地方行政委員会 第24号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/05/17
会議録
○永田委員長 これより会議を開きます。 地方財政法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑を行ないます。通告がありますので、これを許します。川村継義君。
○川村(継)委員 地方財政法の一部改正が大体審議が終わるようでございますから、私からも一審お尋ねをしておきたいと思います。前の委員の方々が御質問なさったのになるたけ重複しないようにとは思いましたけれども、あるいは私が十分お聞きしていない質問点等もございまして重複するところが出てくるかもしれませんが、その点はお許しを願いたいと思うのでございます。 今日、私たちが地方の財政のあり方あるいは運営等々を見ておりまして、いろいろと考えねばならない問題はたいへん多いのでございますけれども、その中で特に強く考えさせられるのは、昨年の十月地方制度調査会から出されました答申にも明記してございます財政秩序の確立という問題ではなかろうかと思っております。そういう意味において、今度の地方財政法の一部改正が提案されまして、その中に、県立の高校等に対しての市町村の負担あるいは住民負担を規制するというような具体的な問題を法律化されて、その目的を達しようとなさった当局の英断に対して、私は心から敬意を表しておるものでございます。地方制度調査会が昨年答申いたしましたその答申のおもなる項目が五つほどあったと存じますが、その中に二つにわたって財政秩序の問題について触れておるのであります。国、地方公共団体間の財政秩序の適正化についてという問題と、それから地方公共団体相互間の財政秩序の適正化について、これはまことに今日の地方財政の運営を見るときに最も注意をしなければならない、重点的に取り上げてその解決をはからねばならぬ問題だと思っておるわけでございます。ところが、今日国の施策に伴って、あるいは地方の団体が行政水準の向上を考えて地方自治を発展させていこうとしておる過程において、財政の秩序がたいへん乱れていることはもう私が申し上げるまでもないことでございまして、この際できるだけの規制をして秩序を正していくということが当面の急務ではないかと考えておるわけでございます。ここに提案されました法案の中に盛られましたほんの一部をもってその目的を達するとは思いませんけれども、今日特に高等学校の問題等については、高校急増対策の大きな課題もかかえておるときでございますし、そのような措置をおとりいただいて、地方制度調査会の答申の趣旨を具体化していくということは、たいへん重要なことだろうと考えておるわけであります。しかし私たちがこのような法案を見る場合に考えていかなければならぬことに、二つの大きな問題が出てくると思うのであります。一つはこのような、高等学校の建設等についての市町村の負担あるいは住民の負担というものを規制して参ると、あるいは高校教育の進展が阻害されはしないかというような心配が出てくるのじゃないか、このように考えるわけであります。おそらく、これまでの文部省の大臣その他の皆さん方の各委員会における答弁等を総合してみますと、こういう法案は文部省としてはあるいは非常に消極的な考え方を持っておられたのじゃないかと推測いたしております。そこで高校教育を進めていく場合に、このような規制をしていくということになると、相当注意をして参りませんと高校教育の進展が停滞をする、あるいは阻害をされるという結果になりかねないという問題があろうかと思います。それをそのような障害に導かないように進めるには、文部省あるいは自治省当局が、それらについての財源措置というものを、第二の大きな問題として善処していただかなければならぬ、こういうことが起ころうかと思うのでございます。そこで、きょうは相当時間も詰まっておりますから、あまり枝葉のようなことをお聞きすることを省略いたしまして、いまの進められております高校急増の問題について一言お聞かせをいただきたいと思います。文部政務次官御出席でございますし、管理局長も御出席でございますから、お聞かせおき願いたいと思うのでございます。 この前山口委員の質問に対して、本年度の進学率は六六%——六六・四%でございますか、そのようになっておるという御答弁があったようでございます。当初文部省のほうで計画されましたのは、進学率を六一.八%と見込んで急増の対策を進めてこられたわけでございまして、相当の食い違いを生じておるわけでありますが、三十六年から手をつけてこられた高校急増対策の年度別の事業計画というものはどのようになっておったか、その点をまず初めにお聞きしたいと思うのであります。
○杉江政府委員 生徒急増対策につきましては、三十七年度の計画を修正いたしまして、三十八年度の進学率を六一・八%にふやすとともに、全体計画の改定をいたしたわけでございます。その結果を申し上げますと、全体計画の上におきまして、建物に関する事業費総額を、既定計画におきましては三百六十九億でありましたのを四百五十四億に改定いたしました。その年次割りといたしましては、三十六年度は三十八億、三十七年度におきましては百六十七億、三十八年度におきましては百三十九億、三十九年度においては百九億、とのような見積もりをいたしております。
○川村(継)委員 いまお話しになったのは校舎の分だけでございますか。
○杉江政府委員 さようでございます。
○川村(継)委員 そうしますと、一般校舎、これには屋内運動場も含んでいると思いますが、一般校舎はおっしゃるように当初の三百六十九億を四百五十四億に改定しておられるようでありますが、そのほかに一般設備、それから工業高校の産業教育振興施設、そういうものが別途計画されているはずだと思いますが、それはいまのお話しの中に含まっておるわけではございませんね。
○杉江政府委員 さようでございます。設備等も含めました数字を申し上げますと、全体計画においては、既定計画において五百五十三億でありましたものを六百八十二億に改定いたしております。年次別を申し上げますと、三十六年度が四十八億、三十七年度が百五十四億、三十八年度が百七十四億、三十九年度においては百四十六億、四十年度にも一部残りまして三十一億、このようになります。
○川村(継)委員 いまお話しのあったのは当初計画の数字じゃございませんか。
○杉江政府委員 言い間違いがあったかもしれませんので、もう一度申し上げます。 改定した計画においては、全体の事業費は六百八十二億、それから三十六年度が四十八億、三十七年度が二百十二億、三十八年度が同額の二百十二億、三十九年度が百七十二億、四十年度が三十八億、かようでございます。
○川村(継)委員 いまの改定されました年次別の事業費は、三十六年度が四十八億、三十七年度が二百十二億、三十八年度が同じく二百十二億、三十九年度が百七十億、四十年度が三十八億、こういうことでございます。それは高校に進学する生徒の増加数を修正されて、四十年度の公立高校生の増加数を当初から十万人ふやして九十万人と見込まれた結果、そのような改定をなさったと聞いております。本年度は、初め皆さん方のほうでは六一・八%の進学率を見込んで、いまのような事業計画をお立てになった。ところが、実際は六六・四%の進学率を示しておる。 〔委員長退席、高田(富與)委員長 代理着席〕 これはこの前次官もお話しになっておりましたが、私立学校がたくさん入れたからというようなことばもございましたが、とにかく六六・四%という高い進学率を示しておるということを考えると、三十九年度もやはり相当高い進学率があるものだと考えねばならない。とにかくいまの中学の一年生、二年生、三年生、つまり三十九年度等が一番高いカーブをえがいて高校生が急増するわけでありますが、この本年度の六六・四%という入学率は来年度も相当高い入学率を考えておかねばならぬ、このようなことを思うわけであります。私立学校にたいへん吸収しているということでありますが、これにはまた教育上いろいろな問題があって、これはここでいろいろ論議する必要はありません。しかし、いませっかく私立学校に入りましても、膨大なる入学金やその他の経費を必要としておる。そこで私立学校に入学金を納めて入った生徒がいまやめて、また来年度公立高校に行きたいというような数字がだいぶ出ております。そういうことを考えると、ことし高校に入らなかった子供がまた来年の卒業比と合わさって高校受験をするに違いないというようなことなど考えますと、これは来年の入学率も相当高いと考えねばならぬ。そうすると、いまお立てになっております事業計画がはたしてこれでいいかどうか、これはやはり検討されねばならない、こういうことを思うわけでございますけれども、文部省のほうではそういう見通しはいま立てておられるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○杉江政府委員 ことしの入学者数及び入学率が予定以上になりましたことは事実でございまして、この勢いは明年以降においても引き継がれるものと考えます。そこで、これに応じてこの全体計画をどう修正するかという問題がございます。これにつきましては、まだ確たる修正の案は用意しておりませんが、今後十分実態を究明するとともに、その財源措置につきましては、自治省、大蔵省等とも相談し、協議してその対策に遺憾なきを期したいと考えております。
○川村(継)委員 自治省のほうにちょっとお聞きしておきたいと思いますが、われわれの協議会のほうで、これははたして完全に捕捉されているかどうかわかりませんが、調べたところによりますと、本年度各都道府県が予算に計上しいたしました高校急増に必要な経費総額が三百四十二億一千二百万円と集計をしておるわけでありますが、この点自治省のほうではおわかりになっておりましょうか。各都道府県の高校急増対策に本年度予算計上した経費がわかっておりますか。
○奥野政府委員 自治省としてはそういう個別の報告を求めませんでしたので、数字は持っていないわけでございます。
○川村(継)委員 これは皆さん方のほうでお調べいただければ、割合簡単に正確な集計ができるのじゃないかと思うのでございますが、私たちのほうの協議会で集計したのは、施設費が二百二十億九百万円、校地費が百二十二億三百万円、合計三百四十二億一千二百万円という施設費、校地費の実は集計をいたしているわけであります。これはまた専門的立場で集計をしていただければ、これらの内容が明確になるかと思うのでありますけれども、要するに全国の各都道府県が本年度高校のために支出した経費が三百四十二億ということでございますから、相当部分、たくさんの自己負担をしておる、こう見なければならぬと一応考えられるわけであります。私がその中で心配をするのは、国のほうでは二百十二億の財源措置をしてもらっておる。ところが、実際は三百四十二億も予算に集計をされた、こういうことになるのですが、この三百四十二億をそのまま認めるとしたならば、その差額の中にどれくらい市町村が出した金額があるだろうか、あるいは住民がどのくらいの負担をした金額があるだろうか、こういうことが実は問題ではないかと思っておるわけであります。これは、本年度自治省のほうでそのような一応の見通しがあったら、それをお話しいただきますし、そういうこまかな集計ができていないということになれば、これは早急に実態を調べていただきたいと思うわけでありますが、何かその辺についておわかりになっておることがありましたら、お聞かせいただきたい。
○奥野政府委員 全体計画でいいます本年度の事業費三百十二億円の中には、いま御指摘になりました校地費は含まれていないわけでございます。なお、また校地の購入に要する経費につきましては、地方債を許可していきたい、かように考えておるわけでございます。また、二百十二億円につきましては、地方交付税と地方債をもって一〇〇%財源措置をしておるわけであります。そのほかに、御承知のように今までも高等学校の施設費等につきましては減価償却費の考え方のもとに、基準財政需要額に百億内外の金額を算入しておるわけであります。二百十二億円のほかに、いま申し上げました校地の購入にかかる地方債と老朽校舎の改築等に要する経費について百億円内外の地方交付税が予定されておるということを御了承いただきたいと思います。 なお、府県が、市町村や地元負担に転嫁しておる経費があるのではないかというお話であります。三十六年度の実績によりますと、市町村に転嫁いたしましたのは、二十七億七千万円、住民に転嫁いたしましたのが、四十七億八千万円、合計いたしまして七十五億五千万円ということになっております。おそらくその後の数字におきましても、若干ふえましても減ってはいないのではないだろうかというように推定をしております。
○川村(継)委員 いま、奥野局長のお話のありましたように、三十六年度の、市町村及び住民に負担させた総計が七十五億五千万円ある。これは三十六年度のことでございますから、三十七年度、三十八年度、高校急増の対策がピッチを上げてきた、この時点においては、われわれが地方の実態を見ておりましても、七十五億よりも減少はしていない、むしろ高まっておると見なければならぬのではないかと考えております。そのデータは用意はしておりませんけれども、これは必ず増加をしておると見なければならぬと思います。なぜそういうことを申し上げるかというと、これは地方におりますと、いろいろ、去年、ことし等について、高校関係のこういう寄付金等の要請が大きなものがあるし、高校の建設される場合でも、市町村がこれを負担しておるという数はぐっと増加しておるわけでありますからそういうことが言えると思います。これはひとつ早急に、また文部省でも自治省でも実態を調査していただく必要があろうかと思います。 そこで、先ほどの文部省の管理局長のお話ではございませんけれども、そういうような状況にあるときにこの法案が提案をされます。ところがお話のように、三十九年度も高校急増に伴うところの計画としては、百七十二億だけ考えておられるわけであります。もしもこのまま推移するとなると、一般の住民に要請される寄付及び市町村が負担をしておる負担金というものがなくなるということになる、こういうものがなくなるということになりますと、あるいはもうすでに今日から約束してあるのもあるかもしれませんが、来年からそれができないということになると、相当思い切った計画改定、財源措置を考えていただかなければ高校の急増の問題が足踏みをする、やろうと思ってもできない、こういう結果になるのは必然じゃないかと思うのです。そこで、いま管理局長は検討してみなければならぬという御意思はお話しになりましたけれども、当然これは検討をし改定すべきだという結論が、もうここで数字はともかくとして、結論が出るわけじゃございませんか、管理局長いかがでございましょう。次官でもけっこうでございます。
○杉江政府委員 基本的には改定すべきものだと考えますが、ただこの全体計画というものの意味が、国が財源措置をすべきもの、財源措置を保証すべきものという観点で考えましたときには、地方財政全体の問題としてこれをどう考えるかという問題にもなろうかと思います。そういう意味におきまして、今後実態の把握と同時に自治省ともよく御相談をして、ともかく高校急増対策に遺憾のないような措置はどうしてもいたさなければならないと考えております。
○川村(継)委員 いまお話しのお考えはわからぬでもありません。これは言うならば地方自治体、府県の事業に違いありません。しかし高校教育、高校急増というような問題は、文部省として、地方自治体のおまえたちの責任だ、そういうようなまかせ方はできない問題がいろいろ含んでおるわけでしょう。これはここで議論しなくてもいいと思う。これは文教委員会等でもずいぶん論議されたところだと思う。これはやはり国がある点責任を持って進めるべき教育なんです。そうなりますと、これをただ単に地方の団体の仕事だというようなことで、地方財政全般について考えねばならぬ、その点はわかりますけれども、これは文部省が教育の責任を考えるならばもう少し思い切った考え方を持って前進させねばならぬ。そのあなた方の前進が、地方財政をそれだけまた豊かにしていくということもあり得るかもしれぬ。たとえば工業高校の施設に対しては、本年三十一億補助金が出ております。工業高校だけに補助金を出して、なぜ一般高校の必要なところに補助金を出すような処置ができないのか、こういうことも一般的には考えられるわけです。工業高校の三十一億という補助金、これは一体これでいいのか。御承知のとおり、これは皆さん方の指導かもしれませんが、いま各府県とも一般高校よりも工業高校の新設がどんどん要請されております。どこの府県でも工業高校新設に非常に力を入れておる。これは文部省の指導か産業界の要請か知りません。あるいは国家の要請か知りませんけれども、そういう動きが出ておるのは御存じのとおりでございまして、三十一億くらいの補助金で工業高校の増設を一体どれくらい見ておるかということになりますと、これは貧弱きわまるものですよ。工業高校だけにしか出せぬということになりますと、工業高校に思い切った補助金を出していただく、こういう措置も当然文部省として考えていただいていいのじゃないか、一般高校に対して補助金の道を開くという考え方もあると思うのです。そういう点、文部省がほんとうに高校教育について責任を持って考えてやるということになりますと、あなたの方でもう少し思い切った取り組み方が必要ではないか。そうなりますと、地方財政全般について考えるといっても、それにどうして一般財源をあてがうか、あるいは起債をどれくらい見ていくかということになりますと、先ほど私が心配しておるような点もだんだん解消されるのではありませんかね。ただこれを起債でやれとか地方の一般財源でやれ、高校はあなたたちの責任ではないか、府県の単独の仕事だということで押しつけようとしておいでになると大へんな問題が起こってくる。こういうことになりまして、私さっき心配するように、よく考えていただかなければ高校教育というものが停滞する、あるいは来年ある県では五つの学校をつくろうと考えておったけれども、もう二つしかつくらぬということになりますと、皆さん方がお立てになった全体計画がまたくずれていくということになりやしませんか。政務次官、この点についてあなたのお考えをお聞かせいただきたい。 〔高田(富與)委員長代理退席、委 員長着席〕
○田中(啓)政府委員 まことにごもっともな御意見でありまして、文部省といたしましては、御承知のように確かに事務的には工業高校のみならず、一般高校に対しても補助金を出そうということを考えたことはございます。種々論議の上、政府といたしましては一般高校に対してはもっぱら地方一般財源を補うところの地方債等で見まして、補助金を出さない、こういうことに方針をきめておりますので、いま私から一般高校のほうも補助金をあわせ考えますということを申し上げられる段階ではないと思います。したがって、その点はそうでございますが、御意見のとおりどの程度生徒を収容して高校教育をやっていくかということにつきましては、もちろん国は責任はあるわけであります。しかも一般的に非常に熱烈な入学の希望でありまして、先ほどからお話が出ておりますように、すでに予定したよりもはるかに、四%前後も多い入学になっておるというようなことでございます。実数で申しますと、おそらく百四、五十万になるかと思うのであります。そこで考えなければならないことは、実は一般高校を出ますればまず多くの者が大学に入学を希望するということになりまして、この波は、もういま入った者も三年後には大学に移る、こういうことになると思うのでございます。そしていま就職の状況を見ますと、御承知のように、中学に対する求人数は非常に多い。それから高校はその次であり、大学はその次である。また文科系統は少なく、技術系統のほうはいずれにしましても非常に求人数は高い、こういうことでございまして、私はこの教育をどうやっていくかということは文部省として必死になって考え、また対策を立てるべきときにきておると思います。したがって、高校そのものの教育のあり方につきましても、これだけの人数が高校教育を受けることになるということでありますと、一体いまの高校の教育内容がはたして妥当なものであるかどうか、国民の能力あるいはまた向上心というものを最大限に伸ばし得るような教育ができておるかどうかということも、私はまさに反省、検討すべき段階になっておると思います。一例を申し上げますれば、現在の高校教育の水準で現在の学科課程をやらそうといたしましても、それはなかなか理解が困難であるという生徒も非常に入っておるということも、これはどうしても私どもは研究しなければならぬ時期になっておると思います。わからぬことを三年間ただ教えておる、で済むものではないと私は思うのでありますが、そういうようなことをあれこれ考えまして、いま御指摘の点も十分ひとつ考慮に入れて今後の対策を誤りなく立てていきたい、それにはひとつ必死になって努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○川村(継)委員 御高説を拝聴いたしましたが、それらの教育内容等についてはここではいろいろお尋ねしないことにいたしまして、いずれ文教委員会等でまた御高説をいただきたいと思います。 政務次官、昨年の一月二十五日でございましたか、行政管理庁から「法令外負担金、寄付金等に関する行政監察結果の概要」というものが出されておりまして、各省にそれぞれその勧告内容が着いておると思いますが、政務次官はそれをごらんいただいたことがございましょうか。
○田中(啓)政府委員 私はまだ見た覚えはございません。
○川村(継)委員 実はこの内容をここで私が申し上げておると時間がありませんから申し上げませんが、ぜひごらんいただきたいと思う。私が先ほどから申し上げておるのは、率直に申し上げまして、文部省の予算の立て方、あるいはとり方といいましょうか、そういうような教育に対する財源の手当てが不十分なために、かけてはならぬ負担をかけてみたり、あるいは膨大なる寄付をとってみたり、そういうような形でいまの教育が進められておるということですね。ところが父兄たるもの、親たるものが、自分の子供の教育をすることですから、人からいわれるといやいやながらやはりその負担を出しておるわけです。言うならば、今日の義務教育にせよ、高校教育にせよ、そういう父兄の温情といいますか、そういうようなものにたよって教育がなされておるということがいえると思うのです。文部省はそれをえたりかしこしというか、それをあたりまえのようにして考えていただいては困ると私はいいたいのであります。そこでその行政管理庁の報告等によりましても、あなたのほうの、大学がその大学に付属する付属校の小学校、中学校の父兄の名前で、国立大学の教育学部のお金まで数千万円集められておる、こういう事例も指摘されておるはずです。そういうことをやらせてはならぬと私は思うのです。今日の財政秩序の確立というのは、実は私が率直に言うなら、文部省のほうでもう少し腹をきめて考えてもらわなければ、財政秩序の確立なんということは念仏に終わるということを申し上げたいのであります。何も文部省だけを責めておるわけじゃありません。これは各省庁、そういう傾向はどうしてもとれません。保健所をつくるときでもさあ寄付、裁判所をつくるときでも、さあ土地は寄付せい、こういうことで、地方の小さい都市などでは財源も豊かでないのに、幾つかのそういう国の機関、あるいは県の機関等に対する地元寄付、市町村負担がおっかぶさってまいりまして、たいへん財政運営に困難をしているのは、これは次官よく御存じのことだと思います。そこで文部省のほうとしても、この点は今年とは私は言いません、三十九年度の予算を考える場合には、せっかくこういう法律が出たんでございますから、高校急増対策の問題はもちろんのこと、いろいろな教育の予算についても、これはひとつ大いに努力してもらわなければ、この法律などというものが出ても、高校急増対策、あるいは一応明るい見通しが出て財政秩序の確立が軌道に乗るとしても、別のほうにまたたいへんなことになるのじゃないか、こういうことを心配しているのです。この点はひとつ次官のほうでも十分お考え置きを願いたいと思う。実は文部大臣おいでいただけばいろいろとそういう点をお聞きしなければなりませんが、大臣おられませんから、そういう点とあわせて一つだけお聞きしておきますが、ここの委員会でもおそらく問題になったと思いますが、例の国立高専の問題でございます。これはたいへん問題になりましたので御存じだと思いますが、文部省としてもあのままではいかぬとおそらく考えていただいているものだとは思いますけれども、これはこの前予算委員会でございましたか、私が大臣に、あれはどっちから考えても財政法違反じゃないかと言ったら、財政法違反とは思わぬ、こう言っておるわけです。ああいうことは明治以来続いているところの慣習だから、慣習に従っておる。こういう考え方では私は因ると思うのですよ。この制度調査会の答申にもこういうことがはっきり言われておるわけであります。「国の機関の設置等にあたって、その所要経費の一部を寄附金等の形式で地方公共団体に負担せしめたり、建物用地を無償提供せしめたりしている事例が跡を絶たない。例えば、昭和三十七年度から新設されることとなった国立の工業高等専門学校の用地等についても同様の事態の発生が問題とされている。こうような事態は、国がその行政事務を行なうにあたり、」私は次が大事だと思う。「それが特定の地域に恩恵を与えるものであるという旧来の考え方に支配されて、国民から付託された任務を国家的視野に立って適正に執行するという配慮に欠けていることによるものであり、また、その結果所要経費について充分な予算措置を講じないことに原因があると考える。」私はこの考え方を文部省に持っていただかなければならぬと思う。国立高専をこの地域につくるからその地域の子供がそこに入ってくるのではないか、だから利益がある、だから負担するのはあたりまえじゃないか、これは県立高校についてもあるいはその他の学校のことについても言えることですが、そういう考え方でやってもらうと、いつまでたっても財政秩序の確立などということはできないと思うのです。そういう意味から国立高専の問題等は、これは文部大臣がいろいろ言いわけをしておられますけれども、これは私はたいへんな考え違いだと思うわけであります。 そこで、政務次官御存じでなかったら管理局長御存じかどうか知りませんけれども、ひとつお聞きしておきますが、昨年度十二校国立高専をお建てになって、山口の宇部市の国立高専がちょっと問題になりましたね。あれはもういやだ、返上するというような騒ぎが起こったのですが、あれは次官どのように解決しましたか。
○田中(啓)政府委員 私その間の事情をよく存じませんので、管理局長から答えさせます。
○杉江政府委員 恐縮ですけれども、その辺の実態は大学局で扱っておりますので、私もよく承知いたしておりません。
○川村(継)委員 そうでございましたね。次官大体御存じだとは思いますけれども、宇部の国立高専は元国立の宇部工業短大を切りかえられたはずです。ところが、そのうちの施設整備費として地元負担が一億二千五百万円要求されたのですね。そこで、その一億二下五百万円のうちの三千五百万円が一般の寄付金、これでやろう。残りの九千万円を県と市が負担をする。そこで市は四千万円出したわけです。ところが県のほうがなかなかうまくいかぬ。一般の寄付もなかなかうまくいかぬ。そこで市のほうがおこっちゃった。何だ、一体国の学校をつくるのにおれたちが負担する必要はないじゃないか、そんな学校は戻せというようなことがあった。それからおそらくあれやこれや手を打たれて、この学校は発足しているとは思いますけれども、市が四千万円負担をしたこの事実。これは次官いかがですか。財政法違反ではないでしょうか、どうでしょうか。
○田中(啓)政府委員 正面からは、やっぱり負担ということになれば違反であろう、こう私も思うのです。(「裏はどうだ」と呼ぶ者あり)やむを得ないと思います。
○川村(継)委員 これは次官のほうが大臣よりもはっきりしておられると私は思う。大臣はこれは財政法違反じゃないと言う。ところが、私は、市がこのような形で負担したことは、これはもう何といっても財政法違反だと思うのですね。それが強制であろうとなかろうと、直接であろうと間接であろうと、私は違反だと思います。そこで、実は三十七年度の十二校の国立学校の内容を一々調べておるわけではありませんけれども、そういう問題が起こっておる。それから本年開校される十二校についてもそういうことが言えるわけです。そこで、これは大学局のほうで担当でございますから、こまかなことをお聞きするわけにまいりませんが、これはひとつ次官のほうで担当者に次のようなことを申しつけておいていただきたいと思う。三十七年度開校の国立高専は何年計画でそれが完了するのか。あれは五年完了でございましたね、生徒が卒業するのは。何年間でそれが完了するのか。三十八年度の開校された国立高専についても同様、何年で一つの学校が完備するのか。そのうらで施設費あるいは土地購入の費用、そういういわゆる事業の細目別の年度計画、そういうような資料、また地元に幾らの寄付負担を仰いでおるのか。その地元の負担はいわゆるトンネルといいましょうか、期成会をつくらせて、期成会の名前で募集をして、そうして土地を提供したりなどと、なかなかうまいことを今度やっておられるようです。そういうような形で幾ら地元に負担を求めておるのか。そういう一切の事業計画内容を、昨年度分、この昨年度のやつは、ことし、来年度と続いていく。ことしのやつも、ことし来年度と続いていくと思います。そういう資料を、文部省の担当のほうで計画されたものを、この地方行政委員会に提出していただくようぜひ申しつけていただきたい。私は、その資料をいただいて、われわれが調査している資料と照らし合わせながら、またいずれあらためてこの国立高専の問題についてはお尋ねをしたいと思うわけであります。 これは、この際次官にひとつお願いをしておきますけれども、荒木文部大臣に、地財法違反を犯してはいない、明治以来の慣習だから慣習に従ったまでだ、こういうような考え方を切り捨てて、国立学校は国の責任においてりっぱにつくり上げる、そういうように努力を願いたい、地方行政の委員の一人がそんなことを強く要求しておった、そういうように考え方を切りかえてもらいたい、そのように話をしておいていただきたいと思います。そうして、いずれまたいまお願いをいたしました資料やわれわれの方で調査をいたしております資料等に基づいてお尋ね等をしてまいりたいと思っておるわけでありますが、要するに、いまここに提案されております財政法の一部改正は、いわゆる財政秩序の確立、適正化を目ざして、高校の施設について市町村や住民が負担をすることはいけない、こういう規制をしようというわけであります。これだけでは、ほんとうは十のうちの一つくらいのいい方向だと思っております。国立学校の目的を先ほどのような形でやっていきますと、これはたいへんなことですよ。国立学校の生徒はその付近の者が入るだろうと思って荒木文部大臣の地元でございます九州の大牟田に今度できました。ところが、地元の者はほとんど入学しておりません。ずっと遠方から勉強のできるやつが入っておる。これは当然でしょう。そのはずです。そういうような考え方でいったら、地方制度調査会のこの現在いただいた答申の趣旨など全く踏みにじっているわけですから、この点はぜひひとつお考えをお願いをしておかねばなりません。 自治省の政務次官にお尋ねをしたいと思いますけれども、皆さん方の非常な御努力でこのように地方財政の秩序が確立の方向に大きく踏みだしておることは、たいへんありがたいと思いますけれども、実際はなかなかこういうのがうまくいかぬ。そこで私たちは、こういうような財政法がちゃんとあるから、それをほんとうにまっ正直に解釈をして運営するならば、こういう心配も起こらぬと思いますけれども、こういう法律規制をしなければならぬことになってきておる。ところが、そのほか幾多の問題でやはり国の仕事に対して負担をする、あるいは県が市町村に負担をかけ、住民からどうも理屈に合わぬような余分の寄付金を徴収するということはあとを絶たないと私は思っておる。そこで次官とされましては、いま提案されております法案だけで一体目的が達せられるかどうか、私たちはやはり財政の秩序をもう少し大きく立てるということが大事じゃないかと思っておりますが、その辺について次官のお考えを聞かせておいていただきたいと思います。
○藤田政府委員 御指摘の点は大体同感でございますが、自治省としましては、昭和三十八年度の地方財政計画の基本要綱を策定するにあたりまして、数項目を決定したのでありますが、その中に特に地方財政秩序の確立という一項目を強く掲げまして、地方財政秩序の確立の一端として今回の法案の御審議をお願いしておるわけでございます。これによって直ちに長年の、あるいは人によっては慣習と思える、あるいは当然化されておるような現実を一挙にくつがえすことはなかなか困難と思います。しかしながら、地方財政の秩序が乱れておるのを順次是正するというムードをつくるという効果は、相当あるのではないかと思います。また、こういう法律ができました上でなおさらなかなか守られないというような現実が起きました際におきましては、交付税の配分あるいは地方債の査定等にあたりまして、事務当局では十分考慮するという事態を起こすこともやむを得ない、このように考えておるわけでございます。
○川村(継)委員 次官、私が申し上げることがどうも俗っぽくなるのでございますけれども、皆さん方の指導で、たとえば財政法にはこう規定してある、だから国のこういう施設に対して寄付をしてはならぬ、負担をしてはならぬ、こういう指導をなさっても、私はなかなかうまくいかぬと思う。やはり地方の団体は、自分の町に一つの国立学校ができるとなりますと、何かすばらしいものがやってくるという飛びつきがある。そのほかの官庁のいろいろの施設についても同様のことが言えると思う。皆さん方が、いわゆる地方財政の確立という立場から、財政秩序を適正にしなければならぬという考え方から、寄付をしてはならぬぞ、寄付をやめなさいと指導をなさっても、なかなか効果はあがらぬ、十分ではないと私は思う。そこで、農林省でもあるいは文部省でも建設省でも、こういう国の中央官庁のやり方を何とか規制をする、絶対そういうことをやらせないという方途を見出していただくことが大事じゃないかと思います。国立高専のことばかりを言ってたいへん恐縮でございますけれども、国立高専でもそうでございましょう。国立高専をつくるぞと文部省が上げる、そうするとたくさんの要望が出てくる。要望が出てきて、どこが一番いいか、どこが一番負担してくれるか、そうしてちょうどえさでつるようなかっこうで、ものすごい陳情を起こす。学校を一つつくるのに何十回地元の者が陳情に来るかわかりません。そうしてあれやこれや、それに政治的な何とかも加わって、そうしてどこにときめられる、こういうかっこうになっている。一番悪いやり方だと私は思う。国が国立工業高等専門学校をつくるにはどの地域が一番よろしいというちゃんとした計画を持っておれば、何も地元の陳情を呼び起こしてみたり、誘致運動を助長するようなことをやらなくてもいけると私は思う。県立高校にしてもそのとおりなんです。工業高校を三つつくりたいと思う、こういうふうに知事さんがアドバルーンを上げる。そうするとあちこちから、つくってくれと盛んに陳情が来る。私のほうは敷地を出します、そうすると、いや、私のほうは敷地だけでなくて敷地のほかにこれこれの負担をしましょう。そうして負担の多いところに持っていかれる、こういうことになる。これは教育委員会がいわゆる高校教育を進める上について、どういう地域に一番隘路があるか、だからどこに高等学校をつくらなければならぬという確たる定見を持たずにやっていくところにこういうやり方が生まれてくるわけですね。これはほかの官庁についても同様だと私は思う。そこで、何とか中央の官庁がそういうことをやらぬようなすっきりしたところの対策というものができないものかどうか、これは次官、いかがでございましょう。
○藤田政府委員 非常にむずかしい問題でございますが、私は、根本的には、やはり大蔵省の予算編成の実態というものに根本的なメスを入れる必要があるんじゃないか、もともと少ない財源で多くの公共事業を計画するという無理もありましょうし、いろいろ予算編成権ということの本質にもさかのぼってこの問題は検討する必要があると思いますが、要するに、国民の民主的な自覚とそれから政府の財政措置の適正化、両々相まってこういう悪風を是正していく、そのためには、政府としましても、予算編成の本質まで再検討する、こういうことが必要ではないかと考えておるわけでございます。
○川村(継)委員 これで私のお尋ねを終わりたいと思いますけれども、いまも申し上げましたように、国にはちゃんとそういうような問題について規定をした財政法がございます。また地方財政法にもそういう意味の規定はあるはずであります。地方財政法にも、これはもちろん言うまでもなくはっきりと規定をしております。特に、地方財政再建促進特別措置法には、いまのような問題が明記してあるわけでございます。あるいは先ほど申し上げましたように、閣議では、官公庁に対するところの寄付金等の抑制に関するこういう閣議決定もなされておる。先ほど申し上げました行政管理庁の勧告も出ておる。いろいろあらゆる施策、そういう法的手続はとってあると思いますけれども、なかなかうまくまいらない部面がやはり出てきておる。幸い今度のこの法改正で、国も、あるいは県も市町村も、それぞれが財政法の趣旨とするところをよく理解して、財政の秩序の適正化について全部が努力することを念願するものでございますけれども、先年の財政法の改正で義務教育のいろいろの規制もなされました。給食婦の費用などをPTAに負担させてはならぬ。しかし、今日やはりPTA負担の給食の従業員、事務員と申しますか、そういうのはまだたくさんある。問題が一朝に解決されるような状態にはなかなかございませんから、ひとつこういう法の運用を正しくすると同時に、もう一度、自治省のほうでは地方財政確立、地方財政の秩序を適正にするための方策というものが、高い次元において打てる方途が見出されるならば打ってもらう、行政管理庁あたりで打つべき手が妥当であれば、そういうところにも働きかけていただくというふうに御努力を願いたいと思います。 いろいろお聞きしたいこともございますけれども、一、二お尋ねいたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○松井(誠)委員 いまの点に関連をしまして一点だけお伺いをいたしたいと思うのですが、それは今度の改正案がこれからどういう形で実効を確保できるかというその問題につながるわけでありますけれども、いまも川村委員からいろいろ御質問がありまして、その中でも触れられておりますけれども、この現行地方財政法の二十七条の二あるいは三にも同じような趣旨の規定があるわけです。そこで、このような二十七条の二あるいは三の規定の実際の運用の状況というものがどうなっておるのか。私らの目や耳に直接触れる機会の多いのは、いま川村さんからもお話がありましたたとえば学校の給食婦の問題なんかですけれども、やはりこういう規定があるにかかわらず、実質的には市町村の職員であるけれどもPTAなりなんなりが経費を負担するという形で、市町村の職員だということを避けて、やはり実質的には市町村の職員であるけれども税外負担という形で、この二十七条の三というものがしり抜けになっておるという事例が非常に多いわけです。ですから具体的に、全般的に何か資料でもおありになっておればお伺いをいたしたいと思いますけれども、この二十七条の二あるいは三に現実に違反をしておるような事例は、一体どれくらいあるものか。そしてそういうものに対して、この法律の規定を実効あらしめるために、具体的には自治省はどういう手を打ってきたか。そしてそれにもかかわらず、現状はどうなっておるのかというようなことにつきまして、奥野局長からお伺いをいたしたいと思います。
○奥野政府委員 二十七条の二と二十七条の三は、昭和三十五年に追加した規定でございます。税外負担の現状というものをこの数年毎年度調査をいたしております。この規定が効力を持ちました年度におきまして、従来、道路とか河川とかの工事費につきまして市町村に転嫁しておった金額が、数十億円にのぼっておったわけでございますけれども、この規定が効果を示しました年から完全にそれはなくなりました。やはりこの規定が非常に効果を示しまして、市町村のほうに無理に押しつけられておった負担が、完全に排除されたわけであります。二十七条の三の規定は、これは政令で範囲をきめているわけでありますけれども、市町村の職員費と小中学校の維持修繕費について住民への負担の転嫁を禁止しておるわけでございます。やはりこの規定につきましても、そういうものについて住民の負担を求めないというような態度になってきていると思います。 従来、学校の給食婦などにつきまして、PTAなどに負担をさしておった。それが市町村職員の身分にある者について負担の転嫁を禁止する。将来ははっきりした姿に持っていきたいという気持を持っておるわけでありますけれども、そういうものにつきまして若干の団体におきまして、この転嫁関係をめぐって問題が起きたことがございます。問題が起きたということは、自然この法律に違反をする。したがって違反をしないような措置をとるべきであるということでございまして、私はこういう効果が漫然とそのまま、違反されたままになっているという姿はないのじゃないかと思う。少なくとも若干問題が起こってきて、そこで正しい運営に乗せるべきだ、乗せられないというような経過的な欠陥はこれはあろうと思いますけれども、やはり府県なり市町村のことでございますので、法律で明示された線には当然従うようになってまいる、こういうように確信いたしているわけでございます。税外負担のそういう数字につきましては、前の委員会で私は配付をしたのじゃなかろうかと思いますが、そういうことは数字的に明らかになっていると思います。
○松井(誠)委員 二十七条の三のほうで、現実にはやはり税外負担が実質的に残っておるのが多いのじゃないかと思うのです。その中でもいま例にあげられた学校の給食婦というのは実例としては一番多い。この場合なんかも住民のほうではいろいろ抵抗しようとするわけです。これは当然市町村が持つべきだという形で抵抗しようとしますけれども、自治体のほうでは金がないということになりますと、その住民の抵抗というものも限度があるわけです。そこでいまのように形式的には市町村の職員だという形をとれば、これは正面から違法になる。したがって市町村の職員だという形式をとらないで、PTAがいわば雇っておるという非常に不安定な身分で、この法律を回避しようとするわけです。そうしますと、言ってみればPTAのボスにその給食婦の身分が握られる、そういうことも出てきますし、給与の関係その他も非常に低く押えられるということになる。そのような具体的な問題がおそらくは全国的に相当多く起きたと思うのですけれども、そういうものについて具体的に自治省がどういう指導をして、結局どういう形で解決をしておるのか。あるいはしてないとすれば、いまの局長の御答弁では、経過的には混乱はあったけれども、大体落ちつくところへ落ちついただろうというようなお話でしたけれども、これは違法だから何とかしろという程度のいわば指導勧告ということ以外にはないかもしれませんけれども、自治省としてはやろうとされないのか。どういう具体的な手段をとって、それが現実にはどうなっているか、給食婦の問題だけに限ってもよろしゅうございますけれども、もう少し詳しい実情というものについて……。
○奥野政府委員 私たちは一片の法律規定だけで問題を済まそうという気持はさらさらございません。地方財政計画の上で考え方を明らかにいたしておりますし、またその地方財政計画に基づきまして、地方交付税の基準財政需要額の算定にあたりまして、その部分の経費を増額するというような措置をとってまいってきているわけでございます。いままでは住民から求めておった。今度は市町村の財源で支払っていかなければならない。そうなりますると、市町村の財源にそれだけのものを追加しなければならないわけでございます。したがいまして、こういうような規定を設けまするつど、小学校の維持修繕費を増額する、あるいは給食関係の経費を増額するというような措置をとってまいってきておるわけでございます。とってまいりました数字は、そのつど当委員会におきましても御説明申し上げておるつもりでございます。給食も、文部省におきまして学校教育の内容の一つとして、高く評価されておるわけでございますし、そういうような文部省の態度とあわせまして、地方財政上の措置も順次強化してきてまいっておるわけでございます。今後におきましてもそういう態度で考えてまいりたい、こう存じております。
○松井(誠)委員 このような法律が実際の運用の面において、かりにしり抜けになったとしても、言ってみれば、このような規定をてこにして交付税をふやすというような作用はあるだろうと思うのです。しかし、そればかりをこの法律運用に期待するというわけではなしに、やはりこの法律が適正に運用されるということも期待していただかなければならぬと思う。そうしてその期待をするためには、自治省のそういうような強力な、いわば法に基づいた指導をもっと強化していただければ——実は私も給食婦の問題は、現実にまだ残っておるところがあることを知っておるわけです。それはいま言いましたように、市町村の職員ではない、形式的には市町村の職員という形はとらない。PTAがいわば私的に雇っておるという形をとっておるだけに、正面からこの規定にぶつからないという形で、事実上その脱法行為的なことをやっておる。そういう実情を自治省は御存じだろうと思う。そういうものについて、やはり具体的な指導を通じて、そうして現実にそれが交付税で見ておられるとすれば、このような態度はなるべく早急にやめさせるという指導をさらにしていただきたいと思いましてお伺いをするわけですけれども、いま、繰り返しますが、その給食婦の問題についておそらく一番問題が多いとすれば——それが実際先ほどの局長のお話では、大体片がついたのではないかといういまの御答弁、やはり全国的にはそのように理解してよろしゅうございますか。
○奥野政府委員 給食を、どういう態度で小中学校で行なわさしていくかという問題にからんでくるだろうと思います。これは文部省からお答えしていただいたほうがよろしいかと思うのでございますけれども、御承知のように、ことしから少なくともミルク給食は全校に実施さしたい、こういうようなことで努力されておるようでございます。また部分的にはそういうような奨励的な段階にもあるわけでございますので、そういう姿にある限りにおいて、別な協力団体があり、その協力団体を通じて給食を行なっていくという姿がありましても、直ちにそれをもって違法だとは言い切れないと思うのでございます。先ほども申し上げましたように、給食というものが学校教育の一部分として非常に高く評価されてまいってきておるわけでございますので、漸進的にこれを強化しながら、それにあわせまして財政措置も強めていく。同時に現に給食婦の負担をめぐって起こっておるような問題を、将来はっきりさせる方向に持っていかなければならない、こう思っておるわけでございます。給食婦の負担を、身分的にも財政的にもいま直ちに切りかえなければ穏当でないと、強い態度をとることができるかどうか、若干疑問ではなかろうか、こう思っておるわけでございます。将来の方向としては、私たちはいま申し上げたような方向で国として努力をしていくべきものだろう、こう存じております。
○太田委員 関連してひとつお尋ねいたしますが、先ほどからのお話から、この地方財政法の改正の力点は大体わかったのですが、さてそれじゃ、この財政法改正によって、県がいままで市町村に負担せしめた、住民に負担せしめておりましたお金を自己負担ということになりますと、その財源が相当窮屈になると思うのです。そこで財政法第五条によりますと、負債を起こし得る場合というものは一つの制限がありまして、標準税率以上でなければならないという一つの条件があるのですが、私どももこれを府県が市町村に転嫁させなくなったために、高校増設その他の費用に窮屈を生じた場合におきましては、これは負債を認めるべきではなかろうかと思うのです。この改正と起債との関係はどうでございましょうか。
○奥野政府委員 いま御指摘になりました条文は、標準税率以上の課税をしていなければ起債の能力がない、こういうことでございます。能力があれば全部地方債を起こせるかといいますと、そうじゃございませんで、資金との関係において、許可を得なければ起債できないというたてまえになっておるわけでございます。それじゃ今度の地方財政法の改正とからんで、どういうふうな地方債の運用をするかということでございますけれども、たとえばいままでは市町村に土地を提供させておった。それが提供させられないので、府県としては借金をしたい。そういう場合には私たちは土地の購入費に関しましては、全面的に地方債の許可をしていきたい、こういう考え方を持っておるわけでございます。言いかえれば、負担転嫁をしていたのをやめていく場合に、やめやすいような地方債の運用を配慮していく、こういうことでございます。しかし基本的には高校急増対策につきまして、一応整備計画をつくり、一〇〇%それに必要な財源措置をしておるわけでございますので、理論的には負担転嫁しなくてやっていけるはずじゃないか、こういうことが言えると思うのでございます。しかし今後の推移も十分見きわめながら、負担転嫁の排除規定が十分実効をあらわせるように財政的な配慮もしていくべきだ、こう考えております。
○太田委員 それは、全面的に土地購入費などは地方債を認めていくというお考えであるなら、地方としては安心すると思います。それから高校建築費につきましては、あらためて財政計画の中において、そんなに地方が困らないように財政上の措置は講ずるとおっしゃれば、これまた安心する。ただ負担は転嫁せしめてはいけない、自己で負担しなさいといって、そのあとの財政の、いわゆる財源が不足した場合の措置にもしも配慮がありませんと困ると思いましたのでお尋ねしたわけでありますが、それは安心していいわけですね。——わかりました。 それからもう一つは、その地方債の税率でありますが、郵便局に行きますと、よくこういうことが書いてあるのですね。これは郵便年金ですか、郵便貯金の宣伝でしょうか、この資金は住宅、学校、上下水道など国民生活を豊かにするために使われます、と書いてある。したがって、郵便貯金をする、郵便年金に加入する、簡易保険に加入する、そういうのがみな学校の建築費等に使われますということになっている以上、そういう政府資金の出し方というのは、学校建築費など、あるいは公共的な性格のある公営企業等には、主として政府資金をもって充当する、いわゆる六分五厘だ、これで認めていくのだということに相なるだろうと思うのですが、縁故債にしますと約八分以下じゃちょっと無理だろうと思いますし、それから市場資金にしましても、大体七分から八分までの間でありますから、少々金利が高いので、郵便局にある掲示宣伝文のように、学校の建築資金などが不足した場合の地方債は、すべて政府資金をもって充当し、六分五厘だということ、あるいはまたついでですけれども、公営企業などもそういう精神で資金案分をしていただきたいと思うのですが、それは期待してもよろしゅうございますか。
○奥野政府委員 あとう限りお話の趣旨に沿うように努力をしてまいりたいと思います。
○太田委員 けっこうです。
○山口(鶴)委員 一点お尋ねしたいと思うのですが、先ほどの川村委員の質問に対するところのお二人の次官の御答弁でございますけれども、行政管理庁の勧告、報告について、文部政務次官が全然それは知らぬ、見たこともない。そういうきわめて人ごとのような言い方をされておるのでございますが、私非常に遺憾だと思うのであります。次官といたしまして、詳細に目を通すいとまがなかったということは、これはもちろん事情としてあろうと思いますけれども、しかし少なくとも税外負掛の問題がいま大きな問題になり、しかも国会に地方財政法の一部改正というものを提案しようという時期、しかも国立高専の問題については、国会でも幾たびか議論になった問題でありますと同時に、地方制度調査会もその答申の中で強くうたっている問題であります。これと関連する問題で、同じ政府部内の行政管理庁の勧告、意見というものについて、そういうものは知らぬというような御態度では、私はきわめて遺憾に思うわけでございます。今後こういう重要な問題についてはどう対処せられますか。この点のお考え方をひとつお聞かせいただきたいのが第一であります。 第二は、自治政務次官の藤田さんにお尋ねをいたしたいと思うのですが、この法律の運用をやっていくという場合には、なかなかむずかしい、ムードづくり云々というお話をせられました。私は法律改正を提案せられる以前においては、ムードづくりで大いに税外負担解消の運動をせられるのはいいと思いますが、法律がいよいよ提案せられて、これが施行されようという時期に、やはりムードづくりというような何か安易なものであってはならないのでありまして、いよいよ法令が適正に運用されるというときには、厳然たる態度で臨んでいかなければならぬと思うのです。この点に対する考え方をあわせてお聞かせいただきたいと思います。
○田中(啓)政府委員 行政管理庁の勧告は、私、実は知りませんでしたので、正直に申し上げたわけでございまして、まことにおそれ入っているわけでございます。そのような重要な文部行政の運営について、いままで知らずに過ごしていたということは、はなはだどうも申しわけない次第であります。 なお、今回の地方財政法の改正につきましての心がまえといたしましては、私はいままで下級公共団体あるいは直接住民に負担をかけた最大の原因は、何よりも施設基準の不備からきておると思っております。結局、児童一人に対してどのような設備を要するかというような基準も、まことに実情に沿わないものになっておりますし、またよく言われます構造単価等につきましても、これは施設基準でございませんで、予算の立て方でございますが、これははなはだ不備であるということを考えますので、これらの改善にひとつしっかり努力をいたし、三十九年度予算についてはこれを実現いたしたい、必要な法律も改正いたしたい、かような決心で進んでおる次第でございます。
○藤田政府委員 私の答弁のことばがちょっと適当でなかったかと思いますが、この法律が提案されるまで相当苦心しまして、それで現実は相当深刻であるということもわかったわけでございますが、それだけに幸い御採決を願いまして通過しました際におきましては、全力をあげてひとつ厳正な態度で法の実施に当たることもちろんでございますとともに、それを裏づけする財政資金、たとえば去年十二月一日発足しました共済資金等も思い切ってこの方面に回しまして、法律を厳正に実施する、反面の財政措置も十分ひとつ配慮してまいりたい、このように考えております。
○永田委員長 他に質疑はありませんか。——なければ本案についての質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○永田委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたしたいと存じます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。 地方財政法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○永田委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 おはかりいたします。ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十一分散会