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43回国会衆議院1963/03/20

内閣委員会 第12号

発言数
76
登壇者
8
会派数
2
開催日
1963/03/20

会議録

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これより会議を開きます。  外務省設置法の一部を改正する法律案、在外公館の名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、文部省設置法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。  以上の三案につきましては、昨日質疑を終了いたしておりますので、これより討論に入る順序でありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、外務省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

永山忠則自由民主党

○永山委員長 起立総員。よって、本案は可決すべきものと決しました。(拍手)。  次に、在外公館の名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

永山忠則自由民主党

○永山委員長 起立総員。よって、本案は可決すべきものと決しました。  次に、文部省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

永山忠則自由民主党

○永山委員長 起立総員。よって、本案は可決すべきものと決しました。  以上の三案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり]

永山忠則自由民主党

○永山委員長 御異議なきものと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題として、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。山内広君。

山内広日本社会党

○山内委員 運輸省設置法の改正の内容につきまして、具体的に若干お尋ねしたいと存じますので、敷衍した御説明をいただきたい。  改正の第一点でありまする新設の統計調査部でありますが、御提案の理由によると、各種の輸送統計を各局に分掌していたものを集めて、一本にした統計事務をやりたい、そういうことで御提案になっておるわけで、私は、この趣旨においては非常に敬意を表したいと思います。この統計事務は、とかく行管などでも強い指摘があります通り、できるものは一本にして、経費と人員の節減をはかることが望ましい行政のあり方だということは、私どもが従来強く指摘しておるのであります。そういう意味で、調査部の新設とはいいましても、そういう趣旨にのっとった点については非常に賛成したいと思うわけであります。ただ、そういう考え方では予算書を見ますると、その中でちょっと理解のできない点があります。と申しますのは、統計調査に要する費用として、実は三千八十万八千円の予算が組まれておるわけですが、これは昨年に比べまして、二千五百六十四万円の増になっておるわけです。そういう意味では、経費の節減どころか、かえって経費を多く要しているという点、そういうことから考えまして、はたしてこれは御説明の提案の理由に沿った考え方なのかどうか、ちょっと理解しかねますので、その点と、それからこの機構によって人員はどれくらい削減できるのか、あるいは部の新設によってふえるのか、人員の関係をもあわせて御説明いただきたいと思います。

広瀬真一運輸事務官(大臣官房長)

○廣瀬(真)政府委員 まず予算の関係でございますが、従来運輸省の統計調査は各局に分散されておりまして、従いまして、予算も私ども非常に不十分であるというふうに考えまして、機構と関連いたしまして、若干予算の増をお願いをしております。概括的に申し上げまして、三十八年度予算では調査予算が、大まかな数字でございますが、約七千万円認められております。このうち、新設の統計調査部へは約六千万円が移しかえられることになっております。おもな項目を申し上げますと、自動車の輸送統計で二千六百九十四万円、港湾の調査で一千六百四十六万円、内航輸送の統計が四百八十二万円、造船造機の統計、船舶船員統計、これが二百八十七万円、国際観光統計が百六十万円、船員労働統計が九十四万円、こういうものがおもなものでございます。確かにおっしゃいますように、経費は極力節減すべきものでございますが、元来運輸省の統計が、組織が伴わない点もございまして、弱体でございましたので、若干強化をいたしたいというふうに考えております。  それからその次の機構の問題でございますが、率直に申し上げまして、統計調査部は四課からなりまして、定員は七十九名でございます。私ども政府部内の予算の折衝の段階では、これまた定員も極力合理的に節減すべきものと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、元来弱体でございますので、若干の増員を考えておったのでございますけれども、今先生のおっしゃいましたような趣旨から、増員は一応考えませず、すべて部内の振りかえということで、最小限度の定員七十九ということで努力をいたしたいというふうに考えております。

山内広日本社会党

○山内委員 御努力のあとがよくわかるのですが、ただ、これはもう一つ事務的な小さな問題ですけれども、お尋ねしたいと思うのですが、今お話のような考え方で調査事務というものを努めて節減していく。ところが、首都自動車輸送調査委託費というのを六百四十万組んでおるわけです。なぜこれを問題にしたかといえば、前年度においてはこういう予算が組まれておらなかった。ところが、新たにこういう委託費をつくって肩がわりしていくということになりますと、お考えの趣旨というものは、こういう点でまたくずれておるのではないか。若干上からながめただけで、内容は私わかりませんので、そういう考え方もできるわけです。これは一体どういう関係でこの委託費ができたのか、どういうことを御調査になるのか、承りたい。

広瀬真一運輸事務官(大臣官房長)

○廣瀬(真)政府委員 これまた卒直に申し上げますが、実は予算の折衝過程におきまして、皆さん御存じのように、たとえば大都市周辺の路面交通というものが非常に混雑しております。これの解決策といたしまして、トラック、バスのターミナルの建設ということを真剣に考えておりましたら、諸般の事情で、本年度の予算案にはこれが尚早というようなことで入らない格好になりましたので、三十八年度は新しい問題といたしまして、路面交通の特に公共性の強いバス、トラックのターミナルの問題を含めまして、交通の輸送施設の関係について新しい項目として調査をするということになりまして、その調査費として、従来なかった六百何がしというものが計上されておるわけでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 これは委託費になっておる。運輸省自体がやるのでなくて、これはどこかに委託する経費のように思うのですが、どういうふうになっているのですか。

広瀬真一運輸事務官(大臣官房長)

○廣瀬(真)政府委員 まだはっきりしたことは申しかねますが、運輸省自体で調査するよりも、部外の適切な機関を利用した方がいいと考えておりまして、はっきりきまったおけではございませんが、運輸調査局というものがございまして、公益法人でございます。これがそういった調査をするのに最も適すると考えておりますので、委託調査という格好をとっております。

山内広日本社会党

○山内委員 大体わかりましたが、今の御説明の中から、私一つ考えておるのです。実は前に自動車審議会というものを設けまして、今お話しのような都市の交通事情をいろいろ審議し、その対策を練るということで、これは存続期間は時限立法でありまして、昨年の四月でなくなったわけですけれども、仕事の継続としては、すでにこの自動車審議会がそういう問題を取り上げておったと思う。この自動車審議会を設けるときも、いろいろ私は意見を述べたのでありますけれども、これがどういう結論を出し、どういう調査をし、どういうふうに自動車行政に対して寄与したものか、何にもわからないままに消えてなくなってしまった。そうして新たにまた、あなたの力では都市交通に関する基本的計画を樹立したいということで、そういう業務を監督局から大臣官房に移す、こういう御提案もこの中に含まれておる。そういうことで、行政の調査とか、そういうものの一貫性を欠いているように思われるのですが、さっきお尋ねした自動車審議会の調査、結論というものは、どういうふうになったか、この際御答弁いただきたい。

広瀬真一運輸事務官(大臣官房長)

○廣瀬(真)政府委員 昨年の本委員会でも御審議いただきましたが、自動車審議会は、自動車輸送全般につきましての大きな問題について種々審議をいたしまして、おおむねその結論を得たということで、昨年廃止したわけでございます。  それから今のターミナルの問題でございますが、これは技術的にどういった立地条件を備えたらいいか、あるいはつくるとすればどのような構造を持つべきかというような、非常に技術的な問題がございますので、自動車審議会で自動車輸送全般についての方針をきめました、その一環として、具体的な施策として、ターミナルの建設あるいは自動車関係の輸送施設の問題をしぼって調査をしようというものでございましても、一連の関係があるというふうに考えております。

山内広日本社会党

○山内委員 この都市交通は大問題でありますから、これは一日も早く解決するべくいろいろな計画もあり、実行もまたなされなければならぬわけですが、今回都市交通の問題を監督局から大臣官房に移した。どういうことでこうしなければならぬのか、この御提案だけでは抽象的でちょっと理解できませんので、お答えいただきたい。

広瀬真一運輸事務官(大臣官房長)

○廣瀬(真)政府委員 都市交通の関係は、御承知のように主として、具体的に申し上げますれば、大都市の高速鉄道網の建設のあり方というような問題と、それからすでに都市交通審議会でもやっておりますが、路面交通のあり方、この二つがあるわけでございます。それで、従来は都市交通はこの二つを扱っておったわけでございます。従って、官房に二局、鉄道監督局、それから自動車局と、両方にまたがる問題を扱っておったわけてございますが、便宜上鉄道監督局に置いておったわけでございます。それで、これは格好から申しましても不適当であるし、それからまた、事実上いろいろ不便がございまして、私ども従来苦慮しておったわけでございますが、今回、官房組織の強化拡充ということが予算折衝の過程において認められましたので、かねがね考えておりました本来のあるべき姿にしたいということで、このような格好にいたしたわけでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 その点はよくわかりました。一つ都市交通の困難な問題をぜひ早急に解決していただきたいと思います。  次に、従来の運輸技術研究所を船舶技術研究所に名称が変わる。おそらく内容も変わるのではないかと思いますが、御提案の資料だけでは私ちょっと理解しかねるわけであります。この研究所はたしか三百七十名以上も職員を持っておる大きな機構でありますが、今度名称と内容が変わるとすれば、三百七十何名かおるこの人たちの配置というものはどういうふうになるのか。今度は船舶の技術だけをやるのか、その技術の範囲も、操船もあるだろうし、造船もあるだろうし、いろいろあると思うのですが、その内容をお聞かせいただきたい。

広瀬真一運輸事務官(大臣官房長)

○廣瀬(真)政府委員 まず、運輸技術研究所の改組の理由をごく簡単に申し上げますと、従来の運輸技術研究所というものは、船舶、鉄道、自動車、航空という多岐の分野にわたって科学技術の研究を行なっておったのでございますが、これも率直に申しまして、研究がやや総花的になりまして、専門的な分野における研究の効果が必ずしも十分に上がっておらないといううらみがございました。それから他方、陸運関係、航空関係の分野におきましては、運輸省の部外に、たとえば国有鉄道の鉄道技術研究所、それから科学技術庁の航空技術研究所という、きわめてすぐれた強力な研究機関が進歩して参りまして、これらのたとえば陸運関係、航空関係の研究は、今申し上げました機関を強化して専門的に行なわせる方が、国家的に見てより効果が上がるのではないか、このような理由から、元来運輸技術研究所の一番中核になっておりました船舶関係を重点的に強化拡充いたしまして、研究部門はこの船舶関係のみに集中いたしまして、陸運関係、航空関係につきましては、ただいま申し上げました部外の機関に十分協調をとりながら依存をしていくということで、研究の効率的な効果を上げていこうということでございます。ただ、運輸省といたしましては、ただいまの陸運部門あるいは航空部門につきましても、行政に直結いたしました試験的な事務がございますので、これは残していくということでございます。その新しい問題といたしましては、最近航空、船舶の運航の分野におきまする電子技術の研究というものが非常に進歩して参りました。また、これが強く要請されておりますので、新しい船舶技術研究所では、この電子航法の関係も重点的に取り上げていこうと考えております。従いまして、結論的に申し上げますと、現在運輸技術研究所の大まかな機構を申し上げますと、船舶部門、ここにたくさんの部がございまして、定員は三百五人おります。それから現在の電子航法部門がございますが、ここの定員は八名ということになっております。それから陸運、航空部門としまして、陸運は鉄道部門と自動車部門でございまして、鉄道部門の方は四十二名、自動車部門は三十八名、航空部門が十五名というふうになっておりまして、この三つを合わせまして九十五名、部の合計が十五部でございまして、定員は四百八名となっております。新しい機構の船舶技術研究所の方は、船舶部門に三百三十一名、それから電子航法部門に十四名、それから先ほど申し上げました鉄道と自動車と航空の行政に直給いたしました試験部門に二十七名、合計いたしまして、部は十四部で三百七十二名、減員は、四百八名との差で三十六名の減というふうになっております。もう一度、くどいようでございますが、船舶部門と電子航法部門、これを強化拡充いたすわけでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 船舶技術が長足の進歩をしておりまして、それに即応した研究体制をとりたいというお考えは私も同感であります。ただ、人員配置その他については若干考え方もありますけれども、一つ御努力いただきたい。  そこで、次に、今度審議会との関係なんですが、造船技術審議会というのが設けられております。これとの関係はどういうことになりますか。

広瀬真一運輸事務官(大臣官房長)

○廣瀬(真)政府委員 船舶技術研究所と造船審議会との関係でございますが、造船審議会の方では、造船関係のいろいろ基本的な問題を御審議願いまして、船舶技術研究所は、造船関係につきましていろいろ技術的な問題の研究、それからあるいは民間からの委託というようなこともございまして、一応関連は持っておりますが、基本的な技術的な研究というものは船舶技術研究所でやっていく、この方針につきましては、今の審議会ともちろん脈絡を保っておるわけでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 行政のあり方として、これは研究所と審議機関との分離は私も承知しておるわけですけれども、この審議会がいろいろ答申をする場合に、研究所の研究の成果というものに基づいてやらないと——審議会のメンバーをずっと見てみましても、失礼な言い方ですけれども、どうしても政治的に動かされる可能性の強いメンバーが相当におる。そういうことから、純粋に技術的な立場から審議されるものであるならば、そこで連関性を持たして、そこで集まった研究の成果を審議会を生かしてやっていく、こういう考え方に立ちませんと、今のような御説明では、一応の関連はあるけれども、別個のものだ、その辺の考え方に食い違いがあるので、以上私は意見を申し上げたわけです。  次に、お尋ねしたいのは、船員教育審議会を海技審議会に改組される問題ですが、これも御説明によると、法制に関する基本的事項と、こういうことになっておりますが、この点の内容を明らかにしていただきたい。

広瀬真一運輸事務官(大臣官房長)

○廣瀬(真)政府委員 海技審議会の問題でございますが、従来運輸省には船員教育審議会というのがございますが、これを改組して、新しい問題として海技の問題を取り上げようというわけでございます。その前提となりますものは、最近非常に世界的に技術革新が行なわれておりまして、特に造船技術の分野におきましても、船舶の自動化の研究が非常な勢いで進んでおります。それで、最近におきます海運経常、それから労働の需給の関係から考えまして、今後ますます船舶関係の技術革新が急速に推進されるものというふうに考えまして、近い将来には、一隻当たりの乗組員というものは現在の半数ぐらいな格好になってくるのじゃないかということが予想されます。こういった船舶の自動化と運航技術の革新に対応いたしまして、乗組員の大幅な減少ということが必至になって参りますので、船内における労務体制、それから船舶の職員制度、それから海技試験制度、船員教育制度等、海技に関する制度全般につきまして、総合的な再検討を早急に行なう必要があるというわけでございまして、海技に関する法律制度あるいは慣習というものは、明治以来ほとんど変わることのない伝統的な格好で維持されておりまして、船員関係の制度、慣習全般にわたる総合的な再検討を必要といたしますので、新しく、従来の船員教育審議会をやや性格を変えまして、従来の船員教育審議会の任務のほかに、今申し上げました問題をプラスして審議をして参りたいというふうに考えまして、船員教育審議会を改めて広げた格好にいたしまして、海技審議会というものを新しく設置したいというわけでございます。なお、海技関係の問題は、おおよそ二年ぐらいで一応の結論を得たいというふうに考えております。

山内広日本社会党

○山内委員 そうしますと、今度提案されております臨時鉄道法制調査会、これは前の船舶技術研究所と造船技術審議会以上に、内容的には密接な関係を持つように今御説明で承ったのですが、これとの関係はどうなりますか。

広瀬真一運輸事務官(大臣官房長)

○廣瀬(真)政府委員 鉄道法制調査会、これは今の造船関係あるいは海技関係とは関連がないものでございまして、名前の示すように臨時ということで、設置の期限は一応二年というふうに考えております。これはたとえば現在の鉄道営業法というものをとりましても、明治三十三年に制定されました非常に古い法律でございます。そして形式的に見ましても、たとえば旅客、荷主、鉄道事業者、こういったものの基本的な権利義務を規制する事項が、古い法律でございますので、全面的に命令に一任されております。これは現在の法体系からいって非常に変則であるということでございます。また、内容的にも、現存の輸送事情あるいは経済事情に全般的に合わなくなっておりますので、こういった点を時代に即応した格好に改正いたしまして、適正、安全、あるいは能率的な鉄道輸送、あるいはまた旅客、荷主等の権利義務を明確にして参りたいと考えますが、これは実は民法あるいは商法の特則的な事項が非常に多うございまして、政府部内だけで検討するには不適当である。従いまして、部外の学識経験者等に十分に御協力いただきまして、慎重な態度で、しかも二年でこういった問題な片づけて参りたいというふうに考えまして、設置をしようとするものでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 考え方としては、私もかわらないわけではないのですが、従来この種の調査会とか審議会というものが設置される場合、特に古いいろいろな法律を整理して、そうして時代に即応したようにやるのですからいいのですけれども、かなり無理を伴うような法律が出る場合に、調査会、審議会というものがバックアップして、民主性を奪うような法律が、非常に強力な政府の施策をやろうということで生まれる可能性が、従来他の審議会、調査会には見受けられるわけです。私は、この法制というものが確かに古いことも承知しております。この設けられる法制調査会が望ましいことだとももちろん思っております。けれども、そういうことのないように、調査会のメンバーは、もっと運輸全体に理解のある、そして将来の見通しのきくような方も中に十分入れておきませんと、この調査会がとかく独断専行になって、あとで摩擦を起こす、そういう点で若干御注意申し上げておきたいと思います。

広瀬真一運輸事務官(大臣官房長)

○廣瀬(真)政府委員 ただいま御意見、まことにごもっともでございまして、私ども、この臨時鉄道法制調査会というものは、純法律的に事を運んでいきたいというふうに考えておりますので、委員の選考等につきましては、ただいまお話のございましたように、公正妥当で、広い識見を持つりっぱな方を選考していきたいというふうに思います。お考えを十分尊重いたしたいと考えております。

山内広日本社会党

○山内委員 そこで、この議案からは若干離れますが、これを最後の質問にいたしたいと思うのですけれども、最近海難事故が非常に多いことはお認めになっておると思います。この間も、ときわ丸の沈没したあのニュースを見ておりますと、これはジャーナリストの一般国民の感情を率直にとらえた記事だと思いますけれども、事故を出す船員の立場からすると、安全法がむずかしくて何もわからぬのだ、それを一週間かなんかの講習会で資格をとって乗っておるので、ああいうものはわかりませんと、乗っておる人が答えておる。ああいう瀬戸内海のような、世界で最も危険地帯といわれるようなところに船舶が密集して、安全法も知らない、経験の薄い者によって、どんどん大きな船と小さな船が入りまじって航行しておる。それも画面に出ておるわけです。そういうことを見ますと、海難事故を防止しなければならぬ監督の立場にあるあなた方として、あれは見のがし得ない一つの国民の声としてやはり聞いてやらなければいかぬと私は思う。それで、この海難事故の最近起こる原因がどこにあるのか、この点について船舶局長はどういうふうにとらえておられるか、また、将来こういう方法で防止する考えだという計画などがあったら一つお聞かせ願いたい。

和田勇海上保安庁長官

○和田政府委員 海難の原因につきましてお答えいたします。その大部分、約九割程度は、いわゆる人為といいますか、不可抗力ではありません。あるいは運転側の誤りでありますとか、あるいは不注意、そういうものが多うございます。安全法の問題等につきまして、私の方は軍門でございませんので、お答えしかねるのでございますが、汽船は割合海難が少のうございますが、いわゆる小型の船で機帆船あるいは漁船、そういったものが非常に多うございます。これはこういった機帆船なり漁船に乗っておる船員の免状等について、比較的大型の船の船員の免状よりも低いものでよろしいということになっており、ますので、そういったことも関係があるかと存じますが、そういう状況でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 専門の方でないのでおわかりにならぬという答弁ですが、確かに今の御答弁だけでは私全く満足できないのです。そこで、これは先ほど官房長の御答弁の中にもありましたが、最近の船舶のいろいろな技術の革新から、乗組員というものはもう半数にできるのだ、しかも船舶の経営者においては、多少そういうものに金をかけても乗組員を減らしたいということは、特に最近のように海運界が斜陽化しておるときにおいては、そういう考え方が多いと思う。私の心配しておるのは、船が優秀になった、それでどんどん乗組員を減らしてもいい、このことをよほど理解してもらわないと、かりに優秀ないろいろな計器を使って航行の安全をはかったとしても、一たん事故が出ると、乗組員が少ないということ、それからいろいろな経営上の問題から、安全というよりも、むしろ人員なり貨物の搭載数をふやそうというのが船主の考え方ですから、そういう意味で海難事故の防止という立場から見ると、半数に減らせるのだから減らしてもいい、こういう先ほどの御答弁のような考え方でもってこれからの教育なり海技のいろいろな研究なりが一方的に進められると、私は将来というものが非常に心配になるわけです。そういう点でどういう考え方を持っておられるか、この点も承っておきます。

広瀬真一運輸事務官(大臣官房長)

○廣瀬(真)政府委員 最近の海難事故と船員の関係でございますが、分けまして外航船と内航船について申し上げますと、外航船につきましては、職員は商船大学あるいは商船高等学校において教育を受けました者、または海技大学校において再教育を受けた者で充足されております。また、部員は大部分海員学校において新人教育を受けたという者でございます。部員の中には、一部海技大学校において再教育を受けた者もございますが、要するに、外航船の乗組員の教育につきましては、まあまあ十分やっておるというふうに考えております。  それからその次は内航船でございますが、従来は海技大学校における小規模の再教育を除きましては、はっきり申し上げまして、正規の教育機関がなくて、民間の講習会等にゆだねられておったのでありますが、昨年度から海員学校に講習科というものを設けまして、適宜便宜に船員の職員の素質の向上に努めておるわけでございます。しかしながら、内航職員の新人教育を行なう教育機関の要否とか再教育の充実につきましては、この際さらに検討を要すると考えますし、私ども、従来以上にこの問題を取り上げまして検討して参りたいというふうに考えております。  なお、最近の事故の原因について調査が進むに従いまして、船員の教育の問題もございますし、あるいは今御指摘がございましたような船舶の安全関係の励行ということもございます。こういった点も最近の海難事故にかんがみまして、教育の面、船舶安全性の面、とういった面を十分に考慮して、事故を未然に防ぐという格好で進んで参りたいと思います。ただいま御指摘がございました点は、私ども十分に頭に入れまして、施策をやっていきたいと考えております。

山内広日本社会党

○山内委員 陸の方と船の方と比べまして、海上の方の法制の問題というのは、私はやはりおくれておると思うのです。これに手をかけられるというととは、今度海技審議会の審議の中では期待をかけますけれども、親規定があるというと、たとえば外洋に出る船もそれから内航の船も、親の一本の規定でもって拘束されていく。こういうことがありますと、どうしてもこれはどっちにも無理がかかるわけです。何カ月も外洋に出て安全な海の上を歩くのと、瀬戸内海とか津軽海峡とか、ああいうひんぱんなところと、これは一つの法律でもって縛るというそのこと自体が無理なんです。どうしてもこれは実情に合うような法的な措置ができなければ、あなた方の方の行政指導というものが適切に行なわれないと、法一本でもってやろうとすると、いろいろな欠点が出る。海難事故ができてから、どっちの責任だ、これは法律を守ったとか守らぬとかいっても、全然条件の違う海難が世界的に多い。これは船長さんに言わせると、もうこんなおっかないところはいやだ、何ぼ賃金をもらってもいやだ、早くやめたい、ほんとうに船長さんの方の声を聞けばそう言っておられるのです。そういう中で行政指導をどうしていかなければならぬか、この区別した配慮というものがなされなければいかぬと思います。  そこで、これは全運輸委員会や逓信委員会に船舶職員法やそれから電波法がかけられておる。その内容については、専門のそういう委員会で議論されておるので、私これを申し上げる資格もないし、また取り上げようとも思っておりません。近く結論が出かかっておりますので、おそらく政府原案で通ると思いますけれども、あのものの考え方の中にも、今私申し上げたような危険をはらんでおると私は考えておる。たとえば無線通信士を今度減員していく。船主側の一方的な採算のために定員を減らしていく。確かにここに本技術の進歩というものは認めておりますけれども、この海難事故というものを考えた場合に、はたしてこういう措置をしておくことが将来のためになるのかどうか、この点については十分配慮をする必要があると思います。そういう点で、運輸当局、特に船舶局長がおいでにならぬければ、責任者は、一体こういう無線通信士の問題をどういうふうに——今他の委員会で取り扱っておることはお聞きする必要はありませんけれども、こういう実情に即したような扱いをどういうふうにして解決していくのか。法律は法律として、行政指導でそういう無理な点を認めながら是正していくお考えがあるのか、この点について責任者の御答弁をいただきたいと思います。

若狹得治運輸事務官(船員局長)

○若狹政府委員 無線通信士の減員を内容といたしまする電波法及び船舶職員法の改正の問題でございますけれども、今度の改正は、国際条約に合わせるということが主眼でございまして、戦争中の特殊な事情によりまして、今日まで外国に例を見ないような法律の内容でございまして、それを国際水準に合わせるということが主たるものでございます。そういうような意見が出て参りましたのは、必ずしも業界の経営の合理化という面だけではございませんで、実は最近の陸上の弱電産業におきまして非常ないんしんのために、無線技術者がもう得られない、そのために、せっかく無線機械を積んでおりましても、それに必要な通信士が得られないというような事情が出て参ったわけでございます。一昨年の非常な産業の拡張期におきましては、どんどん無線局を開局するというような状態が出て参りました。また、法律上の義務船舶でございましてどうしても開局できないというものについては、執行の延期をするとか、あるいは船舶の資格を落とすというような状況が出て参ったわけでございます。外国船舶も日本の船舶も同じような条件で航海いたしておるわけでございますけれども、外国の船舶が一名の通信士で航海して日本に来ておるにもかかわらず、日本の場合には、どうしても三名の通信士を乗せなければ法律違反になるというような状態が、現実に合わないのじゃないかというようにわれわれは考えたわけでございまして、決して安全の面をおろそかにするというようなことじゃございませんで、われわれといたしましても、その点は十分に長い年月をかけて検討してきたわけでございます。昭和二十六年以来、この問題はたびたび議論されてきたわけでございまして、そういう点については問題がないということでございますし、また、現実の問題として、こういう法律規制を行なうために、かえって無線局を開局するというような、安全を阻害するというような情勢が出て参りましたものですから、この改正をお願いするということに踏み切ったわけでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 今の御答弁からも、私は非常な考え方の相違があると思うのです。決して船主の方の要望でなくて、そういう技術者を得られないために、それに合わすという考え方が間違っておると思う。得られなかったら、技術者を養成したらいいじゃないですか。得られないから、定員が減る、今度は、先ほど言ったように、船の乗組員も減らすとなったら、学校の志願者も少なくなってくる。学校の志願者が少なくなれば、どうしても質的にも優秀な船員というものをそこから満たしていくことができない。これは斜陽産業でもこういう教育でもそうです。もう少し開拓の道を開いて、この通信というのは、機械も進歩するけれども、そのほかに必要度というものは世界的に高まってきておるのだから、いろいろなそういうところの開拓をして、そうして安全を期するような人も得られる教育もやる、待遇もよくする、こういうのでなければ、今まで三人いたところを将来は一人にするのだということになったら、将来は、だれも希望して無線通信なんという大へんむずかしい技術を体得するという者はおりはしないと思うのです。そうしたらますます得られなくなるじゃありませんか。私は、そういう意味で、お役人の方々がそういう理解の仕方では将来やはり誤ると思うのです。この点ではちょっときびしく申し上げたので、あるいは反論があるかもしれません。あったらお聞きしましよう。

若狹得治運輸事務官(船員局長)

○若狹政府委員 先ほどの御説明の中に、安全の面から見て支障がないというようにわれわれは確信しているということを申し上げましたけれども、法律は最大限度のものを規定するわけでありますので、そういう意味で国際水準に合わせたわけでございます。  それから現実の海運企業の現状から見まして、待遇改善ということはなかなか行ない得ないという状況でございまして、われわれといたしましては、むしろ合理化によってこの待遇を改善していくというような、実際の労使の関係におきましても、そういう情勢でございますので、法律によって無理な強制をしないで、事情に沿うような定員の配置というものが行なわれることを可能にすることによりまして、待遇の改善を行なっていきたいというように考えているわけでございます。  なお、この運輸省設置法の中にあります海技審議会の中におきましても、今後の船舶通信士の養成、あるいは待遇の問題等についても十分な検討が行なわれることと思います。また一方、最近の無線機械の発達の状況というものは非常に急速なものがございまして、従来に比べてはるかに少ない労働で十分な効果をあげ得るというような確信を持つことができるようになったことも原因でございますから、今後、そういう面についても、その助長という面についてわれわれとしてもできるだけの措置を講じたいと考えます。

山内広日本社会党

○山内委員 これ以上申し上げませんけれども、外国の実情と日本の実情を一諸に合わせるという考え方が、私は非常におかしいと思う。総合的に通信網の発達している外国、あるいは港湾の整備されているところ、あるいは操船する人の技術水準、あるいは知能の差、いろいろなものが総合的に判断されなければ、外国がこうだから日本もこうだとは言えない。先ほども申し上げた通り、同じ日本でも、瀬戸内海とか津軽海峡という危険度の非常に多いところもあるんだ。そうでなく、外海に出れば楽なところもある。これを一本にするような考え方はいけない。やはり実情に即したような配慮をすべきである。法律は一本であっても、その中で、この点は危険だから行政指導はこうやる、省令に許された範囲で、この点は人員の配置をこのように考える、こういうような具体的な配慮なくして、一本で全部をやろうとするところに問題がある。事故の出るところは一カ所なんです。そしてたった一ぺんなんです。年じゅうそうたくさん海難事故があったら大へんなんです。それを予防する意味で、監督官庁であるあなた方は、常に上の方からこまい配慮が必要ではないか、こういう点を指摘しておる。何もかにも外国に右へならえするんだったら、何もここにあなた方のような船員局長を置かなくてもできることなんだ。  極端なことを申し上げて失礼しましたけれども、そういう意味で、将来とも起こり得る。今度は機械が整備され、人員がたくさん乗っておりますと、起こる事故というものははかり知れないほど大きな事故が出てくるのです。そういう点は十分配慮をして運営をしてもらいたい。法がどうあろうと、法は生かして使わなければならぬのですから、その点の要望をして、私の質問を終わります。      ————◇—————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 厚生省設置法及び国立光明寮設置法の一部を改正する法律案を議題として、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。田口誠治君。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 厚生大臣が社労の方へ出向かなければならぬ用件があるようでございますので、厚生大臣に対する質問を先に行ないたいと思いまするが、しかし、厚生大臣が私の質問申し上げます内容の御認識が十分でないと、どうも名答が出ないと思いますので、失礼ではございますけれども、若干今までの経過を申し上げまして、そして大臣の答弁をいただき、あと具体的な面については、局長さんにいろいろと御質問をいたしたいと思います。  それで、私は時間的な面も考えて、きょうは直接提案されておりまする法案の内容と離れまして、厚生年金の関係を御質問申し上げたいと思うのです。御承知の通り、厚生年金は、昭和十六年に社会保障制度の一環としてわが国では法律化されて、昭和十七年から実施をして、二十年かけて、女子は五十五、男子は六十になったら給付が受けられる、老齢年金の場合にはそういう内容になっておりますし、その間において不具者になったり、そういうような場合には、また別な給付の方法もございまするが、一応そういう形になっておるわけであります。しかし、二十年かけて五十五才なり六十才なりになってから給付される金が、昨年から給付が実施されておると思いまするが、おそらく一カ月に三千五百円ぐらいだろうと思うのです。年に四万二千円ぐらいだろうと思いますが、そういうようなことで、非常にこの給付率が悪く、昨年法律化されました公務員の共済年金と比較いたしますと、三分の一くらいしか給付がないという。従って、こういうことから私は、この問題で、しつこいようでございますけれども、おととし去年と二年、いろいろと質問申し上げ、お願いをいたしたのですが、昨年はようやく局長さんの方でも、また大臣の力でもも厚生年金が、各種年金に比較をして非常に給付率が悪いということはもうはっきりしておるし、それで、昭和三十九年になれば、この年金の会計は五年五年に一応計算をして次の改正を行なうのが慣例になっておりますけれども、一年繰り上げて昭和三十八年の四月にさかのぼってこの改正をし、この給付内容の改善をはかる、こういうことを最終的には大臣の方から答弁をいただいておった。そこで、私は昨年、三十八年から実施をするということになりますれば、もう社会保障制度審議会なりで結論が出て、厚生省の方でも相当作業が進んでおらなければなかなかこの秋の予算要求に間に合うようなことができぬのではないか、こういうような技術的な面についても御質問を申し上げたのでございまするが、七月に社会保障制度審議会の方で審議をしていただくようになっておるから、そこで結論を得ればこの予算要求には間に合うのだというような御答弁があったわけなんです。従って、私は、三十八年度の四月からはこの改正案が実施されるものというように大きく期待をしておったのでございます。しかし、今日に至りましてもまだそのような気配が見えませんので、従って、大臣としては、各種年金で一番給付率の悪い厚生年金をどういうようにお考えになっておるかということと、それから昨年大臣が約束を国会でしていただいたのですか、それを実施していただいておらないので、これはどういう理由に基づくものか、そして現大臣としてはどうするつもりであるか、こういうように分けて一つ御答弁をいただいて、それから大臣が次に行かれるところへ御出席をしていただきたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 今、厚生年金についていろいろお話がございましたが、大体今までの経過はあなたから申された通りでございます。そこで、第一番に、三十八年にやると言っておきながらどうしておくれたのか、こういうことでありまするが、実はこれは非常に申しわけなく、恐縮でありまするが、社会保険審議会の委員等につきましても、これがだいぶおくれておりましたので、そういう関係もありました。それからまた、厚生年金の改正ということは、いろいろ非常にむずかしい面が起こりますので、一口にいいますと、十分用意ができなかったということでございます。従いまして、今回法律を改正するというようなことには至らなかったのでございます。しかし、周知の通り、これは年金所得保障としては、老齢年金としてはまことに給付内容が悪いのでございますから、ぜひやらなければならぬと思います。しかも、三十九年度は再計算の時期でもありますので、これはぜひこの際やりたいということで、ただいまも一生懸命実は検討をいたしておるのでございます。少なくともこれを三十九年度にやるのには、やはりことしの八月ごろまでに結論を出さないといけないだろうということで、ただいま真剣に検討いたしておるのでございます。しかし、事柄はなかなかいろいろな事項を含みますので、非常にむずかしいけれども、これは絶対に三十九年度を期してやりたいという心がまえで、今はやっておるような次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 それで、私の方から要望申し上げておきますが、三十九年度から実施をするということになりますると、やはり六月なり七月までにその準備といおうか、給付金を上げるなら上げる、それからまた、掛金をどうするのだというような一応の案はつくっておかなければならないと思うのです。そういうような関係から、私は特に申し上げておきたいと思いまするのは、昭和三十四年に改正をしていただいたのは、これは改悪になっております。と申しまするのは、掛金が第一種の千分の三〇というのが三五になっておりまするし、それから第三種の千分の三五が四二というようになっております。そうして標準報酬月額のワクも、最低三千円から最高は十二級までに刻んで一万八千円になっておりましたのが、これを二十級まで広めて三万六千円に現存はなっておるわけです。こういうように保険料をとる方はどんどんどんどんと多くとっておいて、そうして給付内容を改正しないということは非常に労働者が不満を持っておるところなんです。もちろん、全然給付の関係は改正してないかと申しますれば、これは若干計算上率を変えておりますが、この率を計算してみますと、年に二千円くらいしか違わないわけです。そういうような内容でありますから、各種年金との比較もございますので、その厚生年金を準備される場合には、今度は相当額に引き上げるようにお願いをいたしたいと思う。私、昨年申し上げておきましたのは、これは昨年の速記録を見ていただけばわかりますが、とにかくもう定額部分を三倍にはしてもらおなければいかぬ、こういうことを申し上げておきましたし、またその他のこともつけ加えてお願いしておきましたが、これは一昨年・昨年の場合にそうした考え方であったので、年が経るに従ってやはり給付率を上げてもらわなければならない。今年はちょっと三倍にしてもらうだけでは、私の方はまだ納得ができないという程度のものでございますから、せいぜいその方面へ大臣も力を入れていただき、ぜひとも作業をスムーズに運ぶように督励していただいて、労働者の希望に沿うようにお願いをしたいと思います。この点については、答弁をいただいてもいただかなくてもよろしゅうございますが、これで大臣に対する質問は終わりまして、あとは局長さんの方に移りたいと思います。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 給付の水準につきましては、昨年七月も社会保障制度審議会からある示唆を受けまして、従いまして、この厚生年金の評判が悪いので、ぜひ一つうまくやりたいと思っております。ただ、やはり掛金の工合をどうするのかというようなこともありますし、現在は企業年金とのからみ合いもありますから、なかなかむずかしいものでありますけれども、少なくともこれが老齢年金として十分役立つようにということは十分考えて、慎重にやるつもりでございまして、三十九年度は重ねてこれが実現を期したい、かように固く信じておる次第でございますからもどうぞ御協力のほどをお願い申し上げる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 それでは局長さんにお尋ねをいたしまするが、三十四年に改正を行ないまして、標準報酬月額のワクも広め、掛金の率も引き上げたのですが、前の率と比較いたしまして、一年にどの程度増徴収になっておるか、金額を一つ示しいただきたい。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 ただいまの田口先生のお話でございますが、三十五年度に法律は通ったわけでございますが、その際に、標準報酬のワクの引き上げ、暫定保険料率のその暫定の引き上げ、こういう措置が講ぜられまして、保険料収入も上がったおけであります。ただ、総収入といたしましては、当時から被保険者の増も相当あるわけでありまして、ただいま申し上げます数字は、正確にいうと、そのために上がった数字ではないわけでありますが、被保険者数が増加して、保険料収入も上がる、その要素も加えまして、年間で約三百億弱上がっておりまして、率といいますか、三十四年を基準にいたしまして、年間で百十四億円であったものが三十五年度におきましては八百七億円、かような増加をいたしておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 今会計にどのくらい積立金がございますか。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 現在厚生年金の積立金は、三十七年度末の見込額が約七千億でございまして、なお、三十八年度に純増加する見込額というものが千六百億でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 わからないのでお聞きするのですが、自然増加というのはどういうことですか。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 自然増と申しますのは、二点ございまして、厚生年金の被保険者が相当増加いたしております。それが第一点でございます。それから第二点は、給与のベースアップがございまして、下の方の低い給与の方々が高くなっておる。この二点の要素でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そこで、現在のところでは、支払い金額の何割が国庫負担ということになっておりますか。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 厚生年金におきましては二つに分かれておりまして、一般の労働者につきましては、給付の一割五分の国庫負担でございます。それから坑内夫、それから体系は違っておりますが、船員保険におきましては二割の国庫負担、かように相なっております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 それで、先ほど大臣の方にもお聞きをし、また希望を申し上げておきましたが、新聞等では、大体六月くらいをめどにこの、厚生年金の結論を出すというような見出しで、いろいろ書いておる新聞もあるのですが、作業はそのような進み方をしておるのか、これも承りたいと思います。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 先ほど大臣からも御説明がございましたが、この改正につきましては、まず社会保険審議会の審議を経ることになっておりまして、従来の経緯といたしまして、政府当局の案を御審議願う前に、社会保険審議会におきまして労使・中立委員のそれぞれの意見を調整いたしまして、政府案をつくる前に各種の議論をしていただく、こういう段取りをいたしております。その委員の改選が昨年実はおくれまして、社会保険審議会での御審議を願う時期がおくれたわけでございますが、昨年の十二月から引き続き社会保険審議会の厚生年金部会で御審議を願っておりまして、今日の段階におきましては、厚生年金改正につきましての問題点と、その問題についての労使双方の考え方という点を中心にして、第一読会を終わりまして、さらに第二読会に入るというような段階に来ておる次第でございます。これは審議会で御審議を願っている状況でございまして、あと第二読会、第三読解を四月、五月くらいにまとめていただいて、そうして厚生省の事務当局といたしましては、それと並行いたしまして外般の問題点を詰めまして、予算の編成時期が七、八月になりますので、それまでには成案を得たい、かような段取りで進んでいる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 各種審議会がございますが、審議会によっていろいろ審議する仕方が、違っておりますけれども、社会保険審議会の場合は、厚生省から具体的な案は全然お示しにならずに、ばく然と厚生年金の関係を検討してもらいたいというような形で検討をしてもらうのか、それとも大体の構想を説明して、それをもとに審議をしてもらうのか、どういうやり方ですか。その辺を一つお教え願いたい。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 ただいまお話がございましたように、やり方は二種類くらいあるわけでございますが、厚生年金の改正問題につきましては、先生も御承知のように、問題点が非常に多いし、かつまた、給付と保険料・国庫負担といったバランスの問題で非常にむずかしい問題がございまして、しかも労使双方それぞれ主張の違う点が多々あるわけでございます。そういうような問題の性質上、従来のやり方並びに今日のやり方といたしましては、労使双方の意見も含めました三者の審議会において問題点とその考え方についての調整といいますか、意見の調整をある程度済ませまして、そうして政府当局の案をつくって、それを正式に諮問する、諮問の前段階といたしまして相当に議論を尽くしていく、この方が法律改正の円満を期するゆえんである。かようなことからいたしまして、従来ともその方針で進んでおりますし、今日でもその方針で進んでおりまして、現存の段階では、諮問という形でお示ししないで御審議を願って、そうして政府案をつくりましてから正式にさらに諮問する、こういうような手順を踏んでおる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 保険数理というのは、しろうとが手をつけてみてもなかなかやれないわけです。これはやはり専門の厚生省の方でやっていただかなければならないのですが、そういうことになりますと、審議会の方で一方的に給付金をこれだけにしろとか、あるいは掛金は率をこれだけ上げよとか、どうとかいうことをいってみたとて、またできない相談もあるわけです。それで、特に国庫負担の場合も、今支給金額に対して厚生年金はわずか一割五分です。船員保険の方が二割ということでございますから、発足当時社会保障制度の一環としてつくられたこの厚生年金としては、国から受けるところの恩典というものは、社会保障という名前のもとに給付される額としては全く少ないわけなんです。それで、少なくとも社会保障制度の一環としてつくられたとするなれば、やはり国の補助金というものの引き上げをここで大きく要求すべきであろうと私どもは思いまするし、それが当然だと思うのです。従って、政府としては、今度の改正に対しては、三十七年度の保険料の見込みも、改正後も含めて現在積立金は七千億からあり、それから一千六百億円も自然増収というような形で出てきているのですから、この金額でも相当給付金は引き上げられると思いますけれども、国庫補助が一割五分ということでは、あまりにも少ないと思うのです。こういう点については、やはり厚生省の方では相当御検討なさっておると思いますが、大まかな考え方として、国庫補助という面についても手をつけられるおりもりであるのかどうか、承りたいと思います。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 国庫負担の割合が不十分であるという御意見は多々あるわけであります。この際に問題になりますのは、ものの考え方がいろいろございまして、たとえば厚生年金と国民年金あるいは国家公務員共済といったものと比較いたしました際に、一つの割合で国庫負担が今出ておるわけでありますが、一人頭に直しますと相当大きな食い違いがある。こういったような点をどう考えるかという問題ももちろんございます。それから厚生年金につきましての国庫負担のやり方といたしましては、何せこの保険は長期保険でございますので、長い期間にわたる数理計算というものがなされてバランスをとっておる次第でございますが、いわゆる改正のつど給付を引き上げますと、過去の人といいますか、すでに給付をもらっている人、あるいはまた高年齢層に達している方々といったようなものの所要金額というものは、相当高い金額に上りますので、そういったものを国庫負担でまかなっていくという方式をとるか、それとも一律に国庫負担の方式をとるかといった、いろいろの組み合わせ方があるわけでございまして、そういった組み合わせ方につきましては今後の検証に待たなければならぬ。現在検討中でございますが、大幅に給付を引き上げ、かつまた、保険料の引き上げもそれに伴うという段階にございますので、国庫負担の引き上げも私どもといたしましては主張して参りたい、かような心組みでおる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 今度改正される場合には、もちろん給付の引き上げは、額は今わからぬといたしましても、上がることは当然でございますが、保険料の率も引き上げのお考えであるか、この点も伺いたいと思います。それで、保険料の場合は、今の率を引き上げる場合と、標準報酬月額の三万六千円というのを全く野放しにして、五方のものは五万、十万のものは十万というようにとる方途はあるのですか、そういうような構想も伺いたいと思います。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 御承知のように、厚生年金と公務員共済とよく比較に出されるわけでありますが、公務員の共済組合におきましては、保険料率が本人が千分の四十四、事業主が千分の四十四、そのほかに国軍食掛、千分の九十八という保険料率になっております。厚生年金におきましては、それが現在千分の三十工でございまして、それを労使で折半している。こういった非常に保険料率におきましても違いがあるわけで、従いまして、給付の違いもそういったところとからんでおる次第でございます。今回厚生年金の改正によって老後の生活保障にふさわしい年金額にするということにいたしますと、どうしても保険料率の引き上げを伴わなければならないわけでございます。ただ、現在の厚生年金の立て方は、所要の保険料率を一気にとるという形でなしに、修正積み立て方式と私どもは印しておりますが、段階的に保険料率を上げていくというような方針をとっておりますので、保険料率を引き上げるにいたしましても、一気に数理計算によります保険料率というやり方はとれないのじゃないか、かように考えておるわけでございます。  それから標準報酬の問題があるわけでございまして、現在御指摘のように、三十四年度の改正におきまして三万六千円を最満額といたしておりますが、その後の給与の実態というものは、三万六千円で頭打ちをされておりますグループが相当多数を占めておるという現状になっておりまして、この点につきましては、標準報酬の最高額を相当引き上げたい、これを引き上げることによりまして、給付の力にはね返って参りまする報酬の比例部分というものがございますので、給付の方もよくなりますので、ある経度引き上げていきたい。しかし、野放しに引き上げるというのではなしに、やはり頭打ちは設けまして、相当程度実態に応じたように引き上げていきたい、かように考えておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 諦めた質問になりますから、また厚生省としてずばりの答弁がちゅうちょされるかもわかりませんが、ただいまの御答弁からいきますと、標準報酬月額の最高額もどれだけか上がる、五万に抑えるか六万に抑えるかわかりませんけれども、上がる、それから段階別な上げ方も行なう、こういうことになりますと、現存手元にある金が七千億からあるわけなんですから、それで、まあしろうとで計算ということは、なかなか計数の面はできるものじゃありませんけれども、およそいろいろの面から考えてみて、私どもの要求しておるところは、社会党は定額部分を七千円というのを大会できめておりますが、少なくとも三倍ぐらいには定額部分の引き上げを行なっても、大体今構想されておる標準報酬月額のワクの広げ方によってまかなえていくのじゃないかというような感じがするわけなんであります。従って、それには国の補助金というものももちろん引き上げてもらわなければならないと思うのでありますが、私は、国の補助金を今の一割五分というのを三割にしてもらえれば、その他のことをそうひねくらなくとも、労働者が要求しておるところにほぼ達するようなことになるのじゃないかというように思えるわけなんでありますが、そういう点はいかがなものでございましょうか。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 非常にむずかしい御質問でございまして、御承知のように、保険数理の計算というのは長期にわたっての計算になるわけでございまして、今抽象的に計算が実は出ないわけでございます。一つのモデル・ケースをつくりまして、こういうようなモデル・ケースでやると、保険数理が計算上どうなる、たとえば給付を幾らにし、定額部分を幾らにし、比例部分を幾らにし、あるいは国庫負担をどうするというような条件をきめまして保険数即計算をやりますと、保険料率が幾らになるというようなことも出てくるわけでございますが、それが大まかな条件ではたしてまかなえるかどうかという判断は、非常にむずかしいわけでございまして、今ちょっと即答いたしかねる次第でございます。  そこで、問題は、この定額部分の引き上げということが一つの大きなポイントでも御承知のように、昨年の社会保障制度審議会で、四十五年、六千円、こういった具体案が提示されておりますし、今お話がございましたように、社会党の改正案というのも拝見いたしておる次第でございます。この定額部分を幾らにするかという点で非常にむずかしい問題は、実は最低賃金制の問題にもなるわけでございますが、現在最低の標準報酬が三千円ということになっておりまして、いわゆる三千円、四千円、五千円、それぞれのクラスに該当する賃金といいますか、それに相当する給与をもらっている人たちがまだ相当ある形になっておりまして、そういたしますと、この年金額がそれまでもらっておった給与よりいい年金をもらうというような、そういった形式、姿が出てくるという点に、定額部分を幾らにするかという問題点があるわけでございまして、そういった点も十分検討いたしまして、定額部分も相当引き上げたい、かような気持でおる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 老齢年金の場合は、女子五十五、男子六十ということですが、これもやはり各種年金を審議するときに問題になるわけです。戦後、寿命が延びたというので、女子五十才、男子五十五才が女子五十五才、男子六十才、こういうことに引きしげたのですけれども、今の各会社の定年制の内容を見ますと、五十五才定年のところが多いのです。そうすると、労働者というのは、これから後の労働者の場合は若干違ってはきますけれども、今働いておる、ここ二十年、三十年前から働いておる労働者というのは、戦時中、戦後のああいう苦しい中において低貸金で働いてきておるのだから、預金というものはまずないわけなんです。それで、もし無理をして預金でもできるのなら、金を借りて自分の住ままいをするところをつくるという程度のことであって、その他の預金はないわけなんです。そうしますと、定年で退職をいたした場合には、たよるものは退職金と厚生年金よりないということなんです。そうしますと、六十才ということになりますと、女子の場合でも、五十五才まで働くという人は現在のところではあまりないわけなんで、従って、こういうことから、年齢の引き下げということも要求の一つとして出されておりますが、その点については、厚生省はどのようにお考えになっておりますか、この点についての御説明もいただきたいと思います。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 年齢の問題は、御承知のように、昭和二十九年の改正のときに、男子六十才、女子三十五才となりまして、その後、この男子六十才、女子五十五才は二十年間にそういうふうにするということに経過規定がございまして、現在では男子五十七才、女子五十二才もこういうふうな形に相なっている次第でございます。先生も御承知のように、平均寿命が非常に延びまして、現在では西欧諸国とほとんどい変わらない、むしろ、西ドイツあたりよりは日本の寿命が長く相なっている次第でございまして、外国の例は大体六十五才あるいは六十七才というような例が多いのでございますが、日本の年金につきましては六十才、その意味におきましては低いわけでございます。ただ、御指摘のように、定年制という問題がありますので、そのギャップをどうするかという議論が実はあるわけでございます。ただ、統計的に見ますと、五十五才で定年になりましても、六十才までそれぞれの職場で働いているという方々は非常に多いわけでございまして、八割何分というものは何らかの職場で働いていて、厚生年金保険の被保険者になる、あるいはまた、農業というような場合になりますと、国民年金の被保険者といいますか、国民年金の関係も出てくるというような現状でございまして、実情といたしましては、相当部分の方々は六十才まで働いているというのが実態である、その意味におきましては、年金をもらうということの緊要な要求のある方々は、数としては少ないという現状じゃないかと思います。ただ、これは、今後どうなっていくかという問題もからめて考えなければなりませんし、あるいはまた、減額年金といったような制度を設けたがいいかどうかという問題も、実は論議に上っている次第でございまして、そういった問題とかね合いながら何らかの結論を待ていきたい、かように考えている次第でございまして、今年齢をどうするというふうに具体的にまだきめておらない次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ただいまのお答えを聞いておりますると、男子の場合は五十二才、女子の場合は四十七才になればというふうに御説明をされましたので、それで、先ほど私の申しましたように、女子が五十五才、それから男子が六十才というように何か聞こえたのですけれども、これは昭和二十九年に改正をして、五年間引き上げたときに、ちょうどその給付を受ける年齢に近い人たちが急にまた五年間延びるということになると迷惑になるというので、六段階に分けて漸次引き上げの方式をとったのであって、ちょうど五十五才で給付できるという男子の人は、昭和二十九年に五十二才になっておったということですね。それから女子の場合は、四十七才であった人が五十才でよろしい、こういうことなんです。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 今のお話でございますが、昭和二十九年の改正のときに、厚生年金の受給年齢は、それまで男子五十五才、女子五十才でございまして、それを六十才、五十五才と五年間引き上げましたが、一挙にやってしまうのは工合が悪いというので、それを二十年間に徐々に引き上げていく、おおむね三年ごとに一年引き上げていく、こういうような措置に変わった次第でございます。その際にもう一つありましたのは、四十才以上の人については、資格期間が本来ならば二十年であるのを十五年でよろしい、こういう改正はいたしましたが、今お話がありましたような、四十何才が五十才という形にはなっていないはずでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 私の把握をしておりまするのは、改正になりました年、すなわち、昭和二十九年の五月一日現在の満年齢でいきまして、五十二才以上の人は、これは五十五才になれば老齢年金の給付対象の年齢だ、それから四十九才以上五十一才までの人は五十六才になればよろしい、四十六才以上四十八才までの人は五十七才、四十二才以上五十四才の人は五十八才、四十才以上四十二才までの人は五十九才、ちょうど昭和二十九年五月一日現在満年齢で三十九才以下の者は六十才でなければならない、これは女子の場合は申しませんけれども、こういうようなことになっておるのです。従って、そういうことから、先ほど五十才とか五十五才とかいう御答弁がありましたけれども、実際的には五十五才と六十才なんですから、これではやはり今の民間企業の定年制の実態からいきまして、私は、下げる必要があるし、下げてもらわなければ労働者は困るんだということなんです。そういうことから、引き下げる用意ありやということを御質問申し上げたのですが、ないということなんですね。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 先ほど申しましたように、社会保険審議会におきましても、問題点としては、この年齢の問題が出ておりまして、その扱いにつきましては、年齢引き下げという御主張もございますし、あるいはまた、その大部分の人たちは、年齢を引き上げても、実際に年金をもらうことにならないので、減額年金といったような制度を設けて、希望者はもらえるということになる方法もあるではないかというふうな議論もあるわけでございまして、今日引き下げるという結論には達していない次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 それから特に私は女子の場合を申し上げたいと思いますが、婦人労働者は、五十五才まで働く人というのは、これからはどうか知りませんけれども、現有のところでは全くまれであるわけなんです。従って、厚生年金は五名ですね、五人以上の事業所は強制的に加入させられるのですから、そこへ入って、そして掛金をして、それから十分にこの厚生年金としての恩恵を受けずに、中途でやめる婦人労働者が多いわけなんです。その人たちの場合には、やはり一時金という制度はございまするけれども、この一時金の額たるや非常に少ないわけで、婦人労働者の場合は、やはり一時金の給付率をこれも引き上げる必要があるのじゃないか、ぐらいではない、上げてもらわなければ、婦人の労働者は非常に困っておるわけなんです。この点についてはどういうようにお考えになっておりますか。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 御指摘のように、婦人労働者につきましては、いろいろ問題もあるわけでございまして、現在も保険料率の計算等におきましては、第三種被保険者、こういった一般とは違った扱いをいたしておりますが、今御指摘のような諸点がございます。ただ、国民年金制度ができましてから、その際に、各年金制度の通算制度、通算の特別の法律ができまして、各種年金を通算いたしまして年金がもらえる措置が講じてございますので、厚生年金におりました期間、その後、たとえば自営業君の方にお嫁に行って国民年金の被保険者になる、こういった期間が通算されますので、問題は、基本的な方向といたしましては解決されている次第でございますが、その金額の問題、あるいはまた女子労働者が退職いたします際の結婚資金の問題といったような点もございまして、今回の改正におきましては、女子労務者の扱い、あるいは保険料率といったものをどうするかという点は検討いたしておりますが、これがどういった案が一番いいかという結論にまで達していない次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 厚生年金の中の障害年金、障害手当、こういうようなものも、今度の給付率を引き上げするときには、含めて上げるというお考えなんですか。簡単に聞きますると、定額部分だけまず上げるんだ、こういうことなんですけれども、障害年金とか、また遺族年金とかというもの、それから遺族の場合でも、未成年の人たちに対する給付の額なんかでも、私どもが考えてみますと、相当に不満な金額でございまするから、これはやはり上げていただかなくてはいけないと思います。特に遺族年金の場合は、主人を失っておるんだから、奥さんが子供をかかえて生活をしていくということになりますから、やはり子供に対するところの給付額というのを相当引き上げていただかなくてはならないと思いますが、こういうものも含めて、やはり今度引き上げの改正を行なうという大まかなお考え方であるかどうか、この点を一つ伺っておきたいと思います。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 御指摘のように、老齢年金の問題がさしあたっての中心課題ではございますが、遺族年金あるいは障害年金につきましても、問題があるわけでございます。特に遺族年金につきましては、現在あらゆる制度を通じまして半額といったような立て方になっておりまして、そこに相当基本的な問題がございまして、当然今回の改正におきましては、遺族年金の問題も含めて、あるいは障害年金の問題も含めて検討をいたしている次第でございます。ただ、いわゆる扶養加算の問題につきましては、これは将来の問題といたしましては、妻の加算の問題は別といたしまして、また何らかの方法を講じていかなければならないと思っておりますが、子供の加算につきましては、将来の問題といたしましては、児童手当制度をどうするかといったような問題とからんで参りますので、そういった問題とも兼ね合いで検討を進めていきたい、かように考えておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 これは質問になるか希望になるかわかりませんが、障害年金の場合に一級、二級とありますが、一級に該当する人たちの給付金額、それから今の二級から一級に切りかえねばならぬという人たちもあるわけですし、こういうような等級の面についても御検討をいただきたいと思うのです。やはりこういうことも検討されておられますか。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 障害年金につきましては、障害の基準というものが相当問題になりますし、また、厚生年金と国民年金とは違っている部門もございますし、それからまた、特に厚生年金におきましては、労災との関係というものも十分考えながら、この等級の扱い、あるいはまたその際におけるところの、一級の場合で申しますと、看護料的性格を持っております加算金というものも含めて検討いたしておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ちょっとここでわからないので、私は伺っておきたいと思いますが、加給年金の場合不具者すね。この場合に、精薄児なんかの場合の取り扱いは何を基準に置いて査定されるのですか。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 障害児を持っている場合の特別加給というものはないはずでございますが、実は、精薄児につきましては、精神障害者並びに精薄者を含めまして非常にむずかしい問題がございまして、これは現在では、むしろ国民年金の問題といたしまして議論がされておりますし、私どもといたしましても、特別の委員会をつくりまして、どういった基準で精神障害者あるいは精薄といったものを、区分けしていくかといった点を議論を願っておる次第でございます。一般に、言われますいわゆる精薄者の扱いというものにつきましては、学者間にも意見が非常に分かれておりますし、かつまた、年金の制度の中で考える場合には、そう固定した形に表われない、取り扱いがむずかしいという問題もございまして、今日、むしろ国民年金の問題といたしまして、専門の方々に委嘱して検討を願っているような過程でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 障害年金の場合に、業務上で病気やけがをしたような場合には、労働者災害保険の方から六年間もらいまして、七年目からこちらへ切りかえるわけです。そうしますと、今度厚生年金の給付率が上がった場合に、六年間向こうでもらっている場合に、との率の上げ方によりましては、厚生年金の方でもらった方が得だという場合ができてきますね。そういう場合にはやはり考慮されるのでしょうね。

山本正淑厚生事務官(年金局長)

○山本(正)政府委員 障害年金の給付の改善ということをいたします際には、特に労災との関係が出てくるわけで、ございまして、労災保険との扱いというものは、十分労働者と協議いたしまして、各般の扱いというものを円滑に処理していきたい、かように考えておる次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 二日続けて三時近くまでやっておりますので、きょうは早く終わらないと、皆さんいろいろ用事があるようでございますから、これでやめますが、今までの質疑応答で、厚生省の方としては、昨年大臣が約束しておったのに約束を破ったのだから、来年は約束をしなくともこれは改正をしなければならない当たり年ですからね。私らの方から要求することは、給付率を引き上げてもらいたいということ、それから国庫補助金の補助率を引き上げてもらいたい、こういうことを強く要望申し上げて、私の質問は終わります。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる二十八日午前十時理事会、十時半委員会を開会することとして、散会いたします。    午後零時四十一分散会      ————◇—————

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