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43回国会衆議院1963/02/27

農林水産委員会 第12号

発言数
90
登壇者
14
会派数
3
開催日
1963/02/27

会議録

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 これより会議を開きます。  漁港法の一部を改正する法律案及び漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件を一括議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 大臣が御出席でありますので、水産政策に関する問題のうちで、特に本日は楢崎委員とともに国際漁業関係の問題に重点をしぼって数点お尋ねをいたしたいと思います。  大臣御承知の通りことしは日本の国際漁業の関係では大へん重要な年に相なっておるわけでありまして、たとえば日米加の漁業条約は今年の六月に十年間の期限が満了する時期になっております。さらに現在東京で開かれておりますオットセイの四国会議の問題につきましても、今年の十月に六年間の期限が満了するという時期にきておるわけであります。さらに来月の四日からは日ソの第七回の漁業交渉が開始されることに相なっておりますし、また当面、従来から楢崎委員が予算委員会その他で取り上げて参っております日韓の漁業交渉の問題が同時に進められておるわけでございます。従いましてちょうどこういう重大な時期に重政農林大臣が農政の担当をやっておるのでありまして、国際漁業に対するところのわが国の基本方針というものを確固不抜に確立をして、これらの問題に対処しなければならぬ重要な段階だと思うのです。特に日米加の漁業条約の問題については、自発的仰止原則という国際法上認められていない原則がこの条約の中に取り入れられておる。これは絶対に廃止していかなければならぬ問題でありますし、またオットセイの四国会議においては、従来から海上猟獲についてもあるいは陸上猟獲についても、これが日本自身の場合には禁止をされております。明治年間には洋上猟獲等もやっておったわけでありますけれども、これが禁止をされてきておる。そうしてアメリカ、ソ連から、猟獲量の一五%を日本とカナダがもらう、こういうようなきわめて不平等な条約に相なっておるわけであります。しかもこの日米加の漁業条約あるいはオットセイの四国会議の問題の行方については、今後の日ソ漁業交渉あるいは日韓、日中の漁業折衝等に重大な影響を与えることはもちろんでありまして、この際まず第一に、この重要な時期における農林大臣として、国際漁業のこれら問題に対する基本的な考え方について明らかにしていただきたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 私は、国際漁業についての基本的考えは大体二つあると考えておるのであります。それは、第一は魚族資源の保護であります。第二は、公海自由の原則に従って、公海における魚族は公平に利用するという基本方針に従って条約の改定その他に対処していきたい、こういうふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 まず第一に具体的な問題で、日米加の漁業条約の問題から重点的にお尋ねしたいと思いますが、これは過般の予算分科会においても、当委員の安井君あたりも取り上げて、大臣に所信を聞いておったようでありますが、御承知の通り過般日米加の中間会議が東京で持たれまして、これに基づいて三国政府に対するオヒョウ資源の保存勧告文が採択をされ、きょうあたりの新聞によりますと、政府としてもそれを日本自身としてはよろしい、こういうふうな方針をきめられたように伝えられておりますが、大臣も御承知の通り日米加の漁業条約の問題については、まず自発的抑止原則というものを、今度の条約改定を通じてあくまでもやめていくということが一番大きな焦点の問題でありますし、あるいは今回の中間会議を通じて、オヒョウの捕獲等については若干の緩和を見ましたけれども、問題は、これからの交渉の中で焦点になるのは何といってもサケ、マスという問題になってくるわけでありまして、むしろ従来からのニシンあるいはオヒョウ等に対するところの条件緩和というのは、今後の中心問題になろうとするサケ、マスでは絶対譲らないという方針の譲歩として出ているんじゃないかという観測さえされておるのであります。同時に条約の条文の関係からいきましても、六月になれば、一方が通告をすれば一年間でこの条約は終了するということに相なっておるわけでありますが、これは日米加の今後の長期にわたる友好関係から、直ちに条約破棄というふうな強い態度がとれるかどうかということについては、政府与党の場合にはいろいろ慎重に検討される問題もあろうと思います。問題はやはり中間会議も終わり、いよいよ六月の期限満了を控えて、大臣も従来から言っておられますように、今後はこの条約のワク内ではなしに、政府間交渉で話を進めなければならぬ、こういう段階がきておると思うのであります。従って六月の条約改定までに日本みずから積極的にこの問題を提示をして、政府間交渉にこれを移される。そして同時に日ソの漁業交渉等については、かつて前任者の河野農林大臣が、昨年の場合でも重要な段階においてはソ連に入っていって問題を処理した、こういう積極的な態度をとられたわけでありますけれども、今回の日米加の場合にはもちろん、おそらくそうであると思いますが、大臣みずからこの責任の中心になられて、政府間交渉の折衝に当たられる、こういう方針であろうかと思うわけでありますが、これからの日米加の漁業条約の改定問題に対する具体的な大臣の態度についてお伺いいたしたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 私の態度は、先ほど申し上げました通りの基本方針に従って、日米加の条約改定にも臨みたい、こう考えておるわけであります。御指摘の通りに先般東京で開かれました日米加の中間会議におきまして、抑止原則からオヒョウ及びニシンをはずしたわけであります。そうして東京で先般行なわれました会議によりまして、資源保護を重点に置きまして、そうして平等に関係国が資源を利用する、こういう建前で御承知の通りの勧告案ができたわけであります。その勧告案が委員会から政府にやって参りましたから、昨日でありましたか、これを閣議において承認をいたしたようなわけであります。今度の六月に日米加の条約期限が到来いたしますので、私といたしましては、自発的抑止原則というものは従来通り続けるつもりはないのであります。相なるべくは、これを改定をいたしまして、私の考えておる基本原則に従って条約を改定したい、こういうふうに考えておるのでありますが、これは相手のあることであります。問題はきわめて複雑であります。関係するところ、その影響が及ぶところは単に日米加だけではないわけでありますから、これは慎重にやっていきたい、こういうふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 今の大臣の御答弁によりますと、最も条約改定で期待をされており、また当然実現をしなければならない自発的抑止原則をやめるということについては、大臣のお言葉を借りれば相でき得べくんばと言ったんですか、とにかくこれではいけないと思うんですね。そういう非常に消極的といいますか、あるいは退嬰的といいますか、そうではなくて、自発的抑止原則が三国間において認められない場合においては、これは無条約状態になるというような場合もあえて辞せないという、そういう強い態度でもってこの折衝に臨む。これはやはり日本の態度としては当然堅持しなければならぬ基本原則だと思うわけでありまして、これは今さら申し上げるまでもなく、過般来のいろいろな審議を通じて、大臣自身もこの原則といいますか、自発的抑止原則というものはやめていきたい、こういうことでありますから、今回の条約改定を通じてこれはあくまでも日本としては貫くという強い方針をこの機会に明らかにされたいと思いますし、同時にこれからの折衝問題については大臣みずから当たるんだというお考えであろうと思いますが、その辺もあわせ見解を明らかにしてもらいたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 ただ日米加の北太平洋の漁業条約だけなら、これは話は簡単なのでありますが、現在日本が条約を漁業について結んでおりますものも五つ、六つあるわけであります。これらに対する影響も考え、いろいろなこれは外交の部面に属するところが非常に多いのでありますから、それらも十分に考え、そうしてあくまでもこのわれわれの要求を一つ入れたい、そうしてまた道理を明らかにしていけば、おのずから私はその道があると考えております。初めから無条約状態を前提にしていくということはいかがなものか、こういうふうに考えておるのでありまして、いずれにいたしましても、これは非常に外交上にもまた漁業条約といたしましても、他の漁業条約に対する影響もあったり、いろいろ複雑な問題がございますので、どうも私はここで威勢のいいことだけ言ってみたところで、これはしようのないことだと思うのでありますから、しかも交渉を前に控えてのことでありますから、一つその辺は御了承をいただきたいのでありまして、誠意を持って私は私の主張をできるだけ貫きたい、こういうふうに考えおります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 いろいろな他の漁業関係の問題にも関連をしておることは事実でありますが、それだけにこの日米加の漁業条約の中の自発的抑止原則というものをこの機会にやはりやめていくということが、これからの国際漁業における日本の漁業条約の筋道を通すということであって、そういう点では先ほど無条約状態になることも決意するほどの態度でと申しましたけれども、条約の筋道からいきましたならば、期限満了の際にこの条約は終わります、こういことを通告申し上げて新条約を締結する、こういう方針に具体的にはなるわけでありますから、そういう方針で大臣としては臨まれると思うのでありますが、もう一度、重要な問題でありますので、さらにお答えを願いたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 重要な問題でありますから、この今の条約を期間満了して新条約をやるということを私がここで言明するわけには参らない、それは一つ御了承願いたいと思うのです。それは方法としては、角屋さんのおっしゃるような方法もあるでありましょうし、その態度を私がここで明らかにして、交渉に臨むというわけには参りません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 四国のオットセイ会議の問題についても、水産方面では、与党の、常々国際舞台で活動しておられる高碕達之助さんが、数日前の朝日新聞の投稿でも、この四国の北太平洋のオットセイの保存に関する暫定条約、こういうものの改定の場合に、もし海上猟獲あるいは陸上猟獲等の問題について、あくまでも従来の条約から前進がない場合には、条約からの脱退ということも腹の中に入れて、強い交渉をすべきだということを提案されておるわけであります。これはやはり、冒頭に申し上げましたように、日米加の問題にいたしましても、あるいは本年期限満了になる四国オットセイの関係の条約にいたしましても、敗戦のあとに次々結ばれて参りました国際の漁業条約関係について、それぞれ互恵平等の立場において条約改定をやらなければならぬという、日本自身の主体的な立場での熱意ある見解表明だと私は思う。この機会に、四国のオットセイの会議が今開かれておりますけれども、北太平洋のオットセイの保存に関する暫定条約の問題について、これは洋上の猟獲というのが禁止をされておるわけですが、御承知の通り、プリビロフ島におけるところのオットセイの最近の状況等を見ますと、むしろ海上猟獲等も資源上、今後の水産政策上とり得る条件が出てきている、こういうふうにもいわれているわけでありまして、この問題についても、やはり従来の不平等条約を折衝の中において改めていくのだ、こういう基本方針だと思いますが、いかがですか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 日本としましては、今お述べになりましたような線で主張をいたしております。しかし、三国ともこれはいまだ洋上の捕獲ということについては難色があるようであります。それは御承知の通りに、ソ連側の方では、まだアメリカ側の方のオットセイ繁殖の状態と非常に変わっておりまして、ソ連側の方のオットセイは、洋上捕獲ということは無理であるということになっております。今のお話は、アメリカ側のオットセイの繁殖の状態であろうと思うのでありますが、これはいずにしましても、科学的に四国において調査をいたしまして、その調査の結果に基づいて相談をしてきめる、こういう線で今日までやってきておるわけであります。でありますから、私どもといたしましては、その線で将来も十分科学調査をやっていきたい、そうして結論を得たい、私はこういうふうなつもりでおるわけであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 大臣がおられる時間が短うございますから、日韓漁業交渉の問題について、特に大臣のお考えを聞きたい点だけ抜き出して質問いたしますが、せんだっての合同会議では、専管水域の問題はあと回しにして、資源の問題から入っておるというような報道もありましたけれども、日本側として自主規制の問題をどのように考えておられるか。日韓漁業協定の場合に自主規制というものが、この前の予算委員会でも問題になったのですが、外務大臣は、それは専門家会議で行なわれておるからというふうに逃げられておりますけれども、自主規制というものを、私はこれはとるべきではないと思いますけれども、どういうふうに大臣はお考えになりますか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 これは御承知の通りに、まだ具体的に多く進行をいたしておりません。従って、そういうようないろいろな問題は、まだ議題になっておりませんが、私の方針は、先ほど申しました通り、資源の保持、それから公海自由の原則に従いまして、公海の資源は各国平等に利用する、この二つの根本方針に従ってやはり対処をいたしたい、こう考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 今、角屋委員からも問題にされておりますように、自発的抑止の問題あるいは自主規制の問題、これは政府としては重大に考えてもらわなければならない問題であろうと思います。自主規制の問題は、御承知の通り一九五一年の国連の国際法委員会で問題になって以来、五八年のジュネーブの会議まで引き継がれておる問題でございますけれども、少なくともこの自発的抑止の原則あるいは自主規制という問題については、国際漁業の場合に、政府として確固たる方針を堅持してもらわないと、あいまいでは困ると思うわけです。重ねて大臣のお考えを伺いたいと思います。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 現在私が申し上げられることは、そういうことは望ましくないということだけです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 時間がありませんから先に進みますが、昨日も問題になったのでございますけれども、不当なあるいは不法な李ラインと関連をして拿捕された漁船の損害賠償の問題、これは窓口は外務省でありますけれども、農林大臣としてはどのようにお考えになっておりますか。拿捕漁船の損害賠償の請求権です。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 これはかねて外務省に対して、われわれの方からしばしば申し入れをいたしております。この問題は、漁業問題と同時に一括して片をつけるつもりでおるわけであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 この損害賠償の請求権の問題は、一括をして解決をするという方針は、私はけっこうだと思います。その際に、昨日もお尋ねをしたのですが、請求権の基礎となる数字を大臣はお持ちでございますか。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 農林省といたしましては、確定的な数字はまだ検討中で出しておりません。出しておりませんが、物的損害について、日韓漁業協会で算定をいたしております漁船その他の損害、そういうものが十四億ということをいっておりますが、これはおおむねその通りであろうということを、外務省にわれわれは申し入れておるわけであります。その他の問題になりますと、いろいろ計算がめんどうなところがあるわけであります。たとえば、そういう将来の得べかりし所得がなくなったのをどれだけに計算をするかというような問題等は、きわめてこれは算定がむずかしい問題になるわけであります。そこで、いよいよ集計してどれだけになるかということにつきましては、まだ検討中でありまして、最後の農林省の損害額というものは、外務省には通知をいたしておりません。しかし日韓漁業協会の立場で一応の算定をせられておる七十億というものは、外務省に対して通知をいたしておる次第であります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 ただいまの十四億という数字は、拿捕漁船の保険の金額から逆算された数字であろうと思います。それはあくまでも保険にかかっておる船の問題であるし、またそれ自身もいろいろ保険で金額も押えられておりますから、それが正確な数字であろうとは、よもや大臣も思っておられないと思う。その次に出ました日韓漁業対策委員会の推定損害額七十億というのは、これは一年間のですか、どうでょしう。その点も含めて、それから数字をきちんと出して請求されるのかどうか、大臣のお考えを承りたい。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 今の十四億というのは、保険関係だけじゃないのです。これは全部の漁船等について算定をいたした総額であります。それからその他の漁具でありますとか漁獲物、あるいはその他の推定損害というようなものについては、交渉にあたってその数字を出してやるかどうかという御質問でありますが、これは交渉の工合であります。折衝の過程におきまして、できればそういう数字も当方から言って話を進めなければならぬかとも思っておりますが、これは一に今後の交渉の進行の工合によるわけであります。そういうふうに一つ御了承を願いたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 今十四億は全部の金額だとおっしゃいましたけれども、昨年の九月二日の外務委員会で、当時の伊東長官は、保険金額から逆算した十四、五億という金が出るとはっきり答弁されております。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 ただいま大臣から御説明申し上げました十四億の金額でございますが、これは昨年の七月までの拿捕漁船でございます。なおその後のものが追加されると思いますが、一応七月までのものを保険金で支払う場合の船体の評価、そういった機関なり船体なりの評価を保険で評価いたしておりますが、そういう評価基準で損害額を算定すると十四億程度になる。こういうことでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると今の大臣の答弁と違うわけですね。それは保険組合が九割を再保険にしておるわけですね。だから支払われた金額から逆算をすると十四、五億になるということを、伊東長官はおっしゃったわけですが、今の長官のお話もそのように聞こえたのですが、あなたのさっきのお答えは、保険金額だけではなしに、ほかのいろいろなものを含んでおるという御答弁だった、食い違いはありませんか。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 私は逆算するというふうに申しておりません。漁船の船体なり機関の損害額を評価する場合の評価基準というものは、大体漁船保険においても評価基準があるわけでございますが、評価基準を使いますと大体十四億、こういうふうになる、こう申したわけでございまして、保険金から逆算するとは申してないわけでございます。損害評価の方法を、損害漁船保険の方法と大体同じ基準を使ってやると十四億、こういうふうに申しておるわけです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 昨年の九月二日に、伊東長官は、逆算するとそういう数字が出てきますとはっきり委員会で言っておるのです。その点はいいでしょう、また別に機会がありましょうから……。それで大臣の今お答えの様子から推察しますと、損害賠償をまじめに請求する意欲が見られないようでありますが、どうでしょう。そのときになって出さなければならぬときには出すというような態度では困るではないですか。これは平和条約とは関係ないのですから、当然請求権があるという立場であれば、それの数字をひっさげて向こうとやり合わぬと解決にはならないでしょう。もし今の大臣のようなお答えであれば、何かほかの問題とからませて、どんぶり的な勘定で、もうこの問題も解決したというような例の大卒式の考えと一緒じゃないですか。数字なくしてどうして請求権の問題が解決しますか。どうでしょう。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 数字をきめずに、損害賠償の問題はやらずに片づけようというような、そういう考えは私は全然持っておりません。もちろんその内容を明らかにして交渉の際にやるわけでありますが、その間これはこれ、あれはあれと別々にやるか、どうせこれは主張は主張として、妥結する際には同時妥結ということに私はなるだろうと思うのであります。でありますから、うやむやにするなどというような考えは毛頭持っておりませんから、それは誤解のないように一つ御了承賜わりたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 数字を持たずに今もって検討中というような態度だから、結果的に見ると、まじめにこの問題を向こうとやり合う気がないというふうにしかわれわれには思えぬわけです。これもやり争えばきりがありませんから……。損害賠償請求権は持っておられる、そこで国内的には損害を受けた船主なりあるいは漁夫に損失を補償する気が国としておありかどうか、大臣にお尋ねします。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 ちょっと御質問の御趣意を取り違えておるかもわかりませんが、損害賠償の請求は当然いたすわけであります。御質問の御趣意は、それが直ちに国内の損害賠償の請求権を認めることになるかどうかということになるのじゃないかと思うのですが、これは私は必ずしも直接にそういうことにはならぬのではないかと思うのであります。これはいろいろのケースがあることでありましょうから、国内の問題として政府が責任を負うか負わぬか、こういうことは、韓国に対する政府の賠償請求と直接には私は結論は出ないのじゃないか、こういうふうに考えます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 昨日もこの点は意見が分かれたままに終わったのですけれども、国民の一部の損害があるから、それを政府がかわって韓国に対し損害賠償の請求をやっていらっしゃる、だから国内的には、そういう損害を受けた方に一応その損失を補償してやるんだ、補償してやらなければならないから、損害を国がかわって賠償しておるのだ、建前としてこういうことではないでしょうか。かつて昭和二十九年三月一日の、ビキニの第五福竜丸のときには、アメリカからとって支払ったじゃありませんか。私は建前を聞いておるのです。

重政誠之自由民主党農林大臣

○重政国務大臣 これは法律上漁民にかわって政府が韓国に対して賠償の請求をすることが、それが直ちに国内法において政府が法律上韓国にかわって漁民に賠償をしなければならぬということには必ずしもならぬのじゃないか。ただ、その際に行政上の問題として政府がどう考えるかということは第二段の問題であろうと私は思うのです。そういうふうに私は考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 今の問題は私ども今の答弁で納得はいたしません。十分これは議論の余地があると思いますから、また別の機会にやります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 外交交渉の問題は、漁業交渉の問題の場合でも、農林省、外務省、両方連携してやるわけですけれども、この機会に日米加の漁業交渉の問題を考える場合に、アメリカさらにカナダの関係漁民の動向というものがやはり一つの判断の材料になろうかと思います。これは外務省の方にお聞きしたいのですけれども、御承知の通り日米加の漁業条約の生まれるその前に、戦後トルーマン宣言というのが出されました。また講和条約の締結前に吉田・ダレス交換文言というふうなものがありまして、そういう歴史的経過で当初結ばれた日米加の漁業条約というものは、先ほど来申しておりますように、自発的抑止原則という国際法上認められてない、そういう原則を導入したきわめて不平等な条約というものが今日生まれているわけでありますけれども、外務省が今日農林省と協力をして、日米加の漁業交渉をこれから政府間の交渉の段階でやろうとする場合には、すでにトルーマン宣言あるいは吉田・ダレスの覚書というようなものは、これは全然歴史的な産物ではあっても、今後の交渉の場合には、漁業の国際法上の原則に基づいてやる、こういう方針で外務省としても考えておられると思うのですが、いかがですか。

竹内春海外務事務官(アメリカ局外務参事官)

○竹内説明員 ただいま角屋委員の御指摘の通りでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 外務省でも水産庁でもそうでありますが、アメリカ、カナダの日米加漁業条約に関する関係漁民の実態についてはきのう水産庁の長官からお聞きしたわけでありますけれども、あの辺の漁民感情というふうなものについては、やはり外務省としても、交渉の前に出先を通じていろいろ調査をされておると思いますが、その辺のところについて、交渉に関連して、この際外務省の調査されておる結果についてお話を願いたいと思います。

竹内春海外務事務官(アメリカ局外務参事官)

○竹内説明員 ただいま具体的に用意はして参りませんでしたけれども、米加の関係漁民は、現行条約が最もよろしい、こういう意見でございます。現に東ベーリング海のオヒョウ並びにニシンというものを現行条約の付表からはずす、つまり自発的抑止の原則からはずすという問題につきましても、現地におきまして非常な強い反響がございまして、それが両国の議員にそれぞれ働きかけておりまして、現に、オヒョウに関しまして東京で交渉が行なわれました際にも、アメリカにおきましては、シアトル並びにアラスカにおきまして議員が現地に出張しまして公聴会を開いております。この公聴会におきましては、アラスカ選出のバートレット上院議員が出て、やはり司会をしておりますけれども、ここでいわばつるし上げのような状態になっておるという状況でございます。概略そういうことでありまして、米加両国の関係漁民としましては、現行条約が最もよろしい、いわゆるオヒョウ並びにニシンを付表からはずして自発的抑止原則をその程度ゆるめたということはけしからぬということを盛んに申しておる状況でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 外務省がこういう問題を考える場合に、本来の漁業問題を離れて、日米加の今日までの関係ということに配慮を置いてやられるのか、本来こういう問題については外務省といえども、いわゆる国際漁業における日本の立場を是正するというところに力点を置いて折衝するのかということが一つの問題であろうと思う。おそらく水産庁としては、やはり日本漁業の問題、特に関係漁民の今後の発展の問題というところに力点を置いていくということに相なろうと思います。従って、その結果としては、自発的抑止原則の廃止ということはあくまでも貫きたい、こういうことでやられるということに相なろうかと思いますが、外務省の立場は、それを押して見て、いろいろ折衝した結果、逆に外交上日米加の間にまずい点が出てはいかぬという別な配慮から、こういう問題について譲歩するということで後退しやせぬかという感じが——同じ政府代表で今後折衝する場合でも、外務省の考え方と農林省の考え方が場合によっては一本の姿でぶち当たれないということが出やせぬかという心配をするのですが、あくまでもこの種国際漁業に関する折衝の舞台では、そのプロパーの問題の実現というところに力点を置いて外務省も推進をされる方針であるのか、その辺のことをお伺いしたい。

竹内春海外務事務官(アメリカ局外務参事官)

○竹内説明員 外務省といたしましても、その問題自体の価値判断というものに相当重点を置きまして、強力な交渉を進めたいと思うわけでございます。ただ、漁業問題そのものにつきましても、実はいろいろ具体的に考慮しなければならぬ諸点がある。一つは自発的抑止原則、これはもちろんわれわれとしては今後の交渉におきましてはずしたいと考えておるところでありますけれども、それかといって、北太平洋の漁業を直ちに野放しにするということは、わが国の漁業の発展という見地からいいまして適当な手段ではない。これはやはり国際的な協力によって、資源の保存という観点から、とるべきものはとるけれども、同時に資源を十分に保護して持続的な生産性を最大限に維持していく、これが今後国際的にますます発展する日本の漁業としてはいくべき方向ではないか、そういう意味から申しまして、現行条約の自発的抑止の原則、こういうものは是正して参りますけれども、同時にこれにかわるべき何らかの漁獲並びに魚族保存の取りきめを結ばなければならない、こういうふうに考えております。現にアメリカにおきまして、先ほど申しました関係漁民のいろいろな働きかけのほかに、具体的なわれわれとして考慮しなければならない点が二、三ございます。その一つは、昨年アメリカの議会を通過いたしました通商拡大法に、先ほど申しましたアラスカ選出のバートレット議員が修正案を出しまして、これが通過いたしたのであります。これは抽象的ではありますけれども、誠意を持って魚族保存のための協定を結ぶために努力をしない国に対しては、そっちの国からの魚類の輸入に対して保護関税を設けるという提案をいたしましてこれが通ったという事実がございます。さらにまた毎年アメリカ議会におきましてペリー法案というものが出ておりまして、これは幸いにして成立するに至っておりませんけれども、同じく魚族保存に協力しない国、それからの魚類、カン詰製品あるいは鮮魚、一切を輸入禁止にするという法律が毎年議会に出てきておる、こういう点でございまして、これが一たん通りますと、アメリカ国内法でありますので、はなはだ厄介なことになる。これらの諸点というものを、やはり新しい漁業条約なり協定なりというものをつくるにつきましては、その交渉の進め方という点に関連して、十分考慮していかなければならぬ、こういうふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 今の自発的抑止原則というのは、先ほど来しばしば出ておりますように、これを廃止していかなければならぬ、こういうふうにわれわれ考えておりますが、同時に、先ほど来大臣も言われましたように、公海自由の原則あるいは資源保存の原則、こういう二つの立場を考えながら、互恵、平等、平和、友好の立場に立って新しい条約をつくるのだということであって、自発的抑止原則というのは、今度の日米加漁業条約の場合でいえば、過去二十五年間実績のなかったものは自発的に抑止するのだ、こういう形の考え方、そもそもそれが問題だということでありまして、従ってやはり公海自由、資源保存の原則という立場から見て、資源及び漁場の合理的な利用のためには、われわれもやはり必要な規制水域というものは設けなければならぬ、そうして必要な規制水域においては魚種別に操業区域であるとか、あるいは禁止さるべき区域等も出て参りましょう、あるいは漁獲方法、漁具制限、漁期・体長の制限、漁獲高などの必要な制限というものは、当然実態に即して考えられなければならぬ。そういう点については、われわれも今後の折衝の場合に、十分そういう立場で考えていくべきだと思いますが、問題はやはり新日米加漁業条約というものを考える場合には、何といっても最大の焦点は、自発的抑止原則というものを廃止するということが大前提にならなければならぬ、こう思っておるわけです。この点は、今後折衝の場合に、水産庁も全然その方針には変わりないと思うのですが、どうでございますか。

庄野五一郎水産庁長官

○庄野政府委員 先ほど大臣がここで御答弁申し上げました通りの方針をもちまして、自発的抑止の原則にかわる合理的な方針——魚族の保護につきましては、国際的に十分協力する、これはもちろん科学的検討に基づいて、そしてその保存の共同措置は、関係する漁業を営んでおります国が、平等な立場においてこれを受ける、こういう原則と、それから公海における自由の原則、こういう点において、これからの条約を考えていく、こういう方針でわれわれは考えております。   〔委員長退席、丹羽(兵)委員長代理着席〕

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 話を変えまして、日ソの漁業交渉の問題は、先ほど大臣の時間の関係で取り上げる機会を失ったわけですけれども、外務省にちょっとお聞きしたいのですが、三月四日から日ソの第七回の漁業交渉が日本で行なわれることに相なりました。これは去年河野さんが話をまとめられてきた経緯からいっても、漁獲高については、A地区、B地区ともに、それぞれ一割増しというところにめどを置いて折衝が始められるということであろうかと思います。A地区においては、きのうもお話しのように、河野・イシコフの紳士協定、あるいはB地区においては交換公文、こういうような形で、明年度は豊漁年に当たる年でもあるし、大体一割増しをめどにして折衝をしようということになっておるわけですが、さらに、B地区における今後の問題としては、きのうも問題にしましたように、取り締まり方法という問題で、日ソ間でやはり見解の相違、あるいは議論というふうなものが相当に強く出て参ることが予想せられます。日本としてはあくまでも自主規制でいくということで臨まれるわけでありますけれども、ただこの場合に、問題は全然別のようでありますが、昨年河合経済使節団がソ連に参りまして、いろいろ話し合いをして参りました。そういう問題に対する池田内閣の取り扱い方法というふうな問題が、今度の日ソ漁業交渉の場合に、逆に向こうの強い態度として反映してくる一要因になりはせぬかということが巷間いわれておるわけでありますけれども、今度の日ソ漁業交渉の問題についてはそうではなく、資源論争というものは戦われますけれども、友好的のうちに、百日交渉という姿でなしに大体進み得るというふうに、外務省としては出先の情勢等も十分キャッチせられながら、三月四日でありますから、これから農林省と協力してやる態勢を整備しておられると思いますけれども、その辺のところの判断を外務省としてはどうしておられますか。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 ただいまの点でありますが、従来日ソ漁業交渉は、漁業交渉として、魚族資源の保護の生物学的見地ということでやっておりまして、これはもっぱら日ソ間の漁業問題として解決するという建前でございます。従いまして、これは過去もそうでございましたけれども、一切の自余のものは関与しないという立場で進んでおります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 従って河合使節団の取りきめ等のその後の問題というものについては、ソ連側の見解等もあろうけれども、これは今度の日ソ漁業交渉の場合には、全然影響としては出てこないというふうに、外務省としては楽観をしておられますか。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 楽観も悲観もございませんので、漁業交渉自体の性質がそうでございます。従って自余のものはかかわってはならない、かかわるべきでないという立場で進んでおります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 先ほども触れました日米加ソのオットセイの四国条約の問題でありますが、これは今日の場合外務省にお聞きしたいと思うのですけれども、御承知の通り日本の場合には明治年間は洋上捕獲をやっておったわけであります。その後資源が相当減ったということで、これが禁止されるのが明治四十四年、四国条約。その後さらに条約破棄等がありましたけれども、戦後四国間で話し合いをまとめられて、四国ともに洋上捕獲については禁止する。陸上の点についてはアメリカとソ連だけがとって、その分け前のうち一五%をカナダと日本に分け与える、こういうことになっておるわけですけれども、十月に期限満了だと思いますけれども、今回の交渉の場合には、外務省の判断として今度の条約改定を通じて前進できる——高碕さんによれば前進できない場合には不平等条約の状態であるから、不平等条約の状態ならば、他の国際漁業交渉の問題に影響するところきわめて甚大であるから、脱退したらどうかという強い提唱等もあるわけですけれども、外務省自身として、この暫定条約の改定については前進できるという考え方を、判断として持っておられますか。

竹内春海外務事務官(アメリカ局外務参事官)

○竹内説明員 この件は目下交渉中のことでございますので、詳しいことは申し上げられませんが、一九一一年のオットセイの四カ国条約、これは魚族保存のための最初の歴史的な条約でございまして、当時日本といたしましては海豹島というオットセイの繁殖する島を持っておりましたので、現在は日本がそういう鳥を持っておらない、こういうふうにその後事態は若干変わっておるわけです。それだけに日本側としましては海上捕獲の希望というものが強いわけでありまして、そういう見地から海上捕獲の可能性を強く主張して交渉に当たっております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 外務省関係に参考のために聞いておきたいのだが、日本がビキニの事件後国際司法裁判所のいわゆる裁判所規程の参加国になったわけですが、義務的管轄はどのようになっておりますか。受諾をしておるのでしょうか。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 これは一般問題としては日本は義務的管轄は認めているようでございますけれども、具体的問題としては双方が合意しなければならない。たとえば相手が認めないということになればやむを得ないと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 義務的管轄の受諾をしておる国同士であればそういうことはないでしょう。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 双方とも認めていればこれはお説の通りでございますけれども、問題については相手国が認めないという場合であればそのつど合意を要するということであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それで日本は義務的な管轄は受諾しておりますかと聞いている。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 これは受諾しておるわけであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それはいつですか。

法眼晋作外務事務官(欧亜局長)

○法眼政府委員 私は条約の専門家ではございませんから、詳しくいつ受諾したか、その内容はどうかということはここで申し上げられませんけれども、これは後刻また条約局長からでも完全な回答をいたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私は参考のために聞いておるのです。今後の審議に必要ですから。  それからいま一つ、一九五八年のジュネーブの海洋法会議の最後の総会のアメリカ・カナダ案だと思うのですが、最後のアメリカ・カナダ案に対する採決の場合、日本はどういう態度をとられましたか。

卜部敏男外務事務官(アジア局外務参事官)

○卜部説明員 御質問の御趣旨は本会議におけるアメリカ・カナダ案に対する日本の態度ということだと思いますが、その場合のアメリカ・カナダ案と申しますのは、委員会の段階におきまして南米諸国によりましてつけられました条件がありまして、そういう形においてアメリカ・カナダ案というものは本会議に上程されたのだと記憶いたしております。それに対します日本の投票は棄権でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そのときの韓国代表の態度はどうであったでしょうか。

卜部敏男外務事務官(アジア局外務参事官)

○卜部説明員 その南米、たしか六カ国だと思いますが、その修正案の付加されました米加案に対しましては韓国は賛成をいたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そのとき何か付帯的な意見が韓国代表から出されておりはしませんでしたか。

卜部敏男外務事務官(アジア局外務参事官)

○卜部説明員 韓国は米加案に賛成いたしますときにも留保をつけております。それで米加案というのはたしか韓国の留保に合致しておるという意味において賛成をしております。あるいはその際に若干韓国の立場をさらに明白にする投票理由の説明を行なったかと思いますけれども、詳しいことは今存じません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 一九六〇年の国際海洋法会議で結局アメリカ・カナダ案というものは本会議で否決されたわけですけれども、御承知の通りこのときには日本もはっきりアメリカ・カナダ案の自発的抑止原則というものに反対をしたわけでありまして、当時反対をした国国のおもなるものは、ソ連、日本、ノルウェー、スウェーデン、オランダ、イギリス、フランス、ブルガリア、ポーランド等、これは主要なものですけれども、問題はやはりこのときに先ほど楢崎委員も指摘されましたように賛成をした側、この中に韓国あるいはイラン、タイ、インド、インドネシア、オーストリア等が入っておるわけですけれども、いわゆる日韓の漁業交渉の焦点になる韓国が入っているというような問題もあり、しかも反対側の方では日ソ漁業交渉の焦点になるソ連側が日本と同じ態度を表明している点等もあって、やはり自発的抑止原則というものは日米加漁業条約の改定を通じて日本側がどう主張し、どう主張を貫くかというその結果いかんというのが、今後の日ソ漁業交渉の問題にいたしましても日韓の漁業交渉の問題にいたしましても、いわゆる不平等な状況に追い込まれるか、あるいは国際的に認められた平等な条件において日本が条約を結ぶことができるかという、そういう生死にかかわる問題である。従って、先ほど来しばしば申し上げておりますように、高碕さんあたりがオットセイの四国会議の場合でも、場合によっては日本の要請が暫定条約の改定を通じて認められぬ場合には脱退という強い線を出すのは、何も強硬的な態度をとるということではなくて、国際的にこの日本の漁業が今後発展をしていく場合に、当然戦後の敗戦後に持たされてきたようないろいろな不平等条約をこの際改定したいという熱意から出たものだと思う。従って、これは大臣は国際条約に対する原則としては簡単に資源保護と公海自由の原則ということを言われますけれども、これを貫くための難関というのはやはりきわめて多いし、またそれを貫かなければならぬという重大な年にちょうどきているということであって、政務次官にこの機会にお伺いしたいわけでありますけれども、大臣は非常にのらりくらり、一体この日米加の漁業条約についてもほんとうに真剣な態度で、しかも政府間交渉においてはみずから責任者として出るという明言まで今日当然なさるべきだのに、その点は逃げたわけでありますけれども、補佐をされる方としてのきのうの津島政務次官の答弁、むしろ大臣をかわったらどうかと思ったくらいですけれども、ことしはやはり国際漁場における日本の漁業の今後はどうなるかという点ではすこぶる重大な年だということは、条約改定の問題と関連して言えるわけです。補佐役たる政務次官が大臣を補佐される立場からこういう問題に対する強い態度——強い態度というのは誤解されてはいけませんが、やはり国際法上の正当なる要求、正当なる原則を日本自身が貫いていく、こういう点についての政務次官の御見解を一つ承ってみたい。

津島文治自由民主党農林政務次官

○津島政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、私は大臣のただいまの角屋さんに対するお答えを伺いましても、あのお答えの裏には十分な強い御決意を持っているということがうかがわれるのであります。私は、大臣のお気持は相当強いものである、こういうふうに理解しているのでありますが、ただいまの段階でさようにはっきり申し上げることは多少また考えなければならぬというような点もありましょうから、あの程度に申し上げたのでございましょう。けれども私は大臣を信頼しておりまして、相当御決意を持っておられるもの、かように考えておる次第であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 午前はこの一問で私の質問は一応終わっておきたいと思いますが、とにかく日米加の漁業条約あるいはオットセイの四国の条約、さらに日ソ漁業交渉、日韓の漁業折衝の問題等、ことしは条約改定の問題を含む非常に重要な問題が山積をしておるわけですが、これは農林水産委員長にも私の気持としてはお願いしたいのでありますけれども、やはりこういう重大な時期に本委員会として、あるいは形としては委員長提案という形において本会議で国際漁業条約における不平等性というものを積極的に是正するという提案を出し、国会の意思として政府がそういう方針を体して国際折衝の舞台に臨んでいくということが今年の場合には当然考えられていいのじゃないかということを私は思っておるわけであります。これはむしろ与野党の理事諸君の間でいろいろ相談さるべき筋合いのものでありますけれども、従来と違ってことしの場合は日米加の条約の期間が満了いたしますし、オットセイの四国会議の暫定条約も十月には時期がくる、さらに日ソ漁業交渉、日韓の漁業折衝というような問題等、やはり戦後の悪条件もありましたでしょうが、不平等条約をこの間に是正するという年に当たっておりますので、そういう問題については十分、お互いの関係局のみならず、日本の立場をさらに筋を通すという点について御配慮を願いたい。   〔丹羽(兵)委員長代理退席、委員長着席〕 これは特に委員長にもそういう点で御検討願いたいと思いますが、政務次官の方にもお伺いしたいのでありますけれども、そういう国会の意思の反映ということをバックにして、つまり日本国民の切なる希望ということをバックにして当たることが、やはり今後の折衝の場合に大きなささえになるというふうに判断しておられることだろうと思いますが、その辺に対する御見解を最後に伺いたいと思います。

津島文治自由民主党農林政務次官

○津島政府委員 この問題は国際的に見まして、またわが国のいろいろな国際的な地位を向上させるというような面から見ましてまことに重要なことでございます。従いまして、これに関しまして自由民主党と社会党の間で十分御検討を下されまして、これに対する一つの御意見が出ますならばそれを十分に尊重し、その御意見に沿うように一そう努力をしなければならない、かように考える次第であります。      ————◇—————

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 次に、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  昭和三十八年一月豪雪による農林水産関係の被害状況について、政府当局より説明を聴取いたします。林田官房長。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 先般の豪雪によりまする被害につきまして、まだ資料を差し上げずにまことに恐縮でございますが、調査途中でございますので、二月十四日までに統計調査部を通じまして集まりまして、二月二十日現在で集計をいたしましたものにつきまして御説明申し上げます。  この数字には、果樹だなのような施設の損壊、それから永年作物の樹体の損傷によります次年度以降の損害は含まれていない次第であります。それで農作物関係で合計いたしまして百六十八億五千万円に及んでおります。その中で大きなものは、果樹が七十五億三千万円、麦類が四十一億二千万円、野菜が二十八億六千万円というようなものでございます。それでこのほかに、県の報告によりまして、林産物関係といたしまして五十七億八千万円程度の損害が報告されております。それからなお、施設関係といたしまして十二億の県の報告がございます。従いまして、農作物関係、林産物、それから施設関係を入れますと、大体二百四十億円くらいの損害になるわけでございます。それで今後の調査によりまして、特にまだ雪におおわれておる地帯の調査が推定によっておりますので、次第に調査が完了するにつれましてなお大きくなってくるのじゃないかと思っております。現在の予定といたしましては、統計調査部の調査がほぼ完了いたしまするのは三月の下旬になる見込みでございます。  以上の通りでございます。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 速記を始めて。  質疑の通告がありますので、これを許します。足鹿覺君。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 ただいま官房長から、今回の豪雪に対する農林省のとった措置、また被害の実情等についてお話を聞いたのであります。時間的な関係で最終的なものの出ないことはもちろん私ども承知をいたしますが、三月末でないと判明しないというようなことでは、現地の非常に切実な声にこたえたり、また対策を講ずることに手おくれになる心配もあるかと思います。従ってすでに判明したものは判明したものとしてそれを資料としてお願いいたしますとともに、今後の大体の推定の取り扱い等については慎重を期していかなければならぬと思いますが、もっと現地に対して統計資料等の収集を督促ないしは特別の手を打たれて、早急に実態を把握され、その上に立って措置を講ぜられる必要があるのではないかと私は思うのであります。もちろん行政措置によって、その運営を通じて一応救済措置のできるもの、また現行の法律または政令あるいは省令等において措置できるもの、あるいは特別立法によらなければならないもの等は災害対策特別委員会においてすでに検討が進められておりますので、一般的なことは申し上げませんが、当委員会としましては重大関心を持っておるのでありますけれども、災害対策委員会との関係で、今日まで調査の的確を期することもできないであろうし、待っておったわけであります。従って少なくとも今月末くらいの現況においてある程度の推定を加え、そしてそれに対する今度は応急あるいは追加措置について、いただいたこのようなものでなしにあらためて農林省がとらんとする措置等について一応わが委員会にはお示しになる必要があろうかと思います。ぜひさようにしていただきたい。  それから先ほど懇談の際に統計調査部長からお話がありましたが、果樹等の野鼠被害、これは、私は鳥取県なんですが、もう雪がたなを越しております。食べものがありませんから、くだものの芽をみんなかじってしまってひどいものです。低いものはちょうど芽が出たところをかむ。二メートル前後というとちょうどその程度の雪なんです。それから一メートル以上のものでも非常に食べやすくなっておるのです。これは大体つかめますよ。果樹そのものが損傷した、あるいは果樹だながどういう被害を受けたかということについては的確なことはわかりますまいけれども、一昨年の豪雪被害等によって北陸等においても大体の模様はわかっておるわけでありますから、今私が述べましたような態度でもって早急に御善処を願いたいと思いますが、この点政務次官なり官房長から御答弁をわずらわしておきたいと思います。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 先ほど申し上げました数字はすでに調査可能な地帯につきましては現地調査をいたしまして、統計調査部において取りまとめまして、積雪地帯におきましては一部推定を加えた数字でございます。それで、三月下旬と申し上げましたのは、そういうふうに積雪地帯におきまする数字がすべてまとまるのが大体三月下旬ごろになるという予定でございまして、もちろんそれまでに調査もずっと続行いたしまして、できるだけ早く調査を完了させたいと存じます。  なお、対策につきましても、ただいま天災融資法の発動ということは激甚災害の指定基準ともからみまして、慎重にしなければなりませんが、それまでにつなぎ融資をいたしまして、遺憾のないような対策をとっていきたいと存じております。その他の対策につきましても、すでに大蔵省と折衝に入っておるものもございますし、今後早急に対策をとりたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 被害調査の方法ですが、現地に人を派遣されたのは、積雪当時における応急措置を講ずるための調査であったと思うのです。あとは統計事務所の、下から上がってくるのを待つというような手ぬるいことでは、問題になりません。被害県は明らかになっておるわけでありますから、農林省がそれぞれの専門家を出して、現地へ行って、それをつかんで戻る、そういう措置をとられることが絶対必要であります。水害の場合などは水が引くと聞かない間に、人心が動揺するのを防ぐために、危険を冒してまで現地へ行くということもある。ところが何か雪が消えてからも実感が伴わない場合も出てくると思うのです。すでに山陰地方においては融雪が始まり、根雪のなだれが続出しておるという状態であります。今述べたように措置はそれぞれおとりになっておると思いますが、今私が指摘したような措置をこの際おとりになる必要がありはしないかと思うのであります。政務次官いかがでございますか。

津島文治自由民主党農林政務次官

○津島政府委員 ただいまの御意見全く同感でございます。すでに第二回目の調査をやったのでありますが、それが帰ってくる、こういうことでございます。決して地方の統計事務所から上がってくるのをじんぜんとして待っておるのではないのでございまして、こちらからできるだけ係官を派遣いたしまして、なるべく早くその実態をとらえて善処したい、かように考えておる次第でございます。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 一応この程度でとめておきます。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 仮谷忠男君。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員 ちょっとお伺いをいたしておきたいと思うのですが、豪雪地帯に対する対策をいろいろ御苦慮なさっておると思うのですが、四国、九州というような暖かい方面は、従来、「南の国に雪が降る」という映画がありましたが、全くその通りの状態であります。そこに積雪というよりもむしろ寒冷の被害が非常に多かった。農作物に対する被害は積雪地域よりも多いのじゃないかという見方もあるわけであります。防備が全くないまる裸のところへ、たとえば四国などは八十年来の寒波に襲われたわけでありまして、山間地帯では二メートルあまりの雪が降る地域もございますけれども、従来は全く雪を見なかったというところが非常な被害を受けた。ビニール・ハウスなんかで従来促成栽培をやっておるのでありますが、ほとんど全滅の状態であります。これは現地を御調査いただいておるはずでございまして、実情はおわかりになっておるのじゃないかと思うのです。従って豪雪地帯の方にあまり目が向き過ぎて、こういった被害状況というものがある程度見のがされておるのじゃないかということを私はむしろ心配をしておるわけであります。問題は金融措置を特に地域住民は望んでおるわけでございます。今ここに配付されております雪害対策の農林省要綱の自創資金のところを見ますと、「天災融資法の政令指定があれば、自作農維持創設資金の融通を行なう。」こういうことが書かれております。天災融資法の指定を受けるということになりますと、一定の条件が要るのじゃないか。そういう点をわれわれは気づかっておるわけであります。こういった点についてはどういうお考え方を持っておられるか。すでに九州方面では調査員が派遣されておるわけでありますが、その結果等がおわかりになっておればお示しをいただきたい、こういうふうに思います。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 仰せのように九州方面の災害は非常に多うございまして、統計調査部の今までの数字でも、他の県と比較しまして、たとえば愛媛県のごときは十四億というような数字が上がっております。それで自創資金の融通でございますが、三十七年度になお二億円の自創資金のワクが残っておりますので、これを直ちに融資をいたしたいということで、本日くらいその旨の通達をいたしておるはずであります。

仮谷忠男自由民主党

○仮谷委員 重ねてお伺いします。私はよその県の実情はあまり承知いたしておりませんが、たとえば高知県の実態等は、大体蔬菜の生産が年間四十億、ちょうど米の半分でありまして、米作に次ぐ重大農作物でありますが、これなんかほとんど全滅の状態で、従ってその自創資金二億円では、高知県その他四国、九州あたりではそういう希望が多いと思うのでありますが、とても金額において希望を満たすものじゃないと思うのですが、この自創資金の将来の増額、ワクの増大、そういったものによって、これはもとより三十七年度は無理かと思うのですけれども、新年度でそういう方向に努力をされるといったようなお考え方はないか、またぜひしてもらいたい、こういうふうに思うのですが、御意見いかがですか。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 自創資金の経営維持資金でございまするが、三十八年度におきましては経営維持資金として七十億円のワクに今予算を要求しておるわけであります。そういうことで三十八年度になりましたならば十分まかない切れるものと考えております。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 玉置一徳君。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 雪害対策につきましては足鹿先生のおっしゃった通り御努力いただくことにいたしまして、これは仮谷先生のお話に近いのですが、このことは三重県、静岡県、愛知県も同様だと思いますが、お茶の寒冷による被害が非常にやかましくなりましたので、二月二十五日の月曜日に様子を見に帰りましたところ、ちょうど京都府の統計事務所の課長がお見えいただいておりましたので、一緒に見て参ったわけであります。一月中に十度以下の日が続きましたのが約二十日間、それと異常乾燥が非常に原因になるように統計事務所の方ではお話しになっておりました。寒い風が当たりましたので、取ってみますと表土が約十センチないし二十センチずっといてついておりまして、その下の方がまだやわらかいようであります。その表土のいてついておると思われるところが根がほとんどやられまして、下の方は小さい毛細がはえております。そういう関係と、それから風向きの関係があるそうですか、全面積で約半分くらいの被害があるのじゃないかというお話で、こういうようにすっかり枯れてしまっておるわけです。一番茶はほとんど全滅じゃないかというお話をされておりました。ことに玉露地帯に至っては全くつみようがないというのが現状でございます。従って改植をさせなければならないものも相当出てくるのじゃないか。私の方の小さい一部をとりましても、約二億円の損害という推定をされておりましたが、なお詳しくは京都府の統計事務所の方で調べた上で上がってくるようになっておりますが、京都府全般としても相当の金額の被害を受けておる。このことは隣の三重県、滋賀県あるいは愛知県及び静岡県、全部同じだろうと思いますし、あるいはまた九州各県の果樹、茶というようなものにも関係あるんじゃないか。今まで凍霜被害でずいぶんお世話いただきましたが、それのもっときついやつだ、こう見ていただけば間違いない。昭和十一、二年に一回あったようなお話を申されておりました。今の仮谷さんのお話に近いわけでありますけれども、大雪がありましたためにとかく忘れがちになりますが、こういう寒冷によります非常な災害を同様にお扱いいただけるような仕組みはできておるかどうか。改植資金の助成、天災融資法による資金の助成、自創資金の問題あるいは肥料、農薬に対する補助並びに融資、こう思うのですが、これも同様にお取り扱いいただけるかどうか、政務次官、官房長でお答えをいただきたい。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 今お茶につきまして先生から初めてお伺いしまして、今までの茶の資料といたしましては四億程度の被害が出て参っておりますが、そんなにひどいとは思っていなかったわけであります。十分今後早く対策を立てるように努力をさしていただきたいと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 統計事務所の方でも初めこれだけの被害だということは思っていなかったらしいのであります。今一生懸命調べていただいておりまして、近く農林省の方に上がって参りますので、それについて適切な処置を講じていただきますようにお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 倉成正君。

倉成正自由民主党経済企画政務次官

○倉成委員 ただいま足鹿、仮谷、玉置委員からいろいろお話がございましたが、天災資金の問題にしましても少し早くやることが大事じゃないか。農林省でかりにおきめになりましても、これが末端にいくには相当時間がかかりますから、これは、ほんとうに実情を知っておる者からいたしますと、もう少しテンポを早めてやるということがぜひとも必要だと思いますので、この点は特に御要望申し上げておきます。  それから自作農資金。ことしが二億、来年が七十億ということでありましたけれども、これはよほどうまい配分をやらないと官房長が言われるようにはいかないかもしれません。やはり相当需要量があるということが雪害並びに寒波に対する地域としてございます。この点もあわせて御要望申し上げておきますが、天災資金、自作農資金で問題になりますのは、従来ワク一ぱい借りているという問題が一つ。それからいろいろな条件がございますので、償還の延期その他の問題が現実の問題として出てくる。こういったこともあわせてお考えいただいておきませんと、農林省でワクだけきめた、これで末端にいくだろうというような考え方では、従来の私どもの長い経験からいたしますとうまくいかないということを特に御注意を喚起しておきたいと思います。  そこでこの雪害の中で、果樹の問題が特に今度仮谷さんがお話しになった中で関連して大事だと思うのですが、たとえば山口県の萩のようなところは、夏カンが約四億五千万でございますが、これが全滅であります。そのほか愛媛県その他四国の各県、九州は熊本あるいは佐賀、長崎等で、こういう果樹の中でもミカンの被害が非常に大きいわけであります。これらのものに対しては、天災資金、自作農資金だけでは対策が十分でないじゃないかという感じがするわけであります。何かこれについて特別な対策をお考えになっておるかどうか、お伺いしたいと思います。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 天災資金並びに自作農資金を早く出すようにということにつきましては、十分努力さしていただきたいと思います。それでその前にとりあえずつなぎ融資をするということで、本日通達を出すようにいたしております。  それから果樹に対する対策としまして、融資のほかに何か対策を立てるべきだというお話、まことにごもっともなことと存じております。それで昭和三十三年度の凍雪害の対策といたしまして、病害虫防除の薬剤の購入費とか、あるいは樹勢回復用の肥料の購入費について補助を認められたことがあるのでありますが、だいぶ古いことになっておりますので、今回におきましても非常に被害が大きいわけでございますから、そういうことを必要とするのじゃないかということで、大蔵省の方と折衝いたしたいというように考えておる次第でございます。なおこれにつきましては、財政当局の意向もございますので、まだはっきり申し上げる段階には至りませんが、そういうほかの対策といたしましても、いろいろ考えていきたいというように存じております。

倉成正自由民主党経済企画政務次官

○倉成委員 果樹の問題につきましては、そのほかに対策を御研究になっておるようでありますから、これ以上申し上げませんが、せっかく園芸局ができたわけでありますから、一つこの点は従来の例にとらわれず、成長作物であります果樹については、各段の対策を講じていただきたい。もしこれができないくらいなら、園芸局はない方がよろしいというふうに私は思います。  それから天災資金の問題では、やはり三分五厘の資金——激甚の場合には三分五厘になるわけですが、普通の天災資金というのは実はあまり役に立たないわけです。三分五厘の資金の地域をできるだけ広げる、これは一定の基準があることもよく承知をしておりますけれども、できるだけ三分五厘資金がいくような配慮を一つしていただきたい。  それから果樹の問題でもう一つ大事なことは、これはミカンだけに限りませんが、こういった大きな雪害、寒波というものは、従来例のないことでありますから、技術対策というのが非常に大きな問題の一つであります。こまかいことは申し上げませんが、必ずしも技術の対策について、現地で意見が十分統一されていない。特にこういった暖地の作物に対する寒波対策というのは、従来考えられておりませんので、技術面の対策ということで、今後の樹勢回復をどうするかということが一つ。それから今後起こり得るこういう雪害、寒波に対する予防的な対策をどうするか、技術面の御検討も、せっかく興津の試験場あるいは技術研究所等あるわけでありますから、十分立てていただきたいと思います。これは要望であります。  それからあと二点だけは御質問でありますが、構造改善地域で非常に大きな雪害、寒波を受けた。これをどう取り扱うかということが一つの大きな問題でありますが、これはなかなか従来の計画通りいかない。そこでこれを延ばすということも一つの手でありますが、構造改善のいろいろな基準を、少しは臨機応変に変更して、この対策を講ずるという点はどう考えるか。  もう一点は、あまり大きな声は出て参りませんが、開拓地というものが非常に大きな問題になってくると思います。ただ開拓地にある程度融資のワクをやるということでは解決しません。声はあまり出てこないけれども、こういう声のないところにやはり実情に基づいてあたたかい配慮を講ずるということが非常に大事なことではないかと思いますが、この点についてどうお考えになっておるか、お伺いしたいと思います。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房長)

○林田政府委員 技術面に検討を加えまして、早く樹勢を回復するということは、仰せの通り最も必要でございますので、園芸局におきまして、各府県の技術関係の関係官を集めまして、いろいろ対策を練っておるような次第でございます。  それから構造改善地域につきましては、よく実情に応じまして検討をさしていただきたいと存じます。  開拓地につきましては、既存のいろいろな、たとえば天災法による資金とか自創資金とかいったような資金の措置がございますが、そのほかに開拓者資金融通法によって、五分五厘の資金を貸すようになっておりまして、これの融資もいたすというようなことで、特に開拓地につきましては、技術指導も十分行なう必要があると存じますので、急いで検討をいたしまして努力をいたしたいと存じます。

倉成正自由民主党経済企画政務次官

○倉成委員 重ねて申し上げますが、自創資金、天災資金、これは一日も早くやられなければ効果がございません。ですから一日も早くやるように、少々の事務的な無理は押してでもやられることが必要だと思います。それから技術対策については、官房長も十分御承知と思いますが、たとえば私は山陰から山口、九州ずっと回ったわけですが、現地の方々の御意見と、農林省の方々が御視察いただきまして、必ずしもその対策について一致しない面もある。それほどむずかしいのです、簡単にいきません、こういう経験がない。これは何もミカンだけに限らず、ほかの果樹についてもあることと思いますので、日本のそういう技術陣を全部動員されまして、対策に万全を期していただきたいと存じます。      ————◇—————

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 この際連合審査会開会申し入れに関する件についてお諮りをいたします。  ただいま文教委員会において審査中の日本学校給食会法の一部を改正する法律案について、本委員会として文教委員会に対して、連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 それではさよう決定をいたします。  なお開会については、文教委員長と協議の上、公報をもってお知らせをいたします。  次会は明二十八日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。   午後零時二十八分散会

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