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43回国会衆議院1963/07/04

大蔵委員会 第42号

発言数
25
登壇者
5
会派数
3
開催日
1963/07/04

会議録

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 これより会議を開きます。  永末英一君提出の外資に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。     —————————————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 提出者より提案理由の説明を聴取いたします。永末英一君。

永末英一民主社会党

○永末参議院議員 外資に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。  外資法は、日本経済の自立とその健全な発展及び国際収支の改善に寄与する外国資本に限ってその投下を認め、投下に伴う送金の確保と、これら外国資本の保護のための適切な措置を講ずることを目的としており、その第八条において、認可すべき積極的な基準と、認可してはならない消極的な基準を定めております。  いまや、貿易自由化の進捗、本年二月のIMF理事会による第八条国移行勧告の受諾、OECDへの参加という状況下にありまして、外国資本の投下のあり方次第によっては、国内産業は支配圧迫され、経済秩序は撹乱され、また特に中小企業に著しい圧迫が加わり、かつまたせっかく芽ばえている国内技術の開発とその企業化を阻害されるおそれが多くならざるを得なくなるのではないかと考えられます。  最近までの外国資本の投下状況を見ますと、昭和二十五年から昨年三月までの外国技術導入件数は千六百七十件、戦前の総件数二百三十一件に比較すると、約七倍強でありまして、その対価支払いは四億四百万ドル。件数の七割は、機械、化学など重化学工業が占めており、また、同じ期間における外貨資金受け入れは十五億三千五百万ドルであります。最近の傾向として、単なる証券投資でなく経営参加がふえ、持株比率折半合弁会社も増加し、単に利益配分ではなく、輸出市場制限を条件とするものがふえている等の現象が著しくなっております。しかも本年十月をもって、期限切れとなる日米通商航海条約の改定にあたっては、米国側は通商拡大法を制定した後における改定折衝として、日米間の資本移動の自由について自由範囲の拡大を求めてくることは明かであります。  このときにあたって、わが国は公正適正なる外国資本の導入はもとより歓迎しますが、その導入の結果が、国内経済に悪影響を与えるものであってはなりません。しかるに、現行法第八条第二項の三に、認可しない契約の経済政策の基準といたしましては、「日本経済の復興に悪影響を及ぼすものと認められる場合」という規定が唯一の規定でありますが、国民経済的視野に立つ不認可基準といたしましては、このような規定は、自由化進捗の現在、はなはだ不適当になっていることは言うまでもありません。今後、外国資本の導入が盛んになる情勢を前にして、このような基準の改正がぜひとも必要であります。今後の外資導入は、大企業間の過当競争手段として乱用されてはなりません。また、自由化を機会として、国内大企業との合弁を通じての国内産業支配、私的独占の手段となってはなりません。またせっかく導入された外国資本の元利送金を阻害するようなおそれがわが国側にある場合も、その導入は認可し得ないことは、本法の目的から見て当然であります。  この意味におきまして、現行法第八条第二項中の第三号を撤回し、次の三項目にかえるべきであると考えます。すなわち、一、「産業秩序を著しく乱すものと認められる場合」二、「中小企業を不当に圧迫するものと認められる場合」三、「日本経済の健全な発展に寄与する新たな技術で国内で開発されたものの企業化又は新技術に係る事業の育成を阻害するものと認められる場合」右の三つの条件に分解し、規定し直すべきであります。この第一項は、私的独占や過当競争の激発を誘発するおそれがある場合であります。この第二項は、中小企業はいまだ国際競争力が弱く、経営の近代化も十分でなく、賃金、生産性ともに大企業との間に格差がはなはだしい現在、これを不当に圧迫するような外国資本の投下は、中小企業者の営業権、生存権をも脅かしかねないので、ぜひとも明らかにすべき基準であります。この第三項は、技術革新と新技術の国際的交流がいかに必要とはいえ、国内における新技術の芽を不当に踏みにじっては、国民経済の自主性は阻害されます。したがって、そのようなおそれのある場合を明らかにすべきであるという趣旨であります。  以上、御説明しました改正点は、今後、外国資本を導入していくにあたりまして、国民経済上の政策視野に立っての不可欠のしかも最小限度に必要な要件であると確信いたします。  何とぞ、慎重御審議の上御賛同あらんことを希望いたします。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  この際、暫時休憩いたします。    午前十一時四十七分休憩      ————◇—————    午後零時十七分開議

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  安宅常彦君外九名提出の国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 ただいま議題となっております国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案について、提案者の安宅議員に御質問をいたしたいと思います。  提案理由の説明を見てみますと、この法律案を提出する理由として、公共企業体等労働関係法との関連において、いわゆる三公社の職員を、国家公務員等退職手当法の適用からはずす必要がある、こう書いてあるわけでありますが、察するところ、公共企業体の職員は、その労働関係におきましては、国家公務員法の適用を全く排除されまして、公労法で設けられておるわけであります。退職金というものも、やはりこれは若干の論議はあるにしても、当然労働条件の一部である。特に退職金というものが、賃金あと払いの思想というようなものも、学説的にもあるわけであります。そういうようなことを見てまいりますと、これは当然公労法に基づく労働条件についての団体交渉の範疇に入るべきものだ、こういうように解されるわけであります。そういう状態にあるにもかかわらず、今日退職金の問題だけが、国家公務員等退職手当法の中に入っている。このことが、法体系全体として非常におかしいじゃないか。こういうような不合理といいますか、矛盾といいますか、これを直そう。たとえば、共済組合等につきましても、国家公務員と公共企業体ははっきり別個の法律をもって律せられておるわけであります。そういうようなことをいろいろ考え合わせますと、退職金の問題だけが、国家公務員と一緒の法律になっているというのはいかにもおかしいのだ、こういうところに、今回一部改正を提案された提案者の理由というものがあるんだ、かように私ども考えておるわけでありますが、その点について提案者の御見解をひとつお聞きしたいと思います。

安宅常彦日本社会党

○安宅議員 質問者のおっしゃっているとおりでありますが、なお、ふえんして申し上げるならば、国家公務員等退職手当法というのは、主体が国家公務員であらなければならないということで、そういう法律があるわけであります。そこの中に、公共企業体の職員が、本来、公労法の関係で団体交渉によって労働条件を律すべきはずなのに、国家公務員と一緒に、一つの基準できちっときめられておるということは、団体交渉権そのものを否認する考え方で、これは非常にまずいのじゃないか。たとえば、いま、電話の交換手に対する特別給付金をつけるという法案が本国会にかかっておるわけですが、こういうものは逓信委員会で論議しておるのですね。これは大蔵委員の諸君に、私申し上げたいことがあるのですが、そういう不合理が出てくるのです。本来ならば、退職手当のことですから、国家公務員等退職手当法の範疇に入るものです。だから、大蔵委員会で論議するのがほんとうなんです。それが長ったらしい名前でもって、いかにも逓信委員会で論議するんだぞといわんばかりの名前をつけて、それで逓信委員会でやっておる。これは、退職手当をああいいふうに増してやるということは、たとえば建設省なりあるいは厚生省なり、どこの省でもけっこうですが、あれと同じみたいなことを、電電公社や郵政省等で、いま起きている退職手当の増額、こういうものがばらばら出されたならば、大蔵委員会というのはおかしくなっちゃうのじゃないか、私がそう思うほど、いま矛盾がきておるのです。そういうことが特に強調されなければならない。  それからもう一つは、いまちょっと学説のことを質問者が言いましたが、労働基準法の第十一条にいう賃金というものは、いかなる名目でもこれは賃金だ、われわれはこういう解釈をとっておるわけです。逆にいえば、普通の一般の、労働組合法の適用を受けておる労働者が、未払い賃金が残っておったという場合には、退職手当の分はなかなか請求できない。それはなぜかというと、これは労働基準法でも明確になってないのですから、労使対等の立場で団体交渉できめたものが初めて効力を奏するということですから、そういう団体交渉権を持っておる労働組合というものは、退職手当をきめる手段というのは、労使対等の団体交渉できめるほかに道がない、こういうことを証明しているものだと思うわけです。  なお、三公社のいろいろな労働協約集を見てみますと、ここにいま電電公社のあれを持ってきているのですが、退職措置の協約というのが現に締結されておるのです。たとえば対象者の選定方法であるとか、退職の発令時期であるとか、退職手当をはじめ、たとえば長年つとめた人の特別のいろんな優遇措置というものも、公社と職員間で協約がかわされているのが、実はもうすでにたくさんあるのですね。だから、団体交渉の範囲内と認めて、すでに協約を結んでいるのに、退職手当の本体だけが国家公務員等退職手当法で律せられておるというのは大きな矛盾だ、私はこういう考え方で提案をしているわけです。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 ただいま提案者のお答えがあったわけでありますが、退職金の問題は団体交渉事項である、こういう見解に立たれているわけでありまして、私もまたそういう見解をとるものであります。そこで、民間等におきましては、退職金というものはすべてこれ労働協約で締結されておる、これが普通になっておるのだと思いますが、もしおわかりでしたら、民間企業の場合に退職金を団体交渉によって労働協約できめておる、こういう事例についてひとつお答えをいただきたい。

安宅常彦日本社会党

○安宅議員 これは、普通の労働組合を持っている企業体では当然そのようになっておるので、どういう事象があるかということになると、たいへんこまかくなりますが、一般的にはそれがあたりまえだ、こういうふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大蔵省の給与課長にお聞きいたします。  いま提案者からもお答えがございましたように、退職金の問題というのはすべて労働条件の問題である、私どもかような観点に立つわけであります。しかるに、公共企業体が発足したのは昭和二十五年の八月でありますが、国家公務員等退職手当法が制定されましたのは二十八年の八月八日で、法律第百八十二号であります。公共企業体がもうすでに存在をしておったのに、どうして退職金の問題だけを国家公務員等退職手当法の中に入れたか。国家公務員の下にカッコをつけて、日本専売公社、日本国有鉄道もしくは日本電信電話公社、以下公共企業体という、こういうぐあいに入れてこれを国家公務員並みに扱う。自来公共企業体は、本質的に労働条件であるべき退職金は団体交渉の範囲から除外されてしまっている、こういう現実にあるわけであります。いま本一部改正案を提案した安宅議員から御説明があったごとく、退職手当に関連する問題の若干についてなるほど労働協約が締結されている状態にあるわけでありますが、その主体をなす問題点については全部法律で規定されてしまっている。こういうことは、やはり一種の団交権を否認する、労働条件でありながらその面について団体交渉はさせない、こういう事態になっているわけであります。一体どういう理由があってそういう措置をとったのか、そしてまた、かりに当時そういうことについて具体的な根拠というものがあったにしても、現状においてなおそれを維持する積極的な理由がどういう点であるとお考えでありましょうか、お伺いをいたしたいわけであります。

平井廸郎大蔵事務官(主計局給与課長)

○平井(廸)政府委員 先生の御質問の内容を少し分析して考えますと、二つに分かれようかと思います。一つには、退職手当というものが、本質的に見て団体交渉でそのつど基準をきめるべき性質のものであるかどうかという問題と、第二点には、国家公務員等退職手当法の中に入れなければならぬかどうかという問題と二つになろうかと思うわけであります。  第一の点でございますが、私どもといたしましては、国家公務員等退職、手当法が二十八年に制定された当時の経緯は必ずしもつまびらかではございませんけれども、当時のやり方としては、その前にございました退職手当暫定措置法を継承するという形でやったわけでありまして、そのときに本質的な改正が行なわれたかどうかは明らかでございませんが、基本的な考え方としては、国家公務員なりあるいは団体交渉を認められている三公社職員なり、さらに国家公務員のうち五現業職員なりについて、退職時に支給されるべき給与はむしろ制度的にきめられるのが当然ではないかということになったのではないかと考えるわけでござています。と申しますことは、将来にわたって退職者というのが出てまいるわけでございますが、ある時点において退職した場合には非常に有利になり、ある時点において退職した場合には非常に不利になる、そういった形というものは、むしろ本質的に避くべきものでありまして、そういったものは制度的にきめられるのが当然であろうということが基本的に考えられたのではないかと思うわけでございます。その場合におきまして、第二段の問題として、それでは国家公務員等退職手当法という形で一本にしている理由はいかんということになろうかと思うわけでありますが、この点については、なるほど、先ほど安宅先生御指摘のとおり共済組合の制度については現在別個になっておりますが、これはむしろ制度的に見て共済組合制度というものは国家公務員の恩給公務員から分離していったという歴史的な沿革がまず三公社について起こったということでございまして、現在の段階においては、むしろ国家公務員もこれにならって——そういうことばは語弊があるかもしれませんが、少なくとも制度的にはやはり共済組合法という形で退職年金給付というものを統一的な形として考えられているわけでございます。したがって、われわれから申しますならば、むしろ三公社の場合と国の場合と共済組合法は別個であるから、これもまた別個であるということには、にわかに賛同いたしがたいわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 国家公務員あるいは公共企業体の職員等は、退職手当というものの性格上から制度的にそのときそのときの事情に左右されることなしに、安定したものをきめておいたほうがいいんじゃないかということが一つの現行法のたてまえになっているようなお話でございました。しかしながら、それはやはり私の質問に焦点を合わしたお答えになっていないわけであります。それはやはり本質というものが、わざわざ昭和二十五年に、それまで国家公務員であった公共企業体の職員等を——これは国鉄の場合昭和二十五年の八月でありますが、そういうことで公共企業体にした。そして、これは由来を訪ねればマッカーサー書簡等にも発するわけであります。あるいは政令二百一号に発する措置として、公共企業体の職員には国家公務員としての身分を与えるよりは、労使関係において切り離して明確に労働関係として処置をすべきものだということから、公共企業体が設立をされて、その労使関係においては公共企業体等労働関係法というものができ上がったわけですね。沿革的にはそういう状態にあるわけであります。そこでは、やはり労働条件というものはあくまで公共企業体の管理者側と団体交渉をする。団体交渉によって、団体協約を締結することによって、職員の待遇の改善、労働条件の維持向上を期するのだ、こういうたてまえになったわけであります。それなのにもかかわらず、退職金だけを抜き出して、依然として国家公務員と一緒にするということは、その本質というものを、退職金が労働条件であるかないか、この点についてまずひとつはっきり答えていただきたいというのが、先ほどの賛同の第一の主眼であったわけですが、それに対して答えがなかったわけです。それが一つです。その点を明らかにしていただきたい。  それから制度的に安定したもののほうがいいんじゃないかという考え方であります。それだったらこれはそのほかの賃金の問題につきましても、一般的な賃金の問題あるいはその他の労働条件等につきましても、団体交渉と労働協約、そしてしかも公労法には十六条というような政府を拘束する規定もちゃんとあるわけであります。そういうようなこともやはり一つの制度であります。労働協約ができて、その協約で定められたこと、あるいは調停委員会の調停を両者で受諾をした場合の政府を拘束する条項、あるいは仲裁委員会の裁定に対する政府拘束の原則というようなものが、十六条に定められているわけでありますが、そういうようなものと、どれだけそれじゃ制度的安定性という考え方から合理的な理由があるかということは、納得ができないわけであります。退職金というようなものがあくまで団体交渉事項であるべき以上、これはやはり当然公共企業体等労働関係法の中に取り込んで、団体交渉でこれはちっとも安定性というものを害されないという立場に私ども立つわけであります。そういう二つの点について明確にひとつ答えていただきたいと思います。

平井廸郎大蔵事務官(主計局給与課長)

○平井(廸)政府委員 退職手当の本質がどういうものであるかという点については、先ほど賃金のあと払いという学説もあるというお話もありました。そういう学説もあることは事実でございますが、一方では企業体なり国の一般的な交渉という考え方もあるわけでございまして、必ずしも本質的にその考え方というのが一致しているわけではございません。ただその場合に、それでは労働の条件になるのかならないのかという問題でございますが、現在の公企体の解釈においては、広い意味において労働条件になってくるということは否定できないことであると私ども考えております。ただ、さらに進んで、しからば広い意味の労働条件というものはすべて一切団体交渉できめるのが適当であるかどうかという問題については、私どもとしてはさらに議論があるわけでありまして、先ほども申し上げましたように、退職金の給付について一方では共済組合法という制度できめておることだし、一方では退職手当についてもはっきりと法律できめるのが妥当であるというように私ども考えておるわけでございます。その場合に、いま先生お話のように、企業については公企体労働関係調整法において決定の方式がきまっておるではないかという御議論があったわけでありますが、先ほど申し上げたのは、決定方式ではさまっておるということをもって十分とは考えておらないのでありまして、基準そのものが制度的にきまっておるということが必要であろうということを私どもとしては考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 いま政府委員からの答弁はさようなことであったわけでありますが、どうして広い意味で労働条件であるものを団体交渉にまかすことに異論があるのか、この点についてはやはり依然としてわからないわけであります。提案者は一体その問題について、どういうようにお考えでしょうか。

安宅常彦日本社会党

○安宅議員 広い意味の団体交渉権の範疇に入るということを言っておって、それを全面的に肯定するのはわからないというのがわからないわけであります。それは理論ではないと言いますか、何か答弁技術用の、悪く言えばへ理屈みたいなものでありまするから、そういうことではいかぬと思うのでありまして、団体交渉の範囲内だということになって、狭い意味でも広い意味でもそれは当然団体交渉事項であったら労働協約を結んでやるべきだ、こういうふうに一般的に常識論として一つ考えております。  それからもう一つは、私の改正案の内案をよく読んでいただきたいのでありますが、提案理由でも説明しておりますように、二つのおもな理由をあげておるのですが、この場合、こういうふうに、つまり団体交渉に移すべきだということを主張し、さらに「この場合、公社職員と国家公務員相互間の在職期間の通算及び公社の定める退職手当の基準など所要の措置を行なおう」こういうふうに書いてあります。だから一定の基準——ある時期にやめた人はもうけて、ある場合にやめた人は損したなんということにならないように——実は国家公務員等退職手当法で律しておるのだという話がありましたが、それは国家で律する場合と、それから企業体で律する場合といろいろあるのでありまして、これはそういうことにならないように基準というものをきめておる。つまり賃金はこれくらいだ、退職する場合の退職手当はこれくらいだということをきめて、そうして労働者と労働協約を結んで、よしきた、それではおまえの会社に入ってやろうというのがあたりまえです。そういう基準はちゃんときめるように私どもも留意しておるわけでありますから、絶対にその方面の心配もないのだということを、ついでながら申し上げておきたい。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 平井給与課長にお伺いいたしますが、退職金を支給する、まあこれは賃金のあと払い説もあるけれども、また別の角度から国家が公共企業体の職員に対して恩恵的に差し上げるんだという説もある、こういうわけであります。しかし労働条件であることは認められたわけでありますが、労働条件である以上、そのことについてみずからの意思に従って、またみずからの利益に従って労働協約を締結をする、こういうことにまかしてぐあいが悪い、そうなると恩恵的というようなことが現行制度よりも——かりに恩恵的なものという学説もあるという——しかし、そういう気持ちも退職手当の中に一部あるかもしれない。私も全面的にそれを否定するわけではない。しかしそういう恩恵的にいいものにしてあげようという気持ちというものが、これは団体交渉にまかしたならばそれが後退してしまうというようなおそれというものを感ずるわけなんですか、その点ひとつ真意を聞きたいわけです。

平井廸郎大蔵事務官(主計局給与課長)

○平井(廸)政府委員 私ども、学説的にどういうことであるからこれを団体交渉事項にすることによって恩恵的な要素がなくなる、むしろ制度的にこういう形にしておくほうが恩恵的な要素をより強く出し得るのだという考え方があるかという御意見でございますが、私どもとしては別にそういう考え方はございません。ただ私どもは、先ほどから申し上げておりますように、なるほど国有鉄道なりあるいは公社は退職手当の基準をお定めになることにはなっておりますけれども、しかしその基準そのものが団体交渉によって動かし得るものであるということになりますと、制度的に安定したものにはならない、そういうものは退職手当の性格になずまないのではないかというのが私どもの考え方でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この一部改正法律案は、そういうように基準を法律できめるということ自体がおかしいじゃないかという観点から提案をされているわけですね、だからこれを現行法というものから抜き出そうとしておるのに、現行法を前提にした答弁は、これはなってないと思うのです。抜き出してどう不利があり、どう制度的に安定が害されるのかということについてお答えを願わなければ、私は答弁にはならないと思うのですがいかがですか。

平井廸郎大蔵事務官(主計局給与課長)

○平井(廸)政府委員 たとえば国鉄なりあるいはその他の公社は、職員に対して支給する退職手当の基準を定めなければならないということは確かに改正案に書いてございます。しかし、そのことからは、退職手当が安定して払えるということにはならないのであります。ということは、先ほど来安宅先生の御説明にもありましたように、その基準そのものは団体交渉できめていくのだというお話でございますから、その限りにおいて、ことしきめられている基準と来年適用される基準は同じであるという保証もないわけでございます。そういう意味において基準そのものが浮動性を持っているということを言わざるを得ないではないか、それは退職手当の本質から見てやや問題があるのではないかということでございます。  なおこれは性格的に別の問題になるわけでございますが、公社等についてはなるほどそういう御意見があるとして、しからば五現業の場合にいかがなるかという問題も別にあるわけでございます。こういった場合には、先生方の御意見からいえば、それも国からはずすべきだという御議論になると思うのでありますが、私どもは少なくとも取り上げ方は、議論としては全般的な問題の取り上げ方とはちょっとずれているのではないかという感じもするわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 給与課長の答弁に対して、これは非常に問題点が多い法律案でございますので、納得できない面が非常に多いわけです。またこれに続いてやればやはり十数時間にわたってやらなければならないと思います。いま提案者もまた別の委員会のほうへ呼ばれているようでありますので、きょうはこれくらいにとどめておきますが、いずれまた機会を改めて、この問題についての本格的な論争を試みたいと思いまして、きょうはこれで終わりたいと思います。      ————◇—————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 本日の請願日程全部を一括して議題といたします。  本会期中付託になりました請願は二百七十三件でありまして、その取り扱いにつきましては先刻理事会において協議いたしたのでありますが、この際紹介議員の説明等を省略し、直ちにその採否を決することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。  おはかりいたします。  本日の請願日程中、日程第一ないし第七、第一〇、第二二、第一四、第一六ないし第一八、第二一ないし第二三、第二五ないし第二九、第三四ないし第五二、第五六ないし第七六、第八一ないし第一〇五、第一一一、第一二二ないし第一二六、第一三一ないし第一三四、第一三九、第一六九ないし第一七一、第一七三ないし第一八五、第一九一ないし第一九五、第一九七ないし第二〇〇、第二〇二、第二〇三、第二〇七、第二一〇ないし第二一二、第二一四、第二一五、第二三七ないし第二三九及び第二七〇ないし第二七二の各請願につきましては、その趣旨がおおむね妥当と思われますので、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 なお、本会期中、参考送付されました陳情書は三十件でありまして、印刷してお手元に配付いたしておきましたから、御了承ください。  次会は明五日午後零時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十七分散会

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