農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 251 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/12
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 いずれも参議院送付にかかる狩猟法の一部を改正する法律案及び農業改良助長法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。津島農林政務次官。
○津島政府委員 狩猟法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 現行狩猟法は、その制定以来数次にわたる改正により、野生鳥獣の保護及び狩猟の適正化にかかる諸施策の基本となる法律としてその内容の充実強化がはかられてきたのであります。 特に、野生鳥獣の減少傾向に対処するため、昭和二十五年の法律改正におきましては、その保護繁殖をはかる制度として新たに鳥獣保護区の規定を設け、以来今日に至るまで全国に十九カ所の鳥獣保護区を設定するとともに、本法制定当時からの制度であります禁猟区を現在まで全国におよそ七百ほど設置いたし、積極的に野生鳥獣の保護繁殖の施策を推し進めて参った次第であります。 しかしながら、最近における国民生活水準の向上に伴う狩猟の普及及び狩猟技術の発達並びに国土の開発及び高度利用による野生鳥獣の生息環境の悪化等の諸事情によりまして、野生鳥獣減少の傾向はますます強められているのであります。 このような野生鳥獣減少の傾向は、自然の保護、生活環境の美化、改善等の見地からして放置することのできない問題であるばかりでなく、農林水産業の振興にも悪影響を及ぼすおそれが大きいものがあり、この際野生鳥獣の積極的な保護繁殖をはかるため強力な施策を講ずる必要があると考えられ、また、これと関連しまして、適正な狩猟の保続をはかるため、狩猟にかかる制度をあわせて改善しなければならないものと考えられるのであります。 以下、この法律案の主要な内容につきまして、御説明いたします。 第一は、狩猟法の名称を鳥獣保護及狩猟二関スル法律と改めるとともに、目的規定を新設し、法律の趣旨を明らかにいたしたことであります。 第二は、鳥獣保護にかかる制度の改正であります。 すなわち、新たに鳥獣保護事業計画制度を設け、これを中心として国及び都道府県は、鳥獣の保護繁殖のための施策を講ずることといたしたほか、禁猟区制度を廃止して鳥獣保護区制度に統合し、現行の鳥獣保護区に相出するものは鳥獣保護区の区域内に特別保護地区として指定するように改める等、計画的、かつ、積極的に野生鳥獣保護にかかる施策を実施することといたしたのであります。 第三は、狩猟にかかる制度の改正であります。 その一は、全国にわたって効力を有する現行の狩猟免許の制度を改め、各都道府県知事がその管轄区域内における狩猟について免許を行ない、狩猟免許の効力をその都道府県の区域内に限ることといたしたことであります。 その二は、狩猟鳥獣の減少を阻止するため、一定の地域について三年を期限として狩猟を禁止する休猟、区の制度を設け、狩猟鳥獣の自然繁殖に資することができるようにいたしたことであります。 その三は、猟区につき、その維持管理を委託された者の積極的な活動の道を開くよう、委託にかかる規定を整備いたしたことであります。 第四は、鳥獣行政にかかる組織に関し、その行政の地域的特殊性にかんがみ、行政の適正を期することを目的といたしまして、新たに都道府県ごとに諮問機関として都道府県鳥獣審議会を設けるとともに、鳥獣保護事業の実施に関する事務を補助せしめるため、非常勤の職員である鳥獣保護員を置き、都道府県における組織の整備を行なったことであります。 なお、以上の改正に伴って必要となる経過措置を講じ、また、関係法律の規定を整備することといたしております。 狩猟法の一部を改正する法律案の提案理由及び主要な内容は、おおむね以上の通りでございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。 次に、農業改良助長法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 申すまでもなく、国及び地方公共団上体におきましては、農業基本法に基づき、農業構造の改善や農業生産の選択的拡大等の諸施薬を推進しつつあるのでありますが、これに対応し、農業経営の近代化、生産の選択的拡大及び農民生活の改善をはかるための技術指導に加え、次代の農業経営を担当するのにふさわしい農村青少年を育成するため、農業に関する普及事業を充実いたしますことは、最近における農業及び農民生活をめぐる諸事情の推移とも関連して、特に配慮いたすべき重要な問題となっていると考える次第であります。 農業に関する普及事業は、農業改良助長法に基づき戦後制度化されて、十数年を経、その間種々改善強化されて参ったのでありますが、農業改良普及職員の活動範囲は逐年著しく拡大しつつあるばかりでなく、その普及内容におきましても、生産性の向上、生産の選択的拡大の方向に即するものであることが要請されているとともに、急速な技術革新にも即応し、また、農業経営という広い観点から行なわれる総合的、かつ、高度な指導が必要となっているのであります。こうした事態に対処し、活発な普及指導活動を展開いたしますためには 普及事業に従事する専門技術員及び改良普及員につき、その資質の向上をはかるため、研修の強化、人材の採用等に努めることはもちろん、普及指導活動の体制を整備し、試験研究機関とも連絡を緊密にする等の措置を講じ、指導力の強化をはかることが必要と考えるのであります。 また、さらに専門技術員及び改良普及員の職務は、教育職に近似する高度の職務内容を有し、また、巡回指導を主体とする不規則、かつ、強度の勤務を伴い、しかもその職務の複雑困難の度は、最近の農業事情を反映してますます加重しつつある実情であります。 これらの事情にかんがみまして、農業改良助長法の一部を改正し、都道府県は、条例で定めるところにより、専門技術員及び改良普及員に対して、農業改良普及手当を支給することができるものとし、その支給方法及び支給割合について所要の規定を設けることといたしますほか、専門技術員の事務を明確化し、特に普及事業と試験研究との連繋の強化に関する規定を設けますとともに、専門技術員及び改良普及員の研修につき、都道府県知事が、その計画的実施に努めるよう規定することといたしまして、右の要請にこたえることといたしたいのでございます。 以上がこの法律案の提案理由及びその主要な内容でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。 ————◇—————
○長谷川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。 狩猟法の一部を改正する法律案について、参考人の出頭を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、意見を聴取いたします日時並びに参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○長谷川委員長 次に、農業改良助長法の一部を改正する法律案について、補足説明を聴取いたします。齋藤農政局長。
○齋藤(誠)政府委員 農業改良助長法の一部を改正する法律案の内容につき一まして、補足して御説明申し上げます。 農業に関する普及事業は、昭和二十三年に制定されました農業改良助長法に基づく国と都道府県とによる協同事業として、専門技術員及び改良普及員の設置とこれらの者による教示及び実地展示を行なうことを基幹として実施して参ったのであります。昭和三十七年度における専門技術員の定数は八百八名(うち、生活改善関係百八十四名)、改良普及員の定数は一万二千八百十七名(うち、生活改善関係千八百八十名)となっております。昭和三十三年に法制化されました農業改良普及所 は、全国千五百八十六カ所でありまして、これに改良普及員が所属して活動いたしております。発足後十余年を経過いたしまして、普及事業の基礎もようやく固まって参ったのでありますが、提案理由の説明にもございましたように、新しい時代の要請にこたえ、この際普及事業を積極的に刷新強化する必要が生じているのでありまして、これがため、政府におきましては各般の施策を極力に推進する考えであります。 すなわち、専門技術員及び改良普及員の資質の向上をはかるため、改良普及員の資格を四年制大学卒業またはこれと同程度まで引き上げる方針を明らかにし、また、これと関連して、研修につきましては、昭和三十八年度におきまして、農業改良普及員の国立大学農学系学部への留学研修の制度を設けるとともに、畜産、園芸守成長部門に関する特技を付与することを目的として昭和三十三年度から実施して参りました農業改良普及員特技研修、生活改導の普及職員の研修等についても、その拡充を行なうことといたしております。 また、生活改善普及組織を整備することとし、昭和三十八年度におきまして、生活改良普及員百七十名、生活改善専門技術員四十六名の増員を行なうことといたしております。 以上申し述べました措置とあわせ、普及事業の分野に優秀な人材を確保するため、その勤務の実態に即し農業改良普及手当を支給することといたしましたことは、提案理由において御説明申し上げたところでございます。 以下、条文に即しましてその内容を御説明申し上げます。 改正案の第十四条の二第二項及び第三項は、専門技術員の事務に関する規定を整備しようとするものであります。第二項では、専門技術員の現行の事務のほか、新たに、市町村等と密接な連絡を保ち、専門の事項の総合並びに普及指導活動の技術及び方法について改良普及員を指導することを加えることといたしました。第三項は、普及事業と試験研究との連繋を強化するための規定でありまして、都道府県が専門技術員を関係試験研究機関に駐在させ、普及事業に必要な試験研究に参加させること等必要な措置を講ずるものとする旨を規定しようとするものであります。 第十四条の四は、専門技術員及び改良普及員の研修に関する規定であります。農業改良普及手当の支給とも関連して、今後専門技術員及び改良普及員の研修を大いに強化する方針でありますが、任命権者たる都道府県知事において、この研修を計画的に実施するよう努めなければならない旨を規定することといたしました。 第十四条の五は、専門技術員及び改良普及員に対して支給する農業改良普及手当に関する規定であります。都道府県は、農業改良普及手当を月額をもって定率で支給することができるものとし、その支給割合は、専門技術員にあっては百分の八、改良普及員にあっては百分の十二以内において条例で定める割合とする旨規定することといたしました。 なお、附則につきましては、第一項で、この法律の施行期日を昭和三十八年四月一日とすることといたしております。附則第二項は、地方自治法が地方公共団体の常勤の職員に対して支給することができる手当を列挙しておりますので、これに農業改良普及手当を加えようとするものであります。 以上が農業改良助長法の一部を改正する法律案の補足説明でございます。 ————◇—————
○長谷川委員長 引き続き狩猟法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。湯山勇君。
○湯山委員 議題となっております狩猟法の一部改正につきましてお尋ねいたしたいと思います。なるべく実質的なお尋ねをいたしたいと思います。 まず法律改正の意味でございますけれども、現在野生鳥獣が大へん少なくなってきた、これじゃほうっておけないというので、こういう改正が行なわれたというふうに判断されますが、そうすると、これは法律そのものは非常に消極的であって、ほうっておけないからやむを得ずこうするのだということであって、法律自体について積極的な意味があまり読み取れない、従って当然あとでなお抜本的なといいますか、根本的な改正が行なわれるというような過程における法律の改正なのか、あるいはもうこれで一段落だということなのか、これはお尋ねする根本になる問題でございますから、一つ明確な御答弁を願いたいと思います。
○若江説明員 野生鳥獣が近時大へんに減少しておりますことは御存じの通りでございます。政府におきましては、こういうような実態にかんがみまして、鳥獣審議会に野生鳥獣の保護増殖につきまして諮問をいたしたところでございますが、昨年の六月に鳥獣審議会から答申をいただきまして、答申の線に基づきまして、鋭意法律の改正につきまして審議を進めてきたのであります。その審議の結果まとまりましたのが今御提案申し上げております一部改正の法律でございます。 この法律の内容は、先生からお話のありました通り、保護増殖を主体にいたしまして、このことによりまして、農林水産業の振興、あるいは環境の美化等にも寄与いたしたいというように今考えて、所要の措置を講じたところでございますが、法律の目的は、新しく第一条に設けましたように、今申し上げました事柄を率直に法文の上に明記いたしたような次第でございます。従いまして、この法律の運用によりまして、申し上げました要件は具備できるというように考えておるわけであります。なお、若干の改正等は今後予想されるわけでございますが、大綱的にはこの改正法で十分やっていけるというように考えるわけでございます。
○湯山委員 私は今の御答弁では大へん不満なので、鳥獣審議会の審議の過程がどうあるとかこうあるとか、そういうことはなおあとでお尋ねいたします。それよりももっと根本的な問題で、これでもって大体足れりとしておるのか、これじゃまだまだいけないから、今後法律を抜本的に改めて、鳥獣保護それから狩猟の適正化をやっていく、こういうことなのか。これは基本的な態度にかかる問題ですから、政務次官からお答えいただくのもどうかと思うのですが、私は、これは抜本的になお改正の余地があるという御答弁をいただければそれでいいわけです。
○津島政府委員 ただいま御審議を願っております狩猟法の一部を改正する法律案は、従来の保護の制度より、かなり進んでおるのであります。従来は、御承知の通り保護と申しましても、非常に消極的でございましたが、今度はただいまも申し上げました通り、特別保護地区などを設けまして、積極的に保護をしていく、その点が非常に変わっておるのであります。それからまた、三年間でございますが禁止地区を設けるというようなことも、一段の前進であろうと思うのであります。そういうことで以前よりはかなり進歩をいたしておりますので、これによりまして必ず相当の効果があると思います。それからまた狩猟法にいたしましても、現在たとえてみますというと、東京で免許を得ました人は、青森なら青森に参りまして狩猟ができるということであったのでありますが、それが、青森県の場合は青森県ということにいたしますので、おのずから各府県の鳥獣を保護する心がまえもまた違って参る、かように考えるのであります。従いまして、私は相当前進をしたものと思いますので、ただいまのところでは、これでやって相当の目的を達し得るものではないか、かように考える次第であります。
○湯山委員 この問題についてはなおもっと立ち入ってあとでお尋ねいたします。ただ申し上げたい点は、法律の目的が変わった、それから法律の名称も変わっております。従って狩猟法の一部改正じゃなくて、法律全体が新しい法律になった、こういう心がまえでなくてはならないと思うのですけれども、その点はどうなんですか。法律の目的が変わって名称が変わって、それで一部改正だ、こういう解釈は一体できるのですか。
○若江説明員 法律の名称も、「鳥獣保護及狩猟二関スル法律」というふうに変わったわけでございますが、その第一条に、目的事項を明文化いたしておりまして、特に「鳥獣ノ保護蕃殖、有害鳥獣ノ駆除及危険ノ予防ヲ図り以テ生活環境ノ改善及農林水産業ノ振興ニ資スル」というふうにはっきりとその目的をうたったわけでありますが、重点といたしまして従来非常に保護繁殖にウエートを置いたという点で変わっておるのであります。全体的に完全に衣がえをしたということではないというふうに考えております。
○湯山委員 政務次官の御答弁と食い違っておるのはそこなんです。法律の目的を変え、法律の名称まで変えたなら、これで抜本的に新しいかまえでいくのだ、こう言うべきであるのに、そうじゃなくて、やはり一部の改正ということにとどまるのだ、そこに非常に不徹底なものがこの法律にあるわけです。その具体的な例をあげてお尋ねいたしたいと思います。それはたとえば質的な変化があったにもかかわらず、狩猟鳥獣の名称等においては非常に不徹底なものがあります。解釈のできないものがそのまま残っています。それから法律の条文の中にもわけのわからない条文がそのまま残っているのです。一つお尋ねいたしますが、その例として、狩猟免許されない中に白痴、瘋癩というのがあります。私は百科事典を調べてみました。それから現在この国会図書館の中にある本は全部調べました。白痴はあります。白痴というのは精神薄弱の強度なものであってIQが二〇以下、遺伝である。瘋癲というのはどの字引にもありません。瘋癲というのは一体何のことですか。しかもそれによって免許状を出すか出さないかきまるわけですよ。瘋癲というのは政務次官何でしょうか。
○津島政府委員 瘋癲というのは、普通一般にはてんかんなど突発的にくるなにを意味すると思いますが、この場合はやはり白痴の方と似たような性質である、かように考えるのであります。
○湯山委員 政務次官でなくて専門家にお願いします。医学的に現在の医学でどういう病名がつけられ、どういう病気なんですか。そうでなければ、法律で禁止されているのだから……。
○若江説明員 私、医学の専門家でございませんので、十分答え切れないかと思いますが、一般的にここに言う瘋癲者というのは精神の薄弱者を意味しておるようでございまして、従前から白痴または瘋癲者というのは一般刑法上の心神喪失者とほぼ同じであって、刑事責任能力がないというふうに解しておるわけでございます。
○湯山委員 そういう御答弁では法律用語として通用しないんじゃございませんか。しかも、条文の中にはっきり、そういう者には狩猟免許をしてはならぬ、こうなっているのです。そういう判断を都道府県知事がするわけです。白痴というのはとにかく現在の言葉で言う精神薄弱で、その概念もいろいろありますけれども、IQ二〇以下は通常そうだ、これならわかりますね。瘋癲かどうかというのはどうすればわかるのですか。県知事がどうやって瘋癲かどうか——瘋癲という病気はここでこれだけお聞きしてもはっきり言えない病気です。それを判断して狩猟免許を出す出さない、できますか。
○若江説明員 今まで瘋癲として免許を与えなかった事例もありませんし、大体常識的に考えまして、瘋癲者が免許を申請するということもあり得ないのではないかというふうに考えるわけでございますが、従前の経緯から申しますと、都道府県知事がこのゆえをもって免許を渡さなかったという例はないわけでございます。
○湯山委員 この問題は、ここで議論するにはあまりにもばからしい問題ですし、これでは話になりませんから、あとでもう少しはっきりするようにしたいと思います。 今度資料に直接入ります。たとえば狩猟鳥獣で、これも私はいいかげんな解釈をしておられるように思うのですが、狩猟鳥獣にノイヌ、ノネコというのがあるのです。これは何でしょうか。ノイヌ、ノネコという種名を持つ動物が日本にございますか。まずそれから伺います。
○若江説明員 ノイヌ、ノネコは、元来は家畜でございましたものが野性化いたしまして山野に自生いたしまして、野山におるというのを、のら犬、のらネコ等と区分いたしまして、この場合ノイヌ、ノネコと称しまして狩猟鳥獣に入れておるわけでございますが、アメリカあるいはカナダ等におきましてはこれらをファーラル・ドッグあるいはファーラルーキャットというように区分いたしまして、やはり狩猟鳥獣にいたしておるというような例もあるわけでございます。それにならいまして野山に自生しておりますノイヌ、ノネコを狩猟鳥獣に入れておるわけでございます。ただしこれは動物学上の分類では区分がないわけでございます。
○湯山委員 これはいつお入れになったのですか。
○若江説明員 たしか昭和二十二年に狩猟鳥獣に加えたというふうに考えております。
○湯山委員 昭和二十二年というのはちょうど占領下であって、そういうことがよくわからないで向こうの法律をそのまま訳したのではございませんか。
○若江説明員 先ほど申し上げましたように諸外国の例等に徴しまして加えたというふうに考えております。
○湯山委員 東京にノイヌがおりますか、あるいはノネコがおりますか。
○若江説明員 東京都下にはおりません。
○湯山委員 もう一ぺんお聞きします。東京都下にいるのかいないのかはっきりわからないのですか。どうなんですか。
○若江説明員 のら犬、のらネコはおりますけれども、ここでいうノイヌ、ノネコはいないと思います。
○湯山委員 それではどこにおったのでしょうか。それが狩猟されたという報告がございますか。いただいた資料にはそういうノイヌ、ノネコが狩猟されたというのは一つもないのですが。
○若江説明員 お手元に差し上げました資料の中には明記しておらなかったかもしれませんけれども、狩猟統計には狩猟された頭数があるわけでございますので、必要でございましたら、後刻年次別の頭数を御提出申し上げたいと思います。
○湯山委員 ほんとうに統計がございますか。
○若江説明員 ここに持ち合わせておりませんけれども、あるようでございます。
○湯山委員 ノネコというのもございますか。
○若江説明員 ノネコにつきまして資料を手持ちいたしておりませんが、あとで調べまして、お答え申し上げたいと思います。
○湯山委員 ノイヌ、ノネコ以外の犬、ネコを狩猟すれば違反になるわけですね。これはどうですか。
○若江説明員 狩猟鳥獣として指定されておりますノイヌ、ノネコを狩猟期間外に狩猟いたしますと違反でございます。 なお先ほど資料の手持ちがないので御答弁申し上げかねましたが、三十五年度の有害鳥獣の駆除の中には、ノイヌ、ノネコがそれぞれ八頭ずつ上がっております。
○湯山委員 狩猟期間以外、それからノイヌ、ノネコ以外の犬、ネコを狩猟すれば違反になるというけれども、狩猟されたものでノイヌ、ノネコと普通の犬、ネコの区別がつきますか。つまり店先につってあるそれを見てその区別がつきますか。
○若江説明員 判別は生息状況によって識別するのが最も判然とするのでございますが、これが店先に並べられたときに、どれがのらネコで、どれがノネコかということは、判別が非常に困難であろうかと思いますが、医学的に胃袋その他を検査して、食性の種類等で判別しなければならぬのではないかというように考えます。
○湯山委員 これは私、妙な問答をしようというつもりじゃないのです。こんな名前を残しておくことは不合理だ。これは今おっしゃったように判別困難だ。解剖して内蔵を見ればわかるだろうといってもわかるものではありません。そういう答弁じゃ何のために質問しておるかわからないので、そういうことをお尋ねしておるのじゃないのです。こういうわけのわからない、種類の名前でもないようなものはこの中からのけなければならぬでしょう。そうしてその野生化したものは人畜に害を加える場合があります。これはさっきおっしゃったように、ちゃんとはっきり野犬狩りとか、野猫狩りというのがあるかどうか知りませんけれども、そういう方法でやらないとできるものじゃないのです。あなた方のいうノイヌだって本来これは人になつく性格を持っていますから、野生化した犬だって、連れてきて飼えばけっこう役に立ちます。そうして非常に利口です。だからその区別をつけようたってつきません。私の家はちょうど松山の城山の下にありましたから、よく知っておりますが、あなた方の言うノイヌの子をとってきて飼うと、とてもいい犬が育ちます。そういうことですから、おそらくこれはアメリカあたりのほんとうの野生の犬というものとそれとをごっちゃにしておると思いますので、そういう判定もできないし、ことにそれによって処罰を受けるというときに、こういういいかげんなものを並べておくというのはよくないことだ。これは考えなければならない。そうでないと困るのじゃないでしょうか。
○若江説明員 仰せのようにノイヌ、ノネコとのら犬、のらネコとの識別は非常に困難でございますが、野生いたしておりますノイヌ、ノネコがいるということも事実でございます。この際これを狩猟鳥獣からはずしますと、ノイヌ、ノネコ等の狩猟に事かりまして、山野にこれを狩りに行くということになりますと、狩猟秩序を乱すということにもなりかねませんので、その点は先生の仰せのように、識別を十分行なうように考えて参りたいと思いますが、大へん困難な点はありますけれども、従前とも入れておりますし、ここでこれをはずすという特段の理由もありませんので、従前通り入れて参りたいと考えております。
○湯山委員 はずす理由がないという理由がわからないからお尋ねしておるのです。はずさなかったら今のように困るじゃありませんか。
○若江説明員 特にこの二種類を加えておりますために大きな障害があったという事例もないわけでございますし、今後ともそういうことのないように私の方でも運営して参りたいと考えるわけであります。
○湯山委員 障害は、こういうふうにお尋ねしてもはっきりお答えができない、また狂犬病の問題とも関連して参ります。そのほか関連するところ大きいのです。ネズミにはちゃんとノネズミという種類があるのです。ところが国の法律でノイヌ、ノネコというのがちゃんとあれば、これはずいぶん迷わしますよ。だからあって益なきものはやはり害があると見ていいわけなんですが、どうですか、これをのける意思はありませんか。
○若江説明員 先ほど来申し上げておりますように、これを直ちに除外するという考えはございません。
○湯山委員 それじゃ、めんどうになりますが、もう少しお尋ねしてよろしゅうございますか。 この犬、ネコの野生化したものですね、これは一体どの程度野生化したものをいうのですか、飼っている親が山に入って、山で生まれたその子はもうノイヌですか。それがたとい町へ出てきても、あるいはどこをどう通っていても、ノイヌというのですか。
○若江説明員 野生のノイヌから生まれましたいわゆる子犬でございますが、これは獲物を山野で得て、山野で自生していくという状態におきましては当然ノイヌと解しております。
○湯山委員 山からたんぼに出てきたらどうなるのですか。
○若江説明員 その行動範囲の中でたんぼ等へ出て参りましても、ノイヌであるということには変わりはないというふうに考えます。
○湯山委員 それじゃ家の中に入ったらどうなりますか。
○若江説明員 家の中に獲物を探しに来るという場合もあるいはあろうかと思いますが、それはたとえばイノシシが獲物がないために里山に来るというのと同じような現象であろうと思いますので、同然でございます。
○湯山委員 だから間違いを起こすのです。イノシシというのはイノシシという種類です。動物園の中にいようが、山の中にいようが、家の中にいようが、イノシシというのは動物の一つの極数の名前です。ところがあなたは、ノイヌというのは固定した種類の名前でなく、生息の状態であると言う。だから家にいたらどうなるか、田の中にいたらどうなるか、山にいたらどうなるかをお尋ねした。そうしたら今度はどこへ行ったってノイヌはノイヌだ——今度は種類になったのです。それならノイヌとはどういう種類ですか。またもとへ返りますが、どうなんですか。
○若江説明員 もともと山野におりまして、生まれた子供がたまたまたんぼに来た、家の付近まで来たというのは、行動半径の中で行動したのであって、本来終始山野で生活している限りにおいてはノイヌであるというふうに申し上げた次第であります。
○湯山委員 違うでしょう。今おっしゃったのは家の中に入ってきてもノイヌはノイヌ、だとおっしゃったのですよ。さっき私が申し上げたのはそれなんであって、あなたのいう意味のノイヌの子を飼えば、とても利口でいい犬ができます。それでもノイヌですか。生まれたのは山で生まれたのです。飼い方だっていろいろありますから、主た飼い方で聞かなければならぬことになるわけです。
○若江説明員 狩猟家がノイヌをとりまして自分の家で飼養するということになりますと、それは飼養鳥獣でありますので、自己の支配下で飼養されているノイヌであるというふうに解釈されます。
○湯山委員 そうすると、はっきり言ってノイヌというのはどこにどうあってもそれは撃っていいわけですね。
○若江説明員 先ほど来申し上げておりますいわゆるノイヌを免許者が期間中に撃つということは当然よろしいわけであります。
○湯山委員 ですから人の家の中にいてもいいわけですね。
○若江説明員 欄、柵、囲障あるいは人家等で狩猟するということは禁止されておりますので、撃つわけには参りません。
○湯山委員 私はそういうことを尋ねているの、じゃないのです。つまり狩猟の対象になるかということを尋ねておるわけで、今大へんな間違いを犯しておるというのは、その生息の状態だと言われたのが、今部長の御答弁ではだんだん一つの品種になってきておるのです。よろしゅうございますか、品種でないものがだんだん今の御答弁でも、どこにいてもノイヌはノイヌだ、今のように別な規定を考慮に入れればどこで撃ったっていいんだ、こういうことまで変わってくれば、もうそれは、はっきり一つの品種になっているのです。大へんな間違いですから。
○若江説明員 最初に申し上げましたように、ノイヌという区分が動物学上にはないけれども、それが生息の状態からしましてノイヌと判定せられる犬がおる、それを狩猟鳥獣の中に入れておる、そのノイヌがたまたま山野から田畑の付近まで現われてもそれはまだノイヌであろう、こういうふうに申し上げた次第であります。
○湯山委員 あろうじゃなくてこうこうだということが明確でなければ、間違ったら狩猟法違反に問われるわけです。罰金をとられるわけです。だからそういう不明確なものは明確にする責任があります。ところが明確にしようたってノイヌ、ノネコに関する限りは明確にしようがありません。私は前に古賀園長にもこれは聞いたことがあるのです。そんなことはわからぬとはっきり言っておられる。よろしゅうございますか、ほかの動物学者に尋ねてみましても、それはわからない、こう言うのが常識です。もしあなた方がこの法律の中にある言葉だからあるいは規則にある言葉だからというので統一解釈をおつくりになっても、ほかでは通用しません。その証拠には、狩猟されたもので、はたしてノイヌであったかどうかという区別はつかないのですよ。ことに今おっしゃった内臓を抜いて皮と目だけにしてつっておけば、絶対区別がつく人はないでしょう。どうなんです、区別がつかないでしょう。
○若江説明員 内臓を抜きまして皮だけぶら下げたというふうな仮定の問題では、ほとんど識別が至難であろうとは思います。
○湯山委員 そして同じようにノウサギというのは種類の名前です。だがわかります。見ても区別がつくのです。そういうノウサギというのは区別のつく種類でいいのです。ノイヌというのは区別がつかない。ましてノネコに至っては全くわからない。それをなお個室されるところにこの法律がまだ脱皮していない。私が申し上げたのはそこなんです。白痴、瘋癲という、わけのわからない言葉がそのまま残っている。そしてノイヌ、ノネコというようなものが、まだどうもあるようなことになっている。そういうところに不徹底さがあるから、それで抜本的に考えなければならぬのじゃないか。今のようなお考えだとほんとうの鳥獣保護はできませんよ。取り締まる人にもわからないのだから。白痴、瘋癲なんて、読んでも法律もわからない。そしてまだかたかな書きでしょう。これはどうですかね、こういうことにこだわって、そういうお考えでほんとうに鳥獣保護をやっていこう、狩猟の適正化をやっていこうなんて、できますか。そういうお考えがなお残っておって、はたしてできるかどうかです。できないでしょう。
○若江説明員 法律自体はまだ旧来のかたかなづかいを使っておりますが、これはなお旧来の法律を生かして使っておる部分が多分にあるわけでございまして、決してかたかな書きであるからどうということにはなるまいと思います。 なお、この法律で今後の保護増殖が十分にやられるかどうかというふうな御質問であったかと思われるのでございますが、先ほど来申し上げましたように、本改正法は狩猟に関する財源措置を裏づけにいたしまして農林大臣が定める基準に従いまして都道府県知事が鳥獣保護事業計画を策定しまして、その事業計画に従いまして着実に保護増殖をし、あわせて狩猟の調整をはかっていくというふうに、かなり従前の法律よりは前進いたしておりますし、またこの運用によりまして十分に保護増殖の実をあげ得るというふうに考えておるわけでございます。私どもといたしましては、この法律に従いまして鳥獣保護区の設定あるいは休猟区の設定あるいは保護監視員の設置等によりまして、この法律に掲げられました目的を達するように十分努力もし、成果も上げ得るというふうに考えているわけでございます。
○湯山委員 私は部分的に前進したことを認めないわけじゃございません。しかしながらそういう部分々々の継ぎ合わせでこういうことはできないのです。これもよくおわかりの通りです。そこでこの全体的な総合的な体制というものがまずできなければほんとうに目的は達成されない、こういう観点から全体としてほんとうにやる気があるのかないのかということをまずしっかりしておいていただかなければ、中身の小さい点を少々いじったからどうということはないわけですから、幾らこれは変えたってほんとうにできるかできないかは、この広い日本全体の国土の中で、しかもシベリアから来る渡り鳥もあれば、南の方へ飛んで行くツバメもある。それらも含めて保護していこうというのに、そんな小さいところだけ見ておったのではできないから、そこでほんとうにやるのかどうかということをまずお聞きしておきたいのです。これは委員長もお聞きの通り、今のような中からはそういう基本的なことを明快にできませんから、これは長官なり、それから大臣がお見えになってからもう少しただしたいと思います。 そこで続いてお尋ねいたしたい点は、これは一部の人がやったのではだめであって、全国民をあげて取り組まなければならない問題だ、このように考えますが、その点は全く御異議がないと思いますけれども、なお御答弁いただきたいと思います。
○若江説明員 御趣旨の通りでございます。
○湯山委員 それからこの法律の建前ですけれども、鳥獣保護ということと狩猟ということとは相反するものであるか、二元的であるか一元的であるか、こういうことなんですね。どういうお考えでこの法律を御提案されたか、この点も非常に重要なことですから、一つお尋ねいたしたいと思います。
○若江説明員 鳥獣を保護増殖するという行為とこれを撃つという行為は、これは行為自体は相反する行為でございますけれども、保護増殖したものの調整のために一部を区切って撃ってもらうというように、事業的には併存し得るというふうに考えております。
○湯山委員 現象面においてはそういうことは言えると思いますが、精神的なものはどうなんですか。
○若江説明員 それは人それぞれに考え方が違うように、見方も考え方も違う人もあろうかと思いますけれども、私どもが全体的に考えておる面におきましては、先ほど来申し上げましたように、保護増殖をやって環境の美化をして、そのことによりましてふえた鳥の一部をレクリエーションの一部として楽しんでもらうというふうに、両者は併存し、調整がとり得るというふうに考えておるわけでございます。
○湯山委員 という意味は、よき狩猟家は鳥獣をほんとうに愛する人だ、こういう考え方からこういう法律を考えていく、指導していく、そういうことですか、そうじゃないのですか。
○若江説明員 よき狩猟家、よきハンターは保護増殖の面にも十分関心を持っていただくことが大切だというふうに考えております。
○湯山委員 それはその程度にしておきます。そこで、現在もうこれじゃほうっておけない状態になっているという御認識でこういう改正が行なわれたことは、審議会もその通り言っておることですが、一体ほうっておけないという状態をどの程度に御把握になっておられるか、それを一つ御説明願いたいと思います。
○若江説明員 お手元に「狩猟法の一部を改正する法律案参考資料」をお配りしているはずでございますが、それの八ページ、「年度別狩猟者数および一人当りの平均捕獲数」という第七表に掲げておりますように、昭和七、八年ごろにおきましては一人当り捕獲数が鳥類におきましては八十五、六羽、獣類におきまして十四、五頭ということに相なっておるのでございますが、これが最近の三十五、六年になりますと、一人当りの捕獲数が鳥類におきまして四十八羽、獣類におきまして六頭というふうに、半減以下に減っておるわけでございます。これらは、三十年もの間に交通機関あるいはまた銃器その他がかなり発達しておるのにという条件を加味いたしますと、捕獲数の量の比較からいいますと、かなり減っているということがはっきりいたしておりますし、わが国の鳥獣の生息密度は、専門学者の話によりますと、欧米の約一割程度であるというふうにもいわれておるということは、備考欄にも書いてある通りでございます。
○湯山委員 ただ狩猟数だけではなくて、以前日本にいた鳥獣でいなくなったもの、あるいはまた現在全く絶滅に瀕しているもの、そういうものが相当あると思いますが、そういう資料はございますか。
○若江説明員 従前わが国におりまして現在絶滅したと思われる鳥類といたしましては、カンムリツクシガモあるいはキタタキというようなものであります。なお御案内のように、トキのようにほとんど羽数が少なくなりまして、現在六、七羽しかいないというふうな鳥類もあるわけでございます。
○湯山委員 ガンはどうですか。
○若江説明員 ガン類は、今申し上げました絶滅したと思われる鳥類には入らずに、まだかなり生存しておるというふうな資料がございます。
○湯山委員 これはまだかなりぐらいじゃない、たくさんおりますけれども、非常に減っておるということはお認めになりますか。
○若江説明員 羽数の上での資料は手持ちいたしておりませんが、一般的にかなり減っておるという鳥類に入ろうかと思われます。
○湯山委員 どれくらい減っておるかはおわかりになりませんか。
○若江説明員 はっきりした資料を手持ちいたしておりませんけれども、後刻調べまして年度別の捕獲羽数等ありましたら届けたいと思います。
○湯山委員 ガンは三十一年ごろまでは五千羽以上の捕獲数がございました。今は二千羽に足りなくなっております。ことに、東北方面は多いのですけれども、これから西の方のガンというのは非常に少なくなっています。こういう渡り鳥などはよほど保護しないと、これは日本だけで独占すべき筋合いのものではございません、国際的なと言えば大げさですけれども、そういう性格を持ったもので、狩猟鳥のガンさえこんなに減ってきているというときですから、その保護をどうするかということなんですけれども、その辺が私は非常に問題になると思います。御存じのように、こういうものは、ただそれだけが孤立して、とらなかったらいいとかいうものじゃなくて、それだけが孤立して生活しているものじゃございません。ですから、たとえば石川県、千葉県あたりのように、他の鳥と一緒に保護されている、そういうところはいいのです。しかし宮城県なんかのように、それだけが孤立して水田あたりにおりている、それが猟されている、そういうところはうんと減ってきている。そこで、特にこういう動物はまわりとの関係において非常に複雑なからみ合いのもとに生活しておるわけですから、対策が個々ばらばらになったのでは、とても鳥獣保護になりません。これはおわかりの通りだと思うのです。よくいわれておる例ですけれども、害獣を駆除するというので、沖繩の方でマングースを入れてハブを退治したところが、今度はネズミが多くなって、かえってその害が多くなったというような例もありますし、それから風が吹いておけ屋さんがもうけるぐらい動植物の相関関係は大きいわけで、そうすれば、対策というものは、今、おっしゃったように一つ一つの鳥獣について、これはこれだけしかとらないのだ、これについてはこうするのだ、こういうだけではいけないので、それについて非常に大きな研究が必要だと思います。そういう研究機関はどうされるのか、これはこれには出ておりませんから、それを伺いたいと思います。それから、答申の中にも研究機関を置けとということがございますね。ところが、この法律の中にはそういう明確な研究機関というものがございません。鳥獣審議会じゃだめですからね。これはどうなっておるのですか。
○若江説明員 国立の林業試験場の中に保護部という部がございまして、その保護部の中に鳥獣一課、二課というふうに二つの課を設けまして、なお多摩に鳥獣実験場等を設けまして、実地に、鳥獣に関する保護増殖その他保育に関する試験も行なっているような実情でございます。
○湯山委員 それは今まででございましょう。今日までですね。この法律は、そういうふうにして新しく法律の目的も変える、それから内容も変える、そして新しくそういうことを取り上げていこうというときなんです。ですから、当然これに対応した体制が、林野庁の中といいますか、政府においてもとられなければなりません。そうでなければ、さっき言ったように、不徹底で、またこれは質的にも抜本的にやらなければならない。白痴、瘋癲、ノネコだけじゃありません。研究体制が、今度新しいものが全然できていないわけです。それじゃ従来とちっとも変わっておりません。今一例をあげましたように、そういう研究がうんとなされなければ、保護するといっても、今のようにガンだけどこでどうするという保護はできないのです。総合的にやっていかなくてはならない。そういう総合的な保護計画、増殖計画というものが立たないわけなので、そういうところが片手落ちでまことに不十分じゃないか、こういうことを今度は質の面から申し上げたいわけなんですが、これはどうなんでしょう。
○若江説明員 試験研究機関につきましては、先ほど申し上げましたように、林業試験場の中に部門といたしまして課を二課設けて、実験場とともに今後とも試験を続けていくわけでありますが、そのほか今回の法律改正に伴いまして、鳥獣行政運営費等も都道府県に補助いたしまして、野生鳥獣の生息調査も行ないます。なお渡り鳥等につきましては、鳥獣保護課等を創設いたしまして、その保護区の中におきます鳥獣の観察等を積極的に進めることによりまして、都道府県の協力を得ながら、現在の国立試験場の要員を十分活動させることによりまして、今後試験研究を発展的に進めていくように努力するつもりでございます。三十七年度は、特に諸試験費で、農薬関係と鳥類の関係につきましても特別の調査を試験場をしてやらしておるような実情でもございますし、今後とも鳥獣の保護増殖部面につきましての試験研究行政につきましては、十分配慮して参りたいというふうに考えているわけであります。
○湯山委員 お尋ねしているのはそういうことではございません。管理については、今おっしゃったように人員も配置になっておやりになっている。これは認めておりますけれども、それを言っているのではございません。私が申し上げたのは、これについては研究が非常に必要だ、研究をしなくちゃならない。保護増殖についてはそうでなければだんだんこういうふうに減っていくばかりであって、ガンなんかのようなものさえどんどん減ってきている。こういうことですから——しかもその研究というものはそういう間に合わせのものではなくて、非常に広範に長期にわたって調べていかなくてはならない。その研究体制が新たにできるかできないかということをお尋ねいたしましたところが、新たにできないのだ、こういうことなんです。それでは何にもならないじゃないかということを申し上げているわけです。管理はけっこうです。ふえているのはわかります。しかし、この管理だって、今おっしゃったような徹底的管理がはたしてできるかどうか。これはまたあとで申し上げますけれども、この管理だってなかなかできるものではございません。ましてこういう人たちに調査をやれ、何をやれといったっても、それはただ単に調査であって、研究というところまでは参らないと思います。そこで、その点ははなはだ不十分だ、不徹底だ。これは今後においてやらなければならないということをお認めにならなければ、じゃ、結局今まで通りじゃないかということになりますから、これらもほんとうに考えている通り率直に述べていただきたいと思います。
○若江説明員 先ほど来申し上げておりますように、試験機関といたしましては、現存するものの質的な内容を充実していくということで体制はとれるのじゃないかというように考えておりますが、全国各地区に生育いたしております野生鳥獣の実態を把握してその資料を中央で分析し総合して適切な保護増殖計画を立てていくというように運用して参りたい。従って、ここで法律改正と同時に直ちに新たに機関を設けるという所存はございませんで、既存の分を質的、量的に拡充していくという方向に進めて参りたいというふうに申し上げた次第であります。
○湯山委員 審議会の答申とも違っておりますね。審議会の答申では、林野庁に新しい課をつくって、そこは造林保護課の中でもよい、あるいは新しく保護課を前のようにつくってもよい、そして管理官五名程度は必ず配置する。それから、それとはっきり別に林野庁の中に鳥獣保護企画官、こういうものを置けということが答申でなされております。ところが、そういう保護の方の管理者は若干考えられているようですけれども、形態は違うが。しかし、この研究の方は全然考えられていない。それでは、その点では答申さえも全く尊重されていない。それでいて一体できますか。
○若江説明員 先ほど来御質問のありました点は、試験研究機関の整備というように承りましたので、林業試験場を中心にしたお話を申し上げたのであります。ただいまのお話では、鳥獣行政の管理部門につきまして林野庁内での課並びに要員の配置のように承りましたが、答申には、今先生からお話のありましたように、企画官、管理官を置いて、あるいは昇格して課を設置するようにというふうな答申をいただいたわけでございまして、私どもといたしましても、林野庁の中にそういうような鳥獣保護行政を担当する主管課を置きたいという気持で、増員等につきましてもいろいろ企画いたしたわけでございますが、残念ながら三十八年度で直ちに課に昇格しあるいはかなりの増員をするということには立ち至らなかったのでございますが、この点は、現存する人員を十分に活用し、あるいは他の要員等を随時応援させることによりまして、逐次内容を整備しあるいは増員等を行なっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○湯山委員 違うのです。管理と研究と別な人をちゃんと置けということになっておるのです。研究は研究専門にやる人を置きなさいというのが答申の趣旨なんです。だから、二つあるわけですね。課を設ける方は主として管理の方です。それ以外に研究の機関をちゃんとつくれ、それは課の中へ置いてもいいという答申になっておりますね。その研究機関というのは何ら新しく考慮されていない。だから、その点については全く答申を無視しているのだ、こういうことになるわけです。よろしゅうございますか、その点については答申は二つあるわけですね。一方の方は何らかの形で考慮されておりますけれども、一方の方は無視されている、こうでございましょう。
○若江説明員 研究施設の設備というのは、答申の内容から十分にうかがえるところでございますか、お話の点は林野庁の組織の中での行政部門といたしましての課あるいは企画その他の担当官の整備というふうに書いてあるようでございまして、その点につきましては先ほど申し上げましたように、直ちに課の昇格あるいは企画課の設置というところまでは実現いたしませんでしたけれども、管理官その他につきましてはできる限り配備いたしまして、逐次答申の線に沿い得るように機構その他の面の拡充をはかりたい、なお試験研究機関は現存する分がございますので、直ちに新しい施設をつくる必要はない、しかしながら研究その他の整備を行なう必要は認めておりまするので、試験その他の内容を充実していくという方向には当然進めて参らなければならぬというふうには考えます。
○湯山委員 政務次官、今のような質疑応答の状態でございまして、これはその努力をしてないということを言っておるのじゃございません。ですからそういうふうにあんまり弁解なさらない方がいいと思うのです。つまり私が言いたいのは、当然研究機関が必要だ、研究しなければできない。これは政務次官の地元のウミネコの増殖の天然記念物のあれがございます。あすこだって、ずいぶんひどい目にあっています。それはせっかく天然記念物になりましても、季節によって親鳥が立っていきます。あとへまだひな鳥が残る。そのひな鳥は、えさをやる人がないものですから、ずいぶん毎年死んでいます。そういうところまで手を伸ばしていくというのは容易じゃございません。まず手近な一番やりやすいことは、自分の中をやることです。動物に及ぶ前に林野庁の中を改めていくことが一番やりやすい。そこで万全の体制をとってやっても、なかなか鳥獣、末端まで手は届きにくい。ところが林野庁の内部の方は、内部だから何とかできる、やりくりしてやっていくのだ、こういうことじゃいけない、もうそういうことではなかなかできにくいと思います。そこでやるとすれば、研究機関などはやればたちまちそれだけ効果があるわけですから、今の次官の地元のところなんかも、一体いつごろ親鳥が立っていく、あとへどのくらいひなが残る、それらにどれくらいえさをつけてやれば自分で立っていけるようになる、こういうことはすぐわかることなので、そういう研究をうんとやらなければ、ほんとうに鳥獣保護といってもそれはできない。研究機関というものは民間にもございませんし、府県にやれといってもできるものじゃございませんし、大学でもなかなかほんとうに研究できるものではございません。そこで林野庁の中にそういう研究機関をすみやかに置き、あるいは現在あるものをさらに拡大するということが、この際この法律を実施するにあたってなさらなければならないことのまず第一だ。まず隗より始めよで、こうだと思うのですが、今の御答弁のように、何とかやっていく、中のことはあと回しだ、これじゃいけないと思うのです。そこでこういう点はすみやかに——ことしはできなかったけれども三十九年度は必ず何とかしなければならないという決意が事務当局にあってしかるべきだと思う。ところが今のように、これで何とかできますでは、いつまでたっても大蔵省は承知しやしません。そうでしょう。どうでございましょうか。
○津島政府委員 ただいま八戸のウミネコの保護に関して、例を引いてのお話でございます。私もよく理解ができたのでございます。やはり保護するには学問的な相当力強い研究が必要であると思うのでありますが、これに対するお話は全く私も同様に考えるのでございます。研究の上善処したい、かように考えます。
○湯山委員 御研究なさってじゃなくて、実はもう要求されたんだと思うのです。農林省としてはぜひそういうのはほしいということは言われたと思います。ただそれが予算策定の段階で実現しなかった、非常に残念だ、こういうことですね。そこで今度は一つ何とかやらなければならぬ、こういう御決意の表明があってしかるべきだと思うのです。大事な点ですから、もう一度ひとつ……。
○津島政府委員 まことにごもっともなことでございまして、そのお話の趣旨に従いまして努力を続けることにいたします。
○湯山委員 それで今私が申し上げておるのは、この法律、それからこれを実施する体制に非常に欠陥が多いということを指摘しておるわけです。というのは、すみやかに抜本的な改正をしなければならないというところに持っていきたいということでお尋ねしておるわけです。それでこういう事業をしていくためには全国民的な理解が必要だということは、これはもう申し上げました通りです。そこでそういうことのためには、これを教育の中に入れていく、こういうことが必要だと思います。この法律改正にあたって、文部省の方といろいろ御相談になったかどうか、その点はいかがですか。
○若江説明員 鳥獣審議会の委員の中に文化財の保護委員会の事務局長が入っておりまして、その関係からの御発言はあったわけでございまするし、なお年中行事として行なっておりまする愛鳥の日、バード・ウイーク等の行事につきましては、文部省当局と十分打ち合わせをいたしまして、中・小学校の生徒等を対象といたした行事等を行なっておるのは従前からもそうでございます。今後とも十分にその辺の連絡を緊密にいたしまして、愛鳥思想の普及に努めたいというふうに考えております。
○湯山委員 そういうことはよく存じております。子供が巣箱なんかをずいぶんつくったりしておることも知っております。そうじゃなくて、この法律を改正するにあたって、具体的な内容にわたってもこれはやっぱり教育の関連するところが非常に大きいわけですから、当然文部省とは御相談にならなければならないと思います。そういうことをなさったかどうかをお尋ねしておるわけです。
○若江説明員 法律を改正する段階におきまして、特に文部省当局と打ち合わせした事案はないわけでございますが、この保護事業計画の中で、保護増殖に関する啓蒙宣伝に関する計画があるわけでございますので、これは農林大臣が定める基準等の策定におきましては十分打ち合わせもいたしまするし、都道府県知事も当該教育委員会その他と十分打ち合わせをしていただくというふうに指導するつもりではおります。
○湯山委員 そのことにつきまして、国際的な動物保護連盟というのがございます。これが一九五八年に第何回ですか、会を開いて、この動物保護連盟を国連の正式な機関として認めてもらうということを各国ともに努力する、その中に日本における動物保護団体の仕事に十分な援助を与える、それからその動物及び動物保護についての国民的な概念を改める目的を推進されねばならないというような意味のことが、ここで第七号の決議として採択されております。それから三十七年に、オーストリアのウィーン、ザルツブルグで開かれた大会では、学校教育に動物愛護を取り入れるということが決議されております。つまり、ほんとうに鳥獣を保護していくということは、子供のときからの教育が非常に大事で、あとでまたお尋ねしようと思っております空気銃の問題なんかも、そういうことがよくできておればだんだん問題なくなっていくという問題だと思うのです。そこで、これをやっていくとすれば当然そういう学校教育との提携——現に学校教育の中にはそういうことをずいぶん取り入れてありますが、そういう提携が必要だと思いますが、これをやっていないということははなはだ遺憾だと私は思いますけれども、いかがなものでしょうか。これは政務次官からお答えいただいてもいいと思いますが、これははなはだ遺憾であった、それでけっこうでございます。
○若江説明員 先ほども申し上げましたように、法律を改正する事務的な段階では、それほど緊密な連携をとらなかったという点は反省もしておるわけでございますが、今後のこの改正法排の運用につきましては、仰せのように学校教育とも関連もありますし、青少年の鳥獣愛護の思想を大いに普及していくという上において、この点につきましては十分配意もいたし、努力もいたしたいというふうに考えておるわけでございますが、法律の作成上の過程におきましてはそれほど相談はなかったということは事実でございます。
○湯山委員 そこで、この法律については相当意見があると思います、と申しますのは、道徳教育の指導要領等の中に、動物の愛護ということはずいぶん入っております。しかし私はそれも実は不満なんです。文部省の取り上げておることにも問題があるのです。だからそういうことはしっかり全国民的な立場でこれと取り組む、鳥獣を保護していこうということならば、そういうことはどちらがイニシアをとるのかわかりませんけれども、とにかくこういう法律改正のときには当然相談すべきだ。こういう点に遺憾な点があったことは大へん遺憾であると思います。これはまた委員長にもお願いして、文化財保護委員会、それから文部省、これはこの法律を実施する上において非常に関係が深いところでございますから、適当なときに呼んでいただいて質問したいと思います。 それからもう一つ、今国際的な提携の問題が出ましたのでお尋ねいたしたいと思いますが、渡り鳥などはただ単に日本の国内だけでは保護しようと思っても保護し切れない面があると思います。ヨーロッパ等には渡り鳥等についての条約とまではいかないのでしょうけれども、国際的ないろいろな協定や申し合わせがあるようですが、日本はそういうことを今後進めていくお考えがあるかどうか、その必要がだんだん生じてくるのじゃないかと思いますので、お尋ねいたしたいと思います。
○若江説明員 わが国の渡り鳥といたしましては、北方のソ連領土から来る渡り鳥と南方から来る渡り鳥があるわけでございますが、それらのそれぞれの国とはまだ保護関係の協定、条約等を結んでおらないわけでございます。それぞれの国の事情等もありまして、鳥獣保護に関するその国なりの機構その他の整備等の関係もあったろうと思いますが、わが国といたしましては、できる限り渡り鳥の保護のための協定等を結ぶような方向に持っていきたいというふうには考えておるわけでございます。
○湯山委員 次にやはりそれとの関連でお尋ねいたしたいのですけれども、全面的、全国的に渡り鳥は保護するというお考えはお持ちでございませんでしょうか。そしてその中でこことここは狩猟してよろしいという場所は特にそこだけをきめるというようなことはお考えになる必要はないでしょうか。
○若江説明員 渡り鳥という一般概念におきましてこれを全面的に保護していくということも考えられるわけでございますが、それからの羽数が非常に多くて、ある毎度の制限の範囲内で撃っておっても十分に渡り鳥としての羽数を維持できるという分につきましては、これは狩猟の対象にしてもよかろうではないか。ただし年々減少していくことがはっきりいたしておりますような渡り鳥につきましては、これは保護するように渡り鳥の飛来地において鳥獣保護区に編入していくということで対処して参っておりますし、今後ともそういうような渡り鳥の調査の資料を整備いたしまして、それぞれの種類に応じた対策をとっていくことが必要であろうと思います。
○湯山委員 おもな渡り鳥は全部減っておると思います。ふえておる渡り鳥はないんじゃございませんか。
○若江説明員 一般的な傾向といたしましては若干ずつ減りつつあるというふうにも考えております。
○湯山委員 と申しますのは、私は害はこの法律の不徹底さの一つはそういうところにあると思うのです。全体的に保護していく、そして特にここはいいというところだけを狩猟のできる区域にする、ヨーロッパなどではむしろそういう考え方が中心であるということは御存じの通りです。この際抜本的に全体に及ぼしたいと思うのですけれども、今渡り鳥を例に引いたのは、せめてこれからでもやったらどうか、国際的な関係もあるし、日本はどこでも大体野放しでとるんだというようなことをいわれなくても済むように、まずそこからでも手をつけて、将来は今のヨーロッパのような形にしていく、そういう足場をここに求めるという意味でお尋ねしておるわけで、そういうお考えはございませんか。
○若江説明員 渡り鳥の保護につきましては十分配慮しなければならぬという点については同感でございます。従いまして将来ともそういう方向で検討を進めて参りたいと思いますが、お説のように、撃てる区域を指定してそれ以外は撃てないようにするという、先進地諸外国等の実例等にかんがみまして、方向としてはそういう方向に指向いたしながら、漸進的にそういうような方向に進めて参りたいということで、今回の改正法案におきましても鳥獣保護区を積極的に増設いたしますと同町に、休猟区制度を設けまして、全体の二割程度を休猟区にいたしまして、三年くらいでローテートしていくという方向をとりましたのも、そういう趣旨にかんがみてのことでございますし、仰せのような方向に進みたいというふうには考えておるわけでございます。
○湯山委員 将来はそうならなければならないということはお考えにならないのですか。
○若江説明員 将来といいましてもかなり年数の長い先であろうかと思いますが、わが国といたしましても、理想的な形態といたしましては、やはり猟区でのみ狩猟できるというのが理想的な形態ではなかろうかというふうには考えておる次第でございます。
○湯山委員 考えているのではなくて、将来はぜひそうしなければならない、そうするのだ、そうおっしゃらなければならないと思うのです、どうでしょうか。
○若江説明員 将来そういたしたいということで、この法律の運用をはかって参るわけでございまするが、何年後にそうなるという確信は持ち得ないわけでありまするけれども、なるべく早い機会にそのような情勢に持っていきたいということで、今後この運用の経過を見ながら、漸進的におっしゃるような猟区だけで狩猟するというふうなところにまで持って参りたいというふうに考えております。
○湯山委員 その御答弁は、お気持はわかりますけれども、はなはだ不満です。当然そうならなければならない。増殖がちゃんとうまくいくようになって、あるいは人工孵化等によって、鳥なんかキジなどをどんどん出していける。そういうようなことを法律全体としてはねらっておるわけでしょう。そういうふうにして、フランスですか、どこですか、キジなんか百万羽くらい放している。日本は一万羽くらいである。そういうように百万羽ものキジならキジが放せるようになれば、当然猟区以外では鳥獣を狩猟しちゃいかぬ——害獣、害鳥でどうしてもいかぬというので、計画的、集団的にやるのは別です、一般のレクリエーションの狩猟はこの区域でなければやれないのだ、こうするのが当然なんです。だから、それは当然そうすべきだ、しなければならない、こういう御答弁は、およそ鳥獣行政に当たっておられる林野庁の方なら、だれに聞いても、長官から、ほんとうにきのう入ったばかりの人に聞いても、そうだというのでなければ、これはだめですよ。どうですか。
○若江説明員 仰せのような方向で十分努力して参りたいと思います。
○湯山委員 今のような点からいえば、私申し上げましたように、はなはだこの法律は不徹底だ、不備だというのは、先ほど来申し上げたいろいろな点、それから今のように全体の中で保護区をつくるという形じゃなくて、全体の保護区の中で狩猟のできる区域がある。これと比べれば、まだまだこの法律はようやく保護ということに一歩踏み出したばかりである、こうじゃございませんか。この法律は全くとりあえずやったもので、もうほうっておけないという状態で始めたのであって、将来抜本的にこの法律は改正して、ほんとうの正しい狩猟が行なわれ、そして鳥獣保護が行なわれる、そういう形に将来抜本的に改めていかなければならないということを前提にして、私は今までの質問を続けてきたわけです。その点からいえば、今おっしゃったように、当然全体が保護区になって、その中に猟区がある。しかもその猟区で豊富に狩猟ができる。これがあるべき姿であって、そうなるためには、まだまだこんな法律ではだめだ、こんな行政じゃだめだ、こう言われなければ、いつまでたってもほんとうのことにならないのです。最初に戻って、これじゃとてもまだまだだめだから、将来抜本的な改正を加えて、今のような理想的なものにしていきたい、今までの質疑応答の経過から見て、こうおっしゃらなければならないと思うのです。その点はどうでしょうか。
○若江説明員 狩猟法の当初できました明治時代におきましては、狩猟を一方で規制していくというふうな消極的な保護増殖計画であったのでありまするが、昭和二十五年の改正時点におきまして、鳥獣保護区というふうな制度が取り入れられまして、ようやく保護増殖事業的な色彩を持ってきたのでありますが、今回の改正におきましては、これを積極的に取り入れていくということで、かなりの前進であろうというふうに私どもは考えておるわけでございます。 なお、御説のような鳥獣保護区以外につきましても、猟区の制度を設けて、その中においてのみ狩猟が可能であるというような方向にまで持っていきたいということは、先ほど来申し上げておる通りでございます。本改正法案におきましても、鳥獣保護区制度を積極的に活用して参ること自体が、仰せのような筋道にも通ずるというふうに考えておりまするし、猟区についても全面的な委託制度も本法案でとっておりますし、十分これらを活用することによりまして、方法論的には道がある。結果といたしまして理想的な形態では、限られた猟区だけ狩猟ができるという方向に通ずるわけでございまして、理想的な形におきましては、必ずしも先生と御意見を異にするわけではないという点では御理解がいただけるかと思います。
○湯山委員 そういうお気持はわかります。私が言っておるのは、そういうおっしゃったようなことを認めないということは一言も申していないつもりです。そうじゃなくて、たとえばどこでどう転機があるにしても、この法律は、全体は野放しで、その中に保護区を設ける、将来あるべき姿は、全体が保護区で、その中へ猟区がつくられる。これはどこかで形の上で大きな切りかえをしなければならないのです。実態はあるいはどうなるか別として、それでは全体を保護区にすればいいのではないか。そういうことはあるにしても、考え方からいえば、どこかで大きな転換をしなければならぬ、あまり影響のないような形でそういう切りかえが行なわれなければならない。その一歩を踏み出したか、二歩踏みみ出したか、それはわかります。しかし、そういう切りかえが行なわれなければ、ほんとうにこの法律の目的は達成されない。ですから、そういうためには将来抜本的な改正を行なうのだ、こう言われないと、今のおっしゃったことと、やっておられることとのつながりが出てこないので、最初からその点をお尋ねしておるわけです。とにかくこのことのためには抜本的な改正をやはりしなければならぬのだ、こうお考えになっておると思うのですが、どうですか。
○若江説明員 先ほど来申し上げておりますように、本改正案に盛られました鳥獣保護区制度の積極的な活用あるいは休猟区制度の活用等によりまして、御説の趣旨に方向を同じゅうしておるということはるる申し上げた通りでございます。従いまして、それが逐次拡大して参りますると、残されました猟区が限定して参りまして、先生の仰せのような限られました猟区で狩猟が可能であるというところに進んで参る、その時点におきまして、要するに法律の改正をする、それは抜本的な改正ではなくして、事実の積み上げの上で改正をするということになろうかと思いますので、方向といたしましては、御趣旨の線に従いまして積極的に鳥獣保護区並びに休猟区制度の活用をはかっていくというような方向で参りまして、理想的には猟区だけで狩猟できるという形に進むことは、先ほど来申し上げておる通りであります。
○湯山委員 今、大小いろいろな問題を申し上げましたが、つまり法律自体の体裁からも、内容的にも、それから今おっしゃったような根本精神から考えても、まだまだ今後において、日本においてはうんとやらなければならない。将来抜本的なといいますか、改正じゃなくても、飛躍的なこのための施策の前進をはからなければならないということについては、これは意見の一致を見たと思います。そこで一応大筋だけ合わしておいて、法律の中にまだいろいろありますが、それはまたあとでお尋ねすることにして、午前中は一応これで終わることにいたします。
○長谷川委員長 それでは午後二時から再開することとし、この際休憩をいたします。 午後零時二十分休憩 ————◇————— 午後二時十分開議
○長谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。湯山勇君。
○湯山委員 なるべく要点をしぼってお尋ねいたしたいと思います。 そこで鳥獣保護の事業ですけれども、これは文化財保護の面と相当重複もあるし、あるいは場合によっては双方で相談の上でいろいろやっておられる点もあるようでございます。しかしながら、鳥獣保護というのは一体どちらが主管をするかということと、農林省の方の仕事と文部省の天然記念物保護ということとの関連をある程度明確にして、その上で提携していくということが必要だと思います。今天然記念物の方は担当の方を呼んでいただいておりますけれども、農林省の方ではそれはどういうふうに考えておられるか、まずそれを承りたいと思います。
○若江説明員 林野庁で所管している鳥獣行政の中で、保護すべき鳥類の種類等を定めておりますのは、午前中に御説明申し上げました通りでございますが、その中で特に生息の数が少なくて希少的な価値がある、これを保存した方が学術的にも有効であるというふうなものに限りまして、文部省の方の所管で保護の指定をいたしております。従いまして、一般的なものが林野庁、特殊的なものが文部省関係というふうに理解いたしております。
○湯山委員 希少なものだけではなくて、むしろ集団的にいて、それ全体として保護していこうというようなものもあるわけで、そういう面については両者重複する場合もあるのではございませんか。
○若江説明員 種類によりましては重複するものもございますが、向こうの審議会にも林野庁の方から委員として出ておりますので、その辺の調整はつくわけでございます。
○湯山委員 そこで天然記念物の関係と、それから林野庁の方との予算とかあるいはその他のことについては、文化財保護委員会がお見えになってからお聞きすることにいたします。 それから次に、今度は内容についてですけれども、これも各項目についてお尋ねするのが順序かと思いますが、そういうことにしないで、取り上げてお尋ねします。まず猟具についてですけれども、空気銃の問題がいろいろ問題になっておりました。そこで普通の猟銃の国内生産量、輸出される量、それから猟銃は相当輸入されたものがあると思います。それと空気銃の生産量、それからそれらのうちの輸出の量、そういう数字があれば一つお知らせ願いたいと思います。
○若江説明員 装薬銃関係の資料を持ち合わせございませんが、空気銃について御説明申し上げますと、空気銃のメーカーが国内に百五十社程度ございまして、これに対しまして小売、卸が千六百社くらいございます。なお三十六年の空気銃の生産数は約十万丁でございまして、うち小売の数が六万丁ということになっております。
○湯山委員 猟銃の方は数はわかりませんか。
○若江説明員 猟銃の方の丁数並びに輸入の関係の資料を持っておりませんので、後刻調べてお答え申し上げたいと思います。
○湯山委員 空気銃については特に輸出というようなことがよく言われております。その輸出の数量が生産量のどれくらいに当っておるか。
○若江説明員 輸出関係の数量を明確に承知いたしておらないのでございまするが、十万の生産に対しまして何千丁もないというふうに聞いております。詳しいことは通産省から伺いましてからお答え申し上げたいと思います。
○湯山委員 それから輸入銃もわかりませんか。
○若江説明員 輸入関係の装薬銃並びに空気銃の銃数もここではわかりませんので、先ほどの分とあわせて調査いたしましてお答え申し上げたいと思います。
○湯山委員 このことはかなり問題になることだし、いろいろな計画を立てる基礎になる数字です。これはこういう法案を提案しようとすればしっかり握っておっていただかないと、ちょっと議論になりにくいので、一つ正確な資料をぜひすみやかに御提出願いたいと思います。 それから国内に現存する猟銃の数はどれくらいございますか。空気銃もどれくらいありますか。
○若江説明員 装薬銃の関係の分が、所持許可を受けておるのは三十九万六千丁余でございまして、空気銃の数が三十一万二千丁余でございます。
○湯山委員 許可を受けておる数でなくて、国内にどれくらいあるかということです。と申しますのは、ハンターは銃を一丁だけ持っているという人は、私の知っておる範囲では少ないのじゃないかと思います。大たいまあ二丁くらい持っている。空気銃は届出をしていないのが相当数あると思います。そこでそういう総数を知る必要があると思います。届出をしておる猟銃の方は大体それで把握できるかと思いますけれども、空気銃の方は届出が三十一万あるということだけでは私のお尋ねしたことに対するお答えになっていないのですが…。
○若江説明員 仰せのように、許可を受けている丁数ははっきりいたしております。無許可で持っておる所持数も少なくないというふうにいわれておりまするけれども、確たる数量の把握はいたしておりません。
○湯山委員 動物愛護協会その他で調べまして、およそ百万ということを言っております。大体そんなものじゃないかと私も思うのですけれども、そういうことについては御意見は述べられないのでしょうか。
○若江説明員 無許可の数を推定するというのは非常に困難でございまするので、あるいはそのくらいもあろうかと思われますが、確たる資料も持ち合わせいたしておりませんので、百万丁という数字であろうというふうにも言いかねるわけでございます。
○湯山委員 これはどうなさるおつもりですか。大体百万丁近い数が国内に所持されておる。その中で届出のあったものは三十一万、三分の一程度にしかすぎない。あとの三分の二はこのままで自発的な届出を待つということだけなんですか。この法律ができた機会にそれに対して何らかの対策がおありになるわけですか。
○若江説明員 空気銃を所持するということにつきましては銃砲刀剣等所持取り締まりの関係の法規で行なっておるわけでございまして、主管は警察庁関係でございますが、この狩猟法関係の審議会には当然そちらの関係者も入っております。直接の担当主管の方でお調べをいただいたのを私の方で承知するということしかできないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
○湯山委員 それではこの法律の適正な運用といいますか、完璧を期することはできないのじゃないかと思います。先ほども、文部省の方も委員に入っておるとか、文化財も委員に入っておる、警察も委員員に入っておる。そういう人が入っておって、それで法律運用の適正が期せられるということなんですけれども、今のようにただ入っておるだけで、主管省である農林省の方ではその内容がわかっていない。これでは一向そういう取り締まりとか狩猟の適正を期するということは困難になるのじゃないでしょうか。それに対する何らかの対策というものはそういう実情を御存じになっておれば当然そこから出てこなければならないと思うのですけれども、その点はいかがなものでしょうか。
○若江説明員 空気銃を所持するかどうか、それも許可を受けて所持するかあるいは無許可で所持するかということは、狩猟の関係と間接的には関係があるわけでございますが、狩猟法で関係するのは直接にいわゆる丙の免許を受けた人たちが行なう狩猟についての取り締まりを考えていくという点で、関係はありますけれども、これは間接的な関係でありまして、空気銃を持っておるから直ちに危険であるということには結びつかないのではないか。それが狩猟法の中で空気銃を撃つという点で初めて本法と関連を結ぶわけでございますが、単に所持するという点では、なお当取り締まり法の関係の分野からははずれるというふうに理解しております。
○湯山委員 そういう御答弁もあるいは出てくると思いましたのでお尋ねしておるわけですが、今度各府県に鳥獣保護員が設置されるということでございます。これは一体各府県にどのくらいということになりますか。
○若江説明員 平均いたしまして一県当たり七十五名程度の配置にいたしたい。従いまして全国では三千五百名程度に相なろうと思います。
○湯山委員 これにはどういう人がなるわけですか。手当なんかはどれくらいあるわけですか。
○若江説明員 鳥獣保護員といたしましては、猟友会その他の会員でありまして、従前から狩猟の経験があり、これが取り締まりに当たっても十分その技能を発揮できるというような人たちを選定いたしたいと考えておるわけでございますが、これの俸給等につきましては、これは非常勤でございまして、猟期期間中に主として活躍願うことにいたしまして、大体四ないし五万円程度を支給いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○湯山委員 それはどういう名目の金になるわけでしょう。
○若江説明員 支給の名目は手当でございます。
○湯山委員 手当というのは旅費とかいろいろ内容があるわけですが、どういう手当ですか、非常勤の人の常勤であれば給料に当たる手当、こういうことですか。
○若江説明員 旅費その他を込みにいたしまして、一年間のうちの稼働した分につきまして四ないし五万円を手当として支給するということでございます。
○湯山委員 その人たちの身分、権限、これはどういうことになりますか。
○若江説明員 非常勤職員でございまして、職務内容といたしましては、当該県内の司法警察員の手足となってこれに協力していくというのが役目の主要なものになっておるわけでございます。
○湯山委員 もう一度お尋ねいたします。今の御答弁は、警察の手足になって仕事をする、こういうことですね。
○若江説明員 司法警察職員並びに林務担当の職員の補助員として職務を遂行していくということでございます。
○湯山委員 それでは警察の嘱託にもなるわけですか。
○若江説明員 警察の嘱託ということにはならないわけでございます。
○湯山委員 では、権限はどういう権限があるのですか。
○若江説明員 司法警察職員ではございませんので、その職務内容も限定されるわけでございますが、違反者等を発見いたしました場合には当然司直の手に渡さなければならぬわけでございます。それ以前の行為でありますと、注意をして違反行為を起こさせないようにしていくということに相なるわけでございます。また、先ほど申し上げましたように、林務関係職員の手足になると申しますのは、保護増殖関係にも協力してもらうという内容も含んでおるわけでございます。
○湯山委員 御答弁は非常に不明確です。それから御答弁のまま受け取れば、非常に重大な問題を含んでおると思います。まずその不明確なところを明確にしなければいかぬと思いますから、警察及び林務職員の手足と言う、その手足というのはどういう内容を持った表現でしょうか。
○若江説明員 手足となるというのは、実態的には補助的な仕事をするということを手足になるというふうに申し上げたのでございます。従いまして、具体的内容になりますと、たとえば免許証を所持しておるかどうか、免許証の提示を求めるというようなことは権限内容には入りますけれども、提示を求めてその後の処置については司法警察職員に通知をいたしまして適切な処置をとっていただくということは、司法警察職員の身分並びに職権に通ずるその間の補助的な仕事をするという意味でございます。
○湯山委員 免許証を持っておるかどうかということを調べて、持っていなければ警察へ届ける、これだけでございますか。
○若江説明員 取り締まり関係では主としてそういうようなこと並びに先ほど申し上げましたように、違反を起こさないようにこの守るべき規則等を周知徹底させるというようなことも内容的には入るわけでございますが、私どもが一般的に鳥獣保護員の業務の内容として考えておりますることは、鳥獣保護区または休猟区の管理の手伝いをするとか、あるいは今申し上げましたような取り締まり関係の補助をやりますとか、あるいは狩猟免許証及び鳥獣の特別の捕獲許可証の指導をやるとか、あるいはこの関係法令の普及徹底を行なうというようなことや、あるいはまたその区域内の鳥獣の生息状況並びに狩猟状況等の概括的調査をいたして県の方に資料を提出するというふうなことを、業務の内容に考えておるわけでございます。
○湯山委員 たとえば今のようにとってはいけないところで鉄砲を撃っているとかあるいは空気銃を持って歩いているとか、そういうものを見つけて、聞かなかったらどうなるのですか。あるいは山の中で、警察まで届けに行くには五時間も六時間も歩いていかなければならないというような場合に、聞かなければ、それはやはりそのときに制止できない、とめることはできない、こういうことに保護員の場合はなるわけですね。
○若江説明員 違反行為を現に目撃した場合には、これを制止することはできるわけでございます。
○湯山委員 それはどういう権限に基づいて、たとえばどうしても聞かぬ場合取り上げるとか、あるいは銃砲刀剣の所持の許可証を持っていない場合にはそれを一時預かるとか、そういうことはできないわけでしょう。
○若江説明員 今申し上げましたように、自分の目の前で違反行為が行なわれているという場合には、これを制止して本人を司法警察署に引き渡すということはできるわけでございます。
○湯山委員 山の中で、今のように何時間もかかるところ——それでは引っぱって連れていく権利はあるわけですか。警察まで、手を引っぱるなり、足を引っぱるなり、綱をつけるなりして連れていく、そういう権利はございまか。
○若江説明員 申し上げましたように、現行犯でございますると、本人が当違反者を連行いたしまして司法警察署に引き渡すということはできると思います。
○湯山委員 それでは、行かぬという者は手を引っぱって連れていってもいいわけですね。
○若江説明員 先ほど来申し上げましたように、目の前で現行犯として本人を制止し、それを連行していくということはできるというふうに申し上げた次第であります。
○湯山委員 それはどういう法律のどの条項に基づくものか、お示し願いたいと思います。
○若江説明員 手元に刑事訴訟法の条文を持ち合わせておりませんので、何条でというふうに申し上げるのは困難でございまするが、後刻調査いたしましてお答え申し上げたいと思います。
○湯山委員 これは非常に重大な問題だし、警察権を鳥獣保護員が行使できるというようなことが刑事訴訟法にあるとすれば、これは大へん重大な問題だと思います。これはおそらく何かのお間違いか、あるいは今私が尋ねた例に対する御答弁が間違っているか、どっちかだと思いますが、なお一つお調べ願いたいと思います。
○手束説明員 現行犯につきましては、これは何人といえども逮捕できるという刑事訴訟法の規定がございますので、おのずからそれに該当して参るということでございまして、どろぼうを見つければだれでも逮捕できるということと同じでございます。鳥獣保護員としての特別の権限と申しますものは、これは一応その免許証の呈示を求めるとか、そういうことになるわけでございまして、あと現行犯でない場合はこれは逮捕できないのであって、注意を与え、また特に必要と認めれば説得するとかいうことが仕事になって参るわけでございます。現行犯であればこれは逮捕ができます。これは別に鳥獣保護員であるから逮捕ができるのではなくて、何人といえども逮捕ができるということでございます。
○湯山委員 それでは今の空気銃を持っておって許可証を持っていないという場合は、だれでも警察に引っぱっていっていいわけですね。
○若江説明員 空気銃を所持しておっただけでということになりますと——問題は、銃砲刀剣類等所持取締法で、無許可であれば取り締まれる。しかしこれは持っておるからといって直ちに狩猟法の違反者ということの断定はできないと思います。
○湯山委員 そうすると、今私がお尋ねしたのは、空気銃がどれだけあって、その中に届けがどれだけある、そのあとについて何かしなければならないのではないか、それは警察のことでこちらは知らない、ところが、鳥獣保護員というのは警察の手足となってやるのだ、こういうことですね。警察の手足となってやるならば、そういうことは当然やらなければならないことでしょう。ところが今度はそうなるとそいつは知らぬのだ、こうなると鳥獣保護員は何していいかわからないことになりはしないか。警察の手足となってやり、それから今の林務官の手足となってやる。今の警察の手足になれませんね。空気銃を持っていたということだけで、それは銃砲刀剣類等の所持の違反だけれども、それは知ったことじゃない、こういうことですから、そのことについても警察の手足になれない。そういうことになるわけですね。それではさっきの御答弁と違ってくるわけです。
○若江説明員 単純に持っておる限りにおきましてはならないかと思いますけれども、狩猟し得るような場所で持っておって狩猟し得るような態勢にあるという場合には、当然これを指導し、あるいはこれに注意を与えるということは当然しなければならぬ義務であると思います。
○湯山委員 それもさっきと違います。態勢にあるということと現行犯とは違います。さっきは現行犯ならやれる、今度は態勢にあればやれる、これはお聞きしておっても大へん食い違いが多過ぎると思いますし、御答弁に対して納得のできないことが大へん多いのです。そこで鳥獣保護員というのは、名前が保護員ですから、むしろそちらに重点を置き、取り締まりについてはその権限を明確にするということがなければ、実際には何もできない。今申しましたように、それぞれどこでどういってもひっかかって参ります。それはあなたの権限ではないじゃないですか。あるいはそういうことを言ってはけしからぬと一言われれば、それを押してやれるだけの根拠がないわけです。この鳥獣保護員の職務権限についてはこれを明確にする必要があると思いますが、その点はどうでしょうか。
○若江説明員 この法律の中でうたわれておりまする条項を示しますると、第十九条に「狩猟免許ヲ受ケタル者」は、「狩猟免状又ハ許可証ヲ携帯シ国若ハ地方公共団体ノ当該定吏若ハ吏員、警察官又ハ関係者ノ請求アリタルトキハ之ヲ呈示スベシ」という中のこの「関係者」の中に鳥獣保護員を含めまして、鳥獣保護員の請求があった場合にはこれを呈示しなければならぬという条項が第十九条にあるわけでございますが、その他の権限につきましては、先ほど来申し上げましたように、当該警察官または林務関係の担当者の指示を受けましてその補助的な機能を果たすというふうに申し上げた次第でございます。
○湯山委員 補助的なのには二つありまして、きょうはこれこれで行ってどこで何してこいという命令を受けて行く場合と、みずからの判断でやる場合があります。この場合はみずからの判断でやる場合が多いから今申し上げたような問題が出てくるので、部長のおっしゃるようにただ補助機関だということだけなら、そしてまた一々そのつど指示を受けてやるなら、これは問題はないわけです。ずいぶん大きな、みずからの判断でやる部分がこの保護員にあるわけですね。そうなれば当然どういう権限でするのだということがなければ、幾ら任命しても実際の活動はやれないでしょう。そこで、警察官の下請というなら、その警察権はどの程度行使できる、それから林務関係官の補助ならば、それについてはどういう職務でどういう権限がある、これを法律で明確にしないと、今おっしゃったように、ただそういうものを置くのだということはその法律規定に何もないのです。それではみずからの判断による法律行為ができないと思います。そういう点では、身分の問題についてもまだ申し上げたいことがあるのですが、その前に権限、職務内容、そういうものを法律で明確化する必要があると思いますが、どうでしょうか。
○若江説明員 権限の具体的な内容でございますが、その内容を具体的に例示はしておりませんけれども、先ほど来申し上げますように、事務を補助せしめるということは、第二十条ノ十に書いておりますように、「鳥獣保護事業ノ実施二関スル事務ヲ補助セシムル為都道府県二鳥獣保護員ヲ置クコトヲ得」ということで、司法警察的な補助としては、許可証並びに狩猟免状の呈示を求める権能を持つということを申し上げたわけでございます。保護関係ではどういうふうなこと、あるいは取り締まり関係では、どういうふうなことというのは、それぞれ私の方で指導いたしまして、県の服務規程等で具体的に定めていくようにしたいと思いますが、先ほど来、警察職員並びに林務関係職員の補助的な機能を有しているということを申し上げたような次第でございまして、これは二十条ノ十にある通りでございます。
○湯山委員 警察権が介入するから非常に問題になるので、たとえば今のように、免許証の提示を求める、許可証の呈示を求めるというような場合も、あとで関連して参りますけれども、今度はこの法律によれば各県別々ですね。そこで山の中なんかでかりに呈示させるところまでは権利だとしましょう。それから出したものをこの県と違うと判断した。それで、違うと判断すれば現行犯ですから引っぱっていく。そういう場合に間違いもありますね。それは一般人の間違いではないのです。呈示させる、あるいは記章を見て、怪しい、ほんとうかどうかということでやるところは、警察の下請の権限でやれるわけですね。それによってあやまちを犯したという場合は一般人の間違いとは違います。その責任はどこが負うのでしょう。
○若江説明員 ここでいいまする「鳥獣ノ保護蕃殖ヲ目的トスル事業」の中には「狩猟二関スル取締ヲ含ム」というふうに一条ノ二に書いてございまして、取り締まり関係も保護事業と関連いたしまして含めておるわけでございまして、その取り締まり関係の補助員として鳥獣保護員が置かれるという建前になるわけでございます。鳥獣保護員がたまたま免状または許可証の呈示を求めた際に、誤認いたしまして誤った行為をいたしたという場合にはだれの責任か、こういうふうな御趣旨であったかと思いますが、当然それは本人の責任でもあるし、これを任命した知事の責任にも及ぶであろうというふうに考えるわけでございますが、実態的にはそういうあやまちを犯さない人を選任することが肝要でありますし、そういう方向に指導しなければならぬというふうに考えております。あやまちなきを期したいというふうに考えております。
○湯山委員 そういう精神規定はよくわかるのですけれども、あとで出てきますが、今度は県別になるわけですね。そうなりますと、林野庁でも必ず県境は明確にすると言っておりますけれども、これからこの法律を厳密に実施するために、県境は必ず防火線を入れて、ここは何県と何県との境だというふうに明確にしなければ——現に私は四国ですけれども、高知県と愛媛県の境目のわからないところはたくさんある。選挙なんかで行って一生懸命やっていると、これは高知県だというようなこともあります。そういうところでさえそういう例があるのです。山の中でそんなのを誤認するなといったってできるものではない。不可能です。つかまえられた方はよく知っております。高知県の人間でここは高知だと言うのに、間違ってそれを一方の県の警察へ連れていった、そういうことは起こり得ることでしょう。この法律の建前からいえば、起こらないと考える方がどうかしているのであって、起こると考えなければなりません。その責任は一体だれが持つかというようなことを考えて参りますと、ばく然とこれだけの法律で、ある意味ではこういう警察権の行使もできる。指導は、皆さんの関係の下請の仕事をやりますので、これは私は問題ないと思います。問題は警察権の問題です。今の御答弁の、だれでもできることをただやるだけだというのでは納得できません。決して孤立しただれでもができることではなくて、今のような行為に伴って、それに伴う今のような取り締まりになってくるわけですから、その点については私は了解いたしませんから、もう一つ明確にその辺あとで御調査になり、警察ともお打ち合わせになって御答弁願いたいと思います。 それからその次に、身分ですけれども、身分は公務員ですか。公務員ではないのですか。公務員とすればどういう種類の公務員になりますか。
○若江説明員 非常勤職員といたしまして公務員でございます。
○湯山委員 そうすると、その行為に対する妨害は公務執行妨害ということになりますか。
○若江説明員 本人が鳥獣保護員として任務を果たしている際におきましての妨害行為等は、公務執行妨害になると思います。
○湯山委員 今お尋ねしているのは、先ほど主として猟友会——狩猟をやっている人に委嘱したいということですね。その人が山を歩くとか、猟場の方へ行くということは、自分もそれで行く、そのついでにこういう鳥獣保護の事業をやってもらう、そういうことも含めてやっておられるのだと思うのです。そうでないと、年間猟期何カ月もある、それを四万、五万でやってくれといってもできるものではございません。ついでにやってもらうということが皆さんの方のねらいだと思うのですが、大体はそうですね。
○若江説明員 先ほど来申しました鳥獣保護員は猟友会員その他で猟の経験があって、狩猟鳥獣の識別それから猟具の取り扱い、法令等の修得等に十分人を指導していく技能を有している、しかも山歩きができ、山歩きが好きであるというふうな人をできるだけ選んで保護員に当たらせたいという考えでございますが、本人が猟をし、かたわらということではなくして、むしろ保護、指導を主体にやってもらうというふうに考えておるわけでございます。
○湯山委員 そういう人に何カ月間くらい働いてもらうつもりでしょう。あるいは、日数にして年間何日くらい猟をしないでそれに当たることにしてもらうつもりですか。それに対して五万円というのはどういう計算になるわけですか。
○若江説明員 主として稼働していただくのは猟期期間の百三十五日間が主になるわけでありまするが、猟期外でも猟をするという違反者があるわけでございますので、猟期の前後につきましてはやはり山野でその関係の仕事をしていただくわけでございますが、これは常時出動ということでなくて、間断的に出動願って、保護並びに取り締まりの助手をやることになりますので、主たる稼働月数は大体四カ月ないし五カ月であろうというふうに考えております。
○湯山委員 そこで、これはもう少し現実的にお考えになってみて下さい。おっしゃっておることはおかしいのです。猟の上手な人でからだも丈夫で経験もあって、指導もできるというような人が、猟期に自分で猟をしないでぼかぼか何にもしないで歩くなんということは考えられないのです。常識で考えたってわかることでしょう。しかもそういう人でとにかく一日幾らに当たりますか。百三十五日で五万円ならどれだけに当たるか知りませんけれども、とにかくそんな手当で専門の保護員で歩いてやろうなんという人は得られないはずです。得ようがないはずでしょう。猟期の前後はわかりますね。まじめな人ですから猟期の前後はやらないで手ぶらで歩いてくれます。しかしその猟期になって上手な人で経験もあるし、知識を持っている人が、猟をしないで百三十五日とにかく適当なときに歩いてくれ、鉄砲を持たないで歩いてくれといっても歩けるものじゃないでしょう。御答弁はそこらが非常に現実離れしています。そこで、そういうこととさっきの取り締まりの問題とあわせて考えていくと、そんなことじゃできないんです。そこで、この人たちは、どういう身分的な立場にあって、権限はどういうもので、どれだけある、そしてそのためにはこれだけじゃ足りない、あるいは、ついでなら五万円でいいかもしれません、それにはこれくらいなことをこうしてもらう、こういうことを明確にしておかないと、過大な期待をかけられても迷惑ですし、名誉職じゃございません。それからひょっとすると、中にはその権利を過大に行使するという場合もできます。しかし、そうした場合にも、これまた山の中でどうにもならないというような問題も起こりますから、これは再検討の余地があると思います。もう一度再検討といいますか、御研究いただいて御答弁を補足していただきたいと思います。 それから次の問題に移りますが、次の問題は、ついでですから空気銃の方へ入ります。空気銃はずいぶん今まで猟具からはずしてもらいたいという陳情もございました。さきのように、全体が保護区になって、その中に猟区ができるということになれば、問題は解消するわけです。どんどん鳥が繁殖して、狩猟鳥がどんどん多くなって、そして猟場ができれば、これは解決する問題ですけれども、暫定的には、この調査会の答申では、将来廃止するのだ、猟具から除くのだということの答申が参っております。ところがそういうことについては、今回の法改正では全然触れておらないようですけれども、そういう方向については何も触れておられない。ただ狩猟の年令が引き上げられる、こういうことだけですが、将来はどういうふうに考えておられるか、それ々伺いたいと思います。
○若江説明員 空気銃の猟具としての適性でありますが、現に空気銃を使用いたしまして猟をする場合に、その対象となる鳥類でございますが、これは主として人家付近に来ますスズメとか、コジュケイというように、鳥の種類も限定されておるわけでありますが、たまたまやってくるところが人家地域でございますので、ここで猟をするということは危険防止の点から非常に問題があるわけでございます。従いまして、鳥獣審議会でも空気銃の猟具といたしましての適性等にかんがみまして、将来はこれを猟具からはずしていってはどうかというような答申のように承ったのであります。なお、答申におきましても経過的に暫定措置を講じながら、方向としては全廃の方向に進むべきであろうというように、理解しておりますが、空気銃の猟具としての歴史も長くなりましたし、そういうような慣行もできましたし、なお半面、空気銃を楽しむ射的場の施設も不十分でありますので、そういうような施設を逐次拡充していくというふうな方向と並行いたしながら、猟具としての取り扱いを定めていく、つまり廃止するような方向に向かっていくというふうに考えておるわけでありますけれども、現段階におきましては、直ちにこれを猟具からはずすということも実態から申してどうかと思われますが、今申しましたような方向に進み得るように持って参りたいと考えております。
○湯山委員 問題については、いろいろよく御存じだと思います。空気銃がどういうふうに使われているというようなこともよく御存じですから、それについては多く申しませんけれども、結局空気銃が問題になるというのは、その視野だけでながめると、今おっしゃったような問題になると思いますが、ほんとうに鳥獣保護がよく行なわれて、さっき申しましたような体制になれば、そういう問題は解消するわけです。結局、今日まで対策がよく行なわれていなかったということが、今日こういう問題を起こしておる大きな一つの原因でもあるし、現実にはその弊害も相当大きく出ておることもおわかりの通りなんです。そこで問題は、どちらを早くするかということです。しかし、それにはむしろ保護対策の方をうんと早く推めて、それによって問題の解決をはかる、これが大筋だと思います。取り締まりによってこれをやっていくというのは下の策ですから、これは申し上げるまでもないことですけれども、しっかりその線で進んでいただきたいと思います。 それと関連して、今狩猟免許と許可証の二段がまえになっておりますが、各府県ごとに許可証を与えるというのですか、その免許の場合に、さっきちょっと触れましたけれども、不適格の条件として、白痴瘋癲とか、そのほか工合の悪い者、そういうことが出ております。そこで、その場合にこの身体条件というものはかなり厳重にやっていただかないといかぬのではないかということを申し上げたいわけです。白痴、瘋癲は、白痴は白痴としても、瘋癲というのはよくわからないままですが、それはそれとして、そのほかに問題になるのは視力の障害です。視力障害というのは初めからわかっておればいいですけれども、だんだん年をとって、あるいは緑内障だとかいろいろ視力症が起こってくる。あるいは色盲、こういうのも非常に間違いを起こしやすい疾病だと思います。そういうことについては当然この場合に免許証を渡す場合の調査の対象にしなければならないと思いますが、その点はどうお考えでしょうか。
○若江説明員 お説の点は第七条に「都道府県知事狩猟免許ヲ為スニ当リテハ」云々とありまして、「特二必要アリト認ムルトキハ狩猟免許ヲ申請シタル者ノ狩猟ヲ為スニ必要ナル適性ノ有無ヲ審査シテ之ヲ為スモノトス」というふうに審査規定を七条の末尾にうたっておるわけでございますが、今仰せのように、極度の近視眼でめがねをかけてもなかなかはっきり事物が見えないという者や、あるいは手足がきわめて不自由でありまして危険防止についての保証がいたしかねるというふうな者につきましては、免許証を与える場合、適性の有無を審査して行なうということに七条を改正いたしましたような趣旨もそこにあるわけでございまして、著しく視力が衰えている、あるいはその他手足が不自由であるという者については、これは与えないということができるわけでございます。
○湯山委員 それはそうですが、審査というのはどういう内容か。たとえば書面による審査なのか、あるいは知事が本人を出頭を命じて、そしてお医者さんに検査させる、そういう内容なのか。これも人権に関する問題ですから、その辺ははっきりしておかないと、審査する側も困ると思います。この人は一体白痴だろうか、瘋癲だろうかというような審査はなかなかむずかしいことだし、そうだからといって呼び出してやるということもなかなかむずかしい問題もそれに伴って出てくると思います。どういう審査が可能なのか、これを伺いたいと思います。
○若江説明員 申請をする者は必須的に講習を受けなければならないことになっておりまして、この講習を受講する際におきまして、都道府県知事か特にその人の身体障害的な部門を認めました場合には、その人につきまして今申し上げましたような適性の有無を審査するというわけでありまして、申請者全員につきまして身体検査的なものをするということではございませんので、特に必要な場合についてのみ行なうということでございます。
○湯山委員 それは大へん不徹底ですね。講習というのは、これからはどうか存じませんけれども、従来の講習というのは、ただ出席すればいい、こういうことであったわけです。事実は何も講義を聞いたり、あるいは教育を受けたりしなくても、ただとにかく出席すればいいのだ、出席したことで受講していたことになっていたのです。その点は御存じでございましょう。しかもだれが講師になるかわかりませんけれども、講師が壇の上から説明する。そして一人々々の身体状況、これは白痴か瘋癲じゃないか、これは色盲じゃないか、これは視力障害じゃないか、こういうことを片手間といいますか、講習しながらやるということは、これははなはだ不徹底でもあるし、不公平でもあるし、困ると思います。それについては、これもまたはっきりした規定があってしかるべきじゃありませんか。
○若江説明員 従前の講習は、所定の時間を受講すれば足りたわけでございまするが、本改正案におきましては、講習を受けまして、その結果といたしまして、受講した事項を十分修得したかどうかということを復習的な意味で試験をすることにいたしておりまして、それによって若干のふるい分けもするわけでございますが、その中で、狩猟鳥獣の判別とか猟具の取り扱い等の実務もやるわけでございますので、その点で非常に取り扱いに不自由を来たす、あるいは鳥の識別がわからないというようなきわだって身体障害的な人を認めた場合に、今申し上げましたような措置をとるというふうに運用いたしたいと考えておるわけでございます。
○湯山委員 それは困ると思います。人権に関する問題ですから、もし講師なら講師の人が間違えて判定をするというようなことがあっても困ると思います。ですから、こういうようなことは申請のときに当然県ならば公の機関として保健所があるわけで、そこの診断書をつけて出す。その診断書によって、必要があれば、たとえば今の色神とか視力障害だとか白痴、瘋癲、そういう懸念があるという人については、これは特に確かめるために身体検査をする。こういうことならまだ若干いいとは思いますけれども、今おっしゃったように、ただ講習のときに講師が判別するんだ、県が判別するんだ、これくらいあぶないことはないし、やられた方も困る。それによって免許証が得られる、得られないということになれば、これは大へんな問題だと思うのです。正確にしかも人権を侵害しないようにやる方法というのは具体的にきめる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○若江説明員 お説のように、受講者全員から保健所長その他指定した医者からの、身体障害がないとかあるいは健康診断的な証明書をとることによりまして、十分果たし得るわけでありまするが、全部の人に同時にそういうような証明書を取り寄せさせるということはこの場合、今申しげましたような特に身体障害があるとか、視力が非常に低いというような特段の人でございますので、その人たちについて、今申し上げましたような保険医その他の診察を得まして、その適性の有無を判定するということには用いたいと思いまするが、全員について医師の証明書をとるということはどうであろうかと考えるわけでございます。
○湯山委員 そうすると、この講習の講師には、ある意味で、医者でなくても身体検査をする権限を付与する。この人は視力障害だ、この人は白痴だ、そういう診断の権利を与えるとすれば、これは重大な問題です。そういうことは医師法違反じゃないですか。
○若江説明員 そういうふうな講師が診断をするというようなわけではございませんので、そういうふうな講習の過程におきまして、猟具の取り扱いあるいは剥製の鳥類の識別を行なうというときに、著しく識別の困難であるような人あるいは猟具の取り扱いをするのに著しく手足が不自由であるような人を定めて、それらの人に医師の診断を受けていただく、それによってはっきりした判定を得るというような方法を用いたいというふうに申し上げたわけであります。
○湯山委員 その診断は、林野庁の係官がされるのか。あるいは他から講師を依嘱する場合もあると思います。そういう人が的確にできるかどうか。あるいは手が不自由な人については、どうしてそうなったのか、一時的なものか永久的なものか、そういうことはそこで見なければいかぬわけでしょう。そうして、これは一時的だといってもはたしてそうかどうか、こういう判断はしなければなりませんね。そういうことを、全然お医者さんの仕事に関係ない人に第一段階はやらす、今のお話ではこういうわけですね。それは問題があるから、そこでそういうことにならないように、免許の申請の書類へ保健所の診断書をつけて出す、その要項にはこういうものを入れておくというようなことにしないと、私は今のような問題を必ず起こすと思う。さっきの警察の問題と同じです。こういうことを決して甘く見ちゃいかぬと思うのですが、どうですかね。
○若江説明員 私、申し上げたのは、講師がみずから診断的な仕事をするというふうに申し上げたのではないのでございまして、一般の人が見てもその人の手足が著しく不自由であるとか、あるいはまた視力が著しく低いというふうに見受けられる人を特に所定の医師の診断を受けて、最終的な判定を仰ぐというふうな手続をとりたいというふうに申し上げたのでございまして、その人みずからが医師的な診断を行なうという意味ではございません。
○湯山委員 だれが見てもというのはわからないことです。だれが見てもわかるんじゃなくて、今の講習のとき来ておればわかる、そのわかるという判定は、医師に見せなくちゃならないという判定は講師の人がする、あるいは出席しておる係官の人がする。その判定が問題だ、こう言っているのです。だれが見てもわかるというような、そういうことじゃなくて、だれかが見て、この人は医者に見せる、この人は再検査するということをきめぬといかぬわけですね。そういう判断はだれがするか、これを明確にしておかないと問題が起こりますということを申しておるわけです。
○若江説明員 その辺の判定で御疑問があるようでございますが、私ども「特ニ必要アリト認ムル」という場合につきましては、知事の判定に待つしかないと存ずるのでありますが、御要請の通り、診断書を全員につけてとるという方法は別にいたしましても、できるだけそういうふうな人を立ち会わせまして、しろうと的な判断を避けるというふうなことには意を用いたいと思います。
○湯山委員 これもまだ問題ですね。最初は講習しておるときにわかる、そこで加えるんだ、それからその次には、だれが見てもわかるんだ、そういうふうにいろいろ変わってきたわけですけれども、この問題もさっきの警察権の問題と同じように、ひょっとすると人権問題に発展します。ことに人のうわさなんか聞いて、あれはこうだというような先入観でやるということになれば、もっと問題が起こってきます。こういったことはできるだけ客観的にするということでなければいけないのです。保健所の診断書をとるというのは、そんなにむずかしいことじゃないでしょう。それも費用の負担が気の毒だというようなことならそれはまた別でしょうけれども、当然その程度のことはしていいんじゃないか。それを講習のときに判断するということだけでは判断する人の問題があるし、される人にも問題がある。知事にやれと言ったって知事が一々当たるわけじゃありません。ここには非常に大きな問題があるのですが、政務次官、今の答弁のままでよろしゅうございますか。私はそれじゃいかぬと思うのですが……。
○長谷川委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○長谷川委員長 速記を始めて。
○津島政府委員 ただいまの御質問、まことにごもっともなことでございます。人権の、じゅうりんなどがありますと非常に厄介なことでございます。十分研究をいたしまして善処を申し上げたい、かように考える次第であります。
○湯山委員 これは、今委員長からも言っていただきましたように、一つ、ぜひ納得のいくような方法にしていただきたいと思うのです。そういう点から近代化していかななければ、白痴か痕癩かといったってわかるものじゃないですから、近代化していくということが私はほんとうに鳥獣保護のできる一つの基本だと思います。そこで近代化するというのは、文章の上でできなければ手続の上で近代化していく、これが私は行政に当たる人の一つの心がまえじゃないかと思いますので、ぜひそう願いたいと思います。 その次は免許のことです。これはずいぶん議論にもなったと思いますが、各県別に出すというのは非常に繁雑だと思います。講習の受講の証明書、それからそのほか、県別にやる場合には何か便法はないものですか。四つなら四つの県のをもらう場合に、一つの県は今のように身体検査表も出す、それからそういうふうにする、しかしあとの三つについては初めの一つと同じような手続をしなくても便法があってしかるべきだと思います。それには、たとえば全国区と地方区のような格好でやる方法もあると思いますし、あるいは一つの県でできるならば、その県から連絡してもらえばもうただそういう方法だけで他の県のはとれるというふうな便法が何かあってしかるべきだと思いますが、これはお考えになっておるかと思いますけれども、あれば一つお示し願いたいと思います。
○若江説明員 ある県で受講いたしまして所定のコースを終えまして、受講証明書を受けた人はどの県にもその証明書が通用できまするので、必要な県の手続を、二県の場合二県、三県の場合は三県するわけでございますが、その人がその県まで行って免許の手続をとるということは非常に不便でもございまするので、ある県で受けた人がその他の県の免許を受ける場合も、ある段階を経まして一括義務手続をいたまして、その居住地の県で二、三県の免許・をとれるというふうな便宜的な措置を考えておるわけでございます。
○湯山委員 それは県別にしたというのはどういう趣旨なんですか。どこにその趣旨があるかということです。
○若江説明員 狩猟の免許事務というのは国の機関委任事務でございまして、各都道府県知事は責任を持って当該区域の鳥獣行政を担当しているわけでございますが、従前のように全国通有の狩猟免許でございますると、他県知事の免許を受けた効力が自県内にも及びまして、狩猟が自由に行なわれるということは、当該県知事からいたしますると好ましい事態ではないという点と、従前のように、居住地で受けて全国一円の効力を持つということになりますと、大府県といいますか、大都市のある府県の税収が多くなって、反面狩猟をされる県の税収が人の割には必ずしも多きを期し得ないという不均衡も出て参りまするので、それぞれの当該県の管轄する地域につきましては、当該県知事の免許を受けて狩猟をしていただく、従いましてその地に落ちました税収等は当該県知事がこれの保護増殖に充てていくということが実態にも即しておりますし、保証増殖の政策を展開する上にも便宜であるというふうな二点からいたしまして府県ごとの免許にいたしたような次第でございます。
○湯山委員 これは私はもっといい意味でこれを解釈しておった。と申しますのは、本来狩猟期というようなものは各種類ごとにきめるべきが正当だと思います。 〔委員長退帯、丹羽(兵)委員長代 理着席〕 最も厳密な、意味で猟期をきめるとすれば、種類ごとにきめていく。それは繁雑だということならば地方別にきめていく、そういう場合もあると思います。でないと、たとえば宮城県なら宮城県はガンが今たくさん来ています。宮城県ではちっともガンが減ったとも感じないし、保護する必要も感じない。しかし全国的にはうんと減っておる。こういう現象があって、むしろ保護の必要を感じているのは、たくさんいるそこじゃなくてほかのところが感じている、こういう例はたくさんあります。そこでその宮城県に対して特に中央の農林大臣から、お前のところにはたくさんいるけれどもほかがこういう状態だから保護してほしいというような格好で、県ごとにというようなことはわかるが、それじゃなかなか取り締まりができないというところからやむを得ず一本にしていく、こういうことなんだと思うのです。そこで、それをできるだけ地方の実情にお合わしするため県、ことにしようということならば、その手続というようなものはできるだけ簡素化していくことが必要だと思います。そこで今のように県別にやって、金の落ち方が狩猟人口に比例して落ちる、そういうような安易なことじゃなくて、ほんとうに鳥獣を保護していくという観点からどういう形がいいかということの検討が要るのじゃないかと思います。そういう観点からの意見としては、その両方を組み合わしていけば、たとえば他の県へ一つよけいに行ったら二倍になる、他の県へ二つよけいに行ったら三倍になる、こういう機械的なことじゃなくて、本来その人の本拠というものは——東京なんかの場合は別かもしれませんけれども、大体本拠があってそれからその付近、こういうことになると思います。そうすれば、こういうことについては、さっきの健康診断に金が要るというけれども、そんなことじゃなくて、もっと別な配慮があってしかるべきじゃないのでしょうか。つまり一つの中心になる県、そういうところはきちっとしても、あとは手軽に免許証が得られる、費用の問題についても……。そういう形をとってしかるべきではないということを考えておりますが、その点はいかがですか。
○若江説明員 免許手続を二県以上でとる場合の手続の簡素化につきましては、先ほど申し上げましたように狩猟関係団体を活用することによりまして申請者自体にはそうごめんどうな手続をかけないような方法でこれを持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。お説のように今度は県ごとの免許の場合に払う税金を、数県以上になった場合には何とか低減するような方法がないかというふうな御趣旨に伺ったのでありますが、ある県については所定の分を二県以上になりまして低減していくということになりますと、低減される側の都道府県にとりましてはこれは不公平な扱いにもなりますので、やはりその県を管轄する知事には平等に税金を落としていく、しかし当該県知事は地域にある鳥類、獣類の生息状況等にかんがみまして、地域に即応しましたような保護増殖計画を立てていく。ただしこれが二県以上にまたがる保護計画、あるいは二県にまたがる計画の調整等につきましては、国が適宜当該県知事に指導し、あるいは勧告する等の方法によりまして、地域的な調整を行ないあるいは全国的に地域調整をやってもらうというように、国の調整機関と相待ちまして都道府県知事が行なうその管轄地域につきましては、地域の特性を生かしたような行政指導でいくということのためには、都道府県知事にその管轄地域の行政をおまかせすると同時に、必要な税収も当該都道府県知事に与えるというのが建前であろうというふうに考えまして、今回提案しましたような改正に持っていったわけでございますが、手続上の簡素化につきましては、十分申請者に不要の御迷惑をかけないようにいたす所存でございます。
○湯山委員 大体それぞれの人にとって主なる猟場は何県というのはきまっておるわけです。たまたまよそへ出ていくこともあります。しかし全体から言えばそういう場合は量が少ないわけです。最初のお話では狩猟の数に応じた保護の費用がそこで得られるために各県別にした、これはその点ではおっしゃる通りだと思います。そうすれば一つの県にいて他の県へ出した場合には、そのよその県まで出ていくというのは数は少ないのですから、鳥獣を殺傷する数も少ない、従って当然それに対応する負担も少なくていい、最初の理論からはそういう理論が出てくるわけです。そうなりますね。だからその辺もはなはだもって首尾一貫しないのです。これは本来ならば、こういう目的税じゃなくて、国がもっとうんとこれに費用を出していただきたい。各国の例を見ましても日本のように貧弱なのはないようです。だから国がうんとこれを持てばそんな妙なことをしなくていいのです。やむを得ず今回はそういうふうにした、これも鳥獣保護を前進させるためにはやむを得ないけれども、しかし最初おっしゃったような理論から言えば、当然よその県へ行く場合には全体的には少なくていいわけです。そこへ国がうんと金を出すようにして、今言ったような理論的な矛盾をなくしていく、そうすることがまた手続を簡素化する道にも通じてくる、こういうことだと思います。そういうことについては今後さらに御検討願いたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○若江説明員 従前の税収は大体年平均六億程度あったのでございますが、そのうち狩猟行政に使われている実額は一億二千万程度でございまして、微々たる額でございましたが、今回目的税にいたしました結果予想される収入といたしましては、大体四億程度はあるのじゃないかというように考えられるわけでございます。その点から申しますならば、鳥獣行政費に投入される額というものは数倍になるという点では、これはかなりの保護増殖関係の進歩であると考えるわけでございまするが、なお諸外国の先進地の行政費に対比いたしますると、額自体はかなり下回っているということも事実でございます。この辺につきましては、国の指導行政を十分充実いたしますと同時に、狩猟者がふえるに従いまして税収もふえるというような相関関係にありますので、今後保護増殖関係の事業費を十分に活用することによりまして鳥獣をふやしていくという方向になっておりますので、質的な充実につきましては十分努力をいたしまして、御期待に沿うように努めたいと思っております。
○湯山委員 最初御説明があったように、諸外国に比べて鳥獣の数が十分の一くらいしかない、それに持っていって費用も非常に少ない、そこで増殖といっても、人工増殖をさせるとすればキジ一羽について千円以上かかるというような資料も見ております。そうすると、今のような状態で手数料ですか、税が入ればそれで充当していくのだ、こういう考えでは、目的税でそれをやっていくというのじゃ、いつまでたったって効果を上げることはできない。現状維持がやっとこさじゃないですか。もう少しよくなるかもしれませんですけどね。ですから、そういう狩猟者の出す目的税に依存するというのではなくて、むしろその方は補助にして、たとえば人工増殖とかそういう方へ回して、保護行政、鳥獣保護の根幹になる費用というものは国がもっと積極的に持つ、こういう体制をおとりにならなければ目的は達成されない、こう思います。ですから、この目的税で今四億になり五億なり出たということは、それはそれでけっこうですけれども、むしろそれはプラス・アルファであって、根本的な鳥獣保護の行政というものは、政府が積極的にやっていくのだというかまえをとる、べきだと思いますか、そうじゃないでしょうか。
○若江説明員 諸外国におきましても、鳥獣行政費がわが国と比べて大へんな額になっておりますが、主としてその額は目的税をもってこれに充てておるというのが実情のようでございます。その点につきましては、わが国におきましても、おくればせながら目的税を設定いたしまして、財源を確保していくという点につきましては追従しつつあるわけでございます。あとは保護増殖計画を計画的に推進していく、そのための方策がどうだという点になろうかと思いますが、それは法律で定めておりますように、農林大臣が定めます基準に従いまして、都道府県知事が地域の特性にかんがみまして、地域の特性に即応しました増殖計画をつくっていくというふうに今後はなるわけでございまして、それが計画的に実行でき得ますれば、体猟区制度の新設と相待ちまして、かなりの鳥獣が増殖されるという見込みは十分あるわけでございまして、その点につきましては、私どももこの保護増殖計画を計画的に推進するという点で、せっかく試験研究機関の成果を受け継ぎながら実行に移したい、かように考えておるわけでございます。 なお、この機会に、先ほど資料を得ましてからお答えいたしますと申し上げました猟銃の生産並びに輸出入の丁数がわかりましたので、この機会にお答えさしていただきます。 三十六年度の猟銃の生産数は三万一千四百丁でございます。なお猟銃の輸入数は一万七千丁、同じく輸出数は八千七百丁、三十六年の空気銃の生産数が十万五百丁、空気銃の輸出数が八千六百九十一丁、同じく輸入数が四千九百九十六丁でございますので、御答弁申し上げます。
○湯山委員 今の問題と、そのあとの問題、二つを申し上げます。 猟銃については、外国のものが一万七千とずいぶん多く入っております。生産量が三万一千に対してその半分以上が入っている。これは私はかなり重大な問題だと思うのです。この問題は、林野庁へ申し上げる問題ではなくて、むしろ通産省の方へ言わなければならない問題だと思いますけれども、こういう点もしっかり把握されていかないといろいろな問題か起こってくるの、じゃないでしょうか、この問題からも。この辺はやはり総合的に計画を立てていただかなければならない。こういった問題が処理されていけば、それに伴って、狩猟をしておる方たちのいろいろな問題も、解決する問題があると思います。多くを申しません。 先ほどの目的税の問題は、先進国並みになったと安心されては困るので、向こうはちゃんとできていて、日本の十倍以上の鳥獣がいて、それでやっていけるのです。日本の場合は、そこまでいって、そのあとならおっしゃる通りでけっこうですけれども、そこへいくまでの努力というものはそれの何倍もしなくちゃならない。そこで申したのですから決して安心しないように、先進国並みになったというのはそこだけの話で、そうじゃなくて、追いついてからこそ今のような議論をなさっていただきたい。その努力は今からなされなければならないのです。 日収後に、文部省の方がお見えになっておりますから、文化財保護と関連してお尋ねをいたします。 文化財保護の方で特に鳥獣保護、そういう方面に意を用いておられる面もあると思いますけれども、だんだん鳥獣が、絶滅しかかってくるのもありまして、そういうものについては、文化財保護の面からこれは保護しなくちゃならないというような意見があると思います。しかし実際に指定するとなると問題もあって、その分については特に農林省の方でやってほしい、やっておってもらいたいというようなものもあると思うのですが、そういう例があれば一つお述べいただきたいと思います。
○須賀説明員 ただいまの大へんありがたいお言葉でございますが、私の方では御承知の通りに、日本特有の動物で特に著名なもの、あるいは日本著名の動物で特にその保護を必要とするもの等を指定いたしておりますが、もちろんその鳥そのものあるいはその生息地、繁殖地等、地域の指定もあるわけでございますが、非常に重要な、貴重な鳥も中にあるわけでございまして、たとえば先年、新潟県にトキの生息地がございますが、特に林野庁の御配慮でその生息地を国有林としてお買い上げいただいて、保護に尽くしていただいたというような事例もございました。特に私ども狩猟関係で緊密な関係がございますので、従来とも林野庁と十分連絡をとってその保護に努めているわけでございますが、今後もそういう生息地の保護というような面でいろいろ御尽力いただくような場合が多いかと思いますし、またその捕獲につきましても、もちろん文化財保護委員会の許可が要るわけでございますが、その許可にあたっても林野庁と十分連絡をとってその許可を検討いたしたいというふうに考えております。
○湯山委員 今のことをお聞きしようと思ったわけですが、たとえば特別天然記念物等の捕獲、これの監視はなかなかできないのでございましょう。そこで今度の鳥獣保護員、こういう人たちにも相当協力願わなければいかぬのではないかというように思いますが、いかがですか。
○須賀説明員 もちろんおっしゃる通りでございまして、私ども今直接のそういう出先の監視員というものはございませんので、従来から特に林野庁関係の営林署の方々にも御配慮いただいております。今後ともそういう面でまたお世話になることも多いかと思います。
○湯山委員 それから、文化財保護関係は予算が非常に少なくて、今のように、トキの生息地を国有林の方で買い上げてもらった、これは美談と言えば美談ですけれども、行政のあり方としては大問題ですね。まあ大問題じゃないですけれども、問題ですね。本来ならトキを保護するために必要なそういう処置は、これは天然記念物を所管しておる文部省でやらなければならない。予算がないからやむを得ず林野庁の方へお願いして、林野庁の方も鳥獣保護というのがあるから、ではその名目で買ってやろうかということで、その辺は本来の目的が同じだからいいようなものですけれども、トキを保護するためにそうなったので大へんけっこうだとも言えるけれども、これは行政の形としては非常によくない点もあると思うのです。こういうことは、私は農林省へも文部省へも言うことじゃなく、総理大臣ぐらいに、こういうことをしていいのか、こういうことをさせていいのかということを言いたいぐらいに思うわけです。そこで政務次官に御判断願いたいと思うのですけれども、これはいいことだけれども、そのいいことに今のような問題が残るわけです。文部省の力は指定するところまでやって、これは指定するんだ、それの保護とか天然記念物の保護とか今のようないろいろなことをやっていく。その必要な土地を国有地にするとか施設をしていくとかそういうところは一本化して、文部省は、純粋にこれは必要だ、あるいは指定していくということだけにしぼるとして、ちゃんとその分野を明確にして、この天然記念物の、特に鳥獣に関して、これは植物の場合も農林省でできるわけですから、そういう行政をこの際一元化するというようなことを考えたらどうだろうか。実際には今のように手が届かないで、ずいぶん林野庁の助けを借りているという実情ですから、今の予算のあり方ではそれももっともだと思うんです。いっそそうした方がいいのじゃないかと思うんですが、政務次官、どうでしょうか、これはとっぴ過ぎますか、考えられないことではないと思うんですが、どうですか。
○津島政府委員 お話の点よくわかるのでありますが、現在の時点においては、やはりただいまとっておった林野庁の方に土地を持ってもらうということは、行政のあり方からいいますと必ずしも本筋ではないと思いますが、現在のところでは、私はこれ以上のなにはちょっとできないのではないかと考えられます。
○湯山委員 この問題は、天然記念物を指定しても、あとの管理はほとんどできないんです。そのためにいろいろな問題が起こっておりますし、天然記念物に指定されたために、かえって指定されたものがだんだんとられたり少なくなっていったり荒らされたりするという事例もあります。鳥獣保護員がそんな形で、できればどの地域のなにはどうだというような知識をその人たちに与えて、実際にはそれを保護してもらうということは、私は決して行政の姿を乱すものではないと思うのです。いずれまたこういう問題については別な機会にお尋ねすることにして、最初に委員長にお願いしましたように、基本的な問題については御答弁を留保されている面もあると思いますから、適当な機会にそれをただす機会をお与え下さいますようにお願いいたしまして、きょうの質問はこれで終わりたいと思います。
○丹羽(兵)委員長代理 東海林君。
○東海林委員 実は明日参考人から意見を聴取することになっておるわけですが、その前に改正条文の解釈のことで一、二点明らかにしておいてもらいたい、こう思う点がありますので、お尋ねいたします。 まず、第七条ですが、免許を受ける場合には講習を受けて証明書を出す、こういうことになっておるわけですが、この法律全体が各県別にいろいろと免許とかなんとかなっているけれども、この証明書が、二つの県で免許を受ける場合に、一つの県で証明を受けたら、その証明書が両県に共通になるのか、それとも各県別に一証明書を必要とするのか、その点、まず伺いたいと思います。
○若江説明員 ある県で受講いたしまして当該県知事から証明書の交付を受けますと、この証明書につきましては全国共通でございます。
○東海林委員 次に第八条ですが、取り消しの場合に、今度新たに「狩猟免許ノ全部又ハ一部」ということが入ったのですが、この「一部」というのは具体的にはどういうことを予想されておるのですか。その点を明らかにしてもらいたい。
○若江説明員 狩猟免許には甲、乙、丙の三種がありまして、装薬銃でやる場合が乙、装薬銃以外の網、わなでやる場合が甲、空気銃でやる場合が丙でございます。当該違反にかかる行為がたとえば甲であって、甲と乙とは全然違反内容が通用しないという場合につきましては、違反行為があった甲だけを取り消し、乙については生かしておくということがあり得るという条文でありますが、私ども一般的に、狩猟に関して違反をしたような行為につきましては、おおむね道徳的な違反をするというような人がありますので、原則といたしましてはその全部を取り消さざるを得ないのではないかというふうに考えられるわけでありますが、法制的には「全部又ハ一部」という字句で表現されておるわけであります。
○東海林委員 今までもそういう関係は同じだったと思うのだが、特にそういう点を今度の改正に入れた趣旨は、従来では不都合があった、こういうことですか。そこをもう少しはっきりしてもらいたい。事実関係は今までも同じであったと思うのですが、法制的に特に必要であるというならば今までも入っておっていいのではないかと思いますが、従来そういう法制上の欠点であったということでそうなったのですか。何か実情に今までと逢うような条件が考えられるのか。
○若江説明員 改正前の法律におきましては、第八条で「都道府県知事ハ其ノ免許を取消スコトヲ得」というのが旧条文であったわけでありますが、その免許というのがその者の持っている全部の免許をさすのか、あるいはその者の持っている甲の免許あるいは乙の免許をさすのかということにつきまして解釈上に疑義が若干ございましたので、判然としたわけであります。
○東海林委員 それからやはり第八条ですが、「本法又ハ本法ニ基キテ発スル省令若ハ都道府県規則ニ違反シタルトキハ……取消スコトヲ得」こういうことになっておるわけですね。この場合の取り消しというのは、やはりその都道府県における狩猟免許の取り消しというふうに解釈されるのですから、そういたしますと、都道府県規則に違反した場合には問題は別ですが、法律や省令に違反した場合に、一つの県では取り消しをされた、ところがほかの県としては依然として免許が有効に存続する、こういう形というのは非常に好ましくないように思いますが、法律的にこれはどういうふうになるのですか。
○若江説明員 この法律の免許の建前が都道府県ごとということになりましたので、第八条の条文も、都道府県知事はこの狩猟免許の全部または一部を取り消すということになったわけでありますが、私どもの指導方針といたしましては、当該県でそういう重大な違反を犯すような人につきましては、他の府県で受けておる免許につきましてもこれを取り消すのが妥当であるというように考えておりますので、これは都道府県間相互の通報制によりまして、林野庁が中で指導監督をいたしまして、他の府県で受けた免許につきましてもこれを取り消すような方法を用いたいというふうに考えておるわけであります。
○東海林委員 そういう考えであるならば、何かこの条文の上にそういう連絡規定を明記すべきではないかと思うのです。それでないと、指導だけというのならその点が不徹底だという気がする。その点の見解はどうでしょうか。
○若江説明員 先ほど申しましたように、狩猟免許が都道府県ごとになりました関係上、法制上はこういう条文にしかならなかったわけでありまするが、仰せのような点は十分に配慮いたすために通報制をとって、林野庁が調整しまして、他の府県につきましても免許を取り消すという行政指導は十分行ないまして、他の府県で迷惑をかけることのないような指導をやるつもりでおります。
○東海林委員 その指導の点はわかるのだけれども、やはり免許というようなことは法律の一番基本的なことだから、省令か何かの中にそういうものを明らかにする必要があるのではないかということを私は考えるわけですが、そういう意思はないのだろうか、ただ指導だけであくまでいくのか、こういう点です。
○若江説明員 法制上の体系からいたしまして八条のような形になりましたので、省令で通報制を定めるということも若干無理なように考えられますので、これは長官その他事務次官等の通牒をもちまして通報制を厳守するようにいたしたい、かように考えます。
○東海林委員長 そういうことだと、私、一番最初の点も疑問になるのですが、各府県別の主義だとならば、証明書が共通だということはどこから解釈が出てくるのですか。
○若江説明員 第七条ノ二にあります講習会の内容というものは、大体全国共通的に内容を整備いたしておりまするので、どの県におきましても同じような内容でございますので、修了証書の証明書は全国共通にいたしましても、おのおの狩猟に関する法令あるいは狩猟鳥獣の判別あるいは猟具の取り扱い等につきましては所定の講習を経ますので、その経た人に一証明書を交付いたしますると、その証明書は全国通有である、つまりどこの講習会で受けましても同じような内容の講義を受け、実習を受けまするので、それは全国に共通させましても何らそごはないというふうに考えて、全国共通にいたしておるわけでございます。
○東海林委員 この法律全体が、先ほどもちょっと意見が出ましたように、県別主義という点が非常に強くなっておるためにいろいろな点に無理が出ているような気がするのです。従って、そういう点をもう少しフランクに考えられて、無理の点はやはりある程度直すという考えでないと、法律自体が非常に変な法律になっているように私どもには感じられるのですが、その点はなおさらに今後の審議でいきたいと思います。 それでは、一応今の立案者の解釈だけわかりましたので、本日はこの程度にいたしておきます。
○丹羽(兵)委員長代理 次会は明十三日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十二分散会