大蔵委員会 第33号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1963/06/11
会議録
○臼井委員長 これより会議を開きます。 外国保険事業者に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、参考人として、弘世生命保険協会会長、及び高木日本損害保険協会会長がそれぞれ出席しておられます。 参考人の方には、御多用中のところ御出席をいただき、ありがとうございました。 まず、今後の為替自由化に伴う諸問題について両参考人から御意見を述べていただき、その後に質疑を行なうことといたします。 それでは、弘世参考人にお願いいたします。
○弘世参考人 弘世でございます。 本日の議案は、外国保険事業者に関する法律の一部改正についてというように伺っておりますが、この問題とは直接関係なく、いわゆる自由化の生命保険に及ぼす影響について一般的に申し上げたいと存じます。 保険取引は貿易外為替取引に関係するものでございますが、資本取引に準ずる面も持っておりますので、いわゆるIMF八条国におきましても、一方において経常取引は自由化をしながらも、他方生命保険取引につきましては、資本の逃避に悪用されるおそれのあるものといたしまして、制限を行なっている国もあるわけでございます。わが国におきましても、自由化のスケジュールとしては、経常取引から資本取引へと拡大していくものと考えられるのでありますが、かりに資本取引が自由化されるような暁におきましても、資本逃避の防止は、為替の安定をはかるために必要欠くべからざるものであるので、それに悪用されるおそれのあるものにつきましては、引き続き規制が残されるべきであると考えるのでございます。 現状におきますところの日本の業界におきましては、事実上外国保険会社の営業は行なわれてないのでありまして、したがって国際性というものは今日ないといっても過言ではないと思います。かりに自由な活動が行なわれると仮定いたしましても、保険の価格につきまして、わが国の金利が商いという結果といたしまして、保険料に織り込まれますところの予定利率、並びに契約者配当を加味して考えましたいわゆる実質の保険料のいずれについて見ましても、対抗できると私どもは考えております。 また生命保険業にありまして、特に重要な機能を営んでおりますいわゆる販売組織についていいましても、わが国生命保険会社は、ほとんど全国的に店舗を整備しておりまして、販売上も一応有利な立場にあるものと考えております。しかしながら、外国会社の国内における営業がいろいろな形で行なわれた場合を仮定いたしますと、その影響は必ずしも軽微であるとは考えられません。そこで、いろいろな前提を置きながら、その影響について述べてみたいと思います。 外国業者がわが国で保険事業の免許を受けた場合の業務面への影響について申し上げます。 生命保険は募集人によって行なわれますもので、一般的に言えば一定の地域内の人のつながりによる活動によって販売されるものでありまして、販売のためには販売組織網を整備する必要があるのでございます。外国の会社にとりましては、わが国生命保険会社と同じように組織とまた地域に対する密着度を持たない限りにおきましては、競合上一応問題が少ないと考えております。しかし、外国会社がその資力にまかせて業界から優秀なセールスマンを引き抜いて組織網をつくるとか、あるいはまた国内の生保会社を何らかの形で抱き込むというようなことをいたしましてその販売組織を持てば、その影響は決して少なくないと考える次第でございます。 次に、外国会社の販売するところの保険種類の及ぼす影響について一言申し上げます。 日本の現在の商品の種類、商品の内容につきましては、まだ未開拓のものがありますので、もしその未開拓の面におきまして商品の需要が国民の間に起こってくるならば、いわゆる彼らが未開拓の商品を持って日本に来た場合、その商品の進出の影響が考えられるということが言えると思うのであります。われわれはこれに対抗いたしますために、大衆が望むところの各種の保険を今後開拓して、商品の内容またサービスの条項の改善に研究を重ねて、タイムリーに実現することに努めるならばこれに対抗し得るのでありまして、そういうふうにつとめてまいりたいと考えております。しかし、個人保険の分野では、前にも述べました販売組織が伴わない限りにおきましては、比較的外国の業者に対しては対抗力が強いということが言えます。とは申しながら、最近急激に増加しております個人でなしに企業を対象とした保険の分野では、わが国の生命保険の歴史がこの企業に対してはまだ浅いのでありまして、それと相まちまして巨大な資本力を持った外国の保険業者がその資力にまかせて進出をしてくることが予想されるのでありまして、もしかりにこういうことがあればその影響は大きいと思われます。 次に、貿易の自由化の与えるところの影響について申し上げます。 貿易の自由化そのものがわが国の産業構造あるいは企業の収支に変化を与えることから受けるところのいわゆる財務運用面での間接的な影響が考えられるのであります。また国際競争上の要請と関連する低金利傾向の生命保険経営に及ぼす影響は大きいと言えると思うのであります。これにつきましては、生命保険としては、財務投資の運用上に一そうの強化をはかるとともに、また他方におきまして経営の効率化に努力すべきであると考えておるのであります。 それからもう一つ、生命保険会社の経営規模格差による影響について申し上げます。 わが国の産業にはいわゆる二重構造の問題があるのでありまするが、自由化が進みまして競争が国際的な規模で激化した場合、一般的にいって中小企業の受ける打撃は特にきびしいといわれております。ところで、生命保険の経営規模を見ますると、契約量という面では著しい格差がありまするが、経営効率という面から申しますと、契約の多い会社が必ずしもすぐれた経営効率を示しておるということに限っておりません。米国、英国をはじめヨーロッパの諸国の生命保険会社を見ましても、規模の小さい会社は幾つもあるわけでありまして、それぞれ特殊な地域社会あるいは特殊な社会団体と密着いたしまして、その特殊性を示しまして健全に発展をしておることを見るのであります。業界内での一般的な自由化はすでに進められておるのでありまして、それぞれ体質改善に努力をしておるのでありまして、外国会社の進出が特に中小会社に著しい打撃を与えるということは一がいにはいえないと私は考えております。契約量の大小にかかわらず、自由化の方向に対処して業界全体が経営体質の向上に努力すべきであるということが言えると思うのであります。ただ保険会社に限らず、大きい規模の会社が安定的であるという可能性はまさに大きいと思うのでありまして、保険会社におきましても同様なことが一応言えると思います。 さて、結びでございまするが、外国業者の進出の影響は、その出てくるところのしかたいかんによっては必ずしも軽微であるとは言えません。これについては大きな影響がないようにいろいろな配慮がなさるべきであろうと考えます。根本的には業界自体が国際競争に耐え得るような自分の体力といいますか、契約の継続率を向上し、また一件保険金額を高めるなど、経営上の生産性や効率を改善して、また新しい商品の開拓、教育訓練の推進、販売網の強化、募集人の資質の向上、こういう問題にさらに一そう努力をいたしまして、企業体質の面で実力を身につけてまいらなければならないとわれわれは覚悟しておる次第でございます。 問題の、非免許外国保険事業者のわが国に進出した場合の影響について、一言最後に申し上げます。 これは最近の交通、通信の発達または今後の為替管理規制の緩和を契機といたしまして起こりやすくなってくると思うのであります。非免許外国保険事業者が保険業法あるいは同取締法に関係なく契約締結が行なわれることになりますと、不公正な手段によるところの市場撹乱が起こされ得るのでありまして、直接または間接にわが国の契約者あるいは被保険者、一般大衆等に不測の損害を与えることがあり得る、こういうおそれはあると思うのであります。 以上、簡単でございまするが、自由化に対する生命保険会社の影響について一言申し上げた次第でございます。
○臼井委員長 次に、高木参考人にお願いいたします。
○高木参考人 非免許の外国保険会社、外国保険事業者がわが国内で営業をやるということは、昭和二十四年の外国保険事業者に関する法律というもので、実は出先、日本内地における非免許、わが国内において免許手続をとっていない機関の保険募集あるいは紹介というようなことは禁止してあるのでございますが、肝心の本体法については直接には規制がされてなかったわけであります。そこで、これはその当時におきましては、おそらくそれで一般国際間の交通、通信その他の事情からいって十分であると考えられた結果であろうと思うのでございます。この情勢はその後非常に変化をいたしまして、現在のところ免許を得て国内で営業をやっております——国内と申しまするのはもちろん日本国内でございますが、国内で営業をやっておる外国保険会社は三十六社に及んでおるわけでございます。これはわが国の法律に基づいて、いわばわれわれと同じ土俵で営業をやっていくということなんで、これは問題はないのでございますけれども、交通、通信の状況が昭和二十四年当時とは非常に変化を来たしまして、現在におきましては、わが国内でもって免許を得て専業を営んでおる以外のものでも、本国から短時間、かつ、簡単に手を伸ばしてわが国内の契約者に接触することができるようになったわけであります。やろうと思えばできるわけであります。現にそういう実例もあるやに承知しております。そこで、御承知のとおりの今度の法律改正ということになって、その御審議をお願いしているのだそうでございます。 私どものみならず、現在国内において正式に免許を得て営業を営んでおる外国会社にとりましても、これは公正の観念からいってどうしてもやっていただかなければならぬ点だと考えております。それでございますから、私どもはこういう法案が審議されているということについては感謝の念を抱いておるわけでございます。かりにこの法案が成立いたしましても、今後は為替の自由化、そういうものと関連いたしまして、外国損害保険会社とわれわれ日本の損害保険会社が日本の市場においていわゆる競争をする、しかもいままで三十六社がすでに営業を営んでおるのですが、さらにわれわれ日本国内会社との競争が激化する可能性が非常に多いのみならず、今後新たに免許を受けて日本国内において営業を営もうという外国会社も出てまいりましょう。そうしますと、国内においてはわれわれがその競争の矢面に立つということになるわけであります。そこで、私ども損害保険会社といたしましては、そういう事態が新たに起こってこなくても、戦後非常にさんたんたる資産、営業の状況から再出発したものばかりでございますが——再出発または新たに会社の設立されたものもあるわけでありますが、いずれにしろ、われわれの事業の使命を達成するためには、損害保険会社として、社会全般に対して、産業界あるいは個人の家計の面におきましても、われわれとしてサービスを改善強化し続けなければならぬということは、もうわれわれの前から心がけてきている点でございます。ことに、いま申しますように、新たに国際競争の激化という事態が起こりますれば、われわれの事業のサービス面に対する改善とかあるいはその他保険会社としてあるべき姿、つまり体質改善とか、あるいは体質増強と申しますか、そういうことをできるだけ急いでやらなければならぬ事態に直面しているわけであります。現在日本の内地会社といたしましては、十九社の、保険契約者に直接接触いたします、いわゆるわれわれのいう元請会社と、保険会社が再保険という面において接触いたします再保険専門会社が一社、合計二十社あるわけでございますが、これだけの会社がそれぞれ自主的にさっき申し上げたような体質改善、増強、そういうことに努力をしているのでございますが、なかなかいろいろな事情から、ある場合、ある面におきましては、テンポが急激にいかないうらみがあったわけでございます。そこでそういうことでは、現在われわれが直面し、あるいはこれから当面する事態に対しては、はなはだ不満なわけでございます。そこでできるだけ急いでその目的を達成しなければいかぬというのが、われわれの現在直面しておる事態でございます。このためには大蔵当局の御支持、御協力を得まして、現に主として外国会社に対する競争、つまり国際競争力の増強という面、これをクローズアップいたしまして、いろいろな方面にわたって、いまわれわれの協会、あるいは御承知と思いますが、料率算定会、そういうところが団体的に非常な努力をしている最中であります。 その目標といたしますところは、まず第一には、保険会社といたしまして、いかなる事態が起こりましても、使命を達成し得るだけの保険会社の担保力と申しますか、資力、この増強ということが、いま外国の保険会社に比べまして、日本が非常に弱体であるということは否定できないのでございます。その弱体なものをできるだけ強化する、これが第一でございます。その強化するためには、これはいろいろな面において、つまり国内における保険の普及と申しますか、できるだけ損害保険を利用される分野を拡大しなければいけない。 そのためには、まず第一に、被保険者あるいは契約者にとりまして一番切実な問題は、保険料と申しますか、保険料率の問題であります。これが外国会社がわが国に進出してまいりまして、公正なる競争をいどむというようなときにでも、その外国の保険会社に劣る、理由なくしてあるいは薄弱なる理由のもとに、その外国保険会社の提供する料率よりも高い、つまり不利益を被保険者、契約者に与えるということでは、これはまず第一段においてわれわれの目的達成の障害になるわけでございます。これは現在並びにこれから将来にわたっても時々刻々に変化していく保険料率というもの、外国の保険料率というものをいままで以上に関心を持って検討いたしまして、われわれ自身のやっておるものとの比較ということをいたします。そうしてこの保険料率というものは、保険会社が負担する責任の範囲、これと関連がある。われわれが負担する責任の範囲が、外国の保険会社が負担する責任の範囲よりも狭いというようなことがあっては、かりに料率は負けないようにいたしましても、そういう面において今度は不便を与える。保険をつけて、万一の場合にその保険によって損失をカバーするという面において外国保険会社に日本の保険会社が負けるということがあっては、これは実際面において、われわれは競争に立ちおくれるわけであります。したがってそういう保険会社の責任の範囲、これに伴う保険料率というものを十分改善すべきものは改善し、そうして立ち向かってくる外国の保険業者に劣らないだけの仕組みをわれわれとしては、どうしてもでっち上げなければいかぬということです。それから次には、われわれが日本国内において保険契約者に契約を提供する、保険証券を提供する手段といたしましては、保険代理店というものの力が非常に大きいのでありまして、保険会社の契約いたします量の八割ないし九割——これは会社によっていろいろあるのでございますが、その程度は代理店を経由してやっているわけでございます。この代理店の営業もその代理店の保険契約者、被保険者らに接触する場合のやり方、これが非常に大事なことで、これの優劣によってわれわれの保険会社の保険契約の量というものは左右される。で、量が多ければ多いほど保険率は安くできまするし、またわれわれの体質改善をはかるいろんな手だても収入の面ということが基礎になるわけであります。つまり資力の増強とか、積み立て金の増加とかいうようなこともこれが土台になるわけであります。これを外国保険会社との競争において、そういう契約分野が荒らされるということになってまいりますと、これはわれわれの目ざすところが達成できないことになる。このいわゆる代理店を中心とする募集ということ、これをできるだけ改善していく、そして被保険者、契約者に十分なる保険サービスを提供するということ、これが一つには外国保険会社に対する競争に立ち向かう非常に大きな手段なのであって、これもいままでのようなやり方——これは全国で代理店の数は九万五千くらいあるのでございますが、これを組織の面から、代理店個々の面からと、両面からこれを改善し進歩するようにこれも努力しております。 それからいろいろ経済情勢あるいは産業の進歩発達によりまして、新しい保険の事故というものが変わりもいたしますし、だんだんとふえもいたします。これに対処するために新しい保険の極数というものも、われわれの創意くふうを発揮することによって、いわば保険の潜在需要というふうなものにできるだけ応じていくということ、これがやはり国際競争ということを抜きにいたしましても、どうしてもやらなければならぬことなんでございまして、これも現在すでに実施の段階に入るばかりになっておるものもございますし、近く実施できるもの、そういうものも数種類あるわけでございます。そういうことでさっきちょっと申し落としましたが、保険料率というものが、外国保険会社に劣らないように、つまり根拠なくして外国保険会社よりも高い保険料率を、むしろわれわれが提供するということでは、これはまことにいかなる面から見ましてもいけないことなんで、これをいまどういう面において合理的に下げ得るかということ、並びにこれは技術的にいままで保険料率というものを作成いたしますと、これは非常に複雑です。したがってその結果地域別、物件別その他非常に種類が多いのでございます。これでは実際の需要を満たす場合に非常に不便がある。その中でこれを簡素化し得るものが相当あるはずだというので、その簡素化ということをやっております。ことに住宅の火災保険、あるいは店舗の火災保険というものについて、そういう簡素化ということを近くこれは完成するはずでございます。それから工場なんかにおきましても、できるだけその工場の個々の実態に即した保険料を提供するようにというので、これも検討を続けておるわけでございます。 ただいままで申し上げましたことが、大体貿易為為替の自由化並びに外国保険事業者に関する法律の改正というものを対象といたしまして、われわれ損守保険業界としてやりつつある大体の実情でございます。一応それだけのことを申し上げて、あと御質問がございましたらば申し上げることにいたします。 —————————————
○臼井委員長 これより質疑を行ないます。堀昌雄君。
○堀委員 最初に生命保険の問題について少しお伺いをいたしたいと思います。 本日の新聞によりますと、生命保険の三十七年度の決算につきましては、一般貸し付けが六千四百億円、証券投資が二千六百億円、不動産千億円などがおもなもので、一般貸し付けの純増分が千三百億円とある、こういうふうに出ておるわけでございます。 実は、これまで当委員会におきましては、あまり保険の問題等がまともに取り上げられたことがないものでございますから、私ども論議をする機会が少なかったのでございますけれども、今後は少しこれらの問題についても論議をさせていただきたいと思っておりますが、実はいま生命保険の問題で私が一番気になっておりますことは、大体現在の生保、損保も同様ではありますが、特に長期資金をまかなう生保の場合におきましては、通貨価値の安定ということが前提でなければならないと思っておるわけであります。その通貨価値の安定という前提の上に、現在の生命保険という仕組みが組み立てられておる、こう考えておるのでありますけれども、実は政府当局の施策よろしきを得ざるものですから、そこで御承知のように消費者物価は年々異常な高騰を続けておるわけでございます。私は、本年度も予算委員会におきまして、宮澤経企庁長官と論議をいたしましたときにも、政府は何とか低目に見積もりたいし、まあ低くしたいのでありましょうけれども、現実の経済のほうはなかなかそうまいらないというのが実情でございまして、昨年度も二・八%の上昇を見込んでおりましたけれども、それが六・八ですか、九くらいに上がっておるわけでありますし、さらに今年も二・八%くらいを見込んでおりますけれども、おそらく六%をこえることは間違いないだろう、こういうことになるわけであります。 そういたしますと、私も実は生命保険に入っておりますが、たしか昭和二十六年ごろに入ったという記憶がございますが、当落は百万円の生命保険に入っておけば、まあいいだろうというので、実は百万円の生命保険に入りました。昭和二十六年の通貨価値と、十年余りを経過してまいりました今日の通貨価値というものは、これはちょっと指数のとり方があれでございますけれども、消費者物価指数が昭和二十六年は二五五でございましたものが、昭和三十七年の年度平均は三六八でございますから、約一一〇くらい、四割くらいは、すでにもうインフレートしてきている。そういたしますと、私は、実は百万円入ったつもりでおったのでございますけれども、いま六十万円の値打ちしか実はないわけであります。ところが、これを掛けている間は値打ちのある物価指数二下五で掛け、それから二六〇で掛け、二七〇で掛け、少しずつ変わってきておりますが、いま三六五で掛ける。最初には非常に保険金が高くて、たしか当時、私は二万五、六千円くらいを一年に払ったような記憶がございます。いま大体一万円になりました。そういたしますと、当時の二万五千円、いまの一万円というのは、実はもういま四割すでに通貨価値が下がっておりますから、通貨価値の下がった形で実は安いのをかけておるということになってきておるわけであります。要するに、生命保険の仕組みは最初にたくさんかけてだんだん配当その他で逓減していく、ところが残念ながら非常に通貨価値の高いものを最初にかけて先へいくほど減りますけれども、それは通貨価値の低いものを減らしていただいて、ずっと先へいって最終的に受け取るときは一体幾らのものがいただけるのだかさっぱりわからないというのが実は私の偽らざる感想でございます。私は当時は医者をいたしておりましたから、収入に対しては自分が健康である限り家族の生活を維持する点に不安はございませんけれども、かなり激しい仕事でありますから不測の問題が起きるかもしれないというので、いまから十年前に生命保険に入ったわけであります。ですからそのときの考え方というのは、要するに養老年金的なものをいただくというよりも、実はリスクに対する補償の保険だけをかけたいという考えでございました。そこで最長の八十歳満期養老というのが最も掛け金が低いという判断をいたしまして、一番掛け金の低いものでリスクを補償していきたい、こう考えてきたわけですが、そのリスクを補償するそのものがもう十年、十五年先へいくと、実は自分が値打ちがあってかけた当時の掛け金すらも保険金で入ってこないのではないかという不安があるのです。これは非常に生命保険にとって問題がございますが、それでは一体、私たちの失ったものはどっか多少利益をするところが出てくる、全部利益とは言はないが。そうしますと、いまの投資で六千億といっておる、借りているほうはこれはインフレーションが起こることはもっけの幸いでございますね、ともかく安い金を通貨価値のあるもので借りておいて、通貨価値の安くなったもので返すわけですから、これはインフレーションだけ、実は生命保険の加入者が失ったものは投資のほう、産業のほうはまるまるもうかっちゃう、こういうことが少なくともいまのインフレーションの起きつつある状況では私どもとしては偽らざる感想です。そこで、この投資純増千三百億というものもいまの段階ではそういうふうになってくる。このインフレ・ヘッジというものをもう少し生命保険会社としては考えて、そのインフレ・ヘッジをした分について余剰の出てくる分を何とか保険金を支払う際に調整はできないのかどうかということを、実はインフレーションの中では私は真剣に考えざるを得ない問題ではないかと思うのでございます。これは原則的な、しかし被保険者にとっても非常に重大な問題でございますので、この点についての生命保険業界のお考えをお聞きしたいと思います。
○弘世参考人 ただいまの堀委員からのお話まことにごもっともしごくでございます。私ども生命保険が一番弱いのはインフレでございます。これはお客様にそういうインフレによる貨幣価値の変化による損害をおかけするばかりでなしに、インフレによって保険の計算が狂ってくるわけでございます。したがって、もともと保険というものはいわゆる貨幣価値の安定という基礎の上にのみできる、これに対しましての努力は保険がどうのこうのというよりも、むしろインフレーション自体を防ぐという努力が——これは保険ばかりじゃない、あらゆる企業において、あるいは先ほどお話しのように得した企業もあるじゃないかということでございますが、しかし結局においては目先の得であって大局の損であろうと私は考えます。このインフレーション防止ということについてはぜひ国会も努力をしていただくと同時に、われわれもまたその驥尾に付して当然これを防御していくということでなければならないと思います。 それから、これはお答えが保険種類の問題の一つになるかと思いますが、御承知のように二万何千円かおかけくださって今日はだいぶ掛け金は減っておることだと思います。逆になっているような形なんでございます。いままでの仕組みは、つまり安定性においては、そのほうが楽になってくるということでよかったと思うのです。今後は場合によっては、たとえばサラリーマンといたしますと、保険料は給料から引いてくれるから、二万円なら一万円払うということは覚悟している。それがだんだん減るということよりも、それによってカバレージが多くなったほうがいいのじゃないか、こういうことも考えられるのじゃないかと実は考えております。そういう方面もひとつこれからめぐらしていかなければならない。ということは、最終配当という形、あるいはまた何年か切って増加証券を発行する。適時発行する増加証券によってこれに対応する方法がある。しかし最終配当の場合が一番合理的だというふうに考えます。これがはたしてインフレーションをどこまでカバーできるかどうかは別といたしましても、かけやすいという点においてはあるいは一つの行き方ではないか、こういうふうに考えております。これで御返事になりましたかどうか……。
○堀委員 いまのかけ方の問題は確かに新しくお考えいただいて、特にサラリーマンでもその他でも、いまの政府の方向はなるほど所得をふやすという方向ですから、名目にしろ所得はふえますから、掛け金の考え方とすれば、かえってある段階へ向けて少しふえていくほうがまだ負担としては負担しやすいという問題が一面的には私はあるのじゃないかという感じがいたしますから、ふやすかどうかは別としても、いまのこういう勾配になっておるのが勾配が少しゆるくなって、フラットになればフラット、多少上向きでもある時点にくれば終わるわけでありますから、そういう自分の生計、収入との見通しによれば、そこらのカーブの問題は確かに一つございますが、もう一つの資金運用面の問題。現状は保険業法で資産運用については制限が設けられておりますが、私はこの間も当委員会で、生命保険と損害保険となるほど保険とすれば確かに同じでございますけれども、きわめて性格の違うものが一つの保険業法になっておること自体法律として問題がある、ですから少なくとも損害保険業法、生命保険業法として分離したものを法律として書くべきで、それに応じたものになるべきだと思っておりますけれども、同時に、いまの生命保険の問題につきましては、資金運用のあり方に対する規制等も長期保険と短期保険というものの性格の相違があらわれてきていいのではないか。ちょっと古い資料で拝見したところによりますと、昭和三十三年の有価証券と貸し付けの状態というのは六二%と二五%くらいの割合だ、こういうふうになっておるようであります。いまは特に時期的には土地が非常に高くなってくるわけでありますが、不動産なり証券なりそういうインフレ・ヘッジのできるものに、短期保険は流動性が必要ですから無理ですが、生命保険のような長期資金の場合には、こういう時期にはそういうインフレ・ヘッジのできるものにもう少し比重をかけて運用すれば、結果としてはそれを評価益として出さなくとも、ある時期にそれを処理すればかなり加入者に対して報いられ、インフレに対するヘッジができるのじゃないか、こういうふうな感じがいたすわけですが、運用面についてのそういう点についてはどういうふうにお考えですか。
○弘世参考人 財務の運用面のいまお話がありました計数は、大体そのとおりと存じます。これを私どもはインフレなりとして、それをインフレ対抗策としてやるべきかどうかということにまた問題があろうかと思うのです。しかし、アメリカでも研究しておりますし、フランス等では実施しているという話も聞いておりますが、いわゆるバリュアブルの保険、つまりインフレになったらインフレになった計数だけをよけいに支払う保険というものを考えておるのでございます。事実、日本でもわれわれ研究しておりますけれども、しかしこれは大部分がいわゆる証券に投資する。アメリカでは非常に株の——これは四十数年前でございますが、生命保険が全部壊滅したことがあるのです。それから非常に厳重になりまして、ニューヨーク州法のごときは、たしか五%も許してないのじゃないかと思います。とにかくそういう投機的なものは一切いかぬということで、いわゆるボンド、社債を持てというふうなことをやっておるようです。そういうところから、しかしインフレに対するヘッジとして特殊な保険をつくったらどうかという問題がいま出ておるのですけれども、これはその半分かなんかをたしか株式にする——日本の場合も同じとは思うのでございますけれども、インフレに対して株は増加してくるのだ、だからこれはインフレヘッジになるからということで、そういうふうな資産運用面を許可してやろうというような動きがあるのです。事実ニューヨーク州ではこれは禁じておりますが、ニュージャージー州でもってそれを許可しておりまして、プルデンシャルという大きな会社でありますが、これがいま研究しておりますけれども、まだ発売しておりません。そういう特殊な保険ができないことはないと思うのでありますけれども、非常に危険性を持ちますので、やはりインフレになったときにどうするかということよりも、とにかくインフレにさせないということに対して、全社をあげ、関係の業界を貫いてわれわれは努力しなければならない、こういうふうに考えております。ただいまのところ、大体六〇%台から——われわれのところでたしか貸し付け金が六一%くらいになっておると思います。それから株式が二三、四%になっておるかと思います。まあただいまのところそのくらいがいいのじゃないか、こういうふうに考えております。これはしかし資金需要が少なくなりますれば、貸し付けば減りまして、証券のほうにいく、あるいはほかのほうにいくということは考えられるのでございます。どの程度がいいかということは、やはりそのときどきの一般情勢、将来性というものを考えながら、特にインフレ対策として考えるべきかどうかということは、ちょっと私どもは——それよりも先にインフレを起こさぬようにさせるということに努力いたしたい、こういうふうに考えております。
○堀委員 もちろんインフレがしょっちゅうずっと続いては困るわけでございますけれども、しかし現状は、日本だけにとどまらず、これは世界的な傾向でございますから、いま急に、それをどっちにかじを向けるということにはいかないにいたしましても、おっしゃるようにインフレを起こさぬということは経済の原則ですから、非常に重要なことですが、しかし政府も努力しておるのでしょうが、なかなかそういかないということになりますと、私ども保険に入っておるものの側からしますと、これは何とかもうちょっと考えてもらわなければならぬ。これまた、いまのスピードでまいりますと、あと十年しますともう半減してしまう。いま六割なんですが、このスピードでいくと、あと十年に最初の予想の三割になってしまうというようなことでは、これはたまらないという感じでございます。ですから何らか一つ、いま入っておる加入者を含めて、もう少しインフレに対して、まるまるはとてもできないことでしょうが、できるだけの措置ができるような、必要なら法律なりそういう面でも配慮しながらやるべきではないかという感じが一ついたしておるわけであります。 その次に、いまアメリカではボンドに対する投資がわりにあるという話でありますが、生命保険も損保もそうでありますが、保険というものは、資本主義社会における企業会社ではあったにいたしましても、公共性が非常に強いものだと私は実は理解をしております。そうすると現状では、日本の場合には一体どうして公社債新市場をつくるかということは非常に大きな問題になっておるわけでありますけれども、実際にいまのようにコールのほうが高いようでは、企業採算だけから見ればコールに出しておいたほうが得だ、こういうことになるかと思うのですけれども、今後の問題として、私あとであわせて触れますけれども、いろいろな準備金の問題ですね。この準備金の問題については、税制上かなり配慮をしてある分と配慮がされてない分があると思うのですけれども、たとえば相互会社でございましたら、いま契約者勘定だけで、株主勘定がないわけですから、相互会社についての準備金というものはまず無税にしたらどうか、各種準備金は損金算入というかっこうで見てもいいんじゃないかというような気持ちがあるわけです。その半面、国としてそういう配慮をする。半面は、やはり公共的な、そしてそれが民衆へ返ってくるような投資というものと、そういう公共性を伴った方向への資金の運用というものを、もう少しそれにメリットとして考えていただくというようなお考えがあるかどうか。損保についても同じことがあるわけですが、特に生保としてはそういう点についてはどういうふうなお考えでしょうか。
○弘世参考人 お話しのとおり、私は資金運用の面におきまして、金利は少なくても非常に確実性のあるもの、それから社会公共性を持っているものに持っていくべきだということを考えておりますし、また事実そういう方向に努力はしております。ただいまのところ、他の会社は別といたしまして、私の会社で見ますと、数字はよくわかっておりませんが、貸し付け金の大体六〇%から六五%ぐらいが重点産業、これはいわゆる電力とかガスとかそういう今日でいう重点産業のほかに、たとえば私鉄とかそういった公共性を持つものを入れますと、資金が、六十%ぐらいがそちらのほうに回っている。これはいずれも大会社ではありますし、金利も安くならざるを得ないのでございますが、しかし一方安全性の点は考えられるし、同時に公共性を持つという点においての、あるいは自己満足かもしれませんけれども、そういう方向にやっておるつもりでございます。これは重点産業をどの範囲にとるかということによっても変わってまいりますけれども、たしかここに数字が少しございましたが、三月末の総資産が一兆一千八百八十一億になっておりまして、この中で、たとえば住宅、電力、鉄鉱、この三業種だけをとってみましても、二千四百五億というものを出しております。これは総資産の比率からいいますと二〇%、この三業種だけでこういう形であります。その他に公共的なものはたくさんあるわけであります。それから、比較的まだ社債類が——お話のように社債市場ができておりませんので、したがって、社債を持つということがなかなかしにくくなります。この社債市場ができますれば、相当に社債を持つ可能性が出てくる。同時にわれわれも社債市場を健全に発達させるための責任は感じなくちゃならぬ、こういうふうに考えております。御返答これでよろしゅうございますか。
○堀委員 大まかな問題は大体以上でございますが、私実は少し法律なり定款なりいろいろ読んでみまして、相互会社の場合の社員総代会の問題でございます。ちょっと勉強不十分なので伺うことが的はずれになっているかもわかりませんが、どういう仕組みで総代が選ばれるのかよくわかりませんけれども、私の加入しておる保険会社でも、その地域の総代はだれとだれですということは私ども知っております。そこで、この総代になる方というのは、普通の株式会社でございましたら、たとえ私が千株の株主であっても株主総会の通知は参りますから、私は出ようと思えばいつでも出られる。これはオーブンになっておりますけれども、社員総代会というのは何らかの形で社員総代がきまるから、そうするとこれはクローズドなかっこうになっていて、私はその会社の実は社員ではありながら、社員総代会には出る権限がないのじゃないか。——よくつまびらかにしておりませんから間違っていればただしていただきたい。そうなると、非常にたくさんの社員がいるわけですが、その保険金をたくさんかけている人の中から選ぶということは、選び方として一つあると思うのですが、今度は、やはりそうでない、比較的零細な保険に入っておる人の立場というものも、少なくとも総代というものを選ぶについては、全体の加入者という実態に見合った縮図的な選び方になっていなければ、一方的な総代会が構成をされていて、そこで一方的な運営がされることについては、一部の者は発言権は認められない、こういうことになっているのではないかという疑いがあるわけです。この点について、やはり相互会社としての正しい民主的な運営という点について、総代の選び方等はどういうことになっておるのかをひとつ教えてもらいたい。
○弘世参考人 ただいまお話しの総代会の件でございまするが、多くの会社が、ただいま百人というものをきめて、これを各地方別に、大体契約額の地方別の割合に応じて分けております。それから各府県ずっと単位になるわけでありますが、その単位の府県で一人のところもあるし、二人のところもあるし、三人、四人のところもあるというようになっております。ほんとうは直接選挙をすべき問題なんでございますが、しかし、かりに私のほうの例をとりますと、約四百七十万件ぐらいの件数、それを直接選挙ということは不可能なんであります。それでその地域における、人格的にもりっぱな方、それから生命保険というものに十分に関心を持っておる——もちろん契約者でなければいけません。契約者の中で、その金額は問いません。百万円の保険を持っていなくちゃいかぬとか、そういうことでなく、五万円でもけっこうです。事実、五万円の万も入っておるわけであります。そういう方を——これは地方々々に支社というものがございます。それから支社の下には支部というものがあります。つまり地方々々の地域において、この人はりっぱな方だからこの人をぜひ推薦したいということを社内で言ってくるわけでございます。推薦制をとりましてそれを公告して、御異議がなければ決定する、こういうことになっております。したがって、もし個々の契約者の方がお話があるならば、普通の代表をしておられる県なら県の社員総代の方へお話し願って、あるいは直接でももちろん一向かまわないわけで、直接会社のほうへいろいろな点をお問い合わせなりまた御意思の発表を、各契約者ごとで、必ずしも社員総代でなくてもいいと思うのでございますが、そういうふうな仕組みにたっておるわけなんでございます。
○臼井委員長 武藤山治君。
○武藤委員 弘世さんがお昼でお帰りになるようでございますから、簡単に、堀先輩の質問をした点に重複しないように二、三点お尋ねしたいと思います。 一つは死率の問題でございますが、死亡率の第一級生命表ですか、現在使っておるのは、これは何年に定めたもので、今後いつごろ変えるような検討をするのか、それを最初にちょっとお尋ねしたい。
○弘世参考人 いわゆる生命表というものでございますね。これはほんとうのことを申しますと、つまりわれわれの経験によるものが一番正しい、こういうふうに考えております。何年間の経験をまとめまして、そうするとそれに経験の数字が出てまいりますので、これが一番正しいと思っておるのでありますけれども、戦後非常な乱混期におきましてそういうものが出ておりません。それでいま目下やっております。しかしこれはまだ多少時間がかかるかと思うのでございまするが、それで厚生省のほうから出ているところの国民死亡表を使っておる、こういうことに御承知おき願いたいと思います。
○武藤委員 現在使っておるのは第一級生命表という生命表を使っているようですが、これは聞くところによると、昭和二十五年ごろ定めたもののように聞いておりますが、間違いでしょうか。その後さらに検討してもっと新しい生命表を年々変えておるのですか。これはどうでしょう。
○弘世参考人 新しい生命表が出ていることは聞いております。それを逐次使ってまいると思いますけれども、まだ使っておらないと思います。たいした変化はないのではないかと思っております。毎年変えていくということは非常に困難なものでございますから、やはりこれは数年ないし十年くらい持たせるのがほんとうじゃないかと思うのでございますけれども、それは御了承願います。
○武藤委員 ただ私の意見としては、昭和二十五年ごろ定めたものでは、いまは昭和三十八年ですから少々古いのではないだろうか、こういう感じからお尋ねをしたわけなんですが、検討しておるということでありますから、それはけっこうです。 それから二番目に予定利率の問題ですが、予定利率を現在四分ときめて運用しておる、保険料を算定しておる。これは世界各国と比較した場合には、四分というのは高いのですか、それともスタンダードなんでしょうか、どうでしょう。
○弘世参考人 第一の問題は、いま国民生命表の第十表というのをうちで使っております。年数は私は記憶にはないのですが、二十七年くらいではないかと思います。——三十年だそうでございます。逐次新しいのを使っていつつあるわけなんでございますけれども、これは一ぺん直しますと、保険料全部変わってきますので非常にあれで、毎年直すわけにまいりません。その点御了承願います。 それからお話の次の問題の予定利率でございますが、いまわれわれは四分を使っております。しかし戦前は三分を使ったときもあり、それから諸外国では二分というところもございます。まあ四分は文明国としては高いほうじゃないかという気がいたしますけれども、その点もはっきり調べてございません。戦後に三分にするか四分にするかということでだいぶ議論をいたしました。当分四分でだいじょうぶだということで四分になった次第であります。さよう御了承いただきます。
○武藤委員 いまのお話で、戦前の水準にまでいくにはまだ一分差があるし、先進国と比較しても倍の率ですから、まだまだこれは検討の余地があるわけですね。保険料というものは安いほうがいいのですから、諸外国に追いつく程度の改善をして、できるだけ保険料を低くしてもらいたい。こういう要望から、諸外国にひとつ追いつけるような努力をしてもらいたいという、これは要望でございます。 それから、利差益ですが、利差益を四分三厘という一応業界の申し合わせですかあるいは目標ですか、一応きめておるようでありますが、この利差益の四分三厘というものを二十社全部実行しているのかどうか。あるいは営業の格差があるために四分三厘より高くなっておるものあるいは低くなっているところ、そういうアンバランスがあるのかどうか。そういう点はどうでしょう。
○弘世参考人 お話のあった四分より三分のほうが実は保険料としては逆に高くなります。逆になります。ですから、それは、安くしようと思うと、そのかわり配当のほうが三分にしていればふえるという形になるのでございます。だから、正味の保険料というものはそう変わらないことになります。一般金利情勢がどうかということに大体基準を置かなくてはならないのじゃないかと思います。 それから、利差が四分三厘という点でございます。これは大体八分三厘前後に各社とも利回りがいけるということで、四分三厘という形になります。つまり四分の予定利率を引きまして四分三厘という、まあ各社とも大体、多少の違いがあっても、それはそんなに飛び離れて——一割も出る大きいのもございます。九分に回っている会社もございます。それはまたふやしております。それから少ないところが下げておりますかどうか、いまちょっと記憶がございませんが、必ずしも全部がなっているというわけではございません。その点ひとつ特に申し上げます。
○武藤委員 というのは、前に私も大蔵大臣や通産大臣に質問をしたことがあるのですが、その際に、生命保険の資金をもっと公共投資のほうへあるいは社会保障的な融資にもっと使うべきだ、こういう論点からいろいろ調べてみますと、非常にコストが高くなっておる。いまいった八分三厘以下では生保としては貸し出しができないような情勢にある。そこで、いろいろ社会保障に出せといわれても、そう安い金利では出せないのだ、こういう壁にぶつかるわけですね。そこで、こういうものをもっと社会的なものに、病院や養老院や、そういうものに使わせるためには、もっと検討する余地があるのではないだろうか。それにはこの利率をもっと下げて、六分か六分五厘程度でも出せるというくふうはできないものか。そういう点についてはいかがでしょうか。
○弘世参考人 私企業である関係から、一般金利というものにやはり近づけたいということは当然の努力でございます。安全かつ有利ということを契約者にも約束をするわけでございますので、そういった金利を安くするということは結局配当を下げるということになるのでございます。これは契約者からは、もっと有利なものがあるにかかわらず、どうしてそういうことをやるかという文句がくるわけでございまして、そのどの接点をとるかということが考えられるべきことではないかと思います。そうそう低いものもできないと思います。しかし、公共性という点からみれば、やはりそういったものは当然守らなければならないというふうにも考えられる。その辺をどこにとるかということは、時代時代によっても違うことと思いますが、その辺はひとついろいろ教えていただくことがけっこうだと思っております。 それから、そうなりますと、片方で契約者にどんどん増配しろとおっしゃってもできなくなるということを一方に考えておかなければならないと思います。
○武藤委員 そうしますと、融資の対象には十七、八の業界が出ておりますが、利率は、現在大体どの程度のものをとっておるわけですか。融資の金利はどのくらいですか。
○弘世参考人 住宅公団などは七分四魔でございますか、それから電力鉄鋼その他は、大体日歩二銭五厘見当だと思います。大体重点産業は二銭四、五厘ではないか、特別のもので安いものもございますけれども、そういうふうに考えております。
○武藤委員 たとえば繊維業とか食品工業、商業、こういうものにも約一千億円からの融資が三十六年度末にあるのですが、そういう場合の金利は大体八分三厘以上ですか。それはどのくらいの利率になりますか。
○弘世参考人 大体二銭九厘。三銭ということはちょっとないと思いますけれども、大体二銭六厘から九厘の間をやっておるはずでございます。
○武藤委員 十二時までという時間ですから、あと二、三分ですから、まとまってない質問で申しわけないのですが、この銀行局の発行しておる金融年報によりますと、三十六年度の税金の引き当て金は三十七億円ばかり計上されておるわけです。実際国税として納めておる額、それから地方税も入れられれば別に分けてお教え願いたいのですが、どのくらい税金を納めたわけですか。
○弘世参考人 ちょっといま私、頭にございませんが、この点は別にひとつ……。
○中嶋説明員 かわりましてお答え申し上げますが、三十六年度の生保の決算上課税所得が仰せのように三十七億強ございまして、税額は約十四億でございます。
○武藤委員 二十社で納めた税額が十四億ですから、普通の営利会社の欠損からみれば非常に少ないということは常識的に言えるわけですが、先ほど御説明のとおり、非常に公共性の強いもので監督権も非常に強い業種ですからわずかだということはわかるのですが、それに関連して、これは事務難局とどちらでもいいのですが、この表の中で、政治献金に毎月自民党なり国民協会なりに出していますね。これは会長さんも御存じだと思いますが、そういう政治献金はこの科目のどこから出したのですか。それをひとつお尋ねいたしたい。一千二百万円協会から出すわけですが、これはこういう科目のどこに含まれておるのでしょうか。会長さん、ちょっと失礼なお尋ねでございますが、一千二百万円国民協会に政治献金しますね。税金でいろいろ恩典を与えられ、課税をされない損金の分を非常に認めてもらっておる会社が、そういう政治献金をばんと出すということは、常識的に考えて、国民の側から考えたらどうでしょうか。会長さんの感じをひとつ……。
○弘世参考人 政治献金の問題は、私は必ずしも悪くないと思うのでございますけれども、額の問題もありましょうし、これは常識の問題だろうと思います。しかし非常に公共性を持っている事業であるから、その点ばかな政治献金をすべきであるかどうかということは考えなくちゃならないと思います。もちろんばかな政治献金をしてなくて、それぞれ十分にそういうことは検討された結果だと私は思っておりますけれども、私は最近協会のほうのあれになりましたのでこの点は存じませんが、いままでのいろいろなしきたりその他もございましょうし、その点につきまして一千二百万がどうかということは、これはそちらの解釈の問題であって、私ども現実にそれだけ出ているということはお答え申し上げておきたいと思います。
○武藤委員 ただ八幡製鉄の一株主も提訴して、とにかく直接会社の経営なり取引なり、そういうものに関係のない政治献金というものは好ましくないという第一審の判決が出たわけです。これは御存じですね。そういう立場から見てある程度の政治献金は悪くないというあなたの認識は、私は善良なる第三者から事務を委任せられたる者のものの考え方としてはどうも受け取れないのでございますが、それはともかくとして、これはあとで別な方々から聞くことにして、きょうはあなたに質問ということよりも、いろいろお教えを願うという立場の委員会でございますからその程度でやめます。 それから解約、失効ですね、失効と解約の額というものが日本は諸外国と比較した場合には多いか少ないか。私の調べた範囲では、年々わずかではあるが失効、解約率というものはふえているような気がする。そういう原因は、外務員が無理やりに募集をさせられる、あるいはノルマを課せられるから、非常に不安定なものまでみな勧誘をしてくるために解約、失効が多いのか、それとも外務員の待遇が非常に悪いので、一時入ってもらって、二回か三回保険料を払ってくれ、そうしないとおれの顔が立たないということで無理やりに親戚や知り合いを勧誘する、そういうことで失効や解約の率というものがふえているのか、その辺はどう理解したらよろしいでしょう。
○弘世参考人 失効、解約の問題は、正直のところお話のように、諸外国に比べてやはり文明国としては高いのじゃないかと思います。これはいろいろな理由があるかと思いますが、一つには、戦後の混乱期から今日まで十七、八年になりますか、その間に新しい外野をつくろうという努力をいまやっておるわけでございます。その中途においてまだ完全でないということはいえると思うのでございます。 それから外務員の給与が低いからということは、私は考えておりません。むしろ解約自体はいまふえているとおっしゃいますけれども、絶対額が非常にふえておりますので、ある意味では数年前に比べて率においては減っているのじゃないかと私は考えております。これは契約自体の絶体額がふえておりますから、当然そういうことになろうかと思うのであります。その原因がどこにあるか。たとえば昨年度のごときは一般経済界が悪くなったということによって解約もふえましょうし、それからこの原因をどういうふうにさがすかということはいろいろな条件があろうかと思いますが、お話のようなことが全然ないとはいえません。しかしそれがすべてじゃないということで、これはいろいろな原因があるかと思うのでございます。まだふなれな外務員がやるために、実際の場合と違うということも考えられますし、そういうことのないようにわれわれは外務員の教育というものについては真剣に取り組みつつあるわけでございまして、この点はやはり解約、失効というものが少なくなること、継続率の向上ということが非常に大きな今後のわれわれのつとむべき方向だろう、こういうふうに考えております。御返事になりましたかどうかわかりませんが……。
○武藤委員 もう時間がありませんから、やむを得ませんが、もう一つ保険行政の一元化ということで、現存生命保険と同じようなことを、農業協同組合も農業共済生命という形でやっておるわけですが、これは農林省で監督をして、大蔵省は全然ノータッチじゃないかと思うのです。そういうようなものの一元化ということに対しては、協会はどう考えるわけですか。
○弘世参考人 農業共済その他保険類似行為のものがあるわけでございまして、これは私どもは一元化をしていただきたい、こういうふうに考えます。ただ大蔵省だけではどうにもならないのではないかと思います。保険じゃないということになっておりますので、全然大蔵省の範囲外、私どももそれに対してはノータッチにならざるを得ないということでございます。しかし事実は保険類似行為であることは確かでございます。これは損保のほうも同様だと思うのでございますが、審議会なども、いわば大蔵省の審議会というよりも総理府の審議会になるべきじゃないかというふうにも考えておるのでございます。
○武藤委員 あと一つだけでやめますが、聞くところによりますと、所得税申告の際の生命保険の控除額をもっと引き上げてほしい、現在一万五千円までが全額、五万円まで半額ですが、これを引き上げてもらいたいという意向があるような話を聞くのですが、その積極的な理由、それとねらいですね。どの程度まで上げてもらいたいというようなことの試算の根拠というのは何かあるのですか。それをひとつお聞きしたいと思います。
○弘世参考人 戦前に戻るということを考えますと、二百四十円くらいということを考えますと、少なくとも大体いま七、八万じゃないかと思うのでございます。しかし将来の点、それからいま国民に貯蓄をさせて、そして貨幣価値を安定させるというためには多いほどいいのじゃないか。実は少なくとも十万くらいにして決して多過ぎじゃないとわれわれは考えております。
○武藤委員 約束の時間ですから、一応やめます。
○堀委員 私、伺うのを落としておりましたので、一問だけ……。 実は生命保険のほうで、何か健康保険の差額給付というようなものをお考えになって検討を進められておるということを伺っておるわけです。私のほうの意見を申し上げると、もし論理的に考えれば、これはどうも生命保険のほうがやることじゃなくて、損害保険のほうの問題じゃないか。いずれにしても、いま日本は世界に冠たる社会保険の国でございまして、アメリカのように社会保険のない国のものをすぐ日本へ持ってきてお考えになるというのはどうかなという感じがするのですけれども、新しく協会長もおかわりになったところですから、まだ御方針がきまってないかもしれませんけれども、現在の時点における協会としてのお考えをちょっと説明してください。
○弘世参考人 約一年間くらい、たしか委員会を設けまして研究中でございます。しかし何ら具体的な答えは出ておりません。それで、これは私の個人的の考えで申し上げていいと思うのですが、健康保険をやることは国民皆保険による補完的な意味を持ってやる範囲内のものではないか、こういうふうに考えております。これはあたかも簡易保険というものが生保の補完的な役割をするのだ、それと逆になりますけれども、そういう考え方でいいんじゃないか。簡保というものは、もともと民間生保の及ばないところを簡保でもってやる、しかし医療制度というものはこれは国家がやるのだ、しかしこれはやはり一律のものになりますから、その及ばないところは民間でもできるのじゃないかと考えられるのが筋じゃないかという気が私はしております。ちょうど簡保が生命保険の補完的な役割をするのと同様に、健康保険というものが、国家がやるものの補完的なものへのお役に立てばそれでいいんじゃないか、こういうふうに考えておりますが、根本的に、健康保険をやるのだから、もう国家のあれは要らないのじゃないかということは毛頭考えておりませんし、そこへ進出することもあり得ないと思っております。
○堀委員 補完的なことというのはわからないことはございませんけれども、実はいまは大企業は、家族給付についてもかなり企業の側で見ている、保険のほうで見ているものが非常に多いわけです。ですから、残ってくるものというのはわりに零細なところしかなくなってくる。実はこの前企業年金の問題等がありまして、われわれとしては厚生年金を充実するほうが先で、企業年金というのは少なくして——それがどんどんできてしまうと、厚生年金が広がっていくことに対してブレーキがかかるというおそれを持っておるわけです。しかし現実としてあまり格差がひどいですから、企業年金というものはやむを得ないということを考えていたのですけれども、現在日本の健康保険というのは、世界的に充実をしている制度になっておりますから、これにいろいろそういうものを出していただくために、今後給付率その他の点で、健康保険がさらにいい給付をやろうという点に対して逆な作用を持つということについては、簡保と生保が持っておるウエートというものとは全然根本的に違うものですから、われわれとしては、やはり皆保険の現状では、さらに給付を全体として上げ、国もその皆保険という社会保険制度の上において、もっと前向きに考えるべき線が非常に強いものでございますから、そういう意味で、健康保険の充実の妨げになるようなそういう補完的なものというものは、この際はちょっと御遠慮を願いたいというのが率直な私どもの意見でございますが、その点を一つお含み願って今後御検討を進めていただきたいということを要望さしていただきまして、お答えの方はけっこうでございますから……。
○弘世参考人 ただいまのお話よくわかりました。われわれもいま積極的に考えておりません。実際にどうなるかということをむしろ見守っておるようなわけです。将来もしそれで御不満が国民一般にあれば、何かおのずから出てくるのじゃないかと思いますから、そのときの問題じゃないかと思います。積極的には何ら考えておりません。まだ研究段階にあるところでございます。
○堀委員 高木参考人にお伺いをいたします。 実は先般当委員会でも、外国保険事業者法に関する問題の際に、政府側と少し論議をいたしたわけでございますけれども、損保のほうは、相互会社よりは株式会社のほうが多いようでございますね。そこで株式会社ということになりますと、さっき触れましたところの各種の準備金の問題につきましては、株主勘定にまいりますものについては、私どもとしては、これは営利対象というかっこうになりますので、そのほうに使われる式の準備金等の問題であるとするならば、実は税の措置その他を特別に配慮する必要はない、こういうふうに考えておるわけですけれども、しかし契約者勘定として画然と処理されるということでございますならば、各種の準備金の税制上の問題というものはもう少し配慮をして、担保力を増強する。このことが、国際競争力の問題においても国内における保険料を下げて、さらに各種の地震なり災害等に対しても範囲を広げるというためにも必要な措置であろうと思いますので、そこで、税務当局に要求をいたします前に、契約者勘定と株主勘定というのを、経理上画然と分けて処理ができるものかどうか、そういうふうに契約者勘定と株主勘定が非常にはっきり分かれて、その間に流通がないということになりますならば、異常危険準備金にしても、八十六条準備金の問題等にいたしましても、各種準備金についてもっと税制上の問題を配慮すべきであろう、私はこう判断をしておるわけですが、その点についてちょっと伺います。
○高木参考人 いま、契約者勘定と株主勘定、この中で、御説のとおり契約者勘定のものについては、税制なんかでも特別の考慮を払ってしかるべきではないか——実は私どもでもいまそれを問題にしているのでございまして、この間協会といたしまして、大蔵当局、税制調査会、そういうところに異常危険準備金の措置について要望書を提出したわけでございます。八十六条のほうは財産の売却利益、ことに有価証券なんかの売却利益、評価益、そういうものが出たときにこれを積み立てておくという措置なのでございますが、これは積み立てました金のもとをただしますと、やはり根源は契約者からの金でございます。しかし積み立てられたあとは、これは何か株主勘定の性格を帯びるようにも考えられる。実はこの点につきましてはいろいろ論議がございまして、残念ながらお話しのように、契約者勘定、株主勘定とさい然と区別するということ、そういうものさしから申しますと、実はこれはまだあいまいな性格を持っておるものなのでございます。ただ異常危険準備金のほうにつきましては、これは体力増強、国際競争力も、お話しのとおりこれにどうしても必要なものです。これは外国の保険会社の——戦争の被害をあまり受けない国の保険会社はなおさらでございますけれども、われわれの保険会社に比べまして格段の相違があるのでございます。何としてもこの国際競争力ということになりますと、契約者勘定から見まして一番安心ができる——安心ができるかどうかというものさしは被保険者——アメリカではポリシー・ホルダーズ・サーブラスということばを使っておりますが、これが充実しておるかいないかということが一番わかりやすいものさしなんであります。これは国際競争場に——これは内地だけの問題ではなしに、われわれは自由化の暁には外海へも出ていって、こっちからも攻め出す、攻め込まれるだけが能ではないので、攻め出すことも考えなければいけませんが、そういうときに、これはやはり重大なるものさしになるのでございます。これは実は異常危険準備金に対する税制措置が改善を必要とするのではないかと考えております。
○堀委員 いまの八十六条の準備金は、今後検討の必要な問題でございましょう。これを設けた趣旨自体もはたして一体どういう趣旨であったか、私も少し検討を要する問題だと思います。 本日はちょっと時間もございませんので、またあらためてゆっりお越しをいただいて、これらの問題については論議をさしていただきたいと思いますが、あと残っておりますことは、私はこの前論議をしましたのは、火災保険の保険料をできるだけ安くすることによって多数の人が加入をして、多数の人が加入をすることによってまた保険料が安くなる、こういうふうないい方に循環をするということになるべきだろうと思うのであります。 そこで実はちょっと大蔵省で資料をとって調べてみたのでありますけれども、現在世帯数と契約件数の割合は三十五年度で四五%ということになっておりますけれども、この契約件数というのは実はかなりダブっているものが入っているのじゃないかと思います。そこでひとつ業界の方にお願いをいたしたいことは、ダブらない調査資料を少し正確にとっていただけるようなくふうはないものかどうか。これでは四五%というのですけれども、実際は二〇%かもしれませんし、二五%しか普及してないかもわかりません。四五%をこえていないということがわかるだけであって、その中身はちょっと見当がつかないということになるわけであります。もう一つは実は損害見積もりを消防庁のほうで調べてみますと、昭和三十五年には五十四億四千六百万円というのが一般住宅の火災の損害のように消防庁で出しておりますけれども、大蔵省側ではどうも百億円くらいあるのじゃないだろうかという話で、これもなかなか推計困難な問題があるかと思います。そこで火災保険がそれに対して一体幾ら払われているかというと、消防庁の五十四億四千六百万円という問題で見ますと、一六・七%ということのようでございます。これは何しろ火災保険がもっと普及をしなければ、火災があっても保険金がもらえないで非常に因っている人がたくさんあるという消防庁の話でございます。そこでちょうど大蔵大臣も見えましたので、あなたも一緒に聞いていただいて、あとで御返答いただけばけっこうなんでありますが、この間ちょっと論議をしましたのは、生命保険のほうは実は所得控除があるわけであります。火災保険のほうは調べてみると所得控除がない。ところが私は生命保険と火災保険の権衡を言うのじゃなくて、火災保険というのは法人なり事業所得の場合にはこれは損金になって落ちるわけですから、火災保険の保険料は損金で落ちる。ところがそういう営業してない個人の税金となると、まあ早い話が月給取りとなると、火災保険に入っているからといって、別に何も引いてもらえない。主税局長に話をしたら、それは勤労所得控除に入っていますという、こういううまい逃げ口でしたけれども、それじゃ普通の事業所得者で、事業所得でない個人の家に対してかけた分は、どこも引いてくれないということになると、事業所得、法人所得及び勤労所得との権衡上それ以外の——まあ言いますならば私は医者ですけれども、医者としてやっている場合には、私の自宅にかけた火災保険についてはだれも見てくれない、損金として見ようがないということになってしまいますので、これはそういう意味を含めて火災保険も、金額は幾らでもいいですけれども、権衡という意味でひとつ所得控除をつくったらどうかということを、この間主税局長に申したわけです。主税局長は官舎にいますから、自分で火災保険かけたことがないから実感がないだろうから、一ぺん官舎を出て、ひとつ自分で火災保険かけてみなさいと言って、私はこの間まあ冗談を言ったのですけれども、私が言いたいことは、皆さんにひとつ前向きに努力をしていただいて、株主配当なんということに比重を置かないで、ひとつ契約者勘定を充実をするということで、私どもも税制上加入者が、できるだけ加入されやすい条件をつくることによって、保険料が安くなり、安くなれば入りやすい、人が入るから安くなる、こういうことで片面やりながら、一面では、地震なり災害等に対しこの給付を始めるというような問題を税制上われわれも協力をしますが、保険業界としては一面そういうことをやってもらいたいし、もう一つは、さっき私どもがここで論議をいたしました公共性にかんがみて資金運用について——なるほど生命保険と損保はだいぶ格が違います。しかし生命保険のほうは少なくとも最近は、年に二百億くらいずつの住宅公団に対する融資をしておられて、本年度は予算で二百九十億になっておるわけですけれども、損害保険のほうは、まさに住宅というものはみなさんの火災保険の対象なんですから、その点においてはひとつ住宅公団その他に、額は全体の額として小さいから別としても、そういう点については前向きに——われわれは税法上の優遇は考えたいと思いますけれども、その面における公共性という問題を運用の面で反映される意思があるかどうか。そこらをちょっと伺いたい。
○高木参考人 保険料を課税所得から控除するという件につきましては、さっきの異常危険準備金に対する措置の改革ということと同時に、これも私どもは要望書を協会といたしまして出しておる。これは私どもも御説のとおり、何とか実現していただきたいと考えておる次第でございます。 それから、いまの公共投資の問題でございますが、これはたいしたあれではないのでございますが、住宅関係で実はやっておるのでございます。三十八年の五月末日現在の融資残額が、東京都の住宅公社には二億四千五百万、首都圏不燃建築公社には二億九千二百万、横浜市建築助成公社には二千七百万、そのほかに消防債、これは住宅とは直接のつながりはないのでございますが、消防債として三十五億一千九百万、これを合計いたしますと四十億八千三百万という、これは実際にやっている数字でございます。多寡は別といたしまして、そういうことをやっておりますし、そのほかに消防自動車、これを全国各都市数百都市にわたって毎年やっておりますし、それから最近は東京都の水不足で非常に消火上困難を来たしたというので、地下用水貯水池、が非常に必要だということを、朝日の天声人語でも書きました。そういうことにヒントを得まして、本年度、つまり三十八年三月末までの年度におきまして、とりあえず十個を寄贈いたしました。着々とできているそうでございます。そういうことはやっておりますわけで、ただ長期のものに対しましては、われわれの資金の性格上、おっしゃるとおり、なかなか生命保険並みにいかないことは、ひとつ御了承願いたいと思います。
○堀委員 おっしゃるように、資金が流動性が必要でございますから、長期のほうはなかなかあれの額はむずかしいと思いますけれども、実は消防関係にお出しになっている分は、これは率直に言うと、火事が早く消えて損害が少なければ、保険金の払う額が少なくなるわけで、この点は割にそういう仕事に密接しているものでございますから——公共性はもちろんございます。それによって火事の類焼しないことは非常に重要なことでございますけれども、ちょっとストレートな感じがし過ぎるわけでございます。 そこで、そういう意味ではもう少し何か、特に準備金の中には、もちろん必ずしも全部すぐ何かがあったら出ていくということではなくて、ある程度はそんな非常に長期ではないにいたしましても、少し長期運用の可能なものが、準備金を——私どもいろいろ税制を配慮することによって、これはふえてまいりましたら、その準備金の一部をもって、少しそういう方向へ比較的長期ですね。長期とはいかないと思いますけれども、そういう運用ができないかという気がするのでありますけれども、そこらはいかがでございましょうか。
○高木参考人 ただいまの消防自動車の直接の関係はないとおっしゃる。これは実は保険料率のほうに関係してくるわけでございます。それだけ消防設備が早くできて、非常に長い目で見れば保険料率が下がってよろしいということになるわけです。そういうふうにひとつ御了承いただきたい。 それから比較的長期のもの、これはさっきも生命保険のほうのお話のように、われわれもできるだけ資力に応じたあれをやってもございますし、これから先の問題といたしまして、社債市場というものの育成ができますれば、われわれの資金は安全で、そしていつでも換価できるという性格の投資をしていなければ、われわれの責務が果たせないわけでございますから、そういう条件に合うようになれば、私どもも社債なんかを進んで株式投資とかなんとかいう以外に、これをやりたいと実は思っております。
○臼井委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人には御多用中のところ、長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。厚くお礼申し上げます。 —————————————
○臼井委員長 引き続き政府に対し質疑を続けます。堀昌雄君。
○堀委員 実は前回政務次官に出ていただいて、少し保険の問題の論議をいたしました。きょうは大体提案になっております法律案のほうにつきましては、前回おおむねつまびらかにいたしましたので、その際の問題点として、いまお聞きをいただいておったと思いますけれども、実はこの保険関係の税制というものが、実に複雑になっております。これはまた時間をかけて少しここで論議をいたしませんと、一ぺんにはまいらないと思います。たとえば異常危険準備金の問題等については、昭和三十二年でございますかに、政令をもってその内容が変更になっております。 いま業界の方も、これらについては何か大蔵省に要望しておられるようでありますけれども、私どもはやはり日本の水害なり、暴風なり、あるいは地震は最近はわりに少ないのですけれども、そういう災害に対しても、やはり損害保険が、補償できるようにすみやかになることが、日本の場合に必要ではないか、こういう感じがしますので、そのためにはやはり担保が十分になければ、担保を提供することはできないわけでございますから、そういう意味で担保となる準備金に、そうこまかい税制上のワクをかけて、それが私どもの——さっきちょっとここで触れましたが、株主勘定と契約者勘定に分かれて、それが全部契約者勘定のほうに還元されるというめどにおいては、あまりこまかい規制は必要ではないのではないかという感じがするのですが、こまかいことは別として、大まかなものの考え方として、大臣にその点お伺いをいたします。
○田中国務大臣 保険も在来の保険というよりも、新しい視野に立って、いろいろな新種のものを検討していかなければならない段階であるということは、もちろんそのとおりであります。 前に私も郵政省におりましたときに、簡易生命保険というものだけでなく、災害とか水害とか天然災害に対しても、政府が当然補償できるような保険制度——社会保障的なものを一般会計から出すというだけでなく、保険という制度を新しい立場に立って検討すべきであるということを当時の事務当局に検討せしめて今日に至っておりますが、私はその意味でやはり新しい保険というものに対しては、いままでの在来の考え方にとらわれることなく、一つの社会保障的な意味もありますし、お互いに共同で、社会連帯的な効果をもたらすものでありますから、こういうものに対しては積極的な視野で開拓をしていきたい。そのためには、いままでのこまかい規制、税法上の問題その他あるでありましょうが、新しいものができるときには、こういうものにあわせて拡大的に、弾力的な方向に進むべきものであるというふうに基本的には考えております。
○堀委員 そこでいま私が、大臣がそこへ見えてからちょっと論議をしましたね。火災保険の所得控除の問題ですね。これは金額は別にたいしたことじゃないと思うのです、税収を見ましても。いま火災保険を掛けておるものを、たとえば年に二千円まで掛けておる人は、ひとつ全額見てやりましょう、それをこえれば幾らということで頭打ちがつくってあって、できるだけ比較的所得の少ない人でも、火災保険を掛けることによって何らかのメリットがあるということになれば、やはり火災保険を掛けやすくなるし、さっき私がちょっと大蔵省の資料で申したように、消防庁の統計では、年に五十億くらいの火災の損害だということらしいのですが、実際の損害は、もうちょっと多いのではないかと思います。ところが払われておる火災保険料は九億一千百万円しか三十五年は払われていない。けれども、消防庁の内輪の分でも、一六・七%しか火災保険に入っていない。あとの人は火災になっても仕方がないという状態では、日本の国のような火災の多いところでは、やはり問題であろう。そうすると、これは恒久的措置とするかどうかは別としても、一応ある段階まで急速に、火災保険に入る人たちを入りやすくしてあげるという意味における奨励策といいますか、そういう問題として火災保険の所得控除というものを考える。特に比較的所得の低い人が、少なくとも最低のものを掛けたいということに対してメリットを考えていいのではないか、こういうふうに考えて、これは少し議論をしたのですが、まあ結論は税制調査会がありますから、それにはかってからのことでありましょうが、方向として、ひとつこれを税制調査会に出していただく御意思があるかどうか、そしていまあなたのおっしゃるように、そうやって火災保険に入る加入者がふえればふえるだけ各種の準備金が積み上げられますから、それが積み上げられてこなければ、各種の災害に対するものができないわけですから、それは方向として前向きに考えるべきじゃないか、こう私は考えますけれども、その点いかがでしょう。
○田中国務大臣 この問題に対しては私も個人的にも検討いたしておりますし、大蔵大臣としても検討いたしております。事務当局がお答えしましたように、これは生命保険料とは違いまして、全国民が不動産を所得しておるわけじゃないので、一部の者にだけそういう恩典を与えることはどうかというような問題もありますので検討中でございますというのが、きっと事務当局の答弁だと思います。しかしあなたがいま言われたとおり、私も四五%程度のものがかかっておるというよりも、すべて家を持つ者は火災保険にかかって、不時の災害の備えをすべきである、またこれが理想的である。もう一つは、現在借家等におる者が、何年か何十カ年計画で自分の家を持つべきであるという考え方からいえば、現在の時点において特典であっても、これは非常にいい意味の政策減税であり、そういう意味で私は均衡論だけでなく、現実論から、また政策を推進していく意味においてできるならば減税というような、いわゆる所得控除的なワクの中に入れたいという個人的な感覚を持っておるわけでありますから、事務当局にも、私はこういう考えを持っているのだ、そういうものに対して新しい立場で検討してもらいたいということを命じてあるわけであります。当然三十八年度の政策各般の問題に対して税制調査会に諮問をするわけでありますし、また調査会の結論を待って対処するわけでありますが、私は方向としては非常にいいことである、また先を見たこういうことをやることによって国民が貯蓄をする、また非常に好結果をもたらすという誘導的な立場からも、方向としては非常に望ましいことであるという考えで、私自身の考え方からいいますと、政策減税の一つとしてこういうものは筋も通るし、全与野党の皆さんにも御賛成願えるものであると思うし、やりたいという考え方を持っておるわけであります。
○堀委員 特にいま家を持っている者は全体ではないのだというのはそのとおりですが、火災保険というのは象だけじゃなくて内部の物件にかけられるわけでありますから、火災が起きれば借家にいる人だって内部の物件にかけておれば新しくどこかに越したときに役立つわけですから、私はそういう意味から国民平等に均てんするものだという考えを持っております。大臣も私の意見に同感のようでありますから、ひとつそういう意味で——ただし私が申しておるのは、そういうメリットをつけるにおいては、保険会社が営利的な面に走られては困るわけです。生命保険のように大部分が相互会社であれば、その利益は全部に還元されまして、そこには不当にそのことによって利得を得る者はない。相互会社の場合はいいのですが、株式会社となれば、やはり出てきた利益というのは株主に配当される、そっちにつうっと抜けるようでは困る。その点については契約者勘定と株主勘定というのはきちんとされて、少なくとも契約者の利益になることが前提でなければならぬと私は思いますけれども、その点はさような角度で御検討願いたい。 それから、実はこれは商法にも関係がありますから、必ずしも大蔵省だけの問題にはならぬと思うのですが、いまの保険の問題の中で二つほど問題が残っている。これはきょう参考人の方の時間が制約されているし、あなたの御出席の時間も予算委員会に一時までということで制約されておりまして、十分論議できなかったのですが、ちょっと二点だけ申しておきますと、現在の商法でも、それから生命保険のような約款等でも、告知の義務といいますか、重要な事項については届けなければいかぬ、答えなければいかぬ。ところが何か病気をしたが、しかし黙っていて生命保険に入った。そうするとそう言ってないのにその病気があったことがわかったら保険金を払わないという問題があるのです。これがやはり中にワンクッション保険募集をする人間が入っておりますから、そこでちょっとその点でストレートに保険に加入する人と、保険会社とが話をしておれば問題はないと思うのですが、この間から取り上げている証券と似たようなことで、中に人が介在しておりますから、保険の外交員といいますか、そこで必ずしも加入者の意思と保険会社の意思がその中間において遮断される場合もあり得る。ここらの問題についてやはり私はもう少し加入者のほうの保護がされるような検討を一ぺん進める必要があるのではないかという点が一つ、関連があります。 それから損害保険についてはやはり商法の規定があるのです。超過保険の問題というのがあるわけです。それで要するにある物件について損害保険の場合には、私が自分の象がいま焼けたら三百万円新築するのにかかるのだということで三百万円かける。ところが火事で燃えたときに、それは二百万円の価値しかないのだということになれば、いまの商法なりあるいは保険の約款等で見ますと、あと百万円分は払わないことができるようですね。もしそれが事実価値がないのなら、加入をするときにあなたの建物は価値がありませんよと言えば保険料をたくさんかけないのに、わからないものだからたくさんかけておいて火事になったらその分は払わないというのは、これは契約者の側から見たら、そんなことなら初めに、契約するときにちゃんと評価をしてきちんとやってくれればいいのではないかということになると思う。今後これらの問題についても私は加入者の立場に立って——いまトラブルが起きているかどうか等は、もうきょうは時間がありませんから、また今後大蔵当局にこれらの生命保険及び損害保険における事故の問題を証券のあとでもう一ぺんやらしていただきますけれども、やはり私はそういう意味で契約者というか加入者というか、そういう人たちが予期せざる損害を受けないような問題を、これは法制上から考える必要があるのではないか、商法の問題等についてはこれはまた法務委員会の問題になりますからちょっと問題は別ですけれども、政府として考えるということで一ぺん配慮をわずらわしたいと思いますが、その点いかがですか。
○田中国務大臣 法制上の問題は、これは故意とか、それから特に保険金を得る目的を持ってとか、そういうことに対する一つの限度を示したものでありますから、法制上の問題よりも実際にそういうトラブルが起きているかどうか——これは私はあまりないと思うのです。これは外務員制度や各企業の内部の問題でありますが、銀行などですと、銀行の職員が身分証明を持っていった者であるならば、途中で落とそうが盗難にあおうが銀行は支払いの責めに任じております。法律ではどうあろうと責に任じております。この点やるのですが、だんだん企業が過当競争とか、激しいものについては特に外務員が歩合給であるというような制度上の欠陥でやるもの、現在はそういうことはないと思うのですが、昔の保険の勧誘員とか証券の新しい会社の第一線の人たちが契約をしておって、これは個人としてやったのであって、会社はその損害の責めに任じない、こういうことがあることは実に困るのであって、これはやはり新しい立場でその身分証明を持っておるような人の行なったものは当然会社の責めに帰するのだという原則がお互いの常識として確認をせられるというような方向に指導していくべきだと考えております。 それからいまの保険契約者の告知の問題につきましては、四月から契約者にそういうことを送りまして、これでよろしゅうございますか、こういうことで再確認をするようにいたしました。いたしましたが忙しい人ですからなかなかそこまでいかぬという事実もあるでしょうが、これは国民レベルがだんだん上がってくることによって解決していく問題だろうと思います。
○堀委員 大体以上で、時間もないようですからちょっとこの前宿題にしておりました企業年金の問題についてお伺いをいたします。 実はあなたもお聞きになったように、私としては大蔵省の行政指導必ずしも合理的でないという判断をいまも持っております。ただ何しろ制度が発足をしてまだ、間もないことでありますから、一応しばらく経過を見るということで、私も百歩を譲って、合理的ではないけれども少し経過を見ることにいたします。ただしそれについては条件があるわけです。その条件はどういうことかと言えば、この前も申し上げたように企業年金の制度というものは生命保険や信託会社のためにあるものではありません。これに入る企業なり加入者の側のためにあるわけですから。そうしていまの資本主義の世の中というものは、少なくとも自由選択を阻害すべきものではないと私は思うのです。そうすると、今後あのような取りきめによって——私はきょう生命保険の方ともお話をした中で、前段で申したのですが、インフレーションがありますから、インフレーションという問題がある時期については、私は選択制が、信託のほうに傾くのはやむを得ない現状だろうと思います。トータルとしては同じだといってみたところで、インフレーションがあると、先にたくさんかけるか、少なくかけるかということは非常に重要な問題でありますから、そういうふうに考えてみますと、企業のほうは案外信託のほうにたくさん希望した場合に、大きな企業がまだあれしていないから、お前さんたち待ちなさいと、国税庁の入り口で行列をつくるような事態が起きてきたら、これは私はちょっと考えてもらわなければならぬと思います。行列をつくっているということは、やはり企業側の自由選択が阻害されている証拠です。そこで、今後少し経過を見まして、国税庁で審査するときに、そうやって信託側に行列をつくる事態ができたら、その時点において、いまの諸問題については御破算にして再検討する、ともかくいろいろ取りきめがあるようですが、その取りきめについては再検討するということを、ひとつあなたがここで確認をしていただけば、非常に不合理な問題だと思うけれども了承しよう、こういうことなんですが、大臣にひとつ。
○田中国務大臣 新しいものでありますから、過渡的な状態においては、十分その推移を見守りつつ、これが制度の発展を期さなければならないという考えであります。いまの状態では両方でもって話をして、大体まとまったことでありますので、一応一年、一年くらいでこの問題に対しては再検討する、こういう考え方を将来もきめておりますから、お説のように、行列をつくらない前に私どもは検討する、こういう考えであります。 —————————————
○臼井委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたします。 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 採決いたします。本案を原案のとおり可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次会は来たる十三日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十三分散会 ————◇————— 〔参照〕 外国保険事業者に関する法律の一部 を改正する法律案(内閣提出第一一 一号)(参議院送付)に関する報告書 〔別冊附録に掲載〕