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43回国会衆議院1963/05/21

農林水産委員会 第30号

発言数
193
登壇者
8
会派数
2
開催日
1963/05/21

会議録

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 これより会議を開きます。  農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、東海林稔君から発言を求められておりますので、これを許します。東海林稔君。

東海林稔日本社会党

○東海林委員 農業災害補償法の一部を改正する法律案の審査に関連し、委員会の定例口外である五月十七、十八の両日を利用し、有志委員が農災制度の運営状況等について長野県下で現地調査を行なってまいりましたので、この際委員長のお許しを得て、私から調査の大要を報告させていただき、審査の参考に資したいと存じます。  今回の調査に参加したのは、長谷川委員長、足鹿覺君、中澤茂一君、山田長司君、野口忠夫君及び私の六委員でありますが、以上のほか調査室の尾崎毅君、農林省農業保険課長岡安誠君、同農業保険課中井正実君、岡田明輝君等も同行いたしました。  調査班は五月十七日長野市に参り、県庁において県当局から長野県下における農災制度の運営状況等について全般的な説明を聴取した後、更埴市の共済事業について現地調査を行ない、翌十八日は小県郡塩田町の共済事業について調査を行なったのでありますが、調査の詳細については、時間の都合もありますので省略し、今回の調査において特にその主眼を置いた、(一)農業共済事業の市町村公営の実態はどうなっているか。(二)農災制度改正に対する現地の意見はどうか。(三)農業情勢の変化の現状は制度にどのような関連があるか。(四)農業法人の現状と今回の改正との関連はどうか。(五)畜産の多頭羽飼養の現状はどうか。(六)肉豚共済の現状はどうか。(七)果樹共済の制度化についてどう考えているか。(八)麦作の方向はどうなっているか。(九)事業休止、解散の動向とそれに対する県の取り扱いはどうなっているか。こういった諸事項について集約的に調査の大要を申し上げ、あわせて今回の調査を通じて明らかにされた問題点及び要望事項等についてときおり触れることといたします。  第一に、農業共済事業の市町村公営の実態はどうなっているかという点について見ますと、長野県において市町村数は百三十九ありますが、三十八年五月一日現在において共済事業実施市町村数は六十四となっており、農業共済組合等の総数百四十三に対し四六%を占め、今後さらに公営化は進展するものと見込まれており、長野県の公営化の実情は、その実数及び割合においてともども全国第一位となっております。このように公営化が進んでいるのは、県の積極的な指導によるものと思われますが、公営に移行した場合、職員は市町村職員となり、その待遇と身分において、組合に勤務する場合に比し、改善と安定がはかられ、また掛け金等の徴収率も好転して(塩田町においては平均徴収率が町移譲前八七−八九%であったものが、移譲後は九五%に上昇している。)いるが、一面共済事業を行なう市町村の側からすると、農家から徴収する事務賦課金の額もすでに限界に達しているため、事務費について一般会計から繰り入れせざるを得ない実情にあり、しかもその額が逐年増高し、これが市町村の財政を圧迫する結果となっておりまして、共済事業を行なう市町村としては切実な問題となっており、基幹事務費の補助単位の増額等の措置を講ぜられるよう強く要望されました。  第二に、制度改正に対する現地の意見はどうかという点を見ますと、農業技術の進歩、土地改良の進展等により、最近における農作物の被害は低位安定化の傾合をたどっており、農家は制度をあまりありがたがらず、制度自体及び制度の運用に対し大きな不満を抱いているのが実情であり、速急に制度の改正を希望し、数年来の懸案事項であるので、なるべく早期に改正案が成立するよう要望しておりました。しかして、制度改正に対し、末端の組合等に責任のウエートを大きく持たせようとする方向については全面的に好感を抱いており、更埴市などは、低被害地のせいもありましょうが、通常部分の手持ち責任を連合会へ付保する必要性を認めないと断言しておりました点は特に注目すべき事柄でありましょう。  なお、制度改正に関連し、特に次の諸点を十分留意されたい旨強く要望されました。すなわち、(一)現行制度に対する農民の不満の最たるものは農家の負担が大き過ぎるという点にあるので、もしも制度改正により農家の負担がさらに増大するようなことがあっては、その理由はいかにあろうとも素朴な農民感情としてとうてい納得できないであろうから、そのようなことにならないよう十分の配慮をされたいこと。(二)いずれの市町村も財政的にゆとりがないので、事務費等に対する国からの財政援助をさらに高め、いやしくも現在以上に地方財政を圧迫しないようにされたいこと。(三)共済金の支払い時期については、塩田町の場合を例にとってみると、六月中旬における春蚕の被害に対する共済金の支払いは十一月中旬になっており、また、十月中旬の水稲被害に対する共済金の支払いは翌年の三月中旬であるといったように非常におくれがちであり、この点についても農民は大きな不満を持っているので、今後共済金の支払いはなるべく早期に行なわれるよう運用せられたいこと。(四)損害評価については末端の評価会で適正に評価したつもりのものがそのまま認定されないことが多く、しかもその認定が非常に手間どるのが常であるので、今後この点については実情に合うように改められたいこと。(五)今回の改正は米麦等農作物を中心としているが、蚕繭、家畜の共済制度についてもなるべく早い機会に改善を加えてほしいこと。丙特別積み立て金の有効利用、無事戻し制度を強化拡充してほしいこと等について切なる要望がありました。その他更埴市においては、引き受け方式について、近い将来に、農家単位、一割足切り方式に改められたい旨の要望があったことを特に申し添えておきます。  第三に、農業情勢の変化の現状について見ますと、農家数は三十五年以降おおむね一%減少し、最近農村人口の県外流出は大きく、専、兼業別の推移については、二十五年における割合が、専業五〇%、第一種兼業一二%、第二種兼業一九%であったものが、三十七年にはそれぞれ三〇%、三七%、三二%となっており、兼業化、特に第二種兼業化が進んでおります。また、農業労働力は年率おおむね三%の減少となっており、質的にも老齢化、主婦化しており、耕地面積については総数十八万六千ヘクタール、うち水田四八%、畑五二%で、最近果樹園地の増加が著しく、特に麦作が減少し、果樹園への転換、あるいは休閑化の傾向が見られるのであります。しかして、このような農業情勢の変化に即応し、農災制度に対する影響はどうなっているかという点については、果樹等新種共済の開発とその制度化の要請が高まっており、また、共済事業を行なう組合等としては、麦作の減反化による事業量の減少を懸念しているようにうかがわれましたことを申し上げておきます。  第四に、農業法人の現状と今回の改正との関連について見ますと、長野県において農業法人の設立状況は、三十八年五月一日現在において十六法人で、その内訳は、酪農五、果樹二、養豚二、養鶏一、園芸一、耕種一、蔬菜一、その他三だっており、その組合員は平均十七人(最高七十二人、最低五人)となっております。しかして制度改正との関連については、現段階においては特に問題となるような事柄はありませんでした。  第五に、畜産の多頭羽飼養の現状について見ますと、本県の畜産は、馬、綿羊、山羊等を除く他のものは、いずれも徐々ではあるが、多頭化の傾向を示しているようでありますが、その多頭化率は低く、乳用牛を例にとってみると、一頭飼養五二・四%、二頭飼養一八・二%となっており、大部分は二頭以下の飼養農家となっております。多頭化傾向に即応した家畜共済制度改正問題に関しては、後日あらためて調査を行なうこととし、今回は日程の都合もあり、現状を聴取する程度にとどめました。  第六に、肉豚共済の現状について見ますと、肉豚共済については、昨年松本市近郊で豚コレラが発生したことを契機にその要請が高まり、三十七年十月以降実施されておりますが、実施市町村数は七十一、三十七年十月から本年三月までの加入及び死亡の状況は、加入三千六百七十五頭、その共済金額千五十八万円、死亡百十頭、その支払い共済金額三十一万九千円という実績になっており、病傷共済は行なっておらず、肉豚共済については発足後日も浅く、特に問題となる事柄はありませんでした。  第七に、果樹共済の制度化についてどのような意見を持っているかという点について見ますと、本県における果樹は、農業生産の約一一%を占める主要部分でありますが、最近台風、凍霜害等による災害頻度が多くなり、生産にやや安定を欠く傾向があり、これがため速急に果樹共済制度確立の要請が高まっておりますが、その場合、(一)対象果樹は当面リンゴ、ナシ、ブドウ、桃の四種類とされたい。(二)災害対象は気象上の原因による災害とし、病虫害の被害は除外する。ただし防除体制が確立されていないものは含める。(三)品質低下についても考慮すること。(四)樹体の損傷についても考慮すること。(五)幼木期(未結果期)にも被害を受ける場合があるので、育成費を別に考慮すること。(六)共済金は少なくとも生産費補償とされたい。(七)国において再保険をすること。(八)共済金とあわせて融資の方途を考慮されたいこと。(九)価格変動に対応する方途も考慮されたいこと等、かなり具体的な要望事項を示しておりました。  なお、長野県においては、三十六年の台風の際、果樹が多大の被害をこうむり、以来、果樹共済制度確立の要請が高まり、県としてもこれにこたえるため、関係者と協議の上、果樹災害共助備荒貯蓄事業なるものを創案し、市町村の区域を越えない信用事業を行なう農業協同組合を事業実施単位とし、リンゴ、ナシ、ブドウ、桃を対象に、一口五百円、十アール当たり持ち口数一口−五口の範囲で積み立てを行ない、凍霜害、風害、水害、ひょう害、雪害及び干害によって被害を受けた場合、共助金の給付と災害融資を行なうという仕組みで果樹共助事業を行なっており、現在、果樹栽培地帯における約二百農協中、百八十農協が本事業を実施しております。当初から事務費をなるべくかけないという建前で発足し、損害評価も困難であるため、事業実施単位を全県を一円とせず、市町村単位としており、その仕組みも簡単なものではありますが、創意くふうのあとが十分にうかがわれ、われわれとしても今後果樹共済制度を検討する上において得るところがあったのでありまます。  第八に、麦作の方向はどうなっているかという点について見ますと、本県の麦作は、昭和二十九年の四万七千ヘクタールをピークとしてその後漸次減少し、三十七年度には二万八千六百ヘクタールと急激に減少しております。これは労力不足と麦作の収益性の低いことが原因のようであり、蔬菜、果樹、牧草等に作付転換しつつあるようです。ただ品種的にはビール麦は逆に年々増加の傾向にあります。しかしながら全体的には今後は成長作物に転換し、さらに減少するものと推定されております。  ところで、麦作はこのように推移しておりますが、これを共済との関係において見ますと、三十七年度における引き受け面積は九千九百六十一町歩で、引き受け率は三五・五%にすぎない状態で改正案が成立し、任意加入の基準が緩和されると、さらに引き受けは減少するものと見込まれており、農作物共済に占める麦作のウエートはさらに減少するものと推定されております。  しかして、このような趨勢につきましては、先ほどもちょっと述べましたが、共済事業を行なう組合等の立場からは、事業量が減少するとして憂慮しているようであります。  第九に、事業休止及び解散の動向とそれに対する県の取り扱いはどうなっているかという点について見ますと、事業休止の問題については、本県の場合、大町市において一件発生しておりました。すなわち、大町市は公営で共済事業を行なっておりますが、本年三月十八日、市議会で水稲事業を当分の間中止する条例を可決しております。その理由は、現行制度に対し、強い不満があり、農民のためになる制度改正が行なわれるまで一時中止してほしいという多数農家の請願を受けて、市議会が議決したもののようであります。  しかして、このような事態に対し県としてはどのような態度をとっているかといいますと、県としては、本年五月七日、知事に対し、水稲事業中止承認の申請があったが、当市に水稲の事業量が僅少でないので、五月九日付不承認の方針をとり、事業を行なうよう指示しており、制度改正も行なわれようとしているときでもあるので、今後十分話し合いを進め、円満に解決しようと努力しているようでありました。  なお、解散問題については、本県の場合、一件も問題の発生がありませんでした。  最後に、共済事業を市町村、が行なっている場合における任意共済にかかる財務管理の状況等について、塩田町において調査した内容を申し上げますと、当町は建物共済については、短期は農済団体が、そして長期は農協というように、その事業分野がはっきり調整されており、双方とも郡内で第一位の成績をあげているところでありますが、財務管理については、任意共済事業推進協議会規約なるものを町議会で議決し、町長が町の共済関係職員に協議会の事務を兼務させ、財務については収人役が協議会の当座勘定を管理し、掛け金の送金、共済金の支払い等はいずれも農協から信連というルートを通じているようでありました。  以上、調査の大要について申し上げましたが、今回の調査は短時日でありましたが、われわれは制度の問題点、制度改正に対する関係者の要望等を十分くみ取ることができまするとともに、関係者は現行制度に対する農民のもろもろの不満が解消されるであろうことを期待しつつ、一日も早く制度改正が実現されんことを要望していることを再認識したわけであります。しかして、現行制度に対する不平不満の中には、制度そのものから基因するものと制度の運営に対するものとがあり、どのように法律を改正しても直接制度の運用に当たる政府の姿勢が前向きにならない限り、いつの日にか制度は再び危機に遭遇するであろうことは火を見るより明らかでありまして、今後事務費等については思い切って国庫負担を増額するとともに、損害評価についても末端の自主性が生かされるような方途をくふうするか、あるいは無事戻し制度を拡充張化するとか、共済金の支払いは可及的すみやかにするとか、その運用で可能な事柄については農民の要望に十分こたえるように制度を運営されんことを切に要望し、報告を終わりたいと思います。(拍手)     —————————————

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 質疑を行ないます。角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 農業災害補償法の一部改正の審議が始まりまして、すでに同僚の足鹿、安井、芳賀委員のそれぞれから、主として大臣に対して今後の問題を含めた質疑がなされ、さらにただいま東海林委員から御報告の現地調査等もなされまして、この問題の今後の前進のために審議が続けられておるわけであります。農業災害補償法の一部改正の問題は、御承知のとおり第三十八国会に法案が出されましてから数次にわたりましてあるいは審議未了となり、あるいは衆議院段階で修正が行なわれましたが、参議院段階で審議未了となる等、いろいろ変遷がございました。今回の改正案を提案するまでの過去のそういう経過にかんがみまして、農林省といたしまして一つの問題点であった建物共済の取り扱いの問題について、関係団体の諸君との話し合いが進められ、いろいろ関係団体から見れば不満な点はあろうと思いますけれども、当面の段階としての申し合わせがなされるという前提条件において、今回の改正案が出されておるわけであります。過般来の審議の中で足鹿委員からは、こういう関係団体との話について、国会の審議権軽視じゃないかという御議論もございましたけれども、私は従来の法案審議の経過から見て、この種話し合いがなされることは、事情として了承すべき性格のものであり、問題は、そういう話し合いによって出た結果が、農業災害補償法の将来の観点から見て妥当であるかどうかということで議論すべき性格のものであろうと思っております。同時に、本改正案が出されるまでに、昭和三十五年の四月一日から御承知のとおり農業災害補償制度協議会が持たれまして、約一年にわたって真剣な議論がなされ、そしてそれに基づいておおむねその趣旨を受けた改正案が出されたわけでありますけれども、各般の状況から二転、三転をいたしまして今日の段階にきておるわけですが、農業災害補償制度協議会の議論の内容というものの中で、たとえば機構問題ということに相なってまいりますれば、やはりこれは与党内でも、あるいはわれわれが過去これらの問題を議論する場合にはわれわれ野党内においても議論があり、特に私は事業団構想というものについては、従来のこの種事業団、公団等の運営の問題から基本的に賛成できない立場から、いろいろ議論等やってまいりました。したがって、そういういろいろな経過を経て、今日農業災害補償法の問題についてどうするかという段階にきておるわけでありまして、この問題については政党政派ということを抜きにしてやはり問題の受けとめ方に若干の意見の相違のあることは、率直にいって事実であります。しかしいずれにいたしましても、農業災害補償法の抜本改正が唱えられ、今日まで数年間もみにもんでいまだ一歩も前進をしていないということは、第一線にあって農業災害補償法の問題に取っ組んでおる農業共済団体の第一線の諸君から見れば待望久しい問題でありますから、今度の国会においては十分議論を尽くした上で、当面どう処理するかという観点からこの問題の解決がなされるのが至当であろうというふうに私自身は考えておるのであります。  そこで、まず経済局長にお伺いいたしたいのでありますが、従来からのたいへん二転、三転をいたしました経過にかんがみまして、特に団体間でいろいろ争点になりました建物共済の問題についての話し合いがなされてまいりましたこの点は、率直に松岡局長が局長就任後農災法の難問題に取っ組むときに、私のところへもどういうふうに処理したらいいかということで議論を求められたときに、私はまずやはり建物共済等の問題について団体間の話を円満に処理するということが、国会において冷静な姿で審議がなされる大前提であって、それに最大限の当面努力をする必要があるだろう、それが処理された後にどういう内容の改正をなすべきかという二段がまえでひとつこの問題に取っ組みなさい、私はそういうふうに意見を申し上げたわけでありますが、この際この焦点になっておりました建物共済の問題についての経過について、特に当初すべり出しのときに両団体の主張はどこにあったのか、そして最終的にまとめたものは覚え書きで明らかにされておるわけでありますが、こういういわば妥協の産物というものが今後円満にいくという見通しにわれわれが判断をしていいのかどうか、こういう点について経過と今後の見通し等、率直にひとつお話しを願いたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 建物共済に関します両系統団体の話し合いは、昨年の暮れから始まったわけでございます。まず両系統団体の首脳者が話し合いを始めるということを確認しまして、何とかしてこの際話し合いをつけて法案の円滑な審議をはかるように努力したいという点で一致を見たわけでありますが、その後役員級の間でしばしば話し合いが進められたのでございますけれども、なかなか土俵に上がれないという状態で、従来の経緯もございましたので、なかなか話し合いが本論に入り得ない状態で、しばらく進んでまいりましたわけであります。その原因といたしましては、何といいましても過去十年以上にわたるいろいろな経緯があったわけでありますが、主として農協系統団体においては、従来の主張であります農協一元化という主張をどの程度その目的に沿う方向で緩和できるかということに苦心したのであります。また共済団体といたしましては、この際本来の制度であります必須事業のほうの整備をはかるために、ある程度建物共済では農協の主張に歩み寄ろうとしたわけでございまするが、それにつきまして、従来最も一般的な形として各府県で行なわれました短期は農済団体、長期は農協系統団体という姿をすっきりさせるのはどういう形でやったらいいかということを見出すことに一方のほうは苦心をしておった、こう考えられるのでございます。それから、問題としましてはさらに両系統団体でかりに分野の調整が行なわれましても、その両系統団体が別々にあくまでもやっていって、ただぶつからないというだけのことではなく、むしろ協調的に今後の運営ができる態勢はいかなるものであるかということ、これはむしろ行政庁でありまする私どものほうでその点の一致点を発見するように努力いたしたわけでございます。そういう関係で、まず分野の分け方におきまして、任意共済事業のうち建物以外の任意共済につきましては、原則として農協系統がやるのがよろしいではないか、これはもちろん共済団体として地方のいろいろな実情もありまするので、すぐにその形で割り切るのはなかなか困難でございましたが、農林省といたしましてはあっせん役という立場で、むしろ任意共済につきましては、肉豚共済にいたしましても、農機具共済にいたしましても、今後の農協の経済事業の発展とあわせて考えていくほうが農業の政策面から申しても望ましい姿であろうということを私どもとしては申しておったのであります。そういうことで共済団体のほうとしては、任意共済のうち建物を除く部分につきましては非常に気持ちよく移譲したということになったわけでございますが、建物についてはその分野の分け方について種々の問題がございます。市町村移譲が行なわれた場合にはどうしたらいいか、それから建物について、ことに農業関係の倉庫とかいうものについて金を借りた場合に、その担保に保険を付する場合、農協から金は借りるか、共済団体の保険に入れるか、そういう種々の技術的な問題があったわけでございますが、それは一つ一ついろいろな波乱を含みながら解決されたわけでございますけれども、第三点の両団体が将来も協調していく態勢をいかにするかということにつきましては、今回の改正法律案に新たな規定として入れられました農済系統の連合会のやっております短期の建物共済について、全国のプール再保険機関としまして、農協系統の団体に再保険するという方式を考えまして、それが両団体の受け入れるところとなったわけでございますが、そういうことで全国段階においては一本化されるということで、両団体が将来も協調していける態勢の第一歩を踏み出すということに話し合いがついたわけでございまして、そういう経緯を経まして、両団体が円満に話し合いが妥結し、覚え書きを調印した、こういうことになっております。今後につきましては、両団体が互譲の精神で妥結した覚え書きというものは、農林省といたしましても当面非常に好ましい姿であると考えまして、農林省の省議としましても、この覚え書きを尊重して両団体が円滑に建物共済を運営できるように指導もし、援助もしたい、かように考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 いま、従来の争点の一つでありました建物共済についての経緯と今後の見通しについてお伺いしたわけですが、過去、農業災害補償法の一部改正の問題を取り上げてまいります経過の中で、同じ農民を相手にした農業関係団体の中で、たとえば建物共済なら建物共済という一つの問題をめぐって激しい対立をやるという姿については、その理由の所在はともかくとして、まことに遺憾な姿だというふうに考えておったのでありまして、そういう点で今後十分スムーズにいくかどうかということについては今後の経緯に待たなければなりませんが、一応争点の問題について了解点に達したということは、私はそれなりの評価を率直にしていいだろうと思います。  そこで、今度政府から出されております法律案の骨子は、これは衆議院段階で修正されて私どもの党として反対をして通過をした、それを内容にしておるわけでありますが、問題は、当初出された政府原案との対照の中で、やはり根本的に違っておりますのは、たとえば機構の問題についての事業団構想という一つの考え方があったわけであります。かりにわれわれのほうの党がこの問題に対する法案にどういう態度をとるかは別として、この法案が大体骨子となって処理された後、第一線で働く職員諸君から見れば、この農業災害補償法の一部改正のさらに今後の改正方向というものがどうなるかということについて、やはり不安を持っておるだろうと率直に思います。したがって、たとえばこれは今後の推移に待たなければならない問題でありますし、同時に足鹿委員も質問しましたように、今後の農政の変動、あるいは本改正案がその激動する農政の中でどれだけの十分な役割を果たすかという点についての疑問から、さらに公的な機関をつくって農業災害補償法の根本的な改正問題を再審議すべきだという提唱について、大臣もさらに善処したいということを約されたわけでありますが、そういう問題ももちろんありましょうけれども、事務当局としては、一応この特別会計形式の中で、いまの三段階制という機構の中で、内部の改善をはかりながら農民の要請にこたえるという立場で今後の問題を処理しようとする事務局的な考え方を持っておられるのか、やはり機構問題等も含めていずれは根本的な再検討をやらなければならぬ、こういうお考えであるかどうか。ということは、第一線に対していろいろな指導あるいは直接連合会、第一線の共済組合の市町村移譲の関係のところを指導する場合の一つの基本の問題であろうと思いますので、事務当局として農業災害補償法の今後の基本的なかまえについてお考えを承っておきたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 家畜共済、蚕繭共済あるいはまだ制度化されておりません果樹共済等の問題を、今後方向を定めて改正なりあるいは新設という問題を基本的に再検討する必要があることは、先般大臣からも申し上げたとおりでございます。それらの問題がありまするので、農業災害補償法は今後も基本的に改正の機会があるということは私ども申し上げざるを得ないのでございまするが、農作物共済につきましては、今回の改正は相当重要な部分に触れまして改正をはかっておるのでごいざまして、これでもって完ぺきだということは私ども考えておりませんが、しからばすぐ次の改正はどうあるべきかということを申し上げることは、まだ今後の改正後の運営も見きわめた上で申し上げたいということでございます。ただ機構問題について、特に特別会計を改組いたしまして事業団をつくるという先般の政府原案にありました考え方につきましては、実は私どもといたしましても、その改組の意義についてかなりの疑問を持っておるのでございまして、今後機構的な問題について検討が進められる際にも、単に特別会計を事業団に改組するというだけの改正ということは、私ども現段階ではあまり考えられないというように思っておる次第でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 一昨年、農業基本法がわが党の反対にもかかわらず制定されて、今日農基法体制下のいわば農政というものが現実には進められるという段階にあるわけですけれども、そうであるとするならば、たとえば構造政策あるいは生産政策、価格政策あるいは災害に対する対処のあり方、こういう各般の問題は、基本的にいえば農基法とタイアップして政府としてはなされていくというのが通常の常識であろうかと思うのです。問題は、そういう点で農業災害補償法の災害の場合において果たすべき役割りというものが、一昨年制定された農業基本法との関連において、その本流の中で役割りを果たすという、そういう改正構想になっているかどうかというのが一つの論点であろうかと思うのです。たとえば、現実には進んではおりませんけれども、政府原案によれば、構造政策として自立農家の育成、それに対して協業の助長をはかっていく、こういう構造政策、これは現実にはそういう形に、農業の年次報告を見ましても出ていないわけですけれども、しかし意欲的にそういう方向に持っていこうということでなければ、法制定された以上、政府としてはならぬと思うわけですけれども、そういう観点から、たとえば共済組合員の資格問題というふうな点でも、いわゆる自立農家あるいは協業、あるいは農地法、農業協同組合法の改正による農業の法人というふうなものが新しく生まれてきた。さらに最近の農政の変貌等もありまして、これは過般の本会議でも私は尋ねた点でありますが、御承知のとおり、請負耕作というふうな新たな姿等も出てまいっておりまして、こういう姿の地域において農業共済の問題を取り扱っていく場合に、共済の問題として組合の資格その他をどう考えていくのかというふうな問題もあろう、また自立農家の育成という一つの政策的意欲があるとするならば、そういう構想から出てくる案そのものに対するわれわれの意見というのは別にして、とにかく相当規模の経営を持つ農家について、掛け金というものについて、自立農家が育成発展していくような配慮というものがあっていいのかどうかというふうな問題等も含めまして、あるいは生産の選択的拡大といっておる生産政策の舞台で、これからは畜産を大いに伸ばしていくのだあるいは果樹を伸ばしていくのだ、畜産の場合にも多頭羽飼育を積極的に進めるのだ、そういう観点と呼応して、農業災害補償法における法の内容の改善というものが意欲的に組まれておるかどうか、こういう観点から角度を変えてみますと、やはりそういう点は、必ずしも無関係とは申しませんけれども、いわば従来からの経過の中で、惰性的にと言ってはなんですけれども、農業災害補償法の政府原案としての一部改正が出されてきたという感じが私自身率直に言ってするわけです。この際やはり、松岡さんは審議官として本年度の農業の年次報告あるいは構じようとする農業施策を中心になってまとめられたと承知しておるのですけれども、そういう関係等もにらみ合わして、これからの農業政策の方向というものと農業災害補償法の一部改正というものが密着した内容になっていると考えられるか、あるいは密着してないとするならば、その角度からの検討というものが今後やはり基本的に、先ほど申されましたような果樹共済の創設あるいはまた畑作物等の共済の一部創設というような問題以外に、そういう一つの基本的な問題が存在をするのではないか。この内容いかんによってわれわれがどういう意見を持つかは別にして、その点について、事務当局としての検討あるいはお考えについて承りたいと思うのです。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 農業基本法の体制のもとにおける農業の今後の発展方向と農業災害補償法のあり方について、現在、今回の改正では不十分ではないかという御指摘でございますが、その点につきましては私どもも同感でございます。  まず第一点としましては、いわゆる選択的拡大と申しますか、あるいは最近のことばで言えば主産地形成という問題から見まして、家畜共済あるいは新しいものとしては果樹共済というものの整備が今後必要になってくるかと思います。もちろん果樹共済、畑作共済につきましては、まだ技術的に制度化するだけの準備が完全にでき上がっておりません。その問題が解決されなければ制度化について今後まだ若干問題が残るわけでございますが、そういった問題を今後考えなければならぬということについては、御指摘のとおりであろうかと思います。  また、もう一つの問題としまして、農業の構造的な側面に対する災害補償法の関連でございますが、自立経営の育成という問題につきましては、基本的に、きわめて観念的に申し上げますと、農業災害補償法は自立経営あるいは広く農業経営の安定的な側面をになうべきものであると考えるのでございますが、それについて、いまいろいろ御指摘のありました組合員の資格の問題について、これは今後相当検討を要する問題であると考えられるのでございます。もちろん自立経営とはどういう規模の農家であるかというような問題は、これまた別に検討すべき問題でございますが、ただその際におきましても、経営の安定的側面をになうということからいいまして、自立経営のみを対象とする農災法では当面あり得ないということも考えられるわけでございますが、今回の改正におきましては、農業法人の加入に関しても若干の改正を加えてございます。また、任意加入の範囲を広げましたのは、必ずしも自立経営の育成という観点ではございませんが、むしろ従来の画一的な強制加入の緩和という趣旨の改正でございますが、たとえば三反歩以下の農家は強制的には加入する必要がない、こういう農家は主として第一種兼業農家といった農家が多いと思いますが、任意に自分の意思で自由に加入、脱退ができるという形に変えるわけでございますけれども、そういった点は今後農業災害補償法のあり方と関連して研究すべき問題であると考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 松岡局長、私の言うのを少し取り違えた点もありますが、農業災害補償法の今後の改正の問題を、自立農家育成の柱としてやれと言ったつもりではないのですけれども、その点はともかくといたしまして、先ほど触れました現実の農業経営の実態というのは、たとえば請負耕作というような問題一つをとらまえても、あるいは私は実態をよく知りませんけれども、最近はヘリコプターによるところの種まきの問題とか、あるいは薬剤散布の問題とかいうふうな形で、相当に地域的に進んでおるところもあるようです。だからある農政の学者なんかに言わせれば、農村労働力というものが相当に枯渇をしてくるという状態が、今後とも続く場合には、大規模な請負農業といいますか、そういう性格のものが地域的に出るのじゃないか、こういうことを予測する人もあるわけですけれども、そうなってくると、農業共済の対象にする農家の姿というものは、農業協同組合法なり農地法なりで規定をしておる以外の、これは正規に認められるかどうかは別として、その地域の必要性等から出てくるそういう問題についての取り扱いというのは、この法の運営をやっていく過程では、やはり考えられることだし、現に一部そういう姿が出てまいる。こういう問題に対する法の適用という問題は、これは行政指導なり通牒なり、そういう形で誤りのないようにやっていこうというのか、その辺のところをひとつ……。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 農事組合等の加入は、今回の改正でも考えておるわけでございますが、請負耕作につきましては、これは実質的には実にさまざまな形式があるようでございます。それらの加入なり組合員資格というものをどう考えるかという問題は、確かに検討を要する問題でございますが、基本となる考え方としましては、生産される農産物の所有権を持つ人、つまり経営者というものが災害に対する危険もまた負っておるということからいたしまして、いまここで申し上げるのは不十分でございますが、災害共済組合の加入ということは、経営者たる地位にある人は、つまり農産物の処分権があり、農産物の生産の危険を負う人が加入すべきではないかというように考えるのでございますが、まだその点につきましては、検討不十分でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これは同じような問題で、たとえば具体的な実態というのは私必ずしも十分わかりませんが、水産資本の上陸作戦ということで、畜産あたりの部面の進出状況、そういうものと家畜共済、あるいは県によりましては農業団体で相当大規模な、いわば第一線に対する小作的な役割でさしておるのかどうかという点は、また違う点もあるかもしれませんけれども、そういうふうに個別的な経営という姿でない農業団体なり、あるいは他の資本なりというものに結びついた形の農業への種々さまざまな経営の姿、これは今後ともやはり相当出てくると一応見なければならぬ。また現実に各地においてあると思うのですけれども、たとえば畜産なら畜産の場合におけるそういうものの取り扱いというのは、どういう考え方でやられるわけですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 水産資本が農業の方面に進出いたしまして、いま現に行なわれているのが肉豚とかブロイラー、そういったものの特約による生産という形が多いようでございますが、これについては問題として二、三指摘できますことは、まず肉豚とかブロイラーの共済につきましては、これは非常に短期の変動しやすいものでございますが、従来は肉豚は任意共済の対象であったのでございます。今後もこれは純粋の民営の保険としてやれる性格のものではないか、かように考えるのでございますが、第二の問題として、そういった水産資本の進出とか大企業の進出によります場合におきましても、これは農業経営の責任者になるという形にはなっておりませんので、現在のような国の関与する共済制度の対象としましては、やはり純粋の農業経営者のみを相手として共済制度を運営すべきではなかったか、かように考えるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 問題を一つ下へ下げまして、農業共済組合等の問題に、あるいは連合会等の問題も含めて若干お伺いをいたしたいと思う。これはあるいは大臣に対して、他の委員から若干取り上げておる問題であろうかと思いますけれども、まず連合会あるいは第一線の共済組合等も含んでの職員定数の問題でありますが、これは予算で割り当てておる人員と実人員との間にある程度のアンバラが、御承知のように資料にも出ておるわけです。これは農林当局として、いかなる事情に基づいてアンバラが出ておるというふうに判断をしておられるのか、あるいはこれが第一線の各市町村における賦課金の増高の要因の一つにもなろうかと思うのでありまして、こういう問題の指導や処理の仕方について従来どういうふうにやってきておられるのか、まずその点からお伺いをしたいと思うのです。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 最返におきまする共済団体の職員の数でございますが、これはほかの農業団体とも共通のことでございますが、漸次減る傾向にございます。これはすでに採用している人がやめる、あるいはほかに転出するということもございますが、補充が困難だということもあるのでございます。しかし、現状において共済団体といたしましては、そのために仕事に支障を来たすという状況は目下のところございませんが、多少ずつ減る傾向があることは事実でございます。これはもちろん仕事を合理化して、少ない人員で同じ仕事がやれるという体制に持っていくことも一面において考える必要はございますが、同時に身分も安定して、安心して仕事をやってもらうということが、こういった制度の根本に必要な面でもございまするので、その待遇の改善につきましては、特に最近におきましては相当な努力を払っておる次第でございます。これは一面におきまして農家の負担にも関係いたしまするので、国のほうからも事務費に対する負担につきましてはできるだけのことはいたしたいということで、この二、三年におきましても、相当程度事務費に対する国庫負担は増額してまいった次第でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 局長は非常に抽象的に答えられましたが、私の聞いたのは、たとえば昭和三十七年四月一日現在のいただいております資料によりますと、農業共済組合連合会の場合には職員数二千五百八十六人に対して、補助予算定員数としては二千三百二十八人、あるいは農業共済組合等の場合に二万五十九人というのに対して、補助予算の定員数としては二万二十九人、こういうような形であらわれておる予算定員と実人員とのアンバランス、こういうものが現実にあるわけですけれども、そういう問題に対する従来からの実態の把握なり、あるいはそれが実情からいって当然必要であって、予算的な制約から補えないのか、あるいはいずれにいたしましても、そういう問題に対する食い違いをなくしていくという観点からの指導をどういうふうにやられておるのかという点をお伺いしておるわけです。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 この問題、確かに予算定員と実人員との間に幾ぶんかの差がございますが、これはどういった場合にもある程度避けられないわけでございますが、共済団体の場合には国の補助のある支出事業のほかに任意事業もございますので、定数は国の補助定数の範囲内でなければならぬということには必ずしもならないのでございます。そういった関係で食い違いが出るわけでございますが、いままでのところ予算が過小なために実人員が少なくなっているということは私ども考えてないのでございます。本年度の予算におきましても、組合の実人員はおそらく予算定員を下回っておるのではないか、かように推定いたしております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 そこで、たとえば今度の政府から出されておる改正案がかりに実施されるということになった場合に、これは主として推定としては明年度以降というのは大体問題の中心ですけれども、連合会の陣容あるいは第一線の共済組合の陣容というものの比重がどうなるというふうに判断をされておられるのか。たとえば第一線の共済組合等の保険責任のウエートを非常に高めて、連合会のウエートを非常に軽減をする、そういうこともありましょうし、今後果樹の問題が出てきたり、いろいろな問題が出てくれば別でありますけれども、この改正案でいく場合の県段階あるいは市町村段階の職員の配分というものについて予算的に当然また考えていかなければならぬことですから、そういう問題についてはどういうふうに現段階で考えておられるか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 今回の改正の非常に重要な眼目であります責任を末端組合におろして、それを拡充するということでございますが、これは確かにその面におきまして仕事が複雑化するように感ぜられるのでございますが、実はその責任を拡充しまして、しかも組合ことに料率をきめていくということ自体は、組合の仕事そのものをふやすという性格のものではないわけでございます。料率はすべて農林省で計算して出していくわけでございますし、問題はむしろ個人選択、共済金の選択を今後できるだけ個別化していこう、あるいは無事戻しを拡充しようというようなことで、幾らか仕事はふえるということが考えられるのでございますが、いまのところ、そのために非常に仕事が忙しくなるというようには考えていないわけでございます。もちろん今後家畜共済等について改正を加えるとか、いろいろなことをやりますし、今度の改正の結果につきましても、最初から無事戻しの拡充とか、共済金の選択ということが非常に徹底して普及していって、そのために事業量がかなり顕著に増加するというようなことが出てまいりますならば、もちろん今後定数の問題につきましてももう一度考え直さなければならぬと考えておりますが、今回の改正自体としては、仕事の量をふやすというところはあまり多くはない、逆に病虫害等では減らす要因もあるということも考えておるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 さらに、損害評価等の問題は後ほど若干聞きたいと思うのですけれども、いろいろな仕事の関係から見て連合会にしろ、あるいは第一線にいたしましても機動力付与というような問題が当然あるわけです。これらの実態、さらに、第一線あるいは連合会を含めての業務研修といいますか、そういう面の従来の指導、さらに、予算的な問題になりますけれども、今年度の期末手当一・二を国のほうでめんどうを見るというような形に一歩前進したわけですが、農業委員会あたりの予算の期末勤勉手当等から見れば、少なくもそこのあたりが目標だろうと思いますが、今後これは賦課金の全廃への方向という一つの大前提から見て、当然、明年度予算ではこれらの問題が解決すべき一つの問題としてあると思いますが、こういう問題に対する考え方等もひとつあわせて……。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 損害評価等に必要としまする四輪車、三輪車等については、漸次整備されつつあるわけでございますが、今後も仕事の能率をはかるという面からいいまして、そういった方面の整備については意を用いてまいりたいと考えております。また、職員の待遇についてもこの一、二年、特に本年度につきましては相当改善をはかったと思っておりますが、まだ不十分な点もございます。いま御指摘のありました期末手当につきましても、一・二カ月分新しくついたというところは前進でありますが、ほかにくらべて少し劣るということもございますので、そういった点の努力は今後も引き続きやってまいりたいと考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 久我統計調査部長にもおいで願ったわけですが、損害評価、農業災害補償制度に対するところの不満の一つの要因は、結局第一線で感じておる損害と、農業共済組合等から連合会にいく、連合会から中央段階に上がってきて、それからまた逆流をいたしまして、第一線におりてくる実際の共済金額との関係、こういうギャップに一つの問題があるわけです。第一線の農業共済組合なりあるいは連合会の場合には、損害評価会あるいは評価委員、こういうものの助力も借りながら、悉皆調査あるいは抜き取りによる実測調査というような形でやるわけですが、反面、農林省といたしましては統計調査部から第一線の統計調査事務所を通じて必要な時期に損害の評価を別な角度からやる、こういう形をとっておるわけですけれども、まずどちらからでもけっこうですから、農作物の損害評価の場合に、従来、検見とか坪刈りとかいう形でやるわけですけれども、こういう面で適確に損害の実相を把握するという観点からの科学的な、さらに一歩前進という方向はあるのか、あるいはやはり損害評価としてはこの道で今後ともやるという当面の段階にあるのか、その辺のところからひとつ……。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 角屋委員まことによく御承知のことでございますが、ただいまのところ収量の調査あるいは被害の調査につきまして、なかなか科学的に誤差の少ないという調査方法はまだ確立されていないわけでございます。もちろん試験場あるいは統計調査部等におきまして、絶えず改良のための研究は行なっておりますし、漸次減収推定尺度とかそういうようなものが確立されてまいっております。それから水分測定器とか水分検定器とか、そういった器械も漸次発達してまいっておりますが、まだ人間の目などで判断する、きわめて誤差の多い方法が多くとられておるわけでございます。いろいろ訓練はいたしますけれども、やはり誤解は避けられない。それから坪刈りにより実測調査をやる方法も広く採用いたしておりますが、これもやはり一定の限界がございますから、必ずしも十分とは申せないと思います。しかし相当に改善はしつつあると考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 統計調査部長のほうから、統計調査部関係で行なっておる災害調査の現状について、それと、これは農業共済関係から上がってくる数字と統計調査部で立てておる数字とにらみ合わせながら、最終的に中央の問題を処理するわけですけれども、またここ十数年間の経過の中での変化といいますか、これは基準反収その他の実情に合わない点の改善その他の問題も含んでまいりまして、最近では第一線におけるところの共済組合の評価が連合会段階で食い違いがどの程度になるとか、あるいは連合会から出してきたものと中央段階の決定の食い違いがどの程度にあるかということが資料でも出ておりますけれども、これらの問題も含めて統計調査部の立場からお話しを願いたいと思います。

久我通武農林事務官(農林経済局統計調査部長)

○久我説明員 統計調査部でやっております被害調査につきまして御質問でございましたが、角屋先生すでに御承知のとおり、統計調査の中で被害調査は最も因難な調査でございます。したがいまして、同時に、結果は十二分に行政に使い得るかと申しますと、はなはだ心もとないものがあるわけでございます。ただいま経済局長からお答え申し上げましたように、いろいろと研究は進めておりますけれども、それにいたしましても、何ぶんにも被害と申しますのは実は見えないと申しましょうか、作物なら作物の損傷は押えられますが、それが実際どれだけの被害になるかということになりますと、最後に収穫してみないとわからないというようなこともございまして、被害調査は研究いたしますればいたしますほど問題が出てまいっております。御承知のように今年度の雪害等もございましたが、新しい被害がありますたびに従来の調査をいたしておりますいろいろな尺度、減収尺度というようなものの不備を痛感しておるような次第でございまして、われわれも今後鋭意これの正確化に十分努力をいたしたいつもりでおります。  さて、この損害保険制度に関係いたします場合には、御承知のように統計といたしましては増減収量調査というものをいたしまして、すなわち実収時に被害を押えまして、それを保険制度の御参考に供しておるわけであります。これはあくまでも行政を実施される場合の参考資料というものでございまして、決してこれによって保険制度を動かしていくという質のものではないということをまず御承知願いたいと存じます。作物の収穫高の統計をとります場合に、その生産量が、あるものは基準の年次よりもたくさんとれておる、あるものは基準年次より減っておる——この減っておるほうが被害になるわけでございますが、その差し引きで総収穫高というものが押えられておりますので、もし被害なかりせばとり得べかりし収量はどの程度になるだろうかということを見たいために、そういう統計の目的から増減収の調査というのをやっておるわけでございます。これが保険制度にもお役に立ちますので、基準を、保険のほうでおきめになっておるところの平年収量を基準にしてできましたところの保険の基準収量というものを土台にいたしまして計算をし直しますと、保険行政にもまたお役に立つ、こういう意味で参考資料としてつくっておるわけでございます。そして、これは御承知のように収量の調査の副産物でございますから、収量の調査は大体県単位に一定の統計上許容される精度をもちまして調査設計を立てております。これはそういう意味では生産量の統計としては相当お役に立つわけでございます。したがって、増減収量調査も県段階におきましてこの程度の精度をもって使うそういうものが出てくるわけでございます。現在までのところそういう形で生産高調査のある意味では副産物といたしまして——副産物といいましても、すでに先生御承知のように生産高調査の大体倍に近い数でございます。大体ランダムに間になりますものを一つずつ加えておるという形でございますけれでも、収量調査をいたしまして、そうして増減収の主として減収のほうを正確に押えようと努力しておるわけでございます。したがって、あくまでも統計で出ておりますのは県段階でいわゆる減収がどうなるかということでございますから、たとえば個々の団体あるいは個々の農家になりますと、これは非常にプラス、マイナスがあるわけでございます。よけいとれておる場合もありますし、減収しておる場合もある。そういう点が個々の農家のものを全部反映して出てくるというものでなしに、県としてまとめて増減収量を出すという形になっておるものでございます。したがいまして、今回改正されようとする保険制度の材料ということになりますと、自主的に各保険団体が、あるいは郡単位あるいは町村単位の団体が保険事業をなさるという場合に、その段階ごとに増減収量調査を国で統計から出してやるということは目下のところ不可能でございます。これは定員も要るし、あるいは調査費用も非常にかかることになりますから、そこまでは不可能であると思うのでございます。もう御案内のとおりに、当初は作物の生産高を出すことを中心にしてこの統計機構はできましたし、現に一万三千人の職員がおりますけれども、作物の生産高の統計、これは面積、収量を合わせましても、そのほうで働いております人間は今日はきわめてわずかな人員になっております。そういうことでございまするから、統計全体の中で見ますると県段階のものが今後御参考になる程度かと思います。ただ、ただいまお話もございましたが、これは従来いろいろ団体でお出しになるのと差のありますのは事実でございますけれども、その差の中には、先ほど来申し上げますように、個別的なものの差を出して集めたものと、全体に県を一つの統計集団として押えまして出したものとの差というものがございますから、保険団体でやられたものが単に間違いであるというものではないのであります。これはよく先生御承知のとおりであろうと思います。したがって保険行政を運用される一つの材料として、ただいま申し上げましたように、生産量調査を参考として行政の一つの補助手段として増減収調査をやっておる次第でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 いま久我統計調査部長からお話があったわけでありますが、結局農林省の第一線の統計調査事務所では、いまお話しのようなことで、県の母集団としての推計単位で出てくる数字という点では相当な価値判断を持っているけれども、いわゆる郡市別、地域別となってくると、これはかりに推計をいたしましても相当誤差の多いものになる。そこで先ほどの長野県に御調査に行きました調査報告でもありましたし、また第一線の共済組合等から出てくる意見でも、損害評価の自主性の拡大といいますか、これはもちろん第一線の研修指導をやりまして、市町村間のアンバランス、郡間のアンバランス、県間のアンバランスというような行政面における不適当な姿というものが出てまいることは避けなければならぬかと思うわけです。しかしやはりせっかくこれだけの人員を持って、しかも第一線には損害評価会委員というものが六万三千五百四十一人、補助的に損害評価員としては二十二万七千七十三人、これは三十七年の八月の資料として出された数字でありますが、そういう方々の補助、援助を得ながらやっている損害評価の数字というものが、もっと精度が高められ、あるいはそれが実際に共済金が支払われる柱としてなっていくような行政指導について、局長のほうでは今後どういうようにやっていかれるのか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 これは、できるだけ末端の損害評価というものを尊重して自主的に運営していくということは、いま仰せのとおりでございますけれども、損害評価というものはやはり非常にむずかしいものでございますから、ある村においては精度の高い被害の調査ができましても、ほかの村で必ずしもそれができないというようなことで、村の間の誤差、それから部落の間の誤差というようなものが相当あるわけでございます。それらに対しましては連合会が村間の調整をやるわけでございますが、これはもちろん実測と調査を加味いたしまして、坪刈り等をやってできるだけ納得できるような調査方法をとってその調整をはかる、こういうことにいたしておるわけであります。やはりこれらはできるだけ講習会、研修会等を開いて調査の目を養なうとか、そういう方法も必要でございますし、できるだけ坪刈りをふやすというような方法も必要でございますが、一面においては組合の自主的運営が必要であり、連合会というものもやはりそういう意味で構成員の意見を十分反映するような方式をとりまして、納得をしてもらうということが一番必要であろうと思います。どうしてもそれは科学的にぴたりといくような性格のものでございませんので、運営としましては納得をしてもらうということが非常に大事であるということを考えますので、その面につきまして、できるだけバランスをとるとか、公平をはかるとかいうことについては、お互いの組合員同士あるいは連合会の会員同士の間の自主的な話し合いを進めていくように努力すべきではないか、かように考える次第でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 共済組合の市町村移譲の問題に関連をしまして、先ほど現地調査の御報告もございましたが、いままで相当数の市町村移譲の行なわれた共済事業について、実態の調査もおそらく農林省自身としてやっておられるかと思うのですが、現実に従来からやっておる農業共済組合の共済事業と市町村に移譲してやっておる共済事業というものを対比いたしまして、もちろん現実面として、先ほどの御報告にありましたように、また資料もいただいておりますが、農業共済組合のときよりも市町村に移譲したあと給与の改善が具体的になされている、あるいは掛け金の徴収率等も比較的好転をする半面、地方財政上の問題も先ほど提起されておりましたが、これは市町村移譲後における地方自治体の財政面という問題については、おそらく自治省との話し合い等もやられて、そういう点については支障のないように処理をされておるのじゃないかと思うわけでありますけれども、現段階において農林省の実態調査から判断をして、市町村移譲というものに対する評価をどうしておられるか、あるいは地方財政との関係の問題についての自治省との話し合い等についてはどういうふうに具体的にやっておられるか、これらの点についてまずお伺いいたします。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 まず第一点の、町村へ移譲したことの評価はどうか、こういう点でございますが、いままで調査してまいりましたところは、町村に移譲された結果いいというのが大勢のようでございます。これはしばしばお話がありましたように、先ほども実地調査の御報告がございましたが、掛け金の徴収がよくなるとか、そういうふうに制度の運営面におきましても改善をされておりますが、職員の身分が安定しあるいは待遇がよくなったというような事実がはっきりあらわれておるわけでございます。ただ私どもとしては、これは一つには従来町村へ移譲されたようなところは、組合の運営がまずかったとか、あるいは組合員の中で相当いろいろな対立があったとか、どうも事業がうまくいかなかったようなところ、あるいは事業量が過少でまずかったというようなところが多かったために、町村に移譲されると、さすがに公共団体でありますので仕事がかっちりするというような、いわば反射的に改善されたという面が相当あるようにも考えておるのでございます。したがって、しっかりした組合、あるいは今後制度が改正されましてその後に事業がどう運営されるかという点につきましては、やはり今後の十分調査し検討すべき問題ではないか、かように考えるわけでございます。  それから町村の財政の問題でありますが、これについては先般足鹿委員からも基準財政需要額に算定すべきではないかというような御指摘がございましたけれども、それらの点については自治省とも話し合いをやったわけでございます。しかしながらこれは全体の町村において共済事業が行なわれておりますならばそういうことが考えられるわけでありますが、現在は例外的になっており、しかも地方財政の交付金によらなくても補助金として特定された国費が支出されておるわけでございますから、むしろ国費を補助金の形で集中的に、組合であろうと町村であろうと共済事業のために支出していったほうが、共済事業の運営という点だけから取り上げますならばそのほうが好ましいのではないか、こういうように私どもは考えておるのでございます。したがって、組合も同様でございますが町村がやる場合におきましても、問題は補助金が十分であるかということになってまいるわけでございますが、これらにつきましては年々補助金を増額しまして農家負担がふえないように——先般資料で提出し御説明いたしましたが、農家負担はむしろやや軽減され、国費が非常に増加しておるわけでございます。そういう方向で努力を続けてまいっておりますし、今後もそういうことでやってまいりたい、かように考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 いま地方財政との関係でお話がございましたけれども、この前に改正が行なわれたときに、農業災害補償法の中で市町村移譲ということを法的に認めているわけですから、全国的に一部であるとかあるいは県によっても数がいろいろだとかいうことでなしに、法で認められて市町村移譲を行なわれたものについては自治省と話し合いをして、地方自治体の運営上に支障を起こさないような財政配慮というものは、やはり地方自治体という立場も加味した形の中で当然考えてしかるべきではないか。これが法的に裏づけを持っていない形であれば一まあそういう形ではできないわけですけれども、要するに農業災害補償法の中で第一線組織として並列的に今日の段階で認めておるという問題でありますから、足鹿委員からも御指摘のように、補助金という形も一つの考え方かもわかりませんけれども、補助金ということになればおそらく第一線の農業共済組合と市町村の間に差別をつけて補助するという形はなかなか取り扱い上むずかしい問題も出てくるのじゃないかという感じがするわけです。むしろ角度を変えて、地方財政上の問題から市町村に移譲した問題についてはプラスして支障のないように考える、こういうことで今後臨むべきではないかと思うのですが、もう一度その点御説明願いたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 地方財政の援助につきましては、私がちょうちょう申し上げる必要もないと思いますが、補助金と交付金とが重複するということはないわけでございます。半々ずつ出すというようなことは考えられるわけでありますが、しかしそれは交付金の場合は単に基準財政需要額の算出の基礎に含まれるということで、その裏に幾ら実際に交付されるか、またそれが共済事業に幾ら出されるかということは村の財政自体の問題になるわけでありますが、補助金の場合は目的が特定されてそのために国が支出するわけでありますから、ほかに流用はされないということになります。したがって補助金でいったほうが特定の事業だけを取り上げますならば財源は確保し得るわけであります。問題はむしろ組合で、現在は補助金の交付につきまして組合と町村の間に差等は設けていないわけであります。人件費その他の補助でございますので、そこに何ら差等を設けてないわけでありますが、問題が生ずるのは、組合の場合は賦課金で徴収する、ところが市町村の場合は必ずしもその方法によらないで、目的税的なものによらないで一般財源でまかなう場合がある。そういうことの結果として一般財源が食われるような感じを持つ、場合によっては掛け金といいますか、町村の場合は少し名前が違っていたかもしれませんが、そういった方法で徴収することもできるわけでございます。それらについて差別はないわけであります。組合のほうはもっと財政は困難であるわけでございますから、町村についてそういった問題が出るのはむしろ組合員に賦課される賦課金のほうの面に問題があるのではないか、かように考えます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これも第一線の共済組合等のこまかい問題でありますけれども、資料が出ておりましたのでお伺いをするわけですが、たとえば農業共済組合の事務所の概況というふうなものを見てみましても、独立は二四%、役場の間借りが二三・七%、農協の借りが三九・四%、その他、こういう形になっておるわけでありますが、私ども三重県の第一線の状況を見ましても、必ずしも快的な職場環境で仕事をやっておられるところがたくさんあるとは思っていないわけです。やはりこの種事業をやる場合は、どこの役所あるいはどこの事務所の場合も同じでありますけれども、職場環境というものを整備するということは欠くべからざる一つの要素だと思うのです。そういう点は第一線の共済組合等あるいは連合会におまかせをしておる、そういうようなやり方で農林省は考えておられるのか、あるいはそうではなくて、やはりこの種問題についても積極的に指導援助という立場で考えておられるのか、その辺のお考えについてもひとつ聞いておきたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 従来の考え方としましては、必ずしも独立の事務所を自分で持つというようなことを奨励するとかそういうことは考えてまいらなかったわけであります。むしろ、できるだけそういった経費は節約して、農家の負担も軽くしたいということもあったわけでございます。ことに末端にいきますと、農業の団体ごとに別々に事務所をたくさんつくるというよりも、そう職員がたくさんおるわけでもありませんから、農協が建てた建物の一部を借り受けるとか、あるいは役場が余裕があるならばそれを使わしてもらうとか、そういう方法をとるのも、その実情に応じて適当な方法ではないかと考えてまいったわけです。また、団体間の親和というような面からいいましても、事務所は一本であったほうがむしろいい場合もあるかとも思うのでございます。しかしだんだん組合の規模が大型化してまいりまして、今後仕事が拡充されるというようなことになってまいりますとそうもいかない場合が出てくるのではないか、そういうことも考えまして、今後十分検討さしていただきたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これは先週の質問の中でも基本的にも議論された問題でありますから簡単に聞いておきたいと思うのですけれども、これは災害対策特別委員会あたりで、いろいろ災害が出てくるごとにぶつかる問題の一つに、果樹共済の問題が数年来あるわけですね。関係委員の質問に対してもそうでありましたし、資料でもそう出ておるわけですが、これから三年間さらに実地に、金は実際に運転せずに試験的にやってみよう、こういうことなんですけれども、そういう保険設計上の基本的な検討というものも考え方としてわからぬわけじゃないのですけれども、ことしの年当初の豪雪関係からの果樹の被害要求の問題もありますし、そうでなくても従来から果樹問題については共済関係の裏づけがないということが災害ごとに出てきておるわけですが、そういう四つの方式による、実際に金を交付しない試験的なものを始めていくというゆうちょうなやり方でない、もう少しスピードアップした考え方を、これはいますぐというわけにいきませんけれども、明年度からといってはわれわれの気持ちではおそいという感じもしますが、まず第一歩を踏み出すという積極的な意欲、積極的な取り組み方という気持ちはないのですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 果樹共済につきましては、確かにわれわれも一日も早くでき得れば制度化いたしたいわけでございます。しかし私から申し上げるまでもなく、保険制度というものは非常に緻密な制度でございますので、これを実際に制度化するということはよほど十分な準備をいたさなければならないわけであります。日本において初めて農業保険法が施行されました以前にも、相当長期にわたり研究と調査が行なわれております。それからアメリカでも果樹の保険につきましてはまだ試験的にやっておるような実情でございます。一度制度をつくりまして、それが動かないようなものになる可能性が保険というものについては十分あるわけでございます。したがって拙速よりは十分調査研究を重ねてやってまいりたい、かように考えるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 今度の改正点の中でいろいろの項目を分けておりますけれども、たとえば画一的な強制加入方式の緩和というふうな問題で、農作物共済その他についても若干の改正がなされておるわけですが、問題はいままでのところでも米、陸稲あるいは三麦、あるいは蚕繭、家畜、それぞれによって違いますけれども、加入率というものは段々があったわけですね。そこで今度画一的強制加入方式の緩和というのは、やはり従来の実情から見た時代の要請の一つだと思うのであって、これを受け入れるということは当然の推移かと思うのですけれども、問題は、それと今後の長期にわたって実情に即した安定的な共済事業の運営という問題と必ずしもうまく調和するかどうかという懸念があるわけです。それと、この種改正によって明年度以降具体的にどういう推移をたどるかという一つの判断の問題もあるわけです。それらの問題について今日の時点でどういう見通しを持って考えておられるか、その点ひとつお伺いしたいと思うのです。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 ただいまも御指摘がありましたように、やはり時代の推移に即応する改正であると考えておるわけでありますが、その結果としては、陸稲とか麦につきましては事業廃止を行なう組合がだんだん出てくるのではないか、また水稲につきましても第二種兼業農家などが非常に多い地帯におきましてはそういう例が今後出てまいる、かように考えておるわけであります。しかし一面におきましては、今後の方向としては、家畜共済等をもっと整備拡充していくということ、またでき得れば果樹共済などもこの際制度化していくということも考えなければなりませんし、一面、従来制度全体に対する非常な不満としては強制加入ということがあったわけでありますが、そういう場合も特に低被害地の問題もございますが、これは別途の方法で解決しようとしておるわけでございます。もう一つは、自分らにとってあまり重要性のないものまで強制加入させられるという不満が多かったと思います。そういったものは一部事業廃止の規定を設けることによって緩和されて、その面では制度はかえって円滑に運営されるのではないか、かように考える次第でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 非常に重要な法案でありますので、たくさん質疑すべきことはあるわけでありますけれども、まだ質問者もたくさんあられますし、私は、午前来主としてこの改正案の今回出てまいりました最近の経緯、あるいは今後の農基法体制下の変貌に即応する農業災害補償制度のあり方、そういう角度からの検討、あるいはまた特に第一線で仕事をやっていく、そうして第一線の実態に即して、今後根本的に解決すべき問題はまず第一線から、こういう気持ちでやってもらいたいという気持ちから若干の質問を行ないましたけれども、午前の質問をこの程度で終わりまして、午後の質問は他の委員に譲りたいと思います。いずれ参考人その他も呼ぶわけですから、また適当な機会にということで質問を終わらしていただきます。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 この際午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時七分休憩      ————◇—————    午後一時三十七分開議

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。栗林三郎君。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 今回提出されましたこの改正案に対しては、大臣も局長もかなり自信を持って臨んでおられるようでありますが、農家をはじめ国会の内外から、現行農災制度に対する批判の声が高まって、抜本改正を要望する声が強くなりまして、当局もこの抜本改正の要望にこたえるために本改正法案を提出されたものと思うわけであります。が、しかし、はたしてその内容が抜本改正に値するものであるかどうか私はきわめて疑問に思うのであります。そこで、まずこの点から質疑をしてまいりたいと思うのでございます。  農業災害補償制度に対する抜本改正の要求は、遠く昭和二十七年、当時本院の農林水産委員会において取り上げられてから、その後幾つかの研究会ができたりあるいは協議会が設置されて、そして幾つかの試案あるいは答申案が作成されたのでありますが、そのいずれも完全に実ることができずして今日に至っております。そうして今日では  一そう激しさを増して抜本改正の要求が強調されておるのが状態であろうと思います。現行法は昭和三十二年改正実施を見たものでありますが、この改正が実施になる直前から、農民の不平不満の声が全国各地に巻き起こって、あるいは解散決議を行なう組合や、あるいは事業停止の挙にいずる組合等が続出するというまことに激しい農民の抵抗運動が、しかもかなり幅広く展開されてまいったものでございます。先ほども申し上げましたとおり農災制度の抜本改正は早くから院の内外から要望され、要求されたものでありまして、国会関係の記録をひとつ調べてみたいと思います。  昭和二十七年、当時第十三国会だと思いますが、この第十三国会以来本院の農林水産委員会の中に農災制度に関する小委員会を設置して、ほとんど毎国会、休会中にも継続して根本改正の具体策を検討しておるのであります。また、二十八年七月には次のような両院協議会の申し合わせが行なわれておるのであります。読んでみますと、「農業災害補償法は、実施以来五ケ年を経過したが、その制度の根本的欠陥と運営又宜敷きを得ず、農民の要望に応え難き実情に鑑み、両院協議会は、左記により農業災害補償制度の行詰りに対し抜本的検討をなすことを申合せる。」とあるのであります。さらに参議院におきましても、衆議院同様、二十八年、農林水産委員会の中に小委員会を設けて、これまた根本的改正に努力をされてきておるのであります。  このような経過を振り返ってみまするならば、農災制度の根本的欠陥を改める同制度の抜本改正の必要性は各方面から指摘され、要望されてきたものでありまして、何も今日になって初めて抜本改正の要求の声が起きておるものではないのであります。こうした情勢から抜本改正の要望にこたえて改正されたのが三十二年の現行法の改正であったと思います。しかし、先ほど申し上げましたとおり、この改正が実施される直前から農民の激しい反対、抵抗運動が巻き起こった次第でありまして、あとでお尋ねするつもりでありますが、当局から提出されております資料の中にもありますように、改正の行なわれました三十二年、三十三年の両年度だけを見ますと、解散決議を行なった組合が二十七にも達しております。もちろんこの中には未解決のものもありますが、多くはひとまず解決されておられるのであります。しかし、いずれにしましても二十七という多数の組合が解散決議を行なったということはきわめて重大であります。また事業休止の動向のものが六十九も発生するという事態が起きたのであります。この理由は、抜本改正に多くの期待をかけておった農民の、その期待を完全に裏切られた見せかけの改正に対する不平不満の怒りからであろうと思うものでございます。かくのごとく改正後さらに一般と抜本改正の要求の叫びが熾烈となるに及んで、政府、農林当局もこうした農民の不平と不満と抜本改正の要求にいまは耳をおおうことができなくなって、改正直後の三十四年、たしか十一月と記憶しておりますが、農林省内に農災制度研究会なるものを設け、さらに翌三十五年には農災制度協議会を設置して、農林当局もまたようやく抜本改正の態度を明らかにしてこれらに臨まれたことはいまさら申し上げるまでもないことでございます。したがいまして、三十二年の改正は抜本改正ではなかったことを政府、農林当局がみずから認められたことになると思うものでございます。それゆえに私がここでお導ねしておきたいことは、今回のこの改正案がはたして従来から要求されてまいりました抜本改正に値するものであるかどうか、農林当局が自信を持って抜本改正であると言い切れる改正であるかどうかというこの点にあるのであります。私の考えを率直に申し上げますならば、今回もまた農民の要望や期待は完全に裏切られた改正であって、もしこの改正案がこのままの内容で国会において成立し、実施されるということになると、またまた激しい反対運動、抵抗運動が発生し、ついには収拾つかない事態にもなりかねないものと私は心配しているものであります。農林当局はこの改正案で、多くの農民がこれに満足して三十二年当時のような激しい反対運動がおきないという自信を持っておられますのか、この点についてまずお尋ねしておきたいと思う次第であります。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 制度の抜本放正になっているか、農家の従来抱いていた不満を解消することになるか、それだけの自信を持っているかとお尋ねでございますが、私どもとしましては、簡単に申し上げますと、今回の改正法律案は従来例を見ない根本的改正であると考えております。相当重要な部分に関しまして改正をはかっているのでございます。そこで問題は、従来農家がどういう不満を持っていたかということと、それにどうこたえているかということでございますが、もちろん私どもも今回の改正だけで完ぺきだというようなことは申し上げられないと思います。しかしながら従来の不満に対しては、相当程度その解消に役立つであろうと考えておるわけであります。  どういう点が不満であったかという点を、重要な点だけを取り上げて分析してみますと、まず低被害地において掛け捨てになる傾向がある、こういうことが相当大きな不満の要因であったと思います。これに対しましては、今回は末端に責任を移譲いたしまして、できるだけ通常災害に相当するものは末端で処理してもらう、それで末端組合に掛け金が積み立てられて、それが農村に還元される方式をとるようにするということで一つの解決をはかっておるわけでございます。それから無事戻し制を拡充するということがさらにその解決に役立つと考えるのであります。それから第三といたしましては、掛け金の料率の算定方式を変えたことでございます。従来県を単位としまして画一的にきめておりました料率を、村ごとにきめていく、個別的にきめていくことによって低被害地は低被害地なりの低い料率になる。それから国庫負担率を組合ごとにきめていくという方式にいたしたことであります。そのほか画一的な強制加入を緩和することもそういった面には役立つと考えられますが、低被害地においても、低被害地の人でそれほど自分の経営上重要でない人はしいて加入しないでも済むという形に持っていくことも一つの解決であろうと思われます。  その次に農家が従来不満を抱いておったと思われますのは、やはり制度の強制、強制加入ということでございますが、これに対しましては今回の改正法案では、画一的な強制加入を緩和するために任意加入の範囲を広げるという方法をとっておるわけでございます。それから一部事業を廃止することができるということを今度の改正で考えておるわけであります。そういったことでこれも相当程度緩和できると考えておりますが、根本は現段階において日本の農業を前提にして保険制度をとる限り、逆選択が起こってくる。したがって保険制度というものを否定しない限り、どうしてもある程度の強制は避けられない。任意加入を貫こうとすれば保険は成立しないということが、私どもが考えているところでありますので、保険制度を前提としております限り現段階においてはある程度の強制はやむを得ない、こう考えておるわけでございます。  そのほか農家の持っている不満として、病害虫は最近の技術では相当防除できて三割以上の被害というものは少なくなってきておる。それなのに制度は強制されているとか、そういったことが。ございますが、それらの点も今回は病虫害を除外することができるという制度に改めることによって、全面的とは申し上げませんが、かなり解決されるのではないかというように考えてまいりますと、抜本改正であるかどうかということは表現の問題でございますが、かなり重要な部分について相当な改善をはかっておる、かように考えております。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 私も、今回の改正案はかなりな改正であり、かつ前進であることはこれを認めるにやぶさかなものではございません。しかし、少なくとも抜本改正と言うからには、私はもっともっと重要な要素があると思います。少なくとも次のような要件も当然備えておらなければならないものではないかと考えるものであります。  第一に加入方式の問題でありますが、現行制度は当然加入、強制の加入方式をとっている。これを任意制に改めるとか、あるいは強制のたてまえはくずすことはできない、強制のたてまえはあくまでも堅持するといたしましても、無被害地帯、低被害地帯に対しては任意制を積極的に考慮するというようなことも私はもっと積極的に考慮すべき問題であろうと思います。  第二には、解散の決議や共済目的ごとの特別議決による事業休止を認めるとか、要するに現行制度の一貫せる強制そのものを大幅に農民の自由意思を尊重するという方向に改めるというような、そういう要件も当然私は考えなければならないと思うのであります。ただいま局長の御答弁によりますと、また提案されております改正案によりますと、もちろん一部事業廃止の点には触れておりますが、しかしそれにはきびしい制約条件が考えられておるようであります。この点についてはあとでお尋ねしますが、そのようなきびしい制限、制約があるようであります。協議会で答申をしました案によりますと、三分の二の特別決議によればその共済目的ごとの事業を休止することができる、どういうようになっておるのでありますが、私はこの際共済目的ごとの特別議決による場合は協議会の答申案そのものを尊重すべきではないか、またそのような改正をやってこそ初めて抜本的な改正に値するものと考えるものであります。  第三の点を指摘しますならば、掛け金については大幅に国の補助率を引き上げる、また、事務、人件費等はこれまた長い間の農民の要望である全額国庫負担をするというふうに国家補償の性格を積極的に強化するというような、そういうことも当然考えられなければならない問題であろうと思うのであります。  さらに指摘してみますならば、組合運営の組織機構を思い切って二段階制に改めて、市町村営のほうに移譲を積極化するとか、その他幾つかの要件があると思います。しかしながら当局の改正案によれば、またただいまの局長の御答弁によりますと、かなりな改正であることは、私もこれを認めるものでありますが、しかしきわめて事務的、技術的な改正にとどまっておるものと思うのでございます。この点についてはもう一度局長のお考えを伺いたい、かように思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 御質問はいずれも制度の存立の基本に触れる問題であると思うのでございます。考え方によっては、保険制度そのものを否定して国家補償制に切りかえるというような方式をとることを前提にいたさなければ考えられないという面があるように思われるのでございます。私どもといたしましては、やはり保険の方式をとっていくことが望ましいという前提に立ちまして改正を考えておりますので、その根本の点においてはどうしても御満足のいくようなお答えはできないかと思われます。  まず、なぜ保険制度のほうが望ましいかということにつきましては、これはいろいろ考え方はあると思いますが、現実の問題といたしまして、いまの保険方式をとりました農業災害補償法は、一面において、農家にも負担してもらいますけれども、国の負担を機械的に、当然に一定の算定方式あるいは率ではっきりときめておるわけであります。したがいまして国は当然その機械的な定めに従って負担していくということが、制度を安定させ、かつ農家がそれを当然に期待できるという長所があると思われるのでございます。これをかりに国家補償方式というようなことを考えますと、国は毎年度補助金でもって考えていく。毎年度予算においてきめていかなければならない。もちろん現在でも予算に計上いたしますが、予算に計上しなければならない額というものはこの法律で定めるところに従って当然に定まっているわけであります。そういう点で、保険方式を加味した災害補償方式のほうが望ましいのではないかということが、われわれの考え方の根本にあるわけであります。そういたしますと、保険方式をとる限り保険として成り立つことが一つ。それから、ある程度農家に負担をしてもらう。備荒貯蓄的な意味も含めまして農家も負担してもらうということが、両方とも条件になっていると思うのであります。  保険としての制度を存立させるためには、先ほど申し上げましたように現段階においてはある程度の強制はやむを得ない。どの程度まで強制を加えるか、どの程度まで任意にするかということは、これはなかなか判決のむずかしい問題でございますが、先般資料に基づいて御説明いたしたとおり、今回の改正におきましては、一部の事業廃止については相当程度の緩和になると思うのであります。  まず基準について申し上げますと、任意加入の基準になります、面積と資格者の数とを乗じた面積以下である場合には、これは機械的に一部事業廃止を承認されることになる。それから今度はそういう基準に達しない場合においても、いま御指摘のありましたように、非常に事業量が少なくて効率的に事業運営ができないという場合、それから被害が少ない場合、そういう場合には一部事業廃止ができるという改正にいたしたいわけでありまして、私どもとしては、いま申し上げましたように、無制限にこれが行なわれるようになっては困るという考え方から、制限はいたしまするが、従来に比べましては相当の緩和になると考えております。  それから事務費の国庫負担につきましても、これはこの前資料をもって御説明いたしましたが、国庫負担は年々増額いたしております。増加の負担は最近ではやや軽くなるという傾向がございます。事務費は人件費等の増額によって年々大きくなっておるわけでございますが、その大部分は国庫が負担してまいってきております。事務費の国庫負担におきましても相当な改善はいたしておるつもりでございます。  それから最後に、機構的な問題でございます。組織の問題でございますが、これは協議会案で二段階制というものを考えられました。これは一つの考え方であるということは、私どもも異論のないところでございまするが、これはあくまでもどういう保険の仕組みをとるかということと両方考え合わせて考えなければなりませんので、組織の問題につきましては、どういう方式が望ましいかということとともに考えてまいらなければならぬと思います。  町村移譲につきましては、今回の改正におきましても、町村の吏員が連合会の役員になるというような改正を加えまして、町村移譲が円滑に行なわれるようにいたしておるわけでございます。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 一部廃止の基準につきましては、いまの御答弁で私はっきりわかりませんので、あとで御質問申し上げます。  ただいま局長の御答弁の中に制度存立の基本に関する云々という御意見がありましたが、私はこの制度存立の基本に関する問題に触れてこそ文字どおりの抜本的改正に値するものだと考えるものであります。しかし誤解のないようにしておきたいのは、私は国の責任、国家補償の線をもっと強化するような方向をとるべきだと申し上げておるのでありまして、いまの制度そのものを否定するようなことを申し上げたのではないのであります。重複するようでありますが、なるほど画一的な強制方式を若干緩和されておられるようでありまして、水稲、麦の場合、耕作面積三反歩までは任意制をとっておられるようであります。しかし任意を要求しておるものは、もちろんこうした零細な農家はこれは申し上げるまでもありませんが、この任意を要望しておるものは零細農家といわず専業農家といわずすべての全農民が要望しておるところでございます。これは世論調査等をごらんになればはっきりすると思うのであります。それでありますから、経営面積のきわめて小さいものだけを任意の対象にするということだけでは、質的には何ら強制方式の緩和にはならないと考えるものであります。  第二に、特別議決による目的ごとの事業廃止も、その制限事項の中に、事業量のきわめて少ないもの、こういう制限があるようであります。その他のことにつきましてはいま聞きのがしたのでありますが、しかしそのような幾つかの制限事項を加えたならば、私はこの事業の一部を廃止するという農民の創意がこれで押えられると思うものであります。たしか協議会の案によりますと、何らの制限事項はなかったように記憶しておりますが、私は共済目的ごとの事業廃止につきましては、その手続はきわめて慎重にしなければならないと思います。そういう慎重な手続のもとに完全に関係農民の、その地域農民の意思が反映されるような方法によって、少なくとも三分の二以上の決議がある場合は無条件で認めてもよいではないか、かように私は考えるのであります。またこれが多くの農民の要望でもあるのであります。  さらに、補てんの内容には触れませんでしたが、今回の改正案によりますと、補てんの内容にもこれはかなり苦心のあとが見られます。かなりの前進であることは私もこれを認めるものであります。しかし依然として三割足切りの方針が堅持されておるのであります。いろいろむずかしいとは思いますが、この三割足切りの方針を二割に改めるべきではないか、かように私は考えておるものであります。  次に、掛け金につきましては、局長の御答弁のように非常に合理化されておるという点は、これまた私もこれを認めるものであります。しかしせっかくの合理化が、そのために従来より掛け金増の組合が相当たくさん出てくるということになりますと問題があろうと思うのであります。したがって抜本改正のこの機会に、通常以上の補助率は二分の一になっておるわけでありますが、この二分の一の補助率をこの際三分の二に引き上げて、その引き上げることによって負担の重い農民は助かるでありましょうし、また多くの掛け金のふえる組合もこれによって是正することができると思います。この際私は、二分の一の補助率を三分の二に引き上げる、そういう大胆な御検討はできないものか、そういう御考慮はできないものか、かように思うわけであります。しかも三分の二の補助の引き上げの要求は全農民の切実な要求でもあるのでございます。それでありますから、せっかく局長はかなりな改正である、抜本的改正であると強調されておりますが、私から言わしめるならば抜本改正にははるかに遠いものであって、このままでは先ほども申し上げましたとおり三十二年当時よりも、もっともっと激しい抵抗運動が必ず発生すると心配するものでありますが、この点に関してもう一ぺん、くどいようでありますが、局長の御答弁をお願いいたしたい、かように思うのです。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 最初の任意加入及び一部事業廃止の問題でございますが、これは私どもから考えますと、現状に比べまして相当な緩和であると考えるのでございます。特に一部事業廃止の政令で定める事由は、被害が少ない場合、それからあわせて事業量が少ない場合、そういう場合には事業を廃止できるということにいたしますので、その点では従来に比べて相当な緩和になると思うのでございます。三分の二の特別議決があれば一部事業廃止、さらには解散も自由にしてよいではないかという御指摘でございますが、解散の場合に認可制にかけておるのは、三分の二の議決がありましても、それはそのまま解散を認めるわけにはいかないというのが立法の趣旨であろうと考えるのでございます。もちろん何でもかでも特別議決があった場合に認可しないというのも行き過ぎかと思いますが、しかし認可制を置いておるのは、現在の保険制度はある程度制限的にその面を運用しなければとうていもたないという考え方に立っておると考えるのでございます。そういった趣旨で一部事業廃止につきましてもやはりある程度の制限は残さざるを得ない、こういうふうに私どもは考えるわけでございます。  それから三割足切りの問題でございますが、これは二割足切りにしたほうが確かに農家としては損害を補てんされる機会が多くなるわけでございます。しかしこれにつきましても相当な国費も出しておりますし、また損害の認定がだんだん低いものになってまいりますとなかなか区分がむずかしいというような問題も出てまいりますので、現行の三割程度が妥当ではないか、かように考えるわけでございます。農家単位の共済にいたしまして二割あるいは一割にするというような考え方がございますが、その場合は一方において増収と他方において減収とを相殺いたしますので、二割、一割という運営も考えられるわけでございますが、現行の制度では増収のほうについては考えないわけでありますから、やはり三割程度の被害を考えるということが妥当ではないかと考えます。  最後に、掛け金が今度の改正でふえる場合に、ふえないように措置すべきだということでございますが、私どもも制度改正によって急激に農家の負担を増加することは好ましくないと考えますので、当分の間これを補助金で交付するということにいたしておりますが、いま御指摘になりまし二分の一を三分の二に引き上げたらどうかという点でございますが、現在におきましても国は三分の二を負担しておるわけでございます。改正法が施行されても国はほぼ三分の二を負担することになるのであります。最低が二分の一、最高が百分の百まで国が負担するということで個別的に国庫負担率を出していくというのが改正点でございまして、実質三分の二くらいの国庫が負担するということは変わらないわけであります。もちろんこれは八割負担したらいいとか九割負担したらいいという考え方もあろうかと思いますが、それは先ほども申し上げましたように、いわゆる国家補償の方式になってくるわけでありまして、私どもとしては必ずしもとらないところでございます。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 これは申し上げるまでもないことだと思いますが、いまの補てんの方式についてのこの三割足切りの問題ですが、これは昭和三十年に農林省の経済局から発表になっておる農災制度改正に関する要綱案の中にこの補てんのことについて触れておられます。こういうように書いておるわけですね。「共済事故による農家単位の減収」、この場合、農家単位という表現を使っておりますが、説明がついております。「農家単位の減収(減収筆のみの減収量の合計)」こうなっております。「農家単位の減収が当該農家の基準収量の百分の二十をこえる場合、」云々となっておるわけです。この場合も「当該農家の基準量」とうたっておるわけでございます。したがって簡単に申し上げれば、三十年に農林当局から出された一つの参考案だと思いますが、この改正要綱案によりますと、このときすでに事務当局は二割足切りの方法を考えておったように思うわけであります。これは増収になる分も含めての計算ではありません。基準反収でありますから、一定の基準反収はきまっておりますから、完全に二割足切りの方法をこの要綱はうたっておるわけです。それですから、何もいま唐突に二割足切りの意見を私が申し上げているのではなくて、事務当局がすでにこういう考えを発表しておるということは、これは私はまことにけっこうな意見だとかように思っているわけです。ですから、こういうような意見をもっと積極的に配慮してもよいものではないか、かように思いまして、それで二割足切りの方法を考慮すべきではないか、かように申し上げたわけでございます。  さて、次に質問を進めたいと思いますが、最近における共済組合の解散運動あるいはそれに類似する抵抗運動の情勢について、簡単に御報告願いたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 最近解散及び事業の廃止運動がやや下火の傾向が見られまするが、これは必ずしも現在の制度の運営に満足されてそうなったということは私ども考えておらぬわけでございますが、ただ下火になったことにはいろいろな要因があると思うのでございます。従来自分のほうは低被害地だ、そのために掛け捨てになっていやだ、こういう考えがあったところに災害がまた来たというような原因で鎮静しておるというようなところもございます。しかし別に県やいろいろな機関の説得あるいはいろいろな話し合いの結果として、とにかくそれではもう少し改正の動きを見ようというような考え方で静かにしておるところもある、こういうように私どもは考えておるわけでございますが、いずれにしましても早急に制度の改正をはからなければ再び解散運動というものが相当な範囲で起こるのではないかということを憂慮しておるわけでございます。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 いただいております資料の中には、三十一年から三十七年度までの解散議決をした組合の数及びそれの処理状況、さらに解散運動と類似するそういう運動を行なった組合等についての数字はこの資料によって承知できるわけであります。この中に解散決議をした組合のうちで、三十一年に一組合、三十五年に一組合解散が認可になっております。この二つの組合はどこでしょうか、ひとつ御報告願えれば幸いです。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 一つは愛知県でございます。これはダムのために村がなくなるというようなことで解散になったわけでございます。もう一つは長崎県でございます。これは事業量がきわめて小さい、それで事業をやっている意味がないということで、認可申請があったのを認可したものでございます。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 三十二年の改正の前後から今日まで相当激しい抵抗運動が続いたわけでありますが、この反対運動の理由につきまして、どのように把握されておられるのか、この際もう少し詳しくお尋ねしておきたいと思います。私は端的に申し上げますと、この解散運動は、この制度の否定から生ずるものは一つもなかったと認識しておるものであります。何とか抜本的な改正を早期に実現させて、そうして農民の要求の全部といわなくても、少なくとももっと農民のためになるような共済組合の抜本的改正を望むのあまり、単なる陳情運動ではなかなか取り上げてくれないものですから、個々に団体行動をとる、この場合、組合の解散決議をやる、あるいは事業停止の方向へもっていく、こういう手段に出たものと考えるわけでありますが、この点についての理由把握につきまして、簡単でよろしゅうございますが、お伺いしておきたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 解散運動の原因につきまして、いま栗林先生からお話がありましたが、私どもも制度そのものを否定しようという動きでの解散運動はほとんどなかったのではないか、むしろ運営上の不満とかあるいは制度の改善に対する要求がそういう形になってあらわれたというように考えておるわけでございますが、それをさらに別な面から見ますと、大体において解散運動が多く起きましたのは低被害地帯でございます。これはやはり低被害地においては掛け捨てになる、しかも賦課金の負担もしなければならぬということが現実の農家の不満であったと思うのでございます。その証拠に、と言うとおかしいのですが、逆に云いますと、高被害地においてはあまりこういうことがなかった、全体としまして農家の払っている掛け金及び賦課金の負担に対して共済基金がどのくらい出ておるかということを全国的に見ますと、農家の負担の数倍になる額が農家に払われておるわけでございます。したがって農家全体としてはそろばん勘定のほうではもらうほうがはるかに多いということになっておるわけでございますが、高被害地においてそういうことが多くて、低被害地においてはむしろ逆に払う面がやや多かったということが、実際の不満となってあらわれておる。制度の強制という面がございましょうが、そういう不満がなければ、強制されてもそうつらいわけでもないと思われますので、その点が解決されることがこの制度の大きな前進になるのではないか、かように考えます。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 現在時点におけるこの組合の解散運動等はかなり静止しておる状態である、こういう御報告でありますが、これは局長も言われておりましたように、農民が満足して静止しておるのではなくて、むしろ今度の抜本改正がどうなるだろう、少なくとも自分たちの要望にはかなり近いものになって改正されるであろう、そういう大きな期待を持って見守っておるからこの運動が静まっておる、かように私は認識しておるのであります。それでありますから、抜本改正に値する値しないということは、これは水かけ論になるきらいもありますけれども、率直に申し上げますと、この程度の改正でありますならば農民は黙っておらない。三十二年当時以上の抵抗運動が発生するのではないかという心配を持つものでありますが、この点については、そういうことも十分心に入れて対処していただきたい、かように思うわけであります。  次に解散の行政庁の認可についてお尋ねいたしたいと思います。法四十六条は、解散決議をしましても行政庁の認可を受けなければ効力が発生しない、これはもう申し上げるまでもないことであります。しかしこの解散の規定は、私はこのように理解しておるものであります。この制度が強制のたてまえをとっている共済制度でありますので、この法律全体のどこかに、農民の創意と自主性を尊重しなければならない、民主主義の精神をどこかに生かさなければならないという立法者の考えが盛られているのではないかと考えておるものであります。したがって、この民主主義的な、いわゆる自主性を尊重するという立法精神をあくまでも生かすべきではないかと考えておるものでございます。それゆえに、解散の議決は、きわめて慎重な手続が規定されております。そうして、その手続に誤りがない限り、原則としてはこれを認めてやるべきではないかと思いますが、この点についての御見解を伺っておきたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 御指摘のように、四十六条の解散に対する認可制度は、一面におきまして、特別議決があったからといって自由に解散はできないという制限でありますとともに、やむを得ない場合は認可によって解散できるという制度であろうかと考えます。従来、その運営につきましては、実際の結果としては一〇〇%認可しないという運営がされて参ったわけでありますが、これは制度が発足してからまだそう長くたっていない、固まっていないで、制度の趣旨もわかっていない、現在でも決して完全だとは思いませんけれども、そういうこともありまして非常に慎重であったと考えるわけでありますが、それにつきましては一昨年衆議院における御質問もございまして、若干の緩和をはかるという方針を次官通達で出したわけでございます。しかしながら、これも考え方としてはきわめて慎重で、制度をまず理解してもらって、その上で、どうしてもあまり意味がないからやめたいという場合にやむを得ない、こういうような趣旨でございました。しかしながら、今回の改正におきましては、一面において一部の事業の廃止の道を開くという改正を加えておりますので、これと解散とがふつり合いになるということもどうかと思われますので、その一昨年の通達はそういった方向と即応いたしまして再検討いたしたいと考えております。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 本法に規定しておる四十六条の解散の議決の項は、解散を認可する基準等については何ら触れておらないのであります。そうして同条の第三項に、解散の認可は行政庁が行なう、こういうように規定しておるわけであります。それでありますから、この組合の解散決議をした場合に、認可をするしないは、一切あげて、この場合の行政庁は都道府県知事をさしておるのでありますから、都道府県知事に一切の権限がゆだねられておるものと解するのでありますが、この点はいかがでしょうか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 一般に、行政につきまして主務大臣から知事に委任されました場合には、知事は委任された機関としまして上級行政庁であります主務大臣の指揮を受けるということになるわけでございます。この場合におきましても、主務大臣が指定する方法によって認可を行なうべきものと考えます。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 ただいま局長から御答弁がありましたが、農林当局からこの解散の認可基準に関しまして都道府県知事に通達が出されておるのであります。この通達はたしか昭和三十六年西村次官の名前で次官通達として都道府県知事に通達されておるようであります。この通達については現在さらに考慮を払われておるようなお話でありますが、この通達を見ますと五項目になっておるわけです。その五項目のうちの最後の第五項です。「解散した場合、農業共済組合の残務の処理が円滑かつ適正になされること」その次に「職員の身分について十分な措置がとられること。」こうあるわけです。当時私は前の坂村局長とも議論したのでありますが、職員の身分について責任を持たなければ認可をしないという基準は、私は少し無理だと思いますね。無理ということよりも、あまりにもこれは非常な無理論だと思うのですよ。なぜなれば、この組合が任意制度で成立しておる場合は、それに関係のある全体の責任としてこれは処理しなければならないことは申し上げるまでもないと思います。しかし現行制度は強制制度でございます。強制されておるのは農民なんですよ。強制制度である限り、農民は組合を解散する場合に道義的な立場から、また同じ働く者の立場から、真剣にこれらの身分あるいは再就職等についての配慮をするということはもちろん当然のことでございます。しかし、強制されておる組合が解散をした場合に、その職員の身分について責任はおまえが持てということは、あまりにも理不尽な言い分じゃないでしょうか。強制する以上は、私は農民に責任はないと思います。責任という責任論からいうならば、私は責任はないと思います。強制しておる政府自体がこの職員の身分について責任を持つべきではないかと思うのでありますが、これに対するお考えをひとつ伺っておきたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 御指摘の通達の基準の5の職員の身分の問題でございますが、確かに御指摘のように、解散認可の条件として、職員の身分は十分に考慮されることということを認可の条件にすることについては問題があるように思われます。ただこれは強制の制度だから国がすべて責任を負うべきだということについても問題があるように思うのでございます。それらの点につきましては御趣旨を十分考えまして、再検討いたします。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 いま私はこの次官通達の内容について論議をする意思はないのでありますが、この通達はもはや役に立たないと思います。事実改正もされますから。したがって、いろいろ物議をかもした通達でもありますので、この際一日も早く撤回をしていただくような措置をとっていただきたいことを強く御希望申し上げておきます。  次に加入制度についてお尋ねしてみたいと思います。  なぜ任意制度はいけないのですか。なぜ強制でなければいけないのですか。任意制度がとられないというその理由の一、二をあげて、これをひとつ簡単に教えていただきたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 現在の世の中で加入を強制する制度というものがあまりないことは私どももよく承知をいたしております。これは非常に問題であり、うっかりすると違憲の問題さえ生ずるものであると考えておりますが、しかし、国民健康保険組合等の社会保障制度におきましても加入強制の例が少なくないと思うのでございます。この制度は、農家が災害を受けて最も困難を感じますときにその救済に役立つようにという制度の趣旨からいたしますと、そういった社会保障の制度と一脈相通ずるものがあると思うのでございます。これは別な面からいいますと、保険という建前をとりますと逆選択が起こるようでは、保険としては成り立たないと考えられます。いまの実情からいいますと、どうしても逆選択——これは社会保障の場合でもそうだと思いますが、逆選択になることが予想されるわけでございます。そういうことを考えまして、保険制度でやる限りはどうしてもある程度の強制はやむを得ない。しかし、これは私どももいつまでも恒久的にこういう体制であるべきだという考えではなくて、漸次緩和していくべきものではないか、しかし、一挙に緩和いたしますと、いろいろ保険制度としての弱さから崩壊するおそれがあるということをおそれておるわけでございます。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 日本の農業は小農経営でありまして、この小農経営の中からはいわゆる保険事業が出てこない、このことを私も教わっております。また逆選択が行なわれる、そのためにこの制度の成立がおぼつかなくなる、困難になる、このことも私は承知しております。したがって強制加入の方法をとっておるのでありますが、一方、無災害地帯あるいは低被害地帯の農民は、先ほど局長も言われておりましたが、常に掛け捨てになる、掛け捨てにならないまでもあまり経済的効果があがらない、そういう理由で加入を希望しない農民が多数あるわけであります。したがって、このような希望をしない、掛け捨てになるという、そういう農民の犠牲によってこれは強制しているわけですから、そういう農民の犠牲によって、災害を受ける農民を補償するというような形にもなっておるわけです。また農民は、そういうように実感として持っておるわけです。特に無被害地帯、低被害地帯の農民はそういう実感を持っておるわけであります。私は助け合いの精神は尊重すべきであると思いますが、このような自然的災害に対してはあくまでも国の責任で措置すべきでありまして、災害補償の責任を、いやがる農民にこれを義務づけるということは、私は、何ぼこの保険成立のためには強制やむなしといたしましても、前近代的な考え方であろうと思うのでございますが、この点についてもう一ぺん局長のお考えを伺ってみたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 国家補償制度をとることにつきまして私どもが考えている難点は、先ほども申し上げましたが、そういう方式によりますと、これは単なる補助金になってしまいまして、制度として、定率でもって必ず、一定の災害の場合に幾らの金が交付されるというような仕組みにすることはなかなか困難になってまいりますのと、毎年度、予算において決定していかなければならぬというような、いろいろな難点が出てまいると思うのでございます。で、保険の方式をとりますと、一面、農家は負担をしなければならない。国だけが掛け金負担をするということは補助金と変わりございませんので、農家が損害に対する一つの保険をする、あるいは備荒貯蓄をするという方式をとらざるを得ないわけですが、それは制度としては、常に一定の仕組みで一定の金が交付されるという方式を生み出しやすい制度だ、このように考えるわけであります。それから天災はすべて国が補償すべし、こういう考え方でございますが、これはいろいろ考え方は、確かに議論が分かれると思うのであります。天災は確かに人力のいかんともしがたいものとして起こるわけでございますが、その中にも、相当防げるものと被害を軽く済まし得るもの、あるいは農家の面からいいますと、農業は、これはいかなる地帯においても、ある程度の災害というものは避けられない。これは経営の大小にかかわらず避けられないということから、農業の経営の要素として、災害に備えるということが一つの必須の条件でもあると考えられるわけでございます。国が補償すべしという考え方を全面的に反対するとか、否定するとかいう考え方はございませんが、その中にもきめのこまかいいろいろな分け方があるのじゃないか、そういうふうに考えますと、いまの災害補償法がすべて合理的だということは申し上げられませんが、この災害補償法を改廃していくことによって、それらの振り合いをうまく考え合わせていくことができるのではないかということを私どもは期待しておるわけでございます。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 この農民の抜本改正の要望の中で最も大きいものの一つが、この任意制の問題でございましょう。それでは私は、災害のない地帯、あるいは低被害地帯に対しての任意制というものをもっと大幅に考慮できないものか、この点について若干質疑をしてみたいと思います。  とにかく、希望しない農民をすべて権力で強制して、農民の自由意思を少しも尊重しないという制度のあり方には、私は大きな問題があると考えておるものであります。  そこで、低被害地の問題として、国会の記録を見てみますと、昭和二十九年の五月の参議院農林水産委員会で決議をされました、農災補償制度の改正に関する件というのがあります。これを御参考までに読み上げてみたいと思います。  この内容は一から七まで、七項目にわたっておりますが、そのうちの第四項に、「制度に対する加入は各農家の強制加入を建前とする。〃然し一定の基準〃による特定の者は、除外する。」そうして、その一定の基準になる特定の者とは、一、一定期間無事故であった者あるいは事故がきわめて少なかった者、第二は、農家経営規模の零細な者、第二種的兼業の高度な者、以下は省略します。これが二十九年当時の参議院の農林水産委員会における決議の内容でありますが、すでに参議院の農林水産委員会では、強制のたてまえはやむを得ない、しかし一定期間無事故であった者やあるいは事故がきわめて少ない者については、これは除外を認めてもよろしい、この者に対する任意制はとってもよろしいという考えを明らかにされておるわけであります。このように、任意制の考え方は以前からあるのでありまして、私は権威と価値のある意見であると思うものであります。  改正案によりますと、規模の小さい者は任意とする方針のようでありますが、この際さらに任意制の拡大を考慮すべきではないかと思います。経営規模の零細な者、これは三反歩ということで一応基準は示されておるわけでありますが、この際経営規模の零細な者というだけにとらわれないで、一定期間無事故であった者あるいはその事故がきわめて少なかった者、ここまで任意制を拡大してやるべきではないか、そういう考慮はできないものかどうか、この点についてお考えをお尋ねしたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 一定の基準以下の者を任意にするということは、現行の基準を引き上げまして今度の改正で行なうわけでございますが、いまお話のありました無事故が続いた場合というものは、今回の改正では含めておりませんことは御指摘のとおりでございます。これは先ほど来申し上げておりますように、やはりその関係は、結局逆選択をもたらすということをおそれるわけでございまして、任意加入の基準に過去の無事故が数年続いた場合ということが入りますると、どうしても逆選択になるのじゃないかということをおそれておるわけでございます。もっとも一部事業廃止のほうにはそういう事由が含まれるわけでございまして、経済的には依存度が低い、かつ被害率が少ないという場合におきましては、事業が廃止できるというところに持っていくわけでございますが、これは一定の地域についてそういう事態がある場合でございます。そういうことを考えないで、とにかくすべて無事故が何年か続けば任意加入にするということは、一つの法律技術としてもなかなかむずかしい面があるのでございます。というのは、たとえば過去五カ年無事故の場合は任意加入とするという場合に、六年目に事故が起きた、また強制加入の組合となる、こういうような制度はなかなかうまく運営できないのではないか、こういうことは言えるわけでございます。それから、そういった面の無理を相当緩和するものとして、今回無事戻しを拡充するということを考えたわけでございます。過去数年無事故であった場合は無事戻しを拡充していきたい。これは従来の倍の額を、さらに機会もふやしまして無事戻しとして還元したい、こういうように考えておるわけでございます。しかし、いまの御提案につきましては、これは私どもも、とにかく強制の制度を永久に続けるということはとうてい考えられないことでございますから、漸次制度の強制を緩和する、今回も相当緩和するわけであります。が、やはり次第次第に緩和する方向として一つの研究すべき問題だろうと思います。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 事故のない地帯、あるいは無事故が一定期間継続した地帯、そういうものを任意にするということは、制度上あるいは組織運営上非常に困難だ、かように御答弁されたわけでありますが、参議院で満場一致で決議されておるこのことは、参議院の皆さんは事務屋はいないかとは思いますけれども、しかしそれぞれのりっぱな方方が慎重審議の上に出された結論でありますから、決してこのことが組織運営上取り上げることが困難だとは私は考えられないのであります。もちろん困難ではあります。困難ではありますが、それらの困難を克服してそういうくふうをすることがあなた方のお仕事ではないかと思うのです。これは不可能なことではないと思うのですよ。  それではもう一つの資料を申し上げてみたいと思います。これはあなた方のほうから出た資料なのです。昭和三十年に経済局当局から発表されたその内容の中にこう書いてあるのです。これをひとつ紹介してみたいと思います。改正案要綱として「一 基本方針  現行農業火災補償制度は、農作物災害補償が農家に一律に加入を強制し、補償額そのものが農家経済の必要を十全に充足していない上に運営が極めてずさんである現状に鑑み、速に抜本的改正を行い、」云々とあるのであります。そうしてこの基本方針の第一項の(2)に、「低災害地帯その他保険実施の必要度が比較的緊要でない地帯については、共済に付するか否かを任意とする途をひらくものとする。」こういうように書かれてあるのであります。これは、低災害地帯の一定の基準はもちろん考慮されなければなりませんが、この低災害地帯に対しては任意の道を開くものとすると、政治家の団体でなしにこれらの問題を専門に取り扱っておる、しかもあなた方の先輩の経済局自体が発表されておる要綱ではないですか。してみれば、困難である、むずかしいとういことは私も想像がつくのであります。しかして不可能なことではないと思うのであります。したがいまして、長い間事故がない地帯あるいは低被害地帯に対しては、この際積極的に任意共済の方途を見出すべきではないかと思うのであります。そのために現行法も存立の基礎が危うくなるというようなことには私はならないと思う。またそういう存立が危うくなるようなことがあるならば、その点についての配慮があっていいと思う。困難ではあるが、こういう事故のない地帯あるいは低災害地帯に対する任意制の考慮は可能であると思うのでありますが、あらためて御答弁をお願いいたしたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 ただいまあげられました制度改正案要綱は、当時たしか安田経済局長だと思いますが、一つの試案としてつくったものでございます。それは私どもも、任意加入をどこまで広げるか、任意制にした場合にどうなるかというようなことはひんぱんに検討を重ねておるのでございます。そういう試案は何度も検討しておるのでございますが、やはり基本的には、低被害地帯で任意加入にいたしますと広範に選択が起こるということを私どもはおそれておるわけでございます。しかしながら、地域として低被害地であり、かつ経済的に依存度が低い場合には、今回の改正では事業廃止ができるように地帯としてはいたしたい。かように考えておるわけであります。その辺は、どうも私どもの感覚ではなかなか踏み切れないし、また制度的には現段階では相当無理だと考えておるわけでございます。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 いま私が参考として申し上げました農林事務当局の改正要綱に対して、いかにも権威のないような御答弁になりましたが、試案だという、まことに権威のない案であるかのごとき御発言でありますが、そういう意図で申されたのではないと思いますけれども、私の方では非常に軽く扱われたように受け取ったわけです。そこで、これはどういうものが試案であるか、どういうものが経済局としての公式の案であるか、そこまでの見当がつきませんが、単なる試案でないということをこの際明らかにしておきたいと思います。私どもは、権威のないようなものを資料として取り上げておるつもりはないのであります。少なくともこれは農林事務当局が苦心惨たんの結果策定されたきわめて価値のある、値打ちのある、そういう要綱案であると考えて、これを参考として申し上げたわけであります。単なる試案であるかどうかは次のことによって明らかであろうと思います。この農林省の経済局から出された収正要綱案は、昭和三十年の十二月に作成されたもののようであります。その作成された動機といいますか、経過を申し上げますと、その年の七月に、衆議院において当委員会のわれわれの同僚である足鹿委員が、時の農林大臣に、この共済制度の改正に関して重大な質問を行なっておるわけであります。当時の農林大臣は河野さんかあるいは別の方であろうかと思いますが、当時農林大臣に対して足鹿委員から質問が行なわれました。その質問に対して大臣が責任のある答弁をされておるわけであります。足鹿委員が質問をしたその質問内容に基づいて、事務当局に大臣が作業を命じてつくらせた要綱と記録には載っておるわけであります。私は、これは国会の記録を調べてまいりましたものでありますから、以上の経過から申し上げますならば、この要綱というものは、いわば議会の意思も十分に反映をしておる。しかも事務当局としてもいろいろ困難な問題があろうが、その困難を克報してひとつやってみよう、そういう意欲と自信に立って策定された要綱案であったと思うのであります。今日この案がいまの時点で全部が役に立つとは考えられませんが、少なくとも単なる試案ということは、私は言い過ぎではないかと思うのです。何が試案で何が公案であるか私わかりませんが、しかし、この要綱案はきわめて価値のある、権威のあるものである。この要綱案が作成された経緯から申し上げましても、私は十分尊重すべき価値のある要綱だと思うのであります。試案という表現は他意はなかったとは思いますが、この際この要綱案に対しての試案という、そういう御発言を、誤解のないような適切な発言に改めていただきたいと思うものでありますが、この点に対する局長の御答弁をお願いいたしたいと存じます。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 私どもの手元の資料によりますると、いま御指摘のありましたのは、当時三十年の十二月二十八日の日付のあるものでございますが、その後三十一年の二月にも三十一年の十一月にも経済局試案と名のついた同じような改正要綱があるのでございます。それでそれらは、いずれも法律案として国会に提出する運びにならなかったものでございますので、そういった関係から試案と申し上げたわけでありますが、これは必ずしもそういう意味でとられるものではございません。そこで、私が申し上げましたのは、任意加入につきましては私どもも絶えず検討を重ねておるのであります。できればこれを広げたいという意図でもって常に検討いたしているわけでありますが、先ほどのようなお考えにつきましては、逆選択をうながすものとして、まだそこまで踏み切れないということを申し上げたわけでございます。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 任意制についての質問はこの程度で終えたいと思いますが、局長もさらに任意制を拡大する方向へ十分研究をされる御意図があるようでありますので、後日また機会がありましたらこれらの任意制についていろいろ議論をしてみたいと思う次第であります。  ついては、農民の自由意思を尊重するという、そういう点では、これも先ほどから触れられておりますが、共済事業の一部廃止についての問題がございます。この共済事業の一部廃止については幾つかの制限を考えておられるようでありまして、先ほども局長の御答弁の中にもありましたが、私ははっきり聞き取ることができなかったので、この際この事業——たとえば改正案によりますと、その事業規模が農林大臣の定める基準以下であること、その他政令で定める相当の理由のある場合。この政令で定める相当の理由とは現時点でどういう点をお考えになっておられるのか、これらの点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 ただいまの点につきましては、先般資料として書いたもので差し上げてございますが、これをここで一応読みますると、次の二つの要件を満たしている場合に、これは政令で定める事由でございます。一部の事業廃止を認めることができる、一部廃止ができるということになるわけであります。その一つは、「その組合等の被害率が極めて低く、その組合等の区域内の農家のその共済目的の種類に対する経済上の依存度が低いこと。」、それからもう一つめ要件は、「その組合等の区域内のその共済目的の種類についての耕作又は養蚕の業務の総体としての規模が極めて小さいため、その共済目的の種類について共済事業を行なうことが共済事業の運営上効率的でないこと。」 この二つの要件を満たしている場合に一部の事業廃止ができるということにいたしたいと考えております。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 資料をしっかり調べてくるとこういう質問をしないで済んだと思いますが、この際ひとつお許し願ってお尋ねを続けたいと思いますが、被害率の低い地帯もこの基準の中に入るようでありますが、そうしますと、その被害の低いという基準ですけれども、一応どのような基準をお考えになっていらっしゃるでしょうか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 これは数字でもって一定率以下ということを、どういうようにきめるかということをまだ別に結論を出しておらないわけでありますが、過去何カ年か続いて無事故であるとか非常に被害が少ない、こういうことになると考えます。やはり一年間だけではなくて、過去数年ということにいたしたいと思います。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 これは三十一年十一月に出されたやはり経済局の案であります。この中に、いまの御答弁に関連する事項が書かれてあるわけですね。一定の基準によって低被害組合と認められる共済組合は、総会の特別議決があった場合、都道府県知事の承認を得て、共済目的の種類ごとにその事業を中止することができるようにする。これは大体このとおり措置されたようであります。その次に、低被害組合を定める基準は別に定めるが、収穫の安定している地域の組合であって次の一つに該当する場合とする。イ、共済目的の種類ごとに計算して、受け取った保険金額がその支払った保険料の金額に満たないことが引き続き一定事業年度にわたる場合。それからもう一つは、当該組合の組合員の受け取った共済金の額が共済掛け金の額に満たないことが引き続き一定事業年度以上にわたる者の数が組合員の総数の三分の二以上であること。こういうことはこの場合は一つの参考意見としてこれを取り上げてもよいではないかと私どもは思うわけであります。それですから、いま私が申し上げましたのは、古いといっても三十一年です。しかも皆さんのほうから出された一つの意見でありますから、低被害組合を定める基準につきましては、これらのことを十分尊重されてその基準を考慮されないものかどうか、この点についての御答弁をお願いいたしたいと存じます。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 ただいまの三十一年十一月の試案に書いてあります基準、これは参考にいたしたいと思いますが、ちょっと見たところでは、私どもの考えているところよりは制限的であるという感じを受けるのであります。もっと一般的なものでもう少し拡大して考えたほうがよろしくはないかというように考えます。

栗林三郎日本社会党

○栗林委員 私は、農民負担の軽減に関する問題、あるいは組織、機構、運営に関する問題、そういう問題についてもさらに質疑をしたいと思うのでありますが、本日はさらに同僚の芳賀委員の質問もあることでありますし、さらにまた、これらの問題に触れますと、かなり長い時間がかかると思います。したがいまして、この次の機会に再び質問をさせていただけることが一応期待いたしまして、残余の質問は保留して、この程度で打ち切りたいと思います。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 芳賀君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 経済局長に法案の改正点の主要な点について若干お尋ねします。  第一の点は、今回の改正点でありますが、第十二条による共済掛け金の国庫負担の関係、これは提案理由の説明の中においても、国庫負担の原則は変えない、いわゆる従来の通常、異常については二分の一国庫負担、超異常については全額国庫負担、この原則は、れておるわけですが、この点については先週十六日の当委員会において農林大臣にただしたわけでありますが、その内容においては相当の変化が生じておるということがやや明らかになったわけでございますから、まずこの点について、その原則と変わりがないのであれば、事例をあげて具体的な説明を願いたいわけであります。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 国庫負担の考え方としましては、従来のように県一円をとりまして通常は二分の一、異常は二分の一、超異常は全額国庫負担というやり方はいたさないわけでございますが、最低二分の一の国庫負担をして最高全額の国庫負担をするということで、全体の国庫負担率は変えないという点においては従来と同じ精神をとっておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 問題は、精神が変わらぬ実質が変わっておるというところに問題があるわけですね。そこを私は聞いておるわけです。精神は同じであるけれども実質が変わっておるのはどういうわけか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 提案理由で申し上げておりますのは、「この場合、従来の通常災害及び異常災害については半額国庫負担、超異常災害に対しては全額国庫負担という趣旨はくずさないたてまえで、基準率の高低に応じて、最低を二分の一とする超過累進の方法により国庫負担割合を定めることといたしました。」 と申し上げておるわけでございまして、この文章に書いてあるとおりにやっておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこでそれじゃ具体的な問題に入りますが、現在適用しておる料率ですね、三十七年から四十年までの四年間で適用する料率は、これは昭和十六年から三十五年までの二十カ年の被害率の平均を基礎にしてつくられたわけですね。ですから現在適用になって、それが現行法でいけば、昭和四十年まで適用される。この料率の内容と今回の改正によって生ずる料率の内容との相違というものは、各所にあらわれてくると思うのです。ですから、その相違点が、いわゆる国庫負担の原則規定、これに大きく背反する場合は、これは当然料率の決定の基礎というものが間違いがあるということになると思うのです。この点については、これは公式ではありませんが、先日の委員会の質問終了後、重政農林大臣は、私どもに対して、もしも審議を通じて改正案の中にある別表等の内容が不合理であるとするならば、これは事務当局において十分検討して、そしてその不合理な点があればこれを修正するにやぶさかでない——これは委員会の正式発言ではないが、先日重政農林大臣は、足鹿委員、私どもに対して、そういう個人的な意思を述べておるわけです。これはやはり何も根拠がなくてかってなことを一国の農林大臣が言うわけはないですから、やはり質疑を通じて今回の改正案の矛盾というものはだんだん表面に出てきておるわけですね。そうであれば、これは改めるにやぶさかでないということが、大臣の率直な個人的な考えであったと私は理解しておるわけですが、この点に対しては、その後農林大臣から経済局長に対して何らかのお話があったかどうか。いかがですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 農林大臣から特に話はございませんが、もちろん著しく不合理な点があれば、これは改めなければなりませんが、現状よりは相当な改善であるというように私どもは考えておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは現行による掛け金率の算定方式と今回の改正案による算定方式は違ってくるわけですね。被害率の問題にしても、これは基礎年次における、たとえば二十カ年の平均被害率というものを基礎にして、それを通常の標準被害率と異常標準被害率に区分してあるわけですね。今度の場合は通常、異常の標準被害率の差はなくなったわけですね。通常被害率一本になるわけでしょう。その場合の基礎年次における被害率といわゆる一本化された通常被害率というものは、どういう関係を持っておるか、その点はいかがですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 ちょっと御質問の趣旨が理解しかねたのでございますが、今後は通常標準被害率と異常標準被害率とに分けて計算をするわけでございます。通常標準被害率は、これは組合ごとに定めるわけでありますが、過去の二十年とか十五年の被害率を基礎にしまして、その平均をとって出すわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは掛け金の基準掛け金率については、これは通常、異常ということになって、超異常がなくなるが、被害率については、これは通常、異常というように分けるのですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 あらためて申し上げますが、通常以下の分について標準被害率を定め、以上は標準率というものはきめないわけでございます。それで通常標準被害率に安全割り増しを加えたものが基準共済掛け金になる、こういう仕組みになるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから従前は、被害率が通常標準被害率と異常標準被害率との二つに分かれて、異常標準被害率をこえる部分がいわゆる超異常の基準掛け金率というように大体通じたわけでしょう。今度は、標準被害率というものは、法律の上からいっても、規定の上からいっても一つしかなくなったのじゃないですか。なくなったことが、結局従来は、この掛け金率において通常、異常、超異常というようにP1、P2、P3に分かれておったのが今度は二段階になったということに変わっておるでしょう。ですから、そうなりますと、超異常という関係が特に明確に従来と比べてどういうところに算式上あらわれてくるか、超異常については全額国庫負担という思想がどこに残るかという点なんです。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 別表に国庫負担率がきまっておりますが、その場合に三割以上の被害率のものに対しては全額国庫負担、こういう累進方式でできておるわけであります。それが従来の全額国庫負担の思想を受け継いでおる、こういうことになるわけです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは別表の三割ですか、三%ですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 三割でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 三割以上には全額国庫負担率がつくが、三割以下はつかないということになるのですね。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 三割以下につきましては、百分の五十以上百分の九十を積み重ねて負担する、こういうことになるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは従来の基準掛け金率の四割以下の場合には、いわゆる全額国の負担の超異常の関係の掛け金率というものは全然認められていなかったかどうか、それはいかがですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 従来はこういうふうに一律に何割以上ということでなしに、県ごとに通常、異常、超異常と分けまして、県単位で超異常というものは全額負担にする、こういうふうなきめ方になっておったわけであります。だから三割以上の率というふうなきめ方ではなかったわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そう聞いておるのじゃないのですよ。別表のたとえば三割以下の各ランクの場合においては、超異常のいわゆる全額国庫負担のそういう負担率の要素というものは、全然今度は入っていないのですね。入っていないとすれば、これは問題じゃないですか。従来は各都道府県別であることは言うまでもないわけです。その都道府県の基準率の中でこれを十八段階に細分しておるわけだが、しかし都道府県の基準率というのは必ずしも一様ではないでしょう。一様でないけれども、その要素の中には、やはりその超異常の要素に対しては国が全額負担するというそういう算定の要素というものは、加味されておったこととは否定できないでしょう、今度の場合はあなたの答弁でいうと三割以下は全然そういう要素はないということになると非常に問題になるのですが。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 どうも御質問の趣旨がよくわからなくて、お答えになるかどうかわかりませんが、今回のものは三割以上は全額国庫負担、それから最低でも二分の一国庫負担としまして、その三割と最低のゼロとの間は小刻みに百分の五十五、百分の六十、百分の六十五というように上げていくわけでございます。従来のものは超異常は全額でございますが、異常、通常は二分の一ということで計算しておりまして、そこに非常な断差があったわけでございます。超異常にならなければ十割にならない。ところが今度は少しずつ、九割の場合あり、八割の場合あり、それは掛け金率の高さに応じて国庫負担する、こういうことになりまして、制度としては、これは従来と共通の面もございますが、そのまま比較して申し上げることがなかなかむずかしいわけであります。組合ごとに定めるわけでありますし、従来のように県ごとに定めるのとは差があるわけでありますので、なかなか比較して申し上げることがむずかしいわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ほんとに比較ができないのですか。現行の場合も都道府県単位に、都道府県段階に料率の基準を示すんでしょう。それを十八段階に分けることはできるわけですね。しかしそれを都道府県地域の市町村の共済組合に各組合単位の共済掛け金の基準率というものを配分して、上からおろすような形になるが、しかし法律上はその都道府県地域の共済組合の基準掛け金率というものを都道府県で総計したものが示した基準率に合致しなければならぬということになっているんじゃないか。一回上からおろすけれども、それを集計した場合にそれが合致しなければならぬということになっておるんじゃないですか。そうすると上からおろさなくて、今度は下に示してしまうのだから、下から全部集計された都道府県の総計と、従来どおり一ぺん上からおろした形でまた下から上がってきた総計との比較というものは、できないことはないじゃないですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 これは、繰り返して申し上げますように、従来の方式は県一円で標準率がきまって、それを十八の階級に割り当てていたわけでございます。したがって県一円の料率、被害率が出、それでまた国庫負担率も、どの危険階級に属するものでも県一本の国庫負担率であったわけであります。ですからこれは今回のやり方と計算のやり方は根本的に変わるわけであります。今度は末端の組合の被害率を個別に出しまして、それから料率を出し、その料率の高さ低さに応じて国庫負担率を累進的に定めていくということでございますから、これからの県の平均ということはあまり意味がないわけでありまして、その料率というものは結局は農家の問題でございますから、できるだけ末端できまった方がいいという趣旨から末端におろしたわけでありまして、しかも個別化するのが一番好ましいわけでありますからそういった方向へ持っていくということで、従来のような県一円という農家なり組合の段階から遊離したものを割り当てていくというやり方とは、やり方において全然異なってまいっておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それはわかるのですよ、そういう説明は聞かなくてもわかるが、比較ができないというのは、どういうわけです。従来は県に示したわけでしょう。県ごとに料率をきめて、その県においては段階を分けて、県内の組合に一応配分したということになるのですね。配分されたから組合ごとの料率はわかるわけですね。その配分された料率を県全体でまた集計した場合は、国が県に示したその率に合致するでしょう。しないですか。一回分配してそれを集めたらまた合致しなかったということがあるのですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 従来の方式では県の標準率に合致するようにきめたわけであります。今回は何らそういうことを考えないわけでありまして、今回以前の場合でもそうでありますが、結局は国と農家の負担でございますから、県などが負担しておるわけではございませんから、県段階で比較する、現行制度と改正制度を比較するということは、何の目的で比較するかということを考えませんと、われわれとしてはどうもその意味が理解しかねるわけでございますが、比較する意味は結局農家負担の料率がどうなるかということでございますが、それは末端の組合の掛け金率と国庫負担率において比較すべき問題でありまして、県段階においてふえるとか減るとかいっても、農家におりた場合どうなるかわからぬわけでありますから、その辺は、どうも私どもとしては現行制度と比較する計算はいたしてないのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは比較の計算をしないからわからぬだけでしょう。できないという根拠はあるのですか。現行においても一応国が県に示した基準料率をその県下の各組合に当てはめなければならぬでしょう。当てはめろとは法律には書いてないでしょう。指示された料率に合致するように、その都道府県地域の組合の料率の集計されたものが国が示した県段階の料率に合致するようにしなければならぬということはあるが、分配だけすればいいなんということは何もないじゃないですか。だからおろしてまたそれをまとめた数字も国が示した数字も同じでしょう、合致するということは。そういうことができるのであれば、今度は県に示さなくても、直接単位組合に示すわけだからしてそれを都道府県の地域において集計した場合は、この県における料率というものは、大体平均的にどうなるかということはわかるでしょう。これ、できないですか。できないならできないと、はっきり言いなさい。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 それは計算しようと思えば、共済金額あるいは基準反収等全部の要素を集めまして計算すれば出るわけでございますが、その計算はたいへんな作業でございます。計算をやって何を分析するかという、その目的をはっきりさせませんと、私どもなかなか作業がやれないわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 できるかできないかということをぼくは聞いているのですよ。それじゃそういうことはできるのですね。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 それは大きな作業をやればできないことはないわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それじゃその作業というものは、国が全国の共済組合四千二百に料率を示す作業とどっちが難易であるか、それはわかりますか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 料率をきめる作業もたいへんな作業でございますが、これは同じような作業をまた別にやらなければならぬわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 どっちが難易ですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 私も計算の専門家でございませんので、難易はどちらかといいますと、ちょっとお答えできませんが、どちらもたいへんな作業であることは同じではないかと私は思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは難易の差はあると思うのですよ。課長でも担当者でもいい。どちらが難易くらいのことは答弁できるでしょう。

岡安誠農林事務官(農林経済局農業保険課長)

○岡安説明員 大体同じくらいな困難な作業だと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 どうして同じなんですか。それは、たとえばいままで県段階に示したものを町村に示すということになれば、その町村の地域ごとの被害率というものを出して、そうして料率をきめなければならぬでしょう。これは従来やってないのだから、やれば簡単にできるということであれば、もう共済の計算なんというものは至って簡単だということになってしまうがこれは容易でないでしょう。いままでは県に示してそれを県段階で大体十八段階に当てはめる、それをまた集計したものを集め、示した料率と同じであればいいということで措置しておったのだが、それを今度あなた方自分でやるのですから、料率をきめて示すことのほうが、ぼくはむずかしいと思うのです。示した料率を、今度は町村ごとにわかってしまっているのだから、それを都道府県に集計することのほうがむずかしさは同じだというばかなことはないと思う。どっちもむずかしさというのは同じですか。

岡安誠農林事務官(農林経済局農業保険課長)

○岡安説明員 各組合並びに市町村別に料率を上げる場合には、おっしゃるとおり、過去の被害率を計算いたしまして、各組合ごとに集計するわけでございますが、その得ました料率を基準にしまして、今度は各組合ごとに選択するであろう共済金額並びに基準反収等それぞれ組合ごとに確定をいたしまして、それぞれかけて集計をする。組合等の選択または組合等の現状の基準反収等の調査を別にいたさなければならぬということで、いわば集めたのをまた別の要素をかけて合計をするということで、これは全部四千組合等を取り上げるということで、相当たいへんな作業だというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それから何のためにそういう質問をするかわからぬというが、ほんとうにわからぬですか。現行の都道府県単位における国の負担割合と改正案が通ってどうなったかという比較をする場合には、それは個々の組合においても比較はできるが、都道府県単位の地域においてこれがどういう変化率を示したということは大事なことじゃないですか。それが大事だと思って私は聞いているのですが、何のためにそういうつまらぬ質問をしているのかわからぬというのであれば、あらためて聞かしてください。愚問であるかどうか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 私どもとしましては、県や組合まで資料を集め大作業をやりますにつきましては、比較の目的をはっきりした上でやらなければならぬたいへんな作業でございますので、なかなかやりがたいということを申し上げたわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それがわからぬければ、一体現行法と改正案の比較において国庫の負担がふえるとか、農家負担が減るというような現実の比較はできないじゃないですか。いいですか。国の負担はふえないでしょう。そうして被害率はだんだん低下していってるじゃありませんか。農家負担がその中においてふえるというのは一体どういうことですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 組合ごとには算定しておるわけでございます。また、国の段階においては、国庫負担がどうなるかという算定も、一応の推定ではございますがいたして、これは変わらないということを出しておるわけであります。県段階についてはやってない、こういうわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、やっておらぬというけれどもやはり比較される。比較されれば今度の改正案は前進でないということがわかるからやらないのでしょう。いままでだって、何年もかかって農単方式の計算をやってみたり、現行法による料率改定をやってみたり、いろいろやっているじゃないですか。今度の改正案のやつもやっているじゃありませんか。あわせてそういうことをやらなければ、ほんとうに親切な改正の利点とか欠点を国民の前に明らかにすることはできないでしょう。そういう作業をしないから、委員会において何のために質問されるか意味がわからぬという松岡さんらしくない答弁じゃないですか。そういう僣越きわまる答弁をするのであれば、そういう資料がととのって出るまでは、われわれはこの審議を続けなければならぬのですよ。国会において、都道府県段階で従来に比べて負担割合がどう変化したかということが全然わからなくては、賛成も反対もできないじゃないですか。傾向としてはこの府県においては増減がこうなるくらいの、そういう基礎的な大体信頼できるような資料は整えておかなければ、ほんとうの国会審議を進めることはできないと思いますが、いかがですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 前進とか後退とかいうことは別にいたしまして、農家の負担がどうなるかという資料はつくって提出いたしたわけであります。これは一つの比較となり判断の材料となるものでございますけれども、都道府県は現在何ら財政の負担をしておるわけではございません。都道府県ごとに国庫負担が変わっても、都道府県の段階において影響されるものは何もない。ただ、府県の段階で同じでも、末端の組合、農家の負担が変わるということになりますので、末端の組合または農家の段階で比較しなければ制度の変更の結果が把握できないのではないかということを申し上げておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の言っておる都道府県というのは、公共団体である都道府県を言っておるのじゃないのですよ。その地域ですよ。北海道の地域とか、長野県の地域とか、あるいは秋田県の地域。いいですか。公共団体がどうこうということを言ってないのですよ。たとえば、その地域の農作物共済にしても、その地域の特性というものがあるでしょう。ないですか。これは全部平面的だということが断定できるのですか。北海道における一つの特性とか、長野県における特性とか、あるいは鳥取県における特性とかいうものは、特徴としては、この制度の中にあるじゃないですか。ですから、そういう特徴、地域の特性を持っておるということを、われわれいままで長年の間、制度の運用とか、改正の場合には、そういうことを頭に入れて論議を進めてきたわけであります。あなたは全然そういうものを認めないのですね。全部平面的でいいんだという考え方で単純にいこうとすると大きな間違いが生ずるんですよ。たとえば、現行の都道府県におけるこの基準料率の内容を見ても、そういうことは言えるんじゃないですか。全国平均で見れば、これは大体五・五四七ということになっておるでしょう。これはあくまでも全国の平均ではないですか。こういう中において、たとえば北海道の場合には基準率が一〇・八、それから鳥取県の場合には一・九というふうに、こういう大きな差があるじゃないですか。こういう差というものは、地域の特性というものをこの料率の中に表現しておるということが言えるでしょう。だから、地域の特性とか地域の事情がどうなるかということは全く関係ないというばかなことはない。一体何を考えてやっておりますか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 地域の特性に応じて、つまり地域の被害率やなんかに応じてやるために、さらに地域の区分を組合の段階までおろそうというのが今回の趣旨でございますが、それによって、たとえば、埼玉県と群馬県を比較しまして同じ状態の村は同じ負担をするというようにすべきではないか、そういうのが今回の改正でございますが、また逆に言いますと、かりに今回の改正後におきまして、都道府県における段階の国庫負担率を改正前と改正後同じだといたしましても、今度は組合ごとの負担率は変わるわけであります。したがって、同じだからそれでいいとか悪いとかいうことにはならない。また、県の負担率が上がったからといって必ずしも農家の負担率あるいは組合の負担率が上がるわけではないのであります。したがって、結果を正確に判断するにはどうしても組合段階までおろして比較しなければ、現行制度と改正後の比較はできないということを申し上げたのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういう比較の根拠というものはあなたのほうでつくらぬでおいて、ただ今度はやり方が違うんだから比較にならぬと言うだけでは、これは全く意味のないことじゃないですか。掘り下げた議論ができないじゃないですか。実際にこの共済組合に参加している農民の利害ということが一番大事じゃないですか。それは制度の根本論議も非常に大事だが、改正によって従来の農民負担がどうなるかとか、共済金の受け取りの最高限度がどう変わるかということは、やはり農民にとっては重大な関心事ではないですか。その根拠というものは、われわれ国会の審議の衝に当たる者だけがわかるというだけでなくて、やはり素朴な全国の農民の皆さんにもわかるような、そういう比較とか内容でなければ、納得できないと思うのですよ。そういう点に欠けておるのじゃないですか。少なくも昨年農単に踏み切るという改正案を出したときの資料の出しっぶり等を見て今回の資料の提出というのは、要求された資料については出すが、積極的にわれわれが審議の上で必要であるというような大事な資料は全然出してないじゃないですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 県段階よりももっと正確に比較できる組合段階の現行の負担と改正後の負担とを比較した資料を差し上げておるはずでございます。これが一番正確にわかるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは一体どこにあるのですか。どの組合がどのくらいふえるとか減るとか書いてありますか。ただ府県ごとに一、二、三、四で十五番とか、二十番までの数字をずっと前段に並べて、そのわきのほうへ組合の数が書いてあるだけじゃないですか。あんなものを見てわれわれがわかるですか。それはあるですよ、ここに表が、これだけの厚い一冊のやつが。あるにはあるが、あんなものを見てわれわれがわかるですか。あの一連番号というのは一体何ですか。たとえば北海道の場合一から二十一番とか、秋田県の場合は一番から十五番までとか、あんな一連番号なんかつけてみたって、何の番号だかわからぬですよ。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 番号であらわしましたのは現実の組合を出したことなのでありますが、十分の一抽出でございますので一つ一つの組合の名前をあげることはそう大した価値がないと私のほうは判断したわけであります。それを代表として出したわけであります。十分の一の抽出のサンプリング調査といたしまして出したために番号であらわしておるわけであります。そのほかに、その組合ごとに、いずれも改正前と改正後の引き上げによる料率を出して提出いたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうすると、あれは十分の一抽出だとすると、組合のほうは一応の番号ですね。北海道の場合には二百十組合があって十分の一だから二十一の組合に対して一から二十一番までの番号をつけた、ほかの府県で十というのは組合が百あってその十分の一の組合を抽出した、その結果ですか。そういうことは何も書いてないじゃないですか。一から二十一とか、一から十とか、そんな不親切なやり方で比較ができるですか。しかもその一番とか五番とか番号のつけられた組合というのは、たとえばその都道府県の中における組合ごとの従来の基準料率、あるいは大勢、北海道の場合における中心的な料率がどうであるのかという、それを中心にした場合の組合を主として抽出していれば、一割程度のほとんど被害のないようなものを引き合いに出してやるとか、やり方はいろいろあるでしょう。だからそういうものを都道府県に集計した場合の変化率はどうなるかということはわかるでしょう。十分の一だけの組合をその都道府県に集計した場合、正確なことはわからぬでも趨勢としてはそこに値が出てくるのじゃないですか。趨勢値というものは出ないですか。出ないのであれば、それはそういうものを計算する手不足ということになると思うのですけれども。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 十分の一を任意抽出して試算してあるということはこの資料に説明してございますが、任意抽出法によって行なわれた代表性をできるだけ出すために、したがって、それぞれはサンプルとしての意味を持っておるわけでありますから、個々の具体的な組合の料率よりも、それが全体の代表としてあらわしているものをわれわれとしては傾向として見ようとしておるわけです。そのために任意抽出法をとった。したがって個々の場合は番号で作表した、こういうことであります。各組合をそれぞれ県ごとに平均してみるとか、そういう方法は非常に粗雑な方法でございますが、できないことではありません。しかしそれで比較できるかどうかということは必ずしも保証いたしかねるのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういうものをいまからやってもこの会期中に間に合うかどうかわからぬ。しかし粗雑であってもないよりはましですから、資料としてそういうものを速急に整えて、現行との比較において出してもらいたい。  次にお尋ねしたいのは、これは午前中に同僚角屋委員から統計調査部長に質問がなされたが、一体市町村別に被害率を出して基準料率を出すということが簡単にできるのですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 統計調査部の実収高の統計は県段階で精度を注意するようにランダム・サンプリングの調査をやっておるわけでありますが、今度の料率の改定の資料としては各組合に残っているその組合の過去の被害率の資料でございますから、これは組合ごとに保有されておるのをつかむことによってできます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 松岡さんの言う被害率というのはどの被害率ですか。被害率といっても二様あるでしょう。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 共済金額によります金額としての被害率でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから金額被害率じゃ統計調査部の増減収調査による減収率とは必ずしも簡単に適合しないのじゃないですか。私の言っているのは支払い共済金を共済金額で割ったその答えであるところの金額被害率ではないのであって、やはりほんとうの被害率というものは料率の根本をなすいわゆる基準反収ですね。統計の場合これは平年反収でしょう。基準反収から算出された被害率というものがやはり基礎にならぬければ、金額被害率ならばそれは過去の実績じゃないですか。現行制度あるいはそれ以前の制度において、その共済金額に対して毎年次どの程度共済金が支払われるかという、それを除した商がいわゆる金額被害率でしょう。それでは過去の実績というものは今度の試みておる改正案の内容とは全く違うじゃないですか。そんなものだけたよりにして町村別の被害率がわかるとか、それをもとにしてこの基準料率をきめるなんというのはナンセンスじゃないですか。知性のないやり方じゃないですか。むずかしいとわれわれが言うのは、現在の統計調査部の機構においてもやはり的確な把握というものは都道府県段階くらいしかできないということは、これは久我さんも言われた通りなのです。それを郡におろすとか市町村におろすという場合においては、これは精密な増減収の率とか数量というものが出ないということはだれでもわかっておることですよ。それでは一体、統計調査部のいわゆる平年反収を基礎にした減収率と共済制度における被害率というものはどういう関係があるか、あなたはおわかりですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 現在でも県段階今後も同様に金額被害率になるわけでありますが、もちろんものの形での実収と被害というものを正確に出すことは一番望ましいとは私ども思うのでありますけれども、金額被害率というものはおおむねそういったものが反映されて出てくる数字でございますから、多少の難点はございますが、これを資料として従来もまいりましたし、今後も使わざるを得ないと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは違うじゃないですか。損害評価というのはどれでやっておるのですか。損害評価は都道府県段階においては統計調査部の増減収調査というものを一番の基礎にしてやっておるでしょう。各個の損害とか損害評価を積み上げて、そのままうのみにはしていないじゃないですか。少なくとも都道府県の統計調査事務所におけるこの調査というものを基礎にしたいわゆる減収とか損害評価というものが一番基準になっておるでしょう。そうであれば、これは統計調査部の増減収調査による減収率と共済制度運用のための損害評価の場合の被害率というものはその根底においては一致するということはいえると思うのです。そうでないとすれば、これはたいへんなことになるですよ。一致しないということになれば、これからの損害評価方式というものは全然角度を変えなければならぬと思うが、その点はどうなのですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 御指摘のありましたように、県段階の損害評価を定めるときは、統計調査部の推定実収高と被害減収量調査を使いまして査定をしておるわけであります。したがってその金額被害率にはそれが反映されるわけでありますが、さらに連合会の段階から組合におろす場合に、今度は連合会の実測調査やあるいは検見調査、そういうものによりまして、その被害をさらに配付していっておるわけであります。それできまりましたのが従来の組合の金額被害率になるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうなればこれは統計の減収率と共済の被害率というものは根本においては一致するということは、はっきりしたわけですね。そうであればその収穫判断上の被害率というものは、やはり町村の基準料率をきめる場合も基礎にならなければいかぬじゃないですか。一体支払われる共済金が県段階までいって、連合会までいって、連合会から町村に流れる場合はどういうやり方でやっておるか、あなたは御承知でしょう。そういうことはあまり詳しく言う必要もないかもしれぬがどうですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 連合会も各組合の地域における被害につきまして抽出調査をやっております。それで町村間のバランスがとれるように実測を加えました調査をやって、さらにそれを連合会の損害評価委員会にかけまして町村別にきめておるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だからそのやり方は均衡のとれた分配でしょう。そうじゃないですか。都道府県は国から支払われた共済金をどのようにして苦情の起きないように、多ければ多いなりに、少なければ少ないなりに、都道府県地域なり連合会区域の町村組合に分けるかということが、いままでの町村における共済金の支払われた実績ではないですか。そうではないというなら、これはりっぱなものですよ。その実情というものは、この際ですから明らかにして  いただきたい。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 私どもも、どうも完全にいっているということは申し上げかねますが、しかし改善はされつつありまして、また農林省の査定と県の損害評価との間の差も漸次縮まってまいっておりますが、いずれにしましても県の段階において一応の数字がきまりまして、それをできるだけ実測の結果を入れまして組合ごとにきめていくという方式をやっておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だからこの点については、たとえば行管であるとか会計検査院であるとかに、この共済金の支払い方法とかあるいは農家に対する個々の支払い方法等についても、やはりその運営上問題があるということで毎年の指摘を受けておることは、これは皆さんも御存じのとおりなのですね。いいですか。だから、不完全である、現行制度の中では上からだんだんおろしてくるのだからやむを得ないということであればいたし方ないとしても、たとえはその二十カ年ですね——全く不完全あるいは地域によってはずさんな配分方法によって町村の共済組合に対しては共済金が支払われておった。今度の町村の基準料率決定は、それをあなた方、基礎にするわけではありませんが。そうでしょう。不完全で不合理であったこの共済金の二十カ年間の実績というものを基礎にして、そうして組合単位のいわゆる金額被害率を出す、それを基準にして組合単位の基準料率をきめる。それに対して国庫負担割合がきまるということになれば、現在まで完全にそれが行なわれておったということであれば問題はないとしても、われわれいかにひいき目に見てもやはり幾多の欠陥というものはあったわけです。損害に比べて共済金が多く盛られたという話も聞き、あるいは損害の実情に比較して共済金の受け取り方が非常に少なかったという非難もわれわれは聞くわけです。そういう一切の非難というものが基礎になって、二十カ年蓄積された非難あるいは批判というものが基礎になって町村別の被害率やあるいは基準料率がきまるということになれば、一体どこでその弊害というものは是正できるのですか。一たんきまれば、またこれは四年間続くじゃないですか。四年間たてば最近時の四年がそれに加わるだけであって、過去の一番遠い四年が失われていくだけでしょう。一ぺんに全面的な改正というものは、これはできないじゃないですか。今度の改正案だと三年ごとということになるから、二十カ年のいままでの不合理が全部なくなるまでの間というものは、これは七回料率改定をやらなければだめだということになると思うのです。そのころわれわれ国会にいるかどうかわからぬが……。だから非常にこれは問題があるんですよ。一体厳密に町村における基準反収あるいは統計の平年反収に比較して町村ごとの被害率であるとか、あるいは減収率というものは、統計調査部長はそういうことはできないということを言っておられますね。経済局においてそういうことが将来できるということは断言できないでしょう。一体どうなのです、これは。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 制度を改正してまいりますれば、組合に責任を拡充するわけでありますが、組合ごとの資料は従来よりはさらに一そう整備されてまいると考えております。組合ごとに料率をきめるという方式をとりますれば、やはり組合ごとにそういった資料が備わり、今後はさらに組合の関心も高まるわけでございますから精度を上げていくような方向になってまいると考えるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 料率決定とかあるいは変更上、これを是正するだけの資料とかそういうものが早急にあるのですか。過去の、支払われた組合に対する共済金とかあるいは契約した総共済金額、ここから被害率というものは生まれるわけですね。その被害率を基準にして、その組合の料率基準というものは国から示されるわけでしょう。そこに勘案の余地は全然ないのでしょう。その基準料率は、たとえば二割であるとか三割であるとか、そういうことが示されれば、そのランクに応じて国庫負担の割合は自動的に別表においてきまってしまうわけですからね。間違っておるから直すなんといったって、こういうようにがちっとがんじがらめになってしまえば直せぬじゃないですか。間違ったところがわかってもあなた方の力でどうすることもできないでしょう。法律にわざわざそういう間違いが直せぬように書いてしまって、これは間違いましたなんといったって直しょうがないでしょう。何ぼ松岡さんが力があっても、法律に書いてしまったものを、かってに直すわけにいかぬでしょう。そういうものを直せぬのですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 不当なものがあったとかいうことは訂正できるわけであります。基礎資料を直せるわけでありますけれども、従来の損害評価がでたらめであったとも、全く組合ごとのバランスもめちゃくちゃであるというようにも私どもは考えていないわけであります。しかもこれは過去相当長期にわたる資料でございますから、一年ごとには若干の誤差がありましても、長期にわたってはやはりある一定の傾向を示してくる、こういうように考えるのでございます。もちろん現在の状態が満足すべき状態であるということは私申し上げかねますが、しかしそれは現行制度をとってもその点においてはやはりそういう点は改善すべきものであり、今後改善しなければならぬと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私どもはいまの制度を守ってきたのですからね。悪い面だけを指摘しようとは考えていないが、しかし現在までの制度の運用の中においては、やはりこういう欠陥というものは制度の中にあったのでしょう。それが根本的にまず改善されて、そうして新しく発足するというのであれば、それはいいが、切りかえができないようになっているのでしょう。従来の二十カ年間の実績が基礎になって、それによって料率の決定が、今度は直接国から組合ごとにきめられるということになれば、その都道府県とか地域内において誤りとか誤謬を発見して、それを次の機会に直すことができないじやないですか。もちろん従来の県段階と今後の場合の長短はあるでしょう。あるけれども、やはり誤りの多かった要素がそのまま取り入れられて、組合別の被害率あるいは料率はきまる。それによってまた国の負担割合は、組合ごとに自動的にきまるというところに今度の改正上の大きな問題があると思うのです。こういう点はやはり再検討の余地はあるのですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 組合ごとに料率をきめるという方式をとれば、どうしても組合としてまた組合員として毎年の被害率をどうするかということは相当重要な関心事になると思うのであります。したがって今後においてはそういう面から従来あったような弊害を是正する基盤もできてくるのではないかということを期待しておるのでございます。やはり県段階などで料率をきめておりますと、自分の村の料率とか、あるいは自分の関係のある料率というものは自分らの行動によっては何ら関係ないようなものになっておりますので、やはりできるだけ個別化して組合員に近いものに持っていったほうが制度の改善の面からいっても好ましいのではないか、かように考えるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は議論になるが、とにかく金額被害率だけを後生大事に基礎にするやり方というものはいつまでたっても誤りが多い危険がある。やはり理想かもしれませんが、実質的ないわゆる減収とか収穫上の被害を、基準反収に対して減収数量を被害率として算出して、それを基礎にして料率決定とか、そういうものがきまらぬ限り、過去の、ただ金額上の割り出した被害率だけでいけばいいというようなもし安易な考えを持っているとすればこれはもう取り返しのつかぬことになると思いますが、この点はあらためて答弁してください。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 金額被害率につきまして御指摘のありました点は十分に戒心いたしまして、研究いたしますが、統計の専門家の意見でも、毎年毎年の個別的な資料よりも、金額被害率であっても非常に長期のものをとるほうがむしろ傾向としては正しい傾向を示すのではないかという意見もあるのでございます。それからも、勘案いたしまして、さらに計算いたしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは統計学上はそうですよ。できるだけ長い年限、期間とか、なるだけ広い地域とか——期限は二十年といったって今度町村ごとになっちゃうじゃないですか。これは非常に大事な点だと思います。  次に別表のつくり方、これは前回の委員会で私、大臣に指摘した点ですが、ああいう何か含みのあるようなつくり方をしたのはどういうわけですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 この表のつくり方は、これは段階の刻み方がどういうのがいいかということになるかと思うのですが、これはいろいろな考え方が出てまいると思います。最初のうちは刻みを小さくしてだんだん大きくする方式、所得税なんかと同じ方式でございます。これを具体的にするならば、もっと刻みを小さくしたほうがいいか、あるいは大きくしたほうがいいか上まで一律に、刻み方を同じにしたほうがいいかということは、その是非、利害得失はその目的によっていろいろと出てくると思いますが、大体通常考えられるのは上のほうにいくに従って刻みを大きくしていくということで、この考え方はその方式をとっておる、特に他に意図があるというわけではございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 意図がないですか。それじゃ基準料率一%から四%までは国庫負担割合百分の五ずつの刻みでしょう、そうじゃないですか。一%ごとに百分の五ずつ国の負担の割合がふえるでしょう。それは何も反対するわけじゃないですよ。一%のところは百分の五十の国の負担ですからね。ただそこまではいいが、今度は四%から七%の間を三%について百分の五というのは含みがあるでしょう。首を振ったってそうじゃないですか。七%から一〇%までも負担割合はこの三%について百分の五の刻みじゃないですか。それからその上にいくと今度は一〇%から二〇%までが百分の十、二〇%から三〇%までが百分の十、そこで大体九五%になって、それ以上は全額国庫負担。だからいま指摘したような点からいっても別表のつくり方に不備があるのですよ。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 この刻み方はどこがいいかという言い方は、なかなかむずかしいと思うのですけれども、刻み方を変えるとあるところは有利になる、あるところは不利になる。その刻みの中にはさまっているところは有利になる場合もあり、不利になる場合もある。いろいろな影響が出てくるわけでございますが、私どもとしてほかに含みがあるかというお尋ねでございますが、大体において全体として国庫負担は従来と変わりないようにしたいということが私どもの考えておったところでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうすると、基準料率がたとえば一〇%の場合は国の負担率がどうなるのか。

岡安誠農林事務官(農林経済局農業保険課長)

○岡安説明員 水稲で一〇%の場合には国庫負担割合は六六・五%ということになります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、その一〇%の段階が、大体現行六三%か六四%でしょう、国の負担割合は。全国平均ですね。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 大体六二、三%程度であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だからその一〇%の基準料率を現行に当てはめるという、そういう含みじゃないですか。これはそうでしょう。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 六六・五%ですから、そこにかなり差があるんで、そういうことでは必ずしもないと思います。全体としては、現行の負担率ということでございますけれども、一割のところでそうするということではありません。やはり六二、三%のところはもっと低いところにあるはずでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それじゃ現行の一〇%の場合、国の負担割合はどうなんです。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 県ごとに違いますので、あるいは場合によっては二、三の例を申し上げさせますが……。

岡安誠農林事務官(農林経済局農業保険課長)

○岡安説明員 これは県ごとに負担割合が違うものですから、例でしか申し上げらおませんが、北海道が大体一〇・八%という料率でございます。その場合には国庫の負担の割合は七五・九%ということになっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ほかの県も二、三言ってください。

岡安誠農林事務官(農林経済局農業保険課長)

○岡安説明員 たとえば関東にまいりまして、栃木が四%でございますが、この場合の国庫負担割合は六一・三%でございます。それから北陸関係で新潟が二・五%でございますが、この場合の国庫負担割合は五〇%ということになっております。それから近畿のほうで、兵庫は大体五・四%でございますが、この場合の国庫負担割合が五八・三%。それから中国で鳥取が一・九%でございますが、この場合がやはり五〇%。それから四国でございますが、香川県が五・九%で、この場合の国庫負担割合が五六・八%。それから九州でございますが一熊本県の率が三・九%で、国庫負担割合が五二・六%ということになっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 長野県は。

岡安誠農林事務官(農林経済局農業保険課長)

○岡安説明員 長野県でございますが、三・八%で、この場合の国庫負担割合が六三・二%ということになっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、これは府県別を見れば非常にでこぼこだが、これは比較できるじゃないですか。現行の料率に対して都道府県ごとには国庫負担が何%かということは、これははっきり一覧表にあるのですから。それと、今度は別表のたとえば七%が一〇%の場合どうなるかということになれば、これは大体はっきりわかるじゃないですか。それをあなた、どういうことで聞くか意味がわからぬ、ひまかけてみないとわからぬというが、これは大体わかるじゃないですか。

岡安誠農林事務官(農林経済局農業保険課長)

○岡安説明員 むずかしいと申しますのは、今度は組合別によって料率がきまります。料率がきまりますと、その組合ごとの国庫負担割合がきまります。しかし先ほど北海道の場合、七五%程度の国庫負担割合と申しましたけれども、これは平均の場合がそうなるわけで、北海道の中でも現在いろいろ高低たくさんあるわけです。たとえば北海道で——現在でございますが、最高の料率は三三・七%の料率のところと、最低が四・七%、こういうように差があるわけで、今度はその差ずばりに国庫負担率がきまってくる。こういうように現在差があるのを新しく料率を計算いたしまして、それを県ごとに集める。先ほど申しますとおり集める場合はただ単にその料率を足して幾つかで割るということでは不正確なわけで、やはり共済金額、基準反収等のウエートを勘案しないと、比較すべき県単位の率がなかなか出てこないということを申し上げたわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから別表というものは非常に問題あるじゃないですか。たとえば、北海道についても、三十六年、一昨年まで適用した分の基準料率は一四・六%ですね。これが現在が一〇・八%です。それ以前は一四・六%、この一四・六%の国庫負担割合が七八・一%。去年からの新しい料率によると一〇・八%で、国の負担割合が七五・九%、これは料率改定によって、北海道等においても最近時豊作が続いたからして、被害率がずっと低減したことが大きな理由になっていますね。しかしそれにしても、大体今度は二%なら国の負担割合は六六%くらいでしょう。その別表でいくと……。そうなると、現行よりも大体国の負担割合が一〇%北海道において減るということになるわけですね。減るということは、北海道の農家の負担が一〇%ふえるということになる。これは当然なわけですね。やはり問題があるというのはここなんですよ。それは町村単位の組合に分けてみなければわからないと言いますが、しかし総計した全体の趨勢としては、今度の新方式でやっても、都道府県単位をまとめてみればそんなに大きな差というものは出ないでしょう。あるいはまたいま言われた長野県にしても、現行料率でいくと、この基準料率三・八%に対して国が六三・二%負担したが、今度の別表四%の場合は、一体国の負担割合は幾らになるのか。

岡安誠農林事務官(農林経済局農業保険課長)

○岡安説明員 別表の場合で申し上げますと、四%の料率の場合、国の負担割合が五七・五%ということになります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうすると、これでやっぱり六%くらい減るということになるでしょう。だから府県の連合会によって、まじめに運営しておる連合会では、昨年までの農単方式の改正案等についても、いち早く計算を起こして、これはどうなるか、組合単位に増減がどうなるか、あるいは連合会としてどうなるかということは、これはみんな計算をやって騒ぎだしたのです。ただそういう計算がなかなかできない連合会の場合は一体ふえるか減るかわからぬ、農林省が大したことないというから信用していればいいだろうぐらいのところもあるかもしれませんが、自分の能力で計算のできる連合会やその連合会区域の組合の中では、これはどうなるかということがみなわかっているのですよ。そういう騒ぎがだんだん高まってきたし、国会の中でもこれはけしからぬというような議論が出てきたので、今度の改正の中でもいわゆる附則十条に負担超過分については当分の  は国が負担します、これでお茶を濁すのでしょう。これで逃げるのでしょう。こういう逃げ方はいけないですよ。もっとまともに取り組んで、逃げなくてもいいような料率の決定方式はあるでしょう。当然その場合に、国の負担は総体においてふえることは言うまでもないですね。制度を改善して国の負担がふえるのはあたりまえのことですから、これは反対するものは一人もいない。反対しているのは大蔵省ぐらいでしょう。そうじゃないですか。大蔵省にへっびり腰で取り組むから附則で逃げてみたり、別表の中で含みのある作業をしておるじゃないですか。これはだんだん一%ずつ上がるのに、百分の五ずつ刻むとすればもっと違った結果が出るでしょう。たとえば四%までを百分の五ずつ刻むのを七%までその調子で刻んでいくとか、そしてあと二%ずつの段階でやるとか、五%のときに、どうするとか、少なくとも二〇%以上は百分の百国が負担するぐらいの別表をつくらぬと、納得のできるようなものはできないですよ。この点について先般農林大臣は、この別表に問題があるとすれば、自分はよく気がつかなかったけれども、言われてみればそういう節もある、そこで事務当局に命じて別表のつくり方、内容というものをしさいに検討して是正すべきであればこれは是正するにやぶさかでない、そういうことを農林大臣はこの間の足鹿委員や東海林委員に対して言っておられるのですから、こういう点は重政さんも政治感覚が悪いとは言えぬと思う。この別表のつくり方というのは非常に大事ですよ。きょうここでどうしますということは松岡さんも言えぬでしょうが、これはやはり検討の余地があると思います。あなた方一存でいかぬとすれば、私が先日言ったようにこの委員会に大蔵大臣あるいは主計局長を呼んで、われわれ直接大蔵省に言って聞かして誤りを明らかにしたほうがいいじゃないかと思うのですが、いかがですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 国庫負担率を一律に上げるということは、必ずしも制度改正のために上がらないところ、あるいは国庫負担率が動いたために上がるところまでも国庫負担率を増すということになると思うのであります。国庫負担率を増すについては、やはり基本的に制度全体上関連した理由づけをしてやるべきではないかというように私どもは考えておるわけでありまして、でこぼこができて、そのために農家負担が制度改正によって生ずるというものについては別途の支出で農家負担がふえないようにしたほうがよろしいというように私どもは考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それはできないことはないでしょう。不利益にならぬという底辺を求めればできるじゃないですか、できないですか。今度の制度改正は農家に不利益を与えないということが一番の出発点でしょう、そうじゃないですか、根拠は明白じゃないですか。農家負担を軽減して、そうして制度を前向きに前進させる、それが大きなにしきの御旗であれば理由がないなんということは言えないじゃないですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 制度改正によって農家負担がいろいろな原因で上がったり下がったりする、でこぼこができて、そのために農家負担がふえる部分を国庫負担で一律にやるのは理由づけがなかなか困難で、むしろ掛け金の国庫負担でやるよりは補助金という形の負担で解決したほうがよろしいのではないか、こういうことを申し上げたいのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは根本的な是正にならぬでしょう。あくまでも当分です。暫定じゃないですか。その当分とか暫定の時期が過ぎた場合は一体どうなるのです。そういうことでなくて、やはり根本的に是正するということでなければいかぬと思う。これは政府の方針は明らかになっておるのです。少しさかのぼるが、昭和三十六年六月五日の農林水産委員会、委員長が坂田委員長で、農林大臣は周東農林大臣、このとき私が質問したのでありますが、周東農林大臣の制度改正に対する考え方、政府の方針としては、農災法の根本改正については農家負担を現在より重くしないことを原則として、こういう言明があるのです。その当時、もうすでに時の政府は制度改正をやる場合には、農家負担は現行よりも軽くならぬとしても少なとも重くしないということを原則として進みますということをはっきり言っておるのですから、その後大臣が何人かかわったからそんなものはほご同然といえば別だが、こういう原則を政府は明らかにして今回の制度改正を踏み切ったのじゃないですか、違いますか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 私どもも国庫負担は従来と変えないということで、反面農家負担は変えないということでやったわけでありますが、いま御指摘になっている点は、国庫負担率が動くために上がる分を国庫負担率を変えてやれというお話でございますが、その場合は共済掛け金の掛け金率そのものが変わることによって上がるものも国庫負担が上がるというようなでこぼこが非常に出てくるわけでありまして、必ずしもその点だけで理屈が通るというようには私どもは考えられないのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは何も政府委員にこの解釈を求めておるのじゃないのです。当時の政府の態度というものはあくまでも前向きの料率改正の方法について従来とやり方を改める、そういう場合であっても負担がふえるようなことはしない、現状維持じゃないかというとそうじゃないのです。今回の改正案のような一部の農家に大きな負担を負わせて、しかも国全体の負担がそれほどふえないというようなやり方はおかしいじゃないか。国の負担がふえないのですよ。ふえない中で農家の負担がふえるのですから、これはおかしいじゃないですか。農家の負担がふえて総体的に国の負担が減るというのであれば、国民経済上まだプラスがあるとしても、国の負担が減らない、そして農家の負担がふえるということになればこれは一体どういうことになるか、そういうことのないようにするためには、いかなる場合でも農家負担は基礎的にふえないということでなければだめです。こういうことをあなたとやり合っても始まらぬが、問題は結局別表のつくり方に大きな誤りがある。それからもう一つは、すべてを附則第十条で逃げておる、糊塗しておる。だから、ここでまた明らかにするのも無理かもしれぬが、この「当分の間」とか「政令で定めるところにより」というのは、あなたの考えではいつまでのことを考えているのですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 これはあくまでも当分の間でございますが、今後料率が下がる傾向がございます。制度の改正後の場合にも、三十七年産の被害率を入れますと、この前提出いたしましたものより下がるであろうと推定しておるわけであります。今後数年やってだんだんどういう傾向が出てくるかというようなことも考え合わせまして、将来また検討するということで、当分の間と私どもは解釈いたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは農林大臣にはっきりしてもらわなければなりませんが、「当分の間」というのはちょっと自信ないでしょう。大蔵事務当局は「当分の間」というのは一体どういうように解釈しているのですか。去年の農単の改正のときには、大蔵省と話し合いするいとまがなかったから確信が持てなかったが、今回の場合は十分大蔵事務当局と話し合いをして了解がついていると、この間、あなた私に答弁したでしょう。向こうさまはどう考えているのですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 附則の規定に従って補助金を支出することについては完全に大蔵省と了解ができておりますが、いつまで出すということは話し合っておりません。むしろこちらとしては、相当の期間支出したいという考えで話しておるのでございます。限定はいつまでということは話してないのでございます。そういう了解はございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから非常に大事なことを抜かしておるのですね。それはいろいろの考え方はあると思う。たとえば次の料率改定までの三年——この法律は今度は三年ですね。それまでということですか。そんなことをここで明らかにしたくはないが、あなたがいつまでだかわからぬと言うから。松岡さんの腹づもりとしては……。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 別に一料率期間と限る考え方は持っておりませんし、大蔵省ともそういう話は別にきめてないわけであります。むしろやはり今後の推移を見て検討すべきであるというように考えておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それと最後に、今度の改正によってたとえばこの農民の負担する額と、増額、減額があるとしても、それに対応してこの国から支払われる額の関係というのはどういうのですか。それはふえるのですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 国庫負担率は従来と変わらないわけでありますが、共済金額の選択を引き上げることを今後やるわけでありますから、国の支出も相当ふえてくると考えられます。それから事務費に対する国庫負担も今後も増額いたしたいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 もうあと事務的な問題だけで終わりますが、たとえば今度の改正の場合は、家畜共済とか果樹共済とかあるいは畑作共済の新規なものとか、そういうものには全く触れることができなかったという断わりがあったわけです。しかし家畜共済の場合でもたとえばこの死廃部分はたて割り二分の一国庫負担という方式でやっているわけでしょう。しかし家畜共済というものは死廃、傷病を入れての共済じゃないですか。そういう場合のその一体になっているものの半分だけ、死廃、部分だけを二分の一国庫負担ということで今までやってきたが、これは毎年のように議論している点ですが、やはりこの際この傷病部分についても、一律に死廃、傷病ということで二分の一国が負担する、こういうことは可能じゃないですか。法律改正は要らぬじゃないですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 これは私どもとしましては、過去数年傷病の二分の一国庫負担について努力してまいったわけでございますが、まだ実現に至っておりませんが、これは制度の基本問題もございまするので、いずれ家畜共済について基本的な検討をいたしますので、その際にもあわせてこの問題について解決をはかりたいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この問題はもう数年前、たとえば坂村経済局長時代からも毎年予算要求のときは一生懸命でやっておりますという説明は農林委員会でやっておるのですよ。ところがいよいよ予算編成をされた内容を見ると、全然実現もされていないですし、前進も示していないのです。そうなると農林委員会だけは適当な答弁をしておいて、実際予算確保の場合においては努力をしたかしないかという不信の念をわれわれとしても持たざるを得ないのです。あなたは正直な人だから信用はしますが、やはりこれはいつまでも国会答弁だけで、やりますやりますじゃいけないのじゃないですか。この点はやはりここでかちんと、いま実現するといったって無理かもしれませんが、これは必ずこの次の来年度においては実現を期するようにやるんならやる、この程度のことは答弁できるでしょう。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 実は本年度におきましてもこの問題は折衝をやったわけであります。その際に問題になりましたのは、乳牛の傷病の事故率はまだ非常に浮動しておるわけであります。これは新規の飼育農家が非常にふえますし、また多頭への傾向もございますので、そういった技術の面からもあると思いますが、設備等も十分でないというようなことから非常に浮動しておるということが一つの難点になっておるわけでありますけれども、しかし何とかこれについて一歩でも前進しょうということで今年度は家畜加入推進奨励金として二億二千万円、これは従来のそういった補助金が一億三千万円ばかりございましたが、それを大幅に増額いたしましてそういう新しい補助金をとったわけでございます。それで、その問題につきましては家畜共済の基本的改正とにらみ合わせましてさらに解決をはかりたい、かように考えておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、家畜診療の問題ですけれども、いま皆さんも言われておるように、多頭化が進んでおるでしょう。それで全頭加入ということになれば一経営農家にしても数頭の家畜を加入させる。その場合診療費に制限があるのですね。一頭当たりの診療費というのは制限されておるでしょう。その場合、いままでのように一頭とか二頭とかの加入の場合はまだよかったが、今度五頭とか七頭加入ということになれば、診療費の一頭当たりの制限制度というものはやはり考え直す必要があると思うのですね。一案としては、たとえば共通制を採用して、五頭とか七頭加入しておれは、——加入した全部の家畜が診療を要するということにはほとんどならぬと思うのですね。それは統計上から見ても割合が出てくると思うのですが、だから一頭についてこれは制限診療費の限界にきたからということにしないで、やはり五頭とか七頭とかの頭数間の融通、共通制はやはりこの際運営上考える必要があると思うのですね。こういう道を開けば、多頭化された金頭加入というのはできやすいのですけれども、それを一頭ごとの診療費制限で押えられてしまうと、たとえば五頭入っても、一頭の家畜だけが病気をした、それだけに診療しても制限があるということになるでしょう。それはもうそれで制限してやめさせられてしまう。あとの四頭は健康体で別に診療の要がなかったということになると、この面は一応掛け捨てということになる。これはやはり別に法律改正の必要もないと思うが、事務当局として速急に検討する必要があると思いますが、いかがですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 十分検討いたしますが、その方式に限らず全頭加入、多頭加入をどうやって促進するかということを全体として考えたいと思っておりますので、そういう問題を研究さしていただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それから、事務費の基幹的なものは国の負担でだんだん改善されているからいいですが、たとえば今後家畜共済を進める場合の診療部門の設備ですね、診療所とか設備、この部分に対する国の助成とかあるいはまた共済組合の獣医師——事務職員等に対しては一定の基準によって国から助成されておるが、技術屋であるところの獣医師に対しては給与体系の面においてもあるいは身分的な保障の面についても、一般の事務職員に比べた場合にはやはり別途にこれを配慮すべき点ではないかと思うのですが、この点については局長としてどういうふうに考えておりますか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 診療所の整備につきましては、毎年予算を計上しましてその整備をはかっておるわけでございますが、診療点数等の改定もやりまして、できるだけ整備をはかってまいりたいと考えております。この診療所の職員の待遇なども一般の職員よりはだいぶよい状況でございますが、これの改善につきましてもさらに今後努力したいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは技術者がいなくなるでしょう。全国的に農業全体の問題ですが、農業のあらゆる部面における指導的な技術者がほとんどいなくなるんですね。やはり人材確保ということが、これはたとえば共済事業の面から見ても非常に大事な点だと思うのです。だから技術を習得した共済組合の獣医師の諸君なども安心して落ちつけないという状態でしょう。そういう優秀な技術者とか大事な技術者が共済組合の診療部門からいなくなってしまう、枯渇するということになると、制度だけ残ってもそれをほんとうに運営したり扱う人材がなくなった場合には壊滅するということになるでしょう。だからこの際やはり事務職員の待遇とか身分保障ももちろん大事ではあるが、それとあわせて共済組合の診療所の技術者、いわゆる獣医師諸君の給与の改善とかあるいは身分保障とか、これに対する国の保障的な措置は緊急に行なうべき問題だと思うのです。具体的にどうするということは、いま答弁できないとしても、これはやはり積極的に取り組んですみやかに何らかの結論を出す、こういうことは局長としてもここで見解を明らかにすることができると思うのですが、いかがですか。

松岡亮農林事務官(農林経済局長)

○松岡(亮)政府委員 従来もその問題につきましてはかなり努力されてまいりましたけれども、今後も一そう努力するようにいたしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 委員長との約束の時間でありますから、本日はこの程度にいたします。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 次会は明二十二日午前十時より開会することといたし、これにて散会いたします。    午後五時五分散会

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