地方行政委員会 第2号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/02/05
会議録
○永田委員長 これより会議を開きます。 警察法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。亀岡高夫君。
○亀岡委員 ただいま議題となりました警察法の一部改正法案を中心にして、いろいろな点についてただしたいと思います。 まず初めに警察庁の定員は現在七千七百七十六人で、その中に警察官が千二十三人というふうになっておるわけなんです。この警察官は長官以下みんな警察官になっているわけですが、そういう幹部を除いて、事務官でできるような仕事を、いわゆる巡査あるいは巡査部長の第一線で勤務するような警察官を事務に使っているような割合はどのようになっておるか。また管区警察局の関係の定員は五千五百七十五名、その中に警察官というふうになっておる一般事務職員を除いた者が六百六十九人含まれておるわけですが、こういう方々、警察官はどういう仕事をしているのか、それをちょっと御説明願いたい。
○後藤田政府委員 御質問の警察庁に勤務をいたしております警察官でございますが、警察庁の仕事は御承知の通り一定の事務について中央機関として統括をし、あるいは企画をするといったようなことでございますので、勢い上級階級の職員が多数を占めております。巡査はこの中には入っておりません。すべて原則としては警部補以上の職員、こういう配置にいたしております。 また、一般職員はどういう仕事をしておるか、こういう御質問でございますが、警察庁関係の一般職員の数が警察官に比して非常に多くおります。これは本庁について申しますと、御案内の鑑識の関係の職員、これがすべて一般職員でございます。この関係で本庁においては一般職員の数が相当多くなっております。 それから管区の職員になりますと、通信の関係の職員は、都道府県に勤務をしております通信職員も、現行法ではすべて国家公務員として管区所属の人間、こういうことになっております。この通信職員が四千数百名占めております。こういうことで実態は主として大部分を占めるのは通信の技術職員である、こういうことであります。
○亀岡委員 それで各府県の警察でも、われわれしろうとが見たところでは、第一線に出るべきようなおまわりさんが事務をやっているというケースが非常に多いのじゃないかということなんですが、各府県の警察の中で、警察官でなくちゃできない仕事はいたし方ありませんが、そのほかの一般事務というものは、事務専門の者にやらせるべきじゃないかという感じを持つのですが、そういう警察官でなければならぬ事務以外の仕事に、警察官がどれくらい従事しているかというようなものを調査したようなものはございますか。
○後藤田政府委員 御説のように最近いわゆる内勤事務という者が非常にふえて参りました。その内勤事務の中にももちろん警察官でなければならぬというものが相当あるわけでございます。というのは、戦後の刑事訴訟法の関係で、書類関係が非常に複雑になっておる。これは司法警察職員でなければ処理ができない。たとえば交通警察等についてみましても、街頭にあまり人が見えなくて、しかも交通係というのは全国で一万二千名程度おるわけです。これはどういうことかといいますと、事故の処理関係で内部で勤務しておる、こういう形です。従って一つは訴訟法の関係で事務的な仕事に従事するのが多い、こういうことが言えようかと思いますが、われわれとしてはそういうやむを得ないものは別といたしまして、御説の警察官でなくてもいいものについては努めて一般職員に振りかえていく。ことに総務系統の仕事であるとか、あるいは警務の系統であるとか、こういう仕事については最近数年第一線を指導いたしまして、そういうものはできるだけ一般職員に切りかえて、警察権のある職員は街頭に出て、一般民衆の保護に当たるようにということで第一線の強化に努めております。現状は、財政計画等では警察官に対して一般職員の数は大体一八%程度ではなかろうかと思います。県によってもちろんこれらの事情はそれぞれ違いますが、大まかに平均的に申しますればそういうことであろうと思います。 御質問の一般職員でいい仕事に警察官がどの程度勤務をしておるかといったような数字につきましては、ただいま手元に数字を持っておりませんので、いずれ適当な機会に御説明申し上げたいと思います。
○亀岡委員 その資料をぜひ一つ出して下さい。 警察官というのは警察法にはっきり書いてあるように生命、身体、財産の保護とか、あるいは捜査とか防犯、取り締まり、補導といったような仕事に当然使わなければならぬと思うのです。ところが今御説明のあったように、警察庁の方では第一線に出す努力はされておるようですけれども、実態は事務関係に警察官の手が非常にとられているということはもう疑う余地のない現実だと思うのです。 その点について警察庁長官にお伺いしたいのですが、戦前は、内務省時代には、聞くところによりますと警保局というんですか、警察庁にかわるべきものですが、警保局時代には、本省にはほとんど警察官というものがいなかったということを聞いておるわけです。ほとんど事務官で処理をしておった。ところが現在警察庁には七千七百七十六人の中で千二十三人もおる。これが管区局に行くとこの比率がもっと上がってきておるというようなことになりますと、どうも頭でっかちで、しかも第一線の警察官が足りない足りないといわれておる。捜査の面においてもあるいは補導の面においても、特に人手が足りないということをよく聞くわけですが、警察庁というのは警察行政のマネージメントと言うか、いろいろな調整をはかっていくということに主眼を置いて、警察官をできるだけ第一線に出して、そうして警察官でなければできないような仕事だけに限って、あとは一般事務とはっきりと権限分担をしてやるというような方針をお持ちかどうか伺いたい。
○柏村政府委員 ただいまのお話の、戦前の警保局はほとんど事務官だけでやっていたというお話でございますが、これはまさにその通りですけれども、あの事務官というのはほとんど地方の警察経験者、警察官であった者の中から選んで、いわゆる警部補であるとか警部であるとかいう地位の者を持ってきて、内務属といういわゆる事務官にして仕事をさせておった。従って、これらはやはり企画事務とか指導事務の補佐を十分やれるような能力ある実質的な警察官であったわけでございます。先ほど官房長から申し上げましたように、お話の御趣旨はまことにごもっともでありまして、できるだけ第一線に、警察官の定員というものが定められております以上、これを活用する意味において第一線を強めていく、それから中央等においてはできるだけ人数を少なくしていくという方針は、今後も堅持して参りたいと思うわけでございます。ただ地方の第一線においてもその方針でまた地方なりにやっていく考えでございますが、これはまたそれにかわるべき事務官の定員、いわゆる警察官でない者の定員というものが府県ごとにきめられまするので、そういう意味で府県の当局の御理解というものもまた必要になってくるわけでございます。われわれとしてはお話のような趣旨に基づいて、中央、地方の関係においてはできるだけ地方の陣容を充実していく、また地方においても警察官は第一線に出していくという大方針は、今までもできるだけとるようにいたしておりますし、今後もそういう方向で推進して参りたい、こう考えております。
○亀岡委員 長官の方針了承いたしますが、それについても、当委員会においても交通対策あるいは麻薬対策とか取り締まり、その他非行青少年の補導について問題が提起されますと、いつも警察官の不足というものが訴えられてきているわけなんです。ところが府県警察の実態を見ておりますと、定員はふえてきておるわけですね。ところが第一線の不足が訴えられるというような実態については、数だけふやしていくということの前に、何かもっとよく検討してみるべき点があるのじゃないかという感じがするわけです。非常に自動車の数がふえてきたために、先ほど官房長からお話もあったように、交通関係の事務なんかも非常にふえておる。そういう面に対する配慮というようなものも、三十八年度におきましては思い切ってやっておるようでありますけれども、どうも頭でっかちという感じをぬぐい去ることができないわけですね。福島県の方のをちょっと調べてみたのですが、戦前の警察官は定員千百九十人、これが現在は千八百九十人、七百人もふえておるのですが、戦前よりも交番がふえた、あるいは駐在所が非常に密度がこく設置されたということを聞かない。従って、第一線は戦前通り、上の方だけえらい人が一ぱいふえてきておるというような格好になっていはせぬかという感じがするわけです。福島県の場合で言ってみますと、これはあるいは比較にならぬかもしれませんけれども、警視というのが昭和十六年ごろは六名なのが四十九名、それから警部が戦前は三十六名だったのが八十五名、警部補が七十名だったのが百六十二名、巡査部長が百八十二名だったのが三百三十二名、肝心のおまわりさん、巡査が八百九十八名が千二百六十二名ということで、第一線のおまわりさんの増加率というのはほかに比べて非常に少ない。こういう点についてもっとやはり警察庁としては実態をよくつかんで、そうして警察官でなければできない仕事以外は、全部一般事務職員なりあるいは技術職員なりに振りかえていくという努力がなされていいのじゃないかという感じがするのですが、これについて長官の御意見を伺います。
○柏村政府委員 まことにお話の通りに私も考えておるわけでございます。従いまして、先ほど後藤田君の話にありましたように、刑事訴訟法等の手続のために内勤のものがどうしても必要であるというような面につきましても、たとえば交通問題についていえば切符制を採用するというようなことで、できるだけそういう内勤の仕事というものは減らしていく、そうして第一線を強化する、あるいは事務職員も必ずしも、先ほど申し上げましたように県との了解が取りつけられないで十分のふえ方ができないというような面は、機械化によってこれを補っていくというようなことをいろいろ工夫をいたしておるわけでございます。そういうことで、先ほど申し上げました通り、第一線の実働のものをふやしていくという大方針をさらに推進することをわれわれとしては心がけていきたい、こう考えておるわけでございます。
○亀岡委員 機械化によって第一線を充実していく、中央のマネージメントするいろいろな、今まで人手でやっておったところに機械化をして、電子計算機を入れるというような考慮もされておるようでありますが、その長官の方針はよくわかりました。しかしこの警察法の改正の、定員の改正を見ますと、三十八年度に電子計算機が二千数百万の金をとって充実するということはわかりますが、これによって能率化、合理化された分がはたして今度の改正案に出ているかというと、出ておらぬわけですね。委員会でいろいろ答弁されるその誠意を、もっと現実の面に出すように考慮をしていただきたい、こう思うわけです。 それからちょっとここでお聞きしたいのですが、管区警察局をつくりましたとき、各府県から定員を抜いて管区警察局の定員に移しがえをした、あるいは現在各府県警察から出向をしておる、そういう例はございませんか。
○柏村政府委員 管区警察局ができたときに府県からとってきたということじゃなくて、これは新しい制度ができますときに管区警察局ができたわけでございますので、格別府県からとってきたということはないと思います。ただ例外的に府県の職員と兼務をいたしまして、管区で仕事をさせておるというものも若干ございますが、これはやはりその管区の機能に応じて、府県の管区のやることが、府県に対して指導監督することが非常に多くなってきた、いわゆる広域化してきたというようなことから起こってきたやむを得ない事情であると思います。そういう面は一部ございまするけれども、県の方を引き揚げて全面的に管区を拡充しているというような状況ではございません。
○亀岡委員 もう一つ、これは府県警察の実態の一つなんでありますが、事務系がなぜふえるかという理由に、先ほどお話のあった交通関係の免許関係の取り扱い件数がものすごくふえておるようですね。これは各府県とも同じだと思うのです。その点はわかるのですが、そのほかに、四十数億の国の補助予算、これをもらうためにいろいろなものを使わなければいかぬというようなことで、たとえば計画をつくるにしても、他の県よりもりっぱな計画書を持っていかなければもらえないということで、府県警察ではその点でずいぶん人手をよけい使っておるというようなことをよく聞くのです。こういう点は、あえていい計画書をつくらぬでもいいというわけではないですけれども、なるべく上部関係からは不必要な書類の提出とかなんとかをさせないように、前は警察庁一本だったのが、今度管区警察局ができたために、一つつくればいい書類を二つつくらなければいかぬということになるわけですが、そういう面でもっと事務の合理化ということをぜひともやっていただきたい。 それから今までの答弁で、組織的に見ても職階的に見ても、上部機関の方の定員が一般警察官のふえ率よりも高いというようなところにも問題がございますし、先ほど来何回も申しますが、頭でっかちになっておるということは否定し得ない実態じゃないかと思うのです。従って防犯をするにしても、あるいは捜査をするにしても、第一線の手が足りないためににせ札犯人なんというのはまだめどもつかないというようなことも、そこらあたりに何か一つの原因がありはせぬか、こう思えてならないのですが、どうか長官においてもそういう点をよく分析されて、警察庁あるいは管区警察局という機関の中において、あるいは府県警察の中において、マネージメントする部門と、それから実務関係とをはっきりと区分をして、警察官は警察官本来の仕事に専心できるという組織づくりをぜひとも検討してもらいたい、こう思うわけです。 それで先ほど事務量の増大の実態を見ますと、警察官でなくともできる仕事、あるいは自動車の免許の問題、これは申請の受付件数が福島県で調べたところによりますと、昭和三十年では一万九千八百四十四件、それが三十七年度には何と十五万四千三百五十一件、それから免許証交付事務が三十年には六千六百二十一件が、三十七年度には五万八千六百十一件、それから免許証の再交付が昭和三十年に千五十三件が、三十七年度には六千五百五十六件、これは警察官でなくともできる仕事ですね。警察官でなければならぬ仕事、たとえば法令違反関係の取り締まり件数、これなんかも非常にふえておるわけです。三十年に一万九千件余だったのが、三十七年度には五万五千件、それから警告書送付が三十年には一万一千九百十六件が、三十七年度には二万九千九百二十三件、それから行政処分が十倍になって、三十年が千件であったのが、三十七年は一万件、このように非常に膨大な仕事の量がふえておる。それに対して人員の増加というものが、三十八年度には相当なされるようですけれども、こういう点について速急に人員配置という問題を御検討いただきたいと思うのです。 それから、先ほどもちょっと触れましたが、三十八年度からは本庁に電子計算機等を入れて事務の能率化をはかっていこうという構想で予算要求をなさっておるようでありますけれども、マネージメントについて、長官、どうですか、現状よりももっと簡素化できませんか。
○柏村政府委員 これはわれわれも常に注意をいたしておるところでございますが、やはり中央で地方に要求する資料が非常に多いわけでございます。これは先ほどお話しのように、地方でよい計画を立てるためにいろいろと考えるということ、これは地方のマネージメントとして私は大事なことであろうと思いますが、中央の各局課等において、仕事熱心のためではありますけれども、正確にこまごまと資料をとっておきたいという勉強心からではありましょうが、地方に要求することも非常に多い。そのために地方でとられる手数というものも、かなりの量になっておるわけでございまして、こういう点は近年私も力を入れて、できるだけほんとうに必要不可欠なものだけとるように、第一線が前を向いて仕事をする。中央を向いて仕事をするというようなことのないようにという注意を喚起し、ある程度の改善を見ておるというふうに確信いたしておるわけでございます。先ほどお話しの電子計算機等につきましても、このたびの要求ではまだ一部の府県とのテレタイプの施設というだけでございまして、全国的にはできないわけでございますが、これをできるだけ早い機会に全国的なものにし、必要不可欠な資料も一々各警察署なり府県なりで完全なものにまとめ上げて報告するということになりますと、非常に手数がかかりますので、これをテレタイプによって、必要なものを刻々となまの資料を入れてもらう。それを材料にして企画するということは、中央の仕事に帰するということになりますと、これで第一線も非常に仕事として助かってくると思います。そういうことで、心がけとして必要なもの以外、あった方が便利だという程度のものはできるだけ削ることにする着意、それから機械化による事務量の減少ということに心がけて参りたいと思います。それにいたしましてもただいまお話しのように全体としての事務量が非常にふえておるので、警察としてもなかなか人手不足ということは解消しないのでございますが、そういういろいろの面を考慮し、また人員の配置についてもこれを適正にすることに心がけまして、できるだけ少ない人数で有効に能率を上げていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○亀岡委員 長官の方針了承いたします。要するに警察業務の本質とする生命、財産、身体の保護あるいは防犯、捜査、それから補導あるいは交通の円滑化、取り締まりといったような警察官本来の任務につかせるためには、足と目と手でやらなければならぬのですね。ところが机に向かっている人ばかりふえていったのでは、警察業務の完全遂行というものはできないわけです。そこらあたりに、どうも何回も申し上げて恐縮ですが、頭でっかち、上の方だけで観念的に考えておって、第一線は人手不足、人手不足ということで、仕事の量が膨大になってくるというような欠陥をぜひとも直していただきたいと思うわけです。 次に、警察官の待遇についてちょっとお伺いしたいのです。警察官は高い士気のもとに、安んじて治安の大任につき得るような待遇をやってやらなければならぬことは、これは言うまでもないことでありますが、第一線におけるおまわりさんの苦労というものは、私ども見ておりましても非常に多いわけです。こういう困難を克服して黙って勤務しているんです。ほかの公務員等は、いろいろなあれによって、自分の声というものを政治の面に直通することができますけれども、おまわりさんとかあるいは自衛隊員というものは、黙って職務に精励しておる。そういう立場に警察官があるだけに、やはりマネージメントをする警察庁長官としては、その点は十二分にあるいは十三分、十四分に考慮してやらなければいかぬということは、これはわかり切っておることなんですが、実態はなかなかそういっておらぬようです。たとえば私ちょっと見たんですが、前の週の週刊朝日でしたかに、浅草の少年保導の婦人警官の記事が出ておりましたが、それを読んでみましても、結局家出をした少年を保護者に引き取りに来るように連絡したところ、引き取りに来ない、金持っているかと言ったら一銭も持ってないということで、自分の財布から電車賃を与えてやった、こういうことはたびたびあって、みんな自分のふところから出るんですよ、というような記事をちょっと見たわけですが、まあこれなんかも警察官個人のふところにしわ寄せがいっている。こういう点について何らか警察庁長官としても考えなければならぬ点があるのじゃないかといったような問題。あるいはこれは福島の交番で聞いてみたんですが、定員が六名ということは前から言われているんだけれども、それだけはこない、寒い晩にぐるぐる巡回して回っても夜食費もない、結局協力会がみそ、しょうゆまで持ち込んで、そしておまわりさんに協力しておる、お茶を買う経費もないといったようなことが第一線の実態なんです。俸給もあまり高くないというのに、自分のふところから出してまでも自分の任務遂行に忠実であるという警官が非常に多いわけです。そういう点を考えると、ほんとうにきめのこまかいというかあたたかい気持を持って、そういう点さらに具体的に、待遇とかまたいろいろな仕事についての配慮というものをしてやらなければいかぬのじゃないかという感じを持っておるわけですが、そういう点、具体的な配慮ができないのかどうかという点についてお伺いいたします。
○柏村政府委員 下級警察官の待遇改善については、ただいまお話しのように、われわれといたしましてもその勤務の実態、勤務の重要性という点からいたしましても、できるだけこれを向上させるように努めておるところでございますが、なかなか思うような改善に至っていないことは非常に遺憾に思う次第でございます。ただわれわれといたしましては、基本的な、いわゆる基本給というような問題についても、人事院等と交渉いたしまして、最近において若干の改善を見ておるわけでございますが、そのほかに特殊な手当制度であるとか、あるいは超過勤務についての特別な増額であるとか、あるいは駐在所等につきましては、駐在所の警察官の家族に対する報奨であるとか、そういう点で今後もできるだけ増額するように、目下自治省と交渉をいたして、相当自治省におきましても理解ある態度をもって臨んでおられるわけでございます。それにいたしましても、一般の公務員と比べますると、勤務の実態が非常に過重されておるということからいたしまして、本来ならばさらに抜本的に基本的な改善をする必要がある、こう考えておりますが、なかなかこれは早急にできることでございませんので、とりあえずの措置といたしまして、ただいま申し上げましたようなことについて、国家予算とは別に、地方に対する財源付与と申しますか、財政需要の増加に対する自治省の配慮という点を今、極力折衝をいたしておるところでございます。
○亀岡委員 特に私、申し上げたいと思いますのは、地方自治体の財政力に応じて、警察官の待遇というものが各県によっていろいろな開きがある。こういう点を是正してやることが、やはり警察庁としては大きな仕事の一つではないか、そういう配意もぜひとも今後やっていただきたいと思うわけです。自治省の方でも非常に好意ある態度を示してきておるということも、わからないわけではありませんが、基準財政需要額算定の際に、昭和三十七年度はたしか五十九万七千九百円でしたかに引き上げたわけですけれども、はたしてこれで、先ほど来申し上げたように、十倍あるいは六倍といったように仕事のふえてきておる現在、そういうものに携わっておる、過重なる仕事をしておる警察官に対する警察行政費の単位費用の積算の基礎というものが、現状のままでいいかどうかということを考えますと、まだ不十分な点がありはせぬか。たとえば先ほどちょっと申し上げたおまわりさんの夜食の問題とか、あるいはほんとうに一銭も持たない青少年に対する旅費というか、電車賃の問題とか、事柄は小さいですけれども、そういう点まで警察行政費の中に含めて、基準財政需要額の単位費用を積算していくという気持がとられてもいいのじゃないか。いろいろ調査してみれば、私が今申し上げたような例以外にも、たくさんあるのじゃないかという感じがするわけですけれども、この点も、今後なお一そうの配慮を加えていただきたい、こう思うわけです。 それから、警察官の増員と装備の改善ということは、しょっちゅう当委員会においても論ぜられておるわけでありますが、その点についてちょっとお伺いいたしたいわけでありますが、先ほど来何回も繰り返すようですが、頭でっかち、人員の配置においてそういう感じを受けると同時に、装備の面においても、上部機関は相当機械化をされたり機動力を整備されたりして、いい自動車に乗って仕事ができる。第一線の一番大事な、足と目と手で公衆の安寧秩序を守っていく駐在巡査、あるいは交番のおまわりさんといったような下級の装備ということになりますと、きわめて不十分である。この前もたしか申し上げたと思うんですが、おまわりさんが自転車で追っかけて、どろぼうはオートバイで逃げていくといったような状態で、地域住民の協力によって、そういう装備をやっている現状だという。こういう点はやはり相当配慮はしておられるようでありますが、まだまだ不十分だ、こう思うんです。それについて、特に考慮をされておる点があったら、この際ちょっと御説明を願いたい。
○後藤田政府委員 私どもといたしまして、警察の装備を逐年御配慮によって増強いたしておるのでありますが、御質問のように、第一線の駐在所あるいは派出所等の装備の問題になりますと、勤務の実態等から見て、やはり私どもとしては、一番必要なことは足じゃないか、こういうふうに考えております。そこで、過去数年来、派出所、駐在所等について、せめて足で踏む自転車でなしに、これに原動機つきのものを何とかして配慮してやりたい、こういうことで予算要求をいたしておるのでございますが、おかげさま大体で当方の主張も漸次認められまして、三十七年度は約千三百台余りだったと思いますが、八年度の予算では二千台ということになっております。交番の数等から見て、この程度であれば、どうにか耐用年数というものとにらみ合わして、近く全国にそれが行き渡るのではないか、こういうふうに考えてせっかく努力をいたしておるところでございます。 いま一つ交番等について言えますことは、耳の装置、つまり通信の関係でありますが、これが個別呼び出しといいますか、電話回線の関係で、一回鈴が鳴ればどの交番、二回鳴ればどの交番、こういうことできめてやるわけですが、そうしますと、深夜等にそういう電話がかかってくると、一つ鳴ったのか二つ鳴ったのかわからぬ、いずれにせよみな起こされてしまう、これではとても勤務に耐えられぬという実情があるわけでございますが、これらについても予算の執行の面で毎年改善をいたしておりまして、これもおそらくあと一年あるいは二年程度で全国的に解消を見るであろうということで、私どもも御質問の趣旨のような点を十分痛感をいたしておりますので、予算面で早急にこれの解決に努めつつある、こういう状況でございますので、御了承を賜わりたいと思います。
○亀岡委員 これも先ほど申し上げた基準財政需要額という問題と非常に大きな関連があると思うのです。福島県の場合、調べてもらったところでは、現在バイクが四百七十六台ある。そのうら県費で購入したのがわずかに百六台、あとの三百七十台というものは寄付採納車、団体からの借り上げといったような実態になっておるわけです。これを全国的に集計してみたら、相当な台数になり、金額にしても相当な金額になると思う。これは当然警察行政に必要な経費として基準財政需要額の算定の中に含まれなければならぬはずなんですが、これが現在含まれておるかどうか。私はおそらく含まれておらぬのじゃないかという感じがするのですが、どうでしょう。
○後藤田政府委員 モーター・バイクは補助経費でございますので、補助金に二千台積算いたしますれば、その裏の経費は必ず単位費用の中にも計上する、こういうことで、これはそういう計上してないという実態はございません。ただ問題は、ただいま福島県の話がございましたが、なぜ一体御質問のようなことがあるのかといいますと、これは各県それぞれの予算の執行の問題になってくるかと思います。で、私どもといたしましては、少なくとも予算の積算に計上した事項については、各県においてその予算通りにぜひとも執行していただきたい。もちろん県それぞれの特殊性というものもございますので、厳格なことは私は申しません。しかし、少なくとも予算に盛られた方針というものは、そのまま受け継いで実行に努めてもらう、こういうことにお願いをしたいと思っております。私どもとしても、そういう指導をいたしておるのでございます。で、財政上の措置としては、単位費用にも十分計上が見られておるのでございます。
○亀岡委員 今言われたような点を、ぜひ強力に指導していただきたい。まあ三十八年度は二千台ということを考えておるということですが、この二千台を各府県に割り当てになった分については基準財政需要額の中で考慮しますけれども、それでは第一線になかなか間に合わないというところに問題があろうかと思うのであります。そういう点については、理解のある自治省だからと長官おっしゃられておるわけでありますから、自治省の方によくあれしまして、何らかのことを考えてもらって、その第一線の機動力の充実ということをぜひやっていただきたい、こう思うわけであります。 それから、三十八年度に交通関係の仕事の量が非常にふえたということで、警察官一万人の増と、それから麻薬関係五百人の増という予算の数字が今国会で審議されておるわけでありますが、将来これを各府県に割り当てることになると思いますけれども、どのような基準でこれを各府県に割り当てていくのか、それをちょっとお伺いしたい。
○後藤田政府委員 まず交通警察官の増員の各県配当の問題でございますが、今回の一万名の増員は、先ほどの御質問の御趣旨にもございましたように、私どもとしては、街頭における交通警察官の増員である、まずこの趣旨をはっきりいたしておるのでございます。そこで、この一万名を要求いたします際には、一つは都市内における交通の取り締まりなり指導、予防という面は、最近の交通の実態から見て白バイでやる、幹線の道路につきましては無線つきの四輪自動車で行なう、いま一つは交通上の要衝及び交差点等については指導、取り締まり要員を配置する、こういう三本の柱で要求をして、要求通り認められておるのでございます。そこでその要求の際に、私どもとしてはこれは抽象論ではだめなので、全国的に今言ったような実態を調べまして、下からの積み上げによって資料をつくって、自治省なり大蔵省に要求をしたものでございます。従いまして、これの各県への配当ということも、その資料に載りましたことを基礎に置いて配当していく、こういう考え方に立って人員配置をいたしております。 それから麻薬の点でございますが、麻薬の点につきましても、要求の際に、当該県における密売団体の状況が、氷山の一角でありましょうけれども、現に浮かんでおるものが大体どの程度であろうかというような点、それを考えて麻薬密売団体の特捜班及び開港場なり空港なりの数、これに要する捜査班、それから麻薬の地区事件の係として麻薬犯罪の多発地区における捜査を集中的にやる、従って、そういう地区の状況がどうなっておるであろうか、そのようにいろいろの麻薬犯罪の実態を資料にして各県に要求をいたしたのでございます。その要求資料の二分の一が今回認められておりますので、その二分の一を各県にそれぞれ配当する。それで麻薬の方は具体的には十五都道府県ということに相なっておるのでございます。つまり私どもとしては、実態で積み上げていく、従って、その積み上げに応じて配当をしていきたい、こういうふうに考えております。
○亀岡委員 予算要求の際の積み上げた資料によって各府県に割当をするということですが、その資料というものの説明がないわけであります。これは私ちょっと聞いたところによりますと、福島県と宮城県では、よそさまの県を言うては恐縮ですけれども、非常に差がある人数の割当だったということで、私もちょっと調べてみたんですが、面積は福島県は宮城県の倍あるのですよ。国道の長さも宮城県の倍以上あるのです。それから人口も宮城県の百八十万人に対して福島県は二百五万人。車の数も宮城県は八つなのに福島県は十四ある。町の数も宮城県が五十七で福島県が六十ある。村の数が福島県が四十六あるのに宮城県が十。しかも今度の法律改正の目的になっておる幹線道路、関東に向かって通る自動車の台数というものは、奥羽線も秋田も宮城も岩手も青森も全部の車が福島県を通るわけです。そういう際に、この警察官の人員の割当というものの予算要求の資料は、はたして適切であったかどうかということに私は非常に疑問を持つわけです。これはあとの残りの分を配分するときには一つ十二分に考えてもらいたい。また現在一応考えておられるような線について再考慮をしてみようというような気持があるかどうか。
○後藤田政府委員 実は交通の配置は、先ほど申しました白バイについては、大体二十万以上の都市ということを一応の基準にしました。それから四輪につきましては、一日一交通量四千台以上の路線ということが一つ、いま一つは一日の交通量が二千台以上の路線、こういうことで当該路線の当該県内におけるキロ数がどの程度あるかということによって各県の配分ができておりますが、重要交差点とか、あるいは重要な交通上の要衝における検問要員等については、具体的なそういう数が幾らあるか、こういうことで配置をいたしたのでありますが、御質問の点は、その資料そのものがよくないのじゃないか、こういうことでありますが、まさにその点はいろいろな御批判があろうかと思います。従って私どもはこの配置数が絶対正しいのだ、こう申し上げるのではございませんが、一応の基準としてはこういうことでやらざるを得ぬし、これならおおむね妥当であろうということで配当をいたしたのであります。なおその際に、従来から東北地方及び裏日本の警察官の配置が非常に手薄でございますので、そういう点を若干考慮いたしたことは事案でございます。宮城県と福島県の場合には、実は仙台市というものの交通量の特殊事情に、ただいま申しましたような基準でやりますと、ある程度の考慮を要するということで若干の開きがございますが、おそらくや最終の配当の際には、宮城、福島はそう差がない、同じくらいになるのじゃないか、これはまだ確定いたしておりませんが、私は一応そのように考えております。
○亀岡委員 先ほど警察官の待遇の面でちょっと落としたわけですが、警察官の住宅ですね、これが府県警察の場合なんか見ますと、公務員の中でも最低のところにみんな入っているのですね。これもやはり文句の多いところがよくなっていって、黙っている方がなかなかよくならない。これはまことに政治の悪い面だと思うのですけれども、そうであればこそ、先ほど来申し上げたように、やはりこれなんかも自治省当局とよく折衝していただいて、やはり身の危険を感じながら職務遂行をやっているわけですから、せめてうちへ帰ったときくらいはほんとうにゆっくり休養のできるような住宅を写えてやるということについては、ぜひともこれは強力に進めていただきたい、こう思うわけです。 それからちょっとあれですが、最近の警察官の志願者ですね、この現況はどうなっているか。聞くところによりますと、だいぶ志願者の質が落ちかかってきておるということを聞いておりますし、志願者の総体が少なくなってきているのじゃないかということは、やはり給与面等と大きな関係があるような感じを持つわけですが、その点についての長官の御意見を一つ伺いたい。
○柏村政府委員 警察官の応募者についての御質問でございますが、過去の数年前におきましては、十五人とか二十人に一人という時代もあったわけでございますが、その後景気が非常によくなってくると、一般民間の待遇が上がってくるというようなことで、一時、大体三人に一人くらいまで下がって参りましたが、昨年あたりからこれがまたふえてきておる状況でございまして、その質におきましては必ずしも従来より非常に劣るというようなことはございません。大体高等学校卒業直後の者が大部分でございまして、これに対して適正な試験をして、身体強健、思想堅実というような者を学科試験とあわせて考慮いたしまして採用いたしておるわけでございますが、素質におきましては必ずしも低下をいたしていないという実情でございます。もっとも、大量観察いたしますれば、十人に一人のときより四人に一人のときの方が若干劣るようになるということはこれはやむを得ないことかと思いますが、非常に低下する、劣悪な者だけ集まるという状況ではございませんで、決して警察の執務に支障を来たすような状況では毛頭ございませんので、御安心を願いたいと思います。
○亀岡委員 次に、青少年の補導の問題なんですが、これはどこの警察署を回ってみても、ちょっと大きな都会の警察署でありますと、非行少年の補導という問題に非常に苦労しておる。大体、担当警察官の数がきわめて少ないという声を聞くわけですが、非行少年が警察の手にかかる前に、家庭なり学校なりの補導によって、非行少年に陥るのを防げれば一番いいわけですけれども、警察補導というのは最後の線という点から考えましても、散発的補導ではなくて、常時補導を継続するという体制をとるためには、交通警察関係は、世論の相当大きな支持もあって実現を見たわけですが、この補導関係の定員増というものは、言われておりながらもなかなか実現できない。この点については、当委員会としても今後大いに考えていただいて、推進力となっていただいて、この非行少年を防止するという点に警察庁長官みずからもっともっと力を入れていただきたい、こう思うわけです。 それから殉職警官の弔慰という問題、これはだいぶ改善されてきておるわけなんですが、戦後殉職警察官はどれくらいの方が殉職されたかという数と、その遺家族の実態をできるだけ詳しく、今資料がなければあとでけっこうですから、出していただきたい。 同時に、殉職警官の子供あるいは未亡人の問題、こういうのに対して何らかの対策がなされておるかどうか。これは私の考えですけれども、殉職警官の遺児には特別の育英基金を考えるとか、あるいは未亡人の方にはいろいろな職を考えてやるとか、そういったことが今後必要になってくるのではないかと思うのですが、この点について長官の御意見を伺いたい。
○柏村政府委員 殉職警察官の数その他御要望のございました点は、後ほど資料として差し上げることにいたしたいと思います。 その遺家族等に対する育英の仕事であるとかあるいは就職の世話であるとか、そういうようなことにつきましては、これは私どもの方で統一的にどうこうするということを指導いたしておるわけではございませんけれども、各府県ごとにたとえば育英資金の募集であるとかいうようなことをそれぞれやっておるようでございます。満足すべき状況であるかどうか、これもよく調べまして御報告いたしたいと思いますが、たとえば私どものところにおきましても、本庁などについては、できるだけそういうふうな職員の不幸等については考えるように努力いたしておるわけでございまして、各府県等においても当然にそういうことをやっておるように聞いておるわけでございます。その程度の状況や何かについては、後刻調べた上で御報告申し上げます。
○亀岡委員 これはぜひとも実態をよく把握されまして、第一線の警察官が安んじて職務遂行できるための一つの対策として、やはり殉職警察官の子供さんなりあるいは家族なりが困ってしまってどうしようもないということであっては、気になってなかなか働けないわけですから、そういう点をよく御検討いただきたい、こう思うわけです。 それから今度の改正法案の内容についてお伺いしたいわけでありますが、全国的な幹線道路における交通の規制に関する事務量は、先ほど申し上げましたように非常に膨大になってきている、また、いろいろな規制措置も強化していかなければならぬということで、三十三年に国家公安委員会に幹線道路の規制という仕事が加えられたわけなんですが、これを今回管区警察局にもそういう仕事をさせようというのが改正案の一つの改正点になるわけですが、この点は私どもも異議のないところでございまして、この改正によりまして、法律上は国の機関の中の権限の問題ということで、国と都道府県の問の関係というものは、従来と何ら変わりない、こういうふうに考えていいわけですか。
○柏村政府委員 その通りでございます。
○亀岡委員 幹線道路の規制に関する仕事が管区警察局に付与されるわけですが、規制ということだけであって、幹線道路の取り締まりということは、現行法通りその府県警察によって行なうというふうに理解するわけですが、規制をするなら、やはり取り締まり面においても、何らか今後考えていく必要があるのじゃないかという気もするのです。その点に関して警察庁当局は、今後取り締まりの面についても、警察局に対して何らかの権限を与えていく気持があるのかどうか。どういうふうに考えておるか。
○柏村政府委員 今回の改正は、規制に関してでございまして、直接の取り締まりは従来通り府県にやらせていく。しかしながら、従来もやっておりましたように、その取り締まりについての調整ということは、これは国の権限として考えられるわけでございまして、当然管区においても、管区内の取り締まりの調整ということによって成立をはかりたいというふうに考えておるわけでございます。この考え方は、いずれ御審議を願いまする道交法の改正によりまして、今年夏から動き出しまする名神国道の一部開通に伴う取り締まりにつきましても、とりあえずは同様の考えでいって、これを国家的な取り締まりとして取り上げるかどうかということは、しばらく実情を見た上でさらに検討をしてみたい、こう考えておるわけであります。
○亀岡委員 最近の傾向として、広域行政といいますか、ブロック行政といいますか、そういう方向にいくべきだという傾向になってきておるわけですが、一部には、行政調査会あたりでも、総合的な広域行政機構を設置すべきだというような意見すら出てきておるわけで、私も当然そういう方向にいくのが至当であろうとは思いますが、将来の管区警察局を、どういうふうに持っていくかということを一つお伺いしたい、先刻来いろいろ論議して参ったわけですが、どうも中間的な存在として、一つのトンネル機関のような格好に終わっているのではないかというような感じすら持つわけなのですが、これを充実整理をして、ほんとうに管区警察局として、現在広域行政の方向にいこうとしておる中にあって、将来どのように運営されるのが最もいい姿なのかということについて、長官の御構想を一つ承りたい。
○柏村政府委員 管区警察局の機能につきましては、発足当時からその重要性ということは考えておったのでございますが、運営いたして参りまして、ただいまお話しのように、広域行政の必要性が説かれるような実情からして、管区の有する機能、意義というものは次第に増加してきている実情でございます。従いまして、この管区が単にトンネル機関であるとか、あるいは中央を向いているだけの機関であるというようなことでないように、必ずしも陣容において増強するということでなしに、機能的に企画性を持たせ、広域行政にふさわしいような企画、調整ということに重きを置くような機関に次第に指導して参りたい、こう考えておるわけでございますが、これを直ちに広域行政の実施機関ということにするかどうかということは、これはまた別個の問題でございます。もちろん警察行政というものは、その他の一般行政と関連を持って動いていくわけでございますので、いわゆる広域行政機関というようなものが確立するというような、一般行政においてそういうことが行なわれるというようなことになって参りますれば、当然また管区のあり方というものも変わってこようかと思いますけれども、そのときはそのときの検討に待つべきであって、現在としては、確かに交通行政等については、広域行政の特に著しく考えられるべき問題ではあろうと思いますけれども、何と申しましても、現在警察法の建前は、府県の警察ということを基本にいたしております。それを広域行政の見地から見る場合においては、国家的な調整ということで補っていくのが現段階としては至当ではないか、やはり警察法の基本というものは、あくまでもこの際貫いていきたいというのが私どもの考えでございます。
○亀岡委員 時間がありませんので、簡単に質問を進めて参ります。 名神高速自動車国道がことしの七月ごろから使用開始になるわけですが、ああいう高速自動車道路の取り締まりという問題については、警察としてはどのような体制で将来対処していくものか、その点をちょっとお伺いしたい。
○柏村政府委員 これは、いずれ法案が提出されてからとくと御審議を願うことでございますので、詳細はそのときに譲りたいと思いますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、取り締まりについていろいろ現行法で不十分なところを是正していかなければならない。規制等についても法律の改正を今度お願いしておるわけでございますが、しかし基本は、やはり府県警察の取り締まりということにしていきたい。ああいう特殊な道路であるから、それは国家の取り締まり機関を直接運用するということにした方がよいのではないかという御意見もあるようでございますが、私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、名神高速国道につきましても、やはり基本は府県警察の取り締まりということを根幹にして考えていきたいと思っております。
○亀岡委員 警察法の第六十六条第二項を改正して、警察官が管轄区域外においても権限を行使し得るように、道路に新たに道路運送法の自動車道というものを加えようというのが改正の第二点ですね。ところが警察法は、都道府県警察単位の取り締まりということを建前にしており、都道府県の警察官は、それぞれその都道府県の区域内において権限を行使するのが原則であるということに考えられるわけでありますが、第六十六条の第二項の規定を設けるという趣旨を一つお伺いしたい。
○柏村政府委員 六十六条二項におきましては、現行法におきましても、府県の区域を越えてやり得る例外を認めておるわけでございます。ところがこれは道路法にいう道路に限られておりますので、最近各地に建設されておりまする道路運送法による自動車道、いわゆる自動車専用の、会社経営などによる道路が相当できておるわけでございます。たとえば箱根・ノ湖ラインというような例をとってみますと、あの道路は、何も県境にこだわりなしに、都合のいい景勝の地を縫って走っておるわけです。そうすると、静岡県が大部分でございますが、一部神奈川県に入るというようなことで、現行の六十六条二項によりますと、道路運送法による自動車道は、これは非常に形式的でございますけれども入らないということになりますと、静岡からちょっと抜けて神奈川に入り、さらにすぐ静岡に入るのであるけれども、そこにおける取り締まりは、静岡の警察官はできないということになりまして、現在六十六条二項で規定しておる精神から言っても、当然道路運送法による道路も含めるべきであるという見地に立って今回の改正をお願いしておるわけであります。
○亀岡委員 趣旨はよく了承しました。そこで最近における交通事故、特に新道交法の実施によって相当改善されてはおりますが、しかし交通事故の実態というものは、まだまだゆるがせにできない非常に膨大な数字に上っておるという実態からして、交通に関する関心が非常に高まってきておる。また交通安全の思想を普及しなければならぬという世論も非常に大きくなってきていることは、大へんけっこうなことだと思うのですが、これらの交通事故の実態数というものを考えてみますと、まことに容易じゃない。そういう実態にあるわけなんですが、近くさらに道路交通法の改正も意図されておるようでありますが、最近における交通事故の発生の状況、それからその事故防止対策等について一つ御説明願いたいというのと、これは私の感じなんですが、道路がよくなればなるほど事故が多く起きている。私の県なんか見ましても、国道四号線が整備されるに従ってこのような事故の数がふえてきているというのは、どういうところに原因があるのか。自動車運転の免許の許可の際に、運転適格とかなんとかということも考えておられるようですが、道路がよくなれば事故が少なくならなければいかぬと思うのですけれども、かえってその逆の結果が出ているというような点について、今言ったような点を二つ伺わしていただきたいと思います。
○富永政府委員 昨年の交通事故の状況を申し上げますと、おかげさまで発生件数におきまして一昨年よりも二・八%の減の四十七万件でございます。それから死亡者は一一・一%、一万一千四百四十五名でございます。負傷者はちょっとふえましたが、〇・二%増の三十一万三千七百件でございまして、特に死亡者が減ったということは、実は十四年ぶりのことでございます。昨年は一昨年に比べまして約千四百名減りましたし、それから一昨々年、つまり道路交通法実施前の年に比べましても、約六百名ほど減りました。これはやはり大きな記録ではなかろうかと思うわけでございます。ただし、人口の比率とかあるいは車の台数との比率から見ますと、まだ日本は依然として高い事故国になっておるばかりでなしに、また交通事故の実態をよく分析いたしますると、歩行者の事故がそうまだ急に減ったというわけにいきません。特に著しいのは、原動機つき自転車というかモーターバイクが非常にふえておるわけでございます。今、全国で自動車の数を申し上げますと、昨年の十月に遂に五百万を突破いたしております。それから今申し上げましたモーターバイクがほとんどこれに追いつきまして、四百六、七十万、年間三十何パーセント増というふうな非常な増加率を占めておりまして、両方合わせまして千万を突破するというのは、もう時間の問題であろうというふうに見ておるわけでございます。従って、死亡事故が減ったからといって、決して楽観は許せない、むしろ問題は今後にあると思うわけでございます。もちろん対策といたしましては、これは交通問題でございますので、これ一つがどうだというきめ手がなかなかない。あらゆる総合対策を講じなければならないことは申すまでもございませんが、やはり教育活動というものにさらに力を入れなければならないと同時に、特に免許の問題がございましたが、これは私どもも今後予算が通りますれば、免許法が実現いたしますれば、本格的に取り組んでいきたいと思っております。なお、施設の問題がまだまだ非常に等閑視されておるわけでございます。そういった精神的な分野あるいは物質的な分野、両方がいかなければなかなか解決できないというふうに考えておる次第でございまして、ただいまお話の、道路がよくなったら事故が起こるというのは、これは道路がよくなりますと、道路がよくなるに伴ってどうしても起こってくる、それから道路の悪い場合も、道路の悪い状況における事故というものが起こってきておりまして、事故の態様は少し変わって参りますが、これは道路がよくなると同時に、私どもといたしましては、道路に付随する施設といいますか、こういったものも同時に並行してよくなっていかなければ、単なる道路だけがよくなっていくのでは、それだけではまだまだ事故が防げないと思っておりまして、私どもとしても万全の策を講じていきたいというふうに考えております。
○亀岡委員 私は一つの提案をしたいと思うのですが、実は小学校、中学校の読本をみんな読んでみましても、交通問題について教材として教科書の中に全く入っていないのです。そういう面、やはり義務教育の中において、ある時間を設けて教育をするというようなことも非常に大事じゃないか。そこで、一つ警察庁の方から文部省の方に申し入れていただいて、そして教科書審議会あたりにもそういう意見を出していただいて、教科書の中へ正式の科目として教育できるような対策も非常に必要ではないか、こう考えますので、私の意見として一つ御検討いただきたい、こう思うわけです。 次に交通警察官というと、スピード違反を取り締まるには、その違反者のスピード以上のスピードで追っかけなければつかまえられないということで、非常に肉体的に過労を来たす。そこで交通警察官の健康管理の問題、あるいは交通巡査といいますか 非常に塵埃の多い、しかも神経を非常に使う中で勤務をするわけですから 相当肉体的にも精神的にも健康上悪影響を及ぼしているのではないか。これも福島県の交通関係のパトカーをやっておるおまわりさん方に聞いてみますと、胃下垂というものが非常に多くなってきておるというようなことについて、今後ますますこういう面のおまわりさんがふえていくわけですから、そういう健康管理の面については、警察庁当局としてはどういう対策を講じておられるのか、それを一つ伺いたい。
○後藤田政府委員 お説のように、交通の白バイ勤務者につきましては、胃下垂の疾患者が相当多いのであります。私どもとしてはその予防面として、白バイ要員等について特殊な被服、こういうものの支給を現在いたしております。またそういったものの健康の管理なりの経費として三百万ばかり、ほんのわずかでございますが、そういう経費も見ております。なおまた白バイ等の勤務員につきましては、勤務がそういうように過重である、また危険度というようなことから、現在特殊勤務手当として別個に経費の支給をいたしております。それは刑事等についての強盗殺人の逮捕といったような、きわめて危険な職務に従事する刑事と同じ額を特殊勤務手当として支給をしておる。なお、この額につきましても、三十八年度からは自治省当局と折衝して、お願いいたしまして、大体従来の二倍の額を支給するという線で話を進めておりますが、われわれとしては、なおこれらの措置で、御質問のような点について十全の措置がとられておるとは思っておりません。これはやはり毎年の予算を通じて、御質問のような点は十分腹に入れながら、交通白バイ要員の健康管理という面に十全の努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
○亀岡委員 次の質問者の時間の関係もありますので、今回の豪雪に関する警察庁の関係のことについてもお伺いしたいと思ったわけでありますが、また次の機会に譲りまして、最後に、これは交通関係とは関係ございませんが、近く四月統一地方選挙が行なわれるわけであります。そこで、ぜひとも取り締まりを最高度に厳重にやっていただきたいという要望を申し上げるわけです。そこで、長官にお伺いしたいのは、各県の関係者を集められていろいろと対策指示を与えられておるようでありますが、何といっても選挙の公明ということが日本の繁栄の根本になると思う。選挙ごとに莫大な金が使われるというようなことが、政治に対する国民の関心というものを非常にそらしておるというような点を考えましても、これは大へんな問題なわけですから、選挙の取り締まりということについては最大の努力をしていただいて、そうしてもう違反者とおぼしき者はどんどん警察に呼んで、そして注意も与えるということが、私の数少ない経験ですけれども、非常に効果がある。もう呼ばれただけで、一ぺん呼ばれた人は二度とそういう贈収賄あるいは買収といったような誘惑から敢然としてのがれるという例を幾つか見ておるわけです。従って、今回行なわれます地方選挙——私のところで先般行なわれた町長選挙の例なんか見ますと、全くもうほんとうに困ったものだと思うような実態があり、また関係の地域住民からも非常に批判が出ておるわけです。この統一地方選挙に対しての警察当局の取り締まり方針と言いますか、そういう点をお聞かせいただけるなら、ぜひともこの際聞かしていただきたい。
○柏村政府委員 選挙が公明に行なわれなければならないということは当然のことでありますし、これが民主政治の基本であるということは申すまでもないことでございます。ただ、この選挙の公明化ということが取り締まりだけで確保できるかどうかということは、これは必ずしもそうは言えないと思います。しかし、警察といたしましては、厳正な取り締まりによりまして、選挙の公明化を担保していくということを使命として考えておるのでございます。特に悪質な事犯については、これを厳重に取り締まると同時に、ただいま御指摘のありますように、軽微なものにつきましても、目につくものは事前にできるだけ警告をするという措置をとって、これが泥沼のような状態にならないように注意をしていくということに心がけておるわけでございます。ことしの春行なわれまする統一地方選挙につきましては、政府においても、特に事前運動の取り締まりを厳重にするようにという御意見もあり、そのための経費も計上されるというような考えもありまして、われわれとしては、従前にも増してお話のような点に努力をいたして参りたい、こう考えておる次第でございます。
○亀岡委員 選挙法の改正案も、この前の臨時国会で出して、事前運動を強力に取り締まるという国会の法律改正となったわけですから、警告書を出すというよりも——警告書を出すとなると、かえって先ほど来の事務が要るというようなことですから、呼び出しですね、怪しいと思ったやつはどんどん何十人も警察署に呼び出して、お前いかぬぞ、こういうことがあったじゃないかと言われただけで、一ぺん呼ばれた人は、もう二度とそういう誘惑に負けないという例をたくさん見ておるわけです。従って、そういう点は、長官一つ思い切って、取り締まりだけで選挙の公明はできないのだというような弱腰ではなくて、取り締まりだけでも選挙を公明にして見せるというくらいの気持を持って指導していただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。
○永田委員長 大沢雄一君。
○大沢委員 私、まず一音御礼申し上げますが、前回の委員会で警察庁、自治省の予算の御説明に対して資料の要求をお願いしておきましたところ、さっそくきょう配っていただきましてありがとうございました。 ただいま統一地方選挙の取り締まりの問題につきまして、同僚の亀岡委員の非常に熱心な質問、あるいは取り締まりの要望について長官の答えもあった次第でありますが、この場合、いただきました資料、統一地方選挙の取り締まりに必要な経費百三十八万七千円と申しますのは、これだけでございましょうか。私のお伺いいたしたいのは、もとより統一地方選挙は四月の十七日、三十日でございますから、ほんの一カ月の経費でありますからにはこれだけであるのか。そうだとすれば、三十七年度に、今お話のあった事前の取り締まりに要する特別な経費を見られたという長官のお話でありますが、三十七年度にそういう経費は幾ら見られておるか。また警察は、もとより第一線の各府県警察でありますから、あるいは府県警察において取り締まりをしていくのはもっとたくさんあるのではないかと思いますが、それはどのくらいあるか、まずそれをお伺いいたしたいと思います。
○後藤田政府委員 地方選挙の取り締まり経費でございますが、御質問の三十八年度の百三十八万七千円と申しますのは、地方選挙の取り締まりに要する本庁及び管区の経費のみでございます。それ以外に実際の取り締まりは都道府県警察がやるわけでありますが、この経費は補助金対象の経費になっております。そこでその補助金といたしまして千七百五十万九千円、予算に組んでございます。これは二分の一補助でございますので、約三千五百万という経費に相なるわけでございます。なお、ただいま申しましたのは統一地方選挙で、その他の選挙もやはり年内に若干ございます。その分として補助金は六百五十八万九千円でございます。これも二倍に上がりますので千三百万、勢い地方選挙の取り締まり経費といたしまして、大体国の予算書の中には二千五百四十八万五千円組んでございますが、大部分は補助金でございますので、二倍に上がって、おおむね五千万程度の取り締まり経費が計上されております。なお、三十七年度でございますが、三十七年度は、従来から地方選挙の取り締まり経費の予算の組み方が、大体毎年知事選挙が五つくらいあるであろうという想定で同じように組んでおったのですが これはやはり実情に沿わない、ことにまた、国の選挙を公明化する基盤は、より身近な地方選挙からであるという趣旨で予備費を組むことに相なったわけでございます。そして予備費といたしまして三十七年度二千二百九十六万四千円計上いたしております。これもほとんどが補助金でございますので、大体四千五百万前後の取り締まり経費が組まれております。この内容は、三十七年度、ことにこの数カ月間でございますが、年度内に行なわれます選挙が九百二十三件ございます。これの取り締まりの経費及び三十八年四月に行なわれます統一地方選挙の事前運動の取り締まり、この二つを合わせまして二千二百九十六万四千円、予備費で三十七年度に計上してあるのでございます。
○大沢委員 大体経費の全貌はわかりましたが、私の申し上げていることは、第一線の府県警察で取り締まりに要する経費が主体を占め、その二分の一が補助金として組まれておるということでございます。今お話をいただきまして、実際に件数をとってみたわけではございませんが、それにいたしましても、本年度の事前の取り締まり経費、三十八年度の経費、これを合わせましても、全体の経費といたしまして一億には満たない経費ではないかという感じがいたしたわけでございます。そうしてみますと、全国の選挙の取り締まりの経費を関係の警察官一人当たりにしてみますと、非常に微々とした経費ではないかと思います。それで実際にどういう取り締まりをなさるのか、実際の取り締まりのやり方を一……。
○宮地(直)政府委員 経費の点につきまして、多いか少ないかという点につきましては、いろいろ御議論があろうかと思いますが、これまでいたしてみました経費のやり方を基礎といたしまして、今後の地方選挙等につきましては、従来にまさる予算が計上されておるのでございます。大体国の選挙と同様の基準をもっていたしております。 選挙の取り締まりの具体的な方向でございますけれども、これはいろいろの場合々々によるのでございますので、一がいには申せませんけれども、われわれといたしましては、単に捜査専従員のみならず、各般の警察力から選挙違反の事実につきましての情報を得、さらにその情報を、証拠に基づきまして裏づけいたしました上におきまして、具体的な事件の捜査に入るのでございます。
○大沢委員 ただいま御説明を承りましたが、警察官は、実際に選挙の取り締まりに非常に骨を折っておられ、選挙の公明化のために非常な御苦労をいただいておるのでございまして、実際の選挙の取り締まり関係に要する両年度にわたっての経費が一億円で処弁されるとは私の常識がどうしても納得いたさないわけでございます。実際には選挙がなければ、他の警察活動に使われる捜査費を初めその他のものが、統一地方選挙があるために、相当そっちに使われるのではないか、こう常識上思うのですが、その点はいかがでございますか。
○宮地(直)政府委員 末端に情報がいかなるところからあがってくるかという問題でございますので、厳格に計算いたしましたところにおいては申し上げられないのでございますが、選挙に要します経費というのは、大部分が大体旅費及び捜査費でございます。従って、選挙違反の事実の捜査に要する経費は、必ずしも十分であるとは申せないかもしれませんが、必要である経費は一応この程度と存じておるのでございます。
○大沢委員 私はこの選挙の取り締まりにつきましては、警察官の御活動に期待する点におきましては、全く亀岡委員と同様でございます。そういう意味で、選挙の取り締まりは十二分にしていただきたいというつもりから、こういうことをお尋ねいたしておるのでございますが、実際問題として、今犯罪の捜査その他選挙違反の捜査のためにもこれは当然使い得るのだと思いますけれども、選挙のありますときには、他の一般の警察活動が、経費の上からも、また実際の警察力の上からも、そちらの方にとられまして、ほかの警察活動が手薄になるというようなおそれはないのでありますか。その点を、これも国民の側に立っての気持でございますので、お伺いしたいと思います。
○宮地(直)政府委員 選挙の取り締まりのある限られた時間につきましては、相当の警察力が選挙違反取り締まりに集中せられることは事実でございます。従って、その限度において、他に向く警察力が少なくなるということも反射的に当然かと思いますが、警察全般から見まして、これは時期的な問題でございます。なお、選挙の違反取り締まりに当たるために、当然警察としてなすべきいろいろな事柄、たとえば急訴事件あるいはその他の平常警察官としてなすべき事項にまでこれが影響を及ぼさないことにつきましては、幹部におきまして十分配意いたしているところでございます。
○大沢委員 選挙の常時啓発費、これの自治省の説明を聞いてみますと、これが本年度一億五千万、たった一カ月の四月の関係だけで一億五千万増額になっております。平生の常時啓発費は三億五千万、一億五千万は一カ月のための経費、それとこれと比較しまして、私は実に何と言いまするか、観念論はけっこうでございまするが、政府の選挙の取り締まりというようなもの、また選挙の公明運動というものについてのほんとうの考え方がここに現われておるということを否定できないような気がいたします。政府与党の議員として、予算の獲得運動には、これは私も責任の一半はございまするが、どうも、いかに本庁の経費で、指導の経費であるからといって、統一地方選挙の取り締まりに必要な経費百三十八万七千円、私は一億かと、これは間違っておるのではないかと思ってよく見直したわけです。それで先ほど申しました通り、これは四月の一カ月分、また三十七年度に事前の取り締まりの経費として相当に計上されるかと思って、その点もあわせてお伺いしたのでありまするが、お伺いしても、これは府県の経費負担を見ましても、わずか五千万円程度、これは常時啓発費——これは決してわけのわからぬ経費と申すのではありませんが、これに対しまする経費と、実際の選挙の公明を維持する基盤になっておる非常に御苦労な警察官の経費、これと比較しまして、これで済むものだろうかという感が私はいたしますが、どうも事務的な答弁ばかりでございますが、長官はどういうふうにお感じになりますか、その点だけをお伺いしたい。
○柏村政府委員 お話のように、確かに金額においての伸びという点から申しますると、自治省関係の啓発費は非常にふえておる。それに対して警察の取締費というものは少ないではないかというお話のように承ったのでありますが、自治省関係の啓発費は、たとえばそれだけ金があれば多々ますます弁ずと申しますか、有効にこれを使って、講演会をやるとか、映画会をやるとか、パンフレットを出すとか、いろいろな面にこれを有効に使う頭脳があればそれで消化していくもので、これでも足りないという意見もあるいは出てくるのかとも思うのでありますが、警察の取締費になりますと、先ほど刑事局長から申し上げましたように、実際に警察官が情報を得て、飛び出していって汽車に乗るとか、あるいは自動車に乗るとか、そういう旅費、それから実際直接捜査に必要な捜査費というものを積み重ねて計上されるということになりますので、非常に御苦労だという意味の努力に報いると言いますか、そういうふうな報償費的なものでありますれば、これは御苦労だったということで多額をいただくということも、私どもとしてありがたいことでございますが、そういうふうな経費としてではなしに、実際に警察官が活動して、どれだけの距離を何日動いた、またそのためにどういう捜査をしたので捜査費が要るということを積み重ねた結果の金額でございますので、そう何十倍にもふえるというような性格のものではないというふうに思います。もちろん先ほど刑事局長から申し上げましたように、これで十分だということはあり得ないかと思いますが、まずまず従来の取り締まりの実際から見て大いに力を入れてやるだけの経費が計上されたということで、われわれとしては遺憾ない活動をするつもりで努力をいたしておる次第でございますので、その点御了承をいただきたいと思います。
○大沢委員 私は、警察庁長官初め府県の巡査に至るまで、一番御苦労し、また経費を有効に使って、課せられた重要な職責をお果たしになっておることにつきましては、心から敬意を表するものでございます。しかし、私は、これを警察の事務ということでなく、政治の観点から見ました場合に、私ども国会、あるいはまた警察庁長官におかれても、やはりそういう御考慮もなさっておると思うのでありますが、そういうことを考えてみた場合に、もう少しやはり真剣に選挙の公明というものに——これは決して警察庁を言うのではございません。われわれ国会議員あるいは政府全体がもっと真剣に、この選挙の公明ということにつきましてほんとうにまじめな努力をやるということが、今日の民主政治を維持していく上に必要ではなかろうかということを痛感するものであります。すでに地方選挙が始まっておりますが、今、同僚の亀岡君からもお話がありましたが、福島県の市町村長の選挙のことのお話でございましたけれども、同様のことは私の県にもありまして、村ぐるみ、町ぐるみの違反ということで今地方紙上を非富ににぎわせておるわけであります。私は、こういうことを考えてみますと、やはり、今の段階におきましてまず必要なことは、選挙の取り締まりである。啓蒙宣伝ももとより大事でありますが、選挙の取り締まりということについて、われわれ政治をあずかる者はもっと真剣な考え方が必要であるということを——警察本庁におきまする指導費であるから少ないのかもしれませんが、統一地方選挙の取り締まりに必要な経費百三十八万七千円と、この数字を見まして私は何となくはだ寒いような感じがいたすわけでございます。これは率直な私の感じでございますので、この点申し上げまして、まことに警察庁長官初め警察官各位には御苦労なことでありますが、一つこの選挙の取り締まりを通じての公明化にさらに一段のお骨折りを下さいますようにお願いをいたしまして、私の関連した質問を打ち切ることにいたします。
○門司委員 今、選挙の問題が出ましたから、簡単に一つだけ聞いておきます。 これは名誉のために私は名前も何も言いませんが、新聞にも出ておることだからわかっておると思いますが、神奈川県で御承知のように、議員の候補者をきめるために、町内会で二人の候補者を一本にするかどうかということで会議を開いて、それについての回覧板を回した。当該町内会では、あいにくおまわりさんが会計をしておったということで、町内会の主要な役員であったということで問題を起こして、警察署長から注意を受けて、首をつって死んだおまわりさんがある。これは御存じだと思います。これらの事件は、今お話しの公明選挙と非常に関連が深いのであります。従って、直接警察官がそういう渦の中に巻き込まれる そういう言葉が当たるかどうかわかりませんが、とにかく直接の自殺の原因がそうだとすれば、一応渦の中に巻き込まれたと言っても差しつかえないと思います。そういうことがあった事実について、警察庁としては、取り締まりの建前の上から、公安委員会との間に、そういう町内会、部落会の推薦というようなこと自体について、いいか悪いかということについて合議かあるいは話し合いをされたことがございますか。あるかないか、それだけ言っておいてもらえばいいのです。それから先を追及しようとは考えていないのです。
○宮地(直)政府委員 神奈川県におきまして警察官が自殺した事故につきましては、われわれの方では、今まで判明したことにつきまして、その原因等まだ必ずしも十分わかっておりませんけれども、警察署長に叱責せられたために死んだというふうな状況は、まだ出ておらないのであります。なお、その他現地の状況によってのいろいろ煩悶だろうと思っております。 なお、われわれといたしましては、公安委員会等におきましても、警察官は御承知の通り選挙法上の特別公務員になっておりますので、選挙運動に警察官が関係するということにつきましては、あらゆる機会におきましてわれわれ十分戒め、そういう話をしておるのでございます。
○門司委員 私が聞いているのは、そのことも一つありますが、警察官としての立場、これは国家公務員であり、地方公務員であり、規制されているから、そのことはわかっている。町内会、部落会の推薦という行為それ自身は、何も選挙法に触れません。そんなことはちっともかまわない。問題は、そういう形で行なわれることがよいか、悪いかということですね。問題はそこにあるのです。推薦行為がはっきり許されている今日においては、これは私は非常にむずかしい問題だとは思います。しかし、一つの自治体の中にある一つの組織、そういう組織がそういう形で行なうこと、その是非等について、取り締まりの上からいっても、あるいは公明運動の上からいっても、相当検討さるべき余地があると思う。そういうことについて、国家公安委員会としての立場、あるいは警察庁としての立場から、選挙管理委員会との間にそういう問題の検討がされたかどうかということです。それだけ聞いているのです。
○宮地(直)政府委員 町内会等における推薦につきましては、具体的に論議したことはございません。ただ本件の問題につきましては、今私の方で調べておりますが、問題点は、内部の推薦の問題であるかどうか、あるいは推薦の事実を部外に回覧板をもって通知をした、つまり文書の回覧の適法性の問題もあろうかと存じておるのであります。
○門司委員 きょうはこれで質問をやめておきます。
○永田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十二分散会