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43回国会衆議院1963/02/14

大蔵委員会 第8号

発言数
133
登壇者
14
会派数
2
開催日
1963/02/14

会議録

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 これより会議を開きます。  連合審査会申し入れの件についてお諮りいたします。  ただいま農林水産委員会において審査中の農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案の両案は、本委員会の所管と密接な関連がありますので、農林水産委員会に連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会開会の時日等につきましては、農林水産委員長と協議の上追って御通知いたします      ————◇—————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 最初にちょっと資料の要求をいたします。資金運用部資金について、これが出て参りますときの金利、各財政投融資項目について項目別に出ておると思いますが、それを金利の観点から分類を一回していただきたい。それから今度は利子として払う方ですね、利子として払う側から、要するに二分五厘、三分五厘、四分五厘、特利という格好になるのじゃないかと思うのですが、あとで論議の中でわかると思いますが、そういう部分について昭和三十七年度——過年度のものでないと無理だろうと思いますが、三十七年度がもし現状で無理ならば、三十六年度について十二月までが可能ならば十二月までと、三十六年度の一年分について資料をいただきたいと思います。できますか——それでは資料をお願いいたします。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 ただいま御要求のありました資料につきましては追って提出させるようにいたします。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 法制局にお伺いをいたします。  実は今回の産業投資特別会計法の一部を改正する法律につきましては、これまでは一回ずつ一般会計からの繰り入れ等については付則をもつて法律的な処理をして参ったわけであります。これまでのような付則によって処理をしなければならなかったような法律的な見解を一つ伺いたいと思います。

吉國一郎内閣法制局参事官(第三部長)

○吉國政府委員 お答えを申し上げます。  従来、産業投資特別会計の資金なりあるいは歳入に一般会計から繰り入れをいたします場合には、その各個別の場合につきまして、産業投資特別会計法の付則で処理をいたしておりましたが、これは従来産業投資特別会計の資金またはその歳入に一般会計から繰り入れることにつきましては、特別会計法上の制度といたしまして、一般的な制度としては認めておりませんので、その各個別の場合におきましてその繰り入れの必要を生じた場合に、その金額を繰り入れることについて付則において法律上の措置を講じた、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 では、特別会計法で一般的な制度としてそういうことを認めていない積極的な理由をお聞かせいただきたい。

吉國一郎内閣法制局参事官(第三部長)

○吉國政府委員 産業投資特別会計法でそのような制度を認めておりませんでしたことは、従来の産業投資特別会計の考え方におきましては、一般的に一般会計からその資金または歳入へ繰り入れをする必要が恒久的にはないというふうに制度としては認めておったものと考えますが、その財政政策上の理由につきましては大蔵省側からお答えする方が適当であろうというふうに考えます。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林説明員 産業投資特別会計は、御存じのように米国対日援助見返資金特別会計を引き継ぎましたものでございます。従いまして、当時の考え方といたしましては、主としてそういうようなものを引き継ぎました資産に基づく貸付金その他の回転によりまして、この特別会計の投資財源をまかなうというような思想でできておったのだろうと思います。また投資範囲につきましても、当時におきましては限られたものであったわけでございますが、御存じのように投資の需要は年々増加をいたして参りましたし、またこの四つの投資財源を確保いたしますために、三十一年度におきましては、御存じのように産投会計に資金をつくるようになったわけでございます。また実際問題といたしまして、投資需要の拡大に応じまして、一般会計からの繰り入れも年々増加をする傾向にあるわけでございますので、そういうような傾向にかんがみまして、当初予定いたしておりましたような産業投資特別会計への一般会計からの繰り入れというものは、むしろ例外的な事態であったということが変わって参ったというふうに考えておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、これまでは一般会計から繰り入れたりするということは恒久的な理由がなかったのだというふうに今吉國さんの方では答えられておりますが、そうすると、産業投資特別会計法というものは、いつからそういうふうに恒久的な理由がなかったのに恒久的な理由を生ずるようになったと理解すべきですか。これは法律的にいって——今の政策的な問題はあとでゆっくり聞きますから、まず法制局側の法律的な見解を一つ……。

吉國一郎内閣法制局参事官(第三部長)

○吉國政府委員 ただいまの御質問でございますが、今回の改正におきまして、一般会計から産業投資特別会計の資金または歳入への繰り入れを恒久化しようとして、ただいま改正案を提出しておるわけでございますので、これが国会において法律として成立いたしますならば、国の意思として産業投資特別会計への一般会計からの繰り入れが恒久的な制度として採用すべきものであるというふうに、国として御認定に相なるということになると思いますが、いつからそのような恒久的な制度にする必要を認めたかというお話でございますれば、昭和三十一年以来繰り入れを何回かにわたってやっておりますが、その模様を政府側としてはずっと見ておりまして、今回、今後はこのような繰り入れを恒久的な制度として産業投資特別会計の中に設ける方が適当であるという認定をいたしたわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 主計局の方に伺いますけれども、昨年がガリオア・エロアの返済をやって、そうしてあなたがさっき話をされたような見返り資金の大体の資本というものがなくなってしまったので、そこで、これまではそれがあったから恒久的な理由がなかったけれども、いよいよ土台がなくなったから、産業投資特別会計というものはここで完全に姿をかえて、一般会計に依存をしなければ存立ができないということによって恒久的な理由が生じた、こういうことになりますね。イエスかノーかだけ返事をして下さい。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林説明員 今回御審議を願っておりますこの制度の改正自体は、今御指摘のようなガリオアの債務を返済するために恒久的に繰り入れるというものではもちろんございません。前に御説明いたしておりますように、産投会計に対する投資需要というものが年々拡大をいたして参りました。すでにこの傾向は、先ほどから申し上げておりますように、三十一年度から顕著に現われておるわけでございます。今後もますます投資需要というものは拡大して参ります。従いまして、一般会計からの繰り入れということも相当拡大をして参らなければならないわけでございますので、それのために、この特別会計の整備をはかろうというのが趣旨でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 需要の拡大は三十一年からあったのですね。今、三十七年なり八年になって突然として需要が拡大をしたわけではなくて、需要の拡大があって産投資金の本来の資本から入ってくる部分だけでは足りなくなったから、そこで昭和三十一年に資金をつくって三百億の繰り入れをし、それから三十四年度には今度は一般会計からこの会計の歳入に五十億を入れ、三十五年度には一般会計から百二十億を歳入に入れ、三十五年には同時に資金に三百五十億を入れ、三十七年度に二百三十億円とずいぶん入っているわけですね。ですから、それだけずっと入ってきているということは、すでに需要の面からすれば、需要の問題はもう五年も六年も前から拡大しつつあるわけであって、これは今に始まって拡大したわけじゃないでしょう、どうですか。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林説明員 投資の需要につきましては御指摘の通りでございまするが、そういうような状況にかんがみまして、この一般会計からの繰り入れというものがむしろ恒常的な姿である、従って特別会計といたしましては、今までは一般会計からの繰り入れというものを歳入項目に立っておらないというような整備がいたされておらないような状況でございまするので、そういうようなものにつきまして整備をはかりたいということでございます。この前の御質問にも申し上げましたけれども、たとえば食管特別会計の赤字といいますか、歳入不足を補てんいたしまするための繰り入れというものは、予算繰り入れの場合におきましてはずっと食管特別会計へ赤字繰り入れをいたしておりましたが、それはそのつど個別的に立法を相当長い間やっておったわけでございまするが、そういうような状態が続きましたことと、もう一つは、食管会計調整資金というようなものをつくりまして赤字に備えるというよりも、むしろ運転資金を供給し、同時に赤字を減らし、また赤字が出ました場合には、それをもって調整するというような制度をつくりましたのとあわせまして、昭和三十三年度からだったと思いまするが、そういうような一般会計からの繰り入れも、予算でもって御審議をいただきましたときには、その予算の御議決に従いまして措置ができるように特別会計の道を開いたというようなこともございますので、従いまして、ただいまの特別会計の現状にかんがみますると、特別会計の規定を整備するのがこの際適当である、こういうふうに判断をいたしたわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 食管特別会計の話が出ましたから、それでは、私はその食管特別会計の方はちょっとつまびらかにしておりませんから、その事実関係を伺いますけれども、食管特別会計に一般会計からの繰り入れを行なうようになって、今あなたのお話のように毎回法律をもってそれを処理したのは一体何年から何年までであり、調整資金が設けられたのは一体いつであって、そうして今のあなたのお話のような予算によって処理ができるようになったのは一体いつからなのか、ちょっとその経過を一つ伺いたいと思います。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林説明員 ただいまちょっと昔の資料を持ち合わせておりませんが、私の記憶によりますと、終戦直後からそういうようなことをやっておったように記憶をいたしております。なお、それを制度といたしまして確立をいたしましたのは、昭和三十二年度におきまして調整資金を設置いたしまして、そのときに、これは特別に個別立法でその調整資金に百五十億を繰り入れ、それから翌年度の三十三年度からは調整資金への繰り入れも、それからそのほか三十二年度以前に溶きましては、御存じのように食管会計自体が勘定が分かれておりませんので、米麦の売買及びその他の農産物の赤字を一括して、赤字の場合におきましては一般会計から補てんをいたしておりましたが、三十二年度からは勘定を分けまして、米麦の主要食糧につきましては調整資金に金を入れ、その他の農産物につきましては、農産物安定勘定にもし赤字が出ました場合には、予算の定めるところにより繰り入れることができる、こういうような措置を講じたというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 今の問題でお話を聞いておりますと、食管会計としての赤字の繰り入れというものは相当長期にわたって行なわれておったけれども、それはそのつどそういうことで処理がされてきた、そこで調整資金を設けるようになって多少性格が変わってきた、おまけに勘定別の問題も出てきた、そこでそういう新たな方式にしよう、そういうふうに理解をしていいわけですね。どうでしょうか。その恒久的な処理をするようになったのは、今のあなたのお話なら大体そういうふうな理解になると思うのですが、それでいいですか。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林説明員 食管会計の赤字の処理につきましては、今申し上げましたほかに、たとえば決算上赤字が出ましたときに決算上の赤字繰り入れというものはだいぶ前から予算の定めるところにより繰り入れることができるというような規定があったわけであります。今私が申し上げましたのは、その年度におきまして初めから赤字が見込まれるという場合のいわゆる予算繰り入れの措置でありますが、従って食管会計の赤字につきましてはいろいろな制度があったわけであります。それにつきましていろいろな議論が行なわれ、しかもただいま御指摘のような問題も考えられまして、恒久的な制度というものはどうあるべきかという議論の一環といたしまして、もちろんただいま御説明しました処理方法がきまったわけでありますけれども、そのほかの特別会計その他におきましても、むしろその特別会計の性格として基本的に一般会計からの繰り入れの道がある方が適当であるという特別会計におきましては、御議決をいただきました暁におきましては、全部予算の定めるところにより一般会計から繰り入れられるというような制度を設けておりまして、むしろ産投会計のように、一般会計から相当程度毎年繰り入れることが必要である、またそういうことが今後見込まれるというようなものにつきましては、すべての特別会計におきまして、一般会計からの繰り入れ規定というのが現在存在するという状況であるということでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私が今伺っておることは、法制局の方から、一般的な制度として産業投資特別会計法ではそういう繰り入れをすることを認めていなかった、それは恒久的にそういうことをする必要がないというのが理由であったというふうに答弁しているわけです。だからその理由がなかったということは、政策的にいえば、本来これが見返り資金特別会計からの受け入れを資本として運営するということが法律の当初の建前であったから、そこでは恒久的な一般会計から繰り入れるということを予測はしていなかった、ところが、あなたがさつきお話しになったように需要がふえてきた、需要がふえてきたから本来の方に比重がかかっておったから、そこで実は恒久的な理由ということがないから、今のそのつど昭和三十一年以来繰り入れをしてきたのだと私は思うわけです。ここで、たとえば今の食管会計のごときは、調整資金を三十二年度につくったから、昭和三十三年度から今あなたのおっしゃったような予算の繰り入れの措置を講ずることになる。あなたが今言っておられるわけですね。だから、決算上の赤字の繰り入れについては、これはそれ以前から必要があったからそういうことになっていたけれども、予算上の繰り入れについては、調整資金をつくり、そこで性格が変わったからすぐそこでやった。ところが、そういう食管特別会計における繰り入れの形を考えてみるならば、すでに昭和三十一年に資金を設けたときに、それもわずかな額ではなくて三百億繰り入れているわけですね。その次には、三十五年においても資金と両方に対して四百七十億の繰り入れをしておるわけですからね。それなら当然そういう時期に行なわれていいはずのものが、それじゃなぜ行なわれていなかったか。この食管特別会計の方は、三十二年に調整資金を設けて三十三年にすぐやっている。これをなぜやらなかったのですか。やらなかった積極的な理由を一つお聞きしたい。

上林英男大蔵事務官(主計局法規課長)

○上林説明員 御指摘の通り、あるいはそういうときにやるべきであったという御議論も正しい議論であるかと思います。私どもの中におきましても、あるいはこの際、もう今後はこういうような恒久的な制度として特別会計自体を整備したらいいではないかという議論ももちろんあったわけでございまするが、いろいろ考えまして、もうしばらく様子を見てみようかというような気持で、この前の御指摘のような繰り入れにつきましては個別的に措置を講じたわけでございますけれども、今後の見通しといたしましては、先ほどから申し上げておりまするように、相当投資需要というものは拡大して参りまするし、また今後国際情勢その他から申しまして、ますます経済基盤を強化して参らなければならぬというような観点から申しましても、むしろこの際特別会計の整備をはかった方が妥当であるという結論に達しましたので、御審議をお願い申し上げておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと委員長、これからこういう問題は事務当局では無理だと思いますから大臣の出席を求めて——私がここで論議をしたい事柄は、今説明員が答弁しているようなことでは私理解できないわけです。今の話を皆さん聞いていただいてわかるように、これは要するに、法制局が言いますように、恒久的な理由がなかったものにそういうものを入れる必要が生じるようになったということが非常に大きな問題になっている。そのポイントはそれでは何か。昭和三十七年度には二百三十億繰り入れて——三十六年度やらなくて、三十七年また二百三十億も繰り入れた、まさに三十一年から三十七年までこれだけの多額の金を繰り入れておるということは、すでにこういうことは必要であるということにはなっていたにもかかわらず、そのままで来ていたが、ここでやるというのは、何といったってこれはガリオアの返済のために産投の資本として返ってくる部分がゼロになる。そこで要するに、本来の産投会計というものは、今日をもって本来の産投会計のあり方から新たな産投会計のあり方に変わったという判断を私はしている。だから、それはそうなんですということならこれはまた別なんですけれども、それば事務当局じゃ答弁できないですから、大臣の出席を求めて、ここから先は大臣とやることにいたします。  一応そこの問題についてはここで区切りをつけまして、次は、簡保局長おられますか。——私さっき局長の出席を求めたのだけれども、局長は出席できないのですか。

泉美之松国税庁次長

○泉説明員 逓信委員会に出ておられますので……。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 速記を始めて。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 郵政省に一つお伺いをいたします。  簡易保険の事業ですね、これは法律でいろいろと書かれておると思いますけれども、民営の生命保険が片方にあるときに、現在国がやっておりますところの簡易保険という事業の目的としておるところ、それから加入者の分布、都市農村地帯というふうな格好でけっこうですが、その分布、それからその加入者の所得階層の大体のあり方  について最初にお伺いをいたします。

田中鎭雄郵政事務官(簡易保険局長)

○田中(鎭)政府委員 簡易保険事業はお説の通り現在国営でやっております。これは大正五年に創始されたので  ございますが、当時は社会政策の一端という点をねらいとして実施されたも  のでございます。いわゆる簡易保険と申しますのは、無審査、月掛、集金、これが大きな特色かと思いますが、そういう観点から最高制限額は法律できめられておりますし、それから戦前まではこれは政府の独占事業であったわけでございます。戦後独占を廃止いたしまして、民間の保険会社でもいわゆる簡易保険、無審査の生命保険を売り出しておる状態でございます。現在は官民相当分野におきましては同じような一種のいわば競合ということもいわれますが、わが国の生命保険事業の普及の状態ではまだまだ官民相携えて生命保険の分野拡大に努めるということが一般の加入者の保険的保護を厚くするゆえんだ、かような観点から官民両方で現在実施しておるような次第でございます。  それから分布の状況でございますが、私どもの方は現在件数で約四千六百万件ございます。これは一万五千有余の郵便局が取り扱っておりまするので、全国津々浦々に普及しておる、かように考えておる次第でございます。  所得の階層は、これは民間の普通保険はもう何千万というような契約もございますが、私どもの方では現在最高額五十万ということに限定されておりますので、いわばそれに見合う中産階級層を中心とした契約ということが申せると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっとその問題について二、三お伺いをいたしますけれども、一番最後の所得の問題についてあなた方の方で調査をされたことがありますか。

田中鎭雄郵政事務官(簡易保険局長)

○田中(鎭)政府委員 加入者の所得という御質問かと存じますが、今私の記憶では、そういったしっかりした調査をしたものはちょっと記憶にございません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それでは今から論議をいたします問題は、まだ昭和三十九年度くらいにならないとなかなか結論は出ない問題で、まだ時間がありますから、これから一つあなた方の方で、四千六百万件もあることですから、なかなか数は多いですが、適当なサンプルの抽出法を考えていただいて、そうして所得階層については税務署等であとでそれをお調べになれば地域的にはわかることだと思いますから、個々にそのあれを当たらなくても一応税務署でわかる範囲でいいと思いますけれども、まず一つは所得階層の分布ですね。それからもう一つは都市、農村の分布のあり方を一つお調べを願いたいと思います。  私は本日この問題を取り上げましたら、私の考えております方向に行き着くまでは、私が大蔵委員である限りは毎年これを取り上げて成果を得るところまでやる決心でございます。私は大体そういう方針ですべてのことに処しておりますから、これから皆さん本気になって一つこの問題の調査を進めてもらって論議を尽くしたいと思います。  それはどういうことかと言いますと、実はこの前もここで郵便貯金の金利の問題の論議をしたことがありますけれども、一般の市中金融機関と郵便局の郵便貯金というものの性格の差は、やはり私は一般の生命保険と簡保加入者との間に同じ形であるのではないかというふうな推測をしておるわけです。しかし事実は調査をしてみませんとはっきりわかりませんから、まずここで調査をして現在の実態を明らかにして、どういう人たちが簡保の加入者であるか、それがどういう形で民間生命保険に入っておる人たちとの間で差別をされておるかということを明らかにして参らなければ、私がこの問題を取り上げた趣旨を貫徹することはなかなか困難であろうというように考えますので、まず簡保当局側のそういうことに関する調査を願います。  それからちょっと伺いたいのは、大蔵省は生命保険は銀行局ですね。ですからちょっとあなた方ではわかりにくいかもわかりませんが、たしかこれは簡保の方が御存じかもしれませんが、さっきの無審査、月掛、集金ということは、今お話しのように民間もやっておりますね。たしかこれは最高三十万円が民間は限度ではなかったかと私は記憶をしておりますが、あなたがおわかりならば答えていただきたい。

田中鎭雄郵政事務官(簡易保険局長)

○田中(鎭)政府委員 民間でも最高五十万でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、この問題については、民間もあなた方も競争のベースは完全に同じだということになりますね。何か民間とあなた方との差のあるものがありますか。今の無審査、月掛、集金、最高五十万、これは簡保も五十万、民営も五十万なら同じベースでの競争をすることになると思うのですが、何かそれ以外に特に民営のものと簡保の変わっておる点がありましたら伺いたいと思います。

田中鎭雄郵政事務官(簡易保険局長)

○田中(鎭)政府委員 契約の内容の点につきましては、全く同じとは申せません。たとえば倍額支払いの条項とか、そのほかいろいろ条件があると思いますが、そういう点を別として、大体同じベースでやっておるということは申せると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 今の倍額支払いの条件というのは、民営の方にあるのですか、簡保の方にあるのですか。

田中鎭雄郵政事務官(簡易保険局長)

○田中(鎭)政府委員 これは両方にございますが、簡保の方では、いわゆる表定保険料が民間に比べまして——これは月々の集金、いわゆる契約の保険料でございます。それは簡保の方が若干低いのでございますが、民保の方は配当、これは不確定でございますが、配当を加味いたしますと、正味の保険料では簡保の方が高い、そういう点がございますので、簡保の方としては、考えた結果でございますが、倍額支払いにつきましては特別の保険料をとらないで、一定の条件のもとに倍額支払いをする、民間の方では、それにつきましては特別の保険料をとる、こういった差異でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると差異があるのは、今のが最大のものだろうと思いますが、その倍額支払いの条件と、いつからこの制度ができて、過去においてどれくらいそういう頻度があるわけですか。あなたがお答えになれないときは、もっと下の方でもいいです。

田中鎭雄郵政事務官(簡易保険局長)

○田中(鎭)政府委員 倍額支払いの制度は、二十四年に法律の全面改正をしたときから入っております。その件数につきましては、今資料を探さないとちょっとお答えいたしかねますが、もし御必要でしたら、後ほど資料として提出いたします。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それで支払い条件の内容ですね、どういうときに倍額を支払うかという内容をちょっと……。

田中鎭雄郵政事務官(簡易保険局長)

○田中(鎭)政府委員 これは契約の効力発生後二年を経過した後におきまして、いわゆる災害によって死亡した場合には保険金の倍額を支払う、こういうことでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、民間の保険、さっき毎月の保険料は簡保の方が安くて、民間の方が高い、しかし配当というものがないから、結果としては保険料は簡保の方が高くなる、こういうことでしたが、それを利回りという格好でもよろしいですから、簡保と民間との差を利率のようなもので出して下さい。

田中鎭雄郵政事務官(簡易保険局長)

○田中(鎭)政府委員 三十六年度決算におきまする運用利回りの比較を申し上げますと、簡保が六・二六%、六分二厘六毛でございまして、民保が八・九〇%、八分九厘、それから正味保険料の比較でございますが、これは契約の種類によっていろいろ差異がございますが、二十年満期というものをとってみますと、民保に比べまして簡保は一三九%、三割九分高い、こういうことになるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで大蔵省によく聞いていただきたいことは、今ちょっと調査がされていないために、どういう加入者であるかということがよくわからない点が一点ありますけれども、一万五千の郵便局が末端において保険事業をやっている格好がありますから、やはり分布はきわめて全国的に広がっている。ですから、どちらかというと、民営の保険の方は都市の方に比重がかかっているではないか。これはよくわかりませんが、財務調査官がいるから、その点そちらから答えていただきたいと思いますが、私はそういう感じで見ているわけです。  それで今の日本の分布の問題として見ると、大体農村地帯と都市部における国民所得の分布というのは、都市部が一〇なら農村部は大体五というのが今全体としての大ざっぱな所得の分布のあり方です。ですから、低所得者というものの中には、現在の非常に高度成長のいろいろの恩恵に浴さない人たちがたくさんいる。郵便貯金のときにもそれを私は非常に論議しているのですが、貯蓄のあり方という中に、これは企画庁も出しておりますが、所得階層によって、所得の低い人の貯蓄ほど利率が低い、そうして所得がたくさんある人ほど高利回りの運用ができるという形が具体的な数で出ております。きょうは私資料を持っておりませんが、ちゃんと出ているのです。さっき簡保の方から説明があったように、保険運用利回りで民間は八分九厘である、それから簡保は六分二厘六毛である。ですから正味保険料としては二四対一〇〇だ、要するに逆に四割も簡保の加入者というものは、民営保険に入っていないために不利を招いているというふうに判断するわけです。その点について財務調査官の方でどう思いますか。その不利は間違いなく不利だと思いますが……。

柏木雄介大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○柏木説明員 都市と農村で民営保険の分布がどうなっているかという数字は、実は持っておりませんが、農村部にも非常に多くの支部、支社がございます。外務員の数も農村に相当数ございますので、郵便局に比して特に民営保険の力の入れ方が少ないというふうには思われません。実のところ分布の数字的なものを今持っておりませんので、はっきり申し上げかねるのが残念でございます。従って、農村において、農村の方は簡易保険しかなくて、民営の保険に浴する機会がないということはないのではないか、やはり農村の方が自分の判断で、簡易保険にいかれる方はいかれるし、民営保険にいかれる方はいかれるということになっておるのじゃないかと思います。  それから資産の運用利回りの点でございますが、これは資産の運用の仕方が違う関係上、必然的にある程度こういう差が出てくるのもやむを得ないじゃないか、その結果二十年契約において相当の実質保険料の差が出るということも事実かと思います。これは先ほど申し上げましたように、農村において民営保険に入る機会がないのではなく、農村の方が簡易保険にいくか、民営保険にいくか、これは御自分の判断でされるので、高利回りの保険に入る機会を与えていないということはないと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 おっしゃるように、今自由の状態でしょうから、それは確かにその地域における加入者の判断によるところだろうと思います。ただ、私はこの問題を見ながら非常に感じますのは、一般的に低所得の人は教育も必ずしも十分でありませんから、一体民営の保険とそれから簡保とが二十年もので四割も結果として保険料が高いなんということは知らないと思うのです、率直に言って。だから、これがほんとうに農民なり低所得の人のためなら、私は声を大にして簡保はもうやめなさい、あなた方のかけておるそのわずかな金の中で四割も違うのだから、ともかく低所得の人は簡保は一つみなやめなさいということをわれわれの党は声を大にして全国に遊説をしたいと思うのです。そしてあなた方は民営保険にみなお入りなさい。そうすればあなた方の零細な掛金が四割たくさん返ってきますという宣伝を、私どもが党の方針としてきめてこれを本式にやるならば、この真実の姿を知った農民とか低所得の簡保の加入者の人たち全部が簡保に入る気になるでしょうかね。これは政治的な答弁になるから答えていただくわけにいきませんが、私は簡保に入る人は激減をするだろう。実はこの事情を知らないでいるために、簡保の方にいろいろなこれまでの関係か何かで入っておるから今こうなっておるのであって、これは非常に重要な問題です。ところが一面において国の要請として考えるならば、やはり財政投融資計画の原資として簡保資金というものはきわめて重要な柱であるということも、これもまたわれわれ大蔵委員としてよく承知をしております。だから国全体のそういう財政運営の立場からするならば、ただいまこういう事実があるから直ちに簡保をやめなさい、民営にいきなさいとわれわれが言うわけには、私自身の気持としては言いたいけれども、ちょっと差し控えておこうかということが、国家的見地に立って考えれば起きるわけです。ところが、ここで私は今の簡保の中のいろいろな問題を少し調べてわかりましたけれども、簡保当局は今いろいろな運用資金の関係で希望を述べておるようでありますが、私どももその点同感なのは、何とか簡保の利回りを上げてあげたいということは、これは簡保当局として当然であるし、われわれ大蔵委員としても、これはなるほどこの担当は逓信委員会かもしらぬけれども、やはり広範な貯蓄という観点からするならば、そういう低所得の人たちの貯蓄に対してできるだけ高利回りをもって報いるということは私は当然だと思うのです。そこで私のそういう原則的なものの考え方に対して、理財局としては当然財政投融資を考えるわけだから、財政投融資の原資の拡大ということ々二つの方向として考えざるを得ない。それを考えなければならないのならば、利回りを上げる方法をもっと積極的に考えるべきではないかと私は思うのです。どうでしょうか、その点は。

稲益繁大蔵事務官(理財局長)

○稲益政府委員 基本的には今堀先生お話しの通りだと思います。ただ先ほどお話がございましたように、簡保が三十八年度で申しましても千六百億という財政投融資の非常に大きな原資になっております。御承知のように財政投融資の融資対象は、ことに特別会計、政府関係機関、公団、そういったたぐいの機関になっております。これらはいずれも、いわゆる低利の長期の資金を要求しておる。こういった運用先はできるだけ低利にしたい。ところで今度はそれの原資になります簡保の方では、保険加入者に還元する意味においてできるだけ利回りをよくしたい、いずれも理屈があるわけです。私どもとしましては、できるだけ財投の原資としての役割を果たしながら、その範囲内でできるだけの運用利回りの向上をはかりたい、かような考えでずっと従来ともやって参っておるわけであります。総体の利回りとしましても、ここ数年見まして逐次向上はいたしておるわけであります。従いまして、引き続き今後も可能な範囲でそういう運用利回りの向上をはかって参りたい、かような考え方であります。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 関連質問の申し出があますりので、これを許します。岡田修一君。

岡田修一自由民主党

○岡田(修)委員 ただいまの堀委員の御質問に関連いたしまして、私も一言私の意見を申し述べまして大蔵当局の御考慮を願いたいと思います。  それは、ただいま堀委員が言われたように、民間保険と簡易保険を比べまして非常に簡易保険が不利だ、簡易保険が創設された当時は、保険思想があまり普及していない。ことに農村部においては現在は、先ほど柏木調査官が言われたように、民間保険においても農村では相当加入の違いがある。民間保険の組織ができておる現在はそうでしょうが、もとはそういうものはなかった。従って、この簡易保険の創設ということは、一般に簡易保険思想の普及とかそういう面に非常に役立った。今日におきましては、これほど民間保険と簡易保険の差ができますと、簡易保険の存在理由というものははたしてどこにあるだろうか。ただ先ほどお話に出ましたように財政資金の確保という点だけにその意味があるのではないか。理財局長は、簡易保険の契約高がどんどんふえているのではないか、こう言っておられますが、これはただ単に自然に放置してふえているのではない。それは郵便局員のほんとうに血のにじむような努力でふえておるのですよ。先般も私のうちへ郵便局の人が二人も三人も来て一時間も二時間も粘っておった、私は何を家内がごたごた言っているかわからないので何をしているのだと言いますと、ちょうど二十万円の保険が満期になった、そうしてそのあとのものをかけてくれということだったのです。私の家内は、私が元郵便局長をしておりまして郵便局には非常になじみを持っておるものなんだが、そんな簡易保険にかけるよりはもっと有利なところへ入れるのだ、こんなものはもういやですと断わっている。それを二時間ぐらいがんばっている。それでどうしたものでしょうと言うから、それは入ってあげなさいというので入った。私のうちのような家庭でもそういう状況なのです。一般の家庭ではおそらく簡易保険の勧誘ですと言ったら、もうお断わりですと言って締め出すのが普通なのではないか。それを郵便配達か何かで各戸に非常になじみがある。だからまあ御苦労さんだから、それに免じて入ってやりましょう。ほんとうに血のにじむような努力でふやしておる。こういう点はよく大蔵当局としてはお考えになって、できるだけ民間保険に近寄るようにやっていただきたい。私は郵政省の事情もよく知っておりますし、あなた方の立場も大蔵委員会におりましてよくわかる。だから皆さん方の立場において——金融秩序を乱すとか、融資の内容が放漫になるとか、いろいろ理由がありましょうけれども、やはりそれはもっと何し得る限度があるのじゃないかと思うのです。そういう点をよくお考えになって——私は先般も財政部会でしたか通信部会でしたか、大蔵省の方が来られたときに言ったのだが、昔の地主みたいに、働かしてそうして集めた金を自分たちで適当に動かす、集めてくる者の努力なり血の出ような苦心の点をもう少し買ってやったらどうか、こういうことを申し上げたのだが、そういう点を一つ十分に考えていただきたい。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私も今の岡田委員のお考えに全く同感です。  そこで、なるほど財政投融資の原資としての簡保の問題というのは非常に重要でありますから、これを一ぺんに民営と同じようなところへ持っていくことは無理だと思うのです。しかし現状は、あなた方は過去における一種の実績の上にあぐらをかいて、ともかくもいかにして安く簡保資金を使うかということの方に比重がかかっておる。その第一点は、これは簡保当局がしょっちゅう言っておるようでありますけれども、最初に入ってきたものの資金運用部における預託の問題、約一四%内外の簡保資金が一年間は運用部に預託をさせられる。あれは大体長期積立金の一部ですから、一年になれば返ってくるにしても、過去においてはあなた方はこれに対して四分五厘しか利子をつけていない。昭和三十六年に、いろいろと問題があって、ようやくあなた方は特利をつけた。私はこの特利のつけ方がわからないんです。これは一体何を根拠にして——要するに当年度と前年度との関係で、前年度分を上回ったときにだけ満額つける、それが下がってきたらつけないというようなルールを三十六年にきめたようですが、これはもう全然わからないのですけれども、この根拠を一つ私が納得できるように話して下さい。

稲益繁大蔵事務官(理財局長)

○稲益政府委員 三十六年から特利を始めておるわけでありますが、御承知のように簡保の資金が資金運用部の方に預託されます。これはおおむね一年で一応出されます。特利をつけました理由は、基本的な考えとしましては運用部でもって預かりまして、運用部でもってそれが長期に回せるものかどうか、そういう観点から、つまり預託が増加するという状態の場合にはそういう資金として長期に回せる、長期に回しますとまた運用利回りも高くなりますので特利をつける、こういった基本的な考え方をとっておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それならそのことはわかりました。  そこで、それではなぜ一年間は運用部へ預託をしなければならぬのですか。あなたはさっき金利を上げる方向については原則的には賛成した。今お話のように特利をつけても六分ですからね。そうすると今資金運用部の資金の平均利回りは一体幾らですか。

稲益繁大蔵事務官(理財局長)

○稲益政府委員 六分三厘でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 平均利回り六分三厘のものに、今私の言うようにわずかでも利率を上げてやるべきである。運用部の方へ回したときは特利をつけても六分じゃないですか。一体この三厘言いうのはどういうことになるのですか。これだけは少なくともあなた方は必要以上に簡保資金を安く使っておると言われても仕方がないと思いますが、どうですか。

稲益繁大蔵事務官(理財局長)

○稲益政府委員 仰せの通り、簡保の分につきましては特利でも六分、資金運用部資金の利回りが六分三厘になっておりますのは、いろいろな長期の金をほかから預かっておる、そういうものには最高六分五厘までの利子を払っておるわけであります。そういった全体をカバーする見地から、一応今のところ特利として六分であるということで現在はきめておる、こういうことでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、ここで何が問題かということになると、なぜこれだけのものをワン・クッションをつけて運用部へ入れて使わなければならないかということがここで問題になるわけです。ということは、運用部自体が運用しても今六分三厘というわけですね。そうすれば、これはちょっと簡保の方に聞きますが、運用部の六分を除いた残部の運用利回りは一体幾らになりますか。計算したことないですか。

田中鎭雄郵政事務官(簡易保険局長)

○田中(鎭)政府委員 これから運用すると言いますか、その場合には最低が六分五厘でございます。それから運用部の六分を除いた点は今ちょっとお答え申し上げかねます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 率直に雷って、簡保局長、これからあなた方はもっと真剣に勉強してもらいたいのですよ。なぜかと言うと、これの概算は計算すればすぐ出ますけれども、現在の資金量の中からあなた方が契約者貸付をしておられる分が六分ですね。この契約者貸付は六分でなくて五分でも三分でもいいのです。これは裏返して言えば契約者のために役立つのだから、幾ら下がってもいいけれども、これはウエートは小さいわけですね。そうすると、ともかくも六分五厘以下で出ているものは運用部の金だけですよ。あとは全部六分五厘以上ですからね。これを除けば少なくとも六分七厘になるか八厘になるか、最低が六分五厘で、あとは七分一厘なり七分八厘なりウエートの高いところに行く。これは今計算がないから仕方がないのですが、そういう計算をふだんしておいて下さい。  そうすると、さっきのあなた方の平均運用利回りの六分二厘六毛ということは、まさに一四%の六分というもののために起きておることであって、もし資金運用部に預け入れないとするならば、六分六厘になるか七厘になるかはともかくとして、六分五厘を上回ることは間違いないですね。どうですか。その点は間違いないですね。

田中鎭雄郵政事務官(簡易保険局長)

○田中(鎭)政府委員 これから新たに運用する場合には、契約者貸付を除いて最低六分五厘でございます。ただ既往の現在持っております国債とか、それから地方公共団体の低利な貸付というようなものがございますので、その点もやはり考慮を払わなければならないと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 あなたのところの長期国債は、ウエートでは〇・三です。それから短期国債は〇・五です。地方債券は〇・一ですね。全部合わせて一%で、それが五分、六分二厘六分三厘でありますから、こんなものは全体と関係はないですよ。だから問題は、一四%か一五%になるところの運用部が完全に六分だということが決定的な理由だと私は理解する。そこで、理財局長いいですか、なぜこれを運用部に入れないでそのまま簡保資金として置いておいて——この前も私ちょっと皆さんと話をしたときに、大蔵省としては資金の一元的運用がくずれると困るからとにかく現状でいきたいのだというような雑談の中での話を聞きましたが、私も資金の一元的運用及びこういうものが金融に関係しておりますから、金融政策上の一元化の問題についても、そのマネージを大蔵省がすることについては私は反対はないわけです。ただ一ぺん資金運用部の中へ入れてワン・クッションを置いてマネージするか、簡保資金の中へ置いておいて、あなた方が現在の財投の中で使っているようにマネージするということなら、私は運用面としての一元化の問題には抵触しないと思うのですが、その点どうですか。運用部に入れないで簡保資金のままでそこへ積み上げてそれを財政投融資で運用する、それは多少その一元化の問題に関連がありますか。

稲益繁大蔵事務官(理財局長)

○稲益政府委員 国庫金と申しますか、そういった各特別会計で出てきますものは一元的に運営するというのが基本的な考え方でございます。仰せのように、それだけならば管理運営面を直接大蔵省が握れるならばいいのじゃないかということでありますと、その点は確かに検討しなければならぬかと存じます。ただ、通例の場合を申し上げますと、各特別会計がそういう姿で余裕金を運用部の方へ持って参りませんで、これは簡保だけではございません、ほかの特別会計でもいろいろあるわけでございますが、運用をそれぞれ独自にやりたいということは、どこでそういうあれを切りますか、非常に困難であります。また、その特別会計がそういった姿でそれぞれにたくさんございますから、それぞれに独自の運用をするということになりますと、これはまたなかなか金融政策と申しますか、運営面でいろいろな混乱を生ずるおそれがあるのじゃないか、そういった点を考えますと、軽々にまだまだワン・クッションを置くこと自体をいけない、こう判断すべきものでもないのじゃなかろうか、私どもはかように考えております。慎重に検討すべき問題だと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 全然説得力がないのですよ。それはなぜかというと、私も預託金をゼロにしろとは考えません。やはり一種の準備金的なものとしてある程度のものを置くべきであろうということについては、私も常識論としてはわかるわけです。しかし、全体の資金量の中の一四%にも当たるものを、それを運用部で一年寝かさせるということは、さっき私が言うように、民営との間にわずかの差というのならまだいいのですよ。二十年もので四割もの差ができているこの現在の時点では、私は、あなた方はもっと簡保の加入者の立場に立ってものを考えなければならぬというのです。あなた方はともかく運用の方だけやっていればいいということでは、あなた方の仕事は勤まらぬと私は思う。やはりその原資がどういう格好で出てきたか。今岡田さんの言われたように、原資を得るについての職員の努力もあるだろうし、いろいろあるものを含めて、その経過の中で加入者の、——これからの調査の結果わかると思いますが、割に低額の所得者が多いと判断をしておるものに対して、当然払うべき配慮が払われていない。だから運営については、私が今言うように、簡保資金のあとの残りだって簡保のみで独自で運用しているわけじゃないと思う。これは財政投融資計画の中にみんな入っているわけだから、理財局が運営の主体を持っているわけだから、後段の方でお話しになったように、そんなことにはなりっこない。そんなことにしろと私も言っているわけではないわけです。一元的な運用ということは、私が提案しているようなことでできるはずです。簡保に対してそれをやっていないということは一体何かというと、あなた方のものの考え方が安い原資をできるだけたくさん使いたいということばかりに比重がかかって、そうでない今の加入者の立場なり、その原資を得る人たちの立場についての配慮が足らな過ぎるからです。だから、もっと私は公正な立場でものを言っておるわけだから、もしあなた方の方でそういう配慮をいつまでもしないというのなら、これはもう国の財政なんて言っていられない。われわれは加入者の利益を守るということを大々的にやらなければならぬと思う。これはおどかしているのじゃありません。ほんとうの意味で、政治というものは私はそういうものだと思う。あなた方は行政の担当官だから、ともかく内部のことだけを考えておれば、要するにできるだけ安い原資の金を持ってきて、これを財政投融資の中でできるだけ安く回せばいいのだということに努めるかもしれないが、けれどもわれわれ政治を担当しておる者から見れば、国民生活の中でものを見なければならぬから、当然そこにはまず加入者の立場、これは国民の立場ですから、この国民の立場というものをまず第一に考えて、その人たちの個々の利益の問題と、全体としての国民の利益の問題というものの中に、調整はありましょう、ありましょうけれども、これまでのあり方は、やや運用の方に比重がかかり過ぎておると私は思うのです。だから、今後の問題としては、これは今の予算はもうこうなっておることだから、この問題の結着は、三十九年度予算で財政投融資計画を組むときに、つけたいと私は考えております。これについて、私が特に三十九年度を考えておりますのは、今後の資金の入り方は、実は今解約が非常に集中してくるために、昭和三十九年度は約二百億ぐらいしか新たなものは入ってこないのじゃないかというふうに予測をされるので、一番少ない時期に思い切った処理をしていかなければ一それからふえてくれば、あなた方としては原資がふえてくるのにこれをみすみすまた高い金利に回すのではかなわぬということになりかねないから、これは川中さんを含めて与党の皆さんも一つ真剣に頼みます。これは与党の諸君も、今私が言っておること自体は間違ってないと思うと思うのだ。だから、これは一つ与党を含めて——この法律が出ていないのにここで決議もできないと思いますから、そういうことは私は提案をしませんけれども、少なくとも昭和三十九年度からは必要最小限度の準備金的なものを運用部で運営をする、運用部に預けさせる。それは逆にいうならば簡保加入者のためにやることであって、運用を目的としてやるわけではないけれども、その必要最小限度だけは運用部で一応預かりましょう(「コールみたいなものに……」と呼ぶ者あり)そうです、コールですよ。もうコールのようなもので、あとはともかくあなた方が特にこの財政投融資の中で——これはちょっと見るとどういうことになっているかといいますと、これはあとでまた資料をもう一つ検討していただきたいのですが、資金運用部から出ておるものが、要するに、たとえば七分一厘なら七分一厘のものが資金運用部としては一体幾ら出しているか、簡保は一体幾ら出しているか、私はこれを見て計算ができないからわかりませんけれども、一体資金運用部の金の方がこの財投の中で高率ならいいのか。利回り関係の資料を私はさっき要求したが、それはそこに関係があるわけでございますけれども、簡保の資金がいっている方が利回りがいいのか、これではわからないのです。だから、私の考えとしては、もちろん運用部の方も郵便貯金の問題等もありますから早々一方的にはいかないと思うけれども、ともかく少しでも利回りのいい方に簡保資金を回してやるという配慮をまず第一点としてやり、第二点として、今の資金運用部資金に入れる問題の整理をしたら、一体どこまで金利が上げられるのかどうか、運用利回りが上げられるのかどうかということを、一つ簡保と両方で資料として一ぺん出してもらいたい。これは現実の問題として、そのことはさっき私が言っておるように、資金の一元的運用を妨げる目的でもつて言っておるのでは決してなくて、一にかかって、同じワクの中でなら、簡保の加入者に対して高利回りのものをできるだけ与えるようにしなければならない。それでなければ民営との差がひど過ぎる。片っ方の郵便貯金とその他のもので比べると、これはそんなに、これほどの差はないわけです。利回りの点で、民間の金融機間と郵便貯金の間ではこれほどの差がないのだから、まず私はこの簡保の問題の運用については、一つ真剣に検討をこれから始めてもらいたい。そして三十九年度には、こういう今のあり方を改めて、何とか一つ利回りが上がるようにしてほしいと思います。  それとあともう一つ、簡保当局の方では電力債を何とか買えないかということを論議をしておるようですね。それで、今財政投融資では、資金運用部から開銀へ今度は七百五十八億入れるのですね。それから今度は開銀が電力債を買うというワン・クッションを置いているのじゃないかと思うのですが、ちょっとそこを……。

稲益繁大蔵事務官(理財局長)

○稲益政府委員 今の点は、開銀に何と申しますか財投の金が出まして、開銀から電力会社には六分五厘で貸し付けております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、電力会社に六分五厘の融資のようです。ところがこれが社債になればたしか七分四厘くらいになるのですね。そうだと思うのです。それで電力債を何とかならないかということは、今後この政府保証債の問題については日銀の買いオペレーションが相当行なわれる将来の見通しからするならば、市中銀行が相当これを買っても、将来あとの道が通じているわけですから、一応日銀の買いオペレーションの対象になっておるから、必ずしもそういう部分についてはこちらでめんどうを見なくても処理ができる方向に、今後だんだんいくのじゃないか。そういうことになれば、当然として電力債の問題というものは、買いオペレーションの対象にもなっておるわけだしするから、政府保証債あるいは金融債等に次いでの、要するに比較的安定をした債券ということになって、その他のものに比べて高利回りであるということになれば、この電力債についての運用の問題等も、それを開銀を通じて融資をする道を選ぶのか、それを財投でできるのかどうか私もよくわかりませんが、そこらの運営はあなた方が判断をしてやればいいことだけれども、一部そういう電力債等にも資金を振り向けることによって、要するに運用利回りが少しでも上がるという道を私は少し真剣に検討してもらいたい。簡保の問題については、逓信委員会では論議があったかもしれないけれども、大蔵委員会としては、こういう論議をするのは私がおる間は初めてなのですから、今日を契機として、ともかく何らかの形で、現在われわれが常識的に考えて支障のない範囲——今の一元的運用というようなことについてまで私は簡保にやらしたらいいとは思っておりません。これは理財局がやればよろしけれども、その範囲内において最大限の利回りを考える方法を今後一つ真剣に検討してもらいたい、こういうように思いますから、この検討を進めてもらいたいと思います。ですから私がさっきそれに関して資料を要求したわけですから、この財政投融資計画のワクの中でいろいろと工夫をしてみたら一体どうなるのかということは、一つぜひ考えてもらいたいと思います。  それから、財務調査官の方に伺いますけれども、民営と簡保の関係ですね、利率がこれほど違うわけですから、財政的な問題として考えるならば、別に私は民保の方を制限しろと言うのじゃないのですけれども、何かもうちょっと、民保に比べて簡保が有利になるような保険的な考えといいますかね、今おそらく災害があったら倍額払うというようなのを、これをもっと——災害があれば低所得の人は非常に気の毒なのですから、これを少し大幅にやるというようなことですね、これは私どうなるのかよくわからないけれども、おそらく簡保のこういう制度の改正は民保との関連が出てくるから、あなた方の方にも問題があるのじゃないかと思うのですが、そういう場合に簡保は非常に有利だという何らかの工夫をして、もうちょっと簡保の加入者の優遇策を講ずる方法がないかどうか。それは民保との関係で、おそらくそれを三倍にするなどということになると——三倍がいいのか何倍がいいのかわからないけれども、倍額じゃ少な過ぎるから、これをうんと一つふやしてやれば、災害によってそういう事故があったということになれば、あとの人は助かるわけだし、低所得の人は当然たくわえ等も十分でないと思いますから、そういう点を考える場合には、今後、どうでしょうか、民保との関連……。

柏木雄介大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○柏木説明員 簡易保険制度ができましたときは、簡易保険は少額保険について独占事業でございまして、その他の民保と簡保とは完全に分野を異にしておったわけですが、戦後は、いろいろな関係で民営保険も少額の保険を扱うようになりまして、それが戦後の所得水準が低かった関係上、民営保険も非常に力を出しまして、低所得層における普及をはかったわけでございます。それが今日非常な成果を生んでいるわけであります。従いまして、そもそも簡保に一定の分野を確保しなければならぬというような考え方を今日とるべきかどうか、かなり問題があるのではなかろうか。やはり今日の自由主義体制のもとにおきましては、民営保険が力を出してやっておる分野におきまして特に制限を加えるというようなことは、私は適当でないのではないか。そういたしますと、今度簡保におきまして特に何か工夫してやるということになりますと、これも、独占的な何か種類をつくるということになりますと、先ほどの理念と相反するのじゃないか。むしろ、先ほど岡田先生からお話がありましたけれども、簡易保険というものが一体どの程度の存在意義というか、金融機関としまして存在意義があるのかという点になりますと、実はかなりむずかしい。それはやはり戦争前ならばとも於く、戦後の今日の体制では、ある程度民営保険の方が伸びていくというのが自然の姿じゃないか。実際簡易保険の保険の種類を変える問題につきまして、郵政省の方から私の方に何も正式に相談がございませんし、私の方で、正直に申しまして、ああしたらいい、こうしたらいいというサゼスチョンをする余裕というか、それだけの知恵もないのでございます。今急にここで、簡易保険を伸ばしていくという名案があるかどうかは、ちょっと持ち合わせておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 あなたのお話で聞いていると、確かにもう簡易保険は要らないのですよ。だから、要らないということならいいのですよ。私どもの方でも、そういうふうに大蔵省の内部で、現状では存在価値というものは少なくて、民営の方が伸びればいい。それはその通りですよ。私も、何も今簡保を特別にどうしようというのではないのです。しかし、そういう反面、片一方では財投の原資に金利の安い金を使いたいという虫のいい話があるでしょう。だからどこかで調整しなければ、われわれは黙っていられないわけです。だから、三十九年度予算において、少なくとも理財当局が誠意があってやったということが認識されなかったら、予算案の発表と同時に、私は、社会党の機関紙その他党の総力をあげて、簡保の実態を日本国じゅう津々浦々までわれ。われの国民運動として徹底させて、簡保には入りなさんな、あなた方は四割も損をしますよという運動を徹底的にやるつもりです。だから一つ大蔵省全体として、今の調査官のように存在価値なしというのならば、私はそれでもいいのです。どっちでもいいのですから、存在価値があるのならあるようにしてもらいたいし、ないのならないようにしましょう。私はこうするとは言わない。だからこれは一つ今後の宿題としておきます。私どもが徹底的にやれば入ってくる人はなくなります。われわれは事実の数字を全部あげる。今二十年ものでこれですから、これは一つ一つ全部われわれあなた方に資料を要求して調べる。これは当然のことです。これを民営保険との間に全部区別をつけてどんどん演説会でやる、ビラを全国に配る、これをやったらどうなりますか。だれだって強制しないのだから、片一方に利のいいものがあって片一方に利の悪いものがあるならば、今の世の中で、だれが国のお役に立ちましょうといって四割安くてもとにかく簡保に入りましょうという人間がありますか。あるはずがないですよ。ですから一つきょうを皮切りにして、これはあなた方真剣にやってもらいたいし、その成果が三十九年度予算においてわかったら、われわれは今申し上げたような方針で徹底的にやるということを一応申し上げておいて、あと郵政大臣との問題を残して一応この質疑を終わります。  それから産投会計につきましては今資料を要求しておりますものが出まして引き続き財政投融資全般の問題としてもちょっとやらせていただきます。

柏木雄介大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○柏木説明員 今の利回りの点につきまして一つだけ補足させていただきたいと思います。民営保険の予定利回りは三十六年度は八分七厘でございますけれども、やはり年々低下する傾向にある。つまり今日ただいま八分七厘ということでございますが二十年間金利が一体続くかどうか。金利情勢の予測はむずかしいのでございますが、長期的に見ればやはり下がっていく傾向があるのじゃないかということはいえると思います。一方お話のように、簡保の利回りはむしろ年々上がってきている。でありますから、簡保と民保との利回りの差は前よりは少なくなってきておるということでございます。従いまして、先ほど正味の保険料の差が三九%という簡易保険局長のお話がありましたが、これは今日の金利が向こう二十年間続けばその差が出るというわけでございまして、民営保険の方の金利が下がってくればその差はせばまっていくという傾向を持っておるということでございます。  それからもう一つは、民営保険の高い利回りの結果、相当金額の契約者配当をしておる。それが先ほどの正味保険料を安くするゆえんでございますが、この配当が相当ある。その金額を契約者に示して募集するということは、一種の予想配当と申しますか、そういう配当が一体ほんとうに入るのかどうかわからないのに、そういうことを宣伝するのは、むしろ適当でないということでございまして、保険募集の取締に関する法律と申す法律がございまして、そういう予想配当を言って募集することは禁止しているわけであります。従って保険会社の方が募集に行くときには、民保の方の予定利回りはこれだ、配当はこれこれだという予想を立てて募集することは押えておる。その点だけ補足させていただきます。

稲益繁大蔵事務官(理財局長)

○稲益政府委員 これも補足でありますが、できるだけ簡保の利回りをよくするように努力しておるのだということを申し上げましたが、ちょっと数字で御参考までに申し上げておきます。三十四年度、これは実績でありますが五・九一%、三十五年はこれが五・九三%、三十六年は六分二厘、三十七年、三十八年につきましては実績ではございませんが、一応われわれの現在考えております通りに参りますと六分三厘、六分四厘、こう上がって参る予定であります。  それから、先ほどちょっとお話しの途中でありました七分以上程度の高利回りのものは、これをどの程度の割合で簡保なり運用部でやっておるかという点でありますが、三十七年度で申し上げますと、利回り七分以上のものが占めます比率が、簡保では二七・三%、これが三十八年度には三三・七%、こういうふうに向上さしていくつもりであります。その際の運用部の方で占めますそういう利回りの高率なものの割合は、三十七年度で六%、三十八年度で六・九%、私どもとしましては、財投の中でも、簡保の特殊性にかんがみまして、できるだけ利回りのいいものを簡保の方に差し上げるという運用はいたしておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 だんだんと質疑をさしていただいておると、われわれも賢くなります。今おっしゃるように、なるほど民保はそういうことを宣伝はできない。それは勧誘についての宣伝ですね。しかし現実に今の時点で見ればそういう事実はあるわけです。そうすると、民保は宣伝しちゃならぬけれども、われわれが宣伝することは自由だから——別にわれわれは民保から金をもらおうとは思っていないけれども、これは被保険者のためだから言う。ちょっと財務調査官の考えでわからない点は、金利が、民保の方もだんだん運用利回りが下がってきたとおっしゃる。なぜ下がるかというと、全体の金利水準の関係でしょうね。それじゃ、片方の民間の金利水準の関係だけは下がってきて、財投原資がやっておる方は今のままでストップしているか、そんなことはあり得ないと思う。これは日本全体の金融政策として、長期債のあり方なり、借入金のあり方なりがここへ出ておるですね。そういう際には当然金利を下げなければバランスはとれてこないわけであります、金利全体の問題として。それが減るということはこのごと自体の中では議論にはならないわけであります。ただ運営のやり方がいろいろ変わって、その運用利回りが変わるというならば問題は別だけれども、しかし民間のものは、やはり資本主義経済の原則に沿って各社とも最大の利回りをはかるべく努力をしておるし、簡保の方は努力をしても対象が低いし限度がある。これは、最近簡保の方は上がってきたといわれれば、私はそれは認めます。認めますけれども、その中身の中には運用部の問題を度外視していいのじゃないか。運用部の運営する問題をはずせば、この時点でまだわかるのです、私がさっき申し上げたように。ともかく六分で出ているものは簡保の運用部に行っておる一四%と、あとは契約者貸付、これは幾らですか。今契約者貸付に出ておるものの全体の比率は。

佐々木久雄郵政事務官(簡易保険局運用課長)

○佐々木説明員 七%です。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 契約者貸付は六%でもいいし、五%でも私はいいと思っておる、そのことは還元ですから。このことはいいけれども、あとの一四・五%の問題の中に、これを最低六・五%にできる道があるのだからこれは一つ積極的に考えてもらいたいということでありますけれども、一応ここで午前中の質疑を終わります。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 午後一時三十分に委員会を再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時四十九分休憩      ————◇—————    午後一時四十五分開議

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑を続けます。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 午前中の委員会で簡易保険の原資につきまして現在大蔵省で運用部に一年分は預かるということになっておるわけであります。午前中にこの問題を簡保局長及び大蔵省関係者と論議をしましたけれども、現在私が知っております範囲で明らかになったことは、民営の生命保険に比して運用利回り等に差があって、実は大蔵省の考えの一部には、そういう民営保険の現状からして、簡易保険というものの存在について検討する必要があるのではないかという意見も出たくらいのところもあります。片面、財政投融資の原資としてかなり大きな役割をこれまでも果たしてきたし、おそらく理財当局としては、今後もそれを期待しておると思うのでありますけれども、現在のところでは、さっき明らかになりましたのでは、二十年もので比べてみると、民営と簡保との間には四割の保険料率としての開きがあるということも明らかになりました。  そこで私は、今大蔵当局に対して、一年間猶予つきで三十九年度においてはまず運用部で預かっておるこの余裕金の取扱いを一つその他の積立金と同じような運営を検討しなさい、これが第一点。第二点は、あなた方のおっしゃっておる電力債の取扱い等を一つ積極的に検討を進めてもらいたい、こういう二点を私も要望したわけですが、簡易保険の担当大臣である郵政大臣として、今後私もそういう簡保の加入者の立場に立って一つ努力したいと思いますけれども、関係大臣の責任として、今後大蔵省とどういうふうな形で折渉を進められるつもりかどうか、それを一つ伺わしていただきたい。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○小沢国務大臣 簡保の積立金の問題でございますけれども、積立金はこれまでわれわれの方で運営いたしましてやっているわけでございますが、今、堀さんのおっしゃった余裕金の問題は、資金運用部資金の方へ入りまして、そちらでやっておるということでありまして、私たちといたしましては、民保との関係上、なるべく有利な利回りにして加入者に有利にさせてあげたい、そういうようなわけ合いでありまして、これは一つわれわれの方で運用させてもらいたい、そういうような基本的な方針を持っております。そこで事務といたしましては、大蔵省との間にこれまでも検討中でございますけれども、今後も私は大蔵大臣とも話しまして、一つそういうふうに大蔵大臣とも交渉していきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、そういうふうにやっていきたいというお考えで、その方向はけっこうですけれども、これまでもおそらく代々の郵政大臣はそういうことでやっておられたと思うのです、率直に言いまして。そこで、それまでなかなか大蔵省の抵抗の壁が厚くてどうにもならなかったというのが現状だろうと思うのです。しかし私は、きょうの論議で明らかになりましたけれども、加入者は総体に低所得者が多いというふうに感じております。これはあなたの方の調査不十分で、私が伺っても調査もしていないということですから、今後に一つそういう調査をして、一体簡易保険の加入者というものは所得階層別に見て、大体どういうところがどういうふうにあるということも調べてもらいたいし、地域的な分布についても少し詳しく調べてもらって、民保との関係を少し明らかにしてもらいたいという調査を一つお願いしておきますけれども、そういうことから、現在の形で四割も違うものをそのままに放置はできない。そこで私は大蔵当局に対しては、一年間の余裕つきでともかく改善をしてもらいたいという要望をしておるのです。その余裕つきということは、もし私がのむような程度の——私は無理なことは言いません。  資金運用部に入っているものの運用は私は大蔵省がやればいいと言っております。ただ利回りは今の運用部に入れただけでは最高六分でありますから、それを六分五厘に回るものならば六分五厘以上に回るように利率を考えて、運用は一元的運用が必要だと思いますから、私は郵政省や簡保局でその運営まで全部やることがいいとは思っていないのですが、利回りの点は問題が別であります。  そこでもし一年間に成果が上がらなければ、今の保険の実態を明らかにして、私どもの党として国民運動としても末端の隅々まで、簡易保険と民保はこんなに差がありますよということを徹底周知させる。今保険の方の財務調査官からの話では、民保は予定利回りをもって勧誘することを禁止しておるそうです。そうすると今八分九厘幾らという予定利回りがありますから入って下さいと言わなければ、簡保の加入者は、一体民保と簡保の差が幾らあるか知らないというのが実情です。四割も差があるとしたら、今のこの世の中でだれが一体簡保に入るかということになりまして——私どもは入るなという運動をするのじゃないのです。民保と簡保はこんなに差があるぞ、同じ入るなら民保の方が有利でしょうという——私の方は何も民保から金をもらっているわけじゃないが、低所得の人がわずかな金をやっておるのに、それが利回りの悪い方にやっておるのは気の毒ですから、少しでも利回りをよくしてあげたい。そういう運動をしますよという条件つきで、一年間の猶予期間を置いておるのです。ですから私はこの問題については真剣なんです。もう一つあとで大蔵省関係で酒類の問題もやりますが一たん私が正しいときめてここでスタートを切ったものは、私が代議士である限り私は大蔵委員は動きませんし、大蔵委員である限り率直に言って必ず実行させる決心なんです。だからもしこれがうまくいかなければ、来年度われわれが徹底的な国民運動をやれば、簡保の原資はほとんどなくなります。全部民有にいくと思うのですよ。それは全逓に勤めている諸君だけが入るでしょうね。これはここで入らないと自分の首があぶないということで入るかもしれない。しかし全逓職員以外の人はおそらく入らないくらいの国民運動を展開するつもりです。それは何もあなた方をいじめるということじゃないのです。加入者の利益を守るためには、そのくらいのことをやらなければ、加入者の利益は守られないと私は判断しておる。私もそのくらいの決心でこの問題をこれから一年間取り組みますから、一つ関係大臣であるあなたは、私以上の決心を持って大蔵省等に対して、簡保の加入者の利益を守るために努力するということを私はあなたから伺って、この問題の最初の質問の締めくくりをつけておきたいと思いますので、その点を一つ明らかにしていただきたいと思います。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○小沢国務大臣 ただいま堀さんから伺いましたように、簡保は比較的低所得者と言っては失礼でございますが、そういう人が多いと思います。そこでその分布状態とかいろいろなことは、まだ御質問に答えられなかったそうで、非常に私どもの粗漏でございまして、調査いたしますけれども、この利回りをよくする、そうして利益をはかるということは、これは大事な問題でございます。その問題でございますから、私もただいま堀委員の仰せられましたように一生懸命やりまして、大蔵大臣とも話し合いをしまして、実現するように努力したいと思いますから、よろしくお願いをいたしたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それを一生懸命やっていただくのですが、一つ来年度実現を目途としてやっていただきたいということをあわせて伺っておきたいのです。

小沢久太郎自由民主党郵政大臣

○小沢国務大臣 ことしはこれでもう大体きまったことでございますから、来年を目途として私の方も一生懸命やりたいと思っております。      ————◇—————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 次に、酒税法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑に入ります。通告がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 昨年の十月の十二日と記憶をいたしますけれども、当委員会におきまして基準価格の制度の問題について論議をいたしました。その後、相当に時間もたっておりまして、そのときにできるだけ早い時期に検討を進めるという当局側の答弁でございましたので、今日の時点におけるこの問題についてのその後の経過を、一つ国税庁の側からお話をいただきたいと思います。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 お答え申し上げます。  その後におきまして国税庁といたしましては、主税局とこの問題についていろいろ検討を加えました。さらに本年の一月二十三日におきまして、国税庁長官がこの問題についての学識経験者とか業界の代表の方、また関係官庁の、代表の方をお招きいたしまして、酒類行政懇談会を開催いたしました。この懇談会を開催するに至りましたことにつきましては、私どもとして事務的に基準価格の制度のあり方、現行の基準価格をどう扱うべきかということについていろいろ検討をいたしたわけでございますが、その問題について業界の代表の意見は逐次聞いていたわけでございます。そして学識経験委員の意見を一応聞きまして、これを参考にいたしたいという考え方のもとに懇談会を開いたわけでございます。懇談会におきまして大勢的な意見といたしましては、この基準価格というものが、三十五年の十月に設定いたしましたときの趣旨からいたしまして、なるべく自由価格に早く持っていくということについて、大方の委員の御意見は一致いたしましたけれども、その時期とか、あるいは具体的な方法とか、現時点においてこれをどう取り扱うかということについては、いろいろな意見がございました。私どもといたしましては、これらの意見を参考にいたしながら、今後どういう方向で事柄を進めていくかということを目下慎重に検討しておるような状況でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 非常に抽象的でよくわかりません。そこで今の酒類行政懇談会の学識経験者の意見をもとにしてということですが、それについての時期、方法等を少し説明してもらいたいと思います。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 酒類行政懇談会の委員としてお願いいたしましたのは、三十二名でございまして、そのうち十五名が学識経験委員でございます。そのほかに各業界の代表の方が参加しておるわけでございますが、業界の方々の意見あるいは学識経験委員のそれぞれの意見、いろいろございましたけれども、学識経験委員の大多数の意見といたしましては、基準価格の制度の制定の趣旨から申しまして、なるべく早く自由価格へ移行するようにいろいろ物事を考えていくべきではなかろうか、その方法といたしましては、今すぐ現時点において基準価格を廃止して、自由価格に移行すべきであるという意見を出された方もございました。しかし委員の大勢としての意見といたしましては、今すぐ自由価格に移行することについて何らかの支障があると考えられるかどうかという点について慎重に検討を加えるべきである、その検討をいたします場合におきましては、酒税の保全という建前から基準価格をはずすことによって支障があるかどうか、あるいはまたはずすことによって業界あるいは国民生活に非常に大きな支障を来たすということが考えられるかどうか、こういう点について慎重に検討を加えるべきではなかろうか、そういうことを考えた場合に、たとえば清酒の二級とかビールについては、今直ちに基準価格をなくすということは酒税の保全という点、その他の点において無理があるのではなかろうか、しかしその他のものについては、現時点において基準価格をはずしてもよろしいのではなかろうか、さらに残すものにつきましても、清酒の二級あるいはビールにつきましては、生産者の段階の基準価格だけを残しておけば、酒税の保全あるいは酒税の消費者への転嫁という点から考えましてもよろしいのではなかろうか、小売の段階の基準価格あるいは卸売の段階の基準価格というものははずしてもよろしいのではなかろうか、こういう意見が学識経験委員から強く出されました。こういう意見に対しまして、業界の側からもいろいろな意見が出されたわけでございますが、私どもとしては、この学識経験委員の意見をなるべく尊重したいと考えているわけでございますが、なお業界との関係もございますので、この点はいろいろのことを考えながら、総合的に考えてどうすべきか慎重に検討しておる最中でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 行政懇談会の意向はわかりました。それで今業界の関係とも懇談しつつ方針を検討中だということでありますが、基準価格については、生産者段階で二級を残すということになれば、一体基準価格をどうするかということがその次の問題として出てくるわけです。そうすると米の値段も上がっておりますから、清酒についての基準価格はおそらく値上げという方向になるのじゃないかと思いますけれども、そういう問題についての作業と、それは大体いつごろになれば明らかになるのか、その作業完了の見通し、それをお伺いいたします。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 基準価格をどういうふうな形にすることが現時点において一番合理的であるかということを見るために、国税庁といたしましては、現在基準価格が設定されておりまする酒の種類につきまして、生産者、卸売業者、小売業者から原価計算書等の資料を求めておるのでございます。清酒につきましては、生産者全部の原価計算書を一応求めることにいたしておりますが、現在国税庁の方に参っておりますのは、予定の約半数程度しか参っておらないわけでございます。ビールにつきましては、対象の会社が少ない関係で大部分は集まっておりますが、私どもこの会社から提出されました資料を慎重に、克明に検討しておりますと、さらに必要な資料が出て参りますので、目下補充的に必要な資料をさらにとりつつあるわけでございます。私どもといたしましては、その調査、検討をする人員等につきましても、十分に確保いたしまして、できるだけ早く作業を終わりたいと目下懸命に努力している最中でございます。要求いたしました資料の提出が若干おくれているという関係もございまして、当初はできるだけ三月一ぱいくらいまでの間に検討を終わりたいと考えておったわけでございますが、今のような事情でございますので、若干おくれるのではなかろうかと心配しておりますが、できるだけ早く検討を終えたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ビールは割に企業も大きいし、数も少ないから問題はないのですが、清酒の方は四千からの業者がありますから、全数を集めるということについてはなかなか大へんだと思う。そこで今伺うと、まだ半分しか集まっていない、これは一体いつから集めにかかられたのか。要するに大体何日までに出して下さいということで資料は要求をされたと思うのですが、それは一体何日までに出して下さいという要求だったのですか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 一月の末を目標にしまして提出を求めたわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうしますと、まだきょうが十四日ですから、二週間くらいしかたっておりませんから、まあ逐次集まると思いますが、これは仮定の事実ですが、もし全部集まったとして——部分的に少し整理をしておられるでしょうが、最終的に集まってから、基準価格の算定の資料に皆さん方ができる時期はいつですか。全部集まってから一体何日かかりますか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 技術的に計算あるいは検討の非常に複雑な問題でございますので、予定通りなかなかいかないとは思いますが、私どもはできるだけ早く検討を終えたいと思っておりますので、業界の方にも協力を求めております。最近数日中に資料がかりに全部集まったといたしましても、この資料をどういうふうに活用するか、どいう項目についてどういう作業を加えるかという問題がございますので、作業の結論を出すまでの間さらに一カ月程度はかかります。その後においてでき上がりました数字についてさらに現在の基準価格との比較検討等を重ねて参りたい、こう思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私が、少しこまかいことですが、時期を伺っておりますのは、おそらく業者の皆さんにお願いをしておられて、基準価格が動くかどうかということは、業者の方にとっては私非常に関心の深いことだと思います。非常に重要なことなんですね。重要なことなのに業者の方で資料をお出しにならない。そしてかりに二月の二十八日に全部そろったとしても、あなたの今のお話を聞くと、それから一カ月計算のための日数がかかる。計算のための日数が一カ月とすると、四月一日に計算上の基準価格が出る。しかしこれをあなた方の方はいろいろ行政的に末端の方まで周知徹底をして、要するにそういう指導体制をつくるための準備期間がおそらく何日かあるということになるでしょうね。ですから、そういうふうなことを考えてみると、かりに二月中に全部集まったとして、これは何ら政策的な問題ではなくて技術的な問題ですね、完全な技術的な問題として処理をする段階で、基準価格の改定が具体的に行なえる時期、これは一体いつになりますか。今の計算の期間の一カ月はわかったのですが、検討をして、それを末端までおろして、それを発動させてきょうから実施ということになるところは、あとどのくらいあればできるのですか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 この基準価格の問題につきましては、価格自体の問題を数字的にどういうふうに変えるかということになりますと、政府の経済政策との関係もございますし、経済企画庁等との折衝、話し合いということも必要になって参りますので、一応私ども事務的に検討を終えた後におきまして、そういうような段階を経る必要がございます。これが折衝いたしましてすぐきまればよろしいわけでございますが、なかなか時間がかかろうかと想像されますので、かりに三月の末に計算が一応終わったといたしましても、そういう方面の折衝に相当手間どるのではなかろうかということをおそれておるわけでございます。従いまして、末端の方に徹底いたしますにはそういうことも考慮いたしますと一カ月程度はかかるのではなかろうかというふうに一応考えておりますが、これは相手のあることでございますので、やってみなければはっきり申し上げかねるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、これはあなた方の方の責任、というとおかしいですが、責任でなく、業者の方たちがこれを早くお出しにならぬことにはますますおくれる、これはもし二月中に全部集まらなければさらにおくれるということになるかと思うのです。  そこでちょっと伺っておきたいのは、今度は全数調査という問題です。はたして四千業者の全数調査をやらなければならないかどうか。あるいは四千の中でたとえば四分の一抽出にして千とか——今集まっているのはおそらく全数調査をやられるつもりでとっておられますから、もしサンプルでとるとしても、これからまた集まらないという前提の上に立ってサンプルの設定をして、もう一ぺんとり直すということになれば、その中で、千とするとあとの五百が残っておるのか六百が残っておるのかわかりませんね、サンプルのとり方によって出てくるのはわかりませんが、しかし行政当局として、出てこないからいつまでもこのままで待っているというわけにもいかないだろうと私は思うのです。やはり出てこなければこないなりの対策を考えなければならない。だから、私は業者の皆さんが、自分のことなんですから、まずすみやかに出すということが前提として一つあると思うのですよ。ところが、それがどうにもならないからといって、業者が悪いからわれわれは知りませんでは、これまた私どもとしては行政当局がそれでは困るということになりますので、そこで前提の方を、よろしいということじゃないのです、全数一つ出してもらいたいということはもちろんなんですから。しかしそれはそれとして、次の段階のこともそろそろ考えておく必要があるのじゃないか。それでなければもう何もできないということでは困りますからね。次の段階の問題はもう考えておられるのか、まだ考えておられないのか、そこはどうでしょう。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 今お尋ねの御趣旨のことを考えておりまして、清酒につきましては清酒の組合の中央会とも、そういう方向で、現在集まっている資料をどう扱うかということについて話し合いを進めております。現在集まっております資料におきまして、全体四千軒の業者の全貌を合理的に把握し得るだけの資料であるかどうか、私どもがざっと見たところによりますと、生産の規模のグループごとに見た場合にもう少し資料を集めなければいけないというものも若干ございますが、今集まった資料で全貌を把握することが一応できるのではなかろうかということでございますので、そういう角度でさらに不足の資料を若干至急に集めまして、それをもとにいたしまして検討を進めていくということにしたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、今間税部長がおっしゃる方針でやると、計算の結果は大体いつ出ますか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 一応計算の基礎とするに足るだけの資料を集めますのに、さらに数日必要になりますので、かりに二十日でその原表がそろうといたしますと、それからさらに一カ月程度計算がかかるということでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、今日の時点に立ってものを見ますと、大体順調にいってもこの基準価格の問題が動くというのは四月二十日前後だということに、さっきの計算ならなりますね。二十日に集まったとして、その計算ができるのが一カ月、それからいろいろな打ち合わせその他が一カ月と、こういうことですから、四月二十日ということになる。それが伸びるか縮むかは、前の計算過程は実際あなた方のあれですから縮まないと思うのです、あとの方が多少縮むか伸びるかということでしょうけれども、ゼロにはならないから、どう見ても、縮んでも四月の十五日、おくれれば五月だということになるのじゃないかと思うのですが、常識的なところとして、どうでしょう、そんなところですか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 計算が終わったあとの折衝の問題につきましてはどうなるかわからないわけでございまして、案外早く、これならこういうことでやるべきであるという意見が関係各省の間で一致するかもわからないわけでございます。私は先ほど、作業の確実な進行ということをめどにして、安全性を見てお答え申し上げたわけでございますが、折衝する相手の関係官庁との間あるいはその他の関係の向きとの折衝が案外早く済むかもしれないわけでございますが、今のところ、今先生おっしゃったようなところになる公算が大きいと思いますが、しかしそれではいけない、もっと早くやるべきであるということになった場合には、それに応じて私ども大いに努力をして参りたいと存じております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 相手のあることでわからないことですから、私もそれほどこだわりませんけれども、しかし実は実施の時期、おそらく基準価格が改定されることと自由化をされるのは同じ時期になると思います、自由化というのは基準価格をなくすることなんですから。基準価格制度としては、同じことになる。そうすると、この時期の問題というのは相当大きな影響があると思います。その時期のあり方によってまた今の折衝のあり方が関連を生じてくるのではないか。実は一昨日の予算委員会で、宮澤企画庁長官と論議をしました中で、宮澤さんは酒類の値上げは押えたいということを公にしておるわけであります。そのときに私も、別に酒を値上げをすることに賛成じゃないけれども、しかし押えるということだけで押えられるかどうかという——自由経済上の原則がありますからね。そうすると宮澤さんにより一歩前へ出ていただいて、安いものをつくる、一部上がるものがあるだろうが、安いものもつくるということになったそのときに、値上げがおさまるかあるいは逆に下がるか、少し上がるかということになるのであって、だから今の資本主義経済の中で不当な統制がされておるとかえって消費者が不利益をこうむる。やはり生産なり流通なりが自由化をされて、よりいいものがより安く出るという資本主義経済の長所が生かされたときに、私は価格は価格として落ちつくべきところへ落ちつくのだ、こういう考え方で酒類の問題を両三年やってきておるわけです。一番最初には、まず生産段階における非常に統制的なものを、生産量をふやすことによって自由化の方向を一つ促進してもらってきて、今日ようやく私の期待しておる生産関係の自由化という問題は、かなり見るべきものがあったと私は思っております。そこで私の判断では、少なくとも今酒類については供給不足という状態ではないだろう。著しく過剰とも思いません。業界の中では相当過剰々々と言われておりますけれども、しかし私はずっと過年度の資料を見ておると、必ずしも言われるほど過剰だとは思っていませんが、やや供給が多いというくらいのところに今落ちついてきておるんじゃないだろうか。そうするとここで価格を自由化したときに上がるものもあるだろうが、下がるものも出てくるはずだと思います。だからその自由化ということが言葉の意味で言われても、実質的な自由化にならなければ基準価格を廃止しても何にもならないと私は思う。だからきょうは私は時間がありませんでしたから触れませんけれども、もし基準価格を廃止をした後は、これは将来の問題ですが価格についてはかなり国税庁も調査をしてもらいたいと思います。そうして実際にそれが自由化をされておるのかどうか、依然として過去の状態のままで、都合のいいことにして流通段階が画一的な価格で処理されるならば、基準価格ははずれても何ら大衆に利益を及ぼすことにはなりませんから、その後についての価格の動き方はやはりこまかく調査をしてもらって、またこの委員会に報告を受けたいと思いますけれども、どっちにしてもこの問題は時期によって相当に価格の動きは問題があると思うのです。そこで今この時期を、政策的な面でなく、今までは私は技術的な面でお伺いをしてきたわけです。だから政策的な面ということになりますと、これは大臣に出てもらわなければ、あなた方としてはここでいつにしますというわけにはいかぬでしょうから、私はきょうはまず最初のこの問題の論議でありますし大臣、政務次官もきょうはいないという状況ですから、技術的な問題だけに論議を残しておきますけれども、しかし今お話を聞いてみると、技術的な問題としては四月一日実施は無理だという感じがしますが、その点はどうですか、技術的にだけ……。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 業界からはできるだけ早く方向をきめてほしい、かりに基準価格をはずすといたしましても、なるべくどういうものをはずすのか、あるいは残すものにつきましてもそれをどう扱うかということにつきまして、ことに清酒につきまして清酒の出回り時期との関連におきましてできるだけ早くきめてほしい、その他の業界におきましても、早く自分たちの態度の方向づけをきめたいということからいたしまして、この問題についての国税庁の態度をきめてほしいという要望があるわけでございます。一方、先ほどお答え申し上げましたような事務的な能力の限界の問題もあるわけでございます。しかし私どもの事務といたしましては、場合によってはもっとさらに人をふやし、あるいは徹夜をしてまでやる必要が出てくることも今考えておかなければいけないと思いますが、順調にいけば先ほどお答え申し上げましたように四月を目標にしておりますが、若干無理ではなかろうか。しかしそれも今後関係方面との折衝によって大きなそれについての方針がきまりますれば、そのきまった目標に向かって作業を合わせて参らなければいけない、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで今も私がちょっと触れましたけれども、いわゆる関係方面なり企画庁との方の話は、一体自由化をしたら値段がどう変わるかというところがやはりめどだろうと思う。自由化をしてあるいは基準価格を改定したらこれは全部上がってしまうのだということになれば、おそらく企画庁はかなり反対をするでしょう。私どもも方向として全部それで上がってしまうというならば、ちょっと考えざるを得ないわけです。だから私が願っておることは、さっき申し上げたように、上がるもの、下がるものがあって、結果として平均すれば案外上がらないじゃないか、そしてまたその上がり方も高いものをお買いになる担税力のある人は資力があるからいいけれども、二級酒にしてもあるいはしょうちゅう、合成酒等にしてもビールも含めてそうですが、比較的最低基準にある酒類が一斉に上がるような結果になるような問題については、やはり私どもも慎重にならざるを得ないと思うわけでして、その中で多少の銘柄格差等ができて、大衆がそんなに大きな物価上昇の影響を受けないという多少のめどがほしいわけですが、そこで一応自由化をするという前提に立って、一体価格は上がるのか下がるのか、ビール、清酒、合成酒しょうちゅう、みりん、こういうものが今基準価格がありますから、あなた方の判断を伺っておきたいと思います。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 まず清酒でございますが、清酒の生産販売の大部分を占めております二級酒についてみますと、現在におきましても生産者と卸売業者との間の取引におきましては相当の競争がございまして、銘柄によりましては、ほかの強い銘柄に比べまして相当下回った値段で取引されているものもあるわけでございます。かりに清酒二級の基準価格をはずしました場合には、それがさらに一そう激しくなるという可能性もございます。従いまして、そういうことをいたしまして、私どもは清酒二級についての生産者価格の基準価格というのは、現時点におきましてはまだ残しておく必要があるのではなかろうか。清酒二級の生産者価格につきましては上がるというものも中にはございますが、大勢としては下がるという方向にいくのではなかろうか。じゃ、小売価格はどうかと考えますと、小売の基準価格をはずした場合におきまして、今はずしたならば直ちにそう大した動きはないと思いますが、しばらくたちますると、品質のいいもの、消費者が強く要望している銘柄につきましては、それが品質がいいということはコストもある程度高いわけでございますので、そういうことからいたしまして若干上がるものも出て参りましょう。しかし大勢としては小売段階において、今よりも価格の面で競争が行なわれることになるはずでございまするので、若干低くなるものも相当出てくるのではなかろうかと思います。ただ低くなると申しましても、それほど極端に低くなって収拾つかなくなるということにはならないのじゃないか、私どもは思っております。  それから一級につきましては、これは主として生産者も限られておりまするし、生産地におきましても、灘、伏見の地区の生産量が大部分を占めております関係上、またさらに消費者におきましても灘、伏見の一級というものは現在及び将来を考えてみましても、そう供給が過剰になるということはなかなか考えにくいことでございますので、どちらかといいますと、灘、伏見の一級酒につきましては、コストの関係、需給関係からいきまして若干上がりぎみになるのではなかろうか。しかし一方、地方の一級につきましては、ものによりましては現状維持か、あるいはまた競争によりまして下がるものも出てくるのではなかろうか。清酒につきましては大体そういうことで、はずした場合にすぐどういうことが起こるということについては一がいに申せませんが、はずしてだんだん時期がたつにつれまして、自然な建値の形成が行なわれていくのではなかろうか。  しょうちゅう、合成酒につきましては、現在出荷の規制をやりまして、合理的な需給関係を設定するように業界におきましても努力しておりますし、基準価格をなくした結果、現在の取引価格が相当大幅に動くということは考えられないわけであります。将来といたしましては、この出荷の規制については、これをどう持っていくか検討する必要があろうと思いますが、基準価格をなくすことによりまして、公正な競争をさらに一そう進めることによりましてコストの安いものをつくる、生産業者がそれだけ有利な販売条件になるということになりますれば、全体としては高くなるよりもむしろ下がるという傾向で合理的な価格形成ができるのではなかろうか。  ビールにつきましては寡占状態でございまするので、なかなか自由な価格形成がむずかしいわけでございますが、行政指導をすることによりまして、適正な価格の維持が可能になるのではないかと思います。ビールの小売価格をかりにはずした場合におきまして、今すぐ自由にするというよりも、ある時期の間は国税庁がある程度行政指導するということも場合によっては必要になるかどうか、そういう点も慎重に検討をしなければいけないと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうしますと、大体ビール、合成、しょうちゅう等は、はずれてもすぐは上がらない。ものによっては少し上げないような指導をしたい。それから清酒については、一級については少し上がるかもしれないが、二級酒はどっちかというと下がりぎみになるのではないかというのが大体の要約した見方になりますね。  そこで、実は今の問題を四月一日に実施をする場合、あるいは五月一日に実施をする場合で、やはり情勢はまたいろいろと変わってくるのではないか。御承知のように、清酒については五月から下げるというのは、しばらく不需要期に入るわけですから、需要がないときには、おそらく値上げというのは起きないかもしれないし、また起きるかもしれない。わからないですが、自由化をするということは、要するに業者にイニシアチブを与えるわけですから、業者が判断して、売れると思えば上げればいいし、売れないと思えば上げなければいいのですから、そこのところは問題はないわけですけれども、あなた方の判断としては、四月の場合と五月の場合はどういう影響の差があるか。ビール、合成としょうちゅうはあまり動かないという話ですから、動くと予想される清酒についての影響をちょっと伺っておきたいのです。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 清酒につきましては一級と二級とに分けまして、一級につきましては四月でございますると、花見酒の購買意欲が相当強い時期であろうと思いまするので、需給関係からいきまして、生産者が若干値段を上げた場合におきましても、その値段で十分に取引が円滑に行なわれるのではなかろうか。これが五月、六月になりますると、清酒の需要が低くなりつつある時期にぶつかるわけでございまするので、銘柄の強いものにつきましては適正な価格で取引がなされ得ると思いますけれども、銘柄のあまり強くないものにつきましては、需要があまり強くない時期におきましては、かりに値上げをした場合におきましても、売り込みの交渉において相当むずかしい問題が起こってくるんじゃないか、そういう程度の違いがあろうかと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこでおそらく私は業者の諸君としてみますと、そういう事実があるとすれば、一体今度は逆に、いつから基準価格の改定が始まるのか、自由化が行なわれるのかというのは、非常に関心を持っておるところだと思うのです。それと同時に関心だけではなくて、技術的にもやはりある程度早くわかっていなければ、きょう突然発表して、きょうからやると言っても、これは出荷やいろいろな関係でそうはいかないと思うのです。そこで一体国税庁が、きょうからやりますと、ある日を仮定してきめて、業者がそれに順応して実施に移るまでの待機期間といいますか予告期間といいますか、これは大体技術的にはどのくらい見ればいいのですか。要するに、かりに四月一日として、四月一日で実施をするということで告示か何かするのでしょうが、それをどこらでやれば実際にできるのか、その間は何日ぐらいですか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 まず生産者が卸売業者に売る場合におきまして、建値を変更するとした場合は、商慣習におきまして大体一月程度の期間が準備期間として必要のようでございます。かりに四月一日に清酒の一級の生産者の販売価格を十円上げるということを卸売業者に申し入れをした場合におきましても、四月の一カ月は十円上げられる前の値段で取引をするという慣習がございますので、業界におきましてはその前値取引の期間をできるだけ短かくしようとする努力はしておりますけれども、大体一カ月程度そういう状態が続くのじゃないか。次に卸売業者と小売業者、小売業者の販売価格ということになりますと、かりに告示を四月一日にいたしますと、小売業者といたしましては、その日から上げる者もございましょうし、またいろいろな事情で販売政策として据え置きをいたしまして、安く買ったものは当分据え置きで売るという小売業者もおりましょうが、それは一概には言えないと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこでこの問題は今二つの側面があると思います。一つの側面はさっきからの基準価格の改訂作業の過程による時間的な問題、それから折衝の問題が一つある。もう一つの側面は、それがわかってから対処する業界の態勢との関係の時間的な問題、こういうものが並んでおるわけだと思うのです。ですからかりにもし四月一日から実施をしようとすれば、あなた方はその価格を明らかにしてこれでいつからやりますということを言うことになるのだろうと思うのです。たとえば基準価格を五円なら五円動かすということで四月一日にやりますよということであると、それはいつごろやればいいのですか。三月の一日にやればそれで四月一日から全般が生産者、卸、小売を含めて混乱なくいくのか。十日にそれをやって予告期間が三十日で全体がスムーズにいくのか。それは一体どのくらいに見ておられますか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 取引の関係でございますのでなかなかむずかしい問題でございまして、この問題については業者自体におきましても非常に頭を使っておるところでございまして、一概には申せないわけでございますが、先ほど御説明申し上げました前値取引期間というものは、月の途中からやった場合も一月という慣習が前からあったわけでございますが、月の途中からの場合におきましては月末で打ち切るという話し合いをしている業者もございまして、生産業者相互間の競争関係もございますし、また卸売業者といたしましては、できるだけ過去の慣行を尊重してほしい、できるだけ前値期間を長くしてほしいという要望もあるようでございまして、複雑な関係がございますので、四月一日から基準価格の改訂通りの建値で販売されるようにするためには、いつ告示を出したらいいか、話し合いをしたらいいかということにつきましては一概に申せませんけれども、非常に安全を見込めば一月前の準備期間が必要ではなかろうか。しかしこれもいろいろ話し合いの問題でございますので、必ずしも一月必要であるときめてかかる必要もなかろうかと思いますが、今後業界内部における話し合い、それから私どもの行政指導、それとの関連でこの期間については相当伸縮し得るものであろうと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、今のあれをあれこれ計算してみると、どっちにころんでもどうも五月ごろより早くはやれそうもなくなりますね。これはいろいろ積み上げてきたのだけれども、どうしても計算が一カ月かかる、これは徹夜でやったら少しは縮むでしょうが、それでも半分にはならぬですよ。やはり皆さんが一生懸命がんばっても二十日ということでしょうね。だから二十日としても、まあ今月の二十日に全部資料が集まって、一つ皆さんのしりをたたいて二十日でやるのだとすると、今月は二十八日しかないのですから、来月の十二日ぐらいになるでしょうか、まあ来月の十五日ぐらいとすれば、それからあなた方としてもよその企画庁やなんかと交渉をやる、それがうまくいったとしても、十五日ぐらいで押し込んだとしても、四月一日にようやく基準価格の改訂について外に出せるものができてきて、それが実際のいろいろな流通の関係を通じて、ほんとうに実施に移るのは五月一日というのが無理のないところだ、こういうことになりますか。それは四月一日に結果が出たら、すぐその日にやってよろしいと、こうやってしまうのか。猶予期間を置いてやることになるのか。先を見越して四月一日にきちんと計算して発表するものができた、しかしそれまでだれも知らないわけですから、そこで発表したらあくる日からすぐに流通するというわけにもいかないから、四月一日にできて、四月二十日から実施する、これでやりますというような発表のされ方をするのか。それともその日にさっと出して、あとはそれぞれ勝手にやりなさいということになるのでしょうか。そこらはどうでしょうか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 作業の期間あるいは折衝の期間として安全を見込んで先ほどお答え申し上げたわけでございますが、折衝を並行的にやるということも、場合によりましてはやらなければいけないのではなかろうかと、まあ一応先ほどお答え申し上げたわけでございますが、いろいろ折衝した結果、もっと早くやるべきであるということになりますと、順調にいけば五月の半ばごろまでかかるものにつきましても、場合によっては四月初めに告示の手続をなし得ることも考えられるわけでございます。一方、改訂の告示を四月一日に行なった場合におきまして、生産者と卸売業者の間におきましては先ほど御説明申し上げたような関係がございますが、小売業者につきましても、先ほど両方のやり方があると申し上げたのでございますが、現在の小売業者のやり方からいたしますると、告示が有効に働くという時期においてはやはりある程度値上げをする業者が相当多いのではなかろうか、でございますので、小売価格につきましてはそういう前値取引という期間がない関係上、告示をすればその告示日に近い期日から新しい価格で売るようになるのではなかろうか、こう思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 わかりました。そうすると、告示の性格によって小売の方はすぐ反応する、生産者——卸という流通段階でなくして、現在ある手持ちのものを売るわけですから、そこではすぐ反応する。あとの方は出てくる期間がかかる。こういうことになりますね。だからその点はよくわかりましたから、問題は各層に分けて考えないと——生産者段階のものが発効してくるのは一カ月くらいかかるし、小売の方は即日発効する、こういうことでわかりました。  そこで、その次にちょっと伺っておきたいことは税抜き生産者価格と小売価格との関係ですけれども、税抜き生産者価格が五円きざみ下がったら下にいくとこれが十円動いている。税抜き生産者価格が十円違うと今度小売価格では二十円動くというような現実の姿があるような感じがするわけですけれども、こういう形は結局今後また上の方がちょっと動いたら下がうんとそういうふうに動くというほどのことになるとこれは問題がありますし、私の聞いている範囲では今清酒について値上げが起きると、その配分については六・一・三の比率でとるのだというような慣行があるようです。こんな慣行がそのまま残っておるということになると、これは私は自由化なんて意味がなくなるのじゃないかと思うのです。ということは、生産者の価格の問題——今後はおのおの生産者のコストの関係で出てくるわけですが、自由化の目的というものは基準価格をつくって、その基準価格というのは平均価格ですから、その平均価格で全部売りなさいということじゃなくて、コストの安いものはできるだけ安く売ったらたくさん売れてもうかるということだし、コストが高ければ仕方がないから高く売るから売れなくて、売れないからまあコストを下げるようにしなければならぬというのが自由主義経済が価格面にはね返るメカニズムですからそういうものが片面にあるときに、流通段階にはおのおのまたそういう原則がある。流通段階で小売商にしても小さなお店で家族労働でやっていらっしゃるところと、あるいはたくさんの従業員を置いてやっているところでは人件費のかかり方も違うわけですし、コストのあり方もいろいろ企業努力で変わってくると思います。それがそういうことなしに、上が上がったら六・一・三の配分をみなとってそれだけいくということになるのでは、私は今度の自由化というのはてんで意味がなくなるのじゃないかと思うのです。そういう今の生産者段階の価格が動いた場合の流通の問題については、さっき私前段でちょっと触れましたけれども、そういうものを今後も——今後は自由な価格ですから認めるとか認めないというのはおかしいのですけれども、自由化をしたのならば動くのが建前で、動かなかったらおかしいと私は理解するわけです。その点について国税庁はどう考えられますか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 生産者の価格が動くということはコストなり利潤等を適正にするために、生産者の手取りを多くするために、生産者の販売価格を変更をする。値上げをする場合におきましては、それだけコストが高くなった、あるいは利潤を適正にするために十円なり二十円生産者が多少金額をふやすということでございます。生産者の価格が高くなったから当然卸も小売も一定の割合で値上げるすということは理屈に合わないわけでございまして、卸売業者あるいは小売業者もそれぞれに今お話しになりましたような、人件費が高くなった、あるいは運賃がよけい要るようになったという合理的な理由があれば、その理由によって小売価格なり卸売価格のある程度建値を変更することも理由があると考えますが、今後かりに小売価格、卸売価格の基準価格をはずすということになった場合におきましては、おそらく小売業者相互間あるいは卸売業者相互間において、自由な競争が今より一そう行なわれることになるはずでございますので、ある業者が生産者の価格の値上げに便乗して値をつり上げるということが起こった場合におきましては、そのほかの業者の中にはそうしない業者も出て参りましょうし、公正な自由競争をやることによりまして、合理的な値段で取引が行なれるであろうと考えます。一方、私どもとしては、酒税の保全ということを確実にしなければいけないわけでございますので、生産者段階においてはもちろんのこと、卸売、小売の段階におきましても、大幅な値引きが行なわれるということでございますると、酒税の保全という面で問題がございますので、そういう角度においては、十分気をつけていかなければいけないと考えております。ただ公正な取引、自由な競争が行なわれように指導して参りたいと思うのであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は大臣の出席をそのうちに要求して大蔵省としての各種の政治的な判断の入った答弁は追って求めますけれども、ちょっと今ずっと聞いてきたところでは、まだまことに抽象的で、一体国税庁はどっちを向いて考えているのかさっぱりわからないのですよ。だから一体、これをあなた方はいつごろまでに少しコンクリートにするのか、そのめどは一体どこに置いていますか。これは次長の方から一つ。いつまでもこんな調子で委員会で質問するたびに、右向いているのか左向いているのかわからないような答弁をするのでは、質問にならぬのです。

泉美之松国税庁次長

○泉説明員 堀委員にお答え申し上げます。  先ほど来間税部長が申し上げましたように、国税庁といたしましては、基準販売価格は御承知のように標準的な原価と適正利潤から形成することになっておりますので、その標準的原価並びに適正利潤の算定を現在鋭意いたしておるのでございますが、その目途といたしましては、先ほど申し上げましたように、できるだけ三月の半ばごろまでにはその数字的な資料の算出を終わりまして、その後お話しのように他官庁などとも折衝をいたさなければなりません、そういう折衝をするような基礎的な数字を固めたい、かように考えて努力いたしておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それは私わかるのですけれども、今のようなあなたまかせのことでなくて、これは主管庁が大蔵省でしょう、企画庁がこういったらどうにもならぬということでなくて、私はやはり大蔵省としては、それはあなた方が大臣とどの程度協議しているか知らぬけれども、一つ大蔵省議として、ともかくこういうことでこういうふうにしてこうやりますと大臣がぴしゃっときめて、今度はあなた方が企画庁と話をするのではなくて、大蔵大臣が宮沢企画庁長官と話をして政治的に処理をするということにならぬ限りは、これは、ずるずるとこんなことをやっていると結局いつまでたってもこの問題のケリはつかぬじゃないかという感じがするわけです。  そこで、そういうお話を聞いてわかりましたのは、いろいろ問題があるということ、これはわかります。わかりますけれども、事務当局は事務当局としてのいろいろな処理があるでしょうが、しかし、そういう処理を土台にしながらも、大蔵省としてのめどを一応立てて、大臣とも相談をして、そこで計算の結果が出なくても、まあちょっと概算を置いてみればこれは五円くらいになるだろうとか、十円くらいになるだろうとか、見当がついてくれば、今谷川さんの言ったように平衡処置として処理ができぬことでもないのですから、一つそれについて大蔵省として態度を明らかにしてもらわないと、業界もこれは大へん心配していることなんです、それは私もよくわかるのです。私は両三年来この酒類の自由化の問題の推進をしてきて、いよいよこの最後に一なかなかこれからやらなければならぬと思いますが、一応の第一段階の終わりを告げようかというところなんですよ。それだけに業者の諸君は長年にわたる大蔵行政の温室的保護を受けて、自由競争などしないで、ぬくぬくときておられたために、池田さんじゃないけれども、温室から一ぺんに外へ出されたらかぜ引く、これは池田さんは、われわれの党が政権をとったら一ぺんに国民を温室から外へ出すというけれども、今度は業者にしてみれば、大蔵省が一ぺんにわれわれを温室から外に出してかぜを引かせようとするのじゃないかといって、戦々きょうきょうとしているのだろうと私は思うのですよ。そうすると、やはり時期の問題にしても、いろいろな考え方をある程度すみやかに結論を出す努力をして、不要な混乱を業界に起こすようなことのないようにしなければなりません、業界の皆さんは、私は私であとで意見を述べますが、大蔵省としての見解が明らかになれば、それに沿ってやはりその時点で自分たちの体質を改善し、かぜを引かないように、やっぱり乾布摩擦をしたり、少し栄養もつけたりしてもらわなければならぬと思うわけですよ。だからいつまでたっても、栄養もつけないで、ぬくぬくとしておって、一ぺんに外へ出ろというのじゃいけないのですから、もう大体いつになったら自由化になりますよ。そのやり方はこうですよということが、今の技術的な告示の時期をどうする、こうするの問題の前に、政治的に私は問題があると思うのです、率直にいって。そこで、今技術的な問題については、少し伺ってきたけれども、あいまいもことして、一体これはどっち向いているのだかさっぱりわからぬ、この程度では。それを一つすみやかにはっきりさしてもらいたい。はっきりするためにあなた方が努力をしたら、政治的にはっきりできるような段取りを、はっきりするかしないかはこれは大臣のあれだからわからぬが、段取りをつけようという努力目標はどこら辺に置けますか、次長。

泉美之松国税庁次長

○泉説明員 先ほど堀委員からお話がございまして、基準価格の問題、業者が非常に心配いたしておることを私どももよく承知いたしております。ただいきなり温室から外へ出るというのではございませんで、すでに三十五年の十月に基準販売価格の制度をとりましたときが、従来二十四年間続きましたマル公をやめて、自由価格でいくんだ、しかし一挙に自由価格にいくには混乱が起きると困るから、とりあえず、基準販売価格を設けてその混乱を防ぐんだということで申して参ったわけでございます。従って、基準販売価格がいつまでも続くべきものではないということは業界におきましてもよく知っております。また先日開かれました酒類行政懇談会におきましても、基準販売価格の制度を将来廃止すべきものという原則につきましては、全委員が、業界の委員を含めまして異存のなかったところでございます。ただ時期的にいつはずすかという点に問題があっただけなんでありますが、従って、われわれといたしましては、お話のように業界に対しましてはできるだけ早目にわれわれの態度を明確にし、その指導を誤まりのないようにまた業界の進むべき道を誤まりないようにいたしたいと、せっかく努力いたしたいと思います。ただいろいろ政治的な問題もございますので、われわれといたしましては、できるだけ大臣にお話するのは、大臣も御承知のように最近予算委員会で非常にお忙しゅうございますので、われわれが御説明申し上げる機会がなかなか得られませんので、まあ三月になりましてから御相談申し上げることができればと存じておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 今、泉さんが基準価格になったときに、要するにその次は温室から出すぞという予告をした。私はそれはその通りだと思うし、それでなくても私はここ三年来自由化の問題について触れておるわけですから、早晩そういうことがあるだろうという予期はしておるだろうと思いますが、ただそれが何となく感じておっただけで、実感としてはようやく今度実感が少し出てきたんだろうと思うのです。だからその点については、今三月になったら一つということですから、大臣と話をしたらさっそくにまた委員会でやりますが、ともかくもやはりある程度早くコンクリートにすべきだ、そのことがこの委員会の期間が長くなればなるほど無用な混乱があって、私はまずいと思うのです。だから期間を短縮する方が結果としてはどのようになろうとも私は業界のためにもいいんじゃないか、その方が不要にそういう期間が長い方が混乱はより大きくなるんじゃないか、こんな感じがしますから、その点においては、一つこのことを明らかにしておきたいと思います。  それからこの問題は主税局の問題なのか国税庁の問題なのかよくわかりませんが、実は去年、おととしだったか、ビールびんの問題が論議をされて、一つ自社びんでいこうというような方向がとられて今日に至っておると思うのです。私もその当時はそういう考え方もあるかなと思っていたのですが、最近の情勢を見ると、どうも自社びん制度というのはいろいろと私は問題があると思うのです。第一、今のびんのスタイルというのはキリンビールとアサヒ、サッポロビールとが別個のスタイルになっておる。そこでタカラがたしかキリンと同じびんを使っていると思いますけれども、そういうことになるとキリンが市場で自分のところのシェアが大きいから、あの形のびんをずっと回収して持って帰っちゃうと、おそらくタカラは仕方がないから自社ぴんということになると、あの形のびんの新びんの方を主としてつくらなければならぬということになる結果になるのじゃないかという気もするし、しかしそうやって自社びんにするのが合理化の段階でいいのか、あるいは統一びんにして、びんは一つ、同じびんにすれば、冷何か洗びん費として二円と一円とる問題は雲散霧消して、それは正しくマージンならマージンということになるだろうし、何か性格がはっきりしてくると思う。そこで、これはどうも私も一時はそういう指導の方向もあり得るかと思いましたけれども、その後の経過をずっと見て、もうこの自社びん制度というのは一応——それは朝令暮改といわれるかもしれないけれども、一応思い切ってよくないことはよくないのだからやめちゃって、そのかわり逆に統一ぴんというか、みんなびんは同じびんでやらせる。ただその表示が困るから、水ではげないようなプラスチック・テープかなんかでびんの口なら口のところへ販売するときにぴしゃっと巻いて張って売り出すようにする。そうすれば氷で冷やしておいたってレッテルがはげてどこのビールかわからないということはないのですから、それはこのごろのプラスチックのセロテープを張っておけば水がかかったら簡単にとれるということはなくなりますから、何かそういうふうにして工夫して、自社びん制度というのはもとへ戻した方がいいと思いますが、これは所管は主税局か国税庁かどっちですか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 自社びん制度の問題につきましては、当時自社びん制度に移行することに踏み切ったときにおきましてもいろいろ議論があったことは先生御承知のことと存じまするが、その後ニッポンビールとアサヒビール両社におきまして、この両社は今同じ肩張り型、こういうようなものを使っておるのでございますが、キリン、タカラとは違っております。このニッポンとアサヒ両社はいろいろ話し合いをいたしまして、両社におきまして将来共通びんをつくるという前提のもとに、この両社のびんにつきましては今後ともある程度、ある数量につきましては必ずしも自社びん制度にこだわらないというような方針になって参ったわけでございます。一方、キリン、タカラはなで肩びんでございます。このキリン、タカラ両社におきましても、自社びん制度の建前はとりながら、新びんの補充難という点がございまするので、その点を両社におきまして円滑に処理していこうというような情勢に現在なっております。  そこで統一びんにするという問題でございますが、現在流通しておりますびんは現物で五億本程度あるわけでございますが、これを一挙に統一びんにいたしますると、五億本がむだになるということになります。一方それでは逐次、たとえば新びんの補充率は大体一割程度でございまするが、新びんを補充する場合に統一びんをもって充てるということにいたしますと十年くらいかかります。その間におきましては統一びんに対する競争が激しくなるという事情もあります。また十年間のうちに事態の変化ということも考えられまするし、またそれを早くやるためにはびんの製造をそれだけよけいしなければいけない。そういう面について、それが合理的であるかどうかという問題もございまするので、方向としては、理想的な考え方からすれば今即時に統一びんにして、そして中身とぴんとがはっきり一致するような方向を工夫すればいいようにも考えますが、そういう五億本のびんをいかにして新しい統一びんに移行するかという点についていろいろ問題がございまするので、今後私どもも研究をし、業界の方にも研究をしてもらうということで参りたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大へんな量が流通しておりますから、すぐにはいかないと思いますし、研究はけっこうなんですが、研究の方向というのは統一びんの方向ということですか。方向を立てないで研究さしたってどっちへ行くかわからないですから……。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 自社びん制定に踏み切りましたときにおきましても、いろいろな利害得失があったわけでございますので、さらに今御指摘のような点もございまするし、またニッポンビールとアサヒビールが共用びんをつくるという新しい事態が出て参りましたので、さらにそれを推し進めて統一びんにすることの利害得失、可否を慎重に検討して参りたい。また業界の立場といたしましても、現在のところは自社びん制度の方がいいという一応の結論になっておりますが、それを業界におきましてもどちらがよろしいかもう一ぺん再検討してみたい、こう申しておりますので、将来統一びんにするという前提で技術的にそういう方向に持っていくようにしたらいいかということとあわせて、統一びんにすること自体、五億本のびんをどうするのかということもございますので、根本問題としてもう一ぺん検討いたしまして、合理的な方向を打ち出して参りたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 あと同僚委員の質問もありますから、あとは今後の問題に残りますけれども、一つだけ、今あなた方の意見だけ聞いて私は意見を述べておりませんから、私もちょっと意見を簡単に述べておきたいと思いますけれども、私は今の酒類行政懇談会の答申は原則として非常にけっこうだと思っております。一つあなた方は行政懇談会に集まられた各階層の学識経験者の意見が集約的に出た線に沿って勇気を持って前進をしてもらいたい。  ただここで一言ちょっと伺っておかなければならないのは、自由化を促進するということは消費者大衆の利益を守るためにあるのですけれども、もう一つの側面としては中小企業の中の競争激化によるところの摩擦といいますか、悪い表現で言えば落伍してくる人たちもあると思うのです。だから今度は中小企業対策の面として自由化を一つ進めながら、別途側面からこの問題について対処する考え方がないと、池田さんみたいに、中小企業の一つや二つつぶれてもよいとか、貧乏人は麦を食えというようなことにはわれわれはならないですから、やはり競争は競争としてやってもらっても、あとのそういう中小企業対策としての配慮というものをあなた方はどういう格好で持っておるか、その点をちょっと伺っておきたい。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 この問題は、基準価格を自由価格に移行するという問題とも関連しますが、その以前から、ここ数年来、中小企業対策の問題として私ども研究し、また業界にも強くそういう点を検討させてきたわけでございまして、今後とも一そうそういう方向を推進して参りたいと思います。それは現在におきまして、特に清酒業界におきましては、非常に生産規模の小さい企業が多いわけでございますので、基準価格がなくなった場合に、競争が一そう激しくなり、勢い企業の格差も今より一そう大きく開いてくるということが考えられますので、その点につきましては、どうしても清酒の製造業をやっていけないで、ほかの業に転業することを希望する業者も今後出てくるのではなかろうかと思います。そういう方々に対しては、業界全体としてどうするか、現在におきましては基準指数の売買ということで、基準指数を売りまして、その金で退職手当その他の転業資金をつくり出しておる状況でございますが、その基準指数の売買価格につきまして、こういう基準価格廃止後の自由競争が一そう強くなった場合においては、組合といたしましても、その基準指数の値段についてある程度考えてやることができるかどうか。現在は買いたい人と売手と取引する場合の値段によって行なわれておりますが、それを少し高い基準指数の値段で買い取ってやることができるかどうか、これは法律的の問題もありますので、そういうことを研究して、また大部分の清酒生産者は引き続き生産をして参りたいと希望しておりますので、企業の合同、合併という面を一そう促進し、またそれについて国税庁側におきましても、できるだけ指導を要するものにつきましては、そういう方向で指導して参り、また昨年来、合理化促進の一つといたしまして、共同製造という制度を一そう拡充して参ってきたわけでございますが、共同製造によりましてコストの安い清酒製造業者がコストの高い製造業者にかわりまして酒を製造してやる、そのことも一つの方向であろうと思います。そういう方向で清酒産業全体として合理的な経営ができるように、自由化によってついていけない業者に対しまして、そういう合理化の方向をとりながら製造も続けていけるということができればそれが望ましいわけでございます。そういう方向でやって参りたい、こう思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 時間がありませんから、ここで今の論議は皆さんの一応の考え方を承っておくだけにして、あとは次回に論議をいたしますが、主税局長が見えておりますから、税制調査会で今後間接税の問題を検討する時期がまたくるんじゃないかと思いますが、それは大体タイミングとしてはどういう時期に間接税の検討をやるのか、大体のあらましの今後の税制調査会の審議見通し、それをちょっと伺っておきたいと思います。

村山達雄大蔵事務官(主税局長)

○村山政府委員 御案内のように、三十七年度に間接税一応全部見直しまして、それで去年ほとんど六割以上を間接税の減税に使ったのでございます。そのとき問題として残りましたのは砂糖の問題、それからたばこの問題がございました。ただ、砂糖は甘味資源対策上どうするかという問題、こういった問題が残ったわけであります。従って、全般的に現行制度そのもので個々に見直すという点は比較的少ないのじゃなかろうかと思っております。むしろ租税制度全般をどういうふうに考えるか、現在の所得税なり法人税がかりに重いといたしまして、その場合、もっと新しい間接税体系のようなものを導入しつつ、直接税を減税することがいいのかどうかというような問題からまずスタートするのではないかと予測しておるわけでございますが、そういう点につきましては、おそらくこの四月から本格的に開始されると思いますけれども、その際まっ先に検討を進められるものと思います。ただその問題につきましては、租税の経済成長に及ぼす機能の問題であるとか、あるいは租税の各税目を通じまして転嫁帰着の実態がどういうものであるかとか、価格形成と原価構成要素をなす間接税と言わず直接税と言わず、それらの相互の関係というものはどういうことになるのか、こういう点が十分理論的に分析されませんと、最終的な答えはなかなか出ないんじゃないか、そういう意味で全般的な検討はこの四月からでも開始したいと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 同僚委員の質問がありますから、私は本日はこれまでにして、次回にまたお伺いいたします。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 平岡忠次郎君。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 堀君と政府委員との間のやりとりの途中で入ってきましたので、あるいは重複するところがあるかもしれませんが、それは御寛恕願います。  昭和三十五年の十月、基準販売価格の設定以来二ヵ年四カ月を経過しました。その間経済基盤の大変革が行なわれまして、それにもかかわらず、基準価格の変更が真剣には検討されなかったということ、そこで、去年の減税を起点といたしまして、業界の大部分は大蔵省に対しまして理論的な対決をやるひまもないし、従いまして、直観的に、本能的に、自己防衛上値上げに踏み切ったわけであります。通常なら大蔵省はえらく目くじらを立てるところでありましょうが、大蔵省としても、国税庁といたしましても、冷厳な現実には勝てずに、追っかけ行政指導によるところの値上げを一部業界に認めまして、一時を糊塗してきたわけであります。  そこで、基準価格そのものの性格でありますが、本来これはオーソライズド・プライスであります。しかし今やそうした事態から権威を失墜しておるわけであります。オーソライズド・プライスがその用をなさなくなった、この事態に立ちまして、ようやくみこしを皆さんの方で上げて、方向としては基準価格というものをやめていくのだという議論となったのでしょう。しかし、それだけの議論であるかどうかを一応お伺いしたいと思います。  今申し上げました私の質問では、ちょっと要点がつかみにくいかと思いますが、私自身は、やはり三千億の財政物資のことですから、何らかの基準価格というものはずっと認めていく。ただし、これを固定していますと、全体に自由化の中に固定した基準価格ということになりますと、これは実際の事態に何ら即応し得ないものとなりますので、あるめどをつけまして、物価の上昇とかあるいは下降とかに対してスライドしていくというような基準価格のきめ方を考える、そういう余地もあるのかどうかをお伺いいたします。要するに、廃止するか、基準価格の流動的設定ということで今後処するのかどうか、その点をお伺いします。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 ただいまの問題につきましては、三十五年の十月、基準価格制度に切りかえたときにおきましても相当議論があったところでごいます。酒は確かに相当多額の税金が課されておりますが、物品税等におきましても相当高率の税金を課されているものもございますし、一般論といたしまして、商品の価格というものは需給関係、自然に業者間の競争によって適正な価格がつくられていくということが、製造業者あるいは販売業者の経営を合理化し、その基礎を強固にするという点からいいましても、また消費者の立場からいいましても、望ましいところであろう。従いまして、酒の価格につきましても、将来は自由な建値の取引価格に持っていくべきであるという方針のもとに、経過的に基準価格制度というものがつくられ現在に至っているわけでございますので、当時の議論の結論がその後正しかったかどうかという点について考えてみましても、現在におきましても当時の結論が正しかったというふうに私どもは考えております。従いまして、経過的なものは準備ができ次第できるだけ基準価格をはずしまして自由価格に持っていくべきではないか。  さらにもう一つは、基準価格制度の果たしておる機能という点を考えてみた場合におきまして、たとえば、小売の基準価格についてみますと、基準価格はあくまで基準となるべき価格でございますので、商品の値打によりましては、あるいは需給関係によりましては、その基準価格を中心に、同じたとえば清酒の二級でありましても、高いものもあり、安いものもあっていいわけでございまするが、どうも基準価格というものは、酒の場合には弾力性を失いまして、固定的になる傾向があるのではなかろうか、かりに、今お話しのように、物価の情勢に合わせまして基準価格を改定した場合におきましても、その改定後の基準価格を中心に上下に相当バラエティに富んだ価格によって取引が行なわれるということであればよろしいわけでごいますが、どうも実情は基準価格というのを業者としては目安にして、それに安心感を抱いてあまり競争もしないような傾向にあるというのが実情でごいますので、その後の経過から見ましても、準備ができ次第できるだけ早く自由価格に持っていくことが適当であろう、こういうふうに私どもは考えております。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 ただいまのお答えからは、基準価格を将来残すにしても、やはり経過的なものであるというお答えであると判断いたします。もっと直截にものを言うと、三千億の財政物資であるという観点から大蔵省は関心が深いわけでしょうが、結局酒を飲むやつは飲むのだから税金は必ず入るのだという割り切り方を最終的に見定めるのなら、あとは技術的にそう摩擦を起こさずに逐次自由化の大原則に向かってこれを推進すればよいということになろうと思います。業界の側から言えば相当異論があると思うのです。政府とすれば財政物資、この財源の確保という点では、酒を飲む人種が絶えない限りは大丈夫だという、そういう見定めをしまして行動が起こせるとお思いでしょうけれども、ただし、依然としてやはり三千億の財源としての比重は大きいですから、あなた方の方向は基準価格をはずすのだということをおっしゃっておるけれども、その問にもう一つのクッションの要があるのじゃないですか。たとえば基準販売価格といたしましても、生産者の段階のみの価・格もありますし、それから小売りまでを含めての基準価格もありますが、政府の意図は生産者価格まで全部はずすのですか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 現在基準価格が設定してありますものについて、生産者価格についてもはずすことを適当とするものもございまするし、また現時点におきましては、生産者価格をはずすと酒税保全の面あるいは国民生活に非常に重大な影響を及ぼすというふうな観点からはずさない方がいいと考えられるものもあるわけでございます。この点につきましては、先ほど堀委員の御質問にお答え申し上げたところでございますが、一月二十三日に国税庁におきまして、酒類行政懇談会というようなものを持ちまして、学識経験委員十五名を含めました三十二名の方々の御意見をお伺いしたわけでございまするが、今のような観点からいたしまして、現時点におきまして酒の種類ごとに検討してみますると、たとえば清酒の二級とかビールというものは、生産者価格を残した方がいいのではなかろうかという意見が支配的でざざいまして、その他の、たとえばみりんとか清酒の一級でありますとか、そういうものにつきましては、との際生産者の基準価格を廃止いたしましても酒税保全の面で支障も生じませんし、また消費者に及ぼす影響から考えましても、そう重大なものではない。かえって清酒の一級とかみりんというものの生産者価格をはずすことによって、自由な競争が行なわれて、コストの引き下げについてもいい影響があるのではなかろうか、こういう意見が支配的な意見でございました。こういう意見を私どもは尊重するという方向で物事を考えていかなければいけないと思いますが、一方業界側のいろいろな事情もございますので、そういう点も十分に考え合わせて将来の方向をきめて参りたいと思います。今申しましたように、ものによりましては生産者の基準価格についても今はずした方がいいというふうに考えられるものもあるわけでございます。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 お話の中に、たとえばということで例示されました二級酒、それからビールですか、こうしたものの基準価格はなお長期間残りますか。

谷川宏大蔵事務官(国税庁間税部長)

○谷川説明員 現時点において酒税の保全その他の理由で残すことが適当であると考えられるものにつきましても、将来は、大方針にのっとりまして、これを廃止することが適当であろうという意見が、一月二十三日の懇談会における学識経験委員の大多数の意見でございます。そこで私どもといたしましても、将来相当長期間残すということではなしに、なるべく早く基準価格をなくすというための準備を業界に対して行政指導という形でやっていただく。また私どもといたしましてもそういう方向が正しいと思いますけれども、関係業界の意向もございまするしいろいろ問題がございますので、慎重に検討して参りたいと思っております。

平岡忠次郎日本社会党

○平岡委員 御答弁、非常に慎重とか多少のニュアンスを持っておりましたけれども、きょうは非常に大きな問題が提起されたと思うのです。要するに大原則として断然自由化に踏み切っていく、そういうことに了承いたします。ただこいねがわくは、今まで国家財政に寄与された業界の方々に対しまして、財源としての酒類、自由化しようが、すまいが、その点においては将来ともこれは大丈夫なんだという大蔵省本位だけの考え方ではなしに、業界の立場に立って善処せられますることを特に声を大にして注意を喚起いたしたい、くれぐれも、御善処方をお願いいたします。  以上をもって、質問を終わります。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 次会は明十五日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前三時三十八分散会

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