農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/02/13
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 農林漁業業金融公庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 質疑の通告がありますので、これを許します。楢崎弥之助君。
○楢崎委員 昨日わが党の安井、湯山両委員から各面にわたる質問があったわけですが、あるいはその点と若干ダブる面があるかもしれませんけれども、なお重ねて念を押したい点がありますので、質疑を重ねたいと思うわけです。 まず、第四条と関連をして、毎年政府出資をするたびにこの法改正をしていく、こういうやり方について一体どのように考えておられるか、この点をお聞きしたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 御指摘のありましたように、毎年度増資をするたびに政府出資金の規定、第四条第一項を改正して参るということは、確かに煩瑣といえば煩瑣でありますし、資本金というものはできるだけ世間一般に公示される方が望ましいのでございますが、これはある時期が参りますと農林公庫の資本及びそのほかの借入金等を含めまして毎年増資をする必要がなくなる時期がくるのではないか、こういうように考えておるわけであります。つまり資本なり自己の積み立てが相当充実して参りますと、それ自体で回転する時期がくるのではないだろうかということも考えられますのと、一方では当面はやはり毎年度の予算によって資本を追加していく必要がございますので、やはりこういう形でどうしても毎年規定を改正するという方式をとらざるを得ないというように考えております。
○楢崎委員 きのう湯山委員からも質問があったと思うのですけれども、すでにこの法第一条の目的というのは実情と合わないようになっておるのではないかと思われるわけですね。そこでその第一条とも関連をし、資本金も不明確であるし、そういう点とも関連して、第一条、第四条というのはこの際改正すべきではないだろうか。第一条の目的死文化の点とも関連して重ねてお伺いしたい。
○松岡(亮)政府委員 第一条の目的は、農林漁業金融公庫の金融機関としての性格を明らかにしておるわけでございまして、これは他の金融機関が融資することは困難な資金を融通するという農林公庫の性格を示しておると考えるのでございます。この金融機関としての性格は、現状において変える理由はないではないか、かように考えておりますが、資本金の方ば、今御指摘がありましたように、たとえば農林公庫の資本は二千億円とする、それで二千億円に達するまで、毎年度予算の範囲内で出資するというような規定の仕方もございますけれども、商法による一般の会社とか、そういうものの資本金も現在は払い込みの資本金を公告する、あるいは登記するということで進められておりますように、農林公庫の資本金も、公称資本というような形で掲げますよりは、実際に出資された額を明示するという方が望ましいのではないか。しかも当面はやはりそれを毎年度の予算で増資していくという形をとらざるを得ないということから、こういう改正の方式をとって参るのはやむを得ないことではないか、かように考えるのでございます。
○楢崎委員 第一条の目的でございますが、金融機関としての性格ではなしに、中金やその他の金融機関から借りることが困難な場合にその使命を果たすというふうになっておるわけですね。ところが、すでにもう他の金融機関とダブって、同じ条件で貸されておるものが出てきておる現状についてどう思われるかということを聞いておるわけです。
○松岡(亮)政府委員 御指摘の問題は、新制度について申し上げますと、農業構造改善事業推進資金と畜産経営拡大資金、果樹につきましても同様のことがございますが、それらの問題かと思います。これは形式的には農林中央金庫なり系統で出しておりますものと重複があるようになっておりますが、系統の金融機関では、末端の組合に参りますと、原資が足りませんとかあるいは貸付条件を二十年、二十五年という長期のものにいたしますと、系統の原資は比較的それほど長くない資金でございますからそういうふうな運用ができないということで、実質的には、農林公庫資金は財政資金ということで、その長期運用の可能性からいいまして民間資金と重複はしないということが言えると思うのであります。それと構造改善資金にしましても、果樹にしましても、畜産にしましても、新制度に盛られておりますのは非常に政策的な色彩の強い融資でございます。一定の国の目的を追求してそれを推進するために財政資金を融資するということになっておりますので、実質的な重複はない、かように考えるのでございます。
○楢崎委員 やはり真剣に第一条、第四条の問題は御検討なさる必要があるのではないだろうかと思うわけです。 それから、昨日湯山委員の質問の中で、貸付計画の問題と関連をして四〇%は翌年回しだというお話があった。それが結局貸付計画の八百七十億と原資の八百六億の差になって現われてきておると思うわけです。実績はそうかもしれませんが、しかし、そのように四〇%先に回すというワクを先にきめたことでやっぱり実績がそのようになってくるのではなかろうか。その年の計画の四〇%をあらかじめ翌年回しにするという考え方は一体どうでしょうか、お考えを承りたい。
○松岡(亮)政府委員 確かに問題のところでございますが、これは農林公庫の融資が毎年度計画をつくりまして、その計画は農林公庫が年度内に貸付決定を行なうというものの計画になって国会に提出されておるのでございます。これはあらためて申し上げるまでもないことでありますが、農業関係の資金需要というものはどうも年度後半に大きく出て参る、ことに事業をやる関係は農繁期を避けて農閑期に行なわれるというようなことから、毎年度どうも年度後半に資金の融資の申請が殺到するという事情にあるのでございます。そのために過去におきましては年度間の貸付決定が計画の五〇%しがなかったというような実例もあったのでございますが、漸次改善いたしまして、現在は当該年度の計画で年度内に決定されるものが六〇% 前年度から繰り越されて、前年度に貸付決定が行なわれたけれども当該年度で融資が行なわれるものが四〇%、それから同じように貸付決定は年度内に行なわれるけれども翌年度において資金が交付されるものが四〇%ということで、四〇%ずつずれて資金が交付されるという実情になっておるわけでございます。また、できるだけ年度内に資金を交付するように努力いたしておりますが、ある程度農業関係の融資と制度が貸付決定の計画を立てるということのためにこのようなずれが生じておるこう申し上げるのが適当かと思うのであります。
○楢崎委員 お答えでございますけれども、やはりワク一ぱい貸すという努力の方を先にすべきであって、ワクをあらかじめ設定して翌年回しをするということは私は考え方の筋としてはおかしいのではなかろうか、このように思うわけです。重ねてお答えを願いたい。
○松岡(亮)政府委員 確かにそういう点御指摘の通りでございます。これは私の説明が今不十分であったのでありますが、計画は貸付決定の計画を立てておるのでございます。それでそれはそのまま融資の計画ではないということに制度が技術的に定まっておるためにずれが出るということは確かにあるのでございますが、しかし、貸付決定と資金交付つまり融資との間はできるだけ短縮するということは御指摘の通り望ましいのでありますので、できるだけ御趣旨に沿うように今後も努力して参りたい、かように考えます。
○楢崎委員 昨日安井委員からの御質問の中に、三十七年度にすでに借りた資金と今度の構造改善資金で借りる場合のアンバランスはできるだけなくするようにするというお答えがあったわけです。この点附則の第二項とも関連してもう一度確認をしたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 改正法律案の附則第二項におきまして、新制度の条件を適用するのは昭和三十八年度から貸付契約をしたものであって、それ以前のものは「従前の例による。」こういう規定案を設けてあるわけでございますか、これは原則としてこうでなければならぬと思うのでありますけれども、構造改善事業の関係は、これは政府が特に推進しておりますし、計画的に三年間でやってもらうわけでございます。まじめに早く事業を始めた人が不利益をこうむるということは妥当でないと思いますので、そのようなことがないように、運用上は十分工夫して参りたいと思います。実際問題としましては、本年度は構造改善事業の初年度であります関係で、指定がおくれまして、従って事業計画の承認もおくれ、特にその内容を見ますと、ほとんどが補助事業を先にやって融資の単独事業は第二年度からやる、こういうような事情にもなっておりますので、実際問題としてはあまり問題は出ないと思いますが、考え方といたしましては運用上も不公平のないようにいたしたい、かように考えます。
○楢崎委員 今の点は沿岸漁業の構造改葬事業推進資金も同様に考えておられるのでしょうか。三十七年度案件は少なかったようでありますけれども、考え方として……。
○松岡(亮)政府委員 同様に措置して参りたいと考えます。
○楢崎委員 きのうも問題になったのですけれども、自作農の維持資金は従前通りの条件に置いているということについて、局長ばその条件は妥当であるとか間に合っているとか言われたわけですけれども、これは実情と違うわけです。その辺、妥当とか間に合っているとか言われる局長のお考えの根拠をこの際承っておきたい。
○松岡(亮)政府委員 昨日間に合っているという言葉を使いましたのは、まことに適当でございませんので、この際改めさせていただきたいと思います。現状の自作農維持創設資金、ほかのいろいろな融資に比べまして、条件としては非常にいい方に属すると思うのでございます。金利は五分でございますが、二十年という償還期限で、それらを考え合わせますと、ほかにこれに匹敵する資金というものはあまりない。そういう関係で、現状においてこれで完璧であるとは申し上げませんけれども、まあまあこの辺の条件で一応妥当ではないか、こういうように考えております。ただ土地取得資金を新制度に入れます趣旨は、従来の消極的な自作農維持という建前を突き破って、農業人口が減少しつつありますし、土地の売買もふえて参りましたので、この際経営規様の拡大を大いに促進するという意味で条件を特によくしょう、こういう考えに基づいて経営規様の拡大を促進するというねらいを持って条件を改善しておる。こういうように御理解を願いたいと思うのでございます。
○楢崎委員 維持資金の条件についてはわれわれは局長の考えと違うのです。やはり取得資金並みの考え方をすべきではなかろうかと思うわけです。取得資金の貸付限度を八十万円にされておりますが、八十万円にされたその根拠を一つお伺いしたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 これは現在五分、二十年の条件で四十万円の限度になっておるのでございますが、今も申し上げましたように、条件を緩和しまして、できるだけ償還を容易にする、それで積極的に経営規様の拡大を促進するということで条件を改善したわけでありますが、金利はいかにあるべきかというようなことは、これは安い方が望ましいと申し上げていいかと思いますが、きのうも申し上げましたように、理論的になかなか一義的にきめることは困難でございます。従って償還はどのような条件にすべきか、何年にすべきか、幾らを限度として貸し付けるべきかということもまた相当むずかしい問題でございます。そういうこともありまして、これで絶対いいということを申し上げるわけではございませんが、農家経済の余剰調査に基づきまして出て参ります農家の経済余剰というものをにらみ合わせまして、四分あるいは四分五厘の条件でどのくらいまで貸し付け得るか、あるいはどのくらい年間で償還し得るかというようなことをいろいろ勘案いたしまして、現状の倍額の八十万円にする、こういう結論を出したわけであります。
○楢崎委員 根拠としては、今の御説明ではまるで具体的になっていないわけですけれども、一昨年でございましたか、貸付限度三十万円のときには、しかるべき根拠を言われたわけです。大体どのくらいの過去の実績によって、調査によって、どのくらいの農家が平均どのくらいの農地の取得をやっていく、それでこの程度ということが一つ。それから今のお話のあった償還能力、経済状態から考えて説明があったわけですが、今の局長の御説明はさっぱり具体的でないのですけれども、私はやはり土地の流動なりあるいはこの一、二年の農家の所得の実態なり、それを基礎にされて出されたのだと思うのですが、その辺の基礎の考え方についてもう少し具体的にありましたらお伺いしたい。
○松岡(亮)政府委員 この一、二年、農業人口が減るのと全くみごとな相関関係を示しながら、土地の売買が増加しておるのでございます。それらを分析して参りまして、大体一件当たりどのくらいの土地の売買が行なわれているかというようなことを見て参りますと、工反歩以上の取引というものはまだ現段階ではほとんど見受けられないのでございます。今農地の価格が田畑を平均いたしまして十七万円くらいでございます。実際の不動産研究所の調査などから出しますと、田畑平均で十七万円といたしますと、五反歩で八十五万円になるわけでございますが、五反歩までの取引というものは今のところはあまり見受けられない。が、しかし、大体八十万円ぐらいの限度を設けましたならば、現状においては取引の実態に即してみればほぼ十分ではないか。一方におきましてその限度を、単価をかまわずにあまり上げますと、地価にも悪影響もあり得るということも考えまして、人体現状において取引される土地の面積の量などから見まして、五反歩ぐらいまで買える程度のところを融資限度として見ればほぼよろしいのではないか、こういうようなことを勘案しておるのでございます。
○楢崎委員 五反も買えば十分だとおっしゃっておりますが、そういう農家は一体どういう階層の農家と考えておられますか。
○松岡(亮)政府委員 五反歩も買えば十分だというのではございませんで、五反歩という取引というものはほとんどない。それ以下の取引、五反歩が売りに出るという例はほとんど見受けられないということでございますが、それはどういう階層の農家と申しますより、どの階層でもできるだけ規模を拡大する意味でよけい買ってもらいたいわけでございますが、それぞれの階層に応じて農家の事情は同じ階層でもいろいろ違いますけれども、償還能力に応じて買い得る限度は多少の差が出てくるかと思うのですが、特にどの階層ということを強く考えているわけではございません。
○楢崎委員 次に畜産経営の拡大資金でございますが、これのねらいとする酪農農家の姿、行く末の酪農農家の姿というのは一体どういう姿を考えておられますか。
○松岡(亮)政府委員 畜産局長も見えていますので、詳しい点はあるいは畜産局長からお聞きをいただきたいと思いますが、畜産経営拡大資金で考えておりますのは、現状の酪農経営が、一、二頭飼いの副業経営、副業的な酪農、その場合においては、農家としては生産性はきわめて低い。そういう形から出発される農家は非常に多いと思うのであります。またそれが余剰労力の燃焼というような意味でそれなりの音義はあると思うのでありますけれども、しかし将来日本の酪農が大いに発展しまして、非常に生産性の高い経営でもってそれが中核となって日本の酪農業が伸びていくためには、このような副業的な酪農のみではとうてい満足すべきことではない。そういうようなことから農林省といたしましては、従来から多頭飼養ということを推進して参っておるわけでありますが、今後はできるだけ相当な飼養規模の経営をつくり上げるというような趣旨で、多頭飼養を営むために必要な酪農の規模としては、これはいろいろお考えがありますし、地域的にも相違があるかと思いますが、一応六頭から八頭ぐらいの経営というものを一つのめどにいたしまして、それに必要な家畜の購入あるいは施設の購入、一括して融資したい、こういう考えでございます。
○村田政府委員 ただいま経済局長から御答弁がありました通りでございまして、従来の畜産経営は乳牛にいたしましても肉用牛にいたしましてもきわめて少数頭数の飼育でございます。かつそれが副業的に行なわれている非常に片寄った生産の実態でございます。それでは生産性の向上なりあるいは収益性の向上ということが期待はできないということから、将来この飼養規模を拡大いたしまして、農業経営の基幹部門ともなり得て、拡大再生産を確保し得るような畜産経営というものを期待しておるような次第でございます。
○楢崎委員 その点は一応承っておきます。 次に沿岸漁業の構造改善資金でございます。この沿岸漁業の構造改善資金は、ただいま国会に提出されております沿岸漁業等振興法案あるいは第三次漁港整備計画も含めた漁港法の一部改正が出ておるわけです、そういうものと関連があると思いますけれども、どうお考えですか。
○松岡(亮)政府委員 沿岸漁業等振興法案はまだ成立いたしておりませんが、沿岸漁業構造改善推進資金は振興法ができませんでも、これはすでにやっておるのでございます。しかしもちろん沿岸漁業等振興法案が成立いたしました暁には、その裏づけになる有力な施策として考えておるのでございます。漁港法の一部改正の方とは、これは関連はもちろんあるわけでございますが、それ自体直接に漁港法の裏づけという性格のものではございません。
○楢崎委員 この沿岸漁業構造改善資金を出される法的な根拠は一体どこにあるのでしょうか。
○松岡(亮)政府委員 法的な根拠という御趣旨がちょっと理解しかねておるわけでありますが、農業構造改善事業と同じように、零細な沿岸漁業の現状からいたしまして、構造改善を強力に推進する必要があるという趣旨で、この融資をすでに本年度からやっておるわけでございます。今回新制度にひっくるめまして法律改正をするというのは、その条件を変えますので、六分五厘の金利を三分五厘にいたしまして、しかも一義的に別表第二でその条件を定めるという必要がございますので、法律の改正案を提出いたしておる次第がございます。
○楢崎委員 この資金の検討をするには沿岸漁業構造改善事業の検討をしないと、やはりそれに基づく妥当な検討はできないと論理的に思うわけです。沿岸漁業構造改善事業の全般について、この際明らかにしていただきたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 これはもう本年度から実施しておりまして、その予算なり融資の計画につきましては、前の通常国会におきまして御審議を願ったかと思うのであります。内容といたしましては構造改善促進対策要綱というものを都道府県に示しておりますが、その骨子は大体次のような条件に適合する小規模の漁家を取り上げまして、その小規模の漁家と申しますのは、漁船漁業にありましては、船舶総トン数が十トン未満、その他の漁業にあっては年間漁家所得五十万円以下の沿岸漁業者、そういう小規模の漁家につきまして、知事が構造改善計画を特定の海域ごとに樹立いたしまして、農林大臣の承認を受けて漁礁設置とか、海面養殖事業の拡充とか、その他いろいろな共同化の計画、そういうものを内容といたします計画を樹立いたしまして、それに対して国が五割の補助、一方におきまして融資単独事業に対しては、現状は六分五厘または七分五厘の融資をいたしますが、今度の新制度によりまして、融資単独事業につきましては、三分五厘の融資をする。それから補助残に対しましては、農業の構造改善事業と同様の補助残融資をするというような内容になっておるのであります。
○楢崎委員 構造改善事業は先の通常国会で審議されたと思うとおっしゃっておりますが、されていないわけですね。それでこの際お伺いをしたいわけですが、この沿岸漁業の構造改善事業を行なう法的な根拠といいますか、そういうものについて重ねてお伺いしたいわけです。これは農業構造改善事業の場合も大へん問題になったところでございます。
○松岡(亮)政府委員 これは農業構造改善と同様に、特にその事業のための根拠となる法規はございません。
○楢崎委員 法規は全然ないで、こういう事業を行政措置でやって、そうしてこういう資金をつけるということはおかしいじゃないですか。その農業構造改善事業の場合は、あえてこれを求むれば、農業基本法の四条でございましたか、それに大きくは基づいて、そうして都道府県独自で行なうものについて政府がそれを援助していくというような御説明であったのですが、これは自治法とも関連する問題ですから、明確にしていただきたい。
○松岡(亮)政府委員 この事業は、大体農業構造改善の場合もそうでありますが、できるだけ補助なり融資の基準は国から示しますけれども、自主的な計画を立ててもらいまして、特にこの場合は知事の立てる計画というものに対して国が助成いたしまして推進するという方式をとっておるのでございます。国自身がその事業の運営に当たるという性格ではございませんで、民間において自主的に立てられる計画、あるいは自治体の計画に対して、それを促進していくという形式で行政措置をとっておりまするので、法規の基礎があった方が明確にはなるかと思いますが、必ずしも法規の根拠がなくてもよろしいのではないか、かように考えております。
○楢崎委員 これは農業構造改善事業の場合と同じように、これほどの事業を十年近くにわたってやるわけですから、相当の根拠がなくては、これが一体どのくらい長続きするのか、その保証がないわけでしょう。農業の構造改善事業の場合と同じような意味において、これは何らかの法的な規定が要るとわれわれは思うわけですが、あなた方て考えていらっしゃるのは全然——これは通達なりそういうものでやっていく、この点については非常にわれわれとしては疑義があると思うのですけれども、重ねてお伺いしたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 もとより私どもも、沿岸漁業等振興法が成立いたしましてそれを直接の根拠ではございませんが、その裏づけの施策としてこの沿岸漁業構造改善事業を推進していくという態勢をとるのは望ましいのでございますけれども、法律制度といたしましては、必ずしも現在の事業につきまして法の根拠が要る——毎年度予算において確保して参りますれば、実際の運営においては、支障を来たさない。かように考えておるのであります。十年間の計画というような長期的な計画ではございますけれども、政府といたしましては、こういう規模の事業は今後とも必要な資金を確保する。あるいは補助を確保して参る考えでございます。この程度のこととしては、特にどうしても法律がなければ困るということではないと思っております。
○楢崎委員 先ほど沿岸漁業の構造改革促進対策要綱の御説明を承ったのですが、もう少し具体的に出してもらわないと検討のしようがないと思うのです。全貌を出していただきたいと思うのです。——ちょっと重ねて……。大体この構造改善事業の全貌をここへ資料として出すくらいのあれでなければ審議されぬじゃないですか。資金的にも、あるいはいろいろな計画があると思うのですが、そういうものを出していただかぬと審議のしょうがないと思うのですがとうでしょうか。——それでは、その責任ある資料を出してもらってこの点は続けるといたしまして、三十七年度から入られておると思うのですが、現在までの作業状態をお伺いしたいと思います。
○中野説明員 三十七年度からこの事業の実施に入っておりますが、この前提といたしまして、三十六年度から調査に入っております。これのやり方といたしましては、原則として二年の調査をいたしまして、それから知事が構造改善計画を立てるわけでございます。すでに実施に入っておりますのは現在五県でございます。それは宮城県、愛知県、山口県、長崎県それから京都、こういうふうになっておりまして、この五県につきましての初年度の補助事業費は約四億ということになっております。 そして、やっております事業は県によって違っておりますが、たとえば宮城県におきましては、ノリ漁業の浚渫あるいは沖合いのカキの養殖保全施設、ノリ保管倉庫、水産物の保管倉庫というようなものをやっております。また長崎県におきましては共同集荷いたしました鮮漁を京阪神の方に送る活魚運搬船、あるいは小型船の集団的な操業をやっていくための指導船、こういうものをつくってやっておるわけであります。そうして昭和三十八年度は、そのほかに、調査が済みました八県について事業実施の段階に入る、こういうことになっております。 以上が補助事業でございますが、融資事業につきましては、先ほど経済局長からお話がありましたが、この計画がややおくれておりまして、現在われわれの手元に、初年度の融資の申し込みといたしまして約五件、合わせまして一億五千万円程度の計画が参っておって、現在審査をいたしておる段階に至っております。 三十七年度の状況は大体以上の通りでございます。
○楢崎委員 三十八年度に予定をされておる八地域というのは、どことどこですか。
○中野説明員 三十八年度は岩手県、秋田県、千葉県、静岡県、三重県、兵庫県、和歌山県、広島県、以上八県であります。
○楢崎委員 この事業は経営近代化事業と漁業改良造成事業とに大別する、そういうことでございますね。そこでその事業を五段階に区分されておると聞いておるわけですが、そうでございましょうか。
○中野説明員 さようでございます。
○楢崎委員 そうすると、その五段階の補助額その他は資料を見てあとで質問するといたしまして、その五段階に分けられた区分に応じて、地域の具体的な予定と申しますか、そういうものはすでにできておるのでしょうか、四十二地区にわたって。
○中野説明員 この作業を最初にわれわれの方で実施いたしました際に、県におきまして、水産物が非常に量的に多いところ、あるいは盛んなところ、それからノリの地帯、いろいろなところがございますものですから、大体全国をA・B・C・D・Eといいますか五つのランクに分ける作業を全部やりまして、全部一応各県、このクラスであるということをきめてございます。
○楢崎委員 その資料はいただけますでしょうか。
○中野説明員 午後からお出ししたいと思っております。
○松岡(亮)政府委員 具体的な、どの県をどのランクに入れるというような点につきましては、あるいは御提出することを差し控えさしていただきたいと思いますが、ランクをどういうふうにきめるというような考え方その他、できる限りの資料を提出いたしたいと思います。
○楢崎委員 そうすると先ほどの課長の御答弁と今の局長の御答弁とは違うわけですが、きまっておるのだったら、その予定だけでもどうして発表されないのですか。
○松岡(亮)政府委員 きまっておる分については出さしていただきます。
○楢崎委員 そうすると、四十二地域の未指定分については出されない、こういうことですか。
○松岡(亮)政府委員 そういうことでございます。決定していないものについては差し控えさしていただきたい、かように考えます。
○楢崎委員 そこで、一応この問題に関連してお伺いしておきたいのですが、一番新しい資料で、漁業の就業人口、それから他産業へ吸収されていっておる、毎年減っておると思うのですが、その減っておる年間の率、それから漁業の経営態、一番新しいのをちょっとお伺いしておきたいと思います。
○中野説明員 手元に持っておりませんので、後ほど資料としてお出しいたしたいと思います。
○楢崎委員 その辺の問題が明確になっておらぬと、大体この資金の目的が一体どういうところにあるのか、構造改善事業とも関連をしてこれはお伺いをしなければならぬところだと思うわけです。きまっていないということですからやむを得ないと思いますけれども。…… 次に、農業に比べて漁業は特にやはり条件が悪いと思うのです。それに対して補助率が、平均してこれはどのくらいになっておりますか。
○中野説明員 事業の種類によって補助率が違っておりますが、例を申し上げますと、漁場改良事業につきましては大体が十分の五、半分でございます。ただし大型魚礁につきましては十分の六。それから県の義務負担ががございまして、全体の三分の一は県が持つということでございますので、地元負担は六分の一ということになります。ただ、大型魚礁は残りの十分の四を県が持ちます。それから経営近代化促進対策の方は、仕事の種類によってまちまちでございますが、最高、国で半分、その場合には県が必ず三分の一、従いまして地元は六分の一ということになるわけであります。たとえば流通改善のような事業におきましては、国の方で十分の三、県で十分の二、地元負担十分の五、こういうふうに仕事の種類によって補助率が変えてございます。
○楢崎委員 先ほど申しましたように、今日の沿岸漁業というものは非常に疲弊しておるわけです。そこで、単なる産業政策としてこれを見るよりも、社会政策的な観点からこれを取り上げる必要があるのではなかろうか。そういう点から見ると、この補助率というのは非常に少ないとわれわれは思わざるを得ないのですが、この点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
○中野説明員 その点、われわれの方でも十分検討いたしまして、国の方は今申し上げましたようなことになっておりますが、県の方を必ず義務負担していただくということにしております関係上、地元の場合先ほど申し上げましたように六分の一ないし半分、こういうふうなことになっておりまして、県が出すだけは地元が助かる。それからもう一つは、町村段階におきまして、町村でもやはり——義務的ではございませんけれども、一部の町村では補助をしていただくということになれば地元負担が減るということになろうと思います。それからその地元負担の分につきましては、公庫の方から補助残融資を出すということにしております。
○楢崎委員 この点については、私どもは今の御説明を聞いてもまだまことに不十分であると思うわけです。私どもとしては補助率は八〇%以上くらいなくてはだめだ、このように考えておりますし、また利子の点は三分五厘、あるいは補助のある事業についてはこれもやはり高過ぎると思うわけです。償還期限の点もわれわれとしては三十年くらいにすべきであろう、このように思っておるわけでございますけれども、この点は今後とも努力をしてもらわねばいけぬと思うわけです。 そこで、この事業を見てみますと、ノリについて非常に力を入れてあるようでございますけれども、これはほかの沿岸漁業の場合よりも大へん有望視をされておる成長的なものであろうと思うわけですけれども、しかしそれだけにやはりいろいろ問題があろうと思うわけです。そこで今後この新しく造成する漁場をどのくらい見られておるか、これについてお伺いしたいと思うわけですが、非常にこれが成長的であるので、どんどん拡張され、無政府的な状態が出てきておる。しかも一方では埋め立てやあるいは干拓あるいは工場汚水などによって失われておる漁場も多いわけです。これは今後どのようにこの造成について見通しを持っておるか、お伺いしたい。
○松岡(亮)政府委員 どのぐらいの漁場を造成していくかということは今申し上げられませんが、今御指摘のありましたように、過剰になるとか、あるいは工場汚水によってだめになるとか——逆の場合でありますが、そういうことがないように漁場調整は進めて参りたい、かように考えております。
○楢崎委員 ないようにといったって、そういう一片の言葉でそういうことがとめられるわけのものではないわけですね。それで大体新しく造成する余地がまだあるかどうか、その辺もどのくらいつかんでおられるか、お伺いしておきたいと思います。
○中野説明員 数字的には私、今ちょっと申し上げかねるわけでございますが、たとえば本年度すでに審査をやりました五県につきましては、一方でたとえば愛知県のように工業地帯をつくって埋め立てがある、そうしますとその沖合いに漁場をつくるというような県の計画も出て参ってきております。そういうようなことで、この計画を具体的に水産庁に上がってきまして審査する段階におきまして、どの部分はどんな漁場に今後していこうかというような具体的な計画を県ごとに立てるということで考えて参っております。
○楢崎委員 さらにノリに関係をいたしまして、生産は伸びておりますけれども、需要の方との関係は一体どのように見られておるか。これは膨大な投資を行なって漁場をつくっていくわけですが、償却の問題とも関連をいたしますから、需要との見合いをはっきりしておかぬと、価格は現に下がっておるし、そういう点の見通しについてお伺いします。
○松岡(亮)政府委員 需要はまだ伸びるかと存じますが、私も詳しいことを存じませんので申しわけないのですが、一方において韓国ノリの輸入につきましては、今後とも制限を続けて国内の市価に悪影響を来たさないようにして参りたいと考えております。
○楢崎委員 それでは最後に一つお伺いをしておきたいと思うのですけれども、事業が非常に規模が大きくて、二県以上にまたがるというような場合に、非常に問題も複雑であるし、あるいは資金的にも大きくなるので、こういう場合に国の直轄事業というようなものは考えられていないのですか。
○中野説明員 構造改善事業といたしましては、二県以上にまたがるような事業は考えておりません。
○楢崎委員 考えておりませんじゃなしに、そういうものを考える必要はないかとお伺いしておるわけです。
○中野説明員 たとえば瀬戸内海のようなところになりますと、必ずしも一県単位で事業をやっていけるということではないわけであります。ここの予算でもすでにお認めいただいた予算もございますが、瀬戸内海には栽培センターというようなものを国でつくりまして、それを地元でやっていただくというような別途の事業としては考えておるわけであります。ただ知事が立てて参ります計画について、二県の知事があわせて一つの計画を立てるというふうなことは現在のところ考えておりませんが、今後検討いたしたい思います。
○楢崎委員 それでは、先ほどお願いいたしましたように、沿岸漁業の構造改善事業の全貌についての資料を午後いただいて質問をしたいと思いますので、一応これで中断さしていただきます。
○長谷川委員長 玉置一徳君。
○玉置委員 昨日の質疑で質問された点もございまして若干重複するかと思いますが、農基法の展開にあたりまして非常に重要な問題でありますので、私からあらためて質疑をいたしたい、かように思います。 重政農林大臣が昨年に就任されましてから、農業金融制度を早急に整備拡充しょうというので、農地担保金融とか債券の発行とか、あるいは農地銀行の創設というようなものが新聞紙上をにぎわしまして、日本の農民は非常に期待のうちにこれの結末がどのように打ち出されるかを注目しておったわけでありますが、各般にわたる検討を加えられた結果、農地法その他と抵触するというようなことで、結局のところただいま提案されております農林漁業経営構造改善資金の創設を骨子とする公庫法の一部改正という形になったわけであります。農業金融の要請が長期低利金融制度の確立であるというような点から考えまして、とりあえず三分五厘金融の道が開かれましたことは、多年の要望にこたえることでございまして、まことにその労を多とするところでございますけれども、しかしながら農相がお考えになっておりました農地担保金融というようなものはいつしかどこかへ姿を消して、農林漁業金融公庫法の改正という形でその問題が扱われるに至りましたことは、根本的な問題を処理するというところまでいかなかったということで、ましていわんや今回の措置が講ぜられることによりまして、かえって今までやかましく言われておりました農業金融制度の交通整理あるいは農業金融全般にわたる適正金利の水準点の設定というようなことがぼかされるというよりは複雑多岐にわたってしまって、将来の課題として残ってしまったといわざるを得ないと思います。そこで、これらの根本問題についてどうお考えになっておるのか。きのうも質疑応答があったらしいのでありますが、目下研究中であるというようなことで、根本的なお答えがなかったように聞いておりますので、本件審議と関連がございますので、二、三の点にわたりましてどういうように今のところ考えておるかということを率直に御答弁いただきたい。もしもそれが政策的な問題になりますときは大臣の質問に留保したい、かように思うわけです。 そこで第一点でありますが、御承知の通り農業基本法が施行されまして各般の手が打たれておるわけでありますが、農業金融として、この農地法の精神を生かして、これを展開していくのには農業金融施策上考慮すべき点は何と何であるかということを一つお答えいただきたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 農地担保金融をこの際拡充していくということにつきましては、農林省といたしましても、昨年の夏から相当の期間にわたりまして、研究を重ねたのでございます。一方におきまして、現に農地法というものが従来の農業政策の根幹をなすものとしてあるわけでございますが、その農地法と、新しい農業金融の展開する道として農地担保金融というものを制度化していくということにつきましては、ある程度の考え方の矛盾があるのでございます。と申しますのは、農地法そのものは現に農地を担保にすることを禁止しておるわけでもございません。ただ農地法の基本的な柱であります自作農主義あるいは土地の各種の制限その他権利の移動の制限というものは、農地担保金融を直接には禁止していなくても、農地を担保にすることについて相当な制限的な要素になっておるわけでございます。従いまして農地担保金融というものを全面的に農業金融の新しい手段としてやりますには、どうしても農地法そのものを大幅に改正するかしなければ、新しく農地担保金融というものを金融の有力な手段として実施することはなかなか困難である。しかしながら一方におきまして農地法というものは現在までの農業政策の根幹として、農地改革以後の農政の柱となってきたものでございますから、これを改正するということはまた十分慎重な検討を要することでもありますので、その農地法の改正につきましては、単に農地担保金融という角度からだけでなくて、農地制度全般について広範な研究をする必要があるということで、現在農林省の中に学識経験者によります農地制度研究会というものを設けまして、全面的な検討をお願いしておりますのでそれらの結論を待った上で、農地担保金融の本来の問題についてもあらためて考えるということにいたしまして、現在の農地法の精神を動かさない、またその内容となっているいろいろな制度を変えないで、現状においてできるだけ農地を担保にして農家が金融を受けやすい態勢に持っていくということで、今回の新制度におきましては、農林金融公庫から、従来よりはもっと農地の担保価値を引き上げて、また積極的にそれを担保にして貸し出す態勢をつくっていく、こういう考え方をとって新制度に取り入れた次第でございます。
○玉置委員 それでは、今のお答えでその経過はよくわかりましたが、農林省の中で学識経験者をもってする農地制度そのものの検討を加えておいでになります結果を見て、さらに思い切って充実した金融制度をしくこともあり得る、またしきたいというようなことで、その間農地法の精神に抵触しない範囲内で拡充したのだというように考えてよろしゅうざごいますか。
○松岡(亮)政府委員 その通りでございます。
○玉置委員 そこで、先ほど冒頭に申し上げました通り、三分五厘に金融の道を開かれたことは多とするわけでありますし、いろいろな点にわたりまし七金利が低くなったことも事実であります。そこで先刻来御質疑もございました通り、それが非常に区々になったという点が第一点と、第二点といたしましては、従来の委員会におきましても、他国の金利その他を見まして、どうしても成長度の少ない農林金融にはもう少し低利長期でなければならないのだというように多年主張されてきたわけでありますが、一体適正金利水準というものはどの程度であるのが妥当であるとお思いになるか。
○松岡(亮)政府委員 農業の適正金利水準というものはどのくらいであるかということは、非常にむずかしい問題であるかと思うのであります。これは実は昨年もいろいろな学識経験者あるいは専門家などの意見を聞きまして、どの辺が適正金利であろう、またその適正金利を算出するにはいかにしたらよろしいであろうかというようなことをいろいろと御検討願ったのでありますが、結局結論を得なかったような次第でございまして、どの辺がいいかということは、農業経営のいろいろなあり方も異なりますし、また一般の金利水準というものが非常に変動しますし、いろいろな価格その他の条件も変わりますので、ある時期にどの水準が適正であるかということは、一時的になかなか申し上げかねるのでございます。しかしながらわれわれといたしましては、系統金融の現状の一般の金利はもちろん、各種の制度金融がございますが、その全体としての金利のあり方は、まだ日本農業の現状からいたしましてやや高いのではないか、制度金融につきましてもそういう感じを持っておるのでございます。今後もまだこれを引き下げるように努力する必要がある。新制度につきましては、特にそのような努力をいたしたわけでございますが、これはまだ全体の金利水準を下げるというところまでに至っておりませんので、その点は今後ともますます努力をいたしたい、かように考えております。
○玉置委員 農業の適正金利水準を定めるということが非常にむずかしいことは了解できるわけでありますが、ともかく工業の成長度合いが非常に大きい現状におきまして、しかも農業基本法でいう所得の格差をなくしていこうという努力を、ここ当面十年なら十年の目標をもってやっていくためには、制度金融としても、あるいは逆に制度金融ではなしに、金融政策としても、当面とりあえず目標にしなければならない一つの基準というものがおのずからできてくるのではないか、こういうふうに思うのです。今のお話もよくわかりますが、事務的に考えて、当面どの水準くらいまで持っていかなければならぬとお思いになるのか、事務的な答えをお願いしたい。
○松岡(亮)政府委員 これもはなただどうもむずかしい御質問でございまして、私どもは事務的にどのくらいと、こう割り切って申し上げることはなかなか困難でございますが、感じているところをざっくばらんに申し上げますと、農業近代化資金の六分五厘という水準は、通常の農業金利の一つの指標になるのではないか。そのほかに各種の制度金融にはそれ以上のものがございますが、一般的な水準としては、農業近代資金の六分五厘というのが一つの指標になる。それから特に政策的には強力に推進するような性格の制度金融につきましては、それ以下で、今回は三分五厘を一つの目標として努力をいたしたわけでございますが、その辺に一つの努力目標というものがあるようにも感ぜられるのでございます。しかしこれは事務当局といたしましても割り切ったことを申し上げることは非常にむずかしいのでございます。
○玉置委員 私たちは逆に農業近代化資金の六分五厘ではなくて、三分五厘が通常の農業金融の指標である、制度金融はそれ以上でなければならぬ、こう思うのですが、ここで申し上げてもしようがないことでありますので、現在までに金利水準の検討の加えられたいろいろな資料並びに外国の農業金融の例、その他を参考に資料にしてお配りいただきたい、こう思います。
○松岡(亮)政府委員 現在までに検討を加えました金利に関する資料というのはどういう資料か、ちょっとなんでございますが、現状において各種の金利、ことに農業外との比較においてどういうことになっておるか、それから国際的に外国の各種の農業金融の金利との関係、そういった資料につきましては、別途資料として提出させていただきます。
○玉置委員 そこで話を変えまして、現在大体一カ年間に農協、信連、農林中金を通じまして農家の預託いたします預金が幾らかで、それからそれを農業外に貸し出す金が幾ら、それから農家に還元されるものが幾らであるか、お答えいただきたい。
○松岡(亮)政府委員 三十七年十月、つまり昨年十月現在におきまして、単協において農家から受け入れました貯金が一兆一千八百六十八億、この中には定期的な預金もございますし、当座的な預金もありますが、定則的な預金の方がやや大きいのでございます。それからさらに信連の段階に入りますと、下から集まりました集金、これは県段階のほかの連合会から入ったのもありますが、主として単協からしがりました貯金が六千七百二十六億円でございます。それから農林中金の段階に入りまして二千七百二十五億円の預金がございます。これに対しまして貸し出しでございますが、末端の単協におきまして貸し付けられた額は五千六百三十億円、それから信連においての貸し出しは二千九百五十四億円、それから農林中金からの貸し出しは三千七百十七億円でございます。この貸し出しのうち、信連におきまして員外に貸し付けたものが千三億円ですが、約千億円、それから農林中金の段階で非所属団体、つまりメンバー以外の団体に貸し付けたものが二千八百五億円でございます。
○玉置委員 そうしますと、上にいきますほど、かなりの員外あるいは非所属団体の貸付が出ておるわけであります。これは大体どういう原因でこうなっておるかを一つお聞かせいただきたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 農林中金なり信連の段階で非所属団体あるいは員外に貸し付けたものの中には、短期的にほんとうに余裕金で貸したもの、一種の支払い準備あるいは現金の運用という形で貸し出されたものが相当ございますが、そのほかに、農業の関連産業、たとえば農産物の加工業等に対して貸し出したものが相当ございます。これは一面においては、農業の振興にも役立つということで、法律上も認められておるものでございますが、そのほか信連、これは農中にもございますが、きわめて短期のものでございますが、コールに出しているものがある。信連の員外の貸付はコールが非常に多いのでございます。これはきわめて短い期間の貸し出しで、比較的有利な運用でございまして、その運用益を系統に対する貸し出しの金利の引き下げあるいは預金の方の奨励施設に回すというようなことが行なわれているんですが、いずれにしましても、これは相当量に上っております。それから農林中金では、今のような性格のもののほかに、インター・バンク、銀行間の貸し出し、これもきわめて短い性格の運用でございます。そういったような運用がございます。
○玉置委員 私は、信連や農中の性質上、ほかに運用益を出すところがありませんから、非常に遺憾なことでありますが、こういう形になるのだろうと思うのです。ある黄味では必然なところもあるかと思うのです。けれども、これを思い切って農家に還元されるようなことになれば、しかもそれが、農中あるいは信連の運用にも差しつかえないようた形になれば、これほど望ましいことはない、こう思うわけでありますが、先般創設されました近代化資金の助成法もこの意味だろうと思うのです。あれに近代化資金助成法という名前をつけたところに間違いがあって、あれは農協系統資金の農家還元促進法というような名前をつけておけば、そのままぴったりといったのではないか。今度変えられましたいろいろな制度金融がこのまま拡充され、成長して参りますと、これこそ近代化資金助成法になるのであって、今の近代化資金助成法は、過日の提案理由の中に説明されております通り、系統資金の運用を活発ならしめるためにごしらえたというわけでありまして、そのもの自体が近代化資金を助成するというわけでもないと思うのです。運用は、市中銀行と違いましてあぶないことができないそれぞれの機関でありますから、こういうような助成をもう少し大幅にされることによって思い切った資金が還元されるのじゃないか。しかも片一方では、市中銀行にまであれをやっていくというようなことをしないでも、この膨大な預金がそのまま還元されるような仕組みさえやっていけば、このことができるのではないか。いずれ最後にお伺いいたしますが、金融機関の交通整理というような問題もこういうところにあるのじゃないか。交通整理をただの形式上の交通整理でなくて、農協資金が農家に還元されるような方向でもって交通整理ができるならばわれわれ非常にありがたい、こう思うのであります。この資料を提出していただいてもいいのですが、金融機関のことですから御遠慮申し上げて、自創資金の方に移りたい思います。 先ほど標準金利の画定はむずかしいとお話がありましたが、自創資金の方は、だれでも、宙ででも——しろうとでもわかり得るはずだと思います。自創資金の金利の要素を算出すべき諸元は一体どういうものであるか、算出する方式はどうだ、従って、現在算出すればどのくらいになるのが建前であるということを、政策的に要りませんから、事務的にお考えいただいたものをお答えいただきたい、こう思います。
○松岡(亮)政府委員 自創資金の金利を定める諸元と申しますと、これは非常に多いわけでございます。変動する農産物価格も確かにその諸元でございますし、どういう経営階層をとるかということも諸元の一つでございます。現在までやって参りました考え方としては、農家経済の余剰を考えまして、その範囲内で償還し得るということを前提にして、大体土地の購入はどのくらい行なわれておるか、その購入された土地において生産力がどれだけふえるであろうか、そのふえた余剰の範囲内で償還し得るということを目安にしまして、現状の五分、二十年というものが、きまっておるのでございます。
○玉置委員 よくわかりますけれども、まず稲作を例にとってみますと、はたして日本じゅうの農地の平均価格は幾らか、反収三石幾らと見てすぐに出る計算ですが、一体幾らになるか。それで割り算しまして、通常経費その他を半分と見たような場合に、逆算すると幾らになる、その答えをちょっとお伺いしたい。
○松岡(亮)政府委員 現在、自創資金の利子など考えておりますときの土地の時価は、田畑平均しまして十七万円と踏んでおるのでございます。これは不動産研究所の実態調査、売買事例価格の実態調査から出しましたものでございますが、それを前提といたしまして大体一戸当たりどのぐらい買うかということも出せるわけでございますが、そういうものを考えまして、農家経済余剰は農家経済調査によりましてたしか五、六万円だったと思いますが、その経済余剰の中で、それだけの金を借りました場合、地価をそういう前提にいたしまして借りました場合に、その余剰の範囲、しかもその余剰を全部使わないで半分ぐらいで返し得る条例というものを考えておるのでございます。
○玉置委員 田畑平均十七万円のうちで、田だけとりまして幾らということになりますと、私たちの計算ではどうも余剰というもので出てくるような要素がないのです。従って金利というものはもっと安くなければ制度金融としてはお話にならないと思うのですが、これは後日にまた譲るといたしまして、そこでお伺い申し上げたいのは、自創資金がここ二、三年、ある昨年なら昨年あるいは一昨年をとっていただきましてもけっこうですが、大体どういうように消化されておるか。と申しますのは、災害とか借金整理というようなものが、そのうち幾らで、それから経営拡大と見られるやつの取得が幾ら、こういうように二つに分けてお話を願いたいと思います。
○任田政府委員 逐次予算のワクは拡大させておったわけでありますが、ここ三十四年、五年、六年の例を申し上げたいと思います。三十四年におきましては合計百億を予定いたしまして、取得の方は二十六億七千七百万円、相続が二億七千七百万円、維持の方が七十億四千六百万円、このように考えておったわけでありますが、これに対しまして取得は二十六億六千百万旧、相続におきましては七千万円、維推の方におきましては百二億四百万円ということになっております。このほかに約二十九億五千百万円の追加がございますが、この追加はおそらく維持の方へ回っていっておるものと思われます。 それから次は三十五年でございますが、三十五年では総額百三十億を予定いたしました。そのうち取得におきましては四十一億、相続が四億、維持が八十五億ということになっておったのでありますが、実績といたしましては取得が三十八億八千九百万円、相続が九千七百万円、維持の方では九十億一千二百万円ということで、合計いたしますと百二十九億九千九百万円ということになりて参ります。 それから一昨年の三十六年度でございますが、これは合計百六十億を当初予定いたしまして、そのうち取得が百億、相続が三億九千万円、維持が五十六億一千万円でございます。実績におきましては、取得が六十五億六千万円、相続が一億五千四百万円、維持におきましては百二億一千九百万円、合計いたしまして百六十九億三千四百万円となります。もっとも当初の計画より超過いたしておるわけでありますが、これは追加といたしまして八億九千八百万円関入れておるわけであります。大体一昨年三十六年度までにおきましてはこのような状況になっておるわけであります。 三十七年におきましては、取得が百三十五億、相続は三億、維持は五十七億合、計百九十五億と計画をいたしておったわけでございます。
○玉置委員 三十六年に至りまして取得の方がずいぶんふえて参っておりますのは非常にけっこうなことなんですが、全般を見ますと自創資金は維持の力がやはり大部分、多いということも言い得ると思うのです。そこで、農基法のいうところの経営の拡大ということを考えた場合に、しかも大体十カ年をめどとした場合に、全国の土地がどのくらいの移動が行なわるべきであって、どのくらいの資金がそれについては必要であるか、従って、これを促進する要素、先ほどおっしゃいましたような農地法の問題とかいろいろな問題がある、あるいは大土地改良というような問題が先行しなければならないこともよくわかりますが、ただいま申し上げますことは一つの非常に形式的な御質問にしかならないと思いますけれども、農地の移動がどの程度行なわれなければならないのか、そしてそれはどのくらいの費用になるのか、それには自創資金の取得というものが年間どの程度組まれなければならないかというようなことにつきまして、すぐには無理と思いますので、次の機会に一つお教えをいただきたい、こう思います。 その次に進みまして、これらを考えますと私は相当な資金が要ることになると思います。先ほど申しましたように、大土地改良あるいは農地法の問題、あるいは制度上基盤の整備上いろいろな問題が一緒にからまるわけでありますけれども、相当な金融が必要になる計算になってくると思うのです。これまた先ほど申しました農業金融の交通整理、ただ形式的な二段階、三段階の交通整理ではなしに、こういうものによる交通整理としてはたして今のような百貨店式な金融の方式でやっていけるかどうか、これだけは別個の農地銀行のような——名前はどうでもよろしゅうございますが、確立しなければ、構造改善資金なんかと一緒くたにやっておる現状では、おそらく無理になってくる段階があるところでくるのじゃないか、こういう感じがするわけでありますが、どういうようにお感じ取りになっておるか、お答え願いたい。
○松岡(亮)政府委員 ただいまの御質問は、今後農地担保銀行あるいは土地抵当銀行と申しますか、かつてありました勧銀あるいは農工銀行、あるいはもっとそれを新しく変えたような方式の金融機関を考える必要があるのではないか、こういう御質問かと思うのでありますが、これは確かにそういうことを研究しなければならない段階がだんだん近づいておるかとも考えておるのでございます。一方におきまして農地法という現在の大法典あるいは大きな制度がございますので、それの方はどう考えるかという問題とこれはあわせて考えて参らなければならない性格のものである、金融制度といたしましても現在あります農林中金及ば系統金融、農林公庫というものの性格を再検討する必要もだんだん出てくるのではないか、かようなことをわれわれとしても感じておるのでございます。いずれにいたしましても、土地抵当銀行のような金融機関をつくります場合には、その前提としまして農地制度そのものをどうするかということを慎重に検討する必要があるかと思います。
○玉置委員 最後に、八十万円という限度というものは非常に不満でありますけれども、一つの過程といたしましてこのままどんどんと整備拡充していただくというような意味で、これはこの程度にしておきたいと思います。 そこで、経営構造改善事業に対します金融でございますが、私は、経営構造改善と今銘打っておやりになっているやり方は、そもそも市町村長に責任を持たして、そして日本全般としての流通の機構だとか、いろんな価格の安定だとかいうようなものの整備を待たずして市町村長さんだけに主産地を形成させるというようなやり方では、これがうまくいくはずがないと思うのでありますが、とりあえず金融面から考えまして、問題は、成長産業であります果樹がどの程度であり、畜産がどの程度だということはわかっておりますけれども、個々の経営体がそこまでいっていないのに、ものそのものを植えるとか買うとかいうようなことによって金融をやっておるようなやり方は、もうぼつぼつ考えてもいいのじゃないか。真に日本の農業を背負って立つに足るような経営、それが個人の経営であろうが共同であろうが協業であろうが、そういったものを思い切って伸ばすように、そのときは少々無担保でもいいじゃないか、町村もしくは府県がほんとうにこれを育成するという熱意があれば、それの損失補償の制度を設けるというようなことによって思い切って低利長期の金融をしていかなければならないのじゃないか。ここではただ構造改善事業として町村に認定されたものには自動的にすべっていけるような仕組みになっているのですが、どっかでそれをチェックしていくような金融のあり方も今後考えていかなければならないじゃないか。だから豚を購入する、牛を購入する、あるいは果樹を植栽するというような、物によってのきめ方はありますけれども、経営体そのものをずっと育成してやろうというような意味のあれが今まではなかった。将来はこういうことを十分考えて、金融制度というものを考慮していかなければいよぬ段階にきておるのじゃないか。畜産も全国平均すれば一・五頭ですが、現状でできないようなものをどうやって皆さんのおっしゃる多頭飼育にまで持っていくかということは、これはもう金融のやり方によるしかそういうことは非常に促進されにくいのじゃないか。真の構造改善を行なうなら、町村に一億一千万円をばらまくだけが、市町村長に責任を持たすだけが、農林省の金融としての見方ではない、こう思いますにつきまして、どういうようにお受け取りをいただいておるか、お聞きしたいと思います。
○松岡(亮)政府委員 前段につきましては全く御指摘の通りだと思います。主産地形成、あるいは選択的拡大ということで、成長部門の物的な生産力を伸ばすということももちろん必要であると思うのでありますけれども、特に果樹部門とか畜産部門というような成長部門につきましては、まだ経営的な基盤ができ上がってない面が強い、こういうように考えられまするので、今回の新しい制度におきましても、選択的拡大ということも必要でございますし、それもねらいといたしておるのでございますが、果樹なり畜産なりあるいは一般の農業構造改善事業に含まれておる各種の経営方式等につきまして、その基盤を確立するということを重点に置きまして融資を進めて参りたいというように考えておるのでございます。その際におきまして無担保でも融資するということを考えてはどうかというお話でございますが、これはそのお言葉の限りにおいて別に異論を申し立てる筋合いではございませんが、私どもといたしましては、できるだけ経営の基盤を強固たるものにするように指導も加え、また金融するにあたっては、償還条件を特に有利にし、緩和して、償還がしやすいようにし、それで経営の計画的な拡大なりあるいは経営の内容の改善ということ自体が融資に対する担保になるように指導して参りたい、かように考えておるのでございます。しかし、金融機関から融資するにあたりましては、現在においてはほとんど人的保証で貸しておることが多いわけです。しかし、だんだん融資の額をふやし、また長期に貸すとなりますと、人的な保証では農家が保証を得られない、逆に保証に立ってくれる人がいない、むしろ自分の財産の上に抵当権を設定した方がよろしい、また金融機関としても貸しやすいということにもなって参りますので、そうしなくても、一般財産は、農地を含めまして人から金を借りた場合には担保になるわけでありますから他の債権者に逆に優先的に弁済されるということもあり得るわけでございます。金融機関としては、他の債権者に優先して弁済を受けるために抵当権を設定していくという方が、金融機関としても貸しやすいし、農家としても借りやすいということにもなるのでございますので、農地担保の道は、できるだけ拡充して農家の便宜になるように運用して参りたい、そういうように考えておる次第でございます。
○玉置委員 時間もありませんのでこれをもって最後にしたいと思いますが、その次に農業近代化資金助成法の一部改正の点でありますが、「農家の預貯金等を長期低利の農業関係施設資金として還元することをねらいとし、このため農業協同組合系統機関の資金を活用することとして創設されたものでありまして、」と書いておりまして、「農協系統融資機関から資金を借りがたい農業者等に農業近代化資金を借り入れる道を開く」、こうありますが、私は時間がありませんので自分で申し上げますが、市中銀行に預けている人々はかなり裕福だと思うのです。大口が多いと思います。ごくたまに農協がないような場所のへんぴなところ、こういうところは郵便局に預けたりいたしますけれども、従って、先ほど申し上げました通り、農林中金とか信連というようなものに手の打ち方によってはまだまだ農民へ還元する資金がある。それの方が先であって、市中銀行にこういうものを貸し出させる一つのもとをつくる、このこと自体は大した問題はないと思いますけれども、私も単位農協長をしておる者といたしましては、どうもあとあとかなりの問題がこれを契機としてだんだん起こってくるように思うのです。それは、前に農林中金の貸し出しの問題で五〇%実農民保有の資金のところは貸していいじゃないかという法案が提案されましたときに、ついでにどうでもいいじゃないかというようなことで森永、明治にも貸し出しすることがたしかできたと思います。ああいうようないきさつが、つい起こり得る機運をつくるもとだ、こういうように感じますので、私のはだで非常にあとあと寒いような問題が起こらぬかということを感じますがゆえに、この問題は、私は農協系統の方々の参考人を呼んでやっていただかなければどうも審議に自信がないというのが現況でありまして、これは委員長さん初め理事さんの皆さんと御相談申し上げてのことでありますが、そういう心配に対してはどういうようにお考えになっておるかということと、もう一点ついでに一緒にお答えをいただきたいのは、先ほど来お話をいたしましたように、農林金融の交通整理というのは、ただに二段階三段階の問題じゃなくて、本質的に違う。金融を何もかも持っておるために、非常な金利の違うものを——しかもこれは年々変わります。農家の方々としても、どれが何分五厘でどれが何分五厘だった、去年まで借りておったのがことしはどうなるのだろう、一々毎年考えなければいかぬというのが現状でありますから、なるべく近い機会にこういう問題の処理もせなければならない時期にいよいよきたのじゃないだろうか、こう思います。この二点についてのお答えをいただきまして私の質問を終わりたい、かように思います。
○松岡(亮)政府委員 第一点の、系統以外の金融機関を融資機関に加えるという点につきましては、地方の実態を見たり聞いたりいたしますときに、たとえば庄内地方というようなところでは、地元の、あれは両羽銀行といいましたか、銀行と農家との取引は非常に多いのでございます。これは庄内だけではございません。ほかの地方でも地方銀行は偉業に対する貸し出しにかなり積極的な姿勢を示しておるわけでございます。御指摘のように、銀行と取引をするのは比較的富裕な階層が多いのではないかということは否定できないと思いますが、農家としては、一般に農協だけに拠金をしている人は比較的少ないのでございます。やはりこれは危険の分散ということもあるかと思いますが、郵便局なり銀行等にも預金を持っている。その一部は金を借りることについても取引があるということと、もう一つは、これは体制の問題でございますが、総合農協の中では近代化資金を扱っていない実例もあるのでございます。特に、昨日も申し上げましたが、三十六年度ではその数は相当数に上ったわけです。これは初度年でございますから、あるいはその後においてはだんだん減って参ったと思いますが、やはり弱小単協といいますか、そういうようなところでは近代化資金を扱いかねておるところがございます。また単協によっては、自分のところから農機具なり何なりを買わなければ金を貸さないぞというような出方をするところもあるやに聞いております。これは農家としてはどういう農機具を使うかということは、やはり自分の経営上からの判断があるわけでございますから、その農家の便宜からいって必ずしも農協であるから買わなければならぬという体制にすることは無理がある。少なくとも国が補助をし、県が利子補給をするという場合には、系統だけの力でやっておるわけではございませんから、農家にとっては公平な措置としてそういう場合にも融資が受けられるようにすべきではないかということから考えたのでございますが、これはこの構想をつくりますときに、系統団体の人とも十分協議をし、意見も聞いたのでございます。御指摘のような御懸念については、実は団体の方々はあまり問題にしていないという実情でございます。 第二点の交通整理の問題でございますが、これは農業近代化資金制度をつくりましたときに、共同利用施設と個人施設につきましては、できるだけ農協系統で融資するという体制で、一つの整理をやったことは事実でございます。しかしその後の実態を見ますると、系統金融についてはいろいろ地域的なアンバランスがございます。それで都市的な地方では非常に資金は豊富である。ところが最も農業関係の資金需要の多い農村的な地域では、需要は多いけれども原資がない、こういうようなアンバランスがあります。それから系統の原資は、その性格上あまり長期の運用ができないというようなことで一部今度公庫資金に戻したような格好になっておりますけれども、しかしこれは実質上から言いますと、重複はないように考えておるわけでございます。その点近代化資金制度を創設したときの交通整理を、今回また混淆さしたというようには私どもは考えておりませんが、農林公庫資金その他の制度金融が全体として複雑化しつつあり、新制度を加えることによって一そう複雑化するということは否定できませんので、今後これをできるだけ簡素な体制にしなければならぬということは御指摘の通り今後の研究課題としてやって参りたい、かように考えます。
○長谷川委員長 次会は明十四日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時二十六分散会