農林水産委員会 第32号
- 発言数
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- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/23
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑を行ないます。安井吉典君。
○安井委員 大筋の論議は終わっているように思うわけでございますので、私、きょうは、この際一そう明らかにしておいていただくことが適当であると思われる若干の問題について、数点お尋ねをいたしたいと思います。 まず第一番目に、今度の改正によりまして共済組合に対する当然加入基準について相当ゆるめるというお考え方を示しておられるわけであります。組合の結成につきまして、あるいは組合の当然加入の問題につきまして、そのような改正を行なおうとされているわけでありますが、それによりまして現実に組合はどれくらい減るのか、あるいはまた加入者の面においてもどういうふうな変化が起きるようにお考えになっていられるか、それをひとつ伺っておきたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 今度改正いたしまして当然加入の基準を引き上げますときには、地方の実情に応じまして、若干そこに幅を持って当たることになるわけでございます。たとえば北海道などにつきましては、基準は相当大きくなるというようなことになりますので、それらを一々いま計算いたしますことはできないわけでございますが、一応の仮定を置きまして計算をいたしますと、かりに三反未満のものは任意加入といたしますと、その任意加入になりますのは、これは水稲の場合でございますが、大体三四・三%、三分の一は任意加入になるのではないか。計算上そういう計算になるのでございます。組合でどうなるかということは、ちょっと計算いたしようがございませんが、組合の数ではそれほど三分の一までいくかどうか、ちょっと推定困難でございます。
○安井委員 陸稲並びに麦についてもお考えをひとつ……。
○松岡(亮)政府委員 陸稲、麦は、水稲作の場合よりも規模が一般に小そうございますので、この割合はもっと大きくなるのではないか、かように考えております。
○安井委員 いまの御答弁によりますと、水稲加入の三分の一をこえる加入者が任意加入になる可能性ができるということで、いままでその点明らかな御答弁がなかったように思われるわけであります。そういたしますと、今日の制度について相当大きな変化というふうな形であらわれてくるのではないかというふうに考えられます。なお、いま言われました水稲について三反未満三四・三%は、北海道の特例をも同時に考慮に入れられた数字かと思うのでごいざいますが、その点いかがですか。
○松岡(亮)政府委員 これは三反未満と全国を一律に仮定した場合でございます。したがって二反未満できめるような場合もございますが、北海道の場合はもっと大きくなることもあり得ると思います。したがって平均といたしましては、むしろ三反よりは低いところにあるであろうと思われます。計算のしようがございませんので、一応三反未満の規模と仮定いたしました場合にはこういう計算になります。かりに、現在は水陸稲合わせて一反未満、こういうふうになっておりますが、水稲だけで一反未満と計算いたしますと、ずっと小さくなりまして、六、七%がはずれる、こういうことになってまいります。その辺をどのくらいに置いて計算していいかということは、これは県ごとに定めてまいりますので若干相違が出てまいると思います。
○安井委員 いまのは組合員の数に対する比率だと思うのですが、総反別に対していまの数字を当てはめてみたら比率はどれくらいになりますか。
○松岡(亮)政府委員 反別での計算はいたしておりませんが、農林統計を見ますと、これは三反未満の経営階層で見ますと、数としては相当多うございますが、面積といたしましてはたしか一割か一割以下になると考えられますので、この割合よりはずっと小さいものになるだろう、かように考えます。
○安井委員 私も大体そういうふうな感じを受けますが、そこで任意加入という形でこれが出てくる場合と完全にやめてしまう場合と二つの場合が予想されるわけであります。こういうようなことによって組合の運営そのものにどういうふうな影響があるか、あるいは国の負担におきましてもどういうふうな変化が起きてくるか、これにつきまして御検討をどういうふうにされておりますか。
○松岡(亮)政府委員 この問題はなかなか想定が困難な問題でございますが、私どもが考えますところは、水稲の場合も作付面積に対しまして全部の面積が引き受けを行なわれておりません。それから戸数で見ましても、全戸数が必ずしも共済関係はあっても引き受けは行なわれてないという実情にございます。水稲以外の陸稲、麦の場合はこれが一そうはなはだしい状況でございます。そういう引き受けと本来加入さるべき面積との差というものは、現状においては零細規模の面積を作付している人々が実態としては共済関係が当然に成立しておりましても引き受けは行なっていないという実情にあるかと思われますので、当然加入の基準が引き上げられましても、引き受け面積としてはそれほど大きな影響がないのではないか、こういうように考えております。
○安井委員 組合の一部事業廃止の基準も同時に変わるわけでありますが、零細農がずっとあって、その中に規模の大きな農家が点在をしておるような場合に、規模の大きな農家は存続をしたい、しかし多数の零細農の意見に影響されて廃止というような形になるというふうな場合も予想されるわけでありますが、そういうような点、どういうふうなお考えで御指導されるおつもりですか。
○松岡(亮)政府委員 確かにそういう事例はあまりひんぱんには起きないと存じますが、若干出る可能性があると私ども考えます。これは多数の意見によっていくのがやはり組合運営上やむを得ないことでございましょうし、またそういう場合に一部に相当規模の農家がおりましても、全体といたしましては保険事業としてこれを運営することは組合としてなかなか困難である、効率的でないということで、その一部の事業廃止を認めてまいりたいというように考えておりますので、これはその実態に即して十分知事あるいは連合会等の指導をやってもらいたい、かように考えております。
○安井委員 次に、共済責任、保険責任の問題についてでありますが、いただきました資料による御説明では、各共済組合が連合会に一部を付保する場合、二割ないし五割というふうな幅で付保率をきめていきたい、かような御説明があったわけでございます。これは定款できめられることだと思うのでありますが、大まかに二割ないし五割といいますが、この幅を一体どういうふうな運用をされるおつもりか、一定の基準というようなものが必要だと思うわけでありますが、どういうふうにお考えになっておりますか。
○松岡(亮)政府委員 二割ないし五割の範囲内で主務大臣が知事やその他の意見を聞いて組合ごとに定めたいと考えておりまするが、この場合に、どういうふうな考え方できめるかと申しますと、やはりその組合における災害の発生の頻度とかあるいは深さ、——きのう参考人からいろいろ御意見がありましたが、大きな災害が出る可能性のある場合というようなものは比較的高く付保してもらう、つまり五割とか四割とか。そういう可能性の少ないところは二割とか三割とか、低い方向で付保してもらうというふうに、その組合ごとの実態に即しましてきめてまいりたい、こういうふうに考えております。
○安井委員 具体的にはどうされるわけですか。各組合における自由な選択にまかせるというおつもりなんですか。
○松岡(亮)政府委員 農林省できめてまいりますけれども、この場合には、当該の県の知事あるいは連合会の会長等の意見ももちろん聞きたいと存じまするが、しかしまず第一にどのくらいにしたら望ましいということは組合自体で十分検討してもらいたいと存じております。それが農林省や県が考えておりまする方向とできるだけ一致するように調整しながら、できるだけ組合の考え方も尊重しながらきめてまいりたい、かように考えます。
○安井委員 それにしても何か一定の基準というものが必要になってくるのではないか、もらすでにおつくりになっておられるのかどうか知りませんが、そういうようなことはどういうふうにお考えですか。
○松岡(亮)政府委員 御指摘のように、これは単に意見とかあるいは何となくきめるというようなことではうまく運営できないと考えられますので、被害率はどのくらいであるとか、あるいは被害の幅がどのくらいであるとか、そういうようなものにつきましておおよその考え方の基準はつくってまいりたいと考えております。
○安井委員 共済金額の問題について伺いたいのでありますが、現在でも、この間御説明をいただきました選択の実情を見ますと、非常に複雑な姿で数字があらわれているようであります。現在の段階までの指導の具体的な方向はどうだったのですか。高いほうにせよというのか安いほうにせよというのか、そういうような現実的な指導はどらだったわけですか。
○松岡(亮)政府委員 これは、共済金額の選択を許すという制度が三十二年の改正のときに入ったわけでございますが、そのときの趣旨はむしろ組合員の自主的な判断で自分の希望する金額を選択するようにさせようという御趣旨の改正であったわけでありまして、それらの趣旨からいいますると、具体的に高いほうがよろしいとか、低いほうがよろしいとかいうことの指導はやってまいっていなかったわけであります。しかし、その後の推移によりますと、災害が起きた場合にてん補率が低過ぎる。低いところを選択しておりますると、掛け金を払うときは低いほうがよろしゅうございますが、災害があって共済金をもらうときは高いほうがよろしいというような気持ちから、てん補率が低過ぎるということもありまして、今回の改正では従来の米価の七〇%までというのを九〇%までというように改正をしたいと考えまして、その改正する趣旨を十分徹底してまいりたいというように私どもは考えておるわけであります。その趣旨からいいますると、せっかく九〇%までの選択が可能になってきたわけであるから、できるだけそういう点を考慮して選択してほしいということにつきまして普及徹底をしてまいりたい、こう考えるわけでございます。
○安井委員 てん補率を引き上げたということは、これはいいことだと思います。そういうようなことから、被害がなかった場合の無事戻しに対する財源充実もはかられていくわけでありますが、しかしながらこの共済金の種類について現行でも最低が十五円、改正案でもやはり十五円という線を残しておられる。あるいは次の段階が二十円というふうなことであります。最高の金額を選んだ場合においては、てん補率の充実というようなものも実質的な効果を当然発揮してまいります。しかしながら十五円程度の低い共済金額が選ばれた場合には、たとえば全損の場合でも百五十キロ当たりにして補てん額千五百七十五円ぐらい、こういうようなことでは実質的な効果を発揮することができないのではないか。今度の改正に際しまして、こういう低いものをそのままにして存置したのは一体どういうふうな理由によるのだろうか、こういう疑問を持たざるを得ないわけですが、いかがですか。
○松岡(亮)政府委員 ごもっともな御質問であると私も思うのでございます。十五円というような選択はやや低過ぎて、本来の災害補償制度というものが農家の不時の災害に備える制度であるという趣旨から申しますならば、農家の立場に立って考えましても、そういう選択は実はしてもらいたくないというように感ずるわけでございますが、従来の経緯からいいまして、低被害地において掛け捨てになるというようなことが不満として多かったわけでございます。それらを勘案しまして、今回の改正でそういった傾向は相当是正されるとは思われますけれども、やはりこれは一応従前よりはきめがこまかくなるとは申しましても、まだまだ個人の一人一人の気持までにぴったり合うわけにはなかなかまいらないわけでございますので、一応こういう低い金額も制度としては残してまいりたい。しかし指導としては、やはりその趣旨からしまして、農家の財政やなんかのこともございましょうが、できるだけこんな低い金額は選択しないようにしてもらうような指導をしてまいりたい、かように考えます。
○安井委員 いまの御答弁の中でも大体新しい方向が出ていると思うのですが、共済金の支払い額が実損に対して少な過ぎるということが、何といいましてもこの制度に対する農民の不満であったと思う。ところが、実際の場合は、共済金額の選択が低いことによって支払い額が少ないという場合もあり得るわけです。そういうような場合も含めて不満があったわけです。つまり今日までの制度の中に制度的な問題がもちろんあるわけでありますが、それと同時に農民みずからが、自分が低い選択をしたために支払い額が低かった、そういう両面があると思うわけです。 その第一の面は、制度的に今度の場合幾らかはましになったと私どもは考えるわけでありますが、第二の場合において相変わらず低い選択を許すというような立場を法律の中に残すことが、筋を立てて話せばわかることではありますけれども、相変わらず農民の不満の種を残すことになるのではないか。そういうような心配をするものですから実は私申し上げたわけです。掛け金が安いほうがいいものですから、生命保険でも安い保険金額を選ぶわけでありますが、しかし一たん事故が起きてみましたら、あとになってあのとき幾らかでも高い保険額を選んでおけばよかった、あとになってそう思うのが人情であります。だから、法律の面においてもそういう心理的な傾向に対する一つの備えとして、やはり低い共済金額の選択ができないような仕組みをむしろこの際すべきではなかったか、そういうような感じを抱くわけでありますが、いまのような御説明の方向でやはり実質的な効果をあげる、そういうふうな指導をぜひ進めていただかなければならない問題だと思います。 次に、損害の認定の問題でありますが、損害の認定の仕組みにつきまして新しいやり方において従来と変わった点はどこにあるわけですか。認定そのものについては従来とはあまり変わらないという感じをこの前の御説明の中から受けるわけですが、いかがですか。
○松岡(亮)政府委員 これは、御指摘のように制度として変更する点はございませんが、運営については絶えず改善をはかってまいっておるのでございます。何と申しましても損害の認定、評価が、この制度がよく運営できるかどうかのキーポイントにもなるわけであります。一面においては非常にめんどうでむずかしいことではございますけれども、絶えず改善をはかってまいりたい。これは法律の制度の面でいろいろな基準なり規定を設けることは困難でございますし、また設けましても、何といいましても運営がよろしきを得なければその目的を達成できる性質のものではございませんので、これは常に研究して改善をはかるということで、制度上の問題としては今回の改正に盛られてございませんけれども、今後とも研究いたしましてさらに常に改善するようにいたしてまいりたいと考えております。
○安井委員 第九十八条の二の損害認定の準則については、今回は全く手を触れるおつもりはないということですか。
○松岡(亮)政府委員 準則につきましては、これは今回の改正に伴いまして若干の改正を要すると思われます。従来は連合会の段階で大まかにやっておったようなことを組合ごとにさらに分けて、何と申しますか、もう少し緻密にやれるような準則に改めたい、かように考えております。
○安井委員 水稲損害評価各段階別決定状況という資料によりましても、組合の段階と連合会の段階とそれから農林省の段階ときわめて誤差が多い点、相変わらずこれは気になるわけでありますが、これからあとの評価の進め方についても、たとえば被害率の計算においては、いままでは県段階で一応農林省はそろえていたのを、ストレートに今度は組合別の被害率で掛け金の基礎もおつくりになるというふうな、つまり個々の組合の実態に重点を置いた掛け金のきめ方まできめこまかにお考えになっている、そういうふうな方向からいいましても、やはり被害の認定についても組合ごとの配慮の行き届いたそういうふうな措置でなくてはならないと思うわけであります。その点からいいますと組合の中の実態を一番よく知っているのは個々の組合でありますから、個々の組合の意見というようなものをやはり強力に取り上げるという形、これが私は望ましいのではないかと思います。掛け金の基礎になります被害率のほうについてはまことにきめがこまやかだが、しかし損害の認定については上からただ押しつけてくる。県段階で足をそろえて、それをまた下へ逆におろしてくる、こういうようなことでありましては農民の不満を買うばかりではないかと思うわけです。その点、政府側における、農林省側における損害認定のあり方についてもやはりこの際もっと検討される必要があるのではないかと思うのですが、いかがですか。
○松岡(亮)政府委員 確かに組合ごとに被害率を算定し、料率をきめてまいるという方向へ変えるにつきましては損害評価の機構というものも——機構といいますか、運営という点につきましても従来よりは一そうきめのこまかな方向に改善する必要があると存じます。その方向で準則を改め、実際の評価のやり方につきましても改めてまいりたいと存じますが、一面におきましては、組合ごとに料率を定めるということは、従来と違いましてその各組合における損害の評価というものが——損害の認定なり評価が自分たちの料率にも反映するということになってまいりまするので、従来よりその点におきまして相当また損害評価に対する関心と申しますか、評価のやり方、あるいは評価の高さ等につきまして、かなり従来よりは突っ込んだ気持でやってもらえるんじゃないかということも期待しておるのでございます。いずれにしましても、ただいまお話のありましたような方向で改善をはかってまいりたい、かように思っております。
○安井委員 いま局長のおっしゃるように、組合ごとに対するきめのこまかさというふうな方向にお進みになるのであれば、現在における農林省の統計機構においても組合ごとの小さなところまで正確に計算をはじけるだけのサンプルの数をふやすとか、あるいはまた増員が必要であるとか、そういう新しい問題が起きてきはしないかと思います。市町村段階、さらにまたもっと下がった段階にまで正確さを一そう加えていくような損害評価を農林省自体としていまのままでやれるとお考えなのですか、それとももう少し現在やっておられるやり方の中に加えていかなければいかぬとお考えなのですか、どうですか。
○松岡(亮)政府委員 農林省の統計調査機構を使いまして組合ごとまでの資料をつくるということにつきましては、いろいろな問題があると考えるのでございます。まず第一に、現在の組合や連合会が郡市別あるいは組合別の損害評価資料をつくっておるわけでございますが、それと重複して今度農林省の機構も同じような仕事をやるかということが一つの問題でございます。第二の問題といたしましては、そういう調査をやりますためには農林省の統計機構を現在よりよほど大きなものにしなければならない。人員におきましても経費におきましても、いまのやり方より数倍必要だ、私まだ手元に資料がございませんが、サンプルの数も非常にふえますので、相当多くのものを要するということになってまいるわけでございます。それから、第三の問題でございますが、末端における現実の損害評価の問題と申しますのは、これは非常に直接利害に関連してくる問題でございます。統計調査機構というものを一般の行政などと同じようにそういう面に——行政の面あるいは事業の面に直接利害のあるような面に使うということが統計の客観性をそこなう心配があるのじゃないかというのが第三の問題でございます。それらから考えまして、現在の共済団体の損害評価機構と重複して農林省の統計機構がそのようなきめのこまかい損害評価にタッチしていくということについては、私どもかなり疑問を感じておるわけであります。これはまだ科学的な方法ができておりませんものでございますから非常にめんどうなことでありまして、やはり自主的な機構でできるだけお互いの納得ずくできめていってもらうという意味で、団体の機構を使うということにまた長所もあると考えられまするので、むしろ連合会、組合の評価機構をできるだけ改善しながら活用してまいるということにいたしてまいりたいと考えるわけでございます。
○安井委員 損害の評価について連合会の機構も活用していくということでありますが、しかし一方そういうふうな損害の評価の結果として出てまいりました被害率そのものが、あとになってこれはもう農林省が全部つかんでしまって被害率を各組合ごとに決定する場合の新しい段階にいきますと、被害率を変える段階にまでいきましたら、今度はもう連合会のほうは全く無視して農林省が直接おまえの組合の被害率はこうだぞというので押しつけてしまう。初めの調査の段階においては連合会の意見をお聞きになるようだが、しかし将来の掛け金の基礎になります被害率の決定のときには都道府県の機構を全く無視してストレートで押しつけてしまう、そういうような点、私は若干考えようによっては矛盾があるのではないかと思うのですが、いかがですか。
○松岡(亮)政府委員 料率の決定のほうは過去における被害の資料を機械的に使ってつくるものでございますから、その資料をつくる過程において、連合会の段階、農林省の段階で資料の理解のしかたあるいは資料の正確度というようなことで現実にいろいろ問題は起きるわけでございますが、過去においてそういう過程はありましても、被害率あるいは損害の大きさというものはそれぞれきまってまいるわけでございます。料率はそのきまった資料に基づきまして機械的に算定される性格のものでございますから、その辺は私は制度としてそう問題になる点ではない、かように考えております。
○安井委員 私は、制度としてよりも下部の人たちの心理的な抵抗といいますか、そういうような意味で申し上げていたわけであります。 次に病虫害の共済事故除外と共済掛け金除外の問題であります。今回のこの措置は確かに一つの前進であるというふうな気もするわけでありますが、病虫害の事故とその他の天災事故とが十分に区別できないというような例もあるのではないかと思うわけであります。たとえば、去年も私、農林水産委員会の調査で多くの方と一緒に北海道を回りましたが、一部へ参りましたら、去年は冷害でひどい地帯がありました。しかしそこは例外なくいもちが出ておるわけです。ですから、冷害という事故といもちという事故とが、いわゆる冷害いもちというような言われ方がされておりますように、随伴して出てくる場合も決してないわけではないと思います。つまり区別が困難な場合もあり得ると思うわけでありますが、そういう際をどう予想されておりますか。
○松岡(亮)政府委員 確かに御指摘のように場合によって、特に冷害などの場合に、これは純粋に寒冷のために起きた損害である、これは寒冷のためにいもちが発生して起きた損害であると、こうはっきり区分することが非常に困難な場合があることは私どもも考えておったわけでございますが、その点につきましていろいろ意見も聞き、研究もして、減収推定尺度などを今後つくって指導していけばやれるのではないかということに結論を出したわけであります。踏み切ったわけでございますが、若干困難があることは御指摘のとおりでございます。
○安井委員 しかしこれは実際上無理に押しつけるという趣旨ではないわけでしょう。
○松岡(亮)政府委員 病虫害を除外しますにつきましては、それぞれ除外したいという組合の申請に基づいてやりたいと考えておりますので、無理に除外するということはいたさない考えでございます。
○安井委員 反当たり四十五円ぐらいという一例としてのお話、補助金として反当たり政府が算定する額は、掛け金のうち病虫害に対応する部分としておおよそそれくらいの額になるのではないかというふうなお話があったわけでありますが、実際の農家の防除費というものとあまりにもかけ隔たっているような印象を受けるわけであります。現実の防除費とそれからいま政府が補助金の算定基礎としてお考えになっておられるものとのかけ隔てがあまり多いという点について若干疑問があるわけです。もう少し何か掛け金の算定基礎について現実の防除費とのにらみ合いにおいて、考慮があるべきではなかったかと思うのですがいかがですか。
○松岡(亮)政府委員 実は病虫害防除につきましては、かつて補助金を支出しておったことがあるわけでございます。これは二十年代のことでございますけれども、非常に零細な補助金ということでその後廃止いたしまして、むしろ防除器械等に対する低利の融資というようなやり方でやってまいってきておるわけでございます。それから病虫害の発生予察でありますとか、そういう指導面におけるほうでいろいろと充実してまいっておるわけでございますが、今後におきましても、病虫害の防除事業そのものに対して補助するというたてまえをとることは、実はいろいろの意味において相当問題があったわけでございますが、しかしこの際むしろ積極的に前進という意味におきまして、事故が起きてからそれの損害を補てんするということよりも、起きる前に事故を少なくするということによって農家にプラスしたほうがはるかによろしいではないかという趣旨で病虫害を事故からはずしますと同時に、それを若干でも推進する——ほかの政策もいろいろございますが、この面からも推進するということにいたしたわけでございます。どのくらい出せばよろしいかということは、そういう意味からいいましてなかなか適当に出す方法がないわけでございます。反当たり四十五円という推定は、大体現在の防除費用の一割くらいに相当するかと思いますが、これも組合全体といたしますと、ある一つの村にとっては三十万円くらいの額になるわけでございますから、防除協議会等においてこれを活用すれば、相当有益な使い方ができるのではないか、そういう趣旨で計上することにいたしたわけでございます。
○安井委員 私はどうも四十五円ぐらいではあまり農民は乗ってこないのではないかというふうな感じを受けます。しかしこれはそれで大きな期待を寄せている向きもあるいはあるかもしれませんが、どうも実際の内容を知っている立場から言うと、反当たり四十五円ぐらい、一つの村で三十万ぐらいでは、ちょっと機械を買えばそれでもうなくなってしまうような金で、薬剤費にはとても当たらないし、大きくこれに期待を寄せる農家は少ないのではないか。つまりこの四十五円という額そのものが少し低過ぎるのではないか。だからそういうような意味でこの算定の基礎をもっと考え直して、この額そのものが大きくなるように考え直しておやりいただくことのほうが適当ではないか、こういうような気がするわけです。 次に事務費の問題について若干お尋ねをいたしたいと思います。業務の基幹的事務費は全額国庫で負担をするというたてまえになっているわけでありますが、しかし現実には組合あるいは連合会が支出をしております額と政府が支出をされておりますものの基礎とには非常に大きな開きがあるという実情は、この間いただきました資料の中にも明らかであります。職員の設置費でありますが、現在の段階では、たとえばこの聞いただきました資料の中にも、農業委員会等の職員と比べますと、算定基礎が非常に低いわけです。これはどういうふうな理由によるものか、さらにまた、これをそろえるような方向にもっと積極的にお進めになるお気持ちはないのか、その点をひとつ伺います。
○松岡(亮)政府委員 農業委員会は市町村の吏員でございます。農業委員会の書記は町村吏員でございますので、ベースにおいて一般の農業団体よりやや高いということは事実でございますが、しかしそれで私どももいいというような考えではなくて、できるだけベースの差をなくしたい、かように考えて年々改善をはかってまいっておるわけでございます。本年度も従来支出しておりませんでした期末手当を新しく計上することにいたしまして、かなり改善ができることと期待いたしておるわけでございます。ただ共済組合につきましては任意共済事業というものがございます。また特に連合会の場合には蓄積されました資金を運用した利益というような収入もあるわけでございます。これは一般の公共団体における場合とは制度が違っておりますので、そういうことから連合会の場合は必ずしも他の団体等に比べましてあまり見劣りがいたしてないわけでございます。町村の場合に若干そういった問題がございまするので、今後もその改善を一そう推進してまいりたい、かように考える次第であります。
○安井委員 給与の基礎でありますが、公務員の場合と農業共済組合の職員に対する算定の基礎とでは、特に手当の種類等において違うんだろうと思うのですが、どういう点が違っているか、その違いをひとつお話し願いたい。
○松岡(亮)政府委員 農業委員会と共済組合の職員の給与の主たる差は、従来期末の手当にあったわけでございます。新しく今年度から計上されるものにつきましても、期末手当で勤勉手当がまだ含まれていない、そういう差がございます。これは従来の考え方は、共済組合は事業団体であって、手当などは自分の事業の利益によって出すべき筋であるというような考え方に基づくものと私は考えておったわけでありますが、しかし、本年度からはやはり期末手当も計上することにいたしましてその差をなくしてまいりたい、かように考えております。
○安井委員 寒冷地手当だとかそれから石炭手当、薪炭手当等の問題についても、これはもうけて払えという筋合いのものではないと思います。勤勉手当ならあるいはいま局長がおっしゃったようなお話が、これは筋が通るとは思いませんが、一つの理屈になるかもしれません。しかし、地域によってそういうようなものがなくてはそこの職員の生活の基礎がくずれてしまうというような地域については、当然な問題だと思うのでありますが、そういったような特殊な手当についてはどうお考えなんですか。
○松岡(亮)政府委員 ただいま申し上げましたように、従来給与の差は主として期末手当の勤勉手当にあったかと思うのでありますが、そのほかにいまあげられました寒冷地手当、通勤手当等も計上してないのは事実でございます。これは基幹的事務費を全額補助するという考え方でございますけれども、そういうものは地域的に差があるというようなことから見まして、基幹的事務費と言えるかどうかということについて若干の疑義があるということは事実でございます。しかしながら、私どもとしましてはできるだけ全体として給与水準を向上させるということで、本年度はさしあたり期末手当の一部を計上するということで、漸進的ではございますけれども、できるだけ改善をはかってまいりたいというように措置しておるわけでございます。しかし、二、三年の間にかなり給与水準は上昇していると私どもは考えております。
○安井委員 いまの御説明はおかしいと思うのですが、それじゃ基幹的事務費というものはどういう意味ですか。
○松岡(亮)政府委員 協議会の答申等におきまして基幹的事務費といわれておりますのは、当時はっきりした定義はなかったわけでございますが、組合の運営上基幹的に要る人件費、事務費、こういうように理解してまいっておるのでございます。しかし、その辺のことにつきましてははっきりした当時の定めがございませんので、私どもとしてはできるだけ改善するという方向で措置してまいりたいと考えております。
○安井委員 基幹的事務費のいまの職員の給与費についても、これは国家公務員給与法やあるいは地方公務員についてのいろいろな給与に関する条例等を見ましても、寒い地域には寒冷地手当や石炭手当、あるいは薪炭手当等が当然必要だし、あるいはまた通勤の必要なところには通勤手当というものが必要だし、そういうようなことでこれはよけいなものだけれどもまあ要るだろうからやるという仕組みではなしに、法律の中にはっきり組み込まれていると思うわけです。それぞれの地域の必要に応じた給与体系というのができていて、その給与体系の一部になっているはずです。だから、たとえば東京にいる公務員も、東北にいる公務員も、北海道にいる公務員も、それぞれの生活の実態に即した姿で給与の体系というものが組み込まれているわけです。そういうようなものが共済組合だけに、基幹的事務費というのはそういう地域的な問題等は全く考えなくていい、そういうようなものをみんな除いたのが基幹的事務費だ、こういうことでは私は全国にばらまかれている組合の運営の実態を無視するものだと言わなくてはならないと思うのです。やはり現在の国家公務員の給与体系そのものが、私は全く完全なものだとは言いがたいと思いますけれども、しかしながら、現実にこれが行なわれている際でございますので、同じ政府が法律の定めるところによって処置されるというふうなものについては、大体において国家公務員給与法のその方向に従った措置が全体的に統一的にとられるというのが私は正しい方向ではないかと思うわけです。いかがでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 基幹的事務費と申しますのは大まかに表現されたことばであると私どもは思っておるわけであります。事務費、人件費の全体ではなくて、そのうちの基幹的なもの、そこでわれわれが適用する場合に考慮しなければなりませんのは、低被害地でも高被害地でも、あるいはいろいろな地域の差があってもどうしても要る費用、また事業の性格からいいましてこれはほかのいろいろな支出の中でどうしても中心になる経費というものを基幹的事務費というように、これはそのときの定義はございませんのではっきりいたしませんけれども、そういうように解釈されるのではないか。低被害地と高被害地の場合に低被害地の不満というものがございます。賦課金が高いというのも一つの不満でございますが、それは低被害地においては共済金の支払いが少ないにもかかわらず高被害地と同じような賦課金を課せられるということが一つの不満であると思われるわけでありますが、そういう点を緩和するためには、高被害地でも低被害地でも、いずれにも必要な基幹的な事務費というようなものが考えられるのではないか。それは厳密にそういった適用をいたしておるわけではございませんが、私どもとしてはできるだけ拡張的に解釈して改善に努力してまいっておりまして、これはこの二、三年の実績をごらんいただけば非常に給与は改善されておるということを実は申し上げたいわけであります。
○安井委員 やはり私はどうもおかしいと思うのです。職員の通勤手当と寒冷地手当とは、被害地の被害の高低とはこれは全く無関係なことだと思うのです。低被害地であろうと高被害地であろうと、通勤手当の必要なところは通勤手当が要るのだし、寒冷地手当の必要なところは要るわけですから、それと被害の大小とを関連づけようという考え方自体が私はおかしいと思うのです。その組合の事務の最低の処理ができるというような、そういうような含みの上に立っているので、被害の大小、もちろんこれは組合の事務費にもあるいは若干は関係あるかもしれませんけれども、しかしそれとは無関係に、組合そのものの運営が最低限度果たされるための職員の給与費というようなものが算定されるのが当然だと思うのです。組合の運営そのものが最低限度に果たされるということ、そういうことになりましたら、そういう立場から職員の最低生活を保障するためのいろいろな手当の問題が考えられなくてはならない。だから組合の被害の高低とそれを結びつけようという考え方は、これは全く私はナンセンスではないかと思うのです。いずれにいたしましても、一番最初局長は、今後の職員の給与水準の引き上げのためには一そう努力するということをはっきりおっしゃったわけでありますが、やはり理想としては、保障というふうなことばをうたっている以上、農民の負担をなくして全額国がやるのだ、それぐらいのかまえがなくてこの事業を成功させることはできないと私は思うわけです。 そこでもう一つ、共済の連絡員の手当、それから損害評価会委員の手当はどういうことになっていますか。
○松岡(亮)政府委員 損害評価会委員が八百円、連絡員が二百五十円でございます。
○安井委員 これは損害評価会委員の八百円というのは年間でしょう。あまり高い金ではないと思うのですが、共済連絡員の手当一年間に二百五十円という給料は、これも私は時代離れのした数字だと思います。これはいつごろおきめになったのですか。最近のものですか。
○松岡(亮)政府委員 五年くらい前から計上してあるものであります。
○安井委員 五年くらい前に二百五十円ときめたのを今も二百五十円ということでおやりになっておるそうでありますが、池田内閣の所得倍増計画ができてから物価がどんどん上がっているのは農林省のほうも御承知だと思いますが、いま二百五十円もらって一体何にするのかということです。(「しょうちゅう一ぱいだ」と呼ぶ者あり)おそらく田植えに出てくる人でも最近は千円以上払っています。しかも食事がついて、それこそしょうちゅうの一ぱいぐらいついて千円くらいだと思います。一年間に二百五十円という数字が共済連絡員に支払われておるという考え方自体がどうもおかしいと思うのですが、いかがですか。
○松岡(亮)政府委員 ごもっともでございますので改善する方向で検討いたします。
○安井委員 いまの事務費や給与の問題についてはずいぶん問題がたくさんあるのですが、特に町村に移管された組合がすでに六百くらいあるわけですが、このいただきました資料で見ましても、その公営に移管された組合の職員の給与水準は二千円くらい高い。移管されないものはもともとの低い水準のままに押えられておる。こういうことではこの制度の本質の問題にもさかのぼって、問題は一そう重大さを増してくると思うのでありますが、そういうアンバランスにつきましてはどういうふうにお考えですか。
○松岡(亮)政府委員 これは町村移譲前と移譲後におきまして差が出ておることは御指摘のとおりであります。ただ移譲する前の給与水準というのは一連の差があります。それもありますが、経営困難になったりあるいは弱小であるという組合の例がかなりございます。その辺の関係も考慮する必要があると思いますが、それはそれといたしまして、一般に末端の町村におきましては町村吏員に比べまして、共済組合に限らず農業団体の給与水準はやや低目でございます。これは今後の問題としてさらに改善の努力が必要であるというように考えます。
○安井委員 事務費の問題については算定基礎になります職員の給与費、さらにまた連絡員や評価委員の手当の問題については再検討するというお約束をいただきましたので、その点はぜひ次の段階で実行に移していただくように要望しておきます。 それから果樹の共済の問題については先般来いろいろ御質問がありましたのできょうは省略いたしますが、畑作共済につきましては計画的に今日まで調査をお進めになってこられた様子でありますが、現在までの結果それに対する農林省の考え方、将来におけるその制度の可能性、こういったような問題につきましてこの際明らかにしていただきたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 畑作共済につきましては、御要求によりまして資料として詳細に書きまして御提出をいたしたわけでございますが、その資料の最後に今後の方針というのを書いてございますが、その前に、従来やりましたことを概略申し上げますと、三十二年五月通常国会におきまして、大豆、なたね等について国の再保険措置の道を開くよう準備を進めよという附帯決議がございました。これによりまして三十三年度から三十五年度まで大豆共済、それから三十六年度から三年間の計画で麦類、バレイショ、豆類、てん菜、ハッカ、除虫菊、亜麻、なたねの八品目につきまして畑作共済の基礎資料をつくるための調査を実施いたしたわけであります。これは特に北海道に委託して行なったわけでございます。 そこで、その調査の内容等につきましては、そこに列挙してございますが、これは果樹共済等で申し上げたように、被害の実態あるいは収量変動というようなものを中心にして調査を実施したわけでございます。北海道においては、大豆作地帯二十組合、これは大豆の場合でございますが、やっております。それから一般の畑作につきましては、現在実施中でございますが、北海道の主要畑作地帯二十組合を選びまして、やはり調査を実施しておるわけでございます。まだ調査が終わらないのでございますが、今日までの結果を一応見てみますると、かなりまだ問題がある。特に収量変動などが非常にはなはだしいというようなことでございまして、まだ技術的にこれをどういうふうに共済制度に乗せるかということについての解決点を発見していない状況でございます。しかしさらに今年度も調査を実施いたしますので、その結果を見まして、今度は学識経験者などによる研究会をつくって、それをどう見るか、また具体化するについてはどうすべきかということについて意見を求めたいと考えております。
○安井委員 いままだ調査段階でありますから、きょうは多くは申し上げませんが、一番初めにいただきました資料でも、アメリカ、ソ連、カナダ等の共済保険制度についての資料をいただいているわけでありますが、これらのどこの国に行ってもみんな水田はないんですから、畑作共済ばかりなわけです。ですから日本の場合には、畑作共済というような特殊な言い方をいたしますけれども、畑作共済が外国農業では本筋なんですから、やろうと思えばできないことはないのではないかと私は思います。さらに一そうの御検討を願っておきます。 家畜共済の問題について最後にちょっと伺っておきたいのですが、毎年の改正で幾らかずつ改善をされつつあるわけでありますが、しかし現在の段階では、家畜の問題は今後の成長部門として一そう大きな期待が寄せられているわけでありますので、いま残されている問題としては、病傷掛け金の国庫負担を少なくも二分の一にすべきだという要望がきわめて強いわけであります。死廃掛け金と同じように引き上げるべきだ。特に開拓農家の場合には、まだ経営が不安定だから、三分の二くらいに上げてくれというような要望も私どもは聞いているような状態であります。病傷掛け金の国庫負担の問題について政府はどういうふうに御検討されておりますか。
○松岡(亮)政府委員 これは過去数年来、五、六年になるかと思いまするが、毎年度予算要求をいたして、本年度の予算につきましても要求してまいったわけでありますが、実は実現するに至らなかったという実情でございます。その際問題になりました点は、これは乳牛の飼育が急速に伸びている、そのために飼養になれない農家も相当ある、あるいは技術的に管理技術また飼養技術の低いところが相当あるというようなことで、事故率が非常に不安定であるというようなことが技術的な問題となっておるわけでございます。しかしながらわれわれとしましては、そうはいいましても、この問題は多年の懸案でございまするので、今年度におきましては家畜加入推進奨励金ということで二億二千万円ほどの予算を計上しまして、家畜加入推進ということで補助金を支出するという方向で問題を一応処理したわけでございます。しかしながらさらに家畜共済につきましては多頭化しようというような方向に即しまして、現在の制度を基本的に再検討すべき段階になりつつありまするので、それらとあわせましてこの問題の解決をしてまいりたい、かように考えます。
○安井委員 いままでそういう予算要求はしているがなかなか認めてくれないのだという事情だそうでありますが、しかし大蔵省のほうは何といっても金を出したくないんだから、要求を幾らしましても押えようとするんだろうと思うのです。しかし病傷掛け金の負担をして、早期の診療を受けるようにすれば、死廃事故は当然減ってくるわけであります。それによって死廃事故に対する国庫負担も減少するということになるのじゃないでしょうか。ところが現実には病傷掛け金のほうは死廃掛け金よりもむしろ高いというようなことで、これに全頭数を入れることを避けようとする傾向ができて、実際問題としては、そういうことから死廃をよけい出していて、死廃に対する国の負担を多くしている、こういうふうな実態もあると思うわけです。国の支出を少なくするというふうな方向からいっても合理的だし、何を言いましても多頭化飼育というような方向が今後の畜産を発展づけていく一番大事な問題だと思いますので、何としても病傷掛け金の国庫負担の問題だけは当面解決すべき問題だと思うわけです。ただ単に要求して毎年はねられてまた出すというような、単なる年中行事的なものに終わらせないで、ぜひ政府としても腹をきめていただく段階にきているというふうに考えます。そういうことでひとつ御努力を願いたいわけであります。 そのほか家畜診療所の経営を一そう強化するために力を政府も入れてもらいたいとか、家畜事務費の国庫負担の強化であるとか、あるいは診療点数の改定の問題についても、若干小さな改正は続けられているけれども、しかし一般的な経済情勢から見て国庫負担の問題にも関連はしてまいりますけれども、この際改定をすべきではないか、こういうような意見も出ておるようでありますが、これについていかがですか。
○松岡(亮)政府委員 診療所の整備につきましては毎年予算を計上しましてその整備をはかっておるわけでございますが、診療点数につきましでもさらに本年度改正をいたしまして、昨年度と合わせまして約二〇%引き上げをすることにいたしました。もっとも、これによりまして農家負担は原則としてふえないというように措置いたしております。
○安井委員 いまのはその診療点数の問題ですか。その全体的な問題につきましてもっと根本的な考慮が必要ではないかという意見があるのですが、いかがですか。
○松岡(亮)政府委員 診療点数のいろいろな内容につきましては昨年来相当改善いたしたつもりでございますが、一方におきましては診療の際のカルテの記入方式とか、いろいろな面で簡素化しなければならぬとか、そういった問題があったわけでございます。これらもかなり簡素化をはかったりいたしておりまするが、診療点数につきましては、これを基本的に考え直す問題があるかどうかということはかなり専門的な事項にも属しまするので、もし必要があれば専門家に集まっていただきまして検討会でも開いて措置してまいりたいと考えます。
○安井委員 最後に、共済掛け金率の問題についてはもうこの間うち大臣との質疑応答で、それからその後しばしばこの問題は今度の法案審査の中の一番重点として取り上げられてまいっているわけでございますので、もう大体お話は尽きていると思うのですが、現実に掛け金が上がるという実態、さらにまた組合によりましては、掛け金の補助の組合に対する歩どまりが減って、掛け金が上へ吸い上げられてしまって、むしろいままでより不利になるという。そういうふうな姿も北海道とか長野等においてあらわれているようであります。そういうふうな問題をもあわせてこの掛け金率の問題について、この審査がいまだんだん終わりに近づいてきつつあるわけでありますが、もう少しはっきりした結論を農林省としてお出しになっていただきたいと思うのでありますが、いかがですか。
○松岡(亮)政府委員 掛け金率とそのうちの農家負担という問題がございますが、それに合わせて賦課金というものが全体としての農家の負担でございます。これに対しまして、一面においてはその負担をすることによって受ける利益というものがございます。これは共済金の支払いという形で出てまいるわけでありますが、この制度が長期の均衡ということを基礎にして成り立っておりまするので、長期で見ますると、農家負担に対しまして全体として相当大きく支払いが行なわれておるわけでございます。出した負担よりも受けた利益のほうがずっと大きいということでございますが、しかしそれは全国的に平均的に見た場合であって、場所によっては低被害であるために負担のほうが大きかったという実例が出ておる、それが最も制度における現在の問題ではないか、かように考えまして今回の改正をはかっておるわけでございますが、しかしながら現実に理由のいかんにかかわらず制度改正によって上がるということは運営上まずい面が出てまいりますので、上がることのないように補助金を支出するという附則の御趣旨に従って今後そういうことのないように補助金を支出してまいりたい、その支出のしかたにつきましては上がるほうに比例していくように考えてまいりたい、そういうように私どもは考えております。
○安井委員 私申し上げているのは、たとえば掛け金に対する国庫補助の問題にいたしましても、たしか最低線を五〇%補助に押えて、それからずっと逓増的に負担を増しておられる、そういうような仕組みをとっておられるわけですが、これを一番下を六〇%から始めて上げていっても別に差しつかえないことじゃないですか。そういうような改正の措置も考えられる。そういうことによって国庫負担がふえるようですが、しかしそういうふえた分だけ附則によるところの補助金が減っていくわけですから、そういうような仕組みでもっと改善の余地があるのではないか。あるいはまた通常標準被害率のとり方にいたしましても、もう少し考慮を払えば私がさっき申し上げたような問題点も解決する方向に近づいてくるのではないか、あるいはまた被害率の算定においても、被害が特に極端なものはそれをかげんして中に入れていくとか、そういうことによって私が申し上げたような疑問も幾らかでも改善されていくのではないか、つまり改善しようと思えばやる方法は私は必ずあると思うわけです。そういうような問題についてこの間うちの論議を通しましていろいろ意見が出てきたわけでありますが、農林省として考え直す余地はないのか、こういうことで私はお尋ねしているわけです。
○松岡(亮)政府委員 最低の負担率を五〇%から六〇%に上げるということがまず第一点でございますが、これはまず現状から申し上げまして、改正後におきましては全体として三分の二近い額を国が負担しているわけでございます。それから最低五〇、最高は百分の百を国が負担するというたてまえでございますが、それで平均しまして三分の二近いものを国庫が負担する。これは最低を六〇に上げる、あるいは平均して八〇まで国庫負担するということは、言うべくしてなかなか実現困難なことでございますが、もう一つはそう上げるにつきましては、制度全体の問題を相当考え直す必要もあるかと思います。そういうふうに大きく上げていくということは国家補償に近づいていく、保険という仕組みをある程度変えていくというような問題もあるかと思うのであります。それらの点についてやはり十分な検討をした上でなければ私どもとしてはなかなか踏み切れない問題でございます。 そのほか第二、第三の点でございますが、第二の標準被害率を高目にきめるということは、逆にまた組合の危険をふやすという問題もございますが、第三の高い被害率について調整の余地はないかというようなことにつきましては、土地改良によって被害は現実には減ってきたけれども、過去の被害から高い被害率が出る。そういう具体的な事例は若干ございます。そういうことについて若干の調整は今後考えてまいりたい、こういうように考えております。
○安井委員 私はいままでいろいろ議論されたことに対する最後的な調整策というふうな意味でいま二、三、一例として申し上げたわけでありまして、一番最初の国庫負担方式の今度の別表のあれを六〇%からやれという言い方を一つの例として申し上げたわけです。つまり、私がこの前も申し上げたように、いまの改正の方向というのは、国が全体として出している国庫負担はそのままにして、いままでの高いところのものを削って下にやったりして、国がふところから出す金は一銭もふやさないようにして、いままであった仕組みを組みかえただけですよ。だからどうしてもアンバランスができておる。だからそのアンバランスができないように下のほうを五〇%まで法律でできておるわけですから、これをこれ以下に下げるわけにいかないから、むしろこれを上げぎみにしながら全体的に累増方式でやったら、いまのような不満も消えてしまうのではないか。つまり別表の改正という問題ですね。それからまた通常被害率の問題も、このとり方のいかんによって、さっき私が申し上げたように、掛け金に対する国庫の補助が組合自体にこないような組合ができたり、それから掛け金の吸い上げがぐっとふえて組合に対する現実の保留が減ってくるというような非常な不満が現に組合から出ておるわけです。そういう問題に対する解決策としてそういうようなことも考える余地はないか。 それからまた被害率のきめ方についても、たとえば私は北海道の出身ですから、例を申し上げると、いま言ったように土地改良というふうな面から基盤がどんどん整備されているという問題もありますし、稲の品種も耐冷品種がどんどん育成されて、昔は新雪とかフクユキとか、いまはヤチミノリとか新栄だとか、そういう新しい耐冷品一種に昔の豊光とか、農林三十四号というふうな種類がすっかり入れかわってきておるわけです。それによって冷害にも非常に強い耐性になってきているし、あるいはまた育苗や肥培管理の技術も非常に進んできている。こういうような情勢の中から、昔の災害の頻度や、あるいはその深さが非常に激しいものが、もうすっかり情勢が一変している中に組み込まれてしまっているというようなことが、機械的な計算によって出てきている被害率を現実に即しないものにしている。こういう実態についてもっと考慮すべきではないか。こういうふうな考え方として先ほど申し上げたわけであります。最後の問題については考慮の余地があるというふうな御説明であったわけでございますが、この問題については私どももまだこれまでの御説明で十分に納得しかねる感じを持っているわけであります。さらにまた今後の審議を通しまして明らかにしてまいりたいと思います。 きょうはこれで終わります。
○長谷川委員長 東海林稔君。
○東海林委員 私は共済組合の職員の待遇の問題とこれに対する国庫補助の関係について少し御質問したいと思うわけですが、ただいま安井委員からも質問がございましたので、ごく二、三点だけ質問いたしたいと思います。 ただ、その問題に入る前に緊急の一つの問題として、けさの新聞を見ますると、昨日の午後群馬、埼玉両県下にわたって非常に激甚なひょう害があった、こういうことが出ておるわけですが、新聞には主として人畜の被害の関係が報道されているわけでございますけれども、おそらく農産物についても多大の被害があったのではないかと想像されるわけです。農林省のほうに速報的なもので何らかの報告が入っておりますればこの際御報告を願いたいし、もしそういうものがまだ入っていないといたしますれば近い機会に何らかの報告を本委員会にしていただきたい、このように思うわけですが、いかがですか。
○松岡(亮)政府委員 私もこちらに参る前に新聞を見ただけでありまして、まだ速報を入手いたしておりませんが、入手次第ごらんに入れますよう措置いたします。
○東海林委員 共済組合の職員の待遇が、ほかの同種の農業団体の職員の待遇等に比べ、あるいは市町村の職員の待遇等に比べてもきわめて低位にあるということは、一般的にいわれておるところでございます。二、三年前には、農村に電気器具を普及するというような際に、電気器具の販売業者が、共済組合の職員は農家の実情もよく知っておるし、それからさらに計数的にもある程度詳しいというようなことからして、だいぶ引き抜き運動があったというようなうわさを聞いたこともございます。なお先日長野県にちょうど実情調査に参った際、市町村移管後の実情を聞きました際にも、町村合併前に数カ組合でやっておったものを、これを一つにしてさらに町村に移譲する、そういうことのねらいの一つとして事務の合理化をはかり事務費の節減をはかるということが考えられたのだが、しかし実際には年々むしろ事務費というものが増加しておる。その主たる原因は人件費の漸増にある。これが現在市町村で共済事業をやっておる一つの悩みであるというふうな話も聞いてきたわけでございます。 先日いただいた資料並びに昭和三十八年度予算要求説明資料の両方を私ちょっと見たのでありますが、この資料によりますと、三十六年度に実際に共済組合で支給している一人当たりの職員費一万五千六百六十九円に対して、国の負担が一万四千四十四円になっておる。三十七年度の補正予算で公務員のベースアップに準じて一部これが増額され、さらに三十八年度には一・二カ月の期末手当を計上したことによってこれが一万七千三十円になるというような数字が出ておるわけであります。なお連合会については、昭和三十六年度に実績の二万九千五百四十五円に対して国の負担が一万四千八百六十九円、これが三十八年度で一万九千五百七十九円、こういうふうな数字になっておるわけでございますが、たとえば同じく資料に出ております農業委員会の職員に対する国の負担三十八年度の二万一千八百九十二円等に比べても非常に低い額になっておるわけです。 そこでまず、この昭和三十八年度の国の予算の計上の際に、一体どういう基準でこの単価の一万七千三十円というものが出ておるのか、このことをお伺いしたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 これはまず基準になる給与ベースでございますが、前年度の給与ベースに比べまして、公務員のベースアップとにらみ合わせましてベースを上げて算定いたしたわけでございます。そのほかに従来なかった期末手当をつけるということで要求したわけでございますが、これは最初の年度でございますので一・二カ月に終わったわけでありますが、それらを合わせまして月頭にいたしますと一万七千円でございますか、そういう数字になるわけでございます。
○東海林委員 ただいまのような算定だとしますと、今後ベースアップされる分についてはある程度考えられるということでございますが、従来低かった共済組合の職員の待遇を改善するというならば、さっぱり改善されないのじゃないか。ほかの同種類の農業団体なり公務員のベースアップに比べて従来低かった部分が縮まるということにはならないと思うのですが、先ほど安井委員に対しては今後待遇改善については努力する、こういうようなお話でございましたが、そういうことからいいますと、いまの御答弁のような考え方で今後いきますとその差というものは依然として縮まらない、こういうふうに私には考えられるのですが、その点いかがでございましょうか。
○松岡(亮)政府委員 従来の給与ベースの差が農業委員会などに比べますと、主として手当の面にあったということも考えまして、本年度は新しく手当を計上したわけでございますが、これはまだ私どもも十分だとは思っていないわけでございます。手当そのものの増額も必要であると考えておりますが、とにかく農業委員会あるいはほかの農業団体等に比べまして見劣りのないようにいたしてまいりたいということで、とにかくこの一年かなり近づいてきたと思っておりますけれども、努力してまいりたいと思っております。
○東海林委員 それからこの補助定数の関係ですが、予算要求説明資料を見ますと、「組合職員の予算定数については、最近数カ年の減少傾向を勘案し一%(二〇〇人)を減ずることとした。」こういうようになっておるのですが、現在の補助対象となっておる人員は、実際に置かれておる職員との関係は一致しておるのですか、どういうことになっておりますか、その関連をちょっと御説明願いたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 これは予算定員と実人員は一致しておりません。これは過去においてずっとそうでございましたが、なぜかと申しますと、一般に県の補助職員の場合でも必ずしも一致しない場合がございますが、この場合には任意共済事業の関係がございますので、それに伴う人員は補助しないというたてまえでございますし、そうあるべきでありますのでその差がございます。そういった関係で実人員と定員とは一致しないというのが現状でございます。
○東海林委員 そうするとただいまの答弁は、任意共済に従事する計算される職員を除いた部分と補助対象定数は一致しているこういうふうに理解していいわけですか。
○松岡(亮)政府委員 その辺は一致させるたてまえでございますが、これは退職とか新規に採用とかいうのは年々随時起きておりますので、必ずぴったりと合うというわけではございませんけれども、そういうたてまえでございますが、実際は、最近の実情は予算定員を下回っているのではないかという推定もあるのでございます。
○東海林委員 今のお答えのように、予算定員より下回っているというならいいのですが、私は実は予算定員よりも実際定員が多いのではないか、いままではこういう考えを持っておったわけです。そういうことであるならば、若干の定員減があってもそれが一致するまでは予算定数を減らすべきじゃないか。こういう趣旨でお尋ねしたのですが、予算定数より下ということであれば私の心配はないわけであります。しかし、その点はさらに十分検討していただきたいと思います。 それから、先ほどもお答えがありましたのですが、地方公務員のベースアップに伴ってやはり今後予算の額は増加させていくというようにはさっきの答弁から理解できるわけですが、ただ一つ私ここで心配なのは、実際に共済組合では事務費で非常に因って、賦課金が高いという非難があるために国の補助が参りましても、それが即職員の実際の待遇向上に全部振り向けられずに、従来事務費全体の不足であったというたてまえから、その中に一部使われるのじゃないかという心配があるわけですが、三十八年度である程度この国庫補助金が増したということに関連して、これを交付する際にそういう点を何らか補助条件とかあるいは注意事項の中にはっきりと示して、これがイコール職員の待遇向上になるように運営されるように注意する必要があるのではないかと思うのですが、そういう点はいかがにお考えでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 ごもっともなことでございまして、私どもも担当課長会議などを開いた場合には、給与ベース引き上げのために計上された予算はそれがそのまま職員の待遇改善に使われるように指導しておったわけでございます。ただ実際の予算の配分は国が県へ配分いたします。これは一定の基準で事業量割りあるいは従来の実績割り、その割り振りのしかたもなかなかむずかしい問題でございますけれども、そういう基礎に基づいてやっておるわけでございますが、さらにそれから県へ割り振る、県から組合に割り振るというところも、なかなか同じような問題があるわけでございます。しかし給与改善のためにとられたものは、これはあくまでも職員の待遇向上に使われるべきものということで、御趣旨のように指導してまいりたいと考えます。
○東海林委員 今回の法の改正に関連してでありますが、御承知のように今度は各組合ごとに従来の損害を調べてその上に保険設計をしていく、こういうことになるわけでありますが、そうなりました場合には、従来のように補助金はただいまも御答弁がありましたが県を通じて交付するということでなしに、直接に組合に交付するほうがより適正にいくのではないかというような感じもするわけですが、この点についてのお考えはいかがでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 確かに機械的に算定できます性質のものは、農林省で組合に対しまして直接交付するということができるわけでございますが、中にはこれは県内のいろいろな地域的な実情等を加味して、あるいは組合運営の実態を加味してやらなければならないという性質のものが相当あるわけでございます。そういうものを農林省が全国四千の組合についてやるというのは非常に容易でなくて、かえって実情に沿わないような問題が出てまいりますので、やはりこれは県を通じてやらざるを得ないんではないか、そういうように考える次第でございます。
○東海林委員 いまの点はひとつ検討していただきたいと思うのですが、それともう一つは、この職員の待遇の改善ということと、さらに今度の改正によりまして末端市町村組合の手持ち責任量が非常に増大するというような面、さらには任意共済の建物の共済事業がだんだん大きくなっていくというような点からして、一面では経理の適正を期さなければならぬのですが、同時に私は、そういう事務の運営の適正を期する意味において、市町村の組合にも参事とかあるいは会計主任というような制度を考えたらどうかというような気がするわけでございます。御承知のように現行法でも農基法等にもそういう規定がはっきり出ておるわけでありますが、農災法にはそういう点がいままではなかったわけです。ただ実際には連合会等においては参事というものがすでに置いてあるようにも思うわけです。しかし法律の規定にないのでございますので——法律に規定のある場合の参事でありますと理事にかわって法律的な行為をなすことができるというようなことにもなっておるわけですけれども、私の理解では、いまの連合会に置いておる参事というのは内部の職制としては考えられますが、外部に対してはそういう組合を代表して理事等の仕事をかわってやることはできないんではないかというふうに理解しておるのですが、まず第一点として、現在の法律に基づかない参事制というものが、理事にかわって法律的な行為ができるかどうかというような点、それからただいま申しますような、一つは経理の適正を期するというような意味と、もう一つは職員の待遇改善というような点からして、連合会ばかりでなく、市町村段階の組合にも参事あるいは会計主任というような制度を設ける必要があるのではないかという点についての御見解、さらに今回の改正案を検討される際に、そういう問題について御検討があったかないか、そういうような点についてお尋ねいたしたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 組合の責任が拡充されまするので、その事務担当者の権限と責任を明確にしたほうがよいではないか、そのために参事を法律上の制度として置いてはどうかというお尋ねでございますが、現在連合会につきましては全部、また組合につきましては相当数参事の制度がございます。これはただいまお話がございましたように、法律上の制度ではなくて、職制に基づいて設置されておるわけでございます。それを法律制度としますことの問題点でございまするが、農協の場合とこれを比較して申し上げますと、農協は、経済事業をやって、販売、購買等の事業によりまして外部との取引が日常相当多くあるわけでございます。ところが共済団体の場合は、組合員との関係あるいは連合会と組合との要するに構成員との関係が大部分で、これは内部関係と申し上げていいかと思います。そういう意味で、包括的な代理権を持った法律上の制度としての参事、商法上の支配人に相当するものでございますが、そういうものを置くことの必要性は、こういう制度が要するに取引の安全という趣旨から設けられておるわけでございますから、それ自体としての法律上の必要性はあまり感ぜられないかと思うのであります。しかしながら、これは一面において内部の事務処理におきましての権限と責任を明確にし、かつその他位を安定させてはっきりさせるという趣旨からいいますと、現在のような職制だけできめておるということについては、若干の問題が感ぜられるのでございます。そういう趣旨からしまして、少なくとも定款で定めるというような考慮があるいは必要になってくるかとも思われます。そういった面について検討をする必要を十分感ぜられるのでございます。
○東海林委員 いまの答弁大体わかりましたが、たとえばこの任意共済の建物共済等が非常に大きくなってくる、確かに組合員と組合という関係で、外部の商取引とは違うのですが、それにいたしましても、いろいろと金に関連する仕事というものが非常に多くなってきておる。それと同時に、現在理事の常任制というのが、御承知のようにせいぜい一人ないし二人ということでございますし、その常任理事も、これは選挙によって交代する、こういうことになってきますので、どうしても私はやはりその職員の中で最も経験の深い者にはっきりした責任の形を持たすことが必要じゃないか、こう思うわけなんですが、ただいま定款でというようなお話がございますが、そういう点はよく御検討いただきまして、いずれにしましても、そういうことを法律的に設けるかあるいは定款で設けるかということは問題があるかと思いますが、いずれにしてもはっきりしていただく必要があるのではないか、十分ひとつ御検討いただきたいと思うわけです。 それからもう一つ、私この間の調査で感じたのですが、この間の足鹿委員の質問にもありましたように、この任意共済でやります建物共済についての財務処理規程といいますか、経理処理規程といいますか、そういうものがどうもはっきりしておらぬような感じを受けてまいりました。塩田町の例でいろいろ伺いましたところが、建物共済普及協議会というようなものをつくって、それを町役場の職員が兼務してやっておるというような形、ただ金の支出についてなり保管については収入役が責任を持っておる、こういうことでございますが、何か私は話を伺っておってあまりすっきりしなかったような感じを受けてまいったのでございますが、市町村営でもそういうような程度でございますので、一般の組合の場合にはなおさらその辺があまり明確でないんじゃないかと思いますので、何らか模範処理規程というようなものでもつくられて、これをはっきりしたものにして間違いのないようにする必要があるのではないか、こんなふうに感ずるわけですが、こういうような点についての御見解はいかがでございましょう。
○松岡(亮)政府委員 ごもっともでございます。組合がやっている場合よりも実は町村に移譲された後に連合会が直接やっている場合のほうに若干問題があるかとも思われるのでございます。ただいまお話のありましたように、模範処理規程といいますか、処理の基準をもっと明確にするように今後努力いたします。
○東海林委員 終わります。
○長谷川委員長 きょうはこの程度にとどめます。次会は二十八日午前十時より開会をいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十七分散会