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43回国会衆議院1963/02/19

内閣委員会 第2号

発言数
76
登壇者
14
会派数
2
開催日
1963/02/19

会議録

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これより会議を開きます。  国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案、旧金鵄(し)勲章年金受給者に関する特別措置法案、北海道東北開発公庫法の一部を改正する法律案、経済企画庁設置法の一部を改正する法律一案、厚生省設置法及び国立光明寮設置法の一部を改正する法律案、科学技術一庁設置法の一部を改正する法律案の六法案を一括議題といたします。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 政府並びに提出者より順次提案理由の説明を求めます。北海道開発庁長官川島正次郎君。

川島正次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○川島国務大臣 ただいま議題となりました北海道東北開発公庫法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  北海道東北開発公庫は、昭和三十一年設立以来昭和三十六年度末までに約八百億円に上る出融資実績を示しておりまして、三十七年度予定の原資二百三十億円を加えますと三十七年度末には実に一千億円をこえるのであります。  このように、公庫に対する出融資の要請はきわめて強く、その規模も逐年拡大していく実情にあります。  今後、北海道及び東北地方における鉱工業の進展に対処して、公庫がその使命を達成するためには、まず公庫の資本金の充実をはかり、経営の健全性を維持していくことが必要であります。  すなわち、公庫の資本金は現在二十五億円でありますが、二十七年度末における出融資残高は七百八十億円に及ぶ見込みでありますので、このような巨額の事業規模に対しましても自己資本の充実をはかっておくことは、緊要のことと存ずる次第であります。  次に、公庫の原資調達の方法として、政府資金の借り入れと民間資金の活用により資金需要に応じているのでありますが、その大半を債券発行に依存しているのであります。公庫は、公庫法第二十七条の規定により、資本金の額の二十倍に相当する金額を限度として、北海道東北開発債券を発行することができるようになっておりますので、現在の資本金における債券発行限度額は五百億円でありますが、その発行高は三十七年度末において限度額にほとんど到達する見込みであります。  従いまして、公庫の資本金の充実をはかるとともに、債券発行額を拡大するため、公庫法第四条に規定する公庫の資本金二十五億円を十億円増額して三十五億円とすることについて、法律の改正をお願いする次第であります。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、なにとぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 科学技術庁長官近藤鶴代君。

近藤鶴代自由民主党科学技術庁長官

○近藤国務大臣 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  近年におきましての科学技術の進歩は、まことに目ざましいものがありますが、特に世界の先進国における宇宙の利用及び宇宙科学技術の進展は、通信衛星、気象衛星、測地衛星等を開発してその実用面にも新分野を開きつつあるばかりでなく、これらに関連する科学技術の諸部門の発達を促進し、一国の科学技術水準の向上にきわめて甚大なる影響を及ぼしております。  わが国においてもすでに従来から宇宙科学技術の振興をはかって参りましたが、これを一段と強化し、かつそのための体制を整備することは、焦眉の急務であります。これがため、科学技術庁の権限に宇宙の利用を推進することを加えるとともに、航空技術研究所を航空宇宙技術研究所と改称し、宇宙科学技術に関する所要の試験研究等を行なわしめ、もって宇宙の利用及び宇宙科学技術を積極的かつ強力に推進しようとするものであります。  また、わが国は、地理的条件からして自然災害について世界有数の被害国であり、これらの災害を防止し、軽減し、復旧することに関する科学技術の振興をはかることは、各方面から強く要望されるところでありますので、科学技術庁の付属機関として、防災科学技術に関する総合的中核的機関の性格を有する国立防災科学技術センターを設置したいと考えております。  また、わが国の原子力利用の進展に伴い、茨城県東海村周辺地区は、現在、多数の原子力施設が設置されており、これら原子力施設の検査、監督を強化し、周辺地域の放射線監視を厳に行なう必要があり、これがために水戸市に科学技術庁の支分部局を設置する必要があると考えております。  以上によりまして、科学技術庁設置法の一部を改正する必要がありますので、本法案を提出する次第であります。  次に、本法案の概要を御説明いたします。  第一に、科学技術庁の権限に、宇宙の利用を推進することを加えるとともに、これを研究調整局に所掌せしめることであります。  現在、無線通信、気象観測等の面における宇宙の利用につきましては、関係各省において、それぞれの行政目的に応じてこれの促進をはかるべく努力がなされておりますが、科学技術庁におきまして、これらの総合的な推進をはかるとともに、宇宙飛翔体の試作、打ち上げ業務等に関する事務をつかさどる等、宇宙の利用に関する先導的役割ないしは研究環境整備のための役割を果たそうとするものであります。  第二に、航空技術研究所を航空宇宙技術研究所と改称するとともに、これに宇宙科学技術に関する所要の試験研究等を行なわしめることであります。現在、航空技術研究所は、航究技術の向上をはかるために、風胴等のごとく関係行政機関に重複して設置することが多額の経費を要するため適当でないと認められる施設、設備を設置し、これを必要とする研究及び試験等を行ない、あわせてその施設及び設備を関係行政機関の共用に供する機関でありますが、宇宙科学技術に関する試験研究またはそれに必要な施設、設備は、航空技術のそれと密接な関連を有するものである点にかんがみ、航空技術と同一の態様において、航空宇宙技術研究所においてこれをあわせて行なわしめようとするものであります。  第三に、科学技術庁の付属機関として、防災科学技術に関する総合的中枢的機関の性格を有する国立防災科学技術センターを新設するとともに、これの算理、監督等の事務を研究調整局に所掌せしむることであります。国立防災科学技術センターは、防災科学技術に関する試験研究のため必要な施設設備であって、関係行政機関に重複して設置することが多額の経費を要するため、適当でないと認められるものを設置して、これを関係行政機関の共用に供し、また、関係行政機関の要請に応じ、当センターの研究員を派遣して、その行政機関の研究及び試験に協力する等の総合的かつ中枢的な業務を行なうほか、特定の研究及び試験を実施する機関であります。  第四に、科学技術庁の地方支分部局として、茨城県を管轄区域とする水戸原子力事務所を昭和三十八年十月一日から置くことであります。本事務所は、茨城県水戸市に置かれ、原子炉に関する規制に関する事務その他の原子力局の所掌事務の一部を分掌するものであります。  なお、科学技術庁の事務の増加に伴いまして、職員の定員を増加する必要がありますので、所要の改正を行なうことといたします。  以上、本法案の提案理由及び内容に関する概要を申し上げました。科学技術振興の重要性に対する皆様の深い御理解によりまして、慎重なる御審議の上、すみやかに御賛同あらんことを切望する次第でございます。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 経済企画庁長官宮澤喜一君。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 経済企画庁設置法の一部を改正する法律案の提案理由と内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案における改正点の第一は、経済企画庁に諮問機関として国民経済計算審議会を設けることであり、第二は、経済企画庁の職員の定員を改めることであります。  以下、その内容について概要を御説明申し上げます。  まず、国民経済計算審議会の設置について申し上げます。  国民経済計算は、国民経済活動を総合的に把握するための計算体系でありまして、最近におきましては、政府の経済計画の策定や経済施策の立案等を行なうにあたって欠くことのできない重要なものとなっており、また民間においても企業経営に関連してこれを利用する場合が次第に多くなっております。  経済企画庁におきましては、従来から国民所得推計を中心とした国民経済計算関係の事務を行なっており、その内容についても逐次改善を重ねて参りましたが、国民所得勘定と産業連関表との関係や推計方法等についてなお整備改善を要する重要な問題が残されております。これらの問題を解決するためには、現行の国民所得勘定の構成その他につき所要の検討を行ない、国民経済計算を有機的に体系化することが必要であると思われます。  このような検討を行ないますと、場合によっては、既往にさかのぼって国民所得の推計に変化を生じることも予想され、その影響するところが大きいので、学識経験者の方々による慎重な調査審議を経ることが妥当と考え、経済企画庁長官の諮問機関として、二年間の予定で、国民経済計算審議会を設けようとするものであります。  次に、定員の改正について申し上げます。  わが国の経済の成長に伴い、経済施策の総合調整機能を担当する経済企画庁の所掌事務も増大して参っております。このような情勢に対処し、特に、最近における消費者物価の動向にもかんがみまして、物価対策関係事務の処理を円滑に推進することのほか、前述の国民経済計算関係の事務体制を強化することを中心として今回十五人の定員増加をいたしたいと考えている次第であります。なお、今年の秋から欧州に駐在官一人を置き、これを外務省の定員に振りかえる予定でおります。  以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 小笠公韶君。

小笠公韶自由民主党

○小笠議員 旧金鵄勲章年金受給者に関する特別措置法案の趣旨の説明をいたします。  旧金鵄勲章年金令が明治二十七年勅令第百七十三号によって制定されましたことは御承知の通りであります。その後この年金令は昭和十六年に至り勅令第七百二十五号によりまして廃止されましたが、同時にまたこの勅令により昭和十五年四月二十九日以前の叙賜者につきましては、旧令によって年金は下賜されていたのであります。しかるに終戦後昭和二十一年三月にいたりまして、これらの勲章年金は、昭和二十年十二月末を限りといたしまして、一切廃止されることとなって今日に至っておる本のであります。  戦後十八年、この間幸いに我が国の経済は順調に再建発展しまして、国民生活も年一年と向上をたとりつつあるのであります。この間にあって旧金鵄勲章年金受給者におかれては、かつて支給されていました年金は打切られ、その経済的期待権を喪失し、経済的また精神的に不遇のうちに老残の日々を送っている人々も多いのでありまして、まことに惻隠の情にたえないものがあります。よって本法律によりまして、これらの人々の処遇改善をはかるため、特別の措置を講じようとするものであります。  本法律案の要旨は、本法施行の日において生存する旧金鵄勲章年金受給者にして満六十才に達しておられる方々に対し、旧制の功級による区別なく、その処遇の改善の一端として金七万円の一時金を特別措置として支給しようとするものであります。その認定はこれを受けようとする者の請求に基づきまして、内閣総理大臣が行なうこととしております。  なお、この法律の実施のための手続その他につきましては、政令をもって定めることとしております。  以上をもちまして提案の趣旨説明といたします。何とぞ本委員会におかれましては、慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。  次に、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。  現行の国民の祝日に関する法律は、去る昭和二十三年七月二十日法律第百七十八号として第二国会において可決決定を見たものであります。御承知の通り、この法律が制定されるにあたりましては、当時の衆参両院文化委員会の審議の経緯におきまして明らかのように、広く国民の世論に問うて案が作成されたものであります。しかし当時の世論調査において相当重要な祝日の候補日もありましたが、それが必ずしも全面的に受け入れられなかったのであります。その理由は今ここで再び申し上げるまでもなく、当時は占領行政下であり、いろいろの事情もあって、祝日の項目や日付等について相当な異論もあったのでありましたが、結局委員会の審議を経て現行法のような決定を見たものであります。自来すでに十五年も経過し、その間わが国も平和条約の締結をし、国際社会に名実ともに独立国の一員として参加することになりました。従いまして、その間の社会の進運とともにこの国民の祝日についても当時の世論の求めたところに従って、適当な改正をすることは今日において最も至当と存ずる次第であります。  さて、本改正法案におきましては、新たに二月十一日を建国記念日に、七月十五日をお盆の日に、十月の第一土曜日を体育の日と定めることとして、以上年間を通じまして三日間の国民の祝日を加え、さらに日曜日が国民の祝日と重なる場合にはその翌日を休日とすることとしております。また、国民の祝日には国旗を掲げることを明文化したのであります。  建国記念日を祝日として新たに定めようとしますことは、国の建設を祝うことは、すなおな国民感情にも合致し、また多くの国民の等しく抱いておるところであります。諸外国におきましてもナショナル・ホリディとして祝われておるものもまたこの建国を祝する意味を持っているものであります。この建国の記念日を二月十一日と定めましたのは、すでに紀元節として明治初年以来久しく国民の間になじまれ親しまれていた日を引き継いだものであります。すなわち、日本書紀にある神武天皇の伝承をそのまま古い民族的な伝承として受けつぐのが最も自然であり、すなおであると信じたからであります。二月十一日という日も、あえて科学的な事実によらずとも、古い伝承や説話のうちにも民族成長の歴史的な息吹きがあると認めたからであります。また、次に七月十五日をお盆の日と定めましたのも、古くからのわが国に伝わって国民生活に溶け込んでいる民俗的な伝承をそのまま祝日と定めたのであります。これら旧来の民俗的な伝承も、今日地方によりましてはいろいろの相違をしているところもありますが、これを太陽暦に直し、この日を国民が互いに今日生存している意義を反省するとともに、われわれにこの生存の喜びを与えてくれた祖先や先人に対し感謝の意をささげたいと思うのであります。  最後の体育の日を十月第一土曜日と定めましたのは、民主的国家として新生したわが国の国民が、明るい生活を営みその身心を健康にするために、健全な体育競技を楽しみスポーツの持つ精神を通して民族の明るい発展に資しようとするものであります。  また、本改正法案におきましては、日曜日と国民の祝日とが重複した場合、その翌日を休日といたしましたのは、諸外国、たとえば、フランスやアメリカにもそのような慣例がありますので、わが国の場合もこれにならって本法案において定めたのであります。これは一面におきまして、産業の近代化に伴ない労働時間の短縮が叫ばれている情勢に呼応いたしまして、前記祝日の三日増加と合わせて年間四日ないし五日の祝休日が生ずる結果となりますので、この世界的な労働時間の短縮の傾向にも順応した意図をも含めたものであります。  最後に、この国民の祝日には国旗を掲げることを特に定めました。戦前にありましては、祝祭日には官公署学校等におきましては必ず国旗を掲揚し、また、民間会社や個々の家庭におきましてもそれが一般的な慣行となっていたものでありました。ところが、戦後この長い慣行が非常に軽んぜられていることははなはだ遺憾と存ずるものでありまして、国旗を尊重する観念を国民の間に馴致するために、特にこの法案のうちにうたい込んだのであります。  なお、この改正案においては昭和三十九年一月一日より施行することとし、また、附則として改定に伴って関連する法律についても所要の一部改正を行なわんとするものであります。  以上をもちまして本法案提出の趣旨説明といたします、何とぞ本委員会におかれまして慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望いたします。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 厚生大臣西村英一君。

西村英一自由民主党厚生大臣

○西村国務大臣 ただいま議題となりました厚生省設置法及び国立光明寮設置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  この法律案は、厚生省設置法の一部を改正するとともに、国立光明寮設置法の一部を改正するものであります。  まず第一に、厚生省設置法の一部改正について御説明申し上げます。  改正の第一点は、国立療養所に、心身に障害のある者に対して医学的営理のもとに行なわれる機能回復訓練または職能訓練の業務に従事する者の養成所を付置することができることとすることであります。機能回復訓練及び職能訓練はいずれも心身に障害のある者のリハビリテーションにおいて最も重要な役割をになうものでありますが、わが国においては、その技術の水準が諸外国に比し著しく立ちおくれておりますので、これらの業務に従事する者の養成機関を設置し、専門家の養成に着手しようとするものであります。  改正の第二点は、国立精神薄弱児施設に精神薄弱児の保護及び指導に従事する職員の養成所を付置することができることとすることであります。精神薄弱児につきましては、精神薄弱児施設及び同通園施設において保護及び指導を行なっているのでありますが、これら施設の整備と並んで、施設において直接児童の保護及び指導に当たる職員の確保と資質の向上をはかることが急務とされております。このため、これらの職員の養成所を設置し、その養成を行なおうとするものであります、  なお、これらの改正のほか、医務出張所の名称を地方医務局と改めるための所要の改正及び厚生省の定員を増加するための改正を行なうことといたしております。  以上が厚生省設置法の一部改正の内容でございます。  次に、国立光明寮設置法の一部改正について御説明申し上げます。  この改正は、国立光明寮を北海道に設置することとするものであります。現在北海道東北地区につきましては、失明者を収容する更生援護施設がなお十分とは申せない状態でありますので、北海道に国立光明寮を設置し、その整備をはかろうとするものであります。  以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 これにて六法案の提案理由の説明は終わりました。  以上の法案に関する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、労働省設置法の一部を改正する法律案の四案を一括議題といたします。     —————————————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 政府より順次提案理由の説明を求めます。防衛庁長官志賀健次郎君。

志賀健次郎自由民主党防衛庁長官

○志賀国務大臣 ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容の概要を説明申し上げます。  この改正案は、今般提出されました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の例に準じまして、防衛庁職員の俸給月額の改定等を行なおうとするものであります。  すなわち、まず、事務次官、統合幕僚会議の議長及び参事官等並びに自衛官の俸給表につきましては、一般職の例に準じて改定を行なうこととし、事務官等の俸給表につきましては、従前通り一般職に適用される俸給表によることといたしております。これにあわせて、防衛大学校の学生に対する学生手当の額と営外手当の額につきましても改定を行なうことといたしております。  また、期末手当及び勤勉手当につきましては、一般職の改正に伴って規定の改正を行なうことといたしております。  なお、この法律案は、公布の日を施行日とし、昭和三十七年十月一日から適用することといたしておるのであります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいまするようお願い申し上げます。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 大蔵政務次官原田憲君。

原田憲自由民主党大蔵政務次官

○原田政府委員 ただいま議題となりました特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  政府は、今回、昭和三十七年八月十日に行なわれました人事院勧告に基づいて昭和三十七年十月一日以降、一般職の職員の給与を改定することとし、別途法律案を提出して御審議を願うことといたしているのでありますが、これに伴い、従来より一般職の職員との均衡を考慮して定められております特別職の職員の給与につきましても、その俸給月額等に所要の改定を行なおうとするものであります。  以上がこの法律案の提案の理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 労働大臣大橋武夫君。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 ただいま議題となりました労働省設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。  今回の改正は、事務の円滑な遂行を期するため、労働省本省の職員の定員を二百二十九人増員しようとするものであります。そのおもなものは、労災保険事業及び失業保険事業における保険給付等関係業務の増加に伴うもの百六十四人、中高年令失業者等の再就職を促進するために、職業指導等の業務に従事する公共職業安定所の職員三十五人、産業災害の防止等関係業務に十五人、その他十五人についての増員であります。  この結果、労働省本省の職員の定員は二万四千百四十人となり、外局の定員二心十七人を加えて、労働省の職員の定員は、合計二万四千三百五十七人となります。  以上がこの法律案を提出いたしました理由とその概要でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに可決せられますようお願い申し上げます。  次に、ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。  昭和三十七年八月十日、一般職の国家公務員の給与について、俸給表の全面的改善及び期末手当、勤勉手当並びに宿日直手当の改定を内容とする人事院の勧告がなされたのでありますが、政府といたしましてその内容を慎重に検討いたしました結果、同年十月一日からこれを実施に移すとともに、暫定手当について昭和三十六年十二月十四日に行なわれました人事院勧告についても、この際あわせて実施することが妥当であると認めましたので、関係法律について所要の改正を行なおうとするものであります。  まず、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)の一部を改めまして、次の通り昨年八月の給与改定に関する人事院勧告の実施をはかることにいたしました。  すなわち、第一に、全俸給表の全等級を通じまして、人事院勧告通り、俸給月額を現行の俸給月額より千円ないし三千五百円引き上げた額といたしますとともに、行政職俸給表(一)の中位等以下の等級及び他の俸給表のこれに相当する各等級につきまして、号俸の刻み方を改めることにより昇給率を改善することといたしましたほか、新たに教育職俸給表(四)を設けまして、昨年四月に新設されました高等専門学校の教職員に適用することといたしました。  第二に、期末手当を年間〇・二五月分増額して、六月十五日の支給割合を一ヵ月分、十二月十五日の支給割合を一・九月分といたしますとともに、勤勉手当を年間〇・〇五月分増額して、六月十五日及び十二月十五日の支給割合をそれぞれ〇・三月分といたしますほか、三月十五日に〇・二月分を支給することといたしました。なお、これらの手当につきましては、支給日前一ヵ月内において退職し、または死亡した職員にも支給し得ることといたしました。  第三に、宿日直手当につきまして、土曜日またはこれに相当する日に、退庁時から引き続いて行なわれる宿直勤務に対する支給額の最高限を、勤務一回につき三百六十円から四百二十円に引き上げることといたしました。  次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律(昭和三十二年法律第百五十四号)の附則の一部を改めまして、次の通り一昨年十二月の暫定手当に関する人事院勧告の実施をはかることといたしました。  すなわち、第一に、暫定手当の支給されていない地域に在勤する職員に対しまして、昭和三十七年十月一日以降、当分の間、暫定手当を支給することとし、その額は、二級地の暫定手当の額、すなわち、暫定手当の一段階分相当額に、最初の一年間は三分の一、次の一年間は同じく三分の二、さらに右の二年間を経過したときからは同じく三分の三を乗じて得た額とすることといたしました。  第二に、在勤する地域を異にして異動したことにより暫定手当の支給額が減少する職員に対する暫定手当の保障期間を、異動後六ヵ月から十二ヵ月に延長することといたしました。  なお、本法に附則を設けまして、俸給の切りかえ方法及び切りかえに伴う措置並びに暫定手当の改正に伴う経過措置等を規定いたしました。  この法律案は、以上申し述べました内容につきまして改正を行なおうとするものでありますが、昨年八月の人事院勧告において、同年五月一日から実施することを適当と考えるとされました給与改定に関する部分につきましては、諸般の緊急重要施策及び財政事情等にかんがみまして、これを暫定手当に関する改正とともに昭和三十七年十月一日から実施しようとするものであります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。     —————————————

永山忠則自由民主党

○永山委員長 労働省設置法の一部を改正する法律案の質疑はあと回しといたし、給与関係の三法案について質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口誠治君。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 ただいま提案説明のありました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案外二件に対して、御質問を申し上げたいと思うわけでございます。  人事院の総裁も新しくおいでになりましたので、ここ数年間の人事院の勧告を、世間は評して、きわめて政治的であり、また日本の労働省の賃金の統制の場でないか、従って、このことは反動的な行為である、こういうように称せられておるのでございますので、私は、まず人事院総裁に、賃金というものに対する考え方をお伺いいたしたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 大へん根本的な御質疑でございますが、賃金と申しますれば、一口に申しますと、労働の対価ということになると思います。公務員の場合におきましても、その辺は私は異なりませんと考えますが、要するに、公務員のそれぞれの担任しておる職務と責任の度合いに応じて、適切な反対給付というものが給与として支払われる。まずその辺のことを申し上げまして、さらに御質疑を承りたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 総裁は、賃金は労働の対価であるという御回答でございますが、それはそれでよろしいでしょう。ところが、労働の対価をきめるに、どういう場できめるかということになりますと、その労働の対価を幾らにするかということは、これは公務員の場合は言葉には当てはまりませんけれども、労使が交渉の上において、言いかえれば、力関係の上において解決されていっておるというのが実態であるわけなんです。ところが、公務員の場合には、御承知の通り、争議権、交渉権が剥奪されましたので、そういうような賃金の獲得方法ができないために、人事院がその代償として設置されたわけなんです。従って、人事院というものは、先ほど私が申しましたような、労働の対価を幾らにきめるかという場は、労使の交渉の力関係の場にあるのだ、その代償として人事院ができたのだという感覚の上に立って、この賃金というものをおきめになり、勧告をしていただかなければ、今世間でいわれておるような、きわめて政治的でないか、そして日本の労働賃金を統制する一つの場になっておるのではないか、非常に反動的な傾向があるのではないか、こういうことがいわれることも、これも無理のないわけでございますので、そういう立場から、将来のこともございますが、総裁としては、今後どういう考え方の上に立って、この貸金というものに取り組んで、そして勧告されるものであるかということを、新人事院総裁であるだけに、私は期待もかけてお伺いをいたしたいと思うわけなんです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 大体田口先生と同じ感想を私も持っておるわけでございますが、要するに、公務員の給与につきましては、民間であるとすれば、団体交渉の結果きまるであろうところのそういう額、それを公務員の場合については、そういう手段が認められておりませんから、いわば団交権にかわるべきものとして、人事院の勧告の制度というものが認められておる。私ども勧告の立場に当たる者といたしましては、その考え方のもとに適切な勧告をいたすべきであろう。従いまして、これによって日本の一般労働者の賃金を統制しようとか、引きずっていこうとか、そういう大それた考えは私どもは——私どもと申しますと、ちょっと語弊があります。ただいま新米の佐藤ということでございますから、新米の私としては、そういう考え方は持っておりません。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 人事院としては、日本の労働者の賃金を統制するというような考え方は毛頭持っていないという御答弁でございます。心境まさにその通りであるかもわかりませんが、実際的には、日本の労働者の賃金というものは、公務員の賃金が柱になっておるわけなんです。こういうことから、公務員の賃金というものは、非常に重要視されておるということなんです。こういうことから私はただいま御質問を申し上げたわけでございまするが、ただいま総裁から御答弁のありましたその考え方の上に立って、今後とも賃金の問題に取り組んでいただきたいということを男頭要望を申し上げて、具体的な項に移っていきたいと思います。  そこで、少なくとも賃金をきめる場合には、まあ食える貸金ということもありまするけれども、働いておる労働者が労働意欲を盛り上げるような形に、賃金というものは改定されていかなければならないわけでございます。私はいつもそういうことを考えておるのでございまするが、国家公務員法の第一条の第一項を見ますると、「この法律は、国家公務員たる職員について適用すべき各般の根本基準(職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置を含む。)を確立し、職員がその職務の遂行に当り、最大の能率を発揮し得るように、民主的な方法で、選択され、且つ、指導さるべきことを定め、以て国民に対し、公務の民主的且つ能率的な運営を保障することを目的とする。」と書いてあるわけなんです。従って、現在、国家公務員は、五千円のベースアップを要求して戦いを進めておるわけでございますが、元来、日本の賃金水準の低いということは、今さら申し上げるまでもございませんが、少なくとも公務員労働者の人たちが五千円というベース・アップを要求しておるとなれば、この要求額に対して、どうしてそれに応じてやれるかという考え方の上に立って、勧告を出してもらわなければならぬと思うわけなんです。私は、この点につきましては、労働大臣に今ここで確認をいたしておきたいと思いまするが、公務員の賃金をきめる場合に、ただいま申しましたように、国民に対する善良な奉任者である公務員が、ほんとうに能率的に喜んで作業のできる環境をつくってやるには、どういうような方法をとるべきであるか、こういうことについて、賃金問題を含めて、労働大臣の御答弁をまず伺っておきたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 先ほど来人事院総裁も言われましたごとく、賃金すなわち公務員の給与というものは、公務員の勤労の対価でありますが、同時に、公務員の生活の基礎になっておるものだと考えますので、公務員の生活が安定し、これによって公務員が能率的な仕事を安んじてできるようなものであることが必要だ、私はかように思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 人事院の方にお伺いをいたしまするが、ここ三年間は、人事院の勧告の金額をきめる場合には、官民の格差、それから物価指数の上昇率、こういうものに基礎を置いて金額がきめられておるわけなんですが、こういうきめ方というものは、賃金のあり方として正しいものであるかどうかということも、私は考えなくてはならないと思うのです。その点についてお伺いいたしたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 お尋ねの点を深く追及して参りますと、実は現行国家公務員法の批判にわたることになるかとも思います。私どもは、その点に関します限りは、現行の公務員法は一応満足である、よくできておると思います。  今のお尋ねの、たとえば勧告にあたってのめどということでありますが、それは一万円上げるのがいいか、二万円上げるのがいいかということになりますれば、私どもも、個人としてはなるべくたくさん上げた方がいいには違いないが、一方においてわれわれが責任を負って勧告をいたします以上は、公務員諸君はもちろんのこと、国民大衆諸君の納得を得るだけのはっきりした合理的な根拠がないと、やはり説得力がないのじゃないかということからだんだん詰めて参りますと、やはり民間給与あるいは生計費というものが基準になるということは当然の考え方じゃないかと、一応私どもは現行国家公務員法をそういう立場から弁護しておる、こういうことでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 一応ここで給与担当の局長さんに伺っておきたいと思います。およそ承知はいたしておりますが、官民格差、それから物価指数のとり方について、ちょっと御説明をいただきたいと思います。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 人事院で官民比較をやりますときには、従業員五十人以上の事業所におきまして、公務と大体同様の職務を遂行いたしておりまする職員を選び出しまして、そしてその全平均というものが公務と——それぞれ対応さしての話でございますが、公務とどれくらいの格差になっておるかということを調べるわけでございます。去年の場合でありますと、そういうふうにして調べた結果は、三十七年四月現在で九・三%の差がある、こういうことになったわけであります。物価指数等も、これは消費者物価指数が一番中心になろうと思いますが、こういうものはわれわれとしては十分注視いたしております。ところが、われわれの方としましては、御承知のように、標準生計費というものを算定いたしておるのでございますが、これは特に独身男子の東京における標準生計費を算定いたしまして、そうして高等学校卒業の国家公務員の初級試験に合格いたしました者の給与、すなわち、行政職俸給表の八等級二号俸でございますが、この金額をきめます場合に、おおむね標準生計費と見合うように——この八等級二号俸の初任給というものは、高等学校卒業の初任級というもので一応合わすべき数字でございますが、別途、ただいま申しましたように、標準生活費を算定いたしまして、これとの見合いもはかる、こういうふうなやり方によって給与の算定をいたしておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 物価指数の関係は、三十七年度の四月一ヵ月の分ですか、三十六年度の累計ですか。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 人事院で消費者物価の調査をいたし、これを考えまするときに、大体人事院のやり方は、四月現在におきまする官民比較並びに生計費の状況を考えますることから、対前年の四月の数字というようなものを一応注視いたすわけでありまして、われわれの報告書にもその趣旨を載せておるわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 三十七年度の物価指数の推計というものは、どのくらいにおいておられるか。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 お話の趣旨を取り違えておりましたら再度御注意願いたいのでございますが、三十六年から三十七年間の物価指数の上がりがどれくらいかというお尋ねだろうと思いまして……。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 違います。三十六年度の物価指数を参考にしたと、こういう答弁でしたから、三十六年度はこれでわかります、出ておりますからね。ところが、三十七年度は、これは推計でなければわかりませんが、やはり政府は推計というものは持っておるわけなんですから、それで、推計はどの程度に置いておられるか、それを伺っておるのです。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 消費者物価指数という統計を総理府統計局から発表いたしておりますが、その消費者物価指数の、かりに昭和三十七年四月を一〇〇といたしますると、現在十二月までの数字が出ておりますが、全都市についていえば三・三%の上界になっております。また、この消費者物価指数は全都市と東京と二つ示してございますが、東京の方は現在一月までわかっておりまして、昨年の四月を一〇〇といたしますれば、本年の一月は一〇四・五、四・五%の上がり——もっとも、この消費者物価指数には季節変動もございまして、あるときは上がり、またあるときは下がるという傾向になっておりますが、ただいま申しました数字は、昨年の四月を一〇〇といたしました場合の数字を申し上げた次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 三十七年度の公務員の賃金をきめる場合には、三十六年度の物価の上昇率は、これは当然一つの参考にしてもよろしいですけれども、三十七年度の物価の上昇率の推計の見込みを、これも入れて、そうして賃金というものをきめなければ、一年おくれになるわけなんです。それで、そういう方法をとられないのは、何か理由があるのですか。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 人事院の勧告というものは、確定いたしました数字に基づいて従来やって参ったわけでございます。推計数字を用いまする場合も、これは非常に短い期間の推計をいたすというようなことは、かつてやったことがあるのでありますけれども、おおむねそういう方法によりませんで、確定数字を使いますゆえんのものは、推定数字でやりました場合には、非常にやはり不安定な要素を含んでおる。それだけ上がらない場合もあるでありましょうし、あるいはまたこえて上がる場合もあるというようなことであります。人事院としては、これは公務の給与を勧告いたします場合に、やむを得ない方法だと考えておるのでありまするけれども、やはり定期的に調査をいたしまして、そしてその民間におくれがどれくらいあるかということを比べ、また物価指数、生計費等も勘案いたしまして、これは確実な数字に基づいてやる、こういうことにいたしておる次第であります。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 政府は経済政策をとる場合には、やはり四月になったらその年の推計というものをおよそ出すわけなんです。従って、前年度の物価指数に基づいてこの賃金を出す資料にしたいという考え方は、従来はそうなされてきておるけれども、私はこれは妥当でないと思うのです。少なくとも三十七年度の賃金であるならば、三十七年度の物価の上昇率の推定も含めて、これをやはり参考にしなければならないと思う。この点は、次の勧告のときには、こういう点も十分考えていただかなくてはならないと私は思うわけなんですが、その点に対するところの考え方を一つ承りたいと思います。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 現在は、四月現在で官民給与を比較するということに相なっております。これは何も四月という時期を特定して選んだわけではない。従来からの経緯で三月調査をやっておったものを四月調査に引き直したというだけのことであります。人事院で勧告いたしますのは、何年度の賃金ということで勧告いたすのではないのでございまして、民間調査をやり、それからまた公務と比較いたしました結果、どれだけの違いがあればそれを直したいという勧告であるわけでございまして、年度の賃金をこれだけにするという趣旨の勧告ではないのでございます。従いまして、これはいろいろな方面から批判もあり、また御指摘もあると思うのでありまするが、やはり人事院といたしましては、確実なる資料に基づいてものを言うということ以外にはないのではなかろうか。ただ、おっしゃいますようなところも十分研究いたしてみなければならぬと思いますけれども、従来の経緯から申しますると、不確定な推定数字で勧告いたすということになりますと、これは迫力の点から申しましても、どうも十分なものでないというような点もございまするし、やはり確実なる数字に基づきまして比較をいたし、必要がある場合には勧告をするという以外にはないのではなかろうかと考えております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 私は、官民格差を四月に置いたということについては、文句を言っておるわけではございません。これは私ども、四月でとってもらいたいという要望を、いつかのときにどなたか先生が言ったと思いまするので、この点はこだわっておりませんけれども、少なくとも三十七年度の賃金をきめる場合には、三十六年度、前の年の物価の上昇率だけで、この指数を参考にされることは、間違っておるのではないか。三十七年度の賃金をきめる場合には、三十六年度の物価上昇率も参考にしなければならないが、加えて三十七年度の上昇推計というものを含めなければならないと思うのです。それで、その数字がわかるわからないということにつきましては、これは経済企画庁あたりではそういうような推計を立てて、いろいろな政治を行なっておるのでございまするから、私は決して大きな差のあるものではないと思いまするし、人事院の勧告が五月実施ということになっておっても、勧告されるのは八月十日というような時期であり、また、これを審議するのも十二月に審議したということでございまするから、万が一人事院の三十七年度の推定数字が違っておれば、これはやはり国会の場でそういう点は論議されて、修正する場合もあり得るわけなんですから、私は、あくまでも三十七年度の賃金をきめる場合には、三十六年度の物価指数の上昇率を参考にすることはよろしいけれども、三十七年度の上昇推計も加えて、これは参考にしてもらわなければならないものではないか。こうなりますると、必然的に勧告の額が高まってくるわけなのでございますから、私はその点を主張いたしておるわけなんですが、おそらくこれ以上やりとりをいたしましても、ここで明快なお約束はできないと思いまするので、私はこれ以上突っ込みませんけれども、今度人事院の勧告をされる場合、また審議される場合には、そういうことも頭に入れて審議をしていただきたい、検討をしていただきたい、この点を強く要望申し上げておきたいと思います。  それからただいま御答弁のございました男子十八才の初任給でございまするが、これは標準生計費を基礎に置いてあるといわれておりまするが、御承知のように、標準生計費といえば、端的にいえば、食える賃金ということなんですね。少なくとも国家公務員を志望して国家試験に合格をし、採用してもらう場合に、ようやく食える賃金というようなもので、どうして満足できるかということなんです。皆さん方もよく新聞なりその他でいろいろお聞きになっておられると思いまするが、最近は民間企業の初任給、賃金ベースが高いということから、優秀な大学出で、官庁の方へ志望する人が少ない。言葉を悪く言えば、二級級の人が相当多く志望されておるということがいろいろ流布されておるわけなんですが、私は、少なくとも国民の公僕として、善良なる奉仕者として働いてもらう公務員は、優秀な人材を集めるということに主眼を置かなければ、何事もいけないと思うわけなんです。そこで、私は、こういうような点から、今の標準生計費によって男子十八才の賃金をきめられるということについては、全く不服であり、反対であるわけなんですが、この点について、これで十分であるとお考えなのか、私がただいま申し上げましたような内容を考えれば、何とか考慮しなければならない問題ではあるというようにお考えになるのか、その点をやはりこの機会に明確にしていただきたいと思うのです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 私から大まかなお答えをさしていただきたいと思います。  御指摘の給与の額をきめますについては、先ほど来話にも出ておりましたように、やはり民間の初任給とにらみ合わせて、こちらの初任給をきめております。ただ、ただいまの高校卒の八等級二号でございますが、この点は、今お話のような点も考慮いたしまして、民間よりももう一つそれに生計費の要素を強く加えまして、少し色をつけておる。色をつけておるという言葉ははなはだあいまいでございますけれども、何百円でございましたか、三百円か、色をつけている。色をつけているというのは、非常に私どもの立場としてはふさわしくない言葉で、もっと正確な表現があると思いますけれども、そういう手当をしております。先ほど来強調しております合理性、説得性という点から申しますと、まずそれで一応筋が通っているだろう、あと政策的の考慮となりますと、これはまた別であると思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 今の民間との比較でございまするが、先ほど御答弁のありましたように、五十人以上を雇っておる事業場が対象になっておる。五十人以上ということになりますと、最低の五十人の事業場ということになりますると、非常に賃金ベースは低いわけです。大会社と比較しますると、非常に低いわけなんです。国家公務員の場合は、しからば民間の事業場ならどの程度のところと比較すべきであろうかということを考えてみますると、私は、やはり公務員の方の給与は少なくとも民間の大会社の給与と匹敵するものでないか、かように考えておりまするし、また、そうした人材を寄せなければならないし、そうした人材に国民の奉仕者として働いていただき、公務員法の第一条の第一項に書いてある目的を達成しようとすれば、やはりそういう公務員労働者の方は強い要求があり、今日の場合には大きな不満があるわけなんです。従って、人事院から勧告されるところの金額と、要求しておるところの金額とは、大きな開きがあるわけなのでございまして、私は、五十人以上の事業場という比較は、公務員の場合には当てはまらないというように考えておるわけなんですが、この点について、一つお考えを承りたいと思うのです。なぜ五十人以上にしたか。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 公務の中には、五十人以上の事業場で比較するのは適当でないようなものがあるという御指摘があったわけであります。そういう面もあることはございます。しかし、公務員は国民全体に奉仕するという立場にあるわけでありまして、公務員の給与をきめまする場合には、国民全体の納得が必要である。わが国には五十人以下の事業場も非常に多いのでございまするし、また、製造業、工業以外の分野において勤労されておる方も非常に多いのでございます。そういう中におきまして公務員の給与をきめまする場合に、一体どういうところを標準にしたらいいかということは、われわれとしても従来ずいぶん問題にしておるのでございまするが、これは国会で御審議いただきまして、それが適当であるかどうかということを御判断願うより仕方がないわけでございます。従来この問題は、場合によったら、毎月勤労統計あたりは一般に公表されておるものでも、三十人以上の平均で数字を出しておるじゃないかという議論も出て参りまするし、また一方で、少なくも公務は五百人以上と比載するのが適当であると、いろいろな御議論が出て参った中におきまして、人事院の五十人というのは、何も五十人の付近だけやるという意味ではございませんで、これは五十人以上の事業場の全平均というととでございますが、まあそういうことで、人事院がきめておりますることを大体土台にして御審議いただいておる、そういう経過におきまして、われわれは、この五十人ということは、そういう意味においてきまって参ったものである、このように考えておるわけであります。最近の状況を申しますると、これは規模別にしまして、かえって規模の小さい事業場における給与の上昇の方がここ二、三年来高い傾向を示しておる。金額におきましては、規模の上下を通じまして大体同等程度の平均金額の引き上げになっておりますが、これを率で見ますると、かえって規模の小さい事業場の賃金の方が引上率は高くなっておるという傾向もあるわけでございまして、これはつけ加えて申し上げたわけでございまするが、現在そういう事情によりまして、人事院の官民比較の場合における比較対象として考えまする民間というものは五十人以上の平均である、このように相なっております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 毎勤統計にしても、統計は五十人でとられようが三十人でとられようが、幾つか統計をとっておられることには異議はございませんし、いろんな参考にされるために大いにとられてよろしいと思いますけれども、ただいま御答弁のありましたように、国民が納得する賃金でなければならないという考え方からいけば、必ずしも五十人以上の事業場というようにしなくともいいわけなのです。これは私は参考に申し上げまするが、ある県庁が多額の金を使って地方公務員の採用試験を行なったわけなんです。ところが、県庁へ入れるような人なら無条件でいいというので、全部引き抜いて回って、県庁の方では採用試験に金を使っただけで、実際には人は残らなんだということが、ここ二、三年前にもあるわけなんです。それはどこの事業所へ行きましても、大体国家試験に受かった人ならもう無条件だというのが常識であるわけなんです。従って、国民は、五十人というような賃金の低い事業所も含めて統計を出したものを参考にしなければ納得しないというようなことは、絶対にあり得ないと思うんです。そういう考え方は、これは非常に古い考え方だと思うので、この点はやはり考え直してもらわなければならないと思うのです。これはやはり人事院の中で賃金の問題をいろいろと検討されるときに、一つの話題に乗せて検討していただきたいと思いますが、実態はそのような状態です。公務員の労働者が賃金が高い、初任給が高いといったとて、それで中小企業の労働者が、また国民が、非常にそれに批判を加えるというようなことはあり得ないということなんです。その逆に、国家試験まで受かった人がほんとうに食える賃金、標準生計費で出されておるというようなことは、いかにもかわいそうじゃないか、矛盾じゃないか、これを国民は今指摘をしておるわけなんです。私は、これは公務員労働者の主張を言っておるのではなくて、国民がそういうような意見を現在言っておるわけなんです。従って、私は、もう少しこういうような点を考えていただいて——大会社の大学出の場合には、このごろは二万四千円くらいはざらでございます。こういうような状況の中において、いかにも公務員労働者の賃金は安いし、それから特に初任給というものは安いから、公務員というものに対する魅力が国民から失われておる。このことは、ひいては非常に重大な問題であろうと私は思うのです。公務員というものは、少なくとも国民の優秀な方が職場へ入って、そうしてそれぞれの職務について、愉快に自分の職務を遂行してもらわなければならないと思うのです。不満だらけであったり、または優秀な人が入ってこぬというようなことをこのまま何年か放置するということは、私は日本の将来に非常に大きな禍根を残す原因の一つになろうと思うわけなんですからして、この点を強く私は要望を申し上げたいと思います。  それから、かりに官民格差あるいは物価指数、家計調査の消費指数というものも参考にして勧告の金額をきめられたといたしましても、率からいきまして、それだけの率はきまっておりません。これは毎年そうなんですが、なぜ下回ったものをきめなければならな、いのかということなんです。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 ただいま御審議いただいております給与法改正案の基礎になっております昨年の勧告におきましては、特にこういう点を理由にして俸給表の体系の是正をやったわけでございます。それは、民間におきます平均的な年間の昇給率よりも、公務の方がだいぶ低いのではないか、そのために、ある給与法が実施されまして次の比較時点までの公務の給与の上がりというものが、民間よりだいぶおくれるのじゃないか、このことはやはり公務に不利である。また、現に学校を卒業いたしまして、三十前後ぐらいまでになりますところの給与の昇給の度合いといいますか、引き上げの度合いが、特に民間と比べまして公務の方がおくれをとっておる、こういうことは是正する必要がある。それをやるためにはどういうふうにやったらいいか。これは卒然とやりますと、現在あります多くの公務員の給与のバランスというものを著しく乱すおそれもございますので、これをなるべく均衡関係を乱さないようにやるためにはどうしたらいいかということをいろいろ研究いたしました結果、これはやはり一時点でこの給与の引き上げをすべての人員についてやるならば、そういう不均衡が起きる。だから時間をかけて、そうして漸次切りかえていくということにすれば、この俸給表の体系を是正する際に比較的うまくいくというような結論に達しまして、昨年の勧告におきましては、切りかえ日の即日における引き上げ分と最終段階におきますものと変えざるを得なかったということでございます。しかしながら、結果的に見ますと、俸給金額それ自体の引き上げ、それに伴いまして在職者の調整をいたさなければならぬ分、また暫定手当引当分等を合算いたしてみますと、おおむね官民格差に近い、あるいはほとんど違わないぐらいな改善になる、こういう結果になっておるのでございまして、われわれといたしましては、ただいま申しました俸給表の間引きということをやりましたために、技術的に同一時点では切りかえることはむずかしかったのでございますけれども、官民格差を埋めるという点につきましては十分な努力をいたしておる、このように思う次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 端的にもう一回聞き直しますが、私の今申し上げましたのは、いろいろと私の質問に対して御回答がございましたけれども、官民格差とか物価指数とかいうものを参考にして金額を決定しておるということなんですが、それなら、なぜそれに準じて歩引きしたものを毎年やるのかということなんです。先ほどから申し上げておりますように、公務員の給与は安い、公務員という性格からいって、労働の代償としても非常に安いんだということは、これはあなた方も明確に答えておられるのであるから、そうなれば、一つの指数が出れば、少なくともその指数までくらいは勧告すべきであろうが、それも割引をして勧告をしておるところに、世間が言うところの、日本の労働者の賃金を統制する機関に相なっておるのではないか、政治的に動いておるのではないか、こういう批判を受けておるのですから、私は、なぜ歩引きをするのか、この点をお聞きをいたしたいと思います。これにしぼって答えて下さい。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 昨年の官民格差は九・三%あったわけでございます。切りかえ日の即日におきまして、俸給引き上げ分は七・一%、在職者調整分が〇・八%、暫定手当分が〇・三%、即日分について言いますと八・二%、こういうことになっております。最終段階におきましては、俸給引き上げ分が七・九%、それから在職者調整分が〇・九%、暫定手当の分が〇・三ありまして、九・一ということになりますが、各種手当等への本俸のはね返り等がおおむね〇・二%ございまして、これで大体所要の改正は九・三%行なう、こういうことになっております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 関連して。田口委員から御指摘されておるのですけれども、官民給与の格差が一番象徴的に出ているのは、私はやはり初任給だと思うのです。公務員の場合、この初任給が不当に低い。中級以上の職員の開きがそうないという意味ではありませんけれども、初任給において特に格差がひどいと私は思うのです。それはなぜかというと、やはり人事院の給与についての考え方の基本に、従来の日本の賃金の特長である年功序列型賃金、これが固定的にあるんじゃないかという感じがするのです。初任給を不当に低くしておるということと、この問題に、私は関係があるような気がするわけです。民間の大企業においては、もはやそういうことでは現在の求人難を克服できないというので、初任給引き上げの方向にいっておるわけですが、中企業以下、特に小企業あたりでは、依然として固定的な思想があると私は思います。そういうものを改めさせるためにも、ここではっきりと人事院自体が一つの方向を打ち出すべき段階にきているのじゃないかと思いますが、この年功序列型の賃金というものについてどういう考え方を持っているのか、それと初任給の不当に低いということの関連の上に立って、一つ御説明を願いたいわけです。できれば総裁からお願いしたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 年功序列型をとっておりますか、あるいは職務給と申しますか、能率給と申しますか、そういう建前をとっておるかということについては、現行制度についていろいろ見方があると存じます。ただし、今御指摘の初任給の関係につきましては、そこまで関連を持ってはわれわれは考えておりませんので、そのものずばり、民間の初任給と公務員の初任給とを比べまして、そして先ほど田口委員にお答えしましたようなことで、バランスをとったつもりでおります。しかも、高校卒の八等級二号という人々に対しては、さらに三百円プラスして考えております。こういうことでございまして、その大方針、根本的な方針とからみ合わして特に切任給の点を考えておるということではないと私は了解しておるわけであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私は、その程度の引き上げで、官民の給与の格差、特に初任給の格差が縮まるというようには考えられないわけです。この際やはり思い切って初任給を引き上げなければ、いよいよ公務員に有為な人材を集めることは不可能になってくる、このように考えます。そういう方向で本委員会においても考えたいと思うわけですが、関連ですから、一点だけ申し上げておきたいと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 もう少し初任給の関係に入りますが、公務員の高校卒十八才の初任給と、民間の初任給と、パーセンテージでどの程度違っておりますか、この勧告によって。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 今パーセンテージと実額の数字がございますので、まずそれから申さしていただきますが、昨年の四月現在で、特に新規就職者、すなわち初任給だけについて、高卒、短大、それから大学卒と調査いたしたのでございますが、その民間の昨年四月現在における初任給調査、それをわれわれの方のいわゆる暫定手当のついておらない地域に換算いたしました金額というものは、一万三百九十六円、これは昨年の勧告のときの資料にも付しておるのでございますが、こういう数字に相なっております。先ほども申しましたように、標準生計費の点も勘案いたしまして、勧告の数字ではこれが俸給表上で一万七百円、こういうことになっておりまして、先ほど総裁が申されましたように、民間の高卒の初任給に比較いたしますと、三百円ほど商い数字になっております。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 それは数字の取り方で、僕の方でやりましたのは、一二・六%の開きがある。だからこの点は、あなたの方がどういう取り方をされたのか、その点はわかりませんので、これは相違点として宿題にしておきます。  それからなお、この五十人以上という、この五十人ということは、先ほど来答弁がございましたので、繰り返し私の方から申し上げませんが、五十人以上という職場を対象に公務員の賃金をきめる場合に比較をすることは、これはやはり公務員労働者の性格からいって誤っておる。だから比較をするならば、私から言わすならば、大会社の労働者と比較をして公務員の給与をきめてもらいたいのが、私の要望でございますので、これは言葉のやりとりになりますので、きょうはその辺で、強い要求をいたしておきます。  それから次に、ただいま質疑応答にありましたように、そういう経過をたどって人事院が勧告をされたのでございますが、労働省の方では五月実施を十月実施にしたということは、これは、私は何といっても腹に入らぬところでありますし、公務員労働者もこの点には大きな不満を持っているのですが、なぜこうやらなければならなかったかということを労働大臣から承りたいし、このような法案が出されたことは、人事院としてどう考えておられるかということも、あとから総裁の方から承りたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 政府といたしましては、人事院の勧告につきましては、これをどこまでも尊重をいたしたいという考えを持っておるわけでございます。従いまして、五月一日から実施しろという勧告でございますから、五月一日から実施をしたいという考えを持ちまして、極力努力をいたしたのでございますが、何分にも本年度の財政のゆとりがございませんために、五月以降に要しまする多額の資金を得ることができませず、やむを得ず十月実施ということにいたした次第でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 五月実施を十月にしたということは、差額精算の資金をまかなうことができなかったからという理由でございますが、私は、ここで労働省の方でも人事院の方でもお伺いをいたしたいと思いますことは、日本でなしに、他の国で、勧告によるところの賃金を遡及精算をされておる、相当さかのぼって精算をされておるという事実があると思いますが、この点御調査なさっておられますれば、一つ御答弁をいただきたいと思います。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 ただいま御質問の、各国における公務員の給与の決定状況というものは、必ずしもわが国と同様の方法によってやっておるわけではございません。イギリスあたりの場合におきましては、これは公務全体について給与をきめるというような状況でなしに、グループ別に公務の給与の是正をはかるというようなやり方をやっておるようでありますが、そういう場合におきましては、遡及をしまして給与の改定をはかっておるという実情があるようでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 私の質問申し上げておるのは、他の国では、遡及精算を一番長いところは何年くらい先までやった実例があるかということをお聞きしているのです。これはおわかりにならなければわからないという答弁でよろしいけれども、それをお聞きしておるのです。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本政府委員 ただいま申し上げましたように、日本と同じような状況で賃金を決定され、それを遡及しておるというところはないのであります。さらに私が申し上げましたように、イギリスあたりにおきましては、グループ別にこういうクラスの給与を決定するという場合に、私の記憶では、半年ないしは一年さかのぼったような例があるようでございますけれども、詳しい資料がございませんので、あとで提出さしていただきます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 他の国と賃金の立て方とかいろいろな相違のある点は承知しておりまするが、私は遡及精算ができるかできないかということにしぼって伺っておるのです。ただいま、ところによっては、グループによっては、半年なり一年というお話がございましたが、これはお調べをいただけばわかりまするが、イギリスだと思いまするが、二年遡及しておるところがある。これはお調べ下さい。二年遡及しておるところがあると思います。  そこで、労働大臣にお伺いいたしたいと思いまするが、遡及精算というものは、きめれば何でもかでもその年内に遡及精算の予算措置をしなければならない筋合いのものではないと私は思うわけです。あまり正直にお考えになっておると、五月実施にしたいが、とても原資がないから十月にしたのだ、こういうことになるのですが、五月実施にしておいて、昭和三十七年度の補正予算を含めた予算の中では遡及精算ができなくとも、新しく昭和三十八年度の予算の中へそういう予算を組み込んで精算をすることもあり得るわけなんです。ただいま申しましたように、イギリスあたりでは、たしか私は二年だと思いますが、今ちょっと資料をここへ持ってきておりませんので、お見せできませんが、これはあとで研究していただくといたしまして、そういう建前をとれば、その年度内には原資がなくとも、人事院の勧告を尊重することができると思うのです。こういうようなことも含めて考えまして、人事院は五月実施を勧告したにもかかわらず、政府は十月実施を提案したということについては、おそらく人事院の方では御不満があろうと思うので、率直な御意見を総裁から承りたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 くどく御説明申し上げる必要もないと思いますが、要するに、われわれの勧告が、四月の現在で民間給与と比べて、それに合わすという建前で出発しおります以上は、この実施を少なくとも五月一日にさかのぼって合わせていただかぬことには筋が通らぬ。それがそのようにならないということになりますと、これはきわめて残念しごくで、不満きわまりない。幾らもいろいろな言葉はございましょうけれども、決してけっこうなことだとは思っておりません。これは当然のことだと思います。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 全くその通りだと思います。そこで、労働大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、労働大臣は法律の専門家でありまするから、法律の方からいろいろ言われれば、いろいろな意見が出ようと思いまするけれども、常識論でものを考えましたときに、人事院を設置いたしました理由というものは、先ほど来申しましたように、国家公務員から争議権なり団体交渉権を剥奪した、それで自分の力で交渉できめることができないから、第三者の人事院に中立的な立場で賃金をきめてもらうという制度ができておるのですから、少なくともそういう経過からできた人事院が、これでいいといって勧告したこの勧告の内容を、その他の予算の審議も含めて国会の場でいろいろ修正するということはあり得ると思いますけれども、政府が人事院から勧告されたものを、勝手にもう堂々と五月実施を十月実施というような大きな修正をして出す権限は——これは権限という言葉が妥当か妥当でないかわかりませんけれども、常識的に私はそういうことはできないはずのものだと思うのですが、どうお考えなんですか。国会の場合はでき得ると思うのです。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 これは法律の議論をすれば、勧告でございますから、勧告は必ずしも政府を拘束するという法律的な拘束力を持つものではございません。従いまして、勧告の通りに政府が行動しない場合も法律的には考え得ると思うのでございます。しかし、実際的な常識論ということになりますと、今お述べになりましたるごとく、労働者の憲法上の権利であります労働権の一部が制限され、しかも、労働条件を確保する方法として人事院がわざわざ設けられ、その人事院が職務上の勧告をいたしたのでございますから、これは政府としては、政治的には当然その勧告に従わなければならないものであろうと考えられるのであります。しかし、他面におきまして、この勧告を実施いたしまするのには非常に多額の経費が必要となるのでございまして、この経費を国の予算全体の中でいかに処理していくかということ、これもまたやはり政府としての大切な政治上の責任であろうと思うのでございます。そこで、現内閣といたしましては、院の勧告を実施しなければならぬという政治上の責任と、また国の財政を経理していかなければならぬという政治上の責任、この二つの間でいろいろ苦慮いたしましたる結果、提案をいたしたような結論に相なった次第なのでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 私は、いろいろな事情で一年間だけ五月実施が十月実施に延ばされて提案されたということであれば、いろいろと理由を聞く余裕を持っておりますけれども、もうこれが常識のように、制度化されたようになっておるのです。これはきわめて重大なことでないでしょうか。人事院が五月実施というものを十月実施にするということが、もうあたりまえのように、制度化されたような印象をわれわれとしては受けるわけなんです。毎年こういう形がとられているわけですから……。従って、私は先ほど申しましたように、必ずしもその年度内に予算措置ができない場合には、これは借金しておいて、そのあくる年に予算措置をして清算をしてやるという方法もあり得るのです。こういう方法も決して財政法から逸脱したものではないと思いますが、その点について労働大臣に伺っておきたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 五月一日実施の勧告を毎年十月一日実施にしておるが、これは制度のようになっておると見られるかもしれませんが、政府といたしましては、今回の勧告を実施するにつきましては、先ほど申し上げましたるごとく、できるだけ五月一日から実施したい、またそうすべきである、こういう考えでいろいろと財源を検討いたしたのでございますが、ついにやむを得ず、十月一日実施ということにいたしたわけでございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 答弁は、努力したがやむを得ないという答弁で、私の質問したことに対する答弁には開きがありまして、非常に不満でございますが、それでは、五月まで遡及はできないけれども、社会党の方から理事会でも正式に提案をしておりましたように、それでは私の方も譲るが、一ヵ月だけ遡及して九月に実施したらどうだ、こういうことになれば、三十八年度の総予算からいきますと、これはやはりそんなに大きな資金を食うわけじゃないわけなんです。こういうことも応ぜられなかったということになりますと、私はやはり制度化されておるというような印象を受けるわけですが、どうなんですか。資金の大小にかかわらずそういうことができないということであったのか、その点がどうも私は割り切れないわけですからして、この点は一つ私どもの了解のできるように詳しく御答弁をいただきたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 財政の理由でございますが、私どもは、五月一日からは実施できないということになりましたので、それでは十月一日からにしようということにしたわけではございません。五月一日から実施ができなければ六月一日からではいかがか、それもどうも財政上ゆとりがない。七月一日からではどうだ、これも工合が悪い。八月一日からはどうだ、九月一日からはどうだ、こまかく検討をいたしました結果、十月一からならば実施ができる、こういうことに相なったのでございます。これが詳しい実情でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 大橋労働大臣は非常に答弁上手にやっておって、速記録を読むと、まことにごもっとものように読む者もあると思いますが、そういうような考慮は十分にされておらないと私は思うのです。それというのは、三十八年度の総予算からいって、一ヵ月さかのぼった予算をこれにプラス・アルファしたとて、日本の予算がどう違って、税金がどういうふうに違ってどういうような支障があるかということなんです。これはおそらく支障はありません。ただ面子が、たとい一月でもさかのぼるようなことを認めることは、将来的にもいろいろな影響があるというようなことが頭の中に働いておって、少ない原資であるけれども、了解をしていただけなかったと思うのですが、資金といたしましては、そんなに日本の三十八年度の予算を支配するような内容のものではないでしょう。そういう点で、先ほど、五月ができなければ六月、六月ができなければ七月というふうにそろばんをはじいたと言われますけれども、私は、そんなにこの問題に神経を使っていただいてあるとは考えておらないわけなんです。だから、私は、原資の面からいってできないことはないということなんです。支障はないということなんです。それをあなたの方ではできないと言われるのだから、もう少しそのできない理由というものが明確にならなければ、やはり国家公務員はもちろん、国民も納得ができないと思うので、あなた答弁上手なんだから、どういう工合にも答弁されると思うが、いずれにしても納得のいくように答弁願いたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 私は、答弁につきましては、別に特別に上手にするとかあるいは下手にするとかいうことでなく、御質問の事柄につきまして、誠心誠意事実を率直に申し上げておるだけでございます。財源の問題は、先ほど申し上げましたような状況でございます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 そうしますと、もう財源がなんともならなかった、こういうことなんですか。それに含めて、私は、社会党の方から提案しております内容の勤勉手当の〇・一という問題もございますが、この金額にいたしましても、これはやはりそんなに予算をゆさぶるような金額にはなっておりませんので、こういうものの取り上げ方も、やはり政府としてはあまり誠意を示していただけないように了承しておるわけなんですが、実際において、その原資を出そうとすればどこへどういうように支障があるのか、こういうことなのです。私は、それについては軍事予算なんかを披露申し上げていろいろ指摘すれば、なるほどというふうにわかっていただけると思うのですが、それはそれといたしまして、とにかく〇・一にいたしましても、今の一ヵ月遡及にいたしましても、そんなに三十八年度の予算をゆさぶるような大きな金額では全くないわけなんです。できないはずはないわけなんです。それで、できないはずのないものをできないと主張されることについては、何かそこにむずかしい面があろうと思うので、この辺をやはり明快に御答弁をいただきたいと思います。

山内広日本社会党

○山内委員 答弁の前に、ちょっと関連してお伺いしたいと思いますが、今、田口委員は、五月一日から勧告通り実施すべきである。しかし、大臣の方は、財政的な理由でもってお断わりしておる。ところが、この勧告が出されましたときは、勧告の中に、昭和三十七年分は約二百七億の所要経費を見積もれると、所要経費はすでに二百七億というものを出しておるわけなんです。ところが、大臣の方では、五月一日や勢たいのだけれども、それはできない、六月はできない。そうしてだんだん刻んでいって、十月ならできるという根拠を明らかにしていただかないと、私どもは、二百七億というその財源は、人事院の権威の問題にかけて毛、勧告を政府側がけるほどの大きな金額とは考えていない。それはもちろん税収の自然の伸びもあります。この間の産投会計には、大臣御承知の通り、私どもの感覚では、三百五十数億という不用なものをすでに計上されておる。それだけ繰り越し分があるじゃありませんか。これを人事院勧告通りやるというならば、あの産投会計のああいう無理な会計を組まぬでも、二百七億でもって十分百何十億のおつりがくるのであります。そういう意味で、ただ一ヵ月刻みでできないというようなことでなく、具体的に十月からやるというのは、どういう意味でできるのか、五月一日からはなぜできないのか、私は、人事院の勧告というものの権威のために、もう少し政府は反省してもらいたい、そういうことを含めて、具体的にお伺いしたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○大橋国務大臣 なるほど、人事院の勧告を実施いたしまするに必要な三十七年度の経費は、人事院の計算では二百億余りということに相なっております。しかしながら、公務員の給与の引き上げということを実施することになりますると、人事院から勧告のありました一般職の国家公務員の給与だけではおさまらない問題でございまして、政府といたしましては、一般職の国家公務員の給与の引き上げをやるといたしましたならば、これと関連いたしまして、当然特別職国家公務員についても同じ扱いをしなければならぬと思っております。さらにまた、地方公務員につきましても、これに準じた取り扱いがなされるのは当然であると思っておるのでございます。これらの諸経費を合算いたしますると、年額にいたしまして、三十七年度分は約千二百億円の多額に上るのでございまして、二百億円というのは、そのうちのきわめて一部にすぎないわけでございます。従いまして、三十七年度の全体の財政計画というものに非常に大きな関係があるのでございまして、ことにこの勧告を政府が受け取りました当時におきましては、今年度の問題につきまして、石炭対策その他、昨年暮れ御審議をいただきました第一次補正予算に表われました諸支出、さらに今回の第二次補正予算に表われております諸経費、こういった重要な施策等の関係もございまして、五月一日実施に要する千二百億の財源を捻出することは至難のことである、かように考えた次第でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 関連質問でありますから、また日をあらためてこの問題はよくお伺いしたいと思います。  もちろん、地方公務員について交付税で見てやらなければならぬことは、私もよく承知しています。ただ、前回、今回ともに、五月実施というものを十月にやらざるを得ない、この予算の編成は、私もいささか承知しております。確かに、五月にさかのぼって実施を勧告されて、十二月の審議で、しかも会計年度の大部分を予算の組みかえをするというこの技術的な問題については、私も再検討する必要があろうと思う。従って、これはこの次によくお伺いしたいと思いますけれども、人事院の勧告そのものが、五月一日にさかのぼる勧告をするということがはたしてどういうものか、予算編成をする大臣にとっても、これは大へんなことだと思うのです。その点は同意をしております。ただ、公務員の生活の実情に合わせて、しかも、勧告に、こういう穴のあかないようにするためにはどういうふうにしたらいいか、この点については、またあらためて総裁の意見もお伺いしたいと思います。きょうはこれでやめます。

田口誠治日本社会党

○田口(誠)委員 質問の終了時間の約束もございますので、きょうはきわめて抽象的な質問だけに終わりましたが、まだ他の先生方が、具体的な面についても基本的な面についても、質疑が残っておりますので、私はきょうはこれで質問を終わりたいと思います。  ただ最後に申し上げておきたいと思いますことは、今山内先生の方からも話のありましたように、とにかく五月実施を十月実施にして、それを遡及精算するのは一年だから、毎年十月なんだから——去年は十月だった。今年は十一月、来年は十二月、こういうことじゃないんだから、五月に勧告して十月実施ということが制度化されたような格好になっておるので、これは人事院の性格からいっても、勧告の内容からいっても、これを削ることは妥当でないので、一年間だけ五月からということになれば、原資は一年間の原資だけです。ぐるぐる、ぐるぐると五月なら五月が毎年つき回るわけですから、そんなに国の財政に毎年々々大きく影響を及ぼすというような内容では絶対にありません。こういうような点についても、今後は政府としても十分に考え直していただきたいし、私は、今までの賃金の質問のときと違った内容のことをテーマとして申し上げてありますので、人事院においても、賃金を検討される場合には、資料のとり方その、他につきましても十分に配慮いただいて、私の要望申しましたようなことが達成できるように強く要望申し上げて、きょうの質問は終わらしていただきたいと思います。

永山忠則自由民主党

○永山委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる二十一日午前十時半理事会、十時四十五分委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後一時五分散会

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