以上、鈴木参考人にお尋ねします。

鈴木善一北海道農業協同組合中央会参事

○鈴木(善)参考人 ただいまの御質問にお答え申し上げます。  第一点の、価格が七千六十円であったならばどのくらいの生産になるか、こういうような問題に触れる前に、七千六十円というものは私どもは前から要請を申し上げておる価格であって、これは最低価格であるという考えで要請してまいったのであります。何か国会に出た食糧庁の資料を見ると、他の競合作物との関係で収入の面の比較論を出しておるようでありますが、ビートについてはいわゆる藁稈類の収入があるからこのくらいになる、それから競合作物についてはそういうような藁稈類は全然触れてない。ああいうような比較論も低価格を継続するために出しておるのではなかろうかと思うわけでございます。したがいまして、あの資料は私から見るときわめてでたらめな資料である。公正な立場で比較をしていない。たとえば大豆にしても菜豆にしても小豆にしても、それぞれ飼料とかいろいろな問題で相当価値があるわけであります。そういうようなビートの葉っぱだけが特別の収入になるのだというような比較論はまず問題であろう。そこで、七千六十円の問題は毎年同じような考え方で要請してまいったわけであります。  そこで、七千六十円が実現したならばどのくらいのものができるか、これは意見で先ほど申し上げましたように、御承知のように昭和二十九年から三十六年まで政府はトン当たり五千二百円を変えなかったわけであります。このことが非常に大きく生産の伸びにブレーキをかけておるのじゃなかろうか、あの価格が私どもが要求したような、毎年改定を要望したような価格で実現したならば、先ほどの道の斎藤参考人に質問したようにあるいはできたのじゃなかろうか。ただ問題は、反別が伸びたかどうかということは問題があろうと思います。あの計画は、二百七十三億くらいの国が二分の一、残りの半分を生産者、道が持つ、こういうような計画でありますが、あれを八カ年で割ってみますと、国と道の負担部分が大体二十億くらいになるのじゃなかろうかと思います。ところが昨年の暮れに、ビートに関する従来やっていたいろいろな予算をかき集めて何か十二、三億という報道をしておりますが、あの長期計画を達成するためにそれだけの投資がなされておらない。十億のビルを建てる場合に五億しか投下しなければ半分しかできないことは当然であります。したがいまして、財政投資があのような計画で進んだならばもっとできたのじゃなかろうか。もう一つは、価格の問題が私どもの要求したようになったならば、年々あのくらいの計画には大体接近できたのじゃなかろうかと考えております。しかしながら、現在は二割以上の幅があるわけでありますから、これは一気に解決は困難であろうと思いますけれども、七千六十円ができ上がった場合は本年度は相当の伸びがあるのじゃなかろうか、こういうように推察をしております。  それから工場の問題もちょっと出たようでありますが、ホクレンの工場ができたために生産者にどのような恩恵があったか、これは一般論で申し上げますと、会社よりはやはりあったのじゃなかろうか。といいますのは、ホクレン独特のいわゆる増収品種を導入しておる、こういうような点、あるいは農協に対しては特別割り戻しをしておる、あるいは生産者にもいっておる、この面だけは確かに他の工場よりは生産者が恩恵を受けておると思います。でありますが、この恩恵は生産者から見ると一〇〇%ではございません。ホクレンとしてはやはり政府の施策に順応していかなければならぬ。こういうような点で、農協法の許す範囲内においてそのような措置をとっております。こういうようなことがやはり他の工場よりも生産者にとって有利じゃなかろうか、こういうように考えております。  それから最初の砂糖の管理の問題でありますが、実は私どもはみんなで管理の問題を積極的に審議をしていなかったので、ああいうように申し上げたわけでありますが、そういう点で御了承願いたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に長野参考人にお尋ねしますが、特に国際競争力にたえ得る国内におけるてん菜糖生産ということは非常に重大な課題でありますけれども、もし皆さん方が――私たち社会党としては自由化とかというものには触れておりませんで、管理方式というものを、端的に言えば糖業については民営国管的な思想の上に立って法律をつくってありますので、この点もおわかりですし、これに触れませんが、藤山さんが先ほど述べられたように、もし自由化は不可避であるという前提に立った場合には、どうしても国際的な競争力を高めるということを企業の努力、あるいは国の施策の中においても強力に進めなければ解決できない点でございます。それではこの施策の中において、あるいは価格政策の中において、あるいは原料の生産対策の中において、どうやったならば輸入糖との競争ができるかということは、これは企業者の立場から検討されておると思うわけです。われわれとしては国会に砂糖消費税を全廃するという法律案をすでに提案して審議を進めておるわけでございますので、この構想からいけば二十一円の砂糖消費税を全廃して、それは国民の砂糖消費税に対する負担を軽くするという一つのねらいと、もう一つは、やはり国内においても糖業というものは、国民の負担、あるいは政府の保護のもとだけで温床にあるような安易な気持ちでやるんでないかというような判断もあってこれを進めておるわけでございますが、たとえば北海道に例をとりました場合に、一工場当たりの操業能力というものは、私の判断では、大体いまの設備から見ても一日千五百トン以上の処理はできると思うわけです。そうすると百二十日を操業の限界としても十八万トン、あるいは操業度を高めれば一工場二十万トンの原料処理は現在の施設において可能であるという判断に立っておるわけです。それに対して昨年は九工場に対して原料の生産が百八万トンですから、十二万トンそこそこということになるわけです。これではいかに企業努力をしても、製品コストは非常に標準より高くなることは言うまでもない点です。特に砂糖企業というものは、工場施設に対する操業度と製品コストの関係というものは、他の企業から見て、その企業が季節的であるだけに非常に影響が多いわけです。この点については食糧庁からもいろんな規模別のコストの計算が出されておりますが、これを経営者側から立った場合に、一体どういうような生産の規模あるいは原料の処理等を考えた場合においては、直ちにではないけれども、数年後には国際糖価との競争が可能であるというような見通しについてはぜひここで聞かしていただきたいと思うわけであります。  参考までにこちらから政府の出した最近の資料を申し上げますと、たとえば、ここ数年間の実情にかんがみた場合に、食糧庁としては、一工場十三万五千トンを基準として、これに対しまして歩どまりを一三・五%、ロスニ・五%という場合に、消費税を引きましてキロ当たり製品価格が百六円六十銭ということに出ておるわけです。これは償却は定率法でやっておりますので、もし定額法によるとこれよりも六円十七銭価格が低減するということになることは大体御存じと思うわけです。  それを今度は十八万トンの原料を処理するということにしますと、これは歩どまり等は同じにいたしまして、キロ当たりの製品価格が九十三円五十七銭ということになるわけです。ですから、十三万五千トンと十八万トンの場合においては、キロ当たり十三円コストが低減されるという計算が明らかになっておるわけです。あるいはまた、これは申し落としましたけれども、原料についてはトン当たり六千百五十円の計算の上に立っております。さらにこれを二十万トン、二十四万トンに拡大すればコストがずっと低減することは明確でございますが、これは省略して一応十八万トンというものをめどにして述べてみたいと思います。  それからもう一つは、それでは農民の要求する七千六十円の原料価格にして、歩どまりを一三・五%、ロス二・五%にした場合にどうなるかというと、これでは製品価格が百円三十五銭ということになるわけです。ですから、こういうふうに考えた場合、原料の確保ということが非常に糖価に影響するということが言えるわけです。ですから、これを定額法でいきますと、九十六円四十九銭の糖価で七千六十円の原料代の支払いができるということに当然なるわけです。もしも将来この歩どまりが、品種の改良とか企業努力によって改善されれば、昨年は九工場平均で一三・八%で、大体新設工場を除けば一四%の歩どまりまでいっておると思うわけです。ですから、将来は国の計画にも即応して一四・五%の歩どまりが可能であるという場合にどうなるかというと、これは九十三円五十五銭で仕上がるということになるわけです。ですから、これを定額法でいくと八十七円四十銭くらいで一トン当たり七千六十円の原料代を支払っても企業は可能であるということに当然なるわけです。こういう点については政府も北海道庁も手抜かりがございまして、工場だけどんどん建てれば生産が高まって増産できるというような間違った考え方の上に立っていままでは政策を進めてきたが、これが間違いであるということは論議の余地がないところまできておるわけです。だから、純粋に企業意識あるいは経営論の上から立ってこれを処理する場合においては、会社関係においてもはっきりした資料というものがあると思いますので、この点に対して、この程度までに操業度が伸びれば、そうして消費税の免税等を行なった場合にはどうなるかということに対して率直な意見を聞かしてもらいたいわけであります。  それから税制問題については、国内糖業の皆さんは関税だけを引き下げて消費税据え置き説には反対であるのでこれは触れません。ただもう一つここでお尋ねしておきたいのは、一つは、先ほども述べられましたが、たとえば政府がてん菜糖あるいは甘蔗等の買い入れを行なう。そうしてそれを必要な時期に売り渡しをするわけでございますが、売り渡しの場合には、一般競争入札によらないでブドウ糖に対する政府案の規制と同じように随意契約でやってもらいたいということが述べられておるわけでありますが、それにはいろいろな意味があると思うわけでございます。しかし政府が必要に応じて買い上げをする、製造業者が必要と認めて買い上げをしてもらう、そういう行為の中で国が砂糖の買い上げを行なって、今度は売り渡しを行なうわけでございますから、常識的に考えると売り渡した者にまた政府から売り戻しの形で随意契約で売るということに対しては、何か釈然としないような点があるわけでございますが、こうしなければならぬというような点について、もう少しこの点を具体的に述べてもらいたいと思います。  もう一つの点は、これは皆さんにはあんまり好しくない問題ですが、社会党案によりますと、原料の集荷販売方式というものは、生産者の団体であるところの農業協同組合あるいは連合会が集荷に責任を持って、製造業者との間において対等の立場で協議をして、そうして協議を整えて契約を締結してそれによって生産者も責任を持って取引に当たる、そういうことをわれわれは法律の中で主張しておるわけであって、これは何も議論のない点なんですが、ほかの農産物は全部これでやっておるわけなんですが、何か製造業者の側から見ると、そういうことになった場合の必要以上の不安感というものがあるのじゃないかと思います。一体どういう点が不安になるかという点をこの際明らかにしてもらいたいと思う。農民が自分の責任で集荷して会社との間に対等な話し合いを進めて――適正企業というものは生産者の利益になることはわかっておる。そういう前提の上に立って話し合いをして、契約を締結して、それを実行するという方式が、一番安心ができるのじゃないかと思うのです。農林省や道庁が何も現状を把握しない、ただ権力的な意識だけで天下りに生産者を会社に隷属させるようなそういうやり方は、いままでは全く穏当を欠いておった、妥当を欠いておった。だからそれにしがみつく必要はないと思うのですが、この点に対して不安とする点をひとつ述べておいてもらいたいと思うわけです。あといろいろありますが、長野さんに対してはその点だけお尋ねしておきます。

長野善三日本ビート糖業協会会長

○長野参考人 お答え申し上げます。  第一番の価格の点でございますが、御意見のように、やはり一工場の処理原料の多少ということがコストの面に一番大きな影響を来たすのでございまして、過去においては一工場で十八万トンないし二十万トンの処理をしたこともございます。その後工場数もだんだん多くなりましたのにもかかわらず、原料がそれに応じてふえませんので、昨年は七工場――新しい二工場は政府買い上げになっておりますので、それを除きまして七工場について見ますと、十三万トンくらいの処理原料でございます。ことしは最初十三万四千トン程度の、原料があるというふうに考えられておりました。これもいまのホクレンさんの二工場――大日本の一工場を除きました六工場の平均について申し上げます。ところが風害によりまして、この六工場の原料が一工場約一万トンずつ減ってきたわけでございます。それだけの被害を受けたわけでありますが、そういたしますと十二万四千トン程度の処理原料になるいまの見込みでございます。そういたしますと、先ほどお示しになりました数字とはだいぶ違うのでありますけれども、かりに私どもいまことしは五千八百円までは会社側で原料代として負担いたしましょうというふうに当局に申し出てございますので、それを基準にいたしますと、最初百四十七円十一銭という風害後の原価見込みでございます。それから消費税を引きますから、百二十六円十一銭という計算になるわけでございますが、それでただいまの糖価が百四十円がらみでございまして、それからもし関税を十五円なり十円なりを下げられますと、百二十五円から百三十円くらいになってしまいましてとうてい引き合わない、大きな赤字が出てくるという状態でございます。先ほど鈴木参考人から申し述べられましたが、今後の国際糖価がどうなるだろうかというようなことでございますが、大体まあ世界的に一致した見解は、七セント程度に落ちつくのではなかろうかということがいわれております。これが約百五十五円くらいの採算になると思いますから、これから関税を十円下げますと百四十五円、これと先ほど申しました百四十七円と比べますと、幾らか赤字になってくる。これを十五円下げられますと、そこにもう五円だけの赤字が上積みになる。こういうような状態でございます。この点はあとでお話の出ました関税、消費税との問題とも関連いたしますが、ぜひやはり消費税でもって当面の間は処置していただかなければ、せっかく育成していただいておるてん菜糖業を非常に弱体化するばかりでなく、壊滅的なことにもなりかねないような状況でございます。せっかく法律をつくっていただきましても、画竜点睛を欠くということになりかねないのでございます。じゃいつまでもこういう状態では困るじゃないかということにもなるわけでございますが、私どもとしましても企業者としては一トンの原料もよけいにほしいわけなんでございまして、いろいろな面で努力はいたしております。幸いに今度の法律でバックアップしていただいて、あるいは予算を投入されるあるいは制度運営を十分にやっていただくということであれば、ある程度は原料もふえていく。とにかく一工場当たりの処理原料を十八万トン、二十万トンまで持っていかなければならぬのじゃないか。かりに十八万トンまで持っていった場合には、やはりコストの面で八円くらいは下がってくる見込みであります。それから二十万トンになれば十円くらいはコストが下がりますから、そうすればその面ではそれだけ国際競争力は強くなるのでありまして、また一面原料代のほうにも、そのうちからさいて原料代の値上がり分をそこに吸収するということもできるわけであります。とにかく私どもが希望いたしますのは、一工場当たりの処理原料をできるだけ多くしていく。世界的な基準までとはなかなか申し上げられませんけれども、まあ二十万トン程度まではどうしても持っていっていただきたい。ホクレンの小林会長はいつも二十四万トンと言っておりますが、決して無理な注文ではございませんで、ドイツあたりでも昨今ではだんだん小さい工場が――もっとも古くはなっておりますが、小さい工場を吸収して大きな工場につくりかえていく、それがみな五千トンくらいの能力を持っておりますが、砂糖にしまして、やはり一工場で五万トンあるいは十万トンというような工場もできておるわけです。まことに私どもうらやましく感ずるわけでありますが、そういう日本農業の弱体性といいますか、そういう前提があるわけでございますので、一がいに国際競争力に達しないといっておしかりを受けるわけなのでございますけれども、そうじゃないので、その前提条件が非常に違っているわけです。私ども前々から北海道のビート工場は、やはり原料の増産に応じて順次ステップ・バイ・ステップでふやしていただくということが実情に即したことじゃないかと思っておりましたけれども、昨年二工場ができたわけでございますが、それの二工場というものは、決してふえた原料の増産分を処理しているわけではないのであります。そういうことをお含み願いまして、私どもも努力いたしますが、当分の間やはり増産ができますように御協力願いたい、かように考えます。  それから集荷問題の件でございますが、簡単にお答え申し上げますが、会社としましては、やはり従来の制度が一番いいわけなので、この集荷販売店が一手に握られますと、一番困るのは増産処理をどこが責任を持つのか、こういう点が一番じゃわないかと思います。いま他の畑作ものでございますと、自由作目は全然農家自体が自由にやっておりますが、ビートはそうじゃなくて、やはりまだ奨励作目の段階にあるわけであります。これはいま道庁、農民団体の生産連の協力を得て会社が主としてやっておるということでございまして、やはりある程度の知識というものが与えられておりませんと、会社が増産に踏み込み、大きな力をそこに注ぎ込むというようなことは、なかなか困難であります。できた原料がよそに持っていかれたのでは企業が成り立たないということになるわけでございます。そこはひとつ御賢察願いたいと思います。  随契の問題は、先ほど開会前に商社の代表から陳情がございましたとおりでございまして、何かちょっと形はおかしくお考えになると思いますが、要するにあれは、てん菜糖業の保護という意味で買い上げの制度ができておるわけでございますから、もとへ戻しても、入札にしてもそんなに大きな国庫負担の差が出るわけでもないと思いますが、その点はやはり助成をするという立場からそれをお考え願いたい。  それからなぜ随契が必要かという点でございますが、これは砂糖が自由販売になりましてからここ四、五年でございますが、その間日甜が非常に努力しまして、販路を開拓し、固定した需要先を開拓しているわけでございます。それまではビート糖は、なかなか販路が得られないで輸入精製糖には、いつも値段の上では負けておったというわけでございますが、幸いここ四、五年間商社関係の努力によりまして需要先が開拓されてきております。そういうものは、やはりみんな系列化しておるわけでございまして、これがくずれまして、入札になりますと、その砂糖が特別な流れを見つけていくわけで、  ほしいところへはいかないというようなことにもなりますので、ぜひこれら  の点は、私どもの非常に同感なわけでございますので、またビートが高く売れれば原料代のほうにも回っていくわけでございますから、そういうこともひとつお考えを願って御理解、願いたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 本会議の都合もあるので、あと藤山参考人と首藤参考人だけに一点ずつお尋ねをして終わりたいと思います。  いま長野参考人から言われましたが、もちろん一元集荷をして、会社が適当な相談をして原料配分をきめるということになれば、その価格が社会党の法案のように農民の納得できる価格であるということになれば、そのほかに会社から増産奨励費をくれという、そういうものではないのです。これは一長一短がありまして、たとえば牛乳の場合も乳業会社と生産者との関係において価格以外に乳業会社が酪農保護に対する資金とか、診療施設等をやった例もあるが、全部の費用というものは、会社の経営の費用から出すわけですね、あるいは利益からそれは出すべきであって、せんじ詰めれば、これは形の上で会社が保護対策で出しても、全部原料価格の中に盛り込んで出しても農民の受け取りについては変わりがないわけです。もちろん私たちの言う一元集荷、いわゆる生産者が集荷販売権を持つということは、それ以上に会社に、要求するということではない。あくまでも生産者あるいは生産者団体の責任で、ビート生産基盤というものを確立して、そして増産をやる。基盤整備については、これは国の改築あるいは国の責任でやるべきであって、営利会社や民間会社にそういうことをやれと言うこと自体が無理なんで、そういう弱みにつけ込んで生産者が行動するということも邪道であって、結局しわ寄せが自分に戻ってくるということが、立証されると思う。その点を私は集荷権の確立の問題で述べたわけです。  それであと藤山さんにお尋ねしますが、特に日本の糖業界を代表した立場でございますので、単に国産糖の問題だけではありませんが、ただ述べられた要旨を聞きましても、見通しとしてはいつまでも外国依存でなければならない、大勢はそうであるからして、やはり輸入依存で日本の砂糖の行政とか事業というものはやっていかなければいかぬというような、現状に停滞した、あきらめたような考えに立っておられて、この国産糖の増産態勢を確立して自給度を高めるという大方針については全然触れられておらぬし、そういう意欲がないようでございますので、この点はまことに残念です。  それから次に自由化についても、これは世界の大勢であるからやむを得ないということで、率直に敗北的な意見を述べられたわけでございますが、その場合に税制面において考慮してもらう必要がある、関税引き下げあるいは消費税の減免等について並列的に述べられましたが、ただ問題は、税制改正を行なって国民から砂糖に対する税負担を軽減するという場合、特に国産糖の保護あるいは自給度の向上ということを考えた場合、方法としては関税引き下げと消費税の廃止、引き下げしかないわけですから、その場合行なうべき施策としては、いずれを中心にして、先にしてやるかということは、これは明確にしておく必要があると思うのです。われわれとしては、消費税の全廃を行なって、これによって直接砂糖消費の国民に対して、キロ二十一円ずつ砂糖価格を国の責任で安くするということを主張しておるわけです。とにかく一キロに対して六十何円なんというべらぼうな税金をかけている国は世界にないですからね。先進国は、その国の自給度のいかんにもよりますが、自給体制の整っておるあるいはフランスとかイタリア、あるいは西独も大体九 〇%くらいいっていますが、これらの国は関税をかけて砂糖を入れる必要がないわけです。だから、若干の消費税等を一般の税制の中で講じておるけれども、その税負担というものは五、六円ないし高くて二十円以内ということになっておるので、一キロ六十四円も五円もとるなんというのは、全くいまの政府とかそれを支持する与党の皆さんの考え方はわれわれとしてはわからぬわけでございますが、こういう点に対しても、それならばいずれを先にしてこれを強力にやれば国産糖の保護ができるという点に対して、この点は述べてもらいたいわけです。  それから、直接これに関係はありませんけれども、自由化を余儀なく是認するということになれば、今度はこの外貨判り当て制を当然変えるということになりまして、政府としては、いまのFA制を変える場合には、これは関税の制度については外貨の割り当ての方針を今度は制度的に改めて、いわゆる関税の判り当て、あるいは必要な場合には緊急関税の措置をとるというような考えのようでございますが、その場合も、いまの政府の考え方は、このタリフ・クォータでやる場合にも大体第一次の割り当て分については従来の実績主義でいく。これを中心にしていく。そして、第二次の分については、これは高率の関税をかけることにして、この面である程度企業の自由化の面を認めるというような点もございますが、これでは全く現状維持ではないかということもいわれるわけでありますが、とにかく日本の糖業界というのは、大体外貨割り当ての一割程度をもらっているのは、順序からいうと名古屋精糖、台湾製糖、あなたの大日本、あるいはもう一つ明治製糖ですか、この四社が全体の四〇%程度を割り当てとしてもらって地盤を固めておるわけです。そういうことをとやかく私はいま言うわけではないが、したがって、どうしても有力な経営者というものは現状維持に固執して、前向きの姿勢になりたがらぬわけでございますが、この際、この国内糖業の見地から見た場合のもう少し積極的な意見というものを述べてもらいたいと思うわけです。  それから、これはあなたの関係だけでございますが、たとえば先ほど私が北海道知事代理の斎藤参考人に言いましたような増産担当区域というような問題に対しては、あなたの工場としても頭を悩ましておると思うわけです。こういう点は、大日本製糖の企業者としての立場から見た場合も、やはりこれからの北海道におけるビートの価格を農民の期待にこたえてこれを引き上げて、しかもみずからの企業が成り立つような形態にするということになれば、やはりこの間違った増産担当区域の方針というものは、これは解消させる必要が当然あるわけです。たとえば、あなたの隣の明治製糖にしても、聞くところによると、一億数千万円の資金を数カ村の担当地域に投じたという説もあるわけです。だから、それだけの経費を投じて、みすみす自分の損失だけで引き下がるということはなかなかできないと思うのです。だから、こういう点については、現存する会社、現存する北海道における企業者において、将来四つ工場を建てたいと期待しておる人たちが、ずっと先はわからぬが、ここ当分は、十年ぐらいはだめでしょう。そういう場合に、これをどうするか。特にあなたの場合は隣の池田地区に明治製糖の工場建設の予定もあるわけですから、十勝においても明治のほかに池田総理に最も関係のある名古屋精糖が芽室工場を建てるとか、こういう現在の政界の相当主要な人物と精糖会社というものはいろいろな点でこれはつながりがあるわけだ。これは天下周知の事実です。そういうことを私たちが批判する時間はないが、こういう点について、たとえば同業者である明治製糖とかあるいは名古屋精糖等とも協力して、この困難な増産担当区域の問題とか、これからの現実的な北海道におけるてん菜糖業の発展等に対して何かお考えはあると思うので、この際ちょうどいい機会ですから、御意見があれば聞かせておいてもらいたいと思うわけです。  最後にもう一点、この外貨刷り当てに関係あるわけですが、商社割り当てというものがいままである。これは輸入商社が割り当てを受けた場合に、その商社の買い付けた砂糖はどういう形でこれが流れて処理されるかということは、国民として興味のある問題でございますので、この点について、精糖工業会会長の藤山さんから簡単な御説明を願いたいと思います。  次に、ブドウ糖の首藤さんに簡単に御質問しますが、たとえばこの税制改正の場合、このてん菜糖、甘庶糖の立場からは、関税引き下げの前に消費税を引き下げるべきだという意見が出ておる。ところが、あなたのほうのブドウ糖は、消費税も何もかかっていないわけです。消費税二十一円かかっておるものとかからぬものとの競争というものが、現在においては成り立っておりますが、今度は砂糖のほうで消費税をなくするという場合には、ブドウ糖の価格と引き下げられた砂糖価格の間が二十一円接近するということになるわけです。そういう場合に消費税引き下げは困るなどということは、あなた方も国民に対して言えないと思います。それでその二十一円の幅は、今後どういうように、企業の努力とか国の施策が適切に行なわれた場合にはこれを克服できるかという点について、この際参考までに聞かせておいてもらいたいと思うわけです。  それからもう一点は、政府は五月二十七日に外国からでん粉を輸入することをきめて、第一次三万トンもすでに公表しておる。順調にいけば八月一ぱいに入荷するわけだ。第二次には二万トンさらに入れる計画もあわせてあるわけですが、この外国のでん粉が入った場合に何に使うかというと、第一次分の計画では、あなたのぶどう糖工業会に二万四千トン割り当てをするということになっておる。第二次が計画どおり入れば、二万トンのうちの一万六千トンが分配になる。五万トンのうち合わせて四万トンです。われわれは、いままでは、このブドウ糖の育成とか強化対策というものは、国内で生産されるカンショあるいはでん粉でこの安定帯――カンショやバレイショを原料にしたカンショでん粉、バレイショでん粉の長期的な対策というものを、この国内の砂糖生産の中の一つの使命を与えて、そうして今日まで国としてもいろいろな角度から保護育成の施策を講じてきたわけだ。それはあくまでも国内農業との関連で、カンショやバレイショの対策あるいはカンショ、バレイショでん粉の対策ということが重点でいままで育ってきたわけですが、今度はこのでん粉が足らないということを理由にして政府が輸入するその大部分はブドウ糖の原料として配分をするということになれば、これは問題があると思うのです。あなたを責めるわけではない。こういうでたらめな考え方をもってこれを行政的に進める政府や農林省の責任を追及する必要があるが、何でもかんでも割り当てとか現物だけ確保すればいいという考え方は持ってはいけないと思います。そういうことであれば、われわれとしても、ブドウ糖の今後の対策に対して考えを新たにしなければならぬということになると思うのです。決して首藤さんを貢めるわけではないが、でん粉が国内において足らない、足らないものはどこからでも入れればいいじゃないかという、そういう考え方の上に立って――おそらくこれはコーンスターチでん粉でしょう。コンスターチでん粉は、ただでさえトウモロコシが自由化していままでどんどん入ってきて、国内においてコーンスターチでん粉の設備が拡大されて、来年あたりは十万トン以上の生産も行なわれるでしょう。これがまた国内のイモでん粉に対して強い圧力を与えるわけですね。だから、われわれとしては、今後いかなることがあってもトウモロコシで入ってきたコーンスターチについても、あるいは外国から直接入れるでん粉についても、これは規制しなければいけない。特にいままでわれわれが努力してきたブドウ糖の原料糖については、外国の原料とか製品は使ってはいけない、こういう考えで私たちは進んできましたので、あなたはここへ来て、私が何かおこりつけているように感ずるかもしれぬが、これは重大な問題ですよ。ブドウ糖工業の将来の問題にも関する重大な問題でございますので、この点についても、原料がないからやむを得ませんでは済まない問題だと思いますので、この点をあわせて述べていただきたいと思います。

藤山勝彦日本精糖工業会会長

○藤山参考人 それではいまの御質問にお答えします。  一番最後の増産担当区域の問題は、あとにいたしまして、初めに精糖工業会長としてお答えいたします。  精糖工業に属する精製糖会社でございますが、これは国内で砂糖をうんと増産して、自給度を高めるということは全面的に支持しておりまして、やはり精糖工業としても国内でできるだけの砂糖はつくろうという線で進んでおります。御承知のように、大部分の精製糖会社が国内の生産も担当しておるのでございまして、ただいまの状況でいたしますれば、精製糖で多少の利益が出れば、それを国内の生産の増強のためにつぎ込んでいるような次第でございまして、精製糖会社としては、北海道はもちろんのこと、青森県、岩手県または西南諸島のサトウキビの増産に対しても全面的にやっておる。実際上精製糖会社が国内増産も担当して両方やっているのでございますから、将来とも国内でうんと増産して、足りない分は輸入しようということで進んでおるので、国内増産と精製糖は何ら矛盾したことがない。国内精製糖業者が国内増産も担当している次第でございます。  それから税の面におきましては、われわれ精製糖業者も消費税の二十一円の全廃は大賛成であります。しかし、いろいろ伺うと、消費税の全廃、消費税の軽減は非常に困難だ、いまできないというようなお話でありますから、それならば現在糖価を引き下げるのは、税を下げるより方法がないわけでございます。消費税の引き下げができないとすれば、万やむを得なければ関税を引き下げて、そして糖価を安くするより仕方がないかと思います。しかし、その条件としましても、国際糖価が低落したら直ちに関税はまたもとへ戻していただくような弾力的な関税の運営を強く要望している次第でございまして、消費税が下げられれば、それに越したことはないわけでございます。  それから自由化問題について御質問がございましたが、私たちとしては、やはり国内糖価の安定は絶対に必要であるというたてまえ、ことに国内糖価の安定は国内甘味資源育成にも必要である、また消費者の立場からいっても国内糖価が安定しなければいかぬと思っております。そういうことで、私たちは手放しの自由化には絶対に反対をしてきたわけでございます。しかし、現在の社会の動き、政府の方針を拝察すると、どうしても自由化の方向に進まなければならぬというような状態にありますので、それでは自由化に進む前に非常に安定して、順序を追っていかなければならぬという考え方のもとにこのタリフ・クォータ制度をお願いしているわけでございます。自由化に移る前提として国内糖価を安定し、ある程度の需給調整ができるのは――手放しに自由化したら需給調整は完全にできなくなりますから、タリフ・クォータ制を採用して、そうして需給調整をしながら、漸次業界の合理化をはかって、やむを得なければ最後には自由化に移るのでありましょうが、その間に安定した経過をとっていきたいということで、このタリフ・クォータ側をお願いしているわけでございます。  それから商社割り当ての問題でございますが、これはメーカーにくる割り当ての一部を貿易振興のたてまえから商社が使っているのでございまして、その商社割り当てによって入った砂糖もメーカー割り当てと同様一定の比率でメーカーに還元して、精製市販されているわけでございます。それから最後の北海道の問題でございますが、これは精糖工業会とは関係なく、大日本精糖の社長としてお答え申し上げます。  ただいま私たちも本別に工場をつくらせていただいて、本年が初年度の操業でございますが、ただいまたくさんの参考人の方々から御意見が述べられたとおり、一工場当たり十八万トンか二十万トンなければ、とうてい将来経済的な操業はできないわけです。現在の九工場でも多過ぎるわけでありますから、九工場以上建たないということは、もう物理的に明らかな点でございます。そこで大日本製糖としてお隣の明治製糖や名古屋精糖さんの増産担当区域にどういう考えを持っているかという御質問かと思いますが、この増産担当区域をどう扱うかという問題は、これは農林省なり北海道庁がおきめになる問題とは思いますが、そして農林省、北海道庁の方針に従ってわれわれとしては動くつもりでありますが、大  日本製糖としては、北海道の糖業の困難性からいっても、大日本製糖一社が北海道の糖業を独占しようというような考えは毛頭持っておりませんので、増産担当区域の問題に関して明治製糖なり名古屋精糖などと話し合いをしろとおっしゃれば、喜んで話し合いをいたしまして、そうして明治製糖や名古屋精糖というような有力な会社と協力して北海道の増産のために尽くす用意はいつでも持っておりますので、農林省なり道庁なりその他関係方面からお呼びかけがあれば、喜んで明治製糖なり名古屋精糖などといかなることでも御相談をして、増産をはかりたいと思っております。  以上でございます。

首藤哲日本ぶどう糖工業会専務理事

○首藤参考人 ただいま芳賀先生から御指摘になりました点、若干誤解があるといけませんので、私ここで考えました範囲においてお答えさせていただきたいと思います。  第一点の消費税の二十一円を国内白糖は減らして自由化に対応するという場合に、ブドウ糖は現在消費税がないのだから、それでは立ち向かっていけない、ブドウ糖としては困るのではないか、しかしほかの消費税はやめなさいというわけにいかぬ、こういう先生のお話でございますが、私どもとしまては、やはりそういうものを残していただいて、育成期間中はブドウ糖が成り立っていけますように消費税なり関税を消費者にも消費せられる範囲において残していただきたい、こういうことを思っておりますが、ただここで申し上げたいのは、そういうことではなくて、むしろブドウ糖の評価という点、先ほどちょっと触れかけたのでありますが、時間の関係で省略いたしましたが、評価がまだ完全にブドウ糖の持ち味を全部取り入れた評価になつていないかと思います。この点があります。それからでん粉の価格につきましても、これは農安法で最低価格の維持はされておって、上値については野放しだ。これが少しの豊凶によりましても、相当のでん粉価格の上下があるわけであります。しかしながらこれは現段階をもってその価格が固定するというのではなくて、やはり適正なでん粉価格というものが考えられる。適正なでん粉価格が考えられた上におきましては、冒頭申し上げましたように、これは本命ともなるべき使命を持っているだろう、かように考えておりまして、消費者にできるだけ安い糖類を食べていただく。消費打に高い糖類を食べていただくということをわれわれは目的といたしておりませんので御了承願いたいと思います。  それから第二点の御質問の、国内でん粉の育成を企図してブドウ糖を育成しておるにもかかわらず原料でん粉が足りないから外国でん粉を入れ、非常に多くブドウ糖に割り当てがいっておる。割り当てをむさぼるごときはどうもよろしくない、こういう御指摘だと思いますが、この点も誤解を解きたいのでありますが、私どもは決してかような割り当てをどうこうということではございませんで、先ほどとも関連がございますが、やはり育成期間中につきましてはある程度適正なでん粉価格をもって計画的な生産をし、先ほども申しましたように、操業度におきましても三十万トンの現有能力を持っておりますが、昨年度につくりましたのは十万トンしか規格ブドウ糖はつくっておらない。一昨年は十一万トン、これはつくり過ぎまして消費が伴わなくてついに十万トンにおろしたような次第でございますが、それでは四十二年において十五万トン、これはブドウ糖換算二十一万トンかと思いますが、そういうブドウ糖をつくるまでの段階としまして、計画的な生産に歩調が合わないではないか。私どもとしてはやはり新製品でございますので、消費者の方々によく知っていただく。それにはある程度量が流通しないとますますブドウ糖の価値もわかっていただけないし、それからもちろん操業度が低いためのコスト高になるということもございまして、それらをいろいろ勘案して国にお願いしておることは、われわれが計画的にブドウ糖の増強をはかっていける方法をお願いしておる次第でございます。かような意味合いからいたしまして、私どもは政府が昨年持っておられた十数万トンのうちのある数量はやはり育成用に計画をしていただくということが当然ではなかろうか、当然呼ばわりはまずいので取り消しますが、さような意味合いで私どもとしては期待いたしておるわけであります。したがいまして、それが昨年の北海道のイモ作の大減収、それからこれは需給推算の非常にむずかしい点でございますが、多岐にわたるでん粉の需給推算を把握するには非常に困難があろうと思います。そのような意味合いからでん粉の需給推算の見通しを必ずしも的確につかみ得るということは現在むずかしいと思います。さような意味合いはよくわかっております。それにしてもやはり計画的な生産をわれわれはやらしていただきたい。そうしていきますと、そういう予想しなかった事情に基づいて非常にでん粉が少ない事態になりまして、先ほどちょっと触れましたけれども、非常に高い、政府の買い入れ基準価格に対して四割以上の高値のでん粉が出現したわけであります。そういう点から、私どもの企業がやはり適正に伸びていくためには御考慮いただくことをぜひお願いしたいということをお願いしておったわけでございます。  まだ申したい点がありますけれども、以上のようなことで先生へのお答えにはならないかと存じますが、私どものお願いしたい点を先生方もぜひひとつ御理解いただいて、伸びるための下地として当分の間はかわいがっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

松浦周太郎自由民主党

○松浦(周)委員 どうも皆さんお忙しい中にこれだけのお顔をそろえるためにはずいぶん無理して御出席いただいたと思います。またお昼抜きでこの長い時間をとらせましたことは、まことに恐縮に存じます。非常に参考になりまして、厚く感謝を申し上げます。関連質問ですけれども、ほんとうは本会議後も続けてやられると思ってじっと聞いておったのです。ところがこれでおやめになるということになると、あまりどうも片手落ちですから、関連質問として二問か三問さしていただきたいということを申し上げておきます。  いま藤山さんのお答えになった点について、それがきっかけですから申し上げます。それは北海道の政策に対して非常に大きな影響を与えるものでありますから申し上げるのでありますが、ごりっぱな企業家として工場を、あれまでの深刻な競争をして御運動なさってお建てになったということについては、相当綿密な調査の上に立たれたことだろうと思います。一年運転して、あとは他に譲ってもいいなんというような弱音を吐かれたのでは、北海道の砂糖というものはもうだめなのだということを代表的な一木の実業家が発表したことにもなるのです。これは私は非常に残念なことなのです。言うまでもなく企業というものは浮き沈みのあるものであって、またもう少し落ち着いて、もう少し力を入れなければ、畑を肥やさなければ商売にならぬですよ。ただぬれ手でアワをつかむように安い砂糖を輸入してきて、いわゆる三盆白というお話があったが、白いものでなければもうからないといったような考えの上に立って北海道の砂糖をやったらもうかるだろうというような考えは、ちょっと間違っておったと思うのです。どうかそんなことを考えないでじっくりとおやりになれば、投資したものに対する正当な利潤は返ってくると私は思います。われわれそういう考えで考えているのです。  そこで私はまずこれに関連しまして副知事にお尋ねいたしたい。先ほど芳賀君に対してお答えになったのについて少し私は考え方が浅いと思う。あなた方が八カ年計画で三十万ないし三十五万トンつくるということは、これは北海道あげての考え方なのです。しかも農林省も共鳴して、工場の数という問題については十三カ工場を建てる計画を立てられましたから、今後その時間は五年おくれるか七年おくれるか知りませんけれども、一ぺん政府がやるといったものを、そうネコの目の変わるように変えるべきではない。工場を建てる時間はおくれても、あるいは三十万トンなり三十五万トンつくる時間はおくれても、その方向を変えて一体北海道の農政に何がありますか。どういうことを考えていますか。ビートと畜産あるいはこの輪作の中に入れて、あるいは菜豆であるとか、あるいはバレイショであるとかいうようなものにいく以外に道はないんじゃないですか。それを簡単に変えるような話をするということは誤っていないか。ただ問題になるのは、私は政府のほうが悪かったと思うのです。あなたのほうが要求された八カ年計画に対する二百七十億については、道の負担するものもあります、地方の生産者の負担するものもあります。政府がその二百七十億に対する約六割以上の負担をするものを出さなかった点は、政府に責任があるのです。それをわれわれも追及して  いるし、あなた方も強く追及して出させたらいいじゃないか。そうして実行させなければならないんじゃないか。それについてどういう考えを持っているかということが一点。  それから長野さんに伺います。損したときのことだけみな考えているが、いまのような国際糖価の状況から考えると、もうかることも考えなければならない。もうかれば、農林大臣に私は強く言いましたから、あなた方にも言っておかなければならない。長野さんに申し上げるのは、あなたが生産代表、ビートの糖業協会の会長ですから、ビート生産者のみんなに言ってもらいたい。もうかった場合は、配当制限ということをひとつ相談してもらいたいのです。自由経済下において配当制限をするなんということはおかしいじゃないかという議論がある。けれども、損したら買ってやるということがある。この法律には、損したら買ってやるばかりではなくて、農林大臣はある場合によっては工場を停止させることもできるという三十七条の項目があるのです。だから、そんなことをする考えではありません。農林大臣に私は配当制限を勧告したらどうかと言っている。というのは、その限度については、いろいろの価格的なまた日本の常識的な考えが必要でありましょう。私は一番高い定期預金の倍あるいは一割五分以上の配当は制限したらどうだ、それ以上のものは生産を増強するために、土地に宝を積んだらどうかという行き方を実行してもらいたい。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 松浦さん、お話し中ですが、本会議がありますので急いでください。

松浦周太郎自由民主党

○松浦(周)委員 もう一つ。それからあなた方はパルプを乾燥して内地に送っている。それは近所の人が買わないからということでしょう。これは鈴木さんも、斎藤副知事も、近所の農民からなまパルプを安く買って、ビートの葉っぱやそれからその他の雑穀のから、あるいはトウキビのからというようなものでサイロもやって、畜産を盛んにするようなことを考えなければ、ビートは盛んにならないです。それをパルプを乾燥して内地へ送るなんということは、近所の者が買わないからしかたがないだろうけれども、この四点をおのおの御返事を願いまして、私はやめます。

斎藤斉北海道副知事

○斎藤参考人 第一点についてお答え申し上げます。  北海道の生産計画を根本的に変えるということは、先ほども御答弁申し上げましたように、そういう気持ちは持っておらないわけでございます。北海道の畑作面積が約八十万町歩、その中でのビートの目標面積というものは可能である。しかし現状から見て非常にいろいろな問題があって延びる年次計画について、年次の問題については、これから実際を見て、諸般の情勢を見て変えたい。したがって先ほど法案に対する御要望にも申し上げましたように、この財政の投融資という問題につきましては、政府においても十分お考えをいただきたい。そして北海道の畑作農業、酪農業、草地改良、ビート、こういう一連のもとに畑作農業の振興を真剣に取り組んではかっていきたい。これが私どもの念願でございまして、計画を全面的に変えるということじゃなしに、年次の問題を十分検討していきたい、こういうふうに考えておりますので、御了承願いたいと存じます。

長野善三日本ビート糖業協会会長

○長野参考人 製糖会社が非常に保護されておるから、配当も制限したらいいじゃないかというようなお話でございますが、ビート専門の会社、たとえば私の関係しております日本甜菜というような場合は、なかなかそんなに高収益がないのであります。ことしも世界的な高騰がありましたので、どうにか今までくらいの配当――一割四分でありますが、今までくらいの配当がどうにかできる状態にようやくなってきた。私どもそんなに収益がこれからもないと思いますけれども、もしかりに、それじゃ税制とのかね合いで、また世界的糖価とのかね合いで、余分に収益が出るというようなことがありましたら、あげてこれは増産のために、その基盤をつくるために、北海道の土地に還元するという気持ちを持っております。配当は今後とも自粛していく考えでございます。  それから第二点の乾燥パルプでありますが、パルプは御承知のように、ヨーロッパはなまパルプを供給して畜産と結びついております。北海道はなかなか、この四十年来、畜産と結びつかない、ある程度は結びついておりますけれども、なかなか結びつかない。しかも工場の集荷範囲が非常に広いものですから、なかなかなまパルプで十分円滑な供給をしていくわけにいかない。そこでやむを得ず乾燥して、乾燥したものを農家に還元しております。しかし、農家は牛を持たないから、内地のほうが飼料不足というような状況が続くものですから、つい内地に転売するというようなことになっておりますので、会社としましては乾燥したものをできるだけ道内の酪農農家に供給して、それを牛の腹を通して土地に還元して畑を肥やすということを希望しておりますけれども、なかなか実態がそうは参っておりません。できるだけそういうほうに出してまいりまして、また、工場のまわりに密集ビート地帯をつくり、そこに密集的な酪農地帯をつくった暁には、おっしゃるようなパルプの供給をしたいと思っております。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 以上をもちまして、参考人の御意見に対する質疑を終わります。  参考人の方々におかせられましては、まことにありがとうございました。      ――――◇―――――

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 この際、連合審査会開会申し入れの件についておはかりいたします。  目下外務委員会において審査中の海外移住事業団法案につきまして、外務委員会に対し連合審査会開会の申し入れを行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、連合審査会を開会いたします場合の日時につきましては、外務委員長と協議の上、追って公報をもってお知らせいたします。  次会は明十二日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時九分散会

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