地方行政委員会 第33号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/11
会議録
○永田委員長 これより会議を開きましす。 地方行政連絡会議法案を議題とし、審査を進めます。 質疑を行ないます。通告がありますので、これを許します。二宮武夫君。
○二宮委員 地方行政連絡会議の法案につきましては、すでに自民党の小澤、大沢、宇野三委員から御質疑があったのでございますけれども、残念ながらその要点についての議事録等を、まだ私は目を通すひまがございませんし、でき上がってない面もございますので、答弁者のほうに御要望申し上げておきますが、たいへんかってな要求でございますけれども、もし重複するような問題が出ました場合には、すなおにそのようにおっしゃっていただいて、簡明に御答弁をいただく、こういうことで私のほうはけっこうでございます。その点を初めにお願いを申し上げておきたいと思います。 大臣お見えでございませんから、政務次官にまず第一にお尋ねいたしますが、これもおそらくは論議をされた問題であろうかと思いますが、近ごろ府県合併あるいは広域行政ムードというものが非常に高く盛り上がっておるわけでございますけれども、率直にお聞きをいたしますが、地方自治を守るという自治省の立場から、将来のあるべき地方自治体というものに対して、地方自治の将来の姿といいますか、こういうものについて、どのようなお考えをお持ちになっておられるのか、その辺をひとつ簡明に御説明を願いたい。
○藤田政府委員 ただいま御質問の点につきましては、先般の委員会におきましても宇野委員から自治大臣に対しまして質問がございましたが、あらためてお答えしたいと思います。 将来の地方自治体のあり方に関しまして、自治省としましてはいろいろ考えておりますが、まだ府県統合あるいは道州制というようなことに踏み切ってはおりません。ただ、こういう問題を処理するにあたりましては、現在生活圏、経済圏、行政の範囲等が非常に複雑、広域化しているという現実を見まして、とりあえず地方行政連絡会議法をお願いしておるわけでございますが、将来その地域の住民の新しい自治体の統合等に対する情熱が盛り上がるのを勘案しつつ、自治省としましては府県統合等の問題を処理してまいりたい。順次これらの問題に対して自治省としても構想を固めていこうという段階にだんだんなっておる、こういうことでありますし、また現在進行中の第九次地方制度調査会の審議等も勘案いたしまして、順次現在の自治体を、将来どういう方向に青写真をつくっていくかということを検討してまいりたいと考えております。
○二宮委員 非常にむずかしい問題であろうと考えますけれども、地方の自治体が盛り上がったその上に立って行政的な指導をしていく、こういう情勢ではなかなか問題が解決しないのではないか。地方自治の現在の状況をそのまま進めていくのか、あるいは未来像というものを描いておるのかどうなのか、こういう状態がはっきりしないと、ただ単なる広域行政連絡会議というような、こういう姿でもって連絡をするという程度のものの考えしか浮かばないのであれば、これは私はまことに灰色がかった行政のあり方ではないかと考える。そこで、言いにくい問題もあろうと思うのですけれども、それぞれの答申機関あるいは諮問機関等からも、地方庁の構想や府県合併の構想やあるいは現在の府県を守るべきであるという地方自治の確立の問題や、いろいろあるわけでございますけれども、やはりそれらの問題について明確な自治省としての態度というものがまず確立をしないというと、私は問題がますます複雑混乱をしてくるのではないかというように考えるわけなんです。したがって、いまの段階では、現在の府県制というものを中心にして、その間の連絡協調をはかろうという行政会議というものを考えておるというにすぎない自治省の態度というのでは、将来に対する未来像というものを描いてその方向に進んでいくものではないということに対しては、非常にさびしい気持ちがするわけでございますけれども、現在出ております広域行政連絡会議は、いまの府県のあり方、それをそのまま確認をして、その上に立って行政を進めていく、こういう態度であるというように確認をしていいわけですね。
○藤田政府委員 ただいま二宮委員の御指摘のとおり、現行府県制度に基づいて広域的な地方行政の運営を円滑にし、かつ、制度として組織的にやっていきたいというのが行政連絡会議法でございます。しかし、こういうものの運営や、特にこの法案を提出いたしまして以来、国会における都道府県の現状に対する活発なる御批判、御討論というものに、将来自治省が何か都道府県の青写真をつくる場合におきまして、相当有力な示唆を得たということを非常に力強く思っておるわけでございます。今回出しておる地方行政連絡会議法は、現行の都道府県というものを基準にして考えておるわけでございます。
○二宮委員 静かな水面に石を投じて、その起こってきた波紋をひとつどのように集約をしようか、こういうような下心のありそうな御答弁にも聞こえるわけなんですけれども、いかにも考えようによってはまことに正直な御答弁にも考えられるし、まことにずるい考え方にもとれるわけでございます。現在のそういうような自治体の態度というものは、一応時限立法ということではないにしましても、現在の府県というものを一応の基本にして、その間の連絡調整をはかっていこうという法律をいま出してきておる、こういうように確認せざるを得ないようでございますから、そういう確認の上に立って質疑を続けてまいりたい。したがって、現在の情勢としては、あるいは道州制の問題とか府県合併の問題とか、そのような地方庁の構想とか、こういう問題は、いまのこの行政連絡会議の法案の中には、何らそれをステップとして次に考える意図はないのである、こういうように受け取って質疑を続けたいと思うのですが、そのように確認をしてよろしゅうございますか。
○藤田政府委員 そのとおりでございます。
○二宮委員 もしそうだとすれば、現在のような行政連絡会議というのは、実際には存在をしておる。ただ、出なければならないという者を、法律でメンバーを規制をするということはあるのでありますけれども、実際問題としては地方の行政においてはこういう実態というものはあるわけなんです。たとえば政務次官の出身の熊本県だけが一つのことをやるのではなくて、熊本県で何かやろうとするときには、必ず九州各県に相談するとかあるいは連絡会議を持つとか、こういうようなことを事実やっておるわけなんですが、そういうやっておる現在の連絡会議と、これから考える、ここに提案されておるところの連絡会議とは、性格的には法的に根拠を持って、非常に、一歩強めたという感覚はもちろんございますけれども、現存をしておるところの連絡会議と、この会議とに、どのような効果の差異を期待をしておるのか、その点を一つお伺いをしたい。
○藤田政府委員 この連絡会議自体が固有の権限の決定、執行権がないために、特別の法人ではございません。しかし、先般小澤委員の御質問にもありましたとおり、こういうものを法律で制度化することによりまして、恒常的かつ組織的に広域行政を推進する、こういうことをひとつ権威づけたいということが一つのねらいでありますとともに、これを法律でやる必要はないではないかという立法の過程における関係各省の反対もございましたが、こういうことを制度的に確立するためには、どうしても法律によりまして組織的に、制度的に協議態勢を整備して、連絡協議の実際の効果をうんとあげたい、こういう目標から、法律で従来の現実に存在した制度と変わった実効を期待して立案したわけでございます。
○二宮委員 現在実在をしておる連絡会議というものの欠点について、どのようにお考えになりますか。
○大村政府委員 現在ブロック別に所在しております都道府県を中心とする協議会は、御指摘のとおり任意的なものでございまして、別段法律上の拘束力はない機関でございます。任意機関でございますから、それだけ利点もあるわけでございますが、とかくいたしますとサロン的な会合に終わる可能性も多いわけでございますし、また各県の利害関係に一致する事項を中心に運営されるというような可能性もあるわけでございまして、それらに比べますと今回御審議を願っております法律案に基づく協議会のほうは、やはり全国的に一定の基準で組織をつくって制度として連絡協議を行なう、各地方の広域行政については、日常この協議会を通じて相互の調整がはかられる、そういう場が与えられるという意味で相違があるのではないかと考えます。
○二宮委員 そういう点では、たとえばこの会議が、全会一致して意見がまとまればいいのですけれども、利害が相反するという場合には、全会一致にならないことは当然でございます。そのようになって法律づけはしたわ、実際の問題としては会議が一致しない、こういうようになった場合に、一体どこで調整をするのかという問題が——むしろいまのような任意的な協議会であれば、非常に地方の自治体としては荷物が軽いのですけれども、今度の場合は法律的に規制を受けて、持ったわ、意見が結果的には一致しない、利害相反する問題が起こる。こういうような問題が起こってきた場合に、この調整という問題が一体どうなっていくかということについては、私はこの行政連絡会議の実効というものについてはあまり期待が持てないと思うのです。これはまだたくさんほかにも原因がありますよ。中央の官庁のセクトの問題もありましょうし、それぞれの各県の割拠主義に基づくところの利益の主張もございましょうし、いろいろあるわけですよ。そういう点ではむしろ任意的な連絡会議のほうが、非常に地方の自治体としてはやりやすいのであって、こういうような法律でもって規制を受けて、必ずだれだれが出なければならないというような、第四条ですか、項目をきめてしまって、それでしかもその結果においては一部のうのが反対をする、こういうことになるとその運営そのものについても、どの条項を見ましても何もない。運営は自主的におまえたちがきめろ、こういうような投げやり方をしておるわけなんですけれども、これではまことに不親切な会議であって、法律的に権威を持たせるという意味からつくったとおっしゃいますけれども、その効果の面においては私は期するところあまり多くないのじゃないかというように考えるわけでございます。こういう点についてはもうすでに論議が出たかとも思いますが、その点をひとつ明らかにしてもらいたい。
○藤田政府委員 二宮委員の御発言、まことにごもっともでございます。この法案の立案の過程におきまして、そういう場合の調整を要請する規定をつくるという自治省の当初の方針でございました。いろいろ関係各省との調整の段階において、意見がととのわざる場合の調整の要請という規定が削除になったということを率直に申し上げたいと思います。ただ、現存の都道府県の協議会、審議会等は、目的や性格あるいは会議の項目等が相当今回の連絡会議とは違うと思いますし、従来の協議会、審議会と並存できると思います。従来の協議会あるいは審議会というものを、連絡会議ができたことによって直ちに廃止する必要は毛頭ございません。また任意の協議会等ではできないような面を、この連絡会議では相当取り上げることができるのじゃないかということを期待しております。また、協議がととのわない場合におきましては、先般も御質問がありましたとおり、第七条の意見の申し出、第九条の報告というような規定を活用することによりまして、何回か協議を重ね、実績を積み重ねることによって、問題の所在というものもおのずから明らかになってくるというような効果をわれわれは期待しておるわけでございます。したがいまして、中央の行政執行にあたりましても、地方行政連絡会議が意見の調整ができなくても、そういう会議をやっておる間に、報告がきたり、意見の申し出がある中に政府としての行政の執行の有力な資料を得る、こういう効果を期待しておるわけでございます。できうべくんば、理想的には調整の要請等もできるような規定がほしかったことは事実でありますが、法律作成の段階においてその点は削除されたということを、重ねて申し上げておきたいと思います。
○二宮委員 従来ありました任意的な連絡会議を、法的に権威づけるために今回の行政連絡会議法案というものをつくったのだ、そういうことを言われておって、それができたにもかかわらず、従来のような任意な連絡会議も並存し得るのだ、こういう言い方は私は少し矛盾をしておるのじゃないかと思うのです。今度のブロック会議は行政連絡会議法に基づいて招集するのだ、あるいは今回は任意の連絡会議をやるのだ、そういう使い分けを地方の自治体に判断をさせるということ自体がたいへん不親切な法律だと思うのです。そういうことはあってはならぬし、ととのわない場合には、ととのうような方法を考えることが必要であろうけれども、一本が並存をし得るものであれば、この連絡会議法の必要はないのじゃないかというようにも一応考えられるわけなんでございますが、佐久間行政局長にお尋ねしますが、私もどうもいろいろな問題を具体的に考えてみて、ここにあるようなメンバーが必ず出席をしなければならぬといって出て行って、一日じゅうなまあくびをしておるような会議というものになるのじゃないかという心配があるのです。警察の関係も出てくれば農林省の関係も出てくる、あるいは大蔵省の関係も出てくれば通産省の関係も出てくる。こういうような、ずっと列挙されましたようなそれぞれの出先の局長が、連絡協議会に出席をするということを決定しておるような具体的な例というのは一体なんですか。もう少しわかりやすく、たとえば一つの問題を取り上げてください。一つの問題を取り上げて、こういう問題をやるときにこういう者が全部出て行って、それぞれ意見を述べて、そこで全会一致をして、効力をあげて、地方自治を確立して行財政の水準を高めていくのだ。こういうようにわかりやすく、いろはのいでいいです、あるいはABCのAでいいですから、ひとつわかりやすい例をあげてもらいたいと思います。どういうような具体的な例があってこういう必要があるのか。そうしてその人たちがほんとうに十分に英知をしぼって効力を発現をし、そうして地方のために出先のセクトを除いて、ほんとうに効力を発するような具体的な会議はどういうものですか。私は想像するのがなかなか困難なのですが、具体的な例をあげて、たとえばどのブロックではこういう問題が一つあるから、こういう会議が非常に効力があるんだというような一つ例をあげてくれませんか。例をあげて、例によって説明していただきたいと思うのです。
○大村政府委員 この法案の全般にわたるお尋ねでございますので、一応私からお答えさしていただきたいと思います。この会議の目的は、広域行政についての連絡協議を行なうということでございますので、例をあげて端的に申し上げますると、国土総合開発法に基づく地方開発計画というような問題があるわけでございます。そういったものの策定については、いろいろ中央で手続があるわけでございますが、その計画の策定前の打ち合わせあるいは策定後の実施に伴う問題を各地方で相談をするということになりますると、関係都道府県はもちろんのこと、ここにあがっておりますような国の地方出先機関がそれぞれの立場において関係を持ってくるわけでござますので、これらの方々が一堂に会して、いま申し上げましたような問題の意見の交換をはかり、また実施について意思の疎通をはかるということは、きわめて意味があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。 なお、そういった大きな計画の策定なり実施の問題のほかにおきましても、たとえば広域にまたがる道路交通の問題あたりを依頼するといたしました場合には、警察の関係もございましょうし、もちろん地方建設局、あるいは産業立地その他の関係からいたしますると通商産業局、あるいは地方農政局、そういった機関もそれぞれの立場において関係を持つものでございまして、二、三の例をあげて申し上げますと、以上のような運営のしかたになるのではないかということを御参考に申し上げておきたいと思います。
○二宮委員 実際、具体的な問題を考えてまいりますと、憂慮される問題は、中央官庁におけるセクトというものが——出先の官庁の機関の長というのは、専決権といいますか、はっきりした自分の決定権はなかなか持たしてくれないのですね。したがって、この問題については、これは本省に問い合わせましょうとか、あるいはこの問題についてはまた中央に連絡をいたしましょうとか、こういうことになるおそれが私どもの経験では多分にあると思うのです。そういうことになりますと、出て行った出先の長というのは、構成メンバーとしてはまことにりっぱなメンバーでございましょうけれども、問題が錯綜いたしてまいりますと、中央官庁のセクト主義というものをそのまま地方に露呈をいたしまして、会議の効果、実績というものをあげることはまことに困難な問題が起こってくるのではないか、こういうふうに考えるのです。そこで、出先の機関に対して、こういう問題については中央から権限を委譲するとか、あるいはこういう問題についてはおまえのほうでやってよろしいというような、一つの制限をゆるめるとか、そういうことがなければ、出先の機関というのは、皆さん方も御承知と思うのですけれども、たいへんいばることはいばっても、最後の決定権というのは持っているものではないですよ。そういう人々をずらっと並べておいて、そこで最後的に問題を全会一致で決定しようなどという考え方は、私は少し実情にうといのじゃないか、考え方が甘いのじゃないか、こういう感じがするのです。協議をしなくても済むような問題ならいいですよ。たとえばいま大村さんの言われたような国土総合開発なんという問題は、その策定をやる以前の打ち合わせなんというものは、これは相談をしてもせぬでも同じようなものですよ。それは皆さんが利害さえ相反しなければいいのです。ただ、連絡会議を持たなければならぬというときには、必ずそこには問題があるわけです。そういう問題があるときに、都道府県の知事や指定都市の市長や、ほんの一部分の権利を委譲された出先の官庁の長が集まって、会議をするということは、私の経験ではむしろナンセンスだと思うのです。非常にていさいはいいけれども、その実務の効果というのはあがらないのではないかという心配を私はするわけなのですが、立案者のほうではそういう御心配はございませんか。どうですか。
○藤田政府委員 ただいま御指摘のようなことがないように、ひとつ連絡会議をつくりまして、常時懇親の実を深めて、連絡協調の実をあげたいというのが、この法案の一つのねらいでございます。従来も現実に、知事と出先機関の間等で再三いろいろな問題を協議しておりましたが、ここの第四条に列挙しております国の出先機関、たとえば九州縦貫道路の問題等に関しまして、行政上全く関係ない官庁もございますが、そういう人たちも九州縦貫道路の連絡を議題とする連絡協議会には出てきていただき、やはり全般的な知識を持っていただいて、地方自治というものに理解と協力をしていただく、こういうムードをつくることも、連絡会議の一つの大きなねらいでございます。ただ国の出先機関が少しも権限を持たないというような御指摘もございましたが、最近五月一日に発足いたしました地方農政局は、本省の権限の四〇%近くを委譲されましたし、また建設省の出先機関である地方建設局にも、相当大幅な権限委譲を行ないつつあります。各省設置法によりまして、順次、大勢としては国の出先機関に相当国の権限を委譲する方向にありますので、こういう時代の要請にも即応して、連絡会議というものをひとつうんと活用していただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○二宮委員 これは中央で政務次官あるいは大臣、局長、皆さん方いろいろ折衝される場合に、十分体験をされておると思うのですけれども、たとえば農政局なんというのは、農業構造の改善事業をやるという、とを中心にしてやっていけば、これは何%まかしてもいいですよ。問題は、それに必要な経費を一体どうするのだ、あるいは道路の問題にいたしましても、経費は一体どうなるのだ、財政的な裏づけはどうなるのだというときに、大蔵省の出先が、よし、それは引き受けたということが言えるかどうかという問題です。あなた方が中央において折衝される場合でも、常に一番問題なのは、大蔵省を説得するかせぬかという問題だろうと思う。全く中央と同じように大蔵省を説得し切れぬところの地方のそれぞれの各官庁が、出先において、その大蔵省の出先の機関を中に巻き込んで、それで全会一致で、財政的な裏づけの要るような問題を解決していくというような、こういうものの考え方というのは、これはていさいとしてはいいけれども、私は、実際問題としては不可能じゃないかと思う。そういう自信がございますか。道路の建設の問題が例に出ましたけれども、たとえば九州縦断道路という自動車道の計画がございます。どっちにひっぱるかという問題については、各県の利害が相反するだろうと思うのです。ところがこれに対して大体何百億の費用を持つのだという問題について、中央からきめていきますれば別でございますけれども、少なくとも自治省の立場から、地方自治を確立するというたてまえから考えた場合に、この道路をこのように回していけば予算がこうなるのだというようなときに、大蔵省の出先の長をはたして説得し得るかどうかという問題を私は非常に心配をいたします。そういう点についてはなかなか自信がないと思うのです。むしろその際には、知事やあるいは指定都市の市長さん方は、出てきたところの出先の官庁の長を一生懸命拝み倒して、お金を出してくれませんかという陳情の場になるような結果になりはせぬかとも思うし、また全会一致でもって決定するという場合に、大蔵省の出先の人がそれに費用は幾ら要る、それは大丈夫だと言って、胸をぽんとたたいて引き受けてくれるようた大きな連中はいないだろうと思うし、そういうような問題になりますと、この問題を全会一致で解決していくというような、こういう実際的な協議の政治効果というものは、私は期待をするほうが間違っておるのじゃないか、このように考えるのですが、その点はどうですか。
○藤田政府委員 先ほど私がお答え申し上げましたとおり、地方行政連絡会議自体は、ものごとを決定し、執行する機関ではございません。したがいまして、この連絡会で決定し、執行するという際における大蔵省との関係よりは、むしろ国の出先機関と自治体のこん然一体となった姿で広域行政を強力に推進する、こういう姿を打ち立てるところに今回の連絡会議のほんとうのねらいがあるというふうに御了解を願いたいと同時に、またこの中にございます大蔵省の出先機関、財務局あるいは国税局その他の出先機関が加わってまいりますことによりまして、大蔵省にストレートで交渉をする場合よりも、出先機関と自治体の連絡調整による意見の申し出というようなものは、相当権威を持ってくるのじゃないか、また実際この法案が通過しました際におきましては、そういうほうにわれわれも全力をあげて行政指導をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○二宮委員 先ほど大村さんのほうから国土総合開発の計画の問題、あるいは道路交通の問題等が出ましたから、特に財政の面を強調してお尋ねをしたのですけれども、そのような、何とか意見をまとめておいて、そうした出先の人々も、地方自治体の人々も、こん然一体となって、中央に陳情をするのだ、あるいは意見を具申するのだ、こういうふうな行き方の姿というものは、まさしく屋上屋を重ねた一つの考え方であって、私はやはりそこに大蔵省の出先がおって、その人がよしということで財政的な裏づけも私の責任においてやれるのだということの確認がなくて意見の一致をしたというような会議の結果が出ようとも、これは砂上の楼閣にすぎないと思うのです。こういう点については、この協議会に非常に大きく期待をするということは、無理ではないか、もしこういうことをやりますと、出先の機関の長は、常に身分不安定な状態に置かれるような、言いかえますと、中央からしかられ通しのような会議になってしまったり、そうでなければ地方の自治体からは、何と冷酷むざんなやつだというふうに批判を受けるようになったり、この会議そのものが非常にえたいの知れぬ妙な会議になってくるのじゃないかという心配を私は持つわけなんですけれども、あえて法的に根拠を与えてこういうものをやらせるということは、地方自治の立場から気持ちはわからぬでもございませんが、その実際の効果をこれで大きくあげようというような欲を出すと、これは私はたいへんな間違った結果が出てくるおそれが多分にあると思うのです。具体的にいま大村さんの言われたような、国土総合開発計画を立てる前の地方の地域における地域計画の策定であるとか、道路交通の問題であるとか、こういう問題はそれはいいのです。いいですが、警察の人もおれば、あるいは通産関係の人もおれば、海運の局長もおれば、あらゆる出先を網羅して、その人たちが一言もものを言わぬで、きょうは何という会議だったのだろう、聞くだけ聞かされて帰ったわというような会議になるおそれが多分にあると思うのです。あくびをかみ殺しかみ殺し、苦労をしながらやってくるところの会議の実態になるのではないかという感じがするわけなのです。これに非常に大きく期待をすると、負担をかけますと、中央官庁のセクトが出てまいりまして、中央官庁の縦割りの責任が出先の人々にかかってまいりまするし、それかといって自治体の人々が非常に強く要望することを、むざんに突き放すというようなことをやっても会議が成立しませんし、まことにへんてこな、妙な、灰色がかった、あまりワサビのきかぬような会議になるおそれが多分にあると思うのですけれども、どうですか、その会議の性格については。
○藤田政府委員 この連絡会議が決定、執行機関でないために、いま二宮さんのお示しのような御心配もあろうかと存じますが、この法律の目ざすところは、あくまで地方における広域行政の総合的な運営と円滑な実施を目ざして、地方自治の広域的な運営を円滑にやろうという第一条の精神を目ざしておるわけでございまして、この精神をうんと生かすことによって、地方自治というものが相当活発になり、また中央集権の弊風も、この連絡会議を軸心として相当是正できるのではないかというふうに私たちは期待をしておるわけでございます。
○二宮委員 期待は期待としていいでしょう。期待は期待としていいが、法律的に根拠を与えて会議を持った以上は、それが公布されたら直ちに効力を発する、実効をあげる、実績をあげる、こういうものでなくては私は意味がないと思うのです。大きく期待しておると、私は非常に期待はずれになるおそれがあるということを指摘しておるのです。これはそのように大きく期待をすべき性格のものではないと私は思うのです。そういうことはでき得ないので、それをでかすためには、中央におけるところのいわゆる各省のセクトというものを、まずもってなくするとか、あるいは中央、地方を通じての事務の再配分を再考慮するとか、前に解決しておかなければならぬ問題があろうかと思います。そういう前に解決しなければならぬ問題があるのを全然無視して、その上に立ってこのような会議を持っても、それに大きく期待すると政務次官が言われましても、それはほんとうに期待するだけであって、期待の結果というものは、当てがはずれることになるおそれが多分にあると思うのです。私はそういう点をもう一ぺんお聞きしておきたい。期待だけではだめですよ。
○藤田政府委員 全く御指摘のとおりでございまして、中央におきましては臨時行政調査会が発足して、中央の、政府全般の制度の根本的な再検討を始めております。また事務の再配分に関しましては、第九次地方制度調査会がいよいよ軌道に乗っておりますので、これらの調査会の答申をまちまして、連絡会議というものがますます運営に重みを増してくるということを期待しておるわけでございますが、中央と地方自治体との関係が現状のままで、この連絡会議が実効をあげることはなかなか困難であるという二宮委員の御発言に対しましては、私も非常に同感でございまして、そういう点は今後の臨時行政調査会や地方制度調査会の答申と相まって、この法律通過の後におきましてはますます効果を大にしていきたい、かように考えておるわけでございます。
○二宮委員 こういう会議をつくることはつくってもいいでしょう。しかし、それにあまり大きな期待をしようと思っても、その期待は私は期待はずれになるおそれがあるということを指摘しておきたいのです。 その次に、もう少し建設的な意見として、ひとつお聞きをしたいのですが、これは経済的なブロックあるいは中央の出先官庁の管轄するところのブロック、こういうものを配慮をして九ブロックに分けたという法律の趣旨のようでございますけれども、この経済的なブロックと行政官庁の管轄のブロックというものは、必ずしも私は九ブロック全部一致しておらぬと思うのですが、これはどうですか。もしこの前に質問がございましたら、簡単でいいです。
○大村政府委員 この法案におけるブロックの分け方につきましては、広域行政を地方的に処理する場合に、最も社会通念として認められやすいもの、そういう観点で設けたのでございます。御参考に申し上げますと、国土総合開発法に基づく地方開発の区域は、これと全く同じ地域区分によっているものでございます。また地方別の都道府県の会議あるいは市長会、町村会あるいはそれぞれの議長会の地域的な編成状況を見ましても、ほぼこういったような区分に従ったわけでございます。御指摘の経済あるいは各省行政の観点からしますると、行政の目的によって地域区分が異なることは当然でございまして、各省の出先機関の管轄区域というのは非常にまちまちになっておりまして、その間に共通した、一致したものは認めがたい、こういう状況でございます。
○二宮委員 大体経済圏と、それから中央の出先機関の管轄圏とを一緒にして、それが九ブロックになるのだというものの考え方自体が間違っておると思うのです。そういうような考え方は、私は少なくとも——行政連絡会議を進めていきます際の立法の趣旨の二本建てになっておるところのこの二つのものの考え方は、必ずしも一致しないであろうと思うのです。と同時に、また自治省のほうで考えているところの地方自治の未来像といいますか、そういうものを考えてまいりますと、必ずしもこれとはまた一致しないものがあろうかと考えます。暫定的な、便宜主義的な、一時的なこういう一つのブロックの割り方であろうと考えるわけですが、これはこの割り方自体にも問題がございますし、実際、北海道の一番端のほうにおる人の立場を自分の立場に置きかえて考えていただくと、よくわかろうかと思うのですけれども、これはたいへんな、法的に規制を受けたところの会議へ出席をしなければならないものが非常に不便な感じを持ってくるような会議になることも考えられるし、あるいは福井・新潟・富山というような小さなブロックで、しかも経済間は、この考えているような事務所のある場所とは違う場合もあるかと思うのです。あるいは出先の官庁の管轄区域というものも、全くそれとは相反している場所もあろうかと思います。あるいは太平洋ベルト地帯と、あるいは後進地域との間の中には、いろいろまたそこに錯綜した複雑な問題もあろうかと考えるわけでありますが、これを簡単に九つに割り切ってこれで地方自治の行政実績をあげるのだ、こう考えておるような単純な考え方にはなかなか納得をしかねる問題があるわけであります。 特にまた、これらもなおひとつただしておかなければならぬ問題でございますが、財務的な問題、あるいは事務所の設置の問題、そのほかいろいろな難点がこの中には——法的に規制されておるがゆえに困難である。任意的な問題であればそうでもないけれども、法的に規制を受けるがために非常に不便を感ずる。こういうような問題も、私はずいぶんたくさん発見をされる点があるわけでございます。そういうような問題につきましては、今後なお質疑を続けられるそうでございますから、この次にただしてみたいと思います。本日の質疑はこれで終わっておきたいと思います。
○永田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時一分散会