地方行政委員会 第9号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/21
会議録
○永田委員長 これより会議を開きます。 去る十九日付託になりました内閣提出の地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。篠田自治大臣。 —————————————
○篠田国務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と要旨を御説明申し上げます。 地方税につきましては、従来、累次にわたる改正により、住民負担の軽減合理化をはかって参ったのでありますが、引き続きできる限り、住民負担の軽減合理化に努める必要があると存じます。ただ、地方財政の現状は逐次好転して参っておりますものの、地方行政の水準はなお低く、その向上をはかることは国家的見地からも緊要とされておるのでありますが、明年度の税収入には大幅な伸びを期待することが困難な状況にあります。従いまして、明年度の地方税制の改正につきましては、このような地方財政の実情を考慮して、国で必要な財源措置を講ずることとし、電気ガス税及び国民健康保険税の軽減をはかりますとともに、その他税負担の均衡化、合理化のため所要の改正を行なうことといたしたのであります。 また地方税の徴収制度につきましても、社会の進展と従来の運営の実情とにかんがみ、国税の改正に準じて、納税義務の円滑な履行と税務行政の合理的運営に資するため、所要の改善合理化を行なうことといたしました。 まず、地方税負担の軽減合理化に関する改正につきまして、その概略を御説明申し上げます。 第一は、電気ガス税及び市町村たばこ消費税についてであります。 電気ガス税につきましては、住民負担の軽減をはかる趣旨から、昨年に引き続きその税率を一%引き下げて八%とすることとし、これに伴う減収を補てんするため、国からたばこ専売納付金の一部の移譲を受けて、市町村たばこ消費税の税率を一・四%引き上げ一三・四%にいたしました。 第二は、国民健康保険税についてであります。 低所得者層の国民健康保険税の負担を軽減するために、国の財政措置と相待って、本税の納税義勝者及びその世帯貝の所得の合算額が一定額以下の場合には、被保険者均等割額または世帯川平等割額を減額することといたしました。 なお、国民健康保険税の標準課税総額につきましても、療養の給付及び療養費の総額から一部負担金の額を控除した額の百分の七十五に引き下げることといたしております。 第三は、固定資産税についてであります。国民健康保険組合及び国民健康保険団体連合会の保健施設及び農林漁業団体職員共済組合の病院、診療所、保健施設について固定資産税を課さないこととしました。 また、鉄軌道用地及び鉱業用坑道につきましては、これらの固定資産の特殊性にかんがみ、評価基準の合理化を図って固定資産税の負担の軽減を行なうことといたしております。 第四は、不動産取得税についてであります。農林漁業団体職員共済組合病院、診療所の用に供する不動産については不動産取得税を課さないこととし、また、中小企業工場集団化のため事業協同組合等が不動産を取得して組合員に譲渡した場合における事業協同組合等に対する納税義務免除の期間について合理化をはかることといたしております。 第五は、狩猟免許税及び入猟税の創設についてであります。 最近における野生鳥獣減少の傾向にかんがみ、野生鳥獣の保護を強化し、狩猟の適正化をはかるため、別途狩猟法の改正が行なわれることとなっておりますが、この改正に関連して、地方税制におきましても一現行の狩猟者税を廃止し、新たに狩猟免許税及び入猟税を設けることといたしました。 狩猟免許税は、狩猟免許を受ける者に対し、免許を受ける都道府県において課することとし、その税率は、甲種または乙種狩猟免許については十五百円とし、そのうち、道府県民税所得割の納税義務を有しない者には七百円とし、また、丙種狩猟免許については四百五十円としております。 入猟税は、鳥獣の保護及び狩猟に関する行政を積極的に推進するための目的税として設けるものであります。狩猟免許税と同様、狩猟免許を受ける者に対し、免許を受ける都道府県において課するものでありますが、その税率は、甲種または乙種狩猟免許については千円、丙種狩猟免許については三百五十円とし、狩猟免許税とあわせて徴収することといたしております。 以上のほか、他の法律の改正等に関連して、税負担の合理化を推進するため所要の規定を整価することといたしております。 今回の地方税負担の軽減合理化に関する改正による減税額は、電気ガス税五十二億円、国民健康保険税四十二億円及び固定資産税三億円並びに国税改正に伴う減税十六億円で合計百十二億円でありますが、さらに昨年改正が行なわれました市町村民税の準拠税率の引下げが昭和三十八年度から実施されます結果、これによって百三十億円の減税が行なわれますので、昭和三十八年度の地方税の減税規模は二百四十二億円となる次第であります。しかしながら前に申し上げましたように、国からの税源移譲による市町村たばこ消費税の税率の引上げ、国民健康保険税の減額にかかる国庫負担金の増加並びに狩猟者税の改正に伴う増収がありますので、差引百四十七億円の減収となります。 次に、地方税徴収制度の改善合理化に関する改正につきまして、その概略を御説明申し上げます。 第一は、延滞金及び各種加算金の軽減合理化についてであります。 延滞金及び延滞加算金につきましては、この両者を統合して延滞金とするとともに、現行の日歩三銭または六銭を日歩二銭または四銭に引き下げることとしました。 次に、不申告加算金につきましては、現行では申告遅延の期間に応じて一〇%ないし二五%となっているのを一律一〇%に改め、また重加算金は現行五〇%を三〇%に引き下げることといたしました。 第二は、地方税の賦課権の期間制限についてであります。 地方税の賦課権を行使することができる期間につきましては、従来特別な規定がなく、地方税の徴収権の時効期間である五年間と同様であると考えられていたのでありますが、これを徴収権の時効と区別し、原則として法定納期限から三年間としたものであります。なお、住民税及び事業税は国税の所得税または法人税と関連を有しますので、これらの税が確定したときから二年間賦課権を行使することができることとする等、必要な特例を設けております。 第三は、納税手続の改善合理化その他規定の整備についてであります。 納税者の納税の便宜を主眼とし、また徴収事務の合理化をはかるために、災害の場合の申告期限等の延長、申告書等の提出についての到達主義の緩和、地方税に関する端数計算方法の合理化等、制度の整備改善を行なうことといたしております。 なお、この法律案の施行につきましては、地方税負担の軽減合理化に関する改正は公布の日から施行することとし、地方税徴収制度の改善合理化に関する改正は地方団体の事務の実情を考え、その円滑な実施をはかるために、原則として、本年十月一日から施行することといたしております。 以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお順い申し上げます。
○永田委員長 以上をもちまして、提案理由の説明は終わりました。 なお、本案についての質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○永田委員長 次に、奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。太田一夫君。
○太田委員 最初、復興計画の問題について、ちょっとお尋ねをいたしたいのでありますが、先回復興計画についての進捗率の問題についての御説明がありましたが、実は現実の復興達成率というのは、一〇〇%でないことが明らかになったのであります。従いまして、概括いたしますると、復興計画を当初の奄美群島復興特別措置法のこの精神に基づいて、これを完成させるということになりますならば、三十八年度で終了するということは、これはやはりよろしくないものであるということが明らかになると思います。従って、現在の実績、復興群業の進捗率から見まして、自治省といたしましては、今後どのくらいの間復興の特別援助を続ける必要があるか、こういう点について何かお考えがありましたら、この際伺っておきたいと思います。
○佐久間政府委員 復興十カ年計画の進捗の状況につきましては、先金の御指摘の通りでございまして、私どもとしてはなお引き続き継続をしていく必要があることは前回も申し上げた通りに存じております。ただ、これをあと何カ年くらい継硫したらよいかということにつきましては、奄美復興審議会等の御意見も伺いまして、十分周到に検討をして参りたいと存じておるわけでございまして、ただいまのところ、何年ぐらいまでと申し上げるところまでまだ検討はいたしておりません。
○太田委員 しからばさらに引き続いて、この趣旨にのっとって積極的な復興措置を講ぜられるよう希望をいたしますが、さらに復興計画の進捗のパーセントのみにあらずして、その具体的の内容の点に至りますまで深く御検討いただきたいと思うのであります。せっかくの資金が、あるいは援助措置が、他の営利卒業ないしは島民の復興にならない向きに流用されることのないよう、決算面においても目を注いでいただきたいと思います。 それに関連をして、ちょっと漁業のことにつきましてお尋ねをいたしたいのでありますが、従来奄美の周辺には、非常に鯨がたくさん押し寄せまして、島民の生活を潤すこと非常に大なるものがあったというのでありますけれども、このごろは全く鯨がとれなくなりました。どうしてとれないのかと思うのでございますが、実は日東捕鯨とか大洋漁業がそれを捕獲しておる。日東捕鯨、大洋漁業は日本の会社でありますが、この二社が中心となってだいぶ乱獲をいたしておるといううわさでありますが、その点はいかがでありますか、何かお調べがありましたら承りたいと思います。
○佐久間政府委員 鯨の最近の状況につきましては、奄美の支庁長から聞いておりますところでは、昨年の二月に、近海におきまして漁獲がございましたが、その後は鯨の周遊を発見していない状況に伺っております。
○太田委員 これはいかがなものかと思いますが、国際捕鯨条約によりますと制限があるはずです。日本近海におきましても捕鯨には制限がある、その制限はどういうことになっておりますか。
○佐久間政府委員 国際捕鯨条約の点につきましては、私ども所管でございませんので、なお関係省によく照会いたしまして研究させていただきたいと存じます。
○太田委員 鯨の問題につきましては、実は農林省をお呼びしようかと思ったのでありますけれども、奄美群島の復興措置法の主管が行政局にあります関係上、自治省にできるだけいろいろなことを御認識いただいて、適正なる指導、対策を講じていただきたい点から、特に私ども佐久間さんにお尋ねするわけですけれども、これは農林省にまかせるのには、先回の農林省の政府委員、園芸局長さんでしたかの御答弁などにあります通りに、サトウキビなどにいたしましても、青葉売りの実態に対して御認識がないという点から考えまして、いかに奄美が視野の外にあるかということは明らかなんです。これを真実に考えておるのはこの際自治省しかないのだ、こういう自負があなたたちにあってもいいのではないかと私は思う。鯨が昨年二月に来たのをとったという実績がありますが、二月というのは、国際捕鯨条約からいうたら、捕獲禁止期間じゃありませんか。それは御承知ですか。
○佐久間政府委員 大へん恐縮でございますが、その点まだ確実に調査をいたしておりません。
○太田委員 佐久間さん、あなたは行政局長として非常に治績をあげて、そのまじめさをもって高く評価されておるのでありますが、鯨ももう少し勉強して下さい。鯨というのは目の中に入らないような魚じゃありませんから、もう少しよく見つめていただきたい。二月にとったということそのものが国際捕鯨条約違反である。けれども、これは琉球政府の旗を立てた船がとるのですから問題が起こらないのであります。琉球政府の旗を立てれば、日東捕鯨だろうがあるいはまた大洋漁業であろうが合法的にとれるというところに、島民の生活を大きく圧迫していたのです。二月、三月なんという冬には、暖流に乗りまして鯨が奄美の港の近くまでどんどん入ってくるのです。ですから、今まで奄美群島の人たちは、この捕鯨によって非常に潤っておったのであります。国際捕鯨条約を日本が守り、琉球政府も守っておるということならばいいのです。この国際捕鯨条約の盲点が今島民の生活を圧迫しておるのが琉球政府の旗を立てた日本の漁船が乱獲していたという点について、皆さんは十分御検討いただきたい。これは島民の生活を潤すこと実に大なる財源であったということを、あなたたちが御認識いただくことが大事な点だろうと思うのです。その点についてはようございますね。国際捕鯨条約によると、六月以降でないととれないことになっておるのです。そういう点など御研究いただいて、漁業の面から見たところの島民の生活の問題について、十分御検討いただきたいと思いますが、あなたの方でやっていただけますか。農林省でなければいけませんか。
○佐久間政府委員 奄美島民の福祉の向上にも役立つことでございますし、私どもといたしましても御指摘の点は積極的に検討して参りたいと思います。なおまた関係省ともよく連絡をとりまして、研究をして参りたいと思います。
○太田委員 そういうことで御研究いただいて、ぜひこの問題については認識を深めていただくことを要望いたします。 先回の委員会で申し上げましたけれども、産業の各分野にわたって、事業復興率という点から言えば、当初の目的がだいぶ完成に近づいておるのではありますけれども、島民の生活復興率ということから見れば、水準向上という観点から見ますと、これは必ずしも所期の目的は達しておられない、こう思いますので、一そう経済発展と同時に、島民の生活水準の引き上げという点に重点を置いて、今後策定していただきたいと思います。
○永田委員長 他に質疑はありませんか。——他に質疑もないようでありますので、本案に対する質疑はこれにて終了することといたします。 —————————————
○永田委員長 これより本案を討論に付する順序でありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 これより採決いたします。奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○永田委員長 星立総員。よって、本安は原案の通り可決すべきものと決しました。 —————————————
○永田委員長 この際、高田富與君、太田一夫君及び門司亮君より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動機が提出されておりますので、本動機を議題とし、その趣旨の説明を求めます。高田富與君。
○高田(富與)委員 私は三党を代表いたしまして、奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨説明を行ないたいと思います。 まず決議の案文を朗読いたします。 奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 奄美群島復興特別措置法に基づく復興計画とこれに伴う国の財政援助は、昭和三十八年度で終了の予定であるが、同群島の現状はなお本土との間に著しく格差があることにかんがみ、政府は引き続き次の措置を講ずべきである。 一 奄美群島の自然的条件を充分に活用し、基幹産業の積極的な振興をはかることを重点とし、あわせて復興計画を補完して所期の効果を充分に達成せしめることを目的とする振興計画をすみやかに樹立し、これが実施を推進するため従前同様国の助成をすること。 二 奄美群島経済の発展に重要な要素をなす産業資金の融通を円滑にするため、奄美群島復興信用基金を今後も引き続き充実するとともに同群島の経済発展に積極的に寄与せしめるよう特段に配慮すること。 右決議する。 以上が案文でございます。 ただいままでの審議によって明らかでありますように、奄美群島の復興計画は明印度をもって終了いたすわけでありますが、いまだ島民の所得は、全国平均の半ばにも満たない状態を続けるであろうことは明らかであります。 なお、国の方針でありまする産業基盤の整備にしろ、あるいはその他の民生安定に関するところの施設にしろ、決して満足になって参っておるわけではありませんので、引き続き振興計画を樹立いたしまして、国のいわゆる成長経済と所得倍増の目標を、少なくとも昭和四十五年度を目標とするところの振興計画を樹立して、島民の生活の安定をはかり、島民の生活の向上をはかる必要があろうと存ぜられまするので、この附帯決議を付することにいたした次第であります。 何とぞ満場の御賛成をお願いいたす次第であります。
○永田委員長 本動議について採決いたします。 本動議の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は高田富與君外二名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、篠田自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。篠田自治大臣。
○篠田国務大臣 ただいまの附帯決議の御趣旨に沿いまして、努力いたしたいと思います。
○永田委員長 次に、お諮りいたします。すなわち、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○永田委員長 次に、昭和三十七年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案を議題とし、質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。阪上安太郎君。
○阪上委員 ただいま議題となりました昭和三十七年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案、これにつきまして若干の質問をいたしたいと思います。 この法律案の内容によりますると、三十七年度分として交付すべき地方交付税の総額のうち、百億円を三十八年度に繰り越す、こういうことになっておるのでございますが、昭和三十七年度分の地方交付税の総額は第一次補正、第二次補正を入れまして四千九百七十二億円、そのうち普通交付税として九四%でございますか、これが四千五百五十九億、特別交付税でもって六%の二百九十一億、合計四千八百五十億、これが配分されることになるわけです。そういたしますと、百二十二億が残っておることになる。そこで、この百二十二億のうち百億を三十八年度へ繰り越される、こういう設定を先にされまして、しかるのちにさらに余ってくる二十二億、これを三十七年度の特別交付税に加算して配分する、こういうようなことになる。百億の繰り越し設定を先にされたという理由はどういうことでしょうか。
○奥野政府委員 当初は百二十二億円を三十八年度へ繰り越して使用したいという考えでおったわけでございます。一応そういうことでいろんな準備を進めておったわけでございますけれども、豪雪関係の問題から、地方団体の財政需要が莫大に上るということが漸次予想されるようになりました結果、翌年度へ送る額はおおむね前年度と同額にとどめたい、そうして特別交付税の増額をはかりたいというようなことから、たまたま三十六年度から七年度へ送りましたのが約九十九億ございました。そこで三十七年度から三十八年度に送る額も百億円、こう定めまして、二十二億円を三十七年で使わしていただきたい、こういうような決意をいたしたわけでございます。
○阪上委員 そういたしますと、百二十二億のうち二十二億は、豪雪その他で特別の需要が出てきた、従って二十二億が必要になってきたので、これは三十七年度の特別交付税に加えていく、従って残ったのがおおむね百億だから、これを翌年度に繰越す、こういうことでございますね。
○奥野政府委員 そう解釈していただいてもよろしいのでございますけれども、経過的な考え方を卒直に申し上げますと、豪雪関係の特別な財政需要は二十二億円にはとどまらないわけでございまして、もっと大きな額に上ると思います。そこでできるだけことしの特別交付税をふやしたい、そういうようなことから、むしろ来年度へ送る額を、前年度とおおむね同額にとどめるということから、この金額が出て参ったわけでございます。しかし、今おっしゃったようにお考えいただいてもけっこうでございますけれども、私たちがたどりました筋道は先ほど申し上げたようなことでございます。
○阪上委員 そういたしますと、この百億をかりに三十八年度に繰り越すということになりますと、これは三十八年度の地方交付税の総額の中に入っていくのですね。特別交付税としてそのままこれが使われるという格好にはならない、こういうことになると思うのですが、どうですか。
○奥野政府委員 お話になりました前段の通りでございまして、総額に加算されるわけでございます。
○阪上委員 そういたしますと、豪雪被害等が一応二十二億と、今の計算で大づかみにつかんでおる、それはもっと要るかもしれないというふうに考えられる、この残った百億円というものを翌年に繰り越したのだが、それはやはり一般総額の中に入っていく、総額に入るのですから、結局特別交付税のワクとしては翌年の分は少なくなるのじゃないですか、その点はどうなのですか。
○奥野政府委員 御承知のように、三十八年度の地方交付税の総額のうち、特別交付税は六%でございます。従いまして機械的に申し上げますれば来年度送られます百億のうち、九十四億円が普通交付税となり、六億円が特別交付税になるものだ、こう思います。本年度に関します限りは二十二億円が六%の特別交付税にそのまま加算されていくということになるわけでございます。
○阪上委員 よくわかりました。そこで、この一応二十二億と予定されました内訳は、どんなものでしょうか。
○奥野政府委員 先ほども申し上げましたように、送る額を百億円、従いましてそれをこえる額は全部ことしに使いたい、こういうことにしたわけでございます。しかしそういうことを考えましたのは、当初豪雪関係で特別交付税を二十億円前後は使わなければならないだろう、こういうような判断をしておったわけであります。しかしながら、だんだんその模様が拡大されて参りましたので、とても足りない、もっとそれを持っていかなければならない、そうなってくると他の団体にも、われわれが考えておった以上の迷惑をかけてくるというようなことから、この百億円をこえるものをことしの特別交付税に使いたい、こういうふうにしたわけでございます。従いまして二十二億円を、特にこれだけはどういうことに使うのだということではございませんで、特別交付税として、一体として計画的に配分いたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。しかしながら、経過的に申し上げましたように、豪雪関係について、予想しておりましたものがそれでは不十分だというような状態になって参りましたので、当然、そういうような向きに重点的に配られていくことになるかと思います。ただこれにはひもはついておりませんけれども、しいてひもをつけて申し上げればそういう結果になるのではなかろうか、こう思っておるわけでございます。
○阪上委員 当初二十億くらい、それが二億くらいふえて二十二億になる、少し芸がこまかいように私は思うのですが、この百億というのは何か他に目当てがあるのですか。
○奥野政府委員 三十八年度の地方財政計画を考えます場合に、御承知のように地方税収入の増加が若干鈍化いたして参っております。それに比較しまして財政需要は、やはり給与の改定の問題にいたしましても、公共施設の充実の問題にいたしましても、莫大なものに上るわけでございます。しかも三十六年度から三十七年度へ地方交付税を百億円送った。三十七年度から三十八年度へそういう送るものがもしないといたしますならば、地方税の収入が鈍化していっている上に、地方交付税についてもそういうようなプラス・アルファがなくなってくるということになるわけでございます。そうしますと、やはりそういうプラス・アルファは、もし、残せるものなら残していきたい、そして地方財政の三十八年度の運営を円滑にするようにしたい、こういう考え方があるわけでございます。従いまして、同じような方法を三十八年度においてもとった方が無難にいくのではないだろうか、こういうふうに思ったわけでございます。
○阪上委員 そうしますと、これは法文には百億円以内ということになっております。この点との関係はどうなるのでございましょうか。
○奥野政府委員 三十八年度の地方財政計画も、お聞き取りいただいておりますように、一応三十七年度から三十八年度へ地方交付税が百億送られるという建前で地方財政計画をつくっております。ただ、今後どういう事態が生ずるかわかりませんので、その場合にはある程度弾力的な運用をさしていただきたい、そういうふうな考え方もございますので、ことさらに以内ということで御審議をいただいておるわけでございます。従いまして、極端なことが起こりません限りは、百億円をそのまま三十八年度へ送って、計画的に使わせていただきたいという現在の考え方に立っておるわけでございます。
○阪上委員 そこで私お伺いいたしたいと思うのですが、そういうことでございますれば、なぜこれを今ここで締め切った格好において特別交付税を出すのか。三月三十一日で締め切ったらどうか。これからどういうものが突発するかわかりませんし、それに対する措置は、このままでいったとしてもとれないことはないでしょう。筋として、なぜここでこういう締め切り方をするか、こういうことなんですが、この点はどうでしょうか。
○奥野政府委員 御承知のように、現在の地方交付税法の建前では、普通交付税として配分いたしまして、なお残余が生じました場合には、それがそのまま全額特別交付税に加算して配分されることになっておるわけでございます。従いまして、特別立法がございませんければ、二十二億だけでなしに百二十二億円がそっくりことしの特別交付税として配分されるべきものでございます。しかも二月中に配分されるべきものでございます。しかしながら、今までお話しして参りましたような事情から、やはり百億円は来年度へ送りたいわけでございまして、そうしますと、三十七年度の特別交付税の総額が変わって参るわけでございます。しかし変わって参るといいましても、この法律について御議決をいただきませんと、どうするかということについての決定がとれないわけでございます。二月中に特別交付税を配分しなければならないのだけれども、総額を幾らにするかという決定ができませんければ、自然、特別交付税の配分も見送っていかなければならない、こういうようなことになってしまうわけであります。二月中にもらえる三百億円内外の金を地方団体がもらえないということは、やはり資金繰りの上においても地方団体に迷惑をかけるのではないかと思うのであります。また一時借り入れをいたしますと、利子負担もふえるのではないかと思うのでございます。そういうこともございますので、二月末に決定すると同時に、資金も配分さしていただきたい、こういうように考えておるわけでございますから、特別交付税の額を幾らにするかということも、今政府が提案しておりますような方向について御議決をぜひいただきたい。三月になって参りますと、決定も正式決定ではございませんで、仮の決定をしていかなければならぬだろうと思うのであります。仮の決定でもしまして、地方団体に大体のめどをつけさせませんと、運営上困ってしまうだろうと思うのであります。しかし単にめどをつけさせるだけではなしに、資金そのものをやはり早く渡してあげませんと、地方団体がその上に困ってしまうのではないかと思うのでございます。そういうふうに私どもとしましては、二月末に、単に仮決定をするのではなしに本決定にしたい、本決定ということは、同時に資金を渡したいのだ、こういうことでございます。
○阪上委員 これは一ぺんまた地方財政計画のときに御質問してみたいと思っておったのでございますが、本年の地方財政計画をつくられる際に、給与改定に伴いますところの平年度化による給与の負担増というものが出て参ります。それからいま一つは、公共投資、たとえば地域開発その他につきましても相当拡大されまして、地方負担が増加していく、こういう見通しになると思います。それから一方、先ほどお話がありましたように、地方税の伸長度合いが鈍化していく。そこでそれに伴って当然交付税の度合いも鈍化していくということだと思います。この場合、私は聞くところによると、問題になったのは、自治省としては交付税の総額の問題を取り上げてこういう難局に処していかなけはばならないのではないかという考え方はかなり強く持っておられたように聞いておるのでありますが、しかし交付税の総額が二八・九%はかなりな限度にきておるというような観点に立たれて、一切がっさい今度は持ち出さなかったというように私は聞いておるのであります。そういうことの配慮のために、ここに百億というものをプラス・アルファの分を見込んで来年度に対処するために繰り越した、こういう考え方が出てきておるのでありますか。
○奥野政府委員 お話しになりましたようなそういう根本的な問題と、百億を送る送らないということとは、関係はないように思うのでございます。この百億を送るというのは、単に三十七年度から三十八年度にかけまして、財政運営を少しでも円滑にしていきたいという配慮に基づくものでございます。御指摘になりましたような問題は、根本問題として将来いろいろな方面から十分検討していかなければならないことだろうと思います。
○阪上委員 いずれにしても地方税の伸長が鈍化し、あるいは国税三税の伸長がやはり鈍化していく。しかしながら地方財政の現況等を見ますと、決して十分な財政措置があるとは私は思えないのです。こういう傾向がどんどんこのままで続いていきますと、ここ二、三年謳歌してきたような地方財政の希望というものが持てないのではないか。そのかわり当然交付税の増額ということが考えられると私は思うのです。その場合、こうして毎年々々二百億なり三百億なり、あるいは百億なりというようにして繰り越していくというこの姿、これは好ましいことなんでしょうか。あるいは好ましいことであるといなとにかかわらず、こうしなければならぬということなんでしょうか。くどいようですが、その点ちょっと。
○奥野政府委員 三十五年、六年にかけましてわが国の経済は非常な発展を遂げておるわけでありまして、国民所得も御承知のように一〇数%という大きな伸び率を両三年示してきて参っておるわけであります。従いまして、国の財政収入におきましても、地方の財政収入におきましても、自然増加というものはかなり大きなものであります。これを受けましてしばしば補正予算が計上され、従って、また地方交付税も増額になって参りました。こういうような状態が将来ずっと続いていくといたしますならば、日本は非常に早い期間に欧米の水準までいってしまうのではないか、こう思われるわけでございます。こういうふうな状態がそのままずっとのべつに続いていくということは、私は予想されない、期待はしたいけれども予想はされない、こういうような感じでおるわけでございます。
○阪上委員 率直に伺いますが、こういう繰り越しをやります場合に、大蔵省はこれに対してどういう理解をしておりましょうか。年々出戚々こうして繰り越していくのだが、いかにも地方財政に余裕があるから繰り越すのだ、従って、交付税の総額なんというものは、限度に達しておるのだということをはっきりと認識してしまう、こういう結果になりはしないかと思うのですが、これは率直に申し上げましてどうでしょうか。
○奥野政府委員 大蔵省との来務的な折衝を通じて、大蔵省の気持のそんたくされますところは、先ほどおっしゃいましたように、地方交付税の税率引き上げを持ち込まれるとか、あるいは地方税の減収の補てんを国に押しつけられるとか、そういうことを極端に警戒をいたしております。従いまして、できる限り財源は先に送って、使ってしまわないでそれらに備えられるようにさせておきたいという気持が非常に強いようであります。従いまして、ことしかりにこの二十二億円を特別交付税に加算して使うということにつきましても、積極的に賛成ではございません。ぜひわれわれとしてはこうしたいんだ、だから大蔵省も反対しないようにしてもらいたいということで、大蔵省も反対をしないできたという程度のことでございます。
○阪上委員 法に基づいていろいろな配分計画等もお立てになりますので、その点をとやかく言うわけではございませんが、地方財政の三十七年の状態から見て、百億円くらい使い切れないのですか。これはどうなんでしょうか。
○奥野政府委員 地方財政の需要は莫大でありましょうし、また地方団体としても少しでも早いうちにもらいたいということだろうと思います。たまたま私たちいろいろ考えて参りますと、三十七年度もやはり相当の増収が地方税にもあるようでございます。地方交付税の配分にあたりましても、第一次補正、第二次補正の関係もございまして、普通交付税の額が不足なものだから、八月算定の場合に、基準財政需要額を約〇・五%押えて配分をいたしました。その額が四十一億円ぐらい交付団体でございます。これもこの補正予算の結果、交付税がふえましたので、約四十一億円を追加して地方団体に交付することができるわけでございます。そういうような状態でございますので、多ければ多いほどよろしいには違いはございませんけれども、選挙を控えて今さらその上にプラスすることがいいのかどうか、それよりやはり三十八年度の計画的な配分の財源に持っていけるものは持っていった方が、より有効に金を使ってもらえるんじゃなかろうか、こういう判断もいたしまして、送ることにきめておったのでございます。しかしながら、先ほど来申し上げますような豪雪関係から、もう少し特別交付税の額を増額したいというようなことになって参ったのでございます。
○阪上委員 そこで局長さん、その百億くらいというと、そういうつかみ方はどうかと思いますけれども、単位費用等の改定の問題等とからんで、決して今の単位費用で私は地方団体が十二分にまかなえるとは思わない。もう少しこういった金を、こういう不合理な面の是正のためにお使いになるというお考え方、これをどうしてお持ちにならないかと思うのですが、どうでしょうか。
○奥野政府委員 百億円を不合理な単位費用の是正に使っておるわけであります。おっしゃっているのは、三十七年度で使ったらどうか、こういうことだろうと思うのであります。そうしますと、三十八年度予想財源がございませんから、ふやすべきものがふやせなくなってしまうわけでございます。それより私たちは、恒久的に使いたい、ふやしていきたい、こう思っておるものでありますから、わざわざ三十八年度に送りまして、単位費用の引き上げの財源に使おうとしておるのであります。三十七年度に使ってしまいますと、三十八年度以降にその財源がございません。恒久的に引き上げることが不可能になってきてしまうので、そういう事情も御了承願いたいと思います。
○阪上委員 多少横にそれますけれども、最近では国税と地方税の再配分の問題が依然として残っておりまして、地方制度調査会その他に対しましても、事務の再配分をまずやれ、それに対しての諮問をなさって、それに基づいて事務分量をきめて、それに見合うところの税の配分をやろうというお考えがあるようなんです。しかしながら、現在の地方自治体の状態を見ますと、御承知のように、東京と鹿児島の間では所得水準があれだけ違ってきている、税負担が一人当たりあれだけ違ってきておるというふうにして、全国的に非常に格差が増大していると思うのです。この場合に地方の独立税をふやしてやりますと、役所段階というものは、むしろ筒一ぱいの税金をとらなければならぬという格好になると思うのです。従って、一般にいわれておりますような、現在のような所得格差の開きのあるときに、独立財源としての地方税を国税から移譲していくという形は必ずしも良策だとは言えない、こうわれわれは思うのです。そうなって参りますと、勢い地方交付税の総額をふやしていかなければならぬということになる。従って、ただ単に国税三税ばかりでなく、その他の地方税、交付税の中にこれを入れていくという形は考えられないか。いずれにいたしましても、こういう地域間の格差が是正されない限りにおいては、どうしても交付税をふやしていかなければならない。この場合に、先ほどおっしゃったような考え方でおやりになりますると、なるほど大蔵省との折衝はなかなかむずかしいだろうと私は思うのでありますけれども、それを見込んで、来年度に余裕を持つというお考えを持たれるのだろうと思いますが、やはり上げるべきものは単位費用を上げていって、そうして足らぬ分はやはり交付税の総額をこの際ふやしていくという考え方の方がいいのじゃないか。これを繰り越すことは、私は決していい考え方ではないと思うのですが、どうでしょう。
○奥野政府委員 お話を伺って、私、考え方は阪上さんと大体同じようなふうに思えるのです。結論だけがどうも違っておるように思うのです。百億円を来年度に送ることによって、来年度以降の地方団体の行政水準を引き上げることができるのであります。基準財政需要額を増額する、単位費用を引き上げる財源に使いたいのであります。使うためには、来年度に送らなければ使えないのであります。考え方は私は大体同じような考え方だと思うのであります。結論だけちょっと違っておるのですけれども、おっしゃっておるような方向に持っていくために、送らなければうまくいかないのじゃないか、こう思うのです。
○阪上委員 少し私は欲ぼけにぼけておるかもしれませんが、先ほど申しましたような、総額をふやせという意味で、二八・九じゃいけないということです。そのことを私は申し上げておる。一年送りでありますから、来印度上げれば再来年に影響しますから同じことだと思います。そこで過ぎ去ったことを言ってもしょうがないから、三十七年度でもう少し奮発しておかれたらどうかと言っている。
○奥野政府委員 大体おっしゃることはわかったような気がするのであります。要するに、百億円をことし使って、そうすると来年度百億円なくなるけれども、百億以上のものを二八・九%の率を引き上げることによって解決しよう、こうおっしゃっておるようでありますが、なかなか率を引き上げるということにつきまして反対もございましょうし、その是非の議論もあるわけでございますので、送ることによって今おっしゃったようなことを確実にしたいということにおとり願いたいと思うのであります。送ることによって今おっしゃっている方向が確実に実施できる、反対なしに実施できるのじゃなかろうか、こう思うのであります。
○阪上委員 財政の博士とやり合いをしていてもどうもこっちが分が悪くなる。要は、私はこの金は使い切れということを実は強調したいのです。いろんな理屈がありますけれども、ぜひ一つこれは使い切っていく方向、そして地方財政というものは決して今の段階でも余裕のあるものじゃないということを、やはり政府部内にわかってもらう必要があるのじゃないかという配慮をするわけです。地方自治団体なんかでは——あなたの方からなかなかうまく説明されておりますので、こういった繰り越しが昨年あたりも行なわれましたけれども、別に大した異論はなかった。ところが地方に行きますと、やはりもっともっと交付してもらいたいということを言っておる。こういった問題には実は困っておる。そういう面も考えて参りますると、まだまだ問題点があるのじゃないか。たとえばこの特別交付税の二百九十一億円の配分、はたしてどういうふうになっておるかよくわかりませんが、そういった点につきましても十二分によくやっていただいておるかどうかというような点も出て参ります。それから傾斜配分の問題を今度は出されておりますが、大へんけっこうだと私は思います。傾斜配分はするが、今までのワク内の傾斜配分ではどうも納得できない、もう少しふやした、別の財源といいますか交付税額をふやしたものの中から傾斜配分されるということなら非常にいいことだと思うのであります。今度の傾斜配分の構想というものはそういう構想になっておりますか。
○奥野政府委員 私たち地方財政の運用を考えて参ります場合に、やはり団体間に激変を与えることは避けるべきである、外部から見まして、あの団体は困っておるとか非常に余裕があるとか、いろんな考え方はあるだろうと思うのでございますけれども、それぞれに他の力で激変を与えてしまう、それはできるだけ避けていきたい、こう思っておるのであります。同時に基本的には、今おっしゃいましたように、貧弱団体を救い上げていきたいと思います。救い上げる方法は、上部の団体から財源を取り上げて貧弱団体に回すという解決方法は、今の地方財政の姿からはできる限り避けるべきである、そうして財源が増加しますつどその増加財源を優先的に貧弱団体に回していくという方法をとるべきであろうと思うのであります。そこで、現在そういうような考え方で地方交付税の配分その他を運営して参ってきておるわけであります。三十八年度におきましても、そういう方向をさらに強めているわけでございます。市町村の基準財政需要額を算定するにあたりまして、一種地から二十種地までに市町村を区分しておりますけれども、実施地域を区分して、九種地以下の市町村については、給与費も低いだろう、建築費も少なくて済むだろうというようなことで、態容補正ということで割り落としをしております。これを、三十六年度からそういう意味の割り落としは一切なくしょうということを考えたわけでございまして、御審議いただいたわけでございます。一挙にやれませんので、三十六年度から五カ年計画でやろうじゃないか、六年、七年、八年もその方式を取り上げているわけでございまして、そのために四十億円内外の金を九種地以下の市町村に振り向けていくわけでございます。五カ年間でやるわけでございまして、三十六年、七年と、すでに百億近い金が、そういうことで、九種地以下の市町村に対して振り向けられているわけであります。その上積みにさらに四十億前後のものを振り向けたい、三十九年度においても四十年度においてもそういう方向をとりたい、こういう考え方でおるわけであります。とりあえずそういうことで貧弱団体を救っていきたいと思います。さらに将来の問題として、私たちは、市町村の基準税率の改定を考えるべきではないかという気持を持っておるわけでございまして、今七〇%で計算をしておるわけでございますけれども、やはり七五%、 八〇%と一挙にじゃなくても、順次そういうような計算方法をとって一そうの均衡化を進めていった方がいいのじゃないか、しかし、税収の多い団体に一そう税収がふえることによって、従来より以上に財源が確保されるというような姿を同時に実現さしていかなければならぬと思うのであります。今の財源の姿のままでそういうことをやってしまいますと、上位団体といえども困ってしまうのであります。幸いにして地方税収入が非常に伸びて参っておりますので、今申しますような構想も将来において漸次とっていくことができるのじゃないか、こういうように考えております。そういう方向で私たちは鋭意研究を続けて参っております。
○阪上委員 いずれこの問題は、地方交付税法の改正のときに御質問申し上げたいと思っておりますが、一つだけ伺っておきたいのです。私、ちょっと不勉強なんですが、地方財政計画に税外負担の解消のための経費は計上されておりますか。
○奥野政府委員 地方財政計画の歳出の上で、特に今までのように税外負担の解消という名目を出しませんでした。ただ、今まで出して参りましたものがそのまま基礎に入っていることは変わりはございません。上積みにさらに振り向けるということは今回はいたしませんでした。ただ単位費用を増額いたします場合に、そういうような方向をたどりやすい費目、たとえば教育関係の備品費とかいうものにつきましては、極力増額をはかるという考え方でおります。
○阪上委員 それらの問題につきましては、また伺うことにいたしますが、奥野さんの考え方はわからぬことはありません。交付税の税率が二八・九%というのはもう限度にきているという考え方に立っておられるように思うのですが、その点どうですか。
○奥野政府委員 二八・九%がかなり高い率であることは、事実だろうと思います。国の立場に立って財政運営を考えました場合に、三〇%近いものが最初から持っていかれると、自分が自由に使えるものは七〇%にすぎない。これは、国の財政の弾力性からかなり窮屈になっていることは、事実だろうと思うのであります。地方財政の立場を考えました場合に、地方税だけで充実していけるかということになると、先ほどおっしゃいましたような議論がございます。そうかといって、地方が自分の力で発展をはかっていくという態勢、これも非常に大切なことだと思うのであります。そういうことを彼此考えて参りますと、すぐに地方交付税の増額という結論にいくことはいかがなものであろうかと私たちには考えられるわけでありまして、やはりいろいろな角度からこの問題を検討して解決していく必要があると思っております。問題の解決をすぐ税率の引き上げに求めていくということは、国の財政の立場から考えても、あるいは地方団体の自立精神の高揚という面から考えても問題ある点でございますので、それだけにとらわれないで、もっといろいろな角度から検討して地方財政の改普をはかっていくべきだ、こういうように考えております。
○太田委員 奥野さん、今、税外負担の解消の問題のところで、何か単位費用の方に織り込み済みだというお話ですけれども、たとえば、高校施設の建築費というのを市町村が非常に負担させられておりますね。これは今度解消しますか。
○奥野政府委員 解消させたいということで、三十七年度の年度の途中におきまして、校舎の地方債を五十八億円増額し、あるいは土地の購入費の起債につきまして四十八億円を許可するというような方法をとったわけでございます。さらに三十八年度におきましても、建築関係の地方債前年度当初五十億円でありましたのを、九十億円に増額いたしておりますし、別途購入費などにつきましても、所要経費に基づいて一応地方債を許可していきたいという考え方をとっております。ただ、府県としては、そういうような地方債の資金を入手できても、全体としてやりたいことがたくさんあるわけでございますので、弱みにつけ込むというとちょっと言葉が悪いかもしれませんが、できる限り市町村から金を出さしたいという気持ちは簡単には抜けきれないと思うのであります。そこで私たちは、ぜひ立法手段をとりたい、地方財政法の中に、府県立の高等学校の建設費については、市町村なりに負担を転嫁してはいけないという立法措置をとりたいのであります。そういうことで政府各省と話し合いをしているのでありますけれども、まだ文部省からよい返事が得られていないのでありまして、その関係でおくれているのであります。一日も早く文部省の賛成を得るように努力をいたしまして、ぜひこの国会に提出をしたい、こういう気持を強く持っているわけであります。
○太田委員 県側の要望と政府側の大体の見込み数で二百億ちょっと食い違いがあると思うのです。三十八年度において二百億からのものは起債の対象にも入らなければ、補助の対象にも入らない、こういう問題が出ておるのです。局長、それは一般財源でやれるならおやりなさい、やれないなら税外負担でいくということになるのですか。
○奥野政府委員 三十七年度で高校生急増対策の長期計画を立てたわけでございます。しかしながら、いろいろ不十分な点もございまして、文部省、大蔵省、自治省の三省がその練り直しをやりまして、改定計画をつくったのであります。これに沿って財源措置をいたして参っております。個々の団体の模様を見て参りますと、財政力の強いということかどうか知りませんが、東京でありますとか、大阪でありますとか、神奈川でありますとか、そういうところは政府計画よりずっと大きな金額を高校対策に投じておるようでございます。半面に、弱小というとちょっと語弊があるかもしれませんが、経済力がそれほどない団体、そういう団体におきましては、むしろ政府計画が上回っているところもあるようでございます。従いまして、ただ単純に政府計画が悪いのだ、こうは言いきれないと思うのであります。私個人でも建築単価があれで十分であるか十分でないかということについては、なお検討していかなければならぬという気持を持っいるのであります。しかしながら、個々の団体を見て参りますと、やはりいろいろ府県の施策に基づくものもあるようでございまして、前向きにやっているところもあり、むしろ今まで私立学校にゆだねておったものを、積極的に公立学校に吸収しようという施策をとりつつあるところもある。でありますから、総額で比較をしてよいとか悪いとかいうことで結論を出すことには、若干疑問を持っているのでありまして、今後なお政府計画が不十分であるためにPTAなり市町村なりに負担が転嫁されていく、このようなことは避けなければならぬと思います。そういう方向で努力をしたいと思います。ただ単純に両方合わせてみた結果、足りないからすぐそれが税外負担になっていくのだという結論をお出しになることについては——お出しになっているわけではございませんが、お出しになるとすれば、これには私はやはり疑問がある、こう思っております。
○太田委員 それはほんとうに別な意味で私は疑問があると思うのです。財政力の大きい東京、大阪、神奈川というのは、政府計画よりも上回ったところの施設が、計画ができておる、こういうわけでありますけれども、そうすると都道府県の不交付団体に対しては交付税九十一億なんというのは、本年度はおそらく実質的には、何らそういうところへはいかないでしょう。あなたの今さっきおっしゃった起債を三十七年度百八億認めた、あるいは交付税で九十一億認めた、あるいは用地費を四十八億認めたということについて、不交付団体にはどれくらいのことになっているのですか。
○奥野政府委員 不交付団体に対しましては普通交付税は参りません。しかし基準財政需要額としては策定されておる、それを上回る地方収入があるということになるわけでございまして、政府計画と申し上げます場合には、私は基準財政需要額プラス地方債プラス国庫補助金、これをもってその団体について国が予想している金額だ、こういう考え方に立っているわけであります。たまたま東京とか大阪というようなところにおきましては、従来は私立の学校が非常に多いものですから、貧弱団体よりもずっと公立学校は少ないのであります。それを積極的に公立学校をつくって生徒急増に対処したいというので、熱意を強く見せているという結果が現われてきているわけでございます。国の計画は過去の進学率を押えまして、その進学率に基づいて、言いかえれば公立学校で吸収する部分と、私立学校で吸収する部分、その比率は従来の比率を基礎にして考えて参ったわけでございます。その結果、東京とか神奈川とかいうふうなところは、そういう意味での公立学校をたくさん建てなければならぬ分量というものは比較的少ない。しかしながら当該団体としては切実な問題でありますので、積極的に力を入れるというふうなことが相当のギャップになっている面が相当あるようでございます。
○太田委員 今の質問は、不交付団体に対して三十七年度の百八億の起債を認めた、あるいは交付税九十一億を認めた、これは別ワクで高校対策として認めたわけでしょう。だからその恩恵をほんとうに受けたところがあるのか、こういうことなんです。
○奥野政府委員 せっかくの御質問にまともにお答えしないで恐縮でございました。地方債の配分にあたりましては、建築関係は全部基準財政需要額に按分いたしまして、全く裁量を加えずに按分いたしました。従いまして、東京であろうと神奈川であろうと、建築関係の地方債が配分されておるわけでございます。土地につきましては、個々の団体の要望に従いまして配分いたしましたから、要望のない団体も相当ございます。私たちは全部要望に従って配分をいたしました。市町村に転嫁させまいという努力をして参ったわけでございます。
○太田委員 そのことは、たとえば東京、大阪等の不交付団体であっても、建築費については、この百八億を按分をして、そうして全然基準財政需要額に関係なしに認めたんだ、こういうことなんですね。それは東京、大阪、神奈川とかいうところはどのくらいの実績になっていますか。
○奥野政府委員 百八億の額を申し上げますと、東京が七億六千万円、神奈川が三億二千百万円、大阪が五億五千八百万円、受知県が三億一千九百万円であります。
○太田委員 今度の九十億の中にも、そういうことをやるという思想はずっと貫いておられるのですか。別ワク交付税九十一億とそれから特交との関係は、別ワク九十一億円を認めた、ことしも九十一億円の交付税を認める、こうおっしゃった。この別ワク交付税ということになれば、不交付団体だって何か特別補助金の建前をとるべきだと思うのですが、どうでしょうか。
○奥野政府委員 基準財政需要額に算入するということでございます。従いまして、それだけ財政需要額がふえますから、不交付団体は逆に交付団体になるということも理論的には言えるわけでございます。普通交付税を九十一億円交付するということじゃございませんで、団体の財政需要額がそれだけふえてくる、こういうことでございますので、自然基準財政需要額にそれだけのものを算入するということでございます。
○太田委員 だから今の二十二億を今度特別交付税として雪害地の復旧ですか、雪害地に対して交付しようというのが三十七年度の特例法の内容ですね。だったらさらに二十億なり三十億なりを高校急増対策として交付してもいいのじゃないですか。何か建築費に按分をして、単に起債を認めるということでなくて、そういうことは考え方の中にはなかったのでしょうかね。
○奥野政府委員 特別交付税をひもつきで配る。ということは、私たちは将来とも避けなければならない、国庫支出金の分野というものと地方交付税の分野というものは、やはり厳格に区別して考えるべきであろう。あくまでも地方交付税は、地方団体の財政需要額が総体で幾らに上るだろうか、それに対して税収が幾らふえておるだろうか、この不足額を補てんする、これをどう使うかは個々の地方団体の施策にゆだねる、政府は干渉しない、これは厳格に将来とも守っていかなければならぬことじゃないか、こう思っております。
○高田(富與)委員 阪上さんの御質問に対する財政局長の御答弁を承っておりますと、九十億なり百億なりを翌年度に繰り越す、つまり今回の案によりますと、百億繰り越すのは三十八年度の地方財政に寄与せしめるために当然の措置であるというふうに聞こえた。しかし原則としては、現在の地方財政の現状からいって、全額交付するのが至当ではないかと思いますが、その点についてのお考えはどうですか。
○奥野政府委員 現在の地方交付税法の建前からいいますと、普通交付税を交付して残余が生じますと、自動的に特別交付税に繰り入れられまして配分されることになります。この点は御指摘の通りでございます。ただどういう時期にそういう事態が生じたかということによって、その措置については、やはりそのつど御審議いただきまして、特別な措置を工夫することが妥当ではなかろうか、こう思っておるわけでございます。
○高田(富與)委員 そこで私は、特別交付税をやたらにふやすことは妥当でないと思う。現にこれが六%に引き下がっておる。従って、普通交付税について適正な配分をするのが至当な措置であると思うので、今回の場合もおそらく普通交付税の単位費用なり数値なりを変更いたしまして、普通交付税として全額補正されたものを配分するということが作業上困難であるために、あるいは特別交付税に繰り入れるとか、翌年度に回すとか、こういう措置をとったのではないかと考えられるわけなんです。そこで私、これはしろうとで、先ほどの阪上さんの話じゃないけれども、財政の博士にこういうことを言うのはおかしいが、単位費用なり何なりもっと高めて、そうして実際に交付する金が足りなければ、調整金といいますか、何かあるわけですね。九〇%配付するとか九五%配付するとかいうことがありますから、できるだけ高めておいて今回のように第一次補正、第二次補正があった場合には、交付税法をいじらなくても、その不足分を配付していけば、大体において普通交付税としてその年度内に配付できるのではないか、こういうふうに考えられるのですが、その点はどうでございましょうか。
○奥野政府委員 前段の問題は、おっしゃいましたように、そういうことが今回の措置の大きな理由の一つでございます。後段の問題は、それも一つの行き方だとは思うのですけれども、私たちといたしましては、基準財政需要額の内容、これをある程度地方団体の財政運営の参考にしてもらいたいという希望を持っているわけでございます。同時にまた、地方交付税制度というものは地方団体の必要な財源を保証する役割をになっておるものでございますので、自分の団体でどれくらいの財源を確保できるだろうか、これについてある程度の予想を立てて、それに従って財政運営がやっていける、こういうようにしなければならぬだろうと思うのでございます。にもかかわらず、法律で単位費用が定まったとしても、そこで算定された基準財政需要額だけの財源が確保されるのかされないのかわからない。言いかえれば、調整率が何%かかってくるのかわからない。これでは不安定になってしまうだろうと思うのであります。大体は基準財政需要額として算定されるだけのものは、税収入が不足していれば差額を普通交付税としてもらえるというような方法に持っていきまして、地方団体のそれぞれが自分のところで確保できる財源はどれくらいなものであるかということを法律をもとにしてある程度のめどがつけられる、こういうふうにしていきたいと思っておるものでございますから、いわゆる減率と申しますか調整率と申しますか、そういうものがあまり大きくなっていくことは避けるべきだろう、こう思っておるわけであります。
○永田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会