地方行政委員会 第25号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/05/21
会議録
○永田委員長 これより会議を開きます。 去る十七日付託になりました地方行政連絡会議法案を議題とし、審査を進めます。
○永田委員長 政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。篠田自治大臣。
○篠田国務大臣 ただいま議題となりました地方行政連絡会議法案につきまして、その提案理由と要旨を御説明申し上げます。 今日、社会経済の進展に伴う地域社会の広域化に相応し、地方行政の分野におきましても、都道府県の区域を越えて広域的に処理すべき問題が次第に増加し、その内容も複雑多様になってくるとともに、各種の行政が相互に密接に相関連してまいっておるのであります。このような地方行政の動向に対処して、それぞれの地方において、広域にわたる行政が総合的にかつ、円滑に実施されるように、地方公共団体が国の地方行政機関との連絡協調を保ちながらその相互の連絡協同をはかることを考えることが緊要と存ぜられるのでありまして、昨年十月、地方制度調査会におきましても、このような観点から都道府県をこえる広域行政について、この種の連絡協議のための組織を設けるべき旨の答申がなされたのであります。 このため、全国各ブロックに地方行政連絡会議を組織し、都道府県及びいわゆる指定都市の長に地方の広域行政に関係のある国の出先機関の長を加えまして、地方公共団体相互間や地方公共団体と国の関係出先機関等との間の連絡協議を組織的に行なわせ、地方における広域行政の総合的な実施と円滑な処理を促進し、もって地方自治の広域的運営の確保に資せしめることといたしたいのであります。 次に、この法案の内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。 第一に全国の都道府県を九つの地域に分け、それぞれの地域ごとに都道府県及び地方自治法第二百五十二条の十九の規定に基づく指定都市をもって連絡会議を組織することとし、地方における広域にわたる行政の計画及び実施について必要な連絡と協議を行なうものといたしました。この連絡及び協議を行なうための会議は、都道府県の知事及び指定都市の市長のほか、関係のある管区行政監察局長、管区警察局長、財務局長、地方農政局長、営林局長、通商産業局長、陸運局長、海運局長、港湾建設局長、地方建設局長等おおむね数府県の区域を管轄区域とする国の地方行政機関の長、その他地方における広域行政に密接な関係を持っている機関の長で構成するものとしております。 第二に、会議の構成員は、協議の整った事項については、これを尊重してそれぞれの担任事務を処理するようにつとめるものといたしまして、連絡協議の成果を国、地方公共団体の行政に反映させるようにいたしております。 次に、連絡会議と関係行政機関等との関係につきましては、連絡会議は、関係行政機関等に対して必要な協力を求めることができることとするとともに、これらの機関からの求めに応じて関係資料を提出しなければならないものとし、また、連絡会議は、必要に応じて、関係大臣、公共企業体等の長に対して意見を申し出ることができるものとするとともに、関係大臣は、所管事務について連絡会議の意見を聞くことができることといたしました。 最後に、連絡会議の経費の負担、会議の結果の報告、その他連絡会議の運営等に関して必要な規定を設けた次第であります。 以上が地方行政連絡会議法案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○永田委員長 以上で説明は終わりました。 なお、本案についての質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○永田委員長 次に、地方公営企業法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑を行ないます。通告がありますので、これを許します。門司亮君。
○門司委員 大蔵省、どなたかおいでになっていますか。次官か大臣か、おいでにならないかな。——それでは自治省の方から先に聞いておきたいと思いますが、この際、公営企業に対します資金構成をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。現在まで——三十六年度までしかわからぬと思いますが、三十六年度まででよろしい。資金構成の内訳は、従来のような内訳でなくて、その資金構成の中に占めるもので一番大きな問題と考えられる公債に対して、どういう公債をどの事業が使っておるかというようなことが詳細にわかるなら、ひとつできるだけ詳細にこの際明らかにしていただきたい。
○奥野政府委員 三十八年度の公営企業について考えております資金区分で申し上げますと、公営企業債千二百六十一億円のうち、政府資金が六百六十四億であります。内訳は、資金運用部が三百九十五億、簡保、郵便年金の資金が二百三十億、厚生年金の資金が三十九億、それから公営企業金融公庫の資金二百三十四億、大府県等が市場で発行いたします債券による額が二百十九億、縁故資金によります額が百四十四億であります。 なお、準公営企業について申し上げますと、総額が七百五十九億、そのうち政府資金が二百六十五億円でありますが、運用部が百十六億、簡保、郵便年金の資金が百十九億、厚生年金の資金が二十一億、国民年金の資金が九億。それから公営企業金融公庫の資金が九十六億、外債による分が百六十二億、大府県等が市場で発行いたします分が四十一億、縁故によります資金が百九十五億、こういうことになっております。
○門司委員 その数字は聞かなくても最初からわかっておる。私の聞きたいのはその資金構成の中の内訳なんです。これは利息がおのおの違うのです。それが公債に及ぼす影響をきょうはほんとうに聞きたいと思っている。どういう影響をしておるか、資金構成の書いてあるのは私もあなたのほうからきたのがあるのです、いまお話しになった程度のものならば。それにはっきりしない部分がある。資金構成はどうなっておるか、利息は六分三厘のものもあるし、六分五厘のものもあるし、八分のものもあるし、市町村なんかに行ったら九分というようなものがあるはずです。そういう問題を全部明らかにしてもらいたい。しかもそれを事業別に明らかにしてもらいたい。病院会計がどうなっているか、あるいは水道会計がどうなっているか。私がこういうことを聞いておりますのは、最近の地方公営企業を見てみると、年々政府資金が減って、そうして民間の公募がふえているということです。したがって、非常に利息の高いものを使っているということです。これでは公営企業はどう考えてもやっていけない。したがって、公営企業をほんとうに健全なものにしようとするには、この資金構成からくる利息の負担というものにどうしてもメスを入れない限りは公営企業は育たない。どういうりっぱなことを言っても、私はその点は育たないと思うから、ひとつその点をぜひ明らかにしてもらいたい。あなたのほうの資料を見てみても、御存じのように本年の政府資金が二千三十三億で、去年の政府資金は千七百七十九億ですし、二百五十四億ふえておる。公募債の方はどうなっているかというと、いまのお話のように千百十七億であって、去年が六百七十一億で四百四十六億ふえている。これを比率順に見てごらんなさい。三十七年度の比率は一四・八%であったが、ことしは政府資金は一四・三%になっておる。そうして公募債は去年が四九・一%であったのが六六・五%というようにふえている。ういう形で公営企業をどんなにやったって公営企業は成り立ちはしない。これは各省も考えてもらいたい。私は特に大きな声で小言を言うわけじゃありませんが、仕事さえすればどうでもいいのだ、起債はどこからでもつけてやるという形でやっておると、事業自体が成り立たなくなる。政府の考え方としては帳面づらさえきれいになればそれでいいかもしれない。これだけの仕事をやったんだということになればいいかもしれないが、地方の自治体はこの利息払いに困っておる。外国の例に比較してごらんなさい。どれだけ利息が違うか、その辺をひとつこの際数字を明らかにしてもらいたい。
○奥野政府委員 公営企業の現債高を昨年の三月末現在で調査したものがございますので、一応それについて申し上げますと総額が五千五百六十六億円でございます。そのうち六分五厘以下の利率によっています部分が三千四百八十八億円ということになっているわけでございます。したがいまして、それ以外の部分は六分五厘をこえているということになってまいります。六分五厘をこえまして七分六厘までの間の部分が千九百十六億円、それから七分六厘をこえまして八分未満のものが九十億円、八分をこえますものが七十一億円ございます。私たちとしましては、ぜひ高利なものを少なくとも公営企業金融公庫の資金と借りかえられるように持っていきたいということで、いろいろと骨を折っておる最中でございます。 なお、御指摘になりましたように、地方債に向けられる政府資金のウエートが年々下がっているのじゃないか、こういうことでございます。自治省といたしましても、ぜひ地方債に向けられる政府資金のウエートを高めていきたい、少なくとも従来の比率を維持していきたい、こういう気持ちで当たってまいってきておるわけでございますけれども、最近若干下がりぎみであることを遺憾に考えておるわけでございます。三〇%を割っているのじゃないかと思うのでございますけれども、ぜひ地方債事業なりあるいは公営企業なりの健全な発展をはかっていきますために、御指摘になりましたような資金構成をよくしていくということにつきまして一そう努力を払っていきたい、こういうように存じております。
○門司委員 いまのは府県の統計であって市町村の統計ではないはずです、市町村はどうですか。
○奥野政府委員 府県市町村を通じまして公営企業全般の数字でございます。ただ公営企業になりますと府県が比較的少ない、市町村が多くなるのじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。
○門司委員 それじゃ私の調べが違うのかな。事業別に私の調べているのを、もし必要があれば計数的にお話をしてもいいです。公式に発表された三十六年度末の公営企業の起債の残額というのは五千五百六十七億になっている。その中で水道が千九百二十七億、工業用水道が二百六十九億、交通事業が六百一億、電気が千百六十八億、ガス事業が四十三億、簡易水道が百四十四億、港湾整備が四百九十九億、病院事業が二百八十四億、下水道が四百四十億で、市場、屠畜場その他のものが百九十二億、こういう数字が大体三十六年度の決算からくる正しい数字だと思う。これはあなたのほうの発行だから、あなたのほうでわかっているはずだ。利息にしてもそういうことで、いま話のあったのは大体府県のものであって、市町村のものは九分以上というのがあるはずであります。こういう結果が出てきておる。こういう問題を、しかも資金の構成の中から、いま申し上げました利息の内訳の中から見れば大した問題でないように実は考えられる。六分三厘というのが総体の六四・七%を占めておる。市町村と一緒にひっくるめて全体で見るとそういう数字になりはしないかと思われる。こういう数字をずっと一つ一つ見てくると利息が非常に高いのであって、したがってこれに対して各官庁別におわかりになりませんか。厚生省のほうでは病院事業にどれだけの起債。いま私が申し上げたのは三十六年度の決算であるから、三十七年度の決算はまだ出ておりませんからこれが一番新しい数字だと思います。これに対して厚生省は水道事業あるいは病院に対しまする起債の内訳はおわかりになりませんか。もしおわかりになるなら、ここでどこから借りて、利息をどれだけ払っているということを明確にしてもらいたい。そうしないと公営企業の各事業別の議論はできない。六分三厘を非常にたくさん使っておるところと、八分あるいは九分以上を使っているところと同じように議論はできない。だから厚生省にお願いするのは、厚生省所管の事業に対する起債の借り入れ額と資金源、同町にそれに対する利息を明らかにしてもらいたい。建設省は、建設省所管におけるものを明らかにしてもらいたい。どちらの省からでもいいから、はっきりしてもらいたい。
○奥野政府委員 ちょっと私から先にお答えをさしていただきたいと思います。いまお話しになりました数字と私が述べました数字とは、同じ数字でございます。ただ私は説明の便宜上、六分三厘以下という数を六分五厘以下のものにまとめて申し上げました。なおまた九分以上のものを八分以上のものにまとめて申し上げました。九分以上のものだけを取り出して申し上げますと一億三千六百万という数字になっておるわけでございます。おそらく今日の情勢から考えてまいりますと、この程度のものはあるいは借りかえが終わっておるかもしれないと思うわけでございます。自治省といたしましても、先ほども申し上げましたように、公営企業金融公庫の資金等の借りかえ、この努力もいたしたわけでございまして、今後もさらに高利のものにつきましては積極的に借りかえへのあっせんを続けていきたい、こう考えておるわけでございます。
○鶴海説明員 建設省関係を申し上げます。三十六年度の決算は持ってきておりませんので申し上げかねますが、三十八年度の起債の資金構成について申し上げますと、建設省が所管いたしております下水道の起債は、総額としまして二百二十億ついております。これには厚生省が所管いたしております終末処理場に対する起債が含まれております。したがって厚生省の関係の下水道、建設省の関係の下水道を合わせますと二百二十億の起債が予定されておりますが、そのうち政府資金は百七十二億。運用部から百十六億、簡保から三十五億、厚生年金から二十一億、こういう数字となっております。この百七十二億は金利の安いほうでございますが、残りの四十八億、これは公募債でございまして、金利がそれより高くなっております。公募債のうち市場公募が二十九億、公庫からの起債が十九億ということになっております。したがいまして公募債の約二割が金利の高いものである、こういう状況でございます。
○門司委員 厚生省に聞く前に、これは利率はどうなっておりますか。公募債は八分五厘だという常識はありますよ。これは銀行協会との話し合いがそうなっておるはずでございますが、大体八分五厘程度で勘定すればよろしいと思うのですけれども、大体いまの利率はどうなっておりますか。
○鶴海説明員 政府資金につきましては六分五厘でございます。市場公募債は、一応八分五厘を予定いたしております。
○渥美説明員 厚生省の公営企業のうちの病院事業について申し上げますと、病院事業に融資されております特別地方債は厚生年金の還元融資と国民年金の還元融資による特別地方債の借り入れによってやっております。本年昭和三十八年度におきましては、厚生年金の還元融資分が六十九億、国民年令の特別還元融資分が二十九億、合計いたしまして九十八億という額が予算化されておるわけでございますが、利率は病院聖業につきましてはすべて六分五厘ということになっております。
○門司委員 私の聞いておるのは、いままでの資金全部の構成を聞きたいのです。そうしないと実際に議論ができない。だから自治省のほうももう少しはっきりしてくれませんか、どの事業においてどの公債をどれだけ借りてどうなっておるか。それでなければほんとうの議論をされないのです。 これはおいでになれば大蔵省の次官か大臣にお聞きしたいのだが、御存じのように日銀の公定歩合が下がっておりますね。いま一銭六厘です。これは年利にして五・七幾らになりますか、大体そういう数字になりはしないかと思うのですが、そうしますと、私は国の銀行とは申し上げませんが、日本銀行が公定歩合をだんだん下げてきておりますね。これは貸し出し利子の基準になるものには間違いはないですね。これがことしの秋ごろになるとまたもう一厘下げてというような話が出ている。そうすると日本銀行からくる利息は五分四厘くらいになるわけで、年利にしますと五分五厘にはならない。ここまで下がってくるという形をとっておる時代に、政府資金の公営企業に対する利息に手をつけないということはおかしいと思うのです。政府にいわせれば、預金利子の五分が依然として下がらぬからというようなお話があるかもしれない。しかし預金利子が下がらないからといって、いまでも預金利子は下がっていないのですから、おそらく九月か十月にもう一厘下げられて、年利五分五厘か五分四厘になると、預金利子に手をつけざるを得ないだろうという推測を持っております。しかしいずれにしても、現状の六分にならない公定歩合を出しておる時期から考えると、私は政府の貸し出し資金にしても、あるいは銀行協会との約束にして毛、公営企業金融公庫から出る金利にしても、手をつけてしかるべきだと考える。もう少し安くすることがほんとうだと考えている。その点に対する大蔵省の見解をはっきり聞いておきたいのです。事務官のほらで御答弁するのは困難だと思いますが、もしお考えがあるならば事務官僚のお方の私的の意見でも何でもいいと思うけれども——私どもはそういう考え方をして、そうして今後の地方の公営企業の利息だけはぜひ安くしていきたい。そうして公営企業をできるだけ健全なものにして普及をしていきたいというように考えるのですが、大蔵省の意見をもしお話し願えるなら、この際しておいていただきたいと思います。
○木野説明員 門司先生からお話がありました、公営企業に対する政府資金のつけ方が少ないじゃないか、公募資金その他でふえているのはそれはそれとして、もっと政府資金をつけるべきじゃないかというお話でありますが、政府資金といたしまして、公営、準公営通じましてお話申し上げますと、三十四年が三百七十五億、三十五年が四百四十、三十六年が六百六十五、三十七年が七百五十四、三十八年度は九百二十九というふうに量といたしましてはふえております。そういたしまして公募資金のほうも、市場公募債並びに公営公庫の関係合わせましてふえておりますが、それと相対的に見ましても政府資金の率は減っておらない、こういうふうに考えております。公募資金で申しますと、三十四年が二百五十、三十五年が三百、三十六年が三百七十、三十七年度が四日五十五、三十八年度は五百九十予定いたしておりまして、この金額の間におきましては公募資金もふえておりますが、また政府資金もその率で伸びております。 それから先生から御指摘のございました縁故債その他がふえているじゃないかということでございますが、縁故債関係が実はふえておりまして、ただしこれは工業用水とか港湾関係とかそういった関係でふえております。これを入れまして全体はどうか、そのうちで政府資金の率はどうなんだというお話になってまいりますと、多少政府資金の率が下がっておるというふうな形になっております。公募資金に縁故債をつけます場合には、事業の性質その他から見ましてつけておりまして、その辺は十分に勘案しておるわけでございます。 その次の第二の問題といたしまして、政府資金でございますが、六分五厘でまいっております。それから市場公募債につきましては、金利は、三十五年度が八分三厘、三十六年度が七分九厘それから三十七年が七分九厘、三十八年度が七分九厘というふうになっております。八分五厘というお話がございましたが、ずっとまとめてまいりますと七分九厘というふうな形になっております。三十五年が八分三厘、三十六年度七分九厘、以下ずっと七分九厘になっております。それから公庫借り入れでございますが、公庫借り入れは三十四、五年が七分六厘でございまして、三十六、三十七年が七分四厘になっております。三十八年度は七分三厘にしようじゃないかということで確定いたしております。一厘下げになっております。 それから全体を通じましてどうなのだろうかというお話でございますが、政府資金、公募資金全体を、単に算術平均でなくて加重平均してやりますと、三十四年が七分一厘になっております。三十五年度が七分一厘、それから三十六年が六分九厘、三十七年が六分九厘、三十八年が六分九厘というふうな形になっております。 その次の問題といたしまして、外国の事例その他でございますが、実はいま手元に資料もございませんし、ちょっとわからないのでございますが、外国は、事業債なんかについて見ますと、やはり全体として率が日本に比べまして低くなっております。したがって、また地方債も低いのじゃないか、こういうふうに考えられます。外国の事業債で申しますと、日本では七分四厘でございますが、アメリカでは四分三厘、イギリスでは六分六厘、西独では六分一厘、フランスでは六分二厘ですか、そういった統計がございまして、事業債だけでございますが、準じて地方債も低いのではないか、こういうふうに思われます。 それから、全体を通じまして、それでは、貸し出し金利を確定化するときにこれをどうするかという問題でございますが、実は非常に大きい問題でございまして、私の方から、たとえば個人の意見でもと言われましても、ちょっと申し上げることはできないような問題かと思いますので、御了承願いたいと思います。
○門司委員 そういうことですので、私は政治的の答弁を要求するから大臣か次官に来てもらいたいということで、何もここで数字をはっきりきめようということじゃありません。 それから外国の例でございますが、外国の例は、私のところにも十カ国ぐらいのものを調査したものがございます。が、しかし、今のお話の数字をそのまま私は持ってくるわけにはいかぬかと思うのです。起債というものについては、実は非常に大きな政治的の含みがありまして、外国の例など見ますと、特にその含みが大きいのであります。それはどういうことかというと、その事業自体が非常に重要度が高い、この際はぜひ下水なら下水を完全に普及しなければならないという時期においては、非常に安い利息でやっております。はなはだしいのは、水道あるいは病院というようなものでは、二分五厘くらいのものがここにあります。しかし、それは事業の内容が充実していくにつれて、順次そういう国家の補助というものは下げていって、そして利息はいまの六分幾らというのが多少見えるようです。しかし、概して、私の調べた範囲のものは非常に安いのであって、これは現行のものとは多少違うし、またそういう意味を実は多少持っておりますので、アメリカの各州一般におけるものにしましても、アラバマの道路なんというものは一・八分の五%という数字で、しかもこれは一九五二年にできておる、この時代には全体の利息も非常に安かったのでありますが。それから病院にいたしましても、二・二七五%という数字で、これは一九五八年で、償還年限が十年というふうに書かれておりますが、事業の性質その他においてかなり勘案されて、起債がつけられておる。日本の場合には、こういうことがちっとも考えられておらない。日本はいま下水が大へんだといって大騒ぎをやっておる。にもかかわらず、普通の公営企業と同じような措置をとっておる。ここに政治的な配慮が欠けておるのじゃないか。国が必要だ、やらなければならないというなら、造船産業に対して利息を補給しているのですから、こういうものに利息を補給してもちっとも差しつかえない。こういう政治的な配慮が欠けているのじゃないか。一体大蔵省は何を考えておるのか。地方の仕事も国の仕事も、日本の国の外の仕事をやっているのじゃありません。しかもそれは国の方針に従ってやっておる。建設省は建設省の方針に従ってやっておる。厚生省は厚生省の方針に従ってやっておる。しかし、その厚生省も建設省も、仕事さえたくさんやればあとは地方にまかせて、地方が借金で苦しもうと苦しむまいと、そっちのかってだ、きわめて不親切である。ほんとうに国の事業であり、国がやらなければならないと考えておるなら、もう少し国が地方債に対して——国から金を全部くれとはいいません、当然地方の責任であるものは地方の責任によってやるべきだと思う。しかし、資金の配慮くらい、起債の配慮くらいは、この際当然なさるべきだと思う。ところが、そういうものがちっとも配慮されてはいないところに日本の今日の公営企業の行き詰まりと申しますか、思うように事業が伸展しない大きな問題があるのではないかというふうに、どうしても考えられる。資金をつけた、つけたといっても、ほとんど借金でしょう。借金の資金をつけただけで、金の資金などありはしない。しかも利息は別だ、きまっただけお取りになるというのだから、私は悪い高利貸しだと思う。金だけ貸して、そこだけ恩を着せて、利息だけはどんどん取り上げていく。こういう日本の地方の公営事業に対するものの考え方というものについて、ほんとにもう少し考えてもらいたいと思う。私のところで約十カ国ばかりのものをずっと調査したものを見てみますと、病院などについてはかなり安い。これはサンフランシスコの例でありますが、ここで借りておるものは三%ということで、これは一九六〇年である。そんなに古い起債ではございません。しかしそれなら一体アメリカの利息はどのくらいの利息を全体としてつけておるかといえば、御承知のようにアメリカの公定歩合は一九六〇年の八月から、大蔵省も御存じでありましょうが三%になっておる。預金利子がアメリカの場合は三・五%になっておる。こういうところで、サンフランシスコの三%というのは公定歩合と同じである。あるいはさっき申しましたアラバマ州の病院の二・二七五%というのは、この公定歩合より安いくらいである。こういう形が実際にはつけられておる。これを各国別に比較いたしてみますと、かなり大きな違いがありはしないかと私は思う。カナダにおいてもあるいはイギリスにおいても、ドイツにおきましても、各国の持っております公定歩合と貸し出しの利息というものを比較いたしてみますと、英国は御承知のように公定歩合は四分です。イタリアは三・五です。さらに西ドイツとアメリカは今申しましたように三%である。定期預金の利息は日本は五%、アメリカは三・五%であり、イタリーは三%である。ドイツは二・七五、英国は二・五%、フランスはもう少し安くて二・三七五%、これがほんとうに現在実施されておる世界の公定歩合であり、預金の利息だと考える。これと、外国の例とずっと比較いたしてまいりますと、イギリスにおける公債の三・五%という利息の数字が出ておる。しかもこれは償還期限が六十年で、一九一四年に規定いたしておりますから、かなり古い起債ではあります。ドイツもベルリンにおける問題にしても、そうむやみに利息は高くない。ただベルリンで問題になるのは地下鉄に対する六・五%というもの、しかも償還年限は三十年になっておる。こういうところに多少の問題は個々の事業別には勘案はされておると思う。しかし日本の今申し上げました、私よりも大蔵省の方がよく知っておられるであろうと考えられる公定歩合と預金利子との関係と、日本の公債の利息の関係というものは、諸外国とは非常に大きな開きがある。ここに今日の日本の公営企業のむずかしさというものが出てきはしないか。これをもう少し勘案してもらえるなら、今のように公営企業に、ことに多少時代的な問題でもございます交通関係のところに大きな赤字が出るようなことはないのではないかとどうしても考える。赤字の累積というのは、こういう公債の利息の累積というものが災いしておるのではないかということは私は言えると思う。この辺、大蔵省の諸君も、今の事務官ではおそらく御答弁は困難かと思います。したがってこれはひとつ委員長にお願いするのですが、次官かだれかに早く出てきていただいて、そしてこの点の見通しをこの委員会できめておく必要がある。そうしないと将来いつまでたっても地方の仕事は、仕事をすればするほど借金がふえていく、すればするほど財政が困難になってくる。公営企業は独立採算制などといってもやっていけなくなって、一般の財源から繰り入れるということが当然出てくる。だから委員長にお願い申し上げますが、ひとつ早くだれか、大臣か次官に出てきてもらいたい。
○永田委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○永田委員長 速記を始めて。
○門司委員 大蔵省の次官に、私はこの機会に冒頭に申し上げておきたいのは、きょうはひとつほんとうに腹をきめて御返事願いたいと思っております。そのことは、御承知のように地方の自治体の事業をやっておりますほとんど全部といっていいほどが、起債といいますか、公債にまたれております。地方の自治体の資金構成というのは、自主的に持っております税金その他と、それから政府からくる補助金、交付金、そのほかのものが全部起債にこれがゆだねられておりますので、したがって、本年度の予算を見てまいりましても、総計の中で三千百五十億というのが、全部これは借金で地方の自治体がまかなっております。その中で非常に高い利息のものがいままでずっと残っておりまして、いまも大蔵省の事務当局にお話を一応申し上げたのでありますが、御承知のように日本の金融の元締めであります日銀から出てまいります公定歩合はずっと下がりつつありまして、昨年の十月までは日歩二銭であったものが今日一銭六厘まで下がっております。したがって、昨年の十月までは年利にして七分五厘ということがいえたのでありますが、今日ではすでに五分八厘四毛という数字に変わってきております。同時にまた現在の状態では、本年中にも一厘くらい下げなければならないのではないかという議論が出てきております。もう一厘下げますと、年利にして五分四厘五毛という数字になってまいります。こういう形で出てまいっております。これは諸外国と比較しますと、ずっと安いのでありまして、御承知のようにイギリスが約四%、西独が四%、アメリカが三%であって、そのほかの国もイタリアが三・五%というように、世界の公定歩合は金利としてはかなり安くなっております。日本の金利もそういう形でずっと下がろうといたしておりますときに、依然として——日本の政府の考えでその仕事を自治体が執行していくという形、むろん自治体自体の仕事ではございますが、しかし資金、その他の関係で、自治体自身が考えてもなかなかうまくいかない。そこで政府は、ことしは下水の問題を取り上げよう、あるいは道路をどうしようかという、国の一つの方針に従って予算がとられる。地方に対してはそれ相当の起債がずっとつけられている。しかし日本の利息は依然として六分五厘から、高いのは九分以上というのが実は少しございます。きわめて高金利で今日まで行なわれてきておる。今日の地方の公営事業がうまくいかないという大きな原因の中には、こういう問題がありはしないか。造船に対する利子補給をやり、あるいは農業その他に対しましても、いろいろ利子が勘案されてやっておる事例がたくさんあるのである。国の方針に従って仕事をしていこうとする地方自治体に対してのみ、依然として高金利がそのまま据え置かれている。地方自治体が国の仕事を忠実に遂行していく、地方住民の要求をいれて誠実に地方の自治体の発展といいますか、住民の福祉のために仕事をしていこうとすれば、現在の資金の構成の分野からいって、どうしても公債がふえてくるということはだれでも考えられる。そうした場合に、高金利ではとてもやっていけない。これに対する大蔵省の見解をこの際ぜひ明らかにしておいていただきたい。これが一体下げられるものであるか、下げられないものであるか。私は下げなければならない実態にきていやしないかと思う。また一銭五厘に下げましても五・四五%ということになりますから、預金利子は五分でありますから、預金利子に手をつけなくても、まだ下げられる余地はあるのじゃないか。今度一厘下げたら、どうしても預金利子に手をつけなければいかぬだろうという考え方も政府の一部にはありますが、もし預金利子に手をつけてこれを下げるということになれば、なおさら私はそういう問題が出てきはしないかということが考えられますので、大蔵省として、これらの事業債について、こういう金利を一体どういうふうにお考えになっておるかということを、この際明らかにしておいていただきたい。このことを次官から御答弁願いたいと思います。
○原田政府委員 いまの門司さんの御質問の趣旨を結論的に申し上げますと、私は利子を下げる方向へ向けていかなければならぬだろうと思っております。日本では公営企業に限らず、あらゆる事業において金利の問題が非常に問題点になっております。政府においてもこれらの問題については留意をし、国際経済のもとで、大きな問題として国際金利へのさや寄せということを考えておるわけであります。もちろん金利の、公定歩合の問題については、権限は日本銀行にあるのでございますから、政府からどうしろということはできませんけれども、そういう方向へ向いておることは事実でございます。これはよい傾向だと考えております。そういうことと関連して、地方自治体がやっておる公共企業の、大きな投資をされておるものの金利についても、当然考えなくちゃならぬ問題点があることは言をまたないと思います。ただ、一般の企業と公営企業に対するところの問題は、御案内のように、国から貸しておる金というものは非常に長期に貸しております。一般の企業は、金融機関で借りた金というものは、これと比較して短期間に運営されておるわけでありますから、金利の問題についても、一方において公定歩合の引き下げがあったから、すぐに国の関係しておるような事業に対しても金利を下げるということにはまいらないかとも思います。またもう一つ、やはり公営企業という、企業という名を付してある限りは、やはりそこに親方日の丸といいますか、国のほうだからただ金を使うというようなことではなしに、やはり企業の運営ということで赤字を出さないということも考えて運営していかなければならない問題点もあるのじゃないかというふうにも考えられるわけであります。最初に申し上げましたように、私は金利の問題として、当然こういうものも金利の引き下げをする方向へ向いていかなければ、国全般の繁栄というものはないと判断をいたしております。
○門司委員 いまの次官のお考えですが、私は一つ考え直してもらいたいということは、公営企業と民間企業との比較であります。公営企業は、こういう形で資本構成がほとんど全部といっていいほど借金で埋められておる。三十六年度の決算の終末の地方債の現在高は七千三百七十六億五千三百万円という数字が発表されております。これは二、三年すれば私は一兆になると思うのです。こういう大きな負債に対して金利が高いということは、私企業の場合でありますならば、これが固定した一つの資本でありますから、資本に対する利潤をたとえば五分払えば五分の配当がつくということになる。ところが公営企業の場合は、六分五厘いやがおうでも利息として払わなければならぬ。いま大蔵省の数字を私はちょっと聞いてみましたけれども、高いのは七分九厘であり、あるいはいろいろいわれておりますけれども、これは公債を発行するときの利回りその他から関係するならばそういう数字が出てくるかもしれない。しかし額面は必ずしもそういうことではないと思う。こういう形から、公営企業の方が実は苦しいと思うのです。いやがおうでも政府に利息を払わぬわけにいかぬのです。しかも事業というのが、短期にあるいは前金仕事をして、そこから利潤を上げるわけではありません、多くのものを投資して、水道にいたしましても、人間がふえてこなければ水道料金というのは結局高く上がらないのであって、どうしても先へ先へと施設をしなければならぬ。したがって、利潤とは全然別な関係で投資をたくさんしていかなければならぬ。ちょうどいまの政府のやっている財政投融資が行き過ぎて、建設資金に金を出し過ぎて弱っているのと同じような形で、公営企業をいやがおうでもやらなければならぬ。百万都市であるならば、いま五十万であっても百万に相当するような施設を進めていかなければならぬ。投資の関係だけからいえば非常に大きな投資をして、それから上がってくる利潤というものは、その時期時期に応じて上がってくるのであって、事業の経営というのは、私企業とは違った形を示さなければならぬ、だから、私企業の方は短期だとおっしゃるけれども、これは短期でよろしい。何も私企業では、五年も十年も赤字の出るような仕事をする人は、三十年光に黒字になればよろしいといって仕事をされている方は、私はおそらくなかろうと思う。公営企業の方はそこは私企業と違う、こういう面をひとつ大蔵省は考えてもらいたい。そうしてさっき申し上げましたように、農業あるいは造船産業などに対しては、かなり安い利息で国から貸し出されておる、いわゆる利子補給という形がとられているといたしますならば、これは営利の仕事である、まあ国の一つの大きな仕事ではございますが、少なくとも私企業であると考えられるものに利子補給をしなければならないという理由があるならば、やはり公営企業に対しても当然利子補給という姿があってもよろしいのじゃないか。しかもこれを五分まで下げていったところで、あるいはいまの公定歩合の五分八厘四毛まで下げたからといって、何も預金利子は開きが出るわけではない。やはり八厘四毛の利ざやがあることは当然である。しかも今日、政府が考えていただきたいと思いますことは、政府の使っております資金の大部分は零細な国民の郵便貯金であり、あるいは簡易保険であり、あるいはその他の労災保険であるというような、零細な国民の積み立てた金が大体国の資金でしょう。国民は五分の利息で預けて、役所を通じて六分五厘の利息を国に払うのです。税金という姿で六分五厘が取られるか、あるいは料金の姿で六分五厘が取られるのです。私はおそらくここにある数字を全国一応集計すれば、はっきりした数字が出てくるかと考えられる。都道府県の分と市町村の分で六分三厘以下のものが二千、五百七十九億九千四百万円、六分五厘以下のものが千二百八十七億六千九百万円、七分六厘以下のものが二百六十七億四千二百万円、八分未満のものが三十九億六千万円、八分以上は二十億七千八百万円、これを市町村分と同じような形でずっと計算していきますと、平均するとかなり高い利息になっておる。これを少なくとも公定歩合と同じような利息まで引き下げることによっても、政府は損をしないはずである。何もやかましいことを言わないでも、利子補給にはならぬのである。だからこの際政府が下水が大事だ、あるいは道路の補修が大事だ、上水道をどうする、工業用水をどうする、環境衛生をどうするという非常に広範な福祉行政に踏み切られておりまする限りにおいては、その福祉行政が完全に遂行できるためには、地方のこうした公共事業に対する利息の引き下げをやって、そうして容易に仕事の遂行できる処置をぜひとってもらいたい。実はそのことを大蔵省に私はお願いをするのであって、もう一応いまのようなものの考え方ではなくして——地方の公営企業はそういう性質を持っているのです。赤字が出れば地方は税金の中からこれを負担しなければなりませんから、住民は五分で国に預けて、そうして税金を通じて六分五厘の利息を払わなければならないということになると、それだけ国民は損をするのです。もうけるのは政府だけです。必要以上にもうけている。もうけているというとおこられるかもしれませんが、そういうところに日本の国民の生活がよくならない一つの大きな原因がある。私はそういうちぐはぐなことでなくて、次官に御答弁願いたいのは、この際ぜひ公債の利息にも手をつける、そうしてこれを安くするというようなことは、私は何もむずかしい問題じゃないと考える。おまえは野党だから責任のない立場でむずかしい問題じゃないと言うかもしれぬが、おれのほらは与党だからそうはいかないということにもなろうかと思いますけれども、理論上は私はもう下げてもいい時期だと考えられますので、ひとつ政府当局から、そういう方向にぜひしていきたい、それから同時にするということをこの際答弁を願いたいと思う。また答弁がもし私の考え方と違っているとするならば、ほかの方面から少し御質問をして、当局の考え方を直していただきたいと思うのです。
○原田政府委員 公営企業に対する利子の問題を引き下げるということを私に答弁せいということでございますが、それは残念ながらここで私、そういうことをいたしますということは申し上げかねます。そういうことについては、大蔵省当局といたしましても十分検討いたしまして、また機会があれば、言明をいたす時期には言明をさしていただきます。現在のところでは、私がここであなたのお尋ねに対して、そういうことに手をつけるということは残念ながら申し上げることはできません。ただ先ほど申し上げておりますように、金利の問題は、あなたのおっしゃるような御趣旨に沿っていくようなことが望ましいのではないかというようにお答えをしたわけでありますが、私は、金利の問題でいまお話をされておることは、中小企業なども同じような点があると思うのですが、金利の問題以前に、資金の需要が非常に大きい、こういうようなことで、それすら満たしかねておる。だから逆にいうと、地方団体などは金利の問題よりももっと金をほしいということを言っておるところが多いのじゃないか、そういうことがまず大きな問題になっておるのじゃないかというように思っておるのですが、そこであなたのおっしゃっておる金利の問題が重要な問題になってくると思うので、今後ともなおよく検討を続けて、御趣旨に沿うようにできるだけ進めて、努力していきたいと存じます。
○門司委員 次官は大蔵委員会でお忙しいから、これ以上聞きませんが、いまのようなお話ですけれども、ほんとうに考えてもらいたいのは日本の資本構成です。これはいま次官のお話のように、地方も中小企業もお困りになっているわけですけれども、大体日本の資本構成を調べてごらんなさい。どうなっているか。戦前の日本の資本構成は自己資本が六〇・七%であって、したがって他人の資本というのは三九・三%であった。最近、六二年、去年の統計を見てみますと、自己資金が二七・七二%であって、他人の資本が七二・二八%という数字が出ている。これをアメリカや英国や、さらに西ドイツというような自由諸国との比率で見てまいりますと、私は非常に大きな開きができてきてはいないかと思う。西ドイツのごとき、六一年の統計を見てみましても、自己資金が四二・五三で、他人の資本が五七・四七という数字が実は出てきている。これは外国の例からいえば一番悪いのであって、日本の場合はもっと悪い。一番少ないのは御承知のようにアメリカでありますが、アメリカは自己資金が六四・四四%で、他人の資本は三五・五六%という数字になっている。これが日本の今日の経済界の最も苦しい原因である。これを中小企業に押しつけるから、金利に追われてどうにもならなくなってきている。私は日本の資本構成に大きな問題があると思う。外国から見ると資本構成は非常に悪い。これをそのままいま当然のように考えて、中小企業も困っているから、地方の自治体はもう少し金を借りたいと言っているというようなお話があったのでありますが、地方の自治体は、住民の要望に沿うことのためには当然やらなければならぬ仕事がたくさんある。やろうとすれば借金を背負ってくる。ほんとうにあなた方は日本の地方自治体の福祉行政を進めていきたい、今日のような下水でなく、もう少しやりたい、地方の自治体もそう考えている、やりたいから金を貸すというなら、利息を下げてもらいたい。地方の人が借りよくしてもらいたい。私どもが心配するのは、このままの推移で行っておりますと、いま申し上げましたように、すでに七千三百億の借金を地方は背負っている。二、三年たてば一兆になる。したがって地方の自治体は税金からとってきても、税金の大部分は政府の借金に充てなければならぬ。そんなことで地方の自治体がよくなりますか。政府の考えているように、道路をよくする、下水をよくしよう、水道を完備させよう、そうして日本の福祉行政を完全にやっていこうとするならば、政府はもう少し地方の自治体の実態と公益性というものを知ってもらいたい。そうしなければ地方の自治体というのは、将来の見通しとしては困難が出てきて、地方の税金だけがだんだん上がっていって、地方の自主性はだんだん失われてきて、一切が政府にたよらなければならなくなってくる。私はこういうことを考えて、ちょうど二十八年の例の地方財政再建整備法をこしらえたときのような推移がまた出てきはしないか。赤字がだんだんふえてくる。しかもその赤字は、従来の赤字は決算面の赤字であったが一今度の赤字は公営企業の公債の問題から、赤字と同じような姿であらわれてくるということが心配されるから私は聞いている。したがって、この際もう一言だけ御答弁を願いたいと思いますことは、いまのお話の中にありましたように、地方の自治体がもう少し金をくれというようなことを言っているから、利息のようなものは考えなくてもよろしいのだ、何かそういう気持に受け取れたのでいまのようなことを申し上げたのですが、最初御答弁にありましたように、地方債の金利については大蔵省は考えるということだけを——どうするということはなかなか言えないだろうと思うのですが、考慮するということだけは、これははっきりお約束できますね。この点だけを約束しておいていただきたいと私は思います。
○原田政府委員 考慮するというととは、いま申し上げたように検討さしていただくということを申し上げておるのでありまして、これはやはり日本の——いま資本の蓄積の話が出ましたが、そうであるから、資本をもっと蓄積しなければみなが総破綻を来たすのであって、そこに問題点があると思うのです。利子のことも考えずに、自分たちの需要という面だけからやっていくならば、それは財政的に破綻せざるを得なくなるのでありますから、そこのところに、一番最初に申し上げたようにやはり問題点がありはしないか。これはやらなければならぬのだからどうしても要るんだ、こう言っても、金がないときはできないのでありますから、そこのところに問題点がありはせぬかということが一つ。 それから、やはりいま地方の公営企業に出しておる貸し出しのなには、非常に長い期間にわたって長期で出しております。一般の場合は短期でありますから、そこに、これは高いじゃないかということをいわれておりますが、そのときのバランスはどうなるのかという問題があります。これらのことによく検討を加えていきまして、いまおっしゃっておるように、やはり金利は安いほうがいいことは言をまたないのでありますから、そういう御趣旨に沿うようにできるだけ進めていくように考えたい、こういうことをいま申し上げておく次第でございます。
○門司委員 どうもふに落ちないのですが、もう一つだけ聞いておきます。民間のやつは安いということもないのですが、償還が短い。しかし、地方債は長いとおっしゃいますが、地方債は短いですよ。財政法を読んでごらんなさい。耐用年数をこえて償還年限をきめてはならないという規則が法律にちゃんと書いてある。耐用年数をこえてはならないということは、耐用年数一ぱいよろしいということです。私は次官にはっきりしてもらいたいと思うのは、たとえば木造の学校がある。学校を建てる最大限の償還期限というのは二十五年か二十七年です。非常に長いように見えます。しかし、国が老朽校舎として建てかえを認めるのは四十年です。国は四十年の耐用年数を認めて二十五年で返せというのです。法律には耐用年数をこえて償還期限をきめてはならないと書いてある。裏から言えば、四十年でいい。鉄筋コンクリートは七十年からもつことはだれでもわかっておる。しかも日本の最高は、三十五年から三十七年です。いまの大蔵省の意見のようなことなら、耐用年数に合わせて改正してもらいたいと思う。これは公営企業の特質です。営利事業じゃございません。営利事業なら、もうかっていけば、それで返していけばいいのですから、これは企業の健全性にもなりますし、けっこうです。しかし地方の自治体はそうはいかぬのです。税金で建てかえなければならぬ。返すのは二十五年で返せ、建てかえのときには四十年たたなければおれのほろは認めないということになる。その間にもし事実上の老朽校舎ができたらどうするか。私どもは耐用年数と償還期限というものを、もう少し考えてもらいたいと思う。英国の例を見てごらんなさい。さっきも申しましたが、六十年というのがある。はなはだしいのは八十年とある。償還期限をきめないのがある。しかも繰り上げ償還を許さないといっているのがある。起債別によって違いますから、必ずしも全部とは申しません。地方の自治体のあり方というものは私企業とは違うのでありまして、私企業のほらが償還期限が短くて公営企業のほうが長いから、それでいいという理屈は成り立たないと思う。事業自体も、さっきから申し上げておりますように一応の計画の上に行なわれている仕事でありますから、人間がふえて初めて、何年か後に収支が償うようになるのでありますから、仕事をした翌年から物がたくさん売れて利益が上がるという私企業とは違いますから、その点を混同されて——さっきから大蔵省の悪口を言っているのですが、どうも大蔵省はそういうことを混同してものを考えて、まるっきり高利貸しみたいなものの考え一方でやっているところに私はけしからぬところがあると思っているのです。その辺はひとつ大蔵省のお気持ちを改めてもらいたいと思う。そして、この際はこういう時期でありますから、ひとつ金利にぜひ手をつけていただいて、公営企業がほんとうに健全にやっていけるようにしていただかぬと、きょうこれから先やかましいことを申し上げませんが、現にわれわれの手元にある——ここにあると思いますが、この資料を見てごらんなさい、市電その他については何十億という赤字を出して、どうにもならなくなっているところが実際に起きている。これを一般財源から繰り入れるということになりますと、地方の財政はやっていけなくなる。そこまできているから私は申し上げているのであって、この点は特に大蔵省としては注意をしてもらいたいというかあるいは留意をしてもらいたい。
○原田政府委員 いま御熱意はよくわかっておりますので、私どものほうでもよく留意をして、御趣旨に沿うように今後とも努力を続けていくことといたしたいと思います。
○門司委員 事務当局にひとつ聞いておきたいと思いますが、大蔵省の意見は一向——大臣がおいでになっても同じような御答弁だと思います。これ以上進まないということで、この問題を進めていこうとするなら、やはり各省がおのおの自分たちの受け持っている事業を健全にしていくというたてまえに立って話を進めてもらいたいと思う。だから、厚生省もあるいは建設省も、自分の受け持っておる事業というものが、地方財政を無理に圧迫しないような姿でいけるように努力を願えますかどうか、そのことだけを最後に私ははっきり聞いておきたいと思うのです。それで、これは私の手元にあるというよりもむしろ自治省からいただいた資料ですけれども、この六大市の交通事業の決算状況というやつを見ていただくとおわかりになりますように、横浜などに赤字が二十三億幾ら、約二十四億出ている。一つの公営企業で二十四億の赤字を出したら、これはもうどうにもならぬですよ。これはどうしても何らかの形で一般財源から繰り入れなければならぬということは火を見るよりも明らかになってくる。それら一の原因の一部が、さっき申し上げましたような非常に金利の高い、あるいは償還年限の短い形を示しておりますので、ひとつ各省からもこれに努力をしていくという御答弁だけをこの際私はいただいておかないと、このまま過ごすわけにはいかないと思います。
○奥野政府委員 地方債の金利をできるだけ軽減して、公営企業の負担を軽くしていくということは、ごもっともなことでありますので、自治省としても当然努力していくべきものだと心得ているわけでございます。先ほど話がありましたように、公営企業金融公庫の貸し付け資金は七分四厘から七分三厘へ下げることができたわけでございますけれども、さらに、政府資金が六分五厘でございますので、それを目途に引き下げをはかっていくべきでございましょうし、政府資金についても同様な問題があろうかと思います。御趣旨に沿うように努力してまいりたいと思います。
○鶴海説明員 建設省といたしましても、下水道事業の資金コストの引き下げにつきましては、今後とも努力を払ってまいりたいと思います。
○渥美説明員 病院事業におきましても、ただいま奥野局長からのお話のように、十分協議いたしまして努力してまいりたいと考えております。
○門司委員 最後に大蔵省に聞いておきたいのですが、次官が忙しいからということでお帰りになったので、ちょっと変な、いやみみたいなことを言っただけでおしまいにしたが、利息もさることながら、さっきも言ったように、償還年限が非常に短い。法律のたてまえからいけば、償還年限というものは耐用年数と合うということが私は法律の精神としては正しいと思う。償還期限というものは耐用年数をこえてはならない、こう書いてある。だからその点は、大蔵省は償還期限を耐用年数と一致させるということはやれますか。
○木野説明員 耐用年数がきめられておりまして、期限内であるということ、それから耐用年数と一致するのがいいじゃないかということでございますが、法律の解釈でございますが、一つの事業主体と、そのとき耐用年数をきめておりまして、借金をする場合に耐用年数をこえた長い期間で借金をする、それは困る、いけないというのがあの法律の解釈かと思います。もちろん理想論といたしまして耐用年数に合わせればいいと思いますが、資金の性質、実は預金部資金でございますが、郵便貯金がおもでありまして、それとの関連もございますので、耐用年数に近づけるというのが理想かと思いますが、なかなかむずかしい問題がいろいろあるんじゃないか、こういうように考えております。もちろん先生のおっしゃった線でいろいろ研究しろ、耐用年数その他償還期限、量の問題にいたしましても条件の問題にしましても、いろいろ検討しろという点は十分留意して検討いたしたいと思いますが、耐用年数につきましては相当むずかしい問題があるんじゃないかと考えております。
○門司委員 耐用年数の問題は、議論すれば非常にむずかしい問題があろうかと思います。しかし、形の上からいえばそうむずかしい仕事じゃないのだな、実際は。それから同時に、そうでないと——大蔵省のものの考え方からいけば、耐用年数は短いほうがいいんだな。利息が少なくて済む。耐用年数、償還期限が長ければ長いほど利息はかさんでいきますから損だという計算は当然出てくる。しかし地方の自治体というものは営利会社じゃないものですから、なかなかそうはいかないところに耐用年数と償還期限との関係が当然生まれてくる。勘定からいけば五年に返した方がそれだけ利息は少なくて済むのだから、やりいいにきまっておる。あるいは仕事の性質によってもそういうことが言えるかもしれぬ。しかし総体のものの見方としては、やはり長期にわたる展望に立って地方の自治体の仕事というものがされておるので、決して短い期間でやっておるわけではないから、私はそういうことを実は申し上げておく。 それからもう一つの問題として、大蔵省にこの際聞いておきたいと思いますことは、償還期限と耐用年数との関係と、さっき申し上げましたように、事業の性質によっては据え置き期間が認められておる。このワクは少し広げられないかということであります。たとえば五年とか六年とかいうようにございますが、事業の性質によってはこれを広げてもらうと、非常にやりいい仕事ができはしないかという考え方が実はあるわけであります。それはどういうことかといいますと、さっき言いましたように長期の展望に立って計画をするのが地方自治体の一つの仕事ですから、すぐ払えといっても、一般会計から持ってこなければ、事業から上がる収益というものはきわめて少ないのであって、困難な問題がたくさんありはしないかと私は思う。だからいまの据え置きの幅をもう少し広げる必要がこの際ありはしないかというように考えるのですが、そういう点は大蔵省どうなんですか。
○木野説明員 据え置き期間は、建設中は据え置くという観念からきめておりまして、二年とか三年とか五年というふうにいたしております。いま先生から据え置き期間も含めて検討しろ、こういうことを承りまして、いろいろ何と申しますか、資金の量、それから利息の問題、それから条件の問題、それには償還期限の問題、据え置き期間の問題、さっき次官からお話があったことを留意して検討いたしていきたいと思っております。なお門司先生からおっしゃいました、いろんなものがあって、これが一番いいんじゃないか、こうすべきじゃないかというお話がございましたが、それにはなるほど、ほど遠いものがございますが、先ほど申しました高利貸しのようにという——それほどではないと存じております。さらに十分検討いたしていきたいと思っております。
○門司委員 これから先いつでも押し問答になって、大蔵省はやられないからときどき文句を言うのですよ。ものの考え方が——地方の公営事業というものは国の事業なんですね。地方の自治体がおのおのの要求に応じてやっている、と同時に、日本の憲法なり法律が、日本の自治体の独立性を認めておるから、独立してやれということも、私はそれでよろしいと思う。しかし決して日本の国の外にあるわけじゃないのですよ。同時に今日の地方と国との、ことに起債の関係については、法律の建前は地方の自治体は起債は自由にできるように書いてある。御存じでしょう。なお当分の間二百五十条の規定を適用する、こう書いてある、なお当分の間と実際は書いてある。だから本質から言えば地方の自治体は自由に事業に対して起債ができなければならぬわけなんです。しかしできなければならぬはずというところで、それも国の財政その他から見て非常に困難なところがある。そこで問題は、特例を設けて、なお当分の間という字句を使って制限をしておる。いまの大蔵省のようなお話だとするならば、一体この制限をはずすことがいいか悪いかという、もう一つ議論をしなければならぬ。本文に戻りたい、本文に戻って地方の自治体の起債は自由にさせてもらいたい、国があまりやかましいことを言うなということが言えるかどうかということが出てくる。国がどうしてもこれにある一定のワクをはめて、そうして一定の仕事をして、しかも仕事量についても国が大体の大ワクをきめて、ことしはこれだけやるからこれだけ起債をつけるのだ、この範囲内でおまえたちやってこい、こういうような形になっている、だとするなら、やはり国がもう少し地方の自治体の仕事のやりいいようにめんどうを見てもらいたい。次官のお話のように、私企業と同じようにものを考えられて議論をされたのでは、地方の公営企業というものは成り立たない。そのことがありますので、これ以上私はいつまでこれを聞いても大蔵省ははっきりしたことを言わないので、いずれ大臣にも出てきてもらって大蔵大臣との話を進めたいと思います。ぜひひとつ、いま申し上げたようなことをさらに検討していただいて、そうして来年度の地方財政計画あるいは来年度のこうした問題のときには、やはりそうした意見というものがある程度実現のできるように努力をしてもらいたい。これは私だけが言うのではありませんで、地方の自治体全体の意見だと考えて申し上げている。またそういうことがしばしば陳情もされ、また要求もされているわけです。ぜひひとつ事務当局のほうもそういうところに留意していただくことを、この機会に私は要望いたしておきまして、一応きょうの質問は終わりたいと思います。
○太田委員 関連。先ほどからのお話を承っておりまして少々心配になってきた点がありますから、この際、特にこれは自治省のほうから御答弁いただいてけっこうですから、奥野さんから端的にお答え願いたいと思うのです。 それは第一は、この公営企業改正案が成立した後におきまして、市場、港湾、それから病院、屠畜場あるいはこの準公営企業に類似するもの、こういう準公営企業におきまして、財務制度の、いわゆる企業会計方式を取り入れるということが今度新しく義務づけられるわけでありますが、それが独立採算という機運を醸成をし、独立採算精神というものを、準公営企業に強く持ち込むことに相なるのではないだろうか、こういう心配が出てきたのですが、これはいかがでございますか。
○奥野政府委員 独立採算方式を強く持ち込むというように私たちは考えておりません。ただ企業経営の成績がこれでよいか悪いか、これは十分に批判されるだろうと思うのでございます。その際に、独立採算でいくか、一般会計でもっと負担をするか、一般会計の負担部分が多いとか少ないとかいう議論も誘発するでしょうし、もっと経営成績を一般会計にたよらないで高めるべきだという議論も誘発するでしょうし、両様の場合があるかとこう私どもは考えております。
○太田委員 いまの両様の意見が出て、その議論が論議されておるうちに、その次には、先ほどから準公営企業といえども企業であるから、当然収支相償うべきではないかというような意見が出て、それが勝ちを占めて、独立採算制に踏み切る、こういう心配がこの次に出やしないかというのが非常な心配になるのですが、どうでしょう。
○奥野政府委員 公営企業の種類によりまして、一般会計がどう負担すべきであるかという筋道を、われわれとしても明らかにしていかなければならない、かように考えておるわけでございます。先日、病院事業につきまして、病院施設の建設費を地方債でまかなった場合、その元利償還額をそのまま病院の収支でまかなわせていくということは穏当ではない。むしろ減価償却費相当額を生み出すことでよろしいではないだろうか、したがって、減価償却費と元金の償還分との差額は、その資金繰りについても一般会計がめんどうを見るべきではなかろうかというようなこと本申し上げたわけでございまして、今後もそういういうな実態を明確にして指導に遺憾のないようにしていきたい、かように考えておるわけであります。
○太田委員 と、なりますと、私の心配の点は解消されたような気がしますのですが、一つの例で、はなはだ明確な例ではないかもしれませんが、最近自治省の、例の財政再建の御指導によりまして現われてきたことだと思いますが、伊丹市のバス、明石のバス、鹿児島のバス関係で、手当を今後削除してもらいたい、手当制度をなくしてもらいたいという申し入れが、労働組合側に出てきたというのですが、こういうことが一つの嚆矢となりまして、今後企業再建という道は、労働条件の圧迫とか削減、低下というものによって企業再建をきれる心配があるのではないかという声がありますが、これはどうでしょう。
○奥野政府委員 赤字におちいりました公営企業につきまして財政再建計画を立てる場合に、自治省としては十分に相談にあずかっていきたいと考えております。その際に、自治省側から直ちに職員数の削減でありますとか、あるいは給与の切り下げでありますとか、一方的に職員だけに犠牲のしわ寄せをしていくという考え方は毛頭持っておりません。ただ職員が過剰であるといたしました場合には配置転換を考えるべきではないか。その場合に公営企業の部門だけではなしに、一般会計その他の公営企業全体を通じまして適当な配置転換を考え、また職員側もそれに協力するというような姿が望ましいではないだろうか、こう考えておるわけでございます。簡単にやめてもらうというような式のことは、今日の自治体においては簡単に言うようなこともないではないだろうか、こう思っております。ただ全体として適正に配置をしていく、そしてそれぞれの成績を高めていくということはやっていかなければならないだろう、こう考えております。
○太田委員 そこでいま休日勤務しても、超勤手当が払われないという例が非常にたくさん出てきておるわけです。このいわゆる超過勤務に対して無手当奉仕というこの制度が普遍化してまいったり、これが常態化しますると、労働者としては労働条件の悪化だという点で非常に骨身にこたえると思うのです。これはすべてノーマルに労使の関係というものは、労働条件というものはつくるべきだと思いますので、その点には異存ないでしょうね。今度の再建は労働条件の圧迫によってやるのだ、労働条件に一切の責任を負わせていくということがかりにちょっとでも片りんがありますると、たいへんなことになる、こら思うのです。企業、企業というので、民間企業と同じように考えられては、公営企業の従業員としてもたまらぬと思いますが、そういう休日無手当というようなものが常態化するような御指導というものは、もちろんないでしょうね。
○奥野政府委員 企業のあり方につきましてはいろいろ問題があるようでございまして、いまのところ自治省から一方的に特定の方式を押しつけるという考え方は持っておりません。公営交通につきましては、先日もお話が出ましたように、現在調査会が設けられまして、そこでいろいろと検討がされておる段階にあるわけでございます。団体によりましては、基本給よりもはるかに大きなものを諸手当で占めておるというようなところもあるようでございますが、やはり国家公務員の給与体系によるのか、あるいは民営の交通事業の給与体系を大幅に取り入れるのか、いろいろの問題があろうかと思うのでございまして、これらは調査会で十分審議された場合、われわれとしましてもよろしいという方向がはっきりしてきた場合に、それにのっとって指導してまいりたい、こう考えておるわけでございます。現在のところ特定の方向を押つけるということは全然考えていないわけでございます。
○太田委員 したがって、これは局長、労働条件に対する不安というものは解消してしかるべきであるということでしょうか。
○奥野政府委員 基本的にはそうだと思います。私どものほうから特に押しつける意思はございません。企業自体におきまして、公務員の給与水準と比べて著しく高いとかという場合に、いろいろと相互に話し合いの問題が起こってくるだろう、こう考えておるわけでございます。
○太田委員 もちろん労働条件の問題になれば、これは地方の労働組合との間の団体交渉にまつことでありますから、中央でああだ、こうだときめるのは、若干越権のそしりがありますから、御指導といえどもあまりそこに行き過ぎ、勇み足のないように十分気をつけていただきたいと思います。 もちろん基本的に労働条件によって一切解決しようと考えておられないならば心配ないと思いますけれども、港湾関係の従業員というものは、港湾の埋め立て地を売っておるうちに黒字でいいと言っている。これが埋め立てを売ることがなくなって、あとは保守管理という問題だけが残ったときには、非常に収支のバランスが破れて、やはり同じように、最後は首切りがくるのではないだろうかという労働条件の不安を持っております。先ほどから大蔵省と門司先生との話を聞いておりますと、どうも独立採算という点に一切の力点が置かれているのではないだろうかという節も政府の態度にうかがわれるわけですが、自治省の奥野さんは、そんなことはないのだ、独立採算というのは精神であって、公営企業はあくまで公共精神、公共の福祉、住民の福祉というものを中心として運営されるものであるから、赤字が出るということにもこだわらないのだ、まともにやって赤字が出るなら、こだわらないということについては意見が一致しておると思いますね。そうでしょう、その点はいいでしょう。
○奥野政府委員 再々申し上げますように、経営の成績を明確にしていくということでございます。
○太田委員 そこで公共性の問題うすが、今度の改正によって、公営企業の公共性というのは、いままで評価されたよりも分野は小さくなるのですか、大きくなるのですか、そのままですか。
○奥野政府委員 全然従来の考え方と変わりはございません。
○太田委員 変わりないということになりますね。そうすると、たとえば病院などで看護婦さんが非常に足らない。だから完全看護といっても実は不完全看護である。病院になかなか人が来てくれないのは待遇が悪いからだということで、病院の看護婦不足を訴えておることはすでに久しいのでありますけれども、この状態が解消されないのはどういうわけだろう、こう世間では言うておるわけです。それは公営企業であるから、少なくとも親方日の丸という思想ではないけれども、赤字が出てもさほど苦にしなくてもよかろうという気持が民間人にはあるけれども、ところがなかなか定員だけの看護婦が充足されておらない。これは今度のこの独立採算制という条項は適用されませんけれども、病院に企業会計方式が取り入れられた後において、病院のそういう人的不足というものは解消していくか、それともそんな効果はこの改正にはないでしょうか。
○奥野政府委員 病院が看護婦養成部門もあわせ経営しているという例が非常に多いわけであります。私たちとしましては、看護婦の養成事業は、これは一般会計の負担に属する仕事だと考えておるわけでございます。したがいまして、病院の経営というものが、地方公営企業法の考えておりますような姿において経理されてまいりますと、看護婦養成関係の部門については、病院会計の利益でまかなうのではなしに、一般会計の負担に属せしめるべきものだという考え方が出てまいりますと、その部門は一般会計の負担だ、その他の部分については特に一般会計の負担に属するもの以外は独立採算的に維持、経営していかなければならないと、はっきりしてくるわけでございます。したがいまして、私たちといたしましては、看護婦養成の面につきましても筋道の立った運営ができるのではないだろうか、こう考えておるわけでございます。
○太田委員 それからこれは枝葉末節のことで恐縮でありますが、いままでの十七条は、経理は云々とか、「特別会計を設けて行い、その経費は、当該事業の経営に伴う収入をもつて充てなければならない。」と、特別会計という見出しで現行の条文はあるわけでありますが、今度の改正案になりますと、特別会計という十七条は一条だけはっきりさせて、これは「特別会計を設けて行なうものとする。」、これを本分とする。そしていままで十七条にありました収入をもって経費に当てなければならないというのは独立採算という表題を用いて、十七条の二としたわけですね。在来の十七条を十七条と十七条の二とに分けたのは、そのニュアンスが非常に強められたのであるのか、それとも十七条の二のところにさらに二項を設けることが必要になりましたので、これを別にしたのであるか。いわゆる独立採算会計というものは非常に強くなったのかどうかという点ですね。立法の意図というものをちょっと伺いたいわけです。
○奥野政府委員 独立採算の規定につきまして十七条の二とその他の条文とを分離いたしましたのは、規定を整備しただけのことでございます。精神に別段の違いがあるわけでございませんで、内容を明確にするという意味で分けたのでございます。
○太田委員 それではもう一つ、この法案のことでやはり誤解が世間にあるんですが、第二条でございますね。新たにここに入れられました三項でありますが、ここでは十七条の二は除いて適用をすることになっておるわけですが、十七条の二の二項に補助金の問題がありますね。この補助金というのはこれも適用されないとなると、やはり赤字が出た場合に補助金というのがやれないような気がしますが、これはよろしいのですか。
○奥野政府委員 第二条の第三項の場合に十七条の二項の規定をはずしているのは、独立採算を強要しないという意味ではずしているだけのことでございます。十七条の二の二項で補助を受ける場合のことを書いているわけでございますが、独立採算を原則にすべき特別会計でございますので、補助を受ける場合にも「災害の復旧その他特別の理由により必要がある場合」でなければならないと限定をしているわけでございます。独立採算を強要されていないような会計でございますれば、災害の復旧のような特別の事情がございませんでも、当然一般会計から援助を受けてよろしいと考えるのでございます。先ほどちょっと申し上げましたように、看護婦の養成事業を病院があわせてやっている。その場合には補助金の形で病院会計に一般会計から金を繰り入れてもよろしい、こう考えるわけでございます。十七条の二の二項は補助の規定ではありますが、独立採算をとるべき特別会計なんだから、補助の場合も「災害の復旧その他特別の理由により必要がある場合」でなければなりませぬぞとこう言っているわけで、その規定ははずしているわけでございます。したがって、準公営企業の場合には災害の復旧というような事情がなくても、もちろん補助金を受けてもよろしいのだ、こういうことでございます。
○太田委員 公営企業課長さんにお尋ねしますが、かりにそういうふうに十七条の二の二項をはずして適用しないことにして、準公営企業がいわゆる企業会計を用いるという、これはまあそれでもいいのかもしれませんよ。しかし他に補助金を出すことができるという条文は見当たりませんね。だから無条件に一般会計が出せる出せるといっても、在来補助金ということばはなかったんですし、繰り入れ金か出資金であったのが、今度長期貸し付け金、補助金ができたけれども、その補助金は準公営企業に対してはどこで出すのでしょう。いま奥野局長のおっしゃった災害の場合とか特別の理由のある場合というような条件をはずして、もう少し幅広く出すことを認めるということをおっしゃるけれども、どこに基づいてそれが証明されるのでしょう。
○吉瀬説明員 ただいまの御質問でございますが、局長からも御説明申し上げましたように、補助をする関係の規定につきましては、独立採算を要求されるような事業については「災害の復旧その他特別の理由により」と、一つの条件をつけておるわけであります。こういうような条件をあわせまして、その補助金を出す場合に、独立採算を要求される企業についてこういう規定を設けたわけでありますが、それ以外の企業については、この災害の復旧その他特別の理由によらなくても、その事業の性質によりまして補助をすることができる、そういう解釈に立つわけでございます。
○太田委員 それは在来慣行として補助されているんですか、従来慣行として補助されているから、不文律をもって律せられておるから、別にここに特に補助ができるということを書かなくてもいいという意味なんですか。
○奥野政府委員 便宜私からお答えさしていただきます。地方公営企業法は、元来純粋な公営企業を対象として規定したものでございます。準公営企業について規定したものじゃございません。準公営企業につきまして、地方公営企業法の規定のどの部分を準用するかということで、今度の政正規定が出てきてまいっておるわけでございます。純粋な公営企業の財務の規定を準用するんだ、その場合に独立採算の規定は準用しないということでございますので、自然準用部分以外は、一般の財務に関する規定が適用になっていくわけでございます。一般的な財務に関する規定として、特別会計への補助を排除いたしておりませんので、当然反対解釈としてもそちらの規定が適用になり、自然補助を受けることができる、こういうように解釈できるわけでございます。
○太田委員 そうすると局長、いままで病院、港湾ないしは市場、屠畜場というところに対して、相当補助金を出しておるんですね。
○奥野政府委員 そのとおりであります。
○門司委員 運輸関係について一つだけ聞いておきたいのですが、いわゆる公営企業の中で運輸関係の問題で許可、認可のことですけれども、各都市の中に、同じバスの路線を三つぐらいの会社が競合している系統があるんですね。そういう場合に、一番損をするのは公営企業なんですね。片一方は何年か先を見越して、路線の権利だけとっておけばいいというので、率直に言えば取り消されては困るからというので、朝晩のラッシュアワーのときだけ運転さしてあとは緩慢にやる。公営企業の方はそうはできない、やはり一定の時間はできるだけ住民の意思に沿うように運転をしなければならないというように、非常に無理があるのですが、こういう許可のしかたはどうなんですか。ああいうふうに同じ路線を三つも四つも走らなければならないように許可をしなければならないという何か理由があるのですか。もう少し整理しなければならぬと思うのだが、その点はどうなんですか。
○佐藤(光)政府委員 いまの御質問の前に、先ほど来の資金のコストの低下の問題でございますが、運輸省としてもできるだけ先生のおっしゃったような、特に地下鉄の資金の問題がございましたので、これについては三十七年度から一部の建設資金の財政補助というような措置を講じられたわけでございますが、今後ともそういう点については努力してまいりたいと思います。 なお、いまお話しの点は、主としてバス関係でございますので、自動車局の業務部長からお答えいたします。
○坪井説明員 バスの競合路線の問題でございますが、これは民営と公営の場合も、あるいは民営同士の場合も、競合関係というのはございまして、健全な競争をはかるという意味合いでやっておる場合もあります。それから相互に話し合いをしましてやり合うというような事例もございます。これを統合しろという考え方につきましては、われわれの方ももう少し様子を見ました上で、不当な競争のおそれのある場合には考慮いたしたいと思います。
○門司委員 これはあげ足をとるんじゃありませんけれども、あとでよろしゅうございますから、資本構成その他をはっきりひとつ知らせていただきたいと思います。いまだにああいう化けものみたいな——ということば使いは悪いのですけれども、公団や何かの名前の中で、帝都高速度交通営団、あれ一つが残っている。あれはどういうことになっているのか、ひとつ資本構成や何かを、あとで書類でよろしゅうございますが、見せていただきたいと思います。あれは純然たる公営企業なのか、私企業なのか、それとも両方一緒にやっているのか、一向われわれにはわからないのですが、戦時中公団とか公社とか、いろいろ変なものがあったのが整理されていって、あれだけが残っているようなかっこうになっている。そういうことがわかりませんから、あとでひとつ資本構成だの、それからあの運営のたてまえ等を、書類で、ごく簡単でよろしいから、私の部屋でもよろしゅうございますし、どうかひとつ連絡をして届けていただけませんか。このことをお願いしておきます。
○永田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十一分散会