逓信委員会 第32号
- 発言数
- 236 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/06/25
会議録
○本名委員長 これより会議を開きます。 郵便貯金法の一部を改正する法律案、内閣提出の日本電信電話公社法の一部を改正する法律案、森本靖君外八名提出の日本電信電話公社法の一部を改正する法律案、安宅常彦君外八名提出の公衆電気通信法の一部を改正する法律案、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案並びに電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案、以上六案を議題として、質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 大蔵大臣が見えておりますので、大蔵大臣にお聞きしたいと思いますが、大蔵省としてそのお考えをただしておきたいと思いますことは、これはあなたが大臣のときだったかどうか私記憶いたしておりませんが、たしか郵便貯金法の改正を三十六年の四月にやったわけであります。その場合に郵便貯金の利子の引き下げを行なったわけでありますが、たしかいまの大蔵大臣が郵政大臣のときでなかったかというふうに考えておるわけです。それは記憶がはっきりしておりませんが、これは三十六年四月で、私たちはこの利下げについては反対をしたわけでありますが、政府の提案ということで通ったわけであります。その場合、国会が審議をしておる最中ということで、これがために時間的制約を受けたということによって、大蔵大臣が考えておるようなところの金融政策に具体的にこの悪影響があったかどうか。三十六年の四月の場合、あなたは当時大蔵大臣でないと思いますので、それははっきりしないと思いますが、しかし、大蔵省として当時どう考えておったかということを聞いておきたい、こう思うのです。
○田中国務大臣 三十六年当時、私は大蔵省にも関係いたしておりませんでしたから、その間の事情はつまびらかにいたしませんが、金融の弾力性、弾力的運用、特に金利に対してそのような考え方からいたしますと、政令委任をしておいていただくことがより合理的に弾力運用ができたであろうということは推測せられるわけでありますが、その間の事情はつまびらかにいたしておりません。
○森本委員 これはちょっと記憶を呼び起こしてもらいたいと思うのですが、この三十六年の四月の郵便貯金法の改正というのは、国会に提案をされたのはいつで、参議院を通過して法律になったのはいつで、その間に何ヵ月間期間がありますか。
○金澤政府委員 提出は二月の初めでございまして、成立は三月末です。
○森本委員 二月の初めに提案をして三月の終わりということでありますから、わずか二ヵ月でありますが、実質的にはこれはもうわずかな期間であります。この程度の期間が、いまの金融政策上からいって、大蔵大臣としては待てないでしょうかね。こういうふうな、たとえば郵便貯金法の利下げとか利上げとかいう問題については、おそらくこれは普通ならば、失対法みたいな形において大混乱を来たすというふうな法律案なんかではないと思う。だから、反対は反対であっても、大体最高限度この程度の期間で法律が通るという見通しが成り立つと思うわけであります。いままでの情勢から考えましても、これ以上期間が長引いたということはないと思う。この程度の期間でも、いわゆる国会に審議権が与えられておったならば、大蔵大臣としては支障がある、こういうふうにお認めですか。二ヵ月程度で通るとすれば、やはり法律でやっておいたほうがよい、こういうふうにあなたのほうは考えないですか。
○田中国務大臣 森本さんが言われたとおり、国民大衆、零細な預金者から預かっておりますものが郵便貯金でありますから、これが利益を確保し、保護するたてまえからいいますと、法定にしたという理由は十分理解いたしますが、私たちがいま政府として国会に提案をいたしておりますものは、二ヵ月間というような考え方ではなく、いわゆる金融の正常化をはかって貿易為替の自由化に対処していかなければならないという事態に対しまして、民間の金利とそれから政府関係の金利がお互いに平仄を合わせることがより合理的であるという考え方に立って御審議を願っておるのでありまして、あなたがいま言われた通り、提案から二ヵ月たっておるからあまり拘束性がないじゃないかというような考えだけではなく、別な観点からもお願いをいたしておるわけであります。しいてあなたの質問にお答えをするとすれば、確かに三十六年は、二月の初めに出して三月の末ですから、六十日でございますが、今度、来月の六日に国会が終わりまして、十月か十二月まで国会がないという場合に、郵便貯金の金利を引き上げなければならぬということが起こりました場合、非常に拘束を受けるわけでございますので、この間の事情もひとつ十分御理解を賜わりたいと思います。
○森本委員 金利の引き上げが起こった場合困るということでありますけれども、大体七月六日に閉会になって、おそらく臨時国会は、十月には開かれるということは予想されると思います。十月か十一月に開かれるということになると思いますが、その間に若干、三ヵ月程度の期間がある、こういうことになるわけでありまして、あとは大体年じゅう国会を開いておるというような形に今日の日本の国会がなっておるわけであります。そういう点からいくとするならば、やはり預金者というものは、国がやっておるからだいじょうぶだという信頼感のもとに郵便貯金を預け入れておる。しかも利子の問題については、国会で法律においてきまっておる、こういうことによって非常に安心感があるわけであります。そもそもこの利子を法律にしたということについては、新しい憲法の精神に従って、昭和二十二年十二月にそれまで政令であったものを法律に変えたわけであります。そういうことを考えてみますると、私はやはりこれは軽々に政令の委任事項にしてはならぬ。しかし、どうしても金融政策上緊急やむを得ないということがあるから、やはりやらなければならぬというふうな理由からこれを提案しておるわけでありますけれども、いま申し上げましたように、国会の開会時期、それからいま提案された時期、そういうものを考えてみますと、あながちこれを全部政令に委任しなくても、従来どおり法律事項でもけっこうじゃないかというふうにも考えるわけでありまして、あなたもたしか郵政大臣の当時には、そういうふうなお考えになっておったというふうに私は記憶をしておるわけでありますが、大蔵大臣がこれを郵政大臣から取り上げてやろうということが、どうしてもわからぬわけでありまして、たとえばそれではお聞きしますが、将来郵政審議会に諮問をするということになっておるわけでありますが、この郵政審議会のほうと大蔵省との意見が全く食い違うという意見が出た場合、これはどうなるのですか。
○田中国務大臣 御承知のとおり、戦前は金融の一元化ということで、郵便貯金の利子の問題は、大蔵大臣が自由にできるようになっておったわけであります。現在、民間の金利は、御承知のとおり、臨時金利調整法がございまして、大蔵大臣が行なっておるわけでございます。しかし、この法律が発動することがないようにして、できるだけ金融の弾力的な運用、また金融の正常化をはかるという意味で、自主的な体制をとっておるわけでありますが、法制の上では、臨時金利調整法によって大蔵大臣の専権になっておるわけであります。しかし、私が昭和三十二年に郵政省に在職しておりました当時も申し上げましたとおり、大衆零細の預金を預かっておるのであり、しかもこれが国の経済発展のために稗益しておることが非常に大きいのでありますから、できるだけこれが利益の確保ということに対しては、旧に倍して考えなければならないという基本的な考えにつきましては、全然変わっておりません。当時よりもより強い信念を持っておるわけであります。しかし、今度お願いをしておりますのは、私に戦前のとおりおまかせを願いたいというのではなく、一方においては、貿易為替の自由化やOECDに対して資本の自由化も行なわれるわけでありますので、金融の正常化も進めていかなければならない状態でございます。でありますから、金利政策につきましては、国際収支の関係等もありますので、随時的確の判断のもとに弾力的運用を行なわなければならないということは当然であります。でありますから、民間に対してそのようなことで要求しております上は、政府管掌のものにつきましても、平仄を合わせるように法制を整備することは当然のことだとも考えておるわけであります。でありますから、政令委任をお願いしておるわけでありまして、政令は、御承知のとおり内閣できめるのでございますから、大蔵省はただ民間金融機関との均衡上などといって、私の考えだけで政令がきまるものではないのであります。しかも郵便貯金法は、御承知のとおり郵政大臣の管轄下にあるのでありますので、郵政審議会にもかけ、特に郵政大臣がこの委員会でおしかりになられるような事態であれば、反対をされるわけでありますので、九〇%以上、まあ一〇〇%に近い率において郵政大臣の意見が通るということを前提にお考えになっていただいて一向差しつかえない、このように考えます。でありますから、最終的な政令の改正は内閣全体の判断に立ちますけれども、郵政大臣のその時点における認識というものが大きくウエートを持って政令の運用がなされる、このように考えておるわけであります。
○森本委員 内閣全体の責任においてやるというわけでありますが、その場合、これは場合によっては当然郵政省と大蔵省とが対立をする場合もあり得ると思います。やはり郵政省としては、一般の郵便貯金の預貯金者の保護ということをまず重点に私は考えていくと思うわけであります。それから大蔵省のほうとしては、やはり日本全体の金利政策という点に重点を置いて考えていく、金融政策という点に重点を置いて考えていくということは、これは当然と考えられる筋書きであります。そういう場合、実際問題として郵政大臣と大蔵大臣と意見が対立をする、しかし、同じ閣内でありますから、意見の調整をはかるということで、閣内において意見の調整をはかって一つの統一した見解にまとめ上げる。たまたま郵政大臣がそのときに政治的手腕がなくて、大蔵大臣の言うとおりになって、内心うつぼつたる不満があるということで郵政審議会に諮問をする。諮問をしたところが、郵政審議会がたまたまこういうような改正については反対だということをかりに答申をした場合、一体どうなるのか。その場合、その点も私は非常に心配をしておるわけであります。今度の場合、いままでの郵政審議会と違って、かなり郵政審議会を改正して強化しようというのが政府案にも出ておるわけでありますから、いままでのような郵政審議会よりもずっと強化されることは、火を見るよりも明らかでありますから、そういうことがなきにしもあらずであります。そうなった場合、一体これはどうなるのだろうということを心配いたしておるわけでありまして、そうなった場合、当然郵政審議会の答申に従って郵政大臣は動くべきである、こういうふうに考えておるわけでありますが、その辺どうですか。大蔵大臣としての見解を聞いてみたい。あなたが帰ったあとで郵政大臣はゆっくりやります。
○田中国務大臣 もちろん大蔵省は金融全般の立場に立って主張をするわけでございますが、最終的な段階において郵政大臣との間に意見がまとまらないということは、まず絶対ないと確信いたしております。なぜならば、これは日本全体の金融の状態を十分理解をして、その上に政令の運用が行なわれるのでありますから、閣議においてもちろんいろいろ議論があるであり、ましょうが、最終的に意見がまとまらないということは、私は考えておりません。同時に、郵政審議会で反対の意見が出る——出るだけでなく、大多数の方々は反対であるという場合には、大蔵省はこれを押し切って政令運営をやろうという考え方になるはずはないのであります。でありますから、そういう場合には、郵政、大蔵大臣の間で十分意思の疎通をはかって、しかる後に最終決定を行なう。 それからもう一つ、これは郵政省と何か全く利害対立しておるように聞いておりますが、そうではないのであります。集めていただいているのは郵政省で集めていただいておりますが、これを資金運用部で預かって運用いたしておるのでありますから、これは郵政省と全く同じ立場でこの郵便貯金制度というものは理解いたしておるわけであります。
○森本委員 大蔵大臣の意見はわかりました。要するに、大蔵大臣の意向としては、郵政大臣と大蔵大臣の意見が最終的に対立をすることはあり得ない、それはそのとおりであります。同じ閣内の閣僚でありますから、最終的にはそれは政治的に調整をつけるということは、あり得るわけであります。ただ、最終的にそういうふうに政治的に調整がついた場合、ついてそして改正するところの政令というものを郵政審議会に諮問をした場合、郵政審議会が、いままでのように必ずしも郵政大臣の諮問に全面的に賛成ということばかりには私はならないと思うわけであります。その場合に、郵政審議会が反対というふうな答申をした場合には、それを尊重して、結局押し切るという考え方ではない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○田中国務大臣 おおむねそのとおりでけっこうだと思います。
○森本委員 おおむねそのとおりということは、違うことがあっても……。
○田中国務大臣 おおむねという表現が御理解ができなければ私申し上げますが、結局あなたがいま言われましたとおり、閣内でありますから、最終意見の調整はできるわけであります。しかし、最終的に調整意見ができて、その原案を諮問をしましたときに、郵政審議会で反対をした。しかも大多数の人が反対をする。大多数の人が反対をするときに、反対をするような諮問案は出しませんということが原則です。 もう一つは、郵政審議会の方々が考えておられることに対して、私どもは郵政大臣と両方で参って十分話をしましたらよくわかったということになる可能性はありますが、いずれにしても大多数が反対をするというような状態において強行しなければならないというには、あまりに郵便貯金法というものが重大であるということは理解いたしております。
○森本委員 あなたの答弁こそおおむね了解ができるけれども、実際問題としては、やはりそういうふうに郵政審議会が対立する場合があり得る。郵政審議会の審議事項が、いままでのような情勢でないわけですから、これはやはりそういうあり得ることを想定をして、法案を審議する場合には考えておかなければならぬ。だから、郵政審議会が多数の者が反対をするという場合には、大体もともと郵政大臣がそれをやると見抜けないということはばかである。だから、大体もう賛成をしてくれるというときでなければ出さないということになるとするならば、この郵政審議会というものが、かなりウエートが高くなってくるわけであります。私はまたそうなければならぬと思うわけでありまして、法律を改正して政令に委任するということになりますと、実際に預貯金者の代弁が、現在までは国会が代弁をするという形になっておりますけれども、今回の法律の改正がなされた場合においては、実際問題としていままで国会がやっておったことを郵政審議会が大体代弁をするという形になるわけでありますので、その郵政審議会というものが、いままでのような単なるおざなりの郵政審議会であってはならぬ。郵政審議会がそういうふうなものをきちっと答申を出した場合については、その答申を尊重する、こういう形を大蔵大臣も郵政大臣もとるということでございましたならば、今回の郵政審議会を改正をするところの意味が出てくるわけであります。そのことを念のために聞いたわけでありまして、私は、最終的にはそれは意見の調整ができるにしても、そこへ到達するのには、やはりかなり大蔵省も郵政省も両者が折れ合っていかなければならぬと思う。その過程において、最終的に郵政審議会が了承するという形に私はなると思うわけです。そこで、郵政審議会というものが、いままでのような郵政審議会とはだいぶ意味が違ってくるわけであります。その点を大蔵省もよく御理解を願っておくならば幸いである、私はこういうふうに考えて、念のためにお伺いをしたわけであります。郵政審議会が結局反対の答申をするということには、おそらくそういう政治情勢はつくらない、そういうことにはならない、こう思うけれども、万が一郵政審議会がまるきり反対という意向を多数の意向によって出すというような場合については、それを押し切って政府はやるつもりはない、こう解釈してよろしいかどうか、こういうことであります。
○田中国務大臣 法律に、政令の運用については郵政審議会の議を経てと明定をしておるのでありますから、郵政審議会の答申は、十分政府は尊重することはもとよりであります。
○森本委員 そういたしますと、それは押し切ってやるということにはならぬわけでありますが、もう一つ大蔵大臣に聞いておきたいと思いますことは——その前に郵政大臣に、いまの郵便貯金は全部で総額幾らですか。
○小沢国務大臣 昨日現在で一兆五千六百億でございます。
○森本委員 大蔵大臣にお聞きいたしたいと思いますことは、いまもお聞きのとおり、一兆五千六百億円が郵便貯金ということでありますが、前から郵政省が悲願として考えておりますることは、簡保の積立金が、御承知のとおり、若干郵政省の運用にまかされておるわけでありますが、それと同じように、要するに預金部の資金にこの一兆五千六百億全部が行かずに、場合によってはその中の五百億でも一千億でもいいから、ある程度郵政省が単独で貸し付けることができるような状態にしてもらいたいという意見が、もうこれは昔からあるわけであります。これは私は、貯金を預かるほうのものとしてはもっともな意見だと思うわけであります。そういう点を考えた場合に、簡保を認めておいて、郵便貯金のほうのものについては全然認めない。こういう点についての若干の疑義があるわけですが、その辺、大蔵大臣どうですか。
○田中国務大臣 その議論は、私もいまから六年ばかり前に、あなたと同じような議論を大いにやったわけでありますが、その後五、六年間検討いたしました結果、よくわかりました。この制度は、資金運用部の原資を確保することによって政府がそれを統一運用し、国民の利益を守るために、また生活のレベルアップに資するために、効率的に運用しておるのでありますから、税金をいただきまして、これを一般会計として運用しておると似た性格のものであります。でありますから、郵便貯金を国民から預かっても、郵便貯金というものは金融機関であって、預けたら必ず貸すのだ、こういう制度ではないのであります。でありますから、一般金融機関が預け入れを受け入れをいたしまして、同時にそれを原資にして貸し付けるということとは違いまして、政府の郵政省が一つの窓口であって、私たちはそれを統一運用する窓口でありまして、全体政府としての機関でありますので、いま私が将来のことまで推断をいたしまして、さようなことは一切まがりなりませんなどということを言うことは、これは行き過ぎでございますし、なお、大蔵、郵政両省で将来も検討を続けるということになっておりますし、現在も時々刻々検討いたしておりますので、その程度で御了解賜わりたいと思います。
○森本委員 そこでちょっとお聞きしたいと思いますことは、簡保の資金については郵政省の自主運用を認めておるということは、どういう理由ですか。
○田中国務大臣 これも非常に長い問題でありまして、郵便貯金の運用というものとうらはらのようにいろいろ長く議論をせられてきたわけでございます。しかもこの問題については、附帯決議も何回かついておりますし、衆参両院の逓信委員会でも、このような方向で何回か政府に対しても要求をせられておるわけであります。でありますので、制度もくずさないで、しかも実効をあげ得て、国会の要請にもこたえ得る方法はないかということで、非常に検討いたしたわけでございます。その結果、御承知のとおり、今度国会へ簡保法の一部改正法律案として提案をいたしておりますように、政府の統一運用、しかも長期資金というような原則的な問題を侵害しないで、なお短期に高利回りを得られるようにという二つの問題を解決するために、短期運用の制度を認めて、これを法律の上で改正をお願いしたい、こういうことでございます。
○森本委員 そうすると、この短期運用を認めたということは、高利回りということだけでありますか。
○田中国務大臣 高利回りということだけですかとお聞きになられるとあれですが、先ほども申しましたように、衆参両院の逓信委員会でもたびたび御決議をいただいておりますし、政府も決議を尊重しなければならないという高度の政治的な配慮もございますし、いろいろなことがあるわけであります。
○森本委員 そのいろいろなことの中に、要するに最大の要素になっておりますことは、高利回りということと、それから簡易生命保険にいたしましたところで、やはり一種の生命保険でありますから、その簡易生命保険というものが永続しますように、それが募集がしやすいようにという一つの理由が、最大にあるのではないか。たとえば高利回りというものが五〇%の理由であるとするならば、あとは簡易生命保険事業の発展しやすいように素地をつくろうというのが、やはり五〇%程度この自主運用にあるのではないか、こう考えておるわけでありますが、その考え方は間違いないですか。
○田中国務大臣 森本さんの言われるようなものも、その原因になっておると思います。
○森本委員 そういたしますと、この預金部資金に、かりに郵便貯金の一兆五千六百億円というものが全部入っておるということになりますと、それは確かに大蔵大臣が言っておりますように、こういうものについては、政府が一元的に金融上使わなければならぬ、あるいは投資的に使わなければならぬというその理由も、政府側で一つの財政方針というものを示す以上は、ある程度私は了解できるわけであります。ただしかし、一兆五千六百億円もあるとするならば、そのうちのわずか五百億かあるいは一千億程度のものが、その肝心の集まってくるところの郵便貯金がさらにすばらしく発展をするように、宣伝ができるようにという形における貸し付け制度ができないものか。そのことによって郵便貯金自体がふえてくるのではないか。また、預金者に対しても、そういう点については宣伝もしやすいというように私は考えておるわけであります。だから、これも簡保と同じように、将来は、この郵便貯金の郵政省における——その金額の高い低いは別でありますが、若干でも郵政省が自主運用ができるようにしてやるのが当然ではなかろうか。税金を集める一つの窓口だから、おまえのところは集めるだけ集めておったらいいのだということを大臣はおっしゃいますけれども、普通貯金というものは、なるほど入ってくるだけ窓口で待っておったらいいのでありますけれども、定額貯金にいたしましても、積立貯金にいたしましても、これは全部募集に行くわけでありまして、税金とは趣が違うわけであります。だから、積立貯金と定額貯金というものについては、簡易生命保険と同じような募集の苦労が要るわけであります。普通預金なら別でありますが……。だから、定額貯金なり積立貯金ということを考えた場合には、簡保と同じような条件が生まれる場合も差しつかえないのじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、その点どうですか。
○田中国務大臣 今度の簡保法の改正案を提案いたす過程において、あなたの御発言になられたことも、十分政府部内で検討いたしたわけであります。その意味で、結論としましては、郵便貯金法及び簡保法あわせて一本ということで提案になったわけです、この間の事情は、あなたのほうで十分御承知のはずでございます。これは御承知のとおり、簡保も郵便貯金も両方とも資金運用部の原資でございまして、長期投資を行なっておるわけでございますから、原則的には長期の貸し出し、一定ワクというものを前提にして貸し出しをするということは、制度上も問題があるのであります。でありますから、簡保に対しましては、短期運用ということで御理解を願っておるわけでございます。なお、簡保の資金は、資金運用部に入ります前までは、各地方郵政局で地方公共団体に対しても一々短期資金として三月三十一日まで貸し付けを行なっておるわけであります。そういう意味で、郵政省が集めておりまして、その加入しておられる、また貯金しておられる個々の人に対しての直接貸し出しはやっておりませんが、その住んでおる直接の利害関係を持つ地方公共団体には用立てておるわけであります。でありますから、制度上において許される限度として、いままで運用してきたものに簡保の短期運用を認めたわけであります。でありますから、一兆五千億もある中で五百億程度といいますが、この郵便貯金というものにそういうふうな制度を開くということは、制度自体の問題もありますし、資金運用部の原資確保という面から考えましても、相当重要な問題として早急に結論が出る問題ではないのであります。でありますから、郵政、大蔵両省の間において専門家が寄って、いい知恵をしぼって、またせっかくあなた方の御意見もございますので、鋭意検討を続けておるのでございますが、いま簡保もやったから、同時に郵便貯金もという御質問に対しては、お答えができない段階でございます。
○森本委員 いまにわかにお答えができないということを言われましたけれども、郵政大臣のときには大賛成だというふうにおっしゃっておったわけであります。これは立場が大蔵大臣でありますから、違うといえばそれまででありますけれども——あなたは首を振っておるけれども、たしか賛成だということを言ったと思いますが、それはそれでいいわけであります。古いことを言ったってしかたがないわけでありますが、問題は、簡保資金の自主運用を短期であれ認めておいて、これが簡保の今後の宣伝にも、募集にも非常に効果的になったわけであります。郵便貯金の場合、そういうふうな宣伝材料が一つもない。ただ国家が預かっておるという一つの安心感と、それから利子については、一応国会で審議をせられる、こういう安心感が実際問題としてあったわけであります。それから出し入れが非常に簡便だ。この三つが郵便貯金の太ってきた最大の要素になっておるわけであります。その中の一つでありますところの利子については、功令にゆだねてのけて、結局あとは簡便ということと国家が頂かっておる、この二つが主要項目であって、預金者は安心をして入れるというところにかかっておるわけであります。普通預金の場合には、宣伝をしなくても、入れるものは当然入れると思います。これはあなたも郵政大臣の当時御承知のとおり。しかしながら、積立貯金、定額貯金というものは、郵便局の局員が行って相当勧めなければ入らないたてまえになっておるわけであります。大蔵省の役人は首をかしげておるけれども、実際問題として、私が現実に何十年も郵便局でやっておるわけでありますから、よく知っておるつもりでありますが、定額貯金は窓口ですわっておったら入ってくるようなことを言っておるけれども、その実、実際は定額貯金については、かなり外勤が回ってきて、これを窓口で引き受けたようなかっこうになっているわけであります。そうでなければ、定額貯金についてはできないわけであります。まして積立貯金は、全部募集になっているわけであります。だから、要するに通常、普通貯金は、黙って窓口ですわっていても頂けるわけでありますが、定額貯金、積立貯金については、やはり簡保と同じような条件が出てくる。ですから、この面について、ある程度郵政省が宣伝ができるような材料がほしい。そういえば、預金部資金を通じて入っているから、宣伝すればいいのではないかと言うけれども、これは大蔵省でやる点と郵政省でやる点とは、趣が全然違ってくるわけであります。現にいまの簡保の短期運用というものが、どれだけ簡保の発展に資しているかということは明らかであります。そういう点も考えた場合に、私は今回こそいい機会であるというふうに考えておったわけでありまして、特に元郵政大臣で理解のある田中大蔵大臣でありますから、おそらく今度はこの利子の問題と引きかえに法律案ができ上がるであろう、さしもの頑強な大蔵官僚の諸君も、田中大蔵大臣の意向に屈するであろう、長年の郵政省の望みが達するであろうというふうに期待をしておりましたところが、あにはからんや、大蔵大臣にどういう考え方の相違があったのか知りませんけれども、こういうふうな情勢になったわけであります。そこで私は、定額貯金、積立貯金等についての貸し付け制度については、当然考えていいと思いますけれども、しかし、現実の問題として定額貯金、積立貯金をやっているものに対して貸し付けをするということは、本来いえば、はっきり言って、これは噴飯ものです。それは定額貯金にかけて預けておいて、高い金利で借り入れをするということになったら、初めから預けないほうがいい。そういうところから、郵政省の一番のねらいというものは、簡保資金と同じように、短期運用を郵政省で若干の金額を認めてもらいたいというところにあるだろうと思う。しかし、それを出したのでは、これはちょっと通らぬから、とにかくこの貸し付け制度を認めてもらおうということでやったのが真相ではないかと思います。国会でありますから、私はそういう点は遠慮なしに申し上げてけっこうだと思いますが、問題はやはり郵便預貯金の預金部資金についても、簡保と同じように、金額の問題は別として、若干でも郵政省に自主運用を認めるという形の方向に進んでもらいたい。要するに、この預貯金の将来の貸し付け制度について考慮するという点については、いま言ったように、定額貯金あるいは積立貯金の貸し付け制度ということを考えると同時に、簡保資金の短期運用と同じようなことについても十分考えていく、そういうものは検討してみたい、こういう御返事をひとつこの際大臣から願っておきたい、こう思うわけであります。
○田中国務大臣 結論的には、先ほどから申し上げておりますように、これらの問題については、引き続き郵政、大蔵両当局で検討を続けている、こういう進行形の状態でありますから、それだけしか申し上げられないわけであります。しかし、いま御質問になられた問題について、二、三お答えしますと、私は、当時からこの問題に対しては非常に検討してまいりました。でありますが、郵政大臣のときに私がいろいろな難問題を大蔵省に持ち込みましたのは、単にこの制度がいいということだけでやったのではないわけであります。これは郵政省に集めさせてばかりおって、手数料は上げない、それから郵便局の窓口整備も認めない、いろいろなことをするので、いよいよ君たちが言うことを聞かなければ、こちらは短期運用をするぞということを非常に強く言ったわけでありまして、その効果は十分あったと思います。でありますから、今年は二百局の申し込みに対して特定郵便局を三百局もつけた、そういう意味では、大蔵省も大いに集めてもらう方々の窓口の苦労というものについては、十分理解を示しているわけであります。 もう一つ、ここに問題があります。それは簡保資金の短期運用というのは、これは高利回りの電力債を買い入れたりするのでありますから、運用面の運用対象を広げたにすぎないのであります。ところが、郵便年金とか郵便貯金窓口貸し付けということになりますと、郵便貯金、郵便年金そのものが、銀行業務と同じように制度上の変革があるのであります。でありますから、政府銀行というようなもの、形の変わった日本銀行みたいなものができてくるので、その制度上の問題をよほど検討してかからないと、いろいろな障害とか弊害があるということで、引き続き両当局の専門家同士で検討しようというのでございますから、この間、政府が非常に前向きで慎重に考えておるのだということは、理解いただきたいと思います。 もう一つこの機会に申し上げておきますが、いままでは簡保と民間保険とのバランス、それから民間金融機関と政府の郵便貯金、これをただ同列に考、えまして、同列のものから、政府という信用度の高いものだけは利息を下げよう、こういう子供の計算のようなものであったのです。私は大蔵省に参りましてからちょうど一年になりますが、これは大蔵省に参りましたその日から言っておるのです。銀行局も来ておると思うのですが、そういう考えは間違いだ。旧金融関係法のように、民間資金といえども、財政資金に準じて大蔵大臣がいろいろなことができるような状態である場合は、いまのような考えができるのでございますが、民間金融機関の資金運用というものは、自主的運用にまかしておるというたてまえをとっており、しかも零細な国民大衆から預かった郵便貯金や簡易生命保険の預かり金は、政府が統一運用してこれを政策目的に使っておるのでありますから、そういうウエートというものをいままでのようなものから変えて、郵便貯金や簡保資金が日本の政策を行なうためにどのようにプラスしておるかという問題を十分検討して、いままでのように、民間の金利が下がったので自動的に平仄を合わせて郵便貯金の金利を引き下げるべきであるというような議論は変えて、全然新しい視野と角度に立って検討すべきだという考えを根底にいたしておりますので、いま森本さんの言われた在来のような考え方でこれらのものの運用は考えておらないという事実も、ひとつ理解を賜わりたいと思います。
○森本委員 それで私がこれを集約いたしますと、要するに、郵便貯金の預金者に対してその貸し付け制度というものを考慮する、あるいは検討することも大事でありますが、それを郵政、大蔵当局で検討を願うと同時に、簡保資金と同じような短期融資というものを郵政省が自主的に運用できるような形における問題も、あわせて郵政、大蔵両当局の間において将来検討してもらいたい、こう思っておるわけであります。この二つの問題をいま直ちに解決をつけろといっても、これはむずかしいわけでありますから、その二つの問題をあわせて将来郵政、大蔵両当局において研究、考慮していく、こういうことでありましたならば、私の一応の大蔵大臣に対する質問を終わりにいたしますが、それでよろしゅうございますか。
○田中国務大臣 引き続いて両省当局において検討いたしております。
○本名委員長 受田新吉君。
○受田委員 この法案の重要な改正点は、利率変更の政令委任、しかも郵政審議会の意思を尊重してということでございますが、大蔵大臣にお尋ねしたい点は、いまの低金利ムードの中で今度改定されるとするならば、おそらく利下げであろうということは、社会的に一応予想されている傾向でございます。いままで何回か利率変更がされておるわけでございますが、法律で改正したときは、ずっと景気の上昇に伴うて金利を引き上げる方向であった。今度は短兵急な措置として政令で片づけられるということになると、国会討議のように時間をかけて利上げされたときと違って、短兵急に利下げされるのではないか、こういう懸念ですね。それを前提として私が非常に懸念しているのは、田中さんが大蔵大臣として現に低金利政策を一そう推進しようという御意向を持っておられることであります。この点は、大臣がしばしば発言されておるおことばを伺っておりますと、いま公定歩合も、この間の引き下げで一銭六厘にされたわけですが、国際水準にさや寄せさせる、国際収支の均衡を保たせるというような意味から、どうしても国際金利といわれる一銭二、三厘のところまでは大臣の意図がひそんでおるのではないか、この秋にもさらに一厘ぐらいの引き下げを実行されるのではないかということでございます。これはどうですか。いま私がお尋ねしている方向に、大臣の意思ははっきりしているのでございますか。
○田中国務大臣 郵便貯金法の改正をお願いしまして法定金利を政令に委任をするのは、郵便貯金の金利を引き下げていく前提であるというふうには考えておりません。これは弁明申し上げておきます。もう一歩進んで申し上げますと、金利政策の弾力的運用ということで、引き下げ、引き上げとも行なうということであります。 それから実際問題としての見通しについてはどうかということでありますが、この問題につきましては、貿易為替の自由化、資本の自由化というような問題、またガットの関税一括引き下げというような国際的な問題を考えまして、日本がこれから国際場裏で一本立ちをしていかなければならぬ、国際競争力をつけていかなければならぬということは、だれも否定することのできない事実でありますから、その意味におきましては、国際金利にさや寄せをしていく方向をとっている。この方向も間違いはないと思います。でありますが、先ほども申し上げましたように、少なくとも公定歩合は四厘引き下がりましたが、政令委任が行なわれますと、直ちにこれに対応しまして、もう一厘貸し出し金利、いわゆる標準金利が下がった場合に、すぐ郵便貯金の金利が下がるのかということを問われるとすれば、私はそのように考えておりません。これは非常に保護されてきた金融機関が、これから自由化という一本立ちをしなければならない立場にあって、企業の合理化を進めていくわけでありますので、そういうものが十分めどがついて、そうして民間金利と政府管掌金利がバランスをとらなければならない状態において、初めて引き下げとか、引き上げとかいうことがあわせて考えられるわけであります。しかも戦前のように、民間金利と郵便貯金の金利というものはこれだけの差があっていいのだという考えでなく、新しい立場で郵便貯金や簡易生命保険の重要性というものを加味して、どのような状態が民間金利とのバランスであるかという新しい算定方法で算定して、遺憾なきを期すという意味でありますので、現在の金利を引き下げる前提で強行するのではないという考えを明らかにしておきます。
○受田委員 大臣の低金利政策の御意思は、はっきりしたわけであります。これを推進させるためには、これと相並行して買いオペなどによって日銀券の供給を増大するという政策も、一方で考えられるのではないかと思うわけです。いろいろな手を使われて、低金利政策を推進されると思います。しかし、いまの大臣の御意思——低金利政策短命説と長命説があるわけですが、あなたは長命説をおとりになっておられ、経済の見通しを非常に楽観されているので、私は、その意味では楽しい御心境のお方であると思うのですけれども、実際問題として、この秋にでも実際日歩が下がってきた場合にも、郵便貯金の定額六分という利率は高いではないかという問題が起こり、また市中銀行その他の金融機関の金利の問題は、ともに考慮される問題だと思います。銀行金利、一般市中銀行等の金利政策というものは、どうお考えになっておられますか。低金利政策遂行ととも……。
○田中国務大臣 低金利政策というものは、やみくもに下げるというものではないのです。これは要するに、その前提になるものがあるわけであります。貿易、為替の自由化をしないでいいのか、こういうものはしなければならないのです。その場合にはどうかといえば、原材料を持っている国と持ってない国のハンデがあるわけです。その上、公定歩合の例をとりますと、連続四厘引き下げまして、年率五分八厘四毛になったわけであります。アメリカの公定歩合は何ぼかといいますと、年率三分であります。原材料のない国が原材料を持っている国と競争するのに、金利が高い。結局日本人が倍くらい働きますから、そういうことでカバーしているわけであります。でありますから、少なくとも金利も国際金利並みになることが好ましいことであるという理論に対しては、何人も反対なんかできないのであります。ただ、急速にやみくもに下げると、その反動として国際収支が悪化したり、物価が非常に高くなったり、いろいろな問題が起き、景気過熱等が起こっては困るので、そのような過程におけるいろいろな現象を押えながら、一日も早くうまく国際金利にさや寄せできることこそ好ましいのでありまして、方向として富士山に登ろうということでありますから、登ることに対してはだれも一向反対していないのであります。私も、それを短兵急にやろうなどということを考えておりません。そういう基本線から考えますと、いまの民間の金融機関も、確かに商いのであります。民間の金融機関の金利が高いだけではなくて、歩積み、両建てというものがあるから、実質金利は——政府関係の金利が、国民金融公庫において年利九分であります。でありますから、民間機関も九分であり、八分五厘、八分七厘であるといっておりますが、その上、半分は歩積み、両建てだということになると、実質一割一分、一割二分にもなる。飲んだり、食ったり、とにかく一ヵ月、一ヵ月でもって、短期でもって手形を切りかえる。しかも担保をうんととられて、そして一年間に十三回もやられたら、実質金利は一割二分にもなる。こういうことでは中小企業も困ると思うんです。設備の近代化でできないんです。国際競争力もつかないんです。でありますから、まず表面金利以外に裏金利になっているものをやめさせようということで、歩積み、両建てをやめさせようということは、国会あげて与野党とも賛成であります。同時に、そういうことをやりながら、実質的な金利を下げる。金利を下げるには、金利コストを下げていかなければならぬということでありますので、これらを十分行ない、しかも日銀貸し出しに依存をしておりますいわゆるオーバーローンの解消も、緻密な方式を採用することによって、広範な立場から国際金利さや寄せの政策をやっているのであります。方向としては、どうも楽しいと言われて、何かおほめにあずかるような御発言がございましたが、そういうことも、何も楽しいわけではなく、全く一日一日、見落としてはならないというように、こまかい問題に対しても配慮を加えながら、国際金利さや寄せということを、少なくとも貿易、為替の自由化にタイミングを合わせていかなければいかぬという基本的な方針をとっておるわけであります。
○受田委員 私、市中銀行その他の金融機関の金利がどうなるかということを最後にお尋ねしたんですが、それをお答え願います。
○田中国務大臣 市中金融機関の金利をだんだんと国際金利に下げていかなければならぬということは、目標でありまして、そのようにやっておるわけであります。でありますから、とにかく一ぺんにはできませんから、歩積み、両建てをやめさせる。それから裏金利を払わないように特利制度を解消する。銀行も検査を行なうというようなことで、実際いまの状態でどこまで自分の力で、自力で金利を下げ得るのかという、その可能の最低限をいまつかむべく行政権を発動しているわけであります。
○受田委員 大臣の政策的な見解ははっきりしたわけでございまして、市中銀行その他の金融機関の金利をだんだんと下げていく目標を持っておる、こういうことになる。現にきのうから日証金の融資金利も二銭二厘に下げられておる。そしてさらに、政府が政策的にやられようとする市銀の供給量もふやそうとするとなると、そこに景気の再過熱ということも起こるし、また国際収支のせっかく好転しつつあるものが、別のほうでアンバランスを来たす危険も起こってくる。特に日本のように借金の多い企業を持っておるということになると、よけいに危険もまたひそんでいる。三十六年の一月からの金利引き下げで大失敗した経験があるのですから、そうなかなか簡単に経済の実態はいかぬのです、生きておるのですから。そこで結論を申し上げますが、一般の金融機関の金利を引き下げていく。銀行の定期預金が五分五厘です。そしてその他の信用金庫とか、相互銀行とかが一厘高い。これはいまの大臣の目標であるならば、引き下げられる公算が近いうちにある、こういうことになると私は思うのです。
○田中国務大臣 すぐ引き下げられる、引き下げるだろうということにはならないのです。でありますから、現在、公定歩合が四厘も引き下げられましたが、一面において貯蓄増強という大きな政策を遂行しなければならない状態でありますので、預金金利を下げる意思はありませんということを国会で答弁しておるのであります。でありますから、現在は非常に保護され、独占企業的な立場にあった——私はそうも考えておらないのですが、何かというと、大体銀行は一番もうけておるんだろうということを言われております。私は、大蔵大臣でありますし、銀行の監督の責任を持っておるのであります。でありますから、国民大衆の一部が言っておるように、銀行は暴利をむさぼっておるということなら、その暴利の分を合理化しなければならぬということで、歩積み、両建て制度をやめたい。特利制度はやめましたし、また一ヵ月ずつやれば年に十二回、三百六十五日プラス十二日間よけい利息を払っておるのです。こういうような不合理をなくしなければ、表面金利だけ下げても、中小企業などは金利負担は軽減されないのじゃないか。こういう問題をまずここでやっておるのでありますから、現在、預金者の金利まで引き下げなければならぬというような段階ではないのです。しかし、それは一年も二年もたっても引き下げないのか。これは金利コストが引き下がらなければ、もうすっかりとるものはとってしまって、裸にしてしまって、全くコストが明るみに出ておるというので、国際金利にさや寄せしていかなければならぬということになると、当然金利コストを引き下げるために、預金金利を引き下げるということは想定できるわけであります。
○受田委員 大臣は、国際金利水準をいまどの程度と見ておられるか。それからこれにさや寄せするために、秋の公定歩合一厘引き下げというようなことも、一応構想に持っておるか、それをもうやめられたか、御答弁願います。
○田中国務大臣 秋に引き下げるなどということをいままで考えたこともありませんし、私言ったこともありませんから、取り消すつもりもないし、方向転換する気持ちもありません。ただ、先ほどから申し上げましたように、金利は国際水準にさや寄せをしていかなければなりませんということと、来年の五月にはIMFの総会がありまして、結局、来年の五月、六月には八条国に移行しなければならぬのでありますから、そういうタイミングを考えるときに、少なくとも金融環境の整備と相まって、金利が実質的に低下するということは好ましいことであるという考えを持っておるだけでありまして、私は十一月、十二月といわなくても、国際収支の見通しも堅調であり、また経済も過熱状態にならず、設備投資等がまたどうにもならないような状態になるという三十二年、三十六年のような、そういう状態がなく、非常に順調に日本の対外、対内的な均衡が保持できて、しかも金融環境が整備をされて、公定歩合が一厘でも二厘でも引き下げられるような環境がくることこそ望ましいし、また金融行政もそのような方向で進めていくべきものである、かように考えておるのであります。
○受田委員 いずれにしても、大臣の目標を果たすためには、郵便貯金にいたしましても、利率が引き上げられるという想定よりも、今後の見通しとしては引き下げられる想定——時期はいつになるかわからないけれども、この利率変更の場合は、引き下げられる方向にいく。引き上げられる方向は、あなたの目標からいったら考えられませんね。引き下げられるほうの適用を最初に受けるのがこの法律事項であるということが、一応想定されますね。
○田中国務大臣 どうも突き詰めた御議論でありますので、そういう考え方も成り立つことは理解できます。しかし、私が申し上げておりますのは、いままでのように、民間金利が下がったから郵便貯金の金利も引き下げるのだというような政策は、とっておりません。郵便貯金や簡易生命保険が国家に貢献、裨益する度合いを新しい視野と角度で考えまして、バランスをとります、こう言っておるわけであります。だが、しかし、それよりも究極の問題を申し上げると、いま六分の郵便貯金は、これは七分になる、八分になるということになりますと、これはもう資金需要が非常に強いからということですが、また、もっと大きく国民から貯蓄をしてもらわなければいかぬという財政的な財政投融資原資の必要性があるから、そういうことも考えられるのですが、これは国債の発行とか、外債の発行とか、いろいろほかに資金調達の道もあるのでありますから、現在の状態で六分を七分、八分に引き上げなければならないというときは、日本の状態が非常に悪くなったときであります。でありますから、少なくともこれがよくなりつつある、またよくしなければならないのでありますから、早急に引き下げるというような考えはありませんが、いずれにしろ大幅に引き上げなければならないような、非常にアンバランスが日本の経済にこないように努力をしなければいかぬというふうに考えております。
○受田委員 きわめてはっきりしたわけです。引き上げられるようにすることはいかぬのだ、そういう情勢ではいかぬのだ、引き下げられるような方向にいかなければいかぬのだ、こういう御答弁と私は考えます。大体そういう方向に郵便貯金もいきますね。いまのあなたのお考えでしたら、すぐとはいかぬでも、やがて郵便貯金の利子は引き下げられます。はっきりした。ところが、そのときに、政令でございますから、すぐ緊急措置がとれるわけですね。ずばりと来月から金利幾らと政令を出せばいいわけですね。
○田中国務大臣 それはとり得ないのだということを、るる先ほどから申し上げておるわけです。それは郵政、大蔵両省の意見調整にも相当時間がかかるでございましょうし、その上、なお郵政審議会の議を経るのでありますし、郵政審議会の大多数が賛成をした答申が出なければ強行はいたしませんという政府の基本的な方針を明らかにいたしておるのでありますから、そういうことはございません。
○受田委員 簡単におっしゃっても、郵政審議会なるものは、政府の意図を通じてやります。その証拠には、郵政審議会そのものは、いま森本委員が指摘した個人貸し付けの制度について答申していないじゃないですか。郵便貯金の個人貸し付け——定額貯金を二十万、三十万と貯金した。不時に病気になる、子供の学資が要るから、それを借りようとしても借りることができぬから、質屋へ行って高い利子で借りるとか、いまあなたが言ったやみ金利で当面を糊塗しているのが、大衆の実情じゃないですか。そういうときに、郵政審議会なるものが、この大事な個人貸し付けの制度さえも答申をせぬという実情を見たときに、郵政審議会の態度そのものにも、私ははなはだあいまいもこたるものがあると思うのです。私の懸念しておるところは、大臣と同じような形で郵政審議会はいきますよ。決して首を振られる筋じゃないのです。私はそこを懸念して、この段階はタイミングが合わぬ。利子を引き上げられるときに、政令でずばりとやるならば、一刻も早く利子が上がるという喜びがあるが、これが引き下げられるときに、国会討議で熱を入れるのではなくて、政府の意思で政令でずばりとやるのですから、タイミングとしてはきわめて悪いときにこの法案をお出しになったものだと思います。かつて逓信大臣としての令名さくさくとした実力者田中先生の場合には、特に逓信と大蔵と両方の実力者として実権を握っておられるこの機会に、せめて零細な大衆の資金というものをはっきり確保し、また大衆が利用しようとするときには自由に利用できるような道を開くという、政治家として涙あり、人情政治家としての実力を示していただきたい。この点で、この法案に対しての危惧が一つあるわけです。いま森本委員の指摘された点について、そう遠くない機会に何とかしたいというお気持ちがあるようでございますが、郵政審議会の検討の中にもこれが入って、郵政審議会からも答申が出るようにしておかなければならぬと思うのです。郵政大臣、個人貸し付けの制度について、答申どうですか。
○小沢国務大臣 郵政審議会につきましては、これまでも御答弁申し上げましたように、貯金に関する部会をつくりまして、そして強化してやっていくというようなふうにして運用していきたい、そういうふうに考えております。
○受田委員 強化するということと、いま私が指摘した点とつなげられないですね。
○小沢国務大臣 強化いたしまして、いま受田先生がおっしゃったような点も、いろいろと諮問していきたい、そういうふうに考えております。
○受田委員 この法案を出される前に諮問されて、郵政審議会の答申を待ってこの法案をお出しになるという順序をお踏みになるのが、私は筋として通ると思うのです。こういう点にも郵政省の手落ちがある。はなはだ不用意なままに、タイミングが合わないままにこの法案が出されて、国民大衆の零細な資金を吸収する機関としての本質を誤らせる方向に行っておるということを、たいへん私憂慮しておるのであります。 最後に、大蔵大臣、あなたはかつて逓信大臣としての実歴を持っておられることだし、例の電話設備の合理化推進に対する特別措置でも、郵政大臣は、非常に田中大臣が協力してくれた、なかなかいいところもあるということを指摘されておったわけですが、この郵便貯金だけは、冷酷むざんと言っていい結論が出ましたね。この点は、大臣、あなたのような実力者が大蔵大臣を握っている機会に、簡保の運用権の半分奪還、個人貸し付けの運用の道を開く、こういうところへ、いまからでもおそくないですから、ひとつ新しい見解を法律案としてお出しいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
○本名委員長 大柴滋夫君。
○大柴委員 大臣に二つばかり質問しておきますが、二年前に定額郵便貯金を十万円なら十万円貯金して、いまこれを払い戻しをすると、おそらく十一万円何がしくらいになるのだろうと思います。しかし、大臣、さっきヨーロッパの金利がどうだとかなんとかいろいろ言っていましたが、いまのような日本においては、消費者物価が郵便貯金の利率よりもどんどん上がっているわけですね。そうすると、二年間定期預金をしたところで、実際問題として払い出し金額の購買価値というのは、ずっと下がっているわけですね。大臣、こういうことをお認めになりますか。
○田中国務大臣 郵便貯金の利息よりも物価が上がることは、好ましいことではありません。政治の上としては、物価というものは極力押えていかなければならぬということが、前提でなければなりません。しかし、これは物価の値上がりということと郵便貯金の利息が合わないからということではないのです。これは、計算をしますと、そういう結果も出るわけですが、これは不時の災禍に対しまして、とにかく幾ばくかの貯蓄をしようということや、自分の子供や自分の孫のいわゆる教育資金としての何らかのたくわえを持とうとかいう、一つのまた別な観点から、もう一つは、もっと大きくいえば国の政策遂行に対して協力する、こういう考え方もあるのでありますから、これはあなたが言われたとおり、物価が上がっていって、預金金利よりも物価がオーバーしているというようなことは、政策としてはこれを押えていかなければならないわけでありますが、これと郵便貯金をするとか、お互いが貯蓄をするとかいう考え方と、全く完全一体のものであるという考えには、必ずしも立てないわけであります。
○大柴委員 そういう説明は、たいへん無理な説明なんですね。そういう郵便貯金を称して、確実な貯蓄と言えますか。要するに、この郵便貯金法一条に、郵便預金というものは確実な貯蓄の手段だとか、あるいは国民の経済生活の安定をはかり、福祉を増進することを目的とすると書いてありますが、いまの郵便貯金は、そういうように言えますか。
○田中国務大臣 これは、先ほどから申し上げておりますとおり、貯蓄者の利益も守っていかなければならないことは事実でございますが、そういうふうに貯蓄をしていただくために、国の財政資金、社会資本というものが充実をしてまいり、それがめぐりめぐってわれわれの生活のレベルアップになっておる、こういうことも言い得るのであります。また、そのような大きな問題も顧慮しておるわけであります。御承知のとおり、戦前の一万円といえばたいへんな金でございましたが、現在になって一二十年間でもって幾らになったか。三万円ぐらいになっているでしょう。しかし、いまもらえば、三万円で一体何が買えるか。こういう理屈は、私は経済論として、金融政策として、また財政政策として、十分検討しなければならぬ問題であり、しかもそういうような事態を起こしてはならないのであります。ならないように大いに政府も努力をしなければならないことは、そのとおりでございますが、といって、そういうふうに物価が上がっているときには、もう貯蓄をしても、預金金利が一割になっても、物価が二割ずつ上がる、こういうような昭和二十一年から二十六、七年までの状態を考えておって、全然貯蓄しないで物を買ってしまうということになれば、ますます物価との悪循環で通貨の価値は下落するのであります。こういう問題は、やはり敗戦国であるという冷厳な事実と、そういうものの上に立ってお互いができるだけ、あなたもいま言ったとおり、物価というものは少なくとも政府管掌金利よりも下回らなければいかぬというような対策をとるように努力すべきである、このように考えております。
○大柴委員 いずれにしても、二年前に預けた貯金というものが、その当時よりもどんどん金の価値が下がってくるということは、これは大臣としてたいへん遺憾なことでしょうね。政府の金融制度を受け持つ大臣としてはどうですか。
○田中国務大臣 好ましいことではございません。でありますから、物価安定ということで政府は日夜努力をいたしておるわけでございます。
○大柴委員 物価安定のことについて二、三聞きますけれども、物価が騰貴する理由はいろいろあるだろうと思いますが、日本銀行券の発行が、いまどういう理由によってどんどんふえているのか。あるいはまた日本銀行券を発行する場合は、いまは金本位制度ではないわけでありますから、大臣がこういう理由によってふやすとか、こういう理由によってどうということになるのだろうと思いますが、日銀券を発行するときに、めどになるところの主たる諸情勢は、第一から考えれば第二、第三とどんなことがあるのでありますか。
○田中国務大臣 日本銀行券の最高発行限度は、現在一兆二千五百億であります。その発行限度そのものをきめますときには、貨幣の流通の過程を十分検討し、しかも経済の成長の実際の状態を十分勘案しながら、おおむねこの程度が妥当であるという考え方で、日銀の対策委員等の議論も十分に尽くしながら、大蔵大臣がこれを定めておるというのが実情でございます。 これはなかなかむずかしい問題であります。いま日本には全く相反する二つの議論がなされております。日本銀行券というものの発行は多過ぎる、こういう議論が一つあります。それから少な過ぎるのだ、世界のどの先進国と比べてみても、日本銀行の発券高というものは、通貨量が少ない、これは倍くらいにしたらいいというぐあいに、非常に極端な相対立する議論があるわけでありますが、これは実情に合わないようにあまり締めますとどのようになるかというと、今度は信用取引といいますか、いわゆる企業間信用でもって手形がよけい出るわけであります。でありますから、経済のボリュームというものを全然考えないで、日銀券の流通高で押える、こういうことになりますと、これはいろいろな経済的な梗塞状態が起きてまいりまして、非常にむずかしい問題でありますが、金融の問題としては最も重要な問題でありますので、現在の日銀、金融機関及び在野の有識者の意見も聞きながら、これらの問題に対しては、慎重に対処いたして、おるわけでございます。
○大柴委員 そういう金融機関とか、日銀とか、いろいろの意見を聞きながら大蔵大臣がきめるという、その法律は、いつ制定された法律ですか。
○田中国務大臣 日本銀行法の規定でございますが、条文は政府委員から答えさせます。
○佐竹説明員 お答え申し上げます。 これは日本銀行法の第三十条でございまして、「主務大臣ハ閣議ヲ経テ前条第一項ノ銀行券ノ発行限度ヲ定ムベシ」という規定がございます。
○大柴委員 それは、東条内閣の賀屋大蔵大臣のときにきまった法律じゃないのですか。
○佐竹説明員 現行の日本銀行法が制定されましたのは、昭和十七年二月でございますけれども、この発行限度の規定が入りましたのは、戦後の改正によるものであります。
○大柴委員 戦前じゃないですか。戦前のそういう大蔵大臣の権限において日銀券の発行高が自由にきまるというのを、戦後のいろいろの修正にもかかわらず、それだけは残しておいた。要するに戦前の賀屋さんのときの規定じゃないですか。
○佐竹説明員 むしろ通貨の発行限度の問題がやかましくなりましたのは戦後でございまして、戦後において、例の通貨発行審議会という制度を設けて、その限度を審議しておった時代がございますが、その後、通貨発行審議会制度が廃止になりまして、それ外、今日の第三十条による発行限度の規定ということで、閣議を経て発行限度をきめるという現行法になっておるわけであります。
○大柴委員 よく調べてみてください。 ところで、それは私どもからいわせれば、国会の討論を経なくて、大蔵大臣の権限にあるということは、たいへん非民主的な態度だ、こういうように判断しておるわけでありますけれども、大臣はやっぱり郵便の利子と同じで、大蔵大臣の手元にあるのがたいへん都合がよくてよろしいのでありますかどうか。
○田中国務大臣 行政組織法その他あらゆる法律を見ましても、財政、金融に関しての国会に対する責任は大蔵大臣だという定めになっておりますから、こういう金融に関係する準拠規定が大蔵大臣以外のものであるということ自体が、おかしいのじゃないかと思うわけです。しかし、私は、法制上そうなっておりますからといって、この運用に対しては非常に慎重な態度で、間違いのないようにやるわけでありますが、法制上財政、金融に対する所管大臣としての規定でありますので、いま臨時金利調整法が大蔵大臣の許可権限の中にありますが、これももう民間金融機関にまかしたほうがいい、また日銀法の改正をやって、日銀券の発券限度というものは、印刷は大蔵大臣が印刷するのだが、しかし使うほうは別な陣容できめて、大蔵省に何枚刷ってよこせ、こういうふうに変えたほうがいいとかという、議論は別でございます、現在の法制上は、大蔵大臣として私個人の持つ権限ではありませんが、大蔵省という行政組織上の官庁が持っておる権限は、いまのままでいいんじゃないかというふうにも考えます。
○大柴委員 銀行局長さんに聞きますが、世界の、いわゆるヨーロッパの先進国で、中央銀行券の発行額を大蔵大臣にゆだねているというところがありますかどうか。
○田中国務大臣 重要な問題でございますから、この問題についてはあとからひとつ調べまして、お手元まで何かでお届けすることにいたします。
○大柴委員 念のために言いますけれども、おそらくないのだろうと思うのです。日本のみが、東条さんのときの条文だけが生きて、それが戦後の幾変遷の中から官僚と日銀との人々がのがれて、こういう古い条項というものが残っているのだと思うのです。これはよく調査して、ひとつあとで御答弁願います。
○森本委員 郵便貯金法に戻りまして、郵政省にお聞きいたしますが、郵便貯金法に基づいて貯金をする人は、日本国籍を有する人でなければならぬわけですか。
○吉灘説明員 郵便貯金法は属地法でございますので、日本に住所を有するものであればよろしいわけでございます。別段、日本国籍を有しなければならぬというわけではありません。
○森本委員 その日本に住居を有するということは、どういう意味ですか。
○吉灘説明員 郵便貯金法が属地法である理由についてでございますが、これは郵便貯金法の利用関係というものが、郵便局を通じて行なわれるわけでございます。したがって、日本の郵便局をもちろん対象にしておるわけでございますから、郵便局を通じて利用する関係上、属地法であるということを申し上げておるわけであります。
○森本委員 その場合、沖繩のいわゆる終戦までの郵便貯金については、どういう取り扱いをしておりますか。これは外地郵便貯金としての取り扱いをしておるわけか、それともどういう取り扱いになっておるわけですか。
○金澤政府委員 沖繩につきましては、沖繩におきます現地人の貯金、日本人が現地で預けた貯金につきましては、戦後一応の制限がございましたけれども、その後軍事郵便貯金等特別処理法というものによりまして、いまはその制限をとりまして、支払っておるわけでございます。沖繩の現地人の貯金につきましては、それとは異なりまして、現在こちらのほうから支払い方法について照会を出しておりますが、それに対しまして沖繩からの回答がたいわけでございます。
○森本委員 だから、沖繩の郵便貯金については、どうなっておるわけですか。 〔委員長退席、佐藤(洋)委員長代理着席〕
○金澤政府委員 少し長くなりますが、簡単にできるだけはしょって申し上げます。 三十五年の五月に日米間で合意ができまして、日本といたしましては、支払い要綱案を総理府を通じまして、米国民政府と琉球の政府に了解を得るよう依頼いたしたわけでございます。ところが、琉球政府といたしましては、一円を一ドルに換算してくれ、あるいは弔う一点といたしましては、事務取り扱い費をもらいたいという回答がございまして、郵政省といたしましては、書類を検討いたしまして、二十八年十二月以降、これは奄美群島が日本政府に返還された年でございますが、その貯金につきましては年五分で、これは利子を含んでおりますが、見舞金をつけようじゃないか、あるいは取り扱い手数料というものは支払えませんから、諸謝金を出そうということをきめまして、予算措置をとったわけでございます。予算措置の中といたしましては、三十八年、ことしといたしましては、見舞金が四百四十万円、諸謝金が百五十八万余円でありますが、それは二年にわたって、今年度、来年度にわたって払うという態勢を整えてまいりました。ところが、これを総理府に依頼いたしまして、那覇日本政府南方連絡事務所といたしまして、現地との交渉を依頼しておるわけでございますが、現在に至るまでこの回答はございません。ちなみに申し上げますが、沖繩の郵便貯金といたしましては、七千百九十三万円余でございますが、為替が三万一千円、それから振替が九万七千円、それから貯金切手というものがございますが、これが千四百七十八円ということになっております。
○森本委員 この沖繩の郵便貯金については、この郵便貯金法のどの項に当てはまるわけですか。
○吉灘説明員 沖繩の郵便貯金も、郵便貯金の債権でありまして、どの項と言われます意味がちょっとわかりませんですが、日本の郵政省が有する債務でございます。向こう側の預金者としてみれば、日本の郵政省に対する貯金の債権でございます。
○森本委員 だから、それはたとえば軍事郵便貯金等特別処理法というので、外地郵便と軍事郵便貯金を処理するというような法律があるわけですね。その中に入るのか、それとも現行の郵便貯金法に入るのか。
○吉灘説明員 軍事郵便貯金等特別処理法には入りませんで、現行の、現在存在しておる郵便貯金法に基づく貯金の債務であり、貯金の債権であります。
○森本委員 そういたしますと、これを支払うというときには、現行の郵便貯金法によって支払う、こういうことになるわけですか。
○吉灘説明員 現行の郵便貯金法によって支払うということになるわけでございますが、事実問題として、先ほど申し上げましたように、郵便貯金法は属地法でございます。日本の郵便局が沖繩にはありません。したがって、われわれがいま沖繩に支払わんとしておる方法というのは、具体的に言いますと、日本の人間、日本の国籍を有する者を代理にいたしまして、郵政省がこれに支払いをするという形でもって、現行貯金法によって支払いをしようというふうに考えておるわけであります。
○森本委員 そうすると、日本の郵政省が沖繩に出張していってやろう、こういうことですか。
○吉灘説明員 日本の人間に代理になってもらいまして、それがみんな一切沖繩の預金者から委任状をとりまして、その人間に対して郵政省は支払いをするということでございます。その支払いを受けた代理人は、今度はその金を向こうに持っていきまして、向こうの郵便局の組織を通じて支払いをする。それで、先ほど局長が御説明を申し上げました沖繩の郵便局に対して若干手数料的なもの、諸謝金を支払いたいということで、予算も成立しておるわけでございます。
○森本委員 そうすると、その代理人に支払うというのは、どういう意味ですか。一括して支払うわけですか。
○吉灘説明員 さようでございます。
○森本委員 それはできますか、現行法で。
○吉灘説明員 現行法で可能でございます。たとえば具体的に申し上げますと、アメリカ人、あるいはアメリカの二世でもかまいませんけれども、日本の郵便局を利用しておりまして、それでアメリカに帰った。たまたま郵便貯金を持っておったという場合には、たとえば親戚の者に代理人になってもらうということで支払いをしておるという事例も、いままであるわけであります。そういうことで可能でございます。
○森本委員 そうすると、これは各人から全部委任をとってやる、こういうことになるわけですか。
○吉灘説明員 さようでございます。
○森本委員 その委任をとってやるというのは、沖繩のように七千百九十三万というような高額についてやったことがありますか、いままでそういうやり方を。これは現行法については、私は、もしかりに沖繩に支払うということになれば、特別立法をする必要が法律上あるんじゃないかというふうに考えておるわけでありますが、どうですか。
○吉灘説明員 沖繩にも郵便局の組織がありまして、沖繩郵政庁というのが存在するわけであります。いままでも、何回にもわたりましてこの預金者検査もやり、この申告もとっておりまして、大体どの預金者が幾ら預金を持っておるということも、沖繩の郵政庁で向こうの郵便局の組織を通じて把握しておるわけでございます。したがって、日本の郵政省と沖繩郵政庁との間で支払いに関する話し合い——協定ではございませんが、連絡がつきますれば、この事実問題といたしまして、そういう方法で代理人を立てて支払うことも、スムーズにいくというふうに考えております。
○森本委員 その場合、協定ということになるとするならば、これは外交上の問題になるわけでありますが、そうでなしに、現行郵便貯金法のワク内においてこれを代理人を立てて支払うということになっても、私はある程度疑問がある。やはりこういうような問題については、もしかりに協定ができた場合には、特別立法を必要とするのではないか。要するに軍事郵便貯金等特別処理法をつくったような形における、簡単な条文になるとは思いますけれども、そういう特別立法をする必要があるのではないかというふうに、私は私なりに考えておるわけでありますが、その辺どうですか。もう少し検討してみる必要があるというならば、これはいいわけでありますが、現行郵便貯金法で完全にそれがやり切れるというふうに解釈しておるわけですか。
○吉灘説明員 われわれといたしましては、そういうふうに解釈いたしまして、三十六年度、三十七年度、それから本年度も、そういう関係で予算も計上して、成立を見ておるわけであります。
○森本委員 それでは、代理人の項は、貯金法の第何条ですか。
○吉灘説明員 代理人に対する支払いという条項は、郵便貯金法には規定されておりませんので、これは民法の一般の原則によって処理するわけであります。
○森本委員 民法による場合は、普通委任を受けてやるわけでしょう。現実問題として、郵便貯金として、それだけの高額で多人数が一人に委任されたという経験が、いままでありますか。
○吉灘説明員 この沖繩の貯金の場合のような高額の事例はございませんが、軍事郵便貯金等特別処理法に基づきまして沖繩に支払いをいたしました場合に、そういう処理をいたしたわけでございます。件数の総数ははっきり覚えておりませんけれども、これもかなりの件数であったと記憶しております。
○森本委員 その場合は、軍事郵便貯金等特別処理法というものがあるわけでありますが、私は、この点については、もう少し法律上検討してみる必要があるのじゃないかというふうに考えておるのですが、貯金局長、どうですか。
○金澤政府委員 お答えいたします。 吉灘文書課長がお答えいたしましたように、現行規定でできるのではないかと思っております。
○森本委員 現行規定でやれるという解釈をして、そして予算も組んできたから、もう押し通すということならば別でありますが、私は、かりに協定ができた場合は、やはり特別立法を要するのじゃないかという法的の疑義があるわけでありまして、これはひとつ宿題として残しておきたいと思うわけであります。私のほうも、この問題をやっておりますと、だいぶ時間が長くなりますので、次会に、この法案が済んだあとからでもひとつやってみたいというふうに考えておりますので、郵政省としても、既定の事実であるからそのとおりやるということでなしに、もう一回、法律上検討してもらいたいというふうに考えておるわけであります。 それからもう一つ、終戦のときに蒙疆自治政府と日本政府との間に協定ができて、そして蒙疆政府に郵便貯金を預けておった者については、終戦までは日本の郵便貯金と同様に取り扱っておったわけでありますが、問題は終戦になりまして、蒙疆政府というものがなくなったということで、その支払いが停止されておるわけであります。これは将来どうするつもりですか。
○金澤政府委員 蒙疆政府とは、昭和十六年の十月に、日蒙が郵便貯金相互取扱に関する協定というものを結びまして、相互に郵便貯金の払い戻しに関する事務を取り扱ったわけでございますが、これは終戦によりまして、日本が二十年九月に降伏文書に調印いたしました。そこで蒙疆というものは消滅しているわけでございまして、その協定もなくなり、日本がそういうような委託を受けて支払うという根拠がなくなったのでございます。そこで、これはあくまでも蒙疆の債務でございまして、日本政府の債務ではございません。しいていうならば、将来在外資産の処理に関する問題一般ということになるのではないかと思っております。
○森本委員 蒙疆のものが、全体で推定幾らありますか。
○金澤政府委員 これは、引き揚げの際に申告をとっておりませんので、金額はわかりません。
○森本委員 蒙疆の政府の郵便貯金通帳を持っているような人もあると思いますが、その調査はしてないのですか。
○金澤政府委員 これは、先ほど申し上げましたように、郵政省の債務でございませんので、しいていえば在外資産処理に関する問題でございまして、大蔵省の管轄になるわけでございます。私たちといたしましては、そういう数字はおかっておりません。
○森本委員 私は、郵政省の考え方は非常におかしいと思うのです。蒙疆自治政府と日本政府が協定を結んでやった。だから、蒙疆自治政府がある間は、日本の郵便貯金と同様に取り扱った。ところが、昭和二十年八月十五日に終戦になって、九月に蒙疆自治政府というものがなくなったのだから、もはや郵政省に責任はない、こういう言い方は、私はやはり政治家のとらざるところだろうと思う。蒙疆自治政府だって、はっきりいえば日本のかいらい政権であったことは間違いない。そのいわゆる蒙疆自治政府と日本政府とが郵便貯金については協定を結んで、蒙疆自治政府に預け入れをするところの郵便貯金については、日本の郵便貯金と同様に取り扱うということで、日本人が相当これに預けたわけであります。ところが、終戦になって蒙疆自治政府がなくなって、日本政府と蒙疆自治政府との間の協定がなくなったから、もう一切知らぬ、こういうことではならぬと思う。やはりこの取り扱いというものは、外地の郵便貯金と同じように取り扱ってしかるべきである。事務的には貯金局長が言ったとおりであろうかと思いますけれども、郵政大臣としては、そういうふうな方向をとってはならぬ、こう思うわけでありますが、その辺は大臣、どうですか。
○西村説明員 僣越ですが、私からかわってお答え申し上げます。 確かに先先のおっしゃいますように、両政府間で協定はしたのでありますけれども、現地における責任はあくまで蒙疆政府にあるのでございまして、両政府間で協定いたしましたのは、支払いとか決済に関する協定でございまして、終戦になりましたあとの責任は、日本政府が負うというたてまえになっていないのでございます。その点御了承いただきたいと思います。
○森本委員 それは事務的にはそういうことになっておっても、蒙疆政府に郵便貯金を預ける人は、日本の郵便貯金であると考えて、終戦になっても引けると考えて預けておった連中が相当多い。それをいまになって、あれは蒙疆政府と日本政府との間の協定であるから日本政府は知らぬというのはどうか。事務屋としては、いま事務次官なり貯金局長が答弁したとおりの答弁でけっこうでありますけれども、政治家としては、これは当然考えなければならぬ問題じゃないか。だから、この答弁は、事務次官と貯金局長が何回答弁したって同じですよ。事務的に答弁すれば、いまのような答弁になるわけでありますから。 〔佐藤(洋)委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、蒙疆自治政府については、そういうふうないきさつになっておるから、蒙疆政府の郵便貯金に預けても、これは日本の郵便貯金と考えて日本人が相当預けておるわけでありますから、やはり外地郵便貯金と同じように取り扱ってやらなければならぬ政治的な責任が日本政府にあるのではないか、こういうことを言っておるのでありますから、これの答弁は、もう事務屋ではだめなんで、大臣が答えるべきだ、こういうことです。
○小沢国務大臣 実は、この問題につきましては、私も実態を存じておりませんので、よく実態を調査いたしまして、研究いたしたいと思います。
○森本委員 ひとつこれは、研究よりも、実態を早急に調査をしてもらいたい。蒙疆自治政府の郵便貯金通帳をいまだに大事に持っておる人が、だいぶあるようであります。と申しますのは、この前、私が予算委員会で朝鮮の郵便貯金についての質問をして、それが新聞に載ったところが、全国から十通ばかりでありますけれども、蒙疆政府の貯金を忘れてもらっては困る、これはひとつぜひ国会において解決をつけてもらいたい、こういう投書があったわけであります。それで調べてみると、いま言ったようないきさつであります。この蒙疆政府の郵便貯金というのは、台湾並びに朝鮮、樺太と同じように当時取り扱っておったにもかかわらず、これがいま言いましたように、蒙疆政府そのものがなくなったのだから協定文までなくなったのだという郵政省の名目のもとに、結局全面切り捨てをされておるわけであります。たとえば、その場合に、日本の郵便貯金に預けておったならば、これは有効になっておるわけであります。千円持って帰れたわけであります。ところが、そのときにそういう協定の内容を知らぬものでありますから、結局いままでどおり、蒙疆政府の郵便貯金に預けておいたならば、内地に持って帰って引ける、こう考えて蒙疆政府に預けたものが、全部いかない。ところが、北京なら北京におって、日本政府の郵便貯金ということに指定をして預けてあったものは、全部有効になっている。ここに台湾、朝鮮、樺太とこの蒙疆の場合とで、不合理が出てきているわけです。事務的な答弁は、確かに事務次官なり貯金局長の答弁したとおりなんです。しかし、これ以上の問題は、やはり政治的に大臣が解決をつける問題ではないか。大臣が早急に調査をして検討をしてみるということでありますから、いまにわかにここで回答ができないと思いますけれども、そういう人々は、蒙疆政府の貯金通帳を後生大事にまだ持っておるようですから、争ういうものがどの程度あるか、ひとつ早急に調査をしてもらいたい。そのことによって今後の結論がつけられるわけでありますから、まず金額を把握することが必要だと思う。その調査はやってくれますか。これは郵便局の窓口を通じて国民に布告すればいいわけです。何月何日までに一応申告せよ。その後の情勢はどうなるかわからないけれども、とにかくどういう実態で承るかということを調査してほしい、こういうことです。
○金澤政府委員 よく研究いたします。
○森本委員 研究するのはいいけれども、やはりこれはまだ貯金通帳を持っておるわけですから、貯金通帳を持っておる人にそれを提示させれば、すぐわかるわけであります。要するに北京におって結局日本の郵便貯金に預けかものは有効であって、そのときに蒙疆政府に預けたものはだめなんです。もっとも、蒙疆政府は張家口でありますけれども、距離にしてそうたいした距離はありません。そこで、そういう方面の人の手紙を読んでみると、なるほどとうなずける点があるわけであります。確かにこの貯金通帳を日本の郵便貯金通帳と同じように内地へ持って帰って引くつもりだった。ところが、それがいま言ったように全部だめだということになるので、この辺は十分調査すればわかるわけでありますが、ひとつ研究するということでなしに、どれだけそういう人がおるかということを早急に調査してもらいたい。その調査の結果、これをどうするかということは、金額によって変わってくるわけでありますから、とにかく調査をしてもらいたい、こう思うわけであります。調査のしようがないということでありますけれども、これは全国の郵便局でありますから、何月何日までと、半年なり三ヵ月の期間を置いて政府が布告すればいいわけであります。こういうものについては調査をしたいからひとつ申告をせられたい、こういうことで期限を切ってやればいいわけであります。郵政省は、これはやりたくないのだ、へたをすれば当然郵政事業特別会計の中から金を払わなければいかぬことになるというふうに考えておりますから、それはやりたくないだろうと思いますが、これはやはり政治家としては考えるべき問題だ。金額にしても、いまの金額にすればそんなに大きな金額にならぬと思う。これは大臣どうですか。
○金澤政府委員 これは研究いたしますと申し上げましたのは、調査方法としては、先生の御指摘のようなことはあるかもわかりませんが、この問題は、在外資産の処理に関する問題に属しますので、こういうような調査をいたしまして、問々すると、払ってくれるのじゃないかというような、何と申しますか、結論を出されるおそれもございますので、その点十分に——在外資産の問題になりますと大蔵省の所管でございますので、そういう点につきまして、研究するということを申し上げたのであります。
○森本委員 これは大蔵省の在外資産の問題になるといっても、この問題の責任はやはり郵政省ですよ。その当時、日本の郵政省と向こうの郵政省、蒙疆政府との間に協定を結んでおるのですから。だから、そんなに責任を大蔵省大蔵省というてかぶせて、郵政省、逃げ腰にならぬでよろしい。やはりこういうときには、郵政省は一応国民のためにとにかく考えてやろうという親心があっていいと思うのだ。だから、私は、これを実際に支払うことになったら、それこそ特別立法が要ると思う。しかし、その特別立法にするにしても、これに反対する人はおそらく一人もいないと思う。これは、そもそも当時のいわゆる郵便貯金協定というものが、蒙疆政府はつぶれぬものなりと考えての日本の郵政省と蒙疆政府との協定なんだから、それがたまたま日本の政策が悪くて蒙疆政府がつぶれてしまったから、こういうことになった。だから、これは日本の郵政省と向こうの郵政省とが——向こうの郵政省といったところで、それをやっておった本人はみな日本の郵政省の人間が行っておったのだから、係長以下は向こうの現地人であっても、最高のポストマスターのところは全部日本人が占めておったわけだから、そして日本人同士が協定文をこしらえて結んでおいて、それが終戦になったら蒙疆政府なんて知らぬというのは、実際問題として通らぬと思うのです。法律論は、いま事務次官なり貯金局長が答弁をしたとおりであるけれども、これは、私は、こういう点について郵政省が責任を持つということが、郵便貯金に対する信頼感を高める、こういう点で言うわけなのです。だから、郵便貯金の信頼感というものは、やはりこういうところにあるのじゃないかというように考えて、この点を言っておるわけでありまして、貯金局長の言っておるように、在外資産は大蔵省々々々なんて、そんなことを言うから郵便貯金がいかぬことになる。やはり郵便貯金と名がついた以上は、郵政省が責任を持って調べてみる。実際のところ、たくさんあって八千万円か一億円程度だと思う。とにかく一億円以上になることは絶対ないと思う。だから、これは一応全国の郵便局の窓口を通じて、とにかく調査をしてもらいたい。あなた方がようせぬなら、私が場合によったら議員立法で出しますよ。ただ、議員立法で出すにしても、私、議員個人としては、調査する方法がない。これは郵政省がやらぬことには、どれだけの金額があるか——おそらくこれは五千万円か六千万円ぐらいのもので、議員立法で出して反対する者はいないと思うのだ、そのくらいの金額なら。だから、私は、とにかく郵政省が全国の郵政省の機関を通じて調査をしてもらいたい、これに対する研究、検討ということは、それから後だと思う。大臣、どうかね。
○小沢国務大臣 ただいま調査するということにいたしましても、いろいろむずかしい難点がございます。それから、その処理の問題につきましても、いろいろ研究すべき点がございます。しかし、ただいま森本先生がおっしゃった問題もまた重要な問題でございますから、十分に研究いたしたいと思う次第でございます。
○森本委員 ともかくこれは在外資産、在外資産というものだから、その在外資産に食いついておるけれども、実際には、これはその当時の逓信省の役人同士できめたわけだ。たまたまその役人が蒙疆のほうと日本政府とに分かれておって、だから日本政府と蒙疆政府との協定になったけれども、その政策をきめたのは、日本の逓信省の役人がきめたのだ。その当時のいきさつは、全部そうなんですよ。だから、法律論だけではいかぬ問題が多いわけですからね。預けたほうは、あくまで逓信省に預けたと思っている。だから、これは調査するということになると、なかなかやっかいなことがあるということがまず第一番目。それから、そういうことになったら、どうせ払わなければならぬことになる。期待を持たすということで、あなたのほうは非常に懸念をしておるようでございますが、そんなことは抜きにして、実際問題としてどれだけあるかということを郵政省としては調査してくれ、こういうことであります。あとの問題はあとの問題で検討しようということになりますから、郵政省はそんなに心配は要らぬわけです。
○小沢国務大臣 先ほど申し上げましたように、やはりあとの処理等々も考えなければなりませんし、御趣旨のほどは十分にわかりましたから、研究してみたいと思います。
○森本委員 これ以上言っても、あなたがいま言ったように研究、研究ということになると思いますが、しかし、これは私は、政治家の執念として、この支払いは何とかやってやりたい。大体これは在外資産と同様に取り扱うべきものでない。これを在外資産と同様に取り扱っておったからこそ、郵政事業というものの信頼がなくなる。私はそう考えておるわけであります。金額にしても、いまの郵便貯金特別会計の中からして、そうたいした額じゃございません。沖繩の一ドル一円の問題もありますけれども、本日は出しません。ひとつ蒙疆の問題については、大臣としても、ただ逃げ腰で研究、研究ということでなしに、前を向いて研究、検討するようにお願いしておきかいと思うわけですが、どうですか。
○小沢国務大臣 御趣旨のほどはよくわかりましたし、前向きの姿勢でひとつ研究、検討いたしたいと思います。
○森本委員 それでは、今回の改正の本論に入っていきたいと思います。 いままでの郵政審議会委員は何人ですか。
○武田政府委員 定員四十名で、現在員も四十名でございます。
○森本委員 今度の改正で何名ふえるわけですか。
○武田政府委員 今度五名増員になります。
○森本委員 この四十名のいわゆる構成人員の任期は何年ですか。
○武田政府委員 三年でございます。
○森本委員 郵政審議会は、大体どの程度開いておりますか。
○武田政府委員 三十八年度になりましてからは一回でございます。三十七年は三回開いております。三十六年が三回でございます。
○森本委員 三十八年に一回開いておる、それには何人出席しておりますか。
○武田政府委員 ちょっと正確な出席人員の手持ちがございませんが、たしか四人委員が欠席されたかと記憶しております。
○森本委員 四十名の中で四人だけ欠席というと、なかなか成績がいいわけですが、三十六名出席しておったわけですか。
○武田政府委員 後ほど調べまして正確な数字をお答えいたしますが、たしか私はそういうふうに記憶しております。
○森本委員 そういたしますと、この郵政審議会の委員の人選については、郵政省に何か基準がありますか。
○武田政府委員 郵政審議会令という政令がございまして、その第三条で、「関係行政機関の職員」それから「学識経験のある者」第三号といたしまして「簡易生命保険又は郵便年金の契約者の利益を代表すると認められる者」、こういう選任の基準が一応ありまして、これに基づいて選考いたしております。
○森本委員 そういたしますと、今度の場合、郵政審議会の五名の増員があるわけでありますが、その政令が変わってくるわけですね。
○武田政府委員 ただいま申し上げました第三条に号を立てて、郵便貯金の預金者の利益を代表すると認められる者、これをつけ加えたいと思っております。
○森本委員 そういたしますと、今度の五名の増員というのは、その分に当てはまるわけですか。
○武田政府委員 さしむき、すぐ増員の点につきましては、この貯金関係の方々をお願いしたい、こう考えております。
○森本委員 そういたしますと、この郵政審議会の中に何か一つ、いわゆる郵便貯金の権利保護をするという意味で、貯金部会とかなんとかというふうな小委員会みたいなものができるわけですか。
○武田政府委員 現在第一部会から第三部会までございますので、さらにもう一つ部会を設けまして、この貯金関係の部会に充てたいと思っております。
○森本委員 そうすると、第四部会というのは貯金としてできる、こういうことですか。
○武田政府委員 現在は、貯金関係は第一部会に属しておりますが、これを分けまして、特にこういう重要な事項を諮問する部会でございますので、貯金部会といたしたいと思っております。
○森本委員 この「関係行政機関」というのは、各省の次官ですか。
○武田政府委員 関係各省の次官でございます。
○森本委員 それはどこどこが入っていますか。
○武田政府委員 ちょっと順序不同でございますが、運輸事務次官、それから大蔵事務次官、それから経済企画庁事務次官、厚生事務次官、これは次官じゃありませんが内閣法制局次長、労働事務次官、通産事務次官、以上でございます。
○森本委員 その各事務次官というのを、ほんとうに連れてくるのですか。
○武田政府委員 特に重要な問題のございますときは出てこられますし、また代理の者が出てくることもございます。
○森本委員 ほとんど代理の者が出てくるということを聞いておるわけでありますが、それから郵政審議会の中で、学識経験者というものが全部でいま何ぼになりますか。
○武田政府委員 一応の分け方でやっておりますが、大体三十名がいわゆる学識経験者というふうに当たるかと思います。
○森本委員 そうすると、郵便年金と簡保の加入者の代表というのは何名ですか。
○武田政府委員 的確にその保険年金の契約者の利益代表者というような形では、三名でございます。
○森本委員 大体それでわかりました。 それからついでに聞いておきたいと思いますが、この郵政審議会というのは、これは無報酬だと思いますが、その点はどうなっておるのですか。
○武田政府委員 無報酬でございますが、出席の日に日当を差し上げております。
○森本委員 何ぼですか。
○武田政府委員 三十八年度から、会長三千円、委員二千五百円でございます。
○森本委員 私は、その審議会の二千五百円、三千円というのは、今後この貯金法が改正されて、こういうふうな重要な問題を審議するという場合に、ちょっとその報酬が安過ぎやしないかというふうに考えるのですが、大臣どうですか。これは常識でわかるわけですが……。
○小沢国務大臣 この審議会の報酬といいますものは、各省いろいろあっては困りますので、一応統制をとって金額がきまっておるわけでございまして、郵政審議会もそういう点できめられているということでございます。
○森本委員 ただ、これは各省全部といっても、結局その重要の度合いによると思うのです。かりに今回のような金利の上げ下げというような問題を審議するということになりますと、これはかなり重要な問題を含んでおるわけですよ。だから、これは各省の審議会につじつまを合わすということについては、私はどうかというふうに考えるのですが、その辺はどうですか。
○小沢国務大臣 ただいまの金額は、そういうわけ合いできまっているわけでございますけれども、この審議会は重要な意味もございますので、その点につきましては研究してみたいと思います。
○森本委員 それでは次に移りますが、事務的な問題で、相当重要な問題ですが、たとえば三十六年の四月に利下げをした場合、定額貯金については十年間は旧利率を適用するということになっておったわけでありますが、将来もかりに利下げがあるという場合については、こういうふうな既得権益は保護するという考え方ですか。
○金澤政府委員 かりに利下げが行なわれた際に、現に存する定額貯金に対する利率の取り扱いにつきましては、その定額貯金の運営期間中は、当然旧利率が適用をされることになっております。
○森本委員 これはあとでけっこうでありますが、現行の郵政審議会の委員を、ひとつ名簿でお出しを願いたい。それからその委員の簡単な略歴を御提出願いたい、こう思うわけでありますが、それはいいでしょう。
○武田政府委員 承知いたしました。
○森本委員 それから、今後これが一般の民間に比して大体不利益な状態にならないようにということをわれわれは考えておるわけでありますが、具体的に郵政省としては、そういう点についてどういうお考えを持っておるわけですか。
○金澤政府委員 現在私たち考えてみますと、少数貯蓄優遇制というものが特にできまして——年制の定期預金で、銀行が五分五厘、それから郵便局が五分ということでございまして、現在不利に置かれておるようでございますので、今後これはひとつその状況から脱したい、こういうふうに考えております。
○森本委員 それからちょっと聞いておきますが、現在定額貯金と定期郵便貯金と、たとえば三十七年度においてはどういう金額になっておりますか。
○金澤政府委員 一年制定期につきましては、三十七年度中の純増は五億円でございます。それから定額は二千七百億円でございます。
○森本委員 定期の五億というのは、大体これの分布状態はわかりませんか。都会が多いとかいなかが少ないとか、そういう分布です。
○金澤政府委員 いま申し上げましたように、非常に金額が少のうございますので、調べたのでございますが、はっきりした分布状況はわからぬわけでございます。
○森本委員 私は、この法律を改正するときに、定期郵便貯金なんというものを、こんなものをこしらえたってだめだ、そんなものはやめたがましだということを再三この委員会で言った。ところが郵政省は、いや、どうしてもこれはつくらなければなりませんということで、提案したものだからしゃにむにこれをやった。ここに歴然とした数字が出ておる。定額郵便貯金は二千七百億、定期郵便貯金というのはたった五億円。こんなしちめんどうくさいものを置いておかなければならぬことはない。私が言ったとおりだ、法律を施行した場合は。こんなしちめんどうくさいことをやる間があったら、定額貯金を募集してきたほうがずっとましだ。だから、私が言うことは、いつでも間違いないのです。この法律を改正するときに、こんな定期郵便貯金の一年なんというものを置いたって、何にもならぬ、こんなものを置くよりか、定額貯金なり積立貯金のほうに大いに努力しなさい、こういうことを言ったところが、趣旨には大いに賛成だけれども、出しておる以上は、懸案だからやらしてくれという。そんならお手並み拝見、次の郵便貯金法の改正のときに、もう一ぺん私はこの問題を論ずるから、そのときに郵政大臣が頭を下げるか、こう言ったら、そのときになったら頭を下げますということだったが、実際ふたをあけてみると、二千七百億円と五億円。こんなものは置いたところで何にもならぬ。これは大臣どうですか。これは一ぺん前の速記録を見てもらったらよくわかる、私の言った論旨と郵政省が言った論旨が。これはないよりもましで、置いておけばいいというなら別だ。こんなしちめんどうくさいことをやる必要はない。現実の問題としては、定額貯金と積立貯金、普通貯金、この三本建てでいいと私は考えておるわけですが、どうですか。
○小沢国務大臣 その法律のできたときのいきさつは私存じておりませんけれども、定期貯金というものが現存しているわけ合いでございますから、私たちといたしましては、これを伸ばすように努力したい、そういうふうに考えております。
○森本委員 伸ばすようにと言ったって、三十六年にできた法律で、私は伸びないということをこの委員会で言ったのです。そうしたら、当時大臣は、いや、やってみなければわかりませんと、自信がなかったけれども、とにかくやらしてください、そんなら、やりなさい、そのかわり、次の郵便貯金法の改正をするときに、その実績によって論じますよ、私が言っていることは間違いありませんよ、こう言って、そのときは別れたわけです。結局、ふたをあけたところが、いま言ったようなことになっておるわけです。だから、結局私が委員会で言ったことは間違いなかろう、こういうことを言っておるわけですから、大臣が、間違いございません、将来この定期郵便貯金についてはもう一ぺん再検討してみたいと思いますということなら、それでおきます。
○金澤政府委員 ただいま先生の御指摘がございましたが、いまお答え申し上げましたように、できて間がないということと、明らかに利率が悪いということがございます。そういうことからいたしまして、何と申しますか、非常に発達がおくれておるんじゃないかということは言えると思います。ただ当時のいきさつを存じませんが、郵便局の窓口というものは、全国で一万六千、簡易郵便局を入れまして一万七千、全国津々浦々にわたっておる。銀行は、普通銀行だけで全国で五千六百だと思いましたけれども、そういうところにおきまして定期預金をしたいという気持ちのある方は、銀行のないところはこっちを使うという結果になるのじゃないかと思うのでございますが、私が先ほど申しましたように、利率の改善ということが大事なことじゃないかと思っております。
○森本委員 それは、しかしあなたがなんぼ言っても、利率その他の点からいって、定期郵便貯金をするんだったら定額貯金にしたほうがよいですよ、だれが考えたって。その利率を見たらわかるじゃないですか。定額貯金にしたほうが有利なんだ、将来ずっと長期にわたって貯金をしていこうと考えるならば。十年間は、いまの答弁でも、保障されるわけでしょう。そうすると、定期郵便貯金と定額郵便貯金と比べた場合に、郵政省としては長期の郵便貯金を預け入れすることを心がけなければならないわけでしょう。そういうことを考えた場合に、定額郵便貯金が有利だということになってくるならば、定額貯金のほうに流れてくるのは当然なんです。それをわれわれは歓迎すべきものなんです。あなたが言うように、それを定期貯金のほうに吸収することは、考える必要はない。そうでしょう。一年のやつよりも、十年もつほうにどんどん吸収するほうがよいでしょう、郵政省としては。だから、そういうふうに国民があまり好かぬものに対して、積極的にまだやっていないわけですよ、郵便貯金の宣伝は、貯金の奨励方針は現実に。だから、こういうものについては確かに三十六年に審議するときに論議をしたことが歴然と数字にあらわれておりますから、ひとつ昔の意見にこだわらず、もう一ぺん再検討してみる必要があるのじゃないか。だから、十分に今後御意見を体して検討してみますということなら、これで終わる、こういうことになるわけです。次に進んでいくわけです。私はうそを言うのはきらいだから、この前の貯金法のときにこう言ってある。それはそのとおりの数字が出てきておるわけですよ。だから、大臣が、それは御趣旨を体して十分にひとつ今後検討してみましょうということなら、次の質問に移る、こういうことであります。
○小沢国務大臣 定額貯金のほうが、長年月にわたって資金をお預けいただくのですから、好ましいことは事実でございますけれども、また預けるほうといたしまして、定期を希望する方もあるわけでございまして、その利率の点等々につきましては、今後とも研究する点はあると思いますけれども、われわれといたしましては、両々相まって貯金をしていただくように努力していきたい、そういうふうに思っておるのであります。
○森本委員 両々相まっていかれ得ないから言っているのです。三十七年のときに、片一方の定額郵便貯金は二千七百億もあって、片一方の定期郵便貯金はたった五億しか出ていないじゃないですか。三十八年度に幾ら努力してみたところで、これが急激にふえることはないのです。また、定期郵便貯金をふやせば、定額貯金は減りますよ。定額貯金をこれだけ確保しておいて、さらにその上に定期郵便貯金が伸びるというやり方は、無理ですよ。一応国民の貯蓄というものについては限度がありますから、そうはいきません。だから、そういうことを考えた場合に、もう一ぺん再検討してみる必要があるんじゃないか、こう言っておるわけです。あなたは、あくまでも一ぺんきまったから、とにかく検討する必要はないと言うけれども、私は理屈々言っておるわけじゃない。現実に数字が明らかになっているとおりだから、もう一ぺんその数字に基づいて検討してみます、それでいいじゃないですか。
○小沢国務大臣 この定期の創設に際しましては、実は私よく存じませんけれども、ただいまいろいろ森本先生から承ったわけでありますけれども、先ほどから申し上げますように、定期にも定期としての一つの考え方があるわけでありまして、もう少し推移を見守りまして、それからよく考慮さしていただきたいと思います。
○森本委員 それじゃもう少し待ってみますが、かりに三十八年度に三十七年度と同じような効果しかあがらぬということになった場合には、再検討してみますか。
○小沢国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、もう少し推移を見まして、それからひとつ考慮さしていただきたいと思います。
○森本委員 私が言っておるのは、実際三十八年度も依然としてこういう数字になった場合には、再検討する必要があるんじゃないかと言っておるわけです。そのとおりでございますということならば、そのとおりでございますでいいわけですよ。そのとおりでしょうが。妙なつまらぬところにひっかからんでもいいわね。
○小沢国務大臣 すべて新しい制度というものは、なかなか育つに時間を要するわけでありまして、先ほども申し上げましたように、推移を見ましてからひとつ研究さしていただきたいと思います。
○森本委員 大臣よくわかりました、推移というのは。だから、私の言っておるのは、三十七年度にこういう数字が歴然となっておるから、三十八年度にこれが違った数字なら別として、三十八年度もこれが同じような数字になってきたときには、検討する用意があるかどうかということを聞いておるわけですよ。だから、これと同じような数字になってきたら、当然検討してみなければならぬでしょうが。定期郵便貯金と定額貯金を同列に置いて、貯蓄奨励方針を持っていかなくてもいいでしょうが。私は、法律を直ちに改正せよということを言っておるわけじゃないのです。貯蓄奨励方針を考究しなければならぬでしょうが。
○小沢国務大臣 そのときの状況を見まして、検討いたします。
○森本委員 それでは次に移ります。もう一つだけ聞いておきたいと思いますが、関東震災の貯金が残っておると思いますが、これが口数が何ぼで金額が幾らか。それから戦災貯金の口数と金額をちょっと言ってもらいたいと思うのです。
○金澤政府委員 お答えいたします。 震災のほうは、残っておりますのは百四十三万口座、金額は四百六十三万四千円でございます。戦災は千八百九十二万口座でございます。金額は二億三千七百万円でございます。
○森本委員 震災というのは、いまから何年前ですか。
○金澤政府委員 かれこれ四十年近くなります。
○森本委員 前の貯金法の審議のときも、私は宿題としてあげたはずであります、何らかの形において処理する方法を考えろということを。だから、戦災の問題については、まだ十八年でありますから、それはまだひょっとしたら言うてくる人があるかもわからぬ、こういうことでございますけれども、震災の百四十三万口数の四百六十三万円という問題については、これはやはり何らかの事務的な手続を済ましていいのじゃないですか。前の貯金法の改正のときは、考究してみます、こういうことだった。大臣も、最後には苦しくなって、検討してみますということで別れたわけです。ところが、依然としてそのままになっておる。こういうことでは、国会の審議は進みません。要するに、国会の審議をした効果というものがあがるようにしてもらいたい。ちょうど震災のものがそれだけあるとするならば、次の貯金法の改正はいつになるかわかりませんれけども、震災の貯金の口座の処理については、何らかの処理をする方法を考えてもらいたい、こう思うのですが、どうですか。
○金澤政府委員 昨年先生からそういうお話があったことは、私も記憶いたしております。それで問題は、催告をしてないのでございますので、特別立法をしなければならぬ。そういたしますと、貯金法の二十九条によりますものは催告をいたしますが、いまの震災貯金につきましては催告ができないということで 特別立法を考えたわけでございますが、法制局のほうで、片一方は催告があり、片一方は催告がないということで、両者に取り扱いの違いがあるということで、まだ話にならないというのが実情でございます。しかしながら、先生のお話もございますので、そういう点につきまして、十分今後も検討いたしたい、こう考えております。
○森本委員 長いこと時間をかけて、三十六年の前の貯金法の改正のときからえんえんとして話し合いを続けておる、こういうことになると思いますが、とにかく国会で言うことをそのときどき聞き流しておけばいいわということでなしに、やはりいい意見は十分行政面に早急に取り入れる、この覚悟がなかったならば、この委員会で何ぼまじめな論議をしたところで何もならぬわけであります。前の貯金法の改正のときに、早急に検討してみますということになっておるわけですから、法制局との間に問題があれば、一体どこに問題があるかということをスムーズにやっていかぬと、幾らスローモーでも、あまり日がかかり過ぎるというふうに考えます。これは単にこの震災貯金の問題だけではございません。その他にいろいろの問題があります。この委員会における質疑応答というものは、単なる質疑応答をやっておるわけではないわけでありまして、そういう点については、十分にひとつ政府当局としては反省をして、この委員会で出てまいりました、しかも大臣が十分に善処する、検討すると言った事項については、ほんとうに早急に善処し、検討する方向でやってもらわなくては、長い時間かけて質問した効果がありませんので、その点ひとつ大臣からしかと御回答を承っておきたい、こう思うのです。
○小沢国務大臣 われわれは、国会の御意見を尊重いたしまして、われわれの申し上げましたことに対しましては、責任を持ってやるつもりでおります。
○本名委員長 大柴君。
○大柴委員 これは郵政省のどなたかにお尋ねしますが、この前の日曜だと思いますが、何かオリンピックの切手を買うために、小学生や中学生が中央郵便局に五千人くらい集まった。それからけが人まで出したので、警察予備隊が出動したという事件があるのですが、あれはどうして中央郵便局だけにああいうふうに人が集まるように売り出したのでありますか。
○西村説明員 中央郵便局だけに人が集まるように売り出したというお話でございますけれども、そういうことではございませんので、全郵便局で実は一斉に売り出すわけでございますが、ただ日曜日でございますと、特定局は窓口が開いておりません。普通局だけで売り出すことになります。特定局は、翌日の月曜日に売り出すことになるわけであります。それと中央郵便局が、やはり局幅の関係で、売りさばき枚数が最も多い。あそこに行けば何回並んでも売り切れることはなかろうというようなことから、思惑であそこに自然に人が蝟集するという結果になったのに過ぎないのでございます。
○大柴委員 理屈はそうかもしれぬけれども……。そうすると、郵政省としては、中央郵便局にあんなに人が集まるとはさらさら思わなかったということでありますか。
○西村説明員 最近の例でございますと、一種の記念切手ブームというようなことから、普通局、特に中央郵便局に非常に大勢の人が集まるということは、十分予知しておったのでありますが、先回は、特にオリンピック切手ということで、ブームといいますか、集まる人の気分に油を注いだかっこうになったのではなかろうか。その辺予知はしないわけではなかったのでありますけれども、あれほどになろうとは思いませんでしたので、結果を見てわれわれも驚いたわけでございますが、けが人が出たといったようなことまであったということは、たいへん遺憾に存じますので、今後はこういった問題に対しましては、十分手を打っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○大柴委員 今後はどうするつもりですか。知らなんだとか、気がつかなんだとおっしゃるのですが、ああいう事件が起きた事情は……。
○西村説明員 実はオリンピック切手につきましては、特に青少年の間に非常に関心があったというようなことで、学校を通じての販売というようなことも、今回初めて試みたわけでございます。そのために、相当の予約もとれたわけでございますが、これは今回初めての試みでございましたために、まだ十分周知徹底していなかったきらいもあろうかと思いますので、そういった点につきましても、十分手配をいたしますとともに、中央郵便局自体について、どういう手を打つかということは、まだ所管の局と十分打ち合せておりません。したがいまして、ここで具体的に先生にお答え申し上げられませんけれども、十分ひとつ私ども真剣に関係局とこれから相談いたしたいというふうに考える次第でございます。
○大柴委員 実は月曜日の朝ですか、私のところにたいへんごていねいな通告をしてくれた切手のマニアがいるのです。私、その内容につきましては、官房長によく話してあるのですが、それが事実とすれば、たいへん不愉快な事実です。だから、そういうようなことを十分御勘案の上で、再びああいうことがないように、早急に御処置を願いたいと思います。 それからもう一つ、大臣にお聞きしますが、この間郵政大臣秘書官と称する人が、何か千葉県知事の選挙違反にからまって、どういう容疑で出頭を命ぜられたのか知りませんが、新聞に出ていたのは、郵政大臣の秘書官ですか。その点について……。
○小沢国務大臣 参考人として呼ばれまして、即日帰ってまいりましたけれども、私の秘書官でございます。
○大柴委員 あれは大臣になってからの秘書官ですか。それともあなたがずっと身辺に使っていた、要するに参議院議員、自由民主党千葉県連会長としての秘書官ですか。
○小沢国務大臣 あれは私がまだ大臣にならない前からの秘書官でございます。それは私の参議院のほうの秘書でございます。
○大柴委員 御存じのとおり、私の党は、にせ証紙事件とか、あるいは選挙用はがきを買ったというようなことで、たいへんそういうことを追及しておるわけです。私らの関係する大臣の秘書官がそういうことの中にいれば、大臣もいるんではないかというような憶測が必然的に出てくるのでありますが、そういうことは後日いろいろさばきを待って出てくるだろうと思いますけれども、何らかここで、大臣のおっしゃることを一言だけ聞いて、あとは裁判とか警察の進行方向に従ってまた聞きたいと思うのですが、現段階において、大臣はああいうことに対してどういうようなお考えですか。これでやめます。
○小沢国務大臣 参考人として呼ばれまして、いろいろのことにつきまして聞かれたわけでございますが、すぐ帰ってきたわけでございまして、その詳しい内容につきましては、私に関係のないことだといって本人も言わないわけでございまして、ただ参考人として呼ばれてきたということを申しております。
○本名委員長 ただいま議題となっております六法案中、郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する質疑は、これにて終了いたしました。 午後は二時三十分より再開し、本案に対する討論、採決を行なうこととし、この際休憩いたします。 午後二時一分休憩 ————◇————— 午後二時五十一分開議
○本名委員長 午前中に引き続き会議を開きます。 郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑はすでに終了いたしておりますので、これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、これを許します。栗原俊夫君。
○栗原委員 私は、ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表して、反対の意を表明するものであります。 本改正案は、金利政策を弾力的に運用することができるようにするため、現在法律で定められている郵便貯金の利率を政令で定めるように改めることを主たる目的とし、これにより貿易自由化に伴う国際競争力を強化するため、国際金利に比して割り高であるわが国金利を、国際金利にさや寄せせんとする低金利政策の実行にあることは、疑いの余地がありません。低金利政策等の実行上必要とする日銀公定歩合並びに市中金利、郵便貯金利子、金融債及び公社債金利等の均衡保持のため、まず行政行為により郵便貯金の利率引き下げを容易に実行し、これと相並んで市中金利を引き下げようとするのが、本案のねらいであると思われるのであります。このような改正案に対し、私は、次の諸点につき、強く反対の意を表するものであります。 第一に、郵便貯金利率規定の政令委譲、換言すれば国会の審議権剥奪の点であります。戦前、命令で定められていた利率規定を、戦後、新憲法の制定に伴い、法律事項とした理由は、はたして何でありましょうか。市中金利の変動に応じ郵便貯金の利子を改定する場合、国民の代表者が国会において十分な審議を尽くすことにより、たとえその結果が利下げになろうとも、国民は納得し得るのであって、ここにいわゆる民主主義の要諦があり、新民主憲法の精神があるのであります。新憲法の制定に伴い、利子規定を法律事項としたゆえんは、すなわちここに存するのであります。政令に委譲することは、国会において、国民の代表者が国民のため、郵便貯金の利率につき懸命に審議を尽くしてくれるであろうという勤労大衆の期待を裏切るものであり、私のとうてい承服し得ざるところでございます。政府は、郵便貯金の利子改定の際、郵政審議会に諮問することにしておりますが、政府は郵政審議会の審議をもって国会の審議以上と考えておられるのか。しかりとすれば政府みずから議会政治の本質を忘却し、これを軽視したものといわざるを得ないのであります。郵政審議会の構成メンバーにたとえ郵便貯金預金者の利益を代表する者を参加させたとしても、その実質的審議は、国会における審議に比し及ぶべくもないことは、火を見るよりも明らかであります。 第二に、郵便貯金利率規定を法律事項としておくことによって、わが国金融界の活動にはたして阻害を生ずるであろうかという点であります。昭和三十六年四月、郵便貯金法の改正によって郵便貯金の利子を引き下げましたが、その際、法律改正の手続を経たため、換言すれば、国会の審議期間を要したがために、当時の金融、経済界に悪影響があったでありましょうか。何らの悪影響も見られなかったのであります。最近における国会の開かれでいない期間が数ヵ月間にすぎない状況にかんがみ、今後における利子改定が国会の開会を待ついとまもないほどの緊急度があろうとは思われません。国会開会を待ち、その審議を経て利子を改定しても、決して金融界の活動を阻害することはないと断言し得ると思うのであります。 第三に、郵便貯金預金者貸し付け制度をなぜ提案しなかったかという点であります。預金者貸し付け制度は、預金者の利便をはかり、ひいては貯蓄の増強にも役立つものとして、第四十回国会における郵便貯金法改正の際、当委員会において、政府においてすみやかにその制度につき検討するよう附帯決議をしているにもかかわらず、今回のごとく、預金者の権利を左右し、ひいては貯蓄の増強にも至大な影響があり、かつ預金吸収事務従事者の労苦も一そう増大するであろうと思われる改正案を提出する際、本貸し付け制度の提案を見なかったのは、零細貯蓄者たる勤労大衆へのあたたかい政治的配慮を欠いたものであり、また日夜しし営々として預金吸収事務に努力し続け、人知れず辛酸をなめている郵政職員の真相を顧みざる非情の立法措置と言わざるを得ません。すなわち、資本家階級の意をうかがうのあまり、真に政治の保護を必要する無言の大衆階層を看過しているのであります。 以上、申し述べましたように、本案は新民主憲法の精神に背反するのみならず、政令委譲の緊急度も認めることのできないものでありまして、その目的とするところは、いたずらに国民大衆の政治不信を買うにすぎないものであります。民の声を天の声とする政治の王道を没却した本案に対しましては、私は断固として反対の意を表明して、私の討論を終わります。
○本名委員長 岡田修一君。
○岡田(修)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対し、賛成の意を表明するものであります。 本案の主たる改正点は、金利政策の弾力的な運用に支障を来たさないように、現在法律で定められている郵便貯金の利率を政令で定めようとすることにあるのでありまして、日本経済の安定成長と、特に最近における貿易の自由化に対処する企業の国際競争力強化という、日本経済の要請に応じた改正案でありまして、まことに時宜を得た法案と言うべきであります。 すなわち、わが国の経済政策の中において、金融政策の占める役割りのきわめて大なることは言うまでもありませんが、金利政策はその金融政策の中核をなすものであり、今日の日本の経済は、金利政策を弾力的かつ機動的に行なうことを必要とするものであります。この市中金利の弾力的、機動的な運用のためには、郵便貯金の金利についても、必然的にその金利政策の一環として適切な相互の均衡をはかる要があることは、言うをまたないところであります。このためには、現在法律事項となっている郵便貯金の利率規定を政令事項とし、適時適切な金融情勢に相応せしめることは、きわめて緊要な立法措置というべきであります。しかして本改正により零細大衆の預金者保護に欠くるに至るのではないかとの危惧を抱く向きがありますが、法第十二条において、政令で利率を定める場合に、預金者の利益保護につき十分考慮すべき旨規定されている趣意もあり、質疑の間において、政府当局の預金者保護に対するなみなみならぬ決意がくみ取られまするし、また、その立場保護のために、政令で利率を改定する場合は、郵政大臣が郵政審議会に諮問することとし、預金者の権利の保護をはかるため、学識経験者のほかに、利用者大衆を代表する者等、世論をよく反映させる者を加え、慎重に審議きせることにしておりますので、十分遺憾なきを期し得ると信ずるものであります。 なお、政府当局は、本改正を機として、さらに預金者の利益増加について積極的方策の樹立、並びに郵便貯金利子と市中金融機関の金利との均衡化についても検討する意向を明らかにしておりますので、預金者保護には何ら欠くるところなしと考えるのであります。 以上の理由により、私は本改正案に賛成の意を表明して、私の討論を終わります。
○本名委員長 受田新吉君。
○受田委員 私は、民主社会党を代表して、本改正案に遺憾ながら反対の意思を表明せざるを得ないのであります。 その理由は、今回の改正におきまして、郵便貯金の利率を政令に委任するという重大な一項でございます。郵便貯金の特殊性というものを考慮したときに、非常なこのための保護を政策として充当しなければならないのであって、特に最高制限額が規定されており、また一方において、不時の金銭の必要な場合に、その利用という点においても、全然道が開けていないという、こういう段階で、一方的に金融政策、金利政策の一環として、この問題をその円滑化をはかるという理由で取り上げるということに問題があるのでございます。特に政令によってこれが処理されるということになりますと、現段階においては、明らかに先ほどの大蔵大臣の御答弁のごとく、次の改正は、低金利政策の遂行とともに利率を引き下げるという方向にあることが、きわめて明瞭になりました。いまの段階において金利を引き下げるその政策を遂行するために、きわめて短兵急に実施できる方途を講じておくということになるのでございます。この点は郵便貯金という大衆資金を吸収する大事な金融機関に、そうした一般金利政策と同日の見方をするというところに問題があるのであり、しかも早急に低金利政策に呼応して金利を引き下げるというための改正のその橋渡しであるという意味においては、ますます私たちとしては、大衆資金保護の立場から、これに反対せざるを得ないのでございます。郵政審議会の議を経るということでございまするけれども、国会の討議を通ずる以上のきわめて徹底せる結論は出ないはずでございます。この意味におきまして、今回の改正につきましては、願わくば別途何らかの預金者保護の方途を講じてこれが提出されるというのであれば、なお考慮の余地があったわけでございまするが、一方で政令に委任して利率を引き下げる方向を規定し、一方において預金者の不時の金融の必要の場合などにおける保護規定というものを全然考慮しないで、この面だけを取り上げるというような改正案に対しましては、あの郵便貯金の性格は大衆の血の出るような零細なる資金であるがゆえに、私たちは徹底的にこの問題については反対せざるを得ないのでございます。 簡単でございまするけれども、政府与党の考えておられる本法案の改正の趣旨とは違った方向に結果が生まれるであろうという、私の警告をこの段階において提出いたしておきまして、討論を終わらしていただきます。
○本名委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○本名委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○本名委員長 森本靖君。
○森本委員 ただいま、郵便貯金法の一部を改正する法律案が本委員会において原案のとおり可決されたのでありまするが、私どもは先ほどの討論で申し上げましたとおり、この郵便貯金法の一部を改正する法律案については反対でございます。 反対の理由については、その討論の中で詳細に申し上げましたけれども、まず第一番目に最大の理由は、何といたしましても、せっかく国民の零細な預貯金の利子というものについては、国民の代表である国会に審議権を与えておりましたものを、今回は政令に委譲するというわけでありまして、いわば国民の権利を剥奪したというふうな形になるわけでありまして、そういう点から考えましても、この改正案に対しては絶対に反対であるわけであります。 なお、この金利の問題について政令に委任をいたしましたけれども、これに反対いたしますと同時に、私たちは、逆に現在の預金者保護という観点から、さらにまた預金者の利益を考える、こういう点から、預金者に対するところのこの郵便預貯金の貸し付け制、さらにはまた簡易保険資金と同じように、地方公共団体等に対しまするところの貸し付けを、短期運用というものを、ある程度簡保と同じように認めてもよろしいのではないかという意見を持っておるわけでありまして、そういう点については、全然今回の改正案については盛られていないわけでありまして、さらにまた預金者の保護に万全を期するというような点についても、今回の改正案については何ら盛られていないわけであります。さらにまた、最高制限額等の問題についても、全然触れられていない、こういう観点から、私たちは反対の意を表明しておるわけでありまするが、私たちの意見が取り入れられなかったということについては、非常に残念に考えておるわけであります。私どもは、本来私どもの主張を入れた修正案を提出し、その審議を願いたかったのでございますけれども、委員会運営上非常に困難な時間的制約のため、それもできませんでした。したがって、この法案は、以上申し上げました趣旨に基づいて、あくまでも否決さるべきであるという意見でございます。したがって、この少数意見を留保いたしたいと思いますので、委員長においてしかるべく善処されたいと存じ上げる次第であります。 以上であります。 —————————————
○本名委員長 この際、佐藤洋之助君より発言を求められておりますので、これを許します。佐藤洋之助君。
○佐藤(洋)委員 私は、ただいま可決されました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付する動議を提出し、あわせてこれが提案の趣旨を御説明申し上げたいと存じます。 本決議案は、自由民主党、日本社会党並びに民主社会党の三党共同提案にかかるものでありまして、案文の内容は次のとおりであります。 郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議 この法律の施行に当り、政府は次の各項の達成に努むべきである。 一、郵便貯金は国家資金の重要なる地位を占めているとともに、大衆の貯蓄の集積であることにかんがみ、他の金融機関の預金者に比し、郵便貯金預金者の保護については万全の措置を講ずること。 二、郵政審議会の構成については、郵便貯金預金者の立場を充分反映するよう考慮すること。 三、郵便貯金預金者が不時の金融を必要とする場合に処するための制度を速やかに検討し、預金者の利便を図ること。 四、郵便貯金総額の制限を大幅に緩和すること。 右決議する。 次に、提案の趣旨を御説明申し上げます。 本改正案は、金利政策の弾力的な運用に支障を来たさないようにするとともに、適時適切に一般金融行政に相応ずることができるようにするため、現在法律に定められている郵便貯金の利率を政令で定めるように改めることを主たる目的とするものでありまするが、国民大衆の零細貯蓄からなる郵便貯金の特殊性格と、郵便貯金が国家資金中に大きな役割りを果たしている実情にかんがみ、将来政令をもって利率を定める場合、巷間伝えられておりますような、政令に委譲されたため、政府が預金者大衆の利益を顧みず、一方的に利率を引き下げるようなことがあるのではないかという預金者の不安感を一掃すると同時に、預金者の一そうの保護をはかり、貯蓄の増強に資するためには、郵便貯金預金者が他の金融機関の預金者に比し、利率の決定等につき不利とならないこと、利率を定める際に郵政大臣が諮問する郵政審議会の構成について、よく預金大衆代表者の意見を反映させるよう配慮すること、預金者の不時の出費に備えるための利便措置を講ずること、現在の貯金総額五十万円の制限は大幅にこれを緩和すること等が、必須事項と考えられますので、今後政府において本案の実施にあたっては、以上の諸点にとくと留意し、改正法律の適正な運営を期せられんことを要請せんとするものであります。 何とぞ全会一致本決議案に御賛成あらんことを希望いたしまして、私の説明を終わります。
○本名委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○本名委員長 速記を始めてください。
○椎熊委員 議事進行に関して。 ただいま議題となっている本問題に対して、社会党並びに民社党は、全面的に反対の意思表示をされました。しかも少数意見として反対意見を留保されております。これは議事規則によって、少数意見者は十分の一の賛成を得て議長に文書をもって提出し、なお本会議においてそのとおりの発言をすることが許されるのです。社会党、民社党は、本案に全面的反対ということは明らかなんです。しかるに、いま附帯決議の説明者の話を聞くと、自民党、社会党、民社党共同提案の附帯決議である。反対しておるものに附帯決議をつけるということはあり得ない。賛成するなら附帯決議を出すべきである。本案に全面反対しておるのに、附帯決議だけ賛成というのはどういうことです。私は、この議事の取り扱いに非常に間違いがあると思う。この附帯決議が、自由民主党だけの提案であるならば、それはそれで筋が通るのです。本案に反対しておるものが附帯決議を出す、そんなことはあり得ないことなんです。その扱いはどうしたのです。
○本名委員長 ただいまの椎熊君の御発言に対しては、附帯決議提案者の佐藤洋之助君から御意見の開陳があるのが当然でございましょうが、その前に私から申し上げます。 理事会におきまして、原案については社会党、民社党ともに反対でございます。附帯決議は、その内容において全面的に同意をするから、附帯決議については賛成であるということが一点。それから前例によりまして、原案に反対をして附帯決議に賛成をいたした前例もございますので、その前例にもならった。以上大きな二点によってこの取り扱いをしたと思います。 なお、提案者の佐藤洋之助君に御意見があれば、発言を許します。
○佐藤(洋)委員 ただいま椎熊委員の発言につきまして、実は以前に原案に反対であって附帯決議に賛成だという事例がございまして、——ちょっと私いまはっきり記憶いたしませんが、現に私が附帯決議を朗読いたしました問題で、社会党及び民社党の賛成を得た例がございます。そういう意味で、今回も理事会におきまして、附帯決議には賛成するということでございまして、理事会の意思によって私は朗読したわけであります。
○椎熊委員 本委員会開会前の理事会において、すでにそういう妥協的の考え方があったとするならば、反対意見などを述べないで、賛成してこの附帯決議を提案すべきである。しかもまた、原案に反対なら、附帯決議に賛成して、どうして少数意見を本会議で述べられるのですか。少数意見は、全面反対意見なんです。それを君、議長にまで文書を提出しておいて、本会議で、いま留保しておるというのですから、少数意見は必ず発言するのです。そんならば、少数反対意見を述べておいて附帯決議に賛成するというのは、どういうわけですか。附帯決議というものは、本案を生かしておいて、本案に附帯するものなんです。本案を否定して、とうして——そんなことはあり得ないことなんです。もし前例があるとすれば、悪例です。前例ことごとく踏襲しなければならぬということはないのです。前例といえども、それが悪例であるとするならば、やってはいけない。理屈が通らないじゃないか。私は、ただいまの附帯決議案を提出した提出者の説明では、納得いたしません。
○本名委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○本名委員長 速記を始めてくだまい。 ただいまの佐藤洋之助君提出の動議のとおり、本案に附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○本名委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付するに決しました。 本案に関する委員会の報告書の作成等につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本名委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 この際、小沢郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。小沢郵政大臣。
○小沢国務大臣 ただいま郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、本委員会におきまして、慎重御審議の結果、御可決をいただきまして、ありがたくお礼を申し上げる次第でございます。今後この法律施行につきましては、御審議の際における御意見を十分に体し、なお附帯決議の御趣旨に沿うよう、適正なる運営を期するつもりでございます。
○本名委員長 次会は、明二十六日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十四分散会 ————◇—————