内閣委員会 第5号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/05
会議録
○内藤委員長代理 これより会議を開きます。 委員長に所用がありますので、御指名によりまして、暫時私が委員長の職務を行ないます。 労働省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口誠治君。
○田口(誠)委員 今提案されておりまする労働省設置法の一部を改正する法律案の内容は、定員を二百二十九名ふやすという内容であるわけです。きわめて簡単な内容でございまするが、しかし、定員増ということから考えてみますると、非常に数字が不満でございまするので、そうした関連の方面からいろいろとお聞きをいたしたいと思います。 まず第一に、お聞きをいたしたいと思いますことは、労働省の三十八年度の総予算で、特に労働者を保護してくれるところの基準行政関係に対しては、どの程度の数字になっておるか、お示しいただきたい。
○鈴木説明員 今回増員をお願いいたしております二百二十九名のうち、基準局関係は産業安全研究所の試験関係の定員三名増、それから産業災害防止検査関係、いわゆる安全関係の定員増十五名、労災関係の定員増九十九名、こういうふうになっております。
○田口(誠)委員 それは書いてありますが、そうでなしに、三十八年度の労働者の総予算のうち、基準行政の占める予算はどれだけかということなんです。
○広政説明員 人件費を除きまして約三億という数字でございます。
○田口(誠)委員 それは数字違いませんか。あとからよく調べてお答えいただきたい。それは違っております。 そこで、今度の定員増の数字は、どういうような基準に基づいてお組みになったか、その点も伺っておきたいと思います。
○鈴木説明員 定員増になりました内訳につきましては、御存じの通りでございまするが、特に御指摘の労働者との関係の非常に深いのは、労災の九十九名、それから失業保険、この両特別会計に関するものでございます。 御指摘の積算の基礎でありまするが、ただいま申しました労災保険で申しますると、三十二年度に比べまして、昭和三十六年度におきましては、業務量といたしましては約三割増になっております。人員から見ますと、定員は約一二%の増ということで、業務量の増に比べますと、定員の伸び率が少ないということが明瞭になっておるわけでありますが、一面、労災業務等の処理におきましては、事務の簡素化、能率化、機械化というようなことでそのギャップを埋めまして、事務の処理ができるという体制に持っていっておりますので、今回お願いしておりまする九十九名の増がありますならば、何とか事務が処理していける、こういうふうな数字になっておるわけでございます。
○田口(誠)委員 科学的な基礎に基づいたものではなくて、おそらく大蔵省との予算関係で、この程度ふやそうという数字が今の二百二十九名だと思うのです。 そこで、私はここで特に御質問申し上げたいと思いますることは、昭和三十七年の八月に、労災部で、今後の機械化の計画に関連をして業務量と増員の計画をつくっておられます。その数字を見ますると、実際今日おる数字と今度の増員される数字と合計をいたしましても、相当に開きがあるわけなんですが、特に私は、今労災部の関係の話が出ておりますので、それにしぼって御質問いたしたいと思いますが、三十七年の八月に、労災部の方から、労働災害の動向、それから労働災害関係の業務の基準というようなものから、今後機械化されるものも含めて、人員がどれだけ必要であるかという数字が出されておるわけなんですね。これは御存じなんでしょう。
○大野説明員 存じております。
○田口(誠)委員 私の方に持っておる数字と違っておるかもしれませんので、三十七年、三十八年、三十九年、四十年までの計画が立てられておるのですが、その数字をちょっと御発表いただきたいと思います。
○大野説明員 私ども内部的には、八月に、将来の機械化と関連いたしましていわば理想的な人員配置を考えまして、一応の人数ははじき出しております。その数字と、今回予算案に盛り込まれました数字とは、若干の隔たりがございます。その間のギャップというものをどういうふうにして埋めるかということにつきましては、先ほど秘書課長の方からお答えを願いました通り、事務の簡素化でございます。この点につきましては、かなり思い切った事務簡素化をいたしまして、大体九十九名の増員でこなしていけるような見通しを持っておるのでございます。
○田口(誠)委員 私の方から申し上げます。これは労災部の方で計画された数字そのままですが、三十七年度は局と署と合計いたしまして三千五百七十三名、三十八年度が三千七百九十名、三十九年度が四千七名、四十年度が四千二百二十五名、こういう数字が計画されておるわけです。このことは、単なる数字を並べたのでなくして、今日までの労働災害の件数の増大してきた動向というものが十分に加味されておるということと、それに伴うところの労災業務が増大しておるということと、今後していくということの推移から、この数字というものは出ておるわけなんです。それで、ここで当面三十八年度だけ参考にいたしたいと思いますが、今度の定員増を含めて三十八年度は総員何名になるのですか、これは労災関係だけです。
○鈴木説明員 三十八年度で四千二百五十三名。
○田口(誠)委員 それは三十八年度ですか。
○鈴木説明員 なお詳しく申し上げます。年度別に申しますと、昭和三十二年で三千六百三十四名、三十三年で三千七百二十六名というふうに伸びて参りまして、三十七年で四千百五十四名、三十八年で四千二百五十三名、こういうふうになるわけであります。
○田口(誠)委員 今私は労働災害関係の事務に携わっている人にしぼって御質問しておるのでして、今の数字はそれと迷うのでしょう。
○鈴木説明員 これは労災特別会計の定員でございます。
○田口(誠)委員 労災特別会計の数字ということは、言葉をかえて言えば、労働災害関係に従事しておる職員ということですか。
○鈴木説明員 その通りでございます。
○田口(誠)委員 そうしますと、この三十七年の八月に労災部から出されたその数字とは、これはだいぶん違っているわけなんですが、この数字というのは、何か内容的に違った面がございませんですか。よろしかったらこれを持っていって見ていただいてもけっこうですが……。
○大野説明員 今田口委員の読まれました数字は、おそらくおととしの予算要求の際にはじき出された数字ではないかと思われます。
○田口(誠)委員 おととしと言うけれども、三十七年の八月にそういうプリントが出されているわけでしょう。
○大野説明員 三十七年において三十八年度予算の編成の際、内部的にはじき出した数字は今手元にございますが、それと先生のお読みになったのとは違うので、おそらくその前の年のものであろうと存じます。
○田口(誠)委員 わかりました。そうしましたら、今計画の持っておられる数字をちょっと――おそらく四十年まで計画を立てられておると思うのですが、立てられておらなければ、ここ一、二年のものでもよろしゅうございますけれども、三十七年度のときに、四十年までの推移、動向から必要な定員数というものが出されておるのですから、私の先ほど御質問申し上げました内容と相違がございますれば、新しいものを一つ御発表いただきたいと思います。
○大野説明員 これは機械化以外の事務簡素化はあまり大きなファクターに織り込んでおりませんので、そのことをお含みおきの上、お聞き願いたいのでございますが、私どもの計算によりますと、他の事務簡素化を除きまして、現在の労災の伸びをそのまま続けますと、四十年度におきまして大体四千七百人見当が必要なのではないかと思われます。それに対しまして、それと現在員とを比較いたしますと、これは管理業務を除いた数字でございますが、千四百人くらいの増員が必要になって参りますが、機械化をいたしますと、大体七百人程度が節約できるのでございます。従いまして、昭和四十年度に機械化をいたすことに相なりますれば、その差約七百人というものを三年間で埋めればいい、こういうことになるわけであります。従いまして、それを三で割った数字、大体二百六十人程度がふえていけば、まずまず計算上完全である、こういうことになるわけであります。この二百六十人のうちに、さらに他の事務簡素化によりまして節約ができることは、先ほど申し上げた通りでございます。それからもしこれを現在の事務量に全く合わせてやりますと、機械化した場合に過剰人員が七百人程度出る、こういうことに相なるわけでございます。そういうようなわけで、事務を簡素化して二百六十人程度の増員というものを吸収できる、こういう計算になっております。
○田口(誠)委員 事務の機械化もいろいろございますが、当面お考えになっておるのは、計算機はもちろんでございましょうが、そのほかどういうものがございますか。
○大野説明員 電子計算機を導入いたしまして、統計事務を中央に集中管理いたします。これによりまして、約七百人の人間が節約できるわけでございます。これは今まではパンチ・カードに打ちましてやっておりましたが、磁気テープに記憶させることによりまして、非常に高度の処理能力のある機械ができましたので、これによって大幅な人員節約をいたしたいのでございます。
○田口(誠)委員 私は、今ことしの予算書は持ってきておりますけれども、ちょっと明細に目を通しておりませんが、大体いつからいつまでにそれを完了させる予定なのですか。今年はどの程度……。
○大野説明員 これは入れるのは四十年以降でございます。その前に中央にその機械だけを置きましても、機械が全部やってくれるわけではございません。末端に会計機というものを入れまして、それをテープに打ち込みまして、中央に送ってくる、それを磁気テープに録音いたしまして電子計算機にかける、こういうことになっておりますので、去年及びことし、来年におきましては、第一線に会計機を入れて将来への地固めをいたしているわけでございます。
○田口(誠)委員 それで、大体四十年を目標に機械化と業務の簡素化を考えておるようにみえますので、三十八年、三十九年という定員増という関係には、やはり七百名の定員減の数字が出てくるということを頭に置いて、相当押えた数字が出されておるように考えられるのですが、そういう考慮は本年は払われてはおらないのですか。この二百二十九名……。
○大野説明員 全然さようなことはございません。
○田口(誠)委員 そうしますれば、私は、どうも定員の積算基礎というものが、あまり科学的、合理的なものでなくして、大蔵省の予算その他を考慮して、定員増が何名ということに決定されておるように受け取るのですが、実際において出先機関へ行ってみますと、相当に労働強化がなされておるわけなんです。それで、私、ここに表を持っておる中で、特に特徴として指摘をいたしたいと思いますことは、八王子署管内でございますが、これは監督官の定員が三十三年には四名で、事業所数が千四百五十七で、災害件数が千二十五件、支払い件数が二千四百二十、支払い金額が二千二百五十万円というような数字になっておるにもかかわらず、三十六年度には定員が一名減になっておって、しかも減になっておるけれども、事業所数というのは二千八十八事業所になっており、それから災害件数も三十三年には千二十五件でございますけれども、それが千六百十六件になっております。支払い件数にいたしましても、三千七百九十四というように事務量が非常にふえておるわけなんですが、こういう形の中で減員されたり、また員数が並行されておるということになりますと、出先機関では非常な労働強化になるわけなんです。こういう点の配慮を払われての今度の定員増であるのか、こういう点が非常に疑問があるわけなんで、今度の二百二十九名の定員増を可とされた労働省としては、今私の申しましたようなことから考えて、どういうように配慮されておるのか、また現場の実態をどのように把握されておるのか、あわせて御解明をいただきたいと思います。
○大野説明員 八王子の監督署の定員の問題につきましては、冷評しいことは存じませんが、労災業務につきましては、大体大都市の業務が非常に人手が足りない現状に相なっておりますので、私どもとしては、大都市に集中的に増員を振り向けることを考えております。今先生の御指摘になりました点は、常々重々認識いたしまして、それに対して集中的に手を打っておるところでございます。
○田口(誠)委員 指摘をして質問を申し上げると、ただいまのような回答があるわけなんです。これは昨年も同じことなんです。昨年は私は、出先機関の作業量の実態、労働強化の実態、それから消粍品等に非常に厳しい節約をさせておって、インクの中に水を入れて使わなければならないということまであるというようなことを言って、いろいろと予算要求のお願いをしておいたのですけれども、今年の定員増の内容を見ますと、私が昨年指摘をし、また考慮するとおっしゃったその御回答が何ら生かされておらない、こういうように実際に受け取れるわけなんです。ただいまの回答は回答として、これは今年は何ともならぬけれども、来年度はという気持があるように考えられますけれども、昨年私は同じようなことを事こまかく申し上げて、御回答をいただいておるのですから、今年の二百二十九名というような定員数は、私は思いもよらぬ少ない数字であるので、そういうことから、私は、どの程度出先機関の実態を把握されておるのかどうかということが疑問でならないわけでございますから、私が了解できるかできないかはわかりませんけれども、あなたの方の把握されておる実態と、手を尽くされておる状態、それから今後の考え方、これを仕分けして御答弁いただきたいと思います。
○大野説明員 それでは、私どもが事務簡素化に対してどのような手を打っておるかということを申し上げたいと存じます。 確かに御指摘のように、第一線においては人手の足りない面がございますので、それに対してはただいま申し上げたような人員増、それから事務の簡素化、両建てをもって対処しておるのでございますが、こまかくなって恐縮でございますが、若干の例をあげますと、まず第一に、有期事業の一括適用ということでございます。これは小さな土建とか林業、そういうようなものは一つ一つの作業現場でとっておりましたが、非常に手がかかりますので、一定の価格以下あるいは伐採石数以下のものにつきましては、年間を通じて一本でやろう、これによって非常に手間が省けるのでございます。 それから第二に、団体加入方式の採用でございます。これは小さな事業所に対しまして一つ一つ手続をとっておりますと、非常に手間がかかります。中小企業協同組合とか、森林組合、あるいは水産協同組合というものを利用いたしまして、そこで団体として一括手続を行なう方式でございます。 それから第三に、保険金の現金払いでございますが、現在保険金の支払いは個々の労働者ごとに小切手で支払っている方法でございますが、これを現金でいたしますと非常に簡単になります。そのために、金銭登録機を入れて的確にする等の方法をとりまして、現金支払いをなるべく行なえるようにいたしております。 それから第四に、診療費の一括支払いでございますが、現在保険指定医ごとに診療費をそのたびごとに払っておりますが、それを取引銀行に一括して支払うことによって、非常に手間が減少されます。 それから第五に、保険料の総合徴収でございます。これは一定地域における事業場の保険料を一定期日ごとに一定の場所においてまとめて取る。これによって監督署の人員の手間が大いに省けるのでございます。 それから、いよいよこまかくなるのでございますが、非常に内部の事務としてめんどうくさいのは、補償費の給付記録表等の問題でございます。これにつきましても思い切った簡素化をいたしまして、この手間を省いたわけでございます。等々、非常にたくさんにわたって今度は思い切った合理化をやっております。 それから、機械動力の強化をはからなければならないので、これは昨年に引き続きまして、会計機や電動あて名印刷機、電動計算機、あるいはテープレコーダー、リコピー等の機材を増強すると同時に、自動車におきましても、昨年に増しまして特殊自動車あるいはオートバイ、スクーター、スーパー・カブ等の機材の整備をいたしているのでございます。 さきに申し上げました事務の簡素化につきましては、三十六年以来大規模な調査をやりまして、その研究の結果に基づきまして、来年度から思い切ってこれを実行に移すことにいたしております。
○田口(誠)委員 それで、先ほどからの答弁を聞きますると、四十年までには機械化も行なって、そして事務の簡素化をはかる、そのことについて七百名の過剰人員が出てくるという御回答でございまするけれども、私は、相当機械化されましても、過剰人員というものは出てこないということを申し上げたいと思うのです。それで、特に監督官の関係、これは東京都内の数字をずっと見ますると、一人の監督官で四百から五百の事業場を担当しておるということになっておるのですが、一日に一事業場ずつ行きましても、一年間かかったとて一回り回れないということなのです。ところによっては五百以上になっておりますので、これは一年半かからなければ一回りできないというような状態になっている。監督官の比率、現在の定員を認めることは、労働基準法という労働者を保護しておるところの立法に基づいての役所でございますから、そういう役所は労働者は非常に大きな期待をかけておるのだが、期待をかけておる役所が、常識で考えて仕事のできないような定員をつくっておくことは、私はこれは考え直さなくてはならないと思うのですが、どうなんですか。東京都の場合は事業場が密集しておりますから、これはおそらく、四百、五百ありましても密集しておりますからという答弁があると思うので、私は答弁の前に申し上げまするが 幾ら密集しておりましても、四百、五百というような事業場を一人で受け持っておっても、なかなか消化できるものじゃありません。特に地方へ行きますると、一人対事業場の数は少ないけれども、これは交通の便というような面から考えてみますと、これまた容易なことではないわけです。そうかと申しまして、今年も、昨年もそうですが、オートバイとか自動車とか、こういうようなものがどれだけか予算化されておりまするけれども、実際現場へ行って見ますると、こうした機動力が大きく欠けておるわけなんです。こういうことから考えてみますると、今のままで将来四十年を目標に機械を導入し、事務の簡素化を行なって、そうして定員も七百名過剰になるんだというような計算をしておってもらうと、これは実態とは大間違いなんで、ただいま申しました東京都内の監督官の数対事業場の数を見ましても、驚く数字であるわけなんで、こういうことで実際に労働省の方から指示されておるような仕事がなされておるかどうかということに大きな疑問があるわけなんですが、こういう点の把握は十分になされておられますか。
○大野説明員 私の言葉が足りなかったため、やや誤解されておる点があるかと思うのであります。現在の情勢でいって七百人剰員が生ずるということは申し上げていないのでございます。現在の定員に今までと同じような業務量に比例して人員をふやしていくと、四十年度におきましては約千四百人見当の増員が必要になるだろう、それに対して、機械化することによってその半分にとどめ得るんだ、こういう計算の根拠を申し上げたのでございまして、現在のままいくと四十年で七百人余るということを申し上げておるのではございません。その点御説明申し上げます。 地方の署によりましては、非常に人手が不足しているところが確かにございます。その点は人員の配置をもちろん直さなければならない点もございます。私どもこの現実に決して目をつぶっているわけではございません。それだからこそ、機械化もいたし、事務簡素化もいたし、増員をいたしておるのでございまして、この現実は十分に認識いたしております。それに対しまして現在打っております手は、あるいは不十分だという御批判はあろうとも、労災の方の責任者といたしましては、現在の人員資材で処理できるという確信を持っております。
○田口(誠)委員 前段の方の七百名云云という面については、ただいまの答弁で了解をしまするが、ただ、定員をきめる場合の科学的な生産基礎はお待ちになっておらないわけなんです。それで、定員が足りない足りないといって現場の方から要求されてくると、予算の面と勘案して、毎年どれだけずつふやしていくというやり方なのです。だから、そういうやり方では、ただいま誠意を持って御答弁のあったような内容が実現化することはできないと思うのです。それで、今御答弁のあったようなお考えの上に立って定員を御心配していただいておるのなら、今年度二百二十九名くらいの定員増では、どうかといえば、私はほんとうに笑いたくなる程度のものなのです。従って、そういうことは今までにわかっておることですし、特に東京都の監督官が一人で四百なり五百なりの事業場を受け持つということは可能であるのかどうかということなんです。それは可能でないということになれば、ここにまず定員をふやしてもらわなくちゃならないということになる。それで、監督官はどちらかといえば、ここ数年前より減員しておるわけなんです。数年前が妥当か、七、八年前が妥当か、その辺は年限には拘泥しませんけれども、一時相当おりました監督官というものを減員しておるわけなんです。その反面、事業場は毎年どんどんどんどんとふえていくわけでございますから、私は、減員どころではない、事業場がふえるにマッチしたところの監督官の増員をしなければ、完全な基準行政はでき得ないと思うわけなんです。そういう点について一つ把握されておる範囲内から、ことし私は御質問申し上げて、また来年のときは、一つの約束したというような感覚から来年はやりますから、ことしはそのつもりで答弁しておいてもらいたいのです。昨年も同じような答弁があって、それが実行されていないから、私は強く申し上げておるのだから……。
○辻説明員 私、労災特別会計を含めまして、全般のことにつきましてお答え申し上げたいと思います。 ただいま田口先生から御指摘ございましたように、労働基準行政全般の適用対策事業場数は歴年増加をいたしておるわけでございます。たとえて一例をあげますならば、昭和三十一年の適用事業場数が百三万余りでございましたのが、三十六年には百七十万になっておるわけでございます。従いまして、適用労働者数も三十一年千二百九十万程度が、三十六年には約二千万程度に相なっておるわけでございます。従いまして、御指摘のように、理想的なと申しますか、できます限りこの監督官の数あるいは一般職員の数を増員して参ります方が、より労働行政全体としてやりやすいということは、御指摘の通りでございます。しかしながら、やはり国家財政その他一般の動向もございますし、おのずから限界がございますので、先ほど労災部長から語答弁申し上げましたように、機械化、事務簡素化等、あるいは地区による業務量の繁閑というものは、内部的にいろいろな指標を計算いたしまして、毎年調整に努力はいたしておるわけでございます。監督官の数はただいまお話がございましたが、地方局署の監督官の数が三十一年で二千三百五十、三十七年あるいは三十八年の予定でございますが、二千三百六十二でございます。減ってはおりません。ふえました数はきわめて少数ではございますが、全体としては減らないでおるわけでございます。私どもとしましては、お話のように、監督官の仕事をより有効に能率が上がりまするように、先ほどから申し上げておりまするように、一般の行政の簡素化で机上事務、庁内事務を極力節約いたしまして、本来の労働基準監督専務に向けまする業務量を、事業場の増加に対応してできるだけの努力は現在のところいたしておる。さらに将来の問題といたしましては、数その他につきまして、私、幾らということを申し上げる立場ではございませんけれども、できる限り監督官その他の職員の適正な増員をはかりまして、職員の不当な貧血が増大することのないよう、また労働基準行政の全般の目的を達しますよう、今後とも努力をいたす所存でございます。
○田口(誠)委員 ただいまの答弁は、昭和三十年、三十一年を基準に置いて、そうして監督官の数を御披露されたわけなのですが、これは事業場のふえた数とパーセンテージでいきますと、減です。それからその前に監督官は相当数減らしてあるわけなんでして、あなたの今回答されましたのは、回答だけを聞いておりますと、そんなに減っちゃおらぬのだ、どれだけはふやしておるのだ、こういうことでございまするけれども、三十一年度から三十七年のこの日本の経済が急激に上昇してきました過程においては、事業場というものは非常に増加をいたしておる。従って、若干は監督官の数もふえてはおりまするけれども、その比較のパーセンテージは下がっておるわけなんです。これを指摘いたしておるのと、それから、その前に監督官がたくさんいたのを減らしておるのだからけしからぬ、こういうことを申し上げておるのでありますから、先ほど来申し上げましたように、一人の監督官が、幾ら密集しておる地帯の東京都内といえども、四百、五百というような受け持ちをさせるということは、常識から考えて、これは完全な行政ができないということははっきりしておるのだから、こういう点から、ことしはむずかしいでしょうけれども、来年度の予算のときにはもっとがんばってもらわなくちゃ困ると思うのです。 それから大体に、事業場の数だけでなしに、災害の数が非常に多いのです。しかし、災害の数は非常に多いけれども、それでは労災保険の方の収支はどうかといえば、これは黒字なんですね。どれだけ黒字になっておりますか。
○大野説明員 黒字と言っておられるのは、おそらく年間の収支を指しておられるのだと存じますが、御承知のように、労災保険は長期給付もしておりますので、灯火の支払い備金も含めて計算いたしますと、例年国会に提出いたしておりますように、いまだ百億程度の赤字でございます。
○田口(誠)委員 従来からの集計したものの発表があったのですが、それで私が申し上げておるのは、まあ最近の年間の収支じりというのは赤字になっておらぬということなんです。これは違っておりますか。
○大野説明員 年間で見まして、その年の保険料収入と支出の方では、補償費と事務費というもので引けば、確かに黒字は出ております。
○田口(誠)委員 その数字はちょっとわかりませんですか。
○大野説明員 昨年は大体七十七億の黒字、本年は見込みといたしまして大体五十億くらいではないかと思います。
○田口(誠)委員 私の把握しておるのも、大体その数字に近いものです。 そこで、今度労働者の方では、業種別に労働災害防止協会をつくるというような考え方をお持ちになっておるようですが、これはどういうような必要からお考えになっておるのかということをお聞きしたいのと、そういうことを考えておらぬということならそれでよろしい。
○大野説明員 ただいま国会に労働災害の防止に関する法律案を御審議願っておりますが、そこにおきましては、団体といたしましては、中央労働災害防止協会というもの、それから業種別のものといたしましては、そういったものがで、きるような法案をしております。その考え方といたしましては、やはり労働災害の防止につきましては、当の責任者である使用者が、その災害の阻止について組織的な努力をいたさればなりません。そのために、全業種的なものといたしまして中央協会をつくることといたしておりますが、特に災害率が高い、あるいは業体が特殊であるものにつきましては、専門的な知識経験を必要といたしますので、さようなものにはただいま申し上げたように業種別の協会がつくられることを予定いたしております。
○田口(誠)委員 私は、その協会の運用によってはそれは必ずしも思いということは申し上げませんけれども、大きな期待のかけられる面もございますが、大体考えてみますると、今後の法案を出すに至りました経緯というものは、日経連の安全専門部会、それから産業安全連合会、全国労働衛生協会、こういうようなところからの一つの答申と申しまするか、要求と申しまするか、そういうような要請に基づいて、労働省の方でもお考えになったようでございまするが、こういう協会ができまして、そして労災関係の災害防止に努力されることはいいけれども、この協会がどうかと言えば悪い方に力を出し過ぎた場合には、労働基準局というものが力がないようなことになりまして、労働者としては、それはいろいろ災害を防止する協会等ができて、そこで努力してもらうことはけっこうですけれども、しかし、経営者陣営でつくった協会が、必ずしも労働者の災害を防止する最もいい機関であるというよりには考えられません。それで、労働者としては、やはり法に基づいてつくられておるところの労働基準局をたよっておるわけなんです。そうしますると、現在の労働基準局が労働者の味方として、そして行政を行なっておるものが、協会ができました場合には、労働者の味方になる労働基準局の方の力が弱くなって、労働者としては非常に不利な羽目に陥っていくのじゃないかというような心配がこの裏にあるわけなんですが、そういう点の御検討はなされておるかどうか、この点を伺っておきたいと思います。
○大野説明員 労働者の生命、身体を守るものは、幾らあっても十分過ぎるということはないと存じます。こういった団体ができることによりまして、安全衛生に対するに基準局の努力は減るものではなく、かえってますます力を入れていかれるべきものと考えております。今度の定員の問題につきましても、例年安全衛生のことが強く言われながら増員されなかったのに対しまして、今回は、少ないという御批判はあるかもしれませんが、十五人というものが慰められて増員されることになっているのでございまして、これを見ても明らかなように、片側では団体をつくる、片側では基準局、監督署が全力を尽くして安全性の問題に立ち向かっていくという考えでございます。
○田口(誠)委員 それで、先ほど御回答をいただきました、年間の労災関係の黒字が六十億なり七十億あるということから、日経連の安全専門部会とか、あるいは産業安全連合会とか、全国労働衛生協会というようなところが、六十億、七十億という黒字ができておるのだから、それで、ここでやはり労災防止に協力する協会をつくって云々というようなことで、労働省の方にも要請をされて、予算がなかったら、六十億も七十億も黒字になるのだからということに目をつけたようでございまするが、今年度の予算は初年度ですから一億五千万円だけれども、来年は十億ぐらい予算を振り向けるというような考え方があるようでございまするが、それは事実でございますか。
○大野説明員 それは動き出してみなければ何とも言えないことだと存じますが、十億というような問題が出ましたのは、現在事務費に保険料の一五%を見越しておりますが、それと現実の予算額との差額、つまり、もしそういうものに出せるとしたならば、保険料を効かさないでどの程度出すワクがあるかという問題かと存じます。
○田口(誠)委員 その点につきましては、時間的な制約もありまするので、これ以上突っ込んだ質問は申しません。 そこで、この協会というものの構成は、やはり事業主で構成されるのですか。
○大野説明員 中央の協会は事業主の団体、それから業種別のものは個々の事業主及びその事業主の団体ということを考えております。
○田口(誠)委員 その事業主の団体というのは、いわゆる労働組合ということなんですか。
○大野説明員 そうではございません。
○田口(誠)委員 どういうものですか。
○大野説明員 事業主の団体でございます。
○田口(誠)委員 そこで、一言申し上げておきたいと思いますることは、そういう労働災害を防止する委員会というのは、それぞれ職場に設けられてあります。職場に設けられてありますが、労働組合の方からメンバーに入っておるところと入っておらないところとございまするが、労働組合の方からその災害防止の委員会に入っておるところは、非常に成果を上げております。これは私の県の、日本通運の岐阜県の管内を見ていただいてもわかりますが、これは表彰状もいただいております。これは記録に載ることだから、あまり経営者の何は言いませんが、労働組合が入って安全衛生の面に努力をしておる委員会というのは、どこでも非常に成果を上げておるわけです。そういうことから、今度つくられるとこはのこの協会が経営打のメンバーでつくられるというところに、私は心配するところがあるのではないかと思うのですと申しますのは、先ほど申しましたように、今までは労働基準法に違反するような労働強化をさせたり、深夜業をさせたり、それがために災害が起こるというような場合には、労働基準局をたよって、労働基準局の方から勧告をしてもらって、事業主の方に圧力をかけてもらう、そのことにおいて労働者の安全一を守ってきておるというのが実態であるわけであります。ところが、今度は基準局は基準局としてありましても、経営者のメンバーで、来年度は大体十億円の予算を予定をしておるということをちょっと聞いておるのですが、そういう予算をとって協会をつくって発足いたしましても、これはどちらかといえば、労働基準局の行政が、この協会の方に取られてしまいがちになるのじゃないか。すなわち、労働者としては、たよっておる労働基準局が、労働者の味方というこの度合いが薄くなるのじゃないか、こういう心配があるわけです。従って、私は、これはここで法案を審議するのでないから、具体的なことは申し上げませんけれども、どうしてもこういうものをつくるということになりますれば、これはやはりその事業場の労働組合の団体の代表者も入れてつくられなければ、成果というものは上がらないのじゃないか。私は、今冬地にあるところの、災害防止の委員会を職場でつくっておられるその内容を見まするに、労働組合の代表を含めたところは非常に成果を上げておるから、そういう点からただいまのことを申し上げたわけでございますので、そういう点につきましては、今後労働省としても十分に考慮をしていただく必要があると思いますので、その点もよろしくお願いをしておきたいと思います。 それから、先ほどの、労働省の今年の総予算の中で基準局、基準行政の占める予算はどれだけかというのは、もうわかりましたですか。
○広政説明員 先ほど申し上げました数字は、いわゆる私どもの事務費系統からいえば三億八百万ということでございまして、これ以外に、人件費その他、要するに基準局として使って参ります数字、これを全部入れて参りましたときに、この数字とはまた別な数字ということになってくると思いますが……。
○田口(誠)委員 きょうのところは明答ができないというのです。別な数字ということでなく、数字があれば数字を言って下さい。
○広政説明員 人件費も何もひっくるめまして三十六億二千二百五十四万四千円、一般会計でこういう数字であります。
○田口(誠)委員 簡単に申し上げまして、大体二十分の一ということなのですね。きょうは大臣がお見えになりませんから、副大臣ですが、この労働基準行政というのは、労働者にとりましては非常にたよりにしておる役所でございますし、そうしてただいま指摘をそれぞれ申し上げましたように、非常に手薄であって、十分なる監督行政もできずに、労働者としては、なお定員の強化もはかって、十分に労働基準行政の効果を発揮してもらいたいというのが労働者の希望であるわけなのですが、そういうところが、ただいま承りましたように、労働者の総決算の大体二十分の一に該当するような予算では、これは考え直してもらう必要があると思うのです、どうしてこのような数字なのか。先ほど来お開きになっておるように、都内では一人の監督官が四百も五百も受け持っておるというような無理な作業をさせておる。無理なくらいではない。できない定員を現在置いておるということなのです。これはやはり労働基準局の予算が労働省の総予算に占める割合が、ただいま申しましたような数字になるわけなのですから、こういう点を考えあわせていただき、また先ほどから指摘申し上げておるような内容も考えあわせていただければ、おそらく次官の方でも何か考えつかれた点があろうと思いますが、来年度のことも含みて、私は期待をしてあなたに御質問申し上げるのであるから、この辺で名答弁をお願いしたいと思います。
○田村政府委員 率直に申し上げて、田口さんの御質問、非常にいい勉強になったと思っております。基準行政の問題で、予算の面からも人件費の面からもいろいろとわ話があったわけでございますが、事務当局が先ほどからいろいろとお答えいたしましたのは、事務当局としてはこの程度の答弁しか事実できないだろう思うのであります。そこで、私は、こういう席で、速記録までついておるところで、こういう素直なことを言ってどうかと思いますけれども、はっきり申し上げるならば、確かに役人の一人々々の仕事量というものは今なお多きに失するだろうと思っております。でありますから、どんどんともっと定員をふやしていって、公務員労働者の仕事量を軽減してやる、もっと健康にして文化的な労働生活のできるようにしてあげるべきだ、これは当然のことでございますけれども、なかなかむずかしい問題がございまして、労働省だけの考え方で無制限にこれだけふやすというわけに参らない今日の行政機構でございます。たとえば三十四年には二百二十四名、三十五年には二百二十名、三十六年度には百九十七名、三十七年度には百六十五名というような定員増が今日まで行なわれて参りました。三十八年度二百二十九名というのは、大体毎年度に比べてどっこいどっこいの数字で出しておるような感じが私もいたします。でありますから、財政当局に対してもっと強く要望するものは要望し、御趣旨に沿うような、つまり、御期待に沿い得るような姿を出すのが当然だとは思いますけれでも、今申し上げたようななかなかむずかしい面がございまして、私もこれで十分なりとは、正直、申し上げることができません。今後財政当局にも御趣旨のほどを十分よく伝えましょうし、それから折衝のときにも声を大にしてがんばって、労働行政の充実をはかっていきたい、かように考える次第でございます。 どうもはっきりしたこと言い過ぎたかもしれませんが、お許しを願いとうございます。
○田口(誠)委員 まあ次官からは、ちょっとかたくなって答弁されると思いますが、もう少し言いたいところがあったと思います。そこで、私は、今次官から答弁のありましたように、いろいろな政府の予算化をする場合には、折衝その他、また重点的に予算をとらなくてはならぬというようなこともあって、十分にはいかないと思います。十分も八分も七分もないわけなのですね。それで、これを私は切実な問題として考えなくてはいけないと思いますことは、労働者の災害での死亡率というのは、三十年に比較して三十六年度は、私の調べた範囲内では、三四%増というようなことになっておりますし、それから今度は事業者なりが経済的に損をする額も、これは三十年度と三十六年度を比較しますと、直接間接を含めまして数字が倍になっております。だから、これは労働者だ経営者だと言わずに、やはりここで監督行政をがっちりやってもらうことにおいて、こういう人命を失うというようなことも少なくなるんじゃないかということも考えられますし、そうしてこのことにおいて経営名の損失も大きく減少してくるんじゃないかと思うわけなんですが、あなたのお手元にある数字で、三十年度の死亡名数と、それから、毎年ごとは要りませんけれども、三十六年度の数、ただいま私が申し上げました三四%増になっておるというのは、統計上間違っておりませんかどうか。それから経営者の経済的な損失、これは直接間接の費用を含めて、三十年度が何億円で、三十六年度になったら何億円になっておるということは、おそらくおわかりになろうと思いますが、私の手元の数字と相違があると、また私もいろいろと調べる必要もございますので、お手元にある数字を御発表いただきたいと思います。
○大野説明員 三十二年度から三十六年度まで申し上げますと、休業一日以上の千人率、三十二年が五〇・六、三十六年度が三九・三、休業八日以上で同じく千人率で見ますと、三十二年が二八・四、三十六年が二三・二でございます。経済的な損失のこれは推計値でございますが、三十二年におきましては一千九百億円、三十六年二千百億円と相なっております。なお、千人率の方は、ただいま申し上げたように下がっておりますが、絶対数は上がっております。
○田口(誠)委員 ただいま数字の御発表のありましたように、経済的な損失も二千億でしたか、三十六年二千億円という数字になっておるわけなんで、それで私は、これは特に労働者云々ということで申し上げるのでなくして、これは非常に大きな損失であるわけなんです。こういう大きな損失は、もう少し労働基準の監督行政が十分であれば、この数字というものはおそらくずいぶん減少するのではないか。死亡率も、また死亡人員も非常に大きな数字になっておるわけなんで、こういう多くの人命を失うようなことは、これは大きく力を入れて、そうして防止をしてもらわなくてはならないと思いますので、ただいま次官の力から、非常に予算要求その他で苦労をしなくちゃならぬということでございますが、どちらかといえば、労働省の予算は、私から見ますと、冷飯扱いをされておりますし、それから特に大事な労働幕準関係、労災関係の予算というものは非常に少なくて、それがためにたくさんの死亡者ができ、そうして経済面にも三十六年度は二千億円というような大きな数字にも相なっておるわけでありますから、こういう点を十分に他の省にも徹底をしていただいて、ふだんのPRをしていただいておかなくては、なかなか十分な予算要求はできないと思いますので、その点についても強く要望を申し上げておきたいと思います。 それから時間の関係とにらみ合わせて次へ進みますが、私どもが出先機関へ行きますと、出先機関の局舎が非常に腐朽しておるわけなんです。それで、年限からいきますと、終戦後昭和二十二年から二十四年ごろに建てられておりまして、そんなにたっておりませんけれども、当時の建築工事というものは、資材その他が全く悪い資材を使っており、そうして建築方式も非常に不満足な方式であったわけでございますので、今行ってみますと、全くがたがたの局舎が多いわけなんです。従って、私は、特に岐阜の労働基準局へちょいちょい行ってみますが、いつも言うことですが、こんな腐朽している局舎をなぜつくり直してもらわぬのか、こう言いますと、何だか何年かに局舎が狭くて継ぎ足しをした、継ぎ足しをすると、その年限から起算されるので、やはり今労働省の方で一つの基準を持っておられる、その基準からいきますと、なかなかすぐここで改築をしてもらうというようなことはむずかしいというようなことを、現場では言っておるのですが、一体そういう点は事実であるのか、それでどういう場合に改築ということがあり得るのか、この点もやはり明確にしておいていただきたいと思いますし、それから岐阜の基準局へ行きまして、それぞれの事務所の坪数と定員数と私は調べて参りましたが、労働安全衛生規則の百九十三条に基づいて、何坪に何人という一つの基準がございますね。そういうところからいきましても、その他書類箱とか机とか、こういう容積を引いて計算をしますと、基準局自体が、これはもう違反になる一ぱい一ぱいのところまできておるわけなんでございますから、このような状態の中で、あとから継ぎ足しをしたために改築ができないというようなことは、これは実際とマッチしたところの改築基準じゃないのだから、そういう点一度確かめてみて、再考を促さなくてはならないという考えを持ってきたわけなんです。そういう考え方から私はお聞きするのですから、一つ労働省の方のそうした基準をここにお示しを願いたいということと、将来どうするのかということ、これも含めて御回答願いたいと思います。
○広政説明員 現在御承知の通り、基準局につきまして四十六、監督署について三百三十七ございます。そのうち、二十三、四年、五、六年ごろに建てたものについて、現在腐朽度がはなはだしいというものがございますので、それを重点的に取り上げまして、逐次整備いたしておるわけでございまして、お話の岐阜の基準局につきまして、私も、いつ増築したかという点は、ちょっと今手元に資料がございませんが、増築したからもう新営の対象ではないというようなことは、決してございません。全体が狭隘である、あるいは全体について腐朽度がはなはだしい、あるいは都市計画のために立ちのきを要求されておるというようなものに先順位をつけまして、逐次整備いたして参りたい、このように考えておる次第でございます。
○田口(誠)委員 大体何年たったものは改築の対象になるという一つの基準はあるでしょう。
○広政説明員 二十三、四年に建ちました、あるいは五、六年に建ちましたものというものにつきまして、私ども事務的なことを申し上げますと、いわゆる保安度というのがあるわけでございます。これは庁舎として、あるいは一般の家でもさようかと存じますが、耐用できるかどうかという点についての保安度というものが計算されます。それをもとにいたしますのが、まず腐朽度の点の問題になっておるわけでございます。
○田口(誠)委員 岐阜の場合は二十四年だったと思います。それで、私から見ますと、ずいぶん腐朽をしておりますし、それからその当時の建物としては、まああの程度で面積もいいというようにお建てになったと思いますけれども、ずっと炊事場から宿直室から全部見てきましたが、宿直室なんか、あのような悪いところで宿直をさせるということは、これはほかの事業場でありますと、労働組合の方から突き上げられちゃって、すぐ直さなくちゃならない。労働基準局の方は、こうした面は組合の方からの突き上げはしておるのかしておらないのかわかりませんけれども、私どもは、普通の事業場であったら、あのような宿直室なんかはだめだといってすぐ改築させます。ところが、官庁の場合は、非常にそういう点が無理をしておりますので、私は行ってみまして、これはもうことしはむずかしいだろうけれども、来年あたりは改築の申請を出して、ぜひとも改築をしてもらわなければならぬじゃないかという印象を受けて参ったのですが、岐阜の方の御事情はあまりおわかりになりませんですか。
○辻説明員 ただいま技術的、事務的なものさし等につきましては、庶務課長から申し上げたのでございますが、全体としまして、御指摘のように、昭和二十四、五年ごろ建ちましたものは、当時の建築事情等もございまして、年数の割に非常に腐朽度の強いものもあろうかと思います。ただいま手元に、一例としておあげになりました岐阜の庁舎につきましての具体的な資料はございませんが、御指摘でございますので、私どもの方でさっそく実情を調査いたしまして、事実に即してできる限り処置をいたしたい、かように存じますので、御了承いただきたいと思います。
○田口(誠)委員 私は岐阜ですから、岐阜の基準局は始終行きますから、岐阜のことを例に申し上げましたのであって、これは岐阜に限っておりません。全国的に、二十三年、二千四年に建築をしたものは相当腐朽しておるということなんです。そのうちで、私の実際に見てきた岐阜の基準局はこのようであるということを申し上げたのであって、岐阜の基準局に限って拘泥はしておりませんので、その点は誤解のないようにお願いをしたいと思います。ただ、地元の方は力が入りますので、岐阜の方からそういう申請が出ましたときには、十分に調査をしていただきまして、そうして、あとから継ぎ足しをしたから、その年限が何年だからだめだというような、こういうようなことでけってしまわれんように、十分に現場の要請にこたえるように、この点は政治的な面もございますが、私の方から要望を申し上げておきます。 次に、私、この機会にお聞きをしておきたいと思いますが、これは出先なんかの場合にはございませんが、省自体としてはあまり問題になるほどではございませんけれども、全般の事業場の、実態を見ますと、臨時工がずいぶんおるのですね。これはほんとうの在籍従業員より上回っておる事業場も相当あるわけです。この点につきましては、やはり法律で明確に、日々雇い人れの臨時というものと、季節的に雇い入れる臨時、それから期限付きの臨時というのが規定されておりますので、これに照らし合わせて考えてみますと、常時必要といたしておりましても、労働基準法の法の目をくぐるために、一カ月の更新契約をさせて、そうして在籍従業員より以上に臨時従業員を常時持っておるところが、全国にはずいぶんあるわけです。従って、このことにおいて、安い臨時の労働者を使うということから、在籍の従業員の待遇改善にも大きな影響を及ぼしておるということなんです。従って、私の解釈からいきますれば、たとえば百名常時必要とする場合に、臨時を雇う場合には、少なくとも日々雇い入れの臨時工というものは、その日その日の仕事の状態から、雇ったり解雇したり、臨時が日々の雇い入れの臨時であって、そうしてある程度固定をいたしましても、二カ月という一つの線が引いてあるわけです。そこで、二カ月という線が引いてあるけれども、存知の上においては、一カ月更新というような雇用関係を結んだ場合には、これは法的には何ともならないというように見えますけれども、私は、やはりその事業場に、臨時も本採用の従業員も含めて常時百名必要なら、その臨時工というのは、これは二カ月以上たてば木採用に切りかえていかなくてはならないもの、だと思うのです。臨時工があるために、在籍従業員の労働条件が非常にかちとりにくい面が出てきておりますので、二の点もやはり基準局の方からお示しをいただいて、そしてその線でまた御指導もいただきたいと思うわけですが、この点に対する御見解を承りたいと互います。
○辻説明員 お話しの日々雇い入れられる労働者、あるいは一カ月なり二カ月なりの期間をきめられて雇い入れられる労働者、ないしは季節的な労務に雇い入れられる労働者、いろいろの雇用の形態がございます。で、労働基準法の適用の建前としましては、先ほど先生からもお話ございましたように、形だけが日々であるのか、日々更新いたす契約でも事実上一年も二年も雇い入れられている者か、あるいは形だけが一カ月ごとの切りかえでありましても、事実上二年も三年も雇い入れられておる者かということにつきましての法律の適用の場合には、その事実に即して法律を適用するという建前でございまして、法律の面では、御指摘のような点は一般的には充足されておるものだ、かように考えております。しかし、実際問題としまして、どちらの雇用形態が望ましいのかということでありますれば、一般的には、労働省にとりましては安定した通常の雇用形態が望ましい。その点は御指摘の通りでございますけれども、やはりいかなる場合にも画一的にそのようにしなければならない、あるいはした方がいいかどうかということになりますと、事情の産業の事情あるいは企業の事情等もございますので、画一的にそうでなければならぬということまでは、現在の段階では必ずし申し上げがたい点もあろうと思うのですが、一般的には、今お話しのような常用的な雇用の方が、企業の労務管理という面から見ましても、労働者の生活の面から見ましても、望ましいというように私ども考えておるわけでございます。最近は雇用事情が非常に変わって参りまして、比較的、何と申しますか、労働事情が昔と変わって参っておりますので、常用工と臨時工との比率も、必ずしも臨時工だけがふえるということではございませんし、労働条件の内容につきましても、雇用事情等も影響いたしまして、格差は非常な勢いで詰まりつつあるというように理解いたしております。一般的にはさような傾向だと思いますが、できる限り一般的な形としてはそういう方が望ましいという形で、私どもとしましても、一般的な指導をいたしておりまするし、そういうふうにして参りたいと思います。
○田口(誠)委員 臨時と本採用の従業員との格差が縮まりつつあるという把握の点ですが、この点につきましては、それはここ七、八年前の状態と比較しますれば、格差は縮まっておりますけれども、実際的には今日もやはり大きな開きがあり、この開きのあるところに事業主は魅力があるわけなんです。臨時工に魅力があるわけなんです。安い貸金で労働強化をさせられるということで魅力があるわけなんで、それで、私のお聞きしておるのは、それは、常時百名使っておる事業所の中で、五名や六名の臨時がやはり一月ごとに切りかえられておるということなれば、これはまだまだ私はそれほど確認するほどまでにも及びませんけれども、在斜従業員より臨時の従業員が多いというような事業所が相当ある現在に至りましては、一カ月更新というものは、書類の上では日々雇い入れるというような形に、その中に包含されるものであるとしましても、常時百名必要であるというところで、六十名も六十五名もが一カ月ごとに契約更新を行なって、年百年じゅうそういう臨時工によって作業を進めていっておるということは、これはやはり法の建前からもだめなんだ、私はこういう解釈なんです。だから、私は、法の建前からもだめであるという解釈なんだから、基準局の方では、労働省ではどういうような解釈をされておるか、これを承っておるのですから、その点を一つ明確にしていただきたいと思います。
○辻説明員 ただいまお話のございました、いろいろな臨時工の雇い方が現実行なわれておるということでございますが、先ほど申しましたように、法律の建前として、法を適用いたします場合に、これが常時使用されておる労働者なのか、あるいは一カ月ごとの労働者なのかということで、適用の違って参る分野が、たとえば解雇予告の問題のようにあるわけでございます。そういう分野につきましては、先ほども申しましたように、法律の適用にあたりましては、当該の労働者がほんとうに日々雇い入れられておるものであるのかどうか、あるいは一カ月ごとのものであるのかという点は、あくまでも事実認定の問題でございまして、形式だけでなく、事実に即して法の逆用をいたしておる、かように申し上げられると思います。
○山内委員 今ちょっと大事な問題が出ましたから、関連して私からお聞きしたいと思います。 この二カ月ぐらいの更新で臨時雇用をして長年たっていくということは、労働基準法の建前からいって、原則的にいかぬということを前に言われたことがあります。それで、その建前から、公務員の中にそういう事実があっては困るということで、そういう職員を三年間かかってほとんど本採用している、こういう事実がある。けれども、まだそれは実際にたくさん残っております。これは大事な問題ですから、そのうちまとめて私お聞きするつもりで、資料を集めておりますけれども、現に十年以上そういう形で勤続して、表彰を受けて、それでなお臨時雇用を繰り返している事実もあります。それは今度私指摘してもいいのですが、これは林野庁にあります。あそこは四万なんぼもまだ残っておる。公務員からそういうことをやってはいかぬということで、政府の努力の跡は認めますけれども、まだ今度は民間に至ってはこれは言語道断なんです。これは部長は、法の建前で、実際問題で研究すると言われておりますけれども、まあそうであると思う。臨時で雇用しなければならぬ作業の実態もわからぬわけではないし、そういうこともいいですが、それが拡張解釈され、あなた方の目が届かないために、それが公然のことになって、昇給はさせなくてもいい、退職資金もやらなくてもいい、こう簡単に労働者を使えるという現状が現在あるわけです。こういうことについてもう少しあなたの方は――目を光らせてお調べになることはいいですよ。実際と、それから作業の実態とを調査されることはいいですけれども、そういうなまぬるい態度でおるというと、こういう問題がだんだん拡張していく。こういうことを私は注意を申し上げながら、もう一度その点の回答をいただきたい。
○辻説明員 政府部内の件につきましては、ただいまお話がありましたように、常勤的非常勤というものを定員に繰り入れるということで、当委員会で私どももいろいろお話を承って、よく実情を承っているのであります。民間の問題につきましては、ただいま先生からお話がございましたように、たとえば土建関係あるいは林業関係というような、従来からの、どちらかといいますと臨時的雇用によってまかなわれてきたようなものもございますし、一般の製造工業というようなものと、また現実の仕事の量の所在の仕方等にも若干変わっているものもあるかと思います。基本的な考え方といたしましては、先ほど申しましたように、基準法の適用をいたします個々の条文の適用にあたりましては、事実に即して、形式でなく適用をいたして、法を運用いたしておる。 なお、一般的にお話のございました、昇給をどうする、あるいは退職金をどうするという問題につきましては、先ほども申し上げましたように、労働者の立場から考えましても、企業の側の立場から考えましても、一般的に古いますと、そういう不安定でない状態に労働者を置いていくことの方が望ましいという点も、先生の御指摘の通りだと互います。ただ、個々の具体的な事情になって参りますと、産業によりまして、地域によりまして、いろいろな事情がありますので、直ちに労働省の方で臨時雇用は一切ならぬということを申し上げる段階には今のところまだ至っておらない。しかし、方向といたしましては、労務管理の指導その他を通じまして、逐次そういう方向に行くように努力はいたしておりますし、いたして参りたい、かように申し上げているわけであります。
○山内委員 そういう考えで一つもう少しやっていただきたいと思うのですが、実は、それに関連しまして、季節の労務者ですね。ある一定の九カ月なら九カ月働いて、今度は冬期間仕事がないという場合、これは失業保険で見ているでしょう。そうしますと、人間の使い方というものは非常に不経済になるわけです。安い労働力をそこでその冬期間何か仕事を見つけてやればいいものを、ただあなた方の方では、労働者は、これはお役所の例ですが、政府が予算を払っている。それが今度は肩がわりして失業保険、これはやはり国の税金でまかなうことはさまっていることなんです。もう少し臨時のあり力というものは一つ――個々の事業所においては、臨時雇用というものを全然なくするというわけにはいかぬ場合のあることは私もわかっておりますけれども、ところが、一般会社もそれが恒常化して、同じ国の予算を失業保険で払わなければならぬというような形でつないでおいて、それがマンネリズムになるということは、国の行政としてもいいことじゃないと思うので、御研究いただきたい。
○辻説明員 御指摘のような点につきましては、御趣旨を体しましてさらに研究さしていただきたいと思います。
○田口(誠)委員 今、山内先生からの御質問で、林野庁の臨時の関係が出ましたが、これはどこへ該当するんですか、この法律のどこへ該当するんですか。
○辻説明員 御質問の御趣旨は、臨時工であることが、基準法のどこに該当するかという御質問であろうかと思いますが……。
○田口(誠)委員 ちょっと、具体的に言います。林野庁の関係は、やはりどちらかというと、季節的というか、それとも期限付というか、一時解雇いたしますね。そしてまた雇いますね。それで、同じ人がある期間は解雇されておって、また勤めるということなんですが、そういう臨時というのは、これはどこへ該当しておるのかということなんです。
○辻説明員 お話の、臨時庁で雇用しておりまする労務者の態様につきまして、ただいま詳しい資料を持っておりませんが、私どもが従来から承知いたしております点では、純粋に常用のものと、非常に短期間の期間を定めるものと、季節的に雇うものと、それから純粋の雇い的なもの、このようなものがあるように承っておるわけです。そこで、ただ林野庁の方は、これは私最近のことは詳しく存じませんが、承知いたしております範囲では、同じ臨時を雇います場合でも、なるべくなれた者を雇うという意味で、前に使った君をお使いになるというような御方針もあるように承っております。それが法律上のどこに該当するかと言われますと、法律のことで、基準法にどういう雇用形態はこうと直接書いてございませんが、私ども理解しておりまするいろいろな形態の中では、お話しのようなものは臨時あるいは季節的労働というものに該当をいたすのではないかとは存じております。
○田口(誠)委員 そこで、今御答弁のありました、いわゆる臨時で常用という表現をされましたが、これは臨時の常用ということなんですか。
○辻説明員 今お話しの、御設例としておあげになりましたものは、臨時か季節的労働であろうかと思います。
○田口(誠)委員 今、常用という言葉がありましたので、ちょっと気になったのだが、常用というのは、民間でいうと、在籍というのは常用なんですが、臨時の常用と言われると、先ほど申しましたように、法の目をくぐって契約更新を行なって、二年も三年も臨時という形で使われておるというのを、常用臨時というような名前をつけておるのか、そういうものをやはりあなたの方で認められるということになると、これは大へんですから、その点を念を押してお聞きしたのですが、その点はっきりしておいて下さい。
○辻説明員 常用臨時というふうに私申し上げたつもりはございません、で雇用の形態を分類いたしますと、第一に常用がございます、第二に臨時がございます、第三に季節労務がございます、第四に日々雇い入れがございますということを申し上げましたのが、言葉を続けて申しましたので、さようにお受け取りいただきましたら訂正をいたします。
○田口(誠)委員 内閣委員会にかかっておる法案の全体的な面から、質問の時間をだいぶ理事間でいろいろ心配をされておるようなので、私はここで次の質問者と交代いたします。
○内藤委員長代理 石山權作君。
○石山委員 政務次官せっかくおいでになったので、敬意を表しまして質問を申し上げます。 二月二十日に、各省庁の政務次官がお集まりになって会議を開かれたんですね。そのとき、労働問題と申しますか、綱紀粛正の要領をお話し合ったということです。私のお聞きしたい点は、よその省庁のことでなく、労働省のことをお聞きしたい。たとえば能率が上がらないということの意見が、かなりこの中で論議をされておる。能率を上げるようにしなければならぬ、こういうことを言っておるわけです。言葉をかえて言えば、いうところの人事の責任体制がうんと論じられたようです。あなたの所管される労働省はどうなのです。皆さんが論議されたような内容に該当するお役所でございますか。
○田村政府委員 実は二月二十日の政務次官会議は、私は出席していなかったので、どういうことか、詳しいことを知らないのですが、新聞に出ておりました点をお教え願いたいと思います。
○石山委員 それでは、これは労働問題だから、あなたの方と行政管理庁の方々は一番目を光らしていなければならぬ問題です。たとえば民間の場合も、不当労働行為の中でやみ専従の問題とか、いろいろあるわけでしょう。こういうふうなものと同じことで、官庁の場合やみ専従はいかぬとか言っておるようです。それから、これはお調べになって、あとでこの法案を上げるときでよろしゅうございますから、こういう責任体制を論じられた中に労働省が入っているのかどうかということ、それから労働省が入っておるとすれば、管理職がふまじめでそういう案が出たのか、それとも有能な係長級あたりにそういう意見があるのか、それとも出先機関にあるのか、一般的に抽象的に言っておるのかということにもなると思うので、労働省の中がどういうふうになっておるかということをこの際お聞きしておきたいと思ったけれども、あなたが出席していないというのじゃ、これはどうにもなりませんけれども、政務次官会議でお話し合ったことと、労働省の業務実態等を照らし合わせてみて、どんなものかということをこの次一つ御答弁いただきたいと思います。 それでは、政務次官に対しては一応終わりまして、おもに賃金部のことについて、二、三お聞きしておきたいと思います。賃金部をおつくりになったとき、私どもは、賃金部はどうも指導性を持ち過ぎるきらいがあって、労働運動に水をかけるのじゃないか、こういうふうな心配を持っていろいろ長く論議をしたわけですが、そのときの説明では、賃金部というものはそうではない、正確な資料を提出するのだ、こういう御意見がもっぱらでございました。しかし、正確なる資料という言葉はどういうふうになるかとしますと、これはありのままを出すということもあるでしょうけれども、正確という言葉になると、事態に対する批判がかなり含まれておるとわれわれは考える。正確な資料というものは、正しい資料ということには、かなりの批判がその中に生まれてくる。検討しなければならぬと思っているわけなのですが、今総評で欧州並みの賃金という言葉を盛んに使っておるのですが、これはこまかいことを言わぬでもよろしい。これについて労働省はどういう見解を持っているかということを一つと、その見解をどこかの形で世間に発表しているかどうか。いわゆる正確なる資料をば日経連その他へ提出したことがあるかどうか、大ざっぱでよろしいが、お伺いしたいと思います。
○辻説明員 第一の御質問のありましたのは、賃金部はどういう趣旨で仕事をいたしておるか、特に資料の提供というものについてどのように考えておるか、こういう御質問と理解をいたしたわけでございますが、賃金部のできました趣旨あるいはその経過等につきましては、昨年この内閣委員会におきまして、石山先生非常に御関心をお持ちいただきまして、御理解をいただきましたので、十分御承知いただいておるかと思いますが、何と申しましても、賃金は労働者にとりましては生活の資でございますし、経営から見ましたらコストでもあります。また、国民経済的にも、いろいろな要素となっておるわけでございます。従いまして、今日の国民経済が非常な勢いで成長しておる段階で、賃金問題についてこれを円滑に処理することが必要であるということで、賃金部を設置することたきめたわけでございます。昨年の五月に発足いたしましたばかりで、まだ十分なことはできておらないかと存じますが、ただいままでやっておりますおもなことを申し上げますと、第一が賃金格差の縮小でございます。その具体的な手段といたしまして、御承知の最低賃金制の施行ということに最大の重点を置きまして、仕事を進めて参っております。御承知のように、昨年の秋には、石炭産業につきまして、職権による最低賃金の御決定が委員会でもなされ、政府としてもそのような決定をいたしたわけであります。その他、一般の最低賃金につきまして、できるだけ最低賃金が一般的に普及をいたしますように、また、その内容につきましても、実効のあるものにということで、努力をいたしております。さらに、一般の賃金問題につきましては、これは労使が、当該の企業の景況あるいは労使の実情並びに国民経済全体の動向を考えられまして、自主的に話し合いで処理されるということが基本であるというように存じておるわけであります。ただ、やはり個々の労使では十分な資料の入手も困難な場合もございますので、諸般の客観的な統計資料あるいは事実関係の資料というものを、できるだけ皆さんの労使のお役に立つように、純粋に客観的に提供するというように考えて、仕事をいたしておるつもりでございます。 第二の御質問は、先般、昨年の秋でございますか、労働省が、諸外国における日本の賃金の実情に対する誤解、それが日本品の輸入制限問題等にも関連があるやにも考えられますので、諸外国に対して、日本の賃金水準というものは、諸外国で誤解されているような意味で不当に低いものではないということを明らかにいたしますために、日本の賃金事情というパンフレットをつくったわけでございます。この作成に当たりましたのは、主として労働統計調査部が中心になりまして、私どもも若干のお手伝いをいたしてつくった、かような次第でございます。
○石山委員 総評の欧州並みの賃金という言葉をどういうふうに見ているか、評価しているかということを聞いているのですが、言いにくければ言わぬでもよろしい。けれども、そういうことも、皆さんの方では答弁する用意があってしかるべきだと思う。そのくらいの権威を持たなければいかぬと思っているわけです。 それから、私どもは、労働省で出しているいろいろな統計等の中で、こういう言葉が気になるのですよ。賃金が安定してきたとか、急上昇を来たしているとか、日本の賃金というものはここのところぐんぐん上がっている、しかも安定している、それから中小企業と大企業の賃金の格差が狭まっている、こういう言葉をやたらに使うのだ。それはその通りなんですよ。その通りだけれども、その言葉は、現実を肯定した上に立った言葉なんです。世界中で一番低い賃金を肯定した中から、上昇したのだね。極端に安くないという言葉を使っている。極端に低くはない日本の賃金事情とか、それこそ――それは一般の人をばかすという言葉じゃないのだろうけれども、やはりよくないと思うのです。労働省でなく、よその省でとって、そういうことが――この前、経済企画庁が例の生産性と賃金の問題を論じたときは、私はしろうとだからと思っておったのだけれども、労働省が、いやしくも労働者にサービスをするというような新しい意欲のもとにできた労働省が、こういう言葉をやたらに使ってよいかどうかという疑問を私は持っている。これはあなた方の白書を見れば、ちゃんとそういう言葉が書いてあるのだから、用語についてはやはりもう少し注意していただきたいと思うのだ。これは比較論でございますけれども、いかにも一般の中小企業の方々からいえば、こんなにたくさんやらぬでもいいのじゃないかというような印象を経営者に与えるような個々の文章が見える。これはやはり実態は進行しつつあるけれども、それは国内における比較でございまして、国外と比較をすれば、日本の場合は何と申しましても東南アジア並みですからね。そういう言葉の使い方についてはかなり慎重に使っていただきたいということを、私は最近の労働省発表の文章を見て感じました。 これからの問題について心配になっている点は、これは労働委員会でもかなりに論じられている問題だと思うのですが、盛んにいわゆる合理化が行なわれている。合理化によるところの第一次の場合は配置転換でございますね。企業内における配置転換くらいならいいけれども、全然業種の違った配置転換を行なわれるので、職業訓練その他は非常に活発にやっておると思うけれども、これはなかなかその通りにいっていないのではないか。特に、私はこの前にもお聞きしておったのですが、農村から出てくる中年者の再教育については、この前見るべき説明がなかったのでございます。その対策はかなりに進んできていると私は思うので、この際、その対策について一つ説明をしていただきたいと思います。 それから、これは賃金部直接になるかとうかわかりませんけれども、公務員の給与を私ども取り扱って直接感ずるのは、初任給をば高くしなければならぬということを言っているのです。初任給を高くしなければならぬということと、普通一般にいっている職能給、職階給、あるいは技能給と申してもよいのですが、これはそれぞれの言葉があるように思います。それぞれ特質があって、一概には言えないようですが、初任給を上げろ、これは学校を出た人たちのために尊重されなければいけない。これを上げていくと、今の民間で考えている技能給、職階給、職能給と言っておるようですが、これもぐんぐん上がっていかなければならぬわけなんだね。これは見てみると、そうではないようです。初任給を上げても、上は上がっていくけれども、中はなかなか上がらない、三日月型が極端に最近出てきているのではないか。ここに中年層の悩みがあると思います。特に子供の学校に経費のかかるような年配になった場合に、どうも昇進、昇号がおくれている。ですから、賃金形態を考えてみる場合に、実質賃金という言葉があるわけなんですが、最も生活に困っている人にその賃金を与える工夫、そううい体系こそ必要なんでしょう。初任給はもちろん上げなければならぬけれども、これは一人身だと言ってもよろしい。それで、子供が二、三人いて学校に経費がかかる人たち、こういう人はむしろ押えられているのではないか。これは公務員給与のベースを見ると、そういう現象が出てきておりますが、公務員の場合は、民間の給与のそれをふんまえて体系をつくっているわけですが、民間の大ざっぱな傾向はそういう傾向にあるのかどうか、人事院の説明を聞くと、そういうようになっているようですが、それでいいのかどうか、お尋ねしたい。
○辻説明員 第一の、農村から出て参ります行に対する職業訓練の問題につきましては、ただいま主管局長がおりませんので、概略だけ御説明申し上げたいと存じますが、まことに先生の御説明のように、農村から出て参ります問題に対する職業訓練はきわめて重要な問題でございまして、本年度はそういう意味で職業訓練行政が重点の一つとして、そういうものに向けている次第でございまして、具体的なこまかい点は、また別の機会に資料をもちまして主管局の方から御説明申し上げたいと思います。御了承いただきたいと思います。 第二の貸金体系の問題でありますが、御指摘のように、従来の日本の賃金体系が一般的に年功序列型といわれます体系でございまして、若年層の賃金が低いかわりに、年をとりますと年功、勤続によりまして賃金が上がって参るというのが、日本の一般的な給与形態であったことは御指摘の通りであります。さらに、最近におきます労働市場の変化、特に若年労働者の不足というのが一つの原因で、また企業の内部におきましても、あるいは労働組合側の内部におきましても、この若年者と中高年令者との間の作業の内容の変化というようなものも含めまして、最近におきましては、先生のお話のように、若年層の貸金、特に初任給が相当大幅に上がっていく現象が数年間出ております。従いまして、お話のように、一般的に言いますと、初任給が上がったほどその以外の部分の賃金が同じ割合では上がりませんので、給与の体系というものがやや中だるみ的になっておるところも少なくないというのが、一般の民間の賃金の実情でございます。この問題につきましては、いろいろな考え方がございますが、先はども申しますように、貸金は労働者にとりましての生活の手段でございまするから、現実にその貸金が労働者の生活を満たさないということでは、当該の労働者にとりましても不適切でありますばかりでなく、経営者側が労務管理の手段として考えましても、そのようなことでは困るわけでありまして、そういう意味で、賃金体系の問題が、先ほど申し上げました、あるいは先生の御指摘のありました一般傾向というものと同時に、それがまたある程度一般的な場合において労働者の生活をささえ得るような賃金体系でなければならぬというふうに考えておるわけであります。これは個々の事業場あるいはそこの労働組合その他労働者の考え方もございまして、賃金水準の比較的に高い企業という場合と、比較的賃金水準の低い企業というものとでも違って参りますし、労働者の年令別構成がその企業においてどうなっておるかということでも変わって参りますので、一律にこうでなけれ、ばならぬというようなことは、これは第三者が容易に断ずることはできない問題でありますが、労使が、そこの企業の実情、労使関係の実情等を総合的に御判断になりまして、両者話し合いできめられることが現在の段階では望ましい。賃金部といたしましては、そういうことの御参考になりますような資料の提供は、これはしなければならぬと思いますが、貸金体系は直ちにかくかくあらねばならぬということは申せる事情ではない、かように理解をいたしております。
○石山委員 日本の在来の賃金というものは年功序列型なんです。なぜ年功序列型になっていたかということなんですが、これは日本の国が労働人口過剰であったことが一つの原因なんです。そうしてそのことが賃金の安定と低賃金をもたらしたのですよ。そのことが日本の産業を封建的な興隆に導いていったということになるわけです。それはそれで役目を果たしたわけなんです。役目を果たしたが、じゃすぐいわゆる労働人口過剰の中において職能給だ、こういうやり方では、労働市場に非常な混乱が起きるというのは、炭労の闘争一つ見てもわかると思うのです。傾向としては、新しい機械が入る、新しい化学方程式が事業の根底をなすという場合には、若手を育てなければならぬということはよくわかりますけれども、年功序列型で育てられた経営の中に何十年となく住んできた人は、まだまだたくさんいるわけなんですね。それらの事情、実態というものをあまり脳裏に置かないで、新しい賃金体系はかくかくであるべしというふうなことは、これは産業人、経営者なら言ってもよろしい。しかし、たくさんの労働者を見ていかなければならぬ労働者にそういう見解がもしあるとするならば、情けないというよりも、遺憾と言いたい。そういうことはいけませんよということをこの場合端的に言った方がよろしいと思う。特に一つの時点の移り変わりのとき――もちろん指導性という言葉もあるのだけれども、移り変わりのとき、皆さんの一言一句によってたくさんの被害者が――という言葉が適当でないとするならば、それに関係する労働者がたくさんあるものでございますから、よほど気をつけて、今言ったいわゆる職能給に切りかえるべき時期だとかなんとか言うことは、私はよほど慎重に言い回しをしていただかないと、いたずらに首切りを奨励するような形にならざるを得ないのではないかと思う。そしてまた、事実上、私は日本の労働市場を見てみますと、まだまだ動かし得ないものが残っている。その尤たるものは公務員制度だと思っているのですが、こういう公務員制度には皆さんの方でほおかぶりしておる。そして民間からやんさやんさ言われても、それをどこかでみんな切っちゃって、耳に達しないような顔をしている。年功序列給のはなはだしいものは皆さん自身なんです。間違いない。ですから、一方にはそういうことを奨励しながら、一方では自分たちの場合だけは門戸を閉ざすというようなやり方は、何も皆さんがエゴイストだからではない、そういうふうな矛盾があるということだろうと思うのです。まだ日本の企業と労働市場というふうなものに一つの矛盾があるだろう。その矛盾の解決は、特に高度成長経済のあおりを食って悩んでいるだけ、賃金の高い安い、あるいは体系はこうあるべきだ、こういうことに対しては慎重でなければならぬのではないか、こういうふうに申し上げなければならぬと思っております。 それについて、労働省がいつか一ぺんコスト・インフレの話に乗っかってきそうな態勢を見せたことに対して、私は労働省に味方をするものであったけれども、若干私は残念に思う。日本にはコスト・インフレの歴史はない。長い間の日本の産業面においてコスト・インフレがちょっと出たことに対して、さもさもこれが市大事項というふうな意見、将来も続くだろうというふうなことは、あんまり怪々しいのではないかと思う。もちろん、この生産性の問題等については、経済企画庁が口火を切ったのでございましたけれども、それに応ずるような態度を示した労働省の言説に対しては、私は遺憾の意を表せざるを得ない。それに対する労働省の態度というふうなものを若干御説明していただきたいと思う。
○辻説明員 現在物価が上がっておる原因が那辺にあるかということになってみますと、いろいろな事情が複雑にからみ合っておりまして、経済の諸事情あるいは労働需給関係が、お互いに原因になったり結果になったりしている点がありますので、どちらが原因でどうなったかということを一がいに断定するということはむずかしかろう、かように思います。また、いわゆる生産性の上昇と賃金の上昇との関係につきましては、長期的に見ますならば、国民経済全体の生産性の上昇と、賃金の上昇あるいは国民所得の上昇というものが、見合って参るべきものだ、かように考えておるわけです。ただ、景気の循環の過程で、非常に好況のときは生産性の方が上回り、不況のときは賃金の方が上回るというようなことも、ある時点の問題としては申し上げられると思います。 いわゆるコスト・インフレが日本にあるかどうかということになりますと、お話しのように、日本ではあまり経験のない問題でございますので、軽々に短期間の現象だけを見てこうだというふうに断定することもまだ危険な点があることは、御指摘の通りであります。ただ、高度経済成長の過程の中で、従来総体的に低賃金でありました中小零細企業あるいはサービス業というようなものの賃金が改善される、その場合に、そういう分野の生産性向上が事の性質上非常にむずかしいので、この部分が価格に転嫁をされて、それが一部そういう種類の物価上昇ということにつながっておるということは、これはある程度事実でありまして、そのことは、また賃金格差の縮小なり何なりはある程度やむを得ない結果であるというように考えておりますが、それが直ちに全体のコスト・インフレにつながるかどうかという問題になりますと、もっと大きな角度で検討しなければならぬ問題だというように考えておるわけでありまして、直ちに現在コスト・インフレになっておるというような断定的なことを労働省が申し上げたことはなかろうかと存じます。
○石山委員 これはどこの経済でもそうですが、長期展望ということによってその性格を論じなければならないのであって、高度成長経済によってほんとうに人為的に突発的にああいうふうなケースが出てきたのでありまして、われわれは、今後そういうふうに労働賃金が上がったことによってコスト・インフレになることは、おくれている日本の賃金関係に喜ぶべき現象だと思うけれども、実際から言えばそうじゃない。むしろ、賃金がいろいろな面のために無理をさせられていっていると思う。せんだって、あなたの方から出たものに、終戦後実質賃金が戦前の四倍に上がったなんてえらそうなことを、四倍だけ大きく書いているけれども、実際から言うと、実質賃金の問題になると、最近では値上がりなんかあまりしてないんじゃないでしょうか。そういうことは今論じてみてもあまり興味のある問題でもないので、伏せておきますけれども、さっき申し上げたように、うんと低い根底の中の国内における比較だけをやるという危険性、それから実質賃金のとり方に対して、私たちはいろいろ疑義がある。これは一日論じてもいいだけの疑義を実質賃金問題については持っている。ですから、これはいつか日をあらためてまたお聞きしたいと思います。 それから、さっき申し上げた、農村から出た人に、どういうふうにして事業団等を利用して再就職の仕事をあっせんしているか、大ざっぱでよろしいから、この際、説明を承っておきたいと思います。
○遠藤説明員 農村からの離農者の転職対策でありますが、御承知の通り、農村からの離農者につきましては、若年者については、最近の労働事情の一般的な状況で明らかなように、新規学卒を中心とした若年労働者が非常に不足しております。農村からの次三男等の離農者につきましても、若年の方々は比較的容易に就職できているような現状でございます。そこで、問題になりますのは、主として中年層、中高年令者といわれております三十四、五才以上の農村からの離職者、転職者であろうかと存じますが、こういう人たちにつきましては、雇用促進事業団で行なっております総合訓練所、あるいは都道府具の一般訓練所、こういった訓練施設を増強して参りまして、こういう訓練施設の収容定員を増加いたしますと同時に、転職訓練を重点的にやりまして、いろいろなこういう中高年離職者に適しておりますような職種を選びまして、転職訓練を行ないまして、その就職促進をはかって参っております。三十八年度におきましては、こういった農村からの離農者を含めました新規の失業者、中高年の失業者に対しまして、安定所で就職促進指導官を設けまして、一人々々の求職者、こういった離職者を担当いたしまして、就職促進指導の特別訓練課程を設けまして、いろいろと特別な就職指導を行ないますとか、あるいは訓練所に入れて適当な職種についての職業訓練を行ないますとか、あるいは短期の速成訓練を行ないますとか、こういったことによりまして、その就職促進をはかって参りたいと考えております。その就職までの間において、失業保険の受給者にはもちろん失業保険金が支給されますけれども、農村の離農者のような失業保険の対象にならないような人たちには、就職指導手当を支給いたしまして、その生活の安定をはかりながら、就職促進をはかっていく予定でございます。
○石山委員 事業団もできてから日が浅いのですが、その活用はうまくいっておりますか。この前、私、秋田で変な事件が起こったものですから、技能だけではうまくない、技能とともに何かを精神面にも与えなければ、事業団としてうまくないんだというふうに御忠告申し上げたこともありますが、皆さんいろいろな計画をお立てになっているのですが、計画をお立てになって、やってみたら、どこが欠点で、どこが成功であったかということは、やっぱりこの際言うべき必要があると思うのです。事業団が出発して間が浅いけれども、今日までやってみた結果、特に農村地帯においてはどういうところがよかったか、どこがネックになって、ここら辺は改良しなければならぬ、こういうことを一つ説明していただきたい。
○遠藤説明員 私、所官が違いますので、はっきりしたそういう詳しいデータを打ち合わせておりませんが、そういう中高年の離農者で、一番問題がありますのは、家族をかかえておりまして、事業地に移転をして訓練を受けるということが非常にむずかしいという問題でございます。そういったところから、移転用宿舎をつくりまして、できるだけそういう人たちを需要地、就職可能な地域に連れて行って訓練を受けさせるようにいたしておりますが、あまり思うような成果は上がっていないと存じます。ただ、訓練所に入りまして訓練を受けた人たちの就職につきましては、現在までの結果は、ほとんど百パーセント近い人たちが就職いたしておるような状況でございます。問題は、いかにして訓練所に入れさせるかということにあると思っております。従いまして、そういう点については、今後訓練所に入っている期間の生活の安定をはかるためのいろいろの援護措置を強化して参りたいと考えておるわけでございます。
○石山委員 これは政務次官にお聞きします。豪雪が、今、国会の中で地方問題としてはかなりに大きくとらまえられておるのですが、ああいうふうに、たとえばうんと雪が降って、寒いところにいて収入が少ないと、東京へ来るなと言ってもみな東京へ来るし、大阪へ集まるなと言っても大阪へ集まる。これはやっぱり大きな政治の立場からして、そこのところに住む住民といっても、農家の人は動きませんよ。農家はたんぼがあって、そこから収入が上がるのだから、なかなか動かぬけれども、一般の給料取りは、住みにくくて賃金が安ければ、なんぼ来るなと言ったって、東京が住みよければ東京へ来ます。賃金が高くて、税金が安くて、暖かいとなればね。労働行政上、たとえば甲信越だって新潟だって、あるいは新潟の場合は特にそうですが、こういうところに産業を地方分散させようとしていますね。それに企業に対しては、今回、公共施設等でそれぞれ税金を免除する、補助金を出す、除雪のためには車も貸してあげましょう、金融もしましようと、いろいろの手を尽された。しかし、労働者一般のこういうふうな個人の問題になると、なかなかそこまで手が届かぬのでしょう。話題にもあまりなっておりません。しかし、労働をばまじめに考えている政府としては、こういう場合、所得税の一部を免税にしてあげるとか、あるいは将来の大きな施策として、こういう豪雪地帯に引っ越しをする企業、工場、こういうものには特別何かを見てやるというようなことを、省内では何か論議をされておりませんか。
○田村政府委員 まだ今のところそういうことを私は聞いておりません。今度の豪雪に対する処置はいろいろと相談をしておりますが、しかし、それじゃ僕なりに一ぺんそういう意見を省の方で出してみましょう。そして一つの研究課題として検討してみたいと思います。
○石山委員 私は、労働市場を確保する意味、しかも企業を安定化するためには、大都市に集中するという時代はもう過ぎ去ったと考えてよろしい。これはだまっていれば、なんぼでも集まってくる。しかし、それでは政治にはならぬのですから、そのために、新産業都市指定というふうな考え方も当然出てくるわけです。その場合に、該当している新潟など、雪のために困るというようなことになる。たいがい、これは公共施設とかその他に関しては論議の対象になるわけですけれども、個人の問題になりますと、何となく面はゆい気持がして、公けの場所では論議をしないということが通例なんです。しかし、労働人口確保というふうな問題になりますと、やっぱりそこに住んでいる人たちのことを第一に考えてあげなければならぬわけですから、公共施設その他に関して特別の措置が講ぜられ、そうしてその次に企業法人、団体等の減税の措置が講ぜられてくれば、次に当然考えられるものは、そういうふうな豪雪、気象庁のお話によれば、これから長く続くというようなことになりますから、たくさん降った場合には、こういうことも考えられるのではないか。こういうようなことを一つ省議の中で、どこかの機関で検討してもらうように、これをお願いしておきたいと思います。 訓練局長せっかくおいでになりましたですが、時間がおそいので、この次上げるとき若干時間をいただきまして、あなたに気にかかっている点を二、三お聞きしたいと思いますけれども、委員長、きょうはこれで終わりたいと思います。
○内藤委員長代理 山内広君。
○山内委員 時間も切迫しておりますけれども、若干お聞きしておきたいと思います。 まず最初に、事務的なことですが、提案理由のときに御説明があったのですけれども、ちょっと補足してお聞きしておきたいのですが、保険給付関係の業務が百六十四名の増員になっております。これを労災と失業保険と分けまして、そして本省に何名、局に何名、所に何名、こういうふうに一つ分けてお答えいただきたいと思います。
○鈴木説明員 全般で見ますると、本省関係が十名、地方が百十九名ということになっております。特別会計を申し上げますると、労災保険が九十九名、失業保険が六十五名、こういう数字になっております。
○山内委員 それからこの増員の中で、お医者さんとかそのほかの技術屋さんと事務星を分けて、どういうふうになりますか。
○鈴木説明員 増員の中で、検査関係及び産業災害防止関係が十五名、これが大体技術系統の方でございまして、あとは大体におきまして事務系統の方でございます。
○山内委員 それからもう一点ですが、予算井の中に、労働保護官署四千六百三十八人とありますが、この中に技術屋さんはどれくらいおりますか。――時間がありませんから、あとでお答えいただきたい。実はなぜこういう事務的なことをお伺いしているかといえば、二百二十九名の増員が少ないという立場から、田口さんがいろいろ深い質問をされておるわけです。私はその問題は触れませんけれども、電気計算機を使うとか、あるいは自動車やオートバイを買って機動力を持たせるとか、いろいろ計画にあるようですから、そういう事務的な措置についてのことはあなた方におまかせしておいていいと思うのですけれども、これは一つ副大臣にも聞いていただきたいのですが、こういう今の積み上げでもって業務量三割に対して一二%の増員で大したことはないのだ、こう説明があったけれども、ただ業務量だけで人を積み重ねていって、はたして労働保護官署である労働基準監督署が本来の任務を遂行されておるかどうかという基本的なものに疑義を持っております。一つの例をあげれば、これは最近の問題ですが、御承知と思うが、大阪劇場というところで踊り子がけがをした。そこで、どういう形で注意されたか知りませんが、ああいう職場に対して労働省は注意をした。ところが、ここの日劇も、注意を受けたとたんにまたけが人を出した。これは、最近の労働基準行政のあり方について、一つの示唆を与えておると私は思うのです。それは書面でやったかもしれぬけれども、この監督官庁であるあなた方は、もう一歩進んでいって、その施設の内容を検討して、こんなことしておいたらおっかないじゃないか、これはこういうふうに直せと、それだけの権限は持っておるはずなんです。ただ人が少ない、田口さんのお話では、四百から五百の事業所を一人が担当して、そしていろいろな業種があるのを受け持ってやっても、結局は問題が起きてから、書面でもって注意をするにとどまる。これでは私は監督行政の徹底を期しているとは言えないと思う。やはり中へ入っていって、施設の悪いところを指摘して、そうして改造させるくらいでなければ、私は監督署の存立の意味がないと思う。私も実は「労働経済の分析」というのを見まして、労働災害の件数を見てびっくりしたのですが、これは三十六年度でもって四十八万二千件近くの労働災害がある。そして即死した人が三十六年で六千七百十二名、これは間違いないと思うのです、「労働経済の分析」ですからね。そうしますと、今交通の問題が社会的にも取り上げられて非常に問題になっておる。これはやはり交通事故に次ぐ広い社会問題だ。それを単なる事務的な処理をする人を二百二十九名ふやして、本来のこういうものがマンネリズムになって等閑視されておる、そう思わざるを得ないのです。これについての次官の御見解をまず伺っておきたい。
○田村政府委員 私は、御承知のように、労働行政ははっきり言ってしろうとでございます。しろうとであるだけに、役人的な見方をしないで、代議士的な見方をするわけでありますが、今おっしゃることは、私はごもっともだと思うのです。事業量がふえたからこれだけ人員をふやすということを考える前に、しからば現在一人当たりの事業冠が妥当であるかどうかということが、より以上大きな問題であろうかと思います。私は端的に言って、役人は仕事があまりにも過重過ぎると思います。そういう意味で、もちろんたくさんの増員を必要とするのでございましょうけれども、先ほど田口君に申し上げたように、いろいろと厄介な面もございます。そこで、今あなたもおっしゃいましたし、先ほど田口君のお話にもありましたが、労働災害等におきまして、なるほど人員が少ないということも大きな隘路になっておりましょうけれども、しかしながら、現実の問題としてそれを克服していかなければならぬのでございますから、より人員増を毎年求めなければなるまいかと思いますが、同時に、先ほどの災害防止法の問題でもそうでありますが、基準局のいわゆる監督署の権限を侵すかどうかということは別問題として、民間の受け持つ責任分野をはっきりしなければならないかと思います。そういう点で災害防止法等も制定をいたしたい、民間の協力も求めたい、また民間のなすべき責務を果たしてもらいたい、そういうふうにして今後対処していきたい、かように考えておるわけであります。
○山内委員 この次に大臣が出席されたとき、この点もっと詳しく大臣の労働行政についてお聞きしてみたいと思うのでaが、事務的なものの処理そのことも捨てられませんけれども、本来労働者を守る、危険から未然に防止する、こういうことが監督局なり署の大きな任務だと思う。ところが、先ほども次官の口から出ておりますが、公務員の業務量が過重だからもう少し緩和さしてくれ、それはそれでお考えになるのは、当然自分の使っておる部下だからいいのです。しかし、私どもの立場からすれば、それはおまかせしていい、ただ、この労働災害をどうして防止するかについてどういう見解をお持ちになっておるのか、このことなのです。私がそれを心配するのは、民間では、労働基準局頼むに足らず、実はそういう極端な批判をしておる人もいるのです。みんな経営者にまかしておるじゃないか、卒業場のボイラーが危険になっておる、もう修理しなくてはならぬけれども、監督署じゃ来てみてもくれない。経営者はそれに設備資金が要りますから、一寸延ばしてやっておるうちに、災害が起きて、人的、物的損害を一カ年で二千億も与えておる。これは、事務的なものを離れた次官とか大臣の労働行政のあり方につい一労働者を守るのですから、職場に憶ての考え方を基本的にはっきりしてもらわないと、この問題は解決しないと思う。そのことを次官に訴えておるわけです。その次点を一つ御披瀝いただきたい。
○田村政府委員 お説まことにごもっともでありまして、私どももそういう点であらゆる努力を惜しまないものでありますが、労働省という役所の本来の性格は何かといえば、これは当然労働者の立場を守る省でございますから、いろいろな立法措置を今後も講じていかなければならぬかと思います。また、人員の配置も適正な配遣をやっていかなければならぬかと思いますが、結局先立つものは金でございまして、そういう意味においても、財政当局に対して、特に決意を新たにして今後折衝していかなければならぬかと思います。いろいろな面においてぜひ御協力をお願いをいたしたいと思います。
○山内委員 そこで、私、もう一つ、労働行政がうまくいかない理由は、こういうところにもあるのでないかということで感じたのですが、それは、予算書を見まして、地方労働基準監察監督官というのが百七名おります。これは四等級と五等級に大体半分くらいに分かれている。別に級が低いから仕事ができないということでもありませんけれども、大きな機械設備をしているところの事業場へいって、自分は監督署だと、これはたしか身分証明書を持って入れるはずです。こういう点も、はなはだ妙な言い方になりますけれども、やはりこういうものの地位は上げて、少なくとも警察署長くらいの権限を持って職場へ行って――随時そこの労働者を守るのですから、職場に憶せず堂々と行って、監査のできるような立場も地位も認めてやらなければいかぬのではないか。特に私はあとで御説明いただきたいと思いますけれども、お医者さんも必要だろうし、いろいろ専門の研修もよほどやってもらって、そして安全作業というものはどういうふうにしてやるかという、各種各様の職場の安全を一目で見てわかるくらいまでの訓練となれば、よほどだと思うのです。これはやはり地位も低い、従って月給も安い。りっぱな技術屋さんはこういうところへはこない。これではやはりうまくないと思うのです。こういうふうな点についてはどういうふうにお考えになっているか。
○田村政府委員 具体的な問題に関しましては、村上局長なりあるいは辻部長から御説明を申し上げると思いますが、今の問題で関連して、基本的な問題で非常に私はわが意を得たりという感じがいたしましたので、あえて私の意見を申し上げたいと思います。 私が労働省へ入りましてまだわずか半年でございますけれども、つくづく感じたことは、労働省の人事機構というものが、中央の役人はきわめて地位が高く、地方の役人が低いということでありました。これを私は痛切に感じたのであります。たとえば地方の基準局長あるいは婦人少年室長というものの地位が低いのであります。これは私が在任中――あとどれだけ在任いたすことでありますか、次の内閣改造でおそらくお払い箱になると思いますけれども、少なくとも私の在任中に何とか目鼻をつけていきたいと考えておりますことは、まず全国にブロック別に局を置くということ、そして各県に部を置いて、今の局を部にして、地方の監督署長にしろ、あるいは今おっしゃったようないろいろな面においても、人事機構をもう少し充実かつ高めまして、労働行政の万遺憾なきを期さなければいかぬのじゃないか、そういう点で私は何とか努力をして、目鼻をつけていきたいと考えておるわけであります。今御質問の具体的な問題とはちょっと縁がないかもしれませんが、思想としては、こういう問題同じだろうと思いますから、あえて私の考え方を申し述べた次第であります。いずれ、大きな問題で設置法改正がかかりますが、何とぞよろしくお願いいたします。
○辻説明員 ただいま御指摘のありましたことの中で、事務的にちょっと御説明さしていただきます。 御指摘の地方労働基準監察監督官百七名と申しますのは、都道府県の労働基準局に配置されておる監督官でございまして、これは主といたしましては、労働基準監督署におきまして第一線で行ないます監督業務の総合調整、指導監督、内部的な仕事をいたしておる職員でございます。なお、それぞれ局長ないしその下に課長がおります。あるいは局長、課長が配置されまして、署には署長その他がおるわけであります。重要な案件につきましては、局長、課長がみずから監督に出かけるように終始指示をいたしております。なお、級別定数改正、研修につきましても、今後とも努力をいたして参りたい、かように考えております。
○山内委員 次官の誠意ある御答弁ですから、それは了解いたしますが、重ねて申し上げておきますけれども、この監督行政の今御答弁のあった課長というのは、五等級の人が五百一人、六等級四十一人、係長百十八人、六等級百二十一人、労働基準監督官というのは、六等級と七等級です。言っては悪いですけれども、名前は監督官ですから、えらい権限があるようですけれども、かえってそういう考え方からみますと、本省の方には労働基準監察監督官が三等級、四等級におるわけです。むしろ、この窓口の方は権限のあるりっぱな人を使ってやらないと、労働行政については、このごろは、あなた方の耳にまでは入らぬかもしれないけれども、一体監督署は何をやっておるんだ、みな事業所まかせじゃないか、これでどうしてわれわれをこういう労働災害から守ってくれるのだという不満の声は非常に強いのですよ。事業所まかせでみなやる、こういう点で信頼も博さないし、依然として労務災害というものは絶対件数としてはふえるばかり、こういう点を御注意申し上げておきたいと思います。 もう一時半になりまして、代議士会もありますので、自余の質問はこの次にいたしたいと思います。
○内藤委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる七日十時理事会を、十時半委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後一時二十八分散会