内閣委員会 第7号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/12
会議録
○永山委員長 これより会議を開きます。 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案、皇室経済法施行法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として、政府より提案理由の説明を求めます。 —————————————
○永山委員長 川島行政管理庁長官。
○川島国務大臣 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 今回提案いたしました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案は、現在、行政管理庁が行なっている行政機関の機構の新設等に関する審査のほかに、新たに、法律により直接に設立される法人または特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきものとされる法人、つまり、いわゆる特殊法人の新設等に関する審査を行なうことをその所掌事務に加えようとするものであります。 近時、国家的目的を達成するため、特定の業務を営む公団、公庫、事業団等の特殊法人が多数設置される傾向にあります。 しかし、これらの業務を合理的かつ能率的に遂行するためには、行政機関をして行なわしめるべきか、あるいは、公団、公庫、事業団等の特殊法人をして行なわしめるべきか、また、このような特殊法人を設立することが、行政の統一性と公正妥当性を確保する観点からはたして適当であるかどうか、なお十分検討する必要が認められるのであります。 このため、行政管理庁におきましては、今後このような公団、公庫、事業団その他これらに類する特殊法人の新設等についての審査を行なうこととするものであります。 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。
○永山委員長 徳安総理府総務長官。
○徳安政府委員 ただいま議題となりました皇室経済法施行法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。 内廷費及び皇族費の定額は、皇室経済施行法第七条及び第八条により、現在、内廷費は五千八百万円、皇族費は四百二十万円となっておりまして、これらは、昭和三十六年度当初に改定されたものであります。その後、国家公務員給与の引き上げが昭和三十六年十月に行なわれ、さらに、昭和三十七年十月以降についても引き上げが行なわれるなど最近の情勢にかんがみ、内廷費及び皇族費について、人件費の増加等を考慮し、内廷費の定額を六千万円、皇族費の定額を四百七十万円といたしたいと存じます。 以上が、この法律案のおもな内容及びこれを提案いたしました理由であります。何とぞ慎重御審査の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
○永山委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ります。 ————◇—————
○永山委員長 経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題として、質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石山權作君。
○石山委員 経済企画庁長官が先ごろ知事選挙で仙台へ行かれまして、新産業都市指定につきまして、かなり明確に御発表になったようでございます。その明確に発表なさったことが選挙に大へん影響した、こう世間でもっぱら言われているのですが、僕らとしましては、非常に後進地の東北に住んでいるわれわれとしては、長官の発言に対して常に関心を持っているわけなんです。地域格差を是正してあげますよとしょっちゅう言われているものですから、御発表になったのを私は直接聞かぬで、新聞等で見たわけですが、やはり今度の新産業都市指定には、東北ブロックでは仙台、塩釜、それから新潟、こういうふうにきまったのでございますか。
○宮澤国務大臣 新産業都市の指定は、御承知のように、要請大臣が七大臣おりまして、おのおの総理大臣に指定を要請する建前になっておりますので、私はその中の一人でありますのと、他方で、事務的には、各省の意見の調整なり取りまとめをするということになっておるわけでございます。 過般、仙台市に参りました際に、新聞記者会見でこの問題が取り上げられまして、最初に従来の経緯を説明してくれというので、経緯を説明をいたしまして、その次に、新産業都市の構想の中に地域格差の是正ということは相当な重さを占めるものであるかどうかという質問がございました。これは法律にもそう書いでございますし、本案を御審議の際の両院の御意県にも表われておることでありますから、私は、当然に地域格差の是正ということには十分自分としては重きを置いて考えるつもりであるということを申しました。その次に、この新産業都市の考え方は、一つの拠点を求めて、その拠点からだんだんと経済活動がその周辺に波及する、こういう考え方であるかという質問がございましたので、私は、その通りである、拠点というものを求めてやっていくという考え方であるということを申しました。しかるところ、それでは、東北地方の入口というのは仙台市であろうと思うが、これなどは格好な拠点だと思わないか、こういう問いでありましたから、仙台、塩釜地方の事情聴取をまだ関係各省でやっておらないので、さだかには申せないけれども、確かに仙台市が東北の入口である、門戸である、その他沿革的な条件から見ても、これが拠点たり得るということは、私はそういうふうに考えるということを申しました。その次に、非常に幸いなことに、今実は知事選挙があるのであるけれども、いろいろな放送をなさっておって、特定の候補者が当選した場合には非常に指定が有利になる、そうでない場合にはそうでないというようなことが言われておるが、どうかという質問がございましたから、全くそういうことには関係がないのであって、事情聴取をした結果、その申請の持っておる自身のメリットによって決定すべき問題だと思う、その点はそういうふうに明確に答えておるわけでございます。 東北地方全体をどう考えるかというお尋ねでございましたが、先ほど申し上げましたように、要請大臣が多数おりますので、しかも、事情聴取も終わっておりませんから、最終的に政府の意見として申し上げることはできないわけでございますが、私個人として考えますと、ただいま新潟の例をお引きになりましたが、いろいろと考えてみまして、どうも裏日本の方に拠点を求めたいという気持が相当に私としてはあるわけでございます。青森県から山口県まで、どうも裏日本に格好な拠点を求めがたい、しかも、ここが一番表との比較においては格差がはなはだしいわけでございますから、何か拠点を求めたい、こう考えておるわけでございます。新潟もそういう一つの候補地に上っておりますけれども、これは東北という意味で考えるよりは、裏日本の一つの拠点たり得るのではないか、そういうような観察を私としてはいたしておるわけでございます。
○石山委員 長官、裏日本という言葉は訂正して下さい。大体そういう言葉からいけないのだ。日本海方面と言って下さい。私らもそうなんですが、お互い様そういう感覚で物事を見てしまって、お前のところはだめだということで、もうなれっこになっている。そういう感覚のもとに地域格差の是正なんか論じたって、実際から言えば、これは言葉のあやですよ。何とかしてそういうふうな因習を打破して、もっと近代的なことを考えていたいと、いつもわれわれは考えてやっているわけですが、なかなかそういうふうな工合に進まぬ。私、長官の言った今の御答弁、御説明によれば、何ら奇異な感じには打たれないですよ。しかし、そうじゃないらしい。たとえば地方選挙にいくたびごと政府の言うのは、端的な言葉で言えば、自民党でないところの地方市長やなんか役に立たぬ、時の政府は池田自民党政府なんだから、新産業都市指定その他の云々というようなことは、自民党の候補肴が当選すればというふうに今度は裏打ちをするのですね。しょっちゅうそうです。ですから、あなたたち自身はどういうふうに言ったか知らぬけれども、実際から言えば、池田さんがしょっちゅう地方遊説をしているときの援護射撃になっているのですよ。だから、きまりもしないことをさもさも可能性があるらしく、その可能性も、自民党の候補者が当選すれば生きてくるので、反対党の社会党が出ればそんなものは飛んでしまうよ、こういうふうなニュアンスがかなり話の中にあったのではないかと思う。選挙のとき応援に行って、行政分担の話をするなんて大体がけしからぬと思うのだ。選挙ならばそれっきりで、選挙の応援をしたらいいじゃないですか。まだきまっていないことをさもさもきまりそうなことを言って、選挙民の心持を動かして自派に有利にするなどということは、フェアな戦いじゃないですね。職権乱用ですよ。自治省では通達を出して、選挙には現職は慎めと言っているんですが、大臣だけはワク外なんだね。しかし、実際には作業はどのくらいまで進んでいるのですか。新産業都市指定に対しての作業はどのくらいまで進んでいるんですか。
○宮澤国務大臣 裏日本と申し上げましたのは、別段特段の意味はございませんので、日本海に面する地方という意味でございます。 それから、特定の候補者が当選した場合には指定が非常に有望になるとかならないとかいうことは、本来そういうことはないわけでございますし、また、私の最も好まない種類のことでもございます。それから、これはよけいなことでございますけれども、選挙の技術としても、そういうことを申すことがはたして上策なのかどうかということも、だいぶ疑わしいとも私は思っておりますが、これは別のことでございます。 作業の方は、先ほど申し上げました事情聴取は、全国で四十三カ所指定を受けたいという希望を持っておられるところがあるわけでございますから、二月の初日から事情聴取を始めました。若竹の関係者が集まりまして、意思を持っておられる地方の関係者から、大体一日に一件の割合で聞いているわけでございます。従って、四月の末日まで事情聴取がかかる、こういうふうに思っております。 なお、昨年の十二月の半ばに、関係各省が、将来指定を考えて参ります上での基準というものを、地方開発審議会の議を経て決定しておりますので、そういう基準に照らしながら、目下事情聴取をいたしておる。従って、これが終了するのが四月一ぱいということでございますので、その後に関係各大臣が意思統一をいたしまして、内閣総理大臣に指定の要請をする、こういう手順でございます。
○石山委員 私たちは、地方選挙が始まる前にもう指定が終わるだろうと思っていた。予想のごとく、地方選挙へからませて、そうして有利な隊形をとるために、におわせているような経緯があると疑っているわけなんですが、実情はやはりおくれるのもやむを得ないという事情ですか。
○宮澤国務大臣 さようでございます。ともかく希望が非常に多い。それが、運動の仕方が下手だったからだめになったとかなんとか、この問題を地方選挙に待ち込みますことは、一党一派の問題でなく、よろしくないことだというふうにも考えられるわけでございますが、いずれにしても、事務的に四月一ぱいはそういう事情聴取にかかるというのが実情でございます。
○石山委員 僕らもそう思われる節もありますが、どうしても与党の諸君はこれを選挙に利用しております。残念ですが、利用しておる。それから、これは希望者がたくさんある。これは何でもそうでございますね。何か政府がおやりになろうとすれば、希望者が多くある。だからといって、積み重ねていくところの数字が一挙に変わるわけがないわけでしょう。だから、大綱さえ十なら十だ——大体政府の場合には予算措置が問題でしょうから、この新産業都市に投資する額を想定しちゃうと、一地域が大体どのくらいと積算すれば、十とか十二とかいう数字は、そうむずかしくなく総ワクでは出てしまうのですね。これなんか、きめられたところときめられないところでは、格段の差ができるわけでしょう。政府の投資額からすれば、格段の差ができるものだから、これはどんなちっぽけな県だって希望しているわけなんです。そして役に立たぬわけじゃないんだけれども、たくさんの書類をつくりますよ。これは数字ばかりいじっている企画庁によく思われたいと思えば、なるべく一冊よりも二冊くらいの数字をつくった方がよく思われそうなんです。大へんな努力ですよ。だから、そういう努力を地方選挙にからませているというのは、これは全く行政能力を浪費させていると見ているのです。秋田県の場合なんかも、裏日本といえば私は反対しているんだけれども、日本海方面としては中間だ。水利の便もよろしいし、電力もあるし、優秀なる労働力も豊富だ、将来沿岸貿易も楽しめる地位にある、八郎潟も干拓できれば、石油あるいはガス等の地下資源もより以上に開発されるだろう、経済効率は目に見えるものがあるという自信を持っているわけなんだ。自信を持っているところへ、あなたの方で日を延ばすものだから、県民はますます夢中になる。しかし、社会党としては、この新産業都市指定に対してあまり賛成しないのです。なぜかといえば、資本主義経済下において、皆さんのおやりになっている池田内閣の政治のもとにこういうことをやれば、地域格差はますます広がるという気持を持っているものだから、党としてはそういうことは賛成しないけれども、地域住民としてはこれは素朴な熱望ですよ。地理的に見ても、中間としてはやはり秋田か盛岡かというような感じがあるわけなんだ。仙台へやることだれも反対しませんよ。新潟にやることも反対しない。しかし、それでは、どうも本州の末端まで、経済の糸だか何だか知らぬけれども、結びつくまでの間が相当長くかかるのじゃないですか。四年、五年というものじゃないでしょう。十年単位になってしまう。それじゃちょっとまだるっこいということでしょう。だから、中間に置けばターミナルの役目を果たす、こういうことだと思うけれども、金の使い方というものは、分散してはいかぬという原則があるものですから、少数精鋭主義ということもやむを得ない。少数精鋭主義ならば、なぜ早くやらぬか。もとへ話を戻すようでおそれ入りますけれども、熟慮して民意を察知する、公聴会もよくやる、それならば、秋田もやってくれる、盛岡もやってくれるというなら話はわかりますけれども、やらぬでしょう。やらぬものを話だけ聞くというのは、選挙対策以外の何ものでもない。そういうことをやらぬで、きまっていることなら早くきめて、あきらめさせるものなら早くあきらめさせる、そして別途な方向でその地域の特殊産業を育成するという手を打つべきがほんとうじゃないでしょうか。
○宮澤国務大臣 これは確かに五年とか七年とか、将来だいぶ長い時間がかかる仕事でございますけれども、しかし、それが時間がかかるからといって、ほうっておいてもいいものでもないと思いますので、やはり各地方に経済発展の根城になるところを置いて、そして道路にしろ港湾にしろ、あるいは工業用水にしろ、いろいろな先行投資をしていくということが、そこが中核になってその地方の経済を発展させるという考え方、それはやはり私は必要であろうと思うのでございます。 それから、何か私どもがあらかじめ予断を持っておって、それはそれとして持っていながら、むだな事情聴取をしておるのではないかという仰せに対しては、そういうことはございません。そういう気持ではないわけでありまして、実際に各地方を聞き終わりましたときに、そのそれぞれの持っておるメリットに従って考えていくべきものだと思うのであります。確かにこの法律が非常にむずかしい、運用のしにくい法律でありますために、多くの地方にむだな期待を与えやすいということはその通りであります。従って、これが地方選挙に不必要にからむことを何とかして避けたいということは、従来とも考えて参ったのでありまして、もし地方選挙前に独断的に幾つかを指定するということになれば、漏れたところの地方の地方選挙には、その責任問題というようなものがまた問われたりなんかすることが、これは党派の関係なくあるというふうにも考えられました。また、実際の作業として、それだけ時間がかかるというのがただいまの実情であります。重ねて申し上げますけれども、何か私どもが一種の予断を持ってむだな作業をしておるんじゃないかということは、事実そうではございませんということをお認めいただきたいと思います。
○石山委員 皆さんの要望にこたえて、時間をこのくらいかけて一生懸命やってみたけれども、とてもあなたの方は指定には該当しませんでした、あきらめなさい、そうすると、たくさんの労力というものは、実際からいうと、そのことによって方便になってしまう。あたたかく民意を尊重するということもいいでしょう。しかし、そういうことではほんとうはぴちんと進まぬわけです。だから私は、ある意味では勇断を持たなければこういうことをやってはいかぬのではないかという意見です。なまはんかな考え方ではこういうことは出してはならないのではないか。 それからもう一つ、私はこういうことを考えておる。皆さんが最近お出しになっているいろいろなアイデア等は、それぞれおもしろい面があるわけですが、ただ、現在の自治制度、行政機構ではどうも無理なアイデアが多いのではないか。これは行管とかあるいは自治省の方々の御意見も聞かなければならぬのですが、行政区域、県をそのままにしておいて、県にいろいろなことをやらしておいて、そうしてブロック全体を見るというようなやり方、そこから経済がしみ込んでいくという構想、何かやっぱり無理がある。われわれは、長官がおっしゃるような見解を率直に受け取れば、東境というのはなくならなければいかぬと思う。県境があって、その中で、それぞれの差別、因習、そういうものはそのまま生きている。生きていて、特定の地域に国家が莫大な投資をして、そこから流れるものを期待しなさいという。それは県境もありますよ。県境にはうまいことにはみんな山があるので、遮断されるんですよ。今の県というのは、またそれぞれの特殊性があるようです。大体山が境になって分割されているものだから、どうしてもそういうふうになる。こういう点、まあ自治省でも出している広域行政なんとかという問題もあるわけなんですが、こういうことは十分お話し合って、たとえば仙台で実ったものがどういう格好で流れていくか、その流れの系統を見きわめないと、仙台、宮城県だけが潤うということになっちゃう、私どもはそういう懸念を持っているわけなんです。つまり、奥羽山脈があって東と西を分けている。気候も全然違う。降雪でも、宮城県の降雪はあんな今度のような話は聞かぬでしょう。ですから、やっぱりその経路、今の行政機構をちゃんと見定め、そこに熟したところの経済の発展が、どういう格好で隣の岩手、山形、秋田、青森というふうに流れていくか。一つの方法としては、たとえば国土縦貫道路を早くつくる、青森と仙台を結ぶ、こういうことをやれば、あるいはそれが一つの流れの系統になるかもしれません。何かそこには必ず流れていくんだ、新産業都市指定をした地域から流れていく、次に打つ手は一体何か。
○宮澤国務大臣 私どもが全国の総合開発計画を考えていきます上に、たとえば東北地方でありますとか、あるいは九州、ことに南九州でございますが、まあこれらは率直に申して相当後進地域である、これは悪意を持って申すのではございませんが、そういう認識をしておるわけでございます。そういう後進地域で今一番大切なことは、その地域内における経済活動の循環と申しますか、そういうことが必要だろうと思っておるのでございます。つまり、その地域の経済的な所産が、東京なり大阪なりにいわば収奪された形で持っていかれるということでなくて、その地域の中でもう少し循環をして、そして所得が所得を生むというような形になっていかなければならないというふうに考えるわけでございますから、従って、東北地方の場合にも、お説のように、たとえば福島県の経済は、東北地方の経済の一環であるのか、あるいはより多く関東の方に向いておるのかといったような問題はおのおのあると思いますけれども、ともかくその地方々々の中でもう少し循環をしていきませんと、一方的な中央からの収奪される形での経済になっていくということを心配するわけでございます。それでございますから、幾つかの拠点を置いて、それらを道路その他交通で結ぶ、あるいは水の多面的な利用をする、こういう形で、一つの経済圏といったようなものをおのおのの地方につくっていくことが望ましいのではないか、こういうのが基本的な考えであるわけでございます。私どもの経済から見ていきます限り、経済というものは、県境を越えて動き得る、また動く場合もしばしばございますから、まだよろしいわけでございますけれども、たとえば河川の利用なんということになりますと、確かに、今の各県が持っておるところの、おのおのの独立と申しますか、そういう権限の争いというのが非常な障害になっておることは、あちこちに見られる現象であると思います。
○石山委員 新産業都市についてまだまだお聞きしたい点たくさんありますけれども、直接法案に関係していない事項でございますから、あまりこれに時間をかけるのもいかがかと思いますので、この問題はこれで打ち切りますが、企画庁のやっている仕事のうちで大きな仕事になっているのは、たくさんの数字を集めまして、それに独特の解釈をつけて経済の見通し等をなされる機能だと思っているのです。その経済の見通しはまあまあでしょう。甲乙丙とつければどこら辺でしょう。乙くらいのところで、勉強すればこれから甲の下くらいになるというふうなところでしょう。そのために、今度の法案をお出しになって、いろんな資料を学者先生から出してもらうというようなことを思いついたと思うのですが、かなりに正確に指摘するのですけれども、その指摘が今までだと残念ながら何だかおくれておりますね。日本の経済のテンポ、これは上昇する場合だけじゃなかったですよ。下る場合もそうですし、いつも追いかけるような、見通しよりも日本の経済の回転というものが少し早いということです。そういう印象をわれわれは受けておりましたけれども、年度を通じてあるいは幾年度を通じて見れば、大体その動きはつかまえていることは確かです。私はそれはいけないとは言わぬ。大体つかまえております。つかまえておりますけれども、どうも僕の気になることが一つある。それは物価騰貴の中に資金の問題を非常に強く取り上げたがっている。これは一体何だろう。去年も私ちょっとそれに言及しておきましたけれども、コスト・インフレという言葉は日本には今までなかったのです。これを引用したのはあなたの方なのです。それは見通しの上に立ってそういうことをおっしゃるのかもしれませんけれども、そういう点では、経済の見通しをなさる任務があるから、その景気の中に占める物価の変動ということも確かにつかまなければならぬ。その物価の騰貴の要因は一体何だと推し進めていったら、たまたま賃金というものが出てきたと思うのですが、その賃金のつかまえ方が少し大きく見過ぎているのではないか。全般の経済の動きの中における賃金の位置を、実際の力よりも強く見ているということ、逆に言えば、日本の今の経済機構に協力しようとするあまりに、低賃金であるべき日本の賃金形態をば少しくよく見せようとする努力が、この中に現われているように思えてしょうがないのです。奉仕しているというふうには私極端に言いませんよ。経済機構に奉仕しているなんとは申しませんけれども、何かその取り上げ方が強い。大きく取り上げておる。それはもちろん諸外国へいってみましても、サービス機関の手数料は高い。日本は極端に低いから、これは最近上がったわけですね。パーマでも理髪でも、そういうものは上がった。しかし、一般の賃金というふうになると、そんなに大きく占めていないではないか。産業部門における賃金コスト、これは、私は企画庁がおっしゃるようなものではないのではないかという意見です。三月十一日、きのうの日経新聞の中にも、「賃金政策も織り込む、物価対策を長期的に、企画庁」というふうに、題目が賃金政策になっているのですね。そんなに日本の物価に今の賃金というものが大きなウエートを占めておりますか。これは新聞の書き誤りですか。
○宮澤国務大臣 基本的に申し上げますと、私どもは、給与水準が上がるということをむしろ歓迎したい立場にあるわけでございます。それはここ数年の国民総生産を御検討いただきましても、この中で国民消費が占める割合が逐年上がってきております。五〇%くらいからもう五四%あまりになろうとしておるわけでございますが、何といっても、今までのわが国の経済におきましては、消費の占めるウエートが小さ過ぎたという感じがいたしております。それは意識的に長い間富国強兵というようなことを言って参ったことの結果でもあると思いますが、やはり経済がだんだん先進国型になっていくという場合に、この経済の成長をささえるものは何といっても消費である。そのほかに、むろん輸出というようなものは当然なければなりませんけれども、大きな消費にささえられることによって、経済自身の生産性が高まっていく、こういう考え方をしているわけでありまして、その点は、従来たとえばイギリスが考えてきました考え方と反対であります。つまり、英国の場合には、輸出が不振のときには、国内の消費を押えることによって輸出をふやしていく、伝統的にそういう政策をやってきたわけでございますが、これは事情も経済発展の段階も違いますけれども、私どもがここ数年やっておることは、むしろ、国内消費をふやすことによって生産の構造を高めていく、生産量をふやすという、端的にそういうことにもなるわけでありますが、その方が生産性がふえるから、それによって対外競争力が出る、こういうような考え方を基本的にはいたしておりますので、給与水準が上がるということを、やはりそれが消費が増大するという意味で、どちらかといえば、基本的には歓迎すべきことであるというふうに考えているわけでございます。一昨年ぐらいから賃金の上がりがどうも生産性の上がりを上回ったということがぼつぼついわれているわけでありますけれども、しかし、そんなことは、上がったり下がったり、両方が追っかけっこするわけでありますから、いっときそういうことが現われても、それをもってコスト・インフレだというようなことの問題には当たりませんので、むしろ、現在のわが国の経済の姿でいえば、企業の操業度がかくのごとく低いのでありますから、これに立ち向かうだけの相当量の需要が内外にあって、それによってより拡大された基盤で経済が営まれる、そういう姿が成長のためには必要であるし、また健全である、基本的にはそういう認識を持っておるわけでございます。
○石山委員 このコスト・インフレという問題の取り上げ方を、これはお互いが同じ立場に立って検討しないと、うんと違ったものになるわけでしょう。だけれど、僕らまあ一般に言いたいことは、今操業が七割とか八割とかしかしない。そのしないのは、労働者の責任ではないわけだね。それも計算の中に入れてくると、賃金は据え置きそのままですから、これは確かに影響してくるわけだね。高い利子をかけて莫大な投資をして、それを寝せておくわけですから、そう計算をしていけば、確かに賃金の占める地位というものは、利潤から比べれば、これは確かに差が詰まってきておると思う。これは高度成長経済をおやりになった人々に一半の責任があるわけです。だけれど、これはまあ池田さん流に言えば、このことが、翌年、翌々年の発展の基礎になるのだというふうに言っているから、今下降した線そのものを責めても、来年になれば上がるという自信でしゃべっておるのだから、これはどうにもならぬと思っておるのですよ。しかし、今のような経済の変動の激しいときにきて、賃金が高いとか安いとかいうことはなかなか論じられない。特に高いということは論じられないと思うのです。ですから、企画庁でいろいろおやりになることは、何も私ら否定しておらぬ。いろいろな要素を取り上げてお考えになることはよろしいのですが、どうも賃金が物価対策の中心課題になりそうであれば、これはやはり私は正常な探求方針ではないと思うのです。日本の物価が上がっていくという要因は、賃金によってなどと考えるほど簡単なものじゃないのですね。それなら賃金を押えればいいのですよ。賃金を押えれば物価が押えられるかというと、今の場合そういう過程にないと思うのです。それから経済の成長、われわれが今まで経験しておるのですが、少しくらい刺激されるインフレというものは、これは生産者がむしろ意欲をたくましゅうするために好んでおるのですね。ですから、経済がある意味で進展している場合には、少ない数字のインフレ的要素というものはあると考えていいと思う。日本の経済の成長を見てきてもですね。ただ、消費物価だけがこう上がってくるところに、やはりわれわれとしては悩みがある。それが賃金が高いからなどと言われるのじゃなおさら困るわけでしょう。消費物価が上がるのは、どうも労働者としてこれほどつらいことはない。それを経済企画庁では、物価の上がるのは、お前たちの賃金が高いから、悪循環だというふうに割り切ってお考えになられると、私は残念だ。日本の経済というものはそういうものではないはずなんです。むしろ、かなり賃金を上げて、あなたさっきおっしゃったように、消費を高めてこれを刺戟さして、今半操業をしておる各会社をばフルにまで持っていくという施策こそ、この際とるべきなのではないか。賃金値上げはいけないなどという要素はどこにもないように思うのですが、どうなんでしょうか。
○宮澤国務大臣 ここ二、三年の消費者物価の騰貴を、これを賃金が上がったからであるというふうには私どもは考えておりません。この二、三年の消費者物価の上がりについては、いろいろな要素がございますが、過去のことは別といたしまして、当面しておる問題を考えますと、一つは、サービス料金が上がっていくということでありますが、これは人間の労働の対価が正当に評価されるということにすぎないと思いますから、私ども、この点は何とかして防がなければならない種類の現象であるというようには考えておりません。先進国になれば、そういうことは当然にあることであるというふうにむしろ考えるわけでございます。残りますのは、あとは生鮮食料品だけになるわけでございまして、これは昨年一年の物価の値上がりを見ましても、そのうちで、主食以外の食糧の上がりによって生じた部分が実に四割七、八分、ほとんど五割近くあるわけでございます。ことしの一月にしましても、二月にしましても、実に九割一分とか九割四分とかいうものが、生鮮食料品の値上がりによって生じておるわけでございますから、対策を向けるべき対象はきわめてはっきりしておると思います。しかも、この数年間、大体工業製品、大量生産のできるものの価格はかなり下がっておるか、あるいの価格が同一であれば、内容が向上しておるということでありますから、そこらに問題のないことも明らかと思います。従って、当面の問題は、生鮮食料品の上がりをどうやって防ぐかということに帰着すると思いますが、一般的に、賃金が上がったから野菜や魚の消費が多くなったというようなことは、若干はございましょうけれども、金をもうけたから、一本の大根を三本食おうというようなことはない種類のことでございまして、どうも私はそういう議論はできないと思うわけであります。この点は、おそらく、そういうふえつつある需要及び変化しつつある需要に対して、供給側が急速に対処できないということが基本にあると思うのでございますが、いずれにしても、それをもって賃金が高くなったからであるというような説明はできないし、また、そういう性質のものではないというふうに思うわけであります。
○伊能委員 関連して。後ほどお尋ねしようと思ったのですが、ちょうど同僚石山委員から、物価と賃金の問題についていろいろな角度から御質問がありましたが、ただいま長官は、サービス業について、自然の傾向として逐次上がっていく、また、それが特段に著しい上がりの傾向でもない、それが直ちに賃金の上昇による影響ともいえないというようなお言葉があり、さらにまた、物価の問題については、基本的な物価政策というものは、統制経済でもない、また完全に計画的な経済でもない日本においては、そういった明確な物価政策というものがはたしてあるのかどうかについても、われわれは伺ったことはないのですが、今物価の傾向について一部の御見解がありましたから、お尋ねするわけですが、最近のサービス業というか、公共事業についての、たとえば運賃の料金等の問題について、一般的な傾向としては、逐次上がってきたことは事実でありますが、大体、数年間公益事業であるという理由でとめられておる。そうすると、他の自由に放任されておる方の物価は、今長官のおっしゃったように、生鮮食料品のごときは、時期的には非常な暴騰を来たしている。こういうものの調整について、一体どう考えておられるのか。お尋ねをする前に、私をして率直に意見を申し上げさしていただくならば、公共料金というようなものは、公平に見て、戦後著しく、公正なというか、調和のとれた上昇傾向が抑制されてきたように感ずるわけです。ということは、現に懸案になって、政府で御検討中の六大都市のバス運賃、これは東京都、その他私営、公営のものも含めてのバス運賃のごときは、長きは十年も上がってないものがある。しかも、その反面において、賃金というものは、やはり民間と公営企業とを比べますと、それぞれ上がる比率は違うが、相当に上がっている。そうすると、結果としてどういう問題が起こるかというと、サービスの面で詰められるものを詰めてしまう。そうすると、公共企業としての本来の使命の達成に支障を生じてくるおそれが出てきはしないかということを私は心配している。 さらに一般論として、これは私自身の意見でなく、権威のある一橋大学の中山伊知郎教授などに言わせれば、戦後の日本経済の発展というものは、ある意味においては公共料金の抑制によって、輸送の面で公共料金の価格を抑制することによって、日本経済が著しい伸展を見たといっても過言ではない。極端に言うならば、公共料金の値上げを抑制した犠牲において、日本経済が発展をしたといっても差しつかえがない。従って、これを調和のとれた日本経済というものを組み立てていく上には、ある時期々々には、公共料金というものはおくれながらもならしていってやらなければ、全体の発展というものは期待することが困難ではないか、こういう意見すらあるわけであります。最近の状況は、今石山委員の質問に対して長官が答えられたサービス料金の上昇というものが不当であれば、これは抑制されることは当然でありますが、逐次サービス料金が上がっていくし、またそれが上がっていくことについても、決して不思議でないような御答弁があったのですが、具体的な公共料金、東京都その他の市営の料金と民営の料金とも含めた問題について、その点ではどういうお考えを持っておられるか、お伺いをした上で、さらにお尋ねをしたい。
○宮澤国務大臣 地方公営企業法によりますと、地方団体の持っております、たとえばただいま御質問のございましたバスなどもその一つでございますが、その経営は、一方において独立採算制をとるという建前であり、他方において従業員の給与については、地方公務員の給与も参酌するが、同時に、同種の企業の同種の職種との権衡も考慮しろということになっているわけでございます。そこで、六大都市のバスについて検討をいたしてみますと、地方公務員の給与との権衡はかなりよくとれているようでありますけれども、民間のバス企業の従業者との給与の均衡というものは、少なくとも表面に見る限りはなはだしくとれておらないと申しますか、かなり荷いということが申せると思います。この点は、年令あるいは就業年数等も考慮いたさなければなりませんので、単純に比較をすることはできないと思いますが、そういう傾向がかなり顕著であるというふうには私ども考えておるわけであります。しかし、他方で、ただいま伊能委員の御指摘のように、中には十年間料金を上げなかったものがある。数年間は少なくとも据え置いておるわけでございますから、現実に給与が高いというこの給与を削減するということは、もちろんでき得ないことでありますし、また、それが将来に向かって漸増していくであろうということも認めなければならぬと思います。従って、数年間それを据え置いておるという状態は、概括的に言って自然な状態ではないということは、私どもそのように認識をいたします。ところで、他方で、わが国の現在の経済全体の動きを見ますと、先刻石山委員に申し上げましたように、消費者物価というものは、逐年、しかも月を追って上がっていくような、非常に憂慮すべき状態にありまして、しかも、その原因というものもかなり明確である。こういうことでございますから、何とかして消費者物価というものを安定をしたい。原因が明らかなだけに、その施策を講ずることによってこれはなし得ると思います。それによって、消費者が持っておる毎月物価が上がるというような不安を、一度は鎮静をさせなければならない、それが当面私ども一番大切だと思っておることなのであります。そういう時期に、そのことがなされない際に、いわゆる公共料金というものが時を同じくして上がってくる。上がらなければならない必然性は認めておりますけれども、時間の問題として、同じときにそれが起こるということは、国民の持っておる不安に拍車をかける心配があるというように考えるわけでございます。そういうような考慮から、六大都市のバスの料金値上げについては、しばらく待っていただきたいということを私ども申し上げておるわけでありますが、これは全般的な政策的な配慮からくることでありまして、六大都市等のバス料金を上げることがしかるべきことであるという内在的な理由を、私ども否定をするという考えでおるわけではございません。
○伊能委員 お話でよくわかるのですが、そうすると、私は前にさかのぼって申し上げ、お尋ねしなければならぬことは、すでに国鉄の運賃が最近に値上げをされてから二年も経過しておる。昨年問題になった地方鉄道の運賃並びにバス運賃も、同時にそういう問題が提起されておる。こういう際には、私どもとしては、総合的に公共料金というものを政府としては全体として見て、その上で適当な措置をとるべきだと思うのですが、一つ一つ各個ばらばらにお取り上げになる傾向があることを、従来実際として私どもが経験をしてきた。こういうところから、今最後にお話になったような問題が起こってしまうということを私は非常に残念に思うわけです。一昨年当時においては、物価の問題等についても、心理的にはいろいろな問題もあろうかと思うのですが、生鮮食料品とかいろいろなものが今日問題になっておるような事態ではなかったように思う。そういう際に、総合的に公共料金というものを取り上げないで、そうして一つ一つ各個ばらばらに取り上げるという結果をもたらし、過去においてもしばしば、行政の失態とは私ども申し上げませんが、取り扱い方についての欠陥があったのじゃないか。こういう点は、今後、物価安定の調整機関としての主務官庁である経済企画庁においては、特に御留意を願いたい。たとえば公営のバス料金あるいは軌道の料金についても、政府はこういうことを一般に示した。世論の指示があることが前提であるというのです。従って、民間の交通機関と違って、公共の交通機関については、まずその地域々々の世論の支持を得てくることが一番妥当だということで、それぞれの地域の町村会、市会、都議会においてこれを付議して、全体として了承を得て、都議会、市議会等の議決を得たものがすでに政府に出されておる。それは政府の当初の方針であった。ところが、そういうものが得られても、また一年以上もほうっておかれ、その間に物価が新しい状況において値上がりするということになると、そこで、悪循環になる。かたがた、ただいま御指摘のように、公営企業における職員の賃金というものが、民間のものに比べて高い。これは私どもよく知っております。歴史的にもよく知っており、現に東京都が一番大きな問題になっておるようでありますが、東京都のごときは、三十年ばかり前に、御承知のように、非常に他の一般の民営の交通機関に比して賃金が高かったから、あの当時全面解雇をやって、ストライキまでやった上で、二年たって採用をし直して、そうして三十年たつと、やはり他の民営のものと比べれば高いという状況にある。これはもちろん官民を問わず、それぞれの機関の経営の実情あるいは給与の状況によっても違うわけでありますが、いわゆるセニオリティ・システムなりもしくは企業の実態からいって、民営ではプロモーションのシステムが公営とはかなり違うのです。単に勤続年数というだけでなく、民営の大きな交通専業では、トラック、バス、タクシーといったようなものを総合的に経営しており、プロモーション・システムはそれによって違うから、同じ年限の者でも監督的な仕事の方へいく割合は多いわけです。そういうようなことから、長い間同じ仕事にいれば、どうしても賃金がそれだけ高くなってくるわけですが、逆に今度は、そういう原因で民営よりも高いから、どうもこういう時期に上げることは他の物価に影響する、そういうことだけで政策的にこの問題を取り扱われることは、賃金について石山委員からいろいろな御議論が出ましたが、われわれは別な観点から見ても、こういう取り上げ方で公営の交通専業のサービスが低下する結果になることは、これを利用する市民、都民あるいは町村民にとっても決して有利な態勢ではないので、今後はこういうものについては常に全体的な見地から見ていただきたい。一つの当面の現象をとらえて、それによって、これを今上げると心理的にさらに物価を上げることに大きな影響を与えるからというようなことに籍目して、長い間そういったものをとどめるということはどうも適当でない。一方かたがた、さいぜん長官の仰せのように、給与水準の引き上げというものは、政府においては、一般地方公務員との関連、同町に民間との関連を見ましょうが、しかし、地方の実情としては、一般公務員が上がれば、交通関係の地方公務員だって、必然的に国家公務員のベースアップに順応して上がるというところで、独立採算制といっても特別な待遇をするということは私は非常に困難だと思う。しかも、さらに極端に言うならば、政府のこの問題についての政策が一貫性を欠いておる。自治省のごとき政府の一角においては——明らかに公営事業では赤字が出る。全国で公営の交通事業で赤字を出していないのは名古屋だけであるのが、その名古屋市も現状においては赤字を出そうとしておる。せんだってまでは札幌の市の交通事業というものはどうやらとんとんでいったが、最近では赤字になってしまった。そういう状況であるにもかかわらず、赤字を承知で、政府の一角では公営事業を奨励するような指示をしておる。こういうことではどうも全体が一貫しない。この辺のところは、物価安定の主務官庁である経済企画庁においては、全体が公平な扱いを受けるようにという措置は、物価の問題と同時に、給与、賃金の問題、さらにサービス料金等の問題についてお考えをいただくのが、この際一番大切なことの一つではないか、こう思いますので、さらにこれらの点についての長官の御意見を伺いたい、こう思います。
○宮澤国務大臣 昨年私鉄の料金の値上げをいたしましたときに、もうすでに六大都市のバスの問題は確かにあったわけでございます。そのときに一緒に処置をすべかりしものではなかったかという点についてでございますが、その当時、これらの公営バスと競争関係にありますところの私営の民間企業としてのバス会社の経営状態を見ましたところが、必ずしも経営状態が悪くございませんでした。片一方は税金を納めておる。片一方は税金を納めておらない。しかし、その反面で、片方は不経済路線も走らなければならないというハンディキャップはあるわけでございますが、民間の企業が非常に経営が悪くなっておるというほどの資料が出て参らなかったわけでございました。従って、やはり競争路線にありますから、片一方が上がらない限り、片一方も上げ得ないという関係にあったであろうと想像いたすのであります。昨今は競争路線であるところの民間企業も、相当な苦痛を訴えてこられるような情勢であります。御指摘のように、これらの問題を一括してやはり処理をしなければならない、仰せの点は私どももそう思います。そうなければならないと考えておりますが、昨年の事情はそのような事情であったかと記憶をいたしておるわけであります。 で、ただいま伊能委員がお触れになりましたように、もし事実問題として、交通関係の従業者について、その給与を一般人会計の地方公務員とほとんど同等に扱わなければならないということが現実であるといたしますならば——私はほぼそれが現実であると思いますが、そういたしますならば、他方で、独立採算制というものをとっていくことがはたして可能であるかという問題があるわけであります。利用者の側から申せば、バスを利用する人々は、これは生活保護を受けておる人たちもございますし、いろいろな人があると思うわけでございますから、六大都市のような大きな財政規模を持っておる地方が、はたして交通会計の赤字をすべて交通会計の中で処理をしなければならないものであるのか、あるいは都民、市民等の一部負担において、租税等の収入において一部は肩がわりをしてやるべきものであるのか、その辺にも問題があるのではないかということを実は考えておるのでありますが、いずれにいたしましても、ただいま伊能委員の御指摘の点はまことにごもっともだと思いますので、今後そういうことを考えながら施策をやって参りたいと思います。
○石山委員 私は、長官、今みたいなときはむしろ物の値段が下がるというのが、自由主義経済としてほんとうの姿のように思われます。ほんとうからいえば、値段が下がらなければならぬでしょう。その要因の一つとしては、背伸びをしてつま先で立っている。やはり安定の方法としては——急速に安定しませんよ。これは皆さんが何ぼ物価安定などと言ったって、ここ二、三年はどんなことをしても日本の経済は安定しっこございません。それはつま先で伸び切っているからです。これを安定さすには、思い切ったデフレ政策をとれば安定するかもしれぬけれども、それじゃ世論は承知しないでしょう。ですから、なしくずしの安定策だと思うのです。だから、非常にいろいろな矛盾が起きてくるのですが、伊能委員が言うようなこともその矛盾の一つの現われだと聞いておりました。ただ、私どもの困るのは、せめて消費物価くらいは安定してもらわなければ、賃金をそんなに要求してはいけませんよなどと言っても、不安なものですから要求せざるを得ない。けさもラジオでやったのですが、質の変化で消費物価が高くなった。前にイワシを食った人がタイを食うからという言葉があった。けさのラジオはそうじやなかった。大根の話でした。前に二十五円だったものが二十八円に上がったという話でした。これは同じものだ。それから庶民階級の食べるものは、菜っぱや大根はそんなに変化しませんよ。大根を食う人は大根、ニンジンを食う人はニンジンなんだから、内容としてはそう変わらない。魚の方は変わるかもしれぬけれども。一般に賃金を論ずるならば、消費物価を安定さす——安定しないというのが私の意見でしたが、ですから、賃上げの場合には、そういう不安の要素がかなりはさまっていると思う。それから業者の、つまり、伊能委員の言われるような業者の中でも、政府の安定政策というものに信頼がおけない。だから、われ勝ちに少しでも早く、赤字の到来することがわかるわけですから、一日も早く赤字の処理をやってしまいたいという意見も出ると私は思う。政府としては、安定させるということは、今すぐといっても不可能だ。不可能だけれども、なしくずしでやっていこうとしているのですが、皆さんの方では、物価引き下げよりも、物価を少しずつ上げながら安定さす、経済の成長とマッチさせていくというやり方でしょうが、経済はこれ以上伸びないのだという仮定に立てば、これはどうしてもデフレ政策をとらざるを得ないと思うのですが、まだ伸びるから、物価も上がっていったってやむを得ないのだ——私はそういうふうに見ておるのです。経済が伸びるから、物価が上がるのはやむを得ないのだ、こういう腹じゃないのですか。
○宮澤国務大臣 大量生産の可能な製品、それから耐久消費財などを含めました工業製品でありますが、これにつきましては、逐年価格は確かに下がってきたか、あるいは価格が同一であるとすれば、内容的には相当向上したということでありますから、下がってきておるというふうに考えております。また、一般的な卸売物価についてもそのようであると思うのでありますが、問題は、先ほど申し上げましたような特殊な生鮮食料品に問題があるのであろうと思います。この点は、先刻申し上げましたことを繰り返すようでありますが、やはり需要の変化というものに供給面がすぐに対処していけないというところに、基本的な原因があると思いますし、さらにもう一つは、業としての農業というものが、その間に原価計算に入ってくるところの人間の労働力、これがサービス料金の値上がりによってより高く評価されるようになる、この部分だけはやむを得ないと私は思いますけれども、しかし、もっと供給をふやすということは可能でありますし、また国としても、出荷、流通、貯蔵、配給等にさらに配慮を加える余地があるわけでございますから、生鮮食料品だからといって、どんどん上がっていってもしようがないのだという種類のものではないと思うわけでございます。そういうふうに考えますと、サービス料金の値上がり、人間の労働の対価が上がるということは認めるといたしまして、それ以外の、ことに工業製品などについては、これから上がっていくということは、私どもそれが自然の姿だというふうには考えません。若干は物価が上がってもいいから、経済が成長していく方がいいのだ、経済が成長することはいいことでありますが、その間物価が上がっていくということは容認するのだというような考え方ではございません。ただ、もし今の姿で、わが国の経済が拡大再年産でなく、単純再生産の姿になれば、これは新たな投資意欲というものは起こらないわけでございますから、そこで均衡すると考えるべきでありましょうが、拡大再出産にやはり進んでいってもらいたい、こういうふうには考えております。
○石山委員 私、経済にはしろうとですけれども、日本の経済の首脳部は、冷静なる数字よりも、勘でいろいろなお仕事をなさったと思うのです。その勘をまた池田内閣はあおって、高度経済成長というようなふれ込みでやったと思うのです。われわれしろうとでさえも、そんなことをやっちゃあぶないぞと言ったんですよ。今にひどい目にあうんだと言っていた通りにやっちゃったわけですが、この勘を皆さんの方では抑制できなかった。勘と意欲ですね。人よりもおれの方はよけいつくってもうけてやる、その意欲を押えることができなかった。今度おつくりになるこの委員会ですか、国民所得勘定何とかいう、私はこれは賛成なんです。なぜかというと、数字を持たないでやみくもに走って歩く経済界よりも、やはり一定の正しい数字を見つめながら——われわれがあまり理屈を言うと、また官僚統制だの、経済統制だの、社会主義経済だの、何のかんの、いろんなことを言うけれども、もうそういう時代は過ぎたと思う。数字を持たないで、もうけたいという意欲だけでやっていく、今まではそれでよかったと思う。しかし、ヨーロッパの経済、アメリカの経済を見ても、一人抜けがけの功名をというような時代は過ぎた。それからもう一つ、 これは雑誌「世界」にも出ておって、東京銀行の頭取さんなども言っているのですが、防御費がだんだんかさんできている。そういうネックが現われてきているでしょう。だから、よほど上手に日本の持っている資源というもの、金というもの、人間というものが——上手にという言葉が今回ほど求められる時期はないと思うのです。今までは力でどんどんやる。それぞれの能力、金のあるやつは金のあるやつでやったわけだ。それでばらばらに伸びちゃった。それを何とかして、伸びたままの格好を結ばなければいかぬわけでしょう。めいめい勝手に伸びたやつを結ばなければならぬ。結ぶためには、いろいろな知恵をお互いに働かせて、うまく結べば、日本の経済は次の段階で大きく伸びるでしょう。それがそうでなくて、だめだからといって戦線を縮小して結ぶのではなく、扇に結ぶ、伸びていったのを近く結ぶ、簡単に言えば、そういう結び方もある。デフレ政策をとるというけれども、そういう結び方をしたのでは、今までの努力はほんとうにもったいなかった、精神教育みたいな、ああいうことをやるべきでなかったというぐらいのことになっちゃう。そういうことを十分お考え願いたい。あれもいけない、これもいけないというふうなやり方ではなかったはずなんです。今回も、私は、やっぱりそういうふうな意味で、そっち向きになって話したのですが、賃金というふうな問題も、そこに中心を置かないで、金をやらなければ使えないのだし、使えなければ物価が安定するだろう、こんなばかな政治というものはだれでもやれるんだ。それは明治末葉、大正初期くらいのものの考え方、政治のやり方だと思うんですね。そういうことでないように、一つ工夫していただきたいと思います。 この法案自体については賛成でございますけれども、そのやり方について一言だけ申し上げたい点は、御指名になり委嘱される先生方がみんな有名人でございまして、変わりばえがしないということです。一体あの先生たちそういう仕手をたくさんやっておられて、まあよくやるもんだなと思うのですけれども、今度御指名委嘱される先生方も、大体われわれの覚えているような人がまた上がってくるのじゃないかと思うのですが、なるべくそうでなくして、この統計の場合は特に新しい分野の開拓になると思います。政府がせっかく新しいことをおやりになるのですから、その部分の若い学者先生をこの機会に育てる意味でも、在来の考え方で委員を委嘱なさらないように工夫をこらしたらどんなものか。統計の学者は偉い学者がいるので、すぐわれわれもわかるわけなのです。そういう人ももちろんよろしいのでございますけれども、最近いろいろな部門で、新しい傾向で統計学を見ている少壮の先生たちがたくさんおるようでございますから、そういう人たちも登用してみたらどうかと思うのですけれども、どうですか。
○宮澤国務大臣 扇のお話がございましたが、確かに扇を三つくらい集めるとパイになるわけでございますが、私どもはそのパイをなるべく大きくしていきたい。つまり、内円で均衡をはからずに、できるだけ大きな外円で均衡をとっていきたいと考えております。そのためには、やはり最初に申し上げましたように、国民消費というものは経済を大きくする基本でありますが、ますますその割合が大きくなっていくと思いますから、そういう意味では、給与というものはだんだんに上がっていくことが好ましい、政策からもさように考えるわけでございます。 それから国民経済計算審議会でございますが、御指摘の点は十分留意をいたします。やはりまとめていただくためには、何人かの経験、学識等著名な方を必要とはいたしますけれども、この審議会の仕事は、相当煩瑣なかつ実務にわたることでございますから、お名前だけを出していただくというわけに参りません。そういう必要もございますから、少壮の、実際に意見を持ち、仕事をしていって下さる方に、できるだけ委員になっていただきたいと考えております。御指摘の点は、人選をいたしますときに十分注意をいたします。 ————◇—————
○永山委員長 次に、通商産業省設置法及び中小企業庁設置法の一部を改正する法律案を議題として、質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、これを許します。田口誠治君。
○田口(誠)委員 まだ大臣がお見えになりませんので、一応提案の内容の範囲内で、次官に御質問を申し上げたいと思います。 まず第一点に、御質問申し上げたいと思いますることは、今度の改正の第一の要点としておりますところの石炭対策の大綱についての点でございます。これにつきましては、本省の付属機関として臨時石炭対策本部及び石炭対策連絡協議会を新設するということでございまするが、この文面だけでは内容的にわかりませんので、その構想の外郭を御説明いただいて、そうして次の質問に移りたいと思います。
○廣瀬(正)政府委員 石炭対策につきましては、臨時石炭対策本部と石炭対策連絡協議会を新しく設置するということになっておるわけでございますが、対策本部につきましては、福岡に置くようにいたしておるわけでございまして、福岡には石炭対策についての各官庁の現地の機関があるわけでございますけれども、この連絡を最も緊密にいたしまして、石炭対策の事務の処理を敏速にしかも効率的にいたしたいということで、出先官庁の連絡機関といたしまして、そのような本部を置くわけでございます。そうして窓口が一本になるわけでございますから、利用者の側におきましても、一本の窓口を通じまして最も利便に利用ができるということになるわけでございまして、つまり、石炭対策の閣僚懇談会に参加いたしておる大臣を持っております役所の出先の関係の機関を一本にいたしまして、連絡をうまくするというためにつくりました機関が本部でございます。しかし、役所だけの連携ではスムーズに仕事が参らない面があるわけでございますから、これに関係のあります民間の機関と申しますか、石炭関係の四つの業団あるいは金融機関があるわけでございまして、国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫、商工中金、それに開発銀行というような四つの金融機関、それから地元の関係の県、具体的に申しますと、福岡県、熊本県、佐賀県、長崎県というような関係の地方機関、こういうようなものと協議を進めて参りまして、うまく石炭対策を推進していきたいということで、連絡協議会というものをつくろうとしておるわけでございます。
○田口(誠)委員 それで、この臨時石炭対策本部というのは、先般来問題になっておりまして解決をいたしました、おもに九州、北海道の炭鉱の問題を考えられての本部であるのか、その他の地域にあります炭鉱も含めた本部であるのか、この点が、この提案書の内容を見ますと、それぞれ地名が書いてありますので、何かそれに偏したような感じもいたしますので、通産省としてのお考え方はどういうお考え方であるのか、この点も一つ明らかにしておいていただきたいと思います。
○廣瀬(正)政府委員 対策本部は、九州だけの炭鉱に対する石炭対策の推進の機関でございます。
○田口(誠)委員 本部の構成はどんな範囲でございますか。
○渡邉政府委員 臨時石炭対策本部の構成でございますが、専任を三名置きまして、そうして関係各省から兼務の者の協力を受けたいというふうに考えておるわけでございます。労働省、大蔵省、建設省、運輸省、郵政省、自治省等から兼務の者、そして福岡の通産局が全面的に臨時石炭対策本部の仕事に協力いたしまして、できるだけ簡素な、しかも強力な機構で問題を処理したいというふうに考えているわけでございます。
○田口(誠)委員 石炭対策連絡協議会の構成メンバーですが、これもどういうところからとられるのか、単なる学識経験者という面からだけで構成されるのか、炭鉱の労働者なり経営者なり、あるいはその土地の自治体なり、そういうものを含めて構成されるのか、その点を少しはっきりしておいていただきたいと思います。
○渡邉政府委員 協議会は、臨時石炭対策本部長、本部の部員、福岡通産局の石炭部長、鉱山部長が出席しますほか、委員として次のような機関の九州における代表の方に御協力をお願いしたいというふうに考えております。まず石炭関係の事業団といたしまして、石炭鉱業合理化事業団、産炭地域振興事業団、雇用促進事業団、鉱害復旧事業団等でございます。次に金融機関の関係といたしまして、開発銀行、中小公庫、商工中金、国民金融公庫等の代表の方の御協力をお願いいたしたいと思います。なお、地方公共団体の関係といたしましては、北九州産炭地域の各県及び主要なる市町村等の関係の方にも随時御協力をお願いしたいと考えております。
○田口(誠)委員 炭鉱の労働者の代表というのは入らないのですか。
○渡邉政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、特に学識経験者等の意見を聞くという機関としてよりも、むしろ実施にあたりまして実施に関係のある各機関の代表者のお集まりを願って、この実施事務を円滑にしていきたいという趣旨でございます。従いまして、学識経験者あるいは経営者または労働者の代表というものをこのメンバーとしては考えておらないのでございますが、労使の意見は合理化審議会、産炭地域審議会等で十分拝聴をいたしまして、この連絡協議会には当然反映をして問題の処理をしていきたいということを考えております。
○田口(誠)委員 本部と連絡協議会との関係でございますが、連絡協議会でいろいろ結論を出されたことを参考に、通産省としてそれぞれ諸施策を講ぜられると思うのですが、そこで、対策本部というのは、やはり直接にはあまり関係を持たないのか、対策本部としても、この協議会の中へ入っていって、そして全般に対するところの必要事項を協議して結論を出すのか、この辺のところを明確にしていただきたいと思います。
○渡邉政府委員 臨時石炭対策本部と協議会は、ただいま御指摘のございますように、当然密接な関連を持ちまして事務を進めていくわけでございまして、石炭対策連絡協議会の庶務は臨時石炭対策本部で行なうようにいたして参ります。同町に、協議会には臨時石炭対策本部長及び本部員は常時出席いたしまして、その間の連絡に遺漏のないようにして参りたいというふうに考えておるわけでございます。
○田口(誠)委員 これは必要なことであろうと思うので、私は突っ込んでお聞きするのですが、従来、協議会とか審議会とかいうのは、非常にたくさんできておりますけれども、その中には有名無実なものも——大半が有名無実になっておるわけです。真剣に国会で取り組んだ石炭対策に対するところの協議会でありますから、有名無実というようなことには絶対にならぬとは思いますけれども、しかし、これは毎月持つとか、あるいは三カ月に一回持つとか、周に一回持つとかいうような、何か運営要綱ができておると思うのですが、こういうものなしに、適宜に適切にというような考え方でこの協議会を持とうといたしますと、やはりその他の審議会なり協議会と同じような結果を生むであろうということが心配なので、そうした運営要綱というようなものを、できておれば一つ、その内容の全部でなくてもよろしいけれども、必要な個所だけ発表しておいていただきたいと思う。
○渡邉政府委員 ただいま御指摘の点でございますが、御承知のように、炭鉱の調査団の答申にもございます問題が山積しておるわけでございますので、連絡協議会もできるだけひんぱんに開催しまして、問題を処理していくわけでありますが、ただいまのところ、正式の会議といいますか、これは少なくとも毎月一回、その正式の会議の準備としまして、個々の問題を処理するための会議は、もう非常にひんぱんに開くことになろうと思います。これは、石炭問題が御承知のような非常に大事な段階でございますので、有名無実になるようなことはもちろんないようにいたしますが、非常にひんぱんに、また敏速に問題を解決しますように、運用には十分気をつけて参りたいと思っております。
○田口(誠)委員 この連絡協議会というのは、およそ何年間という期限が別にございませんが、本部の方は臨時ということになっております。それから審議会なり協議会が提案される場合には、二年間とか三年間というような提案があるわけなんですが、この石炭対策連絡協議会の場合には、全然そういう期限が提案の内容に入っていませんが、この辺の関係を一つ聞かせてもらいたいと思います。
○渡邉政府委員 石炭対策本部も石炭対策連絡協議会も五年間でございます。正確に申し上げますと、四十三年の三月末までということでお願いしておるわけでございます。
○田口(誠)委員 名称をそうごたごた言うつもりもございませんが、臨時石炭対策本部というと、全く臨時のような感じがするのです。それで、五カ年という一つの目標期限があれば、一応こういう期限を明確にされておくべきであろうと思います。しかし、問題が問題であるから、目標は五年であるけれども、五年より長くなるというようなこともあり得るという考え方から、臨時という名称をおつけになったのなら、これは私はいいと思いますけれども、五年間という一つの目標があるのに、全く臨時というような、いわゆる常識でいう臨時対策というようなことになりますと、これは何だかあまり力が入っておらないような感じを受けるわけなんです。石炭の問題だけは、これは政府もそうでございますし、与野党ともに真剣に取り組んで、長時間をかけて審議をし、結論を出したものでございますから、おそらく本部のいろいろなお仕事も、それから連絡協議会の仕事もきわめて重要であろうと思いますし、やはり一つの目標を立ててやらなければならないと思うのですが、そういう点から、私は何だかあまり重要視されていないような感じが、この名称からも出てきていると思うので、そういう点についての補足的な説明がございますれば、一つ承っておいて、こういう重要なものであるという認識を、私どももやはりここではっきりと聞いておきたいと思う。 〔委員長退席、内藤委員長代理着席〕
○渡邉政府委員 ただいま御指摘の名称の点及び重要度の認識の問題でございますが、臨時石炭対策本部、臨時という名称は、私どもの考え方は、石炭問題を何とかなるべく早く解決をして安定をさせたい、目標を五年間ということが答申等にもあるわけでございますが、五年間に何とか石炭鉱業を安定させたいという強い意欲が、この臨時という言葉で表現されておるというふうに考えておるわけでございます。 石炭対策協議会の方は、名称の点、確かに御指摘のように、両方平仄が合わないではないかという問題があろうと思いますが、これは、炭鉱調査団の答申が、臨時石炭対策本部及び石炭対策協議会という答申がございましたので、それを忠実に反映しまして、こういう案を提案申し上げたわけでございます。
○田口(誠)委員 そこで、るる御説明をいただいておるわけなんですが、当面取りかかる仕事としては、順序といえば、こういう問題は語弊があるかもわかりませんけれども、当面今取りかかる問題としては、何に取り組むということですか、本部として。
○渡邉政府委員 当面とりあえず着手する問題といたしましては、産炭地域振興の問題、産炭地におきまする石炭問題、特に閉山、合理化整備を行ないます際にとります雇用対策、鉱害対策等の問題を、現地の実情に即して円滑に解決して参りたい。ただいま申し上げたような問題が、対策本部及び協議会等の当面の着手する問題になろうかと思います。
○田口(誠)委員 大臣がお見えになりましたので、ここではっきりと確認をしておきたいと思いますが、先般国会を通過いたしました石炭対策のあの内容に即して、あれを推進するために、やはり今の本部を設け、あるいは連絡協議会でいろいろと検討をして成果をあげる、こういうことに全くほかならないものであるかどうか、これは横道されると困りますので、その点、大臣の方から明確にお答えをいただきたいと思います。
○福田国務大臣 ただいまの御質問でございますが、今仰せになった通り、今度法案が通過いたしましたが、まだまだ法案はほかに引き続き出しておるものでございます。これらの諸法案の円滑な実施ということが目的でございまして、特に筑豊地区を取り上げたのは、何といってもあそこに問題が多いからということで、これは田口先生もおわかりの通りだと思います。それにまた、石炭対策本部をつくりました意味は、やはり出先々々におきまして——労働省関係にしましても、あるいは自治省にしましても、あるいはその他財務の関係にいたしましても、いろいろ出先機関があります。出先機関同士で、一ぺん雇用の関係などで相談してみて、これは本省に持っていってはどうだろう、持っていかぬでもできるじゃないかというような問題もあるかもしれない。また、本省に持っていく前に一応話をつけて、大体これでこちらとしてはまとまったということになると、本省にきてからの話も割合に順調に進みやすい。それから、たとえば通産省の本省でこういうようにしたと思いますと、労働省にしても、あるいはその他の役所にしても、関係省にみんな通産省から話を持っていく。そうするとまた、労働省の方も出先の機関に、これは一体どうだろう、いいか悪いかというようなことを聞きにいきますと、事務が非常に長く時間を要するということになって、緊急に問題を処理しなければならない重要問題の処理が非常にやりにくいというか、おくれるおそれがある。そういう意味からいえば、どうしてもやはり石炭対策本部というものをつくって、産炭地振興の問題でも雇用対策の問題でもどんどん処理し得るような仕組みにしたいというのが、われわれがお願いをしておる趣旨でございます。連絡協議会の方も同じでございまして、やはりその地域における関係の人が集まって、実態に即した意見を一応考えていただく、こういうことにいたしますことが非常にいい。政府関係以外のものも含めて十分その効果を上げるには、そういうものをつくっておいていただいて、適時適切にお集まりをいただいて、お話をしていただく方がいい、こういう意味合いから、実はこの連絡協議会を設けることにいたしたわけであります。これはほんとうを言えば、できれば全国の産炭地はどこにでもつくった方がよろしいのでございますが、しかし、何といっても一番の中心地が筑豊であるという意味で、まずここに一つつくっていただくようにお願いをいたしたわけでございまして、よそを無視するとか、よそはどうでもいいというような考えではありません従いまして、名前はできなくても、たとえば北海道なら北海道の局長は、これに準じて、官制はないまでも、こういうような考え方で、やはり人に集まっていただいて、相談をし、また連絡もとる、こういうふうなやり方で行政の指導をしてよろしい、こういう考え方を持っておるわけでございます。
○田口(誠)委員 この法案が通りますれば、すぐ作業にかかるということになるのですが、おそらく石炭対策本部の人選は構想にあると思います。協議会の委員の候補は、先ほどは、地域からあるいは自治体からいろいろ出てもらう場所をお聞きをしたわけなんですが、大体その委員の構想はもうお持ちになっておられるかどうか、この点をお聞きしておきたいと思います。
○渡邉政府委員 連絡協議会の構成は先ほど申し上げましたが、金融機関について申し上げますと、九州地区の支店長、関係事業団は九州地区の支部長等、先ほど申し上げましたような機関の長で構成さしていただきたいというように考えております。
○田口(誠)委員 ただいま大臣の方からは、とりあえずこの提案されておる地区を対象に、この本部で相談し、あるいは協議会で検討するのであるけれども、全国至るところに石炭の山があるわけなんですから、そういうものもやはり頭の中に入れていろいろと検討をするんだというような意味のことをおっしゃったように受け取っておるわけなんです。ただ、今いろいろと問題になっておりますることは、石炭でなしに、亜炭業者が非常に不況になっておるわけなんです。従って、この亜炭の山も、十分なる災害対策の施設ができておらぬために、山が埋まって負傷人なりあるいは犠牲者を出すということが年々相当にあるわけなんですが、こういうものもやはり通産省の方ではあわせて考えていただいてあろうと思うのです。従って、ただいまの連絡協議会は、主としてはこの法案に規定されておる地域が対象であるけれども、そうした面についても頭の中に入れて、そうして議案に乗せる場合もあり得るというように考えておるわけですが、もし違っておれば、そのようにお答えいただけばよろしゅうございますし、もし他のものが対象にならないとするならば、他の山はどうするのかということが、ここにやはり隘路として出てきておるわけなんです。この点についても一つ御意見を承りたいと思います。
○福田国務大臣 私が先ほど申し上げましたのは、今度のこの協議会その他は筑豊地区につくりまして、その地域の問題を処理するわけです。あなたから、それでは北海道はどうするのだというような御質問があるのを先回りしてお答えしてしまったようなわけなんですが、北海道とかあるいは茨城というような方面にもあるがどうだというようなことも考えまして、その場合には、それぞれの局が中心になってこの問題を処理していきたいということを申し上げたつもりでございます。そこで、ただいま亜炭の問題が出たのでございますが、亜炭の問題もなかなか問題であります。特に私の承知しておるところでは、中部地区を中心にしてなかなか問題もあるわけでございますので、これはうちの通産局がそれぞれ各地に置いてございますが、名古屋にも通産局がありまして、名古屋の通産局長から、私、実はこの前行ったときに、二度ばかりお伺いしておりますが、そのたびに亜炭業者の問題についていろいろ話を聞いております。そうしてこれは通産局としてのやはり一つの重要な問題として、本省としては、その問題についてもいろいろの施策を十分研究して、適切な方途があればやるようにということを考えて参りたいと思うのでありまして、直接石炭と関連してではございませんけれども、十分この問題もわれわれとしては処置して参りたい、こう思っておるわけであります。
○山内委員 関連して。私、ちょっと、今の質問と答弁の間で、若干掘り下げてお聞きしておく必要を感じます。この設置法は、ほんとうは一日も早く通してあげたいという気持はあるわけです。そこで、ちょっと時間の節約の意味で、一つお聞きしたいのです。 この臨時対策本部、協議会を設けるに至った基礎になっております調査団の答申というものを、実は私は目を通しておるわけです。ところが、この調査団の答申に基づきますと、そう通産省、大臣のお考えになるような軽い意味でこの本部や協議会をつくったものとは、この文章からくみ取れないわけです。ちょっと読んでみますけれども、この「臨時石炭対策本部の設置」という項に、「石炭問題、特に、企業が閉山および合理化整備を行なう際生ずる雇用対策、鉱害対策、産炭地域振興対策その他の諸問題を現地の実情に即して、迅速かつ適確に処理し、具体的、計画的な石炭対策を円滑に行なって行くため、当面九州に臨時石炭対策本部をおく。」、私は、これはどういうことを考えているか、短い文革でありますからわかりませんけれども、このあげられている個条項目というものは非常に広地なものです。そして深いものです。ところが、今そちらの御答弁によりますと、本部は三名で構成する。なるほど、そのほかの関係機関との協力を求めながら、三名でやる。三名というこの本部の構成は、この会議を一ぺん開くための招集の事務的なものよりできない。それも三名ぐらいでできるかできないか。毎月協議会を開きたい、あるいは本部との連絡もとりたいというのであったら、三名でもってやるといったら、事務的な処理もできないじゃありませんか。そういう意味で、はたしてこれは親身にこの調査団の答申通りおやりになるつもりなのか、こういう答申を得たものをやらないわけにいかない前後の関係から、形式的に置いたのか、私はそういう疑義を持たざるを得ないのです。もう一ぺん大臣の御答弁を願いたい。
○福田国務大臣 今三名とおっしゃったのは、専任職員を三名置くということについて、その程度ではという御質問かと存ずるのでありますが、御承知のように、専任を置いたならば専任だけしか仕事をさせないかというと、そういうわけではございません。特に私、今度局長が赴任するときも、この間更迭のときも言ったのでありますが、九州は石炭は非常に重要である、従って、重点をここに置いて、君はこの問題を処理する覚悟でなければいけないということを、特に申し添えておったくらいでありまして、従って、通産局の中において、私は必要があれば——必要があればというのはあるいは言葉が足りないかもしれませんが、必要に応じて十分それに見合うだけの人を、ほかを少し割愛しても、そこへ人を集めてやってくれると私は思う。ただ、問題は、こういうふうに三名とかなんとかいうのは、御承知のように、定員をふやすということは大へんな問題でございまして、あまり人をふやさないようにということで予算の折衝等もいたしておりますので、そこで、一応この程度にいたしたわけでありますが、われわれとしては、実際の実務に当たる場合においては、もっとこれを充実して、今調査団が言っておられるような重要な問題を迅速に処理するように、監督といいますか、行政面で指導をいたして参りたい、かように考えておるわけでございます。
○山内委員 そういうことであったら、これは出先の通産局長に責任を持たせてやられた方が、私はいいと思う。かえって、本省の直接の付属機関として、大臣が直接責任を負わなければならぬ。しかし、実際は九州でこの仕事をやるわけです。その辺の調整というものは、私はどうもちょっと理解できないのですが、この点についてお伺いしたい。
○福田国務大臣 事務の方から御説明が十分いっておらないかと思うのでありますが、通産局長が本部長になるわけでございます。従いまして、私は、今仰せになったような不便はなかろうかと思っておるのでございます。
○山内委員 通産局長が本部長になるということは、それはさっきもお話があって、私も知っておるわけです。しかし、この三名というものは、本省に置く人なんですか、向こうへ配置する人なんですか。そして向こうの機関として——局長が本部長をやったからといって何も向こうの機関でなくていいということでもないのだし——しかし、これは大臣の直属の付属機関になるわけでしょう。そこを聞いているのです。局長に責任を持たして、局長の権限で、向こうにやった方が、かえって人員の融通といいますか、使い方でも何でもできるけれども、これは、本部長はこの本部の会議に出席するだけの本部長でしょう、そして議長を務めるということなんだろうと思う。そして、その事務的なものの定員として三名配置しただけでは、かえって局長の権限というものをとってしまうような印象を私は受けるわけです。その辺の説明をもう少し——大臣直接の答弁でなくてけっこうです。
○福田国務大臣 考え方の問題でございますから、私からお話しいたします。 その場合におきまして、確かに通産局長が本部長を兼ねますが、出先機関の長はそこへ入ってくるわけです。そこで、そういうふうにいたします理由は、通産局長だけで一応立案いたしますと、よその省に関係があることでも、行政の建前上、そこでは一応相談はしないことになっております。そうすると、通産局長から本省の石炭局へ来ます。石炭局から今度私のところへ上がってきて、そして、それはそれじゃ労働省と協議したらよかろう、あるいは自治省と協議したらよかろうということで、また自治省へ行く、労働省へ行く。労働省は、また現地の労働省の出先機関へ出して、どうなったこうなったと聞いていきますと、いわゆる迅速に問題の処理ができないのではないか。そこで、そういうような場合におきまして、出先で一応そういう協議機関をつくって、これは協議機関で話がついておりますということで、今度は通産省の方へ上がってくれば、そのことを連絡することによって、そういうようなあまり煩瑣な手続もなくなるのではないか。そこら辺のところが一番大きなねらいであると私は思うのです。やはり出先同士がみな仲よくやっておりませんと、何だ、あれが言ったからといってそうはいかぬというような話になって、あれが言ったなら反対だというような場合も、間々あり得るのであります。そういうことのないように、現地でみな知っている人が、なるほどもっともだ、こうした方がよかろうということになったら、そこで、これでまとまりましたから一つ、こう持ってこられれば、話が早くいく、こういう意味を含めておるわけでございます。
○山内委員 大臣のそういうお考えもわからないではありませんが、私としては、いかに増員困難な時代といえども、こういう大事な仕事をやらせるのに、これくらいのことでは事務的な処理よりできないと非常に心配を感ずるので、一つ十分に機能を発揮していただきたいと思います。 それからもう一つ、この協議会の方に各種事業団の協力を求めておられますが、こういうことは、かえって大臣の考えておることに逆の効果を生むような——利益の多い経営者のまじっておる事業団を入れるということの考え方はどうですか。
○廣瀬(正)政府委員 その場合の事業団と申しますのは、石炭関係の、政府が公につくっております雇用促進事業団でありますとか、石炭鉱業合理化事業団でありますとか、産炭地域振興事業団でありますとか、あるいは鉱害復旧事業団でありますとか、この四つの事業団でございます。
○山内委員 大臣お急ぎになるようで、関連質問ですから、また他日質問をいたします。
○田口(誠)委員 大臣お帰りになるさいそくが来ておりますので、お聞きしたいことがありますけれども、この次のときに譲りますから、どうぞお引き取り下さい。 そこで、今の関係、もう少し深い内容に入る点は、大臣のお見えになるときに御質問申し上げるといたしまして、ちょっと上すべりになりますけれども次へ質問を移したいと思います。 この提案説明の、設置法改正案の第二の問題でございまするが、鉱山保安監督署を置くことができるものとするということですが、これは今度は監督署を置くということなんですね。
○八谷政府委員 お答えいたします。 これはただいまお話がありましたように、鉱山保安監督署を置くということでございます。従来派遣班という形で、内部機構といたしまして、全国、特に北海道、九州の産炭地域で、災害の多い地域でございますが、北海道に四カ所、九州に五カ所、合計九カ所の派遣班を置いておったわけでございます、これをはっきり監督署というものを設置いたしまして、実質上昇格のような形になりますけれども、そうして効果的監督に資したい、かように考えるわけであります。
○田口(誠)委員 それはけっこうなことだと思いますが、どのくらいな員数を配されるのですか。
○八谷政府委員 ことしの一月末で、この九カ所で七十名配置いたしております。さらに、この三月末あるいは四月の初めにかけまして、全部で一応百名まで持っていきたいという考え方を持っておるわけでございます。これは昨年と今年度でございますが、監督官の定員の増を四十名と二十名、合計六十名認められたわけでございまして、人員増加があったわけでございます。そのうち二名を除きまして、その残りは全部、すなわち、五十八名は九州と北海道に配置することにしたわけでございます。しかも、それは今度お認めいただければ監督署になるわけでございますが、監督署員としてこれを配置していく、かような考え方でございます。
○田口(誠)委員 監督署の監督官の不足が今までございましたが、今度定員を大幅に増員されるということでございますので、相当の監督の強化がされると期待をいたしております。監督官はふやせば十分に監督もでき得るというように考えられるわけなんですが、今までの監督上いろいろ注文が出ておりますね。こういう注文を、この際監督署を置くということと定員をふやすということで、十分に消化でき得るという自信の提案であるのか、まだまだ今後こうしなければ、山元からいろいろと要望されておることに沿うことができないのか、この点もやはりはっきりしていただきたいと思います、私どもとしては、鉱山の保安行政は、これはほんとうに十分な定員を持って保安の安全を期していかなければならないと思いますので、この点には非常に大きな意を置いておるわけなんですが、そういう意味におきまして、今までいろいろと注文をつけておりますことが、今回の監督署を置き、それから定員をふやすことによっても完全に消化されるものかどうか、今までの要求がこれで貫徹されるものであるかどうか、こういう点について、一つ明確に御答弁いただきたいと思います。
○八谷政府委員 私、鉱山保安局長といたしまして、こういう制度をとったら完全に満たされるかということは、責任者といたしましても、なかなかお答えしにくい点もあると思いますが、要は、保安の確保のやり方というものは二通りあるかと思います。一つは、監督を厳重にやっていく、関係法規の整備等もはかっていく、そういういわゆる監督行政の強化でございます。それから一方におきましては、それを受けるいわゆる炭鉱、鉱山側の自主保安体制を確立していくということが一番必要ではないか、かように考えるわけでございます。毎日ついておるわけではないわけでございまして、私どもは再三——中央鉱山保安協議会、これは労働組合、中立委員並びに経営者の委員同数で三十九名で組織されておりますが、この中央鉱山保安協議会を開催し、また、その下部機構といたしまして、随時基本問題委員会というのを開いておるわけでございますが、そういう中でも、山に監督官が駐在するくらいになったらどうかというような希望もあるわけでございます。しかし、これはとても各山にすべてに駐在するということはできないわけでございまして、再三監督をやって、特に保安の悪い山には重点的に保安の監督を強化していくということで、こういう一つの監督署という現地のたまりを置いて、ここを強化してというふうにやったわけでございますが、先ほども申しますように、鉱内条件と申しますのは日々変化をいたしております。地上産業と違いまして、地上産業では一つの保安機器、また保安管理をやりますと、それがある程度の持続性を持っておるわけでございますけれども、きのうの作業場、きのうの切羽ときょうの切羽は、すでに相当変化も来たしておる。そういうような断層、褶曲等の地質条件の変化等からいたしましても、非常に目の離せない監督になるわけでございます。そういたしますと、一方において、自主的に鉱山経営者と労働者とがよく協力しまして、保安を確保していく自主保安体制の確立が必要ではなかろうか、かように考えておる次第でございまして、この監督の強化の面とあわせまして、先ほど申しましたような協議会等もよく相談いたしまして、この関係の整備指導等を一方においては強化するようにしておる次第でございます。
○田口(誠)委員 山元で、自主的に労使が保安協議会をもって鉱山の保安確保に努力をしておるわけでございます。ところが、この協議会で労働者側の方から必要な発言が相当なされておるわけです。ところが、それがそのまま実行されておらないという面が非常に多いわけなんです。監督される方としては、こういう内容を十分に知っておられるのか。今度増員をされるのであるから、できればこうした会合には参考に出席をして、そこでいろいろと出される意見、討論される内容というものを把握されて、そして把握されたそのことが、監督行政の上にも大きく役立つ要素のものがたくさんあるわけなんでありますからして、まずここで私はお聞きしたいことは、今まで自主的につくっておるところの保安対策協議会の審議内容というものを十分に把握されておるかどうか。特に鉱山労働者側の方からの要求がどの程度満たされており、またそういう面を十分に把握されておるかどうかということです。 それから将来、やはりこの協議会の内容を知るために、係官を派遣して傍聴させるというようなことも、これは保安を維持する上においても、一つの監督行政をする上においても、大きく参考になる面もありますので、そういう必要があるということを私は考えておるのですが、その点についてもどのようにお考えになっておるか、御答弁いただきたいと思います。
○八谷政府委員 現場の労使の保安に対する協力機関であります保安委員会の見解につきましては、まことに先生の御指摘の通りでございます。この保安委員会の活動が十分でなければ、やはり自主的な体制の確立と先ほど私が申し上げましたことも、真の意味での確立がないのではないか、かように考えるわけでございます。従いまして、昨年の通常国会におきましても、私どもが通達——いろいろ処分事項がございますが、処分をいたします事項は、すべてこの保安委員会にかけていくということを一つ取りきめをやったわけであります。通知義務を課したわけでございます。それから保安委員会が従来でもやっていたことでありますが、月に一回は保安委員会を開かなければならないことになっているわけであります。保安委員会の議事録は必ず保安監督部局でこれをとるということにしまして、保安委員会でいろいろ討論されましたことを監督官といたしましても十分に知っておかないと、そこの生きた保安監督というものができないのではないか、かように考えまして、制度的にもさようなやり方をとるし、また、監督に参りましたときにも、その議事録等、単に報告をとっただけでは、その内容が十分に把握し得ないこともございますので、現場に行きましたら、監督官はその議事録等に基づいて、疑問の点等は現場と話し合うというようなこともやっているわけでございます。 さらに、将来の問題といたしまして、こういう委員会に監督官が出たらどうかということもございますが、これは一方においては、自主保安体制というのは、やはり自主的にやってもらうということが主要ではないかと思いまして、監督官等がこれに出るということは、自由な討議という面から考えますと、いい面もあるかもしれませんが、またマイナスの面というか、いろいろ十分な発言をしていかないというようなことも考えられるわけでございます。しかし、私どもとしましては、事保安に関しましては何を隠すというようなことがあってはならないと考えるわけでございます。それで、監督官も自由にこれに列席して、参考意見を述べるということもあって差しつかえないんじゃないか。しかし、これはあくまで労使双方で話し合いをされて、今度はこういう議題で行なうから、監督官は出ないかというような要請がございますれば——こうやって現地機関を拡充するわけでございますので、監督官としてもいろいろ注文もありますし、またお願いしたい点もあるわけでございますので、この点は私ども十分に現地を指導したいと考える次第であります。
○田口(誠)委員 私は、監督官を出席させて発言させる云々ということでなしに、十分に内容を把握してもらうということから申し上げたのです。議事録は必ず提出するということになっておりますが、しかし、前にやったことが実行されずに、また次の協議会でその話が出る、同じようなことが何回も繰り返されておる場合があるわけなのです。そういう場合に、議事録が提出されれば、その項について、事業主の方に対して、また労働者側の方に対して、いろいろと要請をしたり、勧告をするようなことがあってしかるべきだと思うのですけれども、重要な点についてそういう面が欠けておる。従って、速記録というものは出すことになっており、一応目を通すということにはなっており、目は通すであろうと思うけれども、完全にそれが監督行政の上で消化されておらないという事実から、私はただいまのようなことを申し上げたのであります。十分に消化されておるということになれば、私は言う必要もございませんけれども、監督の衝に当たる監督官同士が、それぞれの山元からいろいろの保安に対する委員会の議事録が送られて、それを見たような場合には、やはり監督官同士が検討し合って、研究をし合って、監督行政に移すというような一つのシステムができておるかということ、この点も伺いたいと思うのです。というのは、くどく申し上げるようですけれども、労使がいろいろやりまして、そうして労働者側の方から意見が出される。ところが、次にまた委員会を開いたときにも、同じような意見が出る。こういうことがそのまま報告されておっても、何らそれに対するところの手が打たれておらないところもあるわけなんです。従って、私は全部とは申しませんけれども、そうしたところも相当あるわけなんですから、監督の衝に当たる人たちが会合を持って、お互いにその議事録を参考に検討し合う、研究し合うということがなされておるかどうか、こういうことをやらなければやはり成果が上がらないと思いまするので、そういうシステムがあるのかどうか、私はこういう点についてお伺いをいたしたいと思います。
○八谷政府委員 保安委員会で出された問題につきましては、当然単にその場所の監督官だけがこれを見るということでなく、これについての問題点があれば、部長あるいは局長までも交えて討議すべきわけでございます。こういう点につきましては、結局保安委員会の労使双方の意見を監督行政にいかに反映し、また効果的な監督にこれを移していくかということにもなるわけでございまして、こういう点十分に今後ともに注意するように、またいろいろな問題についての研究体制、討議体制というものも十分にするように、現地を指導したい、かように考えます。
○田口(誠)委員 省の方では、十分にそうした作業が万遺憾なく行なわれておるというように、私はあなたの答弁から受け取るのですけれども、それがなされておらぬから、こういう質問になってきておるのだから、これ以上のことは申しませんが、一つ監督指導の面から遺憾のなき指導をしていただいて、そうして保安体制を強化して、災害を防ぐようにしていただきたいと思います。 時間がきましたし、ちょうど質問の区切りにもなりましたので、きょうはこれで終わらしていただきます。
○内藤委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は、明十三日十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後一時十分散会