内閣委員会 第23号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/04
会議録
○永山委員長 これより会議を開きます。 恩給法等の一部を改正する法律案及び旧金鵄勲章年金受給者に関する特別措置法案の両案を一括議題として、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高橋等君。
○高橋(等)委員 恩給関係につきまして、二、三御質問を申し上げたいと思います。 第一点は、沖繩本島及びその周辺等に対する戦地加算の指定の問題であります。 去る昭和三十六年に復活しました戦地加算につきましては、終戦前までは旧法第三十二条で戦地加算の基本的事項だけを規定し、その具体化は勅裁によることとして、内閣告示によって告示されて、初めて加算が認められることになっておったのであります。終戦時には、戦地との通信の途絶、逼迫した国内情勢等のために、この勅裁手続が間に合わなかったことも当然考え得るところでありますし、事実、沖繩とか満州等はその顕著なる例であるのであります。戦地加算が復活せられました以上は、このような事実に対しまして、すみやかに整備することは当然といわねばなりません。この意味において、沖繩本島及びその周辺等に対します戦地加算の指定がまだ行なわれておらないことは、政府当局の怠慢と言われてもしかたがないと思うのでありまして、早急に解決を要求をいたしたいのでありますが、政府の明確なお答えをいただきたいと思います。
○八巻政府委員 旧軍人の恩給につきましての加算の問題でございますが、旧軍人につきまして、戦地加算をつけて恩給権を取得させるということにつきまして、昭和三十六年法律一三九号というものをもちまして、従前既裁定者と未裁定者との間にアンバランスがあるということで、これを解決するために、未裁定者につきましても、既裁定者と同じように、戦前に行なわれておりました加算制度というものを適用して、普通恩給年限に達する者につきましては恩給権を収得させるという道を開いたのでございます。これはあくまでもそうした未裁定者と既裁定者とのアンバランスを解消するという目的をもって昭和三十六年に施行されたものでございます。したがいまして、これらの基礎になっております加算制度の中には、御指摘のように、沖繩島の地域に対する加算というものは含まれておらないわけでございます。この沖繩島の地域に対する加算の問題は、御指摘のとおり、終戦のまぎわになりまして、この地域に対する法的措置というものを講ずる、すなわち、その当時で申しますと、法律に基づきまして、勅裁を経て内閣告示を出すということでございますけれども、その手続が間に合いませんで、ついに終戦の内閣が瓦解したというような事情にございます。そういうふうな当時の事情を勘案いたしてみますと、旧制度の上になかったとは申しますけれども、その点は今後十分考えてしかるべきではないかという御説には同感の点もございます。しかしながら、技術的に申しますというと、沖繩本局の場合と周辺の場合とその程度、方法あるいは時期というふうな問題につきまして、今後十分検討してまいらなければならない問題がございますので、御趣旨の点十分尊重いたしまして、今後慎重に検討してまいりたい、こう思っております。
○高橋(等)委員 周辺等のいろいろ技術的にむずかしい問題もあるかと思いますが、そうした困難は、原則的にいま私が申し上げましたように、急いで整備を要する問題でありますので、政府においても鋭意努力をせられまして、早急なる解決を要望いたしたいと思います。 次に、抑留加算についてでありますが、戦後多数の旧軍人、旧軍属が相当長期にわたりましてシベリアその他の海外に抑留されたということは、わが国にとりましては初めての経験であります。しかも、この事実は、いわば至上命令によって発生した公務たる特別の事情に関連したものでありますから、恩給処遇上におきましてもしかるべき措置が講ぜられることは当然と考えております。ときにより、また地域によって、多少の相違はありましたが、被抑留者は戦時勤務に劣らぬ苦難をなめさせられたのであります。したがって、全抑留期間を完全に実在職年として認めることはもとより、この実在職年に対して相当の加算を認めるのが至当であると考えます。この点は特に強く、要望いたしたいのでありますが、政府のお考えを承っておきたいと思います。
○八巻政府委員 御趣旨の点は、前の御質問と同じように、いわゆる勤務年限に対して割り増しをするという加算の問題でございます。終戦後における軍人の場合は未復員であり、文官の場合は未帰還でございますが、そうした抑留期間中の勤務に対してさらに割り増しをするかどうか、こういう問題でございます。この点につきましては、抑留期間中なみなみならぬ御苦労をなさったという事情を考えますと、そうした期間を経過された方々に対する恩給の給付の条件といたしまして、何らかの措置を講ずるということが適当ではないかという御意見は、まことにごもっともだと思っております。しかしながら、この抑留と申しましても、いろいろな地域がございますし、また瞬間的な相違もございます。同時に、この抑留者の数というものは相当膨大な数にのぼっております。したがいまして、その程度、方法におきましては、また新しい対象者というものが相当生まれてまいりまして、これが財政負担になるということも考えられるわけでございます。現在の段階におきましては、これらの対象者の数等も不透明でございまして、政策的にどう判断したらいいかというようなことも、なかなかつかみかねている事情にございます。したがいまして、御趣旨の点は十分尊重いたしまして、今後そうしたデータ等を十分検討いたしまして、善処してまいりたい、こう思っております。
○高橋(等)委員 この点は全く新しいケースでありまして、いろいろと苦心をしなければならぬ点が政府にもあるかと思います。ただ、従来の制度の中で、あるいは不健康地につきまして、あるいは不健康業務につきまして特殊の加算のようなものを認めておったことがありますので、そうした点も加味いたしまして、財政上云々と言われますが、そうたいした問題にはならぬと思いますので、十分検討の上、来年度の予算にはぜひこれが実現を期していただきたい、これを強く要望いたします。 次に、年齢制限の撤廃の問題でありますが、今年度予算におきましては、一万五千円ベースまでは六十歳の年齢制限が撤廃せられます。不完全な措置ではありますが、一歩前進であり、この点政府の努力に敬意を表するのであります。しかし、現在旧文官、軍人恩給は二万円ベースで、遺族、傷痍軍人の恩給は二万四千円ベースであります。そこで、少なくともこの限度までは年齢制限を撤廃するのが妥当であると考えます。政府が今年度一万五千円ベースまでの制限を撤廃せられたのは、もちろん、漸進的に、いま私が要望しました点の実現までの過渡的措置であると私は考えますが、ひとつ早急にこれは善処していただきたいと思います。お考えを承っておきます。
○八巻政府委員 御承知のとおり、過去の増額措置、すなわち、昭和三十三年における百二十四号による一万五千円ベースの増額、あるいは昨年の法律第百十四号におきます二万円ベースあるいは二万四千円ベースヘの増額措置、この場合におきまして、いずれも六十歳以上の方々について優先的にと申しましょうか、その増額分を均てんさせるという指貫をとったわけでございます。もちろん、これらの手法というものは、本来の恩給制度の上でのプリンシプルではございませんで、そうした増額措置を行なう場合における諸般の事情を考慮しての措置でございます。したがいまして、漸次恩給制度の本旨に戻していくというような意味で、今回御提案申し上げておる措置もやったわけでございますけれども、御指摘の点まことにごもっともと存じますので、今後もそうした過渡的な形態というものを漸次なくしていくようにつとめてまいりたい、こう思っております。
○高橋(等)委員 加算による恩給事務の状況でありますが、昭和二十八年軍人恩給が復活しましてから、同三十六年に加算が復元するまでの間八年もかかっております。加算による新恩給受給君たちは、加算が復元いたしましてからきょうまで二年近くなるのでありますが、何ら音さたがないことにしびれを切らしておるという者が非常に多いのであります。もちろん、七十万という数にのぼっておるので、いろいろと政府、地方公共団体の関係職員が事務促進に全力を傾倒しておるが、十分に運ばれておらないということは、説明してやればわかるのでありますけれども、しかし、実際に受給者の立場に立ちますと、どうも非常な不安を感じておるという状況であります。これらのことは、ちょうど援護法を制定いたしましたときの年金の受給関係の事務、あるいは恩給法復活の際の恩給裁定の問題等のときと同じような渋滞が起こっておるし、また今後も、相当何か制度の上に抜本的な頭の切りかえを行ないませんとうまく運ばないのじゃないかという心配が実はあるのでございます。 そこで、伺っておきたいことは、厚生省及び恩給局の現在までの事務処理の状況が一点。第二点は、今後の事務の進捗の見通しと促進の方法をどうお考えになっておるか。第三は、事務を処理していきます上に何か隘路があるのじゃないか、どうしても解決しなければいかぬ隘路がありはせぬか。こういう点についてお伺いを申し上げますとともに、要すれば、法的措置を講じてでも、できるだけ簡易なる方法によりましてすみやかなる裁定をするということがぜひ必要である。もちろん、若年停止でまだいま証書を出さないでもいいのだという考え方もあるかもしれませんが、若年停止であろうがどうであろうが、まず証書を渡してやるということが、政治的に見ましても、人心安定の上から見ましても、これは非常な意味があるので、若年停止に籍口して事務をおくらすことは、私は賛成できないのでございます。いま申し上げました点につきまして、厚生省及び恩給局の両方から御答弁をいただきたいと思います。
○山本(淺)政府委員 加算の問題につきましては、この推進に出たられました先生方から、常にどうなっておるのだという御激励をいただいて、非常に恐縮し、また一面においては感謝いたしておるところでございます。 まず、数字を申し上げますと、本年の四月末に私ども厚生省で処理いたしました累計を申し上げますと、十五万四千五百二十五件でございます。そして三十八年度の申達の見込みといたしましては、十五万件を下らない、それ以上に持っていきたいということでございます。以後、大体三十八年度を含めまして四年間くらいで十五万件くらいを処理するというのが、一番常識的な処理計画でございますが、ただいま先生も申されましたように、これは最低の線であって、でき得ればこれを上回るような件数、具体的には年数を少なくするようなことで今後努力いたしたいと考えておるところでございます。 ところで、いろいろ渋滞しておるのではないかという各方面の御指摘があるわけでございますが、御案内のように、この加算は普通の公務扶助料等と違いまして、いまさら申すまでもないことでございますが、一人一人の具体の行動を全部たどらないと計算ができない。満州の同じ地域につきましても、日本で言いますと、県に当たります旗というのがございますが、その旗によって、各地方によって、戦地あるいは事変地とされておるあれが違うということで、一人一人の軍人につきまして全部履歴を詳細に洗って、いつからいつまでこの者は満州の何旗にいたという履歴の積み上げをし、その上に計算をするということで、私どもの担当している仕事といたしましては、類例のない繁雑困難をきわめておるような仕事の内容でございます。そういうことでございますので、まず第一に、私どもといたしましては、最近入りました職員は、そうした昔の軍隊の組織、階級あるいは満州の旗名、そういったことを全然知らない若い人々でございますので、そういう基礎的な業務処理に必要な事項をしっかりと頭にたたき込んであげるということが必要でございまして、この法律が制定されました後一年間は、主としてそうした職員の訓練に重点を置いてきたわけでございます。そういう成果があがりまして、最近におきましては比較的順調に仕事の処理が行なわれまして、本年の四月一ヵ月だけの実績を見ましても、先ほど申しました年間の処理計画を多少上回る程度の処理ができるように、数字の上で判断される状況に立ち至っております。 それから、先生から御指摘はありませんでしたが、要望されておるお心の中にあると思いますのは、やはりこうした非常にむずかしい仕事でございますので、予算が十分にないとなかなか現実に仕事が運ばないと思われます。したがいまして、本三十八年度におきましては、従前に増しまして、各県を通じて三割くらいの委託費の増額をいたしますとともに、資料が欠缺しております若干の府県につきましては、特に五割程度の予算増になるような措置をいたしますし、また、資料の欠缺した県の中で、本省が技術的にいろいろ応援を要する県がございますので、そういう県につきましては、一種の研修を行なって、当該府県に対して本省も参加いたしまして、具体的な事案の処理の促進につとめるような措置を講じておりますので、ただいま申しました数字を上回って処理が済むものと考え、今後も努力いたしたいと考えておるところでございます。 なお、関係団体にこのような事情にあるということを十分連絡する必要がございますので、私どもは最近におきましても必要な連絡をとっており、特に都道府県の世話課長会議等がありました場合におきましては、そうした団体の人の御参加も何らかの方法で得まして、私どもの仕事のやり方について御連絡を申し上げ、こうした計画的処理をやっておるという事情をよくのみ込んでいただいておるつもりでございますが、なおいま御指摘のような関係の方々に不安を与えるというようなことは、いずれにいたしましても妥当でございませんので、そういう点にも十分よく留意して、連絡をとって処理を進めたい、このように考える次第でございます。
○八巻政府委員 ただいま援護局長のほうから、加算恩給事務の進捗状況についての申達庁の側としての御意見を申し上げたわけでございますが、私ども裁定庁といたしましても、申達側の態勢に即応して陣容を整備いたしまして、今日ただいまのところでは、大体月一万五千件くらいずつを処理するという計画で進んでおりまして、実際問題といたしまして、五月中に普通恩給の裁定をいたしました数量は一万五千百八十五件に達しております。大体このくらいの一万四、五千程度のスピードでずっとやっていけると思っております。したがいまして、三十八年度中におきまして約十七、八万件くらいのところはさばけるのではなかろうか。そうして、このスピードでもって三十九年度までやってまいりますと、七十万と称せられます全受給者のうち、支給額のございます四十五歳以上の方々につきましては、おそらく今明年度中に証書が渡るようになると思っております。さらに支給額のない方々につきましても、三年目の再来年くらいには全面的に渡すことができるのではなかろうか、こういうように考えておるわけでございます。何ぶんにも去年の十月から権利が発生いたしまして、裁定事務を開始したわけでございますので、そこにせきを切って落としたように大量の請求が参りまして、これをさばくのに必要な態勢、陣容を整え、せっかく訓練をいたしておるさなかでございますので、漸次これからは職員の能率もあがりまして、請求者の御期待に沿うことができるようになると思っております。 なお、事務の進捗につきましては、進捗の方法、つまり、事務の簡素化の問題につきまして、今後とも厚生省と私のほうで定例的に会議を開きまして研究いたしたいと思っております。その事務の簡素化に法律的な措置が何か要るのではないかというお話もございますけれども、ただいまのところでは、法律で措置をしなければならぬというところまで立ち至っておりません。事務のやり方によりまして十分簡素化し得る余地はなおあると思っております。その点につきましては、十分両当局間におきまして研究を、重ねて、御期待に沿うようにいたしてまいりたいと思っております。
○高橋(等)委員 まあ、始まって間がないので、職員の訓練その他に相当な苦労があったことと思うのですが、どうも月に一万五千件の処理では、七十数万件の加算を片づけるまでには相当長い年月がかかるので、ひとつ来年度は予算をできるだけ盛り込みまして、できるだけ早く事務を進捗するように、われわれもお手伝いしたいと思いますので、政府のほうでも御努力をお願いいたしたい。 以上をもって私の質問を終わります。
○永山委員長 伊能繁次郎君。
○伊能委員 ただいま同僚議員の高橋先生から、恩給関係について二、三の質問がございましたが、私も、それに関連して、今回の恩給法の一部改正法案につきまして、政府にお尋ねをし、明確な御答弁をいただきたいと思うのでございます。 現在でも、私が申し上げるまでもなく、恩給並びに年金等の受給者は、昭和二十八年十二月以前において退職した人々、及び昭和二十九年一月以降に退職した一部の人々の普通恩給においては、昭和三十七年十月から二万円ベース、昭和三十五年十月以降の退職者は二万四千円ベース、また三十六年十月以降の退職者は二万七千円ベースと、それぞれ退職時において格差が生じておることは、もう申し上げるまでもないと思います。これに対して現職の公務員の給与は、そのときどきの経済の成長あるいは諸物価の高騰等に応じて漸次上昇、調整されておりますが、不幸にして恩給、年金を受けておる人々のほうは、その改善調整がほとんどこれに伴っておらないということを申し上げても決して過言でないと思うのでございます。政府は毎々これに対しては調整措置を講ずる、または現に講じておるというお話であり、一部その事実はわれわれも認めないわけではございませんが、現実においては、御承知のように、昭和二十九年一月の現職の一万五千円ベースが毎年毎年上がって、昭和三十七年十月からは二万九千円ベースになっておる。これは、現職の人々が現に生活給としてそのつどの経済の実情に応じて引き上げられておるということは、私ども当然だと思います。また、現在並びに将来の勤労者の給与の情勢からいって、こういうことは今後も続くだろうと思うのであります。そうすると、過去においてやめられた退職公務員あるいは年金受給者、これらの人々も、その点については、過去においての勤労の対価として恩給、年金というものが支給されておって、それが自分の事情でなく、それぞれ経済あるいは諸物価の高騰等の事情において不当な待遇を受けておるということは、私ども、これはいかんとしても、日本全体の勤労者に対する、ことに国に奉仕した勤労者に対する処遇としては適当でない、かように考えております。これらの格差の現状について、一体政府はどうお考えになっているのか、もちろん、これを正しいとはお考えになっておらないので、政府はわれわれの希望するようにすみやかに実情に即した調整をしていただきたいし、調整をすべきだと思っておりますが、この現状、ともかく現実は、はなはだしく現職者と時期々々に応じてやめた退職者の間の格差というものは不公平な状態になっておるので、この実情を一体どう考えられ——これは予算その他の関係があることはわれわれもちろん承知しておりますが、しかし、それだけの事情で不当な待遇を過去にやめられた人に与えるということは、何としても納得できないので、この辺の実情を一ぺん政府当局のお考えを伺い、さらに、これに対する調整の方途についても、具体的にお話しいただければまことに幸いと存じますが、政府の所見はどうでございますか、お伺いいたします。
○八巻政府委員 お尋ねの点は、退職者の年金の改定と申しまするか、その後の経済事情の変化に応じての改定のしかたの問題だと思っております。この過去に退職した方々の年金をどう見直すかということにつきましては、従来恩給の範囲でやってまいりました手法といたしましては、一つは、その後の物価あるいは生活水準の上昇を勘案して、過去の年金の購買力を落とさないというふうな考え方から、それを見直していくというのが一つ。それからもう一つは、俸給体系が変わったと申しますか、俸給のベースアップが行なわれたことによりまして、その前後の退職者間のアンバランスを直す、こういうための措置として、この二つの方向から、従来恩給のベースアップということをやってまいったわけであります。これは必ずしも在職公務員の給与が上っがたから直ちにそれと平仄を合わせてというふうに時間的に参ってはおりませんけれども、そうした考え方に基づいて、過去のベースアップは逐次やってまいったわけでございます。昨年、法律第百十四号によりまして、過去の一般退職者のベースを一万五千円ベースから二万円ベース、公務災害関係の方々につきましてはそれよりも一割二、三分増しというふうなことで、ベースアップをいたしたわけでございます。もちろん、御指摘のとおり、その後、現職公務員の給与水準というものは毎年のように上がってまいりまして、昨年やりました措置もなかなかそれに追っついておらないというふうなことでございますので、今後とも十分その点の考慮は払って検討を加えて、恩給上の処遇の改善に努力しなければならないことは確かでございます。御指摘の点は十分尊重いたしまして、今後検討し、善処してまいる、こういうふうに考えております。
○伊能委員 考え方の基準としては、私は、局長のお話はよく理解できるわけでありますが、現実がどうもこれに伴っておならい。もちろん、パラレルに平仄を合わせてやるということは、これは私は無理だろうと思います。さいぜん申し上げましたように、現職公務員のほうは、現在の日本の経済の事情、また諸物価の高騰等から、さらにまた民間との一般の給与ベースの関係から、逐次上げられる。しかし、退職公務員もしくは年金受給者は、ある期間をおいてそれに追随していくということであれば、おそらく退職公務員並びに年金受給者も、不満足ながらそれで了承できる面もあろうと思いますが、現状ははなはだしく格差がついておる。したがって、これを逐次現職公務員の給与ベースとバランスのとれた形にできるだけ早く引き直していくということが一番根本ではなかろうか。もちろん、これには相当な予算を要することはわれわれもよくわかりますが、勤労の対価ということは、現実には現職公務員に適用されるわけでありますが、過去に一生懸命働いて国家に奉仕した人々に対する処遇の点からいくと、はなはだしいアンバランスを残しておくということも、私は適当でないと思いますので、この辺のことを現状に即した形にできるだけすみやかに直していくというお考えが一体あるかどうか。ただいま程度の格差はやむを得ないんだというお考えであると、これはなかなか問題が解決しないと思うのですが、なるべく実情に合った形でもって早く是正するんだという基本的なお考えであるかどうかという点も、あわせて伺いたいと思います。
○八巻政府委員 私ども恩給受給者の利益を代弁すると申しますか、お世話をする立場にある役所といたしましては、先生のお話のとおり、できるだけすみやかにその格差をなくすという方向に努力することは当然だと思っております。しかしながら、この恩給の分野だけではなく、一般の社会保険における年金の制度あるいは財政の問題等々、諸般のいろいろな問題を総合的に勘案して、そうして政策として決定されるわけでございますので、そういうふうな観点から現状のような事態になっておるわけでありまして、現状が必ずしもいいと私どもも思っておりませんので、今後とも十分御趣旨を体して努力してまいりたい、こう思っております。
○伊能委員 ただいまの御答弁を信頼して、ぜひ明確に、できるだけすみやかに格差を是正するということに最善の努力をしていただきたいと思います。ことに、いま他の問題に局長触れられましたが、他の社会保険その他というお話がありましたが、われわれ、当恩給法の一部改正に関連いたします問題でも、諸般の福祉年金等の併給の適正化の問題、これらの問題等につきましても、現在、恩給その他公的年金の受給者に併給されている老齢福祉年金等については、どうも納得しがたいものがある。恩給その他公的年金の受給着に併給される老齢福祉年金の基準制限額がある。普通恩給では年額二万四千円、公務扶助料の場合は七万円となっていることについては、福祉年金制度に基づいてこれらの制限を解除か緩和するということは、あわせて当然だ、こう思っているのですが、これらの社会保険その他の関係を全般に見て適当な措置をとりたいという御答弁もあったわけでありますが、どうぞひとつ、これらの問題についても、ぜひ均衡を得た是正緩和の措置もあわせてとっていただきたいということをこの機会に要望いたしておきます。 次に、私は申し上げてお尋ねをしたいことは、恩給と旧法共済組合とは、従来同じように国の負担で、現職に準じて改定がただいまのお説のように行なわれてまいったことはわれわれも承知しております。新法の共済組合年金も、同様に公務員の退職後の生活を保障する給与制度であることについては、これまた変わりはないわけでありますが、したがって、その処遇については、両者は同じように、使用者である国が、その責任において改定を行なっていただいてその費用を負担し、恩給、共済ともに同時にベースアップが行なわれるべきである、かように考えますが、どうもこの点について従来はさように行なわれておらない。私どもは、この点については、ぜひひとつ当初にお尋ねした問題と同様に、政府の明確な方針と申しますか、また今後の考え方についてお尋ねをいたしておきたいと思います。
○八巻政府委員 ただいま恩給と共済年金の過去の退職者、そうした者に対する処遇は、同じように同時に行なわれるべきであろうという御要望がございました。私、実は共済年金に関する限り、私の知る範囲でございませんので、それに対する責任ある答弁を申し上げることはできないと思います。いずれにいたしましても、公務員の退職後の給付としての年金というふうに考えますならば、恩給と共済はその性格を全く異にするとはいいますけれども、その給付の目的というものにつきましては全く同じであるという意味からいたしますと、恩給のベースアップが行なわれたけれども、共済年金のベースアップは行なわれないのだということでは、話が通らないというふうに思うのでございます。しかしながら、共済には共済のいろいろ財源に対する負担の問題が、保険経済であります関係上あるわけでありまして、そうした問題が解決されませんと、必ずしも行なわるべきだといっても行なわれないこともあり得るわけであります。そういうようなことで、考え方といたしましては、過去の退職者の年金というものをその後の経済情勢の変化に応じてどう見直すかという態度そのものは、共済年金であろうと恩給であろうと、精神的な考え方においては全く同じだろうと思うのでございます。したがいまして、同一に行なわれるべきだということにつきましては、全く同感でございますけれども、現実の問題として同一に行なわれるかどうかという問題につきましては、なかなかむずかしい問題が含まれておるようでございます。十分御満足な答弁はできませんけれども、私は共済のほうを担当いたしておりませんので、その程度の御答弁で御了承願いたいと思います。
○伊能委員 ただいまの問題については、局長のお話はよくわかるわけであります。もちろん、理論的に恩給と新共済年金法の関係について私も承知はいたしておりまするが、実際問題としては、新しい共済組合年金法においても、退職後の公務員等の生活をある程度保障をする。全部を保障するということは不可能であるにしても、ある程度保障するという趣旨においては、恩給と変わりはない、私はかような観点に立っておりますので、財源等の問題については、当然現在の法律もしくは政府の行政措置によって、政府がこの点について責任をとってもらわなければいけない。もちろん、財源その他のことは私どももよく承知はいたしておりますが、そのつじつまの最後は政府に何としても責任をとってもらうべきだ、かように考えますので、この点の所管が大蔵省関係であるか、あるいはどなたであるか、もし御出席があれば、考え方をお伺いしておきたい。
○岩尾説明員 旧令共済あるいは共済組合、それから恩給の関係につきましては、先ほど来御議論ありましたように、退職した方の老後の安定といいますか、そういうものに対する目的は同じでございますけれども、これが給付の財源といたしましては、片方は掛金をもって負担していく、片方は一般会計から出るということになりますので、その辺におきまして、必ずしも同じような給与の額にすべきかどうかという点には、非常に問題があると思います。ただ、最初申しましたような、それぞれ老後の生活の安定という面から見ますると、大きな目的は同じでございますから、実際上の問題といたしましては、そういう点を考慮しながら、しかし、財源としては、自分の掛けた金でもらうという金額と、そうではなくて、一般の財源からもらう金額については、ある程度の考え方を入れて調整しなければならぬのではないか、こういうふうに考えます。
○伊能委員 自分のかけた金だけではないと思うのです。政府なりあるいは公共団体等がそれに負担に応じてそれぞれ金を出しておるという実情がありますので、現在のような経済の変動の激しいときにおいては、やはりその実情に応じた政府の援助と申しますか、負担、そういうものについてもやはりある程度の考慮が払われてしかるべきだと思いますが、その点についてはいかがですか。
○岩尾説明員 もともと共済におきましても、事業主としての負担、さらに、国といたしましてそういったものに対する援助というものがあるわけでございますけれども、これはこれなりにまた各制度を通じての一つの考え方がございまして、つり合いをとっておるわけでございます。そこで、必ずしも全額というものを国でもって負担していくかどうかということには、やはりそういった制度自体の建前が違いますので、その辺についてやはり考慮する必要があるのじゃ、ないかと思います。
○伊能委員 最後に、以上の問題に関連をいたしましてお尋ねをしたいと思うのでございますが、現職の公務員の給与については、さいぜん来しばしばお尋ねもし、また御答弁もありましたように、人事院が、民間給与と均衡を失しないように調査をしたものをもととして、政府並びに国会に対して勧告を行なっておる。その勧告をもとにして、そのつど改善措置がとられてまいっておる。現に、さいぜん私が申し上げましたように、昭和二十九年の一万五千円から昭和三十七年十月からの二万九千円ベースになるというように、そのつど改善措置がとられておりまするが、さいぜん来しばしばお尋ねいたしましたように、恩給、年金の給与については、明確な、それに見合ったような改善措置をするという法律的な基礎もない。また法律の規定もない。したがって、調査、勧告をする機関もないわけで、これらの人々に対しては、率直に申し上げて、だれかが明確に法律的にあるいは行政的にお世話をする体制ができていない。したがって、現在では、ただ政府が、率直に申し上げれば、恩恵的にそのつどそのつど年度の予算の範囲内で現状を糊塗しておると申し上げても過言でない、かように私は考えるわけでございます。したがって、これらの問題については、数年来の国会においてもしばしば論議が取りかわされ、また国会の決議として、附帯決議等もこの問題については行なわれてまいっております。昭和三十六年六月八日の第三十八国会の参議院において成立した恩給法の一部改正法律案の附帯決議においても、「公務員の給与の改善については、人事院が民間給与との均衡を失しないよう常時研究調査を行い所要の改善措置を講じているのに反し、恩給及び各種年金の改善の合理的調整等の問題については、専ら調査する機関が政府部内になく、恩給及び各種年金受給者は、常に不安定不利な立場におかれている。政府はこの際、これら恩給及び各種年金受給者の処遇について常時調査研究を行い、その合理的調整につき速かに適切な措置を講ずべきである。」こういう趣旨に基づいて、その調査研究と調整措置に当たる機関が政府部内に設置されることを要望するというような附帯決議もつけられておりますし、また三十八国会においては、参議院内閣委員会においても、附帯決議によって、かかる恩給、年金受給者の不安定、不利な立場を解消するために適切な措置を講ずるよう、政府に要望いたしておる次第でございます。さらに当委員会においても、これらの問題についてはしばしば私どもが政府にお願いもし、またただした点もあるわけでございますが、政府はこれらの問題についてどういうように今後調査研究を行なおうとしておるかという点について、たとえば調査研究機関というようなものを設置をして、退職者、年金受給者の生活上の利益を最小限度に確保するというようなお考えがあるかどうか。この点については特に徳安総務長官にお尋ねしたいと思いましたが、きょうはお見えになりませんので、ひとつ副長官から御回答いただきたい、かように存ずる次第であります。
○古屋政府委員 ただいまお話しになりました、公務員関係終了により確定いたしました恩給等の増額の問題につきましては、一般の公務員給与につきましては、人事院勧告というものがございまして、それによって措置しております。恩給その他につきましては、そういう点が現在のところ欠けておるという御意見でございまして、また、先ほどの先生のお話にありましたように、附帯決議等もあって、私ども十分研究をしておる次第でございますが、お話のように、公務員の給与と同じように扱うか、あるいはまたこの恩給受給につきましては、そういうような調査研究あるいは勧告をする機構が必要ではないかという御意見でございまして、私どももそういう点は常時研究しておりますが、政府といたしまして、現在の関係諸機関の間の協議を密接に行ないまして、恩給、扶助料の受給者の利益を守るために、こういうような常時の研究調査機関というもののあり方ということにつきましては、実は附帯決議の御趣旨にも沿いまして、どういう機関をつくるかということにつきましては、私どもも、先生のお話のように、そういうような機構あるいは研究の組織が必要であるということは全く御同感でございまして、その点は、私どもも、あるいは閣議決定による関係者の協議会というようなものの設置につきまして、目下鋭意研究しておる次第でありまして、できるだけすみやかな機会に御趣旨に沿うようにいたしたいと応じまして、勉強してまいりたいと思います。
○山内委員 ただいま伊能委員からいろいろ御質問がありましたが、関連して私ちょっとお伺いしたいのです。 考え方として、いま伊能委員のお話のありました点は、私も全く同感なわけですが、ただ、いま聞いておりますと、恩給局長は、共済組合の年金関係と恩給と並行してすべての問題を解決していくことが、現実的には非常に困難な問題がたくさんある。それをもっと具体的に、どういう困難な事情があるのか——いま大蔵省の答弁によると、財源のお話は出ました。それも確かに一つだと思いますが、そのほかあったら、もっとお示しいただきたい。
○八巻政府委員 私が申し上げたのも、結局せんじ詰めれば、年額改定に必要な経費を保険経済の中でどこでまかなうかということに帰着するわけでございます。そのほかにむずかしい問題というものはございません。
○山内委員 大蔵省のほうの御答弁にもありましたとおり、確かにそれは事業主体の支弁しておる掛け金もあるし、国家がやっているのもありますから、これは混合はできないと思うのです。けれども、恩給と年金の性格というものは一緒な目的だというところからいけば、これは解決の道があると思うのです。それをただ困難だというだけで、いま前長官のお話では、調査機関も必要は認めておるけれども、ほうっておく、こういうことでは問題の解決にならないと思う。もう少しこれについて、いつくらいまでに調査をするとか、こう完了していつごろそういう機関を設けるとか、具体的な、もっと前進した御答弁をいただきたいと思います。
○古屋政府委員 私の言葉が足りませんで、ただいまのような御質疑をいただいたと思いますが、実は関係者で関係機関を持ちまして、検討を数回しておるのが事実でございます。ただ、もちろんそれだけでは、やはり先生方の御意見を承りまして、私ども十分であるとは思いませんので、できるだけすみやかに、たとえば次官会議の決定によって閣議の了承を得るとか、そういう形で、関係者によりまする研究というものを公的なものにいたしまして、御指摘の問題につきましては、できるだけすみやかに解決してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○山内委員 これは私あまり事情がわからないので、困難なことをお願いするのかもしれませんけれども、この問題の解決のできないのは、機構上の問題も一つあるのではないかと思うのです。一つは、共済組合の関係は大蔵省がやっておる。恩給のほうは恩給局でありますから、こっちのほうの所管局になるわけです。これは国会のほうの運営になりますけれども、参議院のほうに参りますと、内閣委員会のほうで全部共済の年金のほうも関連して処理されておりますから、これは総合的な判断ができると思いますけれども、衆議院のほうでは、恩給のほうはこっちにかかるけれども、共済組合のほうは大蔵委員会のほうで審議される。こういうところでも機構上の一つの傷害があるのではないかと思う。どういうわけで大蔵省から恩給局へ窓口を一本にする機構に持っていけないのか、その困難な隘路はどこにあるのか、お聞かせいただきたい。
○古屋政府委員 実は、お話のような点は、私ども実際上の会議をいたしまして、先生のお話のような点には逢着しております問題もございます。したがいまして、大きな見地から、先ほど申し上げましたような組織といいますか、会議といいますか、検討機関をつくりまして、その検討機関で常時、先ほど申し上げましたような問題を検討いたしますと同時に、その常設的な検討機関におきまして、もしそういうレベルの商い問題に逢着いたしますならば、そういう問題は、事実上の常設機関よりももう少し上の機関というものを考える必要があると思いまして、ただいまのような共済組合あるいは恩給の問題につきまして御指摘のございました点は、私どもも実際の会議をやりまして、事実問題で当たっておりますので、とりあえず、先ほど申し上げましたような線によりまして、協議会をできるだけすみやかに発足させまして、その協議会のラインで解決できない、もう少し上の問題につきましては、たとえば閣僚懇談会へ上げるような、そういう機関というものも必要かと思っておりますが、とりあえず早急に、常設の、関係各省による、総理府ないし内閣を中心といたしまして、常時連絡検討する機関をつくりまして、そこでいろいろ検討をし、そこでは解決できないような問題につきましては、さらに十分検討いたしまして、一そう上の組織と申しますか、そういうものをあわせてつくりまして、御指摘のような点の早期解決、打開ということに進んで参りたいと思います。
○山内委員 関連質問でありますから、また後日大臣がお見えになったとき、この問題をお聞きしたいと思います。
○永山委員長 保科善四郎君。
○保科委員 第二十八国会で、福永委員長から、恩給法に関して今後解決を要する問題として、金鵄勲章問題を含めて九項目の要望をいたしました。そして政府に対して、すみやかに熱意をもって検討し、適当な措置をとるようにというととを申し入れてあるわけであります。これに対しまして、当時の今松総務長官から、十分検討の上善処するという約束がありまして、政府では着々この線に沿うて実行されましたが、その中で、まだ全然実施されてないもの、それから実施されても措置が不十分なものがありますので、それについてさらに御検討を願って、すみやかに善処をいただきたいという観点に立って、総務長官はきょうおいでになりませんから、副長官なり、あるいは恩給局長、あるいは厚生省援護局長等からも、あまり長たらしいことは要りませんから、率直簡明にお答えを願いたいのであります。 第一は、旧海軍特務士官の仮定俸給基準の是正の問題であります。これは全然手をつけておりません。御承知のごとく、その問題点は、仮定俸給額が一般に退職時の実際の俸給額よりも多くなるように定められておるにもかかわらず、旧海軍特務士官の場合はこれが低くなっておるわけであります。かりに例をあげて申しますと、中尉一級俸では千七百四十円のところを、四十円下げて千七百円が仮定俸給になっているわけです。こういう例は、なお旧陸海軍の准士官、下士官の一部にも存在をいたしておるわけであります。そして、昭和二十三年六月三日以前に給与の理由の生じた文官には、すでに数回にわたって格づけの変更が行なわれております。これによって仮定俸給の是正が実施されておるのでありますから、文武間に差別を与えないというこの原則から申しましても、これを是正する必要があると私は考えておるわけであります。これに対してひとつ御返答を願いたいと思います。
○八巻政府委員 旧海軍の特務士官の仮定俸給年額の是正の問題でありますが、これは一二四号の法律案が通りましたときに、いわゆる九項目の中身として、一つの問題として取り上げられております。この点につきましては、非常に技術的なことにわたるので、その点についての誤解があるのではなかろうかとも思っております。もう一つは、根本的な考え方にいたしますると、またなかなかやっかいな問題が一つあります。 まず、技術的な誤解と申しますのは、いまも先生がおあげになりましたような中尉の仮定俸給は、その当時千七百円、そして在職中の給与は、中尉の一番下のほうは千二十円から、上のほうは特務士官の場合は千七百四十円までの幅で、四つくらいの刻みになって、中尉の在職中の俸給がきまっておるわけです。軍人の場合は、在職中の俸給、退職時の俸給を基礎にしないで、それより上回った額を思給の基礎にするというふうなことにいたしております。すなわち、文官の場合より、軍人の場合のほうが、特に恩給上の処遇につきましては優遇するという方法をとったわけです。ところで、千七百円という仮定俸給よりも、特務仕官の一等の人は中尉の方は千七百四十円になっておる。四十円だけ頭をちょん切られておる。この点に対する戦前からの不満があったわけだと思うのです。しかしながら、この点につきましては、実は旧額というものをベースアップいたしまするときに、文官と軍人を同時にベースアップしなければならない。軍人恩給がスタートした昭和二十八年当時におけるところの文官の吉の月額百四十五円の方、すなわち、一年にいたしますると千七百四十円になるわけですが、その四十円の方のものが、一万円ベースなり一万二千円ベースで一体どうなるかというふうに見た場合の額を、この中尉の場合に当てはめておるわけです。したがって、千七百円を四十円ちょん切られておるというふうなことは、すでにこの手法によって解消しておるというふうに見ることができるわけでありまして、決してそれが損になっておるというふうな印象は、技術的な意味から申しますと、ないわけであります。 それからもう一つは、根本的には、士官学校出の若い将校が年額千二十円、しかるに相当長い特務士官の方は千七百四十円である。その千二十円の俸給をもらった若い将校も、古い特務士官である千七百四十円もらっておった人も、同じように恩給上処遇するのはけしからぬじゃないかという主張があらわれたとすれば、これは根本的に軍人の仮定俸給を全面的に直さなければならぬということになるわけでありまして、こうした昭和二十八年以来行なわれた措置をあらためて考慮するということは、軍人の仮定俸給全体に影響することになって、きわめて困難な問題であるというふうな結論も、臨時恩給調査会におきましても出ておるようなわけでありまして、古い方々につきましてそうした点の若干の御不満があることは想像されるわけでございまするけれども、そういう方々はそういう方々なりに在職年のほうも相当長いわけでございまして、若い士官よりも恩給額におきましては相当多いということもございますので、この点は十分御了解いただきたいと思っておるのでございます。そういうことで、この御要望はありまするけれども、これにつきましての措置はいままで講じられておらないというのが実情でございます。
○保科委員 恩給局の見解はいまはっきり述べられましたが、実は制度で残るわけじゃないので、ただ問題は、実際問題として非常に年齢の低い、そうして長年の間働いておる人が多いので、そういう原則を認めずに下げられたということに不満があるわけです。やはりそういう点は、こういう場合にたいしたことじゃないのですから、不満なしにやれるように考えていただく必要があると思います。そういう意見を述べまして、御検討を願いたいと思います。 次は、引き下げられた旧軍人仮定俸給の是正の問題であります。軍人恩給復活の際に、給軍人の仮定俸給は、大将から兵に至るまで仮定作給額より一律に四号俸下げられたわけであります。この引き下げは、尉官以下については一応完全是正されておるわけでありますが、佐官は現在においても一号俸分、将官は二号俸分だけ引き下げられた形にくぎづけされておるわけであります。そういう不完全是正は、その後のベースアップにも影響を残して今日に及んでおるわけでありますので、この是正は、同様な前例もございますので、さらに三十年の改正時にさかのぼって、将官二号俸、佐官一号俸引き上げることとし、これに基づいてそれぞれ現在の仮定俸給額を改正すべきであるという意見が非常に強いのでありますが、これに対する御意見をひとつ伺いたいと思います。
○八巻政府委員 旧軍人恩給が出発いたしましたときに、法律一五五号できめられた軍人の仮定俸給というものは、一万円ベースで、その当時の旧文官の方々とのつり合いから申しまして、四号俸軒並みに下げたということで出発したわけでございます。次いで、昭和三十年に一万円ベースから一万二千円ベースに引き上げます場合に、この四号俸下げてスタートしたということを是正する意味で、将官の場合は二号俸だけ遠慮し、佐官の場合は一号俸だけ遠慮する、それ以下は四号俸完全に回復するということで均衡をとったわけであります。そして、将官の場合は二号俸だけしか上げなかった、佐官の場合は三号俸だけしか上げなかった、尉官以下、下士官、兵は四号俸上げたというバランスの問題でありますけれども、これをさらに将官二号俸、佐官一号俸回復させるということにつきましては、高額受給者の恩給を結局上薄下厚の精神によって抑制するという趣旨で、昭和三十年における一万二千円ベースにするときの格づけができておるわけでございます。したがいまして、この上薄下厚の精神は、だんだん世の移り変わりによって直さるべきだというような事情になってまいりますならば、これはまた検討の余地があると思いますけれども、そういう先生の御趣旨も十分尊重いたしまして、将来にわたって念頭に置いて検討してまいるということであろうと思っております。
○保科委員 ぜひ御検討を願いたいと思います。問題は、やはり当時財政上の理由等もあったわけでありますから、そういうこともだんだんに改善されつつあるわけですから、だんだんに事態の変化に伴って正常の状態でやるように、不満をなるべく残さないように善処していただきたいと思います。 次は、一時恩給の問題でありますが、一時恩給は、在職年三年以上で、しかも普通恩給を受け得ない者に支給することとなっておるわけであります。これは恩給法でそうなっております。そうして、下士官以上としての在職年が一年未満になれば、一時恩給は支給されないということになっておるわけであります。ところが、終戦後兵役制度が廃止されて、下士官、兵としての在職年一年以上の制限も当然削らるべきであり、事実上これがなくなったのであります。しかし、問題は、一時恩給支給の裁定条件が、引き続き在職年七年以上となっておるという点に問題があるわけであります。この七年と加算を含めて三年との大きいギャップのために、一時恩給への期待は裏切られ、多数の者が救われないでおるわけであります。そこで、すみやかにこの旧法の下士官以上としての在職年の制限を廃止して、現行規定の引き続く在職年七年以上というのを実在職年三年以上というように改むべきだという意見が非常に強いのでありますが、これに関して恩給局長の御意見をひとつ承りたいと思います。
○八巻政府委員 旧軍人の恩給制度というものは、昭和二十八年に再出発いたしたのでございますけれども、これはその当時とにかく敗戦あるいは軍の解体という非常事態に直面して、おびただしい戦没者、戦傷者あるいは退職者が生じたということ、また、敗戦による国力の弱化ということも考えなければならないということでございまして、その再出発にあたりましては、戦没者の遺族、傷病者、老齢長期在職者というものを重点的に考慮して、そうした若年の在職者に対してはしんぼうしていただくよりしかたがないということで、国家財政、国民感情の動向を考えて、七年以上の在職年のある者につきましては一時恩給を給するけれども、それ未満の者につきましては一時恩給は給さないという措置をとったわけであります。昭和三十六年の法律改正によりまして加算制度が復活いたしましたので、そうした三年以上六年までの下士官の方々あるいは若い将校の方々があると思いますけれども、そういう方々に対する処遇といたしましては、おそらく加算年の算入によりまして相当数普通恩給の対象者になったことだろうと思っておるわけであります。したがいまして、そうした短い期間の一時金というものをこの際ひとつということは、軍人恩給の出発当時と全く同じ考え方を堅持すべきであろうと思っておる次第でありまして、この点につきましては非常に困難な問題ではなかろうか、こういうふうにお答えせざるを得ないのでございます。
○保科委員 いま恩給局長が述べられたように、その当時は国力が非常に疲弊した時代でありますから、確かにそのとおりだと思う。ただし、赤紙召集によって召集された人々は何らの国家の恩恵というものを受けていないわけであります。もうそのままになっておるわけですから、そういう人は、この国力が回復した時代においてはできるだけ救ってあげるということが当然のことだと思います。従来の戦役においてはそれぞれ論功行賞というのが行なわれておるのでありますが、今回の戦役には何にもそれがない、もう働きっぱなしになっておるわけであります。そういう意味合いにおいて、こういう議論が起こっておるわけですから、そういうことを含んでぜひ御検討を願いたいと思います。 次は、傷病恩給における間差の裁定基準の是正と家族加給の支給に関してお伺いをいたしたいと思います。 第一に、間差の問題でありますが、昭和二十八年に恩給法が復活したとき、国家財政を理由に、第四項症以下が大幅に引き下げられまして、不均衡の大きいものとなっておりましたが、昭和三十六年にようやく間差の手直しをすることになったことは、御承知のとおりであります。しかし、これも一部中だるみを改めただけであって、依然として不均衡が残されておるわけであります。政府は国のために傷ついた戦傷者にすみやかにあたたかい手を伸べて、これを適当に改正すべきだと思うのでありますが、この点に関する御所見を承りたいと思います。
○八巻政府委員 傷病恩給の間差と申しますのは、結局傷病恩給は、重症者の特別項症、第一項症から増加恩給受給対象者としては七項症までの八つの刻み、それから軽症者につきましては、第一款症から第四款症までの四つの刻み、都合十二の刻みになっておるわけでございます。そこで、間差と申しますのは、第一項症の額を一〇〇といたしまして、それ以下の項症、款症に対する年金額というものは何%になるかという、そのパーセンテージを間差と言っておるわけでございます。戦前におきましては、第一項症の年金額を一〇〇といたしまして、第四款症の年金額は一三%になっておりました。しかしながら、戦後軍人恩給をまたスタートさせるにあたりまして、その間差を初め八にいたしまして、その後中間の部分につきましては若干引き上げながら、第四款症につきましては九%まで持ってきて現在に至っておるのでございます。この間差、第一項症を一〇〇とした下の各グレードの年金額のパーセンテージを戦前どおりに引き上げろ、こういう御要望でございますけれども、御承知のとおり、この傷病恩給につきましては、できるだけ上のほうに厚くする、上のほうと申しますか、重症者に厚くするという精神で従来やってまいりました関係上、上のほうを厚くした割合に応じてそのまま下を上げていく。それよりさらにまた戦前の考え方のようなパーセンテージに上げていくということになりますと、むしろ軽症者に厚くするというふうな考え方にもなるわけでございます。また、一般の社会保険におきますところの傷害給付等を考えてまいりましても、そうした軽症者のグループの方々に対しましては、大体一時金で決済されておるわけであります。また、その給付額というものも、軍人の傷病恩給に対するものよりも相当低目にきめられておる。こういうふうな観点からいたしまして、間差をにわかに戦前どおりに下のほうを上げていくということは、なかなかむずかしい問題があると思うのでございます。しかしながら、戦前における秩序というものにもそれ相当の理由があったわけでございますので、だんだんと世の中の状態が平静に戻ると申しますか、だんだんと時代の推移とともにそうした問題の解決もされなければならぬという御意見も、まことにごもっともでありますので、将来とも十分検討してまいるつもりでございます。
○保科委員 この問題は、傷痍軍人の間では非常に重要な問題になっておるわけであります。いま恩給局長の言われた点よくわかりますし、また御検討をしていただくということでありますので、ぜひこの問題は——もちろん重症者に厚くしていただくということは当然なことでありますが、特殊の服務を戦時中にいたしましてそういう病気になった人たちでありますから、ほかの方たちの関係よりもっと重く見ていただかなければならぬと思います。ことに戦傷者は、とにかく国のためにそういう病気になったということで、当然国が法律にしたがってめんどうを見るべきであると考えておるわけですから、そうい気持ちもよく含んで、ぜひこの問題に真剣に取り組んで是正をしていただきたいと思います。 次に、裁定基準の問題でございます。それは本委員会でも問題になり、また臨時恩給等調査会でも指摘されまして、症状等差専門調査会が設置されまして、結核、精神障害、てんかん、この三病の裁定基準がきめられました。しかし、裁定上の運用が必ずしもうまくいっていない、実績はそう改善されていないという非難も聞くわけであります。この際に、肺結核など内部疾患を含めまして、その他の症状について根本的に検討をする必要があると考えておるわけであります。しかし、この基準の問題は、医学的の問題もあり、また職業の問題等もあって、多分に専門的の分野にわたる面がありますので、何か調査会とかあるいは委員会のようなものをつくりまして、十分これを検討していただきたい、こういう要望が非常に強いのでありますが、これに対する恩給局長の御意見をひとつ伺わしていただきたい。あとで総務副長官の御意見も、この問題については伺いたいと思います。
○八巻政府委員 傷病恩給の各項症別、款症別の査定をいたしますのに、恩給法の別表に、第一項症はこのくらいのものが第一項症、第四款症はこのぐらいのものが第四款症という別表ができております。大体別表に書いてありますことは、外形標準できめられておることが多いのでございまして、内部疾患的な問題につきましては、なかなか書きあらわせない問題もございますので、これに準じてやるということになっておるわけでございます。したがいまして、この内部疾患の症状等差の判定基準というものは、従来裁定例と申しますか、判決例のようなものの積み重ねでやってまいったわけでございますけれども、これは昭和三十四年でございましたか、症状等差専門調査会というものができまして、その答申を得まして、ただいま御指摘の肺結核、精神障害、てんかんというものにつきまして、査定基準を設けたわけでございます。この査定基準のほかにも、さらに神経的な障害その他、なかなかむずかしい病気につきましての裁定基準といいますか、査定基準の研究というものを続けろという御意見もございまして、私どももその方向でいろいろ鑑定医等とも検討に当たっておりますけれども、なかなか医学的な問題は複雑多岐でございまして、むずかしゅうございます。しかしながら、御意見もございますので、今後ともいろいろと検討してまいりたいと思っております。 なお、この裁定の基準そのものよりも、その運用の問題についての御不満、御注意があるわけでございまして、これは各個人個人の請求者にとりましては、主観的な要素が相当入ってまいりますので、その否定されたよりも重いはずであるというふうな御主張が相当あるわけでございます。その点は、十分請求者側の御意向も承りまして、その背後にひそむ客観的ないろいろな障害というものを押えて、そして本人の請求の妥当性というものを十分に把握した上で、あるべき等差というものを格づけしてまいるということを一生懸命やっておるわけでございます。この査定基準の箱そのものも、現在の恩給法別表にございますそのものを改正するということになりますと、これはもうすでに過去にそういう秩序づけをしたものばかりでございますので、これをいまさら変えるということも、なかなかむずかしい問題でございますと同時に、大正十二年以来、この恩給法の別表というものができて運用されてきたばかりでなく、この別表というものが、各種社会保険のいろいろそうした等差基準にも使われておるというふうなことから申しまして、基準そのものを変えるということはなかなかむずかしゅうございます。しかし、その運用につきましては、今後十分謙虚な気持ちで検討してまいるということについてはやぶさかではございません。
○保科委員 この問題は、いま恩給局長が言われたように、非常にむずかしい問題で、われわれも地方に行きますと、しばしば陳情を受けるわけであります。御苦心のほどはよくわかりますけれども、シビアーでなくて、なるべく温情を持って、これを有利に解決してあげるというあたたかみが、この裁定の上にぜひほしいと思うのです。そういうところに非常に不満があるようですから、どうぞそういう点も含めて、ひとつ温情を持って、できるだけ同情を持って解決していただくようにお願いをいたしたいと思います。 それから次には、家族加給の問題でございますが、今回の改正で年額二千四百円から四千八百円に増額されることになっております。遺族等援護法によれば、加給は年額五千円、また子供については年齢が十八歳であるのに、恩給の方は二十歳である、こういう不均衡は改善することが必要である、こういうように考えると同時に、加給金も改めてもらいたい、こういうふうに思うのであります。また、終戦後、文官の傷病年金には増加恩給と同様、家族加給が支給されておりました。ところが、これがだんだん埋没式に逐次廃止をしているのでありますが、この廃止をやめて、傷痍軍人を含めて、傷病年金でも加給を支給すべきであるという意見が非常に強いのでありますがこの点に関しましては、恩給局長並びに援護局長から御意見を承りたいと思います。
○八巻政府委員 傷病年金受給者に対しても家族加給を認めてほしいという要望は、前から承っております。傷病年金と申しますのは、さっき申し上げましたように、経度傷病者でございます。重度傷病者でございます増加恩給受給者に対しましては、家族一人に対しまして四千八百円、退職後生まれた子供に対しては二千四百円、それを今回四千八百円に改めようとしておるのでありますけれども、こうした軽度傷病者につきましても、その制度を延長してやってほしいという御要望でございます。しかしながら、軽度傷病者につきましては、先ほども申し上げましたように、一般の社会保険なり公務災害補償におきましては、大体一時金で打ち切られているというのがたてまえでございまして、軍人恩給につきましては、これを年金として継続する。終身の場合もありますし、有期の場合もございますけれども、年金という制度をとったわけでございます。そういうような関係もございますので、この軍人の場合だけ軽度傷病者については加給をつけるということは、なかなかむずかしい問題があると思うのでございます。また、昭和二十八年前には、文官の傷病年金受給者につきましても、加給の制度があったではないかということでございますけれども、昭和二十八年にこれを一時金で打ち切るという措置を講じたときに、この制度を、各種の制度における加給のこぶというものは、既得権として存続はいたしておりますけれども、その後のベースアップをいたしましたときも、ベースアップさせないで、だんだんと埋没させるというふうなくふうを講じてまいっておるわけでございます。でございますから、制度的に今回またさらに傷病年金に加給をつけるということは、なかなかむずかしい問題を含んでいるわけでございます。しかしながら、いろいろそういうふうな御要望もあって、軍人の軽度傷病者の中でも、その御苦労はなかなかたいへんなものであるというふうな観点からの御要望というものは十分承りて、今後の研究課題にいたしてまいりたい、こう思っております。
○山本(淺)政府委員 軽度傷害者に対しまする援護法上の措置につきましても、ただいま恩給局長が申し述べたと同じようなことでございます。 なお、特に援護法の場合におきましては、御案内のように、国家補償の精神に基づく援護ということで、恩給とはいささかニュアンスの異なった一種の社会保障的な性格が加味されておるような点もございまして、こういうような軽度障害者に加給をつけるということは、恩給以上にむずかしいのではないかとも存じますが、恩給の検討と並行いたしまして検討したいと考えます。それから重度障害者に対する加給につきましては、援護法が制定されました当初から、一人、二人という実在の扶養家族をとらえないで、御案内のように、すべて一・五人という当時の平均値をとって、四千八百円かける一・五人として、それをまるめて今日に至っておるわけでございます。七千円がきめられておるわけでございます。今日の調査はございませんが、おそらくは現在としては一・五人には達しないのではないかと思うのでございますけれども、制度が当初からそういう思想でできておりますので、この点も十分御理解いただけることと存じます。いろいろの問題を合わせまして、将来の研究の課題にさせていただきたいと存じます。
○保科委員 いま両局長から伺えば、それぞれ御検討いただくそうですが、事態がだんだん変わってきておるわけですから、一時そうきめたといっても、ノーマルな事態になるに従って、そういう問題は正常の状態でひとつ考え直していただくということを特にお願いしておきたいと思います。 これは援護局長に伺いたいのですが、戦傷病者の援護法というものが単独法として制定されるということを聞いておりますけれども、これはいつ提出をされるのか。
○山本(淺)政府委員 本件は衆議院の議員立法で今日まで準備が進められてまいっておりまして、今朝聞くところによりますと、おそくとも今週中には衆議院のほうに法律案として提案したい、名称は戦傷病者特別援護法というようになると伺っております。
○保科委員 それではわれわれも努力をしますが、ぜひすみやかに成立するようにお互いに努力をしていただきたいと思います。 最後に、金鵄勲章の問題についてお伺いをしたいと思います。この問題は、前国会においてすでに衆参両院の委員会は通過しておるわけであります。ただ、参議院の本会議で間に合わないで廃案になっているものでありますが、本案は、年金受給者に限られて、議員提案になっているわけであります。実際のところは、昭和十六年の八月に枢密院の審査報告にはっきり明らかになっておるのであります。年金と一時賜金とは何ら性質上の差別がない、受勲者を経済上の問題でこれに巻き込ますということは好ましくないという結論に基づいて、一時賜金に改められたわけでありまして、これが取り扱いに差等をつけるべきではないという結論になっているわけであります。この点に関する所見を賞勲部長から伺いたい。
○岩倉政府委員 金鵄勲章年金が、明治二十七年の金鵄勲章年金令によりまして制定になりまして、その後、日清戦争、北清事変、日露戦争、日独戦争、それから前大戦、満州事変まで十二万八千人の受勲者の方に金鵄勲章が出ておりまして、それらの方の生存者には年金が給付せられております。しかし、それがただいま先生のお話のように、昭和十六年に、年金の支給が、恩給等と異なりまして功労に対する恩賞である、それから年金を受給せられる方の生存年数というようなことで、長生きをされる方と早くなくなる方との間の不均衡の問題、それらを勘案せられまして、当時年金を廃止いたしまして、昭和十六年以後の戦争中の功労者に対しましては一時賜金が下賜せられるということに相なっております。そういう経過で年金から一時賜金に変更になった、そのように記録で承知しております。
○保科委員 そうすると、性格は全然変わっていないという賞勲部の見解ですね。
○岩倉政府委員 ひとしく武功に対する勲章、それに対する恩賜としての年金、賜金、その間には変わりはないと存じております。
○保科委員 総務副長官に伺いたいのですが、全般的にそれぞれ関係の局長から御答弁がありましたが、以上私の質問いたしました問題は、それぞれ受ける身から見ると、非常に重要な問題でありますので、総務副長官から一括してひとつ御所見を伺っておきたいと思います。
○古屋政府委員 ただいま先生からお話しになりました各項目につきまして、恩給局長、賞勲部長あるいは援護局長からお答えがありましたが、お話にもありましたように、これらの傷痍軍人の方あるいはまた遺族の方、その他受給者一般につきましては、私どもといたしましては、ぜひすみやかに、しかもあたたかい気持を持って当たらなければならぬことは、申し上げるまでもないと存じております。そういうような点にかんがみまして、行政の上でできますことは今後とも一そう最善を尽くしまして、実は援護あるいは恩給等の両局の定期的な会合も本年から持ちまして、そうして懸案をそこでスピードアップして解決していくというようにやっておるのでありますが、この点は、今後もお話の御意見を体しましてすみやかに処理をする。しかも、ただいま申し上げましたようなあたたかい気持を持ちまして、親切に処置をいたさなければならないということを私ども確信しておりますので、ただいまの先生の御意見につきましては、十分検討いたしまして措置をいたしたいと思っております。その態度といたしましては、ただいま申し上げましたような、すみやかに、しかも親切に、あたたかい気持を持って接してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○保科委員 総務福長官からたいへんあたたかい気持の御答弁がありましたが、ぜひそういう気持ですみやかに御検討の上、適切な措置を講ぜられることをお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○永山委員長 岡崎英城君。
○岡崎委員 総務副長官、恩給局長等に御意見並びに御方針等を承りたいと思う次第であります。 私の御質問いたしたい点は、昭和二十年の戦争直後、十月四日に、約六千名に達する保護観察所の職員並びに警察官の一部の者が、いわゆる連合軍のメモランダムによって一斉罷免になりました。このうちの一部の人は一、二年の後に復職をいたした者もございますし、またその後、一斉罷免を受けた上になお追放処分を受けて、いろいろな立場が非常に制約を受けた人々もおりますが、それらの人々のうちで、非常に態様がいろいろ異なっておりますけれども、後に復職もいたさないし、また一斉追放処分も受けてしまって、何らの恩恵も受けないで、長い間下積みになって、非常な不幸な目にあった方々が一ぱいあるわけでございますが、それらの人々の恩給に対しまする諸権利がございましたものが、権利を放棄されているというような状態でありますし、また、非常に不公平な扱いになって今日に至っておる者がたくさんあるわけでございます。ただいまのように、だんだんと恩給問題等については、いろいろな方面についての救済の手が伸べられて、大体の問題については研究され、または解決を見ておるのでございますが、この一斉罷免の人々の問題につきましては、一時恩給の問題並びに恩給年限の通算の問題、また恩給を停止されておった期間中においての救済の問題等について、法制上いろいろな困難もございますけれども、一斉罷免を受け、追放を受けたというような立場上、いままで何ら政府に対して強硬な要求をこれらの人々はしておりません。最近各方面の恩給の問題が整備してまいりますにつれて、非常に気の毒な状態になっておりますので、これらの人々のうちから、一時恩給の問題、恩給年限の通算の問題、恩給停止期間中の処置に対する問題等について、将来にわたっていろいろな、要望が出てくるのでございます。また、要望が適当であるというふうに私は考えますが、これらについての要望等が出ました場合においては、政府においてはとくと御研究願い、また恩給局等においてもひとつ十分御検討をいただくことをお願いをいたしまして、その御意見を承りたいと思う次第でございます。
○八巻政府委員 岡崎先生御指摘の点は、元特高警察職員等の処遇の問題でございます。これは昭和二十年十月四日付の連合国最高司令官の覚書、政治的、公民的及び宗教的自由制限の撤廃に関する件という覚書に基づきまして、一斉罷免になったわけです。これによって一斉罷免になって、公務員を退職いたしました。そこで、退職いたしましたことによって、そこに恩給権が生じたわけです。たとえば恩給年限に達しない者は一時恩給権が発生し、すでに恩給年限に達している者につきましては年金恩給権が発生する、こういうことでございます。ところが、その次の昭和二十一年勅令六十八号というものによって——もちろんこれは基礎は覚書でございますが、これによってこれらの人々に対する恩給権を消滅させておる、失わしておるということになったわけでございます。ところで、その後、昭和二十六年、その追放が解除されまして、昭和二十六年の時点において、その凍結が解除されて、そこから年金恩給は出発し、息を吹き返し、一時恩給はその時点で凍結が解除されて、一時恩給が支給された、こういうふうな事情があるわけでございます。したがって、昭和二十年当時の一時恩給が、昭和二十六年になって凍結が解除されて、ふところへ入ったというのでは、昭和二十年と二十六年の間のべースの違いということで、相当何倍か開いておるわけです。そこで、少なくとも昭和二十六年の時点、あるいはその後の時点におけるところのベースで換算して、一時恩給を給せられるべきであるという御陳情でございます。 またもう一つは、パージになって、その間復職しないでいた、そういう期間を、復職しておったと同じように在職年を通算して恩給年限を計算する、あるいは地方の恩給条例上の退職年金の基礎としての年限を計算しろ、こういう御要望もございます。 これらの問題につきまして御主張の要点は、特高一斉罷免というのは、教職員とかその他の公職者の場合のように個人個人、一人一人をシラミつぶしに審査してやったのではなく、旧軍人と同じように一斉にだれかれを問わず罷免したのであるから、その点は一般の追放者と違うので、むしろこれは軍人の恩給上の処遇と同じように考えるべきじゃないかというのが御主張の要点のようでございます。しかしながら、その中でも退職一時金の問題につきましては、本来の性格から考えますと、退職時の条件に応じて支給されるということでございますから、現実の退職はどうしても昭和二十年であるということであれば、二十年のときの条件に応じて支給されるということで、それがたまたまおくれたからということでこれが水増しをされるということは、恩給の例の上でなかなか解決しにくい問題でございます。 しかしながら、軍人恩給についての処遇とのバランスとか、特高一斉罷免というふうなものは、ほかの公職追放と違う形式でやられたのだというような事情を考えて検討する余地はないか、こういうお尋ねでございますが、そういうふうな事情を十分とくと検討いたしまして、そうした点で何らかの線が引ける、そうして筋が通るということであれば、何とかこの恩給の例に乗せてものを考えるということもやぶさかでないわけでございます。現在までのところ、なかなかそこまでの結論が出せないでいたわけでございます。 また、御要望の中で、空白期間を在職年に通算しろ、こういう問題は、現実に何らの勤務についておらないで、民間におった期間、それがたまたま追放であるからといって、それを在職年に通算するということは、なかなかむずかしい問題でございまして、恩給のベースにおいては解決しないと思っております。 以上のような趣旨で、御要望の点は十分尊重いたしまして、今後検討してまいる所存でございます。
○岡崎委員 恩給局長から、将来大いに検討してみるということでございますので、ひとつ十分御検討を願って、善処していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○永山委員長 藤原節夫君。
○藤原(節)委員 いろいろいままでの各委員の御質問で明かになった点もありますが、今回恩給法の改正で五項目、かなり多年関係者から要望された問題が片づけられることは、非常にけっこうなことであります。同時にまた、援護法関係でも非常にこのたび多くの問題点を解決するような改正が行われたということ、まことにけっこうでございますが、なおまだ若干残された問題がありますので、これらの点について御質問申し上げたいと思います。 その一つは、旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律でありますが、これによりますと、在職期間が昭和十六年十二月八日から二十年九月一日までということになっております。終戦後未復員のままで満州、朝鮮等で抑留されておった旧軍人等は対象になっておらぬ。これはひとつ九月二日以降も未復員の状態にあった者には適用できないものであろうか。気の毒なことはそれ以上に気の毒な事情になっておる。それから同じくこの法律におきまして、いわゆる営内居住という制限がある。これも当時の事情、必ずしも営内居住しなくても、事実上営内居住の状態にあったという者がおりますので、この営内居住の制限についてもひとしく緩和をすべきじゃないか。これも多年要望されておるところであります。いわゆる未処分の問題として残された大きな問題だと考えます。これに対するお考えを伺っておきます。
○八巻政府委員 旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律の給与条件の問題でございますが、今回提案いたしておりまする中では、在職期間経過の以後の期限といたしまして、一年ないし三年、一年あるいは特定の病気については三年というのを、二年あるいは六年というふうに延長しようという点が一つでございます。そのほかに、いま御指摘の点は、在職期間の昭和二十年九月一日までという条件を撤廃して、その後に復員途上の期間まで入れて考えたらどうかという御意見、あるいは営内居住というふうに限定されている点を撤廃されたらどうかという御意見でございます。 元来、この特例扶助料の法律というものは、昭和三十一年議員立法によりまして、こうした内地における職務に関連して負傷または罹病して死んだ、こういう旧軍人の遺族に対して、公務の関係では救われないけれども、何らかの扶助料を給すべきであるという考え方で、議員立法をせられて今日に至っておるわけでございます。そのときの考え方といたしましては、この今次大戦の特異事情を考慮して、その特殊の事態に必然的な関連を持つものに特に限定して措置をとろう、こういうふうな考え方で、営内居住の兵、下士官というふうに限定して、ひとつ対象をしぼって考えよう、営内居住というふうな拘束を受けなかった将校の方々に対してはこれを適用すべきではない、こういうふうなたてまえから、営内居住という制限をしぼったわけです。また、九月一日以降というものは、もうすでに戦争が一応終わって、あとの状態というものは、これまで引き伸ばして考えるべきではない、相当特例的な法律でございますから、その条件というものは相当しぼって考えていこうということが、その当時の法律提案の趣旨だったと思うのでございます。したがいまして、この限界をさらに拡大するということにつきましては、臨時恩給調査会におきましても、広く一般戦争犠牲者等との権衡上慎むべきであるというような意見も出ております。そういうような関係上、御意見のあるところは十分念頭に置きまして、将来全般的な政策の上でそういう措置が可能であるという時期になりますれば、そういうこともできると思うのでございますけれども、今日ただいまのところ、直ちにそうしたことができるというところまでは参っておらないのじゃないだろうか、こういうように考えておるわけでございます。
○藤原(節)委員 このいきさつについては、御説明の点よくわかりますが、これは、恩給問題、こういう問題は、ある時点においては困難であっても、だんだん客観情勢が緩和し、あるいは財政がゆとりができれば、条件をゆるめていくというのは当然のことであります。また、時日の経過によりまして、その当時は公平であったことも、何年かたって、戦後すでに十八年でありますが、軍人恩給が復活して十年、昭和二十七、八年ごろはそれでよかったけれども、今日ではどうも不合理であるというような問題がいろいろ出ておるのですね。現に仮定俸給を全部ここでほどいてやり直してくれという声も非常に強い。これは必ずしも軍人恩給に限ったことではなくて、政府の文官の恩給につきましては、年次によって非常に不公平がある。年次の古い人の仮定俸給をそのままにしておかれることは、現実の社会情勢から見ると、何としても不公平であるということは事実でありますから、これはまた時の経過によって情勢に応じた考え方をしていただく必要があると思います。そういう意味で将来ひとつ御考慮を願いたいと思います。 次に、満州関係で、旧満鉄等の職員に対する通算の措置がとられました。御提出の説明書によりますと、満鉄等というように、旧満鉄を入れて、そのほか九つの会社の名前が出ております。これは政令をもちまして適用されるという御趣旨であると思いますので、あらためてお尋ねはいたしませんが、そのほかに、同じような条件で漏れているものがある。一つは満州国協和会の職員、一つは満州開拓指導員、この二つでありますが、この協和会の職員というのは、その任命手続等におきましても、関東軍司令官の人事権によって発令されて、全く満州国官吏と同じ地位であるという実情にかんがみまして、これはひとつ満州国官吏と同様に扱ってもらうべきものではなかろうか。それから満州国開拓指導員のほうは、これは非常に詳しいことは省略いたしますが、やはり任命の手続におきましても、日満両国の政府から任命される、俸給も両方の日満両国からもらっておる、いわゆる日満両国兼務の職員であるというような事情でありまして、これもひとつ今回の旧満鉄等の職員同様に通算を認めていただきたいという強い要望であります。この点につきましても、ひとつ少なくともできれば次の機会にぜひ御考慮をいただきたいと思います。
○八巻政府委員 ただいま満州開拓関係の指導員の問題あるいは協和会の職員の問題等につきましては、その職員の期間を満州国あるいは今回措置いたします満鉄と同じように通算したらどうかという御要望でございますが、実を申しますと、私ども満州開拓指導員の実態あるいは協和会の職員の実態というものをまだ十分詰めてつまびらかにしておりませんので、これが全くその職務におきましても政府機関の職員と同じような職務をとっておったかどうか、あるいはそれの日満関係の人事の交流等におきまして、満州国政府職員と同じようなたてまえで交流が行なわれておったかどうかという点を十分詮議いたしまして、これの扱いというものに対する態度をきめてまいりたいと思っております。ただ、聞くところによりますと、満州開拓団指導員というものは、日満両国の政府から給料が渡されておるし、嘱託という身分を持っておるということでございまして、嘱託ということに着目したのではなかなか恩給法の例にのらないというふうな、いろいろな問題があります。また、満州開拓青年義勇隊指導員のほうにつきましては、おもにこれは教育訓練の機関であって、その指導員たる人々は、みな日本内地の青年学校あるいは小学校の先生が派遣されて、そして向こうの青年教育に当たった。こういうふうな事情、したがって、言いかえれば、在外指定学校の教員としての仕事をしたというふうなことも、要望の中では言われておりますので、それらの点に着目してどういうふうな措置ができるかというふうなことも、今後十分検討いたしてまいらなければならぬわけであります。いずれにいたしましても、現在ただいまのところでは、これらの実態について十分把握ができておりませんので、今後とも十分勉強いたしまして、これらについて検討を続けてまいりたい、こう思っております。
○藤原(節)委員 ぜひひとつそれはよく御検討を願って、通算ができますように御考慮をわずらわしたいと思います。 なお、この機会に、いろいろ満州国関係で残された問題がたくさんございますが、一々これをこまかく申し上げて御答弁をいただくのは、時間の関係もありますから、項目だけを申し上げて、ひとつ御考慮をわずらわしたいと存じます。 満州国関係で、満州国官吏で公務死した者に対する遺族の扶助の問題、これは満州国においてすでに処遇されたものもございましょうが、終戦時等において犠牲になったものについては、何らの措置がなされていない。これらについてひとつ考えていただきたい。 それから、ソ連、中共に抑留されておった人々、現在なお抑留されておる人もございますが、この人たちに対して、抑留期間を恩給の通算をしていただきたいということであります。 それから通算の問題では、終戦時に在職した者以外は通算をされない。終戦前に在職した者についても通算をしてもらいたいという点。それから、恩給権がすでにこちらで発生して恩給権を取得してから招聘された者と、恩給年限に達しないで満州国に招聘された者との間に不均衡がある。これを是正していただきたい。それから、現職官吏から招聘された者については通算があるが、やめてから、あるいは満州国に赴任するためにやめた者については通算がないというような点、現地で除隊して直ちに向こうの官吏になったという者については通算は認められないというような点も、ひとつ考えていただきたい。それから通算の場合に、満州から日本という場合のことですが、実在職年数が十七年以上勤務しておっても、十七年で打ち切るということになっておる。これも実際の在職年数は認めてもらいたい。 それから、日満のケースで、満州国で退職した者に対する仮定俸給のきめ方が、日本における最後の俸給を基礎とした何か比率で出すようになっておりますが、これも少し実際問題として低過ぎる。これの仮定俸給のきめ方について御考慮を願いたい。 いろいろたくさんの問題がございますが、満州関係については多くの問題がまだ残されております。これらについて、ひとつ将来御検討をいただいて、ひとしく恩給年金の恩典に浴するようにお取り計らいを願いたいということを希望しておきます。これは一々御答弁をいただくのもたいへんかと思います。 そこで、直接恩給の問題からやや離れますが、遺族の間で非常に強い要望となっております老齢福祉年金と公務扶助料の併給の問題、これをひとつ厚生省の年金局長から伺いたいのでありますが、御承知のように、今年の十月になりまして満七十歳になった遺族は、兵の階級で七万二千円の公務扶助料をもらうということになるわけであります。そうすると、今日の年金法によりまして、公的年金を七万円以上受けておる者については、老齢福祉年金をいただけないという事態が起こるわけであります。月一千円にいたしましても、隣の老人はもらっておるが、自分のところは子供が戦死したばっかりに老齢年金はもらえないのだという、気の毒な事態が起こるわけであります。この辺はひとつ併給の制限額の七万円をさらに十万円にしていただくならば、さしあたりはそういう問題が起こらぬ。いろいろ年金法の改正もあるようであります。いま直ちにこれが間に合わなくとも、できるだけ早い機会に、この問題について適当な方法をお取り計らい願いたいと思うのでありますが、厚生省のお考えをお聞かせいただきたい。
○山本(正)政府委員 ただいまのお話でございますが、老齢福祉年金は、七十歳以上の一定の資格のある老人に出されるわけでありますが、これができました当初の事情というものは、御承知のように、一般に公的年金等をもらわない農村あるいは自由業といったような方々に出そう、こういう趣旨で、福祉年金の補完的な意味で発足したわけであります。ただ、現実の問題として、公的年金、扶助料その他を受けておる金額が非常に少ない者もある。これに併給しないということでは、まことにお気の毒だという趣旨で、併給の措置がその後講じられました。その際におきまして、一体生活保障的な意味と申しますか、そういったものの最低額をどう見るかということが一つの基準になったわけでございまして、拠出制の国民年金におきましては、一番低い年金と申しますか、二十五年で二千円、年額二万四千円という拠出年金の額がございますので、それを一応の基準といたしまして、ただ、戦争公務による場合につきましては、倍率が一応大体三倍くらいになっておる。そこで、その者については、七万円までの併給を認めよう、こういったような考え方をとって実施されたわけであります。御指摘のように、今回の引き上げによりまして、今年の十月から七十歳以上の御老人にはフルに出るということになりまして、そこで、いままで福祉年金を併給されておりました方々が受けられなくなるというのが、私ども人数にいたしましては、二十数万人出てくるといったような懸念があるわけであります。ただ、先ほど申しましたように、七万円ということが最初にきまったわけではなく、要するに、二万四千円という基準から倍率をかけて七万円という線を引いたわけでありまして、もとの二万四千円の基準というものをどうするかということが、実は基本になるわけであります。いま申しましたように、拠出制の国民年金におきまして、短い二十五年の年金が二万四千円、あるいは厚生年金の定額分が二万四千円というように、現行の制度がさようになっておるわけでありまして、そういった厚生年金、国民年金の諸制度につきましても、今日の生活水準の上昇その他の要件を基礎といたしまして、改正を期待いたしておるわけでございまして、そういった一般の年金諸法の改正等と見合いまして、御指摘の点も十分検討してまいりたい、かように存じておる次第でございます。
○藤原(節)委員 次に、戦没者の妻に対する給付金が、さきの国会で法律が通りまして、これは非常な善政であると思うのですが、いろいろ事務的な手続の関係等もあるのでございましょうが、はたして現実に給付を受けられるのはいつだろうかという懸念もしておる。私どもは大体十月ごろからぼつぼつ出始めるのだろうと、聞かれれば説明はしておるのでありますが、どうも当分はだめらしいようですという不安を訴えてくる未亡人もあるのであります。この点援護局長からひとつお聞きしておきたい。
○山本(淺)政府委員 戦没者の妻等に対します給付金は、全国一斉に八月一日市町村で受付を開始するようにいたしております。もう少し早くやったらどうかというお考えもあろうと存じますが、やはり事前に十分資料の整備を行ないまして、一たん受付が始まったら、全国順調に非常に整々と進むというふうにしたほうがよろしいという地方の事情も十分勘案いたしまして、八月一日から受け付けることにしたわけでございます。したがいまして、早いものは市町村から県にすぐ出るわけでございますから、八月の半ば以降からは裁定が部分的に行なわれるわけでございます。しかし、私どもといたしましては、この給付金のできました背景等もいろいろ考えますと、約四十四万と見込まれます対象の中でも、特に優先して処理していただきたいという方々を各地方に示したのでございます。それはまず第一に、生活保護法を受けておられるような家庭、第二は、それに準ずるような、非常に生活に困窮を来たしておられる方、次には、御本人または家族が長期入院をしておるなどで非常にお困りになっておる方、次には、非常に受給者たる妻の中で余命も短いと思われる高齢の方、こういうたぐいの方々は、一般の受付順によらないで、なるべく早期に年内に処置してもらうようにお願いをしておるわけでございます。したがいまして、そういうものを優先処理いたしますと、他の一般のケースがややおくれることは免れないわけでございます。しかしながら、第一回の支払い日が本年の十月三十一日でございますので、特にそれ以前に裁定される者とそのあとに裁定される者との振り分けを考える場合、一月おくれでもどうということはございませんが、私どもとしては、四十四万を二年間で処理するということで、本年度は大体半数を処理するという目標でお願いをしておるわけでございます。したがいまして、全体が処理されるのは若干時日がかかりますけれども、そのような急を要するものについては少なくとも本年内に、それからその他一般のものにつきましても本年度内に半数くらいが必ず片づくという成算を持って、都道府県、市町村に事務の処理の円滑化をお願いいたしておるわけでございます。ただいま先生の御指摘の、いつごろ早いものはもらえるかということでございますが、一番早い組につきましては、十月には現実に国債が交付される、こういうことになると存じます。
○藤原(節)委員 いまのお話で、未亡人の不安が解消すると思います。大いに事務を促進していただきたいと思います。 それからもう一つ、これも直接恩給とか年金の話ではございませんが、遺族の間に非常に強い要望として持ち出されております問題は、戦没者の遺児がもうみんな成年に達しまして、遺族として子供だけしかおらぬという遺族は、遺児が成年に達することによって扶助料を受ける者がなくなる、だれも恩給、年金を受ける者がなくなるというケースが相当これから出てまいります。ところが、実際に子供が二十才になったって、男の子はこれから学校へまだ行かなければいけない、女の子はお嫁入りをしなければならない、むしろ一番費用のかかる時期でありまして、未亡人のほうはああいう法律で支給されるわけでありますが、母親のおらない子供だけの場合は、非常にかわいそうな事態が起こると思うのであります。こういう遺児に対しては、恩給、年金ではなくて、何かこれにかわるべき処遇ができないものかということ。それから子供もない、親もない、妻もない兄弟あるいはおじさん、おばさん等が英霊のお祭りをしておる、こういう人に対して、これはまあ戦争当時は弔慰金等のあれがあったのでありますが、今後お祭りを永続するために、何かやはり祭祀料というものをわずかでも国の配慮として差し上げるようにできないものか、祭祀料という新しい考え方でございます。かなり強い要望でありますので、これはひとつ御考慮いただきたいと考えるのであります。
○山本(淺)政府委員 御指摘の第一の問題につきましては、そうした特定の子供だけに年金を出すということが他にどういう影響があるかということで、実は従前も考えてみたのでございますが、非常にむずかしい点が、率直に申しましてございます。 第二の点につきましては、人情上いろいろ考えさせられる点がございます。遺族の心情から申しますと、ごもっともな点もありますので、従前は遺族援護法の中で、いわゆる未処遇とされているもの、あるいは不均衡とされているもので、著しいものを取り上げて、本年の国会におきましても十数項目の改正をお願いして通していただいたのでございますが、自余の問題は、ただいま御指摘の問題を含めましてまだいろいろあると存じますので、明年度以降の問題としてよく検討さしていただきたいと存じます。
○藤原(節)委員 関連質問の御要望もあるようでありますから、簡単に済ませますが、大体御答弁をいただくような質問は以上でありますが、最後に、ぜひひとつお考え願いたいと強く要望を申し上げて、やめたいと思うのであります。 政府においても、何か栄典法というようなものを、この国会はどうか知りませんが、ある時期には考えようというようなあれもあるようであります。生存者に対する処遇は、むろんわれわれは反対じゃございませんが、生存者に対する処遇を実現するならば、その前に、戦死した者に対して、あるいはすでにもう当時の手続を経ておりながら勲章の渡っていない者、あるいは陸海軍においては手続が済んでおったが、当時の事情でそれから先はそのままになっているような戦死者に対する叙勲というような問題があると思う。私は、生存者に対する叙勲を考える栄典法を考えるならば、その前に、戦死者に対するこれらの叙勲の問題をぜひ考えていただかなければならぬ。これはいまここで御答弁をいただこうとは思いません。十分お考えをいただきたい。 もう一つは、靖国神社の問題であります。ことしは全国の戦没者の慰霊祭を厚生省がおやりになる。何でも日比谷公会堂でおやりになるそうでありますが、これにつきましても、遺族は、そういうお祭りはぜひ靖国神社でやってもらいたいという希望も相当ある。また、千鳥が淵にある戦没者墓苑でそういうものはやるべきだという議論もあります。これらも十分お考えの上で日比谷公会堂ということになったのだと思いますが、ことし行なわれる慰霊祭の場所の問題ではなく、これらに対する国としての態度というものは、これは私この前も申し上げたのでありますが、考えなければならぬのじゃないか。靖国神社が宗教法人であるというような、ばかなこじつけをいつまでもそのままにしておくということはないと思うのです。何か教義を布教するような団体でもないし、これは全く国のために生命をなげうった人々に対する国全体としての感謝の府でなければならぬ。これは当然国が維持管理すべきものである。同じような趣旨で、地方における護国神社等につきましても、それぞれ地方団体でお祭りをすべきものだ。これも強い要望であるし、池田総理が人づくりなんというならば、こういう点について、国家道義というような立場からも、ぜひお考えを願わなければならぬ。これもいまここで御答弁をいただこうとは思いませんが、政府としても十分お考えを願いたいということを申し上げて、終わります。
○山内委員 いま藤原委員から、旧南満州鉄道会社の職員としての期間の問題についてお尋ねがあったわけですが、その一点で、私も関連してこの際お聞きしておきたいと思います。 恩給局長の御答弁では、その実態を調査してということでありましたが、実は私にも陳情が来ておって、その資料を見ますると、これはもう研究の余地がないではないかと思うほど、この資料に誤りがないとすれば、非常に明確な性格だと思うわけです。これは協和会に関してでありますけれども、当時の国務院令の第十九号というのがある。康徳九年の六月六日付ですが、これによりますと、その第一条に、恩給法上の在職期間の通算に対して三つの機関が指定されております。それによりますと、満州帝国協和会と日本帝国政府と蒙古連合自治政府と、これはもう非常に明らかになっておるのです。こういう恩典をすでに受けておる人もあるわけなので、この協和会をこれから除いておるという方が私はふしぎだと思うのですが、これについて御回答がありましたら伺いたい。
○八巻政府委員 満州国健在なりしころつくられておった満州国恩給法の中で、満州国の官吏が協和会へ行った場合、あるいは協和会からまた満州国の下に帰った場合、あるいは蒙疆政府に行った場合、あるいは日本国政府に行った場合、その他の職員、機関というものを、満州国の恩給を給するというたてまえ上、満州国恩給の中へ取り込む、こういうたてまえで国務院令はその通算措置をきめたと思います。でありますから、おそらくその勤務の実態というものは、相当満州国政府の職員に近いものであろうということは想像できるわけです。しかし、私どもといたしましては、まだ具体的にどういうふうな職種の人がどういうふうな職場へ行ったのかというふうなことをつかんでおりません。ばく然と考えますと、協和会というものは、一国一党の党組織である。興亜同志会であるとか、あるいは新民会であるとか、日本で申しますならば大政翼賛会であるとか、こういうふうなものと全く同じものじゃないかという観念も一つあるわけです。したがいまして、そういう点は違うのである、全く行政機関的な性格のものであるということを突き詰めてまいりたい、こういうように考えておるわけであります。
○山内委員 その性格などについては、いまここで議論は省略いたしますけれども、この添付書類を見ますると、これは向こうの書類ですから、いまおあげになったような疑問もあろうとは思いますけれども、向こうで出した文官令による指定認定書に関する件というものを見ましても、明らかに向こうでは文官令第九十四条第二項に規定する機関を左のとおり指定するといって、この満州国協和会というものを指定しております。ですから、満州国とこの協和会というものは、表裏一体になって通算されておるという現実の問題があるわけですから、これは非常にいい証明になるのではないかと考えます。 そこで、一つお伺いしておきたいのは、今度通算の幅を広げた中で、南満州鉄道株式会社等三公社と同種の事業を行なっていた、これはあなたのほうから出された書類だと思いますけれども、今度の改正案の概説によると、そういう指定をしておるわけです。この三公社と同種の事業というものの考え方をはっきりしておきませんと、ここにまた問題になると思いますが、この点について……。
○八巻政府委員 今回の通算措置の幅をきめました、三公社と同種の事業、こういうように規定をいたしましたことは、全く退職手当法におけると同じ筆法を用いておるわけです。すでに退職手当法におきまして、三公社と同種の事業を行なうものについて退職手当を通算するという措置をとっておるのでございまして、その退職手当法に基づいて、大蔵大臣がこれらの八機関を指定しておるというような関係上、この幅についてはすでに一応オーソライズされておるというわけです。また、三公社と同種というのは、具体的に申しますと、国鉄、電電、専売という三公社につきましては、従来国家公務員共済組合法なりあるいは恩給法というものが適用されておりまして、退職給与の処遇上は国家公務員と全く同じように処遇されてきたというふうな事情を考えまして、これら三公社と人事交流関係があり、また密接な関係があった、全く同じ仕事をやっておったという、外地におけるこれらの機関というものについての通算措置を認めていこう、これらの恩給上の処遇は、退職手当のそれと全く平仄を合わしてやっていこうというのが、今回の措置であります。
○山内委員 恩給局長のお考えはわかりましたけれども、この資料の中で御研究いただけば、協和会というものは、当然政令で指定すると予定されている九つの範疇の中に入ると私は思います。 そこで、希望を申し上げておきたいのですが、かりに今度は修正ということができないでこのまま通りますと、一年後か二年後においてこれがまた出されてくる。そうしますと、この法律は三十八年の十月からすでに効力を発生してくるわけであります。一ヵ年おくれれば、一ヵ年だけそういうことで適用を受ける人が不利な取り扱いを受ける。これは遡及して適用させるべきものだと思いますが、この点についてはいかがですか。
○八巻政府委員 恩給法上のいろいろな処遇改善というものは、随時行なわれておるわけでありまして、それをその時点にさかのぼって適用するということは、従来例のないことでございます。したがいまして、将来の予算措置とにらんで、そういうような法律が出ました場合には、その法律において明記された時点から将来に向かって給付が始まるということになるわけでございます。もちろん、権利の発生というものはそのときからでございますけれども、実際の退職とかなんとかいう事実関係の問題につきましては、それ以前に退職が起こっても差しつかえないわけでありまして、そのときから権利が発生する、こういうたてまえは、従来恩給なり年金というものの処遇全体を通じての一般原則になっているわけでございます。
○山内委員 局長の御答弁では、満州に行かれたこれらの人々は、退職されたときまでさかのぼってその間を通算して支給する、こういうことなんですか。
○八巻政府委員 ですから、たとえば国鉄から向こうの満鉄へ行って、国鉄へ帰られた方が昨年退職された、そういう方で、満鉄期間を通算すれば二十年あったが、通算されないと十七年で、現在権利のない方があるわけですね。そういう方々も、この十月からこの措置が講ぜられれば、全体通算されて、そこから権利が発生する、こういうことでございます。
○山内委員 そこなんですよ。十月一日から実施されるということになった。ところが、今度は協和会のほうも調査がおくれて、当然この範疇に入るべきだということで、一年おくれてこれはまた恩給法を改正して、この範疇に入れてくる——まあ、これは政令で指定ですから、あなたのほうでおやりになることでしょうけれども、そうすると、現実には一年間だけこの人たちは損することになるんじゃないですか。
○八巻政府委員 そうした法律措置がおくれればそれだけおくれる、こういうことでございます。
○山内委員 そういうときに遡及することの困難な事情は私もわからないわけではありませんけれども、やはりこういう問題は、私は遡及適用という一つの習慣をつくっていいと思う。そうでないといろいろな問題——あなたのほうはいま七十万件かかえて、いろいろ事務もおくれておる。そういうところにこういう調査はできない。二年、三年とほうっておかれる。そうすると、いつでもこの人たちは希望を持って運動を続けていく。ですから、私は、こういう扱いが不平等になるときには、もう遡及してやるんだという慣習をつける必要があろうと思う。前に話の出ました、たとえば恩給の問題と共済の年金の問題、恩給のほうは先に改正してしまった。共済のほうはあとから二年くらいおくれておる。そうすると、その間非常に物価も上がってくる。さあやれやれというので、盛んに私どものほうにも運動がくる。そういうものは遡及してやるから、安心していたまえと言われれば、多少二年、三年ためておいても一時金でそれだけ増額されますから、私は非常に安心させるという意味では当を得た措置だと思う。そういうことで少し恩給局長も頭の切りかえをやって、どうせ救済するんなら、喜ばれるような救済、不公平にならぬように考えていただきたい。
○八巻政府委員 一般的な原則としてそうした遡及をさせないということについては、御了承いただいておると思いますけれども、これをある特定のものについて遡及させるというと、また非常にむずかしい問題であるということだけはひとつ御承知おき願いたいと思います。
○永山委員長 次会は、来たる六日十時理事会、十時半委員会を開会することとして、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十五分散会