内閣委員会 第9号
- 発言数
- 157 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/03/14
会議録
○永山委員長 これより会議を開きます。 経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を継続いたします。質疑の申し出がありますので、これを許します。藤原節夫君。
○藤原(節)委員 私は、新産業都市建設促進法の関係で、ごく簡単なことでございますが、二、三お尋ね申し上げたいと思います。時間の関係がありますので、私も要点だけお尋ねいたしますから、率直にお答え願いたい。 この新産業都市建設促進法による区域の指定は、法律の第二条によって、都道府県の知事が総理大臣に申請する、こういう建前になっているようでありますが、この地域が二つ以上の府県にまたがる場合はどういうことになりますか。両方の知事から申請を出すということになるだろうと思いますから、それらの点は別にお答え願わなくてもいいのですが、現在四十幾つかの申請が出ておるということでありますが、この中に、具体的に二つ以上の府県にまたがる区域の申請が出ているのがありますか、どうですか。
○宮澤国務大臣 現在二つ以上の都道府県にまたがる申請は出ておらないわけでございますが、ただいま御指摘のありました問題は、おそらく現実にそういう場合にどう対処するかということであろうと思います。実はこの法律案を政府が国会に提案をいたしました際に、政府としては、相当大規模な産業都市をつくるという考えを当初持っておりまして、おそらくは、そういう状況では二つ以上の府県にまたがるような場合はあり得ないであろうと考えておったようであります。しかるところ、その後国会において、その点を相当規模の産業都市というふうに御修正になりました。立法府の意思がそういうふうに確定いたしました際に、相当規模であれば、現実の問題として二府県以上にまたがる場合があり得るということは、私どもが当然考えるべきであったわけだと思います。しかし、そういう修正の過程において、その点を私どもが立法府にお願いも実はいたしませんでした関係から、この法律自体から考えまして、そういう場合の処置をどうするかという規定が一切ないというのが、ただいまの現状であると思うわけでございます。なお、御質問に従いまして、もう少し詳しく申し上げるつもりであります。
○藤原(節)委員 国会で修正されたからというお話もございますが、実はこの法案を提出されるに先だって、われわれはすでにその点を指摘をして、二つ以上の府県にまたがる場合の規定がないじゃないか。これは両方の県別々だが、同じような計画を二つに割って両方の知事から出せばいいのだ、こういう理屈は成り立つかもしらぬけれども、現実の問題としてはなかなか問題だ。今日の経済の実勢、交通の現状等からいえば、この新産業都市、たとえば四十幾つもうすでに出ておるというそれが、一つの県の中にだけあるということ自体がおかしい。この法律が知事が申請しなければならぬということになっているから、県をまたがる場合があっても申請できないというのが実情だと思う。これはもう具体的に、今長官もおっしゃったように、現実にそういう場所が幾つかあることも公知の事実なんです。あるにもかかわらず、法律の建前が知事の申請ということになっているために、申請さえも出ないというような実情だと思う。これは国家経済の上からいいましても、地域住民の福祉の上からいっても、まことに遺憾なことである。そういう場合はすらっと申請ができるような規定があればなおけっこうなことであるし、なければ修正されればいいのですが、実は法案を提出されるときにも、それを指摘して、その点は不十分であるが、さしあたり今考えられている地域については、そういう問題は起こらぬと思うというようなことも言われたのであります。必要あればそのときに修正をすればいいと思うというようなことでありましたが、必要あれば修正することがいいというなら、初めから完全なものにして出したらいいじゃないか。今考えられているところをどうこう言うことは、これば別に責めるわけではありませんけれども、行政官庁の最高の責任者でもない者が、そういうことを予測して法律の内容がいいとか悪いとか言うことは、少し言い過ぎではないかということも申したのであります。それはもう済んだこととして、現在の法律でも、そういう場合の一つの救済策という意味かどうか知りませんが、これは第四条の一ですか、経済企画庁長官その他のいわゆる要請大臣は、第二条の知事からの申請がない場合でも、第一条の目的を達成するために必要があると認められたときは、協議して区域の指定を総理大臣に要請することができるという規定があるわけです。私は、これは法律を改正して、二府県以上にまたがる場合の規定を置くことは、むろんけっこうでございますけれども、現在でも、この第四条の一の規定を活用すれば、今の法律の不備は補えるのではないか。従って、立法論としては、修正ということもけっこうでありますが、政策的にはこれをもっていけばやれるのではないかという考えがするのであります。この点について大臣の所見を承りたい。
○宮澤国務大臣 碓かに藤原委員が御指摘をしておられますように、当初からそういう問題はあったというふうに承知をいたしております。しかるところ、その後に、相当規模の都市というふうな立法府の意思がそこで明確になりました段階で、この問題は法律案自体としてはっきりいたしておくべきであったと思います。その点、私どもの側に手落ちがあったというふうに私は考えておるわけでございます。当時の事情を調べてみますと、自治省を代表する政府委員は、そういう場合にも、二つ以上の県にまたがって新産業都市が建設されることが法律的には可能であるという答弁をしておる記録があるようでありますが、その後に、その点に法制局等で多少の疑義を持たれたようでありまして、それは法律の第十六条に、当該区域の属する都道府県に、新産業都市にかかる建設基本計画をつくるために建設協議会を置くということが書いてあるわけでありますが、この建設協議会の性格は、地方自治法によるところの都道府県の内部の協議会と多少違うのではないかというような疑義を内閣法制局が持つに至りまして、この点ば私ども早く解明を望んでおるわけでありますが、今日まで解明をはっきりされておらない。従って、問題は、その点をまずはっきりいたすことが必要であると考えるわけでございます。立法論といたしましても、あるいは政策論といたしましても、経済行為は都道府県の県境に何らかかわりなく行なわれるものでありますから、県境を越えて新産業都市が建設されることを阻止しなければならない理由は、私は少しもないと思います。願うことならば、法律をすなおに読みました結果として、そういう法制局の見解が示されることを実は私としては望んでおるわけでございます。この法律に関する他の要請大臣がどういう御意見でありますかはつまびらかにいたしませんが、私どもとしては、それを阻止しなければならない理由というものは、政策論としてもないのではないか。従って、法解釈として、自然にそれが可能であるという解釈が出てくることを非常に望ましいと思っておるわけであります。しかし、万一そうでないということになりましたときには、ただいま藤原委員の御指摘のように、職権による指定ということは、法律的には考えられるわけでございますが、その場合にも、両都道府県にまたがるところの建設協議会をどうやってつくるかという規定は、依然としてこの法律には欠けておるわけでございますから、そこで、また似たような問題にもう一度ぶつからなければならないかと思います。結論として申し上げたいことは、そういう再度ごもっともな御指摘もありますので、早く統一意見の確立をまずいたして、それによって次の段階を考えるということにいたしたいと思います。
○藤原(節)委員 建設協議会の性格がはっきりしないから、現在これ以上の措置がとれないというふうにとれるのですが、もし今の職権指定ということをやった場合にも、同じような問題にぶつかる。しかし、これは建設協議会だけの問題であれば、かなり運用あるいは行政指導等でもいけるんじゃないかという気もするのであります。法制局の解釈がはっきりしないというようなことでじんせん日を延ばしておるのでは、もうすでに今日四十幾つも申請が出ておる、近く指定もされようという際であります。今おっしゃるように、経済行為を何ら県境によって制限する必要はない。必要がないどころじゃない。私は、今日の法の不備が、自然の経済の発展を阻害しておる、あるいは住民の福祉を阻害しておると言わざるを得ない状況でありますから、これは法制局がまだぐずぐずしておるからということじゃ済まぬと思うのです。あるいは職権指定をした後においても、何でこういうふうにおくれておるのかわかりません、が法制局の解釈というものは、並行してこれは進めてもいいものじゃないかと思います。明白にそのために不都合が起こっているという現状に対して、これはほって置けないのじゃないか。もう私はあまり具体的な地区の問題は申し上げませんが、これは言わなくても十分おわかりだろうと思います。たとえばある地区のごときは、県の境に新産業都市の中心になるべき港をつくる、港の片一方の都市はA県に属し、片一方の都市はB県に属しているというような場合、マスター・プランの上からいいましても、いわゆる地理的条件からいっても、こういう場合に、片方の県だけの申請で、今おっしゃるような建設協議会の解釈がわからぬからといって、ほって置くわけにいかぬと思う。行き詰まってしまうことは目に見えておるのですから、これは少なくとも区域指定については、第四条の規定があるのでありますから、しておいて、いわゆる職権指定と言うのか、何と言うのか知りませんが、そうして同時に、法制局の解釈を待つということもできるのじゃないか。元来、私は、今から言うてもあれですが、知事が申請して指定するという、その知事の申請に基礎を置いたことが間違いだと思うのです。初めからこれは国がやるべきことであり、特にこの五条には、新産業都市の区域の指定は、国土総合開発法の規定による全国総合開発計画に適合するものでなければならぬ、こういう規定もあるのであります。当然これは全国的な視野から、総合開発という立場から考えらるべきものであるし、指定もさるべきで、県知事の申請などということが、そもそも間違いといいますか、そういうところへ足をとられておるから、おかしなことになる。建設省の計画局長お見えのようですが、私は、今ここで、建設省の見解はどう、自治省の見解はどうという立法当時のいきさつをあばき出して、官庁間の対立をここへ露呈してもらおうというわけではありませんが、少なくともこの規定に表われたように、この新産業都市の指定、この政策の目標とするところは、国土総合開発の面から見ていかなければならぬかと思うのです。そういう意味で、五条二項の今申し上げました規定、全国総合開発計画に適合するものでなければならぬという点からいって、先ほどの府県知事の申請と食い違った場合の調整の仕方は、どういうふうにお考えになっておるか、その点だけ伺っておきます。
○町田政府委員 具体的な問題は、県境にまたがります場合の新産業都市の区域の指定の問題かと存じますが、この問題につきましては、立案当初からいろいろ問題がございましたように私ども承知をいたしておるわけでございますが、でき上がりました法律を見ますと、必ずしもその点の解釈がはっきりしない。これはもう冷静にこの法律を読んでみますと、それが積極的に許されるものであるか、あるいは消極的にできないものであるかどうか、その辺の解釈が何分はっきりいたしませんので、その点の問題に関しましては、今後各省と十分打ち合わせをしながら私どもの態度もきめて参りたい、かように考えております。
○藤原(節)委員 どうも何にもないということになると満足いたしかねるのでありますが、時間を急ぎますから、よく研究を願うとして、もう一つ、この五条の第一項には、「新産業都市の建設が総合的に行なわれる自然的及び社会的条件を備えていること。」を要件として規定しておるわけであります。自然的条件というものは、当然総合開発計画と一致することだと思いますが、社会的条件、たとえば今の県が異なるというような問題は、社会的条件といえるかどうか、これはむしろ行政的あるいは政治的条件だ。県が異なるのは、社会的条件において不適当であるということは私は言えないと思うんですが、この点、大臣に伺いたいと思います。
○宮澤国務大臣 仰せのように、そういうことは言えないと思います。
○藤原(節)委員 そこで、結局、この法律が不備であるということは大臣も認めておられる。だれが見てもそうであります。修正をしなければならぬものであるということも当然のことであります。ただ、法制局の建設協議会に対する解釈云々ということがありますけれども、これがもしできないというような結論が出たら、にっちもさっちも動かぬことになるわけでありますから、法制局の解釈いかんにかかわらず、直ちに法律を改正する手続をとっていただかなければならぬと思う。つまり、そういう場合の規定を置いていただかなければならぬ。もっと根本的にいえば、知事が申請するなんというのはやめれば問題がないのです。これはいろいろな長いいきさつもあったようでありますから、そこまでは言わなくても、二府県にまたがる場合の規定を設けさせることはわけがないことだと思う。技術的に多少めんどうなところがあるかもしれません。それと、今の第四条による職権指定を勇敢にといいますか、法律の不備を補うために、行政的な措置をとるのは当然のことだと思うわけであります。法律の改正ということば、そういうところでなかなか簡単にできるものではありませんから、これに対しては、やはぬ改正するまでは、いわゆる職権指定の条項を発動して不備を補っていただかなければならないと思うのであります。先ほど大臣の答弁は、どうも法制局の解釈待ちのようなお話でございましたが、解釈いかんにかかわらず、ことに解釈が、不可能であるという結論が出た場合には、またもとへ戻ってしまうわけですから、これはぜひともこの際、法の不備を行政的な手段をもって補うという方針を明らかにしていたださたいと考えます。
○宮澤国務大臣 関係都道府県知事の指定にかからせました考え方の基本は、地方自治との関係もございますし、おそらくはこの新産業都市の指定ということは、地方住民の福祉を考えたからでございますから、それが福祉に貢献する限り、当事者たちが申請をすることにちゅうちょするおそれはあるまい。しかし、なおまた他方で、当該地方に負担もかかることでございますから、一方的に国が指定をするということは、原則でなく、その例外とした方が適当だという考え方であったと思います。そこで、いわゆる国の一方行為による――これは相手方の同意が要るわけでありますけれども、職権による指定の場合を考えてみますと、これは仮設の問題でありますが、法制局の最終的な見解として、かりに二以上の都道府県にまたがる新産業都市の形式は違法であるということになりました場合には、この職権による指定ということも、従って違法であるということになるであろうと思います。しかしながら、違法という見解はなかなか出にくいであろう、法律はそれを予期はしておらなかったとかなんとかいうことはあり得るとしましても、積極的に違法であるという見解がかりに出ないということを想定してみました場合には、職権による指定をいたしませんでも、各都道府県とてこの指定を受けることにはかなり積極的でありますから、関係の都道府県に対して、国として指定の意思があるについては、当該地域の申請を出してきたらどうかというような意味での内面指導は、私は何どきでも可能であると思うわけであります。それでありますから、先般申し上げましたように地方の事情聴取をいたしておる段階でありますから、これが四月末に終わりましたときに、いろいろな条件から考えてある地方を指定をすることが適当である、しかし、その際には、それと社会的経済的に切り離しがたいところの、県境を越えての一部の地域をも包含することが適当である、かりにそういうことになりました場合には、当該都道府県の知事に対して、その地方についても申請をしたらどうですかというような指導をすることは、私は十分に可能であると考えるわけでございます。何分にも四十三カ所というような多数の希望の表明がありますときに、その多くのものを排除しながら、他方でいわゆる職権によってそれ以外のところを国が指定するということも、政治的にはなかなか困難なことでございますから、もし事情聴取を全部終わりました際に、そのようなことが適当であるという結論が出ますれば、当該都道府県知事に対して申請力を内面的に慫慂するというような解決の方法はあると思っておるわけであります。
○藤原(節)委員 大体現実の問題としては、そういう行政指導ということになると思いますが、法律の建前はこういうことになっておるのであります。不備な法律であるならば、それを補うべき手段――単なる行政指導というだけでなく、方法をも考えていただかなければならぬということで、今大臣の言われる行政指導も可能であるということは、さらにそういう場合には、これはほかの行政大臣の関係もありましょうが、少なくとも窓口である経済企画庁としては、当然行政指導をするんだという御方針と承っておきます。 自治省の行政局長も見てえおりますが、時間の関係がありますから、この程度で私の分はやめておきます。
○永山委員長 石山權作君。
○石山委員 宮津さんにこの前二、三残しておりますし、自治省から関係の方がおいでになっているというので、関係の部門として一つだけお聞きしておきたいと思いますが、これは、企画庁でお考えになっておる、たとえば新産業都市指定の問題等は、どうしても今までの区域的な行政では間に合わぬ、こういう考え方なんです。それに対応して自治省ではどういうふうなお考えを持っていられるかということが一つ。その対案として、経済企画庁の考え方に対応する意味でいうところの広域行政とかなんとかいう案をお出しになったのかどうか。それとも、そういうことは別にして、自治省自体で見た、地方自治体のいわゆる行政能力を上げるために、そういうふうなことがよろしいというふうにお考えになったのかどうか、こういうこともあわせてお聞きしたいわけなんです。
○佐久間政府委員 御指摘のように、新産業都市に指定を予想されております区域は、地方団体の区画の上から申しますと、数市町村あるいは十数市町村の区域にわたる場合が多いようでございます。その区域が指定されますと、一つの総合的な計画に基ずきまして、建設事業を遂行していかなければならないことになるわけでありますから、関係地方公共団体が共同いたしましてその事業を効果的に統一的にやっていけるという仕組みがどうしても必要になるであろうということを、私どもといたしましては考えておったわけでございます。昨年、地方制度調査会にその点も諮問いたしました結果、昨年の十月に答申がございまして一つは、従来、数市町村が共同で事業を処理いたします場合には、一部事業組合という方式があったわけでございますが、一部事務組合は、今回の新産業都市の計画に基ずきます事業の遂行には必ずしも適当な方式ではございませんので、もっと効果的な方式を考えるべきだという御答申がございまして、その骨子につきましては、たとえば地方開発の事業団というような構想を考えてはどうかという御示唆をいただいたわけでございます。それに基ずきまして、ただいま地方開発事業団という構想を具体化いたしますための法案を準備いたしております。これは地方自治法の一部を改正する法律案の中に入れるつもりでございますが、これは考え方といたしましては、数市町村あるいはそれに県も加わることがございますが、数個の地方公共団体が総合的に一つの計画に従って事業を共同でやります場合に、便利な仕組みを考えていこうという考え方をいたしております。事業の主として建設団体だけを、従来のように道路は道路、水道は水道、港湾は港湾といらようにばらばらでなくて、関連させて総合的にやっていける仕組みとして考えておるわけでございまして、大体政府部内の意見の調整も終わることになろうと思いますので、そのうち御審議をいただくことができようかと思っております。 それから自治省といたしましては、なお地域によりましては進んで合併をすることが非常に合理的であり、望ましいと思われるような区域もございます。そうした区域につきましては、合併を勧奨いたしておるわけでございますが、そういうことで合併の話も進んでおるところもごごいます。 大体新産業都市に関連をいたしまして指定を受けました数個の地方公共団体が共同で事業をやる方向での問題といたしましては、以上のようなことを考えておるわけでございます。
○石山委員 もう一つ、行政機構の整備という点から見て、臨時行政調査会がことしの秋ごろかなりなものを出すだろう。各省はそれぞれなわ張りを堅持するためにいろいろ工夫をこらして、行政機構の地固めを行なっているというふうに言われております。そのはしりとして、農林省設置法あるいは今回の建設省設置法、こういう形になって現われているというふうにもっぱら分析されているわけなんです。今度の場合も、そういうふうな面から広地域の行政というふうなものをお考えになったのかということをわれわれとしては考えておる。それからもう一つは、このことが将来の道州制につながるものではないか。私は道州制必ずしも悪いものと言うわけではなくして、実態として道州制のような格好に移行していく方向を示すのかどうか、ただ何となくおやりになっているのかどうか、その点もお聞きしたいのです。
○佐久間政府委員 先ほどお答え申し上げましたのは、新産業都市の区域に指定されました区域内の市町村の共同処理をすることについて申し上げたわけでございますが、ただいまお尋ねのございました点は、おそらく府県を越える広域的な行政の処理の問題かと思いますが、これにつきましては、御質問にございましたように、臨時行政調査会でいろいろ御検討になっておる案を私どもも漏れ伺っておるわけでございますが、ただいまの段階で伺っておりますのは、ブロックごとに国の総合的な出先機関をつくるという案を伺っておるわけでございます。それに対しまして自治省といたしましては、から国の出先機関を強化をするという方向で地方行政の問題を考えることは、地方自治の立場からいたしましていかがなものであろうかという考え方を持っておるわけでございます。現在府県を越える広域的な行政の処理のための方式として検討いたしておりますのは、地方行政連絡会議の構想でございまして、これは当面はブロックごとになろうかと思いますが、そこの府県知事が中心になりまして、それにそこにございます国の出先機関の長も参加いたしまして、そこで広域的な問題についての話し合いの場をつくって、連絡協議を主にいたしました。そういうものを考えてばどうであろうか、これも昨年地方制度調査会の答申の中にございましたが、その案を現在自治省といたしましては検討中でございます。
○石山委員 そんなものはなまぬるいのですよ。あなたは、地方自治の確立の意味から各省の出先機関の強化は反対だとおっしゃっているのでしょう。何で自治省はそんなことをおやりになるのですか。同じことじゃないか。連絡協議会なんという名前をつけたって、これは指導することには間違いない。そういう自己撞着に陥るから、官僚はばかにされるのです。うまいこと言っても、やることばみんな違うじゃないかと。あなたのお話一つ聞いてもその通りなんです。やるならばやるように、そういうなまぬるいやり方でなくて、道州制に移行するようにわれわれは工夫をこらしているのだ、新しい官僚群ならそのくらいの発言をしても差しつかえないと思う。話し合いによって云々、各官庁の出先機関の強化には反対でございます、何を言っているんだ。同じことじゃないか。そういうことでなく地方の行政を指導していただきたいと私たちは思うのです。これでは実際地方の受け取る人は困るのです。そういうふうでなくしてやっていただきたいと思う。しかし、この皆さんがおやりなろうとすることは、地方自治団体の大へんな抵抗を受けますね。第一知事さんの反対をうんと受ける。知事さんの反対をうんと受けるものだから、それにうまく何かをやろうとしたのが地方開発事業団の考え方じゃないですか。片一方では行政的に権力的に押えてやるんだ、しかし、お前たちには事業はさせてあげますよ――おそらく事業団に自治省の古手がまたいくのかもしれませんね。大規模という言葉を使っている。大規模建設事業を推進するというふうに要綱の中に出ているんだから、われわれはそういうふうに見ているのです。このごろ、皆さんの言うこととやることがあまり食い違いがあるものだから、われわれも意地悪くなって、残念ですが、問題をすなおに見なくなった。そういうことは万一ないのでございますか。
○佐久間政府委員 地方開発事業団の構想は、先ほど申し上げましたように、新産業都市の区域に指定された区域内の市町村、あるいはそれに県も加わる場合もあろうかと思いますが、そこで計画に基づく事業を総合的にやっていこうということでございますので、これはその構成いたします地方公共団体のいわば分身的なものでございまして、そこへ自治省の役人の古手を送り込もうというような考えは毛頭ございません。
○石山委員 そういうふうにびちんびちんときめれば、話の段取りが早くつく。 もう一つ、お伺いしたいことは、この事業団はともすれば――これは公選知事でございますから、いろいろな計画をお立てになって公約するわけですね。たとえば臨海工業地帯造成というようなことは、海のあるところは、どこの県でもほとんど行なわれております。しかし、これが実際活用されているものは、あなたお調べになったらわかるでしょう。あまり、効率を上げておらぬですね。こういう現象が、地域を開発していただくとたくさん出るのじゃないだろうかという心配が一つある。ここに宮沢企画庁長官もおいでになるが、これはわれわれとしてはいわゆる新産業都市指定に対する対応策の一つと考えて、めんどうを見てあげてもいい、かわいがってあげてもいい思うのですが、反面今言ったような欠点がある。不要不急なものに投資をしててんとしてはばからぬということが、往々にして起きかねないと思う。それに対する対応策はあるだろうと思っておるのですが、そういう点はやはり含まれているわけですか。
○佐久間政府委員 現在地方公共団体で行なっております土地造成等のやり方につきまして、いろいろ御指摘のような御批判があることも承知いたしております。今回構想いたしております地方開発事業団の事業といたしましては、そのような用地の造成ももちろん重要な事業として考えておるわけでございます。
○石山委員 局長さんは参議院の方で出席を求めているといわれているので、自治省の設置法は上げちゃったものですから、残念ですが、返さざるを得ないと思うのですが、最後に、一つだけ私たちの考え方を聞いていただきたいと思う。 日本の産業は、為替貿易の自由化によって大きく変転しようとしており、政府はいろいろ工夫をこらしているわけです。それに対応する建前として、地方行政のあり方というものは、今までのような考え方では、私はやはりおくれるような感じがします。ですから、そのためには、広域地域行政の連絡会議ということではたして落ちついていくのかどうかという心配を持っておるのです。新産業都市指定に対応して、指定されない地域の開発のために独自な構想をこらすということも大切なんです。ですから、事業団の設置等の問題については、私はある部分は賛成を申し上げたいと思う。申し上げたいと思うけれども、どうもルーズになりかねない部分もわれわれは例として見ているので、この点を防ぐ方法をわれわれは考えなければならぬ。これは一つ十分お考え願いましてやっていただきたい。私、さっき、新しい官僚群はもっときちんとしておやりになっていただきたいというふうに申し上げましたけれども、経済企画庁のものの考え方は、経済的に新しい点を打ち出しているのですから、それを行政的に受けて立つ方が在来の考え方ではちぐはぐになる。池田内閣の方針はちぐはぐなものになる。これは今どうというふうに論議することで決着のつく問題でないのでございますから、中央で打ち立てる問題に対して、これをすなおに、しかも着実に受ける責任が皆さんの方にはあるのでございますから、知事さん等の顔色をうかがうことも、政治ですからもちろん大切でしょうが、それのみでは済まされない時代になってきたと思うので、その点を十分研究していただきたい、こういうことを要望しまして、行政局長さんを参議院にお返しいたします。 宮津長官にお伺いしますが、新聞を見てみますと、例の特定産業振興臨時措置法が今度ようよく法案提出の運びになるといわれておりますが、私、宮沢さんが一番最初に手がけられたのが物価対策だと思う。物価対策は残念ながらさっぱり成功しませんでしたね。対応策はどうやっていいか、いろんなことを並らべれたが、並べたことと実態は相違があるのですから、物価対策はゼロだと見て差しつかえないと思う。ただし、あなたのほかの二つはやや成功の緒についている。というのは、いうところの新産業都市指定、今ようよく日の目を見ようとしている特定産業振興臨時措置法をお出しになると言っているのですが、この二つは、考えてみますと、大へん意欲のある問題です。だけれども、この二つが失敗すると、えらいひどい目にあうと思うのです。おととい申し上げましたように、新産業都市指定にはずれたところの県や都市は、なおさら格差が出てきて、文化の恩恵におくれるということだと思うのです。今度の特定産業振興臨時措置法によって指定されたところの産業はよろしいでしょけれども、指定されないものはどういう格好になっていくだろうか、こういう心配を持つわけですが、この新しくきまった特定産業振興によって大きく不利益をこうむるような場合は、どういう方策を講ぜられる予定でございますか。
○宮澤国務大臣 物価対策がゼロだと御指摘を受けて、まことにお恥ずかしく思う次第でございます。先般申し上げましたように、最近の物価不安の要因はもっぱら生鮮食料品でございますので、これをどうやって安定的に供給するかということにつきましては、農林省等にも一段の御協力をお願いして、何とかこれを安定して参りたいと思っております。これが安定いたしますと、あとは要因がございませんので、消費者物価が安定すると思うのでございますが、ただいままでのところ、遺憾ながら消費者にそういう意味の不安を与えておることを非常に申しわけなく思っております。 今の特定産業の振興の問題でございますが、これは通産大臣の御所管の仕事でございまして、たまたま、私は、法律案ができます過程で、関係者の間の調整を少しやったにすぎませんので、まだ最終的に法律案としても固まっておりません。これから先は、通産大臣が政府与党その他関係方面との調整をおとりになって、閣議に法律案としてお出しになるのであろうというふうに考えておるわけでございます。従って、ただいまの御質問に対しまして私から御返事を申し上げますことは、所管でございませんので、適当でなかろうと思います。
○石山委員 ちょうど通産大臣がおいでになりますから、この件についてあなたにお聞きする予定ではなかったけれども、答弁の機会をお上げしたと思います。 けさの新聞を見ますると、新聞というのはおもしろいもので、相変わらず毒舌を書いているのです。この法案あるいは考え方を集約すると、四者協議、二者合意の形でやっとこさできた、こう言っている。しかも、われわれの側に言わせると、この法案ができると、独禁法はある意味では、骨抜きにはならぬけれども、抜け穴ができるだろうという心配を持っているわけです。このうち、特に懸念されるのは金融機関でございます。金融機関の、御意見は拝聴いたしますけれども、協力方については考えさしてもらいますよというようなことは、いろいろな会談の中に十分出ている。これはあまりかわいらしいことではないと思うんですね。話は聞きますよ、しかし、お金は出しませんよ――変な話ですね。こういうことは、新聞が実に上手に書くことだから、ほんとかうそかわからぬけれども、通産大臣は毎々お会いになっているでしょうから、この点一つお聞きしたい。
○福田国務大臣 特定産業振興に関する法案が、御承知のように、ただいま政府部内においても、関係方面との調整、その他、党との関係等も考えてその調整をはかっておる段階でございますから、今新聞に書かれた通りになるかどうかも、まだ問題があると思っております。しかし、宮沢長官に経済閣僚としていろいろお骨折りいただいておって、そういう方面の御意見も聞いておるわけでありますが、私たちがこの法案を必要としておる意味は大体皆さんにわかっていただけると思いますが、どういうふうにしてこれをやったらいいかということになりますと、いろいろな面から考えてみなければならぬ。今お話がありましたように、独禁法に穴をあけるようなやり方をして、消費者に非常な不安等を与える、あるいはまた事実上の不利益を与えるというようなことになっては、これは当然いけません。そういうことをまず考えなければいけません。従いまして、そういう方面の考慮も必要でありますが、しかし、今自由化という時代の要請がございまして、日本の産業は順次自由化をしていかなければならない段階に来ております。その自由化というものが来て、国内の産業が外国の産業に圧倒されるという事態が起こってきますと、これは経営者だけではない、そこに従事しておる労務者はもとよりのこと、関係しておる中小企業者にも大きな影響を与えてくるということも、石山さんわかっていただけると思うのです。そこで、やはりそういう産業があれば、その産業の人たちには、今こういう事態になるのですから注意をして考えてもらわなければいけません、こういうことを言うことは当然のことだと思うのであります。しかし、その場合においてそういう事態が起きるからこうこうこういうふうにやりなさいというふうに言ってしまうと、官僚統制だといってやられるわけです。私は、政治の姿からいえば、統制というのは必ずしも全面的に反対という考え方は持っておりません。ものと場合によっては統制をやったっていいと思っております。しかし、日本の今の産業の姿においては、おおむね多くの産業については、統制などというものはやりたくないというのがわれわれの考え方でございます。そういう観点からすると、やはりその業種の人が、そういうことなのか、それならわれわれ同士で問題を解決するからといって、自分でやってくれれば一番いいわけなんです。ところが、とても自分ではやれないから、一つ政府の方にも力を貸してもらいたい、何か応援もしてもらうということでなければやっていけない、たとえば金融の面、税制の面、いろいろございますが、そういうことでなければやっていけないということになりますと、その産業なら産業というものは、一体どういう方向でもって行ったらいいかという、まず基準というものを考えてみなければならぬと思います。その基準をきめるのに、産業界の人たちだけの考え方できめさせますと、自分に都合のいい得手勝手な案を考えるかもしれぬから、これは困る。また、産業というものは、今の現実の姿は、銀行とみなそれぞれつながっております。たとえば一つの産業に会社が十あったとすれば、その十の会社に一つ一つ銀行がつながっておるわけで、金融というものがみな結びついて仕事をしておることは事実であります。そうすると、そういう関係の深い金融関係の人が全然タッチしないで問題がきまったということでは、困るじゃないかという問題が出てくる。そこで、金融の問題を考えてみなければならぬ。同時に、今度は、金融ということになりますと、大蔵省がやはり関係をしておりますから、そういうところもやはり入って相談をしたがいいじゃないかということになります。もちろん、産業全体は通産省の仕事でありますから、通産省がこれに関係するのは当然でありまして、主管はそういうことになるでありましょうが、そういうものが集まって、この産業は将来どういうふうに持っていくとうまくいくだろうか、そして関連産業をあまり衰微もさせないし、また、そこに働いている多くの労務者の人たちにも迷惑をかけない工夫はどうしたらいいかという構想をきめる段階が一つあるわけです。構想をきめる段階で四者が入った方がいいじゃないかということになってくることは、当然の成り行きであると思います。しかし、そのことは、一応基準をきめる。じゃ今度は具体的にどうしましようかということになれば、これは通産行政を預かっているのですから、通産省とその業界とが、こういう基準ができているんだが、君らどういうふうにしたらいいのか、一つ相談をしようということで、両方で話し合いをしていく。ところが、そのきめる場合でも、御承知のように、基準はきまったにしても、銀行なら銀行というものは、みんなそれぞれの業種に関係している。その関係していた関係で、ある一つの銀行にはよくても、ほかの銀行には悪いとか、あるいは多くの銀行に悪い、あるいはただ一つの銀行だけが悪いという場合に、あまり不利益を受けるということになると、銀行は貸しておった金を回収できないかもしれない。いろいろな問題が考えられるわけです。そういう場合には、何か銀行にもその具体的の問題をきめるときにチャンスを与える必要もあるではないか。金融面から見て、やはり大蔵大臣も、そのような感触を持たしておいた方がいいじゃないかというような話が今出ておるところでございまして、その通り今やるときめたわけではないわけでありますから、これは、私は今経過をあなたに御説明申し上げたわけであります。 さきへ戻りまして、あなたのおっしゃったことは、特定産業はそれでうまくいくだろう、中小企業の方は基本法というものをつくって何かやればいいので、その間に入ったものはどうなってしまうのか、こういうお話かと思います。そこで、私は、政治はすべて、それぞれの事が起きたときに、それに対応して、法律をつくったり、あるいは規制をしたりしていくのが一番いい形であると思っておるのでありまして、もちろん、ほかの産業がそういうことがあれば、それに対して別個の法律をつくることも必要でありましょうし、対策を考えることも必要でありましょう。そういうことをすることはわれわれの任務である、こう思っておるのでありまして、そういうことがもしありますならば、これは大いにわれわれとしては努力をいたさなければならない、かように考えておりまして、ほかの産業はどうでもいいという建前でこういうものをやっておるのではない。今自由化ということがあるから、それに対応しての一つの問題をここで処理していきたい、こう考えておるわけでございます。
○石山委員 もう一つ、これも新聞はなかなかうまく書いてある。大蔵官僚はなかなか力がある。力があるということはいいけれども、少し横暴だという意見なんです。これは、大蔵官僚と全銀協が組んで通産相を少しいじめている姿なんです。それはあなた弁解されるから、答弁は聞きません。そういう要素というものをわれわれは日本の政治行政の中に感じている。なわ張り根性ということはこんなことからも出るのですね。その言葉がいいじゃないですか。四者協議、二者合意、中途半端云々というような、なかなかうまい表現ですが、そういうこと等があるのでございますから、せっかく意欲を燃やして皆さんの方でおやりになる場合には、自由化に備えるための特定産業育成について研究もしなければならぬし、実際に落とす場合の独禁法のこともございますし、十分注意をしてやっていただきたいと思います。 そこで、宮沢長官にもう二、三質問申し上げまして、終わりにいたしたいと思いますが、私、長官のことを、一番得意の物価政策はだめであったと申し上げましたが、たれは点数を上げろといえば上げてもいい。努力に対して努力賞というものがあるから、上げてもいいけれども、実際は実らなかった。この新産業都市は、あなたの任期のうちの一つのりっぱなものの考え方だと思う。私はそれを否定しません。ただ、東北のうちで仙台一つだけ指定されて、あとは指定されないというところに問題がある。私は、秋田県の立地条件のいいことは一昨日申し上げました。私も、おかげで、国家の予算というものはこういうふうに使うのだということは、十年たったから知りました。だから、せっかくのあなたの構想を細分化し、十のものを二十にしなさい、二十五にしなさいなどとは申し上げない、厳格に計数を積み上げて、十五なら十五指定したのをおやりなさい。そのかわり、不利益をこうむるというわけではございませんけれども、そういう恩典に浴しない地区に対する思いやりのある政治というものをしがなければならぬわけです。これも、私は端的に申し上げますと、東北、北海道の場合には国土縦貫道を通すということ、これは一本の流れになりますから、通すということ。点の場合には、港湾を整備していただく。もうちょっと余力を持ちまして、これは運輸省設置法のときには特に申し上げたいと私は思っていますが、東北、北海道に対する複線化を考えていただく。そらなると、一つの線が流れとなって活用します。一つの点が渦を巻いて拡大していくという可能性があるわけですから、初めて、新産業都市指定によって繁栄を来たす部門から、そういう繁栄を吸収することができるという建前ができる。これを行なわずして、特定産業と特定都市だけをお考えになると、全く国民としては迷惑しごくだということになるのでありまして、政府側から見たお考えは、私が今申し上げましたような点についてどういうふうになっているか、この際、一つお聞かせを願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 自治大臣にかわって申し上げることはできないわけでございますけれども、私自身に関します限り、東北地方に対する新産業都市をどこかしかるべき一カ所にすべきであるという考えは持っておりません。ことに、わが国全体を見ました場合に、日本海沿岸地方の開発が非常におくれておるということ、この点は、全国総合開発計画を考えます上で、何とかしなければならない問題であると思っておりますので、できれば日本海沿岸に、青森県から山口県まででありますが、できるだけ多くの拠点を求めていくべきではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから、確かに、新産業都市は、拠点という考え方で、それが四方に経済活動を伸ばすための中核になるという考え方でございますが、全国総合開発計画から考えますと、やはり点だけではいけませんので、これが線になって流れないといけないということは、御説の通りでると思います。それでございますから、この新産業都市の予算をつけていきます上でも、比較的重立った関心を持たれますのは、産業でありますから通産大臣はもちろんでありますが、港湾、鉄道の関係で運輸大臣、道路の関係、都市計画等の関係で建設大臣、この二省には、特に在来の公共投資の計画に加えて、この新産業都市関係の予算を見る、それから、必要がありましたならば、公共事業の調整費を私どもの役所で一応持っておるわけでございますから、さらにそれを公共投資に加えることによって、点でなく、線としての全国の総合開発計画をやっていくということは、きわめて必要だというふうに考えております。
○石山委員 これで終わりますが、あたな今おっしゃったことは、私かなりにわが意を得たと思う節がございます。総合開発等、それから地域格差を是正するという建前は、自治省と皆さんの方の役目なんですから、十分一つお考え願いたい。おくれている地域はたくさんあるようでございます。これは少なければ問題がないと思いますけれども、おくれておる土地が多いようでありますから、これを順序立てて、君の方はいつごろ番が来るのだというふうに、納得づくの政治というのは、私はそういうところにあると思うのです。今のように、新産業都市指定にもう皆さん熱中しておりますよ。熱中しておるが、指定されたもの以外には、お前の方にはこういうふうな順序でやってあげるという方策を示さないものですから、なおさら熱中せざるを得ないし、お互い相反目するということになります。そういうことのないように十分注意をしまして、あなたの構想が生きるように、それからまた、私たちのことに対する希望がかなえられるように、この問題に対しては善処してもらいたい。わが党は、欠点が埋められないということを予測しているものですから、新産業都市指定のこういうような特殊な構想に対してば賛成できないでいるわけなんです。しかし、一つのアイデアとしては、かなり見るべきものはあると考えてしかるべきだというふうにわれわれは考えているわけです。それはなぜかというと、第二次的なものを皆さんの腹案の中に示し得ないところに欠点がある。社会党として、社会主義理論としてはかなり賛成されそうにしていながらも賛成しないところは、そういう欠点があるためだというふうに考えていますので、そういう点を是正していただきたいということを希望申し上げまして、私の質問を終わります。
○永山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○永山委員長 これより討論に入るのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 経済企画庁設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○永山委員長 起立総員。よって、本案は可決すべきものと決しました。 ――――◇―――――
○永山委員長 次に、通商産業省設置法及び中小企業庁設置法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を継続いたします。質疑の申し出がありますので、これを許します。石山權作君。
○石山委員 通産大臣に、当面いろいろ問題になっている中で、日本の商売の問題を一つ考えていただきたいと思うのです。 商売だから、売り買いですね。売り買いのうちの、今まで日本の炭業貿易の中心をなしている繊維関係、特に木綿だそうでございますけれども、アメリカに輸出するのにいろいろな点で困難を感じているようでございますけれども、これはどんなふうに進んでいるか。
○福田国務大臣 綿製品の日本の産業において占めておる重要性は、御指摘の通りでございますが、過去五、六年の間、綿製品の問題は、アメリカと日本の二国の間で綿製品協定というものによってずっとやって参ったわけです。ところが、最近に至りまして、二国間でなく、多数の国の間で綿製品の問題をきめて処理をしていった方がいい、こういう議が待ち上がりまして、いわゆる綿製品協定という世界的なものを結んだわけです。それをやりましたおかげで、実は欧州の方面では相当綿製品が伸びる見込みがついてきました。ただ、その綿製品協定のうちには市場撹乱条項というものがありまして、市場が撹乱されるような場合にはその品物を輸入する国は異議を申し立てて、ある程度チェックすることができるわけであります。その市場撹乱条項というのはどういうことかというと、非常に安い値段で物を売った場合とか、あるいはその品物がたくさんその国へ入っていった場合というような、幾つかの項目があるのです。そういうものが出た場合には、市場撹乱があるからといって輸入国が規制をする。規制をするやり方はまた別にあるのですが、その規制をする権利があるということになっている。今日アメリカとの関係で問題になっておりますことは、アメリカが市場撹乱条項を適用をいたしまして、そして、日本の綿製品は六十幾つあるのですが、そのうちの約四十という品物、ギンガムだとかなんとかいうこまかいあれがありまして、事務から詳しく御報告さしていただいてもいいのですけれども、そういうようなものについては、市場撹乱のおそれがあるから、ある程度輸入規制する、こう言ってきているわけです。そして、アメリカの方で計算したやり方でやるとこれくらいの数量になるということを日本へ言ってきたわけであります。ところが、われわれが条約の条文で見てみると、どうもつじつまが合わないものだから、そのつじつまの合わない分を――少し長くなって恐縮なんですが、これはわかってもらいたいから、私は申し上げておる。その分を、数字がつき合わない、市場撹乱の事実はありません、条文の適用のやり方が間違っていますよということを、項目をあげて今言っております。それに対して、まだアメリカから返答が来てないというのが今の段階でありますが、われわれとして、これは重要な問題でございますので、しかも、アメリカとだけの二国間の協定じゃなくて、世界の多数国との協定でありますから、アメリカとこっちが勝手に条文についてこうだああだということをきめてしまって、何かまるで勝手なことをしたということになっても困るので、そこら辺のことも含めて、今アメリカに回答を求めておるという段階でございます。
○石山委員 なるほど、そういう事情でございますか。そういう事情だと、やや了解される部面はございます。しかし、われわれが外部から仄聞をしておりますと、そうでないように見えるのです。何だかアメリカの力に押えられて、まともに発言できないでよたよたしている。福田先生ともあろう者が何をやっているか、党人根性がない、こんなふうに思ったものですから、私は聞いているわけなんです。きのうからの話を聞いても、そういうふうな気持を受けざるを得ないのだ。たとえば、外務省の話でも、大平さんの御意見を聞いていると、日本人の生命財産を保護するよりも、何かアメリカの言い分を聞かなければならぬというふうに聞えてならないのだ。私はそうではないと思って聞き直しているのだけれども、そういうふうに聞こえる。きょう近藤長官もおいでになっているけれども、何だか、愛情で、放射線ですか、あれが来ると曲がるように説明されておる。けれども、放射線はなかなか愛情では曲がらぬ。そういうふうな中において、綿製品の輸出をみてみると、どうも何だかさびしいのだな。もう一つがんばっててきぱきやれないものか、こう思わざるを得なかったのでございます。 それから、この際、意見みたいになるかもしれませんけれども、自由化をされるということ、それからこの秋にどうしても為替管理を解除しなければならぬ。商売というのは、昔からそうですが、がめつくやらなければもうけにならぬわけです。販路も広がらぬですよ。そういう中でいろんな理屈もいいんでしょうけれども、もっと商売意欲をたくましゅうする、こういう建前が通産省の中に湧いてこなければならぬと思うのです。たとえば、考え方としては、よく大ざっぱに思想を越えてとかなんとか言うけれども、商売と言うのは私はそうだと思うんです。ですから、逆に言えば、終戦後確かにわれわれは物資やその他の面でアメリカから援助をもらっており、その恩義は、だれしも少しずつ濃淡はあろうけれども感じているわけです。だからとて、今日これだけ自由化をする以上は、それ以上そんなに向こうの御意見のみ、そうでございますか、御無理ごもっともと承る必要はない。そうでございますかまではよろしい、しかし、御無理ごもっともでございますとまで言うことはないと思います。恩は恩、商売は商売、こういうふうに割る切るのが自由化だと思うんです。為替管理の解除だと思うんです。ですから、この点は通産省としてまず第一に考えていただかなければならぬ。綿製品はもとより、全般の中において、バイ・アメリカン、シップ・アメリカンという言葉がかなり若い層にまでしみ込んでいる現在、そういうことはアメリカにとっても得策でないし、日本にとっても得策でないというふうに思われてなりませんから、商売はがめつくやる、こういう基本に立って、東南アジア、アフリカ等もみんな見ていく必要があるのではないか、こう思うのですが、いかがなものですか。
○福田国務大臣 お説の通り考えて、お説の通りやっておるつもりでございます。われわれ、今度の綿製品の交渉でも、ちゃんと、今申し上げた通り、私は筋を通しております。それから、昨年の暮れに、私はアメリカへ参りまして、閣僚会議に出たときにも、日本の自主規制、日本が自分で輸出をある程度抑制している品物の量が四〇%もありますよ、こんなことをしておって、あなたが自由化を言われるのもおかしいじゃないかということを、ちゃんとラスク長官以下向こうの閣僚の前で、実は資料を出して説明してきております。そういうふうにやっておるのでございまして、私は、アメリカだからといってどうこうということでなく、御恩は御恩、商売は商売、まことにいい言葉をおっしゃっていただいたが、そのつもりでやっておるのでございます。それからまた、東南アジアに対してましても、商旅でございますから、お客さんはお客さんとしてどんどん大事にする。それから、あなたの御質問のないところまで触れては恐縮でございますが、中共に対しても、ソビエトに対しても、商売は商売という考えでやっておる。ただ、残念なことには、中共あたりはこのごろ貧乏をしておりまして、命があまりない。物があることはあるけれども、こっちのほしいものがない。買いたいものがないそのようなわけで、貿易はあまり額が多くなっておりませんけれども、われわれとしては、前向きに、商売は商売、こういう考え方でやらしていただいておるわけでございます。
○石山委員 そういう原則的な問題については、われわれとあまり差異がないようで、大へんいいことだと思うんですが、ただ、具体的になった場合に、輸出産業の育成の仕方だと思うんですが、たとえば、最近、日本の産業が、不振というところまでいかぬにしても、停滞の状態にある。これはその通りに受け取っていただかなければならぬと思う。上昇などという建前にはないはずです。この停滞の気味を打破するためによく用いられる手ば、金融面におけるカンフル注射、特定産業を育成するという行政的なカンフル注射、いろいろあると思うんだが、その中にちょいちょい見えてくるのが兵器産業の育成ということで、われわれの聞く範囲では、自民党の内部に特別の委員会等をおつくりになって、これを実際に活動するように進めている。そのうらはらとして、いわゆる防衛庁を省に昇格させる、人員もふやす、兵器もふやす、こういうふうなことまで言われておりますけれども、東南アジアあるいは韓国と貿易をする場合において、私は、厳に兵器の輸出というものは慎まなければならぬのではないかと考える。これは当面確かにカンフル注射の役目を果たすけれども、長い目で見たら、そのことによって日本は孤立することになるのではないか、あるいはその兵器を利用して随所にたとえば流血革命等が起これば、長い間日本は恨まれるという立場に立たざるを得ないのでございます。その点は十分注意しながら、貿易産業を育成するし、貿易品目に対してかなりに強い目を通す必要があるというふうに私は考えているわけですが、その点はいかがでございますか。
○福田国務大臣 われわれといたしましては、いわゆる軍需産業を育成するという考えで通産行政をやっておることは一つもございません。それでは現実にいわゆる軍需産業といいますか、兵器産業というのはどういうものかということから、いろいろ問題も起きてくるわけでありますが、航空機とかなんとかいうものは、これは明瞭にそういう兵器産業と言えるでしょう。ではそういうようなものは産業のうちで何パーセントぐらい占めているかというと、約一%、百分の一くらいのパーセンテージでございます。そうして、それを取り出して育成していくなどという考えはないのでありまして、一応防衛庁がきめまして、これは国産でやってもらいたいというようなものがありました場合に、それをやっておるという状態であります。従いまして、われわれは、今お説のようなことについては特に考えておりません。 一方、東南アジア等に対して兵器の輸出はどうかというようなことになりますと、三十六年ごろまでは少しは輸出しておりました。今日では何もしておりません。実はお説の通りに思っておるわけでありまして、そういうような疑義を起こすようなものは今出しておらないわけであります。また、将来もそんなものを出そうとも特に思ってやっておりません。 そういうわけでございますので、この点についても、お説のように大体物事は進んでおる、こう御了解願ってけっこうだと思うのでございます。
○石山委員 新しい産業、あるいは学問の研究もそうですが、それは進んだ兵器と関係しないものは少ないといわれております。ですから、そういう点には、われわれは何も範囲を狭めてこれも戦争と関係があるからいかぬなどとは申し上げませんが、小であっても、完成された兵器というふうな名前に対しては敏感にならざるを得ないと思う。小銃、たまであっても、あるいはトラクターの名前で出されるタンク、こういうふうなものに対しては神経質にならざるを得ないので、そういう点に対しては十分注意をしていただきたいというのが私たちの考え方です。特に、秋になりまして、今まで通産省でかなり抑制している為替管理の面も、大蔵省と共管でございますが、はずれるとなれば、どこかで自由な貿易という観念にとらわれるわけですから、商社ではそれぞれそういう工夫をこらして商談を行なうだろうというふうなことが見通されるものですから、そういう点を十分注意しながら、がめつい商法をば日本流に立ててもらいたい、こういう意見を申し上げておきます。 そこで、現実の問題として一つお伺いしたい点は、今度の為替・貿易の自由化によって非常に痛手を受けるのが、第一次産業の地下産業、その次が農業だと思っているのですが、最近は農業の場合でも安穏としていられない部門が出ております。通産省と御関係のあるのは、非鉄金属の問題が大きいわけであります。前々から、私ども、委員会を通し、あるいは新聞等を通して、この地下産業に対する皆さんの方の考え方を伺って、かなりいいところを歩んでいるというふうに思っております。ただ、われわれは、その前に石炭産業のあの陰惨な実態を見ているものですから、絶えず気になるわけです。先ごろも、地域の町会議員さん、町長さん等が、炭鉱に従事している労働者とともに上京されて、おそらく大臣のところへも陳情に参ったと思いますが、特に古い歴史を持つ鉱山等の町においては、鉱山の荒廃がその町の振興に直接響くという特異な実態でございます。こういう点につきまして、今度は事業団を出発させていただくということになっているわけです。その前に承っているのは、石炭に準ずる、あるいは石炭並みという言葉をしょっちゅう新聞等では書いているわけですが、石炭の場合にはかなり擁護したというふうに池田首相等も言っているわけですが、それでもああいうふうにどんどん退職者というよりも首切りが行なわれ閉山が行なわれていく現状です。ですから、石炭並みということは、石炭のように首も切られるし、つぶれますよというふうなことにも取られるわけなんです。池田さん流に言えば、今までかってない創意工夫をこらして、かなりのお金をかけて、この難局をわれわれは押えているのだというふうに言っているわけですが、これは二面に取れるわけです。その実態を、この際、法案にからんで一つお知らせを願いたい。
○川出政府委員 金属鉱山の基本対策につきましては、昨年の衆議院の本会議でも決議をいただいております。また、昨年の秋の鉱業審議会の答申にも方針が明示されておるわけでございますが、その思想の根本は、第二の石炭にするなということであろうかと思います。金属鉱物の需要は、石炭と異なりまして着実に増加をしておるわけでございます。従って、輸入依存度はふえておるわけでございます。鉱業政策の根本は、いろいろございますけれども、その需要に見合って、低廉かつ安定的に供給を確保していく、そのために鉱山の体質改善ということになろうかと思うわけでございます。そのまず第一は、探鉱の促進でございます。これは石炭とは違った方策であろうかと思います。それから、採選鉱設備なりあるいは精練設備なりの近代化であろうかと思います。これは外国に劣った点がございます。関税対策も併用していかなければならないかと思います。そういうような体質改善をしていく過程において、離職者が余儀なく発生することが予想されるわけでございますし、現に発生しておるわけでございます。その発生して参ります離職者に対しましては、これは鉱業審議会の答申のお言葉を拝借いたしますと、石炭に準ずる措置を講ぜられたいということでございまして、内容につきましては、むしろ労働省所管の問題になるわけでございます。必ずしも十分とは言えないと思いますけれども、相当の措置が講じられつつあると思います。
○石山委員 そうしますと、石炭に準ずるというのは、雇用の面だけで、融資その他の分については、事業団法が今度出されましたけれども、その事業団の中で行なうという意味ですか。
○川出政府委員 鉱業審議会の答申の中で石炭に準ずるという言葉を使っておりますのは、余儀なく出てきた離職者に対する対策でございます。これは石炭と違う点もございますけれども、労働の内容あるいは年令層、山間僻地にある離職者の転換がきわめて困難であるという点は、石炭に非常に似ておるということでございます。なお、積極的に体質改善をする措置につきましては、石炭と鉱山とは、共通点も若干ございますけれども、やり方が違うわけでございまして、これは全力をあげて政府としても応援しなければならない問題であるかと思います。
○石山委員 これは答えにくい問題であるかも知らぬけれども、石炭の場合は五カ年計画で千なんぼ下げるというような計画をお立てになっておやりになったわけです。今度の場合、銅だけでもよろしいのですが、建値の問題を考えながら行政指導をなさっておりますか。
○川出政府委員 石炭の場合は、山と廃却していかなければならない山との分別がつくわけでございます。炭質、炭層、埋蔵量、この点からその判定がつくわけでございます。鉱山の場合は、石炭と全く異なりまして、その点の判断がきわめてむずかしいわけでございます。これは、有望な鉱山も探鉱を怠っておればだめになり、そうでない鉱山も探鉱によって生き返るということは、きわめて事例が多いわけでございまして、あらかじめ計画を立てまして、この鉱山は廃却する、この鉱山は育成するという措置を計画的にやることがきわめて困難なものでございますので、この点は石炭とは違った方策で探鉱を促進していくということで考えておる次第でございます。従って、離職者の問題も、計画的にどのくらい出てくるというようなことばなかなか推測もできませんし、むしろその発生を少なくするのが鉱業政策の根幹ではなかろうかと考えておる次第であります。
○石山委員 建値を想定してやっているかと聞いているのですよ。
○川出政府委員 建値の方は、銅の場合現在二十八万円でございますが、これは、自由化を前にいたしまして、海外相場にプラス関税トン当たり三万円ということにいたしておりますが、この三万円をプラスしたところに実勢相場が近づきつつあるわけでございます。従って、今後、日本の銅の体質改善と申しますか、四、五年先を考えます場合に、どこに基準をおいたらいいかということは、きわめてむずかしい問題でございます。実は、鉱業審議会の中でその議論をすることになっております。合理的関税をもとにいたしまして、合理的な国際相場というものを想定をしてきめたいと考えておる次第でございます。その過程におきましては、いろいろ需給の変動もございましょうし、価格の変動もあるわけでございます。これは現在政府の中で需給及び価格の安定臨時措置法を準備いたしておるわけでございますが、まだでき上っているわけではございません。その根本の目標は、需要業界と鉱山なり精練業界との協調体制のもとに、鉱山保護を根本にした思想を盛り込んで考えておるわけでございます。
○石山委員 福田大臣に申し上げたいと思いますが、金属鉱山の一つを取り上げて、将来四、五年後における銅の建値をどこに置くかというと、なかなかお答えしにくいと言っている。私もそうだと思う。しかし、建値を置かないで合理化を行なうということは、ずいぶん行きあたりばったり主義なんだね。しかし、建値をきめてそこへ持っていくという行政指導を行なうのには、保守党内閣の人事が私はまことに不手ぎわだと思う。一年くらいでやめさしてしまう。これでは一貫した行政指導というものが残念ながら行なわれないのですよ。ですから、こういう難局の場合は、やはり人事は責任を持たしてやらせるようにしなければならぬ。大臣が三人もいるから、私はわざと言うのだが、そういう建前がなければ、この難局はなかなか切り抜けていけないと思う。そうでなければフランス流にやる。フランス流は半年くらいで何回もつぶれたことがあったのだけれども、これはみな官僚にまかせたという実績を持っている。わが国ではそうではない。官僚にまかせきりもしないで、福田さんみたいな党人派の人が大臣になっていろいろな政策を立てるというのだから、これは官僚にとっても困るのだね。やっぱり私は、たとえばこういうことにしていただきたいと思うのです。大臣たちは時の政策によって内閣改造によっておやめになるけれども、それまでにきちんとした基本を立てておいていただく。たとえば銅の例をとってもそうだと思う。四、五年先の合理化の目的なら目的、建値なら建値を立てていただいて、そこへ次の方がおいでになってもやっていくという仕組み、これが重視されない限りは、全く勘でやるような経済政策になっててしまうのです。前の吉田さんは、経済は春になれば春の着物を着ればよろしいし、秋になれば秋の着物を着た方がよろしいと言った。私は名言だと思うのですが、あれはアメリカさんのお仕着せものを着ているから、それができたが、今度は自前で着なければならぬから、春は春の模様を自分で発案しなければならない、秋になれば秋の模様を自分で発案しなければならない。建値は模様ですよ。秋になれば秋の着物を着なければならぬ。何の色合いにするかというのが、政府の担当者の責任のはずでございます。一つ基本を立てていただきたいと思うのだが、どうでしょう。たとえば、利子の問題にしましても、七分じゃいけません。七分じゃ商売ができるはずはない。五分以下にしなければいかぬでしょう。今度の農業改善だって、三分なんぼに下がっているわけなんです。ほんとうに斜陽産業でなくとも、いわゆる為替・貿易の自由化によってここ四、五年ひどい目にあう産業であるならば、少なくとも融資の面では、やっぱり農業改善と同じような考え方で五%以下の利子で長期、こういう者え方を持たなければだめだと思うのですが、これは両方から一つ御答弁いただきたい。
○福田国務大臣 銅といえば非鉄金属の代表みたいなものになっておりますけれども、非鉄金属の問題について、一定の値段というものを想定して合理化をしていった方がよろしい、その政策があまり変わってはいけないというお考え方には、私は賛成でございます。また、そういうように今やっておるのでありまして、通産省といたしましては、私が就任いたします前から、銅の問題については、一応の二十五万円とか二十六万円という値を想定いたしまして、そこで合理化をするような案を立てて、今日までずっとやってきております。私になったからといってその方針は変えてはおらないわけでございます。今後もやはりそういたして参ることに相なると思いますが、ただお考えを願いたいことは、銅に、しても、非鉄金属というものは、みんな値段が国際的に非常に動きつつあるということは、あなたも御承知だと思います。こちらの方が合理化した時分に国際値段がうんと下がると、またそこまで下げていかなければならないという問題も出てくるわけであります。こういうところにむずかしさがあるわけでありますが、しかし、そういうような産業であるから、これに対する融資は非常に低金利でやってやるべきだということについては、私はごもっともな御意見だと思いますので、今後も大いに努力をいたして参りたいと考える次第であります。
○石山委員 これは、福田さん、私のところにたくさん鉱山があるから言っているのじゃないですよ。つまり、恵まれた産業と恵まれない産業を取り扱う場合、貿易のためにあなたは一生懸命がんばりまして特定産業の指定をなさろうとされておるわけですね。私はそれはそれでいいと思う。しかし、貿易関係から見て、あまり収入にならないというので投げやりにされて、お前は犠牲になれでは、これはいけないことだと思います。実例としてどういう現象が起きておるか申し上げますと、今のままに投げておくと、小さい鉱山はつぶれます。つぶれる前にどういうことをやっておるかというと、夫婦共かせぎをしておるんですね。共かせぎしておると、片方やめろと言われるんですよ。そうすると、奥さんがやめるわけです。収入は半減するわけじゃないけれども、これは一つの経済から見れば、個人にとっては脅威ですよ。こういう点も実例としてたくさんあるわけです。伸びる産業を育成していただく、もちろんそれでよろしいと思います。しかし、皆さんが政策としておやりになった為替・貿易の自由化によってひどい目にあっている産業については、やはり特段の配慮をしていただかなければいかぬのじゃないか。地下産業の場合には、今こそ資源が薄いといっておるけれども、探してみませんね。ほんとうの意味では強く探してみません。今あるいわゆる埋蔵量の分布図なんというものは、これは古いものでございまして、もう一ぺんやっぱり考え直す必要があると思います。新潟県なんぞはそうでしょう。石油がもうなくてだめなところだと言われたが、ガスが猛烈に出て、また新しく復活したというケースもございます。探鉱については特段の力をかしていただきたい。長期融資については利子を安くしてもらう、こういうふうにして育成していただけば、資源が薄いと言われている産業であっても、日の目を浴びて、日本の産業の一分子として十分役に立つことができるのではないかと思っていますので、注意を喚起しておきまして、私の質問を終わります。
○永山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○永山委員長 これより討論に入るのでありますが、別に申出もございませんので、直ちに採決いたします。 通商産業省設置法及び中小企業庁設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 これに賛成する諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○永山委員長 起立総員。よって、本案は可決すべきものと決定しました。(拍手) ――――◇―――――
○永山委員長 なお、以上二法案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○永山委員長 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を継続いたします。質疑の申し出がありますので、これを許します。田口誠治君。
○田口(誠)委員 昨日石橋委員から相当突っ込んだ御質問を申し上げまして、なおお聞きしたい点が残っておりましたけれども、きょうは、まあ時間的な区切りも考えて、その点については触れずに、他の方面の、特に放射能の安全性を確保するという点から、具体的な質問を申し上げたいと思うわけです。 まず最初に、お聞きをいたしたいと思いますることは、放射能源の一ミリキュリーをカウントに直しますと、どのくらいのエネルギーを持っておるのであるか、まず、これを承りたいと思います。この点については、別段長官でなくとも、スムーズに答弁していただける方ならどの局長でもよろしゅうございます。こちらはちょっと急いでおりますから、一つ能率的にお願いします。
○島村政府委員 一ミリキュリーは、レムに換算いたししますと一・四レムに当たりますが、これは一時間単位の量でございます。パー・アワーということであります。
○田口(誠)委員 カウンドでどれだけですか。
○島村政府委員 ちょっとお尋ねの点が、普通直接関係がないことについてでございますので、申し上げかねるわけでございます。と申しますのは、一ミリキュリーの強さということでございましても、これはカウントということになりますと、エネルギーの強さだけでなくて、吸収するための手段・方法というものが間に介在いたしますので、一ミリキュリーが何レントゲンになるというような数字は従来とられておりません。
○田口(誠)委員 科学に弱いから、ごまかさぬように、一つ答弁したいと思います。 放射能源はガンマー、アルファー、ベ-ターからなっておりますが、そういう三つからなっておって、 エキス光線なんかの場合にはガンマーが主に使われておるのですから、私の今質問申し上げましたところの、一ミリキュリーの放射能源は何億カウントあるのかということについて、おわかりにならぬことはないはずです。どうなんですか。
○島村政府委員 私通常と申しましたのは、カウントのはかり方の問題でございますし、カウントと申しますのは、発生源自体においてとらえるのでなくて、何にいたしましても、距離の問題もございます。従いまして、一ミリキュリーが何カウントのものであるというような言い方は通常なされておらないわけなんです。しかしながら、もしかりにこれを発生源でとらえて申しますならば、一マイクロマイクロキュリーの場合に二カウントというような考え方が、これは発生源自体において成り立ち得るかと思います。
○田口(誠)委員 私の質問することに答えていただきたい。マイクロマイクロキュリーといったら、また違ってきまずから。私は、一ミリキュリーの放射能源は何億カウントに当たるのか、これを言っておるのです。このエネルギーを言っておるのですよ。それがわからなければ、私の方から宿題で出しておきます。三百七十億から四百億カウント、こういうことです。違っておれば、また次回に一つ訂正を願いたいと思います。 それから次に移ります。そうしますと、今カウントのことを質問申し上げたのですが、これは日本にある放射能源に関連をいたしまするから、お聞きをいたしたいと思いますが、一カウント当たりのエレクトロンボルトはどれだけに当たるか、何万に当たるかということです。
○島村政府委員 非常に専門的な御質問が相次ぎますので、説明員から説明させたいと思います。
○松友説明員 御説明いたします。 一キュリーの場合には、その発生源につきまして四方に崩壊いたします数が、一秒に三かける十の十乗個でございますので、三十億個が崩壊するということになると思います。 それから一カウントがどれだけのエレクトロンボルトになるかという御質問でございますが、カウントと申しますのは、普通に言えば、たとえば原子が崩壊いたします場合に、計測器でこれをとらえるわけでございますが、その場合に、その入ってきます粒子がどのようなエネルギーを持っているかということは別個の問題になるわけでございます。ですから、たとえば非常に高いエレクトロンボルトを持っておりましても、一個は一個というカウント数になるわけであります。
○田口(誠)委員 だから、これは十万とか二十万とかいうように規定して数字は言えないわけなんです。何万から何万までという数字は出せるはずなんですよ。今あなたのお答えのような内容のものであるから、それをお聞きしておるのです。
○松友説明員 従いまして、その核種が不明の場合にはおっしゃるようなことになろうかと思いますが、核種がきまりますと、たとえばコバルトでございますと、一・三ミリオンエレクトロンボルトあるいは〇・五ミリオンエレクトロンボルトのエネルギーが出る。従って、そのカウント数がわかりますと、入ってきますカウント数にエネルギーをかけて、全体のエネルギーを出すというようなこともできるわけです。
○田口(誠)委員 ちょうどコバルトの関係が出ましたので、この点については、後ほどまたあらためてお聞きをいたしたいと思います。 そこで、日本に放射能源があって、これを実験使用いたしておりますが、その放射能源一個に対して、放射能を遮蔽するところの遮蔽板は何個入り用かということです。
○松友説明員 たとえばコバルトの例で申し上げますと、コバルトの放射線に対しまして、これを普通鉛とかあるいはコンクリートあたりで遮蔽をするわけです。半分にまで落とします値が十分の一に落ちるには普通どのくらいの厚さのものを用いたらいいかということがいわれておるわけでございます。
○田口(誠)委員 実際に今実験使用をしておるのです。それで遮蔽板というものを使用しておるわけなんです。だから、一ミリキュリーの放射能源には遮蔽板は何枚要るのかということを聞いておるのです。
○島村政府委員 放射線源に対しまして、放射線遮蔽板との関係は、これまた直接ございません。と申しますのは、どのくらいの強さの、どのような種類の発生源に対して、どのくらいの距離を置いたところに、どのような性質の遮蔽板を置くかによりまして異なってくるわけでございます。同じ遮蔽板にいたしましても、鉛もありますし、コンクリートもありますし、同じコンクリートにいたしましても、普通のコンクリートもありますし、重いコンクリートもございます。従いまして、発生源一個に対して何枚の遮蔽の板が要るかというような関係は成り立ち得ないと考えるわけでございます。
○田口(誠)委員 そうしますと、実験をするときに、一里も二里も先に置くのか、すぐここに放射能源があれば、これにかぶせるのか、どうなんですか。そんな一里も二里も先に置くのじゃないでしょう。私はちゃんとこちらの方からテーマを出しておるのだから、一ミリキュリーの放射能源は何枚の遮蔽板が要るのか、何枚の遮蔽板を使えば安全性が保てるのかということを聞いておるのですから。ただいまのような答弁では答弁になりませんよ。
○島村政府委員 一般的なお話を申し上げたわけでございますけれども、さらにもう少し詳しく申し上げますと、放射線と一口に申しましても、一番問題になるのは、先ほどもおっしゃいましたようにガンマ線でございましょう。同じガンマ線の遮蔽材料を考えます場合にも、私が申し上げましたように、いろいろな種類のものがございます。比重の重いものほどその遮蔽の効果は土がるということが一般的に申されます。コバルト六〇から放射されますところのガンマ線の遮蔽の例によって申し上げますと、ガンマ線の強さを十分の一の強さにまで弱めますために必要な厚さというものは考えられるわけでございます。一里も二里も先に置くことでは決してございませんけれども、同じ非常に近距離に置きます場合にも、距離の問題もございますけれども、普通コンクリートの場合で申しますと、比重が二・三の場合には二十五センチメートルの厚さを必要とする。重いコンクリート、比重が三・五ぐらいになりますと十七センチメートルの厚さのものを必要とする。鉛の例でございますと、これは非常に比重が重うございまして、一一・四ぐらいございますので、四・五センチメートルぐらいの厚さのものでガンマ線の強さは十分の一ぐらいにし得る、そういうよう例がございます。それぞれ現実の場合には、そのような要素を考え合わせまして計算されるというふうに御了解願いたいと思います。
○田口(誠)委員 若干わかるところもありますし、当っておるところもあると思いますが、答弁がしにくければ、コバルト六〇の場合、蔽遮板を鉛とコンクリートぐらいにしぼって、どのくらいの厚さの、容積どのくらいものが何個要るのかということなんですよ。簡単でしょう。
○松友説明員 普通たとえば医療用の放射線でございますが、この場合に、たとえばコバルトの線源を百キュリーくらいにしておきまして、普通の病院あたりの部屋を遮蔽いたします場合には、コンクリートにいたしまして大体一尺から二尺というふうな程度の遮蔽をいたしております。
○田口(誠)委員 そうしますと、今日本で実験使用しておるいわゆる放射能源ですね。これは大体一番最初に入ったのは一ミリキュリーですけれども、これに対しては何枚要るかということなんです。
○松友説明員 一ミリキュリーの場合でございますと、大ざっぱに申しまして、普通今一キュリーで申しますものは約千分の一でございますから、百キュリーの場合の約十万分の一という程度のオーダーになろうかと思います。
○田口(誠)委員 個数でいくとどういうことですか、一個でいいとか、二個でいいとか……。
○松友説明員 一個の厚さをきめるわけでございますね。普通実験で使います場合には、鉛のコンクリート・ブロックというのがありまして、れんがのようなものを積み上げてやるわけでございます。
○田口(誠)委員 それがどれくらい要るかということを聞いておるのです。
○松友説明員 それは、われわれ人間が立ちますものですから、それを遮蔽するだけの量でございますので、普通これくらいのものだと約三十とか四十という数が要ろうと思います。それを並べまして人間の身体の上半身を遮蔽するわけでございます。
○田口(誠)委員 三十か四十要る。そうすると、これは私は全くわからぬ聞くのですが、今日本で実験用として使用しておる放射能源は何個あるかということをお聞きしたい。
○松友説明員 現在放射線障害防止法というのがございまして、それによりまして、アイソトープを使用しておるところは許可の申請をすることになっております。きわめて微量なものは別でございますが、現在までに使用件数が大体千件余りあろうかと思います。それはいろいろな種類がありますが、アイソトープを使いますものは、このうち約半数足らずの五百カ所くらいになっております。
○田口(誠)委員 千件とか五百カ所とかいうことですが、言葉をかえて言えば、千個とか五百個、こういう受け取り方では違うのですか。
○松友説明員 それは、普通の小さい研究所でございますと、コバルトのソースを一個使うというようなこともございますが、たとえば原子力研究所であるとかいう非常に大きなところでありますと、十個とか二十個とか、かなりたくさんの個数を使うことも考えられます。
○田口(誠)委員 放射能源は国産ではないのでしょう。
○島村政府委員 もちろん現在まで輸入のものが非常に多かったわけでございますが、最近は、原子力研究所等で放射線源と申しますか、アイソトープをつくって、これを頒布するということも始めておりますし、微量な非常に特殊なものにつきましては、原子力研究所以外にリニア・アクセラレーター等を使いまして取り出すこともできます。従いまして、全部が輸入ではありませんが、大部分が輸入とお考え下さってけっこうだと思います。
○田口(誠)委員 この輸入は、一番最初は昭和二十九年に輸入されたと思うのですが、それから後どのくらい輸入されておりますか。
○島村政府委員 二十九年以前におきまして輸入されておったと思います。おそらくは、二十六年くらいから非常に微量なものは輸入されておったと思います。しかし、その量は非常に少なかったわけでございまして、日本で原子力の開発が進んで参るに従って、おそらくは今おっしゃいましたように、二十九年、三十年あたりから伸びが非常に目立ってきたということが言えると思います。現在は、アイソトープの輸入金額は年間三十万ドルから四十万ドル程度の額に上っておるような状況でございます。
○田口(誠)委員 私は決してあなた方をとっちめて、いじめるつもりで言っておるのではなくて、放射能源を実験使用される場合の安全性ということから、遮蔽板との関係に食い違いがありますので、数字的にお聞きをしておるわけです。従って、相当ありますとか、そうありませんとかいうことでは、ちょっと私の心配が解けないわけです。それで、国産が何個、輸入が何個、それはわかりませんか。きょうわからねば、また次のときにお聞きいたします。
○島村政府委員 それでは、正確な数字は今すぐに確かめさせることにいたしますが、お話のございました遮蔽板、かりにそれを普通コンクリートのブロック程度、これは持ち運び等の便宜から、そのくらいの大きさにしておるわけなのでございますが、普通そういうような例で申しましても、同じコバルト六〇と申しましても、たとえば輸入いたしましたときと、しばらく使いましたあととは、強さが違うわけであります。御承知の通り、だんだんに減衰して参ります。原子力研究所で申しましても、当初入れました大きなコバルト六〇の線源もだんだんに減衰してきますと、またあらためて追加するというような措置を講じておりますし、その量、強さは、二、三年たって大体半分くらいにも減るというふうに記憶しております。従いまして、同じコバルト六〇の何キュリーの線源であるから、この個数は絶えず幾つでなければならぬということにはなりかねると思うわけでございます。なお、線源自体の正確な個数と申しますか、個所数は直ちに調べさせましてお答え申し上げます。
○田口(誠)委員 こういう質疑応答は、あまり政治性を持った質疑応答になってはいけないと思うので、やはり聞く方も答える方もずばりとやっていかなければいけないと思う。そこで、先ほどの、放射能源一個に対して五つか六つ遮蔽板が要るという御回答、この点はなお研究しておいて下さい。それからただいまの、輸入が何個あって国産が何個あるということについても、これもやはり調べておいて、あとから報告を願わなくては、どうも私は、安全性を保つに両方のバランスがとれておらないような気がしまするので、そういう点からお聞きしておるわけなんです。 そこで、次にお聞きいたしたいことは、もう五百件というか、千件というか、放射能源を持ってそれぞれ方々で実験・訓練をやっておられるわけなんですが、この放射能は完全に遮蔽されておるかどうかということ、この点が、私はあとから申し上げる面で危惧される面があるので、お聞きするのですが、そういう点は、実際的な調査に当たった上での回答か、それとも、そういうことは心配ないという、きわめて答弁なるがゆえの答弁になっては困ると思うので、実際にそれを監督された上に立って、全然心配がないようになっておるのだという、こういうことを一つお示しをいただかないと、今国民は非常にこの放射能の問題については神経質になっておりますから、こういう機会にやはり明確にしていただきたいと思うのです。
○島村政府委員 放射能を使うことによりまして、一般国民はもちろんでございますけれども、取り扱う人そのものの健康がまず第一に心配になることでございますけれども、わが国におきましては、放射能関係を取り締まる法律は二つございます。一つは、原子炉等規制法と申しまして、大体におきまして、原子炉あるいは臨界実験装置等を扱います場合の規制の仕方を規定した法律でございます。もう一つは、先ほどお導ねもございました原子炉等以外のコバルト六〇でございますとか、その他一般のアイソトープを使用いたします場合、これは先ほど申し上げましたように、約千件くらい現在許可しておるわけでございますが、それらに対します取り締まりの関係は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律というのがございまして、これで規制をいたしておるわけでございます。その法律の施行にあたりまして、原子力局がすべての使用者に対します関係の責任を負っておるわけでございます。これは若干の例外がございますけれども、大体そういうふうにいたしております。密封された線源でありまして、特に軽く扱って差しつかえないようなもの等は、届け出だけで済む場合もございます。それを扱います場合の技術者の資格というものも、割に簡単にはいたしてございますけれども、それ以外の線源につきましては、全部許可・承認を得た上でなければ使用できないことにもなっております。また、原子力局にはその関係の検査官というものも置きまして、使用個所を、現地につきまして、使用の方法、設備がいいか悪いかというようなことの監督もいたしておるわけでございます。ただ、そういうことであるから、現在使用されておる個所が、施設の面から見ても、また使用の仕方から見ても、全部安全であるかということになりますと、これは取り締まる立場から申しますと、もっともっと気をつけて使ってもらわなければ困るというような例も、検査の結果によって発見されるわけでございます。これは現実の取り締まりでございますから、順番に現場に行くわけでもございませんし、どうも少し行ってみなければいかぬかなというところを主として選びまして、そして行ってみるわけでございますから、全部が全部検査をするわけには参りませんけれども、その検査の結果から、一般的に申しますと、よく言うように、医者の不養生というようなこともありまして、案外に病院等が扱いが粗末で、あるいは大学の場合に扱いが粗末であるというようなことが間々発見されるわけでございます。私どもといたしましては、こういう取り締まりというようなことがまだまだ必要だと考えておりますし、その方面の人員も充実し、かつ取り締まりの程度というものも、もっともっと強化していかなくちゃならないというふうに考えております。しかしながら、一応法制的には整備もされております。また、その取り締まりのためにわれわれもずっと努力いたしております。先ほどのお話もございましたように、アイソトープ関係のものがわが国で使われ出しましてから必ずしも歴史は古くないわけでございますし、われわれといたしましては、そういうものが有効に、いろいろな研究の分野で、また産業の分野で使われていくことを指導しなければならぬ立場にもございまして、法律の施行当時におきましては、やや指導行政的な感覚で取り締まりもいたしておりましたが、最近は、むしろ指導面よりも、厳重に規制するというような考え方で臨んでおるわけでございます。
○田口(誠)委員 病院にあるコバルトの場合は、ややそういう点の安全性は確保されておる、その他で実験をされる場合に十分な安全性が保たれておらぬという感覚で私はおるわけです。従って、そういうことから特にお聞きをしておるのですが、今病院以外にこの放射能源の実験を何カ所でやっておりますか。これは第一研究所一カ所でやっておるのではありませんで、方々でやっておるわけでありますが、大体何カ所でやっておりますか。
○島村政府委員 個所数は今資料を出させますけれども、全体の傾向を申しますと、アイソトープ利用のうち、医学関係が一番多いわけでございます。量的に申しますと、医学が大体四〇%以上を占めておると思いますので……。
○田口(誠)委員 勘ではない、実際を言って下さい。
○村田説明員 御質問は、医学関係とか工学関係とか、その他の関係でどういうふうにアイソトープを使っておるかという数量的な分野の御質問と思いますが、ただいま原子力局長の方から御説明がございましたように、現在全国で約九百五十カ所ばかりが放射能線源あるいはアイソトープを使っております。これに対しまして配給しましたアイソトープの数は、合わせまして九千二百件、そのうち七千件くらいが医学でございます。パーセントといたしますと七五%になっております。それから理学関係であるとか、あるいは工学関係、そういう方面のアイソトープを使用するところに配りました件数が約千四百件、パーセントにいたしますと一五・六%になっております。さらに、農業関係でアイソトープをいろいろ品種改良その他に使っておりますが、そういう方面の農事試験場その他に配給しましたアイソトープの件数は、これはいずれも昭和三十六年度の実績で申し上げておりますが、七百十件ばかりでございまして、パーセントにいたしますと七%余りでございます。以上のほかに、ごく少量でございますけれども、たとえば全国にございます大学の研究室とか、そういったところで非常に基礎的な研究にアイソトープを、量としては非常に少ないのでございますが、使っております。たとえば炭素の一四という放射線の出しますアイソトープを使いまして、考古学しの年代をきめる研究であるとか、そういうようなことにある程度使われておりますが、これは一年間を通じまして数件ないし数十件のものでございまして、パーセントの中にはほとんど入って参らないというのが現状でございます。従いまして、全体から見ますと、圧倒的に医学関係、つまり、放射線を使いましてガンをなおすとか、あるいは皮膚のあざをとるとか、あるいは血行傷害等の診断材料に使うとか、あるいはまたもっと基礎的に、動物を使いまして、放射線が動物ないし人体に与える影響、この障害防止といったことに約七五・六%が使われておるというのが現状でございます。
○田口(誠)委員 今コバルト六〇ということに焦点を置いて御答弁をいただいておるのですが、これは一ミリキュリーのものを、コバルト六〇というものについてお話しになっておると思うのですが、これは一ミリキュリーのものばかりではないわけなんですか。大きいものについてはどうなんですか。これは第一研究所だけでやっておるのか、その他でも実験をやっておるのかということです。
○島村政府委員 日本原子力研究所でやっておるだけではございませんで、方々でかなりなものが線源として使われております。内訳を申しますと、千キュリー以上のものについて申しますと、民間の各機関、これは大部分が工場あるいは民間の研究所でございますが、六十五件、大学関係で六件、各省にまたがっております各省の国立試験研究機関で十二件、それから病院で十五件、合わせて九十八件が使用されております。
○田口(誠)委員 大きさはどうですか。一番大きいのはどんな程度ですか。
○島村政府委員 日本原子力研究所で現在高崎に建設中の放射線化学中央研究所に置きますものが三十万キュリーということになっておりますが、これはまだ現実にはできておりませんので、現在日本で一番大きい線源は十万キュリーでございます。
○田口(誠)委員 十万キュリーというと、一ミリキュリーが四百億カウントということになると、これは相当なカウントが出るわけなんですが、そこで、私が一番心配をして疑問に思っておりますることは、日本の国内においては、カウントの検出の量が非常に高いわけです。他の国と比較して高いわけなんですが、こういう研究については毎日々々やってはおられますけれども、特にソ連やアメリカが、核実験をやったときに、各国が検出をいたしましたその数字を見ますると、日本の場合は非常に多いわけなんです。こういう点については御研究なさっておるのかおらないのか、まずこれを承りたいと思います。
○村田説明員 御質問にございました、日本の環境におきます放射能の強さというものにつきましては、放射能対策、放射能調査の一環としまして、全国十四カ所で定期的に空気中、雨及びちりの中にございます放射能を調査しております。その結果は、臨時に内閣に設けられております放射能対策本部から毎月大体月例報告として発表いたしてございますが、このような国内における調査に対応しまして、海外における調査に関しましては、第一には国連にございます、通称科学委員会と申しておりますが、その科学委員会において、各国からの放射能調査の実績を取りまとめて資料として配布しております。わが国も、この国連の科学委員会が一九五六年でしたか七年でしたかにできましたとき以来、ずっとそのメンバーになっております。従いまして、国連の科学委員会の方からも、各国で集められました放射能の強さを示しますデータを報告として受け取っております。そのほかに、さらに友好関係にございますような国、たとえばアメリカでございますとか、あるいはイギリス、あるいはドイツ、こういったところにおきまして、ちょうどわが国と同じように、定期的な放射能調査を行なっておりますが、そういった資料は、科学技術庁から在外の大使館へ派遣しておりますいわゆる科学アタッシェを通じまして、これは不定期的ではございますけれども、年に数回は分けて報告を受けております。それらのものを照らし合わせまして、日本の放射能の強さと、そういう主要な国々における放射能の強さとを比較することができるわけでございますが、これは先生御指摘の通り、核爆発実験のございましたときの前後あるいは通るとき、そういった環境によって放射能の強さがかなり違って参りますので、一がいに申せません。あるときは高く、あるときば低く出て参りますが、それらを押しなべて見ましたときには、私どもの了解では、必ずしも日本がそういった諸国に比べて特に著しく高いというようなことはないのではないかと思っております。
○田口(誠)委員 ないかと思っておるという答弁は、私は、ずばりの答弁でないからちょっと信用しません。信用しませんが、私は、アメリカ、日本、ポルトガル、ドイツ、南アフリカ連邦、ニュージーランド、オーストラリア、ベルギー、オランダ、ブラジル、カナダ等々、まだ三つありますが、その測定場所のデータを持っておるわけです。ところが、私は一番奇々怪々だと思いますことは――これはやはり答弁する方もまじめに受けていただき、私もこの点はまじめに質問をいたして、どうして日本の国内がカウントがそんなに高く検出されておるのか、こういう点について率直なことをお聞きしたいのです。 私ここにデータを持ってきておりますが、他の国の場合は、この図でお示しするように、センチで言えば五センチとか七センチです。カウンターでいくと千とか千三百とか、こういうようなものが出ておりますけれども、ちょうどソ連やアメリカで核実験をいたしましたときに、他の国では、日にちはそろっておりませんけれどもい一日、二日のうちに検出されるわけです。ところが、日本の場合にも即日あるいは翌日という工合に検出をしておるのですが、よその国はこのグラフでいくと五センチなのが、東京の場合は二千五百だから、この通りグラフのテープが天井までも続くのですよ。福岡の場合はこれです。これはいいかげんなところから手に入れたものじゃないわけなんです。御承知の通り、日本学術会議国際地球観測年国際委員会ですが、最も権威のあるところの発表のグラフなんですねそうしますと私が邪推をいたしますのは、日本にたくさんの放射能源を持っておって、そしてどのくらい科学技術が進んでおるかもわかりませんし、安全性を保っておるかということもわかりませんが、そういうような実験をするときには、ちょうどよその核実験を行なうときに合わせて実験をやられるのではないか、従って、他の国ではそんなに放射能の検出がなされておらぬのに、日本の場合には、福岡の場合でも東京の場合でも、このようにあるわけなんです。これは権威のあるところの発表なんですから、こういうことについて何か研究をなさっておるのかどうか、またこういうことを全然お知りにならないのか、どうなんでしょうか。今放射能の問題については非常に神経をとがらしている日本の現状でありますし、また日本の科学技術の進歩や安全性がどの程度かということは、これはそのときによっては未知数な場合もあれば、未熟な場合もあると思う。なお、これから十分にそういう方面に手を尽くさねばならない面もありますが、こういうような実際の数字が出ておることからいきますると、これはよほど真剣にこの面について考えていただかなくてはならないと思うのです。どうですか、科学技術庁の方ではこういうようなことについて十分に御存じなのかどうか、この点をまず承りたいし、また、こういう結果というものを専門家としてどうお考えになるかということです。また宿題にするなら宿題で、次の回に聞きます。
○村田説明員 ただいま御説明申し上げましたように、私どもの方でも全国十四カ所において毎日測定をいたしておりますデータを毎月集めておりますので、そういう資料は十分持っておるつもりでございますが、ただいま田口先生御指摘の資料は、いつどの辺の部分の資料かよくわかりませんので、ここで即答いたしかねるわけでございますが、ただ、ちょっと気づきました点を申し上げてみますと、放射能の測定と申しましても、われわれが測定をします場合には、いろいろな種類の放射能がみな合わさって測定されるわけであります。その中のあるものは、地球を構成します岩石その他からくる放射能でございますし、またあるものは天空から降って参ります宇宙線、そういったものからくる天然自然に存在する放射能で、これをわれわれは自然放射能と呼んでおるわけでありますが、それに加えまして、ただいまお話のございましたように、核実験が世界のどこかで行なわれますと、その核実験によって生じました放射性物質、いわゆる灰が空間中に広まりまして、日本の場合でございますと、たとえば北極の方でやりますと、約五日から一週間くらいの間に、ジェット気流に乗ってその一部分がやって参ります。また、太平洋で行ないましても、一週間から、ときによりまして二週間くらいかかって日本の上空へやって参ります。そういうものがまたわれわれの環境の放射能に加わっておるわけでございまして、これはいわゆる核実験からくるものでございます。さらに、先ほど田口先生からいろいろ御指摘のございました原子力の利用の面で、原子炉あるいは放射性アイソトープ、そういったものを使うことから生じます、いわゆる原子力平和利用からくる放射能もまたあるわけでございまして、私どもがはかります空気中の、あるいは雨の中の、空間に浮遊しております塵埃の中の放射能、そういうものを含めて測定しておるわけでございます。それでございますから、たとえば同じ日本の国内で十四カ所測定しましても、必ずしもその測定値は常に一致はいたしておりません。定例報告でいつも出しておりますが、それを見ましてもおわかりの通り、低いところと高いところでは、たとえば一方が十けたの数字であります場合に、他方が千けたになるというようなことはございます。ただ、測定の単位が非常に低いマイクロマイクロキュリーとかいう単位ではかりますと、非常に差も出てくるわけでございまして、国内でもそういう変動がございます。従いまして、各国のデータをある時限を切って比べてみますと、あるいはそのときによってかなりの違いが示されておることもあろうかと思いますが、結局そういう放射能は、灰が降ってきますときに、非常に短い寿命の放射能と長い寿命の放射能がございますので、降り初めは放射能が非常に高くても、数時間あるいは一日か二日かたちますと、急激に放射能も減る、そういうケースも多々ございますので、その時期、その場所等を十分確かめて比較いたしませんと、一がいにこうだということは申し上げられないと思います。
○田口(誠)委員 先ほどの資料は、私がこれを申し上げてもあなたの方でまじめに検討されることができないと思うのですが、今ここで出したものは、三十五年の三月のものです。覚えておいて下さい。これは日本学術会議の国際地球観測年国際委員会、これの発表です。これは一番権威のあるところの発表ですからね。 それから、長官退屈でしょうから、ちょっと最後に一言だけお聞きをいたしたいと思いまするが、ただいまのいわゆる放射能源は、先ほど来私がこまかく聞いておりましたのは、一ミリキュリーで、結局コバルト六〇というようなところに焦点を置いていろいろやっておったのですけれども、先ほどお聞きになったように、相当大きいものがあって、そしてこれを実験・訓練としてやっておるわけなのです。それで、特に長官が予算の第一分科会で山口委員にお答えになったと思いますが、原子力は絶対に平和利用よりほかには使わないのだと明確にお答えになっておるわけなのです。これはまことにその通りであって、そうでなければならないと思うのですが、ただ、今申しましたような大小の放射能源を訓練用として日本の自衛隊が使用しておるということが、これはやはり分科会で明らかになっておるわけです。それで、私はここで一つお聞きをいたしたいと思いますことは、こういう心配になるものを、科学技術庁、科学研究所でなくして、自衛隊、いわゆる軍隊で使用しておるということは、これは平和利用よりはやらないのだと言われ、特に原子力基本法の二条を読みますと、まことに遺憾のない内容になっておりますね。第二条は、「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」 こうありますが、ここで研究・開発・利用は平和目的に限る、こう限定されておるから、私は、これを自衛隊で実験訓練として使用するということは、何といっても平和利用というような工合には解釈できないと思うのです。従って、そういう意味から、この原子力基本法の二条に違反をしておるのではないかというように断定をするわけなのです。科学技術庁長官はこの点についてどうお考えになりますか。もし違反であるとすれば、この処置をどうされるか、この点を明確にしていただきたいと思います。
○近藤国務大臣 ただいまのお話でございますが、私は、防衛庁がそういうものを使うことが必ずしも基本法に抵触しているというような判断にはなりかねるわけでございます。個々にどういうふうに使っているかということについて、はっきり承知はいたしておりませんけれども、概略私の聞いております範囲におきましては、当然科学技術の進歩に伴って、防衛庁の研究所においてもこういうものに対しての対応の処置を研究するとか、あるいは医療に使うとかというようなことでございまして、防衛庁に渡すことそのこと自体が必ずしも基本法に触れているというような解釈をしないでもいいのではないか、私はそう考えております。
○田口(誠)委員 医療で使うというのは、これは文句ありません。安全性を保って医療用に使うということは、これは文句はございませんけれども、やはりコバルト六〇だけでなしに、大きいものも含めて、自衛隊の訓練用としてこれを使用しておるという。このことはどういうことかといえば、お考えになればわかりますように、万が一どこかから原爆がきたようなときに、どの程度の防空壕を掘ってどうしたらいいかとか、どういう防備をしたらいいかという、軍備用の考え方の上に立っての実験をしておるのであるから、あくまでも軍事用に使っておるということになりますれば、開発・利用研究でしょうだから、これは自衛隊で使っておるということになると、当然基本法に違反をする、こういうことに相なると思うのですが、ただいまの答弁は、無理に違反にならないという工合に答弁を持っていかれたと思うのですけれども、私は、この点についてのただいまの答弁は不満足なんです。従って、自衛隊が、医務用は別としまして、なぜ実験・訓練にこういうものを使わなくてはならないか。科学研究所は、専門家がいろいろと研究をして、こういう研究をしたものは、即必要なものは平和利用にもなり、そうして国民の危険なときに保護をするなり、そういう方法もとれるのだし、これは研究所で安全性を保ってやるのなら、私はいいと思いますけれども、そうでなしに、先ほど申しましたところの一番小さな一ミリキュリーでも四百億カウントもある、こういう放射能を放出するもの、これよりまだずっと大きなものが先ほどお答えになったようにあるということなんです。そういうものを自衛隊で訓練用として実験に使っておるということは、明らかに基本法の二条の違反である、こういうように断定できると思うのです。これは非常に大切なことであって、私は、この点は違反になっておるから、政府では困るとか、自衛隊で困るとかいうことでなしに、やはり日本の憲法、それから日本の自衛隊の性格、そうして原子力を日本で研究するというときには基本法をつくってありますが、こういう基本法に基づいて考えてみますと、明らかに違反になるということは断定ごきると思うのです。その点について、もう一度私が納得のいくような御答弁をいただきたいと思います。
○近藤国務大臣 おそらく幾たび答弁いたしましても御納得はいくまいと思います。しかし、私は、防衛庁の存続が認められて、防衛庁の性格の上において行動する範囲においての活用であるといたしましたならば、攻撃ではなくて、防衛というその性格の上に立っての実験の必要があってやることであるならば、別に抵触するということの考えに至らないわけでございまして、おそらくこの点につきましての御理解を願うことは無理であろうかと考えております。
○田口(誠)委員 答弁によっては理解しますが、今のあなたの感覚ではどうもおかしいと思います。 それではお聞きをいたしますが、核というものは、どれから核というかということです。
○村田説明員 御質問の核ということは、原子核の意味と考えますが、御承知の通り、原子は大きく分けまして、原子核と、それを取り巻く電子とで成り立っております。その原子核は、最近素粒子の研究が進みまして、非常にこまかい研究をなされておりますが、ごく大ざっぱに言いますと、陽子と中性子とからでき上がっております。その陽子と中性子が一緒に集まりまして原子のまん中に存在するもの、これを原子核と言っておる、こういうふうに考えております。
○田口(誠)委員 あまり専門的に答弁されるので、ちょっと受け取りにくかったのですが、しろうとにわかるように話してもらいたい。ということは、放射能源が、先ほど御答弁のありましたように大小あるわけです。そこで、核というものに入るのはどの点から核に入るのかということ、これは小さくても大きくても核に入るのかということです。僕は僕で意見を持っておりますが、あなたの方として、核に入るのはどの程度から核に入るのかということです。
○島村政府委員 原子核か原子核でないかという言い方は、この場合には出てはまりませんで、いわば原子力と観念すべきかどうか、こういうことだと思うのでございますが、そうなりますれば、原子力と申しますのは、原子核の分裂の過程に出てくるところのエネルギーのことを言うわけでございますから、小さくったって大きくったってそれは原子力でございます。
○田口(誠)委員 あなたの答弁は、政治的に上手に答弁をしておるから、いつ聞いておってもぴんときません。私は、少なくとも半年かかって、この研究をしろうとがしておるのだから、質問は質問でやっておりますけれども、私の方の資料は、あなたの力の答弁のいかんによってはどのような資料でも出してあれをいたしますが、私今ここで科学技術庁長官に質問をすることは、核云々ということはまたほかの場もございましょうが、原子力基本法の二条に違反しておるのだ。長官のしておらぬという答弁の内容が、きわめて理論薄弱であるから、しておらぬということとなら、もう少しはっきりと違反しておらないのだというように、私どもにも受け取れるように答弁してもらいたい。私は初めから申し上げておるのですが、きょうの質疑応答というものは、野党が無理な質問をして、答弁に困らせようというような考えを持ってやるのではないということは断わってあるのです。日本ではたくさんの放射能源を使用しており、先ほど私が資料を提出しましたように、十幾つの各国からのデーターも持っておる。そのうちの三つだけデーターを持ってきたわけですが、先ほど申し上げたように、このくらい違っておるのだ。デンマークの場合は、私は数字で言いません。グラフにしてここまでいっておりますのが最高です。こんな程度ですよ。よく見て下さい。それが日本の場合には、核実験をソ連やアメリカがやったときにはこのような天井まで届くようなグラフができるわけです。従って、私はどうしてそれができるのかということの解明のできない限りは、いろいろな角度から疑わざるを得ないわけです。疑う一つとしては、日本の自衛隊が核を、放射能源を持って、そうしていろいろ実験をしておるときには、場合によっては放射能が相当出るということから、他の国の実験と日を合わしてやるというようなことも、これはやはりお利口な人はやるわけですから、こういうようなことで国民は疑義を感じておる。従って、私はそういう面からただいま御質問を申し上げておるわけなんです。 先ほど科学技術の特別委員会でもやれというお話もございまするし、また、伊能理事の方からいろいろ言われても、なかなかお聞きできない質問のときもございましょうが、きょうはお譲りをいたしまして、私はこれで終わらしていただきます。
○永山委員長 受田新吉君。
○受田委員 時間は短時間に、重要な問題を簡単にお尋ねしますから、として国務大臣の御答弁でけっこうです。 私は、今度の改正案の骨子についてお尋ねをしたいわけなんです。科学技術庁がだんだんとその権限を強めていっておられることは、われわれとしては同慶にたえません。われわれは文化国家の柱になる科学技術庁の大役を大いに助長したいと思う。従って、今からお尋ね申し上げますことは、科学技術庁しっかりがんばらねばならぬぞという観点からやるわけですから、自信のある答弁をお願いしたい。 今度の改正案で、宇宙開発の推進をはかっていくことを研究調整局のお仕事の一つに加えられた。今まで宇宙開発の推進は一体だれがやっておったわけですか、御答弁願います。
○近藤国務大臣 従来科学技術庁でやっておった面もございます。しかし、それは、御承知の通り、まだ十分でございませんので、さらに一そうの飛躍をしたいというので、今回改正案の中に盛り込んだわけでございます。宇宙開発それ自体の基本的な問題は私どもの所管ではございませんけれども、大学の方の研究所にもございますが、私どもの役所といたしましては、各省庁の関係の方々と御連絡をいたしまして今日までやって参ったわけでございます。
○受田委員 その責任の主体はどこにあったのでしょうか。推進の責任の主体は科学技術庁でなかったとしたら、どこがやっておったのですか。
○近藤国務大臣 それは具体的なことですから、当局から……。
○芥川政府委員 推進というお話でございますが、従来、科学技術庁に与えられました権限といたしまして、科学技術予算の見積もり方針の調整という権限を持っておりました。そこで、われわれがやっておりましたのは、各省の見積もり予算の調整の範囲でこれを総合的に推進しておったわけでございまして、従いまして、実際にものを開発し、あるいはその研究を進めていくという責任は、各省にもあり、また、科学技術庁自体といたしましても、みずからの研究所で若干やっておりましたので、その部分につきましては科学技術庁自体にもあった。そういうふうに非常に多元的に分かれておったものでございます。
○受田委員 宇宙開発審議会は、科学技術庁の付属機関でありますね。
○芥川政府委員 そうではございませんで、宇宙開発審議会は、内閣総理大臣に対する諮問機関でございまして、総理府に設置してございます。
○受田委員 宇宙開発審議会の立場は、科学技術庁の権限とどういうつながりがありますか。
○芥川政府委員 御承知の通り、審議会は総理大臣の諮問に対しまして答申をまとめます。そこで、政府は、その答申によりまして、それを尊重しながらこの施策を講じておる、そういう関係にございます。
○受田委員 そうすると、その宇宙開発審議会のお仕事は、科学技術庁と大した関係はない、責任はあまりないわけですか。
○芥川政府委員 ただ、科技術庁といたしましては、研究調整局が、文部省の大学学術局の協力を得て、宇宙開発審議会の庶務をやるということに相なっております。
○受田委員 そうしますと、事務処理をやるだけですね。ほかに宇宙開発審議会の答申に対する処理について科学技術庁の任務はございませんね。
○芥川政府委員 その通りでございます。
○受田委員 今度の改正案で、宇宙利用の推進をはかるようになってきたけれども、今まで単なる事務処理をやるだけであったとしたならば、宇宙開発審議会というものは一体いずれの役所をたよっていったらいいのかということになりますね。科学技術庁の任務は、もっと掘り下げた、この宇宙開発審議会の答申に対する処理においてあるのではございませんか。
○芥川政府委員 それはもう御指摘の通りでございまして、事務処理をやるというふうに書いてございますが、実質上事務処理をいたしまする局でこれを取りまとめます。つまり、ただいま申し上げましたように、研究調整局が文部省の協力を得ましてこの答申を取りまとめて、そしてその答申は宇宙開発審議会の会長から総理大臣に出される、こういうふうになっておりますので、宇宙開発審議会につきましては、科学技術庁がほとんど全面的にそのお世話をしておるという形に相なるわけでございます。
○受田委員 そうおっしゃっていただけば、結局付属機関であるくらいの気持で、科学技術庁がこの問題の処理をはかる熱意を持たなければいけないわけなんです。総理府に置かれてあるから、内閣に置かれておらぬわけですね。総理府の付属機関ですね。しかし、そのくらいの気持を持って科学技術庁がこの宇宙開発審議会と取り組まなければ、単なる事務処理をするような気持でやられたんでは、文明国家の柱に科学技術の振興をしようということをわれわれは科学技術庁に期待できないことになるのですね。全責任はわれわれの方が持つ、ただ文部省は研究の協力をしてもらうという程度で、あとは実質上うちがやっておるのだという決意を表明していただきたいと思ったのです。国務大臣、いかがですか。
○近藤国務大臣 ただいまの受田委員のお言葉の通りでございまして、審議会の答申その他を受けて、これを具体的に実行に移すという役割は、当然科学技術庁が果たしていかなければならないと思っております。
○受田委員 そこで、今度の宇宙利用に関する推進を引き受けるという、筋の通った規定がここへできたわけなんですから、もう遠慮会釈なく、今まで実質的にはお宅の方でやっておられたことを、形の上でも、名実ともに科学技術庁は宇宙開発、宇宙利用については全責任を持つのだという強大なる自信を持ってこれからおやりにならなければいかぬわけです。 その具体的な中身に触れますが、科学技術庁設置法の第十一条で長官に異常な権限が与えられておる。現在は婦人大臣として天下の注目を浴びておられるあなたに全責任があるわけで、男性の国務大臣たちをしり目にこの十一条の権限を思い切って行使される伝家の宝刀を持っておられることを御存じであろうと思う。あなたには大した権能があるのです。そのあなたに与えられたる権限で、「科学技術の振興及び資源の総合的利用を図るため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し必要な資料の提出及び説明を求める」、第三項には、「関係行政機関の長に対し科学技術の振興及び資源の総合的利用に関する重要事項について勧告することができる。」、もうほかの国務大臣はあなたに伝家の宝刀を振り回されたらびりびりふるえ上がるような権限があなたには与えられておるのですね。お喜びなさいませよ。この十一条の規定は、宇宙開発、宇宙利用の推進に対しても、常にあなたはこの強い権限を持っておられることを前提にされ、もう遠慮会釈なく関係行政機関を督励し、必要があれば勧告権を振り回されてその要求をしていく、報告を求める。そして、最後にややこしくなったときには、第五項に、「内閣総理大臣に対し当該事項について内閣法第六条の規定による措置がとられるよう意見を具申することができる。」というのです。これは総理大臣に権限を持っていけばいいという大へんなものですよ。それをこの際一つあなたにお願いをいたしまして、これから具体的にそれをどう実行に移していくかについて御決意を伺いたいのです。 ここに改正案の中にもありますが、他の行政機関の所掌に属する事項は除くと書いてある。他の行政機関に属する宇宙開発推進の事項というものをちょっとここで、大事なことでございますから、局長からでけっこうです、御説明を願います。
○芥川政府委員 具体的に申し上げますと、郵政省におきます通信の問題、運輸省におきます気象の問題、建設省におきます測地の問題、また戻りますが、運輸省におきます海上安全航行の問題、その他がございますが、大体代表的なものはそういうふうなものでございます。
○受田委員 文部省関係のものをちょっと指摘していただきたい。
○芥川政府委員 文部省におきましては、学術研究の面から、宇宙科学と申してよいかと思いますが、学術研究面からは文部省が権限を持っておるわけでございます。
○受田委員 国立大学の科学技術に関する研究所は……。
○芥川政府委員 国立大国の研究につきましては、科学技術庁設置法におきまして、大学の研究を除くとして、科学技術庁の権限から除かれております。この部分は文部省の所管に属するものでございます。
○受田委員 大学の研究を除くというので、前の技術者養成のときに非常に問題があったわけですが、しかし、これは、除いておっても、どこに何があるかはやはりお宅で知っておらなければいかぬ。除いた分を知らないというのなら、科学技術の総本山としての値打ちがないわけですから、国立大学にある科学技術研究機関を一つ御指摘を願いたいのです。これは大事なことです。どこにあるかわからないようなことでは困る。
○芥川政府委員 宇宙の関係で一番目立っておりますのは東京大学の生産技術研究所、それから、それほど目立っておりませんが、航空研究所でもその開発をやっております。それから、宇宙と申しましても非常に広いものでございますから……。
○受田委員 宇宙だけではなくて、それも含めて科学技術と申し上げたわけでございます。
○芥川政府委員 科学技術と申しますと、数が非常に多くなって参りまして、大学には大半研究所を付置しておりますが、その付置された研究所の数は五十一でございます。
○受田委員 私、ここでこの法案が通ってからでもけっこうですが、科学技術庁で御調査になっている、いわゆる関係行政機関の科学技術に関する研究部門あるいは行政部門を指摘した資料と、それから大学関係その他の研究機関がどこどこにあるかということを一応資料としてお出しを願いたい。お願いをしておきます。 そこで、この科学技術の振興及び資源の総合的利用に関する重要事項の中に、今度は宇宙開発というものがここに一つ飛び出してきて、非常にウエートを大きくするわけですが、私、ここで今御指摘になった郵政省とか気象庁の問題でちょっとお尋ねしておきたいことは、これらの機関に対して総合調整でどのような指示・要求をし、また、防災の立場からも、台風などのときに気象庁や郵政省の通信関係などをどのように利用されていくのか。今度の改正法の中には防災技術センターというものができてくるのでありますから、そういう立場から科学技術庁がそれをどのように握っていこうとされておるのか。現にどの程度握っておられるのか、それを今度ちゃんとここに明文化したので、これをどういうふうにされようとしておるかを伺いたいのであります。
○芥川政府委員 郵政省の関係について申し上げますと、宇宙につきましては、昨年の九月から科学技術庁長官を主宰者といたしまして関係各省の連絡合同推進会議というものを設置いたしまして、それに幹事会を設けまして、非常に活発にやっておるつもりでございますが、実績を申し上げますと、郵政省が米国の航空宇宙局と大陸間通信実験をやる協定と申しますか、交換公文を取りかわして、その実験に入るわけでございますが、その場合には、条文の内容その他共同でこれを審議いたします。そして、郵政省、科学技術庁、外務省、三省が共同して閣議にこれを稟請するというように、科学技術庁は総合的な中心的役割を果たすように努力しておるわけであります。
○受田委員 私、先般鹿児島の視察をやったときに、あそこの鹿児島気象台の所長から、気象庁の行政系統から来るところの一つの難点を私は発見したわけであります。南の方から台風の目が現われた、それが北へ向かって進行しておるところが、鹿児島の所管は、この台風の目をつかむのに一番いい立場にありながら、全国的な立場からの総合判断をすることができない。また、他との連絡ということについても、常に上から指示を仰がなければならぬということで、行政面において、台風の目の行方についての措置に対する緊急な手だてというものがなかなかむずかしいということを私感づいたのでございますが、そういうふうに、防災技術センターまで今度はできるのですから、それらを総合的に把握して、科学技術庁の外部にあるいろいろな機関を最高度に利用し、また適当な指示を与えることができなければならぬ。これを見ると、「総合的利用に関する重要事項について勧告することができる。」とあるわけで、それに関するある程度の措置、防災技術センターをつくる場合の措置についても、防災技術センターをりっぱに活用する上からも、この勧告権を行使することができるということになるのじゃないですか。ちょっと、このことが含まれるかどうか、このことをお答え願いたいと思います。
○芥川政府委員 もちろん、この十一条に与えられております権限は、これを行使することができると考えております。
○受田委員 そうしますと、ここでも、気象庁などに対しても適当な指示を与え、その報告を求め、それに対して的確な判断をして防災措置を講ずる。的確なる非常にすばやい措置ができるわけですね。現に放射能対策本部というもの科学技術庁が持っているわけです。あるいは地震の場合、火山爆発の場合でも、現に、私たち三宅島の視察に行ったときでさえ、三宅島の地震測定の機関というものはたった一人常在されているだけで、火山の爆発の予知、事前に行なわれた地震の予知判定というようなものもなかなか思うようにいっていないということなので、こういうところへも、ただ単に大学の研究機関にまかせるだけでなく、こちらも乗り出して同時に防災対災を講ずる措置を科学技術庁が中心になっておやりになる必要があると思うのです。いかがでしょう。
○芥川政府委員 おっしゃる通りでございますが、ただ、科学技術庁といたしましては、その性格上科学技術に限られております。従いまして、たとえば台風が参りまして、その応急措置、あるいは豪雪が参りまして、その雪をどけるとか、そういうふうな働きはちょっとむずかしいかと存ずるわけでございます。
○受田委員 私が今申し上げたのは、そういう地震に対する測定、火山の爆発の予知、こういうようなものを科学技術庁が握らなければならないというのは、これは防災の基本的な問題ですから、措置はもちろん別個にやるようにしますが、科学技術的に判定を下す総合センターは科学技術庁でなければならぬ。これは国のあらゆる行政機関にあるものをすべて握る大事な権限を持っておられるのでありますから、一つ勇をふるって、各機関をおれ達が適当に指示してやるんだという、ただ単に事務処理だけでなく、科学技術庁の動的な機関として、科学技術庁長官、あなたの役所を高めてもらいたいと思うのです。省に昇格しようという動きさえある。科学技術基本法も何とかしなければならぬという動きもあるわけですから、婦人大臣御在任中における最も大きな業績として、科学技術庁の実力を発揮することによって、あなたは男性そこのけの名大臣として、後世史家をして特筆大書させる記事が残るのですから、お願いしたいのです。いいですか。決意のほどを伺いたい。
○近藤国務大臣 受田委員から大へん御激励いただきまして、感謝にたえませんが、科学技術庁の性格といたしまして、全く仰せの通り、私どもも画期的な一つの機構をつくりたいし、その実現をはかりたいという気持はやまやまございますが、何分、やはりある程度の年限をかけないと、そうまで私は十分にはまだ満たされないと思っております。諸事不行き届きで出発をいたすわけでございますし、設置法の完璧な改正にもなっておらないということも十分承知いたし、また、よしんば法律的にどれほど完璧になったといたしましても、それを動かすだけの熱意と努力がなければ効果はあがらないということは十二分に承知いたしておりますので、ただいまの御激励の言葉を力といたしまして、一生懸命にやって参りたいと思います。
○受田委員 これで質問を終わりますが、おしまいに決意を促したい。今度のあなた方の役所に与えられた権限の中で、宇宙開発、これは、世界で日本は文明国の中では、一番おくれておる。日本はもう軍術を持たない国家になっているのですね。軍備を持っていない国である。そうして、少きる道はやはり文化で繁栄する以外にはない。原子力にしても、宇宙開発にしても、平和利用という立場で推進するのには、アメリカであろうとイギリスであろうと顔負けするようなりっぱな、宇宙開発については陣頭に立つ国にならなければならぬと思う。今の置かれている立場で非常にさびしい感じを受けておる国民に、宇宙開発において日本はどの国にも負けない実力を発揮するのだということになれば、月ロケットであろうと金星ロケットであろうと、どこの国がどのようにやろうと、日本はそう遠くない機会にお前たちに負けぬりっぱなものをつくるんだぞ、こういう自信を国民に与えるのでなければ、日本の行く手は暗やみになりますよ。やはりわれわれは科学技術でいく。特に文化国家として宇宙開発はアメリカのような軍事目的でやるような国と違う。ソ連も同様です。そういうようなことでなくて、ほんとうの意味の平和利用で宇宙開発をしていく。そのことで今度答申案も宇宙開発審議会から出ているのですが、この答申そのものもなまぬるいのですよ。五年くらいの間にはろくなものにならぬというような答申になっている。われわれはこの答申は不満足です。もっと先年以内にちゃんとした宇宙開発を進めるとか、特に天体観測のロケットなどが飛翔体として宇宙に飛んでいくように、また、通信衛星でも、来年のオリンピックのときには、せめて通信衛星によってテレビの中継放送が国際的に実現できるように、オリンピックは日本が引き受けているのですから、その際に、郵政省などにまかし切りにせぬで、科学技術庁自身も乗り出して、通信衛星の成功、オリンピックにおけるテレビ全世界国際中継放送というようなものが実現できるようにがんばってもらいたい。今からでも一年ありますから、まだおそくない。通信衛星によるテレビの国際放送が可能であるかどうか、一応の見通しを承りたい。
○芥川政府委員 通信衛星によりまするテレビの見通しにつきましては、実はまだ結論を申し上げる段階にないと私は考えておりまして、ここでできるともできないとも申し上げかねるわけでございます。先ほど申し上げましたように、アメリカとの共同実験も、交換公文を交換いたしまして、ようやくその緒についたばかりで、鹿島におきまする。パラボラアンテナにつきましても、正確ではございませんが、ことしの夏からようやく波動を開始する、それによって実験が始まるという段階でございますので、来年オリンピックに間に合うかどうかということにつきましては、この際ちょとお答えいたしかねるわけでございます。
○受田委員 国務大臣として、オリンピックを契機にしたいろいろな宇宙利用の具体的な道を切り開くために、ただ厳に郵政省にまかせるだけでなくして、科学技術庁としても別個の立場からこれが成功をはかっていくような努力をしていただきたいし、いま一つは、宇宙開発については、先ほど来申し上げたような軍事目的にこれを利用しようとしている心得違いな国々とは別に、日本は非常にすっきりした平和一本に行く国でありますから、万国にぬきんでた宇宙開発国になる。気象観測の気球を出すこと、公海の観測の気球を出すこと、いろいろなロケットを成功させて、すべての国民に便宜を供与すること、こういうようなところに思い切った措置をとっていただいて、宇宙ロケットなどは五カ年以内にはやれないなどというようなことでなくして、これは即座にお始めになる、そうしてその機材というものも国産でゆっくり間に合うようにしていただく。それと、科学技術者養成の面も、あなたの前の前の長官の池田さんがちゃんと文部省に勧告して、科学技術者養成に成功しているのですから、一つりっぱな成果が早急に得られるように、この際、日本の置かれている立場をお考えになって、思い切って予算獲得なども女性の独得の腕前を発揮されて成功されるように私は希望するわけです。よろしゅうございますか。
○近藤国務大臣 宇宙開発の平和的な利用ということについて、日本がその特色を発揮してさん然とした成果をおさめるべきであるという御意思に対しまして、まことに私どもも意を強うする次第であります。 なお、オリンピックの中継と申しますか、その件に関しましても、おそらくこれは全国民が非常な期待を持っておることでございますので、現在のところ、郵政省といたしましても非常な努力をしておられることと思いますが、私どもの立場からも側面的に協力ができる範囲において十分協力をし、効果をあげて参りたいと思っております。その他もろもろの御激励に対しましては、けんけん服膺いたしまして、実効をあげて参りたいと思います。
○永山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○永山委員長 これより討論に入るのでありますが、別に申し出もございませんので、直ちに採決に人ります、 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○永山委員長 起立総員。よって、本案は可決すべきものと決しました。 なお、本案に関する委員会報告書の作成等に関しましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永山委員長 御異議なしと認めます。そのように決しました。 次会は、来たる十八日午前十時理事会、十時半委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時十二分散会 ――――◇―――――