逓信委員会 第11号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/03/06
会議録
○本名委員長 これより会議を開きます。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件を議題として審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。畑和君。
○畑委員 最初に、例の問題になりました放送センターの問題について、若干質問をいたしたい。 あの放送センターの建設問題につきましては、われわれはあまり知っておらぬのです。新聞などで書いてもありまするし、また、その後東京都議会等で相当問題になった結果として、ワシントンハイツの一部に放送センターが建つということ、しかも相当大きな計画であるということ、結果的には私決してそれに不賛成でもないし、むしろ賛成でございます。ただ、その経過等につきまして、あまり承知いたしておりません。この前の委員会におきましても、若干この問題が出ましたが、ちょうどいい機会でございますので、この機会にその経過等のあらまし、交渉等のあらましをお聞きしたい。 世間では、放送の重要性ということは別問題であるけれども、たまたまオリンピック開催を機会に、NHKの方でそれに割り込んだといったような印象が非常に深い。これは閣議決定がしょっちゅうぐらついたということも相待っての話でありますけれども、やはりそうした印象はまだ完全にぬぐい切っておらぬと思うのです。だから、NHK自身が、そういうふうにPRすることができない。自分自身のことであるから、PRがむずかしいということにもよると思いまするけれども、そういういきさつが世間にもまだはっきりわかっておらぬ。われわれも十分に承知しておらぬ。そういうことで、大体、放送センターの計画というのがそれ以前にもうあったのか、そうしてその予定地等はどういうふうになっておったのか、その計画がどうして実現できなかったのか。そうしてまた、新たに、たまたま将来森林公園として予定されているものでも、やむを得ずオリンピックの際にここへ放送センターをつくるということに変更せざるを得なかったか、そういったいきさつ、それと交渉の大体の経過を一つこの際明らかにしてもらいたい。
○前田参考人 御説明申し上げます。 NHKがテレビだけのセンターをつくろうという考え方は、御審議をいただきました第一次五ヵ年計画の初年度の昭和三十三年の予算の中に盛っておりました。この問題は、従って、昭和三十二年から考えた問題でございまして、当初それを実行するために、関係各方面の御了解をいただきまして、最終的には現在の新龍土町、当時アメリカ軍の駐留しておりましたハーディ・バラックスのうち二万坪を分けていただくということになったわけでございます。 ところが、その二万坪の処理の前後から、二万坪という問題の中に幾つかの問題が入って参りました。 第一は、東京大学の生産研究室の問題がありまして、これが当時千葉県にございましたが、これを東京の都内に持ってくるという御計画のようで、従ってそのおおよそ半分が東京大学の生産研究室に充当されるという結果になりました。その上、東京都としては、青山墓地との関連で、将来の都市計画上、あそこに緑地帯をつくりたいという御要望があったようでございまして、そのうちさらに四千二百坪余りが東京都の緑地帯として留保されることになりました。その残り九千坪余りをNHKに譲渡するということになった次第でございますが、その九千坪の中で、さらに一部共通の通路の敷地を提供し、その上さらにアメリカの残留使用土地の問題が起こって参りました。このアメリカの残留使用土地の問題は二つございまして、第一は、アメリカ軍を対象とする軍の新聞、スターズ・アンド・ストライプスの工場その他がその一部にありまして、これのかえ地が困難であるという点。第二には、その一部にアメリカ軍としてはヘリコプターの発着場がほしいという問題でございます。スターズ・アンド・ストライプスの問題につきましては、適当なかえ地及び施設に将来移転する可能性のあるまで、約二千三百坪をNHKとしてはそこに提供するという決心をいたし、さらにヘリコプターの発着場については、新しい建物の屋上にアメリカ軍にも使用を許す意味での発着場をつくるという考え方を持ちましたが、最終的には、そういう処置をしても、その土地の広さは六千七百坪に限定されたわけでございます。これは昭和三十二年に計画いたしますして、昭和三十三年度予算から実施の方向に踏み切りまして以来の状況でございます。 ところが、それから二年たって、東京オリンピックが決定いたされました。従って、NHKがオリンピック組織委員会の委嘱によって、特に海外放送の窓口となるということが決定いたしまして、六千七百坪の上に非常に無理をしてテレビ・センターをつくっても、各国の要望にはこたえがたいという実情が発生して参ったのでございます。現在までに各国からオリンピックの中継について要望を寄せている国の数は、大体六十ヵ国に達しておりまして、これはおととしの末からすでにヨーロッパはヨーロッパ放送連合が代表となってNHKに参りまして、第一回の交渉を行なっており、今月の末には第二回の交渉団体が到着することになっております。そのような実情を勘案いたしますと、三十二年に基礎的に考えた計画は、三十三年度以降の実施状況においても、全く適当でないという結論に達しましたので、そのころからこれにかわる何かの方法を考えなければならないという考え方を実は持ったわけでございます。 これに先だちまして、昭和三十二年に三十三年度予算案を組む前提として、ただいま申し上げた新龍土町の土地を決定するに至る段階としては、大蔵御当局からワシントンハイツの一部解除はあるいは可能であるかもしれないから、その土地を考えてはどうかという御示唆をいただいております。当時私どもは、現地を見まして、さらにアメリカ軍のその後の動向を察知いたしますと、そのような、実際にアメリカ軍が撤退する時期の不明な段階で、ワシントンハイツを考慮することは事実上不可能でございましたので、先ほど御説明申し上げましたように新龍土町を決定したわけでございます。と同時に、今申し上げましたように、オリンピックの問題が出て参りましたので、これに対処する適当な方法を至急考えなければならないという状況がそこに生まれて参りました。たまたま当時のオリンピック組織委員会は、選手村をどの地点に置くかで議論が分かれまして、最初は埼玉県の朝霞に選手村をつくるという方針がございました。しかし、オリンピック憲章に基づいて、その施行規則的な慣習によりますと、オリンピックの選手村は、主競技場に大体四十分以内で往復のできる場所という限定がございます。朝霞がそれに適当するかどうかというのは、オリンピック組織委員会の中でもおよそ一年にわたって論議されたところでございますが、オリンピック憲章をはっきり守るためには、朝霞では危険があるということで、その途中でワシントンハイツに変更されたことは御承知の通りであります。そのような環境の中で、NHKの阿部会長は同時に組織委員でもございますので、オリンピック憲章の精神からいって、朝霞は危険であるということを終始主張され、ワシントンハイツが適当であるという意見を述べておられたわけでありますが、ワシントンハイツが最終的に東京オリンピック大八会の選手村敷地に決定すると同時に、阿部会長はそれぞれの筋を通して、そこにNHKのオリンピック放送の協力態勢を固めるためにも、その一部に放送センターを建設したいという要望を出されました。しかし、この要望は、その後いろいろな関係で軌道に乗らなかったわけでございます。いろいろな関係と申しますのは、昭和三十六年十月二十六日前後だと思いますが、朝霞から選手村をワシントンハイツに移すにあたって、国有財産の使用について東京都との間に覚書が政府とできまして、それの閣議決定がございます。この閣議決定の内容は、要するにオリンピックが終わったあとは、その敷地を森林公園にする目的をもって、東京都にその管理をゆだねるということでありまして、それに付随いたしましてアメリカ軍のワシントンハイツからの移転と関連して、当時予想されたおおよそ八十億の費用を国家と都で折半分担するという了解もあったわけでございます。NHKといたしましては、ただいままで申し上げましたように、オリンピックの完全放送と申しますのは、少なくとも前回のローマ大会、前々回のメルボルンのオリンピック以来、世界のテレビ放送が非常に発達いたしまして、オリンピック競技は、単に競技場における競技ばかりでなしに、ある意味では、テレビ放送のオリンピックという形に変わって参っておりますので、東京大会がもしそういう意味で放送に支障を来たすような場合があれば、これは単に日本全体から申し上げましても、はなはだおこがましい表現ではございますが、日本の名誉を失墜することにもなるという考え方もございまして、その点でも各方面に御理解をいただく努力を継続したわけでございます。 各国のNHKに対する要望は、ローマ大会以来の慣習に従って、放送の勘所は大体主競技場と選手村に直結した地点という要望になっております。この各国の放送に対しましては、テレビに関する限り、NHKはオリンピック組織委員会の代理といたしまして、オリンピック憲章四十条に基づいて放送権料を取ることになっております。ローマ大会におきましては、各国がローマ大会に払った放送権料の総額は百三十万ドルに達しておりますが、その後の世界のテレビの普及状況から勘案いたしますと、東京大会では最低百五十万ドル、最高百七十万ドルの間の放送権料を取る必要がございます。この放送権料という観点から考えましても、最も各国の要望を実現し得る地点でなければ、この放送権料の額にかなりの誤算を来たすおそれもあるということでございまして、この点では大体各方面の御了解を得まして、特に政府関係筋では積極的に支持していただけるという見通しがつきましたので、昨年八月阿部会長は、正式にオリンピック組織委員会並びに東京都知事に対して、文書をもってワシントンハイツの一部にNHK放送センターを設置し得る土地の交付をお願いしたわけでございます。 ところが、オリンピック組織委員会の中、あるいは東京都議会との関係で、先ほど御説明申し上げました閣議決定の問題を中心にして、いろいろデリケートな御事情があるようで、この問題は結局昨年の年末まで年末には出て参りませんでした。しかし、オリンピックはもう一年余りの間に準補を完了しなければ、責任を果たし得るかどうかも疑わしい状態にありましたので、さらに会長以下NHKといたしましては、各方面に積極的にお願を申し上げて、その問題の解決をお願いしたわけでございます。その後の経過につきましては、ただいまの御質問にございましたように、大体目鼻がつきまして、これが行政技術的に最終決定をされますのは、私どもの期行するところでは今月の二十日前後になるのではなかろうかと考えております。 この問題に関連いたしまして、この選手村のあとが森林公園になる、その総坪数は二十七万坪である、それにNHKがただいまのような要望をしたことによって、一般には森林公国が成立しがたいという印象を与えておるように私どもは感じておりますし、さらに私どもの印象では、あのワシントンハイツ二十七万坪には、すでに森林公園ができておるような印象を与えておるというように考えておりますが、御承知のようにワシントンハイツ二十七万坪のうち、今後の区画整理その他で、高速道路をはさんで約七万坪が分離する地帯がございます。そのうちの約半分に、これも御承知かと思いますが、文部省が主体となった室内体育館ができます。その真正面に残っておる約四万坪余りのうち、三万坪を分けていただきたいというのが私どもの念願でございまして、それが、紆余曲折を経て、御承知の通り二万五千坪ということになりつつあるわけでございます。ただいま申し上げましたように、その七万坪の地帯は、大体高速道路で区切られまして、従って、森林公園といたしましても、森林公園の主体となる地点は残りの二十万坪でございます。従って、私どもといたしましては、いろいろ誤解を受けておりますけれども、二十万坪を中心とする森林公園の建設には将来支障はないということを考えております。これについてはいろいろ考え方の相違もございますので、いろいろな議論があることは御承知の通りでございますが、私どもといたしましては、決してそういう御迷惑をかけないという考え方で進めて参ってきた次第でございます。 あらまし御説明を申し上げますと、以上の通りでございます。
○畑委員 ただいまの説明で大へんその間の事情もわかりましたし、いわゆる森林公園というものにどんな影響があるか。結局どうせ高速道路で区切られてしまう、二十万坪が一方に残る。そうすれば、全部ならけっこうだけれども、ともかく二十万坪でも、森林公園としての体裁を整えるには十分ではないか、こういうような御説明でございますその点は了承いたしました。 ところで、この放送センターというものが、オリンピック東京大会が終了後にはどういうふうになるのか、その点を一つ承りたい。
○前田参考人 私どもの考え方は、ただいま御審議をいただいております予算の中にも盛ってございますが、オリンピックまでには敷地約一万八千坪に、とりあえずテレビを中心とするスタジオを建設いたしたいと考えております。その後昭和四十四年度末までに残りの七千坪を、総合的に考えまして、そこにさらにラジオ部門その他付属部門を加えて完全な放送センターにいたしたい、こう考えております。
○畑委員 さらに関連してお尋ねいたしますが、オリンピック東京大会の放送について、どのような準備態勢が整えられておるか、承りたいと思います。
○前田参考人 オリンピック放送につきましては、国内放送と、先ほど御説明申し上げました海外との協力の問題がございます。国内放送のあり方につきましては、組織委員会を中心にして民放首脳部とも現在話し合い中でございます。私どもが主として重要視しておりますのは、海外各国各放送局との関連でございまして、、これにつきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、簡単に申しまして、最低八十ヵ国が、テレビに関する限りは少なくとも四十以上の各国の放送局が、相当の部隊を送ってこの中継放送に当たるものと土予想いたしております。これについては、おととしの末以来、東欧、西欧、アメリカその他オーストラリア、カナダなど各国と予備折衝に入っておりますが、これらの御要求を勘案いたしますと、少なくとも各競技場——これはおよそ二十三競技場になると予想しておりますが、ここから最低二千回線の回線をこのセンターに集中いたしまして、あらゆる競技が同時に各国の要望に応じて分離できるような設備をいたさなければならない、このように考えております。
○畑委員 放送センターはこの前に聞いたと思いますが、これを見ればわかると思うのですけれども、まだ配付されたばかりですから、お聞きいたします。 放送センターの建設に第一期、第二期合計してどれくらいの資金が要るのですか。
○田辺参考人 ただいまお話しのございましたように、第一期——第一期と申しますのはオリンピックまでに完成の分でございますが、第一期、第二期と合わせて、一応現在の計画では総額三百三十億になります。それは土地と建物と放送設備、以上全部を含んだ金額でございます。そのうちオリンピックまでにつくります部分が、第一期工事と申しておりますが、それが土地、建物、放心設備を入れまして百四十億、第二期の方が、土地はございませんが、やはり建物、放送設備を入れまして百九十億、合わせて三百三十億を予定しております。
○畑委員 相当巨額の資金が必要なことはわかりました。また、思い切って大きな施設をする必要があるという点では同感でございます。ただ、それの資金が非常にたくさん要るので、六ヵ年計画等の長期計画に影響はないのかどうか。
○小野参考人 昨年つくりました長期計画の見通しの線に沿って計画をいたして参っております。何分にも、今申し上げましたように、敷地の返還につきまして、理想的なものができますから、経費の面では、当初の見込みよりもかなり増はございますが、その間におきましては、受信料による事業収入ばかりでなく、NHKとしましてはすでに放送債券、外部資金を使うこともできます。これらをあわせて考えますと、現在のところ修正して見直しましても、そういった自己資金ならびに借り入れ資本の総合資金によりまして他の自余の置局の増その他の計画は支障なくできる見通してございます。
○畑委員 放送センターの問題は以上にいたしまして、次に、最近の外国との番組交換、それの状況、それから今後の見通しはどうか。
○前田参考人 三十七年度の上半期で番組交換の実績を申し上げますと、相手国数は二十七ヵ国、放送局数は三十六局になっております。ヨーロッパは、ソ連を含んで二十ヵ国、南北アメリカが二ヵ国、アジア、アフリカが三ヵ国、豪州一ヵ国ということになっております。 今後のみお通しにつきましては、ただいままでの経験によりますと、年間、小さい交換を含めまして、およそ八十ヵ国、交換番組数も非常に多くございますが、これに対しましては、国際放送の一つの新しい形態といたしまして、今後もますます拡充して参りたい、このように考えております。
○畑委員 この関係も将来とも大いに拡充を希望いたします。 その次に、やはり海外の関係ですが、海外の取材番組、これは今のところNHKでなければできないと思うのですが、海外取材番組の計画、内容はどうなっておるか、それをお聞きしたい。
○前田参考人 海外収材番組は、すでに三年目に入っておりますが、これは各方面から非常な御期待をいただいておるといういことを深く反省いたしまして、今年度も年四回の基本計画を立てまして実施して参りましたが、明年度も同じように、ご審議の予算の中で最低四回の海外取材番組を組みたいと考えております。三十七年度の実数は、費用にして合計四千万円でございますが、その内容は「南太平洋の自然」あるいは「世界の青年」これは現在放送中でございます。それからそのほか に「東欧圏を行く」あるいは「アジア諸国の問題点」などを放送して参りました。明年度は大よそ、約三千七百万円の予算を御審議願っておるわけでありますが、これにはやはり四本の特別番組を予定しておりまして、「南アメリカの自然」、それから「若返るヨーロッパ」、これはEECその他の問題を中心として取材する予定でございます。それから東洋文化の起源を取材いたしたいと考えております。それからまたもう一つは、世界全体にわたって世界平和との関連で、あるいは局地の問題というものを中心にして「世界の沸騰点を探る」という番組を実施いたしたいと考えております。
○畑委員 先ほども申し上げました通り、こういった仕事はNHKでなければ実施できない。しかも、なかなか期待を持っている大衆が多いのでありまして、私自身も非常に興味深く見ておりますが、一つ今後ともその点には重点を入れてやっていただきたいと思います。 それから、その次に、方面を変えまして、番組審議会のことについてお尋ねをいたします。番組審議会というのが御承知のようにございますが、それの運営状況、これはどうなっておるのか承りたいと思います。
○前田参考人 番組審議会は放送法に基づきまして、私どもは現在九つの審議会を持っております。全国的な視野に立つ審議会を中央番組審議会と申しまして、これは東京にございます。その他中央局を中心にいたしまして、地域約音組審議会を持っております。これが七局ございまして、東京に、同時に、関東甲信越地域に、東京本部が中心になりまして一つの地域的番組審議会を持っております。これが合計九つになるわけでございますが、この審議会は主として会長の諮問機関という形になっております。これは放送法に基づく審議会の性格でございます。審議会ができましてからく今日まで、これは約三年でございますが、地区によって違いますけれども、最高三十九回、最低三十六回の審議を継続していただいております。この審議の方法は、会長が諮問する場合と、審議委員会自体が委員長の要求によって会長の意見を聞き、会長に対して要望を述べるための会議と二色ございます。従来は番組の基本政策、あるいは番組の具体的内容、及び客観的に地域社会ないしは全国聴視者の要望を代表していろいろ御意見を述べていただいており、それに従いまして、年度の番組編成方針についても、会長はきわめて率直に御要望を入れて、原案をたびたび修正いたしております。この番組審議会は、その意味では、私どもといたしましては非常にたっとい成果を上げていただいておる、このように考えております。
○畑委員 番組審議会がそういう意味で非常に有用であるというお話しでございますが、非常にけっこうだと思います。ますますそれを活用していただきたいと思います。大衆の意見を、審議会を通じて一つ吸収してもらいたい。そこで、番組審議会が中央に一つあって、地方の中央局を中心に一つずつ、それから関東で一つ、合計九つというお話しです。そういう審議会の審議の経過、おもなる意見というようなものがあろうと思うのです。もしございましたら、特に重要と思われる意見でも御紹介を願いたいと思います。
○前田参考人 大体のことを申し上げますと、中央番組審議会では、昨年十二月十七日、昭和三十八年度の国内放送番組編集の基本計画を諮問いたしましたのに対しまして、答申としては原案を一部修正することということでございまして、これは、放送法並びに定款に基づきまして会長はこれを取り入れまして、第百六十回経営委員会に一部修正の上提出して、修正通りに可決実施することになっております。地方番組審議会におきましても、おのおの同じような措置をとっております。具体的に申し上げますと、中央地方を通じて番組、審議会はNHKの番組のあり方について非常に活発な御意見が出ておりまして、たとえば四年前にNHKが自主的に決定いたしました、特に青少年番組の中から暴力の追放あるいは教育放送の拡充強化、あるいは通信高等学校の放送をやるべきであるというような問題、あるいは芸能番組、音楽番組についても、NHKの立場からこうすべきであるという御意見も非常に活発に出ております。これは協会といたしましては、きわめて率直にこれを受け入れまして、その方向に従って番組の放送実施をいたしております。
○畑委員 その意見の中に、ローカル放送についての意見か何かあったかどうか。あったとすれば一つ……。
○前田参考人 ローカル放送の拡充強化につきましては、毎回非常に強い御意見が出ております。特に電波を送出していない各地域において、ローカル放送拡充のために電波を発射する措置を考究すべきであるという御意見も相次いで出ております。
○畑委員 電波を送信する設備があって、しかも現在電波を送信してないという局があるようですが、それはどういうところですか。
○田辺参考人 お答え申し上げます。たとえば東京の近くでございますと、群馬県とか茨城県とかあるいは千葉県、神奈川県、そういう地方には放送局はございますが、あるいはスタジオも持っておりますが、電波は送信しておりません。その他の地方も、大阪周辺の、たとえば和歌山でございますとか、兵庫県でございますとか、そういうところでは電波を持っておりません。
○畑委員 これは、せっかくあるのに結局電波が割り当てにならぬということになるのですか。だから、電波は出せない、従ってその地域のローカル放送はできない、こういうことになると思うのですが、これはどういうわけだか、一つ郵政省の方へ聞きたい。
○西崎政府委員 今、先生が御指摘のように、NHKは放送法によりまして、全国向けの番組と同時に地方向けの番組も編集しなければいけない、こういう規定になっておるわけでございます。そういう意味で、いわゆる広域圏と申します。関東地方であるとか近畿地方であるとか、あるいは中京地区であるとか、こういったところは、従来県別放送でなくて広域放送、何県かを対象にしたそういう放送をやっておったわけであります。そういうところの各府県は、ほかの府県から見ると、ローカル番組という点におきまして、格差があったということは、これは言えるわけでありまして、この点はやはり何らかの方法で救済する必要があるんじゃないかというふうにわれわれは考えております。ただ、NHKがそういうことをやるということになりますと、特定の府県だけでなくて、全国的にやはり計画をはっきりさせねばいけないわけです。また、そういう場合に、現在そういった地区では、第一放送と第二放送をラジオでやっておるわけであります。そのほかにもう一つ第三放送、まあ今の県別放送、これも一つの別系統の放送ということになりますので、いわばそういう地域に対しては、三重放送が行なわれるというようなことにもなりまして、これはまたよその府県との、そこに不公平の問題も出てきますし、あるいはまた、全体に対してそういう行き方をするということになりますと、何と申しましても、一体電波がそれだけまかなえるかどうかという点が非常に大きい問題で、それでなくても中波は非常に払底しておるという現状でありますので、そういった面からも考えなければならぬ、あるいはまた将来FMとの関連もどう考えるかといった、やはり将来を見通した計画をはっきりさせる必要があるわけでありまして、そういう意味で、今われわれの方で、この問題につきましては、鋭意検討している段階にある、こういうわけでございまして、決してその考え方を否定いたしておるわけではございません。
○畑委員 群馬県なども、だいぶそういう点で問題があるようです。これは栗原委員か何か、自分のところですから関心を持っておるようでありますが、いずれそちらの方でお聞きすると思うのでございますが、まあ関東広域圏ということで——私埼玉で浦和でございますから、東京と同じようなものだということでひっくるめられておりますが、やはり埼玉県という立場になると、埼玉県自体の、たとえば埼玉県議会の模様の放送とか、そういうものもやはりほしいと思うのです。しかし、あまりに近過ぎるから、埼玉、神奈川あたりはまあいいとして、群馬あたりになると、やはり群馬自体としての波がほしい。そしてNHKでせっかく電波を放出する施設があるというんだから、それに電波を割り当ててもらえばいいわけです。もっとも電波が数が限られておるというところに困難があると思いますが、それが民間放送などへ一部割り当てられているというようなことだから、問題が少し混乱する、こういうことだと思う。第三放送なんということになれば、また別問題でございましょうけれども、まあFM——もちろんこれによって解決はしましょうが、FMのことにつきましても、まだ郵政当局では、御承知のようにはっきりしません。ただ、研究中、研究中で、いつまで研究中なのか、どうもその辺が私たちちょっと理解ができないのですが、至急にその点を何とかはっきりしてもらいたい。こういう問題があちらこちらにあると思いますが、その点NHKが全部公平に普遍的に公共放送を担当いたしておるのでありますから、ローカル放送につきましても、今言った関東一円——広域というだけで逃げることなしに、やはり近い県であっても、そこへ電波を割り当ててローカル放送をやらしてもらうということがもちろんNHKとしても望ましいと思うのです。一つこの点をお願いするついでに、NHKにその点についてその要望というか、何というか、その点をお聞きしたい。
○阿部参考人 御質問の通り、NHKといたしましては、鋭意当局に向かって県別放送ができるように要望してあるわけであります。
○森本委員 ちょっと関連して。今の送信設備があって、波を発射してないという局はどこですか、正確に言って下さい。
○田辺参考人 送信設備と申しましても送信機はございません。スタジオ並びにスタジオ関係の港組をつくります設備はございます。 申し上げますと、まず関東周辺では水戸、宇部宮、前橋でございます。それから名古屋周辺では津と岐阜でございます。それから大阪周辺では和歌山と神戸でございます。
○森本委員 そうすると、送信設備というのは、送信機ではなしに、要するにスタジオ、演奏場があるというだけのことであって、いわゆる送信の設備はしてない、こういうことですか。
○田辺参考人 さようでございます。
○森本委員 それから電波監理局長に聞きますが、三重放送というのはどういう意味ですか。要するにこれは広域圏の第一放送と第二放送があって、それ以外に一日に半時間なり、一時間なり、一時間半なりのローカルを中継の波によって出したい、こういうことですか。
○西崎政府委員 実はその点につきましては、NHKの考え方もまだ十分に把握していないのですけれども、NHKが考えておられるのは、今の第一放送と第二放送と別個の放送番組だ。それで、もちろんその中には、ローカル放送もあるし、それからそれ以外の、第一、第二と違った番組のものも入っている、こういうふうに承知しております。要するに第一放送、第二放送と違った番組、しかもこれがそういう特定時間放送じゃなくして、やはり朝から晩まで一日やる、こういうように承知いたしております。
○森本委員 それはその通りですか、NHKは…。
○前田参考人 私どもの理解しております点は、一日の放送時間の総数のうち三分の二が異種のものである必要があると考えております。従って、第三的な放送ということは考えておりません。
○森本委員 これは私はちょっと意見が違うのじゃないかと思うのですが、要するに、これはたとえばNHKの高知放送なら高知放送で第一と第二があって、その中に結局ローカルの時間が半時間なり、一時間なり、一時間半あるわけであります。だから、そういうのが結局水戸、宇都宮、前橋というところにはない、こういうわけであって、私はそれをNHKがやりたいということになると、これは第三放送でもなんでもない。ただし、全一日、あなたがおっしゃるように、NHKがやるということになるとするならば、これはちょっとNHKの考え方も私はおかしいと思う。だから現在全国あまねく普及さすということは、全国の国民に対して公平に普及さすという見地からいくとするならば、やはり他の県でやっておるところの一時間ないし二時間程度のローカルというものは別個に出さなければならないわけですけれども、そういう点については、私はせっかくそういう放送局があるとするならば出させていいんじゃないか、また出さそうと思えば、現在の中波の波でも出てくるんじゃないか、やろうと思えば中継の波が……。その辺の意見がちょっと私は今の答弁を聞いておると電波監理局のいわゆるつかんでおる意見というものとNHKの考え方というものが違うと思うんですが、私が言いたいのは、こういうローカルというのは今言った第三放送的なものではなしに、その他のところでやっておりますところのローカルにひとしいだけの時間の番組をローカル的に別個に送るものであると、こう私は解釈しておる。そういうことであるとするならば、電波監理局は早急に中継の波でも何でも与えなければならぬ、こう思うわけでありますが、その点どうですか。
○西崎政府委員 私が承知しておりますのは、各県別の放送として今考えておるのは、ローカル放送——先生が今おっしゃいました、一日に三時間半とかそういったよその府県でやっておると同じものをやるだけでなくして、一日じゅうやる。ただし全時間の三分の二だけは第一放送、第二放送と違った番組を編集する、こういうふうに聞いておるわけであります。
○森本委員 NHKはそうですか。私が言っておるのは、もしNHKが、今の第一と第二と全然違った番組を県別に放送するということであるとするならば、私は現在の段階ではちょっと行き過ぎだと思う。しかし、前橋なり水戸と高知放送局と比べた場合には、高知放送局でやっておるローカルの番組については、前橋、水戸については聞いていない。だからそういうところの番組の一時間ないし二時間程度のローカルの番組をここの局から送りたい、そういうことであるならば、私はその筋は正しいと思う。私が今言っておる考え方に立ってNHKは要求しておるのかどうか。
○前田参考人 大体お説の通りでございます。
○森本委員 今、前田専務が答弁した通りであるならば、私の考え方にも一致するわけであって、また電波監理局長の意見とも一致するわけであります。そうなると、やはりこの程度の中継の波については、これは検討すれば出てくるはずであります。今の中波の波においても。だからこれは、一つ早急に一ちょっとまだ意見の食い違いがあるような答弁の感じがいたしますので、これは電波監理局とNHKとで十分話し合いをして、早急に解決をつけて、国民が放送を聞けるようにやってもらいたいと思うわけであります。
○西崎政府委員 今、先生がおっしゃいましたように、いわゆるほかの県で放送しておるローカル番組、一日に三時間半程度のものを、いわゆる特定時間放送としてやるのだということであれば、われわれの方では考える用意があるわけでございます。ただ、あるいは誤解であったかもしれませんが、従来われわれが聞いておりますのは、そういう特定時間放送ではなくして全日放送をやるのだ、そういうことになると、これは三重的な放送になるということでいろいろな問題が起こり得るという意味で申し上げたのでございます。
○森本委員 だから、そうでないということをNHKがここの公開の席ではっきり言っておるわけでありますから、これはNHKと電波監理当局と話し合いをして、早急に一つ、仲よく国民のために解決をつけるようにお願いしたい、こういうことです。
○前田参考人 ちょっと誤解が生じておるようでございますが、私どもといたしましては、ローカル放送強化のためにお願いしたいということになっておりますが、大電力周辺の地区では、大電力放送が一応その地区をカバーしておるので、全時間放送は必要がないという郵政省の中に規定がございます。この規定を適用いたしますと、一日二時間ないし三時間のローカル放送ということになりますが、同時に私どもは、経営から申しますと、同じ放送を流しても、ローカル放送を強化することは可能なわけでございます。従いまして、その意味での全日放送でございます。ところが、同時に郵政省では、こういう場合の規定として、全日放送のうち三分の二の放送は内容を異にしなければならないという規定がございますので、その辺の調和に今多少食い違いを生じているというふうに解釈しております。
○森本委員 これは本来自分の質問のときにゆっくりやりたいと思いますが、そんなことをしておったら時間がかかりますので……。私が言っておるのは、そういうことを両方が言いつのってやっておったのでは解決がつかない。実際に損をするのは国民であって、結局前橋と水戸と宇都宮が損をしておることは間違いないわけでありますから、その損をしている部分だけは解決するという形において、NHKと電波監理当局が話し合いをして、その分だけを解決をつける。あと全般的な放送の問題については、大電力の問題についてはやはりその地域だけの問題ではないと思う。やはり全国的に、今、電波監理局長も言ったように、FM放送と中波放送との今後の組み方、そういう問題になってくるわけでありますから、当面必要なのは、やはり前橋なり水戸なり宇都宮というものが、他の県から見た場合には、ローカル放送がそれだけ損をしているという点についてそれを見てやってもらいたい。それを解決つけるように努力すべきである、こういうことを言っているわけであります。だからあなたの方は、一つの大理想の前提があるかもしらぬけれども、それを現在の段階において早急に通そうとしても、それは無理だと思う。だから、そういう点を加味して、そういう大理想の前提で、郵政省とNHKがいがみ合っていて損をするのは前橋、水戸、宇都宮を聞く人なんですから、そういうことがないように現行において解決をつける。これは他の県と比較をして損のないようなローカル放送を一時間でも二時間でも出すようにしたら得だ、そういう方向で当面解決をつけてもらいたい。あなたが考えている大理想の前提については、今後当委員会において十分審議をし、論議をしよう、こういうことを言っているのです。その点でちゃんと納得をしてもらわないと、あなたが言っているようなことを言いつのっておったのでは、解決がつかない。私の言っている意見が間違っているなら、あなたの御意見は間違っている、私はこう考えるということを言ってもらいたい。間違ってなかったら、そういう方向で解決してもらったらいいのです。私は国民の立場に立っているのであって、NHKと電波監理局の立場に立っているわけではないのですから……。
○前田参考人 結論的に申し上げますと、先生のお考えと私どもはちっともそごを来たしておらないと思います。ただ、実施上の解釈の問題について、いがみ合ってはおりません、御協議をいただいておるわけであります。早晩解決できるものと信じております。
○西崎政府委員 別に、郵政省としても、NHKといがみ合っておるというようなことは全然ございません。今、先生がおっしゃったことをよく体しまして、NHKと早急に話を進めたいと思っております。
○畑委員 先ほどの問題は、森木委員の考えの通り、両方でよく話し合って、早急に被害者の大衆が損をしないように、一日も早く放送が聞けるように一つお願いしたい。 次に国際放送についてお尋ねいたします。今、国際放送は、これからどの程度に拡充しようとしておるのか。それに関連して、海外諸国の放送局、たとえばBBCとかああいうものがどの程度に国際放送を現在行なっているか、参考に、簡単でよろしゅうございますからお伺いいたしたい。
○前田参考人 私ども国際放送の計画といたしましては、放送時間の延長と送信電力の強化を考えております。御審議いただいております昭和三十八年度におきましては、国際放送の一日延べの放送時間総数は三十六時間を予定しておりますが、将来の放送時間の延長については、第二次六ヵ年計画ではただいまのところ三十六時間を最高の予定としております。ただ、送信機の出力につきましては、今後年次を追ってさらに強化いたして参りたい、このように考えております。 各国の状況を比較いたしますと、NHKは放送時間においては大体主要国の第七番目になっております。使用語数におきましては、各国のものと比較いたしまして第六番目になっております。一番放送時間の長いのはソビエトでありまして、一日当たり延べ百三十五時間を放送しており、その使用語数は三十八ヵ国語に達しております。その次はアメリカでございますが、私どもが基礎としておりますイギリスのBBCは、一日の放送延べ時間が八十二時間でございまして、使用語数はアメリカ、ソ連を上回って四十ヵ国語を使用いたしております。NHKは今年度は三十四時間、明年度は三十六時間、使用語数は二十三ヵ国語を予定いたしております。
○畑委員 次にお尋ねいたしたいことは、FM放送のことであります。最初にNHKの考え方を聞きたいのですが、NHKとしてFM放送についての基本方針というものがおありだと思うので、それをお聞きしたい。それと現在の普及率をあわせてお聞きしたい。
○前田参考人 御審議いただいております明年度予算の中では、FMにつきましてはさらに十七局の実験局をつくらせていただきたいという考え方を持っております。現在は実験局といたしまして九局ございますが、もし御審議をいただいて、さらに関係方面の御配慮をいただけるならば、明年度中には二十六局になる予定でおります。放送時間につきましては、明年度は既設九局につきましては一日延べ時間十八時間を放送する予定でおりますが、これは御承知の通り実験局でございますから、従って実験の目的にかなう放送内容を組んで参りたいと考えております。 明年度以降十七局を予算に組みました考え方は、FM放送の将来を考えまして、同時に単なる技術的実験もしくは番組内容の実験ばかりでなしに、やはり普及開発を促進する任務もNHKは持っているのではないかという意味で、十七局の予算を組ましていただいたわけでございます。 将来のFM放送の問題につきましては、昨年六月八日郵政大臣に対してNHKの基本的見解を意見書として提出してございますが、簡単に申しますと、現在のラジオの国内の電波情勢あるいは海外との混信その他を勘案いたしますと、また現行放送法の原則に従いましても、将来中波とFMをどのような関係に置くかという根本問題が生じて参ると考えまして、私どもといたしましては、国際的な中波の周波数の権益問題とも関連させ、同時に私どもが従来経営して参った中波の放送局の設備投資その他を勘案いたしまして、簡単に申し上げますと、現在の中波第一、第二放送をFMの第一、第二放送にかえ、現在の中波を統合整理いたしまして、将来はできれば全国を放送区域とする強力な第三放送をつくり上げたいという考え方を持っております。私どもの考え方といたしましては、この経過時期は早くても十年、十年から十五年の間にそのような情勢が出て参るのではないかという根本的な計算をいたしております。
○畑委員 その問題については、今度の新大臣に意見を聞きたいと思ったのだけれども、大臣がおらぬようなので次官かわって答えてくれますか。前の大臣の手島さんが就任中に、FM放送については、NHKにパイオニア的使命を果たさせるといった談話を発表したことがあるが、その後もそういう考えでおるのかどうかですね。それから、今言った通り、予算でも、今まで九局だったのが、今度は十七局ふやしておる。実は予算説明書には実験局とは書いてないでFM放送局と書いてあるのだけれども、まあ実験局の意味でしょう。けれどもNHKでは、現在パイオニア的な役割を果たしているので自信を持っておる。従って、実験局と書かずにFM放送局と書いたのだろうと思います。それだけFMについても指導的な立場、将来のFM割当の問題、そういった問題について相当自信があるし、意欲もあるのだと思う。たまたまFM放送については、ほかの民間の放送局からもいろいろ申請がある、あるいはその他のそうでない、送放局まで至っていないところでも、ずいぶん申請しているが、政府の態度はまだきまっておらぬ。けれども、こうしたNHKの考え方、それに対して政府はどう処置しようとしておるのか、次官ではあるいはわからぬかもしれませんが、その点お聞きしたい。
○保岡政府委員 この問題につきましては、新大臣もすでに他の機会でお話があったことと思っておりますが、郵政省といたしましては、世論が非常にFM放送を早くやれというふうに動いているように考えるわけでございまして、世論にもかんがみまして、できるだけ早くやりたいという意欲はございますが、御承知のようにいろいろな問題がまだ未解決で残っておりますし、ことに将来におきますFM放送調査会の結論もまだ出ておらない状況でございますので、鋭意研究中ということを申し上げる以外に方法がないのではないかと思いますそれからNHKのパイオニア的な使命というものはわれわれも重視しているわけでございます。
○畑委員 もちろん、まだはっきりと言えないのだと思うのだけれども、ともかくFM放送については、基本方針を将来に悔いを残さぬようにきっちりしたものをなるべく早くきめてもらいたいと思う。NHKあたりでもそういったようなことでどんどん進めておるのだし、郵政省の態度がきまっていないということでは困りますから、早くきめてもらいたいと思います。これは要望しておきます。 次に、カラーテレビのことについてお尋ねいたします。カラーテレビは本放送以来非常に遅々として進展を見せていない、あまり普及しておらぬというのが実情だと思います。これは技術的にも非常にむずかしいし、同時にまた、受信機等が非常に高いということも影響いたしておると思うのでありますが、NHKはすでにテレビ開局十周年を迎えて、この際カラーテレビ放送の普及のために、もっと積極的な努力を払うべきだと私は考えておりますが、現在の普及状況と今後の対策ということについてお尋ねいたします。
○前田参考人 カラーテレビジョンは、昭和三十七年は一日一時間半を目途として放送を続けており、御審議をいただいております明年度予算の中では、これをおおよそ二十分延長いたしまして、一時間五十分を目途として放送を続けて参りたいと考えております。カラー放送は、同時に技術的なマイクロウェーブとの関連もございまして、現在電電公社のマイクロウエーブでカラー・シグナルを出し得る地域についてはほとんどカラー放送を実施いたしております。ただ、出し得る地域のうち、一部、東北、北海道の関連では、マイクロウェーブの使用料の問題でちょっとおくれておりますが、これもNHKといたしましては、全国普及という建前から、できるだけ早く折衝を終わって放送を開始いたしたいと考えております。その他の地区につきましては、現在のところまだカラー送信のできるマイクロウェーブの設備がございませんので、これは設備のでき次第逐次全国放送に移って参りたいという考え方を持っております。最終的に第二次六カ年計画では、三時間ないし三時間半を一日のうちのカラー放送の時間という考え方で計画を立てております。
○畑委員 次に、受信料のことについて聞きたいのです。受信料減免という制度がございますが、これの範囲と免除額はどのくらいになっておりますか。
○小野参考人 お答え申し上げます。現在受信料の免除につきましては、いわゆる契約甲、乙両面にわたって行なっておりますが、両方を通じまして基本的に申し上げられますことは、社会政策的な意味合いのもの並びに文化政策的な意味合いのもの、そういったような点を考慮いたしまして免除をいたしておりますが、その総数は三十七年度末現在におきまして、甲、すなわちテレビを主体といたしました契約でございますが、この件数で三万八千九百二十八件の見込みでございます。契約乙、これはラジオだけの契約でございますが、これにつきましては、件数は百七万七千七百三十五件でございます。両者を通じまして免除をいたしております受信料に換算いたしました金額は、総計八億四百万円でございます。
○畑委員 次に、ラジオ、テレビの受信者の普及の推移は、今後どうなるとお考えになるのかということについて聞きたいのですが、ともかく言論の自由を保障するために財政の安定化ということがNHKに必要だと思うのです。ところで昨年策定いたしました六カ年計画、これの修正を行なうような見通しの狂いができてきたのはなぜであるか。さらに、この修正によって、六カ年計画の終わりの四十二年度末の甲契約が千八百八十万件、こういうふうに見通しておるわけですが、この点の見通しの心配はないかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
○小野参考人 お手元の資料にございます通り、契約甲におきましては、今後資料に計上してございますような推移をたどりまして、四十二年の長期計画末の期間におきまして千八百八十万件と見込んでおります。これは当初の昨年立てました見通しの長期計画で申しますと、最終ゴールは千七百九十五万件と見ておったわけでございます。それと比較いたしますと約八十五万、昨年策定の計画よりも見込みがふえております。これは現実には長期の六年先がどうなるかということは、なかなか的確には言い当て得ないところでございますが、直近の三十七年度末ですでに長期計画の一年を歩んで参りました。歩んで参りました当初の計画と現状とを比較いたしてみますと、実は百十五万件見込みよりも多く伸びております。この趨勢をいろいろ判断を加えたわけでありますが、おそらく長期の態勢においてはそうさしたる見当違いにはならないであろう。しかし、オリンピックを控えまして、オリンピック開催時までには当初予想いたしましたよりも急速にその辺に伸びが早まっておるということで、現実にもうすでに現在の時点で百十五万件の当初計画よりも超過を見ております。自後におきましては、大体当初立てました計画並びに後年度におきましては、それだけ普及が促進されると見ますので、ある程度は当初計画しました数よりもふえ方が少なくなると見ております。見ておりますが、終局におきましては、先ほど申し上げましたように、現実にすでに百十五万件オーバーしておりますから、このままで持ち越すわけではないだろう。多少将来を低目に見まして、最終時におきましては八十五万の増くらいは見られるのではないか、こういうところで長期の財政計画の基本になる件数の推移を見直したわけであります。
○畑委員 受信料にやはり関連するのですが、受信料収入の建設費への組み入れ、これにつきまして三十八年度は五十億繰り入れを行なっているわけです。その繰り入れも限度があると思うのでありますが、三十九年度以降は収入が下り坂になるのじゃないかという懸念をちょっと持っておるのですが、その際の資金計画はどういうふうに見られておりますか。
○小野参考人 御指摘の通り、三十八年度におきましては、建設の規模の増大に伴いまして、これの資金の調達を確実にいたしますために、受信料の収入から直接五十億をその資金に充当いたす計画を立ててございます。三十七年度の相当分は三十億でございましたが、二十億充当分をふやしたわけでございます。この事情につきましては、先ほど申し上げました件数の推移をたどって、漸次受信契約数はふえて参ります。その意味における増収はあるわけでございますが、ふえ方は大かたこの辺のところがピークでございまして、あとはだんだん幅が狭まって参ります。そうしますと、対前年との増加の経費は非常に縮小されて参るわけでございます。特に現在の見通しでは、いろいろ法定されました資本関係の減価償却の経費でございますとか、あるいは借金の返還をいたすための積立金というような法定義務的な経費もございますので、そういうものを差し引いてみますと、計画の最終年に近づくに従いまして対前年の収入より少なくなります。そういうような関係を勘案いたしまして、財政の先行きの安定を得ますために、収入の多い年度において、できるだけ建設資金は自己資金を充当する、しかも運営経費にひどい圧迫を来たさない程度において充当いたしまして、後年度の財政の助けにいたしたい、こういうような気持で計画をいたしたわけでございます。
○畑委員 以上で終わります。
○本名委員長 栗原俊夫君。
○栗原委員 時間もだいぶ経過しましたので、二、三の点についてお尋ねをいたしたいと思います。 まずお尋ねしたいことは、明年度の拡充計画によってラジオのカバレージが第一放送で九九・九%、ほとんどこれは完璧であり、第二放送九八・一%、こういうことに予定されておりますが、大体これで技術的にはもう手一ぱいだ、こういうことになるのでございましょうか。この辺はいかがでありましょうか。
○田辺参考人 お答え申し上げます。ただいま御指摘のカバレージは、いわゆる法定カバレージと申しまして、普通これはラジオの場合には昼間のカバレージを表わしております。従いまして、御承知のように、夜間になりますと、中波のラジオ放送につきましては、外国の電波の混信が相当影響いたしますので、このカバレージはかなり下がって参ります。従いまして、あるいは九九・何%という昼間の状態がございましても、夜間には平均いたしまして七〇%から七五%に下がるかと思っております。従いまして、今後やはり置局、増力あるいはFM等を勘案いたしまして、難聴地区の解消にはさらに努力を続けなければならない、こう考えております。
○栗原委員 そうしますと、一応昼間のカバレージはほとんど完璧に近いけれども、夜間は混信その他でいろいろ障害もあるので、夜間もこうしたカバレージの線にいくまでの設備を拡充していくのだ、こう理解していいのですか。
○田辺参考人 お答え申し上げます。目標といたしましてはさような通りであります。
○栗原委員 そうしたした方向を漸次続けるといたしますと、夜間カバレージ、いわゆる法定パーセントの九九・九ですか、こういうところまで到達するには、計画的には何年度ぐらいでやっていける御予定であるのでございますか。
○田辺参考人 外国の方の強力な電波の混信というものも逐年ふえて参りますので、それらの状況に対する見通しも完全ではございませんですが、中波の放送でやっております限り、相当の努力、つまり置局あるいは増力をいたしましても九九・何%という、夜間におきましてそういう数字が得られる見込みはちょっとないような気がいたします。従いまして、これらの救済につきましては、やはり昼間も夜も電波状態の変わりのないFM放送というものの将来の発展を考えまして、あわせてラジオ放送のカバレージの完璧を期すということを期待するしかないと思っております。
○栗原委員 お答えの中に、たまたまFMの問題も出てきたわけですが、私はやはりFMの問題は、公共放送であるNHKがパイオニアを勤める、こういうことなんですが、先ほどのお答えの中で、十年先か十五年先かわからぬけれども、おそらくFMが中波にとってかわるだろう。そこで中波は、大電力にして第三次放送、こういうような形に持っていく大理想を持っておられる、こういうお答えでございました。そこで、FMをNHKがパイオニアとしてこれから拡充していく、こういうことになるのですが、一方、中波は、テレビと競合しながら受信設備がだんだんドロップしてきておる、こういうことでございますが、FMに置きかえた場合に、FM受信設備というものは、今の中波の受信設備の動向とどういう相関関係を持つか。これは見通しの問題ですからなかなか大へんな問題だと思いますが、中波は一応マキシマムまでいってだんだん下がってきている。FMはこれからだんだんふえていくわけですが、FMは一体これからどれくらいまでふえていくという展望をお持ちなのでしょうか。まだそういう計算をしておらなければけっこうですか……。
○田辺参考人 FMの受信機の普及状況につきましては、現在まで東京、大阪並びに昨年末に開局いたしました七局を合わせまして、九局の電波によりましてどの程度のFMの受信機の普及を見ておるかということは、これは特にFMの受信機の場合に契約をするということがございませんので、正確な数字の把握は困難でございますが、生産台数その他を勘案いたしまして、本年三月末、本年度末の九局の地区のカバレージに対するFM受信機の総数は約六十万台くらいかと思っております。そのうち大部分は、すでに長くやっておりました東京、大阪地区でございまして、他の七地区は、昨年末始めたばかりでございますので、その七地区を合わせまして、その六十万のうちのおそらく六万程度かと想像しております。 今後の見通しといたしましては、普及に関係いたします最大の要素は受信機の値段かと思います。従いまして、値段がどういうふうな動向をたどって参りますか、これも長い将来の見通しは困難でございますが、私どもの考えでは、現在すでにかなり安いFM受信機が出回りかけております。同時にまた、中波のラジオと同じように、トランジスターを使いました出校的小型のものもだんだん出て参ります。従いまして、FMの方の放送の設備の増強と相待ちまして、将来におきましてはFMの受信一機も、現在のラジオの受信機とあまり値段の違わないものが相当出回ることが予想いたされます。従いまして、FMの放送網が全国的に完成いたしました暁には、現在のラジオの受信機と同じような普及が、FMについても期待できるのではないかと考えております。
○栗原委員 漠とはわかったような気もするのですが、私が聞きたいのは、先ほど言う中波の方は、月間はやや完全に違いカバレージが出るのだが、夜間はいろいろ混信で障害を受ける、そこでこれを何とか排除するために努力はしていくんだけれども、なかなか完璧を期することは困難だ、従って、これの完璧を期するためには、やはりそういう障害を受けないFM放送なんだ、こういうお話ですね。そういうお話の前提に立って、障害を受けずに全国完全カバレージを確立するためには、一体局をどのくらい置いて、そういう状態のときにFM受信機はどのくらいの数になるだろうか、こういうことを知ってみたい、こういうことなんですが、この点一つ説明ができたら説明していただきたいと思うのです。
○田辺参考人 お答え申し上げます。FMの電波の伝わり方の性質は、現在やっておりますテレビジョンの電波と非常に似ております。従って、FM全国放送網を完成いたします局の数といたしましては、現在テレビジョンの置局をどんどんやっておりますが、これはチャンネルプランがだんだん郵政省の方できまって参りまして、それに伴いまして長期計面的に全国的に聴視状態の改枠のために置局をいたしておりますが、大体このテレビジョンの置局の方向と同じような数に向かっていくかと思っております。従いまして、カバレージも、現在テレビジョンの方は四十二年度末に九五%くらい期待しておりますが、FMにつきましても、九五%前後のカバレージを期待いたしますことはさほど困難ではないと思っております。それから同時に、FMにつきましては、カバレージに対します基準というものがまだきまっておりませんので、それらは大体テレビジョンと同じと考えております。それにつきましても若干その数字は変わってくるかと思いますが、大体テレビジョンに似た置局をやりまして、従って受信機の数もテレビジョンと同じような数の伸びを期待できる、かように考えております。
○栗原委員 私が聞こうとするのと幾らかすれ違っているようなんですがね。まあ電監局でいろいろプランがあって、許可をするとかしないとかということではなくて、ほんとうにフリーでもって一番合理的にやったら、全国を完全にカバーするのに、何局技術的に置いたらいいか、まずこういうことが知りたいのです。いろいろと、そこはいいとか悪いとかの議論も、具体的な許可認可の過程では出るでしょうけれども、技術的に許可認可なんということがなければ、ただ全国を一〇〇%カバーしろという至上命令によって置局していったら、一番いいところをとっていって、何局で完全にカバーできるかということがまず一点。そういう形になったら、受信機台数がどのくらいくっつくだろうかということは、テレビと中波のラジオ、そしてFMラジオ、こういう相対的な関係がありますから、一がいにも言い切れますまいけれども、一方では中波が下がっておるという時期に、FMはこれから聞こうという意欲が確かにあるわけなんだから、そういうところをどんな工合に評価し数字的に表現できるだろうか、なかなかむずかしいお尋ねなんですが、もし答えられたら一つ答えて下さい。
○田辺参考人 第一点の局の数でございますが、これは精密な計算をいたしませんと、正確な数は出ないと思いますが、大体の目標といたしましては、一〇〇%は困難だと思いますが、それに近いカバレージをとりますために、大中小まぜまして、約千局、千地点であります。従いまして、もし一局で複数の波を出すといたしますと、送信機の数はふえて参りますが、地点といたしましては、大体千前後が想像されます。 それから、その場合のFM受信機を持ちます家庭の数でありますが、大体これがテレビジョンと同じ、あるいはそれ以上、現在のラジオとテレビジョンの甲契約、乙契約を合わせた両方の数が一応九〇%程度で、全世帯数の九〇%くらいがFM受信機を持つだろうということを推定いたしますと、二千万近い家庭になるかと思います。
○栗原委員 だいぶん漠としたことを前提としてお尋ねしているので、どうも申しわけないのですが、そこで次にテレビに移りましょう。 テレビの方は、今度の予算が執行されるとカバレージが八七%に達することになります。こういう工合に説明されておるわけなんですが、今後これを完全カバーするにはどのくらいの御予定があるのか。そうした年次計画等がおありなのか、これを知らしていただきたい、このように考えます。
○田辺参考人 御指摘のように、三十八年度末におきましては、総合、教育ともに八七%のカバレージを予定しております。これが四十二年度——第二次六カ年計画の最終年度でございます四十二年度末には、総合、教育とも九五%のカバレージを期待しております。その場合の置局されます現在の予定数といたしましては、約五百弱の局が総合、教育ともに必要かと思っております。これにつきましては、まだチャンネルプランがきまっておりません部分もございますので、これによって若干の動きがあるかと思っております。
○栗原委員 ちょっとこれは意地の悪いお尋ねなんですが、そういう状況で四十二年には九五%に達する計画であり、予定である。少なくとも八七%というと、一三%見えない地区があるわけなんですが、一方では、せっかく始めたんだからという意味もございましょう、カラーテレビの方を二十分間延長しておやりになるということなんですが、もちろんカラーテレビを見られる人はけっこうなんでしょうが、純然たる商売ならそれでもいいと思うのですよ。しかし、少なくとも公共放送としてのNHKが、たとい一三%も残しておいて、そっちへ金をつぎ込んでいくことがいいか悪いかという建前になると、それではなぜカラーテレビを始めるときにそう言ってくれなかったかと開き直るかもわからぬけれども、この点に対してNHKとしてどんな所見を持っておるか、これは一つ阿部会長からお願いしたい。
○阿部参考人 御承知のように、現在のところカラーテレビは非常に伸びが悪い。ですが、長い将来を考えてみると、やはりFMが中波にとってかわるときがあると同じように、将来技術が発達して、もっといい映像ができるようになれば、しかももっと安い受像機が出るようになれば、やがてはカラーが主力にとってかわるときが来ると思うのです。しかしながら、それはずっと将来のこと。だからといって、この問題を無視してほっておくわけにもいかない。今のうちからだんだん基礎をつちかっていくためには、現在程度の努力を払うことは当然でもあり、きわめて必要なことだろうと私どもは考えております。
○栗原委員 長い展望の上に立って阿部会長の決意のほどはわからないでもありませんけれども、率直に言うと、特に来年のオリンピックを控えて、おそらく全国民はスタジアムに寄ることはできないから、せめてテレビの画面で世紀のしかも日本で近く二度は来ないであろうオリンピックを見たいという熱望に燃えていると思うのです。もちろん、カラーテレビも大事であり、今後やっていかなければならぬことは私も決して否認はいたしません、しかし、このときこの際は、その方の金を、たといカバレージ一%で一伸ばすような努力をすべきではないか、このように私は考えるんだけれども、これに対する御所見はいかがでしょうか。
○阿部参考人 御質問の趣旨は私もよくわかるのでございます。現にわれわれは、カバレージを増すことには最善の努力を尽くしておりまして、金を投入するといっても、実際は限度があるわけでございます。われわれとしては、ほとんど最善に近い努力を払っておるので、金をこれ以上幾ら払っても、それほどカバレージは一時には増さないだろうと思う。だからやはりある程度将来のことを考えて、カラーテレビにもわれわれは元手をおろす一と言うとおかしいが、白黒のカバレージを増すことには最善の努力を尽くすということを申し上げるよりほかどうも仕方ないだろうと私は考えております。
○栗原委員 私もしろうとだから、いろいろ技術面から見て、ただ金さえつぎ込めばカバレージはふえるものではないと思うけれども、少なくともこれをふやすには銭が要るということは、これまた間違いない事実だろうと思う。そこで金の使い方で、今年予定しているカラーテレビへつぎ込む金を、それでは白黒の方へ回したら、カバレージはどれだけふえるか、お前言ってみろと言われても、さっぱりわかりません。しかし、つぎ込んだら幾らかふえるのではないかというしろうとの考え方です。翌々年は別として、特に来年オリンピックを控えるというこの時期にこそ、白黒にカラーテレビの金を回して一%でもふやしたらどうか、こういう強い意見を述べたんですが、 一つ阿部さんの心のうちもよくわかりましたので、それくらいにとどめておきましょう。 それから、先ほど畑君からいろいろ話しておった大電力の中波の地域で、ローカルがどうも土をかぶっている。具体的には水戸、宇都宮、前橋、私はその前橋に関係があり、会長も深い関係があるので、会長のおるときに何とか波を出してもらえぬかということを地元からよく言われるんですが、あまり自分の田んぼへ水を引くようなことはうまくないだろうと言いながらやってきたんですが、聞くところによると、何とか前橋でも波が出せるというようなことを聞いて喜んでおったのですが、西崎監理局長と、こちらの技術の関係で中継すれば、一日同じものを出しておいて、その中で三時間くらいローカルを入れる、それでは第三放送になるのではないかというような規則と角突き合わせておるようなことで、だいぶんまだすっきりしないようですが、これはどうですか。そういうことはここできれいに割り切って、すっぱりと、とにかく波を出してもらう、とにかく鉄塔が立っておって、あの鉄塔が使えなくなって、新たに使う鉄塔を建てなければならぬのだということは、実は現場にも行って聞きましたけれども、やはりローカルは自分のところにあるところから電波が出るのだということを知っておる県民とすると、まことにどうもさびしいし、何か置いてきぼりを食っておるということなんで、先ほどは、これから協議してやっていくというような話しなんで、大体いい答えになってきたなと静かに聞いておったのですが、いま一歩歩を進めて、とにかくNHKの方でも、ローカルの波を地元で出してやるという、一応の当面の立場に立ち、そういう立場なら一つよかろうというような答えにぜひ持っていっていただきたい。そして、それも先の先ではなくて、至急やるような段取りをしていただきたい、こら思うのですが、一つまず局長の方から御所見を伺いたい、かように思います。
○西崎政府委員 先ほど畑先生、それから森木先生の御質問でお答えしたつもりだったわけでございますが、ほかの府県と同じ程度のローカル番組を充実するという範囲においては考える用意がある、それでNHKと一つ十分これから話し合いをしましょうということでございます。
○栗原委員 局長のああいうお答えなんですが、どうでしょう、NHK当局の方でせっかく電波を出するのなら、地元で出した波の方が、同じNHKの中央から強力で送る波よりももっと聞きいいだろうという配慮から、おそらく全日放送の中に大部分は中央のものを入れて、その中に三時間程度のローカルを入れようという、こういうお考えなんだろうと思うのですけれども、突き当たりがあって工合が悪いのですけれども、そこのところは一歩こまを進めて、よしわかった、それならば、三時間なら三時間、他県並みの ローカルを出す電波でとにかく出発しよう、こういう気持になってもらえませんでしょうか、いかがでしょう。
○阿部参考人 御質問の通りなんでありますが、われわれはその点つちかって、できるだけ強調し、かつ努力をいたしたいと思っております。理想を申しますれば、必ずしも前橋、宇都宮に限らず、千葉でも、神奈川でも、埼玉 でも出したいと思います。しかしながら、これはなかなか混線とか——私は技術的のことはわからぬが、技術的に非常に困難の点があるようですが、技術的に許される範囲内においては、一つ郵政当局にもよく御理解いただいてやっていきたい、さように私どもは考 えております。
○森本委員 関連して……。ちょっと耳寄りな話を聞いたわけですけれども、鉄塔を建てておるということでございますが、その鉄塔というのは送信設備の鉄塔ですか。
○田辺参考人 お答え申し上げます。前橋には以前に放送局がございまして、そのときの鉄塔が残っております。従って、現在最新の技術で送信設備をつくります場合に、その鉄塔を使っ方がいいか、あるいはその後いろいろ住宅などできておる関係で、少し別なところに送信所をつくればいいか、そういう点については目下検討を進めております。鉄塔が残っておることは事実であります。
○栗原委員 最後に、料金の問題ですが、前回もこれはなかなか意地の悪い質問でNHKを困らしたことなんですが、いろいろ問題があって、こういう組み合わせ受信料を取るようなことになったわけですけれども、個々の問題については、かなりスムーズにいっていると報告されておりますが、例の集団聴視設備のある大型ホテルは、その後うまく契約がいっておりましょうか、この点いかがでしょう。
○小野参考人 具体的につきましては、予算当局とよく協議をいたしまして、設置してある数につきましてはおおむね契約をとるように努力をいたしております。大体、現実におきましては一〇〇%までは参り得ないかもわかりませんが、一々部屋へ踏み込んで調査をするような、そういった立場にもございませんので、そのような一〇〇%契約というところまではいかないかもわかりませんが、努力し得る限りにおきましては、大体において設置したものについては契約をしていただいておる、このように考えております。
○栗原委員 そこに資料を持っているかどうかわかりませんけれども、たとえばホテルオークラ、ニュージャパン、これはどのくらい契約をしておりますか。部屋が幾つで契約数幾つ……。
○小野参考人 ただいま手元にその資料を持っておりませんので、至急調査をいたしましてお答えを申し上げたいと思います。
○栗原委員 資料要求をいたします。ホテルオークラ、ニュージャパン、第一ホテル、それから大阪で新大阪ホテル、部屋数と契約数を一つ出してもらいたい。
○小野参考人 さっそく提出いたすようにいたします。
○栗原委員 以上で質問は終わります。
○森本委員 これは質問じゃありませんが、西崎局長にちょっと忠告しておきたいと思うのです。一月の三十一日、私の方でNHKのFM放送の実験の結果について一つ資料として提出を願いたい、こういう要求をしてあったわけですが、もうあれから二カ月十日くらいたっておるわけです。ちょうど予算審議のときに、このFM放送の審議をする過程にその資料がほしいからと、こういうふうに言ってあったわけですが、どうなっておりますか。
○西崎政府委員 行き違いがあって非常に申しわけありません。実は内部のことを申して恐縮ですが、先生とわれわれの方の技術課長と連絡をとりまして、先生に内君につきましてちょっとお伺いしたいこともあったのですが、連絡がとれなかったそうで、おくれておりまして恐縮ですが、早急に提出するように善処いたします。
○森本委員 大体経過はわかりましたが、そういうことを言っては失礼ですけれども、たるんでおるということも言うべきじゃないのですが、一月の三十一日から一カ月の間に——それは私も確かに留守をしておりますが、連絡を密にすればとれないことはないわけである。そういう点は、委員会で問題になった事項はきちっと筆記をしておいて、そうしてちゃんと解決をつけるという一つの習慣をつけてもらいたい。ここで何でも聞いて聞きっぱなしにしておったのでは、この委員会で論議してもしようがないわけであります。そういう点、あなたも局長でありますから、今後下の方にも十分に指導督励してもらいたいということを要望しておきます。
○西崎政府委員 まことに申しわけありません。自後気をつけます。
○本名委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明七日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時五十分散会