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43回国会衆議院1963/05/07

内閣委員会 第15号

発言数
39
登壇者
6
会派数
2
開催日
1963/05/07

会議録

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案及び石橋政嗣君外二十九名提出の駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。石橋政嗣君。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 今度の駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部改正案が初めて政府から提案された点について、私も賛成なんでございますけれども、どうも手続上納得ができない点があるわけであります。政府のほうから積極的に改正案を出そうという意思を持っておられるならば、なぜもっと早く準備をされて手続をされなかったのか。実際には、社会党のほうから改正案が出され、社会党と自民党の間で大体の話し合いもまとまった、そのあとで追っかけるような形で改正案を出してきたというところに、どうもふに落ちないものがあるわけなんです。そんなに必要性を認めるなら、なぜもっと積極的に早く出さないのか、その点のいきさつを納得がいくようにひとつ御説明を願いたい。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 この問題は、御承知のようにもう期限が来ておりますので、なるべく期間中に間に合うようにという気持は最初から持っておったわけでありますが、出します以上は、やはり与野党ともに一致して御賛成願えるような方法をと考えまして、党のほうと連絡をとっておったわけであります。幸いに両者のほうでお話し合いがつきまして、これならば大体文句なしに通るであろうということでございますので、私ども安心して実は出したようなわけでありまして、多少時日にはおくれておりますけれども、まあこの案であれば両院とも期日内には通していただけるのではなかろうか、かように考えておりますので、時日も切迫しておりますから、どうぞひとつ早く御審議願いまして、御決定いただくようにお願いしたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 その時日に追われてしまった原因をつくったのが、実は政府側だということを言いたいわけです。社会党と自民党の間で話し合いがついたのは三月の早々です。その直後にそういう気持があるならちゃんと出せるはずです。ところが、話し合いがついて提案されるまでにもう何日かかっていますか。国会が自然休会に入るという直前になってやっと提案されているじゃないですか。その間になぜそれじゃそんなに時間がかかりますか。両党で話し合いがつけばその線に沿って出す準備、心がまえをしておったというなら、数日を出ずして提案ができたはずです。話がついてから政府が提案するまで二週間も三週間もかかるということは、それだけの心がまえがあったというようには思えませんが、何か急に話し合いがついたから思いついたということにしか、いまの長官の説明では理解できないわけです。総務長官よくわからなければ、直接防衛施設庁のほうからでもいいです。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 案を出しますのは私どもの責任で出したわけでございますが、お説のように、その間に多少時日の間隔はあったかもしれませんが、私らのほうで考えておりましたのと与野党でお話しいただきましたのとでは、多少そこに違いがございましたので、それを調整をし、事務的に法制局から法案を成文化し、また政府提案でございますから、これをそれぞれの次官会議にかけましたり閣議決定をしますのに少しひまどりましたので、こういう結果になったのであります。当初からこの問題は解決しなければならぬ問題である、ほうっておくべき問題ではないということは、十分承知しておったわけでありますが、いま申し上げたような関係で、役所の手続等に多少のひまをとりまして、いまのような御疑念が起きたと思います。しかし、これは決して怠慢というわけではございませんので、あんまりお責めにならずに、ひとつ御了解いただきたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私も冒頭申し上げているように、政府のほうで改正案を出してくることに異を唱えているわけではないのです。できればそのほうがいいのですよ。現在の法律自体完全なものではないわけですから、今後もいろいろと手直しをしなくちゃならぬ部分が次々出てくると思うのです。そういう際に、われわれから改正案を出すということよりも、政府のほうで積極的にそういう姿勢をとってくれればなお幸いだと実は思っておるわけであります。これを契機にして、今後改正の必要を見た場合にはどんどん政府のほうからお出しになりますか。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 これは最初は議員立法のようでございますが、政府が一応取り扱いましてこうした提案を政府自身がやります以上は、もちろんその必要性も認めておるわけでありますから、いまお話のような点につきまして意見の一致しますようなものは、政府側からどんどん協力さしていただいて、そうして政府自身として出したいという考えでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 そういう意味で、今後も政府のほうで、改正の必要を見た場合には政府提案としてどしどし出すというお答えですから、私は、なおさら今回政府提案になったことについては賛成したいと思うわけです。  ところで、実際に運用してみて、現在の臨時措置法が万全だというふうにお考えになっておるか、どの程度の効果をあげてきたか、その辺をひとつ直接当局のほうから、大まかなところでいいですから、十分だとお思いになっておられるのかどうか。

林一夫防衛施設庁長官

○林(一)政府委員 御承知のように、臨時措置法は、その内容は、駐留軍従業員が解雇された場合の対策が中心となっておるわけでございます。その対策としては、いろいろの規定が設けられておるのでございますが、就職のあっせんとか、あるいは返還国有財産の譲渡とか貸し付けとか、あるいは特別給付金の支給、その他職業訓練手当、移転資金、別居手当支給というように、比較的解雇者に対する対策としては整った内容を持っておるのでございます。その実際の運用の実績も、相当の効果をあげておるように私は考えております。もちろん、将来まだ改善すべき点があるかと考えるのでありますが、そういうような場合においては、今後十分に検討を重ねていかなければならないというように考えておるのであります。現在の時点において、相当十分の効果をあげておる、こういうふうに私どもは考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 ないよりはましですよ。そういう意味では効果もあげております。しかし、これで十分だというふうにはどうしても私ども考えられないわけです。積極的にその点さらに検討を加えて、ひとつりっぱな法律に完成していただきたいと思うのです。どんどん御遠慮なく、これから政府提案で改正案を出していただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。  特に今度の改正点でも、私は不十分な面があると思いますので、その点に限ってお尋ねをしておきたいのですが、この特別給付金の支給の対象者のワクを広げた。すなわち、昭和三十二年六月二十二日に、岸・アイク共同声明が出された時点において、在職した者に限って出しておったわけですが、この壁が取り払われたということにおいて、一歩前進だということは認めておるわけですが、しかし、あまりにも金額が少ない。もうすでに駐留軍に古くから働いておる人は十八年になんなんとしているわけです。そういう人でも最高一万円しかもらえないというこの金額について、どうせ壁を取っ払うならば、相当大幅に金額をふやしてやるべきだという考え方が出てこなければ、今ごろ十八年も勤めて一万円やるという考え方、この辺に矛盾を感じておられないのですか、その点いかがですか。

林一夫防衛施設庁長官

○林(一)政府委員 特別給付金の支給額につきましては、私どもかねてから検討してまいり、増額するのが適当であると考えておりまして、実は昭和三十七年四月より増額は実施いたしておるのであります。現在のところは、この支給基準で支給をするというふうに考えておるのであります。もちろん、今後情勢の変化等により、この増額を必要とするというような事態になりましたら、増額についても十分検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 いや、現在考えてみて、金額が少ないとお思いになるかどうかということに重点があるわけです。

林一夫防衛施設庁長官

○林(一)政府委員 この特別給付金の支給額につきまして、もちろんこれで十分とはあるいは申し上げられないかとも思いますが、現在のところは、三十七年四月から増額したところでございまして、しばらくこれでまいりまして、今後は他との権衡も考え、あるいは退職金との関係も考えてまいりたい、こういうふうに考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それからもう一つ、社会党のほうから提案した改正案の中には、雇用奨励金を支給すべきだという考え方が一つ入っているわけです。それは言うまでもなく、炭鉱の離職者並みの扱いをしてもらいたいという思想から出ているわけですが、この点、関係当局の賛成がどうしても得られないというので、話し合いがつかなかったので、政府提案の中から除かれておるわけですけれども、なぜ炭鉱の離職者並みに出すことができないのか、この辺の理由をひとつ御説明願いたい。

林一夫防衛施設庁長官

○林(一)政府委員 この駐留従業員の人員整理により、解雇者の数というものは、ここ一、二年比較的少ないので、現在のところから考えますと、雇用奨励金を支給しなければ事態の収拾が困難な状態というところまでには、至っていないと考えておるのであります。そのような意味におきまして、今回の改正におきましては、雇用奨励金を含めることをやめたのであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それでは、最近二、三年でもけっこうですが、どの程度の失業者が出ておって、どういうふうに就職をしておるかという傾向はわかりますか。わかれば、それをお知らせ願いたい。

林一夫防衛施設庁長官

○林(一)政府委員 ただいま労務部長から、数字について詳細に説明いたさせます。

沼尻元一防衛庁事務官(防衛施設庁労務部長)

○沼尻政府委員 昭和三一二年、三十三年ころが一番人員整理の激しかったときでございますので、この激しいころから申しますと、昭和三十二年度が三万四千人、昭和三十三年度が二万七千人、昭和三十四年度が九千二百人、昭和三十五年度が五千三百人、昭和三十六年度に至りまして千七百人、昭和三十七年度は約千二百人ということに相なっております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 その就職状況も。

沼尻元一防衛庁事務官(防衛施設庁労務部長)

○沼尻政府委員 私たちの調べでは、大体就職率が三七%程度というふうに了解しております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 岸・アイク共同声明が出て以来、急激に整理が出たわけです。それに対応してこの法律もできたわけです。最近、その当時に比べれば、はるかに失業する人たちの数が減っていることは事実ですけれども、そのことよりも、失業した者が、いわゆる就職ということで非常に困難な条件下にあるということでは、あまり変わっていないじゃないですか。というのは、一つは、やはり年齢が高い。現在の中高年齢層の就職難ということと見合う部分が、この駐留軍離職者の場合特に多い。これから先出てくる場合は、なおその傾向は強いのじゃないですか。いわゆる先任権制をとられておりますから、これから先首を切られていく人は、より高年齢の人たちが多くなってくるわけですよ。そうすると、数は少ないからといっても、次に何らかの仕事につこうという場合に、条件がむずかしくなるということは、逆に、これから先の方が、困難性はますます加わってくるのじゃないかとわれわれは考えるわけですよ。そうしますと、数字が多いとか少ないとかいうことよりも、再就職が困難だという条件からいくならば、少しも解決されていないどころか、これからますます困難さは加わってくるというようにわれわれは思うわけです。その困難さを若干でも克服するために、雇用奨励金制度があれば便利なんじゃないかという考え方には御同調できないわけですか。

林一夫防衛施設庁長官

○林(一)政府委員 ただいま労務部長から説明いたしましたように、数字的には年々減少化しておるのであります。ここ一、二年は千百名というところまでに至っております。また、そのうちにおいて就職した者が約三七%、あるいは四〇%というようなところまで至っておるのであります。この離職者に対する就職のあっせん等につきましては、この臨時措置法を中心といたしましてあらゆる方法を講じて努力いたしておるのでありまして、この就職の機会もだんだんふえておるというふうに私どもは考えておるのでございます。ただ、おっしゃるとおり、駐留軍従業員の離職者は比較的中高年齢層が多いのでございまして、そういう意味におきましては、就職の機会と申しましょうか、チャンスの少ないというようなことも考えられるのであります。そのような意味におきまして、私どもとしましては、まず第一に、このような方々に対する就職のあっせんということについて全力をあげておるような次第でございます。  雇用奨励金につきましては、先ほども申しましたように、現在のところでは、このような制度と申しましょうか、雇用奨励金を支給しなければどうしても事態の収拾がむずかしいというような状態には、まだ至っていないと私どもは考えておりますので、今回の改正案というようなものにつきましても、そのような考えで提案をしたような次第でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 その数的な面も、私ども非常に懸念しているのは、つい最近、アメリカの会計検査院が勧告しているわけですね。結局駐留軍労働者の数が不当に多過ぎるというような勧告をしたということを聞いておるわけですが、これが具体的な形で取り入れられて、新会計年度、すなわち、七月から実際に予算面なり何なりに反映してくるという懸念は全然ないんですか。その点は政府として絶対にないという自信をお持ちなんですか。

林一夫防衛施設庁長官

○林(一)政府委員 お説のように、この人員の削減につきましては、本国におきましても、その可能性について検討をするように在日米軍司令部に指示を出しておるのであります。その指示に基づきまして、在日米空軍司令部におきましては、その人員削減の可能性について検討をいたしておるのであります。まだその検討の結論は出ていないのでございます。いずれにしましても、削減できるかどうかの可能性について検討いたしておることは事実でございます。一方、この駐留軍従業員の全離職者は、先ほども申しましたように、大体最近の傾向は、毎年一千名内外というような状況でございます。かりにこの千五百名の人員削減の可能性の検討の結果、ある削減の数字が出るといたしましても、過去の実績その他から考えまして、この千数百名をはるかに上回るというような結論は出ないと私は見通しております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 防衛施設庁長官としてそういうふうにおっしゃっても、アメリカのドル防衛政策というものも、またこれ非常に強い意思のもとに行なわれているのであって、多少の無理をしてでもやる懸念があると思うのですよ。そのときになってあわてても始まらないと思う。やはりそういったときに備えておくということも考えておかなくちゃならぬのじゃないかと思うのですが、そのことよりも、日本政府としては、絶対に冗員はない、ぎりぎりのところだというふうな自信はお持ちなわけですね。

林一夫防衛施設庁長官

○林(一)政府委員 当庁といたしましては、現在の人員配置が最も適当である、こういうふうに考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 総務長官にこの点お尋ねしておきたいのですけれども、雇用奨励金の問題ですね。今いろいろお話申し上げたように、数は確かに減っております。しかし、その離職者の数が減っておるということも、最近はややまた、下部の組合員、労働者にしてみれば不安な要素が加わってきているわけですから、必ずしもこのまま漸減の傾向に続くというふうにも思えない面があるわけです。しかし、その離職者の数が減っておるということよりも、先ほどもちょっと触れましたように、駐留軍の労働者の場合には先任権制が行なわれておりますから、新しく入った人から整理されていく。これから先だんだん整理されていくものは、経験年数の古い、年齢的にも中高年、いわば非常に高年に近い人が今後は整理されていく傾向が出てくるわけです。そうしますと、その人たちの再就職は非常に困難だということは、申し上げるまでもなく御理解願えると思う。そういう非常に再就職の困難な人たちを少しでもよけいに就職させてやろうという親心があるならば、この際、あまり数にとらわれないで、炭鉱並みに一つ雇用奨励金制度を設けてやろうという意図が、政府としては当然出てこなくちゃならぬと思うのですが、そういう角度から今後御検討願う意思はないものかどうか、この点総務長官にお尋ねしておきたいと思います。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 雇用奨励制度につきましては、しばしば論議されておるようでありますので、政府におきましても、今後の離職状況等を勘案しつつ、慎重に検討して参りたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 もう一つ申し上げておきたいのですが、冒頭に申し上げましたように、政府のミス——私から言わせればミスですよ。非常に提案がおくれたという理由から、もうぎりぎりのところまで来てしまっておるわけです。本日この衆議院内閣委員会においてこれを通過させるといたしましても、本会議はもうあさってしかありません。参議院の場合は本会議が十五日しかないというのですね。そうしますと、参議院の本会議を通過するのはおそらく五月十五日、この現行法が失効する前日ということになるわけですが、それでも事務的に公布を早めて、その間現在の法律がなくなってしまうというようなことが絶対にない措置はできるものでしょうね。

徳安實藏自由民主党総理府総務長官

○徳安政府委員 その点につきましては、先ほども申し上げましたように、政府の方でも万遺憾なき手はずを定めまして、失効することのないように最善の努力を払いたいと思います。一つぜひ御協力を願いたいと思います。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 この際おはかりいたします。  石橋政嗣君外二十九名提出の駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案について、提出者より撤回の申し出があります。本案の撤回を許可するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永山忠則自由民主党

○永山委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は撤回を許可するに決しました。     —————————————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出の駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

永山忠則自由民主党

○永山委員長 起立総員。よって、本案は可決すべきものと決しました。  なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永山忠則自由民主党

○永山委員長 御異議なしと認めます。よって、  そのように決しました。      ————◇—————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 国の防衛に関する件について調査を進めます。  政府より発言を求められておりますので、これを許します。志賀防衛庁長官。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○志賀国務大臣 この際、お許しを得まして、最近発生しました航空機並びに艦艇の事故について、その概要を御説明申し上げたいと思うのであります。  去る三月三十日東京湾口において海上自衛隊護衛艦「てるづき」が民間貨物船と衝突し、次いで四月十日千歳において航空自衛隊F104Jの事故の発生を見たことは、まことに遺憾にたえないところであります。ここにこれらの事故についてその概要を御説明申し上げます。  まず、F104Jの事故について申し上げますと、航空自衛隊第二航空団、千歳でありますが、この航空団所属、西三等空佐操縦のF104Jジェット戦闘機は、四月十日十二時五分千歳飛行場を離陸し、二機編隊で要撃戦闘訓練を実施中のところ、十二時四十八分ごろ千歳飛行場南西約二十キロ、高度約一万メートルの地点で、スロットルレバー、機関の回転を調節する装置でありますが、これが最大回転位置で動かなくなったため訓練を中止する旨を僚機に通報した後、僚機及び管制塔と連絡を保ちつつ飛行場上空に達しました。しかし、飛行場進入に当たっては、当初予定していた直線進入方式を緊急着陸方式、これはエンジンをとめて旋回して進入する方式でありますが、この方式に切りかえ着陸を試みたのでありますが、所定の位置における高度が基準である八千フィートないし六千フィートよりやや低く、かつ、約六十度の急角度に旋回して失速状態となり、十二時五十七分に滑走路の南端から約三百メートルの地点に尾部から接地し、約百メートル滑走して停止し、機体の中部と後部を折損し、操縦者は座席にあったまま衝撃による頭蓋底骨折で即死、殉職いたしたのであります。  事故発生の際、私はたまたま旭川所在部隊を巡視中でありましたので、直ちに事故現場に急行し、航空幕僚副長を委員長とする特別航空事故調査委員会を設け、スロットルの動かなくなった原因及び操縦士の操作についてあらゆる場合を想定し、状況を再現して種々実験を行なう等、事故の原因について徹底的究明を行なうよう指示いたしたのでありますが、その結果現在までに判明したところは、次のとおりであります。  第一は、スロットル系統固定の原因は、レバーとエンジンを結ぶ操作系統において、ケーブルがはずれて滑車にかみ込んだか、または排油ホースのたるみが主燃料管制装置の一部に引っかかったか、あるいはその両者が発生したためと思われるのでありますが、なおそのほか、外国の実例に徴すると滑車に異物がかみ込んだ等の場合も考えられるのであります。  第二は、操縦士の操作については、当初の直線進入方式から緊急着陸方式に切りかえたのは、直線進入方式で着陸するには速力が早過ぎると判断し、着陸前にエンジンを停止させた上着陸する緊急着陸方式によることがより安全であると判断し、途中で決心を変更したためと思われるのであります。  緊急着陸方式にのっとって計画どおり着陸できなかった原因としては、操縦士が、速度と高度を下げるために出していたスピード・ブレーキを収容する前にエンジンを停止させたため、その収容が不能となり、そのため、操縦士の見込みよりも機体の沈下が大きく、所定の高度と経路を維持できなくなって低空急旋回を行ない、失速状態におちいる結果となったとも推定されるのであります。  なお、この間において、操縦士は緊急脱出の機会が十分あったにもかかわらず、機体の安全をはかり、人畜への被害を防ぐため、航空機の安全誘導に最後まで全力を傾けたものと考えられるのであります。  おもな対策としましては、  第一に、F04全機、その内容は104J二十四機、104DJ十一機に対し、スロットルのケーブル伝導部分と、機体、エンジンの結合部分の総点検を実施し、いやしくもスロットル系統に故障を来たすと考えられる個所について念のため調整を行なったのであります。  第二に、右個所についての点検法を改善いたしました。  第三には、F104のエンジンを飛行中に停止させる場合には、スピード・ブレーキを収納した後にエンジンを停止させるという手順について認識を徹底させたのであります。  なお、F104の現有機数及び配置状況は、三十八年四月十日現在J二十四機、DJ十一機であり、第二航空団にJ二十一機、DJ九機、第一術科学校にJ三機、DJ一機を配置しているのであります。そのほかDJ一機はまだ配置を決定いたしておりません。  また、F104J一号機領収後、昭和三十八年四月十日までの総飛行時間はF104J五百五十八時間五分、F104DJ四百五十一時間四十五分であります。  次に、護衛艦「てるづき」と貨物船賀茂春丸が、三月三十日横須賀港外第二海堡北方約三キロメートルの地点で衝突した事故について申し上げます。  同日午前三時四十一分ごろ、「てるづき」は東京湾における訓練終了後、湾外の訓練を実施するため、八ノットの速力で南々西に進路をとり、浦賀水道に入る途中、第二海堡北方の第五航路浮標付近で、右後方から高速で接近してくる船を発見いたしたのであります。  相手船は海上衝突予防法に定められた追い越し船として「てるづき」を避けると思ったにもかかわらず、そのまま接近したため、「てるづき」は衝突の危険を感じ、臨機の処置として増速転舵して避けようとしましたが、間に合わず、午前三時四十四分ごろ衝突いたしたものであります。  その結果、「てるづき」は右舷後部の舷側に上甲板中心線付近まで達する破口を生じ、後部居住区及び五インチ砲二門が損傷し、乗員中死亡四名、行くえ不明一名、重傷一名、軽傷十五名を出しました。  同艦の修理は浦賀重工において施工中でありまして、六月二十日には完了の予定であり、負傷した乗員のうち、軽傷者はいずれも全快し、重傷者一名は近く退院の見込みであります。  原因については、目下海上保安庁及び海難審判庁において取り調べ中なのでございます。  以上、御報告、御説明申し上げた次第であります。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 本日はこの程度にとどめまして、次会は、十四日午前十時より理事会、十時半より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。   午前十一時四十二分散会      ————◇—————

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