逓信委員会 第23号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/29
会議録
○本名委員長 これより会議を開きます。 郵政事業に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 これは緊急に質問をするわけでありますが、きょうの毎日新聞朝刊の三面記事に「「切手ブーム」を食う」ということで、大蔵省の印刷局の大蔵事務官が、切手のブームに便乗して、横流しというふうなことが載っておるわけでございますが、まず私は、大蔵省の印刷局長にお聞きしたいと思いますが、この大体の内容について御承知であるかどうか、ちょっとお答えを願いたい、こう思うわけであります。
○羽柴説明員 この問題につきましては、大体の荒筋につきましては滝野川工場長を呼びまして了承をいたしております。
○森本委員 そういたしますと、印刷局長の方からその経過を御説明を願いたいと思います。
○羽柴説明員 お話を聞きますると、この毎日新聞に載っております氏家という事務官が、ためし刷りを横流ししたということになっておるのでございますが、ただいままでの調査によりますと、そういう横流しということは、どういたしましても、そういう事実があるようでございます。ただ、これに伴いますところの金品の受領等につきましてここに書いてあるのでございますが、これにつきましては、目下のところ、そういう事実はない、こういう返事でございまして、ただいままで滝野川工場長から聴取いたしましたところによりますと、一応の事実はあるようでございますが、しかし、何ぶんまだいろいろ根本的な調査を要することでございますので、詳細につきましては、目下調査中でございます。
○森本委員 これは印刷局自体として、まず私は聞いておきたいと思いますが、大蔵省の省内の監察機構というのは何かありますか。
○羽柴説明員 印刷局といたしましては、一応監査の機構はあるわけでございますが、大蔵省としてこういう問題に対する監査というような機構は特にないわけであります。
○森本委員 そういたしますと、印刷局の監査機構というのはどういう機構になっておりますか。
○羽柴説明員 印刷局は三つの部がございまして、総務部それから業務部、製造部となっておりますが、その総務部の中の経営調査課というのがございまして、そこに監査官を置いておりまして、この監査官が全体の印刷局の監査をいたす機構になっております。
○森本委員 そういたしますと、いま印刷局長が回答いたしました内容については、その監査官の調査を経て回答されたわけでありますか。
○羽柴説明員 監査官の調査を経て回答すべきでございますが、本日の問題は緊急でございますので、とりあえず滝野川工場長を呼びまして、その事情を聴取いたしまして、その結果に基づきまして参ったわけでございます。
○森本委員 そういたしますと、局長としては、これをお知りになったのは、きょうの新聞を見て、お知りになった、こういうことですか。
○羽柴説明員 さようでございます。
○森本委員 そういたしますと、滝野川工場長がこれを知っておったのはいつごろですか。
○羽柴説明員 きょうの話によりますと、きのうあたりからちょっとおかしいというようなことで調査を進めておったのでございますが、最終的な調査ができませんので、一応いろいろ調査を進めておったところ、けさの新聞が出ましたので、とりあえず私の方が呼びまして聞いた、こういう事情になっております。
○森本委員 そういたしますと、これは印刷局の監査官の調査を経て、そうして印刷局長に対しての正式の報告がくる、そのことによっておそらく行政処分の問題についてはきまる、こういう形になると思いますが、同時にこれは、場合によっては刑事事件にも発展をする可能性はありはしないかというふうな気も私はするわけでありますが、現在のところ、そういう方面の司直の手を経て調査を進めるというようなことは考えておりませんか。
○羽柴説明員 私は、この問題の重要性につきまして、なおまだ検討中でございますが、目下のところそこまでは考えておりませんけれども、しかしながら、もしこれが、この新聞記事どおりに、ほんとうにこのとうりやって、しかも社会的な影響が大きいということならば、どういうことになりましょうとも、罰すべきは罰する、それからまた、賞すべきものは賞するという方法で、信賞必罰を行なわなければならないと思っております。ただ、この問題につきましては、私まだ実は着任したばかりでありまして、印刷部の機構等につきましても明るくございませんが、私の考え方といたしましては、実はきのう虎ノ門工場を巡視いたしました。明日滝野川工場並びに王子工場を巡視する予定でございますが、今後は、この問題については、徹底的に、あらゆる方面から対策を講じまして、明日といわす、きょうにでも滝野川工場へ参りましていろいろ手配を一たしたい、かように考えております。
○森本委員 印刷局長の決意を十分聞きましたので、いま知ったという程度でありまするから、本日はこれ以上の追及はいたしませんが、ただ、こういう問題については、いま言いましたように、印刷局の監査機構を経て行なう方法と、その監査の結果によっては、泣いて馬謖を切ると申しますか、やはり司直の手を経なければならぬ、要するに司法警察権の発動をして行なわなければならぬ場合がある。こういうことになった場合は、やはりこれは遠慮せずにやっていただきたい。そうして徹底的に内容をひとつ調べてもらいたい。後日、この件については、ひとつ詳細に調べ上がった資料をこの委員会に御提出を願いたい、こう思うわけであります。 そこで、ちょっと聞いておきたいと思いますが、このためし刷りというのは、具体的にはどういうことですか。
○羽柴説明員 これは製版するわけでありますが、製版の前に一応切手のデザインをためしに刷るわけでございます。そして、もしこのためし刷りをいたしまして、もっと彫らなくちゃいかぬとか、一部を修正しなくちゃいかぬという場合には、彫り直すというようなことをやりますが、このためし刷り自身につきましては、あまり問題はないのでございますが、このためし刷りをいたしまして、それを、全国には切手の収集家がございますので、そういうような方々が非常にほしがる、そういう意味におきましては、ためし刷りも非常な効果があるのではなかろうか、かように考えております。
○森本委員 そのためし刷りは、何枚程度印刷をするわけですか。
○羽柴説明員 このためし刷りは、試験でございまするので、平常の場合におきましては、大体数枚刷るようでございます。
○森本委員 数枚というのは何枚ですか。
○羽柴説明員 二枚あるいは三枚ということでございます。
○森本委員 そういたしますと、二枚、三枚ためし刷りをいたしましたそれは、だれに提出をすることになりますか。
○羽柴説明員 この工場の組織といたしまして、滝野川工場には三つございまして、管理部、作業部、工芸主管というのがございます。今度の事務官はこの工芸主管というところに属しておる事務官でございまして、その工芸主管という配置の人にこれを提出するわけでございます。
○森本委員 そういたしますと、滝野川工場の機構はどうなっておりますか。あなたは新しい局長であって答弁がしにくいというなら、ほかにおられる課長さんでもけっこうでありますからひとつ。時間的な問題もありますから。
○羽柴説明員 この滝野川工場の組織は、今申しましたように、三つに大きく分かれます。一つは管理関係の管理部でございますが、これは総務、会計、人事を取り扱っております。それから次は作業部でありますが、これが一つのおもなる実体的な部面でございまして、製版とか印刷、検査、工作等をやっております。そのほかに工芸主管というのがございまして、図案をつくったり、あるいは彫刻をつくりましたりするのが工芸主管という役目でございます。このように分かれておりまして、その工芸主管の中には、図案官というものと彫刻官というものがございまして、大体技官をもって充てておりまするが、図案官が図案をつくり、彫刻官はその彫刻のほうを担当しておるわけでございますが、この氏家というのは事務官でございまして、その図案官とか彫刻官に属するのではなくて、工芸主管の直接の事務を担当しておる、こういう関係に相なっております。 それからもう一つ、印刷局はいろんなものを刷っておりまするが、滝野川工場は証券、すなわち日本銀行券並びに切手、こういうようなものを刷っておりまして、そういう仕事をやっておるわけでございます。
○森本委員 そこで、私が聞きたいのは、この氏家という人の上部機構の人はどうなっておるのか。たとえば課長、課長補佐、係長、主任、それから平、こういう形に官庁はなっておるわけですね。だから、いわゆるためし刷りというものについては、氏家は工芸官室勤務であるとするならば、この上役はだれになっておるのか。どこまでそれの決裁が要るのか。そういうことを聞いておるわけです。
○羽柴説明員 いまお話ししましたのは、工芸主管というのは工場の部長級の配置でございまして、その下に主席図案官と主席彫刻官がございまして、その下に図案官と彫刻官が数名おるという形になっておりますが、いまの工芸主管は部長級でございまして、主席図案官は課長級、主席彫刻官も課長級でございます。そこで、いまの氏家というのは、工芸主管に属しておる平の事務官でございまして、工芸主管付とでも申しますか、そういう形になっております。
○森本委員 そうしますと、この氏家という人の上には主席がおって、それからその上にさらに工芸主管がおる、こういう形になるわけですね。
○羽柴説明員 工芸主管というのが直接の上司でございまして、その上は滝野川工場長でございます。
○森本委員 そういたしますと、工芸主管と氏家との間にはないのですか。
○羽柴説明員 工芸主管と氏家との間にはございません。
○森本委員 そういたしますと、ためし刷りをした場合に、これを氏家事務官が工芸主管に一応見せるというところで終わりですか。そこから上までいきますか。
○羽柴説明員 工芸主管に見せまして、それから滝野川工場長まで持っていくしきたりになっております。
○森本委員 しきたりというのは、そのとおりやっておるというわけですね。
○羽柴説明員 さようでございます。
○森本委員 それから、もう一つ聞いておきたいと思いますが、この切手の図案については、郵政省のほうから、こういう図案でやってもらいたいという図案の原案を持っていかれるのか、あるいは大蔵省がその図案をこしらえるのか、どちらですか。
○羽柴説明員 郵政省からでございます。
○森本委員 そういたしますと、ためし刷りをした場合において、そのためし刷りを郵政省に回すということはないわけですか。
○羽柴説明員 ためし刷りの段階で回すということはございませんが、一応版面が完成いたしましてから郵政省のほうへ回すわけでございます。
○森本委員 ちょっと技術的でわかりませんが、版面ということはどういうことですか。
○羽柴説明員 こういう日本郵便という一応の版が全部きちっとでき上がりましたところで郵政省のほうに回すわけでございます。
○森本委員 そうすると、その版を回すのですか。刷ったものを回すのですか。
○羽柴説明員 原版完成後印刷物を回すわけであります。
○森本委員 その原版の印刷物というのはためし刷りになるわけですね。
○羽柴説明員 そうでございます。
○森本委員 そうすると、たった一枚郵政省に持っていくわけですか。
○羽柴説明員 いままでは一枚持っていっております。
○森本委員 そうすると、ためし刷りというのは三枚刷って、一枚は大体本人が保管して於いて、一枚は工芸主管から滝野川工場の工場長にいって、一枚は郵政省にいく、こういう仕組みですか。
○羽柴説明員 二、三枚刷るわけでありまして、一枚は保存いたしまして、もちろん工場長まで回ります。そして一枚は郵政省のほうに参る。実はいまの事件で考えましたが、たとえば、はっきりと枚数を二枚とかということに制限する方法も一つありますが、その辺は研究いたしますが、いままでのしきたりは、一枚は郵政省、一枚は保管、こういう仕組みになっております。
○森本委員 そうしますと、印刷をするところの紙についてはどういう管理のしかたをしておりますか。たとえば切手の紙については何枚あって、どういう出納管理をしておるか。
○羽柴説明員 紙につきましては、滝野川工場の倉庫に保管いたしまして、管理部におきましてこれを管理監督いたしております。
○森本委員 そういたしますと、このためし刷りの二枚、三枚というものを、百枚なり二百枚なりためし刷りをするということをもしやったとするならば、それがそういう方面から発見ができるような仕組みにはなっておりませんか。要するに、私も官庁の機構はよく知っておりますが、小さな問題でありますが、用紙類、文房具類等の管理というものを、たとえば便せん一枚についても主任なら主任、係長なら係長の許可を得て持ってきて使うというような形になれば、こういう事故は起こらぬわけでありますが、これを一括して何千枚という形になってほっておきますと全然わからなくなるわけであります。ただ、問題になりますのは、それが普通の便せんとか普通の紙でございましたならば、私はそれほど問題は大きくならないと思いますが、少なくとも印刷局が使うところの紙なんというものは、一万円紙幣、千円紙幣の紙もありますし、切手の紙もあるわけでありますから、そういうものの出納管理というものは、きちんと責任体制が明らかになっておらなければならない。在庫数が何ぼあって何のために何日に現場に出した、現場では何日に刷った。むろんこれはいわゆるミスの刷りかけの分がありますから、そうしたものについては、たとえば工芸主管と事務官との立ち会いのもとに焼却するとか、そういう仕組みがあると思います。そういう仕組みがあるにもかかわらず、こういうためし刷りが行なわれて外部に相当流れたということについては、私はどうしてもその辺の事務的なやり方が納得がいかないわけであります。官庁というところは判が非常にうるさいかわりに、そういうところにかなり欠陥がある。特に印刷局については、そういうふうな紙類等のいわゆる出納管理というものは、厳重にしてあるというように考えておりますが、たまたまこういう事件が起こったのは、私はどこかそういうところに欠陥があるのじゃないかという気がしてしかたがないわけでありまして、いままでの印刷局長の答弁を聞いておりましても、その辺がどうしてもわからないわけでありますが、できればわかるような形で御説明願いたいと思います。
○羽柴説明員 このためし刷りは、きわめてわずかの数の二、三枚でありまして、それも大きな紙ではございませんで、小さな一定の規格でありますので、これが一枚、二枚ということになりますと、一応の枚数をきめましても、いまのところ枚数は制約して刷っておりますので、その端数のような形になりまして、その出納には監督管理は相当厳重にいたしておりますが、ただそれだけではあるいは不十分じゃないかと私は思っております。 それで、この問題につきましては、実はまだ聞いたばかりでございまして、対策はいろいろ検討いたしておりますが、大至急徹底的な対策を講じまして御報告をいたしたいと思っております。ただそのためには、枚数の管理とか監督だけではいけませんので、根本的な精神的な訓育ということもやらなければならないと思いますので、それらを大至急総合的に検討いたしまして御報告をいたすつもりであります。
○森本委員 それは大いにけっこうであります。そういうようにやってもらわなければならないと思いますが、ものごとは精神だけではいかぬわけであります。人間というものは、やはり欲の皮が突っぱっておるわけでありまして、そこに誘惑の手が伸びてくるとやはりそれに乗せられやすいわけであります。そうなってまいりますと、そういうものを事前に防止するということがはっきりしてこなければならないわけであります。あなたは御承知でないかもしれませんが、切手のシートの大きさというものはそんな大きさじゃない。大体この程度の大きさなんです。だから、これで二枚、三枚刷るというのは妙に納得がいきかねる点もあるわけでありますが、五、五、二十五、大体一つのシートでこのくらいのなにでありますけれども、それを一枚刷って、それでそのうちの三枚なら三枚残して、あとは厳重に保管しておくとすれば、たったそれだけで済むわけであります。だから、この紙一枚はかなり重要な紙になるわけです。これを普通のペーパーみたいな紙の出納管理をされると困る。だから、その辺の管理を厳重にしておくとすれば、五十枚としても、あと四十枚程度しか横流しできないわけであります、事実問題としては、これは印刷局長になられたばかりで、そういう点はまだこれから調査せられるということでありますが、私が言いたいのは、精神訓話をするのもけっこうでありますすれども、そういうことができないようなきちんとした仕組みにしておかなければならぬ。やはりそういう点の出納というものは、私の考えではどうもこういう問題が、たとえば同じ印刷工場で印刷される紙にいたしましても、一万円紙幣の紙は、これはおそらく厳重な出納をするけれども、切手のほうは、場合によっては出納の紙の一枚や二枚はどこにまぎれ込んでもわからぬような仕組みになっておるのじゃないかというような気がするわけであります。だから、詳しく聞いたわけでありますけれども、きょうはこの程度にしておきます。そういう点できちんとした事務系統にしておかなければならぬということと、それから、まあこれは言い過ぎになるかもしれませんけれども、いまにせものが非常にはやっているわけです、実際問題として。そのにせものがはやっておるときに、本物を印刷しておるのは大蔵省でありますよ、紙幣でも。これは一体大蔵省は何をやっておるんだろう。大蔵省が本元のにせじゃなかろうかというふうに疑われてもやむを得ないような非常に大きなミスなんです。だからこれは、いま印刷局長が言われましたように、十分戒慎をせられまして従業員の士気高揚、それから徹底的な今後の対策を講ずるということは大切でありますけれども、さらにこれを管理する方法と機構というものを、もっと筋道を立てて明確にするということをお忘れなくやっていただきたい。特にこのことを私は要望しておきますから、この問題があなたのほうで調査がつきましたならば、もう一度この委員会にかけまして詳細に説明を受けたい、こう思うわけであります。 そこで、今度は郵政省に聞きたいと思いますが、これは新聞記事でありまするから、ちょっとわからぬわけですけれども、「郵政省郵務局の話発行前からデザインがもれて苦しい思いをした。残念なことになったが、これで郵政省への全国の切手同好者の疑いは晴れ」てほっとしたというような意味の談話があるわけであって、これは郵政省の官僚の考え方としては、ある程度私は、郵政省がこれをやっておるんじゃないか、やっておるんじゃないかというふうに疑われていたものが、おれのところじゃなくて、大蔵省がやっておったんでほっとした——その気持はわかるのですけれども、実際問題としてそういうことをうすうす感づいておるとするならば、郵政省にも郵政省独自の司法警察権を持った郵政監察官がおるわけでありますから、これは当然印刷局あたりと協議をいたしまして、いわゆる司法警察権を持った郵政監察官を使うなり、場合によってはこの調査を行なう、こういう方法をやはり早目に講ずるべきではなかったか、こういうふうに考えるわけであります。その点については、これは大臣でも政務次官でもけっこうですが、聞いておきたいと思います。
○小沢国務大臣 この問題につきまして、実は私きょうの新聞を見まして初めて知ったわけでありまして、われわれのほうにも監察官がいるわけでありますから、切手関係の取り扱いの状況につきましては、十分調査いたしまして、今後こういうことのないように十分戒慎していきたい、そういうふうに考えております。
○森本委員 郵政大臣の答弁はなんでありますが、しかし、はっきり言うと、これは郵政大臣の指揮監督の不行き届きであるということがはっきり言えると思う。やっぱりそういうふうなうわさがあったということならば、少なくとも郵務局長を通じて、郵政省の省議の中において、そのくらいのことは郵政大臣が知っておらなければ、全く浮き上がった大臣だ、こういうふうに言われても私はやむを得ないと思う。だから、こういう点については、大臣としてものんべんだらりと省議をやるということでなしに、各部局長の意見というものを十分に聞いて、そうしてやっていかなければならぬと思う。だから、いま大臣を責めてもしかたがないけれども、しかし、結論的には、やはりこれだけの問題を起こしたということになると、やはり私は郵政大臣の指揮監督がたるんでおると言われてもしかたがないと思う。だからこれは、大臣もよく考えてもらいたいのは、労働組合とけんかをするだけが大臣じゃございません、はっきり言いまして。こういう点についても明確に指揮監督をしていかなければならぬ。 それから、大臣は単なる部局長の報告をそのままうのみに聞いていくということであってもならぬわけであります。そういう点について、これは今後大臣なり政務次官は、ひとつ政治家として、また行政官庁の長官として、こういう点については細心の注意を払ってやっていただきたい。同時に、郵政省としては、郵政省独自の方法においてこの調査を早急にやっていただきたい。そしてその調査の結果を当委員会にひとつ報告を願いたい、こう思うわけであります。
○武田政府委員 ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、省といたしましても、さっそく調査いたしまして御報告申し上げます。
○大柴委員 官房長に関連質問をしておきたいと思いますが、これは要するに切手ブームからくる犯罪であろうと思います。それでわれわれも、切手の愛好家から、なるべくたくさん切手を発行して、子供たちが一時間も二時間も並んで切手を買うということのないように、できるだけ一枚なり二枚ほしい人には分けてくれるような制度を何かつくってくれというような、いろいろ要請を受けているわけでありますが、そういうようなもう少し徹底した制度というものはありませんか。切手ブームのよって来たる原因を考えて、そういう愛好家に満足を与えてやるように……。
○武田政府委員 切手がなかなか買えないとか、何とかもっと増刷をしてはどうかとか、いろいろそういう御要望がございますので、省としても研究しておりますが、印刷能力その他の点もありまして、なかなか従来御要望に対し満足のいくようになっておりません。 それで、今御指摘のように、学童が早くから局の前に立つとかいうことは気の毒でありますしいたしますので、さしむきの措置といたしまして、特にオリンピック切手が非常によく出ます。また非常に子供さんもこれをほしがりますので、第一回の試みといたしましてオリンピック切手、次回に出しますものにつきまして、各学校を通じて予約をとろう、こういうことを試行的にいたしました。また、その結果を見まして、さらにそういう方面を今後とも検討したい、こう考えております。 また、増刷の問題は、できるだけ印刷能力、準備等を見合いながら、逐次ふやす、こういうような方法をとっておる次第でございます。
○大柴委員 たとえば一回の切手が一千万枚なら一千万枚刷るときに、予約が三百万枚あった、オリンピックならオリンピック切手を、そういうときに三百万刷り増しをするというようなことは、それはなぜしないのですか。
○森説明員 最近、予約が急にたくさんふえてまいりましたものにつきましては、増刷いたしております。
○大柴委員 そうすると、切手の愛好家がわれわれのところに来て、盛んにそういう運動をやってくれ、やってくれということを言うわけです。私ども、予約がある限りは、もう少し刷ったらよかろうと思うのですが、刷ってくれるわけですね。
○森説明員 先ほど官房長が申されました次回のオリンピックの予約につきましても、約二百万枚以上の予約がございまして、これは全部増刷する予定にいたしております。
○森本委員 いま大柴君の質問で郵政省がそういう回答をせられたのでけっこうでありますが、そういうふうに予約を取って、予約の程度を印刷して満足をさすようにする。大体これは小学生、中学生が一番一生懸命にやっておるわけであります。そういう方面にはひとつ熱心にやらせて、とにかくブローカーとかそういうものを締め出すということを考えていかなければならぬ。ただ、ここで考えなければならぬのは、郵政省も一度失敗しておりますから——記念切手が非常に売れるということで五倍、十倍と印刷したところが、ひとつも売れぬということになって、あとで大困りになったという経験も郵政省はあるわけであります。その辺のかね合いということは、これはなかなかむずかしい問題でありますが、しかし、そのかね合いの中において、私は正直な者、純真な者、そういう者に極力渡るようにしていってもらいたい。それがブローカーとか商売とか、そういう方向に渡ってしまっておるいまの仕組みに非常に問題が出てきておることを、ひとつ十分に考えてもらっていけばけっこうだ、こういうふうに私は考えておるわけであります。
○武田政府委員 ただいま先生御説のとおりでございまして、オリンピックの予約の場合でも、子供さんに何シートとか何十シートとか、こういったような予約を取ることはかえって子供の教育上よくないことかもしれません。でありますから、たとえば学童の場合には、一人一枚とか五枚とか、そういうような教育上の効果も考えながら予約を取ろう、こういうことも検討しております。また、一番私どもの警戒しておりますのは、商売でこれをやる人、こういう人だけに流れることのないように常々心がけておるつもりでございます。 ————◇—————
○本名委員長 内閣提出の日本電信電話公社法の一部を改正する法律案、森本靖君外八名提出の日本電信電話公社法の一部を改正する法律案、内閣提出の公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案並びに安宅常彦君外八名提出の公衆電気通信法の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題とし、質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。上林山榮吉君。
○上林山委員 公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案について、私は先日当委員会において質疑を試みたわけでございますが、不明確な点がありましたので、この点をまずただしてから残余の一、二の質問に移りたいと思います。 先日の委員会で私が質問をしたのは、共同して二つあるいは三つの有放が、電気通信法の改正案にのっとってこれを接続する場合、これらの共同施設者は法人なりやいなや、こういう質問をまずしたわけであります。ところが、それは法人でない、こういう答弁が郵政当局からあったわけです。法人でないものにいわゆる権利義務を付与することができるかという質問をしたところが、この点が私を満足せしむるに足らない答弁でございました。幸いきょうは関係の法制局の人も見えておられるようでありますので、まずこの点について法制局の見解をただしておきたいと思います。
○吉國政府委員 ただいまの御質問でございますが、前会の御質疑に対します郵政省の答弁も詳しく私内容を存じませんので、あるいは的のはずれたお答えを申すかもしれませんが、その際はまたあらためておただしいただきましてお答えいたしたいと思います。 法人格のないものに対して許可なり認可なりが行なえるかというような趣旨の御質問と思いますが、法律上の制度といたしまして、まず権利義務の主体たり得るものは自然人であるか法人であるか、これが原則でございます。ところが、最近法人格のない社団あるいは財団というようなものを法律上の主体として認めるような立法がございまして、これは特に罰則等において顕著にあらわれておるわけでございますが、法人格というものは、これは法人として認める財団なり社団なりの実在を認めてそれに法人格を付与したのか、それとも、ある人の集団なり財産の集団に対して法人格を擬制したのであるかということが、民法の学説上いろいろ争いがあったところでございますが、最近は法人実在説と申しますか、法人というものは社会的な人の集団なり財産の実在である。その実在が法律上の一定の行動をする場合に、権利義務の主体たるべきであるということから法人格を認めるというような説が有力になってまいりました。そのような関係から、特に法人格を付与されないものであっても、もちろん限られた範囲内ではございますが、法律上の権利義務の主体たり得るということにしております。しかし今回の問題は、そのような法人格のない社団または財団の問題と申しますよりも、二人以上のものが共同して有線放送電話に関する法律によります許可を受ける場合に、この許可を受けた後の二人以上の者の姿がどういうことになるかということであろうと思いますが、この場合、もちろん許可を受けたからと申しましても、この二人以上の共同設置をいたしますものは法人格を取得するわけでもございません。それはその二人以上のものが共同した姿において一定の許可を受けているというかっこうでございます。このような形は、たとえば鉱業法上におきます共同鉱業権と申しまして、二以上のものが共同して鉱業を営むために、たとえば甲、乙、丙の名前で各鉱業権者になるということはございます。これは特に鉱業法でも規定を設けておりまして、その場合は代表者を定めるとか、あるいはまた組合契約をしたものとみなすというような規定を整備しておりますが、そういう規定のない例といたしましても、たとえば私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律で、いわゆるカルテル、共同行為の認可をいたしますが、その場合も甲、乙、丙というような事業者が集まりまして、これが一つの事業者団体として法人格を持っております場合もございましょうが、法人格のないA、B、Cの集団でカルテルの認可を受けるということは非常にたくさんございます。また認可を受けないでカルテルを実行いたしまして、これが私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の違反ということになりますれば、法人格のない甲、乙、丙という社団も当然罰則の対象になるというふうに解釈しております。
○上林山委員 いまあなたの説明の中に、財団もしくは社団のごときという前提のもとに説明がだんだん進んでいったわけですが、財団並びに社団、これは法人じゃないですか。
○吉國政府委員 社団と申しますのは人の集団でございます。それから財団はいわば財産が社会的に存在しておる、ゆえに法人格を与えられましたものは、社団法人または財団法人でございます。したがいまして、法人格のない社団または財団というものがあるわけでございます。
○上林山委員 いまあなたの説明されたのは、法人格を与えられていない財団もしくは社団というものがあるから、そういうものも法人格は持っていないけれども、権利義務の取得ができる、こういう解釈ですか。 〔委員長退席、佐藤(洋)委員長代 理着席〕
○吉國政府委員 先ほど申し上げましたのは、法人格のない、法人でない社団または財団でございましても、法律によりましてはその権利義務の主体たり得るような立法例はございますということを申し上げたわけでございます。
○上林山委員 その場合は、単純なる社団、単純なる財団ではなくして、いわゆる法の擬制によって財団法人もしくは社団法人と同じように認めた場合に限るのではないですか。いわゆる法の擬制が前提になるのではないですか。
○吉國政府委員 この点が、先ほど申し上げましたように、法人擬制説と法人実在説が民法学者の間で争われておる問題でございますが、現在までのところでは、先ほど申し上げましたように、たとえば国税徴収法の中では、法人格のない社団または財団を法人と同じような取り扱いをするようにいたしておりますが、これは当然その規定を待って初めてそういうようになるということでござ、います。それから、これは税法関係にわりに多うございますが、罰則でいわゆる両罰規定というものを設けておりまして、法人または人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関し、前何条の違反行為をした場合には、その当事者を罰するほか、法人または人に対し各本条の刑を科するというような例で罰則を規定しております。その法人の中に法人格のない社団または財団が、そういうことがある場合に同じような規定を設けた例もございます。しかし、いま先生がおっしゃいましたように、あくまでこれは特に法律で規定を設けまして、その法人でない社団または財団、通常は代表者または代理人の定めがあるものとしてございますが、そういうものを法人とみなして法人と同じ取り扱いをするということでございます。ただ、その問題と二人以上の者が共同してある行為について許可を受けるということとは、別な問題であろうと思いまして、従来たとえば物資の割り当てというような行為につきましても、二人以上の者の結成している民法上のある組合が普通でございましょうが、そういうような法人格のないものに対しても、その社団としての実在を認識いたしまして、それに対して許可をするということはやっておりますし、それから、ある行為の双方の当事者、たとえばある契約を締結するには許可を要するという場合には、もちろんその契約の両当事者が許可を受けなければ契約は締結することはできないというような例がございます。本件の場合は、二人以上の者が共同して有線放送電話施設を設置するということでございますので、たとえば甲及び乙が共同してある一定の電話設備を設置する、この場合甲及び乙が二人とも許可を受けるとういうかっこうになっておるのでございます。通常やっておりますように、ある法人格のない社団に対して事実上その主宰者あるいは代表者であるものの名義において許可を付与するということは、一般の行政においては間々あるように聞いておりますが、そういう例とは違いまして、これは甲及び乙がいずれも許可を受けるかっこうに相なっておると思います。
○上林山委員 われわれは、御承知のように法律専門家ではないけれども、立法府の立場におるわけですから、こういう疑いのあるものは、できるだけ明確にしなければならぬという点が一点と、国民の側から見てわかりやすい制度をつくっていかなければならぬ。あなたの専門的な説明を聞いても、おそらく——ここの委員会の人はわかっていらっしゃると思うけれども、それ以外の方々が単純にこれを聞いた場合、なかなかわからぬ。われわれのように法律を少しばかりかじった者から見ても、どうも納得がいかぬのです。それで私は立法者としては、あたりまえの法人、いわゆる人格を持った法人もしくは法の擬制によって人格を認められたもの、こうしたようなところにやっぱり進んでいくべきものだ、立法者の心がけとしてはそうあるべきものだと思いますが、あなたはやむを得ず、一つの傾向というものもあるから、それに解釈を加えておるように私はいま聞いたのですが、正直なところ、良心的にあなたはどう思いますか。
○吉國政府委員 法律の解釈なり法律案の作成につきまして、いろいろ傾聴すべきお説をいただきまして、法制局といたしましてはまことにありがたく思っておりますが、ただいまのお話の中で、一定の法律において問題にするのは自然人である、これは自然人は全部法律上の人格者でございますから問題ございませんが、それ以外のものは、法人格を持っておるものに限るほうが、ものごとが明らかになるというような御意見と拝聴いたしました。もちろん、法律上の権利義務の主体を自然人と法人に限れという御意見は、まことにごもっともでございますし、大部分の法律が自然人または法人格を有する社団または財団、いわゆる法人、この二つだけを権利義務の主体として認めておるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、法人の実在たる社団または財団の社会的な機能というものに着目をいたしまして、法人格の与えられておらない社団または財団についても法人と同様の取り扱いをして、法律上の権利義務の主体たり得るようにいたすというのが最近の立法の傾向でございます。先ほど申し上げましたように、実体法においてもそういう例が出てまいりましたし、罰則におきましてもそのような例が出てきておるわけでございます。このようにすべての法律において法人でない社団または財団の取り扱いを一定にすべきではないかという御意見であると存じますが、これはそれぞれの法律によりまして、そのような法人でない社団または財団を法律上の人格者たる自然人または法人と全く同じ取り扱いをいたすということを法律上規定する必要があるかどうかということで、いままで御制定になられました法律は区分して、必要あるものについてはそのような規定が入っておるというふうに考えております。有線電気通信法の第四条の中にございます共同設置の場合は、ABCというような共同設置者の集団ということが特に問題になります場合には、これはいまお話のように、法人でなくとも法人と同じような規制をいたすということの必要があると思いますが、これは二人以上の者が共同して設置することを一応四条で禁止をいたしまして、その四条の各号の中で特に禁止を解く場合があげてあるわけでございます。その禁止を解く場合の措置といたしまして、特に緊密な関係にある業務を営む、あるいは共同して行なう業務に必要な通信を行なう場合には許可するということでございまして、その許可したあとの形におきまして、特に法人と同様な取り扱いをするというほどの必要は、ただいまのところはないというふうに考えられまして、かような立法に相なっておるというふうに私ども考えております。
○上林山委員 法制局の部長のいまの答弁ですが、何もここで私は大論争しようと思っているんじゃないのです。ただ、わかりやすいように立法はすべきだ、国民から見ても、立法者の立場から見ても、わかりやすいようにしていく方向に進むべきものじゃないか。例外中の例外というようなものも中にあってもいいわけです。これは私も認めておる。しかし、いまあなたの説明を聞きますと、量刑の問題、いわゆる刑罰の問題、これもあるから一般の企業の権利義務も当然あるんだと帰納的な解釈のしかたは、少し私は目的が違うんじゃないか、こう思うのですが、これはやはり量刑の問題と、いま言ったように、法人もしくはこれに準ずる、いわゆる法の擬制によって認められた法人格を持った法人と同格に認められたようなもの等の扱いは、どちらを重点に置くべきかということは、やはりわれわれはいま私が説明した後段のほうに重点を置いていかぬと、立法は曲がった方向に、例外が原則になっていくような方向になるのではないか。あまりにも立法路線が複雑になり過ぎていくのですよ。その辺はどう考えますか。これは将来われわれは幾つもの法律をつくらなければならぬのですから、この際、この場限りの答弁を言わずに、これはまだ時間があるようだから、ひとつこの点はもう少し答弁願っておきたい、こう思います。
○吉國政府委員 法律なりあるいは政令、省令等のすべての法令を、国民にわかりやすくしなければならないというお話の点につきましては、まことに私どもそのとおりと思っておりまして、できるだけわかりやすい法律をつくるように努力してまいっておりますが、まだ至らざる点がございますと思いますので、この点はいろいろ国会の御指示によりまして、また、一般の批判に従いまして十分に改善するように努力してまいりたいと思っております。 ただ、いまのお話の中にございました罰則の点から、逆に実体法について説明しているではないかというようなお話でございましたが、先ほど私が申しましたのは、いわゆる両罰規定の中で、法人格のない社団または財団関係の両罰というものが法律によりましては不備であるという場合に、両罰規定の中に法人でない社団または財団につきましても法人と同じような取り扱いをする立法例が、特にこれは大蔵委員会関係にやや多いようでございますが、そういうような立法例があるということを申し上げたわけでございまして、罰則におきまして法人格のない社団または財団を法人と同格に取り扱っておるから、実体法上もそうだというようなことを申したつもりではございませんでしたが、ことばが足りませんで申しわけございませんでした。 次に、法人でない社団または財団についても、できるだけ法人として法人と同様な擬制をして法律上それを明らかにすべきではないかというお話でございますが、人格のない社団または財団がある法律の規制の対象、助成の対象になる場合が非常に多くなってまいりまして、法人格のない社団または財団で代表者とか管理人が定められておるものが、どういうふうに法律上取り扱われるかということを明らかにする必要が出てまいりました場合には、必ずそのような規定をする必要があると思いまするので、ただいまのお話のとおりに相なるわけでございますが、たとえば国税徴収法におきましては、その第三条で法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めがあるもの、これを俗に人格のない社団等と申しておりますが、こういうものは法人とみなしてその法律の規定を適用するというような規定を置いておりまして、これは国税徴収の上で、法人でない社団または財団につきましても、法人と同じようなことにして徴収を円滑にする必要があるということから、このような立法に相なったわけでございますが、一般の行政法規におきましては、それぞれその法律の対象といたしまする社会的、経済的現象の内容によりまして、法人格のない社団または財団につきましても法人と同じような取り扱いをしなければならないという場合には、法人格の有無にかかわらず法が適用されるようにいたしておるわけでございまして、先ほど申しましたいわゆる私的独占禁止法の中では、事業者団体というものが、法人格があろうがなかろうが、事業者団体としてこの法律の規制の対象にするということにいたしておりますし、また、重ねて例を申し上げて恐縮でございますが、鉱業権につきましても共同鉱業権というような設定でいろいろ規制をいたしております。また漁業法の中にも、いわゆる共同漁業権というものが、これは共同して営む漁業についての権利というようなことを規定をいたしております。それぞれその法律の対象といたしまする社会的現象の中で、法人格のない社団、財団の行為についてはっきり問題として取り上げて規律する必要があるという場合には、このような措置をしておるというのが従来の立法例でございますし、また今後も、そのように必要に応じて規定してまいるのが正しいのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○上林山委員 答弁があまり長過ぎるのですが、それは別として、今度の場合も一つの有放の施設団体が大体法人なんですよ、一個見た場合に。それがほとんどなんですね。もし中に法人を持ってないものがあるとするならば、これは行政指導で法人にすることは、いまの制度では簡単なんですね。そういう場合に、これはやはり一つの法人として行政指導をやって、そうして二つのものを一緒にした法人でもいいし、いずれにしても、法人格をつくらせて、そうして立法をやっていくほうが、ほんとうはこんがらからずに明確になっていくものだ、こう思いますが、これに対してはどういう考えを持っておるかということが一点。 第二点は、時間の関係で引き続いて申し上げますが、第二点は、最終審の最近の判決例ですね、いわゆる学説としては先ほどあなたの説明にもあったとおり、実在説とあるいはそうでない説との二つの争いがあるのだ、二つの意見があるのだ、こういうことであるが、最終審の最近の判決例はどういう傾向になっておりますか、この点を伺っておきたい。
○吉國政府委員 第一点の、今度の法律によります有線放送施設の設置について、法人にすることを立法上考えないのかということでありますが、これはその立法のときの説明では、十分に行政指導でできるというふうに原局でございます郵政省では言っておりまして、それで私どもは十分だろうと思いましたし、それから、特に二人以上の者が共同して設置するというのをつかまえまして、その面でそれだけで法人格を付与する、あるいは法人と同様な取り扱いをするという法律上の必要がはたしてあるかどうかというような点も疑問がございましたので、そういうような措置にいたしたわけでございます。 それから、第二点の現在の法人の性格について、最高裁の判例はないかというお話しでございますが、ただいまちょっと手元に判例集もございませんし、あまりその点つまびらかにいたしておりませんが、実在説かあるいは擬制説かあるいは有機体説、いろいろございますが、これはもう学説上の争いでございまして、法律上の問題、争訟といたしまして、実在であるか有機体であるか、あるいはまた単なる擬制であるかというようなことが争われることは、ほとんどないと思われますので、あまりその法人の性質についての確たる判例はないようではないかというふうに記憶いたしております。
○上林山委員 法制局の方はお帰りくださってけっこうです。他日あらためてまた研究いたしましょう。 次にお尋ねいたしておきたいことは、接続通話契約の場合です。この場合に、有放は有放として一つの人格を持っておる。ところが、公社は公社として一つの人格を持っているわけですが、公社線に有放をつないだ瞬間性格が私は変わると思いますが、どういうふうにお考えになっておるか。これは大事な問題ですから郵政大臣からお答えを願いたい。というのは、私は、一つ一つ独立してそれぞれの電話事業をやっている間は、それで二つの人格が独立しておるわけですけれども、これが接続した瞬間に、いわゆるこれの管理権というか、あるいは経営権というか、これは私は公社が管理権を持つべきものではないか、こういう議論を従来してまいったのでありますが、郵政大臣としては、これをつないだ瞬間、性格は私が言った方向に変わるのだというお考えかどうか、これは立法者としてお尋ねしておきたい点でございます。事務当局では私は満足しません。郵政大臣、お答え願いたいと思う。
○小沢国務大臣 これは契約によりまして管理権は変わらないというふうに考えます。
○上林山委員 契約によって管理権が変わらないという論拠はどこですか。契約によって管理権が変わらないという意味がさっぱり私にはわからぬのです。もっと明確な答弁を願いたいと思う。
○小沢国務大臣 事務的問題でございますから事務当局から説明させます。
○上林山委員 これは私は事務的問題と思っていません。これはこの法案の非常に大事な点です。将来紛淆を来たすのです。いわゆる立法理由というものをはっきりしておかないと、将来紛淆を来たすおそれがあるから私はお尋ねしておるのです。 〔佐藤(洋)委員長代理退席、委員 長着席〕
○小沢国務大臣 それではお答えいたします。公社から接続回線を通ずる通話に関し公衆通信役務の提供を受ける契約でございまして、契約により設備及び内部の運営まで公社の管理を受けるというような内容の役務ではないのであります。接続通話契約の内容の全体からして有放の性格に変更を来たすものは含まれておりません。したがいまして、有放の管理権につきましては、何らの変更を来たすものではないと考えております。
○上林山委員 私の質問に対して約十分間半ば休憩のような形で大臣ほか政府委員が協議をされての御答弁であったわけですが、私は、いまの答弁は、勘違いしておられるのか、それとも故意に答弁しておられるのか、実は驚いておるところです。私が質問しておる趣旨は、そこにはないわけです。私が言っておるのは、有放が独立して一つの事業をやっておる。電電公社は電電公社として独立して一つの企業を、事業をやっておるわけですね。ところが今度の接続契約によって接続をするわけでしょう。接続をした瞬間に、公社はどういう責任を負わなければならぬかとなると、予算の許す範囲内において契約の申し込みを受けたならば、これを全部受諾しなければならぬというのが原則なんです。予算の範囲内においてというまくらことばはついておるけれども、これは全部その契約を、申し入れがあったら受諾しなければならぬというて、法律はここに義務規定を課しているのです。だから接続した瞬間において、有放内の事業には干渉はできませんよ。それはおっしゃるとおり。その部分については、性格は変わらない。しかし、つないだ瞬間において、その接続という事実を通じて、性格は変わらなければならない。論理が合わぬというのは、いわゆる接続した瞬間に性格は変わるのです。すべての苦情は有放に来ないのです。すべての苦情は電電公社に来るのですよ。接続が悪いじゃないか、あるいはよく聞こえないじゃないか、すべて来るんだ。これは有放のほうには行きませんよ。それは有放の加入者くらいは言いに行くかもしらぬ。だが一般のこれを利用する人は、有放には苦情は持ち込まないのです。これは公社に持ち込むのです。しかも、法によって義務的に申し込みがあったら予算の範囲内において全部受諾しなければならぬ、こうなっている。であったら、接続した瞬間に、これは性格は、その部分について、有放内のところには入りませんよ、その部分について、管理権というものは公社が主体性を持たなければ、義務ばかり負わされて将来紛淆を来たすおそれがある、こういう意味なんですよ。これは私はすなおな解釈だと思うのです。ちっともこじつけじゃないと思うのですが、この委員会以外でのお互いの研究のときには、それは大臣、事務当局もだいぶ当時は理解しておったと私は考えておるのですけれども、どうもきょうの答弁は、私の聞きようが悪いのか、あなた方が故意にそういう答弁をしておられるのかよくわかりませんが、いま言った趣旨なんですよ。何も矛盾はないじゃないですか。だから私は、ここはやはり、大臣答弁で将来紛淆を来たさないようにしておくことがよろしい、こういうことなんです。
○小沢国務大臣 ただいま上林山先生の御質問、あるいは多少取り違えた点があるかもわかりませんけれども、ただいま私の申し上げましたことは、法的に申し上げまして性格が変わらないということを申し上げたわけでございまして、いま御指摘の点につきましては、先生のおっしゃったことは考えられるというふうに思う次第でございます。
○上林山委員 実際は上林山委員の言うとおりだけれども、法的には変わらない、こういう御答弁でございますが、その辺は大臣割り切ったほうがいいんですよ。私の言うのは、有放に関する限りは性格は変わらない、電電公社に関する限りにおいては変わらないのです。しかし、接続という事実、これによってその分以降の管理権のごときものは、一方に義務を課しているんですから、たとえば契約によって申し込んだ場合は、これは公社の自由でなければならぬでしょう。申し込んできても、それは自由にはなっていない、法律は義務を課しているんですよ。申し込んだものは、予算の範囲内において全部これを承諾しなければならぬと言うて、これは非常な義務を法律上は課しておるのですよ。だから、その施設の改善なり、あるいはその他いろいろな問題がある場合は、苦情は有放には行かないのですよ。みんな公社に来るのです。また、公社が、それは施設の改善もしなければならぬですよ。役務を提供するに必要なる新設もしなければならぬ場合もあるのです。あるいはこれを改造しなければならぬ場合もあるのです。修理をしていかなければならぬ場合もあるのです。そういう義務を持っておるのですから、接続の瞬間において、その接続という範囲内においては、これは管理権があると言うべきなんですよ。義務があるということは、それに対して責任を持つということですよ。責任を持つということは、言いかえれば管理権があるということなんです。
○本名委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○本名委員長 速記を始めて。
○上林山委員 ただいま委員長も、私と政府側との質疑応答を聞いておられて、あと十分や十五分で完全に調整がとれる答弁があるとは私は思えないのです。ちょうど適当な時間でもあるから、休憩もしくは次回の委員会で私は質疑を続行したい、こう思うので、きょうはもう答弁は要りません。
○本名委員長 当局に申し上げますが、先ほどの上林山君の質問に対して、本日明快な答弁ができるか——できるならば引き続き答弁をしてください……。 次会は明三十日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十八分散会