地方行政委員会 第28号
- 発言数
- 287 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/05/30
会議録
○永田委員長 これより会議を開きます。 地方自治法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑を行ないます。通告がありますのでこれを許します。阪上安太郎君。
○阪上委員 地方自治法の改正、これは地方自治法自体が地方自治の基本法であるというような観点から、きわめて重大な問題であります。御案内のように、地方自治法が制定されましたのは、在来の県政であるとかあるいは市町村政、こういった法律を集大成したというだけの意義ではないのでありまして、これはやはり新憲法の精神に基づいて、わが国の民主的な民主化のための基盤をこれでもって果たしていこうというような考え方が強く出ておったことは御承知のとおりであります。 〔委員長退席、高田(富與)委員長 代理着席〕 ところが、今回の自治法改正で、この間からいろいろと論議が行なわれておるのでありますけれども、これを大局的に見ますると、どうも議会の権限がある程度縮小されて、首長の権限が拡大された、こういうような内容が出てきておるわけであります。それからいま一つは、直接民主制であるところの住民の地方自治に対する関与、これがやはり公聴会等を廃止するというようなことによって、ある程度後退しておる、こういうような見方も実は出てきておるわけであります。財務会計制度につきましては、そういった点がもっぱら大きな問題として残されているのじゃないか、こういう考え方を持つわけであります。 そこでこの際、きょうは大臣が見えておりませんが、幸い藤田さんが見えておりますのでお伺いいたしたいと思いますことは、わが国の地方自治制度というものが、首長万能、いわゆるプレジデンシャル・システムになっておるのか、パーラメンタル・システムになっておるのか、そういった点について自治省の見解を伺いたい、かように思うわけです。
○藤田政府委員 阪上委員から御指摘のとおり、新しい地方自治法は昭和三十二年五月三日に新しい憲法と同時に施行されておりまして、従来の府県制、市町村制を集大成したということでなしに、敗戦によりまして変わりました新しい政治体制の基盤をなす総合的な基本法であるというふうに私たちも理解いたしております。したがいまして民主主義の基盤としての地方自治、こういうことを強力に推進するためには、地方自治法をあくまで、順守すべきである、御意見のとおりであると思います。今回の財務会計制度に関しましても、いろいろ御批判もあろうかと思います。財務会計という特殊な知識と体験を必要とする部面におきまして、常時執行の責めにある首長に多少ウエートを置き過ぎたというような議論もあると私たちも了解いたしておりますが、幸いに改正が実施された暁におきましては、運用の面でそういう誤解がないように十分留意してまいりたいと考えております。今日の法体系はいま二つの制度のどちらかということを言われましたが、大体原則としてはプレジデンシャル・システムであるというふうに私は理解いたしております。
○阪上委員 現在の法律の体系がプレジデンシャル・システムだ、こういうふうに言われた。そこで今回の改正の中でそのウエートを持たしたのだ、こういうことになっておるのですが、はたしてプレジデンシャル・システムだというふうに言い切ることができるか、これが非常に問題だと思うのであります。もちろんわれわれが団体としての地方自治体というものを考えた場合に、常に問題になってくるのは中央集権制との関係だと思うのであります。この場合、地方自治体と議会との関係がちょうど国における行政府と立法府である国会との関係であるとはわれわれは考えない。したがって、われわれの一番問題にするのは、首長と地方議会とを含めた地方公共団体と国との関係における中央集権あるいは地方自治権、こういうようなものについて非常に大きな関心を持つのでありますけれども、しかし一つの自治体内における首長とその議会という関係においては、おそらく国会と行政府との関係とはおのずから違ったものがある、こういうふうにわれわれは解釈するのであります。したがって、自治体の中で議会の権能が多少弱められて、それが首長に持っていかれるというようなことについて、それ自体直ちに地方自治の本旨をそこねているという考え方には実は立たないわけです。しかしながら民主政治の原則として、やはり住民を代表する議会の権限が弱められるということは、大きな問題だと考えるわけであります。そこでこれは念のために伺っておきたいと思うのですが、いまプレジデンシャル・システムと言われたけれども、その根拠はどこにあるのですか。
○藤田政府委員 非常に学問的な問題でございまして、大体自治法を通読いたしましての私の感じとしましては、戦前名誉職でありましたものが直接選挙になっておりますし、パーラメンタルなところも自治法全体の中には多少ございますが、原則はプレジデンシャル・システムになっている、こういうふうに解釈するわけでございます。
○阪上委員 私は大体それでいいと思うのです、憲法九十三条に基づいて首長というものが文字どおりプレジデントである。したがって、選挙の場合等におきましても、もちろん議会の議員と同じように直接選挙だ。国会議員の場合とは違う。国会議員の場合には憲法では別に国会議員の選挙が直接選挙でなければならぬということはどこにもうたっていない、これは法律でもってかってにそうきめておるだけだ。間接選挙であっても何も差しつかえない。しかし九十三条においては明確にここだけが直接選挙の内容を持っておるということなんです。それだけに首長も自分で公約を訴えて、そして過半数を獲得して当選して首長の座につく、こういうことになっております。したがって議会議員がそれぞれ公約をいたしまして住民に訴えて出てくるのと同じ形、そういう対等の形をとっておる、こういうことだと思うわけであります。そこで、しかしながらそういう面でこれを考えてみますときに、別に議員と首長との間に特段の甲乙がない、こういうことだと思うのであります。そうなれば、その点については対等の問題であって、それ自体がプレジデンシャル・システムをとっておるのだ、こういうことには私はならないと思うのです。この点はどうでしょうか。
○佐久間政府委員 プレジデンシャル・システムということばそのものにつきましても、学者の間でその定義につきまして必ずしも一致していないようでございますが、通常理解されておりますところは、ちょうどアメリカの大統領とアメリカの議会との関係のように、立法権と行政権とが独立して相侵さないという形、しかも両方が国民の直接選挙で出た独立の立場を持たされておるという組織を言うておるように存じておるわけでございます。そのような点からいたしますと、先ほど来お話のございましたように、わが国の現在の地方公共団体の組織は、執行機関である長も、議決機関である議会も、ともに住民が直接選挙をいたしておりまして、ともに独立の相侵さない立場を持っており、しかも両者の間のチェック・アンド・バランスによって、自治法に定められたルールによって、自治行政が円滑にいくようにという考え方でできておるものと思うわけでございます。もちろんアメリカの大統領と議会の関係とは沿革も違いますし、また国の制度と地方制度という違いもございますので、厳格にそのとおりのプレジデンシャル・システムというわけではございませんが、類型的に見ますとやはりプレデンシャル・システムに属するものと考えてよろしかろうというふうに考えておるわけでございます。
○阪上委員 その意味は、結局将来地方自治法というようなものを改正していく場合に、あるいは地方自治法自体に検討を加えていく場合に、首長万能制にずっと持っていこうという考え方ですか。
○佐久間政府委員 首長万能制に持っていくということではございませんで、議決機関と執行機関とが権限を分かも合って、両方のチェック・アンド・バランスによりまして地方公共団体の行政の運営をやらしていこうということでありまして、議長に議会に対して優越した地位を持たせるという考え方は、憲法におきましてもあるいは地方自治法におきましてもないものと考えておるわけでございます。
○阪上委員 そうしますと首長万能主義でもなければ議会万能主義でもない、お互いに相対抗してやっていこうということで、きわめてずるい地方自治法だ、こういうことになるわけなんですが、そこでそれに対して最後の判断を下すのは一体だれなんですか。
○佐久間政府委員 最後の判断を下しますものは住民であろうと思います。
○阪上委員 そういうような制度のもとに運営されている地方自治体、そして相対抗して結論が出ない場合の最後の決定権は住民が持っている、こういうことなんですね。その住民の決定権というものは、どういうような形で行なわれるのですか。リコール等はありますが、それ以外に何かありますか。
○佐久間政府委員 一番原則的に申しますと、長も議員もともに住民の選挙によるわけでございますから、選挙の機会に住民の判断が加わるわけでございますし、それを補完する制度といたしましてリコールその他のいわゆる直接請求制度というものもございます。直接請求の中に入れてよいかどうか、同様のものといたしまして今回御審議いただいておりますような、いわゆる納税名訴訟というような制度もあるわけでございます。
○阪上委員 それでは、私は住民の決定権の一つだ、あるいは意思の表現だと思っておりますが、多少異なるかもしれませんけれども、公聴会はあなた方はどういうふうに考えておりますか、こういった住民自治の見地からいって。
○佐久間政府委員 公聴会も関係住民の意思を行政に反映させる一つの方法であろうと考えております。
○阪上委員 そこで、今回の法改正によりますと、重要な住民の政治に対する意思の反映といいますか、関与といいますか、ここで分担金の問題等について、分担金条例ですか、在来から堅持されておったにかかわらず事実上実施されておらなかったからというだけの理由で、あるいは他の法律によってそれは除外されておるというだけの理由によって、公聴会を廃止したということは、これは非常に大きなミスじゃないかと思うのですが、これはどうなんでしょう。
○佐久間政府委員 公聴会は同じ住民の意思を反映するシステムではございますが、選挙とか直接請求あるいは納税者訴訟と並ぶものとは考えられない、そこに若干程度の差があるのじゃなかろうかと思うのでございます。公聴会のほかに、地方公共団体におきましていろいろ行政をいたします場合に、あるいは審議会、調査会等の機関を設けまして、そこに関係者を委員として入れまして、それらを通じて住民の意思を反映させていくという方法もあるわけでございまして、一番基本的には、原則的な形態におきましては、議会を通じて住民の意思が行政に反映できるようにしていくということが本則であって、それに足りません分を審議会とかあるいは公聴会とか、そういう形において補完をしているもの、かように考えておるわけでございます。今回分担金は分担金条例を定めるわけでございますが、条例でございますから当然議会で審議をされるわけでございますが、それを廃止すると申しましても、分担金条例をいたします場合に、必ず公聴会を開かなければならないという制度を、任意制に改めて、議会としては必要があれば公聴会を開くという規定はあるわけでございますから、それを開くか開かないか、議会の判断にゆだねようということでございまして、公聴会制度を全然否認するという考え方ではないわけでございます。
○阪上委員 あなたのお説によると、実定法上公聴会というものは何ら決定権を持っていない、最終的には議会がその意思をそんたくしてきめるという制度になっておる、それから公聴会の運営等を見ましても、可否同数で行なっているという形のものである、したがってそこには決定的な意思というものは出てこない、実定法上そうなっておるからということで、現在ある実定法上のたてまえから、あまりたいして価値がないんだというような解釈がなされておるようでありますけれども、私の言っているのはそうではなくて、住民自治の本旨に基づいて、憲法の精神に基づいて、公聴会というものの重要性は認識されなければならない。したがって実定法がそういう足りないものであるならば、もっと強いものに持っていっても何ら差しつかえないのに、いま言われたように、いままでは必ず開かなければならなかったものを、今度の改正では議会の意思によってやろうと思えばやればいいんだから、必ずしも全面的に無視しているわけではない、こういう言い方は憲法が要求しているところの、保障しているところの地方自治というものに対して、大きな侵害ではないかと私は思うのですが、これはどうでしょう。
○佐久間政府委員 おことばを返すようでございますが、憲法で要求いたしておりますところは、長及び議会の議員の直接選挙でございまして、あともちろん地方自治の本旨という精神からいたしまして、できるだけ住民の意思を反映しながら行政をやっていくということが精神であろうと思います。そうした精神からいたしますと、公聴会制度というものも大いに活用していくべきだと原則的には私どもも考えておるわけでございます。ただ分担金条例をきめます際の公聴会につきましては、先般の御審議の際にも申し上げましたように、端的に申しますと、公聴会を開かなければならぬということになっておりますために、さして重要でないものについても公聴会を開かなければならぬということで、実質的には分担金としてではなくて、半強制的な寄付のような形で徴収しているという事例がかなりあるわけでございます。そうなると、住民自治の上からいきましても非常にいけないことでございますので、今回のこの分担金についての改正の私どもの考え方は、分担金条例は必ず強制的寄付はやめて、分損金として分担金条例できめさせる、そして議会で十分御審議の機会を与えるようにしなければいかぬ、その際議会におきまして公聴会をさらにやっていいと判断するときには公聴会を開いてやるというふうに、いままで議会外のところで行なわれておりましたものを議会の場で十分審議してもらうようにしようという考え方であったわけでございます。
○阪上委員 そうしますと、やはり公聴会全体を否定することになるんじゃないですか。分掛金条例の場合の公聴会ばかりでなく、あなたが言われるような筆法でいくならば、いままで議会の外で論じられておったような問題を全部議会の中でやるということになれば、すべての公聴会は必要がないという結論に導くことになるんじゃないでしょうか。
○佐久間政府委員 分担金の実情にかんがみまして申し上げたわけでございまして、そのほかの場合におきまして、すべて公聴会を否定するという考え方は毛頭持っておらないわけでございます。
○阪上委員 それは私最初に申し上げておるのですが、実定法上これは頭にがちっと組み入れて、そしてそれを金科玉条視して、公聴会というものを考える。そうではなくて、憲法の精神に基づいて考えなさい。私はこういうことを言っておるのです。そうすれば、むしろ公聴会というようなものは、もっともっと強化された形が出てこなければいけないのじゃないか。 それではこの際あなたに伺いますが、さっき地方自治の本旨とおっしゃっておりましたが、地方自治の本旨とは何ですか、あなたの理解ではどういうふうに理解されておるのですか。
○佐久間政府委員 地方自治の本旨につきましては、先生御専門でございますので、申し上げることもいかがかと思いますが、これにつきましても、いろいろ学者の間で説のあることは御承知のとおりでございます。通常は、住民自治と団体自治と二つの要素があって、その二つながら兼ね備えた姿が地方自治の本旨にかなったものだというような説明が通説のようでございます。 私個人の見解を申し上げさしていただきますと、そのうちで団体自治というのは、住民自治を実現いたします際の法制的な、形式的な観念でございますので、住民自治、団体自治と二つ並べましたうちでは、やはり本質的な要素は住民自治であろう、かように考えておるわけでございます。
○阪上委員 地方自治の本旨というものをやはりそういうふうに考えて——団体自治というような考え方は、ドイツ法だと思うのです。そういった観点が一つと、それから住民自治というのは英米法だと思うのですが、そういった観点から団体自治と住民自治と合わせたものがそれが地方自治の本旨だ、これは何かあまりにも形式的な結論じゃないか、こういうふうに思うのです。しかしあなたのいまの説明によると、いささか私も納得できる面が出てきたのですが、結局はやはり住民自治だ、団体自治はやはり多少連帯上の手段的なものだ、こういうふうな解釈をされておる、こういうことだと思うのであります。私はそれで一応いいのじゃないかと思いますけれども、しかし地方自治の本旨は、ただ単にそういった面ばかりでなく、組織と運営の両面からこれは出てこなければいかぬ、憲法がやはりその点をはっきり言っておると思うのです。組織並びに運営については、地方自治の本旨に基づいて、法律で定める、こういうことで、しかも地方自治の本旨については、憲法では沈黙しておる。明確に、地方自治の本旨とはこれこれだということはうたっていない。しかし以下の条文によって、大体察知できるということは言えると思うのですが、この場合あくまでも、やはり住民自治ということが地方自治の木曽だと思うが、その住民自治に対して団体自治の問題が出てきている。しかしそれだけでもって地方自治の本旨の全部だという解釈はおかしい。地方自治の本旨は、まあほかで言えば、固有事務なんかがやはりどうしても明確にされなければならない。そういう運営の機関があったとしても、地方自治体に固有の事務がなかったら、そんなものは地方自治とは言えない。そういう論議は別にして、地方自治の本旨について八割九分ぐらいまでは理解しておられるようですが、そこでやはり依然として残ってくるのは住民自治の問題であって、住民自治の見地に立つならば、公聴会をそう軽々にやめるというような必要は毛頭ないのじゃないか。それを先ほどのような実定法上の観点に立って、あまりたいしたこともないし、分担金の中に重要性のあるものとないものと二通りあるから、そういう面でこれはきれいさっぱり廃止した。——しかし分担金には重要性のあるものもあるのでしょう。重要性のあるものがあるのに、重要性のないものもあるからということだけの理由でもって公聴会を廃止していく、それは廃止するのじゃない、義務づけているだけのことであって、やることはやるのだ、議会の意思でやるのだ、こういうふうな言い方をされておるのですが、そういう行き方は、これはやはり地方自治の本旨にあくまでももとるのではないですか。
○佐久間政府委員 先ほど私が申し上げましたように、やはり地方自治の本旨を実現いたします一番基本的な制度は、公選された長と公選された議会、これを中心にして運営されていくということであろうと思います。その長なり議会におきまして、十分住民の意思を反映しにくい、あるいはより以上反映させる補完的な方法といたしまして、公聴会の制度もあるのではなかろうかと考えておるわけでございます。 分担金のような場合におきましては、公聴会の必要が大きい一つの例と考えておるわけでございますが、先ほど申しましたように、運営の実情を見てみますと、この際議会の判断で公聴会を開くか開かないかということにさせるほうが実情に即するであろうというように考えているわけでございます。
○阪上委員 先ほど言ったように、住民自治であり、住民自治とは直接民主制だ、こういうふうに私の意見を申し述べているわけでありますが、それに基づいて公聴会をもっと重要視しなければいけないということを申し上げておるのです、ところが、これを廃止した理由というものは、実定法上あまり効果がないのだというようなことであなたは答弁なさっているが、大体そんな考え方を自治省が持っておったからこそ公聴会というものはてんで軌道に乗らず、各自治体においてもほとんどこれを無視してやっている傾向が出てきているのではないか、これはこの間の質問等もありましたけれども、ほとんど開かれていない、こういうことで行政指導も、そういった面については、自治省自体の考え方がそういうことでは、とても自治体でもって公聴会を尊重してやっていこうなんという考え方は出てきはしない。そういう状態にほうり込んでおいて、現状はこうであるから、だから削ってしまおうというのでは、これはいかぬのではないかと思いますが、もう一ぺん聞きたいと思います。
○佐久間政府委員 公聴会そのものをさらに活用していくように、立法上もあるいは指導上も考えていかなければならぬという方向につきましては、私どももそのとおりかと存じておるわけでございます。ただ先生にいろいろおしかりを受けますけれども、今回の分担金につきましては、実情から今回のような提案をいたした次第でございます。
○阪上委員 そこでどうですか。こういうふうに改正されることになれば、任意に公聴会を開くことができる道を開いてあっても、むしろ逆な方向に進みがちですから、そういったことについての行政指導はこれからどういうふうになさいますか。
○佐久間政府委員 この分担金につきましては、率直に申しますと、先ほど申しましたように、実際は分担金で取るべきものを、強制的な寄付の形で徴収をしている事例が非常に多いわけでございますから、それを改めさせる趣旨でこのような提案をいたしたわけでございますので、実際の今後の指導にあたりましては、半強制的な寄付をこれによってやめて、分担金として正々堂々条例をつくる。さらにこの際議会としては、できるだけ公聴会制度を活用していくようにするという趣旨は、私どもとしては指導をしてまいりたいと思います。
○阪上委員 よくわかりました、 それでは次に、事業団についてお伺いいたします。事業団がこういうふうな形で、自治法の一部改正で出てまいったのでありますが、当初政府部内で、単独法でもって事業団法を出そうじゃないかということになっておったと思いますが、これを、地方自治法の一部改正の中に、特別公共団体としての事業団というものにすりかえたといいますか、そういうふうに持ってきた根本的な理由は何ですか。
○佐久間政府委員 地方開発事業団の構想につきまして、御指摘のように、当初の段階におきましては、これを単独法ですることも検討をいたしておったことは事実でございます。これにつきましては、そう強い意味はなかったわけでございますが、たまたま主管裸が、地方自治法一般を所掌いたしております課と別々に検討を始めておったということが一つございますし、さらに検討が進みましてから、この地方開発裏業団を、地方自治全体の体系の中でどういう位置づけをするかということの検討をだんだんいたしたわけでございます。そういたしますと、やはりこれは、地方公共団体の事務の共同処理方式の一つとして、一部事務組合のいわば一つの発展した形態というふうにとらえることが一番よろしいというような結論になったわけでございます。そういたしますと、これは地方自治法の中の特別地方公共団体の中に、一部事務組合と並んで規定をいたすことが、そうした性格をより明確にする上でよろしいのじゃないか。さらにもう一つつけ加えますと、これは法律技術的な問題でございますが、そういたしますことによって、地方自治法の他の規定を適用なり準用なりしやすくなるという点もございまして、いろいろな点から考えまして、やはりこれは地方自治法の中に入れて立案することがよろしいという結論になったわけでございます。
○阪上委員 私の仄聞するところによりますと、こういった地域開発に伴うところの広域行政制度、それの一つとしての事業団、これは提案説明にそういう意味のことが書いてあった。これを考えた場合に、建設省あたりではやはり公社公団でもってやるべきだという公社公団制度というものを考えておった。これに対抗して、自治省が事業団方式というものをここに考え出してきた。これは別に新しい制度でも何でもないのであって、そういう産業開発等をやる場合に、英国あたりでも、こういった事業団方式をある程度とっておるというようなこともあるのでありますが、それが、建設省が公社公団を、それから自治台が事業団を、こういうことで相当長い間あなた方はもまれたはずです。そこで、公社公団を否定して事業団に持ってくるという考え方、これはどういうことなんですか。
○佐久間政府委員 御指摘いただきましたように、当初この構想を固めます過程におきまして、建設省の公社公団案と対比されまして検討なされましたことは、そのとおりでございます。ちょうど地方制度調査会で御検討をいただいております段階でございましたが、建設省といたしましても、当時まだほんの試案の試案、あるいは一案という程度でございましたが、新産業都市に指定されました区域につきまして、国の新都市建設公団ともいうべきものを各地域ごとにつくりまして、それによって建設事業をやっていこう、こういう構想を持たれたのでございます。私どもといたしましては、この新産業都市の建設の対象となります各種の事業というものは、本来地方公共団体のなすべき事務が大半であるわけでございますから、それを国の公団の手でやるということになりますと、地方公共団体からその権能を奪うことになるわけでございますし、第二点といたしまして、国の公団ということで事業が執行されることになりますと、関係地方住民の意思を反映する道が閉ざされてしまうことになる。そういうような二点からいたしまして、私どもとしては、この事業を実施するについては、あくまでも地方公共団体にその成立の根拠を持ち、地方公共団体の関係住民の意思を十分反映しながら事業のやっていけるような一つの方式を考えるべきだ、そのような考え方から、ただいま提案いたしておりますような構想を固めるに至ったのでございます。
○阪上委員 そういたしますと、別に建設省と自治省のなわ張り争いでこういうような形をとってきたということにはならない、こういうことだと思うのであります。しかしながら、最近の広域行政制度を見ますと、御案内のように各省がハゲタカのように群がって地方自治を食いものにしている。あらゆる機関が広域行政制度というものの構想をてんでんばらばらに発表してやる。各省も何か縦割りの線でもって、きわめて中央集権的な方向に広域行政制度を持っていこうという考え方になっておるということで、何とかして地方自治を強化するワク内においてこういう広域行政に対処していかなければならぬという気持ちが自治省の中に動いている、なわ張り争いではない、そういうもっと大義名分を明らかにした立場において、何とかそういうハゲタカどもを食いとめていこう、こういうような防衛的な意味をもってこの一つの広域行政制度としての専業団というものを考えた、こういうことにはならないのですか。
○佐久間政府委員 私どもの立案にあたりましての心持ちといたしましては、大体先生のおっしゃいましたような気持ちでございます。
○阪上委員 よくわかりました。 そこで次に、いま公社、公団と言われたが、これは主として国の公社公団の関係ですね。問題になるのは、地方公社公団ですね。これがいろいろな形で、都市もやっておれば、もちろん府県もやっておる、こういうことになっております。これと事業団をつくられた趣旨と、何らかの関連性があると私は見るのですが、何かあるのですか。
○佐久間政府委員 現在地方公共団体がつくっておりますいわゆる公社でございますが、これは御存じのように制度上のものではございませんで、法律上は財団法人あるいは株式会社でございまして、ただ地方公共団体が多額の出資をし、また役員も送って、事実上地方公共団体の一部門あるいは分身として仕事をやらせておるものでございます。そういうものをそのまま放置いたしておきますと、最近の情勢ではだんだんふえる傾向にあるわけでございます。私どもといたしましては、昨年の地方自治法の改正のときに御審議をいただきましたように、これらの地方公社を野放しにしておくことは、先ほど国の公団について申し上げましたように、地方公共団体の本来の仕事をやってまいりますシステムの外で本来地方公共団体がやるべき仕事が処理されていく、言いかえますと、住民の意思の反映の保証がない形で住民に関係の深い地方公共団体の仕事が処理されていくということになるわけでございますから、地方公社というものをそのまま野放しにすることは適当ではない、かような考え方から昨年の地方自治法の改正の際には長が報告を徴するとか、あるいは監査員に監査をさせるとか、若干のコントロールの手段をつけていただいたわけでございますが、ただそれだけでも十分ではない。この地方公社ができます理由をよく考えてみますと、押えても押えられない必然的な理由を持っておるのじゃないか、それは本来の地方公共団体の仕事をやってまいります方式のもとにおきましては、効果的に能率的にこれらの事業が処理しにくい、処理しにくい理由としましては、あるいは二以上の地方団体にまたがる場合に、思うようにいかないという点もございますし、それから財務会計制度あるいは議会との関係、資金の調達の上等々からいたしまして、何かそういう公社が抑えても押えきれない必然的な理由があるように存ずるわけでございます。 そこで、今回の開発事業団の構想におきましては、それらのいわば私生子のような公社が、地方自治法の体系の中で達成せんとしている要求を満たす方式を考えたいという気持が一部あったことはそのとおりでございます。しかしながら、現在公社がやっておりますものが全部地方開発手業団のねらいと一致してこれに吸収できるかといいますと、それはそうはまいらないわけでございます。少なくともある程度は、地方自治法の本来の体系の中において現在公社が達成しようとしている目的が、達成できるようになるのじゃないか、かような考え方をいたしておるわけでございます。
○阪上委員 大体わかってきました。そういうことになってはならぬと思いますが、そういたしますと、地方開発事業団というものをつくった理由として、一つは、地方公社、公団が続々とできてきて、それが全く住民の意思を反映することができないような機構のもとにやられておる、膨大とは言いませんけれども、かなりな出資も地方公共団体がしておる、にもかかわらずこれに対して何ら監視、監督できるようなたてまえを、地方公共団体それ自体としては持っていないというようなことで、一応やはり問題になるのは、住民の意思というものがこれに反映してこないということが一点だろうと思います。 いま一つは、財務会計制度ですか予算制度といいますか、これが先行投資その他をすることができないような在来のたてまえ。今回はそういうことについては多少改善されてきておると私は思うのです。そうなるとそっちのほうはもうたいした問題はない、要は住民の意思の反映だ、こういうことになってくる。そこで、この場合お伺いしたいのは、地方公社、公団を野放しにしておくのはよろしくないということであって、しかも事業団にできるだけ吸収したいと言っているのですが、法的に何ら強制していない。なぜ地方公社、公団の設立その他を禁止する方向というものを強く打ち出せなかったか、この点はどうなんですか。
○佐久間政府委員 気持といたしましてはなるべく公社、公団を抑制をしてまいりたいという考え方は持っておりますし、実際の指導におきましてもそういう考え方を打ち出しておるわけでございます。ただ、今回の地方開発事業団は、そこの行ないます事業でありますとか、その制度の仕組みの上からいきまして、現在やっておりますものが、全部ここに吸収できるというわけにはまいりませんし、また全部それを吸収するようなものということになりますと、これまた制度的にも非常に性格のはっきりしない、かえって妙なものになってしまうわけでございますので、この開発事業団は開発事業団として、ただ現にあります公社、公団を吸収するということのほかに、一定の地域におきます開発事業を、総合的に能率的に共同でやれるような仕組みというねらいがございますので、そのねらいをはっきりさせていけます限度において公社、公団も吸収をしてまいろうというような態度をとったわけでございます。 〔高田(富與)委員長代理退席、委員長着席〕
○阪上委員 あなたは何とか言っているけれども、それほど好ましくない公社、公団を、なぜ思い切って規制しないかということです。現在もうすでにやっておるじゃないか、しかもその事業計画等が多年度にわたっておるじゃないか、だからいま中止することはいけないのだ、そんなことくらいはわかっております。だからそれは時限立法的なものにすればいいのです。そこで、公社、公団を規制するという形を、もっと思い切って出さなければ意味がない。これは両方、どっちでもいいということなんですから、そうなってくると、地方公社、公団というようなものが依然として存続していくということになるわけです。それではせっかくここまできた事業団というものが、全く意味がない。なぜ意味がないかというと、主として、本来地方自治体がやらなければならぬところの公共事業的なものを、事業団としてやっていくのだ、こういうことになっております。したがって、そうなってくると、いま地方自治体が非常に困っている住民サービス的な方向の仕事というものは、事業団はやらないのだ、たとえば商店街に例をとってみて、いまの商店街というようなものについては、あれは全く商人が金もうけする場所だというような考え方を持っておる。地方自治体としても商店街というものに対して、これを改善していくような方向というものはなかなか出てこない、いまの窮屈な財政の中では。ところがあの場所は、消費者がわんさと集まってくる場所である。公園なんかと同じように考えてやらなければならぬサービス行政の面が多分にある。そういうことには手を出すことができない。そういったものこそ事業団の仕事としてやらすべきだ、そして民間の資金も集めてやっていくという形を考えなければいけないのに、ここに出てきておる方向というものは、むしろ当然当該公共団体ないし二、三の公共団体が共同で処理しなければならないような公共事業的なものをやっていくのだ、こういうことになっておるならば、いま言われたような趣旨と全然違った方向のものになる、こういうことになるのじゃないかと思います。そこで私が強く要求したいのは、地方公社、公団というものを規制する方向をぜひとも打ち出すことが必要だ、こういうことなんです。これについて法制上何か問題点があるのかどうか。むしろ思い切って地方公社、公団を、事業団ができるなら禁止したらいいじゃないか。しかも事業団の内容をもっと拡大して、ただ単に公共事業的なものでないところの、もっと住民サービス的な方向まで事業を拡大していく、そういう方向へ持っていくべきだと思うのですが、こういったところの見解をひとつ伺いたい。
○佐久間政府委員 第一に御指摘になられました商店街その他、住民サービス的なものもできるように事業を拡大していくべきだという点につきましては、私どもも、ごもっともな御意見と傾聴いたしておるわけでございます。この法案におきましても、その他政令で定める施設ということになっておりますので、その政令におきましては先生の御趣旨をある程度組み入れるように、関係者とも話し合いをいたしてまいりたい、かように思っておるわけでございます。 それから第二の点、それに関連しての御質問でございますが、公社、公団につきましては、私どもも先ほど来申し上げておりますように、これを抑制していくという方向で指導はいたしておるわけでございます。ただ、これを法律的に禁止いたすということにつきましては、いろいろ検討しなければならぬ点があるように思います。と申しますのは、現在あります公社、公団、いわゆる地方公社といわれますものは、法律的には財団法人、あるいは株式会社の形態をとっておるわけでございます。そこで、それをどう禁止すべきか、その点については、なお検討していくべき問題があるように思うわけでございます。 そこで、実質的に考えまして、そういう財団法人なり株式会社なりで、地方公共団体が多額の出資をいたしますものについては、その出資をいたしました住民のいわば税金がむだに使われないように、そこを地方公共団体がもっとコントロールできる手段を考えなければいかぬというのが、昨年御審議をいただきました自治法の改正案でございまして、これによりまして長が報告を徴するとか、あるいは監査委員に監査をさせるとか、あるいはさらに長がその報告を受けたものを議会に報告するとかいうような、これはもちろん最小限度でございますが、その程度の監督の手段は規定することにいたしたわけでございます。もとよりそれで十分とは思いませんけれども、それ以上抑制をいたしますにつきましては、何かそれらを包摂できる別の方式を考えなくてはいかぬのじゃなかろうか。もちろん現在あります公社の中におきましては、そんなもの、初めから公社などつくってやる必要が全然ないと思われるようなものもあるわけでございまして、それらの点は指導の上においてはできるだけ抑制をするようにしてまいりますし、立法的な点はなお今後検討をすることにいたしたいと存じます。
○阪上委員 行政指導の面においては抑制するようにしていく、それから法制上、立法的なものについてはもう少し検討いたしたい。その検討いたしたいじゃなくして、そこを規制の方向に検討するならば、それはいいのですよ。趣旨としては、可能ならば、法制上問題がないということであるならば、できるだけ規制の方向に持っていきたい、こういうことなんですか、その点ちょっと明確にお答えいただきたい。
○佐久間政府委員 もちろん検討は規制する方向でいたしたいと思います。
○阪上委員 先ほどあなたの答弁の中で、阪上先生の御意見もある程度しんしゃくいたしまして、——ある程度じゃ困る。そういうときは、通常の場合は、十二分に取り入れましてと答えるのがほんとうなんです。せっかく質問しているのだから、ある程度ということではいけない。注意しておきます。 それから、事業団と公社の関係はわかりましたが、しからば事業団と一部事務組合の関係はどうなんですか。
○佐久間政府委員 一部事務組合と事業団の関係は、事業団はいわば一部事務組合の一つの変形と申しますか、発展した形態というふうにお考えいただいてよろしいと思います。この事業団でやるべき事業につきまして一部事務組合でやろうと思えば、この事業の一つ一つについてはできないことはないとは思います。ただ現在の一部事務組合の形におきましては、これらの事業をばらばらでなく、一つの計画に基づいて総合的に、しかも能率的に実施をするということについては適当ではございませんので、この事業団の方式を使っていくということを期待いたしておるわけでございます。
○阪上委員 一部事務組合でもできないことはない、——しかし事業団というものは地域開発事業を推進するためにやっているのだから、したがって一つの事務というようなものに限った形というものではなくして、もう少し数多い事務を包括的に処理していく、こういうことになろうと思うのであります。そこでこの事業団の資金はどこから出てくるのですか。
○佐久間政府委員 この資金は、一つは設置団体の分担金あるいは出資金、それからいま一つは国からの起債の補助金でございます。
○阪上委員 たしか今年度の地方財政計画によると、四百二十九億か何か、その程度のものが一応起債が裏づけられる、こういうことになっていると思うのであります。あの場合、あの四百数十億の起債というものは、在来地方公共団体がやっておった公共事業二百七十億か何かあったはずなんです。それをずっと抜いてきて、そうして事業団の起債の裏づけ、こういうことになってきていると思う。私は問題はここにあると思う。そういたしますと主としてこれは新産法の実施等をねらいとしておりますが、そうしたら在来の公共事業というものがそちらの方向にずいぶん吸収されてしまう。在来の公共事業のためにあったところの資金というものが減少するということで、そういった面で事業団を設置しない場合等においては、設置したところとの間に大きなアンバランスが出てくる、こういうことになろうと思うのですが、この点はどういうことになるわけですか。
○松島説明員 今年度の地方財政計画で、御指摘のとおり地方開発事業債というワクを設けまして、四百二十九億円を計上いたしております。これに対応しますものとして前年度に、御指摘のとおり約二百八十億ばかりございますが、これは埋め立てでありますとか、そういった土地造成でありますとか、区画整理であるとかいうような仕事を中心といたしました前年度の起債のワクを、かりに本年度と対応させればこうなるというものでございます。事業団をつくったならば、事業団にこれらの起債が全部行って、ほかのところは仕事ができなくなるのではないかというお尋ねであったと存じますが、この地方開発事業債は、もちろん新産業都市でありますとか、あるいは事業団をつくって仕事を推進しようというところについて重点的に考えられることになろうかと思いますけれども、先ほど来行政局長からご説明申しておりますとおり、事業団は仕事をやる一つの方式でございまして、その仕事は、先ほどもお話がございましたように一部事務組合でやる、あるいは地方団体が直接やるということができない性質の仕事では必ずしもないわけでございます。従来はそういう方式でやっていたものを、仕事をより合理的、能率的にやる一つの仕事のやり方の方式として、事業団というものが考えられているわけでございます。したがいまして起債は仕事そのものにつけていくことが原則でございまして、仕事の内容、緊急性、必要性を基礎にいたしまして起債の配分をいたすわけでございます。事業団をつくったところにみんないってしまって、それ以外のところにはいかないのだというふうにお考えいただくことはないのではなかろうかというふうに考えております。
○阪上委員 しかし事業団債としてワクをとってあるということになれば、事業団以外のところにそのワクから持っていくということはできないのじゃないですか。
○松島説明員 これは地方開発事業債というワクでございまして、事業団債というワクでは必ずしもございません。
○阪上委員 よくわかりました。 次に、この事業団が事業を完遂した暁は解散するわけですね。解散した場合に、水道であるとか何であるとかいうようなものは、当該地方公共団体に移管されるわけですね。移管する場合は、これは無償で移管されるとは限らないと思うんですが、どういう形をとっていくのですか。
○佐久間政府委員 これは関係地方公共団体が出資をし、あるいは分担金を出して建設をした施設でございますから、いわゆる有償、無償ということじゃなくて、解放をいたしました場合におきましては、そのとき現在におきまする債権債務の関係は、それぞれあらかじめきめておきました割合によりまして、設置団体に継承されることになるわけでございます。
○阪上委員 その場合に、数個の地方公共団体に移管されていくという形が出てくるわけですね。その場合にどこが受け入れるんですか。受け入れる母体は何なんですか。
○佐久間政府委員 これは施設の種類によっても迷うかと思います。ある一つの団体の区域内だけにあります住宅というようなものでございますれば、その団体だけに移管することになりましょうし、道路、水道等数個の団体にまたがるものにつきましては、それを共同で維持管理する方式、受け入れ態勢を考えなければいかぬことになろうかと思います。その方式といたしましては、たとえば水道なら水道につきまして一部事務組合をつくっていくことが考えられようかと思います。
○阪上委員 そうなってくるんですね。あとの管理その他については、数個の場合には一部事務組合という形が出てくる。それ以外に考えられますか。
○佐久間政府委員 この点につきましては、実は将来の問題といたしまして、せっかく共同で一つの施設をつくったわけでございますから、事業団が一応の使命を終わりましたあと、共同で管理をすることを適当とするような施設につきましては、共同で管理できる適当な方式を、今後の立法論として検討すべきではなかろうかということは、私どもも課題として考えておるわけでございます。さしあたりはまだ建設の段階でございますから、この段階が何年か続くかと思いますので、そういうことを今後の課題としては考えてまいりたいと思っております。
○阪上委員 まことに納得不十分なのですが、解散の場合の人員の処理とかなんとかいうことについては、規定されておるのですね。
○佐久間政府委員 これにつきましては、三百六条に職員に関する規定がございます。この事業団の職員は設置団体の職員の中から設置団体の長の同意を得て理事長が命ずる、こういう形にいたしております。したがいまして、解散をいたしました場合には、それぞれもとの設置団体に職員が帰るということに予想をいたしておるわけでございます。
○阪上委員 この事業団は、たとえば地方公共団体でいまやりたくてしようがないものがたくさんある。それは何かというと観光施設的なものである。ことに青少年のためのいろいろな施設、ユースホステルであるとかユーゲントヘァベルゲであるとかいうように、あるいはその他科学遊園地であるとか、あるいは児童のいろいろな遊園地であるとか、植物園とか動物園とか、たくさんそういうものがある。しかもいまの地方財政ではそういったものに手を伸ばすことはできないという問題があります。そういった仕事はこの事業団はやれるのですか。
○佐久間政府委員 一定の地域の開発計画の中にのっておりますものにつきましては、ただいまおあげになりましたような施設もこれでできるように政令で検討してまいりたいと思います。
○阪上委員 念を押しておきますが、できるように検討するということは、できるようにするように持っていくということですか。
○佐久間政府委員 その方向へ持っていけるように検討いたすつもりでおります。
○阪上委員 そこで佐久間さん、これは全部仕事が済んだら解散するのですね。その場合に、いま言ったような種類のものは事業団は解放せずに永久に経営していったらいいと思うのですが、そういうことはいけないのですか。
○佐久間政府委員 立案の過程におきましては、実はただ施設の建設だけに終わらないで、その後の維持管理もできるようにしたらいいのではなかろうかということも検討いたしたわけでございます。しかしながら維持管理ということになりますと、ここにあげてありますような数種の事業が同じ機関によって、同じ態様で維持管理されるというわけにもまいりませんし、なお関係省庁にも若干御意見もございましたので、最終的にはただいま御検討いただいておりますような法案の形になったわけでありますが、私どもといたしましては、この建設が相当進んでまいりました段階におきましては、必要なものはこの事業団が引き続き維持管理ができるというように法律を改正することも十分検討すべき問題だと考えておるわけでございます。
○阪上委員 公共事業的なものについては完成すれば維持管理していく、それ以外のものについてやる場合に、必ずしも無理して解放する必要は毛頭ないのではないかという考え方を実は私自身一つ持っておるわけです。これは宅地造成等にも役に立つと思うのですが、その場合にやはり移管する段階等におきまして、独立採算へ持っていく、それからそれを売却してしまうという方法が考えられると思うのです。造成しておいて適当な額において移管するという形と、直接もうこれは売却してしまうのだという二通りの道があると思うのです。この場合私は、そういった宅地等につきましては、やはり移管すべきだと思うのです、これは公共団体以外のものとの間における売却という形は一切出てこないのですから。
○佐久間政府委員 これは事業計画の内容になるわけでございますが、関係団体が初めから宅地を造成し、住宅を分譲住宅としてそこに建設する目的でやりました分につきましては、それを売却するということになるわけでありますし、最初から公営住宅として建てて、引き続き公営で維持管理をやっていこうという目的で建てましたものは移管をしない、これはそれぞれの団体の意思によってきまってくるというように考えております。
○阪上委員 次に、事業団関係でさらに伺っておきたいと思いますのは、この条文によりますると、事業団の定款ですか、規約ですか、これは議会での議決を経るわけですね。それでそれに基づいて規則ができてくるわけなんですね。これは間違っておったらあとで御説明願いますが、規則をつくる場合にはこれは条例と読みかえるのですか。そういった点についてもう少し詳しく説明して下さい。
○佐久間政府委員 規約は、最初に関係地方公共団体の事業団を設置をいたしますときの基本的な事項をきめるわけでございます。設置されましてからあとでどのような事業をするかという計画につきましては、事業計画をつくることになっております。この事業計画も関係地方公共団体の議会の議決を経て定めるということに考えております。
○阪上委員 そこでその事業計画をつくる場合に、これは事業団みずからがつくるわけですね。
○佐久間政府委員 この事業計画は、設置団体が議会の議決を経てする協議によってつくるということに考えております。
○阪上委員 事業団についてはこの程度にいたしまして、一、二条文について伺ってみたいと思います。 二百二十条の二項の「歳出予算の経費の金額は、各款の間又は各項の間において相互にこれを流用することができない。ただし、歳出予算の各項の経費の金額は、予算の執行上必要がある場合に限り、予算の定めるところにより、これを流用することができる。」こううたってありますが、この「予算の定めるところにより、これを流用することができる。」という意味は、どういう意味なんですか。
○松島説明員 従来予算と申しますと地方団体の場合は歳入歳出予算だけをさしていたわけでございますが、今回の改正におきましては、大体国の予算の例に準じまして、歳入歳出予算のほかに、債務負担行為でありますとか、あるいは明許繰り越しに関する問題でありますとか、そういったことを定めることにいたしております。二百十五条に第七号といたしまして、「歳出予算の各項の経費の金額の流用」ということもあらかじめ予算で定めておくことにいたしておるのでございます。したがいまして、これは国の予算の予算総則のような形で、おそらく文言形式で歳出予算のどの款に属する項の経費は流用することができるというようなことを、予算書の中で定めることとなろうと思います。したがいまして、いま御指摘になりましたただし書きは、その場合にはできるという意味を明らかにしただけでございます。
○阪上委員 そうすると、予算にあらかじめ、定めていないところの項の流用ということはできないわけですね。
○松島説明員 その通りでございます。
○阪上委員 わかりました。まだいろいろありますが、門司さんが見えておりますので、私はこの辺で質問を終わりたいと思います。
○太田委員 ちょっと関連して。先ほどの松島さんの御答弁で、わからないがあったので聞いておきたいのですが、例の事業団でございますね、事業団の事業は造成とか工事、建設ということが目的でありますから、それを完了すれば移管するとか売却するとか、いわゆる処分をすることに相なると思うのですが、そこでそういう事業が列挙主義になっておりますけれども、「政令で定める施設」というものがありますから、そこで阪上委員の質問の、たとえば動物園、植物園とかホテルというような宿泊施設も概念に入っておるのですか、そういうものが政令に入るのですか。政令の内容というのは、この二つの地方公共団体——単独の地方公共団体でつくるのじゃないのだから、連合してつくる、共同してつくるというところに組織の基本がある以上、そのつくるべき目的の工事、施設、そういうものは、この両団体に関係が密接でなければならないと思うのです。その辺どうなんですか。
○佐久間政府委員 これは一つの総合的な開発計画に乗っておりまして、その計画の一環として実施をすべき事業でございますれば、たまたまその施設がそのうちの一つの団体の区域内にあるというようなものでも差しつかえないという考え方でございます。
○太田委員 そうすると、二百九十八条の「一定の地域の総合的な開発計画に基づく」という、これにあなたは答弁の根拠を置かれたわけですが、これをもうちょっと詳しく言ってください。これはどういうことですか。
○佐久間政府委員 さしあたり予想されますのは、新産業都市建設促進法による新産業都市の区域に指定された場合でございますが、その場合におきましては、数市町村の区域にわたりまして新産業都市建設の計画を立案することになるわけでございます。その建設計画の中には、ここに掲げてありますような施設がおそらく乗ることになろうと思いますし、ここに掲げていないものでございましても、先ほど阪上先生から御指摘のありましたようなものもある程度盛られることも予想されるわけでございますが、そういう一定の地域の総合的な開発計画、それを実行いたしますために、それらの計画がばらばらに個々の事業ごとに実施されたのでは困るから、それを能率的に総合的に実施する方式として考える、こういう意味でございます。
○太田委員 具体的に言いますと、たとえば愛知県新地方計画というのが策定された、そうするとこれに該当することになりますね。一定の地域の総合的な開発計画に基づく愛知県新地方計画というようなものによってこの事業団というものができて、これは自由に全愛知県にまたがって、公園も水道も道も交通機関も住宅も、宅地造成もみなできるということですね。
○佐久間政府委員 この字句の上から申しますとお話のようなものも開発計画に入ろうと思います。ただ県が単独で実施をいたします場合は、これは予想されておらないわけでございます。それからまた、おそらく県全体の計画というものになりますと、その中には幾つかの地域計画あるいは市町村の計画というものが包摂されているようなことになろうと思いますが、その中には、この開発事業団が取り上げてやります範囲はどういうふうにしたらいいかということは、関係団体においていろいろ検討をしていただかなければならぬことかと思いますが、しかし字句の上から申しますと、入ることは入ると思います。
○太田委員 だからそこをはっきりしていただきたいんですが、愛知県が行なうのですから、愛知県が愛知県内だけで行なおうとすればこれは該当しない。しかし愛知県内の市町村が新地方計画に基づいて、そしていまの水道、港湾、道路、住宅、こういうものを建設しようとすればできることになるでしょう。それは例外であるのか、想像されていたのか、どちらですか。
○佐久間政府委員 お話のような場合もこれに該当すると思いますが、私どもが当面念頭において立案をいたしましたのは、新産業都市の建設あるいはこれに準じたようなものを念頭に置いておったわけでございます。
○太田委員 じゃ、あなたの方の念頭にあるのは、新産業都市だ、あるいはその地域開発法であるのだ、促進法だ、こういうことになると思いますが、いまの単独府県の地域開発、総合開発計画というものも、それに対して市町村がこういう事業をやるとすれば、県知事の認可を得て事業団を新設することができる、そういうことになるわけですね。しかしあなたの方では、本来としては想像されておらなかったが、できるものであるといまおっしゃったと思うのですね。そこでいまの事業団のことですけれども、先ほど阪上委員の質問にあなたのお答えになった件、仕事が終わったならば解放をするというこの原則は、人間はそれぞれの構成団体から派遣をされる、いわゆる出向されておるから、もとに戻るのだということはできるわけだが、単独で採用する人間もでてくるんでしょうね、事業は必ずしも解散を意図してやるのではないでしょうから。単独で採用されてやる人間というものは想像されておるのですか。
○佐久間政府委員 その点は、実は立案の過程におきましては種々検討をいたしたわけでございますが、その職員の身分の保障、そのほか福祉、給与等のいろいろな関係を総合的に検討いたしますと、単独でここだけで採用するというものは認めないほうがよかろうかという結論になりましたので、現在御審議いただいておりますたてまえは、全部関係団体の職員の中から命ずるということに考えておるわけでございます。
○太田委員 しごく明確ですね、そうすれば。採用を認めない、そして甲乙団体からそれぞれ派遣されておるから、その職員の身分、待遇その他はもとの団体の身分、待遇を大体そのまま踏襲されていくんだろうと思う。だから若干給与水準が違ってくる場合もあり得ると思いますね。そういうときにはならしますか、そのままにしておきますか。
○佐久間政府委員 給与その他の地方公務員法上の身分関係に基づきますものは、それぞれの団体の条例の規制を受ける、ただ事業団の職員として事業団の職務をやる関係においてだけ、この団体の規制に従うというふうに考えております。
○太田委員 規制に従うというのは、もとの身分というものがあっても、その身分にこだわらないで新しい役職名が与えられることがある。それから待遇ですね、具体的に言うならばその給料、労働条件は、新しい事業団のつくったものによって待遇されるということもあり得る、こういうことですか。もとのままですか。
○佐久間政府委員 給与は、これはもとのままでございます。事業団の職務の関係、たとえば事業団で何課長とか何々係にするとか、そしてその何課長として職務を執行する関係につきましては、これは事業団の理事長の命令に従ってやるわけでございますが、給与はもとの団体のままでございます。
○永田委員長 門司亮君。
○門司委員 時間が非常におそくなっておりますから、これは非常に大事な問題で複雑な問題でありますが、それに触れずに、この法案の一つの過程として聞いておきたいと思いますが、この法案の問題で、行政財産と普通財産に分けるという、行政財産という文字が出てきている。従来地方の中にはそういう観念が実はあったわけです。なかったわけではない。われわれもそういう言葉を使っていたことがある。今度法律にそういう言葉が新しく出てきたのですが、法律の上で普通財産というものと区別をしなければならない財産との明確な線はどの辺になるか、法律だけを読んだのではちょっとわからぬのですが、ひとつ具体的な問題としてこの際明確にしていただきたいと思います。
○佐久間政府委員 行政財産は公用または公共用に供するものでございますから、たとえば庁舎あるいは学校等はこの適例でございます。それから普通財産はそうした公用、公共用に供するもの以外の財産でございますから、たとえば公有林町等がこれの例でございます。
○門司委員 そうするとこういうふうに解釈していいのですか。たとえば自治体が関係している幾つかの事業があります。ある場合においてはガス会社に対して出資をしている場合もあるし、特に最近競輪などはそういうことが非常に多いのですが、こういう財産は一体どっちに区分しようというのですか。普通財産にしようというのですか、行政財産にしようというのですか。
○宮沢説明員 ただいま御指摘になりましたのは、ガス会社などに対して出資をしております権利だと思います。その権利は普通財産に属するものだと思います。
○門司委員 普通財産ということになりますと、問題の処理についてどういうことになりますか。たとえば競輪をやめるということが出てくる。これは主体が公営でありまして、施行団体とは違うから、そこに何がしかの金が出ていることは間違いがない。そういう場合に、普通財産の処理と行政財産の処理については、同じように処置ができるものだと考えておいてよろしゅうございますか。
○宮沢説明員 ただいまのお話でございますが、行政財産は、公用なり公共用なりに供する財産でございます。したがいまして普通財産と違う規制を受けるわけでございます。普通財産は、端的に申しますと、一般の私人が管理をしております財産と同じような性格のものでございますので、おのずからその間に性格及びそれに伴う管理、処分に関する規制は違ってくると思います。
○門司委員 そうすると、たとえばこういう問題が出てきますね。これは私は具体的に問題を取り上げてお話をしておきたいと思いますが、たとえば競輪をやる。これは、方針としては、競輪はやめたいという考え方を持っている。ところがその競輪の施行者の団体が増資をするような場合がある。増資をしようとするときに、当該自治体はその増資に応じない。いわゆる株式の場合は、持ち株に割り当てられたものを棄権してしまう。そうすると、たまたまそのときに一株五十円のものが六十円で売れるということになると、十円の差が出てくる。それを放棄したことのために十円損をするということになる。そうすると今度は、それは株主以外の人に割り振りすることができることになりますから、結局株主以外の買う人に十円の利益を与えることになる。これは裏からひっくり返すとえらい問題になる。そういう問題はどう処置しようとするのですか。この法律でそういう問題に対する処置の方法が考えられますか。いままではそういう問題についてはいろいろな議論がありましたけれども、これは行政財産であるか、何の財産であるかということに対して区分がしてなかったから、いいかげんといえばいいかげんですが、その場その場で適当なことで過ごされておる。ところが今度は、法律にこういう字句をはっきり入れてしまうということになると、その間の問題をやはりきちんとしておかなければならぬ。現実の問題としてそういう問題が起こり得る可能性がありやしないか。もしこれが普通財産であるということになると、普通財産の処理についてそういうことができるかできぬかということになってくる。これは、はっきり言いますと、自治体にそれだけ損をかけることになる。自治体は競輪はやめたいのだから、競輪に増資をすることはいやだといっても、実際の経済の取引の中では差額をもうけているものが出てきている。これは自分の権利を放棄することになる。そういう場合の自治体のあり方というのはどうすればいいのですか。
○宮沢説明員 ただいまのお話のガス会社に対する出資でございますとか、あるいは御指摘のお話は、競輪なら競輪の施設を持っております会社の株を持っている、こういう場合を御指摘になったのであろうと思うのでございますが、こういう場合につきましては、従来も、ただいまお話しのように、増資の場合に、増資を団体として引き受けるかどうか、こういう判断をいたすべき場合があったわけでございます。これにつきましては、今回も、改正法におきまして、行政財産と普通財産というふうに範囲を明確に定義づけておりますけれども、実態の内容といたしましては、ただいま御指摘のような株を持っておりまして、その増資に応ずる場合についての規制を直接法律ではいたしておりません。したがいまして、法律の問題といたしましては、従前と同じように団体の判断によってその辺の決定をする。法律自身では規制をいたしていないわけでございます。
○門司委員 私は、こういうふうにはっきりしてくると、何かその辺の規制をしておかぬと実際はまずいのではないかと思うのです。これは勘ぐっておるわけではありませんけれども、その株がかなり有利な株だということになると、法律上といいますか、慣習上からいっても、どっちからいっても、従来の株主がある程度引き受けなければならぬことはさまっているはずだ。それを放棄している。そうすると第三者がこれを買うことになって、市が権利を放棄したことのために、片一方が非常に大きな利潤を得るという形がどうしても出てくる。あるいは逆に損をする場合があるかもしれない。損をするような場合も、おれのほうで引き受けないということは困難だと思う。しかし大体増資する場合は有利な場合が多かろうと思う。そういう場合、自治省に何か規制する方法はございませんか。この問題は具体的に一つ一つ当たってみると、まごまごすると疑獄のようなものに発展しはしないかという危険性がある。地方の自治体の実例をあげてもいい、どこそこの県でこういうことがあったということを申し上げてもちっともさしつかえない。一株五十円のものが六十円に売れておれば、それを引き受ければ十円の差額だけは現在の価額としては財産が一時ふえるということになるわけです。しかしそれを放棄したことのために、第三者が買うときに、五十円の株が六十円で市場に出ているのだから、その人は十円だけもうけることになる。自治体が放棄すればある人がもうけるという、こういう裏の問題が出てくる。こういう問題について何かの形で規制する方法はございませんか。
○佐久間政府委員 ただいまお尋ねの点はごもっともなケースと存じますが、現在の法律案の上におきましては、格別規制する方法は規定をいたしておらないのでございます。
○門司委員 財産を処分する場合に、こういう会計事務をきちんと書き表わしてくるということになると、こういうときにやはり財産処分についてもう少し明確な線が必要ではないかと実は考えられる。条文の上からいえば、五十円の株を五十円で買うのを放棄するのだから、別に損も得もない。帳面づらはちっともさしつかえない。しかし内容的に見ると、そのことのために第三者がばく大な利益を得るということが必ず出てくる。そういう問題について、せっかく会計制度を変えるならば、何か規定を設けられる必要があるのではないかという気が私はするのです。いまのように何もないということになれば、それまでだと思いますけれども、何か一つお互いに考える必要があるのではないか、そうしてできるだけ地方の自治体に損をかけないようにする必要がありはしないか。これは形の上では目に見えてこれだけ出してこれだけ損をしたということではありませんが、大きな損をすることになります。法律の中にせっかくこういうふうに普通財産と行政財産と分けるというふうな字句を使ってきた以上は、財産の処分についてもおのずから違う規定が設けられてよかったのではないか、ここまで変えるのなら、そこまで変えてもよかったのではないか、こういう考え方があるから一応聞いたのでございます。しかし何も考えていないというなら、それ主でのことですから、これ以上議論しても始まらぬと思います。 もう一つ、二つ、条文について聞いておきたいと思いますが、もう一つの問題として問いておきたいと思いますことは、この中にあります問題で、公有財産の分類が一応書いてあります。公有財産の分類という問題については、私はいろいろ問題はあろうかと思いますが、そういう形で、いま申し上げましたような株券であるとか、社債券というものが、この中にちゃんと含まれているということで一応私は話をしてみたのですが、これらのものも公有財産の範囲であり分類であることに間違いない。ただこの場合に、この問題と関連しておるから私は聞いておきたいと思いますことは、例の特別地方公共団体の中に財産区の設定がしてある。しかしこれは法律上あるいは概念上から見ても一つの公有財産ではあるが、一部の人に限られたものであることには間違いない、ただそれの取り扱いその他について当該自治体の長が大体管理権を持っておる、自治権を持っておる、こういうふうな形になっておる。したがって公有財産だと言えば公有財産だと言える。しかしこれの処分については別に議会の議決を経なければならないという規定もない。これらの関連はどういうふうに考えられますか、同じような公有財産という範疇の中に属する例の、しかも特別公共団体の中に入っておる財産区の財産の処理についてどういうふうにお考えになりますか。この範疇に入るという概念でいいのですか。
○佐久間政府委員 この公有財産のところに規定をしてございます規定は、財産区の管理いたしております財産につきましても適用があるわけでございます。そのほかに財産区といたしましては、御指摘のように議会を置いて、その議会にかけなければならぬということになるわけでございます。
○門司委員 議会の中において議会の議決を経なければならぬということはわかっておりますが、その財産区の議会と違った地方公共団体の議会の議決との関係ですね。これは従来どおり要らないのですか。私は要らないはずだと考えるのですが、その辺が明確になっていないから質問しているのです。議会の議決は要らない、当該財産区の議会の議決は要る、それは公有財産である限りにおいては間違いがない。だから一面、その自治体の中にある公有財産としてそういう形のものが実際は出てきている。そこで、立ったついでに申し上げておけば、できるだけそういう財産区というものは少なくしていきたいという方針が打ち出されることが私は妥当だと思うのです。またそうでなければ、将来ややこしい問題が出ると思うのです。こういう問題が佐々にして地方自治体の和を欠く一つの原因になっておりますので、できるだけ財産区というような制度は少なくしていきたい、数を減していきたいというのが私たちの一つの考え方です。それとあわせて両方御答弁を願っておきたいと思います。
○佐久間政府委員 財産区に議会を置いてございます場合には、あらためて市町村の議会の議決は要しないわけでございます。それから財産区制度そのものにつきましては、先生も御指摘になられましたように例外的な制度でございますから、今後これをなるべく整備、整とんをしていくという方向で考えていくべきものと存じます。
○門司委員 いまの財産区の問題は、われわれもそういう形を公共団体の中に入れておくということ自体かなりの疑問があろうかと思います。私はそれを特にここで聞きましたのは、これと今度の事業団との関係がどうなるかということでありまして、事業団も一応財産を持つわけでございます。そういう形はあとで質問をいたしたいと思いますが、それからこの法律の中で、もう少し前段で聞いておきたいと思いますことは、会計制度がこういう形で行なわれることは、私は会計の明確化については別に異議もなければこれでよろしいかと思いますが、ただ問題になりますのは、現在のこれに対する監査制度ですね。それからこの中には監査委員を従来置かなかった市町村も今度一人置くようになった。もう一つ矛盾があるのは、ついでだから申し上げておきますが、監査請求のあったとき等についての処置として二人の場合は合議せよと占いであるけれども、一人置くことができると書いておいて、その場合の処置が書いてない。監査請求があったとき、その監査請求に対する答えとしては監査委員が集まって協議して出さなければならない、二人の場合は協議ができるが、一人の場合は協議ができない。その処置がこの法律の中に欠けておるように見えるのだが、この辺はどうなんです。
○佐久間政府委員 御指摘のように、監査委員を必置制にいたしました結果、小さい町村におきまして二人置くことは不経済だ、一人で用が足りるという場合には一人でいいようにいたしたわけでございます。したがいまして、監査請求がありました場合におきまして、二人以上の場合には合議することにいたしておりますが、一人の場合には規定を欠いておりますけれども、これは当然のことと考えまして規定をしなかったわけでございます。
○門司委員 一人の場合は一人が当然やることになるでしょう。そうすると、これは独断だということで私はあまりいい結果にならぬと思います。従来のように監査委員を置かなくてもよろしい、そしてこれを他の監査委員会にあるいは委託してもよろしいという場合は、それは委託された監査委員会でやればできるかもしれない。しかし自分のところにできて、監査委員を一人持っておって、監査請求があったときに独断でやられたら、政争が激しくなったとき、監査委員というものがどこから出てきておるのか知りませんが、反対党の人が監査委員だからこういうものは受け付けないのだとか、これはこれでよろしいのだというような政争の呉にまで使われることがあっては、せっかくの監査請求権が曲げられると私は思います。これは考えようはないですか。この法律はこういう非常に大きな問題を残しておると思います。小さな町村だから一人でよかろうといったところで、監査の請求をされてその人が独断で、いいのだ悪いのだという話し合いの相手もないということになると、大体法律のていさいもなしていないのじゃないかと思います。これはもう少し考え直す必要がありませんか。何かこの辺で協議する協議体のようなものをこしらえておかないと、どんな小さなところでも間違いがないと限りませんし、また監査の請求がないとは限りませんし、そうした場合に一人の監査委員が独断でやられるというようなことはおよそ時代離れのした、これは民主政治でなくて独裁政治の形を法律の中に取り入れておるような気がするのですけれども、これはどういう考え方ですか。そういう考え方になりませんか。何かほかに方法がありますか。
○佐久間政府委員 現行法におきましては、監査請求がございました場合に、監査委員を置いてない市町村におきましては市町村長が監査委員の職務を行なうことになっておるわけでございます。これは市町村長が自分でやった行為に対して監査請求がありましたのに、自分がまた監査するということで、たいへん制度としておかしな制度であったわけでございます。今回その点はどうしても改めなければいかぬということで、監査委員は小さな町村に至るまで必置制にいたしたわけでございます。しかしながら小さな町村におきましては、先生も御承知のように、自治法の規定において助役なり収入役を置かなくてもいいような町村もございますものですから、その場合に必ず三人監査委員を置けということもいかがであろうかということで、制度の上では一人でもいいから、とにかく監査委員を必置するということにいたしたわけでございます。しかし実際の指導といたしましては、お話しのようになるべく二人置くようにしたほうが、職務の公正な執行上いいわけでございますから、そのような配慮はいたしてまいりたいと思っております。
○門司委員 いまの御答弁ですが、従来の法律からいいましても、監査請求を監査委員会にする、監査委員会を置かないところは町村長がやる、しかし監査委員会制度自身については、自分のところで監査委員会を置かなくても他の監査委員会に依頼することができるわけですから、ここには道が開けておったわけであります。その町村長だけに限られてやるというものではなかった。ほかに監査を委託してやっている場合、その監査委員会に委託ができたわけであります。だから、実際は従来の法律のほうがまだこの法律よりよかったと思うのです。この法律で私は悪くなっていると思う。その町村に監査委員会がない場合、当該監査委員会に持っていくわけにいかない、しかし町村長が監査を委託しているところがあれば、そこに一応頼むことができた。この場合は前の法律よりも少し後退したような形が出ているような気がしてならない。同町に、監査委員の構成ですが、監査委員の従来の構成から言いましても、市会議員の諸君が監査委員三人なら三人の中に一人入っているとか、いろいろ方法はあろうと思う。経費がかかるからといっても金を払う者ばかりじゃありませんで、金を払わないでいい人がいやしないかと思う。ことにこの法律は一人にきまって、監査委員会制度が必置制度になったというところに問題があるので、どうしてもここはひとつ改めてもらいたいと思うのです。こういうものでは監査の公正が期せられない。理論上も私はそうとしか考えられないですね。民主主義は話合いだといっているんですから、話し合いをする場所をこしらえてもらわぬと、独裁の場所では困ると思う。それは市長が決裁権を持っているといいましても、市長の決裁権だって各方面に一応稟議をして、市長さんがかってに判を押されるということは絶対なかろうと思う。私は、この場合は金がかかるというような理由だけで、監査委員は一人でよろしいというような規定はどうかと思う。規定の中にはいろいろあろうかと思うのですけれども……。次官どうお考えになりますか。こういう規定でよろしいのか。さっきも申し上げましたように、地方議会がだんだん政党化して参りますと、いろいろな感情が出てこないとは限らない。そこで監査委員が神さまのような人なら別ですけれども、多少色けのついた人だと問題が起こりやしないか。従来監査制度というのはそういうきらいが非常にあるのでありまして、どこの監査制度も、監査請求が成立しない裏にはよくそういうことがいわれております。どうも選管に名簿を出したけれども、選管でこれもだめだあれもだめだということで、本人意思であるとかないとかいうことで削られたとか、あるいは署名したのがほんとうであるかうそであるかというような問題を根掘り葉掘り聞かれて、実際は監査請求に対し全部そろったけれども、そういう意味で途中でうやむやになったという例は今日までたくさんある。監査請求を考えた件数と、それを実施された件数を調べてごらんなさい、非常に大きな開きがある。そのように実施されるのは少ないのであります。少ないのは、過程においてそういう問題があるからです。だからなおさらこういう時期には、私はこういう一人の監査委員でよろしいというような規定だけはやめておいてもらいたいと思いますが、これは次官から答弁を願っておきたいと思います。
○藤田政府委員 先ほど来の御意見、いろいろ傾聴しておりました。貯炭区の問題に関しましては、実は私の郷里の隣りの町で、議員の任免問題で大混乱を起こして、現在自治省にいろいろ調整をお順いしておるというようなことで、非常に財産区の問題は問題の多い案件であるということは御指摘のとおりでございます。 いまお尋ねの件は、監査委員一名はどうかということでございますが、立案の過程におきましては、ただいま御議論のようなことも非常に有力にございましたが、一応政府、与党の関係もいろいろ論議を経まして、こういう案を出しました。実施してみました結果において、門司委員の御指導のような懸念もなきにしもあらずと私も率直に考えております。ただ従来どおり共同設置はできますし、訴訟の道もありますので、何かそういう方法によって、こういう一人制による自治体の平和が乱されるというような弊害は、何とか是正できやしないかということも考えておりますが、非常にいい御意見ということで、ひとつよく拝聴、検討させていただきたいと思います。
○門司委員 せっかくの次官の答弁ですけれども、私はそういう答弁で納得するわけにいかぬのです。なぜそういうことを言いますかというと、問題は、従来の会計方式でありますと、まあしろうとと言って悪いですけれども、少しなれた人が見てもわかるのであります。ところがこういう複式簿記のような形が出てまいりますと、普通の人ではなかなか会計自体を見るということは私は困難だと思う、こういう形になったから、いままでのが、ずさんということばを使えば悪いかもしれませんが、従来のしきたりでずっとやってきておった、何か政府の参考書類などを読んでみますと、会計制度が昔の府県制であるとかあるいは市制とか町村制のものが、ずっと明治二十二、三年来の踏襲だからけしからぬ、だから改めると書いてある。ところがずっと今日までなれているのですね。そして改められてこういう複式簿記という形で出てまいりますと、一体その町村でほんとうに会計の事務に目の通せる監査委員を選ぶことができるかどうかということにも、私はそれ自体疑問があるのです。それから、いまの監査委員会制度で、たとえば議員の中から選ぶ点についても、私はこういうめんどうな問題があろうかと思うのです。これは形式上の問題ですが、しかしそういう形式上の問題は、実際の運営の上では、地方の自治体にいたしましても、役所の経理の中に影響はほとんど少ないのであります。なぜ少ないかといえば、役人がそんなに数字を間違えたり何かしていることはめったにないわけです。ただ問題になるのは、政治的に使われた金がいいか悪いかということが大体問題になる。これが今日までの問題点です。これはどんなにしゃっちょこ立ちしても、証憑書類をずっと山のように積み上げてあって、大きな自治体になれば大体トラックで三台も四台も証憑書類があるわけですが、こういうものを一々ひっくり返して帳簿と照らし合わせるということはできる相談ではない。それから同町に、複式簿記なんというものは、私はいまの一般人の常識として見られるものでもない。したがって会計制度の中で一番大事なものはやはり監査の問題である。ところがその監査もそういう意味で非常にむずかしいということになりますと、特に監査委員会制度についてはひとつ考えておいていただかぬと、監査委員会制度自体、そういう政治的含みのあるものがここに多く出てくるのでありますから、政治的な配慮というものが当然なされて万全を期しておかないと、やってみて悪ければ直せばいいということは無責任です。それでは法律をこしらえぬほうがいいです。法律を審議する場合に、やってみて悪ければ法律を直せばいいんだということは、これは私は言うべきことばではないと思う。すなわち法律をこしらえる場合には、万全でなくても、次善であっても、あるいはその次の策であっても、現在の次元においてはこうやるんだ、将来次元が変わってくれば別だということは考えられますけれども、法律をこしらえる場合に、この法律を施行してみて悪ければ直せばいいという安易な考え方で法律をこしらえられたら非常に迷惑です。法律ができれば必ず国民を縛るのです。どんないい法律だって、できたら国民を縛らぬ法律はないのです。どこかで制限されることは間違いない。ことに今度、会計関係から監査委員の必置ということになってまいりますと、法律がある以上いやでもおうでも置かなければならぬ。従来のようにワクがゆるければまた別な話であります。ところが今度はいやがおうでも置かなければならぬ。置いたときにそういう弊害があるということが考えられるなら、それを除去するということがやはり法律を審議する過程からいって当然でなければならぬ。もし政府がさっきのような態度で、やってみて悪ければ直せばいいということでは、この法律を審議する必要は毛頭ない。役人がかってにやればいい。国会がこれを協賛することは、国会議員の立場上はなはだ困る。われわれは少なくとも出てきた法律を審議し、それが作用していく国民にとっては、多少の批判はあろうと何がありましても、現在の次元においてはこれが一番いいと考えたからという言いわけがやはりできるようにしてもらわぬと、法律はこしらえたが悪ければ直すということでは、国民に言いわけが立たぬです。だから、もしそういうお考えならひとつ直していただくということを私は要求するのです。ほかに何か理由があるなら別ですけれども、どうでしょう。ここはこういう形でなくて、政府は直す意思はございませんか。
○藤田政府委員 いろいろことばの不十分であった点もあるようでございますが、財務会計制度調査会が昨年の三月答申をしておりまして、いま門司委員が御指摘になりましたような、古い自治体の財務会計制度を何とか近代化するということに、自治省としましても非常に努力はしてきたつもりであります、したがいまして、従来任意設置でありましたこの監査委員を必置制にいたしまして、一人は最小限置かなくてはいかぬというようなことにいたしましたのも、やはり財務会計制度の近代化の有力な一翼になろうかと思います。ただ、御指摘のように、具体的な人選、あるいは監査委員の人物いかんによって、相当自治体に波乱が起きやしないか。いろいろな場合も想定されると思いますが、義務制にしたことによって、従来の財務会計制度よりも前進である、こういうふうに考えて、提案しておるわけでございます。
○門司委員 一時になるからこれでやめたいと思いますが、会計制度の問題は、そういうことで、あまりその点は感心できないせっかく変えるのなら、もっと徹底して文句のない書き方にしてもらいたい。同時にまた、そのことが地方財政をそれほど圧迫するものじゃございません。現在の監査委員に対して、どれだけ一体地方が給料を払っているかというと、ごくわずかしか払っていません。かりに村会議員と同じ待遇をするということにしましても、村会議員が一人ふえたというだけのことであって、大した金にならない。大体地方のずいぶん待遇のいいところで、特別の委員については、当該自治体の議員さんと同じぐらいの俸給しか払っていない。あるいはそれ以下であります。私は大して問題にはならぬと思います。いまの財政その他の理由では、私はこの問題は理由にはならない、こういうふうに実は考えております。 それから問題になりますのは、職員の賠償責任の範囲でありますが、これが今度の法律を見てみますと、少し広がっております。このことについては、特別な理由がございますか。この問題は、事務の執行の場合に、会計の責任というものは非常に大事な責任でありますから、広げることがよろしいという意見もあろうかと私は思います。そして、厳密にやっていくのがよろしいのだという意見もあろうかと思います。しかし形の上では、こういう賠償責任というものをむやみに広げていくと、実際の運営の上に多少支障が出てきはしないか。そのことはどういうことかといいますと、自治体の場合におきまして、国においても同じだと思いますけれども、範囲が広がって、下級、上級ということばはどうかと思いますが、少なくとも下層の職員が、財産上の責任まで食わなければならないというようなことになると、私はいろいろの問題を引き起こしはしないかと思います。そういうきらいがありますので、一応こういうことにされた理由を、もう少し詳しく説明をしてもらいたいと思います。
○佐久間政府委員 職員の賠償責任につきましては、従来の規定につきまして、いろいろ明確じゃないという点も指摘されておったわけでございますので、今回は、大体地方財務会計制度調査会の答申の御趣旨をくみまして、このような案を御審議に供したわけでございます。内容につきましては、御指摘のございましたように、従来よりも範囲を広げまして、予算執行職員とか、あるいは物品を使用している職員等も包含するようにいたしたわけでございます。ただ、これらにつきましては、従来直接地方自治法の規定いたしておりますところには入っておりませんでしたけれども、民法上責任は追及できることになっておったのでございますが、今回は、この職員の賠償責任は、全部これは民法の規定を適用しない、公法上の賠償責任ということにいたしまして、そしてその機会に、従来は民法の規定によっておりました予算執行職員及び物品使用の職員までくるめて、規定を整備いたした次第でございます。
○永田委員長 午後二時三十分まで休憩いたします。 午後一時五分休憩 ————◇————— 午後二時五十分開議
○永田委員長 これより再開いたします。 休憩前の質疑を続けます。門司亮君。
○門司委員 もう少し念を入れて聞きたいことが少しありますので、聞いておきたいと思います。 会計制度をこういうふうにずっと変えていって、さっきも言いましたような賠償責任の範囲を広げるということですが、さっきの答弁だけではちょっと何かわからないようでしたが、どの辺くらいまで大体これを広げようとするのですか。具体的な例を少し話してもらいたいのです。たとえば、一つの工事をやるという場合に、その工事が間違っておったとか、あるいはどうもぐあいが悪かったというようなときの賠償責任が起こり得るようなことがありはしないかと考えられる。そういうときの損害の賠償は、一体だれが負うか。現場の監督が負うのか、あるいは局長が負うのか、課長が負うのか、そういう具体的なものをひとつ教えておいていただきたい。
○佐久間政府委員 お尋ねになりましたような事案につきましては、監督が手ぬかりで損がありました場合には、監督に当たっておりました職員に責任がございますし、あるいは検査に当たりました者が見落としておりましたり、不正な検査をいたしまして起こった損害でございますれば、その検査に当たりました者が責任を持つことになります。
○門司委員 その場合は、従来のような形ではなくて、それ以外の人たちは結局賠償責任を負わなくてもいいということですね。単にこれだけの人だけが負うということであって、市長なり助役なりが責任といいますか、損害賠償の任に当たらなくてもよろしい。私がこれを心配しますのは、これらの諸君が負担能力その他十分にあればいいですけれども、賠償ということになりますと負担能力が当然ついてくる。そういう場合がこれは考えられておりますか。工事の不正だとかあるいは手ぬかりというようなもの——不正という場合はどうかと思いますが、工事の不正というのは、おそらく直営というものにはきわめて少ないのであって、だれかが仕事をしておる、請け負わしておる、そしてそれの監督が不行き届きであったというようなことも当然こういう場合には考えられると思いますが、その場合はやはり負担能力との関係はどの辺までお考えになっておるのです。どの辺までなし得るものだというお考えなのですか。
○佐久間政府委員 その行為につきまして権限を持っております職員でございますれば、負担能力とは関係なく責任を負うということに考えております。
○門司委員 多少前後するかと思いますが、この機会にもう少し聞いておきたいと思いますことは、会計がこういう形になってまいりまして、それから小切手その他を出すことができるとこういうふうにはっきりなっております。そうすると、この場合に出てきます小切手の振出人や何かについては、特別に関係をする人がございますか。これはいままでの出納長だけがやるというわけではなかろうと私は思うのであります。どういうことになりますか。
○佐久間政府委員 その点につきましては、御指摘のとおり出納長、収入役自身がすべてやるというわけには実際上まいりませんので、そこで百七十一条の規定によりまして出納長、収入役の事務を補助させるために出納員その他の会計職員を置くということにいたしております。現行法におきましては随時出納員を置くことができるというたてまえでございましたが、今回は会計事務の充実に伴いまして、適正を期しますために、そういう補助職員を必ず置くというたてまえにいたしたわけでございます。その際、従来は出納員という、直接金銭、物品の出納に当たります者だけを特定の名称をもって呼ぶことにいたしておったのでございますが、今回はそれ以外の会計に関するものにつきましても適宜名称を付して、責任を明らかにした会計職員を置くということを予想いたしておるわけでございます。
○門司委員 そうすると、この会計職員というのは、出納長や収入役と権限は同じようなことになるというように考えても差しつかえはないわけですね。
○佐久間政府委員 それは百七十一条第四項に委任の規定を設けたわけでございまして、必要によりまして委任をいたしますと、その会計職員が出納長、収入役の権限をかわって行なうことができるようにいたしております。
○門司委員 そうしますと、この会計職員の行為というものは結局、これは当たるか当たらぬかわからぬですが、監査の対象に当然なりますね。
○佐久間政府委員 仰せのとおりでございます。
○門司委員 その次に聞いておきたいと思いますことは、会計制度をこういうふうな形に変えて、そうしてたとえば財産の処分権というものはどういうことになりますか。私はさっき行政財産と普通財産のところでちょっと聞いたのでありますが、これがからんできて、そうして法の二百九条ぐらいですか、あるいはもっと先のほうになるかもしれませんが、会計制度の問題に触れてくるような気がするのです。その気がするということは、財産の処分権の問題ですが、これと議会との関係はどうなりますか、行政財産だということになればある程度議会にそう相談しなくともよろしいのではないか、あるいはこれの監督その他についても条例によらなくともよろしいのではないか、従来の慣例から見ればそういう考え方が実はできるのでございますね。長のある程度の権限でやれるのだ、たとえば庁舎などを使用する場合についても、これはおそらく条例でなくて、長の考えで、規則か何かで考えられたと思う。あるいは公園その他の使用についても、こういう普通財産という形で含まれてくると、長の権限だけで、条例といいますか、議会の議決を経なくともやれるようになりはしないかということが考えられるのですが、そういうふにうに考えてもよろしいのですか。
○佐久間政府委員 財産につきましては場合を分けて考えておるわけでございます。重要な財産の取得、処分につきましては現在でも議会の議決を経なければならないことになっておりますが、この点につきましては重要な財産として条例で定めます場合の基準を政令で定めることにいたそうと考えておるわけでございます、政令で定める基準に従いまして条例で定めました財産の取得、処分につきましては議会の議決を経なければいかぬ。それ以外の財産の取得、処分につきましては、これは長が長の責任において行なう。さらに財産の管理につきましては、これは長の責任において行なう。したがいまして行政財帝につきまして目的以外の使用を許可いたしますのも、これは長が長の責任において行なうということに考えております。
○門司委員 この法律は政令が非常にたくさんあるので、政令のことについてはあとで一括して聞きたいと思います。それからここで問題になりますのは、公金の、こういうものにずっと会計制度というものを規定していきますと、支払いその他の問題でいろいろ疑念の出てまいりますのは、従来町内会や何かがありますが、こういうものについては、当然これは公金を支払うというわけにはいかぬかと思いますが、この法律でどうなりますか。私が従来から疑問があったのは、たとえば町内会に事務の何とか補助費だとか、援助費だとか、協力費だということで金が支払われておりますが、そういうものの会計はどうなります。この法律で、あれは別に自治体と認めておるわけでも何でもない。また法人でもない任意の団体ですけれども、そういうところにそういう専務費の補助だというようなことで金が出せるようになりますか。
○佐久間政府委員 お尋ねの点につきましては、従来どおり町内会、部落会に公金の支出の権限の委任を認めない考え方でございます。
○門司委員 そうするとそこに公金の取り扱いはできないというふうに解釈してよろしゅうございますか。
○佐久間政府委員 さように考えております。
○門司委員 そうしますと、どうですかな。実際の実務の上で、かりにいま出されております町内会のさっき言いましたような費用というものは、出し得るものだと解釈しておいてよろしゅうございますか。公金の出し入れではないと思いますが、公金を交付しておる。したがってそれが単なる町内会の役員の専務補助的の仕事だと考えられればそれで私はよろしいかと思いますが、それがもう少し行き過ぎまして、そうしてたとえば衛生の器具を買う、ごみを集める器具を買う、その場合に補助金を出すのだ、その補助金が町内会を通じて出てきているということになると、形式の上ではやはり公金を扱うような形になるのですが、これはどういう解釈をしていいんですか。
○佐久間政府委員 町内会にたとえば税金の徴収を委任するとかというような意味で公金の徴収、収納の権限を行なわせるということは考えておりませんことは従前どおりでございます。ただ、ただいま御指摘のありましたように、町内会の役員等に町村の補助職員のような資格を与えまして、それに簡単な事務を補助させる、それに対する経費を補助をするということは、これは差しつかえなかろうと考えております。
○門司委員 私はそこまではいいと思うのだが、別にたいして大きな支障も実はないと思います。厳密に言えばある程度あるかもしれない。たださっき言いましたように、一つの物を購入する場合がある。その場合に補助金として市から、あるいは町村から幾らか出す場合がある。その場合の金の取り扱いですね。それは幾つきめて、幾つ物を買ったから、補助金を幾らもらうということで、その補助金に対する交付の代理行為といえば代理行為のようなものですが、個人個人が受け取りに行かなくて、町内会が受け取ってくるというような場合が必ず出てきようかと思うのです。そうすると、ある意味においては公金の取り扱いということに解釈ができると思うのです。そういう場合の取り扱いをどうするかということ。これは公金の取り扱いと解釈していいか悪いかという問題。これを公金の取り扱いと解釈すると、この法律にちょっと触れるところができはしないか、こういう問題が起こるので、一応聞いておきたいのです。
○佐久間政府委員 町内会、部落会は、あくまでも住民の自主的な組織であり、また自主的に運営されていかなきゃならないものであって、これを市町村の末端行政組織の実質を持つような形で使っていくということは適当でないと考えておるわけでございます。ただいま御指摘になりましたようなものを町内会が買いますのに対して、市町村が補助をするという場合でございますが、形の上では、必ずしも町内会の名前で物を受授するという形をとらない場合もあろうかと思いますが、そういう財産を町内会に持たせることによって、町内会に市町村の末端行政組織としての実質的な機能を持たせるようなやり方であるといたしますれば、それはやめるようにしなければいかぬ、かように考えておるわけでございます。
○門司委員 会計制度の問題でもう少し聞きたいのですが、みな聞いておるとおそくなるような気がするので、これから次の問題に移りまして、そうして多少会計制度の問題にまで触れて聞くことがあろうと思いますが、次の問題として、例の事業団の問題で少し聞いておきたいと思いますが、事業団の問題に入ります前に、いまいろいろな形で問題になっております地方の特別の公共団体というものに対する定義を少し聞いておきたいと思います。御承知のように自治法にいう特別の地方公共団体というものの中には、いろいろ形があるわけでありますが、その中に実は東京都の特別区が入っております。しかしこれが特別地方公共団体というような形で取り扱われておる歴史はかなり古い歴史がありまして、ここでその歴史を一々申し上げる必要もないかと思いますが、同時に、新しい自治法の中にこれが組み入れられて、そうしてさっきお話をいたしましたような、例の財産区もこの中に入っておる。そこで問題になりますのは、特別地方公共団体というものの考え方が自然と出てくるわけであります。片方は行政区画というものを持っておる住民の組織する一つの団体であります。住民全体が組織する一つの団体。片方の財産区は、その自治体の中の特定の人だけが組織する一つの団体、こういう行政上の性格の全く異なったものが一つの地方の特別地方公共団体という範疇の中に入れられておるところに問題がありはしないか、自治法を非常にめんどうなものにしておる問題がありはしないかというように私は考えるのですが、この特別地方公共団体というものの定義についてどうお考えになっておりますか。
○佐久間政府委員 特別地方公共団体の中には、先生のおっしゃいましたように、相当違った観点から特別地方公共団体とされておりますものがあるわけでございます。私どもといたしましては、普通地方公共団体——これはまあ全部共通した特徴を持っておるわけでございますが、特別地方公共団体につきましては、その普通地方公共団体の持っております性質に対しまして、それぞれいろいろな角度から特殊性を持っておりますものを特別地方公共団体として並べておるわけでございまして、特別地方公共団体全体を通ずる一口で言いあらわせる定義というようなものはないと考えておるわけでございます。
○門司委員 そうすると、自治法上の特別地方公共団体というのは、行政通常上、便宜的にこしらえておるのだというように考えて差しつかえないのですか。
○佐久間政府委員 特別地方公共団体も地方公共団体でございますから、地方公共団体としての共通性は持っていなければならない。そこで、地方公共団体としての共通性と申しますと、一つはその成立の基礎を地方公共団体においておるというものでございます。それから第二番目には、そこの住民の意思を、反映させて行政を運営していくという保障がなされておるということが必要であろうと考えております。
○門司委員 この議論は、いまの御答弁では——私どもが釈然とするというか、もう少し明確にこの問題を掘り下げて考える必要がありはしないかということであります。これがいまの東京都のこのあとで出てくる自治法の改正などにも問題になってくる一つの大きな要因を持っております。だから特別の地方公共団体の中には、いまの東京都の二十三区も含まれておる。しかしこれは全体の行政上の仕事をしてきておる、いわゆる市に準ずるというようになっておりますから、一般地方公共団体と仕事の面においては変わりはないと私は解釈すべきものだと思っております。またそうなっておる。ところが特別地方公共団体の他の部門、たとえば一部事務組合にいたしましても、あるいは現在ある財産区にいたしましても、一つの目的、地方の自治体のする仕事の部分的な目的、あるいは地方住民の共通した一つの問題ではあるが、しかしそれは限られた問題であって、普遍的なものではない。こういうものと同居しておるところに今日問題がありはしないか。今度できてまいります事業団にしても同じことでありまして、これがもしこの法律に番いてあるようなことでいろいろな開発事業というものができるということになれば、地方の自治体の持っております今日までの固有の仕事というものが、ここに吸収される危険性というものがないとは言えない。きわめて広範なものがこの中に入ってくる。たとえば教育であるとか警察であるとかいうような大まかなもの、概念的なものについては、この中に入ってこないかもしれない。しかしある場合は公営企業と目されるものがこの中にかなり入ってくる、ある場合には教育の施設と目されるものが二の中に入ってくるというような形で、概念的には総合したものではないが、実際的にはかなり広範囲な総合したものが入ってきはしないか。そうなってまいりますと、従来の市会の権限というようなものがだんだん薄くなってきやしないかというような考え方があるから私はいま聞いているのでございますが、自治省ではこの特別地方公共団体に対して、こういう形でなくして——いま申し上げましたように、東京都の二十三区とこれとが全く同じ性格であるというような考え方は、私はどうしても考えられない。また自治省もそう考えているだろうと私は思います。だからさっき言いましたように、行政運営上の一つの考え方からこういう範疇にみんな入れているのか。言いかえるならば、何でもかんでもめんどうくさいものは特別地方公共団体という名前をくっつければいいのだという考え方ではないかと思いますが、そうなってくれば将来に向かってこれはふえてくる。私はさっき申しましたように、減らせばいいと考えておる。こういうものがいつまでもあることから問題が起こる。ところがいまのような形になっていますと、だんだんこういう姿がふえてきはしないか。共同の目的である一つの問題を成功させるために事務組合をつくるということは、私は今日の自治体では必要だと考えておる、またそういうことでなされなければならない仕事がたくさんあると考えておる。しかし総括的にこういう形で入れることは私は実はどうかと思う。もう少しはっきりした定義を聞かせておいてもらいたい。私はここでもう少し突っ込んで申し上げておきますが、私はなぜこういうことを聞くかと申しますと、これは次に予定されております東京都の都と区との問題に、非常に大きな関連性を持ってくるからであります。東京都の区は、さっきも言ったように、一切の行政上の仕事をつかさどっております。場合によっては課税もしておる。課税権を持っておるようなところが、特別の区であるからといって、その足が公選でなくてもよろしいという議論になっておる。その公選でなくてもよろしいという議論の中で最も大きなものは、これは特別区に入っておるからだという議論がかなり強い。財産区も公選でないじゃないか、あるいは一部事務組合というようなものもむろん公選ではない、普通の自治体とは違うんだ、これは特別区なんだ、だから仕事は同じようなことをやっておっても長は公選でなくてもよろしいんだというかなり強い法律上の議論はあると思う。これと憲法とのからみ合いで、一部の人は東京都の区長の公選をすることが正しいのであって、これを公選にしないということは憲法違反だという。一部の人は、これは特別の地方公共団体であって、憲法でいう公共団体とは違うのだという。ところが、実際の仕事は同じ仕事をしておる。ただ事務分量においてそれが適当であるかないかという議論から、いろいろな都でやる仕事と区でやる仕事というものの事務分担というか、あるいは事務分量の関係で、都と区との間の調整が行なわれている。この次に出てくる法律は、さらに事務分量を区に委譲しようという法律であります。こういうふうになってきますと、特別地方公共団体というものの定義がちっともわからなくなってくる。したがってこの際私は、自治省が特別地方公共団体の性格、特別地方公共団体のなすべき仕事というようなものを、もう少し明確に指示しませんと、いつまでたってもこの問題は地方自治法の盲点みたいになって、争いの論拠になってきて、そうして東京都の二十三区の問題なんかは私は永久に争いの種になると思う。したがって特別地方公共団体の定義というものについては、自治省はもう少し明確な線を出しておいていただきたい。もしこの議案でそれらの問題が明確にならぬとすれば、次の議案にはこれは必ず明確にしてもらわなければ、その審議はできないと言ってもさしつかえない。その辺をもう少し詳しく話しておいてもらいたい。
○佐久間政府委員 先生の御指摘になりました点、一々ごもっともと存ずるわけでございますが、特別地方公共団体は、普通地方公共団体が一般的な地方公共団体であるのに対しまして、いろいろな意味で特殊性を持った地方公共団体であると考えておるわけでございます。その特殊性の内容につきましては、特別地方公共団体のそれぞれの種類によりまして、違っておるわけでございまして、特別区の場合には、御指摘のございましたように、最も普通地方公共団体に近い性質のものである、一般の市に準ずるような形のものである、ただこれが東京都との関係におきまして、普通の地方公共団体よりもその権能の上において若干の制限を受けておる団体、そういう意味において特殊性がある、かように考えておるわけでございます。財産区につきましては、これもその権能の範囲におきまして、一般の市町村よりも相当制限された財産、営造物の管理、だけに制限された、またその区域につきましても市町村の一部の区域である、そういう制限を受けました、そういう意味においてやはり特殊性を持った地方公共団体であるわけであります。全部事務組合、一部事務組合と、今回提案いたしております地方開発事業団は、特別区、財産区とまたちょっと違った点において特殊性を持っておる、これは普通の地方公共団体が、共同で処理するためにつくるいわば複合的な地方公共団体、普通地方公共団体を構成分子とした複合地方公共団体である、そういう意味において普通地方公共団体と違った特殊性を持っておる。いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、その成立の基礎を地方住民に置き、またそのいたします事務が、地方公共のための事務であり、またその組織が、地方住民の意思を反映するように制度的に保証されておる、そういう共通性は持っておりますので、やはりこれは地方公共団体である。しかしいま申し上げましたようないろいろな点で普通地方公共団体とは違った特殊性を持ったものである、かるがゆえに、特別地方公共団体として区別して規定をいたしておる、かように理解をいたしておるわけでございます。
○門司委員 こういう事業団体は、特別地方公共団体とみなしていいか悪いかということなんです。いままでの地方公共団体というのはいずれも、たとえば財産区の問題はこれはわかったことである、あるいは事務組合の問題は、かりに一つの事業でありましても、一つの事業目的だけに限られたものである。こういうように一切がっさいを網羅したものであるということになれば、別の法律か何かでこういうものをこしらえることができるというような形をとったらどうかと考える。何もこれは特別地方公共団体の中に含ませる必要はないのじゃないか。そうしないと、これから先いろいろな疑問が出てくる。それでほんとうにこれが有機的に動くかどうかというところまで、しまいには議論しなければならないようになりはしないか。そうしますと、新産業都市との関係はどうなりますか。新産業都市の指定を受けた地方において、こういう団体の設立が許されますか。できますか。
○佐久間政府委員 新産業都市の指定を受けました区域におきまして、この事業団の設置ができるかというお尋ねでございますが、私どもはそういう場合もさしあたり念頭に置いてこの事業団が活用されるであろうということを期待をいたしておるわけでございます。
○門司委員 そうなりますと、新産業都市の建設の法案の仕事——しかもこれは実際は一部分の仕事なんですね。ところがほかの問題は、これだけでなくてかなり広い範囲のものが当然考えられる。私どもが特別地方公共団体としてものを考えなければならない範囲というのは、そんなに広範囲のものをこの中に含めてやるのは少し行き過ぎじゃないか、いわゆる新産業都市の場合になりますと、かなり広範囲のものがこの地域に指定され、含まれると思います。その場合にその地域の中で、こういう団体が二つも三つもできてくるというようなきらいがもしできるとすると、そこには新産業都市の建設自体において、いろいろな支障が出てくると思う。むしろ新産業都市建設自体なら、特別の法律できめられた新産業都市建設との間の関連性を考えて、これの一環としての考え方であるとするならば、これは私やはり特別の法律の規定がほしいということをどうしても考えなければならぬ。いまお話のように、それを考えてこしらえられたというのですが、ほんとうにこれでやれますか。新産業都市建設法の中でこれを考えているんだということで、新産業都市の構想、新産業都市の法律の内容とこれが一体どこで結びつくのですか。私はこういう問題の結びつきは非常に困難だと思うのですがね。片方は少なくとも行政というよりも、むしろ企業というものをある程度中心として考えられた法律、この問題はそういう企業を発展せしめる地域的の中における自治体の構想であって、これとの結びつきというものは、どこでどういうふうに結びついておるかということは、法律案の中にはちっともはっきりしないでしょう。それで私はさっきから聞いているんです。さっきお話のようにこれが使われるということなら、どこでどういうふうに結びついているという点を明らかにしておいていただかないと、新産業都市の指定を受けた地方の自治体が、たまたまこういうものがあることによって結びつきが十分でないというようなことで、新産業都市の構想とこれとの間に食い違いがあってはならない私は思う。その辺の考え方は当然考慮されておると私は思う。どういうふうに考えられておるか、一応聞いておきたいと思います。
○佐久間政府委員 新産業都市の建設促進法におきましては、御承知のように区域の指定にあたりまして、単一の市町村を必ずしも予想をいたしておりませんで、個の市町村にわたる区域が指定されることを予想いたしておるわけでございます。そういたしますと、区域の指定を受けまして建設基本計画を立てるわけでございますが、その計画が数個の市町村の区域にわたって一つの総合的な計画になるわけでございますから、これを実施いたしてまいります上には、どうしても関係の市町村の間、あるいはさらに関係の府県も加わりまして、協力してその計画に基づく卒業を執行していくことにならなければならない。その場合におきまして、共同して仕事をやりやすい方式として、地方開発事業団が活用されることを期待をいたしておるわけでございます。しかしながら、この地方開発専業団は、新産業都市の区域に指定されました関係地方公共団体においてだけ使うというものではございませんで、これ自体は地方自治法の一般的な地方公共団体の共同処理方式の一つとして考えておるわけでございますので、この規定の上には、新産業都市との結びつきを格別には表現はいたしていないわけでございます。
○門司委員 そうすると、こう解釈しておいてよろしいのですか。その事業団の結成の範囲というものは、場合によっては新産業都市建設の区域と同じようなものになるだろうということは、考えておいてよろしいのですか。
○佐久間政府委員 新産業都市の場合におきましては、新産業都市に指定されました区域内の市町村がその事業団を設置する団体になるということが通常の場合と予想しておるわけでございます。
○門司委員 この事業団結成の範囲というものは、新産業都市との関連性がらくれば、当然そういうことにならなければ、私はほんとうの効果がないと思う。さっきお話をいたしましたように、ばらばらでは困ることになろうかと私は思う。そうなってまいりますと、非常に広範囲のものにならざるを得ないのです。そうすると、この事業団というものの仕事は、とてつもない仕事になりはしないかと思うのです。だから、本来地方自治体のこうした特別の仕事、いわゆる特別地方公共団体と目されるものの範囲というものは、いま考えられておる新産業都市建設促進法の適用を受ける広範囲にわたる自治体の範囲が私は適当だと思うし、またそうなると考えるのです。まあ適当ということはどうかと考えますが、当然そうならなければならないと思うのです。そうすると範囲が非常に広がってくるのです。そうなりますと、その中における利害関係というものが必ずしも——広範囲における一つの新産業都市としての建設構想の中には入るかもしれませんが、しかし当面の問題としての利得関係というものが、かなり違う立場に立たされる事態ができはしないかと考えるのです。総合的にみては、そういうことがけっこうだと思われるのですが、しかし個々の自治体に返ってみると、そういう必要がないのだというような問題ができはしませんか。そういう場合は、やはり従来のような一部事務組合というような形で、その恩恵を受けるところ、必然に行なわなければならない条件を備えたところだけが、一つの事業団といいますか、一部事務組合のようなものをこしらえて遂行したほうがよろしいのじゃないかというように考えられるのですが、こういう点はどうですか。 もう一つ、ついでに聞いておきますが、したがって出てくるものは、幸いにしてこの新産業都市の指定を受けたところ全体が入ればよろしいが、いま申し上げたような形で、ある県については、自分のところも入ってもよろしい、しかし自分のところはそれにいま入る必要はないのだというような形で、収拾選択が当然ここに行なわれる。そうすると、そこにできる事業団が、一つの新産業都市として指定を受けた地域に二つも三つも出てくるという場合に、これの連合体というものが考えられるかどうか。
○佐久間政府委員 御説のような点も考えられぬことはないと思います。数個の市町村にわたりまして、市町村間におきまして必ずしも利害が一致しないという場合も起ころうと存じます。ただ、例を新産業都市の場合にとってみますと、新産業都市の区域指定を受け、それに基づきまして建設基本計画をつくります場合におきましては、すでに関係市町村の意思が合致しておるわけでございますから、そのできました建設計画を実施するにあたりましても——もちろん、実施の場合におきましての意見の相違というものは若干あろうかと思いますけれども、その建設計画を実施しようということにつきましては、意思の一致をみることになろうと思うわけでございます。したがいまして、そういうことになりますならば、関係地方団体が一致して事業団を設置するということも十分予想してよろしいのじゃなかろうかと考えておるわけでございます。ただ、もちろんこの関係地方公共団体の中で、どうしてもいやだというものがありました場合には、それを強制する方法も規定をいたしておりませんから、その場合には、そのものが加わらないというようなこともやむを得なかろうと思っておるわけでございます。しかし、先生のおっしゃいましたように、一つの新産業都市の区域の中で二つも三つも別々にできるということは、私どもとしては予想をいたしていないのでございまして、今回のこの事業団の構想は、一つの計画に基づく事業が、ばらばらに行なわれたのでは困るというところから発想をいたしておるわけでございますから、私どもといたしましては、一つの地域に二つも三つもできるというようなことのないように指導をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○門司委員 そうすると、この新産業都市との関係は、こう解釈しておけばいいのですね。できるだけ一つにまとめていきたい、政府の意思はそういう意思だということに解釈しておけばよろしいと思いますが、そのとおりですか。
○佐久間政府委員 そのとおりでございます。
○門司委員 それでは、その次に聞いておきたいと思いますことは、現在ある公営企業とこの団体との関係であります。この中には水道も工業用水も、何もかもみな入っておるようであります。現在地方の公共団体がやっている公営企業というものは、この中に含まれているように書いてありますが、既存の公営企業というものが、こういうような形でこの中に含まれるかどうかということであります。新しいものをこしらえるにはたいして骨は折れないが、既存のものを含むとなるとかなりむずかしい問題が起こってきはしないかと私は思いますが、その点はどうですか。
○佐久間政府委員 この地方開発事業団は、公営企業について申しますと、その施設の建設の段階を考えておるわけでございまして、でき上がりました施設の維持管理は、原則としてはやらないという考え方をいたしております。したがいまして、現在その区域の中に、すでにでき上がりました水道、下水道等がございます際には、それの維持管理は、従前どおり関係の地方公共団体がやるわけでございまして、その開発事業団には関係ないというふうに考えております。
○門司委員 私が聞いておりますのは、——そういうことは一応言えるかと思います。したがって既存のものも何も、今までのままじっとしておるわけではありません。これを拡張しなければなりません。それから整理もしていかなければなりません。そういう場合に、その拡張の部分だけこの中に含まれるのか、あるいは整理の部分だけこの中に含まれるのか、既存のものの維持管理はおまえさんの方でやるのだ、こういう考え方でよろしいのですか。
○佐久間政府委員 その点につきましては、そういう考え方でまいりたいと思っております。
○門司委員 どうもその辺が非常にこれはあいまいで、あいまいというか、実施の面で非常にめんどうな問題が起こりはしないかと私は思います。実際は計画というものは、既存のものと新しいものと総合された計画の上に事業が進められておるのであって、これから先の拡張は一つ事業団に頼もうというようなことで、ほんとうにこの機能が発揮できるかどうか、そういう問題については、かなり私は疑問を持っておるわけであります。 しかし、この公営企業との関係だけに長く触れるわけにいかぬと思いますが、もう一つこの面で聞いておきたいと思いますことは、ことに問題になりますのは、水道の問題、水利権の問題であります。水利権の問題がありますが、しかし今の御答弁のように、既存のものは今までどおりにやる、新しくこれから計画する新しくこれに入るものだけをやるのだから、そういう問題は起こらないのだ、何も事業団といったって特別の法人では——この場合は法人のような形をしておりますけれども、自治体から離れたものではないのであって、自治体の中で事業をやるのだから、そういうめんどうな問題は起こらないのだということになろうかと私は思います。そういうふうにも解釈ができます。しかし事業団自体の仕事というものは、一地方の水道だけをやるわけではありませんで、たくさんの問題をかかえておりますから、当然既存の、既得権といいますか、そういうものと新しい仕事との間に、何らかの問題が起こりはしないかということが考えられるのでありますが、その点について何か特別のお考えがあれば聞かしてもらいたい。
○佐久間政府委員 その点につきましても、立案の過程におきましてはいろいろ検討もいたしたわけでございます。建設だけではなくて、既存のもの、あるいはでき上がりました施設の維持管理もあわせてやれるようにすべきではないかという意見もあったわけでございますが、地方自治法の、事業実施のための一つの特例になるわけでございますから、あまり幅広く特例を最初から認めることもいかがであろうか。かつまた、当面は建設に専念すべき時期でありますので、もう少し建設が進みました上で、なお施設の維持管理もあわせて行なえるようにしたほうがいいかどうか、そのときさらに検討してもいいんじゃなかろうかということで、今回は維持管理につきましては原則としてはやらない。原則としてと申しますのは、この施設の建設と関連をいたしまして、一部分完成をいたしまして、それの利用を開始して、他の部分はなお残っているというような場合には、一々切り離すことも不便でございますから、そうした自治体でやる程度のことは、これは関連事業としてやることもできますが、たてまえとしては建設だけにしようということにいたしたわけでございます。
○門司委員 それから、その次に聞いておきたいと思いますことは、この事業団と地方の自治体との、事業その他をきめる場合の問題でありますが、この法律によりますと、設置団体が議会の議を経て、こういうことを書いております。しかし総括して、たとえばこういう性質のものでありますから、二つないし三つの地方の自治体に共通した問題だけがこれに限られるのか、あるいは一つの地方自治体の問題だけを、この団体にこういう形で委任するということができるのか、その点はどうなんです。
○佐久間政府委員 もとになりました地域の総合的な開発計画に盛られております事業でございますれば、たまたまその事業がその中の一つの団体だけにしか関係がないものでありましても、この事業団に実施をさせるということはできるわけでございます。
○門司委員 実はそこに問題があるのでありまして、私はやはりこれが特別地方公共団体という形でいくからには、二つないし三つの複合的の団体で行なわなければならない仕事というものがあって初めて特別地方公共団体ということが言えると思う。単独の地方自治体でやれるなら、単独の自治体でやればいいと思う。これはこの団体の構成上非常に大きな問題だと思って、特にここに赤いしるしを私はつけておいたのです。ここまで出てくると、地方の自治体の従来持っておりました仕事もこの団体がやり得るということになると一、二重になりゃしませんか。やればそこでやれるのである。またそれをやるべきだと思う。にもかかわらず事業団があるから現業団にまかせてよろしいのだということになると、事業団というものは、建設だけを請け負う団体なら、何も特別地方公共団体にしなくてもよかったのじゃないか、こういうことも考えられるのですが、その点はもう少し明確にしておいてもらいたい。
○佐久間政府委員 その点は先生の御指摘のように本来一つの団体だけで実施して何ら支障がないものまでその事業団にやらせるというようなことは、望ましくないことだと考えております。ただその一つの団体だけでやればやれる仕事でありましても、全体の総合的な計画の一環になっておりまして、その事業をやはり事業団で他の関連した事業と一緒にやるほうが、その地方団体のためにも利益であるというようなものにつきましては、この事業団にやらせることをあえて拒む必要はないじゃないか。それはやはりそういうふうに道は開いていていいではなかろうか、そのような考え方をしておるわけでございます。
○門司委員 その点は、いまのお話のようなことでよろしいと思います。どうせだれかが仕事をするのだから。その仕事を事業団に委託して頼むということで議論が成り立つと思いますが、しかしたてまえとしては、特別地方公共団体というたてまえをとっておる限りは、やはりそういうものじゃ困ると思うのです。当然、地方の一つの自治体だけに限られた問題を、特別地方公共団体に持っていってやらせる、またやるという考え方は、特別地方公共団体としての概念からはずれた考え方で、便宜的にそういうことが言われ、またそういうこともあろうかと思いますが、しかし特別地方公共団体にした以上は、やはりそういう一つの地方自治体だけでやることは不適当だ、また住民のためにならないというようなときに、初めてこういう字句が使われるという問題が起こってくるのであって、一つの地方自治体がやれるものなら、やらしたほうがよろしい、同時に住民と直結した形の一はうがよろしいのではないかという考えで聞いておるのであります。しかしいまの答弁で、便宜的にはそういうこと、だが、原則的にはそういうことでないということになれば、それで一応よろしいかと思います。 あとはこの内容についてでありますが、この法律で見てみますと、組織の中に理事長等と書いてありますが、この理事長の選任はどういう形で選任するのですか。
○佐久間政府委員 理事長の選任につきましては、規約の規定するところにゆだねておるわけでございますから、関係地方公共団体が、規約の中で適宜選任の方法を定めていいわけでございます。ただ理事長は、関係地方公共団体全体の輿望をになって今後の事業に当たっていかなければならない人でございますから、規約の中におきましては、やはり関係地方公共団体の議会の同窓を得て選任するというような選任方法を定めることが、望ましいのではなかろうかというふうに考えております。
○門司委員 私は、この問題は、組織の問題の一番中心になる問題であって、そしてまた物議を一番起こしやすい問題だと思います。だれを長にするか。したがってこの場合は、一つの事業団体でありますから、従来の事務組合のようなものとはちょっと迷います。一つの仕事をする団体であって、そして起債までも取り扱うので、財政上の問題も処理できるたくさんの権限を持った団体でありますから、私はいろいろな問題があってはならないと思うのです。したがって、当然それを法律に甘くべきではないかと思います。そして理事長の選任方法というようなものを、ごく簡単でもよろしいと思うが、たとえば関係諸団体の中でどういうふうにきめるかというようなことは法律に書いておかないと、条例でということになりますと、——この法律全体を見てみますと、この点は条例が出てからまた聞こうと思っておりますけれども、——条例でなくて規則と書いておりますが、この条例を規則と読みかえるということで、とんでもないものができてしまう。それほど大きな権限をここに与えるということはどうかと思いますが、その中の最も大事な理事長の選任が法律に書いていないということは、法律として非常に大きな欠陥ではないか。少なくとも理事長あるいはもう少し言えば、この中に監事という文字があろうかと思いますが、あるいは理事という文字があろうかと思いますが、やはりそういうことを法律に明記する必要があったのではないですか。これを各関係団体のつくった規則でそれをきめるということになりますと、えらいことになりはしませんか。地方の自治体が当然考えなければならないことを、この団体の規則でものがきめていかれるという行き方は、少し行き過ぎじゃないかと思いますが、その辺は法理論的にはどうなんですか、それでよろしいのですか。
○佐久間政府委員 これはこの団体の規則ではございませんで、規約でございます。規約でございますから、関係地方公共団体が事業団を設けますときに、関係団体が関係団体の議会の議を経てきめるわけでございます。その規約の中にきめておくわけでございますから、ただいま御心配のような点は、大体はないのではなかろうかと考えております。
○門司委員 これは規約といいましても、どんな規約をこしらえるのです。その規約はこの法律に書いてありますか。
○佐久間政府委員 第二百九十九条でございます。
○門司委員 私の聞いておりますのは、この二百九十九条のところにこう書いてあるといっておりますが、規約はずっと書いてありますよ。これは規約の内容であって、「理事長、理事及び監事の選任及び解任の方法並びに任期」、こう書いてありますが、私の聞いておりますのは、この中の理事長の選任をどうするかということを聞いておる。規約ではこう書いてある。しかし、この規約できめるということよりも、法律で理事長はどうしてきめなさいと指示しておいたほうが安心だ、こうさつきから言っている。規約の中に、当然書かなければならないあたりまえのことなんです。こういう規約ができても、理事長、監事の任期も書かないような規約では、およそ規約じゃないですよ。この規約をつくるときに、少なくとも理事長の選任あるいは監事の選任はこういう形でつくれということがなければ、いろいろの問題ができやしないか。おそらくこの理事長になる人は、どこかの長が予定されておると思います。しかし長でなく、あるいは助役でもよろしい、あるいはどこかの自治体の局長でもよろしい。これは規約だけなら何でもよろしい。そういうことでよろしいですか。こういう大きなものをやるのに、少なくとも関係団体の長なら長のだれかがこれをやるということにするかどうかしておかないと、規約だけできめられるということになると、ほかから呼んできてもよろしいことになりますか。一体この理事長というのはどうなりますか。関係団体のほかからもこんなものは頼めることになりますか。
○佐久間政府委員 この理事長、理事につきましては、この事業団の事業遂行に適材を持ってくるということを考えております。したがいまして、もちろん関係団体の長なりそこの助役なりかなりますことも差しつかえございませんが、同時にまた広く他から適材を持ってくるというようなことも、可能なように考えておりまして、その点につきましては別段制限を法律では古いておりません。ただ、理事長、理事につきまして、地方公共団体の長の兼職につきましては、明文をもって兼職がかまわないということを明記をいたしたわけでございます。 それから、その場合におきまして、選任の方法について法律にはっきり書古いておくべきではなかろうかというお尋ねでございますが、その点は、御指摘の点はまことにごもっともな御意見と考えておるわけでございます。私どもも、立案の過程におきましては、法律に何か選任の手続方法を書いたらいいではないかということも検討いたしたわけでございますが、現在の一部事務組合の規約の例にならいまして、法律にはこまかいことは書かないで、規約に譲るというたてまえにいたした次第でございます。
○門司委員 この規約は、この団体の規約なんですよ。そうすると、この団体の構成は、法律でこれが構成されるのですから、やはりこの辺を明確にしておく必要がありはしないかということです。それから、同時に、私はなぜさっき長ということばを使ったかということになりますと、この団体は他の団体と違いまして、この団体の規則といいますか、こしらえたものが条例と読みかえるというようなところがあるのですね。これは、そうなんでしょう。違いますか。私は、この団体の規約というものは、条例と同じような効果を持つものだというように書いてあるように総括的にずっと見ていくと見えるのですが、これは迷いますか。
○佐久間政府委員 この規約は事業団の規約ではございますが、事業団をつくります際に、関係の地方公共団体がっくるものでございまして、その規約の変更につきましても、関係地方公共団体がまた議会の議決を経てきめるというものでございます。事業団自体でこの規約をかってに変更することはできないわけでございます。 それからいま一つ先生のおっしゃいますのは、専業団規則のことかと存じますが、事業団規則は、この法令あるいは規約の範囲内でさらにこまかい事項をきめる必要があるわけでございますので、たとえば理事長、理事などの給与などきめるという場合には、普通の地方公共団体でございますれば条例できめるわけでございますが、それを事業団規則と読みかえてこの事業団規則できめるということにいたしておるわけでございます。直接住民に対する関係におきましての規定をすることは、これは事業団規則ではやらせないという考え方でおるのでございます。
○門司委員 そうすると、条例とあるのは地方事業団規則と読みかえるというふうに書いておりますが、直接住民に対しては影響がないのだということでいいんだ、こういうことですか。
○佐久間政府委員 お説のとおりでございます。
○門司委員 そこで、ぜひ自治省でも考えてもらいたいと思いますことは、今日の地方自治法の中に定めております条例が地方住民に及ぼす影響、作用といいますか、重要性の問題であります。これは法律と同じような効果を持つことは、自治省もよく知っておると思います。そういうものが住民に直接関係がないのだからよろしいんだということになっておりますが、条例をきめるについては当然議会の議決が必要なんです。事業団規則が条例と同じ効果を待つ、しかしそれは事業団規則だけだから条例でよろしいということでよろしいんですか。私はここには非常に大きな疑問があるのです。しかも条例は、個々の自治体が決定すべきものであって、同じようなものをみな決定してくれればそれでけっこうだと思います。一部事務組合等に対する問題については、条例で、こういうものについては一部事務組合に委任するということで、事業自体が全部委任になっておりますから、そういうことでもよろしいかと思いますが、この場合は全然別の角度から見なければならぬのに、これが条例と読みかえるということになると非常に大きな権限をここに与えたようなことになりますが、これは条例の意義からいってそういうことでよろしいか。条例自体というものだけを考えると、自治体の議決権をある程度侵すということがいえるのではないか。
○佐久間政府委員 条例そのものだけを考えますと、先生の御指摘のように、議会の議決を経ない手続で制定するということは、すべきことではないと私どもも考えております。したがいまして、直接住民に関する関係事項につきましての条例事項は、この事業団規則では規定をさせないたてまえにいたしておるわけでございます。ただ、ここで読みかえておりますのは、理事長、理事の給与でございまして、一般の職員の給与につきましては条例で定めることになっておりますが、理事長、理事の給与につきましては、条例で定めませんでも、事業団規則でも——そもそもその条例一項として、どうしても議会にかけた上で条例で規定しなければならないとされております条例事項の趣旨から考えてみますと、理事長、理事の報酬のごときは事業団規則できめさせて一向かまわないのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
○門司委員 そこに問題があるんじゃないのかな。これはこまかい細則、政令を見ませんから、私ども、ここでよく議論する資料が少し足らないかもしれませんが、ここでいう理事長というのは、おそらく私は、地方の公共団体の首長と同じような考え方のもとに議論されているんじゃないかというようなことが考えられる。それから給与というようなものについても、条例と読みかえるというようなことは、私はさっきから申し上げておりますように非常に疑問があるのですよ。給与その他は規則で定めるとかなんとかならば、これは問題ありません。規則のところで書けばいいんですから、たいして問題にならない。しかし少なくとも条例ということになりますと、さっきから言っておりますように、自治体の持っておる唯一の、これは立法権といえば立法権なんですね。それを、直接影響がないんだからといって、ほかの団体が同じ効果を持つようなものをこしらえられるということになると、実際として私はどうかと思うんですよ。その辺はどうですかな。これ以上は答弁もむつかしかろうと思いますし、やっかいだと思うから、私も追及はいたしませんけれども、そういう点をこの法律の中で考え直してみたらどうなのかな。なるほど一面には長が就任することができるという穴があけてある。しかし、長が受け継いだ場合はそれでよろしいと思います。別に問題はないと思うが、他から来た諸君で、しかもそれが同じ効果を持っているんだということになると、これはどうなります。やめられたときの退職金であるとかなんとかいうようなものも、やはり当然含まれるのでしょう。条例と同じ形できめた以上は、市町村会に責任がありますからね。市町村会に当然責任があるものを、この規則だけでよろしいですか。この辺はあまり安易にものを考え過ぎているんじゃないかと私は思うんですがね。その辺どうです、これで自治権がほんとうに守れますか、こういう形でだんだん侵されていって。
○佐久間政府委員 先生が御心配になりますようか点を、私どもも立案いたします場合に常に念頭に置いておったわけでございます。したがいまして、この事業団に委託をいたします事業の範囲につきましても、一応建設段階だけに限定して考えるという考え方をいたしたわけでございますし、規約なり事業計画も、それぞれ関係団体の議会の議決を経て定めさせる、そのきめられましたワクの中で、事業の実施だけをこの事業団がやるというたてまえにいたしたわけでございます。したがいまして、この事業団が事業をやってまいります過程において、直接住民の権利義務に関係したような問題につきましては、この事業団が事業団規則でやるというようなことは、一切認めない考え方で立案をいたしたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、役員の給与というようなものは、やはりこれは他の住民の権利義務に関係のあります事項について、縫合の議決を経た条例できめなければならないとされております考え方からいたしまして、まあこの程度のことは差しつかえないのじゃないか、この程度のことを事業団規則にいたしましても、別段自治権の侵害ということには当たらないのではなかろうかという考え方をいたしたわけでございます。
○門司委員 私は、自治権の侵害もありますが、条例だということになると、責任が出てくるんですね、その条例を市会が知らなかったというわけには実際いかぬと思う。しかし条例と同じ効果を持つものが一方で出てきて、その権利が行使されていく。給与規定なんかどっちでもいいといえばどっちでもいいかもしれませんが、責任の所在はやはり明確にしておかなければいかぬと思う。したがって、条例でなくて、めんどうでも自治法の八章に書いてあるようなものを、ここの中に入れておくべきではなかったか。規則の中に、そういうものを入れておくべきでなかったかという気がするから、いまお聞きしたわけでありますが、この点については、まだ私どもははっきりした納得をするわけにまいりません。 その次に聞いておきたいと思いますことは、事業団の発行する公債その他の責任は、だれが負うか。この事業団は公債の発行ができるのですか。計画だけですか。
○松島説明員 この事業団も、地方債を発行することができるようになっております。その責任は、事業団が結局第一次的には負うわけでございますが、事業団が解散をいたしました場合には、規約で定めるところによりまして事業団の権利義務が設置団体に引き継がれることになりますので、残りました債務につきましては規約の定めるところによってそれぞれの設置団体に引き継がれる、かようになろうかと考えております。
○門司委員 起債の額その他は別といたしまして、起債の起案それから起債を承認するのも私は議会の議決一項になるのじゃないかと思うのだが、その点はどうなのです。そしてこれは全体が責任を負うことになるのです。これは全然別個のもので、責任の所在というものは地方自治体にはないんだ、こういうことですか。
○松島説明員 法律案の三百一条に事業計画の内容の第四号といたしまして、「事業団が起こすことができる地方債の総額」ということが掲げてございます。この事業計画につきましては、先ほど行政局長から御説明申し上げましたように、それぞれの設置団体の議会の議決が必要となっております。したがいまして、いわばこの事業計画に対する議会の議決によって、それぞれの事業団に起債の発行限度額の授権が行なわれるもの、かような仕組みになっておるわけでございます。
○門司委員 この点はここに事項が書いてありますけれども、一つの問題があるわけでありまして、一時借り入れ金や何かとちょっと性格が違っておりまして、起債というのは後世の住民に負担と責任を負わせるわけであります。その当時の人は負わぬわけであります。だから議会でもこれをきめる場合には、非常に慎重にしなさいということをわれわれも常に申し上げる。それが一応こういう事業計画を立てておるから、それがまかされておるからこちらでよろしいという、そんな安易なことでよろしいのですか。私はこの点は事業計画と地方自治体との責任の所在というところで、もう少しはっきりしたいと思うのですが、さっきから申し上げておりますように、自治体と事業団の間の責任の所在というものがきわめて不明確だ。起債等についてもいまのようなお話のことで、一応大ワクがかけてあるからあとはこちらでよろしいのだ、こういうことだ。私は、各地方の自治体が、事業の終わった場合にどういう受け継ぎ方をするか知りませんが、起債などはそのときになくなるものじゃございませんで、後世の住民に残るわけであります。そうすると、その起債した部分をどういうふうに分担するかとかいう問題が、この下乗が終わった後に当然起こってくると思う。そこで問題になりますのは、われわれが考えてまいりますと、事業団のこういうものは、起債にゆだねようと何にゆだねようと、おのおのの地方の自治体がこれに金を出すという形で、責任の所在はどこまでも地方の自治体が負うべき筋合いのものではないかというように考えるわけであります。そういうことにしておいたほうが、事業のあと始末に非常に都合がいいのじゃないかと考えられるのですが、その辺はどうなんですか。
○松島説明員 御指摘のような心配もいろいろございましたので、事業団が起債を起こすという場合におきましても、事業団独自の判断のみによって起債を起こすというやり方をとることなく、事業計画をもってあらかじめ設置団体が定めました範囲において起債を起こし得るというようにいたしておるわけでございます。なお設置団体は、この法律にもございますように、事業団が解散をいたしました場合には、どういうふうに債権債務を引き継ぐかということにつきましても、あらかじめ規約の設定を通じて協議をしているわけでございますので、どれだけの借金をするか、その結果どれだけの債務が残るか、その場合においてそれぞれの設置団体がどのような形で債権債務を引き継ぐかというようなことを、全体を判断して、将来にわたる配慮のもとに事業計画の承認をする。この事業計画の承認を通じて事業団をして必要な資金の調達をする、かような仕組みになっておりますので、まず御心配のようなことは起きないのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○門司委員 そういう仕組みになっておるから心配するのであって、私が起債で心配するのは、いまの役人がこれを始末するのではない。仕事が終わったあとの住民が、この責任を背負わなければならない。その責任がどうしてもあるのですよ。そこで、事業の終わったときに、そういうごたごたするような問題をこしらえないでも、出資のような形ですれば、当然そのときにおける当該自治体の議会の議決で、これだけの金をここへ出しておるのだ、そしてその借金は、したがってその自治体が当然支払っていくべきだということに私はなろうかと思うのです。そう申し上げておりますのは、これについては御承知のように、償還期限と利息がくっついてきておる。そうすると、単なる事業だけをやればいいという性質のものではなくなってくると思う、一つの経営団体になりはしないか、その利息も、全部議会にかけてやったのだから、その割り前をみんなよこせばいいのだというようなことに考えられるかもしれない。しかしこれはいろいろ複雑な手続であって、むしろ、こういう事業に対する起債は認可をする、しかしその出し前というものは、おのおのの自治体が分担の形で出資をするというような形で事業をやらせていったほうが、解散をするときにも非常に手っとり早くてよろしいのではないか。むずかしい問題はちっとも起こってこない。それから償還する場合には、この利息を支払う面についても、その面の問題は起こらない。おのおのの自治体が持つ、そうしないと自治体自身の会計制度をどんなに変えられても——自治体の会計はとうなるのですか、特別の会計になるのですか、事業団の会計になるのですか。——そうすると自治体の会計と違ってくるものができてくる。自治体のほんとうの会計を知ろうとすれば、この事業団の会計も突き合わせなければ、どれだけほんとうの借金を背負っておるかということがわからぬということになりはしないか、当然そういう問題が出てくると思うのですよ。だから、出資の問題については、できるだけ明確にしておきたい。そして、地方の自治体だけのものを見ればわかるようにしておいてもらいたい。実は、帳面はこうなっておるのだけれども、このほかにもう一つ、事業団がこれだけ借金をしておるから、この借金の、返す割り前は、幾らになるかわからないのだというような安易なことでは、地方の会計監査が困りはしませんか。これは出資という形になっておれば、案外問題が起こらない。しかし、別の団体が借金をしておる場合は、ちょっと問題が起こりはしませんか。公営企業の場合は、そんな問題は起こらない、公営企業自体が事業主体ですから。借金しても——しかしこの事業主体というのは、仮の事業主体であって、そして恒久性のない事業主体が借金をするということ自体が、どうなんですか。これはどう考えても、いまの自治省の考え方があるから私は心配するので、その心配はございませんか。
○松島説明員 私の説明が不十分でございましたが、この事業団がやります仕事のうちで、水道でありますとか、あるいは港湾でありますとか、道路の建設というような仕事と宅地等の取得造成というような仕事は、経理上いわば二つに分けて考えられております。後者の仕事につきましては、この法律にもございますように、事業団が事業を完了したときは、原則として当該事業にかかる住宅または土地を処分するというようなたてまえになっておるわけであります。 〔委員長退席、小澤(太)委員長代 理着席〕 そこで、そういういわば事業団の存続期間中に仕事が最終的な結了を見るであろうというようなものについて、起債を考えるということで、三百十四条の第二項では、地方債に関する規定の準用は、特定事業すなわち住宅、土地の造成、処分というような関係の事業にのみ準用をいたしております。したがいまして、事業団が直接起債ができますものは、先ほど申し上げましたような事業計画を通じて限度額を定めるわけでございますけれども、具体的には、こういう事業団が事業の完了と同時に、起債もおおむね償還でき得るであろうというようなものを中心にいたしております。それ以外の水道でありますとかあるいは工業用水でありますとかいうような事業につきましては、その維持管理というようなものは将来設置団体に移るわけでございますので、借金もそれらの団体がするという考え方でやっております。 なお、御指摘のございました出資の問題は、三百八条の節三項に、設置団体は、出資することができる規定も設けられておるわけでございます。
○門司委員 だから私は聞いているのであって、ここで借金することができるという規定を設けても、こんなものはないほうがいい。出資なら出資で考える。将来、非常にけんかの種をまくことになりはしないか。同時に、地方の財務会計を、どんなに法律を変えても、そういう隠し財産みたいなものが片方にあると、私は明朗ではないと思うのです。それから、この専業団自身の性格も、だんだんと不明朗になってきて、これを特別地方公共団体といってよろしいかどうか、疑問が出てくると思う。これは一つの事業団体ですよ。従来、われわれが考えておった行政上の事務を執行するための必要性からきているのではなくなってきている。あるいはここまでくると、特定の事業を行なうために、事務組合をつくらなければならない、共同の施設が必要だというものの範囲を越えていると思う。しかしこれは一つの考え方であって、これ以上聞いてもどうにもならぬから聞きません。 それから、その次に出てくる問題の中で問題になってまいりますのは、団体に対する市民の監督権です。市民の監督権は、どこにどういうふうに規定されておりますか。
○佐久間政府委員 これは三百十五条に「監事は、監査の結果を理事長及び設置団体の長に報告し、かつ、これを公表しなければならない。」とありまして、第二項におきまして、設置団体の長は、これを設置団体の議会に報告しなければならないということがございます。それからさらに三百十八条におきまして、準用の規定がございますし、それから、それによりまして一般の住民の監督につきましては、直接請求制度も、地方公共団体でございますから当然準用になっておるわけでございます。
○門司委員 この面は、たとえば東京都の特別区のほうで、同じような形で一応の市民の監督権というものがあるかのように見えておりますが、実際の問題として、この報告を受け、あるいはその他の問題が、別個な形をとっております。同時に、特別の地方の公共団体という姿になっておって、実際は事業団体というような形になっておる。同時にこれには、法律だけを見てみますと、報告の時期あるいはその報告のしかたというようなものについては、ほとんど書いてない。私は、法律はもう少し親切に書くべきではなかったか、こういう気がするんですがね。この点は、市民の監督権といいましても、直接請求ができるということをいま言われておりますが、直接請求ができるものというものは、どういうものに限られるかということであります。この点は、いまの直接請求の中でも、いろいろ今日まで実は疑問があったわけでありまして、私どもは、いまの法律にあります直接請求についても、もう少し検討すべき余地がありはしないかと実は考えておったのでありますが、そうするとこの専業自体は、どこまでも市民の監督権がそこまで及ぶのだということになると、議会の監督権という考え方は、ただ報告だけすればいいのですか、それともこの事業の問題は、当該自治体に置かれておる監査委員会がこれを監査することができるのですか。これはどうなっております。監査の請求権といつたって、監査は監査委員会に請求することになっておりますから、したがって、当該地方自治体の監査委員会が、これを監査することになっていないとぐあいが悪かろうと思いますが、これはどうなんです。
○佐久間政府委員 先ほどお答えいたしました中で、訂正させていただきます。直接請求と申しましたのは、住民の監査請求をあやまって申し上げましたので、住民の監査請求ということに訂正させていただきます。 それから、そのほかの議会の監査請求でございますが、議会は、直接監査の請求はできませんが、長が、設置団体の監事に監査を請求することができるわけであります。
○門司委員 またもとへ戻るようですけれども、例の三百条あたりからくるその団体と地方自治体との関連性、監督その他の関係、どうもはっきりしないのですが、長でなく、議会の監督権、監査権が及ぶようにならないでか、この法律に書いておりますように、どんな自治体でも一人ずつ監査委員を置けと書いてあるのだから、その監査委員は、それの監査を当然できると私は思うのですが、これはできるのですか。これができないということになると、直接の請求権があっても問題だと思います。
○佐久間政府委員 この団体の中に、別に監事を設けておりますので、設置団体の監査委員が、直接この事業団の監査はできませんが、事業団の監事に監査をさせることはできるわけでございます。
○門司委員 そこが違うのじゃないですか。たとえば東京都の区は、監査委員会を持っているのじゃないですか、どうなっています。
○佐久間政府委員 区は、監査委員を持っております。
○門司委員 そうでしょう。特別公共団体であっても、東京都の区は、仕事が仕事ですから、ちゃんと監査委員会を持っておることは当然でありまして、また監査請求を受けて監査をした事実もあります。こういう団体にこれだけの仕事をまかせて、しかも起債という、借金も一切できるような仕事をする団体で、市会の監査の及ばないということは、私はおかしいと思うのです。これはやはり、市会の監査委員会が監査できるようにしておいたらどうなんです。そうしませんと、市会が責任を負いにくいのじゃないですか。報告だけを受けて、必要があるときは長だけが監査を命ずることができるということだけではいけないのじゃないですか。当然、これは市会のほうの監督、監査を受けることにしておいたほうが、よろしいのじゃないですか、これも複合体でありますから、なかなかそういうこともむずかしいのだと言えば言えないこともないかもしれない。しかし、たとえ複合体であっても、かなり大きな、市民に関係のある仕事をしている一つの団体ですから、場合によっては、まごまごすると、一つの地方の公共団体よりも大きいような予算を、ここでこなすようなことになりはしないか。そういう場合に、やはり市会の権限、監督権が、ここまで及ぶようにしておいたほうがいいんじゃないか。その辺はどうです。これはこれでよろしゅうございますか。
○佐久間政府委員 これは特別地方公共団体でございますので、普通の地方公共団体に置きます監査委員に相当するものがこの監事というふうに考えております。なるほど先生のおっしゃいますように、設置団体の監査委員に監査をさせることも、一つの方法かと存じますけれども、やはりある程度、事業団が自主的に事業執行もできるようにという配慮も、いたさなければなりませんので、設置団体の監査委員ではなくて、事業団自体の監事に設置団体の長が要求をして、監査をさせるということだけでよいのではなかろうかという考え方で、立案をいたしたわけでございます。
○門司委員 この辺は、どう考えてもいまのような答弁だけでは、私は納得ができない。この監査の制度というものは、この中にある一つの行政部門であって、特別にこれを監査するという立場と違うのじゃないか、いわゆる市における、あるいは町村の中における監査委員の立場と、違うのではないかという気がするのです。やはり純然たる第三者というような形で監査をすることが必要ではないか、株式会社にある、監査役という名前のついたのが、監査の判を押したから、それでよろしいのだという、普通の株式会社の総会と同じように考えては困るのじゃないかと思う。株式会社ならそれでよろしいかもしれない。しかし、公共団体のこういうものについては、私はいまのような答弁だけでは、なかなか承服するわけには参りません。 次に聞いておきたいと思いますことは、職員の問題であります。先ほど阪上君からもちょっと聞かれておったのでありますが、全員出向だというお考えであります。全員出向だということになってまいりますと、おのおのの身分関係はどうなります。たとえば事業団は、形の上ではかなり大きな陣容になろうかと思います。そうなりますと、そこにおける組合員の持っております権限というものは、どうなりますか、組合の組織その他というものは、ここでは組合の組織はできないのだ、おまえたちの所属が別だから、向こうの組合だ、したがって、この事業団では、組合としての形もできなければ、話もできないのだというような形になりますか。
○佐久間政府委員 地方公務員法上で、申します身分の取り扱いの関係につきましては、それぞれ設置団体が権限を待つことになりますので、したがいまして、職員団体も、設置団体の職員団体に入るということに考えております。
○門司委員 そうなりますと、ちょっとやっかいですね。これだけ大きな仕事をして、かなり大きな陣容になろうかと思いますが、それが設置団体の身分があるから向こうへ行って交渉してくれということを言われるということになると、何をどこへ行って交渉していいかわからなくなりはしませんか。これは個々の職員にとっても、職員団体にとっても、一つの大きな問題だと思う。自分たちが直接使われておるところに話ができないで、三つの団体が施行団体になっておれば、三つの団体に分かれて、そして話を進めていくというようなことは、私はどうかと思うのです。出向は出向でもよろしいかと思うのだが、たてまえとしてどうなんです、労働者の、やかましく言えば団体権、交渉権ということになるのです。そういうものは、この団体には適用しないのだということになるのですか、
○佐久間政府委員 職員の給与にいたしましても、それぞれ設置団体の条例に従いまして、設置団体から支払われることになるわけでございます。したがいまして、それらの問題につきましては、設置団体の職員団体の構成員として、設置団体の長と交渉をするということを予想いたしておるわけでございます。ただ同じ事業団の仕事をやる職員でありますから、それらの間にいろいろ調整を要する問題等もあろうかと思いますが、それは規約の中で、「事業団の職員の身分取扱いに関する事項」というものがございますから、そこで関係団体がある程度の調整をはかって、それに従って関係団体がそれぞれ設置をするということも、必要によっては行ない得るようにという配慮をいたしておるわけでございます。
○門司委員 これは実は使用主と、給与を支給している団体の違うのがあります。たとえば駐留軍の労働組合なんかそうなんです。雇い主が日本政府で、仕事はアメリカの仕事をしておる、給与もアメリカから出ている、こういう形ですね。しかしこれはそういう形にはなっておりますが、使っておる直接関係のある日本政府が、一応の窓口として労働条件その他は処理しているということなんです。なお、日本政府はむろん使用者であり、金を出しておるアメリカ政府と交渉をするということは当然でありますけれども、これは二段になっておる。しかし、それでも出先で、直接の雇い主である日本政府との間に団体交渉権を持ち、ストライキもやっておる。ところがこの場合は、直接使われておる事業団には交渉ができないのだ、おまえたちはうちへ帰って、うちの村長さんに言ってこい、それでものをきめてもらえということになってよろしいのですか、これは給与の問題だけじゃありません。服務その他の問題もありますから……。そうすると、この団体には服務規程というものがないのですか。こしらえないのですか。各自治体の服務規程に従っておまえたちはやれということになると、出向してまいりました職員の身分によって私は違うと思うのです。この点は、単なる一部の事務組合というものとは、全然性質を異にいたしておりますから、職員の取り扱いについては特に明確にしておきませんと、いろいろな問題が起こりはしませんか。出向だから勝手にやれということになると、これはどうにもならぬことになりはしませんか。同町に、給与法にしても違うのです。多少の差はあるのです。そういうことで、起債もできるというように大きな財政上の権限までここへ与えておいて、そうして使っておる職員については、おれのほうはノー・タッチだというようなことでよろしいのですか。それであなた方はうまくいくというお考えですか。この点は、もう少し明確にする必要はありませんか。
○佐久間政府委員 御指摘の点につきましては、先年のおっしゃいますこともごもっともなことと存じます。実は、立案の過程におきまして、それらのこともいろいろ検討をいたしたわけでございますが、しかしながら、固有の職員を事業団が持つということになりましても、事業団が一定の事業を終わりますと、解散をすることになりまして、職員の身分の安定という点からいたしましても、いろいろ保障の問題というようなものがありますので、思い切って固有の職員は置かない、みな設置団体に身分を置いた職員にする、したがいまして、給与その他、地方公務員法上の身分関係に伴ういろいろな問題は、設置団体に残しておく、このようにいたしたわけでございます。もちろん、この事業団で仕事はするわけでございますから、職務命令と申しますか、その関係のことは事業団の理事長が持つことになりますが、職務の執行に伴う職務命令的なもの以外のものは、それぞれ設置団体に残しておく、こういうような割り切り方をいたしたわけでございます。そこに若干御指摘のような問題が残ろうと思うことは、私どもも予想はいたしておりますが、このほうがかえって明確でいいのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
○門司委員 実に奇怪な答弁を聞くのですが、たとえば身分関係にしましても、町村合併促進法にどう書いておりますか。町村合併が行なわれても、首を切ってはならないという規定が書いてあります。この場合も、解放した場合には、当該自治体に返せと書いておけばいいじゃないですか、身分がこっちになくてもちゃんと安定する。たとえば出向された職員については、事業団解放のときには、おのおの出向を命じた自治体に必ず復元せよということを、法律できちんときめておけばいいじゃないですか。簡単じゃないですか。事業命令を出す者と服従する者が逆になって、事業団の理事長は業務命令だけは出すが、労務管理については一切責任を負わないのだという無責任なことで従業員が使われてたまりますか。こういう事業命令を出して、これに従わぬ者は、まごまごすると国家公務員法で処罰される、しかし交渉の相手方はとんでもないところにおってそこではない。これではここに使われる職員諸君は、どうにもなりませんよ。これがごく小さな、一応事務組合のような小さな団体、五人か八人の職員が出向して、事務だけやっておけばいいということなら、たいした問題は私は起こらぬと思います。また、職務命令というものを、特に出さなくてもいいと思います。少なくとも、これは仕事をしていくのです。仕事をしていく限りにおいては、場合によっては業務命令も出るでしょうし、無理な仕事もさせなければならぬそういう場合に、職務命令という権限は持っておるが、一切の責任は負わないというような無責任なことで、一方的な剣を持っておったのじゃ、私は将来仕事にならぬと思います。同時に、そこに出向した職員の身分というものは、いろいろなことについてきわめて不安定というよりも不安心だと思います。だからこの法律では、命令権者と、その責任を負う者との所在を、明確にする必要がありはしませんか。そして、いまの御心配のような、解散になったときの身分保障は、法律で書けばいいと思う。別にむずかしい相談ではないと思う。退職その他については、出向を命じた自治体の責任において、これを同じように取り扱えというふうに書いておけばいい。あなた方がよく御存じのように、法律は何でも書けるでしょう。その点はどうなんです。これは明確にしておいてもらわぬと、この法律をそのまま通して、そしてあとで問題が起こったときに、不謹慎な話ではありますけれども、やってみて悪ければ直すというようなことが出てきては困ると思います。やってみて、悪かったから直したのだということでは、実際は間に合わぬと思います。だからこの辺は、もう少し万全を期する必要がありはしませんか。もし行政局長の限りで答弁がやりにくいというのなら、大臣に出てきてもらうようにひとつ委員長から話をしてもらって、この解決だけはぜひしておきたいと私は思います。そして、安心して職員の諸君が仕事のできるような仕組みにしておいていただきたい。そうしないと、せっかく事業団ができても、始終いざこざが起こって困るのじゃないかと思います。同時に、出向する者が、あいつは運が悪いということになっても困ると思います。その辺をひとつ……。
○佐久間政府委員 お尋ねの点は、私どももいろいろ検討いたしたわけでございます。もちろん、解散の際に引き継がなければならぬというような規定を書くことも、可能かと思いますが、ただ、固有の職員を置きました場合におきましては、いろいろ身分取り扱いに関しまして、たとえば先ほどお尋ねのございましたような条例事項などもあるわけでございますが、この事業団で条例を規定するというわけにもまいりませんし、またかりに引き継げと書いておきましても、実際上、いろいろな点で円滑にいかない場合もあるわけでございますので、むしろ設置団体に公務員法上の身分関係は持たせておいて、仕事をする関係だけはこちらでするということのほうが、いいのじゃなかろうか、このような結論になったわけでございますしなお、各団体から出てまいりますので、それらの身分取り扱いにつきまして、ある程度調整をとっておくというような必要のある問題につきましては、関係団体が規約で定めておきまして、その規約で定められたところに従って理事長が処置をしていく、このようなことに予想をしておるわけでございます。
○門司委員 いろいろ御答弁をされておりますが、そうむずかしい問題ではないです。身分についてては、書き方によっては、選出されたといいますか、出向を命ぜられた当該自治体の職員と、何ら変わりのないように書いておけばいいのであって、たとえば、待遇その他はこれに準ずるということでもはっきり書いておけばいい、そんなことは幾らでも規約の中に書けるのです。たとえば、いまの駐留軍の関係の契約書を見てごらんなさい、ちゃんと書いてある。国が雇い主であるから、すべての待遇は、国家公務員に準ずるとちゃんと書いてあるこれはいろいろな面でじゃまになるところもある。米軍との賃金の値上げの交渉の中には、国家公務員がこれだけ上がったから、おれたちの方もこれだけ上げるんだ、それ以上上げる必要はないんだという、アメリカさんが逃げる口実になっておりますが、それはそれとして、この場合はそういう危険性はありませんから、すべては法律の書き方で身分は安定する。そしてこの事業団は、事業団の中でいろいろな問題が出てこようかと思う。その場合に、やはりここに働いております諸君が、事業団の理事長を相手にして話し合いのできる場所というものは、ぜひ必要じゃないか。また、なければならないと思う。そうしなければ、私はほんとうの運営は困難じゃないかと思う。同町に、ここに出向する諸君が、非常に不幸な目にあいはしないかということでありまして、身分、昇給その他についても、選出された当該自治体の職員に準ずるということにしておけば、そっちが何%上がったら、こっちが何%ちゃんと上がっておるということで私はちっとも差しつかえないと思う。こういうことはやはり法律で明確にしておかぬと、——それは当核自治体と、この事業団との間で、規約でそんなことを書けばよろしいかもしれない、あるいはそういうことでも便宜的にはできるかもしれない。しかしそれは、本質的なものには私はならないと思う。やはりこれは本質的なものにしておいていただいたほうが、取り扱いの上で非常によろしいと考えておりますので、いまの答弁だけで承服するわけにはまいりません。したがって、この次の会議にでも、大臣あるいは次官でもよろしゅうございますから、出てきていただいて、その辺のところのほんとうに責任のある答弁を、ひとつ聞かしておいていただかぬと、せっかくこれが発足していって、いよいよ仕事になって、ごたごたして、ここに出ていく職員が、業務命令というような、監督の権限は強く受けるが、自分たちの権利の主張は確保できないというような、かたわのようなものはこしらえたくない。その間の事情を、もう少しはっきりしておいていただきたいと思います。 きょうの質問は、一応これで終わらしていただきたいと思います。
○小澤(太)委員長代理 松井誠君。
○松井(誠)委員 最初に、いま門司委員から言われました、この地方開発事業団の職員のことについてお尋ねをいたしたいと思いますけれども、地方公務員の中で、特別に、地方公営企業なんかに働く労働者は、いわば地公労法という法律の適用を受けるわけであります。したがって、労働者としてのいろいろな権利について、地方公務員法の適用を受ける者と、地公労法の適用を受ける者とで、いろいろ違う。そういう者が、たとえば地方団体の中で地方公営企業に働いておる人が、この事業団の中へ出向してくれば、それはやはり地方公営企業に働く職長としての身分を持っているということになるのか。もしそうだとすると、同じ事業団の中で、地公法の適用を受ける者と、地公労法の適用を受ける者と、二種類の混在したものが、一つの職場で動くということになるのですが、そういうことはやはり予想しなければならないということになりますか。
○佐久間政府委員 それは、身分は設置団体にございますので、設置団体における身分の相違によりまして、地方公務員法の適用を受ける者は地方公務員法、地方公営企業労働関係法の適用を受ける者は、その適用を受ける者というふうに考えております。
○松井(誠)委員 そうしますと、地公法の適用を受ける労働者としての権利の幅と、地公労法の適用を受ける労働者としての権利の幅というものは違う。一つの事業団に働いておる労働者が、一つの労働組合をつくるということはできるだろうと思います。したがって、団体交渉権というものはあるのじゃないかと思いますけれども、その辺はどうなんでしょう。
○佐久間政府委員 地方公務員法上の身分は、それぞれ設置団体にあるわけでございますから、その設置団体のほうで職員団体に加わり、そちらのほうで交渉するということで、この事業団自体におきましては、公務員法上で申しておりますような職員団体はつくらないということに考えております。
○松井(誠)委員 ともかくこの問題は、先ほど門司委員が言われましたように、労働法制上非常に混乱を起こす、そういう意味で非常に疑問の多い問題を含んでおると思う。ですから、この次までに、もう少し詳しい御答弁ができるような準備をしていただきたいと思うのです。 そこで、ついでですから、次にこの事業団について私も一点お伺いをいたしたいと思いますけれども、これが一部事務組合の変形だとはいうものの、一部事務組合のように、自分の議会というものを持っていない。議決機関と執行機関とが別々になっておったのでは、能率的に悪いという配慮であろうと思うのです。まあ民主主義というものは、元来能率が悪いものなんですけれども、そういう場合に能率ということを盛んに重要視して、そして能率を上げるためには民主主義の原則をはずす。機関が相互的に牽制するということも、一種の民主主義の原則だと思うのですけれども、そういうものをはずす。これも能率化をするということが、直接住民の福祉になってはね返ってくるというような場合には、それはそれとして能率化のために、ある程度民主主義というものを犠牲にするということはわかる。しかし、たとえば地域開発などという問題は、もう方々で問題を起こしておるように、それが直接に、ほんとうに住民の福祉になって返ってくるという保障が、必ずしもない場合がある。あるいは多少のプラスがあっても、いろいろなマイナスの面と比べてみて、さて、全体のバランスシートではどうかという問題もあると思う。そういうときには、民主主義の原則をはずすということについて、もっと慎重であっていただきたいと思うのです。建設的な事業だけをやるのだから、公共的な場合と違って、特別の議会を置かないという考えも、わからないわけではありませんけれども、それならそれで、いわゆる設置団体の議会が、この事業団に関与できるチャンスというものを、もう少し多くする必要があったのではないか。先ほど門司委員も言われましたけれども、そういう設置団体の議会に関与させることによって、能率が著しくそこなわれるということになれば別ですけれども、各設置団体の議会というものは、事業計画を立てる、それからまた、その事業計画の変更やその他についても、一応関与ができるということはありますけれども、やはり何としてもそれだけでは一定の限界があると思う。ですから、何か事業団が毎年度予算をつくったときに、それはただ長に報告するだけだということになっておるようですけれども、あるいはせめて毎事業年度の予算の審議くらいは、設置団体に関与させるということをしても、事業の執行上、それほど非能率にはならないのじゃないかと思うのですけれども、御意見はいかがですか。
○佐久間政府委員 この事業団を立案をいたします場合に、御指摘のような点につきましてはいろいろと研究をいたしたわけでございますが、この事業団が、事業執行の能率ということを考え、しかし、いわゆる地方公社のように、全然地方自治の体系の外に追い出してしまったというようなことになってはいけないので、あくまでも地方自治の体系の中において、しかも事業執行の能率が確保できるような方式ということで考えたわけでございます。したがいまして、御指摘のように、他の制度と比較いたしますと、若干議会の関与というものが薄いじゃないかというような御指摘は、そのとおりかと思いますが、この規約にいたしましても、あるいは事業計画にいたしましても、またその事業計画の中におきまして、財政計画あるいは地方債に関する事項等は、関係議会の議決を経て、あらかじめきめられておるわけでございますから、そのきめられましたワクの中では、むしろ年度に拘束されませんで、ある程度弾力的に事業ができるようにすることが必要ではなかろうかというような配慮もいたしておったわけでございます。したがいまして、御指摘のように、毎年度の予算を、一々設置団体の議会にかけるということにいたしますと、この制度自体の機能を発揮する上におきまして、支障が起こるのじゃなかろうか、初め事業計画においてきめられましたワクの中では、できるだけ弾力的に、そして能率的に仕事がやっていけるようにしたほうがいいのじゃなかろうか、こういうような考え方から立案をいたした次第でございます。
○松井(誠)委員 その事業の規模にもよりましょうけれども、あらかじめ事業計画で、ほんとに微に入り細にわたった計画審議というものはなかなか困難だろうと思うのです。したがって、やはり審議に限度がありますから、一たんスタートしたら、もうそれはほとんど設置団体の議会はたな上げだということでは困るのじゃないか。私は一歩下がって申しますけれども、各事業年度の予算について、長に報告するならば、せめて議会にも直接報告するという形で事業牽制というものが必要ではないか。あるいは監事に対する監査の要求は、長しかできないということも、私ははなはだ当を得ていないと思う。門司委員が言われたように、やはり設置団体の議会が、直接監事に監査の請求をするということは認めてもいいのではないか。そういうことで、事業の進行の途中でいろいろ方途を考えないと、さて、出発した、一応出発したときに関与したからいいではないかということで、一番おしまいになって、あれこれ言っても実は追っつかない。そういう懸念がありますので、設置団体の議会の関与というチャンスを、もう少しふやすという配慮をすべきではないか。重ねて御意見を伺いたいと思う。
○佐久間政府委員 御指摘の点につきましては、御意見ごもっともと存じますけれども、長が監事に監査を請求できることにもなっておりますし、また決算につきましては長に提出したあとで長が議会にも報告しなければならないことになっておりますので、これは長を信頼をいたしまして、長のほかに議会が監査請求をすることを認めますことは、そこまで必要はないのじゃなかろうかと考えておるわけでございます。
○松井(誠)委員 時間がございませんからかけ足でお尋ねをいたしますけれども、おととい賠償責任のところでちょっとお尋ねをいたしましたが、今度賠償責任を負うべき職員の範囲が広くなるということで、その職員は、重大な過失という、そういう制限があったり、事情によれば免除されるという事情もございますけれども、それにしても何がしかの危険にさらされるということになると思う。ですから、そういう危険にさらされておる職員の待遇というものについて、別段の御考慮というものは考えておられるのかどうか、お伺いいたします。
○佐久間政府委員 会計関係職員の待遇改善あるいは研修等については、財務会計制度調査会の答申の中にもあるわけでございます。どのような方法によってその趣旨を実現いたしますか、まだ結論は得ておりませんが、そういう点も今後の問題として検討をしてまいりたいと考えております。
○松井(誠)委員 ちょっと法律的な問題になりますけれども、この賠償責任のことで、改正案の二百四十三条の三の二項に、当該職員は、それぞれの職分に応じて、賠償の責めに任ずるということを書いてあるわけでありますが、職分に応じてというのはどういうことを言うわけですか。そのあとの「当該行為が当該損害の発生の原因となった程度に応じて」というのは、これは現実に算定できるかどうかは別として、わかりますけれども、職分に応じて何か損害の程度を算定するというところにもかかるのかどうか。
○佐久間政府委員 「職分に応じ、」が「賠償の責めに任ずる」というところにかかるわけでございますので、損害の発生の原因となった程度に応ずるということと、それから職分に応ずるという両方のことが要素になるわけでございます。
○松井(誠)委員 そうしますと、職分に応じてという要素を除けば、たとえば二人の共同の責任だという場合に、その損害の発生の原因として双方が五〇%ずつ負担をすべきだということになった、しかし職分に応じてそれをまた訂正をして、一方は上のほうだから三割にする、あるいは七割にする、もう一つの、相棒のほうは、それに応じて七割になったり三割になったりする、これはそういうことを考えておられるのですか。
○佐久間政府委員 共同でやりました場合につきましては、ただいま御指摘のように、職分に応じてと申しますのは、そのものがその行為につきまして責任の度合い、権限の度合いというようなものが違っております場合には、ただいまお話しのようになろうかと思います。 なお一つつけ加えさせていただきたいと思いますが、一昨日のお尋ねの際に私の答弁が不十分で、共同のそうした場合に判定がつかぬ場合には、連帯というようなことを申したかと思いますが、今回の趣旨は、あくまでも民法の連帯責任の原則を排して、個々の職員について責任を明らかにするという趣旨でございますので、実際問題といたしますと、判定がむずかしい場合があろうかと思いますが、理論的にはあくまでそれぞれの職員についての責任を追求していく、こういう考え方でおるわけでございます。
○松井(誠)委員 私も実はその次にそのことをお尋ねしようと思っておったわけです。賠償責任があるということになれば、民法の原則を適用しないということになると、例の連帯責任ということもなくなるのではないかと思ったわけですが、その前提として、現実にそれでは一〇〇なら一〇〇という損害が生じたときに、二人以上の共同の責任だということははっきりしている、しかし損害の賠償を、職分に応じてそれを適宜、いわばどんぶり勘定みたいな形で、一種の勘で、これは上官のほうが責任が重いから七割持たせよう、これは下っぱで言われたとおりやったのだから三割ぐらい持たせようというような、いわば常識的な配分をする。ですから、二人以上が具体的にどういう行為に関与して、したがって彼の元来持つべき法律上の責任はこうだという、そういう形の、いわば民法の損害賠償の因果関係というものを適用しないで、言ってみれば、政治的に割り振りをするということでこれは切り抜けようということになるわけですね。
○佐久間政府委員 別に政治的にどうこうということではございませんで、あくまでも損害の因果関係ということが基礎になると思うのでございます。ただ、共同でやりましたような場合には、職責の重要度というものの差異がある場合があるわけでございますから、そのような場合には、そういう点も加味をしていくということでございまして、損害賠償の基本的な考え方というものは、民法に対してそう違ったものを考えておるわけではございません。ただ、連帯責任ということは、職員の場合には適当ではございませんので、ここに責任を明らかにするというたてまえにいたそうという考えでございます。
○松井(誠)委員 法律的にいろいろ疑問がありますけれども、御意見だけをお伺いをいたしたわけであります。 なお、きのうお伺いしました点で、どうしても納得のできない点、二点だけお伺いをしておきたいと思います。一つは、やはり契約の締結、特に請負契約の締結の点についてでありますけれども、現行法では、一応形式的には一般の競争入札いうのが原則になっておる。しかし実際の慣行は、いただいた資料でも明らかなように、一般競争入札というのは、実際は例外的な取り扱いになっている。今度の改正案でも、これはやはり規定の体裁としては、一般の競争入札というのが原則だというように理解をしてよろしゅうございますか。
○佐久間政府委員 たてまえといたしましては、一般競争入札が原則であることには変わりはございません。
○松井(誠)委員 原則でありますから、したがってそれが実際上の慣行としても、一般競争入札が原則として行なわれる。したがって、それ以外の契約の方法は例外として扱う。ですから、統計的、数字的にいっても、一般競争入札というものが原則として多いということを当然予想されておられると思うのですけれども、そのように理解をしてよろしゅうございますか。
○佐久間政府委員 たてまえといたしましては、一般競争入札が原則でございまして、その余の方法は例外であることには変わりございません。
○松井(誠)委員 昨日お伺いしましたたとえば指名競争入札を許す場合ということについて、政令の内容をお伺いをいたしたわけですけれども、あれはたぶん国の法制をそのまま、言ってみれば引き写しにするような形で政令に移されるという予定だと思いますけれども、そうですか。
○佐久間政府委員 政令の規定のしかたといたしましては、国の法令の例を大体参考にしてまいりたいと考えております。
○松井(誠)委員 その国の場合に、実際はどうなっておるでしょうか。一般競争入札が、実際の問題としても原則になっておって、それ以外は例外ということになっておるか、あるいはたてまえはやはり一般競争入札が原則だけれども、実際上は例外になっておるという、さか立ちをした形になっておるか、その点はおわかりじゃございませんか。
○佐久間政府委員 たてまえといたしましては、一般競争入札が原則になっておりますが、実際行なわれております件数といたしましては、国の場合には指名競争入札が相当に多いように伺っております。
○松井(誠)委員 そうしますと、そのような国の法律の規定の体裁と実際の慣行とが、さか立ちをしておる。それをそのまま今度は、地方団体に引き写しに持っていく。そうすると、規定の上ではやはり一般競争入札が原則になっておるけれども、今までと同じように、実際上は一般競争入札というのは、例外的な取り扱いになってしまうということを、初めから予想しなければならないような出発になりはしませんか。
○佐久間政府委員 現行法におきましては、一般競争入札が原則で、その規定の上におきますと、そのほかのものにつきましては例外であるというように規定をいたしておりますが、そのたてまえは今回も踏襲はいたすわけでございます。ただ、現行法におきましては、規定が至って簡単でございまして、条例に多くのものをゆだねております関係で、実情におきましては、非常に多く指名競争入札、随意契約が行なわれておるようでございます。そこで量的に申しまして、何が多くなるか少なくなるかは別といたしまして、その指名競争入札なり随意契約なりが、公正に、また乱用されることのないように、規定を整備をしてまいりたいというのが改正の考え方でございます。
○松井(誠)委員 いまの御答弁で、この改正によって一般競争入札が多くなるか、少なくなるか、量的な問題は必ずしもわからないということでございましたけれども、そのまた反面、いままでともすれば乱用されやすかった一般競争入札以外のこの契約の方式を、厳重にしたいのだという御趣旨でありますから、そうとすれば、当然原則である一般競争入札が、名実ともに原則になるように、したがって、それ以外のものは規制をしていこうという御趣旨である、そしてそのように御指導をするんだというようにはこれは承っていいですね。
○佐久間政府委員 指名競争入札なり随意契約なりに、一つのレールを敷きますようにつとめてまいりたいと思いますし、またそうした方向で指導をしてまいりたいと考えております。
○松井(誠)委員 レールを敷いて、そのために走りやすくなって、たくさん走るということでは困る。ですから、その点の心がまえを私は聞きたい。なぜ、こんなことを言うかといいますと、きのうも談合の話を申し上げましたけれども、やはり指名競争入札というのは乱用されるというのが、談合しやすい一つの原因になっているわけです。だからそういうときに、一般競争入札ということを原則にするように指導する。それでたくさん、言ってみればアウトサイダー的な人も入ってこざるを得ない、そういう形にすることが、たとえば談合を防ぐ一つの方法に違いない。だから、そうしたことを考えると、レールを敷くのはいいですけれども、問題はどういう意図でレールを敷くのかということをはっきりお伺いしたいのです。ただ既成事実を法文化するということだけでなくて、一般競争入札ということを名実ともに原とするという腹がまえなんだということだけは、せめて御答弁いただきたいということです。
○佐久間政府委員 量的には、実は実情を調べてみますと、現在この指名競争入札なり随意契約が非常に多く行なわれておりますので、それをできるだけ正しいレールに乗せまして、そして乱用を防いでいくようにつとめたいということでございまして、その結果量的にも一般競争入札が非常に多くなるようにということは望ましいことと思いますが、すぐそのような結果があらわれますかどうですか、私たちといたしましては、とにかく現在指名競争入札なり随意契約なりが、かなりルーズになっているという点を改めていくということについて、十分配慮をして指導をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○松井(誠)委員 最後に、一点だけお伺いをいたします。 きのうもお伺いしました使用料の強制徴収の問題ですけれども、先ほどの普通財産の御説明のときに、普通財産というのは、一般の私法の適用を受けるのだというお話でありまして、たとえば公営住宅というものは、もちろんこれも普通財産として一般の私法の適用を受けるという原則は適用になるだろうと思うのです。それであるのに、家賃だけはそういう私法の原則からはずして税金並みに取り立てるという、その理論的な根拠がどうしてもわからない。きのうのお話では、何か局長のその根拠をそのまま適用すると、地方公営企業全体にそれが推し進められるような根拠しかないわけです。家賃が安いというようなことを言われましたけれども、家賃を安くする。特にこれから低家賃の住宅をたくさんつくろうということになると、言ってみれば、そういう収入の少ない人に対する社会政策的な配慮から低家賃の住宅をつくるのだということになりますと、この間の御答弁ではそういう社会政策的とはおっしゃいませんでしたけれども、何か政策的な考慮でこの住宅というものを建てるのだから、その使用料については特別な取り扱いをしなければならぬと言いましたけれども、逆にそういう社会保障的な考慮が行なわれればなおさらのこと、一般の民法の原則で律して少しも差しつかえないんじゃないか、家賃を取り立てるのに裁判所が出て取り立てるのと、税金並みに取り立てるのと、どっちみち取られるんじゃないかというようにお考えかもしれませんけれども、私は違うと思うのです。税金というのは、とにかく文句はあとで言えということで、まず持っていっちゃうわけです。ところが、家を借りて入っている人は、たとえば自分が修繕をした、その点について相殺をしてもらいたい、この点を差し引いてもらいたいという要求があっても、税金並みに取られる場合には文句はあとでということですから、とにかく払わなければならぬ。ところが裁判所に出て払うという場合には、そういう文句を言う余地はあるわけですから、同じ金額を払うのだからどっちみちいいんじゃないかということでは、これは理論的にもおかしいんじゃないですか。ついでに申しますけれども、何も税金並みに取らなくても、普通の民法の適用で家賃を払え、払わなければ出てくださいよという形で牽制はできるわけですから、これをほんとうに生活に困っている低家賃の人にまで税金並みに取るという意図というものが、理論的な根拠とともに私はどうしてもわからない。もう一度御説明を願いたい。
○松島説明員 何を強制徴収の対象にするか、何を強制徴収の対象にしないのが適当であるかという点につきましては、いろいろ議論のあるところでございます。現在の法律は、少なくとも使用料と名がつけば、一応強制徴収の対象になり得るという規定になっておるわけでございまして、これに対しましては昨日も申し上げましたように、何もかも使用料と名がつけば強制徴収の対象にというのは適当でないという御意見も相当あるわけでございます。また、その場合の基準として、公法上の収入については、強制徴収の対象とすることは適当であるけれども、私法上の収入といわれるものを強制徴収の対象にするというのは適当でないという御意見もございます。しからば、公法上の収入と私法上の収入というものは、具体的な事件に即して何がそのどちらかということになりますと、これまた人によっていろいろ御意見が違うようでございます。そういうような不明確な形において強制徴収がされるということは、やはり住民の権利を保護するという面においても欠くるところがあるんではないか、こういう点から地方財務会計制度調査会においても、この辺を明確にするようにという趣旨の答申が行なわれたものと私は考えております。しからば、何を法律ではっきりさせる場合の基準にするかという問題でございますが、これについてはいろいろな観点から考えられるのではないか、たとえば過料のような制裁的なものについては、強制徴収の対象にするのは適当である。あるいはまた地方団体のみしか経営しないような施設の収入については、強制徴収の対象にするのは適当である。あるいは行政処分として行なわれたものに伴う特権料的なものについては強制徴収の処分としてもいいんだというような、いろいろな考え方があろうかと思います。それらの点を勘案いたしまして、ただいまいろいろ検討をいたしておるわけでございますが、お尋ねの公営住宅の家賃の問題については、これは家賃という面から見ればなるほど一般の家質と変わりはないではないかという御議論、もっともでございます。したがいまして、従来は学説等においても、いろいろ議論があったやに私も承っております。しかし昨日も申し上げましたように、公営住宅というものは、単なる一般の財産を、それが通常行なわれます全く純経済的な観点に立って家賃が設定されているわけではございません。そこにはやはり国としても相当額の補助金を出して建設をし、地方団体としても相当額の一般財源を投入して家をつくり、そのもとに安い料金で一定の方々に住宅を提供しているわけであります。したがいまして、そういう人たちの納められなかった税金について、強制徴収をしてはいけないのだという考え方も、必ずしも私は成り立たないのではなかろうかというふうに考えております。しかし具体的な問題につきましては、昨日も申し上げましたように、法律を制定いたしますまでの問に、さらにいろいろ御意見等も承りまして、検討を続けてまいりたいと考えております。
○松井(誠)委員 まさか電車やバスの料金がそういう対象になるとは思いませんけれども、一応可能性のあるものはたとえば学校の授業料じゃないか、そういうものについては何かいま考えが固まっておりますか。
○松島説明員 授業料については、いまのところ滞納処分の対象にすべき使用料のうちには入れないという方向で考えております。
○松井(誠)委員 いまのところ入れる予定になっておるのは何と何ですか。
○松島説明員 具体的にまだ全部を集めておるわけではございませんが、たとえば使用料でございますと、入港料でありますとか水利使用料でありますとかというようなものを一応予定いたしております。ほかにもいまいろいろ検討いたしておりますが、どっちへいれるかまだはっきりいたしませんので、大体確実に入るであろうと思われますのはいま申し上げましたようなものでございます。
○松井(誠)委員 公営住宅の使用料は、まだ不安定な状況であるわけですね。
○松島説明員 公営住宅の使用料につきましては先ほど来申し上げておりますので、これはいれる方に入っておるつもりで省略をさせていただきましたが、ただいまのところは入る方向になっております。
○松井(誠)委員 私も、使用料の中で強制徴収のできるのとできないのとはっきりしない状態は悪い、これはそのとおりだと思う。しかし公営住宅の家費がはっきりしなかったのは、裁判所がいけないというのに自治省がいや公営住宅の家賃は取れるのだ取れるのだという指導をしたからあいまいになってしまった。そうではなしに、公営住宅の家並は民事訴訟法でやりなさいという指導初めからしておれば、こういうものは混乱するはずはないのですよ。そういうことだと思いますので、はっきりさせることは必要ですけれども、問題は、はっきりさせる基準は何かということが問題だと思うのです。 そこで、最後が二つになりますけれども、もう一つ最後にお伺いをいたしたいと思います。今度の改正案ができてきた背景には、地方財務会計制度調査会の答申が背景になっていると思います。その中でいろいろ言われておることは、いまの会計制度が非常に大福帳式で悪い、ですからもっと近代的な会計学の成果を取り入れてやらなければならぬということを言っておられると思う。そういうかまえがこの改正案の底にはあると思うのですけれども、そのように理解してよろしゅうございますか。
○佐久間政府委員 財務会計制度調査会の答申におきましては、御指摘のように、会計決算制度を採用するようにということを申しております。実はこの点につきましては、答申をいただきましてからいろいろ検討をいたしておるわけでございますけれども、従来、長年やり来たりました会計の方法を、画期的に変更をすることになるわけでございますので、技術的にもあるいは法制的にもいろいろと検討をしなければならない事項がたくさんあるわけでございまして、その点につきましては、今回提案いたしました法律の中には、そのことを明らかにうたっておるところはございません。いずれまたこれは決算関係の部分になりますが、今後なおよく検討をした上で結論を出したい、かように考えておるわけでございます。
○松井(誠)委員 そうしますと、たとえば会計の記録の方法として発生地主義に基づいて複式簿記のやり方をやれというようにいま考えておるわけでもない、あるいはまた予算調整上の問題として、答申が言っておる業種別予算といいますか、予算をわかりやすくするという意味でそういうやり方にしろと言っておりますけれども、その点にも改正案は触れてないようですが、それもこれからあとの問題というように考えてよろしゅうございますか。
○佐久間政府委員 それもあわせて今後検討してまいりたいと思います。ただ、予算にいたしましても、決算にいたしましても、この答申の中で、財産なり債権なりも含めて、総合的に広い意味の地方公共団体の財産を把握するように努めていかなければならない、——そういう趣旨は、今後検討をしてまいります段階で、できるだけ実行できるものは実行してまいりたい。しかし本格的な会計決算でございますとか、あるいは事業予算でございますとか、そういうものは十分慎重に検討した上でやりたい、かように考えております。
○松井(誠)委員 それでわかりましたけれども、最近、地方行政がだんだん企業化するというようなことをいわれております。この前の公営企業法の改正のときに心配をしたのは、たとえば大きな病院が企業会計をとるということ自体、そのことだけを切り離して考えれば悪いことじゃない。それは財政状態をはっきりさせるという意味ではすぐれた会計技術であるには違いない。しかし、さてそこから経営の成績を判断するということになると、一体経営の成績がいいということはどういうことなのか。普通の私の病院のような形で企業の成績を考えるわけにはいかないだろう、そういう同じ懸念があって、今度の財務会計制度で会計技術を取り入れるということを非常に言っておりますけれども、その結果非常に効率的、能率的になるということはいわれると思いますけれども、問題は、さて一体何が効率的であるのか、何が一体最も少ない経費で最も大きな効果をあげたということになるのか、その判断の基準は何かということになります。われわれとしては、地方行政ですから、ほんとうに住民へのサービスというものがどの程度効果的になったか、住民の利益がどれだけ上がったか下がったかというような効果をはかるということが、言ってみれば投資効果というものを判断する一番大きな基準にならなければならぬと思いますけれども、それがそうじゃなく、最近企業化がはやっておりまして、何かそろばんだまを合わせればいいんだ、そういう意味でだんだん企業化してくる。地方団体が、株式会社のような形で能率化を考えられてはたまらぬと思う。ですから、これからあと、その答申に基づいてどういうように具体化をされるかという検討のときに、ひとつ、この地方政治、地方行政の眼目というものをお忘れいただかないようにお願いしたいということを最後に申し上げまして終わります。
○太田委員 関連して、二点だけこの際聞いておきたいことがあるのですが、それは資料三十二ページ、二百十一条の予算の議決の関係でありますが、予算は年度開始前に議会の議決を経なければならない。それから二百十五条の予算の内容として、一、歳入歳出予算。二百十六条におきまして、歳入歳出予算は、性質に従って款に大別し、款の中においてはこれを項に区分しなければならない、とありますから、したがって、議会の議決事項は、予算においては款だけやればよろしいんだということにはならないと思いますが、それはいかがですか。
○松島説明員 歳入歳出予鈴は、ここにございますように、款項までを歳入歳出予算として予定をいたしておりますので、議決の対象は款項までというふうに考えております。
○太田委員 それでよろしいと思います。 それからもう一つ、念のためにお尋ねしたいのは、九十ページ二百三十八条の四でありますが、行政財産の管理、処分。この行政財産の管理、処分の三項は、「行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可することができる。」とあります。行政財産は、これを貸し付けないしは譲与しまたは売り払い等を設定してはならないというような一項の規定があるにかかわらず、三項におきまして、「用途又は目的を妨げない限度」、こういう条件はつけておりますが、「使用を許可することができる。」ということがありますので、現在において各庁舎などにおきまして、いろいろな団体が、特に職員が関係する団体が、部屋を借りたものなどがあるわけです。そういうものが、庁舎管理規則などというものをつくりまして——これは前回来問題になっておりますけれども、非常に庁舎管理規則がやかましくて、どんどん出ていけというようなことで、せっかく貸借関係ができ上がっておるのを追い出そうとする効きがある。これに今回の改正が拍車をかけては困ると思うのですが、そんなことはないでしょう。
○佐久間政府委員 現在許可をされて使用しておりますものにつきましては、附則の第十条、経過規定がございまして、新法の規定による許可を受けたものとみなすという規定がございますから、現在使用させておりますものにつきましては御心配はございません。なお、今後につきましても常識的な運用がなされることを期待をいたしておるわけでございます。
○太田委員 それに関連して、非常に御明答いただきましたので、この際、ちょっと疑点があるので、たぶん大丈夫だろうと思うことでお尋ねしたいのは、事業団の行なう専業のことであります。手業団の行なう事業というのは大体列挙されておりますが、さらに政令に委任されたものがあるということで、午前中の御答弁で、政令ということの内容は若干明らかになっておるようでありますが、なおさだかではありません。したがって、自治体の行なう固有事業を事業団の事業に肩がわりさせるというようなことが出る心配は、その政令というものがあることによって出てくるのでしょうか。それともそんな心配は絶対ないと言い切れるものですか。これは歯切れのいい答弁、でお願いしたい。これは佐久問さんでなければいけない。
○佐久間政府委員 政令で定めることを予定をいたしておりますのは、午前中お話のありましたような厚生施設あるいは広場などでございます。御指摘のようなこともございますし、私どもむやみにこれを拡張をしていくという考えはございません。
○小澤(太)委員長代理 山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 幾つかの問題をきわめて手短に御質問いたしますから、歯切れのいい御答弁を佐久間さんにお願いいたしたいと思います。 まず第一は、この前お尋ねをいたしました金融機関の問題でありますが、これにつきましては、従来は法律に定めがございませんで、施行令でもっていろいろ規定をいたしておったようであります。そこでお尋ねをいたしますが、施行令の百六十四条、これの行政実例を見ますと、金庫は二カ所以上設置することができない、こうあるのですが、数学の常識から言いますと、二カ所はいいと思うのですが、これはどういうことですか。
○佐久間政府委員 これは本金庫についての実例でありまして、本金庫は資金庫を総括するものでございますから、総括するものは条理上当然一つであるという解釈を従来いたしておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 それでしたら、一に限ると、こう実例で書いておいていただけば間違うことがないのですが、そうしますと、今度の場合も日銀と同じような形に一つの金融機関を指定して、地方公共団体のお金を運用させるわけでありますが、そこで従来の地方財政が窮乏しているときならいざ知らず、現在は豊かとは私は申しません。しかし再建団体が続々できたというような時期とは若干違っていることは、私も常識的にわかると思うのであります。そういたしますと、従来の例でいきますと、金庫を指定する、歳計現金の預託をいたします、一定の金額までは当座預金、それから上は普通預金、さらには通知預金ということになります。当座預金ですと、金利が大体三分、通知預金になりますと、三分二厘くらいになるでしょう。ところが前回も指摘をいたしましたが、普通銀行はこれらのお金を都市銀行に対してコールで運用している場合が非常に多いのであります。コールはいま大体二銭三厘くらいでありますから、年利にいたしますと、八分四厘くらいになるでしょう。といたしますと、この歳計現金の運用、今度は預金をするわけでありましょうが、とにかくこれは安全かつ有利に運用するということでありましょうし、また県政の一つの目標として、地場産業を育成強化するということも目的でありましょう。ところが地場産業の育成強化ということが、あまり積極的にやられませんで、何か特定の金融機関が、これでもってコールによって独占的な利益を受けるというようなことは、私は地方公共団体がお金を運用する場合の意図に反することに結果的になるんじゃないかと思うのです。そういう点について、この支金庫等の問題も、私は資料を出していただいたのでありますが、これを見ますと、都道府県の場合、本金庫はすべて普通銀行であり、支金庫も絶対多数が普通銀行であり、支金庫が二千三百十四指定されておりますうちに、普通銀行以外の農業協同組合なりあるいは相互銀行なりというものがたった三件しかない、こういう実情は私はどうかというふうに考えるわけであります。これに対する行政指導は何か考えておりますか。
○佐久間政府委員 この金庫につきましては、今後行政指導をしてまいります場合に、従来どおりの考え方でまいりたい、格別こちらの方でどういう銀行の種類が、どういう銀行でなくちゃならぬがということは特には強調してまいらない。要するに安全確実な預金あるいは事務の取り扱いがなされるということを、地方公共団体が判断をしてきめていくようにしていただきたい、かように思っております。いろいろ金融機関が片寄っているというお話もございますが、単なる預託につきましても、別段制限もいたしておりませんし、すべてその辺のところは、地方公共団体が最善と思う方法によって、自主的な判断でやっていただくことでいいんじゃなかろうかと考えておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 私は特定の金融機肝に、地方公共団体が、結果的に独占的な利益を与えるような結果になっているという事実だけは、これは行政局長さんもお認めになると思うのです。大臣は過般の委員会におきまして、見解をお漏らしになったわけでありますけれども、私は、もちろん地方自治の本旨というものがありますから、いろいろこまかいことを自治省側から言うのは、これはいかぬことは私もわかっておりますけれども、やはりいま私が指摘したような点は十分配慮をいたしまして、いろいろ行政、実例等を出す場合にもお願いをいたしたいと思うのですが、これを見ますと、労働金庫は何か他の金庫に比べて差別をされておりますね、行政実例で、これはどうなんですか。労働金庫に市の金庫業務を扱わせることはできない、こう書いてありますが、何も労働金庫をそんなにそでにする必要はないのじゃないか。
○宮沢説明員 ただいまの労働金庫でございますが、労働金庫は確かに金融機関ではございますけれども、労働金庫法のほうで付帯業務をすることができません。したがって、預金の受け入れのみなし得ることになっております。多くの地方団体では、預金預託をしている例は多かろうと思いますが、金庫業務は労働金庫法のほうからこれができないというたてまえになっているわけでございます。
○山口(鶴)委員 そうすると、市はできないとあるのですが、町村はいいのですか。
○宮沢説明員 これは労働金庫法自身のたてまえの問題でございますので、労働金庫は金庫業務はできない、こういうわけでございます。
○山口(鶴)委員 たてまえを変えていくことが必要ではないかという時期に来ているのではないかという意見だけを申し上げておきましょう。 それでは、先ほど太田委員から御質問になりました予算の流用ですが、これは施行令の百六十一条、この各項の金額を流用する場合には議会の議決が要するのだ。これは施行令自体今後も変わらないわけですね。
○松島説明員 現在の施行令の百六十 一条は「予算に定めた各款の金額は、相互にこれを流用することができない。」、項の金額は、議会の議決を経てこれを流用することができるという規定でございますが、先ほど阪上委員の御質問にもお答えをいたしましたとおり、今度の法律改正案におきましては、予算の内容といたしまして単に歳入歳出予算という数字だけのものでなくて、その中に歳出の予算の各項の経費の金額の流用に関する事項も、必要があれば予算書の中に明記することにいたしております。したがいまして、予算をもってあらかじめ議決をとっておいたその範囲内においては流用ができるということでございますので、実質的には従来と同様でございます。
○山口(鶴)委員 それでは議決の際にそれを定めていなければ、議決を経なければ流用はできぬということになるから、従来の施行令の精神はそのまま生きるわけですね。
○松島説明員 そのとおりでございます。
○山口(鶴)委員 それから監査の要求の問題でありますが、これに対していままで自治大臣が監査の要求ができることになっておりましたが、今回主務大臣という形で各中央官庁の各大臣が監査の要求ができるように道を開いたようでありますが、この趣旨は一体どういうことなんでございますか。
○佐久間政府委員 機関委任事務に関しましてもできるようにいたそうということで、そういうことにいたしたわけでございます。
○山口(鶴)委員 しかし従来は当然各省の機関委任事務はあったわけですね。ところが、従来は自治大臣しかその道がなかったわけでありますが、この際あらためて各省庁の干渉し得る道を開くということは、何かいま中央集権化の方向云々が懸念されているときに、きわめて不必要な感がするのでありますが、積極的にそういう道を開く必要性というものがあるのですか。いままででは不便だということがあるのですか。
○佐久間政府委員 国の機関委任事務につきましては、従来も主務大臣が指揮監督権を持っておったわけでございますし、むしろ主務大臣が、地方自治団体の監査委員というものを信頼をして、自分のところの職員を監査や検査に出すよりも、地方団体の監査委員に監査をさせるということのほうが、地方自治体にとってもいいんじゃなかろうか、そのような考え方をいたしたわけでございます。
○山口(鶴)委員 そうしますと、自治大臣の信用が薄くなったというようなことにもなるわけで、そういうことはないとは思うのですが、議会をわざわざ抜いて、そして中央集権化の傾向云々ということが懸念される各省大臣を入れるというところに、私はちょっと危惧する面があるのですが、その点はどうですか。
○佐久間政府委員 議会を落としたわけではございませんで、議会のほうは、議会の九十八条の二項にそのまま残してございます。従来は、この監査委員の職務権限のところへそれを受けて、ただまとめて並べて書いておったわけでございますが、今度その機関委任事務のことをそこへ書いて、主務大臣としましたものですから、議会は機関委任事務についてはできませんので、もともと書く必要のないものを書いておりましたので、字句の整理の関係で落としたわけでございまして、九十八条はそのまま残しておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 それではほかの問題をお尋ねしたいと思います。 同じような話でありますが、この法律の最後のほうを見ますと、第二百六十三条の三に、「都道府県知事若しくは都道府県の議会の議長、市長若しくは市の議会の議長又は町村長若しくは町村の議会の議長が、その相互間の連絡を緊密にし、並びに共通の問題を協議し、及び処理するためのそれぞれの全国的迎合組織を設けた場合においては、当該連合組織の代表者は、その旨を自治大臣に届け出なければならない。」という規定が今度加わりましたね。これも、たとえば硫黄なら硫黄の自由化をされては困るというようなことで、硫黄鉱山所在地の町村が集まっていろいろな運動をします。そういうようなものまで一々届け出をしなければならぬ、こういうようなことになるのですか。その範囲はどうでしょうか。
○佐久間政府委員 これは全国的連合組織と書いてございますように、具体的に申しますと、いわゆる地方六団体を念頭に置いておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 そうすると、全国の四十六都道府県、それから全国の市、全国の町村、全国的というのは全国の同じような種類の公共団体を全部網羅した組織、いまお話があったように、全国の六団体だけに限るのだ、こう理解してよろしいわけですか。
○佐久間政府委員 現在あります団体につきましては、そのとおりでございます。
○山口(鶴)委員 そうしますと、四十六都道府県のうち、たとえば三十府県が河川法改正反対だというので集まって、特別の協議会を持つ、こういうような場合は、その届け出の義務はない、こういうわけですね。
○佐久間政府委員 お説のとおりでございます。
○山口(鶴)委員 次に、事業団の問題でありますけれども、たとえば群馬県なら群馬県と栃木県、こういうふうに県をまたがった市町村が、共通の問題について事業団の設置をしようということになったといたしますと、この場合は両県の知事に届け出る、こういうふうになるわけですが、その場合、両県の知事の意見が異なったというような場合は、片一方は許可する、片一方は許可しないというようなことになった場合の調整は、一体どうなるのでしょうか。
○佐久間政府委員 これは、両県にまたがります場合も可能でございます、その場合につきましては、地方自治法の二百五十三条の規定におきまして関係知事が協議をいたしまして、その事件についての担当の知事をきめることになっております。
○山口(鶴)委員 それは可能であって、両県知事が協議をして判断をする、こういうことですね。 これでやめますが、この前お尋ねした問題でありますけれども、工事の請負契約、さらには財産の独占的な使用、こういう問題が、従来は三分の二でありましたものが過半数議決、あるいは住民投票でありましたものが三分の二の特別議決、こういうふうに後退をいたしておるわけであります。そこで、私は考えるのでありますが、議会政治というものは、やはり少数意見というものを尊重しなければいかぬということが一つの原則であろうと思うのです。ところが、従来の規定でいきますと、工事請負契約の締結というものが、三分の二の多数議決、特別議決でやらなければならぬというようなことになれば、そこに政治的な判断の問題になるけれども、やはり三分の一なら三分の一を握っている野党というものが、かりに存在をした場合には、どうしても少数野党の意見を尊重しなければ通らぬという場合が出てくるわけであります。そこに、普通議会のルールにおいて、少数愚見を絶えず尊重するという形で運営されておれば、これは問題はないかと思うのでありますが、往々にして、やはり原則どおりはいかぬ場合があるだろうと思います。その場合に、三分の三の多数議決というものを地方自治法において幾つか残しているということが、私は議会のルールとして正しいといわれている、少数意見の尊重というものを進めていく一つのよりどころになるのじゃないか、そういった効果というものも、私は無視できないのじゃなかろうかと思うのであります。そういう立場からまいりますと、今回の改正が、ややもすれば少数意見の尊重という、議会ルールというものが軽視される、そういった方向に使われはしないか、こういう懸念を持つのであります。この問題について、行政局長の御判断というものをひとつお伺いをしておきたいと存じます。
○佐久間政府委員 おっしゃいましたような点もあろうかと思うのでございますが、先般申し上げましたように、今回財務会計制度調査会の答申の趣旨もくみつつ、議会の議決要項を生かしていくということで、御提案申し上げておるようなことにいたしたわけでございまして、特に、先年のおっしゃいましたような弊害が、このために非常に強くなるというふうにも、私どもは考えていないわけでございます。 なお、三分の二を全部なくしてしまったかというお話でございますが、公の施設のうち、従来の営造物でありますが、それの中で、特に重要なものを廃止する場合でございますとか、あるいは、長期かつ独占的な利用をさせようとする場合には、三分の二以上の同意が要るということは、引き続き残しておるわけでございます。
○山口(鶴)委員 見解の相違でありますから、これ以上はあれですが、そういう懸念を表明する者があったということは、行政局長さん、よく念頭に置いていただきたいと思うのであります。私も、三分の二が全くなくなったと言っておるわけではございません。独占的な使用等については、三分の二が残っている。しかし、従来から見れば三分の二の特別議決を必要とする事案が減っている。そういう中に、いま言ったような心配がありはしないかということを申し上げたわけでございまして、この点は、私の懸念する問題としてひとつ念頭に置いていただくことをお願い申し上げて終わりたいと思います。
○小澤(太)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十九分散会