農林水産委員会 第18号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/13
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 狩猟法の一部を改正する法律案を議題といたします。 昨日の決定に従い、参考人の方より意見を聴取することにいたします。 御出席の参考人は、全日本狩猟倶楽部会長赤尾好夫君、日本自然保護協会理事長田村剛君、全国銃砲火薬商工連合会理事長千葉謙介君、以上三名であります。 参考人各位には、御多用中のところ、悪天候にもかかわらず当委員会に御出席下さいまして、まことにありがとうございました。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただくようお願いを申し上げます。 議事の順序は、まず参考人各位より御意見を御開陳願い、しかる後委員諸君から参考人に質疑をしていただくことにいたしたいと存じます。 なお、はなはだ勝手でございますが、参考人の御意見は御一人大体十分税度にまとめていただくようお願いを申し上げます。 まず赤尾好夫君からお願いをいたします。
○赤尾参考人 全日本狩猟倶楽部会長の赤尾でございます。よろしくお願いいたします。 今度の狩猟法が改正されることにつきましては、狩猟鳥獣が極端に減少しておりまして、このままですと日本の狩猟が壊滅してしまうではないかと懸念されるような重大な転機に立っております。私ども全日本狩猟倶楽部は、狩猟の向上、狩猟道徳の徹底ということを目標に掲げている倶楽部でありますので、その倶楽部の精神からいいましても、狩猟が長くわれらの子孫にまで楽しめるようにできるだけ狩猟道徳が向上し、そしてよい狩猟政策が行なわれるということを念じておりますので、この狩猟法の改正案につきましては、全面的と言うと少し言い過ぎかもしれませんが、おおむね賛成でございます。どうかこの狩猟法がうまく実施されて、そして永遠の狩猟の繁栄が招来されることを期待しております。 希望を申し上げますと、従来日本の狩猟というものは、狩猟道徳というものがやや徹底しなかったために、とかく違反行為が行なわれたりしてきたのでありますから、この運営ができるだけ的確にいくようにありたいものだと思っております。そのためには結局運営の方法、結果的には人間の選び方ということになるわけですが、ということや、あるいは団体のあり方、保護団体あるいは狩猟団体等の緊密な連携による運営が必要ではないかと思います。そういう運営の方法には十分に考慮を払いたいものであります。 若干希望を申し上げますと、今回の方法によりまして、狩猟できる人は、成年以上ということになっておりますが、銃砲を持てる者は、これは十八才以上の者は所持できるということになっております。十八才の所持できる人が狩猟できないということになると、非常に違反行為を犯す原因になりはせぬかということを危惧されるのでございます。これは監督官庁の相違によるためにこういうことになったのでしょうが、できましたら、やはり所持できる者は撃つことができるというようにありたいと思っております。 それから今度の改正では各府県別に許可を出すことになっておるようでありますが、非常に多くを占めておるところの都会地の狩猟家は、都会地では狩猟できないので地方に行きますので、そういうような許可を受ける場合の方法というものができるだけスムーズにいくように配慮が望ましいと思います。 この二つの点において何か運営上の妙があったら望ましい、こんなふうに感じております。 結論的に申し上げますと、この狩猟法が、ただ単にとるということでなしに、保護政策を加味したということに対しては、私たちは全面的に賛成するものでございます。どうぞよろしく。
○長谷川委員長 次に田村参考人からお願いいたします。
○田村参考人 私は日本自然保護協会の理事長を勤めております田村剛でございます。なお私は日本鳥類保護連盟の理事も勤めております。かねて狩猟法の改正については関心を持っておったものでございます。実はこちらへ参考人としてお呼び出しを下さいましたのは昨晩のことでありまして、急なことで十分準備ができておりませんですが、平素考えておりました問題でもございますし、忌憚のない意見を申し述べさせていただきたいと思います。 私ども長年東京に住まっておりますが、鳥類の減少は年々著しくなって参りまして、私どもの日常生活の潤いを大へんそいでおると思います。この鳥獣漸減の傾向は世界的でございます。国際自然保護連合、これは私どもの団体も加盟いたしておりますが、その方画からもしきりにわが国における鳥獣の保護繁殖について勧告等をいたして参るのでございます。 近年、日本の景観、風景にあこがれまして、外国から相当多数の観光客が参りますが、日本の風景は美しい、しかしさびしいことには動植物の生彩を欠いておるという非難がございます。これはなるほど欧米に比べて非常に目立った現象だと思います。この動植物を含めました生物の社会はそれぞれつり合いをとって生存してきておるのでございまして、人類もまたこれに関係しまして、不離不即の関係を持って生活しておるわけでございます。そのある部分がそこなわれますと全体にいろいろな影響を及ぼします。たとえば鳥類の減少は、てきめんに農作物の収穫に影響をいたします。また病虫害を防ごうとしまして農薬を発明いたしますれば、これまた生物にいろいろな、意図する反対の方向に害を及ぼすというようなことで、自然の調和を破るということにつきましては非常に慎重を要すると思うのでございます。日本の狩猟の問題、これは諸外国とも大体同じ方向をとって参りましたが、しかし天然資源の略奪的な利用というものは、これはひとり野生動物ばかりでなく、たとえば水産資源についても同様でございまして、もはや天然に繁殖するものを利用するというだけでは事足りなくなりまして、魚も養殖しなければ満足に食えない。近海漁業が衰えて参ります。資源が枯渇して参りました。それ以上に鳥獣の枯渇というものは大きいと思われるのでございます。これにつきましては、今回のこの改正の御意図はまことに方向としましてはけっこうだと思います。しかし今や鳥獣は人為によってこれを繁殖させなければならない時代に入っておると思います。これに主力を置いて法律の改正をお願いしたいと思うのであります。それにつきましは、まず繁殖をはかると同時にこれを捕獲する面においても相当考慮を払わなければならない。まず私はこの改正案につきましては、理想としまして、今直ちに実現は困難かもしれませんが、猟区を設定しまして、この猟区以外はすべて禁猟にするというのが到達すべき目標であると考えております。私どもは狩猟は健全なスポーツの一種と考えております。しかしながら、これはちょうどゴルフ場と同じようなものでございまして、ゴルフを楽しむ者はゴルフ場の中に限られる。狩猟は、今日狩猟者というものが全国で二十二万少々と承っておりますが、決して全人口からいえば多い方じゃございません。その少数の人の行為によりまして一億国民が楽しまるべきもとになります鳥獣が減少するということは、非常に考えなければならぬ。また至るところで銃砲をぶっ放すということになりまして、たまたま人命にも危害を与える、安心して郊外その他山野を歩くことができないというようなことになっては大へんでございます。従って、そんな危険な行為は一定の範囲に限定して行なわれるべきものであると考えるのであります。結局猟場を猟区を設定するということは最も緊急を要するのではないかと思います。 以下この狩猟法の改正につきまして申し上げることは、その理想に到達する一つの段階であって、決してこれでこの法律が完全なものになるとは毛頭私は考えていないのでございます。 それで以上のような前提のもとに今回の案について二、三所見を申し上げたいと思いまするが、まずこの過渡期におきましては動植物の保護区をできるだけ拡大強化することであろうと思います。法律にもそれは十分その意思はうかがわれるのでございます。しかしここに数字をもって申し上げますれば、全国で今禁猟区と鳥獣保護区で八十七万ヘクタールばかりございます。そしてこれを試みに外国に比べますと、アメリカ合衆国では、これに該当する鳥獣保護区が七百万ヘクタールございます。そのほかに国立公園、これが全面的に鳥獣保護区になっております。また林野庁では原始林保護区というものが五百五十万ヘクタール、国立公園九百万ヘクタール、これらを合わせますと、二千百五十万ヘクタールというものが、政府の設定しておる鳥獣の保護区域の面積でございます。政府だけのものでございます。日本ではすべてをあげて、やっと八十七万ヘクタールしかございません。従いまして面積的にも非常に不足を感ずる次第でございます。 なお鳥獣保護につきましては、気候、地形その他非常に複雑な日本におきましては、北は北海道から南は九州に至る間、山に海にいろいろな地形に応じてそれぞれの種類がきまってくるわけでございまして、あらゆるタイプの鳥獣の生活場所を選定しまして、そして計画的に国土計画等にこれを織り込んで、鳥獣保護の区域を設定せられることを望みたいのでございます。この点わが国の現在の法律には非常に不備な点がございます。総合国土開発はございましても、国土の保全、保護に関する考慮が非常に欠けております。これは非常に遺憾だと思います。この機会に鳥獣保護の制度の上からも、この自然保護に徹するような一つの手段としてお考えを願いたいと思います。 もちろん有害鳥獣の駆除、これは当然行なわなければなりません。しかしながらこれを無制限に——猟区の限定は今日はされておりませんけれども、狩猟を行なう方法につきましても問題があるのではないかと思います。かすみ網は禁止せられておりますけれども、実際これをやっております。私はそれを承知いたしております。そして百貨店などにこれに類するものを販売しておる。これはまことにけしからぬ話であろうと思います。それから空気銃の問題もなかなかやかましいようでございますが、空気銃そのものの精度が非常に高まって参りまして、一般銃器と選ぶところがないというような性能のものになっておるようでございますから、これは区別する必要がない。従って丙種の免許というものは不要である。のみならず、空気銃による人家、人畜に対する被害は相当なものがございますので、この取り締まりを厳重にいたしたい、こんなこともございます。 さらに重大な問題は、わが国の鳥獣保護行政が非常に貧弱であるということでございます。たとえば、これもアメリカその他欧米の国々についても同様と思いますが、アメリカでは魚類とそれから野生動物に関する行政で一つの局がつくられております。これは山林局と分かれまして独立した一つの局がつくられておる。少なくもわが国には林野庁の中に独立した一つの課をつくるべき程度の事務があろうと思います。従って中央行政機構を拡充強化するということ、同時に地方に管理員を置くようになっておりますが、これは管理官にしまして、十分な権力を与えませんと、このむずかしい問題に対処するには不十分であると考えるのでございます。 以上、断片的でございますが、この法律改正について不十分ながら大へんけっこうな方向に向かっておりますが、それについても、なお今申し上げました諸点について御考慮をわずらわしたいと思うのでございます。 なお、最後に一言関連しまして申し上げますることは、わが国の国立公園及び国定公園は世界的にも非常に好評を博しております。その総面積が五百六十五ヘクタールございます。この自然公園の中で鉄砲を撃つ。公園の中で鉄砲を撃つということは、ちょっと考えられないことでございます。第一、自然公園は自然を保護するための場でございます。その中で鉄砲を撃っておるということになりますと、これは諸外国人にとりましては一つの驚異で、もの笑いの種になると思います。どうか今後鳥獣保護の区域を拡大せられるのであれば、まずもってこの自然公園の全部とは申しません、少なくも半分くらいは安全な鳥獣の安息場として、またわれわれが鳥獣に親しみ得る場所にしてこれを御活用願ったらいかがか、こういうことを申し上げたい。なお、この自然公園は、府県で管理経営するもの等を加えまして、将来国土計画上国土の一割を占めるようになると思います。それがわれわれの目標でございます。現にイギリスは国立公園だけで国土の一割を自然公園にしております。西ドイツは一割四分五厘を自然公園にするということでございます。これは計画でございます。どうか、日本にこの制度がございまするので、鳥獣保護の制度をこれと重ねて、双方とも利便が多いことと思いますから、この点も御考慮に入れていただきたいと思います。 以上でございます。(拍手)
○長谷川委員長 次に千葉参考人よりお願いをいたします。
○千葉参考人 ただいま紹介いただきました千葉謙介でございます。私は全国銃砲火薬商工連合会の理事長をやっております。と同時に、空気銃あるいはそういうものを使いますところの射撃、日本ライフル射撃協会の常任理事もいたしておりまして、空気銃の資料、あるいは空気銃の使い方ということについては相当自分でも知っておるつもりでおります。また過去これに対して四十年ぐらい携わっておりますので、自分の幼少のときからこれをやっておる関係で、これについてはよく知っていると思います。そういう点から見まして、今度の狩猟法の改正は、基本的な考え方に対しては、われわれ業者もユーザーも、あげてこれに賛成いたしております。なお、これについ目的税というものを創設されて、狩猟行政にその費用を多く持っていくということについても、これは大賛成であります。お手元に農林省の資料がございますけれども、外国では狩猟者が納める税金の七七%から一〇〇%をその行政に使っておるというのでありますが、日本では今まで大体一五%くらいしか狩猟者の納める税金が狩猟行政に還元されてなかったという実情でございまして、狩猟行政の貧困というのはそこから生まれてきているのではないかということが考えられるのであります。 なお、鳥をとるということは魚をつるということと同じでありまして、これをとって売るよりも、これを楽しみにしているということは、人類の長い歴史でこれを示しております。ですから、狩猟も魚つりもこれは健全なるレクリエーションと言うことができるわけであります。そして、日本の鳥獣が減ったということは確かにそうでありますし、世界全般にわたるところの鳥獣の減少ということも、今田村さんがおっしゃった通りであります。人間の文化が進むに従って野生鳥獣その他が減少するということは、やむを得ない現象だと思います。たとえばマンモスを今まで温存しておったところでも、世界じゅうでマンモスを養うだけの食料を与えることができない、そういうような状況で、人類の発達に伴う自然の野生物の減少ということは、どうしてもやむを得ないことじゃないかということが一つに考えられるのであります。また、この法律を施行するにあたって、今、案のありますところによりますと、この野生鳥獣の保護その他については、狩猟家の相当な犠牲というものが払われている。あるいは税金の面において、あるいは手続の面において、非常な犠牲を要求されているのであるます。こうして見ましても、一応とにかく保護して狩猟というものを長く楽しもうということについては、その狩猟用具をつくる業者としてもこれは大賛成であります。 しかしながら、これを逐条見ていきますと、多少そこに問題があるのではないかということを考えざるを得ないのであります。 まず第六条の項でございますけれども、狩猟を許可される者の年令が、未成年者とされて二十才の線で切られております。かつては銃器の所持は十四才であります。それ以前はこれについては全然規制がなかったのでありますけれども、昭和三十三年に銃砲刀剣類の取り締まり法ができまして、所持が十四才ということになりまして、使うのは、空気銃は十八才で使え、火薬銃は二十才以上ということになっておりましたので、この間のギャップがあったことにいろいろ問題が起こっているのであります。現在空気銃が非常に悪くいわれている原因というものは、今までは、持つことは十四才で、使っていいというのが昭和三十三年から無理やりにこれを二十才に引き上げられてしまったために、その間の者がどこで使うのか。射撃をしろといいましても、全国に公認されている射撃場が、現在三十カ所ぐらいございますけれども、その当時は三カ所か四カ所しかなかった。これでは、持ってよくて使ってはいかぬということになるので、勢い違法行為になりがちであったわけであります。現在鳥類に対しては、いわゆる鳥獣の保護関係の方は、これは国民全般の所有物であるというようなこともいわれておりますが、法律の中を見ましても、大体無主物であるというように扱っているように考えられるのであります。たとえば第三条にありますように欄、柵、囲障の中にある鳥に対しては、銃器を使わなければとってもいいということは、すなわちこれは無主物であるということを証明しているのではなかろうかと思われるのであります。こうして参りますと持てて使えないということにやはり一番原因がございますので、今回、先国会で銃砲刀剣類等所持取締法で十八才に引き上げられましたので、少なくとも空気銃だけは、丙種だけは二十才を十八才にして、関連法との統一をはかっていただきたいということをぜひお願いしたいと思います。 その次にわれわれ業者といたしましては、日本の空気銃というものはだんだんよくなりまして、世界に向かって今輸出の方に向かっているのでありますけれども、これに対して内需の確保がないと、どうしても輸出ということに回りますん。通産当局の指示を受けておるのでありますけれども、それで中小企業業種別振興臨時措置法の中の指定業種になっておりますが、幾らつくってもただ輸出だけにこれを依存することはできません。内需の確保ということは、使うお客様方によってできるのでございますが、これは狩猟法で縛られてしまう。しかも今度は、今までもそうでありますが、二十才で火薬銃と空気銃が一つの線に並んでおる。今度は所持が十八才に上がった。そうすると一体空気銃はどこに需要層を見出さなければならないかということになるのであります。空気銃を使って狩猟もし、あるいは射撃もするということも、先ほど申し上げましたように健全なるレクリェーションである。私も長い間これをやっておりまして、また射撃の面でも指導して参りました。これを正しく持って、正しく使うという、国民の順法観念の上からいきましても、どうしてもこの十八才の線は、所持と使用の線を統一していただきたいということを特にお願いいたしたいと思います。なお鳥をとってはいけないという思想になるならば、これはもちろんかすみ綱であろうと、火薬銃であろうと、空気銃であろうと一切のものを禁じるべきであって、許されるならばやはりそこは科学的に裏づけた性能によって階段をつけるべきではないかと存じます。この点特に十八才の軍令統一ということをお願いいたします。 それから次に第四条で、各府県別に今度は免許をとることになりましたけれども、これは確かに県境というものの確認がなかなかできかねるということもございますし、海に向かえば東京湾でも三県にわたるということもございますし、それから鳥獣、特にイノシシなんかは、県境で山の方で撃ちますとすぐ他県に移ってしいますし、追って移る場合も、自然に移る場合もあります。これを追っていくということは、とかく法律を犯しがちになるということもございますので、この点も少し考えていただきたいと存じます。なお、こういうことによって各県別に免許をとるために手続が非常に煩瑣になります。これによって事実上のある種の狩猟の制限というものがここに行なわれてくるということになるのであります。これはひいては銃器を製造販売しておりますわれわれ全国の業者のいわゆる生活の問題にまで影響して参りますので、幾ら輸出その他のことを考えましても、やはり内需の確保という点から、こういうわれわれのつくっておる最後を取り締まるところの狩猟法というものに対しては、われわれの業者という点、中小企業者の生活というようなものも考えていただきたいと存じます。 なお、その次の条項に、狩猟講習会のことが法律で示されておりますけれども、今まで各県の例を見ますと、狩猟講習会が三回しか開かれてないというところもたくさんございます。こういう点で、狩猟講習会というものもできれば、勤労者が特に空気銃などは安いので、要するに費用がかからないという点で大衆性があり、これをやる一般大衆に対して狩猟講習会が受けられるように、なるべくこれを日曜日あるいは休日等の開催とその頻度を増していただきたいと存じます。 なお、今度の各県別の狩猟免許については、もし出かけていった本人がとるならば、でき得れば市町村役場程度で即決して許可をもらえるか、あるいは自分の住んでいる都道府県において他の都道府県の免許が下付されるような御配慮をしていただきたいと存じます。これがスムーズにいきませんと、先ほど申し上げました通り、順番に回って参りまして、われわれ業者の生活の問題にまで入ってくるわけでございます。 それから第七条の項の法律面でございますけれども、われわれは法律というものはこういうものだということを教わりました。法律というものは、その法律の効果の範囲を明確にすることによって、法の及ぶ範囲を限定することにあるというのでありますけれども、この七条を見ますと、非常に広い範囲にわたってこれが運用されるということが考えられます。特にその中に、「都道府県知事狩猟免許ヲ為スニ当リテハ、当該都道府県ノ区域内ニ於ケル鳥獣ノ棲息状況」その次に「其ノ他ノ事情ヲ勘案スル」という、「其ノ他」という非常にばく然とした言葉で表現されていることが何であるかということは、われわれ法律を見てもちょっとわからないのであります。なるべくこれを明確にしていただきまして、なおその次に出てくる「適性」ということも、一体何の適性なのか、狩猟をなすに肉体的な適性であるのか、精神的な適性であるのか、あるいは鳥獣に対るす適性なのか、一向これがわからないので、この法文の運用範囲のあまりに広いことについては、はっきりした点を明示していただきたいということでございます。 それからなお、今回の法律も、審議会を通りましてこの法案となったのでありますけれども、審議会の委員の構成ということについても、われわれ少し異存があるのでございます。私は空気銃を使って射撃をする方の団体の常任理事もしておりますし、業者の方の理事長もいたしておりますけれども、一向審議会の中には空気銃に明るい方は一人も入っておりません。これを青少年が健全に正しく使って、そうして正しいレクリエーションとスポーツをやるに対して指導したり、あるいはこれに対して思いやりを持つ方が、失礼ですがあまりに少ないのではないかと思われるのであります。この点においても審議会の構成ということを、特に今回の法律の改正で第二十条の六、七で、委員の構成は主体が行政官庁と職員ということになっておりますので、その点をお考え下さいまして、なるべくそういうふうなよくもののわかった者を入れて、そうして子供——子供というよりは青少年の健全な育成の大網の道をあけていただくように、子供の楽しみを奪うことばかり考えないで、楽しみを正しくやれるような道をあけていただくような方向に導いていただきたいと思います。ついては その審議会のあり方ということについても、われわれはちょっと異存を感じるのであります。 以上が 私が申し上げたいところでありますが、まとめますと、六条の年令の統一、四条の免許に対するところの、免許の性質とこの下付についての手続の簡素化 それから七条の法文の明確化 それから審議会の構成のあり方ということについて、議員諸先生の慎重なお考えを入れていただきまして、われわれ業者も立ち、これを正しく使って、そうしてそれらの人が正しい道を歩んでいける、あくまで法律を守ってこれを持ち、法律を守ってこれを使うように正しい道をあけていただくことを重ねてお願いいたしまして私の意見といたします。
○長谷川委員長 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。湯山勇君。 赤尾さんが都合で十二時にお帰りになりますので、赤尾さんにありましたら、なるべく早目に…。
○湯山委員 それでは簡単にお尋ねいたしたいと思います。大へん貴重な御意見をいろいろ拝聴したわけですが、赤尾さんにお尋ねいたしたいのは 許可証の問題でございます。御意見の中に、府県別に出せる許可の方法をスムーズにしてほしいといううよな御希望でございましたが、これは今度の場合は免許と入猟許可と二つに分かれておると思います。私ども考えますのは、たとえば免許の方は一つでいい。どこへ行っても一つでよくて、それから入猟許可という分については、これは府県の事情もありますから、それについては府県別という二本建。二本建というのは、一方は全国共通。免許の方は今あとで問題になるかと思いますけれども、適性その他を考えて、これは全国共通なものにして、府県で出せば出してもいい、入猟許可については、東京の方は埼玉あるいは茨城とか千葉とか、それぞれ入猟許可は別に得る。免許の方は一本にするというような方法にすれば、これは今おっしゃった円滑にしていくということに非常にかなうのではないかと考えるわけですが、そういう点についてはどのようにお考えでしょうか。
○赤尾参考人 ただいまの御質疑ごもっともでございます。狩猟の免許というものは狩猟に対する資格でございまして、資格というものは全国的に通用するものであっていいと考えます。それから入猟許可の方のものは、いわば狩猟に対する税金ともいうべきものであって、要するに入猟税ともいうべきものです。従って目的税的な性格を持っておるものでありますから、これは府県別にとる方が妥当じゃないかと考えます。従って今おっしゃるような方法はできますと、より合理的じゃないかと私は考えます。
○湯山委員 もう一つ赤尾さんにお尋ねいたしたいのは、御意見の中に、狩猟道徳が行なわれていない、違反が非常に多いということでございますが、この違反は、今回鳥獣保護員というのが設置されて、それが主として狩猟に経験のある人、練達な人、そういう人が嘱託されるということのようでございます。そういう方たちではたして現在相当悪質なしかも多い違反を今後防止できるかどうか。それについて御経験のあるお立場から、たとえば赤尾さんがそういう鳥獣保護員に嘱託された御自分ももちろん猟期に猟においでになると思いますが、そういうことをなさりながら違反の者をつかまえて警察へ引っぱっていく。引っぱっていくのが役目になるわけでございますから。あるいはそのほかいろいろ指導するというようなことが十分にできるかどうか。そういう点についてどういうお考えでしょうか。
○赤尾参考人 お答えします。 狩猟道徳の問題が出てきたのですが、ただ単に狩猟に限らず、漁携のほうでもそうですが、日本人はこういうことに対して比較的犯罪意識が少ないのでございます。たとえば破廉恥行為というようなものは非常に犯罪意識が強いのですが、狩猟法の違反とか選挙違反というようなものは犯罪観念が少ないのでして、そういうことに対して世間もあまり批判しない。また取締官との妥協というようなこともしばしば今まであったのでございます。従ってこういう狩猟道徳の向上のためには積極的に義務教育の期間においてこれを教育しておくことが必要だ。小学校の本の中にも愛鳥精神とか、あるいは狩猟法規を守るというようなことを取り入れる必要がある。外国の文明国の本には大ていこういうことが取り入れてあるのですが、日本にはあまり、こういうものがないのです。従って子供のときからよくそういう教育をしていく必要がある。それから同時に官民一体となって狩猟道徳を守るように、法規を守るように指導していく必要があると思います。 ただいま熟達の人というお言葉がありましたが、熟達の人必ずしも紳士ではございません。熟達であるがためにかえって違法行為を犯すような熟達の人があるかもしれませんので、従来ややそういう観念において、人を選んだりいたしまして、それがよくない意味においてボス的な行為などがだいぶ行なわれたのでございますが、どうかそういう意味で熟達の人という意味を精神的な意味においてもすぐれた熟達の人という意味において解釈してもらいたいと思うのであります。 もしお前がやったらどうかということでございますが、私ども全日本狩猟倶楽部では「全猟」という月刊雑誌を出しておりますが、その雑誌を通じ、またいろいろな会合を通じ、あらゆる機会に、法規を守り、そうして狩猟道徳を徹底させる運動をしておるのでございますが、今後この法律を実行するについてはあらゆる機会にそういう教育あるいはPRというようなものを積極的にやる必要がある。先ほど言いましたように、教科書に載せることも必要だし、そういったパンフレットを出していくというようなことも必要ではないかと思います。ただ単に狩猟に限らず、こういう捕獲行為というものに対する国民の考え方を変えていく運動が必要ではないかと思います。
○湯山委員 次に、田村先生の御意見には全く全面的に私どもも賛成でございまして、昨日来も先生と同じような立場でいろいろ政府の方へ質問して参ったわけであります。そのうちで先生にお尋ねいたしたいのは、かすみ網のことをちょっとお触れになりましたが、これは実は禁止されていながら先生おっしゃったように、ツグミなんかが実際に売り出されておるという事実も私ども大へん嘆かわしいことだと思っております。こういうことについて一体どういう対策を立てたらいいかということでございます。先生何かかすみ網についてお考えがおありになれば一つお聞かせ願いたいと思います。
○田村参考人 私の意見に同感だとおっしゃっていただいて大へんうれしいのでございますが、ただいまのかすみ網の件につきましては、やはり地方における監視を厳重にし、なお警察権を持たせるというようなところまでいかないと徹底しないのじゃないかと思うのでございます。従って保護員というのでなく、保護官というちゃんとした人格を認めないといけないのじゃないか。なお、先ほども申し上げましたが、法律で禁止しているものを市販しておるということ、これは何とかやればやれることではないかと思うのでございまして、これを徹底さしていただいたらいかがかと思います。
○湯山委員 それからもう一つ先生にお尋ねいたしたいのは、今の鳥獣保護に対する国際提携の問題でございますが、これはいろいろな国際的な団体があると思います。その中で、特に日本の政府に対して、勧告と申しますか、こういうことを注意してほしいというようなことがなされた例もあったやに聞き及んでおりますが、それらのことで先生もし御存じのことがあれば一つお話を願いたいと思います。
○田村参考人 お答えいたします。 お尋ねのような団体としましては、スイスに本部を置きまして、ほとんど各国が政府あるいは団体として加入しておりまする国際自然保護連合がございまして、こちらでは絶滅に瀕しておるものについて特に力を傾けておりまして、その目的を達するためには、低開発国に対しては資金を相当準備して、これで実効の上がるようなことをいたしております。日本に対しても、これはあまり名誉でないと思いますが、日本鳥類保護連盟に対しても補助が外国からきておるようであります。私は、今日の日本の国力、文化の程度からしまして、そういう外国の補助を受けなくてもわれわれの力で当然やるべきじゃないかと思うのであります。なお、国際自然保護連合からはたびたび政府あるいはわれわれの団体に向かって勧告が発せられておりますが、なお国際鳥類保護連盟、これは日本の鳥類保護連盟が加盟しておりますが、この方も同様の趣旨で各国に働きかけておるようでございます。
○湯山委員 それから千葉さんにお尋ねいたしたいと思うのであります。それは、先ほど銃砲を製造しておられる立場からのお話がございましたが、実は昨日、そういう問題もおありになると思いまして、政府の方で資料を出してもらいましたところが、三十六年の資料でございますが、その中で、狩銃については国内の生産が三万一千四百、それから輸入が狩銃については一万七千、輸出が八千七百、国内生産の六割近いものが、つまり三万一千四百の国内生産に対して輸入が一万七千、ずいぶん大きな率に上っております。それに対して輸出の方は八千七百ということでございますから、それで見ますと、今の輸出ということも非常に重要でございますけれども、それよりも輸出の二倍にも達しておる輸入をなくするということが、むしろその方が銃を生産しておる方々にとってはいいのじゃないか。そういう方途をこの際むしろ考えなければならないのじゃないかということを私ども考えるわけです。 それから空気銃についても、輸入の八千六百九十一に対して輸出は四千九百九十六、それは半分よりは多いですけれども、とにかくそれに近い、つまり輸出の二倍近いものが輸入されている。こういう状態を放置してただ輸出というようなことをお考えになるということは、むしろ生産しておられる方が、大企業じゃなくて、それぞれ従来の伝統と技術をもってやっておられる。そういう方だとすれば、外国品に匹敵するようなものはできるのじゃないかと思います。ぜひこういう方向へ目をおつけいただいて、先ほどのお話のような輸出に重点を置いた生産ということよりも、実際には輸入を防止する、つまり国産のものでやっていくんだという方向に方針をお向けいただく方がいいのじゃないか。これは大へん立ち入ったことで失礼かもしれませんけれども、そういうことをきのうも感じましたし、きょうの御意見からもそういうことを感じたわけですが、そういう点はいかがなものでございましょうか。
○千葉参考人 お答えいたします。 われわれの業界からみますと、三十六年の実績は今数字をお示しいただいたのでありますけれども、業者の方の設備の——ちょうどこれがやっている時期でございまして、設備を増強する時期に当たりますので、多少輸出の点が落ちているかと存じますが、その後私らの業界のある会社においては、世界一流の会社と提携しまして、そうしてつくっているものの半数以上を輸出しているというような状態もありまして、現在の数字はこれよりずっと輸出の方が上回っている状態だと存じます。 それから空気銃においても八千六百九十一丁輸入されたということだそうでありますけれども、私たちが目に触れるところの輸入された銃というものは、こんな大きな数字ではないと存じます。 それから輸出の点につきましても玩具の部類で輸出されている空気銃もございますので、正確な数字はわかりませんけれども、昭和三十七年度から前進して上がっておると存じます。 たいへん不十分でございますけれども、この質問にお答えさしていただきます。
○湯山委員 それからいま一つお尋ねい、先ほどの御意見の中に、十八才、二十才という段階があることが困る、そこでその段階をなくするということに御意見の中心がございましたが、そうやれば、おっしゃるようにきちっとそろえるとすれば、両方とも二十才にそろえるということもまたそろえる方法なんだと思います。と申しますのは、青少年と申しますか、そういう問題は問題としてかなりありますけれども、レクリエーションとか娯楽施設というものはだんだん多くなってきております実情から見て、そういうレクリエーションとしての空気銃を使っての射撃というようなものは、二十才になってももし今のように食い違いがあることに不合理があるとすれば、両方とも二十才にそろえるということもまたそろえる方法としては一つの方法だと思います。これはそういうことでもよいのでしょうか。さっきの御意見からそういうふうにも考えられるわけですが、そういう点についてはどうでございましょうか。
○千葉参考人 お答え申し上げます。 そろえる方法に確かにそういうことはございますけれども、それではこれを要求する方の側から考えまして、私もそういう道を通って参りました。大体人類が発達する歴史の中で示されている通りに、初めは物を投げて、石などを投げて、目標に当てて喜ぶということがそもそも射撃だとか狩猟の初めであります。それからその後に、人類が育っていくために食糧を確保し、あるいは着物を着るために毛皮をとった。その次に今度は銅を使い、それから弓を使って現在の鉄砲になってきたわけです。こういう歴史に示すようなこと、たとえばわれわれ人類がこれだけに成長しておりますことは、人体の母親の胎内わずか十カ月で数億年の過程を過ごしているのであります。こういうところから見まして、その要求する層がどこにあるかということでございます。これは昭和三十三年に狩猟法の改正がされまして無理やりに二十才に引き上げたのであります。これについて私はその当時の鳥獣審議会の専門部員を仰せつかっておりまして、その専門部員として各県の実際に狩猟を担当する担当官に対して、私は空気銃はどういうふうにあったらばいいだろうかということを往復はがきで照会いたしました。これはそのときの記録でございますけれども、現在はがきも持っております。これは各県のちゃんとした林政課なりというところの係長から判の押したアンケートが参っております。これを全部総合してみますと、空気銃を持たすのにどういう方法で持たしたらいいか、あるいはこれを使うときにどういう方法がいいか。すなわち、簡単にしてそうして全部浮かび上がらせてこれを指導した方がいいというのが、登録制の存続ということでございますが、今やっているような丙種免許とどっちがいいのかということについての問いは、残念ながら返事をくれなかったところが北海道、三重、徳島、これはその当時は未着でありましたが、あとから参りました。それから愛媛、この四県を除いた、すなわち四十一府県のうち、簡単にしてやって、登録制でいいというものが二十五府県で六一%ありました。それでこれをうるさくして、丙種免許にしておけというのは十六府県の三九%であります。それじゃ使う年令をどこにきめたらばいいかということについて、十六才以下にせよといってきたのが十六府県で、これが四〇%であります。十八才以下にせよといってきたのは十四府県で、これが三四%、合計しますと、返事をくれた四十一府県のうち三十府県までが十八才以下が適当であるということを、これは地方の狩猟行政の担当官が言ってきた言葉であります。そうしてそれに対しても、なるべく費用というものは安くして、これを全部浮かび上げて指導した方がいいというのが、当時の狩猟行政官の答えでありましたが、これをついに法律では二十才に引き上げたのであります。こういうことから見ましても、要求している層はどこにあるかということによって、その年令を統一する線がきまるのじゃないかと存じます。よろしく御勘考いただきたいと思います。
○湯山委員 もう一つお尋ねいたしたいと思います。御存じのように、空気銃の場合には、普通の猟銃と違って、ねらって一発ずつ撃ちますから、非常に命中率が高い。従って小鳥なんかは非常に対象になりやすい。これも事実だと思います。現にいろいろメジロとかあるいはホオジロとかモズ、そういったものがそれぞれ対象になって、相当撃たれておりますし、現在ツバメなんかまで空気銃の被害を受けている。こういうことについては、これはよく御存じの通りだと思います。 それから実際に普通の猟銃に比べて値段も安いというような点もあるしそれからたまにいたしましても、非常に安くて、手軽に使える。それから猟銃と違って音がしない。あるいは持って歩くということについても 猟銃ほどに取り締まりが徹底していないというようなこと。さらにひどいのは、いなかの方の街灯、そういうものが空気銃の的にされる。これも私その経験を持っております。空気銃による危険もぼつぼつ報告されているというようなこと、いろいろあるわけで、もし今おっしゃるような点で、年令を下げて、空気銃をもっと自由に持たせるようにするということにすれば、これらの問題については、そういうことがないように何らかの対策を立てなければ、このまま野放しにするというのは、私は若干問題があると思うわけですが、そういう対策について何か名案がおありになれば、一つこの際お聞かせ願いたいと思います。
○千葉参考人 お答え申し上げます。 今御指摘になりましたことのうちで、確かに空気銃は小鳥を対象にいたします。特に対象にされるのはスズメでございます。スズメについては、動物あるいは鳥類の学者がいらっしゃいますけれども、ここで全世界の人類が滅びても残るものはおそらくスズメとそれからネズミだろうということが学者によって言われております。このスズメを大体対象にして撃っておるのですが、中には不心得な者がおりまして、比較的、先ほど赤尾先生がおっしゃったように、無主物というような観念がございますので、犯罪感がないということで、非常にそれを撃つということもございますけれども、これは教育によることだと存じます。先ほどお話がありましたが、私も小学校の教科書を全部ひもといてみましたけれども、そこに愛鳥だとか、あるいはそういうことの射撃だとか狩猟ということに対してのマナーを教えるということは一つも載っておりませんでした。こういうことがその欠陥を引き出してきておる一因だというふうに存じます。 それから、それじゃ空気銃による事故はどうかということは、警視庁の統計では、この四年間、三十七年からさかのぼってみますと、三十七年が一件、三十六年が一件、それから三十五年が三件、三十四年が一件というような事故がございましたけれども、そのうちに、要するに白痴瘋癲の部類に属する者が故意にやったのが一件ございます。この空気銃問題がうるさく言われましたのは、昭和二十九年に淀橋で人妻が死んだ、空気銃によって殺されたということが新聞に大きく報道されたのでありますけれども、これは私もその場所に参りました。その銃は現在も警察庁の方へ保管されておりますけれども、そんな威力のあるものではない、しかも撃てない場所である、そのなくなった婦人が空気銃によるのだとされておりましたが、盲管銃創でありまして、盲管銃創ならば、たまは当然からだの中に入っていなくちゃならない。ところがその解剖所見の結果、たまが出てこない。当時は、空気銃の所持も規制がございませんでした。それなどで子供と空気銃ということにして、この事件を落着さしてしまったのですが、その結果大きな世論が出たのであり——間違った世論であります。私は、あえて言うならば、これはつくられた世論であると言いたい。それは動物愛護協会の機関誌であるところの「動愛」の昭和二十九年の五月号にちゃんと載っておるのでありますが、われわれは動物愛護法あるいは鳥類保護法というものを世界各国並みに制定したい、これに対しては事あるごとに空気銃の問題を取り上げて、これで世論をつっついて自分たちの鳥類保護法あるいは動物愛護法というものを制定したいというテーマがはっきり載っておりまして、それによって一連の動きがなされて、空気銃の排撃が今まで続いておるのであります。これははっきり申し上げます。われわれの射撃の方でも世界各国に通ずるところの連合がありまして、これに加盟しておりまして、空気銃射撃も現在国際試合をやっております。これは正しく導きさえすれば導けるのでありますけれども、要するに持ってはよろしい、使ってはいかぬとか、あるいは使いなさい、しかし射撃にしたらいいじゃないか、こういう無責任なことを言うのですけれども、じゃこの射撃はどうしてやるのか、だれが指導をするのか、だれが射撃場をこさえてやるのか、そういうことに対しては、何のことも言わずに、ただ空気銃が悪いとか、射撃をなさいと言うのは、おとなとしても子供の教育に対して無関心あるいは無責任過ぎるのじゃないかと思います。これについては、日本ライフル射撃協会も今後——現在もその活動をいたしておりますけれども、全国の支部を動員して、これに教育をするように、なお狩猟者団体としましては、丙種は要するに乙種の火薬銃の弟分であるから、これを会員として指導していきたいということを申されております。これを浮かび上がらせて年今の統一を適当なところで——先ほどいろいろ数字を申し上げましたが、習さんが要求する層を考えて、どこに与えてやって、これを正しく導いてやらなくちゃならないかということを考えてやるのがわれわれおとなの責任じゃないかというふうに思いますし、またこれが解決の方法だと存じます。
○湯山委員 御意見はよくわかりましたが、ただ一つ、これは先ほど赤尾参考人からもお話ございましたが、学校教育の中でしっかりやらなくちゃならないという御意見について、今全然学校教育の中で触れていないという御指摘がございましたが、触れております。ただそういう触れ方では問題だということで、私、文部省の方へもこの問題については質問するつもりでおりますが、そんなものでいいかどうか、一つごらんいただきたいと思いますのは、昭和三十三年の三月に次官通達をもちまして、小学校、中学校の道徳教育の実施要綱の中へ、小動物を愛護することを入れるということを通達して、入っております。その後学習指導要領ができましたときに、その道徳編の中で、上の方の学年は、人類愛というところから動物も愛護しなくちゃならないのだというような立場から、それが入っておりますし、それから小学校の方へもそういうものが入っております。ですから三十三年ころから相当やるのはやりかかっておるようです。ただしそのやり方というのは、私はそういう観点だけじゃなくて、もっとやり方も工夫しなくちゃならないし、取り上げ方にも不十分な点はあると思いますけれども、やっておってなおかつなかなかうまくいかないというのが実情でございますが、義務教育の中では触れたとこもございますから一つ御検討を願いたいと思います。そしてまた御意見があればお教え願いたいと思います。
○千葉参考人 大へん僣越で申しわけございませんでしたが、私たちも、正しく持ち、正しく使うということを要求している者に対して、ただ取り上げることのみ考えるのではなくて、正しい道を歩ませてやりたいというふうに考えて——私も子供のときから空気銃も好きでしたし、射撃も長い間やって参りまして、現在も射撃協会のことをやっておりますし、同時に私は道楽から、つい日本でいい鉄砲、空気銃がなくちゃならないということで、それでほかの業をなげうって空気銃の生産に入ったわけでございます。そういうような男でございますから、そういうことについては十分考えて指導していきたいというふうに考えております。 また、先ほど田村先生がおっしゃったように、ゴルフ場のようにして狩猟をやったらどうかという御意見もございましたけれども、ゴルフ場は要するに人間がつくったたまを打つのですから、それは楽なのでございますけれども、鳥は羽があって飛び回りますから、そういう点でゴルフと同じようにはなかなかやれぬことですし、これはなかなかむずかしいことではないかというふうに考えておりまして、どこでいい線を引かなくちゃならないかということが問題だと思います。 とにかく鳥を愛するとか、小動物を愛するとか、特に都会付近では公園なんかでハトが集まっておりましても、現在の日本の子供はえさをやってせっかく集めておきながら、最後にはわあわあ騒いで追っかけて逃がしてしまうのであります。そういうようなことでは子供に動物や鳥がなつかないと思いますから、まずこういうところの教育から始めなければ、よその外国で見られるように、すぐリスが肩に上ってきたり、あるいはハトがくるような状況が見られない。そういったようなことは、教育にあると考えているわけであります。
○長谷川委員長 以上で参考人の御意見に対する質疑は終了をいたしました。 参考人各位には貴重な御意見をお聞かせ下さいまして、まことにありがとう存じました。 午後一時から再開することといたし、この際休憩をいたします。 午前十一時四十五分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○長谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 狩猟法の一部を改正する法律案について政府当局に対する質疑を行ないます。片島君。
○片島委員 今度の法改正で非常に重要な部分として、第一条の目的規定、また第二条には鳥獣の保護繁殖を目的とする事業、鳥獣保護事業を実施するため中央鳥獣審議会の意見を開いて定める基準に従って鳥獣保護計画を立てる、そしてこの事業計画においてはこういうことを定めるといって非常に膨大なる事業計画を立てて、これは都道府県知事が責任を持ってその達成をはかるようにする、こういうことであります。新たにこういう大きな鳥獣保護事業というものを始めるとすれば、相当に予算も必要かと思うのでありますが、農林省としては、全国の各都道府県におけるこの鳥獣保護事業に対する、また計画の実施に対して、どの程度の規模をお考えになっておるのでありますか。
○吉村政府委員 お答えを申し上げます。 御指摘のように、私どもこの法律の一部改正によりまして、鳥獣の保護事業を積極的に進めたいと考えておるのでございますが、この進めて参ります財源といたしましては、最も大きなものは、私どもは今度目的税といたしまして、各県の収入になります入猟税、これをまず第一に考えておるのでございますが、ただいまのところ、私どもの予想といたしまてしは、三億余りというように考えております。主としてこの財源を中心にいたしまして、その他の財源を一部加えまして、この保護事業あるいは狩猟の適正化という方面の活動の事業費に充てて参りたいというように考えておる次第でございます。
○片島委員 第一条の三におきましては、「鳥獣保護事業ヲ実施スル為必要ナル指導及援助ヲ行フ様努ムルモノトス」としておりますが、入猟税、目的税としてとった地方税は国の援助ということにはなるまいと思うのでありますけれども、どういう指導をし、またどういう援助をするか、援助ということは財政的な援助であろうと思うのでありますが、それをどのくらい今年度計上しておられますか。
○吉村政府委員 国庫の補助金といたしましては四百万でございます。その他技術指導等をあわせましてこの目的を達成いたしますように努力いたしたい、かように考えております。
○片島委員 その四百万円というのは、これは今年新たに設けられた事項でありますか。
○吉村政府委員 さようでございます。
○片島委員 昨日も論議され、またきょうの参考人の意見の中にも出て参ったのでありますが、鳥獣保護のためには小さいころから、小・中学校などの教育の面にこれを取り入れていくということが非常に緊要ではないかという意見があったわけでありますが、今度のこれだけの法改正をするのに、文部省当局とも別に打ち合わせをしたこともないといったような答弁でありまして、この点を私は非常に遺憾であると思うのであります。そうだとすれば、せめて農林省でできる分野としては、国有地に特別な保護区を設けて、そこを学童の研究あるいは観察といった方面に振り向けて、子供のころから鳥獣保護あるいは愛鳥の精神といいますか、そういうことをやられるのは、別にほかのところと相談しなくともできることであり、また鳥獣保護ということは農林省の所管事項でありますから、そういうことが必要ではないかと思うのでありますが、いかがでありますか。
○吉村政府委員 御指摘の通りでございまして、私どもも、年少者に対しまして鳥獣の愛護に関する指導をやらなければならない、そういった思想を普及して参らなければならないというように考えておる次第でございます。この保護事業計画につきましては、いずれこの鳥獣審議会の意見を聞きまして基準ができてくるわけでございますので、そういう段階におきましては、文部省当局とも十分御相談を進めて参りたいと考えておるのでございますが、私どもといたしましても、そのために学校等に対しまして、そういった愛護のために必要な森林のようなものをきめて、そういうところで鳥獣の観察をし、愛護をするような指導もすること、あるいはモデル校等を考えましてそういう思想を普及するような事業を重点的にやって参るというようなことも考えてはおる次第でございますが、いずれこういう問題は、将来におきまして鳥獣審議会等の意見も十分聞きまして進めたいというように考えておる次第でございます。
○片島委員 第二十条におきまして、本法あるいは省令もしくは都道府県規則に違反して捕獲した鳥獣はこうこうこういうふうにしてはならないということが書いてあるのでありますが、けさの参考人の意見にもありましたけれども、狩猟鳥獣以外のもので店頭に出ておるといったようなものは、これを取り締まるということになれば方法はあるのではないか。狩猟鳥獣以外のもの、特に鳥類などで狩猟が禁止せられておるものが堂々と店頭にぶら下がる、こういうものに対する——これは農林省の方のやる仕事ではない、これは警察庁がやればいいのだというふうにお考えになっておられるのでありますか。せっかくこれだけの鳥、これだけの獣はとってよろしいといって書いて、ほかのやつはとったならば罰則まで設けて禁止してあるものが堂々と店頭にぶら下がる。さらに極端に言うなら、ツグミなどは焼き鳥屋で売っておる。こういうことはどうかと思うのであります。先ごろ私は農林大臣の招待で三番町の分室におじゃまいたしたのでありますが、そのときもツグミが焼き鳥で出ておったように思っております。ほかの人もそうだというようなことを言っておりましたが、こういうようなことでは、せっかくとってはならないというような鳥獣をきめておりましても、これはざる法にひとしいことになるのではないか、これに対する取り締まりということについて農林省としてはノー・タッチでおられるのではないかと思うのですが、その点についてはいかがでございましょう。
○吉村政府委員 この二十条の取り締まりの問題でございますが、この二十条につきましては、今般、警察当局の要請もございまして、単に従来の譲り渡し、譲り受けをすることができないということのみならず、今回は保管のために預かってもいけないというようなことに変えたわけでございます。こういうように変えましても、十分な取り締まりができなければこの目的は達成せられないではないかという御指摘でございまして、私どももまことにごもっともだと存ずるのでございます。警察はもちろんでございますが、私どもの方の関係にも約四百余りの司法警察員がおりまして、この取り締まりに当たっておるわけでございます。私どもこういう面につきましてもさらに取り締まりを強化するように努力をいたさなければならないというような考え方から、今回、非常勤ではございますが鳥獣保護員を設けまして、これによってさらに強化をいたして参りたいというように考えておる次第でございます。
○片島委員 たとえば鳥獣保護区あるいは休猟区その他特に狩猟を禁止せられておる鳥獣については、第十二条において、特別の事由によって農林大臣または都道府県知事の許可を受けたる場合においては捕獲してよろしい、卵もとってよろしい、こう書いてあるのでありますが、十二条によって捕獲をした鳥獣とそうでなくて捕獲をした鳥獣との見分けはどういうふうにしておつけになるのですか。
○吉村政府委員 見分けでございますが、とったものをそのまま二つ並べても、これは見分けはつかないわけでございますが、学術研究あるいは有害鳥獣駆除のための許可を受けた者はこの許可の証を持っておりますので、それによって区別をいたすということになるわけでございます。
○片島委員 許可証を持っておれば無制限に狩猟してよいのでありますか。たとえば保護区、特別保護区、禁猟区、休猟区、社寺境内、あるいはそういう場所でなくても、許可証一枚持っておればそういう鳥獣の種類に基づいて全滅するまで無制限にとってもよいのでありますか。
○手束説明員 有害鳥獣の駆除または学術研究のための許可は、相当の理由がある場合において最小限度に許可をするということでございますので、そのために大量に捕獲をするということは決してあり得ないわけでございます。それから、学術研究等のために捕獲された鳥獣とそれ以外の鳥獣との見分けがつくかというお話でございます。なるほどそれ自体として見分けのつけがたいという問題もございますが、一般の狩猟鳥獣以外のものであって人工でもって飼って増殖することのできる鳥は非常にわずかでありまして、たとえば小鳥類ではコマドリ、ヒバリ、中型以上の鳥としましてはオシドリ、シラサギ、獣ではイタチ、シカ、ごくわずかでございますので、一般の狩猟鳥獣以外のものでもって許可証のないというものは大体違反鳥獣というふうに考えて差しつかえない。特に許可証を持たずしてそういうものを持っておったとすれば、それの人工増殖等ができたという場合になるのでありまして、それはごくまれな場合でございますので、それに注意して取り締まりをいたしますれば実際問題としては差しつかえない、かように考えているわけであります。
○片島委員 特別に許可をするのだから、最小限度といわれますが、その限度はどこまでですか。
○手束説明員 特に数量として限度は定めておりません。しかし、大量に許可申請があるというものは、実際問題としてないわけでございます。
○片島委員 これは法律ですから、最小限度にとってよろしい、そんなことではわからないのです。その鳥獣の種類にもよります。非常に数の少ない鳥獣もおれば、非常に数の多い鳥獣もおるわけです。せっかく法律で許可証を交付するとしておるが、これは最小限度といわれても、本人がまだ最小限度であろうと思って限りなくとっていっても、その判断は、だれがどうしてやりますか。鳥なら一羽ずつあるいは獣なら一頭ずつということでもない。そういうことになれば、判断の基準がわからないのじゃないですか。法律にはそれをはっきりしておかないと、非常に困ると思います。
○吉村政府委員 許可をいたします場合には、捕獲の羽数はきめて許可をいたすことにいたしております。たとえば試験研究等には、その試験研究の目的を達成いたしますために必要な羽数というものはおのずと出てくるわけでございますから、そういうようなことで許可をいたしておりますので、許可証があるからといって幾らでもとっていいということにはならないかと考えております。
○片島委員 保護鳥獣といったような場合に、何羽とかあるいは何匹とかいって頭数なり羽数をきめて許可をされると言いますが、その許可の範囲内でとった保護鳥獣とそれを上回ってとった保護鳥獣、それからまた場所においては、特に保護区でとった保護鳥獣と、保護区以外でとった保護鳥獣、こんなものは絶対に区分けがつきません。許可証の範囲内でとった保護鳥獣と、許可証を上回ってとったものとの区別は、何か検印でも県知事が押すのですか。
○吉村政府委員 たとえば学術研究のために捕獲をいたします鳥獣、これは場合によっては保護区等でもとれるわけでございます。従いまして、その点はよろしいのでございます。ただ一応、羽数、頭数を指定をいたしまして、許可が出た場合に、それを上回ったところの判定でございますが、これはすべての場合に十分に確実にやる方法というのはなかなかむずかしいかと思うのでございますが、いずれにいたしましても、学術研究のために捕獲を許可するというような場合には、その許可を受ける側の人の人格等も十分に信頼ができることが建前だと考えておりますので、そういう点では、私どもも十分な信頼をおける人たちに許可が行なわれるというように理解いたしておるわけでございます。
○片島委員 十二条は、学術研究ばかりでなく、特別の事由によって許可をとることができるということになっておりますので、相手を信頼するとは言われますけれども、私は非常に不明確だと思うのです。特に、とってしまったならば、その見分けをつけることは絶対にできませんし、一羽の鳥、一頭の獣をとるごとに県庁に持っていって、県知事の判こをもらうということも実際上できませんから、この十二条あるいは十三条というのは非常にあいまいな規定ではないか。見分けがつかないということになれば、せっかく禁止しておるのがこういうところに抜け穴があるのではないか、こう考えるわけです。先ほど造林保護課長は、めったに人工的に養えないからということでありますが、人工的に増殖をした場合は養ってもいいわけですか。小鳥屋はもちろんのこと、一般の家庭で養っておる、とってはならない保護鳥獣、これは人工的に増殖したか山からとってきたかということは、こういう法律をつくっていてもわかりませんね。
○吉村政府委員 飼養をいたします場合には、一羽々々個々に許可証をつけることになっております。従いまして、許可証がないものは許可のないものというように考えられるわけでございます。
○片島委員 人工的に増殖をしたものと、そうでなくて自然に増殖したものとの見分けをどうしてつけるかと言っているのです。鳥屋でも、自分の家でも、養っておる人はみんな行って、これは人工増殖の鳥だとかこれは捕獲した鳥だとかいってしるしをつけて歩いていますか。
○手束説明員 人工増殖で孵化をしました保護鳥と、もともと山野に自生しておって捕獲許可を受けてとった鳥との見分けは、実際問題としてはそこまでつかないわけでございますが、先ほど申し上げましたごとく、保護鳥に類するものにつきましては、人工増殖はほとんど不可能である。人工増殖できるものは限られておるわけでありますので、その人工増殖が通常の状態において不可能なものについて持っておれば、これは人工増殖であるという言いわけはきかないわけでございます。たまたま人工増殖がある程度可能なものについての見分けは、まさにこれはつかぬわけでございますが、人工増殖をするにつきましては、それ相当の設備その他も要るわけでございますし、それではどこで人工増殖したものであるかということをただすことは相当可能なわけでございます。実際問題としてはこれは取り締まりがつくものである。人工増殖をやっているものにつきましては、指導といたしましては、これは全部県に届出をさせまして、まぎらわしいことのないように指導をいたしておるわけでございます。
○片島委員 小鳥屋なんかにおる鳥だったならば、ちょっと見分けのつかない、判断のつかないものがあるわけです。それから、どういうふうにして手に入れたか、店先などに養ってあるものにも、そういう許可証なんかついていないで養っているものをたくさん私たちは見ているわけであります。そういうものについてのもっと具体的な取り締まりの方法というものがなければならぬと思うのであります。 次に、十二条の規定によって、前数条の規定の例外として定められたものについては、その処分について規定があるわけでありますが、合法的に捕獲をした鳥獣については勝手にどのような処分をしてもいいのでありましょうか。狩猟鳥獣以外のものは処分してはならない、これは先ほど長官から御説明があった通り、保管のための場合でもいけないように今度は厳重にしたということですが、合法的に捕獲した鳥獣であっても、あるいは病気を持っている鳥獣であったとかいうようなこともありましょうし、また、いかに合法的だからといって、狩猟をする場合においては、残酷な方法によって大量の捕獲をする。残酷な方法によって狩猟することさえ禁止してありますのに、一たん生けどりをしたとしても、そういうものについての処分といったようなものについては、たとえば食肉としてこれを利用する場合でも、人間が飼育をしておる牛や豚についても、肉には検査があると思うのです。山でどういう病気を持っているかわからないものはそのままでよろしい、また一たんとった以上は、その処分についてどういうようなことをやってもよろしいということは、捕獲をする場合とその後は非常にきびしいが、あとの処分は筒抜けだということにはなりませんでしょうか。
○吉村政府委員 合法的にとりました野生の狩猟鳥獣につきましては、第十三条の二で、キジ、ヤマドリはこれを販売することはできないことになっております。その他は販売をすることができるようになっております。
○片島委員 だから私が言うのですが、この法律はその点で不備ではないか。捕獲をするときには残酷な方法で捕獲しちゃいかぬ、しかし一たんとったならば、どんな残酷な方法で殺そうと、あるいは肉類については何の検査もなくてもよろしい、家畜については厳重な検査があるが、野獣についてはない、そういうことで、そこに抜けたところがあるのではないかと思います。
○吉村政府委員 残酷なとり方と申しますか、たとえばかすみ網等で一挙に大量に捕獲をするというような方法は禁止をされておるわけでございます。それから野生の鳥獣の検査でございますが、従来私どもの聞いております範囲では、比較的と申しますか、ほとんどそういった病気等がないと申しますか、非常に少ないというようなことで、この点は特に制限が設けられておらないようでございます。
○片島委員 この間長官がおいでにならなかったので、指導部長からの答弁ではどうも満足がいかなかったのでお尋ねしておきますが、第六条の免許を受ける資格でありますが、「未青年者、白痴者、又ハ瘋癲者」、これはその専門家である湯山さんの話によると、瘋癲というのは辞書に載っておらぬそうです。専門調査室の方で調べて、いろいろな事例を書いていただいておりますが、瘋癲というのは、これは学術語としては医学にもないそうです。それまでここに書いてあるわけです。あとは適性を有せざる者、その適性の有無を審査するというだけです。辞書にないような病気までここに持ち上げておって、あとは何も書かないで、適性の有無で判定するという。はっきりしておりますことは、めくらは鉄砲は撃たぬと思います。しかし片目は撃てますが、片目の人は遠近がわからないから、鉄砲を撃ってはあぶないわけです。これははっきりと辞書にもあるわけです。辞書になくても、片目は人が見ればすぐわかるのです。てんかんなどはちょっとわかりません。てんかんが起こったときはわかりますけれども、起こらないときはあたりまえの顔をしておりますからわからないのです。片目はわかるのです。片目もわかるし、視力の弱い者は、たとえば運転士の免許を与えるときは矯正して何度、矯正しなかったならば〇・何度とちゃんときまっておるのです。狩猟をするのに視力がどのくらいあればいいかということも大体わかると思うのです。あるいは色盲、色が全然わからぬ、取り違えるという場合も、鳥なんかを見間違えることがあるかもしれませんが、そういったようなきわめて明白な、いわゆる不適条件のある者はこれには書いてない。ところが非常にあいまいな、瘋癲なんてわかりもしないようなものを書いたり、あるいは適性の有無によって審査して許可をするのだといってすっかり逃げてしまっておるが、これは法律として非常に大事なところを抜かした粗雑な法文ではないかと思うのですが、その点、長官のお考えはいかがでありましょうか。
○吉村政府委員 まず先に「白痴者又ハ瘋癲者」の瘋癲者でございますが、これは若干古い法律でございますので、こういう言葉が出て参っておるのでございますけれども、この瘋癲者と申しますものは、後天的な精神病の中で、言行錯乱でありますとか、意識混濁でありますとか、感情激発の著しい精神病者を一般にいうのでありますが、要するに正常な精神を有しない者のことでございまして、刑法上の心神喪失者とほぼ同じ範囲であるというように私どもは考えておるのでございます。そういうことで、第六条で免許を受けることができないようにいたしておるのでございます。従来はそれのみの制限をいたしておったのでございますが、今回はたとえばそういうもの以外でも、極度の弱視でありますとか近視でありますとかいうような者で、鳥獣の判別がなかなかできにくいというように認められるような者、そういうような者はこのところに入ってくるということにいたしたのでございます。色盲その他につきましては、いろいろ御議論もあるかと思うのでございますが、従来色盲等は検査などでは出て参りますが、平常の生活その他におきましては、大体習慣で識別がつくようになっているものが多いように私ども考えておるのでございます。そういうような範囲で私どもはこの条文を考えておる次第でございます。
○片島委員 そうすると、適性ということについては、何か基準になるようなものをお示しになるのでありますか。
○吉村政府委員 これは御承知のように、特に必要がある場合に行なわれるわけでございます。この取り扱いにつきましては、私どもも県等を間違いのないように十分に指導をいたしたい考えでおります。
○長谷川委員長 足鹿覺君。
○足鹿委員 私は他の同僚議員の質疑と重複を避けまして、本法の改正と直接関係は薄いかもしれませんが、適当な機会がありませんので、この機会に二、三お尋ねをいたしたいと思います。 最初にお尋ねいたしたいのは、今回、従来の狩猟法という法律名を変えて、鳥獣保護の立法の趣旨を明らかにされた、そのことはまことにけっこうだと思いますが、このような法案の改正内容をもってしては、はたして効果を上げ得るかどうか、いわゆる減少形態というものにだけ手を当てて、その背景なり基本問題との取り組みが足らないのではないかという印象を私持つものであります。そこで鳥獣の繁殖が著しく衰えてきた、積極的に狩猟法を強化して、その効果をねらっておることはけっこうなんでありますが、いわゆる鳥獣の減少したその原因というものは、提案理由にもありますように、生息環境が急速に悪化したことにあることは、これは何人も否定できないことだろうと思うのであります。つまり急速な国土の開発、電源開発によるダムあるいはこれに関連する施設、あるいは高速道あるいは工場の建設、それに関する付帯の施設というふうに、ここ数年の間に山林というものは荒れるだけ荒れてきた。そこのところへ持ってきて、戦後の過伐、乱伐というものがさらに重なりまして、鳥獣の生息環境が急激に悪化してきておる。これに対する当局の態度というものがこの立法の上においてはっきりしない。これは他の立法において関連を持たせて解決されなければならぬことはもちろんでありますが、いやしくも鳥獣の保護をはかるために繁殖をはかっていこうというにありますならば、この生息環境というものがなるべく悪化しないための積極的な施策というものが一方に講じられない限り、ただ単に、一県ごとに狩猟の免許をとらせてみたり、あるいは入猟税を一県ごとにとって、繁雑な手続をもって狩猟家を押えるというような趣旨でもってしては、この大きな音を立てて崩壊しつつある生息環境の悪化という問題の進行に比べては、まさに激流に抗するようなものではないか。問題はその辺にあるのではないかと私は思うのでありますが、そういう点について林野庁の長官はいかように考え、対策を講じられんとするのでありますか、伺っておきたいと思います。
○吉村政府委員 御指摘のように、文化の進歩につれまして野生の鳥獣の生息環境が逐次悪化をして参るということは申せるかと思うのでございますが、ただ先生の御指摘の、戦時中また戦後にかけましての過伐、乱伐、この事態につきましては、その後逐次回復が進んでおりまして、昭和三十一、二年程度には大かたそういう痛手がいえておるわけでございます。そういうようなことで、ごらんになりますように、 一応国土の緑化という面ではかなり実績が上がって参っておると考えておるのでございます。そういうことで、私ども自体の問題といたしまして森林の病害虫の防除の点から考えましても、その鳥獣と申しますか、鳥類の保護ということは非常に重要な問題でございます。この鳥獣の減りますことによって自然界のバランスが破れてくる。そこへ病害虫が起きてくるというようなこともありますので、その点につきましては十分意を用いておるわけでございますが、そういうことで、野生鳥獣の環境を整備いたして参りますための森林の造成等につきましては、私どもといたしましてはかなり進んで参っておりますし、さらにまた私どもも力を入れて参らなければならないというように考えておるのでございます。確かに、最初に申し上げましたように、国土の開発によりまして生息環境が悪化をいたしまして、それによって鳥獣が減って参ることは申すまでもないのでございまして、そのためには、やはりこの際、鳥獣保護のために相当の努力をして参らなければならないというようになるのではないかと考えておる次第でございます。
○足鹿委員 ただいまの長官のお話は、通り一ぺんといいますか、そういう御答弁があろうと思っておりました。緑の週間をつくり、植樹を奨励して非常に元気を出しておられるということは、私どももよく存じておりますし、けっこうなことでありますが、事実、厚生省の国立公園部長もおいでになっておるようでありますけれども、国立公園というものを方々歩いてみましても、これは高山とか高原とかそういったところが非常に多い。また休暇村の計画が最近方々で進みまして設立を見ておりますけれども、これも奥地で、ふだんあまり人間などが足を踏み込まなかったようなところが開発されて、人がたくさん行くようになる。そうしますと、その自然環境というものは、必要の前にはやむを得ないといたしましても、大きく環境が変わってくる。そして多くの人間が来るのみならず、自動車その他あらゆる交通機関が騒音と排気ガスとを振りまいてその辺の環境を著しく乱していく。そういたしますと、人間は自然の利益に触れていいのでありますが、鳥獣の場合はそういうすみかを片っ端から奪われていく、こういう結果になろうかと思います。私ども国立公園あたりへ行きましていろいろ話を聞いたりしてみますと、建物にいろいろ、風致を害することはいかぬから建物の形だとか高さだとかいうようなものを制限したり、なかなかやかましく規制をしておられるようであります。これはやむを得ないことだと思いますが、ただ、所有権が地元から他の施設者にかわっていきますと、必要に応じて巨木であろうが何であろうが、そういう自然環境というものは一向おかまいなしに、ばったばったと片づけていく、こういう状態なんであります。ところが、その片づけられていく植物なりその他の天然の、長い間かかってその環境をつくり上げた自然が次々と改変を受けるということになりまして、そのことに対してはどういう保護対策がとられておるのか。保護対策としては、たとえば何年生以上、何百年以上とか、あるいは樹種によって違うのでありましょうけれども、一定の大事な木あるいは他の植物というようなものについては登録制でもとるとか、あるいはたといそのものが所有権がかわったところにはえておる木であっても、それらの木あるいは叢林といいますか、その辺に一体の形をなしておる大事なと思われるような樹木地帯とかそういうふうなものは、あらかじめちゃんと指定をして、そして鳥獣等が生息しやすいように、また自然の風致というものは、こわしたら一朝一夕にしてできないのであります。でありますから、そういうような一連の対策というものが厚生省所管の、特に最近高山や高原等に大きく伸びつつあるところのいろんな厚生対策というものと相呼応して進んでいく必要があるのではないか、私はさように思うのであります。先般も志賀高原の方に行ってみますと、もうあの辺一帯は切り開かれまして、バンガローから旅館からあらゆるものができてしまって、昔の面影は見るかげもありません。一体こういうことで、国立公園、国立公園といって人工を加えていいのであろうかという感じを私は持ちました。ところが一方においては鳥獣保護だというので、熱心な林野庁当局がこういう法案をお出しになること自体はけっこうだと思いますけれども、相互間に何らの関連もない、ばらばらだ。こういうことで、ほんとうに貴重な天然の保護、鳥獣保護の目的が達成できるのか。いわゆる生息環境というものを、国や地方自治体あるいは施設を行なう利潤追求機関であっても何でありましても、もっとこれらに対する何らかの基本的な対策というものが講じられなければ、鳥獣の生息環境が悪化した今日、このような立法程度でこれを保護し繁殖せしめていくということはむずかしいのではないか。むしろ逆に、あなた方の施策の手がその急所に触れないうちに、事実上はだんだん減っていくのではないか。これを心配しておるのでありまして、この点について長官なり国立公園部長の方から、いかような観点に立って施策を進められておるか、一つ伺っておきたいと思います。
○吉村政府委員 それでは先に私からお答え申し上げます。 先生御指摘の自然公園の問題でございますが、自然公園法によって国立公園あるいは国定公園というようなものができて参っておりますし、また各都道府県には都道府県立の公園もできて参っておるわけでございます。この中の大部分というものは森林に関係のある地域になっております。国立公園の中の五割以上になりますか、国有林で占めているというような問題もございます。その中にはそれぞれ目的によりまして、施設をいたします地域、それから保護をいたします地域、その保護をいたします地域の中でも特別保護地域というようなことになりますと、手を入れることは絶対に禁止されるというような、非常に強い制限の置かれておる地域もあるわけでございます。また国立公園以外の国有林の中にも、保護林というようなものができて参っておりまして、そういうようなところにおきましては、そういった自然環境あるいは学術の参考のために、その天然の森林状態を保護するという制度もあるわけでございます。また先生の先ほど御指摘の、特別の鳥獣の生息地を保護いたしますような目的によりまして、天然記念物の指定でありますとか、あるいは鳥獣そのものの場合もございますし、また樹木等に限って天然記念物の指定が行なわれているというようなこともあるわけでございます。そういうような天然自然の保護政策につきましては、私ども厚生省当局と常に連繋を持ちまして、林業の事業の上にも十分そういった規制によりまして作業を進めて参るということにいたしておる次第でございます。
○木村説明員 国立公園のすぐれた自然の景観の保護につきましては先生から御意見またごもっともなお話がございましたが、実は先生の御指摘の面もあるわけでございますが、御承知のように日本の国立公園はアメリカ等と違いまして地域制というものをとっておりまして、アメリカの場合にはすべてが国有地でありまして、公園を管理している当局の所管地でございますけれども、日本の場合におきましては国有地もございますればあるいは民有地もございまして、その地域を指定をして国立公園といたしておるという、根本的に制度が違っております。それでその際に生ずる管理上の困難な問題は産業との調整の問題なりあるいは所有権との調整の問題というふうなこともございまして、管理上いろいろむずかしい問題がございまして、その反映といたしまして御指摘のような面が間々生ずる、そういう結果になるわけでございます。 私どもといたしましては、国立公園を指定いたします場合に、先ほど長官からもお話がございましたように、国立公園の中に特別地域というものを設定いたしまして、そこにおきますいろいろの行為につきましてある程度の制限を加えますとともに、またその中で特にすぐれた景観を有する場合におきましては、それをさらに特別に保護する必要があるという場合には特別保護区というものを設けまして、特別の保護をはかっておるわけでございます。特別保護区の場合にはほとんど一切の行為というものを制限をしているというふうな状況でございます。特別保護区は全国で大体五十カ所程度ございまして、面積といたしましては五万五千ヘクタールぐらいで、国立公園全体の中の三%程度のものでございますけれども、この地域につきましてはそういう行為を制限をいたしておりますので、十分の保護が可能であろうと思うのでございますけれども、その他の地域につきましては、これは私どもは公園計画を立てまして十分合理的な保護利用ができるようにいたしておりますけれども、その際に今申し上げましたように産業の開発あるいは地域の開発との調整をいかにするかという問題につきましていろいろ苦労をいたしておりますが、特に長官からもお話ございましたように、国立公園の中には国有林等が多うございまして、その国有林との調整につきましては林野庁当局の非常な御理解を得まして、特別地域の中でも一種ないし三種というふうに区別をいたしまして、その程度に応じまして伐採等につきましても、たとえば間伐程度しか行なわれない地域あるいは輪伐を認める地域というふうな、ある程度こまかいような規制をいたしまして、林野庁当局の御理解をいただきましてそういう面はできるだけ保護していくというふうなことも努めておるわけでございます。最近私ども指定いたしました白山の国立公園でございますけれども、この白山の国立公園なんかは、今申し上げました特別保護区というのは約一万八千ヘクタールございまして、大体白山の国立公園の四〇%くらいは特別保護区というふうなもので、これは日本ではもちろんでございますが、おそらく世界でもこれほどの広い特別の保護区を設けているというふうな国立公園はございませんので、今後はそういう方向で参りたいというふうに考えております。
○足鹿委員 いろいろと対策なり施策を講じておられる御説明を聞きまして、御努力になっておることは私も理解するわけでございますが、たとえば今度は目を転じまして、都市の周辺あるいは都市の中における緑地帯等を見たときに、われわれは非常に寒心にたえないものがあるわけでございます。たとえば私どもが書生の当時には芝公園は自然公園として非常にいいところでございました。ところがいつの間にかあそこにゴルフ場をつくり、タワーを建設し、そして今は全くその面影すらもございません。また私どもがいつも見受けますことは、武蔵野の姿がだんだんすたれていく。武蔵野特有の落葉樹林というものが、マッチ箱のようなつまらないと言うと語弊がありますが、いろいろな建物によって無計画に何らの顧慮もなしに、昔ながらの武蔵野が荒廃その極に達している。こういう姿を見ますと、何とも言えない気持になるわけです。これは自分の土地、買った土地にはえている木をどうしようとこうしようと勝手だ、こういうことになってしまえば、もうこれはいかようにも仕方がない。たとえばウィーンの郊外にあるウィーンの森にいたしましても、ロンドンの中にありますところのハイド・パークにいたしましても、いつ行ってみても太古の姿をたたえてますます森林が愛護され、育成されておる。それとわが日本の東京周辺の姿と比べてみたときに、私ども全くこれが文化国家かと言いたくなるような状態がございます。必ずしも国立公園のような高原あるいは高山に行くまでもない。われわれ東京におる者も、この周辺の武蔵野がむざんな姿で切り刻まれていくのを見ている。そこに生息しておる鳥獣というものは一体どうなるのか。サンフランシスコのあれは何とかという公園でございまが、その公園に行ってみましても、リスが盛んに遊んで、自分らのそばまで遊びにくる。ああいう状態は、これは鳥獣保護とは別に、自然環境をいかに保護し、これを守るかということによってもたらされるものなのでございます。午前中の参考人の御意見は別の角度からありましたが、私どもはもう少しそういうことに対して地方自治体まかせあるいは所有者まかせにしておいていいのか、いわゆる武蔵野なら武蔵野というものを一つ例をとってみました場合には、ある一定の樹林地帯あるいは何百年以上たった武蔵野特有の落葉樹あるいはその他いろいろな樹種についても登録をするとか、何らかの保護対策というものを考えて、景観を維持すると同時に、やはりいこいの場を、緑をなるべく残していく。そこに初めて鳥獣が生息する環境がつくられていくのではないかと思うのであります。一方においては全く野放しにしておいて、そうして都市の周辺あるいは高原といわず、とにかく日本の国土は全く必要以上に荒らされておる。これが平気なのであります。そういうことに対してもっと国としての施策を講じていかない限り、鳥獣保護もうわのそらになってしまうのではないかと私は言いたい。そういう対策をあなた方はおやりにならなければならぬ。あなた方は、私いつも言うのでありますが、国有林の管理には遺憾なきを期しておいでになると思いますけれども、民有林や民有地に対するところの植林その他については、緑地帯をつくるとか造林助成をするとかあるいは融資をするという程度で、ほんとうに親身な指導というものはなされておりません。残念ながら、私は口が悪いから言いたいことを言っておるのでありますが、国有林管理庁と名を改めなすったらいかがですかとこの前も毒づいたわけでありますが、別にあなた方が憎くて言うわけじゃないのです。とにかく国有林に対する至れり尽くせりの対策と民有林対策というものは全く雲泥の差であります。そういう点を反省して、そうしてこの自然環境というものをでき得る限り保護していくというそういう一連の施策を伴わずして、鳥獣保護は、これは私は一片の法律の改廃によって目的を達成するものでないということを申し上げたいのであります。 一例を申し上げますと、もうそろそろ来月の初めになりますと、桜の花が咲きますが、私どもが国会に来ますときに桜の花の咲くころになると、千鳥が淵を通ってきます。それがせめてものわれわれに与えられたほんの十分間ほどのいこいの一ときなんです。あの花を見てわれわれは九段宿舎から国会へ通うときが、あれが実際お花見なんだ。ところが高速道路をつくるというので、去年の、もう二週間待てば桜の花が咲く、その前に全部切ったではありませんか。若木は、保存をしてどこかへ植えかえてまた持ってくるという話でありましたが、いわゆる何百年の桜の老木がまさにつぼみをふくらませて開花寸前に全部切られた。われわれが通るたびに丸太ん棒になってどこかへ運び去られていった。ところがそのあと急いで工事をするのかと思うと一カ月も二カ月も投げておったではありませんか。そういう全く心のないことをやるのです。実際私どもは、あの事態を見たときに、何とかこれを保護する方法はないだろうかといろいろ話しましたけれども、もうすでに手をつけておりますから、いかんともしがたい。その後あまりのやり方に——次々と街路樹を掘り起こし、切り倒して、日比谷公園の周辺は荒れほうだいになるというので、一時あのマロニエの並木道を切り倒すという意見があったときに、有識者の声が上がって、それはならぬというので、この保護対策が講ぜられたということは、当時の新聞紙の報道しておる通りであります。全くあの日比谷公園の周辺というものも変わってきましたし、中も噴水塔などをつくって、あそこにはえ茂っておった樹木というものは、ほとんど昔の面影をとどめないような格好になってしまっております。そういうふうになれば、小鳥が来ようにも来ようがないじゃありませんか。そういうことに対しても、国としての対策というものが、どこか大事なくぎが欠けておるのじゃないか、私はそのことを言っておるのであります。でありますから、一定の地帯とか、また特定の樹木とかあるいは樹林地帯というようなものに対しては、平地たるとあるいは国立公園たるとを問わず、国有林たると民有林たるとを問わず、これはやはりただ単なる天然記念物としてのいわゆる風致地区を残すというようなことではなしに、そこに適切な対策というものが講ぜられて初めて鳥獣の保護というものと一体化して、ある程度の成果も上がり、われわれの生活環境も美しくなるのではないか、こういうふうに思うのでありますが、そういうことについてお気づきになりませんか。全くこのところ、むちゃくちゃであります。東京都の状態を見ますと、東京炭鉱といわれるような状態で、全く私どもは驚き入っておる次第であります。その中で自然を破壊して何ら意に介さない、こういうことは、林野庁の所管で何とかお考えになったことがありますか。一体あなた方が考えられなければ、どこがこういう問題を管轄して対策を練るのでありますか。伺っておきたい。
○吉村政府委員 まことに適切なと申しますか、ごもっともな御意見でございまして、私どももその通り考えるわけでございます。けさほど参考人として見えられました田村先生が三十年ほど前に、ちょうど先生と同じような御意見を持って主張された時代がございました。むしろ田村先生としては、一部から非国民扱いをされて、そういう意見が通らなかったのでございます。今にして思いますと、ああいう御意見が通っておりますと、だいぶ東京の事態も変わっておったのではないかと今お話を伺いながら考えたのでございますが、この武蔵野の先生のお話をその他東京の区内の緑地の問題、この点は建設省の所管になっておるわけでございます。この武蔵野等の林地の残っております間は私どもの林業の政策で助成がいたして参れるわけでございますが、住宅等に転換をして参ります場合には、農地のような規制が遺憾ながらできませんために、ああいうような状態になっておるわけでございますが、最近は国土の美化運動と申しますか、非常に強い運動が起きているよう伺っておりますので、そういうことによりまして、私ども先生のお話のような環境ができて参ることを願っておるものでございます。そういうことによりまして、また、鳥類等の都市における生活環境が向上をされて、われわれの生活環境も改善をされてくるということは、私どもも願っておるところでございます。今後私どもといたしまして、協力のできます範囲は、大いにそういう点に意を用いて参りたいと存じております。
○足鹿委員 これは事務的な御答弁では私は満足できないのでありますが、政務次官、私は他の同僚議員によって質問された問題を繰り返しませんが、この問題は、この生息環境を保護していくということに対する今私が指摘したような点を一体国がどうすればやり得るのか、一体だれが今こういうことを主管して責任を持っておるのか、その所在すらも明確でない。今のお話によりますと、これは建設省だ、木がはえておる間は林野庁だ、たったそれだけわかっておるだけであって、何ら積極的な手が打てないということはまことに遺憾だと思うのです。要するに、この鳥獣保護という直接的な対策も必要でありますが、鳥獣をして安んじて生息し、そして繁殖し得るような自然環境を保護し、これをまた造成していくために必要な政府の施策を私ども新しい角度からとっていかなければならない段階がきておるのではないか。こういうことを私は申し上げて、この問題であまり時間をとりますと、ほかにまだ大事な点が二、三ありますから申し上げませんが、御所見があれば一つ承って、この問題はこの程度でケリをつけたいと思います。
○津島政府委員 お答え申し上げます。 ただいま足鹿先生から、外遊の際のいろいろ御所見、お話でございました。私ども、わずかではございますが、あちらの方を実際に見聞いたしまして、羨望にたえないものがたくさんあったのでありますが、そのうちで、やはり何と申しましても、あのロンドンにせよ、またパリ及びその郊外にせよ、樹木が非常に亭々として伸びておるのであります。ことにフランスなどは、山があまりないので、平坦地でございます。しかしながら、その森がいかによく保存をされておるかということは感にたえないものがございます。だんだんとわが国も、おくればせながら、ああいうような国土をつくり上げていくというような方面に進まなければならないものと思うのであります。そういたしまするには、やはり何としましても農林省あるいは厚生省、この両者あたりの提携というものが非常に必要であり、私は今後日本の大きな問題として、ただいま足鹿先生のお話のようなことが必ず取り上げられていくものである、かように考える次第であります。
○足鹿委員 一言だけ国立公園部長にお願いなりを申し上げておきますが、国立公園だけをあなたは御所管になっておるのですけれども、やはり自然を中心とした、国立公園に限らず、いろいろな緑地帯とか公園類似のものが全国にはたくさんありますね。自治体も、地方住民も、みんな大事にしておるのでしょう。しておるのでしょうが、それらを残して保護していく、守っていくという共通の立場に立って、これを高い国の立場から、長い国土を愛するという立場から、何らかの総合施策というものがなされなければならぬのではないかと私は思うのであります。それなしに、こういう狩猟法の一部を改正して鳥獣保護などということは、ほんの目の先の対策にすぎないのではないか、かように私は言いたいのであります。津島次官からは今同感の御答弁をいただいたのでありますが、厚生省その他関係方面がそのような問題と取り組まれて、今われわれが改正をしようとしておるこの狩猟法の目的に合致するようにやってもらいたいと思うのでありますが、何かお考えがございまして御計画がございますればお伺いをいたしたいし、十分上司等にも申されて、総合施策の対策を要望しておきたいと思います。何か御意見があったら……。
○木村説明員 先生の御意見は将来にわたるまことにりっぱな御意見でございまして、先ほど政務次官なり長官がお話しになった通りでございます。特に私ども国立公園等を管理している者といたしまして、自然的なすぐれた景観というものは、現在の世代の日本人のすぐれた財産であるばかりではなく、将来子々孫々にわたってこれを保持していかなければならないものでございます。またこれは一度破壊をいたしますと二度と再現のできないものであるということを私ども痛感をいたしておるのであります。そういう意味で、最近におきまして、先ほど申し上げました国立公園の新しい指定なりあるいは国定公園の新しい指定、たとえば東京都の付近におきましては神奈川県に丹沢というのがございますけれども、これは東京都の住民のいこいの場所でありまして、しかもあそこには先生の御指摘のすぐれた原始景観もございますし、ブナ林もございますし、またシカの生息もございますので、そういうところをできるだけ早く指定いたしまして、保護というものを中心にいたしまして、かつまたこれを利用できるというようなことも積極的に講じていきたい。また自然公園の中では、御承知のように県立公園というのもございますので、できるだけ都道府県に対しては、今のうちから県立公園を指定いたしまして、保護計画を十全にやるということも積極的に進めて参りたいと思っています。そういう意味におきまして、私どもは、毎年夏に、自然を愛護すると申しますか、自然を愛する運動というものを全国的に展開をいたしまして、国立公園の最もすぐれた場所を選びまして、青少年を中心にいたしました一千名ないし二千名の人たちに集まっていただきまして、自然保護の趣旨の徹底ということもはかっておりますが、今のところ十分ではございませんので、今後一そうそういう方面に留意をいたしまして積極的な努力をはかって参りたいと思います。
○足鹿委員 十分ではないと思いますが、先に参ります。 次に第二に聞きたいのは、害鳥獣の駆除対策についてであります。これは一例をあげますと、イノシシ、サル、ノネズミといったものの繁殖が最近非常に目立ってきました。しかもこれが人畜なり農作物なりにも非常な被害を与えておる。保護すべき鳥獣については、先ほど述べましたような問題もあり、また同僚議員からるる熱心にその対策について御指摘がありましたが、私は保護するものについては徹底的にやっていかなければならないと思いますが、害鳥獣についてもこれまた徹底的な対策を一面に伴わない限り、われわれの生活なりあるいは特に自然と密接につながっておる農林業というものは非常な脅威を受ける、こういうことを考えておるものであります。昨年来構造改善地区の山村を全国にわたって歩いてみました際にも、至るところでイノシシに関する被害防止方の陳情を受けました。また今回の豪雪調査に参りました際におきましても、この豪雪に際してイノシシがどんどん農村、平場へ飛んで参りまして、家へ入って子供にかみつく、通学児童を襲って負傷させるというような事態が各地に続出しております。ことに近畿の一部、中国の山間地等は非常にたくさんイノシシが生息しておりまして、最近繁殖が激しいようであります。そしてこれが対策としては電気さく等を設けておりますが、私の手元にあるここの資料によりましても、現在許されておる範囲内の電気さくでは、経費、労力がたくさんかかりますし、電圧があまりに低いためにイノシシはそんなことにびくともしない。少々ぴりっときてもかみ切って突破して中へ入っていく、こういう状態であまり効果がない。爆音器を電気さくと併用したが、一年目には効果があったが音になれてくると二年目からは平気で部落へ入ってくる、こういう状態であります。切断個所を修理すると電線が太くなって電気の流れがさらに低下してまずいし、切断個所があるかないかを巡回して見る労力も大へんだというので薬剤を布に吸わして田のまわりにつるし、そのにおいで防ぐ対策をやったけれども、雨や風に吹かれるとその薬が消えてきかなくなる。捕獲について、猟友会に頼んでイノシシを撃ってくれ、自分たちはあぶなくてしょうがないといっても、なかなかそう簡単にやってくれない。経費もかかる。それからまた来てもらってもその日にちゃんとイノシシが出るわけのものでもありませんし、なかなかそううまくいかない。わなをつくりましてもなかなかうまくいかぬ。要するに、もっと電圧の高い、触れれば死ぬるような、また死に近いような衝撃を受ける程度のものをつくらしてもらいたいという声です。それと、それに対する助成をやってもらいたいという声を方々で聞きました。ところへもってきて、私どもの故郷の方でも、盛んにイノシシが人家へ現われて子供にかみついたり、家の中へ飛び込んで全く大あばれにあばれるというような状態がございました。ここにもありますが、「山里に“通り魔”イノシシ」というように、新聞紙は盛んに雪害とイノシシの被害を報道しております。農林省も知らないはずはないと思う。これらの害鳥獣は、とれば若干の奨励金が出ておるそうでありますけれども、そういう程度ではもうこれは手に負えないのではないか。つまり電気さくの構造をもっと変えていくということと、それから猟友会等に頼んで、電気さくで周囲を回しておいてよそへ出られぬようにして中へ追い立てたら飛んで出るだろうから、そこらあたりを撃って殺すとか、それから電気さくに対して地元住民は、八千八百メートルで六十六万円くらいもかかるということに資料によるとなっております。もっとそれ以上かかるでありましょう。ですからそういうものの対策を講じてもらう必要があるのじゃないか。これはもう切実な声なんであります。山村民にとっては非常な生活上の脅威を受ける、そして野らを荒らされる、こういうことに対する対策いかんということであります。 それから、このごろ観光対策というのでサルを飼う。中国地方でも高梁の在にサルを飼っております。えさをやる。ところが人が見に来る間はえさもやりましょうが、人が見に来ぬようになると食いものがなくなるわけでありますから、今度は奥地へ入って人畜に被害を与える。とにかく白菜でもキャベツでも中のいいしんの、人間が食うところと同じところを食う、トウモロコシも全部皮をむいてうまいところを食う、そういう状態なんです。それでサルとりじいさんが来るということがサルは伝令を出しておいてわかりまして、ちゃんと退却命令を出して一斉に逃げてしまう、こういう人間以上のまことに規律ある生活をしておる。こいつにかかった山村、中国山脈地方においては、そういう陳情を私も聞きました。なるほどそういうことがあるもんかなあと思って感心をして聞いたのであります。私どもは直接何ともありませんけれども、その現地の人は大まじめなのです。生活を脅威されてこれじゃとてもたまらぬという声、もっともだと思いまして、何かの機会に私は当局にそういう実情を申し上げて、害獣対策というもの、時によってはあいきょうのある観光資源になりますが、変じて人畜に危害を及ぼさぬまでも大きな損害と不安を与えるようなものに対する対策というものがもっと考えられなければならぬ。 それからいま一つノネズミの繁殖です。またイエネズミの繁殖も、これは東京銀座あたりでも新聞をにぎわしておりますが、私どもの地方は平坦地であります。海岸砂丘地帯でありまして、イモをつくったり陸稲をつくったりいたしておりますが、秋になりますと大きな稲架をつくりますが、その稲架の下に一尺五寸から二尺三寸くらいは夜光塗料を塗りまして、そして鉄板を巻いてネズミが上がらないようにしなければ一物もとれません。みんな稲架へかけた稲を食ってしまうんです。学校や市当局が奨励金を出してネズミをとるというようなことをやっておりますけれども、これはいかんともしがたい。年々歳々ネズミはふえまして、もう始末がつかぬ状態になっております。昔、私は系統農会の仕事をしておりましたが、その当時は、チフスだんごを農事試験場でつくりまして、毎年早春の今ごろになると全県下一斉に駆除せいということをやった。それがチフス菌が人体に入るというような点等も指摘されて、そういうことはないはずでありますが、誤ってそういう場合もありましたので、後に亜砒酸だんごを配付することを許可をとって全県下が一斉に、毎年雪解けの今ごろは年中行事としてチフス菌だんごや亜砒酸だんごやその他野鼠退治をやったものです。ところがこのごろは全然そういうことを行事としてやっておりません。農政局長がおいでになっておりますが、一体ノネズミに対してどういう対策をしておられるか。林野庁は千二百万円ばかりのはした金を出して造林に対するノネズミの被害防除対策をしておられるということを聞いた、しかもそれは一定の薬剤名を指定して補助しておられるということも聞いておりますが。これは新しい農村の行事として従来続いてきた美風がほとんどすたれてしまっておる、そこヘネズミ算といわれるくらいの繁殖力の強いものでありますから、どんどんこれが繁殖する。家に入ってもイエネズミになる、野へ出てはノネズミになり、全く打つ手がないような繁殖ぶりであります。これはやはり根本的な対策を講じない限り非常な問題が起きると思いますが、これに対する対策いかんということでありまして、最初にイノシシの電気さくの、イノシシを即死までいかなくとも、さくを突破されない程度の構造上の対策と補助対策いかんということから、一つ御答弁を願いたいと思います。
○吉村政府委員 それでは先に私から御説明を申し上げますが、イノシシの対策といたしましては、私どもこの改正によりまして、ちょっと異質のものを入れたのでごさいますが、鳥獣保護計画の中で有害鳥獣の駆除の計画もあわせて立てるということにいたしておる次第でございます。御指摘の通り有害鳥獣につきましては大いに駆除をいたしたいわけでございまして、そういう計画を立てまして実施を進めたいと考えております。イノシシの被害に対する対策といたしましては、現在林野庁といたしましては、わなをつくりますための補助金を出しておるわけでございます。電気さくにつきましては、林野庁といたしましては林野の方へ向かってのことになるものですから、その点が非常にむずかしいわけでございまして、まことに恐縮でございますが、一応私どもの対策としては、わなということで考えておるわけでございます。
○斎藤(誠)政府委員 お答えいたします。 御指摘のように、戦後ネズミの被害が地域的には相当集団して激発しているというふうな地域がございまして、ネズミ全体の被害額は、穀物の貯蔵に対する被害まで含めましてよく三百億といわれておりますが、農作物に対する直接の被害といたしましても、今御指摘がありましたように、戦後二十五年くらいから三十五年くらいまでに私の方の県からの報告によりますと、一県当たり約四億の被害だという報告が上がっておるわけでございます。この発生の状況も年によって相当変動があるわけでございますが、特に三十五年、六年、七年ごろにわたりまして愛媛県あるいは広島県の一部に相当ひどいネズミの被害が発生いたしておるわけでございます。そこで、これに対する緊急措置を町村、県においても、いろいろとられたわけでございますが、農林省といたしましても、これに対応いたしまして愛媛県に対する特別の異常発生策といたしまして、御承知のように、異常発生に対応する緊急防除費というのが五千万円私どもに計上してあるわけであります、その中から特に愛媛県に対しまして三十六年、三十七年、二カ年にわたりまして、ネズミの異常発生対策として補助することにいたしておりまして、対策の主要なものは、今お話しになりましたようなネズミに対する農薬の補助、主として弗素系の薬剤、あるいは燐の系統の薬剤、あるいは石垣等の中に相当生息しておりますので、青酸ガスといったようなものに対する助成をいたしております。 なお、そのほかに、御承知のように、ネズミはイタチが苦手でございますので、イタチが天敵ということになるわけであります。そこで、イタチによってネズミをとるというようなことに対する助成方法を講じておるわけでございます。今申し上げましたような異常発生の事態に対しましては、このような緊急防除の措置をとって参りたいと思っておりますが、広く野鼠の害につきましては、だんだん各地におきましてもいろいろ殺鼠剤を使いまして抑制しておるわけでございます。殺鼠剤の販売額を調べてみますと、昭和二十四年に二千百万円でございましたが、これが三十七年には十倍の二億二千万円というように、非常にふえておりますので、民間におきましてもこのノネズミに対する対策は相当進んでおるのではないかと、かように考えております。
○足鹿委員 齊藤さん、イノシシの所管はどこになるのですか。わなだけは林野庁が所管するというが、そんなばかなことがあるものですか。あなたたちは、一般鳥獣を保護するために必要な法律を出しておいて、人畜や農林産物に被害を与え、危害を与えるような野生動物に対して、わなだけは林野庁の所管だが、あとは知りません、そういう答弁はおかしいですよ。津島次官、どうですか。あなたの所管の林野庁長官はそういうことを言っておられるが、電気さく等は一体どこがめんどうを見てやるのですか。山村の人は実際不自由な生活をしておるのです。ですから収入も乏しいし、当然対策を立ててやるべきである。所管が違いますから、私たちはわなだけです、というようなことではいかぬわけであります。もっと電圧の高い電流を流していくということと、イノシシの電気さくの補助率を高めていく、要するに適当な被害防止対策について検討して善処する旨の御答弁をいただかない限り、私の質疑を打ち切るわけに参りません。まだいろいろ資料がありますから、何ぼでもそれを披露して申し上げます。ネズミの方はそのあとでやりますから……。
○津島政府委員 今、林野庁の方から、わなだけが所管であるということを申し上げたようでございますが、そういうわけでもないのでありまして、人畜にイノシシが非常な被害を及ぼすということは、農家の生活から見まして、ひとり財産の問題ばかりでなくて、生命にもかかわる重大な問題でございます。従いまして、ただいま電気きくに強い電流を通ずるというようなお話でございましたが、これは確かにイノシシに対しましては非常な脅威でありましょうが、一面また、その農家の方々にもそういう場合におきましては多少危険がなしとはしないわけでありまして、その辺とくと検討いたしまして、適当な電圧でやるということにしなければならないと思うのでありますが、近ごろは、私も最近聞いて非常に驚いたのでありますが、イノシシの繁殖が非常に多くて、被害がまた気のつかないほど大きいものがあるそうでございます。従いまして真剣に検討をいたしたい、かように考える次第であります。
○足鹿委員 資料として申し上げておきますが、これは兵庫県香寺町というところです。そこへ私が行ったときの資料でありますが、ここは面積が三十平方キロ、農地が七百三十三ヘクタール、人口が九千七百七十一、世帯数が千八百八十三戸で、部落数が二十あるわけです。営農世帯が千四百七十九戸でありますが、この中で電気さくの延長が四万三千三十一メートル、つまり四十三キロメートルに及んでおるのです。これが山村における費用はなかなか相当なものですよ。それで電流のない地区と四十ボルト地区と、危険防止上の五十ボルト以下の地区というものを持っておるようでありました。私は現地も見ましたが、時間がないものですから、詳しいことはあとで資料をいただいたわけでありますが、こういう状態であって、そこでいろいろ話を聞いておるうちにイノシシの話になってしまったのであります。先生、国会へ帰ったらこれを何とかしてくれ、こういうことなのです。もっともな話でありますので、いつか機会があったらと思っておりましたが、今御指摘の通り、これは第一条ノ二の二項の四号に、「有害鳥獣ノ駆除二関スル事項」という、計画に掲げられた条項があるわけであります。従って私が今指摘しておったようなことはわなだけなんだということを長官おっしゃっておれば、そういう計画なら、私どもはこの法律の審議にあたってはこの内容をずっと一々しさいに検討してみなければお通しするわけには参りません。電気さくに対しても、今言ったようなわずかな八部落で四十三キロに及ぶ電気さくを設けておるのでありますから、いかに負担が大きいかということはおわかりでございましょう。またその人々にとっては何よりも真剣なのです。ところがこの豪雪によって、それらの被害は続出しておるのです。ですから猟友会の諸君に対するあなた方の指導のやり方もありましょうし、電気さくもありましょうし、わな、もちろんけっこうでありますが、このイノシシ対策というものに対して、第一条の二の第二項の計画に示す四号等に基づいて善処するんだ、電気さくについても、その構造上の電流の程度、またその施設そのものに対する地方住民の負担を軽減し、安心して生業が営まれるように善処をするという御答弁がない限り、このイノシシ問答はまだ続くと思っていていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○吉村政府委員 最初に、先ほどもこの項を申し上げたわけでありまして、この鳥獣保護事業の一環として害鳥獣は徹底的に駆除して参るという計画でございます。この計画はそれぞれその地方の実情に沿って立てられるわけでございますが、大体私どものこの項で考えておりますことは、鉄砲でとるということを主体にしておりまして、この項では駆除隊の編成というようなものの指導を考えておるわけでございます。こういう保護事業の計画を実施いたしますための裏づけとなる財源につきましては、先刻来御説明を申し上げました目的税であります入猟税が主としてここへ回ってくるわけでございまして、こういう点で有害鳥獣の駆除の方には私ども推し進めて参りたいというように考えております。 この電気さくの問題でございますが、その点につきましては私どもも十分検討をいたしたいと存じております。
○足鹿委員 津島政務次官、いかがでございますか。検討だけでは私満足いかないのです。電気さくについては現実にこういう事態が起きておるのであるから、検討して善処するという……。
○津島政府委員 イノシシに関する被害というのは、先刻も申しました通り、ひとり農作物の問題ではないのでありまして、農民の生命に関することであります。従いましてこれは真剣に取り上げて善処申し上げたい、かように考える次第でございます。
○足鹿委員 それではいい御答弁をいただきましたので、早急に善処していただきたいと思います。 そこで、もう一ぺんネズミに戻りますが、林野庁関係は、造林の害鳥獣としてのネズミ駆除にフラトール、強力カタリウム、硫酸タリウムというようなもので千二百八十万円を三十七年度予算で計上しておりますが、三十八年度の計上額はどういうふうになっておりますすか。また北海道については国の補助が八分の三で、道負担が八分の一、地元負担が八分の四ということになり、内地では六分の二が国庫負担で、地元負担が六分の三で、他が都道府県ということになっておるようでありますが、この補助率というようなものについて、もっと改善されるべきことはもちろんでありますが、林野庁なりまた一般農政局所管の野鼠対策にいたしましても、私は先ほど指摘したように、従来やったような一斉駆除を全国的に行なう。それには特別の経費を組んで、そういう有効適切な薬剤を農業委員会なら農業委員会、農協なら農協というもの、あるいは市町村なら市町村の手で全国一斉に大規模にやる必要があると思うのです。あなた方は、こういうことを言うと、何かこうほど遠いような感じを持っておられるかもしれませんが、最近の野鼠、家鼠の繁殖というものはおそるべき実情にあると思うのです。これはこの際思い切った対策を講じない限り、将来多くの禍根を残すと私は思うのであります。でありますから、昔は相当熱心にやったのに、このごろは全くそういうよい慣行というものがなくなったようですから、行事としてちゃんとやらせるような対策というものをおとりになる必要があろうかと思います。そういう事情と、その裏づけとなるべきところの薬剤、あるいはその他必要な機具器材等に対しても相当国がめんどうを見てやる、そうして全国一斉に数カ年間計画的に野鼠あるいは家鼠の駆除をやっていく、そういう対策は必要だと思うのでありますが、地元から申請がないから、まあ予算はあるけれどもやらずにおる、こういうお話もあったそうでありますけれども、どこでもやっておるんです。やっておるんだけれども、国が一つのそういう方針をきめて、そうして一斉に進めていく、そういう姿勢をこの際打ち出す必要があると私は確信をしておるものであります。これは申請主義によって補助は出るものでありますか、あるいはどういう基準によって林野庁は出し、農林省は出しておるか、そういったようなことに対しても実情を明らかにされると同時に、もっと統一した対策を、農林省のことでありますから、林野庁と農政局が相協力して打ち出してほしいと思いますが、その点統一見解なり現実の交付基準、交付方法、そういったようなものについてももっと明らかにしていただきたいと思います。
○吉村政府委員 野鼠の問題でございますが、まず最初のお尋ねの三十八年度の予算は、二千百八十六万円でございます。それからこの野鼠の駆除対策でございますが、これはお話のような薬剤を使いましてあるいは飛行機等から散布をいたしておる次第でございます。これは御指摘のように山だけやればそれでいいとか、あるいは耕地だけで済むというようなことでございませんので、今後も十分農政局の方とも連絡をとりまして、最も効果の上がる方向へ私どもも進めて参りたいと存じます。それからこの助成でございますが、この助成はお言葉のように県からの申請によって配付をいたしておるものでございます。
○斎藤(誠)政府委員 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、ネズミの被害の状況も年によって変動するようでございますけれども、今お話しになりましたように、とにかくネズミの害というものが相当あることは事実でございますので、この面についての指導については、お話のような線に沿って今後指導して参りたいと考えておるわけでございます。ただこれに対する助成方法につきましては、先ほど申し上げましたように、緊急防除費という形式で経費の中から支出いたしておりますので、この緊急防除の予算の性質といたしましては、ひとりネズミに限らず、その他の病虫害におきましても、通常の密度以上に異常発生して、農家だけの手によってはとうてい撲滅することがむずかしいというような場合におきましては、申請に基づいて助成する、こういう建前にいたしておるわけでございます。補助率は、二分の一補助ということにいたしております。
○足鹿委員 大体実情が明らかになりましたので、これ以上申し上げませんが、津島政務次官に私は先ほどお尋ねをいたしましたように、統一してある計画のもとに、このノネズミを中心とするネズミ駆除の徹底的な対策をこの際講ずべきだと思うのであります。それはただ単に林野、耕地を問わず、一般家鼠たるを問わず、統一的に関係方面と連絡をされて、国が積極的な姿勢でもって一斉に一定の計画に基づいて対策を進められる必要を認めるものでありますので、その点についてその線に沿って今後やるんだという明確な御答弁をいただきますならば、時間もないようでありますから、ほかに私の気のついたこの法案自体の問題もございますが、そういう御答弁をいただき対策が進められますならば、私の質疑はこの程度で終わりたいと思います。
○津島政府委員 ただいまの御注意、まことにごもっともな次第でございます。従いまして、今後林野庁と農政局の方とは一体となりまして、これらの駆除に当たることにいたしたいと思います。
○長谷川委員長 次会は明十四日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会をいたします。 午後三時二十六分散会