逓信委員会 第9号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/02/27
会議録
○本名委員長 これより会議を開きます。 森本靖君外八名提出の日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を議題として審査に入ります。 ―――――――――――――
○本名委員長 まず、提出者より提案理由の説明を聴取することといたします。安宅常彦君。
○安宅議員 ただいま議題となりました日本電信電話公社法の一部を改正する法律案につきましてその提案の理由を御説明申し上げます。 昭和二十七年八月電信電話事業の合理的かつ能率的経営体制を確保するとともに設備の拡充強化を促進し、サービスの改善をはかるために、公共企業体として日本電信電話公社が成立いたしました。 しかしながら、公共企業体の性格に対する理解が不十分であるため、十年以上を経過した現在、なお官営時代の制約が払拭されず、経営の自主性及び民主性の確保及び職員に対する待遇改善については種々の問題を残しております。 すなわち、経営の自主性と民主性については、経営委員会の機能が十分生かされていない実情にありますし、また、現行の予算制度は、わずかに弾力条項の発動による弾力性を与えられてはおりますが、これでは公共企業体の予算としては、不適当であります。また、職員の給与は、その職務の内容と責任とに応じて定めることとされ、また法律による定員の制約は受けておりませんが、予算において給与総額を決定し、職員の給与及び定員が制約され、このため拡充計画に伴う要員措置を困難にするほか公社職員の能率向上の意欲を失わせる原因となっております。 この問題の解決のために、昭和二十九年一月には臨時公共企業体審議会の答申が、また、昭和三十二年十二月には公共企業体審議会の答申がなされておりますが、これらの答申に応じた政府の措置は何らなされておりません。 そこでこの現状を打破するために、公社の経営の自主性と民主性を確保するとともに、職員の待遇の改善をはかるための措置を講ずる必要があります。現在、電信電話のサービス拡充を求める国民の要望は、はなはだ熾烈なものがありますが、膨大な第三次拡充計画を遂行する上においても、これらの解決が前提として配慮される必要があります。 この場合、電信事業の公共性よりくる赤字は年間約百五十億円に達していて、公社全体のサービス提供及び拡充計画の遂行に支障を来たすおそれなしといたしません。そこでこれに対しても政府は何らかの措置を講ずる必要があるものといわなければなりません。 次に、この法律案の内容の概要を御説明いたします。 第一に、経営委員会の委員は、少なくとも一名は、公衆電気通信事業に関してすぐれた経験と識見を有する者でなければならないこととするとともに、経営委員会の権限を拡張し、委員の報酬も相当程度支給することとし、有能な事務局を設けて経営委員会の充実をはかり、公社の自主性及び民主性強化の一助といたしました。 第二は、公社の収支予算、事業計画及び資金計画については、郵政大臣に提出し、郵政大臣はその意見を付して国会の承認を得ることといたしました。 第三は、公社の電信事業につき適切な経営努力がなされたにもかかわらず損失を生じたときは、予算の範囲内で相当額を政府が交付金として交付することといたしました。 第四に、余裕金の運用として、国債の保有、資金運用部への預託及び銀行への預金を行なえるようにいたしました。 なお、この法律は昭和三十九年四月一日から施行しようとするものであります。 以上がこの法律案を提案する理由であります。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛同あらんことを切望する次第であります。
○本名委員長 これにて提案理由の説明の聴取は終わりました。 ――――◇―――――
○本名委員長 次に、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件を議題として審査に入ります。 ―――――――――――――
○本名委員長 この際参考人招致の件についてお諮りいたします。すなわち、本件に関し、日本放送協会より本件の審査が終了するまで随時参考人を招致することといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本名委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本名委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ―――――――――――――
○本名委員長 それでは、提案理由の説明を聴取することといたします。小沢郵政大臣。
○小沢国務大臣 ただいま議題となりました日本放送協会の昭和三十八年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして、御説明申し上げます。 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定によりまして、郵政大臣がこれらに意見を付し、国会に提出するものであります。 郵政大臣としましては、これら収支予算等につきまして、お手元にお配りいたしました通りの意見を付したのでありますが、その予算の大略を御説明いたしますと、まず、収支予算でございますが、その規模は、収入、支出ともに総額七百四十二億一千五百万円と予定しております。これを昭和三十七年度に比べますと、いずれも百六十七億円の増加となっております。その内訳は、資本収入百四十七億八百万円、資本支出二百二十九億四千五百万円、事業収入五百九十五億七百万円、事業支出五百八億七千万円、予備金四億円となっており、事業収入のうち八十二億三千七百万円は、建設費等資本支出に充当することとなっております。 次に、事業計画でございますが、その重点といたしましては、放送網の建設特にテレビジョン放送の全国普及をはかるための積極的な置局の推進、放送番組の充実、オリンピック東京大会の放送の準備体制の推進等となっております。 なお、資金計画は、この収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金に関する計画でございます。 以上の通りでございますが、何とぞ御審議の上、御承認のほどよろしくお願いいたします。 〔委員長退席、佐藤(洋)委員長代理着席〕
○佐藤(洋)委員長代理 次に、参考人日本放送協会会長阿部真之助君より、補足説明を聴取することといたします。阿部参考人。
○阿部参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の昭和三十八年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、御説明申し上げる機会をお与え下さいましたことに対し、厚く御礼申し上げる次第であります。 協会は、公共放送としての使命を積極的に遂行するため、昭和三十七年度から第二次六ヵ年計画を策定いたし、委員各位の御協力を得まして着々その遂行に努力いたしておりますが、昭和三十八年度はこの第二年度としての諸計画を積極的に推進して、ラジオ、テレビジョン両放送の全国普及の達成と国民の要望する豊かですぐれた放送の実施に努力し、国民生活の充実向上に資することを目途に諸計画を実施することといたしております。 次に、そのおもなる計画について御説明申し上げます。 まず、建設計画について申し上げますと、ラジオにつきましては、前年度に引き続き難聴地域の解消と外国電波による混信を防止するため、東京超大電力局の建設、中継放送局五局の新設、第二放送三局の増設、七局の放送局の増力を完成し、二局の増力に着手するほか、大電力局周辺等の地域において五局の放送局を建設することとしております。これらによりまして、年度末のカバレージは、第一放送九九・九%、第二放送九八・一%となる予定であります。 このほか、三十八年度に十七局のFM放送局を建設し、FM放送の開発普及をはかることといたしております。 一方、テレビジョンにつきましては、総合、教育両放送網のすみやかな全国普及をはかるため、総合テレビジョン局において、三十五局の建設を完成し十五局の建設に着手いたしますとともに、教育テレビジョン局において、六十二局の建設を完成し十五局の建設に着手することといたしております。これらによりまして三十八年度末には総合、教育両放送局はそれぞれ百六十局を数え、カバレージもそれぞれ八七%に達することとなります。 また、放送規模の拡大と番組の多様化に対処するため、新たに、ラジオ、テレビジョンを総合した放送センターの建設を行なうこととし、オリンピックへの使用等も勘案して三十八年度に一おいては敷地の買収、建物の建設等を進めることといたしております。 このほか、ローカル放送の制作体制を充実するための地方局演奏所整備、ラジオ、テレビジョン放送所の自動化、各種放送設備の充実改善、研究用機器、局舎、宿舎、一般機器の整備等を実施いたすことといたしております。 これらの建設計画を実施するために必要な経費は総額百九十億円でありますが、この資金調達につきましては、減価償却引当金及び固定資産の売却代金五十九億円、財政投融資資金からお願いいたします十億円を含む部外資金八十一億円のほか、受信料収入からの繰り入れ五十億円を予定いたしております。 次に、事業運営計画について申し上げます。まず、国内放送につきましては、ラジオにおきまして、最近における受信者の聴取態様に即応した効果的な番組の編成に努めるとともに、その内容の充実をはかり、あわせてローカル放送の拡充に努めることにいたしております。一方、FM放送につきましては、その開発普及に役立つ番組を編成することにいたしております。 テレビジョンにおきましては、総合、教育放送とも番組の充実、刷新をはかることにいたしておりますが、特に、教育放送につきましては、放送時間を一日一時間三十分増加し、各種の教育、教養番組を充実することにいたしております。このほか、ローカル放送の充実、報道取材網の整備等に努める一方、オリンピック東京大会の放送準備を進めることにいたしております。また、国際放送におきましては、放送時間を二時間増加するほか、送信電力の増力等をはかり、諸外国との経済文化の交流と親善に一段と寄与する考えであります。 放送の利用促進につきましては、教育、教養番組の充実に対応して、特に、教育面における利用を促進することといたしております。放送を利用する通信制の日本放送協会学園高等学校に対して助成を行ないますほか、前年度に引き続き僻地小中学校等に対するテレビジョン受信機の贈呈を行なう計画であります。 受信契約者の普及に関しましては、低普及地の開発、テレビジョン共同受信施設の助成等により、極力受信契約者の維持増加に努めることにいたしております。他方、受信料の収納につきましては、一そうその確実を期するよう努めることといたしております。 次に、調査研究関係につきましては、オリンピック東京大会に際しての利用等も勘案してテレビジョン国際中継の研究を強化いたします一方、UHFの研究等も積極的に行なうことといたしております。 経営管理につきましては、極力業務の機械化を進める一方、職員の訓練を強化して業務能率の向上に資することといたしております。 また、給与につきましては、社会水準を保ち得るよう改善をはかる所存であります。 最後に、これらの事業計画に対応する事業収支につきまして申し上げますと、三十八年度の有料受信契約者数は、契約甲においては年度初頭一千三百十九万に対し年度内に二百万の増加、契約乙においては年度初頭四百二十万に対し、年度内に百十五万の減少を見込んでおりますので、これら受信契約者からの受信料収入を五百八十九億七千三百万円と予定いたしております。 このほか、国際放送関係等の交付金収入一億一千四百万円及び雑収入四億二千万円を合わせまして、三十八年度に予定する事業収入総額は、五百九十五億七百万円となります。これに対する支出といたしましては、放送債券償還積立金、外部資金の返還、受信料からの建設費充当などの資本関係の支出に八十二億三千七百万円、事業運営関係の支出に五百十二億七千万円をそれぞれ充てることといたしております。 以上昭和三十八年度日本放送協会の事業計画につきましてそのあらましを申し述べさせていただきましたが、わが国経済文化の発展、国民生活の向上、さらにはオリンピック東京大会を間近かに控え放送の果たすべき役割りがますます増大しつつあることに思いをいたし、従業員一同総力をあげこの責務遂行に邁進する所存でありますので、委員各位の変らざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞすみやかに御審議御承認賜わりますようお願い申し上げまして、私の説明を終らせていただきます。 この機会にちょっとお礼を申し上げさせていただきたいと思いますのは、かねがね皆様方の御協力をいただいておりましたワシントンハイツ跡における放送センターの敷地の件でございますが、一昨日、東京都の関係方面の了解を得まして、なお一、二の事務的な手続を残すのほかはすべて完了いたしまして、いよいよ実施し得る段階に達しました。これもひとえに皆様方の御支援のたまものと厚く感謝いたしております。従いまして、われわれはできるだけ総力を尽くしてりっぱなサービスを全世界に向かって放送できるようにいたしたいと思います。 以上、お礼を申し上げさせていただきます。どうもありがとうございました。 ―――――――――――――
○佐藤(洋)委員長代理 次に、質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、これを許します。岡田修一君、
○岡田(修)委員 私は参考人の方に、ただいま御説明のありました日本放送協会の三十八年度収支予算、事業計画及び資金計画についての説明に関しまして、さらに詳しく二、三の点について御説明をわずらわしたいと思います。 まず最初に、今度御計画になっておりまする放送協会の通信高等学校、これの内容についてもう少し詳しく御説明をわずらわしたいと思います。
○前田参考人 お答え申し上げます。通信高等学校につきましては、三十七年度の予算御承認の際、原則的に御承認をいただいておりますが、その仕組みは、学校法人としてのNHK学園をつくりまして、この学園の事業として通信高等学校を設立するという形になっております。この通信高等学校は、すでにそれぞれ事務的な手続を経まして、昨年十月までに学校法人も設立認可をいただき、さらに学校法人の事業として通信高等学校の設立についても関係御当局から認可をいただいておりまして、高等学校の建設は、国立に土地を求めましてすでに建設中であり、この高等学校は寄宿舎をも含めてことし四月の上旬には竣工いたすことになっております。高等学校の開校はことし四月を目標としておりまして、すでに入学希望者の募集を開始いたしておりますが、三月二十一日でこれを締め切って入学者の選考を終わる予定でおります。大体この高等学校は、広域高等学校でございまして、普通文部省のきめております普通課程の教育を目的といたしまして、その修業年限は四年間でございます。従いまして、この四月から開校する生徒の募集は第一学年のみでございまして、予算上は大体五千名を目途として募集をいたしておるわけでございます。 この教育の方法は、NHKといたしましては、文部省の普通課程に基づく学科のうち、第一学年で終わるべき学科のすべてをラジオ及びテレビジョンを通じて放送いたす予定でありまして、この放送を学校法人学園が経営する通信高等学校の生徒に利用していただくという建前でございます。従って、NHK自体が教育を行なうというものではございません。また、私どもが放送いたしますこの通信高等学校講座は、私どもが設立また運営を助成する学校法人NHK学園並びにそれの事業目的である通信高等学校だけに限るものではありませんので、現在すでに法律で行なわれております各県にある通信高等学校にも利用していただける予定でおります。この通信高等学校は、法律に基づきまして毎月また年間一定のスクーリングと添削指導が必要でございますが、これにつきましては、ただいま申し上げた学校法人NHK学園の経営する東京の通信高等学校本校で行なうばかりでなく、既存の全国各府県にある通信高等学校の御協力をいただいて、地域的に最も学ぶ者に便利な方法で添削指導並びにスクーリングを実施いたしたいと考えております。 NHKは、すでにラジオの通信講座につきましては、六〇%のスクーリングの免除を受けておりますし、またテレビにつきましても、三〇%のスクーリング免除をいただいておりますので、この高等学校で学ぶ人たちは、簡単に申しまして、平均六割のスクーリング免除を受け、従って残りの四割のスクーリングを、ただいま申し上げたような方法で受けていただけばよいことになっております。 私どもの計画といたしましては、この高等学校の四年間の生徒の総数は大よそ二万が基準になるものと考えておりまして、従って、NHKがこの学校もしくは学校法人に運営を助成するために出すお金は、大体一億六、七千万円が限度になるのではないかと予想いたしております。NHKがこのような形でこの学校法人並びに高等学校に助成できるかどうかにつきましては、郵政大臣の御検討を願いまして、放送法第九条二項の十によってこれを行なってよろしいという認可をいただいております。 以上、非常に簡単に申し上げましたが、以上のような形をとって今後通信高校講座の放送番組の普及をはかり、全国的に、働きながら勉強していきたいという熱意に燃えている数十万の若い人たちに寄与して参りたいというのが私どもの考え方でございます。
○岡田(修)委員 ただいまの御説明でNHKから大体一億六、七千万円を助成するつもりだということでございますが、学校として年間予算はどのくらいになっておるか、あるいはその学校の職員の数とか、その規模についてもう少し伺いたい。
○前田参考人 学校法人の設立につきましては、NHKといたしましては、三十七年度中に現物による寄付と、それから運営費の現金出捐をいたしております。これは今年度予算で御承認をいただいた限度でございます。その運営費につきましては一億七千万円前後でございます。 それから学校設立につきましては、三千坪余りの敷地と、その上に校舎建坪総数約九百坪、それから、それに付属する寄宿舎の建坪約百二十坪、これをすでに今年度中に放送法九条二項の第十に従って拠出いたしました。初年度、すなわち昭和三十八年度の学校経営についての助成は、御審議いただく予算書に明らかにしてございますが、一億六千百万円の収入を見込みまして、このうち一億三千八百万円をNHKから助成する方針でおります。その差額は結局授業料ということになりますが、この授業料は四年間で合計四千円、すなわち一年間一人千円の授業料を納めていただくという考え方でございます。
○岡田(修)委員 この通信高等学校につきましてもう少しお伺いしたいと思いますが、時間がございませんので次の問題に移りたいと思います。しかし、この通信高等学校に関しまして、何かもう少しわかりやすく、全体が私ども理解できるような資料なり何なりをいただければ大へん助かると思います。 次にお伺いいたしたいのは、国際放送でございますが、現在どういう地域を対象にどういう内容の放送をされているか、国際放送のNHKでおやりになっている現況を御説明願いたい。
○前田参考人 お答え申し上げます。昭和三十七年度は、世界の十八方向に対しまして、一日延べ三十四時間の放送を、大よそ基本的には二十ヵ国語、必要に応じて合計二十三ヵ国語で放送いたしております。放送の十八方向は簡単に申しますと、北米大陸あるいは南米あるいは大洋州方向あるいはヨーロッパの中でもソビエトを中心とする地域と、それ以外のヨーロッパあるいは北ヨーロッパ、それから中近東、アジア諸国、それにアフリカを加えたものでありまして、その放送の形式は、これから十八方向のローカル的な放送の仕方と、全世界共通の、いわゆる私どもはゼネラル・サービスと呼んでおりますが、そういう形の二種類の放送を行なっております。 放送番組の内容は、郵政大臣の命令によって行なうものと、私ども自身が郵政大臣の命令の方向に沿うて、それ以外に必要であると考えている放送とを行なっておりますが、郵政大臣の命令による方向のおおよその中身は、国際関係を改善し、同時に各国国民間の相互理解を深めるためのニュース及びインフォーメーション、これに関連する解説などが主となっております。これに対して、私どもはこれを補足する意味で、各国の経済関係に理解を深め得るような番組及び国際放送のうち、特にハワイ、中南米等に対しましては、日本の移民で形成されている新しいその国の国籍を持っておる方々もおられますので、それらに対しては、特に日本の国内情勢あるいは地域情勢の変化、発展などを中心といたしまして、それにふさわしい番組を送ると同時に、ここ約三年間は、各国におる聴取者の御要望にこたえまして、日本語講座を特に新しい番組の一つとして放送いたしております。この日本語講座は、主としてただいま申し上げました在外二世、一世に対するものでございましたが、最近はこれがアジア地域の各国で非常に歓迎される番組となっております。 国際放送の経費はおよそ五億六千七百万円でございますが、明年度のこれに対する政府の交付金の総額は、一億千三百万円となっております。この交付金の基礎は、ただいま申し上げましたように、郵政大臣が命令される放送関係の総額でございます。
○岡田(修)委員 私は、この方面の知識が大へん浅いから突飛な質問をするかと思いますが、これはこちらから放送されたのを、なまで直接向こうの聴取者が聞くわけでございますか。
○前田参考人 さようでございます。これは大体国際放送の中心になっておりますが、付帯的なやり方といたしまして、番組をつくってそれぞれの国の放送局に送って、そこからその放送局を通じて出す方法も併用いたしております。
○岡田(修)委員 最近東南アジアその他の後進諸国に対して、それぞれ放送施設を整備する機運が非常に強い、あるいはいろいろやっている。これに対して、欧米諸国と日本の方が非常に競争関係に立っている。放送を通じて東南アジアその他の後進地域を自分の経済的な勢力圏内に置こう、あるいはその他の緊密な関係を結びつけよう、こういうことで非常に各国とも東南アジアを自分の方に引きつけるべく努力をしているということを聞いておるのですが、そういう現況について御説明を願いたいと思います。 〔佐藤(洋)委員長代理退席、委員長着席〕
○前田参考人 各国ともその新大陸、ことに第二次大戦後の新しい国際環境において、新しく独立国として発足した国々に対しましては、一般的な、放送のみではございませんが、相当な経済あるいは文化的協力を進めております。この一環として放送の問題につきましても、各国が非常に積極的にこれらの国の新しい置局あるいは放送管理の仕方その他について協力いたしておりますが、NHKといたしましては、おおよそ三年の間に、たとえば東南アジアの方面ではパキスタン、シンガポール、マラヤ、インドネシアに対しまして、コロンボ計画の一部といたしまして、これに技術的なあるいは番組政策上あるいは放送局運営上の援助をいたしております。そのアジア地域以外に、アフリカ、特にエジプトのテレビ開局あるいは中近東のイラン、イラク等に対しましても一応の援助をいたしております。それからこれは四年ほど前になりますが、スペインのテレビジョン開局に対しましても、NHKはその諮問に応じまして技術援助を相当行なっております。その他中南米に対しましても、たとえばエル・サルバドルなどは、これは去年の初めになると記憶いたしておりますが、私どもから専門家を送ってその指導に当たっております。一番はっきりした例は、昨年問題になりましたが、インドネシアで行なわれたアジア・オリンピックに対しましては、ちょうどそのときにインドネシアのテレビジョンの開局の時期でもありますので、その運営及び番組の送出、番組の編成、各方面にわたってNHKの職員を派遣して放送実施をスタートさせたという事実もあります。ただ一つ内在する問題は一これは同時に日本のメーカーを中心とする機械設備の輸出とも内面的には関係を持って参るわけでございますが、その問題について、私どもの経験の中で一つ苦い経験がございます。それはシンガポールの援助の結果、シンガポールの放送当局は、日本のメーカーから機械設備一切を買う予定にしておりましたが、これがその直後イギリスのマルコニー会社の社長がみずからシンガポールに飛んで、その結果、送信機その他の重要部分はマルコニーから買うことになったという事実がございます。これは同時に、東南アジア地域に対する世界の競争がいかに激しい角逐をしているかということの例になるかと存じますので申し上げた次第でございます。
○岡田(修)委員 問題を次に移しまして、この御説明の中に、番組編成に関して「最近における受信者の聴取態様に即応した効果的な番組」にする、こうあるのですが、その「最近における受信者の聴取態様」というのは、どういう内容なのか、どういうふうに推移し、それに応じてどういう番組を当てようとされておるのか、この点を一つ伺いたい。
○前田参考人 お答え申し上げます。これは端的に申し上げますと、ラジオの聞き方とテレビの見方の関係で、全国的に各世帯あるいは受信者の聴視態度が変わってきていることに即応する編成の方針ということでございます。NHKは、過去三年間かかりまして、これは去年完成いたしましたが、全国の生活時間調査というのをいたしました。これは世界で初めての調査でございます。この調査の結果、編成の方面ではっきりしたことは、ラジオの好適時間は大体朝及び昼過ぎが最高であるという結果でございます。テレビは、これに対しまして一応同じような傾向は持っておりますが、依然として夜が最高である、簡単に申しますとこういう結果になりますので、ラジオ、テレビを両方その事業の目的としているNHKといたしましては、全国受信者の生活の態様及び生活時間の内容に応じてそれぞれ独自の編成方針をして参りたいということでございます。
○岡田(修)委員 時間がございませんし、あと羽田委員の方で御質問があるようでございますので、あと、一、二簡単な問題を御説明願いたいと思います。 その一つは、経営管理について極力業務の機械化をはかる、こういうことですが、NHKで機械化をはかるというのはどういう点ですか。
○前田参考人 これは簡単に申しますと、事務的な部門を機械化いたしたい、こう考えております。これはたとえば加入料金の徴収及び原簿の作成、あるいは人事文書に関する資料の作成、その他従来機械化の部分は非常に原始的でございまして、従って人手を要すると同時に、労働の内容が非常に複雑多岐にわたると同時に、労働時間がかなりふえて参ります。そういう意味で、一面機械化が必要であるという検討をいたし、同時に番組製作部門におきましても、完全な原価計算を行なった経営をして参るという建前では、その部門においても一部機械化の必要がございます。また資料の集積、全国的調査のあらゆる種類の資料を集積するためにも、従来のような形の文書に残すというのは、量質ともに膨大になっている今日、非常に不経済でございますので、それについても最高度の機械化によってその集積が容易でかつ確実、永続するという方法をとるべきだという考え方のために、機械化を第二次六ヵ年計画の重大目標の一つとして採用いたしております。この計画は簡単に申しますと、総額およそ六十億を投じて、全国的に今申し上げた部分を機械化いたしまして、その最終年度は昭和四十二年度に完成いたす予定でございますが、三十八年度の下半期からこれを実際的に使って参りたい、このように考えております。
○岡田(修)委員 その次に、給与について社会水準を保ち得るよう改善するということですが、一体今NHKでどれだけ従業員がいて、給与は大体どの程度になっておりますか。
○前田参考人 私どもが考えております社会的水準に合うようなという意味は、端的に申し上げますと、放送協会は一種の公共企業体であって、これが行政的に政府機関その他の関連で成立し、運営されておるというような一般的に誤った印象もございます。しかし、私どもの考え方は、これはマスコミュニケーションの事業の中の放送事業として考えなければいけない。そういう意味で事業界全体の給与水準がどうあるべきかということと関連して、職員の給与を考えて参りたいという意味が一つでございます。 実情を申し上げますと、現在の職員の総数はおよそ一万四千百六十名になっておりますが、御審議願います明年度予算の中の人件費を明年度の職員の総数と引き合わせて考えますと、現行は一人当たり平均三万四千二十五円になっておりますので、明年度は七%のベースアップをいたしまして、平均三万七千八百六十二円にいたし、その御承認をいただきたいと考えておるのでございます。
○岡田(修)委員 その三万七千八百六十三円というのは、他のこの種の民間の職員に比べてどの程度に相なるわけでございますか。
○前田参考人 これは大体を申し上げますと、おもな基幹産業の全国的な給与の水準にほぼ近づいて参りました。同種産業といたしましては、たとえば例をとりますと、朝日、毎日、読売というようなところと比較いたしますと、大体読売よりは同等もしくはやや高く、朝日よりはまだ低いという程度でございます。これを放送の各局と比較いたしますと、商業放送と比較してはまだ大差がございます。これは経営の内容と職員の総数の差から出てくる差でございます。 社会的水準と申し上げますのは、そういう特殊の例ではなく、一般的な水準に応じて参りたい、こういう意味でございます。
○岡田(修)委員 まだ二、三質問したいことがございますけれども、きょうはこの程度で終わります。
○本名委員長 羽田武嗣郎君。
○羽田委員 先ほど阿部会長から、去る二十五日に、東京都庁の了解を得られてワシントンハイツにテレビの放送局がいよいよ設けられる、こういうことになりましたことは、ほんとうに御同慶の至りでございます。そこで、ここに設けられるテレビ放送局の設計といいますか、そういうものの構想の大体のところを、それからまた、今度敷地がやや狭まったようでございますが、それに対してどういうように設計を変更するかというふうなことをお尋ねいたします。
○田辺参考人 まず敷地の面積につきましては、御承知のように、当初私どもは三万坪要望しておりましたのが、二万五千坪になりました。そのうち、そこに放送センターを建てます場合に、オリンピックまでに間に合わせる部分と、それから引き続きまして完全な放送センターの姿にしていくための第一期、第二期と、一応工事を分けております。また、それと関連いたしまして、現在まだ私どもの放送センターを建てる場所に米軍の宿舎がございますが、このうち一万八千坪につきましては、本年三月末に米軍がそこを撤収して、工事が始められるようになっております。従いまして、私どもといたしましては、早期に米軍が撤収いたします一万八千坪の中に、オリンピックまでに間に合わせます第一期工事分を建てまして、しかる後に、終了後に、引き続きまして第二期工事に移っていきまして、四十二年度までに放送センターを完成したい、大体そういうような構想でございます。 建物の構想といたしましては、現在持っております構想を簡単に申し上げますと、一万八千坪の最初につくります部分の建坪は約五千坪と考えております。それから建物の延べ面積は約一万六千五百坪ございます。これは一応地下二階、地上五階くらいの建物を考えております。その中に、主要なものといたしまして、テレビ・スタジオ八つ、ラジオ・スタジオ七つ、そのほか録音スタジオ、フイルム・スタジオ、大道具、小道具、その他放送関係、機械関係、そういうものが全部まとまりまして、延べ約一万六千五百坪の構想でございます。 それから第二期の方のオリンピック終了後に続いてやりますものにつきましては、最終の姿を申し上げますと、テレビジョン・スタジオが二十二でございます。そのほかに公開スタジオ一人を入れて見られるようにいたします公開スタジオが一つございますので、合わせて二十三のテレビ・スタジオになる予定でございます。これは先ほど申しました第一期工事でつくります八つを含めまして二十三になります。ラジオの方は第一期工事は七つございますが、最終的には十のスタジオでございます。その他いろいろ関係の施設を含めまして、延べ約五万六千坪、あとからつくります部分につきましては、時間の余裕がございますので、地下を少し深くいたしまして地下五階、地上五階にいたしております。 それで、それに要します経費は、第 一期工事、オリンピックまでに間に合わせます分につきましては、本年三十八年度の予算に御審議をお願いしております中に土地三十億、建物の一部といたしまして三十億、放送設備といたしまして十億、合わせて七十億三十八年度の予算に計上してございます。それから引き続きまして第一期工事につきましては、三十九年度の予算で建物約三十億、放送設備四十億、合わせて七十億計上したいと考えております。合わせまして第一期工事が総計百四十億予定しております。 それから第二期工事につきましては、一応四十年、四十一年、四十二年度にわたりまして約百九十億、これは建物と放送設備合わせてでございますが、現在の構想では、第一期工事、第二期工事合わせまして約三百三十億程度の経費をかけたい、こう考えております。 それから、最後に御指摘の第一期工事が終わりますと、最初オリンピックまでに建てます分が土地は約五千坪、そのあとの分が約七千坪、合わせて一万二千坪と考えておりました。ところが、これが三万坪に対する四〇%の割合で建坪一万二千坪と考えておりましたが、これが二万五千坪になりましたので、これらにつきましては、今後若干建物の建蔽率を上げていただくか、あるいは若干この建物を工夫いたしまして、敷地の面積、建坪を若干小さくすることが必要だと思いますので、これは今後の問題として研究したいと思っております。 大体概略以上のような構想でございます。
○羽田委員 大体の構想はわかりましたが、第一期工事の設計はもうすでにでき上がっておるのでございますか。
○田辺参考人 土地の方が最終決定に参っておりません。あるいは広さの関係もございまして、構想はかなり進んでおりますが、こまかい設計はまだ進行中でございます。
○羽田委員 それで来年の十月までにもちろん竣工しなければなりませんが、一体いつごろ着手されて、竣工する時期はいつごろになりますか。
○田辺参考人 現在すでに――先ほど申し上げましたように、米軍が三月一ぱいで一万八千坪の地区から撤収いたしますが、その地区につきましても、すでに測量とかその他そういうふうな準備的なことはやってよろしいと米軍の方で言っておりますので、近く数日中に測量その他を開始したいと思っております。それから三月一ぱいで米軍がその地区から撤収いたしまして、そのあとそこにございます建物を撤去するとか、あるいは地ならしするとか、そういった準備的な行動に四月中かかるかと思います。従いまして、建物の建築にかかりますのは大体五月初めを目標にしております。完成は来年の九月中ということでございまして、相当な突貫工事になりますので、若干の心配もございますが、何とかしてオリンピックに間に合わせるようにしたい、こう思っております。
○羽田委員 よくわかりましたが、それでとにかく来年のオリンピックの世界的サービスをしなければなりませんし、それにまた一期工事、二期工事を合わせますと三百三十億の膨大な予算にもなるのでございますので、世紀の記念塔といいますか、本格的に昭和年代にできたものとして最高の建物ができ、それからテレビ・センターとして世界の放送に、来年のオリンピックの放送をほんとうに完全に、完璧にしおおせるように、特にお願いをいたしまして、簡単でございますが私これで質問を終わります。
○森本委員 ちょっと資料要求をしておきたいと思います。先ほどのセンターの件でありますが、これは非常に重要な事項でありますので、先ほど田辺専務理事の方から説明があったものにさらに付加をいたしまして、テレビ・センターの全貌についての資料を正式に委員会にお出しを願いたい、こう思うわけであります。大体どういうふうな建物を建てて、第一期工事はここまでできて、第二期はどういうふうになるか、そういう全貌について一つお願いしたい。 それから、先ほどの岡田さんの質問にもありましたNHKの学園の問題でありますが、これについても一つ――これは質問は省きたいと思いますので、正確な資料を一つお出しを願いたい。これはどういう計画で、それから人員がどの程度になって、どういうふうにやるという資料を学園についてお出しを願いたい。 それからもう一つは、先ほどの国際放送でありますが、これは毎年出ておりますけれども、現在国際放送がやっておる内容と、それから今度付加する問題、国際放送の全貌についての資料をちょっとお出しを願いたい。 それから、六ヵ年計画の――三十七年度に私たちが審議をいたしました計画と、それから今度変更になっておりますから、その変更になった計画と、この二つを対比したい、こう考えておりますので、それを一つお願いしたい。 それからもう一つは、外国の駐在員が今度ふえるようでありますが、現在外国にNHKの特派員として駐在している個所と人員と、それから今度新しくつけ加えるところ。 それから、これは非常にむずかしいわけでありますけれども、テレビのいわゆるドラマでありますが、これの単価を知りたいと思います。最高と最低と中ぐらいに分けて、それから三十分もの、一時間ものというふうに分けて、その単価は大体どの程度でできておるか。たとえば有名な「若い季節」なら「若い季節」がどの程度でできておるか、あるいは隣組なら何とかというのがありますが、そういうようなのがどの程度でできておるか、その一つ一つの――個人の問題でなしに、総合的な単価が三十分でどの程度、一時間でどの程度でできておるかというものを大中小と分けてお出しを願いたい。 それから、テレビのドラマを地方の放送局にこのごろつくらしておりまして、かなりいいものが出ておるわけでありますが、これなんかも、私は慫慂すべき問題であるというふうに考えておりますけれども、これの今までの実績を一つ御発表願いたい。各地方放送局において独自のローカルを出したドラマができておるわけでありますが、そういうものを出していただきたい。それの単価も一つお願いしたい。それからできればそういうラジオのドラマ等についてもどの程度の単価になっておるか、それを総合比較検討したいと思いますのでお願いしたい。 それから、今度の六ヵ年計画の中におきます置局計画を出していただきたいと思いますけれども、それが三十九年度以降の置局計画については何局々々という程度でいいわけでありますが、三十八年度の置局計画については、出力と場所というものにいっては、テレビ、ラジオそれからFMについての置局総合計画というものを資料としてお出しを願いたい。 以上、資料として要求しておきます。
○谷口委員 私も資料要求をしておきたいと思いますが、NHKがソールで東南アジア全体を集めた放送の会議を開かれる予定があるそうであります。その計画内容のわかるような資料をお出し願いたいと思うのであります。
○岡田(修)委員 私も、予算関係の説明があったのですけれども、予算自体、これを一つ資料としてお出し願った方がいいんじゃないかと思うのです。お願いします。
○前田参考人 ただいま御要求の資料は、なるべく早く作成いたしまして差し上げたいと思いますが、ただ、御要求の資料の、京城で開かれるアジア放送会議に関しましてこの際申し上げて、誤解の点をお解きいただきたいと考えますが、アジア放送会議、京城で開かれる予定のものは、NHKが開くのではございません。アジア放送会議は、去年八月のクアラルンプールの会議におきまして、次回開催地が京城ときまっているわけでございまして、従って、主催局は京城放送局、国としては韓国になるのでありまして、私たちはそこに招待を受ければ出席するという建前のものでございます。この点ちょっとつけ加えて申し上げたいと思います。
○谷口委員 その内容につきましては、だから、しかるべき資料をちょうだいしまして、その上でまたあなたのおっしゃったようなことについての論議は別の機会にさせていただきたいと思います。資料を一つお願いいたします。
○本名委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明二十八日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時二十四分散会