大蔵委員会 第22号
- 発言数
- 285 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1963/03/22
会議録
○臼井委員長 これより会議を開きます。 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。 ただいま議題といたしました三案中、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対しまして、有馬輝武君外十一名より修正案が提案されております。
○臼井委員長 この際、提出者の趣旨説明を求めます。有馬輝武君。
○有馬(輝)委員 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 政府の昭和三十八年度税制改正案は、著しく大企業擁護、金持ち階級優遇に偏しているものでございます。特にいわゆる政策減税、利子所得の分離課税及び税率の軽減並びに配当所得の源泉徴収税率の軽減につきましては、昭和三十八年三月三十一日で期限が到来いたしますにもかかわらず、これを二年間延長し、その上に税率を五%に引き下げる措置をとることによりまして、高額所得者優遇の減税措置となることは明らかであります。 これらの利子、配当課税の特例は租税負担公平の原則を踏みにじるだけでなく、それがひいては、財政需要を充足するという理由づけのもとに、低所得者層の税負担、特に勤労所得者にしわ寄せされているのであります。 政府は、これらの特例の延長、拡充の理由として、貯蓄奨励、資本蓄積をあげているのでありますが、過去の実績から見まして、貯蓄に対する減税効果はほとんど考えられず、総体としての貯蓄の増加は、国民の可処分所得の増加にかかわっているものと申さなければなりません。 この利子、配当課税の特例がいかに不当であるかは、たとえば夫婦子供三人、計五人家族の標準世帯を例にとりまとす、所得税が課されない所得の限度は、給与所得者で昭和三十八年分四十三万八千六百三十二円であります。これに比べて、一億円を預金して八百万円の利子収入がある利子所得者には、わずか四十万円の利子課税が行なわれるだけで、所得税と住民税の所得割は全然かかりませんし、また、配当所得だけで生活している世帯につきましては、百六十八万円まで課税されないことからも明らかであります。 このような意味で、租税特別措置法第二条利子所得の分離課税及び税率の軽減、及び第九条配当所得の源泉徴収税率の軽減はこれを削除し、それに伴って所要の字句の整理をいたしております。 以上がこの修正案を提出いたしました理由であります。何とぞ御審議の上すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。(拍手)
○臼井委員長 これにて修正案の趣旨説明は終わりました。
○臼井委員長 各案を一括して質疑を続けます。 通告がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 まだ大臣の出席がございませんので、その前にちょっと、最近一つの問題にぶつかりまして税法上の取り扱いとして私少し疑義を感ずるものがございますので、この点少し明らかにして、今後の税制調査会における検討の御参考に供していただきたいと思います。 事実はこういう問題でございます。私が知っておりますある小さな事業所でありますが、ここは従業員が四名しかおりませんために現在健康保険の適用がございません。そこに若い女のタイピストが一名おるわけでありますが、このタイピストが国民健康保険の被保険者として今度国民健康保険の保険料を支払うことになりました。ところがその保険料の通知が非常に高いので驚きましていろいろと調べてみますと、その人の父親は、これは具体的に言いますと、天理市の市立図書館の勤務員でありまして、健康保険の適用を受けておる家族であります。その家族の中の長女が今のタイピストとして健康保険の適用のない事業所に勤めたために国民健康保険の被保険者となった。ところがその保険料の算定については、父親の給与全額とその娘の給与全額を合算したものを土台として保険料が算定をされておるということのために、きわめて割高な国民健康保険の保険料を支払わされるという事実に遭遇したわけであります。私、厚生省の国民健康保険課長に御連絡をして一応調査をしていただきましたところが、現在の地方税法なり国民健康保険の処理の仕方としてはそういう取り扱いになっておるということのようでありますけれども、この点に関して、一つ国民健康保険課長の方から、その取り扱いについて原則的な問題でけっこうでありますから、お答えをいただき、あわせて、そういう地方税法の考え方というものについて、自治省の方から一つその考え方のよって来たるところを御説明をいただきたい、かように思います。
○首尾木説明員 ただいま御質問のありました点は、現在の地方税法の七百三条の三の第七項に規定がございまして、国民健康保険の被保険者でない世帯主の世帯の中に国民健康保険の被保険者がかりに一人あるという場合について考えますと、国民健康保険では御承知のように人頭割額とそれから世帯別平等割額のいわゆる応益原則に従う保険料と、それから資産割、所得割の応能原則に従います保険税と、その二つの部分をとっておるわけでございます。今のような事例の場合には、国民健康保険におきましては世帯主が国民健康保険税の納税義務者になるわけでございまして、その世帯主が被保険者でない場合には、被保険者でない世帯主を被保険者である世帯主とみなして課税をする、こういうことになっております。その場合には被保険者である世帯主とみなすわけでありますが、応益原則に従いますものは、応益原則に従います均等割の保険料と、それから人頭割の保険料につきましては、これは被保険者でありませんから、この部分を減額することになっております。それから応能原則に従いますものは、やはりこれは世帯の被保険者の医療費を支払う源泉になるような性質のものでございますので、従いまして、これは一応所得割の対象にするということにいたしておるわけでございます。しかしながらその場合に、全部につきまして所得割全額をその場合に賦課するということは適当でございませんので、やはりその世帯の中で被保険者が一人おります場合には、たとえば世帯員が五人でございますれば、その所得割の五分の一だけを賦課するというようなやり方をやっておるのが現状でございます。
○堀委員 今の問題について、実はこういう立て方が大体地方税法との関連で出ておるのではないかと思いますので、私の考えとしては、今の世帯というものの見方のところに問題があるのではないか。要するに私が取り上げました今の例のように、同一の戸籍を営む家族でありますから、なるほど娘がとってきます給与というものと父親の給与というものが生計の中ではかなりかみ合っていると思います。ただかみ合っておりますけれども、これは原則的な問題として考えれば、父親の給与が少なくて、娘の方の給与が多い場合もあり得るわけであります。そうするとそういう場合には逆に娘の方が扶養の主体になっているようで、世帯主の方が——もちろん他の家族を扶養しておりますけれども、現実にはその方が比重が少ないという場合も、論理的には考えられるわけであります。そういう場合に逆算をしてきたものをたとえ五分の一でもそこへ足すという考え方は私はどうも論理的でないような感じがいたします。ですから今のみなすというところに私は少し問題があるのではないかと思う。この人が健康保険の被保険者として、適用されておればきわめて安い保険料で済むものが、たまたまそういう不十分なる零細な事業所に勤めたために諸般の条件が大きな事業所に比べて非常に劣っておる上に、さらに大きな国民健康保険の保険料を負担をしなければならぬ。二重の負担をそこへかけるということになるのではないかと私は思うのであります。ですからその点について今地方税法の方で承りたいのですけれども、その場合に住民税その他の関係は、今の二人はおそらく分割をされた格好で支払うことになるのではないかと思うのですが、やはりその場合には両者合算をした格好になりますか、その点について自治省の方にお尋ねしてみたいと思います。
○佐々木説明員 住民税は一つの所得課税の形態をとっておるものでございますので、ただいまのような事例の場合には当然個人課税になるということになりますから、それぞれ父親、娘それぞれが独立の納税義務者となりまして課税されることになります。
○堀委員 私もそうだと思うのですけれども、今の健康保険税というものだけが特殊に世帯単位に比重がかかっておるのであって、その他何かそういう世帯を単位として税を払うというものがありましょうか。どうも地方税の方は私は詳しくないのですが、私の知る限りでは今の国民健康保険税なり保険料というものが非常に世帯というものに比重をかけておるだけで、あとの税法の問題については、どうも所得に対してかかるというように考えられますが、その点はいかがでしょうか。どなたでも答えていただきたい。
○佐々木説明員 世帯を単位といたしまして課税しておりますものは、現在のところ国民健康保険税だけでございます。
○堀委員 今ので、私もそうだと思います。ここは今後の税制調査会で一つ御検討願いたいところなんでありますけれども、世帯全体が一つである場合にはあまり問題はないと私は思うのであります。今のようなのは過渡的な現象だと思いますけれども、当分の間は健康保険の——共済組合その他を含めていいわけですが、健康保険及びそれに類似の被用者保険の世帯主が加入者である場合における世帯員が国民健康保険の加入者になるというきわめて例外的な場合、こういう例外的な場合の国民健康保険税及び保険の負担のあり方については、その被保険者だけを分離した世帯とみなすという取り扱いをするならば、今の矛盾は一応解決されてくるのではないか、私はこういうふうに考えますが、これを実現していくのに何か積極的に困難な理由があるかどうか、一つ国保課長の方でお答えをいただきたい。
○首尾木説明員 現在国民健康保険の方で世帯主が被保険者でない場合の取り扱いを、先ほど申しましたような格好にしておりますのは、これは他の国民健康保険の被保険者世帯との公平ということを考えてのものでございます。しかしながら、一方で例外的な場合として、その世帯が健康保険と国民健康保険の両方の適用対象になるという場合がございますので、実はそのような問題につきましては今後総合調整の段階におきまして、保険料の公平な賦課ということについて十分検討いたしたいというふうに考えております。
○堀委員 それでは、ただいまの御回答をいただきましたので、一つ今後の課題として、この問題については私が今申し上げましたような、所得の問題を中心としなくとも、何とか今の国保に加入しておる者を単独の世帯とみなす、こういうふうな取り扱いの方法によってでも処理ができるのではないかと考えますので、この問題は税制調査会等での御論議にも一つお願いをいたしたいし、あわせて厚生省の方でも積極的に御検討をいただきたいと思います。 以上で、国保課長と地方税の方はけっこうです。 次に、大臣がお見えになりましたから、この間から少し論議になっております少額免税の問題につきまして、この間同僚横山委員も質問いたしておりましたけれども、この問題を片づけてから全体の問題に入りたいと思います。 労働基準局にお伺いをいたしますけれども、現在貯金を事業主が委託を受ける——われわれが普通社内預金と申しておりますが、この制度がだんだんと広がってきまして、最近の実情を見ますと、これは全体ではないようでありますけれども、主要なる労働基準局の管内では、昭和二十七年九月から三十六年の六月までに新たに届出のあった貯蓄金管理協定届出件数が一万四千に上っておる、こういうふうになっておるようでありまして、最近これはますます増加の傾向にあるように見受けられます。これは労働省の管轄になっておるわけでありますが、この貯金をしておる人たちの保護、これについてもちろんいろいろと規定があって、それを届出をすることにはなっておりますし、その他監督の問題はありますけれども、現実に今九州その他で事業所が倒産をするあるいは閉山をするというような場合に、これらの貯金をしておる預金者の利益をどういう形で保護しておられるかをこの際承りたい。
○大島政府委員 ただいま堀先生御指摘のいわゆる社内、預金の現状でございますが、仰せの通り、戦前から工場貯金という形で存在したものですが、戦後相当急速に伸びております。ただいま御指摘のように、昭和二十二年ごろから昭和二十七年ごろまで私どもの方へ届出のありましたいわゆる社内預金は約一万件、さらに昭和二十七年から最近までの届出が約一万四千件、ただこの後者の分につきましては主要な基準局なんで、全般を推算いたしますと約三万件と思われるわけでありまして、相当急速に伸びております。 この社内預金に関連して労働者の利益の保護についてでありますが、御承知の通り、労働基準法の十八条に各般の規定を設けております。概要は、強制的な、すなわち労働契約に付随しての貯蓄金管理はいけない、強制貯蓄はいけない、それからそういう預金の委託等を受ける場合においては、まず労働者がみずからそういう意思を持って、使用者といたしましては、労働組合ないし労働者の過半数を代表する者と書面で協定して、これを監督署に届け出なければいけない、それから貯蓄金の管理規程をつくって、これを周知させなければいけない、また労働者が返還を請求したときには遅滞なくこれを返還しなければいけない、こういう各種の規定を設けておるわけでございます。 全般といたしましては、まだこういった貯蓄金管理の問題について労働組合から申告その他の例はないのでありますが、ただいま先生が御指摘になりました、たとえば北九州の石炭産業の最近の状況、私ただいま北九州についての資料を持ち合わせておりませんのははなはだ恐縮でございますが、こういった石炭企業において合理化の過程でだんだんつぶれていくといった会社におきましては、やはり問題があると思うのであります。これは貯蓄金だけの問題ではなしに、先生御承知の通り、同時に賃金不払いの問題が非常に大きな問題になっております。北九州だけでも石炭産業の賃金不払いという問題がかなり巨頭に上っております。 これらと関連いたしまして、会社がつぶれていきます場合にこういった貯蓄金の問題あるいは不払い賃金の問題の処理をどうするかということは、私どもとして最も頭の痛い問題であります。賃金不払い等の問題にいたしましても、これを単に基準法違反として監督し、違反を摘発し、使用主処分にいたしましても、労働者にお金が戻るわけじゃないのであります。従って、そういう事件の処理につきましては、私どもとしては、一挙に払えなくても月々こういうふうに支払っていくという支払い計画を立てさせるとか、あるいは債権者との間のあっせんもするとか、事実上何とかして労働者の手にそういったお金が返るように、使用者ないしは使用者に関連する債権者その他の関係者との間にいわばあっせんを申し上げるというか、そういった立場で現在努力をいたしておるわけでございます。全般の状況は今申しました通りでありますが、先生かねがねこういった問題について特別の御関心を持たれて御心配をいただいておりますが、御注意の点につきましては私ども今後できるだけの努力をいたしまして、労働者の保護に遺憾のないようにいたしたいと考えております。
○堀委員 実は今のお答えで、給与の不払いの問題と、せっかく貯金をしたものの不払と二つある。この給与の不払いと貯金の不払いは、私はちょっと性格が違うと思います。貯金というものは、これは外にでもできるわけですね。どこへでも貯金ができるわけですから、もしこの労働者が外へ貯金をしておるならば、事業所が崩壊をして給与が不払いになったとき、その貯金を活用することによって労働者は生計が維持できるわけです。ところがせっかくこれまでもらった給与の中から社内貯蓄をしたものが、給与の不払いと同時にその貯蓄も不払いになるという問題は、給与の不払い以上の非常に大きな問題があると私は思う。では彼らが貯蓄を何のためにしていたのか。これは将来に対する備えであったと思う。何らか自分たちの生計が不安定になったときに備えて貯蓄をしておるのが、それが不安定になったときに役に立たないということは、私は貯蓄というものの根本原則を完全に踏みにじるものではないか。もちろん今全部がそういうことになるということではありません。最近の傾向は、三百人以上の事業所における協定の届出よりも、それ以下における協定の届出の方がはるかに多くなってきている。合理化の問題というのは、今は単に石炭だけでありましょうけれども、やがてこの問題は自由化の関連においては相当広範囲の事業場に及ぶことは、これは当然現在から考えておかなければならない問題だと思うのです。そうすると、すでに現在北九州でそういう非常に気の毒な問題が起きつつある。給与の不払いではなくて、今申し上げた貯金の原則を踏みにじるような問題が起きておるときに、率直に申しまして、私は現状のままでこの社内預金を放置しておくわけにはいかないと思うのです。そうはいっても過去における慣習がありましょうから、一挙にこれをやめろということを法律で指示するということも現実問題としてはなかなか困難である。そうすれば方向としては、私は現在の段階では諸種の金融機関等も整備をされて、政府においてはともかく預貯金の増加を期待をして、われわれが反対をしておるにもかかわらず、各種の政策的な減税をやろうというような方向にあるときに、同じ政府の内部において、そういうきわめて不安定な、預金者の利益が完全に保護されないようなものがそのまま野放しになっていいと私は思わない。そこで、少なくとも私は労働省の立場というのは、企業の事業主の利益を守るためにあるのではなくて、労働者の利益を守るためにあるのだと理解をいたしますが、今の社内預金という制度は、そういう今後の自由化なり合理化の問題の中でいろいろと問題が起きる可能性がある時点に立って、はたして今後とも労働者のための利益の方が事業主の利益より優先をするかというと、私はこれは事業主の利益が現在は優先をする側になっておるのではないか、こういう判断をするわけですが、その点についてはたしてそういう危険な——安定したものは問題がないかもしれません。しかしこれとても絶対の保証というものはないだろうと思いますので、そういう意味で、今三万に近い事業所ということになれば、かなりリスクの多いものも中に含まれておると考えていいのではないかと思いますから、そういう場合における労働者の利益を保護するという建前からするならば、今後社内預金がそういう零細企業にどんどん広がることは適当でないと私は判断するのですが、その点について労働省のお考えを承りたい。
○大島政府委員 いわゆる社内預金という制度につきましては、先生御指摘の通り会社企業におきましては、やはり労働者も貯金をいたしまして、そのお金が会社の役に立つという、いわゆる労使一体感と申しますか、そういった点。それからその社内預金が結局労働者の福利施設に相当回っておると思われる。あるいはまた何と申しましても貯蓄であることは間違いないのでありますから、そういった点で私ども労働行政の立場からいたしますと、必ずしも一がいに好ましくないということは言えないと思うのでありますが、ただ先生今御指摘のように、たとえば石炭産業の場合でありますとか、あるいは今後自由化、合理化の進んでいく中で、ことに不安定な中小企業の場合の問題、すなわち預金の安全性の問題、こういった問題につきまして先生御指摘のようにいろいろ検討すべき点があろうかと思います。全般的に申しますと、先ほど申し上げましたように、この貯蓄の管理につきましては、労使協定という形で労働組合なり労働者の過半というものがタッチしておるという関係で、そこに非常な労働者の不利とか不安というものがございましたならば、この基準法の規定によりまして、労働組合なり労働者から申告する形になっておるわけでありますが、ただいまのところ全般的に見ますと、まだそういった申告とか苦情というものが出て参らないわけなんでありますが、しかし今先生御指摘のような特殊の産業あるいは特殊のそういった過程におきまして、そういう問題点は確かに私どもとしては万全の工夫をこらすべきところだと思いますので、ただいま堀先生の御指摘に基づきまして、私どもも今後労働者の不利にならないように一つ十分研究をいたすつもりであります。
○堀委員 大臣にお伺いをいたします。 今私が労働省との間で論議しました問題は、これは大蔵省というのは、やはり金融の問題については責任のある省で、たまたま社内預金と称せられるものだけが皆さんの監督外に置かれておると思います。そこで今論議しましたように、実はどんどん社内預金の協定事業所はふえつつある。そういうふえつつあるところにはまた同時にリスクも非常に伴いつつあるという現実がある。そこで、大蔵省は銀行局をもってその他の金融機関については預金者保護の万全を期しておられるというふうに私ども思っておりますが、残念ながら皆さんの力の及ばざるところにそういう預金が相当に増加しつつあり、同時にリスクもふえつつある。そうして預金者保護は必ずしも万全が期せられないという現実の姿があるのです。北九州地帯に相当こういう事実があるのです。そうすると、私は今度の少額免税の中で、預金は預金だから一つ利子の少額免税の取り扱いというのは一律にしたらどうかという意見もこの間承りましたけれども、預金は預金であっても、やや預金の性格が違うのじゃないかと思うのです。預金者保護が万全を期せられておるならばそれを同一に見なしてもいいけれども、現実に北九州その他では相当たくさん未払いの社内預金というものが出てきておる。九州だけに限らず、関東地方にもあるわけであります。こまかいことは時間がありませんから申し上げませんが、そういうことになる可能性のあるものを、そうして金融政策上から見ましても必ずしも好ましくない方向であるにもかかわらず、これを同一視をして、少額免税の適用対象にするのは私はちょっといかがかという感じがするわけですね。そこで大臣は、金融の面、預金者保護の面として、今の社内預金という問題は現状ではあまり望ましくないのではないかと私は思いますが、あなたの御見解を伺いたいと思います。
○田中国務大臣 社内預金などはない方がいいです。これはもう全く簡単な理屈でございます。預金ができるような状態であれば、正規の金融機関に貯蓄をすることが一番いいのでありまして、社内預金というような、制度上も非常に不安定なものはない方がいいことは、これは論を待たないわけであります。ところが、ない方がいいというものがあるのはどういうことかといいますと、必然的な理由によってできておるわけでございます。これは一つには、金融機関からなかなか金が借りられないとかいうような場合、労使ともども、お互いが生活の拠点としておるのでございますから、一部分でも給与のうちからさいたりして、社内預金というような格好にし、それを運転資金その他に使っていることによって、お互いの企業が存続をしていき、将来伸びるのだから、何とか一つお互い、労使協調という面を逆に使えば、こういうものも出るのでありまして、企業がかわいいからというので、社内預金をやっているものもございます。それからもう一つは、臨時給与というものが、そのうちの何割かは、帳面が合ってもなかなか勘定は足らないのが普通の企業でございますから、この半分は社内預金という名目で、通帳で払いますから一つ何とかしてくれないかとか、こういうものが事実あります。でありますから、優秀企業と自他ともに許すようなものが、担保もありまたあらゆる裏づけがあってやっているというよりも、社内預金というのは、比較的に金融操作がつかないというような場合に行なわれるものであります。そういう面からいうと非常に危険であるじゃないかということはいわれるわけでありまして、原則的にはないにこしたことはありません。しかし、先ほど言ったように労使の間でもって、私も例を知っておりますけれども、二千円アップでもって片づいたというときに、例の三千円アップの問題がありましたときに、その差額でどうしても労使がまとまらない。それじゃ千円はプラスをして三千円をやるが、五カ年以内に払い出さないような条件で、一つ社内預金という形式でもってやるという例もありますから、これは労使の間から出てくるものであって、なかなか一様にこれをなくしようといってもできないという現実に立って見ますときに、理論上はどうあっても、現実にこれが存在するのでありますから、その意味において少額貯蓄免税処置をやる場合には、これもやはり対象にするような優遇措置をとれば、ますます助長するのではないかという議論も一面には出ますが、同時に、それをやらないということによって、またそういう配慮をしないということによって、社内預金がなくなるかというと、なくなるという見込みもなかなかありませんので、現状に徴して、やはり配慮をしておるという事実認識に立つものであります。これから社内預金というものは、どうしても絶やせないということが事実でありますから、あなたの言うように、いわゆる預金者保護という面に対して法律が必要なのか、それから一つには、給与の見返りでありますから、だから本社というようなものに対してそういうものを担保にすべきだとか、いろいろな議論が各企業の間であって問題はございますが、そういう意味で、これは必要性があってできておりますものですから、理論と現実とをやはり分けながら、これに対処していかなければならぬ、そういうふうに考えます。
○堀委員 今大臣がお話しになった中で、ちょっと基準局長に伺いたいのですが、ベースアップ千円して、それを社内預金に入れてしまって、五年間引き出せないということで、社内預金に入れたという例があったら、これは労働基準法違反じゃないですか。
○大島政府委員 今大臣から申し上げましたのは、大臣特有の常識的な、非常にわかりよい表現でございましたが、労働基準法の規定によりまして、引き出し請求がありましたときには直ちに引き出せる、こういう形で、昨年等においてもそういう問題がありました場合は、各企業につきまして、基準法に合うような形で処理されておると存じます。
○堀委員 基準局が田中さんの顔を立てたのでしょうけれども、しかし現実は、やはり私は田中さんの言われたようなことが起きてくるのだと思いますよ。しかし基準局として、まさか大臣が言ったことは違法でございますとも言えないから、そういうことでしょうが、私はここに問題があると思う。事実はそういうことがあるはずです。ところが、基準局のあなた方の方には、そういうことはわからないか、知っていても知らぬふりをしておるか、どっちかじゃないかという不安がある。労働基準法というものは何のためにあるかというと、これはやはり労働者の保護のためにあるのですから、そういうことはよくないわけです。だから私どもは、今の社内預金の問題というものは、単に預金をして、それが社内に使われるという、前段の方の話ならまだ常識的に理解ができるのですよ。ところが給与をその中へ突っ込んで、そしてそれを拘束預金のような格好にして、彼らはただ名目的にもらったというような、そんなものは給与じゃないわけですから、実質的には何ら効果がないわけですが、そういうことにだんだん拡大されていくことに非常に問題がある。もう一つ、今大臣がみずからお認めになったように、金融操作が困難な事業所がそういうことをやり出すということになれば、ますますこれはリスクは高くなる一方なんです。だから、そういうメリットはやめろということですよ。やめたってふえるなら、そのふえるものへ、わざわざ大蔵省が片棒をかつぐほどのことはないじゃないかという感じがするのです。これは、大臣を前に置いて銀行局長はどう答えるか、答えにくいところもあると思うのですが、単なる全体の視野でなくて、金融行政の責任者である銀行局長としては、今の預金者保護という観点からして、私はメリットがなくてもいいじゃないか、そういう不安定なものにメリットを与えることは問題があると思うのですが、銀行局長の、銀行行政だけから見た見解を一つお聞きしたい。
○大月政府委員 金融行政、銀行行政の立場から、この問題につきましては、私前々から率直に申し上げておりますように、社内預金制度はない方がいい、従って、税制上の優遇もない方がいいというのが持論でございますが、しかし、現実の労働問題ということを考えまして、長年慣行になっているものを、この際一挙にやめてしまうということは、われわれの立場からばかりは主張できないという、現実に対する妥協でございます。
○堀委員 どうもこのごろは、立場をひっくり返す場合があるわけですよ。酒類の自由化については、私がここで大いに自由化をやれと言うと、藤井君が、社会党が自由化をやれと言うのはおかしいという話が出たり、今度は、われわれが労働者の立場に立って、その必要はないじゃないかと言っておると、今度与党なり政府の方が、いや、どうも労働者の側に立って見るとあった方がいいとか、さか立ちの議論が多くなって困るのですが、しかし私どもは、今の問題を考える場合に、百歩を譲ってそういうメリットを考えるとしても、まず大蔵省としては、やはり預金という性格で並べてみるのならば、預金者保護についての何らか確固たる保障を、私は労働省に要求すべきだと思う。労働組合に対して、労働者が預金をしている総量に見合うだけの担保を設定させるなり、何か先取権があるものを、やはり担保として設定させるようなことは、私は預金者保護として当然あるべきだ、百歩譲ってこういうふうに思いますが、どうですか。
○田中国務大臣 その通りです。だから、私が先ほど申し上げたように、本社くらいは社内預金の第一担保にすべきだという議論もございますが、ではそういうことをやりますと、あなたが先ほど言われておるように、まさに社内預金というものを制度化してしまうという問題もありますので、現在社内預金というものが、理論の上ではないにしくはないと言っておっても、現実一兆円というものがあるのでありますし、どうもこれから自己資本等の比率を多くしようというような場合、どうもこれが減っていくような状態にないわけです。私は経済が大きくなるとだんだんやはりふえていくのじゃないか、こういうふうに思います。これが現実の問題として不可避の状態であれば、この預金者保護という面に対して何らかの処置を取り上げなければならないだろうということは首肯できるのであります。これは大蔵省だけの問題ではなく労働省の問題でもありますから、労働、大蔵等で、これは一つ前向きで検討していきたいと思います。
○堀委員 実はこの問題はここで一応区切りをつけますけれども、社内預金の制度なんというのは、私よく知らないのですが、アメリカにはこういうのあるのでしょうか。銀行局長、あなた非常に詳しいでしょうから、アメリカには社内預金なんという制度があるのかどうか。
○大月政府委員 これは労働問題でございますので、労働省からお答え願った方がいいと思います。
○大島政府委員 私も外国の制度をよく調査いたしておりません。また追って私も調査いたしましてお答え申し上げたいと思います。
○堀委員 ちょっとそういう点は諸外国——このごろ池田さんに言わせれば世界一流の先進国なんだそうだから、やはり先進国なら先進国として他の先進国の実情も一つ詳しく調べていただいて、これはまた何回かやりますから、一つ詳しくお調べ願いたいと思います。 私はこれからいよいよ本論に入るわけですけれども、実は今度ケネディ大統領の、減税と税制改革に関する特別教書というのを拝見をいたしました。そうしてなるほどやはりケネディというのは世界一流の政治家であるという感じがいたしました。残念ながら池田さんと比べると、やはり非常に視野が広いし、民主的な立場に立っている。これは実は私も不勉強で、アメリカの民主主義というものがこういう税制等の問題でどういうふうな形にあるかというようなことは、これを読むまであまり気がつかなかったのですけれども、この中を流れておる思想というものは、非常に前向きで問題を解決しようという思想が非常にはっきりしておるのです。その前向きでものを解決しようという考え方の中には、今の日本の租税特別措置なり、今度皆さんがおやりになった利子減税というようなものなり、配当の五%なんというのはまさにうしろ向きの小手先細工にすぎないということが、これを読むと非常にはっきりわかるのです。この中で、ケネディ大統領は配当所得控除及び配当税額控除の撤廃を明らかにしているのです。わが方ではともかく配当課税の五%源泉徴収というようなことをやっているときに、向こうではすっぱりこれをやめましょう。こういうことはあまり内部資本の蓄積には役に立たない。内部資本の蓄積にほんとうに役に立つのは法人税の軽減なんだということを明らかにしているわけです。やはりこれは彼が全体の中できわめて前向きの姿勢で問題を処理しようということを明らかにしているのであって、結局彼はこの中でこういうふうに言っているわけです。「これらの規定によって毎年四億六千万ドルの歳入損失を見たにもかかわらず、その目標は達成されていない。」「目標」というのは内部資本の蓄積は達成されていない。「株式の新規発行によって調達された法人資金の割合は増加しておらず、しかもその救済措置は、最高所得者に最も多くの利益を与えることになっている。」こういうふうにはっきりと割り切って、これらの措置は適当でないから撤廃をしろということを議会に呼びかけているわけです。このケネディが申しておる配当所得控除及び配当税額控除の撤廃について、田中さんもごらんになったと思いますが、あなたのお感じを一つ。
○田中国務大臣 日本とアメリカの相違が現われているにすぎないと思います。
○堀委員 日本とアメリカの相違なんということを言ってしまったら話は終わりなんです。そうでしょう。あなたの国会の答弁としてはそれはそれでも済むかもしれません。 〔発言する者あり〕
○春日委員 自民党の議事妨害だ。委員長、重大な問題の質疑だから注意しなさい。
○臼井委員長 御静粛に願います。
○堀委員 ですから大臣、これは単なる紋切り型のアメリカと日本は違うんだなんて言うだけでは解決がしない問題です。あの内部資本蓄積の高いアメリカでも、やはりそういうことに役立つかと思ってやってみたけれども役に立たないからやめましょう、こう言っているわけですね。日本の場合はアメリカに比べたら逆に、もっともっと株式資本の充実が必要なわけです。必要なのにかかわらず、あなたの方でおとりになっている方法というのは、率直に言ってさっき申し上げたように小手先に過ぎるのじゃないかという感じが私どもにはするのです。いつもあなたは話が長いのにこれについては非常に簡単なんですがね。
○田中国務大臣 やはり長いことも短いこともあります。硬軟両々で申し上げます。 アメリカと日本の状態を同じ尺度ではかりたがるのでありますが、私は昨年二回アメリカへ行って参りました。その前はアメリカなどあまり行きたいというような気持は持たなかったのでありますが……。これは経済の状態を日本と比べますと非常に明らかであります。アメリカは御承知の通り資本の蓄積も日本よりもずっとできておりますし、それのみでなく、産業構造そのものが非常に合理化をされております。コンベア的な、また経営企業に対しても一つの型にはまっておるのでありますから、あのくらい合理化されたものを一%経済成長率を上げるということは、なかなか至難な問題でございます。これはもう合理化が完全にできたもののお互いの生活を一〇%、五%、三%上げるということは大へんなことでございますけれども、日本人のように裸の者が着物を一枚持てば倍増だというようなことで、これは非常に状態が違うのであります。でありますから、お互いにアメリカで交換されておる文章をそのまま日本に引用してこれが通ると考えておると、そこに私は学者やいろいろな方々の相当な間違いがあると思うのです。でありますから、現在日本におけるところの失業者を少なくとも一〇%なら一〇%就業せしむるという問題をやろうとすれば、私は政治の力でも、また一つの特例法をつくることによって相当大きな効果を上げ得ると思う。ところがアメリカはもうあらゆることをやってみたけれども、少なくとも四・五%の失業者というものは、もう黙っておれば五%になり五・五%になるのだ、どんないろいろな手段や方法をやっても景気刺激にはならないのだ。でありますから、去年の十月ごろケネディ政権としては、ケネディ政権の一番大きな一つの施策、党の運命をかけるという困難な大きな施策として踏み切るのは結局常道に戻って、可処分所得をうんとふやすようなそういう大減税に踏み切る以外にないということが言われたわけでありまして、これはまたあにケネディ政権だけでなく、EECに加盟できなかったイギリスがみずからの内需を刺激することによってある時期耐えていかなければならないという政策で減税政策を取り上げておるのと同じことでありまして、日本の状態とは相当な開きがあるということは十分御理解願えると思うのでございます。だから、日本はいつでも申し上げておりますように、昭和二十五年からずっと一兆一千億も減税をやっておりますし、その中で所得税の減税を八〇%もやっておりますが、それに合わせて撹乱する、いわゆる国内産業にアン・バランスもありますし、そういう意味の国内均衡を保持していき、しかも資本蓄積を大いにやるためには、今度政府がとったような施策は必要最小限の措置である、こういうふうに考えておるのでありまして、これは平均も相当レベル・アップされたものと、日本のように国内に非常に凹凸があり、アン・バランスのあるような国の理論をそのままやるわけにはいかないということを一つ比較御理解願いたいと思います。
○堀委員 まあそれは違いがあることはわかります。ただ日本の場合には、私は逆に非常に重要な問題が財政当局で見失われておるのじゃないかと思うのです。これから自由化が行なわれる、そこでともかく資本の蓄積をしなければならぬ、これは田中さん何回もおっしゃった。ところが一体自由化に対して競争するためには何が必要かというと、要するにやはり合理化、大量生産というものが相当必要になってくるのです。合理化というものは、単価を下げるためにはやはり単なる合理化だけではなくて、同時にかなり多量生産というものが裏側になければ、合理化は進捗しない仕組になっておるわけです。そうすると、その多量生産というものは全一部輸出に振り向けることができるかというと、必ずしもそうではないのであって、これはかなり内需がついて、内需がついた中で大量生産になってくる形で合理化が前へ進められるし、その合理化が進み、大量生産になることによってコストがダウンしていくことが国際競争力をつける、こういうことに論理としてはなっておるわけです。そうしてみると、今の日本の財政というものを長期的に見ていくと、やはりいみじくもケネディがここで指摘しておることは——この場合は赤字の問題になっておるから、私どもとは次元が違いますけれども、多少財政が赤字になっても、結局全体の問題がふくらんでくるならば、これは何年か先で必ず取り返せるのだ、こういう発想の上に立っておるわけです。そうすると、やはり可処分所得の問題というものを一番重視しておるのは、今あなたのお触れになった通りです。私は、この間総理との論議の中では時間がなかったから触れなかったのですが、要するに日本の貯蓄性とそれから可処分所得の増加の割合というものは〇・九七六五ですか、ほぼ一に近い平行線です。その間いろいろと利子に関する税制措置が変わっておるけれども、一貫してやはり相関係数は一に近い状態でまっすぐ走っておるということは、そういう問題よりも可処分所得の問題の比重が大きいのだ、そうして国民の需要が全体としてふくらんだときに自由化というものに対する合理化が円満に行なわれるのであって、だからその点について、単に企業のための資金を確保すればいい——一体企業はどうやって設備投資をするかといえば、需要がなければ設備投資はできないわけです。その需要を考えずして、設備投資のための資金だけを優遇しようというあなた方の考え方の中には、問題の発展のサークルでどこか切れたところがある、切れたところのサークルは発展しないのじゃないか、私はこういうふうに思いますから、この問題をアメリカのいろいろな考え方を見ながら、やはり彼らが一歩前に立って税制というものの果たす役割を正しく評価しておるという感じが強くいたします。 その次に、この中を一貫して流れておるのは何かというと、もっと幅の広い低所得者をいかにして優遇しようかという考えが一貫して流れておるわけです。これについては、もちろん今回も基礎控除等が上がりましたけれども、やはりここで彼らが税率の変更に触れております。これは税制調査会等の今後の問題になるわけですけれども、今のわが国の税制が持っておりますところり税率のあり方は、かなり古い時代から見ますと大へんよくはなっておるわけですが、最低の税率が今八%になっておりますね。課税所得として十万円までが八%、二十万円までが一〇%、こういう税率になっておるわけですけれども、アメリカが今度現在の二〇%から一五・五%ですか幾らかまで、大幅に年次計画をもって下げていこうというこの考え方は、私はきわめて正しいと思う。そうすると、日本の場合も、この八%の最低税率というものはさらにもっと小さく下げられていいのではないか、ゼロになるかどうかの問題は別としても、そういうふうに考えるのです。そこでこれは税制調査会での問題になると思いますが、今後の税制のあり方の中で、問題にしていただかなければならぬものが二、三点あると私は思うのです。アメリカの問題を参考にしながら気がついた点を申し上げますと、私はまず第一点は、やはり所得の税負担の公平化の問題が一つあると思います。これはこの間国税庁次長の泉さんが、日本経済新聞に何かだれとかさんに答えるとかいうのをお書きになっておって、それを拝見しまして、なるほどと思ったのですが、その中で、所得把握率について、事業所得、農業所得等についての把握率と源泉徴収を受けておる給与所得の問題に触れておられますが、ちょっと今そこまで話がきましたから伺いますが、今国税庁としては把握はどのくらいだと考えておられますか、あそこにはあなたの御意見が出ておりましたけれども。
○泉説明員 給与所得者、営業所得者及び農業所得者のそれぞれにつきまして、真実の所得をどれくらい把握しておるかということは、なかなか的確な資料をつかむこともできませんので、非常に困難な問題でございます。世間にいろいろ比率のうわさもございます。私どももそれらの点につきましては、税務行政執行上の参考といたしまして、どうやって適正な真実の所得をつかむかということについて努力はいたしておりますが、ただいまのところ的確に何割をつかまえておるというようなことを申し上げる的確な資料を持ち合わせておりません。
○堀委員 何割つかんでおるのかわからないとおっしゃられれば、これは私も伺いようがないわけですけれども、これだけは言えるわけです。給与所得は全部把握しておる、これは間違いない。それ以外は全部は把握していないだろう。何%ということは問題があるにしても、その間には差があるということがわかると思うのですが、ただ最近の状況として見ますと、やはり私もかなりの差があるであろうことは認めざるを得ないと思う。公平の見地からして私が気になるのは、給与所得者はやはりもう少し優遇されるべきだ、こういうふうに考えております。かつて給与所得について給与所得控除一万円というものが認められた点は、私はこの問題については一つの端緒を開いたと思うのですが、今度のアメリカの税制改正を見ましても、これまで概算所得控除的なものは所得の一〇%に限って認めていたのを、今回からは三百ドルを一律に認めるという格好になったために、低所得者に対しては大体四〇%の非常に大きな減税になっておる、こういうふうに教書の中では述べられておる。だから私どもは、今後の問題として、まず来年度の来たる税制調査会の中では、もう一回給与所得控除の問題を——これが日本の所得税を負担しておるほとんど大部分のようでありますから、そういうものの立場に立って、これまでの御検討は、私は税制調査会の資料で拝見しておりますけれども、やはりもっと積極的に給与所得控除を認めるべきではないか、このことは今後の減税のあり方として私は非常に重要だと思いますが、その点については、今大臣がいませんから、主税局長の方で税制調査会に十分反映をしていただきたい。——大臣が帰って見えましたから、今の給与所得控除ですが、アメリカは今度三百ドル概算所得控除を認めることで、大体低額所得者については四〇%くらいの減税になる、こういうことなんですけれども、税制調査会に対して大蔵省として少しその点、日本の所得税の一番大きな層を占めておるものが給与所得ですから、そういう所得者についての給与所得控除をもう少し基礎控除的なものをふやす、今一万円ですが、もっとふやす必要がある、私はこういう判断なんですが、大臣、今後の減税について……。
○田中国務大臣 わが国の中小所得者の所得税の負担は低くはない、こういう認識は持っておりますから、歴年これが負担の軽減をはかっておるわけでありますし、将来も政府はそのような基本的な態度をとっております。御承知の通り、三十八年度の予算編成に対しましても、また三十九年につきましても、税制調査会の臨時答申を待って政府は態度を決定しようというのでございますから、政府のこれら基本的な考え方も税制調査会に申し述べるつもりでございますし、また税制調査会も検討の結果は、臨時答申として政府に提出をせられるわけでありますので、これが答申を尊重して参りたい、かように考えます。
○堀委員 ちょっと今の問題の前段で触れておりました税率の変更の問題ですね。最低の低い方の税率をさらにもっと下げる必要があると私は思うのです。この税率の問題はちょっと技術的な問題があるでしょうから、主税局長に伺いますが、八%でとまっているというのは、何か積極的な理由があるのですか。
○村山政府委員 実は、昨年、三十七年度の改正前は一〇%であったわけでございます。これは一〇を八に下げようということではなくて、むしろ八になりましたのは、例の府県民税との調整の問題でございまして、あそこのところが比例税率の二%、四%と百五十万を境にして上がったわけでございます。そういたしますと、前が一番安い税率は現在の二%よりずっと安い、たしか一・二ぐらいだったと思います。そこで〇・八地方税において上がりますので、国税で下げたということでございます。この税率構造をどうするかというのは、実は基礎控除をどうするかという問題と密接な関係があると思います。ある一つの考え方は、基礎控除が適当であれば——しかも免税点でなくて基礎控除ですから、何も五%とか低いところに盛るということは、必ずしも必要ではないのだ、たとえば二〇からスタートした方がいいという説もございます。この辺は国民所得の分布の実態を見まして、どこに基礎控除を置くかということによっておそらく解決がつく問題だと思います。
○堀委員 私も今の主税局長の見解に同感ですが、残念ながら日本の場合には、基礎控除が不十分なために——要するにこの間の中山さんの言葉をかりれば、名目的な所得の増加のために、実質的な税負担の増加する者が三十七万人もおりますから、この問題を見ても、実は今の基礎控除が非常に不十分だと思います。今後の日本の税制を考えていく場合に、常に基礎控除が十分なところまでいくかというと、名目的な上昇が非常に大きいわけです。経済成長は非常に大きいわけですから……。普通の場合の物価の値上がりが一%内外である場合には問題にならないと思いますが、きょうは実は企画庁長官に来てもらって——一カ月ばかり前にやったときに、やはり私の言ったように、消費者物価指数がどんどん上がりつつあるのですが、あのときには今の経済見通しなら少なくとも一一四以下にならなければだめなのが、それが一月に一一八・幾らになったのですから、もうてんで今の政府の経済見通しにおける消費者物価などというものはでたらめだということが明瞭で、企画庁はきょう来ていただく時間がなかったのですが、そういう情勢の中では、不可避的に基礎控除というものが十分になりにくい要素が出てくるから、そこでどうしても最初に税を負担するところはもっと下げておかなければいけない。少なくとも五%とか負担することは一応やむを得ざることとしても、そういう基礎控除の不十分なものをカバーするためには、やはりもっと最低税率というものは低く見ておくべきではないか、こういう感じがしているわけです。特に現在学校を卒業して就職したら、独身者の場合はほとんどすぐ税金を払わなければならぬというようなことは、私どもはあまり適当な税制のあり方ではないという感じがする。これはごくわずかなものでありたい、そのためには今私の申し上げたような給与所得控除のフラット分をふやすというようなことは、一番そういう低所得の者に有効に働くわけですから、そういう点はあれこれ十分検討をされて、やはりケネディが考えているような、向こうでは六百万人くらい楽になるというのですが、そういうような方向をやはり日本の場合だってとっていいのではないか。今の所得税の問題では、日本の場合ははるかに末広がりに低所得の者までかけておりますから、そういう点は十分お考え願いたい。大臣も基本的にはそういう方向はいいのだとおっしゃるから、税率の変更等も含めて、これは当然御検討をいただける問題だと思います。 その次に、私、少し勉強して、これは非常にいいことになるなと見ておりますのは、向こうでは転勤の旅費等が支給された場合には、これには課税しないというのが現在ルールになっておりますが、今、日本の場合はどうですか。こういうような場合に、何かそういう加給があるのかないのか知りませんが、何か転勤手当というようなものが出た場合に、これに対する課税はどうなっておりますか。
○村山政府委員 給与所得者に対する旅費の問題でございますが、これは所得税法六条で非課税所得としております。従いまして、実際かかった実費がそれ以上であっても引くことはいたしませんし、それ以下であってもやらない。アメリカの場合は、一般の出張旅費のようなものでございますと、これは差額があれば課税します。それからもしオーバーすれば、それはほかの所得から引きます。転勤旅費については、おっしゃるように、これは特別な旅費として非課税の取り扱いをしております。こういうことでございます。
○堀委員 日本の方も、その旅費は実費弁償の格好で引いておられるなら問題ないのですが、その次に、今度この中には新規の被養者に対する問題も道が拡大されておるようでありますが、これはやはり実費弁償なら日本の場合も引けるわけですね。
○村山政府委員 さようでございます。
○堀委員 その次に、この間ちょっとここでも論議さしていただいたのですが、一種の自由業の皆さんの所持の問題を、アメリカでは今度は五カ年通算といいますか、非常に所得の多い年と少ない年があるような業態については、これを少しバランスをとって一つの所得の平均課税といいますか、そういう提案がされておるわけですが、これは向こうもここに掲げておりますけれども、著作者、芸術家、俳優、運動家、農業者、漁夫、牧畜経営者、弁護士、建築士、医師、その他、こうありますが、これは課税のあり方としては、非常に公平なあり方ではないか。やはり非常に変動があるものについて、収入が高かったときには、非常に高い累進税率をとられる、その次にすぱっと下がってしまうと、いろいろ経費その他の面で見ても、もう少し繰り延べをしてみてやってもいいものがあるのではないかという感じがいたしますので、この所得の平均課税という考え方は、こういう文化的な仕事に携わる方にとっては、私は非常に重要な問題になると思うのですが、わが国ではこういう問題についてどう今後考えるか。ちょっと技術的ですから、主税局長の方から……。
○村山政府委員 これはいわゆる変動所得の平均課税の問題でございまして、日本は昭和二十五年からこの制度を採用しております。ただその範囲は、一番大きいのは漁業に関する所得、それから印紙税収入のようなものでございます。これは非常にフラクチュエートしますのでこれが中心でございますが、それ以外にたとえば野球の選手の契約金のようなものは臨時所得としてやはり平均課税津とっております。ただ自由職業一般に及ぼすかどうかということになりますと、実態を見ながらやっていかなければならぬ問題もございます。むしろ日本の方が早く取り入れまして、しかもこの平均のやり方もその後逐次改善を見ておるわけでありまして、われわれこの検討は今後とも怠らないつもりでやっておるわけでございます。
○堀委員 大臣、今お聞きのようなことで——これは私も不勉強で、日本の方が早かったそうで、その点は大いにいいことだと思うのですが、一つこういう文化的な仕事に携わっておる人たちについては、やはりもう少し税制上でも配慮をしていいのじゃないか。最近はなんだかだんだんきびしくなってきて、ことしあたりは国税庁で、一段と現実に即してということらしいのですが、現実に即すということは税法の公平から言って私は当然だと思うのですけれども、それでは一体経費とは何ぞやというようなことになると、これはきわめてつかみにくい問題があるわけですから、やはり常識的な範囲の処理がされるような方向が望ましい、こういうふうに思いますが、大蔵大臣いかがですか。
○田中国務大臣 今主税局長から答弁いたしましたように、実情に合わせて順次拡大の方向に進んでおるのでございます。税制は絶えず実情に合うように合理的な検討を進め、実施すべきだと考えます。
○堀委員 もう時間もございませんから、最後に今度のような名目減税とか実質負担の増加とかいうことが今後もしょっちゅう起きてくると思うのです。私もアメリカの教書を読んでみると、こうも日本の場合はみみっちいことまでやらなければならぬかという感じがするのです。こういうようなことに理由をつけないと政府は減税をしないのじゃないか。私は率直に言いまして、これは税制調査会苦心の作だと思うのです。あのときに税制調査会が立っておられた条件としては、与党は何しろ所得税の減税はしないのだという空気が非常に強かった時代で、私は田中さんにここで所得税の減税をやりなさいと申し上げたわけなのですが、まあああいうことだったのですけれども、私どもはもっと税制調査会が大らかな気持で減税の問題を大筋から論議してみる、これを与党の皆さんが謙虚に聞き入れて、あなたがこの間何回も御答弁になったように、調査会の答申を尊重されるという方向になるならば、やはり全体としてはもっと前向きで進むことになるのじゃないか。この前の予算委員会で百十七億の差額だけは減税するというふうなお約束を私はいただいておるけれども、そういうのは単なる言葉のあやであって、百十七億を下回らないなんて、それを下回るような減税は減税だと言えないと私は思うのです。そういう面で今度の税法の中には非常に問題があるし、特に負担の公平の点から見て問題があるのであって、このアメリカの教書を心静かに読んで、日本の税制というものももっと大らかな方向になるべきじゃないかという感じが強くするのです。 今度は法人税の問題についてちょっと残っていますから、ついでに触れておきますが、向こうの法人税というのは、これまでは二万五千ドルまでは三〇%が基準課税で、二万五千ドルをこえると二二%の付加課税がついて五二%になっておるのですね。今度これをひっくり返してしまって、二二%が基本税率になって、当分の間は三〇%が今度付加税になる。これを見ても、いかにアメリカで小さな企業のために大きな配慮をしようとしているかよくわかるのです。二万五千ドル以下の事業所というのは、私が計算してみると七〇%くらい、アメリカでもありますね。だから七〇%の事業所というものに対して、三〇%から二二%に一挙に法人税を軽減しようなどという、こういうあり方こそやはり日本で見習うべき問題ではないのか。われわれ、アメリカは大資本の国だと思うから、もうちょっと大きいのが多いのかと思いましたら、案外アメリカといえども、なるほど単位の差はありましても、そういう小企業、中企業というものが多いのだということが、これを読んでよくわかったわけです。そういう点を含めて、私どもがかねがね主張しておる中小法人に対する優遇の問題、それから低所得層に対する優遇の問題、これはケネディの教書の中を一貫して流れておる思想なんですが、私は、そういう意味でもっとわが国の政治家も前向きに、アメリカのいいところはいいところとして学ぶべきである、こういうふうに思いますけれども、一つ大臣の御答弁を伺いたいと思います。
○田中国務大臣 アメリカでもイギリスでも、世界各国のいいところは全部学んでいきたいという考え方は、その通りでございます。私は就任当時から言っておるのですが、シャウプ税制も相当時間もたっておるということで、輸入税制ということでございますが、日本の実情に合うものもあり、合わないものもあるわけであります。しかし主税当局、それから調査会の英知を集めまして、今日の税制ができておるわけでありますが、私が税法そのものの表現に対しても考えていただきたいと諮問した根底にあるものは、日本の実情に合うように、しかもオーソドックスな議論、どこの国の学者が見ても、日本の税制はなかなかしっかりしておるわい、よく研究しておるわいというところまでレベル・アップしていきたいということは、前々から考えておることでございます。それから……(「外国が感心しなくてもいい」と呼ぶ者あり)外国が感心しなくてもいいというよりは、感心した方がいいわけであります。いずれにしても、先ほどからお述べになっておりますように、負担の公平、それから中小所得者の免税点の引き上げとか、そういう線に沿いまして過去も現在もやっておるわけでございまして、将来は特に実情に合うような理想的な税制の確立に努力して参りたいと考えております。現実的に、確かにアメリカの減税政策などと比べてみますと、日本はみみっちいというような感じもありますが、戦後十七、八年間の間に一日増しによくなりつつありますし、敗戦の中からこういう事実を築き上げてきておるのでありますから、一歩々々理想的な体系を一日も早くつくるような前向きの姿勢は、いつどんなときでも姿勢を変えてはならないということを考えておるわけでございます。私自身も大蔵省に行って一番初め、税金というものは、奥さんをもらったらこのくらい減税、子供が一人生まれたらこうするというふうに、もう少し豊かなものができないのか、こういう調子で話を聞いてみたのですが、やはり歳出要求というものが非常に大きいのと、もう一つは、健全財政ということで九〇%以上も税収でまかなっておる。こういうようなワクの中で新しく公債とか新しい財源確保ということを考えない現在のままでの範囲の中で健全財政を貫いていくということになると、おのずから際限があるわけであります。とにかく日本のこれを解決するのには日本の経済力の発展以外にないということで諸般の政策を進めておるわけでありまして、基本的な考え方としては、あなたが言われたようなことで基本線を貫きながら、できるだけ中小所得者、低所得者の税金の負担が少なくなるように進めて参りたい、こう思います。
○堀委員 今のお話で、田中さん気持はあるのですけれども、どうにもならぬということらしいですが、政治というものは、気持があればやはり実現しなければ、政治家としては私はどうも及第にならないのじゃないかと思うのですね。そこで、どういう道を切り開いていくか。そうすると、私は歳出の問題についても——きょうは時間がありませんから言いませんが、もっと社会資本の充実が必要だと言いますけれども、たとえば港湾その他の問題ということになれば、これは政府や地方自治体が出すのではなくて、そこでは企業や何かが、港湾の組合のようなものをつくって自分たちでやっているわけですから、そういう意味で、もっと私は国全体として考えなければならぬ問題があると思うのですね。だからまず大蔵大臣としては、これは取る方と出す方と一人だから、まずあなたがどっちを先にするかということになると、さっきのあなたの言われた、奥さん一人もらったらさっと税金が下がる、子供が一人ふえたらさっと税金が下がるようになれば、みんながよく働くし、そういうことによって全体の生産がふえればいいわけでしょうから、だからそういうことが実際の政治の常道であって、あなたがせっかく大いに大志を抱いて大蔵省に乗り込みながら、平凡なる大蔵大臣に化したところに私は問題があるのじゃないかと思う。やはり人生至るところ青山ありじゃないけれども、大蔵省に緑したたるあなたの希望を実現するようにしてもらわなければ——もう村山さんに説教されてしゅんとしたようなことでは私は困るので、一つ私はあなたを激励をして、来年度の所得税その他についての大幅減税を期待して、私の質問を終わります。
○臼井委員長 春日一幸君。
○春日委員 私は税法三案を対象といたしまして、この際政策税制二、三について、特に政策論議を行ないたいと思います。 田中大蔵大臣の御所見を伺いたいのでありますが、その前に、当面するわが国の経済政策の基本について、まず大蔵大臣の信念とまたその方針を明確にただしておく必要があると思うのであります。すなわち池田内閣は、その組閣以来、いわゆる高度成長政策、それから所得倍増論、こういうようなばかげたことを言いふらして、結局その結果として、悪因悪果をもたらしたこどく、国際収支の逆調、物価高、株価の暴騰、暴落、中小企業の金融引締めはね返り、物価の値上がりと、さまざまの悪い結果をもたらしまして、その結果わが国の経済政策は、好むと好まざるとにかかわらず、すなわち池田内閣の政策目標のいかんにかかわらずw、もはや大転換を余儀なく迫られておると思うのであります。この間の予算委員会においても、この問題を中心として各党から論じられまして、その結果、帰一した一つの基本的方針というものが明らかになりました。当時宮沢経済企画庁長官、福田通産大臣、田中大蔵大臣も所信を述べられたと思うのでございますが、すなわち、わが国が当面する経済政策の基本的の方向というものは、高度成長にあらずして、すなわち二重構造の解消である。それから所得倍増にはあらずして所得格差の縮小にある、こういう方向へ経済政策の重点を置きかえなければならぬ。かくのごとくに、大体において予算委員会におきます経済論議、経済政策論亀は、意見が帰一しておると思うのでありますが、大蔵大臣の所信はいかがでありましょうか。
○田中国務大臣 国内産業間の格差の解消及び二重構造等の解消に努めなければならぬことは当然でございますが、それを解消する大前提となるものは、所得倍増政策であるという考え方は依然として堅持いたしておるわけであります。
○春日委員 妙ちきりんなことを言われては困る。所得倍増政策の結果、かくのごとく所得格差というものができた。高度成長政策の結果として二重構造というものができてしまった。これをなくするためには経済政策の方向を転換せなければならぬと思う。だからそのためにはどうしたらいいかという形になると、それは高度成長にはあらずして、均衡ある経済成長である。それから所得倍増などというようなものではなくして、所得格差を解消する、こういう方向へ転換をせなければならぬということを、予算委員会における経済企画庁長官宮沢君、それから福田通産大臣、田中大蔵大臣が述べられておる。だからその目的を達成するためには、どのような具体的施策が必要であるか、こういうところをこれから論じようとしておるのでありますし、またそのために、あなた方の具体的施策は何であるかをただそうとしておるのに対しまして、ぐるぐる回りで、またもとのやり方をやっていけば結果はこうなるんだ。そんなことでは漫才みたいな形になってしまう。これは貴殿の好きな浪花節にもならぬ、漫才か駄じゃれにしかならぬ。だからそれは一つお互いに誠実に論じてもらいたいと思う。今までの政策の転換をしなければならぬ。すなわち、二重構造の解消、所得格差の縮小の方向に向かって、金融、税制、財政、そういうものを改編していかなければならぬ、これがなければならぬと思うが、大臣の所見はいかがでありますか。
○田中国務大臣 二重構造というような部面、業種間格差というのは、わが党内閣の所得倍増政策の結果起こったものではないのであります。これは明治の昔からありますが、こういうものの解消にお互い、歴代内閣も国民も努力をして参ったわけであります。しかし、所得倍増政策という経済政策の進展の過程において、あなた方の見方から言うと、より一そう格差が開いてきた、より一そう二壁構造——二重構造の解消どころではなく、よりそういう状態になってきたじゃないということを言われますが、私たちはそうは考えておらないのでございます。もし百歩を譲って、そういう議論をそのまま受け入れるとした場合でも、一つの経済成長政策を進めていく過程において、そういう現象が起こり得るのであります。これは生きた大きな流れでありますから、なかなか文字で書いたように合理的にはいかないのでありまして、その過程において起こりましたので、政府は昨年、所得倍増政策はあくまで基本としてこれを貫いていく、しかし自由化も前提としておるのでありますし、国内均衡をはからなければならないということで、業種間、地域間格差の解消やあらゆる方向をきめまして、それに対して三十八年度予算案を編成いたしておるのであります。二重構造の解消と所得格差の解消をはかるために、経済成長政策すなわち所得倍増政策というもの自体を不必要とするのだというふうには考えておらないわけであります。
○春日委員 これは冒頭からえらい正面衝突になってしまうのでありますが、これは重大な問題であり、また事実関係だから、つまびらかにしておかなければならぬと思うのでありますが、これはわれわれ野党が申し上げておるのではありません。経済評論家、経済学者帰一した経済論評が、わが国の経済は二重構造になっておる——おるというよりも、なってしまったと言うのですね。所得格差の断層は、労働省の賃金統計格差率によるならば、大企業のそれを一〇〇とすれば、昭和三十六年度のそれは四九・三。総理の答弁によりますと。三十七年度は五四。いいですか、同じ政府のもとにおいて、回し国民が、片一方は一〇〇の賃金が得られ、片一方は半額ぐらいの賃金しか得られていないことは何と見るか。これはすみやかに是正をしなければならぬ。だから、是正をするということは、現状がいけないということなんで、現状がいけないような状態にだれがしたかということなんです。戦後において、戦前において、わが国の政権を掌握しておるものは保守党なんです。われら、片山内閣が二、三年間その責任をとったけれども、それは戦後の混乱期でありまして、その後において十数年間わが国の国政を掌理したものは保守党である。保守党の施策が十数年間金融に、税制に、財政に、さまざまな施策の積み上げとして現われたものが何であるか。すなわち現在の二重構造であり、今申し上げたような国民の階層間あるいは産業間、あるいは地域間、企業間における所得格差であります。従って、労働者の賃金も大企業一〇〇に対してその半額、三十六年度は四九・三、三十七年度が五四、こういう形になった。このことは、すなわち政府の施策の表われである、計画された通りにその結果が表われたのであるから、従って、これを是正するとするならば、今までの政策を改めていかなければならぬではないか。改める方向は何か。すなわち二重構造の解消であり、所得の格差の断層を圧縮する方向に向かって施策を考慮せねばならぬ。その施策はいかなる点において可能であるか。それは金融であり、税制であり、財政の組み方である。その他いろいろなものがあるであろうが、まずこれを三大支柱と見ることができるであろう。だとするならば、本日ここに論じておる税制の中においても、その方向に向かって一歩踏み出した具体策が講じられなければならぬというのがわれわれの考え方である。そういう観点に立ってわれわれが論じておるのに、依然として高度成長政策、所得倍増政策でやっていくのだということでは、論理と概念と具体策とがこんがらがってしまって、お互いの誠実な政策論議が展開されていきません。だから、私が申し上げましたように、そういう意味において現在の経済政策の動向はいかにあるべきであるか、大臣の所信を伺いたい、こう言っておるのでありますから、一つわかるように御答弁願いたい。
○田中国務大臣 春日さんの言われる通り、二重構造というようなものが解消せられなければならないということは十分感じておるのであります。また、マスコミで取り上げられております政府の施策も、高度成長経済、健全成長経済、今度は予算と同じように健全均衡予算、こういうふうにタイトルもなっておりますので、方向としては私たちは間違っておらないということを考えておりますし、間違っておらないというよりも、これなくんば日本の将来はない、こういう立場に立っておるわけであります。業種間、地域間格差の解消という問題に対しては、確かに私たち自身も、長い明治からの百年間を顧みて、原材料もないし、また資本もなく、あるものは人と山河のみだというような特殊な状態にある日本でありましたから、結局高率投資というものがある程度一定地域に過度に集中をするような状況を築いたり、また輸出振興という問題に対して、特定の業種が非常に大きくなったということは、歴史的に是認をせられるわけであります。でありますから、政府は昭和三十八年度の予算編成の当初も、輸出を伸ばさなければならない、また日本の自由化に対処しての企業の合理化、設備の近代化も進めなければならない、同時に国内均衡をあらゆる角度からはかっていくように諸施策を進めなければならないということで、まず地域格差の解消の問題に対しては、低開発地の開発促進法をつくりましたり、新産業都市建設法をつくりましたり、産炭地振興法をつくりましたり、特定地域の開発法をつくったり、各種の施策を行なっております。同時に東京や大阪のように、もうすでに過去において開発をせられて現在過度集中である、これを排除しなければならないというような状態に対しても、しかるべき処置を行なっておるわけでございます。今度の税法に対しても、私もそういう面は非常に強く述べましたし、春日さんが昨年の十一月、十二月に本委員会で言われましたことも、私はその日から三日くらいあなたと同じことを大蔵省で言って、中小企業が不動産を持っておるものがあっても、これを売れば、その差額に対しては相当な税金がかかる。そういう際、帳簿価格よりか安い住宅地域内における町工場が、税金がもしある一定期間かからないならば、郊外の理想的なところで工場をつくり、しかも設備の近代化も、改良さえもできるんだということに対しては、そのように措置を行なったわけであります。また、東京や大阪のような過度の密集地帯から郊外に出るものに対しましても措置をいたしました。今度の税制改正で、中小企業に対してあなたが言われておったことを、またわれわれが考えておったことが全部実現したとは考えておりません。私は、いわゆる大工や左官とかの中小の人たちが、現行のような状態で実際道具を持っておる人たちを給与所得者とするとか、そういうものに対しても、もっともっとお互いが実情に即した税制を考えなくてはならぬというので、あなたがちょうど私におしかりになっておるくらいのことを大蔵省で毛相当強く言っておるわけでありまして、大いに前向きに片づけておるということだけは一つ御理解賜わりたいと思います。
○春日委員 私は、田中さんはさすがに政策マンだけあって、まるきりだめだと言っておるわけではないのでありまして、だめな度合いがだいぶ多いということについてわれわれは非難をしておるわけであります。あなたはいろいろなことを今、堀君の質問に問わず語りに答えられておるのでありますけれども、政策マンとして自民党の政調会長であられたあなたが大蔵省に入って、そうして金融と税制と財政に対して最高の責任をになわれたことに対する国民の信頼、期待ははなはだ大きかった。ところが、千も二千もある具体的施策の中で、ただ中小企業の近代化に対する税法上の特別措置を一つや二つやったといって大きな鼻をうごめかしてもらっては実情に沿わないと思う。私は話の都合がありますから具体的政策に入って参りますが、今の大工、左官の問題。幸いに村山主税局長もおられますから、これはぜひともこの際あなたの力によって解決をしてもらいたいと思うのです。と申しますのは、税制上、現在は所得の性格が、資産性の所得と給与性の所得の二つにしか分類されていない。ところが、村山君が直税部長の当時特例の通達を出されておりますが、それは大工、トビ、左官、板金、植木職、これだけ一口に言っただけでもしろうとでは言えぬくらいのものでありまするが、とにかくこれらの諸君は資産性所得者ではない。単純なる営業性所得者ではない。さらにそれを敷衍して参りますと、散髪屋さんだって、パーマ屋さんだって、洋服の仕立屋さん、自転車の修繕屋さん、時計の修繕屋さん、およそ中小企業のことごとくは、まずみずから働いて、かつ営業によって所得をする人であるから、これを事業所得者の一律の概念をもって処理すべきものにあらずと考えることは、私ははっきりしておると思うのです。だから、現在税法が古くして、また一律の概念で区分してしまっておる、いわゆる給与性所得と、もう一つは資産性所得、この二つに区分しておることは実態に即さない。この二つのほかにもう一つ給与性所得と資産性所得の合算所得という別個の性格を持つものがあると思う。この別個の性格のものは、七、八年前に村山直税部長当時出された通達の中にその政策の趣旨は十分顕現されておると思う。要するに政策の芽が出ただけで伸び悩みのまま七年間あるわけです。私はやはりこの芽を伸ばして大地に根をはやさせなければいかぬと思うのです。新しき分類を一つ創設しなければならぬ。それはどう創設するかという形になりますと、いわゆる零細事業者と言いましょうか、あるいは勤労事業者と申しましょうか、自分の店舗あるいは事業所等から生ずる所得と、おやじがそこで働いておる所得と、二つが合わされて初めてその事業が成り立つ、かつそこからその事業所得が生まれてくる、こういうものですね。こういうものの把握というものは、私はやってやれないことはないと思うんです。たとえば一定額を限って、それ以下の所得はその合算所得とみなし、その合算所得の下積み何十万円まではそのおやじの勤労の対価として発生した所得とこれをとらえれば、かくすることによってその所得を発生するに必要なるところの経費として、いわゆる特別勤労控除の創設、あるいはそれが特別勤労によって発生した所得であるならば、給与所得に対しては事業税はかからないのであるから、事業税がそれだけ免ぜられるということによって、真にこの負担の公平化と申しましょうか、中小企業者、零細所得者に対する税の軽減と言いましょうか、あるいは公正化、適正化と言いましょうか、私は初めてその政策というものがここに実現されると思うのでありますが、これを一つあなたの勇断によって実現される意思はありませんか。これはかつてあなたが、大工、左官、トビというような、勤労の対価として発生する所得に対しては何らかの特別控除が必要であるということを述べられたと思うんです。私は今やそのことをなさなければならぬ段階であると思うが、いかがでありますか。
○田中国務大臣 私が期待に反しておるということは不敏のいたすところでございますが、しかし昨年は就任以後非常に忙がしいことばかり続きまして、アメリカから帰ってすぐ臨時国会、臨時国会明け予算編成、こういうことがございましたので、御期待に沿うような状態がつくり得なかったかもしれませんが、おいおい任期一年にもなるのでございますから、これからはしろうとであるというような、また就任日も浅いというようなことで逃げ得るものではないという自覚は持っております。 それから先ほどから言われております大工、左官、トビ等の受ける報酬、これについても先ほど申しましたように相当議論をいたしました。議論をいたしましたが、主税当局の言うことも筋は通っておるのです。負担の公平とかいろいろな問題を積み重ねてくると、現行制度というものは運用さえよろしきを得れば——現行税制の中ではこれ以上になかなかできませんというような回答であります。しかし私は、日本における中小企業の実体、これは世界に例のないというようなものでありますし、あなたが先ほど言われたように、二重構造というような面もありますが、しかし潜在失業者というものを登録失業者に変えないで大きな面をになっておるのは中小企業であるという事実も忘れてはならない。でありますから、そういう面に対しては、やはり戦前、戦中、戦後にわたって、日本の中小企業というものが今日の日本をつくるために相当な大きな負担をしておるという考え方を前提に持っておりますし、理屈でもって、西ドイツのような単一工程のものにすぐにも転換できるような状態にありませんから、中小企業をどうして振興せしむるかという問題は、より高い立場、広い立場で検討していかなければならぬだろうということは申しておるわけでございます。幸いこの国会には中小企業基本法を審議を願っておるのでございますから、この基本法が制定せられれば、当然これが成立後においてこれら中小企業に対して特別な措置がとられるようになるわけであります。私は、その意味で現行法の中でも、その所得を得るために必要な経費として概算控除をもっと上げ得ないのか。実際大工さんが持っておる道具でも、精巧な仕事をすればするほど何十種何百種に及ぶようなこまごまとしたたくさんの道具が必要でありますが、その道具を今日の市価に換算してみて、何十万円で買えるのかということを考えてみれば、当然これの償却費とかその他専門的に検討しなければならぬ問題がございますので、これらの問題、現在理論的には話も聞いておるし、納得もしておりますが、現状をよりよく打開をしていかなければならないという基本的な立場は堅持いたしておるのでございまして、税制調査会にも出て、私からもまた意見も申し述べますし、実情もよく把握をして、これが今よりもより合理的な税制になるように努力をしていきたいと考えます。
○春日委員 私は四年前でありますか、中小企業団体法の二十三条、それから今度の中小企業基本法の二十五条で中小企業者の税制について特別の措置をとれとか、あるいは適正化をはかれ、これが訓示規定だといってひやかして見送ってしまえばそれだけのものであります。ところが、これらの基本法とか団体法とかという国の法律の中にこれがうたわれておるのに、これが何ら実現を見ないということは、まるで切歯扼腕といいましょうか、ほんとうに耐えられない気持だと思うのです。私は今あなたが言われたように、その主張をなしたけれども、主税局がこれをいれなかったというのであれば、この際主税局長村山氏に私はお伺いをいたしたいのでありますが、どういうわけで大蔵大臣の主張をあなたははね返したのであるか、その反論の骨子を、これで国民が納得できるかどうか一ぺんここであらためてつまびらかにしていただきたいと思う。
○田中国務大臣 大蔵省の内部で大臣が浮き上がっているような議論をされては困りますので、申し上げますが、現在の状態においては主税当局の意見、税制調査会の意見、私たち政党人としての意見、そういうものを十分調査をいたしておるわけでございます。税制調査会におきましても実情に対してつまびらかに調査いたしておりますので、これらの十分なる認識のもとに一つずつ漸進的に片づけて参ろうということであります。私の申し出をにべもなく断わったというような事実はございませんから、そういう感覚で御質問にならないようにお願いしたいと思います。
○春日委員 この機会にただしておきたいと思うのでありまするが、中小企業基本法二十五条に、中小企業の税負担の適正化をはかるという条文がうたわれております。当然閣議において大臣の所見が述べられておると思いまするし、従って、あなたの大体の腹づもりというものもできておると思うのであります。本日、そういうような中小企業者の税の適正化を言うことは、現在が適正ではないということであるのでありまするから、その適正でない事柄をため直そうという事柄の中には、いわゆる中小企業者の勤労の対価として発生する所得について、現在その所得が事業所得として合算されておりますことは、それが異質のものであり、給与所得的性格の所得が事業所得の中に合算されて、事業所得として課税されておるということは、これは適正なことではない。だから、これは二十五条に基づいて直さなければならぬと私どもは考えるのであるが、この条文作成のときにあなたが賛成されたあなたの腹中には、大体こういうような事柄もポイント・アップされておるのであるか、この点を承っておきたいと思います。
○田中国務大臣 中小企業に対する課税は現在の税法の理論の上では正しいものであるというふうに認識をいたしております。しかし中小企業基本法が制定をせられるというのは、漫然と制定をせられるわけではありません。中小企業基本法という特別な法律をつくる必要があるという中小企業に対する認識のもとに制定をせられるのでございまするから、この中の二十五条の税制に対するものについては、税制議論からいいますと、こういう訓示的な、宣言的な規定があっても、これで差別をして特に他のものと大いに違う税制をつくるのではないということが出てくると思いますが、しかし、いやしくも国会議員として考える場合に、必要があって特別法をつくるのでございますから、特別法制定の原則に立って考えれば、これが調整というものは、ただ一般的すべての公平の原則というようなものよりも一歩進んで調整軽減を意味するものであるというふうに私は本会議で答弁をいたしておるわけでございます。これに対しては、税学者その他にきっといろいろな解釈はあると思いますが、私は、少なくともこの法律を提案をいたしました政府の閣僚の一人としては、特に大蔵省に職を奉ずる者としては、やはりこれはただ宣言規定であり告示規定であるというようなことで別に取り扱うものではない、また別に取り扱うことを規定したものではないというようなしゃくし定木なものの解釈をしないで、当然本法制定の基本的趣旨に沿っても特別な配慮を必要とする、こう読むべきであると答えておるわけであります。
○春日委員 私の質問は、団体法二十三条に特別な措置を講ずるものとするとある。ところが、さらに四年間を経過した今日、基本法の中に二十五条一カ条を設けて、適正化をはかるものとするというのがあります以上——これは何らかの具体的な措置がとられるべきものと判断せざるを得ない。ダブル立法になりますからね。だとすれば、その中身にいわゆるさまざまの適正化があるであろうが、その中身の中の具体的政策の一つとして、今申し上げましたような、いわゆる勤労性事業者に対するその税法上の区分を、そういうものの所得をことごとく事業所得としてこれを課税しないで、事業所得と、それから何らかの方法によって、その中において勤労性所得というようなものがあるから、その勤労性所得というものを抽出して、その勤労性所得を得るに必要なる経費、これは給与所得に対する勤労控除があるのでありますから、特に勤労控除制を設けるの腹案があるのであるか、ないのであるか、これを大臣として一つこの際明らかにしておいて、来年度の期待を、全国の勤労性事業者に持たせてもらいたい、こういうことを言っておるのでございまして、それを大臣から……。
○田中国務大臣 現行の税の取り扱いでも、あなたが言われるように、ちゃんと分けてやっております。だからこういう立法になっておるのですが、それでもなお足らぬというところが、あなたが言われることであり、私もまたその必要性を認めておるものであります。でありますから、これをあなたが言うように、すべてがすべて変えるのでは、いつ法律を出すのだ、今度の中でやっていいのだ、こういうふうにはなりませんが、とにかくこれからの、中小企業基本法が制定された後に、中小企業に対する税制上の問題として十分検討していかなければならない問題であるということは申し上げられるわけであります。
○春日委員 当然その二十五条のいわゆる条文上の政策内容は、私が質問をいたしました問題について、この懸案を解消することのために、大臣が異常な熱意をもって善処をするという工合に理解をいたします。 次に、この際、資本税というものを創設される意思はないか。この問題はどういうことであるかと申しますと、現在の税制は所得のあるところに課税をなすということになっております。所得がなくんばどんな大企業でも税金を納めなくてもいいという体制に相なっております。ところが、現在事業者の行なっております事業の経営はいかにして成り立っておるかと申しまするならば、これは言うまでもなく、国の施策あるいは地方の施策、こういうように国、地方のさまざま営んでおるところの事業、それから施設、またそういうようなものの活動、こういうものを基礎としてその事業というものが成り立っておると思います。従って、それらの事業者というものは、いずれにしてもそういうものの恩恵を受けておる。恩恵を受けておるけれども、所得がなければその恩恵の見返りに対する負担というものは何もないわけであります。直接税法上においてはないわけであります。こういうような場合は、やはり国の負担をかっぷくに応じて分担する。たとえば利用の度合いが大きければ大きいだけそれだけのものを分担していく。たとえば道路港湾の整備にいたしましても、いろいろなものが全部事業活動の便宜に供するために膨大な費用が使われる。それを活用することによって事業が成り立っておる。ところが、所得なきときは課税が至らない。一見したところ、はなはだ不適当なことだと私は思う。だからこの際、そういう公的施設の利用税といっては適当でないかもしれませんけれども、その膨大な負担の一部分をその利用者が分担することによって、負担公平の原則と申しましょうか、そういうような欠ける面を補っていくことが必要ではないだろうか。しかしながら、このことは、ある程度零細企業、中小企業にはそういうようなものを免税して、ある一定規模以上の大規模事業に対してそのような公的費用負担を分担せしめていく。その意味において、資本税のごときものを創設するということは、二重構造の解消にも通ずるでありましょうし、税負担公平の原則を貫く上においても論理的に筋が通ると思いますが、大臣はこれに対していかがお考えになりますか。
○田中国務大臣 現在資本税を創設するような意思はありません。これはしかし過程においていろいろな議論をなされた問題であります。戦後第一回目にやられた財産税も、これも一つの変形のものでございますし、それから現在行なわれておる税法の中で固定資産税という固定資産の量、規模によって課せられておるものがございます。しかしどう考えても、どうも年間百二十万円しか水揚げがない者でも、夜の日も寝ずに働けば働いただけ利益が出、利益には課税をせられる。百二十億の水揚げがあっても、何だかんだでもって、実際堂々としたビルをかまえ、千万円もの車を乗り回しており。社長が百万円の月給をもらっておっても、バランスの上で欠損があれば税金を払わないでもいいという議論はおかしいじゃないか。この議論は絶えずやられておる議論であります。これを解決するのには取引高税——取引高税というのは税の根本的な問題としてわが国でも考えた問題でありますし、現に戦後実施いたしました。ところが、この取引高税に対しては、警察が調べに来るとか税務署が調べに来るとか、こんなものがあってはどうにもならないとかいうことで、取引高税というものに対しはタブーのようになってしまって、取引高税という言葉さえも、もう公式に論じられないということになりますと、どうも非常に大きな資産を持ちながら、実際大きな規模で常業しておりながらやらぬでどうする——事業税、営業税というものを利益によってではなく、取引高税式なものを加味した事業税というようなものに一体変化せしめられるかというような技術上の問題もございます。これは十分検討に値いする重要な問題でもありますから、慎重に検討すべき課題だと考えておるのでございます。
○春日委員 今のお説の中に、それに見合うようなものの制度の一つとして固定資産税があると言われますけれども、これはそういうものがあれば、消防でありますとかあるいはいろいろな地方の公共団体でめんどうを見ぬならぬから、従って、その費用分担の意味において固定資産税というようなものが私は生まれてくると思うのです。それはやっぱり固定資産税というものは実費弁償の概念だと思うのです。ところが事業というものは、消防であるとか、百貨店ならばスリの防衛でありますとか、いろいろなものがあるでありましょうが、事業全体として見れば、予算の組み方、道路、港湾の整備、そこに働く従業員の学校教育、そこから脱落するものがあればそれの社会保障、いろいろな国の政策、設備、活動、こういうものを享受することによって初めて事業というものは成り立つのですね。成り立つからそういうような負担というものが、今制度上、所得のある者に課税をなす、所得なくんば課税せず、一銭もその法人は負担しないわけです。だから負担公平の原則からいっても適当ではない、こういうことでしょう。しかしそれにかわるものは、一律に一ぺんに移行してしまえば付加価値税でありますけれども、これは当時実施した結果大衆課税になり、その後はからざるさまざまな障害を国民大衆に与えることによって、国家の意思によって適当ではないといって一年かそこら実施して廃止した。だからわれわれはそのことについてはもはや討論終結である、そういうものでやってはだめだということは経験によってわれわれはそれをやらないということに意思決定しておりますから、それに移行すべきでない。だとするならば、大体固定資産税の政策の意味というものはここにあるのであるから、その意味を敷衍していけば広範なる中央地方の行財政の恩恵を受けておる者に対して一部分の負担をさせるということは適当だと思う。今までそういう理論がなされておる。なされておっても実現を見ないということについては、私はもはやそのような理論がある程度成熟した段階であろうと思いまするし、それから経済成長の度合いから考えましても、今や負担の均衡をはかっていくという政策必要というものが生じておるとするならば、それを実施に移していくべき段階ではないかと思うのでございますが、いかがでございますか。
○田中国務大臣 非常にむずかしい問題でございます。これは感じの上や理論の上では十分お互いに納得しておる問題でございますが、法人税をもっと下げなければならぬという議論もございますし、またそういう必要性もございます。もう一つは、収益課税でありますから、収益のないところには課税できない。現在ある固定資産税に対しては、収益がなくとも固定資産の評価によってかかっておるわけでございます。なぜ私がこんなに承知をしておりながらはっきりした結論が出ないかというと、現在の法人というもの、しかも大きな固定資産、事業用財産を持っておる企業というものが、昔のように六〇%も九〇%も個人が独占をしておるというような場合これは問題があったのですが、御承知の通り戦後は株の集中排除も行なわれましたし、現在はほとんど大衆が株主になっておるということでありまして、この人たちは、会社の看板や外装は非常に大きいのですが、収益のない場合には全然配当を受けないのであります。配当をできない成績の悪い会社から税をその上なお取り得るかという問題も相当ございます。しかし大きな会社があればその企業のために道路も港湾も下水も、すべてのもの全部やってやらなければいかぬじゃないか、一体この問題をどう解決するかということですが、新しい企業形態の内容が、資本家のものではない、そこには会社としては直接の利益は上げておらないけれども、何十人、何百人、何千人、何万人の工員がおる、その家族というものがまかなわれておるのであるし、その給与所得の中から源泉課税で当然税金を納めておるんだというような事実を一つずつ分明して検討して参りますと、必ずしもこれらのものにすぐ遊休財産というような格好で評価して税金をかけ得るかどうか、なかなかむずかしい問題が存在するのであります。
○春日委員 問題の困難性は私も大体わかりました。ここで深く論じておる時間の余裕がございませんが、それはそこの従業員諸君が給与所得に関する税金を納めておるとかいうことになれば、間接税でみんな国民ひとしく納めておるんだから、利益なき法人にしろ個人にしろそういう国費負担というものは一般に行なわれているといえばそれだけのものであります。ただ問題は所得格差解消という形になりますと、大規模事業者もそれに応じて国費を分担支弁していくのだ、こういうことからやはりその財源捻出の特別措置というものが講ぜられなければならぬのです。今までの既存の概念や既存の政策では二兎構造ができてしまったのだから、国はその反省の上に立ってこれを是正するとすれば、着想するものはそういうようなものです。金融の制度においてはいろいろあるであろうが、税制の問題としてまず考えられることは、大規模事業者がその国費を負担をしていく、そういう事柄を考えるとすれば、具体的な政策はどんなものがあり得るか、こういう工合にしぼってその発見に努力して参りますれば、まあこんなこと以外に考えようもないということになると思うのです。税率をなぶるということは簡単でありますが、他に政策内容を盛り込んで味をつけた一つの制度をつくろうとすればこういうことになってくるのですね。これは反論も異論もさまざまあるでありましょうけれども、十分御検討の上、二重構造解消の方向に向かって一つ御努力が願いたい。 それから、同じような意味合いにおいて土地増価税の問題、これも予算委員会において二、三論ぜられておると思うのでありますが、大体土地の増価利益というものは社会的インフレーションの結果だと思う。あるいはそこに鉄道ができたとか、あるいはそこに何らかの経済繁栄の基礎が設立されたとか、いわゆる国の政策の恩恵もしくは全体責任としての社会的な好況、インフレーションの結果土地が値上がりをしてきておるのです。純粋にその土地の所有者の不労所得なんですね。そのような不労所得者というものに対しては、現在それを処分するにあらざれば何ら課税というものはない。譲渡所得であるとかあるいは法人個人の所得というものは譲渡処分をしてからでなければ課税されない。私は、こういうものはやはり何らかの形において負担を支弁せしめるべきだ。自分が努力してその資産がふえたのではない、全体的な社会的インフレーションであり、国の政策の結果としてその土地が何十倍にも上がったのです。だからその人は担税力があると思う。担税力ある者にはやはり課税するということが、これは負担公平の原則だと思うのです。こういう土地増価税というものを課することによって、土地の値上がりをスペキュレーションでいろいろ操作するような連中についても、その経済化促進の一助にもなり得ると思うので、こういう土地増価税のごときものも、この際創設することが必要な段階に到達しておると思うのでありますが、大臣の見解はいかがでありますか。
○田中国務大臣 大企業の問題は先ほど申されましたが、この問題に対して一つだけ申し上げておきたいと思います。 大企業というのと小規模企業というもので常に議論をせられるのは、この利益配分というものが一体どうなるのかという問題で一番分かれるわけでございますが、先ほど申し上げたように、今の大企業というものもある意味では戦前のような独占資本家のものではなく、中小企業の形の変わった集団でもあるというようなことも一つ算に入れて考えなければならぬと思います。同時に、この問題よりも一歩進めて考えるときには二重構造の解消とか地域問、業種間の格差、低所得者、中小企業というような面にそういう対策を必要とするわけでございますから、これらの財源を得るためにどうするかという問題は、大規模の企業者からだけ特別なものを取るということも一つの考え方としてはあると思いますが、私はやはり奢侈税式なもの、それから消費税式なもの、こういう、消費をした者はその消費の量に応じて税金を納めるというものは、いわゆる現行税法や過去の税法の既定観念だけにとらわれないで、やはりそういう一つの日本の税制の中で、ある一定期間こういうものが過重な税制をとられてもやむを得ないのだというような道も、やはりあわせて考えていくべきだということも一つ申し上げておきたいと思います。 それから土地の増価税の問題は、これは休閑地税とかいろいろな問題が議論になっておりますが、これは私は慎重に検討を要する問題だと考えておりますのは、休閑地税というようなものをかけることによって、事実地価が抑制できるのかという問題、またかえって、どうにもならない、戦後の東京都でもってつくりました百メーター計画、五十メーター計画というあの計画を、そのまま都市計画をやっておればよかったものが、理屈を言っておるうちに、まあ、質よりも量だということで、どんどん今日のような小規模なものを乱造してしまって、もう全く都市改造もできないというようなところまできておりますので、こういう土地の増価税というようなものをもし創設するとした場合に、逆な現象が起きないことを十分前提として踏み切っていかないと、より混乱をするということがあり得るのであります。私はそういう意味で、土地に対しては、相続税とか、固定資産税とか、売買利得税とか、そういうものでもって、一代、二代にわたれば相当な税額をとられておるわけでありますが、私のこの問題に対する基本的な考え方は、結局地価を安くするということが一番大きな政治的な課題でありますので、これにはやはり収用法というもの——資源の中にも、ある使い方によっては引当公益的なものであるという、観念をまずかえてくるということで踏み切っていけば、土地の問題は解決するのではないかと思う。私は、そういう意味では、外国でやっておるように、少なくとも平面都市というものをつくらないように、これが最小でも四階以下ではいけないというようなものであり、しかも四階以上というような高層建築をやるというその地域の隣三分の一は収用できるというような考え方をあわせて考究していかないと、この土地の増価税だけでもってものを片づけると、より混乱する状態も考えられますので、慎重な考慮を要する、こう思います。
○春日委員 私は七分しかありませんので、簡単にいきます。そういう問題は、論すればいろいろと、どろぼうにも三分の理屈があって、そんなものは、理屈には理屈をもって反対という立場から応酬していけば、結論は得られないと思うのです。だから、どの段階でもって断をとるかということなんですね。だからこういう問題は、申し上げたように理論は簡単なんです。ほかっておいて値上がりしたのだ、だから相当の資産だ、担税力があるのだ、だから一回限りの財産税みたいな形でそこから金をとって、それでもって目的税みたいな形で低所得者の住宅財源に充てたらどうか、こういうことでございますから、これは一つ十分御検討を願って、負担の公平、二重構造の解消、担税力ある者に重き税、こういう徴税理念が顕現できるように一つ御努力順いたい。 それから次は、不良債権の損金算入、またはその課税上の留保、これは何らかの特例が講ぜられるべきであると思うのであります。帳簿上はこれが債権として、売上金として残っておる。だからこれは益金の処理がなされておる。ところが相手はつぶれてはいない、破産もしていない、けれどもないから待ってくれということになって、とれない、こういう場合はやはり実情に即した処置が必要であると思うのです。だから、とれるまで一時これをたな上げして、そうして特別のものとして、税法上何らかの措置を講ずべきではないかと思うのでありますが、この点主税局長から……。
○村山政府委員 現在不良債権の特別措置につきましては、御案内のように、税法上は貸し倒れ準備金の制度がございます。従いまして、おっしゃるようなものは貸し倒れ準備金のワクの中で吸収できるかどうか、この検討の問題が一つあると思います。それからもう一つは、取り扱い上、今不良債権、貸し倒れ債権になると、一定の事実があると、半分までは貸し倒れにしておりまして、あとで確定しますと清算する。この二つの道が開かれておるわけであります。今先生がおっしゃったような具体的な事案を見まして、それがはたして貸し倒れと認定する必要があるかどうか、それが現在行なわれておる税制上の貸し倒れ準備金と今の引当金の通達上認められているその措置でまかなえるかどうか、そういうところの再検討の問題だと思います。
○春日委員 問題はそこにあると思うのでございますが、社会通年上これはいかに見るべきか、貸し倒れの実態をいかに規定するかということになると思うのでございますが、これは半年と見るべきか、あるいは一年と見るべきか。とにかく請求してもとれない。そしてとろうと思ってもなかなかとれないというようなものは、半額と言わず、やはり一応これを全額課税留保して、入ってきたときにそのときの所得としてこれを課税していっても、私は国損にはならないと思うし、また税負担の原則からして、所得のある者に課税するということで、脱税にはなっていかぬと思うのですね。中小企業者は、好況、不況によって差はありますけれども、割と不況のときに貸し倒れ的現象が非常に顕著に現われてきて、決算上非常に困る。実態に合致しないところの決算が出てくると思うのです。それは当然救済されてしかるべきであると考えますが、この点も一つ十分御研究をお願いしたい。 それから、時間ですから、最後にこの点を伺っておきたいと思いますが、この前国税庁長官に御出席を願って、若干の質問をいたしましたが、これはやはり大臣の責任事項であると考えますから、大臣から御答弁を願っておきたいと思うのです。 それは、三十六年七月の税制調査会の答申に、あの国税通則法に付随して答申されておりますが、その答申の中にこういうことがあります。法令等の解釈について疑義を生じた場合には、すみやかに国税庁の長官の判断を求めることとすべき旨を法令上明らかにせよと答申しているのです。ということは、なぜかと申しますと、現在の税法が非常に難解である。従って、これについてはほとんど通達行政みたいな、国税庁長官通達、あるいは主税局長通達、直税部長、間税部長の通達ということで、通達になっておるのですね。だから、通達行政みたいな形になっておる。だから、通達に対してなお疑義があったり、さらに本条について疑義がある、こういうような場合は、国税庁長官の判断を求めるように法令上これを明文化せよと答申がされておる。さらに、そういうような場合には、国税庁は法令等の解釈に関する事業の審査等については、第三者の公正な判断と意見を求めるため、国税庁に学識経験者等からなる参与制度を設けろ、こう言っておるのでございます。ということは、通達そのものが事実上は法律的権威を持っておる。そして税務署員はその通達に準じて国民から税金をとっておるのですね。憲法上は、国民は法律によらなければ義務を課せられることはない。それから、租税は法定主義であるから、法律によらなければ税を課することもできないが、法律によらずして通達によって事実上はこれが課税されておる。私は、国税庁で通達を出されるときには、それは熟練者が慎重に十分合議して出されるとは思うけれども、この委員会において論ずるようなわけにいかぬと思うのですよ。やはり徴税する側に立っての主観というものが潜在的に作用するということはいなみがたいと思う。だから私は、税制調査会がかくのごとき答申をすることもゆえなきにあらずと思うのですね。だから、こういう答申がされた以上、これに即した措置がなさるべきであると思う。なぜなさないか。なさないとするならばなさない理由、近くやるとするならばその大体のめど、これを明らかにいたされたい。
○田中国務大臣 通達が出ておりますが、この通達は御承知の通り法解釈を通達をいたしておるわけでございます。この通達というのは、問題になるような場合に、過酷にこう読むべきだというようなものではなく、先ほどからあなたが申されておるように、法律はこうも読めるけれども、これは、この業種に対してはこういうふうに読むべきであり、こういうふうに緩急よろしきを得てもよろしいという限度を通達で出しておるのでありますから、これが悪用せられておるというような例はないと思います。しかしすべてのものを裁判でやればいいじゃないかといったところで、そういうことは不親切でありますので、協議団制度もございますし、また参与制度の答申を受けておることもございますので、三十七年度の予算にこれを要求したようでございます。
○春日委員 どういうことを……。
○田中国務大臣 国税庁から参与制度をつくるということを要求しましたら、主計局の予算査定で認められなかったということがございます。そういうことが事実だそうでございますから、これは大蔵省の中でも部局別で主計局と対立して、大いに予算はやっておりますが、この責任は法令上私でございます。もう少し御質問が早ければ、三十八年度の予算編成のときにこれは検討したわけでございますが、私もうかつでございまして、まことにどうも申しわけないわけでございますが、これらの趣旨に対しては十分考慮いたして、将来実現をはかって参りたいと思います。
○春日委員 憲法に生命、財産とあるのですが、生命というものはいろいろな場面で保障されておると思うのです。ところが財産権というものは税法によって、まあ斬人、斬馬剣みたいなもので、これは自由自在に切り取り強盗といいましょうか、苛斂誅求といいましょうか、国家権力を代表するものが自由自在にこのやいばを使っておるというのが実情でございます。だから租税法定主義といったところで、法律が財産権全般にまたがるものでございますから、そのようにしか書きようがない、書きようがないから通達でこの基準を示す。ところがその通達が完全無欠であるかどうかという形になりますと、幾ら公正な立場から案文を練られたといったところで神ならぬ身だ、副長官がにっこりうしろで笑っておられるけれども、事実上完璧というものはなかなか期しがたい、期しがたいからこそ税制調査会がほんとうに国民に対する財産の保障のために、徴税行政の完璧を期するために、疑義あらば第三者によるところのそういうものを設けろと言っておるのです。今国税庁から予算要求をしたら主計局が否認したと言うが、これは明らかに八百長なんです。われわれが要求するから、君の方でこれを否認してくれ、そうすると今まで通りやっていけるからというようなことである。眼光紙背に徹する烱眼を見開けば、事の真相はそれ以外にない。だからどうかそういう意味合いにおいて参与制度の必要なる予算をすみやかに第一次補正の中で要求されて、せっかくの税調の要求でありますから、第一次補正の中で必ずこれを実現されるということを強く大臣に要望いたしまして、私の質問を終わります。
○臼井委員長 これにて各案に対する質疑は終了いたしました。
○臼井委員長 各案を一括して討論に付します。通告がありますので、順次これを許します。坪野米男君。
○坪野委員 私は、日本社会党を代表して所得税法、法人税法、租税特例措置法、三法の一部改正法案について反対の討論を行なわんとするものであります。 政府の重要施策の筆頭に掲げられておる減税政策なるものは、全くのかけ声だけのものでありまして、まさに羊頭狗肉のたぐいであるといわざるを符ないのであります。池田総理や田中蔵相は、二十五年以来年々減税に次ぐ減税をしてきたのだということをたびたび強調しておりますが、年々、経済成長に伴って税の自然増収があればその一部を減税に振り向けて、国民大衆に還元をするということは当然の措置でありまして、何ら自慢にならないのであります。問題は、減税をするかどうかということではなしに、減税の量と質が問題であります。一般減税か政策減税かということも議論になっておりますけれども、私は、問題は減税の量であり、その質であるということを強調したいのであります。 さらにまた、池田総理は納税人員が経済成長に伴い、また国民所得の増加に伴って増加する傾向は喜ぶべきことだというような放言をいたしております。まさにこれはゆゆしい問題だと思うのであります。納税人員が増加するというその前提には、国民大衆の租税負担能力が向上するということが前提でなければならぬわけであります。物価が安定する、実質所得が向上する、そして租税負担に耐え得るということであって初めて納税人員が増加するということになるわけでありますけれども、現状はそうではないわけであります。物価高に国民は悩まされておる。また年々政府の重税政策によって収奪をされておるという現状において、納税人員が増加するということは、これはまことに重大な問題といわざるを得ないのであります。 特に三十八年度の所得税の減税政策の実態を見ますと、まさにこれは実質増税であります。政府は五百四十二億、平年度五百四十億の減税をやったのだと宣伝をいたしておりますけれども、これは税制調査会の答申によっても明らかな通り、単に実質増税をその最低の所得階層について抑えるというまことに消極的な措置を答申したにすぎないのでありまして、この税制調査会の答申さえも政府が完全にこれを無視しておる。そしていわゆる政策減税といわれる利子所得あるいは配当所得に二百四十億からの減税を認めておるということでありまして、私は、実質増税を押えようとしたこの答申を無視して、勤労大衆の実質上の増税を認めておるというのが政府の所得税に対する減税政策でありまして、国民大衆の立場から断じてこれを認めることができないわけであります。 われわれ社会党は、勤労大衆に対する大幅の所得税減税を主張し、独自の租税改正要綱を掲げておりますが、政府本当然大衆の負担軽減という立場から所得税の大幅減税、特に税の自然増収が三千百三十一億という相当の自然増収が予想されておる中で、五百四十二億の減税はまことに微々たるものであり、その中でも所得税減税がその半額程度であるということは、これはまことに微々たる減税にとどまっておる、まことに不十分きわまるといわざるを得ないのであります。 しかも、税制調査会の答申の基礎になっておる物価騰貴率という点にいたしましても、わずかに二・八%の増加率を見込んでおるにすぎないのでありまして、税制調査会の中山会長も、この二・八%の見込みが変わってくれば、当然実質増税を押えるための減税額にも影響を及ぼすであろうということを当委員会で陳述いたしておりましたけれども、今日の物価の騰貴率、昨年が六・二%という騰貴率を示しており、今年に入りましても一月、二月と毎月一%程度の物価騰貴率を示しておるわけでありまして、毎月一%ずつの物価の騰貴があれば、一年で一二%という相当大幅の物価騰貴が当然予想されるわけでもありますし、また数字は魔術でありまして、二・八%あるいは六・二%と申しましても、数字の操作いかんによってはいかようにでもなるわけでありまして、国民大衆の実感からすれば、今日の物価騰貴率は二・八%でもあるいは六・二%でもない、十数。パーセントという相当大幅の物価騰貴を来たし、国民大衆はその物価騰貴によって生活が圧迫されておるというのが実態であります。そういう意味で、税調の答申自体が合理的な根拠を欠いておる。にもかかわらず、その税調の答申さえも無視した今回の所得税のきわめて小幅の減税、これはまさに減税の名に値しない、増税そのものであります。そういう意味で、政府は重要施策の第一に掲げておる減税を麗々しくいうことは、その看板を当然おろすべきであるということを、私は指摘したいのであります。 さらに、いわゆる政策減税の中で利子所得あるいは配当所得に対する大幅の減税をやっております。一〇%の分離課税を五%にする、半額にまけてやろうというのでありますから、まことに気前のいい大幅減税であります。しかもこの利子所得の減税の恩典に浴する階層といえば、いわゆる高額所得階層であるということも、本委員会における審議の経過に照らして明らかになっております。現在、少額貯蓄免税制度によって五十万円以下の少額貯蓄者に対して利子所得を免税したということをいかにも誇らしげに強調いたしておりますけれども、現行の国民貯蓄組合制度のもとでも少額貯蓄は免税されておるわけでありまして、この五十万円あるいは郵便貯金の五十万円等を合算いたしますならば、少なくとも百万円以下の貯蓄層に対しては、現行法においても十分免税の措置がなされておるわけであります。しかも今回の特別措置で国民貯蓄制度を廃止するといいながら、二年間に限って例外的な経過措置を認めておるようでありますが、といたしますと、二百万円までの利子所得が事実上免税の恩典に浴するわけであります。この程度の利子所得に対する免税をすれば、これで大衆減税という趣旨からする利子所得の免税の目的は十分達しておる。結局、この特別措置における利子所得の軽減措置は、高額所得者に対する減税をやろう、その目的を貯蓄の増強に償いておるようでありますけれども、これもこの利子所得の減税措置によって貯蓄が増強されるという合理的根拠は何らないのであります。ただ心理的効果をねらっただけだというような趣旨もあるようでありますけれども、私は、このような高額所得者に対して軽減措置をとらなくても、その余力のある所得があるいは預貯金、あるいは株式の配当、その他の形で蓄積されることは当然でありまして、減税したから貯蓄が増強される、貯蓄増強に役立つという根拠は、今までの審議の経過から何ら出て参らないと思うわけであります。要するに、今回の政策減税、その筆頭をなす利子所得の減税なり配当所得の減税は、いわば銀行資本、金融資本あるいは証券業界に対するサービス、お年玉的な意義を持つ以外の何ものでもないと思うわけであります。 その他の租税特別措置につきましても、つぶさに検討すれば必ずしも合理的な根拠があるものばかりではないわけでありまして、私たちはこの租税特別措置制度全般にわたって合理的な検討を加えて、大幅な改廃を加える必要があると考えるわけであります。特に今回の改正案である利子所得あるいは配当所得の軽減措置に対しては全面的に反対し、このような特例を廃止すべきであるというのがわれわれ社会党の主張でございます。 さらに、法人税の今回の改正につきまして、それ自体については何ら異存はないわけでありますけれども、われわれは中小企業法人に対する法人税率を、段階を設けてもっと軽減すべきであるという主張を持っておるわけであります。そういう意味において、法人税法の今回のこの程度の改正についても反対をしなければならぬと考えておるわけでございます。 要するに、今回の政府の税制改正に伴う三法の改正案は、勤労大衆の実質増税を容認するものであり、減税の羊頭を掲げて、その実は大衆課税を強化する狗肉を売るものにすぎないという意味において、われわれは断じてこの政府原案に賛成することができないわけであります。政府はすみやかにこの法案を撤回して、社会党の主張する修正をいれられることを強く要求いたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
○臼井委員長 毛利松平君。
○毛利委員 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となりました所得税法、法人税法及び租税特別措置法のそれぞれの改正案に対して賛意を表するものであり、従って社会党提出の修正案に対し反対するものであります。 以下、その理由について簡単に申し述べたいと思います。 第一に、昭和三十八年度の減税計画は、わが国現下財政事情に照らし、きわめて適切妥当であると考えるのであります。 近代国家にとって、財政需要が年々膨張していくことはきわめて当然のことであります。三十八年度は、自然増収や増加財源が前年度よりも少ないにもかかわらず、社会保障、文教及び公共事業の三大重点経費を、それぞれ前年度に比べ二二・五%、二〇・五%、二〇・八%と大幅に増額しながらも、総額四百九十八億河に達する純減税を行ない、しかも一般減税にウエートを置き、政策減税を適度にこれに配したことは、政府のなみなみならぬ苦心の存するところと推察するにやぶさかでないのでありまして、私は政府の努力を大いに多とするものであります。 第二に、今回の所得税の減税は、中小所得者にとってやはり福音となるもので、中小所得者の負担が年々軽減されていくことは、はなはだ喜ばしく思うのであります。 すなわち今回の各種控除の引き上げによって、給与所得者の標準世帯の課税最低限は四十四万五千八百円となりました。昭和二十五年当時の課税最低限がわずかに八万五千八百円であったことを思い出しますと、実に隔世の感がいたすのでありまして、私は、今後とも一そう課税最低限の引き上げに政府が努力されんことを希望するものであります。また、今回の改正によって、給与所得者の標準世帯の負担は、年間所得五十万円の階層では三四・九%、七十万円の階層では一五・一%軽減されることとなるのでありまして、反面、一千万円の階層ではわずかに〇・三%の軽減にしかならないことを考えるとき、私は今度の減税は、下に厚く上に薄い、まことに適切なものと考える次第であります。 第三に、今回の税制改正は、中小企業者のかねてからの切実なる要望にこたえた、いわば善政であると考えるのであります。 今回の税制改正では、同族会社の留保所得課税の場合の控除額を引き上げ、中小企業者が郊外へ工場を移転する場合の譲渡所得課税について、圧縮記帳を認め、また中小企業近代化に必要な機械設備の特別償却を認める等、中小企業の税制について格段の配慮がなされていることは、わが党が中小企業対策を直視している証左であると考えるものであります。 第四に、利子所得及び配当所得に対する課税の特例の強化は、わが国内外の当面の経済事情に照らし、きわめて当を得たものと考えるのであります。わが国経済が今日アメリカ及び西ヨーロッパと並び称せられる大国に躍進したことは、ひとえに政府の施策と国民の努力のたまものと考えるものであります。しかしながらいまだに中進国的性格を脱却していないことも事実であります。これはなぜかというと、わが国の資本蓄積水準が低いということに帰着するものと考えざるを得ないのであります。わけても実物資本と貨幣資本とのアンバランスが著しいことが指摘できます。今後とも実物資本の蓄積を高めていかなければなりませんが、それには貨幣資本の蓄積を高め、実物資本との間にバランスを保たせることが絶対に必要であります。かくして貯蓄の増強はわが国経済の発展にとって至上命令ともいうことができるのでありまして、ことに世界の大勢に順応し、自由化を本格的に推進し、八条国移行体制をつくらなければならないことを考えるときは、一そうその切実性と緊急性を感ずるのであります。私はこの意味において国が貯蓄を奨励するため税制上これを優遇することは当然であって、その国民の貯蓄に及ぼす心理的効果には多大なるものがあることを信じて疑わないのであります。 最後に、今回の税制改正についても、いずれも適切妥当であると考えるのでありまして、これらについては時間の関係上詳しく申し上げることを省略いたします。 以上をもちまして討論を終わることにいたします。(拍手)
○臼井委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより順次採決いたします。 まず、所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。 両案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○臼井委員長 起立多数。よって両案はいずれも原案の通り可決いたしました。 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び同案に対する修正案について採決いたします。 まず、有馬輝武君外十一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○臼井委員長 起立少数。よって、有馬輝武君外十一名提出の修正案は否決いたしました。 続いて原案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○臼井委員長 多立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。 ただいま議決いたしました三法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本会議終了後まで休憩いたします。 午後一時十二分休憩 ————◇————— 午後四時二十六分開議
○臼井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 関税定率法等の一部を改正する法律案、外貨公債の発行に関する法律案及び中小企業高度化資金融通特別会計法案の三案を一括して議題といたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 関税定率法に関係いたしまして、大蔵大臣に貿易の自由化ということはどういうようなことを意味しているものなのか。わが党はまだ貿易の自由化は早いということをいろいろと反対してきましたけれども、今日貿易の自由化になるということでありますが、一体貿易の自由化というのはどういう意味であるか、最初にお伺いいたします。
○田中国務大臣 今までは日本は国際収支上の理由で為替の制限ができることになっておったわけでございます。すなわち、IMFの十四条国におったわけでありまして、これが今度八条国移行勧告を受けまして、近い日に八条国に移行しなければならない。日本といたしましては当然残っております一二%の制限品目に対しても、順次自由化をやって参らなければならないということでございます。IMFだけではなく、ガットの十一条国にも移行いたしますと、同じく自由化は避けられないのでありますし、またOEECに加盟したいという気持を政府は持っておりますが、これに加盟を許されれば、資本の自由化制も前提になるわけでありますので、今まで保護貿易的な、また鎖国状態のような状態で為替割当ということで、外貨予算制度のもとでやってきましたものが、自由な意思によって輸入を制限できなくなるということであります。
○佐藤(觀)委員 この間の勧告もございましたけれども、わが国の経済力では自由化は早いのではないか、自由化するといろいろな混乱が起きるということでいろいろな方面に反対があったのでございますが、そういう点については、一体自信がおありであったのか。これは田中さんだけの問題でございませんけれども、どうも無理があったようにお見受けしたのですが、そういう点をどういうように考えておられるのか、これも伺っておきたいと思います。
○田中国務大臣 IMFの勧告によりまして日本が自由化を要求せられるというのではなくて、日本自体が自由化の方向に進んでいかなければならない必然的な体制にあるわけでございます。そこでIMFの八条国移行勧告をそのまま受けて、よきタイミングを見て自由化の態勢を整備して参ろうというのが現在の政府の考え方でございます。一体自由化というのは、国内産業の態勢ができないからいつまででも自由化をしないでいけるのかどうかという問題は、外国から要求せられるから自由化をするというのではなく、一体自由化をした方がいいのか、自由化をしない方がいいのか、こういう問題で自主的に解決する問題でございます。自由化をするということは、日本は御承知の通りの貿易立国といっても差しつかえないほど貿易依存の国でございます。これは明治初年から人口三千三百万か三千四百万の時代から九千六百万というような現在の人口になったときに、米とか日本でもって原材料のあるようなものを、一体そういうものを輸出するようなことで日本の国富を増し、われわれの生活のレベルアップをしてきたかというと一目瞭然でありまして、原材料を海外から輸入をして、それに対し加工し、加工品を逆に輸出をするといういわゆる輸出による蓄積財産が今日の日本の基盤をつくり、われわれの生活をささえておるのでございます。そういう意味からいいますと、日本はこれから輸出を伸ばしていかなければならないわけでございますが、輸出を伸ばしていくということになると、相手の国が、日本が自由化をしておらないと、当然相手の国も差別待遇をするわけでございまして、まあ原則論として自由化が全世界においてすべてなされるということはないのでございますが、しかし自由化が全部なされたということを仮定した場合、日本が保護貿易をやっておるいわゆる不自由なときと比べてどうであるかというと、これはもう言うまでもなく、第二次世界大戦がどうして勃発したかということをお考えになるとおわかりになるわけです。これはもう日本の商品が、安くていい品物が世界のマーケットを押えていくところに日本商品のボイコットとなり、日貨の排斥となってきたのでありますから、日本のたくましい歴史上の輸出の状況を見れば、できるだけ早い機会に自由化に踏み切って、そうして相手の国々の差別待遇もさせないようにしていくことが、今よりもより将来に日本のために道を開くことだ、こういう原則論に立っておるわけでございます。
○佐藤(觀)委員 自由化の説明は大臣から聞きましたが、そうすれば自由化をやれば関税の障害をとるべきだ、自由化をやって関税を上げるというようなことは、これはおかしいじゃないか、自由化の意思に反するような気がいたしますが、世界の貿易は、今田中大蔵大臣が言われるように、自由化の勢いに乗っておりますが、しかし自由化をやったならば、当然関税については引き下げたり、あるいは関税障壁をなくすというのが至当だと思われますけれども、その点は一体どういうふうに考えられておりますか。
○田中国務大臣 原則的にはその通りでございます。完全自由であり、完全に関税がないということになれば、一番いいわけでございます。第二次世界大戦の初めには日本が輸入をする原材料に高率な関税をかけられ、またそれに加工して日本から出る品物に対しても逆に高い関税をかけられ、ついに戦争に進まざるを得なかった歴史を見てもわかる通り、これはもう自由になることが一番いいのでございますが、しかしその過程におきまして、元も子もなくしては困りますので、やはり相手の国が自国の国際収支その他の理由によって関税を引き上げるような場合には、日本もそれに対して対抗関税をやるという場合もあり得ましょうし、また二年、三年後には非常によくなるということが前提であっても、現在自由化によって直ちに国内産業が非常に衝撃を受けるというような場合、その地ならしができるまでの間、その入る物と国内産業から生まれる物がうまく融和するまでの過渡的な調節機能として関税制度を上げ下げするということは、どこの国でもやっているのでございますし、関税はその意味でこそ存在するのでございますから、一括関税引き下げという基本的方向の中にありながら、現在五〇%のものを一〇〇%に上げる。しかし究極の目的は、現在の三〇%を二〇%にし、ゼロにすることを目標として、その過程でたどる弾力的逆用でございます。
○佐藤(觀)委員 それならば、日本の商品の全面自由化に対して政府はどんな対策を講ぜられ、農産物その他あらゆる方面で自由化に対処するだけの準備が一体できているのかどうか。これはもう来月から実施することになって、一体そういう点についての見通し、なるほどこれはこういう理由で、こういう計画で、こういうあれでりっぱにやっていけるというだけの政府にそういう構想があるかどうかということをまずお示しを願いたい。
○田中国務大臣 御承知の通り、八八%の自由化をした産業に対しましては政府は財政投融資、一般会計の補助金、税制面の弾力的運用その他特例処置等によりまして、政府が支援をして差しつかえない、また支援を要望せられるような事項に対しては十分な配慮を行なって参っておるわけでございます。しかし残余の一二%のものにつきましては、なかなかむずかしいものだけが残ったわけでございます。一昨年のウィーンの会議で日本の九〇%自由化を要求されたのでございますが、八八%まで行なって、ついにあとの、二%でございますが、自由化を行なえなかったのでございます。あとの一二%というのは、自由化をするには、やはりするような処置をしてかからなければならないようなものが残っておるわけでございます。こういうものに対しては今の昭和三十八年度の予算においてもいろいろな措置をいたしております。石油等に対し石油業法をつくったり、また中小企業基本法をつくったり、今次の政策減税等もそういうことの前提として行なっておるわけでございます。甘味資源の問題に対しましては、砂糖自由化に対応して一般会計において甘味資源対策も行なっておりますし、今度食管会計の中に砂糖類勘定等を設けて、国産ビートやカンシャその他の買い上げ措置を行なうとか、あらゆる意味で自由化に対応する施策を着々と行なっておるわけでございまして、もうこの程度で自由化をしても何とかやっていけるということと、世界の諸外国が日本に自由化を要求するその強さというものとバランスをとりながら自由化に踏み切って参る、こういうことを考えておるわけでございます。
○佐藤(觀)委員 一二%の非自由化の品目について稻田局長から、概略でけっこうでありますから、どういう理由でこの品目は自由化ができないか、そういう説明をちょっと願います。
○稻田政府委員 現在自由化されていない品目は二百五十四品目に上っておりまして、国内ではその産業につきしかるべき処置を講じながら各国の対日待遇の改善状況などを見ながら自画化をこれから進めて参りたい、こういうことでございます。 また来年の秋までには鉱工業品につきまして、特に問題のあるものを除きまして、自由化可能の状態にしようといたしております。また問題のある品目につきましては、その時期までには自由化の見通しを立てたいというふうに考えております。 農林漁業関係につきましては、なかなか問題の多いところでございまして、鉱工業品等とバランスを失しないように並行して自由化を進めていくということだろうと思います。対日差別を行なっています外国には、自由化の機会にその撤廃を強く要求することはもちろんでありまして、国内においては、自由化によって混乱と摩擦のないように、ただいま大臣からお話のありました点につきまして、きめのこまかい配慮と弾力的な考え方をとっていきたいと思います。
○佐藤(觀)委員 私たちは、自由化と関税問題というのは、これはもう同じ平行線をたどるものであって、自由化されれば当然関税が下がるべきだというのが原則であろうと思うのです。その点はあとでいろいろ具体的な話になりますけれども、その点は大臣はどのようにお考えになっておるのですか。この点をお聞かせいただきたい、
○田中国務大臣 御承知の、自由化ができない問題は何があるかといいますと、直ちに自由化をしたら、国内で倒産や破産や、国内の同じような産業がこれに対抗していけないというのが一つございます。自由化はできるけれども、相手の国々が差別待遇をしておりますから、それに対してこちらばかり門戸を開いても、相手が開かなければどうにもならないということで、対日差別待遇を撤廃交渉を続けながら、二国間交渉を続けながら、向こうもやるならこっちもやりますよ、こっちがやりますからそちらもやりませんか、こういうような状態で自由化ができないものもございます。 もう一つは、これは農業製品でございますが、特に乳製品のようなチーズやバターとかこういうものは、入れるとまず日本は四分の一くらいに切り下げなければいかぬ、粉乳のようなものでございます。こういうものはあまりにも差が多過ぎる。こういうことで農業の一次産品や農業加工品というものは、これはどこの国でも自由化が一番最後になっておるわけでございます。そういう理由が存するわけでございまして、これから国内産業の強化をしながら、自由化をしても国内で倒産、破産が起きないように、また国産品愛用というようなことを十分植え付けながら、自由化の地ならしをして一おるわけでございます。それじゃ四分の一にならないなということも考えられるのですが、いわゆる無水フタール酸や無水マレイン酸のような鉱工業薬品というものは、わずか二年前、三年前は、横浜埠頭揚げ二分の一以下であったわけでございますが、今日は自由化をされました。されることによって企業の合理化も行ない、また張り込み方も違うわけです。こんなことをやっておったら元も子もなくなるからということで、わずか二カ年間で対抗して、現在では輸入品というものとタイでやれるようになっております。そういう意味で、国内的な態勢ができれば順次自由化をしていくということになるわけでございます。 それから原則論としては、自由化と関税というものに対しては一般関税制度というものでございますが、自由化が完全に行なわれていったときには関税も一括引き下げをされ、相手の国も全部対日自由化をした場合には、日本も関税制度をなくして一向差しつかえないということでございますが、ここでいうように、完全に自由化を−戦前でもある国との間にはいろいろな差別というよりも、日本と同じレベルにない国は、どうしても日本に対抗できないために、日本とドイツ、日本とフランス、日本とアメリカとの間に、今でも甘木が十四条国であったような状態を要求するわけでございます。そういう場合に、やむを得ず関税制度でもって対抗しておるものもございますし、それでまた日本に対して特に高関税で対抗するようなものに対しては、できるだけ発動はしないのですが、対抗関税制度というものもなければ、相手のある仕事でございますから……。 もう一つは、国内でもってリンゴならリンゴがうんとたくさんできたときに、バナナやその他のもので持っていったときにたたかれてしまうという場合に、緊急関税制度、こういうものが制度の上にはありまして、これが、できれば運用されないでいくほど世界が自由化になればいいだろう。究極の目標はそうでありますが、現実問題は現実に対処しながら、緊急関税制度や対抗関税というものの制度はつくっておきまして、ケース・バイ・ケースで弾力的に、しかも慎重な配慮でこれを行なっていく。しかもそれはだんだんと一括引き下げ、できれば関税率ゼロというところまでいくのが目的でございます。
○佐藤(觀)委員 しかし自由化ということになれば、一般に関税が下がることになるのが原則だと思うのでありますが、自由化されて今度関税が上がるというようなものはどんな品目だか、事務当局の方でけっこうでございますから、簡略でけっこうですから、自由化になって関税が上がるというものはどういうものか、お示し願いたいと思います。
○稻田政府委員 自由化と関税の関係につきましては、昭和三十六年度におきまして、自由化対策としまして全面的な改正を行なったのであります。また三十七年度におきましても、相当大幅な関税の改正を行ないました。それで今度三十八年度におきましては、その他の経済情勢の変化がありましたので、三十八品目につきまして改正を御審議願っておるわけであります。 要点を申し上げますと、関税定率法及び関税暫定措置法を通じまして、三十八品目のうち税率を引き上げる品目は十三品目であります。バナナ、マンガン鉱、酒石酸、プラスチックの造花、石油等でございます。アンチモニーもございます。また一部について税率を引き上げるものが、ただいま申し上げましたアンチモニー、ガーネット等三種目になっております。税率を引き下げる品目が十八ございます。
○佐藤(觀)委員 引き下げるものは聞いていないのです。引き上げるものだけです。今上がるものの中で、バナナの関税率の問題がありましたが、急に七〇%に上げるというべらぼうなことが行なわれるようになった理由ですね。これは農林省から来ておられるようでございますから、簡単でけっこうでございますから、どうしてそういうふうに上げるのか。下げるのが当然であるのに、七〇%に上げるということは自由化にならぬと思うのですが、その点は私の納得のいくように説明していただきたい。
○富谷政府委員 バナナは、昨年の七月以来関税のほかに、ジェトロの方に三〇%の差益金の納付を実際上行なっておりましたので、実質的な何と申しますか、輸入によります価値の増と申しますか、これが八〇%ございます。これを一挙に引き下げますと、国内の配給ルートその他取引上だいぶ混乱が出ますし、なおまた国内の果樹生産者の方は、前々からこの果実の貿易の自由化ということに非常に神経質になっております。その関係もございまして、農林省でもリンゴの対策その他もいろいろやって参りまして、逐次漸進的にやって参りたいという考えでございますので、結果的に、関税率だけで申し上げますと、七〇%に上がったように見えるわけでございますが、実質的には一〇%の引き下げになる、かような次第でございます。
○佐藤(觀)委員 いや日本の果実業者の方は、自由化に反対しておったでしょう、そうでしょう。それだから、あなたの方で自由化は反対だから自由化をやるかわりには関税を上げるというようなそういう形でやられたのじゃないかと思うのですが、どうですか、そういういきさつは。
○富谷政府委員 上げたとおっしゃいますけれども、従来の差益等の経過を見ますと、バナナは一〇〇%とられておりまして、しかも外貨割当のために非常な希少物資になっております。従って、国民がバナナに対しまする何と申しますか、特殊の嗜好がございますので、これを一挙に下げますとそういう面からどうも混乱が起きるであろうということを配慮いたした次第であります。
○佐藤(觀)委員 われわれが自由化に反対するのは、社会党が反対いたしますのは、そういう問題が起きるから反対するのであって、初めから自由化をやらなければそういうことにはならぬでしょう、こういうことでしょう。自由化をやるということは、そういうことの混乱が起きないために自由化をやるという政策を政府は立てて、そうして今度自由化になるから、自由化するかわりに七〇%も関税をかけるということは常識では考えられないと思うのですよ。常識では、バナナの需要が多ければ国民のためにどんどん輸入をしなければしようがないでしょう。私はくだものの生産地から出ておりませんから、どういう陳情があったか知りませんけれども、どう考えたって筋が通らぬと思うのです。それは大臣どうお考えになりますか、こういうばかけたことを。今まで国内に非常に需要が多い、それだからそういう自由化をやらなくちゃいかぬ。そういう陳情が多かったらバナナの自由化をやらすにおけばいいのに、やればどんどん輸入されるからといって七〇%税金をかけるということはどう考えたって常識で考えられぬと思いますが、この矛盾は田中さんはどうお考えになっておられますか。
○田中国務大臣 今御説明を申し上げましたように、バナナは現在三〇%ジェトロへいっていたものを今度やらなくなって、関税率を引き上げるということになると、実際は一〇%の引き下げになっておるのです。だからバナナ業者に対してはそう過酷なものではございません、こうお答えをしておるわけです。しかしバナナというものを自由化するのは、今バナナは高いものですから、これは戦前はバナナのたたき売りというので、安いのはもうバナナだ、こういうことだったのですが、このごろはもうバナナというものは高いものである、こういうことになっておりますから、国民の嗜好また国民の需要に応ずるために自由化をやるということであれば安くしなければいかぬじゃないかという気持はもうその通りわかりますが、何しろ戦前から相当長い間不自由にしておきましたので、戦前の日本の果実とバナナとの比率と、現在のバナナと果実との比率を考えますと、バナナというものが非常に高くなっておって、これの自由化をすると相当下がる、だから急激に下げますと、今国内のリンゴやその他の果実が戦前に比べて相当な勢いで伸びてきております。内容は充実はしておりますが、やはり一挙に自由化をしてしまって、一つ日本のくだものを退治してしまう、そうすればバナナは入るだろうからというのでバナナをうんと入れられたらこれは大へんなんです。ですから今よりも自由化というものを何年かのうち、一年か二年の間くらいに水と油がうまくまじっていき、あまり衝撃は起こらないようにということで、逆に表から見ますと自由化して二〇%上げているというようなことではございますが、実際の裏から見れば一〇%下げているのであって、そうして実際の国内の果樹の業者に対しても手当もし、それで十分これが競合して、お互いにどっちかたたきつぶされるというような荒っぽいことが起きないように配慮をしたのが今度の関税になっておるわけでございます。
○佐藤(觀)委員 どうも僕らも食いものというものはお互いの感じでわかるので、田中さんが食ってうまいのか、僕が食ってうまいのか、これは好みですから、理屈じゃない。しかしリンゴとバナナではちょっと味が違うのじゃないでしょうか、そうでしょう。だからバナナを入れたからリンゴが売れないということは理屈としてはどうも合わぬように思うのです。それからバナナが急激に下がるというのは、消費者は——私はバナナ屋でもありませんし、それからバナナは日本ではとれない、実際は台湾とか南米でとれるわけですから、何も日本の貿易の収入を減らすというような気持はありませんけれども、バナナを買って食う人が安く買えるという立場から私はものを言いますが、これはいろいろ農林省の方からも説明がございましたけれども、何としても裏はいろいろ——ジェトロのことは私らも多少知っておりますが、そういうこと以上に消費者に安く食わせるということは政治の責任ではないかと思うのです。リンゴやミカンとバナナというものは味も違うし、私は明治四十二年でございましたが、母に連れられて名古屋でバナナを初めて食いました、そのとき二本で一銭五厘でした。そういう思い出がありますから、バナナを国民が食いたいというならば安く提供するというのが政治家のやるべきことじゃないかと思うのです、ただリンゴ畑やミカン畑の人が困るからといっても、味が違うのじゃないかと思うのですね。そういう点の筋が通らない。私は自由化だから関税を全部ゼロにせよということは言わぬけれども、名目上は少なくともバナナから七〇%という税率をたとい一年だけでもとるということは、私最初に田中さんに申し上げましたように、貿易の自由化ということに矛盾してくるのじゃないか、そういう無理をするくらいなら自由化をせずに、くだもの業者の言うことを聞けばよかったものを、自由化をやればそういう問題が起きてくるのは当然だと思う。そしてまた関税の障壁を高めればよそから文句が出てくる。貿易の自由化は田中さんからいろいろ説明がありましたからよく了解されるのでありますけれども、どうもバナナばかりいじめるような気がするのでありますが、何か恨みでもあるのじゃないか、われわれはそういうように考えるのですが、その点はどういうように解釈されますか、一つ説明していただきたいと思います。
○田中国務大臣 これは私もあなたの言うことはよくわかるのです。私もそんな考え方なんです。これはペプシコーラやコカコーラとか、そういうものが入りましたときにだいぶ問題がございました。これはもう日本のビールがきっと減るのだろう、またビールだけではなくサイダーやラムネや、そういうものが減るんだろう、こういうことでございましたが、あれはビールやサイダーとはちょっと違うのです。でありますからそんなに心配はなかった、杞憂にすぎた。結局コカコーラというようなものに対してもだんだん消費がふえておりますが、同時にビールやサイダーもよけい売れておるということでございますが、バナナの場合もそういう議論が成り立つのですし、実際はこれを下げれば幾らか消費者物価がみな下がるのだから、一つの刺激剤になるだけでもいいじゃないかという強硬論もあるのですが、あなたが言う通り大体バナナはうまいということは日本人は知っておるのです。そういう意味でバナナというものは今非常に輸入を制限しておりますので、バナナというものを入れれば私はコカコーラのようなものではなく、一ぺん入ってくると、昔のようにたたき売りをするまで入ってくるかどうかは別にしまして、相当急激に入ってくる、そのときに、自由化して一番最後に残るものが農山漁村の生産品であるということと、消費者物価が高いということを言いながら、その反面恵まれなかった農山漁村というものが、野菜にしろくだものにしろ、ようやく生計が立ち得るような状態まできておりますので、これは一挙にバナナとリンゴ——まあバナナとリンゴは違うからといってもバナナを腹一ぱい食えばリンゴを食うだけのあれがなくなってしまうということで、平たい考えでやはりバナナと国内の果樹産業というものとのバランスをとりながら、少なくとも一年や一年半の間で完全な自由化をしようというので、八%のものを七〇%、これを六〇%、五〇%、三〇%、こういうように下げていこうというのが今度の改正でございます。
○佐藤(觀)委員 ゆうべテレビでバナナとリンゴの問題を一般の生産のあれでやっておりました。偶然のあれですが、ところが農林省は、軍政さんあたりが農林省の立場で、果樹を言われるのももっともだと思うのです。私は選挙区は農村でございますから、私もそういうことを考えますけれども、消費者全体の立場と、政府が貿易自由化というお題目を考えている以上は、やはり筋道を通さなければどうも工合が悪いのじゃないかと思うのです。だから農林大臣の言うことをそんなに大蔵大臣が真に受けて考えられるということは、少なくとも人情大臣としてものわかりのいい田中さんがこれを黙って受け取られるということは新潟県の顔のあれがあるかもしれませんけれども、私らとしてはやはり納得いかない。だから少なくても、どういう理由があろうとも、七〇%のバナナの税率はどう考えても高過ぎる。ことしだけで、また来年から下がるのでありますが、それはどうも理屈として貿易の自由化ということを唱えていながら、日本のバナナの税金をたとえば七〇%だという声があれば幾ら外国が何と言おうとも、これは事実は事実として出るのですから、そういう点を考えて、私はバナナ屋でもないし、くだもの屋でもありませんけれども、そういう向こうからあげ足をとられるようなことを何でやられるかということについてどうも納得いかない。それは農林省の言われるのは筋が通るけれども、どうも大蔵大臣がこういうことを平気でやられるということは、これは田中さんにしてはできが悪いと思うのですが、どうですか。
○田中国務大臣 できがいいなどとは考えておりませんが、農林省は八〇%から一〇〇%くらいにして、それでバナナをばたばたっと下げていくことが国内産業に対しても、転換できるしまた同時に合理化が進む、合理化が進むということはバランスをとってくるということでしたが、二〇%上げということでやったのですから相当努力して参ったということは事実でございます。バハナに対しては日本のわれわれの親の層からずっと子供の層まで一応嗜好ははっきりいたしております。戦後などはレタスなどというものが出てきたために、一方で、非常に栄養価のある、われわれとしては大好物であるタマネギは全部腐らして大蔵省から掃除の代金をよこせというような状態でありますので、国民の嗜好というものの流れを十分見て、完全に一ぺんに自由化しても何にも混乱の起きないものもございますし、バナナに対しては確かに多少——この間の台湾のコレラ問題などで問題もございましたので、急激に入れるよりもやはり一、二カ月、三カ月でも見て、だんだんと一つ佐藤さんの意見の方に参りますから……。
○佐藤(觀)委員 ここではコレラとバナナの問題を言っているのじゃない。ただ貿易の自由化ということを言いながら関税率を上げるということは、筋として世界的に非常に恥をかくと思うのです。コカコーラなんか、栄養がないから私は飲みません。そういう点は同感でありますが、しかしバナナは栄養があると言われておるし、同時にもっと安く提供したいという面もあるので、私はそういう点でやはり筋を曲げるような感じがする。来年は五〇%、再来年は三〇%にされるという方針らしいのですが、そういうように理解をして間違いありませんか。
○田中国務大臣 おおむねそういうことでございます。これははっきりしたことは農林省の方からお答えしてもいいのですが。
○佐藤(觀)委員 同僚議員からもいろいろ質問があると思いますが、大体そういう趣旨で、貿易の自由化というものは政府が言っておっても非常に片手落ちのような面がある。やはり筋の通った自由化をやってないという感じを受けたわけです。いろいろ政府の田中さんからの御説明でありますが、やはり関税のあれも幾ら自由化といっても、全部下げれば日本の貿易はぺしゃんこになる。日本の貿易がぺしゃんこになれば仕方ありませんけれども、やはりある程度の施策と計画を実施するには、するだけの理由がなければ、私はこういうような矛盾した部面が出てくると思う。バナナは一つの例であります。日本の自由化ということについていろいろ題目を並べておられますけれども、しかし筋の通ったやり方をしないと、業者も泣くだろうし、消費者国民一般大衆も、自由化になればいろいろな点でかなり損をする人もあるし、またいろいろ不備な点が出てくるだろうと思う。今一つの例をあげましても、バナナという問題は、日本でバナナがとれれば仕方ありません。けれどもリンゴと競争させるというような話では、私は理屈としては通らぬと思うのです。そういう点で一つ筋を立てて関税の改正をやっていただきたい。私はあと石油問題がありますけれども、きょうはそのくらいのことにして、一つ十分に御検討なさって、なるほど納得ができる、これならばやむを得ないという、そういうはっきりした態度で臨んでいただきたいことを要望しまして、私の質問を終わります。
○臼井委員長 横山利秋君。
○横山委員 中小企業の法律について二、三の観点からお尋ねをしたいと思います。 まず大臣に伺いたいのです。それは、今度の租税特別措置やあるいは近代化資金助成法及びこの特別会計法を通じて大蔵省として措置をされたことが非常に多いわけです。税金は特別措置でめんどうを見よう、それからお金の貸し方は高度化資金、近代化資金でぜひ貸そう、利息はこうしよう——ですから、大蔵大臣として中小企業について今度はなみなみならぬ御検討を願ったと思うのです。その考え方として、私はこういう点はどうお考えになるかという点をまず第一に伺いたいのです。それと言いますのは、大企業については、独占をさらに超独占にするという行き方になるのですが、中小企業においても、しょせんつまるところ、中小企業の中の面、特にその中で工業部面に軸心が置かれているという感じがする。私どもは、今二つの問題に迫られておる。政府が中心を置いております国際競争力を内外においてつけるという考え方が一つ、それからもう一つは、私どもが常に主張してやまない経済の二重構造を解消する立場に立つという考え方、どちらに重点があるかといいますと、今の政府の諸法、案は、前者にその重点がある。それでもって一方基本法を提案をして、わずかに私どもの色彩を薄めて取り入れようとしておるのであるけれども、実際出ております諸法案及びその予算案を見ますと、零細企業に何らの政策というものが見当らぬではないか。銭を貸した場合に、五カ年間無利子にしよう、あるいはまた税金は指定業種において特別措置をしよう、それらの該当する中小企業はどういうものかと考えてみれば、およそ想像に余りある、中の位のものです。零細企業についてはほかっておくのかという点なんです、私の質問は。零細企業について政府が打たれた手は何なのか、どうお考えになっておるのかを伺いたいのです。
○田中国務大臣 零細企業についても、中小企業の中の零細企業を重点的に考えなければいかぬ、こういうことで税制改正におきましても、三分の一の割増し償却を認めたり、同族法人に対する規定を設けましたり、また国民金融公庫の貸し出しというようなものに対しても特別な配慮をしたり、産炭地の中小企業や零細企業に対しては特別ワクを設けたり、いろいろなことをやっておるわけでございますが、しかしこれはあなたが言われるように、私たちが党人として考えておるような万全な対策じゃないということは、これは私の方も認めます。これは私の方でもって十分配慮いたしましたと言って強弁してお答えをいたすような考えはございません。しかし零細企業というのは、お互いに代議士として考えると何とかしなければならぬということも十分わかるのですが、私は中小企業基本法も制定せられますし、だんだん零細企業は中企業に、中企業がレベルアップされて、中小企業の中から抜け出していくようなことを考えなければならないのではございますが、零細企業というものの大多数というものを、一体将来どういうふうに育成するかということに対しては、現在の状態では、資金的なめんどうを見るとか、それからもっと税制上優遇できないかとかいろいろなことを考えるべきでございますが、零細企業の問題を短かい間に全部諸施策をやって、これがレベルアップに資するような施策というものに対しては、お互いに零細企業の将来というもの、また組織をどういうふうにしていくかというような問題等を十分検討しながら、一つ一つ積極的にこれが育成の問題を解決していくべきだと考えております。
○横山委員 特定業種やあるいは中くらいの中小企業の政策は立てやすいのです。これはやろうと思えば限界がございますし、政策も立てやすいし、また常時いろいろ行なわれてきました、けれども大臣が今偽らぬ率直な話をされたように、零細企業の政策というのは、広範で立てにくい。だから結局いつも放置をされておるにすぎないのです。従って、あなたがおっしゃるように、零細が中になり、中が大になるということはあり得ないことなんです。その中企業が少し高度化して、政府の援助を受けてさらに大きくなっていって中以上になることは、これはよくあることです。けれども零細企業が中になっていくということは、政策的に今までわれわれはやったこともない、政府から提案されたこともないのです。従って、困難だからというて、いつでも放置されておるのが零細企業の現状だと思う。では何をするかということですね。あなたは今産炭地を例に引かれた。産炭地なんか特殊な問題であって、これは零細企業問題ではない。それからあなたは同族会社の問題を引かれた。しかしこれとてもオーソドックスな問題ではなくて、同族という特別な問題について議論したにすぎない。だから私どもがいつも言っておるのですが、との中企業及び大企業に特別な措置をなさるならば、零細企業については法人税を当然段階的に改むべきである、所得税の段階税率と同じように改むべきである。またこういうような金融措置をするなら、当然国民金融公庫が今一件当たりどうですか、平均二十七、八万円じゃないですか。それに対して申し込み等を考えるならば、これは半分くらいの決定しかないと私は思っておるのですが、そういう点について国民金融公庫へちょっと資金量をふやした、あるいは出資をふやしたといいましても、あなた自身が御存じのように、他に比較してこちらがふえれば国民金融公庫もふえるというやり方であって、決して国民金融公庫が特別にふやしてもらった、特別に零細企業の政策がそこで他に比較して多く行なわれたという例はあまりないのです。こういうような特殊な政策というものが行なわれる場合においては、当然それ以上に零細企業についての多くの政策というものが本格的に行なわれなければならぬ。もう一ぺん聞きますけれども、今の中小企業政策及び産業政策というものは、大企業をさらに寡占化し、そうして中小企業の上の部分に政策の光を当てておるんだけれども、零細企業に対する政策があまりない。これについてどうお考えになり、今後どうなさるかということをもう一回お伺いいたします。
○田中国務大臣 零細企業の対策が非常に弱いということに対しても私はうなずけますし、それからまたそれがどうしてできないというのは、非常に広範でありむずかしいからということをあなたもお認めになり私も認めております。日本の零細企業というのは、個人企業と中小企業との間でもって限界がないというような非常にむずかしいものでございますし、特に世界各国の中小企業、零細企業と違うのは、単一的な仕事じゃないというところに問題があると思うのです。私は西ドイツの中小企業問題、二十八年に行って十分調べて参ったのですが、西ドイツなどは、ここでも前に申し上げたことがあるのですが、中小企業とはいいながら、これは全く簡単な単一的な工程の仕事しかやっておらない。はっきり言いますと、ナットならナット工場ばかり、ボルトならボルト工場ばかり、ねじならねじばかり、ぜんまいならぜんまいばかりやっておる。でありますから、ここには親子何代もそういう仕事をやっておるということで、これを組み立てれば、世界で最高レベルの品物ができる。ところが日本は、これは昔からそうでございますが、いずれにしても親方に子方一人というような問題から非常に業態が複雑多様であるということで、しかもわずかなかじ屋さんであっても地金から全部自分でもって吹いて、最後に型に入れて彫金技術まで自分でやって、一個の美術品のようなものをつくるというように非常にむずかしい形態にあります。だからそういう意味でたくさんの業種を一体どうして救済をするか。私たちは党におりましたときには、これは一つとうふ屋ならとうふ屋だけ、床屋さんだったら床屋さんだけ、そういうものでもって金庫等をつくって、そういうものに対しては業界でもってお互いが指導調整をするようにして、それに対して政府が適切な基本法を設けて援助した方がいいではないかというようなことも考えたことがございます。なかなか現在の制度とのぶつかりがあって現実化されないで今日まで来ておるわけでありますが、私はやはり大蔵大臣として考えるのは、自分の所管としては税制面でめんどうを見るということが一番適切で、早道だろうという考え方を一つ持っておるわけでございます。 もう一つは、金融というものに対していわゆる信用貸しというものをどの限度でもって進められるかというような問題、資金の確保をどうするかというような問題を第二に考える。 第三は企業診断とか、企業指導とか、そういう問題に対して相当今府県や商工会議所やその他に補助をしておりますが、こういうものをもっと団体化し、組織化していくというようなことでなければ、一つ自分が何事かやってきた仕事が、まあこれはどうも世の中がうまくない、自由化になるとうまくないから、あしたまた別な看板をかけて別なものにすぐ転向するというほど日本人の器用さというものが、一つの零細企業、中小企業の多様化しておるという事実もありまして、これらの問題に対しては議論だけしておるのではなく、やはり税制、金融と企業診断その他に対しては相当てこ入れをしていく必要があるというふうに現在考えております。
○横山委員 この具体的の方法としては私が提案しておる法人税を段階的にする。それから国民金融公庫に飛躍的な力を与えるという点についてはどうですか。
○田中国務大臣 先ほども申し上げた通り、そういう方向で救済をし、またてこ入れをしていくということが一番適切だと思います。またそれ以外になかなか具体的なカンフル注射的なものはないと思います。だからそういうことが一番手っとり早く、またそれが一番でないか。ただそれはいつまでもそういうことでもって救済をしていけないので、やはり何年かたったらクラスを上げていくような目標を立てて、ここまでは貸せますよというようなことで、われわれはこういう制度をつくったならばそういうような業態のままで進歩もしないけれども、貸さなければいかぬということで、だんだんと要求が多くなるということがあってはなりませんので、やはり目標を立てて何カ年ごとにランクをだんだんとレベルアップをしていくような方法でやはり企業の健全化をはかっていくべきだと考えます。
○横山委員 今の話の中で大臣は法人税率を段階税率にする、国民金融公庫を飛躍的に増大をしよう。それを一つやっていこうというわけですが、中小企業庁として、私が言っている今回の政府提案の中で零細企業政策が皆無であるという点についてどうお考えですか。
○樋詰政府委員 今回三十八年度の予算におきましては商工会あるいは商工会議所を通じます経営指導、この関係で約十二億の予算を御審議いただいておるわけでございますが、これを通じまして、中小企業特に今先生の御指摘の零細の方々に対して前近代的な経営から近代的な経営にというようないろいろな指導をやり、行く行くは診断等を受けて、もう少し合理的な生産性も高まるようなやり方というものを一つ持っていらっしゃいという指導をしてきたことについて、大体七百企業について一人という割合で今指導員を置いておりますが、今回の予算で大体三年計画ぐらいでそれを五百企業ぐらいについて一人という割合にまで逐次人をふやしていきたい、そういうふうにも考えておりまして、まず一番大切な零細の経常指導については金網として十一億九千八百万円、これは必ずしも大きくはございませんが、かなりの効果を上げ得るもみと思っております。 それからまた、この委員会で御審議いただいております特別会計法に関連いたしまして、中小企業の高度化のために協業化——今まではほとんど協業ということは予算上も大した措置をしておらなかったわけでございますが、たとえば小売りの方々が協同して店舗を経営される。あるいは小さな町工場の方々がお互いに寄り集まる。その寄り集まる形態には協同組合という形もございましょう。あるいは合併して一つの会社をつくるということもありましょうし、あるいはお互いに出資し合って一つの会社をつくろうということもあると思いますが、いずれにいたしましても、現在の零細な企業がそのままの数でそのまま全部大きくなるということ、これはできれば一番それに越したことはないと存じますが、需要との関係その他から申しまして、やはりある程度生産性を高めるための適正規模にまで団結し得るものは団結するという格好に持っていく必要があるのじゃないか、そういうふうに存ずるわけでございまして、その関係で協業化とかあるいは組織化といったようなものにつきまして今回特に新しい制度を設けていただきまして、しかも全国的視野からそれを運用するということをやっていただいたわけでございます。もちろんわれわれといたしまして今の金融、税制というものが中小企業者にとって百パーセント満足すべきものとは思っておりませんが、しかし、それは今後、今大蔵大臣からお話がございましたように、税制調査会たりあるいは金融全体の事情なりというものを勘案いたしまして、大蔵省とよくお打ち合わせしたしで改善するようにわれわれとしても最善の努力をしたいと考えております。
○横山委員 たとえばあなたが例を出された診断員にしても、五百企業に一人という診断員で、私が承知しておる限りにおきましては、診断を申し込んでから数カ月たたなければ診断をしてもらえないのが現状なんです。これはあなたもよく御存じの通りだろうと思うのです。ですから診断員制度というものは、実際においても初めて行った人が数カ月といわれたのではもう忘れてしまう。それから診断をされた効果についても診断員としては常時結果について念査をするという状況にもない。従って、これは七百企業を五百企業としたところで、全く大海の中へえさを投げ込んだようなものでありまして、事実上これは何らの恩恵を零細企業に与えているわけではないのです。私が申し上げていることはよくおわかりだと思うのですけれども、零細企業に対する政策があまりにも乏しい。今や中小企業政策及び産業政策は大企業と中企業、しかもその中で特定企業というものに片寄りつつある。これではさらに格差が増大するばかりである。こういう点を私は申し上げておるのであります。 それから、第二番目の質問として大臣に一ぺん考えてほしいのは、たとえば中小企業高度化資金の貸付です。都道府県が出した予算と見合う予算を国は貸してやろう、こういうわけなんであります。そこでどういうことがあるかというと、一つには、都道府県が出した額が五億円なら国は五億円、こういうわけですね。従って、都道府県の出し方によってその府県における中小企業について非常にアンバランスが出るということが一つ。それから、全体的に高度化資金は嫁一人に婿が八人、九人、十人、こういう状況になっておる。私は、かつてこれが三分の一融資から二分の一融資に改善をされたときに、その改修というのはどういう意味があるのか、融資の総量が十分にふえないのに、三分の一から二分の一にすることは嫁一人に対して婿をますますふやす結果になりはしないか、もう少し広範囲にやることが必要なのではないか。それからさらに言ったことは、この恩恵が五年無利子というように非常な恩恵であるから、結局県が念査をいたしましたときに、まああとで会計監査その他をも考えて問題のない企業に貸すという弊害が起っておる、つまり中企業、ハイ・レベルの企業に貸すという弊害が起こっておる。零細企業にはその高度化資金の恩恵はほとんどいかないではないか。事実調べてみてもそういうものはないわけです。一体政府資金を融資をして引き上げようとするのは、いいものをますます引き上げるのか、金がなくてどうにもならぬというところに、ここへ貸してやれば何とか引き上がるというところに貸すものなのか、産業政策オンリーで考えておるのか、それともその企業を伸ばしてやろうというところに考えがあるのかという点で質問をしたのでありますけれども、十分な改善の余地は見られていない。この点について、高度化資金の諸問題について大臣から全体的な御意見を、それから中小企業庁からは具体的に私の意見についての御答弁が願いたい。
○田中国務大臣 この近代化資金、高度化資金の制度は私はいいものだと考えておるのであります。ところが、これに対してはなかなか議論がございます。あなたも今言われたり通り、ある府県においてはやはり将来の回収ということを考えて、特定な企業だけにしかいっていない。そうではなくて、そんなことをしなくても努力をすれば他の金融機関から借り得るような企業にいっておるというようなことがほかの県にはあるようでございます。私は新潟県でございますが、この問題に対しては、新潟県でこういうものをつくるときに私たちも相談にあずかったのですが、これは零細企業に貸せられるのか、中小企業に貸せられるのかよく検討をして、いわゆる組合がございますから、組合の中でもって話をしながら、モデル的にこの工場をやるというような話がきちんとついた場合には、場合によっては国からも他に金融をして、近代化資金を借りるものが二分の一であってもこれに対して四倍ぐらいの資金を当てにしてやったらどうかということで——僕のところは、栃尾というところの織物業が化繊に転換をするような場合この資金を使って成績を上げておりますし、それから加茂という市ではたんすや家具という問題に対しては相当な成績を上げておりますが、しかしいろいろのところであなたが言われた通り優秀企業に貸しておるしちょうど北海道東北開発公庫が一番初め、貸そうと思ったが借りるところがないので一流企業に二、三年貸してやった。それから中小企業というものがだんだんとそこから伸びてきて現在の北海道東北開発公庫になったわけでありますから、だから一番初めのところの、この制度を当初つくったときには、そういうあなたが御指摘になったようなことがあったかもわかりませんが、これからというものは中小企業の真の育成、近代化合理化というような設備に貸し付けていくべきものであるというふうに考えまして、これが業種の選定その他に対しては中小企業庁からお答えさせることにいたします。
○樋詰政府委員 われわれといたしましては、ただいま大臣から御説明がございましたように、一般金融ベースには乗りがたい人に無利子の金を政府系から貸し出すということによってほかの金融を引き出して、そして設備の近代化あるいは経営の合理化をはかるようにということが本来の趣旨でございまして、できるだけそのように今までもやってきたつもりでございます。ただ一部に、先生御指摘のような、必ずしもここから借りなくても当然ほかから借りられるといったような優秀な企業まで全然いっていないということは言えないと思いますが、実績で申し上げましても、たとえば三十六年度の設備近代化資金、これは一応三百人以下というのが中小企業ということになっておりますが、大体一人から十九人で三五%、二十人から四十九人までの間に三八%、合計いたしまして七三%は五十人未満の企業に貸し出されております。貸付金額にいたしましても、六〇%をこえるものが五十人未満の企業に貸し出されるということでございまして、われわれといたしましては今後さらにこの制度の本旨にかんがみまして、不必要な方面に資金が流れないように、ほんとうにこの制度を利用する必要のある人によけい金がいくようにということについて努力していきたいと考えております。
○横山委員 大臣にちょっと注文しておきたいのですが、今の政府金融機関は、長官がおっしゃたように資金の融通を市中金融機関へよりがたいものにするところに政府の金融機関の意義がある。ところがずっとお調べ願いたいと思うのですが、たとえば住宅金融公庫、商工中金、中小企業金融公庫、国民金融公庫、厚生年金事業団、医療事業団、雇用促進事業団、ずっと一ぺん統計をとってみて下さい。それから信用保証協会についてもまたしかりであります。政府金融機関はボーダー・ラインの層で、市中金融機関によりがたいものに手を差し伸べているはずなんでありますが、実際は担保もあり、資力もあり信用もあり、これなら間違いないというところに貸しておる。どこに市中金融と政府金融との違いがあるかという点については、実績を一ぺん検討してみて、そしてあらためて政府金融機関の役割というものを、各公団、公庫、事業団等に徹低をさせてもらいたいと思うのですがいかがですか。
○田中国務大臣 お説はごもっともでございまして、金融の補完的な任務を持つものであり、またこれが刺激になり基礎になり、だんだんと一般金融ベースに乗るような状態まで進めていくのが政府関係機関の使命でございますので、これらの運用に対してはお説のように十分配意をして参りたいと考えます。
○横山委員 くどいようですが、具体的に一ぺん念査していただいて、そういう趣旨を徹底していただきたいと念願するのですがいかがですか。
○田中国務大臣 これはいつでも申し上げるように、資金の回収ということにあまり重点を置き過ぎるのでこういうことになると思います。また資金の回収ということにあまり重点を置かないでやると、占領軍がやった当時の復興金融公庫のようになりますから、これの調整は非常にむずかしいわけでありますが、少なくとも今までの実績に対して十分な検査をして、あしたからの方途をより合理的に見出すということは、政府機関が当然やるべきでありますから、関係各省とも連絡をとりながら、この問題に対して統計を出して新しい施策の参照にしたい、こう考えます。
○横山委員 これは中小企業庁でおやりになるのか大蔵省主税局でおやりになるのかわかりませんが、きょう通過しました租税特別措置法によって、中小企業者の機械の割増し償却等を初め中小企業の指定業種の減税が行なわれました。この指定業種等についてはなぜ青色だけ恩恵を与えるのか、なぜこれを一般政策として行なわないのか、青色申告者だけそれをやらねばならぬという理由が発見できないのです。そういうやり方であれば、今回特別の制度をするのでありますから、金融についても区別をつけなければならぬのに、税制だけ青色申告でなければいけないという点をつけた理由はどういうわけですか。
○樋詰政府委員 税金は、これは言うまでもなく最も公平であるべきだと思いますが、この公平であるべき税金、それを特に国民経済全体的な見地から、こういう場合には一般の方々よりも特別に割増し償却等を認めて軽減してあげましょうということは、結局国民経済的な見地からその企業の内容の充実をはかりまして、健全な体質をつくって国民経済全体に寄与させるということのためでございますが、そのためにはやはりだれが見ても一応一番正確な税の申告をしているというふうに見られる青色申告者、その中でもその業種業態によって国民経済的な見地から特に必要だと思われるものに限る方がいいのじゃないか、こういうふうな見地で特にしぼりをかけたわけでございます。
○横山委員 少しあなたのお話は説得力がないと思いますね。今何か青色申告者の問題が曲がりかどにある、申告の特典というのは影が薄れつつあるという議論があることは事実ですよ。今回、中小企業政策の一環としていろいろと行なわれる減税政策で無理に青色の申告者をこじつけたという感じがしてならぬのです。青色でなければならぬ——白色だったところで、それは国民経済的見地から、指定業種として適用し、所定の手続をきちんとすればいいじゃないか、手続、方法がずさんでいかぬというならばともかくとして、青色でなくてもきちんと手続をして処置をするならば、なぜそれを阻害する必要があるかという点については説得力がない。
○樋詰政府委員 現在の青色申告が更正決定の際に推定課税を受けないということで、一応経理に信頼が持てるという程度において、青色、白色の間には相当差があるのではないか。そこで一応こういう帳簿を備えつけてあるという、その帳簿の信憑力と申しますか、そういうものにかんがみまして、特にきちんとした経理をやっている企業、それらの方々に対して税の恩典を認めようといったわけでございます。
○横山委員 青色だからきちんとやっておるということはない。それは国税庁からも本委員会において数々の説明の中で青色申告の中にもずさんなやつがたくさんおるという報告を受けておる。白色だから帳面がめちゃくちゃだということはない。従って私の言うのは、そういう増割し償却の恩恵その他をやるなら、白色であろうと青色であろうと指定業種で所定の手続をきちんとするならば、何の区別をする必要があるか、その点あなたのお話は全然説得力がない。どうです大臣、そう思いませんか——これは法律が通ったんだから今ごろ言ったっておそいというような顔をしたって、そうはいきません。これは法律が通ろうと通るまいと、話の筋道だけはきちんと通してもらわなければいかぬ。その答弁のついでに、この指定業種ですね、何か聞きますと業種別振興法の指定業種は六十何種類ですか、その中で今回は二十種類くらいをやろうというお話でございますが、その指定業種というのは大体何と何であるか、参考のために聞かしてほしい。
○樋詰政府委員 どうも説得力がないとおっしゃられますとはなはだ申しわけないのでございますが、大体従来の租税特別措置法でも、青色申告を出しておるという人間の方がより正確な帳簿を備えて経理の内容をきちんとしているということで、徴税上のいろいろの恩典も認めておるというふうに私は理解しておるわけでございまして、この帳簿経理をすっきりさしておくということは、国民の税金全体の中で特別な恩典を与えようという際には、当然要求されてしかるべきものじゃないか。もちろん青色申告を出している人が全部正しいか、あるいは白色申告の人が全部でたらめかということは、先生の御指摘の通りでございますが、一応どちらにより信憑力があるかということになれば、青色申告をしている方の方がより信憑力があるということは申し上げられるのではないか、そういうように考えております。 それから近代化促進法では、三十八年度で指定するのは大体二十程度ということで、それは何かというお話でございますが、われわれといたしましては、大体今六十六の業種を指定しておりますが、その中から当面特に高度化を緊急に必要とするものとして、二十ばかり取り上げて実態調査した上で必要な近代化計画を立てたい、こう思っておるわけでありまして、どういう機械工業をやるか、化学工業のどういうものをやるのかといったようなことにつきましては、候補者がまだはっきりしたわけではございません。今まで業種別振興臨時措置法によりまして六十六の業種を指定して参りました際にも、大体一年間二十程度を指定していろいろ改善計画を立てておりますので、そういう先例等からいたしまして、二十程度を一年間に取り上げて今後近代化を促進していくというのが、大体現状のわれわれの事務処理の能力等からいきましても、あるいは各産業の置かれている立場からいたしましても、まず一応おおむね妥当なところではなかろうかというふうに考えたわけでございます。二十になりますか、二十五になりますか、あるいは若干動くかということにつきましては、まだはっきりきまっておりません。
○横山委員 この問題ばかりでないのですが、最近の政府の国会に対する態度に、法律を通せば、あとの政令は自分たちの問題だから、行政的な問題だからまあまかしてもらいたいという考え方が非常に強い。私は国会で法律を決定をいたします場合には、当然政令が完備されて、こういう内容になるものだから一つ御了承願いたいというのが筋道だと思うのです。今日法律主義といわれておりますけれども、その政令のつくり方によって法律の考え方まで曲げられる場合があるし、政令のつくり方によって法律の条文のウエートが非常に違ってくる。この条文とこの条文のウエートが違ってくる、こういう場合が非常に多いのであります。でありますから、六十のうち二十だからまあ察してもらいたいということは量の問題であるが、質の問題としては、これは説明ができぬということは遺憾千万だと私は思う。少なくともあなたのイメージにある業種、業態はこういうものであるというふうにしなければ、私は国会に対する御説明にならぬと思う。
○樋詰政府委員 今御審議願っております近代化促進法では、まず第一にその業種が少なくとも半分程度以上は中小企業によって行なわれているという、いわゆる中小企業性ということを要件の一つといたしております。それからもう一つ、第二の、要件といたしまして、その当該産業に対する中小企業の生産性の向上をはかることが産業構造の高度化または産業の国際競争力の強化を促進し、あるいは国民経済の健全な発展に資するために特に必要であるという二つのしぼりをかけているわけでございます。従いまして、現在六十六指定されておりますものの中にも、たとえば中小企業性のないもの、あるいは特に国際競争力の強化といったようなところに特別の措置を講ずるというほどの緊要性のないものといったようなものもございますので、大体製造業以外のものにつきましても、業種別振興法では改善計画を立てるといったようなもの等もございますが、今回の法律によりますと、たとえば理髪関係とか、あるいはクリーニング関係といったような非工業関係は、さしあたり指定するつもりはございません。そしてインダストリー関係につきまして、先ほど申し上げました中小企業性と、それから各産業ごとの国際競争的な見地から見ての国民経済に対する寄与度というものから慎重に検討したいと申し上げるより以上——さらに、たとえばこういう種類の機械工業、こういう種類の繊維関係というところまでは、実は今のところはなはだ申しわけありませんが、まだ掘り下げておらないわけでございます。
○横山委員 だから私はそういう態度はいかぬと言うんですよ。少なくともこれは重要な内容の問題じゃありませんか。重要な内容を持つものに対してきわめて抽象的な話で、これで審議をしてもらいたいというような態度というものは、——このころはお宅の方ばかりでなくて、各省各局が、そういう政令の説明をすることを非常に渋っておる。渋っておるのかあるいは怠慢か、国会の審議に、間に合わせなくても何ら差しつかえないのだというようなお考えは、いかがかと思います。憲法、法律の建前というものは、少なくとも法律案を提案したからには、それによって内容が逐一説明ができなければならない。多少の不完全な点があろうとも、その条文についての大体の影響の度合い、救済される業種、業態、そういうものが説明できなくて法律案を審議するということは、私どもの立場になってごらんなさい、実際問題としてできないじゃないですか。
○樋詰政府委員 これはまだ最終的にこうやろうというわけではございませんが、例示ということで申し上げますと、たとえばみがき棒鋼の製造業というようなものは改善計画の策定もできておりますし、また中小企業の占める割合が九〇%という非常に大きなものになっておりますので、あるいは、ガラス製の温度計の製造業というようなもの、あるいは圧力計製造業、陶磁器製造業、製革業、それから金属製の洋食器といったようなものは非常に有力な候補者という格好で考えております。
○横山委員 これは一つ十分に今後の扱いとして苦情を呈しておきます。 それからもう一つお伺いしたいのは、今度の振興資金助成法と、前の振興資金助成法との違いが、前は補助という点が相当あったのですが、今回は融資という点に切りかわったというふうな感じがするのですが、中小企業政策で今後補助をなるべくとってしまうというお気持ですか。金融面についてのお考えを一つ大臣に伺っておきたい。
○田中国務大臣 補助と貸付に分けておるわけであります。この問題に対しては、二つを一つにしてしまった方がより合理的であるという意見もございましたし、また現在でもこの問題は検討に値すべき問題だということになっております。今まで二つに分けておりますのは、これは制定しました時期も違いますし、その目標とするところが、補助は府県にとどまっておるような企業であり、補助をやった方がよろしい、補助にしてもやりっぱなしの方がよいという問題もあり、またこれからだんだんと企業が大きくなりその返済ができ得るというようなものに対しては、貸付の方がより合理的である、そうすることがまた回収等によって対象範囲もだんだん拡大されていくという考え方に立っておるわけでございます。
○横山委員 大臣はそう深い意味がないようにお答えになるのですが、明らかに法律では、従来は補助金を交付することにより云々とありましたが、今度は助成法の明文で、必要な資金の貸付を行なう云々とありますが、この点は中小企業庁としては法律上補助と貸付について何かお考えが根本的にあるのですか。
○樋詰政府委員 これは国から県に対する関係におきましては、今先生御指摘のように、従来は補助金として出しておったものを今回高度化資金融通特別会計から貸し付けるという格好になったわけでありますが、県からその金を貸してもらう人間にとりましては、それは従来と全然同じ扱いでございます。特に今まで県に対して補助金という格好で一応形式的にやりっぱなしでおりましたものを、今回県に対する貸付金という形に直しましたのは、この高度化資金融通特別会計に含まれておりますものは、たとえば団地でございます。あるいは協業化というようなことで必ずしも各県ごとに平等にあるものではございませんで、ある県にはことし団地の計画があった、しかし三年後にはもうなくなってあらためてその金を使うべき団地の計画もないというような際には、むしろその団地の金は国に返していただきまして、よその県で団地を大いにつくりたいという希望を持っておられるところにその金を回すということの方が、国全体からいった場合に合理的な資金の使い方である、こういうふうに考えられましたので、県に対して今まで補助金の格好でやりっぱなし、これも永久にやりっぱなしではなくて、それはそういう事業をやめたときには返すということになったわけですが、この資金のうちで団地関係とかあるいは共同施設に対するものとか、あるいは協業化とかいったような観点で、国全体の見地から考える方がいいんじゃないかというものだけを貸し付けるという格好にしたわけで、借りる本人から見れば、従来の補助金を県がもらってそれを貸し付けてもらっておったという場合と全然変わりがありません。
○横山委員 大臣に最後にお伺いしたいのですが、御記憶があるかどうか知りませんけれども、団体組織法の中に小規模事業については税制及び金融の特別措置をするという条文がございます。これは議員修正で数年前にやっさかもっさか大問題があって挿入をされて、その後累次の予算委員会なり商工委員会及び本委員会でその実行を迫っておるのですけれども、その法律の条文は何ら実行されていないのです、小規模事業者に税制及び金融の特別措置をするということなんです。前の水田大蔵大臣も自分が責任がある、何とかしたいということを言うておられたにかかわらず、なおかつ小規模事業者に税制及び金融の特別措置は行なわれていない。この点についてどうお考えになるか、またおやりになる気持があるかということと、本法案のみならず、この特別会計法で特別会計をまたここに新たに一つつくり上げたという点について、原則的にいつもいつも特別会計をつくるということについてあなたの方もあまり賛成をなさらぬ、私の方はもちろんこういうように一般会計から離れて特別会計が四十、五十もあるようなやり方については賛成ができぬ、こう言っておったのでありますが、これはどうしても特別会計をつくらなければならぬものであったかどうかという点が第二番目の質問であります。 それから長官にお伺いをいたしますが、これは事務的なことになるかもしれませんけれども、高度化資金の事業の共同化、工場及び店舗の集団化その他中小企業の設備高度化ということは一体具体的にはどういうことなのか、中小企業者がやるすべてのことか、協同組合でやるすべてのことなのか、たとえば給食だとか住宅だとかいうような福祉施設も入るのか入らないのか、どこにリミットがあるのかという点をお聞きしたい。
○田中国務大臣 第一の問題に対しては、団体法の中にそういう規定があったかどうか、つまびらかにいたしておりませんが、中小企業関係法でありますから、そういう規定があるのが正しいでしょう。これがどういう……。(「ちょっと見て下さい」と呼ぶ者あり)私は見ておらないのです。おらないからそのまますなおに申し上げておるのです。これが税制調査会でどういうようになっておるのか、主税局でどのような取り扱いを受けておるかは、現在まで白紙でありますが、当然法律でそうある以上はこれに対して措置すべきであります。この問題を取り調べました後、こういう条文に対しては税制調査会に申し入れる等、これを審議の対象にしていただきたい、こういうふうに法律で意思決定がされておるのだというようなことを申し上げるとともに、主税当局に対しても注意を喚起いたします。 第二の問題の特別会計、事業団、公団、そういう毛のをたくさんつくることは、私たちの方ではいつでも反対をしておるわけでありますが、しかしこれは必要性があってやむを得ずつくられるわけでございまして、一説には今までのものは時期が違いますからいろいろなものをつくられたのだが、これを一つの大きな特別会計にして、全部その中の勘定にしてやる方がより合理的ではないかという荒っぽい議論もしてみたわけでありますが、今までの状態ではこういう種類が違うものであり、性格が違うものでありますので、特別会計をつくるといって人員や機構が膨大に相なるわけでもありませんので、現在の状態から考えると、やはり会計を明らかに区分いたしますために、特別会計として制定をしておるわけでございまして、今度はこの改正案でやめた方がいいということになっては困りますし、将来の問題としては衆参両院にも公社、公団、特別会計その他の機関に対しても御審議をわずらわしたり、また決定をしていただく機関もできるという状態でございますし、行政管理庁もこれが適否に対して審査をしようというような機運にもなっておりますし、大蔵省もそうしてもらいたいというふうに言っておるのでございますから、機構上の問題、法制上の問題、制度上の問題等は、現在のところにおいてはどうするということを申し上げられないわけでありまして、これから国会、政府、また民間有識者の意見等を十分参考にしつつよりよい方向を見出して参りたい、こういうふうに考えるわけであります。
○樋詰政府委員 共同施設の中には共同宿舎、あるいは共同炊事の施設その他福祉関係が入るかという御質問でございますが、われわれといたしましては、中小企業にとりまして当面非常に大きな問題は労働関係の労働力の確保という問題がございますので、当然そういう福祉関係も含めまして、共同宿舎なりあるいは共同炊事場なりあるいはその他中小企業者単独ではできない福祉施設等の拡充を本制度を活用してやっていきたいと思っております。
○横山委員 大臣の最初の御答弁は、非常に明快で私も久しぶりで溜飲が下がったわけでありますが、ただ、大臣、ほんとうにお願いをしたいのでありますが、本件につきましては議員修正で入れられた歴史的な経緯があり、前の水田さんを初めたくさんの人が尊重する、こう言いながら、実際問題としては主税局の反対やあるいはその他国民金融公庫等の事情もあって、もう数年来の懸案で実現ができておらないのであります。おらない原因は、当時の話としてみれば、小規模事業者及び小組合等については数が少ないからだめなんだ、こういうことでそういう運用をすればそれがふえるのだから−卵が先か鶏が先かという議論のためにおくれておるわけであります。でありますから、今の言明を可及的すみやかに大臣の責任をもって実行されるよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
○田中国務大臣 これは中小企業等協同組合法の二十三条の三でございますか。——この問題に対しては取り調べます。
○有馬(輝)委員 先ほどの佐藤委員のバナナ質問に関連いたしまして一言だけ大臣と園芸局長にお伺いをしておきたいことがあります。 それは、先ほどの御答弁の中では、やはり国内の柑橘類に対する配慮があのような結果になっておるのだという意味合いの御答弁がありました。それで、私がここでお伺いしたいと思いますことは、たとえば今度のジュネーブのガットの関税一括引き下げ交渉に対して青木大使等に対しては、たとえば例外品目の基準等についてはどのような訓令を与えておられるのか、これがまず第一点であります。 それと柑橘類と同じように私が心配になりますのは、国内産のビートあるいはカンシャ、こういった国内産の砂糖についてであります。この点について大蔵大臣と農林大臣、通産大臣との間でしばしば話し合いが持たれて、政府としてもまた大臣としても苦慮されておる事情についてはわかるのでありますが、しかしその苦慮された結果どのような方向に向いていくかという点については、これは私たちが現在推測する限りにおいては、国内産の砂糖の生産業者に対して十分な手が差し伸べられた形において物事が進んでおるという工合には受け取れないのであります。何か手を差し伸べようとする、その意図についてはわからぬでもないのですけれども、もちろん甘味資源対策について何かきょうあすじゅうにも提案されるようでありますが、その内容等を伺ってみますとなかなか問題が残っております。そういった意味で、これはこれだ、これはこれだと、バナナだ砂糖だというような形で品目ごとに処理するという態度ではなくて、やはり一貫した政府の態度があってしかるべきだと思うのであります。先ほどの問題と関連しまして関税交渉に臨む日本政府の態度というもの、また自由化に対応して国内産の特に農産物等に対する保護といいますか、単なる保護関税とか何とかそういった意味でなくて、その自由化の中でどういう工合にとらえていこうとするのか、この点についてだけ大臣と園芸局長の方からお聞かせ願いたいと思います。
○田中国務大臣 ガットの会議に出ますときには青木大使に対して、十一条国移行ということに対する基本的な態度に対しての意思表明を行なわせたわけでございます。残余の問題に対しては、五月のガット大臣会議にどういうふうな態勢で出るかということに対してはまだ確たる意思を通じておりません。これは相手のある話でございますので、これからのアメリカの一括関税引き下げという問題に対しても基本的には参加をするということをいっておりますが、しかし対日差別待遇の問題もございますし、三十五条を援用しておる国々との交渉もございますし、それからまたEECにイギリスが加盟するかどうかという問題に対してごたごたした直後でございますし、いずれにしても基本的な問題は指示はしてございません。会議における時々刻々の事態をこちらに報告をしてもらってバイ・ケースでもう少し進もう、そうして各省間の、政府部内の意思統一の問題もございますし、それから五月の大臣会議に残余十二品目のスケジュールを発表できるかどうかという問題も、これはなかなか大きな問題でございますので、今度青木大使とこちらで相談をしましての問題については、基本的なすべての問題に対して基本線を指示をしてというようなことではなく、現地における問題に対して個々別々に本国との連絡を密にしながら対処して参るということにしてあるわけでございます。 それから甘味資源の問題は、これはできるだけ早くということでもっていろいろ対策を行なっておるわけでございますが、現在国内外糖も非常に高いということでございますし、バナナの問題と同じように、この問題も急激に自由化をするということになれば、国内のビートの問題、カンシャ糖の問題等いういろな問題がございますので、これに対して甘味資源対策を十分樹立をするようにということで、党にも甘味資源対策特別委員会がございまして、党の意見も聞きながら一応法律案を提案し国内的な対策と並行しながら砂糖の自由化を進めて参りたい、こういう基本的な態度をもってやっておるわけでございます。
○有馬(輝)委員 ケースバイケースということもありますでしょうけれども、たとえば三十五条の援用をしておるところ、あるいは自主規制をしいられておるところ、いろいろあるわけです。ですからやはり日本は一つの、何といいますかベースをもって臨まなければ、結局は押し切られたみたいな形に陥りがちだと思うのです。もちろん政府が努力してない、何もやってないという工合には考えておらない。今度のフランス大使が来るそのときの閣議なんかにいたしましても、私は大臣の努力の結果だろうと考えておりますが、それにしましてもやはり一つの基本線というものをもって臨むべきではないか。 それから砂糖の問題については、これはもう大問題でありますので、ちょっとさっきも申し上げましたように、バナナと砂糖と一つ一つこれについてはこういったものを準備しておるというようなことで片づく問題ではありませんので、この点については慎重に考えておいていただきたいと思います。 関連質問でありますから、以上で終わりますが、いずれ日を改めてこの問題についてはいろいろお伺いいたしたいと思います。
○臼井委員長 武藤山治君。
○武藤委員 私も今回提案されております関税定率法の一部を改正する法律案に関連して、特に関税率の問題でお尋ねをしたいと思うわけでございます。 冒頭に、御承知のように二月六日のIMF理事会の判定あるいは二月二十六日のガット理事会できめられました輸入制限に関する十二条を援用しないという日本のこれからの立場、そういうものを中心にして、貿易自由化ということが日本の経済に非常に大きな影響を与えるわけでありますから、今後の日本経済の問題点としてお尋ねをしておきたいわけであります。 最初にこの四月一日からの自由化率は一体幾らになるのか、さらに品目にして自由化されない品目は何品目あるのか、まず四月一日を基準にした自由化率の状況を一つお尋ねをしておきます。 〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕
○宮本説明員 お答え申し上げます。四月一日の自由化の品目の数というものは、目下検討中でございますが、大体二十前後じゃないかというふうに今予定しておる次第でございます。従いまして、自由化率の方もまあ一%以下でございまして、率といたしましても大して上がるわけではございません。ただ問題は、先ほど御指摘のように八条国移行勧告が出ましたために、ガットでは十一条国ということに通告したわけでございますが、今後はむしろ率の問題ではなくて、ガットの場におきましては個々の品目の問題となって参るわけでございます。従いまして、特に今後は、相手の対日差別の状況その他を見合いながら、今までのような自由化促進計画というような大がかりなものではなくて、相手国の出方を見つつやっていくというようなことで進めたいと思っております。
○武藤委員 そういたしますと、今度の四月からの自由化二十品目、率にして一〇%程度というと、従来の積み上げを合計いたしますと、何%になって、残る品目が二百幾つになるか、それをまず最初にお尋ねして、さらに残存輸入制限品目のうち、最後までウェーバーがとれるかもしれぬという品目の数はどのくらいとあなたの方では推定をしておりますか。
○宮本説明員 率の問題と申しますか、今申し上げましたように、まだ最終的にきまっておりませんので、はっきりここで申し上げるわけにいかないわけでございますが、八八%幾ら、約八九%ということになると思います。従いまして、現在二百五十四あるわけでざごいますが、これが先ほど申し上げましたように二十前後ということになれば、二百三十四というようなことになるわけでございます。しかしながら御承知のように十一条国に移りましたあとは、ガット規約上からいえば、いわゆるウェーバーをとらない限りは制限ができないということになっておりますが、現在世界各国ともにそういう方式はとらないで、残存輸入制限方式と申しますか、何となくガット規約上はずるずる違反状態を続けておる、しかも二国間交渉によっておる、こういうことでございます。従いまして、最後に残るべきものの数は一体どうかといった点は、まだ今申し上げることは不可能でございまして、やはりできるだけ相手国の出方を見つつということでございます。ただ来年の十月ごろまでにある程度すっきりして、あるいはそれから先の見通しも立てまして臨みたいということで、今この段階でどういうものを最後まで残すかということはちょっと申し上げられないと思います。
○武藤委員 最後まで残る輸入制限品目はどれになるかわからぬ、十月ごろまでわからぬだろうということですが、それは想定として全然まだ目標も設定していないという意味なのか、それともあなたたちの行政上の秘密という形で言えないことなのか、どちらですか。
○宮本説明員 業務上の秘密ではございませんで、それを想定することはなかなかむずかしいわけでございます。そういう意味で申し上げました。
○武藤委員 なかなかむずかしいことは私も承知しておりますが、特に日本の産業構造上から、あるいは所得構成上から、いろいろな角度から特にこういうものは制限品目として残さなければならぬだろうという一応の順序があると私は思うのです。そういう順序をあなたたちはどのように一応策定しておりますか。
○宮本説明員 日本がこれからどうするかということではなくて、現在各国たとえばイギリスにしろ、フランスにしろ、あるいはイタリアにしろ、とにかく残存輸入制限方式で残しておるもので多いのはやはり農産物でございます。従いまして、この問題につきましては、私よりむしろ農林省からお答えいただいた方がいいかと思いますが、通産省の所管物資におきましても、非鉄金属とか石炭とかいわゆる土に密着したものはやはりその可能性が多いかと思いますが、いわゆる工業製品というものはいつまでも残しておくわけには参らないのじゃないか。もちろん相手の出方を見ながらやっていくつもりではございます。
○武藤委員 そこで今のことに関連して農林省にお伺いしますが、特に農産物の問題が今度のガット作業部会でも非常に大きな問題になって、きょう報ずる新聞によると、EECとアメリカの対立はかなり激しい、ちょっと話し合いがつかぬような情勢にあるということでありますが、日本の農業も私は決して例外ではないと思うのです。そこで酪農関係の脱脂粉乳あるいはその他の乳製品、そういうものが現在暫定税率で基本税率よりも安くなっておりますね。今ここに持っておりませんが、三五%を三〇%にしておるのですか。これは結局輸入しやすい暫定措置になっておるわけですが、実際問題として農民の立場を考えた場合、一体酪農製品にそういう態度をとっていてよろしいのでしょうか。農林省はそれをどう考えておりましょうか。
○酒折説明員 これはたとえばお話のように、一括引き下げの場合にどういうようになるかということが問題になると思いますが、現在のところわれわれといたしましては、そういう場合にはできるだけ法規上あるいは行政上現存しておる関税の中の高いものを基準として将来関税の引き下げを考えていきたいというように考えております。
○武藤委員 係はどこになるか知りませんが、酪農製品の基本税率よりも今日の暫定税率が安くなっているその根拠は一体どういうことでしょう。日本の酪農製品が非常に足りぬからどんどん買わなければならぬという立場で税率を下げているのでしょうか。多分安いと思うのです、私の記憶が間違いかどうかわかりませんが。
○酒折説明員 現在そういう物資は割当物資でございます。従いまして、無制限に入ってくるということはございませんので、必要な限度において入れるものにつきましては、なるべくこれを安くということを行ないましても、他の一般の国内産業の物資にそれほど影響がないということでやっております。
○武藤委員 あなたは影響がないとおっしゃっていますが、去年農林省は、酪農製品の需要が非常に拡大されるという策定を五月にいたして、全国の酪農家にもっと牛乳を生産せよといって大いに奨励したのです。そこで割当をたくさんとってバターや脱脂粉乳をよけいに買ったわけですよ。ところがその予想がはずれて、とうとう十二月十一日には一升二円の値下げをされて百姓は今怒っているわけでしょう。明治や森永や雪印に押しかけて、しかも農林委員会ではもとの状態に復せよという決議までいたしておるわけです。もし政府の立場に立って貿易自由化をやるというなら、そういう国内の酪農製品を圧迫するような情勢を関税でチェックするようなことを考えなければならぬと思うのです。酪農製品の場合そういう矛盾というものをどう認識しておるのですか。
○酒折説明員 貿易自由化と関税の関係の問題ははなはだむずかしい問題でございまして、先ほどもお話が出ましたけれども、理想といたしましては、できるだけ自由化するとともに関税も引き下げるということであり、また世界の大勢というものはそういう方向に向かっておると思います。しかしながら現実の事態の処理といたしましては、これまたお話が出ましたように、一時的には関税引き上げというような措置を講ずることがやむを得ない場合もあろうかと思う、そう考えております。
○武藤委員 そうすると、農林省の将来の計画と申しますか、酪農製品の場合は関税率はどの程度で一応自由化しようという考えですか。
○酒折説明員 酪農製品につきましては、やや誘導尋問にかかったようでございますが、現在のところ積極的に自由化の時期をいつにしようというようには考えておらないわけでございます。
○武藤委員 次に、係の方は違うと思いますが、欧州では対日差別制限が非常に多いわけですね。そこで大体国別に何品目くらいずつ対日輸入制限品目を掲げておるか、その点の内訳を一つお示し下さい。
○宮本説明員 ヨーロッパ諸国の対日差別のやり方と申しますと、御承知のようにヨーロッパ諸国といえども、EEC内の問題と対ドル差別、それからその上に対日差別というものがございます。従いまして、いわゆる対日差別待遇と申しますのは、対ドル制限との差額でございますが、現在のところ西ドイツが二十八でございます。それからベネルックスが三十八、それからイタリアが百十七でございます。それからフランスが百四十七、大体おもなところはそういう数字でございます。それから、イギリスは今度の日英通商航海条約が締結されましたときには、十八ということに減るわけでございます。
○武藤委員 ヨーロッパではただいま発表のように、日本製品を大へん制限をいたしておりますが、日本が現在ヨーロッパの製品というものを制限をしておるというのは、どういうことがありますか。
○宮本説明員 日本の場合は、御承知のように現在残っております残存品目は全部グローバルに抑えております。従いまして、特にどこを目当てということはちょっと申し上げられないわけでございますが、たとえば自動車なんというのはグローバルに押えておりますが、外国から見れば一番、なぜ早く自由化しないんだというようなことを言われるものかと思います。
○武藤委員 ヨーロッパでは日本製品に対してこういう制限をしておりますね。大臣にちょっとお伺いしますが、そこでたまたま池田総理やあるいは田中大蔵大臣は予算委員会を通じたり、あるいはその他の機会に、関税一括引き下げをやるんだ、そういう原則を非常に大きく前面にばんと出しておるわけですね。ところが、相手の諸外国が非常にがめつく経済競争をやって日本品をこういう形で制限をしてきておる状態のときに、日本は輸出立国だからがまんをして、こっちだけ先にまる裸になってしまえというような一括引き下げの方式を推し進めていくのか、あるいは相手がこういう状態をとっている限り、日本としてもかなり腰を据えて日本国内の農業というものを保護したり、中小企業を保護したりという、そういう腹のきめ方によって私は出先の外交官の態度というものは大へん違うと思うんです。一体大蔵大臣はその辺の参酌をどのように考えていらっしゃいますか。
○田中国務大臣 関税は一括引き下げに応じていくという態勢はとっておりますし、またこういう日本の基本的な考え方を海外に明らかにしておることは、日本の将来のためにも好ましいことであるというふうに考えております。しかし相手は制限をしておるのに、こちらが裸になってというようなことは、これは常識的に考えられないのでございまして、現在は日本の方がよりよけい制限をしておるわけでありますから、八条国に移行し、ガットの十一条国に移行宣言をいたして一おるのでございますから、それから二国間交渉を十分進めたり、またガットの場においていろいろな交渉を進めるわけでございます。IMFが八条国に移行勧告をして、日本が移行宣言を行なうというような場合には、主要十カ国として共同の立場で対日差別待遇の撤廃に対して協力するということを前提にいたして勧告をいたしておるわけでございますから、十分二国間の交渉を待って、相手が関税障壁を取り除いたり自由化をする場合には、それにこたえて平仄を合わして前進的態勢をとっていくということであります。
○武藤委員 利害関係国とコンサルテーションを個々にやらなければならぬわけですが、そのコンサルテーションをやる場合の日本経済あるいは貿易関係から見て、一番胆心な重要な国はどこだと大臣認識されておりますか。どういう国だと思いますか。
○田中国務大臣 なかなかむずかしい御質問でございますが、アメリカであり、それからヨーロッパ諸国であり、日本が貿易の主要な相手国というふうに目されておる国々は非常に重要であるというふうに考えます。
○武藤委員 そこで私ども野党の立場で心配になるのは、今の池田内閣の腰抜け交渉というか、腰抜け外交では、アメリカと交渉をする際にどうも向こうに押しつけられて日本の残存輸入制限というものを強く主張をして相手にのませるというようなことなどはできないような気がするのです。そういう点で少し出先の大使や大蔵省から派遣されている人たち、こういう人たちに私は大いに激励をして、日本の経済の利益を守るという立場で諸外国の制限というようなものも大いに教えてやりながら、一つ日本の立場を守ってもらうという要望をしておきたい。この点について大臣どうお考えになりますか。 〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕
○田中国務大臣 自主外交をいたすべきでありますし、また基本的にはそうあるべきでございますが、経済外交というのは相手のある話でございますし、輸出輸入の事実の数字をやはりもとにして、しんぼう強くお互いが友好の実を上げながら、お互いに共存共栄という立場をとらなければならない問題でありますので、私は今までの日米間の交渉等に対しても腰抜けであるとは考えておりません。これはいかにこの両三年度において日米間の貿易が順調に伸びつつあるかという事実に徴してもそう申し上げられるわけでありますし、まあ貿易というものでございますから、そう激しい国交調整のような気持でいきますとなかなかものがうまくいかない。また特にアメリカというのは日本にとれば原材料の輸入国としては相当大きなウエートを持った国でありますし、これらに対してはより自主的な外交態度をとるべきはもちろんでございますが、まあ腰抜けであるなどという感覚は一つお持ちにならないようにお願いをしておきます。
○武藤委員 次に、制限品目リストをガットに提出をしろというような何か通告があるのですか、それとも提出をしなくともよろしいということなのか、その点はどうですか。
○宮本説明員 十一条国に移行いたしました以上は、何が残っているかということは、いわば当然出すべきことになっておるわけでございますが、現在のところまだ出せというあれはございません。御承知のように昨年の十月一日の自由化のときにすでにわれわれといたしましては——これは御承知のように対日輸入制限協議会というものがございまして、私も出席いたしたわけでございます。その際に、昨年の十月一日の自由化の結果残っております二百六十二品目についてのリストはすでにガットへ出しております。従いまして、その後日英通商航海条約の関係でやっと減りまして、現在二百五十四でございます。残存ネガ・リストと申しますのは、二百五十四からガットより当然制限をすることが許されておる品目がございます、これを差し引いたものでございますが、それをまだ現在のところ出せとは言ってきておりません。しかしこれは向こうで調べればわかることでございますし、言われたらこれは出さざるを得ないのじゃないかと思っております。
○武藤委員 制限品目リストを西ドイツだけは提出をさせられたわけでありますが、イタリア、イギリス、フランス、これらの国は制限品目リストをガットに出さなかったわけです。それは間違いないですね。そうすると西ドイツだけはそういうリスト表を出させて、日本も今度出さなければならないだろうと言う。これは、あなたの言うだろうでありますが、そうなると西ドイツと日本だけは何か敗戦国という立場で、フランスやイタリア、イギリスなどとはある程度違った取り扱いをガットはするのですか。これはどうですか。
○宮本説明員 別に進んで出すというつもりはないのでございますが、確かに御指摘のように西ドイツは一番初めに八条国に移行して、ガットでもだいぶつるし上げられたのでございます。しかしこれは別に出すとか出さぬとかいっても制限リストを出されることよりは、むしろその後の自由化計画をどうやるのだといってやられることの方が大事でありまして、西ドイツの場合は、御承知のように対独輸入制限協議会というのが設けられまして、約二年にわたりどしどしやられたわけでございます。ところがイタリアの場合はのらりくらりと逃げたということで、この一つの状況の変化は、イタリアが八条国移行勧告を受けましたときは、すでに西欧の各国は八条国になっておるのが多かったのです。そうしますと、そういう国がはたしてきれいに全部自由化しておるかというとそうではないので、いわばすねに傷持つ身のためにあまり追及はなかった。従って、われわれ何もばか正直に進んで日本のあれを出すつもりはございませんし、またもし出すのはいいとして、将来自由化をどうするのだと言われたときには、それこそそのときはアメリカに対して日米綿製品の問題はどうなんだとか、あるいは先ほど申し上げました数字によって、こういうことをやっておるのにこっちは簡単に自由化できないということでがんばるつもりでございますし、また今までもそれによってかなり向こうをおろさせてこっちをいれた、こういうこともやっておったわけでございます。
○武藤委員 現在ガットで公然と認められておる輸入制限品目、日本の場合何品目くらい該当するとお考えでありますか。
○宮本説明員 これはガット上公然と認められると申しましても、個々の品目につきまして、いろいろ微妙なあれがございますので、見当といたしまして三十前後ではなかろうかと思います。
○武藤委員 日本の政府は八条国移行と、さらに今度の十一条国への勧告等で非常に真剣に自由化を叫び、また腰を立てておるわけです。ところがガットというところは、いろいろ研究をしてみると、非常に筋の曲がったことも多数決で通ったり、あるいは筋の通ることが多数決で否決されたり非常に奇妙な採決をしておるところですね。そういうようなところで、たとえばイギリス、フランス、イタリアにしても十一条国に移行した後でも公然と十一条国違反を侵しておる。そういうような場合に、一体何か個々にやった場合に、日本の立場が不利になったり、そういうものを改善させる何か秘訣というのがあなた方はあると思いますか。
○宮本説明員 秘訣と申しましてもなかなかございませんが、昨年の秋の総会のときに、アメリカがフランスに対して、アメリカの農産物を非常に制限しておるということで猛烈に文句をつけまして、例のガットの報復措置をやるぞと言いましたが、結局総会では二国間で話し合えということになってしまった。秘訣というよりそういう例が多うございますので、日本として何もばか正直と申しますか、やはり相手の出方を見ながら慎重にやっていくという態度でいくよりしようがないと思います。
○武藤委員 今あなたの答弁でわかりましたことは、国防上、保健上、公徳上あるいは専売事業、こういうようなものは三十品目くらいはやや想定できる、これもはっきりした答えじゃないのですが、三十品目くらいが当然輸入制限のできるものだとしても、あと二百品目くらい残があるわけですね。その二百品目くらいを各国とコンサルテーションをしていって、全部二百品目を自由化しなければ完全な自由化ということにならないのですか。それともさっき言ったウエーバーをかなりこの中からとれる、こういうような見通し、ここらはどうなんでしょうか。
○宮本説明員 現在その見通しを立てることは非常に困難でございます。ただ二百以上のものを全部残すということも無理だと思います。またやるべきものもあると思いますが、それは今からこういう計画でやるんだということでなくて、少なくとも今現在は、まだどれをどうするというあれはございません。従いまして、今後はやはり相手の出方を見ながらいくよりしようがないと思います。
○武藤委員 相手のあることですから、相手の出方を見ながらどういう品目を残して、どういう品目を完全に自由化しなければならぬということは個々折衝できますることでございましょう。なかなかあなたにここで即答願いたいと言っても無理でしょう。そこであなたも政府の一員になっておるわけですからお尋ねするのですが、政府の高度経済成長政策、所得倍増計画の策定の中では、一九七〇年に大体巨億ドル程度の輸出を達成しようということですね。そうすると、百億ドルからの輸出を達成するためには、具体的にヨーロッパあるいは東南アジア、あるいはアメリカというような大きなグループに分けた場合に、貿易自由化をどの程度のものをやって、どの程度の輸出がふえてくるか、そういう年次計画があるのですか。それともそういうものが全然なくて、所得倍増計画の中ではただばく然と一九七〇年には百億ドル、こういう数字を出しておるのですか、そこらはどうですか。
○宮本説明員 これはむしろ経済企画庁の問題だと思いますが、所得倍増計画その他は、目標年次をきめて最終目標はこういうことになるということをきめましても、別に毎年の年次計画ではないわけであります。
○武藤委員 私は今大臣にお尋ねしようと思っておったのですが、大体百億ドルの輸出を達成する場合には、どっちみち貿易自由化は二年も前から騒いでおったし、わかっておるのですから、どういう品目はどういう時期にどの程度伸びるかということは、想定したかなりこまかい積算の上にこういう数字が出てきたものと私は考えるわけです。それを一つ聞かしてもらおうと思ったのです。これは企画庁がいなくてわからぬということになればやむを得ませんから、一応この程度にしておきます。 次に、特に農民から相当多数の陳情、請願がわれわれ国会議員のところに押し寄せておるわけです。ミカン、リンゴ、乳製品、こういうものが自由化された場合に非常に困る。そこで何とかこれは食いとめてくれという請願に実は私どもの困っておるわけですが、そこで外国から日本に入ってくる農産物で、日本のミカン、リンゴに一番影響を与える農産物というのは何でしょうか。
○富谷政府委員 農産物とおっしゃいましても、おそらくくだものに限定されるかと思いますが、直接競合いたしますものは、リンゴはやはり外国のリンゴがございます。それからミカンは日本の特産でございまして、中共にできるものもありますが、品質が非常に悪くて、おそらく日本の競争相手にならない。多少甘くなりますが台湾のポンカン、これは植物防疫の関係で将来早急に入るものとは考えられません。なおアメリカには御承知の通りオレンジでございますとか、そういったようなくだものがございますが、これは日本のミカンの中の種類のオレンジその他と競合いたすおそれがあるわけでございます。
○武藤委員 そうするとリンゴとバナナに一番影響を与えるものは、今入ってくる可能性のあるもの、中国のものは競争にならぬという御説明があったのですが、現に入っておるもの、さらに今後も入ってきてかなり圧迫するであろうと思われるものは何ですか。
○富谷政府委員 種類は違いますが、先ほど御質問に出ましたバナナは、非常に国民の嗜好がございますので、影響が相当あるというふうに見られております。
○武藤委員 一番影響を与えるものはバナナという答えが出ましたので、よろしいのです。これはあとでまた質問いたしまするが、「関税一括引き下げに臨む日本の態度」という日本経済の社説の中で、多分間違いないと思いますが、今度のガット事務局案の説明の中で、四番目に「低開発国の熱帯産品については特に無関税とする」こういうことが今の作業部会に出ておるという報道があるわけですね。そうすると熱帯産品というのはバナナは入るのか入らないのか、この点どうですか。
○酒折説明員 熱帯産品の定義がまだ現在国際的には確定しておるわけではございませんけれども、大体バナナは入るだろうと思います。
○武藤委員 そういたしますと、熱帯作物のバナナの輸入というのは無関税にするというアメリカ側の考え方、あるいはガット事務局の考え方というものは、日本に対してもかなり影響を与えると思いますが、その点はどうでしょう。
○酒折説明員 全くそうでございまして、われわれとしてもその点は慎重に考えておるわけでございますけれども、しかし熱帯産品に対する問題はまだ話し合いの緒についたばかりでございまして、内容については今後われわれも十分検討していきたいと思っております。
○武藤委員 そこでバナナがそれほど日本の国内果樹に影響を与えると思われるということになりますると、一体そのバナナの自由化計画というものはどのように現在考えられておるのですか。
○富谷政府委員 先ほど大蔵大臣がおっしゃいましたように、将来の固定税率が三〇%ということを目標に、逐次そこへ下げて参りたいというふうに考えておる次第でございます。
○武藤委員 そうすると、将来三〇%にする、将来というのは三年後か五年後か知りませんが、それになるまではやはり為替割当を続けるという方針ですか。
○富谷政府委員 先ほどお話がありました通り、四月から自由化を予定しておるわけでございます。
○武藤委員 そういたしますと、去年関税率の改正をやったときには、本年の九月三十日まで五〇%ときめましたね。そうすると昨年まだ変更したばかりで五〇%にしたのを、今度の改正で期限も八月ではなくて四月にさかのぼるわけですね。それとも九月三十日までは五〇%でいって、十月一日から七〇%を適用するのですか、それはどうですか。
○富谷政府委員 来たる四月一日から七〇%になるわけでございます。
○武藤委員 そういたしますと、去年とにかく法律を改正して九月三十日までは五〇%だといってバナナの業者や国内の農民もそう思っておったのを、特に法律をつくる立場にあるわれわれの立場から見るならば、そうネコの目の変わるように急に七〇%に今度四月から変えるということは、あまりにも朝令暮改でもあるし、これはもうまことに業界などに対しても私は不親切だと思うのですね。こう急に変わるのは、これは政府に定見のない証拠じゃないのですか。先の見通しとか確固たる計画とか目標というものがないからこうぐらぐらと変わるのじゃないのですか。どういう積極的な理由があるのですか。
○富谷政府委員 九月まで五〇%ではございませんで、九月から五〇%にするということになっておったわけでございます。そこで、これは関税率だけで操作しているわけではございませんので、九月以前は特定物資輸入臨時措置法によりまして二〇%の関税率の上に八〇%の差益をとっておる。それが法律が廃止されました関係で、九月以降は五〇%の暫定関税の上に三〇%をジェトロにやらしておったわけでありまして、合計いたしますと八〇%、それが今度来たる四月一日からジェトロの方が自由化になりますので、そういうことが不可能でございますので、関税率一本で七〇%というふうになるわけでございます。本来は九月からそういうふうにいたしたかったのでございますが、昨年御承知のように台湾で予測しなかったコレラの発生がありまして、当初、昨年の四月ころから逐次バナナの輸入をふやして自由化に備える態勢をつくりたいと思っておりました計画が、半年間すっかりくずれて狂って参りました。その関係があるわけで、今度四月から七〇%にいたすということになったわけでございます。
○武藤委員 その七〇%にした積極的理由はコレラの発生があったので、もっと早くやりたかったが、コレラが発生したのでおそくなったのだという説明はあったけれども、七〇%にすれば日本の農業にこれこれこういう影響があるのだ、それはどうなんですか、七〇%にしなければならぬ積極的な理由ですね。
○富谷政府委員 九月以前は要するに八〇%の何と申しますか、関税及びそれに相当するものがあったわけでございます。−失礼いたしました。九月以前は二〇プラス八〇の一〇〇%でございます。それが九月から八〇になったわけでございます。究極の目標は先ほど大蔵大臣がおっしゃいましたように、消費者に安いくだものを食べてもらいたいということでございます。しかしながら一挙にそこに持って参りますと、いろいろ国内の流通上あるいは生産者に与えます心理上その他の影響がございますので、漸進的に参りたいということで、先ほど来申し上げますような措置にしたわけでございます。最終の固定関税三〇%と申しますのは、それをやりました場合の国内の価格その他を勘案いたしまして、大体このくらいであれば国内のミカン、リンゴその他のくだものにそうそう大きな影響はあるまいということで三〇%ということを固定関税率と考えておる次第でございます。
○武藤委員 どうも答弁が要領を得ませんね。それでは昨年と本年の二カ年間のバナナの輸入は量と金額にしてどのくらいですか。
○富谷政府委員 三十六暦年で申し上げますと、金額にいたしまして四十一億七千万円、数量で七万四千三十トン、それから三十七暦年では、数量で八万二千五百九十八トン、金額はすぐ調べまして後ほど申し上げます。
○武藤委員 従来、大体一年間四十一億円、まあ業者の陳情書等を見ると二千万ドル程度、それが今度は七〇%関税にして、自由化されるとおそらく五千万ドルくらい入ってくるだろう、そういう見通しについては農林省はどう見通されておりますか。
○富谷政府委員 国内で、御承知の通りバナナの場合には室に入れまして熟成いたしております。そういった施設その他の関係がございますので、四月から一挙に従来の輸入量が倍になるといったようなことは、これはできないのじゃなかろうか。それからまた関税が七〇%あるわけでございますから、ほかのくだものとの競争を考えましても、そうたくさん入れましても輸入業者あるいは小売店の方のマージンでございましょうし、そういったわけで、かりに自由化されましてもそう急激に大幅にふえて参る、これは供給量の方からも制約がございますが、米バナナはやはりある程度計画的な栽培をいたしておりますから、従って、甘木が自由化されたから急にふえるというわけには参らぬのじゃなかろうか。ただむろんその輸入量としましてふえていくことは当然予想されるかと思います。
○武藤委員 そういたしますと、あなたは入ってくる心配がないという前提で答えておりますからね。私はべらぼうに入ってくるという前提で質問しておりますから、そこにかなりの違いがございますが、一体日本の果樹類に圧迫を加えるバナナの量というのは、あなたはどのくらい入ってくるとリンゴやミカンに圧迫を加えると思いますか。自由化する場合にはそういう計算も当然やっておかなければ農民の立場などはさっぱり守れないのですからね。どのくらい入ってくるか、入ってくればどのくらいの相関関係があるのか、たとえばバナナがこのくらい入った場合には、ミカンとリンゴの消費量はこのくらいだというのを、昭和の初期あるいは中期からでも何か統計でもとって、完全に自由化されたらこうなるのだという数字をやはりわれわれに知らせてほしい。
○富谷政府委員 どうもはっきりした予測を立てますことは非常にむずかしいのでございますが、過去の統計から推察いたしますと、戦前一番入りました時期は国内の果樹の総需要量のうちたしか約一割であったかと思うわけでございます。しかしその時分に比べますと現在国内の果実の消費量は約三倍近く伸びておりますので、従って、これから先の問題も、果実の消費というものは、バナナに限らずすべてまだまだ増進して参るという予想がございます。先生の御質問に対する直接のお答えにならぬで申しわけございませんが、さように考えております。
○武藤委員 そうすると、関税率を七〇%にして毛、バナナなんていうのは原価が非常に安いですからね。しかもアメリカのユナイテッド・フルーツ社のような大資本会社が自分のところでバナナの農園を持っておって、今度はボルネオ、スマトラの方へ農地を買ってバナナ栽培をやって持っていこうというのですから、そういう計画が立てられているときに、どの程度量が入ってきて日本の果樹類にどの程度影響があるかということの計算ぐらいしてないというのは、ちょっと農林省もずさんでございますね。私がここでそういう統計表を手に入れてちょっと見てみますと、完全に自由化になってバナナが自由に入ってきた場合には、ミカンの量というものが昭和三十五年度の五分の一ぐらい減るだろう、こういう心配をされているわけですね。農林省はそういう具体的な心配というものはなくて、どんどん入ってきても仕方ないのだという考え方で農民保護ということをもう放棄してしまっているのですか。
○富谷政府委員 漸進的に関税を引き下げて参るということは、要するにこの影響をならして参りたいという考え方でございます。ただいま先生からミカンに対する影響が生産量の五分の一というお話がございましたけれども、これは私どもで立てました果実の長期見通しというものがございまして、これによりますと、昭和四十五年の見通しを見ましても、まだまだ総供給量では総需要量に及ばないというような数字が出ております。従って、バナナがかりに入って参りましても、そうそう野放図に入って需要量を上回る事態というものはまずまず起こらぬのではなかろうかというふうに考えてやっておる次第でございます。
○武藤委員 関税率を七〇%にすれば量はある程度制限できるというお考えですか。その点どうですか。輸入の量がある程度それで制限ができる率だと思っていますか。
○富谷政府委員 量の制限ではなくて、価格面から、インポーターがそうそうむやみに入れましても、もうからないようなことを予想して、入れてこないだろうということでございます。
○武藤委員 従来の一〇〇%納めておってももうけはかなりあるのですから、七〇%の関税率にしたって入れる気になれば、割当がなくなれば幾らでも入ってくるのですよ。というのは御承知のように三井商事、三菱商事、さらに丸紅、日本の五社が百六十一億円の会社をもうすでに準備をしているという報道が出ていますね。それでアメリカのユナイテッド・フルーツ社と提携をして、外国の果実類を日本にどんどん入れようというのですからね。現実にもうすでに会社設立が始まっているのですよ。そういう情勢の中でこの関税だけで日本国内の農民が守れるなんていう考え方は、科学的な数字を検討していない証拠だと私は思うのです。ほんとに大丈夫ですか。日本の果樹栽培業者を圧迫するような心配はないですか。どうです、それは。
○富谷政府委員 農林省といたしましても慎重に検討の結果、七〇%の関税率によって自由化することによる国内の果実に及ぼす影響は、それほど甚大なるものはないであろうということを見通しまして、そういうことにいたした次第でございます。
○宮本説明員 今先生がおっしゃいましたように、今まででも相当入ってきたといいますけれども、今まではむしろ割当をしておりましたがために、非常に稀少価値として値段が上がっておりましたので、これをフリーにいたしますと、だれでも入れられるということは、かえって食べたいだけ食べられればおのずからまたそこに限界が出てくると存じます。
○武藤委員 私らも消費者の立場になればそうです。一本十五円、一木五円のバナナが自由に食えるということは、消費者の立場になったらけっこうでしょう。しかしその場合に、バナナとリンゴとミカンが店頭に並べられて、一本十円のバナナが入ってきたら、日本のリンゴの生産者、ミカンの生産者は一体どうなるのですか。問題はここです。消費者の立場になればべらぼうにどんどん入ってくる方がいいでしょう。しかしそれだけで国内の今日の経済というものは見るわけにいかぬのです。特に農業構造が非常におくれておる日本の場合に、こういうものと競合したら百姓は一たまりもないですよ。選択的拡大だといって政府は百姓に果樹をやれ、やあ酪農をやれと指導しているのですからね。それを今度安いものがどんどん入ってきて、あなたの方がうまいものが食えるからいいじゃないかという暴論になったら百姓は怒りますよ。あなたは何省ですか。あなたの省は百姓を相手にしているのでしょう。
○宮本説明員 私はそういう意味で申し上げたのではございませんので、これは実はほかの割当物資でもそういうあれはございますが、ある程度の利益が出るということによって輸入申請がべらぼうにふえるという実例がございます。決して国産の果樹を圧迫してもかまわないという意味で申し上げたのではございません。
○武藤委員 そこで、大庭にちょっと御意見を承っておきますが、 ユナイテッド・フルーツ社というのは、私も調べてびっくりしたのですが、資産は一千百八十八億円、売り上げが一年間一千百十六億円というまさにマンモス果樹会社です。これが日本に子会社をつくって、とにかくバナナを大々的に商いをやろうというわけです。こうなれば日本の今日のバナナ商というのはつぶれます。しかしこれは資本主義の原則で、弱肉強食だからアメリカの資本であろうと、どこの資本であろうと、安くてうまいものを日本に持ってきて、七〇%の関税だけばっと払ってくれれば大いに歓迎だ、こういう考え方で放置しておくか、それともこういうものに対して緊急関税を発動して国内農業というものを保護するという立場に立つという方向になるのか、そういう事態が発生した場合の大田のお考えはどうでしょう。
○田中国務大臣 緊急関税も発動できるわけでございますが、そういう事態が起こらないように配慮しているわけです。だからバナナに対しては、これは御承知の通りガットの場においても、低開発国のバナナとかサトウキビしかないようなところは、こういうものに対してはできるだけ主要工業国は買ってやろう、関税障壁は撤廃しよう、こういう機運になっておるのでございますが、しかしこんなことを言っておったところで国内産業の保護ができなくなるということでは困るので、そのバランスをどこにとるかということを考えて鋭意努力しているわけです。でありますから、去年の九月三十日でもってバナナの自由化を一ぺんきめたのです。しかしこれは農産物というものが一番最後に残るのだし、よほど注意しなければいかぬということで当時から今日まで延びてきた。でありますから、四月一日に自由化をしなければならないだろうということは一つの常識になっておるわけです。そうすると今度は一体一〇〇%関税でいいのか九〇%にしなければいかぬのか、ジェトロのいっておるように、二〇%そのまま残して八〇%ということでもって文句言われるまでやるべきかということをいろいろ考えてみたのですが、八条国移行という問題もあるし、自由化の姿勢もとっておりますし、それで十分国内産業の発展の過程というものを検討した結果、七〇%ということでもって四月一日に踏み切っても、いよいよの場合には緊急関税その他の処置も考えられるので、まああなたが今言ったようなことと私たちも同じことを考えておるわけでございますが、国内の果樹に対しても、果樹振興にあらゆる努力を続けておるのでございますから、ここらがバランスのとれたところであろう、最小限食いとめられるところであろうということで、こういう改正案をお願いしておるわけです。実際から言うと先ほど申し上げた通り、戦前九%くらいでありますから、三十七年度に約百八十万かご入っておりますから、戦前と同じようにバナナが九%占めるといえば、約七百万かご入るというわけであります。約四倍入って戦前と同じということになるのですが、しかしこれはその後日本の果樹にしても相当発達して参りまして、日本にも非常に優秀な果実ができております。先ほど言った通り、やはりリンゴやミカンとバナナとは違うというけれども、コカコーラとラムネとかサイダーというものが、案外考えたよりも競合しなかったと同じことで、やはり日本の果実というものも国際水準になっておりますし、嗜好の別もございますし、私はバナナにこういう慎重な態度をとって、絶えず緊急関税でも何でもやるのだということを考えておるのでございますから、国内果樹産業にそれほど打撃があるというふうな認識は持っておらないのでございます。まあ大きな業者がということでございますが、これはコカコーラが入ってきたときも同じような議論がありましたが、それによってペプシコーラがつぶれたわけでもないし、ウインコーラがつぶれたわけでもないし、ラムネ屋は相変らずやっておるし、これは嗜好の問題で、しかもバナナというものは短い間に室でもって成熟させるのでありますから、これはやはりたたき売りをするような私たちの少年時代のような、それまで安くなって、もう一厘だ、ただだ、こういったときにも、リンゴは売れないかというと、その当時よりも非常によくなっておるし、外国人が来て日本の果実というものが非常に上質なものであるということが言われておるので、ミカンのカン詰などは国内需要が多過ぎて、政府はあらゆる施策をしたけれども、外国に出さなくて国内消費で足らないというようなこともあるので、私はやはりそういうものは入ってくれば逆に輸出もできるのであって、またそういう施策をわれわれもやるべきである、こういうふうにバランスをとって考えておりますので、一つ政府が考えておるのは、まあ適当であろうというふうに御認識賜わるならば幸いだと考えます。
○武藤委員 今の大臣の答弁の中で、いただける答弁と、全くいただけない答弁があります。幾らかいただけるのは緊急関税を場合によったら発動するかもしれぬ——これは確認してよろしゅうございますね。
○田中国務大臣 はい、けっこうです。
○武藤委員 そうすれば、はっきり大臣がそういう認識に立って答弁をされたということで、農民もある程度安心すると思いますから、それはその点でいいです。 それからもう一つ、大臣の答弁でいただけないのは、バナナが入ってきても、日本のミカンやリンゴは非常に品種改良がよくできておっておいしい果実であり、国際的な生産技術も高まっておるから、それほど心配ないという認識ですね。これはいささか、今日の日本のリンゴやミカンを製造しておる農民の気持というものを大臣はよう理解しておらぬ、そう反駁せざるを得ないのです。これはバナナがほんとうに大会社から入ってきたから、リンゴとミカンの消費量というものはかなり影響はありますよ。これは影響はないという認識は私は納得できない。その大なる影響があるということを、やはり大臣認めなければいかぬですよ。あなたの今の答弁では、いや日本の果実はうまいから心配ない、大丈夫だというような考え方は、少し甘いと思うのです。もっと真剣に農民を守ってやるということでなければいかぬですよ。
○田中国務大臣 それは影響がありますから七〇%にしておるわけです。でございますから、これは基本税率は三〇%なんです。倍以上ということを言ったところで、(武藤委員「世界一高い」と呼ぶ)世界一高いものをやっておるのは、——その上なお緊急関税を発動しよう、こう言っておるのですから、果樹園芸の農村を援助しよう、保護しようという気持は人後に落ちないのであります。私は特に財政責任者でございますから、三十八年度の予算案を審議していただいておる現在でごさいますが、少なくともそういうものに対して、ようやく戦後農村というものが、一面消費者物価が非常に高くなったといってたたかれながらも、私は反面において農村の恵まれなかったところが非常によくなってきつつある、これはあたりまえのことでありまして、私はこれをもってまだ万全だなどと考えておらないのでございます。だからそういう意味で、これから政府も施策を行なうし、予算的な方法その他によって国内産業の保護政策は十分やるのでございますが、そういう意味に立って、まあ自由化の現実の上に立ってみるときには、いろいろな施策を総合して行なうということを前提にして、今日四月一日からバナナの自由化をやるとするならば、この程度のことはどうしてもやはり措置しておかなければいかぬ、こういう考えでございまして、何も認識が違うわけではございません。
○武藤委員 今のお答えなら認識は同じです。そういうことならいただけますよ。さっきのはだいぶ違うのですから……。 そこで最後に、今広瀬代議士の方から関連質問があるとおっしゃいますからやめますが、先ほどの大会社、マンモス会社が日本にバナナ輸出の手をもう差し伸べてきておる。今自由化の態勢あるいは資本主義の競争という経済原理からいくなら、これはもうユナイテッド・フルーツ社が日本に入ってこようが、どんどん自分の農園でつくって持ってこようがやむを得ない、そういう認識に立ちますか、それとも何かそういうものはチェックしなければならぬ、チェックするような指導を業界にしなければならぬとお考えですか。そういう大資本の進出に対して手放しで、今の経済体制では何もやれない、そういうお考えですか。その点いかがですか。
○田中国務大臣 対外的にも影響がありますから、なるべくそういうことはお答えしたくありませんが、これが国内産業に及ぼす影響ということが現実的に現われるというような場合、いろいろな施策をめぐらし、また実行しなければならないだろうということは申し上げられると思います。
○武藤委員 今回のこのバナナの関税の七〇%引き上げ措置は朝令暮改で、まことにねらいはわかるのですが、しかし去年やってまたすぐやる、おまけに七〇%にしたらどの程度輸入を押えられるかということについての具体的な資料もない、こういう点については非常に不満です。しかしもう時間も到来しましたからやめますが、とにかく農林省としては十分そういう点の資料を今後検討して、ほんとうに日本の国内果樹生産者が不安を持たないような体制を一つつくってもらうように要望しておきます。
○臼井委員長 広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 外貨債の質問に入る前に、武藤君の質問に関連しまして、——バナナ問題は今大臣からも答弁がありまして、そういう線で一つ慎重に対処していただきたいと思うのですが、そのあとに続いて、今栃木県あたりの農民が、最近選択的拡大の中で、愛知トマトなどが栃木県の方にも進出をいたしまして、契約栽培をして、相当な農家がトマトをつくり始めました。これが今貿易自由化のあらしをかぶるだろうということで、農民はえらい戦々きょうきょうとしております。私どものところだけにも、もう一千枚からの陳情書が毎日のようにはがきで参って、こんになっておるのです。これも四月には自由化——トマトケチャップであるとかジュースであるとか、こういうトマトの製品というようなものが、四月から自由化されることはまずないだろうと思うのですけれども、一体トマトの問題について、今どういう自由化の計画になっておるのか。ずっと先に延ばすというならそれでまた安心がつくわけでありますが、とにかく今非常に混乱し、今年のトマトももうそろそろまきつけの時期にきている。これをどうしようかということで今農民は困っておる。これに対してやはり見通しを与えてやらないというのは政治家の責任だと思う。つくろうかつくるまいかということで非常に困っておる。その点について見通しを一つ伺っておきたいと思います。
○富谷政府委員 トマトの製品の自由化の問題は、私どもなるべく早い機会にこれを行ないたいと思っております。しかしながら、原料の価格がアメリカに比べまして現在非常に商い。これは品種の違いもありますけれども、栽培法にもまだまだ改善すべき余地があります。従って、私どもとしましては究極の目標は自由化に置きまして、なるべく早い機会に、手のかからない、もっと安い生産費でできるようなトマトに至急に品種を変えて参りたいとうことを考えております。この品種と栽培法の変更ということができるのと見合いまして自由化を行ないたいというふうに考えておる次第であります。
○広瀬(秀)委員 ただいまの御答弁を裏返しにしますと、今日トマトの栽培をしている農民はまだ非常に零細であります。それで各戸ごとにやっておりまして、その栽培面積も一反歩というようなものは大きい方でございます。三畝とか四畝とかいうようなことでやられておるわけです。従ってそういう点では、きわめて不経済な、しかも生産コストの高くつく形式が今とられているわけです。そういうようなものがもっと集中生産ができるような方式あるいは共同耕作というような、かなり大規模な面積で近代的な生産方式がとられるような指導をし、そういう実態ができて、競争力がつかないうちはやらないのだ、これからもうそろそろ種をおろそうとしている、従って八月あたりには、もうどんどん生産されるわけですが、そういうものはことし中には少なくともないということは、はっきり言えますか、お約束できますか。
○富谷政府委員 年内にやれるかやれないかという見通しは、ただいまのところ、ちょっとつきかねますが、私どもとしましては、極力競争力をつけた上で自由化したいという基本方針を持っているわけでございます。
○広瀬(秀)委員 それではぜひ一つ、そういうようにして、しっかり農民が競争に耐えられるような条件というものを、早くつくればいいのですから、つくれば対抗できるのですから、それがないうちはやらない、こういうことを確認いたしまして、関連質問は以上で終わります。 次に、大蔵大臣に、外貨公債の発行に関する法律案関係について御質問申し上げたいと思います。 日本の資本が非常に不足である、こういうことから、池田総理も金づくりということを政策の重要な項目に掲げておるわけでありますが、その一環だと私ども理解するわけなんですが、今回産投外貨債を発行されるわけであります。かつて三十三年度に一回やられたわけでありますが、今度はいわば外貨公債を毎年々々恒常的に発行していく、こういうところにきておるわけでありますが、国内においてはまだまだ公債を発行する基盤、条件が成熟していない。従って、外国にその資金を求めようということだと思うのですが、一体公債を発行することが今の経済に及ぼす影響、国内における公債を発行していくということと、外貨債を発行していくということと、経済的な意味あるいは財政的な意味といいますか、それはどう違いますか、この点まずお伺いしたい。
○田中国務大臣 内国債にしろ外貨債にしろ、財源上の必要があるということが絶対発行要件でございます。現在は、財政上考えてみますときに、歳出面においていろいろ考慮をしなければならない問題がたくさんございますので、財源に対してはできるだけ経常収入でまかなって参りたいとは考えておりますが、その一部を御承知の通り三十八年度予算においては外貨債でまかなうということにいたしたわけでございます。 まず内国債を申し上げますと、内国債は先ほど申し上げましたように、財源上の必要が一つございますし、もう一つは、市中金融機関でこれを消化できるかどうかという、いわゆる金融環境が整備されているかという問題も絶対的な要件でございます。第三の問題は、財政の健全性という問題に対して、一体これと背反しないかという問題に要約せられるわけでございます。内国債を発行しなければならないという議論も一部にはございますが、私は現在の段階において内国債を発行しないということをはっきり申し上げておるわけでございます。それでこれはどういう意味かといいますと、道路建設に対してガソリン税収入を財源見返りとして建設公債を発行したらいいじゃないかという議論もございます。私は何とかして経常収入の中でもってまかなっていけるし、またそうしたいという考え方を三十八年度の予算編成に対しては強く進めたわけでございます。またこれは市中金融機関で消化できるようなまだ環境整備ができておらぬということで、また内国債を発行すると、第三の点でやはりどうも積極をはるかに越して、赤字公債式なものに幅がだんだんと広がっていくという可能性、おそれがあるということで、私としては大いに積極的な性格でありますが、事、内国債に対しては、そのような観点でそれを発行したくないということで、今予算案を提示しておるわけでございます。 外貨債につきましては、これは内国債を——外貨債でもってどうせ利息を払うのだったら、外国に払う必要はないのじゃないかという理論をなす財政学者もございます。私もそれらの方々の意見に耳を傾けてきたのですが、これは利息というようなもの、利息も大へんでございます。大へんではございますが、利息を国内に払うよりも国外に払うということに一体プラスがあるかないかという面を検討してみたわけであります。これは御承知の通り、日本は戦後外国において政府保証債の発行を去年度までやって参ったわけでありますが、これが戦後の日本の経済復興、日本の国力というものに対して外国がどう見ておるかという一つのバロメーターになるわけであります。そういう意味では、アメリカは一大減税をやってもなかなか設備の投資も行なえない、景気刺激もできない、一か八かというところまで大きな政策として減税政策を掲げておりますし、またEECに加入できなかったイギリスも——イギリスというところは、御承知のように非常に健全財政主義であり、特に自分の植民地からではございますが、原材料を入れてそれを加工して逆に輸出をするというのは、案外日本と同じような貿易立国の国でございます。でございますから、国内消費というものが堅調にならなければ輸出競争力もつかないという経済原則は別にしまして、イギリスというのは確かに国内消費というものを抑えながら、出超ということにウエートを置いて今日まできたのでありますが、イギリスとしては今度は思い切ってモードリング蔵相も大減税をやって、EEC加入を拒否せられた穴埋めをしていかなければならぬ、こういうことさえ言っておるのでございます。そういう状態であっても、イギリスでは設備投資が日本のように過熱をするなんというものでなく、なかなか設備投資という本のはむずかしい状態にあります。そういうときに、両ドイツのマルク債が日本を対象にし、またニューヨークの市場において、日本に対して八千万ドル、九千万のドル、一億ドルというようなものが年度内に消化ができるということは、日本に対する一つの信用度をはかるべきものになるわけでございます。もう一つは、財政の健全性が侵されないかということでございますが、これはニューヨーク市場でも、世界の市場どこに行っても外国の政府保証債、もしくは国債が消化できるというものには限度があるのでございます。私は去年大蔵省へ参りましたときに、三十八年度には外債を発行するということは言ったわけであります。外債を発行する場合に一体どのくらい出るか調べてごらんなさい、一番初めの案は大体七月の末でございますが、五千万ドルから五千五百万ドル。それから九月私がIMFの総会に参りましていろいろな人たちと会ったりニューヨークの市場を十分自分の目で見、自分のはだで見てきたわけでございますが、このときには大体五千五百万ドルから七千五百万ドル、私はそういうことを国会で答弁いたしております。それで三十八年度の経済見通しを大蔵省で内々つくらなければならない。いわゆる予算規模をきめなければならないというような十一月の初めごろ、われわれは会議をしたわけでございますが、アメリカの市場で発行できるものの最高限度八千五百万ドルである、八千五百万ドル以上に対しては出先は引き受けられません、こういうのが強かった。なぜかというと、ニューヨークの市場で大体国債を出すのが年三回まで。一番多く三回出すならば第一回目は千五百万ドル以下、第二回目も千五百万ドル以下、第三回目が二千万ドルないし二千五百万ドルが最高でございます。普通外債というものは相当の銘柄、主要工業国であっても大体年に二回が限度である。年二回というとどうなるか、大体二千万ドルないし二千五百万ドルが限度であって、現在、昭和三十七年十一月までにニューヨーク市場で、国債を含めて五千五百万ドル以上消化しているものはない。そういう意味でまず八千五百万ドルが最高でございましょうというときに、私はこの席で、来年度、事務当局は八千万ドルないし八千五百万ドルと言っておりますが、まあ八千万ドルないし一億ドルというものが限度でございましょうとお答えをした。十二月日米経済閣僚会議に参りましていろいろな話をして、アメリカの市場で発行するもの一億ドル、これに世銀の道路借款七千五百万ドルということであります。でありますから当時の状況としては世銀が七千五百万ドル、アメリカで発行するものが一億ドル、それにドイツで発行するマルク債二千五百万ドル、合計二億ドルということになるわけでございますが、しかし世銀のものはこちらへ来て、世銀の調査官の調査の結果を待って受け入れられる場合には単年度でもということでございますから、私たちとしては三十八年度外貨債の総額一億二千五百万ドル、こういうふうにして審議を求めておるのでございまして、これは発行できるものには限度があるのでございます。しかももう無理をして発行すれば必ずその国の信用度は落ちるわけでございますから、これは内国債と比べて非常に健全性がある。こういう考え方に立って外貨債の発行というものを考えておるのでございまして、将来でも常に毎年発行しようとしてもおのずから限度があるので、財政の健全性をくずす、侵すということは懸念がないというふうに認識をしておるのであります。
○広瀬(秀)委員 いずれにいたしましても、内債であろうと外債であろうと、今まで三十三年に一回やったきりやらなかった国債を、これから恒常的にずっと毎年、三十八年度以降やっていこうということに踏み切ったからこういう法律も出て参ったわけであります。単年度の法律じゃなくて恒久立法として出てきたわけであります。これは政府がはっきり、外貨債であろうと内債であろうと、いわゆる公債政策に踏み切った、こういうことであります。そうなりますと、公債発行という場合に、オーソドックスな財政学の理論からいえば、公債政策に踏み切った、とたんにやはりインフレ傾向というようなものが助長されてくるとか、あるいは放漫に流れて健全財政の基礎をくずすというような問題点が出てくるというような議論が今日までなされておるわけでありますが、今聞きますと健全財政の筋は大丈夫だ、これはもうやはり限度というものが受け入れ側でもあるのだ、こういうようなことからその点の説明はあったわけでありますが、しかしこれが発行市場を拡大をするというようなことで、どんどん安易な形で発行が続けられていくというようなこと、それがひいて日本国内におけるインフレを助長する懸念というのは、そういうようなことは全くないという確信をお持ちですか。
○田中国務大臣 全くないし、全くあってはいかぬという考え方に立っておるわけであります、でありますから外貨債の発行に対して、内国債は発行しませんということだけは非常に強く、私は絶えずうらはらに同時に申し上げているわけでございます。それも国民の一部にニュアンスを与えてもいかぬということで、強く申し上げているわけであります。これは無制限に発行しようと思っても発行できないのであります。これは私は現在一億ドルというものが年度内に発行できるという確信を持っております。持っておりますが、しかしこれは日本の国債を含めた政府保証債が、しかも転換社債その他至るところでたくさん出ておりますから、そういう中で一億ドルがアメリカの単一市場で消化できるということは、私は世界じゅうが日本の国力、経済力というものを見直すと思う。そのくらいに、わずか一億ドルの金ではございますが、外貨債の消化というものは世界にこのくらいな大きな尺度ではかられるのでございます。 私はアメリカに九月、十月に参ったときにいろいろな人たちと話をして参りました。ウッド氏やそれからその前ウッド氏にかわりましたブラック氏などは、私がアメリカで一億四、五千万ドルくらい発行できませんかと申し上げたときに、それは常識的にいっても少し無理ですな、こういう話をした。しかし日本は景気過熱をしたときは、表高四兆円といわれているのですが、私は正規にやると四兆五千億投資が行なわれていると思う。しかも道路は二兆一千億、五カ年計画を進めておりますが、少なくとも三十九年度になるとこれが三兆六千億くらいは最低であろうというのが政府与党の原案でございます。それが三兆になるか三兆五千億になるか三兆六千億になるかは別にしまして、そういう数字を考え、日本本の一般会計の規模が三兆円に近くなる。どんなにしても一五%ずつを連年下げていくような経済の状態ではないということを考えるときに、外貨債の一億ドルないし一億五千万ドルというものが一体どの程度の比率になるのですか、百分の一じゃないですか。アメリカ市場というものはこういう問題に対して日米経済協力というような考え方でこれはこなせないのですかというような話をざっくばらんに私がやった。だから十二月日本米経済協力閣僚会議の冒頭発言で、アメリカはドル防衛をやっておりますし、シップ・アメリカン、バイ・アメリカン政策をやっておりますし、資本の流出というものに対しても非常に過敏な考え方を持っておりますが、日本が経済復興のためにニューヨーク市場で出される外債及び国債に対しては支援をいたします、歓迎をします、こういう冒頭発言があった。私は、その程度の金額については、民間が設備投資を行なうその百分の一というような金額でも、国際的に見ては非常に大きなウエートを持つものでありますので、少なくとも外貨債を法律をもって恒常的に発行できるようにしていただくということで国債に踏み切ったのであって、これがインフレヘの誘因になり要因になるということがあってはならぬし、またそういうことに対しては非常に厳密な考え方を持っております。
○広瀬(秀)委員 大体外貨貨債の発行市場をほとんどアメリカに求められるような話でありますけれども、これは連年アメリカに大体限定して考えてよろしいですか。その他たとえば西独に求めるとかあるいはイギリスに求めるとか、そういうようなことも考えておりますか。大体大蔵大臣としては今アメリカ・オンリーくらいに考えておるのか。
○田中国務大臣 まあ世界で外貨債が発行できるというところは数カ所しかないわけであります。一つはニューヨークでございます。もう一つはロンドンでございます。もう一つは西ドイツのマルク債、もう一つはスイスでございますが、この四つが外貨債の発行の市場であります。今までヨーロッパが戦後の日本に投資を、するというのは、これはだれが考えてもなかなかむずかしいということでございます。アメリカの市場は日米の友好関係、日米経済協力関係からいっても、今まででもドル防衛をやりながらも相当消化してもらっておりますし、だんだんと、おととしよりも去年、去年よりもと、発行率がよくなっております。これはアメリカの経済的な問題もありますし、資金の余力というものもございますし、個人的な感覚があります。私はアメリカで話をしてきたのですが、一億、ドルも日本の外貨債を売りさばいてやるということになりますと、やはり自分の投資をしておる国が、しかも十五カ年間、二十カ年間というと、他人ではなくなりまして、私も、日米間の問題等に対しては、あなた方も側面的に応援して下さいよ、そうすれば日本の経済はだんだん大きくなるんですから、こういうことを言ったら激しい御発言でありますが、そういうことす。そういう意味で貸している銀行が貸出先に対しててこ入れをするということは、これはあたりまえのことでございまして、少なくともニューヨーク市場においては、先ほども申し上げた通り、今度の一億ドルは発行の見込みもありますし、将来もウエートは資金量からいってもニューヨーク市場が主力になるであろうということは言い得るわけでございます。ドイツのマルク債の二千五百万ドルというのは、これは御承知の大阪府市債四億マルクという問題でございまして、一時問題があったのですが、池田総理が訪欧してドイツの首脳部と会ったり、私もアメリカでブラック氏と会ったり、中央銀行の総裁に会ったりして、九月のIMFの総会のときに、十二月から一月にかけてだれかをよこして下さい、年度内には発行できるでしょうということであったのでございますから、残余の三億マルクに対しても発行は引き受けてくれるだろう。こちらが無理なことを言わないで、向こうも日本に対して非常に頼もしいという気持、非常に近親感を持っておりますから、そういう意味でドイツのマルク債も残余の三億マルクの目標は立てられるだろう、またロンドンに対してはこれは一部の推測であり、私たちも静かに見ておるのでございますが、三、四カ月前に銀行団、金融団が日本へ参りました。そのときにざっくばらんな話をしたら、日本に対して投資ができるというような状態は今すぐではないでしょうと言っておったのですが、このごろは二面においてロン、ドンでも、イギリス自体が自国の経済復興に対して相当刺激策をとらなければならぬといわれておりながら、日本の外貨債というようなものに対しての相当な好意ある態度が通じられてきておるということは事実でございます。そういう意味で、世界の市場に戦後十八年間も空白であった日本が徐々に復活しつつあるというふうに認識をしていけると思います。
○広瀬(秀)委員 ニューヨーク市場で関西電力のADRを公募しまして、これが十倍からの申し込みがあったという。これは市場としては今そういうアメリカの市況にあるのかなということを一つ感じさせるわけなんです。しかし、アメリカでずっと発行する、主力はアメリカだということはその答弁でわかった−わけですが、アメリカの経済の今後の動向というもので、予定通りの発行がはたして可能かどうかというような問題については、やはりある程度警戒しなければならない要素もあるのじゃないか。それは最近アメリカにおいても公定歩合を引き上げなければならないという事態、設備投資等も若干増大の方向に向くんじゃないか、こういうようなことで資金需要が相当強くなりつつあるということから、公定歩合を今の三彩から三・五%に引き上げるということも報道されておるわけであります。さらにアメリカの企業収益等がゼネラル・エレクトリックだとかその他RCA等においても、相当な企業収益のL向きということから、非常に画期的な資金需要の増大があるというようなことも報ぜられておるわけです。そういうような反面、また国際収支の面では赤字幅が、十五億ドル台くらいに何とかとどめたいというやつが二十二億ドルという状態になっておるということで、やはりドルの流出という問題に対してはかえって非常に神経質になっているんじゃないか、そういうような面が一つあるわけです。それで国内における資金需要も相当活発化してきたということから、田中さんが日米経済閣僚会議に出席された当時から、市場の空気、日本の外債を受け入れる態勢というものに若干の情勢の変化がきていないかどうか、この点についてのアメリカ経済の分析と見通し、こういうものについて所信を伺いたいと思います。
○田中国務大臣 私は、アメリカ経済というものに対しては、思い切った政策を実行しつつありますから、少なくとも上向きにしようという考え方は非常に強いと思います。ところが、先ほどもちょっとここで申し上げましたが、合理化がすっかり済んでおるものが一%上げるのは非常にむずかしいのです。日本のような、一割合理化というのではなくて、中小企業などは金さえあれば今のものをみんなぶちこわしてしまって、さら地−一して新しいものを建てて新しい機械を入れよう、これは何%ということじゃない。何倍、何十倍ということが平気でやられます。そういうところだけに、景気過熱でもって設備投資が過剰になって非常にアンバランスになる場合も極端にありますかわりに、手を入れたところではない、網を入れたところではないというところで、企業としては努力のしがいがある、その幅が非常に大きい、こういうことでございます。だからコンベアその他非常に合理化されておるものが一%の合理化をするよりも、全く自由の中でばらばらなものの合理化を進めていくテンポはとんでもなく幅が大きいということで、アメリカ政府はいろんな手を打っておりますが、私は冗談にプライベートな話でございますが、アメリカが低開発国に対する援助をしておったり国内的ないろいろな問題に相当な投資を行なう、その百分の一を日本との間に投資するようなことを考えたら、相当大きな実績が上がるだろう、アメリカのような高度なものがクラスの下の人と直接ストレートな貿易をするよりも、結局上の人は主要十カ国との間に行なう、主要十カ国は低開発国との間において行なう、低開発国に対しては、その収益でもって一番レベルの商い国々が援助するという相関関係をつけていかなければ、直接いったところでもって、子供はおもちゃの馬がほしいのに生きた馬をやったって、これはどうにもならないのです。だからスケールが違う、キャパシティが違う、そういう話を私はずけずけやったのですが、それに対しては、非常に率直な意見でございます。非常に注目すべき意見ですなんということを言っていましたが、私の考え方は相当向こうは考えていると思うのです。そういう意味で少なくとも去年の九月よりも十二月、十二月よりも今日−私は、日本が今発行しようとしておる一億ドル程度のものがニューヨーク市場で発行できないなどということは全然考えておりませんし、一面からいうと、ロンドンにおいてもそうですが、あれだけの国内刺激をやっておっても、逆に日本に対してユーロ・ダラーが非常に流れ込んでくる、ポンドの問題に対してもいろいろ議論がありますが、他国の問題ですから、あえて言及するのは避けますが、いろいろな考えをして、日本というところは外国から見ると相当おもしろい国である、投資価値のあるところであるということだけは絶対間違いない事実でございます。 私は一言だけ最後に申し上げますが、ニューヨークでバンカーたちが全部集まって日本に対して相当議論しましたときに、ニューヨークと東京と香港、これを一つ比べてごらんなさい、あなた方がニューヨークでビルに投資をすることがいいのか、ニューヨーク近郊に放射線状に走るところのトール・ロードに出した方がいいのか、日本の東京、日光、箱根に出した方がいいのか、もしくは香港の町の中に金を出した方がいいのか。香港が一番もうかるけれども、一番取りっぱずれがある。とにかくニューヨークは絶対に取りっぱず九がないけれども、もうからない。東京は取りっぱずれもなくてもうかる、こういうことを私が言ったら、その通りだと、向こうも言っておりましたから、私は少なくとも一億ドル程度の毛のが発行できないなどという基本的な考え方には立っておりません。
○広瀬(秀)委員 大へんな自信のほどを聞かしてもらったわけでありますがあとで。 三千万ドルずつ二回に分けてやるわけでありますが、理財局長は今が絶好のチャンスだと言う。四月中には何とか三千万ドルはやるんだ、こういうことでありますが、あとのものはいつごろになるのか、これも聞かしてもらいたいのです。さらに外貨債を発行いたしまして、今回は手取り二百三億円を開発銀行関係に百十八億円、さらに道路公団に八十五億、こういう振り分けで国内で扱うわけでありますが、これから外貨債をどんどん発行して参りまして、ことしはそういうことになっておるけれども、開銀に融資をしたものが何に使われているか、海運なのか、あるいは電力なのか、その他の地域開発なのか、これは資金としてはプールされるのでしょうけれども、外貨債にたよってこれをやりたいというのは、道路と何なのか、こういう点について一つ明らかにしておいていただきたい。
○田中国務大臣 開発銀行資金は、おおむね電力資金に充当したいという考えでございます。
○稻益政府委員 御承知のように、今回予定いたしておりますのは、国債六千万ドル、そのほかにニューヨーク市場では電電債二千万ドル、それから東京都債二千万ドル、合計一億ドルの予定でございます。大体四回に分けまして、当初は、当面国債を第一回に発行いたしたい。これは起債市場でのいろいろた事情がございますので、われわれの方では一応の現在における予定なのでございますが、できますれば最初に国債を発行いたtまして、次に市場の情勢が許しますれば、過去において発行いたしました経験がございます電電債、次に国債、これは同じ銘柄を二回続けて出しますと、市場の受けもあまりよろしくないといったような点もございますので、消化の促進というようなことも考えまして、今の予定では随時目先を変えて銘柄を出して参りたい。そうなりますと、国債、電電債、国債、東京都債といったようなことで、おおむね年四回でありますから、三カ月置きになりましょうか、そういった時期に発行をいたしたい、かように予定いたしております。
○広瀬(秀)委員 今の大臣の答弁で、開銀に回した分は電力に使う、あとは道路公団向けの融資の分は、外貨債の半分近くのものは、これからもずっと道路に回していく、こういう計画ですか。
○田中国務大臣 道路五カ年計画が三十九年度に改訂になるであろうということをいわれておるわけでございます。これは政府与党である自民党の中にも相当強い意見がございます。建設大臣もそういうことを言っております。財政当局である私たちとしては、慎重に考慮をしておるわけでございますが、道路の整備をしないというわけにもいかないので、これが改訂五カ年計画の年次計画がきまるとすれば、大体ガソリン税の伸びがどのようであるという問題は、現行五カ年計画で積算をせられておるわけでございまして、外貨債でどの程度ずつ発行していくかという問題は、そのときから検討すべきでございます。国債という面で発行をするとすれば、道路債というものは当然その中の何がしかずつ入るということを考えるのが常識ではないかというふうに考えております。今年度は国債六千万ドルということでございますが、これは必ずしも国債重点で来年からいくということも考えておりません。ことしちょうど三千万ドル、電電債の償還分がございますので、そういう意味で国債の六千万ドルということにやったのですが、一月から二月にかけて千二百五十万ドルくらいしか出ないじゃないか、千五百万ドル出ればいい方だといった開銀債が二千二百五十万ドル出ておる。しかも発行価格が非常にいい。これはアメリカでもなれたもの、日本の開銀やその他公団、電電公社というものに対して非常に研究が進んでおりますし、また向こうがものわかりのいいようなバランス・シートになっておりますし、また経理機構がそういうようになっておりますから、やはりそういう手なれたものの方がいいのではないかということも考えられる。ですから来年度、三十九年度の外貨債を今日まだ見通しておるわけではございませんが、出すとすれば、そのときの事情でもう一ぺん新しく考え直して、東京都債というものに対しては向こうでは非常に関心を持っておるということもありますので、こういう問題はあらためて別な角度から検討して参るということでございます。いずれにしても、国債を何がしか出すということになれば、このうちの相当部分はやはり有料道路の原資に使うということが普通の常識的な考え方だと思います。
○広瀬(秀)委員 今の大臣の答弁では、大体電力とかあるいは道路というところに財源が足りないから外貨債を発行していくということになるわけでありますが、地域開発であるとかあるいは中小企業の完全なスクラップ・アンド・ビルドですか、こういうようなものにも外貨債の原資を回していくというような考えはございませんか。
○田中国務大臣 地域開発でもって外貨債が発行できるというのは、東京都や大阪のように都市改造というものに準拠法ができた場合、これに対して特別財源をつくってやるということはできますが、その点の低開発地域の産業開発、産炭地の開発とかいう問題に外貨債を入れるということは得策ではない。これは償還財源を考えてやるのに非常にむずかしいし、なかなか向こうがわからないのです。これは日本でもって北海道はわかるかもしれぬが、南九州の開発をやるなら、少なくとも第二テネシー・バレーをやった方がいい、こういうふうにすぐ理屈を言うわけでありますから、やはりのみやすいものを出さなければならぬ。日本の地域開発というものは外貨債というようなものではなく、これはやはり税金、一般会計をもとにして絶えず政府が投資をしていくという先行投資でございますから、そういうものに対してはやはり日本の国内原資ということでもっと政府が補助をするというようなところにウエートを置かなければならない、それを外貨債の対象にすることは適当でないというふうに理論的には考えられます。
○広瀬(秀)委員 理財局長に伺いますが、六千万ドル、二百十六億円ですか、このうち手取りが二百三億円になる。そうすると、十三億円というものがいろいろ発行に要する手数その他の費用でかかるわけです。日本国内で、たとえばこれだけの金額の国債を発行するということになりますと、どのくらい費用がかかるかわかりませんけれども、発行のコストといいますかそういうようなものが非常に高くつくじゃないですか。それが結局表面利回りとさらに実質的な利回り、こういうようなものに相当な影響が及んでくるのではないか、こういうような疑いも持つわけでありまして、今度の発行条件、利回り、こういうようなものについて詳しく一つ御説明をいただきたいと思います。
○稻益政府委員 お尋ねの点は、実際に発行いたします際に向こうの引受業者とよく相談いたしましてきまる問題なんでありますが、私どもが現在予定いたしておりますのは、前回経験のございます三十四年の一月、米貨国債を発行いたしましたときの条件を申し上げますと、表面利率が、長期債でありますが五分五厘であります。発行価格が百ドルのものを九十八ドル、応募者利回りは五分七厘についておるわけであります。従いまして正直申し上げまして、この当時に比べますと、今回は国債でありますので、一般比較のために例の政府保証債の方で申し上げますと、現在まで出ました開銀債が表面利率が六分でございます。発行価額が百ドルのものを九十六ドル五十セントこういう条件で出しておるわけであります。これらの点を勘案いたしますと、表面利率としては前回程度の五分五厘、政府保証債が六分でございますから、国債でありますとそれよりも有利な条件で出せるのじゃないか、ただ発行価格が前回のような九十八ドルというような線でいきますかどうか、これはそのときの市場の情勢に左右されるわけなんであります。それらの点を考えますと、政府保証債よりももちろん有利になると存じます。開銀債の応募者利回りは最近出ましたものが六分三厘六毛でありますが、これよりももちろん有利になるであろう、かように考えております。ただ実際の条件はそのときになってみなければわかりませんので、おおむねこれより下回る、前回の国債のときよりもあるいは発行価額が若干悪くなるかもしれない、その程度じゃなかろうか、かように考えております。 それから最初にお尋ねの六千万ドルの国債発行でありますが、お説のようにそのまま三百六十円でやりますと、二百十六億になるわけであります。手取りが二百三億になりますのは、まず一応試算といたしまして、前回額面百ドルのものを九十八ドルの発行価額で出しておるわけであります。九十八掛けいたしまして、これで約二百十億、それからさらに発行手数料が相当かかるわけであります。これも前回のものと、また最近の政府保証債の発行の事例、こういうものを勘案いたしまして、かりに計算いたしました結果が、二百三億程度は手取りとして大丈夫であろう、こういう試算のもとに二百三億というものを産投会計の貸付原資に見込んだわけであります。国内の場合より、あるいは発行手数料というものが、これはどうしても外国の場合でありますので若干かさむことはあるわけなんでございますが、これにつきましても回を重ねるに従いまして、先方のアンダーライターとも交渉いたしまして、発行手数料は逐次低下する傾向にあるわけであります。この点につきましては、今回発行いたします際には私どもとしてもできるだけの努力をいたしまして、発行手数料の低下に努めたい、かように考えております。
○広瀬(秀)委員 大体予定通りいける見通しのようでありますが、先ほどおっしゃいましたように、アメリカ市場において発行するのは国債六千万ドル、電電二千万ドル、東京都債二千万ドル、そのほかに政府保証債関係は全然ことしはございませんか。それと民間債ですね、これがいわゆる政府べース以外のものであって、それが相当ふえていく可能性があるのじゃないか。こういうようなものは逆に一億ドルの政府、電電債とか都債とかあるいは国債、こういうようなものを撹乱する要素になりはせぬのか。そういう動きというものは現実にないかどうか。たとえばソニーであるとか東芝であるとか、あるいは先ほどの関西電力のものとかあるいは日立あたり、こういうようなものがこれからどんどん出てくるかもしれぬ、こういうようなものの動きは今どういうようになっておりますか。今の動きがわかっておったらお知らせいただきたい。
○堀説明員 ただいまのお尋ねの点につきましては多少希望案件がございます。しかし私どもといたしましては、そういうものの発行希望につきましては、国債あるいは政府保証債等の発行のじゃまになりませんように、マーケットの状況を見ましたり、あるいは国債関係の発行の間を縫って参りますように、そういう点を勘案して調整をとるように努力したい。それからまた投資家の方からいたしましても、たとえば国債を買いますのとADRを買いますのは投資家が違いましたり、あるいは同じ投資家でありましてもそれぞれ資金の使用の内訳が違うようでありますから、そうひどく競合しない場合もございます。それらを勘案して指導、しております。
○広瀬(秀)委員 もう少し実際の動きを聞きたいのです。たとえば関西電力の場合なんかでも二千百七十万ドルから発行しておるわけです。そうすると先ほど大蔵大臣の、大体一億ドルくらいはこういう面からも若干くずれてくるのではないか、そういう面に取られる可能性もあるじゃないか。大体これが実際の発行価額が九十八ドル何ぼということだと、ADRなんかでもそういうものがある。その方がずっと有利だというようなことになりますと、その方が先になっていってしまうじゃないか。これはもちろん引受銀行関係が全然別だというような関係で、そういう点は競合関係には全然立たないのだという見通しなのかどうか、もう少し詳しく知っておきたいと思います。
○堀説明員 ただいまADRの発行計画を持っておりますのは四月中に二件ございます。これはソニーと三井物産であります。それから発行条件につきましては、民間の会社方が一般に多少甘くなっておりますが、これは投資家の方から見まして、投資対象の信用度から見て当然だというように考えます。それ以外の件につきましてはただいま具体的に具体化したものはございません。検討中のものはございます。そういう状況です。 なお恐縮でございますが、アメリカでADR等の発行につきましてあまり前ぶれにいろいろ議論いたしますと、向こうのSECの方で多少問題になりますのでお含みを願いたいと思います。
○広瀬(秀)委員 時間もありませんし、あと有馬委員もやられるそうでありますからそろそろやめたいと思いますが、最後に大臣に伺っておきたいことは、こういうようにほとんど主力をアメリカに置いて外債をどんどん発行していく、これは一種の借金政策であります。借金すれば、これはどうしても経済的な結びつきは強化されるけれども、経済関係における発言権というようなものはアメリカ側の方がどんどん強くなってくる。国際関係、日米関係の対等な関係というものが、そういうような過程を通じてだんだん従属的なものになってくる危険性というようなものはないのか。大蔵大臣は、これはあくまでコマーシャル・ベースの資金の取引であって、そんなことは絶対ない、こういうように答えられるだろうと思うけれども、実際にその通りであるか。いろいろな経済外交を推進していく上において、借りている者の弱みというものが、やはり国際間においても出る可能性というのは非常に多いんじゃないかということを、私ども日本民族の自主的な発展のために、そういう危惧というものも、こういう外債発行というような場合に抱かざるを得ないわけであります。そういうことは絶対ないという確信があるかどうか、同時にその根拠を示していただきたい。
○田中国務大臣 これは政府間借款ではございませんから、向こうは日本の信用度というものをコマーシャル・ベースでもって考えて投資をするのでございますから、金を借りた方が弱いなどということは考える必要はないと思います。大体戦後というのは金のない方が強くなったので、借りた方が強いので、そういう考え方をもう持たなくて一向差しつかえない、こういうふうに私は考えております。まして国際社会においてはいわゆる金の貸し借りというものはより緊密になる。私たちが言える範囲のものとして言えば、これはアメリカの金融機関や何かもドル防衛ということをやっておりながら、しかしこれはやはり一つのコマーシャル・ベースに乗らなければならない問題ですから、だから日本に対しては諸外国でびっくりするくらいの外貨債の発行というのを認めておるわけでございますし、またそれを消化をしているのですが、その結果はどういうことが出るかというと、日本に対して支配権を及ぼそうなんという考え方は持ってもそれはだめです。一体韓国に対してうまくいっているかどうかを考えてみてもわかるのですが、そんなことではなく、日本とアメリカとの問題に対してアメリカの政府に対し、アメリカの業者に対して日米間の緊密化ということに対して私は相当の圧力になり、好意的な配慮はしてもらえる源泉になるとは思いますが、こっちの方が借りたから弱くなるなんという考え方は持たない方がいいと思います。私は持っておりません。私も金を借りたことがありますが、借りた方が全然強いのだというふうにとっていただいて一向差しつかえないと思います。
○広瀬(秀)委員 以上で終わります。
○臼井委員長 有馬輝武君。
○有馬(輝)委員 大臣も長時間で、幾らタフな大臣でも参られたと思いますので、簡単に御質問いたしたいと思います。 一つは為替局長にお伺いしたいと思いますが、三十七年度問におきまして設備資金の投下額の中に占める外資の割合、これはどの程度になっておるかお示しをいただきたいと思います。これは民間です。
○田中国務大臣 正確な数字はなかなかむずかしいと思いますが、大蔵省の許可ベースでもって見ますと、昨年一年間に大体五億、ドルというのが民間の総額でありますから、千八百億円と見ればいいと思います。
○有馬(輝)委員 そこでIMFの規定なり、また二月六日の八条国移行に対する勧告から見まして、これは資本取引の自由化、その中で私たちが考慮しなければならないのは、一つはホット・マネーなりなんなりの流入の問題と、いま一つはやはり廃業支配の問題があると思うのです。このホット・マネーその他に対する規制をどのように考えておられるかということが一つ。 それからいま一つは、産業支配の問題であります。たとえば日米友好通商航海条約の中の制限業種の中に入ってない自動車、こういったものについて私は一つの危惧を持っておるわけなんです。アメリカなりあるいはドイツなりの有力会社が入って参りました場合に、たとえば製品として持ってくる場合にはいろんな手があります。しかし部品として持ってくる、あるいは資金として持ってきました場合に、日本の自動車産業のずっと下請の下請まで、おやじとむすことでトッチンカンとやっておるようなところまで含めますと、大体二百万以上になるのではないかと思いますが、そういった角度から考えますと、これは大きな問題だと思います。この二点について、大臣の所見を伺いたいと思います。
○田中国務大臣 ホット・マネーの流出ということは、これはもう流入即流出にすぐつながるものでありますから、慎重な配慮をしなければならないことは当然でありまして、先月でありましたか、一カ月に三回も金利を引き下げるというような措置をとっております。まだ多少ユーロ・、ダラーの流入ということもございますが、おおむね落ちついておるというふうに見ていいと思います。このホット・マネーの問題については、準備率を引き上げるとか、まだいろいろな方法がございます。しかし、これはOECDに加盟しますと資本の自由化ということを非常に強く要求されるわけでありまして、これに対してはどうしなければならないかということを検討いたしております。 それから、長期低利な良質外資というものは、これは積極的に受け入れるという体制でございますが、当然大幅な外資導入ということを考える場合、企業支配の問題が起こってくるわけです。まして業者に対しては一〇%以上持ってはならない。他の産業に対しては一五%程度のワク外、それがこのままでいいかどうかは議論のあるところであります。二〇%にしてもいいじゃないか、市場経由でもって買い入れるもの等を含めてどのようにしなければならないかという問題は、世界各国の例もありますので、こういう問題は慎重に対処していかなければならぬ。いわゆる民族資本、民族産業というものと外資とのバランスをどうとるべきかということについては現在検討いたしております。自動車産業等の問題に対してすぐ外資問題がぶつかるわけでございますので、御承知の通り特定産業の振興法というものを考えております。私は、石油企業がそうでございましたが、自動車産業に対してアメリカが支配をするというところまではなかなかいかないであろうを思います。また、私たちもそれに対してはいろいろな手段方法があるわけでございますが、やはり技術提携、タイアップ現在すでにしております。そういうようなケースで幾つかの系列でもってそういうことをやるということが考えられると思うのです。その場合は、アメリカだけが日本の自動車産業に影響があるというのではなく、ドイツのフオルクスワーゲンがどう入ってくるとか、またフランスのルノー系がどう入ってくるとかいうような問題とこれはバランスがとれるだろうと思っておるわけでございますが、いずれにしても企業支配の問題に対しては通産当局とも十分打ち合わせをして適切な手段を行ないたいということで、うちの為替局でも相当私たちの考えよりももっと手きびしいものの考え方をしております。私は今の状態では専門家の作業にまかしておるということでございます。
○有馬(輝)委員 他の企業で、自動車に限らないでほかの私企業で、私は具体的にもう支配されておる姿を知っておりますから、名前をあげませんけれども、今みたいなことを非常に憂慮しておるわけです。為替局長御承知でしょう、いろんな点で。
○田中国務大臣 私も知っております。
○有馬(輝)委員 そういった点、だからチェックする具体的な手段を為替局長どう考えておりますか、お聞かせいただきたいと思うのです。
○堀説明員 ただいま市場で株を買いますのは一五%までは自動的に認めております。しかしそれ以上の比率の株を外人が持ちます場合には、一件々々審査をいたしております。今後のことは、ただいま大臣のおっしゃいましたように、検討中でございます。
○有馬(輝)委員 一つ慎重にこれは配慮をしていただきたいと思います。 それから、私はきょうは二間だけですから、簡単にお伺いをいたします。それは先ほど内国債の発行をいたしませんという大臣の答弁がありました。この点について私たちはすなおに大蔵大臣の言明を受け取っておかなければいかぬだろうと思うのですけれども、しかし今度の国会だけの質疑応答を見て参りましても、やはり心配が残るわけなんです。それは有馬、お前の取り越し苦労だと言われればおしまいでありまして、そう開き直られると、私はその質問の余地がなくなるのでありますが、しかし予算委員会におきまして、たとえばわが党の楯委員の質問に対しまして池田総理が、とにかく三十八年度は内国債は発行いたしませんということを答弁しながらも、一方ではやはり社会資本の立ちおくれなり何なりで、いわゆる国債に対するものの考え方が、古くさい考え方をしておる。たとえばインフレの原因になるなんというような考え方は、これはもう古い考え方なんだという形で切り返してきておられるのでございます。こういう、雰囲気を見ておりますと、この際財政責任者としての田中さんは、これに対してどのようにチェックしていかれるのかということまで一応お伺いしておかなければいかぬわけです。もちろん大蔵省ではとにかく一つのリミットを持っておったのに、そのあれがはずされるとか、いろいろこれに対して防衛体制を大蔵省の事務当局でしいておられる点についても私は知っております。が、それにいたしましても、今みたいな議論が一方的にあるわけですから、これに対して大臣の所見をはっきりとお伺いをしておきたいと思います。
○田中国務大臣 国債といろのは、私はもう就任当初から内国債は発行いたしません、こういうことを申し上げておりますし、将来もその考えでございます。国債の発行高が非常に少ない。ほかの国に比べると、もう全く少ない。現在の国債の状況でもって昭和四十二、三年ころになると、もう国債がなくなってしまうというような状態でございますから、一体こんな健全財政があるのかという観念論に支配されておるのじゃないかという議論さえ一部にあることも承知をいたしておりますし、また国債というものが財政と金融との調節機能を果たすという面に対する考え方も承知をいたしておりますが、私は、日本が自由化に対処してこれからいくためには、国際信用、やはり円カレンシーの交換性ということを十分前提に置いて考えていかなければならないという立場に立っておりますので、私は国債の発行がインフレにつながるというような単なる考え方に立脚して申し上げておるわけではありませんが、少なくとも私の大蔵大臣就任中は国債発行はやりたくないという考えは、これはまじめに考えております。そうでなくとも、私は積極財政論者だというふうな考え方がどことなく雰囲気として出ておりますので、私の積極性というものは確かに積極性はあります。党人でありますし、当然合理的な考え方のもとで財政が運営される場合、その必要なものをこま切れにするよりも、思い切って投資するなら投資した方がより国民的な富を築くための手段であることは十分承知しておりますが、国債を発行する前に、まず現在の規模の中で合理化ができないのかといえば、私は合理化はでき得るという考えでおります。行政整理をしなければできないというような端的な議論が今まで支配的でありました。私はそう考えない。四月一日から執行するところの三十八年度の二兆八千五百億プラス財政投融資一兆一千九十七億の、四兆円を上回る金をいかに十二カ月、三百六十五日に民間とのタイアップによってこまかい配慮のもとに仕事をしていくかということによっても、これは少なくとも予算の五%、一〇%などよりももっと効率的な投資が可能であります。私はそういう自信を持っておりますし、またそうなければいかぬのだ。私は予算編成や予算の審議のときにはお互いが非常に努力しますが、これが執行となると、一体きょう現在でどの程度公共事業に使われておるのかというデータを要求しても、一カ月たって出てくるときには、テンポは非常に早いですから、全然時間的にずれている、こういう考え方よりも、今の中で財政の運用というものに効率化がはかれるという考え方を私は持っております。そういう意味で、私の在職中は道路等の五カ年計画を改定すれば、もう直ちに財源に詰まるというような論をなす人もあります。ありますが、私は少なくとも私の代にそういうことをやると、全くもう積極よりも放漫というようにとられては困りますし、またそれは私の個人的な問題などは何も意に介することはございませんが、日本将来の百年のための財政のためには、私は少なくともそういう態度をとりたくない。これはもう私の大蔵省へ入ったときからの信条でございますから、将来もそのように私がそれを最後まで置いていけるように野党の皆さんも一つ格段の御協力を賜りたい、こう考えます。 外貨債の問題で一言だけ申し上げておきますが、ちょっと速記を……。
○臼井委員長 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○臼井委員長 速記を始めて下さい。
○有馬(輝)委員 今、大臣みずから、こういう批評をする者もあるがと言われたのですが、そういう意味で、これは大蔵省のどなたでもけっこうですが、お伺いしたいと思います。三十七年度の繰り越し剰余金はどの程度見ておられるのですか。
○田中国務大臣 数字は確定いたしておりませんし、まだ三月はあと一週間ばかりございますから、特に三十一日は日曜日でございまして、これだけでも四、五十億は税収で違うでしょう。三十一日に五十億日曜日で違うということを前提にして考えまして、税収の決算見込みを立てたもの、他の雑収入等を入れまして大体六百億くらいじゃないかと推定をせられるわけですが、これは約一カ月くらい前の考え方でございますので、どうしても必要であればこの次の委員会まで一応の試算をしたものを御報告申し上げてもけっこうです。
○有馬(輝)委員 きょうお聞かせ願えればそれでよかったのでありますが、来週はもうけっこうです。ただ私が聞きたいと思う気持もおわかりだろうと思うんですが、大蔵大臣の積極性ということは、とにかくみずから言われたように、率直に言って放漫のうらはらなんです。たとえば、首を振られると、具体例をあげて言わなくちゃならないので、議論が長くなるから私はきょうは言いませんが、そうなって参りますと、私は、さっき申し上げました大蔵大臣の内国債発行に対する考え方がゆさぶられる一つの大きな要因が出てくる、このように見ておるのですが、その点はどうなんですか。
○田中国務大臣 私は内国債の発行ということに対して、今絶対にやらないと、こう言っておっても、世論も、院の決議もそういうことになれば別の状況が起きますが、絶対的な要件としては、一番国債問題が起きるのは、道路の改定計画だと私は思うのです。第二番目の問題は、東京の都市改造を法律でもってやる場合にそれをどうするかという問題が出てくる。あとは新産業都市、いわゆる地域格差の解消、これは産業と人口の再分布図をつくって、ぴしゃっと十カ年間でやってしまわなければ、公共投資と設備投資のアンバランスはますます開いてくるのだ、こういうことにでもなれば、この三つの要因は、確かに私は財源という問題上、大きく要求されてくる場合があると思います。あなたの言われたのは、きっと農地解放の問題等を言われたと思いますが、私はこのような問題で国債を発行するというようなことにはならないというふうに、自分としては腹の中に感じておるわけであります。
○有馬(輝)委員 与党質問みたいになって、きょうは非常に工合が悪いのですが、これは田中さんが疲れておるだろうと思って控えておるのでありまして、今の大臣のこの内国債に対する考え方に対する答弁を記憶しておきたいと思います。 これで私の質問を終わります。
○臼井委員長 次会は、来たる二十六日、午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後八時二十四分散会 ————◇—————