逓信委員会 第7号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/20
会議録
○本名委員長 これより会議を開きます。 電話加入権質に関する臨時特例法の一部を改正する法律案を議題として審査に入ります。
○本名委員長 まず、提案理由の説明を聴取することといたします。小沢郵政大臣。
○小沢国務大臣 ただいま議題となりました電話加入権質に関する臨時特例法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。 電話加入権質に関する臨時特例法により、電話加入権に質権を設定することができる期限は昭和三十八年三月三十一日までとされておりますが、本制度の利用状況を見ますと、逐年利用者は増加する傾向にあり、一方電話加入権の担保価値も電話の需給の現状から見まして、なお当分の間存続するものと認められますので、加入電話の増設計画ともにらみ合わせまして、質権を設定することができる期限を昭和四十八年三月三十一日まで延長するとともに、国税徴収法が改正されましたのに伴い関係規定の整備をあわせて行なおうとするものであります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。 ————◇—————
○本名委員長 次に、電波法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。岡田修一君。
○岡田(修)委員 電波法に関連いたしまして、私は今度の電波法が主として海運経営の合理化をねらいとするところにあることにかんがみまして、運輸省で今考えておる海運経営の合理化あるいは海運基盤の強化について、まずお尋ねいたしたいと思うのであります。 運輸省は、今度の国会で海運企業再建整備法案を出され、さらにまた、利子補給をも強化せんとされておるのでありまするが、まずその概要について、簡単でけっこうですから、お述べ願いたいと思います。
○亀山説明員 お答えいたします。海運対策といたしまして、今国会に法律案を二件上程いたしておりますが、一つは、海運業の再建整備に関する臨時措置法及び利子補給法の改正法律の二案でございます。いずれも海運業の合理化と基盤強化並びに関係競争力の強化のための法案でございまして、海運業の再建整備に関する臨時措置法案は、主として海運業の基盤強化のために会社の集約、合併及び企業内の合理化を進めまして、いち早く海運業の自立体制を樹立することをねらいとした法案でございます。そのためにきびしい合理化を要求いたしまして、そういう自立体制に到達し得るものに対しまして、開発銀行の利子の猶予を五カ年間行なうという趣旨でございます。また利子補給法の改正法律は、今後建造すべき船の国際競争力を強めるため、現在日本の船はいろいろな点で、外国の船とコストの面で差がございます。そのうちの一部である金利の負担を国際水準並みに引き下げるために、開発銀行の金利を四分に下げる、また市中銀行の金利を七分程度に下げるということをねらいといたしました法案でございます。 この二つの利子猶予という措置、利子補給の強化ということをいたしまして、日本の海運業が国際的に太刀打ちできるように海運企業を強めたいということでございます。いずれも、その前提といたしましては、それぞれの海運企業に対して、経費の節減その他あらゆるきびしい合理化等を要求しておるのでございます。
○岡田(修)委員 ただいま説明のあった企業の合併、集約でございますが、一体どの程度に合併、集約をしようとするのか、既存の会社は非常に戦々きょうきょうたる状況でありますし、ことに陸上職員は非常な危惧を抱いているから、合併、集約の程度、規模について、もう少し具体的に御説明願います。
○亀山説明員 現在国会で審議をいただいております海運業の再建整備に関する臨時措置法案では、自社所有船を五十万トンにする、それから用船等の扱い船を含めまして、一つの経営体の運航する船舶は百万トンとするというのが集約の目標となる経営規模でございます。 五十万トンの自社所有あるいは百万トンの扱い量ということになりますと、現在日本の船会社が持っております外航船腹は約九百万トンでございます。九百万重量トンでございますが、そのうち石油会社等の自家船、これは海運会社ではございません。そういうものを差し引きますと、七百五、六十万トンという程度でございますが、今度の集約の対象になりますのは、それらの一部を除いた外航船のほとんどすべてでございます。 今の百万トンあるいは所有五十万トンということを目標にいたしました場合、必ずしもきっちりそれぞれの集約体が百万重量トンになるわけではございません。あるものは二百万トン以上になろうかと思います。大体集約体の数といたしましては、六つとか七つという程度を想像しておるわけでございます。現在船舶のオペレーターがいっております外航海運の主力をなしている会社の数は、貨物船、タンカーを含めて、二十二社ございます。これらがいずれも六ないし七にまとめられ、あるいは合併の形態を大原則といたしまして、一部には会社の形式的独立を存続して、資本支配という形で従属するということになりますので、戦前あるいは戦後の会社の数から見ますれば、ここ一両年のうちに非常にきびしい集中集約化が行なわれるわけでございまして、今申し上げましたように、大部分の会社が合併あるいは資本支配ということになりますので、陸上従業員につきましても、相当な影響があるのではないかということを考えておる次第でございます。
○岡田(修)委員 私は今度政府が企図している海運の経営合理化というのは、いわば大政奉還のような措置ではないか。今まで自分でやっていた会社の経営を全部投げ出して、新しいところに入っていく非常な変革であると思う。従来海運の合理化については、政府の助成だけを求めて何らみずからなすところないじゃないか、こういう非難が非常に強かったのでありますが、今度は、好むと好まざるにかかわらず、新しい形に追い込められる、こういうふうになるものと私も了解し、今の御説明で察する次第であります。そこで、一体陸上職員で職を離れるものがどのくらいあるというように考えておられますか。
○亀山説明員 現在利子補給法の適用を受けておりまする海運会社は、これが日本の外航船腹の八割以上、九割近くを占めておるのですが、利子補給を受けております会社の数は五十六社でございますが、そこに働きます陸上従業員は約八千八百人でございます。それがどの程度に集約合併によりまして減員させられるかということは、現在の段階でははっきりしたことはなかなか——いかなる会社といかなる会社がどういう形で合併をするかということ一がまだ明確になっておりませんので、確たることは申し上げられませんけれども、八千八百人という現在の数を、そのまま集約後も当然維持しておるということは、むずかしいのではないかというふうに考えております。
○岡田(修)委員 一体海運会社の経費の中で、陸上職員の給与その他の経費と、海上勤務員の経費というのは、どういうふうな割合になっているのですか。
○亀山説明員 お答えいたします。手元にあります資料では、三十六年の下期、つまり三十七年三月決算の数字でいささか古くて恐縮でございますが、船員費は、先ほど申し上げました利子補給を受けておる会社五十六社、日本の外航海運のほとんど全部をカバーしておると思われる利子補給会社の合計で、半年——下期でございますから半年問で、船員費は百二十四億五千四百万円になっております。この百二十四億五千四百万円という数字は、海運会社の営業費用のうちの九・八二%、一割ちょっと切れるという数字でございます。それから陸上職員——役員並びに職員でございますが、その経費は同じ三十六年の下期で、三十一億六千五百万円、そのほかの役員報酬が四億七千百万円ございますので、両方合わせますと、三十六億程度でございまして、これが大体一般管理費というものが、営業費用の中で——先ほど船員費が九・六二%と申し上げましたが、この船員費の九・六二%に対応する一般管理費が六%でございます。これに対する一般管理費の中での今の役員と職員の人件費が、福利厚生費まで含めまして約半分、従いまして、船員費が営業費全体の中で約一割弱に対しまして、陸上の役員及び職員の占めるパーセンテージは三%程度となります。
○岡田(修)委員 私は、運輸省の方は、いろいろ海運会社の陸上職員の抵抗がありまするから、離職者はそうないだろう、こういうふうな考えですが、実際は海運会社が合併し、その経営を合理化しようとしますると、相当数の離職者が出るのじゃないか、私はこの海運会社の企業の実態というものをよく承知しておりまするが、ほかの陸上産業のように兼営の事業とか、あるいは小会社というものが非常に少ない。自分の会社だけでやっておるというのが大部分であります。従って、こういうものが離職いたしました場合に、非常に困った状況になる。また一面において、こういう海運会社の従業員というものは、なかなか海外の知識も深ければ、語学もたんのうであるという非常に有能な、今の日本の経済社会では非常に大事な人間が多いのではないかと思います。それだけにこういう人たちの行方というものに非常な同情と懸念を持っておる次第です。今御説明のように、これらの問題、どれだけそれが出るかよくわからぬということは、その通りでありましょうが、私は相当大へんな問題である、かように考えております。 ところで、今度の合理化で、それでは海上勤務員の方にどういう影響があるか、その点を一つお伺いしたい。
○鎌瀬説明員 御説明申し上げます。 集約によって海上勤務員がどのような影響を受けるかという御質問でございますが、海員につきましては、予備員率が集約化によって低くなるので、若干余裕が出て参ることは事実でございますけれども、所得倍増計画によります船舶増がございますので、それに対応する海員が必要になりますので、集約によって海上職員が余ってくるという問題は起こらないと考えております。
○岡田(修)委員 それでは今度の企業の集約によって海上勤務者——今度の改正案の対象になっているオペレーターは別といたしまして、その他においては、何ら職を失う者がない、こういうふうに了解していいわけですね。
○鎌瀬説明員 さようでございます。
○岡田(修)委員 それではこの無線通信士でございますが、この無線通信士は、今審議中の電波法の改正によって一体どの程度の離職者が出るのか、それを一つ運輸省、郵政省どちらでもけっこうですからお聞かせ願いたい。
○鎌瀬説明員 現在船舶職員法の一部を改正する法律案を今国会に御提案申し上げておりますけれども、この改正が施行されますと、三年間は経過措置がきめてございますので、原則として経過期間中は二名ということに相なりまするので、甲種船舶通信士につきましてはほとんど影響ございません。乙種船舶通信士につきましては、経過期間中に法定定員といたしましては約三百名ばかり余裕を生じてくる。しかしながら、この約三百名の余裕を生じて参りますけれども、船腹増がございますので、この乙種船舶通信士を甲種船舶通信士に進級してもらわないと、今後の船腹増に対する甲種の確保が不可能になりますので、さしあたり経過期間中には若干の余裕が出ますけれども、内航船、漁船の方にも船腹増がございますので、その方に吸収されるというふうに見込んでおります。
○岡田(修)委員 今度の改正で無線通信士の乗組定員の減少が乙種の三百名程度でございますか。私の了解しているのでは、千数百名が実際に——直ちに船をおりるかおりないかは別として、法定の定員としては手数百名減る、こういうふうに了解しているのですが、そうじゃないですか。
○鎌瀬説明員 三年を経過いたしまして、改正法が全面的に施行になりますると、法定定員として必要な船舶通信士の数は、現存船腹で千三百十一名必要でございます。従いまして、法定乗組員数としては、現在の船腹で現行の規定で法定定員としては約二千八百ございますので、約千四百名ほど現行定員よりは法定定員は減って参ります。
○岡田(修)委員 ただいまの説明、もう一つよくわからないのですが、法定定員として千四百名減るわけですね。それは三年間の暫定期間といいますか、この法律を実施した直後における定員減少が千四百名ぐらいですか。その点一つ。
○鎌瀬説明員 千四百名は、改正法が全面的に施行になりまする三年後までの総計が千四百名でございます。
○岡田(修)委員 そうすると、三年間の減少、三年後に暫定措置が切れた後における減少が千四百名、こういうふうに了解していいわけですね。
○鎌瀬説明員 三年後に全面的に法律が施行になりましたときに、現在の法定定員からその改正法の法定定員になります経過期間中の定員外も含めました総計が千四百名であります。
○岡田(修)委員 もう一つよくわからないのですが、千四百名というのは、そうすると暫定期間の三年間に順次減るであろうという人数である、その間に船腹が一面において増加する、こういうことで、先ほどの乙種三百名を甲種に昇格させる措置があれば、何らこの海上のオペレーターについては離職の心配がないじゃないか、こういうふうに解釈していいのですかどうですか、その点もう一ぺんはっきりとわかるように御答弁願いたい。
○鎌瀬説明員 経過期間中に乙種船舶通信士は法定定員外になりますけれども、御承知の通りに一級通信士の数が非常に少なくて、一級通信士が海運関係に進出する数字が年々減っておりますので、実際問題といたしまして乙種船舶通信士から甲種船舶通信士に進級して通信長としての仕事をしていただくという現状でございますので、経過期間中に法定定員外になります乙種船舶通信士は、今後船腹増に対しまして必要な甲種船舶通信士に進級していただくほかございませんので、経過期間中に法定定員外の船舶通信士は出ますけれども、経過期間中の最後の年には、すでに甲種船舶通信士が不足して参るという見込みでございますので、乙種船舶通信士が甲種へ進級していただければ、通信士の需給の状況から支障はないのではないか、かように存じております。
○岡田(修)委員 それでは、あすまたこの委員会がありますので、あすまでに、今度のこの法律改正でどの種類が幾ら減少するか、その三年間に船舶が幾らいって、幾ら需要があるか、そういう需給状況ですね。この三年間あるいは三年経過した後のオペレーターの減、これは法定定員ですから、実際その通りに減少するかどうかは、この法律が改正されたあとにおいて、海員組合と船主協会との間において、法律にとらわれない実際の定員配置、こういうことになりまして、実際はそれと違ったものが出てくるでありましょうが、法律に基づいてやった場合に、どういうことになるかという一つの表をこしらえてお出し願いたいと思います。
○鎌瀬説明員 わかりました。
○岡田(修)委員 半年か一年ほど前は、無線通信士が非常に逼迫しまして、それで無線通信士を探し当てることができないために、船の運航がとまったり、あるいはべらぼうな給料を吹っかけられたりした事例が多くあったようでございますが、現在の逼迫状況はどうでございますか。
○鎌瀬説明員 現在、海運界におきましては、予備員を保有しておりますので、外航船腹等重要な船腹におきましては、不足はいたしておりませんけれども、漁船とか内航船の一部ではやはりこれの確保に難渋しておるように聞いております。
○岡田(修)委員 電波監理局長さんにお尋ねいたしますが、船といわず、陸上といわず、一般に無線通信士の需給状況は現在どうなっておりますか。
○西崎政府委員 具体的には一つあとで資料で提出さしていただきたいと思いますけれども、一般論といたしまして、まだ非常に需給関係は窮屈な状況でございます。御承知のように、陸上における弱電関係、ここの需要が非常に多いものですから、通信士また技術者通じまして、非常に需給関係は困難な状況にまだあるように承知いたしております。
○岡田(修)委員 そうすると、運輸省の方からあす資料によって、法改正後における海上無線通信士の需給状況のありさまをはっきりしたいと思うのでありますが、かりにある程度の余裕が法改正によって海上の通信士に出たとしましても、これを陸上の方で吸収するということは、そうむずかしいことではない、かように考えられますが、いかがですか。
○西崎政府委員 個々につきましては、いろいろ特殊の事情もあるので、私がお約束するわけにもいきませんし、またそういう筋のものでもないと思いますが、一般論、すなわち数字の上から言えば可能だ、こういうふうに思います。
○岡田(修)委員 そこで、今度の法改正で一番問題は、先ほどちょっと説明の中に出ておりました乙種通信士の職場が非常に狭くなる、これをどうするのだということが一つの問題点であろうと思うのです。この点についていかがお考えになるのか。それからもう一つ、先ほど乙種の人に甲種免状をとらしたらどうかということなんですが、甲種の試験が非常に困難であり、なかなか甲種の免状がとれない、こういうことを聞いておるのですが、その辺どういう工合になっておるのか、御説明願いたいと思います。
○西崎政府委員 乙種と申しますと、われわれの方では二級通信士、こう呼んでおるわけでございますが、先ほどもお話がありましたように、特に内航船におきましては、二級の通信士が得られないで非常に困っておるというような状況で、これを三級に下げてもらいたいというような要請、陳情すら出ておるという状況でありますし、また、今回の改正におきましても、全然二級の職場がなくなるというわけのものではないわけでございます。 それから二級から一級への進級の問題でございますが、確かに一級の試験というのは、通信士として最高級の資格でございますし、またいろいろと電波の利用面というものが広範になってきておりますので、試験自体だんだんむずかしくはなってきておるわけでございます。従いまして、そう簡単ではございませんけれども、現在一級の合格者というのは、ほとんど全部が二級の資格を持っている者が進級するということになっておるわけであります。また、そういうための訓練施設と申しますか、教育機関もできておるわけでありますから、その点は可能である、こういうふうに考えております。
○岡田(修)委員 きょうは、運輸省の方からだいぶ見えておりますので、郵政省関係はあとで質問させていただくことにしまして、質問は飛びますけれども、海運局長にお伺いするのですが、今度の政府の助成ですべての海運の欠陥あるいは悪弊というか、病根というか、そういうものが除かれるわけじゃございませんけれども、しかし、一番大きな面が今度の助成で除かれようとするわけですが、これで相当程度国際競争力が回復するのかどうか、この点、質問がもとへ戻るようでありますけれども、あなたからもう一ぺん聞かせてもらいたい。
○辻政府委員 今御指摘がございましたように、いろいろ病根が深いのであります。金利の猶予措置によりまして、過去の金利の重圧による傷は相当いえると思います。今後新しくつくります船につきましては、開発銀行が年四分、市中金融機関が年六分ということで、現在の状態におきましては、各国と金利の面におきましては十分に競争にたえるだろう、かように考えております。
○岡田(修)委員 今度の金利の猶予あるいは利子補給の強化によって——金利の猶予というのは、過去における金利負担の面においての外国船との日本側の不利をカバーする、それから利子補給の強化というのは、これからつくる船における外国船との利子負担を平衡化する、こういうことである。ところが、それ以外に、やはり日本船にもっともっと外国船に比べて不利な点が多いわけです。たとえば今問題になっている電波法その他による海上乗組定員の過剰配置とか、あるいは税の問題私はあれだけで十分な太刀持ちができるというふうには考えていない。よほど海運会社の努力なり、あるいは今言ったような点を改善する必要があるのじゃないかと思うのです。 そこで、現在日本船と外国船の乗組員数の比較ですね、一体外国船はどのくらい乗っており、日本船はどのくらい乗っておるか。それからさらに、それが経費の面でどういうふうに出ているか、外国の船員——外国といっても船会社はたくさんありましょうから、いろいろその間に差がありましょうけれども、代表的なものをとって、その会社の船員費と日本の代表的な会社の船員費との比較、こういうものについて何かあなたの方で調べたものがあればお知らせ願いたい。
○若狭政府委員 外国船舶の乗組員でございますけれども、これは国情によりましていろいろな状況がございます。たとえばイギリス船などにおきましては、中国人なりあるいはインド人なりを使って相当数の乗組員を乗せておるというような状況のものもございますし、過去のそれぞれの国の伝統なり、いろいろな関係で、乗組定数というものは非常にまちまちでございますけれども、代表的な海運国をとって調べてみた表がございますので、これを申し上げます。 昭和三十七年八月中に横浜港に入港した船舶についての調査でございますが、アメリカ船は八隻調査いたしまして、その平均の乗組員数が四十六名でございます。それからノルウェーは六隻調査いたしまして、その平均乗組員数は四十名でございます。それから西独は四隻調査いたしたのでございますが、これは四十八名。それからギリシャ船は六隻でございまして三十一名。ライベリア船は六隻調べまして三十四名。オランダ船は二隻で四十一名。日本船は、これは横浜港ではございませんで、十七次船の定期貨物船の平均をとってみますと、十隻で三十九名。それから日本船で三十七年四月一日現在の船員統計に基づく外航の船会社六十九社の平均の乗組員数は、四十六名というような状態になっております。まだこまかい他の国々の資料はございますけれども、この表を見まして感じますことは、日本船は平均の乗組員数は四十六名でございまして、十七次の貨物船の平均は三十九名、最も少ないのはギリシャ船の三十一名、大体一万トン級の貨物船でございますが三十一名。それからライベリアは三十四名というような状況でございますので、現在の乗組員数というものは、世界各国に比べてみましても必ずしも少なくはない。むしろ各国の平均よりも多いのではないか。ことにギリシャあるいはライベリア等の船舶に対しましては、日本の船の乗組員数は十五、六名も多いというようなことは、海運業にとっては非常に大きな問題ではないかと考えております。 それから賃金の問題につきましては、いろんな調査がございますけれども、また的確な調査ができないわけでございますけれども、いろいろな資料によりまして、われわれの方で調べたところによりますと、アメリカでは、一九六一年の船主対海員組合の労働協約による賃金表によってみますと、八千トン級の外航貨船で……。ちょっと失礼しました。これはこまかい資料でございますので、後ほど資料として提出させていただきたいと思います。
○岡田(修)委員 それでは先ほどの各国の乗組定員の数と、それから日本の船員の賃金と外国の船員の賃金につきましては、資料で御提出を願いたいと思います。 ところで、先ほどの説明の中で、十七次造船の定期船三十九名、これは非常に減っておるのですが、これはどういう面が減っておるのですか、その点をちょっと……。
○若狭政府委員 在来船に比べまして減少いたしておるものといたしましては、機関部の職員、それから甲板部の職員及び無線部の職員というものはほとんど従来通りでございますけれども、甲板部及び機関部の職員、部員におきまして大体二人程度ずつ減っておるわけでございます。それから事務部の部員は、これも二人減っておるというような状態になっております。 なお、十八次の貨物船におきましては、三十六名というような船舶が出ておる状況でございますけれども、これらにつきましては、大体機関部の職員が一名減少、それから部員が二名程度減少しておるというのが多いわけであります。 それから、先ほど申しました各機関別の定員にいたしましても、外国に比べて多いのは、部員関係においては、事務部の部員が各国に比べて多いということと、もう一つは、無線部の定員が各国ともこの調査によれば全部一名でございます。であるにもかかわらず、日本では三名乗っておるというような点が、外国の乗組定数に比べて多くなっておる原因ではないかと思っております。
○岡田(修)委員 最近できます船が非常に定員が少なくなっておる。これは船舶の自動化が非常に推進された結果ではないかと思うのです。私は結局海運の対外競争というものは、金利の面その他が平準化いたしました後は、その競争の面の最も強く現われるのは定員の面ではないか。船舶の大型化、タンカーについて七万トン、十万トン、十三万トンの船ができておりますのは、結局トン当たりの乗組定員数を少なくする、それによってトン当たりの経費を安くする、こういうことであります。船舶の自動化がどんどん進んでおりまするのも、極度に乗組定員を減らそうとするところにあると考えるのでありまして、私は対外競争力強化の上における海上労働配置の適正化、合理化というものが非常に大きなポイントを占めておると思うのです。 ところで、運輸省の方で、最近船舶の自動化について、あるいは試作に対する補助金を出すとか、これは船舶局の関係かもしれませんが、一つ船員局長なり海運局長から、どの程度のものを今後考えておるのか、一つお答え願いたいと思います。もしできなければあとで船舶局長の方で……。
○辻政府委員 資料を持っておりませんので、後ほど資料としてお出しいたしたいと思います。
○岡田(修)委員 海上保安庁並びに気象庁が見えておられるようでありますが、質問が非常に飛びますけれども、この無線通信士の減少によって船舶の通信の運用義務時間というものが非常に減るわけです。通信士の勤務している時間というものが非常に減るわけですが、一体気象航行通報といいますか、そういうふうなものについて支障が起こらないのかどうか、その点一つ……。
○和達政府委員 本改正案によりますと、船舶通信士が非常に少なくなりましたので、海上気象通報は非常に困難になりますが、経過期間中は外航貨物船舶などが大体第二種局甲として運用されるということにおいて、近年船舶も増加しておりますので、気象業務はまず支障ないものと考えます。しかし、三年の経過後におきましては、観測の基本時間であるところの午前三時、これは日本時間でありますが、ほとんど不可能になります。また、場所によりましては、二十一時の観測資料も得がたくなります。従って、これらは国際的にも国内的にも、予報や警報を行なうのに必要な最低限の観測資料を確保することができなくなるおそれがあります。これに対しまして、この電波法の改正によって運用時間割の特例を設けるようなことを考えておられるということでありますので、その場合には、その運用時間の活用をはかりたいと思います。その他特定の船舶と契約しまして、三時の気象観測資料の確保をはかるなど、十分に検討をいたしたいと思います。
○岡田(修)委員 この点につきましては、前の国会で気象庁長官にお尋ねしたことでありますが、そのときに長官は、まあ三年間の臨時措置期間は支障ない、その後においては、船舶と気象通信について契約を結んで気象通報を確保するように推進するようにしたい、こういうような御説明があったと思うのですが、その点はさように了解していいのでございますか、その場合にどういうふうな契約をお結びになるのか、その点を一つ御説明願いたい。
○和達政府委員 特定の船舶と契約して、夜間の気象通報を円滑に入手できるように努力したいのであります。これにつきましては、船舶が気象通報を行なうということは、国の気象の観測網の一環として行なわれるものでありますから、現在の気象業務法にも、委託して電報を打つ場合には費用を負担することができるというような条項がございますが、そういうような精神にも基づいて、国としても十分にこの方面を配慮するように努力したいと巨います。
○岡田(修)委員 暫定措置期間は、ともかくそういう契約を結ばなくても、気象庁の方で業務を遂行するに必要な通報が確保できる、こういうふうに考えているわけですね。
○和達政府委員 さようでございます。
○岡田(修)委員 それから海上保安庁にお聞きするのですが、航行警報というのを、どこそこの海域は非常に危険であるとか、あるいは危険物が流れておるとか、こういう警報を海上保安庁の方でお出しになるのでしょうが、相手の船がその時間に勤務していない、こういう場合には、いかにしてこの警報を伝達されるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○和田政府委員 私どもの方から放送いたしております航行警報の放送時刻は、法令で定められたものではございませんで、利用者と船舶局の便宜をはかるため、利用者並びに関係者の協議の上きめたものでございます。必要によりまして変更することは可能でございます。しかし実際問題といたしまして、この放送は流行病情報あるいは新聞警報の放送と同じ周波を使っておりますし、また気象等の放送との関連もございまして、変更するということになりますと、総合的に研究の必要があると考えます。
○岡田(修)委員 そうすると、利用者の便利な時間に話し合いをして放送しているのだというのだが、利用者というのはだれを相手におきめになっているのか、現在どの時間に実際上そういう通報をお出しになっているのか、具体的なことをお聞きしたい。
○和田政府委員 現在本庁で東京から全国向けにやっておりますのは、午前三時二十分、十時二十分、二十一時二十分の三回でございます。地方におきましてはそれぞれ情報を入手いたしました直後及び情報を入手した直後の沈黙時間の直後に放送いたしまして、さらにそれを一日二回、船舶の方で利用しやすい時刻にそれぞれ再放送しておるのでございます。従いまして、現在これでそう御不便はかけておらないというふうに考えております。
○岡田(修)委員 ただいまの説明の中の午前三時、それから二十一時、これは先ほどの気象庁のお話のように、今度は通信士の勤務時間外になるわけですね。そうすると、その時刻に発した警報は、船の方では受け取る者がないという状況になるのですが、何かこれに伝達する方法はないのですか。何かアラームを鳴らして相手に知らすとか何とか、そういう方法があるのかないのか、その点一つ……。
○和田政府委員 お答えいたします。今の岡田先生の午前三時と二十一時の分については、おっしゃる通りでございますが、さらにこれを地方で、これは申しましたのは東京でございますが、地方で同じことをやっております。さらに二回繰り返しておりますので、さしあたり東京といたしましては、これで十分ではないかというふうに考えております。
○西崎政府委員 ちょっと補足さしていただきたいと思いますが、台風情報といったようなものにつきましては、海岸局を通しまして、警急信号を前置しまして、さっきお話しのように、船舶側のオートアラームを鳴らして、それで船側に知らせる、こういうことができるようになっております。
○岡田(修)委員 私がそういうことを聞きましたのは、要するにこの通信士の勤務時間の減少によって、非常に困るのは気象通報の収集と、それから船自体の航行警報の受信である、こういうことが強く言われておるわけです。それで気象通報については、先ほど長官が、ともかく暫定措置の期間は心配ない、三年後においては契約その他で万全の措置をとりたい、こういうことであります。この航行警報その他については、ただいまの電波監理局長のお話で、非常に危険な場合には十分通知する方法がある、こういうことでございますので、了解いたしましたが、全般的に、海上保安庁は、船舶通信士の勤務時間の減少によって、あなたの方の海難救助対策といいますか、海上保安の仕事の遂行の上で別段支障ないと考えておられるのか、あるいはこういう点に多少の支障を考えるという点がおありなのかどうか、その点を伺います。
○和田政府委員 お答えいたします。私の方では現在海岸局を二十三局持っております。それから行動中の巡視船が八十八ぱいございますが、大体八割程度出ておりますので、これが全部無休聴守、休みなく聴守いたしております。従いまして、かりに船舶での勤務時間が軽減いたされましても、日本周辺の海上保安業務につきましては、別に支障はないと考えております。 なお、御参考までに三十七年の統計によりまして、実際に発せられました重要通信について、ちょっと件数を申し上げますると、いわゆる遭難通信というのが八十四件でございます。このうち主として商船が用いる五百KCによるものが二十二件でございます。緊急通信の方は二百六十九件で、商船の関係のものは四十一件でございまして、これらの重要通信につきましては、九四%私の方の通信所が最初に応答をいたしております。残りの六%が主として漁業無線局が直接連絡いたしておる現状でございまして、繰り返すようでございますが、海上保安庁といたしましては、日本の周辺についての海上保安業務につきましては、別に支障はないと考えております。
○岡田(修)委員 電波監理局長にちょっとお尋ねするのですが、あなたの方からいただきました資料の九ページですが、海域別時間別公衆無線電報の取扱通数というのがありまして、A、B、C、D、E、Fとこうあるのです.が、これはC海域というのはおそらく私は日本中心の海域のことじゃないかと思うのですが、この海域の通数が非常に多いわけです。千八百二十八、その他Aは五十、Bは二百三しかない。Dは三百十一。これはどういうのでございますか、ちょっと御説明願いたい。
○西崎政府委員 この資料は、ここに付記いたしておりますように、電電公社に調査を依頼した結果でございまして、今、先生がおっしゃいましたように、世界の海域をAからFまで六つの海域に分けておるわけでございます。C海域と申しますのは東部インド洋、シナ海、西部太平洋、東部北氷洋、こういうところから構成されておるわけであります。要するに、その海域を航行しておる船舶が圧倒的に多い、こういうことを意味しておるわけでございます。従いまして、一日の通数というものも、ほかの海域に比べて圧倒的に多いという結果になっておるわけでございます。
○岡田(修)委員 私はちょっと誤解しておりましたが、そうすると、これは電電公社が船舶から受けた海域別の通数、こういうことでございますね。
○西崎政府委員 送受合計でございます。
○岡田(修)委員 いや実は私はこれはちょっと誤解しておったのですけれども、C海域というのは、日本船が主であって、日本船の扱う公衆通信というものが非常に通数が多いのじゃないか、こういうふうに考えているのでありますけれども、これは誤解であったようであります。しかし、一般的に日本船の船舶による通信数というものが、外国船に比較して非常に通数が多い、こういうことを言われておるのですが、一体運輸省の方で、船の通信費について外国船とどのくらい通信費が違うか、これは御研究になったことがありますか。陸上の産業でも、不景気になると、一番先に押えるのは宴会費と通信費であります。ところが、船の場合には、おそらくそういう面は全然野放しにしているのじゃないかと思う。非常に便利なものだから、地球の裏側から日本へ通信するとか、かえって大きな設備を持ち、たくさんな人が乗っておられるだけに、必要なもの以外の通信が相当多いのじゃないかと思います。単に人件費という以外に、ほんとうの通信の経費というものはどういうふうになっているか、お調べになったことがありますか。
○辻政府委員 今御質問でございますが、実は外国船と比べて日本の通信はどうなっているという資料はつくってないのでございます。ただ、現在船舶から通信をされておりますものが、私どもから見まして、船の運航あるいは船の航行の安全に絶対に必要なものばかりではないと、かように一般論的には考えております。
○岡田(修)委員 この船の乗組員が、船舶に施設された通信局を使って自分の家族その他に連絡する場合には、この経費は会社が負担しているのですか、それとも個人が負担しているのですか。
○辻政府委員 船員が自分の家族等に私用で通信するものにつきましては、各個人の負担になっております。
○岡田(修)委員 その船舶無線局を利用する通数の内訳ですね、そういう個人の電報とそれから会社自体のいわゆる社用の電報、こういうものの利用の割合というものはわかっておりますか。
○若狭政府委員 個人の通信と社用通信との区別について、相当数の船舶について調査したものはございますけれども、今手元に資料がございませんので、後ほど資料として提出させていただきたいと思います。 先ほどの外国の船舶の通信の利用状況、それから日本船の状況等についても、ある程度の調査はいたしております。具体的に申しまして、私今手元に資料がございませんけれども、外国の船舶の通信の状況に比べて、日本船ははるかに多く無線を使っておるような状況でございます。それから公用通信と私用通信の統計等につきましても、日本船においては私用通信が非常に多くなっておるというような状況でございます。なお、資料を後ほど提出いたしたいと思います。
○岡田(修)委員 私は、私の意見を言うより、一つお伺いしたいのは、よく通信士を減らすとそれだけ通信機能が低下する、ところが船舶というものは、非常に機敏に運航しなければならぬ、そのときそのときの状況を船舶に通報することによって、船の行く先、積荷の状況を知らせることによって、海運経営というものは能率が上がっていく、こういうことを一部で言っているものがある。ところが、私はそうは思わない。船の通信と海運の能率化ということとは、全然関係がない——とは言わない、多少の関係はあると思いまするけれども、船に全然無線通信士がなくなるわけじゃない。とにかく必要な人間を一人乗せておる、こういうことで、そう支障がないと思うのでありまするが、しかし一部において、三人が一人になって、通信機能が低下すると、海運の経営というものはそれでなくても今悪いんだが、より非能率な経営になるのじゃないか、こういうことを言っている向きがある。これについて運輸省はどういうふうに考えるか。はたして海運の経営そのものにそれほどこの定員減少が大きく響くかどうか、お考えを一つ……。
○辻政府委員 船が、安全通信は別にいたしまして、業務通信として一番船の運航能率に関係いたしますのは、船が入港をする際に、あらかじめその入港の時刻を陸の方に連絡いたしまして、荷役その他の手配をするということが一番問題かと思うのであります。こういう点につきましては、これはもう各国共通の問題であると思いますが、現在日本の船会社は、たとえば正午にその船がどの海域におるかというようなことを慣習的に本社の方に知らすというふうなことをやっておる会社が多うございます。現在海運会社におきましても、あらゆる点の合理化の見地から、そういうふうな船の行き先というようなものについては、これを省略してもいいじゃないか、そういう検討も実は進んでおるのでございます。一般的に申し上げれば、現在の業務通信といえども、相当節約して、しかも海運の経営には影響がないというものが相当あるように考えております。
○岡田(修)委員 私は、海運局長にお願いしたいのは、過去何年間、あるいは一年間でいいですが、船会社で通信費の節約をどの程度やっておるか、それから今後、この法律がかりに通り、通信士が減った場合、相当通信を抑制しなければならぬが、抑制するとすればどのような通信をどの程度に抑制するか、そういった面、何らか調査ができますれば調査をしてお知らせを願いたいと思います。私は、この人件費の節約、さらにこの無線通信士の減員が、他の海上労働配置の適正化をうながすことになって、非常に海運経営合理化のキー・ポイントであると考えるのでありますが、同時に、むだな通信——これはそう小さい額じゃないと思う。これの節約——そこに過大な設備があり、あるいは過剰の人間が配置してあると、自然その経費がかさむ、こういうふうに考えますので、通信費の点について、もう少し今言ったような点をお調べを願ってお知らせを願いたい、かように考えますが、いかかですか。
○辻政府委員 ただいま御要求がございました資料につきましては、さっそく調査いたしましてお出ししたいと思います。
○岡田(修)委員 今日はこの程度にいたします。
○森本委員 一つ資料の要求があります。それは、この前の休会中にオートアラームの調査のために郵政省の電波監理局の諸君が船に乗り込んで、たしかヨーロッパまで行っておると思いますが、その調査の結果を一つ早急に資料として御提出を願いたい、こう思うわけです。
○西崎政府委員 実は詳細なる報告につきましては、現在まだ取りまとめ中でございますけれども、ごく概略のものであればお出しできると思います。
○森本委員 その詳細な資料というのはいつできるのですか。それはこの法律案の審議に非常に影響する問題ですから……。
○西崎政府委員 ここで確約というわけにはいきませんけれども、今月中にはできるんじゃないかと思います。
○森本委員 それでは、概略の分を先に出していただいて、それからその詳細な資料ができたら詳細な資料をお出し願いたいと思います。
○西崎政府委員 それではそういうふうにさせていただきます。
○本名委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は明二十一日午後一時から理事会、午後一時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 正午散会