農林水産委員会 第28号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/15
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、昨十四日、本委員会に提出されました資料について、松岡農林経済局長から説明を求めます。松岡農林経済局長。
○松岡(亮)政府委員 それでは、昨日、本委員会に御提出いたしました足鹿委員の御要求にかかわります資料につきまして、概略を御説明申し上げます。非常に資料が大部にわたりますので、主要な問題点については若干ふえんして申し上げますが、その他の点につきましては、できるだけ要点だけにさせていただきたいと思います。 まず最初に、資料が三部に分かれておるわけでありますが、一般的な事項といたしまして、そのうちの最初のものが、アメリカその他主要国における共済保険制度の実施状況でございます。これは保険課におきまして、調査してわかっている範囲内で調製いたしたものでございますが、農業保険につきましては、ここにも書いてございますように、作物保険、家畜保険、そのほかに農場の建物とか農業機械等に関する農場不動産、動産の保険がございます。これらの農場の資産にかかわる保険は、普通の保険会社等によって行なわれる保険が多いわけでございますが、そのうち作物保険につきましては、民営の保険としてまして、古くから行なわれましたものにつきましては、大体ひょう害というような特定事故を対象にいたしました特定危険作物保険でございます。これは十八世紀の後半から、ドイツ、フランス等を中心にヨーロッパ諸国で相当行なわれてまいっておりますが、そのほかにイギリス、アメリカ、カナダ等で行なわれております。 それからこれは特定危険保険でございますが、総合危険作物保険、つまりひょう害等に限らず、作物保険として総合的に保険されるものにつきましては、これはわかっておりますのは、ここに列挙されておりますソ連、アメリカ、日本、メキシコ、ブラジル、その他若干の国でございます。これらは普通の私企業的な保険としてではなく、何らかの形で国の財政的な援助を伴った保険として行なわれておるのでございます。 その次のページに、それぞれアメリカ、ソ連、カナダ等につきまして、どういうやり方をしているかということが、事項別に分けまして、掲げてございます。なお、アメリカにおきまする果樹の保険は、まだ試験的な段階を出ていないようでございます。それからカナダにおきまする保険も、全体として試験的なものである、こういうように了解しておるのでございます。 二ページ以下の詳細は表になっておりますので、一々御説明申し上げません。大体実施の主体と対象となります事故、それから対象になる作物、それから加入の方式――加入の方式につきましては、アメリカは、原則として任意ということになっておりますが、その任意は、ここにも書いてありまするように、加入後に解約の申し出があるまでは自動的に継続される、それから逆選択を防止するために、若干の制限がある、こういう状況でございます。 それから保険金額でございますが、これについて特に申し上げることはありませんが、今度の改正法律案におきましては、これは米価の九〇%までという方式に改めるわけであります。従来は七〇%でありますが、ここにもございますように、アメリカは平年収量の七五%を限度とし、カナダにおいては平年収量の六〇%、ソ連は若干ここで違っておりまして、強制と任意の部分に分かれてきめられておるわけであります。 あとは省略いたしまして、次は五ページに移りまして、農業共済団体等の職員の待遇の実情でございます。これは資料が、同じベースでの比較がなかなかむずかしいわけであります。給与体系が異なっておりますとか、あるいは平均年齢が違いますとか、比較のベースがなかなか一致しませんので、一致させるように分析できるような資料がございませんので、その点残念でございますが、非常に大ざっぱな比較になっておるわけであります。 一応内容について申し上げますと、市町村段階と都道府県段階のそれぞれの団体の待遇の比較でございます。 まず市町村段階におきましては、農業共済組合等、それから農業協同組合単協、それから農業委員会、これだけを比較してございますが、その実績額としてあげられておりますのは、職員に給与されておりまする年額で期末手当を含む額でございます。これは三十六年度だけはわかっておるわけでありますが、三十六年度につきまして、農業共済組合の場合は予算の額であげております。それから協同組合は、文字どおり実績、農業委員会も実績でございます。左のほうにこれに対する国庫負担の状況が出ておるわけでありますが、これで見ますと、年額としまして一応共済団体は他の団体に比べまして低い、こういうことが出ております。それから国庫負担につきましても、実際に給与されておるよりは低くなっておる。これは共済組合の場合、農業委員会の場合を通じまして同様でございます。 それから都道府県段階で申しましてもそうでありますが、この場合はむしろあまり差がないと申し上げていいかと思います。若干わずかに低目に出ております。農業協同組合連合会の場合は信連と経済連と共済連、これは連合会のうちで最も給与ベースの高いところでございますが、それが出ておりまして、これに比較しましてそう見劣りする状態ではない、こう申し上げていいかと思います。 それと期末手当の問題でございますが、従来共済団体につきましては、実際は期末手当が出ておったわけでありますが、国の補助の面では期末手当を計上していなかったのであります。農業委員会については本年度は三・七カ月分ついておりますが、共済団体は全然ついていなかったのでありますけれども、本年度の予算から初めて期末手当を予算に計上することにいたしました。本年度は一・二カ月分、補助金の中に算定されておるのであります。したがいまして、三十八年度の状況は、これとまた若干違って出てくると想定されるのであります。 その次に移りまして、農業共済団体役職員の専兼状況及び事務所の概況でございます。これはちょっと資料が古くて恐縮でございますが、農業共済組合長の専兼状況は三十五年三月の状況でございます。一番下の欄をごらんいただきまして、専任の組合長は、実数で四千二百二十四人のうち千八百七十四人で、四四・四%で、あとの五五・六%はほかの仕事と兼務しておる。その兼務の対象になりますのは農協の組合長、これが非常に多いわけであります。それから市町村長その他となっております。この資料が古いわけでありますが、その後どうなっているかという資料が実はございませんけれども、大体の感触といたしましては、その後市町村合併が進んでおりまして、共済組合も合併して大きくなっております。そういった関係で農協などは最近合併を始めておりますけれども、まだ小規模のものが多いために、どちらかというと専任の共済組合の組合長がふえているであろう、こういうように推定いたしております。 その次は、農業共済組合事務所の概況でございますが、農業共済組合は独立の事務所を持っておるか、あるいは役場や農協の事務所を借りたりして併置の状態になっておるかどうかの調査でございます。これも資料が古いのでまことに恐縮でございますが、三十四年四月の状態でございます。これでみますと、一番下の欄で四千二百四十七組合のうち――これは前の表とはちょっと年が違いますので、数が違っておりますが、独立しているのは二四%でございます。それで独立してない事務所が七〇%となっております。その内訳としましては、農協の事務所に間借りの状態等であるのが一番多い、こういう状況でございます。 大体第一部の資料は以上のとおりでございます。 第二部は、審議の基礎及び審議に関連ある事項としての資料の御要求でございますが、そのうちの最初は麦作の最近における推移でございます。御要求の趣旨が、麦作は最近減少してまいっておりまして、麦について強制加入の方式が必要かあるいは麦に関する保険が必要かどうかというような点に関しての検討の資料として御要求かと存じまするが、その状況を統計調査部の最近における統計から摘出したものでございます。 それで、そのうちまず麦につきましては三麦に分けてございますが、さらに裏作麦とそうでない麦という関係がありますので、統計の関係からこれを田畑に分けましてつくったものでございます。一番下の全国計をごらんいただきたいのでありますが、もちろん県によりまして事情はかなり差がございますが、大体三麦を通じまして相当減ってまいっております。田麦もかなり顕著に減っております。田麦で申しますと、三十三年に六十九万四千町歩の作付面積があったわけでありますが、約七十万町歩から三十七年には五十六万八千町歩、約五十七万町歩に減少いたしております。 それで、その次の九ページから今度は麦の種類別にこれを見たわけでありますが、小麦は必ずしもこの三麦を通じた傾向とは違っておりまして、小麦はやや増加の情勢にございます。田畑の計で申しますと、三十三年に六十万三千町歩、約六十万町歩でありましたものが、三十七年には六十四万六千町歩、約六十五万町歩、やや増加しておる、こういうことでございます。田麦につきましてもやや増加しておる、こういうことでございます。 その次は大麦でございます。一〇ページ。大麦は小麦と違いまして減少の傾向をたどっておりまして、田麦について言いますと、三十四年には十三万七千九百町歩でございましたが、三十七年には十一万七千町歩、若干の減少を示しております。それから田畑合わせまして、三十三年には四十二万三千町歩でありましたのが、三十七年には三十四万町歩と相当に減少いたしております。 その次が裸麦でございます。裸麦は一そう大幅に減少いたしております。これはまず田畑合計で言いますと、三十三年、五十万町歩から、三十七年の二十七万七千町歩、半減に近い大幅な減少でございます。田麦は三十三年が二十九万九千町歩、約三十万町歩でありますが、三十七年には十五万二千九百町歩、ほぼ半分近く減少しておる、こういう状況でございます。 麦に関する資料は以上のとおりでございます。 次は、畜産における多頭羽飼育化の進展と現行家畜共済制度の問題について。ここに若干の私どもの見たところを書いておるわけでありますが、これらにつきましては、さらに制度の基本的な改正と関連いたしまして今後十分検討を要するかと思っております。ここに書いてあります内容を申し上げますが、むしろ朗読いたしたほうが早いかと思います。「最近において酪農の経営規模が急速に拡大しつつあることは別表のとおりであるが、現行の制度の下においては、経営規模拡大が進行するに従って家畜共済に加入する率が低下する傾向にある。これは家畜共済が牛・馬一-二頭飼育が常態であった当時において法制化されたため、二頭ごとの引受けをたて前としていることによるものと考えられるが、次の諸点が加入困難の理由としてあげられる。(1)多頭飼育者の場合、その金頭について家畜共済に加入することは、一時に多額の共済掛金を負担しなければならないこととなること。」これにつきましては別に御説明いたしましたが、家畜加入推進奨励金を本年度の予算に計上いたしておりまして、こういう場合に多頭飼育者の加入促進をはかるという趣旨で二億二千万円を計上いたしております。「(2)多頭飼育者は、日常頻発する軽微な損害については、これを経営の内部に吸収することが容易である。従って、死亡・廃用・疾病・傷害のすべてを総合的に共済しようとする現行制度に対しては、必ずしも少数飼育者なみの必要性を感じていないものと考えられること。(3)多頭飼育者については、一般的に管理設備、飼養管理技術、飼料構造、経営技術等飼育条件の良好なものが多く、また、被害発生態様も異るので掛金負担額について不満が生じ易いこと。」 以上のとおりでございますが、次のページに飼育頭数別の加入状況を掲げてございます。これは事例調査に当たるものでございまして、下のほうに調査戸数と調査頭数がございますが、これで見てまいりますと、一番下の一頭ないし五頭、それから六頭ないし十頭と刻んでおりますが、下のほうが加入率が高い。上の二十一頭以上というのはかなり加入率がいいわけでありますが、これは北海道等、特定の九県だけの調査でございますのでこういう結果が出ているかと思います。しかしこの刻み方にも問題がございます。これは、いままでのところは一、二頭飼育が大多数でございますから、こういう刻み方が適当であるかどうか、そこに相当問題がございます。 その次の表でございますが、一四ページの表は年次別飼養農家一月当たりの飼養頭数でございます。これは家畜の種類別に最近の飼養頭数の一戸当たりの平均飼養頭数の増減の状態を出したわけでございますが、まず乳用牛については漸次多頭飼養へ向かう傾向が明らかに出ております。三十四年においては一・九頭でありましたのが、三十七年には二・四と、特に三十六年から三十七年への増加、二戸当たり平均頭数の増加が目立っております。ところが役肉用牛、馬、綿羊、ヤギ等につきましては横ばいないしやや減、こういう状態でございますが、豚と鶏に至りましてまた一月当たりの平均頭数の増加が顕著にあらわれております。豚はやはり三十六年から三十七年にかけまして平均二月当たり頭数が飛躍的に増加しております、鶴につきましてもそうでございます。こういう状況でございます。 その次は、一五ページの別表2の飼養頭数規模別飼養農家数及びその百分率でございます。これは一九六〇年の世界農林業センサスの結果に基づくものでありまして、資料としては若干古いわけでありますが、一頭飼養から数頭飼養に至る段階、刻み方によってどのくらいの農家があるかということを調べたものでありますが、このときにおきましてはまだ乳用牛につきましては一頭飼養が六割ある、こういう状況でございます。豚につきましても一頭飼養が約七〇%、六九・七%ある。鶏につきましては十九羽以下の飼養が八五%ある、こういう結果が出ております。多頭羽飼育と家畜共済の関係に関する資料は大体以上のとおりでございます。 次に、肉豚共済事業の実施状況でございます。これは共済制度としましては任意共済として行なわれておるのでありまして、共済事故としては死亡のほかに疾病、傷害を取り上げておりますが、疾病、傷害についても事故として扱っているのは鹿児島県だけでございます。その肉豚の任意共済事業をやっております県の連合会は、一番下のところに表として出ておりますが、鹿児島以下栃木、宮崎、鳥取、青森、愛媛、長野の七県でございますが、しかし実態から申しますとほとんど鹿児島県が全部に近いという状況でございます。 その次のページでごらんをいただきたいのでございますが、一七ページに、肉豚共済の事業実績というものがございます。まず加入頭数では、全部で四万五千頭が加入しておりますが、そのうち鹿児島県は四万頭でありまして、大部分が鹿児島において行なわれている。それから共済金額で見ましても、全体が一億七千四百万円でございますが、そのうちの一億五千六百万円が鹿児島県になっておる。こういう状況でございます。なおこの肉豚共済事業につきましては、利用団体の話し合いによりまして将来は農協系統へ移譲する、こういうことになっております。 その次は、果樹共済についてでございます。これは最初のほうは少し朗読いたしまして、さらに補足して御説明申し上げます。 (1)経緯 (ア)旧農業保険法第三十六条に基き第二類共済事業として農業保険組合が実施することができることとなっていた。この規定により実施していたものは青森(りんご)、福島(りんご、なし、桜桃)、長野(りんご)、滋賀(りんご)であった。(イ)農業災害補償法施行に当り任意共済事業の事業能力の規定が設けられず、旧農業保険法により実施していた果実に関する共済は中止された。昭和二十四年農業災害補償法の一部改正により任意共済事業の規定が設けられた。この規定により果実共済を実施したのは和歌山県の「みかん」で昭和二十五、二十六年度の両年度において実施したが台風被害により不足金が生じ中止してしまった。(ウ)昭和三十四年の伊勢湾台風により長野県のりんご、山梨県のぶどうが大被害を受け果樹共済の制度化の要望が強く、要請され、農林省において、果樹共済に関する調査検討を行なうこととなった。(2)果樹共済に関する調査、研究概要 (ア)果樹災害等の調査 果樹共済の制度化について必要な基礎資料の整備を行なうため、昭和三十五、三十六年の二カ年にわたり、主要果実生産県に委託して生産関係、被害関係等基礎的調査を行なった。 その次のページに調査をいたしました県とその予算をあげてあります。カッコ内は調査しました対象の町村の数であります。左のほうの欄が三十五、三十六年度、右が三十六年度となっております。左は両年度にわたって二カ年継続して調査したという県でございます。相当数の県につきまして調査をいたしたわけであります。種類もミカン、リンゴ、ブドウ、ナシ、桃でございます。調査項目としましては、その下のほうに書いてあります果樹の収量や災害に関しまして、収量の変動調査、それから災害に関しまして、その種類別面積あるいは被害程度別の面積、それから果樹の価格変動の調査、果樹の栽培事情に関する調査、こういった事項につき調査しました。 その次に、農林漁業試験研究補助事業の一環としまして、果樹生産における果樹保険成立の条件に関する研究というのをいたしたのであります。これは実際に理論の上で保険というものが成立の可能性がございましても、実際に農家が保険というものに対する需要を持っているかどうか、あるいは保険に対する意識を持っておるかどうかということを調査したわけでありまして、それは二〇ページの上のほうに書いてありますように、昭和三十六年度と三十七年度にわたりまして、和歌山、愛媛県のミカンとそれから青森、長野のリンゴ、鳥取、埼玉のナシにつきまして実態調査をいたしたわけであります。その結果をごく簡単に申しますと、ミカンについては保険需要が少ない。と申しますのは、一面において農家は自家保険という形でかなりの積み立てをやっておるというようなこともございまして、保険需要が非常に少ない。ところがナツミカンは相当に保険需要がある。それからリンゴ、ナシにつきましては若干の需要が認められるが、リンゴについては例のモリニア病等をどうするかというような実際問題があるという調査結果が出ておるのであります。それからさらにそういった調査を検討いたしますために、二〇ページの下のほうに書いてございますが、果樹共済制度化準備検討会委員名簿というのが出ておりますけれども、こういう人たちに依頼いたしまして果樹共済制度化の準備検討会を開いておるわけでありますので、ここを読んでみます。「果樹災害等の調査および試験研究補助事業たる「果樹保険成立の条件に関する研究」結果を基礎とし更に昭和三十八年度から行なう予定の「果樹共済試験調査」の方式等を検討するため三十七年十月下記委員による「果樹共済制度化準備検討会」を設置し、同年十一月五日から九回にわたり制度化についての果実の生産、流通の実態等の技術的検討が行なわれ三十八年三月十一日検討結果を取りまとめ報告した。」その結果に基づきまして三十八年度から果樹共済の試験調査をいたすことにいたしたわけであります。予算額といたしましては四百六十三万円でございますが、これは実際に保険設計をしてみまして、その保険設計によって村にそれをやってみてもらう。金の受け払いはやりませんが、記帳その他の方法で実際にやってみまして、そういうことで制度化できるのかどうかということを実際に試験するのでございます。 二二ページに参考資料といたしまして、果樹共済試験調査実施要領要旨というのがございます。この要領によりまして相当数の県におきまして実際に試験をやってみようということでございます。そのやり方は目的のところに書いてございますが、四つの方式を試みにやってみるというので、Aとしまして団体単位品質収量制方式、これは収量の保険と品質の低下も事故として保険してみるという方式でございます。Bは農家単位品質収量制長期方式、これは前のものが団体単位でございますけれども、今度のは農家を単位にしまして品質の事故を見、収量の事故、そのほかに長期の果樹の改植、補植につきましてこれを事故と見る、満期保険みたいな形をとってみるという方式でやってみるのであります。それからCは農家単位収量制長期方式、これはいま申し上げましたものの別な組み合わせ、Dもさらにもっと単純化された農家単位収量制だけの方式でございます。この四つの方式によりまして果樹農家の保険需要、掛け金負担の限度、基準収穫量の設定、損害評価の方式というようなものを実際にやってみる、こういうのであります。 それ以下に種類ごとに実施する県をあげておりますが、さらに次のページのほうにいま申し上げました四つの方式についてそれぞれ説明をいたしております。 大体果樹共済につきましてはこのくらいにいたしまして、その次、果樹共済に関連しまして二七ページに、果樹についての価格差補てん等の事業を実施しつつある県の状況とその実績というものを出しております。これは園芸局で調べたところでございますが、わかっておりますのは島根県と鹿児島県の事例だけでございます。島根県におきましてはブドウ、ナシ、カキ、ナツミカンにつきまして島根県青果物販売共済組合、これは任意組合でございますが、鹿児島県におきましてはミカンとポンカンにつきまして鹿児島県青果物価格安定資金協会というものがありまして、これが事業をやっておるのでありますが、いわゆる売買の価格差を補てんする方式の一種の価格補償制のような、あるいは共済制のような事業でございますが、その価格の差を補てんするのはここに三つの場合があげられております。販売価格が一定の価格を下回ったとき、それから輸送事故による損害があったとき、出荷調整により運賃の加算等があったとき、ということで、交付額はいずれの場合も査定委員会できめておるようであります。その下に実際の交付実績等も交付実績等も書いてございます。 その次は、共済事業を市町村が実施しているところの最近の状況の資料でございます。二八ページの冒頭に市町村条例制定の基準というのがございますが、市町村条例によりまして市町村が共済事業をやります場合におきましても、内容としては共済組合がやる場合と変わりがないわけであります。ただ主体及び組織が異なりますために、その点だけ若干の相違が出る、こういうことでございますが、特に農家の意思をどう反映するかという点について、市町村の場合は、特に最近のように都市化されたような市町村の場合にどうやってその点を反映するかという問題がございますので、これは通達によりまして農業委員会の意見を徴するようにという指示が出ております。 その次に、農業共済事業を実施しております市町村の数の調べでございます。三十八年五月一日現在でありますが、これは昨日も足鹿委員から御指摘がありましたように、五月一日現在で実施しております市町村の数は六百八あります。これは年々顕著に増加いたしております。本年もさらに増加の見込みでございます。 それから「左に対する移譲申出組合数」というのがその次の欄に出ておりますが、この移譲申し出というのは市町村に移譲を申し出た組合でありますが、要するに関係組合でありまして、実施している市町村の数より多いのは同じ市あるいは同じ町の中で二つの組合が移譲するというようなことがあるために、数は市町村の数よりも大きくここに出ておるのであります。該当しております都道府県の数が四十二ございます。 その次に、二九ページにはこれを都道府県別に市町村の数をあげたものがございます。その中でごらんいただきましてもすぐ目立ちますのは、長野県が非常に多いわけであります。それから愛知県、これも相当多いわけであります。これは全体の市町村の数にもよりますが、これらは特に目立っておる、こう申し上げていいかと思います。 その次は、さらにこれをこまかく表にいたしまして、年度別に、県別に市町村の数を出したものでございます。ここで特に申し上げることはございません。 三一ページに移りまして、その次の資料は、共済事業の市町村移譲事由別該当組合数。いま法律では一定の事由がある場合に共済組合は市町村へ共済事業を移譲することができることになっておるわけでありますが、その事由の別にこの数を調べたものであります。申し出組合数七百五十のうち最も多いのは四百八十八で政令第二条の二第二号の事由によるものであります。政令第二条の二の第二号の事由と申しますのは、一番下に書いてありますが、「農業共済組合が共済事業を行なう場合より市町村が共済事業を行った方が事業運営の効率化が十分見込まれる場合」こういう場合が圧倒的に多い、こういうことでございます。六五%を占めておるわけであります。 その次に、三二ページに移りまして、市町村がそれならば共済事業に市町村費を支出しておる実情はどうであるかという資料でございます。 まず最初は、農業共済組合に対して市町村が補助をやっている事例がかなりございます。その状況でありますが、三千七百八十二組合について調べたところが、昭和三十五年度におきましては二億八千八百万円の補助が行なわれ、一組合平均につきまして七万三千円となっております。三十六年度におきましては二億九千五百万円、一組合平均七万八千円でございます。 それから今度は市町村みずからが共済事業をやっておる場合、その特別会計に対して一般会計からどのくらい繰り入れているかという調査でございますが、三百五十一市町村につきまして調べたところでは、昭和三十六年度において六千八百万円の繰り入れをやっており、一市町村におきまして十九万六千円の繰り入れをやっておるという状況でございます。 それから今度は市町村に移譲される前と移譲後の市町村費の補助と一般会計からの特別会計への繰り入れの比較でございます。これは調査市町村の数が少ないのでありますが、十一市町村につきまして比較したものでありますけれども、十一市町村のうち移譲前に補助があったもの、移譲後に繰り入れがあったものがいずれも八であります。そのうちのまず移譲前の補助は百六十八万四千七百二十五円、それから移譲後の繰り入れが二百三十四万三千百円、一市町村の平均でいいますと二十一万円から二十九万円に増加しておるということでございます。 その次の三三ページは、共済事業を行なう市町村の職員の給与水準と、市町村移譲前と移譲後の職員給与の比較であります。 その最初が、農業共済組合職員と共済事業を行なう市町村職員の一人当たり平均給与水準の比較でありますが、これは都道府県から報告を受けたものを農林省で集計したものでありまして、三十七年一月一日現在の数字でございます。これは一番下の全国平均で申しますと、組合のほうが月額一万五千七百四十四円、市町村が一万七千七百九円で、市町村のほうが二千円ほど高くなっておりますが、県別には若干出入りがございます。組合のほうが高いのも若干ございます。しかし全国の平均としましては市町村のほうが職員の給与は高い、こういう状況でございます。 さらに三四ページに簡単に出ておりますのは、市町村移譲前と移譲後の職員給与の比較でございます。いま申しましたのは横に比較したのでありますが、これは時間的に移譲前と移譲後を比較したものであります。一人当たりの平均職員給与は、月額で移譲前が一万八千三百二十九円でありましたものが二万百十一円、ベースアップもあったかと思いますがやはり若干上がっておるということでございます。ただしこれは十二組合の事例でございます。 その次が、問題が変わりまして、共済金額の選択状況に関する資料でございます。これは現在共済金額は、農作物の場合最高から最低まで数段階になっておりまして、一キログラム当たり最高五十五円から最低十五円まで何段階か選択できることになっております。共済金額、保険金をどれだけかけるかという金額は、農家が選択できるたてまえになっているのであります。しかし実際には商いのを選択するのと低いのを選択する人がありまして、平均でどうなっているのかというのがこの最初の資料でございまして、水稲単位当たり平均共済金額の昭和三十七年産と昭和三十六年産の比較であります。左のほうが昭和三十七年、まん中が三十六年でありますが、一キログラム当たり全国平均で三十七年が二十七円、三十六年が二十四円で、かなり上がる傾向になっております。これは都道府県別に違っておりますが、たとえば北海道は非常に高いのであります。これは高被害地であるから高い金額を選択するだろうということもいえると思いますが、逆に大阪のようなところは、これは必ずしも高被害地ではありませんけれども平均四十円を選択いたしております。これは一がいに高被害地が高く低被害地が低く選択するとも言い切れない。足鹿委員の御要求の趣旨は逆選択が出るのではないかという御趣旨であったかと思いますが、必ずしもそうもいえない。また専門家に聞きますと、そういうところを逆選択というのはちょっと問題であるそうでありますが、どうもその関係は私どもにもはっきりした断定はいたしかねるのでございます。 そこで、これは現状でございますが、三六ページの(2)に、改正後の共済金額の選択に対する指導方針。これはいま申し上げましたように五十五円を最高にして最低十五円まで数段階の選択が許されておりまするが、まず問題としましては、現状においてその選択ができるといいましても、実は個人の選択が必ずしも実際問題として認められない、組合ごとに全部一本の選択になるということ。それからもう一つは、災害が起きた場合には損害を補てんされる割合が高くなるから高い金額を選択しておったほうがいいわけでありますが、その際にもっと高い金額が設定されないかという二つの問題があるわけであります。その二つに対しまして今度の改正案はどう答えているかということは、次に掲げてあるわけであります。ここは朗読いたします。 「改正案では木制度に対する「被害があっても共済金の支払額が少なく制度が役立たない」という批判に応えるため、農作物共済の補填内容の充実をはかることとし、このため筆ごとの三割以上の減収量に応じて支払うという方式は現行の通りとするが、単位当り共済金額の最高限度を水陸稲又は麦の価格の百分の九十に引き上げることとし、」これは現行は百分の七〇までであります。「一キログラム当りの共済金額を七十円、六十円、五十円、四十円、三十円、二十円、十五円と定める予定である。(現行では五十五円、五十円、四十五円、三十五円、二十五円、二十円、十五円。)これにより実損に対する填補率は例を水陸稲にとれば、全損の場合に従来最高の単位当り共済金額(五十五円)を選択しているときであっても約四割九分に過ぎなかったものが、改正案による最高の単位当り共済金額(七十円)を選択した場合には、その填補率は約六割三分となり、従来に比し相当程度補填内容を充実しうるものと考える。更に、この単位当り共済金額の選択は、現行制度では組合等が定款等で組合等ごと又は危険階級別の地域(おおむね旧市町村単位)ごとに一律に定めることとなっているため、農家負担の問題もあり、どうしても組合等の区域内の低被害地の農民の意向に引きずられて低い共済金額の選択に傾きやすいとの不満もあるので、今回の改正においては、組合等が実情に応じその定款等で定めれば、組合等一本(又は組合等内の地域ごとに一本)で一律に定められる単位当り共済金額以外の共済金額を農家が個人別に選択しうる途をひらくため、次のような共済金額の選択方法を採用したいと考えている。即ち(1)組合等ごとに一律に一つの共済金額を選択する方法 (2)地域基準共済掛金率を定めた地域ごとにそれぞれ一つの共済金額を選択する方法 (3)組合等が定めた二以上の単位当り共済金額のうちで組合員等に個人選択をみとめる方法。以上の三つの方法のうちいずれか一つの方法を単位当り共済金額の選択方法として定款等で定めさせることとしたいと考えている。」 ただいま三つの方法をあげたわけであります。これでも個別化という点は完ぺきとはまだ申し上げにくいとは思いますが、個人までの選択ができるという道を何とかして開きたいと考えておるわけでございます。 その次が、三七ページ、8 最近の基準反収の推移。これは水陸稲、麦につきまして、最近指示されております県ごとの基準反収を表としたものでございますが、この表の集約したものを四〇ページにあげておりますので、ちょっと四〇ページをごらんいただきたいと思います。御要求の御趣旨は、基準反収と実収高とがかけ離れているということは過去において相当あったわけでありまして、その結果として、いろいろな制度上の不満や欠陥が出るということがあったわけでございます。もちろん実収反収と基準反収は、これは制度的にきめるものと実際に出てくるものとございますから、誤差の出るのはやむを得ないわけですが、できるだけ近い状態にあることが望ましいわけでありまして、その状況をここで表にしたわけであります。最近におきましてはその開きが相当狭まっておりまして、三十年ごろは統計調査部の反当実収量が非常に高かったのに基準反収は低いところにあった、こういうのでありますが、その後だんだん趨勢的にも、実際の幅におきましても近似値が出てくるという状態でございます。これは三十年ころは、急に――急にと言うと語弊がありますが、従来の状態を脱して生産力の高まった段階に入ったために、基準反収は、過去数カ年の統計に基づきましてきめてまいりますので、過去の生産力の低い時分の影響が出たというわけであります。三十年以降は高い水準で横ばいして安定してきておりますので、その差が非常に縮まったということがいえると思うのであります。 次が、四一ページで、最近の年次別被害率の推移及び基準共済掛金率の細分化方針でございます。 年次別被害率の推移は、まず四一ページの表に作物別に出しておりますが、漸次低下しつつあります。最近の状態は、二%から四%以内くらいのところで安定しつつあり、低下しつつあるわけですが、陸稲等は必ずしもそういう状況ではないのであります。 そこで、その次は、これを都道府県別にブレーク・ダウンいたしまして、二十二年から三十七年までを掲げたものであります。 その次が、陸稲、麦と、こう分けてございますが、そこで問題になりますのは、掛け金率をどうきめるかというきめ方でございまして、昨日もこの点について御論議があったわけでありますが、これについて重要な改正を行なうわけであります。まず最初に四五ページの、基準共済掛金率の細分化方針、これを朗読いたします。 「改正案による共済掛金の算定は、昭和二十二年の農業災害補償制度開始後の組合等の若年の被害率を基礎とし、組合等が保留する通常災害の責任の限度となる一定方式により算定される通常標準被害率以下の率を平均して得た数に一定の安全割増率を加え通常共済掛金基準率を算定し、通常標準被害率をこえる部分の率を平均して得た数を異常共済掛金基準率とし、この通常および異常共済掛金基準率を合計した率を組合等の基準共済掛金率とし、組合等はこれを下らない範囲内で定款等で共済掛金率を定めることとしている。また、組合等の区域内において地域ごとにその過去における被害の程度が著しく異なる場合は、都道府県知事の認可を受けて、その地域ごとの過去の平均の被害率を基礎としてその地域の共済金額の見込額をウエートする加重平均値が組合等の基準共済掛金率に一致するようにその地域ごとの地域基準共済掛金率を定め、これを下らない範囲内で地域ごとの共済掛金率を定めることができることとしている。従って組合等の共済掛金率の細分化の方針については、被害の程度の類似する地域ごとに区分することと致したい考えである。」非常にむずかしいことが書いてございますが、要は、従来は、まず標準の被害率を県で一木で出しまして、それを県内の十八の危険階級に分けて、それに対して町村を割り当てていったわけです。最高十八の階級に市町村の掛け金率を割り振っていったわけであります。それで県一円の標準共済掛け金率のワク内にきめたわけでありますが、今度はまず村ごと、組合ごとに被害率を出しまして、それから、ここに書いてありますように、通常標準被害率以下の部分を平均しました通常被害率に安全割り増しを加えたものを通常基準共済掛け金率として組合ごとに定めます。まずここで個別化されるわけであります。実態に近づくように割っていくわけであります。さらにこの組合の地域内で被害率が幾つかに顕著に分かれる場合があるわけであります。それをさらに個別化するために組合の地域内で組合の標準掛け金率を下らない範囲で地域別にきめることができるようにいたしたい、こういうのが改正案でありまして、また御要求の細分化の方針に当たるわけでございます。 四六ページに入りまして、農作物共済の損害評価関係資料でございます。これは当初の政府原案と今度の改正案の場合と内容的に異なります。最初の政府原案の場合におきましては、農家単位でのやり方がありまして、また事業団がその関係で出てくるわけでありますが、それが修正後におきましてなくなったためにまた一筆収量建てに戻りまして、損害評価の制度上のあり方は変わっておらないわけでありますが、運営につきまして、これが一番保険の運営上むずかしい問題でもありますので、さらに改善を逐次加えていく必要は今後も変わらないのであります。 ここで、どういうやり方で損害評価をやるかということについて、その機構につきまして資料として御提出したわけであります。機構としましては、組合で損害評価をやります場合には損害評価会という制度と損害評価員という制度との二つがございます。損害評価会の方は諮問機関のようなものでございまして、これには委員がおり、村の技術貝であるとかあるいは精農家等がおりまして損害評価のやり方等について組合長が意見を聞くということであります。全国を平均しまして、大体十五人くらいの委員が評価会を構成しておるのであります。それから損害評価員の方は、これは実際に部落におきまして損害の評価に当たるわけでありますが、なかなか組合が直接やれない――損害が実際に起きたところでは悉皆調査をやる必要がございますが、それは現在の組合の能力で全部やるわけにはなかなかいきませんので、部落に損害評価員を置きまして、それで実際に悉皆調査をやってもらうということでございます。似たようなことばで少し混淆いたしましたが、損害評価会のほうは委員でありまして、あとのほうは損害評価員であります。損害評価に実際に当たってもらう、部落段階で悉皆調査をしてもらうのが損害評価員でございます。大体そういう構成を持った損害評価の組織がございますが、実際の損害評価は明地の悉皆調査、それからいろんな部落の間のバランスをとるための抜き取りの検見調査、さらに連合会の段階になりますと組合間の公平をはかるための実測調査を加味しました抜き取り調査等を加えて評価をしていくわけであります。 そこで、四九ページに損害評価会委員と損害評価員の数を府県別に表として出しております。損害評価会委員のほうは全国で六万三千ばかりおります。損害評価員のほうは、部落にまでわたりますので全国で二十二万七千人でございます。 そういったやり方で損害評価をいたしました結果が、今度は組合から連合会へ、連合会から農林省へ上がってくるわけでありますが、その否定の状況が五〇ページの上の表でございます。これは査定率が左の欄に出ておりますが、組合から連合会に上がります場合に、大体どのくらいの査定を受けた組合がどのくらいあるかということを表にしたものであります。組合と連合会の関係では一〇〇%認められているのは三十六年では一つしかない、それから三十七年では四つ、九〇%から一〇〇%まで認められたのが十、この数は県の数でございます。それから八〇から九〇が十八、こういうように見る表でございます。それから連合会から農林省までの段階では、またその中の欄にございますが、一〇〇%以上認められたのが三十六年では七、三十七年では二十七、わりあいに八〇%以上のほうに数が多い状況でございます。 それから今度は問題が変わってまいりますが、五〇ページの下のほうの11は、改正後の反当平均予想共済掛金でございます。これは改正後の予想をしたわけでありますが、平均基準反収は三十七年産について指示したものを使っております。平均共済金額も三十七年の実績、それから反当の平均共済金額が出てまいりますが、これに平均しました予想共済掛け金率をかけまして、国庫負担と農家負担に分けますと、この表にありますような率になり、それを実際の掛け金に換算いたしますと、水稲については平均しまして農家負担が反当たり百五十八円、国庫負担は二百六十一円、陸稲は百七十八円と三百二十一円、大体農家負担と国庫負担は従来と変わらない率で出てまいるのであります。 今度はまた問題が変わりまして、農業共済組合連合会の事業過不足金に関する資料でございます。これはいわゆる赤字問題についての資料でございまして、各必須事業についての勘定別に出しておりますが、全体として計の欄でごらんをいただきますと、まず黒字が全部を合わせまして、三十六億五千八百万円、赤字が四十六億円、黒字のみの県の数が二十一県、赤字のみの県の数が二十五県、こういうことになっておりまして、差し引き赤字が九億四千九百万円ございます。今のが必須事業でございます。 その次の表は任意事業でございます。きのうも御指摘があったのでありますが、赤字の大きなのは青森、それから山梨、それから岐阜、愛知、三重等であります。それから下のほうにいきまして福岡が若干ございます。主要の赤字はそういうところであります。 五三ページは、今度は共済事業関係の事務費の賦課金と農家負担の関係を調べたものでありますが、これは組合等と連合会に分けまして、さらに組合、連合会を合わせまして全体の農家負担、国庫負担を表にしたものであります。事務費の額は人件費等の増加によりまして、組合におきましても連合会におきましても年々増加の傾向にございます。これを指数で見ますと、三十年を一〇〇としまして、組合等におきましては一五二、連合会では一四二、合わせまして大体一五〇、五割増、事務費は五割ふえておるのであります。これに対して国庫負担をやっておるわけでありますが、国庫負担はこの事務費の増加する以上の割合で増加いたしております。三十年を一〇〇といたしまして、組合の場合は一七八、それから連合会の場合は一二〇、合わせまして一七〇、事務費の増加を上回る率で国庫負担は増加いたしております。農家への賦課金でございますが、これは三十年を一〇〇といたしまして、組合等の場合は三十七年が一一〇でありますが、途中の一二〇等から漸減しておるわけであります、それから連合会の場合はさらに顕著に減少してまいりまして、三十年を一〇〇としまして八三、こうなっております。それから組合と連合会を合計しまして、三十年を一〇〇としまして三十七年が一○三・六、ほぼ横ばいでございます。途中は一一二とか一一三という年がございましたが、漸減してまいりまして、賦課金は三十年とほぼ横ばいの状況にある。そのほか、右のほうに県補助金とか市町村の補助金とかその他のものがございますが、国庫負担、それから賦課金の状態は以上のとおりでございます。 その次に、五四ページに移りまして、今度は農業共済団体の事務費の賦課総額とその一農家当たりの賦課金額でございますが、連合会と組合の賦課総額はさっきの表にもございましたが、上のほうの柵でございます。一農家当たりにいたしますと、三十年が七百五十九円でございますが、その後三十二年には八百三十九円、三十三年には八百八十四円、三十四年八百八十円と上がったのでありますが、だんだんまた減ってまいりまして、三十七年には八百三十七円となってきたわけであります。さっきの表とも大体表裏の関係にあるわけであります。 今度は単位たり農業共済団体の共済目的別にどのくらい賦課されているかというのを次の表にしたわけであります。水稲の場合は反当たり全国で平均しまして、組合の場合が七十一円、連合会が十五円、合わせて八十六円、陸稲が五十八円、十一円、六十九円、麦が四十四円、十三円、五十七円、蚕繭が箱当たり六十二円、二十二円、八十四円、家畜共済が一頭当たり百六十六円、百二十五円、二百九十一円、こういう状況であります。 いままで申し上げたところで第二部関係の資料を終わるわけでありますが、第三部としまして、改正法案に直接関連する事項でございます。 そのうち最初の問題は、農業共済組合連合会への付保割合の定め方であります。これはどういう問題かといいますと、今度の改正法案におきましては、末端の組合の責任を拡充いたしまして、通常災害に相当する部分は末端に責任をできるだけ移すということにいたしたわけでありますが、やはりそれでは組合だけが全責任を負うということでは、非常な大災害があった場合ということも考えられますので、一部を連合会に一定の割合の範囲内で付保できるようにしたい、こうなっておるわけであります。現行の制度では、組合は通常部分につきましても九割を全部連合会に保険しておったわけでありますが、それでは全く末端の責任というものはなく、また末端に共済としてかけられたものが保留されることがなくて、したがって積立金もできず、無事戻しもできないということであったわけでありますが、それでも困るということから、できるだけ末端に責任をおろすということでおろしておりますが、一方において連合会にも一定の割合で、これは二割ないし五割くらいで定めることにいたしておりますが、その範囲内で組合ごとに定めた割合で連合会に付保する、こういう方式に変えるのが今回の改正案でございます。 では、ここは重要でございますので、朗読いたします。 「(1)改正法案の規定 農業共済組合および共済事業を行なう市町村とその組合員等(農業共済組合の組合員又は共済事業を行なう市町村との間に共済関係の存する者をいう)との間に農作物共済の共済関係が存するときは、それらの組合等とその属する農業共済組合連合会との間に、それらの共済関係を一体として、これにつき保険関係が存するが、その保険金額は、改正後の法第百二十三条第一項の規定により、次のものの合計とされている。」 これは非常にむずかしいので、かいつまんで申し上げすと、その保険金額といいますのは、異常につきましては全部、それから通常部分につきましては、主務大臣が定める割合を乗じて得た金額、先ほど申し上げました付保割合をかけたものが連合会にかかる、こういうことになっておるわけです。 「(2)改正後の法第百二十三条第一項第一号ロの政令(案) 組合等が農業共済組合連合会の保険に付する割合があまり僅少であっては、農業共済組合連合会に必ず付保することとした趣旨が失なわれ、逆にあまり大きいと「組合等の手持責任がそれだけ少くなるから、今次制度改正の主要な内容の一つである組合等の農作物共済に係る共済責任の拡充」の趣旨に反することとなる。また、この付保割合を定めるに当っては、組合等の被害発生態様等を考慮する必要があるから、すべての組合等を通じて一律に定めるべきものではなく、組合等ごとに或る程度弾力的に定めるべきものである。従って、改正後の法第百二十三条第一項第一号ロの政令では、同号の主務大臣の定める割合が二割から五割の範囲内になるように定めなければならないと規定する考えである。(3)改正法の法第百二十三条第一項第一号口の主務大臣の定める割合の定め方(案) この主務大臣の定める割合は、上記の政令の定めるところにより、具体的な割合を定めて告示することとなるが、割合を定めるに当っては、被害発生態様その他を勘案して一定の基準を定め、この基準に従って付保割合を定めることとするか、あるいは、都道府県知事に対して、都道府県知事の裁量が入り得る余地を残して一定の基準を示し、それによる都道府県知事の意見を勘案して農林大臣が定める考えである。」 付保割合の定め方は以上のとおりでございますが、その次の御要求の資料は、無事戻し及び損害防止事業の拡充のための具体的措置でございます。その案が次にあるわけでありますが、これはまず、現在行なわれております無事戻しは、農家からいえばもっと拡充してもらいたいという要望があるわけでありますが、それを拡充することが第一点でございます。これは法律の改正を必要といたしませんで、政、省令の改正で行なわれるわけでございます。それからもう一つは、無事戻積立金等の積み立てをやってなお剰余が出て、積み立て金が増加した場合には、それを還元する意味で損害防止事業等に金を支出するわけでありますが、そのやり方でございます。それを朗読いたします。 「(1)無事戻の拡充のための措置(案)今回の改正法案では、無事戻の根拠規定である法第百二条には何ら改正を加えなかったが、この改正法により組合等の農作物共済に係る共済責任を拡充する結果、その手持掛金が増加し無事戻積立金の積立も大幅に増加しうると考えられるので、無事戻の方法についてもこれを拡充強化することとし、改正法の施行と同時に関係省令の改正を行なう考えである。その方法については目下検討中であるが、一案としては次のような方法が考えられる。すなわち、現行制度では、三年ごとに、過去三カ年間無事故か又は受取った共済金の額が少額の場合に、その三カ年間の農家負担掛金総額の六分の一(農家負担共済掛金の半年分)の限度内で無事戻しを行ないうることとなっているが、これを過去三カ年連続無事故か又は受け取った共済金額及び無事戻金の合計額が少額の場合には、毎年無事戻を行ないうることとするとともに、その限度額もその三カ年間の農家負担掛金額の三分の一(農家負担掛金の一年分、すなわち、現行の限度額の二倍)に引き上げることとする。ただし、この場合に、その三カ年間に受けた共済金および無事戻金の合計額はこれを差し引いて支払うこととする。(2)損害防止事業の拡充強化のための措置(案)(ア)今回の改正法案により組合等の農作物共済に係る共済責任を拡充することに伴い、省令の規定を改正して農作物共済について積立金の積立方法を改め、組合等の危険責任金額(総共済金額に農作物通常標準被害率を乗じて得た金額とその総共済金額に農作物通常共済掛金基準率を乗じて得た金額の差額から連合会に付保される割合を差し引いた額)これは非常にむずかしく書いてありますが、要するに組合に留保されます通常標準被害率以下の部分の責任とその通常標準被害率に安全割り増しを加えた通常共済掛け金基準率以下の部分の差額のうち組合等に留保される部分の十倍の法定積立金およびその組合等の農家負担共済掛金の額から連合会に付保される割合を差し引いた額の三倍の無事戻積立金を積み立てた後には、毎事業年度生じた剰余金のすべてを特別積立金として積み立てることとし、これを損害防止事業に充てることができることとした。(4)今回の改正法案では、その第八十五条第四項により水稲につき病虫害を共済事故としないことにつき主務大臣の指定を受けた組合等については、共済掛金の病虫害に対応する部分を減額することができることとし、(法第八十六条第二項)、この割引によって農家負担掛金が実質的に減額されることとなる額の範囲内で、これらの組合等に対し、補助金を交付し(法第十四条の二第一項)防除実施団体の行なう水稲の病害虫の防除事業の経費に充当することができることとし防除事業の推進を図ることとしている。」 (イ)のところは今回の改正の主要点の一つでございますが、病虫害の防除が非常に発達して、三割以上の被害が出る場合というのはきわめて限られた場合になってまいりましたので、特定の、いまの技術では防除不可能のものを除きましては、防除態勢の整った組合につきましては病虫害を事故から排除することができる。その場合には農家は共済掛け金の負担がなくなるわけでありますが、逆に国のほうとしましては、その組合に対しては補助金を交付しまして病害虫の防除事業を推進するようにいたしたい、こういたしておるのでございます。このやり方につきましてはあとのほうの資料に出てまいります。 その次に、今度また問題が変わりますが、最近における農業共済組合等の解散及び事業休止の状況でございます。この表に出ておりまするように、三十一年から三十七年まで、解散を議決した組合のうちで解決した組合が四十八、未解決の組合が十四、そのほかに事業休止をやって解決した組合が百十二、解決していない組合が十一あるということでございます。 それから五八ページに入りまして、いま申し上げました特定の組合において病虫害を事故からはずす場合に掛け金をどういうふうに割り引くかという案と、その組合を指定する基準とが次の資料として提出してございます。これについて朗読いたします。 「(1)共済掛金の病虫害割引割合の定め方(案) 水稲について都道府県ごとに過去一定年間の共済金支払実績資料、農林統計資料等からその被害率中に占める病虫害部分(ただし、政令の定めるところにより共済事故から除外しない特定病虫害部分を除く)の割合を基礎として算定し、さらにこの割合を基礎として都道府県内の郡市別病虫害被害統計資料等を参酌して指定を受けた組合等に適用すべき割引割合を定め、この割合で共済掛金を減額する考えである。」 (2)の共済掛金の割引割合、これは、そうやるとどういうふうな割合になるかというのを全国平均として試算したものであります。「全国平均の割引割合は、上記の算定方法により、次表の資料による水稲病虫害の共済事故に占める割合三一・七%を基礎とし、これに特定病虫害として予定される稲白葉枯病、稲黄化萎縮病等の割合(病虫害事故一〇%と推定)を除外した二八・五%程度がその割合として推定される。」つまり、二八・五%程度掛け金を軽減することができる、こういうことになるのであります。 そこで、その次に、しからば逆に今度は、農家の共済掛け金を軽減いたしますが、補助金はどのくらい出すかというのでありますが、これはいまの農家が軽減された額程度まで出したいということで、反当たりの補助金にいたしますと、反当たりの農家の負担掛け金が現在百五十八円でございますが、いまの病虫害割引の割合をかけますと、二八・五%で四十五円でございます。このくらいは反当たり補助するようにいたしたい。これが一組合当たりになってどのくらいの補助金になるかといいますと、一組合当たりの平均引き受け面積が、実績によりますと六百六十町歩程度でございますから、この額に六百六十町歩をかけますと、一組合当たり概算三十万円の補助金が支出されるということになるのでございます。 しからば、そういう組合を指定する基準はどういうものであるかというのが(4)の指定基準案でございます。読みますと、「水稲の病虫害を共済事故から除外する組合等の農林大臣の指定の基準は、この共済事故除外の規定を設けた趣旨から病虫害の防止が適正に行なわれるものでなければならないので、この点から次のようなものを考えている。(ア)防除事業の実施主体が市町村、農業協同組合、農業共済組合等で市町村防除協議会の定めたものであること。」これは植物防疫のほうで市町村における防除態勢として指導している組織でございますが、防除協議会というのがございます。「(イ)防除実施計画及びその実施方法がその地域における防除基準に適合しているものであること。(ウ)防除器具又はこれに代る防除手段が整備され予察情報に基づき防除の実施が適切に行なわれると認められること。」こういった条件を具備する場合に組合を指定してまいりたい、こういうことでございます。 次は六〇ページでありますが、共済事業の事業一部廃止の基準及び政令で定める事由。これは今回の改正のまた重要な点でございますが、任意加入の範囲を広めますと同時に、共済目的ごとに一部の事業があまり重要でない場合には、その事業を廃止することができるということで、強制加入制の無理を緩和してまいりたいという趣旨で改正法案を提出いたしておるのでございますが、その一部廃止をどういう基準でやるか、それから法律で特定の事由がある場合ということになっておりますが、その事由はいかに定めるかということを次に出したのであります。 「(1)現行制度においては、組合等はきわめて例外的な場合を除き、農作物共済、蚕繭共済、家畜共済の全部を必須事業として必ず行なわなければならないことになっている。しかし、当然加入方式をとっている農作物共済、蚕繭共済についても、その組合等の事業量が僅少な場合や農家経済上さほど重要でない場合についてまで共済事業の実施を強制する必要はないと考えられるので、今回の改正法案ではその第八十五条第二項で、農作物共済又は蚕繭共済の一の共済目的の種類(水稲、陸稲、麦、春蚕繭、夏秋蚕繭)につき、組合の事業規模が主務大臣の定める一定基準に達しないこと予ての他政令で定める相当の事由があるときは、その組合はその事業を廃止して共済目的の種類としないことができることとした。(2)主務大臣の定める基準 この事業廃止ができる主務大臣の定める一定基準は、農林省告示として、上記の趣旨に即し、組合等が事業を行なうべき最低の事業規模という見地から定めることとなるが、事業の規模が僅少であるかどうかは地域によって変るべきもので、一律にこれを定めることは適当でないと考えられるので、この基準は、改正後の法第十六条第一項ただし書の都道府県知事が定める当然加入の基準にその共済目的の種類につき共済関係が成立している組合員等の数を乗じて得た面積又は掃立量とすることが妥当であると考えている。」これはもっと具体的に申し上げますと、当然加入の基準というのは、しばしば申し上げましたように、任意加入の範囲を広げまして、従来は水陸稲を合わせて一反歩以下は任意加入というようなことを、今度は水稲、陸稲につきまして知事が一反歩から三反歩の範囲内で定める、こういうことにいたしたわけであります。その知事が定める面積に組合員の数をかけた面積以下である場合、たとえば三反歩と定めてある場合には、組合員の数が百人ありますれば、三百反、三十町歩以下しか面積がない場合は、事業を廃止することができる、こういうことになるのであります。 それから政令で定める相当の事由でありますが、次に、「上記の主務大臣が定める基準に該当しない場合以外に事業の一部廃止ができる政令で定める相当の事由としては、この制度が設けられている趣旨に即して、共済目的の種類ごとに次の二つの要件をともに充たしていることとして定める考えである。(ア)予ての組合等の被害率が極めて低く、その組合等の区域内の農家のその共済目的の種類に対する経済上の依存度が低いこと。(イ)その組合等の区域内のその共済目的の種類についての耕作又は養蚕の業務の総体としての規模が極めて小さいため、その共済目的の種類について共済事業を行なうことが共済事業の運営上効率的でないこと。」であります。いま申し上げましたのは、一部事業廃止の基準とその政令で定める事由でございます。 その次は、問題がまた別になりまして、今回の改正法律案に、県の共済連合会が農協系統の全国共済農業協同組合連合会に対しまして建物共済の再保険を行なうことができるという規定を新しく追加いたしたわけでありますが、それに伴う問題点をあげたものでございます。これは農協系統の方は建物共済の長期のものを行ない、それから共済団体の方は短期のものを、しかも事故として共済団体の方は火災のほかに風水害を加えたものをやっておる。農協の方も風水害に対して見舞い金程度のものをやるというたてまえになっておりますが、いろいろな点でやり方が違っておるわけであります。共済系統から農協の全国団体に再保険する場合に、それらの制度の違い、またお互いの危険なり利益の公平というような趣旨から、どういうふうにするのがいいかという問題があるわけでありますが、それは先般の両団体の覚え書きで、骨子としては両方の専門家が十分協議して、妥当な料率とか割合とか、そういうものを定めて実行するということになっておりますが、これは法案の成立後におきまして両団体から具体的に専門家が出されまして協議するということになっております。 それから六一ページの下のほうに、農業災害補償法の一部を改正する法律案政省令規定事項というのがございますが、その中で重要な部分は、内容としてはすでにいままでの資料で申し上げておるのであります。ただ問題としましては、きのうも問題になりました補助金の関係でございます。補助金の関係は、本日資料をあらためて提出いたしておりますので、そちらに移ってから説明さしていただきたいと思います。 そのほかの点は、内容としては大体いままでの説明で申し上げております。あとは手続とか、こまかい、関連した改正とか、そういうことであります。 それでは、昨日提出しました資料に関する問題は、粗末でございますが以上で終わりまして、きょう提出いたしましたものについて説明を申し上げます。 これは、改正法律案の附則に、今回の改正によって共済掛け金率が変更された組合等について、当分の間補助金を交付して農家負担の増高を防ぐという規定案が入っておりますが、それがどういう見当になるかという資料でございます。実際に改正後実施されますのは、三十九年産の水稲からでございますけれども、三十七年の被害率まで加えた資料に基づいて実行されるわけでありますが、現在そこまでできておりませんので、三十六年産までの被害率を基礎にして算定されたものであります。これは前の国会の際にも問題にされた点でありまして、その当時は農家単位のやり方での推計を出しておりますが、これは一筆収量建てに基づいた資料でございます。全国の四百六十数組合を抽出いたしまして、個別に具体的に計算したものでございます。 それではまず資料の説明をいたします。 「計算の前提とその方法 この組合等別の基準共済掛金率の算定は次に よったものである。一 この組合等別の基準共済掛金率の算定は全国の組合等の十分の一を任意抽出して、改正案による算定方式により試算したものである。二 この試算例の基礎年次は水稲二十二-三十六年(十五年間)、陸稲二十三-三十六年(十四年間)、麦二十三-三十六年(十四年間)であるが、制度改正により算定される掛金率には基礎年次として更に昭和三十七年産の被害率が追加算定されることになる。(昭和三十七年産水稲の被害率の全国平均は著しく低率であるのでこれを加えると基準共済掛金率は平均的には相当程度低下するものと見込まれる。) 三 各年次の基礎被害率につき平均値を算定する場合一筆面積建時代の被害率は一筆収量建の被害率に換算し、これに一のウエートを、一筆収量建時代の被害率に二のウエートを附して算定した。」その表は省略いたします。つまり、三十二年の改正以前の古い被害率は、ウエートとしては一しか持たせない、その後、最近の被害率に重きを置いて二のウエートを持たせた、そういう算定をしたわけであります。これは改正法律の施行の際にもこういう考えでやることになるのでございます。 「4(ア)基準共済掛金率(P)1 基準共済掛金率は、組合ごとに適用する共済掛金の基礎となる率で、組合等はこれを基礎とし、これを下らない範囲内で定款等で共済掛金率を定める。基準共済掛金率(P)は、通常共済掛金基準率(H)と異常共済掛金基準率(ら)とを合計して得た率である。(イ)農家負担掛金率(F) 農家負担掛金率(F)は基準共済掛金率に法第十二条第二項の規定による別表を適用して算出される国庫負担率を基準共済掛金率から差引いて得た率である。」この国庫負担率は今回の法律で、別表が長期累進方式で定められるわけでございます。 「5 改正案による試算とし現行の共済掛金率及び農家負担掛金率との差異が生ずる理由 (ア)現行の共済掛金率の基礎年次は水稲については昭和十六年-三十五年までの二十カ年間であるが、この改正案による試算は昭和二十二-三十六年までの十五年間をとっており、その基礎年次が相異すること。(イ)現行の組合等の基準共済掛金率は都道府県ごとの共済掛金標準率を危険階級別に配分して組合等ごとの基準共済掛金率を定めているが、改正案は組合等の過去の被害率を基礎として基準共済掛金率を算定することとしている等、その基準共済掛金率の算定方式が相異すること。」したがいまして、これは別にも申し上げましたように村の被害率が同じであれば同じ掛け金率が出てくるということになるわけであります。従来は県が違うと同じ被害率でも別な共済掛け金率になる、こういう矛盾があったのでございます。 「(ウ)現行の国庫負担共済掛金率は都道府県ごとに定める共済掛金標準率(通常、異常について二分の一、超異常全額)によってその負担割合が定められ、この負担割合を一律に都道府県内の各組合等の基準共済掛金率に適用しているが、改正案では組合等ごとの基準共済掛金率の高低に応じ最低を二分の一とする超過累進の方法により国庫負担することとしており、その負担方式が変更されたこと。」これも申し上げましたが、繰り返しますると、同じように今度の方式では村ごとに被害率が同じであれば掛け金率が同じように出てまいるわけでありまするが、ところが今度は掛け金率の算定だけではなくて国庫負担率につきましても、従来の方式でいきますと県ごとに国庫負担率をきめておったわけであります。したがって掛け金率がひとしくても県が違えば国庫負担率が違うという、ことばは適当でないかもしれませんが、おかしなことになっておったわけです。それも今回は改める、こういうことで共済掛け金率で被害率が高いほど国庫負担を順次累進的に大きくしていくというやり方に変えておるわけであります。それらの点で現行と試算とは違ってまいります。これは調査集計いたしました全部の組合の数字をあげておりまするが、県別に試算、現行ともに基準共済掛け金率と農家負担掛け金率を出しております。掛け金率は上がっても農家負担掛け金率は下がるところもあり、その逆のところもあり、いろいろさまざまでございます。全体の傾向といたしましては農家負担掛け金率が増加するところと低下するところはほぼ半々でございます。 一応、概略でございますが、資料の説明だけはこのくらいにさせていただきます。
○長谷川委員長 それでは午後一時三十分まで休憩をいたします。 午後零時二十五分休憩 ――――◇――――― 午後一時四十八分開議
○長谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 乳価問題に関して農林大臣より発言を求められておりますので、これを許します。農林大臣。
○重政国務大臣 かねて本委員会におきまして問題になっておりました乳価の復元問題につきまして、去る三月三十日に本委員会の理事会において御報告いたすことになっておったのでありますが、その際に理事会をお開きになりませんでしたので、当時懇談会の形式で一応御報告はいたしておったのでありますが、本日、本委員会に正式にその問題につきまして御報告を一応いたしておきたいと思うのであります。 乳価の復元問題につきましては、大手乳業メーカー代表と数回にわたり会談をいたしました結果、結論を得ましたので、これによって都道府県知事あて通達をするとともに、大手乳業メーカーはもちろん、中小メーカーにつきましてもこの趣旨でできる限り協力をするように要請をいたしました。 すなわち、その内容は、乳価が生乳一・八七五キログラム当たりおおむね一円引き下げられたところで、生乳取引所、加工用原料乳として取引されておるものにつきましては、三月一日にさかのぼりまして復元をいたし、四月一日以降はさらにこれに一円を加算をする、こういうことにいたしました。それから乳価の引き下げが行なわれた、ただいま申しました以外のもの、すなわち、主として市乳地帯のものでありますが、これにつきましては三月一日にさかのぼって生乳一・八七五キログラム当たり二円を復元するということにいたしたのであります。この措置によりまして、目下乳業者と生産者との間で復元が進められつつあるような情勢であります。
○長谷川委員長 この際、質疑の通告がありますので、順次これを許します。湯山勇君。
○湯山委員 ただいま大臣から御報告がございましたように、三月三十日に大臣はお約束どおりに理事会に御出席いただいたことを、私もここで明言して確認いたしたいと思います。ただ残念なことは、与党の場事の方がお見えにならなかったために、これが理事会開催に至らず、いま大臣のおっしゃったような結果になりましたことはたいへん遺憾なことだと、このように思っておりますが、大臣がこの点に関しては責任を果たしておられたことは、私もこの際質問にあたって最初に確認をいたしておきたいと思います。 続いて御報告の内容についてお尋ねいたしたいのでございますが、実はその懇談会のときには一方的に大臣の御報告を承り、質問については別な機会にということがそのときにも確認されておりましたので、内容等についていろいろお尋ねいたしたい点があるわけでございます。 その一つは、ただいまの御報告についてでございますけれども、どういう内容の交渉をなさって、大臣はどういうお立場で、どういう根拠に基づいて、どういう要請をされたか、それに対して大臣のいまの御報告では、大手代表と数回会談をした、こういう御表現でございますけれども、一体大手代表というのはどういう人たちとどういう会談をなさったか、その内容をもう少し詳しく、大臣のおっしゃったのはどういう点をおっしゃったのか、それに対して大手代表と称する人たちは、どういう人がどういうことを言った、言い分はどういうところであったか、こういうことをこの際承りたいと思います。と申しますのは、これはただ単に大臣の政治力によってそういう交渉をしていただきたいということではなくて、二月の七日にはいま大臣がおっしゃったように、当委員会も相当内容的にはきびしい決議がございます。それから政府としても大蔵省と御協議をなさいまして、事業団によって二十億程度の買い上げをやっておられる。さらにその前後畜産物価格審議会も開かれておるし、こういうことを見てまいりますと、ただ、いまおっしゃったように会談をした、それで結論を得た、その内容はこうだ、これだけでは私どもそのまま了承するわけにはまいりかねますので、そういう経緯をもう少し詳しく御説明いただきたいと思います。
○重政国務大臣 私が申しますことがあるいは記憶違いでありましたら畜産局長から訂正をしていただきますが、私の記憶にありますところでは、乳価の値下げの問題が起こりまして、これは夏場の天候不良というようなことから生乳の消費が減って生産のほうは予定どおり伸びたということによって生乳の供給が若干過剰であったということから起こったと思うのであります。そこで法の示すところによりまして、乳製品の買い上げを大蔵省と相談をいたしまして、約二十億前後の乳製品を買い上げる、こういうことにいたしたのでありまして、その際に乳業メーカーに対しましては、これだけの買い上げをやることについては、できるだけすみやかに値下げの腹元をするようにということの要請をいたしておったのであります。そういたしまして買い上げを始めまして、実はたしか二月中に終わるつもりであったかと思いましたが、それが御承知のとおりに三千以上もある倉庫なりあるいは工場なりにあるものを現物の受け渡しをするのでありますから、その確認をいたさせなければならないというようなことで、手続上若干おくれたのであります。私は督励をいたしまして、二月の終わりまでには進めたいと思っておったのでありますが、それがおくれて三月の中旬にまでなったと思うのです。そうしておそらく十八億数千万円の買い上げを完了いたしたと思うのであります。それによりまして、乳製品の値段が漸次その影響を受けまして若干強含みになってまいったのであります。まだ十分その買い上げの効果が反映をせられたとは考えられないのでありますが、強含みになってまいりましたので、そこでかねて要請をいたしておる乳価復元の問題を誠意をもってひとつ考えてもらいたいということを強く要請いたしたわけでありまして、その会談を数回やりましたが、私も相当復元をすべしということを強く迫ったわけでありますが、結局メーカー諸君、これはたしか、何か組合かなんかあるんじゃないかと思いますが、それの幹部の連中、具体的に申しますれば、明治乳業、雪印、それから森永というような会社の首脳部の諸君であります。これらがメーカーを代表して来られて、それと話をいたしたのであります。その結果、ただいま御報告をいたしましたような程度のことを承諾いたしたわけであります。そういう経過になっております。
○湯山委員 大臣のほうからは、いま大臣が御報告になったような御要請をなさったのかどうか。私ども委員会の気持としては、あの値下げは取り消しにしてもらいたいということが私どもの強い希望であったわけです。これは大臣もお聞きになったとおりで、そうすると、大臣がもしあの決議の内容をよく御理解していただいておったとすれば、十二月にさかのぼってそれはやらないようにするという御要請があってしかるべきだと思いますし、それからまたそうだとすれば、三月一日あるいは四月一日という時期が出てくるということも、これはまだ御説明いただいていないわけでありまして、大臣のほうとしては具体的にどういう御要請をいただいたのか、それに対して取り消しということは困難だということであれば、それはどういう理由をあげて、いまおっしゃった明治とか雪印、森永あるいは協同乳業、そういうところがそれに対して反論をしたのか、その辺をもう少し具体的に御説明いただきたいと存じます。
○重政国務大臣 もちろん当委員会における御決議も十分に私は尊重いたしまして、でき得る限り復元についての要請をいたしたわけであります。乳業メーカー側といたしましては、つまり私がいまなお記憶にありますことは、自分たちの必要な原料乳だけを買うことができるのであれば、御要請にはそれも大いにこたえることができると思いますが、現状はそうではございません、生産者のほうでつくられたものが多くあれば、要っても要らなくても買わなくてはならぬという立場にあるのであります、したがってそこのところは十分にひとつ御認識をいただかなければならぬ、というようなことを言っておりまして、なかなかこれも復元の問題は難航をいたしたのであります。でありますが、当委員会の御主張、政治的な情勢というものを彼らも考えて、そしてあの程度のところに、彼らから言えば、譲歩をいたしてきたわけであります。
○湯山委員 実は乳価問題について大手四社の協定というものが発表になっております。いま大臣の御答弁に関連したおもな点だけ申し上げてみますと、「1、三月十一日農林大臣より大手四社に対し乳価を復元してはどうかとの勧奨があった。2、乳価等の上げ下げは元来経済問題であるので基準価格を維持している限り農林大臣の勧奨によって左右されるものではない。3、今回の奨励金の一部削減に際しては、当初より市況が恢復次第、復元することを当方から申出ていたものである。」これは四社の協定として発表されておるのです。そうすると今の大臣のお話では、相当向こうには難色があった、いま言ったような難色があったけれども、とにかく大臣の御尽力やあるいは委員会の決議、そういうものがいれられて復元したんだ、こういうことでございますけれども、大手四社のこれについての発表は、いま読み上げましたような発表なので、これは双方の把握のしかたにずいぶん違いがあるんじゃないか、こう思うわけですが、それについてまず大臣の御所見を伺いたいと思うわけです。
○重政国務大臣 これはどういう意図でそういう発表があったか知りません、私はいま初めて承るのでありますが、とにかく少なくとも当初におきましては全面的に拒否をしたことは事実であります。向こうでも、私もはっきり記憶いたしませんが、乳価が一円上がると、十二億円違うとか十億円違うというようなことを言っておりました。そういうようなこともありまして、それはなかなか難色を示したのであります。そこで私も、当委員会の御意向もあることでありますから、相当強硬な交渉もいたしたのであります。それでそういう結論を得たことは間違いございません。ただ、ただいまの御報告で、よけいなことかもわかりませんが、私が当委員会においても常に述べておりましたとおり、法律的に申しますれば、当時の標準価格五十二円以下に下らないようにすることについては農林大臣としては責任があるわけでありますが、それ以上のものにつきましては、実は農林大臣としてはメーカー代表に勧奨をすると申しますか、そういう権限しか実はないのであります。ただ融資をどうとかこうとかという話もこの委員会においてもございましたが、しかしそういうようなことでこれがおさまるものでも解決すべきものでもないのでございまして、常に私が申しましたように、有権的にこれを強力にやろうという手を実は持っておらない、そこで強く要請をするということにならざるを得なかったのであります。彼らはそういうところを知ってあるいはそういうふうな発表をしたのではないかと思う次第であります。
○湯山委員 そのことについてなおお尋ねしたいのは、いま大臣の言われたのは、法律的なことについて根拠を持っているわけではない、ただ現在の段階においては強く要請という程度しかできないんだ、こういうことでありますけれども、具体的には何もしないで、ただお願いしますと言うのじゃなくて、政府としてはいまのように二十億に近い買い上げを現実にやっておられるわけです。それ以外に、たとえば政府は酪振法の二十五条によって立ち入り検査もできるわけでありますし、経営状態の調査なり在庫の調査、そういうものも権限においてできることになっております。これは何も遠慮なくやれることなので、現にそれだけ買い上げをやっておるし、それから今度の一方的な通告による値下げというものは決して当を得たものでないということも大臣もお認めになっておるところであって、決してこの権限を持っていないという性格のものではないと思います。 なお、これは局長にお尋ねしておきたいのですけれども、この乳価問題をめぐって各府県等で知事に対して酪農振興法二十条でしたか、それによるあっせんあるいは調停の申請も出ていたかと思います。そういうことについては、農林省のほうが御把握になれば、多くの府県にまたがるものについては、これは申請があればということになっておりますけれども、実質的にはこれだけ大きい問題になっておるし、国会での議決も行なわれておるし、大臣も乗り出していかれるということになれば、形式的にどらあるにもせよ、酪振法の二十五条ですかあるいは二十条に関連しておる大臣のそういう措置、こういうこともこれは全然無関係なものではないと思います。ですから大臣がいまおっしゃったように、ただ要請だけというのではなくて、いまの買い上げもやっておられるし、あるいは立ち入り検査その他の法的な裏づけもあるし、さらに府県からのいまのようなあっせんあるいは調停、そういう申請もそのバックにあるということでございますから、もう少し、ほんとうにあまり業者の言い分どおりにならないような、大臣としてのしっかりした腰の入った勧奨でもけっこうですけれども、単に会談というのではなくて、そういった意思を持ったものがあってしかるべきじゃないかと思うわけですけれども、もう一度この点御答弁いただきたいと思います。
○村田政府委員 酪農振興法の所定の規定に基づきまして、二、三の県におきましては知事のあっせんなりあるいは調停の申請の出ておりました県のありましたことは御指摘のとおり事実でございます。これらの県におきましては、法律の所定の規定に基づきまして、県当局におきまして各種の調査でありますとかあるいは関係者から事情を聴取する等、それぞれの手続を進めておりましたことは事実でございます。なお、その手続の進行中に、先ほど大臣から経過の御報告のありましたように、政治的な大臣の調停が行なわれたということで、ただいま現在におきましては、先般来の県知事に対しまする調停の申請あるいはあっせんの申請等が中央に上がってくるということはストップしておるような状況でございます。
○湯山委員 大臣、どうですか。
○重政国務大臣 私は私なりに当委員会の強い御要望、御主張等も十分に腹に入れまして、いまいろいろお述べになりましたようなこともございますので、法律的権限ということではございませんが、事実上のそういうようなものもございますから、そういうものを背景に強く要望、要請をいたしてああいう結果になった次第であります。
○湯山委員 そこで大臣に、その結果についての大臣自身どうお感じになっておるかを承りたいわけです。と申しますのは、実際には取り消しですから下げた時点にさかのぼってやってもらいたいということが、酪農民の希望でもあったし、またわれわれのお願いした点でもあったと思うわけです。それがいま御報告にあったような形で話し合いがついたということになれば、これじゃ満足しないだろう。あるいはまた二十億といえば、いまおっしゃった一円の値上げで何億になりますか、それの何倍かのお金を政府の方でお出しになっておるわけです。その二十億の買い上げをされた政府として、その責任者として、大臣もこれなら満足しなければならないというようにお感じになったかどうか。その結果についての御感想はいかがでございますか。これは大臣がいまどういうお気持でおられるかというのは、この結果に対する農民の判断の一つの大きな資料になると思いますので、それをお伺いいたしたいと思います。
○重政国務大臣 私は決して成功であったとは考えておりません。おりませんが、やむを得ない、こういうふうに考えておる次第であります。
○湯山委員 それで一応大臣のお気持ちはわかりました。 そこでいまのように、業者のほうは別に大臣に言われたから今度の復元措置をやったのではないということを言っておるくらい、二十億の買い上げの効果というものについて、政府のほうと業者とに相当食い違いがあったんじゃないかという感じが、今の御報告を聞いても私はいたします。その効果については、両者の意見が一致したわけでございますか。向こうは一向にありがたくなかったということなんで、一方的に政府のほうだけがやったんだということなのか、どうでございましたか。これも将来の問題もございますので、お伺いいたしたいと思います。
○重政国務大臣 率直に当時の話し合いの中にあったことで私の記憶しておることを申しますと、約二十億の乳製品の買い上げをやりましたことは、彼ら全然そんなものはやってもらわぬでもよかったんだとは言わないのです。でありますから、これはやはりある程度の乳製品の価格の下落をささえ総含みするのでありますから、彼らはありがたがっておるだろうと思うのです。しかし彼らの話では、普通にこれを政府が買い上げている場合とちょっと違うところは、これは三カ月でありましたか、六カ月でありましたか、新しい製品と取りかえることになっておるのです。そうしますと業者側からいうと何のことはない、ほんとは買ってもらったものではない。六カ月目にはそれを取りかえなければならぬ。しかも新品をもって取りかえると、古いものはそれだけのつまり格差ができる。これはメーカーのやはり損ということになるという点には、彼らは相当の不満があったように思われます。そういう当時の話のあった記憶は私は持っております。
○湯山委員 これは具体的な問題ですから局長にお尋ねいたしたいと思うのですが、そういうことを、つまり業者のほうは二十億の買い上げの効果というものを、政府が期待したほど評価していないということは、いま大臣の御答弁にあったところだと思います。もしそれが事実だとすれば、乳価対策としてああいう買い上げ措置をやったということは、思っただけの効果は出なかった、こう評価していいわけでございますか。
○村田政府委員 私は必ずしもさように思わないのでございます。と申しますのは、先ほども大臣の御報告の中にもございましたように、政府が二十億近い事業団買い上げを決意をいたします際の客観情勢といたしましては、生乳の生産はきわめて順調に予想以上に生産が行なわれている、そのわりには生乳のいわゆる市乳としての消費の伸びが停滞している、したがってどうしても乳製品のほうに向けられます、すなわち加工向けの乳量というものが増加するということで、乳製品の在庫なり滞荷なりが非常にふえたわけであります。そういう客観情勢のもとに、すでに指定乳製品のあるものにつきましては安定下位価格を割っているという事情が出てくる、あるいは割らないものにつきましても割ろうとしておる寸前のものが出てきておるという情勢でございました。したがって、このまま放置いたしますならば、おそらく十一月に値下げ通告をいたし、十二月からその効果を発生しようとしておりました値下げ通告がさらに第二次、第三次として起こらざるを得ないような情勢も見られたのであります。しかしこれはわれわれとしてはどうしても忍びがたいところでございまして、したがって事業団買い上げをやります際にも、値下げ通告を撤回させろということはもちろん要請をいたしましたけれども、少なくとも第二次、第三次と今後予想されまするそういう値下げにつきましては、絶対にこれはしてはならないという確約をとることにいたしたのであります。同時に、先ほど来大臣の御報告にありますように、事業団買い上げによりまして市況回復のきざしが出まして、市況についての一定の見通しがつきまするならば、すみやかに値下げを復元するということも約束を取りつけておったわけでございまして、したがいまして、いわゆる連鎖反応的に市況の悪化に伴う乳価の値下げということもその点では防止をされておりまするし、また事業団買い上げの終わりました三月末には、先ほど来御報告がありましたような復元措置もとられたものと、かように考えまするので、事業団買い上げが決してむだなものであったというふうには私どもは理解いたしておらないのであります。
○湯山委員 それで、いまのような御答弁だから私は非常に心配なので、それは大臣も御答弁の中で、これはことばじりではありませんが、いろいろメーカー側にも不満があるけれども、大臣としてはありがたがっていると思うと大臣の御判断の答弁がありました。局長もまた同じようにこれについては効果があったと思うということで、事実こちら側といいますか、政府の側はそう思っているけれども、向こうがどう思っているか、一体会談といいますか話し合いの中でどう評価したのか、これはちぐはぐのままじゃございませんでしょうか。業者は業者で大臣の言われたようには一向にありがたくないのだ、あとで古いものをつかませられて、自分は損になるという気持でいた。しかしまあとにかく当面の問題としては、大臣としては向こうも納得したのだから、ありがたく思っているのだからと言うし、局長もまた効果がなかったのだとは思わない、こういうことで、一方的な判断だけの御答弁しかいまのところはいただいていないわけです。そうじゃなくて、両方突き合わせて業者のほうもこれだけの効果があったと認めている、それからわれわれも期待しただけのことはあったと認めている、客観的な点ではどうであったか、これをひとつもう一度御説明をいただきたいと思います。
○村田政府委員 具体的に申し上げますると、事業団買い入れによりまして、乳製品の市況がまずどういうふうに推移をしたかということが当然取り上げられなければならない問題でございますが、昨年の九月以降から乳製品につきましては価格の下落傾向が出てまいっておりました。たとえば全脂加糖練乳の例で申しますと、中小メーカーの製品のごときは昨年の九月にすでに安定下位価格の三千九百円を割りまして、三千八百円という傾向を示しておったのでございます。これが十月、十一月、十二月とずっと一方的に下がり調子でございまして、十二月には三千六百五十円というふうな数字を示したのであります。同じく脱脂加糖練乳等につきましても、十二月には安定下位価格を中小メーカーものでは割っておるという状況でございました。安定下位価格三千四百円に対しまして、三千三百五十円という価格を示しておったのであります。それから脱脂粉乳につきましては、中小メーカーもので十二月には三千四百円という価格を示している。これは安定下位価格が三千三百円でございました。従って安定下位価格すれすれのところまできている、こういう実は当時の状況でございまして、これに対して事業団買い上げの決定を十二月末に発表いたしまして、自来一月から乳製品価格の回復傾向が相当あらわれてまいっております。一月、二月と、たとえば全脂加糖練乳で申し上げますならば三千六百五十円が四千円台に回復してまいる、脱脂加糖練乳は三千三百五十円のものが三千五百円台に回復してまいった、同じく脱脂粉乳は三千四百円台のものがこれまた三千五百円台に回復をしてまいったというふうに、やはり事業団買い上げの効果というものが乳製品の市況にも具体的に出ているということはいえるのではなかろうかと思います。ただこの際一言申し上げておきますと、この回復の度合いでございますけれども、一月、二月、三月、あるいは四月もそうでございますけれども、いわゆるのぼりの一本調子での回復ではなくして、一月、二月に一たん回復いたしましたものが横ばいでただいま推移しているような状況でございます。これは御参考までに補足をして御報告を申し上げます。
○湯山委員 このことに対しては大臣も満足していないということでございますししますから、ほかの問題に移りたいと思いますけれども、ただ非常に遺憾な点は、いまの局長の御答弁にしても、私どもにいま説明していただいたようなことを業者のほうにしっかり話してもらって、業者もなるほどそのとおりだ、この買い上げの効果は、では乳価について幾らの経済効果を発揮する、需給事情をどれだけ緩和できる、こういうところをわれわれに説明していただくのよりも、向こうにしっかり話してもらってこれを納得させれば、いま大臣のおっしゃったような事態はないと思います。あまりありがたく思わないとかいうようなこともないと思うのですが、私どもへの説明ではなくて、いまのような点はむしろ業者のほうにしっかり説明していただく、それが納得できないようであれば、当院の決議のとおり農林金融公庫の融資等についても考える、それぐらいはしていいのだと思うのです。ただいずれにしても今回のこの措置については大臣も御不満でしょうし、私どももはなはだ不満でございますし、農民のほうはわれわれよりもはるかに強い不満を持っておると思います。これは大臣もその気持ちはおわかりになると思いますので、今後においてもさらに御善処願いたいと思うわけです。現実にいまのような約束ができておりましてもいま大臣のおっしゃったような意味の復元ができていない、もとに返っていないところがぼつぼつございますが、これは局長も御存じと思いますけれども、そういうところがどれだけあるかお知らせ願いたいと思います。
○村田政府委員 復元に関します大臣と乳業メーカーとの話し合いがつきまして以後、乳業メーカーはそれぞれ各地で復元についての交渉を生産者団体といたしております。ただいままでに私どものところに各県から報告がございましたものをそのままこれはまとめたものでございますけれども、完全に妥結を見た県が十八県、一部妥結して一部がまだ残っているのが七県、合計二十五県は妥結の方向に向かっておるわけであります。それからまだ全く妥結に至っていない県が十三県ございます。 以上でございます。
○湯山委員 これは私は非常に問題だと思います。せっかく大臣もああいうふうに御発表になるし、それから局長も通達か何かお出しになってこうだと、それから大手メーカーは大臣のおっしゃったようにみんなこれで了承したということになっておって、それの実施期日が最終的には四月一日であったはずです。それがいま五月半ばになっていまだに十三県はそのままになっておる。それから半ば妥結した県が七つ、完全に終わったのは十八しかない。半分くらいしかいまのような解決を見ていない。これは一体どうしてそうなんですか、はなはだ私ども心外でございますし、それに対する農民の不満もまた大きいと思いますので、どうしてそうなのか、どうするおつもりなのか承りたいと思います。
○村田政府委員 ただいま申し上げましたように、十三県につきましてはまだ妥結をみておりませんけれども、これらの県につきましてももちろん乳業メーカー側と生産者の間で交渉が続けられておりますことは事実でございます。したがいまして、われわれといたしましてはおそらくこれらの県につきましても早晩は妥結に至るところが逐次出てまいるだろう、もとよりいろいろむずかしい地帯のあることは私どももよく承知をいたしております。したがって完全な姿で全部の県が妥結に至るかどうかは私どももただいまの段階ではまだはっきり申し上げかねますけれども、いずれにいたしましても、ただいまそれぞれ生産者の側とメーカーの側とで折衝いたしておりますので、いずれ早晩解決に向かうものと、かように考えております。
○湯山委員 メーカーの代表、しかも大手のメーカーの代表はいま大臣の言われたような形で了承しておったわけですね。だれがそのブレーキを途中でかけたわけですか。はなはだ私ども了解に苦しむので、政府の側は最高責任者である大臣がわざわざ行かれて、あるいはお会いになっていまのような話し合いをされた。そしてその内容はそれぞれ各府県へも通達されております。ですからあちらのほうの代表も責任のある代表が出てきて話し合いをした。それから大臣も、そういう意味で不満だけれども、まずいまの段階ではこれというのでなさったそれが今日になってまだ約束が守られない。こういうのは大臣の責任においても解決しなければならない問題じゃないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
○重政国務大臣 ただいま私が御報告を申し上げましたことは、向こうは了承をしておるわけです。そして書きものも私のほうへ提出をせられておるものでありまするから、私はいま湯山さんのお話を聞きましてどういうものであろうかと実は思っておったわけです。これは必ず実行させます。あの私が報告いたしました線ではこれを実行をするように、さらにもし実行をしておらぬというようなことでありますならば、それはさらに私のほうから話をいたします。
○湯山委員 大臣、いま私が申し上げたのは、私から申し上げたのではありません。局長が、これだけの県はこう、これだけの県はこうというように――私はただこういう事実があるということだけは申しましたけれども、具体的な県の数等については、局長のほうから御答弁いただいた数字です。ですから、いまおっしゃったように、もしそういうことがあればでなくて、現実にそういうことがあることは間違いございません、局長の御答弁ですから。そうすると、大臣とそれだけはっきりした約束をしておきながら今日まで履行していないということについて、大臣はただ何とかやらさにゃいかぬというだけでなくて――これは明らかに大臣に対する相手側の不信行為じゃないですか。そういうことである。私は大臣としてはもっと強硬なあるいは強い態度でお臨みいただかなければ、また会談されて御要請になる、勧奨される、それではまた同じようなことが繰り返される心配もあると思います。そこで、これはもう事実ですから、もしそういうことがあったらでなくて、事実あるわけですから、ひとつもう一度大臣からその点御答弁いただきたいと思います。
○重政国務大臣 私は、いま畜産局長が報告をいたしましたのはこういうふうに了解をいたしておるのです。十三県のまだ妥結しておらぬというのは、目下交渉中であると考えております。その交渉中であるというのが、私と話し合いをいたしていま御報告をいたしました線でやらないというために、その地方で十三県が交渉妥結をしておらぬとは、私は実はいま聞かなかったのです。あるいは別のいろいろな問題があって――これは取引のことでありますから、私はいろいろの地方の事情があるんだろうと思うのです。そういうことによって、その妥結に至らない原因が、先ほど報告をいたしましたことに違反するために妥結をしないのか、あるいはその他の理由があるのかということは私はわからないと思うのであります。私はおそらく御報告をいたしました線に沿ってはやっておるものであろうといままで信じておったわけであります。でありますから、そういう点はもっとひとつよく調べまして、そして一応私と話し合いをいたしてそういう御報告したようなことにしようということになっておるのでありますから、よもやそれに違反するとは私は考えませんから、もしもそれに違反しておる事実がありますならば、私はその履行を迫ることにいたしたいと考えております。
○湯山委員 それは大臣といまの文書を取りかわされたその文書の解釈がまちまちになっているというようなことはございませんか。もしそうだとすれば、その文書をひとつ資料としてお見せいただきたいと思うのです。と申しますのは、私どもの委員の中にも当該県の方もおりまして、それは大臣がこう言われているんだからそういうことはないはずだと言うのですけれども、残念ながら、きょうは口頭でお聞きしましたけれども、そういう具体的な証拠になるものをお互いに持っていないものですから、そこでいまのような問題についても、ただ政府何しておるのだろうかというようなことで、農民の不信を招くばかりということになっておりますから、これはひとつ後刻資料として御提出願いたいと思います。
○村田政府委員 ただいまの御指摘の点でございまするけれども、メーカーの側で、あるいは何かわれわれとの話し合いの内容を曲げて生産者と接触しているということがあるかないか、これは私どももあるいはもっと調査をする必要があるかもしれませんけれども、先ほど大臣からの御報告にもありましたように、一応大臣がメーカーとの間で取りまとめられました趣旨にのっとって交渉が進められておると私どもは理解をしております。その一例を申しますと、ただ先ほども申しましたように、地方によりまして、あるいはメーカーなりそれぞれの地方の特殊な事情によりまして、若干交渉のまとまることがおくれている県もあるようでございます。具体的にある県のごときは、同じ大手メーカーでありながら、Aのメーカーはまとまったけれども、Bのメーカーはまだ交渉を続けておるというふうな県もございまするので、おそらくはそういう何かの特殊の事情でまとまることが若干おくれている。しかしあくまで交渉は私どもとの話し合いの線で進められておると、かように私どもは理解をいたしておったのであります。
○湯山委員 私がいまの局長の御答弁や大臣の御答弁を承りまして、これはほんとうに酪農民が腹を立てるのは無理はないと思うのです。と申しますのは、値下げのときには一方的通告でやっておるのです。これは大臣御存じでしょう。それでそういうことは交渉によってやったらどうかということを言いましたけれども、業者の代表はそういうことはやったことがないんだ。一方的にやって、どこが悪いか。生産の調整なんかえさを一握り倹約すればできるじゃないか、こういうのが当委員会での答弁だったわけです。下げるときには、一方的にそういう形で何の相談もなくやってしまって、そういう指令権を持っている大手の業者が、今度は復元することになると、大臣がせっかくおいでになって御報告いただいた三月三十日、それからもう一カ月半たって、まだ話し合いがつかないというのは、一体どういうことなんですか。これは私どもに言わせれば、ひょっとしたら、これは農林省はわれわれ酪農民の味方じゃなくて、業者の味方じゃないか、こういうことになるんじゃないでしょうか。上げるときは渋って、下げるときは一方的通告でやる、これは不公平じゃないでしょうか。
○重政国務大臣 それは湯山さんにも似合わない酷評であると私は思うのであります。この値段をきめるのを政府がその仲介といいますか、政府が相手になってきめるのであれば、それはいろいろの御批判もあるでありましょう。しかし政府は標準価格をきめておいて、それから上はこの生産者とメーカーとの取引によってきめておられるのであります。でありますから、あるときにおいてはメーカー側は、原料が少ないときにおいては生産者側は、甲のメーカーなり乙のメーカー、丙のメーカー、どのメーカーでも高い方へそれを持っていこう、そして高く買わそう、これは私は経済の取引としては、当然のことであると思うのです。しかしながら今度生乳が余り、原料が余ってくれば、メーカーの方では、これはまた経済の原則に従って安くしようというのも、これは私はまた無理からぬところがあると思う。しかし私といたしましては、それでは困る。それでは困るから、できるだけ下げないように、現状維持ができるようにいたしたい、こういうので、せっかく当委員会での御意向もありますことであり、また私の考えもありまして、できるだけの努力をいたしたわけでありまして、決して私がメーカーにひいきをして、酪農民をそでにするというようなことはこれは断じてございません。
○湯山委員 大臣しっかりそれくらい腹を立てるくらいな元気でやってもらわなければ、困りますのは、メーカーのほうは一方的に相談なくて下げている。今度引き上げることになると、引き上げの背景は生産者と業者の対々じゃありません。大臣というのがちゃんと入って、今おっしゃったような約束まで取りかわしておる、こういうものをやるのを一カ月半も引き延ばす。大臣と業者の折衝が一カ月かかろうと、これは半年かかろうと、それを私は言っておるのじゃありません。そうじゃなくて話がちゃんとついたことの履行がこんなに延ばされている。この問題なんです。下げるときには何の相談もなく一方的にやってしまう。その下げることは支持して、大臣がもしいまのような形なら支持して、今度は復元するという約束の履行がおくれておっても、それは何か事情があるのだろう、話し合い中だ、これでは農民が泣くのじゃないかということを申し上げたわけなんです。
○重政国務大臣 ただいまの湯山さんのおことばでありますと、それはさきにすでに申し上げましたとおりに、何かほかに理由があるのではないかと私は思ったわけです。いまお聞きしましてよもやあの私との約束に違反をメーカーがするようなことはあるまい、こう私は信じております。でありますから、そこらの点は十分調査をいたしまして必ず実行せしめるべく強硬に話をいたします。十分その事情を調べます。それからなお一点これはよけいなことかもしれませんが、御承知のとおりにそういうような交渉は延引をいたしておりましても、原料の受け渡しはおそらく私はずっとやっておることであろうと思うのであります。でありますから、この場合は普通の取引で売った買ったというのでなしに、原料を持っていけば受け取るということでずっとやってきておるのでありますから、普通の取引のように一日を争ってこれが成立しなければ、妥結をしなければどうも乳が腐るというような現象ではないのでありますから、むろんすみやかに、この私の御報告いたしました線に従ってすみやかに妥結することを希望いたしましたが、いかなる理由によっておくれておるか、十分さらに調査しまして、必ず実行せしめるつもりでおりますが、現実の問題としてはこれが十日や一週間どっちにころんだからといって、実際の受け渡しの問題には支障がないのではないかと私は思っております。
○足鹿委員 局長にも大臣にも一つだけ関連して伺っておきますが、大臣談話とあなた方がとられた措置というものは違うのですよ。先ほどから湯山さんが言っておられるように……。この四社間の協定を読んでみましても、これはあなた方は黙認をしておるのだと思うが、「奨励金の変動は取引条件の重大な変更であるから一ケ月前の予告が必要と思うが、生産者側が一ケ月前の予告を必要としないことを確認すること」とあるのですよ。最後に、「これはあくまで夏期奨励金であり、九月三十日迄であること」、これは大臣あっせんとは違うのじゃないですか。こういうことが大手四社の間で協定をされており、それをあなたたちは知らないはずはないですね。知っておられるでしょう。知らぬというのですか。
○重政国務大臣 それは全然知らないです。そういう協定があるということは……。いまあなたが読まれた協定、そんな協定があるはずはないと私は思うが。
○足鹿委員 冗談じゃないですよ、知らない……。局長はこれを知らないのですか。大手四社の協定を知らぬというのですか。
○村田政府委員 ただいま御朗読のありましたような協定については畜産局は何ら御相談もメーカーから受けておりませんし、また私どももそういうことがちらほらとうわさにはのぼっておりますことは承知しておりますが、断じてさようなものは私どもは了承しておりません。またメーカーからも相談を受けておりません。承知いたしておりません。
○足鹿委員 それはこういう前文がついておるのですよ。「大手四社間の協定乳価問題について1、三月十一日農林大臣より大手四社に対し乳価を復元してはどうかとの勧奨があった。2、乳価等の上げ下げは元来経済問題であるので基準価格を維持している限り農林大臣の勧奨によって左右されるものではない。」以下云々とあるのですよ。そしてずっとこれが6まで続いて、5の場合には「以上のような諸事情から需要期には地区を考慮して一円乃至二円の奨励金を追加した方がよいという結論に達した。」と述べ、6において「即ち左記を確認することの条件で一・八七五キログラム当り一円乃至二円の奨励金を追加することを三月一日から実施する。」こういっておるのですよ。ちゃんと書いてあるんですよ。そうして最後には、われわれが去年から問題にし、当委員会で非常な熱意をもって論議したことを全く無視、じゅうりんしたように、生産者側に予告を必要としないことを確認する、そしてこのたびの復元はあくまでも九月三十日までの夏期奨励金といっておるではありませんか。こういうことを知らぬでは通りませんよ。あなた方はこれを知らぬなどと言って当委員会を切り抜けるということはひきょうですよ。ちゃんと調べてこれに対するところの手はどう打った、こうならこうだと正直におっしゃい。秘密会なら秘密会を要求し、あるいは別の機会を得て正直に言ったほうがよろしい。そういうことでこの委員会を通ろうなどということは農民に対してもすみませんし、われわれ委員を愚弄するものです。
○重政国務大臣 知らないものは知らない。メーカーが何をやっておるか、そんなことを一つ一つ調べていく筋のものではない。私がここで報告したことが事実である。これはほんとうのことなんです。いまあなたの読まれたことは私知らない。それを知らぬのは何だかんだというのはちょっと無理な話じゃないですか。こういうことがいわれておるが、ひとつ農林大臣調べてみたらどうか、こう言われるなら話はわかる。知らぬのはけしからぬとは何です。
○村田政府委員 足鹿先生におことばを返すようで恐縮でございますが、私どもはそういう事実があること、メーカーがそういうことを相談しているという事実は何ら承知いたしておりません。メーカーからもそういう相談を受けておりません。いま先生は、あくまでもそういうことが事実あるように御指摘でございますが、そういう事実は全然あるはずがない。私どもは農林大臣が中心になられて、メーカーといろいろ復元問題について協議をいたしました際も、メーカー側からそういう要望のあったことはございません。したがって、われわれがそういうことについての言質を与えた事実も全然ございません。
○足鹿委員 では大臣、伺いますが、こういう事実の有無ということは、いまあなたは知らぬとおっしゃるし、局長も存ぜぬの一点ばりですが、もしあったといたしますならば、どうしますか。
○重政国務大臣 それはよく調べまして、そういう一方的に通告してどうとかこうとかというようなことを私が了承するわけにはまいりません。これは経済取引の原則に従って普通にやることでありまして、一々そういうことについてまで私がかれこれ平素からやっていくというわけのものではあるまいと思うのです。しかし、そういうことをやっておるというのでありますれば、本委員会でたまたまその話が出たことでありますから、よくひとつ承知をいたしまして、事実を調べて、そしてそういう不当なことは不当なことで私からよく注意をいたします。
○湯山委員 いまの問題は、大臣や局長の言われたような問題じゃございません。いまの四社協定の結びはこうなっておるのですよ。いま足鹿委員から言われたこと、私が最初申し上げたこととあわせて、「以上の処置は三月十一日大手四辻に対する農林大臣の勧奨に対しての措置であり他のメーカーを何等拘束するものではない。」これがいまの文書の最後です。ですから明らかに大臣の勧奨に対する措置はこれだ。だから話し合いだけじゃなくて、一体どういう措置をとったかということは農林省としてはわかっておらなければならないはずです。ただ承知いたしましたというだけでなくて、一体業者がどういう措置をとったか、これは当然大臣の責任、局長の責任においてお調べ願わなければならないことです。向こうでは、大臣の勧奨に対しての措置であり他のメーカーを拘束するものではないとはっきり書いてあるのですから、ほっておけない問題です。そういうつもりでひとつ対処願いたいと思います。
○重政国務大臣 私のほうもただ話のしっぱなしではございません。書きものにしてちゃんと署名をとってあるものが私のほうにあるのであります。私のところにはそれだけであります。ただいま御報告をいたしたとおりであります。
○湯山委員 一方では出ておるのですから、いまの資料要求をしたいと思いますが、ひとつ委員長から政府のほうに要望願いたいと思います。
○長谷川委員長 それでは大臣とあとでよく相談してみて、発表できるものであったならば発表願い、資料として写しを提出していただきましょう。
○湯山委員 それではもう時間もございませんから、あと数点を簡単にお尋ねしたいと思います。 一つは、この問題が起こったときに大臣にお尋ねした場合に大臣は、いまそういうことを申し上げるのはおかしいですが、それは基本価格を下げたのではなくて奨励金をのけたのだからたいした問題ではない、こういう御答弁をなさったことがございます。その後それはそうではないということで、いまのような大臣の御尽力をいただいたわけですが、結局いまの乳価の内容が非常に複雑だ。当時申し上げたように、業者の買い入れる基本乳価というものがありますし、それから奨励金がある。あるいは飼料の調整費、あるいは集約酪農の協力費、いろいろな名前のものが乳価の要素になっております。これを整理しないと、いまのようにかってに動かしたりすることがあって困るから、基本乳価一本に統一していただきたいということをお願いもしておりましたが、その努力はしていただきたいと思うし、こういう紛争のあった機会に両方が便利なように、いろんな奨励金だとか、調整費だとか、協力費だとか、そういう政府の考えておられる乳価の内容をなすものは乳価一本という方法をとっていただきたいと思うのですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○村田政府委員 この点につきましては、かねて湯山先生から何回も御指摘いただいております。その際にもお答えを申しておるのでありますが、原料乳の取引において、いわゆる基本乳価のほかに、ただいま御指摘のありました奨励金、その他各種の名目の金銭が支払われておりますけれども、私どもこれにつきましては各原に通達も出しておりまして、そういう名目のいかんにかかわらず供給される原料乳の量及び脂肪分に応じて、生産者が取得する対価について実質的に判断して乳価というものを判断するようにという通達で指示もいたしておるわけであります。したがって、いろいろな各種の名目で乳価をごまかすということはまずあり得ない、かように判断をいたしております。ただ御承知のように牛乳の取引がいろいろな名目で取引価格が行なわれますことは、取引の繁雑はもとより、えてしてその取引に明朗性を欠いてまいりまするし、できるだけ取引価格は簡明なものがよろしい、かように私ども判断をいたしておりまして、これらにつきましては機会あるごとにそういう方向に私どもも指導をしてまいりたいと思い、またそのつもりで機会あるごとに関係担当県、担当官等に対しましても指導いたしておるようなわけであります。
○湯山委員 いまの問題は、担当県よりもむしろやはり大手の乳業メーカーと御相談願うほうが早道だと思うのです。そうしないと、県だけじゃとてもどうにもならない。現にある県の例をあげてみますと、基本乳価というのは五十円六十二銭五厘です。奨励金が九円三十七銭五厘、それから飼料調整費というのは九十三銭七厘、こんな数がついておるのです。それから集団酪農で集約酪農協力費というのが一円十二銭三厘、こんなんですよ。これで計算せいといったって容易なことじゃありません。ですから、これもこんなでたらめなことにしないように、もう一本でいく、安定基準価格で考えられる乳価というものの内容を一つにする、それ以外につけ加える分は別としても、これはやっていただかなければ、いつまでたったっていまのような問題は別な形で尾を引いてくると思います。大臣も御尽力願いたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○重政国務大臣 これは湯山さんがおっしゃることも私わからぬではないのです。わからぬではないのでありますが、工場のあるところ、酪農経営をやっておるところとかいろいろなところがあり、またメーカーのほうの工場が近くにあるところもあれば、ないところもあったり、いろいろなことが私はあるんじゃないかと思うのです。そこで、全国一律に乳価はこうだというわけにも私はいかぬのじゃないかと思うのです。それからまた、いまどこの例か知りませんけれども、あまりにもこまかく刻んでいけば、ほんとうにわけがわからぬようなことになる。そこで、どの辺で整理をさすのがいいか。これは思うに、私は、いろいろその沿革があって、その原料を自分の工場によけい引きたいというようなことで奨励金をつけたりいろいろなことがあるんじゃないかと思いますが、十分ひとつ研究いたします。研究いたしまして、できるだけ御趣意に沿うことができるように何とかひとつ研究をいたすことにいたします。
○湯山委員 次にお尋ねいたしたいのは調整工場の問題でございます。この問題にからんで調整工場をどうするかというお尋ねをしたときに、局長の御答弁に若干あいまいな点がございました。大臣にお尋ねしたところ、大臣はやりますと非常に明確に御答弁になられたのですが、現段階で調整工場の設立についての計画なり作業はどういう程度まで進んでおるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○重政国務大臣 予算的には御承知のとおり三カ所か四カ所ということになっております。具体的に計画を立てて、近くわれわれの畜産局のほうへ上がって計画が具体化してくるものもあるようでございますが、これはできるだけ早く実現をいたしたいと考えております。
○湯山委員 いま一つ、乳製品消費推進協議会というものをつくられましたね。これは生産者代表も入れて強力に運動を進めていくというこについては、足鹿委員をはじめその他の委員からも要望がございましたが、これはどうなっておるのでしょうか。
○村田政府委員 当委員会におきましてもその御指摘がございまして、そのあと直ちに生産者代表の方も御参画を願って、消費促進の運動に御参画をいただいておるわけでございます。
○湯山委員 これで質問を終わりたいと思いますけれども、きょう大臣からいろいろお聞かせいただいて私どもも結論的に言えば非常に遺憾だと思います。それは努力の有無ではなくて、結果的に言って非常に遺憾であったと思うのですけれども、しかし構造改善の中心になっておるこれがこういう状態ではたいへんなことだと思いますし、それから外国の乳製品があんなに安く入ってくる、原料の価格はそんなに違っていない。これについて御研究願うようにお願いもしておきましたけれども、どこか抜けておるところがあると思います。いまの政府の酪農対策には非常に大きな抜けておるものがあると思います。それはもっとゆっくりお尋ねしながら明らかにしてまいりたいと思いますので、きょうはこれで終わることにいたします。
○長谷川委員長 芳賀君。
○芳賀委員 農林大臣にお尋ねいたします。ただいま同僚の湯山委員から乳価問題について質疑が行なわれましたが、去年の十二月からすでに半年たっておるけれども、この問題がすっきりした解決ができないということは非常に遺憾な点です問題が根本的解決できがたい大きな理由としては、三月の末に農林大臣が畜安法に基づく畜産物価格審議会の答申に基づいて乳価並びに畜肉の価格決定をして告示されたわけですが、その告示の内容は、たとえば生乳価格についても、肉豚の価格についても不当に安過ぎた。こういうことが大きな原因をなして今日においても乳価問題等は明確な解決の方向を示さないというふうに私は判断するわけですが、大臣としてはどう考えておりますか。
○重政国務大臣 私は実はそう考えておらないのであります。芳賀さん御承知のとおり、審議会の御答申を参酌いたして私はああいうふうに決定をいたしたわけでございます。不当に肉の値段あるいは生乳の価格、乳製品の価格がきめられておるとは私は考えておらないわけであります。
○芳賀委員 それは乳価に対する三月三十日の農林大臣の談話の中にも示されておりますが、特に価格問題については畜産物価格審議会の中においても、これは牛乳についても蓄肉についても意見が二様に分かれておりますね。これは大臣談話に示されております二様の内容というものはいまさらいうまでもありませんが、その一つは従来の政府の価格を支持するという考えです。非科学的に非合理的に安ければいい、現状維持がいいという意見が生乳については一升当たり五十二円の現状維持を支持している意見、それから少なくともこれを合理的に一定の根拠によって計算した場合、たとえば農林省の生産者方式あるいは米価と同様の生産費所得補償方式、これらに基づいて算定をすべきである、そういう根拠の上に立った場合の意見というものは、牛乳については一升七十七円以上、あるいは肉豚については枝肉一キロ、これが二百九十円以上、こういう意見が出されておるわけです。ですからこの二様の意見なるものを、農林大臣の公正な立場から、たとえばここ一年間の物価の動向であるとか、賃金の事情であるとか、あるいは畜産農家の所得の動向であるとか、そういうものを公正な立場から判断した場合は、あながちその現状維持の低い意見だけを採用することが慎重を期して価格をきめたということにはならぬと思うのです。そこに大きな誤りがあると思うのですね。たとえば、大臣も審議会の審議の経過等はあるいはその場において、あるいはその後に承知されたと思いますが、たとえば牛乳については、この農林省の統計調査部における生産費調査の中から、その出産費の中からいわゆる労働費、自家労賃等を主体とした労働費を除外した場合においても牛乳一升についてはこれは五十七円生産費がかかる、酪肉についてはこれは二百八十円、労働費を除いて経費がかかる、こういうことが明らかになっておるわけです。ですからこれと今度の告示価格を比較した場合、牛乳の場合には去年よりも一円上げの五十三円、これでは労働費をゼロにした生産費よりも一升について四円まだ価格が低いということになる。それから肉豚については、これは労働費除外で二百八十円です。今度の告示は二百六十円ですから、これはやはり自家労働の費用というものをゼロにしてもまだマイナス二十円、こういう結果が具体的にあらわれておるわけです。だからこの一事をもってしても、先般の大臣告示というものは不当に安過ぎる、非現実的である。これにいわゆるメーカー側が便乗して、そうしてこの四月以降の乳価の問題あるいは三月からの復元の問題等について、こういう不当なきめ方を悪用して、これに乗じて生産者に対して不当な価格を押しつけようとしておる、これが現状だと思うわけです。これは否定の余地がないと思うのですが、いかがですか。農林大臣に聞いているのです。
○重政国務大臣 私は不当に安くきめたとは考えておらないし、たとえば生乳について申しましても、原料乳について申しましても、一方にはそれを原料にしてつくった製品の価格は据え置け、したがってまたその原料乳も据え置け、こういう御答申がある、一方におきましては、製品の価格は据え置け、そうして原料乳の価格は七十七円にしろ、こういう御答申があるわけです。でありますから、これらを勘案いたしまして、先ほども御承知のとおりに原料乳は五十二円のものを一円上げて五十三円、こういうことに告示をいたしたわけでありますから、必ずしもただいま芳賀さんの申されるようなことにはならぬと私は考えております。
○芳賀委員 いや、それが大臣の間違いなんですよ。いいですか。乳製品の安定上位価格、下位価格あるいは畜肉の安定上位価格を据え置くという考え方は、これは政府の意図なんですよ。われわれは昨年の審議会においても、少なくとも乳製品の安定価格をきめる場合は適正な原料乳の価格というものを、基準価格というものをまずきめて、その適正にきめられた原料乳価格というものを基礎にして積み上げ方式で乳製品の価格というものは決定すべきである、こういう意見を去年から出しているでしょう。それを政府のほうがもたもたして去年も採用しなかった、ことしもいろいろ資料は出したけれども、まだこれは採用に至るまでには内容不十分である、もう少し先に延ばしてもらいたいというのが、これはあなたの考えじゃありませんか。政府が何ら準備をしておらない、あるいはメーカー側も積み上げ方式はうまくない、乳製品については現在価格を基礎にしてきめてもらいたい、そういう意見が支配的であった関係もあって、われわれとすれば無理に乳製品だけを先に上げるなんという必要はありませんから、そういうことであれば今回はやむを得ないだろうという考え方で、乳製品並びに畜肉の上位価格については、国民経済的な立場からも上げることは好ましくない、こういう内容なんですよ。それをあなたが答申が据え置きだから原料乳だけ上げるわけにいかぬなんというのは全く逆ですよ。あなたが乳価を上げたくないから乳製品をまず据え置きということを打ち出して、そして全く根拠のない政府の乳価案というものをつくったのでしょう。間違っているのですよ、あなたの答弁は。もう少し正直に原料乳をあくまで低くしたいから不明確な乳製品の価格据え置きという線を出した、こういうことを言われたほうがいいのじゃないですか。
○重政国務大臣 初めから政府が答申をしていただく案をきめて審議会を開いたわけではないのですから……。これは御承知のとおりなんです。私のほうからそういう意図をもって審議会にそういう御答申をしてくださいとは私は申しておりませんから、私の意図だと言われるのは少し言い過ぎじゃないかと思うのですが、事実はいまのような御答申を得ましたので、製品は据え置き、そして五十二円を一円上げて、つまり五十三円にいたしたのであります。 なお、詳細の数字的なことその他につきましては、畜産局長がおりますから畜産局長から答弁をさせたいと思います。
○芳賀委員 それでは委員長から時間の限定がありますから先に進みますが、今回の農林大臣の三月三十日の談話を基礎にして四月十一日に全国の関係都道府県知事に局長通達を出しておりますね。この内容は、これは私たちも資料として持っておりますからわかるが、その内容の一つは、従来の一方的に値下げされた乳価に対しては三月一日にさかのぼって一円の復元を行なう、これは全く不当じゃないですか。三月七日の当委員会において、大臣は出席されておらなかったけれども、津島農林政務次官は政府を代表して、十二月に一方的に値下げされた乳価については十二月までさかのぼるということはなかなかできがたいが、三月一日からもとの価格に復元することにきまりましたということを答弁しているのですよ、これは。首を振ったってだめですよ。国会の速記録にちゃんと載っているのですからね。あとでそういうことが間違いだったというならかまわぬが、とにかくそういう答弁が当委員会に正式になされておる。そのときの思想は、とにかく十二月までさかのぼることはできないけれども、値下げされた全額というものを三月一日に復活させます、こういう思想であったのが、今度は一円だけの分については復活をする、これは復元にならぬじゃないですか。それが一つですね。おそらく一円というのは原料乳についてという意味だと思うのですよ。それよりかその次はそれ以外の生乳についてはおおむね二円の復活を三月一日にさかのぼって行なうべきである、これはおそらくわれわれの理解としては原料乳以外の飲用乳をさして二円と言ったものと思うわけなんです。そしてさらに政府告示の発表等もあって四月一日からの原料乳については一升について一円の加算を行なう、こういう内容ですね。だから、これを見ると原料乳については三月一日にさかのぼって一円の引き上げ――これは復元じゃないですね。それから四月一日からは告示の改定に基づいて一円の引き上げ、ですからこれは十二月の引き下げよりも二円だけ戻ったということになるわけですが、しかしその場合、十二月に一円だけの引き下げを行なわれたという地域は、三月一日から一円復活したということになればもとの金額にはなるが、しかし二円とか五円引き下げになったところは一体これはどうなるんです。原料乳についても一升について三円とか五円の一方的引き下げが行なわれた地域もあるでしょう。飲用乳についてはやはり三円とか五円の大幅な引き下げが行なわれておる。復元、復元といっても、金額の面において何を一体考えておるのですか。上原料乳についてはただの一円ですね。飲用乳については三月一日から二円、そういうことになると、完全に復活できがたい残りの不足分というものに対しては、一体どういうことを考えて、これはメーカー側と大臣が話をされて方針をきめたのか、この点が明らかにされていないわけです。その点を詳しく述べてもらいたいと思います。
○重政国務大臣 津島政務次官が言われたのは、そういうことを希望して言われたんだろうと思うのです、これは想像でありますが。私もそれは希望を先ほど来申し上げたとおりに強くいたしのでありますが、強く要請いたしましたその経緯につきましては、先ほど来申し述べたとおりでありまして、その結論もまた御報告したとおりでありますから、その点はひとつ御了承をいただきたいと思うのであります。 それからいまの内容についてのお話がございましたが、全部の復元をすることができなかったので、はなはだそれは遺憾でございますが、これはまあ微力にしてやむを得なかったことでありますから、御了承願いたいと思います。それで簡単なことばで申しますれば、主として原料乳を生産されておられる地方、原料乳生産地帯におかれては、三月一日から一円を復元し、四月一日からさらに一円を加える、それからいわゆる市乳地帯における原料乳の値段は、これは三月一日から二円を復元する、こういう趣旨でございます。そういうふうに御了承を願いたいと思うのであります。この結果に対しての御不満のことはよく承知をいたしております。私も必ずしもこれで満足しておるものではございませんが、いきさつがいろいろ湯山さんの御質問に対してお述べをいたしましたとおりのいきさつになっておりますので、ひとつ御了察を願いたいと思うのであります。
○芳賀委員 大臣、もう少し元気のいい声で答弁をしたらどうですか。あんまり都合の悪いことはぼそぼそ言って、一体このぐらいのことが大臣談話とか畜産局長通牒で麗々しく生産者乳価の復元についてなんて宣伝されておるが、これは復元じゃないでしょう。これは満足するとかしないとかという問題じゃないのですよ。とにかく一升について三円とか五円大幅な一方的な値下げをされて、その間政府としては、約二十億に近い製品買い上げ等も、希望どおり全部売りたいというものは買ってやってしまった。それで最後にはろくな価格の復活もしないということでは、これは農林大臣の政治的責任としても重大な問題じゃないですか。こんなものはメーカーと話してきまったということにならぬですよ。むしろあなたが介入しない方が、生産者とメーカー側が話し合いをして、もう少し妥当な解決ができたと私は思うのですが、あなたが行政的に介入したことによって、これがプラスになったと思うかマイナスになったと思うか、一体いかがですか。
○重政国務大臣 それはどうも私はプラスになったかマイナスになったかわかりませんが、当委員会の強い御要望、御主張もございまして、農林大臣があっせんすべきであるというような御意見もありましたので私はやったのでありまして、これは法律的に申しますれば、しばしば申しますとおりに、標準価格を割らないようにいたす責任はございます。それから上のところは、法律上の農林大臣の責任というて責められても、これはちょっと御無理じゃないか。経済の原則に従って買い手と売り手との取引でありますから、それがうまくいかないからといって、全部私の責任にぶっかけられても、これはちょっと、ああさようでございますかというわけにはまいりません。ただしかし農林大臣といたしましては、いままで行なわれておったその取引の価格が下がるということは、できるだけこれは防がなければならぬ。そこで、私は私なりにメーカー側と交渉をいたし、強く要望をしてああいう結果になった次第でありますから、その辺のところは御了承願いたいと思います。
○芳賀委員 国会の意思は、この程度の処理をしてもらいたいということじゃないわけです。たとえば復元か復活が十二月にさかのぼることができない場合は、あるいは二月一日とか最悪の場合でも三月一日、それは値下げの全額をもとへ戻さなければならぬということで、諸般の行政措置というものが講ぜられて、さらに四月一日からは、法律では原料乳価だけになっておりますけれども、とにかく生乳の価格が、去年よりもその基礎価格というものが全面的に一円の値上げが行なわれたということに当然これはなるわけですからね。だからそれが値下げのしっぱなしで、四月一日からも完全回復の見通しが立たないということになれば、大臣が介入されたということがむしろ生産者側から見れば、生産者の価格を抑制する役割を果たしたということにしかならぬと思う。メーカー側はやはりこれはプラスになったと思っておるが、生産者側はあなたの介入というものがプラスになったとは全然思わないと思う。そこに行政の立場にある者が一体メーカー側に加担するのか生産者側に加担してこういうきめ方をしたのかという批判が生まれると思うのですよ。だからこういうことをきめなければよかったのじゃないですか。この原料乳以外は二円復活しろということは、それ以上は復活しなくてもいいということにこれは通ずるわけですからね。こういう談話を発表して、局長から全国の知事に通達が出た場合は、メーカー側はそれ以上進んで復活するなんということはしないと思うのです。この程度でいいということをあなたが行政的に指導したようなことになるわけですね。それでは効果が全くないじゃないですか。この点は十分に反省される余地があるし、この四月以降の乳価対策等についても、こういう大きなあやまちというものを是正して、どうしたならばこれは前向きになるかということに対しての所見を明らかにしてもらいたいと思います。
○重政国務大臣 メーカー側は二円を復元しようということは御承知のとおり言っておらなかったのであります。それを少なくとも二円は復元をするということの約束を取りつけたわけです。それから上は復元をしてならぬとは言っておらないのです。これは経済の原則に従って売り手と買い手、生産者とメーカーとのこれは取引の問題になると私は思うのでありまして、そういうふうに御了解を願いたいと思います。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、この一円あるいは二円というのは、いわゆる取引上から見た基準乳価についてこれだけ上げなさいという、そういう内容なんでしょうね。
○村田政府委員 事務的に私からお答えをさせていただきます。 今回の復元措置につきましては、従来引き下げました価格につきまして三月一日にさかのぼって一円、あるいは四月一日からさらに加算する一円ということは、基本価格としてとかあるいは奨励金としてとかいうことについては何ら触れておりません。実質的に農家の手取りがそれだけ加算されるようにということで、あとの具体的な末端での取りきめは当事者間にまかしてあるということになっております。
○芳賀委員 大臣にお尋ねしますが、どうして明確にしないのですか。基本乳価とか奨励金とかこれはいろいろあるですからね。奨励金部分というのはこれは固定したものでないでしょう。たとえばこれは夏場の奨励金であるということになれば、夏場の時期だけに限って、その時期が過ぎればこれは取り消してもかまわぬというような性格を持っているものだということで、これはメーカー側が常に強調しているところなんですよ。だからこれから一年間の、たとえば制度の上に立った乳価の安定というものを考えた場合の原料乳の一円引き上げとか飲用乳の二円引き上げということになれば、当然価格の中における基本的な部分について、これだけはどうしても上げなさいということではないんですか。
○重政国務大臣 これは芳賀さん御承知のとおりに、十一月か十二月に乳価の引き下げが行なわれた。あるいはこれは一円下げたところもあれば二円下げたところもあるように聞いておりますが、その下げた値段を基準にしておるわけでありまして、それが基本乳価であったか奨励金であったか、そこのところは私はわからないのです。私の理解をいたしておりますのは、農家の手取りをあれで下げた、その下げた値段に三月一日から一円をもとに返せ、四月一日からはさらに一円を加算しろ、こういうふうに理解をいたしております。
○芳賀委員 その点は農林大臣の以前の説明と違うですよ。あなたが以前この乳価の値下げに言及された場合は、たとえば一升について地域によって三円とか五円の値下げというものは、これは必ずしも基本乳価に食い込んだ値下げではない。奨励金の部分から、季節的な奨励金の中から三円あるいは五円の引き下げを行なったのであって、この基本乳価については、たとえば畜産物安定法から見た場合においても、それが原料乳の場合には一升五十二円を割るような引き下げを行なった場合においては政府として十分干渉することができるけれども、基本乳価ではなくて奨励金部分の一部の引き下げであるからして、これは政府として強力に権限をもって干渉することはできませんということをあなたはいままで言ってきたんじゃありませんか。いまの御答弁はそうじゃないではないですか。そういうことは何も言っておらぬ、中身は何であろうとも一円ないし二円の引き上げを行なえと言ったんだということは、これは全く根本的に見解が相違していると思う。固定的な経常的な乳価の基本をなす部分についての安定度を高めるということが、制度上からいっても行政上からいってもやはり一番大事な点だと思うのです。だから今回の微小な一円あるいは二円の復活という場合においても、当然この基本的な価格あるいは契約の内容等から見れば、いわゆる基本乳価、この面について当然これは復活すべきであるということでいくべきだと思うのですからして、この点はやはりここで明らかにしてもらわぬといかないと思うのです。
○重政国務大臣 これは個々の契約によって基本価格が幾らになっており、奨励金がどうなっておるかということは私どもではわからないのです。私は個々の契約によっていろいろ違うだろうと思う。私がただいま御指摘になりましたようなことを申しましたのは、五十二円、標準価格、これを言うたわけです。この五十二円を割るようなことがあれば、有権的に私としてはこれを維持する処置を講じなければならない、また講ずる権限もある、こういうことを申したのでありまして、ただいまの三月一日から一円の復元というのは、個々の契約によって定めておるところの基本価格がみな契約によって違うのだろうと思いますから、その違う基本価格をつかまえて言っておるのではないのです。農家の手取りを言うておるのです。値下げによって農家の手取りが減った。その農家の手取りより三月一日以降は一升について一円をふやせ、四月一日からはさらにもう一円加算しろ、こういうことを言っておるのです。
○芳賀委員 だからこの点が大事なんです。いいですか。先ほどの四大メーカーの協定書の内容、大臣の指導による大臣とメーカー側の話し合いによるその協定の内容ですね。内容にそごがあるようですが、そのメーカー側の解釈なるものは、これはあくまでも奨励金部分である。したがって九月一ぱいをもってこれを打ち切るのだというメーカー側の解釈です。そうなると四月一日からあるいは九月一ぱいは季節的な乳価ですね、夏場奨励金やなんかが加算されたことによってそれは若干の値上げはされたような形になるとしても、それでは九月末の時限でまた再び一方的な乳価の引き下げが行なわれた場合、これは一体どうなるのですか。
○重政国務大臣 そういう約束はいたしておりませんことは先ほど来明らかにいたしております。もしもそういう事実が現実に起こるような場合がありといたしまするならば、その場合に私どもは考える、これはいろいろの情勢の変化によってそういうことが起こる場合においては善処をいたしたい、こう考えております。そういうことは私どもは了承いたしておりません。こういうことは先ほども申し上げたとおりであります。
○芳賀委員 そうすればあなたのおっしゃるのは、たとえば原料乳については、これは四月一日から最低五十四円ということになるという意味ですか。五十五円ですか。
○村田政府委員 御質問の御趣旨がよくわからないのですが……。
○芳賀委員 わからないのに出てきてもしようがない。
○村田政府委員 それで伺いたいと思ってまいったのでありますが、ひとつ教えていただきたいのです。――いま問題になりますのは、現時点におきましては、原料乳の安定基準価格は五十三円でございます。これは御承知のとおりでございます。それといまお話のございました五十四円あるいは五円、どういう関係でそういうふうにおっしゃいましたのかひとつ教えていただきたい、それによってお答えいたします。
○芳賀委員 それでは、いいですか。三月一日にさかのぼって一円上げるということは、これはたとえば地域によっていろいろ違うが、北海道とかあるいは東北の数県は、十二月の値下げ前までは一升が五十四円でしょう。ですから全国の最低原料乳価格というものは、大幅値下げまでは五十四円であったという現実の理解が成り立つわけです。それが少ないところは一円、北海道等については一円の値下げが行なわれてそれが五十三円になってきておるわけです。三月一日に一円復活したということは、五十四円に戻ったということでしょう。四月一日から今度は告示の改定によって一円を加算するということは、これは五十五円になったということなんですからね。ですから原料乳については少なくとも全国の最低乳価というものは、これは五十五円である。こういうことになるのですよ。これならわかるでしょう。――ちょっと待ちなさい。わからないで答弁したってしょうがないじゃないですか。だからいま大臣に答弁されたのは、少なくとも三十八年度の――法律によればいわゆる畜産年度というのは四月一日から始まって翌年の三月一ぱいまでが畜産年度ということになるわけですね。だから大臣のいわゆる談話の内容というものは、これは途中で多く改めるのはかまわないが、少なく改めることが絶対させませんということを、あなたはいまみえを切ったわけだから、少なくとも一年間は原料乳については、三月一円、四月から一円、二円復活した線で、これはずっと最悪の場合でも進んでいく。それから飲用乳については三月から二円復活した分については、最悪の場合でもこれを切るような値下げというものは来年の三月一ぱい行なわれない、こういうことをあなたは言われたのでしょう。そうじゃないですか。大臣、あなたたいした力説したじゃないですか。
○村田政府委員 復元措置の期限についてただいま御指摘があるようでございますが、先ほど来メーカーはそれを九月三十日までだ、十月からは機械的にまた値下げ前に戻るのだとかいう御指摘もありましたけれども、期限につきましては何らそういう約束には私ども応じておりません。逆に言いますと、期限は明確になっておりません。あたかも将来にわたる問題でございますから、将来の生乳の需給事情に即してそれはきめられるべき問題でございまするので、大臣が復元措置をとられました三月の時点において、昭和何年何月何日以降はどうなるということは明確にきめられるべき筋合いのものではない、かような意味で契約しておりません。
○芳賀委員 しかしそういう無責任なことで、大臣談話とか畜産局長通達を出していいのですか。これを受け取った全国の都道府県知事はどういうふうにこれを理解して行政的に消化するわけですか。少なくとも政府が行なう行政的な措置の根拠というものは、畜産物価格安定法というものが主体をなしているわけでしょう。その場合の価格の一期間というものは、これはやはり四月に始まって翌年三月に終わるというのが通常の解釈ではないですか。特に原料乳の場合には、これはもう議論の余地がないでしょう。農林大臣が告示した原料乳の安定基準価格が五十三円ということは、これは来年の三月一ぱいまで大きな経済変動がない場合、その価格で支持するということでしょう。それを考えた場合、この大臣談話とか畜産局長通達というものは、当然一年間、四月から翌年三月までは途中変更がない場合その線でいく。少なくとも価格面については大きく復元と宣伝する内容というものは、メーカーの言うような季節的な夏場奨励金というようなものではない。少なくとも一年間持続できるやはり基礎的な価格の面について一円あるいは二円の復活が行なわれた、そういうことで解釈するのがこれは妥当じゃないですか。そういう信念的な解明ができない、そんなことでどうして農林大臣談話だとか局長通牒なんというものを出すのですか。いつまで続くかわかりませんなんということになれば、これはメーカーまかせじゃないですか。そういうことを言うから、四大メーカーがかってに独禁法違反と思われる四大メーカー協定書なんというものをおくめんもなく天下に公表しているじゃないですか。こんなものはもうあなたがさっそく取り上げて、独禁法違反か何かでこれを公取委に厳重に処理させる問題ですよ。それを、知りませんとか関知しませんぐらいで済む問題ではありません。だから、わずかではあるけれども、一円とか二円の復活というものは、これは基礎的な価格の面においては、少なくとも一年間は続くものである。最悪な事態がきても、これは政府の責任において、行政責任においてこれをくずすようなことはしません、こういうことで当然いくべきであると思うわけですが、ぜひこれは大臣から明らかにしていただきたい。
○重政国務大臣 これは問題は乳価をきめる問題ではないのであります。値下げを復元する問題でありますから、それで値下げをそういうふうに復元をはかったのでありまして、それが一年続くか二年続くか、そういうところまで詰めての話では事実はなかったんです。とにかく復元の問題がありますから、復元の問題として扱ったのであります。それに期限をきめて、あるいは十月はどう、六月はどうというようなことは何ら触れておりません。
○芳賀委員 委員長の御注意がありましたので、ここで一応保留しますが、あなたの考えはどうなんですか。あなたが談話を発表されたときの気持ですね。あるいは局長に全国の知事あての通達を出させたときの気持ですね。いわゆる自分の考え、自分の判断というものは、いつまでこれでいきたいという考えであったか、それもわからぬですか。
○重政国務大臣 私としては、できるだけもう値下げということが起こらないでいくことを希望いたしております。
○芳賀委員 だからそれは畜産物価格安定法を基礎にして考えれば、これは一年ということになるのですよ。二年も三年もこんな安い値段で押えられてはたいへんですからね。なるたけ短いほうがいいが、短いことを理由にして、また奨励金だからといってはずされてはたいへんだから、最悪の場合でも来年の三月一ぱいまではこの上げた分についてはくずすようなことはしない、させない、こういう考えでこの一円あるいは二円の復活をしたいというふうにわれわれは解釈しておったのですが、そうでないとこれはあなた重大問題ですよ。
○重政国務大臣 この問題は、畜産物価格安定法の問題ではないのです。畜産物価格安定法の問題はもう芳賀さんが専門家で詳しいのだから……。この問題はそういう問題じゃないのです。この問題は実際の取引の問題なんです。実際の取引の問題に、当委員会の熱心な御主張もあって、私があっせんをした問題であります。
○芳賀委員 これでもう終わります。あなた法律に関係ないなんて言ったって、この原料乳が法律に関係あるでしょう。いいですか。原料乳というものは法律に関係あるじゃないですか。原料乳の安定基準価格というものを畜産物価格審議会の議を経て、われわれは全く了承できない価格ではあるけれども、とにかく昨年は一升について五十二円であったのを今年四月から五十三円に改めたでしょう。豚肉については、枝肉一キロが二百五十円であったのを二百六十円に改めたでしょう。これは一年間続く価格ですよ。いいですか。これをあなた関係ないなんといったらとんでもないことになるのですよ。だから少なくとも原料乳の面については直接関係がある。これはあなたが何も言わぬでも、一円の値上げというものは当然なことになるわけです。それでは飲用乳は関係がないかというと、これも乳には変わりはない、牛から出るのですから。左の乳ぶさから出たのは加工原料乳で右の乳ぶさから出たのは飲用乳だというわけにはいかないから、生乳であるということには変わりないでしょう。一番不利益な価格を受けておるところの原料乳についても一円の改定が行なわれたということは、これは生乳全体についても少なくとも一円の改定というものが行なわれておるという、こういう原則というものは制度の上で明らかになっておるわけです。重政さん、このくらいのことがわからぬければつとまりませんよ。これは委員長からここで打ち切れという指示がありますから、保留して後刻また続けますけれども……。
○重政国務大臣 保留は委員長があれでしょうが、いまのお話しの点は、御承知のとおりに豚肉について申せば上位価格をきめる、そうして下位の価格をきめて告示をするのが法律で命じてあるのです。実際の取引はその間でやれ、こういうことなんです。原料乳につきましてはその標準価格をきめて、下位の価格はきめて上位の価格はきめない。だからこの下位の価格を維持しろということをきめておるだけであって、今の復元の問題は下位の価格の上の問題なんです。だからそれをどういうふうにするというようなことを、行政的に措置を私にやれと言われても、これは行政権限としてはそこまでは法律的に言えば及ばないということを私は申し上げておる。それで私が、当委員会の熱心な御要望もあるから、それをくんであっせんをしたというのがあれです。
○長谷川委員長 次会は明十六日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会をいたします。 午後三時五十二分散会