内閣委員会 第25号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/06/11
会議録
○永山委員長 これより会議を開きます。 恩給法等の一部を改正する法律案及び旧金鵄勲章年金受給者に関する特別措置法案を議題として、質疑を継続いたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。石山權作君。
○石山委員 きょうは総務長官に御出席をお願いしておりました。それは、たとえば国会で附帯決議をつけた場合、政府はそれに対してどういうふうに処理なさってきたのか、それから処理なさろうとしているのか、そういうことは、やはり担当の長官なり大臣でないとよくお答えいただけないと思いますので、その点はいまは省きまして、いずれ法案等を通すとき長官がおいでになるでしょうから、これをお聞きしたいと思います。このことは副長官に言っておいたほうがよろしいと思いますけれども、前の大蔵委員会でつけた決議は、格差は多くなるであろうという予想をしたことに対して、そういうことのないようにというふうな気持ちの附帯決議がついているわけです。今度の附帯決議を見ますと、格差がそのとおりなったんじゃないか、だめ押しをした附帯決議です。前に予想して、そういうことのないように、政府は格差のないように善処しなさいという附帯決議、これは大蔵委員会でつけております。今度の場合は、なったから、これれに対して至急に対処しなければならぬという附帯決議、二つ重なりましたので、いままでもそうでございますけれども、どうも委員会等で与野党一致してつけた附帯決議でも、金がかかる問題になりますと、お互いさま早急にいかぬかどうか知りませんけれども、どうも伏せておかれたような感じもあります。今度のは、そういう意味よりも、現実をきちっと指摘して、善処せよ、二回にわたっているものですから、やはりこの際、よくしてもらったことはみな喜んでいるわけなんですけれども、それにしてもやり方がまだまだ本物ではないだろうという見解が与野党の中で行なわれて、そういう附帯決議がついたのでございますから、その点をどういうふうに今度これを取り上げてなさろうとするのか、こういうことをお聞きしよう、こう思うのが長官に対する私の質問の趣旨でございますから、ひとつお伝えを願いたいと思っております。 これは大蔵当局等もこなければいかぬと思うのですけれども、恩給局長やあなたもおいでになることですから……。恩給の額がかなりふえてきたということです。こういう問題があると、たとえば恩給の格差是正あるいは範囲を拡大したような場合は、新聞等の批判が一応出るわけですが、その際における一番の中心になるのは、恩給額が国の財政に与える影響ということのようでございます。だれも救済して悪いということは申しません。恩給国家等といわれていることが、それが国家財政に与えるいわゆる軽重だろうと思うのでございます。今回は新聞等を私かなり詳しく調べているのですが、あまり言及しておりません。言及しておりませんけれども、やはりこの際、あらためて当局の御意見を聞いておいた方が私はよろしいのではないかと思っております。大体今年度千二百四十九億、五年経過をしますると、これが千三百億をこえるという計数が提出されているわけでございますが、もちろん、国の財政規模もいまのままではいかぬと思いますけれども、大きくなるということも予想されますが、そういうことをからみ合わせた推計でございますかということをこの際聞いておいた方がいいと思います御答弁をお願いします。
○八巻政府委員 恩給費が国の財政の中で占める割合が非常に大きいということで、過去におきまして、昭和八年でございましたか、国家財政の中で一割を占める、こういうようなことになりまして、恩給亡国なんという声が非常に出まして、これではいかぬというので、いろいろ恩給全般にわたりまして調査会が設けられたのです。過去にそういう経験がありましたけれども、戦後における現在の軍人恩給なり恩給一般をひっくるめましての恩給費が、財政の中でどのくらいのウエートを占めているかということを申し上げますると、昭和三十六年度で六・三%、三十七年度で四・九%に下がっております。今年度、三十八年度は二兆八千五百億に対しまして千二百四十九億でございまするから、四・四%というようにだんだん下がってまいっております。この昨年の法律改正によりまして、恩給費はなお自然増というものがございまして、すなわち、三十九年度の見込みといたしましては千三百八十一億、四十年度といたしましては千三百九十億ということで、約千四百億台になります。それ以後はだんだんと縮減して減ってまいります。しかしながら、千三百九十億と申しましても、その将来の年度における財政規模は相当いまよりもふくれ上がると見ることもできましょうし、また現在のままであると仮定いたしましても、四%台ということでございまして、国家財政に対する比重はだんだん減ってまいるのじゃなかろうか。もともと恩給費の中身をなしておりますのは、旧軍人の遺族の恩給費が大部分を占めておりますけれども、これなんかもだんだん減少していくということでございまして、三十年後には全部からになってしまうということにもなっておりますので、国家財政における負担というものは漸次減少していく。多少そこに手直しがございましても、絶対額としてふえてまいるということがございましても、国家財政における比重においてはだんだん減っていくということが言えるかと思うのでございます。
○石山委員 今度は恩給だけを見るというわけにいかぬので、共済年金等の問題が出てくるわけですから、本人は積み立てても、政府で出すお金もある。これとにらみ合わせて恩給を見なければならぬと思いますが、そこの手元で共済年金の推計の資料をお持ちでございましたら、お知らせ願えればたいへんよろしいと思います。
○八巻政府委員 共済との切りかえによりまして、恩給額のほうは減って、共済負担金はふえるというバランスの問題でございますが、私どもの手元でわかっておりまする共済移行に見合う分につきましては、恒常的になりますと、大体五、六千万のものがだんだん縮減していく、そこで毎年四、五億のものは減っていく、こういうことになるわけであります。それに見合う分が共済のほうに充当されるかどうか、そのデータは私も実は持っておりません。
○石山委員 共済の問題は、大蔵省から担当官が来たときあらためてお聞きします。 このたび新しい問題が出ているのは、何と言いますか、恩給該当者の範囲を広げたというよさが、今回の法律改正案の中にあるわけでございまするが、それは簡単に申し上げれば、旧満洲鉄道に従事した方々、それに類似した方々、電電関係、あるいは銀行関係、鉄道関係、交通関係というふうなぐあいで、範囲を広げていただいたということになるわけでございますが、これは長い間要望されたことが法律改正になってあらわれたのでございますが、このほかに、最近声の聞こえるのがまだまだ二つ三つあると思っております。事実私たちの手元に来て、政府がいま示された九つの事業所、まあ公務員というふうな名前で呼んでよろしい範疇に広げたわけですが、それと性格、内容をほとんど同じくしているような事業所等があったと私たちは思っておるわけですが、それについてはお調べがついておりませんか。
○八巻政府委員 今回、満州国等の政府職員の期間通算に引き続きまして、満鉄等のいわゆる国の三公社と同じ事業を行なっておった在外機関職員の期間を通算することにいたしたわけでございます。このほかにも、同じような在外特殊機関と申しますか、国策会社的なものがあったということは確かでございます。それらの内容につきまして調べたかどうかということにつきましては、そういう陳情は聞いておりまするけれども、まだ十分その点の究明はいたしておらないというのが現状でございます。で、恩給といたしましては、退職手当法におきまして、すでに三公社と同じ企業を行なっておった旧満州鉄道株式会社等につきまして措置がいたされております。その範囲等も十分考えまして、それと表裏一体というな関係で、このたびその範囲で措置しよう、それ以上に越えてこの通算の幅を広げようということにつきましては、会社の規模を広げるというようなことは、一般退職手当法も十分考えなければなりませんし、また、地方公務員の関係の退職給付に関する問題も考えなきゃなりません。実態を十分洗いまして、そうしてどうしてもこういうことが必要であるということであれば、その問題を通算するということにお許しを願うという時期がくるかもしれませんが、現在ただいまのところは、これ以上のものにつきまして、まだ実態も究明されておりませんし、まだ通算すべしというところまでいっておらないわけでございます。
○石山委員 旧満州鉄道株式会社等三公社と同種の事業を行なっていた在外特殊機関、こういうふうな題目で、今回名前がここに指定されるようでございますけれども、これらはおおむね、何と申しますか、当時の国際情勢に従う日本の特殊事情ということでしょう。もしかりに厳格に言えば、これは恩給に該当しない、ほんとうに法律のみをがんこなたてまえでやっておけば、恩給受給者に該当しないはずでございます。しかし、それではうまくない。いわゆる恩給を支給するといういままでのたえまえ、たとえば国家公務員法第百七条第二項の精神からすれば、やっぱり私たちは、法律という点だけでなく、生活の安定等を考慮してやらなければならぬという政府のたてまえ、これはやはり法律を厳格に施行するという精神よりも、もっと高い次元の一つの解決策と見て、この措置はよろしいと私は思うのです。ただ、これに類似したものをもう少し取り上げて研究なさるべきではなかったかというような気持ちもあるわけなんです。それについて、せんだって、私どものほうの委員の中からも、満州開拓者義勇軍等の問題等も、これも一つとして提案されているわけです。また、そういうこともあるようでございます。たとえば公務員として出向を命ぜられたような形、これは地方公務員が多いようでございますが、出向を命ぜられたような形、これは打ち切りになって満州国に仕事を得た。それであのとおりになっちゃって、帰国した。そして前のことでございますから、縁故をたどって来た県庁に再就職をした、あるいは公務員関係の仕事に再就職した、この中断されたのも、考えてみれば、強調すれば、国家の政策に殉じたたてまえだと思います。こういう点は御調査なさっておられるのかどうかということをお聞きしたいのであります。
○八巻政府委員 ただいまこの今回の提案のほかに、満州開拓義勇隊の指導員等の実情のお話がございまして、確かに、満州開拓義勇隊の指導員という方々は、いろいろな職種がございますけれども、その中でも教育関係のお仕事をなさっている方が向こうの指導員に行かれまして、そしてまた内地に帰ってきて教職員になられるという方々があるようでございます。そういう方々につきましては、確かに、その間の通算というような措置を講じてしかるべきではないかというようなお話、ごもっともだと思います。しかしながら、現在私どものわかっておる範囲におきまして、それらの開拓指導員という全体の性格ないしその数なり、またもしも通算をいたしました場合に、どの程度の地方の財政負担になるかというようなことのデータがたいへんわかっておらない、こういうような実情でごいざますので、これらの点につきましては、今後とも十分地方の過去の記録というようなものを究明いたしまして、そして調べていきたい、こう思っております。
○石山委員 私は一番最初に恩給局長にお聞きした国家財政というふうな問題も、そういうところから端を発しているわけなんです。犠牲者を救うというならば、やはり広く、なるほどと思わせるような考えのもとで救済方法を講じてあげなければ、救済のしかたで不公平があると、これが不満の形になる。おかしな話でございますね。不満の形になることでありますから、そういう点は十分注意しなければならぬけれども、何と申しましても、お金のかかることですから、愛情だけで解決できる問題ではない。ですから、国家財政上から見て、恩給は、前よりはずっとよくなった、比率がずっと低くなった、こういうのであれば、かなりに範囲を考えてもよろしいのではないか。この範囲というものは、終戦後の年月等を調べてみますと、われわれが考えているよりも非常に人数が少ない。題目がたくさんある。皆さんのほうで法律、政令でやられようとする九つの指定会社でも、名前が実に堂々たる名前で、何千、何万人出てくるかと思ったら、内容としては非常に少人数で済むということでございます。ですから、こういうことは、全般のこれから救済を必要とする名称から見れば、人数は非常に少ないということも予想されますので、私がいま申し上げたことも、やはり考慮の中に今後入れて考えられる余地があるのではないか。中断された公務員の再就職をされた場合における救済方法、これも考えられる必要があるとともに、もちろん国策によって出かけられた開拓等の問題も、これはもちろん考えてみる必要があるのではないかというふうに思っております。 恩給、共済の問題になりますと、これはだれしも考えられるのは、恩給の額が低いということだろうと思うのです。額が低いということは、ただ低いという漫然とした考え方でなくて、現行の公務員の給与はこうじゃないか、しかも、この給与というものはそんなに高いものじゃないのだ、高いものじゃないのに引き比べてなおさら低いというものの考え方でございます。この額が低いということと、普通いわれているスライド制、これは法律としては非常にきちんとしてよろしいのでございますけれども、政府当局、皆さん方からすれば、これはまた手痛い問題を含んだ考え方だと思います。しかし、考え方として、スライド制をしくということは、この公務員の恩給法のたてまえからすればやはり正しいのだ、しかも中心を貫いていかなければならない精神だと思うのです。特に健康で実際に働いている人々ならば、組合等もあり、皆さんと接触する機会もある、いろいろと異議の申し立ての可能性はうんとあるわけですね。しかし、退職された方々にとっては、高い低いを論ずる機会というものは、たまにわれわれが代表してこういうふうにしてお話を申し上げるぐらいでございまして、弱いということになるわけです。それがたまたま団体をつくって運動を始めれば、恩給生活が何だといって圧力団体になる。これは同じ批判をいただいても、批判が何となく強く受けられるという団体になるわけですから、これはわれわれとしてはそういうことのないように考えてあげる必要があるだろう。これから日本の財政規模が小さく、しかも将来ともに縮小されていく、日本の国の発展というものは何か先が暗いのだというならば、こういう問題を論ずるということは行き過ぎでございます。しかし、将来性から見れば、もちろん、それはわれわれの努力を加えて、財政規模は大きくなりこそすれ、小さくなるものではない。高度成長経済はある程度はセーブされても、成長は必ずあるという見解をこの際とっても、そんなに矛盾してないだろうと思う。その際におけるスライド制という考え方はやや妥当性を持ってくる、ややというだけでなく、妥当性があるのではないか、こういうふうに思うわけですが、この点に関しての皆さんのほうの研究の経過を、ひとつこの際、この前も聞いておりますけれども、お聞かせをいただきたいと思っておるわけです。
○八巻政府委員 在職公務員の給与が上がりますにつれまして、恩給のほうも必ず退職者の年金額をスライドさして上げていく、こういう基本的な考え方につきましては、私どももそういう考え方を堅持して、そうして実際の結果といたしましてはおくれおくれになっております。三年なり四年なりおくれたようなかっこうになってあらわれてきておりますけれども、国家財政が許し、また国民感情が許すということであれば、そういう方向であまりタイム・ラグが起こらないように追っかけていきたい、こういう気持ちでおるわけであります。でありますから、今後の方向といたしましても、できるだけそれに追っついていく、われわれ恩給受給者の立場に立ってお世話をする当面のところでは、そういう方向で財政当局に当たっていく。また、財政当局なり政府全般といたしましても、いろいろほかの角度からそれを批判していくということもあると思います。しかしながら、少なくとも私どもに関する限りはそういう方向で参らなければならぬだろう、こう思っております。 そのスライド制についての研究はどうかというふうなただいまのお話でございましたけれども、実は非常にむずかしい問題でございまして、諸外国におきましてもこの問題に対する決定打というものはまだ出ておりません。諸外国の中で、完全な意味と申しましょうか、これも必ずしも完全ではございませんけれども、スライド制をとっておるのはフランスだけでございます。一般の戦争犠牲者の軍人年金、戦争年金、こういうものについて、公務員の給与の百七十号俸というものの千分の一を一点たといしまして、一点単価が上がればそれに応じて——点数は、傷病者の五〇%廃疾は二百四十点である、そうしますと、自動的に年金が上がっていく、こういうような仕組みをとっておりますけれども、これはフランスだけでございまして、ほかの英米独にいたしましても、やはりその年度年度の財政負担能力というものを見ながらその措置をしている。毎年毎年と申しますか、そのときどきに応じての法律措置なり財政措置を講じているというのが現実でございます。でありますから、私どもも、世界各国と同じように、今後どういうふうな方向をとるのがいいのかということを慎重に検討しなければならぬと思います。ことに共済年金がすぐ引き続いてございますし、それとの関連も考えて、十分政府部内として検討して、いい一つの目安というものをつくってまいる、そういうことにしたいと考えております。
○石山委員 恩給につきましては、先ほどから申しますように、これは高いとか安いとかいうことは言いにくい立場にあるのが恩給受給者の立場だと思うのです。私どもの内閣委員会というのは、公務員の給与等も取り扱っているわけですが、いつもおくれてしまうのです。最近こういう考え方が一部の大新聞等に出ているわけですが、物価にスライドした賃金制というものをひとつ考えてみたらどうか、それを安定した賃金にして向こう三年間けんかをしないでいけば、日本の経済はもっと進歩するだろう、物価指数にスライドした、生きた流動したやり方でやろう。これは恩給の場合はちょっと違うわけでしょう。ちょっと離れているのですが、私はこのスライドということを考えて、そうは現実の経済というものを刺激しない立場にあるのではないかと思うのです。もちろん、これは規模、範囲等にもよるわけです。一千三百億がいまよりも大きくなってしまって、次年度になれば二千四百億になる、こうであればたいへんな問題だと思うのですが、いまのようなケースであれば、スライド制をやったほうがよろしいのではないかと思う。それも全額がスライドになるわけではなくて、物価の下がったときは下げるというのはあれですけれども、たとえば物価が三%上がったとき、あるいは五%上がったときは、その七〇%見てあげる、法律でそれを準用するということは、法律技術から見て可能なわけですね。ただ、全部流動したままにこたえて上げるということでは問題を残すと思うけれども、公務員の自動的なベースで生活を擁護してあげる。たとえば二万四千円ベースとか二万円ベースとか、大体頭が低いでしょう。そうして経済が動いていっている。物価が動き、給与が動く、こういうときは何割かを見てあげるということが、先ほどちょっと申し上げたように、国家公務員法の第百七条の二項の精神を生かすことに通ずるのではないか。生活を保護してあげよう、見てあげるという精神に通ずるのではないか。満額というふうな考え方だとたいへんなことになりますけれども、技術的に言えば、何通りにも区分をして、その幾分を、この激動する給与、激動する物価、こういうものに対処して上げる。われわれがここで恩給受給者の方々の代表になって意見を申し上げても、それが法律になるのには大体二年かかる。そうすると、三年おくれた立場でもらうということになって、ちょっと気の毒だ。特に物価が動いた場合には気の毒もはなはだしい。一方は物価が動けば、団体交渉権があろうとなかろうと、公務員の諸君は、人事院等の勧吾もあり、主管庁も考えざるを得ないという立場で、幾ぶんかは保証されてくる。これが退職者にはない。そういう点から、私は、スライド制というものを見ていってよろしいのではないか、見ていくべきだ、こういうふうに申し上げているわけです。もう一ぺん御答弁をいただきたい。
○八巻政府委員 私ども恩給問題をかかえいる立場だけから申し上げますと、そういう物価指数の変動において何らの予算措置、特に法律措置をしなくても、自動的に上がっていくというふうなことが非常に望ましいことは確かでございます。しかしながら、現実問題といたしましては、やはりそれによるところの財政需要というものの高を考え、そうして全般にわたってそういう配慮をしていいかどうかというはかりにかけられるものでございますから、そのことは、またその他の一般の民間の年金制度というものにおいてどうかというような比較論がございますので、恩給だけのエゴイズムでもってそれが実現するかどうかということは、なかなかむずかしい問題だろうと思います。しかしながら、ほかの各国におきましても漸次そういう方向での措置をとりつつあるところもあるようでございますので、私どもも今後その点を十分検討いたしまして、できればそういうふうな方向でいける道を見つけていきたいと思います。
○石山委員 いいという方法は、やはり熱意を込めて研究するということで皆さんの任務であるし、これを推し進めていくのが国会の義務だというふうに私は考えているのですよ。いまの場合には、スライド制は幾らとれば合うということを言っているわけですから、それをやはり考えて実行に移したほうが、もののあまり言えない、個々に分断されてしまう退職公務員の生活擁護に通ずると私は思うのです。そうでないと、また団体を組んで何とかかんとかいうことになる。法律改正のたびごと新聞に書かれるというのでは、お互いさま御老人に御迷惑をおかけするということになる。ある意味では、もっと高尚にいえば、国家、地方にたいへんな功績のあった方々に対して、むしろ傷つけるというふうなことにもなりかねない。そういうふうなことのないようにしたいというのがスライド制の一つの発案であります。いま局長さんに確言をとるとか何とかいうことも、これはたいへんに問題なようでございますから、これはこれ以上はやめまして、むしろ長官がおいでになったとき、この趣旨に対してもう一ぺん御答弁をいただきたいと思います。 大蔵省からおいでになっておりますので、お伺いしますが、共済との関係はどうも私たちが見てもむずかしくて、あなたと渡り合うにはちょっと準備不足な感じもします。けれども、大ざっぱに言えば、年金取得者は恩給の方々よりも非常に損をしている、これからも損をするだろう、こういうことは言えると思いますね。そうではないという立論があったら、それを言ってください。
○平井(廸)政府委員 先生御質問の趣旨はあまり広範でございますので、どういう点を損と考えて、どういう点をプラスと考えるかという問題でございますが、制度そのものとして考えました場合に、旧恩給法下において公務員が退職時にいただける年金と、それから新しい共済組合法のもとにいただける年金とが、どのくらいの差があるかという問題、これは一がいに議論はできないようでございます。 大ざっぱな感じから言いますと、勤続年数が長い場合においては共済組合のほうが有利であり、比較的短い場合においてはそれほどでもないというような議論がされておりますけれども、具体的には、その点について正確に各人の場合をとってみませんと、絶対ここがいい、ここがいいということは言えないわけでございます。ただ、御承知のとおり、三十四年の共済組合法の新法施行の際に、同時的に国家公務員退職手当法の改正を行ないまして、その面におけるいわば実質上の一時金として退職時に公務員が取得するものを上げておりますので、そういう点を総合勘案すれば、決して不利にはなっておらないということがいわれているわけでございます。 それからもう一点、おそらく先生御質問の趣旨もここにあるのだろうと思うのですが、少なくとも恩給については、現在までのところ、おくればせながらベースアップが行なわれてきておる。しかるに、新しい共済組合法においては、そういうベースアップの措置はとられていない。その意味において、制度的に現在劣っておるのではないかという御議論であろうかと思いますが、この点については、現在の段階では確かにお説のとおりでございます。ただ、恩給のベースアップそのものも、御承知のとおり、大体三十四年の公務員の給与水準でございます二万円ベースというのを基礎にいたしておりまして、その範囲におきましては、新法になって後の一般公務員の退職者については、特に不利益になるという事態は現在までのところは起こっておらない。ただ、三公社の場合におきましては、先生御指摘にもありましたように、三十一年の七月以降の新法実施ということになっておりますので、その間の水準差というものは若干ございますから、その間においては現在までのところ不利は残っておる。この点は先生の御指摘もあろうと思いますが、多分そういう趣旨であろうと思って私お答えいたしたわけでございます。
○石山委員 あなたこられる前に、恩給の国家財政から支出する額の本年度分と、それから昭和四十年度までの推定の数字を承ったのです。共済年金の場合はどういうぐあいに推移しておるか、いま御答弁できなければ、あとで資料等いただければなおさら私のほうもありがたいわけですが、持っていましたら一通り言ってください。
○平井(廸)政府委員 将来の数字はいまちょっと手元にございませんが、過去の実績の数字並びに三十八年度の数字についてお答えいたしたいと思います。 御承知のとおり、恩給と共済組合の国庫負担金の考え方は違っておりまして、恩給の場合でございますと、当該年度発生の恩給の具体的受給権に対して必要な金額を払っていくという考えでございますが、共済組合法のたてまえといたしましては、全体を長期的に計算いたしまして、それを平準保険料方式によって毎年の財源を算出し、国並びに公務員が負担するという形になっております。その財源率は、御承知のとおり俸給月額に対して千分の九十九という数字でございまして、それを国が千分の五十五、公務員が千分の四十四という形で負担しておるわけでございます。この金額は、ベースアップがありますと自動的にスライドをしてふくらんでくるわけでございまして、そういうものを反映いたしまして、三十六年度においては、国の負担いたします長期給付に必要な負担金額が七十九億でございましたが三十七年度は九十二億、三十八年度は、これまた正確な数字ではございませんが、大体百十億程度になるのではないかというふうに考えております。 今後の四十年度までの見通しということでございますが、かりにベースアップが行なわれないでそのまま推移するならば、この金額はあまり動かないことになります。ただ、毎年のようにベースアップが行なわれておる現状におきましては、この金額は漸増するであろうということが言えるのではないかと思います。 それから他方、国が負担しております金額はこれだけではございませんので、整理資源というのがあるわけでございます。つまり、旧恩給公務員期間を持っておる者に対して、国が旧恩給公務員期間の部分については、公務員の負担とは関係なしに、一方的に負担するわけでございますが、これに必要な経費として毎年計上しておる金額が整理資源として出ておるわけでございます。この金額が一般会計をとりますと、三十六年度は大ざっぱに言いますと十三億、三十七年度が十七億、三十八年度が二十一億という数字を出しておるわけでございます。以上両者を合わせますと、三十六年度は負担金と整理資源の合計額が約九十二億、三十七年度におきまして百十億、三十八年度においては百三十一億程度になろうかと存じております。
○石山委員 あなたのいまの答弁の中に出ましたベースアップの問題と支給の問題ですが、いま私の手元に、国鉄の方々の現職の給与ベースと、支給される年金のベースが出てきておるのですが、それを見てみますと、どうも皆さんの説明を聞いているよりも、現行と支給ベースの差が非常に大きいようでございますが、国鉄の場合は、皆さんどんなぐあいに押えているのですか。
○平井(廸)政府委員 国鉄の場合は、先ほど御説明申し上げましたように、三十一年の七月から新法になったわけでございます。したがいまして、その後おやめになった方につきましては、退職時の給与ベースに従って共済給付が行なわれているわけでございまして、その限りにおきましては、おやめになる時期によって、現在の給与ベースとの水準差というものは異なっております。したがって、一律にどの程度の差があるかということは、正確には出ないわけでございます。
○石山委員 そうすると、私さっきから、あなたが来ない前にも、何べんも公務員の恩給の条項、百七条を読んでいるわけです。それはなぜかというと、退職時ということにひっかかってくるわけです。そのために、私先ほどもスライドということばも使ったわけですが、退職時だけを限定されて、そしてそういうふうな差というものがわからぬのじゃ、実際は一人一人に当たってみなければわからぬとすれば、それは法にたいへんな不備があると思うのです。これがあっては、生活の保障にも擁護にもなりはしないでしょう。つまり、物価の安いとき、退職時の給金の安い人、それがそのまま固定したようなことで、今後年金が支給されていくものとするならば、生活条件擁護ということばからずっと離れたことになりはしないでしょうか。それに対する救済方法はいまの法律ではないのでございますか。
○平井(廸)政府委員 現在の法律のたてまえとして、どういうことが考えられるかという点でございますが、現在の国家公務員共済組合法を例にとりますと、九十九条というので費用負担の原則というのを定めているわけでございます。その場合に、その第一項の二号におきまして、「長期給付に要する費用については、その費用の予想額と長期給付に係る次項の掛金及び負担金の額並びにその予定運用収入の額の合計額とが、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、かつ、毎事業年度の同項の掛金及び負担金の額が平準的になるように定める。」こういうような書き方になっております。これを簡単に申しますならば、長期給付の一時金なり、あるいは退職年金として払われるであろうということが推定されておる額を長期的に計算しまして、それに必要なものを掛金、負担金でまかなっていく、なるべく掛金、負担金の率が同じ率でいくようにという計算をするように、こう書いてあるわけでございます。そこで、長期給付に要する費用とは何かという議論になるわけでございまして、現在までの保険計算によりますと、長期給付に要する費用というのは、そういったスライド制の——スライドといいますか、ベースアップを可能ならしめるような考え方でできてはおらないということは事実でございます。そういう前提で計算いたしました場合に、先ほど御説明申し上げたように、千分の九十九という財源率がはじかれてくるわけでございます。そこで、現在の法律のたてまえからいえば、先生の御指摘になりましたような、将来に向かってある程度ベースアップが行なわれるような財源計算はできないかという問題になってくるわけでございますが、これは保険計算の専門家に私どもいま依頼いたしまして、そういうことが可能であるかどうかということも、検討いたしてもらっておるわけでございます。ただ、現実の問題といたしましては、たとえば、将来に向かって国民所得の伸び率をどう考えるか、あるいは物価の変動率をどう考えるか、さらには両者を反映しての公務員のベースアップ率をどう考えるか、非常に未知数の多い問題でございますので、直ちに保険計算上利用できるような計算率というのができるかできないか、なかなかむずかしい問題であるようでございます。ただ、われわれとしては、少なくとも動的に考えまして、ベースアップもなし、それから物価変動もなし、所得水準の変動もないというような考え方は、むしろ社会保険の現実から見て実際的ではなかろうという感じを持っているものでございますから、そういった点の検討もいたしておるわけでございます。 ただ、それでは、先ほどお話がありましたように、現在の制度としては何も考えていないのかという議論になるわけでございますが、一方ではそういう検討を行ないながら、一方では社会保険全体を通じての、いまお話のありましたような裁定済みの年金についてのベースアップ問題というのを制度としてどうするかという問題を、別途検討いたしております。すでに先生御承知と思いますが、昨年の夏に社会保障制度審議会の年金等に関する答申並びに勧告が出まして、その中において、少なくとも最低保障部分についてはスライド制をとるべきだという御主張をされております。そういった御主張を受けて、ただいま厚生年金につきまして、スライド制の可否ということも論議されておるわけでございます。私ども、公務員の共済組合制度というものは、一方では公務員制度でございますが、一方では社会保険体系の一環をなしているわけでございますので、そういった厚生年金における検討等もにらみ合わせながら、われわれとしても制度的にそういうものがつくられるかどうか、つくられるとすればどういう形でつくられるべきかということを、鋭意検討いたしておる次第でございます。
○石山委員 恩給と年金は出発が違いますし、歴史も違うというわけで、年金が少しは不備な取り扱いを受けなければならぬという、その要素はわかるわけです。しかし、どうも差別がはなはだしいということは、これはやはり政治としては考えなければならぬ問題なんです。ものを与えなければ黙っておったけれども、なまじっかものを与えたために紛糾が起きたというようなことがよくあるわけですが、そんな現象がいまの場合あると思うのです。恩給のほうがよろしくて、年金のほうが悪いのだ、これはぬぐうべくもない一つの現象なんです。この現象は、ものの安い高いというよりも、これをまず解消するというたてまえで問題を進めていかなければならぬのですが、大蔵省の考え方として、恩給と年金を将来一つのワクの中へ入れて考えてみよう、こういう考え方はあるわけでございましょう。
○平井(廸)政府委員 現在の公務員の共済組合制度というのは、本質が何であるかという問題になろうかと思いますが、その長期給付に関しましては、一応われわれは、これはかっての恩給のような国の一方的給付ではない、ある程度保険計算を前提にして、国と公務員とが相互に負担している制度であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、その本質から見れば、やはり社会保険の一環をなしている以上は、そのベースアップの問題というのは、基本的には、社会保険体系の全体的な流れの中で考えていくべきであろうということは、私ども基本的に否定できないことであろうかと思います。ただ、同時に、一方で恩給にかわるべきものというような性格も全然持っていないわけではございません。いわば公務員制度としての一面もあるわけでございまして、その限りにおきましては、恩給とのある程度のバランスということも考えなければならぬのじゃないか。ただ、恩給におけるベースアップの考え方と、厚生年金におけるベースアップの考え方とが同じであっていいのかどうか、むしろ社会保険の体系として、そちらのほうから考えるのが妥当であるのかどうか、この辺のところは、まだまだ議論の多いところでございまして、こういう点も今後詰めて十分研究いたしたいと考えておるのでございます。
○石山委員 社会保険、国民年金など社会保障全体の一環として見ていこう、これはやはり私は正しいと思う。正しいと思うけれども、うっかりすると、たくさんの項目の中で少しずつ金を出していくわけです。だから、法律をよく知った熟練者、経験者でないと、いまのままでいけば、その内容はなかなか把握しにくいということです。そうすると、複雑多岐ということは、計数に明るい大蔵省は得をするけれども、受給される公務員あるいは公社の人たちはともすればごまかされてしまうという要素が、その中にたくさんありますよ。これは何といってもそうなんだ。これはこっちの項目で少し出してあげていますよ、これはこっちの項目で出してあげますよ、だから、公務員の諸君と年金のベースアップの差はあってもやむを得ないのじゃないか、こういうふうに説明されてしまう。こういう問題は、そういう複雑多岐でない、簡明直載にすべきが私はたてまえだと思うのです。そうすれば、とりあえずいま考えられるのは、公社と国鉄の関係である人たちが公務員のベースアップよりも低いという、この直載なものの考え方にこたえてあげるということが、より法律の内容にこたえたということになりはしないか。私はあなたの答弁は否定はしておりませんけれども、それじゃあなたみたいな有能な人だけがわかることであって、受給者はなかなかわからぬだろうと思う。ほかのほうからもらっていますよ、上げていますよ。しかも、その上げています、もらっていますの額というものは、こんなちっぽけなものなんです。そして物価からおくれた計数しか出てこない。だから、わかりやすくする、なるほどな、政府も考えているな、こういうふうなことをするためには、いま問題にしているベースアップという問題が、私は、考えられる当面の問題ではないか、そう思っておりますが、これはいつごろになるとクロスするようなかっこうになるのですか。
○平井(廸)政府委員 先ほどもちょっと触れましたように、現在、厚生年金につきまして五年に一回の再検討が行なわれているわけでございます。これはおそらく予算の編成期までには何らかの形で結論を見るであろうというふうに期待をいたしておるわけでございます。いわばそういう社会保険の中で一番大きなグループであります厚生年金について、ある程度スライド制なり、あるいはベースアップについての何かの実質的保全性というものが考えられるということになりますれば、公務員についても同じような制度というものが当然考えられてしかるべきであろう。あるいは公務員の場合には、かりにそれが十分なものでない場合において、恩給とのバランスにおいて、何かさらに考えるべき問題があろうかと思っております。私どもといたしましては、そういう意味において、できるだけ厚生年金等の結論が出次第、われわれのほうについても前向きの考え方で議論を進めていきたいというふうに考えているわけでございます。ただ、どういうふうな結論が出るのか、結論の出ぐあいその他にもよりますし、御承知のとおり、共済組合制度については、法律の改正等も社会保障制度審議会にかけるというたてまえをもっておりますので、それと全然かけ離れた結論を出すこともなかなかむずかしいという事情もございますので、そういう点の見通しをつけながら、公務員についての年金の実質的の保全性というものを考えてみたいという気持ちを持っているわけであります。
○石山委員 これで終わりますが、なかなかこういうものの改正というものは毎年やれるものではない。しかし、経済の変動というものは、傾向としては、毎年四半期ごとに行なわれると言っても過言でないと思います。たとえば上昇傾向にあっても、一年間すっといくのではなくて、四つも五つも波をつけて上昇していく。ましてや、三年、四年というふうになりますと、法律ができたときには、現実とかなり遊離した形で法律が生まれてくるというのが、今までの公務員の賃金を見ても、われわれはその実績を見ているような気がします。ましてや、先ほども私申し上げましたように、個々に分断されてしまう公務員退職者の方々が、これに異議の申し立てを行なうということはなかなかむずかしいわけであります。ですから、おれのもらい分というものは、経済が変動した場合に大体こんなかっこうでもらえるものだ。それから共済だけでなくて、いわゆる社会保障の一環として政府は考えていると言うが、その社会保障の一環は何がその次にくるか。たとえば共済年金がどうしても不足だとすれば、何によって補助的に擁護されるか、こういうふうなものがもっとわかりやすいかっこうで明示されないと、社会保障の一環ということばは非常に危険性があると思うのです。皆さんの方でもそういう逃げ道ができるということだし、受け取る側もありがた味が薄いということになるだろうと思うのです。ですから、当面の一番考えられることは、公務員の方々もベースの基準は低いわけですが、それよりもなお不公平な差別を受けていると考えている公社の方々に、いわゆる共済年金の方々にこたえてやるというたてまえで問題を進めていただきたいということ。もう一つは、国家財政とにらみ合わせて、もちろん、これはなかなかむずかしい問題でございますけれども、やはりスライド制というものをフランス等でもやっているというふうに先ほど恩給局長から開きましたけれども、どういう制度かそれは知りません。知りませんけれども、これはよその国がやっているやっていないは別にして、やはりスライド制をとって、たとえば七〇%が生活の基準であるとすれば七〇%でもいいでしょうし、何かの計数のある分野はスライドをするというたてまえをとれば、この恩給制度、年金制度というものに非常に活を入れて、生きているものに変わっていくと私は思うのです。この際、せっかくお出しになった法案を一つの段階にして、年金制度はなおさら大きくなって、資金も潤沢になるとわれわれは考えているわけでございますから、そういうことを含みながら、将来の年金制度をひとつ研究していただきたい、こういうことを提案申し上げて、総務長官に対する質問を残しまして、終わることにいたします。
○永山委員長 田口誠治君。
○田口(誠)委員 あと受田先生も関連質問があるようでございますし、理事会できょうのおよそのめどもついておるようでございますから、そういう点を考え合わせまして、なるべく簡単にお聞きをいたしたいところだけお聞きをいたしますので、御答弁の方もひとつ端的にお答えをいただきたいと思います。 順序が不同になりますが、先日の委員会のときに受田委員が質問されました、八月十五日に厚生省が主催して行なうところの戦歿者の追悼式の関係でございます。受田先生の御質問に対して、援護局長の方からはきわめて明快な答弁がありまして、大かた政府のお考えになっておる点は読みとれたわけでございますが、なお、この問題について明確にしておかなければならない点がございますので、補足的な質問になりますけれども、お伺いをいたしておきたいと思います。 先日の委員会で受田先生から質問のありましたのは、八月の十五日という日にちを選んで、そうして全国の戦没者の追悼式を政府の行事として行なう、こういう点については、どういうような考え方からそういう行事を行なうのかという質問に対しましては、援護局長のほうから、特に八月十五日の日にちを選んだということは、これは日本の終戦の日である、言いかえれば、日本の国民が平和をかちとった日であるから、この平和をかちとった日を卜して、あの無謀な戦争の犠牲になった軍人軍属、それのみならず内地、外地の民間の人にまで及んだ犠牲者の霊を慰める行事である、こういうような答弁があったわけでございます。そこで、特にこの行事については、宗教的な儀式というようなものは絶対に伴わないのだ、こういう点も明確にされておりますし、それからなお、日本の軍国主義の復活とか、あるいは日本の再軍備の方向への要素をここから打ち出すというような考え方は毛頭ないのだ、この儀式を通じてますます日本の平和をこいねがう人たちの一つの行事といたしたい、こういうような内容のことが答弁されたわけでございますが、受田委員のほうから、なお、心配されて、政府はそういうような考え方でおっても、右翼の人たちがビラをまいたり、マイクを持ってきていろいろ軍国主義をあおり立てるような行動をやったり、また、軍国主義者がいろいろな行動をやり、自衛隊もそれに参列してささげつつをする、こういうようなことがあっては、せっかくの政府の考え方が水のあわになるのだから、そういう点についてどうかという質問に対しては、右翼とか軍国主義者がビラをまいたり、あるいはマイクで呼びかけてするような行動をした場合には取り締まるということが、御回答の中にあったように思うのですが、あとから二人で話してみまして、あの点は明確にそういうように答弁をされたのか、それが好ましいというような答弁であったのか、ちょっと不明確であったので、私は、この際、そういうような行動のあったときには完全に取り締まるという考え方でおられるのかどうか、この点を承っておきたいと思うのです。
○山本(浅)政府委員 取り締まりは厚生省の所管でございませんので、私どもは、先日申しましたように、今回の追悼式の趣意というものは、国民の各界各層の人々に十分誤解なく理解されるということをひとえに念願して、これからまだ開催までに若干の日取りもございますので、そうした周知の方途を尽くしたいと考えております。当日は日比谷公会堂を予定しておりますので、いろいろ自動車等も多い関係もございまして、警察当局には、そうした追悼式が行なわれるにふさわしい静粛な環境になることを期待して、必要な連絡を申し上げたいと存じますが、全国津々浦々の国民のいわば自由な運動として、いろいろな行事が場合によったらあるかもわかりません。こういうものにつきましては、そうした集会が法で許されるものであるかどうかということで、警察庁が自主的に判断して措置せられることであると存じますが、少なくとも当日式典の行なわれまする日比谷公会堂の周辺につきましては、そうした静かな式が行なわれるように協力を各般に呼びかけ、また警察当局にもこれが期待されるような連絡をいたしたい、かように考えております。
○田口(誠)委員 取り締まりは警察のほうだから——この間御回答がありました内容を私どもが聞いておりましても、そういうような取り締まりをするというようなお考え方があっても、事実それができるのかどうかというようなことが疑問でありましたので、きょう確認をいたしたようなわけですが、いずれにいたしましても、取り締まりの点は警察であろうが、厚生省が主催してやるということは、すなわち政府主催であるから、政府が主催して最も意義あらしめようとすれば、それに水をかけられるような行動が国民の中で行なわれようとするならば、やはりこれは前もってそういうことも予想に入れて、その対策に万全を期してもらっておかなければならないと思うのです。そういう点で私は質問を申し上げたのですが、ただいまの御答弁では、警察のほうへそういう趣旨の御依頼をしておくから、自主的に、警察のほうでも適当な取り締まりをしてくれるだろうという期待をされているのですけれども、やはりこの点は政府として、はっきりとこういう場合にはこうするのだという線を打ち出して、取り締まりのほうへはやはり政府としてその点を通達をして、万全を期してもらわなければならないと思うのです。この点をひとつ明確にもう一度御答弁をいただきたい。
○山本(浅)政府委員 前回受田先生の御質問に対しまして、取り締まるということは私申し上げなかったつもりでございます。あくまでこれは、ただいま仰せの通り、政府全体の主催として行なうものでございますから、警察庁も当然、厚生省からこの式の趣意を述べますれば、いま先生の御期待せられるような方向で善処されるものと私はかたく信じております。
○田口(誠)委員 きょう私がここで質問を申し上げることは、受田さんが先日質問されて、局長の方からお答えになった点で、取り締まるとはっきり言われたのか、それともそういう要望にこたえて努力するというのか、不明確であったので、私がやらなければあとから受田先生が確認されるのであって、いずれにしても、その点を受田先生のほうからも心配されての質問であったので、やはり政府としては、こういう行事を政府主催でやる以上、これに水をかけられるような行為がなされないように、完全に善処をしてもらわなくてはならないと思うのです。そういう面で、単に警察当局に対して期待をしているというだけでは、私はどうも納得ができないと思うわけなのですが、それ以上の答弁は局長さんとしてはむずかしいのですか。
○山本(浅)政府委員 善処いたしたいと思います。
○田口(誠)委員 善処していただくということは、すなわち、そういうような行為のあったときには取り締まってもらうということでございますから、ひとつ念のためその点を申し上げて、確認しておきたいと思います。それから、今度のこの追悼式というのは、旧軍人とか軍属とかいう人だけでなしに、内地、外地を問わず、戦争の犠牲になった人たちも含めてということでございますので、私はそういう点で国民もよほど了解する点はあろうと思いますが、ただ、ここでちょっとお聞きいたしたいと思いますが、軍人軍属でなしに、内地、外地で犠牲になった方の数はおよそどの程度になっておりますか。調査ができておりましたら、数字を説明していただきたいし、調査してなかったら、今後の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○山本(浅)政府委員 外地で非命に倒れた者、これも、正確なとらえ方で数字を申し上げることは非常にむずかしいのでございますが、幸い引揚者給付金法という法律がございまして、この中で、外地で終戦後なくなられた人につきましては遺族給付金というのが出ております。そういう数字を基礎といたしまして考えますと、約三十万でございます。それから次に、内地で原爆その他の空襲等で被災してなくなられた人の数でございますが。これは全国戦災都市連盟で調べましたものによりますと、五十万でございます。一方、昭和二十三年、当時の経済安定本部が調べました数字が三十万と出ておりまして、これは原爆についての取り扱いが両者の間に違うのではないかと思うのでございますが、五十万または三十万という数字が出ておる。政府としては、その後これについて調査したものはございません。大体の感じを申しますと、五十万にやや近い数字ではないかというふうに推察いたしております。
○田口(誠)委員 合わせて八十万人が犠牲になっておるわけですが、聞くところによりますと。今度の行事には十名ずつ、十名の振り割りは、旧軍人、旧軍属の遺族の方が八名、その他の外地で犠牲になった人の代表が一名、内地で犠牲になった人の遺族の代表が一名、こういうことで、八・一・一という振り合いになっておるようです。それで、私は、この犠牲者の内容からいきましても、八・一・一という振り合いを出されたことは、せっかく軍人、軍属だけでなしに、内地、外地を問わず、民間の犠牲になった人も含めてというこの追悼式でございますから、やはりこの振り合い等からいきましても、いろいろと国民の中から賛否両論の出ておる一つの理由にもなっておりますので、今年はそういう計画であろうと思いますが、将来公平にこういうものをやるということになりますれば、こういう代表者の数というような点についても、公平な数字を出さなければならないと思うのです。この点は将来の問題として御考慮をいただく必要があろうと思います。 それから、いまこの問題について賛否両論があるわけなのですが、この賛否両論の中には、先日来政府のほうから答弁のありましたような内容のことが十分に徹底されておらずに、反対をする人もあろうと思いますし、また、その内容はわかっていても、どうもまだ心配な点があるし、理屈に合わないところがあるというので、反対の意思表示をする人もあると思うわけですが、いずれにいたしましても、将来の問題としてこの問題を考えましたときに、政府は将来とも政府主催ということでこういう行事を行なうのか、今年は政府主催だけれども、将来はこういうものは国民的な行事としてやることが、目的を達成するにより有効な方法であろうと思うので、そういう方法を将来とろうとされておるのか、この点もお考え方をひとつ伺っておきたいと思います。
○山本(浅)政府委員 これはいろいろな考え方があろうかと存じますけれども、過日申したかと存じまするけれども、世界の各国で大部分の国はやはり国が主催でやっておる。こうした戦争のことを思い、なき戦没者のことをしのぶという、そういう行事をやるにふさわしい主体は、私は国だと思います。国の責任でやるべきだ、関係の遺族も多年そういうことを要望してきておったわけでございます。しかし、そうした行事が官の独断だけでいろいろ取り進めをするということは、必ずしも適当でございませんので、本年につきましても、いろいろ私どもは各方面の御意向を聞くにつとめてきておるのでございますが、本年これをやらしていただきましたあとにおきましては、いろいろ各方面から御議論が出ると思います。そういう点は虚心に国民に与えた影響等勘案いたしまして、広く各界の御意向を聞き、国会をはじめ御意見を聞かしていただいた上でよりよきものにするということは、非常に大事なことだと考えておりますけれども、究極のこうした行事の責任を持つものは国であるべきだ、こういうことはいまのところ変わっておりません。それからなお、これをいろいろ団体等の主催でやったらどうかという御意向も一部にあるかと思いますけれども、およそこうしたことに関心を持っておる団体は、日本国内に何千何万とあると思います。したがって、それをどこをとってどこを排するということもできませんので、そうした中央、地方の実情を十分受けまして、政府が責任を持ってやらしていただく、こういう形にならざるを得ないのではないかと存じます。
○田口(誠)委員 政府が責任を持ってやる場合でもいろいろございます。私が先ほど申しましたのは、国民的行事という表現をいたしましたが、いわゆる国民的行事です。それで政府は責任を持ってやるという、この責任を持ってやるということは、結局その日の式の運び方の責任者となってやるということにも受け取れますし、それから政府の行事として政府が責任を持ってやるとしても、こういう行事というものはやはり国民的な行事とならなければ、これは意義がないわけなんですから、強制的に、半強制的のようなぐあいで政府が代表を東京へ集めて行事をやるというようなことであってはならないわけです。あくまでも、やはり政府が主催でやるということになりましても、これは国民的な行事という考え方で、各界の代表も加えて——検討するといろいろな案が出てくると思いまするが、たとえば、政府が主催でやるといたしましても、実行委員会というようなものを設けて、そうしてこの実行委員会には各界の代表に入っていただいて、今年はこういうような式の進め方で行なうのだというようなことで、やはり各界の代表、すなわち民意を反映できたところの行事にしなければならないと私は思うのです。そういう意味で、私は将来の考え方をお聞きしておるのであって、ただ端的にこれは全部民間が、民間のいろいろな会が合同してやるべきであるか、政府が手放すべきであるか、あるいは政府の責任でやるべきであるとか、こういうことの割り切った質問でなくして、国民的行事としてやることが最も好ましいやり方であろうと思うので、私はそういう意味を含めての質問であるから、先ほどの回答は、私の質問の受け取り方がちょっと違っておったようにも考えられるので、再質問をしたわけです。
○山本(浅)政府委員 具体的な実行委員会を事前に設けるということにつきましては、非常に具体的な提案でございます。この点については長所があるかと思いますが、また、実際の運営は非常にむずかしかろうと存じます。しかし、いずれにせよ、先生が仰せになりましたように、国民の各界各層の方々があげてこうした行事についての理解を持ち、また国民の心からなる気持ちが盛り上がるような、そういう着意をもってものごとを考え、また広く各方面の御意向を聞くということは、非常に大事なことだと考えております。
○田口(誠)委員 ただいまの答弁からいきますと、今年は計画されておるんだから、いずれにしても政府で考えておられる式次にのっとってやられると思うのですが、それでやったあと、またいろいろな問題が出てきたり、これに要望が出たり、批判が出たりすると思うのです。そういうような場合に、やはりそうした声を率直に聞いて、そうして次の年の参考にする、こういうことなんですか。
○山本(浅)政府委員 そのように考えております。なお、本年につきましても、各方面の意向は、まだ時日もございますので、十分聞く用意はいたしております。
○田口(誠)委員 今年の場合でも、各方面の意向を聞くというお話でございますが、これはやはり私どもからいえば、それぞれ政党がございますが政党の意見とか、こういうようなものも聞くということがそれに含まっておるのですか。
○山本(浅)政府委員 いろいろ御意見のほどはお聞きしたいと思いますが、正式に政府が政党に公式な意見を聞く、こういうのは、こうした行事としては適切ではないと思います。
○田口(誠)委員 そうすると、答弁として、意見を聞くというように聞けるだけで、具体的にその意見を聞くということはどういうことがあるかということをお示し願わぬと、いま私が申し上げたようなことが出てくるわけです。
○山本(浅)政府委員 もちろん、こうした国会におきます御意見、これが基本的に非常に大事なことだという気持ちで、つつしんで拝聴しておるわけでございます。先般の受田先生のお尋ねもそうでございますし、それからいままで社会労働委員会にございました御意見等も、十分私ども伺っておるわけでございます。なお、いろいろ新聞等を通じまして、各方面で、一部まだ私のほうの説明が不十分だというような点も反省いたしまして、具体的には申し上げませんけれども、いろいろの方面にこういう考えだということを詳細に述べまして、そうした方面に対しましても、だんだんと御理解を得つつあるのではないか、このように考えておるところでございます。
○田口(誠)委員 まだあとの質問者もございますので、この程度でおきたいと思いますがこの行事というのは、先般来政府のほうから答弁のありましたように、あくまでも、このことが、軍国主義の復活だとか、あるいは日本に再軍備を復活させるというような考え方に受け取られないような方法でやらなければならない問題であろうと思いますが、その点は明確にされておりますので、その点は私も信じております。あくまでも、八月十五日という、私どもあの情けない、みじめな敗戦を記念日として、そうしてそのときより日本の平和がかちとれたのだということで、その戦争の犠牲になった人、これは旧軍人軍属、民間の外地、内地におった人を問わず、その霊を慰めて、そして、そこからますます日本の平和を広めていくのだ、平和日本の建設を固めていくのだ、こういう考え方の上に立ってこの行事をするという趣旨が、趣旨どおりにやはり行なわれなければ、これは相当あとから批判の出るものであろうと思いますので、その点を特に申し上げておきたいと思います。 時間がございませんので、次に移ります。戦争中、国家総動員法が発動されまして、それから事業場で徴用がきた事業場があるわけですが、この事業場に徴用のきたところの従業員の犠牲に対しては、これは遺憾なく処理されておるかどうかということ、この点を承りたいと思います。
○山本(浅)政府委員 具体的にお話を聞かないと、あるいは適切でないかもわかりませんが、仰せのような案件は、現在遺族援護法におきまして準軍属として処遇されているはずでございます。なくなられた方についてであります。
○田口(誠)委員 いずれにいたしましても、事業場に徴用されて、そしてそこにつとめている従業員が犠牲になった場合は、援護法のできたのは昭和二十七年でありますから、戦後七年たっているから、その手続を十分に理解されておらないところがまだあるように聞いているわけなんです。したがって、いままでそうした面が援護法によって準軍属として処理されているということなれば、将来、これから取り残されている面で申請が出たものも、これはお取り上げになって、もちろん審査会にはかかると思いますけれども、善処していただける、こういうように受け取ってよろしゅうございますか。
○山本(浅)政府委員 十分事情を調査いたしまして、善処いたしたいと思います。
○永山委員長 受田君。
○受田委員 政府当局もお疲れだと思いますけれども、大事な残された問題点を解明させていただきたいと思います。 最初に、今度の改正案に直接関係のある事柄をお尋ねいたします。 今度の改正案で、文官の場合を中心とした若年停止規定が一応援和されているわけでございますが、これに関連して、ベースアップの歴史を顧みたときに、依然としてこの若年停止規定の緩和が一万五千円ベースに押えられているという問題があると思うのです。特に中井さん、大蔵省として、従来終始国家予算の見地という意味とは別に、旧制度のやむを得なかった形のものをいま是正できないということで主張してこられた、昭和二十三年六月三十日以前に給付事情を生じた退職公務員の恩給受給額が、非常に低い形になっておる。特に小学校の教員あるいは巡査、巡査部長というような地位にあった人は、おおむねいまどき想像もできない旧官僚制度の犠牲的低位置に置かれておったわけです。俸給もばかに安かったわけです。それを基礎にして仮定俸給が設定せられ、恩給受給額が設定せられておるのでありますから、今日こういう低い地位にあった人々の恩給受給額というのはまことに零細です。恩給局で御調査されておると思うのですが、大体一年間に五万か六万以下の恩給をいただいておる人が何人おるか、一番低いのはどれだけもらっておるのか、そういう人は一体かつてどういう職種におった人であるかを御報告願いたいのです。
○八巻政府委員 本年度の予算におきまして文官の普通恩給の平均額というのは、大体八万九千円くらいになっておると思います。 そこで、低い方々の分がどのくらいのものがあるかということでございますが、昨年の法律百十四号によりまして、ことしの十月からは、七十歳以上の方々につきまして、一般の普通恩給、過去の退職者の普通恩給というものが完全に二万円ベースになるわけでございますが、そうなりました場合に、一番低い場合であっても、実在職年が普通恩給年限以上をつとめておるという方々につきましては、普通恩給の額として三万六千円以下のものはないということになるわけでございます。 そこで、いまのお尋ねは、三万六千円なり五万円なり六万円なりというふうな階層でどのくらいあるかというお尋ねであると思うのでございますが、現在国で裁定いたしております文官の普通恩給の受給者全体が十四万七千人ございます。その中で、六万円未満という方が、一万五千円ベース時代で二八%でございましたが、今度二万円ベースに引き上げるということによりましてそれが一八・九%、人数で申し上げまして約二万七千八百人くらいの程度にとどまるということになっております。逆に申し上げますと、二万円ベースが完全に実施されますと、八一%というものが六万円以上の普通恩給を受ける、こういうことが言えるわけでございます。
○受田委員 私がいまここで御指摘したいのは、まだ来年までは二万円ベースが完成しないわけですから、現行制度で六万円以下が二八%ですね。それから十万円以下ということになると、もう過半数を制する数字になるわけでございますが、この六万円という場合で、月にして五千円ですから、生活保護法の金額にも足りないような低額でございます。いまいみじくも局長さんが指摘された三万六千円というような、一カ月に三千円しか恩給をもらってない人がある。これは、いまの制度ではこういうものはあまりありませんね。独立生計を営む十八歳の成年男子の標準生計費を基礎にした人事院の勧告が一万六百円となっておる。したがって、それから十二年ないし十五勤務した俸給額というのは、少なくとも二万五千から三万というところにいくはずです。そういうところの計算でいきますと、いまの人であれば月額一万円程度もらうのが一番低いところになるわけですね。それを思うときに、三千円とか四千円とか五千円とかいうような恩給金額をもらっている人が存在するということに問題があるわけです。そのことは、すなわち、退職時が非常に古い時代、特に二十三年六月以前という、昔のあの激しい官僚制度の著しい犠牲になった判任待遇の皆さん、当時総理大臣が一万二千五百円もらうころに、二十円とか十八円という月給をもらっておった、そういうまことに気の毒な、酷使された階層の人々、巡査とか小学校の先生がもらっている恩給がそういうところに当たっているわけです。いまの時代に、こういう低い、前にあげた人の恩給をそのままにしては、生活を保障することができないわけです。恩給というものは、職務に対する報酬であると同時に、生活を保障するものであると、はっきり二十一年の勅令にうたってあるわけですから、その生活を保障する面がなければいけない。そういう意味で、公務員の給与に準じた取り扱いを恩給においてもされなければならぬ。公務員の給与に盛られた精神がそのまま恩給にも生きてこなければならぬわけです。そういう意味から言って、低い恩給をそのままに置いておくことが適当であるかどうか、低い線をもう少し引き上げて、これ以下はこれまで上げるというような構想があるかないかもあわせて御答弁願います。
○八巻政府委員 昭和二十三年六月三十日以前の旧退職者に関する問題を御指摘になりましたが、実は昭和二十三年六月三十日以前の旧官吏俸給令時代におやめになった方々、これを新給与の体系の上でどういうふうに見直していくかということにつきまして、過去数回にわたって是正が行なわれたわけでございます。昭和二十七年の法律第二百四十四号、あるいはその後昭和三十一年の百四十九号でございましたか、それから三十六年の法律百三十九号というふうな、いわゆる不均衡是正に関する法律によりまして、逐次見直されて、相当大幅に改善されているわけでございます。しかしなお、旧官吏時代の判任官の下のほうでやってきた方々については、非常に低い方々があるわけでございますけれども、これは御承知のとおり、大ざっぱに申しまして、昔の官吏俸給というものは、一号から三十号まで並べて考えて、そうしてその中の十番目の俸給というものが、八十二号の通し号俸になったときに、どこに対応するかということで、だんだん見直してまいりまして、現在に至っておるわけでございます。したがいまして、昔のそうした判任官の方々を十番目にランクしておったことそれ自体が非常におかしいんだ、いまから考えれば、十番目にランクすべきではなくて、十五番目かあるいは二十番目にランクすべきであったんだというふうなことは、なかなかむずかしい問題でございます。旧秩序そのままをいかにして新しい俸給体系で見直すか、そしてベースアップしていくかということだけが問題なのでありまして、昔のそうした旧秩序というものを上下を全く混乱させるということは、恩給での問題としては非常にむずかしい問題でございます。いま申しましたようなことで、不均衝是正が相当行なわれてまいりまして、低いほうの判任官、五級俸ぐらいのところでも、相当平均的なところまで伸びておりますので、先ほど申し上げましたような最低保障の線三万六千円というところの数は、そんなに多くはない、こういうふうに思うのであります。
○受田委員 私のおしまいにお答えを願った点についての答えがありません。私は二つの点をお尋ねしておるのであります。
○八巻政府委員 それから恩給におきましても、生活設計に見合うような最低保障額というか、そうしたものを置いたらどうかという御意見でございます。確かに、恩給におきましても、退職後の生活の補いにするんだというふうな趣旨から考えまして、これが全然生活の補いにもならぬというふうな額であることは好ましくないわけでございまして、その最低保障額という問題をどこの線にきめるかということにつきましても、今後、その他の年金制度との振り合いも考えまして、慎重に検討してまいりたい、こう思っております。
○受田委員 慎重に検討したいという誠意ある御答弁を伺いましたので、慎重な検討の結果の善処を要望しておきます。これは恩給金額であり、扶助料になるとまたさらに低いことになるのです。いまの恩給金額のほうで、扶助料ならその半額になるのですから、たいへんな低額になるわけです。そこをひとつ御理解願いたい。 それで、旧秩序の制度がそのままいまの形のものに持ち越されているわけです。いま改正されたと言うが、昭和二十三年に恩給法臨時特例で一ぺんやった、その次に二十五年、二十六年、二十八年にも二十三年六月三十日前のが改正されておる、それから三十一年と、こういう措置が繰り返されたのだけれども、繰り返されたにもかかわらず、いまのように一年に三万六千円というような恩給の数字が出るということは、その繰り返し方に非常に冷酷な措置がされている。申しわけ的な措置しかされなかったという証拠でございますから、いまやめる公務員の一番低い線を考えて、それに見合うような恩給金額を設定するための新秩序体制への切りかえ措置が当然ある程度なされなければならぬ。いま恩給局長から、恩給の低いところをある程度高いところへ引き上げるように検討したいという御答弁がありましたので、たとえばそれを五万か六万にするという御検討だろうと思いますが、旧秩序をそのままいま生かしておって、七十、八十、九十というお年寄りで昔の巡査、昔の先住をしておった人たちが、一カ月ほんの四千円か五千円もらってその老後を保障されるということは、しのびがたいものであろうと思うのです。旧秩序を新秩序に切りかるための英断を——取低額をひき上げる措置をとるのも一法です。また、もう一つ新しい角度から、現公務員に準じた——いまの体制にまで戻せとは言いませんが、それに近いものに近づけるという努力をされる必要があると思うのですが、平井さん、あなたの御所管よりも、局長の御所管と思いますが、予算にも関係しますので、平井さんからも一言御答弁願います。
○平井(廸)政府委員 現在の新秩序と申しますが、新しい共済組合法の建前においても、先ほど恩給局長から御答弁がありましたと同じような趣旨で、最低保障額をきめているわけでございます。したがいまして、この問題は、単に恩給だけの問題でもなく、また共済年金だけの問題でもございませんが、おっしゃるような点は確かに議論としてはあろうと思いますので、今後そういう点を含みまして十分検討いたしたいと思います。
○受田委員 大蔵省も検討していただくということであります。私は、この点は最高制限額を押えるほうをこの間委員会で質問した。今度は最低を引き上げるほうを御要望申し上げておる。実際の生活に見合う、かつての公務員らしい保障が現在も保たれるという形をとっておかぬと、私企業にも関係できない、何らもうけ主義ができないで、一生を捧げた人たちに報いる道にならぬと思うのですから、ここは十分考えていただきたい。これは政府委員のほうは全員御賛成ですね。——御賛成という肯定をされておりますから……。
○古屋政府委員 ただいま受田先生のお話、私どもも、公務員といたしまして御趣旨の点は十分了解いたしております。十分努力いたしまして検討させていただきます。
○受田委員 総務長官にかわって副長官のはっきりした御答弁がありましたので、次回に御期待を申し上げて、いまの問題は一応終わります。 次の問題に移ります。 昭和三十一年七月で国鉄なども共済に切りかえられた。それ以後ベースアップがなされていない。国鉄OBの皆さんにも、いま私が指摘したと同様な、かつて駅長をされ、助役をされた、多年国家への奉仕をされた人々で、非常に低い受給額で甘んじておられる人がたくさんおられるわけです。そういう古い方々にも、三十一年七月からの共済組合の体制に切りかえられた今日も、一つの不均衡があるわけですが、共済年金の据え置かれているベースアップはどうされようとしているのですか。
○平井(廸)政府委員 先ほども石山委員から御質問がありましたときに、お答え申し上げたのでありますが、現在の社会保険の体系では、いままでのところ、既裁定の年金についてのベースアップのための制度というものはないわけであります。ただ、それでいいのかという点についてはわれわれも疑問を持っておりますし、また、昨年の社会保障制度審議会の答申等もありまして、現在厚生年金等を含めて検討いたしておりますので、その結論が出次第できるだけすみやかに考えたいと思っております。
○受田委員 厚生年金は昭和十七年から始まって、長期給付が二十年を越えて二十一年になってきて、当然その問題がある。しかし、既設のいままでの制度で当然ベースアップで考慮していかなければならぬ公務員との関係のほうは当面やっておいて、そして厚生年金等へもこれを波及させるという方式がさしあたりできることです。社会保障全般の問題とすれば時間がかかるということもありますので、厚生年金の長期給付額を引き上げることは社会保障全般の問題に関係しますが、このほうの恩給及び共済年金は公務員は直結する問題でありますので、すぐでもできる問題だと私は思うのです。いわんや、私たちが、指摘したいのは、現在、去年の十月から二万九千円ベース、にもかかわらず二万円に抑えられている。それも完成年度はまだ来年である。こういうような状態では、三分の二にしかいっていない。三分の一離れておる開きが大き過ぎます。せめて一段階くらい違うのなら、そのあとから追っかけていく是正措置として認められましょうけれども、三段階も四段階も違って、一方は二万九千円ベースになっているときに——ことしは三万円以上のベースになるはずですから、一万円以上の開きのある低位置に旧退職者を放置しておくということははなはだしく怠慢であるということになるわけなんで、ここに問題がある。もっと圧縮していいんです。一段階か、せいぜい二段階どまり、常に接近をしておるという形をとるのが、スライド制が実施されないまでも、均衡措置としての適切な措置ではないかと思うのですが、間隔がはなはだし過ぎる。このことに対する御意見を伺いたい。
○平井(廸)政府委員 現在の給与水準をどれくらいに見るかという問題でございますが、確かにかなり大きな差が生じておる。少なくとも三十一年七月以降現在までの間に差ができていることは事実でございます。ただ、それに対してしかるべき暫定措置を講じておいて、社会保険全体の問題をあとで研究すべきだという御意見も、一つの御意見であろうとは思いますが、ただ、私ども、先ほどちょっと御説明申し上げましたように、やはり社会保険の一環として社会保障制度審議会の議を経て法律改正を行なうわけでございまして、公務員の立場からいえば、確かにそういうことは望ましいことではございますけれども、全体の体系から見てどのような形をとるのがいいのかという議論は、必ずその場で出てくるわけでございまして、その場において、公務員のみ当然先行して何らかの措置をとるかという点も十分検討いたさなければならない点でございます。また暫定措置と申しましても、一たんある種の措置をとりますと、その後において変わった形で制度をつくるということもなかなかむずかしいことでございますので、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、厚生年金等で並行的にその問題をできるだけすみやかに片づけていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○受田委員 間隔がひど過ぎるのですね。戦死者の場合のほうは二万四千円になっている。文官のほうは二万円に据え置かれておる。そこにもまた大きな間隔ができておるわけです。二万四千円にするなら、文官も武官も一緒にすべきである。そして、遺家族の処遇はまた別途に講じて、その英霊の遺族を補償してあげるという道もとるのが適切である。これはすでに末亡人給付金等で出されておることで、われわれは一応政府の施策に共鳴するわけです。恩給体系というものに、一方は二万四千円で、一方は二万円に置いておくという片手落ちであったのは、どういう理由であったのかを御答弁願いたい。
○八巻政府委員 昨年の法律改正におきまして、その後の物価水準なり給料のベースアップを考えまして、旧退職者のベースをどう見直すかということであったわけでございますが、二万円ベースといいますと、ちょうど恩給から共済に切りかわる時点でございまして、この線というものが一つの区切りになるわけでございます。しかし、それではその後の経済情勢の変化というものに必ずしもマッしない。そこで、一番重点に考えなければならない戦傷病者、戦没者の処遇におきましては、一歩先んじて、それからさらに一二、三%ふやすという措置をとったわけでございます。これは恩給の単なる技術論から申しますると、仮定俸給、その退職時の俸給、同時代にやめた人の退職時の俸給の見直しにつきまして、その後の経済情勢の変化に対応するということでございますれば、同じ条件で考えなければならないということは、技術的にもいえるわけです。しかしながら、それ以上に政治的な配慮から、もう少し片方を優遇するというふうな配慮が加わりまして、昨年の法律となったわけでございます。
○受田委員 これは政治的配慮としてはいいと思います。遺家族の処遇ということを重点に置かれるのはいい。いいから、それになぞらえた措置を一方でもとるということが、なおいいことなんです。なおいいほうをやってない。去年は質問に対して、このことは当然考えることだと局長はお答えになられたから、今度はそれが直されたと思っておったら、やはりそのままに残されておる。去年は何とかしたいとお答えになった。このこともやはり当然重大な問題として検討してもらわなければいかぬ。 私、ここで一つ問題を提起したいことは、末帰還公務員というのはいま何人くらいおるのか。やはり公務員で、国家予算にも末帰還の公務員給与としてちゃんと計上してありますが、これはどのくらいおるのですか。
○八巻政府委員 末帰還者の総数はわかりませんが、私の知る範囲で、旧軍人の公務扶助料に将来請求が出てまいるであろう、こう見込んでおる者は、厚生省からの連絡によります、四千件くらい未帰還公務員に関する死亡処理が今後なされまして、これがその遺族の方々の公務扶助料の請求にかわってくる、それが四千件くらいと推定されております。
○受田委員 未帰還者留守家族援護法という法律が生き、またこれに対する特別措置法なども生きておる。そうして厚生大臣の死亡宣言という、失踪にかわる異常な権限までも厚生大臣に与えられて、未帰還者の留守家族を擁護しようという制度ができておるのです。ところが、その四千件いとう人々の給与は、一体いまどういうふうに支払われておるのか、この実態を明らかにしていただきたい。
○八巻政府委員 御承知のとおり、未帰還者留守家族援護法によりまして、昭和二十八年以後、この留守家族に対しましては、従来の未帰還者給与という形を切りかえまして、留守家族手当というものが支給されるようになったわけです。なお、その未帰還中の在職年を通算いたしまして、軍人でありますれば、兵、下士官の場合十二年、将校の場合十三年ありますれば、普通恩給の年限に達するわけでございます。その年限に達しますれば、同町に普通恩給権を発生させまして、それを留守家族に支給する、こういうような形をとっておる。したがって、留守家族といたしまして、留守家族手当をもらえる資格、普通恩給をもらえる資格、こうあります場合には、両方を調整いたしまして、どちらかの給与がいっておる、こういうふうな形になっておるわけでございます。これが死亡が判明いたしますれば、死亡の現実の時点にさかのぼりまして、軍人でありますれば、昭和二十八年四月にさかのぼって公務扶助料が支給される、その間に現実に生きておると仮定いたしまして支払われました留守家族手当なり、あるいは普通恩給というものが調整されるというような仕組みになっております。
○受田委員 政府職員である未帰還者があるわけですね。
○八巻政府委員 それは軍人ばかりでございません。たとえば、外務省の総領事館の職員がソ連ならソ連に抑留されておって、そのまま行くえ不明になっておる、こういう人もあるかと思います。
○受田委員 その給与はベースアップされておりますか。留守家族手当とは別のほうの給与になっておるはずです。
○八巻政府委員 たしか、私の記憶するところでは、昭和二十八年に留守家族援護法が発効すると同時に、国家公務員法上の給与はストップになりまして、留守家族手当に切りかわったこういうように記憶しております。
○受田委員 未帰還公務員の場合は、なお従前の例によるという規定も生きておるわけす。したがって、政府職員の中に、給与を出しておる政府職員というのが予算の上にも出ておるはずです。留守家族手当だけで——これは低い手当ですから、高給をもらっておった公務員がそれに押えられるというようなことは、これはもしそうだとしたら筋が通らない。こちらにおるならば、いまごろ局長から次官級になるような人が、依然として低額の留守家族手当に押えられるということはあり得ぬことです。
○八巻政府委員 その問題は、給与法上の問題と援護法の問題になるわけでありまして、あとで調べてお答えいたします。
○受田委員 これは十分調査してお示しを願いたいと思います。政府職員の場合と留守家族援護法の適用を受ける場合とあると思います。 なお、ここで新しい立法措置による厚生大臣の死亡宣言で扶助料を交付された数字がどれだけありますか。
○山本(浅)政府委員 ちょっと古い統計しか持っておりませんで、非常に恐縮でございますが、昨年の十二月一日現在の資料によりますと、一万百二十八でございまして、なおそのほかに、ごく近々決定のある手続中のものが四千六百二十件でございます。
○受田委員 相当数のものが進捗している。あと四千が残されている問題だ。そこで、家族は死亡宣言をしてもらいたくない、こういうものに対して、死亡宣言を強制するような傾向はありませんでしたか。
○山本(浅)政府委員 これは先生方の非常な配意によってできました法律で、とにかく人間の生死を法律上きめるという重要な内容のものでございます。したがいまして、この法律の運用にあたりましては、かりそめにも強制といったようなことがあってはたいへんなことでございます。戦時死亡宣告の申し立てを厚生大臣がいたしますときには、あくまで留守家族の同意が要るということが法律にも明らかにされておりますので、決してそのような強制にわたるというようなことは考えておりませんし、また、そのような指導もいたしておりません。ただ、実情といたしまして、留守家族といたしましては、わらでもつかみたいという非常に切ない気持でおるわけでございます。したがいまして、今日においても生きておるのではないかというかすかな期待を持っておられるわけでございます。ところが、政府におきますこれまでの多年の調査の結果、死亡の日時あるいは場所というものは明確に、具体的につかまえられないが、諸般の状況から、当該地域、当該時点におきましては、当然その者は死亡と推断せざるを得ないような、客観的な一般的事情が非常に濃厚な方々に対しまして、なおかつ肉親にその者が生きておるという安易な気持ちを与えることは、また非常に罪なことでございます。したがいまして、いろいろ留守家族の心情はございますけれども、国として調査して得ました経過を詳細に述べまして、こういう事情だから、戦時死亡宣告の道もございますから、また、なくなったとなれば公務扶助料等も出ることになっておりますからという事情を詳細に御説明いたしまして、御本人の十分な納得を得た上でこの申し立てをする、こういう運用にいたしておるつもりであります。
○受田委員 そこの手心がたいへん大事な問題で、家族は生きておると信じておる。ところが、厚生省は確証をつかまえて説明されるのはいいとして、確証のないものにまでそういうものを及ぼしては非常に酷である。 もう一つは、留守家族手当と公務扶助料の金額の差でございますが、留守家族手当は、現実にその本人が生きておるとするならば、最近の公務員の給与等になぞらえて当然ベースアップされていたのでございますから、相当の増額をはかるという措置をとっておけば、公務扶助料へ切りかえることを大いに満足するというような形もできないと思うのです。留守家族手当の支給額を増額するという考え方はないのですか。
○山本(浅)政府委員 御案内のとおり、留守家族手当は、遺族年金と肩をそろえておるわけでございまして、月額は遺族年金の十二分の一ということで均衡のとれた額として、一方が上がれば上がるというような配意をいたしておるものでございます。
○受田委員 それが問題だというのです。つまり、生きておる人に対して、遺族年金と同じ金額にしているということが問題だといま指摘しておるわけなんです。生きておるとするならば、国家の公務に従事してまだ海外に残っているという形になっているのですから、当然その金額は上昇しなければならぬ。それをもう死んだ場合と同じような金額に押えていくのが問題なんで、留守家族手当は、やはり生存の見込み者に対する手当として、留守家族に内払いという形よりも、もう少し生存した公務者がまだ海外におるという立場で、増額措置をとるほうが筋が通るということを私はお尋ねをしておるのです。
○山本(浅)政府委員 現在留守家族手当を現実に支給されておるものは、もう非常に少数になっております。いろいろ御案内のような多年の経過で、留守家族手当という今日の体系になっておるところでございまして、これを今日のような段階でそのような生きておる公務員にほぼ見合うような額にするということも、一つの御意見と存じますが、そういうことは、同時にまた、部分的にはせっかく戦時死亡宣告というような道が開かれ、また客観的に見てもそう扱うのが至当であるというような方につきましても、またそちらにいくという意欲といいますか、気持ちがまた動揺するというような点もあろうかと思いまして、なお御指摘の点は十分考えてみたいと存じます。
○受田委員 これは大事なことなんです。生存をしている人に死亡したときの金額しか支給しない、生存した形になっている人に死亡したときの扶助料と同額を支給しておく、いつでも切りかえられるようにしておくというそのことが、人権的に問題があるというのです。これは、やはり生存していると認められる期間は幾分でも高い給与を支給する。留守家族手当は一つの給与の形態を持っておる。今度扶助料にかわるというと、退職者及び死亡者の家族に対する補償ということになるのですから、性格は違うのです。これは少数であっても、十分検討を必要とする大事な人権問題であることを考慮していただかなければならぬと思うのです。おわかりいただいたと思いますので、検討願います。 私は、今度は問題を変えまして、この間資料要求をしました遺族年金や扶助料の処理状況の資料を出していただいておりますので、これについてお尋ねをしたいと思います。 今後の処理見込みの件数というのは、恩給法にも援護法にもどちらにも出ておるわけです。それで、厚生省及び恩給局の調査段階と、都道府県とかあるいは市町村の審査段階というものが、いろいろあるわけです。こういうのを拝見しておりますと、何だかまだ未処理の中に相当大事な問題がひそんでいることをくみ取ることができるのですけれども、手続上の問題として、手続を簡略化することにおいて、たとえば疾病なども、この間私質問したように、マラリアか肺炎かというときには、条件のいいほうをとってやるとか、あるいは終戦直前のごときは、あの労務過重の重労働で、陣地の構築、防空壕建設等をやって非常に疲労しておるときに、心臓麻痺などというのでばっさり片づけられて、死因として条件に満たないというようなことにされておるのもあると思うのです。こういうようなものは、ひとつ幅の広い解釈で、死因等につきましても幅を広げる、寛大な措置をとる、また十分な審査の処理、特に再審査の場合の書類の不備等については、市町村の証明等で適格性をつかみ得るとなれば、その証明でこれを認めてやるとか、手続の簡略化によるこの未処理の解決策を講ずるということをこの間要求したわけでございますが、この点について、いま出された資料の残された案件に対する心がまえとして、私の要望している線に沿う努力をされるかどうかということをお答え願います。
○八巻政府委員 現在、公務扶助料なり、遺族年金もそうでございますが、戦没者の遺族関係の未処理件数というものはだんだん減ってまいりまして、ここには公務扶助料等件数のは一万二千七十件くらいだろうと見込んでおるわけです。これの一半は、先ほど申し上げました未帰還公務員の関係の方、その余の部分は、市町村段階あるいは都道府県の審査段階ということでございます。これらの審査にあたりまして、昔のような厳格な書類上の証拠というものをきちっと整えるということは、なかなかむずかしいという段階になってきております。そこで、真実をつかむために、眼光紙背に徹するといいますか、データのつかみ方、把握のしかた。それからまた判断のしかたというようなものにつきまして、できるだけ要を得たような形をとっていきたい、こう考えまして、厚生省におかれましても、現場の方々の指導訓練というものを目下やっておるわけです。私どものほうと毎月一回の定例会議を持ちまして、そうした懸案になっている問題の処理ということにつきまして打ち合わせを続けております。
○山本(浅)政府委員 趣旨におきましては全く同様でございます。ただ、ただいま恩給局長が——私いまここに控えておりましたが、聞き漏らしましたか、あるいは言わなかったのじゃないかと思いますので、申し上げます。 今回の処理件数というのは、一見いかにもたくさんの数字があるようにごらんになると思いますが、この大部分は、今後において死亡処理、いわゆる先ほど来お尋ねのございました戦時死亡宣告が出されるものと思われるもの、あるいは死亡公報がその後の調査によって出るというようなものが相当含まれておりまして、現在直ちにつまり、未処理のままに残っておるという具体的な実数ではございませんことをつけ加えます。
○受田委員 ここで問題になるのは、不服申し立てに関する処理ですね。これは百件厚生省にも出ておるわけですが、これらの中の事情をよく調べてみると無理をしていいかげんな不服申し立てをしているわけではないのです。やはり筋が通っておる。書類が不備とかあるいは死因が明瞭でないというところで却下された分を不服申し立てをしておるのですから、こういうときの取り扱いを、私がいま申し上げたように、死因を寛大な解釈にする。あるいは手続を簡略化する、こういう線で処理願うようにということを要望してあるわけですが、そのほうは申し分ないお答えができますか。
○山本(浅)政府委員 まさに受田先生の御指摘のような精神で運用しております。
○受田委員 そういうことで未処理の問題をすみやかに解決していただきたい、またこれからも出るのがあると思いますから。いまのような寛大な措置がとられるということになれば、あとからあとから続々と出てくるはずですから、その出てきた場合には、これを続々と処理していただきたい、こういうふうにお願いをしておきます。 それから、労働省と運輸省の方が来ておられますので、この法律に関連する問題についてお尋ねをさしてもらいましょう。 労働省は、戦場病者、特に傷病軍人の取り扱いについて、その優先雇用——身体障害者優先雇用——の法律もできているわけですから、その中において、特に公務で苦労された人の身体障害者のお取り扱いをどのようにされているかの御説明を願います。
○中島説明員 御承知のとおり、三十五年に身体障害者雇用促進法ができまして、これに基づきまして、身体障害者の雇用の促進、就職のあっせんにつとめております。その法案審議の際に先生からもいろいろお話がございまして、特に戦争の犠牲者とかそういった方々の扱いを手厚くするように——このことは法律には出ておりませんけれども、そういう趣旨を体しまして、第一線機関である安定所によく徹底さして、そういう方々が出てきたときには、特別にきめのこまかい指導とか就職あっせんにつとめておるわけでございます。
○受田委員 労働省がいま数字を把握しておられる優先雇用の対象となる一般身体障害者と、その中に占める戦傷病者の数を、それぞれお示しを願います。
○中島説明員 障害の原因別の数は、昨年三月末しかわかっておりませんので、それでお答えいたしたいと思いますが。昨年三月末現在で安定所に登録しております身体障害者の求職者は、全部で二万五千七百でございます。このうち、障害の原因が戦争による者は二千二百七十九名でございます。この登録者のうちで、すでに就職をさせました者は、総数が一万四千二百名、さらにこのうち、戦争による障害者は千三百十三名に上っております。障害原因別がちょっと古うございまして申しわけございませんが……。
○受田委員 障害の原因別数を拝見しますと、二万五千七百人のうち、戦争基因が二千二百七十九、約十一分の一ぐらいのところに戦傷病者があるわけです。就職の比率を見ましても、一万四千二百のうちで、戦争に基因した障害者が千三百、これもやはり十一分の一、大体比率が同じですね。この数字を拝見しますと、その間に優先配慮された形跡が見受けられませんけれども、これは期せずしてこういう数字が出たのかどうか、お答え願います。
○中島説明員 いまお話しのとおりでございます。御承知のように、戦争を原因とする障害者というものはふえるわけではないわけでございます。ところが、それ以外の、たとえば交通事故とか疾病とか、あるいは労災とか、こういう人たちはどんどんふえてまいります。そこで、私どもも、先ほど申し上げましたように、扱いについていろいろ検討しておるわけでございますが、戦争の犠牲になられた障害者の方につきましては、戦争後非常に時日がたっておるものでございますから、ある程度自営をしたり、あるいは自分で職を見つけたりする方がわりに多くて、安定所にたよる率が少ないのじゃないかと思います。ただ、先生から御指摘がありましたけれども、パーセンテージからいきますと、登録数のうちの八・八%が戦争による負傷者、それから就職者については九・二%、ほんのわずかですが、そういう努力をしております。
○受田委員 ほんのわずかの努力が〇・四ほど出ておる、こういうことでございます。これは私計算してみますとそうなりますが、ほとんど同じですよ、ほんとう言うと。だから今後も、特に公務で基因された傷病者に対する優先雇用の原則を一そう強化していただきたい、これが一つ。それから、もちろん、一般障害者に対するこの数字がもっと縮まるように、つまり、そういう障害者と就職者との差が縮ままるように、積極的な活動を要望しておきます。 そこで、時間の関係で、私は長官が来られたら質問を終わろうと待機しておるのです。別に私も粘っておるわけではないのですから、その点ひとつお含み願いたい。 そこで、もう一つ問題は、身体障害者に対する、特に戦争に基因する障害者に対する措置として、家族加給金を今度増額措置されたこと、これは障害前とか障害後ということではなくて、一律にされたということは、非常に前進であると思いますが、傷病者に対する全般の問題として、特別の援護法というようなものを考えようとしている政府、与党内の動きがあることを承っておるのでありますが、これは政府委員が御答弁にならなければ、委員長からでもいい、一応これに関連する問題でございますから、御答弁願います。
○山本(浅)政府委員 御案内のように、現在戦傷病者につきましては、各般の法律でいろいろな援護が行なわれておるわけでございますが、関係者の間におきましては、これをなるべく一本にしてほしいという強い要望がございますし、ひるがえって国際的に考えてみましても、やはり戦傷病者は、一般の身体障害者福祉の立法とは別の体系でやっておるのが多くの国の例でございます。したがいまして、私どももそうした要請にこたえまして、議員立法で出ておりますけれども、内部的に、技術的に非常にめんどうでございますので、そういう法案の作成にあたりましては若干のお手伝いをいたしたのでございます。現在衆議院で戦傷病者特別援護法という名前で出ております内容は、大きく申しまして、現在いいろろの法律に分かれております法律の体系を一本のものにとりあえずするということでございます。こういう年度の途中でございますので、いろいろ改善をしたい点はございますけれども、いま直ちにそれはできませんので、そうした基礎法をつくって、国、地方公共団体、国民の戦傷病者に対する責任といいまするか、そういう点を明確にした基本法をつくりまして、その上で、いろいろ不備な点、不合理な点につきましては、明年度の予算においてできるだけの努力をして、御指摘のようないいものにしたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○受田委員 それは政府でやられますか。
○山本(浅)政府委員 明年度の処遇改善につきましては、政府といたしましても精一ぱいの努力をしたい、こういうふうに考えております。
○受田委員 私は、特に公務に基因した傷病者に対する処遇ということは、これは国の責任として、単なる社会保障の問題ではないのです。国家補償の原則から十分国家が——戦争を起こし、それに参加して傷病を起こした不幸な人々、その不幸の片棒を国がかつぐという基本的なものをはっきりさしておくことは当然である。的確なる基本法を用意されんことを希望し、御相談があればいつでも御相談に応ずる用意があることを付言しておきます。 さらに、この問題に関連するのですが、戦傷病者の無賃乗車法の骨子、特にいま参議院でも社会党からも一案が出ておるようでございますが、それはそれとして、一応ここでお尋ねを申し上げたいことは、戦傷病者の場合は、介護者が要る場合は——これは特別項症から二項症まででございましたか、介護者が用いられている。しかし、それ以下の人でさらに優遇措置をとる必要はないかということ、並びに、一年に何回か支給されている無賃乗車券なるものをもっと介護者にも生かす道を考える必要はないか、こういう点について政府の御所見を伺いたいと思います。
○秋田説明員 ただいまの問題につきましては、やはり予算関係のことになるかと存じますので、ただいま厚生省のほうからのお答えもございましたように、そういった観点の中において検討してまいりたいというふうに考えます。
○受田委員 私から要望された観点に基づいて善処したい、こういうことですね。
○秋田説明員 援護法の単独法案ができてまいりまして、そういう観点においていろいろな問題——先生がただいまおっしゃいました問題以外にもいろいろと検討しなければならない問題もございますので、あわせまして今後慎重に検討してまいりたいというふうに考えます。
○受田委員 これは厚生省も一役買わなければいかぬ問題です。運輸省はただ手続をするところであって、やはりこの問題の原則的な立案というものは、当然厚生省が参画されなければならぬと思いますが……。
○山本(浅)政府委員 ただいま運輸省のほうから申されましたように、今度の戦傷病者特別援護法の中には、国鉄無賃乗車法を廃止いたしまして、その法律も今度の新しい法律の中に取り入れるというふうに実はなっております。ところが、内容でございますけれども、先ほど申したように、とりあえず法律としては現行のものを移しかえる。この無賃乗車の内容についても、御指摘のように改善を要する点があると思いますので、そういう点は、運輸省と一緒になって明年度の予算でいろいろ問題にしたいと思います。なお、先生の御指摘のありました介護者の問題につきましては、いろいろ関係団体の要望も出ておりますので、現在運輸省が中心になってお考えになっておりますが、私のほうも助言申し上げまして、そういう願望が早く達成されるようにいたしたい、現在そういうふうに配慮いたしておるところであります。
○受田委員 長官が来られましたから、もうお話をいま一言で結びます。結論に入ります。徳安長官、認証式を終えられておめでとうございます。(拍手)これをもって堂々たる長官になられまして、いまあなたたいへんうれしい直後に、恩給法が通るという重ねてのお喜びを味わうわけですが、おしまいに長官にも一言お尋ねしておきたいことがあります。 昭和二十一年法律第三十一号による改正前の恩給法というのがありまして、その八十二条の二に雑則の規定で、つまり、外国職員であった人に対する規定が書いてあるわけですが、満州国のような場合ですね。今度の改正案で、満鉄の職員の処遇改善が通算規定ができたわけなんです。ところが、「公務員ニシテ本属庁ノ承認ヲ受ケ外国政府又ハ之ニ準スルモノノ官吏其ノ他ノ職員」云々とこうなって、この規定の中に包含して考えられることは、満州国で終始就職し、満州国の途中で、二十年の八月八日を待たないで途中で退職したような人々についても、とにかく満州国の職員というのは、結局日本政府の施政で、関東軍司令官の支配下で行動をしたという意味においては、日本国政府と同じ立場で処遇すべきでございますから、退職時を二十年八月八日とするようなことは、この文章を読んでも、これはくみとれぬことなんで、この精神でやるならば、いつ退職しようと、また日本へ帰って再就職しようと、日本国と日本がかいらい政権としてつくった国とは、同じ処遇にするというのがたてまえではないかと思うのです。この法の精神からいっていかがですか。恩給局長並びに徳安総務長官——認証官たる総務長官にお答え願います。
○八巻政府委員 非常に技術的なことでございますので、長官にかわって私からお答え申し上げます。 満州国政府職員期間の通算問題は、昭和三十六年の法律第百三十九号、これによりまして措置いたしたわけでございますが、これは元来満州国官吏になるために、日本の官吏が退職いたしまして向こうへ行って、そしてまた日本国政府の職員に戻ってきた、こういう場合に、その退職時の適用される恩給法で、そのサンドイッチになっている期間を見たという先例がございます。これがその後終戦になりまして、ああいう事態のために、また再び公務員に復帰できない、こういうような方々もございます。また、満州国から引き揚げてまいりまして、日本国政府の各省に配属になり、そうした方々がおやめになるというときに、向こうの期間を通算いたしませんと恩給にもならない。恩給年限に達しない。したがって、国民皆年金というさなかに、相当老齢になっておやめになるという場合に、何も年金がつかない、こういうふうなことでは困るというので、恩給法の規定の上で処理したわけでございます。満州国政府の職員だけでという、これは全く日本国官吏と同じようであるから、満州国官吏の場合についても恩給法で何とかならぬかと、こういうことでありますけれども、これはあくまで満州国官吏につきましては満州国恩給法というものがあって、満州国恩給法で律せられておったわけであります。あくまで日本国官吏としての退職ということであって、初めて恩給法でその人の前歴をどう見るかというふうな特別な考え方があるわけでございまして、満州国だけの在職でもってやめたという方々について、これを恩給で問題にしようということは無理な問題でございます。またさらに、八月七日までに引き続いておったということを条件にしておるということについて、もう少しその条件を撤廃したらどうかというお尋ねでございますけれども、これはやはりあくまでも満州国政府職員の期間を日本国政府の職員に通算するということは特例でございまして、その終戦時の特殊事情というものを考えましての限定を立てませんと、こうしたルーズな、寛大な給付というものがいろいろな方向に波及いたしまして、いろいろむずかしい問題を生じますので、その条件をしぼっておるわけでございます。こうした条件をしぼることがいいかどうかという問題につきまして、今後いろいろ御議論はあろうと思いますけれども、あの当時におきましてはかなり厳格な気持ちでこの条件をきめていかないと、この公務員の年金制度の上だけで給付を寛大にしていいんだということでは、なかなか世間がお許しにならぬだろうと、こういう考え方からでございます。
○受田委員 これは決して世間がお許しにならぬということはないわけです。満州国政府と日本国政府は同じように見ておるんだから、満州国に勤務した人に同様の扱いをしたら世間が許さぬということはありません。そうでしょう——そうです。だから、これは十分検討する必要がある問題です。 それから、十七年勤務して、実役が二十年勤務した分は、十七年で打ち切っている。この問題なども、実役の勤務期間を考えてあげるということは当然のことなんで、すでに満鉄の職員の通算も認めた今日、これは通算だけでありますけれども、満州国政府そのものの職員であった期間の問題をおろそかにするということは問題である。これは長官も十分御研究を願って、後日また明確なる御答弁を願いたい。そして、特に先ほど以来も議論があった、八月十五日は最初の戦没者の追悼式をやるわけですから、その際に、国民行事としてきれいな形で、一切の束縛を受けないきれいな行事を行なわれるように長官も御推進願いたい。そしてこれに参加する全国の御遺族に対しては、無賃乗車という規定がおそらく適用されると思うのですが、そういうときに、英霊の御家族に対する処遇として、そうした儀式に参加するときには無賃乗車——一年に一回くらいのそうした無賃乗車券を発行するというような、そういう幅を持っていかないと——見物、見晴らしが阻害されたというので一億五千万も二億も払うような金があるならば、こういうところで十分あたたかい愛情を持っていくという施策を練られんことを要望いたして、私の質問を終わりますが、徳安長官よりお答えを願います。
○徳安政府委員 八月十五日の祭事につきまして、いろいろと御忠告ありがとうございました。これは厚生省が主になってやっておりますが、いまの御趣旨をよく伝えまして、政府一体となってきれいな姿でやれるように努力いたしたいと思います。 無賃乗車については、私がいまはっきり答弁するだけの資料を持っておりませんので、明確な御答弁はできませんが、御趣旨の次第は、ひとつ運輸当局なり厚生省なりその他と協議いたしまして、できることならば御趣旨に沿うように努力いたします。
○受田委員 質問を終わります。
○永山委員長 石山君。
○石山委員 長官が礼服などを召されて、いいことがあったというので、私たちもいいことだというからしんぼう強くお待ちしておりました。いいことで、おめでたいことだそうでございますから、いい御答弁をいただきたいと思って、待っておったわけですが、その一つは、これは国務大臣としてのたてまえからお伺いするわけですが、附帯決議に対する政府の受け取り方です。委員会における附帯決議に対する政府の受け取り方、この問題は、の法改正について附帯決議がそれぞれついているわけです。この附帯決議の一つとしまして、昭和三十七年の第四十国会に、大蔵委員会から一つ出ております。これは共済年金との関係でついている問題でございますが、大蔵委員会でつけた附帯決議は、読んでみますと、「将来において、本法適用者と新法施行後の退職者との間に、支給原因発生時期により共済年金間の均衡が失われるおそれがあるので、」というふうに書いております。それと同時に、この不均衡を直すためには、今後恩給法の改正が行なわれる場合にはこれを是正しなさい、こういう附帯決議であります。それから参議院の場合は、これは内閣委員会でござましたが、同様の趣旨で、新法施行後の退職者の共済年金の不均衡がこれはいまも生じているが、今後なおさらこれは生じるだろう、こういう予測をして、前もって政府に対する注意が喚起された附帯決議が出ているわけです。今度、今国会で五月二十八日に、やはり大蔵委員会、これは衆議院でございますが、均衡が失われている、将来とも顕著になるだろう、こういう附帯決議が、この場合はっきり「生じつつある」ということばで強く指摘されているわけなんです。政府側としてこれをどういうふうに受け取るかということです。もう一つは、大蔵委員会ではベースアップの問題を指摘しているわけです。国民所得との均衡がはなはだしく失われている。この二つの点で、新法と旧法との考え方からいえば、差がうんとあるのだ、出るのだ、そういうふうに指摘しております。今年度になりますと、それを現実として認めているわけなんです。しかも、衆議院の場合でございますれば、恩給法の改正の場合はこれを是正するように努力せよということを指摘している。指摘されているけれども、さっぱりやっておらぬというのが現状だということです。もっともあなたは恩給の担当者だけれども、国務大臣として、こういうふうに重ね重ねの、しかも動かすべからざる現実に対する附帯決議に対して、どういうふうに対処して今度の本法を出されているか、これに対して説明を承りたい。
○徳安政府委員 御指摘の点、ごもっとだと思います。そこで、共済関係でございますが、これは大蔵省所管の関係だそうでございますので、私が御答弁申し上げることは適当でないと思います。しかし政府一体の関係から申し上げますれば、もちろん御答弁申し上げなければならぬわけでありますが、ただいま聞くところによりますと、共済組合関係のほうがすべてにおいて検討がおくれておるというような関係だそうでございますが、御指摘の次第もございますから、私どものほうでもさっそく大蔵省とよく話をいたしまして、御決議の次第になるべく沿うよう早く処置いたしますように連絡もし、協力をいたしたいと思います。何せ私が直接関係ないことでございますために、御満足な答弁ができないかもしれませんが、お話の点は誠意をもって大蔵省とも折衝いたしますから、しばらくお待ちを願いたいと思います。
○石山委員 こまかいことについては、私だけでなく、他の委員からもそれぞれの角度から論じられているわけです。ですから、あえてこれを長官に再度聞く必要はないと私は思っておりますけれども、これは公務員でも言えることだと思うのです。二万四千円ベース、現行はほとんど二万八千円をこえておる。共済の場合は二万円ベース、しかも、これが来年の七月でないと完全に実施しないほどおくれているということです。先ほどから論じられていることを概括的に申し上げれば、つまり、ベースが低いのじゃないかということ、しかも、共済の場合は特に低いのじゃないかということが指摘されているわけです。要旨としては、そういう低いということを第一に是正する、それから国家公務員法百七条のたてまえからすれば、スライド制をとるようなくふうをこの際考えるべきだということが、各委員から力説されております。特に私は国務大臣としてあなたに聞きたい点は、財政の責任を負うているはずの与党が、いろいろと考えた結果、野党と一緒に全員一致で、その不備、将来に対する希望をきちんと文書にした附帯決議が二度も出ているのに、こたえないような政府のやり方であれば、これは非民主的だといわれてもしかたがないと私は思います。それを国務大臣として、公務員だけ担当しているという意味じゃなくして聞いておいていただかなければならぬし、善処してもらわなければならぬという意味で、私は、この分だけ質問を残してあなたのおいでを待っていたわけなんです。これは、今回もわれわれの中でいろいろ問題を出していますけれども、根底を流れるものは、その三つの思想は統一されているわけですから、ひとつ十分に研究していただきたいし、しかも、読み上げた附帯決議の趣旨に沿うても急いでおやりになる心要があるということを力説して、私の質問を終わりたいと思いますが、それに答えていただきたいと思います。
○徳安政府委員 恩給のスライド制につきましては自民党のほうからも各部会なりで常に力説されておりまして、委員会の決議の次第もあり、至急に形をつくるようにという話が何べんも出ております。私どものほうでも、これに対しましては御期待に沿うように適当な方法を考えようということで、いま検討はいたしておりますけれども、御期待に沿い得ない現実で、非常に申しわけないと思いますが、自民党のほうからもそういう話も強くございますし、まして各党一致の決議だといたしますれば、院議を尊重する意味においても、これは十二分にやらなくちゃならぬことでありますから、しばらく日にちをかしていただきまして、速急にそうした点について御答弁ができるような処置をとりたいと思います。
○永山委員長 これにて恩給法等の一部を改正する法律案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○永山委員長 これより討論に入るのでありますが、別に申し出もございませんので、直ちに採決いたします。 恩給法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○永山委員長 起立総員。よって、本案は可決すべきものと決しました。 —————————————
○永山委員長 本案に対し、藤原節夫君外八名より、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三派共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。藤原節夫君
○藤原(節)委員 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表いたしまして、趣旨を御説明申し上げます。 案文を朗読いたします。 恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 昭和二十八年恩給法改正により旧軍人恩給が支給されることになってから、幾度か恩給扶助料の改善が行なわれ今日に至っているが、なお、沖繩等に対する戦地加算の指定、元満州開拓指導員及び元満州国協和会職員に対する恩給法の適用、特例扶助料の支給範囲拡大、昭和二十年十月四日付占領軍命令による一せい罷免者の救済、抑留加算等残された未処遇問題の解決並びに旧海軍特務士官の仮定俸給基準の是正、引き下げられた旧軍人の仮定俸給号俸の是正、傷病恩給における間差、裁定基準の是正及び家族加給の支給等さらに検討されるべき問題が残されている。 また、昭和三十四年現職公務員には、国家公務員共済組合法にもとづく年金が適用され、恩給扶助料を受ける者との間にベースの格差が生じ、この問題は従来から強く主張されている現職公務員の給与ベースに対する恩給のスライド制確立の問題並びに恩給受給者間における不均衡是正の要望とともに重大な懸案となつているが、これについては、特に第三十八国会参議院内閣委員会において、政府は常時調査研究の上適切な措置を講ずべきであるとの附帯決議が附されている。 政府はこれらの問題についてすみやかに検討の上善処されるよう要望する。 右決議する。 以上が案文でございますが、この内容につきましては、すでにこの委員会において、各委員から熱心に質疑され、要望されてきたところであります。従来から懸案になっております問題点、並びに関係者から強く要望されております問題のうち、おもなものを掲げて、政府に対して、すみやかに検討の上解決されるよう要望しようとするものであります。 以上、はなはだ簡単でございますが、何とぞ御賛同あらんことをお願いいたします。
○永山委員長 本動議について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○永山委員長 起立総員。よって、本動議は可決いたしました。 この際、政府より発言を求められておりますので、これを許します。徳上安総理府総務長官。
○徳安政府委員 ただいまの附帯決議の御趣旨につきましては、政府といたしましても、今後慎重に検討を加えまして、それぞれ処置いたしたいと存じます。 —————————————
○永山委員長 なお本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。次会は、来たる十三日十時理事会、十時半委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十七分散会