逓信委員会 第21号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/05/15
会議録
○本名委員長 これより会議を開きます。 公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。
○本名委員 まず、提案理由の説明を聴取することといたします。小沢郵政大臣。
○小沢国務大臣 ただいま議題となりました公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案について提案理由の御説明を申し上げます。 有線放送電話設備は、有線放送と通話との二つの機能を兼ね備えている簡易低廉な電気通信設備でありまして、電話連絡が不便な農山漁村の住民に非常に喜ばれておりますが、新市町村建設計画や新農山漁村建設計画による国の助成とも相まって、昭和三十二年に有線放送電話に関する法律が制定されて以来、全国的に急速な普及発展を見せております。現在その施設数は二千六百、加入世帯数は二百万に及ぶ状況でありますが、その設備規格も当初から見ますと相当の向上を見せております。 このような有線放送電話の普及発達と農山漁村における公衆電気通信の現状にかんがみ、有線放送電話と日本電信電話公社の電話との間の通話ができるようにするなど、関係法律を改正して農山漁村における電気通信の利便の増大をはかろうとするものであります。 次に、この法律案のおもな内容について申し上げます。 改正の第一は、公衆電気通信法の一部を改正して、同法に一章を設けて、公社の提供する公衆電気通信役務の一種として新たに有線放送電話接続通話の制度を設けることであります。公社は、有線放送電話業者から有線放送電話設備と加入電話等との間の接続通話の取り扱いを受けるための接続通話契約の申し込みを受けたときは、その設備が技術基準に適合しない場合等、公社の業務の遂行に著しい支障がある場合を除き、予算の範囲内において、その申し込みの全部を承諾することとしております。 接続通話契約には第一種、第二種の二種類を設けることとしておりますが、接続通話の範囲は、第一種接続通話契約の場合は一般の市内通話に相当する市内接続通話のみとし、第二種接続通話契約の場合は、同一都道府県の区域内にある一定の基準に該当する電話取扱局の加入電話等との間の通話ができることといたしております。 なお、北海道につきましては、道一円としないで、これを分割して通話範囲を限ることにしております。 また、有線放送電話設備による交換取り扱い及び設備の保存につきましては、公衆電気通信業務に支障を及ぼさないよう必要な措置をとることにしております。 その他、接続通話の停止及び接続通話契約の解除、通話の接続順序、料金の返還、損害賠償等につきましては、加入電話の場合に準じて必要な規定を設けることにしております。 改正の第二は、有線電気通信法の一部を改正して、有線放送電話業務を二人以上で共同して行なうことについて、有線放送電話に関する法律第三条の許可を受けた者が、その許可にかかる有線放送電話設備を設置する場合には、これを共同して設置することを認めようとするものであります。同一市町村内に二つ以上の有線放送電話設備がある場合、この共同設置の方法により、各施設者はその施設を共同して運営できますので、この地域内の住民の相互通信連絡が可能となることになります。 なお、これらの改正に伴い、関係規定を整理いたしますとともに、有線放送電話と公社の電話との接続通話の制度について調査検討するために、現在設けられている試験設備について必要な経過規定を設けております。 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。 ————◇—————
○本名委員長 次に郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件並びに電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。 本日は国際電信電話株式会社の事業概況に関する問題等について、参考人として国際電信電話株式会社社長浜口雄彦君、同じく副社長大野勝三君、同じく常務取締役八藤東禧君、同じく難波捷吾君、以上四名の方の御出席をいただいております。 まず、国際電信電話株式会社の事業概況について説明を聴取することといたします。浜口参考人。
○浜口参考人 お求めによりまして昭和三十七年四月から本年三月に至る間の国際電信電話事業の概況を申し上げます。 まず、営業の概況でございますが、国際電報は前年とほぼ同数の四百四十万通、加入電信は約六十五万度、対前年比二割増、国際電話は二十一万三千度で一割四分増、専用電信回線は四十八回線で四割一分増の取り扱い数を示し、営業収入は九十五億二千万円で、前年度比七分二厘の増加となりました。三十六年度には経済の高度成長を反映して、電報、加入電信とも高い伸びを示しましたが、今年度においては景気動向の影響もあり、電報は伸び悩み、加入電信は伸び率が低下いたしました。しかしながら、電話は順調な増加をみました。 国際電報の取り扱い数を過去数年間について概観いたしますと、昭和三十三年度を谷間とし、以来順調な上昇を続けてきましたが、三十七年度に入り横ばいに転じました。これを年度の前後半に分けてみますと、前半においては景気調整策の影響を受け取り扱い数が減少しましたが、後半においては国際収支の好転及び貿易活動の活発化によりゆるやかな上昇に転じました。 三十七年度における加入電信は、前年度比二割の増加でありまして、これを三十六年度の対前年度比増加率三割七分に比べますと、その増加率は低下しております。これは、景気動向の影響もさることながら、新たに一般商社に対して専用回線の販売を開始したため、相当数の加入電信がこれに移った結果によるものと考えられます。しかしながら、この業務の高い成長性は依然として持続されており、三十六年度に比し十一万度増加しました。 国際電話は、三十六年度においては、韓国政変などの影響により低調でありましたが、三十七年度においては、年間を通じ高い増勢を維持し、前年度を二万六千度上回る創業以来最高の二十一万三千度を記録しました。この増加は、国際通話の大宗をなす対米、対東南アジア通話が順調に増加したことによるものであります。 専用回線業務は、従来は政府機関、航空会社等に限り販売してまいりましたが、三十七年十月から商社にも販売を開始しましたので、三十六年度末に比べ十四回線の大幅な増加を見ました。 三十七年度取り扱い概況は以上のとおりでございますが、今日までの状況をあわせ考えますれば、わが国の国際電気通信は、経済情勢、特に貿易事情と密接な関連を持つものであることが明白であり、したがって、今後の動向もわが国貿易の伸展いかんにかかるところが多いことと思われます。 次に、経理の概況について申し上げます。 まず、昭和三十七年度の収支概況について申し上げますと、総収入は九十八億六千万円で、前年度に比べて七億一千万円の増収になっております。他方、支出は七十五億九千万円でありまして、前年度に比べて四億二千万円の増加となりました。 したがって、三十七年度の収支差額は二十二億七千万円となり、三十六年度に比べて二億八千万円の増加となりました。 また、会社の資産状況について申し上げますと、昭和三十八年三月三十一日現在の総資産額は百五十二億余円でありまして、そのうち流動資産は五十三億八千万円で、固定資産は九十八億二千万円であります。一方、負債総額は七十九億余円で、そのうち流動負債は二十一億一千万円、固定負債は五十八億三千万円でありまして、差し引き当社の純資産額は七十三億余円となります。 なお、三十七年九月、特に太平洋海底電線の建設資金に充てるために米貨建て外債二千五百万ドルの発行契約が成立し、そのうち一千万ドルを発行いたしました。引き続き三十八年度中に残額一千五百万ドルを発行することになっております。また、太平洋海底電線関係や宇宙通信研究等諸設備資金に充てるため、来たる七月一日をもって倍額増資を行ない、新資本金総額六十六億円といたすよう諸般の手続を進めております。 次に、太平洋海底電線建設の現状について申し上げます。この海底電線は神奈川県中郡二宮中継所に陸揚げすることになっておりまして、同中継所より二系統の連絡線路をもって、東京局舎に接続する計画でございます。すなわち、一つは当社自営の極超短波連絡線でありまして、その長さは約七十キロメートル、途中、一中継の設計であります。 他の一つは、二宮を通過する日本電信電話公社の同軸電線に接続するものであります。 二宮海底線中継所の建物は目下工事中でありますが、昭和三十八年七月末竣工の予定であり、通信設備については現在製作中で、昭和三十八年十二月末工事完了の予定であります。 東京局舎における海底電線に関連する通信設備は現在製作中でありまして、昭和三十八年九月下旬完成予定の本社増築部に同年十二月末までに工事完了の予定であります。 二宮−東京間連絡線の設備については、同軸電線路線は約五割の進捗状況でありまして、極超短波回線路線の設備は昭和三十八年十二月末に工事完成の予定であります。 以上のとおり順調に取り進んでおりますが、この海底電線の開通時期は昭和三十九年七月ごろになると考えております。 次に、衛星通信実験準備状況について申し上げます。 昨年十一月日米両国政府間に締結されました衛星通信実験参加に関する協定に基づきまして、当社は通信衛星による公衆通信の可能性につき実験を行なうために、目下実験施設の建設、整備工事を取り急ぎ進めております。 すなわち、農林当局の好意により、茨城県多賀郡十王町所在、高萩営林署敷地内に所要土地を借り入れ、衛星追尾装置並びに電波送受信装置を施設することになっております。 建物、機械、電力、給水その他諸般の施設の建築、製作、据えつけも目下予定どおり順調に進行しております。ただいまのところ、本年八月ころにはこれら実験施設も一応整備せられ、本年秋ころには実験開始の運びとなるかと予定しております。 以上をもちまして、私の報告を終わります。
○本名委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 まず、ただいまの社長の説明で大体わかりましたが、ちょっと簡単なことですが、聞いておきたいと思うことは、営業報告書の中に、今回専務を廃止して、副社長を一人置いた、それから取締役を一名増員をしたというのが載っておるわけでありますが、これはどういう意味ですか。
○浜口参考人 従来社長の次に専務取締役という名称でございましたが、いろいろ国内の大会社等を見ますと、大体副社長制をしいておるところが多いのでございまして、そういうところと折衝する関係上、副社長という名前のほうが適当であろうと思って、名称を変えたわけでございます。 なお、昨年五月末の株主総会におきまして、従来定数十二人でありました取締役を一名増加いたしました。これは業務の発展に伴いまして、役員陣を充実したいと考えて一名増加したのでございます。
○森本委員 それでこの営業報告書を見てみると、株主総会でそういうふうにきまったというのでありますが、私は会社のことはあまり詳しく知りませんが、社長、副社長を置いて、その上に専務を置くということはできますか。
○浜口参考人 日本の会社の常識によりまして、もし副社長と専務とを並べて設ける場合には、副社長のほうが上位ということになっております。置けば、副社長の下に置くということになります。なるべく構成を簡単にしたほうがいいと思いまして、専務のかわりに副社長ということにいたしました。
○森本委員 普通、社長不在の場合に、専務が社長の専決処分を行なうということでありますが、それは副社長ができた場合には、副社長がそれをほとんど行なう、こういうことになるわけでありますけれども、このくらいの大きな会社になりますと、社長を置いて、副社長を置いて、その上に専務を置こうとすれば置けないことはないんじゃないか、こういうことを聞いておるわけです。
○浜口参考人 社長事故あるとき、または社長が欠けたときは、定款によりまして、副社長がその事務を代行することとなっております。 なお、ただいま森本さんからのお尋ねの、このくらいの会社になったら社長、副社長と専務の両方を置いてもいいんじゃないかというようなお話でございました。これもこれからの業務の発展上、またはいろいろ対外関係のことを考え合わせまして、もしその必要あるに至らば設けることも考えられることと存じます。
○森本委員 そういたしますと、このくらいの大きな会社になりますと、社長、副社長、それからその下に専務というものを必要があれば置き得るということになるわけですね。 それからいつも不審に思うことですが、営業報告書で、これはちょっとしたことでありますけれども、株主総会で役員を選任をして、こうこうきまった、それからさらに、取締役会においてこうこうきまったというふうに載るわけでありますが、確かに普通の会社はそういう形式で役員がきまるわけでありますけれども、この国際電電については、そういう株主総会、さらに取締役会の議を経て、さらに郵政大臣の認可を経なければ、正式に承認するということにはならぬのではないか、こう思うわけでありますが、その辺はどうでしょうか。これはちょっと副社長、答弁をしてもらいたい。
○大野参考人 仰せのとおりであります。
○森本委員 仰せのとおりでありましたら、そういうふうにこれは書きかえた方がいいのじゃないかというふうに、いつもこれを見て私は感ずるわけですが、これは普通の会社と違うわけでありますので、普通の会社でありましたら、そのまま選任で、それが法的に有効になるわけですけれども、この場合にはそういう手続を経なければ法律的に有効ということにはならぬわけですが、その辺はどうですか。
○浜口参考人 これは御承知のように、国際電信電話株式会社法によりまして、役員の選任は郵政大臣の認可がなければその効力を生じないということになっております。株主総会で選任がありましたら、直ちに郵政大臣の認可を申請し、その認可を待って初めて選任が効力を生じます。そして選任された役員に就任の諾否を求める、こういうことになっております。郵政大臣の認可が選任の効力発生条件であること以外は、一般の株式会社と全然同様の手続をわれわれとっております。
○森本委員 それはそれでいいんですが、たとえばこの営業報告書では、いつ見ても、何月何日取締役を選任した、それで直ちに就任をした、こういうことになっておるわけです。 そこでちょっと郵政省に聞きますが、そういう株主総会の当日直ちにこれを承認しているわけですか。
○淺野政府委員 ただいまでは大体当日認可いたしております。
○森本委員 ただいままでは当日認可をしているというのは、たとえばこれには株主総会が三十七年五月三十日の午前十時からやって終わった、こう書いてあるわけですが、五月三十日に直ちに承認をしておる、こういうことですか。大臣、あなたの認可事項ですが、おそらくこれは一日か二日おくれていると思うが、小さな問題だが、法律上の問題だから明らかにしておきたいと思っておるんです。
○小沢国務大臣 そのとおりやっております。
○森本委員 それは小さな問題だけれども、あらかじめ大体こういうふうにしたいということを言ってきておって、当日直ちに承認する、こういうことになれば問題はないけれども、これはぼくはいまの監理官あたりのやり方を見ておると、おそらく、一日か二日くらいおくれてやっておるのではないかという気がするわけであって、その辺のことをちゃんとつじつまを合わすようにしてもらいたいというように私は考えて、老婆心ながら、つまらぬ質問ですけれども、ちょっと聞いたわけでありますので、今後こういう点については注意をしていただきたい、こう思ったわけです。 それから、先ほど社長から説明がありました今度の増資の問題ですが、これはちょっと大きな問題になると思いますが、いま国際電電の株の額面が幾らで、市価が幾らですか。
○浜口参考人 額面は五百円でございます。市価は大体九百円前後と思います。
○森本委員 きのうの新聞で見てみると、九百三十円か五十円くらいだったと思うのですが、それでこの株の増資額は三十三億円ですか、その三十三億円の増資はどういうふうにするのですか。
○浜口参考人 現在の株主にそれを割り当てるわけであります。
○森本委員 いま個人で一番持っておる人はだれが持っておるのですか。それから銀行あたりでどこの銀行が一番持っておるのですか。なぜ私がそういうことを聞くかというと、五百円の株券が九百五十円くらいの時価になっておるわけですから、これを一対一で全部増資の割り当てをするということになりますと、現在持っておる人は相当のぼろもうけになるわけです。これは私もいまから考えてみると、八年前に、大もめにもめた日本電信電話株式会社の法律改正を当委員会で上程をして、渋沢社長が相当反対をしてもめたことがありますが、あのときに、株を一万株くらい買っておけば、今度はなかなか大もうけだというふうに私は考えておるわけでありますが、これはだれが一番持っておるのですか。
○大野参考人 ただいま手元に株主名簿を持っておりませんので、大体のところをお答え申し上げますが、現在の市中銀行の代表的なところにほとんど大部分の株を持っていただいております。個人で非常に多くお持ちになっておる方というのでも、おそらく五千ないし一万という程度ではないかと思います。
○森本委員 九百五十円もするような株で、一対一で増資をするということになると、これは相当もうかる人が出てくるわけであって、国際電信電話株式会社というような公共的な会社の株を増資することについて、はたしてそういうふうな株式投資のような形でもうかるようなことになっていいものだろうかどうだろうかというふうな気がしてしかたがないわけであります。 そこで、電電公社の前に問題になった株は、これは議決権はないけれども、持っておるのは一番大きく持っておるわけでありますが、今度の増資をする場合でも、議決権のない公社の株も同じように増資をするわけですか。これに割り当てるわけですか。
○大野参考人 その点はお話のとおりでございます。 なお、私の記憶するところによりますと、公社の持ち株にも同様に議決権はございます。議決権については差別をいたしておりません。
○森本委員 公社の株は議決権があるのですか。この前の——要するに法律上問題になって、いままで大蔵省が持っておったやつを、今度五分の一持てるようになった分についても議決権があるわけですか。
○大野参考人 さようでございます。
○森本委員 それでは私ちょっと思い違いをしておったわけでありますが、公社としても、これが増資をしてきた場合には、増資をする意思があるわけですか。
○淺野政府委員 増資いたすようにいたしております。
○森本委員 公社の増資分は幾らになります。
○淺野政府委員 三億三千万でございます。
○森本委員 それは公社としては、今度の公社法の改正によるところの投資条項にはよらなくてもできますか、現在の法律で。
○淺野政府委員 現在の法律でできますのと、予算面におきましても一応配慮いたしております。
○森本委員 現在の法律では一応持てることになっておるわけですが、あれは五分の一ですかね。
○淺野政府委員 以内ということになってtおります。
○森本委員 現在幾ら持っておるわけですか。
○淺野政府委員 現在一割であります。三億三千万であります。
○森本委員 そうすると、現行法律で今度の増資分が電電公社は持てる、こういうことになるわけですね、今度の公社法の改正でなくても。
○淺野政府委員 さようでございます。
○森本委員 電電公社としては、そういう分についての予算的措置はどこから出すわけですか、経理上は。
○米沢説明員 先般三十八年度の予算を国会で議決していただきましたけれども、その中にこの増資の分が、三億三千万円と思いますが、計上されております。
○森本委員 予算に計上されておるわけですか。
○米沢説明員 はい。
○森本委員 これは、この増資の内容にもよりますけれども、相当これはもうかる者が出てくるわけですが、大臣どう考えるのですが、こういうのは、私はどうもふに落ちぬですが、大体いまの五百円株が九百円以上するということについては、これは国際電電は一割の配当をして、一割の配当を、政治的に押えておるわけで、あと配当額をふやそうとすればかなり配当がふえると思いますけれども、しかしその配当は押えておるわけですから、一番かたいところで市場においては相当の高値を呼んでおる。今度の増資になると、かりに増資をいたしましても、この九百五十円台の市場価格というものが急激に下落するということは絶対ないと思う。だから今度の増資で半額もうかるわけですから、相当もうかる者が出てくるわけですが、電電公社がもうかるといえば、これは私は電電公社として公共企業体ですから、問題ないと思いますけれども、それ以外の一般市中銀行や一般人がもうかるというようなことについて、私はこれは考えものじゃないかというふうに考えるのですが、こういうふうな増資をしなくとも、国際電電としては、もっとほかに資金をこしらえるのにやる方法があるのじゃないかという気がするのですが、大臣どうですか。
○小沢国務大臣 私もどうも株式のことはよく知りませんけれども、結局こういう会社といたしますと、資金をつくるときに増資をするというのが通常の方法でありまして、たとえば額面が五百円でありまして現在九百円しております株を増資いたしました場合、その額面の五百円がすぐ九百円になるとは思いません。やはりそうしますと時価も下がる……。
○森本委員 下がらぬ。
○小沢国務大臣 いや、それは五百円でやれば、いわゆる増資した場合に時価が下がる。大体増資いたしました場合には、増資落ちといいまして下がるというようなバランスをとっておりまして、その時価がどうなるかということは、結局社業のいい悪いということでありまして、それは私もよく知りませんけれども、大体そういう九百五十円というものは増資含みを持った値段でありますから、五百円といたしますればそのバランスのとれた値段になるというのが常道ではないか、私は株式のことはよく知りませんけれども、そういうことではないかと思うのでございまして、資金をつくります際に、やはり私は株主に割り当てるというのが一番正当な方法じゃないか、そういうふうに考えておる次第であります。
○上林山委員 関連して一言だけ。大臣、いまの株式の質疑応答ですが、どうなんですか。これは国際電電のほうからお答え願ってもけっこうなんですけれども、増資の場合は、ほとんどいまの持ち株の人に一対一か幾らか知らぬが、比率で割り当てる、こういうことだと思うのですが、現在市場で個人のものなり、あるいは法人が持っておるものの全持ち株の幾らくらいが市場に取引されているのか。私はたいして取引されているんじゃないと思っておるのですが、取引があるのかないのか。その点をまずひとつ数字的にわかっていれば参考に聞かしてほしい。これによって、これが非常に多ければ、相当行政指導的な株の割り当てをやっていかなければならぬ。しかし、これがたいしたものでなければその必要はないのだ、こういうふうに私は考えるのです。株式は生きものですから、これにワクにはめた規制というものはなかなかむずかしいのでございますから、私は結論的にはそう思うのだが、実際株式市場に全株のどれくらいが出ておるのか。たいしたことはなかろうと思うが、どうなんです。ここだけ聞かしてもらえばこの問題はわかりますから……。
○大野参考人 昨年、増資を控えておりましたので、第二市場に上場するという手続をとりました。それである程度取引市場で株の相場が立つようになりました。それまでは店頭の相場くらいでございました。店頭で取引されておりました時代も、取引所で取引されますようになってからも、取引されております株の数は非常に少ないものだというふうに承知いたしております。ほとんど大株主の方はじっとそのまま持ち続けていただいております。そういうわけでございます。
○受田委員 関連して。国際電信電話株式会社法の第一条で、国際公衆電気通信事業を経営する会社でございますので、非常に大きな公衆性、公益性、公共性と申しますか、そこにこの会社の特色があると思うのです。したがって、利益追求をはかる通常の会社とまた違った要素を加味しなければならないと思うのでございますが、一割の安定配当ということに一応予定されておる関係で、この増資された後における株価も、おそらくそう遠くない機会にまた千円近くに安定する市場価格を構成すると思うのです。したがって、増資分の権利落ち後の株価は相当下がると予定されておられても、ちょっと暫定的にそういう機会があってもすぐ戻る。つまり一割の安定配当のある会社だと見るし、また利益金の処分などを見てもわかるとおり、次期繰り越し利益剰余金などというものが年次を追って増加しているという状況で、市場に取引されている価格構成というものはもう安定すると私は思う。むしろこれはだんだん高くなる傾向にあると思うのです。そうすると、公益性を持つ国際電電会社が、一般市場に投機的な要素を加味した株式としてある程度取引されるということになると、その副次的な部分がウエートを高めるということは問題だと思うのですが、いかがでしょうか。政府といたしましても、会社といたしましても、この増資ということよりも、会社側で増資されたものに一割の配当をするよりは、社債の発行額も相当ありますけれども、この長期借入金あるいは社債発行にもっと重点を置かれて、そうした事業計画を遂行されるという方針——これは利子も安いのですから、幾らの利子にされておるか、社債のほうでいったら利子負担も軽くて済む。ところが、配当にすると、一割ということになると、増資した部分にも一割出さなければならない。会社の負担も大きくなる。その関係を御説明願いたい。
○淺野政府委員 政府側からまず御説明さしていただきます。 ただいま御指摘のように、なるべく株価を安定させなければならない、また増資は慎重にやるべきである、こういうふうな意味から、いろいろ御意見をちょうだいいたしましたが、会社を出発させますときに、なるべくそういう点を考えまして、安定株主を期待いたしまして、公社、銀行、その他の法人、こういったものに大半を分担さしておるわけであります。一般で持っておりますのはわずか七%余りでありまして、そういう面から見てみましても、一応投機的な面、または現在の時価が非常に不当に偏するというようなこともおおむね避けておるようにも考えられるわけであります。 それから配当は、一割というものが続く場合に、一そうまたいろいろな問題が出るのじゃないか、こういう御意見をちょうだいいたしましたが、確かに現在、積年会社側は幹部以下努力いたしまして成果をあげてまいっておりますが、今後はアフリカその他東南アジアの採算に乗らない面につきまして、回線の増設、またケーブル問題等もございまして、必ずしも今後は従来のような利益率を確保できるかどうか非常に問題があろうかと思います。そういう面におきまして、また逆な面も考えなければならない、こういう点も出てまいっておりまして、まあその点もまた別の面からも考えてみなければならない。 それから、なるべく社債によるべきではないか、これも全くおっしゃるとおりでございますが、これにも一定の限度がございますし、また、昨年の夏外債を借ります場合にも、やはりふさわしい資本金でございませんと資格上困るわけであります。また、社債発行限度額にいたしましても、影響を受けるわけであります。この程度の規模で、またこの程度の事業をやっております場合には、今般の増資はやむを得なかったものと考えております。ただ、おっしゃる点につきましては、今後十分検討いたしていきたいと思います。
○森本委員 これはいま資本金は幾らですか。
○淺野政府委員 増資をいたしますと六十六億になります。
○森本委員 増資する前は。
○淺野政府委員 三十三億であります。
○森本委員 大臣は、株のことは知らぬと言うたが、やはり私も知らないが、人にいろいろ聞いてみると、大体五百円の株が、実際に今度増資をして、それがたちどころに五百五十円なり六百円に下がるということは、おそらくないと思います。それは実際問題として下がったところで八百円かそこらになる。大体八百円だとして、増資してとたんに売ってしまえば三百円もうかることは間違いないのだから、とにかく今度の増資で損をするものは一つもないわけだから、株を持っておれば相当もうかる人が出てくる。あなたのほうの株式の分布状況の中で、銀行はわかっておるが、その他の法人一般というものは大体どういう系列になっておるか、これではっきりしないから、どうなるかわからないけれども、これだったら、八年前にだいぶもめたときに、これは上がるぞ、買うておいたほうがよかったというようなことを冗談に話したことがあったが、あのときに買うておったら相当ぼろもうけにもうけておる、こういうことになるわけであって、今度の増資はちょっと問題があるんじゃないか。それで、いま受田さんも言われましたけれども、増資によらなくても、もっとやる方法があるんじゃないか。それから資本金の点で、対外的にやはりいろいろの問題があるので、もう少し資本金が多かったほうがいいというのは、それは監理官の言われるとおりでありますけれども、これがしかし民間の会社であるとするならば、そういうことはいえると思うが、しかし国際電信電話株式会社法という法律においてつくっておる会社でありまするから、その資本金のわずか二十億や三十億がふえるとかふえぬとかいうことによって、外債がどうの、いわゆる会社の社債がどうのということには私はならぬと思う。この会社は何といっても公共企業体とほとんど変わらない会社でありますから、そういう信用の度合いというような点については、私はあまりこの増資という問題については必要ないと思う。そういうことになるとするならば、三十三億円というものが必要だから増資する、こういうことになると思うのですが、社長、その三十三億円というものは、その金が必要だから増資する、こういうことになるわけですか。
○浜口参考人 いまの、今度の増資の目的と申しますか、理由は、先ほど監理官の言われた、今度アメリカで外債を発行するとき、資本金が寡少だというような話もありまして、それも一つでございますが、やはりこれから、先ほど私が申し上げましたように、太平洋海底電線の建設、宇宙通信実験、そのほか設備の更新等に金が要りますので、それに充当する。こう申しますと、先ほど森本さんのおっしゃった、それなら外部から借りたほうが利子が安いんじゃないか、こういうことになりますが、これは確かに利子が安いんです。一割はいたしませんから。しかし、それは先ほど申しましたように、対外関係そのほかで、あまりこれだけの仕事では自己資本が少ないんじゃないか、ひいては会社の信用に関し、これから外債を発行する、その借り入れ金のワクも自己資本の何倍ときまっている、そういうときにも備えるために自己資本を大きくしたい、こういうわけであります。
○森本委員 そうすると、外債の利率は幾らですか、償還と……。
○浜口参考人 期限は十五カ年でございまして、利率は六分七厘五毛でございます。
○森本委員 六分七厘五毛、それでこの増資のほうは一割配当ですから、これ以上配当するのを政治的に押えておるわけですから、そういう点を考えた場合は、これは借ったほうが安うつくということは、これはもう事実です。だから問題は、結局対外的に、資本金が少なければ信用がないから、この増資をするということに落ちつくんじゃないかと思うのですが、大臣どうですか。あなたの単独で答えてもらいたい。
○小沢国務大臣 私はやはり先ほど申し上げましたように、この会社といたしまして外債を募集する、あるいは内債を募集するという、これはもちろんけっこうなことだと思いますけれども、先ほど森本さんのおっしゃったように、やはり資本金が少ないということは信用にもかかわりますので、その点でやはり私は資本金を増加するということが必要じゃないか、そういうふうに考える次第であります。
○森本委員 それは資本金が少ないからということは、まあアメリカあたりではそうでありますけれども、そういう場合に、政府が保証するとかなんとかというやり方をとれば——これは国際電信電話株式会社法という法律においてできておって、電電公社のような公共企業体とほとんど変わらない、こういうやり方でありまするから、そうすると、少なくともこれは一般の株主の利益を考えてつくるところの会社じゃないわけであります。なるべくならそういうものについては、安く金を借ってきて国民大衆に安く利便をはかるというのがこの国際電信電話会社法の法律の精神であります。そういう点については、なるほどアメリカと交渉する場合にはそういうことがいえるかもわからぬけれども、政府がそういう点についてかなりカバーをすれば、そういう点についてはできるんじゃないか、またそうすべきじゃないか。いまのアメリカから金を借った際に六分何厘というようなことであって、それだったら増資をするよりかは借ったほうがましだ、こういうことになるわけです。どうも私は今回の増資のやり方についてはその意味がわからぬ。(「そうだ、わからないぞ」と呼ぶ者あり)これは大体、どんなわからぬ人でも、もうかる、もうからぬということについては、みなこれはわかることですから、おそらくみなおもしろがって聞いていると思う。だから、これはあまりむずかしい理屈はないわけです。簡単な理屈なんです。 そこで、今度の増資によってもうかる人も相当出てくる、またそういう増資をしなくて、社債なりあるいは借り入れをしたほうが国際電電としてはもっと得になる、国際電電が得になるということは、利用者が得になる、こういうことになるわけです。一割の配当をするよりか、借ってきたほうがましなんです。それは会社が、普通の民間会社ということであって、吹けば飛ぶような会社であるとするならば別だけれども、少なくともこれは一つの法律においてできて、要するに政府が後見をしておる会社だ。しかもその会社の社長とか重役とかいうものは、郵政大臣の許可がなければ就任ができないという会社なんです。そういうときに、どういうふうな増資のやり方ということについては、私はどうしても納得がいきかねるわけです。もっと国民の通信としていい方法があるのじゃないかというふうに考えるのですが、大臣、これは再考の余地はないのですか。これはやはり大臣が政治的な最高責任者として考え直すべきだと私は思うのです。
○淺野政府委員 ただいま先生の御指摘の点、まことにごもっともではございますが、ただ、政府内部といたしまして、外債のワクの問題、それから相手がありますので、アメリカにおきますいろいろな募集の手続の点、こういった点におきまして、精一ぱい国際電電におきまして、非常な努力によりまして借りたのが実情でございますので……。
○森本委員 いまの農林中金なんかの一般からやる債券は幾らですか、その利率は国内で。それから商工中金なんかのやっているものは、ぼくは一割出てないと思うんだ。そんなものを、アメリカからばかり金を借りることを考えなくたっていいはずなんだ。どうですか、それは。その辺まで調べておかぬとこれは話にならぬが。……監理官、首をかしげてはいかぬ。たしか一割に満たないはずです。七分か八分でしょう。
○淺野政府委員 申しわけありませんが、七分……。幾らになっておるか正確なことは覚えておりません。
○森本委員 だから、農林中金も、それから商工中金なんかも、盛んに宣伝をして、国内の資金を吸い上げておるわけですよ。その利率においてすら、たしか国際電電の配当の一割には私は満たないと思う。だから、アメリカから金が借りられないとするならば、これは国際電電という信用のある会社でありますから、会社の幹部もなかなか優秀な幹部であって間違いのないものなんだから、そういうことで、国内においてそういう債券を発行してとれないことはないと思う。外債の割り当てがなければそういうことをやってもできないことはないと思う。それにおいてすら、いわゆる増資をするよりは得なんだ、実際問題として。どうなんです、大臣。これはもう一ぺん私は七月に増資するなんということを再検討してもらいたいと思う。大臣、よく聞いてもらいたいのだが、これは国際電電株式会社の幹部の会社じゃないのだから。それから株主の会社じゃないのだから。普通の会社とだいぶ違うのですよ。普通の会社なら、株主が金を出し合ってもうけるためにつくっている会社といっても差しつかえない。しかし、これはそうでない。これは、電電公社と同じような公共企業体という形をとった、しかしそれじゃ経営が、財政その他の面において公社になると縛られるから、単に郵政大臣が、業務内容と、それから役員を監督するというその点だけで、あとは全部フリーに事業を拡張さすようにやらそうというところでできた会社なんです。本来この通信の事業の内容というものは公共通信ですよ。この会社は国民のものだ。そうすると、やはり国民が利益になるような方向において政策を立案をしていくというのが、監督者の立場にある郵政大臣の任務であると私は思う。そういうことになるとするならば、いま三十三億円の増資をするよりかは、そういうような方法でやったほうがずっとましである、こういうことを私は考えておるわけです。だからこれは大臣のほうでもう一ぺん再検討をしてもらいたい。
○小沢国務大臣 これはまあ公共性の非常に多い会社ではございます。ございますけれども、やはり商法上の一つの会社でありまして、あるいは外債を募集する、あるいは内地債というか内部の債券を募集するというようなことも、これは必要でございましょうけれども、やはり私はその自己資金を増すということは、これは自分の資本金の寡小というようなこともございますし、外部信用もございますし、そういうものに対しましては、やはり増資によって増すということはこれは必要じゃないか、そういうふうに考えておる次第でございます。
○森本委員 普通の会社というものを考えた場合には、増資によってその会社の充実をはかるということは事実なんで、普通の会社ならそのとおりだけれども、これは国際電信電話株式会社法という法律によってできておる。もともとこれを株式会社にするのは聞違いだったけれども、当時自民党の諸君が押し切って株式会社にしてしまったわけだ。しかし、それでもなおかつこれは大臣が役員を選任する権限を持ち、業務の内容については、郵政大臣の強力な監督下にある会社なのだ。だから、そういう点において、信用の度合いというものは、資本金の多寡によってきまるわけじゃない、いまの業務の内容によってきまる。そうしてこの会社というものは、国民に対して責任を負わなきゃならぬ会社なのだ。そういうことを考えた場合には、一般の民間会社の増資と同じようにこれを考えていくということは不合理である。それ以外に借り入れ金の方法があるわけなんだから、そういう方法をやって、なるべくなら、利益金があるならば国民に還元をする。それほど、一割の配当をして増資をしなきゃならぬ金があるのなら、国際通信の料金を安くすればいい。そこへ持っていけばいい。だから、こういう点については、私はいまのところ一割の配当を下げろということを言っておりません。だけれども、今度の増資そのものについては、非常に疑問がある。これから先、太平洋海底ケーブルの三百億円、さらに東南アジアのケーブル、さらに、場合によっては、北方ルートを開拓しなきゃならぬ、宇宙通信の開拓をしなきゃならぬというときに、わずか三十…億円の増資をして一体金額的にいって何になるのです。そんなことをするよりかは、借り入れ金を借ったほうがずっとましであるというのが私の理論なんです。あなたは会社の資本が少ないから大きくしなきゃならぬと言うが、それは普通の民間会社の言うことであって、こういう国策的な会社についてはそういうことは当てはまらぬ。これはひとつ大田もう一ぺん再検討を願います。あなたはやはり再検討をすべきですよ。頭のいい大臣が、こんなものをそのまま承認をしておったならば、小沢郵政大臣何をしておったかということになって、あとで笑われますよ。これはもう一ぺんちゃんと監理官を呼んで、それから省議でもひとつ十分再検討をしてもらってください。七月三十一日といったらまだ二月以上ありますから……。
○小沢国務大臣 先ほど配当金の一割というお話がございましたけれども、あれは一割にフィックスしているわけでもございませんし、結局いろいろ業務の努力でそうなったわけでございまして、先ほど浜口社長が言われましたように、あるいは東南アジア等にこれからケーブルをやりますればまたいろいろと資金も要りますので、それは必ずしも一割にフィックスするわけではないのでございまして、先ほども申し上げましたように、商法上の会社としていろいろ資本をつくる際に増資するということは当然じゃないか、私はそういうふうに思っておる次第でございます。
○森本委員 オウムみたいに官僚の言うことを聞いてそのまま答弁をするのだったら、大臣の価値はないですよ。やはり議員の言うことであっても、なるほどとうなづける点については、自分は自分なりに反省して、もう一ぺん検討してみようくらいの返事をしてもいいと思う。それを、あくまでも既定の事実だから、既定の事実のとおりやらなければならぬということにはならぬと思う。あらゆる情勢をもう一ぺん再検討して、どうしても増資をしなければならぬ、そうしないと都合が悪いということなら、あなたのほうが権限を持っているのだからやむを得ない。しかし、いま言った私の理論については、これが間違っておると言える人はだれもないはずです。そういう意見もあるならそれを一ぺん取り上げてみて、もう一ぺん再検討するくらいのことは私はあっていいと思う。再検討してみてなおかっとうしても——社長なりあるいは副社長、監理官から聞いて、どうしても増資をしなければならぬということになるならこれはやむを得ないけれども、せっかくこういうような意見が出てくるならば、やはりそれを取り上げて、もう一度再検討してもいいのではないか、そうでないならば、こんな委員会というものはやっても効果がないですよ。何ぼいい意見であっても、そういう意見は柳に風と受け流して、どうでもこうでも何とかこの委員会で答弁を済ましたらいいということだけでやるなら、野党のものが質問しても何にもならぬ。これは私がむちゃくちゃを言っておるとか、間違ったことを言っておるならそれは別ですよ。しかし、私がいま言っておる意見については、それが間違っておるということを言える人はいないと思う。ただあなたのほうは、いま資本が寡小だからやはり増資しておかぬと対外的に都合が悪い。それは一般の民間会社ならそういうことは言えるけれども、こういう公共的な会社については、必ずしもそれは当てはまらない。これも一つの理屈です。そういうことを十分もう一ぺん総合的に検討してみてくれ、その検討をしてみた結果、どうしても増資しなければならぬということなら、あなたのほうが権限を握っているからやむを得ない。しかし、そういう意見が出てきたら、その意見を十分に取り上げるということをしなければ、国会の議論は宙に浮いてしまう。大臣どうですか。
○小沢国務大臣 いろいろの御議論もございますから、私も一応事情を聞いてみまして、よく再検討いたします。
○森本委員 そうなりますと、さらに私は聞いておきたいと思いますが、この増資の三十三億というものの使い道はどういうふうに使われるのですか。
○浜口参考人 先ほど申しましたように、いろいろ設備の改善、その他将来の拡張計画の資金の一部に充当するわけでございます。
○森本委員 それではそのこまかいことを具体的にひとつよく仕事をしておる副社長から聞きたいと思いますが、三十三億円というものを具体的にどういうふうにお使いになるのか。
○大野参考人 ただいま将来五カ年の設備計画というものを持っておりますが、それによりますと、三十七、八、九、四十年、四十一年、この五カ年間に、総額で設備資金二百三十億を必要とすることになっております。そういたしまして、そのうち九十億円はすでに外債でこれを調達することができました。ところが、この九十億円について、ちょっと余談でございますけれども、九十億円の外債、借金ができたということは、これは払い込み資本金が現在三十三億円ございますので、普通の会社でしたら、そんな資本金を三倍近く上回る借金をすることはできませんけれども、幸いに森本先生のおっしゃったような特殊会社でございますので、法律でそういう特権を認められております。払い込み資本金の三倍まではよろしいということで、限度一ぱいに近いぎりぎりの九十億円の借金ができました。もっとも借金と申しますのは、ワクがあるから何ぼでも金が借りられるというわけではございませんけれども、非常に幸運にもこれが成功いたしました。ただいま申しますとおり、二百三十億円程度の金を将来五カ年に、四十一年度までに必要といたしますので、この中にはケーブル計画及び宇宙通信施設の建設その他一切含んでおるのでありますが、そういう資金をどうして調達するかということになりますと、先ほどの九十億円ではとうてい足りません。そこで、いままでに蓄積をいたしました内部保留の自己資金、それから各年度に生じてまいります自己資金、そういうものを投入いたしまして大体その需要を満たすことができるわけでございますが、それでもなおかつ三十数億円は不足を来たしておりますので、その三十数億円の不足分を自己資本の増資によりましてその払い込み金をこれに充当しよう、こういうことになります。 なお、これはただ五年までのことでありますが、この五年間におきましても、また新しい通信技術が発達いたしまして、どういうことをやっていかなければならぬか、それは予言できません。ことに宇宙通信がいよいよ実用化されるということになりますれば、衛星を各関係国間で共同使用いたしますためにどれだけの負担金を必要といたしますか、これは全くわかりません。ただいまわが社で投入いたそうとしておりますのは、わずかに宇宙通信の実験のための施設に約十億程度を投入しようといたしておるのでありますが、これは単に実験のための施設でございますが、これが実用化されるといたしますれば、さらにその地上局施設を拡充いたさなければなりませんし、その地上局施設を拡充するだけでなく、その地上局施設を使って国際通信をすることになりますれば、そのために一個百万ドルとか幾らとかと言われております衛星が何発か打ち上げられることになりましょうが、その衛星の使用料というものを当然負担しなければなりません。それが幾ばくの金額になるかわからないというようなことになりますから、森本先生から先ほど来非常に御親切な御理解の深い御発言がございましたように、これは相当お金を将来必要といたしますが、そのお金を全部自己資金でまかなうことはとうていできません。お語のとおり、有利な条件で国内の資金あるいは国外の資金を借り入れて使うということを考えなければなりませんが、その場合に、三十三億の資本をもっていたしましては、せいぜい九十億程度しか借金ができません。これを六十六億にワクを広げていただきますと数百億円、つまりそれの三倍といたしますと二百億近くの借金のワクが広がるということになります。これは単に信用ということもございますけれども、将来の非常に大きな資金需要に対するワクを広げていただく、その基礎をつくっていただくという意味で絶対必要であるということを会社としては考えておるわけでございます。これはちょっと余談でございましたけれども、そういうわけでこの払い込み金は将来四十一年度までに必要といたします設備資金の二百三十億の一部である、こういうわけでございます。
○森本委員 そういたしますと、二百三十億円三十七年から四十一年に要る。そこで九十億円借りておるからあと残りは百四十億ということになる、こういうことになりますが、三十七年度に幾ら使っておりますか。
○大野参考人 三十七年度で四十九億円ばかり、それから三十八年度で百二十二億、三十九年度で二十億、四十年度で二十一億、四十一年度で十八億、以上端数切り捨てましたが大体二百三十億でございます。それで、ただいま申し上げましたように、これは計画でございますから、いろいろとこの計画の年度の途中に実際の必要で施設の計画を変更するいろいろな負担がありますから、ワクだけでございます。
○森本委員 そうすると、四十九億というものはすでに使っておるわけですね。
○大野参考人 それは三十七年度の計画でございまして、大体その程度出ておると思います。
○森本委員 そういたしますと、この九十億円というものの借り入れ金はまだ使ってないわけですか。
○大野参考人 これはすでにだいぶ支払いに充当いたしておりますが、まだ半分以上残っておるかと思います。
○森本委員 半分以上残っておるということになりますと、五十億残っておるわけですね。
○大野参考人 失礼いたしました。九十億というのは外債発行の総額でございまして、実際の所要は年度ごとに出てまいりますから、できれば私どもはその所要に応じて二千五百万ドルの総ワクの中から必要なだけを借り入れる。そういたしますと、金利負担がそれだけ安くなります。そこで交渉をいたしまして、三十七年度においては一千万ドルだけを出しました。つまり三十六億でございます。
○森本委員 そうすると、結局まだ借り入れ金で使えるのは五十億残っておる、こういうことになるわけですね。
○大野参考人 五十億残っておるというのは、いま申し上げましたとおり間違いでございまして、昨年度借りましたのは二千五百万ドルのうち一千万ドルを借りまして、つまり邦貨にいたしまして三十六億円です。その三十六億円の——いまちょっと正確に覚えておりませんが、約半額くらいをもう支払いに出したと思います。なお、これから今年度中に五百万ドルずつまた分割で借り入れをいたしますから、そういうことになります。
○森本委員 そうすると、結局外債で借りられる分が十五億円くらい残っておる、あと借りられるのが五十億円くらいということになると、大体六十五億くらいあと借りられる。それで百八十二億円要るから結局私が最初言ったとおり、百二十億円程度というものが三十八年度から四十一年度まで足らぬ、こういうことになるわけですね。要するに百二十億円程度の中の三十億程度にこれを流用する、こういうことになるわけですか。
○大野参考人 そのとおりであります。
○森本委員 そうすると、残りが結局九十億ということになりますが、四半期ごとの利益金というのはどのぐらい残っておるわけですか。
○大野参考人 御承知のように、自己資金として施設等に投入できます金は、単に利益剰余金ばかりではございません。利益剰余金はもちろん、配当その他税金を払いました剰余は当然それに使えますけれども、そのほかに、たとえば経費に出ます減価償却というものがございます。あるいは実際に内部で積み立てる義務を負っております従業員の退職引き当て金とか、そういったような償却とか引き当てというお金は経費では出ますけれども、したがって利益からはそれは落ちておりますけれども、資金としては社内に残っておるわけであります。そういうお金を流用いたしましてまかなおう、こういうわけであります。
○森本委員 だから、今までの三十七年度の年間の利益金というものはどのくらいあるわけですか。
○大野参考人 大体七分見当だと思います。
○森本委員 七分と言ったって、三十七年度に金額が幾らかということです。
○大野参考人 三十七年度の収支差額は、冒頭に社長が御説明申し上げましたように二十二億何がしでございます。
○森本委員 そうすると、いまの状況からいけば三十八、九、四十、四十一年の四年で利益が大体八十五、六億あるということになりますね。それから積立金が二十億、それからその他の一般の投資が約十億ということになりますと、三十億というものを増資しなくとも、一応まだそれで五億円くらいは余る。その一割の配当を逆に七分くらいに下げたら増資をしなくともまだ金は余る、こういう結果になりはしませんか。社長、今の答弁と質問とのかっこうでいくと……。そうすると、金の面では大体五億円か六億円余る。そこへ持ってきて、一割の配当を八分くらいにすれば、とにかくちょうどいってまだ金が余る、こういうことになるわけです。いま質疑応答をやっておるのを聞いておったらわかるわけですから、私は知らぬわけだから、大体ざっとやって勘定してみると大体そういう数字になってくるが、三十三億というものを無理にやらなければならぬということは、金の面では出てこないではないか、こう言っているわけです。
○浜口参考人 余りません。
○森本委員 それは余らぬけれども、ちょうどくらいになるのじゃないですか。ちょっと勘定してみてください。いまの答弁では……。
○大野参考人 私がいろいろ申し上げたことに関連してのお尋ねでございますから、お許しを得て答えさせていただきますが、先ほどの三十七年度の剰余金がどのくらいあるかという御質問、これに二十二億円何がしとお答えいたしましたが、この二十二億円何がしは、いわゆる純利益金でございます。ところが、会社でございますから、これから法人税を払わなければなりません。それからまた配当金も払わなければなりませんということで、実際この二十二億の利益のうち、いわゆる設備投資に流用できるものは四分の一かそこらになるのじゃないかと思います。そういうものが年々、いまのとおり順調にいきますとそういうことになるのですが、ただこれは、先ほど来いろいろお話がございましたように、三十七年度がおそらくこの会社の業績としてはピークのところじゃないかと思われます。といいますのは、いままでは大体無線設備一本で非常に順調に経営してきましたが、三十七年から八年にかけて、御承知のように膨大な設備投資を、あるいはケーブルに、あるいは宇宙通信にと始めてまいりますから、そうなりますと、いわゆる資金負担、資金コストは三十八年以降にぐんと出てまいりますから、この二十二億の年間剰余金というものが持続できるかということはちょっと疑問がございます。しかし、もちろんそうかといって、それが非常に業績悪化ということを意味しているわけではございませんけれども、そういうことがございます。 それから、さっき申しました、三十七年から四十一年への計画でどれだけ資金が要るかという御説明をいたしましたときに、その総額は二百三十億と申しました。その二百三十億の資金に対しまして、また資金計画というものを私どももちろん持っておるわけでございます。その資金計画をずっとやってまいりますというと、三十七年から四十一年の間に、ただいまお話の出ました外債の九十億円、あるいは増資による三十三億円を足しまして、それだけ足しましても九十プラス三十三ですから百二十三億です。百二十三億に対して二百三十億投資しようというのですから百億近く足りません。これを自己資金あるいは持ち越しの資金でまかなっていく、こういうことでございます。それでも、その持ち越し資金などは、計画ですから、そのとおり出なければ、あるいはまた国内で借金しなければならぬということが出てくるかもしれません。その場合、国内で借金いたしますといたしましても、三十三億の資金では九十億で一ぱいになります。三倍です。しかもその下のワクを広げておかなければどうにもなりません。そういう状況でございます。
○森本委員 今あなたがいろいろ言っておったけれども、いま私はあなたの答弁で目の子算用で言ったわけで、わからぬが、実際問題として……。それから当期剰余金というものについても私はもっと出てくるというふうな気がするわけです。それからいま社長は、余りませんというようなことを一言言ったけれども、資金についてはだれだって潤沢にこしたことはないのだ。しかし、そのやりにくいところをあらゆるやりくりをして、そうしてできる限りそのワク内においてやっていこうとするのが経営者の任務なんです。それを何ぼでも国策会社だから増資をする、借り入れをするということなら、だれだって経営はできるのです。もう少し資金というものについても、ちゃんとした緻密な計画を立てて、そうしてどうしてもこれが要るということによってやるならば、それはわれわれとしても納得いきますけれども、これはひとつ社長に尋ねておきますが、そういうふうな、余りませんというふうな回答をするのではなしに、あなたの方としても、いま副社長が言ったような詳細な、今後四十一年までの資金計画と事業計画というものをあらためてひとつ早急に当委員会にお出しを願いたいと思います。それによって私の方も私なりに十分に検討してみたい。そうしてもう一回あなた方に来てもらって、そこでよく質疑応答をやりたい、こう思うわけでありますから、社長もその点の内容については、副社長に答弁をまかせるということでなしに、これは経営の大筋でございますから、社長としても、その点について、資金計画の内容、今後の事業の内容の点については、十分熟知しておいてもらいたい。そして今度はそういう点についての質疑応答を一時間か二時間くらいやりたいと思う。そうしないと、いまの大野副社長のような答弁ではわかりません。将来上がるかもしれぬ、資金、設備はどのくらいになるかわからぬ、それがどんどん上がってくるわからぬということでは、ちっとも審議にならぬ。そういうことを要望しておきます。その要望はよろしゅうございますか、社長。よければ次に移ります。
○浜口参考人 いまのお話、十分研究してみます。
○森本委員 それでは次会にこの資金計画と四十一年までの計画を国際電電のほうで出してもらって、それによってこの増資の問題についても、さらに今後の資金計画についても私はやりたい。副社長の言っておることは、相当大ざっぱなことを言っておるから、こまかいことを一つ一つ追及していけば、あなた方ぐらいの大きな会社になると余ってくる金があると思う。だからそういう点について、私も私なりにあなたの下部機構について聞いて調べてみますが、あなたのほうもゆっくりその点について答弁できるようにしておいてもらいたい、こう思います。いまの資金計画と業務計画を出すのはいいですね。 それでは次に、太平洋ケーブルについて聞いてみたいと思いますが、まず最初にお聞きしたいと思いますのは、神奈川県の二宮に陸揚げするという点については、かなり住民が騒いでちょっともめたというようなことを聞きましたが、その間のいきさつがわかっておったら御説明願いたいと思います。陸揚げ地点で反対というようなことで騒いで、それが納得がいって、いまようやく平静になったということをちらっと聞いたわけですが、その辺のことがわかっておったら御説明願いたい。
○八藤参考人 私どもの承知していますところでは、何か日米ケーブルが日米軍事計画と何とかということで多少お話があったという、その程度であります。
○森本委員 地元の住民が騒いだというようなことはないですか。
○八藤参考人 騒ぐという意味がわからないのですが、どの程度でございますか。
○森本委員 いわゆる反対運動をやったとかなんとかということはないですか。
○八藤参考人 いま申し上げた程度の情報しか私ども持っておりません。
○森本委員 そうすると、地元とのトラブルは一切なかったわけですね。
○八藤参考人 ございませんでした。
○森本委員 それから太平洋海底ケーブルの新しくできました電信株式会社の同軸ケーブルの製作状況は大体どういう状況ですか。
○八藤参考人 試作も無事に終わりまして、現在正式に生産を開始しておる、こういう状況であります。
○森本委員 このケーブル会社におきますケーブルの完成時期はいつごろですか。
○八藤参考人 数字が誤りがあったらお許し願いたいと思いますが、あれはたしかあのプロダクション・ライン一つでもって年間に千数百ノーチカル・マイルだったと思いますが、その予定で生産しております。
○森本委員 どうもわからぬ。これはほかの人もわからぬと思うのですが、ケーブルをいまつくっておる製作状況は大体わかったが、それがいつごろでき上がるかということを聞いておるわけです。
○八藤参考人 あれはアメリカ側が買うことになっておりまして、御承知のとおり、その契約では、たしか千六百海里だったと思います。現在の生産目標は、できるならば来年の春までにはっくりたいということでフルに操業しておる、こういうことであります。布設でなしに、来年の春までにはっくりたいということで、フルに操業しておる、こういうことであります。
○森本委員 布設でなしに、来年の春にはそうするとケーブルができ上がる、こういうことですね。
○八藤参考人 ケーブルができ上がるという意味はむずかしいのでございますが、御存じのように、ハワイと日本の間は五千数百海里です。これ全部をあの会社でつくるわけじゃないのです。その一部分をあの会社でつくるということになっております。それをただいまおっしゃいました千六百海里か七百海里契約が成立している。それ以外の契約は成立していない。その限度における生産は来年の春までにやるということだと御承知おき願いたいと思います。
○森本委員 この太平洋ケーブルのほうは、アメリカ側とも契約して、向こう側のものもつくっておるわけですか。
○八藤参考人 さようでございます。
○森本委員 米国側においてはこのケーブルをつくってないわけですか。
○八藤参考人 米国側も同じようにつくっております。
○森本委員 ハワイからこっちのものを米国側がつくっておるのはどの程度で、日本側がつくるのはどの程度ということになっておるわけですか。
○八藤参考人 米国側がどの程度つくっておるかということは、私たちが聞いておるところは、ハワイ−日本間が五千数百海里である。日本が来年の夏までの開通目標としては千五、六百海里は生産する。差し引き残ったところの三千数百海里はアメリカで生産する、こういうことになっております。
○森本委員 その日本側でつくるというのと、アメリカ側と合わして総額で幾らになるわけですか。
○八藤参考人 ケーブルの価格は全体として三千四百四十九万ドル、こういうことになっております。全体の三百億の中の四割がケーブルの価格でございます。
○森本委員 そのうちの金額にしてアメリカ側で何億で、日本側が何億くらいつくるか、大体の目安でいいのです。それによって大体どっちがどれくらいもうかるかということがわかるわけですから……。
○八藤参考人 どうもケーブル生産会社のほうに私たち直接関係はございませんので、答弁がはなはだあいまいで恐縮でございますが、私の聞いております範囲では、総ケーブル価格の三分の一くらいが日本側で出すということになっております。
○森本委員 それで大体わかりました。 今度は、布設の方法でありますが、布設の方法はアメリカ側がやるのですか、日本側がやるのですか。
○八藤参考人 布設はアメリカの布設船で引くことになっております。
○森本委員 アメリカの布設船でアメリカ側が全部布設するわけですか。
○八藤参考人 さようでございます。
○森本委員 そうすると、布設の担当者も全部アメリカのほうになるわけですね。
○八藤参考人 さようなことになっております。
○森本委員 この布設船については、アメリカ側の布設船を使うわけですか。
○八藤参考人 さようでございます。
○森本委員 この布設の時期は一体いつごろになりますか。
○八藤参考人 日本側に関係いたしまする分で申し上げますと、先ほどアメリカのATTの技術者と私のほうの技術者との間の話し合いでは、六月中には横浜からでき上がったケーブルを引いてグアムに向かっていく、大体こういう計画であります。それ以前にハワイ−グァムの間は開いておることは当然だろうと思います。
○森本委員 正式に開通するのはいつごろになりますか。
○八藤参考人 先ごろ社長が申し上げましたように、大体来年の七月というめどでございます。
○森本委員 そこで、その開通したあとの問題でありまするが、開通したあとにおけるKDDの海外無線のやり方が変わってくるんじゃないか、こう思うのですが、具体的にこれをお尋ねいたしますると、日米間の電信電話会社における無線と有線との割合はどういうぐあいになりますか。
○八藤参考人 たいへんむずかしい問題でございまして、少なくともただいままでのアメリカ側の電話会社あるいは電信電話会社と私のほうとで基本的に大体了解しておりますところは、ケーブルができましても、切断ということをもちろん予測しなければいけない、そういう事故のある場合には無線によって通信する以外に手段はない。そういたしますると、そういう事故のためにも予備的に緊急用として無線施設は残さなければならぬ。 第二に、このケーブルは、必ずしも無線全体をやめる意味ではない、補完するということでございますので、必要な限りにおいては無線も併用していく、こういうことでございます。一方におきましては、しかし、併用または緊急用としてやっておるのでございますから、ある程度までケーブル開通時の無線施設自体くらいの保有あるいはそれ以下の保有でとどまるのではないか、こういうふうに考えております。
○森本委員 これは質問をやりますと、だいぶ時間がかかりますので、あとは資料として現行の対米通信のやり方と、今度の海底ケーブルができ上がった場合における無線と有線との併用度、それから非常時における無線の波の確保、こういうふうな業務の内容について資料としてお出し願いたいと思います。
○八藤参考人 いまのいろいろのお尋ねの中の最後の波の確保でございますが、これは日本、アメリカ、ことにわが国の利益といたしまして、周波数それ自体は少なくとも現在のまま確保してまいりたい、こう思っております。あとの無線と有線との併用区分等につきましては、現在協議進行中でございまして、ここ一両日中あるいはお見せするというわけにはならないと思いますが、これは両方とも取りきめをする必要がございますので、取りきめのでき次第急いでお目にかけることにいたしたいと思います。
○森本委員 その取りきめ自体に私も意見があるわけであります。あなた方だけにまかしておくと、アメリカの有利な方向にだけまいったんではつまらないので、そこで現在の国際電電の考えている有線と無線の今後の併用方法について至急資料としてお出しを願いたい。 それから、アメリカ側と協定ができ上がって——それはむろん資料はもらいますけれども、現在国際電電が考えているところの海底ケーブルができ上がった後における有線と無線の併用方法はどうするか、こういう点についての考え方を早急に資料としてお出しを願いたい。こう思うわけです。
○八藤参考人 先生のお求めの趣旨はわかった次第でございます。できるだけ御趣旨に沿うように検討いたします。
○森本委員 検討ではない。ぼくの言うのは、資料として国会で正式に要求しているわけです。それはなぜかというと、あなた方は、優秀な人ばかりだから間違いないと思うけれども、有線と無線を併用してやる場合に、アメリカ側に有利な場合とこっち側に有利な場合がある。あとで料金問題も聞きますが、現在国際電電が考えているアメリカ側と折衝しようとするところの有線と無線との併用方法について、具体的な計画を資料としてお出し願いたい。われわれとしてもそれを検討したい。 〔委員長退席、佐藤洋委員長代理 着席〕 場合によっては、あなた方の考え方をこの委員会を通じてバック・アップしてあげたいと考えておるわけです。あなたのほうでは何かあげ足をとられるのではないかと、そんなことを思っているのかしれぬが、そんなことではない。アメリカ側と交渉する点について、われわれとしてはできるだけバック・アップをしてあげようということで言っておるんだから、資料として早急にお出し願いたい。
○八藤参考人 森本先生には長年ごじっこんを願っておるので、決してあげ足をとるような先生ではないと考えております。ただ、もしも国際電電の営業部長としてお許しを願いますならば、あなたのおっしゃいましたような、アメリカ側にはアメリカ側の利益がある、日本側には日本側の利益がある。この両方の利益が折衝するわけでありますから、取引上のいろいろのかけ引きもございますので、おっしゃいますように、正式に提出することだけはどうかという点を、ちょっと私は心配しただけでございます。
○森本委員 それは正式でなくても何でもいいのでありますが、とにかくいまの国際電電のそういうふうな計画をひとつこっちのほうに回して下さい。 それから、ちょっとこれは郵政省に聞いておきますが、そこで問題になりますのは、現実の問題としては短波の波がちょっと余ってくると思うのだ。だから、事故が起こった場合は、当然すぐ切りかえるという措置をしなければならぬわけです。しかし、おそらくこの海底線が切れるということはまあ百が一ないと思うけれども、それは事故のことだからわからぬから、そういう場合に、確保しておるところの波については、そのまま対外無線用としての波を確保しておくかどうか、私はやはりこれは確保しておくべきである、こう考えるわけです。ただ、しかし、長い間見ると、それは余っておることはわかっておるのだから、どこかへ併用せよ、こういう意見が出てくるかもわからぬけれども、この波については、私はやはり不測の事態ということを考えて、平生は全然使わなくても、試験通信を日に一回やるとかという形にして、一応その波は確保しておくべきだ、こう思うのですが、どうですか、これは電波監理局長じゃないとわからぬかもしれぬが。
○淺野政府委員 ただいま先生のおっしゃいました御意見の通りでございまして、かりにケーブルができましても、ちょうど来年くらいから太陽黒点の状況で電波事情も悪くなってまいります。またアフリカその他新しく回線を要する場合も出てまいります。それはやはり権益でありますのと、周波数の分配の面からいいましても、他にも通信以外に転用できないものでありますから、従来どおりこれはおっしゃいますような形において使用させるべきだと考えております。
○森本委員 それはひとつ電波監理局長にもよく話をしておいてもらいたいと思うのですが、それでこの太平洋海底ケーブルの所有権はどうなるのですか。
○八藤参考人 これはたしかだいぶ前当委員会で副社長から御説明を申し上げたと思うのでありますが、日本の領海内は共有になります。それからそのほかの方面においては、ある部分は共有、ある部分はインディフィージブル・ライト・オブ・ユーズといいまして、ちょっと特殊な考え方で、何かちょっと私たちも初めとまどったのでありますが、大西洋において同軸ケーブルが開かれて以来できている国際的な観念でございまして、破棄し得ざるところの使用権、こういうものが、所有権とほぼ同様の内容でございますが、持たれる、こういうふうな区分になっております。
○森本委員 ちょっとややこしくてわからぬですが、おそらくだれもわかったものはおらぬと思うのです。もうちょっとわかりやすく説明してください。この海底ケーブルの所有権というものはどうなるかということですから……。
○八藤参考人 アメリカの会社とKDDとが共同所有する部分と、それからインディフィージブル使用権を設定する部分とございます。
○森本委員 その使用権を設定する場合は所有権はあるだろう、永小作権みたいに。
○八藤参考人 使用権を設定する場合に所有権はないのです。使用権を設定するのですから。
○森本委員 使用権はわかるけれども、その使用権の下に所有権があるのじゃないの。おかしいな、それは。
○八藤参考人 所有権は向こうであります。使用権がこちらでございます。その使用権が普通の使用権でございませんで、いまちょっと外来語を使いましたけれども、新しくできた一つの概念でございます。
○森本委員 永小作権みたいじゃないかね、その使用権というのは。
○八藤参考人 まあさようでございます。
○森本委員 これもひとつあとで資料によって、その海底ケーブルのグアムからこっちがということで、どの程度まで日本が使用権があって、どの程度まで共同所有権があって、そうして、今度はいまいうところの所有権はアメリカにあって、使用権は両方にある、こういう形の資料をお出し願いたいと思うわけであります。
○八藤参考人 承りました。
○森本委員 それからこれの保守は将来どうなりますか。
○八藤参考人 保守は、それぞれの責任の分野においてはそれぞれが行なう、費用は共同負担する、こういう形でございます。
○森本委員 それぞれの責任の分野というのは、今の所有権と使用権とに応じてやる、こういうことですか。
○八藤参考人 さようでございます。
○森本委員 そうすると、その場合日本で所有権を持っておるところについての保守は日本船で行なう、アメリカの所有権によるところのものはアメリカ船において行なう、いわゆる永小作権みたいな——使用権というところはどこでやるのですか。
○八藤参考人 それもやはり大体両方でやるけれども、保守自身の実施はそれぞれの分野においてやる。(「アメリカがやるんだろう」と呼ぶ者あり)いや、そう簡単に言い切れないのであります。やはりそれぞれの分野はみずからがやる、それから海のところは費用は共同で負担しますが、実施上はそれぞれにおいてきめられた通りにやる、こういうことであります。
○森本委員 大体わかりました。 それから、これを使用する料金の問題は、いまどういうふうに折衝中ですか。
○八藤参考人 先生のお尋ねは、公衆の払う料金でなしに、ケーブルを使用する——これは日米間に関しましては私どもは使用料は一文も払いません。すでに行使しております。
○森本委員 そういたしますと、今後の料金問題というものは、電話が一通話について向こうが幾ら、こっちが幾ら、電報が一通について向こうが幾ら、こっちが幾ら、こういうふうにきめていくわけですか。
○八藤参考人 それは在来の無線と同じ方式で分収はきめるわけです。
○森本委員 無線と同じ方式になりましても、無線よりは率が悪くなるのじゃないですか。
○八藤参考人 今般の協定では、無線と同様に五〇、五〇で分け合うようになっております。
○森本委員 まだあと私は東南アジアカーブルと、それから宇宙通信の問題さらに外債の内容等についても聞いてみたい、こう思っておりますけれども、ほかにも質問者があるようでありますので、もう一回御苦労ですが国際電電の方に来ていただきまして、残りの東南アジアケーブル、それから北方ルートの問題、これはシベリア経由を前に文書で報告しておりますので、そういう問題の宇宙通信、それから外債、こういう問題については次回に譲ることにいたしまして、本日の私の質問を終わります。
○佐藤(洋)委員長代理 橋本登美三郎君。
○橋本委員 私は森本委員の質問に対する関連質問のようなものでありますが、ここでお答えできるものは答えてもらいたいし、お答えできないものは、あとで御相談の上お答え願います。 先ほど来の質問によりますと、今回のいわゆる必要資金というものは二百三十億円である、その中で増資が三十三億円、そうしますと差し引き約二百億円というものが長期もしくは短期の借り入れ金による、そういうことになるわけですが、そこで全部の借り入れが済んだときの利子支払いは、概算ですが、あとで計算してもらえばけっこうなんですが、平均して七分五厘ぐらいになる、あるいは七分になるということになると、ピーク時は、全部借り入れたときの利子の支払い金額は十四、五億になるだろう。そこで先ほど来の質問によりますと、年間の利益金が約二十二億円である、そのうち配当あるいは税金等を差し引いて、いわゆる設備投資に回すことが可能なものは大体四億か五億である、こういう話である。のみならず、この年間利益金の二十二億円というものは、まあまあこれから上回っても三十九年度がピークであって、そう大きくはならないのではないか、あるいは二十五億になるか三十億になるか知りませんが、二十四、五億だろうと思う。そうしますと、このピーク時に、たとえば二十五億円の年間利益があったと仮定して、そこへ今度の新しい配当等がありますから、やはり残るところのものは、設備投資に回せるものは約五億円ぐらいではないか、あるいはもっと増資を計算しているかもしれませんが、要するに必要資金、いわゆる増資以外の借り入れ金、どうしても払わなくてはいけない利子、これを七分なり七分五厘で計算しますと、十四億円ないし十五億円くらいのものが今後また新しく出てくる。そうなりますと、増資後、直ちにではありませんけれども、将来の見通しとして一割の配当が可能という計算に立っておられるのか、それとも、将来はやはりこれだけの利子が出ていくことが、ピーク時を考えると、一割の配当が困難になる危険性がある。そういうこともひとつあるんじゃないかと思うのです。 〔佐藤(洋)委員長代理退席、委員 長着席〕 もしくはまた、そういうようなことからして、将来また配当していくことを考えて、いわゆるコンスタントに出ていく利子払いというものを、あとで制限していく考えがあるか。問題が二つありますが、なおもう一つの問題は、資本金が今度は六十六億になるのですが、会社の健全性というものからいえば、大体常識的にいえば、借り入れ金というもの、借金というものと資本金というものは、フィフティー・フィフティーである。結局、もちろん国際電電会社のような信用あるもの、及び安定した株主を持っておるのですから、必ずしもそういう必要はないかもしれませんが、大体常識として、いわゆる借金と資本金の割合は、大体どの程度が原則としては安定性といいますか、妥当性があるか、もし六十六億円で二百億円の借金があるとしますと、資本金が一に対して、借金が三になる。そういうような状態は必ずしも好ましくないようにも思うのです。普通の会社の場合は、その点をどう考えておられるか、この二点をひとつきょうお話し願えればきょう伺ってけっこうだし、少しく配当金の問題なり、その他利払いの問題がありますからして、なお御検討の上、御相談の上、次回にお話し願ってもけっこうです。 それからもう一つ、これはすぐ御即答ができると思いますが、増資も決定したようであります。おそらく公募はつけておらないと思いますが、公募はつけておらないかどうか。それからもう一つは、縁故債——従来の株主だけに認めるか、もしくは従業員にある程度の株を持たせるという考え方を持っているかどうか。従業員もということになると、一応公募をつけなくちゃならないのでありますが、この点はどういう考え方——従来の株主に対してのみ一対一で割り当てる考えか、その点はどうか、御回答を願いたいと思います。
○大野参考人 一つ一つお答えをいたしますが、最初に一割配当を将来持続することの見込みという点、私どもの計画としましては、増資後におきましても、一割配当は持続できるという見通しでございます。と申しますのは、さっきちょっと私の説明があるいは不十分であってお聞き取りにくかったのかもしれませんけれども、三十三億の資金と、現在外債九十億を発行いたすことになっております。これは今年中に全部借りますけれども、その両方、外部から借りますのは、外債の九十億で、あと不足分は自己資金でまかなうという計画に現在はなっております。そういうわけですから、金利負担は、いまおっしゃいましたような十数億というものでございませんで、ピーク時において、九億の約七割見当六億なにがしということでございます。しかもこれは二年据え置きでございまして、それから漸次返済をしていきますから、金利負担はピークはそうでございますが、年々下がってくる。それで十五年後に完済、こういう計画であります。 それから、どのくらいの限度が借金をする限度として適当なんだろうかということは、私どもがお答えいたしますのは、まことに僭越な話で、全くしろうとでございますからお答えできませんけれども、ただ、政府及び国会において御承認になりました当社株式会社法によりますと、払い込み資本の三倍まではよろしいというお許しを得ておるわけであります。その辺が最高です。ですから一対三というところが限度じゃないだろうかと、政府及び国会ではお認めになっておる。私どももそれに従って工作をするわけでございます。 そこで、いますでに九十億出しましたということは、三十三億ではもう天井に来ておるということでございます。そういうわけでございます。 それからもう一つ、これは倍額増資は全部現在の株主に一対一で割り当てるという方針でございます。その中に従業員に割り当てるかというお話がございましたが、従業員のゆえに割り当てるということは、そういうわけですからいたしませんけれども、現在の株主の中には相当従業員の株主がございますから、そういう方には当然増資株を一対一で引き受けていただくということになります。
○橋本委員 いま公募の問題が出ましたが、これは公募すべき性質のものかどうか、それはちょっと疑問があるのです。どちらかといえば公募すべき性質のものではないかもしれません。というのは、大体が国際電電会社をつくるときに、これは安定株主をもっていわゆる株主にするということが原則でありまして、当時そういう方針であの準備委員会がきまった。そこで、関係会社もしくは金融関係、その他いわゆる株の売買を原則として行なわないで持ってもらうところに割り当てようという準備委員会の方針できまったわけであります。ただ、途中にしてもとの国際電信電話会社の諸君が、この際自分たちのもとの会社であるからして縁故者に割り当ててもらいたいというような意向があって、その方に割り当てたが、おそらく現在第二市場で売買が行なわれておるのは、その縁故者に割り当てられた少数の株が動いているのだろうと思う。私の記憶で一言えば、おそらく毎日動いておる株数は千もしくは二千程度の株数のようであります。したがって、これはおそらく縁故者に割り当てた、ほんとうの縁故債のものだけが動いておって、いわゆる何万株とか何十万株とか持っている株主は、これを売買しておらないだろうと思う。そういうたてまえから見れば、もしこれがいわゆる株の上における市場価格を中心として動いておるということであれば、ある程度の株の売買はやむを得ないのですが、そういう見地からいうと、できるだけ配当は安定せしめておく。一割なら一割、八分なら八分でもいいわけですが、資金需要が増大したから、そこでもって株式配当ができなくなる。そういうためにいわゆる配当を下げるとか、あるいは少し上げるとかいう考え方は、これはあってはならないように思うのです。いままでのこの会社の性質から見て、そういう意味で私はピーク時においてなかなか相当の利子の支払いが多くなりますから、あるいは配当を引き下げなくてはならぬような危険が出てきはしないか、こう思ったわけでありますが、今の副社長のお話では、そういう危険はないということで、けっこうですが、その点はもう少し明らかにして、森本君が要望しました資料の提供の際に、もう少し具体的にお示しを願いたい。 もう一つこれに関連していますが、公募の点はいま申したぐあいに原則として会社の性格から見てやるべきではないのですが、ただ二部に上場されておりますが、これは一応株の価格を表面上明らかにしようという点で二部に上場したのだと思いますが、将来これを一部に出す考えはお持ちになっておるのかどうか。私は全然その必要はないと思いますが、いま申しましたような会社の性格から見て、一部に特に出す必要はないと思います。しかしその点はどうお考えになっておりますか。
○大野参考人 御承知のように株式市場の上場につきましては、一部と二部とございますが、一部にはある条件がございます。それは株主数と株式の、一株主の持つ保有の額でしたか、何かいまはっきり覚えておりませんが、私どもの方は、橋本先生もよく御承知のように、当初安定株主というので非常に大口のやや限られた数の株主にお願いした関係上、現在の株式の分散の状態では一部上場の資格がございません。それでやむなく二部に上場いたしております。しかし、その株式が非常に多数の株主に分散することの是非は別といたしまして、資格ができれば、一部上場の場合も考えられるというふうになりますけれども、ただいまの実情はそういうことでございます。
○橋本委員 さっき公募に関連して従業員に持たせる意思があるかどうかお尋ねしましたが、この問題は、公募という形をとらなくても——この際は決定したんでしょうからして、いまこれを修正することはむずかしいでしょうが、やはり国際電電会社のような特殊会社といいますか、これからほかにいって働くこともできない、まあ大体において国際電電で定年まで終始せざるを得ない。定年後ということになりますと、なかなかほかへも出られませんから、そういう従業員の将来の生活安定といいますか、同時に愛社精神、こういうものを涵養するために、もちろん国際電信電話会社当時の人は株を持つことができておるのですが、今度の場合でも、その後において、あるいはそれ以外から入ってきた人は株を持てない、こういう者に株を持たせるという考え方、一つには国際電電会社というものは特殊な会社である、ちょっとほかへいったところで使い道がない。電電公社にいけば別ですが、それ以外に使い道がない。そういう特殊な職場におる従業員諸君ですから、やはり将来のことについては心配しておるだろう。ですからこういう者に対して、一つの生活の基礎、一割なら一割の配当があれば安全である、また下がることもないのです。そういう計画が一つ立って配当を考えた以上は、そういう者に対して株を分けてやるという考え方、というのは今度増資の場合において、いまのように配当を持続するというお考えであるならば、配当落ちの値段は大体七百二、三十円だろう。現在九百五十円すれば権利落ちの価格は七百二、三十円、まあ当分増資がないという見込みになれば、あるいは七百円切るかもしれない。六百七、八十円くらいに下がるかもしれないけれども、とにかく五百円の額面は当分の間維持することは、これは心配ないと思う。そういうような意味で、やはり従業員にとっても、自分の会社がかわいい、かつまた安全性がある、こういう場合は、銀行に預金するよりは、一割の金をもらったほうがいいという気持もありましょうから、やはり愛社精神を涵養し、かつまた、ほかにいくところもない従業員諸君のために、将来の増資の場合には考慮すべきだと思うのですが、その点、社長並びに副社長はどうお考えになりますか。
○浜口参考人 いまの橋本さんのお考え、全く私も同感でございます。従業員が自分の会社の株を持つということは、会社の事業に熱が一段と入り、会社を愛する精神の涵養になるということでございますので、十分考えてみたいと思います。
○上林山委員 非常に敬服に足る橋本委員からの質問があったのですが、これはいま社長から御答弁があったとおり、なるほど深い縁故関係にある社員に対して希望者に限ってこれを提供していこう。これはあなたの会社に限らず、日本のあらゆる会社がそういうような方向に将来は進むべきものだ、私はこういうように考えているわけですけれども、それはそれとして、もう少し縁故者の範囲を広げる、ないしは特殊の性質からいって、安定株を持たせるということは、これもわれわれは認めている。だからそれは、そのパーセントはどうか知りませんが、ここらあたりで半分くらいは公募したらいいじゃないかという説もございます。あるいはまた、私なども半分はどうかと思うけれども、四割くらいは公募にして——決して狭い意味の利己的な考えで申し上げているのではないのです。資金繰りの大きな立場から考えてこれを申し上げている。だから安定株というものが大部分であればよろしい。第二部に上場している以上は、やはり商行為というものを考えて経済ベースに乗せようとする、国策会社ではあるけれども、そういう要素を多分に取り入れていこうとする重大なる徴候なんです。であったら、単にさしみのつま程度のそうしたようなゼスチュアは、あるいは誤解を生むことがかえって多くて益はない。益があるようにするのには、やはりいろいろな——公債でもどしどし国民は買っていくのですから、それよりも利回りのいい、しかも安定株、こうしたようなものには、このパーセントは別として、もう少し国民に機会を与えていく、こういう考え方は間違いじゃないと思うのですが、そのパーセントの問題は別として、もう少し時代に沿った経営という立場から、そうしたものに開放していく考えはないかどうか、あるいは研究してみる熱意はないかどうか、この点をひとつ聞いておきたい。
○浜口参考人 いまの上林山さんのお考え、全くその点も同感でございます。いまでもとにかく第二部市場に上場して、出回り株は一般の会社と比べては少のうございますけれども、もし買いたければ買えるわけでありまして、増資の割り当てをするわけであります。いま御質問の従業員が会社に一そう熱意を持ち、自分の会社であるという士気高揚のために十分考えていくつもりでございます。
○本名委員長 受田新吉君。
○受田委員 郵政大臣にかわり政務次官に御答弁願いたいのでありますが、この会社法の第十五条に、「郵政大臣は、会社に対し、公共の福祉を確保するため、その業務に関し必要な命令をすることができる。」ようになっておる。公共の福祉を確保するために命令を出されたことがあるかないか、御答弁願いたいと思います。
○保岡政府委員 まだないようでございます。
○受田委員 公共の福祉を確保するために、どのような指導をされておるかお答え願います。
○淺野政府委員 国際貿易等の伸展に即応いたしますように、常日ごろ幹部以下経営に専念することにいたした結果によりまして、採算の面におきましても相当無理なところにおきましても、新回線を設置しながらこういうような線に即応して指導いたしております。
○受田委員 私そこに問題があると思います。公共の福祉を確保するために、採算の合わないところにも新回線を設置するように指導しておるというようなことでは解決していないことがある。これは現に低金利政策をこれだけ推進する過程で、安定配当一割を持続するということは、相当な利益金処分の案としては、公共の福祉に対する努力を経理的に行なう面に、まだ行なっていない面があるのではないか、せめて八分とか八分五厘とかいう程度の利益金処分の配当率に引き下げて、第十五条の精神を生かすような指導をされる必要があるのではないか、こう思いますが、いかがですか。
○淺野政府委員 御意見まことにごもっともでございますが、ただ、先ほど来会社側の答弁にもございますように、将来の施設拡張、新しい研究、こういったもの、それからそれに伴う借り入れ金の返済、こういった点を考えてまいりますと、全部これに響いてまいるわけであります。ただいまおっしゃいました点は、料金の面につきまして考えるべきじゃないか、こういった点もおっしゃっておられると思いますが、これは外国との間に、分収上いろいろ日本側において直ちに操作できない点もございます。それから料金の操作も、将来を見てやらなければいけませんし、現在は相当利益金が出ておるようでもございますが、将来の拡張計画等を考えまして適当であろうかと考えております。
○受田委員 郵政大臣の命令権及び業務内容報告権、こういうようなものについて、一応当局として説明を承っただけではなまぬるいやり方であると思います。業務内容の報告を求めておりますかどうですか。第十五条の後段の規定です。
○淺野政府委員 これはこの十五条に従いまして、業務に関する報告を提出させております。
○受田委員 その提出された報告書に基づいて、業務内容も法律施行に関する各面における検討も加えられて、そしてさらに十五条の一項の規定による公共の福祉にどのように貢献しているかというようなところに、もっと大所高所から判断をされる指導が必要じゃないですか。私はこの株主の分布図を拝見してみますると、大体会社の持っているのは別として、金融資本が大半を握っている。その金融資本に一割という安定配当を与えて、金融資本はますます資産内容が充実するという一路をたどっておる、こういうことになるのです。金融資本に利益を与えるための公共の福祉じゃないのですからね。やはり金融資本には、八分でも八分五厘でも、低金利政策に順応するような——日銀の貸出日歩がどんとん下がっている、低金利政策がどんどん進行している段階で、安定一割配当というようなことをなさらないで、むしろもっと低率の安定配当として、その部分を別の事業計画に回すとか、あるいは公共の福祉政策に持っていくとか、そういう配慮が必要なんじゃないでしょうか。これは郵政大臣としての指導権はどのように用いられているか、やや私不安を感ずるのでございまするが、会社に全部おまかせになっておられるのか、あるいは政府として大所高所から、国策会社としての実質を整えるようにいかなる努力をしなければならぬか、こういう点についていささか気が抜けておると感ずるのです。政務次官、あなたは、大臣がおられないときには、これを補佐して、かわって御答弁される立場にあるのです。いまのこの席上における最高責任者でありますから……。
○保岡政府委員 御説ごもっともな点が多いように思うのでございますが、電電会社もまだ創立いたしましてそう日が長くなっていないようでございますし、業務の遂行のために努力をすべき点が相当ある。しかもそれが、資金面のしっかりしているかしっかりしていないかということによって影響する面も非常に多い。これは一般会社の経営運営上と同じでございます。そういう点から、さしあたり、現段階におきましては、大体安定した株の内容ということを要望されておる面もありまするし、金融資本ということを目標にいたしたのではないのでございますが、安定した株主という面から、やむを得ない現象だろうと考えておるのでございます。 なおまた、今後の問題につきましては、今後の会社の内容、経営等に即応いたしまして、それぞれ適切な公共の福祉に応じまするような指導監督をいたしたいと考えております。
○受田委員 去年の十月から対米専用電信回線について一部の商社にサービスをするという営業報告がされておる。一部の商社にサービスするというのはどういう形でサービスされておるのか、その商社の名前並びにサービスのしかたをひとつ会社のほうから、どなたからでも御報告願いたいと思います。
○八藤参考人 一部を一般の商社という意味に私たちは使っておるのでございますが、御存じのように、国際電気通信におきましては、専用線は公衆通信に支障ない限りこれを提供するということが国際的に考えられているところでございます。いままでは国家機関とそれから人命その他に関係ある航空会社、通信社だけにそれを限っておったのでございますが、最近の国際通信の動向から見ますると、非常に大手筋の商社は多量な通信をしておる。これが一方においては、ちょうど東京の道路と同じようでございまして、一般の道路が非常にふくそういたしまして、待ち合わせ時間その他も長くなる、このことも考え合わせまして、大体専用線というのは相当高額なものでございますけれども、この高額な金を払ってもなおお使いくださるというお客さまのほうに、アメリカとの間に昨年実は十一社、そのほか新聞社等合わせまして専用線を開通しております。その商社名等につきましては、これは実はちょっとここで申し上げかねるわけでございますが、大体そういうふうなサービスをいたしております。
○受田委員 この第十九期営業報告書を見ますると「専用電信回線は対米回線について十月から一部商社にサービスを開始することにいたしました」こう書いてある。はっきり報告書に書いてあるのでございますから間違いないと思いますが……。
○八藤参考人 間違いございません。その意味は、いま私が申し上げましたように、いわゆる航空会社と政府機関ではなくして、商社のほうにそのサービスを開始した。その開始したお相手が、全商社でなしに、専用線の性質上、一部の方になった、こういう趣旨でございます。
○受田委員 私は、国際電電として、その経営に当たる方々は非常にまじめな人がそろっておられることも、私心のないこともよく承知しておるのです。その点は役員の皆さんについてかれこれ申し上げるところはございません。しかしながら、一般の民間会社の形を、油断をするととりがちな傾向が起こるものでありますし、また、いまのような一部商社にサービスする、その負担ができない商社はもう競争に勝てないから、商売をする上において大へんな不利を来たす、こういうことになるので、高額な料金を負担するものだけにはサービスする、しかし、その負担ができないものにはサービスできないということになれば、公共の福祉に貢献するという趣旨からいうと、非常に不公平ということになるわけですが、そういう点なども配慮されて、この会社の運営のしかたを、純然たる国策会社、公益優先の原則を確保する立場で、また、これを利用する人々には、できるだけ公平を期するような形で運営をしていただきたい。 一時になったようでございますからこれでおきますが、先ほどから議論された問題の中で、私からも次回までに御答弁願いたいことは、株主の分布図で、役員及び従業員というものにどのような形で株式が割り当てられたのか。百株の株主が一番多いわけです。それから百株未満がこれに次いでおって、株主数でいったら、この百株と百株未満とでもうほとんど圧倒的多数を占めておるというような現状でありますが、その中身はどうなっておるのか。そしていまお尋ねのあった問題にも関係するのですが、役員や従業員にも、今後も従来のような形式で、こうした株式割り当てというものを計画続行されるのかどうか、こういうこともお尋ね申し上げたい。これが第一。これは御答弁でもけっこうです。 それからもう一つ、この第二部市場に上場されている中に、大口のいわゆる金融資本と公社との——公社はもうそういうことは間違いないと思いまするが、その他の法人として小口のものがあるのでしょうが、こういうものが第二部市場に株式を流しておる——これは名義を書きかえられたらわかると思うが、流しておることはないか、安定株主が持ち株の処分をしている実例はないか、これをひとつ御調査を願って御報告を願いたいと思います。 終わります。
○本名委員長 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見を承りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。 次会は来たる二十二日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時一分散会